佐賀県議会 2020-12-10
令和2年総務常任委員会 本文 開催日:2020年12月10日
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時 開議
◯定松委員長=おはようございます。ただいまから
総務常任委員会を開催いたします。
これより質疑に入ります。
通告に従い、順次発言を許可いたします。
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◯古賀和浩委員=皆様おはようございます。今回、
総務常任委員会の
委員会質問で
トップバッターということで初めて務めさせていただく、つなぐ会の古賀和浩でございます。いつもにも増してちょっと緊張していますが、執行部の皆様方には前向きで、佐賀県民にとって納得感のある答弁を期待いたしております。よろしくお願いします。
それでは問いの一、
コロナ禍を踏まえた県政運営についてです。
新型コロナウイルス感染症は、今年の春から全国的に拡大し、四月には
緊急事態宣言が出され、佐賀県においても休校、外出自粛、休業、イベントの自粛など、日常生活や社会経済に大きな打撃を与えました。人々はマスクの習慣や三密を防ぐなどの新しい生活様式を迫られ、企業はテレワークの導入や業態の見直しなど、
コロナ禍への対応を余儀なくされたところであります。
感染が拡大すれば
社会経済活動を抑え、感染が収まれば
社会経済活動を再開する、そしてまた感染が拡大するというように、
感染防止対策と
社会経済活動の両立を模索するという状況が続いております。
佐賀県は、「佐賀県総合計画二〇一九」の「人を大切に、世界に誇れる
佐賀づくり」を基本理念に、人を基軸に県政を進めていらっしゃいます。このような
コロナ禍の中でも、その基本方針に沿って計画し、実行されていると思っております。
しかし、本年度は、当初予算で決議された事業が
新型コロナウイルスにより様々な影響が出ましたし、事業を進める上で常に
感染症対策を考えなければいけなかった一年だと思います。
執行部や関係の皆様方の御苦労には本当に感謝しておりますが、まだまだ
ウイルス対策をしなければいけない状況であり、これからも県民のために全力を尽くしていただきたいと考えております。
その上で、令和三年度の当初予算を考える際に、この
コロナ禍の中での県政運営を考えなければいけないと思います。
一般質問でも触れられましたが、今年度、コロナの影響を受け、「佐賀さいこうフェス」はいろいろ変更して開催せねばいけませんでしたし、予定されていた「佐賀さいこう!応援団」などをはじめ、様々な催物が中止になったと聞いております。
市町においても同じで、今年は予定した催物がほとんど中止になっています。県民の中には、祭りをやっているどころではないとお叱りの声を発せられる方もおられます。
感染症の収束の見通しが立たない中で、今後も当面は
ウイズコロナの社会が続くと考えなければならないと思っております。
そこで、次の点についてお伺いいたします。
(一)令和二年度の当初予算に計上した事業への影響についてであります。
感染症の拡大は今年の春先からであったため、通常分である本年度の当初予算編成においては、当然この影響は考慮されなかったと考えます。見直しや中止された事業などもありますが、
コロナ対策など、逆に想定していなかった事業が増えている部分もあるかと思います。
感染症の拡大によって、本年度の当初予算に計上した事業にどのような影響があったのでしょうか、財政課長にお伺いいたします。
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◯金丸財政課長=令和二年度当初予算に計上いたしました事業への影響について御答弁を申し上げます。
委員が先ほど申されたとおり、令和二年度の当初予算におきましては、
新型コロナ感染症の拡大、例えば、追加で何かをしないといけない、こういうものは追加提案をさせていただきましたけれども、影響による減額ですとか修正、こういうものは通常の当初予算からは反映はできませんでした。
このため、財政課といたしましては、予算面の観点からも九月補正、あるいは十一月補正、この予算の時期に合わせて、財政課として影響があると思われる事業を約三百ほど抽出して精査いたしました。
その精査の結果ですけれども、例えば、国際線の運休、
インバウンドが減るという状況により、航空会社への運賃支援ですとか、旅行会社への宿泊補助の予算が不要になった、こういうものが一番大きな影響が出ております。
そのほかにも、
国民体育大会の選手の派遣が中止を余儀なくされた、要するに中止になったものがございます。
あと、
東京オリンピック・パラリンピックに参加する選手の
事前キャンプを受け入れるというものもございましたけれども、これも延期となったことで延期をせざるを得なくなった、こういう影響が出ております。
さらに、できなくなったということだけではありませんで、例えば、「弘道館2」というものをやっておりますけれども、これは
オンラインにより実施するということで、リモートですとか
オンラインによる見直しというものに変更したものがございます。
このように様々な影響が発生しているところでございます。
以上でございます。
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◯古賀和浩委員=様々な影響が出ていますね。九月、十一月の補正のときに精査を三百ほどされたということでお伺いいたしました。
それでは、令和三年度の当初予算の財源確保についてお伺いいたします。
さきの九月議会で、県財政の見直しの説明を受けました。見直しの中で、県税の落ち込みが予想されております。見通しとして、
令和元年最終で八百九十四億円あった県税収入が、令和二年では八百五十六億円、令和三年では八百三十億円、令和四年では何と八百二十七億円と減り続け、それを補う形で県債の推移の見通しとして、
令和元年最終で六百六十七億円あったものが、令和二年八百十億円、令和三年八百七十億円、令和四年七百二十億円と増加の見通しとなっております。
現在、佐賀県の自主財源は四割程度と、そういうふうにとどまっておりますが、「SAGA2024」に向けて
ビッグプロジェクトが控える中、このような状況でありますので、二〇一九年に制定され令和四年まで予定されています「佐賀県
行財政運営計画二〇一九」の基本方針も、さらに磨き上げなければいけないと私は思っております。
いずれにせよ、
コロナ禍において税収が落ち込んでいるのではないかと考えておりますので、来年度当初予算で
ウイズコロナ社会に対応した事業を進めるに当たり、必要となる財源をどのように確保するのでしょうか。
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◯金丸財政課長=令和三年度当初予算に向けて財源の確保をどうするのかということについて御答弁を申し上げます。
委員からも先ほど御紹介いただきました収支試算を九月議会に御報告させていただいております。三年度の当初予算編成を行うに当たりましては、一定の条件の下でその
収支試算というものを行わせていただきました。
税収ですけれども、委員がおっしゃるとおり、減少する見込みというふうに踏んでおりますけれども、なかなか見込むことが難しい状況にございます。
収支試算の段階では、政府も含めた複数の機関がいろいろな試算をしておりまして、九月議会でも御報告しましたけれども、
経済協力開発機構、いわゆるOECDが示した指標が一番厳しいものでありましたので、こちらを基に税収というものを算出させていただきまして、先ほど委員が御紹介いただきました数字になったということになっております。
税収の減額というものは、全額を交付税でカバーできないということになっております。そういうことでありますので、税収が減りますと、収支不足が拡大をいたします。この結果、令和四年度末におけます
財源調整用基金残高というものが、昨年度の試算で百二十億円から百一億円までに減少するというふうに試算した結果になっております。
こうした状況を踏まえまして、またさらに
新型コロナウイルス感染症の拡大、これはまだ予断を許しません。見通しがよく立ちません。想定以上に、先ほどのOECDの想定以上に税収が減るということも考えなければいけないというふうにその時点で思いました。
見通しが立たない状況におきましては、手元に貯金や現金、そういうものを置いておく、残しておくということが得策だと判断いたしまして、一旦借金を増やすというふうにかじを切ったところでございます。
具体的に申し上げますと、大型事業の財源として活用を予定しておりました大
規模施設整備基金の取崩しを、県債を発行することにより圧縮しました。これにより、先ほどの百一億円に加えまして、五十億円ほどの基金の残高を別に確保できるというふうになっております。不測の事態に備えて基金の残高を別に確保させていただきました。
また、
新型コロナウイルス感染症・
緊急経済対策というものを補正予算でかなりやっておりますけれども、こちらも極力使えるものであれば国の交付金を充当しているという状況でございますし、また、当初予算で先ほど委員のほうから御紹介ありました事業、こちらは不要となったものもかなりございます。こういうものは随時減額をさせていただきまして、一般財源をなるべく節約させていただいて、
財源調整用基金をできる限り確保することに務めているところでございます。
私からは以上です。
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◯古賀和浩委員=今の答弁で二つ少し気になったところでもう少し詳しく教えてもらいたいんですけど、やはり基金を取り崩すよりも、今は借金をしたほうが無難ではないかということでありますが、先ほどもちょっと言いましたように、
アリーナ等の
ビッグプロジェクトが控えておりまして、また
有明海沿岸道路等もあって、ちょっと先が見通せないというか、
ビッグプロジェクトがあるがゆえに県債をどんどん増やしていくというところに少し私は不安を覚えます。
コロナにしても、最初は今年一年、第一波、第二波ということで抑え込んできましたけど、結局第三波は広がってきていると。予想がつかないというところで、あまり借金を増やすことについても少しどうかなというところがありまして、そのあたりを少し、どういう考えで借金のほうに回したかということをちょっとお聞きしたい。
それと、この後、質問にもするんですけど、一般財源を削っていくということでありましたが、一般財源を削るに当たって、そもそも総合計画二〇一九で立てられたものというのは、長期的に佐賀県を磨き上げていこうというような取組だと思いますが、そのあたりを削ってまでやるのか。通常、県民の生活を支えている
インフラ整備とか防災とか、そういうのはどうなるのかというところを少し聞きたいと思います。よろしくお願いします。
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◯金丸財政課長=私からは二点お答えさせていただきます。
まず、県債を増発することにかじを切ったことについての御説明をいたしたいと思います。
当然ながら、できれば借金というものはしないほうがいいというふうに思っております。なので、OECDの成長率もかなり厳しい成長率を採用させていただいております。ただ、そのとおりになるかならないかが見通しが立たないということで、一旦貯金を取り崩すのをやめて県債を発行したということでございます。
仮に、逆に税収の減がそこまで想定を下回らないということであれば、その状況によりますけれども、この特定財源というものを逆にまた借金をせずに戻すということも柔軟に考えているところでございます。
用心のためということで、この県債の発行というのを一旦行ったというふうに理解していただければと思います。
次に、来年度のことを主に想定されておっしゃったと思いますけれども、県民の生活に支障のないような予算というもの、そういうものをやっていかないといけないのではないかということ、それについてどう考えているかということだと思います。
実は、この
収支試算をするに当たりまして、いろんな前提を置かせていただきました。
一つは、やはり税収が減るということをどう見込むかということでございますけれども、もう一つは、いかに佐賀県内の経済を回復させるかということが重要かというふうに思っております。
その
収支試算の時点で、これは結果論にはなるんですけれども、やはりこういう見通しが立たないときは国が
経済対策を行うのではないかという想定を実はしておりました。その
経済対策を効果的に発現させるためにはどうしたらいいかということを考えまして、やはり予算をへこませるというか、減らしておくと、その
経済対策の効果というのがその分なくなってしまうのではないかという仮定を置いております。
なので、
収支試算というものをするに当たりましては、令和三年度につきましては、二年度と同水準を確保できないかということで一旦試算をさせていただいたところでございます。その結果が先ほどの、
財源調整基金は百一億円でございますけれども、借金をやれば五十億円ほどは確保できる。
あと、健全性、先ほどの県債の発行ですけれども、将来負担比率、こういうものも一五五%程度になるかなと。今の一一五%からは水準は上がりますけれども、それでも全国十位以内だということで、健全性が保てるということを判断したところでございます。
なので、三年度当初予算につきましては、
ソフト事業の
政策推進費ですとか、道路保全とか、そういう
投資的経費は同水準を確保するということで今、来年度の予算を編成するということにしております。
私からは以上です。
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◯古賀和浩委員=やはり経済というのは生き物で、一刻一刻、一か月ごとにころころ変わりますので、しっかり状況を見ていただいて、佐賀県の状況を見ていただいて、補正がありますので、いろいろ考えて補正をして変えていってもらいたいと思っております。
それでは三番目の質問、令和三年度の施策の方向性です。
今の時期から来年度の
予算編成作業が本格化してくると思いますが、来年度について、
ウイズコロナ社会を前提とした施策の方向性を持って予算を編成すべきと考えております。
感染防止対策や医療体制の充実、
社会経済活動の支援はもちろんですが、佐賀県民が安心・安全に暮らせるための
防災関係事業や、交通安全のように県民の生活や命を守らねばならない事業は、引き続き力を入れていかねばなりませんし、佐賀県の将来に向かって種をまくような教育、福祉、
子育て支援やDX事業は進めていかねばいけないと思っております。
このように、財政的に厳しくなる中、
コロナ対策はしっかり行わなければいけないし、非常に難しいかじ取りをしなければいけないと思っております。これから細かい部分は決められると思いますが、現在の時点で来年度の施策の方向性についてはどうお考えでしょうか。
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◯大草政策調整監=私からは、令和三年度の施策の方向性についてお答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症については、都市部を中心に感染が拡大しており、先が見通せない状況が続いております。
こうした中で、今最も重要なことは感染者を守ること、医療現場を守ること、そして、経済を守ること、この三つの柱について引き続き取り組んでいくことが重要だと考えております。
その上で、感染の状況も見ながら、
ウイズコロナ、
アフターコロナの社会に対応するための施策についても進めていきたいと考えております。
例えば、都市部ではなく、地方での暮らしや事業活動に注目が集まっていることを捉えた移住促進の取組、そして、新しい生活様式への対応として、
感染リスクの少ない
観光スタイルである、多彩な自然体験を楽しむ「OPEN─
AIR佐賀」の提案、それから、企業の経営環境の変化に伴い、デジタル技術の活用によってビジネスを変革するDX、議員御紹介ありましたように、デジタルトランスフォーメーションの推進など、社会のありようの変化に合わせた取組、将来に向けた布石となる取組を進めてまいりたいと考えております。
また、こうした
コロナ禍に対応した取組だけではなく、県政の様々な課題に向き合っていくことは重要なことだと認識をしております。
例えば、
交通事故対策、がん対策、災害への備えなど、こういった県民の命を守る取組というものは引き続き力を入れていく必要があります。
また、福祉分野では、出産や子育てへの不安に寄り添える環境、これをいかにつくっていくかが課題だと考えております。このため、妊娠期から母親と市町の保健師がつながり、関係をつくっていくことで、妊娠、出産、子育てにおいて切れ目なく気軽に相談ができ、安心感を持って出産、子育てができる環境を市町と連携して整えていきたいと考えております。
農業分野では、高齢化による
担い手不足や所得の伸び悩みといった課題がございます。新規就農に向けた支援や、収益性の高い「いちごさん」の生産拡大などにより、園芸農業の産出額の向上を図る「さが園芸888運動」を推進してまいります。
コロナ禍においても、こうした佐賀の将来を見据えた取組も着実に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
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◯古賀和浩委員=県民の暮らしを守る、そういう事業を力強く語っていただきました。ありがとうございます。よろしくお願いします。
それでいて、(四)のほうの質問に移りたいと思います。
コロナ禍における取組についてです。
令和三年度における県政全体の事業の方向性についてはお聞きしましたが、まだまだコロナは続き、令和三年度も
ウイズコロナ社会は続くと思われます。来年度の事業を考える際、
コロナ対策事業も通常事業も
ウイズコロナを意識した事業に変えるべきだと考えております。
ちなみに、私の地元の基山町では、人口一万七千人の町なんですけど、毎年、町民が二千人以上参加される
基山町民体育大会が今年はやむなく中止をして、今年だけ特別編として、「きやまウォーク」と題しまして、時間帯を幅広く設定して、自宅から役場まで歩く
スタンプラリーに変更して開催されました。
参加者が八百十二名、
ボランティアスタッフが百三十名と。自宅から役場まで自分のいい時間に歩きますので、三密を避けて、たくさんの方が関わられて、大盛況でございました。
また、今度の十二月十三日の日曜日なんですけど、「ふ・れ・あ・いフェスタ」と。(資料を示す)ちょっと小さくてすみません。パンフレットを持ってきたんですけど、「ふ・れ・あ・いフェスタ」という、これは冬の祭りとして町がやっております。これは同時開催に、普通はJAさんと共同で「米まつり」もやっているんですけど、その「米まつり」のほうは中止をして、三密対策ができるイベントを行うだけでなく、何と
新型コロナウイルスの抗体検査を
事前申込みで受けられるように、そういう事業というか、そういう催物になっております。
抗体検査の結果は、今後、町政に生かして、県政につながるようにしたいと町長は言われておりました。
最初の「きやまウォーク」は、運動したいという町民の声と、やっぱり感染対策が重要ではないかという町民の声を双方聞きながら、基山町役場と各地区の
体育関係者で考えました。
抗体検査は、福岡県が隣接して、福岡県に勤めていらっしゃる方が多い基山町でございますので、その事情を考えて町が考えました。
この事業が全て成功したか、また、「ふ・れ・あ・いフェスタ」が成功するかどうかは様々な意見がありますが、少なくとも町民目線で企画した事業だと私は非常に評価をしております。
ウイズコロナの社会の中だからこそ、県民の不安な声に耳を傾け、現場の困り事に寄り添い、県民の安心感に直接つながるような事業に力を入れていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
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◯大草政策調整監=
コロナ禍における県民の安心感につながる取組についてお答えいたします。
「人を大切に、世界に誇れる
佐賀づくり」を基本理念として、人が基軸の県政を進めていく上で、御指摘がありましたように、
コロナ禍における県民の皆様の様々な不安を感じ取り、その声に寄り添っていくことが求められていると考えております。
古賀委員からは、基山町における住民の立場に立った取組を御紹介いただきました。
県としても、これまで現場の実情を踏まえながら取組を進めるよう努めてまいりました。事業者の皆様に、厳しい経営状況を何とか乗り越えていただきたい、そういう思いで、全国に先駆けて三年間無利子の融資制度を創設しております。また、店舗単位で支援する「
佐賀型店舗休業支援金」や、結婚式をキャンセルせざるを得なかったカップルに祝福の気持ちを届ける「さが
ウェディング祝福プラン」など、県民の皆様の思いに寄り添った対応を心がけてまいりました。
今後も、県議会での御意見はもちろんのこと、我々の業務や日常生活の中で職員が気づいたこと、そういった気づきを大切にして、現場と向き合うことで何をすべきなのか、県民の皆様の安心感につながる取組を展開できるよう努めてまいりたいと考えております。
以上です。
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◯古賀和浩委員=県民の声に寄り添うということで、県民の声を一番聞いているのは、私は
県議会議員の皆さんだと。常に自分の地元、県内をずっと声を聞いて歩いて、それで、皆さんといい施策をつくっていくというようなことをやっているのは県議会の皆さん方だと思います。ぜひ県議会の議員の声をきちんと真摯に聞いていただき、執行部の皆様におかれましては何の事業を行うにしても、あくまでも県民目線で考え、誰が見ても納得感のある、県民生活の実態に応じた事業を計画して進めていくべきだと私は考えております。
以上、一つ目の質問は終わります。
それでは問いの二、
消防防災ヘリコプターの運用についてでございます。
さきの二月議会の一般質問でも私が質問しました防災ヘリの運用についての質問をいたします。
私は先ほどの質問で、令和三年度の予算は、人のため、県民の命を守るための事業は引き続き力を入れていくべきだと申しました。予算を立てる上で、
コロナ感染症を意識した予算を立て、事業を進めていくために、変更したり、今はストップしなければいけない事業がある中、県民の命を守るために力を入れなければならない事業の一つに防災事業があると思います。
その防災事業の中の一つに、
消防防災ヘリコプターがあります。平成三十年度から整備を実施してきましたが、いよいよ本年度末、
消防防災ヘリの運用が始まります。たしか今月末ぐらいにヘリが佐賀のほうに来ると聞いております。
県では、令和二年四月一日に
防災航空隊を発足して、これまでに訓練を重ねるなど、準備を進めていると認識しております。
今後、防災ヘリの運用開始に向けて、令和三年一月一日に
防災航空センターを設置し、三月末の運航開始に向け、実機での訓練に取り組んでいくと伺っております。
防災ヘリにつきましては、平成三十年度から今年度、令和二年にかけて、ヘリコプター機体整備関係で十四億二千八百万円、拠点整備や管理運営費で二十三億円、緊急防災・減災事業債を活用したとしても、合計で三十八億円もの税金がかかっております。また、今議会の予算外議案として千七百万円の増額変更契約の提案もされております。
このような多額の税金が投入される防災ヘリ事業ですので、運用に当たっては県民の期待する安心・安全の地域づくりという視点に立って、県民の命に関わるような事態が発生したときには、ヘリがいるからよかった、安心だと思ってもらえるよう、また、防災ヘリの運用開始による防災機能アップという事実だけではなく、県民の防災意識の向上につなげていくよう、防災ヘリの出動を要請する各消防本部、消防署はもちろん、自治体、自主防災組織、消防団といった県民一人一人に対しても、防災ヘリについてしっかり周知をしていく必要があると考えます。
ついては、次の点についてお伺いいたします。
防災航空隊のこれまでの取組についてです。
防災航空隊として、令和二年四月一日から十一月末まで八か月、今十二月十日ですから、八か月と十日の間、佐賀県各地の消防署から隊員を集め訓練をされてきましたが、安全に運航できる技術の習得や、今まで体験したことのない空中での作業に対する身体的、精神的訓練をやってきたのだと思われます。
また、県内ではもちろん、県外でも訓練を行ってこられたと聞いております。今年度は
新型コロナウイルス対策も考えなければいけない状況であったと思われます。よって、特に佐賀県外の訓練について支障を来したのではないかと心配するところでもあります。
そこで、四月一日に発足した
防災航空隊は、これまでどういった取組を行ってきたのでしょうか、
防災航空センター準備室長にお伺いいたします。
13 ◯宮地
防災航空センター準備室長=
防災航空隊のこれまでの取組についてお答えをいたします。
今年四月一日に発足をした
防災航空隊のこれまでの取組につきましては、主には航空消防活動に必要な知識や技術の習得に向けた研修及び訓練を実施してきたところでございます。
具体的に申し上げますと、これまでに九州各県、政令市の各航空隊や本県で購入する防災ヘリコプターと類似する機体を持つ岐阜県や岡山市の航空隊に出向いて、座学や実機を使った訓練で、例えば、山岳救助訓練で林の中から要救助者役として上空でホバリングをするヘリコプターへ収容する訓練だとか、上空から地上への消防隊員の投入訓練で隊員役としてヘリコプターから降下していく訓練、こういったことをやってきております。また、林野火災を想定した訓練では、空中からの消火に必要な資機材の取扱いだとか、空中からの消火地点への散水のタイミングなどを経験するなど、各航空隊の訓練に参加させていただき経験を積んできたところでございます。
このほか、消防学校での高所訓練施設棟を使った降下訓練、県内各地で必要となる防災ヘリコプターの訓練場所の選定と確保、それから、北九州市にある日本サバイバルトレーニングセンターで、防災ヘリコプターが水中に不時着した際を想定したときの脱出訓練、それとか、安全で効率的な運航のために、横浜市消防局から専門の講師を迎えての研修会の開催、また、防災ヘリコプターの運用について、県内の各消防本部や消防署に出向いて周知を図りますとともに、現場の声を吸い上げ反映した活動マニュアルの作成、整備などを行ってきております。また、海上保安庁や玄海、有明の漁協、それから、佐賀県山岳連盟などにも出向きまして意見交換を行いまして、活動に向けた調整や危険箇所の把握というものを行ってきたところでございます。
なお、委員からも御心配いただきましたコロナウイルスの対策では、県外に出向いての研修及び訓練の調整におきまして、実施時期をずらさざるを得ない場面もあったところでございますけれども、関係県や関係市の協力を得まして、ほぼ計画どおりに実施することができているところでございます。
私からは以上です。
14
◯古賀和浩委員=最後に計画どおりという言葉が出ましたので、計画どおりに進んでいるかどうかが一番心配でした。確認できましたので、次の質問に移りたいと思います。
防災ヘリの運用開始に向けた今後の取組についてです。
四月からの訓練、隊員の皆様、関係者の皆様には本当に御苦労さまでございます。
ただ、これからの三か月間が私は重要だと考えております。防災ヘリは、ヘリの運航は民間会社に委託すると聞いております。一度視察をさせてもらいましたけど、県内では警察のヘリも運航されていますが、防災ヘリは民間会社と連携しながら訓練していかねばなりません。県内の消防署や市町との連携も確認しなければいけませんし、消防団や自主防災組織との連携もやっていただきたいと考えております。現場も様々ありますし、佐賀県には海も離島も低平地も山もあります。佐賀県外への出動もありますし、他県からの応援部隊との連携もしなければいけません。さらに、隊員は数年したら交代すると聞いておりますので、その引継ぎ等も考えておかねばならないと思っております。やらねばいけない訓練はたくさんあると思います。
そこで、防災ヘリの運用開始に向け、今後どのような取組を行っていくのでしょうか、よろしくお願いします。
15 ◯宮地
防災航空センター準備室長=運用開始に向けた今後の取組についてお答えをいたします。
まずは、三月末の運用開始に向けまして、一月から実機を用いた自隊訓練、それから、消防本部など関係機関との連携訓練、他県からの受援を想定した拠点での運用訓練、それらの訓練を踏まえての活動マニュアル等の策定に取り組んでいくこととしております。
具体的には、自隊訓練につきましては、搭乗前訓練といたしまして防災ヘリコプターの取り回しだとか、装備品の脱着訓練をこなし、一月下旬から防災ヘリコプターに搭乗しての各種活動に必要な訓練を実施していくこととしております。
また、関係機関との連携訓練におきましては、情報収集伝達訓練や林野火災を想定した空中からの消火訓練、それから、離島などへの地上隊の消防隊員の投入訓練なども考えているところです。
また、医療機関や県庁屋上にヘリコプターの離着陸場を設置されていますので、そこでの離着陸訓練を行っていくと。それから、緊急消防援助隊の受援計画に基づく図上訓練などを検討してまいります。
それから、委員からありました隊員間の引継ぎに関しましてですけれども、現在の隊員は第一期生となりますことから、次の隊員への引継ぎを考慮しまして、派遣期間を二年から四年としてスタートするところで、一度に全員が代わることがないようにしております。訓練を重ねて、活動のノウハウを活動マニュアルとして整備しまして、確実に引継ぎが行える体制を整えていくこととしております。
私からは以上です。
16
◯古賀和浩委員=訓練、訓練の話ばっかりになって申し訳ありませんけど、先日、原子力防災訓練がありました。それで、原子力発電所の火災事故とかもありました。想定しなかったとか、そういうことが重なった場合とか、漏れがありましたとか、特に引継ぎ等の漏れがありましたというような話も聞いておりますが、そこが一番重要かなと。マニュアルを作られるときは、あって当然というようなことではなくて、きめ細かく、誰が見てもすぐ分かるような、そういうマニュアルを作っていただきたいと思います。
最初の一期生が八か月訓練をしてやったのに比べて、次に投入される第二期生は、その下地がない状態で投入されるわけでございます。ですので、そこの引継ぎが一番重要かなと。実際、一期生から二期生に移るときが一番そういう漏れ等が出てくるのではないかということを踏まえながら一期生の三か月の訓練をしなければいけないかなというふうに思っていますので、その三か月が一番重要だと思いますので、漏れがないような形で計画をしていただきたいと思っております。
それでは、三つ目の質問に移ります。
防災ヘリの導入についてであります。
佐賀県では、佐賀豪雨災害など近年の災害発生により県民の防災意識が高まり、防災ヘリ自体の必要性は理解されているものの、ヘリの必要性を県民にきちんと説明したり、安全の部分でも理解してもらわなければならないと思っています。そのためには、県民への防災ヘリの周知が大事だと考えております。
例えば、すみません、これはまたちっちゃいのなんですけど、(資料を示す)これは埼玉県の
防災航空隊のパンフレットであります。これはネットで見ればすぐ出てくるんですけど。
埼玉県では、防災ヘリを平成三年より運航、運用していますが、
防災航空隊をより理解してもらうようにこのようなパンフレットを作成されています。これには防災ヘリの役割や装備、これまでの防災ヘリがどのようなことをやってきたかを分かりやすく説明されています。これは誰が見ても分かるように、理解しやすいように写真つきでずっと説明をされています。
また、埼玉県の
防災航空センターがある場所は川島町というところなんですけど、川島町の広報誌には防災特集というのが定期的に出されておりまして、これは町の広報誌なんですけど、(資料を示す)こういった隊員さんのインタビュー記事とか、防災特集として
防災航空隊のインタビューの記事や、この二枚目のところがちょっと面白いんですけど、「
防災航空隊員が教える夏休みのススメ」として川遊びのルールなどを紹介して、
防災航空隊が好きになるような紹介の仕方をずっとされています。地域に根差した活動をされています。ほかの県と同じことをやれとは言いませんが、このように平時での広報活動や防災ヘリの見学、展示や各地の消防団の訓練の参加など、効果的に広報活動をやってもらいたいと思っております。
私が以前所属しておりました基山町消防団と鳥栖・三養基地区消防事務組合とで企画した総合訓練では、防災ヘリとかドクターヘリが来たときの見学者とヘリが参加しなかったときの見学者の数が比較にならないほど。ヘリが来るというだけで何百人、ぼんと集まるというような状況でした。
広報活動が防災ヘリや消防を身近に感じ、県民の防災意識をさらに高めることにつながるのではないかと考えております。県民の防災意識を高めることは消防団の加入率にもつながり、自主防災組織の活動も活発になり、何より県内が安心・安全だとして県民生活の安定につなげていくことができると私は考えております。県民の防災意識の向上につなげるよい機会でもある防災ヘリの導入についてどのように考えているのでしょうか、危機管理・報道局長にお伺いいたします。
17 ◯山下危機管理・報道局長=防災ヘリの導入が県民の防災意識の向上につながるということで、このヘリの導入をどういうふうに考えているのかということでの御質問でした。県民の意識向上ということを含めて、ヘリ導入についてちょっとお答えをいたします。
昨年、我々は佐賀豪雨災害を経験して、ヘリの有用性というのを再認識いたしました。防災ヘリといいますと、災害時におけるホイストでの孤立者救助がその象徴のように思われますけれども、自らヘリを持つことの本当の重要なところというのは情報収集だと思っています。初動段階での情報収集が多くの県民の命を守ることにつながるというふうに思っています。
佐賀豪雨災害では、熊本県の防災ヘリが県内の状況の映像を県庁の危機管理センターの災害対策本部に届けてくれたことでおおむね全体が把握でき、早い段階で重点的に対策に当たるポイントを絞れたと思っています。防災ヘリの導入によって、そうした災害時の情報収集はもとより、救助や救急、捜索、広域応援など幅広い活動が可能になってまいります。
また、県内で大規模災害が発生した場合、全国から多数のヘリが集結し、救援救助の活動が行われることになります。その際にヘリの運航オペレーションを行うわけですけれども、このオペレーションというのは受援県が行うことになります。今それができないという状況にあるんですけれども、ヘリを持つことによってそういうオペレーションもできるようになってまいります。県民の期待も大きいと認識しています。
また、防災ヘリが県内に配備されることで県民の防災意識が高まるというのは確かにあると思っています。そういう副次的な効果も十分に引き出していきたいと思っています。できるだけ県民の目に触れる機会をつくっていきたいと考えておりまして、市町が行う防災訓練への参加、そして、先ほど委員から紹介がありました
防災航空隊の活動を紹介するパンフレットの作成、また例えば、佐賀空港で毎年「空の日フェスタ」というのを開催しておりますけれども、その際に
防災航空センターを一般公開するようなことなども考えていきたいと思っています。
一月からいよいよ訓練飛行が始まります。三月末の運用開始に向け、今後さらに訓練を重ね、隊員間の連携を深め、様々な確認を行いながら活動体制を構築してまいります。また、ヘリ導入が県民の防災意識向上につながるということも十分意識して活動に取り組んでまいります。
私からは以上です。
18 ◯冨田委員=おはようございます。自民党の冨田です。それでは、早速質問に入らせていただきますけれども、前任者とかぶる点もありますので、それは省きながら、そしてまた明瞭な回答をお願いいたしたいと思っています。
それでは一点目、
消防防災ヘリコプター拠点工事と運航体制についてお尋ねいたします。
いよいよ来年から本県の
消防防災ヘリの運航が始まります。この拠点というのは、人命救助を迅速にやるためには大変重要な施設かと思っております。
そういった中で、今議会で
消防防災ヘリコプター拠点施設新築工事請負契約変更の議案が出されておりまして、一千七百万円程度の増額変更をされております。そういった中で、拠点整備について何点か皆様にお伺いしていきます。
また、年明けには
防災航空センターが設置され、三月末の運用開始に向け、飛行訓練等が始まると聞いております。運用に際しては、安全に確実に運航できるようしっかりとした体制が必要かと考えております。
そこで、お尋ねいたします。
まずは、
消防防災ヘリ拠点施設新築工事はどのような内容なのかお尋ねいたします。
19 ◯宮地
防災航空センター準備室長=
消防防災ヘリコプター拠点施設新築工事についてお答えをいたします。
今回の拠点整備につきましては、全体として大きくは、地盤沈下を見込んで行った建屋敷地と駐機場敷地及び誘導路の土木工事、それから、多目的広場として利用していたところを拠点化しますので、それの機能性の回復といたしまして、拠点施設の東側に多目的広場を復旧させる土木工事、そして建屋の建築工事、これが大きな三つの工事となっております。
消防防災ヘリコプターの拠点施設新築工事の内容は、建屋の建築工事を対象としたもので、まずは建屋の基礎工事、それから、ヘリコプターを格納する格納庫や航空消防防災活動を行う隊員やセンターの事務職員が常駐する事務室、それから、隊員の訓練施設などを備えた建屋を整備するものです。
以上です。
20 ◯冨田委員=名称から見て、施設の新築工事ということは分かりました。
今回の変更内容についてですけれども、勉強会の折にも、土砂の搬出に必要な経費とか、シャッターといいますか、前面の膜シャッターの変更というようなことはありましたけど、もう少し詳しくその辺をお尋ねいたします。
21 ◯宮地
防災航空センター準備室長=変更契約の内容について詳しくお答えをいたします。
今回の議会では一千七百三十一万一千六百円の増額変更契約をお願いさせていただきました。
変更の主な内容としては大きく三つありまして、まず一つ目が、建屋の基礎工事に関係した余剰分の土砂のすき取り工事などで約七百三十万円の増としております。これは、建屋の前面となる駐機場と一体的に行った地盤沈下対策で、土の自重で沈下を促すサーチャージ工法により土を盛った後に、沈下の安定を確認し、建屋の基礎工事高からの余剰分として約千六百立米の土砂の除去及び搬出などに要した経費です。
二つ目は、工作物の仕様変更などに係る経費といたしまして約八百五十万円の増となっております。これは、建屋の格納庫から佐賀空港の制限区域となる目の前の駐機場への出入口に採用しました布製の膜帯を使った開閉シャッターの防犯性の強化、それにヘリコプターのステップ部分の形状変更がございました。丸い形状から四角の形状に変更したことに伴い、格納庫内に設置をいたしますヘリコプターに見立てた訓練施設にも同様のものを工作する必要がありましたので、その仕様変更を行うものです。
三つ目は、設備配管ルートの変更など外構工事との配管調整などに要する経費といたしまして約百二十万円ほどの増額変更が必要となったものでございます。
以上です。
22 ◯冨田委員=変更の内容については確認できました。
これから一番大事なのは、やはりこの運航体制だと思っています。運航していく中で、整備だったり、そういったところは一番大事になってくるかと思っていますけれども、まずは
消防防災ヘリの運航体制についてお伺いいたします。
23 ◯宮地
防災航空センター準備室長=運航体制についてお答えをいたします。
運航体制につきましては、まだ調整中ではございますけれども、県内消防本部から派遣をされました隊員と防災ヘリコプターの運航を委託した民間事業者から派遣された操縦士、整備士、運航管理者で構成する
防災航空隊につきまして、消防庁の基準に沿って配置をいたします防災ヘリコプターの出発の承認を行う運航責任者、それと安全に運航するための助言を行う運航安全管理者の下で、運航責任者が運航安全管理者の助言を踏まえ、防災ヘリコプターの出発の承認を行い、三百六十五日の日中の運航を可能とする体制について検討を行っているところでございます。
私からは以上です。
24 ◯冨田委員=民間に運航の委託をされるということですけれども、こういった救助関係で二次災害がないようにというのは、やはり機体の整備、点検、それとあと隊員の訓練が必要ですけれども、そういった中で、この防災ヘリの運航はどこに委託されているのか、ちょっと私ども県議会に報告もあっておりませんので、お尋ねいたします。
25 ◯宮地
防災航空センター準備室長=運航委託先についてお答えをいたします。
委託する事業者につきましては、令和二年二月二十日に公告を行いまして、令和二年三月二十四日に航空運送事業及び航空機使用事業の許可を受けていることを条件とした条件付一般競争入札を実施させていただきました。
その結果、四者の応札がありまして、最低価格で入札した、佐賀市に本社を置かれますエス・ジー・シー佐賀航空株式会社に委託内容の履行確認を行った上で決定をしております。令和二年四月一日に運航管理業務委託契約を締結したところでございます。
以上です。
26 ◯冨田委員=令和二年三月に条件付一般競争入札で四者応札で、佐賀の航空会社が取ったというようなことですね。
こういった民間の方に委託していく中で、事故があった場合にどういう責任関係になってくるのかなというふうな疑問がありますけれども、運航委託先に求める業務内容をしっかり明示しておく必要があると思うんですよね。その内容等についてお伺いします。
27 ◯宮地
防災航空センター準備室長=運航委託先に求める業務内容についてお答えをいたします。
運航委託先には、防災ヘリコプターの運航に必要な操縦士二名、整備士二名、運航管理一名の配置を求めまして、業務としましては、防災ヘリコプターの操縦、点検整備、装備品等の保守管理、場外離着陸場の調査並びに航空局への申請、それから、隊員への教育訓練などを求めている内容としております。
具体的に申し上げますと、防災ヘリコプターを運航する前の令和二年十二月までは、運航に向けた準備業務としまして、飛行場外離着陸場、訓練場の適地調査並びに航空局への申請業務、
防災航空隊員の教育、運航に係るマニュアルなどの策定支援、防災ヘリコプターの装備、資機材、部品等の納入検査の支援及び立会、防災ヘリコプター納入後の運航に係る準備業務を求めているところです。
また、運航開始後の令和三年一月以降につきましては、防災ヘリコプターの運航業務、整備点検業務、装備品、部品、整備点検用設備及び資機材の保守管理業務、それと気象や航空情報、飛行計画、飛行・整備日誌の管理など安全運航のための管理業務について求めているところでございます。
以上です。
28 ◯冨田委員=業務内容をしっかり確認していただいて、お互いに信頼の中での運航を、そしてまた、安全に運航していただくことをお願いしておきます。
続きまして、問いの二ということで行きます。
申請・届出等の行政手続のデジタル化に向けての取組についてでございます。
新型コロナウイルス感染症への対応がある中で、テレワーク等の推進だったり、デジタル化時代に向けた規則、見直しが必要とされている中で、県では、現在、押印の廃止に取り組まれていると聞いております。
私は以前から、市町に届けを出すときに、何でこがん何回も住所、氏名を書かにゃいかんかなと。特に、私は経験ないんですけれども、住居を移転された場合に転出届、それからまた水道局に廃止届だったり、福祉関係の届出、いろんなところに毎回、そこに回っていきながら、住所、氏名を書いて、押印をしてというのがあります。
こういった手続をどうにか簡単にできないかなといつも思っていましたし、多くの県民がそういった気持ちを持ってあるんじゃないかなと思っております。
また、行政手続を窓口で、今回、マイナンバーカード等がありますけれども、このマイナンバーカードをかざせば、住所と氏名はそのまま読み込んで、書かなくていいよと。あと、チェック項目にチェックするとか、そういった簡単なやり方が今後求められるし、行政としてもやっていかなければならない仕事じゃないかなと思っています。
しかし、このようなことをやっていくにも、窓口のワンストップで済むような取組とか、先ほど言いましたマイナンバーカードの普及がなかなか進んでいかなければ、こういった取組をしても利点がないのではないかと思います。
マイナンバーカードの普及を促進するためには、そういった行政手続の簡素化等によって、このマイナンバーカードの普及も進んでいくんじゃないかと考えております。
そういった思いでお尋ねいたしますけれども、県に提出される書類について、県民から提出される申請、届出の書類はどれくらいあるのか。また、そのうち押印を求めている書類はどれくらいあるのかについて、まずはお尋ねいたします。
29 ◯築地法務私学課長=私のほうからは、県に提出される書類についてお答えいたします。
本年十月に知事部局を対象に、県民などから提出される書類の種類と、その書類への押印の有無について、実態把握のための調査を行いました。
その結果、書類の種類は五千二百五十件ございまして、そのうち押印を求めているものは四千百四十九件、全体の七九%、約八割ございました。
この押印を求めている書類の主なものといたしましては、事業の許可、補助金交付などの申請書と言われるものが約三分の一の約千四百件あるほか、事業実績などの報告書と言われるものがあります。それ以外に、補助金、交付金などの支払いのための請求書、それから事業の変更、中止などの届出書などがございました。
以上でございます。
30 ◯冨田委員=押印を求めるものが七九%、約八割あるということで大変多うございます。
そうした中で、何でこの押印を求めているのか、なかなか分からないところも私もありますけれども、そこら辺についてお尋ねいたします。
31 ◯築地法務私学課長=押印を求めている理由についてお答えいたします。
これまで書類に押印が求められてきた主な理由といたしましては、その文書の名義人本人が作成したものであるかを確認する、いわゆる本人確認のためというのが挙げられます。
しかしながら、多くの書類に使用されているのは認め印でございますので、今の時代、印鑑が誰でも容易に購入できるようになっておりますので、本人確認の効果は乏しくなっているものというふうに考えております。
以上でございます。
32 ◯冨田委員=やはり時代とともに押印の必要性がなくなってきているという感じもしますし、先ほど言われましたように、本人確認の部分が押印で確認していますけれども、それについても疑わしい部分もあるかなということもあるんじゃないかなと思います。
そういった中で、今後はそういった確認をしなくていいように、マイナンバーカードがあれば、当然そういった本人確認というのも必要ではなくなるんじゃないかなと思っておりますけれども、この押印廃止に向けて、今後の取組について、どういうふうに取り組んでいかれるのかについてお尋ねいたします。
33 ◯築地法務私学課長=押印廃止に向けた今後の取組についてお答えいたします。
今回の押印廃止の検討は、
新型コロナウイルス感染症への対応が求められる中で、今後のテレワーク等の推進とデジタル化に向けて、書面への押印がその阻害要因の一つにならないように、原則廃止する方向で取り組みたいと考えております。
取組に当たりましては、登録印、いわゆる実印ですとか、登記された印鑑などによりまして本人確認が必要なものを除きまして、ほかの方法による本人確認の方法、例えば、マイナンバーカードの活用などを検討した上で、県民などから提出される書類のほとんどについて押印を廃止する方針で進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
34 ◯冨田委員=こういった方向で早速取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、今後、そういった押印が少なくなって事務手続がしやすくなるように、この件についてはお願いいたします。
次に、マイナンバーカードの利活用についてお尋ねいたします。
佐賀県のマイナンバーカードの交付率は県内で二〇・六%、全国的には二一・八%で少し交付率は下がっている状況でございます。
このマイナンバーカードの交付が伸びない要因としては、やはり私は活用するシーンが少ないから登録されないというか、交付を受けない方が多いんじゃないかなと。一部には、個人情報の流出とか、そういった危惧をされている方もあってだと思うんですけれども、マイナンバーカードが活用しやすくなる、使うところが多くなれば、今後、登録者数はどんどん伸びていくというふうに思っています。
そうしたところで、行政としてワンストップサービスを実現させるためには、こういったデジタル化が有効と私も考えていますけれども、県として、今後どのようにこのマイナンバーカード、市町の仕事なのかもしれません。しかしながら、県が推進していく立場では必要だと思っていますので、今後、県としてどのように取り組んでいくのかについてお尋ねいたします。
35 ◯佐藤デジタルイノベーション室長=マイナンバーカードの利活用及び県の取組につきましてお答えいたします。
まず、マイナンバーカードでございますが、こちらは個人番号カードと呼ばれておりまして、券面に氏名、住所、生年月日や本人の顔写真等が表示されており、加えて、個人を認証する機能のあるICチップが標準搭載されているカードでございます。
これによりまして対面だけではなくて、
オンラインにおける厳格な本人確認を行うことができます。このため、マイナンバーカードはこれからのデジタル社会において不可欠なツールとされております。
具体的な活用シーンの例といたしましては、身分証明書としての利用のほか、コンビニにおける住民票の写し等の取得でありますとか、e─Taxによる確定申告、さらにはマイナポイントの予約・申込みなど様々なサービスに利用することができますが、利便性を実感できる機会はまだ限定的と考えられます。
今後のマイナンバーカードの活用シーンの拡大につきましては、現在、国において検討されているところでございます。例えば、来年、令和三年三月から健康保険証としての利用が開始されるほか、国家資格証でありますとか運転免許証としての活用などの検討が行われているところでございます。これにより、さらなる利便性の向上が期待されております。
県といたしましても、本議会におきまして補正予算といたしましてマイナポイント事業のさらなる周知広報を実施するための予算をお願いしているところでありますが、県民がマイナンバーカードの利便性を理解し、実感できるよう、市町と連携しながら県民への周知広報に努めていくとともに、市町への情報提供、助言等を適宜行ってまいります。
以上でございます。
36 ◯冨田委員=市町との連携を行っていきますということですけれども、市町の業務のほうがこのマイナンバーを使っていくタイミングといいますか、場面は多いと思うんですよね。
そうした中で、マイナンバーカードを使っていろんな申請やら事務を進めるというときに、市町だけのシステムじゃ困るわけですよね。やはりある程度県内全体の市町が同じようなシステムでいったほうがシステム導入費も下がるし、どこに住居を移転してもある程度いいというふうな形になりますし、行政のほうもそういった形で進めていくべきだと私は思っています。市町のデジタル化を推進するに当たり、県が旗振り役としてしっかり先頭に立っていくことが必要だし、市町の取組支援をやっていくべきだと思っています。
そういった中で、市町に対する支援というのをどういうふうに考えてあるのかについてお答えください。
37 ◯佐藤デジタルイノベーション室長=行政手続のデジタル化に向けた取組につきまして、私のほうから、県の取組をまず説明させていただければと思います。
県といたしましては、今後の県民利便性の向上に鑑みまして、押印廃止でありますとか、マイナンバーカードの普及促進等をはじめとする行政手続のデジタル化をさらに促進していく必要があると考えております。
具体的な取組といたしましては、県民からの申請、届出等の手続につきましては原則
オンライン化を図るとの考えのもと、県の電子申請システムにおけるマイナンバーカードを用いた本人確認についての対応でありますとか、電子申請の対象事務の拡大、システムの利便性向上などに取り組んでおります。
さらには、申請、届出等の手続にとどまらず、行政内部を含めた手続の簡素化、業務フローの検証といった業務の見直しを行い、内部事務の簡素化、効率化に向けて取り組んでまいることとしております。
県といたしましては、デジタルとは、人々のアイデアの実現でありますとか、課題の解決のためのツールと考えておりますので、あくまでデジタル化することを目的とするのではなく、県民の利便性向上を第一に取り組んでまいりたいと考えております。
市町につきましては、情報課長よりお答えいたします。
38 ◯池田情報課長=市町の取組支援についてお答えいたします。
市町におきましては、県以上に住民の皆様と接する機会が多くて、直結する行政手続も多うございます。したがいまして、そのデジタル化については非常に重要なものと我々も認識しております。
そのため、市町の行政手続のデジタル化、
オンライン化を推進するため、県と県内二十市町で構成いたします佐賀県ICT推進機構におきまして、様々な行政手続に利用できる汎用的電子申請システムを、令和四年度までに導入する方向で今検討を重ねているところでございます。
また、国のほうでは、個別に開発されている市町の業務システム、現段階では十七業務について標準化を図るといった検討を進めているところでございまして、県といたしましても、市町への情報提供や意見交換など、対応しているところでございます。
今後とも、佐賀県ICT推進機構を積極的に活用し、市町のデジタル化の推進をしっかり支援してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
39 ◯冨田委員=令和四年までにそういったシステム化に向けて進めていきたいということで、市町との連携もやっていくということでございます。
やはり市町は、こういった電子化というか、デジタル化についての専門職が、なかなか詳しい方がいらっしゃらないということがあるかと思うんですよね。そういったことで、しっかり連携を組んでいただきたいと思いますし、指導も行っていただきたいと思っています。
国のほうでも、来年三月までには保険証を希望の方はマイナンバーカードに取り込めるとか、来年度には免許証がマイナンバーカードに入れられるような形になるとか、そういった取組もされております。
私も病院なんかに行くと、保険証を出して、診察券を出してと。診察券が目であったり、整体のほうであったり、内臓とか、病院によっていろいろあるわけですね。やはりこの辺が統一されれば本当に便利ではないかなという気もしていますので、そういった意味でしっかりと推進していただくようお願いいたしまして、この件については終わります。
続きまして三問目ですけれども、予算編成についてでございます。
我が国の経済は、政府の月例経済報告によると、
新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きが見られると。先行きについては、
新型コロナウイルス感染症が経済を下振れさせるリスクに注意する必要があるという見通しも示されております。
このような中、国の財政は、
新型コロナウイルス感染症対策等で異例の大型補正、今回、三次まで編成するということでございまして、経済低迷により税収が大きく落ち込むことから、国としても国債発行が百兆円を超える見通しであると言われております。
財政の健全化がまた懸念されるわけですけれども、一方、地方財政について見ると、総務大臣の諮問機関であります地方財政審議会では、令和三年度地方税制改正等に関する意見の中で、
新型コロナウイルス感染症の影響による経済の下押しにより、地方税収は大幅な減収が懸念されると。これは、さきの委員からもあったところでございます。また一方で、地域における感染拡大防止や医療体制の確保、また雇用対策など、地方自治体の歳出の役割が一層重要となっているとの指摘もあっています。
本県においても、九月議会で報告がありました
収支試算では、令和三年度では税収の減少が見込まれると。私もこのような状況下において、感染症拡大防止を行いながら経済の回復、発展を図っていく必要があると思っています。
そこで、ぼちぼち予算編成にも入ってあると思いますけれども、令和三年度当初予算の編成方針について、まずはお尋ねいたします。
40
◯金丸財政課長=私のほうから、令和三年度当初予算編成の方針について御答弁をさせていただきます。
先ほど古賀委員さんのほうにも答弁をさせていただきました令和三年度当初予算の財政フレームを作り、それを基に予算編成を行うことにしております。その基になりますものが、先ほど御紹介がありました
収支試算でございます。
試算を行うに当たりまして、見通しの立たない経済状況、税がどういうふうに減るのか、もしくは感染症の対策、感染症の拡大でどういうふうに経済、もしくは社会情勢が動くのか、そういうものがなかなか見通せないということがございます。
一方で、先ほども申し上げましたが、こういう経済の状況ですと、国が必ず何かの形で
経済対策というものを打つのではないかというのをまず念頭に置きまして、それを最大限に効果を発揮させる予算とすべきだというふうに考えました。
こうしたことから歳出につきましては、試算の前提といたしまして、大型事業を実施するとともに、通常事業は令和二年度と同水準とするということで、まず前提を置かせていただいたところでございます。
試算の結果、税収の減というものがございますので、
財源調整用基金の残高は令和四年度末時点で百一億円に減少するというふうに試算上、結果として出ました。
このため、先ほど申し上げましたが、大型事業の財源として活用を予定していた基金の取崩しを圧縮しまして、県債の増発でそこを賄う、そういうふうな財政運用をしようということで切替えをいたしております。
その結果、五十億円程度の基金の残高を確保するということにいたしました。
また、県債発行を増発いたしますので、健全化にどういう影響があるかということをシミュレーションいたしました。将来負担比率を簡易的に試算したんですけれども、先ほども御紹介いたしました一五五%程度で全国で十位程度、一定の財政の健全化を保持できるかなというふうにその時点では判断したところでございます。
こうした結果を踏まえまして、令和三年度の当初予算におきましては、
ソフト事業、そして
投資的経費はマイナスシーリングを行わずに、今年度と同水準を確保するということ、国が行う
経済対策の効果を最大限に発揮させて、県内経済を早期回復させるという方針のもとに予算編成をすることとしております。
私からは以上です。
41 ◯冨田委員=当初予算の編成方針について伺いましたけれども、この令和三年度の予算編成を考えるに当たり、やはり収入の部分が一番気になるわけですよね。今の段階で税収がどうなのか、なかなかつかめないとは思いますけれども、この
コロナ感染症拡大が懸念される中で、令和三年度の税収への影響をどのように考えてあるのかについてお尋ねいたします。
42 ◯大塚税政総括監=令和三年度の税収への影響についてお答えをいたします。
委員会からも御指摘がありましたとおり、九月議会での報告事項のうち、県財政の
収支試算についての中で御報告いたしましたとおり、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、令和二年度から四年度までの税収に相当程度影響があるのではないかと予測しております。
御案内のとおり、今年一月に
新型コロナウイルス感染症の陽性者が国内で初めて確認されまして、その後の感染拡大により、四月には
緊急事態宣言が出され、外出自粛の要請等がなされました。その後、一旦落ち着きを見せ始めたところで、「GoToトラベル」等の
経済対策が打ち出されまして、それらの効果も相まって経済活動は回復しつつあったものと考えておりましたが、最近になって再びの感染拡大により、今後の経済動向は先行きが大変不透明となっております。
一方で、税収への影響を考えた際には、法人につきましては、決算後の申告により課税が行われます。また、個人につきましては、令和二年の所得に対して令和三年度に課税が行われます。こうしたことから、影響を受けた時期と課税の時期にずれが生じることとなります。
そうしたところ、今年度は長い期間にわたって
新型コロナウイルス感染症の影響を受けているところでございまして、令和三年度の税収におきましても、その影響を相当程度受けることが見込まれるところでございます。
主に影響を受けるものといたしましては、まず、経済活動の停滞に伴いまして、業種全般にわたる企業業績悪化により、法人関係税の減収が見込まれます。また、消費の冷え込みにより、消費に関連する税も減収が見込まれるところでございます。さらには、給与や営業所得などの個人所得の減少により、個人所得関係税の減収が見込まれるなど懸念されるところでございます。
現在、令和三年度当初予算策定に向けまして、主要法人への聞き取りや経済動向の情報収集を行っているところでございます。今後、令和三年度地方税及び地方譲与税収入見込額が十二月下旬に総務省から公表される予定でございます。それらも参考にしつつ、
新型コロナウイルス感染症の経済活動への影響を注視しながら、適切な税収見積りに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
43 ◯冨田委員=税収の影響については、なかなか額までは見込めないというのが今の現状かなと思っております。その要因としては、個人の税金については確定申告などが行われた後になるというふうな話と、法人税関係によると、その会社の決算期、三月であるところもあれば、五月とか七月とか、決算期によって税収が決まってくるというふうなことで、なかなか読めないというのは分かりましたけど、少なくなるというのは確実なのかなと思っています。
税収が減少することは確実だということでございますけれども、財政課として、令和三年度の予算の中で財政収支の悪化にどのように対応していくのかについて、答弁があったかもしれませんけれども、再度お尋ねいたします。
44
◯金丸財政課長=私からは、税収の減少への対応について御答弁させていただきます。
国におきましては、地方の一般財源総額というものを令和三年度まで実質的に同水準で確保するというフレームを設定されております。なので、税収が減少すれば、交付税を増額させるということで確保が図られるような仕組みになっているところでございます。ただし、交付税に反映されるのは、あくまでも税収減の七五%でございますので、残りの二五%は県が自前で賄うというふうになります。ここは
財源調整用基金を取り崩すことで対応させていただきたいと思っております。
また、原資が、国税収入が減りますので、国の交付税総額というのも恐らく減るんだと思います。振替財源である臨時財政対策債というのが増発されるのではないかというふうに見込んでいるところでございます。
先ほど御答弁をいたしましたけれども、税収の減が想定以上に悪化するということも備えなければいけないということで、先ほどの五十億円確保した財源も、もし税収がさらに悪化した場合には、この財源を活用するということも考えているところでございます。
私からは以上です。
45 ◯冨田委員=財源不足に対する考え方として、税収が下がった分は交付金が来るけれども、七五%ぐらいしか見込めないだろうという話で、あとは臨時財政対策債や積立てとかで対応していくということでございます。
そういった中で、今述べていただきましたけれども、令和三年度の
投資的経費については令和二年度同等ぐらいは考えているということでございますので、令和二年度同等じゃなくて、もう少し増やしていかなければ車輪は回転しないのかなと思っておりますので、そこについてはよろしくお願いいたします。無駄なものは無駄ということで結構ですから、必要なものはしっかり
投資的経費でやっていくというふうなことでよろしくお願いいたします。
さて、次、今回の補正予算についてですけれども、「佐賀誓いの鐘(仮称)」の設置について、今議会で提案理由が説明されております。我々も知事の思いは分からないことはないんですよね。過去のハンセン病に対する間違った認識で長い間差別を受けてこられた方々への我々の贖罪といいますか、そういったこと、また、この思いを県民みんなと共有したい、この点は、それはそれで私は否定するものではございません。
また、今回のコロナ関係で誹謗中傷に遭われた方々に対する、それはいけないよねと、した側がそういったことはしてはいけないよねという人権だったり、誹謗中傷をなくそうという取組、これも大変必要なことだと思っています。
今回の一般質問においても、設置する時期、また財源等についても、一般財源でしたがいいんじゃないかとか、寄附を募ったがいいんじゃないかとか、いろんな意見がございました。
そういった中で、私としては、この予算額、「佐賀誓いの鐘(仮称)」に要する予算七百七十八万八千円について、内容はどのようになっているのか、まずはお尋ねいたします。
46
◯金丸財政課長=私からは、「佐賀誓いの鐘(仮称)」の事業費の内訳について御説明をさせていただきたいと思います。
事業費の七百七十八万八千円の内訳としましては、菊池恵楓園に復元をいたしました「希望の鐘」と同じ鐘を製作しまして、県庁をバスで訪れる方がたくさんお見えになっております、そこの停車する動線にあります新館の北側に鐘楼を設置する費用で六百九十三万八千円となっております。また、県庁を見学に訪れる子供たちが、過去の過ちを学び、差別や誹謗中傷を絶対にしないという強い思い、こういうものを伝える説明板というものを設置するようになっておりまして、こちらが五十万円となっております。その他の諸経費で三十五万円となっているところでございます。
以上でございます。
47 ◯冨田委員=鐘を作る経費で六百九十三万八千円、説明板等で五十万円、それから、事務費として三十五万円という話ですね。
私もこの資料を文厚の委員から頂きまして、この資料は人権・同和対策課から提出された資料でございます。
そこで、事務費ということで先ほど言われましたけれども、この事務費三十五万円の中にセレモニー費が入っているということでございます。そのセレモニー費が大体どれくらいなのかというと、三十一万八千円程度がセレモニー費だということを文厚の委員さんから聞きました。この
コロナ禍で、セレモニーを三十万円かけてやるのかということをちょっと疑問に思いました。財政課ではそこまでは知り得ていないのかなと思いますけれども、この内容はどうなのかなと私は思っています。
この話はまた後でいたしますけれども、鐘を作るに当たっての財源として、コロナの地方創生臨時交付金が充てられています。この交付金を充てる根拠について、一般質問でもありましたけれども、再度この委員会で説明をお願いいたします。
48
◯金丸財政課長=私のほうからは、この事業に対して交付金を充てる根拠について答弁させていただきます。
改めまして議員からも、鐘の事業の背景ですとか内容を御説明いただきました。ハンセン病の方に対する思い、差別をしたこと、そして、菊池恵楓園に鐘を贈り、差別に対する贖罪ですとか、二度と過ちを繰り返さない、こういう経緯があって、今回、鐘を設置する、そして、この「誓いの鐘」というものが、コロナ感染者ですとか医療従事者などへの誹謗中傷もなくしたい、差別や誹謗中傷は絶対にしないという思いを県民の皆様と共有し、風化させないために設置するというものになっております。
その根拠ですけれども、国の
新型コロナ感染症緊急経済対策、これは四月に閣議決定をされておりまして、そこの「感染拡大防止」というところに、「感染症に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことを呼びかける啓発を進める」というふうに記載がございまして、この記載のところを鑑みまして、交付金の対象になるというふうに考えたところでございます。
今後、実施計画を国に申請することになりまして、最終的に臨時交付金の充当の可否につきましては国が判断することとなっております。
なお、感染者が今すごく増えております。第三波が訪れまして感染症の方が急増している状況がございます。実は数日前に、国が今後対象とする事業、例えば、今議会に提出しております鐘を含めまして、勤労身体障害者教養文化体育館施設の設備整備ですとか、「中高生スポーツ大会SSP推進事業」、こういうものを含めまして、今後、承認するに当たりましては新たに緊急性などの要件を設けることも検討されているというふうに国から聞いているところでございます。
こうした状況の中、今後、第三波がどういうふうになっていくか分かりませんけれども、今後の事態の推移によりまして、仮にこれらの事業が対象と認められなかった場合には、二月補正で財源更正を行うこととしたいというふうに考えております。
私からは以上です。
49 ◯冨田委員=国のこの臨時交付金については、そういった誹謗中傷がないような啓蒙啓発について認められる交付金であるということから、裏財源としてつけたというふうなことですね。
また、最近になって国のほうも、緊急性があるのかという点を疑問視していると。緊急性があるものについてやっていくべきじゃないかというふうな意見もあるということを伺ったところでございます。
それで、その緊急性、今必要なのかというところでありますけれども、これまで
新型コロナ感染症に対する予算等について我々議会としても、感染予防対策、また
経済対策として、緊急に実施しなければならないものについては、やはり急いでやるべきだということで、その効果がすぐ出るようにということで、議会としても執行部に専決処分をやってでも対策を進めなさいというふうなこともやってきました。我々もやはりこの
コロナ禍の中で、スピード感を持って対応していくということが大事かと思っています。
確かにこの
コロナ禍で、病院はじめ、看護師の方々、それから、執行部の方々も対応していただいて今の佐賀県の状況があるということは私もしっかり認識していますし、これに対しては私も敬意を表するところでございます。
しかしながら、状況が第三波と言われる状況でありまして、本日も新規感染者が全国で二千八百人、新たな数値を更新したとかというふうな状況でございます。
そういった中で、国のほうも生活困窮者に対して何らかの手当てをやっていかんばいかぬじゃなかろうかということで、政府としても十二月四日、児童扶養手当を支給している低所得独り親世帯などを対象に、臨時特別給付金として原則五万円を年内に再交付する、二回目の交付ということでございますけれども、交付していくと。この対策で使用できる予備費を活用していくということで、迅速に、そして的確に、痛みがあるところについては手当てしていこうという政府の考えでございます。
そうした中で、佐賀県の低所得者というのが数値的に我々もなかなかつかめないとか、見えていないというところがございます。
そういった中で、私、佐賀県の社協だよりというのを入手しました。(資料を示す)これに、
コロナ禍における生活福祉資金特別貸付金というのがあります。これは貸付金でございます。これが十月末までの申請状況ということで書かれていまして、四千六百九十六件の貸付申請があって貸し付けたというふうな結果でございます。四千七百件ぐらいですから、それ以上に困窮している人はいらっしゃるわけですね。これは申請ですから、人じゃなくて、家庭というか、一戸当たりというふうなことでカウントしたが正しい数字かなと。ということになれば、五千人以上の方が困窮状態にあると。これは十月下旬ですよね。
第三波が今来て、十二月、年越し、また正月を迎えるに当たって、佐賀県の困窮者の方々の思いを考えると、本当にこの鐘が今必要な時期なのかということを考えさせられます。
これは新聞の切り抜きですけれども、十一月二十一日土曜日となっていますので、十一月二十日の定例記者会見で、決して高い費用ではないということを言われております。多分これはテレビが取り上げる前だと思いますけれども。そしてまた、一般質問の中でも、八百万円程度だから八十万人で割って一人当たり百円未満というふうなことも言われました。しかし私は、これは県民のそういった低所得者の方の気持ちに寄り添っていないんじゃないかなと。やはりここは、この鐘を作るというのは一旦やめて、低所得者の思いにしっかり寄り添っていくべきじゃないかなということを思っています。
先ほど言いました貸付金の件数、四千七百件、これはあくまでも貸付金なんですよね。基本的には返さなければならない。利子はつかないけれども返さなければならない。そういった方々がいて、そしてまた、貸付けだから、返す不安もあるので貸付けに申請をしない、とどまっている方もまだいらっしゃるんじゃないか。そういったことを考えると、本当にこの鐘が今実施しなければならないのか甚だ疑問でございます。私は、この設置については反対いたしますということを述べておきますが、最後の質問にいたします。
そこで、政策部長、やはりこういった政策、小さなことかもしれません、知事が言うようにですね。しかしながら、今の状況を鑑み、県民の心を思いやり、そうしたときに、本当にこれでいいのか所見をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。
50 ◯進政策部長=私のほうから、今、冨田委員から御質問いただきました「誓いの鐘」の設置について、本当に今やるべきことなのかという御質問にお答えいたします。
今現在、これは委員にも触れていただきましたけれども、佐賀県では新型コロナに対しまして県民の皆様と一体となって、議会の皆様も当然含めて、県一丸となって闘っているところでございます。
本当に、これも委員に触れていただきましたけれども、最前線で感染の拡大防止に当たっていただいている医療従事者の皆様、また、実際にコロナの影響で非常に苦しんでいる県民の方々、様々いらっしゃるということは我々も十分認識しているところでございまして、医療従事者の方はじめ、頑張っていらっしゃる皆様方に、この場を借りて改めて感謝申し上げたいというふうに思っているところでございます。
そうした実際苦しんでいる方々に目を向けて、しっかりと県としてもできる限りの手を差し伸べるといいますか、しっかり対応していくということは当然重要だというふうに考えておりまして、そこから決して目をそむけてはいけないというふうに思っております。
ただ一方で、こうした皆さんが県民一丸となって頑張っている中、感染した方などへの誹謗中傷が見られているということも、これはまた現実でございます。そうしたことで、誹謗中傷を受けた方々がどれだけ傷ついているか。人の心というのは、やはり一度傷つくと、なかなか回復するものではございません。これはしっかりとこうした誹謗中傷をやめていただくということも、これはまた県民を守るために大切な取組だというふうに思っております。
これはコロナが始まった頃から我々はずっと誹謗中傷はやめてくださいということは訴えてまいりましたけれども、なかなか特効薬がないというところで、訴えてきたものの、現在に至っても、当然蔓延しているという状況ではありませんが、やむという状況には至っていないという中で、何か手はないかというふうに思う中で、今回、この鐘というものを提案させていただいたところでございます。
本会議一般質問の中でも、なぜ今かというところを知事のほうからも答弁させていただいておりますけれども、コロナと戦っている今、そして、誹謗中傷もある今こそ、誹謗中傷をやめてもらうための方法として、この鐘の設置というものをぜひさせていただきたいと思い、今提案しているところでございまして、今、小学生が来ているとか恵楓園の話とかありますけれども、とにかくコロナと戦っている今こそ、誹謗中傷をやめていただく必要があります。そうしたことから、今提案をさせていただいているというところを御理解いただければと思います。
以上でございます。
51 ◯藤崎委員=お昼ですけれども、質問のほうに入らせていただきたいというふうに思います。藤崎です。
今、冨田委員のほうから大変重い指摘があり、また、進政策部長のほうから答弁をいただきました。
今回の議会、まさによもやという気持ちで皆さんおろうかというふうに思います。
本来であれば、県民一丸となってこのコロナに対して戦っていくというところでありますけれども、その上で大事なこととして、知事が一般質問で答弁されました。県民の皆さん方がどうお考えになっていくのかということが佐賀県の事業に魂を入れることになる。やはり県民の理解というものが非常に必要なんだと。どんなに思いがあり、大事な事業であっても、やはりそこには魂を入れていくことが必要なんだと。特に今回のような事業はそうであろうというふうに私も思うわけであります。そういったことをしっかりとこの議会でこれまでも一般質問、また、今先ほども議論が行われております。
まず初めに、一点、改めて財政運営の基本方針について、この際、財政課においてどのような考え方において行っているのか伺っておきたいと思います。
52
◯金丸財政課長=財政運営の基本方針について御答弁申し上げます。
今回、臨時交付金ということでございますので、主に歳入面での方針を述べさせていただければというふうに思っております。
本県の自主財源というものが今四割程度にとどまっております。中長期的に、安定的に、かつ弾力的に財政運営を行っていく必要があるというふうに思っております。
このため、
行財政運営計画二〇一九におきまして、歳入確保対策の強化のため、税源の涵養などの自主財源の確保や国の交付金、補助金の活用に取り組むこととしております。
今後、
新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、税収の減というものが想定されます。できる限り県が独自で、例えば、県民サービスを向上させる、そういうときには一般財源が必要となってきます、この一般財源をできる限り節約する必要があるというふうに考えております。
今回の臨時交付金も含めまして、国の交付金や補助金、また、先ほど冨田委員からも御紹介ありました国の第三次補正予算、こういうものを最大限に活用していきたいというふうに思っております。
私からは以上です。
53 ◯藤崎委員=財政運営はしっかり行われているというふうに認識をしております。ただ、今後の状況を見ますと、我々県議会は県民の皆さんの声を聞いて多岐にわたる要望をいたします。一方で、健全性を図ると。先ほど冨田委員のほうからも指摘がありました。財政の健全化はしっかり努めにゃならん。ある意味、二兎追うようなことを我々議会側は財政課に求めていくわけであります。
そういう意味では、かつては一旦、十数年でしたが、やめられました財政の査定ですね、財政課におきます予算査定、これが非常に大事だと私は思っております。この際、その査定における考え方について伺っておきたいと思います。
54
◯金丸財政課長=私からは、予算の査定の考え方について御答弁を申し上げます。
予算の査定を行うに際しましては、主に三つの観点から行っております。まず一つが、必要性の吟味と適正な予算規模への切り込みでございます。二つ目に、政策を推進するための重点的な予算の措置、配分、こういうものが重要だというふうに考えております。最後になりますが、三つ目ですけれども、第三者的、あるいは全庁的な視点から事業の磨き上げということ、例えば、予算査定というのは予算規模の切り込みという観点もございますけれども、逆に必要な財源も手当てするという面、もしくは、もっとこういうふうにやったほうがいいんじゃないかというような事業のつくり込みというところも必要じゃないかというふうに思っております。この三つの観点で予算査定というものを行っているところでございます。
私からは以上です。
55 ◯藤崎委員=通常であれば、しっかりと時間をかけて査定を行うということがかなうんでしょうけれども、今年のように何度も予算を編成しなきゃならない、いわゆる追われるような形、語弊があるかもしれませんが、時間に追われるような中で判断をしていかにゃならんという中で、何で今回こんなに皆さんの疑問が生じたかというと、まさに先ほども指摘があった緊急性ですよね。今非常事態なんだと、そういったところにおける予算の査定の在り方、ここはやっぱり指摘をしておかなきゃならんのではないかというふうに思っております。
そこで、臨時交付金です。今焦点となっております臨時交付金の制度について、その対象事業等についてどのようになっているのか伺っておきたいと思います。
56
◯金丸財政課長=臨時交付金の制度、対象事業につきまして御答弁申し上げます。
国によりますと、臨時交付金の対象となる事業につきましては、
新型コロナウイルスの感染拡大の防止はもとより、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を通じた地方創生に資する事業というふうになっております。このように地方創生という側面もありまして、幅広く活用できるものというふうになっております。
その具体的な対象事業を申し上げますと、国のほうでは主に四つの柱で構成をされております。まず一つが、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、二つ目、雇用の維持と事業の継続、三つ目が、次の段階としての官民を挙げた経済の回復、最後に、強靱な経済構造の構築、このいずれかに該当する事業というふうになっております。
私からは以上です。
57 ◯藤崎委員=この臨時交付金の使い方、この制度の立てつけですよね。本当であれば、地方にとって非常にありがたい内容になっております。自由度が高いというのは本当にありがたい。私はそう思うんですけれども、いかんせん、今回、誤解を招くような立てつけでもあったのかなというふうに思うわけであります。
その中での優先順位というのは非常に大事であろうと思うわけでありますが、全国的な臨時交付金の活用状況についてであります。どのようになっているのかお尋ねをいたします。
58
◯金丸財政課長=全国的な臨時交付金の活用状況について御答弁申し上げます。
内閣府が公表しております臨時交付金の計画の提出状況というものがございまして、市町村を含めた全国の活用状況というものがございます。
感染防止対策と医療提供体制の整備と、雇用の維持と事業の継続、こちらの二つで約七割、経済活動の回復、強靱な経済構造の構築は約三割というふうになっております。経済に活用している割合というものは、本県と比較して、全国的には高い状況というふうになっております。
また、四十七都道府県におきまして活用状況を確認させていただきました。全都道府県におきましては、経済活動の回復に臨時交付金を活用している状況にございます。
私からは以上です。
59 ◯藤崎委員=その臨時交付金は、いわゆる感染拡大防止、また、雇用の維持、事業の継続以外にも、強靱な経済構造であるとか、幅広いということでどうしても必要性について曖昧な部分が出てくる。県にとっては事業としては必要だけれども、その優先順位の中で、皆さん方がどうしても緊急性として疑問を感じるものがやはりここに出てくるというわけであります。
ただ、担当課におかれては、国の交付金を活用していきたいというのは当然のことでありまして、理解もできるんですが、やはりこの制度の内容について誤解を招くところがあったんだと私は思っております。
それゆえ今回、緊急性が伴うものということで国のほうでも見直しが図られるわけでありますけれども、本県のこれまでの臨時交付金の主な活用事例についても、昼をまたがって恐縮ですけれども、伺っておきたいと思います。
60
◯金丸財政課長=これまでの臨時交付金を活用した主な事業につきまして御答弁を申し上げます。
まず、春先に、
感染防止対策に必要な衛生用品の調達が困難な状況がございました。県がマスク、消毒液を購入いたしまして、医療機関、高齢者施設、障害者施設に配布をしたというものに使っております。
また、全国に先駆けて行いました中小企業・小規模企業者を対象といたしました融資の際の保証料を全額補助いたしましたり、三年間の利子を全額補給、つまり、三年間無利子という制度融資を立ち上げて、この交付金を活用させていただいております。
また、県からの休業、または営業時間の短縮の要請に応じた事業者への支援「
佐賀型店舗休業支援金」ですとか、福岡との県境を中心に自主的に休業した飲食店への支援、「佐賀型県境ストップ支援金」と申しますけれども、こういうもので、店舗数の上限なく一店舗ごとに十五万円を交付したという実績はございます。
また、利用者が急激に落ち込んでいる県内観光、宿泊施設ですとか観光施設、こういうものを支えるために、県内誘客強化の取組といたしまして、一人当たり上限五千円の県内宿泊料の割引ですとか、一人当たり一施設上限二千円のアクティビティー体験割引というものも今実施しているところでございます。
また、産業、店舗、そういうものの観点から申し上げますと、テークアウトとかデリバリー型の販売など事業者の新たな業態への挑戦ですとか、店舗などにおける三密回避、非対面・非接触型の接客など業種別のガイドラインを遵守するための取組を支援してきているところでございます。
また文化面のほうでも、活動を制限されているアーティストの方ですとか制作スタッフの方を支援するために、無観客での音楽ライブ、舞台公演などを配信することにより、文化芸術の新たなモデルを創出することのチャレンジを支援しております。LiveS Beyondと申しますけれども、今回十一月補正でも増額補正をさせていただいております。
このほか、
新型コロナ感染症の影響を受けている事業者に対しまして、例えば、医療福祉分野で申し上げますと、薬剤師、もしくはあんま等の施術所、農業分野で申しますと、「佐賀牛」ですとか花、タマネギの生産者の方への支援、そのほか、宿泊施設、貸切りバス・タクシー、観光施設、松浦鉄道、路線バス、運転代行業者、伝統産業などなど、本県独自の様々な支援を実施してきたところでございます。
私からは以上です。
61 ◯藤崎委員=地方創生臨時交付金については認められるものについてしっかりと取り組まれたという認識は持っておりますものの、今回、これだけ大きく報道等でも取り上げられておりますし、県民の皆さんも非常に疑問がいまだ残っておるというのは現状、実情であろうかというふうに思っております。
そういった意味で、先ほど「佐賀誓いの鐘(仮称)」事業については御説明いただきました。改めて「勤労身体障害者教養文化体育館施設設備整備」、「中高生スポーツ大会SSP推進事業」について、この際、伺っておきたいと思います。
62
◯金丸財政課長=「勤労身体障害者教養文化体育館施設設備整備」、「中高生スポーツ大会SSP推進事業」、こちらの交付金を活用できる根拠、事業のことにつきまして御答弁をさせていただきます。
まず、勤労身体障害者教養文化体育館のトイレですけれども、実は文部科学省のほうは湿式という言い方をしておりますが、これはタイルですね、そういう水をまいて清掃を行う、そういうものを、乾式、例えば、シートですとかボードに替えるということを推進しております。これは民間の会社のほうでも調査をしておりますけれども、トイレに菌ですとかウイルスが感染しやすい場所というものを調査しておりまして、一番多いところは床でございます。その床がなぜ多いかといいますと、水をまいたりして清掃しますと、水分があるところにウイルスとか菌は残る、そういうものがございます。そういうものを先ほどのシートですとかボードに替える、こういうものをまず文部科学省が学校で取り入れているところでございます。
もう一つ、菌とかウイルスが付着しやすいものとして、和式便所に多いんですけれども、レバー、押して水を流すもの、いろんなところを触って最後に触るもの、こういうところに菌やウイルスが付着しやすい、そういうところの観点から、学校の洋式化、乾式化というものをまず国のほうが率先して実施するようにというふうにしているところでございます。
こちらの今回の施設でございますけれども、床が湿式になっておりまして、和式便所もあるという状況にございます。こういうものを文部科学省の考えを基に改善をしていかなければならないというふうに考えております。
それに加えまして、実は多目的トイレ、障害者の方が使われるトイレ、こちらもあるにはあるんですけれども、すごく使い勝手が悪い、例えば、動線がすごく悪うございまして、普通は入ってすぐにそういう方々が入れるような場所にないといけないんですけど、奧にあって、何回も曲がって切り返して入らないといけない、そういうような配置になっております。そういうこともございますので、そういうものを身体障害者の方々の感染のリスクを少なくしたり、もしくは利便性の高いものにする、そういう施設にしまして、
コロナ禍でも安心して活動してもらう、そういうことの観点からこの事業をやっているところでございます。
まして、全障スポがございます。そういうふうになりますと、あちらでいろんなスポーツを今からしていくことにもなります。こういうことも鑑みまして、今回、全面的に改修をすることとなっているところでございます。
根拠でございますけど、先ほど申し上げました文科省が令和二年度補正予算におきまして、
新型コロナウイルス感染症予防の観点から、学校のトイレの洋式化、乾式化の補助金を拡充しております。この「勤労身体障害者教養文化体育館施設設備」につきましても国の補助制度と同じ事業内容であることから、臨時交付金の対象となると考えたところでございます。
次に、「中高生スポーツ大会SSP推進事業」でございます。
こちらは御存じのとおりでございますけれども、高校総体の代替大会として開催をしたSSP杯(カップ)がございました。県内いろんな方が参加をしていただきまして、それを見るためには、無観客にしまして
オンライン配信をしたりしております。大会そのものはすごく好評で、参加した選手の方々からも、よかった、ありがたかったということで好評をいただいたんですけれども、急にSSP杯(カップ)というものを始めるというふうにしたものですから、
オンラインというものでやった、映しはしたんですけれども、映したものの、試合の状況、例えば、選手、今どことどこの学校が対戦しているだとか、対戦の状況ですとか、そういうものが分かりにくいというような声を聞いたところでございます。
今回、実はSSP杯(カップ)につきましては、一部の経費、例えば、看板を立てるとか、そういうものにつきましては、この臨時交付金を充てて開催させていただきました。今、第三波が来ている中、来年のこういう大会につきましても、無観客、
オンラインというものが今後も継続されるのではないかというふうに考えたところでございます。そういうものに対応するために、点数表示板の設置というものを今回予算に挙げさせていただいたところでございます。ちなみに、台数としては百七十台程度ということになっております。
根拠ですけれども、実は国が新しい生活様式への対応の事例というものを示しておりまして、その中の「地域のスポーツ等の創造発信」の一環といたしまして、感染拡大防止対策ですとか
オンラインの活用というものが記載されております。そこの記載にこの臨時交付金の対象になるというふうに考えたところでございます。
このように、臨時交付金を充当するに当たりましては、国が示しております活用事例ですとか、もしくは交付金に関する質疑応答、そういうものを参照いたしまして、場合によっては必要に応じて国に直接相談、確認をした上で、各事業の内容ですとかスキーム、こういうものが交付金の対象になるかを財政課の中で検討、検証しております。
一般質問でもありましたけれども、これまで国に申請した事業につきましては交付金の対象と認められているところでございます。
今回のこれらの三つの事業につきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、今後、実施計画を国に申請することになりまして、最終的には国が充当の可否を判断することとなっております。
最後に、これも先ほど申し上げたことではありますけれども、繰り返しになりますが、数日前、今後、対象にする事業を承認するに当たりましては、新たに緊急性などの要件を設けるということも国のほうで検討されているという状況でございます。そういう連絡を受けました。
今後、こういうふうに感染症の状況、いろんなものが変わっていくと思います。今後の事態の推移によりましては、そういう緊急性とか、さらにいろんな要件がつくかもしれません。そういうふうになった際に交付金の対象とならなかった場合につきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、二月補正で財源更正を行うこととしたいというふうに考えております。
私からは以上です。
63 ◯藤崎委員=お昼を大きく回って大変恐縮ですけれども、最後に、通告していなくて大変恐縮ですが、進政策部長に伺っておきたいというふうに思います。
コロナ交付金は二つということであります。厚生労働省の包括支援交付金が二百二十九億円、これは医療、介護、現場シーンであります。内閣府の地方創生臨時交付金九十六億円、これは経済回復、活動回復や新しい生活様式対応ということであります。合計しますと三百二十五億円、このうち八割を医療提供体制の整備、医療従事者や福祉施設、介護施設で働く方への慰労金など、医療福祉を守るということで取り組んでいただいております。つまり、臨時交付金九十六億円のうち、医療や介護への支援は二十六億円あるわけであります。
そして、もう一つ必要な事業として、事業者などへの直接支援、皆さん資金繰りが苦しい、こういったところを県ならではで力を入れていただいております。これが五十三億円ということであります。
つまり、全体の残り五%、十七億円、これが新しい生活様式を踏まえた経済活動の回復ということで、カテゴリーに当たる観光誘致やワーケーション、ナイトテラスチャレンジ、SSP杯(カップ)支援、陶磁器・家具産地等ものづくり支援、こういったものに使っているんだと。これは一般質問の答弁でいただいておりますが、やはり十七億円の使い道が非常に焦点になっているなと、この議会で感じております。
そういった意味では、どういった経緯をもって──担当部署がしっかりヒアリングしておられたのも私は分かっております。そういったことを認識しておりますけれども、やはりこの十七億円を決めるに当たって、どういう政策判断をしていかれたのか、そのことの判断をどのように行ったのか、ここを確認しておきたいと思います。
64 ◯進政策部長=藤崎委員の御質問にお答えいたします。
今御質問のところでは、十七億円の使い道といいますか、十七億円を決めるに当たってどういうような議論があったのかということの御質問でございました。
県では、コロナ対応に当たりましては、まず、とにかく一番はもちろん感染者をどう守っていくかということ。それから、医療現場を守ること。それから、経済を守っていくというところをとにかく第一にどういうふうに取組をしていくかということをまず考えておりました。
その結果として、今、委員から御指摘ございましたように、厚労省の包括支援交付金と内閣府の臨時交付金等々がありますが、その使い道につきましても、結果として九五%がそうした支援、医療現場ないし経済の現場を守っていく、それから、感染者の皆様を守る、感染拡大を防止するという取組に使われてきたところでございます。
もちろん、そうしたことをまず第一にやらなくてはいけないという思いで政策をつくってきたところでございます。しかし、委員からも紹介いただきましたけれども、その一方で、やはり社会はずっと動いていくわけでございますし、佐賀県というのも、当然これからコロナと一緒、
ウイズコロナの中でどう県政を生かして活力ある県をつくっていくのかといったところももちろんちゃんと考えていかなくてはいけないわけでございます。
ウイズコロナの中でどういう取組が必要かといったところも併せて議論をしてまいりました。その中では、先ほど委員からも御紹介いただきましたSSP杯(カップ)での支援でありますとか、また、先ほど財政課長から答弁させていただきましたような飲食店等の新業態スタート、
ウイズコロナ対策支援でありますとか、社会を動かしていくための仕組みづくりということもしていかないと、これはこれで社会が死んでしまうということで、必要な取組、最低限必要なこともあるんではないかということで県として政策を議論してきたところでございました。
その結果として、これは必要だろうというものを議会にも施策、取組として提案させていただいているところでございまして、このバランスは今は九五%と五%と、細かく言うと八〇%、一五%、五%ということになっていますが、これは結果としてこういうバランスになっておりますが、とにかくそうした医療現場を守る、感染者を守る、そして事業者を守るということをメインに、一方で、社会をどう回していくのか、その仕組みづくりというのを忘れちゃいけないんじゃないかということも併せて考えた結果として、今のような割合の予算の使い方になっているというところでございます。
これは、例えば、予算の五%ありきでこれをやってきたというわけじゃありません。今、佐賀県の現場を見据えて何が必要かということを考えていって、さっきの思い、重点はあくまで医療現場、もしくは経済の支援、そうしたところをメインに考えながらも取り組んできた結果として、その九五%と五%ということとなっているわけでございまして、五%だからいいとか、そういうことを我々も思っているわけではありません。結果としてそのような割合になっているということでございます。
思いについては、るる述べさせていただいていましたように、そのバランスをどう取っていくかという思いで政策をつくり上げてきたところでございます。
以上でございます。
65 ◯藤崎委員=ちょっと意見を言わせていただきたいと思います。
確かに、進部長が今言われたのはよく理解できます。今回の体育館の整備であったりとかSSP杯(カップ)の支援等については、県民の中での要望もあり、理解できるところでもありますが、「誓いの鐘」ですよね。これについて、なかなか今のところ緊急性というところで理解が得られていないというふうに思うわけであります。
知事は確かに、コロナに関しては当初から誹謗中傷や差別はいけないんだと、感染拡大を防止するためにはこれがネックになるんだということは、一番初めから言ってあるんですね。特に三月十三日に初めて感染者が出た折にも、その臨時議会においては、誰もが
感染リスクがある中、感染を疑われる方が手を挙げることをちゅうちょしてしまうような、個人情報を詮索するような心ない行動、また、差別や偏見を生むような悲しい行為は絶対に避けていただきたい、これからが正念場だというふうに、一番冒頭にこれを述べておられる。
毎回、いろんな情報を提供するに当たっては県民の皆様へ、そういったいじめとか偏見とか差別があっちゃいかんと。ぜひこういったところをないようにお願いするということは毎回つけておられる。つまり、非常に大事なんだという気持ち、思いはしっかり分かるんです。ただ、県民の中においては、今まさに困っている部分においての生活が苦しいという方がおられる、そこを先ほども指摘されたわけでありまして、そういったところの目線の高低差というものがあったのかなというふうにも思うわけであります。
やはり事業を進めていく上では、知事が言われたように、県民の皆さんの理解、これがないと魂が入らないんだということ。感染拡大防止には、この魂の部分が大事だというふうに思うわけですね。ぜひここのところは指摘をしておきたいなというふうに思います。
そして、こういう機会ですので、若干時間をいただきまして、私自身、差別、誹謗中傷については絶対あってはならないというふうに思っております。
余談になりますが、私は一般質問を行う折に、会派関係なく党派を超えて拍手をしております。各議員さんが質問に立たれるときに、私は拍手で見送り、正直、ああ、私と考えが違うなと思っても、私は拍手をもって敬意を示しております。これはなぜか。
実は、私は二十八歳のとき町会議員に当選をさせていただきました。当選した折に、私がお世話になっていた早坂茂三さんという評論家がおられました。もう亡くなられました。この早坂さんのところに当選の報告に行きました。そして、この早坂さんの口癖は、おじさんは何でも知っているぞ、聞きたいことがあったら何でも聞けと、よく言っておられました。
私は当選した折に、これから議員活動をしていく私にどんなことをアドバイスしてくれるんだろうと思って話を聞きました。そしたら、一番最初に言われたのが、実は、議員になったら、いいか、議会はやおよろずだと。いろんな考えを持った人たちが集まるんだと。そして、いろんな問題、森羅万象の課題がそこに集められてくるんだと。そういう中ではいろんな考えの人がいる。いいか。どういう意見、考えであろうと、敬意を持って聞くんだぞ、これが一番最初のアドバイスでした。私はそういう気持ちもあって、世の中、いろんな方がおられます。十人おれば十色。しかし、それぞれ個性があって、自ら自分の思いがあって生きていくわけですから、絶対に偏見や差別につながるような行為はしちゃいけないんだというところ、その一番のありようとして県議会はなければならないんだということを私なりに二十八歳のときに感じたわけであります。
そして、県議になったときに、いろんな議事録を読ませていただきました。そしたら、田中角栄元総理が初めて国会議員になった二十八歳のときに、一番最初に国会で壇上に上がって言った言葉、演説した内容が、実はそこにつながる内容だったんですね。
つまり、そういうふうに政治の場というのは──行政は公平公正ですよ、はっきり言って、説明責任が絶えず求められるから。でも、政治というのはいろんな地域の思いがあって、それぞれ自分が正しいと思って来るわけですね。けんかします。だからこそ、私は思いやりの心、まさに山口知事はそこを非常に大事にしているなと私は思うんです。ただ、今回、事業を進めていく上に当たって、皆さんの魂が入っているだろうか、これは非常に疑問がつくところだなというふうに思っております。
長くなりましたけど、この際、私の意見を言わせていただいて、質問を終わりたいと思います。
66 ◯定松委員長=暫時休憩いたします。十三時三十分をめどに委員会を再開いたします。
午後零時二十五分 休憩
午後一時三十分 開議
67 ◯定松委員長=委員会を再開します。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
68 ◯井上祐輔委員=皆さんこんにちは。日本共産党の井上祐輔です。本日、二項目について質問をさせていただきます。
まず、原子力災害時の避難について伺いたいと思います。
十一月七日、玄海原発で事故が起こった場合の原子力防災訓練が行われました。今年度の訓練は
コロナ禍での避難訓練となり、参加者は検温や手指消毒など、
感染症対策を確認された訓練となりました。
私も毎年訓練の視察を行っていますが、今回は唐津市鎮西町の住民の方々が名護屋城近くの桃山天下市に集合するところから、高峰中学校での安定ヨウ素剤の配布訓練、白石町にある佐賀県立農業高校へ避難する、そういった訓練を見てまいりました。
避難者の中には、聞こえに障害を持たれる聾者の方も参加をされていました。私も手話通訳の方を通じて、その方とも直接話をさせていただきました。佐賀県聴覚障害者協会理事長の中村さんは、障害者差別解消法が制定をされた中で、障害がある人もない人も、ひとしく命、健康を自治体の責任で守るということは努力ではなく義務だ、このようにお話をされたことがとても印象に残りました。
避難所の運営については所管が違いますが、聞こえに障害のある方にとって、避難所で情報が入らない、このことが孤独感、また、不安感につながり、大変大きくなるという話もありました。
聾者の方の声を聞いて作られたシルウォッチ、これがこの会場でもお話がありましたが、将来的に全ての自治体でこのシルウォッチを持つようにしていただきたい、こういった要望もありましたので、ぜひ県庁内でも共有をしていただきたいと思います。
まず、原子力防災訓練の目的について伺いたいと思います。
原子力災害は、台風や地震などの自然災害とは違い、目に見えない、臭いもしないといった放射線に対する対応が求められます。そのような特殊性を踏まえながら、原子力防災業務に関わる方、また、住民の皆さん双方が放射線への対応について理解を深めながら訓練を行い、より実効性のある県民に役立つ避難計画としなければなりません。
改めて原子力防災訓練を行うこの目的について確認をしたいと思います。
69 ◯宮原危機管理防災課長=原子力防災訓練の目的についてお答えいたします。
原子力災害に限らず、防災訓練は、災害等が発生し、生命の危機に直面するような場合などに備え、お一人お一人がどのような行動を取るべきかを事前に理解し、実践できるようにしておくことを目的として実施するものです。
原子力防災訓練についても、防災業務関係者の習熟などと併せ、地域住民の原子力防災意識の向上を重要な目的として、毎年取り組んでいます。
委員御指摘のとおり、原子力災害は自然災害とは異なる対応が求められることから、住民の方々がその特性を理解した上で、災害時に取るべき行動について、実際に避難を体験してもらうことなどにより理解を深めていただくことが重要となります。そのため、訓練にはできるだけ多くの住民に参加していただきたいと考えており、毎年、訓練に参加したことのない地区に参加していただくよう調整しているところです。
なお、委員御指摘のとおり、原子力災害の特徴であります放射線に関する基礎知識などの住民に対する周知につきましては、まずは市町が行う必要がありまして、避難元である玄海町、唐津市、伊万里市の三市町では広報誌などによる周知に取り組まれているところです。
これに加え、県においても「原子力防災のてびき」を毎年作成しており、今年度は三月に県内全世帯へ配布する予定としています。
以上でございます。
70 ◯井上祐輔委員=今年度については、新型コロナの影響から、参加をされる住民の方々、また、避難先で講話というものも行われていますけれども、この開催自体が少なかったというふうにもお聞きをしております。
住民の皆さんにとっても、こういった機会でなければ、なかなか放射線に対する知識、また、原子力災害について触れる機会というのも少ないのではないかというふうにも思います。
このような学習をしていく機会、原子力災害に対するそういった理解を深めていく、その点について現状として、県としてはどのような認識をお持ちか、この点についてお伺いをしたいと思います。
71 ◯宮原危機管理防災課長=先ほど申し上げましたとおり、市町でも広報媒体等で原子力災害の特性などについて周知をしております。県のほうで毎年配布しています「原子力防災のてびき」につきましても、原子力災害の特性などについて周知をしているところでございます。
また、市町におきましては、例えば、唐津市などは出前講座で出張説明会などが実施されていると聞いているところです。
以上でございます。
72 ◯井上祐輔委員=今、市町を中心に周知をされている、出前講座も行われていると、そういったお話だったんですけれども、そういった知識や災害について、今、県としては十分に理解がされていると、そういった認識でしょうか。私はまだまだこういった部分については不足をしているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
73 ◯宮原危機管理防災課長=毎年訓練を実施しておりますが、訓練の後で訓練参加者などにアンケートを実施しております。そのアンケートの中で、避難計画についてどの程度理解していますか、などの項目についてアンケートを実施しています。その内容については、十分ではないかもしれませんが、年々その率が高くなってきているものと認識しております。
以上でございます。
74 ◯井上祐輔委員=アンケートについても、少し後ほど触れさせていただきたいと思います。
次の今年度の訓練の取組について伺います。
今年度の訓練については、私も一般質問、また、委員会質疑でも、
コロナ禍を踏まえた訓練にしてほしい、こういったことをお願いしてきたところです。
今回、
コロナ禍ということも踏まえて、例年とは違う、そういった訓練になったかと思いますけれども、県としてはどのような点にポイントを置かれて実施をされたのかお伺いをします。
75 ◯宮原危機管理防災課長=今年度の訓練のポイントについてお答え申し上げます。
今年度は
コロナ禍での訓練となりましたことから、一点目といたしまして、参加者が訓練の中で感染することがないよう、感染予防の徹底、そして二点目としては、感染症流行下での原子力災害時における防護措置の確認、この二点にポイントを置いて実施してきたところです。
まず、訓練参加者に対する感染予防の徹底といたしましては、離島からの実住民の避難訓練を見送るなど、参加する住民の数を制限したこと。また、高齢者施設、障害者施設の入所者の移動を伴う避難訓練を見送るなど、集団生活を営む方々への感染防止、さらに、被曝傷病者等受入れ訓練を見送るなど、医療従事者及び保健福祉事務所の職員への感染防止などの対策を講じたところです。
また、感染症流行下での原子力災害時における防護措置の確認につきましては、宮城県の女川地域の緊急時対応に
感染症対策が盛り込まれて改定されたことを踏まえ、バス避難を行う際の一時集合場所等での検温の実施でありますとか、バス避難の際に健常者と発熱等の感染のおそれのある方を分乗させて移動させるでありますとか、避難先においても、健常者と感染のおそれのある者を隔離する。そして、離島避難訓練において、
新型コロナウイルス感染者を船舶で搬送といった防護措置の確認を行ったところでございます。
以上でございます。
76 ◯井上祐輔委員=今の
コロナ禍の中で、原発事故時には、感染症の対策、また、放射性物質、この二重の防護が必要になると思います。
コロナ対策では、密集は避けなければならない。一方で、放射性物質の遮蔽には機密性を保たなければなりません。感染防止には換気が欠かせなくなり、相矛盾する対策を同時に求められている、そういったことになろうかと思います。
例年同様に、今回も集合場所に集まりながら、先ほどもお話がありましたが、参加者がバスで移動されていました。その中で、
コロナ対策のために、通常なら席を詰めてバスにも乗車をされていると思いますが、今回、
コロナ禍の中で、バスの乗車についてはどのように対策を取られて乗車をされたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
77 ◯宮原危機管理防災課長=バス避難についてお答えいたします。
検温で熱や症状が見られない方につきましては、バスに乗られる際は二席に一人乗車をしていただきまして、分かりやすく言いますと、両側の例で窓際に座っていただくような工夫をいたしました。
それと、熱があったりなどの感染が疑われる方については、別の車両を用意いたしまして、座席間にビニール製のパーティションを設けて、簡単な区画をするなどの対策を施しました。
以上でございます。
78 ◯井上祐輔委員=確かにそのような対策が取られておりました。
例えば、五十人乗り、そういったバスであれば、バスの座席、窓側にのみ乗車をさせる、そういったことになれば、五十人乗りのバスでもたった二十名しか乗せられなくなってしまいます。これでは避難時に必要とされるバスの台数、その数自体が二・五倍になってくると思います。さらに、今お話があったように、発熱者、また、濃厚接触のある、そういった方々は乗車乗員は十名というふうに国のガイドラインにはなっています。
このように、多くのバスが必要になってくるということで、今、現状の中でもバスの運転手が不足をしていると、そういったことも言われる中で、本当にそのバス自体も確保することができるのか、そういった点については既にバス会社とか、そういったところでのお話というのはされているのでしょうか。
79 ◯宮原危機管理防災課長=感染症下におけるバスの避難についてお答えいたします。
通常、感染症が流行していない場合で、PAZの避難につきましてはバスで、七十台程度のバスが必要となります。それに加えて、感染症下では、委員御指摘のとおり、二・五倍まではいかないと思いますが、二倍は必要になるんじゃないかと考えております。
その際に、バスの手配につきましては、県内のバス・タクシー協会と協定を締結しておりますので、県内に約六百七十台のバスがございます。そのバスを融通して、手配をして避難をさせるということになると考えています。
以上でございます。
80 ◯井上祐輔委員=そういった確認はされているということですね。
そして、先ほどお話がありました訓練後には毎回アンケートを取られています。その中にはどういった声があったとか、課題などについても整理をされて、まとめをされることになっていると思います。これについては、今回はどれくらいの時期に訓練についてのまとめを出されるのか、それについて教えていただきたいと思います。
81 ◯宮原危機管理防災課長=訓練後のアンケートなどの集約、振り返りについてお答えいたします。
アンケートにつきましては、訓練参加者及び訓練に参加された関係機関に既に記入のお願いをしておりまして、回収を待っている状態でございます。
年明けに、反省会と申しますか、関係機関が集まって反省といいますか、振り返りの会議を行う予定としておりますので、それも含めまして、二月には結果、振り返りの材料がそろうのかと思っているところでございます。
以上でございます。
82 ◯井上祐輔委員=それでは、今年度の訓練の実績について伺いますが、様々な対策が行われた上で、今年、訓練が実施をされているわけですけれども、天気の影響によって実施を予定していた訓練ができなかったというお話も伺っております。
この今年度の訓練の実績についてはどのようになっているのかお示しをいただきたいと思います。
83 ◯宮原危機管理防災課長=今年度の訓練の実績についてお答え申し上げます。
今年度の訓練は、訓練参加者が訓練の中でコロナウイルスに感染することがないよう、先ほども申し上げましたが、例年より参加住民の数を制限して実施したところです。
その結果、今年度の訓練は参加機関が六十二機関、参加者数が県や関係市町、国などの関係者が一千四十二人、住民避難訓練に参加された住民の方が百十二人で、合わせて一千百五十四人での実施となったところです。特に、住民避難の参加者数の百十二人は昨年と比較して五分の一程度になったところです。
なお、屋内退避訓練の参加者数二万九千六百七十人を加えると、今回の訓練全体では合計三万八百二十四人に参加していただいたところです。
委員から御指摘ございました天候によって予定されていた訓練ができなかったというのは、ヘリによる救急搬送訓練が視界不良のためヘリが飛べなかったということで今回はできなかったというところでございます。
以上でございます。
84 ◯井上祐輔委員=さっきヘリのお話もありましたけれども、今回、小川島ということだったかと思います。そこの中で、そういった天候の状況によって実際にヘリが来れなかったというお話であったんですけれども、離島の住民の方からすれば、これぐらいの状況でヘリが来ないのかと、そういった声もあったというふうにも伺っています。
私が実際に見せていただいた訓練のところ、参加をした地域の区長さんのお話があったんですけれども、感染対策については考えられることはしてあったというふうにもお話をしてありました。しかし、実際、有事の際に窓の開け閉めがどうなるのか、そういったことを心配していると。命が大事だし、逃げるしかない。でも、どちらが正しいのか、よく分からないと、そういった感想を述べられておりました。
こういった
コロナ禍の中での避難について、参加をされた方でもこういった感想を述べられていたということだけ御紹介をしておきたいと思います。
またまとめができたら、ぜひ議論もさせていただきたいと思っています。
この項の最後に、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
避難計画は、繰り返し実施をしながら、日頃からどんな準備をして対応の方法、また避難経路など、住民が理解をしてこそ計画が生かされるというふうに思います。私の感覚としては、計画はあっても、住民の理解についてはまだまだ不十分だと感じています。
今後の周知の在り方についても、年に一回、「原子力防災のてびき」を配布する、そういったことだけでは、なかなか理解も深まっていかないのではというふうにも思っておりますが、今後の取組について県としてどのように考えておられるのかお伺いをします。
85 ◯宮原危機管理防災課長=今後の取組についてお答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、住民の皆さんに災害に備えた準備や実際の避難の際に取るべき行動、避難の経路や避難先等の確認をしていただき、理解していただくためには、このような訓練を継続して実施していくことが重要と考えています。
また、これまでも申し上げていますように、原子力災害対策は、これで終わりということはなく、常に訓練による検証を通して、よりよいものにしていく必要があると考えています。先ほど申し上げましたが、今回実施した訓練につきましても、今後、関係機関とともに、しっかり検証を行うこととしていますが、訓練に参加いただいた住民の方々の様々な気づき、先ほど何点かおっしゃっていただきましたが、そのような気づきにつきましても拾い上げ、訓練に反映させていくなど、実効性を高めていきたいと考えています。
このような積み重ねにより、万が一事故が発生し、避難が必要となった場合にも、住民の皆さんができるだけ円滑に避難できるよう、国や市町などと協力しながら取組を進めていかなければならないと思っています。
原子力防災訓練につきましては、今後も市町や関係機関と十分連携し、常に見直しを行いながら、様々な想定を踏まえた内容の訓練を継続して行うなど、防災関係者や住民の対応能力の向上に向けてしっかり取り組んでまいります。
また、御指摘いただいた広報、周知が足りないのではないかという点につきましても、市町と一緒になって、しっかり取り組んでまいります。
以上でございます。
86 ◯井上祐輔委員=この項の最後に、危機管理・報道局長にお伺いしたいと思います。
昨日、当委員会でも、唐津市にあるオフサイトセンターの現地視察を行わせていただきました。ちょっとそこでは危機管理・報道局長は参加できませんでしたが、今日、御参加をされていますので、お聞きをさせていただきたいと思います。
このオフサイトセンターの重要な役割というのが、住民の避難をどう行っていくのかというお話もありました。今回、訓練の参加者にもお話を伺ったんですけれども、実際、訓練に参加をしてみて、バスの中で避難をする際に、どの経路を通って避難を実際にやっていくのか、スクリーニングはどこでやるのか、原発の事故の状況、これがどういうふうになっているのか、そういった情報提供が全くなかったというふうにその方はお話をされていました。
そういった中で、本当に何のための訓練なのかと。実際の事故の場合に、自家用車で避難をできるのか、本当に心配をされておられました。本当に役に立つ避難計画にしていくために、まだまだ多くのハードルがあるというふうに思います。
そういった点も踏まえて、危機管理・報道局長として、今後、県が責任を持ち、しっかりとした訓練を実施していく必要があるというふうにも思っています。
講話のお話も少し触れられましたけれども、私も毎回この訓練の中で、会場でどういう講話があったんですかというお話を聞くときに、毎回、市町に問い合せてみますという答えがまず最初に返ってきます。県はどういう内容が講話であっているのかというのを事前に把握をしていないということだと思うんですね。これもやはり事後に確認をするということではなくて、事前に市町と話をしながら、どういう講話をすれば住民の方に分かっていただけるのか、そういったところも今後の検討課題としていただきたいというふうに思います。
よりよい避難計画にしていくために、避難訓練をしていくために、県としてどのように考えておられるのかお聞きをいたします。
87 ◯山下危機管理・報道局長=井上委員の質問にお答えします。
よりよい避難計画にしていくためにということでございました。
東日本大震災があって、福島第一原発の事故があった。あれからもう十年になろうとしています。事業者には当然、常に厳しい目が向けられているということをしっかりと肝に銘じて自覚して、緊張感を持って原発に向き合って、何よりも安全運転をということを求め続けていくというのを我々はやっていかなきゃいけないと思っています。
その一方で、玄海原子力発電所にも核燃料はあるわけですから、事故がないとしてしまうんではなくて、やっぱり事故はあるということで、事故があったときの対応を考えていくというのが我々の仕事だろうと思っています。
実際に避難が必要になったとき、今、三十キロ圏の住民の皆さんのための避難計画というのがあります。五キロ圏のPAZの皆さんについては、全面緊急事態の段階で予防的に避難をしていただくと。五キロから三十キロ圏のUPZの皆さんについては、放射性物質放出後にその値を確認して、一定の値以上になった地域の皆さんに避難をしていただくということが避難計画になっているわけです。
この避難計画というのが十分皆さんに届いているのかというお話もありました。広報としては、市町においても、そして県においても、全戸配布という形でさせていただいているんですけれども、それがなかなか届いていない。要は記憶として届いていないというところがあるんだろうと思います。そういった意味では、広報と周知というところはまだまだ繰り返しやっていかなきゃいけないと思います。
そして、避難計画、これを実効性を高めていくということで避難訓練を実施しているわけです。避難訓練に参加していただくことで、より避難計画というものも皆さんに届くんじゃないかということで、より多くの皆さんに参加していただくということを目指してやっているわけですけれども、今年度はコロナもあって、そこがなかなか難しかったと。これはこれから先もいろんな地域に、これまで参加されていない地域を中心に呼びかけをしていきたいと思っています。
そして、そういう訓練に参加していただいた皆さん、そして、我々実施機関、訓練をやることで、いろんな気づきが出てくるだろうと思います。そういう気づきを共有して、その気づきをさらによい計画としていくためにどういう手だてがあるのか、そういったところの検証を繰り返していくことが必要だろうと思っています。訓練をする、そこでの気づきを検証する、そして、さらによりよい避難計画として磨き上げていくと、このことを繰り返していくことが大事だろうと思っています。
以上でございます。
88 ◯井上祐輔委員=また訓練のまとめが出た際に、今度は二月議会でぜひ議論をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に二問目、太宰府事件の遺族の申立てに対する対応について伺いたいと思います。
まず、お亡くなりになられた高畑瑠美さんに御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の方々にお見舞いを申し上げます。
昨年十月二十日、福岡県太宰府市で女性が全身を殴られたり、ナイフや割り箸を太股に刺されるなど暴行されて死亡された事件について、御遺族から繰り返し相談があったにもかかわらず、対応した鳥栖警察署では直ちに被害者の女性に危険が及んでいるとは認められなかったとして、被害届も受理しない、正確な情報共有もされない、具体的な捜査もないなど、一人の貴い命がなくなるという最悪の結果となってしまいました。
県警は本年十月に調査結果を明らかにしましたが、御遺族と県警の認識に数多くの違いがあり、自分たちに不備はないと一貫して組織を守る姿勢、御遺族や県民に寄り添う姿勢が見られずに、溝は深まるばかりです。遺族に聞き取りもしない、そんな調査結果を見直す予定もないと切り捨てる佐賀県警の姿勢について、多くの県民が不信感を抱いています。
本来、警察は県民にとって最後のよりどころとして頼られる、県民の安心・安全を守る、そういった立場であらなければなりません。現場や様々なところで多くの警察の皆さんが日夜県民のために働いていることを私も知っています。しかし、今回のように県民に寄り添えない不誠実な対応を続ける、そういう警察では、県民は一体誰を頼りにすればいいのでしょうか。
御遺族も自分たちに説明されたことと県警の調査結果があまりにも乖離している、真実を知りたいと言われているんです。真に県民に寄り添う県警察であってほしい、そのために再発防止も、何の教訓かも分からない調査結果を改め、第三者を入れた再調査を行うことを強く求めたいと思います。
まず、県警本部長に伺います。
事件の受け止めについてです。
今回の事件については、一般質問でも我が党の武藤県議、そして、ここにおられる中倉委員からも質問がありました。改めて今事件に対する杉内警察本部長の受け止めについてお伺いをいたします。
89 ◯杉内警察本部長=事件の受け止めについてお答えをいたします。
初めに、被害者の女性がお亡くなりになられたことにつきまして、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
一連のお申出の趣旨は、被害者の女性をめぐる金銭貸借トラブルをどうにかしてほしいというものであり、当時、鳥栖警察署におきましては、御遺族からのお申出に応じた対応を行っていたところでありますが、一連のお申出の内容からは、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでした。
しかしながら、県警察といたしましては、結果として被害者の女性がお亡くなりになられるということは大変重く受け止めており、本件を今後の教訓としてまいりたいと考えております。
90 ◯井上祐輔委員=本部長にお伺いします。
少なくとも八回、相談に来所されておられます。結果として事件性に気づけていなかった、そのことに関して遺族に一言も謝罪はないのでしょうか、お伺いをいたします。
91 ◯杉内警察本部長=被害者の女性の方がお亡くなりになられたことにつきましては大変重く受け止めておりまして、今後の教訓としてまいりたいと考えております。
92 ◯井上祐輔委員=重く受け止め、今後の教訓にしたい、そういったことは何回も言われています。謝罪をする気はないのか、それともあるのか、はっきりお答えをいただきたいと思います。
93 ◯杉内警察本部長=繰り返しで大変申し訳ございませんが、被害者の女性がお亡くなりになられたことは大変重く受け止めており、本件を今後の教訓としてまいりたいと考えております。
94 ◯井上祐輔委員=謝罪をする気はあるというふうにはおっしゃられません。ないというふうに認識をさせていただきます。
内部調査について伺いますが、今回の事件について、対応した方への聞き取り、また関係書類などを確認するなど、県警本部でも調査をしてこられました。その結果として、事実確認結果を十月末に公表されましたが、県警の公表内容と、七月、遺族に直接説明をされた、その際の説明では多くの食い違いがあり、内容の相違点が報道でも明らかとなっています。この調査自体の信憑性が問われているのではないかというふうに私は思っています。
まず最初に、事件直後の調査について伺います。
一般質問の答弁で、昨年十月、事件後に調査を行っていたという答弁がありました。まず、この調査はどのような理由から行われたものなのかお伺いをいたします。
95 ◯福地刑事企画課長=事件後の調査についてお答えいたします。
昨年十月の事件の発生を把握した後、当時の申出対応状況などを確認するため、警察本部や鳥栖警察署において確認を行ったものであります。
以上です。
96 ◯井上祐輔委員=この事件の調査をされた理由について、もう一回お伺いしたいと思います。
97 ◯福地刑事企画課長=繰り返しになりますけれども、昨年十月の事件の発生を把握した後、当時の申出対応状況などを確認するため、警察本部や鳥栖警察署において確認を行ったものでございます。
以上です。
98 ◯井上祐輔委員=内部の状況を確認したということで、このときは遺族に対してもこういった調査を行ったということも、遺族から何かお話をお聞きする、そういったこともなかったということでよろしいでしょうか。
99 ◯福地刑事企画課長=繰り返しになりますけれども、当時の申出対応状況などを確認するために、警察本部や鳥栖警察署において確認を行ったものであります。
以上です。
100 ◯井上祐輔委員=遺族にはお話は一切聞かれていないということです。
事実関係を確認する上で、当事者である方に直接お話を聞く、そのことは第一にされるべきではなかったかというふうに思います。その点についてはどのようにお考えでしょうか。
101 ◯福地刑事企画課長=遺族について確認をする必要があったのではないかという御質問でございます。
本年六月に御遺族から県警察の対応に関する質問をいただいております。そのときに、警察本部や鳥栖警察署において関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行い、翌七月に御遺族と面談して、これに対する説明を行うとともに、その際に御遺族のお考えや御意見についてもかなりの時間をかけてお伺いしたところでございます。
以上です。
102 ◯井上祐輔委員=ちゃんと質問に答えていただきたい。
十月のこの調査のときに遺族にお話を聞くべきじゃなかったのかと言っているんです。それについてどうですか。
103 ◯福地刑事企画課長=遺族へ確認するべきじゃなかったかという御質問であります。
当時の申出対応状況などを確認するため、警察本部や鳥栖警察署において確認を行ったものであります。
以上です。
104 ◯井上祐輔委員=だから、その事実関係を確認するために、内部資料だけではなくて、当事者に話を聞くべきじゃなかったのかと言っているんです。そうじゃないということですね。
105 ◯福地刑事企画課長=繰り返しになりますけれども、当時の申出対応状況などを確認するため、警察本部や鳥栖警察署において確認を行ったものでございます。
以上です。
106 ◯井上祐輔委員=御遺族も言われているように、半年以上たって、六月に遺族が質問書を出さないと、このことも明らかにされなかったんです。遺族も鳥栖署や県警からこの調査に関する、そういった連絡は一切なかったと言われています。事実関係を確認する上でも、やはり何度も調査をされた遺族の声、これはイの一番に聞くべきだったというふうに思います。こういった遺族が知らない調査、それではこの調査に信頼性が損なわれると言われても仕方がないというふうに思います。
2)の内部調査について伺います。
本年十月二十八日、事実確認結果として県警から公表されました。この調査の経緯、目的、体制や結果について明らかにしていただきたいと思います。
107 ◯福地刑事企画課長=内部調査についてお答えいたします。
本年六月に御遺族から県警察の対応に関する質問をいただきましたことから、警察本部や鳥栖警察署において関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行い、翌七月に御遺族と面談して、これに対する説明を行うとともに、その際に御遺族のお考えや御意見についてもかなりの時間をかけてお伺いしたところであります。
その後、このときにお伺いしたお考えや御意見を踏まえて、さらに詳細な事実確認を進め、十月に事実確認の結果を発表したものであります。
なお、この事実確認については、本部において関係する部署の職員を集めて行ったところでございます。
以上です。
108 ◯井上祐輔委員=御遺族の意見も踏まえてと言われますけれども、全く御遺族の方たちは納得をされていませんよね。その点について、また後ほど伺いますが、この事実確認結果、これは誰の責任で、最終的に結論を出されたのか。これは本部長が最終的に確認をして決裁をしたという認識でよろしいのでしょうか。
109 ◯福地刑事企画課長=最終的な決裁ということでお尋ねですけれども、このときにお伺いしたお考えや御意見を踏まえて、さらに詳細な事実確認を進め、十月に事実確認の結果を発表したものであります。
以上です。
110 ◯井上祐輔委員=この確認は本部長の責任で確認をされたということでよろしいでしょうか。
111 ◯福地刑事企画課長=県警察として発表したものでございます。
以上です。
112 ◯井上祐輔委員=本部長に伺います。県警察としてということです。県警本部長の責任で確認をされたということでよろしいでしょうか。
113 ◯杉内警察本部長=県警察として確認をさせていただいたということでございます。
114 ◯井上祐輔委員=ですから、その県警察としてということは、杉内本部長の責任で確認をされたということですか。
115 ◯杉内警察本部長=県警察において確認をさせていただいたということでございます。
116 ◯井上祐輔委員=じゃ、誰の責任でこれは確認したんですか。誰が責任者ですか。明らかにしてください。
117 ◯杉内警察本部長=県警察においてということは、県警察の責任者としては私、本部長になるかということでございます。
118 ◯井上祐輔委員=杉内本部長の責任で決裁をされたと。
では、杉内本部長の責任でこの確認がされたということですけれども、この最終的な確認を出した根拠、これはどういったものを根拠に最終的な確認をされたのかお伺いします。
119 ◯井手刑事部長=調査の結果につきましては、先ほど内部調査について御説明を申し上げましたとおりでございますが、本年六月に御遺族から県警察の対応に対する質問をいただきましたことから、県警本部や鳥栖警察署において関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行い、また、翌七月に御遺族と面談して、これに対する説明を行うとともに、その際、御遺族のお考えや御意見、これについてかなりの時間をかけてお伺いし、その後、このときにお伺いしたお考えや御意見を踏まえて、さらに詳細な事実確認を進め、十月に県警察として事実確認の結果を発表したものでございます。
以上でございます。
120 ◯井上祐輔委員=杉内本部長がこういった最終的な確認をして、結果として公表された。それは杉内本部長自身が文書や説明を受けて確認をされたと。その文書はしっかり残っているということでよろしいですか。
121 ◯井手刑事部長=結果の報告書というふうなことの文書のお尋ねだと理解しておりますが、調査報告書という形での取りまとめはございませんが、結果概要をまとめたものを作成しておるということでございます。
以上でございます。
122 ◯井上祐輔委員=その調査結果を出すに当たって、どういったものを根拠に、どういった文書を根拠にこの結果を最終的に出されたのかお伺いします。
123 ◯井手刑事部長=調査につきましては、関係書類の確認でございますとか、申出に対応した職員、これらの確認の過程において、確認者が確認した内容でございますとか、聴取した内容、これらを基に結果概要をまとめたものを作成しておるということでございます。
124 ◯井上祐輔委員=聞き取りをされた内容、そういった文書がしっかり残っているということ、その認識でよろしいですか。
125 ◯井手刑事部長=調査概要の結果のメモでございますけれども、御遺族に直接御説明する機会を通じてお伺いした御意見、これを踏まえて、先ほど申し上げましたように、関係書類の確認、それから、申出対応職員などへの確認を行い、慎重に事実を確認した結果について概要を記載した文書というのを作成しておるということでございます。
以上です。
126 ◯井上祐輔委員=杉内本部長にお伺いしたいんですけど、本部長としての責任で、私もいただきましたけれども、最終的な文書を確認されたということだと思いますが、それを最終的に決定するに当たって、その根拠となったのは、本部長に対しての口頭だけの説明なのか、それとも、それを導き出すに当たって、何かしらの文書をしっかり確認してこの結果を出されたということなのか、本部長にお伺いしたいと思います。
127 ◯杉内警察本部長=具体的な方法の詳細については控えますけれども、様々な報告を受けてそのような結論を出したということでございます。
128 ◯井上祐輔委員=本当にいろいろな資料があるんだろうと思います。そして、様々な県警察の方々、また鳥栖署の方々、そういったお話をまとめた文書というのがあるんだろうと思います。これは公文書として残されているという認識でよろしいですか。
129 ◯井手刑事部長=調査の結果についてでありますけれども、関係書類の確認、それから、申出対応職員等への確認の過程においては、確認者が確認した内容でありますとか、聴取した内容を関係書類にメモすることはございましたが、結果として、関係書類に記載しておる内容以上の新たな文書を作成しなければならないような新たな事実の発見には至らず、申出対応職員等からの聴取内容のみを取りまとめた文書というものは作成をしていないものでございます。
以上です。
130 ◯井上祐輔委員=これだけ重大な問題があって、公的な文書としては何も残していないと、最終的な結果だけが公的な文書だということですか。
131 ◯井手刑事部長=繰り返しになりますが、御遺族に直接御説明する機会を通じてお伺いした御意見を踏まえ、関係書類の確認のほか、申出対応をした職員等への確認、聞き取りを行い、慎重に事実を確認した結果の概要を記載した文書は作成をしております。
以上でございます。
132 ◯井上祐輔委員=公的な文書は、その最終的な結果以外にもあるということですか。
133 ◯井手刑事部長=先ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、御遺族に直接御説明する機会を通じてお伺いした御意見、これを踏まえまして、関係書類の確認を行います。それと併せて申出対応職員等への確認を行い、慎重に事実を確認した結果の概要を記載した文書を作成しておるということでございます。
以上です。
134 ◯井上祐輔委員=その概要を記載した書類というのは、私もいただいた文書ということですかね。事実確認。
135 ◯福地刑事企画課長=そのとおりでございます。
136 ◯井上祐輔委員=ですから、繰り返しの議論になって申し訳ありませんけれども、この事件に関連をして残されている公的な文書というのは最終的な事実確認結果一枚のみと、そういう認識でいいということですね。
137 ◯福地刑事企画課長=そのとおりでございます。
138 ◯井上祐輔委員=ちょっとこれだけ重大な問題、事件が起こった中で公的な文書が僅か一枚ということは、なかなか考えられないというふうに思うんですね。
今日、県庁の文書管理をされている部署もここに同席をされているかと思いますけれども、ちょっとそちらのほうに伺いたいんですが、県庁の中でも様々な公文書について取扱いをされているかと思います。
事前に来ていただいて公文書の扱い方についても少しお話を伺ったところでありますけれども、一般的にこういった公文書の扱い、文書の取扱い、どのように考えればよいのか、そこの点についてお示しをいただければと思います。
139 ◯築地法務私学課長=では、知事部局のほうの文書の管理ということで申し上げますけれども、知事部局のほうの文書規程では、意思決定を要する事案の処理は起案により行わなければならないとしておりまして、起案文書にその要旨、関係法令及び参考となる事項、または資料を添付するものとするというふうにしております。
書類の保管につきましては、それぞれの所属において保管の方法がいろいろありますので、文書自体の作成ということではそういうことになっております。
以上でございます。
140 ◯井上祐輔委員=すみません、もう少し教えていただきたいんですけれども、例えば、一人の方のメモであれば、それは個人の所有物になるかと思います。ただ、その文書について複数の職員の方、幹部の方であるとか、いろいろな方の確認の上で決裁が行われているという書類は、これは公文書という捉え方でよろしいんでしょうか。
141 ◯築地法務私学課長=情報公開条例上は、公文書はどのようなものかといいますと、実施機関、これは知事とか県警本部長ということでございますけれども、実施機関が作成し、または取得したものであること。それから二つ目として、実施機関が組織的に用いるもの。三つ目として、実施機関が管理しているもの。ですので、組織的に作成して、組織的に管理していれば公文書というふうになります。
以上でございます。
142 ◯井上祐輔委員=県庁での文書の管理の在り方について少しお示しをしていただきました。
今回、この調査結果のみが県警の中での公文書一枚だというお話でありましたけれども、最終的な結果を導き出すに当たって、そういった複数の方で確認をして決裁をしたという書類、確認をされたという書類は一切ないというのはちょっと不自然だと思うんですね。そういった文書を今後の教訓に生かすということもお話をされていますけれども、しっかり文書に残して組織の中で共有をしていくこと、このことは今後の教訓にする上でも非常に重要なことだというふうに思います。その点についてはどのようにお考えをされているんでしょうか。
143 ◯井手刑事部長=御遺族に直接説明する機会を通じましてお伺いした御意見を踏まえ、関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行い、慎重に事実を確認した結果の概要を記載した文書を作成しているところでございます。
本件を今後の教訓とし、当初、被害者の女性をめぐる金銭トラブルとして申出を受理し、申出の内容からは申出者のみならず関係者に直ちに危害が及ぶ可能性があると認められなかったとしても、結果として被害者の女性がお亡くなりになるという重大な結果が生じることがあり得ることを念頭に、より丁寧な申出対応を心がけていきたいというのが教訓でございます。
以上です。
144 ◯井上祐輔委員=なので、そういった教訓をしていくに当たって、組織内でしっかり事実関係を確認するために、たった一枚の文書では全くもって共有をすることは私は難しいというふうに思うんですね。そういったものについても、本当は残してあるけれども公にできないのか、そういったふうに考えざるを得ません。
今回、私が質問するに当たって、内部資料というものも入手をいたしました。
一つ、(パネルを示す)これは今ずっと議論をされておられる関係書類の一つだというふうに思いますけれども、例えば、署で相談を受けた場合に、どのような相談があったのか、どういった処理をしてきたのか、そういったものを残す相談簿というものです。いただいた資料の中で出していますけれども、これについては、署長や副署長、刑事官、警務課長、担当課長など様々な方が目を通しながら、決裁をして情報の共有を図っていくというふうになっていると思います。
その中で、この相談簿について、これは十二月九日の西日本新聞ですけれども、被害の意思という欄に、なしというチェックがつけられていたこと、また今後の対応についても、処理方法の方針伺、この中では解決にチェックをされていたというお話がありました。
この九月二十五日の被害者の夫からの相談概要、これについては、この相談簿でも脅迫の被害届が出せないかというふうな項目になっています。しかし、実際に書かれた被害届の意思、そこについては現在のところなしというふうに記入をされています。これを見れば、この問題は被害届を出す意思はないんだなというふうに決裁された方も認識をされるんじゃないかというふうに思います。
これはどのような理由からそういった記述になったのかお尋ねします。
145 ◯福地刑事企画課長=認識等についてお答えいたします。
本年十月に発表しました調査結果は、本年七月に御遺族に直接説明する機会を通じてお伺いした御意見を踏まえて、関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行うなど、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
146 ◯井上祐輔委員=この質問項目に起こしている認識の違いについて、六月に家族から質問状が出されて、翌月七月に一回目の遺族への説明の場が設けられた、そのことは何回もお話しになっていますけれども、そこで話をされた内容、そして、県警察の調査結果、これで多くの食い違いが見られている、これは先ほど示したとおりです。
そして、この県警と遺族との主張の食い違い、相違点、ここについてどういったところが認識が違ったというふうに県警として認識をされているのか、そこの認識のところについてはいかがでしょうか。
147 ◯福地刑事企画課長=認識の違いについてお答えいたします。
事前に御遺族のお考えや御意見を把握した上で、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
148 ◯井上祐輔委員=事実に基づいて発表されたと言われていますけれども、実際に御遺族の方たちは納得をされていません。納得をされていない、このことについては認識はありますか。
149 ◯福地刑事企画課長=認識についてでございますけれども、事前に御遺族のお考えや御意見を把握した上で、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
150 ◯井上祐輔委員=その発表された内容と御遺族が主張された内容が食い違っていると、その認識はありますか。
151 ◯福地刑事企画課長=慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
152 ◯井上祐輔委員=質問に答えさせてください。
御遺族が主張されている内容、そして県警が発表された内容、これが一致をしておらず、認識が食い違っている、そういう認識は県警としてしっかり持たれているんですか。
153 ◯福地刑事企画課長=繰り返しになりますけれども、事前に御遺族のお考えや御意見を把握した上で、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
154 ◯井上祐輔委員=ですから、それは県警が発表した内容ですよね。遺族の方が納得をしていない、これは認識をしていますかというふうにお聞きをしています。委員長も答えさせてください、しっかり質問に対して。
155 ◯定松委員長=認識の違いはあるのかないのかということをお答えください。
156 ◯福地刑事企画課長=お答えいたします。
御指摘の食い違いについて、何を指すのか判然としませんが、事前に御遺族のお考えや御意見を把握した上で、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
157 ◯井上祐輔委員=よくそんな答弁ができますね。これだけ報道でも遺族が主張されている内容と食い違っているということは、もう県民の皆さんも御存じですよ。それを判然としないと。それは県民に寄り添う姿勢がないんじゃないですか。いかがですか。
158 ◯井手刑事部長=認識の違いということでございますけれども、本年七月に御説明を行いました。御遺族からいただいた質問に対しての御説明を行っております。これが本年七月でございますが、その際、御意見等をお伺いし、またその際、お尋ねがあれば何でもおっしゃっていただきたいということをお伝えいたしますとともに、この七月の御説明のときにお伺いした御意見などを踏まえて、さらに詳細な事実確認を行っていたところ、報道機関から御遺族が納得していないとして質問状が提出をされております。このことから、また十月に事実確認を終えた上で、これに回答を行ったところでございます。加えまして、本年十二月に御遺族のお求めに応じて、再度説明を行っているというところでございます。
以上です。
159 ◯井上祐輔委員=ですから、御遺族が納得をされていないということについてもしっかり認識をして、御遺族の説明をしてほしい、そういった申出についても答えられているということですよね。一回目が六月、そして二回目が十二月五日ということでいいですか。
160 ◯井手刑事部長=先ほど申し上げましたとおりでございますが、御遺族からいただいた質問に関しての御説明を本年七月に行っております。その際、相当の時間をかけて御意見をお伺いし、また、お尋ねがあれば何でもおっしゃってくださいということをお伝え申し上げたところでございます。この際お伺いした御意見を踏まえまして、詳細な事実確認を行ったところ、報道機関から御遺族が納得されていないということで質問状が提出をされました。さらに、調査の結果については十月にこの調査を終えた上で回答し、先ほど申し上げましたように、また十二月に御遺族の求めに応じまして御説明を行ったところでございます。
以上です。
161 ◯井上祐輔委員=その御遺族に説明をされた際に、具体的にどこの部分が違うのか、そういったところも御遺族からお話があったと思うんです。そういったものもあったにもかかわらず、この場でどういった認識が違うか判然としないと。そういったことは言えないと思いますよ。
そして、九月二十五日のそういった相談簿について私も確認をしましたけれども、先ほどお話をした被害届の意思の部分、現在のところなしというふうに記入がされている。これは記載内容と事実が明らかに違っていると指摘せざるを得ません。
そして、県警としては後日来てくれというお話も、一般質問の答弁でもありました。その中で、後日来てくれというふうにお話をするのであれば、この問題については解決ではなく継続にするべきではなかったですか。その点について伺います。
162 ◯井手刑事部長=本年十月に発表した調査結果につきましては、今年七月、御遺族に直接御説明をする機会を通じましてお伺いした御意見、これを踏まえまして、関係書類の確認のほか、申出対応職員などへの確認を行うなど、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
163 ◯井上祐輔委員=御遺族への説明の中身、これは県警察も了承されて録音も取られています。その内容について、報道でも明らかになっています。
この中で、県警察としては御遺族に対して謝罪もし、対応の不備があったというお話もされています。家族の──相手は暴力団をちらつかせている、そういったことに対しても署員に伝えているというお話もされておられます。
この中で、少し御紹介をしたいと思いますが、署員から録音データを文字起こしをして持ってくるように、そのように言われたというお話がありました。それができるまでは署に行けなかったと御遺族が話をされています。県警としては、署員はテープ起こしを持ってこいというつもりで言ったのではないと説明をしている、そういうふうに言われていますけれども、そうであるなら、翌朝にでも電話をかけて都合を聞いて、データを持ってきてもらえますか、こっちでほかの媒体にコピーしますという対応を当然やるべきだったと県警は答えられています。
そのほかにも、組織として配慮が足りなかったり、指導が足りなかったり、指示が足りなかったり、いろんなものがあるので、そういうところに問題があったと思っている、こういった、はっきりと自分たちの対応に不備があった、不足があったというふうなことを言われているんです。相談簿についても、この書き方に不備があったんじゃないかと。正確に情報共有ができる、そういった書き方になっていなかったのではないかと。この点についてどのように認識されていますか。
164 ◯福地刑事企画課長=情報共有ということでお答えいたします。
相談内容に応じて、生活安全課、刑事課や地域課など関係する係に情報共有するとともに、パトロールの強化や通報を受けた際の現場臨場など、関係課においても必要な対応を行っていたところでございます。
以上です。
165 ◯井上祐輔委員=九月二十五日の話だと思いますけれども、この中で被害届を出したいという話は共有されていたんでしょうか。
166 ◯福地刑事企画課長=刑事課に情報共有をしておりました。
以上です。
167 ◯井上祐輔委員=少しさっき相談簿を紹介しましたけれども、そういった共有があったということであれば、この相談簿について、解決ということではなく継続というふうにすべきではありませんでしたか。
168 ◯福地刑事企画課長=本年十月に発表した調査結果は、七月に御遺族に直接説明する機会を通じてお伺いした御意見を踏まえ、関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行うなど、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
169 ◯井上祐輔委員=私がお伺いしているのは、そのときに書かれた相談簿について、後日、持ってきてくださいというふうに鳥栖署の署員の方からお話がされています。それについて、この相談簿については解決というふうにチェックがされているんですね。皆さんも御存じだと思います。そこについて解決というチェックではなくて、継続と、誰が見てもこの問題は継続をしている問題なんだというふうに認識が共有できる、そういった相談簿をつけなければいけなかったんじゃないですか。
170 ◯井手刑事部長=解決という記載が問題なのではないかという御質問だと承知しております。
本年十月に発表した調査結果につきまして、先ほど申し上げましたように、七月に御遺族に直接説明する機会を通じてお伺いした御意見を踏まえ、関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行うなど、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
171 ◯井上祐輔委員=私がお伺いをしているのは、最終的な事実確認結果のことではなくて、九月二十五日の相談簿について、当日対応された方たちの記載では解決だというふうにされていました。これについては、後日来てくださいと警察官のほうからおっしゃられている。そういう内容であれば、継続につけるべきではなかったんですか。そこについて、私は不備があったんじゃないかというふうに思っているんです。その点についての見解を伺います。
172 ◯井手刑事部長=九月二十五日の相談取扱手法に不備があるのではないかというふうなことでございますが、当時、申出者側は夜間の来訪を希望されたことから、当時の当直の刑事が対応いたしますが、現場出動があった場合は内勤当直が対応するということをお伝えして、当直時間帯には対応できないことがあることもお断りをした上で、刑事部門の当直の警察官が当時対応することにしておりました。そういったところ、事件対応で刑事部門の警察官全員が現場出動しなければならなくなりましたことから、九月二十五日につきましては他の部門の警察官が対応することとなっておるところでございます。
このため、対応した警察官は事件性の判断をする上で、直接事件を担当する刑事課で最初から申出者のお話を聞き、録音された音声を確認したほうがより的確に対応できるということを考えまして、後日改めて刑事課に申し出てもらうよう依頼したものであります。
以上です。
173 ◯井上祐輔委員=今お話があったとおりです。後日また来てくださいと。解決ではありませんよね。継続とするべきじゃなかったんですか。どうして解決にチェックをされたのか。
174 ◯福地刑事企画課長=繰り返しになりますけれども、本年十月に発表した調査結果は、本年七月、御遺族に直接説明する機会を通じてお伺いした御意見を踏まえ、関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行うなど、慎重に事実を確認した結果に基づいて発表したものでございます。
以上です。
175 ◯井上祐輔委員=委員長、質問に答えていないですよ。
176 ◯定松委員長=質問では、解決ということでの記載、それについての認識ということで質問をなされていると思いますが、その点についてお答えできる範囲で答えてください。
177 ◯井手刑事部長=先ほどの相談簿の九月二十五日の分でありますけれども、発表した調査結果につきましては、(「調査結果じゃない」と井上祐輔委員呼ぶ)御遺族に直接説明する機会を通じてお伺いした御意見等を踏まえて確認を行った結果を発表したものでございます。
以上です。
178 ◯井上祐輔委員=全く話が進まないじゃないですか、質問に答えてくれないと。聞いていることに答えてください。お願いします。
179 ◯定松委員長=井上委員、同じ質問でありますが、質問を変えた形で聞けますか。
180 ◯井上祐輔委員=僕は分かりやすい質問をしていたと思うんですけれども。
率直に言うと、この問題について、お話があったように、後日来署してくださいとはっきり言われたということは認められています。この問題について、その後の方針伺、これについては解決をしていない、解決にチェックをするべきではなく継続にチェックをするべきだったと。これは書き方が間違っている、不備であると指摘せざるを得ません。これは間違っていたのか、間違っていなかったのか、正確に書かれていたということですか、お伺いします。
181 ◯福地刑事企画課長=お答えいたします。
当時、申出者が夜間の来訪を希望されたことから、当直の刑事が対応するが、現場があった場合は内勤当直が対応すると伝え、当直時間帯には対応できないことがあることも断った上で、刑事部門の当直の警察官が対応することとしていたところ、事件対応で刑事部門の警察官全員が現場出動しなければならなくなったことから、他の部門の警察官が対応することとなったものでございます。
このため、対応した警察官は事件性の判断をする上で、直接事件を担当する刑事課で最初から申出者の話を聞き、録音された音声を確認したほうが脅迫文言等も的確に確認することができると考え、後日改めて刑事課に申し出てもらうよう依頼したものでございます。
以上です。
182 ◯定松委員長=暫時休憩します。
午後二時五十三分 休憩
午後三時十五分 開議
183 ◯定松委員長=委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
184 ◯井上祐輔委員=相談簿の扱いについて質問をさせていただいていますけれども、この扱いについても適切か不適切か、こういった単純な問いをしても適切とも言われません。
次の質問に行きたいと思います。本部長、今このお話をずっとさせていただきましたけれども、本部長の見解としてどうだったのか、これを伺って次の質問に行きたいと思います。お願いします。
185 ◯杉内警察本部長=申し上げておりますとおり、七月に御遺族からいろいろ御意見等お伺いしたところを踏まえまして、それに基づき事実確認等を行って得た結果が十月に発表させていただいたものだというところでございます。
186 ◯井上祐輔委員=同じお答えでありました。
「相談等の取扱いに関する訓令の運用について」という資料を頂きました。この例規通達において、どのような心構えで相談等の取扱いを行っていくのかということが記載をされています。
相談等の取扱いに当たっては、関係者の基本的人権を尊重し、公正、親切かつ迅速に対応することを基本的な心構えとし、相談等の受理及び処理に当たる職員は、特に、次に掲げる事項に配意することと書いてあります。
その中に、相談等の心構えと同時に、相談等取扱継続票という記載があります。受理をした相談等のうち、即日解決に至らなかったもの及び同一人から繰り返し申し出られたものについては、処理の経過及び結果について、相談等を処理した職員がその都度、相談等取扱継続票を作成し、各所属に備えつけられた相談等取扱簿に当初受理し、または引継ぎを受けた相談等取扱票と一緒に編さんするというふうに書かれています。
この相談簿については、こういった継続をする処理、これが必要ではなかったかということを改めて指摘をして、次の質問に移りたいと思います。
家族への対応について伺います。
相談についてです。
対応の在り方、また、相談簿の扱い、今少し議論もさせていただきましたが、基本的にどういった取扱いをされるように指導されているのか、基本点について、まずお示しをいただきたいと思います。
187 ◯南谷広報県民課長=まず、基本的な相談の申出を受けた場合の対応についてお答えしたいと思います。
相談の申出を受けた職員は、処理責任者である課長の指揮の下、相談の内容に応じて、自ら、または上司等に相談しつつ対応を行い、その結果は、相談責任者である署長まで報告されるということになっております。
188 ◯井上祐輔委員=この相談簿の取扱いについては署長まで決裁されるということでありますが、相談などについて組織的に対応していくこと、情報の共有を正確に行う、そういった認識でいいでしょうか。
189 ◯南谷広報県民課長=情報の共有ということでありますけれども、申出内容の共有につきましては、必要に応じて関係部署に相談取扱票等の写し等を交付するなどの方法によって情報共有をしているところでございます。
190 ◯井上祐輔委員=遺族への相談対応について伺います。
今回、遺族は少なくとも来署だけで十一回相談をされていると言われています。一方で、県警の内部調査では八回の相談と言われること。県警の調査では、一連の相談が被害女性をめぐる金銭貸借のトラブルによるもの、このように言われています。少し全体像をお示ししながらお話をしたいと思います。(パネルを示す)
報道でも公開をされていますけれども、実際、昨年七月、山本被告に娘が洗脳されている、どうにかしてほしいという相談があっていたり、八月には、被害女性を取り巻く環境が心配だ、話しても意思が通じない、薬物を使用しているのではないか、九月には、被害女性の夫が脅迫を受けている、被害届を出したいと金銭トラブルの枠を超えた危機が迫り、遺族の切迫感も高まっていることが分かると思います。
来署の回数も、昨年六月には来署が一回、七月には来署が二回、八月には来署六回、電話が一回、そして、九月には来署二回、電話二回というふうになっています。
一連の相談が金銭貸借トラブルをめぐるものではない、そういったことはここからも明らかではないかというふうに思います。この遺族への相談の対応についてどのように対応されてきたのかお伺いをいたします。
191 ◯福地刑事企画課長=今回の御遺族からの申出に対する県警察の対応についてお答えいたします。
県警察においては、被害者の女性をめぐる申出を御遺族から八件受理しております。
一連の申出の趣旨は、被害者の女性をめぐる金銭貸借トラブルをどうにかしてほしいというものであり、当時、鳥栖警察署においては、御遺族からの申出に応じた対応を行っていたところでありますが、一連の申出の内容からは、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められなかったものでございます。
以上です。
192 ◯井上祐輔委員=今お話をしたように、金銭トラブルだけの相談ではないわけですね。瑠美さん、被害女性の異変についても相談もされていますし、実際に夫に対しても脅迫があった、そういったことも何回も相談をされているんです。これだけの回数、相談がされている。そういったことからも、この緊迫な状況、そういったものは県警としてしっかりと受け止めて、そして、その先にどういったものがあるのか、そういったものもしっかりと捜査をしていく必要があったのではないでしょうか。その点について伺います。
193 ◯福地刑事企画課長=お答えいたします。
被害者の女性が申出で来署された際など、二度ほど接触する機会がございまして話を聞くなどしておりますが、不審な点や異常は認められなかったと。しかしながら、結果として被害者の女性がお亡くなりになったことは大変重く受け止めておりまして、本件を今後の教訓として、申出に対しては、より丁寧な対応を心がけていきたいと考えております。
以上です。
194 ◯井上祐輔委員=九月二十五日に相談に来られた、これが最後の相談になると思います。このときに、脅迫の電話の録音、これについて警察のほうに持ってこられましたけれども、その脅迫の証拠となるものについて、鳥栖警察署は受け取ることはありませんでした。このときに、そこに対処された警察官の方が、公用のもの──そのときは携帯電話、スマートフォンで録音されていたということですけれども、公用のものと私用のものをつなぐことはできないというふうに、そういったデータの受け取りの方法について述べられています。
実際に今、多くの方がスマートフォンなどを持ち、カメラやビデオ撮影をする、そういったことができる状況だと思います。今後のそういった証拠の物件なんかについても、個人個人のスマートフォンが事件の根拠、証拠になり得ることというのは十分考えられることではないかというふうにも思います。
このときは、そういった対応はできないというふうにお話をされていると思うんですけれども、これはルールの上でつなぐことができないというふうにされているのか、そこの点について教えていただきたいと思います。
195 ◯福地刑事企画課長=お答えいたします。
対応した警察官は事件性の判断をする上で、直接事件を担当する刑事課で最初から申出者の話を聞き、録音された音声を確認したほうが脅迫文言等も的確に確認することができると考え、後日改めて刑事課に申し出てもらうように依頼したものでございます。
196 ◯井上祐輔委員=後日持ってきてもらいたいということを言われたということは、何回もお話しされているので承知しています。その受け取り方ですね。受け取り方の問題で、そういった証拠について、実際にそのような形でデータとして受け取りをする際に、例えば携帯電話、実際に携帯電話で証拠を持ってこられた、その受け取りの方法について、どのように今、県警察の中ではルール化というか、決められているのか、そこを少し教えていただきたいと思います。
197 ◯福地刑事企画課長=お答えいたします。
その件につきましては、個別、個々の事態に応じて対応しているところでございます。
以上です。
198 ◯井上祐輔委員=ですから、そのときはその対応はできなかったということですね。
でも今後、そういった形で、個人のスマートフォンで写真を撮影したり、動画を録画されたりとか、そういったことは十分考えられることだというふうにも思います。
今回、御遺族の方から、警察のほうにメールサーバーのような、そういった受付をできるような方法はないのかと、そういった方法の問合せもされていますけれども、そういったことはできないというふうにお話をされているんですね。じゃ、どうやってデータを渡すのかと。外部メモリという点では、USB、またはSDカード、そこに移して持ってきたとしても、それも県警察や警察側にとっては外部のデータだというふうに思うんですね。受け取りたいという思いがあったということは、後日持ってきてくださいと言われているので、そうだったと思うんです。証拠として受け取りたいと。ただ、実際にそのときにそのデータを渡すことができなかった。もしそのデータをそのときに受け取って録音を聞いて、何らかの対処ができていれば、また違う形になっていたかもしれない。これは実際のところ分かりませんけれども。
そういう意味でも、今後増えていくそういった証拠の県民からの渡し方についても、やはり警察のほうでどういうふうに受け取るのか、そこについて検討すべきじゃないかなというふうに思うんですけど、この点については見解を伺いたいと思うんですが、どうでしょうか。
199 ◯福地刑事企画課長=その点につきましては、個別に対応していきたいというふうに考えております。
以上です。
200 ◯井上祐輔委員=実際、この録音データによって、福岡県警では立件をされているんですね。しかし、鳥栖署のほうではこの証拠保全を怠った、そのことは事実だというふうに言わざるを得ません。そして、相談簿にも記載が、後日来るということもされていない。担当課にきちんと共有をされているのか、疑問が残ります。やはり誰が見ても明らかな状態にしておくこと、これは情報共有の点でも職務怠慢と言わざるを得ません。この点については、そうではないと言われるのか、いかがですか。
201 ◯福地刑事企画課長=本件におきましても、刑事課との情報共有はなされておりますので、その点は問題はなかったというふうに考えております。
202 ◯井上祐輔委員=情報共有されているといっても、実際に昨年十月、県警本部と鳥栖署で調査をされた際には、このことは、後日相談に来られるということは分かっていないんですよね、相談簿だけで見ると、書いていないから。後で遺族から質問書があって、後から分かったことなんです。正確に情報共有をしていくためにも、そういった部分についても改善をしていかないといけないというふうに思います。
今後の対応について、最後にお伺いをします。
家族に聞き取り調査はされないというふうにされていますが、この議論の中でも、調査結果は遺族の主張と相違点が多々見受けられます。調査についても遺族は納得をされていません。その調査結果の信憑性自体が問われていると。再度遺族から聞き取りを行い、改めて調査を行うべきだというふうに思いますが、どのような見解をお持ちでしょうか。
203 ◯福地刑事企画課長=今後の対応についてお答えいたします。
御遺族に御説明をする機会等を通じて、そのお考えや御意見を把握しております。それらを踏まえて関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行うなど、慎重に事実を確認したことから、再度の確認を行う予定はしておりません。
当時、鳥栖警察署に対する一連の申出内容からは、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでしたが、県警察としては、結果として被害者の女性がお亡くなりなったことは重く受け止めております。本件を今後の教訓として、申出の内容からは、関係者に直ちに危害が及ぶ可能性があると認められなかったとしても、結果として関係者がお亡くなりになるという重大な結果が生じることもあり得ることを念頭に、より丁寧な申出対応を心がけていきたいと考えております。
以上です。
204 ◯井上祐輔委員=委員長にお願いがあります。
今回、この質問をするに当たって、県公安委員会、ここにも御質問したいということを述べさせていただきました。しかし、ここに公安委員長が出席をできない公判があられるということで、それは実現をすることはありませんでした。
県の公安委員会は、警察行政に県民の方々の意思を反映させながら、警察の民主的運営と政治的中立性を確保するために設置をされており、警察を管理する、そういった役割を持っておられます。
私はこの場で、県公安委員会として、今こそその役割を果たすべきだと、そういった質問をしたかったのですけれども、実際にここに出席をされることはありませんでした。私たち議員にとって、この質問ができるのは本会議場での一般質問、そして、委員会の質問と限られています。そういった中で、この
総務常任委員会の中に公安の部分も入っている。そういう中で公安委員長が出席をされないということは、私はこれは今後改善をすべきだというふうに思っています。委員長、後刻、ぜひ協議をしていただきたいと思います。
205 ◯定松委員長=はい。
206 ◯井上祐輔委員=この議論をさせていただいて、本当に今回の結果について、内部の内部による、内部のための調査だというふうに言わざるを得ません。当事者の県警として、この調査が限界ではないかというふうに思います。だからこそ、第三者を入れた再調査を行うこと、それが原因の究明につながるし、今後の警察活動の教訓になるというふうに思います。
最後に、県警本部長に見解をお伺いします。
207 ◯杉内警察本部長=さらなる調査を行わないのかという御質問でございますけれども、繰り返しにはなりますが、御遺族に御説明をする機会等を通じまして、そのお考えや御意見を把握しておりまして、それらを踏まえて関係書類の確認のほか、申出対応職員等への確認を行うなど、慎重に事実を確認しましたことから、再度の調査を行う予定はしておりません。
しかし、いずれにしましても、被害者の女性が亡くなられたことについては重く受け止めており、今後の教訓としてまいりたいと考えております。
208 ◯井上祐輔委員=再発防止がない中で、どう教訓に生かすのか。具体的改善があるからこそ、今後の教訓にすることができるんだと思います。
対応は間違っていなかった、相談の在り方、相談簿のつけ方、情報の組織的な共有や対応、何一つ本当に不備はないのか。真に県民に寄り添う県警察のあるべき姿、姿勢とは思えません。改めて第三者を入れて御遺族、県警に聞き取りを行い、真実を明らかにする、県民のための警察になることを求めて、私の質問を終わります。
209 ◯定松委員長=これで質疑を終了いたします。
暫時休憩いたします。
午後三時三十八分 休憩
午後三時四十四分 開議
210 ◯定松委員長=委員会を再開いたします。
○ 討 論
211 ◯定松委員長=これより議案についての討論に入ります。
本委員会に付託された甲第四十九号議案「令和二年度一般会計補正予算(第七号)」中本委員会関係分について討論の通告があっておりますので、発言を許可いたします。
212 ◯八谷委員=自由民主党の八谷でございます。
私は、本委員会に付託された議案のうち、甲第四十九号議案「令和二年度佐賀県一般会計補正予算(第七号)」中本委員会関係分について、反対の立場から討論を行います。
本議案につきましては、
新型コロナウイルス感染症対応を目的とした地方創生臨時交付金を活用する仮称「佐賀誓いの鐘(仮称)」事業費の歳出予算七百七十八万八千円が含まれているからであります。
この事業は、
コロナ禍において、感染者やその御家族、また医療従事者やその御家族などに対し差別的な扱いや誹謗中傷が見られる中、差別や偏見をなくさなければならないとの強い思いから、県庁正面に「佐賀誓いの鐘(仮称)」を設置し、県庁を訪れる子供たちがこの鐘を鳴らすことであらゆる人への思いやりを再認識してもらうことを目的とされています。このことは、知事の提案事項説明の中でページを割いて説明されるとともに、さきの一般質問に対する答弁の中でも、改めて差別や誹謗中傷がいかに人を傷つけ、社会を痛めるかを力説されました。この趣旨については一定の理解を示すものであります。
しかしながら、今議会において、「佐賀誓いの鐘(仮称)」事業に関する様々な議論がありましたように、なぜ今なのか、どれほどの効果があるのかということについて、十分に議論がされていません。また、知事も県民の皆さんの納得感を増やしていきたいと発言されたように、県民の理解が十分とは思えません。
ついては、設置時期や財源、事業効果などについて多くの県民が納得されるよう、執行部において議会での議論を踏まえて、さらに議論を深めていただきたいために本議案に反対します。
以上をもって反対討論といたします。
213 ◯定松委員長=以上で通告による討論は終わりました。ほかに討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
214 ◯定松委員長=なしと認めます。以上で討論を終了いたします。
○ 採 決
215 ◯定松委員長=それでは、採決に入ります。
まず、甲第四十九号議案「令和二年度一般会計補正予算(第七号)」中本委員会関係分を採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔起立者なし〕
216 ◯定松委員長=起立者なしと認めます。よって、甲第四十九号議案中本委員会分は否決されました。
次に、乙第七十七号議案から乙第七十九号議案まで三件、乙第八十四号議案、乙第八十六号議案及び乙第百七号議案、以上六件の議案を一括して採決いたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
217 ◯定松委員長=全員起立と認めます。よって、以上六件の議案は原案のとおり可決されました。
次に、乙第百十号議案を採決いたします。
これは、教育委員会委員の任命について議会の同意を求める議案であります。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
218 ◯定松委員長=全員起立と認めます。よって、乙第百十号議案は同意されました。
次に、請第二号請願「私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担の軽減、教育条件の改善を求める請願書」を採決いたします。
本請願を採択することに賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
219 ◯定松委員長=全員起立と認めます。よって、本請願は採択されました。
お諮りいたします。
ただいま採択されました請第二号請願「私学助成の大幅増額、教育費の保護者負担の軽減、教育条件の改善を求める請願書」につきましては、知事に送付し、後日その処理の経過及び結果の報告を求めることを議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
220 ◯定松委員長=御異議ないものと認めます。よって、そのように取り計らいます。
○ 継 続 審 査
221 ◯定松委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の
一、財政確立について
一、政策の企画・調整について
一、危機管理・報道行政について
一、総務行政一般事項について
一、警察行政について
以上五件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
222 ◯定松委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の五件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。
以上で本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。
これをもちまして
総務常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでございました。
午後三時五十一分 閉会
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