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開催日:2010-12-07 平成22年第4回定例市会(第3日) 本文
開催日:2010-12-07 平成22年第4回定例市会(第3日) 議事日程・名簿

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  1. 神戸市議会 2010-12-07
    開催日:2010-12-07 平成22年第4回定例市会(第3日) 本文


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    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時1分開議)  (荻阪議長議長席に着く) ◯議長(荻阪伸秀君) ただいまより本日の会議を開きます。  最初に,諸般の報告を申し上げます。  昨日の本会議において可決されました「ヒトT細胞白血病ウイルス1型総合対策を求める意見書」ほか1件の意見書は,いずれも関係方面に提出いたしておきましたので,ご了承願います。  以上,報告を終わります。  これより議事に入ります。 2 ◯議長(荻阪伸秀君) 日程によりまして,昨日に引き続き,議案外質問を続行いたします。  68番南原富広君。  (68番南原富広君登壇)(拍手) 3 ◯68番(南原富広君) 私は,日本共産党市会議員団を代表して,市長に質問いたします。  日本共産党市会議員団は現在,市民の暮らしの実態と市政への要望を聞くために市民アンケートを行っています。  ことし春に実施した子育てアンケートに続くもので,既に9,000人近くから回答が寄せられています。集計途中ですが,神戸空港については,空港に市税を投入すべきでないとか,すぐに廃止すべき,赤字になるのはわかっていながらつくったのだから市長などは責任をとるべきなど,空港への厳しい市民の声が反映されています。  今後力を入れてほしい施策については,市民税や医療保険料などの軽減策,介護保険料・利用料の引き下げ,病院の窓口負担の引き下げなど,税や医療にかかる費用の軽減を求める声が高くなっています。  また,若者の就労対策の強化や失業者への生活・住宅・再就職支援,子育てへの支援策の強化などを望む声も多く,今日の状況を反映していることがうかがえます。  また,値上げされた敬老パスについては,無料に戻せと,値上げ前に戻すを合わせると半数以上となっており,値上げには厳しい批判の声があります。  アンケートに基づく市民の声も反映させつつ,質問に入らせていただきます。  11月25日に発表された,神戸市行財政改革2015(案)についてお伺いいたします。  行財政改革2015は,これまで行ってきた行政経営方針に基づき,来年度から今後5年間の目標を掲げ,行財政改革を行おうとするものです。行財政改革2015では,これまでの行政経営方針の取り組みについて,危機的な財政状況からは脱却することができ,このような取り組みについては民間機関から大きな評価をいただいたなどと評価しています。  しかし,行政経営方針の開始された'04年以降この7年,市民の暮らしはどうなったでしょうか。'03年から'09年まで国民健康保険料は1人当たり約1万1,000円の値上げ,保育料は4回もの値上げが行われました。さらに,'08年度には学童保育,家庭大型ごみが有料化され,敬老パスの有料化も実施されました。さらに,この10月には,高齢者の反対の声を押し切って,敬老パスは2倍に値上げされてしまいました。
     さらに,民営化の名のもとに公務労働に非正規・不安定雇用を広げ,行政みずから市民の収入を押し下げ,保護者や子供たちが泣いて反対した公立保育所の民営化を強行するなど,市民サービス切り捨てと負担増で市民の暮らしと安全・安心を破壊してきた7年間でした。  一方,不可欠な都市装置と進めてきた神戸空港は,土地の売却が進まず,1,982億円もの莫大な負債を新たに生み出し,医療産業都市構想には既に1,400億円も投入しているにもかかわらず,経済効果は何ら明らかになっていません。これらは,将来の世代に大きな負担を背負わせる結果になっているのです。  行財政改革は行ったが,市民サービスばかりが切り捨てられ,市民から絞り上げた財産を空港と医療産業などむだな大型開発に投下してきた7年でした。これでは一体何のための行財政改革なのかと言われても仕方がありません。  その上に行財政改革2015では,税務事務から学校管理業務まで18項目にわたって民間活力の活用すなわち民間委託を導入,法定外目的税の名による市民税の増税,保育所・学校・幼稚園の再編・統廃合を取り組みの具体的項目に挙げるなど,これまでの方針を踏襲し,さらに推し進めるものとなっています。  市民切り捨て行財政改革を改め,市民の暮らし優先の姿勢に切りかえることが求められていると思いますが,いかがでしょうか,お答えください。  次に,不正経理問題についてであります。  不正経理問題について,日本共産党市会議員団は,今後の改善策を検討するにしても,その原因と責任の所在を明確にしない限り改善は図られないとして,徹底した全容解明を行うことを求めてきました。しかし,これまで市長をはじめ全庁にわたって解明しようとする姿勢は見受けられませんでした。  このたび,市長・副市長の減給がなされました。しかし,これは市長らが政治的・道義的責任をとるというだけのものであり,神戸市が受けた損失に対する責任をとったことにはなりません。ましてや不正経理の背景や責任も明らかにされていないのです。  各常任委員会でも,デジタルカメラやパソコンの一部が備品管理の手続で廃棄されていた問題についても質疑を行いました。産業振興局では,平成16年から18年に不正経理で購入したパソコン40台のうち10台が,平成18年から22年の間に廃棄されています。最も早く廃棄されたものは2年程度しか使われておらず,通常では考えられない短期間で廃棄されていることが明らかになりました。東部建設事務所デジタルカメラについても同様でした。局長は,ただ謝罪されただけですが,謝罪で済むものではありません。  マスコミでも,私的流用がなされていたのではと大学教授が指摘しています。この疑念を払拭するためにも徹底解明が求められています。改めて,徹底解明のための第三者による調査委員会のような機関を設置し,その原因と責任の所在を明確にするべきだと思いますが,いかがでしょうか。  次に,住宅リフォーム助成制度の創設について質問いたします。  建設不況と言われて久しい状況です。特に中小建設業者の仕事確保が困難となっています。市内経済活性化のためにも建設業者の仕事づくりが求められています。行政としてできることは,公共事業の分離・分割発注による中小業者に対するきめ細やかな仕事づくりです。  また,もう1つは,中小業者の営業と地域経済をどう守るかという点で,全国的に注目されているのが住宅リフォーム助成制度です。この制度については,これまで我が党が一貫して実施を求めてきていますので,中身の説明は省かせていただきます。  この住宅リフォーム助成制度実施自治体が急速にふえています。昨年5月には19都道府県83自治体だったのが,現在175自治体へと広がっています。兵庫県内でも,明石市や加古川市,福崎町,稲美町で実施されています。  神戸市は,耐震改修の助成を行っているとか,介護保険による制度があるとして実施を拒んできました。しかし,耐震改修の実績を見ると,21年度で161件,必ずしも多いとは言えないのです。耐震改修制度では敷居が高過ぎるのです。  その点,リフォーム助成なら,ちょっとした住まいの改修,例えば壁や床だけの改修とかキッチンやトイレを改修したいというときに,身近な地元業者に改修を依頼した場合にその金額に応じて少し助成するだけで,だれもが気軽に利用できるという点が重要なのです。  実施した他都市では,経済効果は10倍になったなど,改修した個人だけでなく地元建設業者の仕事確保につながり,自治体も税収のアップにつながるなど,みんなが喜んでいるからこそ爆発的に実施自治体がふえているのです。他の制度があるからと固執せずに,神戸経済活性化の起爆剤として決断すべきときだと思いますが,いかがでしょうか。  次に,子供の医療費を中学生まで無料化することについてであります。  日本共産党市会議員団が実施しているアンケートでは,病院の窓口負担の引き下げを求める声は約40%に上り,同じく子育てアンケートでは,子供の医療費を無料にしてほしいとの回答が42%に上っています。子供を育てる親にとって一番の心配は子供の病気です。費用の心配なしに安心して病院にかかれるよう,子供の医療費を無料にすることは切なる願いです。  ところが,兵庫県が発表した第2次の行革では,子供の医療制度にかかわって所得制限を一層強化しようとしています。今でさえ制限が加えられているのに,これでは少子化対策とは逆行します。ぜひ反対の声を上げていただきたいのですが,いかがでしょうか。  神戸市では,子供の医療費について,入院費は中学卒業まで無料ですが,外来は0歳児のみが無料とされています。保護者の経済状況で,子供が病気になっても受診できないということも起こっています。少子化の中で特に子育て支援は重要施策の1つです。  現在,他都市でも少子化対策の1つとして,子供の医療費を無料化する動きが顕著になっています。子供の通院医療費の無料制度を,入院同様,中学卒業まで拡大することが求められていると思います。ぜひ来年度から実施していただきたいのですが,いかがでしょうか。  次に,中学校完全給食の実施を求めたいと思います。  日本共産党市会議員団が実施した子育てアンケートでは,中学校給食の実施を求める声は51%に上ります。既に全国の80%の公立中学校で実施されています。政令市で中学校給食を実施していないのは,神戸市,横浜市,川崎市,大阪市,相模原市,北九州市の6都市のみです。他都市は既に実施しているのです。  中学校給食は,成長期にある中学生の食生活・食習慣の乱れを改善し,その健全育成を図るため,また食育の観点からも,全国で中学校給食が拡大されているのです。  神戸市は,この点から見ると極めておくれているのです。教育委員会はこれまで,中学校給食を実施しない理由として愛情弁当論を繰り返してきましたが,現実には貧困が拡大する中で昼食抜きの子供がふえています。神戸市では,昼食対策として弁当販売が行われていますが,食育の観点からはほど遠いものです。また,弁当の価格が高いため,利用は何と1.6%と低迷したままであります。  先日,日本共産党の兵庫県下の議員団が政府要請に出向き,文部科学省中学校給食について要望をした際,担当者から,国の支援も明確であり,むしろ全自治体でなぜ進まないのか教えてほしいとの回答を得ています。他都市で実施できて,なぜ神戸市で実施できないのか,明確にしていただきたいのですが,いかがでしょうか。  次に,三菱商船建造部門撤退問題について伺います。  三菱重工の商船建造部門の撤退が公にされたのは7月21日でした。いち早く市長も要望書を届けるなど一応の対応はされてきました。しかし,雇用問題と神戸経済に多大な影響を及ぼすこの一大事に,神戸市の対応は余りにも弱いのではないかと感じられてなりません。  三菱の商船建造部門撤退における影響について,三菱自身が対処すると明確にしているのは,352人の直接雇用者について配置転換などで対応するということだけであります。しかし,全員の雇用を保障するものではありません。ましてや2次・3次下請への対応は全く明確にされていません。これらの2次・3次下請の人たちこそ多大な影響を受けることになり,ひいては神戸経済を一層厳しいものにしかねない事態となっているのです。それだけにとどまらず,周辺商店街等への影響をも考え合わせると被害は甚大と言わざるを得ません。  神戸市としては,今の段階だからこそ積極的な働きかけが求められていると思うのです。ところが,その動きは極めて不鮮明です。本当に大変なことになるという悲壮さが見受けられないのであります。市長は,一度も三菱へ出向いていません。  日本共産党は,この三菱の撤退問題を甚大な問題として,先日国会でも取り上げたところです。また,政府要請も行いました。その際,自治体からの要請があれば国として行動する,また地元自治体が場をつくってくれれば我々も一緒に考えたいという旨の発言を引き出しています。  今,求められているのは,市長がどれだけ精力的にこの問題で発言し,行動するかということだと思います。まず,その実践の第一歩として,市長みずから三菱へ出向いて,商船部門の撤退を撤回するよう直接求めるべきだと思いますが,いかがでしょうか。  国では,自治体と一緒に問題解決のために努力すると答えているわけですから,ぜひ国にも働きかけるべきだと思いますが,いかがでしょうか。  次に,第2次市営住宅マネジメント計画について伺います。  第2次マネジメント計画は,市営住宅の戸数を7,000戸減らし,4万6,000戸にするとしています。この中で問題なのは,7,000戸減らすとしている住宅の半数を借上住宅で減らそうとしていることであります。そもそも借上住宅は,震災被災者のための特例住宅として,国でも制度を創設し,今日に至っているものであります。返還の期限を設定したこと自体が,震災被災者の立場に立っていないものだと言わなければなりません。  多くの被災者が高齢化し,やっと築き上げてきたコミュニティもまた壊されてしまう,住宅を変わって一から出直すことはもう無理だ,住みなれた住宅を離れたくないというのが借上住宅入居者の皆さんの声です。  借上住宅のオーナーと神戸市との関係でも,平成19年に行われたオーナーに対するアンケートでは,引き続き借上住宅として契約してほしいと答えた方は72.2%,神戸市が必要とするのであれば,引き続き借上住宅として契約してもよいとの回答は21.5%,合わせると94%のオーナーが継続しての借り上げを望むか,協力すると答えています。  次期マネジメント計画での市営住宅の戸数を減らすこと自体をやめるべきですが,特に借上住宅は減らすべきでなく,入居者の生活とコミュニティを守るためにも新規契約するべきだと思いますが,いかがでしょうか。  次に,市民病院問題について伺います。  11月12日に開催された神戸市保健医療審議会保健医療連絡協議会で,神戸市立医療センター中央市民病院の一部移転及び跡地活用策について論議がされましたが,その中では,今後高齢化がますます進展し,地域医療を取り巻く環境が大きく変化する中で,神戸二次医療圏における地域完結型医療を推進していくとともに,新病院が神戸市の基幹病院として引き続き三次救急など急性期に重点を置いた機能・役割を担い続けていくためにも,新病院を一部移転とし,残り212床については現在の所在地において施設全体の改修の後,神戸市民病院機構として亜急性期の患者受け入れに対応できるような病院機能を確保していく必要があるとされています。  具体的には,現病院跡地に必要な機能として内科の外来診療を行うことや,例えば急性期を脱した患者のリハビリテーションや在宅支援機能など,地域医療機関や新病院と相互に補完し合えるような診療内容・体制を想定していると,病院機構が212床の病院機能を確保することを明示しています。  そこで,市長に確認いたしますが,212床が神戸市立医療センター中央市民病院として現在地で存続できるということでしょうか,明確にお答え願います。  次に,敬老優待乗車制度をもとの無料に戻すことについて伺います。  10月1日,敬老パスの値上げが実施されました。この結果,高齢者の外出機会が奪われる事態は一層深刻なものとなりました。2年前の有料化後,1日当たり4万人もの高齢者の足が奪われました。  私たち日本共産党市会議員団は,値上げが実施されれば一層利用者が減ると指摘してきましたが,このたびの値上げにより市バスで1日当たり3,200人,8.1%減少し,無料のときと比較すると,何と43%もの高齢者が敬老パスの利用を控える事態となっています。このデータは1カ月のデータであり,今後一層利用を控える人がふえるのは明らかで,無料のときと比べると利用者が半減することにもなりかねません。  当局は,制度を維持するためと言い続けてきましたが,制度は完全に敬老精神はなくなり,敬老パスの名に値しないものとなってしまっています。  民間バスからの要望を口実に有料化しました。しかし,実際には神戸市の負担金34億円のうち24億円を市バスと市営地下鉄が受け取っています。市バス・地下鉄の収入をふやすことが目的だったのではないかとの批判は免れません。敬老パスを制度として残すというのであれば,神戸市交通局が受け取っている負担金の一部を民間バスに回すことで無料復活は可能ではありませんか。  高齢者は,敬老パスを使って外出することにより,神戸経済に多大な貢献をし,医療費の縮減にも役立っているのではありませんか。高齢者の外出機会を保障して福祉の増進を図るという敬老精神に立ち返り,無料に戻すべきだと思いますが,いかがでしょうか。  最後に,西区井吹台北町への小学校建設について伺います。  西神南ニュータウンは,当初人口2万4,000人の計画を変更し,井吹台東町・西町に加え,新たに北町の開発を進め,最終人口3万5,000人になる予定です。開発途中ということもあり,新住民にとっては何かと我慢が強いられています。しかし,放置できないのが小学校の建設であります。  現在,井吹台東町と井吹台北町の子供たちが通う井吹東小学校は,既に1,200人を超える超マンモス校となっています。さらに,同地域にマンションや戸建住宅が次々と建設途中であり,転入や新入学で児童数が来春4月には1,400人を超えると予想されています。そうなると,全国一のマンモス校になるとのことであります。  これに対応するため,教育委員会は今,生徒の学習菜園に使用している土地に20教室ものプレハブを建設する予定と伺っています。井吹東小学校は,井吹西小学校ができるまで,かつて生徒数1,400名だったこともあります。そのときもプレハブで対応してきましたが,教室・音楽室・図書室などはプレハブで応急の対応はできますが,体育館とプールは広げることができません。現在でも,音楽会などの諸行事も2回に分けて行わなければならず,プールの利用は4クラス一緒に行い,泳ぐどころではなく,まさに芋の子を洗うような状態です。  ことしなど,猛暑だったため9月までプールの利用を延ばそうかとも考えたが,秋の行事等を考えると,そうもできなかったとのことであります。校長先生も,子供たちがかわいそうでなりません,これが一番の悩みの種だと訴えておられました。  一刻も早い改善が求められています。井吹台北町の開発当初から,この地域への小学校建設の計画と用地は確保されていると聞いています。プレハブで対応する前に建設を進めるべきだと思うのですが,いかがでしょうか。  市長の明快な答弁を期待いたしまして,質問といたします。  (「議長」の声あり) 4 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 5 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から2点にわたりまして,ご答弁を申し上げたいと思います。  まず,今,案としてご提示をさせていただいております神戸市行財政改革2015でございますが,これにつきましては市民の皆さんのパブリックコメントもいただいた上で──案として今見ていただいておるわけでございますが,そのパブリックコメントを踏まえた上で確定をしていきたいというふうに考えてございます。  神戸市で,行政の使命でございます市民の暮らしと安全・安心を守るということはもう一番重要なことでございますし,また時代の変化に対応して多様化する市民ニーズに適切に対応するということも,本当に大変重要なことでございますので,そういったことを達成するために必死の思いで行財政改革に取り組んできたということでございます。  そうした中で震災からの大変な痛手を克服しながら,それに対して対応できるような財務体質を持たないといけないということも当然あったわけでございまして,そういう観点から時代適合性,あるいは補完性の観点も踏まえ,見直さなければいけない事務事業については,行政責任の担保を前提にいたしまして,徹底した見直しを行ってきたところでございます。  その一方で,行財政改革により捻出をしましたもので,市民生活を守るための取り組み,あるいは市民サービスを向上させるための取り組みということを確実に実行してきたところでございます。  具体的に申し上げますと,やはり福祉の関係の中でよく皆さんから声が上がっております保育所の受入枠の拡大はもちろん,特別養護老人ホーム等の定員の拡大,また小学校・中学校の耐震化,あるいは乳幼児等の医療費助成制度の対象年齢の拡大,またちょうどこの12月1日にオープンしましたが,神戸こども初期急病センターの開設といったふうなものも実施が急がれたので,これを実施してまいりました。  また,最近のデフレ傾向の不況の中で,市民生活の基盤でございます雇用の確保であるとか,あるいは中小企業の支援ということは大変重要なことでございますので,これを最優先に取り組んできたところでございます。  また,指定管理者制度の導入によりまして,公の施設の市民サービスの向上というような点もこれによって達成をしてきておりますし,また区の窓口の時間の延長であるとか,あるいは市民の問い合わせにワンストップで対応するために総合コールセンターの開設も準備を進めております。  厳しい財政状況の中で,できる限りの取り組みを行ってきておるところでございますんで,その点はご理解いただけるものというふうに考えてございますが,このたび発表しました神戸市行財政改革2015でございますが,この案におきまして,方向性はこれまでと同様でございまして,基本方針の中で行政の根底でございます──先ほども申し上げましたが,市民の暮らしと安全・安心を守るというこの使命を果たすことはもちろんとして,市民が将来への展望を持って暮らせるようなということで,今策定を進めております第5次神戸市基本計画で示されております今後の神戸づくりというものを,やはりこれを達成していかなければいけませんが,それを下支えしていくためには行財政の改革を行わねばというふうに明記されているところでございます。  今後とも,行財政改革2015に基づいた取り組みは着実に進める必要があると思っておりますし,またそれにより捻出したものでもって,今増大を続けておる医療費あるいは扶助費,そういった介護の経費も含めたもの等に重点を置いて,今充てておるわけでございますから,そうした真に必要な市民サービスを適切に提供してまいりたいと,このように考えてございます。  敬老パスの点でございますが,これも何度も申し上げておりますように,敬老優待乗車制度そのもの,これは将来を見据えて,この制度を破綻させてはならんということで,安定的に維持・継続する必要があろうということで,このご議論をちょうだいいたしまして,平成20年の10月1日から,新しい制度として開始をさせていただいたところでございます。  この制度につきましては,ご案内のように,交通事業者の協力ということのもとで実施がされているわけでございまして,そういった点で乗車時にバス100円,また地下鉄・新交通については小児料金ということで,交通事業者と合意をしたところでございまして,この制度が始まる後の2年間の激変緩和措置を設けましたので,2年間でもって,この激変緩和期間が9月30日に終了したところでございますが,この制度そのものは,先ほども申し上げましたように,交通事業者の協力のもとに安定的にやはり制度を維持していくというために,ご利用なさる方々の一部負担もやむを得ないというふうに考えておるところでございます。  一方で,やはり所得の低い方には,年間150回程度の無料でご利用いただける無料乗車券を交付させていただいてございますし,また利用頻度の高い方に対しましては,通常の定期券を半額で購入ができる制度をつくったところでございますんで,高齢者の負担にも配慮をさせていただいておるというところでございます。  そして,無料に戻してはというお話を今いただきましたけれども,実際にこの制度を制度的に破綻させずに安定的に維持・継続するということを考えたときに,現時点で敬老パスの交付枚数は平成22年9月で約17万8,000枚ほどでありますけれども,平成37年には約25万6,000枚になるという見込みで見てございます。  利用者は確実にふえていくんだということを踏まえますと,現状の中でこの制度を維持・継続して安定的にこれを守っていくというためには,無料の制度に戻すということは,制度の破綻につながっていくもんだというふうに見てございます。  今後とも市・交通事業者そして利用者の皆さんで支え合いながら,長期的に制度を維持・継続できるよう努めていきたいと,このように考えてございますので,ご理解を賜りたいと思います。  (「議長」の声あり) 6 ◯議長(荻阪伸秀君) 中村副市長。 7 ◯副市長(中村三郎君) 私の方から2点,ご答弁申し上げたいと思います。  まず,子供の医療費の無料化の件でございますけれども,これにつきましては,従来から申し上げているとおりでございます。県と市が協調して実施をしているという事業でございます。  そういう中で,入院だけでなくって外来,いわゆる通院部分につきましても,1歳から中学3年生まで一部負担金の無料化をせよというご意見でございますけれども,県・市協調という中でこれを市独自でやるということになりますと,膨大な一般財源が必要になるということでございまして,本市の厳しい財政状況の中で,行財政改革を続けながら将来にわたり持続的で安定した制度として維持していくという観点からいっても,市単独での実施というのは非常に難しいということを申し上げざるを得ないということで,ご理解をいただきたいと存じます。  それに関連をいたしまして,このたび乳幼児等医療費等の福祉医療に関連をいたしまして,県の方の新しい行革のプランが示されまして,一部医療費等の制度につきましての所得制限の見直しというのが提案をされてございます。  その内容につきましては,現在その乳幼児等の医療費,これは障害等も一緒なんですが,所得制限を考える場合に,同一世帯内の最上位所得者の市民税所得割額が23万5,000円未満ということで,例えば共稼ぎでご夫婦で働いておられても,どちらか所得の多い方お一人の所得でもって計算をするという制限になっているわけでございますが,それを共働きの場合であれば合算をして所得制限を考えようと,こういう制度見直しであるわけでございます。  このことにつきましては,実は2年前,21年の7月に将来にわたっての持続可能な制度に再構築をするということで見直しが行われまして,2年間の経過措置が行われているという──今の段階でございます。23年6月までのまだ経過措置期間中であるわけでございます。そういう中で,さらなる制度見直しということについては賛成しがたいというご意見を申し上げております。  特に少子・高齢化社会が進む中で,子育て支援策としての乳幼児等医療費助成制度やあるいは子供医療費の助成事業の拡充を求める意見が多く寄せられていると,こういうことからいっても,これら福祉医療制度につきましては,これまでにも増して県・市協調で事業を進めていくべきものであると,こういう意見を申し上げている段階でございます。  それと,中央市民病院が移転した後の施設の活用等でございます。  現中央市民病院の跡地の活用につきましては,平成18年の6月に策定をいたしました新中央市民病院基本計画に基づきまして,民間活力の活用を基本としつつ,地域住民をはじめ市民の健康・福祉・医療の向上に役立つ形で活用をし,この施設が平成23年7月に開院をいたします新しい中央市民病院をはじめ,地域の医療機関との間で相互に連携を図っていくことで,トータルとして地域医療の充実や市民福祉の向上につなげるべく検討を進めてきたところであるわけでございます。  今後,高齢化社会がますます進展し,地域医療を取り巻く環境が大きく変化する中で,神戸圏域におきます地域完結型医療を推進していく,あるいは中央市民病院が市の基幹病院として引き続き三次救急などの急性期に重点を置いた機能・役割を担い続けていく,それらのためにも新しい中央市民病院と地域医療機関が密接に連携をしまして,急性期から回復期,さらには在宅復帰までの円滑な流れを神戸圏域の中で構築していく,このことが基本的に非常に重要であるという観点から,申し上げました基本計画に基づきまして,民間活力の活用を基本としつつ,例えば亜急性期の患者に対応できる病院機能,これに加えまして老人保健施設あるいはケアハウス等の福祉・介護機能との複合利用などによりまして,亜急性期の患者をはじめ高齢者や地域の医療需要等に対応できる機能,これを確保していきたいということで,神戸市民病院機構が,跡地活用に関しますプロポーザルを去る11月26日に始めたところであるわけでございます。  跡地の病院機能をだれがやるかということにつきましては,まずは現在の中央市民病院が果たしております24時間・365日,市民の命と健康を守るという機能・役割につきましては,移転後の新中央市民病院につきまして,引き続きこの病院機構がこれまで以上にしっかりとその役割を果たしていくわけでございますが,一方で今の病院施設の活用につきましては,申し上げました基本計画の活用方策にのっとりまして,民間活力の活用により実現をしていくことを基本に考えているところでございます。  なお,質疑の中でもご紹介をいただきましたけれども,今の病院施設に必要な医療機能といたしましては,例えば内科の外来機能,あるいは新しい中央市民病院をはじめとして地域医療機関との連携できる亜急性期の患者の受け入れ機能,また高齢者や地域の医療需要に配慮した医療機能,こういった機能を担っていただけるように民間事業者からの提案を期待しているところでございます。  また,これらに加えまして福祉・介護施設等の複合利用を行うことにより,この施設が患者を中心に切れ目なく医療・介護・福祉のサービスを提供する医療連携体制の一翼というのを担い,ひいてはこの神戸圏域の地域完結型医療,これの推進に寄与できるものにしていきたい,このように考えているところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 8 ◯議長(荻阪伸秀君) 石井副市長。 9 ◯副市長(石井陽一君) 私の方からは,住宅のリフォーム制度と市営住宅の2次マネについて答弁させていただきます。  まず,住宅のリフォーム制度でございますけれども,住宅を適切に手入れし,長く大切に住む,こういうことは省エネあるいは資源の節約にもなるということで,国の方でも安全・安心・快適な住まいのために,耐震・バリアフリー・省エネと,こういうことを目的とした住宅のリフォーム,これについて税制の優遇あるいは融資などで支援をしているところでございます。  また,今年の3月から始まっております住宅エコポイント制度,これにおいても窓の断熱化など省エネリフォーム,これを中心とした助成を行っておるわけでございます。  市においても,先ほど議員の方からございましたけれども,耐震補強工事,これは21年度からは復興基金を用いまして上乗せ補助をしておるわけでございますけれども,耐震補強を行う際にはリフォームとセットで工事を行うことが効果的また経済的であるので,あわせて実施を奨励しておるところでございます。  また,このほかにも介護保険による高齢者や障害者向けのバリアフリー改修助成,あるいは資金の貸し付けなど,安心して暮らせる住まい・まちづくりを支援してきたところでございます。  また,神戸市のすまいの安心支援センター,いわゆるすまいるネットでございますけれども,ここにおいてはリフォームに関する相談あるいは情報提供を行っており,リフォームと同時に耐震補強を行うようにと勧めたり,あるいは税制とか融資に関する説明,相談者ごとのご意見を聞きながら,状況に応じたアドバイスあるいは情報提供を行っておるところでございます。  さらに,住宅リフォームの設計や工事,これを安心して依頼をすることのできる市内の設計事務所なりあるいは工務店の登録名簿,これを常に備えておりまして,相談に応じて紹介をしております。現在利用者の方も増加傾向にあるというところでございます。  また,すまいるネットにつきましては,リフォームのみならずさまざまな住まいの相談,これが寄せられておるわけで,年間約2万人の方のご利用がございます。そういう機会を通しまして,地元企業の受注機会の拡大の一助になっておるものと考えておるところでございます。
     次に,住宅の2次マネジメントの計画についてでございますけれども,ご案内のように阪神・淡路大震災におきましては,神戸市内で約8万2,000戸の住宅が滅失したわけでございます。それに対し,市あるいは県による公営住宅の直接建設だけではなくて,民間賃貸住宅の復興という点も踏まえて借上公営住宅の制度,これを活用するなどしまして,さまざまな種別の住宅を供給してきたわけでございます。  先ほどご指摘のオーナーの意向ということでございますけれども,これは平成19年に契約期間のちょうど10年目を迎えると,そういうことで今後の借上期間満了後の対応について検討したいということでアンケートを実施したわけでございますけれども,ご案内のように借上住宅につきましては全戸数の9割の賃料,これを保障しておると,そういうことで経営者にとっては非常に安定的であるということで,引き続き契約をしてほしいという声が多かったということは事実でございます。  ただ,市としましては,復興住宅として供給した約1万戸ございますけれども,このうち3割が既に一般公営住宅としての利用に移行をしておると,その傾向に合わせまして借上住宅につきましては,契約に従って返還をし解消していくということが当初の目的,すなわち臨時的・緊急的に市営住宅を供給すると,そういう目的に合致した適切な対応であると,そのように考えておるところでございます。  解消に当たりましては,住みかえ先の確保については,議員の方からございましたけれども,2次マネにおける7,000戸の縮減,その中で耐震改修なり建てかえあるいは廃止と,この取り組みとともに借上住宅の廃止につきましても組み込んでおるところでございます。この計画を推進しまして,戸数の管理を適切に行うことで対応できると,そのように判断をしております。  議員の方からございましたけれども,改めて新規契約をすべきであるがということでございますけれども,今説明させていただいた点に加えて,やはり財政的な面からも,現在でも税源移譲による国庫補助相当,これを除いても約15億の一般財源を繰り入れておると,この状況は今後とも変わらないということになりますので,借上住宅については,まずは適切に返還をしていくということが必要であろうと考えております。  なお,入居者の方にはできるだけ負担をかけずに,またコミュニティという点も踏まえまして,希望に沿った住宅が提供できるようにということで,最も早く借上期間が来る団地につきましても返還まで5年以上はございますけれども,既に順次意向調査あるいは説明会を行っておるところでございます。  昨日まで既に5団地,8回を実施しておりまして,説明会の際には個別相談の時間も確保し,相談に応じておるところでございます。  今後とも円滑な返還に向けまして,きめ細かい対応をしていきたい,このように考えておる次第でございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 10 ◯議長(荻阪伸秀君) 小柴副市長。 11 ◯副市長(小柴善博君) 私の方から不正経理問題と三菱重工の商船建造部門の撤退問題につきまして,2点お答えをさせていただきます。  まず,不正経理問題でございますが,環境局の元職員による不祥事を受けまして,全庁的に緊急内部調査を行った結果,会計年度の異なる支出や異なる品目での購入など,多額の不適正な経理処理が明らかとなったわけでございますが,今回の不適正な経理処理を招いた原因や背景が何であったかに関しまして,緊急内部調査での所属長によるヒアリングや新たな専決調達事務に関する職場研修での討議を通じまして,職員の方から共通的な意見が寄せられております。  具体的に申し上げますと,まず職員の意識に関するものといたしまして,配当予算の範囲内であれば私的流用でない限り,ある程度会計原則に外れる処理をしても許されるのではないかといった誤った認識があったこと,日常的に発生する消耗品等の購入の際,支出事務を行うことは煩雑であり,事務省力化のため財務会計の処理上,複数の品目を一本化した品目にして支出してもある程度許されるといった誤った認識があったこと,支出事務の簡素化を図るためには,支出の性質によって区分されている歳出科目──節とか細節でございますが,これに関する会計処理のルールを守らなくても問題ないという認識があったことなどでございます。  また,物品調達・物品管理の体制に関するものといたしまして,検査員である係長級職員と担当職員との複数での現物確認などの検収などが,日々発注する消耗品等の納入の場合,書面での確認など形式的なものになっていたことでございます。  さらに,予算執行管理に関するものといたしまして,物品購入について予算の計画的な執行管理が不徹底で,年度末発注が集中したため,納入が翌年度となったにもかかわらず現年度予算で執行したこと,備品購入の予算がないけれども,業務に要する備品を購入する必要が生じた際に,事務処理が煩雑などのため予算流用の手続を行わなかったことなどでございます。  今回の内部調査は,職員へのヒアリングだけでなくて,本市に納入実績のある一定の事業者から得意先元帳の写しなどの関係書類を徴集し,本市の支払い関係書類と1件ごとに照合することで厳正かつ客観的な調査を行っていることから,今回の調査結果につきましては第三者による再調査を実施する予定はございません。  また,不適正経理に関与した職員及びその上司である管理監督者に対しまして,その関与の度合いや職責について十分に勘案した上で適正に処分を行っていく考えでございます。  なお,11月12日に開催いたしました第1回神戸市経理適正化外部検証委員会において,調査結果や再発防止策などについて報告したところ,新たな専決調達事務処理の実施状況の確認や運用上の課題を把握するべきであるなど,貴重なご意見や助言を委員からいただいたところでございます。  今後も検証委員会を通じまして,現在取り組んでおります再発防止策の実施状況を検証し,さらに実効性の高い再発防止策を提言いただきたいと考えているところでございます。  次に,三菱重工の商船建造部門撤退問題でございますが,この三菱重工の件につきましては,これまでも答弁してきたとおり,本市といたしましては市長名の文書で,神戸での商船建造事業の継続を要請したところでございます。  また,事業再編を行うのであれば,地元中小企業への影響を最小限にとどめることが重要だと考えまして,三菱重工にその旨の申し入れを行うとともに,取引先への影響把握のために調査を実施しているところでございます。  三菱重工からは,地元取引先への対応につきまして,商船事業の比率の高い取引先に対して,神戸造船所の商船以外の事業への参入機会を提示し,事業転換を支援していく方針であるというふうに聞いております。  10月25日には,今後成長が期待できるディーゼルエンジン,原子力関連分野への参入を検討するきっかけづくりとして,商船関連ビジネスパートナー向けの説明会を開催し,約200社の出席があったと聞いております。現在も取引先と2回目となる個別面談を実施しているところでございまして,今後も面談を重ねるとともに,個別の引き合いにつきまして対応するというふうに聞いております。  本市といたしましては,8月2日から相談窓口を設置したところでございますし,地元中小企業への影響を把握するために,三菱重工との取引のある事業者にアンケート調査を行うとともに,商船関連の取引割合が大きい市内中小企業には産業振興局の職員が訪問して,経営者の方から直接話を伺うことで,地元中小企業の実情やニーズの把握に努めているところでございます。  国も自治体からの要請があれば協力するので,撤退阻止を国に働きかけるべきとのご指摘でございますが,国土交通大臣は11月10日の衆議院予算委員会におきまして,今回の三菱重工の件に関し,個別企業の経営判断に政府が何らかの関与を行うということは適切ではないというふうに表明したと聞いております。  しかしながら,国としても地元支援機関との情報共有等を図るため,国土交通省神戸運輸監理部を事務局といたします連絡会議を11月30日に設置いたしまして,本市のほか兵庫労働局・県など関係機関が参加いたしまして,第1回目の会議を開催したところでございます。  本市といたしましては,この連絡会議を含め関係機関と連携するとともに,地元中小企業への影響を最小限とするため,現在実施しておりますヒアリング等の結果を踏まえ,まずはこうした取引先企業の声を三菱重工に伝え,地元中小企業が仕事を確保し雇用が維持できるよう,三菱重工に求めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。  (「議長」の声あり) 12 ◯議長(荻阪伸秀君) 橋口教育長。 13 ◯教育長(橋口秀志君) 私から2点,お答えいたします。  まず,中学校完全給食の実施についてでございますが,本市の中学校の昼食につきましては,従来から家庭の手づくり弁当を基本としております。  その理由といたしましては,家庭の手づくり弁当が,思春期を迎える中学生にとって,親子のきずなを深めコミュニケーションを生むなど,心の支えになると考えているからでございます。  また,栄養面におきましても,中学生は成長期でもございまして,個人差が大きくなる時期でもございます。家庭で子供ごとに配慮された手づくり弁当は大切なものだと考えております。  なお,最近,学校給食を行っている自治体で弁当の日を設けるなど,自分で弁当をつくるなど家庭からの弁当のよさが見直されているところでございます。  ご指摘のように共働き家庭がふえ,その中でも主に子育て世帯から中学校給食を実施してほしいという要望があることは十分認識いたしております。しかし,仮に中学校給食を実施したといたしましても,家庭弁当との選択制になるものと考えられ,その中でも最も安価なデリバリー方式で,施設整備に要する初期投資あるいは毎年の運営費に多額の経費が必要でございます。したがいまして,現下の本市の限られた厳しい財政状況の中では,中学校給食を実施するのは難しいということをご理解いただきたいと思います。  このため,現在全中学校83校中約95%の79校で実施しております弁当販売をできるだけ早い時期に全校に拡大いたしまして,生徒や保護者の利便を図っていきたいというふうに考えてございます。  また,今後どのようにすれば現在の低い利用率を高めることができるのか,あるいは生徒が弁当販売を利用しやすくなるのか,弁当販売の利用頻度,あるいは献立内容,ボリューム等に対する生徒の意識や,保護者弁当に対します生徒の考え方を把握するなど,中学生の昼食について総合的に調査いたしまして検討を進めていきたいと考えております。  次に,西区井吹台北町への小学校建設についてでございます。  西神南ニュータウン井吹東小学校の児童数は,平成9年度をピークといたしまして,その後減少してまいったわけでございますけども,井吹台北町の人口定着に伴いまして18年度以降増加に転じております。現在1,242人,36学級となってございます。  ご指摘のように,井吹台北町には教育施設用地が設けられておりますけども,ニュータウンの学校は急激に児童数が増加した後,減少傾向に転じ,小規模化していくという特徴がございます。  例えば西神ニュータウンの小学校では,平成4年度に約1,100人おりました小学校がございますけども,それをピークといたしまして児童数が減少いたしまして,7年後には児童数が約560人と半減いたしております。現在では約240人という小規模校となっているところがございます。  このように10数年で小規模化している事例もありますことから,ニュータウンにおける新設校の件につきましては慎重に検討する必要があると考えております。  井吹東小学校の児童数の見込みにつきましては,0歳から5歳児までの数は把握しておりまして,6年先までは一定の確実性をもって見込むことができるわけでございますけども,それ以降につきましては井吹台北町の人口定着状況あるいは年齢構成がどのようになるのか,そういったことにつきましては社会情勢によって変化するため,児童数の推移につきましては流動的な要素がございます。  現在,井吹東小学校の児童数につきましては,平成28年度に約1,800人になると見込んでおりますが,その後ピークがいつごろになり,どのように推移していくのかについて慎重に見きわめているところでございます。  一般に学校が過密化した場合でも,およそ10年以内に児童数が減少することが見込まれる,そういった場合につきましては,運動場などの状況を見ながら,仮設校舎での対応を行っております。  なお,仮設校舎で対応する必要がある場合につきましては,現在では本校舎と遜色のない建物を建設するなど,子供たちの教育環境に影響がないように十分配慮を行っております。  井吹東小学校につきましても,児童数の推移あるいは敷地の状況などを考慮しながら,仮設校舎,増築,新設校建設など,あらゆる方策を含めまして,学校運営に支障が生じないように対応策を今後検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 14 ◯議長(荻阪伸秀君) 南原君。 15 ◯68番(南原富広君) まず,不正経理についてですけれども,第三者による調査はする考えはないと,もう本当に正直言うてどういうことやと,そんなふうに言いたいです。  内部調査以後,適正化のための外部検討委員会が開催されているさなかに新たな事実が出てきておるわけです。先ほど申したようなことは,全部新たな事実やというふうに思うわけですね。このこと自体が,不正経理そのものの徹底解明が行われていないということを示しとんではないかと思うわけです。  内部調査終了後,新たに出てきた問題点によって実施された内部調査そのものが,いかにずさんなものであったかを示しているというふうに思います。  職員による不正を職員が明らかにするというのですから,おのずからどっかでかばうという結果になったのではないかと,市民の皆さんも思とうと思うんですね。そのような憶測を生まないためにも徹底した調査・解明が要るんやと思うんです。適正化委員会は今後の対策を検討する委員会なわけですから,徹底した解明をやってこそ,その対処策が出てくると思いますんで,第三者による調査が要るというふうに思うんです。  不適正経理で買うたもんが,ほんまにわずか3カ月で,カメラなどについては廃棄されとったとか,パソコンについてはわずか8カ月で廃棄されとった,普通やったら8カ月やったら修理に出しますよ。そんなことが新たな事実として出てきとんのに,第三者委員会について調査はやらんと,何ちゅう不遜な態度ですか。もう1度お尋ねいたします。  住宅リフォーム助成制度については,もう既に私たち何度も言ってきておりますので,ご存じのこととは思いますけれども,明石では市の事業費わずか1,600──わずかいうて怒られるかもわかりませんけれども,1,600万円に対して経済波及効果は1億7,500万,11倍も。明石ではそうですけれども,他都市では24倍にも上ったというふうなところもあるわけです。  そんな意味では,他の施策があるからと,るる述べられたわけですけれども,他の施策だけではほんまに足らへんわけです。あかんわけです。そないに経済効果が生まれているというわけではないわけです。  神戸市では,医療産業都市構想には多額の支援が行われておるわけですけれども,市民にはその還元,されてるという感じは全くありません。市民がほんまに還元されとるなというふうなことを実感できるためにも,リフォーム助成制度は早急に創設すべきやというふうに思いますんで,これはまあ要望にしておきます。  敬老優待乗車証,これまでとほんまに変われへん答弁で──まあ,答弁がころころ変わったらあかんのでしょうけれども,ほんまに情けないというか,半分以上の人が利用を控えるというふうなことになってきたわけです,ね。  そんな状況でですよ,ほんまにこれは大変な事態やというふうに,市長,思わんですか。しかも,最も必要とする人たちが使えずにいるという事態を感じられへんですか。それなりに所得のある人は敬老パスの利用をするわけです,100円払うても200円払うても。そやけど,それが払うのがほんとにできない人たちが置き去りにされているわけですよ。  それでですね,敬老パスが有料化される前,それこそ検討懇話会やったと思いますが,その報告書では,残された幾つかの留意事項として制度を取り巻く環境の変化等を考慮しつつ,常に定期的に点検・検証され,必要に応じて随時見直しを図る必要があるとされております。特記事項として。書かれたわけです,これは。半数近くの高齢者が利用を控える事態こそ環境の変化と──まさに環境の変化やと私は思うんです。今がその時期やと思います。点検し検証することが必要だと思います。利用できなくなった人たちの実態調査は少なくとも行うべきだと思いますが,いかがでしょうか。これは答弁を求めたいと思います。  子供の医療費無料化ということですが,今度,先ほど県の行革の話をされましたけれど,神戸市ではこの行革による影響が1万1,000人出ると言われてます。本当に子供の医療費無料化がずうっと進んでいきよる中,兵庫県下で神戸市が一番悪いというふうに評価されています。本当に財政難やどうのこうの言いながら,神戸空港などには本当に多額なお金が使われていきよるわけですよ。それよりも先にやらないかんのは,子供たちの医療費など市民の暮らしを守るということではないかというふうに思います。  これについては一日も早い実施を,他都市同様にしてほしいということを強く要望しておきたいと思います。  市民病院についてですけれど,もう1遍聞きたい。先日私,医療審議会の答申に当たる部分が出た直後,兵庫県の医務課に出向いて話を聞いてきたんです。その中で,病床を売買するようなことは許されないと,本当に強い口調でした。神戸市から売る言うんですわと,こんな感じでしたよ。ほいで出直してこい言うて出直してきたのは,212床が消されて持ってこられた書類やったと。本当に相当強い口調で,現在でも神戸の医療圏域は病床が余っている,だから神戸市が212床を手放す場合は,県としてはその病床は神戸市への配分はないと考えていると,取り上げますと,県民の病床ですよと,そういうふうにはっきりと言われたんです。この答弁から見て,212床は当然神戸市民病院機構としての運営しかできないと思うんですが,そこんところ,明快な答弁をお聞かせください。  それと,マネジメントです。財政的な面からとか入居者に負担をかけずにやりたいなどと答弁されてるんですけれど,そんなことないですよ。ほんまに財政的な面からしか考えていないというふうに思えてなりません。  さきに借上住宅について,オーナーに対する説明会がことし7月に開かれておりますけれども,その中で複数のオーナーから,平成19年に実施したオーナーに対するアンケート──買い取り,期間延長,期間短縮の選択肢があったが,全戸返還に方針が変わったのかとの質問に対して,神戸市は,そういう設問でもあったけれども,検討の結果,すべての団地一律に買い取りや契約の延長はせず,契約どおり返還する方針となったと,そういうふうに答弁されてとんですね。  19年当時,神戸市は借上住宅について買い取りも含めて検討されとったわけです,期間延長も含めて。これがなぜこの期に及んで変更されたのか,その理由を明確にしていただきたいんです。  で,三菱,市長に聞いとんです。副市長の答弁はほんまに冷たい。ほんまに市民の暮らしを守ろうという立場あるんかと,本当にそう言いたいんです。もう副市長の答弁は要らないですから,市長の答弁をお願いします。  連絡会議が開かれたりしとるということについては,一歩前進したんかというふうに思います。アンケートについて私たち,アンケートの結果,いつ出るんやいつ出るんやと言うても,まだですまだです言うて,もう4カ月もたったんですよ。だけども,やっとそのアンケートの回答について,くれと申し出ましたけれども,それは得られませんでした。しかし,2次・3次下請へのアンケートの結果がやっと出たとのことであります。そのときには,神戸市,そのアンケートの結果を持って三菱に再度申し入れに行くということを聞いておりますので,本当に市長,この重大事──500数十人の正規職員と1次・2次・3次下請にかかわる,何千人もかかわる重大事です。そのまち自体も疲弊するかもわからん,そんな重大事なんですから,このアンケートの結果を持って要望に行くときには市長が出向いていただきたいんです。そのことが国に対して示せる態度ではないかというふうに思います。明快な答弁をお願いいたします。  中学校給食については,相も変わらずの答弁でもう情けないという気になりますけれども,もうご存じのことやと思いますけれども,相模原市は既に37校が実施しとって,残り27校は来年4月に実施する言うとんです,その6市残っておるうちの。さらに,北九州市も来年4月には完全給食実施する言うてます。残るは神戸市を含む4市だけなんですよ。  あなたたち,これまで他都市の状況を見ながら,他都市の動向を見ながらと,ずっとそないいうて言うてきたわけですよ。ほんまに国際都市神戸も標榜してきたわけですから,これだけの方々が望んでおられる──愛情弁当論など,ほんまに使い古された時代錯誤の言い分を改めて,実施に踏み切るべきだと思います。これは再度答弁をお願いしたいと思とったんですけれども,これは本当に早急に総合的調査を行って検討していきたいという答弁が教育長からありましたので,ほんまに実施の方向での検討もされるものと期待をいたしまして,これは要望にしておきます。  以上です。  (「議長」の声あり) 16 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 17 ◯市長(矢田立郎君) まず,敬老優待パスの関係でございますけれども,これにつきましては以前から申し上げておりますように,やはり制度をどう維持・担保していくのか,また先に向けて,我々の世代だけでいいのかと,先の世代のことも考えないかんやろということも踏まえてご議論もいただいたわけでございます。  そうした中で,最近の趨勢としまして,やはり各都市もこういう内容については点検を始めておるというところもございます。そうした中で,やはりこういう超高齢化社会が進行していくという社会の趨勢に合わせて,本当にこの制度そのものが維持できなければ,これこそ困ると思うんですね。  私は,バスが非常に重要だというふうに常に申し上げておりますけれども,神戸は特に坂の多いまちでございますから,そういう点でバスというものは大変もう大きな輸送手段であるという認識でございますんで,そういう点を踏まえて,やはり環境の変化に留意してとさっきおっしゃいましたけれども,そういうことも当然に視野に入れながら,この利用実態については逐次──これはICでやっておるわけでございますから,これは数字的に把握ができる時期を決めて,そういった中で把握をしていくということは可能でございます。しかし,全体としてやはりこれに対する,大きく見て制度そのものをどう維持するかという点にやはり重点を置くべきではないかというふうに,私は思ってございます。  それから,市民病院の話で,県の医務課の方の話を今されましたけれども,私が県の医監にも直接,立ち話でございますけれども,話をしたときには,やはりそういう全体の市内の医療体制というものを守っていく際に,これに対して適切に考えていかないといけないなということは私も話をしたことがございます。  ですから,こういった点について,私は今の本当にベッド規制が始まったときの時代と今の時代というのは全然異なっておるわけでありますから,そういうことも視野に入れながら,これについてやはり国全体が制度の見直しを,むしろ考えていくべきであるというふうに感じております。  高齢化がどんどん進んでいく状況というのは,特に大都市の中で顕著でございます。そういうふうに考えたときに,単に過去のベッドの数の規制をもって,それがどうだこうだというふうな言い方をすること自体が,私はこれはもう日本の国の本当に今,よその国に比べておくれていっておると言われておる大きなやはり1つの根源ではないかというふうにも思っておるところでございまして,制度の見直しあるいは規制の緩和そしてスピードということが本当に重要だということを,重ねて私は常に申し上げておるわけでございますが,そういう点についての認識が本当に必要だというふうに考えてございますんで,これにつきましては,私はまた県の方にそういうふうな状況を再度お話もさせていただきたいと思ってます。  それから,三菱重工の件でございますが,これについても私は直接に,例えば神戸の造船所長にお話をするについては申し入れ書を素早く出したわけでございますが,そのほか,向こうの担当のセクションの方以外にも,私は三菱重工の今回の経緯については,大変大きな雇用という関係にまず1つ問題があるんだということを申し上げておりますし,さらにまさにおっしゃる下請の皆さん方がお困りになっては困るんやと。私は常に申し上げていますように,市内の中小企業の皆さん方が職を失う,あるいはその仕事を変わらざるを得ないというふうな場面においてですね,私はとにかく職場の中で何かそういう担保ができるようにすべきだということで,まずベースを置いて考えてございます。  そうしたことから,やはりこの予算の中でも景気対策・雇用ということでお願いをしておりますが,これは常にやはりそういうところに視野を置いて,そしてその中で総合的に施策というものがとれていかなければいけないということをまず前提として,そして今回のこのケースについても同じような内容として,私はこれをぜひ,こういった方々についての意見を十分にお聞き取りいただいて,そしてそれに対する対応をきちっとやってほしいということをも申し上げておるところでございますんで,今後も引き続いてそういう話をさせていただきたいというふうに思っております。  (「議長」の声あり) 18 ◯議長(荻阪伸秀君) 石井副市長。 19 ◯副市長(石井陽一君) 2次マネの中で,借上住宅がなぜ継続をできないかということでございますけれども,今まで答弁させていただいたとおり,震災時に緊急に住居を提供する必要があると,そういう中で復興住宅については1万戸,それ以外にも5,000戸の従前居住者用住宅を供給したわけでございます。1万5,000戸につきましては,もう既に約3割については一般公営というふうな利用になっておる次第でございます。こういうことを踏まえて,私ども2次マネを計画したということで,10年間において7,000戸順次減らしていくという計画でございます。  そういう中で,それに対応するものとして,先ほど来申し上げてますように借上住宅については,あくまでも臨時的にそして緊急に市営住宅を供給するということで供給したものでございますので,まずはこれの借上住宅を解消することによって,全体の住宅戸数について計画的に減少させたいと。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 20 ◯議長(荻阪伸秀君) 小柴副市長。 21 ◯副市長(小柴善博君) 不適正経理の問題でございますけれども,職員同士がかばうことになってるんじゃないかなという話もございましたですけれども,先ほども申し上げましたとおり,今回の内部調査につきましては,職員のヒアリングだけでなくて,本市に納入実績のある一定の事業者から得意先元帳の写しなどの関係書類を徴集して,1件ごとに照合して厳正かつ客観的な調査を行ったということでございますし,このたび第1回の神戸市経理適正化外部検証委員会におきましても,我々が行った調査結果につきましては,きっちりと報告をさせていただいたわけでございますけども,その中で委員さんのご意見といたしまして,新たな専決調達事務処理の実施状況の確認とか,あるいは運用上の課題を把握するべきであるということで意見をいただいたということでございます。  また,廃棄処分の問題がございましたですけども,デジカメとかパソコンの話もございましたですけども,これも申し上げておりますとおり,複数の人の確認によりまして,きっちりと確認したということでございますので,我々はそれで十分できたんじゃないかなというふうに思っております。  以上です。  (「議長」の声あり) 22 ◯議長(荻阪伸秀君) 南原君。 23 ◯68番(南原富広君) 今の答弁,ほんまに納得いきません。それだけ申しときますね。  それで,もう再質問無理ですので,まず三菱に。市長の気持ち,ようくわかりました。だけどもね,市長が出向くことが大事なんやねん。ほんまにそのインパクトがないんですよ。だから,このときにはぜひ行ってもらいたい,行くべきやというふうに思うんです。そのことが全企業に対しても,市民に対してもアピールすることになると思います。ぜひそのことは実現してください。それは要望しておきます。強く要望しておきます。  それと,病院の問題,制度の改善が要るんやというふうに言われたんやけどね,今の段階では制度改革なんていうのはできひんわけですよ。だから,212床は民間には売却できないわけです。だから,神戸市民病院機構として医療や介護や,いろいろるる説明された福祉の総合施設を神戸市が責任を持って神戸市民病院機構としてつくれば,ほんまにそれで丸くおさまるということになるわけです。私たちが言い続けてきたことをそのままやれば,丸くおさまることになりますから,これはぜひ実現をよろしくお願いをいたします。  最後に,借上住宅の問題については,震災被災者に残された最大の課題やというふうに思うんです。このことを前提に問題解決に当たらなければならんという,しかし神戸市は財政難を前面に打ち出して,15億円の補助金を削減することが目的となっとるわけです。被災者の立場に立って問題解決を図ろうとの方向性は全くうかがえません。借上住宅にお住まいの皆さんも,オーナーの方々も同じ被災者やということなんです。だからこそ政府も,継続して支援もしようというふうに言うてくれとうわけです。神戸市が被災者の立場に立って問題解決を図る,このことをするかどうかだけにかかっとると思います。
     最後になります。こんなふうに言われました,説明会で──今になって何を言うとんねん,また,みんなをばらばらにするんか。あんたらな,わしらが震災でどんな目に遭うたか,わかってるのか。家がつぶれたから命からがら学校へ避難して,近所のもんみんなで一緒に頑張ったんや。そのときはつらかったけど,みんな知り合いやから助け合ってやった。しばらくすると,そこから別の避難所に行け言われて,みんなまたばらばらになってコミュニティがなくなった。そこから仮設に変わったけど,抽せんやからばらばらにまたされた。仮設でやっとみんな顔見知りになったと思ったら,また抽せんでばらばらにされて公営住宅に当たったんやと。その人たちが何と3割,半数近くの人が…… 24 ◯議長(荻阪伸秀君) 南原君,時間が経過しております。 25 ◯68番(南原富広君) はい。  半数近くの人が80歳近くの高齢になっとうわけです。そんな人にもう1度コミュニティつぶせということはできないと思いますので,そこのところだけはぜひ酌んでいただいて,よろしくお願いをいたします。  終わります。 26 ◯議長(荻阪伸秀君) ご苦労さまでした。(拍手)  この際,暫時休憩いたします。  午後0時30分に再開いたします。   (午前11時29分休憩)   (午後0時33分再開)  (平野副議長議長席に着く) 27 ◯副議長(平野章三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き議案外質問を続行いたします。  63番北山順一君。  (63番北山順一君登壇)(拍手) 28 ◯63番(北山順一君) 私は,自民党神戸・たちあがれ日本議員団を代表いたしまして,市長並びに関係当局に対して議案外質問をいたします。  矢田市長は,昨年の市長選挙を経て,神戸市長として3期目の市政を信託され,はや2年目を迎えられました。矢田市長のこれまでの確かな実績と,いかなるものにも引けをとることのない豊かな経験により,何よりも市民の安全・安心を守るため,着実に歩みを進められてこられました。そして,ちょうど今現在は,長期的な神戸づくりの方向性を示す神戸づくりの指針,2015年度を目標年次とする実行計画である神戸2015ビジョン,また,新たな行財政改革案である神戸市行財政改革2015の策定を間近に控えており,これから下していく決断こそが,将来の神戸のまちの成長と発展をも左右するものであり,飛躍し続けることができるのかどうかの分岐点に立っているのであります。  さらには,先日,全国初の都道府県レベルの広域連合である関西広域連合が発足をいたしましたが,これからの地方行政は,まさに大変革のときを迎えているのであります。地方のことは,国に関与などを受けることなく,地方が自主的に,みずから取り組んでいく時代であり,これまでの国追随の姿勢では,即座に立ち行かなくなることは申し上げるまでもありません。  このような中,神戸市は,率先して都市の魅力を高めていくために,待ちの姿勢ではなく,今こそみずから進んで新たな局面を切り開いていく,困難や苦難にこそ進んで立ち向かっていくフロンティア精神が必要なのであります。  そこで,このたびの広域連合につきましても,速やかに参加を決断し,兵庫県とともに,神戸市こそが中心となり,国を動かし,そして全国をリードしていくぐらいの気概が必要ではないかと考えているのであります。  このように,今まさに神戸のまちの命運を握る,将来の浮沈をかけたときであり,文字どおり腕の振るいどころであります。これからの神戸のまちを思い,真っすぐに未来を見定め,建設的な議論を行ってまいりますのが,同じく市民の信託を受けた我々議会に課された責務ではないでしょうか。不肖ながらも,私も,これまでどおり,いや,それ以上に今後とも積極果敢に政策提言してまいりたいと考えております。  我々を取り巻く環境は劇的な変化を遂げつつありますので,課題は数え切れないほど数多くございますが,限られた時間ですので,本日は,その中から,最重視すべき課題として,特に本市の将来戦略と行財政改革に関する課題を中心に,以下数点,市長のご見解をお伺いしたいと思います。  まず,大河ドラマ予定の「平清盛」を機会とする神戸市域の活性化についてであります。  2012年1月からのNHK大河ドラマが,「平清盛」に決定をいたしました。「平清盛」と聞いてまず口を突いて出てくるのは,「祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり」という平家物語の有名な語り出しではないでしょうか。そして,我々が歴史の教科書から学んだのは,盛者必衰の理,おごれる人も久しからずといったはかなさであり,源平の合戦の末,滅び行く負け組としての平家であります。しかしながら,平 清盛は,貴族社会真っただ中の時代にあって,家柄にこだわらず,貿易こそがこの国の豊かになる道だと説き,ここ神戸に中国との交易の港を築き,交易で富を築いた,当時にして極めて先進的な理想,経済観念を持った人物であり,日本史上にさん然と輝く英雄なのであります。同様の志を持ち,戦国時代,幕末の英雄として語られる織田信長,坂本龍馬のはるか以前に,ということも忘れてはなりません。また,交易の拠点となる大輪田泊の修築に当たっては,山を崩し,築島──経が島を築いたと言われており,まさに平安時代版のポートアイランドをつくり上げた壮大な史実を知る人は少ないのではないでしょうか。  NHKは,大河ドラマを通じ,清盛の先見的で挑戦的な生きざまを,閉塞感漂う現代に生きる人に伝えるとのことであります。当然にして,清盛が理想として描き,着手した福原の都も存分に取り上げられることでしょう。全国の人々が,新たな歴史観を持って平 清盛に着目することで,清盛の夢跡が数多く存在し,そして,今なお清盛と同じく,進取・先進の志を抱き,世界に目を向け続ける神戸が脚光を浴び,全国から観光客がやってくることが大いに期待されるのであります。いわんや,神戸市としても,観光客が大挙してやってくるように仕組みづくりを行わなければならないことは言うまでもありません。  福原京には,雪見御所,萱の御所等々清盛ゆかりの地がありますが,ドラマの舞台になったり,紹介されることになれば,神戸観光の新しいルートの開拓につながることが期待をされます。例えば,かつて構想され,現在,兵庫区において一部取り組まれている歴史花回道のように,清盛にまつわる神戸の足跡を清盛歴史街道として,神戸の生田から兵庫,長田,須磨,垂水に至る壮大なスケールの歴史を訪ねるルートの整備,語り部の養成,さらには,ドラマで使われた神戸でのセットがあれば,それぞれの地域で設置してみてはどうでしょうか。  そのためには,大河ドラマを制作するNHKに対して万全の協力を申し入れることも必要と考えるところであります。過去には,1977年から1978年にかけて,NHKの連続テレビ小説として,「風見鶏」が放映され,一躍神戸の異人館が有名になり,30年以上が過ぎた今日でも神戸観光のシンボル的存在となっております。このたびの「平清盛」は,「風見鶏」と並び,まさに千載一遇のチャンスであることに間違いはなく,この取り組みいかんに将来の神戸観光がかかっていると言っても過言ではないのであります。  さらには,長年にわたり取り組んでまいりましたインナーシティの活性化にも大いに貢献することからも,市長を先頭に,全庁一丸となって観光客を呼び込む方策に全身全霊,最大限の努力を傾注すべきと考えますが,市長のご見解をお伺いをいたします。  次に,新長田駅への快速電車の停車及び東口改札の復活についてであります。  このことは,長田区にかかわるすべての人たちの悲願であります。JR新長田駅への快速電車の停車,そして東口改札の復活についてでありますが,西の副都心である新長田地区は,市街地再開発事業も間もなく終了し,昨年の鉄人28号のモニュメント完成,さらには,まち一体となった三国志への取り組みにより,市内外からの数多くの方々が,続々と長田のまちを訪ねるようになっております。あの大震災以降,ようやくまちのにぎわいを取り戻すチャンスが訪れようとしていることに,これまでの地元・市役所,僣越ながら私も含め,さまざまな人の思い,取り組みを思い出し,まさに万感たる思いであります。  しかし,現状を是とすることが,長田のまちの願いでも,真の復興でもありません。西の副都心のさらなる飛躍こそが我々が真に望むものであり,そのために,JR新長田駅の快速電車の停車はもちろんのこと,震災前には存在した東口改札の復活を幾度にもわたり当局やJR西日本への要望を通じ求めてまいりました。市内外からの数多くの方々が訪れ,地元の気運が盛り上がり,新長田のまちが全国的に高い注目を集めている今こそ,快速電車の停車,東口改札の復活を実現し,行政と市民が一体となって活力にあふれたまちづくりに邁進していくべきなのであります。  しかしながらであります。快速電車の停車を優先し,東口改札の復活に積極性を感じられないことに,私のみならず,地元の方々が愕然とされているのであります。東口改札の復活の意義は,言うまでもなく,まちの回遊性を持たせることであり,新長田を訪れた方々が,鉄人28号だけを見て帰るのではなく,新長田のまち全体を歩いてもらうことで,新長田全体のにぎわいにつながるんではないでしょうか。西の副都心として,まずは震災前の活力を取り戻し,そして神戸のまちが成長を遂げていくために,市街地西部の核となっていくためには,腹を据えて,通り一遍ではない,並々ならぬ覚悟が必要なのであります。私は,この問題に,市民とともに一歩たりとも退くことなく,ガチンコ勝負で取り組んでいく覚悟をいたしております。  また,先ほど申し上げましたように,平 清盛ゆかりの地は何も兵庫区だけではありません。このたびの大河ドラマの決定こそは,まさに空前絶後の天与の機会ではないでしょうか。回遊性を持たせることの重要性について,認識が余りにも不足していると言わざるを得ない,東口改札の復活なくして真の復興はないと言っても過言ではないのであります。まさに真の西の副都心としてひときわ異彩を放ち,勢いを増して活力をみなぎらせていくためには,このたびの活気・興隆は二度とないチャンスなのであります。情熱みなぎる市民の皆さんの思いを肌身で実感していただきたいのであります。  震災から15年が経過し,ようやくたどり着いた飛躍のとき,快速電車の停車と東口改札の復活が,地元,そして我々議会人にとっての悲願であることを十分に酌んでいただきたい。そして,県会も応援するといって頑張っているのであります。何よりさきの市会で全会一致で採択された請願の重みを軽視することは,断じて許されないのであります。長田区民・市議会と一体となって,快速電車の停車と東口改札の復活に不退転の決意で取り組むべきと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  次に,自転車専用道路の整備についてであります。  この問題につきましても,ちょうど1年前の定例市会の機会に,神戸のウオーターフロントである,東が芦屋,西は明石に至るまで快適な自転車道路を整備してはどうかという市長にご提案を申し上げてまいりましたところ,今年度予算におきまして,ウオーターフロントをはじめとした路線において,自転車走行空間整備計画の策定に着手することとなりました。我々の意をお酌み取りいただき,実現に向けて,まずは最初の第一歩目ではありますが,確かな一歩を踏み出されたものであり,一定の評価をするところであります。  自転車専用道路の整備には,実にさまざまなメリットが存在するのであります。まず,このかけがえのない地球を守っていくという観点であります。従来から環境問題につきましては,特に力を入れて主張してまいりましたが,神戸のまちが,環境先進都市として成長していくために最も重要と考えるのは,自動車から排出されるCO2の削減対策であります。また,神戸は,健康を楽しむまちづくりに取り組んでおります。自転車道の整備は,環境には優しく,また健康面でも有益であることは至極当然のことであります。そして,神戸はデザイン都市に認定されており,加えて観光交流都市を標榜いたしております。私は,このような神戸のまちに,デザイン都市にふさわしい風光明媚な海岸沿いにすばらしい自転車道が実現すれば,全世界から注目を浴びることは間違いないと確信するものであります。シドニーのオペラハウス,パリの凱旋門とシャンゼリゼ通り,そしてニューヨークの自由の女神にも匹敵するのが,神戸の自転車道なのであります。  また,本市では,今年度,社会実験として,KOBEまち・ちゃりシャトルを実施していますが,なれ親しんだ神戸のまちも,自転車からの風景は全く異なるものであり,市外からの観光客の方だけではなく,市民からも一定の評価を得ているとお聞きをいたしております。生まれ育った我がまち神戸の景色や風情も,自転車の目線で見るまちは,これまで全く気づかなかったまちの息遣いが感じられるものであり,新しい発見が生まれてくるのではないでしょうか。これこそ,今流行のファストフードの生活からスローフードの生活への切りかえ,便利最優先の都市生活からスローシティ生活への転換なのであります。  自転車専用道路を整備する場合,道路幅の問題等も当然ございますが,このようなはかり知れないメリットがあるすばらしい施策ですから,当然に解決していただかなければなりません。今手をこまねいていることは,将来世代にとって極めて大きな損失となり,まさに後悔先に立たずであります。  これからの神戸のまちの新たな展開として,環境・健康・観光・生活の質の向上の観点から,神戸のウオーターフロントにおける自転車専用道路の整備に今こそ着手すべきと考えますが,市長のご見解をお伺いをいたします。  次に,耕作放棄地対策についてであります。  現在,神戸市内には,耕作放棄地が約36ヘクタール,休耕田が448ヘクタールにも上っているとお聞きをいたしております。一方,昨今,偽装表示をはじめとした食の安全・安心の問題が大きく注目され,また,環太平洋戦略的経済連携協定,いわゆるTPPへの参加の議論がなされておりますが,いずれにいたしましても,消費者のマインドというものは,やはり食の安全を求めるものであります。  この時代,さらには,将来世代の方々を思えばこそ,市民が,つくり手の顔が見える,地元神戸の農家がつくるものを愛す,食す,地産地消の取り組みに力を入れなければならず,このような観点から,さきに申し上げました耕作放棄地の問題については,看過することができないのであります。  そこで,提案をいたしますが,地産地消の取り組みを力強く推進すべく,市内農家が保有している耕作放棄地や休耕田を神戸市が借り上げ,市が一定のかかわりを持った上で,新たに農業に取り組む意思のある企業に貸してはいかがでしょうか。現在,耕作放棄地を保有する農家は,転貸後にどのように使用されるのかが不安であり,それゆえに,耕作放棄地であっても,貸すことにちゅうちょしていると仄聞をいたしております。他方,新たに農業に参入意欲を持つ企業も,新分野への参入に伴う見えない障壁,見えないリスクが二の足を踏む要因となっているのであります。公共投資が減少する中,今やゼネコンが農業に参入する事例もお聞きいたしますが,やがて,武士の商法ならぬ,建設業界の農法にリスクを感じ,参入に踏み切れないのは当然至極のことではないでしょうか。  そこで,行政として,双方が抱えている見えないリスクを低減すべく,まずは,行政の責任のもと,耕作放棄地を農家から借り入れるのであります。そして,企業に対しては,例えば,こうべ版GAPなどにより,一定の品質を確保した上で,一定の品目,一定の量の作付を行った場合には,病院や学校など市の関連する施設の給食用の材料として購入する仕組みを構築してはいかがでしょうか。現在も給食畑の取り組みを行っていることは大いに存じておりますが,その遅々とした歩みでは,真の地産地消が再現しないのであります。農家に対しては,転貸後の使用を,企業に対しては一定の購入を約束することで,ウイン・ウインの関係を築くだけでなく,将来世代を含む神戸市民がその成果を味わうことができるのであります。  農家・企業・市民の3者が利益を得る,これこそ,施策の二毛作ならぬ,三毛作──一石三鳥の施策ではないでしょうか。言うまでもなく,農業に関する取り組みは,一朝一夕で効果が出るものではありません。人間が生きていく上で欠かせない農業の基盤となる耕作地が崩壊しようとしている今,まさに将来に向けた種をまかなければならないと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  行財政改革についてお伺いをいたします。  行財政改革の基本的な考え方として,民間活力の推進についてであります。  矢田市長は,平成15年に行政経営方針を発表され,行財政改革をみずからの天命として,血のにじむような思いをしながら,苦渋の選択を重ねてこられました。市長の確かな実績の最たるものであり,高く評価するものであります。しかしながら,残された課題も多々ございますので,現在は,あくまで過渡期であり,今後とも,これからの神戸のまちが羽ばたいていくためにも,確固たる行財政基盤の構築に向けて,不退転の決意で取り組まれるものと期待をいたしております。  私は,そもそも行財政改革の基本的な考え方として,民間で対応できる分野は,原則として,すべて民間にゆだね,官は,市民生活を守るために,民では担うことができない分野を確実に担うべきであると考えております。本市が,官から民への流れにいち早く対応してきたことは事実ではありますが,現状の評価といたしましては,手厳しいことを申し上げますと,市民目線からは全くもって甘いと言わざるを得ないのであります。行財政改革の完遂といったレベルからは,甚だかけ離れており,いまだ取り組みの徹底がなされているとは言えないのであります。  その最たる例が,保育所の民営化であります。私は,かねてより,もう数十年来,市政における最重要課題として,将来の神戸のまちを担う子供たちのために,子育て日本一のまち神戸を築くべきであると重ねて提案をいたしてまいりました。矢田市長も,思いを同じくされ,極めて厳しい財政状況の中,子育て施策を最重要課題として,随時拡充を図ってこられました。しかしながら,かねてより申し上げてまいりました,日本一子育てのしやすいまちの実現には,まだまだこれから一肌も二肌も脱いでいただく必要があり,粉骨砕身あらゆる努力を惜しまず,ご尽力いただかなければならないとまずは申し上げたいと思います。  そこで,子育て日本一のまち神戸を実現する観点から,また本市の行財政改革の観点からも,そして行政経営の基本である,民間が担うことのできる分野は民間が担うべきであるという観点から,保育所民営化について申し上げたいのであります。  この問題につきましても,かねてより再三にわたり申し上げてまいりました。矢田市長も取り組みを進められ,これまで14カ所の民間移管を実現したほか,建てかえ等により,加えて6カ所のめどをつけられております。そのほか,公立保育所の耐震化にあわせて,5カ所の公立保育所を削減するとのことであります。これまでのような取り組みは一定の評価をするものではありますが,私のこの評価も,取り組みの最終段階ではなく,あくまで,まだ取り組みのスタート段階にあるとの前提に立った上での評価であります。私の思い,一般的な市民納税者の視点からは,甚だ歩みが遅いと苦言を呈さざるを得ないのであります。  当然に,今後,強力に推し進めていただくものと確信をいたしておりましたが,新たな行財政改革の案を拝見いたしますと,保育所につきましては,民間活力の導入を否定しているわけではありませんが,今後さらに民間活力を最大限に活用していく原則として,民営化していくといった意気込みを具体的に示してしかるべきではないかと考えるのであります。  公立保育所の民営化は,行財政改革の観点から極めて大きな効果があることは申し上げるまでもないことでありますが,あえて少々申し上げますと,同規模の保育所での比較では,公・民で1カ所当たり約5,000万円もの超過負担の差が生じているのであります。果たして5,000万円ものサービスの差が公・民間で存在しているのでありましょうか,まずは,この点についてお伺いをいたしたいと思います。  また,民間保育所は,その柔軟な運営により,利用者が望むサービスをきめ細かく提供されているのであります。そして,何よりも極めて厳しい財政状況の中,貴重な財源を捻出していく努力をすることは至極当然のことであり,これにより,日本一子育てのしやすいまち神戸の実現に向け,邁進すべきではないでしょうか。これを怠るようでは,市民の理解を得られないのは当然であります。  少子・超高齢化社会がますます進展していく中,持続可能な行財政構造を構築するだけではなく,日本一子育てのしやすいまち神戸の実現のためにも,公立保育所は,原則としてすべて民営化していくとの方針のもと取り組むべきと考えますが,市長のご見解をお伺いをいたします。  なお,この問題は,また別の機会とはさせていただきますが,公立幼稚園についてもまたしかりであります。本市では,市内に43園の市立幼稚園に対し,98園の私立幼稚園が存在し,市立の割合は約3割となっています。そして,園児数では実に9割近い子供たちが,私立幼稚園に通園している状況であります。他都市では,横浜市や千葉市では,市立幼稚園を設置しておらず,川崎市やさいたま市でも,ごく少数であります。公立で担わなければならない理由がどこにあるのでしょうか。本日は,時間の関係もございますので,民が担うことができるものは民が担うべきものとして,公立保育所の民営化について,ご見解をお伺いしたいと思います。  最後に,市営住宅の削減についてであります。  市営住宅は,住宅に困窮される低額所得者に対して極めて低廉な家賃で賃貸する,地方公共団体が実施するセーフティーネットとして,大変重要な役割を担っております。しかしながら,以前にも申し上げましたように,市営住宅の供給数の多さが,民業を圧迫し,セーフティーネットとしての役割をはるかに凌駕してしまっているのであります。また,市営住宅の再編・削減により生じる余剰地の民間の自由闊達な創意工夫による活用の観点からも,今後,市営住宅からは手を引いていくぐらいの強い決意のもと,大胆で思い切った削減を進めていくべきであると考えているものであります。  セーフティーネットとして市営住宅の果たす重要な役割,例えば,市営住宅として守るべき家賃水準,確保すべき仕様,戸数があろうかと思いますが,これらにつきましても,家賃は現行水準を維持する前提で,市が仕様を定めた上で,民間に建設をしてもらい,民間住宅との家賃の差額を補助金として支払えば,全く問題なく対処できるのであり,課題として列挙する必要もないのではないでしょうか。市民にとりましては,これまでと同様のサービスを受けることができ,神戸市としても,セーフティーネットの役割を十分に確保した上で,職員を含めた管理費の削減にとどまらず,固定資産税の収入というメリットも享受できるのであります。建設に際して国費は得られないといたしましても,民間の創意工夫による建設に加え,建設用地の確保すら民間で可能であることも考えると,目覚ましい財政効果,経済波及効果が得られるのではないでしょうか。  市営住宅における民間活用は,「民間でできることは民間で」の典型的な事業であり,まず着手すべき第一手なのであります。にもかかわらず,こうありきのマネジメントという,劇的に変化する時代を傍観するような手法に頼っているようでは,この時代の荒波に対応することができないのであります。  また,このたび発表されました新たな行財政計画案である神戸市行財政改革2015を拝見しておりますと,市政・財政をさらに改善していこうとする市長の意気込みを感じます一方で,このような第一手である市営住宅の抜本的な見直しに踏み込めないことが,他の計画の行方までも心もとなく感じさせてしまうのであります。何よりも民間には,やる意欲があります。生かすべき力を生かすべきところに投入する,そのような原点に立ち返り,市営住宅の思い切った削減にかじを切りかえるべきと考えますが,市長のご見解をお伺いをいたします。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 29 ◯副議長(平野章三君) 矢田市長。 30 ◯市長(矢田立郎君) まず,私の方から,数点にわたりましてご答弁を申し上げます。  大変な熱弁をお聞きしましたんで,答えにくい点も,なかなかちょっとあるかもわかりませんけれども,まず,大河ドラマ「平清盛」の関係でございます。  この点については,もう今るるご説明をちょうだいしましたんで,重複を避けたいと思いますけれども,やはり大河ドラマというのは,大変な大きな価値を持つものでございますんで,今回,2012年のこの大河ドラマが「平清盛」に決定したということは──NHKが発表して,決定したということは大変大きなことでございます。最近のこの傾向を見てみますと,例えば,「篤姫」が大河ドラマに取り上げられましたときに,私も参りましたけれども,鹿児島県で,やはり非常に港に近いところにこのパビリオンをつくられて,たくさんの観光客がお見えになっていらっしゃったということを拝見しましたし,また,「龍馬伝」の関係では,高知県,長崎県あたり,神戸もやっておりますけれども,そういうことに対して非常に積極的にこの取り組みをされていらっしゃる,それによって,観光客が,滞在型の形として来ていただけるような傾向が出てきておるというふうに感じております。  ただ,今回のこのNHKの方の大河ドラマの内容について,ちょっと神戸放送局の森本局長にお聞きしたんですが,シナリオはどないなってますかと,こういうふうにお聞きしましたら,今,書き下ろされているところで,4章ぐらいに分かれるだろうけれども,ちょっと内容が,まだもう少し時間をいただかないとというふうにおっしゃっておられました。ですから,神戸のどの場所がどの程度取り上げられていくのかということも,やはり1つの我々の関心事でございます。しかし,全体として,やはり「平清盛」ということになりますと,これはもう神戸がゆかりの地でございますから,そういう中で,観光資源として,どんどんとメッセージを送っていって,来ていただくということが重要であるというふうに思っております。  もう既に「平清盛」放映が決まったということを発表された後で,神戸市のコンベンションビューローを立ち上げましたが,この観光コンベンションビューローの中で,「平清盛プロジェクトチーム」というものをもう既に立ち上げて,取り組みを始めております。これは,観光コンベンション協会,そして関係する部局あるいは団体というふうなもので構成をしてございますが,それだけじゃなしに,やはりNHKの関係者とも東京に行きまして話をしてみたり,あるいは,神戸でいろんな打ち合わせをしたりというふうなことも今しておるところでございます。  今お話がございましたが,夢の跡が多くあるというのは,まさに広範囲になっております。区で言いますと,中心的に多いのは兵庫,長田──もう長田なんかに行くと,腕塚とか,首塚とか,胴塚とか,いろんなもんがありますけども,そういうふうに,この2つの兵庫,長田というのがあると同時に,合戦ということになりますと,中央区あるいは須磨というふうなところにも及んでいると言われておりますんで,そういうところをどのように重点を置くのかということは非常に重要なことではないかというふうに思っております。  ただ,兵庫区では,もう既に,この8月ですけども,「平清盛ゆかりのまち」実行委員会というものを立ち上げておられます。これは,大輪田泊ということをベースにして,今おっしゃいました築島とか──経が島等のそういう史実に基づいて,何とか兵庫区の中で,そういうものを全国発信をしたいという思いから立ち上げられたというふうに聞いてございます。  そうした活動は,考えてみると,これ,放映は平成24年1月に始まるわけですから,1年ちょっとしかもうないんですね。だから,それに合わしてもう既に準備もせないかんということになりますと,早くこういうことに対する取りまとめを進めていかざるを得ない。そして,それと同時に,さっき言いましたように,シナリオが,できるだけ早くつくっていただけたらというふうにも思っておるところでございます。  そういう点で,本当にいろんなおもてなしをする上で,モデルコースのお話も今いただきました。それから,そのガイドボランティアといいますか,そういったいろんなことに対してご案内できるような人の養成も要ります。今,観光ボランティアは随分いらっしゃいますけども,さらにこの「平清盛」に関するガイドボランティアということも必要ではないかなというふうに思います。  それから,NHKも,いろんな取り組みをするんだったら,一緒にやっていこうというご意向も少し伺ってございますんで,まさに,そういう点では,全国に向けた情報発信の形をNHKの方にとっていただけたらというふうにも思っております。  それと同時に,推進協議会というようなものも,今年度中に立ち上げる必要があると思ってます。これは,JRとか,あるいはスルッとKANSAI,また旅館関係の団体,それから旅行社の団体ですね,こういうところ等々とも一緒になって,この「平清盛」に対する観光の取り組みをより広げる展開にしたいというふうに考えてございます。  こういったことは,本当にさっき申し上げたように,時間もうありませんので,早く決めてこれに取り組んでいくということでないと,あのとき言うたのに,何しとったんやと言われたんでは,これはもう本当に申しわけございませんので,できるだけ総力を挙げてこれに対して対応をしてまいりたいと,このように考えております。  それから,新長田駅への快速電車の停車と東口の改札の復活という点で,随分,今,熱を感じましたけれども,まず,地震で大変な新長田駅が状態になって,それで再生したわけでありますけれども,その再生の中で,従前は両方に改札もあったものが1つになったということで,今,駅があるわけでございますけれども,そういう点も,JRとも話をしておりますけれども,とにかくさきの定例市会で,本会議で全会一致の採択の請願ということは,大変私は重いもんだというふうに感じております。ですから,この請願のご趣旨,あるいは署名活動も随分なさっていらっしゃるわけでございますんで,これをJRに本当に熱い思いとして酌んでいただきたいというふうに考えてございます。  ですから,そういう点で,この快速停車,そして東改札口復活という点の要望をしとるわけでございますが,今お話がありましたように,まさに西の副都心として位置づけたのが,この新長田地域でございますし,そして,鉄人28号ができたことによって,本当に全国から330万人を超える人が1年間でお見えになったと。さらに,今この地元の方々が中心になって,三国志のですね,あの横山光輝さんの三国志のなりきり隊ということで,中国まで行って衣装を買って,そして,もう大変な取り組みをされていらっしゃる。私は,商売は,ほんま大丈夫かいなと思っとるんですけど,そのぐらい熱が入ってます。そこで三国志館というのも南部地域につくろうということになって,今,もうそれの竣工がしてございますが,まず,その点等々の思いを見ましたときに,一日も早く新長田駅に快速電車がとまるようにしてくださいというふうにお願いも過去しております。  先日も,この請願の採択をちょうだいしまして,直接,石井副市長から,JR西日本の大阪本社に行っていただきまして,向こうの西川副社長と面談した上で,この快速停車,東改札口の復活について,請願書を手渡して強く働きかけをしてきたということでございますが,私は,あの福知山線の脱線事故の以前から,当時,垣内社長さんでいらっしゃいましたけども,大阪でちょうどお会いする機会がありましたので,垣内さん,とにかく復興のこれ目玉やねんから,早いこともう快速を新長田駅にとめてくださいと。大体おっしゃることはわかりますと,おっしゃっていただいたんです。そしたら,次の日に,神戸支社の支社長が飛んできまして,市長は,うちの社長に何か要らんこと言うたんと違いますかと,こういう話で,いや要らんことやないでしょうと,本当に皆さんの気持ちを通じて私は申し上げたんだと。で,いろいろ話をしましたら,いやいや新快速のダイヤとの関係がどうやとか,いろんなことを言うて,この言いわけにされたんですが,違うんでしょうと,もともと西の副都心であり,そして,この新長田のターミナル性ということを考えたときに,これはもうJRそのものにとっても大変メリットのあることなんだから,早くこれやりましょうと。まだしつこくダイヤのことをおっしゃってましたけどね。考えてみると,ダイヤのことをそんだけ言いながら,新しい駅を次々つくっとんですよ。私は,おかしいいうて言うたんですけどね,新しい駅をつくりながらダイヤがどうやこうやと言うのは矛盾しとるのと違うかと。いや,物すごい広域にわたってダイヤの変更が要るんやとか言うわけですね。ちょっとおかしいなというふうに申し上げて,以来ずうっとその話をしとんですけども。  現状で,少しJR西日本に言っておりますのは,まず,改札が2つある駅は,三ノ宮,元町,神戸,垂水という4駅やと。そういう中で,比較的乗降客数が多い駅であるんでという説明をしてます。その上に,いろんな改札の要員とか,費用の問題とか言うてますけども,いずれにしてもそれは付随的な問題であると思っとんです。ですから,私は,まず快速をとめて,その上で客がまたふえたと。そしたら,そのときに,その三国志館もオープンしますから,どんどん回遊が出てきたときに,東改札口を続いてちゃんとやってくださいということを言うとるわけですから,それに引き続いて運びをしていただいたらどうかなというふうに私は考えておるところであります。  それと,同時に,JRには,摂津本山駅の自由通路化も言っておりますし,それから,三ノ宮駅,大改装をしてくれということも言ってます。これは実はポートライナーの問題もありまして申し上げとるんですが,そういうふうに,全体的にJRとのいろんな問題も解消していかないけませんので,そういうものと一体となって事を進めていけたらというふうに思っております。  それから,行財政改革に関しまして,保育所の関係をお話しいただきました。  日本一子育てしやすいまち神戸の実現に向けて,行財政改善の観点,そしてまた,実際に民が担うものは民に任すんやという観点,そういったものを考えた上で,保育所の民営化に邁進すべきでないかという,今,お尋ねでございました。ちょっと歩みが遅いん違うかというお尋ねでございます。  これについては,もう本当に,私は,むしろ保育所の待機児童をなくすという観点が一番大事やと実は思ってございまして,それとあわして民営化も考えていかないかんということで,私が保健福祉局長を担っておりましたときには,大体公立と民間がフィフティー・フィフティーやったんですが,今おっしゃいましたように,もう比率が随分変わってまいりました。ですから,そういう中で,やはり民間に担っていただくべき分野というのは随分と大きくなっておるわけでございますけれども,そういう中で,まさに,よくおっしゃいます,日本一子育てしやすいまちというふうに考えたときは,やはり子供の健全育成ということが重要でございますんで,そういう中でどうあるべきかということを考えながら,認可保育所として社会福祉法人に民営化をお願いしてきたという経緯もあるわけであります。  そうした中で,今14カ所移管をさせていただきました。同時に,引き続いて,6カ所につきまして,移管と同等の財政効果が見える私立保育園の誘致・新設によって,建てかえの運営を行いたいというふうに考えております。これは,まず建てかえ運営を重点に置きたいということでございますが,それに加えて耐震化の問題がございますんで,こうした耐震化をする際に,公立保育所を,この統合を少し考えて,6カ所ぐらいの公立保育所を3カ所程度統合して,そして,2カ所については,私立保育園の誘致の新設という形で取り組めないかというふうに見てございまして,そういう点で,民間の力をいただきながら,とにかく待機解消ということが重点でございますんで,それに向けてこの充足を図りたいというのがこのねらいでございます。そういう中で,2万4,000人の保育と申し上げておりますが,それを早期に実現できたらというふうに考えておるところでございます。  おっしゃいますように,公立と民間の運営上の問題等で比較しますと,確かに年齢構成等も若干ありますんで,差が出ておるということは否めないと思っておりますが,ただ,実際の延長とか,それから統合保育とかいうふうな形でいきますと,先鞭を切ってそういう取り組みを公立が担ってきて,今も担っておるというふうな点を考えますと,全部が全部そういったふうにきちっと民でやっていただければ問題はないわけでありますが,なかなかそういう点では,学校の問題も議論にさきほどしていただきましたが,大変そういう点で,今,難しい時期にもございます。ですから,そういう子供たちの成育の上に立って,本当に保護者の方が,そして子供さん方がお困りにならないような,そういう体制をとっていく際に,すべてを民にという形が本当にいいのかなという点も若干感じております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 31 ◯副議長(平野章三君) 石井副市長。 32 ◯副市長(石井陽一君) 私の方からは,自転車道の整備と市営住宅の管理について答弁させていただきます。  まず,自転車道でございますけれども,自転車を取り巻く現状でございますが,近年,自転車は,低炭素社会の実現,これに寄与する環境負荷が少ない交通手段ということで,見直されてきておるわけで,また,観光あるいはレジャーの人気,あるいは健康志向の高まりなどから,利用者のニーズというものは高まってきておるところでございます。そういう中で,安全で快適な自転車道の整備ということが求められているわけでございます。  そういう中で,この神戸,海に近く,自然環境に恵まれた,東西に細長くつながるまちでございます。議員ご提案のように,ウオーターフロントを結び,快適に走行できる自転車道の計画というものは,やはりまさに神戸のまちならではの大変魅力的な計画であると考えておるところでございます。  そういう中で,現在,次期基本計画におけます神戸2015ビジョンにおきましても,自転車道の利用環境の整備,これに取り組むこととしております。そういう中で,重点施策として,今後新たに計画的な整備に努めていきたい,そのように考えております。  そういう中で,自転車走行空間整備計画──議員の方からもございましたけども,その策定に当たりましては,歩道の幅員や,あるいは車道の幅員,道路空間の現状──現在,市内で128路線,約240キロの箇所について調査をしておるところでございますけれども,その結果を踏まえまして,市民の皆さんや,あるいは神戸に観光に来られる方々,だれもが快適に利用できる路線あるいは整備手法などについて,現在,整理を進めておるところでございます。23年度,来年度にはパブリックコメントを行うなど,市民の皆さんや有識者の皆さんの意見を聞いた上で,自転車走行空間整備計画というものを策定をしまして,まずは本市を東西につなぐ路線などから先行的に整備に着手したいと,このように考えております。  特に,やはりハーバーランドからHATに至る都心ウオーターフロント,あるいは兵庫運河の周辺など,次期基本計画におきましても,にぎわいと活力をもたらすリーディングエリア,このように位置づけられておるわけでございますし,また,これに加えまして,灘の酒蔵なり,居留地なり,あるいは新長田の鉄人の広場,須磨や舞子といった観光地で,こういうところも結んでいきたいと,そういうふうな考え方で,今,検討をしておるところでございます。  今後,市民の皆さんが快適に利用でき,また,議員ご提案のように,デザイン都市あるいは観光都市として,神戸の魅力が楽しんでいただけるような自転車利用環境の創出に向けて進めていきたいと考えております。  次に,市営住宅の関係でございますけれども,神戸市におきましては,ご案内のように,震災復興の過程におきまして,市営住宅の管理戸数,これは急増しております。現在でも約5万3,000戸あるわけで,世帯数の割合が約8%,政令市の中で最も高い状況になっております。
     このことから,第2次の市営住宅マネジメント計画におきまして,被災者世帯の減少,あるいは当初の役割を終えつつある厚生年金住宅の解消などによりまして,将来的には,震災前の水準への収束を意識しながら,この10年間には約4万6,000戸へと円滑な縮減を図っていきたいと,そのように考えておるところでございます。  一方,市内の民間賃貸住宅の現状でございますけれども,居住されておる住宅,約16万4,000戸ございます。世帯数に占める割合は約25%,これは政令市の平均が約34%ということで,非常に逆に低いという割合になっております。また,これ以外に,空き家が約3万戸ございます。その活用も含めまして,民間賃貸住宅の活性化というのは非常に重要な視点であると,そういうふうに考えておるところでございます。また,平成19年に施行されました住宅セーフティーネット法,これに基づく基本方針におきましては,従来の公営住宅の適切な供給に加えまして,民間賃貸住宅への円滑な入居支援の一体的推進によって,重層的かつ柔軟な住宅セーフティーネットを整備する必要があるということが示されておるわけでございます。  こういう状況の中で,今後とも,やはり市営住宅がセーフティーネットの中核として,その役割を果たしていくとともに,民間賃貸住宅も一定の役割を担っていただくことが必要であると,そのように考えております。  神戸市のすまい審議会におきましても,住生活基本計画の策定に向けましての審議において,住宅セーフティーネットの中で,公・民の適切な役割分担が必要であるということで,議員の方からご提案がございましたけれども,家賃補助ですね,これも選択肢の1つであるということで検討していくことが,今後の方向性として挙げられておるところでございます。  また,国におきましても,低額所得者あるいは高齢者,いわゆる住宅確保要配慮世帯,こういう方々を入居者として設定する賃貸住宅に対しましては,整備費や家賃の補助を行うということができる,地域優良賃貸住宅制度,いわゆる地優賃と申し上げておるわけでございますけれども,こういうものを創設をしております。  そういうことで,神戸市におきましても,このような制度の活用ということも含めまして,もちろん財政状況を踏まえながら,住宅セーフティーネットにおける民間賃貸住宅の活用というものについて,今後とも検討をしてまいりたいと考えております。  以上です。  (「議長」の声あり) 33 ◯副議長(平野章三君) 小柴副市長。 34 ◯副市長(小柴善博君) 私の方からは,耕作放棄地対策につきまして答えさせていただきます。  耕作放棄地を含みます不耕作地対策につきましては,農地として活用できないものを除いた保全管理農地などの有効活用を図るため,農地所有者の意向を確認して,市のホームページ上の農地情報バンクへの掲載を働きかけて,その農地情報をもとに,規模拡大を図る農家や集落営農組織,企業,新規就農者などへの貸し付けを推進していくことが重要であると認識をしております。  ご指摘のように,農地の貸し付けにつきましては,貸し付け後の使用方法に不安を感じる方が少なくないわけでございますが,農業経営基盤強化促進法に基づきます農地の貸し借り制度におきましては,市が,借り手と貸し手の契約内容を農地利用集積計画として公告をいたしまして,情報公開することで,農地所有者が,安心して農地を貸し付ける仕組みとなっておりまして,この制度を利用いたしました農地の貸し借り面積につきましては,本年3月末で,全体農地──これは約5,000ヘクタールほどあるわけでございますが,それの約6%に当たります278ヘクタールとなっているところでございます。  また,昨年12月,農業経営基盤強化促進法の改正によりまして,JA兵庫六甲が農地利用集積円滑化団体となっておりまして,JAみずからが農地を借り受けて,当該農地を貸し付ける事業や,あるいは農地の所有者から委任を受けまして,貸し借りのあっせんを行う事業を行うこととなったということでございまして,これまで以上にJAをはじめとする関係機関と情報の共有化を図りながら,農地の貸し借りを推進していくこととしております。  一方,企業を含む新たな農業参入につきましては,平成21年5月に,兵庫県・JA・農業委員会・市で組織いたします神戸地域就農支援センターが設立されておりまして,農地情報や農業経営,生産技術等に関する相談業務を行っているところでございます。  また,タイムリーに農地の賃借情報を提供するため,農地情報バンクとして,利用可能な農地情報を市のホームページ上で公表することで,神戸で農業を立ち上げたいと思う企業の農業参入を支援していきたいというふうに考えております。  病院や学校への給食用材料の供給につきましては,やはり年間を通じて一定の品質とか,あるいは品目・量を供給する必要があるということで,現在,中央卸売市場の仲卸業者などが市場で調達をいたしまして,それぞれの現場へ納入する仕組みが,現在,とられております。市が,企業などから給食用材料として直接購入することにつきましては,ちょっと難しいんじゃないかなというふうに考えております。  市といたしましても,不耕作地対策は重要な問題であると認識をしておりまして,認定農業者や集落営農組織,また新たに農業参入を希望する企業や新規就農者に,農地情報バンクを通じまして利用を呼びかけ,農地の有効利用が図られるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上です。  (「議長」の声あり) 35 ◯副議長(平野章三君) 北山君。 36 ◯63番(北山順一君) いろいろたくさん質問をさせていただきまして,まず,清盛については,市長も,十分この大河ドラマが神戸にとってどんなに大きな影響があるかということをよくよくご承知のことだと,こういうことで,準備も怠りないと,こういう話をいただきましたことを喜んで聞いておりました。  私は,「清盛」というドラマが放映されたとき,神戸に多くの人たちが来ます。そのときに,神戸市民の皆さんにいろんなことを質問したときに,聞かれた神戸市民,私,それ知りません,そのことわかりませんというようなことじゃなくって,神戸市民全部が語り部の一端ぐらい担うよというぐらいの取り組みを神戸市民がやるべきだと,こう思っております。そういうための運動をすべきだと,こう思っております。  私は,この「清盛」の放映が決まりましたときに,中央図書館に,清盛関係の本は何冊ぐらいあるんですかというて聞いたら,156冊あると言うてました。長田区だけは何ぼあるんですかと聞いたら,8冊ありますと,こういうことでした。長田区やら,兵庫区やら,いろんなやつを読ましていただきまして,神戸は,この「清盛」でもう1回復活しなきゃならんと,こういうふうに思いました。だから,今,市長のおっしゃっておりました取り組みで十分だと,こう思いますが,それ以上にもっと力を入れて頑張っていただきたいということ,これを要望しておきます。  それと,もう1つは,新長田の快速電車と東口の改札についてですが,大変市長の取り組む意欲というものは伝わってまいりました。快速,それから東口の復活,これについての意欲は伝わってまいりましたけれども,その意欲をJRに向かってどう伝えていくかということは大事だと思います。市会議員全部で行こうということであれば,私たち全部行きたいと思いますし,県会議員も,それから長田区から出ておる国政の議員も一緒に行ってくれというぐらいの気持ちで私たちはおります。それぐらいの気持ちで,快速の停車と東口の開設は同時にやっていただきたい。これはもう同時でなければ,なかなか難しいと思っておりますので,同時でやっていただきたい。そのことを強く申し上げておきたいと思います。  その他の自転車専用道路の問題につきましても,石井副市長の話を聞いておりまして,やってくれると,この石井副市長は,言うたことは絶対やってくれると,こう思って聞いておりましたんで,抜かりのないように頼みたいと思います。  その他の市営住宅の問題につきましては,もう1回また議論させていただきたい。改めて私はこれ議論したいと,こう思っております。  1つ,1点だけ再質問したいんです。「風見鶏」のときには,風見鶏という点ではなくて,北野地域全体が注目されて,脚光を浴びてまいりました。このたびの「清盛」も全く同じではないかと,こう思っております。長年,神戸市は,インナーシティ対策ということで,地下鉄海岸線の建設,それと同時に23のプロジェクトということで,ウイングスタジアムだ,中央市場だ,兵庫運河だ,いろいろなものに取り組んでもうやってきております。23のうち,もうほとんど──13でき上がっとんですかね,あとは全部着手済みだと,こういうことでございますから,結構やってもらっておりますけれども,しかし,このインナーシティの活性化ということについては,やっぱりまだ道半ばではないかなと,こういうふうに思っております。  かつての笹山市長は,歴史花回道の建設というものを発表したことがありました。この2週間後にあの大地震に私たちは見舞われてしまったわけでありますけれども,この清盛の本を読んでおりましたら,大体生田区から──旧の生田区から西にかけて多くの遺産といいますか,そういう足跡があります。兵庫区だけ見ていったら,30カ所以上ありました。長田区も10カ所以上ありました。いろんなものがたくさんあります。また,清盛は,神戸から宋という国との取引をやって,大変な財をなし遂げておりますし,あるいはまた,あの有名な村上水軍のところへも船で随分行ったり来たりしておるという足跡があります。そういうふうなことを考えますと,クルーズ船を出すということも1つの方法じゃないのかなと,みなと総局の局長もいらっしゃるわけですが,そういうことも考えてくれとるだろうなと,こういうふうに思っておるんですが,私は,この際,齊木統括監が,もうデザイナーのオーソリティーとしていらっしゃるわけですから,この齊木統括監が都市デザインという立場から考えたら,この清盛ルートという,清盛の歴史街道というものを,陸も海も含めて,どういうふうにとらえるんだろうなと,こういうふうなことを私は考えております。一回,統括監のご意見をお伺いできたら,さしてほしいなと。陸も海も含めて,私ならこうしたい。統括監なら,もう全国に統括監と同じ考えのデザイナーがいっぱいおるわけですから,総動員していただいて,神戸を私ならこうしようということを,一回そういうビジョンについて語っていただけたらありがたいんですが,いかがでしょうか。  以上です。  (「議長」の声あり) 37 ◯副議長(平野章三君) 齊木統括監。 38 ◯統括監(齊木崇人君) 北山議員から今,ご質問をいただきまして,もう詳細に関しましては,市長の方が具体的な内容でお話をされていますので,少し視点を変えてお話をしてみたいというふうに思います。  北山議員がおっしゃいましたように,清盛の大河ドラマへのテーマ決定は,1つの大きなチャンスだと私も同感に思っております。瀬戸内海は,古代より海の道としてのみならず,地域の重要な生活圏として,人々の生活と密接にかかわっておりました。産業・経済・文化を支えてきたすばらしい財産がありますが,残念ながら,現在の生活で見ますと,陸側の理論で海を見てしまいがちです。清盛の時代に思いをはせて,瀬戸内海からのまなざしを,この際持つことも大変なチャンスかというふうに思っております。  私は,具体的には,神戸は,瀬戸内海の西の玄関口だというふうにも言われておりますが,私は1つの──あっ,失礼。東の玄関口ですね。東の大きなかなめだというふうに思っております。地理的・歴史的にも位置づけを生かすことができるわけなんですが,矢田市長,北山議員が紹介されましたように,神戸の各区にたくさんの多様な資源があります。この資源を再評価することと同時に,うまくつなぎ合わせることが大切だろうというふうに思っております。  それと同時に,大河ドラマの舞台となる瀬戸内海のさまざまな資源,例えば,壇ノ浦もありますし,音戸ノ瀬戸もありますし,それから安芸の宮島もございますし,それから塩飽諸島の島々もあります。さらには,京都もその舞台になるわけですから,私は,そのような資源も,神戸に限らず,うまくたぐり寄せて,その魅力をデザインの力でもう1度活用していきたいなと,そのことによって,人々を神戸に迎えることができるなというふうに思います。  と同時に,このようなことを展開することは,まさにデザインの力で展開していくということになると思いますけど,まさに21世紀の神戸の清盛物語をつくり,国内外に発信することができればいいなと,これは市民総意で,また力を合わせて展開できればいいなと,ということで,デザイン都市を統括する立場から取り組んでいきたいなというふうに思っております。  以上です。  (「議長」の声あり) 39 ◯副議長(平野章三君) 北山君。 40 ◯63番(北山順一君) 今,齊木統括監からそういうお話をいただきました。私は,そういうふうな,統括監が,デザインという切り口で,神戸のまちと言いたいんですけれども,清盛が歩んできた道のりを全部歴史ということでつないでいっていただけたらどんなにすばらしいかなというふうに思っております。その中の多くの分野を神戸が担っておりますよと,そういうことでつないでいただきたいなと,このことをぜひともお願いを申し上げたいと思います。  本を読んでおりましたら,平 清盛という人の生きた時代というものを読んでおりましたら,大体公家社会ですね,あの時代は。あの公家社会を,清盛が公家社会から今度武士社会へ切り裂いていったと,切りかえていったと,こういうふうに私は受け取れると,こう思って見ておりました。そして,先週,「坂本龍馬」が終わりました,あの大河ドラマ。あれが武士社会を終わらした。清盛が武士社会を始めて,坂本龍馬が武士社会を終わらして,明治維新をつくったと,こういうふうに受け取ってとれないことはないなというふうに,私はそう思っております。そういうふうな意味から考えても,この清盛が神戸にあれだけの歴史遺産を残してくださったということは,神戸として,これだけは逃してはならない大チャンスだと,こういうふうに思っております。  そういう意味で,市長のこれに対する取り組む意欲ですね,これについてはもう十分感じられましたので,今後,市長とNHKと,そしてプロジェクトチームということも言っておりましたが,そのプロジェクトチームが大いに力を発揮していただいて,この神戸が清盛によって,再び日本の中心的な都市として生き返ってくるというぐらいの気持ちになってほしいなと,こう思っております。  私も,これ以上質問したら,あと,時間の関係もありますので,多く申しませんが,意見だけちょっと申し上げておきたいと思います。  先日,私は,ある大学の勉強会,講座というものを受けに行きました。そのときに,こういうのを見せられました。こういうのを見たことございますかね,皆さん。こういう写真です。日の丸がない,なくなりつつあるんです。これを見せていただきました。このことについて,私は,この雑誌の表紙を見せられて,まことに私自身は情けない思いをいたしました。  その昔,日本は,経済一流,政治は三流と言われたことがありました。しかし,今は,その経済も,多くの国の追い上げを受けて,アップアップしておるような状況だと,こういうふうに思っております。どこかの国の官製デモで,我が国の国旗や我が国のリーダーの写真を燃やしたり,踏んだりしている報道に触れることがあります。ああいうのを見ておりますとき,かわいそうな国のかわいそうな国民があんなことをやらされて情けないなというふうに,私どもは同情しながら見ておりました。だけど,この記事を,この写真を報道した雑誌は,世界的に有名な雑誌の表紙なんです。こんな表紙にこんな形で表現されたということは,我が国にとっては,もう大変な恥だと,中央政府よと,しっかりしろよという声を私は上げたいと,こういうふうに思ってこれを見ておりました。  しかし,中央政府は,こんな状況でも,官僚の皆さんは,めげることなく頑張っておると,私はそういうふうに評価をいたしております。それにも増して地方の行政はもっとしっかり頑張っておるぞということを,やっぱりもっとアピールする必要がある。市長をはじめ──神戸の場合は,市長をはじめ地方官僚は,議会と一体となって,厳しい政治・経済の環境の中でもこんだけ頑張っておるんだという姿を内外の国民にもっと知ってもらえるよう一層努力していきたいなと,こういうふうに,私は,この写真を見て感じました。中でも,神戸は特別だと思っておりますし,神戸はこんなんと全く縁がないぞというぐらいの強い神戸だと,こう思っておりますので,そういう方向で頑張りたいと,こう思っております。  それと,もう1点意見を言わせていただきたい。きのうの朝日新聞の夕刊で見ておりました。2010年12月6日いうたら,きのうでございますが,胎児遺体1,700体を放置という記事が,これ朝日新聞で出ております。こんな情けないことを大学がやっておるということ,これはもう日本の道徳は地に落ちたと言わざるを得ないと,こう思って私は見ておりました。そしてまた,私自身は,長年にわたって,神戸を子育て日本一のまちにしようということを訴え続けてまいりました。しかし,まだまだ道半ばだと私は考えております。  今,私は,子供を大事に育てない国は,間違いなく将来滅んでいくぞと,こういうふうに私は考えております。市長,今,日本では,毎年母胎や胎児の健康上の事情とかで中絶されていく子供が30万人,約30万人もいると言われております。これとは別に,闇に消されていく命は,さらに3倍ぐらいあるんではないかなとも言われております。これがどこまで事実なのかはわかりませんけれども,少なくとも神戸では,本当に法的に認められたやむを得ない中絶以外は認めないぞというような,そういう取り組みを神戸ではやってほしいと,私はそういうふうに思います。  さらに,近年,幼い子供の虐待やら,殺人やら,あるいは,その上,いじめによると思われる子供の自殺等々,まことに痛ましい事件が報じられることが珍しくありません。人の命がなぜ大切かということをもっと教育してほしい。そのなぜ大切かというたら,人の命はオンリーワンなんだということ,このことをやっぱりもっと知らせる必要があると思っております。また,人生が,人の人生はもう二度とないんだと,だから,人の人生はもう大切なんだということ,この2つの教育をはっきりと私は教えていくんだと,こういうふうにしてやっていっていただきたいと思っております。  どうか,市長,真の子育ての新しい運動,市民運動と言ってもいいし,あるいは神戸市の全体の運動と言ってもいいが,真の子育ての新しい運動を神戸から始めませんかということを市長に呼びかけて,私のこの意見は終わりたいと思います。  ただ,きょう,いろいろ──時間ありますね。いろいろご答弁をいただきました。市長からも,齊木統括監からもご丁寧な答弁をいただきました。私が質問をしている目的は,多くの先人たちがつくり上げてきた神戸のまちを衰退させることなく,さらに発展させるためには,行政としてどうあるべきかということを皆さんとともに議論をしていきたいということであります。古くからの文化と新しい文化が融合し,京都でもなく,大阪でもない,まして東京でもない,神戸独特の文化が育っていることを我々は忘れてはなりません。そして,文化がグローバル化する社会にあっても,そこに住み,憩い,働く人々の知恵と創造力の集積でもあるんです。  世界を見ても,神戸のように150万人の人口を抱えながら,すばらしい自然環境を残し,農業・漁業も発展しているまちはありません。これらは,市民と行政が一体となって取り組んできた成果であります。また,政治的にも安定しているからこそ,なし得たことでもあります。今,私たちが目にする六甲山も,植林と砂防の努力によって,ここまで緑が育ってきていることを忘れてはならないと思います。100年前の写真を,私,見せてもらいました。この六甲山には木は1本も生えてなかったと,こういうふうに写真では見えました。また,過去には,産業構造の変化によって,工場が神戸のまちからどんどん流出していった時期がありました。そういうふうになろうとしたときに,神戸市は,その対策のために工業団地をつくりました。神戸の雇用や産業を発展させることに成功したんです。あの阪神大震災,阪神・淡路大震災も,市民の力,行政の力,政治の力を結集して乗り越えてまいりました。しかし,そこには先人がつくり上げた都市基盤があったということを忘れてはなりません。あのとき,ポートアイランドや六甲アイランドがなかったら,どのようになっていたんだろうか,そういうことを私は時々考えます。多くの人々は,神戸から流出したままになっていってしまったままではないでしょうか。  このように,さまざまな環境の変化,先を見越した知恵や創造力によって,神戸は,救われ,発展してきたのです。私は,先人たちが行ってきた先を見越した都市戦略の遺産を浪費するだけではなく,低迷する経済下にあっても,そのときであるからこそ,大胆に,そして奇想天外と言われるような都市戦略を未来に向けて構築すべきだと考えております。皆さん,本当にみんなで真剣に考えていこうではありませんか。齊木統括監も,ぜひよろしく──先ほどの話をよろしくお願い申し上げまして,終わります。 41 ◯副議長(平野章三君) ご苦労さんでした。(拍手)  済みません。暫時休憩いたします。  2時15分再開をいたします。   (午後1時54分休憩)   (午後2時18分再開)  (荻阪議長議長席に着く) 42 ◯議長(荻阪伸秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  休憩前に引き続き議案外質問を続行いたします。  12番小林るみ子君。  (12番小林るみ子君登壇)(拍手) 43 ◯12番(小林るみ子君) 私は,新社会党神戸市会議員団を代表いたしまして,以下3点,議案外質問をいたします。  初めに,神戸空港にかかわる大阪府知事発言についてお伺いいたします。  沖縄県知事が,普天間基地移設をめぐる視察先に関西空港を検討していることについて,11月30日,大阪府知事は,伊丹と統合して運営権を売却することになったので,関空が受け皿になることはないと述べました。その後,12月1日の記者会見では,国が候補地として関空を挙げれば,議論は拒否しないとも述べられたようですが,大阪府知事は,視察するなら,将来性の見えない神戸空港を見てもらいたいとも述べ,移設先候補地として神戸空港を挙げたと報道をされました。そもそもこのような無責任とも思える発言は,これまで神戸市民や神戸市が多くの犠牲の上に築いてきた平和への重大な挑戦であり,到底許せるものではありません。これに対して,市長は,国が決めることなので,ノーコメントと述べられたと報道をされました。  そこで,質問をいたしますが,神戸市として,この際,大阪府知事発言に対し,きちんと抗議し,ノーコメントではなく,神戸空港は移設先候補地としてはあり得ないことを明確に表明するべきではないかと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  次に,生活保護制度の充実についてお伺いいたします。  先般,厚生労働省は,2009年度に全国で生活保護を受給した世帯は,月平均127万4,231世帯に上り,前年度比で12万5,465世帯の増加で,過去最多を更新したと発表しました。これらの急激な増加の背景には,高齢社会,無年金や低年金の高齢者が増加したこと,また,リーマンショック以降の景気低迷の中での失業者の増加,さらに,非正規労働者増加による,若年者の低所得者世帯の増加などが考えられます。神戸市も例外ではなく,保護率は,震災後の14.1パーミルから28.8パーミル,約2倍に増加しています。また,さらに深刻な問題は,生活保護基準以下で暮らしている生活困窮者が多数いるということです。このうち,どれだけの人が生活保護を受けているかを示す指標──捕捉率は,日本の場合15%から20%程度と言われています。だとすれば,約8割の人は漏給状態にあると言えます。  そこで,質問をいたしますが,先般,全国指定都市市長会の生活保護制度改革案提出に当たって,市長は,生活保護は制度疲労を起こしていると述べられていますが,これは制度そのものの問題ではなく,生活保護に至るまでの雇用や年金制度,生活保障などが充実していないことにこそ大きな問題があると考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  次に,介護保険10年を経ての見直しについてお伺いいたします。  介護の社会化をうたって導入された介護保険をめぐって,財源不足の問題をはじめ,保険料・利用料の負担,介護認定の軽度傾斜化問題,介護給付の適正化推進問題,介護事業所の経営困難,介護労働従事者の待遇改善など,課題が山積しています。  これらの課題のうちの1つが,介護切りにもつながる介護認定での軽度傾斜化問題です。ある96歳の高齢女性は,介護認定において,要介護度3から要介護度1に一気に軽くなりました。認知症が徐々に進行しており,身体機能が著しく衰えているにもかかわらずです。介護サービスを継続しようとすれば,保険外を自費で賄わなければなりません。ただし,これには限界があります。そうなれば家族で介護するしかありません。これにも限界があります。介護者は,介護の日々の大変さがわかってもらえないのだという無力感に襲われ,介護を投げ出したくなる思いに駆り立てられていきます。本来ならば,年齢を重ねるとともに高齢者の症状は重くなることはあっても,軽くなることは多くはあり得ないはずの介護認定,そのあり方や調査方法に納得できず,介護者や家族に介護認定や制度への不信感が生まれています。  そこで,質問をいたしますが,実態とかけ離れた介護認定になりがちな今の仕組みを抜本的に見直さなければならないと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。  以上です。  (「議長」の声あり) 44 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 45 ◯市長(矢田立郎君) 生活保護制度の充実の観点で,制度疲労を起こしておるというふうに発言されたけれども,生活保護制度は最後のセーフティーネットではないかという趣旨の今のお尋ねでございます。  政令指定都市の中で,本当に今,大都市が抱える大きなテーマとして,この生活保護の制度に対する対応というのがございます。生活保護制度は,昭和25年の制度ができてから以来,抜本的な改革は行われておりません。そういう中で,現状,少子・超高齢化,あるいは人口減少社会の進展,また就業形態の変容といったふうに,社会経済情勢の変化に対応できているとは言えません。経済のグローバル化,また産業構造の変化等を背景として,働く者の価値観の多様化による非正規雇用が増加をする,あるいは就業の形態が変わっていくというふうなことで,失業が生活保護に直結するというふうな状況にもなりかねないという状態でございます。  平成20年のリーマンショック以降,稼働可能層の生活保護が急増しております。これは,すべての政令市というわけにはいきませんけれども,特に旧5大市あるいは札幌市等を含む都市で顕著に見られている状況でございます。そのほか,高齢化の急速な進行,そして核家族化の進行といったふうに家族形態の変化がまたあり,その中で,高齢者の生活保護世帯の増加という現象も見られております。  こういうことに対しまして,指定都市の市長会では,平成22年10月20日,この提言を行ったわけでございますが,これは社会保障制度全般のあり方を含めた生活保護制度の抜本的改革の提案ということで行ったものであります。その中では,雇用・労働施策において,生活保護制度に優先する制度として,第2のセーフティーネットを位置づけることを,そしてまた,高齢者層に対しては,年金制度と整合する生活保障制度の創設を提案をしてきております。これらは生活保護制度だけの改革で解決できる問題ではございません。雇用・労働施策あるいは年金制度,最低賃金制度といったふうに,社会保障全般の再構築が必要であるということを前提にしたものでございます。  また,生活保護制度の見直しが制度創設以来行われていないため,制度の矛盾から生じるさまざまな問題が顕在化しております。悪質な不正受給事案,また貧困ビジネスなどが問題になってございます。これらに対しまして,福祉事務所の調査権限等に限界がございます。こうしたことがあるがために,適正実施の障害になっております。ひいては制度への市民の信頼が失われるおそれがございます。  これらの課題に対しまして,金融機関などに対する調査に回答義務を課す,あるいは不正受給に対する調査権を新設する,また医療機関に対する指導・監査体制の強化といったふうに,法改正に伴う生活保護制度の適正化を図って,市民から信頼される,不正を許さない制度としていくように提案をしておるところでございます。  今回の提案で,すべての生活困窮者を生活保護ですべて支えるというんではなくって,ライフステージに応じて必要な支援を受けることができ,生活保護は最後のセーフティーネットとして機能する制度へと再構築することを要請をしておるところでございます。  以上,私から答弁申し上げました。  (「議長」の声あり) 46 ◯議長(荻阪伸秀君) 中村副市長。 47 ◯副市長(中村三郎君) 介護保険のご質問に対してご答弁申し上げたいと存じます。  介護保険,もとより高齢者が要介護状態になりましても,それを社会全体で支えていくための制度であるわけでございまして,今後,独居あるいは認知症,これらの高齢者が増加していく中で,それらの方や,重度となられた方でも住みなれた地域で生活を続けられるように日常生活圏内でさまざまなサービスを適切に提供できる,いわゆる地域包括ケアシステム,これを構築していくことが目下の課題ではないかと,このように認識をいたしてございます。  ご質問にございました要介護認定につきましては,市町村によるばらつきを減少させるためということで,国の方におきまして,昨年の4月に認定方法の見直しが行われました。ただ,軽度に判定されるケースが続出するという意見が出まして,半年後の10月に再度見直しが行われました。その結果として,軽度化の傾向は見られなくなっているんではないかと,このように認識いたしておりまして,例えば,本市におきましても,認定更新時に従前より軽度の判定となった割合というのを見てみますと,平成19年度・約19%,平成20年度・約20%であったわけですが,見直しが行われました平成21年4月から9月の間では約29%ということで,そういう意味では,10ポイントほど軽度化にシフトした傾向が見られたわけでございますが,後半,21年の10月以降のこの1年間では,やっぱり20%ということで,見直し前の水準に戻っているという状況でございます。  国の社会保障審議会の介護保険部会,これが11月30日に決定をしました制度見直しに関する意見書では,認定につきましては,特に認知症の要介護度を適切に評価できているかなど,これについて引き続き適切な仕組みとなるよう継続的に評価・検討をしていくべきと,このように部会の意見書が出てございます。  本市は,従来から,国に対しまして,他の政令市と共同で,要介護認定につきましては,公平・公正な認定調査及び審査判定が実施できるように,判断基準をより具体的にするなどの引き続きの認定の信頼性が確保されるよう措置をしてほしいということを要望をいたしてございます。今後もこうした要望を続けてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 48 ◯議長(荻阪伸秀君) 小柴副市長。 49 ◯副市長(小柴善博君) 私の方から,神戸空港にかかわる大阪府知事発言につきましてお答えいたします。  米軍基地の移転など安全保障の問題につきましては,国において検討をされる事項であると考えているところでございます。  神戸空港は,年間230万から300万人が利用する,都心に近い,利便性の高い海上空港であり,開港から5年で搭乗者が1,200万人を超え,関西の新たな玄関口として定着をしており,神戸の新しいまちづくりや神戸経済の活性化に不可欠な都市装置であります。  また,ポートアイランド第2期は,空港が近接するすぐれた立地条件を生かして,190社の医療関連企業が進出するなど,ライフサイエンス分野のクラスターが形成されつつあるほか,理化学研究所が建設しております次世代スーパーコンピューターの立地にもつながっております。
     神戸空港は,市民の利便に資するという考えで整備をした空港でございまして,300万人を超える後背圏人口を有することや,三宮の都心に近く,利便性の高い空港であり,この方針で運用をしていくこととしております。  以上です。  (「議長」の声あり) 50 ◯議長(荻阪伸秀君) 小林君。 51 ◯12番(小林るみ子君) じゃ,再質問をさせていただきます。  最初に大阪府知事の発言についてなんですが,昨日も,「大人の対応」という言葉があったと思いますが,やはり市民の命や暮らしを守るという視点,そういう立場で,やはり神戸市として,きちんとした見解は出すべきだと,私は,今なお思っています。  仮に神戸空港に普天間の基地が移設されるようなことがあれば,普天間の基地の──今の神戸空港の面積は,普天間の基地の半分ですから,例えば,ポーアイ2期,そこの土地も提供しなければならなくなる,こんなことも考えられるわけですね。さらに,関西3空港の空域,大幅に変更があるわけですから,空港の機能自体が大変低下してくるという,そういう可能性もあるわけです。そして,何よりも非核神戸方式を持っております神戸港が平和の港ではなくなる,そういう可能性が十分にあるわけですね。  さきほど,小柴副市長の答弁によりますと,これは国で検討をするべきことだと,そういうふうにおっしゃったと思います。国が決めることというのであれば,国がもし要請してきたら,それに従うんでしょうか,それを受け入れるんでしょうかね,そこら辺をちょっとお聞きしたいと思います。これは,当然地方自治体の──どういうんですかね,主体性のなさといいますか,自治権の放棄にもつながっていきますし,基地の受け入れを認めるというふうにとらえられても仕方がないんではないかと思いますが,その辺をあわせてまたお答えいただきたいと思います。  次に,生活保護の問題,これは,もう随分と古くなって,一度も手をつけてない,第2のセーフティーネットに向けて頑張ると,そういうふうなご答弁だったと思いますが,神戸市をはじめ指定都市は,やはり初めに財政論・財源論ありき,そういう姿勢で,目先の対応策に終始して今回の改革案を出したようにも私は思います。でも,最後のセーフティーネットではなくって,内容を見ますと,その後が本当にもうない,そんな状況の内容だと私は思ってますので,これは大変危ない改革案だと思っています。  生活保護というのは,制度というのは,私は,常によい制度だと思っています。これを改革すること──私は改悪だと思っていますが,改悪することよりも,まずしなければいけないことは,さきほども述べさせていただきましたけども,やはり雇用とか年金の制度ですね,それからいろんな社会保障の充実,それにしっかりと力を入れること,最後のセーフティーネットに至る前の段階ですね,そこにしっかりと力を入れることの方が,今,自治体がやらなければいけないことではないかと私は思っています。  さらに,生活保護の受給者が,この間,非常にふえています。その増加傾向の中で,ケースワーカーは,1人当たり100人以上担当しているというのが現実です。そういう厳しい労働環境の中で,きめ細やかな対応をしようとしてもできない,指導をしようとしてもできない,それであるならば,やはりもっとケースワーカーをふやすこと,これがやはり自治体はしなければいけないことではないかと私は思っています。  さらに,もっと言うならば,この国会で結局また再び継続審議になってしまいましたけど,労働者派遣法の改正案,こういうことを一刻も早く通すこと,こんなことに努力をすること,努めること,それが今は求められているんではないかと思います。その辺のところをどのようにお考えなのか,もう1度お聞きしたいと思います。  最後に,介護保険制度の問題なんですが,先ほども言いましたように,やはり今なお介護認定の結果,軽くなる,本来ならば重くなるはず,むしろ維持か重くなるはずなのに,軽くなっていく,こういう問題が私たちの周りにもたくさんあります。そのために,やはり市民は,この制度に対しての不信感,調査方法に対しての不信感がすごく出ているわけなんですね。そういう意味では,この調査方法あるいはこの制度の見直しはしなければいけないんではないかと私は思います。  初めに制度ありき,初めに財源ありきということで,この間,介護給付費を削減の方向に走っていたと思いますね。その結果,本当に本来利用者や家族にとって望ましい制度とは何か,あるいは望ましい介護とは何か,そこら辺の視点が全くなくなってしまっているように思います。そういう意味でも,介護保険の本来の趣旨とは随分と変わってきているんではないかと,理念と現実というのが随分と乖離しているんではないかと,こういうふうに思うわけなんですけども,その点についてもう1度お伺いしたいと思います。  (「議長」の声あり) 52 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 53 ◯市長(矢田立郎君) まず,この神戸空港の話でございますけれども,私は,この点について申し上げたのは,昨年もこういう話がございまして,そのときにも申し上げておりますけれども,まさにこの神戸空港ができた経緯というものを考えたときに,これは地域の皆さん方の利便をどう拡大をしていくかということのために,やはり根底はあったわけでありますから,そういう点がまずございます。それと同時に,いろんな今おっしゃったような点もございますけれども,私は,やはりこの安全保障の問題というのは,国が専管する事項であるということをベースにして,このコメントを申し上げたわけでございます。  ですから,そういったことについて,私自身の言葉が少ないというふうにおっしゃるかどうかは知りませんけれども,これについての内容を私はきちっと整理して申し上げたつもりでございます。  それから,生保に関する関係の話でございますけれども,今回の政令指定都市の市長会の提案の内容は,やはり生活保護制度そのものの抜本的な改革が要る,その背景には社会保障制度のあり方も考えないといけないということを申し上げております。そうした中で,やはり生活保護の経費,本来は,私どもが,この政令指定都市の中で意見を一致して見てますけれども,全額これは国が持つべきもんであるというふうに考えてございまして,そういうものとあわせて,先ほど申し上げたような仕組みを考えていく必要があるんじゃないかというふうに思ってございます。  ケースワーカーの話も出ましたけれども,ケースワーカーの増員によってというお話でございますが,実際にケースワーカーの数というものは,過去に比べて大幅にふえておるわけでございまして,そういう中で,やはり保護世帯の増加に対応していくために,専任の面接相談員──これは係長級を含めた形でございますけれども,相談される方の生活問題について,適切にこれを判断をして,また必要な助言を行う,また就労支援を行うというふうな形で,現在は,もう就労支援員まで各区に配置をしておるという状況でございますんで,このケースワーカーの増員のみによって対応ができるんかということになると,これはもう時代が変わってきてございますんで,やはり実際の就労支援,あるいは自立体制の構築という点について,どう対応していくのかということも必要であるというふうに申し上げたいと思います。  (「議長」の声あり) 54 ◯議長(荻阪伸秀君) 中村副市長。 55 ◯副市長(中村三郎君) 介護保険の点ですけれども,先ほどご答弁申し上げましたように,このたびの社会保障審議会の介護保険部会におきましても,この介護認定につきましては,いろいろなご議論があったように聞いております。ただ,その中で,やはり介護認定というのは,この介護保険制度におきまして,客観的にサービス供給量を決定をして,介護サービスの受給者の公平性を確保すると,そういう観点から,やっぱり不可欠な仕組みであると。仮にこれがなくなるということになりますと,例えば,要介護認定──介護が必要な度合いが仮に同じ程度でありましても,提供されるサービスに大きな差が生じる可能性が出てくる,ばらつきが大きく出てくる可能性がある等から,やはり要介護認定の制度というのは維持すべしというのが議論の結論であったというふうにしてお聞きいたしております。  ただ,その中で,先ほども申し上げましたように,認知症の方ですね,認知症,認知を持っておられる方につきましてのその要介護度,これを適切に評価していく,できているかどうかということにつきましては,引き続き適切な仕組みとなるよう継続的に評価・検討をしていくべきであると,こういう意見書になっているということでございます。  申し上げましたように,我々も,利用されている市民の皆さん方からいろんなご意見をお聞きをいたしております。そういうことができるだけ制度に反映されるように,今後とも国の方に機会あるごとに要望をしてまいりたいと,このように考えております。  以上です。  (「議長」の声あり) 56 ◯議長(荻阪伸秀君) 小林君。 57 ◯12番(小林るみ子君) 介護保険の問題は,やはり本当にいろんな問題がある。2012年にその改定が行われますから,保険者としての神戸市として,やはりきちんと国に対しての要望なり,意見というのを出すべきだと思っています。そういう意味でも検証が必要だと思うんですが,この介護認定に関しては,やはりまだまだ非常に多くの問題があります。  この介護認定に関してですけれども,もう要介護認定制度はなくしたらどうかという,そういうご意見があることも聞いています。その中で,なくなることはないにしても,この中身にいろんな問題があるわけですから,やはりこの制度そのものを根本的に見直していかなければいけない,そんな内容だと私は思っていますので,ぜひ保険者として,この制度が信頼されるように,そういう方向に持っていっていただくためにも,きちんと国に対して意見を言っていただきたいと思っています。これは要望というか,意見をさせていただきます。  それから,生活保護の問題なんですが,さきの定例会のときにもこの問題は取り上げさせていただきまして,改革案というのが,憲法25条や18条,生活保護法の2条に抵触するんではないかと,そういう意味では非常に大きな問題があるということで,同じ会派のあわはら議員の方から質問もさせていただいたわけなんですけども,そういう意味でも,やはりこれはもう1度生活保護の原点に立ち戻るべきだと,そういう時期だと私は思っていますので,この改革案というのは,もう1度見直さなければいけないんではないかと,それは市長に何度も伝えたいと思います。この生活保護の制度いうのは,本当にいい制度ですから,それをさわらずに,それに至る前の段階にもっともっと力を入れることをやっぱり自治体としてはやっていただきたい,このようにも思うわけで,それは意見とさせていただきます。  最後に,神戸空港の問題ですが,これも,なかなかこちらが聞いていることに対してのお答えというのが余りないんですけれども,国が決めることと言ってしまえば,これは,結果として,受け入れることにもつながってくる可能性が十分にあるということ,そこ辺をぜひお考えいただきたいなと思っています。  それと,市民の命と暮らしを守る立場,そういう視点で考えたときに,きちんと神戸市として,首長として,やはり見解は述べるべきではないかと思います。特に,神戸市は,平和都市宣言も持っておりますし,昨年は,平和市長会議にも参加をしているという,そういう状況にある中で,しかも非核神戸方式という立派な方式を持った自治体ですから,きちんとしたそういう表明をしなければ,「これは国が決めること」だけで済ましていきますと,最終的には,それを受け入れることになってしまう,その可能性があると思いますので,もう1度大阪府に対して抗議をするべきだということと,もう1つは,あわせて候補地としてはあり得ないということ,その意見表明をしていただきたいということに関して,もう1度お答えいただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 58 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 59 ◯市長(矢田立郎君) 先ほども申し上げましたように,これは,本当にこういった問題については,大局的に見て判断すべき内容であるということで,私は,これは国が判断すべきことであると。だから,諸条件については,これ言い出したら,もう随分長い話になりますんで,ですから,私は,これはもう本当に絞り込んだ場合に,これは国が判断すべきことであるんじゃないかというふうに申し上げたわけであります。 60 ◯議長(荻阪伸秀君) 終わってください。ご苦労さまでした。 61 ◯議長(荻阪伸秀君) 次に,32番高山晃一君。  (32番高山晃一君登壇)(拍手) 62 ◯32番(高山晃一君) こんにちは。高山晃一です。みんなの党神戸市会議員団を代表いたしまして,持ち時間30分の範囲で議案外質問をいたします。  きょうの質問は,「束ねる」をテーマに2点お伺いをいたします。  まず,1点目,GIS──地理情報システムの活用についてお伺いをいたします。  行政運営上,地図の活用は欠かせません。神戸市ホームページを見ましても,グーグルマップを利用した各施設の地図案内サービスが提供されております。また,その一方,神戸市の各部局が,それぞれ個別に地図情報を管理・保有し,市民に情報が提供されております。それらの一元化──束ねることが望まれます。GISを導入しますと,膨大なデータを扱うことが可能となり,リアルタイムでのデータ編集や時系列のデータ表現など,紙媒体上の地図情報では実現し得ないことが可能となります。神戸市でも,地図情報の一元化に向けて,本年度,調査費が計上をされておりますけれども,残念ながら,来年度中の導入は無理ではないかと担当者にお聞きしております。  そこで,まずお伺いしますが,GISを来年度中には導入し,市民が一元的に市政情報を入手したり,地図上で視覚的に確認したり,加工・編集ができるなど,市民サービスの向上に努める必要があると考えますが,いかがでしょうか,まずご見解をお伺いいたします。  次に,外郭団体の再編についてお伺いをいたします。  外郭団体の中には,同一分野の業務を営んでいる外郭団体が数多く存在いたします。具体的に申し上げますと,ビル・テナントなど箱物の管理業務です。市民や事業者・利用者の立場からは,会議室を利用する,ホールを利用する,あるいはビル・テナントを利用する,借りる,いずれの場合も,情報,受付窓口ともがそれぞれ一元化されていることが望まれます。しかしながら,現状はそうはなっておらず,利用者は,箱物を管理するそれぞれの外郭団体,指定管理者の窓口を1つ1つ訪問しなければなりません。  本市では,平成23年度から5年間の行財政改革の計画となる神戸市行財政改革2015の計画案がまとまり,先月公表され,市民意見の募集が,きょうから来月1月11日まで実施されます。そこには,すべての外郭団体の抜本的見直しを行うこと,10団体以上の削減,派遣職員30%以上の削減,補助・委託などの見直しなどを行うと書かれておりますが,私は,利用者の利便性や効率性の観点,利用者の視点を第一に考えた外郭団体の再編をいたしますという宣言をしてはどうかとまず考えるのですが,いかがでしょうか,お伺いをいたします。  以上です。  (「議長」の声あり) 63 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 64 ◯市長(矢田立郎君) まず,外郭団体の中で,同一分野の業務,例えば,ビルとか,箱物の事業をいろんな団体でやっておるようだが,この一元化が望まれるという点と,外郭団体の全体の見直し,再編という点のお尋ねでございます。  まず,同一業務等の点についてでありますが,外郭団体が,テナントの貸し事務所事業を実施しておるというケースでは,今,商工貿易センタービルとか,あるいは国際会館,また航空貨物ターミナル,あるいは神戸キメックセンタービル,あるいは西神センタービルとか,新長田の地下鉄ビル,あるいは御崎のUビルというふうに,たくさんございますが,そうした事業も,実際には業種・業態,また立地の場所とか,あるいは周辺の環境とかいうふうに,少しずつ異なってはおります。  そういう中で,ユーザーから求められる状況に対して対応をしなければということで,これに対して対応をしてきておりますが,窓口の一本化をすることによって,必ずしも利用者の利便性向上とか,あるいは団体の経営効率化に果たしてなるのかという点があろうかと思ってございます。  そういう点で,できるだけお知らせをするという内容について,この一元化を──情報の一元化を図るということが重要かなということで,市のホームページの中で,市または外郭団体の施設を含めて,類似の業種・サービス別に対象施設をわかりやすく掲載をしてございます。このテナント関連あるいは貸し会議室の情報としましては,企業誘致,また貸し会議室・貸し事務所の情報のサイトで,市や外郭団体の施設の情報を集約をして,貸付内容・条件,あるいは利用方法・利用料金といった詳細について,それぞれの施設管理者のページにリンクしていただくようになってございます。  このほか,いきいき勤労財団とか,あるいは市民文化振興財団,また神戸市の社会福祉協議会などで開催をされます各種講座・教室といったふうな,この情報の申し込みに当たっての内容でありますとか,あるいは,開発管理事業団・公園緑化協会のスポーツ関連施設の空き情報の確認・予約というふうな点については,これは,あじさいネットで行うというふうにやっておるところでございまして,今後とも,やはりこういった点について,より利便性向上に向けて,利用者の視点に立って,情報の一元化・充実に努める必要があろうというふうに考えてございます。  それから,団体の削減の問題でございますけれども,それぞれの団体で1つずつ,やはり性格の違う事業もございますんで,その中で,団体によって,実際に経営統合した方がいいのか,あるいはもう廃止した方がいいのか,あるいは継続した方がいいのかというふうに,さまざまに現状を検討しておる段階でございます。そうした中で,団体の経営の効率性,そしてまた事業の類似性とか関連性はどうであるか,また人材の確保という点も考えておかなければいけません。そういう点で,実際に総務部門を一元化してやっておるようなケースもございますが,各団体の状況に応じてこれ対応すべく今,検討をしておる最中であるというふうに申し上げたいと思います。  そして,今後,こういうことをやっていく際に,民間事業者等の他団体の代替性とか類似性ということもどうかという検証が必要でございますし,また,それが市民生活への影響がどうであるか,さらに,固有職員の問題というふうなものもあるわけでございまして,そういったふうに,さまざまな視点からこの外郭団体についての検証を行って,そして,これに全体として10団体以上を目標に見直しに取り組んでいきたい,このように考えております。  (「議長」の声あり) 65 ◯議長(荻阪伸秀君) 小柴副市長。 66 ◯副市長(小柴善博君) 私の方から,GISの活用・推進についてお答えいたします。  GIS,いわゆる地理情報システムは,位置に関するさまざまな情報を持ったデータを加工・管理したり,地図の作成や高度な分析などを行うシステム技術の総称でございます。  本市におきましては,現在,各部局におきましてGISを既に導入しております。業務ごとに活用しているわけでございますが,やはり各局が別々に調達・保守・整備を行っているということで,全庁的に利用できていないのが現状でございます。  各局の持っております地理情報を一元化すれば,各局が相互利用することが可能となり,重複投資も避けられるなどのメリットや,市民にとって使いやすい情報提供も可能となるわけでございますが,個人情報の問題とか,あるいは地図の縮尺の違い,あるいはデータ形式の違いによる一元化の困難さなど解決すべき課題もあるのは事実でございます。  そこで,今年度,庁内ニーズの調査,各個別GISの実態把握,他都市の状況調査,費用対効果等の検討を行っているところでございます。  今後,この調査結果を踏まえまして,どのような形で統合型GISを導入できるかについて検討をしてまいりたいというふうに思っております。  以上です。  (「議長」の声あり) 67 ◯議長(荻阪伸秀君) 高山君。 68 ◯32番(高山晃一君) それでは,GISの方から再度お伺いしたいと思います。  新危機管理情報システムや消防新管制システムなどを備えた危機管理センターの建設が今,進んでいるわけですけれども,平成24年の4月に運用開始ということですけれども,担当者に確認すると,やはり今,検討中ということで,一元化された神戸市の地図情報システムが構築されるには時間がかかるので,運用開始には間に合いませんというようにお聞きしているんですね。ですので,当面は,グーグルなど既存のものを活用するというふうなお話を伺いました。  で,せっかくセンターが,箱ができる。私としては,やっぱり中身と一緒に運用がスタートするべきであろうと思いますので,何とかこれを前倒しで一元化されたGISが導入されて,そして危機管理センターの運用がスタートする,そういう間に合わせることができないものかということを再度お伺いしたいと思います。  それから,外郭団体の再編についてですけれども,市長のおっしゃるように,必ずしも一元化が利便性の向上につながるのかという,今,ご回答があったんですけど,それも一理あろうかと私も思いますが,現状,私の方でいろいろ調べてみたんですけれども,産振が所管する商工貿易センターとか,交通局の交通振興ですとか,都計のサンセンタープラザとか,所管単位で外郭団体がそれぞれテナントを管理すると。で,その外郭団体の数だけ代表取締役社長がいらっしゃって,役員がいらっしゃって,間接部門が存在すると,そこでテナント収入などが上がっても,やはり間接部門の経費,人件費に費やされると,そういう状況があります。  過去5年間に外郭団体から神戸市に対して出資比率に応じた配当がどれぐらいあるのかというのは,ちょっと調べてみたんですけれども,商工貿易センターで,平成20年度は1,500万円でしたけども,平成21年度はありません。神戸国際会館からは,新館開業10周年の記念配当ということで,平成21年度に2,250万円があったということですけれども,10周年でしょうから,10年に1回ぐらいは配当があるんだということだと思うんですね。建設所管の神戸地下街株式会社,こちらは,毎年490万円の配当があると,こういう実績をお伺いしたわけですが,この数字をどう受けとめるかなんですけれども,私としては,あれだけのビル・テナントがありながら,配当がちょっと少ないのかなあというふうに感じております。なぜそう感じるかといったら,指定管理でですね,神戸国際会議場・展示場の指定管理をしている財団法人神戸国際コンベンション協会の場合でしたら,毎年2億円を神戸市に納付しますよということで指定管理を落としているわけですね。ですから──どう言ったらいいんでしょう。会議場とか展示場,これもうずうっと張りついているわけじゃなくて,イベントでこれだけの収益を上げて,そして納付がされる。それで2億円納付できますよとおっしゃっている。じゃあ,というふうに比べると,ちょっといささか配当が少ないのではないかと。  市長は,情報の一元化ということを取り組んでいこうというようなお話がありましたけれども,やはりこういう財政的に厳しい状況の中で,外郭団体からの収益というものが,市民サービスにどんどん還元されるべきだと私は思いますので,再度お伺いしたいのは,まず,外郭団体からの配当ですね,これを積極的に市民サービスに活用することを外郭団体の再編計画の中に盛り込むべきではないかというのが1つ。それから,これは再度の確認になりますけれども,同一業種を営んでいる数多くの外郭団体を一元化する,統合する,再編があると理解してよいのかというのが2つ目。3つ目に,所管部局の壁を越えた再編もあるんだというふうに受けとめてよいのかという,この3点について再度お伺いをいたします。  (「議長」の声あり) 69 ◯議長(荻阪伸秀君) 矢田市長。 70 ◯市長(矢田立郎君) まず,外郭団体の件につきましては,先ほど来申し上げておりますように,実際の企業としてのですね──株式会社の場合は,企業としての性格の中で企業の収益性の問題も別にあるわけでございますし,また,他の株主の状況というものも関与して,その中で配当というものの中身が変わってくるということはあると思います。  そのほかに,指定管理のお話もいただきましたが,これにつきましては,利用料金制をとっておる状態でもございますんで,これは企業の経営努力という観点でこの指定管理を受けていただくという状況でございますから,これと実際に株主に対する配当というんでは状況が少し異なっておるんじゃないかというふうに私は理解しております。  その上に立って,今後,市民サービスにこれを利用してはどうかとか,あるいは,同一業種の一元化について今後どう取り組むんかとか,あるいは,所管部局の壁があるんではないかという点でございますが,そういう点を含めて,今,10団体ほど私は削減をすると申し上げておるわけでございまして,その検証をする中で,やはりそういう点について,経費の削減というような観点のみならず,やはり実際の公益性というものをどう担保できるんかという点も踏まえて,これについて今,検証を行っておるという状況でございます。  (「議長」の声あり) 71 ◯議長(荻阪伸秀君) 小柴副市長。 72 ◯副市長(小柴善博君) 統合型GISでございますけども,今現在,データの仕様とか,あるいはシステム仕様,費用対効果の検討とかを行っておりまして,来年3月には基本設計書の作成をちょっと考えておりますけども,来年度に入りますと,技術面以外での未決定事項とか,あるいは予算の要求とかいう話が出てくるわけでございますけども,ただ,議員ご指摘のいわゆる新危機管理システムあるいは新消防システム,これにつきましては,それぞれ固有の必要な情報をGISに付加する必要があるということで,この部分については,直ちに統合GISに結びつけられるかどうかについては,今後の検討事項であるということでございます。それも含めまして,将来的には検討をしてまいりたいというふうに思っております。  以上です。  (「議長」の声あり) 73 ◯議長(荻阪伸秀君) 高山君。 74 ◯32番(高山晃一君) GISですが,このシステムができますと,例えば,地域福祉センターは小学校区に1つおおむね配置しましょうとか,児童館はおおむね中学校区に1つとか,こういう形でこれまで公共施設というものが配置されてきたんですけれども,もう少し──何ていいますかね,科学的といいますか,当然地図情報の中に人口動態とかも重ねることができますから,そういう公共施設の配置というものが,まあまあ適正であるのかどうかというようなことが検証できたりする面もございますし,例えば,保育所の待機児童対応とか,非常に動きのあるものに対して,行政は適正な場所に公共施設を置いていかないといけませんから,そういう点でも非常にGISというのは活用できるものだと私は思いますので,前向きに早急に取り組んでいただきたいと思います。  もう1点,きょうこの質疑をしたきっかけとなったのは,医療関係者の方からお話があったんですけれども,新型インフルエンザのパンデミック対応においても,インフルエンザの罹患者数というのは,小学校から──学校園から毎日上がってくるわけですけれども,それを落とし込んでいく地図情報が今,神戸市にはなくて,活用ができないんですよというようなお話をお聞きしています。ですから,GISがあれば,日々学校園から罹患者が何人というような情報が地図上に落とせて,パンデミックに対応しやすいというようなことをお聞きしていますから,ぜひパンデミックが発生するまでに,こういうものが確立されるように取り組んでいただきたいということを申し上げておきます──こういうものですね。こういう,白地になっているところが,結局,GISがないのでプロットできないというような,そういうような状況があるそうです。  外郭団体,これは,改革のその行方を私も注視をしてまいりたいと思います。やはり市長もおっしゃっていた,情報を一元化するというのは非常に大切なことだと思うんですね。市民にとっては,都市計画総局が所管しているとか,交通局が所管しているとか,そんなことはどうでもよくて,とにかく借りたいものが,できるだけスムーズに借りて,決済ができる,こういう仕組みがやっぱり市民の利便性につながるものだと私は思いますので,そういう点での再編・改革をよろしくお願いいたしますということを申し上げて,終わりたいと思います。 75 ◯議長(荻阪伸秀君) ご苦労さまでした。  以上で議案外質問は終わりました。  以上で本定例市会の議事は全部終了いたしました。  これをもって,平成22年第4回定例市会を閉会いたします。   (午後3時11分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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