• "園芸農家"(/)
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  1. 滋賀県議会 2023-12-14
    令和 5年12月14日環境・農水常任委員会-12月14日-01号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    令和 5年12月14日環境・農水常任委員会-12月14日-01号令和 5年12月14日環境・農水常任委員会              環境・農水常任委員会 会議要録                                開会 9時59分 1 開催日時      令和5年12月14日(木)                                閉会 12時09分 2 開催場所      第三委員会室 3 出席した委員    周防委員長、駒井副委員長             谷委員、田中(誠)委員、小川委員加藤委員有村委員、             中沢委員 4 出席した説明員   岡田農政水産部長および関係職員 5 事務局職員     光野主査福野主任主事 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  9時59分 《農政水産部所管分》 1 議第132号 令和5年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)のうち農政水産部所管部分について (1)当局説明  加藤農政水産部次長 (2)質疑、意見等  なし (3)採決  全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。 2 議第161号 令和5年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)のうち農政水産部所管部分について (1)当局説明  加藤農政水産部次長 (2)質疑、意見等加藤誠一 委員  資料2-1の3ページ、しがの水田フル活用総合対策事業費について、物価高騰に対する緊急対策に取り組んでいただきありがとうございます。繰越しになるかもしれませんが、ここに記載されている3億9,880万円の積算根拠と今後の執行について、どういう形で考えていらっしゃるのか教えてください。 ◎鋒山 農政水産部技監  農業物価高騰対策緊急支援事業について、これまでから燃料代、電気代、および肥料費について支援策を講じてきたところですが、依然として経営環境が厳しいということで、これまで支援の対象としていなかった生産販売資材費高騰分に対して、今回支援をさせていただこうとするものです。  具体的に、生産資材においては、農業用マルチシートや支柱、果実の袋かけ資材などの価格高騰部分に、また出荷経費においては、米の袋やパック、出荷用のフィルムなどの価格高騰部分に対して支援をさせていただきたいと考えております。  支援内容を単価的に申し上げますと、まず水稲の作付におきましては、10アール当たり700円、それから麦、大豆等につきましては500円、野菜等におきましてはいろいろと幅がありますが、果菜類については3万円、施設野菜については9,000円と設定し、それぞれの作付回数を乗じて算出しております。これらは、令和5年1月から12月に作付をしていただいた面積に対して交付をさせていただこうというものです。  今年度内に支払いをさせていただくということで、関係市町にも説明の上、取組を進めていきたいと思っております。 ◆加藤誠一 委員  今までに要した経費のうち価格高騰部分への支援ということで理解しました。単価は国が決めているのでしょうか。それとも国等のいろいろな情報の中から決まったものでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  単価の設定については、特に農薬費生産資材費を注視しております。国の統計から出てくる高騰率では、農薬費で9.8%の上昇、生産資材費で8.2%の上昇があります。これに対して、県の経営上の指標として持っている経費に、この高騰率を乗じて得た金額の2分の1を支援させていただこうというものです。 ◆加藤誠一 委員  JAを含め、いろいろなルートを駆使して関係各所に連絡されると思いますが、できるだけ漏れがないようにしていただきたいと思います。今年度中の支払いということで、あと3か月ですけれども頑張って各農家に行き渡るようによろしくお願いします。 ◆小川泰江 委員  加藤委員の関連です。認定農業者等が対象になっているということで、認定農業者は今県内にかなりいらっしゃると思いますが、認定農業者等となると認定農業者に加えて法人や事業所などいろいろ入ってくるかと思います。対象の経営体はどれぐらいなのか教えてください。 ◎鋒山 農政水産部技監  支援の対象は、委員御指摘のとおり認定農業者のほか、認定新規就農者の方々、それから集落営農組織に対して支援をさせていただいと思っております。 ◆小川泰江 委員  それぞれどれぐらいあるのか教えてください。 ◎森野 みらいの農業振興課地域農業戦略室長  認定農業者は、令和4年3月時点で2,284名おられます。それから、集落営農の組織が361経営体あります。また、認定新規就農者の方が91名おられるということで、全部合わせて3,000件程度が対象になると見込んでおります。 ◆小川泰江 委員  農業全体の経営体は、令和2年に1万4,000経営体あるということを以前御報告いただきましたが、今回の支援の対象が3,000経営体となると支援は一部になってしまいます。同じページの上の産地競争力強化対策事業に書いてあるような、意欲のある農業者を支援するという国の方針に関して、そこで支援対象を線引きしてしまっていいのかという思いはありますが、この農業物価高騰対策緊急支援事業においても同様に、国からの補助要件自体がそういった仕組みになっているという理解でよいのでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  支援対象認定農業者等について、特に国から要件についての指示はありません。ただ県としては、認定農業者の方々、いわゆる担い手の方々だけで県内で65%ぐらいのシェアを担っていただいているという状況や、経営的な観点から物価高騰の影響を受けておられるのが、認定農業者および大規模農業者の方々であると想定している状況を踏まえると、こういった経営の大きい方々を対象にしていきたいと考えていますので、支援対象者認定農業者等とさせていただきました。 ◆小川泰江 委員  そうなると、残りの1万1,000ほどの経営体と、35%のシェアを占める経営体の方々に対しても何らかの支援策が必要かと思いますが、今のところ何らかの対策はありますでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  小規模農家の方々の経営について、例えば肥料費が1.4倍といった大きな高騰率に現在はなっておりませんし、小規模農家の方々はほかの収入もあるということを踏まえまして、経営への影響というのは小さいだろうと考えております。農業サイドからの特別な支援は現在のところは考えておりません。 ◆小川泰江 委員  影響は小さいだろうという推測の言葉を今使われましたが、そこも含めて、滋賀県の農業の実態把握が必要かと思いますので、また何らかの機会でそういった実態把握をしていただければと思います。この35%のシェアもなくなったら困るわけなので、そこへの支援も含めて御検討をよろしくお願いします。 ◆中沢啓子 委員  資料2-1の2ページについて、HACCPの対応は具体的にどこがされているのか教えてください。  また、農地中間管理事業推進基金積立金に関連して、今大体どれぐらい集約できているのでしょうか。対象地がエリア的にいかがなものかという声が上がり、なかなかその場所では実施できないといった話をよく耳にします。まだ集約できる場所が残っていることを前提に、集約できる可能性のある場所は、あとどれぐらい残っているのか教えていただきたいと思います。 ◎笠井 みらいの農業振興課食ブランド推進室長  HACCPについては、大津市のハニー珈琲株式会社が、新たな濃縮コーヒーを加工して海外に展開していきたいということで、今手を挙げていただいているところです。 ◎森野 みらいの農業振興課地域農業戦略室長  農地中間管理事業の関係ですが、現在、農地中間管理機構が借り受けている農地は約1万ヘクタールあります。県全体で5万ヘクタールありますので、約2割に相当する部分を農地中間管理機構がお預かりしていることになります。令和4年に法改正があり、農地の貸借については農地中間管理機構を通じて行うという形に一本化されましたので、今後、農地中間管理機構の扱う面積は徐々に増えていって、最終的には3万ヘクタールぐらいまで拡大するのではないかと見ております。  そうした中で、国の地域集積協力金などの要件に合うような農地は、その要件もいろいろあり限定されますが、例えば今年度の場合、4市町11地区がその地域集積協力金の対象となっております。今後も同程度の割合で集積、集約化を進めていきたいと考えております。 ◆中沢啓子 委員  新たな濃縮コーヒー海外展開の件で、資料の同じページには、経費の一部を補助すると書いてありますが、大体どれぐらいの割合が補助されるのでしょうか。 また、農地中間管理機構で集約されるのが今後3万ヘクタールを見込んでいるという話でしたが、おそらく様々な条件があると思うので、そこをどうクリアしていくか、ぜひしっかり国とも話し合っていただいて、できるだけ集約できるようにしていただきたいと思います。これから農業をされる方が増えていく方向かと言えば難しいと思いますので、ぜひその条件もしっかりと緩和していただけたらと思いますので、よろしくお願いします。 ◎笠井 みらいの農業振興課食ブランド推進室長  HACCPにかかる事業費ですが、対象自治体が約10億円を見込んでおられますので、国と県とで2分の1ずつということで、5億円を予算化させていただいております。 ◎森野 みらいの農業振興課地域農業戦略室長  農地中間管理事業の関係についてお答えします。農地の貸借については、もう農地中間管理機構を通じた形になりますので、おのずと農地中間管理機構の取扱う面積が増えていきますが、それを面的に集約化していく、ばらばらの農地を耕作やすいように集積していくためには、やはり地域の話し合いが必要ですので、今年度から来年度にかけて、各市町で地域計画集落ごとに作成していただくことになっております。そうした集落地域計画の策定を通じて、少しでも担い手が耕作しやすい形で農地が集約できるように、そういった地域の話し合いを、県も市町と一緒に進めてまいりたいと考えております。 ◆加藤誠一 委員  土地改良についても大分予算をつけていただきまして、ありがとうございました。心配なのは、これらは前倒しで実施されるかと思いますが、来年度当初予算にもしっかりと反映していただけるのかということで、どんな状況でしょうか。 ◎鵜沢 耕地課長  今回、補正予算については、地元のニーズを十分充足できるような規模で予算を計上させていただきました。  委員御指摘の当初予算につきましても、新規の事業が計画的に着工できるように必要額を計上していきたいと思います。 ○周防清二 委員長  資料2-1の3ページ、産地競争力強化対策事業ですが、今、どれくらいの件数を見込んでいるのか、積算根拠等を詳しく聞かせてください。 ◎鋒山 農政水産部技監  産地競争力強化対策事業のうち、①担い手確保経営強化支援事業については、現在、要望調査を実施しているところです。  また、その件数について、具体的にはまだ分からない状況ですが、令和3年度や4年度の実績からいえば、10経営体から13経営体導入実績がありますので、大体それぐらいが見込まれるのではないかと考えています。 ◎森野 みらいの農業振興課地域農業戦略室長  同じ事業のうち②農業支援サービス事業緊急拡大支援対策については、今年度国の補正予算新規事業として予算化されたものでして、補助金の上限が1,500万円という形になっておりますが、補正予算の見込みとしては、750万円の6件分を計上しているところです。 (3)採決  全員一致で原案のとおり可決すべきものと決した。 3 陳情第18号 田上土地改良事業県営経営体育成基盤整備事業)の早期着工について  委員長から執行部に対して、願意を検討のうえ、妥当なものは施策に反映されるよう要望された。 4 令和5年産米の作柄と今後の対策について (1)当局説明  鋒山農政水産部技監 (2)質疑、意見等谷成隆 委員  今、試食させていただきまして、おいしくいただきました。  このきらみずきは、高温でも収穫しやすいとの説明でしたので、これからの温暖化の風土、この暑さにちょうど適していると思いますが、作りにくい品種なのでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  作りにくいということは決してなくて、逆にこしひかりのように倒れにくい特性がありますし、収量も非常に多く取れる特性も持っておりますので、どちらかというと作りやすい品種です。  また、さらに高温耐性も強いという品種ですので、これから高温が想定される中で、非常に有望な品種だと思っております。 ◆谷成隆 委員  そうであれば、また作り過ぎて困るかもしれませんが、その販路拡大が上手にいけば、各農家的にももうかるのではないかと思いますし、場所や土地柄に関係なく作りやすい品種だということですので、これからまた進めていっていただきたいと思います。 ◆加藤誠一 委員  今回の作況指数が前年に比べて悪化していることについて、これは県下全域の平均値ですが、よく見ると資料3の2ページにありますように、みずかがみときらみずきは一等米比率がいいので、作況指数的には良くなってもいいはずです。ところが、みずかがみときらみずきの作付面積が少ないために、県全体的には作況指数が低くなっています。逆に言えば、作付面積が大きいこしひかりときぬひかり一等米比率が低いため作況指数が悪かったということだと思います。  その中で、今後の対策として、みずかがみときらみずきの作付拡大が書いてありますが、来年どのぐらいの作付面積の増加を見込むかについて、2ページの表からすると、今年度みずかがみの作付比率は10.9%で、こしひかりが33.6%です。  この作付比率をみれば、相変わらずこしひかり派がたくさんおられることが分かりますが、その販売価格は資料3の3ページ右下に、きらみずきが5キログラム2,380円に対して、こしひかりが5キログラム1,900円ぐらいと記載されています。この辺のバランスで、農家にどういうふうにお米を作ってもらうかの仕掛けのヒントがあると思います。逆に言えば、販売価格はJAの取扱いや量販店の取扱いなど、市場動向との関係がありますので、そういう全体を見ながら、作付面積の増加をどのようにしていきたいというものが必要ではないでしょうか。そういうことを含めて、来年度どのように作付面積を増やしていこうとされるのか教えてください。 ◎鋒山 農政水産部技監  委員の御指摘は、これからの考え方として非常に重要だと思っています。 現在、大規模農家の方々は、それぞれの契約先といろいろ交渉しつつ、どれぐらいの量をどういった銘柄で契約していくか、経営判断の中で進めておられます。それ以外の例えばJAグループが集荷をされる部分については、やはりまだまだどういったものが必要なのかについての情報をしっかり伝えないと、作付の拡大には結びつかないと思っています。  現在JAグループにおいて、主要な京阪神の卸業者に対して、どれだけの数量が、どういった銘柄で、どういった栽培方法によって作られた米が必要なのかという需要情報を調査されていると聞いています。
     そういった情報を基に、どういったところに目がけて販売をしていくのかをリストアップしたり、メニュー化したり、そういった情報をJAから各農家に対して提案するような取組も始めておられると聞いておりますので、県としても、そういった取組と併せて、生産の安定化を技術的に支えながら、令和6年産以降の米作りを進めていきたいと考えております。 ◆加藤誠一 委員  いろいろな要素がありますが、最終的には農家がもうかるような方向にどうやって導くかが大事です。 以前、どこにどのような米が流通しているのか調査をしていただいたことがありましたが、大規模農家も自らその流通先を確保する方向にありますので、JAグループなどと逐一そういう情報を共有しながら、定期的に調査しないと分からないと思います。県内各エリアに農業農村振興事務所がありますので、ぜひとも何年かに一度は流通調査をしていただき、数字の根拠を持った上で、来年から拡大の方向性でしっかりやってほしいと思います。  それから、今回、わせがあんまりよくなかったようです。もちろんみずかがみの作付拡大方向性はそれで正解ですが、今後の育成方法で、土作りの問題があると思います。やはり土作りをしようと思うと、自分の土地がどのようになっているのかを把握することが重要です。大規模農家自分自身土壌診断をされているかもしれませんし、もちろん農協でも土壌診断をサポートされています。ただ、農協の土壌診断は結果が出るまでに時間がかかる上に、農協から、この土の状況からすれば農協のこの土を買う必要があるといった話であったり、農協の資材を導入しておく必要があるといった話であったり、農協の営業に回されるという話を聞きます。 今、特に園芸農家では、ローテーションで麦と大豆を作付しています。そのローテーションが回るたびに、土壌分析を行い、その結果を基に土作りをすることが重要だと思いますが、県の農業試験場農業農村振興事務所において、その辺の指導や資材の提供を含めてどんな状況になっているのか教えてください。 ◎鋒山 農政水産部技監  やはり農作物を生産するには、土壌というのが一番大事でして、その状況を把握する分析も大事だと思っております。  現在、県内各地域の農業普及指導センターにて土壌分析をしておりますが、園芸品目が中心となっています。水田土壌については、非常に幅が広く、特に地力窒素に関しては農業技術振興センターにおいて2年前から300地点ほど分析をさせていただき、それをマップに落としてそれぞれの地域の状況をお伝えしています。そのマップを基に普及指導員が現場の技術指導を行っている状況です。園芸品目につきましては、PHやECなど、いわゆる土壌分析の入り口に当たる項目について、臨機応変に現場で分析をしているところです。  ただ、これからそういった土壌分析の必要性は高いと思いますし、分析体制や基金の活用についても整備する必要がありますので、今後いろいろと検討していきたいと思っております。 ◆加藤誠一 委員  以前のように、全農家が農協頼りだった時代から大分変わっていまして、規模が拡大されているので単純に比較はできませんが、こうした土壌分析を基に各農家に作付してもらった結果を受けて、行政として何をするかというところが問われていると思います。まさに、この土づくりという話においては、農業試験場農業普及センターで、その後どうなったのかということに対して応えられる体制をぜひとも頑張って整備していっていただきたいと思います。 ◆小川泰江 委員  きらみずきの流通販売の状況について、先ほどの説明の中で、株式会社平和堂で8割販売されるとおっしゃいましたが、これは全体の8割が株式会社平和堂に置かれているという意味なのか、それとも株式会社平和堂販売分のうち8割が売れたという意味なのか、確認をさせてください。 ◎鋒山 農政水産部技監  説明が不足しておりました。11月23日から、株式会社平和堂での販売がスタートしております。その時点で販売が予定されていた1本約5キログラムの袋、1,320本が株式会社平和堂に納入されまして、そのうちの約8割に当たる1,086本が販売を完了したという意味で先ほど説明させていただきました。  まだまだきらみずきの数量は十分ありまして、全体では7,000袋の販売を予定しております。販売が始まったばかりですので、トータルの販売の進捗は15%という状況です。 ◆小川泰江 委員  現段階で15%というのは、結構売れ行きがいいという理解でよろしいでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  売れ行きとしては決して悪くないと思っております。  今、納入をしていただいている株式会社パールライス滋賀等県内の会社から各店舗のほうに、評価等の聞き取りをしていただいておりますので、それにつきましてはまた取りまとめていきたいと思っております。 ◆小川泰江 委員  パッケージに関して、結構斬新な黒を基調にしたものということで、当初からいろいろな意見もあったかと思いますが、このパッケージに関する評判や、それが売り上げに貢献しているのかといった評価は、調査中ということでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  委員御指摘のパッケージのデザインについてもいろいろ御意見を伺っております。ただ、実際に購入していただいた消費者の方々からの評価というのは、まだ十分聞き取りができておりませんので、その辺についても株式会社パールライス滋賀から調査をかけながら把握していきたいと思います。 5 令和6年産米生産目標(生産の目安)について (1)当局説明  鋒山農政水産部技監 (2)質疑、意見等加藤誠一 委員   数字の話は分かりました。  目標を決めるときに、卸等から求められている近江米の数量というのがあって、これは、いろいろな卸等から聞き込み調査をされていると思いますが、結局その調査の結果が今年の目標ぐらいという理解でよろしかったでしょうか。令和5年の目標は14万4,000トン余ですから、令和5年産も目標を上回る生産をしようという話でしたか。  何が言いたいかというと、令和5年産の生産目標と実績を見比べて、生産目標に先ほどの作況指数97%を掛けたら、実績とほぼ一緒になります。やはり、令和5年産の生産目標が達成できなかった理由は、作況指数が低かったためだということで、もし仮に作況指数が100であれば目標も達成しているはずだということです。そうすると、目標はそのままという話なのか、単純な話ですが伺います。 ◎鋒山 農政水産部技監  卸等の求める米から供給し切れてないという部分についてですが、聞き取りによると、集荷業者と卸との間で契約をしていただいた数量に対して、1万トン足りないという状況です。  御指摘いただいたように、もちろん作況が非常に落ち込んだということと併せて、農家直売をされている米が一定量ありますので、それを確保することもあって、JAグループが米を集荷し切れてないという実態があります。  そういった状況を踏まえて、1万トンという供給し切れていない部分に対して、作りにいくべきだと考えまして、今回6年産米については1万トン上乗せをして生産目標を設定させていただきました。 ◆加藤誠一 委員  やはり作況指数は100を前提に目標が立てられていて、本当のところは指数が100であって欲しかったけれども、結局なかったっていう話かと思います。やはり作況指数が低いということは、それだけ影響があると改めて分かりましたので、先ほどの話に戻りますが、土作りも含めて、来年しっかりと頑張っていただきたいと思います。 ◆中沢啓子 委員  先ほどの御説明で、京阪神の卸等は2024年物流問題を見据えて、近郊産地の米を集積したいという話がありましたが、その傾向は今後ずっとそうなるだろうと思います。そうすると、卸等としても物流費用がかからなくなるわけで、例えばお米自体が今これだけ足らないのであれば、米の販売価格にも反映されてくるのでしょうか。 ◎鋒山 農政水産部技監  店頭での販売価格への反映について、購入されるのが例えば量販店であれば、その量販店でコストが見合えば、高く販売していただける可能性もあると思います。  また、作り手側からすると、遠くへ運ぶための運賃が少なくなるわけですので、その分の収益という面ではメリットが出てくるかと思いますが、ただ、全体として今どれだけのメリットがあるかということについては、まだいろいろと卸等から情報を収集しないと分からない部分もあるという状況です。 ◆中沢啓子 委員  需要に対して生産量的に足りなくて、卸等からそういう御要望もあるならば、卸等からの情報収集の過程で、一緒に滋賀のお米は安全だということや、滋賀のお米はおいしいということをセットで話として入っていくようにしていただいて、ぜひとも選ばれる米になるようにお願いしたいと思います。 ◎鋒山 農政水産部技監  ある意味こういう状況がチャンスだと思います。滋賀県の近江米は、これまで環境こだわり米を中心に作付をしてきた実績があり、これは強みですので、そういったものを消費者の皆さん、あるいは卸業者の方々にも強くPRをしながら進めていきたいと思います。 ◆中沢啓子 委員  世界農業遺産のこともあります。京阪神の卸等ということは、おそらく琵琶湖の下流域の畿内エリアになろうかと思いますので、そういう意味では、琵琶湖の水が流れていくというところなので、ぜひ世界農業遺産との関係も含めて、PR等よろしくお願いします。 6 琵琶湖漁業における漁業組織再編に向けた取組状況について (1)当局説明  山田水産課長 (2)質疑、意見等中沢啓子 委員  漁協再編の話と関係するのかどうか分かりませんが、エリ漁について伺います。湖東地域では、エリを作るのも撤去するのもお金が結構かかるので、廃業されたときにそのままになってしまうという話を以前聞いたことがあります。湖西地域では、自分で取り外すことができるぐらいのエリらしいですが、湖東地域のものは自分で取り外しができないので、結局、何百万円とかかり、なかなか撤去できないといった話です。 廃業していかれることを想定してお話しするのもいかがなものかと思いますが、やはり廃業するときにもうお金がゼロなのでエリの撤去もできないからそのまま残していくといった形で廃業していかれるのではなく、最初から廃業したときの最後の始末までのカバーを含めて、基金を設置するなど、何らかの対策が必要なのではないかと思います。この辺については漁協再編の協議とは関係がないのでしょうか。 ◎山田 水産課長  エリの撤去に関して、エリ漁を営まれている全ての業者において、もし辞められるときにはしっかりと撤去をしていただくこととなります。漁業法に基づいて、エリを営む漁業権の免許を付与させていただいておりますが、同時に河川区域である琵琶湖を占有するということで、河川占用許可も受けて営まれておりますので、もちろん法の規定に基づきしっかりと撤去等していただくこととなります。我々もその辺の指導をしっかりとしていきたいと思っております。  委員御指摘の湖東地域では撤去等にお金がかかって、湖西地域ではかからないというのは、我々としては認識がありませんが、やはりどちらも同様にお金がかかる中で、湖東地域がよりお金がかかるといったことではないのかと思います。いずれの地域においてもしっかりと撤去等やっていただかないといけないということです。  この問題意識は、各漁協や魚業関係者も持っていただいておりますので、今御指摘いただいたように、しっかりと計画を持って営んでいただけるように我々も指導に努めたいと考えます。 ◆小川泰江 委員  前回当委員会で伺ったときに、漁協再編に参加する組合が、30漁協のうち1つは廃業して、2つが合併協議に参加せず、27漁協が合併する方向だという話だったかと思います。合併協議に参加されている27漁協のうち、まだ組合員の合意形成が取れておらず、判断できていないところが現段階どれぐらいあるのでしょうか。全組合で合意形成が取れていない状況なのか、特定の組合だけにとどまっているのか教えてください。 また、この問題解決のために漁協の役員会に説明にいくと今おっしゃいましたが、これは県が説明に行かれるということなのか確認させてください。 末端の組合員レベルでの合併への理解が十分に深まっていないという事態を予定していなかったとおっしゃいましたが、予測できたのではないでしょうか。もともとこの話について、私はスムーズに進んでいるという印象を持っていましたので、本当に一人一人に話を下ろす際には、やはりそういう事態が一定予測されたことではないかと思います。 11月からこの説明会はスタートということで、もう一部終わっている組合もあるかと思いますが、その反応や進捗関係について、どういう状況であるのか確認させてください。以上4点ほど伺えたらと思います。 ◎山田 水産課長  1点目の組合数についてです。委員御指摘のとおり、27漁協が合併検討推進協議会に参加していただいておりまして、願わくは全てが合併に参加していただきたいところですが、このうち正確な数字は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、幾つかの漁協は、やはり組合として合併が大丈夫だと判断をするにはちょっと難しい状況だと承知しております。  2点目の組合への説明ですが、説明の主体は、合併検討推進協議会の事務局および県漁連が担っておりますが、県漁連が行かれる際は、我々県としても支援をしてまいりたいと考えております。  また、3点目の予測ができたのではないかという部分ですが、やはり組合の皆さんへの説明の機会は当然取っていくということで、組合員座談会というようなイメージのものを、この冬にやっていくスケジュールを組んでおりましたが、より一層丁寧に時間をかけてやっていかなければならないということです。これまでも、どの組合のどなたでも御参加いただける地区説明会を開催させていただきましたが、それほど多くの方に御参加いただいたわけではなかったので、そういったところもしっかり丁寧にやっていく必要があると判断されているところです。  最後に説明会の反応についてです。既に幾つかの組合を回らせていただきましたが、合併契約書の中身の説明等をしていく中で、そういうことだったのかと御理解いただけたところももちろんありますし、ここはいかがなものかというような御指摘もあると聞いておりますので、そのあたりをしっかりと理解をして調整していけるように、県としても支援していきたいと考えております。 ◆小川泰江 委員  合併について承認できない組合数について、具体的な数は差し控えるということでした。そうであれば、それなりの割合の組合でこの事態になっているという理解なのかなと受け止められますし、ごく一部にすぎないのかとも思いますが、下手をすれば本当にいろいろなものがここでほころびかねないという感じも受けましたので、差し障りのない範囲で現状何割ぐらいなのか、お答えできる範囲で結構ですので教えていただけますでしょうか。 ◎山田 水産課長  この合併検討推進協議会は、漁業者、漁協、漁連が主体となって進めておられるところですので、我々も参加はさせていただいておりますが、この協議会の中での議論は非常に重要ですので、具体的な数字は差し控えたいと存じます。ただ、申し上げましたとおり、幾つかの組合でもう少し時間が欲しいという話や、判断できないといった話もありますので、そういったところに対してしっかりと御説明していくということと承知しています。 ◆小川泰江 委員  以前にお話しましたが、私の親戚が水産庁の経営改革室長だったということもあり、直接こういう取組をしたいということは、大分前から聞いておりまして、一度挑戦したけれど駄目だったというような話も聞いております。何とかうまくいったらいいとずっと思っておりますので、ぜひともうまくいくようによろしくお願いいたします。意見です。 ◆有村國俊 委員  資料5の2に書いてある、末端の組合員レベルでの合併への理解が十分深まっていないということで、末端という言葉を辞書で見てみると、組織などの中枢から遠く離れた一番端の部分ということでした。県としてはいろいろとサポートをして、事業主体である県魚連に対してアドバイスやヒアリングをして努力されているわけですが、結局県漁連のほうで、これをまとめていかなくてはいけないという組織にいるからこそ、うまくやっていくべき立場かと思います。 各組合、あるいは組合員まで認識を共有できていない状況であれば、例えば、県の道路行政でもそうですが、地元の方々で協議会を立ち上げていただいて、方針を決めてもらい、それから、国や県に協力してくださいっていうことを、県側が主導するのではなくて、地元の皆さんで協力して立ち上げてもらうやり方がうまくいくと思います。  ですから、今回も県魚連がそうやって努力をされているとは思うものの、結局、一人一人の意識、自主自立した思いがあれば、各組合、あるいは組合員も理解できると私は思っています。その辺のところはゼロ、100ではなくて、ある程度の妥協をしながら、お互いの妥協点を見いだして合意に至る必要があって大変だと思います。本当にもう気苦労されて、物すごくしんどいことかと思います。  また、その組合長も組合員から批判的なことを言われると、組合長として発言ができなくなってしまうと思います。だから、県漁連の組合長を含めて役員の方にぜひお伝えいただきたいのは、組合長等役員の方は漁協再編について理解されているのは分かっていますということと、組合員の方が反対の立場で意見を言われたとしても、県や県漁連は敵ではなく、みんな味方なのだということです。その辺のところは県や県漁連がてこ入れできるような体制を組んでいただき、そのような思いに寄り添うことが大事だと思います。もしかすると敵味方を勘違いされている方もいらっしゃるかもしれません。  そういうところで、県として何ができるのかについて、あくまで主体ではないので、その辺のところは難しいと思いますが、ぜひサポートやアドバイスをお願いしたいと思います。今後も引き続き丁寧に頑張っていただきたいと思います。 ◎山田 水産課長  委員御指摘のとおり、やはり組合の中での認識、理解を深めていただくことで、組合としての意思決定が円滑になるように、事務局も考えておりますし、我々も応援させていただきたいと思います。 ◆加藤誠一 委員  水産業の話ではないですが、実は森林組合について、今県下一組合化しようという話があります。所管部局が違うので情報が全然共有されていないのかもしれませんが、そこでも1組合が初めからの参画をしないような方向です。最終的には県下一組合になるのでしょうが、まずやれるところかからやるという方針を立てていると思います。もちろんできることならば、一発で全員が一つになるというのが理想ですけれども、市町村合併ではないですが、まずやれるところからというのは、いずれかの段階で示さないといけないのではないかと思います。同じ農林水産業の団体ですので、ぜひ森林組合の合併について情報を共有していただきまして頑張ってください。 ◎山田 水産課長  少し御説明が不十分だったところがありまして、前回の本常任委員会でも議論されましたが、全ての漁協が参加していただきたいと思いますけれども、そうでない場合であっても、まずできるところで一次合併のような形で合併をしまして、その後も門戸を閉ざすことなく継続して県一漁協に向けて協議していく方針で考えております。しっかりと我々県でも支援させていただきたいと思います。 7 アユの資源と早期アユの漁獲状況について (1)当局説明  西森水産課主席参事 (2)質疑、意見等中沢啓子 委員  資料6の2ページの図2に、姉川の産卵貢献度が書いてありますが、これは、例えば姉川はどんな状況下でもある程度取れているのかであったり、もしくは、気候状況等である程度上下しながらもこれだけのパーセンテージが出ているのかであったり、この表だけではそういう詳細が分かりませんので、今どんな状況なのか教えてください。 また、ほかの川についても、このような条件の場合には多い、多くないという、どういう要因でそうなっているのかについて、何らか調査分析をされていますでしょうか。今後、正常に戻るとは考えにくい気候かと思いますので、今後にどう生かそうとされているのかについて伺います。 ◎西森 水産課主席参事  委員御指摘のとおり今年は姉川で貢献度65%ですが、産卵数としては9.9億個と非常に少ない状況です。  こういう年はほかにもありますが、これまで姉川の河床に泥が堆積していなかった年では、産卵数が多い年と少ない年の両方を含めて、姉川の貢献度が4割以上、多いときであれば8割というような状況でした。姉川は、琵琶湖全体において、我々が調査している河川の中で、最も重要な河川であると認識しております。 ◆中沢啓子 委員  姉川だけではなく、ほかの川も含めて、全体的にこういう分析があるのかもしれませんが、川自体の持っている特性として、こういう状況のときは多くなり、こういう状況のときは少なくなるというのがあれば、ぜひそれをしっかりと分析していただきたいと思いますし、何か行政で対応できるようなことがあれば、できるだけ産卵数が多くなるように、研究を進めていただきたいと思います。
    ◎西森 水産課主席参事  川の特徴についてですが、特徴的なのは高島市マキノ町の知内川において、ほかの河川に比べて水温が低下するのが早いという状況がありまして、割と知内川からその年の産卵が始まることが多いです。温暖化が進みますと非常に心配な状況になりますが、その温暖化に関しては、以前からも温暖化すると産卵期が後半にずれてくるのではないかという予測を水産試験場で立てております。委員御指摘のとおり、今後もいろいろな分析を進めて、何とかうまくアユの産卵が多くなるように努力したいと考えております。 ◆小川泰江 委員  語句について伺います。資料6の3ページの図8にある注文量というのは、何でしょうか。 ◎西森 水産課主席参事  県魚連にて取りまとめておられるものですが、アユの養殖業者では、琵琶湖で取れた稚アユを仕入れて、それを大きく育てて河川に放流したり、あるいは塩焼き用の大きなアユにして販売したり、そういった事業をされておりまして、その養殖業者からの注文量が、図8の注文量ということです。  ちなみに令和4年は注文量が12トンほどでして、令和5年が14トンほどですので約2トン近く注文量が増えております。コロナが明けた関係で、若干需要が増加する見込みもあり、注文量が増えているのかと思います。 ◆小川泰江 委員  そういうことであれば、もう販売ルートが決まっていて、この注文量を確実に販売につなげられるということでしょうか。 ◎西森 水産課主席参事  委員のお見込みのとおりかと思います。 ◆中沢啓子 委員  資料6の2ページの図3や図4で、河川に関する調査をされていますが、今琵琶湖の水位低下でマイナス70センチメートルになっていますので、このような河川における親アユ等の調査にかなり影響があるのではないでしょうか。 私の住む近くの芹川でも、ほとんど水門を閉鎖しているというような状況に近かったと思います。これはおそらくほかの川も同じであろうと思っていまして、この時期なので、もう影響はないかもしれませんが、何らかの影響があるのかと心配しておりまして、いかがでしょうか。 ◎西森 水産課主席参事  委員御指摘のとおり、今年は台風の直撃もなく、災害的にはよかったのですが、通常、台風が近づいてきて雨が降って川に水が出たら、アユが遡上して産卵するというのが通常のパターンです。今年はそれもなかった上に、気温も高かったということで、水量が少ないと余計に気温の影響を受けて、水温が上がってアユが産卵しにくいという状況でした。  今も雨が降らなかった影響で琵琶湖の水位が低下し続けていますが、現時点で川でのアユの産卵は終わっておりますし、ビワマスの産卵もほとんど終わりになっておりまして、現時点ではそこまで影響がないかと思っております。 私も10月中旬から終わり頃にかけて、川の水量が少ないときに、高時川と姉川の合流地点から下流に向けて、胴つきの長靴をはいて歩きましたが、水量が少ないながらもビワマスはかなり産卵をしておりました。 ◆加藤誠一 委員  たしか去年の今頃、ヒウオの注文が来ていたような気がしていまして、また今年も注文があるように期待をしておりますが、先ほどの小川委員の関連で、年内にこの注文量に届きそうでしょうか。今の状況が知りたいです。 ◎西森 水産課主席参事  注文量が14トンで、今10.6トンというところまで来ておりまして、県漁連の見込みでは、12月20日頃までには注文量に達するのではないかということです。例年であれば注文を出した後で、先ほど委員がおっしゃられた釜揚げにするようなヒウオが取られるということですが、資源が少ない状況もありますので、それを取るのかどうかについては、また県漁連に所属されております漁協の関係者などとの話し合いの中で、お決めになられるのかなと思っております。 ◆加藤誠一 委員  もうちょっと取れていればヒウオを今食べられたのかなと残念でした。いろいろな分析は大事な話ですし、なかなかこういうのは自然が相手なので事前に対策するのは難しいだろうと思いますが、例えば一番初めのスタート時点で、5月の魚群数が平年比30%と少なかったという報告が本常任委員会にありました。毎年そうなのか分かりませんが、こういうスタート時点から少なかったときでも、必ずしもそれだけが原因ではないということなのでしょうか。  例えば5月の魚群数が少ないときに、何らかの対応策がもしあるのであれば、その時点で対応できたら良いのではないかと思いました。先ほどの稚アユなど放流する話がありましたが、そういうところで、もし5月の状況で対応ができるのであれば、こちらを含めて対応したらどうかと思ったのですが、その辺はどうでしょうか。 ◎西森 水産課主席参事  委員御指摘のとおり、5月の時点でアユが少なければ何らかの対策をするという考えは、重要だと思っております。  今年の場合は、追加放流を補正予算でお認めいただきましたので、そこできちんと予定量のアユを琵琶湖に流出させることができました。琵琶湖に流下した38.2億尾の内訳を申しますと、9月中にふ化して琵琶湖に入ったアユが38.2億尾のうち6割、それから10月中にふ化して流下したものが4割でした。例年は9月に流下させることを目標に放流等しておりましたが、今年は来年の春以降も漁獲に貢献できるようにと考えましてアユを10月中に放流しました。今のところ目標どおりにできたと思っておりまして、この追加放流によって早期のアユだけではなく、来年の春以降にも貢献できると思っております。  また、アユの産卵が少ない年でも、次の年にはそれなりにアユがいるという年もあります。今の時点では判断できませんが、来年1月以降に、魚群探知機でアユの魚群数を調べますので、4月、5月、6月とアユが少ない状況であれば、またどういった対策ができるのか検討させていただきたいと思っております。 ◆加藤誠一 委員  毎年この時期になるとこうやって調査をしていただきますが、早い時期に状況が分かればまた報告していただき、対策ができればお願いしたいと思います。  また、先ほど出ました琵琶湖の水位低下についてですが、今の段階で水産課として何か大きな問題が出ておりますでしょうか。この間の新聞報道で、船が岸までたどり着かないので大変だという記事が出ておりました。それ以外に何か今の段階で、例えばいろいろな河川でも水が引いていて、今やったら何か修繕等やりやすいと思いますので、そういうことを含めて水産業の方々に、今の時期に何かしてもらうように要請して、いろいろな支援ができるのではないかという気がしますが、いかがでしょうか。 ◎西森 水産課主席参事  今琵琶湖の水位がかなり低下しておりまして、特に一番問題となっておりますのが、ヒウオの漁獲において、それを荷揚げするときに、船の位置が岸壁よりかなり低いものですから、アユの入ったおけを持ち上げて荷揚げしないといけないということで、かなり重労働になっており、魚業者の皆さんに御負担をおかけしております。  また、水草についても、水温が低くなって枯れてくる時期ですが、まだ水草はありますので、特に南湖で船が航行するときに水草がスクリューに絡まってしまいます。一々スクリューから水草を取って、そしてまた走り出すという作業をしないといけないので、かなり御不便をおかけしているところです。  それから、湖底にあるごみの回収について、やりやすい状況になっておりまして、今のうちにごみを回収しています。水産多面的機能発揮対策事業によって地元の漁業者の方々に湖岸の清掃をしていただいておりますが、水位低下によりごみが回収しやすいというようなメリットもあると聞いております。 ◆加藤誠一 委員  実は琵琶湖環境部のときに聞こうと思っていましたが、今おっしゃられた水草や藻の刈り取りは、水が多過ぎてなかなか作業も大変だと言われるときがありますが、今やりやすいのであれば今やるべきかと思います。水産課でもそのように漁港だけに限らず、今こそできるときは、しっかりやっていただければと思います。 8 滋賀県内の棚田の状況および今後の取り組みについて (1)当局説明  田中農村振興課長 (2)質疑、意見等 ◆田中誠 委員  資料7の4ページ目について伺います。私自身がSNSを使って毎日いろいろと動画で配信を続けていますので、毎回このSNSというのが出てくると反応してしまいますが、一口にSNSといってもいろいろな媒体があります。発信の仕方についても、学校や企業に主体性を持って連携していくとされていて、さらにSNSも活用されると言われていますが、その若者に響くようなSNSの活用は絶対的に必要不可欠だと思います。どういった媒体で始められるのかということと、どういう形で発信していくのかについて、内容がある程度決まっていればお伺いしたいです。 ◎田中 農村振興課長  SNSの活用について、現在県で実施しているものとしては、農村振興課において、しがの農業農村というFacebookと、棚田に特化したものとしては、たな友の中でブログを作って、それをいろいろな方が見られるような形で発信しているというものがあります。ただ、Facebookを見ておりましても、なかなかいいねのボタンを押してくださる方が少ないですし、広く浸透してないというのが反省点です。 SNSの内容については、活動地域が12地域ありますので、それぞれの地域にあった活動情報、例えば、柿の収穫時期の情報や、草刈りの記事の情報等、逐一情報を発信させていただいておりますし、またそれ以外にも、その地域で取り組んでいる農泊についていろいろとプラスアルファの取組がありますので、そういったことも情報発信しております。  その地域を訪れるきっかけになるように情報発信をしたいと思いますが、うまく作用してない部分もありまして、今後、引き続きSNSを活用しながら、この棚田の魅力を知ってもらい棚田ファンを確保することにつなげたいと思います。実際に県内の大学はもちろん、企業も含めて実際訪問させていただいておりまして、地域の棚田の魅力をPRして、まずファンになってもらい、それから来てもらい、そこで地域の住民から課題やいろいろな魅力を発信していただいて、ボランティアの増加につなげていきたいと考えております。 ◆田中誠 委員  多様な主体との連携と書かれておられますので、実際に学校等で本当に若者が主体となってSNSを作る側に回ってもらい、例えば、学生が手を挙げて棚田の情報を作っていこう、メディア発信していこうというような、学生の視点で棚田にどのような魅力があるのかというものを取り込んで、むしろ学生側から発信してもらうことも考えていくべきかと思います。それこそが主体性の一つだと思いますので、そういう意味で、学生を巻き込んで、学生が発信していくようにするという考えがあるのかお伺いします。 ◎田中 農村振興課長  貴重な御意見ありがとうございます。既に今年から北部振興の一環として、ふるさと応援隊という事業を進めております。これは、県内外の都市部の大学生に実際地域に1週間来ていただいて、滞在しながらその地域ならではのワークショップをしていただくことで、その地域の関係人口を創出することが目的の事業です。その中では、その地域の魅力を発信するために、SNSのコンテンツを充実させるいろいろな意見やアドバイスを学生から頂いておりまして、それをInstagramやFacebookを通して秋頃から徐々に発信をしております。さらにそういった学生のアイデアや知恵をお借りして、一緒に連携してこれから取り組んでいただきたいと思っております。 9 一般所管事項について (1)質疑、意見等加藤誠一 委員  近江牛の話が今回出てこなかったので伺います。ユーザーからの話だけで実態が分かりませんが、今後のことについて、今、枝肉価格等が下がっていまして、これについては需要と供給との関係なので、仕方のないことかと思います。  しかし、今滋賀食肉センターの冷蔵庫が足りないという話を耳にします。出荷するに当たり割った肉を冷蔵しておくスペースがないため供給がストップしているといった話を聞きますが、近江牛の流通において特に今何が問題なのか、もし皆さんの立場で分かれば教えてください。 ◎浅岡 畜産課近江牛流通対策室長  現在、滋賀食肉センターにおきましては、施設の課題として、冷蔵機能の容量の問題で、屠畜可能な状況がかなり逼迫しています。  特に、11月から12月にかけて枝肉の需要が高まり、この枝肉価格が上がる時期に、生産者の皆さんは出荷を望まれますが、現状としては、大体1日に80頭から90頭の屠畜が2日間続くと、冷蔵庫の機能がかなり厳しい状況になります。滋賀食肉センターにおいて、冷蔵機能の強化に向けた調整や考え方の整理を今年度進めております。  枝肉の需要に関しては、全国的な物価高騰の関係で、そのほかの肉類の物価に比べて牛肉の価格は高いため、家計を預かっておられる方々からの消費が、牛肉に伸びにくい状況だと聞いております。  そのため、行政としては、引き続き近江牛のブランド力をしっかり発信していかないといけないと思っておりまして、そのことを通じて近江牛を求める方々、近江牛のファンを増やしていき、近江牛の消費も増やしていくように取り組む必要があると考えております。 ◆加藤誠一 委員  去年から今年にかけて、えさ代の高騰などがありましたが、最終的に近江牛を守るという目線に立ったときに、今のような施設面でいろいろな問題があるという話を含めて、行政的に何をするのかということです。その時々であるべきことは変わると思います。 それから、実際に見たわけではないので、本当のことか分かりませんが、私に寄せられた情報として、食肉の施設がもうだめなので、ほかの市場に持っていってくださいという貼り紙がしてあるという話を聞きました。結局そういう実態が漏れて伝わるわけで、そうすると近江牛自体のブランドに影響が出ないか心配になります。  ですから、そういう施設が至急直さないといけないのであれば、遠慮せずに早急に県が直す等、対応しなければいけないのではないでしょうか。もちろん運営は滋賀食肉公社に任せていますけれども、もともとは県が建てた施設であることを考えると、いろいろな問題が出てきたときには、その都度対応をしっかりやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  滋賀県だけに限らず、今、酪農も含めて、畜産関係業界が大変な状況ですけれども、近江牛というブランドを守るという話で、いろいろな対応を前向きに取り組んでいただければという思いです。 ◎田原 農政水産部理事  近江牛のブランドについて、我々としてもしっかり高めていく必要があります。その中で、やはり屠畜を止めることは決してあってはならないことですので、県としても滋賀食肉センターの施設整備について、県からの支援を示唆しているところです。我々県としても滋賀食肉センターにしっかり関わることで、この近江牛ブランドを高めていきたいと思います。  また、今年度から在り方検討会を始めたところです。いろいろな関係者と議論しまして、大変厳しい状況の中でも、将来の担い手の皆さんが携わっていただけるような、そういった魅力あるセンターづくりをすることで、それが近江牛のブランド力向上につながっていくと考えておりますので、その辺についてしっかり取り組んでまいりたいと思います。 閉会宣告  12時09分  県政記者傍聴:京都  一般傍聴  :1人...