令和 5年 12月 定例会(第357回)令和5年12月 第357回
定例奈良県議会会議録 第3号 令和5年12月7日(木曜日)午後1時1分
開議 -------------------------------- 出席議員(43名) 1番 永田 恒 2番 川口 信 3番 芦高清友 4番 金山成樹 5番 星川大地 6番 松木秀一郎 7番 山田洋平 8番 清田典章 9番 関本真樹 10番 疋田進一 11番 若林かずみ 12番 斎藤有紀 13番 伊藤將也 14番 藤田幸代 15番 福田倫也 16番 福西広理 17番 工藤将之 18番 中川 崇 19番 原山大亮 20番 小村尚己 21番 浦西敦史 22番 川口延良 23番 池田慎久 24番 西川 均 25番 乾 浩之 26番 亀甲義明 27番 大国正博 28番 小林 誠 29番 佐藤光紀 30番 清水 勉 31番 松尾勇臣 32番 米田忠則 33番 粒谷友示 34番 田中惟允 35番 荻田義雄 36番 岩田国夫 37番 中野雅史 38番 山本進章 39番 井岡正徳 40番 阪口 保 41番 藤野良次 42番 森山賀文 43番 山村幸穂
-------------------------------- 議事日程 一、当局に対する
一般質問 --------------------------------
○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。 --------------------------------
○議長(岩田国夫) ただいまより当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、2番川口信議員に発言を許します。--2番川口信議員。(拍手)
◆2番(川口信) (登壇)傍聴席の皆さん、奈良テレビをご覧の皆さん、こんにちは。 自由民主党・無所属の会、御所市選挙区選出の川口信です。去る4月の統一地方選挙にて初当選をさせていただきました。御所市選挙区では44年ぶりに県議会議員が交代となりましたが、引き続き、お手柔らかにご指導よろしくお願いを申し上げます。1年生議員として、県民の皆様からご負託いただきましたことに身が引き締まると同時に、県政発展のために精いっぱい努める所存でございます。近年、多発する自然災害、人口減少、少子高齢化社会、エネルギー・物価高騰など、私たちを取り巻く課題は山積みでございますが、若輩ながら責任世代の1人として、社会課題に取り組んでまいります。初めての本会議での一般質問ですので、大変緊張しておりますが、なるべくかまないように頑張りたいと思います。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従って4項目について一般質問を行います。 まず初めに、京奈和自動車道の
御所南インターチェンジ付近の整備についてお伺いいたします。 京奈和自動車道は、皆さんご承知のとおり、近畿圏外周部の環状道路である関西大環状道路の一部を構成し、京都、奈良、和歌山の都市を結ぶ全長約120キロメートルの高規格幹線道路です。京奈和自動車道が整備されることにより、県内のさらなる観光振興、地域活性化、交通混雑の緩和など、大きな効果が期待されているところです。 その中で、県南部地域の玄関口といえる
御所南インターチェンジは、現在、京都・奈良方面出入口及び和歌山方面出口のみの4分の3インターチェンジとなっておりまして、和歌山方面への乗り入れができないため、利用者の皆さんから多くの改善要望をいただいております。 また、和歌山方面には巨勢山トンネル、朝町トンネル、かもきみトンネル、風の森トンネルが連なっており、毎年、交通事故が発生しております。トンネル4か所の交通事故状況は、平成31年1月から令和5年9月末時点の約4年半で11件発生しており、うち2件が死亡事故となっております。4か所のトンネル内は、すべて暫定2車線での供用となっておりますので、事故発生時において緊急車両の進入に時間を要し、4時間以上の通行止めが発生しているケースもあり、大きな交通遮断となっている状況です。
御所南インターチェンジ付近のアクセス向上により、
御所南インターチェンジ付近での交通遮断の緩和にもつながります。加えて、工業地や商業地としての魅力が高まることで、雇用の創出や移住・定住の増加につながり、私の地元、御所市だけではなく、県南部地域全体の振興に寄与すると考えております。 令和5年10月20日には、
奈良県議会南部振興議員連盟からも、
御所南インターチェンジ付近について、京奈和自動車道及び一般部の早期供用開始、
御所南インターチェンジの
早期フルインターチェンジ化、暫定2車線での供用となっている御所区間の早期4車線化の計3点につきまして、山下知事宛てに要望書を提出させていただきました。 そこで、山下知事にお伺いいたします。 県南部地域全体の振興や交通遮断緩和の観点から、
京奈和自動車道御所南インターチェンジの
フルインターチェンジ化等のアクセス向上について、国に対して積極的に働きかけるべきであると考えますが、知事のご所見をお聞かせください。 次に、御所IC工業団地の整備についてお伺いいたします。 御所IC工業団地は、京奈和自動車道に近接し、交通利便性を生かした産業集積地として、地域活性化の基盤強化と新たな雇用創出を図り、周辺の居住環境と営農環境との調和に配慮した中南和地区における経済的な中核拠点地区の形成を目指し、地区計画を決定いただいたものと認識しております。 山下知事が知事就任直後に着手されました令和5年度予算執行査定にて、現在、唯一の
県直轄工業団地造成事業である御所IC工業団地の整備については、今後の企業誘致の見通しが明るいことや、県全体として積極的に企業誘致を行う必要がある観点から、予算どおり執行されることになりました。 担当部局に確認したところ、80社前後の県内及び県外企業から問合せが来ているとお伺いしております。県外からの新たな企業誘致や、県内企業が県外に流出することを防ぐために、本事業は大変重要であると考えております。 ここで、モニター資料1をご覧ください。 平成20年から令和4年までの過去15年の企業誘致実績件数は、431件となっております。昨年度の立地件数は33件で、全国で9位、近畿圏では2位となっておりまして、県内においては企業誘致が進んでいると認識しております。 山下知事は、
大和平野中央田園都市構想の事業見直しについて、企業誘致の検討を進めたいと発言されておりますが、まずは、御所IC工業団地の整備を確実に進めていくことが必要であると考えます。 そこで、山下知事にお伺いいたします。 御所IC工業団地の整備について、企業誘致の見通しが明るいとのことですが、どのような企業を誘致し、工業団地造成事業に取り組むのか、知事のご所見をお聞かせください。 次に、近鉄御所・JR御所駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。 平成27年8月4日に、県と御所市の2者で、奈良県と御所市とのまちづくりに関する包括協定が締結されました。その後、平成29年4月に県、御所市、
近畿日本鉄道株式会社、
西日本旅客鉄道株式会社の4者で、
御所中心市街地地区のまちづくりに関する連携協定が締結され、次年度以降に
御所中心市街地地区まちづくり基本計画の策定を目指し、県と御所市が協議を進めています。 現在、御所市は地区内の土地利用、都市機能や地域資源の分布、まちづくりの取組状況等を考慮し、近鉄御所駅・JR御所駅周辺ゾーン、新地商店街ゾーン、御所まちゾーンの3つのゾーンを設定し、まちづくりを進めております。 その中で、近鉄御所駅・JR御所駅周辺ゾーンでは、誰もが訪れやすい快適で魅力ある駅前環境とおもてなしの空間づくりを方針として、近鉄とJRの駅前と複合庁舎が一体となった新しい駅前空間の整備について、御所市役所新庁舎の複合施設化など議論が進められております。 これまで、御所市では駅前周辺の中心市街地地区の整備が進んでいないことから、住民のみならず、来訪者の利便性向上が期待されております。駅前の機能が移転並びに集約されることに伴い、御所市から県に対して県道御所停車場線から国道24号の約200メートルの東西アクセス道路の整備を要望しております。新しい駅前周辺と国道24号及び
御所インターチェンジを結ぶこととなり、御所市の新たなにぎわいづくりに大きく付与すると考えております。 また、現在、東西のアクセス道路は、商店街や御所まちへの通り抜ける一方通行の道路のみとなっておりまして、駅前と東西のアクセスを向上することで、商店街や御所まちの通り抜け車両抑制にもつながることが見込まれております。 もちろん、近鉄御所駅、JR御所駅の周辺整備については御所市が中心となる事業であると認識しておりますが、連携協定に基づき、県からも県道整備をはじめ、本事業を支援いただきたいと考えております。 そこで、山下知事にお伺いいたします。 活気と魅力あるまちづくりを進めるためには、引き続き、県と御所市がしっかりと連携し、取り組んでいく必要があると考えておりますが、知事のご所見をお聞かせください。 最後に、学校教育環境の整備についてお伺いいたします。 文部科学省は、障害の有無にかかわらず、誰もが支障なく学校生活を送ることができる
インクルーシブ教育を推進しております。
インクルーシブ教育を行う上で、学校教育環境のバリアフリー化を進めることは非常に重要であると考えております。 しかし、県内の県立高等学校では、バリアフリー化のためのエレベーター設置は29校中、
県立宇陀高等学校大宇陀学舎1校のみにとどまっており、現状、28校では階段昇降機で対応されている状況です。階段昇降機については、県立高等学校で6台の可搬型昇降機を保有されており、うち1台は五條高等学校で現在使用されております。特別支援学校では、1階建ての奈良養護学校を除き、9校中7校に導入されており、
県立明日香養護学校、県立高等養護学校が未設置の状況です。 学校関係者の皆さんからは、エレベーターがないことで十分なバリアフリー化ができておらず、階段昇降機の運用だけでは、階段の上り下りが困難な生徒の受入れに課題があると伺っております。 モニター資料2をご覧ください。 令和2年12月に文部科学省が示した
学校施設バリアフリー化推進指針では、公立小中学校等施設のエレベーターの設置に関して、令和7年度までに要配慮児童生徒等が在籍するすべての学校に整備することを目標としております。 しかし、残念ながら、義務教育ではない高等学校の具体的な目標は設定されておらず、各都道府県任せになっております。他県では、小中学校だけではなく、高等学校についても階段の上り下りが困難な生徒が在籍する、または進学予定の学校から順次、エレベーター設置を進める等の取組が行われている自治体もございます。 県では、
インクルーシブ教育システム構築のために、高等学校等における学習支援員の配置や障害のある子どもと、ない子どもが共に活動する交流及び共同学習の充実等、ソフト面の支援に積極的に取り組んでおられますが、ハード面での整備に課題があると感じております。 県では、令和6年度以降、世帯収入の条件を設けた高等学校授業料等を実質的に無償化する制度案が提示されておりますが、県立高等学校での
インクルーシブ教育の推進も同時に進めていくべきであると考えております。 そこで、吉田教育長にお伺いいたします。 県立高等学校や特別支援学校でエレベーター設置を推進することで、学校教育環境のバリアフリー化を進める必要があると考えますが、県として今後どのように取り組むのか、お聞かせください。 以上で、壇上での質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、川口信議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目、
京奈和自動車道御所南インターチェンジ付近の整備についてでございます。
京奈和自動車道大和御所道路の
御所南インターチェンジは、奈良方面の出入りが可能な
ハーフインターチェンジとして計画され、平成27年3月に供用が開始されました。
御所南インターチェンジには、パーキングエリアも計画されており、平成29年8月に
御所南インターチェンジから
五條北インターチェンジ間の供用と併せて、
御所南パーキングエリアが供用を開始されました。 平成30年12月、
当該パーキングエリアの構造を工夫することで、和歌山方面から来られる利用者が、パーキングエリアを介して一般道路に降りることが可能となりました。その結果、
御所南インターチェンジは実質上、4分の3インターチェンジとして機能しております。
フルインターチェンジ化に向けましては、同様の工夫により、南向きオンランプを整備することで可能になると聞いております。現在、用地買収は完了しておりますが、埋蔵文化財調査がまだ完了していない状況でございます。 一方、側道につきましては、御所区間のうち玉手交差点
以北については、おおむね供用済みでございます。玉手交差点以南については、未供用でございます。 県といたしましては、
京奈和自動車道本線のミッシングリンクの整備が最優先と考えておりますが、県外からの来訪者を県南部地域へ導くゲートウェイ機能の確保、観光周遊及び沿道地域の発展による新たな雇用の場の促進に寄与することから、
御所南インターチェンジ南向きオンランプ及び側道の早期整備について、今月4日に国土交通省に要望したところでございます。 県といたしましては、周辺道路の交通状況やまちづくりも踏まえ、御所市と連携しながら、今後の円滑な整備について、機会を捉えて国に働きかけてまいりたいと考えております。 続きまして、2点目のご質問でございます。御所IC工業団地の整備についてでございます。 中南和地域からも通勤が可能な場所に企業を誘致し、地域の産業振興と安定した就業の場を確保するためには、県内唯一の
県直轄工業団地整備事業である御所IC工業団地の整備を着実に進める必要がございます。 本団地へのニーズは、昨年度、正式な企業募集に先立って、その参考とするため、立地意向のある企業を募集いたしました。4区画に対して18社の企業から応募がございました。さらに、PRを兼ねたニーズ調査に対しましては、64社から興味があるとの回答がございました。 本事業は、このように多くの企業から立地意向があることを踏まえて、できる限り早く進めるよう、改めて指示したところでございます。 現在、文化財発掘調査や造成に向けた準備、旧御所東高等学校の基礎くい撤去工事、さらには企業募集に向けた公募要領や審査基準の策定などを進めており、
御所東高等学校跡地約1.6ヘクタールについては、第1期として早ければ今年度中に企業募集を開始できる予定となっております。 さらに、来年1月29日に大阪で開催する企業立地セミナーにおきましては、私みずから奈良県の立地環境や投資環境について説明し、企業誘致のPRを積極的に行う予定でございます。このような取組を通じまして、御所IC工業団地の応募企業の増加に努めてまいりたいと考えております。 一日も早く分譲及び引渡しができるよう、引き続き御所市とも協力しながら、しっかり取り組んでまいります。 3点目、近鉄御所・JR御所駅周辺のまちづくりについてでございます。 御所市では、平成29年3月に県と締結した
御所中心市街地地区のまちづくりに関する基本協定に基づきまして、近鉄御所駅前への御所市役所の移転整備をはじめ、駅前広場の整備や、御所まちの整備等、まちづくりを計画し、検討を進めております。 これに関して、県は御所市に対して、まちづくりの検討経費の2分の1を助成するとともに、財源的に有利な事業手法を選択できるよう、国等関係機関との協議・調整等をサポートするなど、技術的な支援も行ってきたところでございます。 また、県道御所停車場線から国道24号までの東西アクセス道路については、現在、御所市において、周辺の交通への影響について、警察など関係機関と協議を進めていると聞いております。県としてどのような支援ができるのか、積極的に検討してまいります。 今後も引き続き、県と御所市がしっかり連携し、
御所中心市街地地区のまちづくりに関する基本計画の早期の策定を目指して取り組んでまいりたいと考えております。私からのお答えは、以上でございます。
○議長(岩田国夫) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) (登壇)2番、川口(信)議員のエレベーターの設置によるバリアフリー化の推進についてのご質問にお答えいたします。 障害のある生徒が、学校生活で支障を来すバリアには、制度的なバリアと物理的なバリア等が存在し、これまでから両面でのバリアフリー化を推進してまいりました。 制度的なバリアフリー化としては、高校入試における点字や代読による受検、医療的なケアが必要な生徒に対する看護師の配置など、全国に先駆けて取り組んでおります。 川口(信)議員お述べの、車椅子を利用するなど、階段の上り下りが困難な生徒が県立高等学校に入学した場合には、制度的には支援員の配置、物理的には階段昇降機の設置、
インクルーシブ教育推進の観点から、当該学年の普通教室を1階に固定するなどの対応も行っております。特に、エレベーターは増築に当たりますので、大規模改修や建替えを行うときに検討することとしておりまして、川口(信)議員お述べのように、昨年度、県立宇陀高等学校の大宇陀学舎に設置いたしました。 今後も、制度的なバリアフリーを充実し、また、物理的なバリアフリーが遅れている学校では、
インクルーシブ教育の推進による心のバリアフリーを実現することで、障害のある生徒が安心して学校生活を送れるよう取り組んでまいります。以上でございます。どうもありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ご答弁ありがとうございます。それでは、自席での再質問をさせていただきます。 まず、
京奈和自動車道御所南インターチェンジの整備について、再質問させていただきます。 まずは、
奈良県議会南部振興議員連盟からも、10月20日付で要望書を上げていただきまして、こちらにいらっしゃる
奈良県議会南部振興議員連盟の皆様、ありがとうございました。 そして、今、知事からご答弁いただきましたとおり、12月4日付で山下知事から国土交通省に対して要望書を上げていただきましたことに重ねてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 では、質問をさせていただきたいのですけれど、まず、山下知事は先日行われました
奈良県議会南部振興議員連盟懇談会の際に、南部地域を振興するためには、交流人口の増加だったりとか関係人口の増加が必要であるとおっしゃっておりました。私自身、これを成し遂げるには、奈良県南北の道路のアクセス向上は必須だと考えているのですが、この点どのようにお考えでしょうか、ご教示ください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 川口(信)議員の見解と全く同じでございます。 南北道路、特にこの京奈和自動車道のミッシングリンクの解消等、重要だと考えております。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。私も共に、この課題に対して取り組んでいきたいと考えているのですけれども、知事からこのような前向きな答弁をいただきましたので、少し踏み込んでご質問させていただきたいと思っております。 私自身、こういった道路整備については、商業施設だったり、企業誘致をすることによって、当然、南部地域の雇用の創出、そして、奈良県全体の税収が上がるということで、大きく当たっては南部地域だけではなくて、奈良県全体の県民サービス向上につながると考えております。 しかし、裏を返すと、道路整備が進まないことで、幾ら活用できる土地があっても、有効活用できず、大きなデメリットが発生すると考えておりまして、商業施設、企業がせっかくこういった場所に立地検討いただいても、周辺の道路環境が整わなければ、具体的な検討段階に進んでいかないと思います。 そして、それがまさに
御所南インターチェンジで起きているのではないかと思っておりまして、知事からは少しお話がなかったのですけれど、私自身も今、企業の誘致だったりとか商業施設ばかり話をしているのですが、和歌山方面に走っていただくと、大淀町に
南奈良総合医療センターという病院がありますが、こういった病院への搬入の時間の短縮にもなるのではないかと考えております。 今、奈良県では空港や新幹線の駅がなくて、交通網は本当に道路に頼っている状況だと思っておりまして、先日、ならの
道リフレッシュプロジェクトという、知事が既存道路の改修等における予算増額の対応を発表いただきましたけれども、私はこれに加えて、新たな道路整備も積極的に取り組んでいただきたいと思っております。こちらは、私だけではなくて、南部地域の県議会議員だけではなくて、近隣の市町村長からも改善要望をいただいておりますので、ぜひお願いしたいと思います。 少しそれるのですけれども、ならの
道リフレッシュプロジェクトについて少し伺いたいことがあって、先日のご説明の中では、1,000台以上の交通量がある道路を優先的にやっていくというお話をされていたのですが、南部地域ではなかなかそういった道がないと考えておりまして、国道24号がメインだったり、国道168号、国道169号だったり、そういった主要道路はあるのですが、やはり、南部の道は交通量だけではなくて、災害時の命の道になる大変重要な道路もございます。こういったところも、ぜひ交通量だけではなくて、違った視点でも検討を進めていただきたいと思っているのですが、こちらは知事、いかがでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 先日の記者会見でも、併せてご説明させていただいたのですけれども、1日1方向当たり1,000台以上の道路に加えまして、駅から主要な観光地までの道路ですとか、非常に道路が狭隘になっていて通行するのに危険な箇所については、ならの
道リフレッシュプロジェクトの中で予算を増額して対応していくということも併せて発表しておりますので、今、言ったものの中には南部の道路も含まれておりますので、そうした枠組みを使って対応していきたいと思います。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。ぜひそういった視点も加えて、ご検討いただきたいと思っております。 先ほどの
御所南インターチェンジの話に戻るのですけれども、和歌山方面の乗り入れについては、用地買収が完了しているというお話をいただきました。知事のご答弁の中で、埋蔵文化調査を実施すれば、あとは道路をつけないといけないですけれども、そういった用地に関しては整備が可能なのではないかというご答弁をいただきました。ぜひこの埋蔵文化調査等については、国ではなくて県主導で進めていただくことができると思いますので、こちらの点につきましては、ぜひ早急に整備を進めていただきまして、道路整備とともに、国との密な連携をお願いしたいと思っております。 今後も、この点につきましては知事が先頭に立って、御所だけではなくて、京奈和自動車道の整備について、積極的に国に働きかけていただきたいと強く要望させていただきまして、次の項目に移りたいと思います。 次に、御所IC工業団地の整備についてお伺いします。 先ほど、80社ぐらいの問合せの中で、18社が比較的具体的な検討に進めていく意向があるという回答をいただいたのですけれど、その中で知事の肌感覚で構いませんので、何社ぐらい、この工業団地整備に積極的に立地を進めていこうと考えられていると今、認識されておりますか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) その18社の前向き度合いにつきましては、私は担当から報告を受けていないので、私からは少し答弁いたしかねます。申し訳ございません。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。ぜひそういった状況も、担当部局の方と情報を共有していただいて、今後この4つの区画は非常に重要になってくると思いますので、県としてどういった企業を誘致したいかというところを明確にしていただいて、ぜひ対応していただきたいと思っております。 また、スケジュールについてですけれども、年内に企業の一次募集を始めたいというご答弁をいただいたのですが、今後、県として具体的に引渡しの予定時期などの見通しが現時点で立っておれば、教えてください。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真)
御所東高等学校跡地については、埋蔵文化財の調査や造成工事がスムーズにいった場合ですけれども、早ければ令和8年ぐらいということで報告を受けております。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。 令和8年といえば、京奈和自動車道の新堂ランプが春につながるタイミングだと思うので、非常にいい引渡し時期ではないかと私は思っておりますので、何とかそのスケジュールに間に合うように、ぜひ頑張っていただきたいと思っておりますし、企業の皆さんもせっかく企業誘致で今、検討していただいておりますので、知事自身ご本人からの営業活動というのもぜひ力を入れていただきたいと思っております。 少し予算執行査定のお話に戻るのですけれども、
大和平野中央田園都市構想の見直しにおいて、先般行われた川西町の説明会の中で、企業誘致を積極的にやっていきたいということで、再度ご発言をされていると思うのですけれど、この川西町の企業誘致の話と、この御所市の工業団地は全く別で考えていただいていると思うのですが、この川西町の検討について、御所IC工業団地の整備に与える影響はないのかどうか、少し心配している声があるのですが、そちらをお答えいただけますでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) それは、全くないと思います。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。安心しました。ぜひ、川西町は今、地元といろいろ連携していただいて進めていただいていると思いますが、御所市については、もう工業団地ができることが決まっておりますので、ぜひ積極的に企業誘致を進めていただきたいと思います。 1つ、企業誘致の観点からご質問させていただきたいのですけれど、実は私はあの周辺で働いておりました時代がございまして、あの周辺の企業の皆さんとよくお話する機会があるのですけれど、あの周辺の企業の方々から、本当に今、人手不足が深刻だという課題を伺っておりまして、製造業が特にだと思うのですけれど、製造業の人手不足は奈良県のみならず、全国的な課題だと思います。 先日、知事が定例会見で公表されました、新しい産業政策のパッケージで示された奈良県の成長に必要な8つの柱というものを発表されたのですけれど、柱の一つに、人材確保の抜本的強化を掲げられておりますが、この取組について具体的にご説明いただけますでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 具体的な取組は今、担当で案を練っているところでございますので、まだ、この場で発表できるほど具体化されていないのですけれども、新しい産業政策のパッケージを発表する前段階で、副知事を筆頭に、県職員が既に160社ぐらい御用聞きに回ってくれておりまして、その中で企業さんから出てきた声として私が報告を受けているのは、県内の大和郡山市にある奈良工業高等専門学校とか、あるいは県立工業高等学校等を卒業した学生さんが、大阪の方に就職してしまっているというようなことを聞いておりまして、やはり、それは大変、奈良県としてはもったいないことであるわけでございますので、私としましては、そういう県立工業高等学校の卒業生とか奈良工業高等専門学校の卒業生が、卒業する前に就職活動をする段階で、やはり奈良県にもっとこんないい企業があるのだよと、大阪まで行かなくても、近くにこんないい企業があるのだよということを、学校のご理解、ご協力をいただきながらアピールしていくと。やはり、まずはそういったことをしていかなければいけないのではないかとも思いますし、その上で、さらに余力があれば、県外から県内に就労を促すこともできるかもしれませんが、優先順位としては、せっかく奈良県の学校を卒業される生徒さんがおられるわけだから、そういう人たちに県内に踏みとどまってもらうための働きかけをすべきかと思っております。 それと、8つのパッケージの中に、もう一つ外国人材の確保への取組というのも入れていると思うのですけれども、今、どこの企業さんも外国から来られた技能実習生の力を借りないと回っていかないという現場が非常に多いと考えておりますので、今、国で、この技能実習制度の見直し等の議論を進めておりますが、そういう国の議論も見据えつつ、奈良県においても、技能実習生は今まで3年働かないと転籍できないという縛りがあったのですが、それが少し緩やかになる方向で規制緩和されるようでございますので、そうすると、奈良県の企業から他府県の企業に転籍してしまうというようなことが起きていくだろうと考えておりますので、そうすると、非常に県内企業にとっては打撃が大きいわけでございますので、その辺を県内の企業とか経済団体とかと連携しつつ、引き続き、転籍制限期間が明けても、奈良県内にとどまってもらえるような取組をしていかなければいけないのではないかと、そんなふうに考えております。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。ぜひ、今、知事がおっしゃっていただいたような施策も含めて、早急にこの人材確保の抜本的な強化の内容についてお示しをいただきたいと思いますし、それ以外についても、奈良県については、地質調査の問題だったり、いろいろなハードルがあると思うのですけれども、いろいろなハードルを乗り越えて、この御所IC工業団地の整備を進めていただいて、県全体の活性化につなげていただきますように強く要望を申し上げまして、次の項目に移りたいと思います。 続きまして、近鉄御所・JR御所駅周辺のまちづくりについてですけれども、少し時間がなくなってきたので、伺いたいことだけお伺いさせていただきます。 少し地元からの心配の声ということで、近鉄御所駅の移転に伴いまして、駅前のロータリー交差点への信号設置に課題があるという話が過去あったと聞いているのですけれども、現在、警察協議をされていると思うのですが、その状況を県として、今、どのように把握されているか、お聞かせいただけますでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 警察との協議を重ねた結果、警察より信号設置の条件が提示され、現在、信号設置可能な交差点形状の検討を行っていると聞いております。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ありがとうございます。少し課題の解決が進んでいるのかと思いますので、引き続き、県、御所市、警察と連携していただいて、この課題解決を図っていただきたいと思います。 また、御所市では、この新たな整備計画につきましてノウハウがなかなかないということがございますので、今後とも奈良県の技術的な支援をお願いしたいと思っております。県と市がしっかりと連携していただいて、新たなまちのにぎわいづくりをつくっていただくことを強く要望しまして、最後の項目の質問をさせていただきたいと思います。 最後は、教育現場における環境整備のエレベーターの件ですけれども、吉田教育長にお伺いさせていただきたいのですが、高等学校の在校生とか進学予定者からエレベーター設置の要望があった場合に、現状、県としては導入検討が難しいということですけれども、可能性がないという、現段階ではそういった回答になるのでしょうか。
○議長(岩田国夫) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) 水曜日に、私は医療的ケアで肢体不自由な生徒の保護者の方、それから生徒にお会いしてきたのですけれども、まずは、生徒、保護者の不安は、入試制度、制度的な不安。エレベーターを設置している学校に入れるようにするのか、こどもたちが行きたい学校に行けるようにするのかというと、やはり夢を持って行きたい学校へこどもを入れてあげることを優先するべきかということを考えながら、そうしたときに、エレベーターの工事を具体化したときに、設計から設置になりますと2年はかかるであろうと。だから、その見込みで設置はできないわけですから、行った学校に設置すると、3年生の間に設置が可能かどうかということに具体的になるわけですから、そのことでもって、設置しないほうがいいとは思いませんけれども、それよりもやはり心のバリアフリーを進めて、そして、
インクルーシブ教育で障害のある子が高校生と一緒に学ぶことを最優先にしたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 2番川口信議員。
◆2番(川口信) ご答弁ありがとうございます。 先日、これは小学校、中学校のお話になるのですけれども、奈良市にお住まいの方が今、同じ学校に通っているこどもたちと一緒の学校に通いたいということで、中学校のほうにエレベーター設置をしてほしいという署名活動をされている方も、今、いると伺っております。 やはり、心のバリアフリーだけではなくて、物理的なバリアについても、こういったご要望が上がっていることもございますので、こういった友人と同じ学校に進学したいとか、この学校で学びたい、本当にこどもたちの思いは切実なものばかりなので、こういった声もぜひ県教育委員会で酌んでいただきたいと思います。 この内容について、今後もしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げまして、自席からの質問を終わりたいと思います。 引き続き、よりよい奈良県のために、共に理事者の皆さんと努力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 次に、30番清水勉議員に発言を許します。--30番清水勉議員。(拍手)
◆30番(清水勉) (登壇)北葛城郡選挙区選出、会派、日本維新の会の清水勉でございます。 今週、悲しいお知らせが1つございました。先週12月1日に、第96代議長でございました中村昭さんがお亡くなりになっております。質問の折、いつも万葉集の一節をご披露され、地元の桜井市をアピールされていました。そのことを思い出します。心よりご冥福をお祈り申し上げます。 今期、初めての一般質問の前に、県議会議員3期目の思いを少しお話させていただきます。 今春の統一地方選挙で、多くの県民の方々からご支持をいただき、私ども日本維新の会は、3人の会派から14人になり、奈良県議会に様々な変化が生まれました。 特に、日本維新の会奈良県総支部の代表でもございます山下知事が誕生したことで、県政に大きな変化があったことはご承知のとおりでございます。山下知事は、選挙期間中に訴えた公約を一つ一つ、スピード感を持って着実に実行されていることに、県民の皆様も驚きとご期待をされていることと思います。 我々、日本維新の会は、有言実行の政党であり、特に身を切る改革は、議員を含む特別職が実行することで、多くの方々から信頼を得ているものと自負しております。 県民の方はご存じないかもしれませんが、知事職は、平成15年から継続して10%の報酬削減を実行されています。そのこともあり、8年前に5名となりました我々、日本維新の会の会派から、議員報酬10%削減の議案を提出いたしましたところ可決され、7年以上にわたり継続されました。この議員報酬削減による効果は、約3億円に上ります。 さらに、我々、日本維新の会所属の県議会議員は、その条例改正分に加えて月額2万2,000円を、身を切る改革として奈良県総支部にお預けし、毎年、発生する自然災害の被災者支援の財源としてまいりました。 日本維新の会の統一基準でございます議員報酬を20%削減する議案を本年の6月定例会に提出いたしましたが、残念ながら議論されることなく否決となり、現在は、条例で定められた月額77万8,000円が満額として、議員全員に支給されております。私たち日本維新の会所属の県議会議員は、県民の皆様とお約束いたしました、月額報酬の実質手取り分20%に相当します10万4,000円を本年5月支給分に遡って、身を切る改革として決定し、実行しております。 残念ながら、これらの事実をなかなか報道していただいていることが少ないのかなと私どもは感じております。 当然、日本維新の会奈良県総支部の代表でもございます山下知事は、公約でありました退職金を受け取らない提案を行い、前知事と同様に、報酬10%削減も継続されております。 物価が高騰し、実質賃金が減っている県民の皆様に対して、継続して削減していた議員報酬を元に戻し、満額を受け取ることとされた方々の説明責任が問われているものと、私は理解しております。 さらに、県議会議員の期末手当改定案も、人事委員会により示された期末手当0.1月分、1人当たり11万2,810円になります。これを増額する議員提案がなされております。総額で約489万円の増額となります。物価高騰にあえぐ多くの県民に寄り添うのであれば、引上げを提案することなどできないと、私たち日本維新の会所属議員は思っております。また、この議案を提案されている議員のお名前を見ますと、本当に悲しくもなってまいります。 では、通告に基づき、知事に1問、部局長に1問、教育長に1問、さらに、時間が足りませんので、要望として2件をさせていただきます。 まず、関西広域連合全部参加の意義とメリットについて、知事にお伺いいたします。 平成31年2月、第335回定例会におきまして、関西が一丸となって2025年国際博覧会を成功させるためにも、改めて関西広域連合に全部参加を表明すべきと考え、当時の荒井知事のご所見を私が伺っております。 答弁では、3年前に関西広域連合に部分加入した際に、本県にとって負担に見合う連携・協働の十分な効果が見込める分野には加入し、逆に、その効果が見込めない分野には加入しないことといたしました。今も同じ考えでございますと、当時、お話をいただいております。 そして、関西広域連合は本質的な課題も抱えており、その一つは、地方自治は現場が近くあることによって、創意工夫のヒントが得られるが、広域連合は、地方自治の現場から離れようとしていくものであり、地方自治の方向と逆行していること。 もう一つは、憲法上の地方公共団体は首長や議員を直接選挙するものと定められているが、関西広域連合では、直接選挙を行っておらず、政治的な代表性、正当性に課題があり、広域連合の基本は、構成団体から業務の持ち寄りで、相互連携が本質的な組織構成の精神であることから全部加入には抵抗があると問題意識を表明されております。 広域防災、広域観光・文化・スポーツ振興の2分野のみ参加し、これらの分野においては、効果的な被災地支援や関西国際空港への新たな直行便の就航など、関西広域連合で成果を上げられておりますと示されました。 しかし、広域産業の分野については、それぞれの地方が経済発展に取り組む分散型産業振興が、これからの主流であると考えており、地域地域が元気になることによって、全体が元気になるぞという考え方であると述べられております。 そして、就業地別有効求人倍率では、奈良県は過去最高水準を続け、近畿でもトップになっており、企業誘致についても平成30年の上半期までに317件の企業誘致を実現する成果を上げ、奈良県の皆様のご理解とご協力を得て達成したもので、関西広域連合の諸賢の助けを借りたものではありませんと答弁されています。 広域環境保全分野につきましては、既に大和川の水質改善など、県域を越える広域的な課題には、国、関係する自治体等が、事業実施段階で奈良県も連携・協働して取り組んでいるとのことでございました。しかし、大阪・関西万博の成功に向けては、積極的に協力していきたいと考えており、関西広域連合につきましては、これまでどおり全部加入ではなく、本県にとって負担に見合う連携・協働の十分な成果が見込まれる分野に限って加入することが適当だと思っておりますとの答弁の概要でございました。 関西広域連合は、ご存じのとおり、まず1つ目、広域防災、2つ目、広域観光・文化・スポーツ振興、3つ目、広域産業振興、4つ目、広域医療、5つ目、広域環境保全、6つ目、資格試験・免許等、7つ目、広域職員研修の7分野がございます。分権型社会の実現に向けて、地方分権の突破口を開き、国と地方の二重行政を解消することを目的にしております。 私は、関西広域連合に全部参加することのデメリットを探すほうが難しいのではないかと思っています。山下知事が質問者に対し、今回の議会も含みますが、関西広域連合全部参加について丁寧に説明をされていましたが、改めて、既に参加している分野を除く、広域産業振興、広域医療、広域環境保全、資格試験・免許等、広域職員研修の5分野について参加することの意義とメリットについて、知事にお伺いいたします。 2点目は、公園施設の充実に係る財源確保のため、一部公園駐車場有料化の検討について、地域デザイン推進局長にお伺いいたします。 私は、本年9月定例会の決算審査特別委員会で、歳入確保のために、都市公園の駐車場の料金を受益者負担の観点、他府県からの来場者が多い時期の渋滞対策の観点などからも、駐車場の料金徴収をしてはどうかと質問をさせていただきました。 答弁では、歳入確保の面で様々な観点から慎重な検討が必要とのことでございましたが、改めて質問をさせていただきます。 奈良県には、うだ・アニマルパークなど10か所の都市公園があり、現在、奈良公園と平城宮跡歴史公園を除く公園駐車場は無料で利用されています。うだ・アニマルパークには、第一駐車場136台、第二駐車場66台、そして、大和郡山市にあります大和民俗公園には、普通乗用車が147台、バス5台、車椅子利用者用として3台がございます。 さらに、私の選挙区にございます馬見丘陵公園には、北、中央、南の駐車場を合わせて982台、実に多いです。982台の駐車スペースがございます。馬見丘陵公園は、年間の来園者数が100万人を超えるようになっております。四季に応じた草花のイベント時などには、県内外から多くの方が来場されるため、近隣の企業にも休日の駐車場のご協力をいただいている現状があります。イベント時には、多くのキッチンカーでの販売が行われているときもございます。それも来場者の楽しみの一つでもございます。 公園におけるイベントなどで収入を得ることにより、その場における消費税が増えるなどの効果が見込めます。今後、便益施設の充実や運営の民営化などを検討するためには、その公園独自の財源確保が必要であり、まずは、可能な公園から駐車場の有料化を進め、民間事業者の参入を推進していくためにも、便益施設の検討を進め、もうかる公園を目指すことが必要と考えております。 また、大和民俗公園では、私ども日本維新の会からの質問を契機に、古民家群の修復を数年前から継続して実施していただいておりますが、かやぶき屋根など古民家群の修復と維持管理には多額の費用が必要でございます。 したがいまして、一部の県営都市公園について、公園施設の充実に係る財源確保のため、駐車場の有料化や収益が見込まれる便益施設の誘致の検討状況について、地域デザイン推進局長の所見をお伺いします。 3点目でございます。皆様にも表を配らせていただいております。寄宿舎や高校学生寮を利用する学生の負担軽減について教育長にお伺いいたします。 奈良県立高等学校総合寄宿舎条例によりますと、畝傍寮とかぐやま寮が橿原市内にあり、同条例第4条に使用料の規定として月額5,200円が定められています。定員は男子50人、女子48人で、現在は男女合わせ27名が入寮されています。その親権者の住所要件は、南部・東部地域の村や奈良市の東部、五條市の山間部、宇陀市の一部、山添村、下市町の一部となっています。食費は実食分について1日1,200円、保護者会費月額2,000円と、ホームページを見れば記載されています。 一例ではございますが、十津川高等学校寮を例に挙げますと、学校のホームページに寮費の記載があります。入寮費5,000円、食費は月額2万8,200円、管理費は月額1万2,500円、冷暖房費は、夏4か月、冬4か月に月額3,100円と記載があります。十津川高等学校の現在の入寮者数は男子25名、女子12名の合計37名で、内訳は、奈良市など11市から29名、郡部7名、県外が1名となっています。奈良県でスポーツなどを通じた学生生活を寮で過ごし、県内企業への就職も望まれる学生に対し、総合寄宿舎に要する費用と十津川高等学校の寮費に少しではありますが差もございます。 県内では、公共交通機関を利用する高校生などに対する補助を行って、保護者の経済的負担の軽減を行っていただいている自治体もございます。 寄宿舎や学生寮は、遠隔地に住む高校生の距離的なハンディをカバーするための施設であるにもかかわらず、日々通学する高校生よりも多くの費用が必要な現実がございます。何とか改善できないものかと思う次第でございます。 表を見ていただきますと分かりますが、卒業するまでに、総合寄宿舎在籍の学生さんは約122万円、そして、十津川高等学校寮では約133万円の保護者負担が必要となっております。 私学にあっては、山下知事の英断により、来年度から奈良県でも授業料実質無償化となる予定でありますが、県立高等学校の寮費に対する支援の検討はされていないように思われますので、寄宿舎や高校学生寮を利用する学生の負担軽減について、教育長の所見をお伺いいたします。 最後に、要望を2点行います。 まず、1点目は、バリアフリー基本構想策定推進の必要性について、県土マネジメント部長に要望いたします。 平成18年施行の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第25条で、市町村は、基本方針に基づき、単独で又は共同して、当該市町村の区域内の重点整備地区について、移動等円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想を作成するよう努めるものとすると規定されております。 現在、奈良県のホームページには、9市3町でバリアフリー基本構想が作成済みとなっておりますが、自治体内の駅周辺だけでなく、奈良県全土を対象に、高齢者、障害者等の移動等の円滑化を進めるべきと私は考えております。 また、奈良県安心歩行空間整備方針の概要では、安心して通行できる歩行空間の整備を効率的かつ効果的に推進するため、早期に効果が期待できる即効対策の実施や休憩用ベンチや観光案内サインの充実などが取りまとめられています。歩行空間整備の基本的な考え方やその進め方に関しましては、重点的に歩行空間整備を進める路線の考え方も取りまとめられております。 奈良県下の市町村すべてで統一した展開を進めるべきと考え、さらに、バリアフリー基本構想の策定が推進されるよう、県として市町村の支援に取り組んでいただきますよう、強く要望いたします。 要望の2点目は、観光行政に対する財源確保のため、宿泊税などの検討に着手されるように要望いたします。 奈良県内でのホテル建設も増加し、新型コロナウイルス感染症に対する分類変更がされたことにより、宿泊観光客の増加も目立ってまいりました。 政府統計の総合窓口、e-Statによりますと、2022年度、奈良県の旅館・ホテル営業施設数は407施設で、部屋数は1万209室、2016年度の8,690室から1,519室増加しております。 ホテルなどの宿泊施設を利用される方のすべてが観光客ではございませんが、人口減少が続く奈良県において、観光客をターゲットとした政策実現は重要な施策であることは間違いがございません。 また、ここに持って来ました奈良県のすがた2022によりますと、奈良県は、宿泊する観光客よりも日帰り観光客が多い現実がございます。令和2年の観光消費額は、宿泊では1人当たり2万3,211円、日帰りでは1人当たり3,217円となり、本当に大きな差がございます。 観光客に奈良の魅力を感じていただくためには、様々な分野における官民での投資が必要であり、奈良県全体での観光行政に対する安定した財源確保が必要であることは言うまでもございません。 令和3年の延べ宿泊客数は約155万人で、過去のピーク時297万人の約半分に減少しております。 今後の人口減少社会を考えれば、県の観光施策に対する独自財源として、先例であります大阪府などで課税されております宿泊税の検討も奈良県で進めるべきと考えております。観光局をはじめ、関係部署全体で検討されるように要望いたします。 以上、壇上での質問とし、答弁により自席より再度の質問をさせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、清水議員の一般質問にお答えさせていただきます。 私に対しましては、関西広域連合全部参加のメリットについてお尋ねでございます。 これまでの本会議などでも答弁してまいりましたように、関西地域は、生活圏、経済圏等が府県域を越えて展開しており、奈良県が関西広域連合に全部参加することにより、連携が一層強化され、奈良県においても、関西の各府県市においても、より効果的、効率的に行政が進むことが期待されます。 知事就任以来、毎月1回開催される関西広域連合委員会に参加し、関西広域連合の様々な取組について議論する中で、改めて全部参加することのメリットを強く感じております。 具体的に申し上げますと、例えば広域産業振興の分野におきましては、同分野の取組の一つとして関西広域連合では、公設試験場による技術支援から事業化支援までシームレスに支援を行う関西広域産業共創プラットフォーム事業を実施しております。これに参加することによりまして、県内企業が大学や金融機関等と連携・協力して取り組み、オール関西でのイノベーションにつながることが期待できます。 また、広域医療分野におきましては、医療関係者等を対象とした災害医療セミナーや遠隔医療推進セミナーが実施されております。本県が全部参加することで、これらのセミナーへの参加が可能になります。また、関西広域連合におきましては、ドクターヘリの夜間運航に向けた検討も現在、進めております。また、DPATと略称される災害派遣精神医療チーム、DHEATといわれる災害時健康危機管理支援チームの活動の推進、また、医療DXや医療GXの推進等にも取り組む予定をしておりまして、奈良県として、この広域医療の分野に参加することで、このような先進的な知見の共有ができると。また、ドクターヘリの夜間運航が実現できた場合の県民にもたらされるメリットは非常に大きいものがあると考えております。 同様に、広域環境保全分野や広域職員研修分野でも様々な研修やイベントが実施されており、参加者や職員のレベルアップ、参加者間での情報共有等の機会につながることが期待されます。 さらに、資格試験・免許等の分野におきましては、現在、本県が独自で実施しております問題作成や願書の受付、試験監督、採点、合格証交付などの一連の試験事務を関西広域連合へ一元化することで、本県の事務の軽減が大きく図れるものと考えております。 一方、新たに生じる負担といたしましては、負担金が現在の約2,500万円から約5,000万円に約2,500万円増えること、これはあくまで現時点での本県の試算でございます。また、関西広域連合本部事務局への職員派遣が、現在の2名から4名に増える、こうした程度の負担と見込まれます。 こうした一部の負担増はあるものの、全部参加することによりまして、さきに述べましたような多くのメリットを新たに享受できることに加えまして、関西地域全体での知恵や資源を活用し、広域で連携して課題の解決に取り組んでいくことで費用負担に見合う、あるいは費用負担を大きく超える大きな効果が期待できるものと判断しております。 今議会で、関西広域連合規約の一部変更につきまして、県議会のご議決をいただき、全部参加することで、奈良県、そして関西全体の課題に積極的に取り組み、圏域全体の持続的な発展につながるよう、尽力してまいる所存でございます。私からの答弁は、以上でございます。ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 谷垣地域デザイン推進局長。
◎地域デザイン推進局長(谷垣孝彦) (登壇)30番清水議員の質問にお答え申し上げます。 私に対しましては、県営公園駐車場の有料化あるいは便益施設の誘致についてのお尋ねでございます。 県営都市公園の管理・運営につきましては、年間多額の費用が必要であり、その費用の一部に充当するため収入を得ることは重要でございます。 清水議員ご指摘の駐車場の有料化により、収入の増加はもちろん、来園者に電車・バスなどの公共交通機関の利用を促すことで、周辺道路の渋滞の軽減などのメリットがございます。 その一方で、有料化による来園者の減少や、あるいは周辺道路への路上駐車、近隣施設への無断駐車が生じるおそれもございます。そのため、駐車場の有料化にあたりましては、公園それぞれの立地条件や利用状況、あるいは公共交通手段の有無、有料化に対する賛否などのご意見を踏まえつつ、多くの観点からの慎重な検討が必要であると考えております。 また、清水議員お述べの便益施設からの収入といたしましては、これまでも飲食施設の設置などで収入を得ている公園もございます。これらの充実は、来園者の利便性の向上や、あるいは使用料の増収につながるものと考えております。 もちろん、便益施設の誘致にあたりましては、そもそも利用者ニーズがあるのか、あるいは事業の採算性の面から、事業者に参入意欲があるのかなど、様々な観点からの検討が必要と考えます。 さらに、これらの恒久的な便益施設のほか、例えば馬見丘陵公園では、花の見頃の時期にキッチンカーの出店や地元特産品の販売をしておりますが、来年度に向けましては、これらをさらに充実することを検討しております。 引き続き、県営都市公園の効率的・効果的な管理・運営のため、駐車場の有料化や、他府県の先進的な取組も踏まえた便益施設の誘致などの検討を進め、公園からの収入の増加を図っていきたいと考えております。以上でございます。ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) (登壇)30番清水議員からの、高校生の寄宿舎等への負担軽減についてのご質問にお答えいたします。 奈良県では、山間地域に住所を有する等、通学に困難な事情のある高等学校の生徒に対し、宿泊の便宜を供するとともに、秩序ある共同生活を通じて、健全な心身の育成を図るために、総合寄宿舎を設置しており、男子寮である畝傍寮及び女子寮であるかぐやま寮がございます。 総合寄宿舎につきましては、条例で定められた使用料が月額5,200円。このほか食材料費や寮の行事等の経費として、保護者会費を徴収しております。保護者負担額は、利用生徒数に影響されないように、県教育委員会で適正に定めております。 一方、併設寮につきましては、保護者負担額の決定を学校に任せてきたため、これまでも物価高騰や利用生徒数の減少により、負担額が増えているケースもございます。まず、併設寮につきまして、県教育委員会で過去の値上げ等の状況などを踏まえて、受益と負担の在り方を見直し、適正化を図りたいと考えております。以上でございます。どうもありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 30番清水勉議員。
◆30番(清水勉) どうもご答弁、それぞれありがとうございます。 まず、1番目、知事に再質問をさせていただきます。 2025年、本当にすぐ目の前に大阪・関西万博が近づいてきております。当然のことながら、この関西広域連合の中で奈良県からも展示スペースが一定あるわけですが、やはり関西全体でその経済効果を高めるために、今、2分野しか入っていないことに対するデメリットの部分を、今まで私自身はあると思っているのですが、知事がこれまでに関西広域連合の議会に出られて、全部参加することに対して、やはり関西全体での経済効果をどうやって高めていこうとか、関西一円となった災害対策に取り組んでいこうとか、医療体制についても一緒に取り組んでいこうかと、そういう部分があろうかと思うのですけれど、それに対する、周囲の今現在の入っておられる大阪府あるいは京都府、和歌山県、それらの知事さんから、いろいろな情報を得られていると思いますが、その中で感覚的にどういうふうに捉えられているのかということを、知事の思いを聞かせていただけたらと思います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 例えば、先ほどもご紹介いたしました広域産業振興の分野におきましては、企業向けあるいは業界団体向けの様々なセミナー等が開催されているわけでございます。先端的な分野に関しての講師をお迎えして、DXとかGXとか、そうした分野に関する専門知識を有する講師をお迎えして研修をするとか、あるいは関西広域連合が主催して商談会を実施するとか、そういった取組が頻繁に開催されているわけですけれども、現在、奈良県はその分野に入っておりませんので、県内企業に参加する資格はないのです。 そうしますと、近隣府県の企業がそういう先端的な分野に関しての技術や知識を蓄積していっている中で、県内企業は自分の企業で努力すれば、キャッチアップできるのかもしれませんけれども、少なくともそういう機会があるということを県からご案内することができない、商談会があってもご案内することができないということで、私は非常にはみごになったような気分に、いつもさせられているわけでございます。 また、広域医療の分野につきましても、先ほど言いましたように、今現在、奈良県のドクターヘリは夜間運航できないわけです。これが、関西広域連合では夜間も運航できるようにすべきではないかということで今、取組を進めているわけでございますが、奈良県はこれに入らなければ、奈良県の救急患者は、夜にドクターヘリで迎えに来てもらえないというようなことにもなりかねないわけでございます。 そうしたことから、やはり負担金が2,500万円増える、あるいは県派遣の職員が2人から4人に増える、そういった負担はあるものの、それを大きく上回る効果があるということは、私は確信しているわけでございます。 その負担につきましても、先ほども言いましたように、資格試験・免許等の分野では、奈良県の負担が減るわけですから、十分2,500万円、負担金が増えることや派遣職員の人数が2人から4人に増えるということを、もうそれだけでもカバーできるのではないかと思うわけでございまして、要するにメリットはいろいろあるけれど、デメリットはあまりないというのが、私の率直な受け止めでございます。
○議長(岩田国夫) 30番清水勉議員。
◆30番(清水勉) 私も先ほど壇上で申し上げましたが、そのデメリットを考えることすら難しい、そんなふうに思います。 さらに、いつ来るかも分からない南海・東南海沖地震に対しての防災上の備え、その一つでもあるのが、やはりドクターヘリの夜間飛行が可能になること、これは非常に大きいと思います。今現在、夜間で飛行する能力があるのは、海上保安庁と自衛隊のみでございますので、それに加えて、ドクターヘリが動けるようになれば、非常にメリットが出ると、かように思いますので、今後とも積極的に、山下知事におかれましては会議に出席していただいて、情報の収集に努めていただきたいと、かように思います。 それと、2番目、公園施設の件ですが、今現在、キッチンカー等々の話もございましたけれども、馬見丘陵公園にキッチンカーは出るのですが、排水施設であったり、給水設備が今はないわけです。ですので、できる限り、事業者さんも一緒になって参入しやすい、そういう公園にすれば、もっと頻繁にキッチンカーが出るとか、そういう具体的なイベントの計画ができると、かように思いますので、その点も検討していただくように要望いたしておきます。 3点目、教育長に再度お伺いしたいのですが、今、寄宿舎と高等学校の寮に差がある点についてだけは、統一感を持たないといけないというお話をいただいたと思うのですが、総額として120万円、130万円必要だという点については、どこか仕掛けをうまくできる方法があるのかというところは研究されるおつもりはないでしょうか。
○議長(岩田国夫) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) まずは、寮費が適正であるかどうか見直す必要があるのではないかと。例えば、総合寄宿舎でしたら使用料がこれでいいのかどうか、これは条例改正が必要になってまいります。 それから、十津川高等学校寮では冷暖房費が必要なのかどうか。これは、県費に切り替えることができるのではないかどうか、こういった各項目についてしっかり見直した上で、その後、できることがあればやっていきたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 30番清水勉議員。
◆30番(清水勉) 費用として多くかかるのが、食費でございます。どこにいても学生さんはご飯を食べるではないかという、そんな議論もあるかもしれませんけれども、小中学校の今後については、給食費の無償化の検討も当然していかないといけない。そんな中で、高校生だけ満額を頂くというところも、私は検討の対象に値すると思います。どの辺が適正かというのはなかなか難しいかもしれませんけれども、今後の研究の課題に、食費についても対象にするかどうか、その辺のご答弁だけいただけますか。
○議長(岩田国夫) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) 高校生全体に食事を提供することが適切なのかどうかということで考えますと、やはりこれは受益者負担の部分に入るだろうと思っておりますけれども、経済的なこと、いろいろなことを考えて、併設寮に行っているこどもさんの状況を見ながら、できるものはやっていきたいと思っております。
○議長(岩田国夫) 30番清水勉議員。
◆30番(清水勉) できるだけ負担軽減に向いた内容を検討していただきますよう、要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) しばらく休憩します。
△午後2時27分休憩 --------------------------------
△午後2時41分再開
○副議長(池田慎久) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、12番斎藤有紀議員に発言を許します。--12番斎藤有紀議員。(拍手)
◆12番(斎藤有紀) (登壇)皆様、こんにちは。自由民主党・無所属の会、五條市選挙区選出の斎藤有紀です。議長からの発言の許可をいただきましたので、県議会では初めての一般質問をさせていただきます。先輩議員、同僚議員の皆様に、このような機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。ありがとうございます。 さて、奈良県の2022年度の決算報告では、一般会計実質収支が前年度比プラス15億円の28億円の黒字とされ、長年、実施されてきた様々な施策が実を結んできたことが表されたものだと感じました。2023年度からは、新たに山下県政が誕生し、継続的施策を大きく転換される方針を打ち出しておられますが、この実績を山下県政でさらに加速させていくためには、しっかりと県内に対し投資を行い、産業を成長させていく必要があると思います。 投資を行う上においては、ハードとソフトの両面において効率的な方法を取る必要があると思いますが、適切なハード整備が行われない限り、幾らソフトを充実しても稼働しないことから、インフラ整備などのハードへの投資をしっかりと行い、全国から模範とされるような奈良県を目指していく、そして、奈良県にはそのポテンシャルは十分にあると考えます。 しかしながら、高速道路実延長は全国最下位、そして、平成23年に発生した紀伊半島大水害におけるインフラの脆弱性を鑑みたとき、県民の快適性はもちろんのこと、生命や財産を守るという県の責務は現状、十分に果たせているとは言い難いものであることも事実です。 そこで、知事にお伺いいたします。 五條市選挙区選出の議員としては、避けて通れない議題である広域防災拠点整備事業についてでございます。 私は小学生のときに、阪神・淡路大震災を経験し、社会人になってから東日本大震災を経験いたしました。当時、住んでいたところが被災し、避難所生活を余儀なくされました。道路も倒壊し、ライフラインも寸断され、救援物資もなかなか届きませんでした。近所でも大勢の方がお亡くなりになるなど、巨大地震は本当に恐ろしいものです。 いつ発生してもおかしくない南海トラフ地震や奈良盆地東縁断層帯地震に対する備えを十分にし、県民の生命と財産を守ることこそが我々の使命と考えます。地震が発生してから後悔しても仕方ありません。そのため、早急に広域防災拠点の整備に着手すべきと考えます。 現在、多角的な見地で計画の見直しを図られているとのことですが、単純な縮小案は、誰でも考えることができると思います。 しかしながら、地方自治法第2条第14項にて明記されている、「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」という原則の最大の効果を得るために、緊急防災・減災事業債という県の負担を最大限抑制できる予算を活用し、奈良県が従来、計画されてきた案では取り入れられていない平時における効果、いわゆる収益を組み込まれた計画を立案・実行する県政、山下知事にはぜひそれをお願いしたいと思います。実現できれば、防災拠点整備事業は県民の命を救うだけではなく、南部振興や収益による様々な施策の予算化が可能になると思います。 知事はさきの9月議会で、進出救助活動拠点、航空搬送拠点、物資輸送拠点の3つの視点から、9か所の広域防災拠点で十分なのか、足りないのかを精査していく、地域防災計画でも、近隣府県の先進事例を参考に拠点を体系づけて検討していきたいと答弁されており、その検討状況を注視するとともに、知事のご英断に大いに期待しております。 そこで、知事に伺います。 南海トラフ地震等の被害想定を踏まえた上で、必要とされる防災機能を、既存の9か所の広域防災拠点で十分果たせるのでしょうか。五條市の広域防災拠点整備も含め、現在の検討状況と今後の進め方についてお聞かせください。 次に、子育てと就労への支援について伺います。 奈良県の県内女性の就業率は、2020年で70.6%と全国最下位であります。また、男性が外で働き、女性が家庭を守るという意識を持つ県民の割合は、全国平均を大きく上回り50.4%で、全国1位というデータもございます。 働きたいという希望がありながら、結婚、出産を機に仕事を辞める、もしくは非正規労働に切り替える女性も一定程度、存在しており、出産時に就業継続を選択できず、第一子出産を機に離職する女性の割合は、いまだ46.9%にも上るというデータもございます。 女性の働きたいという希望をかなえることは、個人の希望をかなえるだけではなく、子育てに対する経済的な課題の解決や企業等における人手不足の解消、県民所得の向上など、県全体の利益に資するものと認識しております。 そういった観点で、本県の女性の就労促進を行政として支援することは非常に重要であり、奈良県こども・子育て推進本部会議でも、様々な環境下における課題を抽出し、子育てと働き方の支援方法について検討されていると伺っております。 そこで、知事に伺います。 本県の女性の就労促進を図るためには、家事・育児と仕事を両立できる職場環境づくりが重要であると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのでしょうか。知事のご所見をお聞かせください。 また、家事・育児と仕事を両立するためには、こどもの預け先の確保なども重要であり、こどもを安心して預けられる環境がないと、親が仕事に不安で集中できない、あるいは時間的な制約が厳しいなどの課題が発生いたします。そうしたことから、認定こども園をはじめとする保育環境の整備が重要であると考えます。 保育施設の整備は一定程度、進んできていると認識していますが、育児中の方からは、特に月齢の低いこどもを預ける場合、十分な保育環境が確保されていないにもかかわらず、保育料という支出だけが発生し、結果、夫婦どちらかが働くよりも育児に専念したほうが、効率がよくなってしまう環境がつくられてしまうため、働くことができないといった声をいただいており、経済的な課題があります。また、受入側の体制として、保育士を確保し、長く働いていただくことも重要です。このようなことから、保育環境は、施設整備だけではなく、働く保育士の処遇改善など、様々な観点から支援を考えていく必要がございます。 そこで、知事に伺います。 性別にかかわらず、育児をしながらも希望どおりに働き続けることのできる社会をつくるため、保育環境の整備が重要であると考えますが、ハード・ソフト両面において、今後どのように保育環境の整備に取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお聞かせください。 最後に、県内の高等学校等の振興についてお伺いいたします。 知事は、先日、私立高等学校等の授業料等無償化について、令和6年度から支援額を大幅に拡充する制度を発表されました。授業料等支援制度は、高等学校等に通うお子さんを持つ保護者の方々にとって大きな支援であり、この制度が拡充されることについては評価させていただいております。 一方で、この制度の拡充には大きな財源が必要となることから、制度を持続していくことができるのか、懸念もございます。 例えば、各府県では私立高等学校等の運営に対して経常費補助金という助成をされていますが、大阪府では、かつて行財政改革の名の下、この補助金が大幅に削られました。一方で、大阪府では、近年、私立高等学校等の授業料等支援制度を拡充してきましたが、一部からはこの経常費補助金を削減した分を支援制度拡充の財源に使っているのではないかという話も聞こえてきます。また、大阪府ではこの制度への参加にあたって、標準授業料を府が設定する、いわゆるキャップ制を採用しており、高等学校等が自由に授業料を設定できません。このようなことは私立高等学校等の安定的な運営を妨げるのではないかと懸念いたします。 私立高等学校は建学の精神に沿って、個性豊かな教育を行っており、これを今後も守っていくことが必要です。授業料等の無償化にあたっては、教育現場の運営に負の影響を与えることがないよう、大阪府のように運営に対する補助金の削減や、キャップ制のような、高等学校等の自主・自立的運営を軽んじる制度を導入するようなことはせず、現状の制度も含めて、安定的に継続できるよう取り組んでいただく必要があると考えます。 そこで、知事に伺います。 今般、発表された私立高等学校等の授業料等の無償化に向けた制度を、財源も含め、今後どのように安定的に継続され、私立高等学校等の振興を図っていくのか、知事のご所見をお聞かせください。 知事はこの制度を発表された際、公立、私立共に切磋琢磨してほしいとおっしゃられました。制度拡充が公立、私立を問わず、奈良県に住むすべての子どもたちにとって、よい制度となってほしいと考えており、公立高等学校への志願者が多い中、公立高等学校の教育環境を守ることは県の責務でございます。公立高等学校について、魅力ある学校になるような取組が必要と考えます。 そこで、教育長に伺います。 今後、公立高等学校をより魅力あるものにするため、ハードやソフト面を含めて、どのように取り組んでいくのでしょうか。教育長のご所見をお聞かせください。 以上で、私からの壇上での一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、斎藤有紀議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、広域防災拠点整備についてでございます。 9月議会において答弁いたしましたように、県内9か所の広域防災拠点が大規模災害発生時に県外からの応援部隊や支援物資の受入れ、活動・配送できるための機能を十分果たせるのかどうかを検討しているところでございます。 紀伊半島大水害の際には、支援部隊は分散して集結した一方で、被災地の情報共有や活動調整に課題があったほか、道路が寸断され、要員や物資をヘリで輸送したなどの前例がございます。また、東日本大震災や熊本地震の際にも、各地からの応援部隊の受入拠点の確保に苦慮された事例がございます。 こうしたことから、大規模災害発生時に県外からの応援や支援物資を集約して受け入れることが可能な、平たんで一定の面積を有する施設は必要と認識しております。 既に買収したゴルフ場の用地につきましては、緊急防災・減災事業債を活用していることなども踏まえながら、引き続き、防災目的を含む土地利用を検討してまいりたいと考えております。 2点目、子育てと就労への支援についてでございます。 斎藤議員お述べのとおり、本県の女性の就業率は全国で最も低い状況であり、また、夫が外で働き、妻が家を守るといった意識を持つ県民の割合が全国で最も高く、それ以外にも、女性の家事従事時間が全国最長、人口比の保育所数が最下位であるといったことが指摘されます。 ご質問の女性の就業率が低い要因として、近隣に子育てと両立しやすい就労先が少ないこと、夫の通勤時間が長く、帰宅時間が遅いこと、固定的な性別役割分担意識が根づいていることなど、様々な要因が考えられます。 このような課題に対応するため、本年7月に、奈良県こども・子育て推進本部を設置し、部局を横断して行った議論を踏まえまして、10月に開催いたしました第2回本部会議におきましては、こども基本法に基づく都道府県こども計画といたしまして、奈良県こどもまんなか未来戦略の中間整理を取りまとめたところでございます。この中間整理は、県議会の所管委員会にも報告させていただいております。 女性の就労支援につきましては、今年度から実施している女性デジタル人材育成プロジェクトにおいて、柔軟な就労形態で、なおかつ生産性や賃金の高い働き先を提供できるように、一定期間のデジタル研修と優良企業へのテレワークでの就労をセットで支援しております。 また、男女とも仕事と子育てを両立することができるよう、県内企業に対しまして、奈良労働局と連携し、働きやすい職場環境づくりのための業務改善支援を来年度に向け、検討中でございます。あわせて、就労を希望する女性に対するオンライン学習と有給インターンを実施いたしまして、正規雇用に結びつける取組を検討しているところでございます。 一方、女性の出産・育児による離職を防ぎ、継続して働けるようにするためには、男性の育児・家事への参画を推進し、女性に偏っている家事・育児を軽減していくことが重要であると考えております。共働き世帯が増えていく中で、県内企業等における男性の育児休業等の取得の促進にも取り組んでまいりたいと考えております。 今後も引き続き、男女ともに仕事と家庭・子育てを両立できる職場環境の整備を進めてまいります。 また、続きの答弁でございますけれども、令和元年10月に始まりました幼児教育・保育の無償化と、共働き世帯の増加に伴いまして、保育のニーズは年々高まっているところでございます。 加えまして、親の就労状況にかかわらず、児童を保育所に通園させる、こども誰でも通園制度の開始が見込まれておりまして、少子化が進む中でも保育のニーズはさらに高まることが予想されます。 こうした状況におきまして、保育の受け皿を拡大するための施設整備が進められており、直近5年間では県内で約1,900名分の定員が拡大したところでございます。 また一方で、保育を直接担う保育士の人材不足が恒常化しております。このため、その保育士の確保は喫緊の課題でございます。現在、本県で実施している保育士実態調査の中間報告によれば、7割以上の保育士が、自身の仕事内容に対して給料が低いと回答しております。 このように、保育の現場を魅力ある職場にしつつ、採用や離職防止につなげるためには、給与の引上げを含めた保育士の処遇改善に取り組む必要がございます。 保育士の給与に影響する公定価格は国が定めておりますが、大阪、東京などの大都市と比べまして、その周辺地域では公定価格が低く設定されているため、本県の保育士が給与水準が高い大都市に流出している現状がございます。 このため、去る11月13日に、本県の呼びかけによりまして、同様の課題を抱える埼玉県、千葉県、和歌山県の3県と共同で、隣接する自治体間で公定価格に大きな差が生じないよう、こども家庭庁に要望を行ったところでございます。あわせまして、各種補助制度において、全国統一的かつ総合的に保育士の人材確保及び定着の取組を強化してほしいといったことも要望いたしました。 先ほどの答弁でも述べました、奈良県こどもまんなか未来戦略の中間整理においても、取組案の一つとして、市町村が行う保育士の処遇改善の取組への支援を挙げておりまして、市町村と連携して、県としても取り組むべき課題への検討を進めてまいります。 3点目の県内の高等学校の振興についての、私立高等学校等の授業料等の無償化についてのご質問でございます。 先日、佐藤議員の質問に答弁させていただいたとおり、奈良県で育つこどもたちには、それぞれの経済的な事情を気にすることなく、みずからが希望する進路を選択できるよう、高等学校授業料等実質無償化のスタートとなる支援制度の拡充を10月に発表させていただきました。 この制度は、斎藤議員もお述べのように、安定的に継続していくことが重要でございます。このことから、制度設計に合わせて財源の検討も行い、予算執行査定において大型公共事業の見直しを行ったことにより、新たに生み出した財源を充てることといたしました。 一方、斎藤議員がお述べの私立高等学校等への経常費補助金については、これまでから特定財源である国庫補助金と地方交付税措置の毎年の動向を踏まえて予算を措置してまいりました。今後もその方向性を維持したいと考えており、これを今般の高等学校授業料等実質無償化の財源とすることは考えておりません。 また、私立高等学校等の標準授業料を県が設定するキャップ制につきましては、奈良県の私立高等学校等は他府県からの通学生も多く、本県からの通学生を対象とする授業料等支援制度を拡充したとしても、安易な値上げは想定できないと考えました。また、以前から私学団体から反対の声を伺っており、いわゆるキャップ制を採用することで、今回の実質無償化に対して、全部の県内の私立高等学校が参加しない、一部が参加を見送るといった懸念もあったことから、キャップ制の採用は見送ったものでございます。 今回の授業料等実質無償化によりまして、県内の私立高等学校等に対する期待が高まると考えております。私立高等学校等におかれましても、これを大きなチャンスと捉え、一層の魅力向上に取り組んでいただけることを期待しております。私からの答弁は、以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) (登壇)12番斎藤議員からの公立高等学校の振興についてのご質問にお答えいたします。 私立高等学校と県立高等学校が互いに特色や独自性を出しながら切磋琢磨し、奈良県全体の教育水準を高めることが大切でございます。特に県立高等学校におきましては、地理的な条件、また産業構造等、地域の実情を十分に考慮しながら、高等学校の魅力づくりに取り組み、生徒の多様なニーズに応える学校づくりを現在、目指しております。 県立高等学校の適正化計画では、特に実学教育を推進し、今年度の大きな成果の一つは、県立商業高等学校の3年生が、合格率8.8%の公認会計士短答式試験に現役で合格したことが挙げられます。 来年度からは、進学教育の充実も図るため、普通科高等学校4校を重点校に、3校を推進校として指定いたしました。重点校では、教科を横断した探究学習を、推進校では地元中学校や大学との交流及び共同学習を実施いたします。 また、スポーツや芸術の分野で特色を発揮する高等学校を強化校として指定いたしました。生徒が部活動等において競技力や表現力等を向上させ、進路希望にも応えたいと考えております。現在、ラグビー、サッカー、野球、吟詠剣詩舞、eスポーツなどを指定しており、近々、吹奏楽も指定する予定でございます。 同時に、すべての県立高等学校のトイレを、これまでの洋式化だけではなくて、乾式化にも取り組む、県立高校トイレピッカピカ5か年計画を知事の判断により進めることが可能になり、施設面においても教育環境の向上に努めてまいります。 今後、変化の激しい社会に対応し、豊かな人生を切り開くために、生徒に対しては主体的に学ぶ力をはぐくむことが最も重要であると考えております。来年度、県立高等学校の1年生全員に、教育プラットフォームの導入を現在、検討中でございます。電子黒板と併せて、ICTを最大限に活用し、生徒一人ひとりの可能性を引き出す個別最適な学びを実現してまいります。以上でございます。どうもありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) 質問に対して、ご回答ありがとうございます。自席にて、再質問を行わせていただきます。 まずは、広域防災拠点整備についてお伺いさせていただきたいと思います。 9月議会から、先ほどの知事のご答弁を聞かせていただきますと、あまり進捗の見られない答弁であったかなと思いまして、少し期待とは異なった思いを感じているところではございます。 既存の9か所の広域防災拠点で足りるかどうか等を検討していくということでございますが、知事は既存の広域防災拠点を視察されたのか。また、視察されたのであれば、どのようなご所見をお持ちか、お聞かせください。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 一部は行ったことがありますが、全部行っているわけではございません。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) ありがとうございます。 一部ということで、全部の箇所へ行かれていないというご答弁ですが、精査するにしても、実際に現場に行かれて見ていただくと、信憑性も変わってくるのかと思っております。 私、先日、総合防災対策特別委員会で、こちらの広域防災拠点を視察させていただきました。行かせていただいた場所は、宇陀市総合体育館、下北山スポーツ公園、吉野川浄化センターの3か所の広域防災拠点で、視察させていただきました。宇陀市総合体育館は、土砂のグラウンドで、ヘリの離発着に問題があるのかとも感じましたし、また、下北山スポーツ公園におかれましては、道路の通行止めが危惧される場所でございました。さらに、吉野川浄化センターでは浸水想定区域という、私の所見ですが、どこも課題が目立つような結果でございました。 そもそも、県内の広域防災拠点には核となるものが存在しないのかなとも感じております。また、以前から指定されていた4か所というのも、被災リスクがあったり、面積が狭いなど、そういった課題もあり、令和5年2月に追加されたものに関しましては、主に府や県境のものを指定されたような感覚でございます。 既存の9か所の広域防災拠点ですが、そこには今回、五條市のゴルフ場買収地も含まれておりますので、実質8か所の広域防災拠点では、私としても不十分であると思っております。 先月、建設委員会でも九州に視察に行かせていただきまして、防災の取組について視察をさせていただきました。平成28年に発生した熊本地震を経験されたこともあって、熊本県の防災に対する取組は物すごいものでございました。新しく防災センターを整備されたり、全県的活動をする広域防災拠点として熊本県民総合運動公園や、また、グランメッセ熊本を指定されるなど、災害に備えての取組は目をみはるものがございました。 本来なら、南海トラフ巨大地震、さらには奈良盆地東縁断層帯地震の被害想定を踏まえて必要とされる救援・救助の部隊や、また、人数、物資の量であったりとか、緊急医療の体制などを検討した上で規模を決めるとは思っているのですけれども、また、あるいは関西広域連合との調整と知事もおっしゃっていますが、かなり時間を要するのではないかと私も思っております。 6月議会で小村議員、そして9月議会で永田議員が提案されました緊急防災・減災事業債を活用して買収したゴルフ場約60ヘクタールのうち、例えば10ヘクタールから20ヘクタールを広域防災拠点として整備すべきではないかというお話もございました。 阪神・淡路大震災を経験した上で整備された兵庫県三木全県広域防災拠点、30ヘクタール以上ございますが、そこまでとは言いませんが、近隣の他府県の先進事例を踏まえて、せめて10ヘクタールから20ヘクタールの広域防災拠点は、私自身も必要であると思っております。 奈良県民の生命と財産、奈良県が責任を持って守っていく必要があります。もういつ起こってもおかしくない、この災害、待ったなしでございますので、ぜひご英断をお願いしたいのですけれども、改めて知事にお伺いいたします。ゴルフ場を買収された土地60ヘクタールのうち、10ヘクタールから20ヘクタールを県の中心的な広域防災拠点として整備するお考えはあるのか、お聞かせください。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 9か所、広域防災拠点がございまして、その中でひとつ中核となるような防災拠点を設ける必要があるのではないかというご質問があったと思いますが、そうしたことの必要性は、私も認識しているところでございます。 しかし、それをどこにするかということにつきましては、既存施設の活用も含めまして、今、鋭意検討を重ねているところでございます。 そうした中で、このプレディアゴルフ場のあった土地につきましては、今、どういった形で、防災目的も含む形でどうやって土地利用をしていこうかということを鋭意検討しているところでございまして、また、しかるべきタイミングで発表させていただきたいと思っております。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) 知事、ご答弁ありがとうございます。しかるべきタイミングとご答弁いただきましたが、今、知事、もう12月議会でございまして、知事就任から8か月が経過している中で、来年度の予算ですとか、組織を決めていく、そういった時期にもなっていると思っております。また、2月議会では来年度予算の審議に入るようなせっぱ詰まった状況だと私も感じております。 知事にもう一度、お伺いいたしますが、いつ頃、結論を出していただけるのか、スケジュール感、教えていただけますでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) いつ頃というのは、今この場でお約束はできませんけれども、ご心配いただいている向きも十分理解できますので、できる限り早期にと思っております。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) ありがとうございます。早期にということでございますので、ぜひとも来年度予算に何か組み込んでいただけることを期待しております。知事のご英断を期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、移らせていただきます。知事、秋の政府要望を行われたと思いますが、14項目、令和6年度政府予算等に関する最重点提案ということで、国に奈良県が要望していらっしゃいます。 14項目ございまして、新規項目に、私は少し注目をさせていただいておりました。新規で地域脱炭素化に向けた取組への支援ということを挙げられています。この資料は、県議会の皆様にももう事前にお配りされている資料だと思いますので、オープンになっているものと思って、お話を進めさせていただいております。 ここで、比較的大規模な県有地において、大規模太陽光発電施設と水素製造施設を整備することとしており、脱炭素先行地域への応募に向けた助言・指導をお願いすると政府にお願いされています。これらは、改正地球温暖化対策推進法の成立を受けて、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、国が重点的に取り組んでおられる、この地域脱炭素ロードマップに沿った施策だと考えられますが、いわゆる、この地球温暖化対策への取組ということで、知事は具体にどういったことをされたいのか、国に対して要望されたということですので、お分かりの範囲でお答えください。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) ご案内のとおり、我が国も本県も、2050年までにカーボンニュートラルを実現するという計画を掲げているわけでございますが、しかしながら、先般、国連からも言われましたけれども、到底それが実現できるような形で世界的に進んでいないと、非常に地球の温暖化がむしろ進んでいるというような報告が国際機関からあったかと認識しております。 そうしますと、やはり本県といたしましても、議員の皆さんも肌感覚で感じておられると思いますが、この夏の猛暑、史上最高という猛暑がございました。これは、日本でも世界でも史上最高の猛暑だそうでございます。そしてまた、6月上旬の集中豪雨、それから8月の台風第7号、そういう集中豪雨が本県でも発生しておりまして、6月上旬の豪雨では、奈良県で初めて線状降水帯が出現したということでございまして、この地球温暖化を原因とする気候変動、これはもういよいよ待ったなしというようなことで、国連の誰か偉いさんが地球沸騰かというような言葉も使っておったかと思います。 そうしますと、やはりそうしたことから我が国においても本県においても、このカーボンニュートラル、脱炭素化に向けた取組というのは、より一層強力に進めていかなければならないわけでございます。 そうした観点で、本県で再生可能エネルギーの導入可能性というものを考えていくと、なかなか風力とか水力というのはいろいろな問題がございまして、なかなか実現可能性が乏しいと。そうすると、太陽光発電と、それから最近、新しいエネルギーとして注目されている水素、これを中心に導入していくべきではないかと考えておりまして、奈良県において、このカーボンニュートラルを2050年までに達成するために、太陽光発電と水素製造、この2つをある意味メインストリームの事業と位置づけまして取り組んでいきたいという思い入れの中で、今般、政府にも要望させていただいたと、そういう経緯でございます。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) ご答弁、ありがとうございました。 今の知事のお話を理解させていただきまして、地球温暖化対策という、国の施策にのっとったということで、奈良県も要望されたということでよろしかったでしょうか。 知事、こちらの要望されましたこの資料ですけれども、この図面を見る限り、県が緊急防災・減災事業債を活用して買収したゴルフ場付近を指しているように見えてしまうのですけれども、北は五重塔、鹿のデザインがあって、こちらは五條市ではないのかなというところもあったり、あとこちらの図に関しましては、もう五條市を指しているわけでございまして、この図面は令和4年3月の第4次奈良県エネルギービジョンを引用されていると私も認識させていただいておりますが、このゴルフ場付近であれば、発電施設の送電網への接続が可能となっているとか、そういったことも書かれていました。 この記事は、11月8日の奈良新聞の記事に比較的大規模な県有地でということが記載されまして、地元五條市では様々なうわさが飛び交いまして、私にもお問合せがございます。この政府要望の案に対する問合せでございまして、このような環境に大きな影響を与える事業ということは、県議会でありましたり、また関係市町村、また当該地域に今、全く情報が入ってきていない状況でございます。 知事のお考え、先ほどの答弁で理解させていただきましたが、できるだけ早くこの情報を共有していただきたいとも思っていますし、また、何か新たに案が決まった場合は、ぜひとも速やかに情報を共有していただけるかどうか、知事のお考えをお聞かせください。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 現在、そうした施設を建設できる土地がどこかにないかどうか、鋭意検討しているところでございまして、確定いたしましたら、またできる限り早期に情報共有はさせていただきたいと思っております。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) 答弁ありがとうございます。ぜひとも速やかに、決まり次第よろしくお願い申し上げます。 時間もございませんので、次の質問に移らせていただきます。 続きまして、広域防災拠点との相乗効果により、大幅に防災力を高めることができると考えられる自衛隊の駐屯地の誘致について少しお伺いしたいと思います。 先日、建設委員会で九州の防災への取組について視察させていただいたと、先ほどお話をさせていただきました。その際、熊本県の担当の方から、熊本地震の際に災害派遣を要請し、プロの力を改めて実感したとお伺いしたところでございます。 先日、私の地元の五條市長とお話をさせていただいておりまして、先月の24日に、五條市長から山下知事に、五條市を候補地に含めた県内の陸上自衛隊駐屯地の誘致について要望されたと伺っております。 平成23年の紀伊半島大水害でも陸上自衛隊が活躍し、陸上自衛隊の必要性を認識しているというお話でございましたが、この要望も含めて、知事はどのように受け止められたか、ご所見をお伺いしたいと思います。
○副議長(池田慎久) すみません。斎藤議員、今の質問は、五條市のゴルフ場跡地の活用に関連しての質問という理解でいいですか。通告にないので。12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) 五條市のゴルフ場の跡地で、自衛隊を誘致するというわけではなくて、防災拠点との相乗効果により、この陸上自衛隊の駐屯地誘致が必要ではないかという質問をさせていただいております。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 明日の川口延良議員のご質問項目に含まれていたと認識しておりまして、既に答弁案はあるのですけれど、今、手元に持ってきておりませんので、今、それを先に答弁するのがよいのかどうか、僕は判断つきかねますけれども、いかがいたしましょうか。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) 知事の答弁といいますか、平岡五條市長からご要望を出されたことに関して、知事のご所見といいますか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 明日、また詳しく答弁させていただきますけれども、従前から五條市に陸上自衛隊の駐屯地を誘致したいご意向を五條市が持っておられ、また、県議会でも意見書決議された経緯はよく存じております。 それを踏まえて、前知事の時代に毎年、防衛省を伺って要望を重ねてこられたと。途中から、駐屯地の誘致は難しいので、ヘリコプターの拠点、そういう陸上自衛隊のヘリを止めるための拠点を、まずは優先して要望する形になったという経緯は把握しております。 ですので、そうした経緯をよく詳細に検討して、防衛省の意向も見極めた上で、誘致の可能性の有無をよく見極めた上で適切に対応してまいりたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) また、明日、川口(延)議員の答弁をしっかりと聞かせていただきたいと思います。ありがとうございます。 時間もございませんので、少し次に進みます。 アクセス道路の要望をさせていただきたいと思います。京奈和自動車道から広域防災拠点までのアクセス道路について、要望させていただきます。広域防災拠点として運用するためには、大量の物資や人員をトラック等で運ぶための陸路、すなわちアクセス道路が不可欠であると感じております。堺泉北の基幹的広域防災拠点でも、兵庫県の三木全県広域防災拠点でも、高速道路から広域防災拠点へのアクセス道路がきちんと整備されています。広域防災拠点としての機能を発揮するために、京奈和自動車道から五條市のゴルフ場買収地を利用した広域防災拠点へのアクセス道路の整備を強く知事に訴えさせていただきたいと思います。 次に、最後に高等学校の振興についてお伺いいたします。 私立高等学校等の授業料等を含む無償化へのご答弁もありがとうございました。こちらは制度を持続していくための財源について、大型公共事業を見直したということでございますが、この制度以外にも必要な事業を知事はいろいろ考えていらっしゃいます。 例えば、先ほど川口(信)議員からもご質問ございました、ならの
道リフレッシュプロジェクトなど、そうした必要な事業がほかにもある中で、今後10年後、20年後、どのように制度を安定的に継続していかれるのか、そういったところも教えていただけたらと思います。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) この大型公共事業の見直しによって、積み立てる必要がなくなった金額が年間二十六、七億円と聞いておりまして、私立高等学校の授業料実質無償化と、ならの
道リフレッシュプロジェクトについては、十分この枠内で賄えると財政当局からは聞いております。 それ以外も、もちろん新規事業はこれから打ち出していきたいと考えております。その大型公共事業の見直しに伴う、それで生まれた財源だけでは足りないということも考えられますが、それ以外にも今、様々な形で行財政改革を進めようとしております。 ですから、今後、継続的に行財政改革を進めることによって新たな財源を生み出し、その財源で新たな事業に投資していくと。ですから、新たに増税したり、あるいは新たに借金を多くしたりするのではなく、行財政改革によって財源を生み出して、新規事業を行っていくという、これは選挙の公約でもずっと申し上げたとおりでございますので、そういった形で財源の確保はしてまいりたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 12番斎藤有紀議員。
◆12番(斎藤有紀) 知事、答弁ありがとうございます。財源の確保と持続可能であるということで、前向きな答弁いただきまして、ありがとうございました。 最後に、要望となります。私立、公立共に未来を担う奈良県の子どもたちが学べる環境をより充実させるためしっかりとした、先ほども知事に答弁いただきましたが、財源確保と持続可能な制度設計を行っていただきますよう要望させていただきまして、私からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 次に、18番中川崇議員に発言を許します。--18番中川崇議員。(拍手)
◆18番(中川崇) (登壇)皆さん、こんにちは。いろいろな事情で、2年ぶりに戻ってまいりました。日本維新の会の中川崇でございます。議長の許可をいただきましたので、県議会3期目、初めてとなります一般質問をさせていただきます。 今回の一般質問では、大きく5つ伺う予定で、内容を冒頭に紹介しますと、防災、観光、有機農業、西ノ京駅周辺のまちづくり、それから、学校教員の確保について質問いたします。 最後に、平城宮跡歴史公園についても要望させていただきます。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。実は読み原稿も長いので、若干、早口になってしまいますけれども、ご容赦ください。 まず、1つ目、五條市の防災拠点についてでございます。 先日、建設委員会の県外視察として福岡県庁、佐賀県庁、熊本県庁へ伺い、洪水や地震発災時の防災の動きも含めて勉強させていただきましたが、熊本県での自衛隊出身の防災専門家との会話がきっかけで、この質問をさせていただきます。 熊本県では、最大震度7が続けて2回襲ってきた平成28年の熊本地震で、実際に対応に当たられた当時の防災トップ、有浦隆さんとの有意義な意見交換、質疑応答をさせていただきました。有浦さんは、もともと自衛隊で災害派遣に対応されてきた経歴から、蒲島郁夫知事に見初められ、熊本県の初代危機管理防災企画監として招かれました。自衛隊では、阪神・淡路大震災、東日本大震災などで対応に当たられ、実際にオペレーション部門も経験されています。 そのように、災害時の自衛隊の動きもよく分かっていらっしゃる方に、私は奈良県の事情を説明した上で質問いたしました。陸上自衛隊の駐屯地がない奈良県の特に中南部へ、京都府宇治市の大久保駐屯地から展開されるという仮定でございますけれども、最初に一次的な広い拠点へ人員や物資をどんと大きく輸送した上で、2次的に小さな地域へ展開することになるのか。それとも、直接、各地の学校グラウンドなどへ展開するのか。この最初の質問に対しては、まず、どんと大きな拠点へ一時的に輸送してから、2次的に各地へ展開することになると。そういった一次的な広い拠点については必要だというお答えでございました。 そのお答えを踏まえて、さらに質問させていただきました。その一次的に輸送する拠点の設備としては、固定翼用の滑走路があったほうがよいのか、それとも回転翼用のヘリポートさえあれば足りるのか。それから、固定翼での輸送と回転翼での輸送で、どの程度の差があるのか。この質問に対しては、あくまでも私見だけれどもと断った上で、こう答えられました。自衛隊で所有しているチヌークという大型ヘリ、大規模に人員や物資を輸送できる、そういった大型ヘリを使用する場面が多いので、100メートル掛ける100メートル程度が確保できるヘリポートがあれば、それでよいのではないか。 こちらをご覧ください。お手元にも配付しております。お話では、中途半端な滑走路があるよりも、こういった大型ヘリに対応した100メートル四方のヘリポートがあればよい。滑走路を使用する場合だと、固定翼が着陸して停止できる地点というのは限定されるので、そこからまた物資などを運ばなければいけないけれども、回転翼で着陸するならば、大型ヘリといえども小回りがきいて、輸送上も使い勝手はよいということでした。あくまで私見としながらも、実際に自衛隊で災害対応のオペレーションをされていた経験者の見方というのは、大変参考になりました。 さて、五條市の大規模広域防災拠点予定地だったゴルフ場用地をめぐっては、2,000メートル級の滑走路はつくらないという決定をしながらも、そのスペースの整備には、国から緊急防災・減災事業債の適用を受けていたことから、防災目的での使用を検討されている状況と理解しております。 そこで、滑走路がなくても、大型ヘリ対応のヘリポートに使える場所があれば、安心して備えることができるのではないか、そんな提案を込めて伺います。五條市のゴルフ場用地の活用について、県内での災害時の救助救援活動では、大型ヘリの活用が有効であり、固定翼用の滑走路はともかくとして、大型ヘリが離着陸可能な広域防災拠点の整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。 次に、2つ目、観光情報の発信について伺います。 先日、奈良市出身の元国土交通事務次官、森昌文さんとお会いし、意見交換をさせていただきました。リニア中央新幹線の話も含めてトピックは多岐にわたったのですけれども、それからずっと私の頭の片隅に残っていた一つに、観光に関する考え方がございます。 奈良県では、従来から観光消費額が少ないことが課題になっていて、その原因として、宿泊客も少ない。そんな状況下で京都に泊まる多数の宿泊者の何%かだけでも、奈良に引っ張ってこれたら、それだけでも奈良の宿泊者はかなり増えるだろう、そういった概算のお話を伺って、私はそれからずっと、シンプルながらもそうだよなと考えておりました。 そのために、どんな工夫ができるか。私は一つの方法として、やはり旅前情報の積極的な発信が大切なのではないか、そのように考えました。これまでも、宿泊事業者からこんな声を聞いていました。県や市からいろいろなパンフレットとかを送ってくるので並べているけれど、うちに泊まってもらってからそれを見ても、それは遅いと。もっと前から知ってもらっていたら、例えば、もう1泊して、この行事を見て帰ろうかという動きにもなるかもしれない、そんなお声も伺っておりました。 奈良に行こうかと思ったときに、例えば、インターネット上に必要十分な情報があって、計画的に旅行してもらう方が増える、それに伴って宿泊者も増える、観光消費額も増える、そんな流れが確立できるとよいのではと考えております。 これまで、奈良観光は3時間あればよい、そんなひどい言われ方をされる場面もございました。つまり、ほかの観光のついでにバスで立ち寄って、奈良公園の鹿や東大寺の大仏様を見せておけば、それで十分、そんな言われ方もありました。 しかしながら、最近は風向きが変わり始めてきた、そんな実感がございます。修学旅行でも、奈良に1泊や2泊した上でじっくりと県内をめぐって学習していただいている場合があり、奈良公園付近だけで済ますのではなくて、法隆寺や明日香などへも足を延ばしていただいているケースが増え始めています。 特定非営利活動法人なら燈花会の会で、宿泊している修学旅行生向けに実施している体験燈花会という事業がございますけれども、ボランティアを毎年ずっとしながら、中学生や先生と話している中で、そんな変化も肌で実感しています。 つまり、旅行計画、旅行商品の定番である修学旅行でさえも、奈良県内での滞在時間を延ばしつつある今、一般の観光客に対しても、旅前情報の提供について重点的に取り組むことが大切ではないか、そんなふうに感じながら伺います。 宿泊客を増やし、県内でより消費していただくためには、あらかじめ計画を立てやすいように、各種行催事などの旅前情報を積極的に発信していくことが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。 3つ目は、有機農業に取り組むオーガニックビレッジについてでございます。 今、国では農林水産省が、みどりの食料システム戦略と名づけて、持続可能な食料システムの構築に向け、中長期的な観点から、調達、生産、加工流通、消費の各段階の取組やカーボンニュートラルなどの環境負荷軽減のイノベーションを起こそうとしています。 具体的には、耕地面積における有機農業の取組面積を2050年までに25%まで拡大させる、面積でいうと100万ヘクタールまで拡大させる。化学農薬についても、リスク換算で使用量を2030年までに10%低減させ、2050年までに50%低減させるといった内容でございます。 こういった戦略について、各省の官僚の方々と意見交換した際の感想として、2030年や2050年というと随分先のようにも見えますが、あとたった7年間や27年間で、それだけ大きなことをしようとすると、急ピッチで進めなければいけないわけでして、のんびりとも構えていられません。 そんな中で、この戦略の一環としてオーガニックビレッジを創出する取組があります。地域ぐるみで有機農業に取り組む市町村などの取組を推進するため、有機農業の団地化や、学校給食での利用など、生産から消費まで一貫して推進していく試行や体制づくりについて支援し、モデル的先進地区としていくものでございます。全国各地で、2025年までに100市町村、2030年までに200市町村を創出することを目標として、農林水産省が産地づくりを推進しております。 奈良県においても、昨年11月、宇陀市が全国で初めてオーガニックビレッジとして宣言し、具体的には、作業効率の改善に加えて、電場冷蔵庫で長期保存して出荷時期を調整する、常温保存可能なペーストを試作したり、そのペーストを活用したメニューを開発したりといったことを進められています。金剛一智宇陀市長が全国に先駆けて取り組む中、各地からの視察も受け入れていると聞いております。天理市も福住地区での取組を中心に据える形で続いて実施され、お隣の山添村でも今後の実施に向けて機運が高まっていると聞いています。 有機農業を特色にした地域づくり、産業づくりの可能性に向けて、県としても後押しできることがあるのではないか、そんな観点から伺います。農林水産省が掲げる、みどりの食料システム戦略との関連で伺いますが、オーガニックビレッジを推進するために、奈良県ではどのように取り組んでいくのでしょうか。 4つ目は、近鉄西ノ京駅周辺のまちづくりについてです。 本日の一般質問の一丁目一番地でございます。そもそもこの近鉄西ノ京駅周辺については、駅前広場もほぼない中、駅前の狭い踏切の西側が奈良市の市道、東側が県道という、県と市が連携して取り組まないと効果的に整備しにくい構造になっております。 こちらは、駅前の写真でございます。資料の3枚目でございます。私が2日前の12月5日に、みずから写真を撮ってまいりました。雨の日は、皆さんが傘を差しますので、これ以上にまた危険な状況になっております。バリアフリー化も進んでおらず、世界遺産の薬師寺、唐招提寺がある東側にだけエレベーターがあって、西側にはありません。しかしながら、駅を利用する地元住民の人口は西側が多いので、朝はただでさえ駅前の踏切付近で人と車が行き交う中、エレベーターを使いたい住民が西から東へ渡るために、踏切前で待機するなどして、安全面でも課題が大きくなっています。 駅へ向かう地元住民に加えて、六条方面にある奈良県立大学附属高等学校、かつての西の京高等学校であった場所へ通う生徒が駅から出てくる。柏木町にある奈良県立奈良商工高等学校、奈良県立奈良朱雀高等学校へ通う生徒も駅から出てくる。そこに、バスもやってきて狭い踏切を渡る。まさに警備員を配置していなければ、事故が起きてもおかしくない状況です。 さらに、そんな状況に加えて、奈良県総合医療センターが移転してきて、患者さんや勤務される方も駅を利用するようになりました。県は、近鉄学園前駅や近鉄郡山駅などを使うように促していますが、近鉄西ノ京駅が最寄りの駅ですし、駅前から奈良県総合医療センター行きのバスが出ているので、利用者は少なくありません。そのような方々を含め、バスを利用されたい方が、混雑する車道の向こう側にあるバス停へ、なかなかスムーズに渡れないことも、毎日のストレスの一つです。だから、ショートカットして、車道をすぐに渡ろうとされる方もいて、決して安全とは言えません。 さらに、世界遺産のそばにあり、風致地区など都市計画上の制約もあって、駅前にコンビニの一つも出店できない不便な状況が続いていて、地元の方々もこれが世界遺産の玄関口だとは胸を張って言えない、特急が停車する駅前だとは思えないと嘆いていらっしゃいます。 こうした状況に業を煮やして、地元の住民が主体となって、奈良市と連携して、踏切の拡幅、市道の拡幅、駅前広場の整備、都市計画も変更して、せめてコンビニなどの店舗も出店できるように変えていく、そんな構想の下に一致団結し始めています。 一方で、県もこの脆弱な環境については、一定認識してまいりました。奈良県総合医療センター移転をめぐっては、移転までにアクセス道路を整備すると県は地元へ説明してきました。 こちらをご覧ください。お手元の資料の2枚目でございます。 当初は、駅の東側に駅前広場とアクセス道路を整備する構想で、具体的には市が計画案を作成しました。地元住民も用地協力に同意しながら市が作成したのが、五條大路の復元と銘打った道路で、これが最終的に接続する先は、もっと東側にある南北方向に伸びている県道、主要地方道奈良大和郡山斑鳩線、そんな計画案がつくられました。 ところが、県警察との協議の中で、県道に接続する交差点で南側へ右折するための右折レーンを設けなければ認めることができないと指摘されてしまいました。そこまでは用地の見通しが立たず、また、その後、薬師寺さんもトップの管主さんが交代して状況が変わったため、事実上、頓挫してしまいました。この県警察からの指摘については、そもそも接続先の県道が両側2車線しかないことが悪いのであって、県道が計画どおり、両側4車線になっていたり、あるいはその見通しがあったならば、渋滞対策としての右折レーンがなくても認められたのに、計画案が頓挫することはなかったのにとの恨み節も聞いております。 その後、東側については進展がなく今日に至っております。県は課題となっている西側の道路9か所のうち何か所できちんと進めているのだと、前の知事さんの時代に答弁していますが、実態としては、市に丸投げしてお金を補助しているだけで、本当に県が取り組むべき駅前の東側の県道部分については、みずから何もしていないものですから、地元からはあまり評価されていません。 こういった、駅前の写真をもう一度ご覧ください。この駅前の写真で、県立奈良商工高等学校の生徒が歩いている道が、その県道でございます。そんな西側の遠いところの道路よりも、日常的に住民や高校生が毎朝、危険な目に遭っている踏切を含めた駅前の周辺であったり、対面通行するには狭過ぎる東側の県道を整備していくことのほうが、はるかに重要であるわけです。 これまでの結果として、地元の方々からのお声を紹介すると、奈良県総合医療センター移転で迷惑をかけるから、それまでにアクセス道を整備すると言っていたのにどうなっているのか。それも県のせいで県警察が認めなかったのであって、その後も県は何もしていないし、大事な駅周辺については一体どういう姿勢なのか。県は市に丸投げして、お金を出すばかりで、どのように住民に向き合って汗をかいてきたのか、といった調子で不信感やお怒りの声が上がっております。 先ほど申しました、地元が一致団結し始めているという話も、本音で言えば、県に動く気配がなく、また、市も技術職員が足りておらず動きにくい中で、地元の方々が仕方なくやっているのです。駅周辺の土地所有者に理解を求めた上で、自腹を切って、みんなでお金を出し合って費用を捻出して、一部の費用は市から補助してもらいながら、都市開発系の企業に規制をクリアできる案を書いてもらっているということです。 ですから、そこまで地元も汗をかいている中で、県も東側の県道をどうにかしてよ、踏切の拡幅についても、市道の拡幅だけでは、
近畿日本鉄道株式会社も消極的なので、県からも後押してよ、県の施設を増やすだけ増やして、駅前を不便にしておきながら、アクセス道路を整備する約束も果たすことができていない中で、せめてそれくらいは県も汗をかいてほしいというお気持ちなのです。ですから、この資料の右上に、地元住民は大変落胆していると書いているのですけれども、大変激怒しているのが実態でございます。 これまで、西ノ京駅周辺の整備をめぐっては、木で鼻をくくったような答弁しか返ってこず、何も変わらなかったのが、前の知事さんの県政でございましたけれども、駅前のこうした実態をよく知ってくれている山下真さんが知事になった今、ようやく動き出すのではないか、そんな期待感があることも事実でございます。 山下知事体制になってから、6月1日付で、地元の六条校区自治連合会会長、六条一丁目自治会会長の連名によります具体的な要望書も提出されております。その中でも、近鉄西ノ京駅から薬師寺さんの與楽門までの対面通行区間の狭過ぎる県道が、特に優先すべき課題と地元も感じていらっしゃいます。要望書を受け取ったときは、知事就任から僅か1か月の時期でございましたけれども、今、ある程度、何かお答えできるのではないかと思います。 そこで、伺います。近鉄西ノ京駅は世界遺産の玄関口でもあるが、駅へのアクセス道が脆弱などの課題があるため、西側で市道や踏切の拡幅なども含め、市と地元が協力して進めている中、呼応して県も協力すべきと考えますが、いかがでしょうか。 5つ目は、学校の教員が足りていないことへの対策として、工夫できることはないのかという背景での質問です。 文部科学省でも、教師不足に関する実態調査を実施されていますけれども、こういった調査をした背景には、形の上では定数を満たしていても、産休、育休、長期にわたる病休などで、実際には現場にいないではないか、新学年を迎えるにあたって、担任の先生も決まっていない現状があるではないか、そういった指摘を踏まえてのものでございます。 先日、私に相談されてきた方からは、他府県での教員採用試験に合格しているものの、その後、奈良県へ引っ越してきたので、奈良県の教育現場で力になりたいと思っているというお声もいただきました。学校現場で教員が足りていない中で、そのように他府県で既に合格している場合、一定の水準まではクリアしているとみなしてもよいのではないか。そうすることで、より多くの方に奈良県の学校現場を志してもらいやすくなるのではないか、そんなふうに考えたことから、伺います。 教員確保に関して、他府県の教員採用試験で既に合格しており、縁あって奈良県で教員になることを志願している人物については、一定の水準を満たしているとみなしてよいと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、平城宮跡歴史公園の整備について要望させていただきます。 朱雀大路東側地区では、正倉院の外観に似せた建物を建てる予定だったところ、知事が山下真さんに代わってから執行停止されました。まずは、既存の建物の有効活用を図る必要があるという旨のコメントを聞いて、山下知事も同じような思いなのだなと思いました。 少し時間がございますので補足しますと、県営の部分に4つの館が建っていまして、南西にございます天平みつき館という物販を中心とした建物については、ほぼがらがらでございまして、そういった状況を踏まえて、すぐ東隣のレストランなどがあります天平うまし館に物販スペースを移して、今、単なるスペースとなっている、そんな状況でございます。なので、私も本来ならば少し広めの2つの館をつくって、余ったスペースはもう全部駐車場にする、そんなふうにしたほうがよかったのではないかとも常々思っております。 そういった課題意識も含めてなのですけれども、東側地区に話は戻りますけれども、私なりにそういった周辺の国営部分に関わる方々、県営部分に関わる方々、そして、企画でよく連携されている民間の方々の様々な私的なお声を聞いていると、ほぼ全員が、あんなところに建物は要らないと、駐車場でいいと、あるいは駐車場にも使えるスペースが、多目的のスペースがいいと、そういったお声を口々におっしゃるではありませんか。また、南側地区についてもバスの運転手などが休憩できるスペースを設けるならば、動線も含めて本当に使い勝手がよいものにしてほしい、そんなお声も伺っております。 そこで要望いたします。納税者が納得できる予算執行のため、利用者視点を大切にしながら、朱雀大路東側地区、平城宮跡南側地区の今後の整備を進めていただきますように、よろしくお願いいたします。 以上で、壇上からの発言を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、中川崇議員の一般質問に対してお答えさせていただきます。 まず、大規模広域防災拠点用地でのヘリポートの整備についてでございます。 9月議会で答弁しましたように、県内における災害対応として、既存の広域防災拠点9か所が十分機能を果たせるのか、また、一定の広さを持つ公共施設等が災害時の活動拠点として活用できないかなど、防災拠点の機能について検討を進めているところでございます。 ヘリコプターの離着陸場につきましては、9か所の広域防災拠点のうち7か所が航空搬送拠点として位置づけられておりまして、県防災航空隊の防災ヘリが離着陸できることを確認しております。 議員お尋ねの大型ヘリの離着陸については、国の南海トラフ地震に関する計画の作成時に示された基準において、先ほど中川議員のご指摘と同様、100メートル四方の平場が必要とされております。先ほど、9か所の広域防災拠点のうち、7か所が航空搬送拠点に指定されていると申し上げましたが、この7か所の航空搬送拠点のうち、4か所がこの100メートル四方という条件を満たしております。 また、国の南海トラフ地震に関する計画におきましては、広域医療搬送のための航空搬送拠点に橿原運動公園が位置づけられておりまして、ここも大型ヘリの離着陸ができる平場を有しております。 紀伊半島大水害の被害の実例等を踏まえまして、大規模災害発生時の対応として、ヘリなど空路の確保は重要と考えているところでございます。 一方、既に買収したゴルフ場用地につきましては、防災目的を含めた土地利用の検討を引き続き進めてまいりたいと考えております。 2点目の国内旅行における観光情報の発信についてでございます。 中川議員お述べのとおり、国内からの観光客に奈良に宿泊いただくためには、旅前の情報発信が大変重要だと考えており、県では様々な取組を行っております。 まず、奈良への旅行を検討されている方の趣味趣向に合った観光スポットなどを表示し、最適な、なら旅プランを提案して、旅前に必要な訪問先や移動ルートの検討にかける手間と時間を大幅に短縮させる必要があると考えておりまして、そうしたことを可能とさせるWEBアプリ、(仮称)奈良県観光リコメンドサービスを現在、開発中でございます。今年度末に完成の予定でございます。 さらに、大阪・関西万博を見据え、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会のテーマ事業プロデューサーの一人である河瀬直美氏が監督した映画について、ロケ地マップを作成中であり、大阪・関西万博のテーマを意識した情報発信にも、大阪・関西万博開催に先立ち早期に着手しております。 また、インスタグラム、フェイスブック、ティックトックなど、若者に訴求力のあるSNSも積極的に活用し、観光スポットや催事等の情報を発信しているところでございます。なお、本県がティックトックで発信中の映像が先日、ティックトックジャパンが主催するパブリックセクターショートムービーアワードで優秀賞を受賞いたしました。今後も、質の高い情報発信を継続してまいりたいと考えております。 また、首都圏での情報発信拠点である奈良まほろば館の活用も併せ、これからも積極的に旅前の情報発信を図っていく所存でございます。 3点目のオーガニックビレッジの推進についてでございます。 国は、農林水産業及び食料産業の持続的な発展と食料の安定供給を確保するため、令和3年に、みどりの食料システム戦略を策定するとともに、令和4年には、同戦略の実現を目指すための法制度として、いわゆる、みどりの食料システム法を制定・施行いたしました。 本県でも、農林水産業に由来する環境負荷の低減を図る取組をより一層促進するため、今年3月に、全市町村と共同で同法に基づく、奈良県環境負荷低減事業活動の促進に関する基本計画を策定し、環境負荷低減への取組実施者の増加を図っております。 また、有機農業や堆肥利用など環境負荷を低減する取組を行う農業団体等に、取組経費の一部を支援するとともに、将来の成長品目として育成を図るチャレンジ品目の一つに有機野菜を選定し、県ホームページで広報を行うなど、有利な販売につながるような支援をしております。 さらに、地域ぐるみで有機農業に取り組む、いわゆるオーガニックビレッジにつきまして、宇陀市、天理市でのモデル的な取組を支援し、有機農業に取り組む産地が増えるよう図っているところでございます。 新たに有機農業に取り組む農業者や市町村等からの相談に対しては、県内4か所の振興事務所が引き続き、生産、販売及び産地づくりにアドバイスするなど、しっかり支援してまいります。 SDGsの観点からも持続的な農業を行っていくことは重要であり、今後も有機農業を含む環境負荷低減の取組を推進していく所存でございます。 続きまして、4点目、西ノ京駅周辺のまちづくりに係る道路整備等についてでございます。 先ほど、中川議員もお述べのとおり、近鉄西ノ京駅周辺は世界文化遺産の構成資産である薬師寺や唐招提寺があるなど、観光地としてのポテンシャルが高い地域であるにもかかわらず、道路幅員が狭く、特に朝夕は歩行者と車がふくそうし危険であるなど、大きな課題があると認識しているところでございます。 西ノ京駅西側の地域では、地元が今年度、奈良市の支援を受け、西ノ京駅周辺まちづくりを考える会を立ち上げ、西ノ京駅西側のロータリー整備や奈良市道の拡幅計画を検討されていることは承知しております。 また、西ノ京駅西側の整備に合わせて、近鉄線踏切を挟んで東側にある県道京終停車場薬師寺線の交互通行区間を拡幅してほしいとの要望も地元から受けております。 この県道の拡幅計画につきましては、西側で検討されている市道の拡幅計画と整合させる必要があるため、県としても市や地元で進められているまちづくりの検討に積極的に参画するなど、連携して取り組んでまいりたいと考えております。 例えば、奈良市との間でまちづくり連携協定を締結するといったことも視野に入れて進めてまいりたいと考えております。また、その際、県道の拡幅にあたりましては、用地買収等も必要になってまいりますので、その際には市や地元のご協力もよろしくお願いしたいと考えております。 私からの答弁は以上ですが、最後に、ご要望いただきました平城宮跡歴史公園の整備についても一言、お答えをさせていただきます。 国営部分の職員や県営部分の指定管理者、企画でよく連携する方々なども、全員、建物は要らない、駐車場でよいというふうに、朱雀大路東側地区について述べているということでございまして、今後、そうした皆さんのご期待に沿えるよう、きちんとした土地利用を図ってまいりたいと考えております。ご要望ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 吉田教育長。
◎教育長(吉田育弘) (登壇)18番中川議員からの教員の確保についてのご質問にお答えいたします。 本県の教員採用試験は、1次と2次で実施しておりまして、このうち1次の筆記試験には、教職教養と教科専門がございます。 従来から、県外で勤務する現職教諭に対しましては、採用試験とは別に、他府県との人事交流によって面接で本県に採用することを可能とする制度がございました。そのほか、3年の勤務実績があり、採用試験を受ける場合は、1次筆記試験のうち、教職教養を免除してまいりました。 近年、全国的に講師が不足する中、本県でも育休等の代替で任用する講師を十分に配置できていない状況が起こっております。このため、講師の確保に向け、ハローワークへの登録、長らく現場から離れている者を対象としたペーパーティーチャーの説明会などに取り組んでおります。また、本年10月に退職教職員の互助組合員約7,500人へラインを用いた講師登録の依頼をしたところ、現在、120名が登録しております。 教員採用試験におきましても、県内で勤務する講師の継続任用と、新たに任用する講師の確保につなげることを目的に、今年度実施の採用試験では、県内で3年間勤務する常勤講師に対し、1次試験のすべてを免除いたしました。 一方、県外で勤務する現職教諭に対しましては、人事交流の制度があるため、従来どおり1次筆記試験のうち教職教養の免除を継続しており、結果として、県内勤務の常勤講師との違いが生じております。 教員採用試験の倍率につきましては、本県では5倍程度を維持しておりますけれども、全国的には低下しており、令和3年で全国平均3.7倍でございまして、各自治体が採用試験の実施方法の見直しを進めているのが現状でございます。 本県におきましても、優秀な人材の確保に向け、県外で勤務する現職教員について、来年度は現在実績のない他府県との人事交流制度を取りやめ、採用試験の1次試験すべてを免除するなど改善を図ってまいります。以上でございます。どうもありがとうございます。
○副議長(池田慎久) 18番中川崇議員。
◆18番(中川崇) いずれもすばらしいご答弁、ありがとうございました。 あまり再質問することもないほどの答弁ばっかりだったのですが、1問目のヘリポートにつきましては、そういった元自衛隊出身の方のお声もございましたので、ヘリポートに使えるような場所さえあれば滑走路は要らないよと、そういった知事の方針にとっては追い風になるようなことかと思いまして、お話させていただきました。そういった観点も大事にしながら、今後も現実的な検討を深めてもらいたいなと思っております。 少し付け加えますと、2,000メートル級の滑走路につきましては、谷を埋めて造成してつくるというお話でございましたので、そういった土地の滑走路が大地震を受けたときに、例えばひび割れであったりとか、陥没であったりとか、そういったことで、どの程度使えるのかと、そんなふうにも少し素人ながら考えておりましたので、そんな谷を埋めてまで滑走路をつくる必要はないのと違うかと僕も思っておりましたので、その点は大変よかったのではないかと、今後も検討してほしいと思っております。 あと、ほかいずれもご答弁ありがとうございました。要望につきましても、ありがとうございました。平城宮跡ですね。 最後、西ノ京につきましても、積極的に参画していくとのこと、ありがとうございました。奈良市とのまちづくり連携協定も含めて検討されるということ、本当にありがとうございます。 最後にもう一声、意気込みを聞かせていただければと思います。この西ノ京の改善につきまして、意気込みをお願いします。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 私は、ここは何度も訪れたことがございまして、奈良県立大学附属高等学校とか高等学校が複数あるところでございまして、一方で、薬師寺や唐招提寺の玄関口であります。おっしゃるように、ここが世界遺産の玄関口かと言われても致し方ないような状況で、世界遺産の玄関口であるとともに、高校生や地元の人たちが日常生活で毎日利用していて、大変危険な状況にあるわけですから、こうした状況を一日でも早く改善することは急務であると認識しておりまして、市や地元の皆様とタッグを組んで、早期に問題を解決してまいりたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 18番中川崇議員。
◆18番(中川崇) ありがとうございました。本日、議事を取られています池田副議長のなじみの深い地でございますので、日本維新の会であるとか自由民主党であるとか、そういうのは関係なく、党派を超えて取り組んでいけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。以上でございます。 --------------------------------
○副議長(池田慎久) 21番浦西敦史議員。
◆21番(浦西敦史) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。
○副議長(池田慎久) お諮りします。 21番浦西敦史議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。 (「異議なし」の声起こる)
○副議長(池田慎久) それでは、さように決し、明、12月8日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。
△午後4時10分散会...