• "工業用地造成事業"(/)
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  1. 福岡県議会 2024-03-18
    令和6年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2024-03-18


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和六年三月十八日(月曜日)    午 後 四 時 十 二 分 開 議 ◯桐明和久委員長 それでは、定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  それでは、議事に入ります。  最初に審査日程の変更についてであります。お手元配付の審査日程のとおり、本日は令和六年度福岡県一般会計予算の歳出八款県土整備費の残余の質疑、九款警察費から十四款予備費まで及び第二条債務負担行為から第五条歳出予算の流用まで並びに第二号議案から第二〇号議案までの審査を行うことといたしますので御了承願います。  まず、委員長として審査が滞ったことをおわび申し上げます。新開委員に対しては、これまで理事会の場及び事務局を通じて理事会の意向及び予算が会期中に成立しなければ新年度に予算の執行ができず、県民生活に非常に大きな影響が出ることを伝え、何度も意向を確認しましたが、協議は平行のままであります。そこで、このまま予算の成立が見通せないため、いかがいたしましょうか。江口委員。 2 ◯江口善明委員 委員長、動議。 3 ◯桐明和久委員長 今、江口委員から動議の提出がありました。 4 ◯江口善明委員 委員長、委員会運営の正常化のため、歳出八款県土整備費の質疑の終結を求める動議を提出いたします。      〔「賛成」と呼ぶ者がある〕 5 ◯桐明和久委員長 ほかに賛成者がありますので、動議は成立いたしました。  本動議を採決いたしますので、新開委員は委員席にお戻りください。      〔新開嵩将委員、委員席へ戻る〕 6 ◯桐明和久委員長 それでは、歳出八款の質疑終結の動議について、採決をいたします。  歳出八款の質疑終結の動議に御異議はありませんでしょうか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 7 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、よって歳出八款の質疑終結の動議は可決されました。これで八款県土整備費に関する質疑は終わります。  次に、第九款警察費について説明を求めます。岡村警察本部総務部長。 8 ◯岡村警察本部総務部長 九款警察費の内容につきまして御説明いたします。令和六年度予算に関する説明書の三百三十五ページをお願いいたします。  一項警察管理費についてであります。その主なものといたしましては、二目警察本部費の一番右端の説明欄の一番目にあります職員費や、二枚めくっていただきまして、三百三十八ページの四目警察施設費の説明欄の一番目にあります警察施設新営費などでありまして、総額は、一枚めくっていただきまして、三百四十ページの本年度の計の欄にございます一千三百七十四億四千九百万円余であります。
     続きまして、二項警察活動費についてであります。その主なものといたしましては、三百四十ページの一目一般警察活動費の説明欄の一番目にあります一般警察運営費や、三百四十一ページの二目刑事警察費の説明欄の二番目にあります暴力犯罪捜査活動費などでありまして、総額は、一枚めくっていただきまして三百四十三ページの本年度の計の欄にございます三十三億三千六百万円余であります。  九款警察費の説明は以上であります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 9 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。豊福るみ子委員。 10 ◯豊福るみ子委員 民主県政クラブ県議団、豊福るみ子でございます。フィッシング対策について伺います。  現在、金融機関やカード会社を装ったフィッシングが横行しています。主に、ネットバンキングサービスでのログインへの誘導や、カード番号を盗み出すために不安をあおる内容のメールが送られてくるなど、巧妙な仕組みで情報が盗まれ、身に覚えのない請求がなされるなどの被害は後を絶ちません。フィッシング対策協議会の調べによると、フィッシング報告件数は二〇二四年一月の一か月では八万五千八百二十七件、二〇二三年の二月からの一年間では百二十四万三千九百四十八件と、驚くべき件数となっています。犯罪者は、利用者が気づきにくい手口や思いもよらない新しい手口を次々と編み出してくるため、セキュリティーソフトの機能やこれまでの知識だけでは、被害を防ぐことが困難な状況にあります。  そこでまず、フィッシングについて改めて御説明を願います。 11 ◯桐明和久委員長 岡村警察本部総務部長。 12 ◯岡村警察本部総務部長 フィッシングとは、実在する企業等を装った電子メールやショートメッセージを送り、偽のサイトに誘導して、ID、パスワード及びクレジットカード番号などの個人情報を入力させて盗み取る手口であります。 13 ◯豊福るみ子委員 フィッシングについて御説明をいただきましたが、そのフィッシングを原因とした被害と思われる事案の一つにクレジットカード不正利用があります。一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、二〇二二年の全国でのクレジットカード不正利用被害額は、前の年より約百億円増えて過去最高の四百三十六億円に上り、二〇二三年の被害額はさらにそれを上回って過去最悪となる見通しです。  不正利用の手口の九割以上が、他人のクレジットカード番号を勝手に使用して金品を得るもので、決して他人事ではない身近な犯罪です。そこで、クレジットカードを不正利用されてしまう原因としてフィッシングといったケースがあるとお聞きしますが、昨年、県警察に寄せられたフィッシングに関する相談件数をお示しください。 14 ◯岡村警察本部総務部長 県警察では、令和五年中、来訪や電話、メールのほか、県警ホームページ内の情報提供窓口であるフィッシング一一〇番を通じて、約八百件の相談を受理しております。 15 ◯豊福るみ子委員 県警察に寄せられたフィッシングに関する相談は約八百件とのことでした。この八百件全てが犯罪につながっているとは限らないと思いますが、県警察に寄せられた相談件数はほんの一部にすぎません。  我が会派のある議員も、昨年、所有するクレジットカード三枚それぞれで相次いで身に覚えのない決済が行われ、各カードの停止と番号変更を余儀なくされました。実は、私自身も、同様の大手通販会社サイトの購入履歴に身に覚えのないドライブレコーダーが購入されていたことに気づき、通販会社に対策を図ってもらった一人でもあります。どちらも個人情報がどのように漏えいしてしまったのか断定できないのが現状です。  このように、フィッシングなどと思われる詐欺から自分を守るため、どのような手口や事例があるのかをしっかりと把握しておく必要があると思いますが、フィッシングに関する相談でどのような事例があるのか、お聞かせください。 16 ◯岡村警察本部総務部長 宅配事業者の不在通知や通信販売事業者料金未払い通知を装ったショートメッセージなどに記載されたリンク先を開き、偽のサイトに個人情報を入力してしまったなどの相談があります。 17 ◯豊福るみ子委員 今回、改めてクレジットカードをよくよく確認してみたのですが、カード会社にもよるかと思いますが、クレジット決済の際に必須のセキュリティーコードがカード番号の横に記載をされているカードが存在することが分かりました。これでは、支払い時に一瞬にして盗み見される危険性が大きいのではないかと感じました。  一方で、決済時にカード番号に加えて一時的に発行するワンタイムパスワードを入力して本人確認を行う、いわゆる3Dセキュアと呼ばれるサービスも進んできており一定の対策は強化されているものの、手口は巧妙となっています。  企業側からの悪用されるリスクの予防も重要であるかと考えますが、県民に対してフィッシングの被害防止のためにどのような被害防止対策を講じていくのか、県警察の取組をお聞かせください。 18 ◯岡村警察本部総務部長 県警察では、最新の手口を県警ホームページやSNS、防犯アプリみまもっちなどを通じて情報発信するとともに、金融機関や福岡県クレジットカード犯罪対策連絡協議会などと連携し、広く注意喚起に取り組んでおります。さらに、フィッシングによって誘導された偽のサイトを把握した場合には、警察庁を通じてウイルス対策ソフト事業者等に情報を提供することにより、その偽のサイトを閲覧しようとする利用者に警告を表示して、注意を促す対策を講じております。 19 ◯豊福るみ子委員 県警察が取り組まれている被害防止対策について分かりました。  しかし、巧妙化する不正利用による被害は、最初に述べたように年々増加し、振り込め詐欺などと並んで県民の財産を損なわせる大きな脅威となっています。日常から個人や企業がセキュリティーへの意識を持つだけで、被害の結果は変わってくると思います。  クレジットカード被害は、一人一人の被害額は他の犯罪と比較し少額であると思いますが、それを悪用し、回数を重ねることで大きな額となり、そのお金が暴力団等への資金に流れることも懸念をされます。  最後に、フィッシング被害防止のための取組強化について、総務部長の決意をお聞かせください。 20 ◯岡村警察本部総務部長 県警察といたしましては、引き続き社会情勢の変化に伴い複雑化する手口の把握に努めるとともに、タイムリーな情報発信を行うほか、関係機関、団体と連携した注意喚起を行うなど、効果的な被害防止対策を推進してまいります。 21 ◯豊福るみ子委員 フィッシング等による被害は、冒頭申し上げたように被害者は後を絶ちません。特にクレジットカード被害においては、少額の引き落としだったり、定期的に購入履歴や通帳記帳の確認ができていない場合、いまだ気づいてない方も多く存在するのではないかと推測するところです。県民の皆様の安心、安全を守るための県警察のさらなる取組の強化を要望し、私からの質問を終わります。(拍手) 22 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 23 ◯桐明和久委員長 ないようですので、以上で九款警察費に関する質疑を終わります。  申し上げます。入替えのため、ここでしばらく、一分間だけ休憩します。    午 後 四 時 二 十 七 分 休 憩    午 後 四 時 二 十 八 分 再 開 24 ◯桐明和久委員長 ただいまから委員会を再開します。休憩前に引き続き議事を進めます。  次に、十款教育費について順次説明を求めます。上田副教育長。 25 ◯上田教育庁副教育長 十款教育費のうち教育委員会所管分について御説明申し上げます。  令和六年度予算に関する説明書の三百四十七ページをお願いいたします。  一項教育総務費でございます。その主なものは、二目事務局費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百五十ページ、三目教職員人事費の説明欄の一番目にあります教職員等退職手当などでございまして、その総額は三百五十五ページに飛びまして、計の欄、四百十三億三千九百万円余をお願いしております。  同じく三百五十五ページ、二項小学校費でございます。八百十億六千万円余をお願いしております。その内容は、一目教職員費の説明欄にあります職員費でございます。  次に、三百五十六ページをお願いいたします。  三項中学校費でございます。その主なものは、一目教職員費の説明欄にあります職員費や、三百五十八ページ、二目教育振興費の説明欄の二番目にあります県立中学校の運営費などで、その総額は、計の欄、四百七十二億四千五百万円余をお願いしております。  次に、三百五十九ページをお願いいたします。  四項高等学校費でございます。その主なものは、一目高等学校総務費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百六十四ページ、五目学校建設費の説明欄の一番目にあります老朽校舎改築費などで、その総額は、三百六十七ページに飛びまして計の欄、六百八十億百万円余をお願いしております。  次に、三百六十八ページをお願いいたします。  五項特別支援学校費でございます。その主なものは、一目特別支援学校費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百七十一ページ、三目特別支援学校建設費の説明欄の一番目にあります特別支援学校整備費などで、その総額は、計の欄、二百八十八億三千七百万円余をお願いしております。  次に、三百七十二ページをお願いいたします。  六項社会教育費でございます。その主なものは、一目社会教育総務費の説明欄の一番目にあります職員費や、三百七十六ページ、四目九州歴史資料館費の説明欄の一番目にあります九州歴史資料館運営費などで、その総額は、三百八十ページに飛びまして計の欄、四十億三百万円余をお願いしております。  次に、三百八十一ページをお願いいたします。  七項保健体育費でございます。その主なものは、三百八十二ページ、二目体育振興費の説明欄の一番目にあります各種スポーツ大会費や、三百八十四ページ、三目体育施設費の説明欄の二番目にあります県立体育・スポーツ施設運営費などでございまして、その総額は三百八十五ページに飛びまして計の欄、二十八億三千五百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 26 ◯桐明和久委員長 縣私学振興・青少年育成局長。 27 ◯縣私学振興青少年育成局長 続きまして、十款教育費のうち私学振興・青少年育成局所管分について御説明します。  令和六年度予算に関する説明書三百八十五ページをお願いいたします。  八項大学費でございます。その主なものは、一枚おめくりいただきまして三百八十六ページの右の説明欄にございますとおり、県立三大学に対する運営費交付金及び施設整備費でございます。八項大学費の総額は、次のページ、三百八十七ページの計欄にございます五十一億九千五百万円余をお願いしております。  次に、九項私立学校費でございます。その主なものは、一枚おめくりいただきまして三百八十八ページの二目私立学校振興対策費の右の説明欄一番上の私立高等学校運営費補助金でございます。これは私立高等学校の経常的経費に対する補助金でございます。九項私立学校費の総額は、次のページ、三百八十九ページの計の欄にございます五百七十四億九千二百万円余をお願いしております。  次に、十項青少年費で二億九千五百万円余をお願いしております。これは右の説明欄にございますとおり、青少年健全育成費でございます。主なものは、青少年育成のための体験活動に要する経費でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 28 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。波多江祐介委員。 29 ◯波多江祐介委員 自民党県議団の波多江祐介です。通告に従い、学びの多様化学校について質問いたします。  我が会派の代表質問に対し、教育長は令和六年度夏頃までに設置校を決定すると答弁されました。我が会派としても、近年急増する不登校生徒に対し多様な学びを提供するという県教育委員会の取組を高く評価しているところであります。  しかしながら、令和六年度中に早急に検討、決定をしなければならないことが多岐にわたります。特に、教育内容については、生徒たちが社会の中でたくましく生きていける力が身につくよう、しっかりとした内容でつくり上げ、生徒に提供する責任が県教育委員会にはあると思います。改めて本施策を実施する背景についてお伺いいたします。 30 ◯桐明和久委員長 馬渡高校教育課長。 31 ◯馬渡教育庁高校教育課長 近年の全国的な不登校児童生徒数の増加を踏まえ、国は学びの多様化学校を全国に三百校設置することを目指すと示しています。本県でも、中学校生徒数約十四万人に対し、不登校生徒数はこの五年間で一・八倍に増えて九千五百人に迫る中、全日制高校への進学を希望しながらも不登校経験から諦めていた生徒を受け止め、学びを継続できる環境を整備するため、学びの多様化学校の制度を活用した特例クラスを設置するものでございます。 32 ◯波多江祐介委員 次に、学びの多様化学校における教育の特徴についてお伺いいたします。 33 ◯馬渡教育庁高校教育課長 文部科学大臣の指定を受けた学びの多様化学校においては、学習指導要領に定められた基準によらず学校独自の科目を多く設定したり、授業時数やその内容、形態を弾力化したりできるなど、不登校生徒の実態に配慮した特別なカリキュラムを編成することができます。 34 ◯波多江祐介委員 次に、本県の県立高校に設置予定の学びの多様化学校ではどのような特徴を持たせるのか、お尋ねいたします。 35 ◯馬渡教育庁高校教育課長 生徒の興味関心や得意とする分野に関する探求的な学習や、他者との協働により試行錯誤を重ね目標達成を目指す経験を重視するほか、良好な対人関係を築く力など、社会生活で必要なソーシャルスキルを伸ばすトレーニングなどについて、学校独自の科目を多く設定いたします。  さらに、多様な職業を体験的に学ぶ中で、自分の将来を考え、希望進路を見つけ、目標に向かって力を伸ばす教育活動を充実させるとともに、生徒の多様な実態に応じて特例クラス独自の学校行事についても実施したいと考えております。 36 ◯波多江祐介委員 現在、不登校生徒の受皿となっている通信制高校や定時制・単位制高校とはどのような違いがあるのでしょうか。また、こうした高校がある中で、さらに学びの多様化学校の設置が必要と考えた理由についてお伺いいたします。 37 ◯馬渡教育庁高校教育課長 通信制高校、定時制・単位制高校は、生徒自身が興味、関心に応じて、一日の学習時間やその配分、さらには一年間で取得する単位数を選択することができるため、自分のペースで学べる一方で、学びの多様化学校のように特別の教育課程は認められていないため、自由に教科・科目を設定するなどの教育内容の弾力化には制限があり、また、特に通信制では継続的に集団の中で学ぶ機会は限定的です。そこで、多様化する不登校生徒の受入れに当たり、新たなタイプの学びの場として学びの多様化学校を設置したいと考えたものでございます。 38 ◯波多江祐介委員 設置校については、我が会派の代表質問において交通の利便性がよいところとの答弁がありました。県内全域から通うことができるのか、お伺いをいたします。 39 ◯馬渡教育庁高校教育課長 今回設置を検討しているのは一校であるため、居住地によっては物理的に通学が難しい場合が生じることは想定されますが、できる限り広い範囲からの通学が可能となるよう、交通の便のよいところに設置し、県内全域からの志願を可能といたします。 40 ◯波多江祐介委員 特定クラスの設置とのことですが、何クラス、何人を定員としているのか、また不合格となった者の進路の確保についてどう考えているのか、お尋ねをいたします。 41 ◯馬渡教育庁高校教育課長 特例クラスの定員は、一クラス相当の四十名を予定しております。  志願者数が入学定員を上回った場合、合格できなかった生徒が、次善の策として単位制や夜間定時制など、不登校を経験した生徒が通いやすい学校に再度出願できる時期に入試を行う予定です。 42 ◯波多江祐介委員 不登校を経験した生徒で既に中学校を卒業している者や、一旦高校に入学したが途中で退学した者も対象にすべきだと思いますが、入学資格についてどのように考えているのか、また入試はどのように実施をするのか、お尋ねいたします。 43 ◯馬渡教育庁高校教育課長 学びの多様化学校の入学資格は、不登校経験があり中学校卒業資格を有している者とします。このため、中学校を既に卒業している方や、一旦高校に入学したものの中途退学した方も対象となります。  中学校で不登校を経験した生徒は、興味、関心や適性、能力、進路希望も多様であると考えられることから、入試においては、学力検査や中学校での評価のみによらず、登校できなかった期間の頑張りや高校で学びたいという意欲を積極的に評価したいと考えております。 44 ◯波多江祐介委員 今回の学びの多様化学校は、既存の学校に特例クラスを設置する方針とのことですが、特例クラス以外の一般クラスの生徒の目が気になって通いづらいということも想定されます。その点、どのような配慮を検討されているのか、お伺いいたします。 45 ◯馬渡教育庁高校教育課長 学校の敷地内で設置校の生徒と活動エリアや動線を分けることにより、特例クラスの生徒が設置校の生徒の目を過度に気にすることなく、安心して登校できるような配慮を行いたいと考えています。その上で、希望する生徒が部活動や合同行事等において設置校の生徒と交流できるようにする予定です。 46 ◯波多江祐介委員 中学校で不登校であった生徒が、高校に登校して学びを継続していくようになるためには、一人一人の生徒をケアする手厚い支援体制が必要と考えますが、どのような対応をされるのかお伺いいたします。 47 ◯馬渡教育庁高校教育課長 学びの多様化学校においては、個別指導や教育相談のための手厚い教員配置を行うほか、生徒が不登校となる要因を少しでも取り除けるようにするために、生徒の心のケアを行うカウンセラーや、生徒を取り巻く生活環境の改善を助けるソーシャルワーカーなどの専門スタッフを重点的に配置し、学校全体で充実した支援体制を整えたいと考えております。 48 ◯波多江祐介委員 ただいま御答弁いただきましたが、ソーシャルワーカーや専門スタッフを重点的に配置するとの答弁でした。来年度は、準備期間として適任者の人選や十分な教育が行われるよう要望しておきます。  一年で準備は間に合うのか、また全国で初めて県立高校に設置することとなりますが、全国の注目に値するような先進事例としてしっかりと学びの多様化学校をつくってほしいと願います。  そこで、副教育長の決意をお聞かせください。 49 ◯桐明和久委員長 上田副教育長。 50 ◯上田教育庁副教育長 昨今の不登校生徒数の急増と連動しまして、全日制高校を志向しながらも、既存のタイプの学校では、入学、そして学習の継続が困難な生徒が一定数いるものと考えられます。こうした生徒に新たな学習の場を提供し、同年代の仲間と触れ合い、共に学校生活を送る中で、社会性を身につけ、学力のみならず人間的に成長できるよう支援していくことは学校教育の根幹であり、県の責務であると考えております。このため、学習意欲を有しながら様々な事情で不登校になった生徒の新たな選択肢として、公立高校では全国初となる学びの多様化学校を設置したいと考えたものでございます。  学びの多様化学校では、生徒が自分の得意分野を伸ばし、苦手分野を克服できるような手厚い支援を行い、社会において活力を持って生きていく力を身につけられますよう、教育内容や入試方法、教育相談体制などについてしっかりと準備を進めてまいります。 51 ◯波多江祐介委員 これまでるる質問させていただきました。不登校を経験した生徒を高校に受け入れることに取り組んでいくことについて、代表質問の教育長答弁では、中学三年生のうち不登校生徒は約三千人であり、四割が通信制高校に進学しているものの、この中には全日制を志向しながらも支援がなければ全日制の就学が難しい生徒が一定数いるとのことでした。  学びの多様化学校の定員は一クラス相当の四十人を相当想定しているなど、いまだ根拠に乏しく感じます。学びの多様化学校設置について、さらに教育長に直接お聞きしたいと思いますので、委員長、保留質疑をお願いしたいと思います。お取り計らいをお願いいたします。 52 ◯桐明和久委員長 ただいま波多江委員から申出のありました教育長保留質疑を認めることにいたします。  なお、教育長保留質疑は三月十九日火曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 53 ◯波多江祐介委員 終わります。(拍手) 54 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑ありませんか。山本耕一委員。 55 ◯山本耕一委員 民主県政クラブ県議団の山本耕一です。本県の来年度予算には、教育の多様化に対応するため、通信制高校に関する事業の充実と、ただいまも質問がございましたけれども、学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校についての予算が新たに計上されておりますので、今回はそれらについて質問をしてまいります。  まずは、通信制高校の充実に関する質問でございます。  通信制課程は、この二月議会の我が会派の代表質問でも取り上げました。そこでただしましたとおり、現在、通信制課程のニーズが非常に高まっているんですけれども、その退学率は全日制と比較して高いと伺っております。  そこでまず、本県の県立高校のうち、全日制高校と県立の通信制高校、この場合は博多青松高校一校ということになりますけれども、その退学者数の過去五年間の推移、そして、通信制高校については、退学理由についての資料をあらかじめ執行部に要求しておりますので、委員長、そのお取り計らいをお願いいたします。 56 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま山本委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。
         〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 57 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま山本委員から要求がありました資料については提出できますか。馬渡高校教育課長。 58 ◯馬渡教育庁高校教育課長 直ちに提出いたします。 59 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 60 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 61 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、山本委員、質疑を行ってください。 62 ◯山本耕一委員 では、資料に示されております退学者数の推移及び通信制高校における退学理由について説明をお願いいたします。 63 ◯馬渡教育庁高校教育課長 まず、退学者数につきましては、全日制は平成三十年度の四百十七人から少し減少しつつ、ほぼ横ばいで推移しており、令和四年度は三百八十人となっています。通信制は平成三十年度の百九十八人から少し増減があり、令和四年度は二百十五人となっております。  通信制の退学理由として最も多いものは、受講登録を行わなかったことによる除籍でございます。県立博多青松高校の通信制課程では、入学に当たり学力検査を行わず、就学への意欲でこれを許可する一方で、年度末に次年度の受講登録を行わない場合には除籍、すなわち退学となる制度であるため、ほかの学校と比較すると退学者数が多くなる特徴がございます。 64 ◯山本耕一委員 御説明で、通信制高校においての退学理由について次年度の登録を行わないとの理由で除籍、すなわち退学になる生徒が多いということが分かりました。いざ入学はしたものの学習意欲を失ってしまって、次年度に登録を行わないというパターンがあるのではないかと考えます。  私が伺った声の中に、通信制高校に行ってみて、自宅学習においてはレポート課題が多いものの、レポートの書き方についてそれまで学んだことがなく、どう対応していいか分からない、書いて提出しても結局先生から「やり直し」と返され、それを繰り返すうちに学習意欲を失ってしまうというものがありました。これは一例ではありますけれども、通信制高校においてはこのレポート作成に関する課題のほかにも、全日制と違う様々な通信制ならではの課題も浮かび上がっているのではないかと考えます。  そこでお伺いします。通信制高校において、生徒の学習意欲低下や退学につながっていかないよう、課題の改善、解決を図る必要があると考えますが、どのような課題を把握されているのか、そして、その解決のためにどのような取組を行っていらっしゃるのか、お聞かせください。 65 ◯馬渡教育庁高校教育課長 通信制の生徒は、決められた回数のスクーリングを受講するほか、自宅で学習してレポート課題等の添削指導を受けることとなりますが、特に自宅学習においては、学習意欲を保って学習を継続していくことに困難を感じ、学習から遠ざかる生徒がいると考えられます。  県立博多青松高校においては、生徒がいつでも教師に質問をしたり、個別にレポートの指導を受けたりすることができる体制を整備しているほか、友人と共に学習意欲を高められるよう地区別学習会を月二回程度開催しているところですが、今後こうした支援体制のさらなる充実を図ってまいります。 66 ◯山本耕一委員 いろいろ取り組んでいらっしゃることは分かったんですけれども、退学者数が一校で一年で二百人を超えるという状況を考えますと、まだまだ支援の充実が必要と考えます。よろしくお願いいたします。  次に、教員の加配について伺います。四月から博多青松高校の通信制のスクーリング等をサポートするため、県内三校の県立高校を協力校とすることになっております。それらの協力校で、実際に通信制の生徒さんがスクーリングを行う際、我が会派の代表質問では教員の加配を行う旨の御答弁がありましたが、それに関連して伺います。  スクーリングの実施は博多青松高校本校同様に土日に行うのか、本校と協力校三校で同時に開催するのかなど、具体的な実施計画についてお示しいただいた上で、協力校三校の設置に伴う教員の加配について、例えば、それは教科ごとの加配なのかなど具体的にどのように人員を配置するお考えなのか、お教えください。 67 ◯馬渡教育庁高校教育課長 博多青松高校通信制課程の生徒は、必要な単位を修得するため、月に一、二回、土日にスクーリングを受講することとなりますが、協力校でのスクーリングは、各校で週をずらして月に一、二回、土日に実施することを予定しております。  教員については、スクーリングの時間数が多い教科の教員を博多青松高校に配置し、それ以外の教科についても、協力校でのスクーリング実施による負担増加に対応できるよう非常勤講師の時間配分を行うことにより、実施体制を整備したいと考えております。 68 ◯山本耕一委員 ありがとうございます。ここまで通信制高校について伺ってきたんですが、次に、いわゆる不登校特例校、学びの多様化学校について伺います。先ほど波多江委員からも御質問がありましたけれども、設置意義や概要等はそちらで質問がございましたので、一部重複もあろうかと思いますけれども、私は特に個別具体な質問について伺ってまいりたいと思います。  こちらについても我が会派の代表質問で伺いましたところ、この夏までに設置校を決定していくとの御答弁がございました。今、その準備を着々と進めていらっしゃることと思いますが、そこで、本県の準備中の学びの多様化学校の入学対象者については、通学できる範囲の生徒さんのみが対象になるのでしょうか。また、その授業は対面のみと想定していらっしゃるのか、オンライン授業等の導入はお考えなのか、お教えください。 69 ◯馬渡教育庁高校教育課長 今回設置を検討しているのは一校であるため、居住地によっては物理的に通学が難しい場合が生じることは想定されますが、できる限り広範囲から通学できるよう、交通の便のよいところに設置し、県内全域からの志願を可能とする予定です。  特例クラスにおきましては、生徒が学校で同年代の仲間と共に共同的に学習する活動を充実させる観点から、原則として学校に通学し対面の授業を受ける形態を想定しております。  なお、病気や不登校で通学が難しくなった場合は、上限の範囲内でオンラインによる授業等で代替することも想定しております。 70 ◯山本耕一委員 次に、学びの多様化学校に選ばれた学校における体育祭や修学旅行等のイベントに関して伺います。  学校の体育祭、修学旅行などのイベントへの特例クラスの生徒の参加についてどのように考えているのか、お教えください。 71 ◯馬渡教育庁高校教育課長 大人数の集団行動への適性を含め、特例クラスの生徒の実態は多様であると考えられるため、体育祭や修学旅行等の特別活動については、設置校のほかのクラスの生徒とは別に実施するものや、一部合同で行うものなど、生徒の実態や状況に応じて対応を検討してまいります。 72 ◯山本耕一委員 ケース・バイ・ケースの対応ということで、一人一人の希望にしっかり寄り添った対応をお願いしたいと思います。  さて、この学びの多様化学校の運営開始後に、県内高校において初めての取組ですし、想定外の様々な課題が発生することは容易に考えられます。その辺りは課題のきめ細かい調査と対処の実践、いわゆるリサーチ・アンド・デベロップメントを継続的に行っていくことが大事と考えます。  そこでお伺いします。学びの多様化学校運営開始後、課題についての意見聴取等の調査、そして、課題解決のための仕組みをどのように考えておられるのか、お聞かせください。 73 ◯馬渡教育庁高校教育課長 不登校経験のある生徒を受け入れることから、学びの継続に当たって課題となることを解消していくために、一人一人の生徒とのきめ細かな面談や家庭との緊密な連携が不可欠であると考えております。このため、手厚い教育相談体制を整備し、生徒一人一人の課題を把握して教員間で丁寧に情報共有を図り、日々の授業や指導に反映できるようにするとともに、学校運営上の変更、改善が必要なことについて、管理職も含めた組織的な検討を行い、教育委員会としても適切に指導、助言を行ってまいります。 74 ◯山本耕一委員 次に、この学びの多様化学校における学習形態についてお聞きします。  既に開設されている小中学校の学びの多様化学校のうち、学校として独立しているところでは、子供が興味、関心の高い事柄を授業として選択できるよう、工芸、音楽などに特化した教室が備えられているところもあります。  そこでお伺いします。今回の県立高校における学びの多様化学校については、通常の授業と違う授業形態を取り入れる考えはおありなのか、また、多様化学校に入学した生徒と一般生徒が同じ校内に存在することになると思われますが、それぞれの影響等についてどのように考え、配慮するおつもりか、お聞かせください。 75 ◯桐明和久委員長 この際、委員各位に申し上げます。  本日の審議は午後五時までを予定しておりましたが、議事の都合によりこのまま続行させていただきます。よろしくお願いします。 76 ◯馬渡教育庁高校教育課長 特例クラスにおいては、個別指導や習熟度別の少人数授業を多く取り入れるほか、例えば、様々な職業について生徒の興味、関心に応じて体験しながら探求する科目や、コミュニケーション能力の向上を図る科目など、特別な学校設定科目を多く設定することを検討しております。  また、特例クラスの中には、人目を気にして学校に通いづらくなる生徒も一定数いると考えられることから、そのようなことのないよう、学校敷地内で生徒の移動時の動線をできる限り分けるほか、設置校の生徒に対して特例クラスの趣旨を周知し、多様性を尊重することの大切さを学ぶ契機としたいと考えております。 77 ◯山本耕一委員 関連して伺います。今お答えいただいたように、一般の高校と授業形態に変化をつけることをお考えということであれば、そうした授業を踏まえて成績についてはどのように判定していくのか、お聞かせください。 78 ◯馬渡教育庁高校教育課長 特例クラスでは、特別なカリキュラムを編成するため、評価基準についてもこれに応じて新たな評価基準を設定することになると考えております。 79 ◯山本耕一委員 入試時期や入試方法について、代表質問へのお答えでは今後検討していくとのことでした。この時期について、まず生徒それぞれの課題に配慮し、時期については四月入学に固定するのではなくて、フレキシブルに考えていただけるように要望いたします。  その上で、開設予定の学びの多様化学校の入学に当たって、年齢制限や例えば中卒資格が必要かなどの学業上の制限等が必要とお考えなのか、お聞かせください。 80 ◯馬渡教育庁高校教育課長 高校への入学となりますので、中学校卒業資格は必要ですが、ほかの学校と同様に過年度生も入学対象者とする予定です。また、高校に一旦入学したものの不登校のため卒業できなかった生徒で、再度高校で学びたい者も対象となります。 81 ◯山本耕一委員 では、最後に伺います。この学びの多様化学校について、高校に限らず小中学校についても設置を促進すべきと考えますが、県教委の考えをお聞かせください。 82 ◯桐明和久委員長 中嶋義務教育課長。 83 ◯中嶋教育庁義務教育課長 不登校児童生徒が増加する中、小中学校においても国の学びの多様化学校制度を活用した学校の設置も含め、多様な生徒を受け入れる学びの場が求められていると認識をしております。県教育委員会といたしましては、来年度から生徒を受け入れることになっております大牟田市のほしぞら分校の取組を始め、県内外にて既に開校している学びの多様化学校に関する事例を市町村教育委員会に提供し、各地域の児童生徒のニーズに応じた検討が行われるよう支援してまいります。 84 ◯山本耕一委員 ありがとうございました。本日お伺いした通信制高校、学びの多様化学校、ともに児童生徒の多様化する学びのニーズにしっかり応えていくために、さらなる充実が求められているものと考えます。教育委員会におかれましては、本県におけるそれらの一層の充実に向けて御尽力いただきますよう要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 85 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑ありませんか。稲又進一委員。 86 ◯稲又進一委員 公明党の稲又進一でございます。特別支援学校・学級の支援強化についてお尋ねをいたします。  文部科学省学校基本調査によりますと、特別支援教育を受ける児童生徒は年々増加をしており、直近のデータでは十年間で、特別支援学校については学校数が約一一%増加、児童生徒数は約一四・三%増加、特別支援学級は一・六倍に増え、児童生徒数は二・一倍に増加をしていると伺っております。また、通級による指導を受けております児童生徒数は約二・六倍に増え、教育現場では新たな特別支援教育体制の整備が必要になっております。  まずは、本県の義務教育段階における児童生徒数の推移状況を事前に執行部へ資料要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 87 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま稲又委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 88 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま稲又委員から要求がありました資料については提出できますか。三澄特別支援教育課長。 89 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 直ちに提出いたします。 90 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 91 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 92 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、稲又委員、質疑を行ってください。 93 ◯稲又進一委員 それでは、資料について御説明をお願いいたします。 94 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 資料は、本県における平成二十六年度から令和五年度までの特別支援学校、特別支援学級及び通級による指導を受けている義務教育段階の児童生徒数でございます。この間、特別支援学校は二千九百七十四人から約一・四倍の四千二百四十三人に、特別支援学級は七千二十八人から約二・八倍の一万九千四百九十一人に、通級による指導は二千二百七十三人から約二・二倍の四千九百五十三人となっており、いずれの児童生徒数も増加傾向にあります。 95 ◯稲又進一委員 今、課長に御説明いただきましたとおり、特別支援教育が必要な子供は増加傾向にございます。このような状況に適切に対処するためには、様々な障害のある児童生徒に的確に対応した教育を行うことや、特別支援学校・学級への専門的な知識や経験を持った校内のサポート体制も大変に重要であると感じております。  その中の支援の一つとして、小中学校における特別支援教育コーディネーターや特別支援教育支援員の方々がおられますが、役割と現在の本県における配置状況についてお答えください。 96 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 特別支援教育コーディネーターは、学校内における特別支援教育の推進役として、校内委員会や校内研修の企画運営、関係機関との連絡調整などの役割を担っております。令和元年度以降の特別支援教育体制整備状況調査では、小中学校におけるコーディネーターの選任はいずれも一〇〇%となっております。  また、特別支援教育支援員は、学級担任や教科担任等と連携し、障害のある児童生徒に対して学校における日常生活上の介助や学習活動上のサポートを行う役割を担っております。小中学校の特別支援教育支援員は、設置者である市町村教育委員会が任用しており、令和五年五月一日現在で県内千四十二校に千七百八十五人の支援員が配置されています。 97 ◯稲又進一委員 本県としても対象児童生徒数の増加に対応していくべく、早良エリア、また宗像エリアと新設の特別支援学校を整備する計画でございましたが、昨年七月の入札不調で遅延していると理解をしております。  過去にもほかの先輩議員の方も御質問されてきたと存じますが、いま一度改めて現在の進捗状況をお尋ねをいたします。また、この遅延の影響により、入学予定でありました児童生徒への対応についてお答えください。 98 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 宗像、早良の新設校につきましては、当初、令和七年四月開校の予定でございましたが、入札不調となったため、令和七年十二月の竣工、そして令和八年四月の開校を目指しております。開校までの間、古賀及び太宰府特別支援学校において引き続き児童生徒の受入れを行うこととなるため、普通教室の確保を行うことで適切な教育環境の整備に努めてまいります。  なお、保護者や地域の方々に対しましては、今後のスケジュールや受入れに関する説明会を丁寧に行ってまいります。 99 ◯稲又進一委員 障害をお持ちの子供の保護者に共通する心配としては、特別支援学校卒業後に我が子が自立をして生活していけるかどうかということでもございます。県立特別支援学校の生徒の進路状況についてお尋ねをいたします。 100 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 県立特別支援学校の高等部を令和四年度に卒業した生徒のうち、就職した者が約四割、福祉施設等の利用者が約六割となっております。少数ではありますが、大学等へ進学する生徒もおります。 101 ◯稲又進一委員 生徒の個性に合わせた指導が重要であるとともに、親亡き後は自身で生活をしていかなければなりません。そのために高等部卒業後の進路は人生の中でも重要な分岐点になり得ます。それを受けて、県立特別支援学校では生徒にどのような進路指導を行っておられるか、お尋ねをいたします。 102 ◯三澄教育庁特別支援教育課長 県立特別支援学校におきましては、生徒一人一人の実態や本人、保護者のニーズを踏まえた上で、可能な限り一般就労を目指すことを基本とした進路指導を行っております。具体的には、本人、保護者との定期的な面談、生徒一人一人に応じた職場開拓、現場実習を通したマッチング等を行うとともに、就労後も関係機関と連携し、職場定着のためのアフターケアに取り組んでおります。特に来年度からは、就職先や現場実習先の新規開拓、企業の人事担当者を学校に招いての職業教育見学会の企画運営などを行う就職支援サポーター配置の予算をお願いしているところでございます。 103 ◯稲又進一委員 最後に、副教育長にお伺いをいたします。  特別支援教育を受ける児童生徒数が増えている中、現状の取組について質問を行ってまいりました。対象児童生徒数が増えていること自体が決して問題ではなく、社会に出る前に早期に気づき、対応を取ることができている証左ではないかとも考えております。  その上で、家庭環境は当然のこと、本県の障害のある子供に対する教育サポート体制によってその子の将来が大きく変わっていくと言っても過言ではないと考えております。さらなる支援強化に向けた御決意をよろしくお願いいたします。 104 ◯桐明和久委員長 上田副教育長。 105 ◯上田教育庁副教育長 県教育委員会では、児童生徒一人一人の障害の状態や発達段階に応じた学びの場における教育の充実に取り組んでおりまして、県立特別支援学校におきましては、障害の種類や程度に対応してきめ細かな支援を行いますとともに、小学部の段階から将来の自立と社会参加を見据えた系統的なキャリア教育を行っております。また、圏域の小中学校におきましても、障害のある児童生徒に対する支援体制を明記した特別支援教育推進計画を全ての学校で作成し、活用をしております。  今後とも、引き続きこのような一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行ってまいります。 106 ◯稲又進一委員 終わります。(拍手) 107 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。中村香月委員。 108 ◯中村香月委員 新政会の中村香月です。小学校の英語教育についてお伺いいたします。  平成二十年三月に告示された学習指導要領では、小学校五、六年生を対象に外国語活動が導入され、平成二十三年四月から外国語活動が本格的に始まりました。平成二十九年三月に告示された学習指導要領では、小学校三、四年生を対象に外国語活動が導入され、さらに五、六年生の英語教育に関しては、外国語という名称でほかの教科と同じように教科化され、令和二年四月から本格的に実施されました。  教科化される以前の外国語活動の授業では、歌やゲームを通して英語を使ったり、簡単な英会話などコミュニケーション中心の活動が行われたりして、楽しい授業が多かったというイメージでしたが、教科となった外国語の授業では内容が難しくなり、英語学習に対して楽しさを感じる子供が少なくなっていくのではないかと危惧しているところです。文部科学省の調査では、平成二十五年度に「英語の勉強は好きですか」という質問に対し、肯定的な回答をしていた六年生児童の割合は七六・四%であったのですが、令和五年度には六九・二%となり、七・二ポイント下がっています。  グローバル化が急速に進んでいる国際社会の中で、未来を築く子供たちが多様な他者と協働し国内外で活躍するためには、日本の文化や自然など自国について理解を深めるとともに、異なる言語や文化について理解しようとする態度が大切になります。その上で、異なる言語や文化を持った人々と理解し合い、よりよい人間関係を築くためには、共通の言語としての英語を用いたコミュニケーション能力が必要になります。さらに、社会的な話題など、より高度な内容についてコミュニケーションを図る場合は、母国語である日本語で論理的に思考する力も必要になってくると考えます。これらのコミュニケーション能力を養うためには、柔軟な適応力がある小学生の段階で、異なる言語や文化を理解しようとする態度や英語を学ぼうとする意欲を醸成した上で、英語のスキルを高める学習を実施することが重要であると考えます。  そこで、小学校の英語教育の充実のための取組などについてお聞きします。  まず、平成二十三年度から小学校五、六年生において実施されてきた外国語活動にはどのような成果や課題があったのでしょうか、御説明をお願いします。 109 ◯桐明和久委員長 中嶋義務教育課長。 110 ◯中嶋教育庁義務教育課長 平成二十三年度から導入された外国語活動につきましては、児童の学習意欲が高まったことや、中学進学後の外国語教育についても積極性が向上したといった成果がございました。  また、活動の内容が聞いたり話したりする学習であったため、英単語の発音を聞いてそのスペルが分かったり、会話で使った英文の文法を学んだりなどの基礎的な知識や技能の定着を図る活動が含まれていなかったため、小学校段階の活動を中学校英語の学習内容に十分つなぐことができなかったといった課題がございました。 111 ◯中村香月委員 小学校五、六年生で実施されてきた外国語活動では、小学校段階の活動が中学校英語の学習内容に十分つなぐことができなかったといった課題があったということですが、小学校五、六年生の英語教育が外国語活動から外国語科へ教科化されたことによって、そのことで具体的に何が変わったのか、お尋ねいたします。 112 ◯中嶋教育庁義務教育課長 外国語活動が教科化されたことにより、主に三点の変更点がございます。一点は、これまでの話すこと、聞くことの二技能での学習から、読むこと、書くことが加わり四技能での学習となりました。  二点は、学習指導要領の学習の記録欄の評価の記入方法について、文章での記載から数値による記載に変更になりました。  三点は、これまでにはなかった検定教科書が導入されました。
     このほか、学習の期間が二学年から四学年となったことに伴い、小学校段階で取り扱う英単語が約四百語から約七百語へ増えたり、授業の総時数が七十単位時間から二百十単位時間に増加したりしております。 113 ◯中村香月委員 外国語活動が教科化されたことでの主な変更点については分かりました。  それでは、外国語活動と外国語科の狙いで重視されていることはどのようなことでしょうか、御説明をお願いします。 114 ◯中嶋教育庁義務教育課長 外国語活動では、聞くこと、話すことの二技能による言語活動を通して、外国語や異なる文化について理解することや、言葉以外にもジェスチャーを用いてコミュニケーションを図ることに慣れ親しむことを重視しております。外国語科では、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの四技能による言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎的な知識、技能を定着させることや、表現力を身につけることを重視しております。 115 ◯中村香月委員 三、四年生での外国語活動で重視されていること、五、六年生での外国語科で重視されていることが異なるということは、実際に行われる授業の内容も異なると思いますが、実際にはどのような英語の授業が行われているんでしょうか、御説明をお願いします。 116 ◯中嶋教育庁義務教育課長 三、四年生では、例えば好きな食べ物など身近な事柄をテーマとして単語のやり取りで伝え合ったり、簡単な語句や短い文で発表したりする授業が行われております。また、五、六年生では、さらにその理由についても短い文を複数組み合わせて自分の考えをまとめ、それを伝え合ったり発表したりする授業が行われ、この活動を繰り返すことにより知識や技能の定着を図っております。 117 ◯中村香月委員 授業の内容について御説明いただきましたが、各小学校において子供が英語の学習を楽しいと感じ、しかも、先ほど示していただいた狙いを達成するような授業を行うためには、教員の指導力が問われると思います。県教育委員会は、外国語の教科化に向けて、教員の指導力向上のためにどのような研修等を行ってきたのでしょうか、お尋ねいたします。 118 ◯中嶋教育庁義務教育課長 外国語教育の教科化に向け、各学校での持続的、日常的な校内研修体制づくりのため、平成二十六年度から三十年度まで、地域リーダーや校内の中核教員の養成研修を実施いたしました。また、外国語科の授業実践研修を平成二十七年度から四年間、教員の英語力向上研修を平成三十年度から二年間実施いたしました。さらに、教科化した後も指導力及び英語力を向上させる研修を実施いたしました。これらにより、通算で延べ約三千三百人が研修を受講したところでございます。  このほか、県教育委員会では、小学校三校を指定して実践研究を行い、その研究発表会では、授業を公開するとともに授業の映像資料などを配布し、研究成果の普及を図っております。 119 ◯中村香月委員 これまで九年にわたって、小学校の教員に対し英語教育に関する研修を実施し、各小学校の中核となる教員を育成してきたとのことですが、県教育委員会では、本県の小学校英語教育の充実のために今後どのような取組を行っていくのでしょうか。 120 ◯中嶋教育庁義務教育課長 令和六年度から、全ての小学五、六年生に、これまでの英語の教科書と併せてデジタル教科書も配布される予定であり、これを踏まえた授業ができるよう、教員の外国語指導力の向上を図る必要がございます。このことから、県教育委員会では、中核教員を中心に実施されております外国語教育に関する校内研修で活用できる研修資料を作成、提供するなど、今後とも教員の指導力向上を図り、小学校の外国語教育の充実に努めてまいります。 121 ◯中村香月委員 本県の子供たちのために、長きにわたり取組を進めていただいているとのことで、感謝を申し上げます。  本県の子供たちが英語の授業を好きになり、将来様々な国の方々と協働し、世界で活躍できる人材を育成する基礎となる小学校英語教育の充実に向けて、今後も引き続き取り組んでいただくようお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 122 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。板橋聡委員。 123 ◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。先月二十六日、私の地元でありますみやま市の小学校で、一年生の男子児童が給食の食材を喉に詰まらせたと見られる事故により亡くなるという事案が発生しました。未来ある子供がこういった形で命を落としてしまったことが、大変残念でなりません。御家族をはじめ関係者の皆様方には心からお悔やみを申し上げます。本来であれば、給食の時間とは楽しく会食し、成長期に必要な栄養を取ることができる非常に有意義な時間であります。今回の事故はみやま市で発生しましたが、福岡県教育委員会に県内の公立学校における学校給食の状況や対応策について質問をしていきたいと思います。  ここで、通告しておりました全国の窒息事故の発生件数に関する資料を要求をいたします。 124 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま板橋委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 125 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま板橋委員から要求がありました資料については提出できますか。中野体育スポーツ健康課長。 126 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 直ちに提出いたします。 127 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 128 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 129 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、板橋委員、質疑を行ってください。 130 ◯板橋 聡委員 それでは、資料の説明を簡潔にお願いします。 131 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 独立行政法人日本スポーツ振興センターが公表しております学校の管理下における死亡見舞金の発生件数によりますと、平成二十五年度から令和四年度までの全国の学校管理下における死亡数の総数は五百三十八人となっております。このうち、給食時の窒息は八人であり、小学校が四人、特別支援学校小学部が二人、高等部が二人となっております。  また、厚生労働省が公表している人口動態統計によりますと、平成二十五年から令和四年までの気道閉塞を生じた食物の誤嚥による死亡数は四万五千八百五人であり、このうち小学校低学年の児童が含まれる五歳から九歳の死亡数は十五人、小学校高学年の児童が含まれる十歳から十四歳の死亡数は十三人となっております。 132 ◯板橋 聡委員 提出していただいた資料によると、学校管理下において食べ物による窒息は発生しておりますが、学校において発生する死亡事故の中に占める割合としては、比較的少ない部類であるということが分かります。また、国内における食物の誤嚥による死亡数全体を見ても、小学校児童や中学校生徒の年齢層は少なく、ほとんどが小中学生以外、特に高齢者であること、また、食事が一日三食あることを考えると、学校管理下だけではなく、学校以外でも同じような確率で窒息事故が発生していることがよく分かりました。各家庭における食物による窒息のリスクは、子供だけでなく大人や高齢者にもありますので、窒息事故が発生した際に各家庭においても対応できるよう、PTA研修会等においても話題として取り上げることを検討していただきたいと思います。  とはいえ、学校では、給食指導の中で箸の使い方や食事のマナーについて、児童生徒に体得させることが求められております。児童生徒にとっては、学校での指導で身につけた箸の使い方や食べ方を、家庭生活や学校卒業後の社会生活など生涯にわたって生かしていくことができます。給食の時間において望ましい食習慣や正しい食べ方を身につけさせ、子供たちにそしゃく力や嚥下力を高めてもらうためには、様々な食材に対する箸の使い方や食べ方について指導していくことが重要なのではないかと思いますが、新聞報道等によれば、今回のみやま市における事故発生を受け、特定の食材の使用を見送る自治体も出ているそうです。  そこで、県内の指定都市以外の市町村における特定食材の使用を見送る動きはどのようになっているのか、お答えください。 133 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 ウズラの卵や白玉だんご、ミニトマト、ブドウなど、何らかの食材の使用を見送る判断をしている自治体は、三月七日現在、三十六市町村でございます。 134 ◯板橋 聡委員 今回の事故の影響を考えれば、特定の食材の使用を当面見送るという判断をする自治体が出てくることは一定の理解ができますが、今回の事故発生後に県教育委員会が出した通知の中で、特定食材の使用制限について触れているのでしょうか。 135 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県教育委員会が発出した通知の中では、特定食材の使用制限を促してはおりません。文部科学省の食に関する指導の手引第二次改訂版などを参考に、改めて給食の時間の適切な指導と安全確保の徹底を求めたところでございます。 136 ◯板橋 聡委員 今課長がおっしゃられた適切な指導と安全確保の徹底とは、具体的にどういうものでしょうか。 137 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 給食指導におきましては、給食の準備、会食、片づけなどの一連の指導を実際の活動を通して毎日繰り返し行っており、この中で、食べ物を食べやすい大きさにしてよくかんで食べることや、早食いは危険であるといったことが、食べ方の指導として適切に行われる必要がございます。  また、学校給食を原因とする窒息などのリスクにつきましては、校内マニュアル等を整備し、全教職員で共通理解を図った上で組織的に運営することで、事故の未然防止や適切で迅速な対応につながります。 138 ◯板橋 聡委員 では、ちょっと視点を変えまして、学校給食は児童生徒を対象としているため、安全性が担保された上で実施されることが重要です。そのためには、想定されるリスクを未然に防止するとともに、仮に事故が発生した際には迅速かつ適切な対応が取られる体制が各学校で整えられておく必要があります。  今回の事故が発生した際にも、先生方が子供の背中をたたいたり、心臓マッサージや人工呼吸といった迅速な対応が取られたということですが、学校における事故発生を踏まえ、現在、県教育委員会としてどのような対応を取っているのか、また今後どのように対応されるおつもりでしょうか。 139 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 現在、教職経験一年目の全ての教諭及び養護教諭を対象とした研修会におきまして、心肺蘇生法に関する講義及び実技の研修を実施しております。また、例年、栄養教諭や学校栄養職員を対象とした研修会におきまして、窒息などの事故の未然防止の徹底と発生時の迅速な対応について体制を整えるよう、説明をしております。  さらに、今後は学校全体でリスクマネジメントに取り組んでもらうために、管理職研修会等におきましても、給食の時間における適切な指導と安全確保の徹底を求めてまいります。  また、救命処置は、その方法を紙面で確認するだけでは、背中をたたく際の力の入れ加減などの要領が分かりにくいため、事故発生時に適切で迅速な対応が行えるよう、救命処置に関する研修の開催につきましても、市町村教育委員会や学校に対し促してまいります。 140 ◯板橋 聡委員 事故発生時に適切な対応が取れる体制が各学校でも確実に整備されるよう、そして先ほども申し上げましたけれども、統計上、家庭でも、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんの世代でも起こる事案でございます。県教育委員会としてもしっかり取り組んでいただき、PTA等にも周知ができるようにしていただきたいと思います。  今お聞きしたのは、学校における窒息による死亡事故を発生させないために整えておくべき体制整備についてですけれども、先ほど述べたように、学校では給食の時間において児童生徒に望ましい食習慣や正しい食べ方を身につけさせていく必要があります。各学校の先生方が事故防止に配慮しつつ、児童生徒に日常生活における食事について正しく理解させ、食事の際の箸の使い方や食べ方を身につけさせていただくためには、給食時に先生方が指導する時間、また児童生徒がよくかんで食べる時間が十分に確保される必要があります。  それでは、適切な給食時間についてどのように示されているのか、お答えください。 141 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 給食時間をどの程度確保すべきか、具体的な時間は示されておりません。文部科学省の食に関する指導の手引第二次改訂版によりますと、給食の時間の設定に当たっては、指導の時間を含め、ゆとりを持って当番活動や会食ができるよう、時間の確保に努める必要があるとされております。各学校では、給食の時間に行われる食に関する指導に必要な時間等を勘案し、それぞれが置かれている状況に応じて給食時間の設定をしているのが実態でございます。 142 ◯板橋 聡委員 給食時間については各学校の置かれている状況に応じて設定されているということですけれども、県内の小学校が設定している給食時間が実際どの程度なのか、また、給食時間のうち給食を食べ始めてから食べ終わるまでの時間、いわゆる喫食時間が短いと早食いしなければいけなくなるわけですね。こういったものが小学校低学年ではどの程度取られているのかをお聞かせください。 143 ◯中野教育庁体育スポーツ健康課長 県内の公立学校を対象に当課が例年実施しております食に関する指導等の状況調査の結果によりますと、小学校の給食時間は四十五分が全体の七五・八%と最も多く、次いで四十分が全体の一九・九%となっております。  また、喫食時間につきましては、小学校低学年では二十分以上が全体の七九・九%と最も多く、次いで十五分から二十分が全体の一八・六%となっております。 144 ◯板橋 聡委員 各学校における状況によって若干の差はあるようですけれども、小学校低学年の喫食時間は約八割の学校が二十分以上ということでありました。しかし、今回の事件が発生した後、私のところにいろんなお話が来まして聞き及んでいる限りでは、相当数の保護者あるいはお子さんから、給食時間がとにかく短いから慌てて食べなければいけないと、遊びに行きたいということもあったりするのかもしれませんけれども、そういう声が多かったです。県教育委員会のこの調査結果とは若干実態が乖離しているような感じがします。この点、聞き取りの仕方も含めて、実態をよく確認をしていただきたいなと思っております。よろしくお願いします。  給食事故と給食時間の因果関係はまだよく分かっておりませんけれども、そしゃくや嚥下の能力がまだまだ低いと思われる低学年の児童、特に歯が抜けたりする時期でございます。しっかりとよくかんで給食を食べてもらうためにも、状況により十分な喫食時間の確保がもし見込めない場合には、配膳時のサポートを大人や違う方が行うなど、各学校の状況に応じて喫食時間の確保に取り組むよう、市町村教育委員会等に対して促していただきたいと思います。  それでは最後に、安全・安心な学校給食の実施に向けた副教育長の決意をお聞かせください。 145 ◯桐明和久委員長 上田副教育長。 146 ◯上田教育庁副教育長 まず、このたびの事故によりまして貴い命が失われましたこと、大変残念に思います。お亡くなりになったお子様の御家族、そして関係の皆様に心からお悔やみを申し上げます。  ただいま御質問のありました安全・安心な学校給食を実施するためには、各学校において給食の際に想定されるリスクへの対策が十分に講じられている必要があります。このため、県教育委員会としましては、事故の未然防止や発生した際の対処といったリスクマネジメントを各学校がしっかりと行うこと、またそれと併せまして、ゆとりを持って落ち着いて給食を食べることができるよう、適切な給食時間の確保につきましても市町村教育委員会や学校に対して指導、助言を行ってまいります。  また、学校給食において児童生徒が身につけました正しい食べ方は生涯にわたって生かされていくものでありまして、誤嚥防止にもつながると考えられます。今後、こういった観点につきましても、管理職研修会などにおいて周知を図ってまいります。 147 ◯板橋 聡委員 終わります。(拍手) 148 ◯桐明和久委員長 この際しばらく休憩いたします。再開は午後五時五十分といたします。    午 後 五 時 三 十 七 分 休 憩    午 後 五 時 五 十 分 再 開      〔正副委員長交代〕 149 ◯渡辺美穂副委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  十款教育費について、ほかに質疑はありませんか。塩出麻里子委員。 150 ◯塩出麻里子委員 公明党の塩出麻里子でございます。私立高校のキャリア教育の推進について質問いたします。  先日、私の母校であります九州国際大学付属高校の進路部の先生と意見交換する機会がございました。同校では保育体験プログラムとして、高校一年生から三年生全生徒を対象に、希望者で三日間の保育士仕事体験を独自に取り組んでいます。このプログラムの目的は、必ずしも保育士を目指す生徒だけではなく、保育に関わる職業体験を通して自己の視野を広げ、進路選択の材料とするために開催をされています。普通科に通い、ほとんどの生徒が進学を希望する中で、自分がどの分野に進んでいきたいのか、その先にどのような職業があるのかを企業訪問や職場体験を通して学んでおくことは、進路選択の際の貴重な判断材料となるため、様々な職種に触れさせてあげたいという進路部の先生の思いで進められているキャリア教育です。  しかし、私立高校のため、ほかの学校のキャリア教育がどのように進められているのかという情報がなかなか入ってこず、企業訪問や職場体験を実施する際には、先生方が学校近隣の保育園や企業に直接お願いをしているとのことです。通常の授業を受け持ちながら企業開拓をしていくため教師の負担はもちろん増えますが、生徒のためという先生の思いだけで持続をされております。  そこでまず、高校教育課に県立高校におけるキャリア教育についてお尋ねします。  令和五年度福岡県教育施策実施計画によると、現在、教育委員会では、キャリア教育、職業教育の推進として公立小中高等学校の各段階において、地元の企業、経済団体と連携した教育を通して、子供の発達段階に応じた勤労感、職業感を育み、自立した生き方を考えるようにするためのキャリア教育を推進されていると承知をしています。  そこでまず、地元企業、経済団体と連携したキャリア教育の推進に向け、教育委員会として具体的な取組を行っているのか、教えてください。 151 ◯渡辺美穂副委員長 馬渡高校教育課長。 152 ◯馬渡教育庁高校教育課長 県教育委員会では、福岡経済同友会と協定を結び、県立高校において実施するキャリア教育、職業教育の推進のための講演会に企業経営者等を派遣していただいています。また、産業界の動向や高度な知識、技術について生徒が直接指導を受けられるよう、地元企業等で活躍する人材を講師として専門高校等に招聘しているほか、企業団体と連携して教員を対象とした地元企業との情報交換会を実施しております。 153 ◯塩出麻里子委員 県教委として、経済団体と連携したキャリア教育に取り組まれていることが分かりました。  次に、私立高校の取組について、私学振興課にお尋ねいたします。  ここで、県内の私立高校におけるキャリア教育の取組について、あらかじめ資料要求を行っておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 154 ◯渡辺美穂副委員長 お諮りいたします。  ただいま塩出委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 155 ◯渡辺美穂副委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま塩出委員から要求がありました資料については提出できますか。永渕私学振興課長。 156 ◯永渕私学振興課長 直ちに提出いたします。 157 ◯渡辺美穂副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 158 ◯渡辺美穂副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 159 ◯渡辺美穂副委員長 資料が配付されましたので、塩出委員、質疑を行ってください。 160 ◯塩出麻里子委員 それでは、資料を基に御説明をお願いいたします。 161 ◯永渕私学振興課長 まず、一の職場体験企業訪問、講師招聘を行っている学校数についてでございます。県内には私立高校が六十校ございます。このうち、職場体験、企業訪問、講師招聘、これら全てを実施している学校は十七校、職場体験と企業訪問を実施している学校は四校、職場体験と講師招聘を実施している学校は五校、企業訪問と講師招聘を実施している学校は九校、職場体験のみを実施している学校は一校、企業訪問のみを実施している学校は六校、講師招聘のみを実施している学校は十八校ございまして、六十校全てにおいてキャリア教育が行われております。  二の主なキャリア教育の内容についてでございます。(一)の職場体験としましては、自動車生産工場において工場見学や部品組立て体験などが行われております。(二)の企業訪問としましては、北九州商工会議所や福岡商工会議所が就職情報提供の大手企業と連携して実施している地元企業の会社訪問プログラムに参加する取組などが行われております。(三)の講師招聘としましては、地元製造業の熟練技術者によるものづくりの心構えに関する講演の受講などが行われております。  以上でございます。 162 ◯塩出麻里子委員 全ての高校で何らかのキャリア教育が実施され、職場体験等についても多くの学校で実施されていることが分かりました。  それでは、これらの私立立高校では、体験教育等のキャリア教育に取り組むに当たり、企業とのつながりを主にどうつくっているのか、教えてください。 163 ◯永渕私学振興課長 多くの私立高校では、理事長や校長などの学校経営者や同窓会組織、あるいは卒業生との関わりのある企業に依頼するなど、それぞれの学校関係者の人的ネットワークを活用して開拓し、企業とのつながりをつくられております。  また、先ほど申し上げました商工会議所が実施しておりますプログラムのように、経済団体や地元商工団体を介して企業とつながる学校もございます。 164 ◯塩出麻里子委員 様々な方法でキャリア教育の連携先の企業を開拓していることが分かりました。しかし、先ほど述べましたとおり、連携先の企業とのつながりをつくることに苦労している学校もあります。県として私立高校のキャリア教育に関する支援はどのようになっているのか、教えてください。 165 ◯永渕私学振興課長 県では、私立高校に対する経常費補助金制度に加算メニューを設けておりまして、多様な職業体験の実施、あるいは地域産業や経済界と連携したものづくり教育を実践している学校に対して三十万円、実務経験を有する社会人が非常勤講師となり授業を行っている学校に対して六十万円を通常の経常費補助金に上乗せすることで、キャリア教育に関する取組を支援しております。  また、県庁で一週間の職場体験を行う県庁私立高校生インターンシップを実施しているところでございます。今年度は、七月と八月に合計十四人の私立高校生が、県庁各課でイベントや会議の運営補助、調査の集計などを体験しました。さらに、本県の基幹産業でございます自動車産業をはじめ、ものづくりに携わる人材を育成するため、県支援の下、私立高校が会員となっております福岡県私学協会においてものづくり人材育成事業を実施し、その中で職場体験や企業による出前授業を行っております。 166 ◯塩出麻里子委員 私立高等学校のキャリア教育に対して、県が様々な支援を行っていることは分かりました。しかし、各学校現場で教員の個々の努力に担われているところが大きく、負担を感じている教員もいます。
     そこで、高校生のキャリア教育について、私立高校での具体的な取組や企業訪問、職場体験等が可能な企業の情報を共有できるような仕組みを県がつくれないかと考えますが、いかがでしょうか。 167 ◯永渕私学振興課長 私立学校では、それぞれの建学の精神に基づき特色ある教育を展開されており、県は各私立学校の自主性を尊重しつつ、その振興に努めているところでございます。  各私立高校では、それぞれの教育方針や設置している学科に沿ってどういったキャリア教育を行うのかを考え工夫し、対象となる企業を開拓しております。各私立高校が独自性を発揮し、魅力を高めるために、切磋琢磨しながら実施されているキャリア教育の内容や企業情報を共有することは、こうした私立学校の特性に照らし合わせるとなじまないものと考えております。また、私立学校の相互協力のための組織である県私学協会からも、そうした要望は今のところ受けておりません。  一方で、先ほど申し上げましたように、既に商工会議所と大手民間企業が、地元企業を受入先とした高校生のための会社訪問プログラムを実施しており、各私立学校はそれぞれの判断でこうした仕組みを活用しております。県としましては、引き続き経常費補助金の加算をはじめとした私立高校に対するキャリア教育支援を行いながら、私立学校の自主的な取組を支援してまいります。 168 ◯塩出麻里子委員 ありがとうございます。  最後に、今後のキャリア教育のなお一層の推進について、局長の御決意をお願いいたします。 169 ◯渡辺美穂副委員長 縣私学振興・青少年育成局長。 170 ◯縣私学振興青少年育成局長 将来、予測困難な時代を生きる今の高校生が社会と関わる中で、自らの役割や価値を見いだし、社会人、職業人として自立していくためには、その基盤となる能力や態度を育成するキャリア教育が重要でございます。  私立学校においては、生徒一人一人のキャリアの発達を促すため、各校がその特色や人的な資源を生かし、互いに切磋琢磨しながら独自の教育を展開しております。県としては、引き続き各校の自主性を尊重しながら、着実にキャリア教育が推進できるよう支援してまいります。 171 ◯塩出麻里子委員 自主性を尊重しながら支援していくという御答弁でありました。  私立学校ですので各校の独自性を尊重するということは十分に理解をしておりますが、今後、私立学校から個別にキャリア教育についての相談や問合せがあった場合には、どうか生徒が少しでも多様な職種に触れていけるよう幅広い情報提供を御要望申し上げ、質問を終わります。ありがとうございます。(拍手) 172 ◯渡辺美穂副委員長 ほかに質疑はありませんか。宮川宗一郎委員。 173 ◯宮川宗一郎委員 自民党県議団の宮川宗一郎です。  質問に入りますが、令和六年度当初予算において、県立高校の金融リテラシー教育推進費が重点施策として新規に加わりました。二〇二二年四月から、国が高等学校の教育内容の基準を定めた学習指導要領が改訂され、金融教育に関する内容が充実しました。このことによって全国の高校で金融リテラシーを身につけるための金融経済教育が広がりました。  そもそも金融リテラシーとは、よりよい生活を送るためにお金に関する必要な知識や判断力を身につけることです。私たちは人生において様々な場面で、金融や経済に関する詳細な情報や知識に基づいた判断が必要とされる機会が増えております。そのような場面で適切に判断を行うためにも、金融リテラシーを育むことはとても重要です。また、国際金融都市の実現を目指す福岡県においても、金融リテラシーのある人材を育成するのは重要であると考えております。そのことから本事業については大変期待しており、事業を開始するからには県立高校に通う子供たちにとって有益な教育でなければならないと私は考えております。  そこでまず、金融リテラシーに関する本県の現状について資料を要求したいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願いします。 174 ◯渡辺美穂副委員長 お諮りいたします。  ただいま宮川委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 175 ◯渡辺美穂副委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま宮川委員から要求がありました資料については提出できますか。馬渡高校教育課長。 176 ◯馬渡教育庁高校教育課長 直ちに提出いたします。 177 ◯渡辺美穂副委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 178 ◯渡辺美穂副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 179 ◯渡辺美穂副委員長 資料が配付されましたので、宮川委員、質疑を行ってください。 180 ◯宮川宗一郎委員 では、資料の説明をお願いします。 181 ◯馬渡教育庁高校教育課長 本資料は、金融広報中央委員会が二〇二二年に行った金融リテラシー調査の結果であり、福岡県では約千二百人が回答しております。  本県と全国を比較すると、全てのカテゴリーで正答率が低く、また前回調査では二十五位のところ、二〇二二年の調査では三十九位と順位も後退しております。  年代別正答率を見ると、若年層ほど正答率が低いのは全国と同じ傾向であり、本県の十八歳から二十九歳の順位は三十三位となっております。 182 ◯宮川宗一郎委員 本県の金融リテラシーが低い水準であることが分かりました。  それでは、今回の新規事業である県立高校金融リテラシー教育推進費を立案するに至った背景についてお答えください。 183 ◯馬渡教育庁高校教育課長 国際金融機能を担う都市を目指す本県において、金融人材の育成は一層重要になると認識をしております。このため、自己の将来を見据えて金融リテラシーを身につけるとともに、将来の金融経済を支える人材を育成する観点から、県立高校において金融に関する授業の充実をはじめ、より実践的で質の高い金融教育を行うため本事業を立案いたしました。 184 ◯宮川宗一郎委員 そのような背景から立案するに至ったということで、県民の金融リテラシーの向上のために学校の授業を充実させていくことがとても重要だと思います。今回の新規事業では、授業改善のためにどのような取組を予定しているのか、御説明ください。 185 ◯馬渡教育庁高校教育課長 本事業では、金融に精通した外部人材としてファイナンシャルプランナー等を全ての県立高校に派遣して出前講座を行い、金融経済に関する授業の充実を図ることとしております。 186 ◯宮川宗一郎委員 それでは、ファイナンシャルプランナー等を活用した授業として、具体的にどのような授業を考えているのでしょうか。 187 ◯馬渡教育庁高校教育課長 高校においては、従来から家庭科の授業では、ライフステージを考えた計画的な家計管理や資産形成、経済的なリスクへの備え等について学んでおり、公民科の授業では、経済の仕組みや金融機関、消費者契約等について学んでおります。  本事業においては、株式、債券、投資信託など、専門性の高い内容についてより深く学べるよう、出前講座によりワークシートを活用するなど、生徒が実践的に学べるよう工夫したいと考えております。 188 ◯宮川宗一郎委員 それでは次に、本事業ではどのような効果を期待しているのか、御説明ください。 189 ◯馬渡教育庁高校教育課長 本事業は、専門人材を活用した授業を通じて、生徒が社会経済情勢や金融の仕組みを学び、自らの家計管理や生活設計などについて深く考え、持続可能な消費生活に向けて、将来を見通しながら自主的かつ合理的に商品やサービスを選択し、資産を形成するための力を身につけることを狙いとしております。これにより県立高校の生徒が国際金融機能を担う都市を目指す福岡において将来の金融経済を支える人材となることを期待しております。 190 ◯宮川宗一郎委員 効果の内容については、理解いたしました。実際に学習指導要領の中に明記されて、金融経済教育が全国的に広まっている中において、福岡県としてもいち早く取り組んでおられるかとは思います。しかしながら、昨今の金融ニーズというのは非常に高く、偽電話詐欺など金銭に係る犯罪も急速に増加しました。  国内の教育は現在過渡期とは思いますが、金融教育の先進国とされるアメリカでは、一九六〇年代には既に学校における消費者教育はスタートしておりまして、早い段階から自立を促す実践的な教育がカリキュラムに組み込まれてきました。また高校では、クレジット教育に加えて投資教育も実施したりするなど金融教育が盛んに展開されており、お金という存在をより身近に感じさせるよう教育に工夫がなされております。そのような中で、より実践的かつ効果的に金融リテラシーを身につけるには、生徒がお金の運用について、株式投資などを利用したシミュレーションなどを行う機会があると、お金の運用だけでなく各企業についても学ぶことができ間接的に職業見学にもなるため、一石二鳥だと思っております。  高校生が外部専門人材から学んだ内容、得た知識を活用する機会をつくるべきだと考えますが、取組方針を伺います。 191 ◯馬渡教育庁高校教育課長 今回の金融リテラシー教育推進事業におきましては、専門人材の活用に加え、オンライン上のプラットフォームを構築し、一人一台端末で活用できる資産形成シミュレーター等の学習コンテンツの集約を行う予定です。こうした学習コンテンツについて、専門人材による出前講座の後の授業や自宅学習での活用を促進したいと考えております。  また、知識の定着や活用を図る取組としまして、専門人材から得た知識を活用してディベートを行ったり、それぞれの生徒が関心を持った分野についてより深く研究したりするなどの活動が考えられるため、このような取組例につきましても各学校に対し積極的に周知をしてまいります。 192 ◯宮川宗一郎委員 今後の取組に期待したいと思います。  さて、金融リテラシーに関する海外調査との比較を見ますと、金融広報中央委員会がまとめた金融リテラシー調査の報告書においては、米国の調査とOECDという経済協力開発機構の調査との比較が述べられております。これによれば、二〇一九年調査時において日本は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのような主要先進国に比べると、金融リテラシーに関する知識、行動の両面で下回っておりました。二〇二二年の調査時においてはその開きは狭まってはおりますが、国際金融都市福岡を目指す上では、やはり若年層のうちから金融リテラシー教育について積極的に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで最後に、実生活に根差し、より身近な学習として金融リテラシーを身につけさせるために、本事業の推進について、副教育長の決意をお答えください。 193 ◯渡辺美穂副委員長 上田副教育長。 194 ◯上田教育庁副教育長 高校教育の期間は、卒業後に就職するか、あるいは進学するかにかかわらず、社会人として自立するための基礎的な能力を養う時期にあります。そういった時期に金融や経済が個人の生活に深く関係することを理解するとともに、金融取引等について自ら情報を収集し活用できる技能を身につけることは、非常に重要であると考えます。そのため、全ての県立高校へ外部専門人材を派遣するという、全国的にも先進的な事業に係る予算をお願いしているところでございます。  こういった取組を通して、生徒が生涯を見通して経済を管理するなど自立して生活していくための力を育むと同時に、国際金融都市福岡に貢献できる人材の育成に取り組んでまいります。 195 ◯宮川宗一郎委員 終わります。(拍手) 196 ◯渡辺美穂副委員長 ほかに質疑はありませんか。永島弘通委員。 197 ◯永島弘通委員 公明党の永島弘通でございます。通告に従いまして、子供を性被害から守る学校での取組について質問をいたします。  性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、決して許されるものではございません。福岡県警のホームページに掲載されております本県の性被害の状況によると、被害者のうち高校生以下の割合は、令和五年は不同意性交等で三二・五%、不同意わいせつで三九・七%、令和六年は一月末の暫定値ではございますが、不同意性交等は五〇%、不同意わいせつで五七・七%と驚くべき状況です。  国では様々な対策に取り組んでおりますが、依然、弱い立場の女性や子供が性犯罪・性暴力に遭う事案が全国で後を絶ちません。とりわけ子供への性犯罪・性暴力は、被害に遭った当事者の心身に長期にわたって深刻な影響を及ぼす極めて悪質な行為です。また、被害に遭ってもそれを性被害と認識できないケースや、声を上げることができずに適切な支援を受けることが難しいケースがあるなどの課題も指摘をされております。  こうした状況の中、文科省では、子供を性暴力の当事者にしないための生命の安全教育を推進しております。これは、子供を性被害から守る取組には学校教育も欠かせないという認識の下に、文科省が推進しているものと考えます。  そこでお伺いをいたします。本県の公立小学校、中学校、県立学校におきまして、子供を性被害から守る教育がどのくらい実施をされているのか、お答えください。 198 ◯渡辺美穂副委員長 中嶋義務教育課長。 199 ◯中嶋教育庁義務教育課長 昨年度に文部科学省が行った学校の安全の推進に関する計画に係る取組状況調査において、一昨年度に学校で実施した安全教育の内容のうち、政令市を除く本県の公立小学校で性犯罪・性暴力防止を回答した学校の割合は、政令市を除く本県公立の小学校で約七割、中学校で約八割、県立の高校で約九割、特別支援学校で五割でございました。 200 ◯永島弘通委員 続きまして、性被害から子供を守る教育は、発達段階の早期に実施することが特に重要だと考えます。小学校、中学校では、具体的にどのように取り組まれているのか、お答えください。 201 ◯中嶋教育庁義務教育課長 本県では、平成三十一年にいわゆる福岡県性暴力根絶条例が制定され、条例に基づき人づくり・県民生活部において、性暴力根絶と性暴力被害者支援に関する総合的な教育を行う性暴力対策アドバイザー派遣事業が実施されているところでございます。  県教育委員会は、この派遣事業により、公立の小学校、中学校及び県立高校の全ての児童生徒が、各在籍期間中に一回ずつアドバイザーによる性暴力根絶に向けた特別授業を受講できるようにしております。  このほかにも、特別活動の授業において文部科学省が作成した命の安全教育教材を活用することや、保護者と学ぶ児童生徒の規範意識育成事業の学習内容で性暴力防止を取り扱うことなど、性暴力の加害者にも被害者にも傍観者にもならないための学習が行われております。 202 ◯永島弘通委員 本県では、二十四時間三百六十五日相談が可能な性暴力被害者支援センター・ふくおかで、子供からの相談に対応するため、令和二年度から子供の性被害の対応に熟慮した心理職を配置し、相談体制を強化をしております。  そこでお伺いをいたします。県教育委員会は、子供たちの様々な不安や悩みに応じた相談窓口一覧を作成されておられますが、その中に性暴力被害者支援センター・ふくおかを追記し、子供たちへ周知してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 203 ◯中嶋教育庁義務教育課長 県教育委員会では、児童生徒の悩みや不安の種類に応じて関連する相談窓口をまとめたリーフレットを作成し、学校を通じ児童生徒へ配布しております。また、児童生徒に配備された一人一台端末からも、リーフレットと同様の相談窓口を掲載している本県のホームページが表示できるようにもしております。  性暴力被害者支援センター・ふくおかについても、このリーフレットに追記し、児童生徒が様々な悩みを迷うことなく相談できるよう、できるだけ多くの種類の窓口を分かりやすくリーフレットに掲載し、周知を図ってまいります。 204 ◯永島弘通委員 さて、子供の性被害の中には、あろうことか、教職員が加害者となる事案も残念ながら現実に起こっております。本県でも昨年十二月、県立高校勤務の教職員が自校の生徒にわいせつ行為を行い、懲戒免職に付されるという事案がございました。もちろん、こうした教職員はごく一部でありまして、ほとんどの教職員の皆様は日々懸命に真摯に子供と向き合い、教育活動に取り組まれていることは承知をしておりますが、本来、子供を守るべき立場の教職員が性暴力の加害者となることは決してあってはならず、看過できない問題でございます。  現在、国では、子供と接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認、制限する制度、いわゆる日本版DBSの導入に向けた法案が今国会に提出をされ、性暴力防止に関する法整備が加速していることから、本県でも教員による性暴力を根絶するための取組の充実が必要と考えます。  そこでお伺いをいたします。教職員による児童生徒への性暴力を二度と発生させないために、本県ではどのような再発防止策に取り組んでいかれるのか、お答えください。 205 ◯渡辺美穂副委員長 日高教職員課長。 206 ◯日高教育庁教職員課長 教職員による児童生徒への性暴力を防止するため、校長による全教職員との面談や、モデル事例を用いまして、その背景や特徴、事案発生時の対応等について共通理解を図るための参加型の研修などを実施しております。また、密室での児童生徒と二人きりでの指導や自家用車への同乗、指導の際の不適切な身体接触、SNS等による私的なやり取りなど、性暴力につながるおそれのある行為の禁止につきまして、繰り返し指導をしております。  さらに、教職員から性暴力を受けた場合の通報窓口を周知するチラシを児童生徒及び保護者に配布いたしますとともに、学校生活アンケートに教職員による性暴力やSNS等による私的なやり取りに関する質問を設けるなど、未然防止と早期発見の取組を強化したところでございます。  今後とも教職員による児童生徒への性暴力の再発防止に向け、こうした取組の徹底を図ってまいります。 207 ◯永島弘通委員 最後に要望です。子供、大人にかかわらず、性被害は人としての尊厳を傷つけ、心身に深刻な影響を及ぼし、その後の人生にも甚大な影響を与えるため、早い段階からの相談支援の関わりが大変重要になってまいります。国も令和五年度から七年度の三年間を性犯罪・性暴力対策のさらなる集中強化期間と定め、取組を強化しております。本県におかれましても、毎年四月の若年層の性暴力被害予防月間の機会も活用していただき、子供を性被害から守る対策のさらなる強化を要望して質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 208 ◯渡辺美穂副委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 209 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、以上で波多江委員の教育長保留質疑を残し、十款教育費に関する質疑を終わります。  次に、十一款災害復旧費について順次説明を求めます。重吉農林水産部長。 210 ◯重吉農林水産部長 それでは、十一款災害復旧費のうち、農林水産部所管について説明いたします。お手元の令和六年度予算に関する説明書の三百九十三ページをお願いいたします。  一項農林水産施設災害復旧費でございます。その主なものは、一目耕地災害復旧費の右側説明欄上から二番目の団体営事業費でございます。これは農地農業用施設の災害復旧を行うものでございます。合計は、三百九十五ページになりますが、計の欄六十三億一千六百万円余をお願いしております。  以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 211 ◯渡辺美穂副委員長 馬渡県土整備部長。 212 ◯馬渡県土整備部長 続きまして、十一款災害復旧費のうち県土整備部所管分について御説明をいたします。資料は同じく令和六年度予算に関する説明書の三百九十五ページをお願いいたします。  二項土木施設災害復旧費でございます。その主なものは、三百九十七ページ目の二目河川等災害復旧費の右側説明欄の上から二番目、令和五年災害土木施設費でございます。これは令和五年災害に係る公共土木施設の復旧を行うものでございます。合計は九十二億五千二百万円余をお願いをしております。  十一款の県土整備部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 213 ◯渡辺美穂副委員長 岡村警察本部総務部長。 214 ◯岡村警察本部総務部長 それでは、十一款災害復旧費のうち警察本部所管分について御説明をいたします。同じく令和六年度予算に関する説明書の三百九十七ページ及び三百九十八ページをお願いいたします。  三項庁舎等災害復旧費についてであります。これは、五年七月豪雨に係りますうきは警察署竹野駐在所の建設を行うものでありまして、六千八百万円余をお願いしております。  十一款警察本部所管分の説明は以上であります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 215 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 216 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第十一款災害復旧費に関する質疑を終わります。  次に、十二款公債費から十四款予備費までの三件について説明を求めます。福田財政課長。 217 ◯福田財政課長 予算に関する説明書の四百一ページをお願いいたします。  十二款一項公債費でございます。主なものは県債の元金や利子でございます。総額は計欄のとおり二千四百七十一億七千万円余をお願いしております。  続きまして四百五ページをお願いいたします。  十三款一項利子割交付金等でございます。主なものは七目の地方消費税清算金でございまして、総額は、計欄のとおり四千百八億八千八百万円余をお願いしております。
     続きまして、四百九ページをお願いいたします。  十四款一項予備費でございます。年度途中で損害賠償や災害の発生など不測の事態に機動的に対応するために、二億円を計上しております。  説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 218 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 219 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第十二款公債費から第十四款予備費までの質疑を終わります。  次に、第二条債務負担行為について説明を求めます。中村総務部長。 220 ◯中村総務部長 それでは、一般会計予算議案の第二条債務負担行為関係について御説明いたします。引き続き説明書の四百三十七ページをお願いいたします。  この四百三十七ページから、ページをめくっていただきまして四百四十三ページまでにかけまして、債務を負担することができる事項、期間及び限度額等を掲げております。この調書のとおりにお願いするものでございます。  以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 221 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 222 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第二条債務負担行為の質疑を終わります。  次に、第三条地方債から第五条歳出予算の流用までの三件について説明を求めます。福田財政課長。 223 ◯福田財政課長 それでは、お手元の福岡県議会定例会議案その一の一ページをお願いいたします。  まず、令和六年度一般会計予算の第三条地方債を御説明申し上げます。その内容につきましては、恐れ入りますが十九ページをお願いします。  第三表地方債でございます。この表は、起債の目的ごとにその限度額や起債の方法等を定めるものでございます。一枚おめくりいただきまして、下の二十一ページ計欄のとおり、限度額の合計は千六百二十二億二千五百万余となっております。  恐れ入ります。一ページ目を再度お開き願います。  次に、第四条の一時借入金でございます。これは、県の歳計現金の資金繰りにおける一時的な不足に対応するため、資金借入れの限度額を定めるものでございます。令和五年度と同額の三千億円をお願いしております。  次に、ページを一枚おめくりいただきまして、二ページをお願いいたします。  第五条歳出予算の流用でございます。地方自治法の規定によりまして歳出予算の経費の各項の金額を流用することができる場合を定めるものでございます。  説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 224 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 225 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第三条地方債から第五条歳出予算の流用までの三件の質疑を終わります。  以上で、第一号議案「令和六年度福岡県一般会計予算」の質疑を終わります。  次に、第二号議案「令和六年度福岡県財政調整基金特別会計予算」及び第三号議案「令和六年度福岡県公債管理特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。福田財政課長。 226 ◯福田財政課長 第二号議案令和六年度福岡県財政調整基金特別会計予算について御説明申し上げます。説明書の四百七十五ページをお願いいたします。  この会計は、財政調整基金の運用益の管理を行うものでございまして、お示ししておりますとおり、運用利息収入が一千七百万余でございます。この利息収入につきまして、そのまま財政調整基金に積み立てるものでございます。  続きまして、一枚おめくりいただきまして、四百七十七ページをお願いいたします。  第三号議案令和六年度福岡県公債管理特別会計予算について御説明申し上げます。  この会計は、公債費の執行につきまして一般会計と別に経理するものでございまして、一般会計や減債基金からの繰入金等により県債の元利償還等を行うものでございます。歳入歳出ともに五千二百五十六億一千万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 227 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 228 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第二号議案及び第三号議案の質疑を終わります。  次に、第四号議案「令和六年度福岡県市町村振興基金特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。中島企画・地域振興部長。 229 ◯中島企画・地域振興部長 第四号議案福岡県市町村振興基金特別会計について御説明申し上げます。資料は同じ資料で二枚ほどおめくりいただいて、四百八十一ページをお願いいたします。四百八十一ページでございます。一の総括により御説明をさせていただきます。  この会計は、市町村振興基金による貸付金の利子収入及び運用益収入を一般会計へ繰り出すためのものでございます。歳入歳出ともに二千二百万円余となっております。  説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 230 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 231 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第四号議案の質疑を終わります。  次に、第五号議案「令和六年度福岡県国民健康保険特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。白石保健医療介護部長。 232 ◯白石保健医療介護部長 それでは、第五号議案令和六年度福岡県国民健康保険特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。同じ資料でございます。四百八十五ページをお願いいたします。総括の表により御説明をさせていただきます。  この会計は、市町村からの納付金や国からの負担金等を財源に、市町村に対する保険給付に必要な費用の交付等を行うものでございます。歳入及び次の四百八十六ページから四百八十七ページまでの歳出それぞれ、四千五百七十億二千四百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いします。 233 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 234 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第五号議案の質疑を終わります。  次に、第六号議案「令和六年度福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」及び第七号議案「令和六年度福岡県災害救助基金特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。徳永福祉労働部長。 235 ◯徳永福祉労働部長 令和六年度福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算について御説明いたします。引き続き同じ資料の五百九ページをお願いいたします。総括表により御説明いたします。  この会計は一人親世帯等に対する就学資金、就職支度資金、生活資金などの貸付等を行うためのものでございまして、歳入歳出それぞれ四億三千三百万円余をお願いしております。  続きまして、五百十五ページをお願いいたします。  令和六年度福岡県災害救助基金特別会計予算について御説明いたします。総括表により御説明いたします。  この会計は、災害救助法に基づき、令和六年度中に生じます当基金の運用益を積み立て、救助費用の財源とするものでございまして、歳入歳出それぞれ七十二万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 236 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 237 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第六号議案及び第七号議案の質疑を終わります。  次に、第八号議案「令和六年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計予算」から第一一号議案「令和六年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算」までの四件を議題といたします。これらについて説明を求めます。重吉農林水産部長。 238 ◯重吉農林水産部長 それでは、令和六年度予算に関する説明書の五百十七ページをお願いいたします。第八号議案令和六年度福岡県就農支援資金貸付事業特別会計予算について説明いたします。  この事業は、農業経営を開始するために貸し付けた資金の管理・回収を行うものでございます。令和六年度は歳入歳出ともに二千九百万円余をお願いしております。  続きまして、ページが飛びまして、五百二十三ページをお願いいたします。  第九号議案令和六年度福岡県県営林造成事業特別会計予算について説明いたします。  この事業は、県土の保全及び森林資源の造成を図ることを目的に、県営林の経営を行うものでございます。令和六年度は歳入歳出ともに三億一千四百万円余をお願いしております。  続きまして、ページが飛びまして、五百四十一ページをお願いいたします。  第一〇号議案令和六年度福岡県林業改善資金助成事業特別会計予算について説明いたします。  この事業は、林業者や木材産業事業者が必要な機材などを購入する場合に無利子の貸付けを行うものでございます。令和六年度は歳入歳出ともに八千九百万円余をお願いしております。  続きまして、五百四十五ページをお願いいたします。  第一一号議案令和六年度福岡県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算について説明いたします。  この事業は、漁業者が漁船などを購入する場合に無利子の貸付けを行うものでございます。令和六年度は歳入歳出ともに六千百万円余をお願いしております。  以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 239 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 240 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第八号議案から第一一号議案までの質疑を終わります。  次に、第一二号議案「令和六年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。見雪商工部長。 241 ◯見雪商工部長 第一二号議案令和六年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算について御説明申し上げます。お手元の令和六年度予算に関する説明書の五百四十九ページをお願いいたします。  この事業は、中小企業者に対しまして高度化資金の貸付け等を行うものでございます。令和六年度の歳入、そして次の五百五十ページの歳出、それぞれ三億九千四百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 242 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 243 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第一二号議案の質疑を終わります。  次に、第一三号議案「令和六年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計予算」及び第一四号議案「令和六年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算」の二件を議題といたします。これらについて説明を求めます。馬渡県土整備部長。 244 ◯馬渡県土整備部長 それでは、第一三号議案令和六年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計予算について御説明をいたします。同じ資料の令和六年度予算に関する説明書の五百五十九ページをお願いいたします。総括表により御説明をいたします。  これは土地開発基金の運用益を積み立てるものでございまして、歳入歳出ともに二十万円余をお願いしております。  続きまして、五百六十一ページをお願いいたします。第一四号議案令和六年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算でございます。総括表により御説明をいたします。  こちらは苅田港ほか三港湾の整備運営などに要する経費でございまして、歳入歳出ともに百三十四億五千九百万円余をお願いをしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 245 ◯渡辺美穂副委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 246 ◯渡辺美穂副委員長 ないようですので、第一三号議案及び第一四号議案の質疑を終わります。  次に、第一五号議案「令和六年度福岡県住宅管理特別会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。永山建築都市部長。 247 ◯永山建築都市部長 それでは、第一五号議案の令和六年度福岡県住宅管理特別会計予算について御説明をいたします。令和六年度予算に関する説明書の五百八十一ページをお願いいたします。総括表で説明させていただきます。  県営住宅の維持管理に要する経費につきまして、歳入及び歳出それぞれの合計の欄に記載しておりますとおり六十八億四千三百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。      〔正副委員長交代〕 248 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 249 ◯桐明和久委員長 ないようですので、第一五号議案の質疑を終わります。
     次に、第一六号議案「令和六年度福岡県病院事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。白石保健医療介護部長。 250 ◯白石保健医療介護部長 それでは、第一六号議案令和六年度福岡県病院事業会計予算につきまして御説明申し上げます。引き続き、六百二ページをお願いいたします。  令和六年度福岡県病院事業会計予算実施計画、収益的収入及び支出でございます。まず、収入でございますが、表の一行目、総額で二十七億四千六百万円余をお願いいたしております。この主なものは一項の医業収益で、太宰府病院の診療報酬収入等でございます。  次に、下のページに参りまして支出でございますが、表の一行目、総額で二十六億四千七百万円余をお願いいたしております。この主なものは一項の医業費用で、太宰府病院の運営経費でございまして、指定管理者に対する交付金等でございます。  次に、一枚おめくりいただきまして下のページ、六百五ページの資本的収入及び支出でございます。まず、収入でございますが、表の一行目、総額で四億四千二百万円余をお願いいたしております。この主なものは、太宰府病院の建設改良費の財源とするための企業債の発行による収入及び企業債の償還のために一般会計から繰り入れます負担金でございます。  次に、一枚おめくりいただきまして上のページ、六百六ページの支出でございますが、表の一行目、総額で六億九千六百万円余をお願いいたしております。この主なものは、太宰府病院の建設改良費及び病院建設事業等で発行いたしました企業債の元金の償還に要する経費でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 251 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 252 ◯桐明和久委員長 ないようですので、第一六号議案の質疑を終わります。  次に、第一七号議案「令和六年度福岡県流域下水道事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。永山建築都市部長。 253 ◯永山建築都市部長 それでは、第一七号議案の令和六年度福岡県流域下水道事業会計予算について御説明をいたします。同じ予算に関する説明書の六百三十二ページをお願いいたします。  令和六年度福岡県流域下水道事業会計予算実施計画の収益的収入及び支出でございます。まず、収入でございますが、表の一行目に記載のとおり、総額で二百一億二千六百万円余をお願いしております。その主なものは一項営業収益で、関係市町からの維持管理負担金でございます。  次の六百三十三ページをお願いいたします。支出でございますが、表の一行目に記載のとおり、総額で二百一億一千三百万円余をお願いしております。その主なものは一項営業費用で、下水道処理施設の維持管理等に要する経費でございます。  次の六百三十四ページをお願いいたします。資本的収入及び支出でございます。まず、収入でございますが、総額で表の一行目に記載のとおり百八億五千万円余をお願いしております。その主なものは三項国庫補助金で、下水道処理施設の建設の財源とするものでございます。  次の六百三十五ページをお願いいたします。支出でございますが、表の一行目に記載のとおり総額で百二十七億一千五百万円余をお願いしております。その主なものは一項建設改良費で、下水道処理施設の建設等に要する経費でございます。  次に、債務負担行為について御説明いたします。少し飛びまして、六百五十二ページをお願いいたします。  六百五十二ページから六百五十四ページにかけての調書に記載の事項のうち、六行目の御笠川那珂川流域下水道建設費をはじめ、右から三番目の欄、支払い義務発生期間が令和七年度となっております五事項で、合わせまして二十五億六千百万円余を新たにお願いするものでございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 254 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 255 ◯桐明和久委員長 ないようですので、第一七号議案の質疑を終わります。  次に、第一八号議案「令和六年度福岡県電気事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。山本企業局長。 256 ◯山本企業局長 それでは、第一八号議案につきまして御説明いたします。令和六年度予算に関する説明書の六百七十ページをお願いいたします。  令和六年度電気事業会計予算でございます。収益的収入及び支出の収入でございます。表の一行目、総額で五億六百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款電気事業収益一項営業収益で電気料でございます。  次の六百七十一ページをお願いいたします。支出でございます。表の一行目、総額で五億六百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款電気事業費一項営業費用で、事業運営に要する経費でございます。  次の六百七十二ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入でございますけれども、収入はございません。  次に、支出でございます。表の一行目、総額で三億三百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款資本的支出一項建設改良費で、発電設備の更新経費でございます。  恐れ入ります、少し飛びます。六百八十九ページをお願いいたします。表の下段でございますけれども、発電設備の更新事業におきまして、新たに債務負担行為といたしまして三千百万円余をお願いいたしております。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 257 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 258 ◯桐明和久委員長 ないようですので、第一八号議案の質疑を終わります。  次に、第一九号議案「令和六年度福岡県工業用水道事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。山本企業局長。 259 ◯山本企業局長 第一九号議案令和六年度工業用水道事業会計予算でございます。予算に関する説明書七百四ページをお願いいたします。  収益的収入及び支出の収入でございます。表の一行目、総額で二十四億一千五百万円余をお願いしております。その主なものといたしましては、一款工業用水道事業収益一項営業収益で、工業用水の給水による収入でございます。  次の七百五ページをお願いいたします。支出でございます。表の一行目、総額で二十一億三千七百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款工業用水道事業費一項営業費用で、事業運営に要する経費でございます。  次の七百六ページをお願いいたします。資本的収入及び支出でございますけれども、収入はございません。  次に、支出でございます。表の一行目、総額で七億五千九百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款資本的支出一項建設改良費で、設備費でございます。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 260 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。豊福るみ子委員。 261 ◯豊福るみ子委員 民主県政クラブ県議団、豊福るみ子でございます。工業用水道事業における安定供給の確保について伺います。  県企業局では、電気事業や工業用地造成事業と併せて県内四地域で工業用水道事業を実施しており、県民の生活や地域の発展に不可欠なサービスを提供する事業活動を行っています。また、本県では今年度から、三つの柱の一つに県内GDP二十兆円への挑戦を掲げ、施策を展開されています。この施策の下、今後県内企業の企業活動が活発になると考えられますが、これを支えるためには産業の血液とも呼ばれる工業用水を安定的に供給することが重要になると考えます。  ここで委員長、あらかじめ工業用水道事業の概要について資料を執行部に要求しておりますので、委員会配付のお取り計らいをお願いいたします。 262 ◯桐明和久委員長 お諮りいたします。  ただいま豊福委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 263 ◯桐明和久委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま豊福委員から要求がありました資料については提出できますか。野田管理課長。 264 ◯野田企業局管理課長 直ちに提出いたします。 265 ◯桐明和久委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 266 ◯桐明和久委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 267 ◯桐明和久委員長 資料が配付されましたので、豊福委員、質疑を行ってください。 268 ◯豊福るみ子委員 それでは、資料の御説明をお願いいたします。 269 ◯野田企業局管理課長 工業用水道事業の概要について御説明をいたします。  工業用水道は、産業が発展するために必要となる水を、公の手によって豊富かつ低廉に、また安定的、計画的に供給するための不可欠かつ合理的な産業基盤といたしまして制度化された水供給システムでございます。  以下の表でございますが、県企業局が県内四地域で行っております事業概要を記載しております。表頭は、各事業名、水源、一日当たりの計画給水量、受水企業数等を記載してございます。油木ダム等を水源とする苅田工業用水道、熊本県山鹿市の竜門ダムを水源とする大牟田工業用水道、犬鳴ダム等を水源とする鞍手・宮田工業用水道、陣屋ダム等を水源とする田川工業用水道の四事業でございまして、合わせて計画給水量ベースで十八万九千七百五十トンを受水企業六十八社に供給しているところでございます。表の一番右の欄には、参考に本日、三月十八日午前八時時点のダムの貯水率を記載してございます。  説明は以上でございます。 270 ◯豊福るみ子委員 工業用水道事業は、計画給水量、受水企業数ともに大規模な事業を展開されていることが分かりました。  配付いただきました資料では、給水を開始してから古いもので五十年以上が経過している地域もあるようです。一月に発生した能登半島地震では、石川県内の上下水道において大規模な断水が発生し、復旧に四月以降までかかる地域があるなど、現在もその影響が続いていると聞いています。この大規模な断水が発生した背景には、水道管の老朽化があるようです。本県においてもこのような状況が発生しないとも限りません。  そこでお尋ねいたします。こうした事態にならないように、企業局では、施設の老朽化に対して修繕や更新をどのように行っているのでしょうか、お聞かせください。 271 ◯野田企業局管理課長 県企業局では、これまで老朽化対策といたしまして、各施設や用水管の劣化診断を実施しております。その結果に基づきまして、緊急性の高い箇所から順に更新や補修を実施してまいりました。令和三年二月には、福岡県公共施設等総合管理計画に基づきまして、今後十年間におきます企業局個別計画を策定し、各施設の状況を踏まえた総合的かつ計画的な修繕や更新を行っているところでございます。 272 ◯豊福るみ子委員 企業局個別施設計画に基づいて修繕や更新が行われているということですが、工業用水の供給は浄水場のほか何キロにも及ぶ用水管など多くの設備が必要と聞いています。来年度予算案を見ると、その更新等に対し建設改良費を計上されています。  今後も供給体制を維持するためには更新費用が必要となると思いますが、その財源はどうなっているのでしょうか、お聞かせください。 273 ◯野田企業局管理課長 財源といたしまして、毎年の純利益の一部を建設改良積立金として積み立てることとしておりまして、令和六年度当初予算で十億四千万円余をお願いしております。 274 ◯豊福るみ子委員 万が一に備えて建設改良積立金を積み立てて財源としているということで理解いたしました。  さて、昨今、温暖化に伴う地球規模での気候の変動の影響により、本県においても近年では県南地域や朝倉地域において大雨による災害が発生しています。  一方で、瀬戸内海式気候に属する京築地域では度々渇水に見舞われており、今年も行橋市と苅田町では一月に渇水対策本部を立ち上げ、節水を呼びかけているところです。  資料を拝見しますと、苅田工業用水道においては、水源である油木ダムの貯水率が他のダムに比べて低くなっています。私が調べたところによると、二月初めの貯水率二〇・六%まで落ち込んでいましたが、ダムの貯水率が下がることで工業用水の供給が滞るのではないかとの懸念があります。  こうした現状に対して何らかの対策が図られているのでしょうか。また、対策を図っているようでしたら具体の内容をお示しください。 275 ◯野田企業局管理課長 油木ダムを水源とする苅田工業用水道事業では、渇水に対応するため昭和四十二年から県企業局専用の貯水ダムであります殿川ダムを整備いたしまして、最大百十五万トンを貯水することができるようにしております。これによりまして、油木ダム下流にある今川からの取水ができなかった場合でも、実水量ベースで約一か月間供給することが可能となってございます。さらに、昨年七月からは水路等に流れ出た水を今川に戻すための施設を稼働いたしまして、水を無駄なく活用する取組も行っておるところでございます。 276 ◯豊福るみ子委員 企業局として工業用水の供給が滞ることがないよう対策を図ることで、一か月は供給が可能だということが分かりました。  しかし、渇水が長期間にわたることも考えられますが、そうした備えはあるのでしょうか、お聞かせください。 277 ◯野田企業局管理課長 渇水が長期間続き、かつ殿川ダムの貯水量が減少した場合には、北九州市との間で締結しております応援給水協定、これに基づきまして日量最大一万三千トンの水の供給を受けることが可能となってございます。 278 ◯豊福るみ子委員 企業局として様々な対策を取りながら、契約した企業に対して安定的な供給を図られているとのことでしたが、今後も効果的な対策を講じていくことが求められます。  最後に、今後の企業局における工業用水の安定供給に係る取組について、企業局長の決意をお願いいたします。 279 ◯桐明和久委員長 山本企業局長。 280 ◯山本企業局長 工業用水事業では、日産自動車やトヨタ自動車など県の基幹産業であります自動車産業をはじめ、六十八社の企業が受水企業となっております。工業用水道事業につきましては、県の産業施策の推進に極めて重要な役割を果たしておると認識をしております。  県企業局におきましては、先ほど課長が答弁申し上げたとおり、施設の計画的な更新や殿川ダムの活用など、様々な渇水対策を着実に実施していくとともに、関係市町とともに緊密な連携を図りながら、引き続きしっかりと工業用水の安定供給に努めてまいります。 281 ◯豊福るみ子委員 終わります。(拍手) 282 ◯桐明和久委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 283 ◯桐明和久委員長 ないようですので、以上で第一九号議案の質疑を終わります。  次に、第二〇号議案「令和六年度福岡県工業用地造成事業会計予算」を議題といたします。このことについて説明を求めます。山本企業局長。 284 ◯山本企業局長 第二〇号議案令和六年度工業用地造成事業会計でございます。予算に関する説明書、七百四十ページをお願いいたします。  収益的収入及び支出の収入でございます。表の一行目、総額で二千百万円余でございます。その主なものといたしまして、一款造成事業収益一項営業収益で、土地の貸付収入でございます。  次の七百四十一ページをお願いいたします。支出でございます。表の一行目、総額で二千百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款造成事業費一項営業費用で、造成地の維持管理費でございます。  次の七百四十二ページをお願いいたします。資本的収入及び支出の収入でございます。表の一行目、総額で三十四億三千五百万円余でございます。その主なものといたしまして、一款資本的収入二項企業債でございます。  支出の一行目、総額で三十七億八千五百万円余でございます。その主なものといたしましては、一款資本的支出一項造成事業費で、宮若北部工業用地、直方・鞍手工業用地及びうきは西部工業用地の造成事業費でございます。  恐れ入ります、少し飛びますけれども七百五十四ページをお願いいたします。造成工事におきまして、債務負担行為といたしまして、宮若北部工業用地造成事業費で二十億二千二百万円余を、直方・鞍手工業用地造成事業で十三億七千四百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 285 ◯桐明和久委員長 説明は終わりました。これより質疑を行います。質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 286 ◯桐明和久委員長 ないようですので、第二〇号議案の質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、次回委員会は明日、十九日火曜日に開き、知事等に対する保留質疑及び採決を行うことといたしますので、よろしくお願いします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 七 時 八 分 散 会
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