和歌山市議会 > 2004-03-08 >
03月08日-08号

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  1. 和歌山市議会 2004-03-08
    03月08日-08号


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    平成16年  2月 定例会                平成16年          和歌山市議会2月定例会会議録 第8号                平成16年3月8日(月曜日)         ---------------------------議事日程第8号平成16年3月8日(月)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問         ---------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問(片桐章浩君、南畑幸代君、宇治田清治君)         ---------------------------出席議員(41名)  2番  松井紀博君  3番  野嶋広子君  4番  奥山昭博君  5番  中尾友紀君  6番  片桐章浩君  7番  藤本眞利子君  8番  戸田正人君  9番  東  稔君 10番  芝本和己君 11番  井上直樹君 12番  古川祐典君 13番  尾崎方哉君 14番  山本宏一君 15番  後 みつる君 16番  姫田高宏君 17番  中村協二君 18番  岩井弘次君 19番  松本哲郎君 20番  中嶋佳代君 21番  寒川 篤君 22番  メ木佳明君 23番  北野 均君 24番  遠藤富士雄君 25番  宇治田清治君 26番  貴志啓一君 27番  寺井冨士君 28番  佐伯誠章君 29番  南畑幸代君 30番  大艸主馬君 31番  森下佐知子君 32番  中橋龍太郎君 33番  中 拓哉君 34番  多田純一君 35番  東内敏幸君 36番  山田好雄君 37番  森田昌伸君 38番  和田秀教君 39番  浅井武彦君 40番  浦 哲志君 41番  井口 弘君 42番  奥田善晴君欠席議員(1名)  1番  旅田卓宗君   -------------説明のため出席した者の職氏名 市長         大橋建一君 助役         射場道雄君 助役         植松浩二君 収入役        岡本 弘君 理事市長公室長    松見 弘君 企画部長       的場俊夫君 総務部長       鎌田純雄君 財政部長       奥野久直君 市民部長       西嶋真司君 福祉保健部長     中岡安美君 生活環境部長     木村哲文君 産業部長       松澤 勉君 都市計画部長     市川一光君 建設部長       小上一佳君 下水道部長      小倉常男君 教育委員会委員長   竹内巳喜男君 教育長        山口喜一郎君 教育総務部長     松本 功君 教育文化部長     空 光昭君 消防局長       相坂 勲君 水道局長       楠本喬二君 水道局業務部長    保井孝之君 水道局工務部長    山縣良男君 選挙管理委員会委員長 筒井敏郎君 代表監査委員     伊藤松雄君 人事委員会委員長   田中昭彦君   -------------出席事務局職員 事務局長       川西通夫 事務局次長      鳥居喜久夫 議事調査課長     山ノ井義雄 議事調査課副課長   岡崎広治 議事班長       尾崎順一 調査班長       濱治 匠 主査         石本典生 主査         中西 太 主査         奥谷知彦 主任         志賀政廣 主任         藤井一成 主事         小林健太   -------------          午前10時11分開議 ○議長(佐伯誠章君) ただいまから本日の会議を開きます。   ------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(佐伯誠章君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   貴志啓一君   多田純一君   メ木佳明君 以上3人の諸君を指名します。   ------------- △日程第2 一般質問 ○議長(佐伯誠章君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 片桐章浩君。--6番。 〔6番片桐章浩君登壇〕(拍手) ◆6番(片桐章浩君) おはようございます。 週明け一番の一般質問に入らせていただきますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 先ごろ、芥川賞の受賞発表がございました。 受賞されたのは、皆様御存知のように金原ひとみさんと綿矢りささん、このお二方で19歳、20歳、最年少受賞ということで非常に話題になっています。受賞作品は「蛇にピアス」それから「蹴りたい背中」この2つなんですが、私も読んだんですが、この話題性よりももっと驚いたのがこの作品の中身です。 若くしてすさまじいまでの文章力、本当に感服する次第なんですが、文学作品の値打ちというのは人それぞれ感じ方が違うと思います。社会が文学に影響を与えるのか、文学に社会が影響されているのか、これはよくわかりませんが、どちらにしても今の社会情勢をよくあらわした2作品であるというふうに思います。 ただ、僕からすると少し理解しがたい部分もあるわけなんですが、それは読み手が知らず知らずのうちに社会からずれてきてるのかなあというふうな警告なのかもわかりません。この辺心したいなというふうに思います。 といいますのは、私が10代のころに芥川賞をとった作品に、皆さん御存知だと思います、「限りなく透明に近いブルー」、それから「エーゲ海に捧ぐ」、こういった作品がありました。 当時、この作品の中身については賛否されていた記憶があるんですが、高校生だった私たちは自然にこの作風を理解し、受け入れました。瞬く間に新しい時代を切り裂くほどのインパクトのあるこれらの作品は、それまでの作品を追いやるほどすごいものだったと思います。 それまで通説と言われるものが固まってしまうと、時代は新しいスタイルのものを登場させていきます。当時感じたものが今、再び文壇に感じられるということで、彼女たちがこの先どうなるかわかりませんが、文壇に新しい風を送り込んだのは事実ではないでしょうか。 私もこの作品たち、彼女たちの感性を歓迎しつつ、時代から取り残されないよう頑張るよう心がけたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 さて、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 今回取り上げる貴志川線、それから行財政改革につきましては、先輩議員の質問と重複するところもあろうかと思いますが、どうか御了承いただきたいと思います。 最初に、南海貴志川線の廃線問題についてです。 平成15年10月、南海電鉄は貴志川線の廃線を検討していること、このことを初めて明らかにしています。和歌山市では直ちに南海貴志川線対策協議会、これを立ち上げ、存続を要望しながら利用促進を呼びかけていくという活動を展開しています。 南海電鉄には公共輸送を担う公共事業者としての責任を求めることは当然ですが、民間企業として採算性を無視することができないところにこの問題の難しさがあります。 生活の場に電車があれば便利だけど利用しない。これでは存続させることは困難になります。対策協議会は存続のために利用促進案を立案し、乗客を増加させる取り組みを運動の柱にさせた上で、南海電鉄に一層の経営努力を求めることが役割であると、このような認識の上で活動していくべきだと思います。 和歌山市が存続に向けて活動、取り組みに全力を注いでいるところは十分理解いたしますが、対応が遅いことが少し気にかかります。 現在、和歌山市が事務局を務めているこの対策協議会で講じられている対策は存続の署名、それから実態調査としての南海貴志川線利用者アンケート調査、これの集約ということで2月12日、2月27日、2回利用者に配布し回収している、こういう活動です。 現代社会では、ビジネスにおいてもまちづくりにおいても、成功するために必要な要素はスピードと企画力、これは疑う余地もありません。貴志川線の廃線検討が明らかになってからはや4カ月過ぎています。しかも南海電鉄が廃線を表明したのは監査役からの指摘があったからと聞いています。株主の利益を守るために監査役から指摘があった。この事実から理解すべきは余裕を持って検討している時間がないということです。 つまり、決算状況によっては廃線表明の可能性があるということです。廃線を表明されると、1年後には貴志川線がなくなっているという可能性があります。つまり、改正鉄道事業法第28条2の1項。これによりますと、「廃止の日の1年前までに、その旨を国土交通大臣に届けなければならない。」こう規定されているだけですから、従来の許可制とは異なり、廃線が非常に簡略化されています。 平成15年度通年、この決算では約4億円の経常利益が出ると予想されていますが、4月の廃線表明はこれだとないと思うんですが、平成16年9月中間決算、これ次第では10月に廃線表明の可能性すらあるんではないかというふうに思われています。 それまでに現状の改善案、それと行政が公共交通にどうかかわるか、これを十分検討し、南海電鉄と協議しなければなりません。まだ利用状況を調査しているのでは、スタートから立ちおくれていると言わざるを得ないと思います。 一方、対策協議会の予算は 700万円。その活動の内訳は利用状況調査、利用実態と現状課題の調査、新たな運営形態の検討調査、この3項目、すべての予算をここで使い切ることになります。つまり、現状把握、それから代替輸送の提案を受ける、これだけの事業で終わることになります。 南海電鉄貴志川線、この現状についてです。 経常損益が平成14年度で5億円、営業係数が 244、こういう数字があります。これは 100円の利益を上げるのに 244円の経費が必要、こういうことを示しています。ただ、これ以上は南海貴志川線単体のバランスシートがありませんので、よくわからない状況です。 南海電鉄は有利子負債の削減を目的に、平成14年度を初年度とする新3カ年計画として、創生 120計画、これを実行しています。平成16年度の最終年度には、有利子負債の残高を 5,800億円に圧縮し、連結の当期利益、これを50億円目指す計画となっています。 平成14年度の決算でも明らかなように、南海電鉄は単体でも黒字基調の会社で、赤字の会社ではありません。年間 200万人が利用し、地域の重要な輸送機関として使命を果たしている貴志川線の廃線表明は利用者の利便を考慮しない、公益性、公共性を放棄したかのような態度に映ります。 そこで、質問です。 南海電鉄が意思決定をするまでの時間は少ないと思われる中、対策協議会は4月末のアンケート調査結果からどのようなアクションを起こそうと考えていますか。 2つ目。現状ではこれからの対策協議会の活動方針が見えません。対策協議会に予算がない中、平成16年度上期の活動の骨子をお示しください。 それから、南海電鉄の収支状況、これがどこまで改善されれば廃止を撤回するのか、これを明らかにさせた上で対策協議会の活動を行う必要があると思いますが、そのために重要な数字が幾つかあります。 対策協議会が知るべき最低限必要な数値は、直接経費が賄えたらいいのか。貴志川線単独で収支が償える必要があるのか。輸送密度--これが廃線する基準になる重要な指標なんですが、輸送密度、これ現状何人でしょうか。 それから、輸送密度は何人必要と考えていますか。1日の乗降客は何人必要なのでしょうか。 それから、貴志川線単体の収支を見ると、減価償却費が非常に高額、これは設備が老朽化しているはずなんですが、減価償却費の内訳を示していただきたいと思います。 それから、退職金が毎年かなりの額が支出されています。最近5年間の退職者数を示してください。 それから、貴志川線の規模からするとやや高額と思われる経費 6,000万円、それから、営業外費用 4,000万円、この内訳を示していただけたらと思います。 以上の項目の中から明らかになっている数値をお示しいただきたいと思います。 続いて行財政改革についてです。 地域経済の低迷、固定資産税の評価替えによる地方税の減収、三位一体論による地方交付税の減少、退職手当や公債費、扶助費の義務的経費の増加により財政は危機的な状況に入っています。 10年後の町の姿と市役所が果たす役割を見据えて、市役所の経営改革と再構築に取り組むことが必要です。目先の財政危機だけを打ち上げ、歳出削減だけに振り回されるだけでは過去と何も変わりません。 中期的な財政見通しを持ち、進むべき政策を打ち出さないとこれからの展望は開けません。当面は3年程度の財政危機対策の戦略をつくり、実行する姿勢が必要かと思われます。 政府の三位一体地方財政改革は、平成18年度までに4兆円の国庫補助負担金の削減、そのうち義務的経費は全額、それ以外は80%を税源移譲で賄うことになっています。このことで、全国44都道府県で2兆 6,160億円の財政不足が生じています。 和歌山市も同様で、歳入は6億 4,500万円減少しており、今後2年間も同程度で予算編成をする必要に迫られているといえます。 ただでさえ財政危機がいわれている和歌山市で歳入不足は深刻、既に単年度で考えるべき問題ではないと思います。 平成19年度以降の税源移譲は今のところ所得税か消費税、どちらになるかは不明なのですが、平成18年度までの政府からの税源移譲分は既に判明しています。これに加えて市税や事業所税、固定資産税なども見込んだ歳入規模を策定しているはずです。今後の収支不足を見込むために、多くの地方自治体は三位一体論を反映させた収支状況の見込み作業に入っているところです。 この見通しを作成しておかないと、ことし秋、次年度の国庫負担金、それから税源移譲の方針が打ち出されたときには即座に対応できない、このような状況にあるからです。 一例として横浜市、平成14年9月に中期政策と中期財政見通しを公表し、将来の市政に責任を持つことを市民に示し、意見を求めています。向こう5年間、つまり平成18年度までの収支不足額累計を算定し、公表しています。 平成15年1月には中期財政ビジョンを公表し、さきの中期財政見通しとともに特別会計と企業会計の市債のうち、市が税金で負担しなければならない債務や外郭団体の債務のうち、借り入れ原因などから市債務として考慮すべきものの総額と財政の実態と検討すべき課題として公表しています。 三位一体論により見直しは必至ですが、収支不足を確定させた上で市民に公表しているので、今後削減があった場合にも対応が容易となり、情報開示しているため市民からの同意は得やすくなります。 向こう2年間の政府移譲金の見通しは立っていませんが、現行の条件で平成18年度までの中期的な財政見通しは立てられます。平成18年度までの一般会計と特別会計の収支不足額を示して公表し、政府移譲金の見通しが立った時点で市民に説明してほしいと思います。 この今回の三位一体論は私たち市民にとって、とてもわかりにくい改革の姿というふうに思っています。 昨年9月の一般質問でも提案させていただきました情報開示活動、いわゆるIR活動なんですが、これは検討すると市長から答弁をいただいております。三位一体改革を含めた平成16年度の予算案をどう市民に説明しようとしているのでしょうか。 また、所信表明では先の財源は先行き不透明と述べておりますが、不透明だから収支不足が算定できない、こういう姿勢ではなく、余計にIR活動を活用し、情報公開に努めるべきだと思いますが、考え方を聞かせていただきたいと思います。 さて、財政再建団体についての問題です。 和歌山市にとって最大の課題は財政再建団体になることを避けることです。財政再建団体、これどういうことかといいますと、自力で赤字解消ができなくなり、国に管理されながら財政再建を進める団体のことを指します。 このため、財政再建団体になると、市税の引き上げ、あるいは福祉など行政サービスの低下、起債が制限されるため公共事業が抑制されるなど私たちの生活にも影響が出てきます。 財政再建団体に転落する条件は、標準財政規模の20%を超える負債を抱えることです。和歌山市の標準財政規模、これは平成14年度決算ベースでいきますと 770億円ですから、目安として赤字幅が 154億円になりますと財政再建団体となります。 平成14年度一般会計の収支は逆に11億円の黒字となっていますから、一見すると何の問題もありません。 さて、後ほど答弁いただきたいんですが、その中で収支不足額を示していただいたらわかることなんですが、一般会計では毎年黒字決算となっていますから、財政再建団体とは縁遠いものに感じます。市長がいかに財政問題を訴え、和歌山市が財政再建団体に陥る危機だと言っても、過去のトレンド、それから単年度の財政赤字の問題だけの説明に終始しているため、市民の皆さんにとっては現実的な話には聞こえないのではないでしょうか。 一般会計と特別会計を合わせた収支不足を示していただき、和歌山市が財政再建団体になる可能性はあると考えているのかどうか、聞かせていただきたいと思います。仮に財政再建団体になった場合、私たち市民への影響はいかがなものなのでしょうか。あわせてお答えいただけたらと思います。 続いて、歳出面の課題です。 歳出面で大きいのは見えない負債の問題です。 1つ目が団塊の世代の退職金問題で、退職金の増加は人件費の比率をさらに高め、経常収支比率を高めることになります。この隠れた負債を私たちにわかる形にしておくことは、例えば、必要な積立額を明示する、あるいは積み立てができない場合は積み立て不足として、毎年度の決算報告の中で公開する仕組みが必要だと思います。そうすれば、退職金総額がわかり、財政状況はそれを見込んで改善されるはずです。 平成15年度退職予定者数は 113人、退職金は約30億円です。平成17年度から団塊の世代の退職がピークに達する平成19年度までの退職予定者数と退職金総額を示していただきたいと思います。 退職金に加えて、このころに土地造成事業の地方債の償還期限も同時期に訪れることになります。平成17年度で91億円、18年度で18億円、同19年度で50億円です。販売の見込みがなかなか立たない状況の中、借りかえのめどが立っているのかどうか、これもあわせてお答えいただけたらと思います。 貴志川線問題と行財政改革についての第1問を終わらせていただきます。 よろしくお願いします。(拍手) ○議長(佐伯誠章君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) おはようございます。 きょうは、こんなに傍聴人が多いのは、私、初めてで、さっきからちょっと数えていたら議場よりも多いか、ちょうど同じぐらい傍聴の方がみえて、非常に市政に関心を持っておられる方がたくさんいらっしゃるということは、いつも申し上げていることですけれども、大変ありがたいことで、ぜひとも議場での実りある議論をこれからもしてまいりたいと思います。 6番片桐議員の御質問にお答えいたします。 貴志川線問題に関連しまして、対策協議会は4月末のアンケート調査の結果からどのようなアクションを起こそうと考えているのか。それから、対策協議会活動の平成16年度上期はどういうことをするつもりかということでございます。 南海貴志川線対策協議会は、利用者の実態調査、意識調査及び生活交通確保の調査結果を4月末までにまとめ、調査の結果をもとに営業継続のための方策を検討し、南海電鉄株式会社と協議してまいりたいというふうに考えてございます。 次に、平成16年度上期の協議会の活動としましては、今、お答えしました調査及び協議のほかに、他県で実施した事例、特に成功した事例について運営形態の調査研究を進めるとともに、議員御指摘のように、存続のための利用促進案を立案し、乗客を増加させるため、さまざまな広報活動などを運動の柱として、南海電鉄に一層の経営努力を求めたいというふうに考えてございます。 次に、行財政改革につきまして、三位一体改革を含めた平成16年度予算案をどう市民に説明しようとしているのかということでございますが、平成16年度当初予算案は、三位一体改革の影響もありまして、大幅な歳入不足に陥り、予算編成に大変苦慮したところでございます。 本市では、毎年新年度予算の概要を市報わかやま4月号に掲載し、各家庭に配布しているほか、ホームページにも掲載しております。 また、私自身、地区話会の中で、本市の財政状況を市民の皆様にグラフを用い、家計に例えて、なるべくわかりやすく説明させていただいているところでございます。 しかし、今回の三位一体改革の内容は、議員御指摘のように、確かに市民の皆様にはわかりにくいものとなっております。 したがいまして、市政に対する市民の皆さんの御理解と御協力をいただくためにも、財政状況等についてわかりやすいようにより一層工夫を凝らすとともに、内容の充実に努め、地区話会等を通じて市民の皆様に積極的に御説明をしてまいりたいというふうに考えてございます。 次に、今後の収支不足を算定し、IR活動を活用して情報公開に努めるべきではないかという御質問でございます。 これまでにも御答弁申し上げておりますが、三位一体改革の具体的内容についての全体像、年度別内容や規模が不透明であること、さらに総額で和歌山市は 180億円の赤字を抱える特別会計の繰出額というものが必要になってくるわけですけれども、その特別会計の今後の状況次第で見通しが変わってくるというところがございます。 現状では、その見通しを立てにくいこともございまして、収支不足を現時点で算定するということが非常に難しい。あえてやろうとすると、極めてアバウトな数字になってしまうという懸念がございます。 しかしながら、可能な限り財政状況について、市民の皆様にお伝えするのは情報公開を推進する立場からは当然のことでございますので、今後もさらに工夫を重ね、一般会計、特別会計の状況と見通しを地区話会等を通じて市民の皆様に御説明してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 的場企画部長。 〔企画部長的場俊夫君登壇〕 ◎企画部長(的場俊夫君) 6番片桐議員の御質問にお答えいたします。 南海貴志川線について8点御質問がございました。 1つ目は直接経費が賄えたらよいのか。2番目が貴志川線単独で収支が償える必要があると考えているのか。3番目が輸送密度は何人ですか。4番目が輸送密度は何人必要と考えていますか。5つ目が1日の乗降客の目標は何人必要なのか。6番目がなぜ減価償却費が高いのか。7番目が最近5年間の退職者数は。最後に、規模からするとやや高額と思われる経費 6,000万円及び営業外費用 4,000万円とはという御質問でございます。 南海貴志川線における平成14年度営業費用の直接経費は、約7億 3,100万円で、営業収入は約3億 2,300万円であり、直接経費は賄えておりません。 次に、南海電鉄では、貴志川線単独で収支が合わなければ存続は難しいと言ってございます。 次に、平成14年度の南海貴志川線の輸送密度は 3,127人でございます。なお、営業収支に合う輸送密度は、平成14年度の利用実績で換算しますと 8,135人必要であると聞いております。 そして、1日の乗降客の目標は、平成14年度の利用者数と運賃で換算しますと、1万 4,200人以上の利用者が必要となります。 次に、営業費用に占める減価償却費の比率が高いのは、平成7年のダイヤ改正時における車両の入れかえ時の改造費やワンマン運転のための設備や機器等の整備によるものと聞いてございます。 また、最近5年間の退職者は9人で、営業費用における退職金とは現有社員42人の退職時に支払うための退職積立金でございます。 次に、経費 6,000万円の主なものといたしましては、和歌山駅の改札等施設の共同使用によるJR西日本への負担金でございます。 そして、営業外費用 4,000万円は借入金の利息が主なもので、南海電気鉄道の鉄道事業全体で案分していると報告を受けております。 南海貴志川線の人件費などの営業費用は、ほかの鉄道路線と比較して非常に高く思われます。 さらに議員御指摘のとおり、ローカル線の輸送密度の低い鉄道のワースト20位でも、輸送密度は 793人とのことです。しかし、運行距離が14.3キロメートル、 200万人弱の利用者があり、輸送密度が 3,127人もありながら、毎年5億円以上の赤字を出し、廃線を視野に入れているというような利用者の利便性を考慮しない、公共性、公益性を放棄したかのような態度はまことに理解しがたいと感じられますので、南海電気鉄道に対して資料の提供や説明を求め、精査していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 奥野財政部長。 〔財政部長奥野久直君登壇〕 ◎財政部長(奥野久直君) 6番片桐議員の御質問にお答えいたします。 一般会計と特別会計を合わせた収支不足を示し、和歌山市が財政再建団体に転落する可能性についての御質問と、それから財政再建団体になった場合、市民への影響はどのようになるのかという御質問でございます。 一般会計と特別会計を合わせた収支不足でございますが、平成14年度決算での総合収支は約 173億円の赤字となってございまして、特別会計の赤字を一般会計で補てんしたとすれば、約 173億円の赤字そのものが財政再建団体への転落ラインを超えることとなります。 議員御指摘のように、普通会計の赤字が標準財政規模の20%を超えた場合、これを和歌山市に当てはめますと、平成14年度決算では、約 154億円の赤字になった場合に財政再建団体となります。 現在、普通会計は黒字を維持しておりますが、下水道事業、土地造成事業などの特別会計は独自で赤字を解消できていない財政状況であり、最終的には一般会計で多額の赤字額を補てんしなければならない状況となり、その時点で和歌山市は財政再建団体に陥る危機にあります。 さらに、一般会計の財政状況は歳入の根幹をなす市税収入が年々減少し、歳出においても義務的経費である生活保護費等の各扶助費が大幅に増加し、また、特別会計の繰出金も増加傾向にあり、さらに加えまして、三位一体改革の影響を受けたことなどで、単年度収支の均衡を図ることがますます困難な状況となってございます。 このままでは、本市が財政再建団体に陥るという可能性が高まってくるものと考えてございます。 次に、万が一、財政再建団体になりますと、地方債の許可制限を受けますので、市町村の意思で道路建設とか学校建設の多くの事業ができなくなります。 歳入におきましても、国との協議にもよりますが、固定資産税など市税は現在より高い税率で賦課されることになったり、使用料、手数料においても料金の値上げを含めたより一層の受益者負担の適正化が必要となります。市民負担の増加が著しくなることが想定されます。 歳出におきましても、行政組織の簡素化、給与水準の見直しなどで人件費の削減、市単独事業の原則停止、各種団体ヘ交付する補助金の削減など、市民サービスの著しい低下が想定されるところでございます。 このような事態にならないためにも、健全化計画の目標達成に向けて、より一層努力してまいります。 次に、土地造成事業において、今後償還期限が到来する市債の借りかえのめどがたっているのかという御質問でございます。 土地造成事業特別会計の市債の借りかえにつきましては、特別会計独自の健全化計画の策定と本市の財政健全化計画とリンクした健全化対策の支援が条件となってございます。 したがいまして、平成15年度分につきましては、国・県と協議の上、長期債利子や販売促進事業費等に対しまして、一般会計から健全化支援分として7億円の繰出措置を行い、借りかえが認められたところでございます。 なお、平成16年度以降の市債の借りかえにつきましても、国・県と協議を重ね、その許可が得られるよう一層の努力をしてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 鎌田総務部長。 〔総務部長鎌田純雄君登壇〕 ◎総務部長(鎌田純雄君) 6番片桐議員の御質問にお答えします。 平成17年度から19年度までの退職予定者数と退職金総額についての御質問でございますが、退職予定者数は、平成17年度94人、18年度 154人、19年度 213人となり、平成19年度に退職者のピークを迎えることになってございます。 また、予想される退職金総額は、平成17年度は約26億 1,600万円、18年度は約42億 8,500万円、19年度は約59億 2,700万円の合計 128億 2,800万円となってございます。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 6番。 〔6番片桐章浩君登壇〕(拍手) ◆6番(片桐章浩君) それでは、御答弁いただきましたので、再質問に入らせていただきたいと思います。 貴志川線単体の収支に関する数値を示していただきました。これが非常に厳しい数値であり、存続の署名や乗客数増、こういったアイデア提案に加えて、相当覚悟した取り組みが必要であると認識していただけると思います。 南海電鉄のことを悪く言うつもりは全くありません。民間企業は市場原理で動いていますから、行政が存続を要望するだけでは何も進展しないことを理解する必要があると思います。 さて、ここからスピードの話に入っていきますが、まず、対策協議会、これが講じているアンケート調査、これは評価できると思いますが、調査時期がいかにも不適切です。2月12日、それから27日、既に高校3年生は入試のため電車を利用していない生徒が非常に多いです。実際、高校とかに私も聞き取り調査に行ったんですが、この時期3年生の教室ではもうがらんとしておりました。これでは本来の利用実態が明らかにならないと思います。加えて、新1年生、それから新しくできる県立向陽中学校、こういった生徒たちの利用状況が確認されておりませんが、こういったデータこそ必要ではないでしょうか。 ペーパーでアンケートをとるだけだったら、4月に入ってから、または沿線の学校に協力を依頼したら、生徒にアンケート協力、これはしていただけるはずです。 高校でも生徒による署名活動が行われ、2月末市役所に署名が提出されているはずです。 高等学校ではパソコンを授業に取り入れておりまして、ここにアンケートを送信して、生徒に回答を入力してもらう、これは極めて簡単で有効な意識調査になると思います。 ある学校の校長先生にお話したところ、協力依頼があれば考えると、このように言ってくれています。 貴志川線を欲しているであろうと思われる交通弱者である高校生の意向を調査する気があるのかないのか、まず回答をお願いしたいと思います。 それよりも問題なのは、このアンケート調査が2月、結果が出るのが4月末、これではいかにもスピード感に欠けます。行政も効率化のためIT化をうたい文句にしていますが、かけ声だけで使い方を知らないのではないかとさえ思えるような調査方法です。 私の属しているある会では、貴志川線廃線問題が表面化してからすぐに、会員向けのアンケート調査項目を作成し、インターネットを通じたアンケート調査を行っています。行政が対策協議会を設立したときには、既にアンケート結果が集約され、会員に伝えられています。 行政でもだれかがリーダーとなり、アンケートをまとめ上げ、ITを活用すればもっと早く利用者の意向がわかり、スピーディーに南海電鉄と協議に入れるはずです。物事が起きてから対応するのにスピードがないことが事態を進展させない原因だと思います。 参考までに、アンケートでは廃止すべきと考えた方がゼロ、これは沿線の方以外に市内全域です。できれば補助金か第三セクターで維持すべきだと回答しています。仮に廃線になった場合、代替手段はだれが考えるのかとう問いかけに関しては、行政と地域住民が一緒になって考えるという回答が多く、それ以外にも代替意見は数多く出されています。 地方自治体は住民自治の考え方が根底にあります。公共交通も私たちの問題としてとらえていかなければならなりません。 次に、対策協議会の今後の活動方針がやや不明確だと思います。今から活動方針をしっかり立てておかなければ、活動にならないのではないでしょうか。 行政が存続の方向性を考えているなら、まず、貴志川線は年間 200万人が利用する通勤、通学、高齢者にとって不可欠な公共交通であると認識しておくことが必要です。 先週、毎日のように、私の卒業した高校のOBさんから問い合わせとかたくさんありまして、非常に熱心に署名活動とかOB会としてできないかという呼びかけも含めて、働きかけてくれているということで非常にありがたく思っているところです。 それと市長が計画している元気な中高年対策、教育のパワーアップ、これを進めようとしている中で、和歌山市都市圏の将来展望をしたときに、鉄道は必要不可欠なはずです。 採算性の議論にとらわれることなく、地方鉄道は地域全体の社会的インフラとして重要であり、和歌山市の経済圏においては、都市の装置として活用すべきものだと思います。 その視点に立って、利用者増加に向けて具体的な取り組みを地域や学校、関係団体に提案していく必要があろうかと思います。 利用者増の取り組み、幾つか提言させていただきたいと思いますが、簡単なところでは、さきに市長が答弁で述べられましたように、職員の利用拡大、加えて幼稚園、小・中学校での遠足の利用、キャンプやボーイスカウト活動での利用呼びかけ、こういったものがあります。 それよりも積極的な誘致対策といたしましては、百貨店や商店とタイアップした昼間時間帯利用者へのお買い物券、お買い物回数券、あるいは一定額以上の買い物客に乗車券を進呈する対策があります。これは既に、愛媛県の「いよてつ高島屋」と伊予鉄道がタイアップして実施しております。 ほかに特徴的なものといたしましては、貴志川の屋形船、螢狩り、イチゴ狩り、こういったものとのタイアップ商品の設定、沿線児童や小学校生徒の絵画作品を車内、あるいは駅に展示する車内ギャラリーも考えられます。 市長が要望する予定のサイクリング自転車の車内乗り入れ、これ非常にいいと思うんですが、南海電鉄の職員提案制度では既に提言、検討され、却下されています。ただ、非常にいい内容なので、強く要望していただけたらというふうに思います。 ほかに持参式定期券、環境定期券、シルバー定期券、鉄道マニア向けの行事としては鉄道用品や記念乗車券販売、こういったものが挙げられます。 子供に親しまれるキャラクターラッピング電車、全国ではドラえもん電車、アンパンマン電車、パンダ電車、これが走り、人気を博しています。 ほかにもいろいろあるんですけれども、鉄道に知識のある方とか関係者の方、こういった方と少し話し合いをするだけでもたくさんの情報とアイデアがこのように沸いてこようかと思います。 対策協議会では利用促進のためのアイデアは出されているのでしょうか。設置されてから2カ月経過しております。署名と同時に利用促進の可能性がある案を出していくことが大切だと思いますので、現時点の利用促進案を示してください。 続いて、南海貴志川線単体、これの経営実態について、余り把握をしにくいような気がいたします。ただ、実態がわからないと対策を講じることはできません。 営業費用は7億 8,800万円、営業収入は3億 2,300万円、差し引き約5億円の経常損益です。営業費用のうち人件費は4億 5,600万円を要している点が注目です。要員が42名ですから、1人当たり年間 1,000万円、民間企業のことですから、口を余り挟むべきものではありませんが、ただ、人件費改善の余地はここにあろうかと思います。 内訳をお示ししていただいたとおり、人件費のほかにも減価償却費と修繕費の割合、これが高いんですよね。営業収入が3億円程度の会社でこれぐらいの比率というのはちょっと高いかなといかにも思うんですが、これはほかの同規模の鉄道と比率を比較することで健全さがわかりますので、ぜひ比較調査をしていただきたいと思います。 地方鉄道を鉄道以外の会社が引き受けて運営している例もあります。今、公表している収支だと引き受ける会社もあらわれませんし、公的資金の支出もこれだけでは難しいというふうに思います。 また、路線廃止の要否を決定する重要な要素である輸送密度。これ貴志川線では 3,127です。ローカル線の輸送密度の低いワースト20位でも、先ほどお答えいただきましたとおり、輸送密度は 793ですから、専門家に聞きますと、通常なら 3,127も輸送密度があれば、廃線問題は浮き上がることのないレベルです。参考までに、JR西日本、ここが廃線対象としている輸送密度は 800です。 800あれば検討にも上がってこない、こういうことです。 貴志川線ほどの輸送密度で廃線になった事例は全国になく、廃線対象にはなり得ない路線であることがわかります。 対策協議会で結論をどう出そうとしているのかわかりませんが、南海電鉄に対して、貴志川線単体の収支に関する情報公開を求めるべきです。財務体質を明らかにした上でないと、第三セクターや補助金の話にもならないと思います。 一度地方鉄道を研究しているコンサルなどに話を持ちかけて、地方自治体地方鉄道の今後のかかわりを研究してから、南海電鉄に意見提起をするべきだと思います。 数値を把握していない、経営実態もよくわからないでは署名をもって存続の交渉をしても話にはならないと思います。 今回示した対策案を対策協議会で議論していただくと同時に、南海電鉄から市民に対して情報開示を求めてほしいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 続いて、行財政改革ですが、既に今回の三位一体で、全国の市長会は、平成17年度には財政が破綻危機に陥る自治体が数多く出るとして地方交付税の機能強化を求める緊急要望をここではまとめています。 ただ、この要望に対して財務省の見解としましては、地方財政の合理化はまだまだ不十分、こういう見解を示しておりまして、国と地方では見解の食い違いを示しています。どちらが果たして正しいのか、私たちにはよくわかりません。 市長は、国の言い分と地方財政の現状を比較して、どうとらえているのでしょうか。まずはお答えいただけたらと思います。 次に、答弁いただきましたように、政府方針が固まらない中、財政の収支見通しが立てにくい状況にあることはある程度理解できます。そうなると、中期計画との兼ね合いが問題になってきます。 財政面の裏づけがつかないと、市長がせっかく進めようとしているまちづくりの計画、これすら進めることができません。つまり、財政の担保のない計画は机上でつくられたものにすぎなくなるからです。 平成14年から17年度まで、和歌山市の行政改革、こういった冊子が策定されています。しかし、財政問題が不確定で、1年先の見通しも出せない中、この計画の正当性を検証できないままです。 中期計画を必要とするのであれば、市の人口、高齢化、それから歳入不足、こういったものを見込んだ上で策定し直す必要があると思いますが、市長の考え方をお聞かせいただけたらと思います。 歳入の見込み値が確定できない中で、この中期計画はどのような位置づけになっているのかよくわかりません。 しかし、この行政改革報告書によると、この数字、ちょっと示したいと思いますが、行政改革による削減効果が約43億円、これだけ見込んでおります。内訳を見ると、そのうち約34億円、これが長期計画分となっているんです。平成17年度までの計画なんですが、34億円が長期計画分。つまり、この方針に沿って行政改革を進めたとしても、平成17年度までの削減見込み額がわずか9億円ということになります。 長期計画分で削減効果が見込まれるものの大半が人件費、ほかの重要項目の外郭団体の健全化などがこの長期分に含まれていますが、今の速度では改革の実現性は疑問視されます。 外郭団体の健全化についての記述は、経営の健全化を図るとともに、外郭団体職員の意識改革及び能力開発により効果的な活用を図る、この一文です。さて、外郭団体をどうするのか不明な点が残ります。 本気で改革を進めようとするなら、期限を見込まない、長期には分類しないはずです。平成17年度までの計画なのに、その期限までに見直しを含めない、長期を含めている理由が不明です。この点についてお答えいただけたらと思います。 行政改革というのは大きなところから、難しいところからまず始めるから改革といえます。それを先送りしていれば、行政改善にすぎません。ですから、行政改革は困難でも効果の大きい市役所内部からまず取りかかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 それから、平成19年度には約60億円の支払いが生じる退職金の問題です。 退職金のピークが団塊の世代の退職の時期に発生することは予想できていたにもかかわらず、基金などの形で準備できなかった理由はわかります。退職金よりもまず市民サービスを優先させるべきだという意見もあり、市内外の理解を得るのは非常に難しい問題だからです。 ただ、将来の財源構造健全化のためには、金額の予想が容易な退職金の支出を平準化することが大切です。そのために退職手当債、これを活用したらいかがでしょうか。退職手当の特例を認めている退職手当債の性格からも財源確保の手段として、単なる赤字債とは区別されていますから、検討に値すると思います。 これを使うに当たったら、情報開示が求められますが、年度ごとの退職者数、新規採用者数、退職金額、財源の情報公開をすることで人員削減努力がわかり、財源を示すことで必要な退職金について理解が得られると思います。 ある年度の退職金の突出を防ぎ、退職金への理解を求めるためにも退職手当債を活用することも有効かと思いますので、見解を示していただけたらと思います。 加えて、この行政改革の計画では、財政問題の大きな課題である土地造成事業や下水道事業に言及されていません。仮に中期計画を計画どおりに遂行できたとしても、これらの課題を解決できなければ、何十億円単位の借金が表面化し、財政再建団体に転落するのではないでしょうか。 問題解決にはパレートの法則を当てはめ、大きな原因から取り除く必要があります。市長の方針ともいえるこの計画で大きな要因に触れずに行政改革をする方針なのでしょうか。 この計画についての説明と収支不足が予想される中での見直しの意思はあるのかどうか、この件については総括してお答えいただければありがたいかなというふうに思います。 以上で再質問を終わります。(拍手) ○議長(佐伯誠章君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 6番片桐議員の再質問にお答えいたします。 行財政改革について2点でございます。 市長は国の言い分と地方財政の現状をどうとらえているのかということでございますが、今回の国の三位一体改革に基づく平成16年度の地方財政計画は、地方自治体の財政に大きな影響を与えておりまして、各自治体の予算編成においては、過大な収入不足を招くなど極めて重大な事態になっております。 例えば、国庫補助負担金の一部廃止に伴う一般財源化については、所得譲与税の創設により、基幹税である所得税を地方に移す筋道がつけられたという点においては一定の評価をするものでございますけれども、これはあくまでも暫定的な措置にすぎず、本格的な税源移譲の具体的内容は先送りされている現状におきましては、真の税源移譲となっていないと思っております。 また、国の法令等による基準も緩和されておらず、地方の自己決定、自己責任のもとにサービス水準の決定ができないなど地方分権改革が目指す税源移譲と権限移譲が一体的に実現されておりません。 特に、今回の地方交付税、臨時財政対策債の急激な削減は、歳出の削減に努力をしている地方自治体にとって最後の財源ともいうべき基金の取り崩しによって対応せざるを得ない状況ということになるわけでございます。 このように、平成16年度の地方財政計画は総体的には地方自治体が納得できるような対応とはなっていないというふうに思っております。 代表質問の答弁で、このようなことが続けば、大半は赤字再建団体に転落してしまう、国は地方団体を赤字再建団体へ追い詰め、国の管理、指導のもとで地方財政の健全化を図ろうとしているのではないかと、そういう新潟県の平山知事の発言を取り上げましたが、私も同様に思っておりまして、こうした意見を強く主張してまいりたいと考えてございます。 次に、現在の平成17年度までの和歌山市の行政改革計画を、市の人口減とか高齢化の進展とか歳入不足、そういったものを見込んだものとして、策定し直す必要があるのではないかという御質問でございます。 今後の本市の歳入は、今も申し上げましたように、国の地方財政計画に伴い左右される側面を持っておりまして、地方の歳入見込みが不透明であり、本市としても多くの財源不足が生じることが予想されます。 しかしながら、近年の急激な社会情勢の変化は広範な行政需要と行政課題を生じさせておりまして、財源不足が見込まれる中、これらさまざまな課題に対応した施策を進めるに当たり、住民との対話を図りながら知恵を出し合って、効率的な行政運営を行っていかなければならないと考えております。 こうした状況の中、本年度では委託料の見直し、縮小、事務事業評価の手法を用いた外部評価制度の導入により、例えば、リサイクルプラザ建設事業の費用対効果等を検証するなど財源を見据えた実効の上がる事業の選択、また、行政改革の重点改革項目である滞納、収納率向上対策に係る予算措置を行い、さらに、定員適正化計画による人員削減を行ったところでございます。また、既存の事務事業につきましても、抜本見直しをしてまいりたいと存じます。 こうした行財政改革によって生み出された財源により、今後は有効でかつ効果的な事業の推進を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 的場企画部長。 〔企画部長的場俊夫君登壇〕
    ◎企画部長(的場俊夫君) 6番片桐議員の再質問にお答えいたします。 南海貴志川線について3点御質問がございました。1点目が貴志川線を利用している高校生の意向を調査する気があるのか。2点目が現時点の利用促進案について。3点目が南海電鉄の市民に対しての情報開示についての御質問でございます。 利用者の意向調査につきましては、南海貴志川線対策協議会で2月12日と2月27日、アンケート調査を実施いたしました。 特に2月27日は市内の高等学校で登校日であることを確認し、1年生から3年生の全学年の高校生を対象に、午前7時から11時まで実施してございます。 次に、現時点での利用促進策といたしましては、サイクル・アンド・ライド、キス・アンド・ライドの推進を考えています。また、電車内に自転車を持ち込むことができるサイクルトレインの導入や議員御提案のお買い物回数券、環境定期券、シルバー定期券等の利用促進案についても、南海電気鉄道株式会社に対して働きかけてまいりたいと考えております。 次に、市民に対しての情報開示についてでございますが、協議会を通じて、今後必要な決算書類等の提供及び説明について、南海電気鉄道株式会社に要請してまいりたいと考えてございます。 次に、行財政改革に関して、外郭団体の記述に、経営の健全化を図るとともに外郭団体職員の意識改革及び能力開発により、効果的な活用を図るとあるがどうするのか不明である。また、本気で改革するなら、期限を見込まない長期には分類しないはずである。長期に含めた理由が不明であるという御質問でございます。 外郭団体の経営健全化を含めた行政改革の重点項目につきましては、多くの課題点、問題点が残されております。 しかしながら、これらの問題点解決のためには強い姿勢で取り組んでいくことが今の行政に求められています。このことから、現在重点項目の実施に当たっては、行政を取り巻く厳しい情勢についての認識とこれらの状況に対応するための意識改革に向けた取り組みを行っていかなければならないと考えております。 また、外郭団体につきましては、指定管理者制度が導入されることに伴い、運営基盤としての業務の確保に早急な取り組みが求められています。 議員御指摘のとおり、外郭団体を含めた行政改革の中でも、特に重点項目につきましては、計画的に取り組む必要があるため、現在、各担当部署において計画年度を示し、具体的な方策を伴った実施計画を作成しているところでございます。 これらの計画に基づきまして、今後徹底した進行管理を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 奥野財政部長。 〔財政部長奥野久直君登壇〕 ◎財政部長(奥野久直君) 6番片桐議員の再質問にお答えいたします。 退職手当の財源確保の手段として、退職手当債を活用してはどうかという御質問でございます。 退職手当債につきましては、議員御指摘の団塊の世代の定年による退職者の退職手当はその対象となっていないところでございます。 しかしながら、職員の定数条例の改正等によって定数の削減が確実に見込まれる場合や整理退職者等を募ることによる退職者に対しての退職手当につきましては、退職手当債の対象となってございますので、担当部局と協議してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 6番。 〔6番片桐章浩君登壇〕(拍手) ◆6番(片桐章浩君) お答えありがとうございます。 そしたら、再々質問なんですが、行財政改革については、今、外郭団体を含めた長期的課題について、強い姿勢で各部局が計画年度を示し、具体的方策を伴った実施計画を策定し、進行管理すると答弁をいただきましたので、貴志川線問題について1点質問させていただけたらと思います。 この問題を調査している中で、公共鉄道のすぐれた点をたくさん発見できました。貴志川線が地域に必要な理由は幾つかあります。 1つ目、交通弱者の利用が多いことです。 沿線には学校が多くあることから、学生の利用が多いことに加え、高齢者にとっては中心地へ出るための手段は貴志川線となっています。 本年度から沿線に向陽中学が開学しますし、学区制がなくなっていることから、地域を越えて学生の利用があります。 和歌山市から貴志川町にかけての教育は貴志川線を前提に成り立っています。貴志川線が廃線となれば、市全体の教育見直しの必要に迫られる問題にもなります。 特に、工業、商業教育を受ける手段を奪われることになります。和歌山市の産業、経済を支える人材育成の機会が失われ、将来においても経済の地盤沈下につながる要因となります。人材育成という社会的使命を踏まえての存続の必要があり、その見地からも検討する必要があります。 2つ目、電車の廃止は環境悪化を招きます。 和歌山市は環境問題に積極的に取り組んでいますから、この視点からも廃線というものは避けたいものです。 3つ目、和歌山市内への通勤手段が車だけとなり、今以上の交通渋滞を招いてしまいます。 また、地域に存在していた鉄道がなくなった場合の影響は4つあります。 1つ、地価が下落すること。これは、鉄道がなくなることで価値減少のほかに、イメージの問題が非常に大きいということです。鉄道がなくなることで地域としての評価が落ち、地価が下がることで固定資産税額が落ち、結果として税収は減少する、こういうことになります。 2つ目として、コミュニティーポイントがなくなることです。これによって地域の活力が奪われてしまいます。このコミュニティーポイントというのは、駅まで歩いている間に人と顔を合わせることで地域交流が図れる、こういうことです。人が回遊しないとにぎわいは保てませんから、鉄道があるとないとでは地域のにぎわいは大きく異なってきます。 3つ目、駅前にある店舗が衰退します。 4つ目、産業誘致に支障を来します。鉄道が撤退するような市に企業は進出しません。立地条件もさることながら、地域として価値がないと判断されるからです。 このように、鉄道廃線は沿線だけの問題ではなく、和歌山市全体としての問題にもなり得ます。 百貨店や歴史ある社会人野球のグラウンドなどがなくなり、和歌山市の活気は失われつつあります。これ以上地域に根づいているものがなくなれば、何事も仕方がないというあきらめの雰囲気さえ出てきます。 人にとって怖いのはあきらめの気持ちを持つことです。町に活気を取り戻すより以前の問題になりかねません。あきらめからやる気へ、この転換を図るためにも貴志川線問題は市を挙げて取り組むべき問題だと思います。 最後に、貴志川線問題を民間の経営感覚で考えると対応策は2つあります。 市長は民間企業出身ですから、民間の経営感覚は持ち合わせてくれているということでおわかりいただけると思いますので、2点提言させていただきます。 1つ目が、市長が何らかの形で運営する自信があれば、南海電鉄から無償で設備を引き取り、運営委託をすることです。ほかの鉄道会社の例ですが、土地だけを売却し、施設と車両を市に無償提供している例があります。 2つ目です。運営する自信がなければどうするか。南海電鉄と協議し、他社への売却交渉をすることです。今の収支だけを見ると、買い手を見つけるのは大変ですが、情報を開示した上で整理すれば、十分可能性はあります。市にとって貴志川線が重要と考えるなら、行政が仲介することで話は進展します。 署名集めや一時的な集客対策ではなく、民間を持ち込んだ改革とはこのようにダイナミックなものだといえます。まちづくりの中で地方鉄道のあり方について、貴志川線存続についての市長の強い意向を最後にお示しいただけたらと思います。 長くなりましたが、以上で一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐伯誠章君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 6番片桐議員の第3問、まちづくりの中での地方鉄道のあり方、そして、それとの絡みで貴志川線対策について市長の考えを述べよということでございます。 長期総合計画等、現在立案されておりますまちづくりに関する諸施策は、既存の鉄道、バスなどの公共交通機関が存続しているということを前提に計画されているものでございます。 市内全域の交通体系の整備を考えていく上で、貴志川線は和歌山市は言うに及ばず、貴志川町等広域のまちづくりを進めるためにもなくてはならない基幹路線であり、特に通勤、通学、通院等にはなくてはならない大変重要な路線であります。したがいまして、存続のためのあらゆる手だてを考えていかなければならないと思います。 御指摘の案でございますけれども、市が乗り出して、第三セクター方式などで運営しても、うまくいくとは、これまでの経験からはちょっと思えないところでございまして、南海がどうしてもやめたいという場合には、議員がおっしゃるように、他社への売却ということも視野に入れて検討しなければならないだろうと思われます。 南海電鉄のホームページを見ておりますと、貴志川線についてはおざなりのダイヤ情報があるだけで、沿線情報も何も掲載されておりません。見捨てられているような、非常に寂しい思いをいたしました。 私の知る限り、先ほど再質問のときに議員が御提案されたような誘客対策として辛うじて当てはまるのは、イチゴ狩りと車内での紙芝居を組み合わせた、年1回のイチゴ狩り紙芝居列車イベントと、それから、和歌山駅の中で児童の絵画展をやっているというようなことぐらいかと思いますが、これとても南海がやっているというよりは、貴志川線に愛着を感じる社員の方々や沿線住民の努力でございまして、何とか廃線を阻止しようと頑張っておられる、そういう住民の方々、社員の方々の姿には頼もしい思いもしておりますけども、これを南海本体の取り組みだというものとはほど遠い印象を受けております。 貴志川線の運転士さんが個人でホームページを立ち上げて、その中で貴志川線を何とか守り立てようとイチゴ狩り列車や蛍鑑賞、三社参り、花火大会などの紹介をしておられます。 こういう努力を無にすることなく頑張っていかなければならないと思うわけでございます。 輸送密度が現在でも 3,127人もあるにもかかわらず、議員御指摘のような要員数とか人件費についての経営努力、集客増の取り組みを余りせず、赤字だからの一点張りで廃線しか頭にないような南海電鉄の姿勢には大変がっかりしているところでございます。 御指摘のような実態を南海側にもっともっと突きつけて、まともな経営努力をするように求め、年間 200万人の人々が利用し、交通弱者にとってなくてはならない路線である南海貴志川線を何が何でも守っていく姿勢で今後もこの問題に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) しばらく休憩します。          午前11時19分休憩   -------------          午後1時11分再開 ○副議長(東内敏幸君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 南畑幸代君。--29番。 〔29番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆29番(南畑幸代君) 議長のお許しを得ましたので、一般質問をさせていただきます。 介護保険制度が発足して4年がたとうとしています。介護の社会化や在宅重視、サービスの自由な選択などをうたって始まった介護保険ですが、介護保険法の要介護となっても自立した日常生活を営むことができるという目的は果たして実現されているでしょうか。 国や厚生労働省は制度の実施以来一貫して、順調に推移していると繰り返していますが、その認識とは裏腹にさまざまな矛盾が噴出し続けています。 昨年4月から、65歳以上の介護保険料が21%引き上げられました。利用料の低所得者の減額が3%から6%に引き上げられたことで、低所得者は必要なサービスもますます切り詰めざるを得ない現状となっています。 利用料の負担が大変でサービスを減らした、もう限界、介護で疲れ果てている、施設に入所したいがどれだけ待てばよいのかわからないなど、利用者、家族の方々の苦悩は後を絶ちません。 市長はこの2月議会の施政方針の中で、急速に進む高齢化社会と少子化の流れは国の予測を超えたものであり、その対応については、国と地方自治体がともに解決していかなければならない大きな課題である。高齢者、障害者の福祉の充実のためには施設の整備とともに家族や地域の人々とかかわりを持ちながら、生きがいのある生活が送れるような条件整備が必要であると言われました。 その方針に基づき、介護を必要とされる方々が安心して介護が受けられ、和歌山に住んでいてよかったと思ってもらえるような施策の充実に真正面から取り組んでいっていただきたいと思います。 昨年から、第2期和歌山市高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画での事業が進められていますが、今年度の時点でその計画がどう進んだのか、現状について以下の点をお聞きしたいと思います。 まず初めに、福祉施設サービスの今年度の計画の進捗状況についてお答えください。 また、国の2004年度の予算で社会福祉整備費を削減する方針が出されています。これは特別養護老人ホームの建設補助金をカットするもので、建設単価を新規事業の 3.5%引き下げた上でその3分の1をカットするというものです。 このために、予定していた整備ができなくなる事態の自治体も出てきており、自治体から予算確保の要望が出たりしているそうです。本市での影響はどうでしょうか。お尋ねします。 次に、特別養護老人ホームの待機者の状況はどうなっているのでしょうか。また、県の指針で入所検討委員会での入所基準はどのようなものかお聞かせください。 次に、特別養護老人ホームへの入所は介護度は緊急性を優先して入所できるようになったと聞いていますが、以前と比較してどのように変わったのか。 次に、特別養護老人ホームの入所を希望しながら在宅で過ごしている人はどのようなサービスの利用状況にあるのか。また、夜間のヘルパーの利用状況はどうなっているのかお答えください。 次に、認定を受けた人でサービスを利用していない人の割合はどうか。また、サービスの低所得者対策はどうなっているのか。 次に、市の認定の申し込みについて、もっと早くできないのかという声があるが、どれくらいの期間を要しているのか。調査員の体制はどのようになっているのかお答えください。 次に、利用者が事業所を変更したい場合、この居宅サービス計画作成依頼変更届書をダウンロード及び指定居宅介護支援事業所に配布できないのでしょうか。 次に、住宅改修の利用状況はどうなっているのでしょうか。償還払いとなっている現状を委任払いにすることはできないのでしょうか。 次に、いわゆる介護タクシーの問題です。 介護保険の見直しにより、昨年4月から介護タクシーサービスは要支援の人が使えないことになりました。しかし、実際には要支援の方々の利用が多く、改善してほしいという訴えが切実です。 自治体によっては、高齢者生活支援事業の一つとして、この送迎サービス事業を実施しているところがあります。 本市で要支援と認定されている方は 2,716人、これは平成15年10月の調査です。通院はタクシーでないと困る、ほかのことははってでもするが、病院へ行くことは他に置きかえられないと痛切におっしゃる方もいます。 介護保険の見直しで苦情が出ている、この通院送迎サービスへの何らかの市の支援策を講じるお考えはないのかお答えください。 次に、ひとり暮らしの高齢者などへの見守りや支援の問題です。本市平成15年度版の統計資料によりますと、14年7月1日現在で、ひとり暮らしの高齢者は1万 1,885人です。そのうち、体が弱いと答えた方は 2,768人、非常に弱いと答えた方は 457人となっています。 第2期和歌山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の第3章「いきいきと楽しく、安心して過ごせるまち」の項で、「1.地域福祉の推進」として、「高齢者の身近な地域におけるケア体制の構築」という見出しがあり、在宅介護支援センターを中心とした「ケア体制を構築し、高齢者の日常的見守りや介護関連の支援等の活動を促進します。」とあります。 統計資料にあらわれているひとり暮らしの高齢者の方やそれに近い状態の人、特に体の弱い方々への日常的な見守り支援は具体的にどのようになっているのか。また、市として取り組み状況はどうかお聞かせください。 介護保険制度の適用を受けていない高齢者への在宅福祉サービスとして、国の介護予防生きがい活動支援事業があるが、本市ではそれを活用した事業を行っているのでしょうかお答えください。 次に、北東部への公共施設の設置についてです。 先日の先輩議員の代表質問の中で、開発公社の保有する直川の未利用地の活用についての質問があり、市長から御答弁がありましたので、重複いたしますが、私からも再度質問させていただきたいと思います。 市長は、ことし1月16日の記者会見の中で、まちづくりは中心市街地だけでなく、郊外の活性化についても留意しなければなりません、と述べられたその後に、市の大きな懸案事項として、開発公社が保有している直川地区の活用があります。和歌山市北東部の広大な土地を長年未利用のまま放置してきた経過がありますので、これについてもまちづくり推進室が中心となって、早急に活用プランを練り、複合施設、公園等を含む活用策について具体化をしてまいりたいと考えています、このように述べられました。 これは今まで、私だけでなく先輩議員の方々が何度も何度も質問されてきた直川の未利用地の活用について、このようにおっしゃってくれたことは地元の方々にとっては非常にうれしいことだと思います。 和歌山市の中にあって、市の公共施設設置の施策からは遠く離れた、地続きの離れ小島ともいえる地域ですから、大いに期待を寄せているところです。 この北東部への、スポーツ広場等を含む公共施設の設置の計画の見通しについてお聞かせください。 以上、よろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(東内敏幸君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 29番南畑議員の質問にお答えいたします。 北東部、特に直川の未利用地への公共施設設置計画の見通しについてという御質問でございます。 先日の代表質問でもお答えいたしましたが、直川用地の活用につきましては、公共施設の計画案としてコミュニティセンター、スポーツ施設、公園、それからまた、阪和自動車道と西脇山口線を結ぶランプウエーの建設などが考えられますが、財政状況等さまざまな角度からの検討が必要でございます。 議員御質問の公共施設設置の計画の見通しにつきましては、今後こういう課題を踏まえて計画策定に取り組んでいく所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(東内敏幸君) 中岡福祉保健部長。 〔福祉保健部長中岡安美君登壇〕 ◎福祉保健部長(中岡安美君) 29番南畑議員の御質問にお答えします。 介護施設と介護保険について11点ございます。 第1点目、第2期和歌山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画で施設サービスの増床計画に対して、今年度末進捗状況はどうか。また、国は2004年度で社会福祉施設整備費、特別養護老人ホーム補助金が削減するとの方針が出されているが、その影響はどうかとの御質問でございます。 特別養護老人ホームの増床につきましては、第2期和歌山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画におきまして、平成19年度末を目標に計画的に整備を進めているところでございます。 今年度末進捗状況でございますが、計画数 1,155床に対し、稼動しているベッド数は 1,111床でございます。現在建設中の60床を合わせると、計 1,170床となります。 また、平成16年度における特別養護老人ホームの整備に対する国庫補助金につきましては、現時点で国の予算等が確定されておりませんが、本市といたしましても、来年度以降につきましても、策定しました第2期和歌山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、特別養護老人ホームのベッド数の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 第2点目ですが、特別養護老人ホームの待機者状況はどうなっているのか。また、県の指針で入所検討委員会での入所基準はどのようなものかとの御質問でございます。 特別養護老人ホームの入所待機者の状況でございますが、16施設で入所定員は 1,111名です。 平成16年度末現在 2,032名の待機者がございます。また、入所基準でございますが、要介護度、痴呆の程度、介護者の有無、在宅サービスの利用率等を評価し、入所の必要性の高い申込者が優先的に入所するようになってございます。 第3点目ですけど、介護または緊急性を優先して入所できるようになったが、以前と比較してどのように変化したのかとの御質問でございます。 平成15年3月末現在、施設入所者の状況でございますが、要介護1から要介護3は入所者全体の48.4%、要介護4から要介護5は51.6%でございます。 その後、平成15年4月に入所指針が施行され、平成15年12月の入所者の状況でございますが、要介護1から要介護3は入所者全体の27.6%、要介護4から要介護5は72.4%となってございます。 このように入所の必要性の高い方から入所がふえているところでございます。 第4点目でございますが、特別養護老人ホームの入所を希望しながら在宅で過ごしている人はどのような利用状況にあるのか。また、夜間のヘルパーの利用状況はどうなっているのかとの御質問でございますが、特別養護老人ホームの待機者状況は主に老人保健施設への入所、療養病床か病院への入院でございます。 在宅で待機している人は身体の状況、家族の状況によってショートステイ、デイサービス、ホームヘルプ等の在宅サービスを受けている状況でございます。 夜間のヘルパーを利用している人は、要介護5の人、独居の人、寝たきりの人、痴呆の人等で身体状況及び家族の状況等で主に排せつ、おむつ交換、服薬確認等でございます。 第5点目ですけども、認定を受けた人でサービスを利用していない人の割合はどうか。また、在宅サービスの低所得者対策はどうなっているのかとの御質問でございます。 平成15年12月末現在、認定者数は1万5,709人でございます。サービスの受給者は在宅サービス受給者で1万 125人、施設サービス受給者で 2,359人です。合わせて1万 2,484人でございます。 したがいまして、サービスを利用していない人は 3,225人で、割合では20.5%でございます。 在宅サービスの低所得者対策としましては、低所得の高齢者を対象に利用者負担の激変緩和の観点から経過措置を講じてございます。 訪問介護を利用する高齢者の自己負担額は、昨年6月までで10%から3%へ軽減してございまして、昨年7月から6%の軽減となってございます。 また、訪問介護を利用している低所得の障害者については、自己負担額は引き続いて10%から3%への軽減となってございます。 第6点目でございますが、認定の申し込みから決定までどのくらいを要しているのか。また、調査員の体制はどのようになっているのかとの御質問でございますが、介護認定申請書を受理してから訪問調査の完了や主治医の意見書が整えば第1次判定を行います。この後、介護認定審査会において審査を依頼し、第2次判定が実施されることになってございます。 申請から決定までの状況は30日では 8.6%、31日から40日までは80.1%、41日から50日までは8%でございます。 30日以内に処理できない主な要因といたしましては、申請者が受診されていないことや病状が急性期等の場合には主治医の意見書が記載できる状況になるまで日時を要し、主治医意見書の提出が遅延する場合等がありますが、できるだけ早く決定できるよう努めてまいりたいと考えてございます。 調査員は、現在、非常勤職員24人で1日3件の調査を行い、申請件数の 54.64%の調査を行ってございます。また、市外、県外の調査や急を要する場合には正規職員が対応してございます。 今後とも個々の状況をお聞きしながら、公正、公平な調査に努めてまいりたいと考えてございます。 第7点目ですけども、居宅サービス計画作成依頼変更届出書をダウンロード及び指定居宅介護支援事業所に配布してはどうかとの御質問でございますが、居宅サービス計画作成依頼変更届出書につきましては、本人、家族、またはその依頼を受けた指定居宅介護支援者からの申請に基づき、介護保険課の窓口、または郵送で交付してございます。 しかしながら、同じ利用者から同じ月に重複し、別々の指定居宅支援事業者から変更届出書が提出されることがございます。このようなことが起こらないように、指定居宅介護支援事業所を指導育成の上、居宅一時サービス計画作成変更届出書のダウンロード及び指定居宅介護支援事業所への配布について、利用者の保護と利便性を考慮しながら検討してまいりたいと考えてございます。 第8点目ですが、住宅改修の利用状況はどのようになっているのか。また、償還払いとなっている現状を委任払いにすることはできないのかとの御質問でございます。 住宅改修資金の平成14年度1カ月の平均利用件数は 153件で、平成15年度2月までの1カ月の平均利用件数は 177件の利用状況で15.7%の増加となってございます。 償還払いは低所得の方にとって、一時的に10割を支払うことは経済的に大きな負担になることも相談を受けることがございます。低所得の方を対象に受領委任払いの方法についても視野に入れて、今後研究、検討を重ねてまいりたいと考えてございます。 第9点目でございますが、いわゆる介護タクシーを要支援の人は利用できなくなっているが、国の補助がある外出支援サービスの事業の中で和歌山市でも実施できないかとの御質問でございます。 今年度から、いわゆる介護タクシーの適正化を図るために、介護保険の訪問看護の報酬の中に、通所等のための乗車、または降車の介護が中心である場合が新設されました。 しかし、その利用は、要介護1から要介護5と認定された方が対象であり、要支援の方は利用できません。 議員御指摘の、国の補助事業である外出支援サービス事業につきましては、対象がリフト付車両及びストレッチャー装備ワゴン車等を利用しなければならない、一般の交通機関を利用できない方であり、介護保険の要支援の認定を受けておられる方の外出支援となりにくいと考えてございます。今後もそれらの方々の外出支援につきましては、研究検討して考えたいと思います。 第10点目ですけど、在宅介護支援センターを中心としたケア体制の構築について具体的にどのように行われているのか。また、市として取り組みはどのようになっているのかとの御質問でございますが、市内25カ所に設置している地域型在宅介護支援センターを中心に高齢者、その家族を対象に総合相談体制の充実を図ってございます。 平成15年4月から平成16年1月までの相談件数は地域型介護支援センターで1万 213件、基幹型在宅介護支援センターで 862件でございます。相談内容は主に在宅福祉相談、介護相談、介護用具等でございます。 また、地域に根差した福祉の拠点機関として、介護予防教室等の開催や民生委員、自治会の方々など介護サービス機関及び各関係機関と連携をし、地域の高齢者の見守りネットワークづくりを進めているところでございます。 基幹型在宅介護支援センターにおきましては、保健、医療、福祉の関係機関と連携を進め、地域型在宅介護支援センターの総括、支援において各支援センターと協議、連携を図りながら、地域ケアの構築に向けて努力してまいりたいと考えてございます。 最後ですけども、介護保険制度の適用を受けていない高齢者の在宅福祉のサービスとして、国の介護予防、生きがい活動支援事業があるが、本市ではそれを活用した事業を行っているのかとの御質問でございます。 現在、市では在宅の介護保険の給付対象外となる高齢者の方に対するサービスとして、生活管理指導員派遣事業を国の補助を適用しながら実施しております。 平成14年度におきましては、計 1,736回の派遣を実施いたしております。実施形態といたしましては、市が直接行うのではなく、社会福祉法人等に委託して行ってございます。 以上でございます。 ○副議長(東内敏幸君) 29番。 〔29番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆29番(南畑幸代君) 御答弁をいただきましたので、再質問させていただきます。 特別養護老人ホームの整備については、平成15年度の目標 1,155床に対し 1,111床で、今、建設中の60床を合わせると 1,171床になるということでした。 しかし、これから先の国の建設費補助削減の方向を推測すると、施設整備計画の再検討や高齢者福祉の施策が、厚生労働省からの2004年度予算で特別養護老人ホームに対する国の補助金を大幅に削減する通知によって、本市の平成16年度の予算の中で整備計画等本市の計画が予定どおり進むのでしょうか。 私は重大な影響を及ぼすのではないかと危惧しておりますが、もし、そのようなことになれば、市として確たる姿勢で、国に対し物申してしかるべきだと思います。この点、強く要望しておきます。 特別養護老人ホームの待機者の方が 2,032人ということでした。入所している人の2倍に上るということです。昨年から変更された入所申請については、入所の必要性の高い申込者を優先的にということで入所基準についてもお聞きしたわけですけれども、重度の方が入所するのがふえているということでした。しかし、まだ待機者は約2倍いるということです。 私の知り合いの中にも、介護できる人が手術をしなければならなくなってしまい、本人が病院で長期の入院を余儀なくされている方がいます。特別養護老人ホームを申し込んでいるんですけれども、病院も長く入院できませんので、他の施設も探しているのですが入れず、退院を迫られて大変つらい思いをしている人がいます。 また、在宅でいる人でも自己負担が多くて、これ以上ヘルパーさんの利用をふやせないという現状の中、善意である事業所の方が無料で毎日30分だけ訪問している例があると聞いています。 それから、この 2,030人の方々が現実にどんなふうに待機中の生活を送られているのか、どんな困難な中に身を置いて、どのような周囲の支えを得ているのか、あるいはどんなあきらめの中での生活なのかをしっかりと把握をし、市として和歌山市民の丸ごとの実態を温かい気持ちでつかみ、何らかの対応を考えていくべきだと思います。 国のなすがままの行政ではなく、心の通った行政を大きく推し進めるのだという気持ちで取り組んでいただきたいと思います。 市はこの待機者の数をどう見ているのか。また、対応について何か考えておられるのかお聞きします。 また、待機者の中にはどうにもならない、場合によっては命にかかわることだってあり得るわけですから、そういう場合に、市として事業所任せにするのではなく、緊急対応できるベッドを確保すべきだと思うが、どうでしょうか。 また、在宅の人が緊急にショートステイが必要になった場合に対応できる、そういう緊急用の施設が要るのではないでしょうか。施設事業者から一定数ベッドを買い上げるなどの形で緊急用として常時確保しておくことが求められると思いますが、いかがでしょうか。 さて、認定の申し込みから決定までの期間についてお尋ねいたしました。 たしか国は1カ月をめどにと言っていると思うんですけれども、30日が 8.6%でした。それ以上31日から40日が80.1%、41日から50日が8%ということです。31日から50日までが圧倒的ということになりますが、認定が早くできるということでは、サービスの量が早く決まり、それだけ早く受けられるということでもあり、また、住宅改修も早くできるということにもなります。 更新の場合でも、介護度が変更になったとき、遅くなれば立てかえ払いなどとなってしまい、苦しい場合もあるということですので、できるだけ早期に決定してほしいと思いますが、どう改善すべきだと思っているのか、お答えください。 次に、在宅支援センターを中心としたケア体制の構築と市の取り組みについてお聞きいたしました。 市内25カ所あるということで、地域の方は少しずつその存在の認識が広がっていると思いますし、相談件数は平成15年4月からことしの1月までで1万 213件ということでした。1カ所平均 408件、月にしますと34件となります。基幹型の在宅支援センターは月にしますと平均71.8件で、地域にある支援センターの2倍となっています。これはやはり、市民の皆さんにとっては一番わかりやすいところと認識されているのではないでしょうか。 そういった意味でも、基幹型という自治体の本領が発揮できるような取り組みの中身を充実してもらいたいと思います。 この基幹型の在宅支援センターが中心となって、介護保険だけでなく福祉制度も含めた対応が必要な方や地域型支援センターで対応できない、処遇困難な人への対応をしていくべきだと思います。 市の機関でないとできないことなので、もっと体制を充実してきちんと役割を果たすべきではないでしょうか。 ある市では、処遇困難な人や介護保険の枠に入らない人への対応や介護保険サービスが必要なのに申し込まない人、申請しない人には市直営のホームヘルパーなりの専門職員を配置し、介護保険の認定に結びつけたりといったきめの細かい活動を行っています。そこは介護保険の始まる前からそういったことが行われていて、今もそれが引き続き行われています。 ぜひ、このような基幹型の在宅支援サービスセンターのサービス体制をつくっていく必要があるのではないでしょうか。 それから、地域に根差した福祉の拠点機関として、現在も地域の在宅支援センター及び基幹型在宅支援センターにおいても、自治会や民生委員さん等連携をとりながら、地域の見守りネットワークを進めているということですが、この体制を積極的に進める専門職員を配置することが必要だと思いますが、そのような位置づけの人はいるのでしょうか。 現在、事業所を変更したい利用者には窓口がなく、事業者が手続をするようになっているということでは、もう少し改善の余地がありそうに思うので、この問題については検討をよろしくお願いしたいと思います。 住宅改修はやはり以前にも取り上げました。低所得の方にとっては、立てかえ払いをするということでは負担に感じる制度になっています。利用者はふえてはいますけれども、この負担が軽くなるように、ぜひとも早期に検討の成果があらわれるよう要望いたします。 それから、いわゆる介護タクシーが要支援の人が利用できなくなったという問題については、市として要支援の人の外出支援についてもぜひ検討して、一日も早く活用ができるようにと要望いたします。 それから、公共施設の問題です。コミュニティセンター、スポーツ施設、公園、ランプウエーなどが計画案として上げられています。どのようなものができるのか、今の時点では全くわからないわけですが、北東部の方々にとって、今までの願いがやっと実現の方向での第一歩を踏み出してもらえたのではと大きな期待を抱いています。 しかし、この計画は今までも何度となく浮かんでは消え、浮かんでは消えしていた経過があります。本腰を入れて、年次計画を立てて取り組んでいってもらいたいと思っているところです。 特に、保健所や図書館を含む複合施設をと願っている方々も多いのですが、12月議会にもお話させていただきましたが、この北東部へ公共施設をと願う、公共施設をつくる会が昨年7月31日に発足をしています。 先日も、3月3日ですけれども、市長に要望書を提出いたしました。議会中でもありましたので、お目にかかれませんでしたが、お話は聞いていただいていますでしょうか。 先日、岩出町の公共施設の調査を、このつくる会がいたしました。まだまだこれから他の自治体との公共施設の比較研究をしていきますけれども、中間的なまとめとして、この比較の内容とつくる会の要望書が提出されています。 御存じのように、この北東部には4万 657人の方が住んでいます。これは昨年の国勢調査で調べています。 山口地域の道一つ隔てた岩出町には約5万 1,000人の方が住んでいます。単純に比較はできないとは思いますが、しかし、公共施設の数やその建物の質、配置されている地域に非常に公平で、計画的かつ利用しやすい、利用する側の利便性を考えたものになっているという点で、私も感動すら覚え、また反対に、岩出町の人口8倍を有する県庁所在地、和歌山市の施設の絶対的少なさと地域公共施設の貧弱さに唖然といたしました。 平成11年に法改正されました社会教育法の第3条には、国及び地方公共団体の任務として、「この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。」としています。 市長は施政方針の中でも、生涯学習によるまちづくりを進めるための生涯学習基本計画を策定すると言われているのですから、ぜひ公平な目でこの生涯学習のセンターなど、空白となっている地域へ公平な目を向けていってほしいと思います。 さて、岩出町と北東部の公共施設の比較なんですけれども、1番目に公民館の比較をしてみますと、岩出町にございますのは、公民館が8カ所です。私ども、公民館と言われましても、非常に北東部の方にとっても、例えば、支所の2階にあるとか地区会館などを指しているというそういう認識なんですけれども、岩出町にある公民館は常に全館に専任の管理職員が配置されていまして、8カ所ございます。日曜日も開館していまして非常に利用しやすい状況になっています。 コミュニティセンターは3カ所です。総合保健福祉センターが1カ所ございます。 それから、図書館ですけれども、北東部には移動図書館ということになっています。岩出町は全部で9館ありまして、今また、根来に新築開館する予定になっていると聞いています。 体育館は、岩出町は体育館と総合体育館がございます。プールも2カ所あります。スポーツ広場は4カ所というように、非常にたくさんの、整備されているなという印象が一目瞭然になっています。 先ほどお渡しいたしました地図の中に配置図があるわけですけれども、本当に離れたところにもきちんと建てられておりまして、1カ所にごちゃごちゃと幾つも固まってしまっているというようなことはないというふうに思えます。 そして、大切なことは、こういった公共施設間の、役場とか施設を結ぶ町内の巡回バスが1回 150円で利用できるんです。これは高齢者は無料になっているんですけれども。この新年度に建設予定となっている根来の図書館にももう既にきちんとバスが乗り入れられるように準備がされているというふうに聞いています。 全体として、町民利用の公共施設の多さ、地域偏重しない計画のあり方、町民が利用できる運営と使用規則ということが非常に印象的です。 岩出町と市の一部である北東部では単純に比較はできません。しかし、社会教育法でいう地方公共団体の任務、国民がどこでも身近に文化的教養を高めるような、そういう環境を醸成するという点から見れば、岩出町と北東部の和歌山市民では、これは余りにも環境が違い過ぎるのではないでしょうか。 つくる会の皆さんは年中利用して、多様で活発な活動が繰り広げられている岩出町の現状を知ると同時に、本市の地域公共施設の貧弱さ、施設の分布の地域の格差のひどさについても怒りを込めて実感せざるを得ませんと言われています。私もまたそう感じます。 このつくる会の皆さんが決して無理難題を言っているのではないということをわかってほしいと思います。どうか期待を裏切らないでいただきたいと思います。 それから、公共施設などの設置の折には、ぜひ使用者の側の意見を取り入れてほしいと思います。 御存じかと思いますが、この地域には障害者の方々の施設や高齢者の施設、学校があります。利用者の側に立って、バリアフリー法などもありますけれども、より利用しやすい施設とするためにも計画段階から使用する住民の声が反映するようにしていただきたいと思いますが、この点についてお答えください。 以上、よろしくお願いいたします。(拍手) ○副議長(東内敏幸君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 29番南畑議員の再質問にお答えします。 岩出町との比較で、公共施設についていろいろ御意見いただきました。 議員おっしゃるとおり、岩出町とそれから、和歌山市の東北部というのをだけを比べるというのもなかなか難しいところがございますけれども、その地域におられる方にとっては、非常にやっぱり公共施設が少ないということについての不満というのは私も肌で感じているところでございまして、何とかしなければいけないという思いは非常に強いものがございます。 先ほどもお答えいたしましたが、直川用地の活用につきましては、現時点ではさまざまな選択肢があるかと思います。計画の策定に当たりましては、新設いたしますまちづくり推進室が中心となって、できるだけ地域の方々や利用者の意見を伺いながら取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(東内敏幸君) 中岡福祉保健部長。 〔福祉保健部長中岡安美君登壇〕 ◎福祉保健部長(中岡安美君) 29番南畑議員の再質問にお答えします。 介護保険について4点ございます。 特別養護老人ホームの待機者が 2,032人の人数をどう見るのか。また、対応をどう考えるかとの御質問でございますが、第2期和歌山市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づいて、特別養護老人ホームの増床を順調に整備できているものと考えてございます。 現在の待機者の数を参考に、また、第1号被保険者の保険料等を考慮して、次回の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中で検討してまいりたいと考えてございます。 2点目、介護の緊急対応できるベッドを市として確保すべきだと思うがとの御質問でございますが、介護老人保健施設の入所については、各施設の入所検討委員会において決定されることとなってございます。 特別な事由のある場合は施設長の判断によって入所を決定することができるとなってございます。 また、現状の緊急対応につきましては、ショートステイで対応しているところでございます。 3点目、認定決定までの期間を早めるように改善すべきではないかとの御質問でございますが、認定の決定をでき得る限り早めるため、介護認定申請を受け付けされる時点において、主治医の意見書についてはあらかじめ記入していただけるか確認を行います。また、現在月初めに集中している申請を新規と更新の申請をずらし、申請受け付けの平準化の改善を図りたいと考えてございます。 また、申請後の状況把握に努めてまいりたいとも考えてございます。 4点目です。見守り推進員は設置されているのか。設置されていないとすれば、そのかわりになるものがあるのかとの御質問でございますが、高齢者が住みなれた地域で安心して生活ができるように見守り支援することは重要であると認識いたしております。 現在、在宅介護支援センターを中心として、地域の民生委員、自治会の方々、サービス機関及び各関係機関等が連携し、見守りネットワークづくりに努めているところでございます。 今後とも各関係機関が一堂に集まり、協議できる機会を設け、さらなるネットワークづくりに努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(東内敏幸君) 29番。 〔29番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆29番(南畑幸代君) 3問をさせていただきます。 介護の問題についてはいろいろ評価がございますけれども、1つだけに絞って要望いたします。 基幹型の在宅支援センターの体制、この充実をさせていただきたいと思います。地域の支援センターで解決できない問題に対応する、あるいは直営のサービスが提供できるような、そういったものにすることを重ねて強く要望したいと思います。 それから、北東部への施設設置ですけれども、先日、この公共施設をつくる会の皆さんで地域にビラをまいたんですけれども、そのビラを見られたお子さんから、小学生の子供さんですけれども、会長さんのところにはがきが届きました。小学校高学年の子供さんなんですけれども、これは市長にもコピーをしたものをお渡ししたかと思うんですけれども、届いていますでしょうか。 家の近くの公園で遊んでいますと、遊具とか何にもなくて、ただ地面があるだけなんですけれども、そこでボール遊びをしていると、どうしてもフェンスを越えてしまう。近所の方にしかられるし、公園にはフェンスを越えないようにというような注意書きの看板がかかっているんですけれども、北東部の地域といいますのは、こういった子供の公園でも思い切り遊べないような状況になっているということなんです。 こういった、本当に子供が思い切り遊べるようなそういう公園の充実ということもあわせてお願いしたいわけですけれども、北東部の皆さんが大人も、そして、子供も生き生きとスポーツをしたり、社会教育活動を活発に取り組んだり、また、健康面でも保健センターなどの指導や学習会などの取り組みによって生き生きと活動できる地域となるよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(東内敏幸君) しばらく休憩します。          午後1時55分休憩   -------------          午後2時21分再開 ○議長(佐伯誠章君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 宇治田清治君。--25番。 〔25番宇治田清治君登壇〕(拍手) ◆25番(宇治田清治君) 皆さん、こんにちは。 本日最後の質問となります。大変お疲れでしょうが、最後までよろしく御清聴お願い申し上げます。 前期出番がたくさんあったんですが、今期、1年ぶりということで、1年ぶりの登壇でございます。 毎年、この時期になりますと、いつも当初議会といいますと、私、花粉症で、もう議場へ入りますと、いつも目をこすりながら、鼻グチュグチュいわしながら入っているんですけれども、ことしは花粉が大変少ないということで、まだ花粉症になっておりません。 そして、もう一つ、私の知り合いで、有田の特産のミカン、青ミカンなんですけども、それを錠剤にして、アレルギーとか花粉症によく効くということで、その試供品をいただいて飲んでおりまして、そのせいかどうかわからんのですけれども、まあまあ花粉症、ことし出ておりませんので、きょうも元気いっぱい一般質問を行いたいと思います。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告順に従いまして、質問を行います。 ことしで、市長としては2回目の当初議会であります。 大橋市長が誕生して、早いもので1年半がたったわけでありますが、非常に財政が厳しい中ではありますけれども、平成16年度はそろそろ大橋カラーが出た予算編成になったかと期待して、施政方針、あるいは予算書を読ませていただきましたが、その内容は一体何が本年度の重点施策で、どういうまちづくりを市長は目指しているのか、全くわかりずらい内容だと思います。 市長は大変心が清らかで、そして、正直で実直であり、人間的には本当にすばらしい人であると私は常々思っております。これは本当です。 しかし、和歌山市という一家の柱、大黒柱としてはどうでしょうか。財政難で苦しい中でも、市長として家族を引っ張っていくリーダーシップが必要ではないでしょうか。 市長は一体この和歌山市をどういう町にするのか。どう変えたいのか。どんな方向へかじ取りをしていくのか。いまだその方向性が見えてこない状況ではないでしょうか。 そろそろまちづくりの構想を鮮明に打ち出していかないと市民の市長への信頼は薄らいでくるのではないかと思いますので、しっかりと和歌山市のかじ取りをしていただきたいと思います。 これは意見として述べておきます。 市長は施政方針で7つのKを唱えられております。これは昨年から引き続いているわけですが、特にことしは前進と創造の年ということでありますが、その中から最も重要な課題だと思われる3つのKについて質問をさせていただきます。 まず、財政再建と気配り市役所の改革についてお聞きします。 財政再建については、朝からも片桐議員より質問等があったので、重複するかも知れませんが、お許しをいただきたいと思います。 本年の予算編成は、従来の積み上げ方式を改めて、各部局に一定の財源を配分する財源配分型予算編成方式を導入したことについては、私は多少異議があったのですが、さきの中橋議員や中村議員の代表質問の中で質問がありました、財源配分型予算編成方式導入に関する市長の答弁をお聞きして、この方式を取り入れた市長の真意がどうやら理解できました。 幹部職員や一般職員に財政に対する危機意識を真剣に持ってほしいということでしょうか。裏を返せば、それくらい本市の財政状況は逼迫しているということだと思います。 市長は一昨年、財政再建計画を発表し、きょうまで財政再建に必死になって取り組んでこられたと思います。先日からの市長の答弁をお聞きしておりますと、本当に、今、正念場に来ているという感じがしました。来年、平成17年度は本当に予算が組める状況なのでしょうか。そこで、市長にお聞きします。 市長の感じている和歌山市財政の危機を本音でお答えください。それから、財政部長には、市財政の編成に直接携わる立場から見た財政の危機をわかりやすくお答えをいただきたいと思います。 次に、気配り市役所でありますが、市長は、一昨年、当選後すぐに取り組まれたのが職員の意識改革であります。 大型名札の着装、それから、電話応対で課名と氏名を名乗ること、窓口の徹底サービス等を実施し、この1年でようやく職員に定着してきたように感じます。 実は、ことしの2月に会派の皆さんと四国の松山市、高松市に視察に行って参りました。まちづくり、窓口業務のワンストップ化、東南海・南海地震への備え、防災対策等を聞いてまいりました。 本市にとりまして、非常に参考になることがたくさんありましたので、私の意見と交えて質問、あるいは要望等を行いたいと思います。 今年度の予算は人件費、扶助費等義務的経費が60%以上を占めた財政が硬直化した非常に厳しい状況であります。ですから、できるだけ少ない予算で、特色のある、市民の皆様にとりましても有益な施策を講じていかなくてはなりません。 一昨年、市長は佐賀市を視察に行かれ、和歌山市にも1階に総合窓口、すなわちワンストップ窓口を取り入れようということで、市民はお客様という観点から、その取り組みの一環として、平成15年度より本庁舎1階南、北、西及び東庁舎1階総合案内所にそれぞれ案内人を配置し、市民の利便性を高めるため、フロアマネジャー制度を取り入れました。 これは先日、戸田議員からも質問がありましたので重複するところがあるかもしれませんが、なるべく観点を変えて質問をさせていただきます。 過日の読売新聞には、70%の市民に大好評と掲載をされました。これは先日、戸田議員もおっしゃっておりましたが。私、あの記事を見まして、3年前ですか、数年前のループバス好発進というあの記事を思い出しました。通称パンダバスです。果たして、市民に本当に好評なのでしょうか。 なるほど評判はよくて、本当に熱心に応対していただいて、ニコニコと感じがよく丁寧に応対してくれると喜んでいる市民がたくさんいますが、反面、「市役所もうすぐ借金でつぶれるというてんのに、1階フロアで若い女の子、制服来て暇そうに座ってるで。フロアマネジャーっていうらしいけど高い給料払ろてるみたいやで、ほんまにむだ遣いやなあ」とそういうふうな声も一部の人から聞こえてまいります。 ちなみに、佐賀市、松山市ではフロアマネジャーは職員や管理職が率先して、状況を見ながら外に出て案内をしております。 松山市では、課長補佐が3人ほど、視察に行ったとき案内をしておりました。そっと1人の人に、管理職でフロアの案内なんて嫌じゃないですかとお聞きしたんですが、市役所へ来たら、簡単な手続で各種証明、届出がスムーズにでき、短時間で用を済ませて喜んで帰っていただけるのがとてもうれしいですと言葉が返ってきました。これこそ職員のやる気、やりがいではないでしょうか。 それでは、質問ですが、本市のフロアマネジャーは、現在、何人配置されておりますか。管財課が委託している人数と人事課が賃金支弁職員として雇っている人数をお答えください。それぞれの昨年支出額と本年の予算額をお示しください。また、平成15年度の案内業務の実績はどうなっていますか。以上を部長にお聞きします。 市長は、1階に総合窓口をつくってワンストップ化を最終目標にしていると思いますが、昨年12月議会で、松本議員の質問に対して、部長答弁では、総合窓口の目指すところは、市民課の各種手続や証明書の発行だけでなく税関係証明書の発行も含めて、市民と対面で即時交付できるよう進めているということでしたが、戸籍事務の電算化と税総合システムの導入で電算化された戸籍簿、税関係証明はそれぞれいつから総合窓口で発行できるようになるのですか。これも部長よりお答えをください。 ワンストップサービスで総合窓口での届出、証明書発行事務をどの分野まで行おうと考えているのか、最終目標を市長からお答えください。 次に、観光の振興、和歌山市のまちづくりについてお聞きします。 和歌山市では人口が38万 9,000人ぐらいでしたか、減少傾向にありますが、非常に元気のない市という印象は否めないと思います。 繊維、染色、皮革、木工等地場産業の衰退、中心市街地や周辺商業地域の吸引力の弱体化、商店の閉店・廃業が相次いでいます。それによって人口が毎年市外へ流出し、どんどん減少していく傾向にあります。 今後、和歌山市はどのようなまちづくりを目指していけば、町はよみがえり、活性化するのか真剣に考えなくてはなりません。 私は観光都市和歌山を積極的に全国にPRする必要があると思います。気候が温暖で空気がおいしくて、紀の川のおかげで水が豊富で、そして、和歌浦湾や加太海岸の景色は日本一、自然環境に大変恵まれ、おまけに魚がうまくて、こんな住みよい町はほかにないと思っております。 せっかくの好条件がそろっていながら、残念ながら和歌山へ来る観光客は大変少ない状況です。なぜなのでしょうか。 日本一の景観と聞いて和歌浦の旅館へ泊まったけれども、てんぷらは冷たい、お刺身は鮮度が悪い、料理がまずくて、おまけにサービスが悪かったら、それはもう二度と和歌浦には来ないでしょう。リピーターがないということです。 これは和歌浦の観光旅館だけに責任があるということではないのですが、例えば、街灯が暗いとか、それから、ごみが散乱している、せっかくの遊歩道に草が生い茂って通れないとか道路の陥没、あるいは道がきれいに舗装されていない、数え上げればきりがありませんが、行政がもっと真剣に和歌浦の旅館街周辺のインフラ整備に取り組まなければならないのではないかと思います。 20数年前は、市役所の忘年会とか、それから、歓送迎会などでよく団体で和歌浦へ行ったものでした。まず、市役所職員が率先して和歌浦の旅館を使うことも大切でしょう。 本年夏には、高野・熊野が世界遺産に登録される見通しであり、観光客が和歌山市へ訪れたとき、単なる通過点とならないよう、今からでも遅くはありません、和歌浦や加太、和歌山城、その他の観光施設周辺のインフラ整備やソフト事業にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 和歌浦、加太のインフラ整備やソフト事業の推進、観光都市和歌山の取り組みについて、市長の決意をお聞かせください。 先日、遠藤先輩議員からも質問がありましたが、他府県から和歌山市にやって来て、和歌山市駅、あるいは和歌山駅におり立って最初に気がつくのは、観光案内板--観光案内地図がわかりにくくて目立たないことです。 目的地にどう行っていいかわからない、県庁、市役所のバス停前でも観光地や県、市の公共施設の表示した看板がどこにもありません。他府県へ行けば、バス停横に案内地図があるのは常識であります。これでは、他府県から訪れたお客様に対して不親切であり、県外からの来訪者にも余りよい印象は与えないと思います。 それでは、質問をいたします。 市内各所に観光案内板は何カ所設置してありますか。また、現在の案内板をもっとわかりやすいものにつけかえる必要があると思うのですが、どうでしょうか。部長よりお答えをください。 和歌山市にはおいしいものがたくさんあります。特に加太のタイ、布引、湊中洲、松江の新ショウガ等特産品がほかにも数多くあります。これらのものを、もちろん生産者の努力があってのことですが、行政も側面から援助をし、もっと自信を持って全国へアピールして、紀州の梅のように多くの人に知ってもらうことが大切ではないでしょうか。 大分県佐賀関町の一本釣りで漁獲される関アジ、関サバは市場でも別扱いされ、いわゆる大衆魚にもかかわらず料理店では高級魚として重宝されています。早い潮流の豊予海峡でとれるこのアジ、サバはブランド化により、大衆魚から高級魚に生まれ変わったのです。 このように、商品のブランド化に他都市は真剣に取り組み、成果を上げております。和歌山市も加太のタイ、あるいは市の特産品である新ショウガにブランド名をつけて全国にアピールするというような取り組みが大切ではないでしょうか。 また、新ショウガ、白菜、キャベツ、ニンジン、ピーマン等地元でとれた野菜と加太のタイを学校給食に取り入れ、例えば、月に1度は地元特産給食デーとして、地元の食材を使うのもいいのではないでしょうか。 先日、下津町の全小学校、7つの小学校の児童らが給食で下津風ミカンライスを味わったそうです。同町ではミカンの消費が低迷してきたため、産業課が消費拡大のきっかけにと企画したそうです。 和歌山市も特産品のブランド化に真剣に取り組む気持ちはあるのか、市長よりお答えをください。 次に、観光振興の一環なんですが、実は、中保健所前のバス停に停車するバスが1日2便、それも午前6時50分舟津町経由保健所前とそれから午後8時35分北出島経由保健所前、そのたった2便だけです。それもその時間帯、保健所はあいておりません。 保健所には来所者が多く、乳幼児健診が月11回、それから、3時間で 100人以上が訪れ、その他3歳児健診、春、秋のシーズンにはポリオ--ポリオなんかは一気に 200人ぐらい来るそうです。それから、各種健康相談、健康づくり教室等ほぼ毎日何らかの事業を開催している状況で、多くの人が保健所に訪れます。 駐車場は88台確保しておりますが、これではとても足らないと思います。駐車場が圧倒的に少ない上に交通の便がないときたら、もうこれは最悪です。保健所へ訪れる市民が大変困っております。行政としては放っておけないと思いますが、市の方から運行便の増便を和歌山バスにお願いできないでしょうか。 もし、和歌山バスがだめであれば、市の主要施設を回る 100円バス、コミュニティーバス等を走らせ、対応すべきではないでしょうか。このことについて企画部長よりお答えをください。 次に、危機への備えでありますが、東南海・南海地震についてお聞きをします。 先日、松山市、高知市を視察に行った際、地震対策について各市の取り組みをお聞きして大変恥ずかしい思いをしました。本市とは比較にならないほど進んでおり、すばらしい防災マップも作成しておりました。 和歌山市は資料を請求しても、薄い防災マップ1枚だけです。今、ここへちょっと、比較で持ってきているんですが、これが松山市の防災マップです、こんな本、冊子になってる。これが和歌山市の防災マップ、1枚でこういう感じです。 そして、特に気づくんですが、この防災マップ、松山市の場合は地図がかなり拡大しておりますので、どこに備蓄倉庫があって、どこへ逃げればいいかとか物すごい一目でわかるんですが、和歌山市の場合でしたら、地図がかなり広範囲になってますんでわかりにくという部分があると思います。おまけに、この防災マップは平成11年3月に作成したものです。 阪神大震災以降このマップを作成したと思うのですが、それでもその震災後4年が経過してからです。のど元過ぎれば何とかとよく言われますが、長い間忘れておって、平成14年7月26日に東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法が制定され、昨年7月25日施行されて以来、テレビ、新聞等で東南海・南海地震がにわかに世間で取りざたされるようになると、また思い出したかのように役所というところは動き始めます。 全く計画性がなく、そこには市全体、消防局の危機に対する認識が、私は非常に希薄であるとしか思えません。 過去2年間で、議員の皆さんの一般質問は17回もありました。奥田先輩議員は毎回質問をされておられます。それだけ地震に対する対策を早くから口を酸っぱくして、多くの議員さんは質問してきたわけです。 市民の地震に対する危機感は年々高まっています。市民の命と財産、安全を守るのが市の一番重要な役割であります。阪神・淡路大震災を教訓として、再びあのような多くの人命を失うことのないように努めなければなりません。 南海地震は記録されているだけでも過去9回起こっています。そのほとんどが巨大な津波による大きな被害が出ています。2000年12月24日政府の中央防災会議で、東南海・南海地震が同時に起きた場合、最大で 7,400人の命が奪われ、27万 7,000棟に上る建物が全壊するとの被害想定が公表されました。 これは午前5時前後にマグニチュード 8.6の大地震が起こったという想定ですが、死者数も1995年に起こった阪神・淡路大震災の犠牲者より 1,000人も多く、2000年9月に出された東海地震の想定 8,100人に迫る死者数です。 この数字には火災、津波による被害の数は含まれておらず、どれだけの犠牲者が出るか想像しただけでも怖いことです。 阪神大震災では家屋、家具類等の倒壊による圧迫死と思われるものが全体の約84%を占め、残りが焼死とかそれ以外のものでありました。圧迫死が多いのは発生時が午前5時46分ということで、多数の人がまだ自宅で就寝中であったことによると思われます。 年齢別に見ますと、60歳以上の高齢者が53%を占めており、いわゆる災害弱者である高齢者が死者の半数以上を占めている状況であります。そういうことから、昭和56年以前の建物の耐震対策が重要な課題となってまいります。 そこで、部長にお尋ねします。 小・中学校の耐震診断、耐震対策は順調に進んでおりますが、一般住宅の耐震対策はどうなっておりますか。事業の内容と予算等を詳しく御説明ください。今後の計画についてもあわせて部長よりお答えをください。 また、市役所庁舎を初め小学校、中学校以外の公共施設の耐震対策の進捗状況について、助役よりお答えください。 今年度、東南海・南海地震対策に対する予算、約6億 8,000万円が計上されておりますが、これで果たして万全といえるでしょうか。 4億 3,500万円が幼稚園、小・中学校の耐震診断及び耐震設計の予算で、残りは2億 4,500万円です。危機への備えが最重要課題だというのであれば、もっと思い切って、ほかの予算を削ってでも地震対策に対する予算をつけるべきではないでしょうか。 今すぐにでも取り組まなくてはならない課題がたくさんあります。先ほど紹介した松山市のような消防施設、避難場所、備蓄倉庫、耐震性貯水槽、災害危険区域、水防区域等いざというとき、どういう避難行動をとればいいか一目でわかる防災マップの作成や津波ハザードマップの作成、市民の地震への防災意識の啓発、名草地区のような沿岸部の低い地域では、津波が起こったときの避難場所のビルの借り上げ等も早急に検討が必要です。 串本町のように民間の会社と覚書を交わして、ビルの借り上げ準備を早々としているところもあります。 その他飲料水の確保、耐震補強の推進等々の対策が急務となってきます。大地震が起こったらどこへ逃げて、どこに食糧備蓄があって、飲料水はどこに行けばあるのか、市民の人は全く知らないと思います。 中身の濃い防災マップや津波ハザードマップの全戸配布、各地域において自主防災組織の研修を進め、一刻も早く市民の皆様に、地震に対する防災知識を持っていただくことが先決かと思います。 また、防災時の飲料水の確保でありますが、昨年当初議会で飲料水用耐震性貯水槽が市内に3基しかない--これは 100立方メートルですが、3基しかないという現状では、大地震が起こったときに飲料水の供給が不足するのは確実であることから、耐震性貯水槽を各小学校、中学校のグラウンドに分散配置して増設してはどうかという質問に対して、今後、耐震性防火水槽を設置するよう努めるとともに、設置する場合は飲料水兼用も含めて分散配置を視野に入れ、関係部局と調整して設置すると消防局長より答弁がありました。その後の計画はどうなっていますか。消防局長よりお答えください。 以上で、第1問を終わります。(拍手) ○議長(佐伯誠章君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 まず、財政問題でございます。市長が感じている和歌山市財政の危機を本音で語れと、こういうことでございます。 これまで議会で何度も申し上げているところでございますけれども、私が一昨年夏、和歌山市長選に立候補する決意を固めましたのは、和歌山市の財政状態が赤字再建団体転落寸前で、このままではパンクしてしまうのが目に見えているのに、それに目をつぶって暴走を続けているとしか思えないような前市政に何とかストップをかけて、ふるさと和歌山市を転落のふちから救わなければならない、おこがましいことですが、そういうふうに思って立候補の決意をしたわけでございます。 逆に申しますと、財政がまともな状態でありましたら、住みなれたマスコミの世界を離れて市長に立候補する決意をすることはなかったというふうにも思っております。 だからこそ、就任してすぐ、関係部局に指示し、財政健全化計画策定を急いだわけでございます。したがいまして、財政がよくないということは市長選に出る決心をしたときからよくわかっておりました。 しかしながら、自治体の財政立て直しというのがいかに難しいことであるかということは、市長になるまで、実は想像もつきませんでした。 民間企業の場合は、赤字になったら、生き残りのために社が一丸となって賃下げとか人員削減とか不採算部門の切り捨て、そして、下請へのしわ寄せといったリストラの限りを尽くして、何とかまず単年度黒字に戻すということを考えるわけです。もちろん、この際にお得意先に対するサービス低下というのは絶対許されないことでございます。 ところが、役所の場合は、公務員というのは法律で身分保障されておりますので賃下げも人員整理も大変困難です。そして、もともと不採算なことをやるのが役所の務めでございますから、不採算部門の切り捨てといってもできないわけでございます。 さらに、市民全員がお得意先でありますから、何かを削減すれば、すべてお得意様へのサービス低下ということになるわけでございます。 例えば、どんな補助金や交付金にしても、最初からもらっていないんだったらあきらめもつくわけですが、今までもらっていたものをことしからやめました、こういうふうに言われたら、その補助金を頼りにしている個人とか団体の方は全く納得できないわけでございまして、これまで私を訪ねて、役所に多くの方が来られましたけれども、ほとんどの方は、「市長さん、大変やなあ。お金がないんで何もできませんわな」と、こう同情してくださるわけでございます。しかしその後で皆さん必ず、「財政が厳しいのはようわかってますけど、これだけはぜひお願いします」と、こうおっしゃるわけでございます。 これまでやっていたことをやめるということはいかに大変かということを私は痛感しているところでございます。 そういうふうに考えていきますと、ダイナミックなことというのはなかなかできない。やっぱり確実に一歩一歩、亀の歩みのように少しずつ改善を積み重ねていくしかないと最近は思うようになりました。 これまで行ってまいりましたこと、すなわち健全化計画の策定、補助金、助成金のゼロからの見直し、事務事業の見直し、箱物建設の原則凍結、そして、地区話会での市民の皆さんへの財政状況の説明、財政配分型予算編成方式の導入、土地造成や下水道特別会計への一般会計からの繰り入れなどは、それをしていなかったら、今ごろはもっと窮地に追い込まれていたという意味で、財政健全化にそれなりの成果があったというふうに考えてございます。 ワンストップサービスについて、最終目標をどう考えているのかという御質問でございます。 以前、議会で答弁もいたしましたが、私が一昨年暮れに、今、議員も御指摘になりました佐賀市役所を見学し、そのとき、市役所の住民サービスというのはこうでなければいけないなというふうに、見学した結果、本当に感激したわけでございます。 どんな場合でも、市役所を訪れた市民が各課を行き来せずに、1カ所でさまざまな申請や届出、支払いの手続ができる機能的な窓口をつくることがワンストップサービスの究極目標だと考えております。 次に、和歌山市の観光ということとの絡みで和歌浦や加太のインフラ整備、ソフト事業の推進、観光都市和歌山の取り組みについての決意ということでございますが、議員御指摘のとおり、和歌浦は往年のにぎやかさというのが今は非常に寂れているというような、私も大変心を痛めているところでございます。 和歌山市の観光振興の和歌浦は重要な拠点でございまして、旧和歌浦から新和歌浦、雑賀崎への海岸美、砂浜、干潟、漁港、漁村集落等の景観美は外から来られる観光客の方々に大いに満喫していただきたいと思っておりまして、何とか地元の関係者の皆様と協力して再生を図っていきたいと考えているところでございます。 そこで、観光のインフラ整備への取り組みについてでございますけれども、和歌浦だけでなく加太や各観光地の整備はもとより、都市としての総合的な魅力をつくるということが必要と考えておりまして、これらのことを実施していくためにもまちづくりとして全庁体制の中で、また関係機関、地元団体と連携しながら取り組んでまいりたいと考えてございます。 ことしの正月の行楽地の人出というのがデータで正月の新聞に載っていましたが、全国で初もうでは別としましてですけれども、ディズニーランド、そしてUSJ、その次第3番目はマリーナシティーであったと、こういうふうに新聞に載ったわけです。しかも、USJとマリーナシティーの人出の数の差は余りなかったということで、私は大変そのことについて心強く思ったんですけれども、おととい黒潮市場のリニューアルというのがあったんで、きのう午後から少し時間がありましたので、私も見に行ってまいりました。「笑い飯」という最近売り出しの漫才コンビが出演していたせいもあったんでしょうけども、大変人出が多くて、黒潮市場に近い駐車場は両方とも満車で、一番遠い駐車場に入れなければならないというそういう状態でした。 それで、そこから歩いて行って、笑い飯を見て、雪が降ってきましたんで、慌てて雪の中を駐車場まで戻って体じゅう雪まみれになりましたが、やっぱり大変多くの人が来て、しかもみんな袋を持って魚とかいろんな物を買って帰ってきてくれている、ああいうことがもっともっとほかのところに波及していくということが非常に必要だというふうに思いました。 やっぱりソフト事業ということをもっともっと取り組んでいかなければいけないというふうに思います。 新年度では、いろんなイベントを実施して支援をして、集客に努めることとしています。また、特産物を活用した和歌山らしさのある食の提供ということにも取り組むことにしています。 しかし、観光に訪れる人にとってやっぱり一番大事なのは、訪れた地域の歴史や風土に根差した未知のものの発見とか体験そういうものがあります。それと、そこから感じる人と人との心のこもったコミュニケーション、そういうことが必要であると思っております。先ほど議員が御指摘になったようなことでない、市民一人一人がおもてなしの心を持って、観光客に接するということが非常に大切で、その根幹に郷土を愛する心、ふるさとを誇りに思う心があるというふうに考えているわけでございます。 今後いろいろな機会を通じまして、市民の皆さんに訴えて盛り上げていただく中から観光和歌山を創造していきたいと決意しております。 次に、ブランド化についての御質問でございました。 食は観光の魅力を大きく左右する重要な役割を担っていると思っております。観光者にとって、観光の動機、欲求は非日常的な体験を求めておりまして、我々の地域にとって日常の食ではありますけれども、他地域の人から見れば大変魅力がある、そういった郷土色豊かな食べ物や野菜など、最近はスローフードと言われているようなものを見出して、特産物としての新しいブランドづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 昨年秋に、加太淡嶋温泉開湯記念のイベントとして、ゲストに道場六三郎さんを招いて創作料理フェスティバルというのが開催されました。その結果、加太の新しい名物料理として、加太の特産でありますタイを使ったタイしゃぶが選ばれております。 今後、加太のタイを地元観光協会と連携して全国にPRを行い、ブランドイメージを定着させたいというふうに考えております。 一方、農産物につきましても新ショウガを初め白菜、キャベツ、大根など全国的に知られているすばらしい野菜がございます。 また、四季の郷公園を中心にブルーベリーの産地化にも取り組んでいるところでございまして、和歌山農業協同組合を初め関係団体と一体となって特産物としてのPRを行うとともに、学校給食や地元旅館、飲食店等とも連携を図りながらブランド化に努めてまいりたいと考えております。 そして、これらを具体化するためにも、本年12月に開催を計画しております、和歌山うまいもん祭におきまして、和歌山ブランドのうまいもんを一堂に集め、全国に広く紹介して観光客の誘致と特産物のPRに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 植松助役。 〔助役植松浩二君登壇〕 ◎助役(植松浩二君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 市役所を初めとする公共施設の耐震対策の進捗状況についてでございますが、阪神・淡路大震災において、家屋の倒壊による死者が大多数を占めたことからも、地震による被害を軽減するためには建物の耐震化を図っていくことが最も重要な対策であると認識しているところでございます。 現在、市役所本庁舎につきましては、給水設備の改修を計画するなど耐震対策を講じることとしております。また、中央終末処理場の耐震化などにつきましても、計画に基づき推進しているところでございます。 その他の公共施設につきましては、今後経過年数や緊急度、財源確保の見込み等を総合的に判断し、順次対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 奥野財政部長。 〔財政部長奥野久直君登壇〕 ◎財政部長(奥野久直君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 予算編成に直接携わる立場から見た市財政の危機についての御質問でございます。 本市の特殊事情としまして、平成14年度決算では、特別会計全体で約 184億円という多額の赤字を抱えており、下水道事業、土地造成事業などの特別会計は独自で赤字を解消できない状況から、今、特別会計の赤字を一般会計で補てんしたとすれば、直ちに赤字再建団体に転落してしまうという危機的状況にございます。 また、一般会計におきましても、実質収支は黒字を維持してございますが、これは財政調整基金を取り崩して一般会計に繰り入れをした結果、黒字となったものでございます。 したがいまして、単年度収支の均衡が保たれていない現在の財政構造下のもとでは、財政調整基金が底をつくと赤字に転落してしまうという厳しい状況でございます。 次に、財務指標から見た本市の財政状況につきましても、財政構造の弾力性を判断するための指標でございます経常収支比率は、平成14年度決算で96.4%と中核市平均の82.7%と比較いたしますと、非常に高い数値となってございます。 これは市税等の一般財源のうち自由に使えるお金がわずか 3.6%しか残っていないことをあらわしてございます。 こうしたことから、行政需要などの変化に対応した機動的な財政運営が一段と困難となっているのが現状でございます。 この財政構造の硬直化の主な要因といたしまして、歳入では市税収入の不振によりまして、平成9年度ピーク時の市税収入 671億円が、この新年度予算では 581億円と約90億円減少したことが大きな要因でございます。 歳出におきましては、義務的経費である生活保護費初め各扶助費が大幅に増加したこと、特に生活保護費につきましては、10年前の平成6年度予算で約63億円が新年度予算では約 106億円となっており、雇用不安が解消されていない状況から今後も増加することが予想されているところでございます。 また、特別会計の繰出金が年々増加し、平成16年度では約 180億円となったことなどが要因となってございます。 このような状況に加えて、新年度予算編成におきましても、国の三位一体改革の影響を受け、単年度収支の均衡を図ることがますます困難となり、約14億円の財政調整基金をやむを得ず取り崩した予算編成で、その残高も約10億 3,000万円と大きく減少してございます。 今後の三位一体改革の具体化により、地方の財政運営は一段と厳しくなることが予想されることから、従前にも増して本市財政の危機的状況はますます高まってくるものと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 鎌田総務部長。 〔総務部長鎌田純雄君登壇〕 ◎総務部長(鎌田純雄君) 25番宇治田議員の御質問にお答えします。 フロアマネジャーの実績と経費、そして総合窓口の取り組み状況等についての御質問でございますが、フロアマネジャーにつきましては、本庁1階各課における申請書類等の記入案内を主体とした業務に人事課が賃金支弁職員を4人配置してございます。実績といたしましては、月平均 3,709件でございます。 また、管財課が庁舎全体の総合案内を主体とした業務に、人材派遣会社からの派遣社員4人と賃金支弁職員2人の合計6人を配置してございます。実績といたしましては、月平均1万 157件でございます。 次に、経費についてでございますが、申請書類等の記入案内につきましては、平成15年、16年度ともに 587万 5,000円、庁舎の総合案内につきましては、平成15年度が 1,427万 1,000円、平成16年度は予算で 1,403万 9,000円を計上いたしてございます。 また、総合窓口の取り組みにつきましては、戸籍事務の電算化が平成15年度から20年度まで、税総合システムが平成13年度から17年度までの事業として、現在進めているところでございます。 窓口事務につきましては、大きく分けまして届出関係の事務と証明書等の発行事務がございます。届出関係の事務の統合につきましては、戸籍事務の電算化が不可欠ですが、証明書等の発行事務につきましては、税総合システムが平成17年度に整備されればワンストップ化は可能と考えてございますので、1~2階の証明発行窓口の集約等について、現在検討しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 松澤産業部長。 〔産業部長松澤 勉君登壇〕 ◎産業部長(松澤勉君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 案内板の設置箇所数は何カ所か。また、案内板をわかりやすいものにつけかえてはどうかとの御質問です。 まず、観光案内板の設置数ですが、JR和歌山駅西口、南海和歌山市駅を初め、現在21カ所に設置しています。 次に、観光案内板をわかりやすいものにつけかえてはとの御指摘につきましては、高野・熊野の世界遺産登録にあわせて、平成16年度から3年間で老朽化した8カ所の観光案内板の立てかえを行う予定であり、公共施設等の市民生活の利便性をもあわせた情報を取り入れたわかりやすいものを設置してまいりたいと考えています。 また、ほかの観光案内板につきましては、順次整備していくとともに、新たな案内板のあり方についても研究してまいりたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 的場企画部長。 〔企画部長的場俊夫君登壇〕 ◎企画部長(的場俊夫君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 公共施設利用のためにコミュニティバスの運行や既存のバス路線の増便を図れないかという御質問でございます。 コミュニティバスは公共交通の不便地域の解消を図り、市民の社会参加を促進することが導入目的であります。 しかし、コミュニティーバスの運行のためには多大の費用を要するため、現在の財政状況下では市民それぞれの要請にこたえられなく、また、路線バス事業者の経営状況を圧迫する危険性があると考えられます。 現在、1日に2本しか運行していないバス路線沿線の公共施設の利便性を図るために、利用者の利用実態に対応した運行コース及び運行バスダイヤの充実等についての改善策を事業者と協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 市川都市計画部長。 〔都市計画部長市川一光君登壇〕 ◎都市計画部長(市川一光君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 一般住宅の耐震に対する内容と予算額、また、今後の計画についての御質問でございますが、一般住宅の耐震対策につきましては、その建築物の所有者や管理者の方々に対し、耐震診断や耐震改修を行うよう啓発に努める必要があると考えてございます。 このことから、平成16年度より、昭和56年6月1日施行の改正建築基準法以前の基準をもとに建築された木造個人住宅を対象として、県と共同で耐震診断事業の実施を予定いたしております。 事業の内容といたしましては、1戸当たり一律3万円の診断料を国2分の1、県4分の1、残りの4分の1を市が負担することとして、平成16年度は 300戸、事業費 930万円を計上いたしております。なお、平成17年度以降につきましても、順次積極的に事業を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 相坂消防局長。 〔消防局長相坂 勲君登壇〕 ◎消防局長(相坂勲君) 25番宇治田議員の御質問にお答えいたします。 飲料水兼用耐震性防火水槽の設置計画についての御質問でございますが、人は生命維持をするためには飲料水は最も重要なものであります。大規模地震時等により、水道水の供給が停止した場合には、これを確保するため、飲料水兼用耐震性防火水槽の増設が必要であると認識をしてございますが、設置費用等を考慮し、検討したところ、当面の考えといたしましては、既存の防火水槽や今後計画的に増設する耐震性を有する防火水槽に緊急時用の浄水装置を活用することにより飲料水として使用できることから、これらの有効活用を図り、災害用の飲料水の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 また、災害時の避難場所となる施設に設置されております飲料水用受水漕から直接取水できるような対策や避難場所の敷地内に井戸を掘るなど、災害用飲料水の確保について関係部局と調整をして進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 25番。 〔25番宇治田清治君登壇〕(拍手) ◆25番(宇治田清治君) それでは、それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。 フロアマネジャーですが、先日の戸田議員の質問にもありましたが、賃金支弁職員と委託社員とに分けた理由がよく理解できません。 平成15年では申請書類等の記入案内、賃金支弁職員の人件費が4人分で 587万 5,000円、各課への案内業務、これは委託料ですが、委託料は同じ4人分で 1,143万 9,000円、ちょうど倍ほど支払っています。残り2名、総合案内業務で管財課所属の賃金支弁職員で 283万 2,000円、合計10名で年間合わせて約 2,000万円の経費を支出しているということになります。やはり委託の費用がかなり割高だと思います。 この事業は、昨年市長の目玉として取り入れた事業でありますから、今すぐにこれやめろとは言いませんが、財政逼迫の折、余りにもむだかと思いますので、委託制度を廃止して、当面は、戸田議員も言われたように、賃金支弁職員で応対、対応された方がいいのではないかと思います。 一般入札で契約先が変わったら、契約社員も変わるわけですから、著しいサービスの低下につながります。平成17年度税関係証明が総合窓口で交付されるようになったときは、最終的には職員がフロアマネジャーをすべきだと私は思っております。 経費の節減にもなりますし、石川県の羽咋(はくい)市というところあるんですけれども、そこでも総合案内と記した緑の腕章をつけた職員がお客様の用件に応じた窓口へ案内をしております。 質の高いサービスを提供することや個人情報の保護等を考えると、やはり窓口に精通した守秘義務が定められている市職員がフロアマネジャーを行うことが最善だと思いますが、市長、どうでしょうか。フロアマネジャーを、今後、段階的に職員に移行していく考えがあるのかどうかを市長からお答えをください。 総合窓口での戸籍と税関係証明については、それぞれ戸籍は平成20年、税関係証明は17年から開始されるということですので、おくれることのないようによろしくお願いします。 次に、総合窓口について1問で、一つでも多くの事務を総合窓口へ取り扱えるように検討しているという市長の答弁がございました。 ワンストップサービスは、松山市では税の証明以外母子手帳、母子健康相談等も行われています。国保、老人保健、乳幼児医療助成、国民年金、児童手当、介護保険等の住民移動に関する手続が1つの窓口でオーケーとなっております。 石川県の羽咋(はくい)市でも税関係証明、住民移動に伴う各種届出が総合窓口で行えます。このあたりまでは市長、総合窓口で対処できるよう取り組んでいただくよう、これは要望としておきます。 次に、まちづくりでありますが、ようやく全国大会誘致の議員連盟も立ち上がり、また、本年高野・熊野が世界遺産に登録されることが確実視されている中、和歌山市を全国に売り込む絶好の機会であると思います。 ぜひ、和歌浦、加太、和歌山城、ぶらくり丁、紀三井寺、その他観光地のインフラ整備やソフト事業に積極的に取り組んでいただきますよう、これも要望としておきます。 市長の答弁にもありましたが、市民一人一人が和歌山市を誇りに思い、ふるさとを愛する気持ちを持ち、県外の人が訪れたときには、よく和歌山に来てくれましたという歓迎の気持ちを市民みんなが持つことが大切だと私も思います。 自分たちの町は自分たちでつくろうという盛り上がりがなかったら、幾ら行政が予算をつぎ込んでもまちは発展しません。そういう意味では、「つれもてやろらまちづくり」のような市民主導の市民参加型ワークショップが最近市内のところどころで開催されているのは、とてもいい傾向だと思います。行政もそういうところに積極的にかかわっていくことが大切ではないかと思います。 次に、観光案内板ですが、現在21カ所あるということですが、ほとんど余り目につきません。これは私だけでしょうか。本年8カ所の立てかえを行うということですから、できるだけ目立ちやすい場所で、そしてまた、看板もできれば、私、和歌山城の方もちょっと見てきたんですけれども、ちょっと小さいような気もしますんで、もう少し大きくする方がいいんじゃないかと思います。 残りの看板についても順次計画的に進めていただきたいと思います。これも要望としておきます。 次に、特産品のブランド化ですが、1問でお答えいただきました、加太での道場六三郎さんを招いてのタイのブランド化等への取り組み、新ショウガを初めとした和歌山の新鮮な野菜のPR、また、ブルーベリーの産地化等を積極的に進めていただきたいと思います。 大分県の、先ほどの話ですが、向かい側、愛媛県三崎町では、同じ豊予海峡の海域でとれるサバが大分では関サバとして高値で売られ、片や愛媛県側の三崎漁港のサバは半値以下で出荷されていました。 1996年ごろからブランド化に取り組み、キロ 1,000円以下で取引されていたサバが岬(はな)サバのブランド名で売り出し、今ではキロ 3,000円前後となり、関サバに迫る勢いであります。 同じく潮流の早い足摺岬で立縄漁法という方法で釣り上げられる清水サバがあり、高知、土佐清水市では2年前から市役所に清水サバ係を設けて、土佐清水特産のゴマサバのブランド化に成功しており、約6割は関東、東日本にお刺身用高級魚として出荷されております。 以上のような例もございますので、ぜひ工夫を凝らして、加太のタイ、新鮮な野菜等おいしいものをブランド化し、全国から観光客がたくさん訪れるような魅力のある町にしていただきたいと思います。要望といたします。 次に、中保健所前のバス路線でありますが、これは本当に大変困っている方がたくさんおられますので、一刻も早くバス会社と協議して運行ダイヤの改善をお願いしていただきたいと思いますので、再度企画部長の方から決意をお聞かせください。 次に、一般住宅の耐震対策について、本年は耐震診断 300戸を行うということでした。これは順次計画的に進めていただきたいと思います。 次に、公共施設ですが、これは震災時には大半が避難場所となり得るところであります。また、終末処理場、浄水場等市民生活の根幹をなす重要施設でもあります。このような公共施設については早急に耐震対策の計画を立てていただきたいと思います。 次に、和歌山市には飲料水用耐震性貯水槽は 100立方メートルが3基設置されておりますが、その後の計画は進んでいないという答弁でございました。 高知市では、平成4年から毎年1基の計画で取り組んできまして、現在60立方メートルの飲料水用耐震性貯水槽が11基、市内の公園、あるいは小・中学校のグラウンドに設置されております。計画では、平成25年までには残り14基、合計25基の耐震性貯水槽を設置する計画になっています。 神戸の震災の教訓では、水がなければ市民生活は1日たりとも成り立たないということで、緊急に取り組まなくてはならなかったのが応急給水でありました。特に、初期の3日間は飲み水が不足して大変だったそうです。 市民の飲料水の配給に一昼夜追われたという経験から、最低市民全体の飲み水として3日分の飲料水が必要であることがわかりました。神戸では、地震の起こる確率は9%であったため、十分な防災対策ができていなかったのですが、たまたま市内に飲料水用耐震性貯水槽 100立方メートルが1基のみ設置されており、初期の3日間はフル活動で、大変役に立ったそうです。 1日1人3リットルの水が必要です。計算しますと、60立方メートルの貯水槽で 6,000人分の3日間です。人口32万 7,000人の高知市では、現在6万 6,000人分、そして、平成25年には15万人分の飲料水が確保できるということです。 和歌山市は現在、 100立方メートルが3基、3万人分しか確保できておりません。39万人の人口にです。これは1割にも満たない数です。あわせて、本市では 500ミリリットルのペットボトルを15万 4,000本備蓄していますが、1日3リットルで計算して6本、3日間で1人18本必要となります。1万人分にも足りません。これでは本当に真剣に防災対策を考えているのかと不安になります。せめて、我が市より人口の少ない高知市と同じぐらいの水の確保は必要かと思います。 答弁では、防火水槽に緊急用浄水装置を活用するとお答えいただきましたが、一体どれだけの水が確保できるか疑問であります。また、受水漕や井戸では大地震に耐えられるでしょうか。費用はかかりますが、耐震性だからこそ確実に飲み水が確保できるのです。昨年の当初議会での消防局長の答弁は一体何だったんでしょうか。再度消防局長より明確な答弁をお願いします。 また、運搬給水については、飲料水パックが有効かと思います。神戸市では可搬式の飲料水パック製造機を平成元年に災害対策用として購入していたのが非常に役立ったそうです。水1リットルのパックを1時間当たり 1,500個程度製造することが可能で、地震後の5日間で1万 2,000個以上製造しており、初期の水配布に大きな効果を見たということです。和歌山市でも製造機の購入を検討したらどうでしょうか。飲料水パック製造機の導入についての考えをお聞かせください。 最後になりましたが、市長及び財政部長から、本市が財政再建団体に陥るという危機的状況は今後ますます強くなってくると率直な考えをお聞かせいただきました。 昨年12月議会で山本議員が、助役初め教育長、水道局長、消防局長、全部長に財政再建に取り組む決意をお聞きしました。覚えているでしょうか。 市長一人が幾ら躍起になっても市長と幹部職員、そして職員が同じ危機意識を共有しなくては財政再建は達成できないのです。そういう意味から、皆さんにお聞きしたと思うのです。そして、皆さんに叱咤激励をしたわけです。それはだれよりも市長が一番よくわかっているはずです。 今回の財源配分型方式の予算編成にはその意図がよくあらわれているような気がします。1問での市長の財政危機に対する答弁でありますが、非常に難しいと。そして、補助金なんかも今までの補助金をなかなか切れないというふうな現状とか、それから賃下げ、この問題についてもやっぱり職員の身分もありますからできないという大変厳しい身分もありますからできないという大変厳しい状況のお話がありました。 改革派で有名な宮城県の浅野知事、あの宮城県も、今、財政再建団体の危機に瀕しておりまして、先日新聞で見ましたけれども、県議会で大変なことになってると、職員の賃金を5%賃下げというのを提案したらしいですが 3.4%か下がって妥協して、そういうことになったということで、大変あの浅野知事でさえも苦しんでおる財政再建であります。 そういうことですから、思い切り節約するしかないと思います。これは一例ですが、節電とか節水、それから清掃、文房具、紙のむだ遣いをやめ、市役所の職員みんなで節約して財政の立て直しをするため協力してもらったり、また、市長が職員の皆さんにそういうことをお願いすべきだと思います。 これは職員の意識改革だと思います。ほかのものを多少削減しても、財政再建一本の予算編成でいいじゃないですか。最初にお話しましたが、予算編成にめり張りがないというのはこういうことだと思います。 職員に、何とかしないと和歌山市は大変なことになる、そういう危機感を持ちながら仕事に励める環境、気概をはぐくむのが、前段お話した市長の大黒柱としてのリーダーシップではないでしょうか。いやいや財政はまだ大丈夫だというのであれば、またそれはそれで少ない予算でやりくりをして、最も重要な課題に予算を思い切り投入するという姿勢が必要だと思います。 それが市長のまちづくり構想であり、方向性であり、リーダーシップであると思うのです。今が正念場です。本当に苦しくて、厳しくて大変だと思いますが、市長初め幹部職員の皆さんの御苦労には敬意を表すとともに、今後とも市の財政再建のために頑張っていただきたいと思います。 以上で、再質問を終わります。(拍手) ○議長(佐伯誠章君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 25番宇治田議員の再質問にお答えします。 フロアマネジャーを今後職員に移行していく考えはあるか、こういう御質問でございます。 議員も御指摘のとおり、本来フロアマネジャーは職員がこれに当たるべきであると私も思っております。議員がごらんになった松山市や先ほど御指摘のあった羽咋(はくい)市、私が見てきました佐賀のいずれも職員がフロアマネジャーを務めております。 私もフロアマネジャー設置を指示したとき、最初は当然職員が当たるか、あるいは外郭団体のプロパー職員を充てることはできないかというふうに考えたわけでございまして、新たに賃金支弁職員を雇ったり、外部委託したりするということを考えていたわけではございません。 ただ、現実の問題といたしますと、職員やプロパーに新しい仕事を教育するにはそれなりの時間が必要ですし、これまでの市役所の窓口応対しか知らない人に急に気配り市役所の顔になってもらうというのはやや無理があるとも思いました。 せっかく市役所の空気を変えるという事業を始めるんだから、少なくとも最初はその道のプロを投入した方がうまくいくと、職員にとっても負担が少ないということで、賃金支弁職員や外部委託を導入したものでございます。 したがいまして、税総合システムや戸籍の電算化が進み、ワンストップサービスが実現する時点では、窓口業務のかなりの省力化も期待できますので、その時期を目標に総合窓口充実の具体計画の一環として、フロアマネジャーの役割と主体、そして、配置人数そういうことを最少の経費で最良の市民サービスを提供するということを目指して再考してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 的場企画部長。 〔企画部長的場俊夫君登壇〕 ◎企画部長(的場俊夫君) 25番宇治田議員の再質問にお答えいたします。 保健所前のバス路線の改善についての御質問でございます。 保健所前のバス路線につきましては、健診等のため保健所に来られる方のためにも増便を含め時間帯に応じた運行を要請しております。 和歌山バスから増便するには配車関係の調整に時間が要するとの報告を受けております。しかし、再度和歌山バスに対しまして、改善を強く要請してまいります。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 相坂消防局長。 〔消防局長相坂 勲君登壇〕 ◎消防局長(相坂勲君) 25番宇治田議員の再質問にお答えいたします。 飲料水兼用耐震性防火水槽の設置計画についての再質問でございますが、先ほども御答弁させていただきましたとおり、これを設置することにつきましては、その必要性を十分認識しているところでございますが、相当な経費が必要となりますことから実現に至っていないのが現状でございます。 この代替として、当面は地震災害時においても水源を確保できる耐震性防火水槽の設置や、この水を飲料水として有効に活用するための緊急時用の浄水装置導入の推進に努めることにより、飲料水と消火用水の確保を図ってまいりたいと考えております。 次に、飲料水パック製造機の購入についての再質問でございますが、飲料水パック製造機はさきの阪神・淡路大震災において、初期の水配布に大きな効果をもたらしたと聞き及んでございます。今後は給水担当部局と調整をしながら、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) 25番。 〔25番宇治田清治君登壇〕(拍手) ◆25番(宇治田清治君) 長くなって申しわけございません。もう最後でございます。 市長、消防局長、企画部長からそれぞれ御答弁をいただきましたので、再々質問をさせていただきます。 企画部長、保健所前の路線バス増便について、本当にもう小さい子供さんたちを抱えたお母さんたちは大変困っていますので、早急に和歌山バスと協議して改善していただけるようよろしくお願いします。 それから、消防局長、飲料水パック製造機ですが、これは水道局ではポリタンク20リットル 2,000個と、それから非常用飲料水容器10リットル、これが3万 9,000個あるということでございますので、神戸の震災で大変役に立ったということですが、このことについては研究、検討をしておいていただきたいと思います。 それから、飲料水用耐震性貯水槽ですが、私これは飲料水対策としては絶対に欠かせないものと思っております。昨年、局長より分散配置を計画的にしていくとお答えいただいて安心していたんですが、1年たつと、金がないのでできないではちょっと納得がいきません。 飲料水兼用耐震性貯水槽は60立米では 1,728万 9,000円補助金が出ます。そして、 100立米では 2,140万 5,000円の補助金が出ます。 100立米では事業費が約 6,000万円から 7,000万円ぐらいかかるそうです。ですから、市担が 4,000万円強だと思うんですが、それぐらいかかるんですが、高知のように毎年計画で25基までしろとは言いませんが、せめてこの30年間に地震が起こる確率が40%と言われている中で、その間に何基かでも計画を持てないでしょうか。 道路が分散されるとかそういうことが十分予想されますので、運搬給水は余りはかどらない状況が予想されます。したがって、耐震性貯水槽の分散配置が一番有効な水の確保と私は思います。ぜひ設置していく方向で計画を立てていただきたいと思います。 これは市のトップである市長の決断だと思いますので、最後に、財政厳しい折ですが、市長の方からお答えをください。 また、フロアマネジャーについては、市長のお考えはよくわかりました。最終的には職員で対応できるようにしていただくことを要望としておきます。 以上で、再々質問を終わります。長時間御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐伯誠章君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 25番宇治田議員の第3問にお答えいたします。 飲料水兼用の耐震性防火水槽の設置計画についてでございますが、先ほどから消防局長が答弁いたしておりますように、最大の難点は、この防火水槽設置には、今、議員も御指摘になりましたように、市の負担だけで1基 4,000万円ぐらいの費用が必要なことでございます。現状ではなかなか難しいわけでございますけれども、御指摘のように、必要性というのは非常に高いものであるということもよくわかっております。 せめて1基でも設置できないものか、さらに検討を進めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(佐伯誠章君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明3月9日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐伯誠章君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後3時33分延会   ------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。  議長  佐伯誠章  副議長 東内敏幸  議員  貴志啓一  議員  多田純一  議員  メ木佳明...