2:
◯辻委員 経済学からの示唆ということで、再生可能エネルギーの普及促進と他の施策との補完性の問題について言及がありましたが、そのとおりだと思います。そういう施策展開をしていくことで地域経済の活性化や雇用の確保という点では確かに有効だと思うのですが、実際にそういう政策展開されている具体例があれば教えていただきたいです。また、その際にどこが施策の柱を立てて推進していくのかという縦割りの行政に横ぐしが入ったような連携が必要となってくると思うのですけれども、そういったことを実際にやっているところがあれば教えていただきたいと思います。
3:
◯大橋参考人 こうした話は、東日本大震災後真剣に取り組まれ始めたところもあるかと思いますが、実は多くの地域ではまだまだこういうところに至っていないところが多いと思います。ごく一部の市町村などでこういうことを考えるところが出てきているということだと思います。先ほど4つの実証地域を申し上げましたけれども、その中で横浜市は再生可能エネルギーに関しては、非常によく取り組まれていると思います。横浜市はコジェネレーションを導入するなど防災及びBCPと分散型電源をどのようにうまく組み合わせていくかということを真剣に検討されている市町村の一つでもあり、コジェネレーションの導入はいろいろなところで進んでいるのかなと思います。
どこが引っ張るかということは行政組織によって違うと思いますが、一つは、トップダウンで首長が引っ張っているというのが多くの事例で聞かれます。ただ、トップダウンと言うと聞こえはいいのですけれど、言い方によっては非常にフォーカスされ過ぎてしまっていると私は懸念しています。その取り組みだけに注目が集まり、ほかの取り組みが忘れられるということもあるのではないかという点から言うと、ある程度行政の側での組織立った姿が望ましいと思います。ただ、そこまで至っているという話は、私は知りません。特にバイオマス発電については、いろいろ苦労されている市町村が多く、こうした中から何かいい事例が出てくることを待っている状態ではないかと思います。
4:
◯宇田委員 大橋参考人の御主張の再生可能エネルギーとの連携の問題と関係があるのかわからないのですけれども、お聞きしたいと思います。私どもが住んでいる福山市はRDFを使った発電をしていて、固定価格買取制度によって大分もうかってありがたい話なのですが、当時県議会で議論したときに、RDFをつくるのだったらガス溶融炉があるのだからそのまま持っていったほうがコストが低いではないかとか、国の変な施策ではないかという意見もあったのですが、最近では民間でもRDFのようなものをつくって燃料化あるいは肥料にするというようなことが頻繁に行われているのです。何が質問かといいますと、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の中で、例えばコンビニ等の食品販売店から出てくる残渣については産業廃棄物ではなくて一般廃棄物とされており、その45%までは再生利用等を行うこととされています。ところが、それをRDFに変えた場合、民間企業の場合それが再生利用としてカウントされるのですが、基準が1トン当たり何ジュールとかだと聞いたのですけれども、福山市に持っていくRDFの場合には熱量が足りないので食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の再生利用等に当たらないとのことです。せっかくRDFを利用するということに価値が出たなと思っているのですが、もう少しうまく食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律とか、やり方を変えることによってRDFによる発電そのものがよくなるし、リサイクルも進むということもあるのではないかと思います。まだまだそういう連携もできるのではないでしょうか。汚泥の場合、県はほとんど燃やして炭化させ、熱に変えるのではないかと思いますけれども、行政の中で少し変えれば再生可能エネルギーの普及や省エネルギーの促進がもっとうまく進むのではないかという点はいかがですか。
5:
◯大橋参考人 バイオマスに関する御質問なのですけれども、バイオマスは以前は余り注目されていなかったのです。産業廃棄物としていろいろな取り組みはあったのですけれども、こういう統一された形でバイオマス発電を考えるということがなかったと思うのです。バイオマスの買い取り価格のつけ方についても、区分がこんなに粗くていいのかとか、どうやってこの値がついたのかとか、余り注目を浴びていない部分があるのではないかと思います。太陽光発電及びその価格がどうかということばかりに注目が集まってしまい、バイオマスはこの陰に隠れていたのですけれども、議論が盛り上がってきたときに、固定価格買取制度の場合はどうするかということ以前に、法律あるいはこれまでの産業廃棄物の回収を含めて、いろいろなところにボトルネックがあるのではないかという声はいろいろな形で出てきていると思います。それを制度にきちんと反映させていかないと普及は進まないし、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の施行日から起算して3年間は厚目につけて普及を促進させると法律で定められているのですけれども、まだ3年には時間がありますし、もう少しバイオマスに注目してその制度を考えたほうがいいのではないかと私も思います。また、その周辺制度についても、国の施策にどう反映するのかは私もわからないですが、地方行政でできるところがあるかもしれないですし、まずはいろいろな形で声を上げていくのが重要ではないかと思います。今バイオマスは足踏みしているので、加速させるためには少し線を超えたぐらいの後押しをして、後で戻すぐらいでもいいのではないかと考えています。
6:
◯門田委員 まず、太陽光発電について、これからも大変進歩していくだろうという話も出たのですが、例えば太陽光発電のパネルももっと小型化されるかもしれないないし、大気圏外の太陽光発電という発想もあります。しかし、大気圏外の太陽光発電はそれをエネルギーとして受ける装置をつくるのに物すごいコストがかかるので、まだ現実味はないと思うのですけれども、具体化してくれば非常におもしろいと私は思うのです。この前、茂木経済産業大臣と話をしたら、確かにそういう話はあるということでした。でも余りにも費用対効果が悪過ぎるので進んでいないともおっしゃっていたのです。今原子力が低コストなので大変ウエートを占めているけれども、そのようなことが飛躍的に伸びる可能性があるとすれば、仕組みが大きく変わってくるという感じもします。しかし、この前も政府関係者の議論がテレビでありましたけれども、私はもう少し議論が多くなってもいいのにあえてしていないという気もするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
7:
◯大橋参考人 固定価格買取制度には、実用可能な技術でなければならないとされており、その実用可能な技術の中に含まれないものは議論しないという状況になっていて、大気圏外に太陽光パネルを張って発電するというのは実用可能ではないから議論しないというようになっているのではないかと思います。しかし、他方で技術開発という点ではそういうことに非常に関心を持って取り組まれている方はいらっしゃいますし、少しずつではあるかもしれませんが技術は進歩しているのではないかと思います。もしそういうものができた場合には、極めて大きな影響があると思います。理由は、今の太陽光発電は雲がかかると発電ができない、日中しか発電できないなどいろいろな制約があるのですが、日中の問題は解決しないかもしれませんが、少なくとも雲の影響で発電量がばらつくということはかなり解消されるので、太陽光発電による発電量の予測が立てやすくなるということがあると思いますし、また、土地の制約も受けることはないと思います。そういう技術が我々の電力システムの需給関係に大きく影響を与えることはないのだろうかと、私も思います。しかし、具体的な制度論の話になると、目に見えて使える技術でないと議論の場にのらないというのは事実です。そういったことは例えばNEDOなどで議論されていると思います。
8:
◯門田委員 もう1点よろしいでしょうか。新技術の開発について、例えば既存のものを20年保証するということがかえって開発の速度をおくらせるなどのマイナスの効果はあるのでしょうか。
9:
◯大橋参考人 既存の技術に特化し過ぎるような制度であれば、新しい技術が出てくる可能性は摘まれると思います。つまり、既存の技術がどれだけ優遇されているかということが、新技術の開発のスピードに影響を与えることがあるのではないかと思います。ただ、大気圏外での太陽光発電の技術はこの20年では多分できないことからすると、時間にずれがあるかもしれません。
10:
◯門田委員 最後にもう1点、木質バイオマスについて、広島県は非常に山が多いけれども、例えば岡山県の西粟倉村が村を挙げて取り組んでいます。中四国で西粟倉村だけがかなり進んでいて、発電したり、伐採して材木をつくったり、あるいは東京の消費者に興味を持ってもらい投資していただいたりと、小さな村だけれども木質バイオマスをかなり積極的に取り入れているのです。大変難しいことだから地域や村を挙げての協力が多分必要で大変しんどいことだと思いますが、現実にやっているのです。こういうことをもっと全国にPRする場はないのですか。
11:
◯大橋参考人 それは岡山県のPRですか。
12:
◯門田委員 いいえ、全国や広島県でもそういう地域があるので、そういうものをもっと発信してもいいのではないかと思うのです。
13:
◯大橋参考人 成功事例は比較的行政でも取り上げていて、岡山県でもいろいろな形で取り上げられてはいると思うのですけれども、どれだけの人がそれを知っているのかという点でいうと、PRが足りないというのはおっしゃるとおりかもしれません。バイオマスについては、行政、特に地方自治体の取り組みにかなり温度差があるのは事実でして、事業者が苦労しているということもあります。そういう意味ではいかに行政がバックアップして同じ方向で汗をかいてくれるかということが鍵になると思います。そういったことからPRというのも重要だと思います。
休憩 午後2時25分
再開 午後2時27分
(5) 当局説明
1) 危機管理課長が報告事項(1)について、別紙資料1により説明した。
2)
環境政策課長が報告事項(2)について、別紙資料2により説明した。
3) 建築課長が報告事項(3)について、別紙資料3により説明した。
(6)
質疑・応答
14:
◯質疑(
辻委員) メガソーラーに関する報告がありましたが、県は住宅用も含めて太陽光パネルの導入ということを積極的に施策展開していますけれども、その現状及び今後の対応を説明していただければと思います。
15:
◯答弁(
環境政策課長) 住宅用太陽光発電につきましては、平成25年度は国の補助金がありまして、平成25年12月末で県内では6,362件の申請がなされています。年間で目標としている8,000件を超えるペースで設置が進んでいる状況です。住宅用太陽光発電につきましては、こうした固定価格買取制度の活用状況を注視することとしています。
16:
◯質疑(
辻委員) そうすると、業務用太陽光発電を含めて平成32年で52万8,000キロワットという目標については達成できると見てよいですか。
17:
◯答弁(
環境政策課長) 事業用の太陽光発電については、平成25年の10月末までで施設の認定を受けているものが423メガワットで、そのうち110メガワットが稼働している状況であります。
18:
◯質疑(
辻委員) 認定を受けているところが稼働していけば達成可能ということだと思います。
公共施設の屋根等の活用ということも進められているようですが、この点についての県の取り組みや現状はどうですか。
19:
◯答弁(
環境政策課長) 県有施設の屋根への設置につきましては、平成26年度予算で要求していまして、計画では3カ所に設置する予定です。それは50キロワット未満の小規模なものをリース方式により設置するということで実施しようと思っております。イニシャルコストがかからず、維持費がリース料に含まれているので、市町にとっても比較的取り組みやすいケースと思っており、県の実施する姿を見ていただいて、市町の導入促進が図れればと考えています。
20:
◯要望・
質疑(
辻委員) 市町のほうへの普及促進については、公共施設だから予算を立てればできると思うのですけれども、そういう点でも普及促進を図っていくようにやっていただきたいと思っています。
それから、小水力発電について県は三川ダムと福富ダムで行っています。この2カ所での発電の計画は実施に向けてやられるようですけれども、JAの小水力発電についても、設備更新が行われれば、新設とみなして固定価格買取制度の対象になるので促進を図っていくということになっていますが、今JAの取り組みの状況がどうなっているのか、その点をお聞きしたいと思います。
21:
◯答弁(
環境政策課長) JAの関連の小水力発電施設につきましては、県内に22施設ありまして、既に1施設が固定価格買取制度に移行しています。残りの21施設のうち概略設計等の段階に着手しているものが13件で、半数以上が更新に向けた手続を進められています。小規模なものについては、採算性とかを精査されており、慎重に検討されているという状況です。
22:
◯質疑(
辻委員) 以前聞いたことがあると思うのですけれども、水路の改修も進めないと認めないという条件がつけられていたこともありますけれども、現在、その点についてはどうなっていますか。
23:
◯答弁(
環境政策課長) 水路の扱いにつきましては、個別に協議するということとされており、現在、特段の支障となっている事案はありません。
24: ◯意見・
質疑(
辻委員) 問題になっていないということなのでいいと思うのですけれども、当初の方針のように発電する機器関係の設備が更新されれば対象になるということでいいと私は思っていたのですけれども、それに付随する水路については、関連する施設なので切り離して考えていくことが必要だと思うし、そういう条件をつけるということがないように、県からもJAと一緒に、国に要請しておくことが必要ではないかと思っています。
また、小水力発電については、農林水産局のほうで農業用水などを活用したマイクロ小水力発電等を含めて、再生可能エネルギーの導入の可能性を調査していると思うのですけれども、小水力発電の可能性というのはどういう調査結果が出ていますか。
25:
◯答弁(農業基盤課長) 広島県土地改良事業団体連合会が、平成23年度に国の補助を受けて調査しています。基本的には固定価格買取制度の価格と50%の補助での建設費を想定して採算性に見合う発電出力を5キロワットと算定しています。対象施設は、ダム、ため池、頭首工及び廃止発電所ということで、それぞれの規模で選定しています。ダム及びため池につきましては、高さが10m以上、受益面積が60ヘクタール以上のものが5キロワット以上の能力を持てるということで調査をしております。頭首工につきましては、場内落差が4m程度で受益面積が100ヘクタール以上のものについて調査しております。発電所につきましては、すべて調査しております。結果的に現地の立地条件や経済性を判断しまして、ダム、ため池につきましては県内で2施設、頭首工については福山の七社頭首工の2カ所が可能性があります。廃止発電所につきましては可能性なしという結論が出ております。ダムにつきましては他に仁賀ダムが1つありまして、農業基盤課でも検討中です。
26:
◯質疑(
辻委員) 廃止発電所は何カ所ぐらいあるのですか。また、小水力発電所としては全く使えないという調査結果ですか。
27:
◯答弁(農業基盤課長) 県内に12カ所ありますが、立地条件が非常に悪く、送電関係の配線設備の工事費用がかかるということと、管理道路が非常に少なく、アクセスが非常に不便ということで採算性が見込めないという判断です。
28:
◯質疑(
辻委員) 採算性が見込めないということで非常に難しいということでしたけれども、やはりそこはもう少しいろいろと精査する必要があるのではないかと思いますが、その点はどうですか。また、難しいかとは思うのですけれども、七社頭首工の問題についてはどうなのですか。
29:
◯答弁(農業基盤課長) 農業関係につきましては、基本的に周辺、下流も含めたすべての同意が必要となる水利権の問題が大きいと思います。また、七社頭首工につきましては市街地に近いということで、その設備を設置する場所の問題もありますし、採算性から考えると少し難しいのではないかと思っています。
30: ◯意見・
質疑(
辻委員) いろいろと調べられていると思いますけれども、水利権の問題とか、廃止発電所の問題については、可能性を追求していくということをもう少し検討してはどうかということを意見として申し上げておきます。
次に、広島県耐震改修促進計画の変更についての説明の中で、平成17年の耐震改修促進法の改正に伴う県や市町の役割について説明があり、市町の役割に耐震診断・改修の補助制度創設などを行っているということでしたが、耐震診断の結果、改修が必要だというようなことになった場合に、市町の補助制度はあるようですけれども、県の補助制度はあるのですか。
31:
◯答弁(建築課長) 県計画の補助につきましては、市町で行っておられまして、県の補助制度はありません。
32:
◯質疑(
辻委員) ないですよね。しかし、緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断は市町の補助制度創設支援を行っていますが、これは耐震診断に対してだけの補助で、改修等に対する県のほうの支援はないということですか。
33:
◯答弁(建築課長) 緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断に係る市町の補助制度につきましては、平成25年度ですけれども、県も補助する市町に対して間接的に補助しています。
34:
◯質疑(
辻委員) 診断については限定的にそういう補助をしているようですけれども、耐震改修促進法の一部改正に伴い、耐震診断が義務化され、診断結果も公表されるということになり、耐震改修や建てかえ等を行った場合の市町の補助はあるようですが、やはり県としても補助制度を創設して支援し、耐震改修や建てかえ等を促進していくということが必要なのではないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。
35:
◯答弁(建築課長) 耐震診断・改修の補助についてですけれども、地域の実情に詳しい市町のほうでやっていただくということにしており、今のところ県が補助するという考えには至っていません。
36:
◯要望・
質疑(
辻委員) 今すぐにやれと言ってはいないのですけれども、検討してみたらどうかと思うのです。市町が地域の実情を知っているのは当たり前なので、それに加えて県のほうも財政的な支援をすることなどによって市町を支援するということを行ってもいいと思うのです。県の役割を市町がやっていれば、県はやらなくてもいいということであっていいのかと思うのです。ぜひ検討していただきたいです。これは要望としておきます。
それから、災害拠点となる病院の耐震化の現状はどうなっていますか。耐震化率を教えていただけますか。
37:
◯答弁(医療政策課長) 昨年発表のありました会計検査院が行った公共建築物における耐震化対策等に関する会計検査の結果ですけれども、災害拠点病院18カ所と二次救急医療機関94カ所、合わせて112カ所について耐震調査し、棟ごとで結果を出したものですが、耐震化率は75.5%という結果です。ちなみに全国平均では76.1%ということで、ほぼ全国並みの状況です。
38:
◯質疑(
辻委員) そうすると平成25年の60.1%というのは県の病院の耐震化率ですか。
39:
◯答弁(医療政策課長) 平成24年12月現在ですけれども、これが県内の災害拠点病院と二次救急医療病院を合わせた耐震化率が75.5%で、全国では76.1%ということです。
40:
◯質疑(
辻委員) 施策マネジメントの中に出てくる耐震化の現状について、平成25年度は60.1%という数字が出ていたので、これとのかかわりについては後でやろうと思います。
最後に、ハード面の防災対策等についてはいろいろとあると思いますけれども、先ほどの広島県地域防災計画の見直しでも少し触れられていた県民の防災意識の醸成についてはどうですか。例えば、避難所の場所を確認している、家族との連絡方法の確認をしている、あるいは非常時持出品の用意をしている県民の割合はどのくらいですか。
41:
◯答弁(危機管理課長) 細かい数字がすぐ出てこないのですが、1~28%くらいの間になっています。
42:
◯質疑(
辻委員) そういう状況でいいと思いますか。
43:
◯答弁(危機管理課長) 全国平均を少し下回っていますので、少なくとも全国平均に追いつくということは速やかにしなければいけないと考えています。
44:
◯質疑(
辻委員) 全国平均はどのくらいなのですか。
45:
◯答弁(危機管理課長) たしか28%くらいで、広島県より数%高いという状況だったと思います。
46:
◯質疑(
辻委員) 県民の防災意識の醸成を促進してもらいたいと思います。全国平均が28%だとすると、平成26年度の目標は、避難場所の確認をしている県民の割合を24.3%、家族との連絡方法の確認をしている県民の割合を21.3%、及び非常時持出品の用意をしている県民の割合を20.7%にするという目標では、県民の防災意識の醸成にはつながらないと思います。この点については、県としてもっと目標を上げて、しっかり取り組まないと、いつまでも全国の後を追いかけていくようなことでは防災意識の醸成は進まないと思います。この点についてはどうですか。
47:
◯答弁(危機管理課長) おっしゃるとおりでして、広島県は大きな災害が起こることが少ないという感覚があるのかもしれませんが、あした災害が起こるかもしれないということを考えれば、避難場所の認知や家族との連絡方法の確認等が県民の間に浸透する必要があると考えています。
48:
◯要望(
辻委員) しっかりやっていただきたいと思います。先ほどの数字は、施策マネジメントの中に書いてある数字ですから、いかに全国平均より低いかということを認識して、防災意識の醸成に積極的に対応していただきたいということを申し上げて終わります。
49: ◯意見・
質疑(渡壁委員) 原点に返って物事を考えてみる必要があると思います。本委員会は
社会基盤強靱化・
再生可能エネルギー対策特別委員会です。
社会基盤強靱化です。そして、危機管理監が本委員会の一番の主人公だと思うのです。ここで、
社会基盤強靱化ということを言う前に、どこが弱いのかいうことをはっきりしないといけない。どこが弱いのかということがわからなければ、何を強靱化するのかという答えは出てこないのです。先ほどの説明を聞いていたら、地震のことだけを想定したことを言われています。地震への対策についても、
辻委員が言われているように十分な整備ができているとは言えないと思うけれども、少なくとも地震のことを念頭に置いているということはわかるのです。しかし、社会基盤を強靱化し、災害などに強くするということを考えた場合に、地震の対策だけで十分なのかと思うのです。
この間、私が広島県都市計画審議会に出たところ、審議する議案がどんどん減っているから、常務委員会を廃止して一緒にやればいいという説明がありました。社会の変化につれて我々の仕事も一定程度変わるという意識がなく、市町村合併したから、名前が変わるというような議案ばかりなのです。もう少しかんかんがくがくと議論するようなものを出してくれば広島県都市計画審議会もおもしろいと思うのです。本委員会も同じで、地震のことをやることはいいことなのですけれども、世の中が変わっていくことに即応するということが必要です。例えば、都市計画審議会の関係で言ったら、今までは人口が右肩上がりで伸びていく時代だったので、どういうふうに都市計画をするのかということを前提でやられているわけです。しかし、今は反対に人口がどんどん減っていく時代を迎えているのです。そうしたら、都市計画審議会で審議する内容も当然変わらないといけないのです。そうしないと適切な議案がないということになってしまいますが、そういう意識が全くないのです。イノベーションと知事は言っているけれども、口で言っているだけで、そんなことはだれの意識の中にも全然ないのです。あなたたちにはそういったことを感じるのです。この間も指摘したけれども、今、一番危険なのは、福山市もそうですが、中心部でも、周辺部でも、どこでも同じだと思いますが、空き家ばかりだということです。これは非常に危険な状況ですが、みんながそういう意識を持っていないのです。広島県は土砂災害が一番多い県でもあるのだから、そういうことを調査して、何を強靱化しないといけないのかということをここでみんなに言って、やってもらうようにするべきではないでしょうか。この問題については、危機管理監はそういうことを指示できる立場です。そういう立場だからこそ、そういうことを指摘しなければ、本当に危険な地域の社会基盤を強靭化するという結論は出てこないのです。一般的な話になってしまっているのです。だから、社会基盤を強靱化するには何を改善しようと思うのかというところから始めないといけないと私は思います。そういったことを具体的にやらないといけない。こんな聖人君子みたいなことを並べるのは誰でもできますが、それでは具体的な仕事はできないのではないか。各セクションの人がここで顔を合わせているのだから、もう少し具体的にそれぞれが自分のところはあれをしないといけない、これをしないといけないと思って帰ってもらうようにしなければ、本当に社会基盤を強靭化することはできないのではないかと思いますが、何かあれば言ってください。
50:
◯答弁(危機管理監) 渡壁委員がおっしゃるとおり、今、地震だけがクローズアップされていますが、広島県は土砂災害が一番多く、近年であれば、庄原市での豪雨災害がありました。いつどこで大雨が降るかということはわからないので、これに対応するために土木局等と連携をとりながら、土木局はハード対策、危機管理監はいつでも避難することができる体制を整備し、早目早目の避難勧告を市町等にやっていただくようにソフトのほうをやるというように、ソフト及びハードの両面で取り組みをさせていただくことが必要だと思います。それと今、
辻委員からお話がありましたように、これからの災害は公だけではなかなか防ぎ切れませんし、災害は起こるものということを前提に、災害が起こったときにいかに被害を最小限にとどめるかということが大事であると理解しております。そのためには
辻委員がおっしゃるように、いかに防災意識を高めるかということで、1月21日に行ったように地震を想定した広島県一斉防災訓練を実施するなり、県民を挙げて防災意識を高めていくというソフト面の対策も必要だと思います。強靱化といったらどうしてもハードというイメージがありますけれども、農業、土木、健康福祉等のソフトやハードの両面から全面的に防災対策を打っていかないといけないと思っています。
51: ◯意見(渡壁委員) 危機管理監の言うことはわかるのだけれども、本委員会は縦割りの委員会ではなく、いろいろなセクションが出てきているのだから、何が危険なのかということをみんなが共有するということが大切なのです。危機管理監がソフトのほうはこれをやると言うだけではいけないのです。やはりこういうところは危険なので、こういうところを直してくださいということを危機管理監が指摘して、やってもらうようにしなければいけない。危機管理監はソフトをやるのだから、他のことはしないということではいけません。やはりソフトだけではなくて、いろいろと調査して、こういうところが危険ですからそれは直してくださいということを一番中心になるところがしなければいけないのです。だから、危機管理監が旗を振らないといけないと、私はそう思います。そして、知事でも他の人にでもそういうことをやってもらわないと困りますと言っていかないといけない。そうしないと社会基盤の強靱化はあり得ないのです。一向に、空き家が災害のもとだという認識を持っていないのです。阪神・淡路大震災では、空き家のような家がたくさんあって逃げるところがなくなったから大災害になったのです。神戸大学の先生が書いた報告書を私も読んだのだけれども、そういう家が密集していた地区で5,000人も6,000人もの被害者が出たのです。だから、空き家対策も、地震の対策でもあれば、都市計画の課題でもあり、さまざまな問題を含んでいるのです。そういうこともきちんとやってもらわないといけないということを、危機管理監が指摘しないと本委員会の値打ちはないと、私は思います。しっかりやってください。
(7) 閉会 午後3時20分
○ 参考人名簿
東京大学大学院 経済学研究科 教授 大橋 弘
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...