長崎県議会 > 2005-12-02 >
12月02日-03号

  • "農政ビジョン後期計画"(1/2)
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  1. 長崎県議会 2005-12-02
    12月02日-03号


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    平成17年 11月 定例会平成17年11月定例会                  平成17年12月2日                  議事日程                                   第8日目---------------------------------------  1 開議  2 県政一般に対する質問  3 散会平成17年12月2日(金曜日) 出席議員(47名)       1番   山北正久君       2番   江口 健君       3番   小林駿介君       4番   高見 健君       5番   高比良末男君       6番   渡辺敏勝君       7番   楠 大典君       8番   田中克史君       9番   瀬川光之君      10番   山口壮三君      11番   押渕礼子君      12番   北浦定昭君      13番   中島廣義君           欠番           欠番      16番   中山 功君      17番   織田 長君      18番   吉村庄二君      19番   松尾 等君      20番   萩原康雄君      21番   外間雅広君      22番   溝口芙美雄君      23番   江上 忍君      24番   黒田成彦君      25番   四辻弘雄君      26番   永淵勝幸君      27番   坂本智徳君      28番   青崎 寛君      29番   林田 悧君      30番   吉川 豊君           欠番           欠番      33番   中田晋介君      34番   橋本希俊君      35番   川越孝洋君      36番   森 信也君      37番   前田富雄君      38番   佐藤 了君      39番   浜崎祐一郎君      40番   馬込 彰君      41番   松島世佳君      42番   田中愛国君      43番   西川忠彦君      44番   朝長則男君      45番   三好徳明君      46番   八江利春君      47番   大石 保君      48番   末吉光徳君      49番   松田正民君      50番   宮内雪夫君      51番   末永美喜君--------------------- 説明のため出席した者   知事       金子原二郎君   副知事      田中裕司君   出納長      白浜重晴君   病院事業管理者  矢野右人君   総務部長     高原 剛君   地域振興部長   横田修一郎君   県民生活            村上公幸君   環境部長   福祉保健部長   山崎晋一朗君   商工労働部長   中本豊治君   水産部長     本田直久君   農林部長     中村法道君   土木部長     城下伸生君   政策調整局長   諸谷英敏君   交通局長     安永憲一君   出納局長     田村正弘君   総務部理事    上川秀男君   地域振興部            多門勝良君   理事   土木部理事    松尾弥太郎君   教育委員会            平田徳男君   委員   教育長      立石 暁君   教育次長     廣田 勲君   監査委員     清浦義廣君   監査事務局長   村下 晃君   人事委員会            武藤嘉光君   委員   人事委員会            南里雅彦君   事務局長   公安委員会            川添一巳君   委員   警察本部長    深草雅利君   労働委員会            立花正文君   事務局長   選挙管理委員            廣川 豊君   会委員   選挙管理委員            松尾太一君   会書記長--------------------- 事務局職員出席者   局長       古賀利満君   総務課長     伊藤順一君   議事課長     城田治幸君   政務調査課長   金子知充君   議事課課長補佐  福島範継君   議事課係長    呼子正行君   議事課係長    宮崎貴久君   議事課主査    松岡正晃君---------------------     -午前10時0分 開議- ○議長(末永美喜君) おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、昨日に引き続き、一般質問を行います。 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党、馬込 彰でございます。 通告に従いまして、順次、一般質問をさせていただきます。 1、長崎県の長期戦略について。 我が国経済は、大企業中心に経済が好調で、景気回復が全国各地で見られるようになってきたと報道されていますが、業種、企業規模や地域間の格差はますます広がっています。 長崎県においては、全体的に景気回復は遅く、厳しい環境の中で、活路をみずから見つけた企業とそうでない企業の違いも大きくなっております。 雇用は、前年よりも好調で推移していると報道されていますが、内容は、県内就職がよくなっているのではなく、県外就職の内定が昨年よりよくなっているだけのことであります。 いまだに長崎県内における新規就職率は全国最下位で、ここ数年続いている現象であります。 離島の高校生が県外に出て行くことが当然のようにこれまで思っていましたが、今考えてみると、新卒者の県内雇用に真剣に対応できていなかったことが最も大きな原因ではなかったのかと思うのであります。 大分県や佐賀県の就職内定率を見ると、よく頑張っていることがわかるのであります。 福岡県、佐賀県、大分県に比べると、長崎県の雇用環境の立ち遅れが非常に目立つのであります。 中国に最も近く、アジアの玄関だと言われてきた長崎県がなぜこうなってしまったのか、それは将来を見通す力がなかったことが最も大きな原因ではなかったかと思われます。 長崎港は、我が国の中で最も歴史が長く、開港400年の港は長崎港だけであって、神戸港や横浜港などよりも世界に知られた我が国を代表する国際港であったのです。 この国際港の機能が戦後を境に活かされなかったことが長崎県経済の停滞した最も大きな原因ではないかと思うのであります。 それは国際物流機能のあるコンテナヤードの計画を外し、ばら積み貨物ヤードでいいと結論を出してしまったことが、30年後、40年後の今の長崎県経済を苦しめているのであります。 長崎港湾計画の中において、国際物流機能のあるコンテナヤードの計画が実行されていたなら、今月11日に開通する女神大橋はもっと早く開通していたはずだし、産業用道路も早くから整備され、大型工業団地も早くから開発されていたのではないかと思うのであります。 このようにインフラ整備と経済政策は緊密な関係にあって、縦型組織の中で思うように対応できないことが明らかであります。 しかし、このようなことは全く反省されず、次から次にそれぞれの組織から新しい事業が生み出されてきていたのであります。 先月、知事、議長をはじめ、議会のすべての委員会の正副委員長によって政府施策要望が行われてきているのですが、一つ一つの政策の結果がこのようにして数十年後の長崎県の経済の発展に大きく影響を与えているのであります。 毎年新規事業をつくり、限られた人材・金・情報などを活用しながら新たな事業を企画立案し、あらゆる視点から検討を重ね、予算に反映されているのであります。 毎年行われる事業効果や費用対効果などについて、長崎県の数十年後の長期戦略の視点に立った議論が行われているものと考えているのですが、どのような内容で進められているのか、お尋ねいたします。 2、行政組織の見直しについて。 戦後の右肩上がりのわかりやすい時代から、先の読みにくい、変化の激しい時代へと流れ、財政収支もどうなるのかといった現状が続いています。 これまでの行政は、行政の立場で行政が企画立案した施策を県民に提供するといった形で進められております。 しかし、多様化・高度化した県民ニーズに的確に応えるためには、県民の視点に立った政策立案が求められております。 これまで、さまざまな県民からの要望があっても、法律や制度が立ちふさがって、応えることができないと簡単に説明してきていたことを、これからは法律も制度も変えていくことによって、県民の要望等について応えることのできる行政に変えていかなければならないと思います。 それに市町村合併によって79から23の市と町になって地方分権を進めるための機能が高まり、国の変え方や判断に頼らずに、地方が独自の判断をしていかなければなりません。 県と市・町の役割分担をしっかり確立して、県の果たすべき役割や市・町との協力関係など、具体的に県民に説明しなければならないのであります。 それに年ごとに厳しさを増している財政問題を考えたとき、国からの財政支援も当てにできなくなって、自立できる長崎県を目指す体制を整えなくてはならないのであります。 特に、長崎県に求められる組織は、全国一長い海岸線に離島の多い地理的特徴などから、行政コストも高く、それに県民ニーズが多様で、的確に応えるためにも、部局横断的な考えがより重要視されなければならないのであります。 そのためにも、現在の組織を見直すことによって、長崎県の魅力アップにつながったり、全国の自治体間競争に勝てる長崎県になるのではないかと思うのであります。 戦後60年を一つの区切りとして、2006年は、新しい組織によって長崎元年を迎えるような考えはないものかと思うのでありますが、現状の組織について、どのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 3、農林水産業の振興について。 農林業も水産業も全く同じ問題を抱え、解決できないまま数十年経過してしまっている。高齢化対策や後継者不足に対する指摘は随分前からわかっていたことであります。 しかし、耕作放棄地は年々増加し、今では、耕作放棄率において全国一のありがたくない数字をいただいてしまっている。 一方、水産業にしても、就業者数の減少はとどまることがなく、隻数も法人の数も同じように減少しているのである。 当然、生産高も減少をはじめ、このままでは長崎県の基幹産業とまで言われてきた水産業の未来はどうなってしまうのかと思うのであります。 このような問題は、長崎県だけが抱える問題でないことは十分承知していますが、これまで投資してきているもろもろの事業効果は一体どうなっているのかといった思いがするのであります。 自動車産業と同じように考えるわけにはいかないことはわかっていますが、我が国の輸出が好調になればなるほど、農産物や水産物の輸入が増えてくるのは確実な情勢ではないかと思うのです。 これまでの我が国の貿易交渉の中で、そのような結果を出し続けているのです。 このような我が国の経済構造の中で、我が国の食料生産を担う後継者をつくることは、原油を確保すること以上に重要だと思うのであります。 食料の豊富な南北アメリカ大陸やヨーロッパ、それにオーストラリアなどは、これからも全く心配なく生活できるのですが、中国や韓国などは、我が国と同じように、食料を外国へ依存しなければ生きていけない国になってしまっています。 これまでも貿易交渉においては、いろんな局面が考えられるのでありますが、食料生産については、常に国が責任を持つことが必要だと考えるのでありますが、長崎県における食料生産に対する見解をお聞かせいただきたい。 次に、耕作放棄地についてお尋ねいたしますが、長崎県農林業の抱えている問題がこのような数字になってしまったのかと思っても、全国一の耕作放棄率は、余りにも政策がなさ過ぎたのではと思いたくなってしまいます。 一体、なぜこのような数字になってしまったのか。 農林部の考える原因とその対策についてお聞かせいただきたい。 同じように遊休資産を抱えている水産部についてお尋ねいたしますが、離島において、これまで漁港や港湾整備をしていただき、随分便利になってきております。 ところが、水産業の衰退で漁港背後地が使用されなくなってしまって、遊休資産として島のあちこちに残っているのであります。 このような遊休資産を今後どのようにして生産に結びつけていかれるのか、お尋ねいたします。 4、経済対策について。 九州北部における自動車産業の集積が急ピッチで進み、日本を代表する世界の自動車生産拠点地域に発展しております。 特に、福岡県、大分県においては、生産工場の立地が追い風となって、関連産業の進出が数多く、地元雇用に大きく貢献しているのであります。 自動車関連企業と同じように、電気・電子機器関連企業の進出も多く、中京地区に次ぐ活力ある北部九州が誕生しているのであります。 世界の中でも地域が熱く燃えているのも北部九州であって、その熱風が佐賀県まできているのに、長崎県まで十分に届いていないのであります。 このことは地理的条件で片づけられる問題ではなく、戦略なき戦いに遅れをとった結果ではないかと思うのであります。 先々月、大分県庁に出向き、大分県の経済政策について、担当部長さんをはじめ、担当課長の皆さんに大変お世話になってきました。 その中で、ダイハツや東芝、キャノンといった我が国を代表する企業の経営戦略や対外戦略についていろいろと説明を聞き、それぞれの企業のために県としてどうすべきかといった対応が考えられているのであります。 大分県の対企業戦略がいかに真剣に議論され、実行されているのか、うわさ以上の内容でありました。 説明を聞きながら、自動車産業の広域連携の枠の中に長崎県も入れるような対策ができないものかと思ったのであります。 現在、豊かさをもたらす数少ない産業の代表である自動車産業や電気・電子機器産業の立地がもたらす恩恵を最大限に引き出すための努力をされている大分県の姿には、長崎県にない活力を感じたのであります。 これまで地理的条件がネックになって思うような企業誘致ができないといった説明を聞かされていたのですが、問題や課題克服に対する意欲が余り感じられない。 雇用率の高い自治体ほど、既存産業間の連携を密にすることによって新しい産業創出に対する取り組みが活発であり、各世代における失業問題などにおいても活発な対策が行われており、長崎県においては、それ以上の実行力ある行動部隊が全国に向かって活発な活動展開をしなければならないと思うのであります。 これまでトヨタ本社などをはじめ、自動車産業の各メーカーにどの程度長崎県のPRに行かれてきたのか、いろんな企業の経営戦略に長崎県としてお手伝いできることは何もなかったのかと思うのですが、これまでの誘致活動の方向性及び内容についてお尋ねいたします。 産学連携についてお尋ねいたしますが、これからの我が国の産業振興にベンチャー企業の果たす役割は非常に高いものがあり、国をはじめ、長崎県としても、ベンチャー企業育成を進めることは当然であります。 大学においても倒産時代が目の前に迫っており、新たな対策が求められており、これまでの大学のあり方に対して強い危機感を持っているのも事実であります。 そのためには、常に改善意欲を持ち、経営努力も強力に進めていかなくてはなりません。 本県においても、大学発ベンチャーに代表されるような新産業創出に取り組まれており、資金的支援を行っているのであります。 当然、公的資金投入であり、資金の目的や経済的波及効果などについても精査されるべき内容であります。 これまで支援を行ってきたベンチャー企業の現状と今後の見通しについてお尋ねいたします。 次に、産業基盤の整備についてでありますが、産業活動を支える交通網の整備や物流機能を強化するための港湾計画など、産業振興に大きく影響が出てくるのであります。 このような産業基盤形成については、20年、30年後の長崎県経済に大きく影響を与え、現役世代より、これからの世代の人たちの産業振興に大きく効果を発揮するのであります。 そのためには、国内外の産業動向にも細心の注意を払い、ハード整備には特に巨額の資金を要することから、長崎県の未来に大きな影響を与えるのであります。 東北においては、自動車関連産業を核とした産業基盤整備を複数の県が連携して取り組むことなどが行われており、九州北部の産業基盤整備においても考えるべき点ではないかと思うのであります。 これから取り組まれようとしている長崎県における産業基盤の計画と見込まれる経済効果についてお尋ねいたします。 5、情報化の現状について。 各家庭にパソコンが普及をはじめて、たかだか10年前後しか経過していないのに、既に普及率は60%を超え、普及の勢いは衰えを見せていません。 携帯電話やモバイルの普及とあわせると、ほとんどの皆さんが情報通信の恩恵に浴しているのであります。 しかし、全国津々浦々までパソコンも携帯も利用できるようになって、大変すばらしいのですが、情報通信基盤の整備には都市部と離島や山間僻地との間の格差が大きくなっているのであります。 確かに情報通信基盤整備は民間主体で行うべきだとは思うのですが、民間においては、どうしても需要ベースで進めるため、人口の少ない地域は整備が遅れるのであります。 都市部における整備状況を見ると、行政がかかわる必要があるのかといった感じでありますが、これからの情報通信基盤を活用したネット社会については、皆様ご存じのとおりであります。 県内どこに行っても同じような基盤整備ができていれば、産業振興にも大きく貢献できることは説明するまでもなく、教育や医療現場などにおけるネットワークによる効果は非常に高いものがあります。 ますます充実するネット社会は、物流をはじめ、さまざまな分野に大きな変化をもたらしているのであります。 このようなネット社会における効果を最大限にするためにも、離島や山間僻地において、行政が積極的に情報通信基盤整備にかかわるべきではないかと思うのですが、当局のご見解をお聞かせいただきたいのであります。 次に、行政における情報化の現状についてお尋ねいたしますが、10年前と変わらず資料の配付が多く、一向に変化が見えてこないのであります。 各課の資料棚を見ると、なぜデジタル化にしないのかといつも思うのですが、世の中、デジタルデータの活用が増加している中、県庁もその対応をすべきだと思うのであります。 私は、県庁内がデジタル化できれば、データバンクや職員によるアイデアバンクなど、活気みなぎる職員が多く育っていくのではと思うのであります。 県民との交流ももっと活発になっていくものと思いますが、県庁内のデジタル化について、率直な考えを聞かせていただきたいのであります。 6、統計資料の活用について。 「長崎県勢要覧」を県民生活環境部統計課において各課に配布されているそうでありますが、本当にすばらしい資料を作成されていると思っております。 それ以外に、それぞれの担当部局において入手されている国や民間の資料などをあわせると、膨大で、かつ精度の高い資料が県庁内には多いのであります。 いろんな事業を企画立案されるときから、このような資料が大変参考になっているのではと思うのです。 どのような形で膨大な資料が活かされているのか、各部各課によって随分違うのかとも思うのですが、どのように活かされてきているのか、2点についてお尋ねいたします。 長崎県は、九州を代表する人口流出県でありますが、県内に働く場所がないことが最も大きな原因であります。 それは県内就職率を見ると、全国で最も悪い数字が数年続いていることからもよく理解できるのであります。 これは商工労働部の問題だけでなく、産業基盤整備にかかわった担当部局や他の部局も同じでありますが、このような数字に対して、組織横断的な対策会議などがあって、既に問題解決が早い段階で図られていなければならなかったのであります。 人口流出の数字は毎年出ているのであって、そのための対策として、これまでどのようなことが議論され、事業計画として実行されてきているのか、またその結果、どのような効果が見られているのか、あわせてお尋ねいたします。 もう1点お尋ねいたしますが、長崎県民の貯蓄額は全国でも低い方に属しているのに、消費額は多いのであります。 当然収支が合わなくなる家庭も多く、サラ金のお世話になる人が多いのであります。 その結果が、破産宣告する人の数が多く、全国1けた台の数字が続いているのも長崎県の特徴であります。 長崎市内のサラ金の看板が多いことも、観光資源なのかもしれませんが、余りほめられたことではありません。 県民所得の全国の番付をどのように見ているのか、これまでの対策とその効果についてお尋ねいたします。 7、教育問題について。 義務教育の国庫負担の取り扱いがどうなるのか、関心を持って文部科学省の対応を見ていたのですが、先月29日、政府・与党は、国と地方の議論を受け、義務教育費国庫負担金の取り扱いについて、国の負担割合を現在の2分の1から3分の1に減らす方針を出され、これによって、これからの地方の教育がどのような変化をしていくのか、長崎県教委の特徴ある教育内容が示されるのか、県民の関心が高くなった今回の税源移譲の内容ではなかったかと思うのであります。 ただ、思うことは、一般財源化されることが長崎県にとって本当に喜ぶべきことなのかと思うのですが、財政力のない長崎県においては、人件費の比重が重くなって、義務教育に支障が出るのではないのかと不安になるのであります。 子どもの数は毎年減少しているのに、教職員の人件費は毎年増加しており、長崎県のような離島や過疎地域を多く抱えるところは、ますます厳しくなっていくことが考えられるのであります。 現在公表されている全国の教職員の人件費について、毎年数千億円の増加が予定されており、一般企業のような団塊世代の大量退職は行われず、団塊世代の子どもたちが入学されたころから教職員の大量採用がはじまったのが大きな原因であります。 長崎県内においては、教員採用の倍率は高く、全国同じ傾向だと考えていましたが、大都市部においては教職員の採用倍率は低下傾向にあり、教員不足がやがてやってくるのではないのかと言われております。 このように教員の置かれている環境が将来の教育環境に与える影響が大きく、今後の財政運営にも大きな影響を与えるのであります。 長崎県内においては、どのような教員の年齢構成になっているのか、退職の最もピークになる時期はいつなのか、考えられる問題として、どのようなことが想定されるのか、お尋ねいたします。 次に、教員の資質向上についてお尋ねしますが、子どもを持つ親は、子どもと一緒に小学校の入学式で門をくぐるとき、子どもがいい先生に出会えたらいいのになと思う親は多いと思います。 教師に対する期待は、親にとっては本当に大きく、離島や僻地においては、子どもの担任の先生だけにすべての信頼を寄せるのであります。このことが教師の姿の原点ではないのかと思うのです。 指導される先生の教えは子どもの将来に大きく影響を与えることを考えるとき、教師の指導力が学校そのものを支えていると言えるのではないかと思います。 最近よく教師の不祥事が報道されていますが、報道されない部分に大事なところが隠れてしまっているのではないのかと思うのです。 教育庁義務教育課のホームページの中の「情報のひろば」といった場所に教員の資質向上に対することが書かれています。内容は全国平均の内容でありますが、長崎県も同じように問題を抱えているのであります。 世の中、競争競争で追いまくられ、教育指導の研鑽も落ち着いてできない教師もいるのではと思うのですが、これからの教師の職場環境を含め、教師の資質向上に対する取り組みについて、お尋ねいたします。 以上、本壇からの質問を終わります。(拍手) ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕馬込議員のご質問にお答えいたします。 長崎県の長期戦略についてのお尋ねでございますが、議員ご指摘のとおり、近年の我が国を取り巻く社会経済情勢の変化は、大変激しく、先行きが不透明な時代になっております。 特に、国の構造改革の動向などに大きく影響を受ける地方自治体にありましては、議員お尋ねのような数十年後の情勢を読みながら、政策運営を行っていくのは非常に難しいことでありますが、今後、ますます厳しくなる国、地方の財政状況を見通し、全国に先駆けて市町村合併に取り組むなど、新しい時代に対応できる長崎県づくりに、私なりに努力をしてきたつもりであります。 先般、策定いたしました、「ながさき夢・元気づくりプラン」に関しまして申し上げれば、その作成過程においては、大学の教授、企業経営者などの有識者の方々や市町村長をはじめ、県内各団体を代表される方々から、本県を取り巻く社会経済情勢の変化、今後、県として重点的に取り組んでいくべき政策について、幅広いご意見をいただきました。 その上で、県議会での審議など、十分な議論を重ねて議決していただいたものであり、私としても、ある程度先の時代潮流も見越しながら、本県の中期的なビジョンをお示しできたものと考えております。 さらに、今後一層の激化が予想される地域間競争の時代にありましては、一つの県だけではなく、九州が一体となった広域的な戦略の視点も重要になるものと考えております。 これまで、国への要望が活動の中心であった九州地方知事会におきましても、最近は「九州はひとつ」の理念のもと、各県知事が長期的視野に立った共通の課題を持ち寄り、政策協議を行う場に変わってきております。 道州制を実現するためのステップとなる政策連合にも積極的に取り組んでおりまして、既に観光などの分野では、九州一体で広域的に観光客誘致などに取り組む、「九州観光推進機構」も立ち上げるなど、具体的な成果も出てきており、私としてもこうした流れを大事にしながら、広域連携による政策を戦略性を持って実施し、長崎県の発展に活かしてまいる所存であります。 議員からも具体的な政策提案をいただければ、積極的に検討してまいりたいと存じますので、今後とも、ご指導、ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。(発言する者あり) 行政組織の見直しについてのお尋ねでございますが、私は、これまでも多様化する県民ニーズに的確に対応するためには、より横断的な施策の展開が必要との観点から、政策調整局の設置をはじめ、物産流通振興部門の一元化などに取り組んできました。 また、民間的発想や手法も取り入れ、企業誘致活動や観光振興施策の推進については、従来の組織や仕組みを見直し、産業振興財団や観光連盟に県職員を派遣し、民間との強い連携のもと取り組んでおります。 さらに、全国に先駆けまして、市町村合併を推進する専任組織を設置するなど、時代の変化にいち早く対応した組織体制づくりに積極的に取り組んできたところであります。 一方、国が進める三位一体改革により、県財政も厳しさを増す中、市町村合併をはじめとする地方分権の進展に伴い、地域間競争が激しい時代となっていることは、議員ご指摘のとおりであります。 こうした中、さきに策定した「ながさき夢・元気づくりプラン」に掲げた重点施策を積極かつ効率的に展開しながら、県民の皆さんが将来に向けて夢を持てる元気な長崎県づくりを実現するためには、施策の方向性に的確に対応し、それぞれの責任と権限が明確な組織体制へと、さらに見直しを行うことが必要不可欠であると考えております。 そのため、県全体としてどのような組織体制が適当であるのかについては、今後、県議会のご意見もお伺いしながら、検討してまいりたいと思います。 農林水産業の振興についてのお尋ねでございます。 農林水産業は、国民の命を支える食料の確保という極めて大切な役割を担っており、第1次産業の振興は、県政の重要な課題の一つとなっております。 今日の農林水産業は、貿易自由化に向けた国際交流の中で、農産物の輸入は拡大の一途をたどり、農水産物の価格は長期にわたって低迷を続け、後継者の育成も困難な状況に直面しております。 食料自給率も、いまだ上昇の気配は見えず、さらには、原油価格の高騰も重なるなど、農林水産業の活力の低下が懸念されているところであります。 このため、県においては、今議会に提案しております「農政ビジョン後期計画」や、「水産業振興基本計画の後期5か年計画」において、具体的な数値目標を掲げながら、積極的に担い手の確保・育成対策や生産振興対策に取り組むこととしております。 また、農林水産物のブランド化による流通対策や収益性向上対策を講じ、将来にわたりまして、持続可能な農林水産業の実現を目指すこととしております。 しかしながら、農林水産業の厳しい経営環境を改善するためには、県の取り組みだけでは対応に限界があります。食料産業である農林水産業が、安定して生産を継続できる環境を整えることは国の責務でもあり、積極的に推進すべき課題であると考えております。 このようなことから、食料生産にかかる施策につきましては、今後とも、国の着実な対応を求めるとともに、県といたしましても、農林水産業を魅力ある産業として自立させ、活力ある農山漁村を構築するため、全力を傾注してまいりたいと思います。 次に、企業誘致の活動についてのお尋ねでございます。 北部九州では、自動車関連企業やIT関連企業の立地が活発化しております。 この要因を分析してみますと、まず核となるような大規模な工場立地については、バブル期までにほぼ完了しており、最近は投下資本の早期回収のため、既存工場に近接した地域に立地し、早期に工場を操業しようとする傾向が目立っております。 議員ご指摘の大分県につきましては、九州内の自動車メーカーの海上輸送による部品調達の玄関口にあるという地理的な優位性が大きな要素となっております。 さらに、キャノン、東芝の誘致については、大分県ゆかりの人脈の存在も大きかったと聞いております。 このような状況を踏まえまして、私もトヨタ自動車の張副会長や、本県とゆかりのある内山田副社長などの経営トップに直接お会いして、本県への進出をお願いしておりますが、成果が目に見えるまでには至っておりません。 これは、例えば、トヨタ自動車の場合は、1次協力企業に対して、九州工場から1時間圏内に立地を要請してきたことから、輸送コストの安い自動車計器類のメーカーを除き、ほぼ立地が完了している状況であります。 しかし、2次、3次協力企業につきましては、九州での仕事量が増大するとの判断から、九州立地を検討する企業も出てきておりますが、北部九州では、労働力需給が逼迫しており、本県といたしましては、質の高い豊かな労働力をアピールして、愛知・東海地区を中心に、自動車メーカーの部品協力会や金属加工プレス工業会の会員企業等へ、集中的な誘致活動を行っております。こうした活動の結果、数社が長崎も視野に入れた九州展開を検討している状況でもございます。 一方、本県の中にも、自動車関連事業を手がける企業も生まれてきておりまして、誘致企業の事業展開を支える地場企業群を育成する取り組みも重要であると考えております。 今後は、この点も踏まえて、さらに強力に企業誘致を推進してまいりたいと思います。 次に、これまで支援を行ってきたベンチャー企業の現状と今後の見通しについてのお尋ねでございます。 県では、企業に対する支援として、大学発ベンチャー創出事業を実施しておりますが、この3年間の採択状況は、1億円枠が4件、1,000万円枠が8件となっております。 採択企業については、四半期ごとに財務及び事業状況の報告を求め、経営内容の把握に努めるとともに、県産業振興財団に配置した専門的能力を持った創業支援マネージャーによる、きめ細かな経営指導を行っているところであります。 各採択企業の経営状況を見ますと、まず1億円枠では、平成15年度採択の「テスト・リサーチ・ラボラトリーズ」につきましては、半導体検査装置の開発に成功し、平成18年3月期には4億円の売上を目標とし、現在、大村市に建設中の工場が完成した後、生産体制の整う平成20年には16億円の売り上げを見込んでおります。 また、平成16年度採択の「バイオラボ」は、新薬開発研究の受託事業を立ち上げまして、平成18年9月期には3億円の売り上げを目標とし、中国と長崎の研究所が本格稼働する平成20年には10億円の売り上げを見込んでおります。 また、いずれの事業も、県の支援資金の倍以上の資金をベンチャーキャピタル等から調達しております。 平成17年度は、母子間コミュニケーション支援システムの開発・販売及び発光ダイオード等による無農薬農産物栽培システムの開発・販売を行う事業の2件を採択しており、大手企業との提携等、事業開始に向けた準備が現在進められております。 次に、1,000万円の採択企業では、平成15年度採択の「フェノタイプアナライジング」は、新薬開発に際し必要となるマウスの行動を自動的に記憶し、分析する装置を開発し、900万円の売り上げを達成しております。 その他の会社についても、徐々に販売実績が出てきており、ベンチャーキャピタルの投資も進みつつあります。 県としても、ベンチャー企業の支援は、新しい産業を創出する重要な施策と考えており、今後とも、人的・資金的支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 人口減少対策並びに県民所得向上対策の内容とその効果についてのお尋ねでありますが、議員ご指摘のように、人口の減少は、地域活力を低下させる要因となる大変深刻な問題であり、このため、産業基盤の強化や交流人口の拡大による就業機会の創出が極めて重要な課題であると考えております。 県民所得についても、私はかねて、何とかこれを引き上げたいと腐心しているところでありますが、本県の産業構造は、製造業の割合が全国に比べまして極めて低く、また造船をはじめとした大型機械など特定の業種に偏っていることなどから、長い間苦戦が続いてまいりました。 このため、産業振興対策として、これまで企業誘致や地場企業の支援、ベンチャー企業の育成等による第2次産業の強化に積極的に最近取り組んできたほか、産学官連携による科学技術の振興、県産品のブランド化などの産業の高度化、高付加価値化を進めてまいりました。 また、農林水産業につきましても、生産性や収益性の向上に結びつく取り組みについては、予算を増額して対応してまいりました。 こうした取り組みによりまして、例えば、工場立地動向といたしまして、統計によると、平成17年上期における工場立地の前年同期比増加数は全国2位であり、またコールセンター等の誘致が実現したことで、企業誘致による雇用者数が平成12年以降、3,087名となるなど、地理的ハンディを抱えながらも、一定の成果が出てきております。 農業関係では、販売農家数が全国34位、耕地面積が全国32位と、生産条件は低位にありながら、農業産出額は、平成16年には22位に上昇し、しかも、対前年産出額は、全国、九州が減少する中で、本県では増加いたしております。 また、水産業では、全体として低迷が続く中で、平成15年、16年に2期連続漁業生産量が増加しております。 さらに、交流人口の拡大策として、平成13年には県観光連盟の職員を大幅に増員し、誘致体制を強化するとともに、21世紀まちづくり補助金による地域の魅力づくりや、美術館、博物館の整備をはじめ、本県の歴史、文化を活かせる交流拠点づくりなどに全力を傾けて努力してまいりました。 観光客数については、全般的に厳しい数値が続いておりますが、そうした中、本県の平成16年における外国人宿泊客数が5年前に比較しまして、45%増加の25万人に達するなど、各県が観光客誘致で苦戦する中にあって、善戦していることを示すデータもあるわけでございます。 こうした中、先般、「平成18年度重点施策推進プログラム案」をお示ししたところでありますが、企業誘致やベンチャー企業育成を進めるための産業振興策や農林水産業の担い手対策を強化するとともに、団塊世代の大量退職を見越したUIターンの促進策に新たに取り組むことなどを考えており、これらによりまして、若者の県外流出防止や定住人口の増加に結びつく就業機会の拡大、ひいては県民の所得向上を図ってまいりたいと思います。 本県経済は、構造的な問題を抱えていることから、短期間で成果を上げるということは困難でありますが、今後とも、粘り強く取り組みを進め、市町村とも十分連携を取りながら、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○議長(末永美喜君) 農林部長。 ◎農林部長(中村法道君) 耕作放棄の原因と対策についてのお尋ねでございますが、耕作放棄の主な原因は、傾斜地や離島など、条件不利地域において、農家の減少や高齢化の進行が重なったことによるものと考えております。 特に、本県では、傾斜地を活用したみかん園が造成され、地域農業を支えてまいりましたが、昭和50年代以降の生産過剰に伴う廃園が耕作放棄の大きな要因となっております。 しかしながら、本県農業は、施設園芸や畜産など、多様な農業の展開によりまして、農業産出額では全国22位の地位を占めているところでございます。 今後、このような施策をさらに続けてまいりますとともに、耕作放棄地の利活用に向けた実態把握や地権者への指導、中山間地域等直接支払制度の活用によります農地の保全に加えまして、集落営農や放牧の推進、里山への転換などを進め、耕作放棄地の防止と解消に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 遊休化している漁港用地を、今後、どのように漁業生産に結びつけていくのかとのお尋ねでございます。 漁港用地は、本来、漁港としての機能を確保する上において必要な施設を配置することを目的に整備されたものであり、その整備の目的から用途及び利用者に制約がございます。 しかし、漁港用地の中には、漁業情勢等の変化により、当初予定していた利用が見込めなくなった用地もございます。 県では、漁業情勢の変化に応じた弾力的な利用を図るため、随時、漁業者等との検討会を通じ、地元の意向を伺いながら、漁港施設用地等利用計画の見直しを行っております。 これまで実施した検討会におきましては、近年の陸上養殖技術の進展等を背景に、漁港用地の同施設への活用の要望が各地で出されたことから、県単独事業で造成した用地につきましては、漁業者グループでも陸上養殖施設の整備ができるよう、利用者の対象範囲を拡大したところです。 県としては、今後とも、陸上養殖等への活用を含め、漁港用地の一層の利用促進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 土木部長。 ◎土木部長(城下伸生君) 経済対策で産業基盤の計画と見込まれる経済効果についてのお尋ねですが、近年の企業立地の状況は、単体の企業が点在するのではなく、関連企業が集積・連携して、一体的に価値の高い生産の場を形成していることから、広域の高速交通ネットワークの整備が非常に重要であると考えております。 このため、道路整備につきましては、福岡など、九州の主要都市と結ぶ九州横断自動車道や西九州自動車道の整備を進めてまいりました。 今後とも、西九州自動車道の整備促進を国へ強く働きかけてまいります。 また、高速道路と一体となってネットワークを形成する島原道路、西彼杵道路、長崎南環状線等の整備も進めてまいります。 港湾整備につきましては、船舶の大型化、高速化、貨物フェリー化等に対応した整備を行ってまいりました。 また、臨海部の工業団地造成により、最近ではLNG基地の立地などを見ております。 今後とも、物流機能の強化を図るため、長崎港のコンテナ埠頭の拡張整備や離島の貨物フェリーに対応する整備を進めてまいります。また長崎港など、観光船埠頭の整備促進も図ってまいります。 それらの経済効果としては、工事の直接波及効果が約1.6倍、また時間短縮、輸送コスト縮減等の費用対効果は大きいもので5倍程度であります。 そのほか、企業立地や雇用の増加及び観光の活性化も見込まれるところでございます。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 総務部長。 ◎総務部長(高原剛君) 情報化の現状についてご答弁申し上げます。 まず、離島等において、行政が積極的に情報通信基盤整備にかかわるべきではないかとのお尋ねですが、条件不利地域への対策として、現在、対馬市や五島市などでケーブルテレビ網を広域的に整備するなどの取り組みが進められているところであり、一部市町においては、電話局単位で地域のブロードバンド需要を集め、民間サービスの提供が開始されるなど、官民連携による格差是正が図られております。 県としては、このような市町の積極的な取り組みに対しては、民間通信事業者と協議を行い、国の助成制度の活用を支援してきたところであります。 今後とも、最新の情報通信技術の動向や需要の推移に十分注意を払いながら、市町と連携して情報通信基盤の整備に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県庁内のデジタル化についてのお尋ねですが、これまで各種統計資料、条例・規則等の例規、県議会議事録等については、検索可能なデータベースを構築するとともに、電子決裁システムを導入し、行政資料の電子化を図っておりますが、今年度は地理情報システムを公開し、住宅地図を含めた詳細な地図情報をデータベース化して供用を図りました。 さらに、スキャナー機能を持つコピー機も全庁的に導入したところであり、各種資料をデジタル化し、電子決裁システムの対象を拡大することで行政資料のデータベース化を加速化してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 教員の年齢構成についてのお尋ねでございますが、県立学校は、比較的均等な構成になっておりますけれども、小・中学校につきましては、40歳前後の年齢層が非常に多くなっております。 このため、平成30年度から10年程度は、大量の定年退職者が見込まれ、最大時の平成36年度に、全体で約550人程度になるものと予想しておりまして、将来的には非常に多額の退職金が必要になる時期がくるものと考えております。 当面する問題についてのお尋ねでございましたけれども、退職者が少ないことに加えまして、少子化による学級数の減少もあり、教員の採用数が少ない状況が続くものというふうに考えております。 それから、教師の資質向上についての取り組みについてのお尋ねでございました。教育の成否を握るかぎは、制度や教育内容もさることながら、やはり一人ひとりの教師の力であることは、まさにご指摘のとおりでございます。 教師の資質向上のためには、本人のたゆまぬ自己研鑽が不可欠であることは申すまでもございませんけれども、学校現場が教師を育てていく力を持つことが重要であると考えております。 ○議長(末永美喜君) 時間です。 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) 教育長、まだ答弁が残っていますか。(発言する者あり)じゃ、お願いいたします。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 校長のリーダーシップを発揮して、学校内の指導力を強めていくことが重要だというふうに考えております。 本県では、これまで初任者研修、あるいは10年経験者の研修など、ライフステージに応じた研修とあわせて、企業等での社会体験研修などを取り入れて、多様で効率的な研修推進を図ってまいりました。 今後は、こうした採用後の研修にとどまらず、大学との連携、協力をさらに推進することによりまして、養成の段階にも踏み込んで、一層の教員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 馬込議員-40番。
    ◆40番(馬込彰君) それでは、再質問させていただきます。 「重点施策推進プログラム」は「ながさき夢・元気づくりプラン」実現のため、10項目にわたっていろいろと書かれておりますけれども、来年度の概算要求を見ても、中身については組織横断的に対応しなければならない部分が多いように私は考えているんです。現状の組織で最大の効果を上げるという点については、今の組織は若干硬直化しているんではないかと思うんでありますけれども、この重点施策プログラムの最大効果を上げるために、組織についての見直し、そういうことについては、今後検討していこうということでありますけれども、来年の話でございますので、そこら辺について、知事のご見解をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) この重点施策プログラムだけじゃなくて、最近、県の行政というのも随分変わってまいりました。 特に、企業誘致、また物産振興、そういった部署というのは、本当に民間的な感覚というか、従来の行政の感覚では到底対応できないような、そういった状況にもあるし、また一つは、3年に1回人が替わっておっては、これもなかなか難しい。したがって、私も8年間、最初の4年間は正直言っていろいろなことで大変だったけれども、あとの4年間、ずっと事業を見ておりまして、やっぱり時代に合ったものをスピーディにこれからやっていくためには、県庁の組織も思い切って時代に合った組織に変えていかなきゃいかぬという考え方を持っておりますので、実は今、これは内部だけの話ですが、副知事を中心として、各部長の意見を、自分が今までやってきた経験から言って、今の行政の組織でいいのか、それぞれ長年経験した方々でございますから、そういった方々のご意見も聞きながら、十分今検討させていただいております。 そして、ある一定の方向というよりも、まだ今のところは意見を聞く程度でございますが、そういう中でいろいろな形が整ってまいりましたら、これは議会の皆さん方も、絶えず組織のあり方については、今まで委員会等についても、また本会議でもいろいろな議論があっておりましたから、やっぱり議員の皆様方の意識というのもいろいろあり、ご意見もあると思いますから、ここも十分踏まえた上で、時代に合った組織、しかも、その組織が本当に機能するようなものに、そして責任体制が明確にできるようなもの、そういったものをできるだけ早い時期にやっていきたいというふうに思っております。 ○議長(末永美喜君) 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) 責任の明確化は、まさに私もそうだと思うんですけれども、この概算要求の中身を見ていて、ここまでは担当課がどこだというのはそうだと思うんですけれども、私は、長崎県の経済力が戦後、なぜ他県に追い越されていったのか、よその県もそうなんでしょうけれども。私は、こういういろいろな事業ごとに、担当課の責任者をはっきりさせるべきではないかと思うのであります。だれがこれを責任を持ってやるか、当然、それは上司が最終的な責任を負わなければならないのは当然でありますけれども、責任者を明確にする。そのことによって職員の能力を引き出していくというようなことは考えられないものかどうか。常日ごろ、私はそんなことを考えているんですけれども、知事、どんなものでしょうか。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) さっき責任の明確化と言ったのは、そこなんですよね。やっぱりそれぞれ仕事を責任を持ってやっていただいていますので、その方に責任を持っていただくためには、短い期間でもなかなか難しいところもあると。だから、やっぱりそういった時代に合った、そういう組織づくりにしていかなきゃいかぬということなんですよ。 ○議長(末永美喜君) 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) 話は若干それますけれども、1889年ですか、佐世保に海軍鎮守府が置かれて、それから約5年後、日清戦争がはじまったわけです。日清戦争は1894年ですか。その時に、佐世保に連合艦隊が集結して、そして戦争に行ったわけですけれども、この時の判断、負けたらどうしていたんだろうかと、こう思うんです。この時の歴史が日本を大きく変えていっているわけです。そして、出島以来、そういう佐世保の置かれている鎮守府の問題、歴史の表に常に出てきている。日本の歴史に常に長崎県はかかわっていっている。また、かかわってきたわけです。 活字の長崎新聞が創刊されたのも、日本で最初、また活字を使ったメディアの企業も長崎から発信されている。そういうことを考えた時に、もっと長崎県の底力というものはあるんじゃないかというふうに、常々私は考えているわけなんです。 グラバーが長崎に残した財産というものはすごいと思うんです。そして、長崎県が確実に水産県として発展する礎をつくってくれたのもグラバーの息子である倉場富三郎さんがヨーロッパからトロール船を購入したのがきっかけで、水産県長崎が確立されていったのであります。 こういうことを考えた時に、長崎県が今、北部九州で、福岡県、大分県の後を走っていますけれども、本来、長崎県はそういう気風があった県ではないかと思うんです。どこにも増してそういう気風があった。 そして、戦後、1945年8月、戦争が終わった10日後に、倉場富三郎さんはお亡くなりになられていますけれども、それからいろんな活動があまり見受けられていない。 それと、今、新幹線でいろいろと問題を抱えていますけれども、長崎が明治元年から10年ぐらいまで、いろんな勢いでがんがん伸びて、その後、また経済が停滞していっている。その時に、長崎商工会が中心になって、鉄道を博多から引こうじゃないかということで、20年後に博多から長崎までの鉄道が完成している。それから、また長崎県ががんがん、がんがん伸びていっている。貧乏なのはどこも同じだとしても、経済発展の原動力が常に長崎はあった。 最近、そういうのが、どうも県庁の皆さんの士気も低下しているんじゃないかと思うんですけれども、そういう本県の持っている歴史、そして、先月オープンされた長崎歴史文化博物館には、そういうものの流れを延々と、我々にわかるように展示されている。 戦後60年を区切りとした場合に、来年から新たな長崎県の経済戦略、そういうものがはじまってしかるべきではないかと思うんですけれども、そういう長期戦略に立った考えというものはないんでしょうか。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) お言葉を返すようですけれども、(笑声)気風はどうでしょうかね。たまたま、長崎県の場合は、まず平戸に交易の港をつくって、結果的には徳川幕府が長崎でやりなさいと言って、一つの漁村が。長崎はいろんな発展をもたらしてきたわけなんですよね。 それから、要するに、徳川幕府時代は、長崎が一つの港でしたから、逆に全国からそういった多くの人たちが集まってきて活気ある街になってきて、どっちかというと、そういう人たちが中心としていろいろな商売も営んできたというのが長崎なんですよね。 そして、明治10年に完全に日本が開国してしまって、いろんな外国の施設関係含めて全部横浜に、東京に行ってしまった。それからは、長崎というのはこういった形になりましたから、やっぱりそういう状況の変化というのが一つの大きな原因ですよ。 というのは、マカオもご存じのとおり、長崎との貿易があっている時は、ポルトガルとの中継点として非常に栄えた。ところが、長崎にポルトガル船が入らなくなった途端にマカオはだめになってしまったと。最終的には、ああいうふうな一つの新しいカジノというのを目指してきた。だから、やっぱりその時その時の歴史の流れによって、そういった地域が栄える時もあれば、なかなか難しい時もあると思っております。 私は、いろいろと県の方で仕掛けをやります。ITでも、普通だったら民間がITというのはリードしていって、行政はそれに引っ張られていくと。長崎県は、私が知事になった時は、随分ITは遅れていると随分議員からも指摘されました。しかし、今、正直言って、長崎県のITというのは全国でも非常に注目されているというのは、やっぱりそれだけ優秀な人が来て、一生懸命県の職員が頑張ってやっていただいたと。本来ならば、民間もそれについてこなければいけないんだけれども、ようやく最近、長崎の地場の民間がついてこれるようになったと、対応に。だから、正直、これは民間の方々がどうこうということじゃなくして、ベースになる地場企業というのが非常に弱いんじゃないですか。 それともう一つは、長崎で新しい企業が出てきても、どうしてもやっぱり福岡に移転をしてしまうと。長崎で、例えば、今上場しているところといったら、「ほっかほっか亭」があったり、それから「有明食品」があったり、またあそこの「リンガーハット」があったけれど、みんな福岡に行ってしまいましたね。一つ「ジャパネットたかた」さんだけが残っていただいているので、我々は高田さんにぜひ行かないでくれと言って一生懸命お願いして、土地も提供しましょうと言っており、努力は一生懸命しているんですよ。(発言する者あり)いろいろそれは言いませんけれども、問題は、やっぱり我々も一生懸命いろいろなことをやりながら引っ張って行こうとするけれども、行政に対する依存度が非常に高い。(発言する者あり)これはもう本当に私はやってみてね。だから、私は最近、この3~4年言っているのは、「農業でも漁業でも、それから民間でも、自分がまず半分はリスクを負うという意気込みがないと金は出しませんよ」というのを、至るところで言わせていただいております。(発言する者あり)そこをやっぱり議員も理解していただかなきゃ。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) そこら辺は、私も十分理解しておりますので、そこら辺でも今の時期が分岐点だと思うんです、行政におんぶに抱っこじゃなくて。 ところで、教育長、国庫負担の問題が一応方向性が出た。その中で、子ども一人に対する教員の人件費というのは非常に高くなった。これは過疎地を抱えているほど人件費が高くなっていくんだけれども、今後、財政が逼迫してくる、交付税も非常に厳しくなってきた場合に、全体に占める人件費の割合というのは非常に大きくなった。じゃ、過疎地とか、離島をいっぱい抱えている、そして小規模校をいっぱい抱えている本県にとっては、そういう僻地で生活する人たちの子どもの教育に、将来、弊害が出てくるんじゃないかというふうな不安を私は持っているんですけれども、そこら辺の財政の見通しについてはどういうふうに考えておられますか。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 一昨日、三位一体改革の考え方が整理がつきまして、義務教育費国庫負担制度については制度の根幹を堅持すると、ただし、補助率、負担率が2分の1から3分の1に引き下げられるという結果になりました。このことは、義務教育についての国の責任を明確にしたという意味で、大変よかったのではないかというふうに考えております。 本県は、義務教育、小学校600校ございますけれども、そのうちの200校が離島、僻地の小規模校でございます。こういった学校で、これまで曲がりなりにも教育の水準・機会均等が確保されてきたのは、この義務教育費国庫負担金制度があったからというふうに思っております。 そういう意味で、今後とも負担率は下がりましたけれども、その制度の根幹が残されていったということは、大変ありがたいというふうに思っておりますし、その中で、離島、僻地に対する影響がないように、これまで以上に離島、僻地の学校について、努力をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(末永美喜君) これより、関連質問に入ります。 浜崎議員-39番。     〔関連質問〕 ◆39番(浜崎祐一郎君) ただいまの馬込議員の教育問題についての教育長答弁ですが、馬込議員の質問は、要するに負担率が下がりますよね、そうした場合に、財政的にどうなっていくかという質問だったと思うんだけれども、それがちょっとなかったような気がするので、財政的にどうやっていくかということについて、もう少し答弁いただきたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) つい先日の中央教育審議会の答申等を見ますと、今後、教員の人事権、あるいは義務教育についての権限というのが、市町村レベルに移譲される可能性がございます。そうなってきますと、市町村の財政というものが、今後の義務教育に非常に重大な影響を及ぼしてくるというふうに考えております。そういう意味で、義務教育費国庫負担制度がしっかりと堅持され、その中で市町村の財政が確立されていくと、確保されていくということが非常に重要ではないかというふうに思っております。 ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) 財政問題で、それは市町村にシフトしていくのかもしれません。だけど、じゃ、県が全くそれに、それは市町村がどうにかする話だから、県は関係ないですよという話じゃないと思うんですよ。今言われている問題というのは、確保されているのはいいと思うんだけれども、比率は下がってくるわけだから、下がってきた分をちゃんと国が本当に市町村に対して形を変えてしっかり面倒見ていくのかというのもはっきりしていないわけですよね。もし、そうならなかった場合にですよ、県としては、何かの支援をしていかなきゃいけないんじゃないか。そういう考えがあるのかどうかですよ。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 今回の国庫負担が2分の1から3分の1に落ちたということで、その減った分は、じゃ、何で補てんされるかということが問題になるわけでございますが、差し当たって交付税という制度がそこで機能してくるわけでございますが、その交付税そのものの削減もいろいろ論議をされておりますので、単に税源移譲ということだけでは、本県のような税源基盤を持たない、あるいは市町村も税が非常に弱いというところでは、大変困難な状況がくる可能性があるということを見越しておく必要があるだろうというふうに考えております。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) 横でそれを聞いていると言っていますが、私もそう思っているので、ぜひそこら辺が一番大きな重要な問題になってくると思うんですよ。その件は、私たちが言うのは釈迦に説法なのかもしれませんけれども、そこが一番大事な問題ですので、県は、市町村に移っていくので、自分たちは全く関係ないよという顔をせずに、重要視していただいて、そういう流れを把握しながら、財政基盤の弱い市町村ばかりでありますので、県の方でも一生懸命支援策を考えていただきたいということを申し述べて関連質問を終わります。 ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 改革21・民主党の渡辺敏勝でございます。 質問項目に従いまして、端的に順次質問をいたしますので、知事並びに関係理事者の簡潔、明瞭な答弁を求めます。 1、長崎港常盤・出島地区について。 (1) 交流拠点用地の今後のあり方について。 今年の4月に、長崎県美術館が水辺の森公園横に開館し、運河と港を活かした美術館として、県外はもとより、県民の皆さんに大いに利用され、にぎわいを見せております。 長崎県美術館オープンの時、美術館の屋上から眺めた展望はすばらしく、異国情緒豊かな東山手、南山手から女神大橋、稲佐山と、この360度の展望は、今まで長崎になかったもので、いい美術館ができたと大いに感激したものであります。 しかし、現在は、長崎県美術館の隣に民間保険会社の本社ができて、東山手の景観が展望できなくなりました。そして、この保険会社の海側にある交流拠点用地、つまり、現在の長崎県美術館の臨時駐車場に国の独立行政法人中小企業基盤整備機構の「大学連携型起業家育成施設」の誘致に向けて、長崎大学、県立長崎シーボルト大学、長崎総合科学大学の3大学から、3階建ての施設をつくりたいとの陳情が9月定例会に出されました。 総務委員会では、神の島工業団地などになぜできないのか、なぜ、この場所なのかと大いに論議を交わしました。 私は、水辺の森公園と長崎県美術館からの今の景観を大切にし、大浦海岸通りから港が見える環境を維持するために、高さ制限のある1.2ヘクタールの交流拠点用地は、イベント用の広場とし、残りの0.8ヘクタールは、水辺の森公園と長崎県美術館用の駐車場として位置づけをして、この平地を残すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 (2) 独立行政法人中小企業基盤整備機構の設置について。 9月定例会に出された陳情に対して、その後、県としてどのような対応をしてきたのか、お尋ねをいたします。 2、交番、駐在所の統廃合について。 (1) 住民の安全安心対策。 県民の治安と安全を確保するために、明治以来、それぞれの地域で大きな役割を果たしてきた交番、駐在所の統廃合が、来年4月から278カ所を201カ所に、77カ所減らすことを県警から示され、今年の7月ごろから各地で統廃合の方針・説明を展開しておりますけれども、統廃合の対象となっている地元自治会の皆さんは、交番や駐在所が地域からなくなるのに非常に不安を持っています。それだけ、交番や駐在所が地元にあるだけで犯罪の抑止力を持っていることを皆さんが感じているからだと思います。 私は、安全で、安心して暮らせる社会を構築してきた交番、駐在所を、今回4分の1以上廃止することで本当に大丈夫なのかと思っております。 本来なら、交番、駐在所はそのままにして、警察官や警察官OBを増員して空き交番をなくすことが大事だと思います。 今回、県警は、行政システム改革大綱の一環として、交番、駐在所の再編整備を打ち出していますが、住民の安全・安心対策として見た場合、地域の安全拠点をなくすことで住民の安全は大丈夫なのか、その根拠について県警の見解を求めます。 3、中期財政見直し計画後の見直しについて。 (1) 基金の取り崩しと県庁舎建設基金。 平成16年に公表した中期財政見通しでは、財政再建団体に陥る危機的な状況だったものが、昨年12月に取りまとめた収支改善対策の取り組みによって、当面の5年間は回避できる見込みになりました。しかしながら、財政調整の3つの基金の残高は、559億円が年々減少し、最終の平成22年度では41億円に減るとともに、国の三位一体改革の地方への影響がどう展開されるかによっては、予断を許さない状況に変わりはありません。 今後は、収支改善の着実な実行と新たな行政改革大綱に沿って一層の行政コスト縮減に努め、5年後の収入、支出のプライマリーバランスが取れていれば心配はないのですけれども、中期財政見通しの平成22年度でも357億円の収入不足の赤字が見込まれております。 そこでお尋ねしますが、平成23年以降の財政の収支と財政調整の3基金の残額がなくなっている状況で、道州制の導入も視野に入れて、県庁舎の建設基金の取り崩しも含めた検討に入るべきと思いますが、知事の見解を求めます。 4、生活排水対策について。 (1) 諫早湾、大村湾、有明海の生活排水処理。 長崎県の生活排水については、公共下水道、農業・漁業集落排水事業、合併浄化槽によって処理されており、普及が進んでいるところは河川がきれいになり、環境浄化に大いに役立っております。 長崎県は、諫早湾、大村湾、有明海など閉鎖性水域の海域がありますが、この閉鎖性水域での生活排水処理は、環境改善のためにも非常に大切だと思います。 そこで、具体的にお尋ねしますが、潮受堤防内の諫早湾、大村湾、有明海に面する生活排水処理の整備状況と今後の方針について見解を求めます。 (2) 合併処理浄化槽の推進。 合併処理浄化槽は、公共下水道、集落排水事業地域以外が対象となっておりますが、処理区域の周辺部や住宅が散在している地域では、浄化槽の整備が効率的であります。水質保全対策上、特に、閉鎖性水域の地域での環境浄化に向けて、できるだけ個人負担を少なくしてでも合併処理浄化槽の普及を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。 5、道路行政について。 (1) 女神大橋開通後の国道交通対策(福田バイパス等)。 長崎港を結ぶ女神大橋は、いよいよ12月11日に供用開始されますが、開通後の国道交通対策について見解を求めます。 まず、国道202号につながる大浜交差点から福田方面への交通量が増えると思いますが、地元からも要望が出されている福田バイパスについて、今後の計画をお尋ねします。 また、女神からコンテナヤードの柳埠頭~毛井首を結ぶ湾岸道路の建設計画はどうなっているのか、お尋ねいたします。 福田バイパス、湾岸道路、どちらも当面無理な場合は、歩行者の安全確保の面からも、202号の福田方面の歩道と499号線の小ヶ倉方面の歩道整備を急ぐべきと思いますが、県の見解を求めます。 6、長崎炭鉱技術研修センターについて。 戦後の長崎県の基幹産業の一翼を担ってきた池島炭鉱は、平成13年11月に閉山し、その跡地にこれまでの炭鉱技術を継承し、海外炭の輸入確保に資するため、「炭鉱技術移転5カ年計画」が平成14年度から実施されております。これまでにインドネシア、ベトナムから研修生を年間80名受け入れ、現在、池島炭鉱離職者111名がこの事業に従事しておりますけれども、この5カ年計画が、当初の予定どおり平成18年度で終わることになれば、従業員の雇用と池島住民の生活に大きな影響を与えることになります。 最盛時7,000人の住人が、閉山後の現在、460人となっている池島の灯を守るため、平成19年度以降も事業を継続させねばならないと思いますが、県として国に対しどのような要請をしてきたのか、これまでの状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。 以上で、本壇からの質問を終わり、あとは自席から再質問させていただきます。 ありがとうございました。(拍手・発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕渡辺議員のご質問にお答えいたします。 建設基金の取り崩しの問題についてのお尋ねでございますが、去る9月に公表した中期財政見通しにおきましては、今年度から取り組んでいる収支改善対策によりまして、この5年間に財源調整のための基金が底をつくといった状況は回避できる見込みとなりました。 しかしながら、この対策にもかかわらず、毎年の収支不足は拡大していく傾向にあり、基金残高も年々減少する見込みであるなど、依然として厳しい財政状況にあることは議員ご指摘のとおりであります。 こうした状況を踏まえて、今後、健全な財政運営としていくために、税源涵養に向けた経済の活性化につながる施策を思い切って展開するとともに、従来の行政改革の取り組みに加えまして、新たな行政改革に積極的に取り組み、歳出のさらなる削減と資金収支の確保を図ってまいりたいと思います。 県庁舎建設整備資金につきましては、県庁舎建設にかかる建設財源を確保するとともに、建設時に集中する多額の財政負担を軽減し、安定した財政運営を図る目的から、条例により設置し、積み立てを行っております。 新県庁舎建設については、「県庁舎建設懇談会」並びに県議会の「県庁舎建設特別委員会」のご意見を受けまして、建設場所を魚市跡地に決定し、県庁舎用地等の整備のため、公有水面の埋め立て免許を申請しておりますので、現時点では、県庁舎建設整備基金の取り崩しは考えておりませんが、基金を取り崩すということであれば、改めて議会において、ご議論をいただくことになろうかと思います。 次に、女神大橋開通後の道路の整備についてのお尋ねでございますが、女神大橋完成後の交通量を把握するため、平成15年度に交通量調査を実施し、解析を行っております。 国道202号福田地区の交通量は、1日当たり約2,000台の増加が予想されます。 県の道路整備においては、厳しい財政状況の中で、効率的に重点化を図り、女神大橋の早期完成を目指して努力してまいりました。 今後は、交通量の状況を見ながら、現道拡幅、あるいはバイパスの建設について、長崎市との協議を行ってまいりたいと考えております。 また、小ヶ倉地域の臨港道路については、長崎県南部の物流拠点である小ヶ倉柳埠頭と女神大橋を連絡し、発生するコンテナ等の港湾貨物を効率よく各地域へ輸送するために計画しているものであります。 今後の小ヶ倉柳埠頭の整備状況や発生交通量の動向を十分に見極めながら、計画の進め方について検討していきたいと思います。 国道202号と国道499号の安全対策についてのお尋ねでありますが、歩道設置などの交通安全対策事業につきましては、交通量や歩行者数、また、小学校などの教育施設や病院などの公共施設を考慮し、地元と協議しながら地権者の協力を得られたところから整備しております。 ご指摘の国道202号の福田地区につきましては、女神大橋の開通に向けた現道対策として、地元と協議し、平成8年度よりバス停や部分的な歩道整備を行っております。 国道499号小ヶ倉地区におきましては、歩道が狭いことは認識しておりますので、今後、検討したいと思います。 次に、池島における「炭鉱技術移転5カ年計画」の平成19年度以降の事業継続に対するこれまでの状況、今後の取り組みについてのお尋ねでありますが、議員ご指摘のとおり、平成14年度から長崎市池島と釧路市で実施されている国の「炭鉱技術移転5カ年計画」は、平成18年度で、その期限を迎えます。 この事業については、この9月、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」が中間評価を行い、池島など国内の研修は、研修員の海外派遣方式に比較いたしまして、コストが割高という面はあるものの、安定的な海外炭の確保に果たす役割については高く評価するとされております。 これを受けまして、国は、この11月、石炭確保について検討する「石炭安定供給施策研究会」を発足させまして、この中で同事業を平成19年度以降どうするかについても検討すると伺っております。 同事業の継続は、雇用と池島地区の振興にとって重要な課題であり、既に昨年より政府施策要望や産炭地地域6団体からの要望をはじめといたしまして、機会あるごとに国に対して、その継続を要望したところであります。 今後とも、県議会のご協力もいただきながら、地元と一体となって、さらに強力に取り組んでまいりたいと存じます。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。 ○議長(末永美喜君) 政策調整局長。 ◎政策調整局長(諸谷英敏君) 常盤・出島地区の交流拠点用地の今後のあり方についてお尋ねでございます。 長崎港の常盤・出島地区交流拠点用地につきましては、平成16年1月に「活用ガイドライン」を策定しておりますので、県としては、このガイドラインに沿いまして、良好な景観形成に配慮しつつ活用を図ることとしております。 現在、その一部を臨時駐車場として使用しております0.8ヘクタールの区画につきましては、長崎県美術館や水辺の森公園の利用者の駐車需要にも応えるため、引き続き暫定的な駐車場として活用していきたいというように考えております。 南側の1.2ヘクタールにつきましては、にぎわい創出や経済活性化に寄与する活用を図っていきたいということで考えておりますが、施設立地に際しましては、景観に配慮いたしまして、その位置や形態を調整してまいります。 広場として残せというご意見でございますが、交流拠点用地が港湾特別会計で造成した用地でございまして、特別会計から県以外への団体、企業への売却、もしくは県の一般会計へ売却することを前提にした用地でございまして、ガイドラインに沿ったすぐれた計画がありましたら活用を図るというのが基本だというように考えております。 なお、具体的な活用につきましては、県議会のご意見を伺いながら検討してまいります。 次に、独立行政法人中小企業基盤整備機構の施設の設置に関しまして、前回の9月定例会での総務委員会後どういう対応をしたのかというお尋ねでございます。 9月定例会での総務委員会の議論を踏まえまして、長崎大学、長崎総合科学大学、県立長崎シーボルト大学の関係者にお集まりいただきまして、総務委員会での論議を私どもの方で詳しくご説明した上で、神の島工業団地ではどうか、ご意向を確認いたしました。 3大学側のご意向でございますが、まず一つが、入居するベンチャー企業が3大学との密接な連携を図る上では距離が遠すぎる。それから2つ目に、周辺にベンチャー企業への支援機関が整備されていない。それから3つ目に、独立行政法人中小企業基盤整備機構の採択基準である「大学敷地内、または近接地」という要件に該当しなくなるおそれがある。以上の3点のことから、引き続き、ぜひ交流拠点用地への立地を要望していきたいとのご意見でございました。 なお、今回の用地選定の経過を少し触れさせていただきますと、3大学におかれましては、大学周辺の土地や長崎市内の複数の候補地を時間をかけて広く検討をされたわけでございますが、一致できる場所をなかなか見出せなかった中で、この交流拠点用地ならば関係3大学が連携して、「現代の出島」を目指し、活動できる場所であるということで、はじめて意見の一致を見て、県や長崎市、そして国への要望が可能となった次第でございます。 この「大学連携型起業家育成施設」につきましては、全国各地域から要望が相次ぎ、競争が激しい中で、来年度の補助金枠が削減される可能性もある、そういった中で、知事をはじめ、長崎市、関係3大学の学長が一丸となって独立行政法人中小企業基盤整備機構や経済産業省に一生懸命要望いたしました。その結果、予算枠との関係は何とか希望が持てる見込みとなってまいりました。 また、独立行政法人中小企業基盤整備機構による現地の事前調査でも一応の了承を得ております。 なお、独立行政法人中小企業基盤整備機構に対しましては、この場所は、市民の関心も高く、建物のデザインなど景観面での配慮が必要であり、あらかじめ「アーバンデザイン専門家会議」の意見を聞くシステムにつきましてもご説明をいたしまして、ご理解をいただいているところでございます。 県といたしましては、せっかくつかんだチャンスでございますので、何としても実現をしたいということで考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 警察本部長。 ◎警察本部長(深草雅利君) 交番、駐在所を統合した後の住民の安全確保は大丈夫か、どのように確保していくのかとのお尋ねでございますが、県下の刑法犯認知件数は、10年前と比較しますと、約1.4倍に増加し、犯罪の形態も24時間化、広域化、スピード化、凶悪化する一方、刑法犯の検挙率は70%台であったものが、40%台まで低下するなど、治安の悪化が懸念されているところであります。 そこで、今回、時代の変化に的確に対応し、県下の良好な治安を回復することを目的として、警察署の統合、警察署の管轄区域の見直し、交番、駐在所の統合等を行い、同時に警察署パトカー勤務員の増員、現場で事件指揮に当たる地域警察総括係長の増員、約100名、14台体制の自動車警ら隊の新設や交通機動隊への3交代制勤務の導入によるパトロール活動の増強などを実施し、現場執行力や夜間体制の強化を図り、24時間警戒態勢による迅速、広範な機動力を大幅に向上させ、治安の維持、向上に資することとしております。 また、統合後は、自動車警ら隊と警察署パトカー、交番等との有機的連携をさらに強化して、より効率的なパトロール活動を推進するとともに、地域の特性に応じた巡回連絡、高齢者宅の訪問、防犯ボランティア団体への支援、女性、子どもを対象とした防犯指導の実施、新たな犯罪防止のための情報の提供等、関係機関や家庭及び地域社会と連携するなどして、各種犯罪の未然防止対策と迅速な検挙対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(村上公幸君) 諫早湾、大村湾、有明海の生活排水処理の現状についてのお尋ねでございますが、閉鎖性水域は、汚濁に弱い特性を有していることから、県といたしましては、各水域について、それぞれ行動計画等を策定いたしまして、重点的に汚濁負荷削減対策を推進しているところでございます。 各水域の平成16年度の生活排水処理率は、県全体の67.1%に比べまして、大村湾流域が81.5%、諫早湾干拓調整池流域が61.8%、有明海流域が44.7%となっております。 次に、有明海の生活排水対策にかかる県の取り組みについてでございますが、有明海流域につきましては、平成15年3月に、「有明海・八代海再生特別措置法」に基づきまして策定をいたしました県計画に沿って、下水道をはじめとした生活排水処理施設の整備が図られております。 さらに今後は、地域住民の理解と協力が必要であることから、有明海流域を「水質汚濁防止法」に基づく生活排水対策重点地域に指定し、関係市町と連携して、地域住民への啓発を行いながら生活排水対策の推進に努めてまいります。 それから、浄化槽普及にかかる個人負担の軽減についてのお尋ねでございますが、個人が設置し、維持管理を行う個人設置型浄化槽は、設置費の6割が個人負担になっております。 一方、市町村設置型は、個人負担が設置費の1割と大幅に軽減される上、市町村が設置者となることから計画的な整備が可能で、適正な維持管理も確保される利点があります。 このため、県では、本年度より大村湾や諫早湾干拓調整池などの閉鎖性水域や汚水処理率が低い離島地域の市町村において、生活排水対策がさらに推進できるよう、国の財政支援に加え、県単独の助成制度を創設し、市町村設置型の一層の普及・促進を図っているところでございます。 今後とも、個人負担の軽減と計画的かつ効率的な生活排水対策を図ることができる市町村設置型の浄化槽の整備を推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 今ご答弁いただきまして、まず1点目の常盤・出島地区の関係から再質問させていただきたいというふうに思います。 長崎新聞の「水や空」にも載っていたんですが、「アーバン・ルネッサンス計画」というのが、約20年前にこの名前が出てきまして、この長崎の2割の海面を失う埋立地に、「鶴の港が危ない」と危機意識を持つ市民も多かった。ところが、当初は、芸術劇場とか、豪華ホテルを誘致することになっておったけれども、代わって現れたのが、この長崎県美術館で、運河の走る広大な公園と、しゃれた長崎県美術館の登場に、市民は「やっと水辺が身近になった」と喜んだと。しかし、埋め立てのツケは回ってくる。造成費用の捻出と雇用確保のためとはいえ、姿を現した業務ビルは、巨大なびょうぶとなって港への視線を遮断する。「目標を達成した」として消えるアーバン計画だが、市民の検証も必要だと。鉄川工務店の「港の修景」というのにもやっぱり似たような、要するに、今までの目隠し倉庫がやっと取れて、あの大浦海岸通りから港が見えて非常に展望がいい。そして大浦海岸通りは、東山手、南山手の異国情緒を醸し出す地域が港からも見えるようになりまして、非常によかったなと実際私は思っておりました。 しかし、この「水や空」に載っているように、政策調整局長は、ガイドラインをつくりましたね、そのもとになった県民意識調査というものがあると思うんですよ。ガイドラインをつくるに当たって、2市11町の県民の皆さんにアンケート調査をされました。その中で、この具体的施設については何が一番いいでしょうかということで一番多かったのは、イベントやスポーツに使える多目的広場(憩いの広場を含む)、これが一番多くて80%なんですよ。2番目に多いのは文化ホールで64%、それだけやはり長崎県民の皆さんは、あの広大な広場というのは、今まで長崎になかった景観を維持するためにも、80%の人がここをイベント広場として残して、そして、広場を使ったハーレーダビッドソン祭りみたいな、ああいった全国規模のイベントを開催して、あそこを活用してほしいというのが、県民の率直な意向ではなかったのかと私は思います。 これをもとにガイドラインをつくりましたね。この時も、やはり3つの大きな方針があるんですけれども、今、政策調整局長は、あの高さ制限のあるこの場所も含めまして、今までガイドラインに沿って該当するようなことがあれば、景観を考慮しながら施設立地を進めたいと。これは、ここを売却して収入を得ようとする県の当初の施設ですね。もちろん当初はホテルとイベント、コンベンションホールみたいなものをつくってそこを使おうということ、それはわかります。それが頓挫した。 これを、例えば、今度は民間の別の企業がここにきたいと言った時に、「いや、ガイドラインに沿っていればいいんですよ」ということになったら、これはまた「水や空」にあるように、あの空間というのは、もう長崎県が一般会計で買い戻して、県民のための広場として、そして全国規模のものを呼べるイベント広場としてきちっと位置づけをしてもらいたいと思うんですよ。そのためにも今の臨時駐車場も長崎県美術館の駐車場として位置づけをしていただきたい。今の長崎県美術館の駐車場は、横断歩道を渡った税関の裏の出島ワーフの突き当たりの角の出島駐車場なんですよね。県民の皆さんは、あそこの横断歩道を渡らないと長崎県美術館に来れない。今の長崎県美術館は、歩道を歩くことによって、そのまま入れるようになっていますので、「アーバン・ルネッサンス会議」ももう終わったということが新聞に載っておったようですので、この辺の残った交流拠点用地というのは、きちっともう長崎県として残す方針を確定してはどうかと思うんですが、その辺について見解があれば答弁を求めたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 私も気持ちは一緒ですよ。(笑声)だって、私は熱を入れてあそこをつくったんだから。悪いけれども、あの水辺の森公園をつくる時には、相当陣頭指揮を取ってやりましたよ。そのかわり水辺の森公園をつくる時に、お互いの仕分けというのをしたんですよ、すみ分けを。どういうふうにしたかというと、あの水辺の森公園でいろいろなイベントをやっていくということでイベント広場を設けました。 そして、こちら側は県の特別会計でやっておりますから、どうしてもやっぱりこれは売却せざるを得ないと、県の財政状況から、いずれは売却せざるを得ない。しかし、売却する場合は、必ず県民にとってプラスになるような売却の仕方をしなきゃいかぬと。それは前提の中で我々はそういった計画を立てていったんですよ。いろいろ議会でも異論があった。美術館をあそこにつくるにも、美術館は海のそばはどうだろうかという意見もあったんですよ。いろいろな過程ででき上がった結果、ああいう広場ができ上がった。そうすると残せ。それは我々も残したい。その気持ちはよくわかる。しかし、一方で活用しなきゃならないというような県の立場もある、状況的に。じゃ一般会計でと、そんな簡単におっしゃっていいんですか。(笑声・発言する者あり)だって県の財政状況は非常に厳しい中で、例えばそういう形にすることがいいかどうかということについては、私でも一般会計で残して本当はしたいという気持ちを持っているんですよ、(発言する者あり)それはもう人一倍持っているんですから、逆に言うと。いい景観だと思っているんですから。 ただ、今回の施設については、なかなか難しかったんですよ。正直言って予算はもう決まっておったんですよ。長崎大学等3大学が、はじめて一緒になって、「そういう施設をつくって、平成の出島にしたい。新しい研究者をどんどん招いて、そこを一つの発祥の場にしたい」と彼らが言ってきたから、私は、「じゃ、ほかの土地で」と言ったけれども、「一生懸命ほかを探して、結果的にはここしかない」と言うから、「いや、ここはもう長崎市がすぐクレームをつけるから、長崎市の了解をとっていらっしゃい」と言ったんです。長崎市も「一緒にやりたい」と言ったから、それじゃ、そういう条件がそろったという前提で私は東京に行って、もうほとんど予算はなかったんですよ。それを県選出の国会議員の皆さん方にもお願いして、そしてここに、県はもうこれだけのいい場所を提供しながらやると説得して、最終的にはそういう方向づけになった。それなのに今は「だめだ」と言われたら、(笑声)それじゃ私は県知事として話をして、それは企業誘致でも一緒なんですよ。微妙な問題が出てきますよ、全部が全部オープンにできませんよ。どうしてもこの土地をほしいと、どこかで決断をしなきゃいけない。そういう決断をする時に、すべて県民に諮って、市民に諮っていたら何にもできませんよ。そこで知事として、また行政の皆さん方もすべて、じゃ、これがどう県民にプラスになり、マイナスになるかということを考えながらみんなやっていますよ。だれだって残したいですよ。みんなそう思っていますよ、正直言って。(発言する者あり)そこをよく考えて、我々が何にもやっていないわけじゃないんですから。それは新聞で書くのは幾らでも書けますよ。(笑声・発言する者あり)だって責任がないんだから。(発言する者あり)書くのは幾らでもできますよ、行政の責任がないんだから。我々は雇用拡大につなげたい、新しい産業を興したい、朝から随分言われているじゃないですか。いろいろ努力をして、そして計算しながら、ここの水辺の森公園にはちゃんとしたイベント広場がある。ハーレーダビッドソンもこの前やりました。私はよく知っている。あれを街の真ん中でやるのは全国どこもないそうです。あのお金は全部会社が出しているんですよ。水辺の森公園で十分やれるじゃないですか。だから、そういう仕分けをしてつくったわけなんだから。 「長崎市に図書館をつくらぬか」と言ったら、「要らぬ」と言ったでしょうが。だから、いろいろとそういったことで、実は県もあそこの土地を早く処分するかどうするかという検討をしている中で、いろいろ内々に募集してみたんですよ。みんなきましたよ、いろいろ。何が一番かと言ったら、やっぱり総合開発ですよ、マンションから、ショッピングから。だったらすぐ売れるんですよ。それは高層建築で地域と競合するからと、そんなのは頭からはねつけている。いろいろ苦労しながらやっているんですから、ぜひそこはご理解していただかないと、それじゃ我々はどういう考え方でやっていくのかということですよ。(発言する者あり)それはわかるんです。私も気持ちはわかる。私も渡辺議員と同じ気持ち。(発言する者あり・笑声) ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 知事の努力はよくわかりました。(笑声・発言する者あり)ただ、県議の皆さんもそう思っていると思うんですけれども、神の島工業団地は埋め立てて、あれだけ何十年もほうりっ放し。私が今大事にしたいのは、あの景観なんですよ。 そうしたら、一つは、私も一般会計でどうかと言ったんですけれど、向こうの土地を塩漬けしているのなら、こっちもそのままにして、景観を維持してもらいたいと率直に私は思います。 ただ、今回のこの3大学の方が、本来ならば大学の用地で、独立行政法人中小企業基盤整備機構の大学連携型起業家育成施設は、大学の敷地内に設ける、水族館の跡地が長崎総合科学大学の中にあると私は思うんですよね。そこも聞きました、総務委員会で。そうしたら、その3大学の意見がまとまらなかったと。で、あそこにきたと。 あそこの長崎県美術館からグラバー園に行く何百メートルかの景観は、観光客の皆さん、例えばグラバー園から長崎県美術館に来る人もあの距離だったら歩いてくると私は思うんですよね。そして、あの水辺の森公園から長崎県美術館の横を通ってグラバー園に行く、あるいはグラバー園からおりてきて孔子廟の方からこっちに歩いてくる。そうした時に、あそこに何でまた3階建ての建物をつくるのか。これが私たちは非常に不思議なんです。 一番最初、このAIGグループができる時に、あの向きで大浦海岸通りの同じ方向につくることになりました。「何でこっちに向けたのか」と、私は「海岸通りから海が見えるように横向きでできないのか」と言いました。そうすると、県は、「長崎県美術館からの景観が損なわれるからこうしました」と言ったんです。伊東館長もこの間、県議会が研修に行った時に、「このすばらしい長崎県美術館ができました。しかし、市民の皆さん、県民の皆さんに一番人気があるのは何か。屋上からの展望だ」と言ったんですよ。それだけ長崎県美術館というのは屋上の展望を大事にする。(発言する者あり)そうしたら、臨時駐車場のところに3階建ての建物ができることによって、屋上からの景観が損なわれますよ。 ここで、知事、今の駐車場に位置づけております出島ワーフの突き当たりの左側、税関の裏に県営出島駐車場というのがありますね。ここは今、県の駐車場と位置づけしているんですけれども、この敷地の半分以下でも、今提案されている「現代の出島」の3大学の施設は可能なんですよ、敷地面積から言ったら。3,000平米あるあの駐車場の中に1,200平米あればいいわけですから、半分以下で済むわけですよ。そうするとインキュベーションの施設もすぐ隣にありますし、出島の位置ということも考えられる。この出島の今の駐車場の利用率を調べてみました。すると、この利用率が水辺の森公園の駐車場の半分以下なんですよ。そうなりますと、ぜひここの場所で何とか、私は今の臨時駐車場の埋立地よりも、この税関の裏の今の長崎県美術館の駐車場の跡に誘致をさせて、向こうの臨時駐車場は正式な長崎県美術館の駐車場として位置づけると、こういうことで3大学に、あるいは中央の方に働きかけていただきたいと思います。今までの知事の努力はわかります。同じ気持ちですけれども、(発言する者あり)この辺は知事の方に働きかけてみてもらいたいという気持ちがいっぱいですが、どうですか。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 東京で話をするというのは大変でね、単に何にもしないでそういうものができてきているんじゃないんですよ。決まったものをひっくり返すというのは、それは大変な。そうすると、すべてそういったことで否定されたら、私はもう何にもできなくなってくるじゃないですか。 それで、もう一つは、神の島は努力していますよ。今の時点じゃ正直言って売れませんよ、いろいろやっているけれど。あの神の島をつくる時、何だったですか。私なんかは神の島につくると言って、あの計画は、最初は戸町の造船所はみんなあそこに移転すると当時の計画ではあったわけですよ。私はまだ議員をしていませんでしたけれど、慎重論だったですよ。 だから、私たちが今埋め立てをする時はちゃんと計画を持って、「こういうところだったら大丈夫」と言ってやっていますよ。空港の団地の横に埋め立てをしていますよ、いっぱい。空港の団地に、埋め立てをせぬでもよかったものを。売れませんよ、確かに金が残っていますよ、県の金で。そういうものもありながら、それでもここを活用したい。 それから、もう一つは、景色もよくて、にぎわいというのは、絶えず人の出入りがなければいけないんですよ。イベントの時だけの出入りじゃなくて、日常も多くの方々が出入りする、にぎわいというものを考えていった時に、新しい保険会社で2,000人の雇用があるんですよ。2,000人の人が出入りすると、今度はまた新しいそういったものができた時に、そこにいろいろな研究者が出入りしてくると。もしかしたら上海からも来るかもしれない。そういう動きがあってはじめて、また公園というのは活きてくるし、景観も活きてくるんじゃないんですか。 例えば、人里離れたところに美術館をつくって、森の景色でいいと言うけれど、やっぱり問題はどれだけの雇用につながったり、どういった新しい研究につながるかということも考えなきゃいかぬ。だから、そこはよく我々も、決して何も考えてないわけじゃなくて、本当に苦労に苦労を重ねながら、苦慮しながらやっているので、そこは理解していただきたい。 ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 知事は、最初の思いと、私の思いと全く同じだと言っているんですけれども、じゃ、この3大学がきた時に、今の税関裏の出島の駐車場の提案はされなかったんですか。景観を大事にする、私と一緒という気持ちなら、税関の裏にこれだけの県の土地があるわけでしょうが、そこの提案はされなかったんですか。私はそこをどうかと言っているんですから。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) それは向こうが、「やっぱりあそこだ」と言うんで。今度は駐車場の新たな問題が出てきますよ。もともとあそこは長崎県美術館の駐車場と出島ワーフの駐車場と水辺の森全体の駐車場ということにしたんですよ。だから、本来ならば、今、諸谷政策調整局長が言ったように、駐車場と決めるのも、これは本当は了解をとっていない。だから、全体の計画の中でそういった話が出てきたのであれば、改めてあそこにつくるということであれば、全体的な出島ワーフも含めた考え方をもう一回検討しなきゃいかぬということになってきますね、新たな問題が出てきますから。そういった時間的な余裕があるの。(笑声・発言する者あり)それは気持ちはわかる。一回自分たちで交渉してみたらどうですかね。(笑声)いや、率直な気持ちは、私も長だからやるけれども、それはね。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 知事、もちろんあの景観は、東山手、南山手が見えるところですから、あの景観は大事にしたいと私は思うし、その気持ちは同じだということを聞きました。 ただ、県営の今の駐車場の利用率が、1台当たりのスペースが1日2台ぐらいしか使っていないんです、1台のスペース分を1日2台。水辺の森公園は3.5台ぐらい使っているんですよね。ですから、あのスペースの今の大きさからいけば駐車場のスペースは十分賄えると私は思うんですよ。 そして、一つ私が心配しているのは、国の独立行政法人、要するに昔で言う特殊法人ですよ。ここは国の交付金がなければオジャンですよ。今の3大学だって独立行政法人になりましたから、もうからぬことはしないはずですよ。そうした時に、建物だけ残って、10年先、20年先まで、国の財政も厳しいですから、そういう交付金がなくなった時には建物だけ残るんじゃないか、これを私は非常に危惧しているんです。ですから、できるだけ今の出島の駐車場の方にもう一回。 私は国会議員の高木代議士を通じて、この独立行政法人の人たちは場所を限定しているのかと聞いてもらいました。そうしたら3大学がここでいいよとなれば、私どもはいいですよと、こういうことを高木代議士を通じて聞いておりますので、ぜひもう一度この辺は再検討をして、できるだけ、あの景観を大事にするようにしていただきたいというふうに思います。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 最初のきっかけは高木代議士じゃないですからね。やっぱり最初のきっかけというのがありますからね。最初のきっかけで話をした人というのは非常に大事ですよ、信義上の問題というのがありますから。そういうのを大事にしてもらわないと。単なる問題だったら、だれでもできるんですから。 だから、要するに、後でやっぱりそういった信義と信義というのがありますから、お互いに。 それから、もう一つは、この建物ができた時に、県も市もある程度バックアップしなきゃいけませんよ。我々は何も知らないじゃいけないですよ、研究施設に対して。だって、あとは全部自分でやってくれというような時代じゃないでしょう、ベンチャー企業で新しい金を出して。今、いろいろ福岡なんかでやっているのでも、すべて民間と行政が一体となって知恵を出しながら、行政はある程度の資金を出しながらということで民間の知恵を、活力を活かそうとしているんですよ。これからそういう形になるかどうかわからないけれども、そういう発想を持っておかないと、何でもあなたたちでやりなさい、あとは知りませんという発想じゃなかなか長続きしないと、逆に。それだけ言っておく。 ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 知事、私は冷静に考えれば、今の出島の駐車場跡地にでも、あの今のスペースの3,000平米のうちの1,200平米でいいんですから、十分可能だと思うんですよ。同じ計画を立てるなら、もう一回汗を流していただくように要望をして終わりたいと思います。 次に、警察本部長にお尋ねをいたします。 今回の交番と駐在所の統廃合につきましては、私は急にこの計画が出てきたような気がしてなりません。今年の2月の総務委員会の中でも、1年間の予算を決める2月定例会の中で、街頭犯罪とか侵入犯罪の検挙率は72.2%で、前年より31.7%増加しておりますと。犯罪の一般概況は、検挙率60.9%と全国1位ですと。そして、人口10万人当たりの犯罪発生は全国で3番目に低い数字ですと、こういうことを表明されております。 それと、警察署、交番、駐在所の再編整備については、行政システム改革大綱のその2として、要するに、市町村合併に伴いまして東長崎署を長崎署に統合する。これは出ておりました。そして、今後、市町村合併に伴う各警察署の所管区の見直しですね、その方針は出ていたんですけれど、交番、駐在所をこれだけ統廃合しますよという方針が一言も出ていなかったんですよ。地域住民に与える影響が大きいこのような計画が、なぜ急な計画となったのか、その辺についてお伺いしたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 警察本部長。 ◎警察本部長(深草雅利君) まず、本年の総務委員会で検挙率の話等が出たのは、昨年1年の数字でありまして、今、全体として申し上げているのは、平成10年ごろからやっぱりトレンドとして検挙率が非常に下がってきておるということを申し上げているわけであります。 それから、急な計画ということでございますが、急かどうかはなかなか判断できない部分がございますので、一応経緯を申し上げますと、交番、駐在所の統合計画につきましては、今ご質問にありましたように、一昨年来、警察署の統合計画、それから警察署の管轄区域の見直しの計画とともにはじめまして、昨年8月に東長崎警察署のそういった計画とともに、交番、駐在所統合の必要性等を報道発表して、それから公表と同時に概要を県警のホームページに掲載しているというものであります。 それで、その後、具体的な検討を重ねまして、小浜警察署と国見警察署の統合及び警察署の管轄区域の見直しとあわせて、交番、駐在所統合の具体的な計画を本年7月上旬に取りまとめ、7月22日に報道発表し、警察署協議会への説明を皮切りに、その後順次、各自治会等に説明を行い、現在も継続中という経緯であることをご理解いただきたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 統廃合については、今、広島でも小学1年生の子どもが真っ昼間に殺されました。長崎市でも、佐世保市でも痛ましい事件が起きております。こういう中でやっぱり長崎県としては、警察と学校と保護者と地域と4者が一体となって、やっぱり地域の安全を確保していこうという中で、この該当する地域の人たちは、「あらっ、うちの駐在所がなくなるとって、うちの交番がなくなるとって」と、こうなってくるわけですね。基本的な今の警察本部長の考えはわからぬわけじゃないんですけれど、それならもっと早目に、こういう方向で今の全体の犯罪の件数からいったら、やっぱり夜間を強化せざるを得ぬと、そんなら100人近くの警察官をパトロールに回さないといかぬから、実はお宅の近くにこういうところがありますから、その辺で網羅しますからとか、なぜもう少し早目に地元の人に説明してくれなかったかというのが、私は非常に残念でならぬのです。 そうすることによって、地元の人とキャッチボールしながら、安全で、安心して暮らせる、よりよい長崎県づくりをしていかないといかぬと思うわけですね。 そういう中で、今、具体的に廃止されようとしている交番とか、駐在所の跡地の活用について、どのように考えておられますか。 ○議長(末永美喜君) 警察本部長。 ◎警察本部長(深草雅利君) 廃止する施設とその跡地につきましては、前の本会議でもご説明いたしましたが、原則として処分する予定にしております。 ちょっと誤解があったのかもしれませんが、処分というのは壊すということだけではございませんで、売り払ったり、譲渡したりすることも処分ということでございます。 じゃ、具体的にそれぞれの施設はどうするかと申しますと、これは施設ごとに土地所有者が違っておりますし、それから施設の耐用年数の長短、施設活用要望の有無等さまざまでございますので、我々といたしましては、有効活用を念頭に、どのような処分が適当かということで個別に検討していきたいというふうに考えております。 ○議長(末永美喜君) 渡辺議員-6番。 ◆6番(渡辺敏勝君) 警察本部長、来年の4月から一斉にするんじゃなくて、もう少し弾力的に、できるところは4月からいいわけですけれども、地域住民の皆さんと安全対策上、やっぱりもう少し協議をしないといかぬというところは個別に、もう少し弾力的に運用していただきたいと思いますし、地元からのこの交番の跡地を防犯の拠点に使いたいという陳情等につきましても、私どもの安全な暮らしを守るためにも、これは前向きに取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 そして、この計画も、例えば一つ私も疑問に思うのは、小ヶ倉~蛍茶屋線で南が丘交番が新しくできたばかりなんですよね。そこも今度廃止対象になっているんですよ。こういうのは、本当に前から計画されておるのならば、小ヶ倉~蛍茶屋線ができる時からもうつくらぬでもよかったわけですよね。その辺も含めまして前広に、もっと計画的に、そして、一旦なくした駐在所、交番の関係ですけれども、原則的に、私も警察本部長も考え方は一緒だと思うんですけれども、(笑声)警察官を増員して空き交番をなくしていこうと、こういう考え方は共通していると思うんですね。ただ、国の予算上、どうしても夜を強化しないといかぬからこういうことをせざるを得なかったと、なくさざるを得なかったと、こういうのが実情だと思うんですけれど、先ほど言いました個別な対応につきましては、弾力的な運用をよろしくお願いしたいと思います。(発言する者あり) 次に、生活排水の関係ですが、生活排水というのは、今後の環境浄化のために非常に重要なことだというふうに私は思っています。(発言する者あり) 有明海の生活排水処理率が長崎県は44.7%、そうすると、よその県の有明海に流れるところの流域の処理場を見ますと、やはり長崎が一番低いんですよ。佐賀県が56.3%、福岡が59.3%、熊本は74.6%、こういうぐあいに長崎は一番低いわけです。それで、諫早湾干拓の関係かどうかは知らぬですけれど、よくよその県から文句を言われるんですけれども、この有明海は、長崎県が率先して生活排水処理をして浄化に取り組んでいるんだという意気込みも含めまして、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。 ただ、中身を調べていきますと、有明海に流れる公共下水道の率が、長崎は非常に低いわけですね、たったの15%。あとは合併処理浄化槽とかとなっているんですけれど。特に、島原市が公共下水道がゼロなんですよ。これは県として、先ほど有明海の水質汚濁の関係もありまして、有明海の再生に向けて島原市には強く県の方から指導をよろしくお願いしたいと思います。 それと、合併処理浄化槽につきましても、長崎の太田尾地区は農業集落排水事業でしているんですけれど、これらの工事費を1戸当たりで割りますと、1戸当たり450万円ぐらいになります。合併処理浄化槽が今100万円ぐらいですから、維持費は個人に頼みますよと、ただでやっても十分採算がとれるんですよ。だから、こういう全体の税金の使い道をもう一度よく計算していただいて、合併処理浄化槽については県が負担を強くしてでも、本当、ちょこっとでもいいからどんどんつけてくださいというふうに今後とも取り組んでいただければというふうに思っています。 以上で終わります。 ○議長(末永美喜君) これより、関連質問に入ります。 吉村議員-18番。     〔関連質問〕 ◆18番(吉村庄二君) 渡辺議員の警察本部の交番、駐在所の廃止問題について、関連質問をさせていただきたいと思います。 今、警察本部長の答弁もお聞きしましたが、警察全体をどうするかという基本的な考え方と、交番とか、駐在所の、地域住民に非常に密着した具体的な対応について説明が十分でなかったのではないかと、こういう気がいたしておるんですね。 したがいまして、各地域の理解、こういうものは当然、自治会の代表者、その他いろいろ取り組みがされているんですけれども、十分であるのかどうかですね。特に、存続要望が出ているところについての状況がどうなっているのか、まずお伺いしたいと思うんです。 それから、これは知事部局として、知事ということで私はお尋ねをしたいんです。知事そのものでなくても結構なんですが、県民が安全・安心して生活できる環境という意味では、ほかにもたくさんございますけれども、警察の果たすべき役割というのは非常に重要なんですね。だから、県警側からではなくて、知事部局として、あるいは知事として、この問題について、県警とは連携を保ってちゃんとやってきたのかどうか、この2点についてお尋ねいたします。 ○議長(末永美喜君) 警察本部長。 ◎警察本部長(深草雅利君) 地域住民に対する説明の関係のご質問ですが、計画の内容、それから説明の内容等につきましては、先ほど渡辺議員に説明申し上げたとおりでございますが、地域住民等に対する説明につきましては、当初は、主として警察署が警察署協議会や警察関係機関、団体、各自治体、自治会等に対して行っておりましたが、今ご指摘のとおり、一部の地区で説明が足りないというご指摘があったことから、特に、存続要望がある地域を中心として署長等の警察署幹部と県警本部の担当課長が一体となって、統合の必要性や県警の治安対策についての説明に出向き、1回の説明でご理解いただけなかった地区につきましては、複数回説明会を行っているほか、ミニ広報紙やチラシも作成、配布するなど、あらゆる機会を利用して、一人でも多くの方にその趣旨を理解していただくための活動を行っております。 こうした取り組みによりまして、存続要望のあった地域においても理解していただく人が増えつつあるという状況になっております。 今後とも、県警としましては、安全で安心して暮らせる社会の実現に向けて、県民の理解と協力が得られるよう、引き続き誠実に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(末永美喜君) 総務部長。 ◎総務部長(高原剛君) 知事部局と県警察本部との協議についてのお尋ねでございますが、警察本部におかれましては、刑法犯の増加、検挙率の低下に対応するため、交番と駐在所の見直しをされるというふうにお伺いをしております。 これまで警察行政にかかるいろいろな要望にも配慮した予算措置を行ってきておりまして、警察官も増員してきましたが、夜間犯罪、街頭犯罪などは増加しており、こうした犯罪にどう対処したらよいのか、現場に精通されている県警察が最もよい方法と判断された結果であるというふうに認識しております。(発言する者あり) なお、見直して捻出した人員による交番機能の充実、また、夜間パトロールの強化もされると伺っており、このことで今まで以上に住民の皆様の安全は確保されるのではないかというふうに認識をしております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 吉村議員-18番。 ◆18番(吉村庄二君) 警察本部長、実は交番や駐在所の廃止の問題の具体的資料を総務委員会だと思いますが、9月に出されているんですね。「基本的な考え方」というあなたの文書は、11月に出されているんです。後先逆になっているように、あなたたちはそうじゃないと思っているけれども、そういうところから考えて…。大体、もう時間になりましたね、よろしゅうございます。 ○議長(末永美喜君) 時間です。 川越議員-35番。     〔関連質問〕 ◆35番(川越孝洋君) 渡辺敏勝議員の質問に関連して質問しますが、今、吉村議員が質問しておって中途半端になったんですが、それに対する警察本部長の答えはありますか。 ○議長(末永美喜君) 警察本部長。 ◎警察本部長(深草雅利君) 資料として出したのは、その時期でございますが、いろいろな説明等は、もっと前からやっておるということでございます。 ○議長(末永美喜君) 川越議員-35番。 ◆35番(川越孝洋君) 有明海などの閉鎖性水域における合併処理浄化槽とか、公共下水道とか、生活排水処理についてでありますけれども、長崎市は、昭和40年代にものすごい水飢饉がありまして、毎年のように断水が行われておりました。そのために、長崎市は、とにかく水源を確保するということで、当時、緒についておった下水道工事はストップをしながら、逆に言えば生活するための飲料水を確保しておったんですが、その後、昭和50年代に入って水源も確保したことから一気に都市下水道の完備が進みました。 皆さん方もよく覚えていると思いますが、あの中島川の中央橋のバス停で待っていれば、もう臭気ぷんぷんだったんですね。浦上川にしても、もうどぶ川だったんです。そのおかげで長崎港は、あの周りを歩こうものなら、とてもじゃないというような状況であったんです。それが下水道を完備することによって、物の見事にあの浦上川も、それから中島川も呼び戻って魚が棲む川になってきたんですね。そういうことを考える時に、この閉鎖性水域における下水道というものは、今いろんなことが有明海で諫早湾をめぐって言われておりますけれども、有明海沿岸の各県で協調して、まず、そこから進めるべきであるというふうにも私は思っております。 先ほど、長崎県としてももう少し真剣にそのことを取り組んだらどうか、特に、島原はゼロじゃないかというようなことも言われておりましたので、まず、そこらに対する答弁をいただきたいというふうに思います。 ○議長(末永美喜君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(村上公幸君) この有明海流域の分は、先ほど申しましたように、県平均と比べても大分、生活排水処理率が低いということでございまして、これから私どもがやろうと、特に力を入れようとしておりますのは、先ほども言いましたように、生活排水対策の重点地域に何とか指定して、より強力に進めていこうということで、もう既に市町村との具体的協議に入っているというのが1つでございます。 それから、もう一点は、「島原半島窒素負荷低減対策会議」というのをつくって、今から窒素の負荷低減を進めていこうとしているわけですけれども、その中の対策の柱の一つとして、この生活排水対策を進めていこうということが入っているわけです。これに島原半島地域の各首長さんも構成メンバーとして入って、一緒になって考えていこうということですから、そういう形で、今後とも促進していきたいと考えているところでございます。 ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 合併処理浄化槽の問題につきましては、実は県も大村湾や諫早湾干拓の調整池の閉鎖性のところには、たしか今年からか予算の割り増しをして、それを進めていこうというような施策をとっておりましたので、有明海も一応検討させていただきたいと思っております。 ○議長(末永美喜君) 川越議員-35番。 ◆35番(川越孝洋君) ぜひ、環境浄化のためにも、諫早湾をめぐっていろいろ言われないように、長崎県としてもやるべきことをきちっとやっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをして質問を終わります。 ○議長(末永美喜君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。     -午後零時17分 休憩----------------------     -午後1時30分 再開- ○議長(末永美喜君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・議席番号39番の浜崎祐一郎でございます。 ただいまから、一般質問をさせていただきたいと思います。(発言する者あり) 先日、永年勤続10年ということで全国議長会の表彰を末永議長より賜り、金子知事、末永議長より心温まるお祝いの言葉までちょうだいいたしまして、これまでの議員活動を振り返り、多くを反省しつつ、(笑声・発言する者あり)また、長崎県議会議員として、さらなる精進をしていかなければならないと心に誓いながら、今回の一般質問を行ってまいりたいと思います。(拍手・発言する者あり) 1、財政問題について。 国においては、三位一体改革について、先日の政府・与党間の合意により、平成18年度における国庫補助負担金の削減の税源移譲については一定の結論が出されたものと思います。 今回は、国と地方の痛み分けの税源移譲ということが言われております。地方の言い分も盛り込まれた補助金削減では、国の関与が残るケースが目立っているようで、本来の改革には少々物足りなさを感じております。 この改革の本来の目的は、簡単に言えば、県、市町村の収入は多少減るかもしれないが、地方の政策選択の自由度を増すことによって、より効率的・効果的な行政サービスができることをもくろんだはずであります。 このことが、国と地方の財政健全化につながるはずなのに、結果はさきに述べたとおり、本来の目的に沿ったものばかりではないように思われます。 国庫補助金の見直し対策は、大半が教育や福祉、国民健康保険といった義務的なものであり、これらの分野には、地方に裁量権がなく、自由な財源の配分ができないものが多いと思われます。 さらに、全国で3兆円の税源移譲が行われたといっても、自治体間の税収格差が大きく、本県のような税収が少ない県では、国庫補助負担金の削減等に見合う税収は見込まれず、大幅な税源不足に陥ることは明らかであります。 そのような中で、教育や福祉は、全国一定のサービスが求められる上に、今後、さらに負担が増えていく分野であり、その財源をどのように補っていくかが今後の大きな問題であります。 よって、知事は、今回の三位一体改革の決着について、どのような認識を持たれ、長崎県の財政問題をどのように乗り切っていかれようとしておられるのか、ご見解をお聞きします。 2、島原半島の農林水産業の振興について。(1)島原半島の農業振興について。 私が住んでおります島原半島は、長崎県の農業産出額の約4割を占め、園芸、畜産の盛んな大農業地帯であります。私の出身地であります有明町も、長崎県一の農業粗生産高を誇り、農業、畜産業を基幹産業としている町であり、町民の多くの方々が、何らかの形で農業に関係する豊かな地域であります。 このような中、さきの県議会で島原半島における地下水の硝酸性窒素等の環境基準超過問題が取り上げられたところ、知事におかれましては、即座に「島原半島窒素負荷低減対策会議」を立ち上げられ、副知事をトップに、専門家や関係団体で十分な協議を開催されているものと期待をいたしております。 しかし、この間、地元の農産物は、風評被害まで出て、生産農家や販売をしている人たちが困っている状況も知っておいていただきたいというふうに思います。 私は、このような問題は、長崎県だけの問題ではなく、農業を国策としてやってきた全国的に共通した課題だと思っております。 しかし、そうは言いながら、これからの農業は、農業振興と環境保全が両立できる体制づくりが最も大事ではなかろうかとも思っております。 今回、長崎県におかれましては、今議会に提出されている農政ビジョン後期計画において、「人と環境にやさしい活力あるながさき農林業」の推進ということを位置づけられ、活力ある農林業、農村の構築を目指す方針を打ち出しておられるようでありますが、これからどのような環境型農業の推進を図られようとしているのか、お尋ねいたします。(2)有明海の水産振興について。 有明海は、海域固有の生物が多数生息する貴重な生態系を持つ豊かな海であります。しかしながら、漁場環境の大きな変化は、魚種、漁量の減少に拍車をかけ、宝の海であった有明海を瀕死の状態に追いやっております。 このような漁業の生産性の低下に歯どめをかけるため、「有明海特別措置法」に基づき策定された「有明海の再生に関する長崎県計画」に沿って、海域環境の保全及び改善並びに水産資源の回復等による漁業の振興を目標に掲げ、各種施策を推進されているところであります。 特に、有明海の漁業生産が減少している中、種苗放流など、資源を積極的に増やす施策とともに、有明海の恩恵を受けている福岡県、佐賀県、熊本県と4県一緒に水産資源の回復、増大に取り組むことが大変重要であり、私の常々思っております4県入り会いの海域では、4県みんなで育み、恩恵を受ける施策をどんどんやっていくべきであります。このような視点から、資源回復と増大に向けての取り組み状況をお聞きします。 一方、有明海の漁場環境の変化が著しいため、このような資源回復以外のさまざまな取り組みを並行してやっていかなければ、なかなか効果が出てこないと思いますが、相乗効果が得られるような取り組みについてお考えがあれば、あわせてお聞かせください。 3、経済の活性化対策について。(1)合併後の地域経済の活性化について。 知事のご努力で合併が着々とでき上がっております。 各新自治体の合併協議会で話し合われた合併後の事業を県は支援し、新しい地域の活性化にご尽力されんとしている状況と拝察いたします。 さて、市町村合併が進む中で、地域のハードウエアに対する支援策はよく聞くのですが、ソフトウエアの事業推進、特に、合併地域の商工業者に対する活性化対策事業はどのように取り組んでおられるのか、お教えください。(2)商店街の活性化対策について。 改めて言わなくても、ご存じのように商店街が疲弊しております。特に、アーケードを持つ商店街が弱っております。アーケードと言えば、トンネルのような閉鎖的な空間だからこそ空き店舗が目立っております。 県に聞きますと、商店街の空き店舗解消に対しては事業策定をし、各種事業を行っているとのことですが、カンフル剤になっていません。元気がないのであります。 島原市のアーケードに行きますと、私が島原青年会議所のメンバーだったころの先輩たちの店をのぞいて話をしたりします。「嵐が過ぎるのをじっと待つというより、長く停滞した不況の嵐が過ぎるまで、じっと冬眠でもしている感じだ」と。要するに、カンフル剤を個々の元気を取り戻すような施策として講じていかなければ、商店街全体の活性化にならないようであります。 確かに、商店街全体を盛り上げての活性化事業はあります。しかし、おのおのの商店主が自分の店自体がどうにもならないのに、全体のためにどこまで頑張れるのでしょうか。それよりは、嵐の過ぎるのをじっと待つとしか言えないのは、本心というより、頑張ろうという時期を既に通り越して、頑張ったけれども、何にもできなかった悔しさだと思います。 そもそも商店街の全体を盛り上げるためには、商店街の活性化事業と並行して、商店主個人を支援する事業構築が必要なのではないでしょうか。 このようなことを申しますと、税金であるから、個人への支援は行政の手法ではできないとか、融資事業を行っているというような返事が必ず返ってまいります。 私も基本的にはそうであろうというふうに思います。 では、視点を変えて見てみましょう。 ご存じのとおり、農業には多くの支援事業があります。これは、国が国策として多くの補助事業を組んできたからであります。このことは、生産性を向上するという命題には大変役に立っており、日本の農業はどんどん生産性の向上を図られたものと思います。 しかし、国際化の波によって、昨今の農業は、単につくるだけでなく、農業経営ができないとだめになってきております。よって、農業の支援策も経営を考える集団、一緒に同じ農業を考えることのできる、より小さい集団に補助が出せるように変化してきておるのではないでしょうか。このことは、より農業施策から経営に対して支援をするようにシフトしてきている結果だというふうに考えております。 商売をする、まさに商工業者の観点に立って、農業事業を考えていくなら、同じように商工業者に、商工会議所とか、商工会連合会でまとまらなければできない事業ばかりでなく、個々に支援ができる事業の策定もあり得るのではないでしょうか。 現在でも個々に対応する事業はありますが、これは基本的に融資事業が主であります。お金は借りたら返さなければなりません。返すお金のかわりに、まちを元気にする、地域に明るさをもたらす等、地域に還元することにより、金とは違うものに代償を求められるような事業を、やる気のある商店主に支援できないでしょうか。 即効性のあるカンフル剤としての補助事業の仕組みの構築をお願いするものですが、商工労働部長のご所見をお聞かせください。(3)知的財産の活用について。 長崎県の知的財産の活用はどのようになっているでしょうか。 我が長崎県は、窯業技術センターや総合水産試験場、総合農林試験場等、優秀な研究者を有する研究機関がいろいろあります。毎日、研究者たちが、それぞれの分野で研究をし、成果を上げられているものと思います。 その一つの成果が特許となり、長崎県の知的財産として活用を待つわけであります。 その特許の活用の仕方が、我が長崎県ではどのようになっているものか、お聞きいたしたいと思います。 4、その他。 議長にお許しをいただきましたので、昨日、同僚吉川議員の質問に関連して質問させていただきました建築構造計算の確認事務について質問させていただきたいと思います。 昨日の関連質問では、県行政が構造計算をチェックできる4,500件余りについてのことを土木部長がしきりに言われておりましたが、今回の質問の趣旨である、国会や世間を騒がせております、また長崎県民も自分の住んでいるマンションはどうなんだと心配されている耐震構造についての確認業務については、私は何ら明確な答弁をもらっていないような思いであります。 私が思いますに、国土交通省が認可をしている民間検査機関の請負物件が550件あるそうでございまして、そのほとんどが耐震構造を有するマンションなどの高層建築の確認物件ではないかというふうに思うわけであります。 これは一般質問ではないんですが、この問題が発生して、私が担当課の方にお願いをしていただいている資料には、その民間検査機関へ出している請負物件550件の分は、報道でも名前の出ている日本ERI等というふうになっております。 県民みんなが心配なのは、そのような民間検査機関のチェック機能に疑問があり、自分の住んでいるところは本当に大丈夫なのかと不安になっているものと思います。 そちらの方を、昨日の土木部長答弁にありましたように、「国土交通大臣認可で、県では構造計算までチェックできない」となると、民間検査機関を信用するしかないとなり、そのような答弁に何の意味があるのだろうかというように思っております。 問題が発生する前に、国土交通省に連絡をし、県内で施工されている耐震構造物の構造計算書を、土木部の職員の方がみずからの手で再調査をし、県民の不安を払拭するための働きかけをしてみる気はないものか、お聞かせいただきたいと思います。 以上をもって、壇上からの質問を終わり、答弁によっては、自席からの再質問をいたすことといたします。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕浜崎議員のご質問にお答えいたします。 今回、決着した三位一体改革についてのお尋ねでございますが、一昨日、政府・与党は、平成18年度までの三位一体の改革について合意いたしました。 今回の合意は、税源移譲の規模は3兆90億円程度、平成18年度の国庫補助負担金の削減額は、約6,540億円で、これまでのスリム化や交付金化分を含めまして、総額4兆円を上回る国庫補助負担金の改革となっております。 また、地方交付税の見直しにつきましては、今後の予算編成を通じて具体的な調整を行うとされており、これから年末に向けまして最終的に決定される地方財政対策が重要であると存じます。 今回の三位一体の改革につきましては、かねてから申し上げてまいりましたが、改革の金額や規模ばかりが優先され、結果として3兆円の税源移譲に見合う国庫補助負担金の削減を前提とした数字合わせに終始したという感が否めません。 懸念されていた生活保護費は見直しの対象外とされましたが、削減の対象となったのは国庫補助負担金の内容を見てみましても、義務教育費、国民健康保険、児童扶養手当及び児童手当の4つの合計で、税源移譲額の6割を占めまして、議員ご指摘のとおり、地方の自由度の拡大にどこまでつながったのか、疑問が残ります。 さらに、今後の改革につきましては、政府・与党合意では、地方分権に向けた改革に終わりはなく、国と地方の行財政改革を進める観点から、今後とも、真に地方の自立と責任を確立するための取り組みを行っていくとされております。 こうした今後の改革に当たっては、市町村合併の進展などを踏まえて、国と地方の役割を整理した上で財源の配分のあり方を検討し、国の財政再建主導とならないよう、地方の実情を十分踏まえて、改革による各地方公共団体への影響を検証しながら進めていくことが重要であると考えております。 特に、三位一体の改革によりまして、福祉や教育などの分野で支障が生じないことが重要であり、そのためには税源移譲額が国庫補助負担金削減額に満たない団体に対して、確実に財源措置が講じられることが不可欠であります。 今後、こうしたことについて、国や国会議員の皆さんに強く訴え、適切に対処してまいりたいと存じます。 次に、知的財産の活用についてのお尋ねでございますが、県では、県内の知的財産の創造、保護とその活用によりまして、新規産業の創出など、地域の産業振興を図るため、今年3月に「長崎県知的財産戦略」を策定し、事業を進めているところであります。 県が保有する特許権や出願中の特許については、今年度新規事業の長崎県知的財産活用支援事業において、民間のシンクタンクから個々の特許等の競争力、活用方法、事業化の可能性などの評価を受けることとしております。 今後、戦略的視点に立った事業化、研究開発プランの策定に活用してまいります。 また、県内の研究者に着目した知的財産のデータベースを構築するとともに、地域技術の分析・評価を行い、知的財産の活用方策を取りまとめ、地域の産業の核となるよう技術の集積を目指します。 さらに、特許の出願からその活用、ライセンスの契約等の締結については、長崎県産業振興財団の「特許流通アドバイザー」や本年度から新たに発明協会に配置した「知的財産活用推進委員」が支援を行っているところであります。 このほか、本年度開始の長崎県研究開発ビジネス化一貫支援事業においては、県内企業等が持つ知的財産を事業化につなげていく仕組みとしており、現在、シンクタンクを活用して、採択企業への支援を行っているところであります。 今後とも、本県における知的財産の活用に積極的に取り組んでまいりたいと思います。 残余の質問につきましては、関係部長より答弁させていただきます。 ○議長(末永美喜君) 農林部長。 ◎農林部長(中村法道君) 島原半島における環境型農業の推進についてのお尋ねでございます。 島原半島は、バレイショを中心とした畑作、いちご、花卉などの施設園芸、肉用牛を中心にした畜産など、多彩な農業が展開されておりまして、今後、さらに国内でも有数な産地として発展が期待される地域でございます。 しかしながら、今回の硝酸性窒素による地下水の環境基準超過問題につきましては、これからの半島農業を振興する上で、何としても解決を図っていかなければならない大きな課題となっているところでございます。 このため、行政や農業団体からなります「島原半島施肥改善推進協議会」を設立いたしまして、11月末から半島全域で施肥量などの土壌管理実態調査に着手しており、この調査結果等をもとに、環境負荷を低減するための改善点を明らかにいたしてまいりたいと考えております。 また、作物の生育にあわせて効果があらわれるようなタイプの肥料、あるいは肥料成分を調整した堆肥等の新しい技術の開発・普及を行い、施肥による窒素負荷を低減していくことといたしております。 一方、畜産にあっては、「家畜排せつ物法」の施行に伴いまして、農家の処理施設はほぼ整備されたところであり、今後は耕種農家との連携を深めながら、堆肥を土づくりに一層有効に活用するため、広域堆肥センターの整備や堆肥の広域流通を推進してまいりたいと考えております。 一方、今年度、農産物の安全性を高めますため、管理方法や作業手順を示した「長崎県適正農業規範」の策定を進めているところでございまして、来年度から当該規範の導入・普及を進めてまいる予定にいたしております。 県といたしましては、このような取り組みをきっかけにいたしまして、島原半島が安全で高品質なブランド農産物の産地として、今後ますます発展してまいりますよう、関係機関と連携し、各種の支援に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 有明海の水産振興につきまして、2点お答えいたします。 まず、水産資源の回復・増大に向けた取り組み状況についてのお尋ねでございますが、有明海においては、関係県が共通の認識と緊密な連携のもと、種苗放流や資源の管理を推進する必要があると考えております。 クルマエビにつきましては、平成15年度から有明4県が共同して、有明海全体の中で放流適地を選定し、受益に応じた費用負担のもとで、年間およそ1,000万尾の大規模な種苗放流を実施しております。 また、本年度からは、ワタリガニにつきまして、国が関係県と連携して、「資源回復計画」を策定することとなり、本県は、10月に関係漁業者等で構成する「資源回復計画作成協議会」を設立し、具体的な協議を開始しました。 一方、本県は、他県に先駆け、トラフグとワタリガニについて、平成16年度から県単独事業で資源増大と将来の関係県との連携を視野に入れた取り組みを行っております。 トラフグについては、有明海が産卵場や幼稚魚の生育場であり、九州北西海域におけるトラフグ資源の重要な補給源と考えられていることから、資源の増大とともに放流効果の把握と受益者負担の基礎データを収集するため、標識のついた稚魚50万尾の大量放流を行っております。 また、ワタリガニにつきましては、卵を抱いた親ガニを蓄養し、ふ化した幼生の大量供給により、資源の増大を目指す取り組みを実施しております。 県としましては、これらの成果を踏まえ、漁業者や関係団体と一体となって、種苗放流や資源管理を積極的に推進するとともに、関係県とのより一層の連携のもと、有明海における水産資源の回復・増大に努めてまいります。 次に、資源回復以外のさまざまな取り組みについてのお尋ねでございますが、有明海の漁場環境が変化し、漁業生産も減少している中で、有明海の水産振興を図るためには、こうした資源の回復、増大対策に加え、新たに養殖や限られた資源を活かした付加価値向上の取り組みが必要と考えております。 この考えのもと、県としては、新たな養殖業として諫早湾におけるカキ養殖の導入や深江のクルマエビ養殖場及び島原のトラフグ陸上養殖施設の整備を推進してきました。 中でもカキ養殖につきましては、平成11年から本格的に養殖を開始し、現在、年間100トンを生産するまでに成果が上がっております。 一方、付加価値向上のための取り組みとして、養殖ワカメを加工した「わかめ麺」の商品化やワカメめかぶの有効活用、早崎瀬戸産アラカブのブランド化など、新たな特産品の開発が進められており、県としても支援を行っております。 今後とも、このような意欲ある取り組みを積極的に推進し、有明海の水産振興を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(中本豊治君) 経済の活性化対策につきまして、2点お答え申し上げます。 まず、合併市町地域の商工業者に対する活性化対策についてのお尋ねでございますが、合併後の新市町の施策の方向を示す建設計画等において、商工業の振興については、ほとんどの地域において「商店街の活性化」と「地域産物のブランド化」が大きな課題として取り上げられております。 これに対し県も、平成15年8月に策定いたしました「長崎県合併・新市町支援行動計画」に基づき、積極的に支援していくことといたしております。 まず、商店街の活性化についてでございますが、商店街が身近な買い物の場であるだけでなく、伝統行事を継承していくなど、地域コミュニティの中心的な役割を担っていることから、合併後も各商店街がさらに活性化していくよう、地域との触れ合いを深めるための取り組みなどに対し、新市町と連携を図りながら、積極的に支援していくことといたしております。 次に、地域産物のブランド化については、市町村合併に伴い、地域の物産振興団体の再編・統合が促されるとともに、地域産物の研究、開発について、広い視点で見直すよい機会ともなることから、合併市町においては、より市場性に優れた地域特産品、より付加価値の高いブランド産品を発掘、育成しようとする機運が高まってきております。 今後とも、そうした地元の意向を大事にし、また、各市町との連携を十分に取りながら、長崎県ふるさと産業振興事業費補助金などの制度を活用して、地域産物のブランド化を積極的に支援してまいりたいと存じます。 次に、やる気のある商店主に対する即効性のある補助事業の構築ができないかとのお尋ねでございますが、商店街は、買い物の楽しさや利便性を提供できる商業機能が集積された地域でありますが、消費の低迷や人口減少、住宅の郊外移転などにより、空き店舗が増加するなど、厳しい状況となっております。 このような経営環境の変化に対応して、商店街がかつての賑わいを取り戻すためには、商店街を構成するそれぞれの店が、消費者にとって魅力ある店になっていくことが重要であります。 このため、県におきましては、今年度新たに、商店街再発見支援事業を創設し、商店街全体として取り組む「一店逸品運動」などの個店の魅力づくりに対して支援し、現在、5つの商店街において取り組みがなされているところであります。 また、新たな感性を持って創業にチャレンジされる方に対しましても、経費の軽減や経営ノウハウの習得などへの支援を行い、現在、30名の方が意欲的に営業を続けておられます。 議員ご指摘の個店への支援につきましては、まずは商業者のニーズの把握が重要であると考えております。 このようなことから、県下147の商店街のうち、昨年度から本年度にかけまして、延べ65の商店街に出向き、経営者の皆様から生のご意見やご要望をお伺いしているところでございます。 また、来年度には、商店街がおかれている現状や活性化に向けた取り組みなどを把握するため、「商店街実態調査」や消費者の購買動向、ニーズなどを調査するための「消費者購買実態調査」を実施する予定であります。 今後は、経営者の皆様からのご意見やご要望、さらには実態調査の結果も踏まえ、意欲のある商業者に対し、どのような効果的な支援ができるのか、検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 土木部長。 ◎土木部長(城下伸生君) 建築申請の構造計算の再点検についてお答えいたします。 まず、建築確認件数について、改めてご説明をさせていただきますが、平成14年から平成16年の特定行政庁、県、長崎市、佐世保市で建築確認を行ったものが1万7,000件ございまして、その中に構造計算を必要とするものが4,500件ございました。県としては、これについてチェックを行っているところでございます。 このほか、民間の確認検査機関が行ったものが約2,000件ございまして、この中に構造計算を必要とするものが約550件含まれております。この550件について、どのような対応をするかということが、議員から昨日ご質問を受けたことだというふうに考えております。 この機関は、県と同じような、特定行政庁と同じ権限を持っておりますので、現在、国の方から構造計算を再点検をして、12月2日までに報告するように国が要請をしております。 私どもといたしましては、この報告内容とともに、構造計算書の提供を要請いたしまして、県、長崎市、佐世保市でチェックを行っています4,500件と同じような再点検を行いたいと考えているところでございます。 また、県民からのご相談があれば、両市とともに相談を受けたいというふうに考えております。 なお、国では、年内に50のすべての検査機関に立ち入り調査を行われまして、個別の案件を抜き出して検査をされるということでございます。 また、国が認可したものについても、県でも立ち入り調査ができるような制度の改正も検討されているというふうに伺っております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) 知事はじめ、それぞれにご答弁いただきましてありがとうございます。 全部に対してあるんですが、何点か質問させていただきたいと思います。 まず、特許の話で、これは私の質問項目が経済の活性化対策ということでございますので、長崎県が保有する知的財産というものが、これから10年、20年という流れの中で、本当にそれを利用して経済の活性化に結びついていくんじゃないだろうかというような考えを持っております。 そういう中で、私どもの県が保有する、そういう知的財産を保有する機関ですね、また知的財産を創造できる研究機関というものがあるんですが、私は今回の質問をするに当たって、いろいろ確認して聞いておったわけでありますけれども、その中で、先ほどの説明にもちょっとあったんですが、民間のシンクタンク等が、それぞれの研究機関の中の研究者が出している特許自体をすべからく特許として上げていくわけじゃなくて、特許申請をするんだけれども、それを特許として確保していくもの、またそうでないものに、まず振り分けをしていくというようなことを聞いたわけであります。 民間の大学等を中心にしたそういう団体があって、それは国の施策の中で講じられて、大学を中心にやられて、私どもの長崎県にも長崎大学を中心にやられている、そういう特許の出願とか、また管理とか、それをまたいろんな企業に運営していくというような組織があるわけでありますが、そういうところから聞きますと、長崎県はどっちかというと、知的財産を保有して、研究して持っているんだけれども、それを活用する段階が、ほかの県に比べて非常に弱いというような指摘を受けたわけであります。 そういうことで、いろいろ話を聞かせていただくと、まず知的財産として確保するには特許を取らなければいけない。要するに、権利を持たなければいけないわけですね。その段階が、先ほど知事からもありましたけれども、民間のシンクタンク等で、先ほど知事が言われたこともわかるんですよね、審査をしていくべきであるというのも担当課からも聞きましたし、そうだと思いますが、私は10年、20年先に、その特許がどういうふうに展開していくのかというのを、どうやって検査するのか、今の私たちにはどうしようもない、つまらないものかもしれないけれども、何かひょっとしたことで、これが世界の経済にものすごい影響を与えるようなものになるかもしれないというようなものではないかと。簡単に言いますと、そこら辺の人が勝手に取って申請するんじゃなくて、私どもが持っている研究機関の研究者が特許にしたいなと思って出していることを、またわざわざ、普通の一般人じゃないわけですから、そこから出すものはすべからく出していったらどうだという話をしましたところ、お金がかかるからと言うんですね。聞いてみると、民間のシンクタンクに、年間大体970万円ぐらいかけられているんですね。審査会の方に年に40万円だそうです。 1件1件の特許は、大体20万円ぐらいで特許申請ができるそうでありますので、1,000万円かけて審査するお金があったら、もう審査せずに、うちの研究者は優秀でしょうから、上がってきたものをそのまま、すべからく上げた方がいいんじゃないかと。そういう意味で、長崎県のそういう知的財産が特許化せずに、中国だとか、韓国だとか、いろんなところに流れていく可能性があるという危惧を聞いたものですから、このことなんだろうなというふうに思ったわけであります。 まず、そのことについて、私はそういうふうに思っているんですが、お考えがありましたら、これは政策調整局長でいいですけれども、よろしくお願いします。 ○議長(末永美喜君) 政策調整局長。 ◎政策調整局長(諸谷英敏君) まず、2つの事業がございまして、一つは現在、県の試験研究機関が7つあるわけでございますけれども、こちらの方で特許を登録済みのものが26件ございます。それから、現在出願中のものが71件ございます。 これらの県の特許権の財産でございますけれども、権利化後10年を経過いたしますと、更新の費用等が非常にかさんでくることになります。最初の10年間特許を維持する場合の費用としては、1件当たり20万円、20年間を維持した場合には、約110万円かかるというぐあいに聞いておりますけれども、10年を超えた場合には、維持をするということが非常にお金がかかるという面もございます。したがいまして、この県有特許のものを、出願はすぐできるわけでございますけれども、審査請求という手続の段階になった場合に、果たしてそれがものになるのかどうか、そういった点を確認をしておく必要があるということがございます。 それから、既に一回取りましたものにつきましても、10年を経過しますと、だんだん価値がなくなるといいますか、陳腐化をする可能性がございまして、そういったものについて再び更新をする必要があるのかどうか、その辺の確認をする必要がございます。そういった意味で内部的な組織に外部の人も若干入っていただきまして、「県有特許等の取得活用審査会」というのを設けておりまして、年2回程度それを開きまして、発明者ご本人の意見も聞きながら、今後の活用方策等を一応確認をしながらやるというのが一つでございます。 それから、もう一つ、現在、2カ年の継続事業としてはじめておりますのが、知的財産の活用支援事業でございます。これは、県の財産に限らずに、広く県内の試験研究機関等がお持ちのものも含めまして、今後の事業化に結びついていく可能性があるもの、これについて広く調査をさせていただきまして、その中で将来の商品化につながるもの、こういったものを拾い出していきたいということでやっております。これにつきまして、知的財産活用支援事業の一部といたしまして、民間のシンクタンクを活用させていただいているということでございます。 そういったことで趣旨が違いますので、そこをご理解いただければと思います。 ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) 根本的に私たちが一般的に思う特許というのは、私たちが思いつかないような、そんなこともあるのか、こんなこともあるのかと、それで、それがアイデアとしてすぐれているからということなので、一般的に言うと、私たちが気づかないようなことを特許として、それを商品化していくという、それが例えば商品化なり、経済事情に大きな影響を与えるようなものとして発達していくということなんだろうなと思っているんですね。私は、全然審査がなくていいとは思っていないわけであって、内部的な審査でも構わないんじゃないか。研究機関ですから、研究者を選ばれる時に、それ相応の研究者を選ばれているわけでありますから、その人たちがこれは特許で出すといったときに、内部的にこれはやめなさいよというのは、よっぽどのものはそうかもしれないけれども、それをわざわざ外部に出すような話なのかなというふうな、そういう金があるんだったならば、もう取捨選択をせずに、大概これだったらいいんじゃないかということで出して、もしかしたらどれか一個当たるかもしれないわけだからというようなニュアンスでいいんじゃないかなというぐらいの金額で出願ができるというのを聞いたものですから、それでいいんじゃないかなと思って言っているわけです。 そういう中で、そういうことが県としてあんまり特許が上がってこないということにつながってきて、ちょっと先ほど名前を言い忘れましたが、株式会社長崎TLOですか、そういう長崎大学を中心にやられているところから、長崎県は知的財産の保有が少ないんですよねみたいな話がきているんじゃないかなと思いますので、今後、せっかくの私どもの持っている研究機関でありますので、いろんな特許を持っていただいて、その知的財産が今後10年、20年、早ければ来年かもしれませんし、そういう中での経済活性化につながるような特許が出てくればいいなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それと、私がその他の項で挙げて、先ほど土木部長の答弁をいただいたんですが、たしか昨日、テレビを見ておりましたら、横浜の設計士さんがテレビに出ておられまして、この方が、先ほど私が申し上げました日本ERIに、今度の姉歯建築設計事務所の問題に関しては、昨年の4月ぐらいから日本ERIにおかしいですよと言っていたんだけれども、そのまま据え置かれていたというようなことを、昨日の夜のニュースでやっていました。 民間がすべからくいろんなことをやっているとは思っておりませんけれども、今回、こういう話がありましたので、そういう流れでいくと、先ほど土木部長が、12月の話とか、年内にはという話をされましたけれども、多分皆さんが心配されているのは、日本は地震国であって、震度5ぐらいのものがいつあるかわからないと言われている中で、明日あるかもしれないし、今こうして会議をしている間にもあるかもしれないと。問題が発生したときに、みんなそれはわからないわけだから、それを心配して寝られずに心労を起こして云々という話が出ていますね。だから、そういうところの緊張感というのが、土木部になかったのではないかと私は思っているんですね、今回のいろいろな答弁を聞いてですね。 私も、この問題が発生したときに、すぐ土木部の方に行って、一般質問じゃなくて、前もって行ったんですよ。もう資料が上がってくるのが非常に遅い。上がってきても、昨日の土木部長の答弁みたいに、何かよくまとめていないような話なんですね。しつこく食い下がって聞いていくと、何とはなしに、先ほど私が質問したような話になってきたわけであります。 今回は、土木部長の答弁で私は了としますが、やはりそういう土木部の体制をちゃんとしっかりしていただかないと、現時点でいろいろな問題が起きてきて、それが人命にかかわってくるような問題でありますので、皆さんも周知されているわけでありますから、のっとった形で適切な指導なり、今回の問題は国土交通省が認可した団体でありますから、県は直接関係ないと言えばそうなんですけれども、そうは言いながら、同じ土木行政、建設行政をやる中で、行政体として、やはりチェックを早急にして、県民の不安をなくすような行動をとっていただきたいなと思います。それについて、何か思いがあったらお聞かせください。
    ○議長(末永美喜君) 土木部長。 ◎土木部長(城下伸生君) 今後、私どもは、議員ご指摘のとおりだと思っておりますので、構造等のチェックにつきましては、今後、県、長崎市、佐世保市の建築指導部局、あるいは一級建築士事務所等の業界団体とも連絡調整会議等をつくりまして、チェック体制について対応策を構築していきたいというふうに考えております。 ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) そのようによろしくお願い申し上げます。 有明海の水産振興についてでありますが、水産部長が答弁していただいたように、前々から入り会いの漁場でありますし、いろんな問題をはらんで、各県の有明海に対する事業策定でいろんなことが起きているというふうに、それは漁業被害に関してもありますし、いろんなことが起きているんじゃないかと思います。だから、常日ごろからそういうふうな、もう従前から言っているわけでありますが、当時は、4県の部長の方たちでいろんな話をされているということで、随分お聞かせをいただいておりました。これが、今回、新たな形になって、それぞれで共同でやっていくと、国が関与しているのかもしれませんけれども、そういう形で4県で共同でするという事業ができたということは、非常に喜ばしいことでありますし、ぜひそういう事業をもっと数多く、幅広くやるためにも、効果があるような結果を出していただきたいというふうに思います。 先ほど言われた数字なんですが、50万尾とか、100万尾とか言われても、私たちは素人なので、全体がよくわからないんですよね。できれば、我が県のも含めて、我が県が非常にそういう振興事業は弱いという話も午前中あっていたみたいでありますので、全体が500万尾やる中で長崎県は50万尾と言われたら、なんだそんなものかと思うんですが、そういう全体の数字と各県がどういうふうにやっているかというのも、今は資料がないかもしれませんけれども、ぜひそういう報告を今後やっていただいて、県議会としては、長崎県はもうちょっと頑張らないといけないとか、頑張った方がいいよとか、そこの部分は十分やっているから、じゃ別の新たなものをどうかというような比較対照できるようにしていただきたいなと思います。 それと商店街の活性化事業なんですが、商工労働部長、既存にある事業とすればそうなんですよ。もう商工業者というのは、農業とか、漁業とかの第1次産業と違って、なかなかに補助事業がないというのは常に言われているんですよね。なぜかといった時に必ず出てくるのは、個人支援になってしまいがちであるということなんですよ。そのかわりに、今、低金利で融資されているから、その低金利の融資の中でそれを履行したらどうかという話をされるんだけれども、先ほどの問題でも話をしたように、やはりお金を借りるということは返さなければいけないということですから、どんなに金利が安くても、借りても返すのが大変だからみたいなことが先に出てしまって、もう自分が持っている蓄財をちょこちょこ出しながら、この嵐の中を過ごしていこうなというような形で、そうしてくると、県がこんな商店街を活性化しようよとか、元気のいい商店街はいいんですよ、四ケ町みたいにね。ほかのそうじゃないところは、非常にそこに行き着かない。私は、先ほど壇上で話をしましたとおり、青年会議所におりましたので、まちづくり大好きでやっていましたけれども、その先輩たちがもう元気がなくなっているんです。どうしたものかなと思っているんですが、農業施策みたいに、例えば、前は10人とか、20人とか、8町歩、9町歩とか、農協を経由しないといけないとか、いろいろあったんですが、今はほとんど同一業種で3人ぐらい集まったらハウスをぼんぼんぼんとつくれるとか、やっているんですよ。これはどっちかというと、生産性を上げるという話よりも、経営を強化していくということじゃないかなと思うんですよね。だから、そういうふうにもう第1次産業はシフトしてきている。 そうすると、今まで商工業者は自分でやりなさいよというところを、いや、そうじゃないんですよと、商工業者にも何かのそういう支援はしましょうと。肉屋さんが3軒ぐらい集まったら肉屋専門店をつくる資金の半分は県が出して、残りの4分の1は市町村が出して、あと個人負担4分の1でよかですたいみたいな、そういうふうな話があってもいいと思うんですけれども、そういうことは考えられないんですか。 ○議長(末永美喜君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(中本豊治君) 個人事業主に対するいろんな支援措置につきましては、農林水産施策だけではなくて、私ども製造業、中小企業者向けの施策は、既にそういった個人企業単位の支援措置も持っておりますので、それとの均衡において、十分支援策の検討ができるんじゃないかと思っておりますが、ただ、商店街を構成する個店の魅力をいかに引き出していくか、いかにつくり上げていくかという視点で、やはり複数の店が同時に、その商店街の中において魅力をつくり出していくという形じゃないと、面的な活性化は出てこないんだろうというような思いもありまして、今まで主に商工会、あるいは商工会議所、商店街振興組合が実施する「一店逸品運動」でありますとか、あるいは空き店舗対策でありますとか、個店の魅力アップ対策事業、そういったものの事業主体をそういった団体に限っていたわけでございますけれども、ご指摘の対策についても検討してまいりたいと思っております。 ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) そういう話を、実は担当課の方が来られて話をする中で、空き店舗対策でやる気のある新規事業をやる方に、その空き店舗を区分して、そこに1年間家賃は取らないようにして入れて事業をやっていくという事業があるそうですね。それで1年間その補助事業を受けて、70ぐらいやられたうち、その後30店舗ぐらいは事業主として事業をやられているという答弁がありましたが、その話も聞きました。ただ、そう聞いていたんですが、当該のそういう商店街の空き店舗がありますよね。アーケードの空き店舗に入って、そのまま営業をしているかといったら違うんですね。その方たちは、その商店街から別のところに行っているんですよ。なぜかといったときに、商店街は家賃が高いんですよ。家賃が高いから、家賃を払わないでいいよと言いながら、そこで経営の勉強をして、その人たちはそこの商店街に残らずによそでするんですよ。 私は、その商店街の空き店舗対策であれば、そのままその商店街にいられるようにしなければいけない。その時に、家賃は全然関係ないということにしてしまうと、1年後には家賃が発生するわけだから、当然そこでできないからよそでしますよとなりますよ。だから、家賃がゼロというのはおかしい。経営をやっていこうという人間に、家賃はゼロですよというのは、おかしいと思っているんですね。それは、そこに新しい事業者をつくるということではなくて、その空き店舗に対する支援にしかならないわけですよ。空き店舗がずっと空きっぱなしではしようがないから、そこの家主さんに県と市町村と商店街の3つが負担をして、そこに家賃を払うわけですね。空き店舗を持っている家主さんに対する支援にはなるかもしれないけれども、そこに住んでいる人たちが、次に同じようにやっていくには難しいわけですよね。 だから、私は、そういう空き店舗が、例えば、1人で100平米借りられなかった場合に、20平米で、もし5人いるとするじゃないですか、小さい店舗をね。そうしたら、その5人がそれぞれここでやれば借りられると。でも、家主さんは5人のうち3人ぐらいは残るかもしれない、2人ぐらい抜けたら、家賃がフルに入ってこないものだから、貸さないわけですよ。そういうものを県が補償すればいいんじゃないかと思います。2人減ったら、また新たな2人をそれにつぎ込んでいくと。必ず5人を確保するように県が保証人になりますよと。そのために商工労働部で審査をして、そういう人を当て込んでいくと、商店街にその人たちが店をつくるわけですよね。家賃を下げろとは、なかなか言いづらいんでしょうから、そういう空き店舗対策を考えて、なおかつそういう若い人たちを育てようと思ったら、そっち側を見た方がいいと。何か家賃を1年間払わぬでも、2年後には家賃が発生するわけだから、その人たちは商売にならぬわけです、もともとがね。だから、そういうふうなことは、若い経営者をつくる、新たな経営者をつくるという話ではないと思いますので、ぜひそういう事業があった方がいいと思うんですが、どうお考えですか。 ○議長(末永美喜君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(中本豊治君) 空き店舗対策事業の中で、そういった課題があるということは、私どもも認識しておりますので、具体的には地元の市町、自治体、あるいは商工団体とも、その付近を十分議論させていただきながら、やはり店舗の所有者に対する家賃補助というだけでは、ご指摘のとおり、次の活性化にはなかなかつながってこないという面も理解できますので、検討させていただきたいと思っております。 ○議長(末永美喜君) 浜崎議員-39番。 ◆39番(浜崎祐一郎君) 本当にいろんな施策を県の方で講じられています。 そういう中で、どうしても第1次産業、第2次産業というものも、知事がよく言われる企業誘致とか、工業用地とか、いろんなことを考えられているんだけれども、どうしても国も中央集権になってくる、長崎県も都市部にやっぱりシフトしていく。島原半島も合併をして、3つの市になるわけですね。そういう中でやはり市にはなる、16の町が市になるということは、一つの大きな、ランクが上がるわけじゃないでしょうけれども、町から市に上がるということだけで、何かすごい大都市になったような気がするんですが、内容は全然変わらないわけですよね。そこに散在している商工業者がいて、散在している漁協とかがあって、それもやはりいずれは集中していくんだろうけれども、今は昔の旧地域地域でやられているわけですね。そこにどうしても点在してしまうものだから、ハードウエアの支援はなかなか難しいわけです。 私は、市町村合併の中で、ハードウエアの事業というのは、当然合併市町村の協議会の中で協議をされていますし、それは文化会館をつくろうが、市庁舎をつくろうが、いろんなハードウエアに対する補助はあると思います。ソフトウエアは非常に弱くて、それをしていかないと、地域の元気は出てこないんじゃないかと思いますので、今回の基本的な話はそうだと思いますので、ぜひそういうふうなソフトウエア事業を構築できるように頑張っていただくことをお願い申し上げまして、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(末永美喜君) これより、関連質問に入ります。 馬込議員-40番。     〔関連質問〕 ◆40番(馬込彰君) 浜崎議員の知的財産の活用について関連してお尋ねいたします。 これは先ほど政策調整局長から、長崎県知的財産活用支援事業を2カ年事業で取り組まれるというような話もあったんですけれども、この知的財産というのは、国も3年近くいろいろ議論しながら、「知的財産立国」を国家戦略で目指すというようなことを言われております。特許だけじゃなくて、あらゆるソフト、写真、音楽、著作物、落語なんか、口述するものもすべて知的財産というふうになるわけでございますけれども、これは「知的財産基本法」ができてから、自治体の責任としてやらなきゃならない責務が法律の条文に盛り込まれておりますけれども、その結果、こういう事業をやるということでは、私は長崎県の持っている知的財産を活かすことはできないんじゃないかというように思うんですけれども、この事業を立ち上げるまでについて、この長崎県の持つ知的財産をどういうふうに活用するというような議論がされてきたのか。まず、そのことについてお尋ねしたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 政策調整局長。 ◎政策調整局長(諸谷英敏君) 議員ご指摘のとおり、平成14年の12月でございますけれども、「知的財産基本法」が国の方で策定されまして、その法律の中で、我が国の知的財産の一翼を地方公共団体も担うということで、地方公共団体もそういった知的財産の活用、保護、それから創造、そういった点の責務を負うことになったわけでございます。ちょうど私どもの県も平成15年に科学技術振興課という形でつくりまして、科学技術の振興と産業の振興を図っていくということでスタートいたしました。 知的財産の基本戦略を県としてもつくる必要があるということで、昨年の春段階から、各大学ですとか、産業関係、そういったところでワーキンググループをつくっていただきまして、そちらの方で知的財産の戦略についての検討会議を何回も重ねたわけでございます。その結果が、本年の3月に「長崎県の知的財産戦略」という格好でつくらせていただいたという次第でございます。 ○議長(末永美喜君) 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) 私は、こういう県内に持っている知的財産をどう活かしていくか。それと、そういう知的財産を次から次につくっていかなきゃならない、クリエイターをどうやって育てていくのかという問題もあるわけです。これは外部の研究者、有識者を集めて議論されるのは結構でございます。しかし、これから長崎県内のあらゆる小学生、小さい子どもから含めて、すべての人たちがクリエイターとして育っていく環境もつくっていかなきゃならない。これは庁舎内において、部局横断的なプロジェクトチームをつくって対応しなければならないほど大変な事業だと思うんですけれども、そのことについて、今後どういうふうに取り組んでいかれますか。 ○議長(末永美喜君) 政策調整局長。 ◎政策調整局長(諸谷英敏君) 県の方でつくりました「長崎県の知的財産戦略」は、実は4つの具体的な行動方針を定めておりますけれども、知的財産の創造、保護、活用、それから人材の育成ということも書いておりまして、その中には、「子どもが科学技術に触れる機会の充実」といったことも書いております。 したがいまして、議員ご指摘のとおり、学校教育等も含めまして、全庁的な形で科学技術の知的財産戦略について考えていく必要があろうかと思っております。 ○議長(末永美喜君) 馬込議員-40番。 ◆40番(馬込彰君) この事業については、全国みんな同時スタートされていると思うんだけれども、全国平均の内容だけしかつくらなかったら、全国の平均以下にしかならないんですよ。長崎県の知的財産を本当に価値あるものにする、あるいはビジネスに結びつけていく、産学で本当にすばらしいビジネスとして成立させていくとか、そういうふうな環境整備をするには、平均的な発想じゃ、長崎県の知的財産は死んでしまうと私は思うんだけれども、長崎県として、やっぱりもう少し意気込みを感じるような体制で取り組んでいただきたいと思っております。 ○議長(末永美喜君) 時間です。 朝長議員-44番。     〔関連質問〕 ◆44番(朝長則男君) 浜崎議員の商店街の活性化対策の項目につきまして関連して質問をさせていただきたいと思います。 今、商店街の活性化対策につきましては、浜崎議員の方からも私見を交えながら質問がございましたし、それに対する商工労働部長の答弁もございました。いろんな活動をやっておられるということは評価をしたいと、このように思うわけでございますが、その中で、今、大きな課題になっているのが、中心商店街が空洞化していくというような問題がございます。特に、大型店舗が郊外に立地をするということで、中心商店街が非常にダメージを受けるというようなことがございますし、また中心商店街ばかりじゃなくて、郡部の商店も非常に壊滅的な打撃を受けるというようなことがあるわけでございます。 そういう中で、福島県が10月の十何日ですか、「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」というものを制定いたしまして、中心市街地の空洞化対策ということ、あるいは人口減少社会に合わせた、将来に合わせたコンパクトなまちづくりをやっていこうというような、そういう中で福島県が条例をつくっているわけでございますが、これに関しまして、長崎県としてはどのような考え方を持っておられるのか。今後の取り組みとしてどういう取り組みをしていこうと考えていらっしゃるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 商工労働部長。 ◎商工労働部長(中本豊治君) お尋ねの大型店の立地と中心商店街、あるいはその他の商店街との関係の問題でございますけれども、現在、国におきまして、大店立地法の見直しがなされておりまして、そこにおきましての議論は、やはり郊外に大規模に立地する大型店、それを中心商店街と共存できるような形での適正な立地に誘導していくシステムはどうあるべきかということの議論が一つなされております。 もう一つは、中心商店街の活性化につきまして、さらにどういった対策の充実を図っていくべきかと、主にこういった2つの大きな視点で大店立地法の見直しがそれぞれなされておりまして、我々もその動きを十分注意しながら、今後の大型店対策について対応を検討していきたいというふうに思っておりますが、福島県で制定されました条例は、もちろん承知しております。ただ、福島県の場合におきましても、条例は設置しておりますが、実質的な中身はこれからいろいろつくっていくという状況であるというふうに聞いておりますので、大店立地法の基本的な考え方から見て、条例化による手法がいいのかどうかも含めて、今後、そういった国の考え方等もあわせて検討していきたいというふうに思っております。 ○議長(末永美喜君) 朝長議員-44番。 ◆44番(朝長則男君) 「まちづくり三法」ということで、国がそれを見直しをして、おそらく来年の国会に上げるんじゃないかというような予測もあるわけでございますが、それはそういう形でうまく機能していけばいいわけでありますけれども、それがうまくいかない場合には、長崎県としては大変厳しい問題を抱えるんじゃないかなというふうに思うわけですね。そういうことで、ぜひそういう福島県の立地条例等も含めながら、検討を進められるということをぜひお願いをしておきたいと、そのように思うわけであります。 やはり高齢化社会で人口減少化していくということ、そしてコンパクトなまちづくりをしていかなければいけないと、あるいは社会資本の整備されたところに人が住みやすい形をつくっていくということ、こういう非常に大きな問題を抱えているんじゃないかなと思いますので、ぜひ今後、検討を進めていただくよう要望しておきたいと思います。 以上です。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。 自由民主党・諫早市選出の北浦定昭でございます。 今議会は、私にとりましては、はじめての質問をする議会ですが、金子知事におかれましては、2期目の最後、締めくくりの議会であります。知事に対する私の一般質問が、今回唯一、一回限りとならないように、選挙で頑張っていただいて、(笑声・発言する者あり)再び壇上で相まみえることを期待しながら質問をいたしたいと思います。(笑声・発言する者あり) 1、金子県政8年間の自己評価と3期目について。 知事は、平成10年2月就任以来、8年間、公平・公正を旨として、強力なリーダーシップを発揮して県政を推進してこられました。 この8年間でできたこと、やり残してできなかったことなどの成果についての自己評価と、3期目リーダーが金子知事でないとできないと思うこと、つまり、自分しかできないと思われている事柄についてお尋ねいたします。 次に、知事は、今年11月、諫早市の商工会議所の年次大会に出席された折、あいさつの中で、自分は、県議も国会議員もやってきたが、何より知事職が一番大変だという意味の話をジョークを交えて話されました。 私は、それを聞いてこう思ったんです。厳しいということは、それだけやりがいのあることじゃないかと、こういうことも言えるんじゃないかと。 知事は、1期目の最初に当たる平成10年3月の所信表明で、「ふるさと長崎県を誇りに思い、限りない愛情を感じている。このふるさとに住むすべての県民の豊かな生活を実現し、夢と希望あふれる21世紀の長崎県を築くため、全力で邁進する」と決意を表明しておられます。 また、2期目の折は、平成14年第1回定例会において、「生まれ育ったふるさと長崎県に限りない愛情を抱き、限りない可能性を感じている。時代が大きく変わろうとしている今こそ、常に先を見据えながら、新しい発想と手法で長崎県の未来を切り開いていかなければならない」と述べておられます。 そこで、この8年間を振り返って、知事という仕事のやりがいについて、知事自身、どのように感じておられるのか、お尋ねをいたします。 さて、私は、諫早の市議会議員の時代に東京都に視察に行ったことがあります。そのころは、青島幸男知事から現在の石原慎太郎知事に政権交代が行われて3年くらいのことだったと思います。 その際、私が、都庁のある職員に尋ねたことがあります。「青島都知事から石原都知事に交代して、何が一番変わったと思いますか」という質問をしたところ、その都庁の職員さんが即座に、「何といってもスピードが違う。トップが結論を早くと言うので、皆がスピーディな処理をするようになった」というような答えでありました。なるほどトップ次第で職員も変わるものだなと感心した次第であります。 また、今年7月には、県議会議員として、特別委員会の視察で田中知事がいらっしゃる長野県に行ってまいりました。その際、同じように長野県庁の職員に聞いてみたところ、「前の知事のままなら、自分は優秀な官僚になっていただろう。(笑声)田中知事にかわってから、市民サイドに立って政策を考えるようになり、自分としては、随分、人格形成にも役立ったと思っている」と、そういう趣旨の答えがありました。これは、同僚議員も行かれておりますので、聞いておられたというふうに思っております。(発言する者あり) そこで金子知事、知事は、本県の職員が他県の人から聞かれた時に、知事の県政に対する姿勢、思いといったものを、いわば金子イズムとして職員に浸透させた結果として、どういうふうに職員に答えてもらいたいと期待するものがあるか、(笑声)ご所見をお伺いいたします。(発言する者あり)職員の心構えといったものについても、この際あわせてお伺いしたいと思います。 県は、国と市町村の間にあって、同じ地方公共団体とはいいながら、みずから市や町村とは違う、県としての独自の役割を担って行政に当たっておられます。 そこで、県行政と市町村行政の違いをどのように認識して行政に当たっておるのか、お尋ねをいたします。これは、私が若葉マークだから質問できるという項目じゃないかというふうには思っておりますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。 私は、県において、市町村との違いをしっかりと認識して、日々の行政に当たるべきと考えておりますが、これは本当は各部長に、通告なしでそれぞれの言葉で語ってもらいたい気持ちを持っておるわけでありますけれども、いかんせん、時間的なものもありますので、日ごろ、市町村と接する機会が多いだろうと思われる地域振興部長にご所見を伺います。(笑声) 次に、知事にお尋ねいたします。 私も県議になりまして以来、職員の方々と接する機会も数多いわけですが、県職員の皆さんの新人議員である私に対する対応は、非常に丁寧で誠実であります。と、私は、常々に感じております。ただ一つ気になりますのは、県議会議員でない、一般の県民の方々への接し方はどうなのかということであります。知事の意を体し、県政の最前線で働く職員の皆さんは、金子県政の顔であると私は思うわけです。こういう厳しい時代であります。職員の士気を高め、知事が進めておられる県民との協働を推進していくためには、やはり職員の意識づけをどう持っていくかということが重要なかぎになると思うわけであります。(発言する者あり) そこで、金子知事は、職員の意識改革にどのように取り組んでこられたのか、今後はどう進めるのかについて、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、給与構造改革への取り組みについてであります。 本年8月に人事院は約50年ぶりの大きな改革として給与制度全般にわたる抜本的的改革を求めました。この改革は、年功的な給与上昇の抑制と職務・職責に応じた給与構造への転換を図ろうとするものであり、本県においても、去る10月11日に国に準じた人事委員会の給与に関する勧告が示されております。 現在、これを踏まえた給与制度の見直しについて、県当局と組合との間で交渉が重ねられていると伺っております。この見直しは、行政改革を進める上では避けて通れない問題と認識しており、知事におかれては、給与構造を変えていくんだという強い意思を持って取り組んでいただきたいと、私は考えております。 皆さんご承知のように、小泉総理は、郵政民営化を盾に選挙をし、国民の審判を受けたとして郵政民営化を強力に推進いたしました。 ここで、私は提案するわけでありますが、ぜひ、知事は、この給与制度について、公約の第一番と掲げて知事選を戦い、戦い勝った後には、150万県民の推しがあるということで、積極的に対応したらいかがかと思うわけでございますが、その点を踏まえまして、ご所見についてお伺いいたしたいと思います。 次に、知事は、就任当初から、開かれた県政を目指して、さまざまな機会を通じて県民の声に耳を傾ける努力をされておられます。 県民の皆様からも、知事に対して、いろいろなご意見、ご提言が、手紙やメールなどで寄せられていると思いますが、それぞれ何通きて、その内容はどのようなものでしょうか。また、それらの手紙やメールについては、どのように処理されているのでしょうか、お尋ねいたします。 また、昨年には、県内各地で、地元市町村と一緒になって、「県政タウンミーティング」を開催してこられました。「県政タウンミーティング」については、他県でも同様の例がある。聞くところでは長野県の田中知事は、就任当初は四十数回を、くるま座集会としてされたそうであります。しかし、私が聞いた範囲では、この1年間は1回もされておらないようであります。 なお、佐賀県の古川知事は9回、そして金子知事は10回行っておられます。知事が直接県民の皆さんと直結していくことは、ある意味では、我々議員にとっては、もろ刃の剣ともなるものでありますけれども、私は、「県政タウンミーティング」の開催は、県民との直接対話を通じて、円滑な県政を進めるためには、とても役立つ、よいことだと思っております。 そこで、「県政タウンミーティング」の成果と、今後についてお尋ねをいたします。 今後とも、もっと機会を増やすべきと思うが、知事のお考えをお伺いいたします。 2、新国土計画について県はどのようにして情報を収集し、対応しようとしているか。 去る7月に、総合的な国土の形成を図るための「国土総合開発法の一部を改正する等の法律」、いわゆる「国土形成計画法」が成立しております。 「国土総合開発法」は、昭和25年の制定であり、戦後の復興を終えて、新たな発展を目指す我が国の国土づくりの基本となる法律でありました。 この法律に基づく「全国総合開発計画」は、高度経済成長の担い手として、昭和37年にはじまる第1次の「全国総合開発計画」、一全総を皮切りとして、新幹線、高速道路網などの大規模プロジェクトの推進を打ち出した昭和44年の二全総、安定成長経済を背景に、定住圏構想を提唱した昭和52年の三全総、東京一極集中の是正を目指した昭和62年の四全総まで、その時々の時代の要請に沿って、国づくりの方向を打ち出し、それを実現する主要事業や投資規模の計画に盛り込んできたわけですが、各計画を一貫している底流は、国土を開発し、国民の豊かな暮らしの実現を目指すということであり、さまざまな地域の持つ地理的・経済的条件から生じる発展のアンバランスを是正し、国土の均衡ある発展を目指していこうとするものでありました。 しかしながら、バブル崩壊とともに、アジアの輝ける星であった我が国の国力発展にも、さすがに陰りが見えはじめ、平成10年に策定された現在の全総は、新しい全国総合開発計画、「21世紀の国土のグランドデザイン」と名づけられ、それまでと違うスタイルとなってきたものであります。 この中で、既に「国土総合開発法」の抜本的な見直しの必要性がうたわれており、今般の「国土形成計画法」の制定につながったものであります。 今回の法改正では、従来の「国土総合開発法」という名称が、「国土形成計画法」に改められ、策定される計画も、「国土総合開発計画」から「国土形成計画」と改められたと聞き及んでおります。 このことの背景には、新しい全国総合開発計画も含めて、5次にわたる全総の成果として、工場や大学の地方への分散が進んだり、東京、名古屋、関西といった三大都市圏への人口の流入が穏やかになったりしているというようなことが言われておりますが、一方では、東京一極集中の是正はうまくいかず、過疎地域はかえって増加してきているばかりか、土壌汚染や水質汚染などの環境問題が大きな課題となってきており、いわば全総計画の制度疲労が出てきたものと言ってもよろしいのではないかと思うのであります。 本県にとっては、言うまでもなく、本県の重要なプロジェクト、新幹線や九州横断自動車道、地域高規格道路等の高速交通体系の整備、諫早湾干拓など、県政の振興を担う本県への重要なプロジェクトについては、国づくりの根本的な計画である全総計画に位置づけられることが必要不可欠なものであり、これまでそのようにされてきているものであります。 事ほどかように、本県にとって重要な全総計画の動向については、本県としても常日ごろから積極的な情報収集に当たり、常に最新の情報、動きを把握しておく必要があるのではないでしょうか。 そこで、まず今回の「国土形成計画法」の制定及び新たな国土計画に関する国の動向の把握については、県はこれまで、どのように情報収集してきており、今後、どう対応しようとしているのか、お伺いをいたします。 また、国土計画の制度に関する今回の見直しのポイントといったものは、どういったことなのか、あわせてお尋ねをいたします。 次に、県の長期総合計画 後期5か年計画「ながさき夢・元気づくりプラン」は、6月定例会での審議を経て、去る8月に策定され、先日、これに基づく平成18年度重点施策推進プログラム案と平成18年度予算要求内容が、プランの実現に向けた第一弾として公表されたところであります。 「ながさき夢・元気づくりプラン」は、県が独自に策定した本県の計画ではありますが、計画に盛り込まれた各種の施策、事業の円滑な実施に向けては、自主財源に乏しい本県にあっては、国の支援を受けながら円滑な支援を図っていくことが必要不可欠とされるのであります。 そのためには、国は国の計画、県は県の計画と、それぞればらばらであってはいけないわけで、お互いに密接な連携を保っておくことが重要だと思うのであります。 そういう観点から、今度の国土形成計画法に基づく各地域ごとの計画には、本県の重要なプロジェクトがしっかりと位置づけられておかなければならないわけですが、そこで、「ながさき夢・元気づくりプラン」と「国土形成計画」との整合性はどのように図られていくことになるのかについて、お尋ねをいたします。 3、巨大クラゲ等による漁業被害の現状と対策について。 昨晩は緊張の余りなかなか眠れませんでしたので、実はビデオで特集を見ておりました。巨大クラゲとはエチゼンクラゲ、ビゼンクラゲ、ヒゼンクラゲの総称で、直径30センチメートル、3キログラムのクラゲが、数カ月で2メートル、200キログラムにもなるという、日本近海で発生するクラゲでは最大と言われています。テレビでは、中国沿岸の環境変化が原因で異常発生し、日本海に、実に1日5億匹流れ込み、対馬海流で北上し、被害は全国に広がっていると報道されています。 そこで、巨大クラゲ等が、本県の水産業に与えている被害の実情と、どのような対策を行っているかについて、お尋ねをいたします。 4、公立高校図書館について。(1)公立高校図書館の役割と重要性についてどのように認識しているか。(2)専任の司書配置についての要望にどう対応していくか。 以上について、お尋ねをいたします。 5、平成16年度からはじまった公立校の中高一貫教育の目的と現時点での評価について。 平成16年度から長崎東高校と佐世保北高校に導入された中高一貫教育について、その目的と現時点での評価についてお尋ねをいたします。 6、新聞報道への対処について。 これは、先ほど私の先輩議員であります浜崎議員も言われましたけれども、耐震強度偽造についてであります。 浜崎議員と全く同じ気持ちでありますけれども、質問は別の角度からしていきたいというふうに思っております。(発言する者あり) ここに、11月23日の西日本新聞の切り抜きがあります。これには小見出しがありまして、「九州9県自治体調査に着手」というふうに書いてございます。そして、「該当物件における構造計算書の偽造の有無や、念のため、一定規模の建築物をチェックする方針を相次ぎ表明、住民の不安解消に向けた動きが本格化した」と書いてありまして、各県の対応が書いてあります。 「佐賀県は、該当物件が4件あったけれども、いずれも問題ないとする調査結果を発表した。鹿児島県では、県内で過去5年間に建てられた一定規模の建築物200棟について偽造の有無を調べている。北九州市では、調査をはじめた。熊本県は、木村建設に対し立ち入り検査を行うため、職員を派遣。だが、同社が業務を休止したため、社内に入れなかった」というふうに書いてあります。 「該当する物件がなかった自治体も対応に追われた。大分県は、過去5年間にさかのぼって調査する方針、対象は5,000件と見られる。宮崎県は、今後、マンションなど5,000~6,000件の物件を調査する」とあります。 そして、我が長崎県は、こういうふうに書いてありました。「一方、長崎県建築課は、県が調べても、千葉県以上のものが出てくる可能性は低いとして、県独自の調査は行わない考えを示した」と、こういうふうに書いてあったわけです。 それで、私は、どうして調査をしないのだろうかと、まず単純に疑問に思ったんです。それから、もう一点は、千葉県以上のものが出てくる可能性は低いと判断した、どういう根拠でそういう判断をしたんだろうと思いまして、建築課にお伺いに行きました。そうしましたら、即座に、「実は今、調査中なんです」とおっしゃるんです。「調査中」ということは、新聞の報道と違うじゃないかと、私は申し上げたんです。そうしたら、国土交通省の分は調査中で、その他は県独自では行わないというふうに新聞記者には申し上げたんですけれども、こちらの「行わない」ということだけが載ってしまいましたということでございました。 しかし、この記事からは、県民の不安を払拭するという当局の姿勢は伝わってきません。どうしてこのような報道になったのか。 それから、また私は、この問題のような、県民の皆様が不安に思っていらっしゃるようなことについては、正確・迅速かつ適切に行うべきだと思います。報道機関からの取材に対しては、どのような企画で、どのように掲載するのかを確認した上で、広報でまとめてコメントするのか、各課で対応するのか、県民の立場に立って情報提供をすべきではないか思いますが、今後の対応を含めて当局の見解を求めます。 以上、壇上よりの質問を終わり、時間があれば、自席より再質問をいたします。(拍手) ○議長(末永美喜君) 知事。 ◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕北浦議員のご質問にお答えする前に、大変温かい激励の言葉をいただきましたこと、厚くお礼申し上げます。 それでは、ご質問にお答えいたします。 この8年間を自己評価して、どのように捉えているかというお尋ねでございます。 私は、知事就任以来、公平・公正を信条に、県民の皆様の声に謙虚に耳を傾けながら、県民本位の県政の推進に誠心誠意努力してまいりました。 就任当初の平成10年ごろは、長引く景気停滞や社会システム全般にわたるひずみの表面化により、困難な問題が山積し、我が国が大きな改革を迫られていた時期であり、行政のあり方についても中央集権型から地方分権型への大きな転換期でありました。 私は、国、地方を通じた厳しい財政状況の中、国に大きく依存した従来の地方行政の仕組みでは、将来立ちいかなくなることを繰り返し訴え、徹底した情報公開と県民の県政参画を進めるとともに、民間活力の導入や行政コストの削減、職員の意識改革など、行政の仕組みや体質を思い切って改めてまいりました。 政策面におきましては、九州横断自動車道の延伸、出島バイパスや女神大橋の整備をはじめ、必要な社会資本の充実、企業誘致や地場産業の支援、農林水産物のブランド化など、産業の高度化、高付加価値化による産業振興を図るとともに、それまで必ずしも十分に活用されていなかった地域の豊かな資源を改めて見直し、個性と魅力あふれたまちづくりを進めるなど、地域の活性化にも取り組んでまいりました。 さらに、福祉、医療、教育、子育てといった安全・安心を向上させる施策についても、時代のニーズに対応して、着実に推進してまいりました。 この8年間の成果につきましては、最終的には県民の皆様に評価していただくことだと思いますが、私自身としては、本県の発展のために必要だと考えるものにつきましては、自分なりに誠実に努力してきたつもりであります。 もちろん成果が出ているもの、出つつあるものもあれば、まだまだ努力が必要な分野もございます。例えば、先般公表しました長期総合計画の数値目標の進捗状況を見ますと、福祉や人づくりの分野はおおむね順調に推移している一方、雇用の創出に結びつく産業振興や観光振興の分野については、景気回復の遅れなどの影響もあり、進捗が遅れぎみであります。 こうした点を謙虚に受けとめながら、今後は、「ながさき夢・元気づくりプラン」を県政運営の柱に、取り組みの遅れている分野や新しく施策が必要な分野の取り組みを一層強化しつつ、長崎県の将来を築いていくために必要な事業は、時機を失することなく、積極的に実施してまいりたいと思っております。 今後とも、県民の目線に立ち、なお一層、現場主義に徹して、山積する諸課題に積極果敢にチャレンジしてまいる所存でありますので、県議会の皆様のご支援、ご協力を賜りますように、お願いを申し上げます。 知事という職のやりがいについてのお尋ねでございますが、私は、国会議員のころから、長崎県を活力にあふれ、県民の皆様が誇れるふるさとにするために力を尽くしたいと考えておりました。 その思いを、県民皆様にご理解いただき、知事となって2期8年を迎えようとしておりますが、150万県民の代表として、県政の責任者として、地域の活力を向上させ、豊かな県民生活を実現する責任は重く、想像以上に激務であるということが実感であります。 しかし、県民皆様のご意見をお聞きしながら、県議会とともに県勢の発展のため、時代に合った施策を立案・実行し、そしてそれが形となることが、知事としての責任であるとともに、ある意味ではやりがいがあると言えるのではないかと考えております。 次に、金子県政になって何が変わったと職員に答えてほしいかということでございますが、このことに関しましては、職員一人ひとりが、これまでの私の県政を振り返りまして、感じたままに言葉にすることが適当であろうと思いますので、この場で私の口から直接申し上げることは控えたいと思います。 私としては、知事就任以来、県民本位の県政を実現するため、徹底した情報公開や慣例にとらわれない成果重視の県政運営、民間的手法の導入などを進めてまいりました。 また、これらをはじめとするさまざまな改革に加えて、職員に対しましては、机の上だけで仕事をするのではなく、絶えず現場に出て、県民のニーズを感じ取って仕事をするという現場主義の徹底や、仕事のスピードアップなども求めてまいりました。 このような私の考えが職員一人ひとりに十分に浸透するよう、職員の意識改革に今後とも努めてまいりたいと思います。 次に、職員の意識改革にどのように取り組んできたかというお尋ねでございますが、県民の期待に応えられる県政を展開していくためには、職員個人個人の意識改革は最重要であります。 私は、これまで、政策評価制度の導入、課長級への昇任選考や幹部職員を対象とした人事評価制度、社会人の中途採用、部局長による職務目標など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。 また、平成14年からは、「意識改革推進運動」と称して、職員との対話、県民サービス向上、事務改善、政策提案などのさまざまな取り組みを進めており、さらに今年度は、厳しい財政状況に関する危機意識を高めるため、各地域で職員への説明会も実施しております。 このように、積極的に職員の意識改革へ取り組んできているところであり、就任当初に比べますと、職員の仕事に対する取り組みの姿勢などもかなり進んできたと私は思っております。 しかし、まだまだ不十分なところも見られますので、今後は、これらの取り組みを、より効果的なものへと見直す一方、仕事を通じて上司が部下を指導していくことを強化するため、管理監督職員による部下指導能力向上にも努めてまいりたいと思います。 あわせて、議員ご指摘のとおり、県行政と市町村行政の役割分担を十分に認識した行政運営に、これまで以上に努めるため、さらに職員の意識改革に徹底的に取り組んでまいりたいと思っております。 次に、今回の給与構造改革は、昭和32年以来50年ぶりの大きな見直しであり、人事委員会勧告等を踏まえ、現在、職員団体と協議を重ねております。 本県の給与制度については、これまでさまざまな見直しを行ってまいりましたが、厳しい財政状況を背景に、国、地方を通じて、公務員の総人件費抑制が求められていることから、このたびの給与構造改革につきましては、見直すべきものは見直すとの姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。 公約云々について、選管にお尋ねしましたところ、それは答弁は避けた方がいいということでございましたので、ご理解をいただきたいと思います。 次に、県民からの手紙やメールの内容と、その処理についてお答えいたします。 県民から、私にご意見、ご提案をいただく手法として、「知事への提言」という制度がございます。 平成16年度では、新幹線、児童殺傷事件、観光活性化への提言など、手紙4件、メール150件、ファックス1件、計155件のご意見が寄せられております。 その中で最も多かったものが、新幹線に関するご意見で、「一日も早く着工してほしい」というものから、「必要ない」というものまで、22件のご意見をいただきました。続いて児童殺傷事件を含めた教育に関するものが14件となっております。 このように、いただいたご意見は、私もその都度、目を通しまして、関係部局の意見を聞いて、施策に反映できるものは反映させるよう指示をしながら、できるだけわかりやすく、丁寧に回答するようにしております。 なお、ご意見とその回答については、個人情報に関するものを除きまして、今年の8月から、県のホームページに掲載し、広く県民に公表して、開かれた県政の推進を図っております。 「県政タウンミーティング」についてのお尋ねでございますが、「県政タウンミーティング」につきましては、壱岐市での開催を皮切りに、昨年10月から今年7月にかけて県内10カ所で開催いたしまして、延べ約1万1,000人の県民の皆様にご参加いただきました。 「県政タウンミーティング」は、市町村合併の進捗を見ながら、合併後のまちづくりを主なテーマとして実施してきており、合併後の住民の一体感や住民主体のまちづくりの機運の醸成といった観点でお役に立てたのではないかと認識しております。 また、県民の皆様からいただいたご意見やご提言は、可能な限り、県の施策に活かすように努めておりまして、大村湾の漁場改善対策の予算化や体験型観光推進のための農家民宿等にかかる規制緩和など、既に政策に反映させております。 また、タウンミーティングのほかに、商工・農林・水産などの各分野ごとの懇談会等も随時実施してまいりました。 タウンミーティングの形としては、これまでの開催で一応の区切りをと考えておりますが、今後とも、いろいろな形で県民の皆さん方と直接お話する機会をできるだけ多く設けたいと考えております。 残余の質問については、部長より答弁させていただきます。 ○議長(末永美喜君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(横田修一郎君) 県行政と市町村行政との違いをどのように認識し、行政に当たっているかとのお尋ねでございますが、各部局、それぞれ市町村とのかかわり、あるいは市町村ともどもに一体となって取り組むべき業務はたくさんございますが、市町村の行財政運営の相談窓口ということで私にお尋ねだと思いますので、お答えをさせていただきます。 市町村は、住民に最も身近な自治体としての行政サービスを担い、県は市町村の枠を越えて、より広域的な政策の実施、あるいはより専門的な業務に特化されてくると、今後、思っております。 県としましては、市町が地方分権時代にふさわしい自治体として自立をし、地域資源を活かした個性あふれる地域づくりに主体的に取り組めるよう、また、市町の行財政運営が円滑に行われますよう、市町の意見をよく聞きまして、あるいは現地に赴くなりしまして助言等を含め、積極的に支援をしていくことが重要であると認識をいたしております。 ○議長(末永美喜君) 政策調整局長。 ◎政策調整局長(諸谷英敏君) 議員の方から「国土計画法」の関係についてお尋ねがございました。 まず、県としての対応でございます。 現在までのところ、国土交通省が主催いたします説明会への出席をはじめ、必要に応じまして、国への照会などを行いながら、情報収集等を行っているところでございます。 また、11月には、国土交通省の担当審議官が来県されまして、知事に対しまして直接、制度の説明がございました。 今回の見直しのポイントには、2つございました。 1つは、議員ご指摘のとおり、「開発中心からの転換」でございます。 新しい国土形成計画では、従来の開発基調の計画から、成熟社会型の計画に移行し、フローの拡大から既存ストックの活用へ、また利便性優先から国民生活の安全・安心、そして安定の確保へ軸足を移していくこととされているところでございます。 もう一つは、「広域地方計画の制度創設」でございます。 新しい国土形成計画は、「全国計画」と「広域地方計画」によって構成されるということになっておりまして、このうち広域地方計画につきましては、来年度前半ごろまでに、国において、いわゆるブロック割を確定するという予定でございます。そのブロックごとに関係する県や政令市等、そして国の地方支分部局からなる「広域地方計画協議会」を立ち上げまして、その中で地方と国が一緒になって、地方のビジョンとなる「広域地方計画」をつくるという仕組みが新たにできております。 なお、国の方のスケジュールでございますが、平成19年中ごろまでを目途に「全国計画」を策定し、さらにその1年後を目途に「広域地方計画」を策定したいということで、今のところは伺っております。 それから、「ながさき夢・元気づくりプラン」を、この計画にどう反映させるかというお尋ねでございます。 まず、広域地方計画の策定には、今申し上げましたように、県も広域地方計画協議会のメンバーとしてかかわっていくことになるわけでございます。 それから、新しい法律では、その策定過程におきまして、都道府県から意見を聞く仕組み、それから、都道府県の方から積極的に意見を提案する仕組みというのが盛り込まれております。 国が、全国計画や広域地方計画の中で、どこまで具体的な事業を盛り込もうとしているのか、まだ明らかではございませんけれども、県といたしましては、「ながさき夢・元気づくりプラン」が目指す基本的な方向や、プラン掲載事業のうち、広域的な視点での国土形成に資すると考えるものにつきましては、積極的に国の計画の方にも反映していただくようにいたしたいというように考えておる次第でございます。 それから、新聞報道への対処につきまして、ご指摘がございましたけれども、後で土木部長の方から経緯についてはご説明があろうかと思いますけれども、基本的な姿勢について、私の方から申し上げたいと思います。 記者発表や取材への対応など、報道機関への情報提供に当たっては、それぞれの担当課で、記者に対し責任を持って答えられる職員が正確かつわかりやすく、丁寧に説明するよう、日ごろから努めているところでございます。 特に、県民の皆様の関心が高い安全・安心に関する情報につきましては、改めて各部、各課に対しまして、迅速で正確な情報提供を行うように、なお一層、徹底を図るとともに、広報部門と関係課との連携を密にいたしまして、報道機関へ情報を適切に提供してまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 土木部長。 ◎土木部長(城下伸生君) 新聞記事についてのお尋ねですが、今回の新聞取材に対する私どもの説明は、「他県と同様、国土交通省からの要請による調査は行うが、現時点での対応はそれでよいと判断したため、県としての独自の調査は行わない」という内容でした。しかし、その趣旨が十分に伝わらなかったものであります。県民の皆様にはご心配をおかけして申しわけなく思います。 その後、11月29日には、改めてその時点で判明していた内容を公表いたしました。今後とも、正確で迅速な情報提供に努めてまいります。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 大型クラゲ問題についてお答えいたします。 大型クラゲにつきましては、本県では、8月から9月にかけて、対馬を中心に大量に来遊し、定置網では漁具被害、漁獲物の鮮度低下、網揚げ作業時間の増加等の支障が生じたほか、まき網、小型底びき網等の操業に影響があったとの報告がございました。 現在のところ、大量に来遊してくる大型クラゲの被害を防ぐ有効な手段はないことから、国におきましては、「水産庁大型クラゲ対策推進本部」を設置し、大型クラゲの混獲を回避、または軽減するための漁具改良、底びき網漁具を用いた洋上駆除実験等に取り組んでいるところでございます。 県としては、これまで大型クラゲの来遊状況の情報収集や関係機関への周知に加え、国に対し、来遊情報の提供等を行ってまいりましたが、昨今の出現状況から、来年度以降も大量の来遊が懸念されるため、引き続き、来遊情報の収集及び周知を行うとともに本県漁業者と一体となりまして、国等で取り組まれている技術開発等の成果をもとに、導入可能な対策について検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 公立高校図書館の役割と重要性についてのお尋ねがございました。 県立高校の図書館につきましては、毎日の生活の中で生徒が本に親しむための読書センターとしての役割と、それから学習に必要な情報を収集、選択、活用するための学習情報センターとしての役割があると考えております。 現在、各県立高校におきましては、朝の10分間読書等の活動によりまして、すばらしい本との出会いを通して豊かな心や感性を育む取り組みを進めております。また、さまざまな課題を探求し、情報の活用能力等を高める学習も進めております。このような教育活動において、学校図書館を活用して、その役割はますます重要になってきていると認識をいたしております。 それから、専任の司書配置の要望についてのお尋ねでございます。去る11月2日付で、長崎県高等学校教職員組合から県の教育委員会に対しまして、「学校図書館の充実とすべての県立高校に専任の司書配置を求める陳情」として提出があったものでございます。 県立高校図書館の運営につきましては、「学校図書館法」に基づきまして、12学級以上の学校に司書教諭を併任発令をいたしておりまして、図書館の運営を行わせております。 また、学校の状況に応じまして、事務職員の兼務なども配置をいたしておりまして、すべての県立高校で新たに図書館専任の司書を採用し、配置することは、現下の厳しい財政状況のもとでは困難であるというふうに考えております。 今後の運営につきましては、図書館にかかる教諭や、それから、生徒たちによる図書部の活動の充実など、学校図書館の利用しやすい環境づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、3点目の併設型の中高一貫教育の導入の目的、また、現時点での評価についてのお尋ねでございました。 現在、長崎地区、佐世保地区に導入をいたしております併設型の中高一貫教育は、現行の中学校3年間、それから高校3年間の制度に加えて、新たに6年間を見通した計画的、継続的な教育指導を行う制度を整えることで、生徒や保護者の学校選択肢の拡大を図るとともに、生徒一人ひとりの資質を最大限に伸ばしてやる教育の実現を目指したものでございます。 導入2年目を迎えているわけでございます。 両校における現状につきましては、学校が実施した調査によりますと、生徒の90%以上が大学等への進学希望、あるいは将来就きたい職業など、明確な進路希望や目的意識を持って入学しておりまして、それぞれの学校も、併設する高校教員を活用するなど、生徒能力の資質の向上に全力で努めております。 また、中学校、高校合同によります学校行事、あるいは部活動によりまして、異年齢集団での諸活動を通して、社会性や人間性の育成にも取り組んでおりまして、全体として生き生きとした教育活動が展開されていると評価をいたしております。 一方で、高校入試がございませんので、中学校段階における学習意欲や学力にどういった影響を及ぼすか、また高校に入学した後、高校入試を経て入学した生徒との学級編制や授業の展開方法等を今後どうしていくかという、そういった点が十分検討を要するというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) 6点目からいきたいと思いますが、先ほどきちっとした答弁をいただきました。しかし、浜崎先輩も言われましたように、どうも対応がぎくしゃくしたのではないかというふうに思っております。それは、基本的な根底の中に、県民の皆さんの不安を払拭するんだという姿勢がないからだと、私は思うんですよ。ぜひそこら辺を腹に据えて、今後、正確、迅速かつ的確で、しかも、県民の皆さんに不安を与えないための報道をするというような心構えでしていただきたいというふうに思います。 次の5点目でございますが、今日は、諫早の図書館長をされております平田教育委員会委員がおいででございます。併設型中高一貫教育について、これをどのように評価されているか、お伺いをいたします。 ○議長(末永美喜君) 教育委員会委員長。 ◎教育委員会委員(平田徳男君) この制度の特徴というのは2つだと思うんです。6年制であるということ、県立であるということ、この2つの特徴をどう活かしていくかということだろうと思います。 6年制であるということは、教育長の答弁にもありましたように、6年間を見通した教育ができるということ、中学校と高等学校のダブりがないということ、効率的な授業ができるということになります。そういう形で、同じ学校で6年間を過ごすことのメリットというものが活かされているということが一つでございます。 それからもう一つ、県立であるということからいいますと、中学校の授業に高等学校の方からも出かける、高等学校の授業に中学校からも出かけて行く、そういうことによって、ほかの中学校ではできない先進的な試みというのがいろいろとなされております。そういったことが、この2つの中学校でなされている教育の内容、教育のやり方が、いい影響をほかの学校に与えてほしいと、あそこだからできるというのではなくて、こういうこともできるのかという形でいい影響を与えてほしいというふうに思います。 中学校の先生は、将来、高等学校に行ったら、こういうことをするんだぞということはわかっていますけれども、それは頭の中だけであって、実際に日々それに接しているわけではない。同じように、高校の先生は、中学校からどんなことをしてきたのかということを、実際に知らない。それが両方わかっていく、そして、そこに勤めた先生方が県下の高等学校や中学校に散っていく、そのことによって、もっともっと中学校と高校の理解の仕方が深まってくるんではないか。特に、受け入れる高等学校が、中学生がどんなことをしてきているかということを知るということの教育的な効果は非常に大きいと思います。 ついでにもう一つ申しますと、ここで今、学校を回ってみて思いますのは、志を持った生徒が集まってきているということでございます。志は、塩のように溶けやすいということもありますけれども、その志を溶けさせないようにということで、教師も一生懸命でありますし、生徒たちも一生懸命応えようとしております。非常に礼儀正しく、しかも主張もきちっとできますし、聞けば、これが中学1年かと思うような答えを返してくれます。そういう意味で、この志を育てていく、生徒はみずから育て、教師はそれを育んでいくという、そういう教育に対する志の問題を、ここでひとつ大きく前進させてくれるのではないかという期待をしております。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) 教育長にお尋ねいたします。 今、平田教育委員会委員が言われた志のある生徒さんですね、県央地区から何人ぐらいが長崎の方に通っているか。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 長崎東中学校には、諫早、大村から1年生が25名、2年生が12名、合計で37名、全体で約15%程度でございます。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) 教育長は、さきの6月定例会で、先輩議員の中高一貫教育の質問に対して、「今後は、現在実施している中高一貫教育の取り組みの成果等を十分に検証するとともに、生徒減少期における県下全体の高等学校の適正配置や、それぞれの地域の実情等を総合的に勘案しながら検討を進めてまいりたい」という答弁をされております。 この、いわゆる次の時期ですね、それはいつ判断をするのかというのが1点です。 それから、この県下全体を見てということであれば、長崎市にあって、佐世保市にあってと、次は当然諫早市だというふうに、私は思うんですけれども、(笑声)諫早市に中高一貫校をつくるという、そういうふうなお考えがないか、お尋ねをいたします。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 中高一貫校の新しい導入時期についての判断の時機ということでございます。2つの時機が考えられると考えております。1つは、県立中学校の生徒が高校入学後、今、2年生まできていますので、あと1年たって高校に入るわけです。その3年間の教育の成果というものを検証した後というのが1つだと思います。 それからもう一つは、中高一貫の6年間の教育の成果として、高等学校を卒業した後、その進路がどのように実現されているのかというのを検証した後だというふうに考えております。 現時点におきましては、2つの県立中学校とも、大変充実した教育活動が展開されておりまして、高校入学後に一定の判断ができないかということを考えているわけでございます。 それから、諫早市への設置についてのお尋ねがございました。仮に、併設型の中高一貫校を新しく設置するとした場合、その適地といたしましては、これは一般的にでございますが、ほかの中学校に与える影響が大変大きゅうございますので、地元にできるだけ多くの中学校が存在する地域と、それから、中学生の進路選択の幅を広げるという趣旨がございますので、中高一貫教育を導入する高校以外にも複数の高等学校があるような地域で、しかも、通学が非常に広域的になりますので、交通の利便性のよい地域が望ましいというふうに考えております。 今後、こうした観点から、諫早市を含めまして慎重に検討する必要があるというふうに考えております。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) 私は、早飲み込みをする男ですが、諫早有力というふうに聞こえたわけであります。(笑声)9月まで私たちと同僚で、私の先輩議員でありました奥村前県議も、雲仙市の市長になっておられます。諫早に設置すれば雲仙市からも通学が可能でございます。喜んでいただけるんじゃないかというふうに思っておりますが、ぜひひとつ諫早市に早く設置していただきたいというふうに要望しておきたいというふうに思います。(発言する者あり) それで、4点目の公立高校図書館の司書についてでございますけれども、これは本当に、私も諫早の市議時代も一般質問でやったんですけれども、やっぱり市政も県政も一緒でございまして、財政難の中ですので、非常に難しい問題があろうかというふうには、私も理解をいたしております。 しかし、多くの方の賛同をいただいて、要望が出ているということでございますので、できればモデル校ぐらいを1つつくって、専任の司書を置けば、これくらいの効果があって、こういうふうに違うんだというようなことを検証されることも一つの手かなというふうに思いますし、知事がよく言っておられます県民との協働をしてまちづくりをするんだということであれば、ボランティアの皆様方に一緒にしていただくということも一案かなというふうに思います。その2点についてお尋ねいたします。 ○議長(末永美喜君) 教育長。 ◎教育長(立石暁君) 私も県立高校にまいった時には、必ず図書館をのぞくようにいたしております。そして、のぞいた瞬間に、その図書館がどういうふうに活発に活動しているかというのは感じるものがございます。その中でいつも思いますのは、やはり生徒自身が図書クラブ等の中で非常に熱心に取り組んでいる学校というものが生き生きとしているわけでございます。 それから、最近は、保護者の方が図書館にボランティアで入っていただいて、非常に活躍をしておられるということもございます。そういった実質的に生徒のために、その図書館がどういうふうに生き生きとなるかということが重要でございまして、嘱託については、ちょっと今のところは、なかなか難しいのではないかというふうに考えております。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) クラゲの問題に入りたいと思いますが、水産部長、被害の状況はどのようにして把握されているんですか。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 漁業を営んでいるところの漁業協同組合に問い合わせるという形が一般的でございます。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) それで、水産部長は現場に行かれたことはあるんですか。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 被害現場には行ったことはございませんけれども、漁協には行って話を伺ったことはございます。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) 知事は現場主義ですので、私も1回坂本議員に連れて行っていただいて、現場に行こうというふうには思っておりますけれども、ぜひ現場を見て、そして私が思うのは、昨日のテレビを見て、これはなかなか大変だなというふうに思ったんですけれども、とにかく1日に5億匹が日本海に流入しているということですから、これを退治するのは並大抵じゃないと思いますが、今や、日本の国家問題と言ってもいいぐらいの被害だと私は思うんですよ。そういう意味では、ちょうど長崎県の対馬のところが水際になるんですね、出入口に。ですから、ぜひ国に強く言って、長崎県と一体となって、全国の役に立つように、撲滅の検討をしようじゃないかというような働きかけをするようなお考えはありませんか。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 実は対馬の漁業関係者の方からも、ここで退治してはどうかというようなお話が出ております。現在、先ほど申し上げたように、有効な駆除とかの手段がないということで、それをどこで適用するかの問題だと思いますが、対馬周辺というのは、一番有力な場所ではないかと思っておりますので、手法が確立した暁には、ぜひ対馬近海でというようなことは、私も申し上げようとは思っております。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) それで、私が、この「巨大クラゲなど」としているのは、実はみそがありまして、私が聞いたのは、大村湾の多良見漁協ですか、あそこでもタコクラゲとかというのが発生して被害が出ているということですけれども、そこら辺については、水産部長は把握されていますか。 ○議長(末永美喜君) 水産部長。 ◎水産部長(本田直久君) 大村湾では、例年夏場に、今、ありましたタコクラゲ、あるいはミズクラゲといったものの発生が見られております。今年は、例年に比べて多かったという話は伺っておりますけれども、県には被害報告という形ではきておりませんので、また再度、どういう状況だったかということは、地元の多良見漁協等と話をしてみたいと思います。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) ぜひ、それこそ現場主義で多良見漁協に行かれて、被害の実態を聞かれて、対応策について協議をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 それから、2点目ですけれども、私がこの新国土計画についてお尋ねしたのは、これは当然実行が2007年ですから、先のことではあるわけですが、この担当の方に、この情報をどんなにして仕入れたんですかと言ったら、メールで仕入れたとおっしゃるんですよね。それから、私が議会事務局でいろんな資料をお願いする時も、ほとんどがインターネットなんですよ。 今日的には、東京まで飛行機で日帰りもできるんですね。ですから、私は、東京事務所が、こういう施策の情報収集という一翼を担っていると思うんですけれども、今までのような状況からすると、東京事務所も合理化、あるいは見直し、精査するということは、極めて重要じゃないかと思うんですが、その点について、長崎県行財政改革の星である総務部長にお聞きいたします。(発言する者あり) ○議長(末永美喜君) 総務部長。 ◎総務部長(高原剛君) 東京事務所につきましてお尋ねがございましたが、平成13年2月に策定いたしました「長崎県行財政システム改革大綱」によりまして、職員数23名ございましたものを14名へと減員する大幅な組織の見直しを既に行ってございます。これは省庁再編、「地方分権一括法」の施行に伴う要望活動の減少、あるいは議員ご指摘のIT化に伴う情報収集、提供手段の変化などを受けて行ったものであります。 また一方で、組織の見直しとあわせまして、首都圏の有用な情報を政策提案型の情報として本庁へ提供する、あるいは観光客誘致につながるエージェント対策を強化する、長崎県ブランドの積極的な情報発信、首都圏という地の利を活かした多彩な人材ネットワークの構築など、昔のような霞が関に行って情報を取ってくるといったような形ではなくて、新たな活動にも取り組んでおるということでございます。 今後も、情報化の進展、あるいは国と地方とのあり方の変化等を踏まえつつ、首都圏における本県の拠点として、東京事務所のより一層の活用等を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(末永美喜君) 北浦議員-12番。 ◆12番(北浦定昭君) 知事、先ほどの都庁の職員、それから長野県の職員に聞いた話、私も長崎県の職員3人ほどに聞いたことがあります。実は、金子知事になってから、行財政改革が進行したと、スピードアップしたという高い評価でありました。 日産自動車を再建したカルロス・ゴーン氏は、リーダーの素質について聞かれて、「生まれもってのリーダーはいない。経験を経て自信を持つことが大事だ」と述べておられます。 2期8年、経験と実績を積まれた金子知事が3選を果たし、今後4年間で行財政改革を推進し、「ながさき夢・元気づくりプラン」の実現への大きな前進をされますことを期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(末永美喜君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 12月5日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。     -午後3時42分 散会-...