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  1. 広島県議会 1997-12-02
    平成9年12月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成9年12月定例会(第2日) 本文 1997-12-11 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 43 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 7 : ◯知事藤田雄山君) 選択 8 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 9 : ◯城戸常太選択 10 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 11 : ◯知事藤田雄山君) 選択 12 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 13 : ◯土木建築部長中村俊行君) 選択 14 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 15 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 18 : ◯面迫幸雄選択 19 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 20 : ◯知事藤田雄山君) 選択 21 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 22 : ◯副知事(久保信保君) 選択 23 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 24 : ◯空港港湾局長(上田 寛君) 選択 25 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 26 : ◯農政部長(山川雅典君) 選択 27 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 28 : ◯商工労働部長(高見貞四郎君) 選択 29 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 30 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 31 : ◯蒲原敏博君 選択 32 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 33 : ◯蒲原敏博君 選択 34 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 35 : ◯知事藤田雄山君) 選択 36 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 37 : ◯副知事(久保信保君) 選択 38 : ◯渡壁正徳君 選択 39 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 40 : ◯渡壁正徳君 選択 41 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 42 : ◯空港港湾局長(上田 寛君) 選択 43 : ◯議長檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十三分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十四名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 3: ◯議長檜山俊宏君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                   平成9年12月11日  広 島 県 議 会 議 長 殿                                   広  島  県  知  事                                       (財  政  課)             12月定例県議会の追加議案及び説明書について  平成9年12月定例県議会の追加議案及び説明書を別冊のとおり提出します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                                   平成9年12月10日  広島県議会議長 檜 山 俊 宏 殿                                   広島県人事委員会委員長 丸 山  明             条例案に係る意見について
     平成9年12月9日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定に基づく意見を求められた条例案のうち次の条例案については,本委員会が行った給与勧告の内容と一部異なっているが,国家公務員の給与の改定状況などを考慮してとられた措置であり,やむを得ないものと考えます。  県第80号議案 職員の給与に関する条例及び母子相談員及び婦人相談員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部          を改正する条例案中職員に関する部分  また,次の条例案については適当と考えます。  県第81号議案 市町村立学校職員の給与,勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案 4: ◯議長檜山俊宏君) 別冊はお手元に配付してありますので、朗読は省略いたします。  ただいま報告いたしました追県第一八号議案は、職員に関する部分がありますので、地方公務員法の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておりますので御了知願います。  お諮りいたします。ただいま報告の追加議案を、本日の日程に追加するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 5: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第七二号議案         至第三十一 報第一八号               追県第一八号議案 6: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第七二号議案 平成九年度広島県一般会計補正予算から日程第三十一、報第一八号 損害賠償額の決定についてまでの各案並びに追加議案を一括上程議題といたします。  この場合、知事から追加議案に対する提案理由の説明を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 7: ◯知事藤田雄山君) ただいま追加提出いたしました議案は、特別職の国家公務員等の給与改定におきます期末手当の取り扱いなどを考慮するとともに、議長からの県議会議員の期末手当を据え置くとの申し出を受けまして、県議会議員及び特別職の職員等に対して平成十年三月に支給いたします期末手当について、現行の支給割合とするための特別職の職員等の給与、旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の提案であります。  どうぞ、慎重に御審議いただいた上、適切な御決議をくださるよう希望いたします。 8: ◯議長檜山俊宏君) これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。城戸常太君。         【城戸常太君登壇】 9: ◯城戸常太君 自由民主党広島県議会議員団の城戸常太でございます。この十二月定例会におきまして最初の質問の機会を与えていただきましたことに、まず、お礼を申し上げます。  藤田知事には、さきの知事選において圧倒的な県民の支持を得て、再選を果たされました。心から、お祝いを申し上げるものであります。知事二期目は、国の内外、あるいは官民を問わず、熾烈な改革競争が進んでいく中で、二十一世紀の輝かしい扉を大きくあけていかなければならない、極めて重要な四年間であります。知事の大胆な実行力で、県民の負託にこたえていかれることを強く期待をし、念願するものであります。  さて、近年、我が国の社会経済情勢は、まさに危機的な状況を迎えております。景気の先行きに全く展望が開けてこないことに加え、一連の金融機関の経営破綻などによる金融不安が蔓延をし、地方経済を取り巻く状況も不透明感をさらに強めております。こうした中で、一昨日発表された政府月例経済報告では、「景気回復」という表現を撤回して、景気判断を一段と後退させており、日銀金融経済概観では「景気は減速傾向を強めている」と分析しており、景気の減速感はますます深まってきております。本県経済も、円安効果を受けている一部業界を除いて、軒並み業績を下方修正するなど、極めて厳しい状況にあります。  一方、地域の発展や活性化に大きな責務を有する地方自治体も、今日、逼迫する財政運営の立て直しとともに、時代の変化に対応した行政システムの改革をいかに実行すべきか、明確な方向性を見出せず、きゅうきゅうとしているのが現状であります。こうした状況に至った最大の要因として、行政システムが旧態依然としたお役人意識のもとで惰性的に運営をされ、時代の変化に行政が対応し切れていないことを挙げたいと思います。今後の県政運営に当たっては、既成の概念にとらわれず、常に県民の負託にこたえるべく自己改革を進めていくべきことは、論をまたないものと考えるのであります。私は、こうした問題意識を前提に、県政の諸課題について質問をいたします。知事の率直なお考えをお示しください。  質問の第一は、県政運営の基本方針についてであります。知事は、先日の提案理由説明において、「二十一世紀に輝き、自立する新しい広島県づくり」を県政の基本目標に掲げることを表明されました。そうした知事の政策目標を実現する具体的なプロジェクトやスケジュールを明らかにするものとして、県の長期計画の新しい実施計画に期待しているところであります。しかしながら、その策定に当たっては、今日の行財政状況の中で、財政再建が優先されるのではないかという懸念を感じております。財政の再建・健全化は、計画的かつ安定的な県政運営を図る上で必ずなし遂げなければならない重要課題でありますが、その一方で、さらなる県勢発展につながる二十一世紀への夢が、揺れ動くことなく示されなければならないのであります。新しい時代の到来をしっかりと見据えた計画を、速やかに策定する必要があると考えますが、知事は二期目の県政運営に当たり、どういう基本方針と、どのような時代認識でアクションプログラムを描き、また、その計画をいつまでに県民に示されようとしているのか、明らかにしていただきたいのであります。  質問の第二は、行財政改革についてであります。先般、県においては県職員数の削減計画と財政健全化計画案を相次いで示されました。行財政改革が県政の最優先課題であることは、県民すべて異論のないところであり、その推進においては、組織・体制のスリム化や再編とともに、県職員の意識改革が不可欠であると考えております。こうした観点から、行財政改革の進め方について幾つか知事のお考えをお尋ねいたします。  まず、改革についての知事の基本的な認識についてであります。申し上げるまでもなく、行財政改革は効率化、すなわち最小の経費で最大の効果を上げることを目指すものでなければなりません。そのためには、県政の優先課題を明確にして、その解決に向けた政策を実施していくための最小限の職員を基本として、思い切った人員削減を行い、最小のコストと職員数で、持てる能力を最大限に発揮できる体制をいかに確立するかが肝要であります。しかしながら、来年度の予算編成に当たり、一般行政費が対前年でマイナス一〇%、さらに、単独公共事業は一五%カットするという厳しい予算編成の方針が示された反面、行政システム改善の基本となる職員数の削減目標が実質三%となっているのは、余りに小さ過ぎるのではないでしょうか。また、財政健全化計画では、行政コストの縮減に向け、民間委託を積極的に行うとしていますが、職員数が委託業務と連動して削減されないと、むしろ、支出が増大をして、財政健全化の実が上がらないことを十分に認識しなければなりません。今後とも、県経済の先行きが懸念される状況にある中で、単なる経費の節減や財政規模の縮小のような消極策だけにとどめることなく、県経済に活力を与える施策を盛り込んだ、めり張りのある新たな財政措置も検討される必要があります。こうした観点から、県の行財政改革の推進について、再度十分な検討を加えていくべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、県庁組織の改革についてであります。県行政には、現在においても、なお国の省庁に直結する縦割り制度に加え、長年の前例踏襲主義などが残っていることから、現行の組織体制では、時代の要請にこたえる政策展開や部局間の総合調整を図ることが非常に困難になってきております。こうした中、本県では全国に先駆けて、本年度、中山間地域対策総室を創設いたしましたが、中山間地域の再生を目指した発足当初の熱意と目指すべき方向に沿った総合的な施策を積極的に推進する上においても、部局の縄張り意識などの弊害が見られると聞き及んでおります。  一方、社会経済情勢はますますグローバル化をしており、その影響は、国や県を飛び越えて、直接、地域社会、企業、住民にまで及んでいる時代であります。「情報ハイウェイ構想」など県政の重要課題である高度情報化や、産業科学技術の高度化を進める施策を立案し、それを支える空港、港湾、道路網などの総合交通体系を有機的にリンクさせる政策課題を、県議会で率先して調査、検討しようとしても、県には情報通信、物流などのデータやノウハウが乏しく、また、事業推進の担当セクションも明確でない現状を見れば、県の事業体制は全くお粗末と言わざるを得ません。企業も、県民も、我々も、時代の変化を乗り越えていこうと懸命の努力を重ねているときに、ひとり行政のみが自己改革を怠って、時代の流れに取り残されるならば、極論すると、県庁の存在そのものが県勢発展の阻害要因になりかねないと思うのであります。県行政が県民の負託に確実にこたえていくためには、地方分権の理念に基づく、縦割り行政の解消、合理的・効率的な事務事業の配分や総合調整機能の発揮などについて検討し、抜本的な改革に取り組むべきでありますが、これについての知事の率直なお考えをお聞かせください。  次に、県職員の意識改革について質問いたします。地方自治法と地方公務員法が施行されて五十年近くが経過いたしました。この間、地方公務員の身分や職務などについての基本制度は、大きな改正がないまま、今日に至っております。私が先ほど来申し上げておりますように、時代の変遷により、県民の価値観も変化しているにもかかわらず、半世紀前の制度、慣行にとらわれていることを深く憂慮するものであります。その一端は、職員組合の活動にも表れております。この十二月の定例会に、職員の給与改定に伴う三十九億円余りの補正予算が提案されておりますが、この職員給与の改定をめぐって、国の人事院勧告が出され、県のベースアップが確定するまでの間、「動員」と称して県内全域から教職員を含む数多くの県職員が県庁に押しかけ、座り込む行動が毎年繰り返されております。知事は、その実態を御存じでしょうか。  また、先日、「人事委員会の勧告は、スト権が認められていない公務員の権利を守る措置である」という趣旨の発言を県幹部から聞き、県上層部の組合に対する認識の低さを見た思いがしたのであります。県当局、組合は、ともに県民の方を向いて、事務事業を円滑に進めるという観点から、県職員の身分や処遇の改善などについて真剣な議論をしているとは言えないのであります。経済が低迷をし、金融不安が広がり、完全失業率が過去最高を記録し、さらに今後、大量の失業者の発生が深刻に懸念をされ、民間ではストすらできないときに、厳しい現状を度外視した行動が県庁舎の中で展開をされ、県当局もこれに何の疑問も持たないことは、県民感情からも許されないことと考えます。さらに、OA化や新たな業務の導入などについて、県当局は組合との協議に相当の時間と労力をつぎ込んだ上に、組合との調整が整わないと事業が前に進まないという現状についても、果たして県民の理解が得られるのでしょうか。また、労働時間の短縮も時代の趨勢ではありますが、民間企業の労働者が歯を食いしばって懸命に働いている中、そうした実態と遊離して、労働時間の抑制を掲げた運動も行われているのであります。私は、こうした点で、県職員の意識が県民感覚から遠くずれていることを強く懸念するものであります。「すべて職員は全体の奉仕者である」という我が国の憲法十五条の基本理念に立ち返り、「公共の利益のために勤務をし、かつ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念をしていく」という基本から県職員の意識改革を行い、知事の認識と県庁の全職員の認識が一致するような県庁を構築していかなければなりません。県職員の意識改革について知事の認識はどうか、お考えをお聞かせください。  行財政改革の四点目は、教育問題に関してであります。行財政改革を進めていくに当たって、広島県予算の四分の一以上を占める教育費の見直しは、避けて通れない課題であります。特に、少子社会の進展で、児童生徒は減少の一途をたどっており、本年の公立小中学校の児童生徒数は、直近ピーク時の約三分の二に減少しております。その一方で、学校数は小学校がピーク時の九六%と余り減っておらず、中学校では一〇四%の伸びとなっているのであります。こうした生徒数と学校数の減少率のアンバランスは、生徒数が極端に少ない学校を生じさせており、一学年で生徒数が十人を割る小学校も相当な数に上っております。生徒数の減少は、学校間の規模格差を拡大させ、生徒の集団活動を困難にさせるなど、学校教育水準の確保に困難な問題を発生させており、また、学校運営経費等も非効率になっております。加えまして、財政力の弱い中山間地域の市町村においては、これが財政硬直化の主な要因の一つになりつつあると言っても過言ではないのであります。また、高等学校についても、中学校を卒業する生徒の減少が続いており、今年はピーク時の七割、平成十七年にはピーク時に比べて二万人減少し、五九%まで落ち込むことが見込まれております。公立学校の統合と、それに伴う教職員数の見直しは、さまざまな地域問題は想定されるものの、財政効率と教育効果の両面から早急に着手しなければならない行政課題なのであります。東京都においては、今年の七月、都立高校の長期統廃合計画を策定し、大規模な高校再編への取り組みを始められたようであります。他県で実施できるのであれば、教育県を標榜する本県は、至急、明確な統廃合基準を定めて、県立高校の再編計画と、それに対応する教職員数の縮減計画を早急に検討しなければなりません。また、公立小中学校についても、計画的な統合や教職員数の削減に向けて同様の取り組みが行われるよう、県は市町村教育委員会を積極的に指導していく時期に来ていると考えますが、教育長はどう認識しておられるのか、お伺いをいたします。  質問の第三は、公共事業の推進についてであります。公共事業の目的が、良質な社会資本の充実や国土の保全といったことにあることから、公共事業の見直しにおいては、予算の抑制に終始するのではなく、迅速な災害復旧や防災の観点も加え、あわせてコストを再点検して、できるだけ事業量を確保するという発想を、県はまず持つべきであります。こうした基本認識に立って、公共事業を推進していくための具体的対策についてお伺いをいたします。  まず第一点は、コスト削減への具体的取り組みについてであります。我が国の公共事業費が、先進諸外国よりも割高であることから、本年四月、国は「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」を策定し、また、本県でも、現在、国の指針に準じた対策が検討されております。公共工事のコスト高の要因の一つには、設計積算事務などを民間業者に依存することが、発注者側の技術力の低下を来し、設計書の内容や工事費の妥当性の判断が甘くなっていることも指摘できるのであります。こうしたことから、コスト縮減には、直接工事費のほか、計画策定から施工監理までに携わる職員の資質向上策や、執行体制の効率化を進めることも肝要であります。まず、このコスト縮減への具体的な取り組みについて、知事にお伺いをいたします。  第二点は、公共事業の事業費の問題についてであります。さきの九月定例会に、公共事業の事業費を大幅に増額する案件が提案されました。沼田川にかける空港大橋の工事予算が、当初の見積もりの七十億円から九十億円になるというものであります。実に二十億円、三〇%の増額でありますが、最近、こうした多額に及ぶ事業費の変更事例を多く目にいたします。そこには、いいものをつくるためには金に糸目をつけない技術者の考え方、コスト意識の欠落や民間技術力への依存体質という、さまざまな要因が思い浮かぶのであります。安易な事業費の変更は、県民の公共事業に対する不信感を募らせ、ひいては行政そのものが信頼を失墜することにつながります。頻繁な事業費の増額変更を伴わない計画的な公共事業を行うために、知事はどのような改善策をとられるのか、御所見をお伺いいたします。  次に、公共事業の工期についてであります。本来、整備計画を明確にした事業は、技術的に実現可能で、かつ財政負担が過大でない限り、短い工期で、早期に施設を活用することが公共事業執行の大原則であります。それに反して、細かい工区設定などにより、工事の完成に長期間を要する例や、当初の工期や完成時期を超えて、だらだらと工事期間が延長されていくケースも少なくありません。速やかに事業の効果が表れ、かつ、コスト縮減を図るには、公共事業の工期短縮が不可欠ですが、施行方法の見直しなどの改善策について、知事のお考えをお聞かせください。  次は、公共事業に関する透明性の確保についてであります。現在、公共事業について計画内容、実施方法、事業の経過状況など、情報の多くが県民に十分承知されていないことから、事業手法や事業費の妥当性などについて、議会のチェックは入るものの、県民の意見は直接的には事業に反映されにくいのであります。緊急に進めるべきであるのに、用地等の補償問題や地域事情などにより工事に着手できず、また、工事中断といった例が道路や港湾事業などで見られますが、これらによるむだなコストは、すべて県民が負担しているのであります。さらに、建設業を初めとする業界の高コスト構造を招く慣行や体質などを根底から改善するためには、小手先の対策では困難なのであります。常に県民が公共事業を監視し、建設行政にチェックをかけることで事業の透明性を高める以外、解決方法はないのであります。こうした点で、公共事業に関する情報を県民に一層オープンにしていく義務が県にはあると思いますが、公共事業に関する情報公開の範囲や方法などについて、知事はどのようにお考えなのか、お聞かせください。  公共事業に関する最後の質問は、海砂の供給問題についてであります。海砂採取業者の違法操業が指摘をされて、今週初めにはすべての業者が採取を自粛し、県内産海砂の供給が相当期間停止することにより、建設事業や産業活動への深刻な影響が懸念をされております。その原因の中に、採算性を重視した海砂への過度の依存、代替材の開発・確保のおくれ、資源管理に対するモラルの欠如などが挙げられ、それらが絡み合って、このような事態が生じたものと考えるものであります。当面、県では工事のストップや急激なコストの上昇という異常事態を回避するための緊急措置を検討しているようでありますが、まず、その緊急措置について知事のお考えをお聞かせください。  さらに大きな問題としては、海砂という限りある資源を集中して過度に採取することで生じる影響に、すべての関係者が思い及ばなかった点が挙げられるのであります。また、それは海砂に直接に関係する者のみならず、広く建築物の効用を享受する県民すべてが関心を持ち、それぞれの立場で考えていかなければならない問題なのであります。今回、総合的な解決策を見出さないと、過去の川砂問題の教訓が生かされないまま、将来、山砂でも同じ轍を踏むことが予想されるのであります。こうした自然環境や国土保全の観点からも、海砂への過度な依存は到底困難であり、山砂、加工砂、輸入砂、リサイクル砂などを含め、それぞれの資源量に応じた適切な活用を図るため、県は早急に総合的な活用計画を策定し、海砂などの資源と建設コストとのバランスを図り、建設事業を円滑に進めていく対策が必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の最後は、規制緩和と地域経済についてであります。疲弊した我が国経済の国際競争力を回復し、地域社会の活性化を図るためには、経済政策を行政主導から民間主導に改革していく必要があり、その点で、規制緩和は避けて通れない重要な政策課題であります。しかしながら、「角を矯めて牛を殺す」の例えのように、地域経済の実態を無視した中央主導型の一方的な規制緩和は、地方分権の理念に反するのみならず、地域に悪影響をもたらす可能性があることを、ここで指摘しておきたいのであります。私は、この問題を内航海運を例にとって、規制緩和による地域への影響や、それに県がどう対処していくべきかをお伺いいたしたいと思います。  内航海運は、国内貨物輸送量の約四三%のシェアを占め、地域に密着した重要な産業であります。安定した物流システムの確保という面で、我が国の経済発展に貢献をしてきた内航海運業は、事業者の系列化や過当競争という構造的な課題を抱え、さらに、バブル経済崩壊後の過剰船腹という、まことに厳しい状況下にあります。その中で、事業者は、大手荷主の一方的な要求にみずからの身を削りながら、船舶の建造調整などについて業界全体で自主的な調整事業に努力してきているのであります。船腹調整事業は、内航海運業法に基づき、独占禁止法の適用除外による措置として認められてきたものですが、政府の規制緩和推進計画で独禁法の適用除外が見直され、調整事業の廃止とともに、業界への参入の自由化が決定されております。これが一気に進むと、全国六千の海運業者が五千八百億円もの負担をして認められてきた営業権は一瞬にして価値がなくなり、多くの業者が多額の借金を抱えて、転廃業を迫られる深刻な事態に直面することになります。また、船員の雇用問題に加え、造船事業者や関係金融機関などへの影響も大きく、とりわけ、多くの事業者を抱える本県は、最大の打撃を受けることから、私は、こうした事態を断じて看過できないのであります。本県には、沿岸島しょ部において、全国トップの五百七十六の内航海運業者が夜に日を継いで営業活動をしており、その就業者も、私の地元の倉橋町では、町内の雇用者の一八%、下蒲刈町では一五%にも上っております。しかしながら、地域経済の死活問題ともなる内航海運業を取り巻く状況について、県は、その実態や地域への影響を全く把握することなく、運輸省の一所管事項としてしかとらえていないのであります。今年一月から、やっと国による「内航海運の地域経済に及ぼす影響に関する実態調査」が始められていますが、実情や影響の大きさも把握しないで規制緩和を先行させる、机上で考えただけの政策が実行されますと、県経済や県民生活のダメージは大きく、海運立県とも言える本県の輝かしい歴史に汚点を残すのであります。このような内航海運が直面する深刻な問題は、国の規制緩和が抱える問題の一例にすぎないのであります。現在、地方分権型社会の構築が叫ばれておりますが、地域社会にかかわる問題を地域みずからが解決していくことができなければ、地方分権はかけ声倒れに終わるのであります。国で進められる規制緩和について、地域経済、県民生活への影響、地域社会での準備状況などについて、県みずから危機意識を持って調査・検討すべきであります。場合によっては、国に対して内容や時期の見直しを迫り、事業環境を整備して、事業者や市町村などに指導力を発揮することが、県の責務であると考えるものであります。こうした点を踏まえ、国の規制緩和に対する県の基本認識と地域社会に及ぼす影響について、知事はどう考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。  さて、現在、我が国は、産業構造や行財政システムを二十一世紀に通用するものとすべく、抜本的な改革の緒についたばかりですが、今後も、世界において枢要な地位を占めながら、地域社会の繁栄を見るためには、改革の成功が必須条件であり、それは中国四国地方における中枢性が懸念をされている本県にも言えることなのであります。「疑行は名なく、疑事は功なし」という言葉が、司馬遷の著した史記にあります。すなわち、改革は自信を持って断固として行うことが、指導者たる者の使命であるということであります。県民すべてが、県の改革への取り組みに注目していることを強く意識し、先見的で先導的な政策の打ち出しと、行財政システムの改善、県職員の意識改革などに不断の努力を払われることを、再度、知事にお願い申し上げて、私の質問を終わります。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 10: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 11: ◯知事藤田雄山君) 城戸議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、次期アクションプログラムについてのお尋ねがございました。二十一世紀の幕あけを目前に控えて、時代は今、歴史的な転換期にあると考えております。国際的には、世界共通の枠組みやルールのもとでの熾烈な地域間競争が始まっており、我が国独自の制度やシステムの転換が求められております。また、国内的には、国主導の中央集権から地方分権へ、官主導から民間活動優先へと転換されつつあり、我が国の発展を支えてきた社会・経済の枠組みが大きく変革に向かって動き始めております。二十一世紀への橋渡しとなるこれからの四年間は、こうした社会・経済システムの変革が大きく進む中で、持続的に発展可能な広島県づくりに向けて、県政の枠組みを再構築していく大変重要な時期であり、時代の潮流を的確にとらえた上で、地域独自の施策展開がこれまで以上に求められていると認識をいたしております。  私は、今後四年間の県政運営につきましては、提案理由説明で御説明いたしましたように、第一に、スリムで効率的な県政の実現、第二に、生活県ひろしまの充実、第三に、力強く発展する、輝く広島県づくり、第四に、魅力にあふれ、自立した地域づくりの四本の柱を基本方針として、「二十一世紀に輝き、自立する新しい広島県づくり」を推進してまいりたいと考えております。  次期実施計画につきましては、こうした県政運営の基本方針のもとで、財政健全化計画との整合を図りながら、事業の重点化、戦略化に努め、生活県ひろしまの枠組みづくりを進める計画としたいと考えております。このため、策定に当たりましては、一点目に、保健・医療・福祉の充実や、防災・防犯対策、環境保全対策など、県政の基調であります生活者の視点に基づいた県政を着実に継続していくこと。二点目に、二十一世紀における県勢の発展を支える空港、港湾や基幹的道路などの社会資本を重点的に整備すること。三点目に、広島県の持てる強みを発揮し、中四国地域の中枢県としてブロックの発展に寄与するとともに、国の内外に開かれ、魅力を持った県づくりに向けた取り組みを推進していくこと。四点目に、地方分権時代に対応して、「自由な選択と自己責任」を原則とした地域の創意と工夫、そして住民の積極的参加による新たな地域づくりの仕組みを構築すること。そうしたことを基本に取り組み、平成十年三月までに策定してまいりたいと考えております。  次に、行財政改革に対する基本的認識についてのお尋ねがございました。本県の行財政改革は、本年九月に決定した職員数の見直しと、十月に決定した財政健全化計画に基づき、その取り組みを開始したところであります。職員数の見直しにつきましては、平成十年度から五年間で、知事部局の職員を対象に五%、約三百三十人を削減するものであり、新規の行政需要等のために人員を措置することがあっても、少なくとも三%の純減を行うことを骨子としたものでございます。一方、財政健全化計画は、平成十年度から三年間を集中改革期間とし、社会経済情勢を踏まえた事業の見直し、計画的な社会資本の整備などを柱に歳出の抑制を図り、弾力的な財政体質を確立することを目指すものでございます。これらに共通する基本的な考え方は、財源不足を克服しながら、県勢の発展や新たな県民ニーズに対応していくための施策に、人や財源を重点的かつ効率的に配分しようというものであり、今年度策定する第二期実施計画に基づき、めり張りのきいた事業展開をしてまいりたいと考えております。そのためにも、事務事業の不断の見直し、あるいは効率化の追求を行う一方、御指摘の民間委託につきましても、コスト増にならないよう経費比較を行うとともに、委託する場合においては基本的に人員削減をするなど、徹底した点検を行っていきたいと考えております。来るべき二十一世紀に向けて、本県が持続的発展を遂げるためには、現在取り組んでおります行財政改革をやり遂げることが不可欠であり、当面は、これに全力投球してまいる所存でございます。  次に、県庁組織の改革についてのお尋ねがございました。申すまでもなく、簡素で効率的な行政を実現していくためには、組織・機構についても不断の見直しが必要でございます。このため、毎年、新たな行政需要等を見定めながら、それにふさわしい組織づくりを目指しているところですが、御指摘のように、行政需要の変化が、組織にまですぐに反映しがたいということもございます。いずれにいたしましても、最小の費用で最大の効果を上げる組織運営が求められており、さまざまな制約の中にあっても、これらの課題の解決を図り、県民サービスの向上に努めていくことが行政の責務でありますので、御指摘の趣旨も十分に踏まえまして、できるだけ早い段階で、県民の要請にこたえられるような機動的、効率的な組織体制の構築を検討してまいりたいと考えております。  次に、県職員の意識改革についてのお尋ねがございました。地方公務員制度も、創設後およそ五十年を経過しており、新しい地方自治の時代にふさわしい制度のあり方について、今後、見直しや検討を行っていかなければならないということは、私も同感でございます。御指摘がありました職員団体の活動につきましても、さまざまな立場や観点からの御議論や御意見があることも承知をいたしております。私といたしましては、職員個人は全体の奉仕者として全力で職務に専念することが当然であり、一方で、職員団体は、職員の勤務労働条件の向上などを目的とし、法で認められた団結権に基づいて活動を行っているものであると考えております。これに対し、県当局としては交渉に応ずるべき義務もございますが、法で規制された範囲を超えた活動とあれば、是正を求める必要もあると考えております。県当局と職員団体は、それぞれの立場に相違はございますが、秩序ある適切な労使関係を維持していくことは、県政の円滑な推進を図る上で重要であり、また、時代環境の変化に即応した労使関係のあり方についても、相互に議論していく必要があると考えております。本県を取り巻く非常に厳しい環境の中で、私は、職員に対して、これまでにも増して県民の立場に立った行政を推進するように指示しているところであり、職員が一丸となって、この難局に対処するため、職員の意識改革を含めて、積極的な行政運営に努めてまいる決意でございます。  次に、海砂供給の緊急措置についてのお尋ねがございました。海砂利採取計画につきましては、建設コストの急激な高騰などに対する激変緩和措置として、採取期間の延長を含めた見直しを行ったところでございます。しかしながら、その後、御指摘のような深刻な事態が発生し、建設工事や県民生活に多大な状況を及ぼすことが懸念される状況に至ったことは、まことに遺憾でございます。県といたしましては、このような影響を最小限にとどめるための対応が急務と考え、十二月八日に副知事を会長とする海砂利対策会議を設置して、緊急の事態に対応することといたしました。現在、緊急対策として、関係業界への安定供給の要請、需給状況の把握や県工事における代替砂の積極使用のほか、需給が逼迫した場合の公共工事の進度調整などについて具体的な検討を進め、県民生活の安定に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、建設用砂の総合的活用計画策定についてのお尋ねがございました。海砂を過度に採取することにより生ずる影響についてでございますが、今後、県内の海砂に多くを依存することができないという状況の中で、建設用砂の使用については、山砂等代替材の多角的な利用が求められております。そこで、代替材の確保対策として、融資制度等山砂開発支援策や、公共事業等における段階的な山砂への転換を確実に進めていくことが必要であります。一方で、海砂の一定量の確保も必要であること、民間レベルで中国からの輸入などが具体的に検討され、県に対しても受け入れ施設や品質等の問い合わせがなされていることから、輸入コスト、供給量、陸上保管施設の問題があるものの、海外からの輸入について早急に検討する必要があると考えております。いずれにいたしましても、今後行うこととなる需給予測の精査を踏まえて、御指摘の総合的活用計画、とりわけ公共事業における計画の策定について検討してまいります。  次に、規制緩和と地域社会への影響についてのお尋ねがございました。我々の生活の安全や市場の適正化を図るために、多くの規制が存在し、それぞれに大切な役割を果たしているものと思っております。しかしながら、それが新たな事業の障害となったり、国際化の妨げになるなど、民間活力の阻害と消費者の負担増につながっているという面も指摘をされております。こうした規制を、さまざまな状況の変化に応じて見直し、緩和・廃止していこうという大きな流れが規制緩和であり、これにより、生産性の向上や新規事業の創出、内需の拡大などが図られ、真に自由な経済社会へ移行していくものと認識をいたしております。国は、平成七年度から平成九年度までの三年間を規制緩和の計画期間とし、毎年見直しを重ねながら、これまで実施に移してきたものを含め、二千八百二十三項目を対象に掲げげ、その緩和を推進することとしております。私といたしましては、基本的には、できるだけ規制の緩和を進め、経済の活性化等を図るべきであると考えておりますが、一方で、余りにも急激な緩和は、御指摘のように、市場に混乱をもたらし、あるいは中小事業者を中心にダメージを与えるケースがあるのも事実でございます。規制緩和を推進する過程で、こうしたマイナス面を正面から受けとめることも必要であり、それを乗り越えない限り、真の意味での活力ある経済活動はなし得ないのではないかと考えております。  ただ、御懸念のような内航海運業における船腹調整制度の廃止など、地域あるいは個別の業種に極めて大きな影響を及ぼすおそれもあることから、これらの実態把握に努め、必要に応じ、国への働きかけや事業者・市町村への支援、指導についても検討してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 12: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長中村俊行君。         【中村俊行君登壇】 13: ◯土木建築部長中村俊行君) 公共事業の推進について御答弁申し上げます。  初めに、公共事業のコスト縮減対策についてでございます。公共工事のコスト縮減対策については、今年五月に、副知事を本部長に広島県公共工事コスト縮減推進本部を設置し、本年中に行動計画を策定すべく、鋭意検討を進めております。この行動計画では、工事の計画から施工に至る幅広い分野について、コスト縮減につながる具体的な施策を盛り込むこととしております。この中で、特にコスト縮減効果が大きいと考えられる計画・設計や技術開発、また入札契約制度について、県独自の具体策を打ち出したいと考えております。このコスト縮減の取り組みは、基本的には工事に関するコストの縮減を目的とするものですが、考え方の基本は、計画から発注、施工に至るすべての過程において、種々の施策を総合的に実施し、公共工事を取り巻く諸環境を改善することにあります。  一方、種々の施策を確実に実施し効果を上げていくためには、県職員の資質や執行体制も重要な要因であると考えております。計画や設計段階においては、職員の創造力、企画力、技術力などがコスト縮減効果に大きく影響してまいりますし、事業実施段階においても、効率的な発注事務、工事監督、検査を遂行することが不可欠であります。そこで、設計管理や現場管理などの日常業務を通じて、これまで積み重ねられた技術の伝承を、それぞれの職場で進めるとともに、実務に即した専門的な研修の充実や建設省などの研修機関への研修などにも積極的に参加させるなどにより、職員の資質や能力を向上させてまいりたいと考えております。また、執行体制の効率化については、地方機関の調査設計機能の充実に努めるとともに、設計成果や現場管理のチェックマニュアルの整備等を進めるなど、体制の整備を進めてまいります。  続きまして、公共事業の事業費についてでございます。公共事業の執行に当たっては、変更幅の少ない設計等に努めることは重要なことと認識しております。しかし、空港大橋のような特殊工法を伴う大規模事業につきましては、概算額は、概略設計、予備設計をもとに、他の施工事例などを参考にして算出しますが、その後、発注段階において詳細設計に基づき積算すると、事業費に差異が生ずる場合がございました。今後、このような問題を生じさせないために、概算工事費の算出段階から事前調査を十分に行うとともに、検討委員会を設置するなどし、国の機関や学識経験者などの幅広い意見を聴取することにより、これまで以上に内容を精査して、精度を高めてまいりたいと考えております。  一方で、土木工事の施工に当たりましては、気象、土質などの自然的条件や騒音、振動、第三者への安全対策等、社会的制約を強く受けることから、施工条件が当初の設計段階のものと異なることがあり、やむを得ず設計変更をしなければならないことがあります。これに対しては、平成九年六月より設計変更事前協議制度の導入を図り、早目に内容の検討を行い、方針を定めるなど、変更幅の縮減に努めているところであります。今後とも、より厳正な設計に努め、変更要因の削減に努めたいと考えております。  次に、公共工事の工期についてでございます。財政が厳しく、行財政改革の実施が求められ、公共事業費を縮減していく中で、公共事業を着実に推進していくためには、各事業の点検や見直しなどを進め、事業の重点化や効率的、効果的な実施をしていく必要がございます。各事業の点検や見直しに当たりましては、事業の必要性あるいは緊急性について、事業効果の評価を行い、早期に投資効果が発揮できる事業などを重点的かつ優先的に実施していきたいと考えております。具体的には、重点配分によって供用開始が早まる箇所やプロジェクト関連事業などを優先的に実施することにより、効果が早期に実現できるもの、また、震災関連、災害関連等の緊急性の高い事業を重点的に取り組むように努めてまいります。今後は、整備目標の明確化を一層進め、拠点性の確保、安全で快適な地域社会の整備に引き続き努めてまいりたいと考えております。  次に、公共事業の情報公開についてでございます。公共事業は、県民、国民の貴重な税金を使って行われるものであり、厳正かつ公正に執行するとともに、多様な視点から客観的に評価されなければならないものであります。このため、大規模な事業については、技術関係に限らず、各界各層で組織する委員会などを設置し、幅広い意見を聞きながら、客観的かつ効果的な計画づくりを進めるとともに、その他の事業についても、五カ年計画や基本計画づくりの段階から、可能な限り、住民の意見を反映させる計画を策定し、その結果の公表に努めてまいります。  また、個々の事業を進めていく過程においても、必要に応じ、事業の効果や進捗状況等の情報を公開してまいりたいと考えております。さらに、入札・契約の透明性の確保については、指名選定要綱等の公表や公募型指名競争入札制度の導入などを進めてまいりましたが、現在、中央建設業審議会では予定価格や建設業者の経営事項審査結果の公表等について検討がなされていると聞いております。県としては、この審議会の動向や建設省の今後の対応を見守り、今後、県としてとるべき方策を検討することとしております。公共事業に関する情報については、今後とも、できる限りの公開に努めるとともに、公共事業に対する県民の一層の信頼が得られるように努力してまいります。 14: ◯議長檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 15: ◯教育長(木曽 功君) 県立学校の再編計画と教職員数の縮減計画についての御質問にお答えいたします。  少子化の進行によりまして、児童生徒数の長期的な減少が続いており、今後とも、地域によっては学校の小規模化が一層進むことが見込まれております。このような小規模化が進んでまいりますと、学校行事やクラブ活動、特に高等学校では生徒の興味、関心に対応した多様な選択科目の開設などが十分に展開できないなど、学校の教育活動の低下が懸念されているところでございます。このため、高等学校につきましては、今後の生徒数の推移や地域の実情等を踏まえ、より充実した高等学校教育を促進するという観点から、県立高等学校の規模や配置の適正化を進めていく必要があり、当面、全日制課程の統廃合に係る基準を本年度中を目途に策定するよう、作業を進めているところであります。  次に、小中学校につきましては、児童生徒数の減少に伴い、これまでの五年間で、九つの市町において三十一校の学校が十一校に統合されております。小中学校は市町村教育委員会の所管であり、当該市町村におきまして、学校の実態や地域の実情等を考慮し、最終的な判断をしていただく必要があると考えております。その際、県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対し、相談・指導を適切に行ってまいりたいと考えております。なお、教職員数につきましては、教育改革に係る増加分を見込みましても、生徒数の急減に対応し、平成十四年度までに千二百人程度を削減することとしております。今後とも、生徒減少期における適正な定数管理に努めてまいりたいと考えております。 16: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時三十三分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時二分開議 17: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十一名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。面迫幸雄君。         【面迫幸雄君登壇】 18: ◯面迫幸雄君 社会民主党県議会議員団の面迫幸雄でございます。  「二十一世紀に輝き、自立する新しい広島県づくり」を標榜して、知事は二期目の当選をされ、県民の信任を得られたところであります。藤田県政が真に県民の期待にこたえ、二十一世紀を、知事の言われるように「人を引きつける、きらりと光る県づくり」に努力されますことを、社会民主党を代表し、心から要請いたします。  私たちは、是々非々の方針に立って、今後の県政にともに努力していくことの意思を、この際、表明いたします。また、憲法を県政に生かすため、努力することを県民の皆さんにお誓いするものであります。「人を引きつける、きらりと光る県政」、いかにも感動的であります。そのビジョンと具体像を示していただきたいのであります。特に、きらりと光る二十一世紀を目指すとき、環境を守ることは重要な条件であると考えます。  そこで、質問の第一は、環境問題についてお伺いします。くしくも、今、地球環境問題国際京都会議が開催され、地球環境を守り育てるための国際的連帯のきずなが強く結ばれました。人は自然と共生し、初めて生存が可能です。自然を侵すものは、やがて自然の報いを受けます。豊かな環境保全とその育成に関して、「生活県ひろしまづくり」に向けての知事の基本認識と具体的施策の推進についてお尋ねいたします。  次に、瀬戸内の環境保全の取り組みについてお伺いいたします。今、海砂採取期限延長をめぐって、瀬戸内の環境保全について県政の良識が問われていると考えます。無秩序な海砂採取で海底の自然地形は破壊され、瀬戸内は砂漠化するとの切なる叫びが聞こえてきます。瀬戸内は多島美を誇り、穏やかな平和な海として、世界にその名を称えています。まさしく、世界の海にほかなりません。そこには、海の幸に人々が恩恵を受け、古くから文学的にも、音楽・絵画など芸術分野でも、その美しさを共有し、伝えられてきました。一方では、戦時体制下で大久野島毒ガス製造、軍港、要塞化など、暗い歴史を担わされました。戦後、平和な海に返り、海はよみがえりました。やがて高度経済成長の時代、公害により瀬戸内は死活の問題に直面しました。国は、一九七三年、瀬戸内海環境保全特別措置法を制定し、その第三条は次のとおり述べています。「瀬戸内海が、わが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであることにかんがみ」として、国には瀬戸内海の水質保全、自然景観の保全に関する基本計画の策定を、関係する府県には、これに基づく府県計画の策定を定め、計画の達成に努めるよう求めているのであります。瀬戸内海の憲法とも言われる、この法の理念を、瀬戸内に関してどのように実現されてきたのか、また、今後の対応についてお尋ねいたします。  瀬戸内の自然を経済主義や利権絡みで侵害し、この宝庫を失うことがあってはなりません。以上のことを踏まえ、当面する藤田県政の基本にかかわる海砂採取期限延長と、水産資源を守り育てる政策について、以下お伺いいたします。  一九七七年六月に制定され、一九九〇年十一月一日改正された広島県の「海砂利採取に関する基本方針」は、冒頭、次のように述べています。「海砂の採取場所が水産物、動植物の産卵生育にとって重要な場所であることから、海砂採取の秩序を確立して、水産資源の保護培養と自然環境の保全を図り」として、「有限の資源であること」から「海砂の安定供給を図る」と述べています。当時の県政担当者は、瀬戸内海の海砂をこれ以上採取することは、海の死を招くとの危機感に立ち、他県に先立って採取期限を一九九八年にすると決断し、県議会、県民もこれを支持したのであります。それを、今に至って、さらに採取期限を延長するという知事の方針転換は、重大な政策転換であり、容易ならざる変化であります。何よりもまず、この広島県の先覚的基本方針の決定に至る背景、根拠を、どのように認識され、どのように評価されているのか、お伺いいたします。  第二点は、知事が選挙直前に打ち出された海砂利採取期限延長方針についてお尋ねいたします。知事選挙公示の前日に、それまでの県議会での議論や漁業関係者からの延長反対と不安を振り切るかのように、知事は採取期限延長方針を決定、公表されました。漁業関係者はもちろん、多くの県民から疑問が投げかけられているのであります。私ども社会民主党広島県連合と県議団は、去る十一月十七日、海砂採取海域の現地調査を行うとともに、漁業関係者からの声を聴取したところであります。開発優先か、環境保全かを問われる基本政策の転換は、それを裏づける納得できる根拠と理由が必要であります。当局は、海砂の需要見込みから県民生活への多大な影響があると一つの理由を述べていますが、その需要見込みは基礎数値に根拠がないばかりか、代替材の開発、リサイクル、輸入砂などを組み込めば大幅に変わってくるはずであります。業界の示した数値で需要見込みを設定し、方針を安易に転換することは、業界傾斜であるとの疑念と不審を持たざるを得ません。海砂採取期限の延長決定以来、一カ月余り経過しましたが、実は慎重を欠いたことを裏づける具体的事件が相次いで発生しています。海区漁業調整委員会の関係者間の贈収賄事件、長年にわたる海砂不法採取事件、関係県職員への贈答、暴力団への資金流出などが発覚し、少なくとも、広島県の海の政治は根底から信頼を失墜しました。まことに断腸の思いであります。他方では、海砂採取によって水産資源は年を追って減少し、漁民の方々の怒りは抑えがたく、死活の問題として血の叫びが聞こえてきます。また、海砂採取地域での地盤沈下が海岸線沿いに発生し、住民の生活不安の声も深刻であります。なぜ、このような事態に目を配り、時間をかけて慎重に対処することがなかったのか、海砂採取期限延長をなぜ軽々に方針決定したのか、その理由について県民の納得のできる答弁を求めるものであります。  第三点は、海砂にかわる代替材の開発と確保の問題であります。知事が打ち出されている「砂利需要予測の厳密な見直し」がいかに行われ、必要最小限の砂利需要が新たにどの程度予測されるかが注目されるところであります。いかにして砂利需要を少なくするかが、一方で問われています。既に、国や自治体も財政改革の一環として、公共事業の抑制を打ち出しています。さらに、構造物の設計段階において生コン使用を少なくする鉄骨構造に転換することや、木造建築の推進を大胆に図ることも重要となります。さらに、ビルや橋、道路などから多量に出されるコンクリート廃材の再利用を積極的に進め、業者に再利用を義務づけることも重要なことです。これらのことを進めることによって、新しい海砂の需要は大幅に減少することは可能であります。まず、この海砂需要抑制の方針を推し進めるべきであると考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  この上に立って、代替材の開発と確保をいかに図るかであります。自然保護に配慮した山砂の開発、砂利の輸入促進、真砂土の利用など、中長期的な計画を立案し、総合的に検討、推進するべきではないでしょうか。あわせて、知事の御所見を求めるものであります。  第四点は、海砂の違法採取の防止、違反業者への対応についてであります。海上保安庁の調査では、ほとんどすべての業者が許可を受けた規定量の二倍から三倍の不法採取をしていることを認めているのであります。かなり以前から禁止されている早朝採取、区域外採取とともに、断じて許されることではありません。過去にさかのぼった調査と処分、さらには採取料や罰金の徴収、脱税への重加算税など、厳しく対処すべきあります。法律に違反する行為があれば、告発すべきと思います。まさしく、無法状態とも言われる海砂採取に毅然たる対処を求めるものです。県民及び漁民が納得する知事の答弁を求めます。また、今後の採取許可条件の見直し、監視体制の強化について、あわせお伺いいたします。  第五点は、広島県海区漁業調整委員会の信頼回復への取り組みについてであります。海区漁業調整委員会は、法律で設置が義務づけられ、本県の場合十五名、そのうち、漁民代表委員九名、知事選任委員六名で構成されています。この委員会の意見が、県当局の海砂利採取延長方針決定の判断に大きな影響を及ぼしています。この件にかかわって、収賄の疑いで漁民代表委員の一人が逮捕され、その委員を通して数万円の商品券が一部の調整委員に届けられていた事実も明らかになるなど、この海区漁業調整委員会に対する漁民や県民の信頼は、まさに地に落ちたと言えます。この際、関係者や当事者とも話し合い、海区漁業調整委員を一新し、信頼回復を図るべきと思いますが、知事の見解を求めるものであります。また、あわせて、新しい委員による海砂採取延長の再審議を求めるべきと思いますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。  第六点は、荒廃した海をよみがえらせ、広島県漁業水産業の再生についてであります。この二十年間における漁獲高は、県当局の調査で、海砂採取海域で実に五五%の激減、また、その他の海域で三五%の減少となっており、漁業が壊滅的打撃を受け、再正不可能とまで言われております。しかしながら、魚の宝庫として、先祖代々、私たちに恵みを与え、暮らしを潤してくれた、この瀬戸内海を荒れ果てたまま放置することはできません。漁場の再生を図り、二十一世紀に引き継ぐ責任が、私たちにもあります。そのためにも、改めて海の再生に向けた実効ある中長期の計画を打ち出すべきであります。県民及び漁業関係者の願いにこたえる具体的方針を知事にお尋ねいたします。  第七点は、広島県生コンクリート安定供給連絡協議会の会長に副知事が就任している件についてお伺いいたします。公正、公平を旨とする県の政策決定の責任者である副知事が、協議会の取りまとめ役的な責任者に就任していることは、到底、県民の理解に苦しむところです。県は、今回の海砂採取延長は、六漁協や生コン業界からの陳情ではなく、代替砂などの転換のおくれだと再三にわたって説明してこられました。しかし、業者から出された砂の需給見通しを延長の根拠にしたことによって、県の主張は一層説得力を失う結果となりました。協議会の会長職である副知事自身が、海砂業者、生コン業界に身を寄せて判断をしているのではないかとの県民の懸念は払拭できません。この際、副知事は会長の職を辞退し、その不信を取り除くべきだと考えますが、いかがでしょうか。  第八点は、海砂採取などによる沿岸被害への対応についてであります。私たちの現地調査でも、その大きさに驚いています。海砂採取によって浸食されたと思われる沿岸や沿岸の道路、家屋などの被害状況について、県は関係市町村とともに、早急に調査を実施し、その対策を講ずるべきだと考えます。御所見をお聞かせください。  最後に、知事は県会冒頭の提案説明で、今回の海砂問題に触れ、「まことに残念に思っている」とだけ表明されました。これほどの非常事態を招いた責任を、知事はどのように受けとめておられるのか、また、その責任をどのように問うのか、知事の所信をお尋ねいたします。  特に、藤田県政二期目のスタートに当たって、事は重大であります。今、県民が抱いている県政への不透明感、不公正感、利権への疑念など、その不信を払拭していただくよう、心から強く願うものであります。  質問の第三は、来年度予算編成についてであります。今、国、地方を問わず、かつてない財政危機に直面し、そのために行財政改革が焦眉の急だと言われています。広島県も、行財政改革の第三者機関を設置し、その委員会の答申に従って、県職員を一九九八年度から五年間で三%、二百人削減することなど、理念なき行革と、とかく言われる合理化が行われようとしています。広島県も、一年間の予算に匹敵する借金を抱え、借金返済のために、また借金を重ねるという悪循環を繰り返しているのが、今、県が置かれている財政状況です。加えて、景気の低迷が続く中で、税収の伸び悩みは一層深刻で、来年度予算編成はまさに非常事態とも言うべき状況の中で行われます。大型プロジェクト事業を大胆に抑制し、一方で、こうした状況下にあっても、県民生活の向上や県民の保健・福祉・医療の増進、農水産業の振興策、地方自治確立のための分権施策、教育施設の充実などの県民生活に密接な諸施策が後退することがあってはなりません。そこで、知事にお尋ねいたします。財政危機克服に向けて、具体的にどのような政策の転換を図ろうとされているのか。また、来年度予算編成に当たって、知事二期目のスタートとして、何を重点的に取り組もうとされているのか、県民に明らかにしていただきたいと思います。  質問の第四は、男女共同参画社会づくりの推進に関してであります。  第一点は、女性施策の推進体制についてであります。昨年七月に発表された国の「男女共同参画ビジョン」では、男女共同参画社会の実現こそが、真の男女平等の達成をもたらし、今後の社会の新たな発展の礎になるとの考えが示されました。内閣総理大臣を本部長とする推進本部を設置し、二〇〇〇年プラン実現のための取り組みが進められているところであります。本県でも、男女共同参画社会の実現を県政の重点課題の一つに位置づけ、「エソール広島」を活動拠点として女性施策の推進に努めておられます。しかし、各市町村の女性行政への取り組みについては格差が大きく、また、女性プランの策定も、八十六市町村中、わずか五市町という状況です。これでは、女性施策が進んでいるとは到底考えられません。
     また、女性専管窓口も、八十六市町村中、わずか十市町村しかなく、設置に向けて市町村の動きが見られず、市町村指導もなされていないと伺っております。県も市町村も、停滞している状況と判断せざるを得ません。今年の二月議会において、我が会派議員の質問に対し、知事は「市町村の女性行政の支援を強化しなければならない」と、その重要性について答弁されたところであります。現在、この女性施策推進の要となります広島県女性プランの改定作業が進められておりますが、さまざまな領域にわたる女性施策を総合的に推進していくこと、市町村が新プランの趣旨を確実に受けとめ、みずからの課題として取り組んでいくことが重要なことと考えます。女性プラン改定の進捗状況とあわせ、新プランの推進体制について、知事の御所見をお伺いいたします。県において、市町村の取り組みを促すためにも、この機会に独立した女性課を新設されることを強く要望いたします。  第二点は、女性の学ぶ場の確保についてであります。国の「男女共同参画社会の形成に関する二〇〇〇年プラン」では、特に女性の生涯にわたる学習機会の充実、女性の能力開発、社会参加の促進を挙げています。県においては、生涯学習センターにおいて自発的学習が各地で行われるよう、指導者の養成と研修の充実に努めておられます。女性のための「リーダー専門講座」などは、女性の社会参画の上で大変配慮の行き届いたシステムと受けとめています。財団法人広島県女性会議の「女性大学」や「未来会議」などとともに、さらなる取り組みを期待しております。この事業の実施状況と今後どのように取り組まれる予定か、お伺いいたします。  第三点は、女性の労働実態と社会参画についてであります。一九九五年四月から育児休業制度が全面適用となり、一九九九年四月からは介護休業制度が義務づけられるわけでありますが、現実は大変に厳しい実態があります。一九九六年の商工労働部の「中小企業で働く女性実態調査報告」によりますと、仕事をできる限り継続したいと考えている女性が八割を超えています。しかし、育児休業制度の事業所内制度化は全体の三割にとどまり、さらに、四割が、復帰後、同じ仕事につけるか不安であるなどの理由で、利用しない現実であります。  また、介護休業制度は、事業所内での制度化はわずか四・七%、義務化までにはこの制度を導入しようと考えている事業所は二割にとどまっています。この実態を見るとき、仕事と家庭の両立を支援する就労環境整備がなされない限り、共同参画社会の実現はあり得ないと考えます。知事はどのように対応されるのか、お伺いいたします。  厳しい一年の足跡を残し、一九九七年もやがて暮れ、新しい一九九八年を迎えます。新しい年が、県民の皆さんにとって、希望に満ちた、生きがいに輝く年になりますように、県政の確かな発展を祈念してやみません。県民の皆さんにとって、さらに平和で良き年でありますことを願い、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 19: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 20: ◯知事藤田雄山君) 面迫議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、環境保全に関する基本認識と具体的施策の推進についてのお尋ねがございました。環境保全に当たっては、経済の発展や限りある資源の有効活用とを、いかに調和させていくかが重要でございます。この観点から、環境への負荷が少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指していく必要があると考えております。このため、本県では、広島県環境基本条例に基づき、今年三月に環境基本計画を策定し、総合的な環境施策の推進を図っているところでございます。この計画は、環境保全の基本理念を「環境にやさしい恵み豊かな広島づくりと次の時代への継承」とし、この理念のもとに、「循環」、「共生」、「参加」、「交流」、「地球」をキーワードとする五つの基本目標を設定しております。主な施策としては、基本目標の「循環」では、省資源・省エネルギー、公害対策や廃棄物対策、環境調和産業の育成などを行い、基本目標の「参加」では、県民、事業者、行政が役割分担をしながら、環境保全活動や環境教育などを促進しております。また、基本目標の「地球」では、地球温暖化対策、フロン対策、環境国際貢献など、地球環境問題への対応を図っております。今後、この計画に基づき、これらの諸施策をさらに推進し、「生活県ひろしまの充実」に努めてまいりたいと考えております。  次に、瀬戸内の環境保全の取り組みについてのお尋ねがございました。瀬戸内海の環境保全につきましては、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、これまで、汚水を発生する施設の設置や汚濁物質の規制、窒素・燐の削減、自然海浜の保全地区の指定や適切な埋め立て指導などを講じてまいりました。さらに、県や市町村が実施する事業について、瀬戸内海の環境の保全に関する広島県計画を策定し、公共下水道の整備、港湾の緑地の確保やしゅんせつ事業などを総合的、計画的に推進をいたしております。今後とも、国や瀬戸内海沿岸の各府県とも連携を図りながら、水質や自然景観などの保全施策を総合的に推進してまいります。  次に、海砂利採取に関する基本方針についてのお尋ねがございました。長年にわたる海砂利の採取は、砂利資源の減少や漁業への影響、環境保全等の問題を生じさせました。このため、海砂利採取の秩序を確立して、水産資源の保護培養と自然環境の保全を図ることなどを目的とした「海砂利採取に関する基本方針」を平成二年に改正し、この中で海砂利の採取を漸減する方針を示したものであります。これは、水産業の振興や自然環境の保全、さらには代替材への転換期間にも配慮したものであり、十分評価できるものと認識をいたしております。  次に、海砂利採取期限延長方針についてのお尋ねがございました。このたびの採取計画の決定に当たりましては、海区漁業調整委員会や広島県生コンクリート安定供給連絡協議会から御意見をお聞きしたところでございますが、さまざまな御意見の中で、慎重審議の上、意見集約がなされました。これを受けまして、私といたしましては、県民生活に深いかかわりのある事案でもあり、この方針を早期に公表して県民の審判を受けるべきであると判断をいたしまして、選挙前に採取計画の変更を決定したものでございます。しかし、残念ながら、採取業者の違反操業に起因する海砂利の供給停止という異常事態もあり、今後の需給動向を慎重に見守ってまいりたいと考えております。  次に、海砂にかわる代替材の開発と確保についてのお尋ねがございました。当分の間は、県内産海砂の採取はされないという状況の中で、当面、建設用砂の安定供給の確保等の緊急対策を講じているところでございます。さらに、今後の海砂の需要抑制のために、山砂など代替材の確保と代替材への転換を進めるとともに、砂を使用しない工法の技術開発やリサイクル材の活用を進めていくことといたしております。また、海外からの砂の輸入につきましても、砂を大量に使用する港湾工事など、海上工事での使用が可能であるかどうかについて、今後、検討することといたしております。  次に、広島県海区漁業調整委員会の信頼回復への取り組みについてのお尋ねがございました。海砂利採取計画の見直しに関する海区漁業調整委員会の審議につきましては、「海砂利採取は基本的に反対である」という基本認識のもとで、漁業への影響や県民生活への影響等について真剣に論議され、総合的な判断のもと、意見の集約がなされたものと考えております。また、海区漁業調整委員会の委員の一新や再審議につきましては、独立した行政委員会であるということもあり、基本的には委員会が自主的に判断される事項でありますが、当面、事態の推移を見守ってまいりたいと考えております。  次に、海砂問題への受けとめについてのお尋ねがございました。今回の海砂利採取計画の見直しに関して、贈収賄事件や違反採取事件など数々の問題が生じており、さらに、海砂利採取が少なくとも六カ月間停止するという異常事態に至ったことを、まことに遺憾に思っております。今後、事態の推移を見守る必要がございますが、採取業者に対して厳正に対処するとともに、海砂利採取に関する緊急対策を着実に実施するなど、県民生活への影響を最小限にとどめることが、私の責任であると考えております。  次に、来年度の予算編成についてのお尋ねがございました。来年度の予算編成に当たりましては、十月に策定いたしました財政健全化計画の基本方針、スリムな執行体制確立や効率的な行政運営、社会経済情勢等を踏まえた事業の点検・見直しや財源の重点配分、将来の公債費負担と歳入のバランスを考慮した社会資本の計画的整備を基本としてまいりたいと考えております。一方、本県を取り巻く情勢は、今後、二十一世紀に向かって少子・高齢化が進み、地方分権や規制緩和など社会経済の仕組みは大きく変化し、さらに、国際的な地域間競争が激化する時代になってこようと考えております。こうした時代の潮流に適切に対応していくため、今後、予算編成作業の中で、県勢発展のための戦略的に取り組むべき事業や、県政の基調となる生活者の視点に基づく諸施策の中でも重点的に推進する事業を明確にし、それらの事業に財源を優先的に配分する、めり張りのきいた予算編成を行うことが最も重要であると考えております。  具体的には、第一点は、本県の発展を支える空港、港湾、道路などの社会資本を重点的に整備することや、教育改革等による人材育成の強化、あるいは多彩で力強い産業構造の構築など、第二点は、これまで築いてきた交流のための基盤を活用したイベントの開催や、広域・国際的な観光開発、あるいは、ひろしま国際プラザや産業科学技術研究所など中四国地域において中心的な役割を担う施設の活用促進、第三点は、ダイオキシン対策、介護保険導入準備や子育て支援などの県民生活の安全・安心に資する施策、第四点は、廃棄物広域リサイクル構想など、将来において本県が取り組まなければならない施策に的確に対応するための構想づくりなどに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、女性施策の推進体制についてのお尋ねがございました。現行の広島県女性プランは、今年度末で推進期間が終了いたしますことから、現在、平成十四年度を目標年次とする新たなプランの策定作業を進めております。策定に当たり、これまで市町村、女性団体などから幅広い御意見をちょうだいしております。また、有識者による「女性対策推進懇話会」の御提言を、来月中旬にいただくこととしております。これらの貴重な御意見を踏まえまして、今後取り組むべき方向について明らかにし、二十一世紀にふさわしいプランづくりを目指してまいります。  次に、女性施策の推進につきましては、現在、庁内関係課で構成する「女性行政推進協議会」において連携を図りながら各種施策を展開してまいりましたが、新プランを実効あるものとするため、この協議会をより一層充実強化させた推進体制に整備してまいります。また、市町村に対しましては、これまで情報の提供やプランの策定などを要請してきましたが、新プラン策定を契機として、男女共同参画社会づくりに向けた市町村長の理解を深め、積極的に取り組んでいただけるよう、強く働きかけてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 21: ◯議長檜山俊宏君) 副知事久保信保君。         【副知事久保信保君登壇】 22: ◯副知事(久保信保君) 広島県生コンクリート安定供給連絡協議会につきまして御答弁申し上げます。  広島県生コンクリート安定供給連絡協議会は、平成元年に生コンクリートの供給が止まるといった事態が生じたことを受けまして、関係行政機関、関係業界が総合的な連絡、協議を行うことを目的として発足したものでございます。また、平成二年の海砂利採取の基本方針の改正に当たりましては、この協議会の御意見を伺った上で、県として決定したものでございますので、今回の採取計画の見直しに当たりましても、この協議会を開催して御意見をお伺いしたところでございます。会長が副知事であることがどうなのかという点につきましては、今後、検討してまいりたいと考えております。 23: ◯議長檜山俊宏君) 空港港湾局長上田 寛君。         【空港港湾局長上田 寛君登壇】 24: ◯空港港湾局長(上田 寛君) 二点お答えいたします。  まず、海砂の違法採取の防止、違反業者への対応についてお答えいたします。今回、砂利採取業者による違法採取の捜査が行われ、すべての事業者がこれを認めるに至ったことは、まことに遺憾であります。今後は、事業者からの事情聴取を行うなどして事実確認に努め、確証が得られれば、処分基準に従って厳正に処分を行うこととしております。また、違反採取防止対策につきましては、早朝の採取を午前八時からに繰り下げるとともに、採取日につきましても、毎週金曜日を採取禁止日として追加することといたします。また、監視体制につきましても、チャーター船による監視の強化を行うほか、ナビゲーションシステム等を利用した監視体制の整備も検討いたします。  次に、海砂利採取などによる沿岸被害への対応についてお答えをいたします。地元住民から指摘されている海岸被害の状況につきましては、十二月八日に土木事務所が広い範囲で現地調査を行いました。今後、さらに詳細な調査を行い、海砂利採取による海浜の後退等の悪影響が判明すれば、その区域につきましては採取禁止を含めた適正な措置を講じてまいります。 25: ◯議長檜山俊宏君) 農政部長山川雅典君。         【農政部長山川雅典君登壇】 26: ◯農政部長(山川雅典君) 本県の漁業水産業の再生について御答弁申し上げます。  漁場回復を図るための具体的な施策といたしましては、本年度から、漁場環境の修復と創生のために、藻場や干潟について新たな造成技術の開発に取り組んでおります。また、これとあわせて、福山、尾道地域を中心とした備後地区におきまして、藻場・干潟の造成に加え、海底の耕運でありますとか堆積物の除去など、海域環境の保全対策を総合的に実施する「マリン・エコトピア推進計画」を策定中でございます。  今後は、まず環境調査や水産資源調査を実施した上で、より効果的な水産資源の増殖システムを構築しまして、豊かな海づくりのために、漁場機能の回復策や水産種苗の放流拡大などの資源増大対策を、中長期的観点から計画的に推進してまいりたいと考えております。なお、瀬戸内海という共通海域の水産資源の維持増大を図るためには、関係県との連携が重要であり、広域的な調査研究や資源管理型漁業の推進などにつきましても取り組んでまいりたいと考えております。 27: ◯議長檜山俊宏君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 28: ◯商工労働部長(高見貞四郎君) 女性の労働実態と社会参画についてお答えいたします。  職業生活と家庭生活の両立は、男女共同参画社会の実現に向けた大きな柱であると認識をいたしております。このため、国におきましては、勤労者が仕事と家庭を両立させながら能力を発揮していくために、育児・介護休業法の整備が図られているところでございます。しかしながら、御指摘のとおり、企業におきます就業規則化がおくれていることなどによりまして、育児休業制度等が十分に利用されていない実態がございます。県といたしましては、これら法制度の普及啓発を行いますため、本年度は新たに育児・介護休業制度の導入・定着に向けましたセミナーの開催や各種広報紙によります普及啓発に努めているところでございます。また、事業主に対しまして、育児・介護休業者の代替要員を確保するための融資制度等を設け、職場環境整備への支援を行っているところでございます。このほか、市町村が事業主体として実施する、働く女性のための子育て援助組織でございます「ファミリー・サポート・センター」についても、支援をいたすこととしております。今後とも、国や市町村等と連携しながら、女性の就労環境整備に積極的に対応してまいりたいと考えております。 29: ◯議長檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 30: ◯教育長(木曽 功君) 社会参加のための女性の学ぶ場の確保についての御質問にお答えいたします。  今日、急速に変化する経済社会環境のもとで、将来にわたって豊かで活力ある社会を築いていくために男女共同参画社会の実現が求められており、女性を取り巻く環境も大きく変化し、生き方も多様化してまいりました。こうした中、教育委員会では、高等教育機関や市町村教育委員会などと連携を図りながら、女性の生涯学習の振興に資するさまざまな施策を展開しているところでございます。その一環として、県立の生涯学習センターにおいて「ウィメンズカレッジ」と、「女性リーダー専門講座」を実施しております。「ウィメンズカレッジ」は、安田女子大学と連携して、女性学・女性問題について高度で体系的な学習機会を提供する講座でございます。平成元年度から、毎年五十人程度を対象に実施している講座で、本年度で九年目を迎え、これまで延べ五百人程度の受講生を送り出しております。また、「女性リーダー専門講座」は、多様な地域活動を企画・運営するために必要な知識・技術を習得することを目的に、昭和四十八年度から毎年六十人程度を対象に実施している講座で、本年度で二十五年目を迎えたところでございます。これまで延べ千五百人を超える指導者を養成してまいりました。これらの講座を終了された方々は、県内各地において地域活動のリーダーとして活躍しておられます。今後とも、こうした講座の一層の充実を図るとともに、モデル市町村事業等を通して、地域における男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。 31: ◯蒲原敏博君 議長、関連……。 32: ◯議長檜山俊宏君) 関連質問を許します。蒲原敏博君。 33: ◯蒲原敏博君 海砂問題で、知事からただいま答弁がございましたが、納得できない部分がございますので、関連質問をいたします。  面迫議員の質問でも触れていますが、重ねて申し上げます。県政の一翼を担う私たち県会議員も、その責任を痛感していますが、これほど深刻な非常事態に至った原因と責任が、冒頭の知事説明の中に明らかにされていないという点でございます。知事説明は、だれがお聞きになっても、傍観者的に聞こえてなりません。まことに遺憾であると言わざるを得ません。さて、今回の無謀とも言える海砂採取期限延長は深刻な非常事態を招き、許可された平成十年度までの採取期間を待たずして、採取が事実上、今後できなくなるという事態をもたらしたと言えます。慎重な審議をすることなく、また、魚介類の生息に関する調査等もすることなく、特定の団体の圧力に屈するかのような決定は、到底認めることができません。これ以上の延長はあり得ないとの確信を、私たちは持っています。延長方針の撤回をすべきだと考えます。改めて、見識ある知事の納得できる答弁を求めます。  次に、重ねてお尋ねをいたします。先ほど、副知事から、この問題に触れて「今後、検討する」との答弁がございましたが、納得できません。このような事態を招いた広島県生コンクリート安定供給連絡協議会の会長に就任をしている副知事の責任は極めて重いと言わざるを得ません。この際、会長職を辞任し、心機一転すべきであると考えますが、いかがでしょうか。  次に、関係市町村や住民からの採取期限延長中止の要請が県に上がってきておりますが、知事は、このような関係市町村の要請に対して、どのように誠実に対処されようとしているのか、お伺いをいたします。以上です。 34: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 35: ◯知事藤田雄山君) 今回の海砂採取の期限延長方針を見直すべきではないかという趣旨の御質問であろうかと思いますが、今回の延長方針自体、海区漁業調整委員会や広島県生コンクリート安定供給連絡協議会から御意見を伺った中で、さまざまな御意見もございました中で、慎重な審議の上で意見集約がなされたものというふうに理解をしております。今現在、関係当局の捜査が進行中と理解をしておりますので、今後しばらく推移を見守りたいと考えております。  今回、延長方針といいましょうか、このお話が出たときに、新たな海浜の後退は決して許してはならないということを、私自身、言明をしております。したがいまして、従来は漁業関係者からの同意を得るという形で地元の御理解をいただいたわけでありますが、今後は、市町村、地元自治体の御意見も伺う必要があろうかと、そのように思っております。 36: ◯議長檜山俊宏君) 副知事久保信保君。         【副知事久保信保君登壇】 37: ◯副知事(久保信保君) 先ほども御答弁申し上げましたように、広島県生コンクリート安定供給連絡協議会は平成元年に発足をしたものでございまして、そのときも副知事が会長を務めておりました。ただ、先ほども申し上げましたように、会長が副知事であるということがいいことなのか、どうなのか、そのことにつきましては早急に検討してまいりたいと考えております。 38: ◯渡壁正徳君 議長、関連……。 39: ◯議長檜山俊宏君) 関連質問を許します。渡壁正徳君。 40: ◯渡壁正徳君 先般来、知事が何回も発言しておりますように、知事のスローガンは、「日本一住みやすい生活県ひろしま」ということでございます。私は、決算委員会でも申し上げましたけれども、今、広島県で一番急激に人口が減っているのは、御案内のとおり、島しょ部でございます。これは、島しょ部の主要産業である漁業と密接な関係があるわけでございます。したがって、私は、今回のこの海砂の問題は、これはもうとっているのですから、やめたらそれでいいというものではない。漁業の再生をやるためのさまざまな施策というものをやらなければ、この海砂問題は本当は終わらないと思っているわけでございます。そのように思っているわけでございますが、先ほど来の答弁、前回の決算委員会の感想も含めて申し上げますと、蒲原議員も言いましたように、どうも県には余り責任がなくて、悪いのはとっていた業者とか、そういうところにあるのだと言わんばかりの傍観者のような答弁に聞こえるわけでございます。  そこで、どういうことが問題なのかということをちょっと申し上げてみたいと思いますが、私の手元に昭和五十七年九月三十日付で、竹下虎之介知事のところへ、豊田郡木江町の住民が出しております内容証明の文書の写しがここへあります。ちょっと読んでみますと、これは今と間違えるのではないかというようなことを書いております。内容は、「『採砂はよいことではないが、必要なので許可している。むやみやたらに砂をとらせていない。』と、県の港湾課が説明をされました」と、これは先般来、副知事が言っていることと全く同じ内容でございます。それから、その後、「その後、専門家に調査を依頼しましたところ、許可区域外の採砂が行われている。県許可量の一・五から二倍の採砂が行われているとの違反が判明いたしました。環境の悪化や漁業資源の枯渇が心配でございますので、砂をとるのをやめてください。」、そういう内容証明のものを竹下知事のところへ出しているわけでございます。これが昭和五十七年九月三十日付です。その間、いろいろ行き来があったのだと思いますが、これに対して、昭和五十八年、明くる年の二月二十八日に、広島県土木部港湾課長から文書で返事が行っております。この返事もついでに読んでみたいと思います。全部読んでもあれですから、許可をしてくれるなと言いましたけれども許可をしましたと、しかし、こういうことをやりますと書いてあるのです。その、こういうことをやりますというところをちょっと読んでみたいと思いますが、「天馬地区沿岸部の定点測量は継続的に実施します」となっているのです。港湾課の方に聞きましたら、「それは先生、もう十五年も前のことで、わしらは知らんわいな」と、「それではやったことはあるんか」と聞くと、「やったことはありません」、こういう返事です。いいですか、二つ目は、「定点測量において五センチメートル以上地盤が沈下した場合は、大規模な地震または重量の大きな工作物の設置、地下水の汲み上げなど、その原因が明らかに推測できる場合を除き、速やかに海砂利の採取を中止させ、その原因が明らかになるまで海砂利の採取は再開させない」、こういう答えです。ところが、五センチメートル以上沈下したかどうかというのは、継続的な定点調査をしていないのですから、これはもう測りようがないのです。こういう、うそを言っているわけです。それからもう一つは、三番目は、「その他、採取業者については、採取違反のないよう、その指導監督を一層強化します」、こういう答えですよ。これは私が言ったのではない、お宅が出した文書ですよ。これは今も全く同じ答えが返ってくるわけであります。空港港湾局長から今、答弁がありましたけれども、これに書いてあることと全く同じ答えがあったがわけです。「もう一回同じことを、うそを言っているのを信じろというのか」という気持ちで、私はここで聞いていたのです。だから、その定点調査をちゃんとやっておれば、そうすれば漁業に対してどういう影響を及ぼしているか、残っている砂が幾らあるか、環境に対してどういう影響を及ぼしているか、こういうことは定点調査をやっておればわかるのです。そうしたら、さっき知事が人ごとのように言いますが、「砂が足りなくなったから五年延長したのです」と、簡単には言えないのです。調べてみたら、砂がもうなくなるということはわかりますから、あるいは、環境に対する影響が大きくなるということはわかりますから、もう何年も前から、あらかじめ、その準備ができているはずでございます。広島県の海砂の、砂の中に占める比重、割合は、廃止を決定してから以後、どれだけ減ったのですか、減っていないではないですか。こういう対応策を全然やっていないのです。だから、傍観者的に聞こえる。自分の責任をどう問うかということが、やはり問われているのです。それで、「違反をした業者については、これから罰を厳しくやります」と言いますが、私は、その違反した業者の肩を持つのではないのですけれども、それなら県は、こういうことを約束しておきながら、今まで管理をしなかったという責任はどうなるのですか。その管理をしなかったという責任をはっきりさせてくれ、そこのところがはっきりしなければ、次の対策は生まれてこないのではないかということを、先ほど来の質問で聞いているわけです。だから、みずからの責任を明らかにしてください。これだけ瀬戸内海の環境が悪化して、漁業がこれだけ崩壊的な状況になりましたら、私は再生のためには莫大な費用がかかると思いますよ。それほど海砂というのは安くないのです、非常に高いものについているということを理解してもらわなければいけないと思うのです。とってもいいですよ。全然とってはいけないと言っているのではないですよ。環境に与える影響がないように用心をしながらとらなければいけないのです。そこのところが抜け落ちていたのではないか。十五年前に言ったことを、今も、やはり繰り返して、反省も何もない、ここのところを問題にしているのですから、港湾局長はその当時いなかったのだから、答えようがないかもわかりませんが、昔あったということぐらいは勉強しておいてくださいよ。以上。 41: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。空港港湾局長上田 寛君。         【空港港湾局長上田 寛君登壇】 42: ◯空港港湾局長(上田 寛君) 渡壁委員が言われましたように、当時、私はおりませんでしたが、この記録がございまして、確かに、先ほど御指摘のように、回答文書の中で二点、県の方が約束をいたしております。「天馬地区の定点観測は継続的に実施する」、それから「定点測量において五センチ以上地盤が沈下した場合は、その原因が明らかに推測できるような場合を除き、速やかに採取を中止させ、その原因が明らかになるまで再開させない」、これはそのとおりでございます。この定点観測につきましては、県は、昭和五十六年から六十二年まで、六地点で年三回から四回の調査を実施いたしております。このうち、一地点で六年間に三センチの沈下が見られました。しかし、六十一年から六十二年にかけまして、顕著な変化がそれ以上見られないということで、調査を中断いたしております。現在は、改めて調査をするよう指示をしたところでございます。 43: ◯議長檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時七分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...