【建設委員長下
森宏昭君登壇】
6:
◯建設委員長(下
森宏昭君) 改めまして、皆さん、おはようございます。建設委員会における付託議案及び請願の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算七件、条例案一件、その他の議決案件十七件の合計二十五件であります。
審査の結果、県第一二六号議案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、本案については、次のとおり賛成多数をもって附帯決議を付しました。
附 帯 決 議
広島高速道路の整備は、広島港や広島空港など主要拠点へのアクセス強化や、呉地域との連携強化が図られるなど、広島都市圏の中枢拠点性の向上に寄与する重要な事業である。しかしながら、事業主体である広島高速道路公社は、高速五号線シールドトンネル工事の執行において、事業の推進を意識する余り、本来必要となる工事費についての十分な検証を行わないまま、契約を成立させることを優先し、その結果、当初契約の約一・四倍、約八十七億円という極めて大規模な増額となる整備計画の変更をするに至った。また、公社の設立団体である県は、公社を監督する責任を十分果たせず、県民の信頼を損なう事態となった。
ついては、このたびの事態を踏まえ、県は、この整備計画の推進に当たり、次の事項を徹底するよう強く要請する。
一 二度とこのような事態を起こさないため、本来必要となる検証等が行われないまま、事業推進が優先されることがないよう、公社の意識改革、業務執行体制や組織体制等の改善に努めること。
二 公社に対する指導・助言のもとに、入札・契約手続の厳格化、公社全体の技術力の向上、外部による透明性と公正性の確保の三つの観点から策定した再発防止策が着実に実行されるよう、定期的に実施状況を監督すること。
三 再発防止策について改善が必要となった場合は、逐次、改善策を講じるとともに、継続的に再発防止策の実施状況を議会へ報告すること。
以上のとおりであります。
その他の各案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決並びに承認すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、広島高速五号線シールドトンネル工事における工事費増額の問題について、税金を投入する公共事業であることを改めて認識し、県においては、広島高速道路公社の風土や意識の改革、業務執行体制や組織体制等の改善に努め、公社において再発防止策が徹底されるよう指導・監督を行うとともに、必要に応じて改善を図り、議会へ継続的に実施状況を報告すること。
また、このたびの事案を踏まえ入札契約制度を検証し、見直すなど、公共事業の透明性確保に取り組むこと。
第二に、高速二号線と五号線の連結ランプの整備については、国土強靱化の緊急対策やリニア整備などの影響による建設費の高騰及び建設業者の確保といった課題の懸念、平成三十年七月豪雨災害からの復旧・復興に最優先で取り組む必要性、県民生活への影響等を踏まえ、優先度を柔軟に判断しながら事業を推進する必要があること。
このほか、高速五号線に関する本事案が発生した原因の究明、公社への職員の派遣状況、シールドトンネル工事の当初契約時の理事長の責任の所在、トンネル掘削に伴う地表面沈下に関する住民への情報提供や地質を要因とする工事期間延長の可能性、本事案を踏まえて県及び県議会は県民の負託に応えるよう、県の発展にさらに取り組んでいく必要があること、大規模な建設工事に対応できるよう、県、公社の技術職員の育成を進めていく必要があることなどについて問いただされたところであります。
次に、請願の審査につきましては、お手元に配付されております「請願の審査結果表」のとおり決定いたしました。
以上、審査の概要を申し述べ、建設委員会の報告といたします。(拍手)
7:
◯議長(
中本隆志君) 次は、文教委員会の報告を求めます。文教委員長
窪田泰久君。
【文教委員長
窪田泰久君登壇】
8:
◯文教委員長(
窪田泰久君) 文教委員会における付託議案及び請願の審査の結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件、条例案一件、その他の議決案件一件の合計三件であります。
審査の結果、付託議案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本委員会におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、県立高等学校における生徒一人一台の情報端末の導入については、学校におけるICT活用のあり方や必要な環境整備等の全体像を示した上で、生徒や保護者を初めとした関係者の意見を踏まえながら進めていく必要があること。
また、保護者の端末購入等に要する経済的負担を軽減するための支援策を講じるとともに、情報セキュリティーや生徒のネット依存に対する指導についても十分に検討されたいこと。
第二に、子供たちがSNSを介してトラブルに巻き込まれる事案が相次いでおり、教員による指導に加え、専門家を学校に派遣することなどにより、小・中・高等学校の各段階を通じた情報モラル教育の充実を図る必要があること。
第三に、北朝鮮による日本人拉致問題については、国際的な人権侵害であることを児童生徒に認識させるよう、学校における主権者教育などの場を通じた指導を充実されたいことなどでありました。
次に、請願の審査につきましては、お手元に配付されております「請願の審査結果表」のとおり決定いたしました。
以上、審査の概要を申し述べ、文教委員会の報告といたします。(拍手)
9:
◯議長(
中本隆志君) 次は、警察・商工労働委員会の報告を求めます。警察・
商工労働委員長三好良治君。
【警察・
商工労働委員長三好良治君登壇】
10:
◯警察・
商工労働委員長(
三好良治君) 皆さん、おはようございます。警察・商工労働委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件、条例案一件の合計二件であります。
審査の結果、付託議案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、暴力団排除特別強化地域の新設等に係る広島県暴力団排除条例の一部改正については、暴力団の資金源を遮断し、特定営業者の営業の適正化を図るため、関係機関等と連携を図り、暴力団対策のさらなる深化を図られたいこと。
第二に、県観光課と県観光連盟の施策の一元的実施を内容とする観光推進体制の見直しに当たっては、観光立県推進基本条例の目指す姿につながるよう、観光客の視点に立った効果的な施策を観光連盟と連携して展開するとともに、地域の観光協会との人事交流の検討や、情報共有及び連携強化に努められたいこと。
第三に、離転職者を対象とした職業訓練事業については、ニーズに合った訓練科目やコース設定により、多くの訓練生を確実に就職へ導き、職場定着につながるよう、県としても民間教育訓練機関等と連携して対応されたいこと。
第四に、ひろしまトリエンナーレについては、国内外からの誘客促進により地域経済の活性化につなげていくという目的をより明確にして、今年度のプレイベントで寄せられたさまざまな課題についてしっかりと総括し、本番の開催に向けては、県が強いガバナンスをきかせる体制を構築する必要があること。
このほか、未就学児などが日常的に集団で移動する道路の緊急点検結果で判明した危険箇所の早期整備、広島中央警察署の盗難事件における県警の威信をかけた全容解明、観光客の県内周遊のさらなる促進、地方創生や企業のビジネスチャンス等につながる新しい働き方であるワーケーションに対する積極的な取り組み、金融機関の貸し出し態度等を踏まえた県としての対応などについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、警察・商工労働委員会の報告といたします。(拍手)
11:
◯議長(
中本隆志君) 次は、総務委員会の報告を求めます。総務委員長平本 徹君。
【総務委員長平本 徹君登壇】
12:
◯総務委員長(平本 徹君) 皆さん、おはようございます。総務委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件、条例案三件、諮問一件、その他の議決案件二件の合計七件であります。
審査の結果、付託議案のうち、諮問を除く六件の議案については、原案のとおり可決すべきものと、また、諮問については、本委員会の意見としては、本件審査請求は棄却すべきであるとすることに、いずれも全会一致をもって決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例については、昨年の七月豪雨災害の被災事業所等が再生に向け懸命に取り組む中での給与費増額であることを厳粛に受けとめるとともに、職員のスキル、能力の向上に向けた取り組みの充実を図り、もって県民の負託に応える必要があること。
第二に、退職手当支給制限処分に係る審査請求については、懲戒免職等の処分を受けて退職した者に対して、退職手当の全部を支給しないことを原則とする中、その前提となった懲戒免職処分については、人事委員会が事実誤認や裁量権の逸脱、乱用はないと判断し、また、審査請求人は提訴せずに処分が確定していることなどから、このたびの退職手当支給制限処分は妥当であり、審査請求人の主張には理由がないと認められるため、棄却すべきものであること。
第三に、旧広島陸軍被服支廠については、所有者の責務として早急に安全対策に取り組む必要があること、利活用策を整理した上で期限を決めて早期に方針を定める必要があること、平和学習の場としての利活用などを検討することなどの意見がありました。
第四に、予算編成のあり方について、今般の高速五号線シールドトンネル工事に係る契約の問題を契機に、事業を取り巻く環境を踏まえたリスク管理を徹底し、実効性のある改善策を策定することなどにより、より一層適切な予算額の積算に取り組む必要があること。
このほか、大規模展示場の検討状況について問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、総務委員会の報告といたします。(拍手)
13:
◯議長(
中本隆志君) 次は、生活福祉保健委員会の報告を求めます。生活福祉保健委員長
下西幸雄君。
【生活福祉保健委員長
下西幸雄君登壇】
14:
◯生活福祉保健委員長(
下西幸雄君) おはようございます。生活福祉保健委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算二件、条例案二件、その他の議決案件一件の合計五件であります。
審査の結果、付託議案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、県立病院の使用料及び手数料における権利放棄の縮減に向けては、今後、外国人旅行者の診療増加が見込まれることから、外国人対応を含めた滞納防止策を十分に講じる必要があること。
第二に、平成三十年七月豪雨に関する県民の避難行動の調査の中間報告が公表されたところであるが、分析結果に基づく被害防止策の検討に当たっては、自家用車を利用して避難場所に移動するケースがあることなど、避難行動の実態を踏まえたものとするほか、防災訓練についても、分析結果を踏まえた有意な訓練を実施する必要があること。
また、地震など豪雨以外の災害にも対応できるよう、芸予地震等過去の災害被害の例も踏まえた被害防止策とする必要があること。
第三に、平成三十年七月豪雨に係る被災者支援については、被災一年後に実施した健康調査の結果、依然として強い心理的ストレスや暮らし向きが苦しくなったと感じている方が多いことが判明したことを踏まえ、引き続き、地域支え合いセンターや心のケアチームを通じ、被災者に寄り添った一層きめ細かなケアに取り組まれたいこと。
このほか、男性の育児参加の促進に向けた父親をより意識した子育て施策の検討、南海トラフ地震に関する地域防災計画の見直し、保育士不足の解消に向けた保育士の処遇改善の強化などについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、生活福祉保健委員会の報告といたします。(拍手)
15:
◯議長(
中本隆志君) 以上をもちまして、各常任委員長の報告は終わりました。
この場合、上程中の各案中、県第一二六号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更の同意については、これを分離して先に審議いたします。
この場合、討論の通告がありますので、通告者に
発言を許します。佐藤一直君。
【佐藤一直君登壇】
16:
◯佐藤一直君 広志会の佐藤一直です。県第一二六号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更の同意についてに反対の立場から意見を申し上げます。
まず、この高速五号線二葉山トンネルの工事費増額については、問題になっている百億円の増額が認識の違いで済まされている状況であり、工事費の増額を前提に契約が行われたのではないかとの疑念が払拭されたわけではありません。
こういった契約となってしまったことを推測するに、この工事の当初の計画からトンネル工事の工法がナトム工法からシールド工法に変更されたことや、人件費や材料費が高騰していったことにより当初の想定よりも大幅に高い三百億円もの見積もりが提出されたことが、事の発端ではないかと考えられます。
その結果、この三百億円で契約してしまうと、事業の正当性の裏づけである費用対効果の数値が一・〇を下回ってしまうからこそ、二百億円でとりあえず契約して事業に正当性があるように見せかけておいて、後から追加で何らかの理由をつけて百億円を増額しようとしていたのではないかとの疑いが出てきます。
それは、第三者委員会の報告を見ると、JVにより工事費の総額が少なくとも二百六十億円は超えてしまうことを伝えると、公社側は二百四十億円までしか出せないと答えているという趣旨の記述があることからも明らかです。
そしてまた、この入札の上限が二百億円に設定されているのにもかかわらず、公社は二百四十億円までは大丈夫だと勝手に公社が交渉しているということも問題であります。
これらのことから、三百億円では間違いなく費用対効果が一・〇を下回ってしまうために、少なくとも二百四十億円以下にしようとしていた公社の思惑が読み取れます。
しかしながら、今回の増額を含めた事業費は二百八十七億円であり、この二百四十億円のラインを超えているために、本当にこのままで大丈夫なのかが心配となります。
また、五号と二号の連結については、以前、二〇〇六年に費用対効果が低いということで凍結されていたものであり、これをしっかりと精査、審査していく必要があると考えますが、今回のこの不適切な契約の原因が明らかにされていない状況では、公社の説明を信用できるわけがありません。
このような契約変更を安易に認めてしまうことは、行政をチェックすべき我々議会も、県民の皆さんからの信頼を裏切るということになりかねないと考えます。
にもかかわらず、先日の建設委員会では、この議案に対する要請事項が附帯決議として賛成多数で可決されました。この内容は、今回の問題の原因究明に触れることなく、今後の公社に対する県の取り組み姿勢に関するだけの要請事項となっており、いわば、今回は許しますが、次は許しませんよと言っているだけの明らかな幕引き行為であり、議会としての責任を放棄したものであると考えます。
我々の会派としては、広島高速については、広島都市圏の中枢拠点性の向上に有効なものであり、整備そのものに反対する気はありませんし、むしろ早急に山陽道との環状線化をするべきと思います。
しかしながら、この広島高速五号線二葉山トンネルの不適切な契約の何が問題だったのかを徹底的に明らかにした上で、この議案は審査すべきものと考えます。
したがって、この県第一二六号議案の指定都市高速道路の整備計画の変更の同意についてには反対いたします。(拍手)
17:
◯議長(
中本隆志君) これにて討論を終結いたします。
これより、県第一二六号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更の同意についてを採決いたします。本案は常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
18:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、本案は常任委員長報告のとおり決しました。
次は、県第九六号議案、県第一二八号議案及び県第一二九号議案の三件を一括して採決いたします。右各案は、常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
19:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、右各案はいずれも常任委員長報告のとおり決しました。
次は、県第一〇七号議案及び県第一二四号議案の二件を一括して採決いたします。右各案は、常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
20:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、右各案はいずれも常任委員長報告のとおり決しました。
次は、ただいま分離議決いたしました六件を除く議案二十九件を一括して採決いたします。右各案は常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
21:
◯議長(
中本隆志君) 起立総員であります。よって、右各案はいずれも常任委員長報告のとおり決しました。
次は、請願を採決いたします。
それでは、まず請願第一の二号 安芸灘大橋早期無料化に関する請願を採決いたします。請願第一の二号に対する常任委員長の報告は継続審査であります。本請願は、常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
22:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、右請願は、常任委員長報告のとおり決しました。
次に、請願第一の三号 二〇一九年度全ての子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願並びに請願第一の四号 教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願を一括して採決いたします。請願第一の三号及び第一の四号に対する常任委員長の報告はいずれも不採択であります。右請願二件は、常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
23:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、右請願二件は、いずれも常任委員長報告のとおり決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第三十七 平成三十年度広島県歳入歳出決算認定の件
第三十八 平成三十年度広島県公営企業の決算の認定及び剰余金の処分の件
24:
◯議長(
中本隆志君) 次は、日程第三十七、平成三十年度広島県歳入歳出決算認定の件並びに日程第三十八、平成三十年度広島県公営企業の決算の認定及び剰余金の処分の件を一括上程議題といたします。
決算特別委員長報告
25:
◯議長(
中本隆志君) 右各案は、本年九
月定例会において決算特別委員会に審査を付託し、閉会中の継続審査といたしておりますので、この際、審査の経過並びに結果について決算特別委員会の報告を求めます。決算特別委員長安井裕典君。
【決算特別委員長安井裕典君登壇】
26: ◯決算特別委員長(安井裕典君) 皆さん、おはようございます。決算特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会は、去る九
月定例会において設置され、平成三十年度広島県歳入歳出決算認定の件並びに平成三十年度広島県公営企業の決算の認定及び剰余金の処分の件について審査の付託を受けました。以来、局別審査に加え、知事の出席を得て総括審査を行うなど、九回にわたり委員会を開催してまいりました。その間、当局から詳細な説明を聴取し、今後の県政に反映できるよう、予算執行の適否や行政効果等について、慎重かつ厳正に審査を行いました。その結果、各会計いずれも、その執行はおおむね所期の目的を達成しているものと認められ、平成三十年度広島県歳入歳出決算認定の件並びに平成三十年度広島県公営企業の決算の認定及び剰余金の処分の件については、賛成多数で、いずれも認定並びに原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程において各委員から指摘された事項のうち、その主なものを申し上げ、これに対する当局の適切かつ積極的な対応を強く要請するものであります。
第一に、高齢化の進行や担い手不足等の課題が深刻化する中山間地域の振興に向け、地域ニーズの把握に一層努め、農林水産業に焦点を当てた移住・定住施策の推進や、地域を支える人材の量的確保のみならず、そうした人材の活動が課題解決に直結する、より質の高い活動として継続的に発展していくよう、取り組みの充実強化を図ること。
また、ICT等の革新的技術の導入の推進など、中山間地域が多様なライフスタイルを実現できる活力に満ちた地域として地域内外の人々から選ばれるよう、あらゆる対策を講じる必要があること。
第二に、スポーツの振興については、地域スポーツと学校体育の連携を初め、関係団体との連携強化、ソフト・ハード両面における対策の充実により競技力の向上を図るとともに、FISEワールドシリーズ広島の継続開催と充実化、世界的なスポーツ大会やアーバンスポーツアカデミーの誘致、広島版スポーツコミッションの設立を推し進め、スポーツを生かした地域活性化も図る必要があること。
第三に、子供への貧困の連鎖や児童虐待などの子育てに関する多様な問題の解消に向けて、妊娠期から家庭支援を充実させるひろしま版ネウボラの全県展開を早期に図るとともに、福祉部門と教育部門の連携を強化し、子供の基本的な生活習慣の改善など、子育てのニーズを踏まえた柔軟な施策を展開していく必要があること。
第四に、発達障害の子供にとって、障害の特性に応じた療育、訓練等を早期に開始することは、その後の発育に大きくかかわることから、可能な限り地域で診療が受けられるとともに、診療待ちの期間を解消できるよう、専門医の養成等の取り組みを充実されたいこと。
第五に、イノシシの被害対策については、被害額がここ数年横ばいで推移していることから、捕獲に加え、侵入防止などの対策をあわせて実施するため、必要な人材育成を行い、被害の拡大防止を図っていく取り組みを全県的に進めていく必要があること。
また、昨年の七月豪雨災害により鳥獣被害対策のための柵が崩壊し、被災地での被害が深刻になっていることから、被災地での重点的な鳥獣被害対策に取り組まれたいこと。
第六に、将来の本格的な主伐期の到来を迎えるに当たり、県産材の利用拡大に向け、引き続き、木造住宅分野における県産材の利用促進とともに、関係事業者等と連携し新たな分野での利用拡大の取り組みを推進していく必要があること。
第七に、広島高速五号線シールドトンネル工事における工事費の大幅な増額について、シールド工法を採用した理由、高速道路公社が採用した契約手続の適正性、工事費の大幅な増額の要因等を究明するとともに、公共調達に係る契約のあり方を検証すること。
また、公社の責任と、公社の設立団体である県の責任について明らかにし、県民に対する説明責任を果たす必要があること。
第八に、平成三十年七月豪雨災害からの創造的復興による新たな広島県づくりに向けて、迅速に被災者の生活再建に努めるとともに、ダムや崖崩れ対策等のハード整備の効果や許容限界を住民に周知するなど、県と市町、関係機関が一層連携し、住民の理解を得ながら県土強靱化の取り組みを進める必要があること。
また、被災地の実情を踏まえた災害関連事業を促進することに加え、地域を支える道路や河川といった公共土木施設の整備や維持など必要な事業も着実に進めることができるよう、社会資本未来プランを適切に見直す必要があること。
第九に、全ての子供の能力と可能性を高めるため、小学校低学年段階での学習のつまずきの解消に向け、指導方法の改善を進めるとともに、家庭での学習時間の改善に向けた学校と保護者の信頼関係の構築や、教員加配の拡充など教員が指導に専念できる環境の整備を図る必要があること。
第十に、ICTを活用した教育の推進を図るため、コンピューター、無線LAN等の環境整備と教員のICT活用指導力の向上を進めるとともに、小規模な学校やさまざまな事情で通学できない児童生徒等に対し多様な学習機会を提供する遠隔教育についても、積極的に取り組んでいく必要があること。
第十一に、企業経営における諸課題の中で、人手不足対策は優先度が高いものであることから、働き方改革の推進が人材確保を初め、経営面でのメリットにつながることをしっかりと周知し、市町や経済団体などとの密接な連携の上、県内企業における働き方改革の浸透をさらに図っていく必要があること。
第十二に、交通事故の防止や交通の円滑化のために、信号機や横断歩道等の計画的かつ効果的な整備、補修等が必要であることから、地域住民の要望等に丁寧に対応しながら、交通安全施設の適切な管理と計画的な整備、更新を進め、交通環境の充実を図る必要があること。
このほか、県庁みずからが率先垂範することによる県内事業所の働き方改革や女性が働きやすい環境整備の推進、合理的な根拠に基づく施策マネジメントの強化に向けた適切な指標及び目標の設定、平成三十年七月豪雨災害を踏まえた中期財政運営方針の見直しの必要性並びに政策的経費の確保と財政健全化の両立を実現する次期中期財政運営方針の策定、包括外部監査意見等の県政への反映のあり方、被災地における被災者やボランティアなどに対する感染症対策の充実、耐震化が行われていない県立安芸津病院の安全対策の早期実施、子供の医療費助成制度における対象年齢の拡充、認知症に優しい地域づくりに向けた認知症サポーターの自主的活動の推進、スマート農業を核にした地域農業のグランドデザインの策定と人材育成、パイプハウスの資材高騰に関する情勢分析や他県事例の検証など県の主導的な対策の実施、生産緑地制度の普及・促進、カキ養殖用プラスチックパイプの代替製品の研究開発及びその実用化、安全・安心な水を適切な料金で安定供給することを前提とした水道事業の広域連携の検討、関係者への丁寧な説明による放置艇対策の着実な推進、観光施策と連携した瀬戸内海クルージング促進事業の推進、災害関連事業における適正な会計処理、教員の人材確保に向けた長時間勤務の解消等による負担軽減を初めとした対策の計画的な推進、家計の教育費負担のさらなる軽減に向けた方策の検討、不登校の児童生徒を支援するための校内適応指導教室の環境整備、障害のある児童生徒がそれぞれの教育的ニーズ等に応じた最適な学校
選択ができる環境の整備、イノベーションの創出に向けた取り組みの推進、海の道プロジェクト推進事業を通じた地元の産業振興につながる施策の推進、広島県運転免許センターへの親子室の増設、冤罪及び
誤認逮捕の未然防止のための慎重な捜査などが議論されたところであります。
これらのほか、本委員会において指摘された事項について、当局においては真摯に受けとめられ、来年度の予算や事業の執行に当たって十分留意されるよう要請し、決算特別委員会の報告といたします。(拍手)
27:
◯議長(
中本隆志君) 委員長の報告は終わりました。
これより採決に入ります。
それでは、まず平成三十年度広島県歳入歳出決算認定の件を採決いたします。本案は、委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
28:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、本案は、委員長報告のとおり決しました。
次に、平成三十年度広島県公営企業の決算の認定及び剰余金の処分の件を採決いたします。本案は、委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
29:
◯議長(
中本隆志君) 起立多数であります。よって、本案は、委員長報告のとおり決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
意見書案(老朽空き家対策の推進を求める意見書外一件)
30:
◯議長(
中本隆志君) この場合、意見書案の提出がありますので、書記に報告させます。
【書 記 朗 読】
発議第十三号
発 議 書
老朽空き家対策の推進を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する。
令和元年十二月十六日
県議会議員 緒 方 直 之
外十一人
県議会議長 中 本 隆 志 殿
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
発議第十四号
発 議 書
被災者支援の充実を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する。
令和元年十二月十六日
県議会議員 緒 方 直 之
外十一人
県議会議長 中 本 隆 志 殿
31:
◯議長(
中本隆志君) 別紙はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。
お諮りいたします。ただいま報告の意見書案二件を本日の日程に追加するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
32:
◯議長(
中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
それでは、発議第十三号 老朽空き家対策の推進を求める意見書及び発議第十四号 被災者支援の充実を求める意見書を一括上程議題といたします。
お諮りいたします。この際、提案理由の説明は省略するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
33:
◯議長(
中本隆志君) 御異議なしと認めます。質疑の通告はありません。
お諮りいたします。右意見書案二件は、この際、委員会への審査の付託を省略するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
34:
◯議長(
中本隆志君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
直ちに一括して採決いたします。右意見書案二件は、原案のとおり可決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
35:
◯議長(
中本隆志君) 起立総員であります。よって、右各案は、いずれも原案のとおり可決いたしました。
【議長
中本隆志君起立】
36:
◯議長(
中本隆志君) 以上をもちまして、今次定例会に提出されました議案は、ここに全て議了いたしました。
各位におかれましては、会期を通じ、格段の御精励を賜り、各案いずれも適切な結論を得られましたことは、県民福祉の向上と県勢伸展のため、まことに御同慶にたえません。
先般、国は、大規模災害からの復旧・復興や景気を下支えする施策を柱とした二十六兆円規模の経済対策を閣議決定いたしました。県当局におかれましても、国の動きに呼応して、引き続き、県土の強靱化を進めるとともに、県民や県内事業者が景気回復を実感できるよう、取り組みの強化を念願いたします。
また、今定例会では、広島高速五号線の工事費用増額の問題に関して、多くの指摘がなされたところであります。県当局におかれましては、こうした指摘を重く受けとめ、二度とこのような事態が起こらないよう、広島高速道路公社を監督する責任を十分果たしていただくとともに、県民の信頼を損ねたことを重く受けとめ、引き続き丁寧な説明に努められますよう、強く要請いたします。
本年も残すところわずかとなりました。各位におかれましては、何とぞ一層御自愛の上、新たな年の御活躍を心から祈念いたす次第であります。
これをもちまして十二
月定例会を閉会いたします。
午前十一時二十四分閉会
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...