広島県議会 2012-03-14
2012-03-14 平成23年度予算特別委員会(第6日) 本文
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予算特別委員会(第6日) 本文 2012-03-14 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : ◯質疑(安井副委員長) 選択 2 : ◯答弁(教育長) 選択 3 : ◯質疑(安井副委員長) 選択 4 : ◯答弁(教育長) 選択 5 : ◯要望・質疑(安井副委員長) 選択 6 : ◯答弁(教育長) 選択 7 : ◯要望・質疑(安井副委員長) 選択 8 : ◯答弁(
地域政策局長) 選択 9 : ◯要望・質疑(安井副委員長) 選択 10 : ◯答弁(
地域政策局長) 選択 11 : ◯質疑(安井副委員長) 選択 12 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 13 : ◯質疑(安井副委員長) 選択 14 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 15 : ◯要望・質疑(安井副委員長) 選択 16 : ◯答弁(知事) 選択 17 : ◯意見・質疑(安井副委員長) 選択 18 : ◯答弁(総務局長) 選択 19 : ◯要望(安井副委員長) 選択 20 : ◯質疑(砂原委員) 選択 21 : ◯答弁(教育長) 選択 22 : ◯質疑(砂原委員) 選択 23 : ◯答弁(教育長) 選択 24 : ◯質疑(砂原委員) 選択 25 : ◯答弁(教育長) 選択 26 : ◯質疑(砂原委員) 選択 27 : ◯答弁(教育長) 選択 28 : ◯質疑(砂原委員) 選択 29 : ◯答弁(教育長) 選択 30 : ◯質疑(砂原委員) 選択 31 : ◯答弁(教育長) 選択 32 : ◯質疑(砂原委員) 選択 33 : ◯答弁(教育長) 選択 34 : ◯質疑(砂原委員) 選択 35 : ◯答弁(教育長) 選択 36 : ◯質疑(砂原委員) 選択 37 : ◯答弁(教育長) 選択 38 : ◯質疑(砂原委員) 選択 39 : ◯答弁(教育長) 選択 40 : ◯要望・意見(砂原委員) 選択 41 : ◯質疑(尾熊委員) 選択 42 : ◯答弁(知事) 選択 43 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 44 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 45 : ◯質疑(尾熊委員) 選択 46 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 47 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 48 : ◯答弁(教育長) 選択 49 : ◯質疑(尾熊委員) 選択 50 : ◯答弁(教育長) 選択 51 : ◯質疑(尾熊委員) 選択 52 : ◯答弁(教育長) 選択 53 : ◯要望・質疑(尾熊委員) 選択 54 : ◯答弁(教育長) 選択 55 : ◯質疑(尾熊委員) 選択 56 : ◯答弁(教育長) 選択 57 : ◯要望(尾熊委員) 選択 58 : ◯質疑(松浦委員) 選択 59 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 60 : ◯要望・質疑(松浦委員) 選択 61 : ◯答弁(知事) 選択 62 : ◯質疑(松浦委員) 選択 63 : ◯答弁(
地域政策局長) 選択 64 : ◯質疑(松浦委員) 選択 65 : ◯答弁(知事) 選択 66 : ◯質疑(松浦委員) 選択 67 : ◯答弁(
地域政策局長) 選択 68 : ◯要望・質疑(松浦委員) 選択 69 : ◯答弁(知事) 選択 70 : ◯質疑(松浦委員) 選択 71 : ◯答弁(知事) 選択 72 : ◯質疑(松浦委員) 選択 73 : ◯答弁(知事) 選択 74 : ◯質疑(岩下委員) 選択 75 : ◯答弁(教育長) 選択 76 : ◯質疑(岩下委員) 選択 77 : ◯答弁(教育長) 選択 78 : ◯質疑(岩下委員) 選択 79 : ◯答弁(教育長) 選択 80 : ◯質疑(岩下委員) 選択 81 : ◯答弁(教育長) 選択 82 : ◯要望・質疑(岩下委員) 選択 83 : ◯答弁(
地域政策局長) 選択 84 : ◯要望(岩下委員) 選択 85 : ◯質疑(東委員) 選択 86 : ◯答弁(健康福祉局長) 選択 87 : ◯要望・質疑(東委員) 選択 88 : ◯答弁(教育長) 選択 89 : ◯要望・質疑(東委員) 選択 90 : ◯答弁(教育長) 選択 91 : ◯要望・質疑(東委員) 選択 92 : ◯答弁(
農林水産局長) 選択 93 : ◯質疑(東委員) 選択 94 : ◯答弁(
地域政策局長) 選択 95 : ◯要望・意見(東委員) 選択 96 : ◯質疑(山木委員) 選択 97 : ◯答弁(知事) 選択 98 : ◯質疑(山木委員) 選択 99 : ◯答弁(知事) 選択 100 : ◯質疑(山木委員) 選択 101 : ◯答弁(知事) 選択 102 : ◯質疑(山木委員) 選択 103 : ◯答弁(知事) 選択 104 : ◯質疑(山木委員) 選択 105 : ◯答弁(知事) 選択 106 : ◯意見・質疑(山木委員) 選択 107 : ◯答弁(知事) 選択 108 : ◯質疑(山木委員) 選択 109 : ◯答弁(教育長) 選択 110 : ◯要望・質疑(山木委員) 選択 111 : ◯答弁(総務局長) 選択 112 : ◯意見(山木委員) 選択 113 : ◯知事 選択 114 : ◯議長 選択 115 : ◯委員長 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 7 会議の概要
(1) 開会 午前10時30分
(2) 記録署名委員の指名
砂 原 克 規
山 木 靖 雄
(3) 質疑・応答
(安井副委員長)
◯質疑(安井副委員長) 自民会議の安井裕典でございます。一昨日、過疎地域の抱える課題について質問いたしましたが、過疎地域の課題は山積していることから、引き続き視点を変え、質問させていただきます。それでは、早速ですが質問に入らせていただきます。
過疎地域の活性化を図る上で一番重要な課題は、人をどうやって集めるか、どうやって定住してもらうかということだと考えるのですが、人を集める上で地域における教育環境は大変重要な条件と言えます。そうした中で、将来のことを考えず、目先の効率化だけで、地域にとって活性化の源とも言える、最重要施設の一つである学校の統廃合が行われてきたことが、過疎化に拍車をかけています。
県立高等学校再編整備基本計画による適正規模化の推進においては、県立高等学校の統廃合実施に当たって、中山間地域と都市部における近隣校までの距離や公共交通機関の利便性等の相違にも十分配慮するということでありましたが、実際、統廃合により遠距離通学を余儀なくされた生徒も多いと思います。教育の機会均等という点で、統廃合によるマイナス面をカバーするプラス面があってもしかりだと考えるのでありますが、統廃合により、過疎地域に暮らす生徒にどのようなメリットがあったのか、教育長にお伺いいたします。
2: ◯答弁(教育長) 本県におきましては、県立高等学校再編整備基本計画に基づき、よりよい教育環境のもとで教育効果を高める観点から、県立高校の適正規模化に取り組んでおります。適正規模の学校では一定数の教員が配置されるため、多様な科目が選択できるとともに、多数の生徒が在籍することにより、部活動の選択の幅が広がることから、お互いに切磋琢磨しながら活力のある学校生活を送ることができるようになったと考えております。
3: ◯質疑(安井副委員長) 学校統廃合の賛否は分かれると思いますが、来年度は現行の県立高等学校再編整備基本計画を着実に推進するとともに、社会状況の変化等を踏まえ、今後、本県の高等学校教育のあり方について検討し、地域の特性と社会のニーズに対応した高等学校を整備する目的で、高等学校教育改革推進事業を実施することとされています。この中で、有識者等で構成する検討協議会で、本県の高等学校教育のあり方の検討を行うこととしておりますが、高等学校教育のあり方については、過疎対策という観点からも検討していただきたいと思います。
そこで、本県の高等学校教育のあり方の検討に当たって、どのような観点で、どのような方向性を持って進めていこうと考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。
4: ◯答弁(教育長) 来年度設置する検討協議会におきましては、本県を内外から支える人材の育成や、今後求められる高等学校のあり方、県立高等学校の配置の方向性などについて御議論いただく予定でございます。
また、この検討協議会の委員には中山間地域にもかかわりの深い有識者等にも就任していただくとともに、知事部局の関係局からも意見を聞くなど、中山間地域の観点も含めて検討することとしております。
5: ◯要望・質疑(安井副委員長) 過疎対策の観点もしっかり盛り込んでいただくようお願いいたします。
さて、サッカーや野球といったスポーツでは、有名な指導者のもとに生徒が集まってきます。学習塾では、カリスマ講師といったことも話題になっておりますが、過疎地域の学校に生徒を集めるという点において、こうした事例は参考になるのではないかと考えます。
本県では平成15年度に、優秀な教員の専門的な力量を当該校のみならず県内全域に活用する観点から、教科指導力等にすぐれた教員を認証するエキスパート教員認証制度を独自に創設しましたが、これをもとに指導教諭制度が国において設けられたと聞きます。公立高校において、どの程度効果があるかはわかりませんが、先生の資質を高め、カリスマと言われる先生を育て、そして過疎地域の学校に配置し、生徒を集めるといったことにつなげていく必要があるのではないかと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。
6: ◯答弁(教育長) 中山間地域の学校では、地域のニーズに合った教育活動を展開し、特色ある学校づくりを進めているところでございます。そうした取り組みを進めていくためには、校長のリーダーシップのもと、教職員がそれぞれの得意分野で能力を十分に発揮できる学校づくりを行っていくことが大切であると考えております。
教育委員会といたしましては、教職員一人一人の能力と意欲の一層の向上を図り、地域の方々から信頼され、支えられる学校づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
7: ◯要望・質疑(安井副委員長) 地域の学校でなければできない授業、あるいは課外授業もあると思います。我が町の佐伯高校は小規模校ではありますが、部活にはアーチェリー部があり、ユースオリンピックに出場した実績があります。そのように地域の特色が出るような柔軟な対応をお願いいたします。
次に、過疎地域の高齢者対策についてお伺いいたします。過疎地域を含めた中山間地域が活力を持つためには産業対策も重要ですが、地域の高齢化が進む中、過疎地域では日常生活でもさまざまな支障が生じており、生活を支える機能の確保に向けた取り組みの充実を図ることが強く求められていると考えます。来年度、県では新規事業として、過疎地域の生活支援モデル事業に取り組むこととされております。この過疎地域の生活支援モデル事業の成果目標としては、地域みずからが選択し、構築する地域づくり、住民自治のスタンダード化とありますが、過疎地域には高齢者の方が多く、特に、体の不自由な方、ひとり暮らしをされている方に対しては、買い物を含めた日常生活に対する支援が必要であり、この事業をきっかけに、地域に暮らす高齢者を地域で支えていくといった取り組みが広まっていくことを期待するものであります。この事業で支援した取り組みをどのように進めて、スタンダード化しようと考えておられるのか、
地域政策局長にお伺いいたします。
8: ◯答弁(
地域政策局長) この事業は、過疎地域の生活機能の確保を図るとともに、先導的な取り組みを支援し、成功事例をつくり出すことによりまして、自助、共助による課題解決の機運を醸成し、その効果を他地域へ波及させることを目的といたしております。
このため、地域課題に向き合う住民に課題解決の意欲を喚起し、自主的な活動へとつながるよう、活動事例の報告会や活動モデルの情報提供などにより県内他地域への波及に取り組んでまいります。
また、これらの取り組みによる機運醸成にあわせまして、従来はハード事業のみを対象としておりましたが、現在はソフト事業も対象とすることができることとなっております過疎債を有効活用することによりまして、広く地域住民の取り組みを支援するよう、各市町に対し促してまいりたいと考えております。
9: ◯要望・質疑(安井副委員長) 買い物にも病院にも行けずにおられる高齢者にとって、この事業はタイムリーであると思います。スタンダード化に向けて、しっかりと取り組んでください。
さて、携帯電話、インターネット等が普及しておりますが、県内の携帯電話普及率について言えば、昨年12月現在で91.1%となり、初めて9割を超えたということで、ほとんどの方が携帯電話を持つ時代となりました。過疎地域を抱える課題への対応を考えるときにも、これらの情報通信技術を積極的に活用していくべきであり、情報通信技術を活用できる環境整備を進めていく必要があると考えます。この環境整備において重要なことは、ハードも当然ですが、ソフトの整備の充実であります。高齢者も多くの方が携帯電話を持っておられます。しかし、機能を十分に使いこなせているわけではありません。過疎対策における情報通信技術を活用できる環境整備においても、特に高齢者にわかりやすく、かつ使いやすいという観点で、ソフト面の充実等を図っていく必要があると考えますが、県として今後どのような観点で、どう取り組んでいこうとされているのか、
地域政策局長にお伺いいたします。
10: ◯答弁(
地域政策局長) 本県は、これまで情報通信基盤の格差是正を図る観点から、過疎地域や離島などを含め、県全域を対象に携帯電話やブロードバンド等の情報通信基盤の整備を進めてまいりました。この結果、県内の携帯電話の不感地域はほぼ解消し、インターネットなどを行うためのブロードバンド環境もほぼ県内全域をカバーしたことから、今後はこうした情報通信基盤の幅広い利活用を促進し、県民生活の利便性の向上や、安心・安全の確保を図ることが重要な課題であると考えております。
本格的な高齢化社会を迎えるに当たり、高齢者にわかりやすく、使いやすい情報提供を行うことは重要な課題であり、県といたしましても、そうした観点から情報提供の手法等を改善するとともに、市町に対しましても、県と市町で構成する電子自治体推進協議会の場を通じまして、こうした取り組みを促してまいりたいと考えております。
11: ◯質疑(安井副委員長) 高齢化社会の実態に即して、高齢者にわかりやすく、使いやすい環境整備に努力してもらいたいと思います。
次に、農林水産業の振興についてお伺いいたします。農林水産業は過疎地域を含めた中山間地域の主要な産業であり、過疎地域の活性化のためには農林水産業の振興は欠かせないと考えます。ことし1月に売上高3,000万円規模を目指す農業参入企業が50社に到達するとともに、企業の農業参入により、農業生産額24億5,000万円、雇用約600名を創出したということであり、このこと自体は明るい話題でありますが、今、国はTPP交渉参加に向けた動きを強めております。交渉への参加自体がどうなるかわかりませんが、自由競争の中に本県農業が巻き込まれた場合、多大な影響を受けることは多くの方が認識されていることであります。さきに触れました企業の農業参入も、ほとんどが過疎地域における取り組みであり、TPPへの参加によって、今後厳しい状況に直面することも想定されるのであります。県において、国の動向をただ見守るだけでなく、TPPに参加した場合も想定して、もっと力強く農林水産業の振興に取り組んでいただきたいと思うのでありますが、どのような姿勢で取り組んでいこうと考えておられるのか、
農林水産局長にお伺いいたします。
12: ◯答弁(
農林水産局長) TPPへの参加の先行きにつきましては、いまだ不透明な状況にございますけれども、農林水産業関係者の方々に不安が生じることのないよう、本県農林水産業の経営体質強化に早急に取り組む必要があると考えております。このため、平成27年度の数値目標を定めましたチャレンジプランを基本指針として、農山漁村地域の産業の核となる農林水産業の実現に向け、意欲ある担い手の育成と経営力の強化に加え、農林水産物の販売力の強化などに重点的に取り組んでいるところでございまして、来年度においても、引き続き全力を挙げて推進してまいります。
こうした取り組みを市町、関係団体などと一体となって進めることにより、本県農林水産業の持続的発展と安定的な産業基盤に支えられた、活力と魅力にあふれた中山間地域の形成につなげてまいりたいと考えております。
13: ◯質疑(安井副委員長) 国がTPPに参加した場合、これまで農業参入された企業が撤退することも考えられます。農地の有効活用や雇用の創出が進んでいるところであり、こういうことがないように取り組んでもらいたいと思います。
次に、過疎地域の多くは、山間地や離島など森林面積の占める割合が高い地域であり、地域の森林を健全な森林として維持管理し、次世代に引き継ぐことは重要な課題であります。森林の公益的機能の維持・増進に資する県独自の新たな施策に要する財源に充てることを目的とした、ひろしま森づくり県民税については、5年間延長となり、引き続きこの貴重な税金を使って、人工林対策、里山林対策、県民意識醸成対策等に取り組んでいくこととなりました。しかしながら、ひろしまの森づくり県民税も、また、これを財源とした事業についても、まだまだ県民の認知度が低いのではないかといった指摘が多く、例えば、地元住民やボランティア団体が中心となっている里山再生活動などの取り組みに広く県民の方に気軽に参加していただき、事業についてもっと知ってもらえるような取り組みが必要ではないかと思いますが、この点について
農林水産局長の所見をお伺いいたします。
14: ◯答弁(
農林水産局長) より多くの県民の皆様に森づくりに参加していただくことは、極めて重要であると考えております。来年度におきましては、まず里山林対策における市町の裁量を高めまして、地域の皆さんが行う森林保全活動や森林・林業体験活動に対して十分な支援を行えるようにすること、また、特認事業を拡充し、地域の皆さんやボランティア団体等が主体となって継続的に取り組む森林保全活動の支援を強化することとしております。こうしたことを通じまして、県民の理解と参加による森づくりを一層推進してまいりたいと考えております。
15: ◯要望・質疑(安井副委員長) より多くの県民に参加していただき、この取り組みについて、もっと知っていただけるようお願いします。
冨永
農林水産局長におかれましては、今月末をもって退職されます。4年間の
農林水産局長在職中には、2020広島県農林水産業チャレンジプランを策定され、本県農林水産業発展の道筋をつけてこられました。県を離れても県行政を見守っていただきたいと思います。長い間お疲れさまでした。
次に、市町村合併の効果等についてお伺いいたします。市町村が広域化、複雑、多様化する行政ニーズ、市町村単独では解決できない環境問題などに的確に対応していくためには、広域行政に向けた一層の取り組みを進め、その体制整備を図る必要があり、そのための最も有効な手段は合併であるとして、本県では市町村合併を進めました。しかしながら、合併後に支所となった旧役場の周辺を歩いてみますと、合併前に比べて寂しくなったという印象をぬぐえないのも事実であります。
そこで、過疎対策という点に絞ってみた場合、県として市町村合併によってどのような効果があったと考え、どう評価しておられるのか、また、市町村合併の結果を今後の過疎対策にどのように生かしていこうと考えているのか、知事にお伺いいたします。
16: ◯答弁(知事) 市町村合併は、厳しい財政環境や多様化する行政需要に的確に対応するために、行財政体制の強化を図って、新たなまちづくりを目的として進めてきたものでございます。合併後に実施されました三位一体改革による地方交付税の削減等の影響を踏まえますと、合併による財政基盤の強化に取り組んでいなければ、特に小規模で財政力の弱い団体におきましては、一層厳しい状況に直面していたのではないかと考えております。
行政面では、合併による執行体制の強化によって、農林水産業の振興を図るための専任組織を設置して、過疎地域への新たな取り組みが行われるとともに、県からの事務・権限の移譲が進み、住民サービスの充実が図られたところでございます。さらに財政面におきましては、合併特例債など臨時的な財政措置を活用して、合併建設計画に基づく事業を着実に推進することで、過疎地域の行政サービスの向上や総合的なまちづくりに取り組まれているところでございます。今後とも合併市町において、より一層合併の効果が実感できるよう連携して取り組んでまいりたいと考えております。
17: ◯意見・質疑(安井副委員長) 過疎地域においても目に見えた合併の効果が実感できることを期待しております。
ここまで2日間にわたって過疎地域が抱える課題について質問してまいりましたが、ここで県職員の人材育成について一つ質問いたします。
3月11日で、あの大震災から1年が過ぎ、メディアを通じ国民にはわからなかった事象がいろいろな角度から情報発信されるようになりました。改めてその被害の大きさと悲惨さに驚愕するばかりであり、心より哀悼の意とお見舞いを申し上げるとともに、できるだけ早い復興を願うばかりであります。これまで県職員として、警察、医療関係者が支援業務やボランティアで現地に赴いたことはよく聞かれますが、より多くの職員が現地を訪れ、自分の目、体で接し、肌で感じ、人の生命の大切さを学ぶことも重要ではないでしょうか。百聞は一見にしかずであり、本県にとって大きな財産になると考えます。
そこで、今後の人材育成の観点から、研修あるいは公費助成という形でできるだけ多くの県職員に現地に行ってもらえるようできないかと考えますが、総務局長の所見をお伺いいたします。
18: ◯答弁(総務局長) 本県におきましては、これまで延べ300人余の職員を派遣するなど、被災地の状況に応じた支援を行ってまいりました。この被災地における職員のさまざまな支援活動や、その活動を通じた被災者の方々との交流は、職員にとって非常に貴重な経験であり、県民起点、現場主義、成果主義という3つの視座を再認識するとともに、職員みずからの人材育成を図るという観点からも大変有益であったものと考えております。
今後は、これまで派遣した職員の貴重な経験をより多くの職員が広く共有し、本県の防災対策も含め、県勢発展のための取り組みにつなげるとともに、被災地への職員の派遣に当たりましては、人材育成の観点も含めて検討してまいりたいと考えております。
19: ◯要望(安井副委員長) 大変意義のあることだと考えますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
最後に、一つ要望を申し上げます。県では、来年度、広島かき生産出荷体制強化事業により、海底清掃による漁場のリフレッシュや生産改善いかだの導入への支援、養殖海域におけるノロウイルス検査の強化などによって、広島かきの品質の向上を図るとともに、共同集出荷による流通・販売力の強化や消費拡大キャンペーンなどの取り組みを進めていこうとされております。カキは全国一の生産量を誇る、本県を代表する水産物です。しかしながら、かつては全国の生産量の7割強を誇ったシェアも、近年は6割弱の水準で推移しており、大消費地である首都圏市場でのシェアの低迷など、ブランド力の低下が指摘されております。市場のニーズを的確にとらえ、生産・流通・販売の各分野において総合的な取り組みを積極的に推進していくことにより、広島かきのブランド力の強化につなげていただくようお願いして、私の質問を終わります。
20: (砂原委員)
◯質疑(砂原委員) 皆さん、おはようございます。一昨日に引き続き、質問させていただきます。本日は、教職員の身分に関して質問させていただきます。
まず初めに、教職員の人件費は、来年度の予算では約2,000億円が計上されておりますが、それは教育委員会関係予算の何割を占めているのでしょうか。また、教職員の人件費は県全体の人件費の何割を占めているのでしょうか、それぞれ教育長に伺います。
21: ◯答弁(教育長) 平成24年度における教育委員会所管の職員給与費は1,983億円余となっており、教育委員会の予算全体に占める割合は約91%となっております。また、県全体の人件費は2,990億円余となっており、教育委員会の職員給与費の占める割合は約66%となっております。
22: ◯質疑(砂原委員) このように、教職員の人件費は本県の予算の相当な部分を占めており、教職員の給与制度のあり方が県の財政に大きな影響を及ぼすということを皆様に明確に認識いただいた上で質問に入ります。
さて、県立学校には実習助手が置かれていますが、その職務内容は、実験または実習について教諭の職務を助けるとなっております。教育長、このような認識で間違いないでしょうか。
23: ◯答弁(教育長) 委員御指摘のとおり、実習助手の職務内容につきましては、実験または実習について教諭の職務を助けるものでございます。
24: ◯質疑(砂原委員) この実習助手という一つの職を、本県では主任実習助手と実習助手という2つの職に分けて配置しております。それを呼称として主幹実習教諭、実習教諭と呼んでいます。そして、実習助手のうち高度の知識または経験を必要とする業務を行う者が主任実習助手、すなわち主幹実習教諭であると理解しておりますが、これで間違いないでしょうか。
25: ◯答弁(教育長) 委員御指摘のとおり、主幹実習教諭の職務内容につきましては、高度の知識または経験を必要とする業務を行うというものでございます。
26: ◯質疑(砂原委員) 主幹実習教諭は実習助手ですから、教諭と違って教員免許状を持っていなくても任用できます。また、児童生徒の教育をつかさどる教諭は、児童生徒に対する全般的な教育とその責任を負うことが職務内容であるのに対し、主幹実習教諭は実験または実習について教諭の職務を助けるというように、教諭の補助にとどまるというような違いがあると聞いております。これで間違いないでしょうか。
27: ◯答弁(教育長) 主幹実習教諭等の職務につきましては、実験・実習の指導やこれに必要な準備及び整理などについて教諭の職務を助けるものでございます。
28: ◯質疑(砂原委員) ここでちょっとパネルを見ていただきたいのですが、(パネルを示す)これが教育職の給料表でございます。ごらんのとおり1級から4級まで分けられており、4級が校長、3級が教頭、2級からが教諭ということになっております。1級が実習助手ということです。そして、広島県では実習助手を実習教諭と主幹実習教諭の2つに分けていると申し上げました。
それで、この表を見ていただいたらわかりますが、主幹実習教諭は2級に、実習教諭は1級に格付されております。ところが、同じ教育職給料表の2級には、今言いました教諭が格付されておりますが、この両者の職務の困難性や責任の度合いを比較すると、なぜ実習助手を教諭と全く同じ給料に格付することができるのか、その理由を教育長にお伺いします。
29: ◯答弁(教育長) 2級格付につきましては、平成2年に他県との均衡や他職種の給与水準との均衡などを踏まえて位置づけたものでございます。
30: ◯質疑(砂原委員) それでは次に、この選考方法を見てみますと、教諭については皆さん御存じのとおり、非常に高い倍率の教員採用試験に受からないと、たとえ教員免許状を持っていてもなかなか教員には採用されません。さて、これに対して主幹実習教諭への昇任の際の選考方法は、どのようなものでしょうか。
31: ◯答弁(教育長) 一定の要件を満たす者につきましては、昇任選考試験を実施しております。選考試験の内容は5日間の研修受講と課題レポートの提出となっておりますが、合否に当たりましては、それらの状況に加え、採用後の勤務状況等を総合的に評価し判断しているところでございます。
32: ◯質疑(砂原委員) 採用と昇任は違うとはいうものの、教員の採用試験と比べて余りにも内容が違い過ぎると考えております。
それでは次に、現在、県立の高等学校と特別支援学校には主幹実習教諭と実習教諭、合わせて270人が配置されていると聞いております。ここにも書いてあります。そのうち本採用の職員は187人で、欠員補充の臨時的任用者が83人とお聞きしておりますが、この本採用187人のうち、2級に昇任しているのは一体何人でしょうか、教育長お答えください。
33: ◯答弁(教育長) 主幹実習教諭など2級格付となっている者は、187名中186名でございます。なお、平成12年度以降、実習助手の採用は見合わせているところでございます。
34: ◯質疑(砂原委員) これをちょっとはがします。187人のうち186人です。お話を伺いましたら、この1名の方は本人の都合で試験を受けていない、つまり、全員が主幹実習教諭になっているということであります。また、高度の知識または経験を必要とするといいますけれども、それがどのようなものか、甚だ疑問を感じるのであります。
それでは、次に給与ですが、実習教諭が主幹実習教諭に昇任した場合と昇任しなかった場合とで、1人当たりで年間どれぐらいの差額が出るのか、また退職手当等を含めた生涯賃金ではどのくらいの差になるのか、お伺いします。
35: ◯答弁(教育長) 大学卒業後すぐに採用となり、最短で昇任、昇格した場合の昇任年度の給与を比較した場合には、年間給与額の差は35万円程度となっております。退職手当を含む生涯賃金につきましては、同様の条件で試算した場合には、最大で3,700万円程度の差ということになっております。
36: ◯質疑(砂原委員) あくまで試算ですけれども、167名いるわけですから約62億円の給与等の財政負担が必要になってくるということになります。
実習助手という一つの職をわざわざ2つの職に分けて、県立学校の本採用の実習教諭という職をつくり、実習助手のほぼ全員を2級に昇任させている。そして、この昇任の方法も厳正な選考ではなく、研修受講と課題レポートという簡素な選考方法であり、昇任させるためにやっているように思えます。これから考えると、主幹実習教諭制度は実習助手を教育職給料表の1級から2級へと渡らせる、いわゆる「わたり」であると指摘されてもおかしくはないと思いますが、教育長の御所見をお伺いします。
37: ◯答弁(教育長) 主幹実習教諭は、人事委員会規則で定める級別標準職務表に位置づけられた職であります。また、昇任に当たりましては高度の知識または経験を必要とする業務の遂行能力と適性を確認するため、昇任選考試験を実施しているところでありまして、いわゆる「わたり」であるとは考えておりません。
38: ◯質疑(砂原委員) 難しい試験を受けて何人かが、何割かが上がっていくというのなら、まだ理解できますが、全員が上がっている。これは、「わたり」以外の何物でもありません。
それでは、この主幹実習教諭の制度について、これまで議会にはどのような説明をしてこられたのか、教育長にお伺いします。
39: ◯答弁(教育長) 主幹実習教諭の職の設置や昇格基準につきましては、教育委員会規則や人事委員会規則等で定めているものであり、これまで議会に説明は行っておりません。
40: ◯要望・意見(砂原委員) 厳しい財政状況の中です。そして将来的にも負担が必要になる。こういうことを県民の目にも議会の目にも触れずに行っている。恐らく知事も今回初めて知られたのではないかと私は感じております。
さて、今、教育長に答弁いただきましたが、この主幹実習教諭制度は、「わたり」であるとしか考えようがありません。以前は、「だれでも8級」問題というものがありました。これを改善したはずなのに、まだ残っている。しかも主幹実習教諭を教諭と同じ2級にしているということも大きな問題であると私は考えております。広島県は文部省から是正指導が入りました。これは教育委員会の中でこういった問題について手をつけていなかったということになります。
さて、別の話ではございますが、来年度、栄養教諭の配置を26人から50人にふやすことにしております。食育を推進するためだと聞いております。児童生徒に対する食育の指導を充実させる、これは非常に大切なことで、やらなければならないことです。しかしながら、食育の指導は栄養教諭をふやさなくてもできるのです。現に栄養士にもやっていただいております。さらには県内で栄養教諭も栄養士も配置がない学校が約85%です。それらの小中学校でさえも教諭や養護教諭などが推進リーダーに選任されて、食育の指導をきちんと行っておられるのであります。
栄養士を栄養教諭にすれば、教育委員会の試算では1人当たり約30万円もの年間給与が上がり、退職金も約150万円上がる。さらに、その生涯賃金の差を比べれば、栄養教諭のほうが1人当たり約1,350万円もの給与等の財政負担が増加すると聞いております。食育を推進するために職員の処遇を改善すると言いながら、食育を推進するための事業は平成24年度の教育委員会予算には全く組み込まれていないのです。本当に食育推進を目指しているとは思えないのであります。
実習助手の「わたり」の問題も、栄養教諭の問題も、だれのために何をしようとしているのでしょうか。国の施策とはいえ、35人学級を実施するために教職員をふやす、または今述べたように、栄養教諭に格上げすることで教育職員の給与を上げる、こういうことをすれば、教育の質が向上すると教育委員会は考えているのではないでしょうか。これらはむしろ教育界の甘えの構造を助長することになるのではないでしょうか。
冒頭でも確認しましたが、教職員の給与費が県の財政に与える影響は非常に大きいのです。教職員の給与を少し上げただけでも何十億円という単位で財政負担がふえるのであります。ですから、教職員給与の制度設計をどのようにするかは非常に大切な問題であり、慎重かつ適切な対応が不可欠であります。ぜひとも、この「わたり」の問題は早急に見直していただきたい。そして、この見直しによって得られた財源をほかのことに使うのではなく、子供たちの教育のために必ず使っていただきたい。教職員のためにではなく、子供たちの教育のためにお金を使う。これは財政当局にも強くお願いしておきます。ぜひ見直していただきたい。そして、財政当局は新たな財源として、教育以外のことには決して使わないようにお願いしたい。これを強く要望しておきます。この問題について、鳥取県はメスを入れ、改善しました。広島県も勇気を持ってこの問題について取り組んでいただきたいと思います。
さて、最後に、最近、ファンド、水道事業、広島ブランドショップといった事業に代表されるように、事業内容の精査や県民への十分な説明がなされないまま、ムードやイメージのみで事業が始められているように感じております。私たち議会が疑問を投げかけても、納得できる明確な答えが返ってこないまま予算が執行される。そして、私たちが指摘してきた問題点が現実のものとなったときに、当初の構想があいまいだったと反省されても、議会はフォローのしようがないのです。先ほど指摘した、とっくの昔に姿を消したと思っていた、この「わたり」という制度が実はまだ残っており、しかも安易に運用されていたこともしかりであります。このようなことを繰り返していると、県と我々議会との間だけでなく、起点である県民との間の信頼関係が失われていくのではないでしょうか。私はそのことを非常に不安に思います。
知事が新たなことに取り組むことは大賛成です。どうぞ、そういったところをきちんとやった上で事業を推進していただきたいと考えております。そのことを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
41: (尾熊委員)
◯質疑(尾熊委員) 公明党広島県議会議員団の尾熊良一でございます。それでは、2日目の質問に入らせていただきます。最初の質問は、被災地の瓦れきの受け入れについてであります。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災から1年がたちました。先日、テレビ報道の中で、被災地の方が瓦れきの山を見ると心がなえるとか、また瓦れき処理の受け入れを表明しない自治体があると聞くが、そのような自治体はきずなという安っぽい言葉は使わないでほしい、きずななどという言葉はもう要らないと言われており、私も大変ショックを受けました。この瓦れきの受け入れについては、今次定例会の本会議や
予算特別委員会でも何度も取り上げられました。先日の
予算特別委員会での答弁においても知事は、被災地の早期復興のために、災害廃棄物の処理を積極的に受け入れて協力していかなければならないと述べておられますが、瓦れき処理の安全性を国がしっかりと示していないという理由から、知事は実際の受け入れには慎重な態度を崩しておられません。
野田首相は3月11日の記者会見で、全都道府県に瓦れき受け入れを文書で要請すると述べ、ようやく及び腰の姿勢を改め始めました。今週に入り、全国の自治体の中には新たに受け入れ表明するところも出てきております。本日の報道では、山口県防府市も条件つきながら受け入れを表明されておりました。
先日、公明党の山口代表は政府に対し、1、瓦れきの安全性の周知徹底による住民理解。2、瓦れき受け入れに伴う費用への財政支援、3、焼却灰の最終処分に積極的に取り組むとの3点で政府の対応を促し、党としても総力を挙げて推進すると改めて訴えました。このような3つの条件がそろった場合には、瓦れきの受け入れについて慎重な態度をとり続ける必要はないものと考えます。
そこで、国が住民理解に向けたこれらの3つの条件に対処し、条件がそろったときは、知事は瓦れきの受け入れを正式に表明すべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いします。
42: ◯答弁(知事) これまでも私が申し上げておりますのは、委員が今御指摘をされたとおり、瓦れきの安全性について住民の理解が進むということが何よりも必要であるということでございまして、それについては国が責任を持って進めるべきことだと考えております。これが解消されて、すなわち国民の理解と信頼が得られたという際には、私としては市町とも連携を図りつつ、災害廃棄物を積極的に受け入れるべきであると考えております。
国民の理解と信頼の獲得に向けまして、現在、直接国民に向けてしっかりと安全性について説明し、国民の意見を聞く場として、先日も申し上げましたタウンミーティング等の県内での開催を、引き続き国に強く働きかけているところでございます。
43: ◯要望・質疑(尾熊委員) 国任せにするのではなく、また他県の様子を見ながらではなく、今、県民に対し、そして市町に対しても知事の勇気ある主体的な行動が求められると思います。被災地支援のために、また困っている被災者のために、瓦れきの受け入れに向けて、スピード感ある最大限の取り組みをされることを強く要望いたします。
次に、動物殺処分の減少に向けた取り組みについてお尋ねします。昨年、我が会派で三原市にある県の動物愛護センターに視察に行きました。しかし、愛護センターという名前の割には、動物の返還、譲渡用の設備がほとんどなく、当然引き取り手があらわれるまでの保護も対応できない状況でした。そして、保護され、運ばれてきた犬、猫のほとんどが1週間以内に二酸化炭素ガスで殺され、その後焼却処分されており、動物を保護し、譲渡を推進する施設としてはとても不十分な施設であり、残酷な、犬、猫の殺処分の処理工場といった印象を私は受けました。
2010年度の本県の動物愛護センターでの保護、引き取りの犬、猫の数は5,244匹であり、そのうち返還、譲渡されたのは、たった286匹にすぎず、殺処分数は4,958匹に上りました。これに広島市、呉市、福山市の殺処分数を合わせると、広島県で9,128匹にもなり、殺処分数の多さでは本県は全国でも上位にランクされているようです。動物の殺処分の状況について、動物愛護の観点からどのように認識されているのか、健康福祉局長にお伺いします。
44: ◯答弁(健康福祉局長) 県では、平成20年3月に、人と動物との調和のとれた共生社会を実現することが必要であるとの認識のもとに、広島県動物愛護管理推進計画を策定いたしました。これに基づき取り組みを進めた結果、広島市や呉市、福山市を含めた県全体における殺処分が、平成18年度が1万3,117匹だったのが、平成22年度には9,128匹となっており、減少傾向にはございます。
しかしながら、殺処分は減らしていくことが当然ながら望ましいため、県といたしましては、今後さらに、しつけを含む適正飼養の普及や命の大切さを教える動物愛護教室の拡充に重点的に取り組むなど、啓発に努めてまいりたいと考えております。
45: ◯質疑(尾熊委員) 命はとうといものであり、私は動物の殺処分数をできるだけ減らしていくべきだと思います。そのためには、動物好きで譲渡を受けたいと思っている方々にもっと多く県の動物愛護センターを訪れてもらえるよう、県は取り組むべきだと思います。動物愛護センターは山の中の目立たない場所にあり、動物好きの方々や家族連れの方々の訪問をふやすためには、一層の周知拡大が必要であると考えます。私としては、動物愛護センターを休日に動物園にでも行くような感覚で、多くの家族連れが訪れることができるような施設にしていくのが理想だと思います。
そこで、動物殺処分数を減少させるため、譲渡の増加につながるような動物愛護センターの周知拡大とセンター施設の充実を一層図っていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、健康福祉局長に御所見をお伺いします。
46: ◯答弁(健康福祉局長) 県では、年間を通じ県民を対象とするイベントとして、動物愛護センターの施設内において、身近な動物の展示に加え、譲渡講習会やしつけ方教室を約130回開催するとともに、施設外においても市町と連携した県民参加型の行事であるどうぶつ愛護のつどいを毎年開催し、幼稚園、保育所、小学校等で動物愛護教室を約80回開催しているほか、ペットショップなどの動物取扱業に従事する責任者に対する講習会を実施するなど、昨年度だけでも延べ約1万人に対して動物愛護センターの業務について周知を図ってきたところでございます。
県といたしましては、これらの取り組みが殺処分の減少や譲渡の増加にどのように効果があったかを検証し、これをもとに、来年度は市町との連携やホームページを活用した広報にもさらに積極的に取り組み、センターの業務を周知するとともに、動物愛護精神の普及を図ることとしております。また、施設につきましても訪れやすいという気分になってもらえるよう補修、改善等を適宜行い、必要な機能の確保に努めてまいります。
47: ◯要望・質疑(尾熊委員) 殺処分される動物が少しでも減るように、しっかりと取り組んでいただくことをお願いして、次の質問に移ります。
それでは、次に、県内公立小学校で行っている民泊体験学習教育について質問します。私ごとで恐縮ですが、息子が地元福山市の小学校5年生のときに、2泊3日の日程で庄原市内の農家で民泊体験学習を経験しました。民泊先では、日常経験することのない牛の乳搾りや野菜の収穫など農作業を経験し、自分が収穫した農作物を皆で調理し、食べたりする活動を通じて、地域の人々や自然と大いに触れ合いました。農作業のやり方を教えてもらうなど、日常の小学校生活ではめったにできない体験をし、息子も非常に感激して帰ってまいりました。校長先生にも感想をお聞きしましたが、児童だけでなく保護者の方も、野菜を残さず食べるようになったとか大変喜んでおられ、今後もずっと継続していきたいと強く言われておりました。
私は、民泊体験学習は子供の教育において非常にすばらしい取り組みであると高く評価しております。そこで、この民泊体験学習教育の意義や教育効果についてどのように認識されているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
48: ◯答弁(教育長) 民泊体験学習において、民泊先の方と一緒に農作業や自然体験を行った児童の感想の中には、親の大変さがわかった、帰ったらいっぱいお手伝いをしたいとか、帰るときに涙がどっと出てきました、こんな気持ちは初めてですといった、民泊を活用した活動ならではのものがございました。こうした体験が児童の日常生活において、ありがとうと言えるようになったとか、人とかかわることに積極的になったなど、意識や行動面にも変容をもたらしているものとの報告も受けております。
民泊を含めた長期宿泊体験活動は、児童の豊かな心の育成に大きな教育効果があるものと認識しております。
49: ◯質疑(尾熊委員) 民泊体験学習は本当にすばらしい学習だと思いますが、児童生徒の受け入れ先がなければ成り立ちません。民泊体験学習を今後も継続して実施していくためには、受け入れ先を確保するための取り組みが不可欠です。受け入れ先との具体的な連絡調整に当たっては、それぞれの学校が主体となって対応されております。しかし、受け入れ先の家庭には、万一事故が起きたらという不安や、受け入れのときには仕事を休まざるを得ない場合もあるなど、表面には出てこない、さまざまな負担があるのも事実です。受け入れ先の負担感が大きくなり過ぎると、受け入れをやめるということになりますが、それが多くの家庭に共通する問題である場合には、個別の学校の対応では難しく、結局、民泊体験学習が継続できないという事態になります。
そこで、民泊体験学習の継続のために、またその受け入れ先の確保について、教育委員会としても各学校を支援するなどの取り組みが必要であると考えますが、今後どのようにして受け入れ先の確保、拡大をされようとしているのか、教育長に御所見をお伺いします。
50: ◯答弁(教育長) 教育委員会では、日常とは異なる環境での長期の宿泊体験活動を通して児童に豊かな心を育成することを目的とした、「山・海・島」体験活動推進事業を実施しており、来年度は商工労働局と連携して、新たに民泊枠として10校程度拡大することとしております。
今後とも、民泊施設の情報を各学校に提供することにより、学校が民泊を計画する際に宿泊場所の確保が容易になるよう支援してまいりたいと考えております。
51: ◯質疑(尾熊委員) この民泊体験学習実施校を継続し、さらに拡大するには、財源的な裏づけも必要でありますし、また、円滑に実施するためには児童を引率する教員にも経験と理解が必要です。そのためには、実施校で引率経験のある教員をふやし、新たな実施学校に適切に配置していく必要があると思います。
そこで、学校への引率経験のある教員の適正な配置も含め、今後、民泊体験学習の実施校の継続に向けた取り組みや、実施校をどのようにふやしていくのか、教育長に御所見をお伺いします。
52: ◯答弁(教育長) 「山・海・島」体験活動推進事業の実践発表会においては、民泊を経験した教員が、その意義や効果とともに、ノウハウを広く県内の教員に紹介しているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後とも、実践発表会を開催したり、ホームページに実践事例を掲載するなどして、民泊による体験活動の普及に努めてまいります。
53: ◯要望・質疑(尾熊委員) 再度私ごとで恐縮ですが、昨年の夏、息子がどうしてもお世話になった農家のおじさんやおばさんに会いたいと、またお礼を述べたいと言うので、家族そろって庄原の民泊先の農家に伺いました。そのとき、児童の受け入れが負担になっていないでしょうかとお聞きしたところ、「逆に子供たちから元気をもらいました、廃校になった小学校の施設を使用しての歓迎会やキャンプファイアを地元の子供と大人も一緒になって行い、廃校になった小学校に子供の声が戻り、校舎に明かりがつき、感無量です、毎年、回を重ねるごとに子供たちが楽しく学べるためにはどのような体験や企画がよいか、受け入れ農家だけでなく、地域を挙げて事前に協議するようになり、過疎化が進む地域の活性化につながっています。」と言われ、私は再度感動しました。民泊体験学習は教育効果が高いだけではなく、このように受け入れ側の地域活性化策としてもすぐれた取り組みであると考えますので、県として積極的に取り組まれることをお願いして、次の質問に移ります。
次に、特別支援教育の体制整備についてお尋ねします。小中学校の通常学級では、学習障害等の発達障害により支援を要する児童生徒に対する専門的な見地から、指導を必要とする場合があります。しかし、子供のころの状況によっては、実の親や担当教諭でもその症状を見つけることが難しいことがあります。先日、成人の発達障害の子供を持つ福山の保護者の会の代表の方からお話を伺う機会がありました。小学校から高校、大学まで、子供が成長する過程で、親も学校の先生も発達障害の症状に気づかなかったところ、就職して初めて会社の中で対人関係等の課題が浮き彫りになり、その結果、仕事もやめ、ひきこもりになってしまったそうです。専門医などの診断で、初めてその要因として発達障害があることがわかったとのことでした。
情緒不安定などの症状がある児童に対しては、なるべく早い段階で得手不得手等の特性を把握し、その結果、発達障害の症状として教員が認知することができれば、その特性に応じた指導や支援をすることが可能となり、児童の症状も子供の早い時期なら改善の可能性も高く、効果的とされています。しかし、専門知識を持つ教員でないと、そういった特性に気づかず、適切な対応がされないままになるおそれがあります。そこで、通常学級においても支援を要する児童生徒に対しては、専門的な見地からの指導や教育が必要と考えますが、どのように対応しようとしているのか、教育長の御所見をお伺いします。
54: ◯答弁(教育長) 発達障害のある児童生徒においては、学習面、行動面、社会性において苦手とする領域があるなど、一人一人の課題に応じた特別な指導や支援が必要でございます。このため、小中学校では、校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などの体制整備を進め、専門家による助言を受けながら個別の指導計画や教育支援計画を作成して、発達障害等の児童生徒の適切な指導・支援を行っております。
また、平成21年度及び平成22年度には、指導内容の一層の充実を図るため、小中学校5校で実践研究を実施し、その取り組みをまとめたリーフレットを作成して、各種の研修会で活用しているところでございます。今後とも、こうした取り組みを通じて、発達障害を含めた障害のある児童生徒に対する指導力の向上を図ってまいります。
55: ◯質疑(尾熊委員) 次に、特別支援教育に関する専門の教員免許として、特別支援学校教諭の免許があります。本来であれば、特別支援学級の担任教員はすべて特別支援学校教諭の免許を持ち、専門的な見地を踏まえた教育をするべきです。しかしながら、県内の小中学校では、特別支援学級を担任する教員で、この専門免許を持っている教員の割合は3分の1程度にとどまっているのが現状です。
そこで、特別支援学級の児童生徒に対する教員の対応力の向上や、専門性の高い教員の育成を計画的に進め、また、免許取得に意欲的な教員に対しては、これを支援していくような取り組みが必要と考えますが、どのように対応しようとされているのか、教育長の御所見をお伺いします。
56: ◯答弁(教育長) 本年度、特別支援学級の担任をしている教諭の中で、特別支援学校教諭免許状を保有している者は、小学校で35.4%、中学校で32.9%となっており、専門性の向上が課題となっております。
教育委員会では、特別支援学級の担任が、おおむね3年間で特別支援学校教諭免許状に必要な単位を取得することができるよう、毎年、免許法認定講習会を実施するとともに、市町教育委員会を通じて受講を促しているところでございます。また、特別支援学級の担任を対象に年間9回の研修を行い、研修終了後には市町が実施する特別支援教育の研修会の講師を務めさせるなど、市町の特別支援教育を推進する上での中核となる人材の育成を図っているところでございます。
今後とも、こうした取り組みを着実に推進することにより、特別支援学級担任の専門性の向上に努めてまいります。
57: ◯要望(尾熊委員) 時間がないので、最後は質問を要望に変えさせていただきます。
特別支援学級の介助員の配置人数については、市町の教育委員会に対応を任されております。また、介助員になるための資格として、教員免許を持っていることが条件の市町もあれば、そうでない市町もあります。私は、支援を必要とする児童生徒の教育面において、また教員の負担軽減の面から、特別支援学級の介助員はもっと増員すべきであると考えます。本当にマンツーマンで対応しなくてはいけないという児童生徒もおられますので、ぜひこの特別支援学級の介助員についても増員をよろしくお願いします。
最後に、教員の対応力が児童の将来を左右する要因の一つともなりますので、特別支援教育の体制整備につきましては、しっかりと取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
58: (松浦委員)
◯質疑(松浦委員) それでは、昨日に引き続きまして、がん対策について質問させていただきたいと思いますけれども、昨日、時間の不足で答弁のお願いだけをしておりました粒子線治療施設について、改めて健康福祉局長にお尋ねしたいと思います。
59: ◯答弁(健康福祉局長) 御指摘の粒子線治療施設につきましては、県としては、民間などにおいて整備が行われる場合には、高精度放射線治療センターでの人材確保や医療機関連携による患者紹介のノウハウの提供など、必要に応じた支援を行ってまいります。
60: ◯要望・質疑(松浦委員) まことに残念なのですけれども、静岡の例を申し上げて、即治療できる、そして医工連携の産業が大きく伸びるということを申し上げたのです。中国新聞のニュースに、県内でこのことを積極的にやっていこうということで、大手メーカーが三原のほうでつくっていこうということがあったわけです。そういう意味で、今後、運営していくということになれば、人材をどうするかということになろうかと思うのです。そういう中で県内で2カ所も同じようなものをつくっていくということになれば、つくるほうですから、操作、作業していくという面では、人材は十分に供給できると思うのです。そういう意味では、仮にこれに乗っていったとしたら、大抵のところが半年とか1年間、なかなか立ち上げが難しいということがありますけれども、新聞に出ておりますが、ぜひ、それも参考の一つにして再考していただくようお願いしておきます。
次に、県が策定している広島県がん対策推進計画は、平成20年度から平成24年度までの5年間を計画期間とされておりますので、来年度は次期計画の具体的な検討に入られると思います。がん対策日本一という目標をどのように達成していくのか、県民にどのように日本一を実感してもらうのか、次期計画にその命運がかかっていると言っても過言ではないと思います。そこで、次期がん対策推進計画の策定に対する意気込みについて、知事のほうからお答えをいただければ幸いです。
61: ◯答弁(知事) まず、次期計画の前に、現行の計画についてでございますけれども、厚生労働省の研究班が各都道府県の計画に基づきます具体的な取り組みについて評価を行っております。昨年、その結果が公表されました。本県は、がん医療ネットワークの整備などの施策につきまして、実施主体ごとの取り組みと年度計画が明確であるということ、また、評価指標を定めているということなどによって、厚労省から日本一の評価を受けているところでございます。
また、昨年12月に国立がん研究センターが開催いたしました国際シンポジウムにおいても本県の取り組みを御紹介いただき、ここでも非常に高い評価をいただいたところでございます。
このように、本県のこれまでのがん対策に係る計画や取り組みは、我が国で最高水準なものと言えると思いますので、次期計画におきましては、これをさらに推し進めて、他の都道府県をリードする内容にすべく、新たな課題や先進的な取り組みにも果敢に挑戦してまいりたいと考えております。
さらに、策定に当たりましては、県民起点となるよう、患者、家族や県民の皆様にも検討会に参画いただくとともに、委員御指摘のとおり、県民が日本一の対策であることを実感できて、理解や行動に結びつくものになるように、広報にも注力してまいりたいと考えております。
62: ◯質疑(松浦委員) 次に、「瀬戸内 海の道構想」について何点か、お伺いいたします。知事が力を注がれている「瀬戸内 海の道構想」について、当初は1兆円構想という響きが多くの県民の心をとらえ、注目も集めましたが、現在、1兆円という言葉は構想の名称からはなくなりました。しかし、構想の中では、平成32年度までに観光関連消費額を倍増させ、波及効果を含めて1兆円を目指すという目標が盛り込まれており、経済成長や売り上げの増加を期待している県民も多いことと思います。昨年3月には中間報告も取りまとめられましたが、その後の進展がなかなか見られず、県民からは物足りなさを感じるという意見があります。
県では、来年度、構想全体をマネジメントする瀬戸内プラットフォーム構想を構築することといたしておりますけれども、昨日の質問でも、県民からの声として、県が発信している情報は難しい言葉が多くて理解できないということを申し上げました。この瀬戸内プラットフォームがその最たる例であります。見える県政や伝わる広報を推進するのであれば、県民に対してわかりやすい言葉を使って具体的に説明する責任があります。瀬戸内プラットフォームに関するこれまでの答弁を見ますと、構想全体をマネジメントし、情報発信や人材育成、金融支援等の機能を有するものとされていますが、このような説明では、県民や私どもは具体的なイメージを持って理解し、主体的に参加しようとすることには、なかなかならないと思うのであります。
そこで、この瀬戸内プラットフォームとは一体何なのか、
地域政策局長にお尋ねいたします。
63: ◯答弁(
地域政策局長) 「瀬戸内 海の道構想」を推進していくためには、本県を初めとするさまざまな主体が広域的、一体的に観光振興やまちづくりなどの取り組みを展開していく必要がございます。瀬戸内プラットフォームとは、このための県や市町の区域を超えた仕組みであり、瀬戸内ブランドの確立に向けまして、迅速で統一的、戦略的な取り組みを実施していく推進組織であると考えております。現在、その設立の方式や組織形態、専門分野の人材育成の方策、財源確保策等につきまして、関係各方面から御意見をいただきながら検討を行っているところでございます。
来年度には、瀬戸内プラットフォーム構築に向け、近隣各県等で構成する協議会を立ち上げることといたしておりまして、自治体の枠を超えた広域連携事業の内容等につきまして、できるだけ早期に具体化できるよう努めてまいりたいと考えております。
64: ◯質疑(松浦委員) さらに「瀬戸内 海の道構想」の1兆円の目標に対しては、その具体策が何も見えないため実感できないという県民からの声がありました。知事は平成24年度を加速の年と位置づけ、さまざまな重点施策を加速させることとしておられますけれども、来年度、海の道プロジェクト推進事業としては、8,000万円の予算を計上しているのみであり、しかも、そのうちの2,000万円は、先ほどの瀬戸内プラットフォームを構築する事業費であります。県民から、「瀬戸内 海の道構想」のこれまでの印象を聞いてみると、返ってくる答えはかき小屋ぐらいで、県民も1兆円という目標に対する取り組みの物足りなさを感じているところであります。
知事は、既に任期の折り返し地点を過ぎておられますけれども、少なくとも今の任期中には目標達成に向けた具体的なロードマップを県民に示す責任があるのではないかと思います。
そこで、「瀬戸内 海の道構想」の目標達成に向けて、県民が実感や共感ができる具体的な計画について、どのようなものを、いつお示しになるおつもりか、知事にお尋ねします。
65: ◯答弁(知事) 「瀬戸内 海の道構想」を進めるために、今年度も7つの戦略テーマに基づきまして、さまざまな事業を展開しているところでございます。平成24年度におきましても、瀬戸内サイクリングロード整備事業による島嶼部や沿岸部の広域的なネットワークの形成、また、瀬戸内海クルージング促進事業による海からの観光地訪問や、ビジター桟橋の利用システムの整備の取り組みなどのプロジェクトを計上しております。具体的な目標やロードマップにつきましては、事業ごとに決定しながら取り組んでまいることとしております。
さらに、関係県等と連携して、広域的あるいは長期的に展開する必要がある事業につきましては、来年度立ち上げる予定の協議会におきまして、瀬戸内プラットフォームの検討とあわせて事業の内容や目標、またロードマップを明らかにしていきたいと考えております。
66: ◯質疑(松浦委員) 次に、昨年の10月31日だったと思うのですけれども、広島県、愛媛県の知事と経済界代表による広島・愛媛交流会議が広島県大崎上島の広島商船高等専門学校の訓練船、広島丸の船上で行われました。これは、なかなかしゃれた演出でありましたが、その会議の場で、「瀬戸内 海の道構想」と両県の島々を舞台とした大・島博覧会の連携などが確認されたところでございます。この交流会議の成果を踏まえ、平成24年度当初予算に「瀬戸内 海の道構想」と愛媛県との連携に係る事業がどのように反映されたのか、
地域政策局長にお尋ねいたします。
67: ◯答弁(
地域政策局長) 平成24年度当初予算におきましては、広島・愛媛交流会議で愛媛県から御提案のありました大・島博覧会及びしまなみ海道を活用いたしました国際的サイクリングイベントの開催に向けた具体的な検討を進めていくための経費等を計上しております。また、瀬戸内の魅力ある観光資源を活用し、橋や航路を生かした新たな周遊ルートの開発や観光プログラムの創出などの取り組みを愛媛県や関係する市町、団体等と連携して進めているところであり、来年度はさらに発展させてまいりたいと考えております。
68: ◯要望・質疑(松浦委員) 愛媛との合意に達した大博覧会です。これについては、ことし検討していくのだろうと思いますけれども、積極的に話を進めていただきたいと思います。
次に、スピード感を持った県政運営についてお尋ねいたします。知事は常々スピード感を持って何事も進めていくと言われておりますけれども、そのスピード感が実感できません。また、多くの県民も同様に感じているのではないでしょうか。わかりやすく言えば、「瀬戸内 海の道構想」の肝いりとなる尾道糸崎港西御所地区の県営2号上屋や、今次定例会でも再三指摘されております、東京の広島ブランドショップなどについてです。西御所の県営2号上屋については、平成21年度末に補正予算を計上してサイクリングターミナルなどを整備するとしておきながら、現在に至るまで実質的な動きがとまったままであり、コンセプトが決まらないというようなことで遅々としているようでありますし、広島ブランドショップについても、一昨年6月にアンテナショップを閉店してからは、皆様もよく御存じのとおり、現在開店に向けて頑張っておりますけれども、非常に長い期間迷走しているというような感じでありますし、個人の政務調査や常任委員会でもただしておりますけれども、なかなかしっくりいかないといいましょうか、何が何だかよくわからないという状況であります。
そこで、平成24年度を加速の年と位置づけているにもかかわらず、このような重要なプロジェクトが停滞していることについて、知事はどのように感じておられるのか、また、県民の期待を裏切ることなく県政を加速させていくため、今後どのような県政運営を図っていくおつもりなのか、お尋ねいたします。
69: ◯答弁(知事) 私は、これまで、県民起点、現場主義、また予算主義から成果主義への転換という3つの視座の徹底を図るとともに、スピード感のある事業実施を心がけてまいったところでございます。このような中で、とりわけ重要なプロジェクトにつきましては、事業効果をより高めていくために幾つかの事業について計画の枠組みや実施形態の見直しを行いました。事業を進めていく上で状況に応じて慎重に計画を策定するということも必要であると考えており、また、計画策定後は速やかな具体化と確かな成果を出していくということが極めて重要であると考えております。このため、来年度からは執行段階におきますPDCAサイクルとして、事業の節目節目で確実に状況をモニタリングできる仕組みを導入することとしており、現在その準備作業を進めているところでございます。
私としては、引き続きスピード感を持って政策を実行に移し、着実に成果を出していくことを基本に、全力で県政運営に努めてまいりたいと考えております。
70: ◯質疑(松浦委員) 先ほど申し上げました中で、広島ブランドショップの問題については、委員会あるいは個々にお尋ねしたということでございますけれども、なかなか十分な説明、あるいはそのことが進まないということを申し上げましたが、時間の都合で、改めて常任委員会等でお聞かせいただきたいと思います。
次に最後の質問でございますけれども、TPP-環太平洋経済連携協定についてお尋ねいたします。TPPの参加問題については、一昨年10月に当時の菅首相がTPPへの参加を検討すると表明して以来、参加の可否をめぐって迷走しておりました。やっと野田首相が昨年11月、APECのハワイ会合でTPP交渉への参加方針を表明したところであります。今後は、野田首相が訪米する予定である5月が事前交渉の山場だと思っております。TPPの交渉参加については、与野党国会議員の半数以上が反対し、条件つきも含めて賛成を表明している都道府県知事も6名だけとなっております。知事は、この貴重な6人の中に入っておられるわけでありますけれども、改めて交渉参加への賛成を表明している理由について、知事にお尋ねいたします。
71: ◯答弁(知事) 我が県の生産を見ますと、県内から直接輸出するという産業のみならず、生産全体が日本全体の輸出に非常に強く連動しております。我が国がTPPに参加するということは、そういった生産状況を抱えております本県におきましても、県内生産の維持・増加や、国際競争力の強化に寄与するものと考えております。一方で、とりわけ農業におきましては、安価な輸入農産物の増加が予想されることなどから、少なからず影響があると考えております。このため、TPPへの最終的な参加の可否につきましては、早急に議論を加速させて総合的な検討を行うとともに、国民合意を得て、その上で判断するべきであるということ、また、我が国の食料安全保障や農林水産業に悪影響を及ぼさないような十分な配慮として、地域の特性を踏まえた農業構造改革に資する施策の構築を進めるということ、これを前提条件として、その交渉への参加について是としたものでございます。
72: ◯質疑(松浦委員) 平成23年度の我が国の貿易収支は、31年ぶりに赤字に転落しております。貿易立国が大きく揺らいでいるわけであります。知事のおっしゃるように、我が国は貿易国でありますから、自由化は避けて通れない道であるかのようにも思いますけれども、一方で国を開くためには、農業問題などへの対応は不可欠であり、食料の確保は軍事、エネルギーと並ぶ国家存立の柱であることから、生産者と消費者とのつながりを強化し、将来にわたって持続的に食料を確保していく手だてを考えていかなければならないと思うわけであります。
その弊害、あるいは対策については、たくさんあると思いますけれども、時間の都合で、改めて短縮してお尋ねいたします。知事は、賛成という立場でございますから、当然TPPに参加していくという大筋からすれば、農業、医療、保険などいろいろな問題があるわけです。このTPPの参加に向けて、平成24年度の予算の中でどのようなことをやっていかれるのか、あるいは体制について、どのように盛り込んでおられるのかお尋ねして、質問を終わらせていただきたいと思います。
73: ◯答弁(知事) TPPへの参加によって、農業を初めとしてさまざまな分野の影響が考えられますけれども、これまで国から十分な情報提供がされてきたとは言いがたいために、まず関係部局が連携しまして、国の関係省庁に対して対応するための庁内体制を整えて、情報収集に努めているところでございます。また、農業について、何よりも重要なのは、本県農業がしっかりと競争力をつけて、産業としての自立を実現するということであると考えております。このため、来年度予算において、チャレンジプランに基づいて生産から販売までが一体となった持続的な農業の確立に向けて、農業の構造改革を一層加速させることとしております。具体的には、これまで、御説明をしておりますので、割愛させていただきますけれども、いずれにしても、現在進めておりますさまざまな農業の競争力強化の施策を重点的に推進することとしておりまして、TPPへの参加による影響の重要性も考慮し、引き続き本県農業の持続的発展が可能となるよう、経営体質の強化に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
(4) 休憩 午前11時56分
(5) 再開 午後1時30分
74: (岩下委員)
◯質疑(岩下委員) こんにちは、民主県政会の岩下です。前回の質問の続きから始めたいと思います。
最初は、県立高校の入学者選抜(I)についてであります。ホームページにある受検者数を見ると、中山間地域の多くの高校で定員割れを起こしております。母数の少ない地域ですので、応募が少ないのはやむを得ないと思っております。一方で、選抜(II)の募集定員から推測される選抜(I)の合格者数を見ると、幾つかの高校で募集定員内であったにもかかわらず不合格者が出ているようです。広島県では、過去数年にわたって、10校の中山間地域の高校が募集停止と廃校を行いました。今次定例会でも2校の廃校議案が上程されています。この廃止された地域では、本来なら地元高校に通っていた子供たちが、少し不便になったと思いますが、近隣の高校に、新しい地元校として受検していることと思われます。募集停止、廃校により影響を受けた地域の中学からの推薦受検者が、さまざまな格差により不利益を受けていないか、心配しているところです。
9月定例会での私の質問に対し、教育長の御答弁では、合否判定は入学者選抜の基本方針や入学者選抜実施要綱に従って校長が総合的に判断しているということでしたが、そのような不利益が生じないように、どのような対応策をとられているのでしょうか、教育長にお伺いいたします。
75: ◯答弁(教育長) 募集停止をした場合には、近隣校の入学定員の策定に当たり、選抜(I)による入学も含め、地元中学校の生徒の進学の機会を確保する観点から、一定の定員を確保するなど慎重に検討してきたところでございます。
76: ◯質疑(岩下委員) 次の質問もありますので、そのときにもう少しコメントしたいと思うのですけれども、今の段階で、特に中山間地域で残念ながら選抜(I)で不合格になったお子さんがいる。選抜(II)があるからいいのではないかという考え方もあるのですけれども、中山間地域の子供たちというのは、これから農業をやっていこうとしている。それで、ひとまず近くの高校に行き、それから農業を継いでいこうと考えている子供たちが多いのです。そういう子供たちに、こういう仕打ちを与えるのはどうかということが少し心の片隅にあります。やはり地元に残る子供たちをしっかりと育てるということも我々の責務ではないかと思います。
次の質問は、初日の質問でお願いしていた件です。志願倍率1.1倍未満の県立高校の普通科・総合学科校で、1学年4クラス以上の中・大規模校の選抜試験結果についてお尋ねしました。きょうが発表日ということですので、速報値だと思いますけれども、該当する学校で定員確保の見込みは立ったのでしょうか、教育長、いかがでしょうか。
77: ◯答弁(教育長) 本日、11時までに選抜(II)の合格者発表を行った1学年4学級以上の県立の普通科・総合学科校は13校でございます。このうち、志願倍率が1.0倍以上1.1倍未満であった4校の中で、合格者数が定員を満たさなかった学校は三原東高等学校1校で、定員割れの人数は13人でございます。また、志願者数が定員を1人下回っていた三次高校につきましては、選抜(II)の欠席者数が8人、定員内での不合格者数が3人であったことにより、現時点では定員割れの人数は12人となっております。
78: ◯質疑(岩下委員) 今回の結果を見ると、定員確保は未達成であり、それから一方で、合否判定は校長に任せてあるということでしたけれども、それで定員割れをさらに拡大しているということになっております。
そこで、教育長に、この状況をどう評価され、今後どのように改善されようとするのか、お尋ねします。
79: ◯答弁(教育長) 中・大規模校の一部に定員割れが生じておりますのは、高校入学後の学習上の不安や生徒指導上の課題から来る高校生活への不安などが中学生の進路選択に影響を与えていることや、選抜の結果として合格者数が定員に満たなかったことがあると考えております。こうしたことから、定員割れが生じた学校に対しましては、まずは入学者状況の分析を行った上で、特色づくりや授業の工夫改善、生徒指導体制の確立を図るとともに、学校の魅力を地域の中学生や保護者に発信するなど、志願者の確保に努めるよう指導してまいります。
80: ◯質疑(岩下委員) 県全体の高校進学希望者のうち、およそ3分の2を県立高校で、それ以外を私立高校ほかでという定員設定であると聞いております。極めて優秀な生徒から成長途上の生徒まで幅広い中から3分の2を選んでいくわけです。そういう意味で、上限部分では、言ってみれば定員に足らなかったということで、ほかに持っていかれてしまった。逆に、下限の部分では、やはり先ほども答弁にありましたけれども、魅力を向上させる努力がまだ足りない部分、それと、見方によっては成長途上の生徒の評価方法に課題があるのではないかと思われます。また、卒業時の進路成績をより重視して、手のかかる生徒を敬遠しているのではないかといった御意見も伺うことがございます。これらの意見に対して、どのように考えられているのか、教育長にお伺いいたします。
81: ◯答弁(教育長) 各公立高等学校においては、進路目標を達成できる確かな学力を身につけさせる取り組みや、実体験を通じて自立心や創造力を育てる取り組みを積極的に行うなど、魅力ある学校づくりを一層進めていく必要があると考えております。また、公立高等学校の入学者選抜は、学力検査、調査書、面接、実技検査等の判定資料に基づき、それぞれの高等学校における教育を受けるに足る能力、適性、進学意欲等を校長が総合的に判定して合格者を決定しているところでございます。各校長は、オープンスクールや中学校に出向いての説明会を行うなど、年間を通じて入学者を確保することに力を注いでおり、入学者選抜においては生徒の能力、適性、進学意欲等を慎重に見きわめて、責任を持って重大な判断を行っているところでございます。
82: ◯要望・質疑(岩下委員) 引き続き、改善していただくように要望して、次の質問に移りたいと思います。
最後の質問になります。瀬戸内各地を結ぶフェリーなど旅客船の生活航路事業についてです。過去に県管理港湾使用料、係船料の減免などのいろいろな支援策が実施されておりました。平成24年度予算案では、年度終了後に事業が赤字であった場合に補てんする補助金のみが計上されています。片や、昨年、政府から西瀬戸自動車道の使用料金を一般の高速道路並みに引き下げる方向性が打ち出されました。平成26年度から実施の予定と聞いておりますが、来年度早々から普通車以下の料金引き下げが検討されているという一部新聞報道もあります。これを機に、利用者の減少にますます拍車がかかるのではないかと思っております。現に、昨日、全日本海員組合中四国支部から同趣旨の要望書が提出されたと聞いております。
そのような環境変化が目前に迫っている現在、生活航路に対して、道路と同様に県民の生活に不可欠な交通網として、地元自治体と一体となった長期的な視点で、県が支援する対象航路の拡大や係船料の減免復活なども視野に入れて支援策を強化するべき時期に来ていると思われます。県の考えについて、
地域政策局長にお伺いします。
83: ◯答弁(
地域政策局長) 現在、西瀬戸自動車道等の新たな料金制度の議論が行われておりますが、県では従前から、高速道路料金の変更により航路が大きな影響を受けた場合は、原因者である国に対し、迅速かつ適切な措置を講じるよう要請してきたところであり、今後とも、そうした影響があれば国に対し対応を求めていきたいと考えております。
一方、県が平成23年度に全国に先駆けて創設いたしました新たな生活航路対策事業におきましては、離島の暮らしの維持に不可欠な、国庫補助対象外の7航路と、架橋で結ばれた地域の経済活動の維持に不可欠な、時間短縮効果にすぐれた6航路の計13航路を、県として将来にわたって維持すべき補助対象航路といたしております。この新たな補助事業は、関係市町と連携し、燃料等の運航に不可欠な経費と収益の差額を適正に補助する制度でありまして、航路事業者の経営状況にかかわらず一律に実施する係船料の免除よりも、恒久的に航路を維持するという観点において、より適した制度であると考えております。県といたしましては、まずは、この新制度を円滑に運用することによりまして、県民の皆様の生活に不可欠な生活航路を維持・確保してまいりたいと考えております。
84: ◯要望(岩下委員) 先ほど説明のあった支援策について、使いづらいといった声もございますので、もう少し慎重に検討していただきたいとお願いして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
85: (東委員)
◯質疑(東委員) 民主県政会の東 保幸でございます。昨日に続きまして、人づくりにかかわってお聞きいたします。まず、HIV感染対策についてお聞きいたします。
世界のHIV感染者数は増加の一途をたどっており、2010年末で約3,400万人に達していると推計されています。一方で、日本国内でのHIV感染者数は2010年末で1,544人、県内でもHIV感染者数が国と同様にふえ続けており、2010年末で27件、全都道府県中9位といった実態が明らかになりました。10代前半での妊娠中絶、出産後のシングルマザー、あるいは貧困の連鎖、虐待という負の連鎖を考えたときに、正しい知識を伝えていくに当たって、行き過ぎというのはないと私は思っております。教育現場でも取り組みは進んでいると思いますけれども、健康福祉局として、やはり連携して、命の大切さを伝える、あるいはまた妊娠という命にかかわることを若いうちから考える機会を提供していただく必要があろうかと思います。県としてHIV検査の呼びかけに取り組んでいますが、HIV感染に係る、これまでの県の取り組みと現状に対する認識、そして今後の対策、とりわけ若い世代への普及啓発などを含めた対策について、健康福祉局長にお伺いします。
86: ◯答弁(健康福祉局長) 県では、これまでも感染経路、感染予防策、検査の必要性といったHIV等に関する正しい知識の普及や匿名無料検査の実施、医療提供体制の整備等について取り組むとともに、とりわけ若い世代につきましては、中学校や高等学校、大学等での保健所職員による出前講座の開催や中四国ブロックの大学生等を対象としたエイズに関する研修会の開催、これは基本的に毎年広島で行っております。また、6月のとうかさんや12月の世界エイズデーに合わせたイベントの実施などを通じ、啓発を強化しているところでございます。
しかしながら、県内における新規のHIV感染者数の動向を見ますと、平成10年の4件から、御指摘どおり、平成22年には27件と増加傾向にあることから、感染防止のための正しい知識の普及啓発や早期の発見、治療への誘導がさらに必要であると認識しております。このため、来年度新たに高等学校等において、産婦人科医や助産師によるエイズを初めとする性感染症の予防教育等を目的とした思春期世代への健康教育事業を行うなど、HIV感染対策の取り組みをさらに強化してまいります。県といたしましては、今後ともこれらの取り組みをきちんと検証しながら、HIV感染対策を講じてまいりたいと考えております。
87: ◯要望・質疑(東委員) 今、局長の答弁にもありましたけれども、感染症対策は初期段階での対応、また啓発活動が大事だということですので、引き続いての取り組みをお願いいたします。
次に、県立高等学校の再編整備基本計画について教育長にお尋ねいたします。平成21年度から5カ年計画で、県立高等学校の再編整備基本計画により、これまで幾つかの小規模校が生徒募集停止、廃校になったことは昨日も問いただしたところでございます。午前の質問の中にも再編整備基本計画にかかわって、メリットの部分が問いただされたところですけれども、一方で私はデメリットの部分を指摘したいと思います。
先ほど岩下委員からもありましたが、高校がなくなった地域では、中学生の卒業後の進路決定、さらには通学時間や交通手段の問題、保護者の経済的負担の増大等の問題が生じ、また、過疎化に一層拍車がかかり、地域産業の後継者や地域の生活・文化の担い手がいなくなるといった課題が指摘されております。これまで県は、過疎対策は雇用、介護、医療、交通を基本に進めてきたところですが、加えて教育、過疎地域に所在するいわゆる小規模高校の活性化も含めた幅広い総合的な地域振興策が不可欠だと、何度も訴えてきたところです。教育長の御所見をお伺いいたします。
88: ◯答弁(教育長) 来年度、今後の高等学校教育のあり方を検討する協議会を設置することとしておりますが、その委員には、中山間地域にかかわりの深い有識者等にも就任していただくとともに、知事部局の関係局からも意見を聞くなど、中山間地域の観点も含めて検討することとしております。
89: ◯要望・質疑(東委員) 改めて、中山間地域の方にも入ってもらうという、これも今回、一つの前進だと私も認識しております。きょうの午前中、安井副委員長が、新年度の高等学校教育改革推進事業の一つである高等学校教育のあり方検討会について問いただされたところ、先ほどと同じような答弁があったわけですけれども、地域の特性や社会のニーズに対応する高等学校を整備していただきたい。そのためにも、ぜひ有識者、校長もそうでしょうし、中山間地域の皆さんも含めて、学校の関係者も、ぜひ構成員として入ってもらうようによろしくお願いしたいと思います。
いずれにいたしましても、地域の学校を守っていくのだという地域の熱意を生かし、学校と地域が連携して学校を活性化している例は全国に幾つもございます。ぜひそういったことも参考にしていただきたいということを要望して、この件は終わりたいと思います。
次に、人口減少、少子・高齢化の進展、これは大きな社会問題であるわけですが、県内での生産年齢人口が2010年の178万人から10年後の2020年には158万人に減少すると予想されており、人づくり、人材育成は最重要課題であるという知事の認識のとおりだと私も思うわけです。
先ほど質問もありましたけれども、本日は、選抜(II)の合格発表もあります。きょう合格できなかったということになりますと、公立、私立の全日制、定時制課程への進学が決まっていない生徒には最後のチャンスとなります選抜(III)が22日に予定されていると聞いております。しかし、その選抜(III)で不合格となった生徒を含め、卒業時に進路未決定者が毎年450人前後出ております。平成15年に公立中学校卒業生2万7,072人のうち466人、率にして1.7%が卒業時に進路未決定となり、以後、平成23年までに4,000人近い生徒が進路未決定で卒業しています。その後も引き続いて中学校では進路指導の対応をしていますが、1年を経過してもなお進路の決まらなかった中学校卒業生は1,300人を超えており、大変大きな問題だと私は思っております。教育委員会として、こうした事態に対して10年近く具体的な改善策を講じてこなかったと言わざるを得ないと私は思っております。
県の教育委員会として、昨年の
予算特別委員会で、送り出す側の中学校長会、そして受け入れる側の高等学校長協会と連携して進路未決定者の解消に取り組むという内容の答弁をされたと思います。その取り組みの進捗と成果について、教育長にお伺いします。
90: ◯答弁(教育長) 中学校長会と高等学校長協会の連携につきましては、中学生の学習意欲や進路意識を高めるため、高等学校の教員が中学校で授業を模擬的に行ったり、高等学校が期待する生徒像について直接説明する取り組みや、中学校卒業生による体験談を聞く会の開催などを進めているところでございます。その結果、平成22年度末に卒業した中学生の進路未決定者は、前年と比較して約3分の2に減少しております。教育委員会といたしましては、引き続き校長会などと連携し、中学生の進路希望が実現できるよう取り組んでまいります。
91: ◯要望・質疑(東委員) 先ほど、教育長から教育委員会としては、高等学校への入学は、その教育を受けるに足る能力、適性などを判断して校長が許可をすると述べられたのですけれども、かつて選抜(III)を受験して不合格となった受験生の手記を、その保護者からいただきましたので、紹介いたします。「僕は、広島に生まれなければ高校生になれたのかな」というものです。ぜひ、能力、適性にあわせて、意欲といったものも含めながら、やはり個性を引き伸ばしていく、育てていくという視点もぜひお願いしたいと思っております。
次に、新規就農者対策について、
農林水産局長にお聞きいたします。本会議において就農対策について問いただされたところですけれども、平成21年から2カ年、文部科学省と農林水産省の共同事業で地域産業の担い手育成プロジェクトが行われました。事業名は、ひろしま元気な「農業」挑戦プロジェクト、掲げるテーマは、農業界と教育界が連携した地域農業を担う人材の育成とありました。産業として自立した地域農業の確立のための人材育成や確保を目的に、農業法人等への就業につながるプログラムの開発に向けて取り組むというものでありましたが、その事業の成果がどういうもので、新年度の就農対策に向けて、どのように生かそうとしているのか、また、今後とも継続して知事部局と県教委が連携した事業を展開し、農業を目指す若者を育てていく必要があると思いますが、
農林水産局長の所見を伺います。
92: ◯答弁(
農林水産局長) この事業では、農業関係者と教育関係者が協力して開発しました学習プログラムに沿って、延べ1,800人の生徒が集落法人等での現場実習や地域の農業関係者等との共同研究などに取り組みました。その成果といたしまして、吉田高校で米粉を活用したパンの商品化、それから油木高校では耕作放棄地対策につながるミツバチの飼養などの取り組みが継続して行われているところです。また、農業関係高等学校から農業技術大学校への入学者数は、事業実施前10年間の平均が5.0人でございましたけれども、この事業を経験しました生徒の卒業後、平成22年は13人、平成23年も13人、そして来年、平成24年は20人と飛躍的に増加しておりまして、事業の実施が就農、就業への動機づけに着実につながっていると考えております。
こうした成果を踏まえ、今年度末を目途に、農業関係者と教育関係者が、引き続き一体となって取り組むための地域農業人材育成ネットワークの構築を行っているところでございます。来年度は、このネットワークを活用し、生徒に農業を将来の職業として具体的にイメージしてもらうため、先進的な農業経営者による講演会や青年農業者との意見交換会など、新たな学習活動にも取り組むこととしております。今後とも、こうした取り組みを、知事部局と教育委員会の連携はもとより、関係者が一体となって推進することにより、本県農業の将来を担う人材を育成してまいります。
93: ◯質疑(東委員) 東日本大震災におきまして、被災地の農産物に対する風評被害が広がり、また瓦れきの受け入れに対する不安も広がって、なかなか進まない状況、さらには、海外におきましても日本の食材に対する不信、不安があり、なかなか輸出も伸びない。そんなことはないと私は言いたいのですけれども、こうした状況下におきまして、海外への県産品の輸出は大変な困難が予想されます。そうした中で、あえて広島県で農業を目指そうとする若者にぜひ頑張っていただきたいと思うし、また応援もしたいと思います。
最後の質問に入ります。自治体クラウドについてお尋ねいたします。東日本大震災の被害の教訓として、行政が管理するデータを遠隔地にある民間のデータセンターに預ける仕組み、いわゆる自治体クラウドを採用しようという自治体が全国的にも広がってきております。広島県におきましても、安芸太田町など5市町が共同利用の取り組みを進めようとしておりますが、今後、県内市町における、情報システムの共同利用に向けて、県としてどのように考え、またどのように取り組むのか、
地域政策局長にお伺いいたします。
94: ◯答弁(
地域政策局長) 自治体クラウドは、都道府県や市町村が、みずからサーバーやソフトを所有せずに、自然災害や停電にも強い民間のデータセンターを活用し、ネットワークを介してサービスを利用するものでありまして、東日本大震災以降、導入の動きが加速いたしております。県といたしましては、県内市町の住民情報や税、福祉などの基幹業務系システムへ、こうしたクラウドの導入を促し、災害時の対応力を強化する一方で、共同利用による大幅な経費圧縮を図るため、システムが大きく異なります広島市を除きまして、県内22市町の共同利用を促進することといたしております。
今後の進め方といたしましては、現行の情報システムの更新時期が市町ごとに異なるため、段階的に市町のグループ編成を行い、10年程度をかけて最終的に22市町での共同利用を実現してまいりたいと考えております。まずは先発グループとして、平成24年度に共同調達を行います5団体を支援してまいりたいと考えております。
95: ◯要望・意見(東委員) いずれにしましても、大規模な災害対応、あるいは経費削減効果を高めるという大きな目的がありますので、着実な進捗をよろしくお願いいたしたいと思います。
残り時間で、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
私は、昨年5月に被災地の岩手県釜石市を訪れ、釜石市の教育長とも話もいたしました。「釜石の奇跡」と呼ばれているそうですが、小中学生3,000人が学校の管理下において無事であった。小学校の惨状を見るにつけて、本当によく無事であったと感心もしたのですけれども、お聞きすれば、やはり徹底した防災教育に取り組んできたのだということです。釜石市でも大きな被害がありましたから、そのことを誇らしげとは言えませんでしたけれども、やはり着実な成果を実感させられたところです。そのカリキュラムもいただいてまいりました。
予算特別委員会の参考人としておいでいただいた広島女学院大学の長尾ひろみ学長の意見陳述の中で紹介された、生きる力を育てていく教育システムを本気で考えなければならないと私は強く感じております。大地震で犠牲となられた多くの児童生徒を初めとして、被災地の皆さんのそういった教訓を生かしていくことが必要なのだろうということを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
96: (山木委員)
◯質疑(山木委員) 最後の質問者になりました。委員の皆さんの話を聞いていますと、みんなそれぞれ大変よく勉強されて、本質をよく突いた質問をされていたと思います。私は久しぶりの質問でありますので、少し緊張しておりますが、一生懸命やらせていただきたいと思っております。
特に、代表質問、一般質問、この
予算特別委員会で県政の課題はほとんど出たのではないかと思いますので、自分の日ごろ思っていることをお話しさせていただければと思います。
台湾と言えば、即、山木と声が出るぐらい、皆さん御存じだと思いますが、私は、名誉県民になっておられます元衆議院議長の灘尾弘吉先生に昭和56年に台湾へ連れていかれたのが始まりであります。ちょうど台湾が国交断絶したときでありまして、灘尾先生は国会議員285名の参加を得て日華議員懇談会をつくられました。台湾と日本の交流がうまくいくようにと非常に心を砕いておられた時期でありました。それで、広島にもつくりましたが、各県に、日華親善協会というものをつくられまして、現在、約47協会ができているということであります。
なぜそうなったのかといいますと、終戦時の日本に対する国民党の蒋介石総統の恩情といいますか、日本人として心にとめておかないといけない4つの恩があるのだとおっしゃっておりました。その4つの恩の一つは天皇制の護持、要は日本の国民的な柱であります天皇制を残すということを蒋介石総統が非常に強く主張し、これを実現してくれたこと、2つ目が中国大陸にいた250万人の日本の軍人軍属を速やかに日本国内へ無事に送り返してくれたこと、それから、ソ連が主張した四島分割統治──日本の4つの大きな島をそれぞれ分割して統治すべきではないかということを退けて、アメリカ一国の占領政策を主張してくれたこと、そして最後に、一番大きなことは、賠償金の放棄であります。日本にはこの4つの大きな恩がある、このことによって日本は人的にもお金の面でも戦後の復興をなし遂げられた、だから現在ある日本は、蒋介石の4つの恩のおかげだということが灘尾先生の教えでありました。これをもって以徳報怨──恨みに報いるに徳をもってせよという古今東西ない、戦争史上に残るすばらしい宥和な政策のおかげで日本は現在があるのだということを、国民あるいは子孫代々にも伝えていかなければいけないとおっしゃっていたわけであります。
私は、昭和62年に広島県議会議員に当選させていただきました。それからしばらくして、平成6年、1994年に日華友好広島県議会議員連盟をつくりました。先輩、同僚議員に御理解いただいて、若輩でありましたが、流れを酌んでいただいて私が会長をやらせていただきました。その間、中華航空による台北-広島のチャーター便をまずお願いし、これをデイリー化する間、議員連盟の皆さんとたびたび台湾へ行きまして、実現することができました。また、アジア大会のときも台湾の選手は、中国からのいろいろな圧力で大変冷遇され、大変寂しい思いをしておられましたので、何とか我々がサポートしました。その後の観光インバウンドや物産展の応援、台湾に行きましたときには、何度も台北県議会へ行きまして、台北以外の人たち、台中市あるいは政府機関とも交流をしました。そうして、多くの人間関係をつくり上げることができたと思っております。
特に、我々議員連盟訪問団は、無血革命を行った李登輝総統の自宅へお招きいただいて、1時間半ぐらい話を聞かせていただきました。李登輝総統は日本人かというぐらいの日本びいきで、坂本龍馬の船中八策が大好きな方であり、親しくさせていただきました。また現在、台湾と中国の間の経済政策を実務的に担当しておられます江丙坤先生という、台湾側のトップであり、海峡交流基金会の理事長、国民党の副主席であり、この方と胡錦涛さんが北京で握手をして現在の経済交流が始まったというような方でありますが、この方とも台湾に行くたびにお会いして、1時間ぐらい時間をもらって話をするというようなことでございます。
そういう中で、要は以徳報怨という蒋介石さんの号令のもとに、無事に日本国の軍人、軍属が皆日本へ帰らせていただいたのですが、満州ではソ連が入ってきて60万人以上の日本軍人が皆シベリアへ抑留されました。そのときに、元北支那方面軍、根本博中将という方は、ソ連が来るのを阻止しないと日本国民は日本に帰れないと考えて、彼は武装放棄をやめてソ連軍と戦い、そして戦いの最中、蒋介石さんと話をし、蒋介石さんの率いる国民党軍が日本人を守ってくれて、約4万人の日本国民を日本へ送り返してくれたそうです。このことがやっと本になりました。「この命、義に捧ぐ」という本であります。門田隆将さんというノンフィクション作家が書いておりまして、結構たくさん売れている本であります。これは、根本中将の気持ちをすべてこの本にしたわけでありますが、金門戦争という国民党軍と共産党軍の最後の戦いの中で金門島が結局最後のとりでとなりまして、国民党軍が勝ったのです。共産党が初めて負けた。それまでずっと共産党が勝っていたのですが、その金門島の勝利に導いたのはだれか、これが根本中将です。この人が、日本から26トンの小舟に乗って島伝いに台湾へ密航し、蒋介石と会い、金門島の作戦に加わって、根本さんの作戦で勝利をおさめたということです。これは台湾では今までずっと隠されていたのですが、やっとこれが認められ、表に出て、そして本になっているわけです。そのときの根本さんの言葉が、「終戦時100万の将兵を無事帰国させていただいた蒋介石総統に、私は日本人の一人として万分の一の御恩返しをしたい」であったそうです。そういうことで、蒋介石さんの恩を感じる日本人はたくさんおられるのだと思います。
こういう私の思いを述べましたけれども、チャーター便から始まった台北-広島線は、高い搭乗率を上げ、今、東アジアへの窓口となっております。知事は就任後、海外訪問の1番目に台湾を訪問されました。これは私、大変喜んでいまして、そういう知事の思いをひとつ聞かせていただければと思います。
97: ◯答弁(知事) 一昨年の4月に広島と台湾を結ぶ航空路線やコンテナ航路の拡充、また台湾からのインバウンドの推進に向けまして、要請やプロモーション活動を行うために台湾の関係機関を訪問したところでございます。この訪問は、「瀬戸内 海の道構想」の実現など、アジア地域をターゲットとしましたインバウンド振興に努める中で、特に訪問の前年に減便となりました広島空港の台北線につきまして、速やかにデイリー運航の再開を要請する必要があったことなどを踏まえて行ったものでございます。こうした経緯から、台湾の訪問となった次第でございます。
98: ◯質疑(山木委員) せっかく台湾を訪問されたというのに、政府関係者にだれにもお会いにならずに帰られたことを、非常に残念に思っています。政府関係者ともお会いになっていろいろな話をされたら、また知事のいろいろな対応も変わってきたのではないかと思います。
2番目には、我々も中国といろいろとつき合っているわけですが、台湾と中国の関係について、知事の認識をお聞きしたいと思います。中国は、一つの中国ということだけはっきりと言っております。李登輝総統が総統に就任された当時、台湾独立志向というものが非常に強かったのですが、今は台湾も一つの中国、中国側も一つの中国と、お互いに中国を一つの中国だと言っております。これは同じ言葉でありますが、解釈についてはそれぞれ独自にいたしましょうということになっておりまして、それぞれが自分の都合のいいような解釈をしているようであります。
しかしながら、2008年に馬英九総統が就任され、「両岸の和解」ということで、両岸経済協力枠組協定──ECFAを締結されて、約15項目の協定が締結されました。それで、中国と台湾ともに経済発展の道を歩むということで、昨年の台湾の経済成長率は10.82%と、すごい成長率を見せております。ことしも既に5%以上と言われております。2011年の世界競争力ランキングでは、台湾は前年の8位から6位に躍進したと報道されておりまして、両岸関係の改善が台湾経済の発展に大きく寄与していることが推察できるわけでございます。
そのような台湾でありますが、今回、東日本大震災の義援金は台湾がトップで、約200億円と言われていますが、210億円を突破するというぐらい大変な金額でございました。人の苦しみを我が身のものとすることが台湾の精神だそうでありまして、国際人道支援で大きく貢献しています。ちなみに中国は16億円程度と言われています。余りに違うのでびっくりしていますけれども、経済発展で蓄積された実力をそのまま国際社会に貢献していくのが台湾であるという認識をぜひ持っていただきたいと思います。
そのような中で、きのう、きょうの新聞で、外務省が東日本大震災の追悼式典で台湾の代表を冷遇した、要は、指名献花ではなく、一般献花の席に座らせたということで、国会で世耕議員に追及されて野田総理が陳謝したということが新聞に載っておりますけれども、非常に情けない、恥ずかしい思いがいたしております。台湾と中国はどのような関係にあるか、知事の御認識があればお聞きしたいと思います。
99: ◯答弁(知事) 御質問の趣旨は、台湾と中国の両方と日本、ないしは広島と台湾、広島と中国ではなくて……。
100: ◯質疑(山木委員) そちらも皆含めていいです。
101: ◯答弁(知事) 広島と台湾と中国という関係についてお答えをさせていただきますと、本県の地方自治体としての国際交流につきましては、経済交流や教育・文化交流の拡大などを通じて、相互の理解の促進、また地域の活性を図るという観点から積極的に取り組んできているところでございます。こういう中で、中国については、特に四川省政府と友好提携を結び、これまで27年にわたって幅広い交流を重ねてまいりました。昨年、私自身が四川省を訪問して、新たに経済交流協定を締結したところでございます。
台湾については、我が国との国交はないわけでございますが、これまで観光客の誘致や航路、航空路線の拡充など、経済的な交流を中心に進めてきているところでございます。今後、大きく発展が見込まれる中国、また台湾を初めとして、東アジアの活力を取り込むということは重要なことであると考えておりますので、各国、地域とは、地方自治体の特性を生かしながら、引き続き、経済交流を初めとして、観光や文化、教育、あるいはスポーツ交流といったものの促進に取り組んでまいりたいと考えているところです。
102: ◯質疑(山木委員) 中国と台湾の関係を正確に認識していただきたいということで私はしゃべったというようなことでございます。ひとつよろしくお願いします。
それでもう一つ、日本の各都道府県が台湾との交流を深めているという現状があります。特に北海道とか石川県は当然でありますが、近県の岡山県、あるいは鳥取県、島根県も台湾にたくさん行っておられまして、知事みずから知事外交を行っておられます。ぜひ知事にもお願いしたいのですが、その前に、では四川省と台湾はどのようにつき合っているのだろうかと思って調べましたら、四川省の劉奇葆書記が一昨年に850人も連れて台湾に行っておられるのです。それから、四川省の蒋巨峰省長が756人連れて台湾へ行っておられます。また、重慶市の市長、それから副市長が3人いらっしゃいますが、それぞれが4回に分けて台湾を訪問しておられる。そのほか上海市の市長、副市長、それから天津市、山東省、北京市、浙江省、南京市と、いろいろな中国の要人が台湾へ行っている。それぐらい台湾と中国は頻繁に経済交流、そして行政との間の協力もしているということであります。
そこで、四川省との27年の交流ということもありますので、四川省とも大いにおつき合いいただければいいわけでありますが、台湾も四川省と直に、深いつながりをつくっていっているわけでありますので、知事に2度目の台湾訪問をぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
103: ◯答弁(知事) 台湾への訪問でございますけれども、特に台湾との関係におきましては、観光面について日本へのリピーターの率が高いといったことや、首都圏以外の地方への観光客も多いということ、また今、「瀬戸内 海の道構想」でも推進しておりますけれども、サイクリングが台湾でブームになっているというようなことから、インバウンドの重点地域の一つとして位置づけまして、積極的な取り組みを進めることとしております。その一環といたしまして、来年度も私が訪問して、愛媛県と一緒に、しまなみ海道のすばらしさなど、広島の観光地の魅力をPRしてまいるという予定にしている、そう考えているところでございます。
また、国際競争が非常に激しくなる中で、県内の企業がアジアの成長市場を獲得していくためには、台湾企業がグローバルなビジネスの視点、あるいは商習慣、人的ネットワークを有しておりますので、そういう台湾企業との連携も効果的な手段ではないかと考えております。そういった観点から、県内企業とのビジネスアライアンスのあり方についても、企業のニーズも踏まえながら、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
104: ◯質疑(山木委員) ぜひ、台湾と四川省と広島県と、3つのトライアングルをつくって経済協力協定を結んでもらえればいいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
もう一つは、湯崎県政では、留学生をたくさん広島に呼び、広島県に人材を確保したいというお話がありましたけれども、県立広島大学には台湾からの留学生が一人もいないのです。私は、前にもいろいろ言っていたのですが、どうも学長は、その辺をよく理解していないというような感じがいたしております。どうしたら県立広島大学に台湾の学生が留学できるのか、そのあたりについて、知事はどのように思っているのか、ちょっと御意見を聞かせていただければと思います。
105: ◯答弁(知事) 県立広島大学における留学生の受け入れ決定は、大学のほうでしているところでございます。具体的には、交流協定や外国人留学生特別選抜制度等に基づきまして受け入れているということでございます。
現在、台湾の学生は在籍をしておりませんけれども、平成20年10月から1年間、研究生を1名受け入れたという実績がございます。その後、受験した方はいらっしゃいますが、留学には至っていないという状況だそうでございます。
県立広島大学としては、グローバル人材育成の観点から、台湾を含めた幅広い国からの留学生を受け入れるということは極めて有効であると考えているところでございまして、今後とも交流協定の拡大などを通じて、留学生の受け入れについて積極的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
106: ◯意見・質疑(山木委員) 今の研究生1名ですが、ほとんどの留学生は授業料を免除しているのですけれども、この研究生は授業料を免除していないのです。このあたりもよく認識していただきたいと思います。
いろいろと準備はしていたのですが、時間がありません。先ほど松浦委員の質問の中で、TPPの問題についての知事の答弁は、農業重視、農業政策がある程度まで煮詰まり、農業団体の理解も得て、その後のTPP参加ならいいというように私は受けとめましたが、それでよろしゅうございますか。
107: ◯答弁(知事) TPPの問題につきましては、繰り返しお答えをさせていただいておりますけれども、きちんと国民に情報提供した上で、国民的な議論を踏まえて決定していくことが必要であるということと、農業については、TPPももちろんでございますけれども、いずれにしてもその競争力の強化ということが必要な状況でございますので、このTPPも含めて考えた場合には、しっかりと農業対策をしていく必要があるというふうに考えております。
108: ◯質疑(山木委員) この問題は、アメリカと日本の二国間協定、要するにFTAでもう十分だと私は思っております。とにかく、一番大きな問題は、為替が非常に円高であるということで、この円高を正常なレートに変えることが一番手っ取り早い話だと思います。韓国が非常に大きく貿易を伸ばした。これはウォン安だからです。アメリカと韓国はFTAの協定を結んだけれども、今、国内で大反対が起きて、政権が倒れるかというような状況になっています。ですから、ぜひ、これはもっと国のほうへ向けて、知事の思いを伝えていただければと思います。
最後に一つ、高校における日本史の必修化と郷土史の作成をぜひお願いしたいと思っています。教育長にはお話ししていますので、答弁だけお願いします。
109: ◯答弁(教育長) 日本の歴史につきましては、小学校第6学年及び中学校において学習することを踏まえ、高等学校では世界史を必修科目として学習しております。教育委員会といたしましては、グローバル化が進展する中、高校生が日本の歴史の学習をさらに深めることは大切なことと考えており、県立高等学校に対し、日本史が選択できる教育課程を編成するよう指導しているところであり、今年度卒業する生徒の約7割が日本史を学習しております。
また、新学習指導要領では、必修である世界史を日本史と関連づけて指導することが重視されていることから、現在、その指導のための教材開発や指導法の改善についての実践研究を国の指定を受けて進めているところでございます。今後とも指定校の研究成果を県立高等学校全体に広めるなど、より多くの高校生が日本の歴史を学び、国際社会に主体的に生きる日本人としてのアイデンティティーを高めることができるよう指導してまいります。
110: ◯要望・質疑(山木委員) 東京都や神奈川県は、もう日本史の必修化に取り組んでおります。授業で使用する広島独自の郷土史、あるいは近現代史というものをぜひ作成していただきたい。ひとつよろしくお願いします。
最後ですが、きょうの出席の説明員の中で、冨永局長、抹香局長、藤井局長の3人が退職し県庁を去られるということでございます。大変御苦労でございました。広島県のために大変御尽力いただきましたことを心から感謝申し上げます。
代表して、3月末で総務省へ帰られます藤井局長に、いろいろな思い出、あるいは広島県のために何か一言、言い残したいということがあれば、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。
111: ◯答弁(総務局長) 平成21年4月から丸々3年間お世話になりました。自治体としては私は4つ目でして、4つの自治体の中でもいわゆる一番大きい県、人口でも面積でも一番大きい県にお世話になったことになります。
県の印象、県政の印象ということを、時間の関係もありますので一言で申し上げますと、やはり非常に本物の資源を持った県だと思っております。その資源というのも、もちろん自然という点もありますし、産業、歴史、文化、また人材という点でもそうかと思います。それらの資源をしっかりと県政に生かしていく、県政につなげていくことが、県政に課された一番大きな課題だということを強く思っているところであります。
このような環境の中でいろいろな経験をさせていただきました。これからもしっかりと生かしていきたいと思います。お世話になりました。
112: ◯意見(山木委員) 頑張ってください。
(6) 休憩 午後2時31分
(7) 再開 午後2時36分
113: (8) 表決
県第1号議案外15件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(知事、議長並びに委員長から、次のとおりあいさつがあった。)
◯知事 ただいま、平成24年度当初予算案を可決すべきものと御決定をいただきまして、ありがとうございました。3月1日に本委員会が設置されましてから、委員の皆様には終始熱心に御審議を賜りまして、改めて厚く御礼を申し上げます。
新年度は、「ひろしま未来チャレンジビジョン」の目指す姿の実現に向けまして、成長の原動力となる取り組みを一段と加速させていく年と位置づけており、本委員会におきまして皆様から賜りました御提言、また御意見を生かしながら、当初予算案に盛り込んだ諸施策をスピード感を持って着実に展開をし、成果に結びつけてまいりたいと考えております。
委員の皆様方には、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、ごあいさつといたします。まことにありがとうございました。
114: ◯議長 一言ごあいさつを申し上げます。
去る3月1日に当委員会が設置されまして以来、委員各位には連日にわたり終始熱心に御審査をいただきました。
そして、ただいま、平成24年度当初予算につきまして、適切妥当な結論を得られましたことは、当委員会設置の目的を十分に果たされたわけでございまして、まことに御同慶にたえない次第でございます。石橋委員長を初め、坪川、安井両副委員長並びに委員各位の御精励に対しまして、衷心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
また、知事を初め、関係当局におかれましても、委員会の運営に当たり格段の御協力を賜りましたことに対し厚くお礼を申し上げまして、簡単でございますが、ごあいさつといたします。大変ありがとうございました。
115: ◯委員長 閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
去る3月1日、当委員会が設置されまして以来、短期間での集中的な審査にもかかわらず、委員各位には終始熱心に、十分な審査をいただきまして、ただいま委員会としての結論を得たところであります。
この間、委員会運営につきまして、坪川、安井両副委員長を初め、委員各位の格別の御協力を賜りましたこと、心から御礼を申し上げる次第であります。
また、知事を初め、執行部の皆さん方におかれましては、長時間にわたり御協力を賜りまして、まことにありがとうございました。
審査の過程において各委員から指摘されました事項につきましては、今後、県政推進に十分に生かされますよう念願をいたしまして、まことに簡単ではありますが、閉会のごあいさつといたします。ありがとうございました。
(9) 閉会 午後2時40分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...