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  1. 広島県議会 1992-02-03
    平成4年2月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成4年2月定例会(第3日) 本文 1992-03-03 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 22 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯吉野 彰君 選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事竹下虎之助君) 選択 7 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 8 : ◯副知事小笠原臣也君選択 9 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 10 : ◯商工労働部長陣内秀人君) 選択 11 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 12 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 13 : ◯前川和徳選択 14 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 15 : ◯知事竹下虎之助君) 選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯副知事小笠原臣也君選択 18 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 19 : ◯土木建築部長市ヶ谷隆信君) 選択 20 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 21 : ◯教育長菅川健二君) 選択 22 : ◯議長檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員五十六名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一号議案         至第五十一 報 第三号 3: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成四年度広島県一般会計予算より日程第五十一、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。吉野 彰君。         【吉野 彰君登壇】 4: ◯吉野 彰君 私は、日本社会党広島県議会議員団を代表して質問いたします。  忌まわしい戦時体制下の独裁的軍事政権から解放され、私たちが手にしたものは、日本国憲法のもと、主権在民の原則に立つ民主政治であります。その政治の実際は、国民の国民による国民のための議会制民主主義であります。それゆえに、各級議員の存在は、この議会制民主主義を背負う根幹をなすものであることは言をまつまでもありません。しかし、今日、我が国の議会制民主主義の実態は、果たして憲法が国民に約束したように、真にその負託にこたえているでしょうか。国民は、今次第百二十三回国会の動向に鋭く注目しています。さきのバブル経済にかかわる政治家の飽くなき利益追求、さらに、共和、佐川急便事件など金権腐敗の政治体質は、民主政治に対する許しがたい背信行為であります。ロッキード事件による田中総理の逮捕と内閣の崩壊、リクルート事件による竹下内閣の倒壊、そして、今回の共和事件に見られる宮澤内閣への底知れぬ政治不信、これら一連の構造汚職を見るとき、その共通しているところは、政治家としての地位を利用して利益を得る体質、「たかり」の体質であります。そして、重大なのは、国民の世論が、これは氷山の一角であり、日本の政治体質が金権で腐敗し切っているのではないかという指摘であり、憂慮であります。しかも、国政のみならず、地方政治にも、その不信と疑念は広まり、決して永田町の問題として矮小化してはなりません。今、中央、地方を通じ民主主義を限りなく大事に発展させる第一の課題は、政治家みずからが襟を正すことでありましょう。政治は、国民、県民のためにのみあるのであって、政治家個人の利益を得るためではない、このことの原則を政治にかかわる者の共有の戒めとしなければなりません。我が社会党は、みずからの政治家としての姿勢を厳しく律しながら、この許しがたい金権腐敗の体質と真相の徹底究明と、これが一掃のため、あらゆる努力をすることを誓うものであります。そのため、我が党は、政治腐敗防止法案等を今国会に提案し、民主政治再建に対処しようとしております。本広島県議会でも、政治倫理確立に向けて自浄努力をさらに強め、県民の県政への信頼の確立に最善・最大の努力をしなければなりません。まず、みずからを厳しく律しながら、政治倫理の確立に向けて不退転の決意を日本社会党を代表して表明いたす次第であります。  さて、知事は、今次二月定例会に、一九九二年度当初予算を初め、広島県部設置条例及び広島県行政機関設置条例の一部を改正する条例案など、県民にとって極めて重要な案件を提案されたところであります。知事は、世界の冷戦構造の終焉と新しい世界の潮流を見据えながら、国民一人一人が真の豊かさが実感できる快適で潤いのある生活環境の実現が急務であるとの基本認識に立って来年度予算を編成されたことに、心から賛意と敬意を表するものであります。特に、一九九二年度、歴史的転換期と言われる内外の諸情勢の変化の中で、加えて二十一世紀へのダイナミックな序奏時代にあって、我が党は次のことを強調してまいりました。それは第一に、安らぎと生きがいを共有する福祉広島の創出、第二は、人間の心と体に感動を呼ぶ文化広島の形成、第三は、生活を守り、つくる生産広島の構築、つまり、食と緑と水のふるさとづくりであります。第四は、世界と結ぶ平和広島の創出、ヒロシマの心と平和憲法の理念にこだわり続けながら、新しい国際秩序にどのように貢献するのか、広島の知恵と力が問われています。第五は、人にやさしい県土広島の建設、障害者、お年寄り、子供たちが、いかなる条件にあろうとも、安全、快適に人間としての暮らしが保障される広島県をどうつくるかということであります。つまり、人の生きるところ幸せがあり、人の住むところ人のぬくもりがあり、人の行くところすべて生きがいがある、このような理想郷広島づくりへの挑戦を私たちは求めているのであります。一九九二年度の予算編成に当たり、我が党は、県民の願いを込めて、我々の基本理念を施策として反映していただくよう要請いたしました。知事は、この基本理念をどう受けとめられ、実現に向けてどのように取り組まれたのか、基本姿勢について知事の御所見を承りたいと思います。  質問の第二は、新年度予算を中心とする財政運営についてであります。政府の一九九二年度一般会計予算総額は、対前年伸び率二・七%、七十二兆二千百八十億円、一般歳出は同じく伸び率四・五%、三十八兆六千九百八十八億円で、それぞれ名目成長率五%を下回る低い伸び率であります。また、その内容も、生活大国づくりのアドバルーンを揚げながら、生活軽視、軍備優遇、産業優先を基本とした従来の予算の枠組みを維持したものと言わざるを得ません。とりわけ問題なのは、地方交付税交付金の減額措置を継続、強化していることであります。明年度以降の明確な展望を示さないまま、国の財政困難を地方財政に依存して切り抜けようとするこの措置は、暮らしに直接つながる地方をないがしろにするものであり、到底認めるわけにはまいりません。さて、今次定例会に提案された一般会計当初予算は、対前年比伸び率五・四%、九千四百四十六億円であります。法人二税を中心に県税収入の伸びがほとんど見込めない厳しい財政状況の中で、実質二〇%増の県債発行、大規模事業基金、減債基金など各種基金の取り崩しを行って歳入を賄った積極型の予算編成であり、知事の御決断を評価いたします。一方、歳出を見ましても、住みよい地域づくり、あたたかい福祉社会の実現など五つの柱を軸に、新事業推進プランに沿う施策の重点化、積極化に取り組まれてまいりました。特に、新空港建設、高速交通網の整備、アジア競技大会に向けた基盤整備等の主要プロジェクトが新年度ピークに達するとはいえ、県単独建設事業を大幅に拡大されたことであります。事業の内容について生活重視の観点に立つ私たちの注文は別の機会に譲るといたしますが、ともかく、国の四百三十兆円の公共投資計画達成の肩がわりの面があるにせよ、国の補助事業に頼ることなく、自治体が自主的に取り組む事業を拡大することであり、自治の本旨に照らして、賛意を表する次第であります。  さて、県税収入の伸びが厳しいと言われる中で、赤字法人についてお尋ねいたします。一昨年の県内調定法人数は四万七千四百二十一法人、うち欠損法人数は二万四千五百七十二法人、全体の五一・八%が赤字で、全国の平均値より約三%高い率となっております。ところで、いわゆる節税作戦の正当な行使は納税者の当然の権利でありますが、それにしても、税への信頼を損ねかねない異常な赤字法人数であります。徴税における公正、公平の立場から見逃すわけにまいりません。現行税制度の上で、なぜ五〇%の法人が赤字となるのか、その実態と県税収入への影響について御見解を承りたいと思います。  次に、今年度の決算見込みと基金についてお尋ねいたします。県財政における貯金であります財政調整基金外十一の特定目的基金でありますが、新年度の取り崩し額は六百五億円、積立額は二百四十五億円となっており、年度末残高は一千三百六億円と見込まれております。一方、五つの運用基金は土地開発基金を中心に九十一億円の積み立てが行われ、同じく年度末残高は三百七十九億円と見込まれます。県財政の中に占める基金の役割は、新年度予算が示すとおり、一層重要性を増してまいりましたが、その運用の基本は、時代の要請にこたえ、県勢活性化、県民福祉の向上に寄与することであり、今日までの手がたい運用、活用を評価するものであります。しかし、財政運営の基本は、納税者たる県民の理解と納得であります。したがって、県財政の規模、構造に照らして節度ある適正な水準を維持することにも十分配慮されなければなりません。今後の県財政を取り巻く環境は、県税収入の停滞など楽観を許さない状況でありますが、二十一世紀を見通し、中長期的展望に立った財政運営が何よりも必要であると考えます。今年度の決算見込みと基金の今後の運用、見通しについて御見解を承りたいと思います。  質問の第三は、県行政組織、執行体制の整備についてであります。県民生活重視、福祉・保健・医療施策の総合化、公共事業執行体制の整備、農山漁村の総合対策の推進、企画調整部門の充実など、時代の変化に即応する行政組織の再編整備について条例改正を提案されたところであります。高齢化、情報化、ハイテク化などの新しい潮流、時代の変化に対応し、わかりやすく、むだのない、地域活性化と県民サービスの向上に結びついた行政組織への再編整備は県民の望むところであります。新しい視点に立った県民生活部、福祉保健部、空港港湾局の新設など、本庁組織の再編は時代の要請にこたえるものと評価しております。これまで幾たびか、いわゆる行財政改革の名のもとに、職員定数の削減、地方機関を含む行政組織の統廃合が実施されてまいりました。今回の場合、企業局職員の増員はあるものの、緊急を要する看護婦の定数増は行われず、また、職員定数の変更もございません。さて、問題は、県民との接点である第一線の地方機関の再編であります。地方機関につきましては、県税事務所、農業改良普及所の統廃合、家畜保健衛生所の移転が提案されています。加えて、本格的な長寿社会に向け、全国に先駆け、福祉・保健・医療施策の総合化、福祉事務所と保健所の連携強化によるサービス機能の充実、福祉関係八法の改正による市町村との連携強化をねらいとした福祉保健センター、地域福祉保健センターの新設が提案されております。福祉事務所と保健所双方の機能を持ち、機動的で県民の期待、サービス向上に十分こたえ得る福祉センターの新設は理解できるところでありますが、端的に言って、医師不在の地域福祉保健センターで、その機能が十分発揮できるかどうか、また、県内二次医療圏と福祉保健計画との整合性などから、結果として県民サービスの低下を招くものではないかという懸念を持つものでありますが、御見解を承りたいと思います。  ところで、いつの時代でも、行政組織、執行体制の再編整備は県政にとって重要課題の一つであります。したがって、何はともあれ、県民各位を初め、県内八十六市町村の御理解と御協力がいただける内容であること、現場の第一線職員が誇りと責任を持ち得る組織体制であることが求められると思うのであります。このような観点から見るとき、関係部局、現場第一線職員の論議が果たして十分であったのかどうか、また、関係市町村や地域の声が反映されているものかどうか心配のあるところであります。現に、関係市町村の議会から切実な願いとして陳情が相次いでいるのが現状であります。二十一世紀を展望した新たな戦略展開の必要から提案された今回の行政組織活性化策、知事のお考え、基本理念を理解しつつも、その具体化に当たっては、拙速は禁物と御指摘申し上げ、慎重の上にも慎重を重ね対処していただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。知事の御所見を承りたいと思います。
     質問の第四は、福祉施策についてであります。福祉県政に課せられた責務は、高齢者や障害者が健常者とともに分け隔てなく、ともに生活し、幸せをかみしめて生きられる自立と社会参加の県政を、どう築き、県民に保障するかということであります。知事は、提案理由説明の中で県政重点課題として「あたたかい福祉社会の実現」を挙げられ、県民一人一人が健康で、生きがいを持って生活できる社会を実現するためには、生活の質的向上を図り、ゆとりある社会システムを形成することが必要であると強調されたところであります。地域生活福祉圏構想を打ち出している私たちは、知事の福祉県政づくりや施策を高く評価するものであります。また、知事は、新年度予算の中で高齢者の雇用機会の確保、生涯学習の促進、保健・福祉・医療を一体化した施設福祉、在宅福祉の充実、マンパワーの確保対策について強化を図られているところであります。しかしながら、今後の重要な課題は、高齢者福祉施策の指針となるべき国の高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略の一層の充実であります。いわゆる、このゴールドプランには老後の所得や住宅保障がなされていないこと、マンパワー確保の目標値が低いこと、市町村への財政支援が不十分なこと、さらに国民負担の増大など、多くの問題点があることが関係者や自治体から指摘されていることも事実であります。我が党は、これらの指摘に耳を傾け、政府に対してゴールドプランの見直しと強化を図るよう強く要求しているところであります。さて、一九九〇年六月の老人福祉法及び老人保健法の改正により、都道府県及び市町村は、基本的には一九九三年度中に老人保健福祉計画を策定することが義務づけられております。このたび、この計画策定指針の骨子が国の地方老人保健福祉計画研究班ガイドライン部会によって取りまとめられたところであります。その主な骨子は、要援護老人の現状把握と将来予測、サービスの実施現況と目標量、サービスの提供体制の確保などであります。県においても、新年度、計画策定事業費として一千七十二万円を計上されておりますが、この計画は、これからの高齢者福祉の質と量を決定づける極めて重要なものであり、重大な関心を寄せております。ちなみに、本県における六十五歳以上のお年寄りは一三・八%、三十八万人、そのうち、寝たきりのお年寄りは一万八千人、痴呆性のお年寄りは一万九千人、虚弱性のお年寄りは十一万六千人で、何らかの援護が必要なお年寄りは約十五万人と推測されるのであります。  そこで、まず、この計画策定に当たっての指針、策定スケジュール、市町村計画との整合性の確保、目標値の設定などについて知事の基本的なお考えをお伺いいたします。  第二に、障害者に関する第二期長期行動計画の策定についてであります。県内には身体障害者が約九万人、精神薄弱者が約一万人、精神障害者が約三万七千人、合計十三万七千人の障害者の方々がおられます。これら障害者のうち、半数は六十五歳以上の高齢者であるという実態があり、老人保健福祉計画においては、当然、このような実態も配慮されるものと思います。しかし、障害者の総合的な施策の推進を図るためには、今年度で計画が終了する障害者に関する長期行動計画について、老人福祉計画の策定と並行して第二期行動計画を策定すべきであると考えますが、知事はいかがお考えでございましょうか、お伺い申し上げる次第であります。  質問の第五は、同和行政の今後の取り組みについてであります。知事は、現行の地対財特法失効後、同和問題の総合的、抜本的な施策が推進できる法的措置が必要とのお考えのもとに、今日まで取り組んでこられたと理解いたしております。御承知のように、昨年十二月、地域改善対策協議会は、ハード、ソフト両面の総合的な取り組みの必要性と、そのための実態調査、審議会の設置等を内容とする意見具申を提出しました。しかし、政府は、地対財特法の縮小延長、全国千カ所の事業未実施地域を除外した都合のよい実態調査、同和問題の根本的な解決を論議するための審議会ではなく、これまでの協議会の存続を考えております。県当局は、一九九〇年に同和地区実態調査、九一年には同和対策事業の実態把握を実施されました。その結果、実行すべき五百二十九憶円の事業が残っていること、さらに、就労、産業、教育、啓発等のソフト面、職場、学校、地域において、なお発生している差別事件などの課題が明らかになりました。これらの課題解決にとって、政府の現行の法失効後の法的措置は余りにも現状を無視したものと言えるものであります。同和問題の総合的、抜本的な施策の推進を目指す法的措置を求めてきた知事の今後の取り組みと決意のほどを承りたいのであります。特に、新たな法的措置の足場となる全国実態調査、根本的論議を行う審議会の設置に向けて、政府に対し、強く要請していただきたいと考えますが、知事の決意のほどをお伺いいたします。  さらに、一九九〇年の生活実態調査、県民意識調査、九一年の事業実態把握をもとに、現行法失効後の広島県独自の同和行政施策を策定すべきだと思います。具体的には、早急に広島県部落解放総合計画策定委員会を設置し、五百二十九億円に及ぶ残事業、就労、産業、教育、啓発などソフト面を含め総合的に検討し、同和問題解決の方向、展望を明らかにすべきであります。知事の御所見を承りたいと存じます。  質問の第六は、中小企業並びに流通の活性化対策についてお伺いいたします。  第一は、流通の活性化についてであります。ここ数年来の労働力不足は、産業界にももろもろの影響を与えてまいりました。とりわけ、トラック輸送業界における労働力不足は一段と厳しいものがあり、物流費高騰要因の一つで、物流コストの増加が次第に企業経営を圧迫しております。今日、ドライバーの仕事は、ターミナルにおける仕分け、積み降ろし、都市の交通混雑が激化する中で駐車規制に気を使いながらビルの階上などに集荷・配達を行うなどハードなものでありまして、年間二千五百時間とも言われる長時間労働が実情であります。御承知のように、トラック輸送業界の多くが担う事業は、法的には一般貨物自動車運送事業であり、大手輸送業者が中心となる特別貨物運送と、多数の中小零細業者で占められる一般事業の領域に区分されております。県内で見ますと、大手業者が約十五社、中小零細業者は一千二百五十四社、車両登録台数も二万五千八百三十四両に及んでおります。ところで、多品種、多頻度、小口輸送が主流を占める運送業界の労働条件の改善やコスト削減、集約化など、業界近代化、効率化にとって施設用地の確保は不可欠の要件であります。近年、土地の高騰とともに用地不足はますます深刻なものとなっており、労働力不足と相まって、流通の危機とも言われているのであります。県当局は、一九九〇年度以降、中国地方の高速交通網の整備を視野に入れ、流通の中枢拠点性を高めるため、流通団地の配置、機能分担等、流通の基本戦略についての調査を実施され、その取り組みを強化されてこられましたが、本県における新たな流通基地の整備構想はいかがでございましょうか。この流通基地の整備構想は、新空港建設や特定重要港湾となりました広島港の整備充実と同様、焦眉の急を要する課題と考えております。本県の流通基地整備構想について、今後の展望と施策について御見解を承りたいと思います。  第二は、中小企業の活性化対策であります。御案内のとおり、国は、今日まで広範多岐にわたって展開されてきた中小企業諸施策について時代の変化、すなわち、消費者ニーズの多様化、高度化やサービス経済化の進展などによる中小企業構造等の環境変化の中で、今後、その目的、対象、効果等について見直しを行い、中長期的にも整合性のとれた施策の総合的体系化を図ろうとしております。国の新たな施策として注目されますのは、地域の特性を生かした高付加価値化や新分野開拓を行うことによる中小企業の集積活性化に対する支援、共同配送センターの設置など中小企業の物流共同化、効率化に対する支援であります。本県におきましても、今日まで技術立県の推進、産業国際化の支援、サービス産業の振興、地域内発型企業の育成など、中小企業施策を展開されてきたところでありますが、今後、これら施策をどのように進めていこうとされているのか、基本的な見解を承りたいと思います。  次に、制度金融を中心とする当面の中小企業支援策についてであります。本年に入り、景気の動向は次第に厳しさを増し、その先行きは予断を許さない情勢であります。民間設備投資の減退や百貨店の売り上げ状況も鈍化傾向をたどっております。最近の県産業情報センター景気天気図によりますと、幸いにして、本県では総じて堅調のようでありますが、先行きについては、やはり慎重な見方が拡大しているようであります。いずれにしましても、全国的動向は次第に地場の中小企業にも徐々にあらわれ、仕事量、売上高の減少へつながっていくものと考えられます。そこで、これらの状況から中小企業を支援する本県の諸制度の運用について、お尋ねと要望をいたします。  若年労働者定着促進資金融資及び人材不足対策資金融資、新産業おこし促進資金融資の利用状況はいかがでございましょうか。また、これらの資金借り入れにつきまして、それぞれ信用保証つきを原則とされております。取り扱い金融機関で保証が十分担保されていると認められる場合、信用保証は免除されるなど、簡素な運用に改善されるべきだと考えますが、いかがでございましょうか、御見解を承りたいと思います。  なお、中小企業対策について二点要望しておきます。  中小企業設備近代化資金、設備貸与資金、機械類貸与資金など資金枠の拡大について、制度上、国との関係もございましょうが、一段の努力を要望するものであります。  また、労働環境改善のための中小企業退職金共済制度、小規模企業共済制度など、中小企業にとって有利な諸制度の活用と普及について一層の御指導を要望するものであります。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事竹下虎之助君。         【知事竹下虎之助君登壇】 6: ◯知事竹下虎之助君) お答えいたします。  第一点は、県政運営の基本姿勢と申しますか、そういったお尋ねでありました。今後、二十一世紀に向けては、県民一人一人が生きがいを持ち、健康で豊かな生活を実感できるような安らぎと潤いのある県民社会を構築をすべきであると私も考えております。このためには、道路、空港、港湾、産業基盤などの整備をさらに進めながら、これまで積み上げてきました経済力を真の豊かさにつなげていくように、第一には、保健、医療、福祉、雇用などの面におきまして総合的、計画的な施策を展開し、長寿社会の到来に備えますとともに、文化活動や生涯教育の推進、スポーツ、レクリエーションなどの環境づくりなど、物心両面での豊かさの充実を図りますこと、第二には、自然環境や景観と調和しましたアメニティー空間の創造、県土保全に配慮しました生産基盤とか潤いのある生活基盤への投資など、豊かさと魅力ある地域づくりのための環境整備に努力すること、第三には、アジア地域を初めとする世界の人々との交流ネットワークづくり、世界の平和の実現に向けての具体的な方策としまして、例えば被曝者医療、地球環境問題、人材育成など、本県独自の国際貢献策を推進していくこと、これらの施策に積極的に取り組んでいく必要があると私は思います。こういう考え方は社会党議員団の御提言にも基本的に沿ったものである、私は、こう考えております。来年度予算案の編成に当たりましても、十分に参考にさせていただいたつもりでおります。今後とも、経済的効率だけではなく、人間性の尊重される、ゆとりある社会システムをつくっていくという方向で努力したいと存じます。  第二点は、財政問題であります。  その第一点は、赤字法人の実態と県税収入への影響であります。御指摘にありましたように、本県の赤字法人の状況は全体の五一・八%と、全国平均を約三%程度上回っております。その原因でございますが、景気の影響を受けやすい中小法人の占める割合が、全国の九八・七%に比較しまして、本県は九九・一%と、その比率が高いこと、また赤字法人に占める中小法人の割合も、全国のそれ以上に本県の比率が高いこと、こういったことがその原因ではないかなと推測しております。御承知のとおり、都道府県におきます法人事業税は、電気、ガス、生保、担保といったような収入金額課税とされております一部法人を除きまして、国の法人税と同様に、企業の所得を課税ベースとしておりまして、現行では赤字法人に対しては税がかからない仕組みに法律上なっております。このため、法人関係税は景気に対する弾力性が極めて高く、安定的な税収の確保には大きな支障を来している、こう思っております。なお、こうした現行制度は、国におきましても、今後における事業税のあり方等に関する研究会というものを設けまして、検討を重ねております。法人事業税の、いわゆる外形標準課税方式の導入とか、これに伴います赤字法人の税負担能力の問題など、今後、引き続き検討していくべき課題とされております。いずれにいたしましても、安定的な財源確保は財政運営の基本でございまして、今後とも全国知事会などとともに、法人事業税の外形標準課税方式の導入について強く要望してまいりたい、こう思います。  第二点は、本年度の決算見込みと基金の運用であります。今年度の決算見込みは、現時点では明確なことはまだ申し上げるほどの資料もありませんが、県税や地方交付税が予算計上額をかなり上回るものと私は考えております。これらの増収額は、明日提案させていただきたいと考えております補正予算において、ある程度整理したいと考えており、その残りは財政調整基金とか大規模事業基金などに積み立てまして、年度間財政調整財源として来年度以降の財政負担に備えたいと思っております。また、本県の積立基金でありますが、昭和五十八年度以降におきます行財政改革によります職員定数の削減とか財政構造の健全化に加えまして、ここ二、三年の好景気に支えられました県税の自然増収とか地方交付税に算入されておりました財源をもとに積み立てを行いました結果、全国平均を多少上回る額と、現在なっております。基金の積立額につきましては、法的な基準はございませんが、財政運営上は、ある程度の額を確保しておくことが望ましいと思っております。県税の安定的な増収が期待できない状況下におきましては、貴重な財源になっておりますことは御指摘のとおりでございます。今後におきましても、アジア競技大会、新空港建設、高齢者対策などの福祉施策の充実とか、さらに、二十一世紀を展望した各種事業計画の実施に当たりまして多額の財源が必要となることが予想されます。また一方で、景気の減速によりまして県税収入の確保が懸念されますとともに、複雑多様化します行政需要に的確に対応できる執行体制の整備が求められるなど、非常に厳しい環境にもなってまいりつつございます。このため、従来以上に効率的な、あるいは簡素な行財政運営を行いますことはもとよりでございますが、基金につきましても、将来の財政需要の増加には対応できますよう、ある程度の額は引き続き持っておきたい、こういう気持ちでおります。  それから、地方機関の再編問題、地域福祉保健センターにつきましては、副知事から御答弁をさせます。  それから、第二点にございました今回の再編整備に対する県の対応であります。このたびの行政組織活性化方策の検討に当たりましては、昨年九月に、副知事をキャップとしまして、各部局長を構成員とします行政組織活性化推進会議をつくりまして、その検討を行ってまいりました。この過程におきまして各部局の政策課題などを議論しますとともに、推進会議の幹事会等を適宜開催いたしまして、各部局の意見を調整したつもりでございますが、関係市町村、その他関係者の理解など、御忠告いただきました点につきましての努力が十分であったかどうか反省をしております。原案を本議会に提案をさせていただいておりますが、今後、県議会の審議を通じ、さらに御理解を賜るよう努力いたしますとともに、特に地方機関につきましては、一年後の平成五年四月の実施に向けまして、拙速は避けまして、さらに関係者の方々の御意見を伺い、運用面でも万全の体制を整えたい、こういう気持ちでおります。  第四点は、老人保健福祉計画の策定であります。老人保健福祉計画は、県と市町村がそれぞれ高齢者等に対し、必要な保健福祉サービスの供給体制を確立することをねらいとしておりまして、各種ニーズに対応しますサービスの内容をできるだけ定量化し、数字であらわしまして、住民に明らかにすることとされております。  一点目の取り組み方針でありますが、国におきまして老人福祉計画と老人保健計画を一体のものとして策定すること、在宅優先を基本とすること、住民がサービスをより利用しやすくする環境づくりを推進することなど、計画策定の基本的な考え方が示されております。したがって、県といたしましても、国の考え方に沿って進めますが、特に障害者のニーズは高齢者と共通する部分が多うございますので、関連する保健福祉サービスにつきましては、可能な限り障害者も含めまして一体的に計画づくりを進めてまいりたいと存じます。  第二の計画策定のスケジュールでありますが、平成四年度は、市町村において策定に向けての体制整備を行いますとともに、要介護老人などの実態、ニーズの把握を行い、県におきましては、有識者や保健、医療、福祉関係者で構成します策定検討委員会をつくりまして、各圏域ごとの整備目標を定めることとしております。こうした諸準備を経まして、平成五年度中には県及び市町村において計画を策定することにしております。  三点目の整合性の確保でございますが、県計画がそれぞれの市町村計画の積み上げによることとされておりますので、地域間に不均衡が生じないよう特に留意いたしますとともに、県が設置の認可を行うような施設整備につきましては、圏域ごとに必要とされる整備目標を定めまして、事前に市町村間あるいは圏域間の調整を行いまして、地域間の均衡とか整合性の確保を図りたいという気持ちであります。  四点目の目標値の設定でございますが、基本的には各市町村が要介護老人などの実態やニーズに応じまして、例えば、ホームヘルパーが週何回、訪問介護が週何回といったようなサービスの目標水準をもとに定めるものでありまして、対象者の実態やニーズを的確に把握することが最も重要でございますので、そういった基礎的な調査が行われますよう、今後、市町村を十分指導するつもりでおります。  第二点は、障害者に関する第二期長期行動計画であります。障害者に関する第二期の長期行動計画の策定でございますが、これまで障害者に関する広島県長期行動計画に基づきまして、福祉思想の普及啓発を初めとしました各種施策を、国の施策と呼応しながら計画的に実施してまいりました。ことしがこの計画の最終年になりますので、現在、施策の成果や課題、今後の方向性などについて取りまとめているところであります。一方、国の中央心身障害者対策協議会におきまして、長期的視点から新しい計画の策定などを含めまして、今後の取り組みにつきまして四年度を目途に意見具申する方向で検討されているようでございます。県としましては、これまでの行動計画に基づいて取り組んできました実績や国の中央心身障害者対策協議会の意見具申等を踏まえまして、五年度を目標に第二期長期行動計画を策定する方向でおります。  第五点は、同和行政の今後の取り組みであります。現行地対財特法がことし三月末をもって失効しますことから、県としては、現行法期限後においても引き続き総合的な施策を推進するための根拠となります法的措置が必要であるとしまして、これまで関係省庁に対し、同和対策事業を実施しております都道府県・政令市で構成しております全日本同和対策協議会を通じまして、また、県内市町村とともに本県独自でも要望してまいりました。さらに、昨年十二月の地域改善対策協議会意見具申が出されました後も、一月に本県独自で国会等に対し、法的措置の実現とあわせまして、全国規模の実態調査の実施、今後の同和対策のあり方を審議する機関の設置の早期実現等につきまして要望しております。県としましては、このたびの地対協意見具申を十分尊重しますとともに、法的措置についての国会審議の動向を見きわめながら、今後とも生活環境の計画的な整備を初め、対象地域住民の生活、教育などの向上に努めてまいります。さらに、啓発活動を充実強化しまして、県民の人権意識の高揚と同和問題の早期解決に努める所存でおります。  また、今後の同和行政施策の策定についてでありますが、これまで本県の同和対策の推進に当たりましては、同和対策審議会の答申の精神を踏まえまして、具体的方策を示した広島県同和対策事業行政施策の方針に基づいて同和行政の総合的な推進に努めてきました。このたびの実態調査の結果などを踏まえまして、今後の重点課題でございます就労、産業、啓発などに留意しまして、この行政施策の方針を見直し、同和対策の総合的あるいは計画的推進に努めてまいります。  なお、広島県部落解放総合計画策定委員会の設置をしたらという御提言がございました。関係団体や学識経験者、行政が同一テーブルで意見を交わしますことは、もとより望ましいことであります。しかし、同和問題に関し、各界有識者により協議する目的で設置されております広島県同和対策協議会が諸般の事情によりまして長年にわたり開催できない状況でもございますので、各界、各方面の御意見をお聞きいたしまして慎重に対応してまいりたいという気持ちでおります。  第六点は、中小企業問題であります。  その第一点は、物流の問題であります。流通業務団地としては、県下に広島市西部流通センターを初め、広島東部流通業務団地や尾道、福山卸団地等がありますが、高速自動車道の整備とか地域開発の進展など物流環境が変化してきておりますので、新たな流通拠点の整備が必要と存じます。このため、本県の流通拠点のあり方につきまして、昨年度、学識者に調査をお願いいたしましたところ、高速道路インターチェンジ周辺の千代田、東広島、尾道、福山などに新たに流通業務団地が必要であるという提言をいただいております。今後、この提言を受けまして、計画的に流通業務団地の整備を進めていきたいと思っております。県としては、尾道地域については、来年度、用地測量等の諸調査を実施し、できるだけ早い時期に用地買収に入りたいと思っております。また、千代田地域につきましても、本年度、適地を選定し、来年度から事業の実施に向けて具体的な検討を行うことにしております。なお、東広島及び福山地域につきましては、それぞれ地元の市におかれまして検討が進められております。さらに、新広島空港周辺地域につきましては、来年度、御存じのように、フォーリン・アクセス拠点の整備構想をつくることにしておりますので、その中で位置づけたいという気持ちでおります。  第二点は、中小企業の活性化対策であります。経済の国際化、ソフト化、消費者ニーズの多様化などが進みます中で、地域経済の担い手であります中小企業の活性化を図っていきますためには、環境変化に柔軟に対応できる足腰の強い企業づくりを目指しまして、技術力や研究開発力の強化、人材の確保育成などに関する支援策を総合的に講じていく必要があります。このため、来年度におきましては、中小企業の技術の高度化を図りますため、工業技術センターや第三セクターであります広島テクノプラザなどによります支援を強化いたしますとともに、科学技術振興対策にも取り組みたいと思っております。また、新規学卒者などの県内就職を引き続き促進しますとともに、職場環境改善資金融資制度をつくりますなどいたしまして、女性の方や高齢者の方々が働きやすい職場づくりを支援したいと思っております。  それから三番目に、国際化の面では、本年度つくりましたアジア地域の海外事務所の充実に努めますとともに、新たに新広島空港周辺地域ヘフォーリン・アクセス拠点の整備を検討するなど、経済交流基盤づくりに取り組むつもりでおります。  第四点は、産業支援サービス業につきましては、特に情報サービス産業や産業デザインを主体に振興を図りたいという気持ちでおります。御指摘の国が新たに法制定を予定しております特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法というのができるようでございますが、これを活用しまして地域内発型企業の育成にも努めるなど、本県中小企業の育成、振興には、さらに積極的に取り組む所存であります。  預託金融資の実情につきましては、担当の部長から御説明をいたさせます。 7: ◯議長檜山俊宏君) 副知事小笠原臣也君。         【副知事小笠原臣也君登壇】 8: ◯副知事小笠原臣也君) 地方機関の再編の中で、特に地域福祉保健センターのあり方について御質問がございましたので、御答弁を申し上げます。  地域福祉保健センターは、保健所を統合いたします五つの地域に設けることといたしておりますけれども、住民サービスが低下しないよう、地域に密着いたしました許認可等の窓口機能や食品監視など保健所の支所的機能を持たせることといたしておりますほか、新たに福祉関係の職員を配置いたしまして、地域における福祉、保健に関する総合的なサービス機関として設置するものでございます。御指摘の医師の件についてでございますが、厚生省の保健所支所の設置基準などによりますと、保健所業務を実施するためのスタッフを支所に配置いたしまして、本所の保健所長が統括するということになっております。このようなことを踏まえまして、地域福祉保健センターには地域住民に対する指導が適切に行われるよう必要なスタッフを配置いたしまして、保健所長がこれを統括する体制を考えております。いずれにいたしましても、地域住民へのサービスが低下しないよう福祉保健センターの医師との連携を密にいたしまして、地域福祉保健センターの機能が十分発揮されるよう配慮してまいりたいと考えております。  また、二次医療圏との関係についてでございますが、老人保健福祉計画の策定に当たりましては、二次医療圏を基本とした保健福祉圏を設定し、各保健福祉圏ごとに計画を立てることになっております。今回の福祉保健センターの設置によりまして二つの二次医療圏を所管区域といたします福祉保健センターが三ヵ所、すなわち、呉、三原、三次でございますが、三ヵ所設置されることになりますけれども、第一に、これまで不整合でございました福祉事務所と保健所の所管区域及び二次医療圏が整合してまいります。それとあわせて、第二に、保健福祉圏ごとの計画策定や福祉保健施策の推進が一体的に総合して実施できるということになりますから、トータルとして行政機能の向上や、より一層きめの細かいサービスの提供ができるものと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 9: ◯議長檜山俊宏君) 商工労働部長陣内秀人君。         【商工労働部長陣内秀人君登壇】 10: ◯商工労働部長陣内秀人君) 制度金融を中心といたします中小企業支援策について御答弁を申し上げます。  まず、お尋ねがございました三つの融資制度の利用状況についてでございます。本年二月末現在、若年労働者定着促進資金融資一件、五千万円、人材不足対策資金融資六十件、十七億四千九百万円、新産業おこし促進資金融資三十五件、九億六千八百万円となっています。  次に、資金借り入れに伴います信用保証の取り扱いについてでございます。県の融資制度は担保力、信用力が脆弱な中小企業の資金調達が容易に行われますよう信用保証つきを原則としておりますが、貸し付けます際、信用保証つきとするかどうかにつきましては、御指摘がございましたように、取り扱い金融機関におきまして企業の経営内容、償還能力などを総合的に勘案いたしまして、個別に判断をいたしております。ちなみに、信用保証つきの割合は、県の融資制度全体でございますと五八%となっております。また、御指摘のございました若年労働者定着促進資金融資など三制度では六八%となっております。信用保証の取り扱いにつきましては、金融機関に対しまして従前から適切に運用するよう周知に努めてまいっているところでございまして、今後とも中小企業の方々が利用しやすい融資制度の運営につきまして努力をしてまいります。 11: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時四十三分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時一分開議 12: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十三名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。前川和徳君。         【前川和徳君登壇】 13: ◯前川和徳君 公明党の前川でございます。会派を代表し、当面する行政課題につきまして質問いたします。  平成四年度の予算編成に当たりましては、我が会派としまして、昨年来、重点施策三十八項目、具体的政策百三十六項目の予算要望を行ってまいりました。そこで、私は、これらの要望をもう一度確認しながら、より具体的に質問をいたしますので、当局の明快な答弁をお願いいたします。  平成四年度の当初予算全体としては、新空港・高速自動車道など県土基盤の整備促進、広島アジア競技大会関連施設の建設・高齢化対策などを中心とした積極型予算とするよう、強く要望をいたしたところであります。それは、県内景況が一段と厳しくなる中で、二年後のアジア大会を大成功させなくてはならない本県にとって、今一番大事なときであり、正念場であるからであります。そういう観点から提案された予算案を見ますと、県税収入や地方交付税の伸びが余り期待できない中で、国の予算や地方財政計画の伸び率を上回る積極型予算となっており、おおむね評価できる予算案と考えているわけでございます。例えば、投資的経費についても、補助事業が減少する中で、単独事業を一二%増加させるなど、積極的な取り組みが随所に見られるのであります。しかしながら、歳入関係の内容を見ますと、基金全体の取り崩しが六百五億円、県債発行額が六百八十億円と多額に上る反面、一般財源比率が低下するなど、やや苦しいやりくりになっているのであります。したがって、今後は財政構造の健全化に配慮した財政運営が一段と厳しく求められなければなりませんし、より一層、施策の重点化と経費の節減合理化に努めていただきたいのであります。さらに、もっと大切なのは、我が党が今までも常に要求してきました総合的な行政改革の推進及び組織の活性化について真剣に取り組んでいただきたいということでございます。今後、厳しさが増すであろう行財政環境の中で知事の行政手腕が問われる場面が数多く出てくると予測されるわけでございますが、より堅実な財政運営と、より大胆な行政運営を要望し、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、行政組織活性化についてであります。今回提案されました行政組織活性化方策につきましては、その取り組みを高く評価するものであり、その具体的実施に全力を挙げていただきたいと考えております。先ほども申しましたが、我が党は一貫して行政改革の必要性を訴えてまいりました。その中で最も力を入れて主張したのは、県民ニーズに的確に対応できる行政組織の構築であり、簡素で効率的な執行体制の整備と職員一人一人の活性化でありました。昭和五十八年以降、全国に先駆けてつくった行革大綱に基づき、組織機構の見直し、職員定数の適正化、事務事業の見直しなど、血のにじむような努力をし、現在の行財政基盤が確立されたのでございます。しかし、それから十年が経過し、また、二十一世紀を展望したとき、今こそ、新たな視点で、抜本的な行政組織の改革を断行しなければならないときでございます。したがって、今回の改革は、十年先、二十年先の広島県を厳しく見通して実行されなければならないと思うのでございます。  質問の第一点は、今後における県の長期計画改定の視点と今回の組織改革の関連についてであります。今回の行政組織活性化のねらい目の一つは、時代の激変による新しい行政課題に対応した組織にするということであります。例えば、福祉保健部の設置は、福祉八法の改正による市町村への権限の移譲を前提にしたものであり、時宜にかなったものであると思います。また、アジア大会の後に広島県の二十一世紀の発展をどうするかが問われている現在、今回の組織改革は将来ビジョンを策定するための土台ともなる組織を構築する重要なものでございます。今後の長期計画改定に当たって、その視点をどこに置いておられるのか、また、今回の組織改革が抜本的に行われなければ、その改定にも支障を来すのではないかと心配するものでありますが、知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  質問の第二点は、職員定数の問題でございます。県民意識の中には、職員総定数をふやした上での行政サービスの向上を求めているものはなく、簡素で効率的な行政組織で、親切なサービスを求めているのであります。したがって、職員定数の部局間調整を厳しくせずして、安易な総定数の増加は断じて認められるものではありません。今回の組織改革で職員定数について、どのような観点で対処されようとしているのか、具体的に御答弁をお願いしたいと思います。  第三点は、農林水産部門の組織活性化についてであります。本県における最も緊急かつ重要な行政課題の一つが農山村地域の過疎化であり、高齢化の問題でございます。したがって、これらの農山村地域の抜本的な活性化方策の実施については、緊急の課題となっているのであります。農業と林業の振興対策の重点化を強力に推進するとともに、農山漁村地域の特性を十分に生かしながら、保健、福祉、医療、スポーツ、教育、芸術文化などを含めた活性化のための総合的な地域施策を実施する必要があるのではないでしょうか。そのためには、現行の組織体制では不十分であり、また、今回御提案のマトリックス組織の設置でも抜本的な農山村対策はできないと思いますが、当局はどのようにお考えであるのか、お伺いをいたします。  第四点は、地方機関について御質問をいたします。総論賛成、各論反対の最たるものが、この地方機関の再編であります。しかし、この地方機関のあり方こそ、最も行政活性化につながるものであり、目先の利害にとらわれることなく、二十年、三十年先の広島県のために最も理想に近い形態にすべきであると思うのでございます。そうした観点から今回の案を見ますと不十分であり、これでは全体的に組織活性化の実が上がらないと思うのであります。高速交通体系、情報通信網の整備は、飛躍的に地域間の時間距離を短縮させるとともに、広域圏単位による総合的な施策展開が求められており、地方機関の所管区域の整合性の確保、見直し、再編成が、今ほど求められているときはございません。活性化推進会議報告書にあるように、県内八圏域を基本として総合行政の推進を図るべきであり、例外を設けず、調整をすべきであると思いますが、いかがでございましょうか。  また、指導奨励部門の本庁直轄制の導入を図るとありますが、どの機関が、どう変わるのか、お伺いをいたします。  さらに、農業改良普及所について農業技術センターなど試験研究機関との連携を強化して農業改良普及所のあり方を検討するとありますが、どこを、どのように検討するのか、具体的に御答弁を願いたいと思います。  質問の第二は、国際化への対応についてでございます。今、世界は東西関係から南北関係へと移行し、世界の新秩序構築に向けて動き出している中、「経済大国日本」として国際協力、国際貢献がますます強く要求されております。このため、国におきましては、種々の施策が図られているところでありますが、一方、地方においても、その地域の特性を生かした独自の交流を通して国際協力の方策を考えていくことが重要な課題となっております。このような観点からすると、特に本県においては、二年後アジア競技大会を開催し、アジア地域を中心とした多くの国々の人々を迎えることから、これらの地域への国際協力を、まず第一義的に考えていくことが必要となっております。  そこで、まず第一点はアジア地域との交流についてお尋ねをいたします。昨年はアジアとの交流が大きく前進し、広島-ソウル間の定期航空路の開設、ソウル事務所及びシンガポール事務所が設置されました。そして、これに合わせてソウル、シンガポールでのさまざまなイベントの開催など、広島県の国際化並びに海外での広島の総合的なイメージアップに大きく貢献できたと評価されており、大変喜ばしいことと思っております。また、中国四川省とは友好提携を結んで七年余りとなり、交流の内容も友好交流だけでなく、研修員の受け入れや専門家の派遣など人材育成の分野にまで及び、定着をしております。今後は、韓国や東南アジアとの交流を一層深めていくために、このような友好提携や姉妹都市関係を結ぶなど、本格的な交流を行ってはいかがかと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、県内には、現在、大学に六百三十余名の留学生や、専修学校、各種学校などで学んでいる百余名の、いわゆる修学生がおります。そのほとんどがアジア各国から来ており、また、その大半が私費留学生であります。生活水準や日本の物価水準の違いもあり、また、アルバイトの制約もあるため、苦しい生活を余儀なくされ、勉学にも差し支えが出ていると聞いているわけでございます。本県は、アジアの人材育成に役立つ拠点をつくっていこうと考えているわけでありますので、これら留学生等の支援対策をより強力に講じていくべきではないかと考えますが、いかがでございましょうか。これらの点について、今後の取り組みをお聞かせいただきたいと思います。  第二点は、日系外国人労働者に対する県の対応についてでございます。私の住む呉周辺には、現在、約二百人の日系外国人が働いております。去る二月、公明党呉支部におきまして、市内で増加している日系ブラジル人労働者などの悩みや要望を聞くため、日系人就労者懇談会を開催をいたしたわけでございます。会議には市内の鉄工所などに勤務する日系人労働者四十人余りが出席をし、活発な意見交換をいたしたわけでございます。その際、日系人労働者側から日本にやってきてからのトラブルの体験談が続出し、仲介の業者と子供を呼ぶ約束をしていたのに呼んでもらえず、迎えに帰ろうとしたら解雇されたという、非常にショッキングな体験のほか、バス停のローマ字表示や国際電話のかけられる公衆電話ポックスの設置拡大などの要望が出されております。地球の反対側からはるばる日本に来て、我が国の経済を支える一員となっているのに、企業の受け入れ態勢は、まだ完全に整っているとは言えないのであります。日系外国人が日本で働き、そして、住んでいくためには、日常生活、医療、教育問題等さまざまな障害が出てきているのでございます。もちろん、法律や制度が十分整っていない現在では、行政として対応できない部分もあるということは十分承知しております。しかし、本県の国際化を支える大事な問題であり、県としても、できる限りの対策を講じていくべきではないかと考えております。今後、どのように取り組まれていくおつもりか、お伺いをいたします。  第三点は、国際協力センター構想についてでございます。今後の国際化の進展を考えた場合、国、地方一体となった国際協力の推進が必要となり、特に地方の果たす役割は一層重要になってくるものと思われます。私は、地方に七ける国際協力としては、開発途上国への技術協力等の人材育成事業が最も有効な方策ではないかと考えております。こうした中で、昨年三月、本県の国際化施策の指針として「広島県国際化推進プラン21」を策定され、この施策の一つの柱である国際人材育成拠点の整備として国際協力センター構想が出されたということでございますが、これはまさしく時代に即応したものであり、大いに評価するものであります。この構想の具体化に向けては、地方の特色はもとより、単なる技術研修員の受け入れだけでなく、今後ますます増加する外国人労働者、留学生等、在広外国人にも目を向けるとともに、長期的展望に立った総合的な機能を果たし得るものとして期待は非常に大きいものがございます。現在、構想の具体化に向けて種々検討されているところでありますが、今の時点では具体的なことを伺うのは無理なところもあるように思いますけれども、今後の県の国際化の方向づけを行う意味でも、また、重要な役割を担う施設の整備を推進するためにも、時点時点で県の考え方をお教え願いたいと思いますし、むしろ、積極的なPRをされるべきであると考えるものでございます。このような観点から、このセンターは具体的にはどのような機能を目指しているのか、また、今後のスケジュールはどうなのか、説明可能なものについてぜひ御説明いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。  質問の第三は、福祉、保健医療問題についてでございます。  第一点は、子供を安心して育てられる環境の整備についてでございます。「一・五七ショック」と言われる合計特殊出生率の低下が社会問題としてクローズアップされ、その後もさらに出生率は低下をしているのでございます。このまま推移すると、我が国の経済活動にも大きな影響を与え、ひいては我が国の発展の大きな支障となることは明らかであります。このような現状に至った理由はいろいろあろうと思いますが、私は、女性の社会進出と、国民が真の豊かさを実感できない現在の社会経済システムに原因があるのではないかと考えております。これらの課題を解決するためにはどうすればいいのか。そのためには、まず、男女雇用機会均等法の定着に全力を挙げ、女性の社会進出を促進するとともに、出産と、それに続く育児と職場の両立の問題を解決することが必要であります。  次に、我が公明党の再三の提案により実現をいたしました育児休業法の普及でございます。育児休業法は、ことしの四月一日から施行され、勤労者福祉を大いに前進させるものと評価をされているところでございます。今後、この制度の定着を目指して労使一体となった環境づくりが求められることになろうかと思いますが、子供を安心して育てられる環境整備の観点から、この法律の早期普及について知事の最大限の努力をお願いいたしたいのでございます。核家族化や住宅難、受験戦争の激化など、子供を育てるのに大変な苦労と経済的負担が必要な時代となっております。私は、このことも出生率の低下の大きな原因であると考えております。問題は、女性の出産と育児が家計面で圧迫されない環境づくりができるかどうかにかかっていると言っても過言ではございません。公明党といたしましては、これまでもパート減税、家賃助成、小児成人病予防など、子供を安心して育てられる環境づくりに向けて、あらゆる努力をしてまいったところでございます。その結果、徐々にではございますが、環境整備が進んできたところであり、今後とも引き続き努力をいただきたいと考え、三点ほど提案をしたいと存じます。第一点目は、児童手当制度の充実に向け、就学前の全児童を対象に、月額一万円を支給されること。第二点目は、医療保険の分娩費を現行の二十万円から三十万円に引き上げること。この二点について、国に強く要望するとともに、それが実現するまでの間、県、市町村で単独補助を実施することとされてはいかがでございましょうか。  第三点目は、乳幼児医療についてでございます。先般、隣県で我が党が行った調査によりますと、三人に二人は子供の医療費を負担に感じているという結果が出ており、また、特に三歳未満児が病気にかかりやすいということが浮き彫りになっております。そこで、三歳までの乳幼児については医療費を無料化することとされてはいかがでございましょうか。以上の三点は、いずれも子供を安心して育てられる環境づくりに大いに貢献する施策であると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  第二点は、国民健康カードの実施推進についてお伺いをいたします。我が公明党が平成元年一月に発表した「二十一世紀トータルプラン」の中で母子健康手帳から発想した国民健康カード構想がございます。このカードは、テレホンカードと同じ大きさのカードの中に、血圧、血液型、心電図、レントゲン画像、かかりつけの医師名、薬に対する副作用の有無、さらに、その人の誕生以来の主な診療記録などを蓄積し、個人個人の生涯にわたる健康管理を実施しようとするシステムでございます。このシステムでは、常にその人の最新のデータを画面に表示することができるために、検査が重複することなく、また、複数の病院に通院しても、投薬が重複したり、過剰投与を受けることもございません。旅行先で病院にかかっても、入力されたデータによって適切な治療が受けられることになります。また、万が一、事故など一刻を争う場面では、カルテの取り寄せなど、治療以外で手間取る時間を大幅にカットできるために、救命率の向上が期待できるものでございます。既に、このシステムについては、厚生省は兵庫県の五色町においてモデル実験を行っており、利用者からは医師からわかりやすい説明を受けることができると、非常に好評でございます。この町では、結果的に健康診断の受診率が上がり、九五%の人がカードの普及を希望しているということでございます。今後の問題として、いかにしてプライバシーの保護をするかという問題もございますが、保健、医療、福祉の三つがセットとなった総合的な施策が求められている現在、このようなシステムを広島県内に実施されてはいかがでございましょうか。また、当面、市町村を限定してモデル事業を実施されるお考えはないか、知事の御見解をお伺いいたします。  第三点は、アジア大会後を視点に入れた本県の医療協力体制について提言を行い、それに対する知事の御所見をお伺いいたします。  まず、国際医療協力センターについてでございます。平成六年に開催されるアジア競技大会には、国内はもとより、国外、とりわけアジア各国から、選手、役員のみならず、多くの観光客が来広されることが予測されております。これは広島県を世界にアピールする絶好の機会でありますが、単にこれを一時期のイベントに終わらせるのではなく、アジア大会後もアジア諸国と友好協力関係を維持発展させていくことが何よりも重要なことと考えております。そのための一つの視点として、国際協力という観点に立って、医療の機会に恵まれない東南アジア諸国の方々を対象とした医療協力を推進していったらどうかと考えるものでございます。国際交流から国際協力ヘ力点を移していくべきであると、知事も常々言われているわけでございますし、平和を一つの側面に国際化を推進しております広島県にふさわしい事業であると信ずるものでございますが、いかがでございましょうか。  次は、国立難病センターについてでございます。我が国では、死亡原因の上位を成人病が占めることから、成人病対策の一環として、国立がんセンターや循環器病センターが、がん、循環器病に関する治療、研究、研修の中核的施設として、その機能を発揮しております。この結果、成人病については医学的にも多くの治験が明らかになり、また、行政的にも種々の施策が展開されているところでございます。しかしながら、難病対策については全国に分立する大学医学部内の個々の研究に頼っているのが現状で、がんセンター、循環器病センターのように治療、研究、研修の中核となるべき施設はまだ設置されておりません。折しも、本県では平成三年度に難病患者実態調査をされたところでございます。昨年十月に発表された中間報告によりますと、患者さんが待ち望んでおられるのは難病治療研究の推進であることが明らかになっております。本県における難病対策を推進させるのみでなく、我が国全体の難病治療に役立つ施策が待ち望まれているところでございます。ところで、本年八月には保健、福祉の総合的機能を有する健康福祉センターが完成をし、高齢化社会における多様なニーズに対応していくことになっております。この中には西日本初の予防接種センターや高齢者のための介護実習普及センターなど、全国でも珍しい健康づくりと長寿社会づくりを一体的に進める施設もありますが、それに加えて、難病相談のためのセンターも設置するということで、大いに評価をしたいと思うのでございます。しかし、難病対策については、このような相談機能だけでなく、研究・治療部門にも力を入れていくべき時期に来ているのではないでしょうか。現在、国の機関のうち、国立病院・療養所の再編成が各地で検討されているこの機会をとらえ、本県に難病治療のための国立機関の誘致をしたらどうかと提案をしたいと思いますが、いかがでございましょうか。この二つの構想に対する知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、地球環境保全対策についてでございます。公明党といたしましては、昨年秋から先月初めまで瀬戸内海沿岸の主要都市におきまして地球環境問題とライフスタイルについての意識調査を実施し、地球的規模で起こっている環境破壊に対しまして、県民がどのように地球に優しい対策や生活態度を模索しているかを調査をしたところでございます。その結果、県民の地球環境問題への関心度は非常に高く、八割以上の人が関心を持っているという結果が出ているわけでございます。その関心のある項目では、酸性雨による森林の枯死、続いて地球の温暖化、熱帯雨林の減少や砂漠化、野生生物の種の減少など、いずれも九割前後の人々が地球環境の破壊、汚染を心配していることが浮き彫りになっているのでございます。また、これらの人々は、大量消費文明と地球環境の保全のために自分でリサイクルや節約など資源の保全に配慮し、思い切った生活スタイルの見直しが必要だと考えているのでございます。つまり、十人中九人の方は、大量消費型ではなく、環境保全型の考え方に大きく意識を変革させていることがうかがえるのでございます。これらの人々は、今後の行政サイドや民間レベルでの地球環境保全へのアクションがあれば、喜んで協力していきたいとも思っております。言うまでもなく、地球環境問題は日常生活や社会経済活動に起因するものでございます。このため、個人、企業、行政のそれぞれが共通の認識を深め、環境に配慮したライフスタイルや社会経済活動を変革していく行動を全世界レベルでとって、初めて効果が出てくるものでございます。既に県民サイドでは廃棄物の減量化、再生利用などを通じて、この問題への取り組みの機運が高まっているわけでありますので、県といたしましても、このような県民の行動をさらに高めるとともに、民間企業もリードしていくような施策を実施していく必要があると考えますが、いかがでございましょうか、その取り組み方針についてお尋ねをいたします。  質問の第五は、教育問題についてでございます。現在の社会の急激な変化は、子供たちにさまざまな問題を投げかけております。特に今の子供たちはたくましさがなく、何となくひ弱な感じで、その一方では、思いやりが乏しいと言われているのでございます。また、豊かな発想や創造性も育ちにくい状況にあり、一番大切な子供の自立心の確立ができない環境にあります。これは、知識偏重の画一的指導による教育に問題があるためだと考えております。次代を担う子供たちが、それぞれ個性を発揮して、豊かな創造力を持ち、たくましく生きていくと同時に、思いやりのある人間に育っていくことは、あすの広島県にとっては非常に大事なことでございます。  そこで、質問の第一点は、このような個性豊かな創造力のある子供たちを育てていくための魅力ある学校教育の推進についてでございます。資質の優秀な子供たちは、さらに磨きをかける教育の場が必要でありましょう。「落ちこぼれ」と言われる子供たちも、現在の入試を中心とした教科では劣っていても、自分の好きな他の分野ではすぐれた能力を発揮する場合もございます。子供の持つ能力は無限であり、それを生かすためには適切な教育の場を工夫することが重要でございます。あらゆる子供たちが目を輝かせて参加するような魅力ある教育を推進することが必要ではないかと考えますが、その具体的取り組みについて、まずお伺いをいたします。  第二点は、学校五日制についてでございます。学校五日制の導入については、昭和六十二年十二月の教育課程審議会の答申を受けて、平成二年四月からは全国九都県の六十八校の学校で試行が開始をされ、来年度の二学期からスタートをすることが確定的となっております。そのための助走期間として、この四月から本県でも数校において試行が行われると聞いております。そこで、我が会派といたしましては、この学校五日制の実施については、体制を整えないままで踏み切ることに強い懸念を抱くものであるということを明確にした上で、質問をいたしたいと思うわけでございます。この学校五日制は、働く者の週休二日制の進行に伴って打ち出されてきたために、あくまで教育的な立場から必要であるという本来の観点からずれてしまっていることが最大の問題点でございます。今の教育はゆとりを失っており、子供には心の豊かさが欠け、さらに、家族との触れ合いも少ないのが現状であります。このような現状を学校五日制を機にとらえ直し、純粋に教育的な立場から教育のあり方を吟味して、抜本的な改革をしていくべきであると考えますが、本県の場合、どう対応されようとするのか、以下、何点かに分けましてお尋ねしたいと思います。  まず、学校五日制の導入に当たって、休みの土曜日をどうするのか、例えば「家庭・地域の日」と意義づけて、親子、家族などが伸び伸びと過ごせるよう、また、それぞれの家庭、子供がさまざまなメニューを自由に選べるように選択肢を多くして、環境整備を行っていったらどうかと考えますが、いかがでございましょうか。  また、学校五日制について、現時点では反対という保護者が多くなっておりますけれども、保護者の不安や反対を解消するために、どのような手だてを講ずるおつもりなのか。また、段階的に推進していくことも考えなければならないと思いますが、いかがでございましょうか。  さらに、小中学校の障害児学級や障害児学校では、休みの日の受け皿づくりが大事であり、指導員などの要員を確保することも重要になってくると考えますが、いかがでございましょうか。これらの点についての当局の御見解をお尋ねいたします。  質問の最後は、幹線道路網の整備についてお尋ねをいたします。  第一点は、東広島呉自動車道の整備についてお尋ねをいたします。現在、広島中央テクノポリスの母都市である呉市は、二十一世紀に向けて産業構造の多角化、高度化、居住環境の整備を図るために呉新世紀の丘開発構想として、住宅、生産、研究、教育、研修、公園用地など、一千ヘクタールの区域で具体化が図られているところでございます。本構想を、なお一層強力に具体化していくためには、関連道路網の整備が急がれるところでございます。特に、本地域を構成している三つの核都市である広島市、東広島市、呉市を結ぶ道路網としてトライアングル道路網が最も重要でありますし、その一つであります東広島呉自動車道は主要な広島中央テクノポリス圏域の幹線道路となるものでございます。本年度、本路線の東広島道路が事業着手され、残りの黒瀬呉自動車道につきましても来年度の事業着手が予定されており、新空港の開港が来年十二月に予定されているところから、全線開通を急がなくてはならないのでございます。今後のスケジュール並びに何年ごろの全線開通を計画しておられるのか、さらに、それまでの部分開通では郷原-阿賀間が特に急を要するわけでございますが、どう取り組もうとされているのか、明確な御答弁をお願いしたいと思うわけでございます。  第二点は、一般国道三十一号バイパス、いわゆる広島呉道路の建設についてでございます。広島呉道路につきましては、平成元年四月に天応-呉間が完成し、供用されているところでございますが、残りの天応-坂間六・四キロにつきましては、用地交渉の難航から、いまだに工事着手されないままとなっているわけでございます。この路線は、全線が開通することによって初めてその効果が十分発揮できるのでございます。平成六年の十月に開催されるアジア競技大会のバレーボール会場として呉市の体育館が決定をしており、アジア大会を目前に広島呉道路の全線開通がぜひとも急がれなければなりませんが、このままでは開催に間に合わないのではないかと懸念をするものでございます。現在までの進捗状況と、今後の全線開通に向けての見通しをお伺いしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 14: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事竹下虎之助君。         【知事竹下虎之助君登壇】 15: ◯知事竹下虎之助君) 御答弁いたします。  第一点は、今後の県の長期計画の改定の視点と行政組織改革の関連でございます。御存じいただいておりますように、本県では、これまで広島県発展計画に基づきまして平成七年度を目標に諸施策を実施してきました。また、その実施計画でもございます平成五年度を目標としました事業推進プランを策定しておりまして、特に平成六年のアジア競技大会を目標に、ハード、ソフト両面の基盤整備を進めて、おりますが、ハードの面では、ほぼ、その目途も立ちまして、二十一世紀の姿が見通せる状況になったと私は思っております。アジア競技大会以降、本県がどういった方向に進むべきか、二十一世紀を展望する新しい政策課題にいかに対応していくか、これが、これからの重要な課題であると私も思っております。このような状況の中で、昨日もいろいろと御答弁を申し上げましたとおり、平成四年度から、21ひろしまビジョンの策定に取りかかり、次期長期計画につなげていきたいという気持ちを持っております。このたび御提案申し上げております行政組織活性化方策、御指摘いただきましたように、アジア競技大会以降、二十一世紀を展望した新しい時代の潮流とか行政課題に的確に対応していきますために所要の体制整備を図っていきたい、こう考えております。行政組織といいますものは、常に時代の要請に弾力的に対応していくべきものでありまして、今後、将来の行政課題の動向によりましては、その都度、見直すべきものだと、私は、そのように考えております。  組織の各論につきましては、副知事から御答弁をいたさせます。  第二点は、国際交流関係、なかんずくアジアとの友好提携、さらに姉妹都市関係についてであります。韓国とか東南アジア各国は、現在、世界の中でも最も活力あふれた地域となっており、地理的にもまた近く、本県の企業が多数進出するなど、経済的にも深いつながりがございます。このようなことから、本年度、韓国やシンガポールへの広島事務所の設置を初め、各種交流事業を展開してまいりましたが、緒についたばかりでありますので、来年度におきましては、これらの交流をさらに深め、拡大していく必要があるものと考えております。具体的には新空港の開設をにらんだ定期航空路や定期コンテナ船の誘致、環境問題を初め、農業や林業分野での技術研修生の受け入れ、留学生の受け入れなど、人材育成を通じました国際協力など幅広い展開が必要であろうと思っております。御指摘の友好提携でございますが、友好親善交流を進めていく上で大きな役割を果たすものだとは思いますが、やはり息の長い交流を進めていきますためには、行政主導型の交流ではなくて、まず市民レベル、民間レベルでの交流の積み重ねが必要で、これらを積み重ねた上で、やはり友好提携、姉妹都市縁組などに進むべきものではないかと、私は、そのように考えております。  第二点は、留学生などに対します支援対策であります。現在、広島県にはアジア諸国を中心に六百三十名余の留学生が在籍しておりまして、財団法人ひろしま国際センターを中心に、留学生が安心して勉学に専念できるよう各種の支援事業を行っております。特に、最近の留学生などの実態から、住居、下宿の問題とか奨学金などの生活支援対策、さらには日本語能力の補完などが大きな課題であります。こうした課題のうち、宿舎不足を解消する施策としましては、御存じのように、東広島市に国際交流会館を建設中であります。さらに、平成四年度の事業といたしましては、奨学金の増額とか冠奨学金というのを民間企業に御協力をいただいて実施しておりますが、これの拡充、さらに、来日直後の留学生とその家族を対象とします日本語教室の開設、そのための広島県独自の日本語教育教材の作成、日本企業への就職活動や技術研修支援のための情報交換システムであります留学生キャリア・アップ・プログラムの創設といったようなことを行うことにしております。今後とも、来日前から帰国後までの一貫した支援事業を拡充いたしまして、留学生の皆さんにとっては、広島が住みやすく、暮らしやすい街であったと言っていただけるような広島づくりに御協力申し上げたいという気持ちでおります。  それから、日系人労働者に対する対応であります。御存じのように、昨年九月末現在で行いました実態調査の結果を踏まえまして、新年度から日系人労働者への支援策を強化することにいたしました。各県の模範にでもなって、やってやろうという気持ちで、かなり各般の施策を組み込んだつもりでおります。まず、日系人労働者問題に関しまして、関係者間の連絡調整を密にし、支援体制を強化いたしますために、県と関係市町村、企業、商工関係団体などで構成します日系人労働者対策会議を新たに設置することにしました。次に、就労の面におきましては、日系人労働者や事業主を対象に、求人求職や就労上のトラブルの相談に応じます日系人労働相談コーナーを新たに設置しますとともに、事業主に対しましては、日系人労働者の雇用管理のあり方などにつきまして指導助言します管理講習会を開催いたします。また、日常生活の支援につきましては、地域住民として、例えば緊急時の連絡通報先とか生活ごみの出し方の周知など、一義的には各市町村において対応していただきたいと考えておりますが、県としましても、生活、医療、教育などに関する生活ハンドブックといったようなものをつくりまして、留学生を含めまして広島県内在住、いわゆる外国人登録をしてございますので、県内在住の外国人には漏れなく配布したいと考えております。また、市町村で日本語教室を開催したり、地元情報の提供とか日常生活の相談窓口を開設される場合には、モデル的に活動に対して援助したいと思っています。学校教育の面でも、外国人児童生徒に対する日本語教育の拡充を図りますとともに、新たに小中学校教師を対象としました日本語の指導マニュアルの作成とか研修を行います。今後とも、関係の市町村、企業などと連携を密にしながら、地球の裏側から来られました、特に日系人労働者の皆様方にとって住みよい環境づくりに努力するつもりであります。  それから、国際協力センター構想についてお尋ねがありました。世界に貢献する日本として積極的な役割が期待されております昨今、地方におきましても、地域の特性を生かしました役割が求められております。広島国際協力センター──仮称でございますが、そうした状況の中で、特にアジア地域を中心とします発展途上国の人材の育成への貢献をねらいとし、また、今後の本県の取り組むべき国際協力への方向づけを象徴する施設にしたいものだということであります。このため、事業内容につきましては、基本的には、第一点は、アジアを初め、開発途上国の技術者などの技術研修、第二点は、本県内企業の海外派遣要員の養成研修、三番目は、在広──広島にいます外国人の日本語、日本文化研修などの人材育成事業を主な目的といたしますが、あわせて、各種交流事業とか情報提供事業なども幅広く行えるものにしたいと思います。これらの具体的内容につきまして、現在、検討を急いでおりますが、その検討のポイントといたしましては、第一点は、やはり、いかに「広島らしさ」のあるものにするかということでございます。例えば、本県で行います技術研修は、本県の特色ある工業技術研修を中心にしたいとか、農業バイオ関係、放射線被曝者医療、日本語教育などの分野での広島の技術集積を最大限生かしまして、広島独自の研修プログラムを作成すること、第二点は、いかに各種のニーズに的確に対応したものにするかということでありまして、県内民間企業を初め、各分野のニーズをできるだけ幅広く事業として取り組んでいくこと、第三点は、現在、誘致を進めております国際協力事業団──JICAの研修センターを初め、国などの国際関係機関との連携をどう調整していくかということ等であります。現在、これらの点を念頭に置きまして、各分野の専門家の御助言をいただきながら、事業内容の肉づけを行っております。来年度は、これらを踏まえまして施設全体の基本計画を作成し、民間企業等による支援体制づくりも進めますとともに、ソフトの面でのノウハウの蓄積を図る観点から、海外技術研修員などを対象としました日本語教育なども、県において、まず試行的に実施してみたいと、こう思っております。国際協力センターは、これからの本県国際協力事業の中心となるものでありまして、できればアジア競技大会のモニュメントともなるような、できるだけ早期にオープンをしたいという気持ちでおります。  それから、民生関係──子供を安心して育てられる環境の整備ということで、数点お尋ねがありました。御指摘のように、核家族化、女性の社会進出、出生率の低下など児童や家庭を取り巻く環境は著しく変化しておりまして、子育ての経済的負担の軽減など、二十一世紀の社会を担う児童が健やかに生まれ育つための環境づくりを総合的に推進することは非常に重要な課題であります。  第一点のお尋ねの児童手当制度でありますが、この制度は、家庭における生活の安定に寄与するという所得保障政策的なものと、次代を担う児童の健全な育成、資質の向上に資するという児童福祉施策との役割がありまして、全国民を通じた一つの制度として構成されておりまして、支給要件、給付内容等に格差を設けることなく、一律にするという基本的な考え方となっておりまして、国の制度の中で確立されたものでございます。県で、どうこうといったようなものではございません。
     第二点の医療保険の分娩費でございますが、健康保険における出産給付の最低保障額は、本年四月から現行二十万円が二十四万円に引き上げられることとされております。国民健康保険におきましても、同様の引き上げが行われることになっております。これは国立病院における平均的な分娩費を勘案しまして改定されるものと聞いておりまして、おおむね出産に要する費用は保険で賄えるようにしたいという趣旨と承っております。  第三点の乳幼児医療の公費負担制度でございますが、県におきましては、一歳未満の乳幼児の健康管理や保護者の経済的な負担の軽減を図りますため実施しているもので、一定の所得制限を設けまして市町村へ補助金を交付しております。最近の経済情勢の変化に対応しまして、来年度は所得制限を四人世帯の想定モデルで言えば、年間収入額が三百五十七万円から児童手当の特例給付の年間収入額六百二十五万円まで大幅に改善することとしております。また、三歳までの乳幼児医療無料化の提言がございましたが、これは、かなり県の補助金の増額にもなることもさることながら、実施主体でございます市町村の財政負担にもかなり大きな影響を与えますので、市町村の意向を十分勘案いたしますとともに、全国的な動向等も踏まえながら、慎重に対応したいという気持ちでおります。  それから第二点は、国民健康カードの実施ということであります。兵庫県淡路島にあります五色町において、平成元年三月から健康医療カードシステムのモデル実験が開始されております。この五色町におきましては、人口が約一万一千人で、中核病院として兵庫県立淡路病院があり、また、カード保有者を一部の成人病患者、特に高血圧、糖尿病に限定しているなどの条件がありますものの、病院と診療所の連携の推進、重複した検査・投薬等が避けられ、患者の療養指導に役立つなど、一定の成果を上げておられます。しかし、全住民を対象とした生涯にわたります診療情報の記録など、今後なお検討すべき課題があるようでございますが、逐次、対象者を拡充して事業を継続していかれると聞いております。また、厚生省におきましても、五色町以外の、より人口規模の大きな地域を対象としたモデル事業を実施し、今後、さらに治験を重ねていく意向のようでありますが、全国的または全県的にカードを導入するためには、医療圏におきます病院と診療所の連携など、医療機関の協力関係の確立、データの保守管理、カード読み取り装置の整備、プライバシーの保護など、多くの検討すべき事項が残されておりまして、いまだ実験段階というのが実情であります。本県としましては、このような条件を整備しつつ、国のモデル事業に参画できるように検討していきたいという気持ちを持っております。  それから、国際医療協力センターということで御提言がありました。地球的な規模で民族や政治経済体制の枠を超えて交流が進んでおります。本県も、こうした国際化という潮流に沿った社会システムをやはり構築していかなければならないことは、御指摘のとおりと存じます。このことは保健医療の分野におきましても例外ではなく、アジア大会などを契機としまして、特にアジア諸国との交流が促進されることが予想されます。本県におきましては、昨年、放射線被曝による被災者の医療に関し、広島が蓄積しております治療の成果を有効に生かしていきますために、広島大学の医学部、放射線影響研究所、赤十字・原爆病院などの協力によりまして放射線被曝者医療国際協力推進協議会をつくりまして、旧ソ連やアメリカ、ブラジルなどの被曝者医療に携わる医師の受け入れ研修とか、広島から医師の派遣、さらには、チェルノブイリの被曝児童の検診を行うなど、被曝者医療につきましては国際協力センター的な機能を果たしてきております。また、現在、四川省の歯科医師の研修受け入れを初め、国際協力事業団を通じました国際協力などで本県の持ちます医療技術や医療情報を提供しまして、東南アジア諸国を初め、世界の国々との友好協力関係は、逐次、推進してきております。また、政府におきましては、国立病院医療センターの中に国際医療協力部というのが設けられまして、海外の医療事情などの調査を初め、保健医療関係者の海外への派遣や、海外からの保健医療関係者の研修などを行っておりますほかに、外務省や国際協力事業団を中心に、いろいろな国際的医療協力の検討も進められております。県といたしましても、さらにこうした国の動向を参考にしながら、どういった部面で、医療面で国際貢献できるか、慎重に検討して、取り組めるものは取り組みたいという気持ちでおります。  それから、国立難病センターのことであります。これまで、本県における難病対策としましては、医療費の公費負担を初め、難病の相談事業、難病講演相談会を行いますなど、難病患者とその家族の負担軽減、不安解消といったことを中心に仕事を行ってきました。平成四年度には八月にオープンします予定の健康福祉センターに新たに常設の難病相談窓口を開設しますとともに、保健所の保健婦によります訪問相談を実施していく計画であります。難病に関する治療とか研究につきましては、全国的には厚生省が設置しております四十三の難病調査研究班において積極的な調査研究が実施されておりまして、広島県におきましても個々の医療機関において治療、研究が行われております。しかし、今、本県には残念ながら、がんセンターとか循環器病センターといったような難病に関する中核的な施設がないことは御指摘のとおりであります。そこで、次善の策でございますが、先ほど言いましたように、健康福祉センターで、まずとりあえず相談所を設けまして、専門的なお医者さんとか病院の取り次ぎとか、あっせんとか、紹介を行えるようにしたいということで設けたものであります。また、国は、昭和六十一年に国立病院、国立療養所の再編成計画を公表しまして、国立病院の再編成を通して国立病院とか療養所が国立の医療機関としてふさわしい機能を担えるように質的な強化を図りたいということにしておりまして、本県におきましては統合のケースが二つのケースが予定されておりますが、その一つ、国立療養所の広島病院と国立療養所畑賀病院とを統合しまして、脳血管・難病等のセンター、基幹施設として整備することとなっていると承っております。県といたしましても、難病センターの機能を持った中核的医療機関が、こういった計画の中で再編整備されていくよう、今後とも要望を続けていきたい、こういう気持ちでおります。  広島呉道路等のことにつきましては、担当部長から御答弁をいたさせます。 16: ◯議長檜山俊宏君) 副知事小笠原臣也君。         【副知事小笠原臣也君登壇】 17: ◯副知事小笠原臣也君) 行政組織活性化、地球環境保全に係る問題につきまして御答弁を申し上げます。  今回の組織改正に当たって、職員定数についてどう考えているかという御質問でございます。現在の職員定数は、昭和五十八年以降五ヵ年間で行いました行財政改革を経まして定められたものでございまして、現時点で考えてみまして、国の動向あるいは全国の状況から判断をいたしまして、はぼ適正水準にあると認識いたしております。そのため、総定数を増加させるということは考えておりません。今回の行政組織の活性化は、二十一世紀を展望した新たな行政課題に対し重点的に取り組むために、スクラップ・アンド・ビルドを基本にいたしまして、部局間、本庁・地方機関の調整を図り、全体としてバランスのとれた執行体制の整備を図ろうという考え方でございます。具体的に申し上げますと、このたび、地方機関の再編成につきまして御提案を申し上げているわけでございますが、機構の統合により、主として管理事務部門について人員の効率化を図り、政策企画機能の強化とか、あるいは、社会資本の整備などの重点部門に再配置を行いまして、今後の課題に対応してまいりたいと思っているわけでございます。今後、おおむね三ヵ年の間に職員の調整を図っていきたいと考えております。  次に、農林水産部門の組織活性化についてお答えを申し上げます。農山漁村地域は、残念ながら、過疎化、高齢化が長期にわたって進行しておりまして、現在、まさに集落機能の崩壊の危機に直面していると言っても過言ではない状況にあるわけでございます。県といたしましては、県土の均衡ある発展を遂げるためには、農山漁村地域の特性を十分に生かしながら、関係部局の緊密な連携のもとに、総合的かつ一体的な施策の展開を図る必要があることは御指摘のとおりであり、このたび提案をさせていただいております予算案の中でも、農山漁村活性化パイロット事業を初めとする農山漁村活性化対策に関連する事業を盛り込んでお願いをしているところでございます。しかしながら、これを推進していくべき行政組織は現状のままでは、このような要請に十分こたえられるものでないことも事実でございます。また、関連事業が、農林水産関係のみならず、各部局にまたがっておりますために、マトリックス組織として農山漁村活性化対策室を設置いたしまして総合的な事業推進を図っていく所存でございます。  地方機関の再編についてのお尋ねでございますが、地方機関の配置につきましては、御指摘のように、このたび、まとめました行政組織活性化方策の中で、農林事務所などの基幹となる事務所については県内八圏域を基本として所管区域の整合化を図る方向を打ち出しております。しかしながら、地方機関の性格、機能はさまざまでございまして、公共事業の執行に当たる土木建築事務所のようなものから、福祉事務所及び保健所のような直接住民サービスを所管するものもございまして、一律に八圏域でまとめるということは現状では難しいと考えております。したがいまして、このような基本的な方向にのっとりながら、種々検討いたしました結果、県税事務所につきましては十一所を九所にいたしますと同時に、福祉保健センターにつきましては八所五地域福祉保健センターとし、農業改良普及所につきましては九所四支所に再編成し、家畜保健衛生所につきましては五所を四所一支所とし、土木建築事務所につきましては現行どおり十三所の体制は必要であると判断いたしたものでございます。  次に、指導奨励部門の一部本庁直轄制についてお尋ねでございます。このことにつきましては、補助金事務などについて、例えば農林事務所などの地方機関の事務が市町村などにとりましては事務手続面で煩瑣となっておりますものがありますために、この際、条例事項ではございませんけれども、手続等を見直しまして簡素で効率的な事務処理方法を今後検討してまいりたいと、このように考えております。  次に、農業改良普及所につきましては、近年、農産物の高付加価値化、高品質化に対応し、高度の技術や新しい技術の普及が要請されているところでございます。このために、農業技術センターなど試験研究機関が開発いたしますバイオ技術などを効果的に全県的に普及いたしますために、まず専門技術員を農業技術センターに配置いたしまして、農業改良普及員との連携を強化していくとともに、農業改良普及員の新技術への対応力を高めるために国内の大学あるいは試験研究機関への派遣研修を強化するなど、所要の対応を図っていきたい、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。  次に、地球環境保全対策についてお答え申し上げます。御指摘のとおり、各方面で地球環境問題についての関心が高まっておりますけれども、今後さらに、個人、企業、行政のそれぞれが共通の認識を深め、環境に配慮した生活様式とか社会経済活動を地域レベルから全世界レベルまで幅広く進めていくことが重要になってまいります。県といたしましても、総合的な取り組みが必要であると考えまして、昨年九月以降、庁内組織として地球環境問題対策協議会を設置し、さらに有識者による広島県地球環境問題懇談会と、企業や民間団体に行政機関も参加いたしました広島県地球環境問題連絡会議を設置いたしまして、行政、事業者、住民団体など官民一体のネットワークづくりを行ったところでございます。今後とも、これら三つの組織の有機的な連携のもとに、省資源、省エネルギー、廃棄物のリサイクル、都市緑化などの身近な地球環境問題について足元からの行動を推進し、県民の生活様式や経済社会活動が地球環境に配慮したものになるように努めてまいりたいと考えております。特に、県民に対する普及啓発や環境教育の充実を図るために、例えば小学生を対象にした環境学習用の副読本を作成するとか、地球環境問題をテーマとしたイベントを開催いたしますとか、あるいはまた環境教育モデル校の指定とか、保健所単位での環境保全セミナーの開催に取り組むことにいたしております。また、これからの企業活動におきましては、地球環境問題は経営の根幹に係る大きなテーマになりつつありまして、環境保全型の事業活動、社会的な貢献などが課題となっております。このために、県内企業による広島県地球環境保全協力会を結成いたしまして、企業レベルにおける意識の高揚、中国四川省などとの環境国際協力事業への参画、企業内・地域における自主的な環境保全実践活動への取り組みを推進していきたいと考えております。このほか、地球環境保全に役立つ先進的な研究開発を行う企業に対しての支援も行うこととしておりまして、民間企業における地球環境保全対策が一層推進されるよう積極的な誘導策を展開してまいるつもりでございます。 18: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長市ヶ谷隆信君。         【土木建築部長市ヶ谷隆信君登壇】 19: ◯土木建築部長市ヶ谷隆信君) 幹線道路網の整備についてお答えいたします。  まず、東広島呉自動車道の整備についてでございますが、東広島呉自動車道のうち、山陽自動車道から東広島市馬木までの約十二キロメートルにつきましては平成三年度に事業に着手し、現在、現地測量や地質調査などを行っているところでございます。平成四年度は、実施設計を行うとともに、用地買収に必要な調査を進めることとしておりまして、今後、有料道路事業を導入することにより、この区間の早期完成を図ってまいりたいと考えております。また、残る呉市阿賀までの区間の約二十一キロメートルにつきましては、平成四年度に国の補助事業として採択されましたので、県の単独費も投入して道路設計に必要な現地測量や地質調査に着手することとしております。御指摘の郷原-阿賀間につきましては、呉新世紀の丘の開発が計画されている郷原地区や人家が連檐している阿賀地区などの緊急を要する区間から必要な調査を進めることとしております。この区間につきましては、膨大な事業費を必要といたしますため、今後、予算の確保はもとより、有料道路事業の導入など、整備手法につきましてもさらに検討を進めることとしております。いずれにいたしましても、本路線の重要性にかんがみ、全線の早期完成が図られるよう、今後とも関係機関に強く働きかけるとともに、県といたしましても事業の促進に努力してまいりたいと考えております。  次に、広島呉道路についてお答えいたします。広島呉道路の未供用区間約六・四キロメートルにつきましては、日本道路公団と建設省において事業が進められております。この区間の用地につきましては、坂町分約五・三キロメートルにつきまして平成二年度から県の土地開発公社が受託して用地買収を進めておりまして、現在、約二三%の進捗率となっております。さらに、呉市分約一・一キロメートルにつきましては、建設省が現在、直轄で用地測量を進めておりまして、来年度には呉市に委託して用地買収に着手する予定でございます。また、工事につきましては日本道路公団が平成二年度から小屋浦地区の工事用道路に着手いたしまして、現在、海上部の橋脚工事を行っております。さらに、本年度中には坂南インターチェンジを含む約二・七キロメートルの本線部の工事を発注する予定でございます。御指摘のとおり、本路線をアジア競技大会の開催までに完成させますことは、用地買収の進捗や工事の工程からかなり難しい状況にあるわけでございますが、今後とも、県といたしましても、用地買収や代替地の確保など、できるだけの協力をいたしますとともに、引き続き、日本道路公団及び建設省に対して早期完成を強く働きかけてまいりたいと考えております。 20: ◯議長檜山俊宏君) 教育長菅川健二君。         【教育長菅川健二君登壇】 21: ◯教育長菅川健二君) 魅力ある学校教育の推進についてお答えいたします。御指摘の個性豊かで創造力のある児童生徒の育成は、極めて重要であると受けとめております。新年度、小学校から順次、全面実施となります新しい学習指導要領におきましても、豊かな心の育成や個性を重視する教育の実現を目指しております。具体的には、小学校第一学年及び第二学年におきましては身近な自然や社会とかかわる活動や体験を取り入れて学習する生活科を新設されたことや、中学校、高等学校におきましては選択教科、科目が大幅に拡大され、多様な教育課程を編成することによって個性を生かす教育を一層進めることとされたことなどが挙げられるわけでございます。教育委員会といたしましては、これらの先導的な研究を行う指定校を設けまして、その成果の拡大に努めますとともに、多様な教材づくりへの支援など、指導方法の一層の改善を図っておりますし、また、教育課程講習会や教育センターでの研修会、教育資料の作成等を通して各学校が児童生徒の実態や地域の特性を生かした特色ある教育課程を編成するよう指導しているところでございます。今後、さらに魅力ある学校づくりに向けて学校の主体的な取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えます。  次に、学校週五日制についてお答えいたしたいと思います。学校週五日制は、学校、家庭、地域社会が、その教育力をバランスよく機能させることによって、子供たちが主体的に判断し、行動できる資質や能力を身につけさせようとするものであります。国におきましては、この学校週五日制につきまして本年二月二十日に、調査研究協力者会議が新年度の二学期から全国一律に毎月第二土曜日を休業日にするという提言を行ったところでございます。教育委員会といたしましては、制度の円滑な導入を図りますため、昨年来、実施に当たっての課題や対応策等について検討を重ねてきたところでございまして、先月、学校関係者及び県民の理解を得ますため、現段階におけるまとめを公表するとともに、特に緊急を要する新年度のカリキュラムの編成のあり方につきまして各学校に通知を行ったところでございます。  お尋ねの第一点、休日におきます子供の教育環境づくりにつきましては、御指摘のとおり、子供たちが家庭や地域社会でのさまざまな活動を通して主体的に生活することが大切であり、このため、当面の取り組みといたしまして、学校施設の開放と、そのためのボランティア指導員の配置、学校や公民館などの身近な施設を活用したサークル活動の充実、少年自然の家等の広域的施設を活用した活動の促進などに努めてまいりたいと考えております。  第二点の保護者の理解を得ることという点につきましては、本県のアンケート調査では徐々に保護者の賛成がふえているところでございますが、なお不安感があることも事実でございます。このため、PTAを初め、広く関係者の参加を得ました市町村ごとの推進委員会の設置や各地域ごとのPTA教育フォーラムの開催、全県的なシンポジウムの開催や各種広報資料の活用などによりまして、その理解を得るように努めてまいりたいと考えます。なお、段階的な推進を考えるべきではないかという御指摘は、保護者の不安に配慮するという点からも重要なことと考えておりまして、月一回の土曜休業から始めて、その後、段階的に導入されるものと考えております。  第三点の障害を持つ子供たちの教育環境づくりにつきましては、とりわけ重要な課題と考えております。障害を持つ子供たちが、休業日に地域社会におきまして遊び、スポーツ、文化活動、地域の人々との交流などの学校外活動を積極的に行うことができるよう、それぞれの地域や子供たちの実態に応じた活動の推進を図る必要があると考えております。そのため、活動の場の確保やボランティア指導員の手厚い配置など、よりきめ細かな対策を講じてまいりたいと考えます。今後、教育委員会といたしましては、学校週五日制の円滑な導入に向けまして、御指摘の点も含め、さらに検討を進めまして、万全な準備を進めてまいりたいと考えております。 22: ◯議長檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分より会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時二十九分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...