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  1. 神戸市議会 2007-10-03
    開催日:2007-10-03 平成19年決算特別委員会第3分科会〔18年度決算〕(みなと総局) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時1分開会) ◯主査(金沢はるみ) おはようございます。ただいまから決算特別委員会第3分科会を開会いたします。  なお,横畑委員より,所用のため若干おくれる旨の連絡が入っておりますので,ご報告申し上げておきます。  この際,委員各位並びに当局の皆さんに申し上げます。まだ残暑厳しいときですので,どうぞ随時上着は脱いでいただきますようお願いいたします。 (みなと総局) 2 ◯主査(金沢はるみ) それでは,日程によりまして,みなと総局関係の審査を行います。  当局におかれては,説明,答弁とも簡明にお願いします。  それでは,当局の説明を求めます。局長,着席されたままで結構です。 3 ◯山本みなと総局長 それでは,座って説明させていただきます。失礼いたします。  それでは,決算第19号平成18年度神戸市港湾事業会計決算,及び決算第1号平成18年度神戸市一般会計歳入歳出決算のうち,みなと総局所管分,及び決算第16号平成18年度神戸市空港整備事業費歳入歳出決算,及び決算第20号平成18年度神戸市新都市整備事業会計決算並びに第50号議案平成18年度神戸市新都市整備事業剰余金処分の件,以上5件につきまして,お手元の平成18年度決算説明書に基づき,ご説明申し上げます。  まず,平成18年度神戸市港湾事業会計決算からご説明申し上げます。  7ページをお開きください。  神戸港は,開港以来,国際貿易港として市民生活や地域経済に大きく寄与しておりますが,港勢は,港間競争の激化などにより厳しい状況が続いております。しかしながら,平成18年度における総取扱コンテナ個数は241万TEUとなるなど,さらなる拡大が期待されるところでございます。  こうした中で,人・物・情報が集まる総合的な交流拠点として,21世紀の国際港湾という役割を持続するため,ポートセールス,企業誘致,スーパー中枢港湾の実現に向けた取り組みを進めるとともに,情報化をはじめとした高水準の港湾サービスの提供に努め,利用しやすく,魅力的で,時代のニーズに対応した港づくりを進めております。  主な事業の概要でございますが,神戸経済の基盤となる港の充実及び活性化では,スーパー中枢港湾の指定を受け,アジア主要港をしのぐ,コスト・スピード・サービス水準を目指し,官民一体となった取り組みを進めております。また,回遊性やにぎわいのある都心ウオーターフロントの創造を目指し,新港第1突堤の再開発におきましては,民間活力を導入した事業コンペを実施いたしました。さらにポートアイランド西側コンテナバース跡地におきましては,景観に配慮した親水ゾーンとしてポートアイランド西公園の整備を行いました。  ポートアイランド第2期におきましては,島内道路・西緑地などの整備を行い,神戸空港島におきましては,神戸空港海上アクセスターミナルを整備し,神戸─関空ベイ・シャトルが就航いたしました。  また,東部臨海部地区におきましては,ハーバーウォークの整備が完了いたしました。  8ページをお開きください。  次に,港湾サービスの向上とポートセールスの強化では,神戸港への船舶・貨物の誘致を図り,西日本のハブ機能を強化するため,民間企業からの職員とともに結成いたしましたポートセールスチームを中心に誘致活動などを展開いたしました。さらに,財団法人神戸港埠頭公社が上海に設立いたしました神戸港上海事務所と連携し,中国へのポートセールスを強化いたしました。
     市民に親しまれる港づくりでは,みなとこうべ海上花火大会など,ウオーターフロントをステージに市民参加型のイベントを実施するとともに,客船誘致に積極的に努めました。そのほか,港湾労働者教育訓練事業助成を行うなど,港湾労働者等の福祉の増進を図りました。  経理状況につきましては,後ほど,損益計算書によりご説明いたします。  9ページから15ページには,議会議決事項,行政官庁認可事項のほか,職員に関する事項,建設改良工事の概況,保存工事の概況,業務量,事業収入及び事業費の前年度比較,重要契約の要旨,企業債及び一時借入金の概況を掲げておりますので,ご参照ください。  16ページをお開きください。  平成18年度港湾事業損益計算書でございます。  なお,説明に際しましては,100万円未満の数字は省略させていただきますので,よろしくお願いいたします。  まず,港湾管理事業でございます。  営業収益は,岸壁使用料,埠頭用地使用料,賃貸料などで125億9,000万円,営業費用は,岸壁,埠頭用地など港湾施設の管理運営費である業務費,ポートセールス費用などの振興費,港湾施設の維持補修費である施設保繕費及び減価償却費などで99億1,200万円でございます。また,営業外収益は,受取利息,一般会計からの補助金及び雑収益などで37億8,600万円,営業外費用は,企業債の支払利息及取扱諸費などで48億9,100万円でございます。  右のページに参りまして,特別利益は,固定資産売却益などで69億8,600万円,特別損失は,その他特別損失で7,600万円であり,この結果,港湾管理事業の当年度純利益は84億8,300万円でございます。  続きまして,港湾施設運営事業でございます。  営業収益は,上屋使用料,荷役機械使用料,給水料などで26億8,700万円,営業費用は,上屋,荷役機械などの管理運営費や維持補修費である業務費及び減価償却費などで33億4,800万円でございます。また,営業外収益は,国庫補助金,雑収益で1億3,500万円,営業外費用は,企業債の支払利息及取扱諸費などで7億8,600万円でございます。特別損失は,その他特別損失で7,500万円でございます。この結果,港湾施設運営事業の当年度純損失は13億8,700万円で,これらの2事業を合わせました当年度純利益は70億9,500万円でございます。  18ページをお開きください。  平成18年度剰余金計算書でございます。  港湾事業会計の前年度からの繰越欠損金は373億6,400万円でございます。これに当年度純利益70億9,500万円を加え,当年度未処理欠損金は302億6,900万円となっております。  右のページには,欠損金処理計算書を掲げておりますので,ご参照ください。  20ページをお開きください。  平成18年度末の港湾事業貸借対照表でございます。  資産の部は,土地,建物,構築物などの固定資産や,右のページに参りまして,現金預金,未収金などの流動資産などで,資産合計は1兆635億8,600万円でございます。  負債の部は,引当金などの固定負債や未払金などの流動負債で,負債合計は242億2,600万円,資本の部は,企業債などの資本金や資本剰余金,22ページに参りまして,欠損金などで資本合計は1兆393億6,000万円でございます。  24ページから63ページには,収益費用明細書,固定資産明細書,企業債明細書を掲げておりますので,ご参照ください。  64ページをお開きください。  平成18年度港湾事業決算報告書でございます。  まず,収益的収入及び支出でございます。  収益的収入は,港湾管理事業収益及び港湾施設運営事業収益で,予算額256億300万円に対し,決算額合計は,右ページ上の表にありますように,265億2,900万円でございます。  次に,収益的支出は,港湾管理事業費及び港湾施設運営事業費で,右ページ下の表にありますように,予算額208億2,900万円に対し,決算額合計は193億9,600万円でございます。また,翌年度繰越額は1億300万円で,工程調整のために,平成19年度へ繰り越したものでございます。  なお,明細は72ページから81ページ,港湾事業会計決算参考書決算報告書内容説明に掲げておりますので,ご参照ください。  66ページをお開きください。  資本的収入及び支出でございます。  資本的収入は,港湾施設の建設改良等に伴う企業債,国庫支出金などで,右ページの上の表にありますように,予算額354億7,400万円に対し,決算額合計は308億6,900万円でございます。  次に,資本的支出は,港湾施設等の建設改良や企業債償還等に要する経費で,右ページの下の表にありますように,予算額485億3,200万円に対し,決算額合計は447億900万円でございます。また,翌年度繰越額は11億6,500万円で,港湾環境整備費,埋立費,其他建設改良費などを,工程調整のために,平成19年度へ繰り越したものでございます。  なお,明細は82ページから87ページに掲げておりますので,ご参照ください。  続きまして,平成18年度神戸市一般会計歳入歳出決算のうち,みなと総局所管の海岸事業につきましてご説明申し上げます。  94ページをお開きください。  平成18年度は高潮対策事業等を推進いたしましたほか,新たに津波・高潮危機管理対策緊急事業として海岸保全施設の整備・改修を実施いたしました。  主要事業の実績及び効果でございますが,高潮対策事業では,高潮による被害から背後地を防護するため,遠矢浜工区等で防潮胸壁の築造等を行いました。  次に,海岸保全施設補修費統合補助事業では,新在家ポンプ場等で補修工事等を行いました。津波・高潮危機管理対策緊急事業では,津波・高潮から市街地を防護し,住民の円滑な避難を確保するため,防潮扉の改修等を行いました。  須磨海水浴場対策事業では,オイルフェンスの設置や海岸清掃を行うとともに,進入車両対策として自動チェーンゲートの管理やガードマンによる警備等を実施しました。さらに,深夜の花火騒音対策として地元の皆様や関係機関との合同パトロールなど実施いたしました。  なお,平成18年度の海水浴場利用者は,80万1,000人でございます。  続きまして,海岸事業の歳入歳出決算額をご説明申し上げます。  95ページ,海岸事業の歳入歳出決算額一覧表でございます。  まず,歳入でございます。使用料及手数料は900万円で,海岸占用料でございます。国庫支出金は4億4,100万円で,高潮対策事業等に係る国庫補助金でございます。さらに寄附金は70万円で,海の家などからの協賛金でございます。また諸収入は40万円で,海の家の受電設備使用に伴う収入などでございます。  以上,歳入の決算額合計は4億5,200万円でございます。予算現額に比し4億2,300万円の減額となってございますが,これは翌年度への繰り越し等に伴うものでございます。  次に,歳出でございます。決算額合計は14億500万円でございます。内訳は事項別明細書でご説明しますので,98ページをお開きください。  海岸保全費のうち職員費は,右ページの支出済額の欄にございますように1億4,500万円で,職員の給料,職員手当等でございます。海岸保全費の事業費は12億5,900万円で,高潮対策などの工事費や海水浴場対策の経費及び海岸保全区域の管理経費等でございます。  なお,翌年度繰越額は9億8,900万円で,工程調整により,平成19年度へ繰り越したものでございます。  なお,100ページに各事業の内容を掲げておりますので,ご参照ください。  続きまして,平成18年度神戸市空港整備事業費歳入歳出決算についてご説明申し上げます。  104ページをお開きください。  平成18年度空港整備事業報告書でございます。  平成18年度は,神戸空港の適切かつ安全な管理運営に努めるとともに,新たに国際ビジネスジェットの受け入れを開始いたしました。また,神戸空港の利用促進及び利用者利便の向上に取り組みました。  利用状況につきましては,東京,札幌,沖縄,仙台,新潟,熊本,鹿児島の7路線に1日27往復便,このうち平成18年9月から平成19年1月までは28往復便が就航し,年間利用者数は約273万8,000人,取扱貨物量は約2万6,000トンでございました。  主要事業の実績及び効果でございますが,空港整備事業につきましては,まず国庫補助事業として,空港施設用地の取得費の一部を新都市整備事業会計に支払いました。また,空港施設・設備の維持管理,航空機騒音などの環境監視,空港消防,救護及び警備,ハイジャック・テロ防止のための航空会社などへの支援など,国,航空各社をはじめ関係機関との連携のもと,適正かつ安全な空港の管理運営に努めました。さらに,国際ビジネスジェットの受け入れを開始し,兵庫県,地元経済界とともに神戸空港の利用促進,航空各社に対する就航路線の拡充,ダイヤ改善などの働きかけを行いました。  空港関連事業につきましては,神戸空港ターミナル株式会社に対し,ターミナル用地及び駐車場用地の使用許可を行いました。  続きまして,空港整備事業の歳入歳出決算額をご説明申し上げます。  105ページ,平成18年度空港整備事業費歳入歳出決算額一覧表でございます。  まず,歳入でございます。空港整備事業収入の決算額は83億9,000万円でございます。その内訳でございますが,使用料及手数料は9億800万円で,着陸料及び停留料収入でございます。国庫支出金は34億4,800万円で,空港施設用地の取得に係る国庫補助金でございます。県支出金は1億5,800万円でございます。財産収入は4,400万円で,空港施設用地を国や関係事業者に使用許可したことによる土地使用料でございます。繰入金は6億5,200万円で,地方交付税,航空機燃料譲与税相当額に係る一般会計からの繰入金並びに新都市整備事業会計からの繰入金でございます。諸収入は7,400万円で,消費税還付金などでございます。市債は31億300万円で,空港整備事業公債でございます。  空港関連事業収入の決算額は3億6,400万円でございます。これは財産収入といたしまして,旅客ターミナル用地貨物ターミナル用地及び駐車場用地を神戸空港ターミナル株式会社に使用許可したことによる使用料でございます。  以上,歳入決算額は,合計87億5,400万円でございます。予算現額に比し4億8,200万円の減額になってございますが,これは空港施設用地の取得に係る国庫支出金の認証差による不用などでございます。  次に,歳出の決算額の内訳をご説明いたします。事項別明細書でご説明いたしますので,110ページをお開きください。  空港整備事業費につきましては,右ページの支出済額の欄にございますように83億7,600万円でございます。内訳をご説明いたします。空港整備事業費は68億9,600万円で,空港施設用地の取得費でございます。次に空港管理事業費は14億7,900万円でございます。内訳でございますが,職員費は2億2,600万円で,職員の給料,職員の手当等でございます。運営費は9億6,400万円で,空港施設・設備の維持管理,環境監視,空港消防・救護,警備,ハイジャック・テロ防止対策のための航空会社などへの補助,利用促進のための広報活動など,神戸空港の管理運営に係る経費及び収支差益積立金でございます。  112ページをお開きください。他会計へ繰出金は2億8,800万円で,市債の元利償還など公債費会計に繰り出したものでございます。予備費につきましては,収支差益積立金に充てるため,空港管理事業費に1,000万円を補充いたしました。なお,収支差益積立金は4億6,400万円でございます。  次に,空港関連事業費でございますが,旅客ターミナル用地貨物ターミナル用地及び駐車場用地の取得資金を新都市整備事業基金から繰り入れておりますので,その元利償還金といたしまして,新都市整備事業基金に3億6,400万円を繰り出しております。  以上,歳出決算額は,合計87億4,000万円でございます。  4億9,600万円の不用を生じておりますが,これは空港施設用地の取得に係る国庫補助事業費の認証差などによるものでございます。  なお,欄外に記載しております歳入歳出差引残額1,300万円につきましては,空港整備事業収入の一部が増加したため,平成19年度に繰り越して収入にするものでございます。  続きまして,平成18年度神戸市新都市整備事業会計決算につきましてご説明申し上げます。  121ページをお開きください。  新都市整備事業は,住み,働き,学び,憩うという複合的な都市機能を備えたまちづくりを行い,市民生活の向上や経済基盤の強化を図るため,住宅宅地や産業用地の供給を計画的,継続的に進めております。臨海部では,新たな産業の導入,雇用の創出,市街地企業の高度化の拠点として,ポートアイランド第2期の建設を進めており,神戸医療産業都市構想をはじめとする各種プロジェクトを推進しております。  内陸部では,自然と調和した安全・安心・快適な住みよいニュータウンづくりを行うとともに,神戸の産業基盤の強化と経済の活性化のため,産業団地の建設を引き続き進めております。土地の処分に当たりましては,住宅団地においては,民間活力を最大限に活用するなど,多様な供給手法により事業を引き続き進めておりますとともに,産業団地において,神戸エンタープライズプロモーションビューローのもと,神戸空港の開港など,神戸の投資環境の向上,国内景気の回復の動きなどを受けて,神戸エンタープライズゾーン条例や,エリアと期間を限定した分譲価格の割引等の分譲促進制度,定期借地・長期分割制度等のインセンティブ策も活用し,精力的に企業誘致に取り組んでおります。平成18年度は,事業全体で約25万平方メートルの用地を処分いたしました。  主な事業の概要でございますが,ポートアイランド第2期では,道路・上下水道等の整備を,ポートアイランド沖では,埋立工事,護岸築造工事,公園等の整備を行いました。  西神住宅団地では,道路,公園等の整備を,西神住宅第2団地では,宅地造成,道路,上下水道等の整備を,ひよどり台第2期住宅団地では,宅地造成,道路,公園等の整備を行いました。神戸複合産業団地では,道路,公園,上下水道等の整備を行いました。  経理状況につきましては,後ほど,損益計算書によりご説明いたします。  122ページから127ページには,議会議決事項,行政官庁認可事項,職員に関する事項,料金その他供給条件の設定・変更に関する事項,建設工事の概況,業務量,事業収入及び事業費の対前年度比較,重要契約の要旨,企業債及び一時借入金の概況を掲げておりますので,ご参照ください。  128ページをお開きください。  平成18年度新都市整備事業損益計算書でございます。  営業収益は,土地売却収益で282億3,400万円,営業費用は,土地売却原価,一般管理費などで283億7,600万円でございます。また,営業外収益は,受取利息及配当金,雑収益で66億3,300万円,営業外費用は,雑支出で600万円でございます。この結果,当年度純利益は64億8,600万円となっております。  右のページには,剰余金計算書を掲げておりますので,ご参照ください。  130ページをお開きください。  剰余金処分計算書でございますが,この内容につきましては,後ほど第50号議案のところでご説明させていただきます。  右のページに参りまして,平成18年度末の新都市整備事業貸借対照表でございます。  資産の部は,土地や基金などの固定資産,未成土地などの土地造成勘定,現金預金,未収金などの流動資産で,資産合計は5,613億1,100万円でございます。  132ページをお開きください。  負債の部は,調整勘定などの固定負債と未払金などの流動負債で,負債合計は919億9,700万円,資本の部は,自己資本金,企業債,資本剰余金,利益剰余金で,資本合計は4,693億1,300万円でございます。  134ページから143ページには,収益費用明細書,固定資産明細書,企業債明細書を掲げておりますので,ご参照ください。  144ページをお開きください。  平成18年度新都市整備事業決算報告書でございます。  まず,収益的収入及び支出でございます。  収益的収入は,予算額284億3,300万円に対し,決算額合計は,右ページの上の表にありますように,348億8,200万円でございます。  次に,収益的支出は,右ページの下の表にありますように,予算額244億8,500万円に対し,決算額合計は284億3,100万円でございます。  なお,この明細は,152ページから157ページに掲げておりますので,ご参照ください。  146ページをお開きください。  資本的収入及び支出でございます。  資本的収入は,企業債,受託工事収入などで,右のページの上の表にありますように,予算額121億1,100万円に対し,決算額合計は89億8,600万円でございます。  次に,資本的支出は,建設改良費,投資,企業債償還金で,右ページの下の表にありますように,予算額422億6,000万円に対し,決算額合計は226億8,200万円でございます。また,翌年度繰越額20億6,300万円は,工程調整のため,平成19年度へ繰り越したものでございます。  なお,明細は,158ページから175ページに掲げておりますので,ご参照ください。  続きまして,第50号議案平成18年度神戸市新都市整備事業剰余金処分の件につきまして,ご説明申し上げます。  181ページをお開きください。  本件は,平成18年度末の未処分利益剰余金64億8,600万円のうち,減債積立金として63億8,600万円,建設改良積立金として1億円,合計64億8,600万円を処分しようとするもので,残額6万円は平成19年度へ繰り越そうとするものでございます。  以上で当局の説明を終わらせていただきます。何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。 4 ◯主査(金沢はるみ) 当局の説明は終わりました。
     引き続いて,順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,答弁は,適当なものについては担当部課長からも答弁されるよう,この際,特に申し上げておきます。  また,質疑者が要望にとどめた項目については,コメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは,西下委員,発言席へどうぞ。 5 ◯分科員(西下 勝) おはようございます。それでは早速ですが,まず最初に港湾事業についてでありますが,先ほど報告もありましたが,この間,スーパー中枢港湾の指定を受けてPC─18の整備等を進められて,先般,共同デポの供用開始がなされて,10月から12月まで24時間,社会実験が行われているというふうに聞いておるわけであります。  そこで決算でありますが,約70億の純利益を上げてまして,その中でも土地の売却というのが69億9,000万を占めておると,埠頭の使用料は中古車関連等によって1億少々ふえたという状況であります。累積欠損が302億ですし,不良債務も62億6,000万と,問題は,これをいかに減少させていくかというのが課題ではないかというふうに思います。  そこでお伺いをしますが,さきの本会議で副市長は,これらの対策として中国貨物の確保と,あるいは内航フィーダーの確保あるいは企業誘致の促進という3点を挙げられたと思います。このようなことは,今までも取り組んでこられたと私は思っておりまして,もっと緻密な対策が必要ではないのかと思いますが,この点いかがかお伺いをいたします。  それから,空きバースと呼んでいいかどうかわかりませんが,RCの1番,2番の公社バースは,この間,埠頭用地から物流機能用地等に変更をされてきたという経緯があって,また埠頭用地に再度戻しておられるわけですが,そういう中で,取扱貨物量が伸びてきたということで,埠頭用地に変えられたという経緯があるんですが,いまだに誘致ができてないというふうに思います。公社と振興協会が誘致に頑張るんだと,こういうふうに言われてきたと思いますけども,その後,取り組み,どうなっとるのかと,以上2点であります。  次に,アスベストに関連してでありますが,先日,アスベスト被害の健康管理手帳を持たれた港湾関係者の皆さんによって,いわゆるアスベスト港湾の被害者の会というのが結成されたというふうに聞いてます。神戸港でアスベスト荷役にかかわってこられた皆さんが,1つは全国港湾の労働組合,それから日本港運協会に対して,荷役作業に従事していた港湾労働者のアスベスト被害の実態調査をするようにと求められておりますが,こういう動きを当局は知っておられるのかどうか,これが1つ。2つ目は,アスベスト問題に関連して,これは基本的に労使間の問題やというふうに言われておりますから,しかし,局として,それでは労使間でどうぞというわけにはいかないというふうに思うわけで,実は全国的にはアスベストの,いわゆる労使の対策基金1億円が積まれたと,それで一応やろうというふうに対応されるというふうに聞いておりますが,この点での具体的な対応がどのようになされておるのか,お聞かせをいただきたいと思います。  次に,神戸港と市民経済の関係についてであります。この点については,1969年から'88年まで20年間については産業連関表に基づいて,ほぼ5年ごとに調査をしてきておったと思います。私,ちょうど20年前になりますが,この本を見せてもらって,入ったときでありましたが,神戸の港というのが市の経済に大きな影響を与えとるということを,素人でしたから,その本見て知ったわけでありますが,それから今日まで調査はなされていない。ただ,この間震災があったというのはあるわけでありますが,昨年の決算だったと思いますけども,我が会派がこの問題を質疑しておりますが,そのときの答弁は,平成15年の所得を対象に既に調査を進めておると,つまり平成18年,昨年度ですね,出すというような答弁をされておりましたが,これどうなっておるのかと,いまだできていないんではないかと思いますから,この点についてお伺いをいたします。  次に,日雇い派遣の問題についてであります。労働者派遣法は,危険を伴う港湾労働あるいは建設などの業務に労働者を派遣することを禁止をしておるわけであります。ところが神戸港と東京港でフルキャスト株式会社ですね,労働者を日雇い派遣をしておりました。これは法違反で,先日ですね,厚労省がフルキャストに業務停止命令を出したわけであります。労働者派遣法に違反した会社は処分,こういう形でフルキャストは受けたわけであります。ところが使うとった方は何ら公表もされないと,ペナルティーもないということであります。こういうような違法行為をやめさせるには,派遣元の企業というだけでなくて,実際に労働者を受け入れとった企業を規制するという必要があると思うんです。局として,このたびの実態をどのようにつかんでおられたのかという点をお伺いをいたします。職安の方からいろいろ出されておるということは知ってはおりますが,局としてですよ,お伺いをしておるわけであります。  次にアクセスでありますが,決算ベースで見たら,200人乗りの船に1便当たり14.2人と,ことしに入って,よう乗っとりますよ言うて表ももらいましたが,若干ふえて22人,1便当たりと。しかしこれでは48万人には到底届かんのじゃないかと,こういう状況が予想されたからこそ,私たちは中止を求めてきました。ところが当局は,運航の再開に際して,黒字が確保できると,前局長でしたか,おっしゃって再開を強行されました。その結果,今日どういう状況かというと,昨年度数カ月で3.7億──3.8億ですか,赤字を出したと,今年度はさらに赤字がふえるということが予測もされると。この問題点を指摘をしますと,PRが不足やったというふうに言われてきまして,今年度は局の会計から見ると2億3,000万入れると,さらにはアクセスに駐車場の管理,6カ所ですかね,やらせておるという状況,つまり援助がなされておると,年間20万そこそこしか乗ってない船にはこういう形で,赤字である局にもかかわらず援助をするということをやっていると。ところがその一方で,局は違いますが,バスで言えば年間8,300万人が乗ってますし,地下鉄で言えば1億1,000万人が乗ってます。そこで,約16万人が70歳以上の高齢者でありますが,喜んで利用しておる敬老パスについては財政難だと言って市民には負担を求めると,局は違うとしても,市民から見たらどうなっとるんかと,当たり前の感覚だというふうに思います。改めて,これ以上の赤字をふやさないためにも運航中止を求めますが,いかがか。  最後でありますが,空港の問題であります。  さきの本会議で副市長が,起債の償還について尋ねたところ,土地処分で返済すると,基本枠組みは変わってないと,そらそうだと思うんですが,財政計画の見直しも考えてないというふうに言われております。しかし,来年──再来年ですか,'09年度以降については2,000億の借金を返さないかんと,'09年度で言えば,265億返さないかんと,ところが売れた土地は開港時までに0.3ヘクタールの5億6,700万と,それからこの間のブライダルですかね,開港後で0.3ヘクタールで8億1,000万ということでありますから,これでは,とてもじゃないが返すめどがないというふうに思います。償還財源及び償還を今後どのようにされていくのかお伺いをいたします。  以上。 6 ◯山本みなと総局長 それでは,私の方から港湾事業会計に伴ってポートセールスをどうするのかというご質問だと思いますけども,それにお答えさせていただきまして,あと,参与,部課長からお答えしたいと思います。  ご承知のとおり,18年度決算は71億円の港湾会計としては黒字になっておるということでございますけれども,土地売却の特別利益あるいは支払利息の減などが主な要因であるというふうに私ども思っております。  過去を見ますと,平成15年には累損は410億あったと,これを私どもとしては何とか減らしていくための懸命な努力をしておるということはご理解いただきたいと思います。そのためには,やはり神戸港の要するに港勢の拡大を図っていくという形で,4年連続,世界の貨物流動もふえておりますので,コンテナ取扱量もふえておるわけでございますけれども,1つはスーパー中枢港湾──ハード面ではスーパー中枢港湾等整備をしておるということと,一開港化といった形で大阪港との連携と,あるいは広く入港料なんかは兵庫県あるいは大阪府とも取り組んでやってるということがあると思います。もう1つ,ご承知のとおり,3つの方策という形で中国貨物の誘致,それから企業誘致,また瀬戸内あるいは九州をターゲットにした貨物誘致をやっていきたいというふうに思っております。これは過去から言ってたかどうかはともかくとして,我々としましては,やはり中国貨物が非常な伸びを示しておると,特に上海は現在3位でございますけども,ことしは荷物取扱量が2,500万TEUぐらいまでいって,2位になるのじゃないかと,来年は1位になることが確定しておるみたいな形のことを言っておりますけれども,非常に大きな伸びを示しておると,この中国貨物,やはり神戸へできるだけ持ってきたいという形で,埠頭公社とも上海事務所をつくってやっておるわけでございます。  あと,内陸部を含めて神戸港の貨物が発生する企業を誘致していきたいと思っております。これは昨今ではご承知のとおり中古建機あるいは中古自動車等の企業が張りついておりますので,これもかなりコンテナを扱った貨物数もふえておりますので,そういったこともやっていきたいと。それとまた内航フィーダー貨物というのも,かつてご承知のとおり,震災で他港へ逃げたわけでございますけども,これは釜山も含めて,それをとにかく神戸へトランシップして集めてくるという形で,積みかえ貨物として我々としても誘致しておるわけでございまして,これもかつて神戸港にはなかったものでございますけれども──なかったというか,少なかったものでございますけれども,かなり伸びてきておる状況でございます。  そういったことを当然ターゲットにしてやってるわけでございますけれども,もちろん日ごろのポートセールスチームというのは,身近なところから小まめなセールスいうんですか,誘致をやっているわけでございまして,例えば神戸港を支える業界企業に対しまして,事業拡大に関する相談あるいは取引先への神戸港の説明要請あるいは貨物誘致の一環として,常にきめ細かく対応しておるという状況でございます。また,日ごろ,アンテナと言ったら何ですけれども,情報交換を密にしておりまして,例えば神戸港から貨物が流出したというようなことの情報が入れば,すぐ出向きまして,これは埠頭公社ともどもでございますけれども,その原因は何だろうということと,また対策はないかといったことを個別に協議しているところでございます。  かつて,適切な表現かわかりませんけれども,港湾管理者という名のもとに,ある程度,そういう管理権限に基づいてやってたかもわかりませんけれども,今はお客様という感覚で私もやっておりますので,できるだけ各荷主や船社を回りまして,ある面で何か宿題はないですかといったことも聞きながら,その宿題を解決しながら,神戸港の貨物をふやすといったこともやっておるという状況でございます。また,上海事務所も頑張っておりまして,現地の日系企業に対するセールスあるいはそういったこともやっておりますし,神戸倶楽部というのも立ち上げましたし,こういった,できるだけ荷主あるいは船社へ近づくいうんですかね,接した努力を積み重ねるということが大事だという認識をしております。  今後ともそういった方向のもと,足元も決しておろそかにすることなく,きっちり固めていきたいと思っております。きめ細かい対応を続けて,神戸港の貨物をふやし,累損の解消といったものに努めていきたいと考えております。  以上です。 7 ◯山野みなと総局参与 空港島の土地売却でございます。空港関連用地の処分促進に向けまして,都心に近い利便性,大きなマーケットを背後に控えた立地の優位性などをアピールしながら,積極的な誘致活動を展開しておるところでございます。このような中で,今年度から平成21年度末までの3年間,総合物流施設用地,小型航空機機能用地,処分緑地などを対象に分譲価格の引き下げ,分譲と定期借地の組み合わせなどのインセンティブ策を導入し,処分の促進に努めているところでございます。その結果,本年6月に集客施設の運営に伴うワールドブライダルの進出が決定して,先日,処分緑地1万1,700平米の分譲契約を締結したところでございます。この契約では,当初3,000平米を購入し,残り8,700平米についても,定期借地で使用しながら借地期間満了時点までに購入していただくことになっております。さらに,航空関連企業に対しまして,今回のインセンティブ策をダイレクトメール等を通じて積極的にPRするとともに,個別企業訪問など企業進出に向けた協議に力を入れているところでございます。  物流関連では,空港島が海・陸・空の交通アクセスに非常に恵まれた立地条件であり,かつ本年4月より旅客貨物のニーズが高い東京,新千歳,那覇の3路線において増便もなされており,航空貨物運送事業者をはじめとする物流事業者から物流倉庫や配送センター等の設置を検討したいとの声もいただいているところでございます。また,小型航空機関連では,昨年9月からCIQ──税関,出入国管理,検疫でございますが──の各機関の協力を得まして,出入国手続に伴う国際ビジネスジェットの受け入れを開始したことから,関西圏の経済活動の集積地に近接する立地条件を生かして小型機の運航支援事業を展開したいという企業がございます。このような企業の中には,幹部が空港島の視察に訪れたり,進出区画,面積規模,施設配置等について具体的な協議を進めている企業もあり,できるだけ早期に誘致につなげていきたいと考えてございます。今後ともエンタープライズプロモーションビューローを中心に全庁一丸となって企業誘致活動に取り組み,処分促進による起債償還の資金確保に努めてまいりたいと考えてございます。  以上です。 8 ◯大谷みなと総局経営企画部長 私の方からアスベスト問題,それと港湾事業者の派遣業問題,あわせまして最後にベイ・シャトルの3点につきましてお答え申し上げます。  まず,アスベストの件でございますけれども,委員ご指摘ございました全国的な調査の件でございますけれども,これにつきましては,業界団体の協力を得まして,国土交通省におかれまして調査やられまして,その結果につきましては,平成17年の8月に既に公表してるということでございます。先生ご指摘ございましたように,基本的にはこの問題につきましては使用者の責任ということでございますけれども,そういった中で,国の対応といたしましては,新しく厚生労働省におきまして,既に退職された労働者を対象に石綿業に従事した離職者に対する無料健康診断が実施されたところでございますし,一方,被害者に対し,迅速かつ安定した救済制度を実現するために,石綿による健康被害の救済に関する法律が施行されたところでございます。  そういった中で,健康の不安の対応につきましては,先ほど申し上げましたように,既に退職した労働者を対象に石綿業務に従事した離職者に対する特別健康診断を実施いたしまして,加えまして,今月の1日に労働安全衛生規則の一部改正によりまして,健康管理手帳の交付要件が新たに追加されまして,一定の石綿作業従事歴のある方につきましても,健康管理手帳の交付対象となり,さらに幅広く無料検診の機会が提供されることとなってございます。  一方,市の対応でございますけれども,神戸市におきましても,市民の不安を解消するために,17年の7月9日より各区におきまして健康相談窓口を設置して,市民からの相談,問い合わせに応じるとともに,必要な方につきましては,専門医療機関の受診勧奨等を行ってございます。また,住民健診における胸部エックス線検診及び肺がん検診を実施してございまして,健康不安のある方や,あるいはアスベストを扱う業務従事者のご家族の方を対象に広報こうべ等による検診受診のご案内等も行ってございます。  そのような中で,港湾管理者といたしまして,これらの国の新しい制度や神戸市における相談窓口あるいは検診制度を港湾の業界団体や労働組合に対しまして,その都度,一応いち早くお知らせしてきたところでございます。今後とも健康相談窓口でありますとか,検診に関する案内,周知をさらに徹底いたしまして,これらの制度を積極的に活用し,港湾労働者を含む市民の健康不安の解消に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  それと基金のお話がございましたですが,港湾石綿救済基金制度というのは,私どもの方もそういう労使交渉の結果,設けられるということは承知してございますが,具体的なその後の動きについては現段階では承知してございません。  続きまして派遣労働の問題でございますけれども,これにつきましては,港では,例えば税関とか運輸監理部とか海上保安部とか,こういう20を超える行政機関がそれぞれの役割分担によりまして業務を行ってございまして,そういった意味で,神戸市といたしましても,港湾管理者といたしまして,港湾法等に定める港湾施設の建設でありますとか管理運営あるいは船員,港湾労働者の福利厚生施設を設置・管理してるところでございます。  先生ご指摘のあった問題につきまして,少しだけこの制度についてご説明させていただきますと,港湾運送事業におきましては,事業活動の波動性が短期間で繰り返し生じることなど,ほかの産業と大きく異なった面を有してございまして,港湾運送に必要な労働力の確保あるいは港湾労働者の雇用の安定及び福祉の増進を図ること等を目的といたしまして,港湾労働法が定められております。そして神戸港では,その港湾労働法の適用港湾となっておりまして,その港湾労働法におきましては,港湾労働者雇用安定センターを通じまして,常用雇用する労働者を他の事業主の業務に従事させることを可能とする港湾労働者派遣制度が設けられているところでございます。  一方,いわゆる労働者派遣法が制定されたわけでございますけれども,一般的な業務につきましては,労働者派遣事業者が労働者を派遣することは可能になっておりますが,港湾運送業務につきましては,その業務の特殊性とか業務の波動性等にかんがみまして,港湾労働法におきまして,特別の雇用調整制度が設けられておりまして,労働力の需給調整は,その制度の適切な運用により対応すべきという観点から,労働者派遣事業は禁じられておるところでございます。  所管官庁は──港湾労働法を所管する所管官庁といたしましては,神戸公共職業安定所になるわけでございますけれども,そこでは,港湾雇用秩序の維持あるいは港湾労働者派遣事業の適正な運営を確保するために,適宜現場パトロールでありますとか,立入検査を行っているというふうに聞いてございます。そのような中で,ことしの8月に,神戸港に所在する事業者が港湾運送業務である沿岸作業に港湾労働者雇用安定センターへの港湾労働者のあっせん申し込み及び公共職業安定所への求人申し込みの港湾労働法に基づく所定の手続を行わずに,港湾労働への派遣が禁止されている一般労働者派遣企業から労働者を受け入れ,従事させたとして神戸公共職業安定所が港湾労働法違反として認定して厳重指導を行ったというふうに──そういった事案があるというふうに聞いてございます。  私どもといたしまして──港湾管理者といたしましては,新たに進出していただく企業につきましては,港湾労働法等の関係法令を遵守するように伝えておりますし,一方,先ほど申し上げましたように,神戸公共職業安定所におきましても,各進出企業とか既存の企業に対しまして随時啓発・指導等を行っているというふうに聞いてございます。  いずれにいたしましても,私ども立場といたしましては,神戸港の発展には安定した港湾の運営が必要でございまして,そのためには今後とも,例えば私ども持っているネットワークといたしましては,兵庫地方労働審議会港湾労働部会でありますとか,あるいは港湾雇用秩序連絡会議等における情報交換をはじめといたしまして,日ごろの連絡を密にいたしまして,情報の共有化を図り,港湾労働の雇用秩序の維持・啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。  それと,3点目にベイ・シャトルの件でございますが,先生,お話ございましたように,今年度に入りましてから,駐車場の無料化とかいろんな施策をやりましたことによりまして,一定の乗船客がふえてきてございまして,着実にそういった意味では利用客数は伸びてきてございます。これから秋の行楽シーズンを迎えるわけでございますけれども,こういったタイミングで,例えばこれからも神戸観光ウイークとかビエンナーレとかルミナリエとか,こういったイベントも神戸でもございますし,インバウンドとか日帰りでの観光客の誘致,こういったことも積極的に進めまして,引き続き利用促進に努めてまいりたいというふうに考えております。  そういった意味で,当面はとにかく48万人という──今年度は41万人でございますが,48万人という当初の目標の達成に向けまして利用促進に最大限の努力をいたしまして,それとあわせまして,いろんな経営改善を,経営の健全化を図りまして,海上アクセス社の経営を安定軌道に乗せることがとにかく最優先の課題というふうに考えてございまして,そういった意味で今後とも全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 9 ◯美濃みなと総局みなと振興部長 私の方からは,市民経済調査につきましてご回答を申し上げます。  神戸港と市民経済調査でございますが,平成17年度に神戸市の産業連関表が作成されたことに伴いまして,神戸港の市民経済に与える影響について,学識経験者等を交えた準備会を開催をいたしまして,そのご意見を踏まえながら,現在,最終の集計作業を行っているところでございます。推計に当たりましては,前回作成しました1988年,これは過去4回目の調査でございますけども,これから19年経過をしておる。その後の社会経済情勢とか,あるいは国内外における産業構造の変化あるいは特に神戸港の場合,平成7年の,委員ご指摘のように震災の影響もございました。また一方で市民が港に求める意識とか価値観の変化,それから市民に開かれた港としてウオーターフロントが注目されるなど,神戸港の機能と取り巻く環境というのが大きくさま変わりをしてございます。このため,前回と同様の調査方法では,現行の神戸港の経済状況,そういったものを正確に把握することが難しいということから,準備会におきましても,19年前の単なる物流機能面のみを対象とした調査方法を見直しまして,平成17年2月に策定されました,みなと神戸─いきいきプランに示されております物流ゾーンにおける対象産業,これをどのように設定をするのか,並びに親水ゾーン,こういったものをどのような形で取り組むのか,あるいは観光等の機能面から対象産業をどのように設定をするのか,あるいは調査手法の検討といったことについて新たなご意見をいただいたところでございます。  例えば物流ゾーンにおきましては,近年,規制緩和によりまして,港湾地区に進出をしてます中古自動車とか中古建機あるいはオークション,こういったものを港湾の既存産業の中にどのように追加をしていくのか,あるいは親水ゾーンにおきましては,小売業,飲食,宿泊業等設定をいたしますとともに,神戸港の観光という面から,その対象範囲をどのように検討し,設定をするのか。さらには基礎データの収集につきまして,前回は各企業に営業収入等の個別アンケートも実施をしたわけでございますけども,昨今,その個人情報の保護の観点等もありまして,任意のアンケートがなかなかとりにくいということもございまして,既存の指定統計資料を適切にどのように適用,対応していけばいいのかといった問題点も挙げられてございます。こういった意見を踏まえまして,年度末をめどに作業を進めてきたわけでございますけども,従前の調査資料を踏襲できないところも,また新たな分野も多いということで,現行の神戸港の実態をより客観的に反映させた結果が得られるように,その既存統計資料の収集あるいは検討,個別ヒアリング,こういったことを実施するといった形で改めて作業を行っておりまして,時間を要しとるというところでございます。  ただ,現在推計作業を進めておりまして,結果がまとまり次第,早急に学識経験者を中心とする外部委員で委員会を設定いたしまして,公開の場で改めてその結果についてご意見をいただいた上で,最終結果を報告させていただきたいというふうに思ってございます。  以上でございます。 10 ◯豊田みなと総局参事 六甲アイランドの1番,2番についてお答え申し上げます。  六甲アイランドのこの1番,2番につきましては,かつてコンテナターミナルとして供用しておったわけでございますけれども,その後,外貿の在来貨物を取り扱う公共埠頭と,さらにその背後の港湾関連用地というように土地利用の変更を行ってございました。ところが最近になりまて,神戸港の取扱コンテナ貨物,これが相当伸びてまいりまして,特に中国の貨物が大幅に増加してまいりましたし,また瀬戸内海ですとか九州北部の貨物も神戸港に戻ってくるなど,神戸港の貨物量増加がさらに見込めるというような状況になってございました。また,このような状況を踏まえまして,複数のユーザーからもバースを専用的に借り受けたいというような要望も出てまいりました。こういったことを受けまして,平成19年3月に,この六甲の1番,2番につきましては,以前の外貿の専用ターミナルの形に計画を変更したわけでございます。ここにつきましては,現在は暫定的な利用をしておるわけでございますけれども,ユーザーから専用的に利用したい旨の要望もございます。本格的な利用に向けまして,公社が中心になりまして,精力的に誘致に取り組んでいるところでございまして,できるだけ早期の利用の開始をしていただきたいというように考えております。  以上でございます。 11 ◯分科員(西下 勝) 今の話も含めてなんですが,今,豊田さん言われたのは,もともと変えたときから言われとったことで,それからちょっとできてないわけですから,ちょっと頑張ってもらわなあかん,要望ある,あるだけではちょっと困るかなと思うんですが,先ほど局長は,上海1位やいうて,もうちょっとけた違いますわね,神戸と,1けた違うというぐらいの差がついとるわけでありますが,このポートセールスでお客様に宿題ないですかいうて言われましたけど,それは例えではありますが,この視点はいかがなものかと私は思うんです。例えば,これは名前出すとぐあい悪いですが,ある港湾局長さんがこういうふうに書いておられますが,管理者として情報発信のサービスもあるんで,以前にポートセールスとは言いながらも,ただ名刺交換して,あとは雑談のみという熱意のない事例,セールスポイントの説明が不十分な事例もあるというふうに聞いたことありますが,どうなんですかいうて,ここの場合は対応されてきて,今結構ふえとんですよ,荷物。そら,1年2年やったからいうてふえるもんでないというのは私もようわかるわけでありますが,宿題いかがですかいうて言うたら,これと似たり寄ったりではないのかと思いますが,そういうのでいいのかなというふうに思います。  例えば私もこの間,東京も行きましたし,大阪も名古屋も行ってきましたが,東京はもう荷物いっぱい入ってきよると,だから,皆さん,深いな,深いないうて,18──こう言うてはりますが,東京,用地確保しとったって,まあまあ置いときますわと,荷物いっぱい入ってくるという態度であります。ゆったりとしてはると,ただし荷物はいっぱい来ると。大阪はどうかと見ると,今まで北米とかヨーロッパの基幹航路は,アライアンスが確立されたから,ここはそれ以上ふえへんやろというね,若干のそら変化はあるにしてもですね,そこで今ふやしとんのは,神戸も同様に言われてますが,中国,東南アジア,近海航路でポートセールスやって,具体的にどんな小さなところであったとしても行って取ってくるという緻密さが私はあると思うんです。よそのこと言うないうて嫌われるかもしれませんが,ほか知りませんから,大阪で言えばそういうことであります。  名古屋はどうかというと,私も行ってちょっと聞いてみましたら,組合の方でありましたが,労働組合じゃなくて行の方のですね。例えば非常に緻密なですね,ある港運関係あるいは生産関係の会社が新入社員の教育やると,そこへ参加させてくださいというて時間もろて,まあ言うたら,そこでポートセールスやると,何年か後にそういう人たちがそういうところへつけば頼ってくるということで,ただ単に名刺渡しとるだけ違うと,雑談しとるだけ違うというのがひしひしと感じられました。今,神戸とは性格が違うにしても,名古屋はぐっとふえてますよね。もちろん性格が違うのはようわかってますが,ポートセールス,荷の確保ということでいえば,そういう努力をやられておるということで,ちょっとお言葉を返すようではありますが,宿題程度の認識ではいかがなものかと思いますので,改めて,ちょっと違うますと,長いこと要りませんが,決意のほどはちょっとはっきりしてもらわないかんのではないか。  私,これは私見ですが,例えばフェリーが減りましたよね,減った中でフェリーが一番減っとると。そしたらね,そのフェリーは車だけ積んで運んどったわけではないと思うんです。そら,空の場合もあったかもしれませんが,そこには荷物積んできてますよね。そしたら淡路とか,あるいは四国やとか,姫路から岡山とか,あるいはその背後地等々ですね,いっぱい関連して──フェリーの関連しとった仕事というのはあると思うんですよ。そういうところ全部調査されて行かれてますか。例えばの例ですが,そこまでやる必要があると私は思いますが,いかがでしょうか。  それからPC─18は,24時間ということで社会実験やられとるようで,ちょっとお聞きをすると,もう既にこれ始まったんですね,1日から。休憩室がない,シャワー室がない,交通の便悪い,どないかならんのかという声を聞いてまして,これらへの対応どうされとんか,即改善を図ってほしいと思いますが,これは簡単にお答えをいただきたいと思います。  それからアスベストでありますが,10月1日から変わったと,それはそうなんですが,これ,かなり大きな変化なんですよね。例えば今までは,我々も国会でこれずっと取り上げてきとったわけでありますが,吹きつけ作業などの高濃度のアスベスト作業に1年以上従事した経験があると,あるいは粉じん浴びて10年以上とかいうことやとか,それからアスベスト関連業務に10年以上従事しとった人は,ある意味では無条件でというかね,健康管理手帳が交付されると,無料の検診受けられると,こういうことがですね,これ1日からですよ,PRされてないんですわ。業の人に聞いたら,いや,知らんという人,私がたまたま聞いたとこだけかもしれませんが,そういう状況を改善する役割を担っていただくのが皆さんではないかというふうに思うんですよ。ですから,そういうところですね,これはもう要望というか,努力を求めておきたいと思うんですが,ぜひ,行政としてやるべきそういう仕事をやっていただきたいということを言っておきます。  それから市民経済ですね,いろいろ言われます。これなんですよね,このパンフ,もう持ってはらへん方の方が多いと,私,たまたま18年前,これ,1988年,私が入った明くる年でありますが,これで港湾のこと勉強させてもらいました。たまたま,これずっと,バイブルとまで言わんけど,持ってました。ところが20年やってないと,いろいろ言われますけど,やってないんですよ,結局。この当時から,ずっと5年置きに連関表使うてやってきてましたやん,諸条件は違うと,そらわかりますわ。それでもですね,何でできへんのかと,いつ,せめて今年度いうて言うてもらえるか思ったら早急にと,その答えはあかん。年度中に出すなら出すという答え,ちょっとはっきり言うてもらわな,去年と同じ答えじゃないですか,いろいろ諸表が変わってたとしても,何やっとったんかということになりますので,ちょっといつ出すか,簡明にお答えをいただきたいと思います。  それから,余り時間ないから,派遣問題でありますが,職安がこれ勧告して,次何やったかな,さらに何かやる言うてますわね──勧告したと,次は告発するというとこまで一応いきよんですよ。しかし企業名は公開されてませんよね,今回でもマスコミ出ましたけど,若干。フルキャストは,この神戸の港は出なかったんですわ。私知ってますけど,あえて言いませんが,鴻池グループのある企業だそうでありますが,これではいかがなものかと思うんですわ。普通なら港湾で言えば,日給が1万5,000円から2万4,000円と,派遣使ったら6,000円やということでしょう。だから,業の方も法違反知りながら,ついやってしもたということではないかというふうに思いますが,これではやっぱりぐあい悪いんですわ。そんなことやるんやったら,やっぱり規制をしてペナルティー,公表すると,名前も含めて──いうぐらいのことはやらないかんの違うかと,今後──今回は新聞にも大きく出ましたから,すぐに同じようなことが起こるとは限らんわけでありますが,スパ中やって,リードタイムを短縮してコストダウンやいうて言うとるときに,例えば,今回こういう形で,まあ言うたら派遣使って安うやっとると,それで皆さんええなんて思われとったら,えらいことやと私は思うんですよ。だから,そういうことのないように,きちっとペナルティー等を与えるなどの規制をすべきだというふうに思いますが,これ,皆さんだけに求めてもなかなか無理なとこがありますから,行政としてそういう対応をしていただくように求めておきます。  それからアクセス…… 12 ◯主査(金沢はるみ) 残り時間があと3分切れました。 13 ◯分科員(西下 勝) はい,駐車料の無料その他やられてきましたが,300億超える赤字が港湾としては抱えておると,アクセスは163億赤字抱えとると,そこに駐車場6カ所ですか,実は行財の審査で一昨日やったと思うんですが,アクセスに駐車場として随契をしたと,この問題,ただしとんですが,そのときに行財局は,附帯決議で累積債務を解消するように言われとるからやりましたいうて答えとるようです。附帯決議に基づいて皆さん,やられたんかどうか,お答えください。  以上。 14 ◯主査(金沢はるみ) 残り時間が少々ですので,よろしくお願いします。 15 ◯山本みなと総局長 何か私の申し上げた宿題という言葉が気に入らなかったようで,もしそれが気に入らなかったら,宿題じゃなしに要望,要求,そういったものと考えていただきたいと思います。私どもは必死になってポートセールスをやっておると,何も名刺を置いて宿題おまへんかと,そういう形で行っとるんやないということでご理解いただきたいと思います。例えば埠頭用地を使用したいと,あるいは公共バースを使用したいと,そこに荷物があったら,それどけれないかというような形で宿題,要望いただいて帰ってきて,毎日毎日協議しておるという段階でございます。また,フェリーの貨物も逃げれば,民間の方もポートセールスに入っていただいてますので,何かいい方法はないか,なぜだろうという形で現地へ行って議論しますし,また,いろんな話も聞いておるという形でございますので,さぼってはないという形でご理解いただきたいと思います。  それと海上アクセスでございますけども,附帯事業でございますが,これはそういう市会の議決をいただいてるという形と,もう1つはアクセス社は駐車場事業のノウハウを持っておるという観点,そういった観点から取り組んでおるわけでございまして,私どもとしましては,今後も収支改善のために附帯事業をさせていきたいというふうに考えております。  以上です。 16 ◯大谷みなと総局経営企画部長 アスベストの件でございますけれども,これは業界とか組合サイドの方も既にパンフレットを配布してございまして,まだ十分浸透してないようでしたら,そういうことを引き続き,そういった意味で先生がおっしゃったようなことを踏まえまして,いろいろやっていきたいというふうに考えております。  それと,派遣の話でございますけれども,これにつきましては,所管官庁が違うという限界がございまして,神戸市としては,先ほど申し上げましたように,できるだけ,そういう意味では業界の方に理解してもらうという形での周知・PR,こういったことを中心に連携しながらやれることはやっていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 17 ◯美濃みなと総局みなと振興部長 経済調査の時期でございますけれども,作業的なものはおおむ最終段階を迎えてございまして,できれば,先ほど言いましたような委員会,早急に,例えば来月中ぐらいにも委員会を立ち上げまして,その場で各委員の先生のご意見にもよりますけれども,年内を目標に最終的な報告ができればというふうに思ってございます。  以上でございます。 18 ◯分科員(西下 勝) 終わります。 19 ◯主査(金沢はるみ) 次に,坊委員,発言席へどうぞ。 20 ◯分科員(坊 やすなが) 自民党の坊です。どうぞよろしくお願いします。  港について,私も非常に思い入れが強くて,久しぶりに質問をさせていただくわけでございますが,基本的には,神戸市は人口の規模の割には予算規模が非常に大きかったということは,やはり港から上がってくる利潤でインフラ整備やら,いろんなことを行ってきていただいたというふうに思ってます。特に私は北神に住んでおりますので,開発が非常におくれた地域でありましたんで,そういうところでもインフラ整備をしっかり,神戸市の私どもの周辺の市町村に比べると,すごい早目に水道をつけていただいたり,道路がきれいになったりということであったんで,特に港には感謝をせなあかん地域かなというふうに思ってます。そういった意味で関心を持って少し勉強させていただいておるところでございます。  その中で,港が昔は震災前で世界で6位,そしてアジアのハブ港として役割を担ってきた。そのころは非常に勢いがよかったわけでございますが,現在では,日本のハブ港としての地位も外れ,そして西日本のハブ港として生き残りをかけた状況にあるというふうに聞いております。  18年度決算によると,コンテナ貨物については4年連続の増加で,震災後最高の241万TEUということでありますけれども,この状況は少し喜ばしいことであります。このまま神戸港は回復基調を続けていってくれればというふうに,同じ思いで私もおるわけでございますが,こういう競争の時代に入ったわけでございまして,港だけじゃなしに,世の中が市場主義ということに入ったわけでございますんで,やはり神戸港もですね,1つの企業として神戸市がとらえていただいて,現状を冷静に分析し,きっちりとした戦略と将来的な見通しを持って取り組んでいってもらうことがやはり重要やというふうに思っております。  そこで,外貿貨物については4年連続,内貿貨物については3年連続で増加し,平成18年における総取扱コンテナ数は241万TEU,先ほども言いましたが,非常に伸びてきております。今後もさらに港勢拡大が期待できるというふうなことを言っておられるわけでございますが,ここ数年の伸びについては,5大港のうちでも他港に比べて非常に下位,低かったわけでございます。しかし,この18年度はコンテナ数の伸びは横浜,名古屋に次いで3番目というふうに急に伸びたわけでございますが,これまでの低迷をしていた──伸び率が低迷していた原因,そして,なぜ18年度は大きく伸びたのかということを内的要因・外的要因をどう分析しておられるのか,また神戸市が行ったどの政策が最も有効であったか,また今後の港勢を伸ばすために神戸市としてどのような具体策を打っていくのか,伺いたいと思います。また,神戸港の強みなり弱みなり,どう把握しているのか,あわせてお伺いをしたいというふうに思います。  次に集荷対策であります。みなと神戸─いきいきプランにおいては,西日本のハブ港を目指すと,先ほども言いましたが,打ち出されております。西日本のハブ港を目指すということであれば,やはり内貿・内航フィーダーを重要視しないとあきませんし,特に九州・四国,少なくとも広島以東の瀬戸内の貨物はすべて神戸が取るというふうなぐらいの思いがないといけないというふうに思います。その中で,瀬戸内の荷主に対して今以上──今もされておるわけでございますが,今以上の魅力ある条件を提示して,思い切った施策が必要やと思います。例えばPC─16バースの内航フィーダーバース化や,それを利用する船社への優遇料金の設定を含めたバースの配置を工夫することや,特に広島以東からの荷物に対するインセンティブを拡充するなど抜本的な策は講じられないのか,お伺いをしたいと思います。  次に多様な貨物への対応についてでありますけれども,博多港では上海との距離の優位性を生かして市の職員が中心となり,コストは飛行機の3分の1,スピードはコンテナ船の倍近い上海エクスプレスを就航させ,JR貨物と連携をして小口荷物を1日で上海に運ぶという自港の優位性を生かした政策が行われておりまして,博多港を利用しないと仕方がないという荷物をしっかりと集めて,港勢に大きなインパクトを与えてられるわけでございますが,従来から神戸港は在来貨物を多く扱ってきております。神戸港の優位性の1つには,他港にない港湾技術力を有しているという点であると私は認識しておりますけれども,そこで例えば在来貨物とコンテナ貨物とを混載できるような工夫をし,JR貨物と小口貨物の取り扱いについてもスピード化を図れるように考えられないのかということをお伺いしたいと思います。また,上海エクスプレスのように新しいビジネスモデルを発掘するために,民間の力をやはりかりるということが大事やと思っておりまして,神戸港の強みを生かしたニュービジネスモデルコンテストとか,そういったものを企画して,優秀なビジネスモデルには優遇措置を図る等,いろんな仕掛けをしていっていただくことが大事だと思っておりますが,この点についてどう思われるか,お伺いをしたいと思います。  次に創荷対策であります。ポートセールスにおいて,先ほども出ておりましたけれども,基幹航路を生かすための内貿貨物の集積,荷物を創出する企業の誘致,中国貨物の誘致と,この3つの戦略で取り組まれておるわけでございますが,最終的には,企業誘致においても神戸から荷を発生させる企業や,あるいは神戸港の後背圏で消費される貨物を安定的に取り扱う荷主などを誘致する必要があると思っております。これまでに当局は中古車や中古建機を扱う業者を誘致し,港に人・物・情報・金を集める施策を行い,成功をおさめていることは大いに評価ができるところでありますけれども,今後も力を合わせてよいアイデアを出し,さらに効果を上げてもらいたいというふうに思っております。  一方で長期的には神戸港で起業する人たちを発掘し,強力に支援し,徐々に産業を集積させていくということが大事やと思っておりますが,そのためにも誘致企業の絞り込みと優良企業の選択が最も重要と考えておりますが,この点についてどう取り組んでおられるのか,お伺いをしたいというふうに思います。  次に人材・技能の育成についてであります。また,これから施策を成功させるには,過去からの神戸市の強みである港湾技術を生かすための人材育成が重要やというふうに私は思っております。今,神戸港ではコンテナ化や,震災によって,たくみとも言える技術者が少なくなり,将来的に神戸港の技術力保持が心配をされているところでありますけれども,現在,当局は港湾労働者教育訓練事業への助成を行っているということであります。神戸港の宝とも言うべき技術を持った人材を生かし,将来にわたって技術力の保持をするためには,助成という立場ではなく,当局が中心になり,港湾カレッジや災害防止協会等の外部団体と連携をした効率的な港湾労働者育成システムの構築をすべきであって,例えば現在使用されていないガントリークレーンを活用するなど,神戸港がこれまで蓄積してきた港湾技術の伝承に資するような技能育成を図っていくべきではないかというふうに思いますが,どのようにお考えか,お伺いします。  次に港の効率化でありますけれども,今の説明などを聞いておりまして──これまでの説明を聞いておりましても,神戸港の港勢回復の取り組みについては,これまでいろいろ聞いてきておりますけれども,少し感想を言いますとですね,もう少し積極的に腹をくくって頑張ってほしいなというふうな思いを持っております。やっぱりそのためにも,もう少し思い切った抜本策を講じていかないと,やはり神戸港はこれから港勢を回復していくという意味では,少ししんどいのかなというふうに思います。例えば港湾管理にしても,神戸市と神戸の埠頭公社との二元管理になっているという点があります。国の方でも民営化に向けた意見を出しておるわけでございますけれども,例えば横浜港では公共バースと埠頭公社のバースを埠頭公社に一元化してコスト削減を図ろうというふうなこともしておりますし,また大阪港でも公社の民営化の方針を打ち出しております。  公社に管理を集中していくという方向で他港は動いておるわけでございますけれども,神戸港においても,埠頭公社を民営化し,市の管理部門を集約するなど抜本的な見直しを行い,神戸港は本気でやっているというところを,姿勢を見せていくことがまず必要じゃないかというふうに思っております。神戸港として関西のハブ港としてしっかりと位置を築いていただくためにも,この民営化というのも大切な1つの政策じゃないかなと思いますが,どのようにお考えか,お伺いをしたいというふうに思います。  次に新都市の関係ですけれども,ポートアイランドの2期は企業進出が進んでおりまして,特に製造工場用地への進出が進んだため,現場でも建設が盛んに行われていると,よく目にするわけでございますけども,18年度の新都市整備会計事業において,決算においても土地売却益の伸びに産業団地の処分,とりわけポーアイ2期の土地処分の伸びが寄与したというふうに説明がありました。ただ立地が進み,残りの土地が少なくなってきている中で,地価の上昇傾向も明らかになってきておるわけでございまして,今後の企業誘致の方策については,現在の経済情勢と残りのまちづくりも考慮をしていただいて,この時期に一定の検討が必要じゃないかなというふうに思っております。  そこで2点お伺いします。インセンティブ制度でありますけれども,企業進出の促進のためには,分譲価格を最大5割引きということでインセンティブ制度を適用して企業誘致のスピードアップを図ってこられたことについては,この決算を見ても,やはり一定の成果があったというふうに感じることができます。当局としても,今までのこの成果についてどのように分析し,評価をされているか,お伺いをしたいことと,そして今までの──今後ですね,ある程度の強気の企業誘致というものの展開ができるのではないかというふうな思いがしております。現在は分譲価格を上昇させる,私は好機だというふうに思っておりまして,価格上昇を打ち出すことで,この地域の土地も魅力があるんだということで評価が上がっていくというPRにもつながるというふうに思っておりまして,強気の価格設定をそろそろ行っていくべきだと思っておりますが,どう思われますか,お伺いしたいと思います。  一方,ターゲットとする企業についてもですね,もっと絞り込んでいく必要があるというふうに思っております。先ほども言いましたけれども,港の荷物を発生する企業であるとか,そういった優良企業に絞り込んでいくことが大事じゃないかというふうに思っております。先ほども言いましたが,もう残り少ない用地になってきておりますので,特に優良な部分だけを選んでいくというふうなことがいいと思いますが,どのようにお考えか,お伺いをします。  それから企業進出後の総合調整についてでありますけれども,企業が張りついてきますと,その中からやっぱり出ていく企業もあるわけでございまして,これはもう資本主義の経済の中では仕方のないことであります。さまざまな要因によって一定の退去率はこれ絶対に避けられないもので,ある程度仕方のないかもしれませんけれども,まちづくりの観点からは,地域の活性化を鈍らせないという意味でも,できるだけ早く次の企業の進出を決定させるということが大切じゃないかなというふうに思っております。売却したらそれで終わりということではなくて,神戸市としても進出企業の動向に常に注視をし,退去等の可能性が生じましたら,すぐに必要な調整や情報提供を行うなど,できるだけ速やかに次の事業者が決まるような努力を行うべきじゃないかと思いますが,どのようにお考えかお伺いします。  以上です。 21 ◯山本みなと総局長 それでは,私の方から,神戸港の241万TEUという形で伸びてきておるが,どのような分析をしておるのかという点と,内貿貨物の誘致につきましてと,それと公社民営化と企業誘致のインセンティブについてお答え申し上げまして,あとは部課長からお答え申し上げたいと思います。  まず初めに,ご指摘のとおり,神戸港の18年度のコンテナ取扱個数は,やはり中国を中心に世界的な景気がやっぱり上昇基調にある。そういった中で,4年連続増加しまして,外貿で198万TEUという形で,対前年度比で5.3%増という形で,内貿で43万TEUという形で,対前年度比で13.4%増という形で,合わせまして241万TEUということでございます。震災後最高の取り扱いになったということでございます。  貨物の増加率でございますけども,ご指摘のとおり,17年度までは5大港の中で最下位という形で,昨年は3位になったわけでございますけども,5大港全体の傾向を見ますと,やはり輸入超過港である東京・大阪港はですね,14・15年は貨物の増加率が1位と2位だったと,これは大阪,東京はやはり輸入が多いという形で1位,2位であったと,輸出が多い港ということでは横浜と神戸ということになるんですけれども,それぞれ4位,5位ということでございました。昨年はこの状況が逆転しまして,東京,大阪が4位,5位と,横浜1位で神戸は3位でございますけれども,そんな形になっておるということでございます。  この外的要因としましては,ここ数年,中国から衣料や日用雑貨品等の輸入貨物が大幅に増加していったと,これは巨大消費地を抱えるやっぱり東京港とか大阪港の取扱貨物が増加していったということでございますけども,昨年あたりから,どうもそういった形が一服しまして,むしろ世界的な景気上昇傾向を受け,海外の市場や工場向けの輸出貨物が増加したということが起因してるということで私も考えております。  また内的要因としましてはですね,内航フィーダー網を活用した瀬戸内貨物あるいは九州地域の貨物を誘致したということと,中国貨物についても数年頑張っておると,誘致に頑張っておるということでございます。それと海上貨物を発生させる企業の誘致という形で,先ほども申しました3本柱を基本戦略に位置づけて,市,公社,ポートセールスチームを中心に民間事業者とも協力しながら誘致活動,インセンティブも含めまして実施してきた結果,徐々にではあるが,その効果が出てきたのかなというふうに考えてます。  特に貢献した市の施策はということでございますけれども,やはりなかなか難しいんでございますけども,実際に増加している貨物から考えますと,港湾関連用地の進出条件緩和による中古自動車,中古建機関係事業者などの誘致,荷主等への企業訪問などの地道なポートセールス活動,内航フィーダーの外貿バースへの直着け,そういったものを推進したことがやはり効果的だったのかなというふうに思っております。  今後,一層港勢を伸ばすためにこういった基本戦略に基づいた誘致活動を展開していきますけれども,さらに企業訪問や情報活動を通じまして,新たな増加が見込める貨物を調査してまいりたいと思ってます。例えば日系企業が海外進出とか,製品輸出にかわる現地組立工場向けの基幹部品,これはご承知のとおり,薄型テレビのパネルとか,あるいは自動車・船舶の精密部品と,そういったものがございますし,あるいは衣料品等の化学繊維と,こんなものもあるんではないかと思っております。また神戸の背後圏から発生する重量物,特殊貨物,化学品などの特殊な設備,荷役技術等が要求される貨物,これは神戸がある面で得意な分野でございまして,そういった技術を生かしていけたらなと思っております。そういったものも焦点を当てたいと思ってます。  神戸港の強みなり弱みをどう把握してるかというご質問でございますけども,弱みになって強みになるのは,神戸の背後にある港湾関連用地や複合産業団地がまだ,要するにそういう土地があいておるということが弱みであるし,また,そこへ港湾の荷物を発生させる企業を誘致できるということは,ある面では強みかもわかりません。そういった形で海上貨物を発生する企業誘致に今後も努めていきたいと思っています。  強みになるということであれば,国際定期航路網,これは130余りの国々と500余りの港と結ばれておるという形で,私どもは1つの神戸港の特色かと思ってます。また港湾施設もいろんな貨物に対応できるということでございますし,内航フィーダー網やフェリー網と,それと道路アクセス,これも高速道路網をはじめ,かなり充実しておるんではないかと思っております。また,荷役・こん包技術といったものもすぐれておるというふうに思ってます。こういったものを内外の船社や荷主にPRして貨物の誘致につなげていきたいと思っています。また,短期的ではございますけども,やはり中国貨物ということが今非常に大きく伸びておりますので,それに焦点を当て,上海事務所とも連携しながら,引き続き積極的なセールスを展開していきたいと思っております。  あと,これとあわせまして内貿貨物の施策が必要ではないかというご質問がございました。PC─16バースに内航フィーダーバース化をやってはどうかということでございますけども,神戸は震災前ですね,東アジアのハブ港の地位にあったということでございますけども,震災を契機に国際トランシップ貨物が釜山とか高雄へ流れていったということでございますけれども,同時に九州とか瀬戸内の貨物も釜山へ流れたということが私どもとしましても認識しておるところでございます。その後,中国と,急速にコンテナ港が整備されましたことから,正直申し上げて,以前のように国際トランシップ貨物を神戸に誘致するという形は非常に困難になってるというふうに思ってます。瀬戸内・九州の貨物については,トランシップ貨物という形でPR,セミナーなんかやりましたり,荷主に個別訪問したりしてます。また,インセンティブやモーダルシフトの補助制度,トラックで運んでいたのを船で運ぶということが環境にも優しいという形でそういった補助制度を実施してますし,外貿バースの直着けの促進といったものもやっております。
     ポートセールスを積極的に実施し,貨物誘致を図ってきた結果,もちろん景気回復という追い風もございますけれども,内貿貨物については,先ほど申し上げましたように,43万TEUという形で伸びておるという形のものになっております。  瀬戸内・九州の港が釜山港と神戸港を比較した場合,広島以東もやれということでございますけども,広島港が分岐点だという形で,どうもそういうぐあいに言われております。ちょっと根拠については私どもわかりませんけれども,広島港が分岐点であると,神戸港は西日本のハブ港を目指していくためには,広島以東もぜひとも神戸港に接続させていく必要があると認識しております。このあたり,私ども心して韓国フィーダーというものの港勢も強いと思いますので,さらなる努力をしていきたいと思っております。  そういったことは私どもも内航船社も認識しておりまして,今月内に内航船社あるいは神戸市,そういったものから成る神戸港内航フィーダー協議会と,これはまだ仮称でございますけれども,それを立ち上げて事業者のニーズを把握して瀬戸内からの貨物をもっと神戸に集めると,そしてそれを持続させていくということにはどういった工夫が要るのか,効果的なのかといったことをちょっと検討会を設けたいと思っております。その中で内・外貿バースの一体利用やバースレイアウトのあり方,あるいは長期的な港湾の基本的なあり方も含めて,ちょっと足腰の強化を図るような議論をしてまいりたいと思っております。議論して,やれることは実行していきたいと思っております。  例として挙げられた16でございますけども,PC─16につきましては,公社が外貿埠頭として建設したバースということでございますが,内航船の直着けができるということでございますので,ご理解いただきたいと思います。  あと,埠頭公社の民営化について,やっぱり思い切った施策でやるべきではないかということでのご質問でございますけども,国土交通省──国でございますけれども,港湾の国際競争力を強化するために埠頭公社のあり方につきまして,民営化も選択肢の1つとして提示しておるところでございます。18年10月には特定外貿埠頭の管理運営に関する法律が施行され,外貿埠頭の管理運営者に財団法人──今,埠頭公社は財団法人でございますけども──に加えまして,港湾管理者が株式の2分の1以上を保有する株式会社も認められたということでございます。さらに国につきまして,18年度に民営会社の固定資産税の減免とか登録免許税の減免,不動産取得税を非課税とするという形で,ちょっとした支援措置を実施しておるということでございますけども,ただ,公益法人制度改革によりまして,公益法人改革3法が18年5月に成立して20年度中に施行されるという形で,ちょっと法人税がどうなるかということはまだちょっと決まってませんけれども,そういった動きもございます。  こんな中で,先生ご指摘のとおり,東京港は20年4月に埠頭公社民営化ということをやりまして,他の臨海地域の監理団体とあわせて子会社化することを決定したということでございます。それと,大阪港では19年度中に埠頭公社の民営化について方針を決定するという形で,私も聞いてますのは,埠頭公社の民営化について──民営化するというんじゃなくて,民営化するかどうかの方針を決定するというふうに聞いております。横浜港では,ご承知のとおり,公共コンテナターミナルについて一元管理という形で,これは公社ターミナルと公共ターミナルが隣接してあったということと,大体神戸と違って半分半分であったというふうな形で,一元化した方がより効率的だろうという形でやっておられると聞いております。  神戸港でございますけれども,ご承知のとおり,外貿コンテナについては9割を超える貨物量が既に公社バースで取り扱われてるという形で,我々がどう見るかということでございますけども,ある程度公社にですね,私としましては,外貿貨物については一元的なことでお任せしてるかなと思っております。ただ,そうではなしに公社民営化ということでございますけども,先ほど申し上げましたように,公益法人改革による税制動向といった形で思っておりますし,どのような対策が必要なのか,非常に多額の累積債務というものも──多額の債務を抱えておりますので,そういった形で考えていく必要があるなと思っております。私どもとしましては,今の時点では,埠頭公社が抱える多額の債務についてどのような対策を講じていくべきかという形で,まず初めにやはり債務の方向をどうするのかという形で検討してるところでございます。これは市と公社含めて検討しているところでございます。ただ,債務額が大き過ぎて,それを検討するにはやはり一定の時間が必要かなというふうに考えております。  それと企業誘致でございますが,ポートアイランド2期でございますが,ポートアイランド第2期の民間企業への分譲実績は,平成7年度から16年度までの10年間で18件の5.7ヘクタールということでございます。17年度からエンタープライズプロモーションビューローをつくりまして,インセンティブ制度を導入したということでございますが,分譲促進制度をもちまして,17・18年度の2年間で24件,8.5ヘクタールという形で,今年度9月末までには18件,9.8ヘクタールと,今年度もかなり伸びておりますので,飛躍的に伸びておるというふうに思ってます。立地していただいた企業数も,借地を含め,16年度以前は38社ということでございますけども,17年度以降は66社という形で,非常に効果があった制度かなと思っています。ポートアイランド2期では,短期的に一定の企業集積を図ることができたというふうに思っております。空港の開港,ポートライナーの開業も手伝って,不動産としての価値についても非常に高い評価を得ており,分譲促進制度は企業誘致,企業集積によるまちの魅力アップにも一定の効果を発揮しているというふうに考えております。  強気の価格ということでございますけれども,ご指摘の価格設定につきましては,やはりこういった最近の景気の動向あるいは地価の動向あるいは企業の張りつき状況を見ますと,この好機を逃さずに,製造工場用地と業務施設用地については最大5割引きの割引幅を最大4割引きとする形で見直していきたいというふうに考えております。具体的に見直し後の割引価格は最大割引額を4割引きとし,製造工場用地,これは従前,平米当たり10万8,000円ということでございますけども,12万8,400円という形にしたいと思っておりますし,業務施設用地は21万円,平米当たり,従前は17万5,000円ということでございますけれども。ただ,スポ・レク緑地につきましては,5割引きを来春まで継続していきたいと思っております。  それと,今後どういった企業をターゲットにするのかというご質問でございましたですけれども,ご承知のとおり,本年3月に立地が決定した世界最速の次世代スーパーコンピューターを新たな起爆剤としましてスパコンに関連する研究機関,民間企業の誘致をですね,これは医療関連産業に加えまして積極的に誘致していきたいと思ってます。  先生の方から港湾の貨物を発生さす企業というご質問がございましたですけども,港湾関連用地,まだあいておりますので,そこにはご承知のとおり,港の貨物を発生させる企業を,これも鋭意誘致していきたいというふうに考えております。  私の方からは以上でございます。 22 ◯大谷みなと総局経営企画部長 それでは,私の方から人材・技能育成につきましてお答え申し上げます。  神戸港では長年の実績と経験で培われた高度な荷役作業が提供されておりまして,多くの荷主さんから高い信頼・評価を得ているところでございます。将来にわたりまして,神戸港の発展のためには,先ほど来先生ご指摘のように,このような高度な荷役作業の技術が次世代へ確実に受け継がれることが非常に重要であるというふうに考えてございます。  そういったことで,神戸港で具体的にどういう取り組みを現在してるかということなんですが,そういった取り組みにつきまして幾つかあるわけでございますが,まず1つ目でございますが,独立行政法人雇用・能力開発機構によりまして,高卒以上の人を対象に港湾・物流業界の新しい時代を担う高度な知識・技能を兼ね備えた実践技術者の育成を目的といたしまして,港湾職業能力開発短期大学校神戸校が開校されております。同校は,国内では横浜と神戸にしかないということでございまして,同校におきましては,新しい世代の人材育成だけじゃなくて,事業主みずからが雇用されておられます労働者に対しまして実施されております職業能力開発に対しまして,例えば講師の派遣でありますとか施設整備の貸与とか,こういった援助を行ってるところでございます。  それと2点目に,これは先ほど先生ご指摘ございましたけれども,在職港湾労働者の技術・知識の開発と向上を目標にいたしまして,神戸市とか兵庫県とかの支援協力のもとで,兵庫県港運協会あるいは神戸海運貨物取扱業組合,兵庫県倉庫協会など港湾関係の企業・団体によりまして,神戸港湾教育訓練協会が設置されてございまして,こういった中で,クレーンとかフォークリフト等々の港湾運送業務に必要な免許・資格を取得いたしまして,技術向上を図るための技能講習等が行われてございます。神戸市におきましても,そういった技術の向上を目的に助成を行ってるところでございますが,こういった技術・技能講習の中には,長年神戸港で働いてこられた熟練した技能を持つOBの方々が講師を務めておられるものもございまして,実際に現場で培った技術を次世代に引き継いでいるところではないかというふうに考えてございます。  今後とも神戸港の高度な荷役作業の技術が次世代へ受け継がれますように,神戸港湾教育訓練協会等の活動を支援していきますとともに,企業誘致活動でありますとかポートセールス,こういったところにおきましても,神戸港が長年の実績と経験で培われた高度な荷役作業が提供できる港湾であるというふうなことを売りといたしまして,こういったことをPRしていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 23 ◯岡田みなと総局参事 私の方から,創荷対策に係る企業誘致と,それからポートアイランド第2期におけます企業進出後の動向把握,総合調整等,この2点について申し上げたいと思います。  先生からご指摘をいただきましたように,神戸港では中古建機,中古自動車ということでかなり集積をしております。若干ご紹介申し上げますと,これにつきましては,平成9年,震災後に神戸港の港湾関連用地の進出要件の緩和を──規制緩和を行いまして,それによりまして荷主企業が直接進出できるようになったということで展開をしてきております。その結果,新港東ふ頭や摩耶ふ頭,ポートアイランドを中心にしまして中古自動車のオークション会場,それからポートアイランド,六甲アイランドを中心にいたしまして中古建設機械のオークション会場の進出に結びついたところでございます。特にオークション会場の開設によりまして,その周辺にこのオークションにかけられた商品を輸出する企業と,こういうものを張りつきを始めていただいておりまして,神戸港から輸出するために新規の航路もふえてきたところでございます。また最近では,中古自動車がコンテナに積み込まれて輸出をされるという技術も開発されてきておりまして,コンテナ貨物という面での増加というカウントもされるようになってきております。その結果ですね,神戸港から輸出される中古自動車は急増しておりまして,例えば17年度から18年度にかけては45%の増加を見せておりまして,18年度13万台という輸出台数になっております。これは全国で第3位ということでございます。  さらにですね,この神戸港の後背圏で消費される貨物を取り扱う企業,いわゆる荷主企業でございますけれども,これにつきましては,例えばポートアイランドには日用雑貨を取り扱っていらっしゃいます良品計画,あるいは家具を扱っていらっしゃいますニトリ,摩耶ふ頭には玩具のトイザらス,こういうものが進出を既にいたしております。また本年10月末,もうすぐですけれども,六甲アイランドに家電量販店ヨドバシカメラ,この物流センターが完成をして稼働する予定というふうになっております。そのほかに輸入食材ということで企業誘致もしておりまして,摩耶ふ頭や新港ふ頭にそのような企業が進出をいたしておると,こういう状況でございます。  そこで,こういった進出いただいた企業の皆さん,これらの皆さんに,やはり使いやすい港にして利便性をもっと高めたいということを目的に,それぞれ中古建設機械,中古自動車関係のネットワークの協議会というものをつくらせていただいておりますし,荷主企業のネットワーク協議会も設立をいたしまして,その場で情報交換をいたしまして,企業様からのニーズを酌み取る,そういう作業もしておりますし,そういう中で新たな情報も企業情報等いただきまして,先ほど先生申されました優良な企業という面もあると思いますけれども,企業情報をできるだけ得るようにして,今後の企業誘致につなげてまいりたいと思っております。  あとですね,私どもエンタープライズプロモーションビューローでは,もちろんこのポートアイランド第2期等の埋立地だけではございませんで,内陸部の例えばテクノ・ロジスティックパークなどの産業用地,こちらの方にも企業誘致を進めてございます。そこで荷を発生させるこういう荷主企業の誘致も進めておりまして,テクノ・ロジスティックパークでは,私どもが直接聞いておるだけでも既に4社,そういう計画なり実施をしておるところがございますし,今後とも,そこに進出された企業様にも神戸港と非常に近接しておるということもございますので,神戸港のPRをしていきたいと思っておりますし,さらに誘致活動の中では当然のことながら,神戸港の優位性と,こういうものも我々の営業ツールとして営業活動をさせていただいているところでございます。  また,先ほど先生から起業家の発掘というお話もございましたけれども,これにつきましては,神戸市のビジョンで起業しやすいまちづくりというものも挙げておりまして,これはもちろん神戸港だけじゃないわけですけれども,起業家支援施策として,例えばドリームキャッチプロジェクト,こういうものも実施をして,神戸で起業してそれを一緒になって育てていくという形の事業も行っております。私どもビューローでも神戸インキュベーションオフィス,その他さまざまな施設への誘致,これについても行っておるところでございまして,そういうところから1つでも事業を大きく展開されて,神戸の港あるいは産業用地にも進出していただく企業が出ればというふうに願っておるところでございます。  今後とも企業誘致と神戸港の繁栄というのは表裏一体というものとして考えておりまして,神戸港に貨物を集積することも目的にいたしまして,神戸港並びにその背後の産業団地に積極的に企業誘致を進めまして,ひいては港勢拡大に努めていきたいというふうに思っております。  それからもう1点でございます。ポートアイランド2期の企業進出後の動向把握等の問題でございますけれども,ご指摘のとおり,進出企業の動向に常に注視するということは企業の定着,さらには新たな誘致ということにも非常に大変重要であると私ども考えてございます。神戸エンタープライズプロモーションビューローでは,新たに企業を誘致するだけでなくて,進出企業との関係強化を図ることも基本の行動指針というふうにしております。  まず,ご指摘の退去する企業の調整,情報提供ということで事例を申し上げます。実際には土地に進出した場合には,それほどそういう事例は多くございませんけれども,例えば最近では平成9年度に製造工場用地に分譲により進出した企業,こちらへの対応例でございます。この企業につきましては,この数年来,施設が未利用ということになっておりまして,地域の活性化あるいは防犯面というところからも,早急に事業者に対しまして再開をお願いしておりましたけれども,このたび正式にその場所での事業終了と,その会社として不動産の処分を行うという決定を行われたと聞きました。これを受けまして私どもとしましては,この建物,一たん操業もしておりますし,それから建物を取り壊した場合,このまち全体に与える影響というのは非常に大きい,環境的にもよろしくないというようなことで判断をいたしまして,早速,その企業様の売却条件をお聞きしております。私どもとしては,我々,各方面へ誘致活動を行っておりますので,そういう誘致活動の中で,こういう建物つきの土地を希望する事業者,いらっしゃいました場合には,必ずこの建物,土地も含めてその条件を情報提供を行っておりまして,何とか早期に次の事業者が決まるように現在協力をしておるというところでございます。  また,このように撤退が決まった企業のフォローアップも当然必要でございますけれども,まずは企業活動を順調に進めていただいて,撤退せずに定着いただくこと,これが重要であると考えております。そういうことで企業に──進出された企業さんには,小まめに足を運ぶことはもちろんでございますし,ポートアイランド第2期に進出した企業につきましては,定期的に交流会,セミナーを開催いたしておりまして,企業間の引き合わせと,こういうことも行っております。参加企業からは,有意義な機会だったということのご評価はいただいております。今後とも,進出されました企業様が円滑に事業を進められるよう,企業の皆さんと一緒に協働してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。 24 ◯花木みなと総局参事 それでは,私の方から博多港の上海スーパーエクスプレスのような小口貨物とか在来貨物,そういうものにも対応した港湾サービスの向上が図れないかというご質問に対しましてお答え申し上げたいと思います。  ご承知のとおり,神戸港はコンテナ貨物だけでなく,あらゆる貨物に対応できる荷役技術を持った港として,それを我々も強みということでポートセールスをしておるところでございますが,現在,海上貨物は物流効率化の観点から,ほとんど荷主の工場とか,コンテナフレートステーション,そして海貨事業者の施設等でコンテナ化されておりまして,約7割ぐらいはコンテナ化されてるというふうに考えております。一方で,鋼材とかプラントといったような重量物あるいは鉄道車両など特殊な貨物につきましては,コンテナ詰めに適さない貨物として,依然として神戸港は重要な役割を果たして取り扱っておるところでございます。  コンテナと在来貨物の混載ということをご指摘いただいたわけでございますが,既に定時性とか高速性を確保できるフェリーで実施されておるところでございますが,特に中国──天津と上海でございますが,これを結んでおります国際フェリー,ここで鋼材とかの緊急輸送のケース,あるいは重量物に適さない航空貨物輸送よりニーズがあるというふうなことも聞いてございまして,飛行機並みの短い輸送期間で,海上輸送並みの安い運賃というようなことで,非常に取扱量が増加しているというふうに聞いてございます。さらに,このスピード化というのが時代の要請でございますんで,この日中航路におきましては,特に,輸入貨物を中心にいたしまして,貨物到着後に即時通関,引き渡しができるようなホットデリバリーサービスというのが拡大してございます。神戸と天津,上海を結ぶ国際フェリーにおきましても,このサービスが好調に推移しておりまして,特に,自動車関連等で非常に貨物がふえているということでございます。  小口貨物の方でございますけれども,荷役の効率化,スピード化,そして運賃の軽減を図るということで,これ,複数の荷主の貨物を,1つにまとめましてコンテナに混載する,そういうケースが多うございます。先生ご指摘の博多港の上海スーパーエクスプレスでございますが,これはそのような小ロットで多頻度の物流需要に対応していくということで,高速海上輸送サービスとしまして,現在飛躍的に取扱貨物量をふやしているというふうに伺っております。  実は神戸港でもですね,この今申し上げました日中航路の特に天津の方でございますが,JRの12フィートコンテナ貨物を海上コンテナ貨物に積みかえずに,そのまま国際フェリーで天津へ輸送するという天津スーパーエクスプレスという──TSEと呼んでおりますが,このようなサービスが既に2006年3月より始まってございまして,これは博多港と同じような高速サービスということが売りとなってございます。天津港周辺の今後ますます開発が進むと我々も期待しておりますが,来年,神戸港と天津港──神戸市と天津の友好35周年というようなこともございますし,今後このような民間の取り組みにつきまして,我々としても積極的に荷主企業等にPRしていきたいというふうに考えてございます。  先生ご指摘ございましたように,この神戸港は,海・空・陸のマルチな輸送網路を備えて,非常に荷役能力等も高いということでございますので,ますますそれを生かして民間の力をさらに引き出して,それを的確に荷主等へ──方々へPRできるような,そういう引き出していく方策につきましても,ご指摘のアイデアも含めまして,さらに検討させていただきたいというふうに思っております。  以上でございます。 25 ◯分科員(坊 やすなが) ちょっと問題がたくさんやったんで,いろいろお答えをいただいたんですけれども,まず港勢についての質問の中で,要するに輸入がふえたのと,それから中国貨物がふえたと,この2つが大きな原因で伸びてるというふうにおっしゃいます。それから,神戸市の中ではですね,神戸港の中に中古建機・中古車といった在来貨物がふえたというようなことだというふうにおっしゃったと認識しておるんですけれども,それはそれで伸ばしていっていただくのはもちろん大事でありますし,特に中古車なんていうのは,ずっと需要があるわけですから,いいわけですけれども,危機管理的なことでちょっと細かいことになるかもしれないんですけれども,中国が今の状況でいくと,年間に2万9,000件という暴動の数ですね,暴動の数が2万9,000件を超えたというふうな数字もあります。それから,工業用水にも使えない水が全河川の3分の1を超えたというふうな数字もあります。もちろんそのベースには貧富の格差というのが大きくあるというふうに聞いておりまして,政情が決して安定してるとは言えないというふうに思うのが自然なのかなというふうに思っております。  そんな中で,また直接的につながるかどうかわからないんですけれども,オリンピック景気があってですね,できるかできないか別として,とにかくそれまでは経済が大きく伸びていくんじゃないかというふうな予想が強いわけですけれども,一様にその後のことを聞くとですね,バブルがはじけるみたいな言い方をされる方もあるわけでございまして,もちろん中国の荷物,人口が多いわけですから,ベースとしてはたくさんあると思うんですけれども,中国がそういった状況になって,万が一,例えば分裂を起こすとか政情不安がこのままもっと厳しくなったときのことも頭の片隅には考えとかなあかんというふうに思っておるわけでございまして,万が一,中国とのそういう今の緊密なつながりができなかった場合,どういうところに血路を開いていくのかなというのが素朴な疑問であります。その点について何かお考えを持っておられるのであれば,お聞かせをいただきたいなというふうに思っております。  それから,先ほども言いましたんですが,西日本のハブ港でありますから,当然内貿貨物を基本的に全部取っていくというぐらいの仕事が要ると思います。これまで内航フィーダーの貨物について,ガントリーの使用料を半額にしてこられたというふうなインセンティブはもう既に行われているんですけれども,なかなかそこだけではしんどいんじゃないかなというふうに思います。PCの13,14,15でしたですかね,外航船がふだん着くところ,商船三井のところに,あいたときだけ内航フィーダー船を着けてるというような状況だと聞いておりますんですけれども,外航船が入ってますと待っとかなあかんという状況にあると思います。こういう,あちこちあいているわけですし,また,この13,14,15に着けてですね,今度それをこっち側に18とか17に持ってくるときにコストが少しかかってるというのも現実だというふうに聞いております。  ですんで,16の話をしたんですけれども,使い勝手の悪いバースだというふうに聞いておりまして,片方があいていて片方は使ってないというふうな──使ってないとは言えないんでしょうけど,余り利用されてないというふうに聞いております。ですんで,そこをうまく,事務所を移転するなりして,そこを内航フィーダーを直着けできるようにすればコスト的にも安くなるでしょうし,効率がよくなりますね,時間が読めるという点ではですね,もっと荷物を運んできてもらえる可能性が出てくるというふうに思っております。  これから,そのフィーダーの協議会をされるということでありますけれども,できれば,希望としては,そういう会の冒頭にですね,市のやる気を見せるという意味でも,そういった政策をやりますというようなことをやっていただければ,意気込みというのが物すごく伝わるんじゃないかなというふうに思うわけですけれども,だれにというのは,内航フィーダーの船社であったり,また西日本の特に瀬戸内の荷主さんであったり,そういうところにすごく大きなインパクトを与えれるんじゃないかなというふうに思うんですが,その辺のところも再度お聞かせいただきたいというふうに思います。  それから,多様な貨物への対応というところで,天津エクスプレスというふうなことをおっしゃったんですけれども,何かそういう事例はあるんでしょうけれども,なかなかそう,上海スーパーエクスプレスですか──のようにはなかなかなってないんじゃないかなと思います。これ役所が考えることじゃ,基本的にはないと思いますんですが,やはり音頭をとってですね,その新しいビジネスモデルのコンテストなんかをやって知恵を出して,競争をさせていくことによって,やはりそういった,ひょうたんからこまとは言いませんけれども,そういうヒット商品が出てくるんじゃないかなというふうな思いがしております。そこに優遇措置を図るという,やはりニンジンもぶら下げてやると,よりいいものが出てきやすい状況ができるのではないかなと思いがしますので,もう1度ちょっとそのことについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。  創荷対策なんですけれども,もちろん一生懸命,セールス頑張っていただいていろんな企業がついてきてますけれども,先ほども少し出ておりましたが,ちょっと行儀の悪い企業なんかも中にはまじってるようでありまして,港湾の中の秩序ということからもですね,その辺のところをしっかりと絞り込んでやっていただかないと,ぐあいの悪いところも出てくるんじゃないかなと思ってます。そこの点については要望にさせていただいておきます。  人材育成のことなんですけれども,4つかなんかやっておられるということであります。今,特にガントリークレーンの練習をしようと思いますと,豊橋まで行って,今の現実のガントリークレーンの大きさに合ってない小さなガントリークレーンでしか練習ができないというふうな現実もあるようであります。そういった意味で申し上げたんですが,その使用していない──神戸港の中で使用していないガントリークレーンも使えるんじゃないかと,練習に使えるんじゃないかなというふうな思いがしておるんですが,そのことがちょっと答弁から抜けてたのかなと思っておりますが,そこをちょっともう1度お聞かせいただきたいと思います。  それから,技能を持つ労働者を抱えているのは港運事業者でございまして,ここの経営もやっぱり安定させていかないと,技術をしっかりためておくというのは大変しんどくなってきます。特にこれ,例がありましたですよね。震災の後すぐに人が余ってしまって技術者がどんどんよそへ逃げていったと,逃げたというかやめさせたというふうに言った方が近いんですけれども,この資本主義経済の市場経済の感覚だけではですね,やはり何でもかんでもうまいこといくわけじゃないというふうなことは私も思っておりまして,そういった意味では,円滑にですね,そういう育成できる環境を整えていくのも大事やというふうに思ってまして,その意味では港運業界の適正な競争が必要であるというふうに考えておりますんですが,この点について市としてはどのような関与をしていくつもりなのか,お聞かせをいただければというふうに思います。  それから民営化の話であります。先ほどもおっしゃいました,そのとおりなんですが,横浜は一体化にすれば物すごく効果は高いということであって,神戸港は別々になってますので,余り効果がないということでありますけれども,しかしですね,やはり今のお話でもないですけれども,内航フィーダーが12,13,14に揚がって,こっちに持ってくるときにお金が要ったり,両方で管理すると人数も要ります。それを片方の人数だけで全部管理するなんて十分できるわけですから,そういった意味でも民営化というのはプラスが大きいんじゃないかと。それから,例えばこのバース自体を買い取りたいなんていう案件があったときに,これまでのような形ではなかなか売るのがしにくい状況にあるというふうにも思っておりますので,やはりこの民営化というのは結構武器になるんじゃないかなというふうに思います。ですので,これは一日も早く検討いただいて,早急にできるように頑張っていただければというふうに思います。  横浜は,もう審議会の結論が出ておるみたいでありまして,いろんな制約のある法律も変えるというぐらいの意気込みでやられていますので,追いつき追い越せでやっていただければというふうに思います。これも要望にさせていただいておきます。  それからインセンティブです。企業の進出促進ですね,ポーアイの2期の部分を中心の話ですけれども,今,5割から4割,最高の割引を5割から4割にするということであります。傾向としては非常にそのとおりよく考えられてるなと,当たり前のことかもしれませんけれども──と思います。ただ,その業種によって割引を変えていくということについてはそれでええと思います。例えば,神戸港に荷物をいっぱい出してくれる企業であれば,これはもうほとんどただでもええぐらいの話かなと,私はですよ,個人的には思っておりますけれども,5割から4割ということだけ,もう一踏ん張りでも,土地がもうほとんどないわけですんで,もうちょっと強気でもええのかなと思うんですが,その点もう1回,そこのところをお聞かせいただければと思います。  以上です。 26 ◯山本みなと総局長 中国はですね,ある人の意見ではオリンピック以降ですね,どのようになるかということで疑問視の──声も上がっているという形と,環境問題等いろいろあるんじゃないかということでございますけれども,ご承知のとおり,私どもとしましても,現状では中国に非常に力を入れているという形のものでございますけれども,将来的には,やはり全世界が集まった港湾の会議もございますので,その中では,やはりBRICsという形でブラジル,インド,中国,ロシアといった国がこれから発展するのではないかという形で言われてますので,大きな話になってきますけれども,長期的にはそのあたりを視野に入れた対策を講じていく必要があるなと思ってます。現実的に何をするのかいうのは難しいんでございますけれども,ただ,今のところ,やはり東アジア近隣を──まず貨物をふやすということで中国に取り組んでいるという形でご理解いただきたいと思います。まあ,超長期的にはそういった国も大きなマーケットになってくるということは私ども心しておきたいと思っております。  それと,内貿貨物の誘致で13,14,15で,私ども外貿バースに内航船が直着けできるというのは,横持ちの費用をできるだけ少なくするということでございますので,その意味から外貿バースに内貿バースの直着けをできるという形で考えておりますが,もともと外貿バースでございますので,外航船が入ってきた場合にはどうしても内航船については後回しにされるということでございます。  今,具体的な13,14,15という形で内貿バースの話が出ましたので,ちょっと私が伺ってるのはここではないんですけれども,そういった点も踏まえて,一度,この検討会の中でですね──内貿バースの協議会の中で議論していきたいと思っています。ただ,13,14,15,ご承知のようにスーパー中枢港湾のあたりでもございますので,私どもとしまして,なかなか踏み込んで内航船を優先するということはちょっと言いにくいんでございますが,内航船社から具体的な話も伺いながら,本当に一番いい案が何かを検討していきたいと思っています。インセンティブの話もございましたですけれども,そのあたりも,この船社からの声を聞きながら,具体的な案件についてできる範囲ではやっていきたいと思いますが,どういったインセンティブが要るのかもお聞かせいただければなというふうに思っております。  それと,企業誘致で4割引きより踏み込んだらどうかということでございますけれども,確かにかなり埋まってきておるんでございますが,まだ若干土地はあいておりますので,4割がいいか3割がいいかちょっと難しいんですけれども,1つのステップとして4割引きという形でまずさせていただきたいなと思ってます。先生のお考えについては十分理解できるわけでございますけれども,1つのステップとして4割という形でやらせていただけたらなと思っております。 27 ◯大谷みなと総局経営企画部長 私の方から,休止中のガントリークレーンの活用の話がございましたですけれども,その点についてお答え申し上げます。  ガントリークレーンにつきましては,クレーン免許があれば一応運転できるということなんですが,実際,ちょっと実態を聞いてみますと,そのクレーン免許の取得に当たりましては,財団法人安全衛生技術試験協会というそういうところの行う試験に合格する必要がございまして,まあ,そういうことでございますけれども,その試験につきましては,先ほどお話ししました神戸の港湾教育訓練協会の講習で使用している天井クレーンと同じそういうクレーンで──用いて行われるというふうに聞いてございます。実際操作する──ガントリークレーンを操作する人につきましては,各企業さんの場合につきましては段階を踏んでいって,最初は中・小のそういうクレーンから段階を踏んでいって,適性等見きわめた上で最終的にガントリークレーンの運転士に選抜するかどうか判断しているというふうに聞いてございます。  ただ,それと一方,公共岸壁の話でございますけれども,これにつきましては,市から先ほどの教育訓練協会へ委託して実施しておるわけでございますけれども,これにつきましては,ガントリークレーンの安全講習の受講とか,その運転士の技能審査を義務づけておりまして,この審査におきましては,現在稼働中のガントリークレーンを用いて審査を行っているところでございます。休止中のガントリーの件につきましては,なかなか竣工からかなり年月がたってて,今すぐ動かすと,かなりやっぱり多額の点検・補修に費用が要るということもあるんですけれども,その辺が条件が合うかどうかなというところだというふうに考えてございます。  それと,ちょっと意味が,もうひとつ履き違えてるかもわかりませんですけれども,例の港運業界云々かんぬんの話ですけれども,これにつきましても,市の立場といたしましては,港湾荷役のさらなる効率化やサービスの向上が進む中でですね,これまで築かれてきた港湾の安定運営と港湾労働関係が損なわれないことを,一応そういったことに留意しながらやっていきたいなというふうに考えてございます。  ちょっと答えになってるかどうかわかりませんが,以上でございます。 28 ◯花木みなと総局参事 多様な貨物への対応でございますけども,先ほど申しました神戸と天津を結ぶフェリーにつきましては,約年間1万TEUを突破するところまで伸びてきておると伺っておりますし,我々もさらに期待しておるところでございますが,先生ご指摘ございましたように,このようなサービスにつきましては,神戸港の持つハード・ソフト,いろいろなものを活用していただいて新しいサービスをやっていただくというのは,民間事業者の方々の創意工夫というもの,やる気,そういうことが一番必要だということかと思っております。  我々としましては,民間事業者の方々がそのような新しいビジネスを神戸港で他港に先駆けてやっていただくというような,そのような環境や支援──環境整備や支援をしていくということが我々の使命ではないかというふうに思っております。そういう意味で,この神戸港の取扱貨物がさらにふえて港勢拡大につながるような有効な優遇措置というものについては,常に関係者の意見も聞きながら今後も考えていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 29 ◯分科員(坊 やすなが) 今ちょっとですね,あんまり難しい話じゃないと思うんですけども,要は,民間からでもいいし,どこからでもいいんですけども,せっかく今すごくいい港があるんですから,それで今まで皆さんがいっぱいいろいろと考えて,いろんなことやってきたけれども,うまいこといったものもあれば,いってないものもあると,そこでもうちょっと頭を切りかえて,よその人にアイデア出してもらうようなことをしたらいかがですかということの話をして,そこがコンテストなんかいいんじゃないですかという話をして,それにインセンティブとして,こんな優遇しますよというような,少しあめを上げればですね,もっといろいろ違ったですね──が出てくるんじゃないのかなということを言ったわけでありますので,その辺のところをぜひ進めていただきたいなと,そんなに予算の要る話でもないと思いますので,ある程度行き詰まった中から,やはり新しいアイデアを出してもらおうと思ったら,よその人を巻き込むのが一番いいと思いますので,そういった形でやっていただければというふうに思います。  それから,BRICsの話が出ていました。今からどうこう,こうこうという具体的なことはなかなか難しいと思うんですが,もう1つやっぱりつけ加えるならば,アフリカ航路もあるわけですんで,今から使おうとしている人たち,それから今使ってる人たちに対してやはり情報をとっていくとか,コミュニケーションを密にしていきながら情報をとっていって,いざというときには,こういう戦略でいこうという準備は今からやっとく必要があると思います。特に,インドなんかも非常に経済発展が著しいわけですし,政情は不安定──周辺が不安定でありますけれども,インドの中自体はある程度,宗教の問題もありますけれども,そんなにけんかをしたいような国民性でもありませんし,安定はしやすいんじゃないかなというふうにも思いますので,その辺の準備をしていただけるようにお願いをしておきます。  あと,ガントリークレーンの分ですけれども,いろんなことを考えていただきながら,要するに技術をしっかり伝承していく形がいいと思います。ですから,私が全体的に何が言いたいかといいますと,これまでよりももうちょっと自分らが主体的になって,港はおれらが守るという形の発想からいろんなことをやっていただければ,もっともっと伸びていくというような気がしますので,その辺のところを要望しまして終わりにします。よろしくお願いします。ありがとうございました。 30 ◯主査(金沢はるみ) ご苦労さまでした。  委員の皆様に申し上げます。午前中の審査はこの程度にとどめ,この際暫時休憩いたします。  午後1時25分より再開いたします。   (午後0時24分休憩)   (午後1時27分再開) 31 ◯主査(金沢はるみ) ただいまから決算特別委員会第3分科会を再開いたします。  午前中に引き続き,みなと総局に対する質疑を続行いたします。  それでは,岩田委員,どうぞ。 32 ◯分科員(岩田嘉晃) それでは,昼からの質問に入らせていただきます。  午前中に幾分か重複した質問がございましたので,その辺の分,割愛しながらご質問させていただきたいと思います。  まず最初にスーパー中枢港湾につきましてでございますが,アジア諸国の港湾勢力は著しく発展を続ける中,港の国際競争力を高め,アジア主要国をしのぐコスト,そしてスピード,サービス水準を実現するためのスーパー中枢港湾施策について,官民一体となって鋭意取り組まれているところでございます。ただ,大型船に対応するための大水深バースなどのハード面はかなり進んだようではございますが,それを活用するソフト面,これについての取り組みは少しおくれているようには思われます。現在,ハード面では,PC─18の東側の岸壁におきましては16メートルの大水深バースの建設も始まっております。神戸港の復権の足がかりになるようにと大いに期待するところであります。  世界の潮流といたしましては,コンテナ船の大型化が一層進んでおりますが,昨年入港いたしました世界最大級のコンテナ船,エマ・マークスにつきましては,幅がたしか56メートルと,そしてまた20フィートのコンテナ,約1万1,000個の搭載が可能であるとお聞きしております。また国際的な原油高が続いている今,今後さらに大型船化も考えられます。そうすると既存のガントリークレーンでございますが,この辺のところについて十分な対応ができなくなるのではないかと思うわけでありますが,この辺のところのご見解をひとつよろしくお願いします。  またソフト面でございますが,メガターミナル会社の支援が課題になってくるかとも思いますが,現在の韓国,そして中国などの取り扱い上位の主要国との関係におきましても,競争力のある港としての取り組みなどどのように行っているのか,具体的によろしくご見解の方,お願い申し上げたいと思います。  次に,港湾サービスの高度化・活性化という観点からお尋ね申し上げたいと思います。まず,港湾手続の簡素化,そしてまた効率化の推進について,現在港のICT化を進め,そして神戸港EDIシステムを活用し,港湾関係手続の簡素化・効率化に努められているところと説明をお受けしております。現在どのような状況なのかも含めまして,今お聞きしたいと思うわけですが,国の方でも現在のワンストップ化をさらに一元化する関係府省の共通の次世代のシングルウインドーに着手しております。これをきっかけに神戸港EDIシステムや,1月にも新聞にも載っておりましたが,ICタグなどの検討を含めまして,JCLのネットをつなぐ新たな神戸港としての物流システムが構築できないか,その課題も含めてお伺いしたいと思います。  次に,ポートセールスについてでございますが,この辺につきましては,昼まで局長の方からもかなり鮮明にご回答もいただいております。しかしながら,ちょっとこちらの方でも用意しておりましたので,よろしくお願いしたいと思います。  外郭団体の財団法人でもあります神戸市産業振興財団,そして神戸港埠頭公社では,海外の事業運営の推進ということで,昨年10月に神戸港上海事務所が開設されました。さきの定例市会の本会議場で,現地の日系企業など神戸にゆかりのある方々を中心とした神戸倶楽部なるものを立ち上げ,そしてまた取り組まれているところだとのことでございましたが,神戸は上海だけではなくて,今,天津の経済貿易連絡事務所なり,そしてまた神戸・南京経済貿易連絡事務所を設置しておるわけであります。互いに情報交換などを行いながら連携していくということでございましたが,もっと緊密にやはり連携を強化するべきではないかとも思います。神戸港を利用してもらえる企業や,そしてまた荷主,船社──船会社ですね──に対してどん欲にセールスをしていくべきではないかと考えております。  また,かつてはシンガポールにも現地事務所があったともお聞きしております。そしてまたタイでは,現在,いすゞ自動車のピックアップトラックが人気でございます。三菱商事がこのビジネスに非常に力を入れて大成功しているとの報道もあったわけでございますが,さらに,神戸市は中国だけではなくて,本年,姉妹都市50周年を迎えますシアトルにも事務所があるわけであります。これらは,クルーズなどの客船誘致で非常に優位性を持っているともお聞きしております。組織上の問題などはあるかとは思うわけでございますが,あらゆるセールスをかけて神戸港を利用してもらえるよう,企業などに働きかける組織の充実,そしてまた,とりわけ現地の事務所等のネットワーク整備が今一番重要になっておると感じます。そして関西で一開港化,これを進める上で,何か工夫していかなければならないことがあるのではないのかとそういうふうに思っておりますので,ご見解の方をひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。  そして内航フィーダーに関しましては,昼まで詳しく説明していただきましたので,この分については割愛させていただきます。  引き続きまして,港の振興についてということで別の観点からお聞きしたい面がございます。  みなと神戸─いきいきプランの中では,市民や観光客に親しまれるイベントなどを通じ,市民が愛着を持ちまして誇れる港の実現を目指すことであります。特にことしは神戸港の140年目を迎え,さまざまなイベントを通じて市民の皆さま方に大いに楽しんでいただいておるところではありますが,その中でも,みなとこうべ海上の花火大会,これにつきましては,20万人もの観客が集まる,夏のまさに風物詩であります。しかしながら,明石の花火事故もあったように安全対策は不可欠で,多額の警備関係の費用が重くのしかかっているとも伺っています。  そこで,厳しい財政状況の中ではございますが,ボランティアも活用するなど警備経費について一層の工夫をし,1発でも多くの花火を打ち上げていただきたい。もっともっと多くの市民に楽しんでいただけるような,そういった工夫が必要ではないかと思いますし,そういった立場でご見解の方をよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に,複合産業団地についてお伺いいたします。  18年度の決算数値を見ていますと,新都市整備事業においての土地売却収益の増加,これには産業団地の売却の大きな飛躍が寄与しておるのは,こうして数字の中で見えております。みなと総局においていいますと,これが黒字のまさに大きな要因ではないかと思うわけですが,決算全体における影響もこの点が大きく貢献しておると思います。特に,ポーアイ2期の企業の進出の進んだことが大きいようでございますが,一方で今年度のインセンティブ制度,最終年度を迎えたわけであります。また,それほど土地を残されていないという話も昼までにもお話をいただいたところでありますし,今後は大きな企業誘致の成果を上げていけそうなのは西区の複合産業団地であると考えております。ここがまさに正念場であるのかなと思うわけでありますが,金利上昇,そしてまた企業の設備投資,とりわけ企業の土地投資に対する動きが出ているこの好機を逃がさずに企業誘致には全力を注ぐ必要があると思います。  そこで,複合産業団地に関しまして,3点ほどのご質問をお伺いいたします。  今後の誘致の戦略についてでございますが,みなと総局と産業振興局などで別々に行っていた企業誘致もエンタープライズプロモーションビューローが設置されました。創設されまして,企業誘致のワンストップ機能の充実やインセンティブ策を活用した土地売却の促進が図られておるわけであります。ビューローも開設してから,もう既に3年になりました。現在,実績には結びつかなくても誘致活動の試行錯誤の中で,さまざまな経験や今後生かすべきノウハウ,そして企業とのつながりなど得たものは少なくないはずであります。これまでの誘致活動で何を得て,そしてまた今後何を生かすことができるのか,もしくは生かそうとしているのかをお伺い申し上げたいと思います。  複合産業団地に関する2点目の質問でありますが,まちの特色と将来像についてという観点からご質問させていただきます。  本格誘致が3年目となり,今,愛称を神戸テクノ・ロジスティックパークと定められたにもかかわらず,このまちのことは西区の区民でさえ,まだまだ一般的に浸透していないと私は感じております。産業界だけではなく,一般の方々も集えるようなまちの特色を工夫し,そしてまた発信することも重要ではないでしょうか。ポーアイ2期では,企業立地後に,食事の場所などのアメニティー施設と申すような──申される施設,こういったものの不足が指摘されておる結果が出ております。用途地域の関係もあることでは──考えられるわけでございますが,バランスのよい配置が結果的に,企業誘致の促進につながるものではないかと考えております。  また,今後は急に特色を示していくというのも実質的には難しいでしょうが,複合産業団地は,どの企業でもよいから土地を売却してでも集まってほしいという考え方では,やはり焦点がぼやけてしまうと思います。ポーアイ2期に医療産業都市構想があるように,このまちの将来像,ビジョンのようなものを示すことも重要なまちづくりの戦略とも考えるわけでありますが,その辺のところのご見解もお願いいたします。  3つ目でございますが,他都市との連携について3つお伺いします。  産業団地への誘致につきましては,全国を舞台にした,まさに都市間競争であると考えます。他都市の創意工夫や,またノウハウについて情報を得ることは,神戸市にとっても有益であります。また,こういったことについて将来にとっても必要なことであると考えるわけですが,さまざまな企業がある中で,他都市において誘致条件が企業の希望に合わず,誘致に失敗したようなケースもあろうかと思います。そして,神戸の条件なら希望に沿っていたという事例も隠れているのではないかと思うわけでございます。  企業誘致において,各市の展示会などでは各都市のブースを構えていると思いますが,このような情報をつかむこと,他都市とのふだんからの情報の融通し合えるような関係を構築していくようなことが必要ではないかと考えますが,どのような工夫をもって他都市との情報交換,とりわけ兵庫県や近隣府県との情報交換を行ったのかを次にお伺いしたいと思います。  昨年来,大阪では武田薬品工業の誘致の失敗もありました。堺のシャープ,また兵庫県では,尼崎と松下の巨額の投資案件が話題になってきております。現在の大規模案件につきましては,単に最初からインセンティブ策だけで決まっていないという声もあり,また中核施設の──施設の立地が,その後の関連企業進出に結びついていくような感じを受けます。また,進出決定前から各都市の熾烈な誘致合戦が報道されておるわけであります。複合産業団地においては,どのような野心的な戦略プランを描き,県とのどのような協調関係のもとで行っていきたいと考えてきたのかということも含めましてお願い申し上げたいと思います。  以上で質問の方,終わらせていただきます。 33 ◯山本みなと総局長 それでは,私の方からスーパー中枢港湾,ガントリークレーンの件と競争力の質問がございました。あと,ポートセールスにつきまして,連絡事務所の活用等ございました。それと,複合産業団地について誘致活動で何を得て何を生かすのかというご質問ございました。それと複合産業団地のビジョンというような話もございましたので,そのあたりご回答申し上げて,あとは部長,課長の方からお答え申し上げます。  まず,スーパー中枢港湾でございますけれども,ご承知のとおり,それの実現に向けてハード・ソフト両面から官民一体となってさまざまな取り組みを進めておりまして,コスト・スピード・サービスの向上を図るという形の目的としております。ハード面の取り組みでございますが,これはご質問ございましたように,ご指摘のとおりコンテナ船の大型化の流れは世界的な趨勢ということで,ポートアイランド第2期のPC─18でございますけども,東面におきまして,平成21年度の供用開始を目指して,昨年度からマイナス16メートル岸壁の整備を進めておるとこういうことでございます。  また,ガントリークレーンでございますけれども,これは,このスーパー中枢港湾の中ではメガオペレーターが整備するということになっておりますので,最大級のコンテナ船の利用ができるクレーンの規格に対応した一応岸壁設計という形で,岸壁は耐用設計にしておりますので,ガントリークレーンにつきましては,今後メガオペレーターが整備するということでございますので,今のところ現在検討中ということで聞いております。
     一方で,ハード面だけでなくソフト面の取り組みといったことにも力を入れておりまして,ご承知のとおり,一開港化というご質問もございましたですけども,とん税・特別とん税の軽減を図る大阪湾諸港の一開港化につきましては,ことしの12月1日から実施される見込みであるということでございます。  なお,神戸市では一開港化に先駆けまして,大阪湾諸港の4港湾管理者が連携しまして,入港料の低減のインセンティブ制度をことしの4月から既に実施するという形で,船舶コストの低減を図っているところでございます。  また,中国,韓国といった世界のコンテナ上位国との関係において,競争力というご質問がございましたですけれども,確かに,釜山港におきましても,今まで以上に瀬戸内・九州地域の貨物誘致に力を入れてくると考えられますので,こうした動きに対しまして,神戸港としましても気を引き締めてやっていきたいと思っております。スーパー中枢港湾はもちろんでございますけれども,内航フィーダー貨物に対するインセンティブの実施,それと環境負荷の軽減のため,またあるいは神戸港へ貨物の集積を目的としたモーダルシフト補助制度,それと内航フィーダーの外貿バース直着けのさらなる促進といったことも進めてまいりたいと思っております。また,内航フィーダー協議会も立ち上げまして,瀬戸内・九州地域の貨物誘致の強化を図っていきたいと思っています。  ご承知のように,民間でも外航船社が釜山港でトランシップする貨物を神戸港で大型船に積みかえたり,内航フィーダー船社が船舶の大型化や隻数の増加によって輸送能力を増大させるといったことも取り組んでおられますので,民間と一緒になって神戸港に貨物が集まるように最大限の努力をしてまいりたいと思っております。決して気を抜くことなく,気を引き締めて取り組んでいきたいと思っております。  それとソフト面という形で当然情報化もございまして,湾内の──大阪湾内の各港での手続の標準化,様式の統一という形でアジアゲートウエー戦略で様式の統一化,これは地方港も含めてですけども──できたわけですけれども,私どもとしましては,いち早く一元化の取り組みを進めておるということでございます。  いろんなことがすべて,まだ進行途中の段階でございますので,全体をレベルアップするということを考えていきたいと思っております。また,臨機応変に事に当たっていきたいと思っておりますので,そういった中で神戸港の国際競争力を高めてまいりたいと,西日本のハブ港という地位を確保してまいりたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いしたいと思います。  あと,海外事務所の連携はどうかということでございますけれども,ご承知のとおり,昨年10月に神戸港埠頭公社が神戸港上海事務所を設置したということでございますけども,ことし2月に上海市政府,現地に進出している日系企業約300社,300名以上の関係者を招待いたしまして開所式を行っております。開所式以降,本格的に活動を実施し,既に150社以上,企業訪問を行っておるということでございます。企業訪問には当然,神戸港の利用促進を働きかけてるわけでございます。訪問企業からも,神戸港に対しての理解が深まっておるという話も聞いておるということでございます。また,神戸港のPR支援や中国貨物に関する情報交換を行うネットワークをつくりたいという形で,ことしの9月18日に,上海在住で神戸にゆかりのある日系企業のビジネスマンを中心とした神戸倶楽部というのを設立しております。神戸に拠点を置くメーカーや物流企業から賛同を得て準備を進めていたわけでございますけれども,設立時で既に175人,126社の会員を集めておるということでございます。今後も順次,会員数や,いろんな地域でふやしていきたいと考えております。積極的に神戸港の利用につなげていければなと思っております。むしろ,つなげていくという決意でやっておるということでございます。  専門的なポートセールスを本務とする上海事務所でございますけども,ご指摘の産業振興財団の神戸・天津経済貿易連絡事務所あるいは神戸・南京経済貿易連絡事務所というのは,設置目的や活動内容というのはちょっと異なっているわけでございますけれども,両事務所とも緊密な情報交換を行っていきたいという形で,既に上海事務所ができる前から産振局長にはそういったお話をさせていただいているとこでございまして,既に上海事務所での神戸倶楽部の会員募集に当たっては,上海在住者に限定せず,北京や蘇州の方々にも入会していただいているわけでございますけれども,その際に,両事務所に連絡調整等に携わっていただいたということでございます。今後とも,せっかくの事務所でございますので,連携を密にしてまいりたいというふうに考えております。  ご指摘のシアトル事務所でございますけれども,どちらかと申しますと,シアトル事務所に関しましては,これまで客船誘致という形で連携を密にしてやっておったわけでございますけれども,特にマイアミ等でアメリカ──客船誘致の会議では非常に動いていただいたという記憶がございます。しかし,当然としましてアメリカとの貨物の移動というのもございますので,姉妹都市50周年,シアトルとは姉妹港40周年ということになりますので,埠頭公社とともにシアトル市に参りまして,事務所を訪問するという予定もございますので,シアトル事務所と人的ネットワークの拡大につきまして,申しわけございませんが,これから協議したいというふうに考えております。今後も引き続き,機会あるごとに効果的な誘致活動ということを念頭に置いて取り組んでまいりたいと思います。  それと,一開港化での工夫ということがございましたですけども,確かに一開港化,大阪府・兵庫県・大阪市・神戸市というのが──そういう自治体が関係しているわけでございますけども,今,近畿地方整備局の方で,その一開港化に向かってのポートセールスのあり方みたいなものをご検討されてるやに伺っておりますが,なかなか海外事務所を使うといった点でも,その包括連携推進会議の場がございますので,そういった形の中で一度ご相談してまいりたいというふうにも考えております。  それから,あと,複合産業団地でございますが,誘致活動で何を得て何を生かすのかということでございますけども,テクノ・ロジスティックパーク,神戸複合産業団地の企業誘致はまさに正念場でございまして,私どもも最重要課題というふうに位置づけております。17年4月にエンタープライズプロモーションビューローを発足させ,企業のニーズを把握し,進出の決め手となるような情報,交通の利便性とか労働力の確保等,そういうのがございますけども,ワンストップサービスに努めるとともに,分譲価格が割引となる分譲促進制度を核として精力的に企業誘致に取り組んでまいりました。結果として,73社の企業が進出しておるという状況でございます。  それで,これまでの企業誘致活動から企業が進出するということを決定するに当たりましては,もちろん土地価格というのも重要なんでございますけれども,物流に係る時間や経費あるいは労働力確保の容易性,そういったものを総合的な観点から判断しているケースが多いというふうに実感しております。  この複合産業団地でございますけれども,一般の産業団地は,工業団地あるいは流通団地といったように用途・目的が単一の団地が多いということでございますけれども,このテクノ・ロジスティックパークにつきましては,製造工場や研究所が立地可能な製造工場用地,それと倉庫や運送業が立地可能な流通施設用地,それと団地内に従業員の利便施設である商業施設が立地可能な複合機能用地という形で,複合産業団地は3つの用途を──目的を持っているさまざまな業界の企業が進出可能であるというものでございます。団地内には,またご承知のとおり,神戸西インターチェンジがあるということやら,神戸電鉄の木津駅が隣接しているということも大きな特徴であるということでございます。  このことをメリットと感じ,進出した企業の間で企業間連携──ビジネスマッチングと言っていますけれども,企業間連携といったことが起こっておるという状況がございます。具体的な例としましては,団地内の流通センターから出る荷の配送を主目的としまして,そういう運送業が出てきたということでございます──物流センターの荷物を運送する目的で,ある運送業が出てきたということでございます。これも1つのビジネスマッチングでございます。それと製造工場間で受注増加という形で,ちょっと隣の部品製造するというような形のマッチングが出てきまして,用地を拡張したという例もあります。それと運輸・運送業間での営業車両の融通という形で,営業車両を融通し合うというような動きも出ています。こういった企業連携による進出とか,あるいは用地の拡張というのがございました。  今後も進出企業が増加し,団地の成熟度が高まってくれば,おのおの3種類の用地に進出した企業の中で,異業種間にも製造と流通とか,そういった形の異業種間にもビジネスマッチング,要するに企業間連携が生まれてくるのではないかと思ってます。そのために,進出企業の交流会なども検討してまいりたいと思ってます。団地の魅力アップはもちろんでございますけれども,一層の企業の進出や拡張につなげていきたいと思ってます。我々としましては,今後ともこれまで以上に,そういった複合産業団地のPR,誘致活動を展開してまいりたいと思っております。企業の土地投資に対する動きが,今出てきておりますので,この機会を逃すことないように一丸となって取り組んでまいりたいと思っております。  それと,ポーアイ2期には医療産業都市構想があるではないかと,複合はどうなのかというご質問でございますけれども,また,いろんなPRもしたらどうかと,西区の人も知らないということでございます。まず,広報でございますけれども,現在,テクノ・ロジスティックパークでは,市内の小・中学生が環境学習や物づくり体験などのために,資源リサイクルセンターや進出企業の見学といったことに訪れているということもございます。また,先端技術を持った企業も団地内に進出しておりまして,神戸工専の学生を対象にした見学会を実施しております。ここから将来神戸を支える技術系の人材育成といったことも考えられるのではないかと思っています。  ご指摘のとおり,産業界だけでなく,広く一般の方々にも知っていただくということは,これは企業誘致の促進の有効な手段ということでございます。ある面で口伝えでPRしていただけるということもあるのかなと思っております。  それで,これまで,ひょうご・神戸投資サポートセンターとの共催で実施した企業向けの産業団地の視察ツアー,あるいは金融機関を対象とした見学会を,そういったもので実施したわけでございますけども,広く市民の方々に知ってもらうために,11月に小学生の保護者を対象とした見学会を実施したいというふうに思っております。今後も積極的に進出企業へ働きかけ,環境先端技術,高度物流などを組み合わせた,一般の方々にも興味を持っていただけるような見学会の実施に取り組んでまいりたいと思っております。また,広く広報するという形では,地元まちづくり協議会へのPRや広報紙への団地や進出企業の紹介記事とかですね,そういった掲載などを区役所とも連携し,より一層の市民への周知を図りたいと思っております。  また,食事などアメニティー施設の立地は,企業進出にとって重要な要素と認識しておりますので,木津駅前に配する複合機能用地へは,店舗や事務所等の利便施設の誘致を実施しているわけでございますけれども,具体的に交渉している企業もあり,できるだけ早くまとめていきたいと考えております。  テクノ・ロジスティックパークでございますけれども,製造工場用地と流通業務用地の用途に大きく分かれ,仕入れから生産,保管,出荷,配送までの一連の機能を団地内の企業間で実施できることが,私どもとしまして大きな特徴であるというふうに思っております。さらに複合機能用地という形で,店舗とか事務所とか,そういった用地もありますので,3つの用途が機能的に結びつく団地であるというふうに思っております。今後も,この特徴を生かして,できるだけ魅力ある企業を誘致し,それがひいては魅力ある産業団地になるというふうな形で取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 34 ◯岡田みなと総局参事 私の方から,複合産業団地の誘致の関係で,他都市との連携のお話があったと思います。これについてお答えをしたいと思います。  先生ご指摘のとおり,企業誘致につきましては,ある意味,他都市との競争でございまして,その中で誘致の成功事例に学ぶことも多うございます。そこで,私どもエンタープライズプロモーションビューローでは,17年から18年にかけまして,近年大規模な企業誘致に成功いたしました自治体に対しまして10県・市町を訪問いたしまして,その先進的な取り組み,あるいは情報収集など調査を実施してまいりました。また,訪問調査以後もこれらの自治体とは適宜情報交換を行ってございます。また,特に兵庫県との関係がございましたけれども,これにつきましては,東京におきまして,首都圏企業誘致戦略会議というものを毎月開催をしております。県と市で首都圏の企業誘致について現在情報交換を続けております。さらに,兵庫県のひょうご・神戸投資サポートセンターとは,兵庫県,会議所,JETRO,都市再生機構,関西電力という,これらのメンバーで構成をいたします企業誘致連絡会議を設けてございます。定期的に企業立地動向や誘致活動に係る意見交換を実施するなど,日ごろから情報の共有を図りまして,常に連携して企業誘致に取り組ませていただいております。そのほかにですね,県下産業団地の企業視察会を行いましたり,進出を検討している企業に対しましては,県・市共同で県内産業団地との共同提案,共同視察を行っておる,そういう事例もございます。  また,近隣都市の関係でございますけれども,ここでは,特に大阪湾沿岸部で現在交通アクセスが便利で企業立地に非常に評価の高い尼崎市,こちらと定期的に企業誘致の情報交換を実施させていただいております。最近では,大規模な企業誘致の成功事例として,ご承知のように,松下電器のプラズマディスプレイ工場,こちらの誘致に成功したわけですけれども,これに関する情報ですとか,あるいはそれに関連する産業,これについての情報交換を行いましたほか,尼崎市で受けられないぐらい企業が来るということも想定されますので,そういうお願いもしておるところでございます。また,企業誘致情報の発信についても非常にノウハウをお持ちでございます。その辺についても意見交換をしてまいったところでございます。  また,展示会のお話がございましたけれども,これまで物流の展示会ですとか医療関連の展示会,ビューローとしてずっと参加をしてきておるわけですけども,特にですね,実は昨日からこの土曜日まで,千葉の幕張で家電と情報産業の日本最大の展示会,CEATEC JAPAN2007というのが開催をされております。そちらに私ども職員を派遣して,自治体ブースというのがございますので,そこで今,ちょうど営業活動をしておるところなんですけれども,こちらの方では,800を超える企業さんのブースもございますので,もちろんその企業さん相手にPRですとか,あるいは企業情報の取得をさせていただいておるところでございます。  私どもが出展してございます自治体ブースには約15の団体が──自治体の関係の団体が私ども含めて出展をしておるというふうに聞いております。そういうブースの中では,とりあえず自治体同士ですので,まず名刺交換から始まりまして,その次に,やはりお互い皆苦労しておりますので,互いの苦労話とか失敗談をする場合が非常に多いということでございます。その後にですね,お互い,誘致に役立つ有益な情報も入ることもございますので,そういう縁をもとに各自治体と情報のやりとりをすることも頑張ってやっておりますので,ご理解をいただきたいと思います。  ご指摘ございましたように,他都市との競合関係で言いますと,実は周辺の産業団地と競合するようなケースも実際にございました。企業の進出目的や希望する条件などによりまして,おのおの産業団地の特徴を生かしたセールスがやはり必要であると実感をいたしております。成功事例でございますけれども,具体的に西日本をカバーする物流拠点を探しておった企業がございましたが,県内の産業団地数カ所,検討をしてございました。最終的には団地内に神戸西インターチェンジを有するということ,それからその機能を生かしまして,近畿,中・四国へのアクセスが非常に容易であること,あるいは先ほど局長の方から申し上げたこと,こういう特徴が決め手になりまして,私どものテクノ・ロジスティックパークに進出をいただいておるという成功事例もございますので,こういうものをどんどんふやしていきたいと思ってございます。今後もこれまで以上に兵庫県,近隣自治体等と積極的に情報交換を行いまして,連携も強化して,県内の産業団地の中でも特に都心に近く位置をしておりますし,近畿圏では数少ない大ロット用地を提供できる団地でございますので,こういう神戸テクノ・ロジスティックパークの利点を生かしまして,特にトップセールスを展開いたしまして,このビューロー一丸となって大規模な投資を行う企業様の誘致に力を入れていきたいと思っておりますので,よろしくお願いしたいと思います。  以上でございます。 35 ◯美濃みなと総局みなと振興部長 私の方から,港湾サービスの高度化・活性化としてのICTの関係,それから港の振興につきましての花火大会,この2点につきましてご回答を申し上げます。  神戸港におきまして,港湾関連手続,いろいろな手続がございますわけですが,その申請に係る時間とか,あるいはコスト,こういうのを軽減し,港湾の利用者の利便性の向上を図るということで,平成11年10月に全国に先駆けて,船舶の入出港届けの手続などをパソコンで申請できるほか,船舶の入出港予定なんかの情報をホームページで閲覧することができる,いわゆる神戸港EDIシステムというのを稼働させました。その後もSea─NACCS,これは海上貨物通関情報処理システムと申しますが,これは税関の関係のシステムでございます。これとか,あるいは全国港湾EDI,これとも連携をいたしまして,ワンストップサービス化を推進をするとともに,船舶動静の情報発信機能,これは神戸港の場合,中央航路というのがあるわけですが,そこを通ります船の例えば時間とか,そういったものが一目でわかるような,そういった利用者の利便性向上に係るようなこともあわせてやってございます。このEDI申請につきましては,他の主要港が電子申請率,大体4割から6割の中にありまして,神戸港では既にパソコンでも6割の申請があります。これに加えまして,神戸港独自のFAX─OCR申請,これを加えますと,9割を超える高い電子申請率というふうになってございます。  現在,港湾手続の簡素化等につきましては,スーパー中枢港湾の中でも重要な項目として取り上げられてございます。先ほど局長の方からも話がございましたように,ことしになって国のアジアゲートウエー戦略会議,この中でも平成19年5月に貿易手続改革プログラム,これが策定をされました。主要港とか,あるいは地方港によっていろいろ異なります,その港湾関連手続の申請書,この書類の統一化・簡素化,こういったことを進めて,次世代のシングルウインドーへの機能を追加を図るということも今進めようとされてございます。この次世代シングルウインドーでは,現在,動物検疫とかですね,あるいは植物検疫あるいは食品衛生などに伴います輸出入の手続システムと,先ほど申しましたSea─NACCS及び港湾EDIの機能を統合いたしまして,そのすべての輸出入とか港湾関連手続がすべてワンストップでサービス化が図れるというような形で,平成20年10月を稼働目標に現在構築が進められておるところでございます。  先生ご指摘のありましたICタグについてでございますけども,この件につきましては,平成16年度にコンテナ物流での活用につきまして,神戸港を含みます主要港において経済産業省の実証実験が行われてございます。神戸港では,姫路の貨物を海上で神戸へ持ってまいりまして,神戸からアントワープ港向けに輸出されるコンテナにICタグを張りつけまして実験を行ってございます。その実験の結果でございますけども,ICタグの読み取り状況も比較的よく,コンテナ物流業務への活用などでは効果的という報告も出ております。ただ,これにつきましては,先生ご指摘のように,ICタグにつきましては,一日本だけの問題ではなしに世界,グローバルな形で国際的標準化ということが実用化に向けての課題であるというふうに言われてございます。  今後は,国など関係機関が全国レベル,また国レベルで協議をしなければならない,そういう技術的な標準化議論,これは聞きますと,今,ISOの方で作業部会での一応検討に入ったというふうに聞いてございますので,そういった推移も見守りながら,私どもといたしましても,荷主,船会社など物流関係事業者によるこのICタグの実用化の動向,こういったものを,例えばポートセールス活動等も通じまして把握して,必要な対応を時期を失しないようにしていきたいというふうに考えてございます。  それからもう1点,JCL─netについてでございますが,この件につきましては,神戸港では平成17年6月に全国に先駆けて導入をいたしました。港湾関係事業者の参加促進を図るために,平成18年におきましては,輸出コンテナの搬入票の電子化実験,こういうのも神戸の方で行っておりました。こういった取り組みなどを行う中で参加事業者の増加を進めているところでございますけども,そういう増加になかなか至っていない状況になってございます。このJCL─netにつきましては,平成20年度まで社会実験を行うこととなっておりまして,先ほど申しましたが,神戸でも社会実験を行ってございますが,ほかにも東京あるいは大阪でも社会実験を行ってございます。こういった社会実験を見守りながら,平成20年度以降の取り組みにつきましては,主要港での実験の取り組み成果を踏まえて,国及び主要港湾管理者で協議を行っていきたいというふうに考えてございます。  今後,神戸港といたしまして,国が先ほど申しました平成20年を目標に進めております港湾物流情報の一元化,次世代シングルウインドーでございますが,これに対応した取り組みを行いまして,利便性向上に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  次に,花火大会の件でございますが,みなとこうべ海上花火大会,これ,先生ご指摘のとおり,港神戸を広くPRをするとともに,市民と港をつなぐ事業として昭和46年に第1回の大会を開催をいたしました。ことしで37回目を迎えてございます。当初,打ち上げ数が400発という比較的小規模なものでございましたけれども,徐々に規模を拡大をいたしまして,現在では──ことしは打ち上げ数6,000発という兵庫県下では最大,関西でも有数の花火大会ということで,先生先ほど申し上げられましたように,神戸の夏の風物詩という形で多くの市民,観光客に親しまれてございます。しかしながら,安全対策に係る経費,これは年々増加の一途をたどってございまして,大会運営に大きな影響を受けているのもまた事実でございます。そのため,最近では花火大会が各地で中止となる事態も生じてございます。新聞紙上によりますと,大阪とか千葉とか,あるいは奈良,滋賀県等でも中止になったというふうにお聞きをしております。  我々といたしましては,そのような状況の中で,たくさんの市民あるいは子供たち及び観光客が楽しみにしておりますこの花火大会,何とか継続をしてくために,平成16年度より企業協賛金を募ったりとか,あるいは平成17年度からは,これに加えまして,一般市民の方々からの協賛金,これを募って観覧席を提供することで開催を続けておるところでございます。また,本年度からは運営体制を強化するということで,神戸市,神戸港振興協会,それから神戸海事広報協会,それから神戸新聞社,神戸商工会議所,この5団体からに成ります,みなとこうべ海上花火大会実行委員会という実行委員会形式で立ち上げたところでもございます。  ご指摘のボランティアについてでございますけれども,今回の花火大会でも,およそ50名の方々に,例えば救護の関係とか,あるいは迷子の対応とか,あるいは観客誘導といった面でご活躍をいただきまして,大いに貢献をいただいたところでございます。今後も業務内容に応じまして,ボランティアで可能な業務につきましては,積極的に活用していきたいというふうに考えてございます。  さらに,会場となります神戸港の周辺では,大規模な交通規制を実施しております。このため,周辺企業とか地域住民の皆さんにも大変ご不便をおかけをしておりますけども,ご理解・ご協力をいただいておるところでございます。我々といたしましては,この花火大会,先ほど申しましたように,資金面からサポートをいただいております企業や市民あるいは業務面でご協力をいただけるボランティア,また交通規制でご協力をいただいております周辺企業や地域住民の皆様あるいは市民,みんなで支えて開催していくものであると,こういうふうに考えてございます。今後とも市民の皆さんに喜ばれる内容を目指して花火大会を進めていきたいというふうに考えてございます。よろしくお願いをいたします。  以上でございます。 36 ◯分科員(岩田嘉晃) どうもご丁寧なご説明,ありがとうございました。また,複合産業団地につきましても,企業の進出の交流会をしていきたいということで,次に,私も先ほど申し上げましたが,ポーアイの2期が終わりますと,やはりこちらの方に目を向けられるのはもう必至でございますし,まさに将来に向かって神戸市を左右すると,みなと総局につきましても左右する物件だと思いますので,特にこの辺については,今後とも慎重になりながら活動も進めていただきたいと強く要望する次第でございます。  そして,今,花火大会の方もご回答いただきましてありがとうございます。市民の方々が不安に思っておられる,各地方でも取りやめに──先ほどお話がありました取りやめになられておる市町村もございます。こういったところ,神戸市は1つの楽しんでいただける,そういった市民の立場を考えて,一層の努力の方,よろしくお願いしたいと思います。  そしてちょっと質問もまだ15分ほどございますので,ちょっと1~2件──先に要望の方,言わせていただきますが,先ほど,港湾サービスの高度化・活性化ということで国の方が進められます次世代のシングルウインドー,こちらにつきましても,平成20年10月ですか,構築を進められておるということで,簡単に申し上げても,大変難しい問題やと思うんですが,これを神戸港だけでまさにやろうと思っても,先ほどのICタグではございませんが,わかって質問させていただいたんですが,世界じゅうにも,そして日本じゅうにも,先に国がやはり主導をもってやっていかなければ,神戸市ではとても単独で行える事業ではございません。これもやはり局長,また幹部の方々,一緒になりながら勉強していただいて,そして神戸港が3大港として神戸市がずっと名を連ねていけるような将来像を持っていただいて頑張っていただきたいと思いますので,この辺についても重ね合わせまして強く要望しておきたいことでございます。  昼までにご質問がまずあったわけでございますが,回答もいただきました。その内容でございますが,ちょっと違った観点か,少しもう1度切り口を変えながら検討──を再度お答え願いたい部分がございますので,よろしくお願いしたいと思います。  これにつきましては,国内の生産拠点,東南アジアなどに移しておるところがたくさんございます。さらに昼までにお話がございましたインド,そしてブラジル,ロシア,いわゆるBRICsと言われるその諸国でございますが,この辺のところが,やはり人口も多い諸国というのが,やっぱり台頭が始まっておるわけでございます。まず大企業につきましても,かなりそういったところに新しく企業進出も進めておるところでございますが,こういったところを,やはり関係は──そういったところの関係を今から構築していかなければならないとも思いますし,そしてまた在日公館など,こういった──など,どんどん神戸を離れていっておるのではないかなと思うわけなんですが,これについて東京都に集中してしまっていると今思います。そういったところで将来を見据えまして,やはり貿易,また観光などのこういった別の切り口の間で──ことで関係組織を新規に設立するということも視野に入れていくべきではないかなと思います。こういった部分について,長・中期的な考えでもございましたら,再度お答えの方お願い申し上げたいと思います。そういう点でお願いいたします。 37 ◯山本みなと総局長 先ほどの質問で中国の将来に対して──を考えると,そういう国との連携も必要ではないかという形で,これはかつて言われておりますし,世界的な港湾管理の中でもやっぱりBRICsというお話は出てるところでございます。私としまして,そういう長期的な視野というのも腹に持つ必要があるというふうに思っておりますけれども,当面,やはり中国の何と申しても経済発展がすごいし,また取扱貨物量も多いという形でございますので,やはりこれに短期的にはやはり力を入れていくという観点が大事かなと思っております。その中で時間をいただきながら,どういう形で──日本から一番近いのはブラジルではなくてロシアあるいはインドといった動きは出てくるかもわかりません。また,去年はベトナムへポートセールスで行ったわけでございますけども,ベトナムの発展も著しいといった中で,ある程度多面的な方向性を持った形で東南アジアを見ていく必要があるなと思っております。  今言いましたように,在日公館でそういったものをつくっていくのかという形でございますけど,確かに,かつて神戸にはたくさんの領事館もあったわけでございますけれども,それが関西全体の経済の沈下とともに,ある程度神戸から移っていったという経緯もございますし,また,おのおのの国での統廃合みたいなものが進んだかもわかりません。そういった形で,東京都にそういう在日公館があるということでございますけれども,東京方面に対しましては,経済人会議とか,あるいは神戸の集いとか,そういったものも行っておりますので,その所管の産振局とも協議しまして,そういった向こうの公館あたりも呼べるのかどうか,そういった形の中で環境をつくっていくということも大事かなと思いますので,そのあたりもまた調整してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 38 ◯分科員(岩田嘉晃) どうもありがとうございます。まさにこの貿易,ポートセールスに関しましても,やはりいろんな立場から見ていき,時代が確かに変わってきておるかと思いますのは,私ども同じです。いろんな観点から神戸の発展のために,また活性化のために,いろんなご意見も言わせていただきたいと思いますし,また,いろいろな今後とも勉強会など,よろしくお願いしたいと思います。  まだ時間が──少し質問させていただく時間がございますようなので,もう1点ご質問させていただきたいと思います。  実は今までの1年ぐらいですか──議会の中でいろいろ調べさせていただきましたら,ご質問された内容でもございました。ところがそれから約半年──7カ月か1年ぐらいたっておるということで,もう1度,この辺のところ,今どうなっておるのか,また確認させていただく内容がございます。これは実はSOLAS対応の問題でございますが,これ,神戸港でも港湾施設約50カ所をSOLASの対応とするなど,そういった保安対策が講じられておるとお聞きしております。ちょっとその処理というんか,発表ですか,質問内容を見せていただいたんですが,まさに他港との競争面で神戸港と安全性もっと打ち出していくことはできないかとは思うわけでありますが,まさにこのコスト面での競争につきましては,なかなかかなわない部分があるわけでございますが,神戸港の荷役等,そしてまた安全性やら安定性について,もっと神戸市らしさ,そしてまた神戸市が見せられる部分というんですか,そういった部分について,今,SOLASについてどの程度進んでおられて,国から定められた──法律で決められたものでございますから,当然行われておると思うんですが,その50カ所について今満足されておられるのか,再度お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 39 ◯山本みなと総局長 今,SOLASということでございますけども,海上人命安全条約の改正を受けて制定された国際船舶・港湾保安法が平成16年7月より施行されたということでございまして,船舶や港湾施設に対する危害行為を防止するための外航貨物船や外航客船が一定隻以上,一定隻数以上利用する場合には,各地区ごとに保安規程を作成し,フェンスや監視設備等の整備と保安要員の配置など保安対策を実施することになっております。神戸港でも公共・公社・民間バース合わせて47地区,89バースにおいて保安要員を配置して,不審者が侵入したり不審な貨物が持ち込まれないよう人や車両の出入り管理を行うとともに,制限区域内及びその周辺の監視等を行っているという状況でございます。これはそういう条約でございますので,神戸港としてもきちっと対応しておるということでございます。  ただ,非常にやはりアメリカあたりの企業あるいは政府関係者と話しますと,非常に安全に対しての──神経質なんですけれども,厳しい要求もございますので,今後,このあたりはさらに厳しくなるいうんですか,充実したものになるというんですか,そういった形の動きが出てくるんじゃないかというふうに考えております。神戸港としても,先生おっしゃるとおり,コスト・スピード・サービスも大事なんですけれども,やはりその土台が安全ということでございますので,セキュリティー対策も万全であるということを含めて,これからポートセールスに当たりましても,コスト・スピード・サービスプラスセキュリティーというような形での合い言葉で取り組んでまいりたいと思っております。  以上です。 40 ◯分科員(岩田嘉晃) どうもいろいろ,約1時間かけまして,いろいろご質問させていただき,皆さん方からご回答いただきましたことお礼申し上げます。実は先ほどから──昼までかなり用意しておったんですが,前半,皆さん方からご答弁賜りましたので,この辺で質問,そしてまた要望としても打ち上げたいと思います。どうもありがとうございました。 41 ◯主査(金沢はるみ) ご苦労さまでした。  次に,北川委員,発言席へどうぞ。 42 ◯分科員(北川道夫) まず最初に神戸空港の国際便受け入れ体制について伺います。  神戸空港は,昨年9月に国際便の受け入れを開始してちょうど1年が経過しました。国際ビジネスジェットについては受け入れ実績がまだ少ないものの,このたびの神戸・天津友好の翼交流事業では,神戸空港から天津空港に向けて初の国際チャーター便が飛び立ちました。また,世界華商大会では,大会関係者が借り上げた旅客機による国際チャーター便が中国海南省から神戸空港に到着いたしました。これらのことから,神戸空港の国際便は何かと制約が多いものの,工夫次第では利用件数を上げていくことができるのではないかと期待しております。  そこで,この1年間の取り組み結果について検証して,今後とも国際ビジネスジェットの誘致について一層力を入れるとともに,国際チャーター便の受け入れについても積極的に取り組んでいくべきではないかと考えております。局長のご見解を伺います。  次に,スーパー中枢港湾の一開港化について伺います。  午前中から議論が出ておりますけれども,もうこのスーパー中枢港湾については,神戸港が国際競争力を強化することで神戸港の力を取り戻すために,官民一体あるいは事業者と一緒になって取り組んでおられる,本当に大事なプロジェクトだというふうに考えておりますけれども,いわゆる阪神港として指定された中,ことし12月から一開港化が実現するというふうに聞いております。これによりまして,阪神港として外航船に対するコスト低減とかですね,これからいろいろインセンティブが出てくると思いますけれども,このようなチャンスをとらえて,これからどのように一開港化として取り組んでいかれようとしているのかについて伺いたいと思います。  次に,神戸港の中国戦略について伺います。  さきの本会議でも代表質問で取り上げましたけれども,これも先ほどから議論になっております中国が非常に経済成長が著しくて,神戸港の3分の1以上が中国貨物であるということで,今回,上海事務所──神戸倶楽部の立ち上げで,ポートセールスに局長みずから台風の中,中国に行ってポートセールスされているとお聞きしますけれども,このPRにはやっぱり戦略が要ると思うんですね,マーケティングといいますか,ただPRしてるだけでは,輸入については,やっぱり神戸より大阪に荷物がどんどん来ている状態でありますし,いかに戦略をもって神戸港に貨物を着けてもらうかということで,本当に戦略をもって努力はされていると思うんですけども,ポートセールス,これをどうやって今後ね,今までもやられてると思うんですけども,取り組まれていこうとされているのか伺いたいと思います。  それから企業誘致でありますけれども,これも瀬戸内海や九州の荷物を神戸港に誘致して,背後圏に神戸港から発送すると,その荷物を発生させる企業を誘致するという,これずっと言われておりますけれども,今,中古建機や,あるいは中古自動車,オークションから始まって,荷物の自動車や中古建機も神戸港から発送できる,中古自動車専用のコンテナもできて,貨物を神戸港から発送できるようになったと,当初はオークションだけであったと,オークションで落札された中古自動車が堺泉北港や大阪港から海外に出てたという話ですね。だから,オークションやってもらってただけなんが,輸出業者に来てもらって,神戸港から自動車を発送できるその仕組みね,仕組みは当初は考えてなかったということであります。だから,サプライチェーンマネジメントというんですか,商品を調達して神戸港から発送していく,材料を神戸港で受けて供給から発送までチェーンできるような,この仕組みを考えた企業誘致,これが必要であると思います。プロモーションビューローでの企業誘致,先ほどからありますけれども,こういう視点で企業誘致されてると思うんですけれども,要は中古自動車や中古建機の次のものね,具体的に次は何をねらっておられるのか,中古自動車や中古建機の次のものはどうやって今ターゲットとして営業活動されているのか,これを伺いたいと思います。  それと,最後に須磨海岸について伺います。  この問題は,本会議でも議論がありましたけれども,我が会派としても以前から神戸の観光資源であります須磨海岸について,花火の問題とか海の家の騒音,それからごみの問題,車の不正乗り入れ,規制すべきではないかと当局の見解を求めてまいりました。以前から局は,条例化に向けては,その実行力を担保するために罰則など厳しい強制力を必要とすることから,他都市の事例を研究し,関係機関と議論していきたいという答弁でありましたけれども,他都市の事例,関係機関との協議はほとんどできていると思うんですけども,条例改正していくという答弁ありましたけど,その時期とかですね,具体的にこの議論が煮詰まってるのか,その辺のところを伺いたいと思います。  以上です。 43 ◯山本みなと総局長 それでは,私の方からスーパー中枢港湾につきまして,国際競争力を育てる,どのような取り組みが必要なのかという点と,あと中国戦略というご質問ございました。中国戦略と,それと須磨海岸の3点につきまして,ご回答申し上げたいと思います。あとは参与,部課長からお答え申し上げます。  まず,スーパー中枢港湾でございますけれども,ハード・ソフト両面からさまざまな取り組みを進めております。これはもともとコストのやはり3割を削減すると,リードタイムが3日ほどかかってたのを1日に短縮すると,これによってアジア主要港をしのぐコスト・スピード・サービスを実現したいという目的を持って進めているものでございます。  ハード面の取り組みとしましては,マイナス16メートル岸壁あるいは共同デポの整備などを進めております。ソフト面については,IT化はもちろんのこと,大阪湾諸港の一開港化をはじめ,さまざまな取り組みを進めておるということでございます。ご承知のとおり,一開港化の早期実現という形で,これはとん税・特別とん税を今2港で取っておるという形を1港で取るという形で,港湾管理者として国へ要望活動も行いました。国・関係機関・港湾管理者から成る推進会議で検討を進めた結果,おかげさまで,ことしの12月1日から阪神港として一開港化が実現される見込みとなったということでございます。神戸市としては,この一開港化に先駆けまして,大阪湾の4港湾管理者連携による入港料低減のインセンティブ制度をことし4月から既に実施しておるという状況でございます。  神戸港はもともと,東アジアとの結びつきが強いということでございまして,特に近年,中国・韓国の台頭を受けて近海航路を就航する船舶は年々増加しておるわけでございまして,その多くが大阪湾の複数港に寄港する船舶であるということでございますので,一開港化の実現によりまして,大阪湾に入港する外航船のとん税・特別とん税は,これまで各港で払っていたのが1回で済むということになりまして,負担が軽減されるということから,国際競争力の強化を図っていくという観点で行ってるものでございます。  今,おっしゃったように,一開港化を機にどのように国際競争力をつけるのかということ,これ,1つの国際競争力でございまして,調べてみますと,近海航路を就航する外航コンテナ船につきましては,2港寄りしている航路数を京浜港と比べますと,京浜港はもともと一開港になっておりまして,京浜港では約,そういった2港寄りしている船が85%に対しまして,やっぱり大阪湾ではまだ一開港化ができてなかったということで67%という形で低いという状況でございますので,東アジアとの結びつきをさらに深めていくというためにも,この一開港化を機に港湾コストの低減など大阪湾の利便性を向上させ,近海航路の2港寄りの促進を図って中国貨物の増大につなげてまいりたいというふうに考えております。  ご承知のとおり,あわせて何回も申し上げてますが,内航フィーダーの活性化あるいは様式の統一とか,そういったものを進めてまいって,スーパー中枢港湾のソフト面の充実を,ハード面はもちろんでございますが,図っていって,国際競争力をつけていきたいと考えておるところでございます。  中国でございますけれども,中国貨物は,ご指摘のとおり神戸港で取り扱う外貿コンテナ貨物個数のうち3分の1以上を占めるという形で,外貿コンテナ貨物個数の3分の1以上を占めるということでございます。最近4年間も非常に高い伸びを示しておるところでございます。これは世界の工場としての中国向けの原材料,部品等の輸出,それと巨大消費市場向けの製品の中国向け輸出,中国で生産された製品等の輸入などが順調に増加しているということが寄与しているというものでございます。  具体的に輸出でございますが,西日本の製造拠点から発生する貨物としましては産業機械,化学工業品,繊維工業品等や日系企業の海外進出に伴う現地の組み立て工場向けの基幹部品や半製品,原材料,そういったものが増加しておるという状況でございます。また輸入につきましては,中国で生産された衣料,日用品,雑貨,家具などの消費財,そして製造食品等が増加しておるということでございます。これは来年の北京オリンピック,2010年の上海万博というのがございますけれども,中国経済がますます,そういった点を踏まえて拡大しているというところが大きいというふうに考えてまして,神戸港もですね,前にも申し上げましたが,この拡大基調に沿って港勢の拡大を図りたいというふうに考えてます。  神戸港でございますけれども,中国に対しましては,どういった利点があるかということでございますけども,5大港の中では最も西にあって,関門海峡を通れば輸送日数が非常に短いということと,日中航路というのも数も豊富ということでございます。また,フェリーで上海,天津と結ばれておるということと,中国貨物のボリュームインセンティブといったインセンティブ策を実施しているということでございます。  こういった点が案外,中国には知られてないという形で,おまえも現地行ったやないかという──現地へ行きますと,びっくりしたのは,横浜の隣に神戸港があったり,何かちょっとわけのわからない地図があったりしまして,ちょっと神戸の位置も理解してないような場面も出くわして,ちょっと驚いておるわけでございますけれども,そういったことで,中国経済,物流の中心地は上海で,やはり神戸港の優位性といったものをじかにPRすることが大事かなと思っております。  その点もございますし,また,どうしても中国貨物となりますと,人と人とのつながりということを非常に大切にする国でございますので,上海事務所を通じまして,そういった関係をつくるとか,また我々のポートセールスのほかに民間の企業の方から来ていただいて,そういった方も人と人とのつながりを持っておりますので,そういった方を利用しながら,人と人とのつながりもつくっていきたいと思ってます。  神戸港をアジアのハブ港としての地位を確立してたわけでございますけれども,現在はやはり非常に厳しい状況に置かれておりますので,今後は中国での巻き返しを図りたいと思っております。日系企業の現地法人や日本側の親会社などにも訪問したり,セミナーを開催するという形で,こういったものを通じまして,やはりある程度関係をつくっていきたいと思ってますし,また12月には中国船社や中国貨物の海貨事業者,また中国との貿易量が多い日系企業,荷主ですね──を対象にセミナーを今度は神戸で開催したいと思ってます。今後とも気を引き締めて,こういった点をPRしながら,地道な努力を通じて貨物をふやしていきたいと考えております。  それと須磨海岸でございますけれども,多大なご迷惑かけて申しわけなく思っております。須磨海岸は,ご承知のとおり,神戸市民をはじめ多くの人に親しまれておる海岸でございまして,例年,海水浴場開設期間は80万人から100万人の人出でにぎわっておるということでございます。今年度は昨年度より──昨年より多い──ことしは昨年より多い1割多い形で約88万人の海水浴客に利用していただいたところでございます。そういう意味では,にぎわいがあるところなんでございますけれども,一方で花火,海の家の騒音,ごみの問題,車の不正乗り入れといった多くの問題を抱えておりまして,いろいろと対策を講じてきたわけでございますけれども,この対策だけでは限界があるというふうに考えておりまして,市会をはじめ周辺の皆さんからは,罰則を規定した条例による取り締まりという形での指摘を受けていたところでございます。  他都市の事例等をどのように勉強したのかということのご質問でございますので,1つは花火対策でございますけれども,平成15年に地域とともに定めた須磨海岸花火ルールというのがございまして,これは夜9時以降の花火禁止という形で,こういうルールを決めまして,地元の自治会・婦人会・青少協・海の家・警察・区役所といった関係者で構成された須磨海岸花火対策会議が花火パトロールを実施しているところでございます。皆様方のご努力によりまして,年々注意する件数も減少し,注意するとやめるというようなことで,一定の効果があらわれてきてるというのも事実でございます。しかし,依然として深夜の花火──迷惑花火というのがなくなってないと,続けられてる状況であるということでございます。この花火に関しまして,近隣他都市で事例を調査しましたところ,明石,西宮,宝塚,こういった市におきましては罰則を規定した,5万から10万円以下の罰金でございますけれども,花火規制条例がつくられているということでございます。現実に,この罰則を適用した例があるのかということで聞きますと,適用した事例はないということでございました。  海の家の騒音でございますけれども,海の家の深夜営業・騒音対策につきましては,昨年の海開き前から地元自治会と海の家がルールづくりに関する話し合いの場を持っておるということでございます。まだルールが確立されるには至っていないということでございます。ことしの夏につきましては,一部の心ない海の家が大音響の音楽を鳴らして,周辺の住民の方々から多数苦情が寄せられたということもございまして,神戸市におきましても,どうしたものかということで苦慮したところでございますけども,この海の家に対しましては,来年度の占用許可は行わないという方針で臨んでおります。  また,この海の家の騒音でございますが,他都市の事例を調査したところ,騒音に関しては,カラオケに関しては迷惑防止条例を定めてる自治体はございますけども,海の家の音楽騒音といったものに対して,直接対象とした規制は行われていないという状況でございました。  ごみでございますけども,ごみ対策は,シーズン前後は地元自治会を中心とする須磨海岸を美しくする運動推進協議会といったもので大規模なクリーン作戦を実施していただいております。神戸市では年間を通じまして,ごみ回収することはもとより,シーズン中は従来からビーチクリーナーによる早朝の清掃あるいは夕方の監視員などの清掃に加えて,平成17年からは海の家に朝夕の清掃を義務づけているということでございます。ごみ問題というのは,遊泳客等の理解と協力はぜひとも必要でございまして,マナーの向上を訴えていきたいと思います。  なお,廃家電とか大型ごみとか建築廃材等,こういった不法投棄もあるわけでございますけれども,非常に悩ましい問題でございますが,不法投棄者が特定できれば,廃棄物の処理及び清掃に関する法律により罰則の適用はできるということでございます。  続きまして不正進入車両対策でございますけれども,須磨海岸では車両の乗り入れ・通行につきましては,海岸管理者の管理権に基づき,原則禁止ということで臨んでおります。ただし,生活や職業のため海岸内に通行せざるを得ない漁業関係者,近隣居住者,海の家関係者等の車両乗り入れ・通行は許可している状況でございます。車両の進入につきましては,ロボットゲートを設置し,許可車両は専門のリモコンにより開閉することで管理してございます。また,海水浴期間中は進入口にガードマンを配置して,通行許可証と車両番号の確認を行うなど措置を講じているということでございますが,しかし実際には,ゲートで待っておって,あければすっと入るというような不正な手段を用いて進入し不法駐車しているという苦情が後を絶たない状況でございます。また,近年,サンドバギーというのの乗り入れ・走行は危険であるという苦情も警察や市に寄せられておるところでございます。ことしの夏は警察と海の家の役員と協力して合同パトロールを初めて実施して,注意・指導を行ったところでございますけれども,なかなか排除できない状況でございます。これらの車両乗り入れ規制につきましては,他都市を調べますと,条例を制定して規制している都市もございますし,海岸法に基づいて規制しているといった都市もございました。  以上のような状況から,特に花火と不正進入車両につきましては,神戸市としましても,須磨海岸を管理していく上で規制強化の必要性を認識しておりまして,一定の結論を出すべき時期に来ていると考えております。条例も含めて何が一番効果的なのか,今後,警察関係者と具体的な協議を進めまして,いつから決めるんかということでございますけども,そういう関係者との協議もございますので,できるだけ早く決めていきたいと思っております。私どもとしましては,市民をはじめ多くの皆様に安心して楽しめる須磨海岸にしていきたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げたいと思います。  以上です。 44 ◯山野みなと総局参与 神戸空港での国際便の受け入れについて,この1年間の取り組みの検証と今後の取り組みということでございます。  神戸空港における国際便につきましては,自家用機あるいはオウンユースチャーター,このオウンユースチャーターといいますのは,個々の乗客が費用を負担しない,あるいは一般に公募しないという条件でございますが,このオウンユースチャーター機の運航は認められております。平成18年9月から出入国審査を伴う国際便の受け入れを開始してございます。本年9月末までの受け入れ機数は22機でございます。このうち神戸空港で何らかの出入国審査手続を行ったものは10機ということで,少しずつふえておりまして,今後一層のPRに努めていきたいと考えてございます。  国際ビジネスジェットの利用促進に向けましては,本年9月の全米ビジネス航空協会年次総会への出席・PR,ビジネスジェットの誘致の実績のある運航支援事業者の誘致活動,東京での外資系企業誘致セミナーでのPR,領事館への働きかけ,ビジネスジェット利用促進に向けたパンフレットの配布によるPR,外資系企業等への個別訪問による利用促進など,機会あるごとに積極的なPRを行っているところでございます。ただ,出入国に係る国の各機関,これは税関・出入国管理・検疫等でございますが各機関の審査手続,特に審査時間帯に一定の制約がございます。神戸空港での利用希望があっても見送らざるを得なかったケースもございます。このため,利用時間については柔軟に対応していただけるよう,その都度,関係各機関にお願いしているところでございます。  先日の天津チャーターのように国際チャーター便においては,一度に多数の旅客を扱いますので,CIQ審査室が使えません。したがいまして,2階の出発待合室のスペースを臨時に使用しまして,国内線旅客との動線の分離や迅速な審査体制の確保,定期便とのスポット調整など,関係者との緊密な調整を行いながら対応しているところでございます。  国際ビジネスジェットの就航は,企業誘致はもとより,医療産業都市構想など神戸の将来を担う新たなビジネスの発展に寄与し,神戸経済の活力の向上に大きな役割を果たすことから,今後とも積極的に誘致をしてまいりたいと考えてございます。また,国際チャーター便についても,これから少しずつ実績を重ねていきたいと考えてございます。引き続き,国際ビジネスジェットやチャーター便の就航ニーズにできるだけ柔軟に対応していただけるよう,関係機関との事前協議を密に行うとともに,施設整備面でのどのような工夫が可能か,関係機関と協議してまいりたい,こう考えてございます。  以上でございます。 45 ◯花木みなと総局参事 それでは,私の方から企業誘致と,次のターゲットになる貨物につきましてご回答申し上げたいと思います。  企業誘致につきましては,ポートセールスの基本戦略の3本柱の重要な1つとしまして,エンタープライズプロモーションビューローとポートセールスチームが連携しまして,積極的な誘致活動を進めておるところでございますが,先生ご指摘のございましたように,中古自動車あるいは中古建機のオークション会場が神戸港に進出していただいたということで企業集積が進みまして,平成18年には中古自動車13万台,全国でも3位になったと,中古建機でも5万1,000台というようなことで,近年大きく伸びてきておるわけでございます。まだまだ今後もロシアだとかアフリカなどの発展途上国を中心に,この中古自動車・建機の伸びが続くのではないかというふうに我々も期待しておりまして,大切に育てていきたいというふうに考えております。  ご指摘の,じゃあ次のターゲットはどうかと,それを考えていくことは重要というご指摘でございますが,我々,当面は今申し上げましたように,中古自動車・建機を大切にしながら,今後は個別の企業訪問等を通じまして,企業の設備投資状況を的確に把握しまして,新たに増加が見込める貨物を探っていきたいというふうに考えておりますが,例えば日系企業の特に中国・東南アジアの海外進出に伴いまして,製品輸出にかわりまして,高級な中間財や部品が伸びておるわけでございますが,そのような製品輸出にかわる現地組み立て工場向けの基幹部品,例えばでございますが,薄型テレビのパネルだとか自動車,それから船舶の精密部品,それから衣料品等の化学繊維,こういうものもターゲットに考えていきたいと思ってますし,また,神戸港の背後圏から発生する重量物,特殊貨物,化学品など特殊な荷役技術等が要求される貨物につきまして,例えばシームレスパイプだとか自動車の高級鋼板用のコイル,それから鉄道車両関係,自動車用塗料,それから汎用化学品,こういうものにも焦点を当てて将来的に神戸港の利用につながるように努めていきたいと考えております。  以上でございます。 46 ◯分科員(北川道夫) 須磨海岸につきましては,条例改正というお話が出ますので,もう早急に条例制定ですね,条例をつくっていただいて,市民の皆さんが楽しんでいただけるように,早急に対策を打っていただきたいと要望しておきます。
     中国戦略ですけども,輸出の方は日用品中心に中国に向けてね,神戸港から出てるということでありますが,輸入については,やっぱり大阪に着いて,大阪から市場の大きい東の方に流れてると,いろいろ課題はあると思いますが,上海の方で神戸港の認知度が薄いというのは,ちょっと信じがたいお話がありましたけれども,やっぱりもっと神戸港に荷物が着くような対策は本当にないんでしょうかね,その辺,局長,コメントありましたらお願いします。  それと国際便の受け入れ体制ですけれども,非常に制約が多いわけですね。国際便のビジネスジェットは神戸空港に着けるという実態はもう,そういう許可はおりてるわけですから,他の空港に比べて,例えば受け入れ時間が8時半から5時まで,平日に限る。あるいは予約が2週間前まででないと予約できない。あるいは動物検疫・植物検疫が実施されてないという,非常に制約が多いと。国の方に要望してるということでありますけれども,聞くところによりますと,国と神戸税関とキャッチボールされてて,国に言うても神戸税関の問題やと,神戸税関に言うても国の問題やということで,やっぱりこれは空港ですから,国土交通省にもっと強く要望していただいて,明年,天津から交流団が神戸空港にまた着くわけですから,早急に小さなトラブル──神戸空港,狭い空港ですから,いろいろとCIQについてもですね,スペースが小さいので,やっぱりリフォームいいますかね,受け入れにはやっぱり仕切らないかんとか,いろいろな課題が残っていますが,この辺の受け入れ体制についてハードの面ね,ソフトの面は国に要望していただかないといけないわけですけれども,このハードの面もですね,狭い空港でどうやって受け入れ──仕切るとか,別のスペースを設けるとか,課題があるわけですが,やっぱりこのハード面でもリフォームというんですか,改修というんですか,その辺,検討が至急要ると思うんですが,局長,どうでしょうか。  それと港湾ですけれども,例えば広島港から北米西海岸にコンテナ貨物を運ぶ場合,広島から神戸へ送って北米へ出すよりも,釜山へ出した方がコストが安いと,瀬戸内側へ荷物集めて頑張るという答弁がけさほどからありましたけれども,内航フィーダーより外航フィーダーの方がコストが安い。コンテナ1個当たりで広島港から釜山は,たしか6万5,000円,広島港から神戸港は9万です。これ,今でもそうですかね。基幹航路のコストが釜山から北米,神戸から北米はコストは同じだということで,内航フィーダーのコストが高いと,これは民間業者の問題ですし,中国船社の営業努力でそうなってるとは思うんですけれども,この辺の課題はどうやって乗り越えるのかなと,ここはもうあきらめるのか,ほかの対策で神戸に貨物持ってくるのか,その辺はどう考えたらいいのか,ちょっと局長,感想を聞きたいんですけど。  それと,瀬戸内の荷物ということで,モーダルシフトいうインセンティブが国交省の方から出てます。環境に配慮したCO2削減で,トラック輸送から海上輸送にすると非常に大量のCO2削減ができるということで,このインセンティブも出ているようですけども,聞くところによると,非常にモーダルシフトについては利用回数が少ないということを聞いております。この環境を配慮した海運──瀬戸内から荷物を持ってくるという非常に大事な施策であると思うし,もっと利用がふえてもいいんじゃないかと思うんですね。これ,なぜ利用がふえてないのか,PR不足なんか,もっと背景に問題があるのかね,この辺についてもちょっと局長,お聞きしたいと思います。  企業誘致,いろいろ,ビューローとかで努力されていると思います。サプライチェーンマネジメントということで,いろいろメリットはあるんですね,インセンティブ,これ企業が神戸に来れば,コンテナヤードからすぐに工場で製品にして国内に運べると,例えば私の知り合いなんかが大阪の枚方に工場を持ってましたけど,材木屋さんですけれどもね,六甲アイランドに工場を建てて,北欧からの材木を神戸港からすぐ六甲アイランドで製品にして組み立てて国内,全国に──世に出すということで,非常にコンテナヤードから六甲アイランドの工場に輸送するコストが省けたと非常に喜んでいるわけですね。こういったことももっともっと,先ほど成功事例というお話が岡田参事からありましたけれども,PRをどんどんしていただいて,ただ企業を誘致するんでなくて,こういうサプライチェーンマネジメントが神戸港へ来たら,非常にメリットがあるんだということをもっともっとPRしていくべきであると考えております。  例えば医療産業構想を例にとりますと,110社,神戸に医療産業が来てますけれども,余りマイナスカウントは公表されてませんが,30社,神戸から引き揚げてます。社内事情があって,いろいろな事情で神戸から出ていってるということもあるんですが,やはりちょっとはメリット,受け入れ体制あるいは相談体制,いろんな受け入れ体制は努力しているということもあるんですが,マイナス面でいろんな医療産業都市構想ですと,企業からの相談を受け付けて,もっと神戸で研究して製品までもっていくということをPRはしてますけれども,30社が神戸から出ていってるという現実もあります。例えばですけど,こういった仕組み,先ほどから申し上げてますように,企業にただ単に来てもらうんじゃなくて,こういうメリットがあるということを仕組みをですね,先ほどの中古自動車だけでなくて,輸出業者にも来てもらわなあかんということがいい例でありますけれども,こういった仕組みについてもビューローの方でですね,専門家のノウハウも要ると思うんですけど,こういうこともよく営業に取り入れていただいて取り組んでいただきたいと思います。これについてもコメントありましたら,よろしくお願いします。 47 ◯山本みなと総局長 中国貨物を集める予定はないんかと,上海でそれほど神戸港が知られてなかったのかということで,ちょっと言葉足らずでございますけども,私が回りました船社の中で,そういう地図が広げてあったのが1つあったということでございますので,神戸港が上海で全く知られてないということはございませんので。中国貨物をさらにふやすと──中国貨物はふえてきてます正直な話。これは事実でございますので,この拡大基調を我々は何とか維持したい。また,さらなる拡大を図りたいという形の施策をとっていく必要があるということでございます。  中国の貨物が要するに輸入が伸びておったというのが14年,15年。というのは東京・大阪港がやっぱり伸び率が1位であったという──1位,2位だったと。ところが昨年からどうも日中トレードが輸入が多いよりも輸出もかなり出てきておると,それはやはり中国の方に大規模工場が進出したり,そういった形の中で,ある程度そういった機械加工部品とかですね,そういったものが神戸から,あるいは東京から出ていって,輸出もふえてきておるのではないかという形の状況が──昨年からそういう形で動いておるんじゃないかという思いを持っておるところでございます。したがいまして,中国からは輸入ばっかりがあるという,輸入が多いかもわかりませんけれども,輸出もかなり出てきておるのかなと思ってます。  そういった観点から神戸港は上海事務所をつくりまして,わざわざその上海に駐在まで置いておるわけでございますから,そこが常時PRすると,そんな中で,応援団として神戸倶楽部もつくって,175人ですか,そういった方たちに入っていただいてやっていくというもので,徐々にそういったことが神戸港の貨物の増大につながるんではないかと。きょうやってあす,つながるものではございませんので,そういった手を打ちながら,じわじわと神戸港の貨物をふやしていきたいと思ってます。もちろん急ぎたい気持ちはあるわけでございますけども,そんなに即効性のある仕事ではないと思っておりますので,我々としては地道に頑張っていきたいと思っております。  それと,広島から釜山へ持っていって,釜山から北米へ行くと,広島から神戸へ持っていって北米へ行くという形で,ちょっと料金は,私,国土交通省に聞いたのは,広島が分岐点あたりかなという形では聞いておったわけでございますけども,ひょっとしたら広島は釜山の方が安いという状況かもわかりません。そのあたりにつきまして,もう1度,内航フィーダー協議会なんかで一度尋ねてみたいと思いますが,ただ,料金だけで貨物が動くということではないと思いますので,あくまでも内航フィーダーで神戸港へ就航を接続される根本的なポイントというのは,やっぱりトランシップという積みかえのための基幹航路をはじめ,世界各国につながる定期航路網の維持・拡大といったことがあってこそ,トランシップの貨物がふえるということもあるのではないかと思っております。  最近,誘致活動をしまして,ドイツの船社のハンブルグシドがことしの秋から神戸,横浜を起点とした欧州航路を新たに開設するというふうな動きもございますし,あわせてまた新しい船社の誘致といったものにも力を注いでいきたいと,そういったトータル的な話の中で,コストが安ければ神戸港へやってくるという事態になると思いますので,そのあたりも一度,内航フィーダー協議会をつくりますので,一度話をして,聞いていきたいと思っております。  以上です。 48 ◯山野みなと総局参与 国際便のチャーター機等に関する制約でございます。ご指摘のように,神戸空港における国際便の受け入れについて,例えば入国でございますが,14日前までにフライトプランを関係機関に提出する。受け入れ時間帯が平日の8時半から17時に限定されてるなど,制約が大きいのが現状でございます。例えばビジネスジェットを利用する企業幹部にとって,出張スケジュールというのが直前までなかなかフィックスできないということも多うございます。平日の昼間にビジネスをこなして,夜間あるいは休日の時間帯を利用して移動する──飛行機で移動するといったケースが多く,現状ではビジネスジェットの利用者ニーズに十分こたえられていないと考えています。また,今後の国際チャーター便についても柔軟に対応していただくことが望ましいと考えてございます。  現在,CIQの各機関は,その都度出張して審査していただくことになりますが,時間外の利用につきましては,事前に協議し,ケース・バイ・ケースで対応をお願いしてるところでございます。例えば9月に実施しました神戸・天津友好の翼交流事業におきましては,到着が2時間おくれの──運用時間が2時間ずれました19時に入国審査をしていただくことになりましたが,柔軟に対応していただいたところでございます。ただ,動物検疫,植物検疫については,現状では対応していただいてございません。この動物・植物検疫につきましてはごみ──食べ残しのごみは出せないとか,携行品の中のそういったものが禁止されるといったようなことはございます。本市としましては,国際便の受け入れニーズにつきましては,可能な限り対応していきたいと考えてございまして,先ほどご指摘のように,平成20年度の国家予算に対する要望の中にも,できるだけ柔軟に対応していただけるようお願いしているところでございます。  今後,国際便の受け入れ実績を重ねながら,引き続き関係機関に柔軟な対応について働きかけを行い,国際ビジネスジェットや国際チャーター便が一層円滑に受け入れられるよう努めていきたいと考えてございます。ご指摘のターミナルビルのリフォーム等につきましても,そういったことが可能かどうかを含めまして,ターミナル会社とよく相談しながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 49 ◯岡田みなと総局参事 企業誘致の件で私からご回答申し上げたいと思いますけども,先生ご指摘のように,神戸のメリットをお伝えして企業を誘致するということが非常に大切でございます。神戸においてだけ,メリットの大きな1つとして何かと,もちろん神戸港の利用でございます。先生,今,お知り合いの方が六甲アイランドに進出いただいて,非常にメリットがあったというお話もいただきました。我々,いろいろPRしておるつもりですけれども,まだまだPRが下手でございまして,そういう成功事例,ぜひご紹介いただいて,またこういうパンフレットもございますので,もしよければ,こういうところに生の声を載せさせていただくということも1つの我々の営業のやり方ではないかなとも思っておりますので,よろしくお願いをしたいと思います。  また,今の先生のお知り合いの会社とは逆の流れですけれども,最近の事例では,まだ相手方との関係でお名前を申し上げることはできませんが,大手建設機械メーカーに対しまして,輸出用の貨物の保管場所と,それから岸壁使用をポートセールスチームと一緒になって共同提案をいたしておりまして,神戸港地域への進出を前向きに検討をいただいておりますし,また,ポートアイランドの方では,世界にもオンリーワンと言われている企業,実はございまして,この企業の進出がもう見えてきております。その企業には,やはり神戸港で製作をして──港内で製作をして神戸港から出したいということで,神戸においでいただけるということに──お話を進めておりますので,相手方とのお話がまとまって公表できるときには,効果的なPRをして,我々の企業誘致にもつなげていきたいと思っておりますので,よろしくお願いしたいと思います。  以上でございます。 50 ◯花木みなと総局参事 内航フィーダーのモーダルシフトの件でございますけれども,瀬戸内からの貨物の集荷を促進するため,またCO2の排出削減に向け,モーダルシフトに取り組んでおりまして,これは平成18年度から始めたわけでございますが,ご指摘のとおり,初年度ということで,18年度の実績は補助事業が3件ということで,貨物の方が6,187TEUでございました。いろいろ申請事業者の方からもヒアリングもさせていただいたりしまして,この19年度からはですね,この申請の随時受け付けを開始しましたり,また,補助対象期間を拡大しまして,最大4月から2月までの11カ月間,対象期間にしたというようなこと,あるいは対象となる輸送量の下限を月平均50TEU以上というような下限を設けておったわけでございますが,これにつきましても撤廃等をさせていただきまして,より使いやすい制度としまして,この19年度から始めさせていただいておりまして,既にこの8月までで補助決定事業は4件ということになってございます。全体で年間3万8,100TEUの貨物増を見込んでございます。  このように制度をより使いやすい制度に改善させていただいたということと,ご指摘のPRを積極的に努めておりまして,神戸港のホームページに制度概要とか申請様式等,常時掲載してございますし,告知チラシを作成し,セールスパンフレットにも掲載させていただいてます。神戸港の利用者の方々へも約3,000件のメールマガジンを出しておりますけども,月1回,それにも掲載させていただいたり,また,我々が九州・四国,そういうところへ直接足を運んだポートセールスの際には,そのチラシを持って地道なPRをさせていただいて,利用をお勧めさせていただいておるところでございます。  今後も引き続きPRに努めまして,内航フィーダー,フェリーを活用した貨物誘致促進策,あらゆる機会をとらえまして,積極的に情報発信し,港勢拡大につなげていきたいと考えております。  以上でございます。 51 ◯分科員(北川道夫) 今のモーダルシフトにつきましては,陸上輸送から海上輸送に移るというのは,なかなか専門知識が要りますしね,荷主にとっては知らないことも多くあると思うんですね。ホームページとかでPRしてるとおっしゃってますけども,やっぱり積極的に地球環境の面からもですね,もう少し積極的にPRしていっていただきたいということを指摘しておきますし,局長が先ほど,広島から釜山に持っていった方が安いという認識は余りなかったのでありますが,これは国交省のホームページにも出てますしね,内航フィーダーの方がコストが高いというのは,非常に大きな問題だと思うんですね。そら,船社の問題ではありますけれども,神戸市としてもですね,瀬戸内貨物を神戸に持ってくるというのは,ずっと言われてる課題でありますので,よく調べていただいて,これは大事な対策だと思いますので,これを乗り越えるために,よく検討していただきたいと思います。  それと,ターミナル,国際ビジネスジェットの受け入れについては,聞くところによりますと,告示されてないから融通がきかないという話もちょっと聞いております。実質は神戸空港はチャーター受け入れの空港になっておりますので,定期便が神戸空港に入らないから融通がきかないというふうなこともあるのかわかりませんけれども,やっぱりそこは特区といいますか,特例で認めていただいて,実質,国際便を受け入れている空港でありますのでね,その辺も含めて国の方に強く要望していただきたいということを要望して終わります。 52 ◯主査(金沢はるみ) ご苦労さまでした。  この際,約20分休憩いたします。  再開は3時40分,お願いします。   (午後3時21分休憩)   (午後3時41分再開) 53 ◯主査(金沢はるみ) ただいまから決算特別委員会第3分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き,みなと総局に対する質疑を続行いたします。  それでは,あわはら委員,発言席へどうぞ。 54 ◯分科員(あわはら富夫) それでは,15分だけですので,2つだけ,質問させていただきたいと思います。  1つは,常々から議論させていただいておりますけれども,いわゆる収益的収支の部分で,いわゆる土地売却収益というものに96%を掛けて土地売却原価にしたと,それで,剰余幾らというふうな形で,ずっと何年間,そういう整理のされ方をしていると。そうなると,5割引きで要するに土地を売っても利益が生まれると,もっと極端に言や,8割引きで売っても,売った値段の要するに原価ですから,96%。ということになれば,言い方悪いですが,8割引きで売っても利益が計上できる。こういう仕組みというのは本当にいいんだろうかと,これは長いタームで事業が行われてきたという継続事業がほとんどだという状況の中で1つの手法だというふうに言われるんですけれども,事業が,ある意味では,これ以上開発地をふやしていくというふうな今時期じゃありませんし,ある程度もう終息,そして管理,最後の土地処分というふうな状況になってきているときに,このやり方で市民説明を果たすことになるのかなと。1つの事例をお話しいたしますと,空港島では事業費を圧縮した100億円という枠で,最高5割引きで100億円という枠の中でやりますということで売却を進めてるわけですけれども,これが100億という枠を超えて,すべて5割引きと,こういうふうになったと仮定したらですよ──仮定したら,我々からいえば,この空港島については,造成費だとかいうのは皆さんからずっと公開していただいておりますから,そういたしますと,実際に売ると1,000億近く赤字になるという計算になるわけです。しかし,収益的収支だけであらわせば,結果的には,1,000億円の赤字になっても収益として出てしまうというふうな,最後の土地処理をこれから進めていくということの中で,こういう財政処理でいいのかなと。いや,ちゃんと資本的──貸借対照表ありますよとこう言われても,やっぱりそれではちょっともっと問題があるんじゃないかなというふうに思うんですが,その辺,どういう見解なのか,包括的外部監査報告でも指摘されていましたが,どうかということが1点です。  それと,海上アクセスの附帯事業の関係ですが,きょうも共産党さんの方から少し議論がありましたけれども,私もこの海上アクセスの概要を見させていただいて,実は海運事業収益というのが4億7,000万あって,その他事業収益というのが5億4,000万,だから船を動かした収益より,その他の事業展開で収益を上げてる部分の方が多いというのは,本来それでいいのかなと,ちゃんとこれ成り立ちますかという事業で附帯決議まで上げたという中身はこういうことをしろと言ったわけじゃなくて,本業のところで,ちゃんとしたことをしないといけないんじゃないかということを私は指摘したと思うんですけれども,その辺どうなんでしょうかというのが1つと。それと,きょう答弁の中でですね,海上アクセス社が駐車場管理のノウハウを持っているから,そういう事業も展開していただいてるんですという答弁がされたんですけれども,実は皆さんからいただいた資料によりますと,海上アクセス附帯事業ということで幾つかの事業があるんですけれども,例えばこのポートアイランド2期南駐車場事業ではですね,管理はアマノマネジメントサービス株式会社がやって,警備はポート産業さんがやってる。またポートアイランド西地区の駐車場事業では,管理は,またアマノマネジメントサービス株式会社で,清掃は大阪ガストータルファシリティーソリューションという会社,それから六甲アイランドマリンパーク駐車場事業では,またこれはアマノマネジメントサービス株式会社,警備はポート産業,ということになると,実質上ですね,仕事は受けてるけれども,それはそのまま丸っぽ,そこへやらせてですね,利ざやをかせいでるというふうに見ていいんじゃないかなというふうに思うんですが,先ほどノウハウがあるからと言われましたけど,ノウハウがある割には,全部丸投げしてると,これだったら,お金を担保するためにだけにそういう事業を海上アクセスの方にくっつけたというふうに見られても仕方ないんじゃないかなというふうに思うんですが,その辺どうですか。  以上。 55 ◯山本みなと総局長 それでは,海上アクセスに関しましてお答え申し上げて,あと,利益率は部長の方からお答えしたいと思います。  海上アクセスの海運事業収益ということと,その他事業収益という形で,その他事業収益では,すべて附帯事業という形で──私どもはすべて附帯事業とは思っていません。海運事業収益というのは純粋に船舶の運航収入だけが計上されておるということでございますけども,その他事業収益には,海上アクセスターミナルビルのテナント収入とか,あるいはターミナルの広告収入とか,駐車場とか,そういった附帯事業収益が含まれているというふうに考えております。  19年度予算においては,乗船客に対する駐車場無料化などの新たなサービスを開始して,乗船客数を伸ばすという形で,目標としてる48万人の──運航収入ということでございますけれども,本年度は41万人の乗船客を見込んでおるということでございます。今後とも継続的に利用促進に努めるということで考えておりまして,海運事業の収支の改善にも努めてまいりたいというふうに考えております。海上アクセスの附帯事業につきましては,経営基盤の安定化を図る観点から,公共・公益性が認められ,会社の持つノウハウが生かせるような事業に積極的に取り組んでもらいたいというふうに考えております。  なお,17年度予算におきまして,累積債務の解消のための収益性のある事業の取り組みを当局として必要な対応を行うこととの附帯決議をいただいておりますので,これに基づき,神戸市としても海上アクセス社の経営基盤の強化を支援してまいりたいと考えております。  以上で海上アクセスの附帯事業の説明を終わらせていただきます。 56 ◯大谷みなと総局経営企画部長 私の方から利益率の関係についてご答弁を申し上げます。  先生,お話ございましたように,新都市整備事業につきましては,大規模かつ長期間を要する事業ということで,そういう特徴から予定原価方式という形で採用させていただいておるわけでございますが,これにつきましては,この手法につきましては,包括外部監査の報告等によりましても,一定の合理性があるということで評価をいただいておるところでございます。また,利益率4%につきましては,未回収原価に今後の見込み事業費を加えました額を要回収原価といたしまして,その要回収原価と今後の土地売却見込額から,その事業全体の予定利益率を算定しておるということでございまして,考え方につきましては,そういうことでございます。従前より,ある程度の危険負担率を見込んだ上で,収益収支差率というのを設定してございまして,そういった意味では,おおむね4%を確保できるということで見込んだものでございます。  今回のインセンティブによりまして,その辺が少し考え方がおかしくなるんじゃないかというお話でございますが,今回のインセンティブにつきましては,先生のお話ございましたように,期間・エリアが限定されているということでございまして,短期間で売却が加速されれば,逆に資金の早期回収でありますとか,あるいは維持・管理経費とか支払利息の軽減,そういった事業の効率的な執行による一層の経費の縮減など,そういった収支面への好影響といったことも考えられます。いずれにいたしましても,そういった意味で,私どもといたしましては,大規模,かつ長期にわたる新都市事業の特殊性から,利益率4%を短期的な変動要素によって変える性格のものではないというような形で今考えてございます。  それと,アクセスの関係で少し私の方から補足させていただきますけれども,アクセス社が持ってる駐車場ノウハウということをちょっとご指摘があったわけでございますが,警備につきましてはご指摘のとおりでございまして,あと,機械等々につきましても,アマノとか,ああいうことでございますが,実際にアクセス社が駐車場経営に当たりまして,総合調整をいたしておるわけでございまして,例えば具体的に申し上げますと,国際展示場での催しをされる方,こういった方との駐車場利用の調整でありますとか,あるいは一体的管理,ポートアイランドを含めた一体的な管理というのを目指しておりますので,そういった中での全体の調整とか,そういったことをアクセス社がやっているということでございます。  以上でございます。 57 ◯分科員(あわはら富夫) ちょっと今のは後にさせていただいて,時間,また5分ぐらいしかありませんので,簡単に質問しますが,会計処理のあり方の問題というのはずっと継続して,これからもどんどん開発していくということであれば,例えば96%というのを掛けて,それを率で,全体として平たくしていくという考え方があるんですけれども,残ってる部分の土地というのは,ある程度見えてきてるというふうな状態の中で,5割引きで売るというのは確かに,空港島は100億の枠だということを皆さんずっと言われておりますけれども,空港島だけじゃなくて,今,地域指定とか,いろいろ言われましたけれども,全体としてやっぱり5割引きで売って,3割で売ったり5割引で売ったり,例えば3割・5割で売ってね,これ前から,私毎回言わせてもらってるけども,それまた,もとの値段にはなかなかならないでしょう。やっぱり5割で売ったら,周辺の地価がもう急激に高騰するということがあったら別ですけれども,そうでなければ,やはり5割という売買実例が1つの出発になって,そしたらやっぱり売却が進めていかざるを得ないという部分というのはどうしてもあるだろうと,そう考えたときに,本当に全体としてちゃんと成り立っとんかいなというのはね,例えば今までの定価で──定価というか,今までの値段で売っておれば,96%で,これは問題はないと思うんですよ。ところが5割で売って,しかも5割で売り続けないと資金回収のためには,やっぱり5割で売らないといけないというふうになったときに,この96%というものの根拠というのが非常にやっぱり揺らいでくるんじゃないかなというふうに思うんですけれども,その辺どうなんでしょうかというのが1つです。  それと,今の附帯事業の関係なんですけれども,いや,そういう調整だったら,別に海上アクセスがやらなくても,開発管理事業団なんていうのは,昔からもうずっと駐車場の関係だとかですね,やってるわけですから,そこがやったら。開発管理事業団も決して豊富な財政の中で事業をやられてるわけじゃないわけですよね。そうすると,やっぱりそこはちょっとおかしいんじゃないかなということを感じるわけです。  実際上は,事業を見てると,ほとんどちゃんと,植栽管理というのがありますけれど,これも警備会社はポート産業で,植栽管理は大阪ガスと,ほとんどポート産業と大阪ガスが占めておるというふうな形でなってまして,実際上どうなんかなと,先ほど言われて,テナント収入も入ってますよと言われたけど,僕,この前行ったら,もうテナントつぶれてましたで。テナント,あそこのテナント,なくなってましたよ。そら,やってるときの間の金額が入ってるのかもしれないけども,もう既にテナントは撤退した状況にありますけれども,この辺,今ちょっと説明受けたんですけれども,どうもやっぱり釈然とせんなという思いを持ちます。  以上です。 58 ◯山本みなと総局長 駐車場経営でございますけれども,基本的にポートアイランドの大学前の駐車場を埠頭公社の方が駐車場事業はできないという形で,アクセス会社が受けて,その後,アクセス会社の方が事業団と話をして,事業団の方がアクセス会社はトータル的に駐車場事業を西側について運営する方がいいだろうという形の判断のもとに,アクセス会社の方へ渡したというように考えております。  それとテナント収入は,多分おっしゃってるのは,うどん屋さんのことだと思うんですけれども,レンタカーも入っておりますので,テナント収入は一定あるというふうに考えていただきたいなと思います。  それと,そういうことでございますけども,基本的にアクセス会社がトータルとしてあの辺の西側の駐車場全体を合わせた調整をやっておるということでございますので,ポートアイランド全体につきましては,アクセス会社の方がこれから運営していくという形でお考えいただいたらなと思います。  以上です。 59 ◯大谷みなと総局経営企画部長 今,利益率の件でございますが,先ほども申し上げましたように,あくまでもやはり期間限定で,エリア限定ということで,私どもも,何が何でもこれはずっと維持し続けるという,そこまでは申し上げておりませんでして,今の段階では,まあ言うと,大きな変動予測という意味では,今見直しをする段階ではないという状況だというふうに考えております。  以上でございます。 60 ◯主査(金沢はるみ) もういいですか,あと1分あります。 61 ◯分科員(あわはら富夫) そうですか,だから今ちょっと言われたんですけれども,僕は前から,やっぱり一度極端な例ですよ。例えば100億円の土地をですね,多分造成するには一定の費用が当然かかってて,それに昔は40%オンして,それで売りますというふうに言われたんですけども,例えばそれを5割で売ると,5割で売っても,それでも利益が出ると。本来やったら,本来かかった費用と,今売る値段からいえば,当然差が出てて,本当はこれ,製造からいえば,マイナスで売ってるというふうになる事業なんですよね。そういうふうに言われれば,今これだけ,まあ言うたら利益があって剰余があると,しかし今回はその値段売ったけれども,例えばこれだけのマイナスになりましたと,だけど剰余があるし,今までのまだ残ってる土地があるから,それの中でそれは解消されるんですよというふうに1つのトータルで言われればわかるんですけれども,ただ,収益的収支だけを見ると,売れた値段の必ず96%,5割引きで売っても,8割引きで売っても,9割引きで売っても利益が出るというふうなやっぱり収支というもののあり方というのは,これは問題あるんじゃないかなと,それをやっぱりトータルとして今どうなのかというのは,それは資本的収支を分析したらわかるやんと言われても,そら,なかなかあれ見たってわからないわけです。やっぱりそこで本当に,あと残った土地と,これが成り立つのかなというのは,やっぱり私はちゃんと表示──いろんなやり方を使って,やっぱりそれをきちっと表示する必要がですね,特に割引をしてインセンティブをつくってやるようになってきたわけですから,それは必要なんじゃないかなということだけ言って終わっておきたいと思います。 62 ◯主査(金沢はるみ) ご苦労さまでした。  次に,高山委員,発言席へどうぞ。 63 ◯分科員(高山晃一) それでは,私は20分の持ち時間ですので,2問,お伺いをいたします。  まず1点目です。本会議代表質疑で行財政改善の取り組みについてお伺いをいたしました。それを受けまして,港湾管理業務の効率化についてまずお伺いをいたします。  平成18年度港湾事業会計決算では,70億9,500万円の黒字となっておりますが,特別利益である土地売却益69億8,600万円による効果によると言ってもよい状況かと思います。さらなる経営努力の必要があると考えます。港湾の管理は法律で自治体が管理を行うことと規定をされているものの,民間活力を導入し,さらなるアウトソーシングを進めるなど業務改善に取り組む余地があると考えますし,必要があると考えます。まず,ご見解をお伺いいたします。  2点目は神戸港臨港地区カラー作戦についてお伺いをいたします。  昭和49年度から始まった神戸港カラー作戦ですが,目標として,明るく清潔でしゃれた神戸港に,神戸港をどこから見ても美しくということで,臨港区域内の大規模建築物については,オレンジ,青,緑色など指定された屋根の色や外壁の色にすることが求められ,現在まで神戸港の景観を形成してまいりました。一方,平成13年度に神戸港21世紀懇談会が設置され,神戸港,ポートアイランドから東側の物流ゾーンと西側の親水ゾーンの2つの地域に大きく分けて再構築し,秩序ある水域利用,土地利用を行うことにより,物流機能の効率化・強化を図るとともに,親水機能を拡充することで総合的に神戸港の活性化を図ることとしておられます。さらに,今月よりハーバーランドからHAT神戸にかけての,いわゆる都心ウオーターフロントについては,都市景観条例の中で都市景観形成地域に指定され,神戸港カラー作戦の適用が必ずしも求められる地域ではなくなっております。  そこでお伺いをいたします。みなと総局としてウオーターフロントの景観と神戸港を彩ってきた神戸港カラー作戦による景観形成についてどのようにお考えなのか,整理をされるお考えがあるのか,お伺いをいたします。  以上2点です。 64 ◯山本みなと総局長 港湾の管理業務でございますけれども,前のご質問もございましたように,18年度決算につきましては,17年度に引き続き,土地売却の特別利益などにより,単年度黒字という形でなったということでございますけども,しかし,累積欠損金が303億円ございますということで,厳しい経営状況にあるという認識は私も常々持っておるところでございます。したがって,ポートセールス,あるいは企業誘致,そういったもので収入を確保するということはもちろんでございますけれども,さらなる業務の効率化というのは必要であると考えておりまして,これまでもさまざまな取り組みを進めてきておるということでございます。  まず,行政経営方針の達成ということでございますけども,港湾事業会計としまして,港湾管理業務の一部の民間委託などの取り組みを進めております。公共岸壁に係留する船舶への直接給水業務とか,あるいは港湾道路の照明設備の巡回点検・修繕業務,神戸市が直接行ってきた分も含めた神戸港内の海面清掃業務については民間事業者等へ委託することになり,業務の効率化を図ったということでございます。  次に,公の施設10施設につきまして指定管理者制度を導入したという形で,これで1年当たり,大体約5,500万円の削減になったということでございます。また,神戸港管理事務所を統合したという形で,これはご承知のとおり,港湾経営も建設から管理へというふうに大きく移ってきておりますので,16年度当初に港湾施設の管理を行っていた神戸港管理事務所というのがございました。また工事,これは建設でございますけども,行っていた港湾整備事務所を統合いたしました。それと同時に財団法人神戸港厚生サービス協会を廃止しまして,その業務の一部を移管したという形で新たに神戸港管理事務所というのを発足させました。これにより,管理運営に係る事務部門と技術部門が一元化できたという形で,利用者からの要望とか施設の維持補修と,そういったものに対して迅速に対応できるようになったというふうに考えております。分散した事務所をことし5月ですね,統一したという形で,一層効率的な管理運営を図っていけるものと思ってます。  このように業務の効率化に向けた取り組みを進めているところでございますけれども,さらなる取り組みというのは当然必要でございまして,私どもとしましては,着実に取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 65 ◯豊田みなと総局参事 私の方からは神戸港臨港地区カラー作戦についてお答え申し上げます。  神戸港カラー作戦は,ご指摘のとおり,明るく清潔でしゃれた神戸港をつくり出すことを目指しまして,昭和49年から全国に先駆けて実施しております。臨港地区内の建築物に対しまして,その屋根や外壁の色について地区ごとに基準を定めております。神戸港は臨港地区,非常に東西広くございまして,これを摩耶地区ですとか,新港東地区ですとか,あるいはポートアイランド地区のように10の地区に分けまして,各地区にそれぞれ色の基準を定めてございまして,この基準を守っていただくことによりまして,上屋や倉庫,事務所などの色を統一感あるものとしてまいりました。ところが最近,臨港地区の中でもハーバーランドからメリケンパーク,さらにHAT神戸にかけての地域あるいはポートアイランドの西などの,いわゆる都心ウオーターフロントにおきましては,上屋や倉庫など物流機能中心の土地利用から,どちらかというと,親水空間としての土地利用へと大きく変化してきてございます。そして都心ウオーターフロントでは,神戸を代表する都市景観が形成されつつあり,それぞれの地域の特徴を生かし,神戸の玄関にふさわしい魅力ある景観形成を進めていくということが重要になってまいっております。  そこで,都心ウオーターフロントにおきましては,今後,景観形成を進めるに当たりまして,カラー作戦の基準をそのまま当てはめるというのではなくて,港神戸にふさわしい魅力的な景観を形成するよう誘導していこうということで,幾分緩和していこうということでございます。カラー作戦の適用外ということではございません。  一方,港湾管理施設の立地する物流機能が中心の地域におきましては,これまでのように,神戸港カラー作戦の基準を適用しまして,統一感のある神戸港の景観を守ってまいりたいというふうに考えております。  なお,ハーバーランド,波止場町,メリケンパーク,新港突堤西地区などの都心ウオーターフロントがこの10月1日から都市景観形成地域に指定されておりまして,今後は都市計画総局と連携しながら,にぎわいと魅力のあふれる都心ウオーターフロントを創造してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 66 ◯分科員(高山晃一) それでは,再度お伺いをいたします。まず,港湾管理業務の効率化についてですが,もう少し各論といいますか,具体的な事業を挙げてお考えをお伺いしたいと思います。  3点ほどお伺いしたいんですが,港湾施設の維持管理業務ですけれども,岸壁に関しては国が自治体に管理を委託しているので,さらにそれを指定管理者に指定するというような再委託になってしまうことはなじまないと,指定管理者制度にはなじまないということでありますが,国の了承に基づいて業務委託をすることはできると聞いてます。現に横浜港などでは岸壁の管理に関しても業務委託を行って,当然,行政のマニュアルに従った管理をされているかと思いますけれども,業務委託をしている。それに対して神戸市の場合は,市の職員がじかで巡回されて管理をしているというような状況があります。やはり横浜でできて神戸でできないのかな,業務委託による効果はないのかなという疑問を率直に持つわけですけれども,いかがでしょうか。  2点目は,公共コンテナバースの管理です。これは横浜では指定管理者制度を導入して,結果として埠頭公社が管理者として指定をされております。横浜では,埠頭公社,コンテナバースと公共バースが隣り合ってるというか,位置的な関係もあって,立地的な関係もあって一元管理した方が効率的な運営ができるというような判断がされたというような事情もあるんですけれども,神戸においても,そうした指定管理者の導入が効率化につながるのではないかなと考えますが,いかがでしょうか。  3点目は,係船の位置調整とか立会業務の委託です。これは神戸市は市の職員が行っているわけですけれども,これも横浜では民間に委託をしています。船舶が何時に着岸して何時に出ていったかというようなことが当然使用料の算定に必要ですし,岸壁にぶつかって損傷したと,じゃあ,直さないといけない。それとか岸壁の清掃なんかをせずにとか,ごみが残ったまま行っちゃったりしては困りますから,そうした状況をきちっと確認していくと,そういうことが必要なんですけれども,こうしたことも市の職員みずからが行わなくても,きちんとそういう仕様というかマニュアルがあれば民間でもできるのではないかなと思うんですけれども,いかがでしょうか。  以上3点についてお考えをお聞かせください。  神戸港カラー作戦について1点お伺いします。  このカラー作戦ですけれども,神戸が初めて取り組まれたというようなお話もお聞きしました。この取り組みが全国に誇れる情報発信といいますか,できるだけの評価を得ているのであれば,しっかりとこれからも守っていくべきだと思います。その辺が私自身もいまひとつつかめておりません。私自身も正直,港の色,色分けがされているということは知ってましたけど,オレンジ,緑,青ぐらいあるなというのはわかってましたけど,それが目標である明るく清潔でしゃれた神戸港,神戸港をどこから見ても美しくという目的に沿ってできたものだということには,つい最近になってしか気がつかなかったんですよ。ですので,そのあたりでやはりどの程度の評価をとらまえていらっしゃるのか,緩和をされていくというお話でしたけれども,今後も守っていくべき財産なのかどうかというようなあたりで,どのように把握されているのかお聞かせください。  以上です。 67 ◯山本みなと総局長 個々の業務について業務委託というお言葉を使われたんですけれども,民間委託ではございませんので,ちょっと誤解のないようにしていただきたいと思います。  まず,横浜の公共ターミナルでございますけど,これは前のご質問にもございましたように,埠頭公社のターミナルと公共ターミナルが隣り合ってあるという形で一元化するという状況の中で,要するに埠頭公社に指定管理に基づく随意選定という形で,もう特定して埠頭公社に業務委託したという形でございます。それに合わせて岸壁業務につきましては,要するに業務委託なので使用許可権限は市に残ってるわけでございますけれども,埠頭だけ公社に委託しても,岸壁が市が持ってるとはおかしいということなので,横浜市が国と調整して国が認める団体という形で公社の方に委託したということでございますので,一応それによって公社の一元管理が図られたということでございますので,誤解のないようにしていただきたいと思います。  それと係船立会業務でございますけれども,これは横浜の方は一部についてそういうことをしておると聞いてますので。ただ,係船立会業務の中に許可を,我々は岸壁に着岸許可とかそういうことをやってますので,許可権限まで含めて委託できるのかどうか,それはちょっと難しいと思います。だから,どういった形で委託してるのか,ちょっと調べてみたいと思います。  それと,あとですね,私どもとしましても,10施設について指定管理者制度を導入しておると,横浜は今言いました指定管理者の随意選定という形のもので14施設をやっておるということでございます──含めて14施設をやっておるということでございますけれども,引き続き,そういった他港の動きや利用者の意見も参考にしながら,私ども指定管理者制度も含めて,より効率的な港湾運営が行える方策について今後も鋭意検討するということでございますので,入りをできるだけ大きくして,出を抑えるということも大事でございますけれども,効率化というのも大事でございますので,その点を研究してまいりたいと思っております。  以上です。 68 ◯豊田みなと総局参事 神戸港カラー作戦についてでございます。神戸港カラー作戦,制度開始から30年以上が経過してまいりまして,その間にいろんな港における施設の用途も多様化してきております。また最近は企業がそれぞれ自社のイメージカラーですとか,あるいはCIカラーの採用を希望する事例も増加してまいりました。また先ほど申し上げましたように,港そのものの利用が物流一辺倒からウオーターフロント等あるいは商業施設,こういった多様な利用をするようになってまいっております。そのような中で,このたび条例を制定したわけですけれども,その中でも,この条例の制定に合わせまして見直しをしておりまして,これまでのように上屋,倉庫,事務所などの旧来の港湾関連の用途とそれ以外の施設について,その状況に応じまして,カラー作戦によることが適切でない場合について柔軟に対応していこうと,しかし基本的にはやはりカラー作戦の趣旨は大事にしていくということで,このたび定めました都市景観条例の改正の中でも,その基準の中にですね,景観誘導基準というのを制定されておりますけれども,その中に臨港地区内における屋根・外壁の色彩は,神戸港カラー作戦の基準によると明記されてございます。都市景観形成地区を除く臨港地区内におきましては,カラー作戦の基準が原則適用されるということでございまして,私どもとしては,その状況の変化に柔軟に対応しつつも,港全体の景観については,やはりこの30年間培ってきましたものをこれからも大事にしていこうということで考えてございます。  以上でございます。 69 ◯分科員(高山晃一) 港湾管理業務の効率化ですけれども,やはり私が求めるのは,やはり市の職員としてすべき業務というものが何であるかということをぜひ見きわめていただいて,やはり企画立案とかいうことがメーンだと思いますので,施設の管理といったことは極力民間活力を導入していただいて効率化を追求していただきたいと思っています。そういう方向でぜひ努力をお願いしたいと思います。  時間ですね。はい,終わります。 70 ◯主査(金沢はるみ) ご苦労さまでした。  次に,白國委員,発言席へどうぞ。 71 ◯分科員(白國高太郎) よろしくお願いします。私の方からは,本日も新人といたしまして2点質疑をさせていただきたいと思います。
     先日の本会議で市長の方から,これからの神戸はデザイン都市・神戸を目指していくんだと,推進していくんだというお話がございました。デザイン都市というのは,私も少しちょっとまだ抽象的でわかりにくいんですけども,昔,アーバンリゾート都市というようなものがたしかあったと思うんですけども,今度はデザイン都市ということでございます。その都市というのはどういうものなのかということで,お話によりますと,ウオーターフロントを含む都心をリーディングエリアとし,魅力ある空間形成を図ることが必要であり,企画調整局を中心に各局と連携して長期的な視点でのグランドデザインの検討を進めていくというお話でございました。そこで,ウオーターフロントということなんですけれども,実際に,みなと総局といたしまして,このウオーターフロントということに対しまして,どのような思いと,また具体的な役割を果たされるのかということを1点お伺いさせていただきたいと思います。  2点目でございます。先ほどからもお話がございましたけども,客船の誘致についてでございます。  客船というのは,港が貨物ではかたいイメージがありますけども,本当に港,明るいイメージ,花のイメージかなというお話なんですけども,この客船──豪華客船なんかが神戸の港に集いまして,そしてその風景を見るに当たりましては,多くの神戸にお住まいの皆様に,この神戸港,リーディングエリアというところにいっぱい出てきていただいて,関心を持って,お子さんから大人まで見ていただいてるような風景は本当に優雅だと思います。近年,みなと総局におきましても,この港を観光資源として,また市民の憩いの場として,さらに活用するため,客船の誘致に力を入れておられるとのことでございます。昨年の平成18年には86隻,そしてことしは震災後初めて100隻が入港する見込みであると伺っております。これは,これまでみなと総局さんが熱心に誘致を進められ,関西国際空港との連携によるフライ・アンド・クルーズや瀬戸内クルーズの拠点として根づいてきたことが成果に結びついておられると思います。これを機に,もっと神戸を世界じゅうに売り込んでいただいて,日本一のクルーズの拠点となるように取り組んでいただければなと考えているところでございます。  そこで,中突堤やポートターミナルだけでなく,神戸学院のありますポートアイランドのしおさい公園の岸壁,あそこにも係留させることで,ウオーターフロントとしての魅力の増加にもつながり,そしてさらに多くの客船を誘致していくために,どのような取り組みが必要であるのかということをお伺いさせていただきたいと思います。 72 ◯山本みなと総局長 デザイン都市・神戸の推進という形で,ウオーターフロントを含む都心,リーディングエリアとして企画調整局を中心にやっておるけれども,検討を進める上で,みなと総局どうだというご質問でございますけども,ご承知のとおり,かつて港というのは物流中心に特化しておりまして,コンテナ貨物とか,あるいは港湾荷役とかいった形で危険を伴うという形で,市民,人が近づけなかったといいますか,そういった形で,どうも港と市民との間を切ってきたのではないかと私は考えております。昨今,そういったものじゃなしに,やはりウオーターフロントとして,やっぱり一つの空間として市民に親しんでいただこうという大きな理念のもとにウオーターフロント開発というのを進めておるのではないかと思っております。  ご承知のように,ハーバーランドからメリケンパーク,HAT神戸に至るウオーターフロントというのは,観光・文化・経済などの中心として非常に重要な役割を果たしておるということはご存じだと思います。これがたまたま,今ちょっとばらばらにございますので,一体性を持たせ,回遊性を高めるということが重要であるというふうに思っております。私どもでは,17年2月にみなと神戸─いきいきプランというのをつくりまして,市民が海に親しめる海辺のライフスタイルを体感できる港,あるいは市民が愛着を持ち誇れる港と,また,来訪者が集いにぎわう魅力ある港という3本柱を再開発の基本方針として,ことしの4月にはポーアイしおさい公園という形で西地区にしおさい公園をオープンしまして,続きまして現在,かもめりあ東・西用地の再開発を進めておるという状況でございます。  デザイン都市・神戸の推進に向けて,みなと総局としてもですね,今ある動きを着実に進めるということを考えておりますし,長期的な視点に立ったウオーターフロントのグランドデザインというのを企画調整局を中心に,これは都市計画総局も入りまして,建設局も入りまして,いろいろと連携しながら,現在,協議・検討しているところでございます。残された貴重な空間でございます新港第1突堤から第4突堤と,その基部を含む新港突堤西地区につきましては,新港第1突堤は民間事業者が決定しておりまして,港神戸の象徴であるくし形突堤,石積み護岸といった,そういった歴史的資産を生かした再開発に取り組んでまいりたいと思っております。  しかしながら,今,言葉では簡単に申し上げましたですけれども,現在も民間業者による物流活動が活発に行われてるところでございますので,グランドデザインをかきましても,再開発にはですね,多くの時間を要することになると思います。グランドデザインに基づいて段階的に利用転換を進めていきまして,私どもとしましては,やっぱり一定の時間をいただいて,市民や来訪者が集いにぎわう魅力あるウオーターフロントの実現といったことに取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上です。 73 ◯花木みなと総局参事 客船誘致につきまして,私の方からご回答申し上げます。  委員ご指摘のとおり,客船が港に停泊する姿というのは重要な観光資源としてとらえておりまして,ウオーターフロントを活性化し,港のにぎわいを創出するという観点で客船誘致に積極的に取り組んできております。従来の神戸ポートターミナルに加えまして,平成18年1月からは中突堤旅客ターミナルにCIQ機能を整備いたしまして,その景観のよさをアピールするなど,地道な誘致活動を続けました結果,17年には85隻,18年には86隻,ことしは100隻を見込むなど,入港隻数も増加してきております。特に日本籍船の寄港数が増加が顕著でございまして,西日本の母港と──神戸港が母港になってきたというようなことがますます定着してきておるというふうに考えております。  ことし4月にオープンいたしましたポーアイしおさい公園岸壁でございますが,みなと神戸─いきいきプランにおきまして,背後の公園と一体的に交流空間の創出を図るために整備されたものでございますが,6月には航海訓練所の海王丸,それから大成丸,そして銀河丸の3隻が同時着岸いたしました。ご指摘のとおり,ウオーターフロントに臨む景観が大変すばらしいということでございます。今後の客船の接岸につきましては,客船会社あるいは関係行政機関と協議してまいりたいと考えてございます。  一方,日本籍船が4隻で──客船が4隻ということを考えますと,今後さらに客船誘致を進めるといいますか,入港隻数の増加を図っていくためには,外国客船の誘致により一層力を入れていくことが不可欠であるというふうに認識してございます。神戸港は市内の観光施設はもとより,京都,奈良,そしてまた姫路城といったような世界遺産への玄関としての立地,アクセスが非常によいということ,さらに関西国際空港を利用したフライ・アンド・クルーズのターンラウンド,いわゆる入れかえの拠点としての機能があること,そしてまた瀬戸内海クルーズの玄関としても世界にアピールしていきたいというふうに考えてございます。  この関空利用のフライ・アンド・クルーズでございますけれども,昨年より,4,200トンと非常に小型なんでございますが,乗員114人ぐらいのスピリットオブオセアヌスという船が神戸と新潟を起点として瀬戸内海を通りまして西日本を一周すると,そういうクルーズを開始しておるところでございますが,2008年には,これが神戸港発着に──行きも帰りも神戸港ということでコースに変更されまして,計10回も寄港いただく予定になってございます。加えまして,また2008年3月に初入港する5万5,000トンのスタテンダムという豪華客船は,神戸と香港を起点としまして,中国・日本クルーズというのがフライ・アンド・クルーズで行われますが,神戸港で約1,000人規模の乗船客の入れかえが行われる予定というふうになってございます。これは関空と神戸のアクセスのよさ,そしてまた神戸港のターミナル施設が評価された結果と考えておりまして,このような実績をさらにPRして,神戸港をアジアのターンラウンド拠点として定着を図っていきたいということで積極的に世界に向けて情報発信していきたいというふうに思っております。  また,瀬戸内海につきましては,広島港等の瀬戸内の諸港と連携いたしまして,体験型の寄港地観光などを盛り込みました新しいクルーズのコースの作成に取り組んでおるところでございまして,このようなプランを毎年,マイアミでクルーズのコンベンション──大きなシートレードと呼ばれるコンベンションがございますが,そういうような場で客船会社に提案いたしまして,瀬戸内海をPRすることによって,神戸港への寄港をさらに促進していきたいというふうに考えてございます。  さらに,内外の乗船客の皆さんに神戸の好印象を持っていただくということが何よりも大切と考えておりまして,ホスピタリティーあふれる対応に努めておるところでございまして,7月には客船歓迎サポーターの団体を募り,歓迎行事に市民の方のアイデアを取り入れたり,市民参加によるおもてなしを始めておるところでございます。今後とも地域で一体となって客船の歓迎ムードを盛り上げ,より多くの客船誘致につないでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 74 ◯分科員(白國高太郎) 本当にアジアの拠点として神戸港が世界に発信できる港として,より一層頑張っていただきたいところでございます。この港が市民の皆さんに本当親しんでいただこうということなんですけども,私ふと思い出したんですけども,そこにポートタワーがありますけども,あそこに初めて行ったなという記憶を起こしたときに,ちょうど神戸が姉妹都市でありますブリスベンがあります,オーストラリアの。あそこからお客さんが来たときに神戸を案内しましょうというたときに,ポートタワーに私初めて行ったんですね。行ったことなかった,初めて行ったというのがお客さんが来て神戸を案内するのに行ったというようなことで,私なんかが一番いい例なんですね,この観光資源やったということが,このウオーターフロントなんですね。  先ほど,お話少し出てたんですけれども,客船誘致にシアトルの事務所と連携をされて,これから効果的な誘致活動を進められるということなんですけども,これも私,たまたまシアトルにしばらくちょっとおったことがございまして,あそこのまちも本当に貿易港で,すばらしい景観もそうですし,まちなんですけれども,たしか記憶なんですけれども,何か,あれ何と表現したらええんでしょうかね,出店商店街のようなものがあそこにございまして,何と表現するか知りません。常設なんですよ,ずっとそこにありまして,何か出店市場みたいなんがありまして,そこに週末になりましたら,それこそシアトル市の人がそこへ買い物とか来まして,そこでお茶を飲んだり食べたり,まさしく,その海の端でやっているという,それは市民なんですね──されてるというような状態,まさしく港,そして海,港いうたら,何かすぐコンテナという感じがするんですけれども,要するに漁港のにおいもするんですね,あそこのシアトルというところは。そういうようなまた視点でも,またこれからあそこを開発していくに当たりまして,またシアトルのまちなんかも大いに参考にしていただければいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども,そのあたりいかがでしょうか。 75 ◯山本みなと総局長 ちょっとシアトルに行ったことないんでわからないんでございますけども,ウオーターフロントで,あのあたりを見てみますと,やはり漁港はちょっと難しいかもわかりませんが,せっかくの水辺でございますので,私どもも水上のレストランとか,あるいはクルーザーがたまって非常に景色的にいいとかですね,そんな夢を持ちながら仕事をしていきたいなというふうに思ってます。ただ,くし形突堤で,利用するのにもちょっと,くし形ですから,奥まで行くと,まだ戻ってこう行くというような形でして,ちょっとアクセスも考える必要があるのかなというような思いを持って,今仕事に取り組んでます。シアトルにつきましても,機会があれば行って見てまいりたいと思いますが,できるだけ神戸に合った,ふさわしい施設を取り入れるようなグランドデザインを考えていきたいと思っています。  以上です。 76 ◯分科員(白國高太郎) ぜひ,大いに海外に──何か海外出張は最近難しいいうて,ちょっとちらっと聞いたんですけれども,これはまた別の問題でございますので。  最後になりましたけれども,先日,華商大会──世界華商大会がこの神戸でございまして,華僑の人が神戸に世界じゅうから集まったというときに,非常に夜景のですね──神戸の夜景が上海やとか香港にも引けをとらぬほど,本当に美しいまちだということがコメントに出ておりまして,私も神戸市民としたときに,非常に,ああそうなんかと思って,うれしいなという気がいたしました。やっぱり神戸というのは,ことし140年ですかね,港で発展してきたということを私たち自身,市民1人1人が実感していきながら,このウオーターフロントの魅力をもっと高めていただきまして,そして先ほどから言うてます客船の誘致をもっと進めていただきまして,世界じゅうの人々に神戸のまちを知っていただけますように強くお願いをいたしまして,要望ということにかえさせていただきたいと思います。  終わります。 77 ◯主査(金沢はるみ) ご苦労さまでした。  以上で,みなと総局関係の質疑は終了いたしました。  当局,どうもご苦労さまでございました。 78 ◯主査(金沢はるみ) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  長時間の審査,お疲れさまでした。  次回は,10月5日午前10時より,28階第4委員会室において交通局関係の審査を行いますので,よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって閉会いたします。   (午後4時36分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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