令和 4年 6月 定例会(第2回) 令和四年 第二回
天理市議会定例会会議録(第三号)
--------------------------------------- 令和四年六月十五日(水曜日) 午前九時三十分
開会---------------------------------------議事日程(第三号)一 日程 日程第一
一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり
---------------------------------------出席議員(十五名) 一番 仲西 敏議員 二番 石津雅恵議員 三番 西崎圭介議員 四番 大橋基之議員 五番 寺井正則議員 六番 鳥山淳一議員 七番 内田智之議員 八番 今西康世議員 九番 榎堀秀樹議員 十番 市本貴志議員 十一番
岡部哲雄議員 十二番 藤本さゆり議員 十三番 荻原文明議員 十五番 東田匡弘議員 十六番 加藤嘉久次
議員---------------------------------------欠席議員(一名) 十四番
山田哲生議員---------------------------------------説明のための出席者 市長 並河 健 副市長 藤田俊史 教育長 伊勢和彦 市長公室長 上田茂治 市長公室理事 西辻健一 健康福祉部理事 総務部長 木村昌訓 くらし文化部長 吉川尚光 危機管理監 上土居能一 健康福祉部長 加藤道徳 環境経済部長 谷 文広 建設部長 井上典正 教育委員会 青木 仁 事務局長 会計管理者 奥村良子 上下水道局長
前田典昭議会事務局職員ほか出席者 事務局長 藪内康裕 事務局次長 松原茂幸 事務局次長補佐 青木一朗 事務局係長
上田泰司--------------------------------------- 午前十時零分 開議
○議長(大橋基之議員) 休会前に引き続き会議をいたします。
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○議長(大橋基之議員) これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。質問時間は、答弁を含め六十分以内となっておりますので、御了承願います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 十三番、荻原文明議員。 〔十三番 荻原文明議員 登壇〕
◆十三番(荻原文明議員) それでは、一般質問を行います。一括方式でお尋ねいたします。市長並びに関係各位にお尋ねいたします。 まず、地域公共交通等についてお尋ねいたします。
オンデマンド交通は、経路、乗降地点、時刻に柔軟性を持たせることで、利用者の要求に応えて運行する乗合型の公共交通の形態をいうと言われています。
コミュニティバスは、路線バスに近い運行を行っています。住民の要望にできる限り応えようとされており、今日重要な役割を担っています。住民の移動の自由の保障、交通権保障という
ドア・ツー・ドア交通の原則からすると、
デマンドタクシーは改善が求められています。 当面、乗合型を維持し、途中乗降自由、任意の時刻に予約可能とすることはできないのかどうか。総合的な交通、移動を考える上で、バス、電車を幹線とし、デマンド交通を支線として検討することが必要です。 乗降所を増やし、利便性の向上を図る上でも、
AIオンデマンドの導入の検討、今後免許返納者が増加し、交通権を保障する上からいっても、必要性が高まることが予想されます。
デマンドタクシーの経路、乗降地点、時刻の改善についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 次に、非正規公務員の労働条件等について、
会計年度任用職員の処遇改善についてお尋ねいたします。 二〇二〇年度に
会計年度任用職員制度が始まりました。
会計年度任用職員は、地方公務員法第二十二条の二の規定に基づき任用される非常勤職員です。 これまでの臨時的任用職員や非常勤の特別職員と比べて、休暇、福利厚生、手当等の拡充がされていますが、その一方で、服務規程、守秘義務や職務に専念する義務などが適用され、かつ懲戒処分等の対象にもなります。一年度の間で必要とされる期間を任期として勤務することとなります。任期は手続なく自動的に継続されるものではありませんとされています。 給料は、正規職員は初任給は高校卒で一級五号で月額十五万六百円、短大卒で一級十五号で十六万三千百円、大学卒で一級二十五号で十八万二千二百円です。二
号会計年度任用職員は、事務職で一級一号で月額十四万六千百円です。
会計年度任用職員は管理職になれませんから、基本的に級が上がることはありません。 一方、民間の賃金は、奈良県の場合は三十人以上の事業所で決まって支給する月額給与は、調査産業計で二十四万五千五百八十四円です。また、二人以上の世帯の一世帯当たりの平均消費支出は、二〇二〇年の奈良市で二十九万九千六百二十七円となっています。 民間企業の正規職員の初任給は二十万円以上と言われる中で、正規職員の初任給にも満たない給与額では、生活費を賄うことはできません。法律の制限がある中で、地域手当の改善と生活費の補充のための副業、兼業を認めること。勤務年数に応じた昇給を行うこと、長期の勤務年数で正規の公務員として採用することが必要です。これについてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 次に、コロナ危機と物価高騰から市民生活を守る対策等の強化などについてお尋ねいたします。 現在の物価高騰と国民生活の困難は、コロナからの経済回復に伴う社会的な需要増による国債価格の高騰、日銀の異次元の金融緩和政策による円安誘導と輸入価格の上昇、ロシアのウクライナ侵略と経済制裁によるエネルギーや小麦価格の上昇という複合的な要因によるものです。 コロナ危機によって景気の低迷、生活の困難が長期に及んでいるところに、ガソリン、食料品、電気料金をはじめとした物価の高騰が襲いかかり、暮らしと営業は深刻な打撃を受けています。当面の暮らしと営業を守るために、政府に要望するなどして、天理市としても独自の対策を実施することが求められています。緊急に次の対策を取ることが必要です。 文部科学省は、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、原油高騰・物価高騰対応分の交付金を活用し、学校給食費等の保護者負担軽減を強力に進めることを求める文書を、地方自治体に向けて発出しています。
新型コロナウイルス感染症住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金は、非課税世帯と収入減少世帯を対象としており、例えば六十五歳以上で単身者の場合、年金収入で年間百四十八万円以下ということになります。 また、アルバイト収入や仕送りがなくなった学生は、扶養控除の対象になっている場合は給付対象外ということになり、生活支援を行う必要があります。また、対象者の拡充が必要であり、これについてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 また、義務教育費、教材費や小中学校、保育所等の給食費及び関連費用の保護者負担の軽減を図る必要があります。憲法二十六条の義務教育は無償とされている中で、給食は教育の一環であり、無償という立場は新憲法の下で長年にわたって議論されてきました。 例えば、一九五一年三月十九日、
参議院文部委員会では、文部省、辻田教育局長は、「義務教育の無償化というのは、現在は授業料でございますが、そのほかに教科書とそれから学用品、学校給食費というふうな、なおできれば交通費というふうなことも考えております」と答弁しています。これは、今日でも否定されておりません。ですから、給食は無償というのは、政府も含めて共通認識となっています。 今、コロナ禍で急に言い出したわけではないのであります。コロナ禍が長期化する下で、天理市中小企業融資の返済猶予と借換え条件から、税の滞納条件を除外することが必要です。農業用の肥料や飼料の高騰対策として、購入費補助を実施することについてお聞きいたします。
新型コロナ協力金給付金の市営住宅の家賃算定の収入認定から除外することについては、家賃算定の対象外となる一時的収入とすることは、事業主体の判断で可能とされています。収入認定から除外することについて、お尋ねいたします。 住生活の安定確保に不可欠な施策は、公営住宅、家賃補助、居住支援です。中でも
住宅セーフティネットの中心的役割を担うのは公営住宅です。今の住居から退去を迫られている、夜寝るところがないという方もいました。住居は福祉という観点から、市営住宅を緊急宿泊所として活用することが求められています。 以上の項目についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 次に、難聴と
認知症予防対策等についてお尋ねいたします。 難聴と認知症について、
野田寛琉球大学名誉教授は、七十歳を超えると約半数の方が難聴になると言われています。加齢による難聴者が約一千万人いると推計されています。難聴によってコミュニケーションがうまくいかなくなると、家族や社会から孤立して、生活の質や生きる意欲まで低下してしまいます。認知症の約八割は難聴の放置が背景にあると言われ、とても深刻な問題ですと述べています。 川西町は、令和四年度政府予算要望で、難聴が介護申請に至る
高齢者難聴補聴器購入に一部補助を要望しました。全国市長会は令和二年度総会で、加齢性難聴の補聴器購入に対する補助制度をつくることを政府に要望しました。加齢性難聴は、加齢とともに誰にでも起こり得るもので、一般的に五十歳頃から始まり、六十五歳を過ぎると急に増加すると言われています。七十五歳以上では七割以上になると言われています。 生活習慣病や、喫煙、アルコールの取り過ぎにも原因があると言われており、基本健診に聴力検査を制度化することが必要です。高齢者の補聴器購入補助を行っている自治体は、
中央社会保障推進協議会の調査では、全国で約五十八自治体が助成制度を持っており、広がっています。 重度になる前から補聴器を使用し、生活の質を落とさず社会的交流を維持し、認知症を防止する上からも、自治体による補助制度の整備が求められています。補聴器の価格は二万円から五十万円など大きな開きがあります。高ければ良いというわけではなく、使う人の特性に合わせることが必要だと言われています。 加齢性難聴対策は必要だという共通認識はさらに広がっており、天理市として加齢性難聴の補聴器購入補助を行うことが求められています。これについてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 最後に、政治倫理条例の課題と対応などについて、その現状認識と対応などについてお尋ねいたします。 天理市政治倫理条例第五条は、議員の配偶者もしくは一親等の親族が経営する企業が、市等が行う請負契約等を辞退するよう努めなければならないとしています。しかし、これに違反して、天理市等と二〇一九年度に、丹波市
小学校プールろ過装置更新工事及び
道路修繕工事舗装、
岸田柳本停車場線、二〇二〇年度には、
鉛製給水管布設替え工事及び天理市丹波市
小学校トイレ改修等工事、二〇二一年度に、
道路修繕工事舗装、上入田都祁線の請負工事等が行われております。 政治倫理審査会は、天理市が令和元年度において、調査請求書に記載の請負契約を締結したこと及び辞退届が提出されていないことを事実として認定しました。天理市政治倫理条例に違反する契約等が続いている状態を、どのように認識されているのか、お尋ねいたします。 また、政治倫理条例が形骸化される状態が続いている状況の下で、政治倫理確立に関する必要な調査、審議をするために設置されている天理市政治倫理審査会は、その職務として市長の諮問を受けた事項について、調査、答申をし、または建議することが第十三条に定められています。 条例違反が続いている下で、市長として政治倫理審査会に諮問することが必要です。これについてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 第五条第六項には、辞退届の提出状況を広報紙等で速やかに公表しなければならないとなっていますが、未提出の状況を公表することについてお尋ねいたします。 以上です。
○議長(大橋基之議員) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) 荻原議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、地域公共交通についてでありますが、政府においてもデジタル技術を活用し、一人一人の移動ニーズに応じて複数の公共交通や、それ以外の移動サービスを組み合わせ、検索、予約、決済等一括で行う新たなモビリティサービスの導入等を支援しているところでございます。 本市の
デマンド型乗合タクシーにつきましても、ただし、あまりそれぞれのニーズに個別に対応し過ぎると、タクシー等の交通事業者を民業圧迫するという部分も懸念としてはないわけではないですから、そういった点はしっかりと配慮をしながら、現行のデマンド運行の枠内において運行時刻や経路、予約可能な時間等について、より柔軟性を持たせることで、サービスの向上が図れるよう、先進地でのAIを活用した
オンデマンド交通の事例等も踏まえながら、しっかりと検討していきたいと考えております。 続きまして、
会計年度任用職員についてでございますけれども、平成二十九年の地方公務員法及び地方自治法の一部改正に伴いまして、市が雇用している非正規職員については、令和二年度より
会計年度任用職員制度に移行しているところであります。 移行に当たって、給与、保険などについて、政府が示す指針に沿って運用しておりまして、議員御指摘の地域手当につきましても、近隣他市と比べて不利益等が生じないよう十分に検討し、職員組合などとも協議、合意をした上で進めてきたところであります。 生活費の補充のための副業、兼業を認めることについては、
パートタイム会計年度任用職員については、現在も兼業を認めているところであります。 また、
フルタイム会計年度任用職員については、基本的には地方公務員法第三十五条の適用を受け、兼業などについては正規職員同様に職務専念義務の点から禁止をされておりますが、一方、地方公務員法第三十八条第一項の規定に営利企業等に従事する場合においては、任命権者の許可を得なければならないという規定がございますので、本市の職員の営利企業等の従事制限に関する規則にのっとり、一般的に公共性があり、地域の発展や活性化に資する活動であるなどとした場合には、任命権者の許可を得ることで、営利企業等での従事も可能な体制となっておるところであります。 次に、
フルタイム会計年度任用職員の昇給についてでありますが、一般事務職員は採用後三年目まで、保育士等を除く
会計年度任用職員については採用後五年目まで、保育士等については十年間の昇給を行っております。今後も議員御指摘のとおり、それぞれの職種、勤務年数に応じた適切な昇給を行えるよう努めていきたいと思います。 次に、勤続年数に応じて非正規職員を正規の公務員として採用することについてですが、正規職員の採用については、地方公務員法第十七条の二の規定によりまして、職員の採用は競争試験によるものとするというふうにされております。 それにのっとり、本市の職員任用規則第五条においても、
職員採用試験委員会の設置を規定し、試験の告知、実施、採用候補者の提示等の事務を公平公正に審査をして行っているところであります。 したがいまして、地方公務員法の規定にのっとれば、競争試験を経ることなく採用というのは困難であろうかと思います。しかしながら、職員の採用に当たっては、本市を含めて、また民間の企業などでも職務経験のある職員を積極的に採用するなど、採用枠を拡大して募集するなど行っておりまして、昨年度は保育士、幼稚園教諭等について保育園、あるいは幼稚園勤務経験のある即戦力の職員として、通常の大学卒業枠とは別に経験枠を設けて募集、採用を行ったところでございます。 このように、今後も経験豊かな方の採用を柔軟に取り組んでいくということは、しっかりと考えていきたいと思っております。 続きまして、
住民税非課税世帯に対する
臨時特別給付金等についてでありますけれども、こちら令和三年度より引き続き取り組んでいるところでありまして、このたび内閣府のほうから、令和四年六月一日施行の改正要綱というのがございましたので、現在それに基づいて六月下旬をめどに、新たに対象者となった世代に順次申請書を送付し、できるだけ早く交付できるように努めているところであります。 こちら政府から示された対象世帯、市独自で拡大することは、財政上なかなか厳しいところもございますけれども、この六月議会に補正予算案として提出させていただいているとおり、
新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用して、就学援助世帯に一万円の支援を行う等、できる限りの対策は取っていきたいと考えております。 続きまして、教材費、給食費等についてでありますが、本市においてもやはりこのコロナ禍において保護者の皆さんの負担増、また経済的需要というところを十分に酌み取った対策を取らないといけないというところであります。 教材については、基本的に各学校において児童・生徒の学習に適切な教材内容のものとし、なるべく保護者の負担にならないように心がけているとともに、経済的理由により就学困難と認められる準要保護世帯の児童・生徒には、就学援助費の中で学用品費として小学生に年額一万一千六百三十円、中学生には年額二万二千七百三十円の援助を行ってきているところでございます。 そして、給食費については教材費と同様、経済的理由により就学困難と認められる児童・生徒の世帯には頂いておりません。 また、これに加えまして、
新型コロナウイルス感染症が長期化する中で、ウクライナの侵略もございます。原油価格・物価高騰に伴う食材価格の高騰により、子どもたちに必要な栄養を十分満たした学校給食の提供というのが、従来の予算だけでは困難となりつつある現状を受けまして、これまでどおり栄養バランスを保った学校給食を提供できるよう、令和四年度については地方創生交付金を活用し、保護者の追加の負担がない形で、しっかりと食材分をプラスできるように、今議会で補正予算案を計上させていただいているところでございます。 なお、保育所及びこども園の給食については、結構食べ残しなんかもこちらはございましたものですから、こちらの対策を強化することで、現時点では食材の質の低下などを起こさないでやりくりをしている状況でございますけれども、今後の状況に応じて、仮に食材がさらに高騰し、維持するのが難しいような事態になった場合には、学校給食同様、保護者に負担が生じない形で、子どもたちの食の質を保つため、市としても適切に対応できればと考えております。 次に、学生についての支援でありますけれども、やはりこのコロナ禍で学びの継続の危機というのがございました。本市では、学生が学業を断念せず継続できるように、また家庭の経済的状況により、中学生の学習格差が広がらないようにするために、これまで天理まなび支え合い塾を開講し、学生支援と、そして受験生支援を共に行う、そういった対策を行ってまいりました。 そして、市内大学では
オンライン授業等に対応するための給付金や独自の就学金制度など、コロナ禍における学生支援なども実施をされてきているところでございます。 そして、政府等においても新型コロナにより、労働日数等に影響を受けた労働者に対し、支給される
休業支援金給付金や、
日本学生支援機構による緊急の奨学金制度等の支援策が準備されており、各大学でも学生の皆さんが円滑に支援を受けられるよう手配をしているところでありまして、引き続き大学等とも連携をしながら対応をしていきたいと考えております。 次に、中小企業融資返済猶予借換え条件等についてでありますが、返済猶予と借換え条件の緩和については、返済猶予として、据置期間の延長を行っても融資期間は変わらないため、当初予定より短い期間で返済を余儀なくされ、月々の返済額が上がってしまうという問題もやはりございます。据置期間中にも利子の支払いが発生し、全体の返済額が当初より増えてしまうという事情もございまして、なかなか事業者の皆さんに聞いても難しいところはございます。 そして、融資条件の変更は事業者の信用情報に影響があるとされており、今後新たな融資が受けにくくなるなど、結果として事業者の負担を増やしてしまう懸念もございますので、そちらのほうにも十分配慮をしなければなりません。 本市においては、新型コロナの影響を受けた市内の中小企業を支援するため、令和二年度に市の融資制度を拡充し、融資額の二〇%以上の返済を完了していること等を要件に、借換えを可能といたしました。ただし融資条件中の市税滞納の確認については、こちらは仮に市が緩和をしたとしても、金融機関や保証協会の審査において、やはり滞納がございますと新たな融資を受けることができないということ。 また、保証協会の保証料や利子の一部を市も補給させていただいているということを踏まえますと、市税の納税義務の履行を要件とすることは致し方ないところがあると考えております。 続きまして、肥料、飼料等の農業資材についてでありますが、特にウクライナへの侵攻を受けて、著しい価格高騰が見られるところであります。現在、政府によって肥料製造業者に対し、原料調達国の変更にかかる費用上昇分に対する支援が行われております。また、農家への直接的な支援については、政府の「骨太の方針」の中にも、肥料価格急騰への対策の構築等の検討を進めると記載されておりまして、現在対策が検討されているところであります。 本市としては、今次補正予算案には、子育て世帯への支援策や、市全体における消費喚起等に周知をさせていただいたところでございますが、具体的な政府の施策が今後出てまいりましたら、市内農家の皆さんにも積極的に御活用いただけるように、私どもも協力をしていけたらと思っております。 続きまして、
感染拡大防止協力金、
持続化給付金等の
市営住宅家賃決定時のことでありますけれども、こちらは所得税法などの法令の定めに基づき、課税対象とはなっておりますが、岸田総理が、公営住宅の事業主体の判断により、
持続化給付金等一時的な収入に該当するものと取扱い、所得金額の認定に当たって、
持続化給付金等を除くことは可能であるというふうに国会で答弁をされました。 これを受けまして、本市では、影響を受けられた事業者の方の救済に、少しでも貢献できるように新型コロナ関連の給付金等による市営住宅の家賃上昇の緩和を図ることとし、この給付金等は一時的な収入に該当するものというふうに扱いまして、家賃算定額から課税対象の給付金等を除外するという判断をしたいと、今回御指摘をいただきまして、考えたところでございます。 今後、この制度について市広報紙や市ホームページなどでも、市営住宅入居者に周知をしていきたいと考えておりますので、荻原議員におかれましても、こちらの御協力をお願いできたらと思っております。 そして、公営住宅の緊急宿泊所として使用するということでありますけれども、昨今の新型コロナ感染拡大を受けて、やはり令和二年に国土交通省から新型コロナの感染拡大が原因で解雇になり、民間賃貸住宅から退去を余儀なくされた方に対して、公営住宅を一時的に使用する目的外使用が可能というふうにされました。 これを受けて、天理市でもこちらに該当する方については、目的外使用を可能とするということで、住宅三戸を確保しておりますので、解雇など諸条件に該当する場合は、まず一年を超えない期間でございますけれども、入居を可能としているところであります。 続きまして、難聴と
認知症予防対策等についてでございます。 御指摘のとおり、認知症の危険因子の中に、難聴というところは含まれているところでございます。本市としては、このコロナ禍において高齢者の皆さんの健康への影響が懸念される中、活脳教室・クラブあるいはステップ体操など、認知症予防対策を強化してきているところでございます。 補聴器の購入助成については、聴覚に関して身体障害者手帳をお持ちの方については、購入もしくは修理にかかる費用の九割を原則負担しております。身体障害者手帳の交付対象とならない十八歳未満の軽度・中等度難聴児についても、奈良県の補助金を受けながら購入費用の原則三分の二を補助しているところであります。 現在、加齢により音が聞き取りにくくなった方については、助成金の対象となっておりませんけれども、認知症施策の取組を一層充実させていくとともに、今後補助対象が県のほうでも高齢者まで拡充をされていきましたら、県の施策と連動する形で検討していきたいとは考えております。 そして最後に、政治倫理条例についてであります。 こちら一条に、市民からの信頼を確保するために、市民全体の奉仕者として人格向上と倫理の確立に努めるように規定をされておりまして、ただし本条例の遵守すべき事項としているものには、一律に法的義務を課すのではなく、努力義務によるものも含まれておりますので、これらは私も含めて、また議会の皆様のそれぞれの倫理観に基づいた努力によって果たされるということが、重要であろうと考えております。 また、政治倫理審査会については、条例の十一条から十三条に記載をされておりますが、こちらは調査、審議について市民からの調査請求を受けて諮問するものであるというふうにされております。本条例が議会発議により制定されたという経緯に鑑みますと、目的達成のために現行制度への改善や再検討が必要な状況であれば、まず天理市議会基本条例第二十一条及び第二十四条の規定にありますとおり、議会において御検討いただき、議論を深めていただければと考えております。 ただし、その公表の部分についても、御指摘がございました天理市政治倫理条例第五条、六条に規定されている辞退届の提出状況については、これまで辞退届を提出いただいた方について広報紙に掲載をしているということなんでございますけれども、提出されている方以外についてもということであれば、先ほどの経緯に鑑みますと、議会とも相談して今後検討させていただくべきものと考えております。
○議長(大橋基之議員) 荻原議員。
◆十三番(荻原文明議員) それでは、再度質問させていただきます。
オンデマンド交通については、
コミュニティバスも公共交通空白区域という、そういう条件があって、市全体に走らせるということは困難で、
デマンドタクシーについても民業圧迫ということになって、これに参加していないタクシー会社、個人事業者と競合することになるという。それはそれで分かるんですが、それならばAIを導入することによって、全てのタクシー事業者、個人タクシーも含めて参加することはできないものなのかどうか。 違った観点からすれば、高齢者に対して例えばタクシーチケット、もう全員に基本料金分、今一定数配布するという方法も、それならタクシー事業者、もう全てのタクシー事業者が潤う。それも一つの方法ではないか。それはそれでまた財政的な問題も様々あるし、いろいろ問題もありますから、クリアしなければならない問題はあるかと思うんですが、その点についても一定、AIがどういう形で導入できるのかどうか、その技術的な進歩も含めてですが、今後の検討をぜひよろしくお願いしたいと思います。 それから、
会計年度任用職員については、特に地域手当については、本来天理市の地域手当は三級地で一五%が国が定めた基準だというふうに。ところが、減額をして現在六%ですかね、というふうになっていると思うんですが、その中でも正規職員と
会計年度任用職員の間では格差があるということで、本来地域手当は一般職の職員の給与に関する法律では、地域手当は当該地域における民間の賃金水準を基礎とし、当該地域における物価等を考慮して、人事院規則に定める地域に在勤する職員に支給するというふうになっておりますから、その基準というのは、民間賃金の水準と物価等ということでありますから、これはその趣旨からいっても、正規職員と非正規職員を格差をつける意味が、同じように生活しているわけですから、ありませんから、その点についてはぜひ正規職員と同じ率の地域手当を支給することが、その趣旨からいっても必要ではないかと思いますので、この点について改めてお尋ねをいたします。 それから、コロナ禍における物価高騰と市民生活を守るという点についてですが、特に中小企業融資について、その返済猶予をすると利子がかかるという問題、あるいは期間が延長できないから、一か月の返済金が多くなるというんですが、もうそれはそれで天理市が条例でつくっているわけですから、条例改正をすればその辺は返済期間の延長もできるわけですし、金融機関とかあるいは保証協会等々との話合いが要りますが、利子がかかるという点についても、天理市が利子補給を一%ですかね、しておるわけですから、それを延長期間分、全額利子補給するとか、そのほか天理市の判断である程度はクリアできる。 民間金融機関が税の滞納があれば、なかなか借換えに応じてくれないということなんですが、それも天理市が税の滞納があっても、借換えを認めてほしいということを金融機関と話合いの中で提起をしていただければ、金融機関も話合いには応じていただけるのではないかと思うんですが、その点について、改めて御検討をお願いしたいと思います。 それから、難聴と認知症予防対策についてでありますが、先ほど私が申し上げたように、そもそも難聴になると、もう外に出るのがおっくうになる。それが認知症の一つの大きな原因になるということですから、県の施策に連動してということなんですが、これは所得制限を設けてでも、市独自にやっぱり実施していくことが必要ではないかと思うんです。 これはもう高齢になれば、七十五歳以上になれば八割、九割の方が難聴になるんではないかというふうに言われておるわけですから、改めて市独自にこれを取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思いますので、この点についても御答弁をお願いしたいと思います。 それから、政治倫理条例については、先ほど申し上げたように、今現在政治倫理条例に違反する事態がずっと続いているわけですから、それ自身が問題なわけなんです。もちろん関係者がそれを、政治倫理を確立するために努力することは当然なんですが、その違反する状態が続いていることに対してどうするかという問題なんですよね。 だから、専門的知見を持った審査会の方々に、その点について法的な解釈も含めて諮問をすることが必要ではないかと思うんです。 十三条の一項と二項が、市長は連動してお考えのようですが、私は一項、二項というのは連動していないと思うんです。 私の解釈では、普通法律何条第一項、二項というのは、その中に一項によって第二項を発動するという文言がない限りは、やっぱり一項、二項というのはそれぞれ独立しているわけですから、市民の要請がないと市長が審査会に諮問できないなんていうことは、これはないと、そういう解釈はできないと思います。 その点について、もし市長が、そういう解釈をされるのであれば、市民が政治倫理条例を改正する際に、市民がどういう手続をしたらいいかということも含めて、条例規則に載せているはずですから、当然。 載せなかったということは、独立して市長の御判断で政治倫理審査会に諮問をすることができるということですから、改めてその現在のそういう違反の状態を是正するために、専門的な立場から審査会の意見を聞く必要が、あるいは建議を受ける必要があると思うんですが、この点について改めて御答弁をお願いいたします。
○議長(大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 順次再質問にお答えをさせていただいております。 私も高原のほうに移りまして、デマンド型のタクシーを非常に有効に御活用いただいているその重要性は、非常に認識をしているところでございますが、例えば高原からここまでですと十五キロぐらいございますので、なかなか基本料金だけ、例えばチケットを出させていただいても、相当高額になりますので、やはりデマンドそのものをどう使い勝手がいいものにしていくのかということが、非常に大事だと思っております。 そこにおいては、前日までに予約をしないといけないとか、いろいろございますし、より効率的に運用する中で、全体を最適化していくときに、AIを含めた先進的な技術を導入することは、これは非常に重要だと思っておりまして、今回の御指摘を受けて、我々としてもしっかり対応をしていきたいと思っております。 続きまして、地域手当についてなんですけれども、こちらは結構県内の市町村でも開きがあるところでございます。 某市さんでは、例えば正規職員さんは一〇%ということで、非常に高いんですけれども、会計年度についてはなしというようなところもあると承知をしております。 その中からいいますと、天理市は国の基準、一二%のところが今組合等とも議論する中で、何とか六%という話で会計年度については三%というところでやらせていただいております。 そもそも、本市は経常収支比率が高いと言われ続けて行革の話の中で、これをもっと下げたらどうだという議論はずっとあるんですけれども、やはりそれは我々がいろいろやりくりを努力する中で、職員の皆さんも非常に一生懸命頑張っていただいていますから、せめてやはり現行の状態を維持しつつ、やれる改革努力を尽くしていこうじゃないかということで進んできておりまして、今後も市の財政状況全般を見ながら、職員また組合の皆さんとも協議、合意をしていく中で、もちろん手厚くできることは手厚いほうがいいと思うんですけれども、対応していけたらと思っております。 加齢の難聴の方についての対応については、私も御指摘をいただく中で、やはり高齢者の皆さんが外に行きづらいということになってしまうと、これは悪循環で、認知症が悪化するというのは、これは御指摘のとおりかなと思いました。 結構、補聴器、金額に開きが機種によって大きいわけでありますけれども、所得制限というお話も一言おっしゃっていただいたかなと思いますので、どういう価格条件であったり、所得制限であったりすれば、どんな額になるというようなことは、また引き続きこれは検討していけたらなと思った次第でございます。 次に、中小企業の融資制度についてなんでございますけれども、なかなかやはりこの信用協会や他の金融機関さんがどう判断されるかというところは非常に大きいので、将来にわたってやはり事業に不利益が生じるようなことというのは難しいのかなと。 そこの中で、まず令和二年に融資額の二〇%以上の返済を完了された方について借換えを可能としたわけですが、他の制度との関係でありましたり、あるいは事業者の皆さんの現実の状況というところを踏まえて、この市の制度としてもどういう形で拡充をしたらいいのかということは、継続的に改善を図っていきたいと思います。 最後に、この政治倫理条例についてでありますけれども、まずこの諮問を私が市民から指摘がなくてもということでありました。 一方、注意をしないといけないのは、共に市民の御代表という中で、議会があるわけでございまして、市民から声がとか、ここに明文に書いていない部分を、市長が独自にというふうになれば、私自身はそんなつもりはさらさらないんですが、これは将来的に恣意的に運用されるおそれというのもないわけじゃございません。 今、大変皆さん方に私がお世話になっていると思いますけれども、遠い将来、メンバーが替わっていって、例えば対立関係にあって、それで特に指摘を受けなくても、いや、もうこれに反していると、これに反していると、もうことごとく独断でやれるということになってしまうと、これは非常に混乱を来すわけでありまして、特にこの条例がやはり議会の中でしっかりと検討されて制定いただいたものである経緯を考えますと、一義的にはやはり議会の中での検討、判断というところを最大限我々も尊重しながら、ただし、市民の方から、これはおかしいんじゃないのかという指摘があった場合には、適切に諮問していくというような流れではないかなと思います。 荻原議員が今回御指摘をいただいた案件については、実際にはもう既に昨年度だったですかね、これは諮問されていますので、そこで審査もされていると考えております。 なので、現状が極端に変わったわけではないので、本件については、きちんと専門的に諮問もされて審査もされた状況が今なのかなと思っておりますので、そこに新たな状況が生じているとかといえばともかく、さらに輪をかけて私が追加で諮問するというのは、少しいかがなものかなと。 ただ、この全体の運用でしたり、先ほど御指摘のあった届けを出されていない場合の公表の在り方とか、その辺りについては、また議会の皆さんともしっかりとお話をしていって、まずは議会での御判断というのを尊重していけたらと思います。
○議長(大橋基之議員) 荻原議員。
◆十三番(荻原文明議員) まず最初に、
オンデマンド交通については、なかなか難しい点があるかと思うんですが、しかし、この間、七十五歳以上の免許返納を、かなり免許の更新が厳しくなったということもあるし、これから免許返納される方が、やっぱり増えていくのではないかと思うわけですから、そういう市民の状況とか、あるいは最近JRがそういう地方交通を廃止するというような報道もされている状況の中で、ますますバスや鉄道の運営というのが困難になってくるのではないか、そういう中で、これはもう市町村がなぜそこまでしなければ、交通機関、市民の交通権を保障するようなことまでしなければならないのかというふうな議論もあるかと思うんですが、しかし、今日の社会の状況に対応するためには、一定の税の配分といいますか、そういうところにされていかなければならないような社会状況になっているのではないかと思うんです。 もう少し、例えば今現在、ドローンで食品の配達とか、あるいは奈良県でも南部のほうでは、路線バスに宅急便の代わりをしてもらうような制度とか、いろんな形が様々出てくるかというふうには思うんですが、しかし当面、地方自治体が公共交通に対して対応していかなければならないという状況が続くわけですから、そういう意味で、繰り返し私も述べているんですが、総合的な交通体系をやっぱりつくっていく必要があるのではないかと思いますので、その点についてもお考えをお尋ねいたします。 それから、政治倫理条例について、改めてお尋ねしたいんですが、確かに市長が言われるような解釈といいますか、対応も市長が替われば云々という話は別にして、現在の状況で対応することが、いわば限界があるのではないかということですね。それは憲法解釈も含めて限界があることは十分承知した上で質問をしているわけです。 だからこそ、憲法解釈で制限がある中で、だけど、現在の違反状況を、やっぱりこれは変えていかなければ、克服していかなければならないということが必要です。 確かに審査会が述べているように、内心の自由というのは憲法で、あるいは絶対的に保障されておるわけですから、これを犯すわけにはいきませんから、そういうことも含めて、専門的な立場で御意見を、やっぱりこの今の機会だからこそ、伺っておく必要があるのではないか。 既に、審査会としての見解は出しているんじゃないかというふうにおっしゃいます。一定、そういう意味では出していると思います。だけど、それをあえて市長の立場で、そういう審査会も現在の政治倫理条例の限界を述べているわけですよね。 だけど、違反状態が続いているのも、また事実なんですよね。だから、そこを専門的な立場でどう考えて、どうすればいいのかという方向性を出していただければありがたいと思いますので、改めてそういう立場で諮問をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 地域公共交通を充実させることが、高齢化していく中で、住み馴れた地域で市民の皆さんが暮らし続ける上で、極めて重要だという点については、完全に意見は一致をしていると思っております。 この間、我々も先進事例の研究を全くしていないわけではなく、例えばコミバスにしても、現在のルートを廃止して、もうみんながオンラインでやれば、必要なところだけヒュッヒュッと回ってやれるようなのもありますよとか、そんな御紹介をいただいたこともあるんです。 ただし、まだまだ今の高齢者の皆さんのデジタルの状況からすると、既存路線をなくしてしまって、自分でスマホで予約できたところだけというふうになってしまったら、逆に取り残される方が相当出てしまうよねというような部分を、やはり比較考慮しながらやっていく必要があると思っております。 そして、コミバスやデマンド以外にも、例えば地元の皆さん同士の支え合いをしっかりマッチングしていくというような取組もありますので、どれであれば実際に協力も得られて、我々としても対応できるのかということは、これは不断に努力をしていかなければならんと思っておりますので、ぜひ先進的なこんな事例はどうというところがございましたら、御一緒に考えていければなと思っております。 政治倫理条例の点なんでございますけれども、現在の限界ということをおっしゃっていただいたかなと思います。以前の審査の状況を見ましても、やはり市議会の議員の身分というのは、市民の皆様の御付託をいただいておられるわけで、非常に重い、そして経済的な権利というところも、これは尊重されるべきものでございます。 ですので、今現在の判断というのは、もう一定審査が出ておると思うんですけれども、もしそれ以上の対応が必要ということであれば、むしろこの条例自体をどう変えていくんだというような議論を、議会の中で専門家も交えながらやっていく必要があるのではないだろうかと思います。
○議長(大橋基之議員) 次に、十二番、藤本さゆり議員。 〔十二番 藤本さゆり議員 登壇〕
◆十二番(藤本さゆり議員) 議長のお許しをいただきましたので、質問通告書に従いまして、一問一答方式で質問させていただきます。市長並びに関係部局におかれましては、的確な、そして希望のある答弁をいただけますようよろしくお願いいたします。 初めに、新型ウイルス感染症でお亡くなりになられた方々と御遺族の方々にお悔やみ申し上げます。また、感染されて闘病中の方々の一刻も早い回復をお祈り申し上げます。また、感染リスクに向き合い、社会生活に必要不可欠な仕事に就かれている皆様に、心からの敬意を表しますとともに、感染拡大防止に御協力いただいている全ての市民の皆様に感謝を申し上げます。 そして、長期化するロシアとウクライナの戦争や、暴力という行為が絶対悪なのであって、誰がどこの国であろうと戦争や暴力は悪であり、やめなければならないと心から感じます。地球がどういう状況になっているのかという現実を見詰めていただき、地球の持続可能性を最優先するという意識を、私たち一人一人が持ち続ける努力が必要だと思います。 そこで、私たちの環境問題についてお伺いいたします。 国連と連携する国際的な研究組織、持続可能な開発ソリューションネットワークが、今月の六月二日に発表した二〇三〇年に向けた各国のSDGs二〇二二年の報告書の発表により、日本の達成度がまた後退して、世界で十九位となったことが分かりました。 新たに評価が低くなったのは、SDGs12、生産、消費を目指す、「つくる責任・つかう責任」でした。令和三年法律第六十号、プラスチックに関わる資源循環の促進等に関する法律が施行され、レジ袋有料化がスタートして二年が過ぎましたが、プラスチックごみの輸出量の多さが響いたようでした。 また、一人当たりの電気・電子機器廃棄率、家電や携帯電話などが多く、コロナ禍でデジタル化が進んだ影響を受けていると考えられます。報告書は、世界全体のSDGsの状況について、二年連続で前に進んでいないと指摘。新型ウイルスからの回復が遅れている途上国の資金協力を、大胆に行うべきだとしています。 「倭は国のまほろば たたなづく青垣 山籠もれる 倭しうるわし」と古事記に歌われますように、大和は重なり合う緑の山に囲まれた美しい盆地から成っています。そしてこの大和奈良は、日本の歴史や文化の発祥の地であり、ギリシャから始まり、悠久のアジア大陸を経由して、山の辺の道に至るシルクロードの終着点でもあるのです。 様々なシルクロードの文化を受け入れた山の辺の道は、平城京が造営されるまで、我が国最初の基幹道路でした。この山の辺の道が南北に伸びる中心に位置するのが我が天理市なのです。 「大和盆地の環境と文化-天理市のアイデンティティーと奈良ルネッサンスの可能性を求めて」を執筆した私の父、天理選出の奈良県議会議員として、長きにわたり地域の皆様と一緒に活動をさせていただいた藤本あきひろの著書を参考にしながら、この美しい日本の心のふるさとと言っても過言ではない私たちのまちを守っていきたいと考えます。 アメリカ合衆国の企業でもある日本で人気のスターバックスのストローがプラスチック製から紙製品に替わったことにお気づきの方は多いと思われます。そして、そのほかのごみの分別もかなり細かくなってきました。しかしながら、SDGsがゴールとする二〇三〇年までに天理に住む私たちは、目標を達成することに協力することができるのでしょうか。 毎日使うプラスチック製品を、忙しいからといってポイ捨てし、きちんと分別せず海に流されごみとなり、生き物や環境に大きな影響を与えているかもしれません。ウミガメが餌と間違えて食べてしまったり、魚がごみに絡まって傷つき死んでしまっているかもしれません。 また、生ごみを狙ったカラスが柵のないネット網を引っ張り、道に広げ、汚す状況が増え、市民の皆様やごみ収集担当職員を困らせている姿を見かけます。 WWF(世界自然保護基金)では、人と自然が調和して生きる生物の多様性のバランスが崩れ、食物連鎖の悪循環が続き、人間を含めた多くの遺棄として、生きる物が苦しんでいる姿の果てであると警告をしていることを思い起こさせます。早急な今の環境における改革が必要であると考えます。 私たち市民ができることは、日常の生活の中での努力や点検、サステナブル社会を築く努力はさらに必要であります。新聞紙上やテレビなどで、これらの課題が日常、取り沙汰されていますが、自分の目の前を離れると、関心が薄れ忘れてしまうのが常です。市内のごみ問題を再確認し、課題解決に向け、半歩でも一歩でも歩み出せればと考えます。 なぜなら、私自身がこの一般質問をさせていただくことで認識が深まり、気づきが動きへ、実践へとつながってきているからです。 そこでお伺いいたします。天理市では、ごみの減量と再利用について、どのようにお考えでしょうか。 以上、よろしくお願いいたします。
○議長(大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 藤本議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、言及いただきました持続可能な開発リポート二〇二〇でありますが、十七あるSDGs目標ごとに達成度が四段階で評価をされておりまして、新たに持続可能な生産・消費を目指す、「つくる責任・つかう責任」について、我が国の評価が落ちているところであります。 この「つくる責任・つかう責任」は、持続可能な生産・消費形態を確保することを目指していますが、持続可能性を阻む要因として、リサイクル率が約二割にとどまっているということが上げられております。 本市においては、再利用を促進する施策として、プラスチック製容器について年間約二百二十トン、ペットボトルについては年間約百三十トンを容器包装リサイクル法に基づき、容器包装リサイクル協会を通じて再商品化事業者に引き渡し、再生利用を行っています。 また、分別され、収集される缶・瓶類、新聞・雑誌・段ボール・古着類は入札により落札した資源買取業者に売却をしております。これも資源買取業者により再商品化されております。 次に、回収が不十分で、また分別が分かりにくいという声が多かった雑紙について、分別方法等を記載した雑紙保存袋を作成し、広報紙折り込みにより全戸配布をいたしました。 このことにより、年間約百トン程度の回収量が増加をしておりまして、回収分の焼却量を減らすことができております。 さらに、ごみそのものを発生させない取組として、家庭用の生ごみ処理容器の購入者に対しての補助や集めた新聞、段ボール等の資源を再生業者に引き渡していただいている子ども会や自治会等の団体に対し、一キログラムに対し四円の助成を行う集団資源回収を実施しております。 今後の取組として、学校現場においても、これまで可燃ごみとして処分をしておりました給食の残渣を堆肥にし、再資源化する装置を全小学校に設置をし、生ごみの減量化に努めるとともに、装置の設置を通じて、児童及び保護者が環境問題に触れる機会を設け、環境教育を進めていきたいと思います。 まさに、今議員が御質問をするに当たって、それが気づきにつながったということでありますが、これを学校単位でしっかりとやっていこうと。また、それをきっかけとして、保護者を含めた地域の皆さんの方々の参加も促し、資源ごみのステーションである「イチカステーション」を設け、そこを集いの場、コミュニティ形成の場としながら、各家庭から排出される資源ごみの減量化と資源化を目指した活動を行っていきたいと考えております。 しかしながら、こういった施策を組み合わせても、取りこぼす資源物が存在するのも事実でございまして、本市ではクリーンセンターに持ち込まれる家庭系・事業系一般ごみについては、内容物を検査し、分別指導を行っているほか、一般廃棄物収集運搬許可業者への展開検査も強化することにより、持ち込みごみの資源化の指導も行っているところでございます。 ぜひとも市民、地域の皆さんの主体的な参画を得ながら、SDGsに寄与するべく、ごみの減量、再利用の一層の推進に努めたいと思います。
○議長(大橋基之議員) 藤本議員。
◆十二番(藤本さゆり議員) ありがとうございます。 SDGsにおける日本の問題をいち早く気づかれ、以前より数度にわたり市議会議員の皆様で取り上げていただいてきたことに、心より敬意を表します。 また、二〇二一年三月二日に、本市は二〇五〇年までに地球温暖化対策意識を高めることを目標に、ゼロカーボンシティ宣言をしています。ただ、世界の状況などを踏まえ、SDGsに併せ二〇三〇年までに目標年度を早めたほうがよいのではないでしょうか。 環境問題といいますと、グローバルで大きな視野で捉えがちですが、私たち一人一人が大切な生命体です。つながり合って生きている地球上の仲間なのだから、美しく互いを大切にし、自然の恵みに感謝しながら、豊かさを守っていきましょうということです。 天理市のよき取組を、多くの市民の皆様に感じていただけるよう、啓発の機会を増やしていただければと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 次に、天理市におけるバリアフリーについてお伺いいたします。 天理市は、日本で唯一の宗教文化都市と呼ばれ、建築は中国や韓国、そして台湾を思わせる様式で、アジア圏のみならず、国内外から多くの方が訪れるまちです。 歴史ある神社仏閣も多く、互いに共存し、現在も市民の誇りとする文化財も多く、ところは違えど、メード・イン・天理の宝物はアメリカのボストン美術館を初め、東京国立博物館、奈良国立博物館や由緒ある寺社仏閣に大切に保存展示されています。 黒塚古墳で発掘された画文帯神獣鏡をはじめ、三角縁神獣鏡は、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館にて常設展示されています。 天理大学附属参考館や図書館は、世界中から集められた古文書のコレクションが有名です。今月の六月六日まで開催されていた第八十九回企画展、エジプト・カイロの大衆文化、一九五九年のタイムカプセルでは、古来エジプトの象形文字を解読する鍵となったロゼッタストーンが掲載されている蔵書もあり、オリエントの秘密の宝物を見つけた感動がありました。 国文学者や古文書研究者など、国内外を問わず文学研究者であれば日本の誰もが知っているすばらしいコレクションといえます。 また、今年の令和四年三月二十一日には、奈良県が、なら歴史芸術文化村を開村され、道の駅の充実した品ぞろえや、魅力的な特別展やイベントなどで、土日祝日の休日には平均六千三百五十八人、最も多いときでは約八千人以上の来村者があるとのことです。 以前、私は奈良国立博物館で正倉院展の監視員として働いていました。展示される宝物は約九千件中のわずか六十件です。緊急事態宣言が発令されるコロナ禍以前は、インバウンドの影響もあり、それ以前もそうでしたが、宝物の展示が見えなくなるまで入館者様に御来場いただき、超満員状態が一日中続きました。 瞬間入場者数は、ルーブル美術館を超えて世界第一位になったこともありました。正倉院の至宝、それは宝物ではなく、宝物の存在が見えなくなるくらいの至宝は、御来場者様を含む日本人やシルクロード圏に生きるアジアの仲間や世界の人たちなのですよというコンセプトなのだと思いました。 私たちの天理市は、人に優しくぬくもりのあるまちを目指してきました。そして、今年、なら歴史芸術文化村が開村し、前述したように多くの方がお越しになっています。 そこで、天理市のバリアフリー状況を、身体障害者の方のお手帳保持者二千二百四十五名様や、その判断基準、そして障害程度級表(身体障害者福祉法施行規則別表第五号)を参考にさせていただきながら、段差やエレベーター、手すりなどの様々なハンディをお持ちの方が、過ごしやすいまちになっているかどうか調べてみました。 現在、天理市にお住まいの視覚障害をお持ちの方が、一級の方が四十名、二級の方が五十六名いらっしゃいます。この皆様方が歩かれる道は歩きやすいものであるのか、お伺いしたいと思います。 国土交通省の国道や奈良県の県道などの関係もあるかと存じますが、各市町村の努力義務であるとも言われています。その中でも、特に教えていただきたいのは、天理市における視覚障害をお持ちの方の点字ブロックの、誘導ブロックの整備状況です。御答弁のほど、よろしくお願いいたします。