滋賀県議会 2023-09-28
令和 5年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月28日-03号
令和 5年 9月定例会議(第9号〜第15号)−09月28日-03号令和 5年 9月定例会議(第9号〜第15号)
令和5年9月定例会議会議録(第11号)
令和5年9月28日(木曜日)
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議事日程 第3号
令和5年9月28日(木)
午 前 10 時 開 議
第1 議第104号から議第131号まで(令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第4号)ほか27件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(44名)
1番 谷 口 典 隆 2番 田 中 英 樹
3番 谷 成 隆 4番 小 河 文 人
5番 菅 沼 利 紀 6番 桐 田 真 人
7番 岩 崎 和 也 8番 野 田 武 宏
9番 森 重 重 則 10番 田 中 誠
11番 河 村 浩 史 12番 柴 田 栄 一
13番 中 山 和 行 14番 赤 井 康 彦
15番 河 井 昭 成 16番 佐 口 佳 恵
17番 小 川 泰 江 18番 田 中 松 太 郎
19番 清 水 ひ と み 20番 井 狩 辰 也
21番 本 田 秀 樹 22番 柴 田 清 行
23番 重 田 剛 24番 白 井 幸 則
25番 村 上 元 庸 26番 桑 野 仁
27番 周 防 清 二 28番 海 東 英 和
29番 加 藤 誠 一 30番 目 片 信 悟
31番 有 村 國 俊 32番 岩 佐 弘 明
33番 川 島 隆 二 34番 奥 村 芳 正
35番 駒 井 千 代 36番 木 沢 成 人
37番 清 水 鉄 次 38番 大 野 和 三 郎
39番 角 田 航 也 40番 冨 波 義 明
41番 九 里 学 43番 今 江 政 彦
44番 中 沢 啓 子 45番 節 木 三 千 代
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会議に欠席した議員(なし)
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会議に出席した説明員
知事 三 日 月 大 造
教育長 福 永 忠 克
選挙管理委員会委員長代理 吉 田 清 一
人事委員会委員長代理 尾 賀 康 裕
公安委員会委員長代理 高 橋 啓 子
代表監査委員 河 瀬 隆 雄
副知事 江 島 宏 治
副知事 大 杉 住 子
知事公室長 松 田 千 春
総合企画部長 浅 見 裕 見 子
総務部長 東 勝
文化スポーツ部長 谷 口 義 博
琵琶湖環境部長 森 本 哲 司
健康医療福祉部長 大 岡 紳 浩
商工観光労働部長 林 毅
農政水産部長 岡 田 英 基
土木交通部長 三 和 啓 司
会計管理者 中 田 佳 恵
企業庁長 東 郷 寛 彦
病院事業庁長 正 木 隆 義
警察本部長 中 村 彰 宏
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議場に出席した事務局職員
事務局長 箕 浦 宏 昌
議事課長 野 口 浩 一
議事課参事 内 田 吉 行
午前10時 開議
○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
選挙管理委員会世古正委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として吉田清一委員が、また、
人事委員会池田美幸委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として尾賀康裕委員が、また、
公安委員会北村嘉英委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として高橋啓子委員がそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。
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○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。
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△議第104号から議第131号まで(令和5年度滋賀県
一般会計補正予算(第4号)ほか27件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
○議長(奥村芳正) 日程第1、議第104号から議第131号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、20番井狩辰也議員の発言を許します。
◆20番(井狩辰也議員) (登壇、拍手)皆様、おはようございます。一般質問初日、トップバッター、子ども政策の推進について質問をさせていただきます。
令和5年9月13日に行われました内閣改造により、内閣府こども政策・
少子化対策担当大臣に加藤鮎子氏が就任されました。加藤大臣は政府の
こども未来戦略方針を具体化させた施策が年末に向けて取りまとめられる過程で、多様なニーズを有する子育て世代へのさらなる議論において、当事者の視点をしっかりと生かしたい、虐待の相談件数の増加など子供を取り巻く環境の厳しさを踏まえ、子ども政策に関する省庁間の縦割りを打破するとともに、子ども、若者、子育て当事者の視点に立った政策づくりを通して、
こどもまんなか社会への実現に取り組んでいくと会見で申されました。
子供を真ん中に置いた子ども・子育て政策が今まさに動き出しています。本県においても、知事を本部長にした滋賀県
子ども政策推進本部が設置され、本年度重視する政策である「子ども、子ども、子ども」とした子ども政策に取り組まれておられます。さらに、本年7月に
プロジェクトチームから格上げとなった全国知事会の子ども・
子育て政策推進本部の本部長に就任をされました。全国の子ども・子育て政策の先頭に立って、子ども・子育て政策を推進していく役目を担われております。
子供が生き生きと楽しければ社会も生き生きとした楽しい社会になると思います。子ども・子育てに寄り添い支援していくことが子供の未来にも私たち社会の未来にもつながります。本県の子ども・子育て政策のさらなる充実を期待し、以下、質問を行います。
子供の命や健康に関わる
セーフティーネットである医療費助成制度に限らず、国、県、市町と役割分担をしながら、子ども・子育て施策が充実されることが求められています。
このたびかねてより我が会派が求めておりました市町に寄り添った制度とその制度の規模、対象事業等の早期の明確化について、今月の26日に開催された
子ども政策推進本部において、知事から1つには(仮称)
高校生等福祉医療費助成制度の創設、その制度内容としては、所得は問わず自己負担はありとし、市町に対して10分の10の補助を来年度中に実施するということを発言されました。
また、(仮称)子ども・
子育て施策推進交付金について、市町から活用を検討する事業を伺った上で、年間4億円、県の
子ども政策総合計画である淡海子ども・若者プランの次期計画終期2029年度までの6年間を計画期間として議会に諮っていくということを明言されました。このことは大いに評価するところであります。
これらの制度の実施により、滋賀県の子ども・子育て政策が充実したと県民に実感してもらえるよう、県と市町が緊密に連携し、同じ方向を向いて進んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
以下、子供の
福祉医療費助成制度など、子ども施策の充実について、指定するまで
健康医療福祉部長に伺います。
(仮称)
高校生等福祉医療費助成制度について、7月18日の首長会議で示され、この結果を受けて県では高校生世代の医療費助成の拡充に向けて準備を進められておられますが、実際の事務等の実施主体は市町になります。実施主体である市町においては、事務を進める上で懸念の声はなかったのか伺います。
(仮称)
高校生等福祉医療費助成制度の事業開始時期は令和6年度中となっています。市町が高校生までの医療費助成を拡充する事務的な手続を行っていく上で、システム改修が必要になります。このシステム改修に要する費用が負担になっており、県に支援してほしいとの声を聞いておりますが、どのように考えているのか見解を伺います。
今回の制度拡充により、夜間、休日等の時間外における受診が増加されることが考えられます。いわゆるコンビニ受診等の増加により医療機関の負担増が懸念されるが、県ではどのように対応しようと考えているのか見解を伺います。
先日、26日に開かれた滋賀県
子ども政策推進本部会議の知事の発言を受けて、子供の居場所づくりや子育て家庭の見守り、保育人材の確保に係る事業などの提案が市町からあり、それらの対象経費の2分の1を補助するとの報道がありました。また、各市町への配分方法については、各市町の18歳以下人口数を基本に人口減少が進む市町には加算をする考えであるとのことでした。
我々会派にも要望をいただきましたが、栗東市が中学生への医療費助成を拡大する上で、その支援としてこの交付金を活用したいとの要望をされていますが、市町が希望している事業が実施できるよう、年間4億円を予算要求していくとのことでありますが、どのような考えで各市町に配分するのか伺います。
この交付金の補助率は2分の1となっています。補助率を10分の10とすることで、自由度の高い市町の子ども・子育て施策がより推進されるのではないかと考えますが、補助率を2分の1とした理由を伺います。
補助率が2分の1ということであれば、市町においても財源負担が必要となってきます。早期に市町に制度の内容を示すべきであると考えます。どのように市町に制度の周知や活用を図っていくのか伺います。
交付金は令和6年度から令和11年度までの6年間とのことで表明されましたが、子ども政策は継続実施が必要な事業が多いと考えます。令和12年度以降の支援はないのか、交付金活用に終期があることで市町の施策検討や取組着手に懸念が生じないのか見解を伺います。
以下、病院事業庁長に伺います。
子供の命、健康を守っていくためには、小児医療の充実も必要不可欠であります。現在、病院統合および小児新棟の整備に係る方向性が示されていますが、現在の
小児保健医療センターの状況について伺います。
先日の我が会派の代表質問において、整備を進めるに当たって医療急性期、慢性期の病態に応じた小児病棟をそれぞれ30から40床、合計60から80床程度確保すると答弁されました。現在の
県立小児保健医療センターの病床数は100床となっております。病床数として20から40床が減少されることになります。この減少に対し、小児の専門的な治療が継続されるのか、子供の命と健康を守ることができるのかといった不安の声が聞かれますが、見解を伺います。
最後に、病院統合は令和7年1月に行われますが、小児新棟の整備は令和11年1月供用開始を目指して現在進められています。今後の建て替えのスケジュールおよびその間の病床確保の状況について伺います。
○議長(奥村芳正) 20番井狩辰也議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)私にいただきました、県と市町との連携についてでございますが、議員御指摘のとおり、県と市町が車の両輪となり共に取り組むという姿勢で、子ども政策を推進することが重要であると考えております。今回の(仮称)
高校生等福祉医療費助成制度につきましても、市町と共に取り組む制度であり、また(仮称)子ども・
子育て施策推進交付金につきましても、市町の取組を県が支援するという、言わば協働の取組でございます。
今後もこうした連携の取組を推進することにより、県民の皆さんに子ども政策の充実が実感してもらえるよう尽力してまいりたいと存じます。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)私にいただきました7点の御質問にお答えいたします。
1点目の市町における
医療費助成制度拡充に当たっての懸念の声でございますけれども、来年度からの制度拡充に向けて、市町に対しましてアンケート調査や担当者会議を行う中で、開始時期に関することやシステム改修への対応、医師会との調整、さらには受給券の発行に伴う事務の増加などについて御意見をいただいたところであり、県としましても、各市町が円滑に制度を導入いただけるよう、様々な観点から支援を行ってまいりたいと考えております。
2点目のシステム改修についてでございますけれども、医療費助成制度は基本的には市町の制度でありますことから、個別のシステム改修につきましては、各市町で御対応いただくものと考えております。なお、
国民健康保険団体連合会のシステム改修につきましては広域的な対応が必要になってまいりますことから県で対応するものと考えており、必要な経費につきましては今後議会にお諮りしてまいりたいと考えております。
3点目の医療機関の負担増への対応についてでございますけれども、これまでに市町で制度拡充が行われた際の状況を確認しましたところ、一部で一時的な受診者の増加が見られたものの、経年にわたる顕著な伸びは見られなかったという状況でございます。また、既に高校生世代まで制度を拡充している市町からは、不要不急な受診にはつながっていないというお声もお聞きしているところでございます。県としましては、制度を安定的に運用し医療費の適正化を図るためにも、地域の医師会等の協力も得ながら、県民に対して適正受診の呼びかけを徹底することで、医療機関の負担軽減等にも配慮してまいりたいと考えております。
4点目の配分方法についてでございますけれども、子ども政策の必要性あるいは予算規模につきましては、必ずしも子供の人数に比例するものではないと考えております。そうしたことから、単に子供の人数に応じて配分するということは適切ではないと考えております。具体の配分につきましては、まず施策の実施に当たりましては規模に関わらず一定の経費が必要になりますことから、基本額350万円を設けた上、18歳未満人口の割合で基礎となる配分額を算定しまして、さらには人口減少地域には人口減少率を考慮して加算を行い、市町の配分額としたいと考えております。
5点目の自由度の高い制度と補助率についてでございますけれども、地域により課題は様々でありますことから、各市町の実情に応じて施策を展開いただけるように、対象とする事業を幅広く設定することで自由度の高い制度としてまいりたいと考えております。
また、補助率につきましては、子ども政策は県と市町が共に進めるという思いから、県と市町が2分の1ずつ負担をしたいと考えており、市町にも財源を御負担いただくことで、より実効性のある取組につながるものと考えております。
6点目の市町への周知および活用についてでございますけれども、議員御指摘のとおり、各市町におきましては令和6年度事業として活用いただけるよう、県としましてもそのための準備を進めていく必要がございます。つきましては、10月中頃には市町に対し説明会を開催し、当初予算に向けての各市町の上限額、そして、対象事業など県の考え方を説明してまいりたいと考えております。また、交付金を有効に活用いただけるよう、他の市町で提案されている事業を共有することで、優良事業の横展開を図ってまいりたいと考えております。
7点目の令和12年度以降の支援についてでございますけれども、まずは6年間、県と市町で連携して子ども・子育て施策の推進を図ってまいりたいと考えております。国におきましても子ども政策は
こども未来戦略方針を具体化すべく議論をされているところでございます。本交付金につきましては、効果検証も行いながらこうした国の動きにも注視し、6年後の在り方について考えてまいりたいと考えております。
◎病院事業庁長(正木隆義) (登壇)私にいただきました3点の御質問にお答えいたします。
1点目の
小児保健医療センターの現状についてでございます。センターは現在、9つの診療科と100床の病床を有しており、センターの再整備事業の基本計画を平成29年度に策定しました。その前後3か年平均の患者数をまず申し上げます。1日平均の患者数です。平成26から28年度と平成29から令和元年度の比較で、外来が210.8人から210.9人と横ばいであるのに対し、入院は72.8人から67.9人と減少傾向にあります。
次に直近の状況ですが、コロナ禍の影響があった令和2年から4年度は外来が173.3人、入院は45.9人でした。5類移行後の令和5年6月から8月の3か月で申し上げますと、外来183.3人、入院49.1人となっております。また、全国的な
小児医療提供体制の充実に伴い県外からの患者数も減少傾向にあり、平成25年度で入院の実患者数、251人あったのに対しまして、令和4年度は111人と、この10年間で半減している状況です。
2点目の病床数の減少についての御不安でございますが、小児新棟の病床数につきましては、令和2年12月に総合病院と一体で病床を運用することを前提に、68床に見直すことを公表させていただいたところです。現在検討中の統合後の小児病棟を急性期病棟と慢性期病棟に区分し、それぞれ30床から40床、合計60床から80床程度とする案については、当時の考え方を基に、総合病院のICU──集中治療室や、HCU──高度治療室と一体利用することや、ワクチン接種を含めた小児予防医療の進歩、少子化による人口減少を考慮した今後の患者数の減少見通しも踏まえたものとしております。一時的な患者の増加や緊急時には総合病院の500床以上の病床も活用し、入院が必要な小児患者の受入れ体制は万全を期してまいります。
総合病院との統合により、センターがこれまで担ってきた難治・慢性疾患医療をはじめとする子供の命と健康を守る拠点としての機能はしっかりと守り、さらに高めていくことが重要と考えております。こうした考え方を患者家族の皆さんに説明する場を、本会議終了後速やかに設けたいと考えております。
3点目の今後のスケジュールとその間の病床確保の状況についてでありますが、小児新棟については来年度から設計に着手し、8年度に建築工事を開始して、11年1月の供用開始を目指しております。この新棟の供用開始までの間については、7年1月の病院統合後、できるだけ早期に急性期と慢性期の両病棟を、充実した医療設備を有する総合病院内に移転する予定です。
その後、11年1月の小児新棟の供用開始に合わせて慢性期病棟を再移転するほか、小児専門外来の移転、障害者歯科治療への対応を検討しております。
なお、総合病院内に設置する小児用の病棟については、子供の療養に必要な改修を予定しており、現在課題となっている個室の面積についても付添いベッドが十分入る広さを確保するなど、患者や御家族が安心できる環境を整備してまいります。
◆20番(井狩辰也議員) (登壇)1点再質問をさせてもらいます。協働で進めていくということでございます。
子育て政策、県と市町、協働して進めていただきたいんですけれど、我々の会派の代表質問においても本田議員のほうから要望がございましたが、市町の意向が十分に反映された制度となるよう強く要望しておくとともに、いま一度、栗東市が拡大しようとしている中学生への医療費助成に活用できるのかということと、あと、必要な予算を配分できるのか伺うとともに、例えば執行予算額が下回ると、来年執行している段階で下回ると見込まれた場合、新たな事業に交付金を活用することは可能なのか再度伺いたいと思います。
○議長(奥村芳正) 答弁者を指定してください。
◆20番(井狩辰也議員)
健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
本交付金でございますけれども、まず、新規事業であったり、あるいは既存の事業の拡充部分、こういったものに活用いただくというものでございます。今、再質問でいただきました、栗東市に限らず各市町で希望していらっしゃる事業につきましても、交付要綱に沿って活用いただけることを念頭にして、この予算を確保して配分をしてまいりたいと考えております。
また、交付金の活用に当たりましては、配分額の範囲内で柔軟に対応いただきたいと考えているところでございます。
◆20番(井狩辰也議員) (登壇)ありがとうございます。市町の要望をしっかりと十分反映された制度となることを願っております。
今回の滋賀県の子ども・子育て支援を通して、それぞれの御家庭で経済的にも精神的にも余裕ができ、子供に接するとき、毎日の子育てが今よりも楽しい時間となること、幸せな時間になることを願って、そのことをもって少子化対策の一助になることを期待を申し上げて、質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、20番井狩辰也議員の質問を終了いたします。
次に、11番河村浩史議員の発言を許します。
◆11番(河村浩史議員) (登壇、拍手)河村浩史です。
1つ目の質問として、(仮称)新・琵琶湖文化館や
医療福祉拠点施設等の新たな施設を生かしたまちづくりについて、分割方式にて質問いたします。
今年度、現在、老朽化のため休館中となっている県立琵琶湖文化館の後継施設として整備される新・琵琶湖文化館の落札業者が確定いたしました。建設場所は、大津市浜大津の大津港に隣接する県有地であり、地上4階建て、延べ約6,600平方メートルであり、展示室、収蔵庫、インフォメーションゾーンやショップ、飲食コーナー、展望コーナーが設けられるとのことです。4年後の2027年12月に開館予定であり、開館後15年間の運営費を含め、約108億円の事業費をかけて整備がされる予定となっています。
開館後、年に20万人の集客を見込み、経済効果や地域観光の活性化にも寄与することが期待されているとのことです。
しかし、この集客見込みについては、かなり高い目標設定となっており、少し現実的ではないのではないかと感じています。来館者数の目標を達成するため、新・琵琶湖文化館基本計画の中において、来館促進策として県内の文化観光施設との連携による誘客や、学校の博物館利用の促進をするとのことですが、類似の文化施設である滋賀県立美術館では、コロナ前においても展覧会利用者と教育交流事業の合計で年間10万人程度の利用にとどまり、昭和62年の来館者19万2,150人をピークとして、長期的に減少をし続けている状況です。
また、近隣の類似施設としては大津市歴史博物館がありますが、こちらの施設についても、コロナ前の時点においては、展示、講座の利用者の合計が年間4万人から6万人の範囲であったことからも、いかに年間20万人という集客目標値が高いということが理解できると思います。
施設の機能がそれぞれの施設によって異なる部分もあるため一概に比較をすることはできませんが、それを加味した上でも高い目標値であると感じています。
そこで文化スポーツ部長にお伺いいたします。来客数年間20万人という数値目標は妥当な設定であると考えられているのか、あるいは達成できると考えられているのであれば、その達成のための取組について教えてください。
次に、現・琵琶湖文化館の今後についてお聞きいたします。現在の琵琶湖文化館については、1961年から開館し、長く県の文化財の保存、活用の拠点としての役割を果たすだけではなく、水族館やプール、熱帯植物園などの機能もある総合レジャー施設として、県民だけではなく県外の方からの利用も多く、長く多くの方に親しまれてきた施設であります。
しかし、入場数の減少や老朽化の影響もあり、2008年より休館をしている状況です。また、新・琵琶湖文化館の開館が決定したことによりその役目を終えることとなり、現・琵琶湖文化館の活用については、以前より検討がされてきているところですが、いまだ具体的な方向性は決まっていません。現・琵琶湖文化館は琵琶湖の湖底から建っている建造物であり、その場所を活用するためには全てを取り壊し原状回復をしなければならず、既存の建物をそのまま再利用するしかないのか、柔軟な利活用のためには多くの課題が山積していると聞いているところでありますが、今後のなぎさ公園エリアのにぎわい創出の点からは、新・琵琶湖文化館の集客計画だけではなく、同等の熱量をもって現・琵琶湖文化館の活用についての検討も具体化していく必要があると考えます。
現・琵琶湖文化館の活用については現在どのような協議状況にあるのか、今後の活用の方向性についてを、文化スポーツ部長にお伺いいたします。
次に、大津駅前、県庁周辺のにぎわい創出について質問いたします。さきの6月定例会議において、県庁に隣接する県教育会館跡地に医療福祉拠点を整備していくための設計費用を盛り込んだ補正予算が可決承認されました。解体費用の肩代わりといった大きな問題はありましたが、計画──スケジュールでは今後、令和9年度には医療福祉拠点施設が完成し供用開始されることになっています。
こういった施設が新たにできるということは、まちのにぎわいにも大きな影響があり、むしろその影響力をどれだけ最大化できるのかをしっかりと検討していかなければなりません。まずは施設の設置目的としての役割を果たすことが第一ではありますが、同時にまちのにぎわいにもつなげる必要があると考えます。
先日、各委員会における県外視察の際に幾つかの県庁を訪問させていただきましたが、県庁周辺、特に駅前のにぎわいを、この大津駅前と比較せずにはいられませんでした。長く全国の県庁所在地の中でも最も寂しいと言われてきた大津駅前ですが、全く手が打たれていないわけではありません。2016年には「通りすがる駅から立ち寄る駅に」をキャッチコピーに大津駅がリニューアルをし、カプセルホテルや飲食店、観光案内所が整備されました。また、当時の越直美大津市長は、大津駅前中央大通りから湖岸沿いまでのにぎわい創出を目的としたジュネーブ構想を掲げられ、民間活力を生かしたまちづくりを目指されました。しかし、任期による市長の交代やコロナの影響等もあり、残念ながらいまだ大津駅前のにぎわいの創出には至っていないというのが現状です。
そういった中で、新・琵琶湖文化館の開館や新たな医療福祉施設の開設等は、一定まちのにぎわいに対して寄与することになると思います。しかし、それぞれが単独でばらばらで取り組んでいても、その効果については最小限にとどまってしまうと思います。最大の効果を得るためには、県だけでなく今まで以上に市や地域との連携が必要不可欠です。長年の課題である大津駅前周辺および県庁周辺のにぎわい創出について、県としてどのような認識を持たれており、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の見解をお伺いします。
○議長(奥村芳正) 11番河村浩史議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)新たな施設を生かしたまちづくりということで3点御質問いただきました。最後にいただきましたけれども、まず私からお答えをさせていただきます。
県庁周辺等のにぎわいの創出についてということで賜りました。大津駅前から県庁周辺に至る地域は、大津市の中心市街地であるとともに、県都の玄関口でありますことから、周辺のにぎわい創出を目指した県有地の利活用を図る必要があると認識しております。
新しい琵琶湖文化館におきましては、周辺の市立施設や地域で開催されるイベントとの連携、鉄道や船舶等の交通事業者との周遊企画などを通じたにぎわいづくりを、また、県庁隣接の医療福祉拠点におきましては、平日昼間や休日の人通りの増加など、にぎわい創出に資する拠点を目指しているところです。
引き続き大津市や地域と情報共有を図り、連携して周辺地域のにぎわい創出につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。
◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)私にいただきました2点の御質問にお答えいたします。
まず、1点目の新しい琵琶湖文化館の来館者の目標数についてでございます。年間20万人というのは確かに高い目標でありますものの、この達成に向けて意欲的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
具体的には、博物館本来の活動として魅力的な展覧会を開催することはもとより、文化観光の拠点となりますビジターセンターとしまして、県内の社寺やほかの美術館、博物館との共通の入館券の発売や、フローティングスクールのプログラムへの参加など、ほかの事業主体との連携を積極的に推進してまいります。特に地元の大津市さんとは、歴史博物館など周辺の市立施設の連携だけではなくて、例えばおおつ“湖都文化”再発見フェスティバルのような、地域で開催されておりますイベントと結びつけた企画を行うことなど、より幅広く協力することによりまして、地域のにぎわいづくりに努めてまいりたいと考えております。
2点目の今の現・琵琶湖文化館の利活用についてでございます。令和9年度までは現状のままの施設を存続させることとしておりますが、その後の取扱いにつきましては、本年度より県の文化財保護課と流域政策局および大津市におきまして、事務担当者による検討を始めたところでございます。
現施設は琵琶湖上に設置されておりまして、県の博物博物館としての用途を廃止した後、現施設や施設がある場所の利活用を行うためには、新たに河川法による手続が必要となります。このような法的な課題を確認しながら、県と大津市が引き続き連携を密にしまして、なぎさ公園エリアの一層のにぎわい創出につながりますように、様々な可能性について具体的に検討を進めてまいります。
◆11番(河村浩史議員) (登壇)再質問をいたします。
文化スポーツ部長と知事にかな。まず
文化スポーツ部長に対してですけども、20万人という目標値は非常に高いけども、いろいろなイベントとかによって、目標値に対してしっかりと頑張って取り組んでいくということだったんですけども、この20万人という目標は、初年度だけの目標値じゃないですよね。もう今後もずっと20万人を毎年達成すると。それが果たして本当に可能なのかなと。今の御答弁だけでは実現、本当にできるのかというのが、ちょっと私には不安になっております。
施設というのは、建ったからといって、決してそれで集客ができるものではないんです。昔はそれでも観光客は増えたのかもしれないけども、今の時代は建物が建って、それでじゃあ観光客が自然に来るわけではなくて、やっぱり仕掛けが必要やと思うんですよね、県としても。やはりビジョンが必要ではないのかなと思うんです。あとはターゲット。ファミリー層をターゲットにするのか、あるいは県外、県内の観光客、あるいは外国人をターゲットにするのか。そういったところをしっかりとビジョンを示して、ターゲットもちゃんと決めて、戦略的なそういった仕掛けが必要ではないのかなというふうに思うんですけども、再度そこについてのお考えをお聞きしたいです。
あと、知事に対してなんですけども、大津駅前の活性化というところで、それについても、いろいろ今でもイベントもやっているんですけど、やはりそれではなかなか、今まで本当に長年ずっとこの大津駅前のにぎわいというのは、難しい部分があったと思うんですよね。もっともっと活性化していくためにはさらなる発信も必要なのかなと。こちらも一義的にはやはり、このまちづくりというのは市がやるべきことやと思うんですけども、そこに対しても、県もやはりもっと積極的な姿勢といいますか、それに対してもちゃんとまちづくりのビジョンというものも、県としても何か考えていく必要があるのではないのかなというふうに思うんですけども、再度その点についての御答弁をいただければありがたいと思います。
◎知事(三日月大造) そうですね。おっしゃったとおり、県庁もあって、これから活用できる県有地もあって、そして、県の文化館を大津駅からずっと下がったところ、大津港のところに京阪ともつながる形で整備をする予定がありますので、こういったものを活用しながら町をどのように元気にしていくのかということだと思います。
とはいえまず、大津市がどのように考えるかですね。その考えられる大津市さんとしっかり連携しながら、例えば京都との近さというのはまだまだ訴求もできるだろうし、そのことによってお客様を招き入れることができるでしょう。先般、私も参加させていただきましたけれども、琵琶湖疏水の通船を使いながら、京都市さんの御協力によって大津閘門が電動化し、そこから大津港に舟運でお客様をいざなうことができるようになったと。
まさに文化館はそこで滋賀・近江の文化財を御覧いただくと同時に、そもそもこういったものがどこにあったんだ、どういう自然の中で、歴史の中で育まれてきたんだということを、例えば大津港から長浜に、そして高島に、近江八幡にいざなうことで、周遊観光をお楽しみいただけるような拠点にするというようなことも構想しておりますので、後ほど
文化スポーツ部長からもお答えいたしますけれども、確かに単体で見れば高い目標なのかもしれませんが、大津市、また、周辺地域、様々な機関等と連携しながらにぎわいを増やしていけるように取り組んでまいりたいと存じます。
◎
文化スポーツ部長(谷口義博) まず今、知事が申し上げたとおり、大津市とか近隣団体との連携の下、しっかりやっていくというのが基本的な姿勢でございます。先ほどおっしゃったように、今の20万人という来館者目標について、本当に達成できるかということは重く受け止めています。
具体的に基本計画をつくった段階で、こういったことを増やしていくということで幾つかあるんです。もともとの入館者数から展示規模を拡大したり、あるいはほかの施設の連携をしっかりやっていくとか、幾つかの要素を基に20万人という目標を上げているんですが、先ほどおっしゃったように、具体的な戦略という面で御説明、納得していただけるような御説明をできるように具体的な取組を進めて、改めて御説明を申し上げたいというふうに考えてございます。
◆11番(河村浩史議員) (登壇)次の質問に移ります。
2つ目の質問として、姉妹友好交流を含む国際交流について分割方式にて質問をいたします。新型コロナウイルス感染症の影響により、長く海外を直接訪問したり、海外の方が日本を訪問したりすることが困難となり、多くの県民にとっても国際交流の機会が大きく減少していました。しかし、令和5年5月8日、新型コロナウイルスは5類感染症に移行されることになり、ようやく海外との交流をリアルにできる状況が戻りつつあるところです。
コロナ禍においては、オンラインなどを活用することにより、何とか国際交流の機会を持つために、工夫を凝らした取組を各種団体においては行っていただいていたとは思いますが、やはり画面越しではなく直接現地に赴き、接するという経験こそが国際交流という目的においては重要であるということを再認識されているところだと思います。
社会や経済のグローバル化が進み、国際交流というのはグローバル人材の育成には不可欠であり、コロナ禍において改めて国際交流、協力の重要性についても再認識され、今後より一層行政としての果たす役割に注目がされています。
本県においては、昭和43年11月14日にアメリカミシガン州と、昭和55年5月5日にブラジルリオグランデ・ド・スール州と、昭和58年3月25日に中国湖南省とそれぞれ姉妹友好提携が結ばれているところであり、今年はミシガン州とは55周年、湖南省とは40周年という節目となり、知事自ら7月、8月と現地を訪問され、滋賀県をPRされたと伺っています。また、9月9日にはミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事が来県され、滋賀県とミシガン州が連携をして湖沼の重要性を世界に発信していくことや、若者の交流の推進についての確認書が交わされ、また、県内の市町や経済団体などとも交流をされたと伺っています。
しかし、長きにわたるコロナによって以前から計画をしていた事業がストップしてしまったものもあると聞いています。例えばブラジルリオグランデ・ド・スール州とは2020年に姉妹県州協定40周年を迎えるに当たっての記念事業としての式典を、また、JICA草の根技術協力事業を実施する予定であったのが、コロナの影響により実施ができなかったと聞いています。コロナの感染者はゼロになったわけではありませんが、5類相当に引き下げられ、ウィズコロナ、アフターコロナの現在において、失われた国際交流の機会を再び取り戻していく必要があると考えます。
コロナ禍においては実施が見送られてしまった国際交流の機会はほかにも数多くあったかと思われますが、県が姉妹友好提携を結んでいる3つの地域とは、今後どのような取組によってこの長く失われた国際交流の機会を取り戻そうとされるのかをお聞きいたします。
また、県民、特に次代を担う若者や子供たちに対しては、留学の支援等も含め、姉妹友好交流をしている地域に限らず様々な国際交流の機会を積極的に提供していかなければならないと考えますが、知事の見解を伺います。
最後に、今後の新たな地域との姉妹提携の可能性についてお聞きいたします。現在、滋賀県が姉妹友好提携をしている地域は上述をしている3地域ですが、昭和58年の中国湖南省との友好提携を最後に、それ以降は平成、令和と40年にわたり新たな姉妹友好提携についてはなされていない状況です。決してただ多くの地域と姉妹友好提携をすればよいというわけではありませんが、ここ近年、世界においては感染症のまん延や紛争、混乱が絶えない不安定な状況が続いています。このようなときだからこそ、地域の発展や国際平和のためにも、外交とは別のルートとなる都市同士、住民同士のつながりがより一層重要ではないかと考えます。
もともと姉妹友好提携が結ばれることになった経緯としては、第2次大戦後に貧しくて国際交流の手段がなかった日本が、地域の国際化と住民への国際交流の機会の提供に寄与するために、全国的に広がったと聞いています。40年、50年前に結ばれたときの当時とは状況も大きく違うとは思いますが、人的交流、文化協力にとどまらず、技術や経済といった相互発展できる都市との新たな姉妹友好提携の模索を、今現在における新たな視点を持って進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
◎知事(三日月大造) 国際交流について3点御質問いただきました。人と人との交流は平和の礎になると思いますので、そういった視点でこの国際交流についてもつくっていきたいと思います。
まず、1点目の姉妹友好交流の今後ということについてでございますが、海外との往来が活発化してきております。今後はオンラインによる交流のほか、対面での県民の皆さんによる草の根交流を本格的に再開させていきたいと考えております。
ミシガン州につきましては、10月に4年ぶりとなる使節団をお迎えすることとなります。県内でのホームステイなどを通じて、友好を深めていただくこととしております。湖南省につきましては、11月に40周年を記念し、文化、青少年、経済等幅広い分野の代表団をお迎えし、県民の皆さんや経済界との交流も行っていただく予定でございます。リオグランデ・ド・スール州につきましては、2025年の45周年を見据えまして、中断していた事業の再開に向けて調整するとともに、対面での交流を再開してまいりたいと考えております。
2点目の若者の国際交流への支援についてでございますが、議員御指摘のとおり、次の時代、次代を担う若者等に対して様々な国際交流の機会を提供していくことは重要であります。このため小中学生などを対象に、イギリス、ブラジル、中国出身の国際交流員による出前講座を実施いたしますとともに、ミシガン州と高校生相互派遣事業の再開を目指し、現在調整を進めているところです。さらに、県内の高等学校等に在籍する生徒への海外留学支援として、「トビタテ! 留学JAPAN拠点形成支援事業」を活用いたしまして、奨学金の給付などにより留学を支援する予定でございます。
これらの機会を通じまして、子供たちが世界とつながり、これは姉妹提携都市に限らず多様な文化を体験できるよう取り組んでまいりたいと存じます。
3点目、新たな姉妹友好交流についてでございますが、今御紹介いただいた3つの州省に続きます第4、第5の姉妹友好提携につきましては、県や県民が世界に目を向け、あらゆる分野において滋賀の魅力を発信し、世界とのつながりを広げるために必要と考えており、現在様々な可能性を探っているところであります。本県の姉妹友好州省は、いずれも湖をえにしに友好交流が始まり、環境、経済など様々な分野に発展し、長きにわたり厚みのある交流を展開してまいりました。
新たな提携先の検討に当たりましては、その国を代表する湖を持たれているということのほか、幅広い分野において相互に有益で共に発展できる関係を築き、将来的には民間交流につなげられることを重視し、模索してまいりたいと存じます。いろんな職員のマンパワーの問題もありますので、その辺りの見極めもしながら検討していきたいと存じます。
◆11番(河村浩史議員) (登壇)1点だけ知事に対して再問させていただきます。
今後しっかりと見極めながらというお話がありましたけども、幾つかもう既に滋賀県とそういった提携を結びたいとおっしゃっているような国もあるのかなというふうに思うんですけども、今後そういった、決して安請け合いするわけにはいかないと思うので、やっぱり滋賀県にとっても有益な地域と提携をしていく必要があると思うんですけども、そういった場合、今後、選定の基準といいますか、どういった条件整備とか、そういったことが必要やと思うんですけども、その辺は、その選定に当たっては、そういった何か立ち上げられるのか。今の時点で何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
◎知事(三日月大造) 何か基準であるとか組織選定のためのプラットフォームというものを設定する予定はありませんが、先ほども申し上げたとおり、あっちもこっちもというわけにいきません。
幾つも増やして対応できるわけではありませんので、やはり私たちの場合、琵琶湖をお預かりしていますので、湖というのは重視すべきではないかと考えておりますし、片方に何か利益、有益というだけではなくて、双方にとってメリットが共有、享受できるのかということは考えていく必要があるでしょう。また、湖のつながりであれば環境、そこから経済、そして次世代と、また、文化交流もそうですけれども、どういう厚みを持たせていけるのかということも、これまで3つの州省との関わりを踏まえますと、大変重要ではないかと思いますので、こういった視点で考えていければと存じます。
◆11番(河村浩史議員) 終わります。ありがとうございます。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、11番河村浩史議員の質問を終了いたします。
次に、36番木沢成人議員の発言を許します。
◆36番(木沢成人議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、滋賀県平和祈念館に係る諸課題についてと題し、一問一答方式で以下、全て
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
昨年2月24日に突如として始まりましたロシアによるウクライナ侵攻は、1年7か月が経過した今も一向に停戦、終戦の兆しが見られません。21世紀も間もなく約四半世紀を迎えようとする現代において、国連の常任理事国であるロシアが国際法を無視した侵略行為に及んだという、国際政治、国際関係の非情な現実を突きつけられ、まさに世界は混沌の状態に入っていると思います。
このたびの戦争では、高度情報化社会を象徴するように、我々日本人を含めて老若男女を問わず双方が展開する情報戦の渦の中に巻き込まれています。連日のマスコミ等の報道に加え、今やスマートフォンや情報端末を所持していれば、フェイスブックや旧ツイッターであるX、TikTok等のSNSにおいて、兵士が操るドローンやウェアラブルカメラによって撮影された生々しい戦場、戦闘の現実を表した情報に、個人としてアクセスできるようになりました。未成年の児童生徒においても、簡単に戦争の現実に触れることが可能となっているわけであります。
このような時代だからこそ、改めて我が国も関わりましたさきの大戦の史実に触れ、そこから学びを深め戦争と平和について探求していくことが何よりも大切であると一層考えているところであります。
滋賀県平和祈念館に関しましては、これまで平成21年9月定例会、平成27年6月定例会で直接取り上げ、また、平成30年7月定例会におきましては、平和についてと題した質問の中で、事業内容やその在り方について提言、質問をさせていただきました。最後の質問より5年が経過しましたが、この間、コロナ禍という厄災にも見舞われ、社会経済活動に大きな制限が加えられたところでありますが、まず令和2年以降、この3年間の同館の入館動向についてお伺いいたします。
○議長(奥村芳正) 36番木沢成人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)お答えいたします。
直近3年間の来館者数でございますけれども、令和2年度が1万7,816人、令和3年度が1万5,078人、令和4年度が1万6,236人となっております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)戦争に関する歴史を取り扱い平和を祈念する施設、平和を学ぶ施設は全国各地に存在し、中には市立や町立等で多くの来館者を集めている施設もございます。同種の施設と比較した場合の滋賀県平和祈念館の来館者数の動向につきまして、これにつきましてはコロナ禍以前の数字も含めてお伺いをいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
例えば鹿児島県の知覧特攻平和会館におきましては、令和元年度36万人から令和2年度は14万人、令和3年度は18万人とほぼ半減をしているという状況でございます。また、福岡県の大刀洗
平和記念館におきましては令和元年度が約9万人、令和2年度が4万人、令和3年度は5万人と同様に半減をしております。
一方、平和祈念館におきましては、感染対策を講じながら安心・安全な事業展開を図りまして、コロナの影響を大きく受けることなく、一定の来館者数で推移してきたところでございます。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)今御答弁いただきました南九州市の知覧特攻平和会館、私も議員になる前、前職時代のときに、もう二十数年前に一度行って、それからあと2回ぐらい訪問させていただいていますけども、知覧もピーク時だと73万人ぐらい入っておられて、そこからちょっと減少はしているという傾向があるということですけども、今お答えいただいた数字ぐらいは安定して入っておられると。大刀洗のほうも私、2年前かな、訪問させていただいたんですけれども、福岡県の同じような観光施設とかそういうことも含めても、コンテンツの内容としては結構検討されているのかなというふうに思います。
それで今、比較ができたわけなんですけれども、他府県における類似施設の入館者数と、滋賀県平和祈念館の入館者数の差ですね。数字の差につきましては、どのような要因がそこにあると考えておられて、その上で、今後どのように来館者数を増やそうとされるのかお伺いをしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
先ほど申し上げました知覧特攻平和会館、あるいは大刀洗
平和記念館は、県外からの修学旅行生や一般団体旅行などの来館者が多いとお聞きをしているところでございます。一方、平和祈念館は県民参加型の運営を理念の一つに掲げておりまして、県民の皆さんから託された体験談とそれにまつわる当時の資料を通じまして、県民の皆さんに戦争の悲惨さ、および平和の尊さを伝えることを目的としており、こうした館の特徴が入館者数の差として生じているものと考えております。
また、来館者増の取組につきましては、従来近隣施設との連携したスタンプラリーの催しであったり、あるいはポスター、チラシの配布などに取り組んでまいりましたが、今後は昨年度末にリニューアルをしましたホームページやSNSなどの活用による情報発信を充実強化することなど、来館者の増加に努めてまいりたいと考えております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)後ほどちょっと平和学習のことには触れるんですけども、今、2館の動向の中で、修学旅行とかそういう話も出てきたかと思います。
その中で、先ほど申し上げた知覧の特攻平和会館にしても、行こうと思うとかなりアクセス、なかなか大変なんですね。鹿児島の市内からそこに向かうのは、そんなに便利なところではないんですね。にもかかわらず、修学旅行だと団体の観光バス等で行かれると思うんですけども、一般の方もやはりかなり行っておられるのかなというふうに、2館の方と話していてもそう思いますし、大刀洗のほうは甘木鉄道という三セクの鉄道の最寄り駅があるんですけど、あそこは駅前からすぐ近いというところの利便性があって、福岡の市内からJRと甘木鉄道を乗り継いで行けば行けるんですけど、それでも、例えば関西からアクセスするときに近いところであるかというと、なかなか行きづらいところであるのかなと思います。
それに比すると、やはり京都、大阪とか中京圏も近くて、そういうところからも行ける中で、先ほどおっしゃったもともとコンセプトがちょっと2館とは違うので、そこの面もあるということなんですけども、やはりちょっと数字を見ていると、非常に残念かなと思いますので、その辺はしっかり対策していただきたいと思います。
そのことにも関わるんですけれども、平成27年の6月定例会議、平成30年7月定例会議の質問の中では、グローバルな視点に立った中で類似施設との連携強化をするべきと提言をさせていただきまして、その後、京都府舞鶴市の舞鶴引揚記念館と例えばシベリア抑留に関する企画展なども実施いただいたところなんでありますが、こうした他府県の類似施設との連携の現況についてお伺いをしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
平和祈念館では地域交流展示を進めているところであり、直近の具体例としましては、令和2年度と令和4年度に広島長崎ミニミニ原爆展を、また、令和3年度と令和4年度には、ふるさとなみえ博物館巡回展を行ったところでございます。
また、県外の類似施設におきまして、例えばピースおおさかでは滋賀県平和祈念館の紹介をしてもらったり、沖縄県平和祈念資料館にパネルなどの実物資料の貸出しをするなどの連携を図っているところでございます。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)いろいろな館との連携はしていただいているところなんですけども、この後からのちょっと質問に関連するんですけども、先ほども出ていました知覧の特攻平和会館、それから、大刀洗の平和記念会館ですね、どちらも陸軍の飛行場なりそこの戦史に関わるそういう施設なんですけれども、御案内のとおり平和祈念館、今現況、東近江市の旧愛東町にあるんですけれども、もともとの経緯は、旧日本陸軍の八日市飛行場があって、この後また触れますけれども、その戦争遺跡がたくさん分布している地域だというところの中で、この八日市陸軍飛行場の歴史であるとか、その戦争遺跡を含めた歴史を体現できるということの中で、もともと誘致の活動を含めて始まったという経緯があります。
時の県の財政事情と市のほうの財政事情も相まって、今の旧愛東町の施設をリニューアルしてという形に落ち着きましたけれども、基本はやはり八日市なり八日市飛行場との関連ということが遺族会の方も含めて皆さんの思いなので、そういうふうに考えますと、冒頭から出ております知覧にしても大刀洗にしても、陸軍の関係、それから特攻という一つのテーマで切り抜くと、陸軍八日市飛行場は物すごく関係しているんですよ。終戦間際の沖縄方面の特攻の中継基地として陸軍の八日市飛行場が使われていて、そこに待機されていた方、そこから知覧なりに赴いて、その後散華されたという方もいらっしゃるわけなので、やはりその辺のところのコンテンツを既に持っておられるとこがあるので、そういったところの連携もしっかりやっていただきたい。
過去、私も知覧の特攻平和会館に行きましたときに、学芸員の方とお話ししたときに、八日市飛行場の写真、1枚だけだったんですけど飾ってありました。「私、地元が滋賀県なんです」と話をしたらですね、学芸員の方も本当に興味を持って話をしていただきましたので、やっぱりそういうストーリー性とか、先ほど河村議員の質問にありましたけど、待っているだけではなくていろんな仕掛けをする中で、積極的に来館者数、来てもらうということが大事かと思います。
今も申し上げましたけれども、まず足を運んでみたくなるという物語性のあるコンテンツが必要なのではないかというふうに思っているわけなんですけれども、そうした中、本年2月に東近江市の五個荘地区の旧商家跡地の地中より、78年ぶりに旧陸軍八日市飛行場に配備されていたと思われます陸軍三式戦闘機飛燕の液冷エンジン、ハ40が原形をとどめる比較的良好な状況で発見をされました。私も3月初旬に岐阜県の岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に、ボランティアの専門委員として所属されております、この飛燕の製造元であります現川崎重工株式会社の職員さん立会いの下に、このエンジンの鑑定される場所を見学をさせていただいたところであります。
発見の後、紆余曲折を経て滋賀県平和祈念館に収蔵展示されることが決定し、まさに本日28日、10時から東近江戦争遺跡の会、今回のことで非常に尽力いただいた民間団体ですけれども、その方々、それから東近江青年会議所の石材業などを営んでおられる有志の皆さんが、ユニッククレーンを使って、台車を使って10時から作業いただいて、今もう多分、展示されている状況にあると思うんですけれども、改めてこれまでの経過についてお伺いをしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
本年2月に発見されましたエンジンにつきましては、まず、地元の有志の方から何らかの形で保存をしたいという申出がございました。平和祈念館が関係機関に確認をしました結果、旧陸軍の戦闘機飛燕のものと判明をしたものでございます。その後、地権者から東近江戦争遺跡の会がエンジンを譲り受けられ、平和祈念館での展示公開について打診がございまして、東近江青年会議所の御協力も得ながら、本日9月28日から展示室で一般公開をさせていただいているところでございます。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)地元の関係者の皆さん、本当に熱心に取組をされました。ようやくというような形なんですけども、やっぱり初動のところでありますが、こういうことが起きた場合の対処について、ちょっと県はどうなっているのかなというお声もいただいていましたので、その辺もちょっと留意いただきたいと思います。
後の五式戦闘機に機体が転用されたものも含めますと総数約3,150機と言われておりますが、この製造されたとされる三式戦闘機飛燕でありますが、完全な機体が残っているという形で現存するのは、先ほど述べました岐阜県の岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の1機のみでありまして、エンジンについても数台が現存するのみで、今回発見されましたエンジンは大変貴重な歴史資料であります。同エンジンの価値をどのように評価し、その上で、今後どのようにそれを活用していくのかお伺いをしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
今回出土しましたエンジンは、戦争当時の原形をとどめる貴重な実物資料であると認識をしておりまして、専門家による資料価値の特定が待たれるところでございます。一般公開を機に専門家をはじめとする多くの方々に見ていただき、御意見をお聞きした上で、所有者である東近江戦争遺跡の会とも相談しながら、八日市飛行場をはじめとする地域の戦争遺跡と関連した展示方法を検討するなど、有効に活用をしてまいりたいと考えております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)部長、まずこれから調べていくという御答弁だったと思いますけれども、これも後の平和学習のところに大きく関連するんですけれども、飛燕のエンジンがなぜ貴重かというところの部分の1つに、この液冷式という1つは物づくりの観点からするとそういう技術的なところがあるのはあるんですけれども、その辺は先ほど申し上げた各務原の航空博物館等でも、あそこは飛行機の歴史のほうを、航空機の技術の歴史を展示する博物館なので、そういう観点で展示をされているんですけども、この飛燕のエンジン、ハ40というのが、当時のドイツのダイムラー・ベンツ社のDB601というエンジンをライセンスしてつくられたエンジンだということなんですけども、これがなぜ大事かというと、先ほど申し上げた平和学習の観点からしますと、1931年に満州事変が起きて、その後33年に国連を日本が脱退して、その後、対ソということで日独の防共協定が締結され、それがまた日独伊の3者の防共協定に変わるんですけども、その後、独ソの不可侵条約があって一旦破綻をするものの、1940年に日独伊の三国軍事同盟が結ばれて、いわゆる日本側というのは枢軸国という、そちらの立場でさきの体制に関わったんですけども、その中でいくと、ドイツと日本の同盟関係を表すという意味で非常に貴重な資料なんですよ。
そうでないと、ほかのエンジンというのは、例えば国産で普通の空冷式のエンジンというのは幾つもあるんですけど、液冷のところのハ40の意味というのは、ドイツとの関係においてそういう歴史があるということを物語っておりますので、そのことをぜひしっかりと、特に平和学習の観点だと子供たちにも伝わるようにしていただきたいと思いますので、その辺の歴史的価値の部分もしっかり検討いただきたいと思います。
それで次の質問につながるんですけども、このエンジンを有効に活用していくためには、岐阜の各務原の航空宇宙博物館や、もともとのメーカーであります当時の川崎航空機、現川崎重工業さんとも、こういうところの連携も非常に大事だと考えますけれども、このことに対しての御所見をお伺いしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とは、エンジンが旧陸軍の戦闘機飛燕のものであると確証を得る上で御意見を賜ったところでございます。この御縁もきっかけとしながら、製造会社である川崎重工業株式会社も含め、今後エンジンの保管方法について技術的な助言を得るなど、さらなる連携を図ってまいりたいと考えております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)東近江戦争遺跡の会の方も、各務原の航空宇宙博物館を訪問いただいて、いろいろと御教授をいただいていたみたいなんですけども、私も御礼を兼ねて、昨日、実は訪問してまいりました。本日から保存されて展示されるということを御報告させていただきましたところ、皆さん本当に、学芸員の皆さんよかったというふうにおっしゃっていただきました。
今、部長御答弁いただいたように、今後いろんな御協力を多分いただかないと、しっかりとした資料の展示ができないと思いますので、その旨もお願いしてきたんですけれども、非常に快く回答いただきましたので、またその辺はしっかりと調整をしていただきたいなと思います。
各務原の飛燕のエンジンのところに、先ほど申し上げましたメルセデス・ベンツ社より提供された、当時のダイムラー・ベンツと川崎航空機等とのライセンスの契約書の写真が大きく掲示されているんですね。あれは申し上げたように、メルセデス・ベンツ社さんから提供いただいている資料なんですけども、先ほど申し上げた歴史的なそこの位置づけとかヒストリーを語るときに、これも非常に大切な資料かなと思いますし、川崎重工さんの関係ですと、設計図とかエンジンの構造図とか、そういうものもきっちり資料として持っておられるので、そういうものも併せて展示いただかないと、多分、何が何か分からないと思いますので、しっかりとお願いをしたいと思います。
次、8番目の質問に行きます。現在、滋賀県平和祈念館には埋蔵文化財調査の専門家が出向という形で配置をされておりまして、人事異動の都度、新たに知見を学びながら業務に従事いただいているという現状がございます。滋賀県平和祈念館がこれまで収集した資料のさらなる調査と活用、また、冒頭も申し上げましたように、昨今の国際情勢等を踏まえたより一層の平和学習や企画展示等の充実には、特に近代以降の国内外の歴史に精通し、国際政治、国際関係史、あるいは軍事史といったことも専門とする学芸員などの配置が必要と考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
専門性を高め調査研究や展示内容を充実させることは大変重要な視点だと考えております。平和祈念館では、郷土史家や大学教授などによる運営会議を設置しておりまして、専門的な視点から助言、御意見を賜っているところでございます。また、展示につきましては、展示等監修委員を設置し、外部の有識者からの意見を聞く機会も設けているところでございます。
こうした取組は継続しながら、御指摘の学芸員の専門性の向上についても、今後どのような対応ができるのか考えてまいりたいと思っております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)歴代の学芸員さん、本当に頑張っていただいているというのは重々分かるんですけども、やはり今回の出来事も含めて、なかなか専門外のところに対しての初動なり対応というのが十分ではなかったのかなというふうに思いますし、先ほど答弁いただいた運営会議の中に様々な方を入れていただいているということですけれども、そうであればそこの運営会議の在り方とか、そこに入られる方のもう少しバリエーション等も含めて、検討もいただく必要があるのかなというふうに思います。
次、9番目ですが、滋賀県平和祈念館を利用しての平和学習につきましては、前回、平成30年7月定例会議の質問時に、修学旅行の事前学習などで秋に利用が集中しているなどの時期の偏り、あるいは遠方の地域の利用の方が少ないなどの地域の偏りがあること、また、小中学校に比べて高等学校の利用が少ない等の課題があると答弁をいただいたところでありますが、平和学習における来館学習および出前講座におけるこうした課題の解決について、お伺いをしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
議員から御指摘ありました修学旅行の事前学習などで秋に利用が集中しているという時期の偏り、あるいは遠方の地域の利用が少ないといった地域の偏り、こういった課題につきましては、DVDなどの教材を作成しまして貸し出すなど、来館しなくても学習を深められる環境づくりを進めているところでございます。
また、小中学校に比べて高等学校の利用が少ないといった課題につきましては、例えば戦時下の学校生活を取り扱いました企画展示「戦争と女学生」の広報を高等学校に対して行ったり、より幅広い世代に関心を持ってもらえるよう、企画展示や平和教育講座の内容をユーチューブで配信するなど、取り組んでいるところでございます。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)コロナ禍もあって、そういう一定リモートなり遠隔からのアクセスができるようなコンテンツを増やしていただいたとは思うんですけども、やはりあそこの場所に行って、そこで学び、そしてまた後ほど質問しますけど、周辺に戦争遺跡が点在しているということも含めて、そういうところをリアルにフィールドワーク、回遊するというようなことも大事かと思いますので、その辺、ちょっとコロナ禍からは明けてきていますので、また検討のほうをお願いいたします。
このことに類似するんですけれども、平成30年7月定例会議の質問の中では、当時企画検討中でありました平和のプログラムについて質問させていただいたところであります。その後、どのようにこのプログラムを構築され実施されてきたのかお伺いをいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
平和のプログラムにつきましては、令和元年度から令和3年度までの間、小中学校から館までのバス借り上げ費用の補助を行ったところでございます。その利用実績でございますが、令和元年度には56校の利用がございましたが、コロナ禍の影響を受け令和2年度は4校、令和3年度は1校でございました。
コロナ禍を経て学校現場からはウェブを活用した事業に関するニーズが高まっていることから、現在は出前講座で動画を提示するなど、遠方の学校においても平和学習を行うことができるよう工夫して取り組んでいるところでございます。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)コロナ禍で大きく参加校が減少したということなんですが、先ほども申し上げましたように、もうそれが明けてきているわけですから、そういう中でやはりリアルな、先ほどのエンジンについても実物を見て何ぼというところもあると思いますので、そういうところも含めて再度教育委員会等とも連携して検討をお願いしたいと思います。
次、11番行きます。平成27年6月定例会議の一般質問におきましては、戦争に関する記録や記憶が風化し、同時に戦争に関する遺跡についても物理的な風化、劣化が進んでいく中、県内の戦争遺跡の保存活用ならびに伝承につきまして取組を一層進めるべきと提言をさせていただきました。
この質問に対する三日月知事の答弁を受けまして、平成30年3月には当時の滋賀県立大学中井研究室をはじめとする関係者の皆さんの手により、県内115の戦争遺跡について記しました滋賀県戦争遺跡分布調査報告書がまとめ上げられました。
これを受けまして前回、平成30年7月定例会議の一般質問では、この滋賀県戦争遺跡分布調査報告書の活用策についても提言をさせていただいたところであります。以後どのような進展があったのか、お伺いをしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
滋賀県戦争遺跡分布調査報告書の活用につきましては、館で行うフィールドワークの教材として活用をしておりますほか、国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用しまして、DVD「滋賀に残る戦争遺跡」を地域ごとに作成しまして、出前事業等で活用をしているところでございます。このDVDの内容につきましてはユーチューブでも閲覧できるようにしておりまして、今後もインターネットを通じまして、県内の戦争遺跡に触れてもらう機会を提供するなど、館や戦争遺跡に関心を持ってもらえるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)国の予算を活用してアナログの報告書を一定そういう映像化していただいたということでありまして、そのことは評価をさせていただきます。
今もフィールドワークと出ていましたけれども、子供たちをはじめ地域の住民さんが平和学習する際の利便性の向上はもとより、県民向けの平和祈念館なり平和のプログラムだということがあるんですけれども、県外の来訪者が滋賀の戦争の歴史に触れ、地域を回遊いただいたり周遊していただくことに資するため、前回質問時にも提案したんですが、地図情報サービスへの調査報告書データの落とし込みでありますとか、統一的な滋賀県戦争遺跡というような現地案内板の設置等について提言させていただいたんですけども、そのことを再度提案するものでありますが、御所見を伺いたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
まず、現地案内板の設置でございますが、戦争遺跡の多くが民有地にございますことから、地権者の理解を得ることや維持管理の面から課題があるものと認識をしております。また、地図情報アプリの活用につきましては、戦争遺跡を巡る方の利便性を高めるために効果的であると考えております。コロナ禍を経て現在、情報のデジタル化と発信に力を入れて取り組んでいるところでもあり、御提案の地図情報アプリとの連携も含め、様々な観点から検討してまいりたいと思っております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)皆さんちょっと後ほどまた見ていただきたいと思うんですけども、私も言っているだけでは駄目だということで、グーグル、アカウントを持っていますと、グーグル上にいろんな地図情報を個人で書き込んだり作成したりすることができるんですけれども、そのグーグルのローカルガイドの機能を使いまして、今の報告書の中にある数か所、書き込みをさせていただきました。
米原市大野木に旧柏原村穀物倉庫というのが戦争遺跡の一つとして報告書に上がっているんですけども、旧の農業倉庫の周りに戦時の黒い迷彩塗装が施されて、それがそのまま現状も残っているという施設なんですけども、ここもこれまで全くその地図上にそういった情報の一つすらなかったんですけど、そこも約10分ぐらい作業したら簡単にできちゃうんですけど、そういう形で今、戦争遺跡調査の報告書のほうからそれを引用する形でちょっとコメントを書かせていただいています。
ですので、そういうことを、先ほど出ていますけど、県民と一緒につくるという、平和祈念館のもともとの理念の3つ目のところにそういうことがあったと思うんですけど、そうすると、その中にもボランティアの方とかもいろんな方いらっしゃるので、そういった方とも御協力いただいて進めていただきたいなと思います。
ちょっと1点だけ再質問。私有地とかがあって、なかなかその関係で案内板の表示とかが難しいという御答弁だったと思いますが、前回も再質問で、当時の部長さんに再質問させていただいたときに、一遍関係者と検討しますと答弁いただいているので、そのことについてその後、そういう調整とか検討されたのかどうか、そこだけちょっとお伺いしたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
その後の調整でございますが、ちょっと詳しくは私も承知をしておりませんけれども、一定お話合いの場は、何件かお話をさせていただいたと思いますけれども、やはりなかなかそういった調整が難しいということで、現在、御答弁させていただいた状況かと承知をしております。
◆36番(木沢成人議員) (登壇)私有地の部分はそういう部分があると思うんですけれども、割と公的なところにあるような施設も少なからずあるかと思いますので、そういうところは割と調整はしやすいのかなと思いますので、先ほど申した地図情報に載せるぐらいの話でいくと、本当にそれほど、そんな手続的にも権利的にも難しくないのかなと、今の情報化社会の中での情報の在り方ということを見るとありますので、その辺も含めて、再度できるところについてはしっかりと協議等をお願いしたいと思いますし、併せてこれ、市町も絡むことがたくさんありますので、そこについても調整をお願いしたいと思いますので、再度御所見あれば、それだけ伺って質問を終わりたいと思います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
ただいまいただきました御意見もしっかりと受け止めまして、できるところからしっかりと調整し、進めてまいりたいと考えております。
◆36番(木沢成人議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、36番木沢成人議員の質問を終了いたします。
次に、19番清水ひとみ議員の発言を許します。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇、拍手)それでは、あらかじめ通告してあります2項目について質問させていただきます。
1項目めは、地域公共交通の再構築について、一問一答方式でお伺いします。全国各地で人口減少、高齢化、加えて新型コロナウイルスの感染拡大の影響などによる乗客減で、鉄道やバスなど地域公共交通の経営環境が悪化し、大きな課題となっています。
2023年版交通政策白書は、サービス水準の低下でさらに利用者が減少する負のスパイラルを避けることが困難な状況になっていると指摘しています。今年の県政世論調査の速報によると、鉄道やバスなどの公共交通への不満度が13年連続1位という残念な結果でした。私も、事業所の方から運転士の成り手が不足して困っているとの声や、地域の皆さんからは通院へのバスが行きはよくても診察後の帰りのバスがない。また、以前なら1本のバスで通院できたのに、路線が廃止になったため、バス、JR、バスと、複数乗り継がないと通院ができず、足が痛くて通院しているのに、駅の階段でますます痛みがひどくなった。また、ふだんの買物に行けない、バス停までの距離がつえの必要な体ではつらいなど、数多くのお声をお聞きしています。どのお声も悲痛です。
知事としては、こうした厳しい状況にある地域公共交通を県民みんなで支える施策と、その実現に向けた財源確保の一つの手段として、滋賀にふさわしい税制を滋賀県税制審議会に諮問され、昨年4月に地域公共交通を支えるための税制の導入可能性を検討すべきとの答申を受けられました。持続可能な地域交通の確保を目指して、現在、滋賀県地域交通ビジョンの見直しが進められているものと認識しておりますが、その前に、交通税という言葉と負担感が先に立ち、現在の物価高騰の社会情勢の中で、多くの県民の方々から心配と不安のお声を聞いています。
答申では、税負担の議論は住民との合意形成過程を通じて理解と納得感を得ることが肝腎とされており、答申以降、審議会でも地域交通の現状や交通ビジョンについて議論されていますが、これまでのところ、さきに申し上げたように、県民の方々からは税の負担先行への不安のお声が多く、まだまだ理解を得られているとは言えないと感じています。そこで、今後の税制審議会の議論の方向性について、総務部長にお伺いします。
○議長(奥村芳正) 19番清水ひとみ議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎総務部長(東勝) (登壇)お答えをいたします。
議員御指摘のとおり、税制審議会の答申におきまして、税負担の検討、議論に当たりましては、県民との合意形成の過程を通じ理解と納得感を得ることが肝腎とされたところでございます。こうした点も踏まえまして答申をいただいて以降、審議会におきましては、参加型税制の観点から、県民との対話をより深めるために、交通ビジョンの策定や負担に関する議論の進め方などについて御意見を伺ってきたところでございます。
今後は交通ビジョンの策定を踏まえまして、その実現に向けた施策の検討と並行いたしまして、費用の負担の在り方や具体的な仕組みにつきましてさらに御審議をお願いしてまいりたいと考えております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)総務部長、ありがとうございます。今、実現に向けて議論のほうを進めていくというふうにお答えいただいたんですけれども、見通しとしては、今後どのようなふうに立てておられるか、そのタイムスケジュールというか、大まかなそういった時間軸、今、考えておられるところ、もう一度お伺いさせていただきたいと思います。
◎総務部長(東勝) お答えをいたします。
この税制審議会のスケジュールということでございますが、現在、地域交通ビジョンの策定に向けまして、県民の皆様との対話が実施されているところでございます。この審議会の議論におきましても、ビジョンの話と、それから、こういう財源の話をセットで進めていくということは非常に有意義なことであるというふうなことで意見いただいているところでございますが、議論の順序としては、まずは目指す地域交通の姿ですとか必要な施策の議論があった上で、財源や負担の議論につなげていくことが適当ではないかというふうな御意見もあったところでございまして、今後、県民の皆様の御意見やアイデアを反映したビジョンの策定を踏まえて、ビジョンを実現するための具体的な施策や検討と併せて、費用負担の在り方、具体的な仕組みについて検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。それでは、ビジョン策定後にしっかり話し合っていただけるというふうに認識をさせていただきました。
また、滋賀県地域交通ビジョンについては、昨年の末にその骨子が示され、今後はその素案の策定に向けた検討、議論が進んでいます。現在、よりよき滋賀の未来に向けて、滋賀の公共交通未来アイデア会議として県民トークを各地で開催し、県民の皆様の声をより多く聞くべく取り組んでおられるとのことですが、現在の取組状況を土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) (登壇)お答えいたします。
県民トークは県内全ての市役所、町役場に加えまして、病院と3つの商業施設、その他におきまして、来庁者の皆様と本県が目指す地域交通の姿につきまして、県職員が直接対話を行うものでございます。
現在までに12の役所、病院と、3つの商業施設、その他で実施をしておりまして、対面で773人、ウェブから84人、合計857人の方々から御意見、アイデアをいただいているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。私も県民の方の声を聞く活動を、県の職員の方が県立総合病院でされている様子を拝見をさせていただきました。タブレットを手に持ち、非常に丁寧に意見を聞かれている様子がよく分かりまして、非常によい取組だなというふうに感じさせていただきました。
このような公共交通のアンケートについて、バスが必要という結果が出るものの、増便などをしても利用されないことについて、京都産業大学の塩津ゆりか先生が、なぜ市民はバスを必要としながら利用しないのか、バスや鉄道におけるオプションバリューから説明をされていました。オプションバリューとは、今は自分や家族が自家用車を運転しているが、いずれ運転できなくなったときに公共交通があったほうがいいという利用価値だそうです。本県での県民トークにおけるオプションバリューについての見解を土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
現時点の県民トークの結果では、80%の方が公共交通の利用頻度は月に数日以下であるというふうに答えられた一方で、95%の方が公共交通は必要というふうに回答をされております。また、公共交通の維持活性化のために新たな負担を許容するとお答えいただいた方もおられました。こういう結果から踏まえまして、現在、公共交通を日常的に利用していない方であっても、将来にわたって公共交通を維持していくことが必要と認識されている方が一定数おられるものというふうに受け止めているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。私もこの公共交通について勉強する中で、何冊か本を読ませていただく中で、このオプションバリューという考え方に至ったわけなんですけれども、このことについても皆さんにしっかり、また、これからの議論の中で、議論を深める一つとして進めていただきたいというふうにお願いをしておきます。
10月末に、皆さんからお聞きされてきた声の総まとめのような形で未来アイデア会議県民フォーラムを開催予定とお聞きしています。対面参加300名に加えてオンライン配信もされるという規模のかなり大きいものとお聞きしておりますが、今回このフォーラムの目指すものは何なのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
県民フォーラムは10月28日の土曜日、イオンシネマ草津において開催を予定しております。フォーラムにおきましては、県民トークのこれまでの結果も踏まえまして、公共交通は本当に必要なのか、今は乗っていない人が多い状況の中でどうやって維持していけばよいのかなど、地域交通の課題を参加者の皆様と共有いたしまして、参加者同士の意見交換も促しながら、本県が目指す地域交通の姿を一緒に考えて議論し、その結果を今後のビジョン策定に反映していきたいというふうに考えております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)多くの県民の皆様へ滋賀の公共交通の今後を考えてもらうには、今お答えいただいたこの未来アイデア会議、県民フォーラムにも多くの方の参加が望まれるところです。周知広報についてどのように工夫されるのか、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
フォーラムの開催におきましては、PRリーフレットを作成し、県内の主要駅などで広報を行うほか、メディアやSNSを積極的に活用いたしまして、できるだけ多くの方に御参加いただけますよう、幅広く周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。1つのここが起点となるか次に進むためにも、私はフォーラムが非常に大切だなというふうに考えるんですけれども、幅広い年代に対しての周知もそうですし、もう1つ、この地域公共交通を考える上で、滋賀県のまちづくりや、また、健康の維持とか、そういうことにも交通というのは非常に重要ですし、そのことを考えるのであれば、こういう課題について、本当に横断的に庁内でも取り組んでいただくべき課題だと思っています。
いろんなことが起こったときに、やはり県の職員さんの異動というのがありますので、こういうことについて、例えばもう一生懸命やっていたけれども、異動になって担当者が替わりましたとかではなくて、これから未来に続く滋賀県の公共交通を考えるためには、割と何というかな、継続的にやっぱり皆さんに認識をしてもらう、また、職員の皆さんが、滋賀県の職員さんが、全員が滋賀の公共交通について考えてもらうという点から、オンラインでもされますので、私は県の職員さんの多くの参加を望むところですが、本来知事に聞きたいところですけれども、土木交通部長にお伺いをいたします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
今議員おっしゃっていただきましたとおり、県民だけではなく県職員、県庁内部におきましても、こうした議論というのは非常に重要というふうに考えておりますので、そうした内部におきましても参加を呼びかけてまいりたいというふうに考えております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)よろしくお願いいたします。
それでは、本年4月28日に公布された地域公共交通活性化再生法等の改正法では、地域公共交通ネットワークの再構築、リデザインすることが必要とされています。市町と連携し、まちづくりと一体でリデザインしていかなくてはいけませんが、このたびの滋賀地域交通ビジョンの中でどのようにまとめていこうとされているのか。今後の予定を土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
我々といたしましても、このまちづくりの方向性を踏まえまして、より利便性が高く、かつ効率的で地域に最適化した交通ネットワークを構築していくことが必要だというふうに考えております。そのため各市町の交通部門はもとより、まちづくり担当の職員さんとも積極的に意見交換を行っているところでございます。
これらの議論も踏まえまして、県の都市計画基本方針に掲げております拠点連携型都市構造の実現も目指しながら、市町のまちづくりと一体化しました目指す地域交通の姿をビジョンの中で描いてまいりたいというふうに考えております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。地域ぐるみでの再構築ができるように、これからもよろしくお願いいたします。
最後に、県民とのよりよき自治の追求を目指し、県全体の発展につなげていくために、もっと議論の高まりが必要だと考えています。税ありき、負担先行ありきだとの県民の不安の声を受け止め、理解と納得感を得るための取組をさらに進めていくべきだと考えています。
一方で、今回のような県民トークで実際に声を聞くことはすばらしいですが、人数には限りがありますし、現在の議論の見える化がさらに必要だと考えます。
県民と一体となって地域公共交通の再構築をするため、今年のフォーラムに続く次の議論の高まりを知事はどのように描いておられるのか、お伺いします。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
私は県民のお一人お一人が、それぞれの地域の公共交通の将来を、これは暮らしということで、また、まちづくりという観点からも、公共交通の将来を一緒に考えて、公論熟議する機会づくりとして、極めてこれは重要だと考えております。このため、今年度は今、御紹介いただいた、お触れいただいた県民トークやフォーラムにより県民の皆様と直接対話する中で、地域公共交通の現状、課題、将来像への理解と共感を醸成していく必要があると考えております。
これはやはりこの機会に点ではなくて線、面で考えるということでありますとか、供給サイド、事業者の都合、事情だけではなくて、市民、住民、町民、どういうニーズがあるのかという需要サイドから考えていくということですとか、あとは幅広く、乗る人だけではなくて、今乗る人だけではなくて、先ほどオプションバリューという御紹介もいただきましたけれども、広く様々なこの価値というものを見いだしていくことができるのかできないのか。こういったことなどを考えていくきっかけになるのではないかと思います。
フォーラムでの盛り上がりをさらに高めるべく、県内主要駅に御意見箱を設置し、お声を寄せていただく予定にもしておりますし、近江鉄道線の活性化交流会や沿線企業意見交換会なども開催しながら、様々な主体と議論を進め、ビジョンの策定につなげていきたいと考えております。
さらに、来年度以降もビジョンを実現するための施策や負担分担の在り方など、これは例えば交通税というものがあればどういうことになるのかということも含めてですけれども、より具体的な内容について、県民の皆様、交通事業者の皆様等と丁寧に議論いたしまして、対話を積み重ねてまいりたいと存じます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。対話を積み重ねてというお言葉を力強く受け止めておきたいと思います。
県内の主要駅に御意見箱を置かれるということなので、また議論の見える化ということで、やっぱりいろんな意見があるんだ、いろんな年代の人からの意見があるんだということで、またそれを紹介していただくなどの工夫もぜひお願いをしておきたいと思います。何年後かに、あのときは本当にみんなでいろんな話をして滋賀がよい方向に進んだと言えるように、私も共に頑張らせていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。2項目めは未来へと続くびわ湖大花火大会について、一問一答方式でお伺いします。
夏の夜空を彩る花火の美しさは、多くの方の夏の思い出として心に刻まれるものだと思います。中でもびわ湖大花火大会は夜空と琵琶湖の湖面に輝くその美しさで県内外の多くの方を魅了し続け、コロナウイルス感染拡大によって中止が続き、開催を待ち望む声も大津市に住まいする1人として数多く聞いてまいりました。びわ湖大花火大会は、もともと浜大津花火大会として地域で行われていたものが、その人気の高まりに比例する形で、びわ湖大花火大会として実施されるようになり、コロナウイルス感染拡大のため3年間は中止され、本年、37回目の開催でした。本年も無事故で開催され、ほっとしたところです。
地域の方から、びわ湖大花火大会はどこがやっているのかと聞かれることが多いのですが、本県はどのように参画されているのか、商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(林毅) (登壇)お答えいたします。
びわ湖大花火大会は公益社団法人びわこビジターズビューロー、県、大津市、経済団体など大会の開催に関連いたします9団体で組織され、びわこビジターズビューロー内に事務局を置きますびわ湖大花火大会実行委員会により開催されておりまして、県からは私がその委員として参画しているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。9団体から実行委員会を結成して、そこに商工観光労働部長も入ってくださるということですけれども、今年の少し混乱したことを踏まえますと、県としても、もう少し積極的に今後は関わっていただきたいなというふうに思いますので、実行委員の数などを増やすことなども含めて、もう一度商工観光労働部長にお伺いをしたいと思います。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
今ほど申しましたように、実行委員会のメンバーは関連いたします9団体ということでございます。今後ですね、どういった形で、びわ湖大花火大会を実行するのかということにも関わってまいりますので、それと併せて今後の検討の中で議論をさせていただきたいと思っております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)次に、びわ湖大花火大会が滋賀県の観光振興に果たす役割についてどのように考えておられるのか、商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
びわ湖大花火大会は、琵琶湖の夏の風物詩として広く親しまれる本県を代表する観光コンテンツでございます。夜空と湖面を彩ります花火は、本県や琵琶湖の魅力を全国に発信するとともに、県内外から多くの観覧客を誘客いたしまして、地域の活性化に貢献してきたものと考えているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。もともと先ほど申し上げたように、地域の花火大会であったものがこのように発展をして、今、部長言ってくださったように、観光コンテンツとして重要な位置を占めているということですけれども、各地の花火大会も、今、県内でもたくさん中止になっています。その上でも大きく注目をされておりますし、琵琶湖の湖上観光の拡大へも今後つなげていっていただきたいなということを申し上げておきます。
花火大会では、他の各種観光事業と同じく警備などの人件費、何より煙火費──花火の費用ですが──自体も値上がりし、どこでも運営は大変だと聞いております。今年のびわ湖大花火大会に対して、大津市からは負担金として1,800万円が計上されていましたが、本県の財政的負担はどうだったのでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
県におきましては、びわ湖大花火大会実行委員会に対しまして、大会経費を対象とした補助金として、大津市の負担金と同額の1,800万円を支出しているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)今お答えいただいた1,800万円という補助金額は長年変わっていないと仄聞しておりますが、2019年、コロナ前の開催時と比べて会場費、安全警備費、煙火費、衛生費などが増額し、支出も2019年と比べて約8,600万円増だったと聞いております。
地元の皆様が、びわ湖大花火大会の開催に伴って長年悩んでこられ、地元学区の自治連合会から決議文を出されるに至ったとお聞きしております。その内容として、1、交通渋滞や混雑が激しいこと、2、ごみや廃棄物、深夜までの騒音、3、有料観覧席の増設での混乱の恐れや4メートル程度のシートによる壁の増設により地元住民が周囲の景色や花火を見ることができない。そういったことなどを大きな理由として、今回の開催には反対するとの決議文を出されました。
こういった決議文を出されたことに、本県はどのように受け止めをされたのか、商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
大会実行委員会におきまして、地元自治会への説明や大会計画への地元意見の反映などに努めてきたところでありますが、今回、雑踏対策などの大会運営に対しまして十分な御理解をいただけなかったことは大変残念に思うとともに、真摯に受け止めなければならないと考えているところでございます。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ぜひ今のその受け止めを次に生かしていただきたいと思います。
私は、子供の頃から瀬田の唐橋周辺で上がる船幸祭の花火を見てまいりました。最近は花火を見に来られる方も増えたように思いますし、瀬田の唐橋周辺を人の波にもまれるようにして歩く大変さと、もう少し人数が増えたら危険だなというふうに実感をしております。過去の平成13年の明石の花火大会の歩道橋事故や、平成25年の福知山花火大会の露店爆発事故、また、昨年の韓国でのハロウィンでの雑踏事故を振り返っても、今後も県内の花火大会をはじめ、多くの行事の無事故の運営を強く願うところです。
そこで、今年のびわ湖大花火大会の開催に当たり、警察の事故防止対策についてお伺いします。
まず、びわ湖大花火大会当日の交通規制について、2019年の開催時と比べてどのように変更されたのか、警察本部長にお伺いします。
◎警察本部長(中村彰宏) (登壇)お答えいたします。
本年の花火大会は4年ぶりの開催となりましたことで、集客予想が困難であったほか、有料観覧エリアの増設による観客動線の変化が予想されました。大津市内におきましては、観客が増加し路上滞留が長時間に及ぶことも考えられたことから、会場周辺から駅へ向かう道路の一部につきまして、前回よりも歩行者用道路としての交通規制時間を延長いたしました。
草津市内におきましては、前回までは湖周道路を北進のみの一方通行とする交通規制を実施しておりましたが、交通の円滑性を確保するという観点から今回はこれを実施せず、通常どおりの相互通行のままといたしました。結果といたしましては、一部で渋滞は発生いたしたものの大きな混乱はなく、交通の安全と円滑が確保されたものと認識をしております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)本年のびわ湖大花火大会は30万人という、例年より約5万人観客数が少なかったと報道されていますが、それでも大津市の人口に近い人数が来てくださったわけです。本年のびわ湖大花火大会の雑踏事故防止対策についてどのように評価されているのか、警察本部長にお伺いします。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
先ほど申し上げましたとおり、観客動線の変化が予想されましたことから、主催者との実地調査を従来にも増して綿密に行った上、観客をグループに分けて誘導するなど、整理、誘導方法を見直し、また、ドローン対策や車両突入防止等のテロ対策を盛り込んだ雑踏警備計画を策定をいたしました。また、過去の雑踏事故を参考に、主催者に対しまして主要動線におきますカメラの増設、緊急避難場所の確保を指導するなどいたしまして、追加的な対策を講じていただいたところであります。その結果、一部で観客の路上滞留や車道へのはみ出しが認められたものの、雑踏事故の発生はなく、4年ぶりの大規模雑踏警備を適切に全うできたものと考えておるところであります。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。やはり37回の積み重ねというのは大きいなというふうに思っております。このことも今年度、検証の会議などもされると思いますので、警察の立場からもアドバイスをぜひよろしくお願いしたいと思います。
先日、渋谷区長がハロウィンの日は来ないでと、1か月ほど先のことを発表したことがニュースで取り上げられていました。こういった発信も、昨今の事故のことを考えると必要かもしれないというふうに感じました。
びわ湖大花火大会で有料観覧席のチケットを購入していない人は来場しないでとのアナウンスは不評でしたが、直近のアナウンスであったこともその理由の一つだと考えます。県内、長浜市の北びわ湖大花火大会も大変すばらしいと聞いています。しかし、かつては人口約11万人の長浜市に約10万人の観光客が来られ、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、2020年度以降、観覧客の密を回避するためという理由で、8月から9月に変更。4日間に分けて開催。時間もそれまでの1時間から20分に短縮して実施されています。1日開催のときは交通規制もされていましたが、今は交通規制をせずとも無事故で開催されているそうです。
観光事業については、絶対無事故が第一条件だと思いますが、今年はイナズマロックもこれまで西川さんの9月の誕生日にこだわって開催されていたようですが、台風シーズンを外して10月開催とされました。これも英断の一つだと思います。びわ湖大花火大会は4年ぶりの開催となり、議論や地域への報告など対応が後手に回り、開催直前の混乱につながったのかもしれません。今後の滋賀県の観光振興を目指す上でも、本年のびわ湖大花火大会について、県としてもしっかり時間もかけて総括をしていただきたいと考えますが、商工観光労働部長に見解を伺います。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
今年度の花火大会につきましては、4年ぶりの大会ということでもございまして、議員の御指摘のとおり課題もあったところと認識しているところですが、実行委員会におきまして、地域住民の皆様や関係者の御意見も伺いながら、大会を検証し総括してまいりたいと考えております。
◆19番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。実行委員会でしっかり検証していただけるということですので、今回のこの検証がほかの県内の大きな大会のまた安全対策にもつながると考えますので、特に国スポ・障スポも控えておりますので、人が集まる行事のしっかりした参考となるような、そんな議論をぜひお願いをいたします。
それでは、今回、決議文を地元の方が出された背景の一つに、地域の皆様の思いが受け止められず不安が減るような見通しがつかなかったことも挙げられるのではないかと考えます。三日月知事は定例会見で、次年度以降の開催をどこでどのように行うのかということについては今後よく考えていきたいとの発言をされました。この点は、一番地元の皆様のお気持ちを聞いていただきたいと思います。
近年は、打ち上げ花火の花火師さんが減る中、びわ湖大花火大会の打ち上げを誇りとしてくださっているとのお話をお聞きして、大変うれしく思っています。美しい琵琶湖に輝く滋賀県の伝統行事として、子供たちにも残せる、未来へと続くびわ湖大花火大会であることを願っています。
最後に、びわ湖大花火大会の総裁である知事の今後のびわ湖大花火大会について、率直な思いをお聞きします。
◎知事(三日月大造) まずはこの花火大会、昭和59年──1984年から、地元や関係者、実行委員会などの御尽力により継続されてきた、この歴史あるこの花火大会が4年ぶりに、今年37回目の開催をすることができました。先ほど来お取り上げいただいておりますように、大きな事故なく終えることができたことに、これは警察、また警備員の方、さらには大津市、滋賀県はじめ職員もたくさんボランティアで出向いたしましたし、何より地元住民の皆様方の深い御理解、そして、様々な御協力あってのおかげさまだと思いますが、こういった事々に深く感謝したいと存じます。
びわ湖大花火大会は、私自身も子供の頃から親しんできました夏の原風景の一つでございます。これからも本県や琵琶湖の魅力を発信し、県民の誇りとなる花火大会として大切にしたいと存じます。
今後の花火大会につきましては、何よりも安全・安心なものでやっていかなければなりませんし、地元の住民の皆様方はじめ多くの方に楽しんでいただける花火大会となるよう、実行委員会と共にその在り方を総括検証して検討してまいりたいと存じます。
◆19番(清水ひとみ議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、19番清水ひとみ議員の質問を終了いたします。しばらく休憩いたします。
午後0時13分 休憩
────────────────
午後1時10分 開議
○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、45番節木三千代議員の発言を許します。
◆45番(節木三千代議員) (登壇、拍手)それでは、あらかじめ通告しています4項目に沿って、4項目を質問いたします。
まず、老朽原発の再稼働の中止および自主避難者への支援についてです。一問一答で全て知事に伺います。
岸田政権は福島第一原発事故の教訓を投げ捨て、これまでの原発の運転は原則40年と決めていましたが、今年の5月には60年を超える運転を可能とする法律を強行いたしました。この図を御覧ください。(資料掲示)福島にある原発と、運転開始からの年数を表示しています。既に昨年から運転開始をした46年を経過した関西電力美浜原発3号機、7月の28日運転を開始し48年を超えた国内最古の関西電力高浜1号機、そして、9月の15日には47年を超えた高浜原発2号機が動いています。3基の老朽原発が動いているのは、この日本の中でも福井県だけであります。
そして今、7基の原発全てが稼働しています。とりわけ美浜原発は、老朽化でかつて11人の死傷者の事故を起こし、それ以前に造られた高浜1号機、2号機はさらに危険と言わなければなりません。知事は運転開始から40年を超える老朽原発の危険性について、どのように認識されているのかお聞きいたします。
○議長(奥村芳正) 45番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
まず、これまでから原子力発電所の立地を受忍いただいて、電力の安定供給に御協力いただいている立地自治体の住民の皆様方に心から敬意を表しますとともに、原子力発電所の安全確保等に御尽力いいただいている方々に対し、感謝を申し上げたいと存じます。
原子力発電所におきましては、コンクリートの劣化など長期間の運転によるリスクがあると認識しております。こうしたリスクへの備えを含め、国において、40年を超える原子力発電所につきましては特別点検が制度化されており、国が責任を持って安全性を審査され、今回の運転期間延長の認可について判断されたものと理解しているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)備えではなく今危ないということを私は指摘いたしました。美浜原発事故で死亡した方の同期の元原発労働者は、老朽化による金属疲労や、高温の冷却水や蒸気で配管が腐食し圧力容器が破壊する可能性もあると。その上に、周辺は活断層の巣があるので、巨大地震が起これば危険だと警鐘を鳴らしています。
リスクがあるのなら、直ちに老朽原発の再稼働は止める。このことを表明されるとともに、原発推進の国の方針にきっぱりと、この福井県の真隣の滋賀県知事として反対を表明するべきだと考えますが、所見を伺います。
◎知事(三日月大造) まず、日々私たちは電気、電力を使っております。現在のエネルギー情勢を鑑みますと、安定してエネルギー需給を賄う視点からは、安全に動かせる原発を動かすという方針は、一定理解するものであります。
しかしながら、中長期的には県民の命と暮らし、琵琶湖とその集水域を預かる滋賀県として、1つは実効性ある多重防護体制の構築が道半ばであること、使用済み核燃料の処理など、原子力の静脈の部分が未整備であること、そして、原子力発電所に対する国民、県民の不安感が払拭されていないことから、再稼働を容認できる環境にはないと申し上げており、引き続き国および電力事業者に万全な安全対策と説明責任を果たすことを求めてまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)美浜原発は、滋賀から20キロという大変近距離にあります。老朽原発が動いていることで、滋賀県民が原発事故の危険にさらされていると、その認識はおありなのか、その点について再度伺います。
◎知事(三日月大造) 今おっしゃったように、滋賀県に隣接する福井県に多くの原子力発電所が立地しており、そして、稼働再稼働に関わらずこういったリスクが存在するということにつきましては、私どももしっかり隣接自治体として共有しなければなりませんし、そういったことに伴う責任というものを法的にも担保、措置すべきだということを申し上げております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)非常に分かりにくい答弁で、この危険がある老朽原発は直ちに止めよということをぜひ国、関西電力に表明していただきたいと思います。
次に、避難者は今、国や福島県の支援が打ち切られる中で厳しい生活を強いられておられます。滋賀県の避難者の現状について知事に伺います。
◎知事(三日月大造) 県が定期的に行っております県内市町への調査によって把握しております本県への東日本大震災の避難者は、本年8月1日現在、自主避難者の方を含め138名となっております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)138名にとどまらない方がいらっしゃると思います。先日、南相馬市から大津に避難されておられるAさんから手紙が私に届きました。「福島避難民の医療費支援が間もなく打ち切られようとしているのを御存じでしょうか。2017年には住宅支援が打ち切られ、住むところもなく、泣く泣く福島に戻った御家族もおります。次々とこのように支援が打ち切られると、私たちは何の保障もなく関連死につながりかねません。」省略しますが、「忘れ去られようとしている私たちをもっと救済してください。」悲痛な訴えであります。
国や東電は、被災者のなりわいと暮らしの再建に最後まで責任を持つことは当然であります。そして、県としても国に支援を求めるとともに、この打ち切られようとしている医療の支援などについても検討されるべきではないでしょうか、知事に伺います。
◎知事(三日月大造) お答えいたします。
震災事故から12年半が経過いたしますものの、依然として多くの方が避難生活を余儀なくされており、一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を継続していくことが必要だと考えております。そのため、全国知事会では、避難者の帰還の支援や被災者の心のケア、地域コミュニティーの再生など、被災者への総合的な支援の強化や、東日本大震災の風化防止などについて、本年7月にも提言をまとめ、国に働きかけを行ったところでございます。
医療費に関する支援につきましては国が行うべきものと考えており、県といたしましては、全国知事会を通じて被災者支援の要望を行う中で、国に働きかけを行ってまいりたいと思います。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ福島県産のランチを食されたそうですけれども、今現在滋賀県に住んでおられる被災者の皆さんの現状をしっかりと見ていただいて、支援を具体的に考えていただきたいというふうに思います。
次に移ります。
県立小児保健医療センターについて、全て知事に伺います。
2018年、同センターの建て替えの基本計画は、保護者や関係者に説明、声を聞く機会を持ち、今のベッド数100床のままで策定、本来ならば今年から工事が始まる予定でした。しかし、20年には68床に削減する計画に変更、その後、21年には11月議会で知事は計画の見直しを表明しました。
知事は9月25日、本田議員の代表質問でその方向を示されましたが、再度お聞きをしたいと思います。
◎知事(三日月大造) お答えいたします。
令和7年1月に総合病院と統合した後、できるだけ早期に充実した医療設備と500床を超える病床を有する現在の総合病院へ移転する予定でございます。急性期、慢性期の病態に応じた小児専用病床をそれぞれ30から40床、合計いたしますと60から80床程度確保し、今後の患者数の見通しも踏まえ、必要な病床数は確実に維持してまいる所存でございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)今答弁がありましたように、当初の計画の100床から、60から80床に削減をすると。しかも、急性期病床は総合病院の中で、慢性期病床と外来などが新しいセンターとして30から40床ですよ。機能そのものを、私はこの計画、方針は改編されようとしていると思います。
知事は減らす理由として、今後の患者の見通しを踏まえて必要な病床数を維持すると言いますが、何をもって必要な病床数と言われるのか、再度伺います。
◎知事(三日月大造) 何をもってと言われますと、この間、どれぐらいの方が入院をされてこられているのかというようなことも十分、また、どういった方を治療しているのかと。その方々が県内外でどういう形でいらっしゃっているのか。県内からいらっしゃっているのか県外からいらっしゃっているのかなど、この推移も含めて勘案いたしますと、今申し上げた病床数で確保できるであろうと見込んでいるところでございますので、そういう意味で、必要な病床数は確保すると申し上げているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)もう少し具体的に答弁いただけますか、知事に伺います。
◎知事(三日月大造) 失礼いたしました。先ほどもお答えしたつもりだったんですけども、必要な病床数の考え方は、先ほども申し上げたように急性期の病床と慢性期の病床、それぞれ必要な病床を確保するということがまず1つ目です。そして、今の総合病院のHCU──高度治療室、またICU──集中治療室と一体利用をするということも考えますし、ワクチン接種を含めた小児予防医療の進歩ですとか全国的な少子化の進展なども考えて、同時に、先ほども申し上げた患者数の推移も踏まえた上で、小児専用病床を30から40床確保すべきではないかと。それは内訳としては先ほど申し上げた急性期と慢性期を足すと60から80床ということでございます。
また、総合病院と統合いたしますので、一時的な患者増ですとか緊急時には、総合病院の機能も活用しながら対応すると考えているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)少子化と患者数の減を挙げられたわけですけれども、
小児保健医療センターは、特に障害のある子供たちにとって、本当に命のとりでとなっています。現に療育手帳を持っておられる子供さんは、少子化といえども増えていると。医療的ケアを必要とする子供たちも増え続けています。
私は、ベッドを削減する理由は、この同センターの役割からしてないというふうに思うんですが、再度伺います。
◎知事(三日月大造) ベッドの数だけをもって考えるのではなく、私ども、必要な機能は、その病床の確保とともにしっかりと維持をしてまいりますし、今おっしゃったようなとても難しい病気、そして、様々な器具、投薬等が必要な状態で育っていく子供たちに対する寄り添いというのはとても重要な役割ですので、そういったものを引き続き果たし続けていけるように、新たなセンターを確保していくというふうに考えております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)ベッドを100床のままさらに充実するか、それとも減らすかということで今、議論をさせていただいています。コロナのこの3年間は100床あって、一般病床は60床にして、あと40床はコロナ病床として休床ということで、40床の病床を休床ということで、この
小児保健医療センターでは、障害のある子供たちがコロナにかかっても親子で入院できるような、そういう役割を果たしてきています。
100床のうち一般病床は60床で、あとはコロナ病床になっていますが、ほぼほぼ狭いので満床にはなりにくいという条件の中で、私は、かなり満杯の中でこの3年間、
小児保健医療センターはフル回転してきたと思います。私はベッドを減らす、その一番の理由は、経営を強化するためにが目的ではないかと思いますが、その点について明確な答弁をお願いします。
◎知事(三日月大造) まずこの間、コロナ禍において、感染症リスクと闘いながら子供たちの療養環境を整え、そして、子供たちの入院ですから、御家族の寄り添いも含めて対応してきていただいている現場の皆様方には、私からも心から敬意を表したいと思います。そういう意味で大変な中での治療、療養環境だったと推察いたします。
今おっしゃっていただいたように、当然経営は大事です。持続的に病院機能が維持できる、運営できるということも大事ですけれども、当然こういった
小児保健医療センターですから、難しい病気や、ずっと治療が必要な方々に対する機能というものを維持していくことも必要です。
その辺りを内外からの患者さんがどの程度、来られているのかという推移も見ながら、必要な機能を確保する。この視点は、私は必要なことだと考えております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)もともと病床削減の動きは、国が進める22万床の高度急性期、急性期病床削減の地域医療構想を都道府県につくらせて、そして、昨年の3月には総務省が公立病院経営ガイドラインを発出して、各公立病院の経営強化、主体的、積極的に取り組むと、ここに大きな根底があるというふうに考えます。知事、いかがですか。
◎知事(三日月大造) ここにあると断言されましたけど、すみません。ここというのはどこを指しておっしゃっているのかというのが分かりませんけれども、もし国の方針というものを指しておっしゃっていらっしゃるのであれば、先ほども申し上げたように、総合病院と統合いたしまして、小児の分野だけで完結しない治療を拡充したり、新たに取り組めるサービスというものも、統合後の総合病院で、これは仮称ですけれども、子供ケアセンターを組織に位置づけるなどいたしましてサービスを充実させていきたいと。そういった統合効果を発揮しながら、子供の命と健康を守る大切なセンター機能を高めていくことを目指しているところです。
また、代替不可能な役割を、ほかには代わるところがないという、そういう役割を持っているからこそ、持続可能性というものも求められますので、必要な医療、大切な医療を継続するという観点、それを支える経営が持続していくという観点の両面での検討が、私は必要だと考えます。
また、総合病院、
小児保健医療センター双方が有する人材、施設、医療機器等の経営資源を最大限活用しつつ、県民の多くの皆様方の御期待に応えられる小児医療の充実に努め、子供から大人まで切れ目なく医療を提供できる体制を整えてまいりたいと考えております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、県民の皆さんが心配されるのは、今後も障害児の子供たちの医療が本当に安心できるように提供体制が確保されるのかということだと思います。
9月14日には県立病院の未来を考える会、県立病院の未来を考える守山の会は、
小児保健医療センターのベッド削減の中止を求める知事宛ての要請署名3,882筆、今4,000筆を超えているそうですが、また、会に寄せられた切実な県民の皆さんの声、121人分を添えて提出されました。知事、届けられた切実な声をどのように受け止めておられますか、お聞きします。
◎知事(三日月大造) 今御紹介いただいたように、統合後の小児病棟の病床数に不安を抱いていらっしゃる方々がおられることは承知しておりまして、私の元にも病床を減らされると必要なときに入院治療が受けられない可能性が高くなるといったお声が寄せられているところであります。
こういった当事者をはじめとする県民の皆様のお声を十分に伺うことは重要だと考えておりまして、今議会終了後速やかに、病院事業庁が患者の皆様、家族の皆様への説明会を実施すると聞いております。
小児保健医療センターに期待を寄せていただいている皆さんに安心していただけるよう、今後も引き続き努めてまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)寄せられた声を紹介させていただきたいと思います。
「5歳の息子は24時間人工呼吸器で管理をしています。息子は少し体調を崩すだけで生死をさまよいます。今まで何度も小保で命を助けてもらいました。それなのに病棟が減らされると聞き、今までのように入院ができなくなると息子の命はどうなるのか。このような計画に落胆してしまいました。どうかこういう子供たちがいることを知り、計画を考え直していただけますように、安心して生活ができますように。」
「私の子供も重度知的障害があり、今後何かあったときに頼ることができるのは、この病院しかありません。施設の安定維持は病棟の削減ではなく、県や国からの補助であるべきです。ベッド削減に強く抗議します。」
「娘は気管切開をしており、人工呼吸器も使用しております。普通の人の風邪が娘には命の危険がある病気です。病床が減らされると、必要なときに入院治療が受けられない可能性が高くなります。現在でもベッドの空き待ちで何度か自宅待機をしております。なので、どうか
県立小児保健医療センターのベッドを減らさないように強く要望します。」
最後に、「滋賀県唯一の貴重な小児専門病院です。生まれつき障害がある子供がおり、本当にお世話になっています。持病があり急変する、すぐに入院できる施設がある、それが親にとってどんなに心強いか、今でさえもなかなか空いていない病床数を減らして何になるのか。ベッドを減らさないでください。」
大変悲痛な、そして切実な声であります。私は、この声が知事に届いていますから、だったらこのような方針など立てられるはずがないと思うんです。知事、いかがですか。
◎知事(三日月大造) 令和7年1月の病院統合後も、難治、また慢性の疾患の治療をはじめとする小児保健医療福祉サービスの中核としての役割を引き継ぎ、拡充していくことが必要だと考えております。
統合後の総合病院では、(仮称)子供ケアセンターなどを組織に位置づけ、子供を真ん中に置いた医療保健サービスの充実を図ることとし、子供から大人まで切れ目のない体制を構築してまいります。こうした取組により、子供の命と健康を守る拠点として、
小児保健医療センターの機能を引き継ぎ、さらに高めていけるよう努めてまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)ベッドを減らし、急性期病床は総合病院の中に入る。慢性期病床などは新しく建て替える。これでどうして充実できるというのか。明確に再度お伺いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) まず、令和7年の時点では統合いたしますので、急性期で30から40床、そして慢性期で30から40床、合計で60から80床というものを確保した上で、その後、新たに病棟を建てさせていただくときに、急性期のものと慢性期のものと、ある意味では建物的にはちょっと異なる形で整備をしていくということでございますが、当然のことながら急性期ですとか急変時に総合病院、道を隔てるのではなく同じ敷地の中で、同じ組織として対応できる環境を整えるということと、やはり子供のときのそういった病気、そこから育っていかれる、青年期から成人期、そういったことにも引き続き対応し続けるということが組織上も機能上も大変重要でありますので、この統合した後の効能がしっかりと
小児保健医療センター、必要とされる方々に届け続けることができるようにしていこうと考えているところです。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)この
小児保健医療センターは、私、歴史をたどってみました。そしたら、糸賀一雄氏が創設された近江学園で、園医として働いておられた岡崎英彦氏らが、母子保健・小児医療の専門機関の設置を求めて当時の県議会に請願をし、武村県政の下で全会一致で採択をされて進んできたという、そういう歴史があります。
岡崎英彦氏は第1、第2びわこ学園の創設者でもあります。当時、滋賀県なら障害のある我が子の発達が保障されるだろうと移り住んでこられた、こういう方もたくさんいらっしゃいます。
そういう点では、県庁の廊下には糸賀一雄氏のパネルも飾られていますけれども、滋賀の障害福祉の、この同センターは大事な役割を担ってきたというふうに思うんです。先ほど来言っていますように、そのセンターを大きく、このセンターとしては縮小をする。私は、経営優先で滋賀の大事な障害福祉の全国の先駆けとなってきたこのセンターを縮小、そして、合理化してもいいのかというふうに思うんです。再度伺います。
◎知事(三日月大造) まず、先ほども答弁させていただいたとおり、必要とされる方々が多くの御不安を抱えて、お声を寄せていただいているということには、この議会終了後、病院事業庁としてもきちんと御説明申し上げ、いろんなお声を伺い、コミュニケーションを図ってまいりたいと存じます。
先生、今御紹介いただいたとおり、滋賀県の歴史の中で、子供たちや親御さんのお声を聞きながら、そういった施設が整備されてきた。この歴史は私たちも誇りとするところであります。ある意味では先進的でありましたし、高度な必要とされる医療が提供されてきたところです。
当初は滋賀県が進んでいたので、滋賀県に移り住んでこられたりということもあったようでございますが、その後はそれぞれお住まいになっている地域でもそういった医療が整ってきて、そして、この数年の医療の提供の状況を見ておりますと、一定この病床の数で対応できるのではないかという、そういう検討もできましたので、さらに先ほども申し上げたように、成人期まで成長していかれることとの兼ね合い、より高度な、緊急な医療が必要になったときの連携、こういったことも統合の効果として皆様方に受けていただけるように、今回の統合を進めていければと考えているところでございますが、なお残る御不安の声に対しては丁寧に対応してまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)説明ではなく、ベッド削減や合理化に反対の声がこれだけ上がっているにもかかわらず、説明をしてまいるという答弁は非常に残念であります。
私は、今回の病床削減は撤回をして、現行の100床を守って、そしてさらに充実していく。県民が安心できる医療体制を構築していく。そして、糸賀一雄氏のこの福祉の思想をこれからも県が受け継いでいく。そういう役割を果たされるべきだと思うんですが、知事に伺います。
◎知事(三日月大造) 糸賀先生などが、そうして発信してこられた、つくってこられた思想を守り続けるためにも、かつ必要な方に必要な医療をお届けし続けるためにも、経営の視点は大事だと思います。
したがって、必要な病床を確保し必要な医療を提供できる体制というものを、責任を持って構築していくという観点から、今回のプランを立てさせていただいているところでありますので、そういったことをきちんとお声も聞きながら、説明して御理解いただけるように努めてまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)では、経営が優先されれば、本当に不採算な部門の障害者医療であったり、また、子供の医療であったり、やはりそこにしわ寄せが行くというふうに私は思います。そういう点では、非常に今回の知事の答弁は残念でなりません。引き続き、県民の皆さんとともに100床を守って充実するように求めていきたいと思います。
続きまして3問目、学校に行きづらい子供たちへの対応について、一問一答で以下教育長にお聞きをします。
全国の不登校の児童生徒は、2021年度24万4,941人で、前年度よりも25%増えています。不登校の子供の割合がこの間急増し、第2次安倍政権の8年間で2倍近く増えました。これは学校が子供にとっていかに息苦しい場となっているのか示しているのではないでしょうか。その背景には、安倍政権以降の子供の個性や多様性を押し潰すような教育施策があるのではないでしょうか。
不登校は社会や教育の在り方を背景にしたもので、本人や家庭の責任とすることは誤りです。この間、不登校の子供さんを持つ保護者の皆さん、また、彦根市で不登校の子供たちを受け入れておられるフリースクールてだのふあにもお伺いをし、お話をお聞きしてきました。子供たちの学校強制でない教育への権利、安心して休む権利、自ら生きられる権利などを保障する立場で質問をいたします。
まず、本県の不登校の現状および所見についてお聞きします。
◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。
本県の公立学校におけます不登校児童生徒数は、令和3年度につきましては、小学校では1,066人、中学校では1,835人、県立高等学校では727人と、いずれも前年度より増加したところでございます。この不登校の要因といたしましては、本人、学校、家庭でのことが複合的に絡み合っていることが考えられますことから、その背景をしっかりとアセスメントし、支援策を考えていくことが重要であると考えているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)不登校は過度に競争的で管理的な学校社会から、自分の心と命を守るための緊急避難、自己防衛であると考えます。学校に行けない自分は駄目だと自己否定し、子供を追い詰めてしまう。不登校は命に関わる重大問題だと、てだのふあを運営されている方は強調をされました。そのために居場所や人間関係の確保が求められていると考えます。
私は、この不登校の問題は、本当に命に関わる重大な問題だと思いますが、その点は教育長と共有をしたいと思いますが、再度伺います。
◎教育長(福永忠克) 子供たちを取り巻く環境というのはいろいろ変わってまいります。一番大切なのは、議員もおっしゃるように、子供たちの安全、そして命だと思っておりますので、その命に関する取組というのは、学校現場、教育現場においてしっかりとやっていかなければならないということは認識をいたしております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)不登校に対する県の取組について伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
県教育委員会では、小中高等学校において子供たちの心に寄り添った対応を進められるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門家を配置しております。また、的確な支援を進めるためにはアセスメントが大切であると考えておりまして、教員向けにリーフレットや研修会等で、その手法などについて理解を促しております。
不登校対策としては、休み始めの早い段階からの支援に取り組みますとともに、学校に来られない児童生徒に対しましては、ICTの活用や教育支援センター、また、民間団体等との連携などを進めることによって、子供たちの学びの保障に努めているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)6月議会でも、正規教員の増員、非正規職員さんの処遇改善、少人数学級を求めてきました。今、リーフレットを通じて教員の皆さんがアセスメントできるようにされているということですが、こういう人的な配置、この整備なくしてなかなかこのリーフレットの実践は難しいように思うんですが、教育長に再度伺いたいと思います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
今、学校現場で何を取り組まなければならないのかというところの1つの大きな柱に、やはり先生も、そして、子供たちも笑顔でいられる学校をつくるということが大切だと考えておりまして、笑顔あふれる学校づくりという取組をしております。その中では、やはりまず、先生方が笑顔になってもらわなければならないということがございますので、先生方の働き方改革でありますとか、先ほど議員がおっしゃられた、正規教員をできるだけ確保するような取組、あるいは必要に応じた講師が確保できるような取組、これはしっかりと進めなければならないと考えております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)新しく正規教員の採用や、非正規雇用の先生の待遇の改善を強く求めておきたいと思います。
不登校の子供さんを持つ保護者からは、学校教育委員会、これは大津市の保護者ですから、大津市、滋賀県への要望ということで私に寄せられました。支援員の増員と、個別支援が必要な子供の専門職、心理療法士などをお願いします。
先ほど少し紹介ありましたけれども、付添いを必要とする場合、親の負担が大きく付き添える親と付き添えない親との差が出ます。また、学校や公的機関で過ごさせようとするには親の労力が求められる。働く親、持病のある親には無理になり、仕事を辞めざるを得ない。しかし、すぐに不登校が改善されるわけでもなく、何年も無職の状況が続き、経済的に苦しくなると、こういう御家庭も多いというふうに思います。
ケアに関わる職種、学校現場で非常に大事だと私も思っていますが、このスクールソーシャルワーカーの役割について教育長にお伺いいたします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
スクールソーシャルワーカーの皆さんは、子供たちが抱えます課題解決に向けまして、個々の子供たちを取り巻く家庭や学校の環境に着目をし、環境の調整や改善を図る働きかけを行う役割を担っていただいております。併せまして、スクールソーシャルワーカーの皆様には、教員のアセスメント力や環境調整能力を高めるための研修や指導も行っていただいているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)その大事な役割を果たしておられるスクールソーシャルワーカーの、県が市町への配置をされている、これは表ですけれども、御覧ください。(資料掲示)全体として各市町に何校配置されているかというのはこれで分かるというふうに思いますが、30校ということですが、何人配置されているのかお聞きします。
◎教育長(福永忠克) お答えいたします。
令和5年度についてでございますが、今お示しいただいた30校に22人を配置しているところでございます。また、スクールソーシャルワークスーパーバイザーというのが別に6名おりまして、必要に応じて各学校に派遣をしているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)このスクールソーシャルワーカーの配置校は30校ですが、22人ということで掛け持ちでされているということで、市町では県のスクールソーシャルワーカーの配置では足らないので、独自で市単なり町単でつけておられるという状況をお聞きをしています。
これを見ましても、例えば守山市では1校で、6町は全部1校でいいんです。つけられているんですが、市で人口の多いところでもこの配置では、あまりにも少な過ぎと思うんです。県として、私はソーシャルスクールワーカー、もっと配置すべきだと思いますが、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
先ほどから御答弁させていただいておりますように、スクールソーシャルワーカーは福祉との連携におきましても、その役割は非常に大きいと認識をいたしております。そのため、今年度スクールソーシャルワーカーの配置校数は、昨年度の20校から30校に拡充をさせていただいたところでございます。今後も学校に行きづらい子供たちに寄り添えますように、県教育委員会として、その配置についてしっかりと考えて努めてまいりたいと思います。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)少し増やされたということですが、例えば草津市は2校になっていますが、お聞きしていると掛け持ちでお一人ということをお聞きをしています。そういう点でも、思い切った増員をぜひお願いしたいと思いますが、再度お聞きします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
現在スクールソーシャルワーカー、先ほど申しましたように、22人の方に年間通じまして全てで1万2,000時間余り、いろんな活動をしていただいております。確かにもう少し増やす必要があるという認識は持っておりますが、現実に1度にそれだけ多く増やせるのかというのはやはり、スクールソーシャルワーカーを担っていただく方をどのように確保していくのかという点もございますし、それから、いろんな相談に的確に対応していただくための様々な研修等も必要だと認識をしておりますので、その辺を総合的に見ながら、今後検討を進めていく課題だと認識をいたしております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ思い切って増やしていただきたいというふうに思います。学校外の居場所としてフリースクールが取り組まれていますが、所見について教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
フリースクールは、子供たちの様々なニーズに応じた学びや活動を提供されている場でございまして、学校に行きづらい子供たちの居場所の一つとしての役割を果たしていただいているものと考えているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)文科省通知でも、この不登校児童生徒への支援の在り方についての中で、フリースクールの位置づけもしっかりとされているというふうに思います。県内のフリースクールの状況について教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
令和5年、本年9月の段階でございますが、滋賀県のフリースクール等連絡協議会という組織がございまして、そちらには43の団体が登録をされていると聞いているところでございます。令和3年度の文部科学省、これは令和3年度でございますが、調査によれば、フリースクールなど民間で相談なり支援を受けた児童生徒は小学校で68人、中学校で65人であったということでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)非常にフリースクールが子供の居場所となって、保護者の支えとなってということを、非常にこの間、フリースクールに取り組む方からお聞きしまして実感をしています。県下の市町のフリースクールへの保護者の支援の取組状況についてお聞きします。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
こちらも令和5年9月の時点での確認でございますが、県内で6つの市町でフリースクールに通う子供の保護者に対して、財政的支援を行っていただいているところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)もう少し丁寧に、どこの市町でしょうか、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
草津市、米原市、彦根市、甲賀市、近江八幡市、日野町の6市町でございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、東近江市でもぜひということで運動が非常に広がっているとお聞きをしています。保護者からは、夫が持病を抱えており子供たち2人とも不登校なので、無料で通わせられる支援の場所というのが、通わす大前提となっていると言われています。こういう状況の御家庭は勤務時間も増やせないし、フリースクールに通わせる費用も捻出できない。今は諦めていますと、こういう声もお聞きをしています。
群馬県では、学校外の取組として教育支援センターとフリースクールということをはっきりホームページで位置づけて、運営費補助も行っています。私は、保護者の負担の軽減とともに、このフリースクールに取り組んでおられる方々への、例えば光熱費であったり家賃補助であったり、人件費の補助であったり、いろいろな物資の補助であったり、こういう補助を県として市町と協力して実施するべきだと思いますが、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
フリースクールというものに対する財政支援、2つの方法があると認識をいたしております。1つは先ほども御答弁させていただいたように、フリースクールに通う子供の保護者への財政的支援という手法がございます。こちらは現在、先ほど御答弁申し上げましたように6つの市町で行っていただいております。
県として、この保護者への負担軽減につきましては、今後不登校児童生徒の支援をどのようにしていくのか、県と市町で協議をしていきたいと考えておりまして、しっかりとその中で市町と一緒に考えていきたいと考えておるところでございます。
また、フリースクール等民間施設に対するものでございますが、子供たちの様々なニーズに応じた、様々な学びや活動を提供していただいているということがございますので、そこで学ぶ子供たちの学びの保障というのが一番大事ですので、それにつながるように、どのように連携して一緒にやっていくことが一番いいのか、これはフリースクールの関係者の皆さんと共に考えてまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ市町と協議をしていただいて、保護者への負担軽減、お願いしたいと思います。
フリースクール、取り組んでおられる方はクラウドファンディングであったり寄附であったり、様々なところで資金集めに苦慮されて、持ち出しも多いとお聞きをしています。様々な取組がありますので、関係者の皆さんの声を聞いて、やはり運営費に関わる補助はぜひ検討していただきたいというふうに思います。
学びの保障なんですけれども、それも大事なんですけど、やはり居場所、冒頭に述べましたように、子供の命を確保する、安全・安心が大事だという点では、居場所の確保、休ませてあげると。休ます場所をつくるというのも、フリースクールならではの取組だと思います。ぜひお願いしたいと思います。
最後に知事にも伺います。保護者の負担軽減と運営費の補助について、県として実施することを求めるものですが、伺います。
◎知事(三日月大造) 近年、お取り上げいただきやり取りしていただいておりますように、不登校の児童生徒が増加していること、この状況というのはしっかりとまず受け止めて、そして、安心して学びに向かえる環境をみんなで考えていく必要があると考えているところであります。
学校では、別室を開設するなどされながら、また、市町では、教育支援センター等で多様な学びの確保に努めておられると伺っております。
さらに、フリースクール等民間施設におきましても御紹介いただきましたように、子供たちの学びと、そして、居場所の保障のために御尽力をいただいていることも承知をしております。その支援の在り方につきましては、先ほども教育長が答弁されましたように、市町とも連携を進める中で、当然、当事者、こういった施設を運営されている方々のお声もよく伺った上で、県と市町の役割も整理しながら一緒に考えてまいりたいと存じます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)ぜひ群馬県の取組も参考にしていただきたいと思います。
最後の質問です。高齢者向けの住宅への家賃補助について、全て土木交通部長に一問一答でお聞きします。
高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づいて、高齢者向けの住宅の家賃補助が行われていますが、その概要や利用状況についてお聞きいたします。
◎土木交通部長(三和啓司) (登壇)お答えいたします。
高齢者向け住宅への補助につきましては、国の高齢者向け優良賃貸住宅制度を活用いたしまして、平成12年度からやすらぎ淡海の家供給事業を実施してきたところでございます。この事業は、国、県、市町が協調し、民間事業者による住宅建設や家賃減額に対して補助を行うものでありまして、このうち家賃減額補助につきましては補助期間の上限を20年間とし、事業者への補助を実施する市町に対し、補助しております。
今年度は大津市および野洲市に存在する5棟を対象に実施する予定でございまして、5棟全体の入居率につきましては、令和4年度末時点で約60%となっております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)大津市の中でも既に20年の期限が来ているところもあります。その中で、野洲市のほほえみやすの郷に入居されている方から相談がありました。管理会社から、家賃補助は今年度で終了という通知です。補助は2万3,800円、1か月の家賃が4万1,200円が6万5,000円になって、とても住み続けることはできないということであります。
県と市は補助期間を20年と定めているからでありますが、国の制度要綱では、地方自治体が希望すれば家賃補助の期間は最大で40年ですから、さらに20年延ばすことができるということであります。家賃補助を継続して20年延長されるべきではないかと思いますが、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
高齢者向け優良賃貸住宅制度につきましては、平成23年からサービス付高齢者向け住宅制度に移行しておるところでございます。状況把握サービスや生活相談サービスを提供する、高齢者に配慮した住宅の供給促進を、この制度によって図るということにしておるところでございます。こうした中で、やすらぎ淡海の家供給事業による家賃減額補助を延長することにつきましては、家賃減額補助を実施していないサービス付高齢者向け住宅制度との公平性の観点から実施すべきではないというふうに考えておるところでございます。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)いわゆるサ高住なんですが、やはり入居料が10万を超えると、介護サービスを利用すると、どんどんとかさむということで、なかなか入居が進まないという実態があります。
私がもう1人お伺いした方は79歳で、3年後に家賃が4万6,300円から8万3,000円と、3万6,700円も上がることになるということです。お伺いしたときは暑い日でしたけれども、クーラーつけずに、もっと利くクーラーを買いたいけども、買換えせずに我慢されておられました。この場所は病院があったり買物に便利な場所で、同じだけの家賃ではなかなか見つからないと。また、高齢者の独り暮らしはなかなか見つからないとおっしゃっておられました。
東京都、神奈川県、北海道では、延長することを要綱に盛り込んでいます。これは県の考え方一つで20年さらに延長できると。この費用は今、聞いていますと年間500万ということですから、ぜひ検討していただきたいと思いますが、再度部長にお伺いいたします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
やすらぎ淡海の家への家賃補助につきましては、繰り返しになりますけれども、現在実施しているサ高住制度との公平性が確保できないこと、また、当初から交付期間は20年とすることを前提とさせていただいていたことから、本県においては継続すべきではないというふうに考えているところでございます。
なお、家賃補助がなくなることで住替えを希望される場合には、住居探しにお困りにならないよう、居住支援協議会や居住支援法人とも連携して、県といたしましてもしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、滋賀県は滋賀県高齢者居住安定確保計画第5期の策定中であります。この策定をするというならば、やはり家賃補助をして、安心して高齢者も住めるようにすることこそ必要だと思います。そのことを求めて質問を終わります。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、45番節木三千代議員の質問を終了いたします。
次に、15番河井昭成議員の発言を許します。
◆15番(河井昭成議員) (登壇、拍手)通告に従い、賃上げについて一問一答方式で質問を行います。
今年の春季生活闘争では、原燃料高や物価上昇を主な背景に、大手の企業を中心に賃上げが行われ、日本労働組合総連合会──連合によれば、今春の定期昇給分込みの賃金改善は平均で1万560円、率にして3.58%の改善であったと報告をされています。
特に定期昇給分以外の賃上げは、明確に区分できる組合の集計とはなりますが5,983円、2.12%となっていて、いわゆるベースアップも近年になく高い水準で行われたのが今年の特徴であると言えます。
我が国の経済の停滞、国際的な購買力の低下などが起こっているのは、おおよそ30年にわたって賃金が上がらなかったことによるところが大変大きく、賃金の停滞は国内の個人消費の弱さとなっていて、経済成長のネック、阻害要因となっています。賃金を上げることで個人消費、内需の強さにつなげること、そして、それを継続させることが必要です。すなわち賃金水準の向上、賃上げの動きを継続する。現状は物価が上昇しているため、実質の賃金が低下していることになります。これを改善してさらに現在の経済状況を変えるには、賃金を上げること、これが必要不可欠であると言えます。
今月の25日には、岸田首相の10月に取りまとめる予定となっている新たな経済対策について行った記者会見で、これまでのコストカット型経済について言及をされ、日本は人への投資、賃金、未来への投資である設備投資、研究開発投資までコストカットの対象としてきたとの認識を示し、今さらですが、30年ぶりの歴史的転換を図ると強調をされています。今後は賃上げ、人への投資で経済の好循環を実現する方針を掲げ、この方針を具体化する5項目として、1つ、物価高から国民生活を守る、2つ、構造的賃上げ、所得向上と地方の成長、3つ、成長力につながる国内投資促進、4つ、人口減少を乗り越え変化を力にする社会改革、5つ、国土強靱化など国民の安心・安全が示されています。
まず、私たちの社会における所得向上の必要性について、知事の認識をお伺いいたします。
○議長(奥村芳正) 15番河井昭成議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
所得が向上することで個人消費が拡大し、企業収益の増加により企業はさらなる投資やイノベーションの促進を図るなど経済の好循環を生み、ひいては本県経済の活性化にもつながることが期待できます。また、少子化対策に向けた若い世代の所得増など、社会課題の解決を図る上でも、所得向上は必要だと考えます。
さらに目下の物価高騰に対しましては、物価の上昇を上回る所得向上を実現し、実質所得を押し上げていくことが重要だと認識しております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)さきに述べたとおり、2023年の春闘では、賃金水準を向上させる賃上げが行われました。ただ、企業、事業者において一様に賃上げが行われたわけではありません。また、賃上げの額も事業者によって異なっております。
そこで、今年の県内の賃上げの状況について、商工観光労働部長の見解をお伺いします。
◎商工観光労働部長(林毅) (登壇)お答えいたします。
県が6月30日現在で実施いたしました民間労働組合を対象とした春季賃上げ妥結状況調査におきましては、定期昇給を含めた妥結額は9,477円で、対前年比4,067円の増加、賃上げ率は3.07%で、対前年比1.30ポイントの増加となっております。物価高騰等の影響を受け、近年になく高い水準であると認識しているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)先ほど述べましたけども、産業であったりとか企業、事業者によって、この賃上げの状況というのは様々に異なる。そこを詳細に把握する必要があるのかなと思っています。特に中小事業者の状況というのはどのようになっているか。一般的には、中小事業者、なかなかこういうところに前向きになれないような状況があると言われているんですけど、県内の状況をどのように把握されているのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
今ほど中小企業も含めた数字で申し上げましたが、企業規模が従業員300人未満の労働組合におきます集計結果は、定期昇給を含めました妥結額は6,608円で、対前年比1,698円の増加、賃上げ率は2.48%で、対前年比0.62ポイントの増加でございました。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)金額も少し低めに出るんですけども、実は実施できている事業者も割合が低くなります。ある調査によると、実施できなかったところが4割近くあってということになっています。
このように特に中小の企業、事業者で、この賃上げの動きが弱いのはどのような要因によるものとお考えなのか、これを商工観光労働部長にお伺いしたいと思います。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
中小企業にとりましては、コロナ禍からの回復途上で経営基盤がいまだ安定していない中、エネルギー、原材料価格の高騰に対します価格転嫁が十分にできていないこと等が要因であると考えているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)奈良県では、賃上げの促進や県内消費を喚起し、県民の所得向上を支援する物価高騰克服プログラムが実施をされています。奈良県内の事業者が対象とはなりますが、令和5年9月1日から令和6年2月29日までの間に、正規・非正規雇用労働者の賃金を1.7%以上引き上げる事業者に対し、従業員1人当たり5万円の給付金を支給し事業者を支援、県内事業者の賃上げを促進し、県民の所得向上を図ろうとされています。
特に中小事業者において賃上げが行われることが大変重要であり、賃上げの起爆剤となるような費用助成などが現状必要なのではないかと考えています。事業者が賃上げに積極的に取り組むことができるような支援策について、商工観光労働部長に見解を伺います。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
賃上げへの支援につきましては、全国的な施策として国が一律で実施することが望ましく、既に生産性の向上や処遇の改善等を条件とした支援策が講じられているところではございます。県としては、まずは県内中小企業におきましても賃上げ可能となるよう、国の助成金等の支援策の周知に努めているところでございます。今後、県内中小企業におきましても構造的な賃上げが実現できるよう、地域経済の好循環の実現に向けました環境の整備を国に対して要望するとともに、国の経済対策の状況を見極めつつ、県として可能な対策を検討してまいりたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)97%とも8%とも言われている中小事業者、ここで働く人たちがしっかりと、少なくとも物価上昇が起こった分の実質賃金目減りした分を回復できるようにしておくことというのは、県内の経済を考えるときに非常に大事なんじゃないか。私たちの暮らしを守る上でも非常に大切なのではないか。そういう意味で、この質問をさせていただいています。
これから10月に取りまとめられる経済対策の中に、賃上げがキーワードになっていたはずなので、様々にプログラムが出てくるのかもしれませんけども、その中でも検討の余地があるのではないかと考えますが、いま一度商工観光労働部長に見解を問います。
◎商工観光労働部長(林毅) 個々の企業におきまして継続的な賃上げを実現するためには、企業自身が生産性の向上を図るなど賃上げの原資を確保することが必要であるというふうに認識をしております。
現在、今ほどもございましたが、現在検討を進められております国の経済対策の状況を見極めつつ、例としてございました奈良県のみならず、他府県の状況も参考にしながら、県として可能な対策を幅広く検討してまいりたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)今春の賃金改善、改定が行われた大きな要因は、物価が上がったことに対してなんですよ。生産性の向上は物価が上がっていないときに例えば賃上げをしなきゃいけない、できる状況は何と言われたら、これは生産性の向上。この物価が高くなったことに対して実質賃金の目減り分を補うのはどうしたらいいのかは生産性向上ではないのではないかという観点があってもいいんじゃないかなと私は考えています。
なので、これをしっかりと引き上げられるような環境の整備は大事で、その中で必要なのは価格転嫁なのではないか。この辺をちょっと問題提起させていただいておいて、奈良県の事例を挙げ事業者支援について言及しましたが、あくまで呼び水であり定常的に行えるものでもありません。根本的には賃金上昇分を適切に価格に反映する価格転嫁ができるようにすることが重要であると考えます。
国では2021年9月より、毎年9月と3月を価格交渉促進月間に設定、価格交渉、転嫁の要請、広報、講習会等を実施しており、経済産業大臣より価格転嫁、価格交渉を動画で呼びかけ、業界団体へ周知文書を送付し、成果を確認するため実施状況について中小企業からアンケートやヒアリングを行い、結果の取りまとめを行っています。また、今年に入り価格交渉、価格転嫁の調査を行い、下請企業からの評価が低い発注側の企業実名を公表するなど、従来にない取組が行われています。
賃上げにつながる価格交渉、価格転嫁が適切に行われるようにすることが重要ですが、現状、十分とは言えない状況です。この状況に鑑み、事業者において賃上げができるように、価格交渉や価格転嫁が適切に行われるための県の取組について、商工観光労働部長の見解をお伺いします。
◎商工観光労働部長(林毅) お答えをいたします。
まず、県の状況でございますが、県が実施いたします第1四半期の景況調査におきましては、価格転嫁していない企業の割合は全体の約24%と、昨年度、第3四半期から約4ポイント減少はしております。一方で、50%以上価格転嫁している企業は全体の約3割にとどまっておりまして、依然として十分な価格転嫁ができていない状況と認識しているところでございます。
コスト上昇分を適切に転嫁することが重要でありますことから、県では、国の総合的な対策と併せまして、適正な取引関係の下での価格交渉や取引価格への適切な反映など、サプライチェーン全体の共存共栄につながる取組の拡大を経済団体へ要請しているところでございます。
今後も生産性向上に向けた取組を支援するほか、多様な資金繰り支援や県内消費の喚起などを進めることで、事業者が価格転嫁しやすい環境づくりを推進してまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。
次に、福祉の現場で働く人の賃上げについて取り上げます。福祉の現場は、賃金はある意味特殊であると言えます。例えば介護職の賃金は介護報酬から支払われ、公定価格と言えるからです。介護事業者は、介護報酬の改定がなければ処遇改善を行いたくても行い難い状況にあります。この先需要があるのに人手不足が懸念されている介護職など、福祉関係の職種の賃上げの状況について、
健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) (登壇)お答えいたします。
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によりますと、県内の介護職員の平均月額賃金は32万4,100円で、前年から1万7,300円の増額となり、改善傾向にあるものと考えております。なお、全産業の平均は41万3,200円で、介護職員とは8万9,100円の差があるところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)福祉関係の職種の賃上げに関する課題について、
健康医療福祉部長にお伺いをいたします。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
福祉関係職員の賃金は介護報酬など公定価格に影響されますことから、報酬は原則として3年ごとに改定されますことから、民間企業の状況に応じた賃金の見直しは困難であります。また、他産業との賃金格差も拡大しますことから、持続的に賃上げが行える仕組みが必要ではないかと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)国の制度ですので、3年に1度の介護報酬改定ということなんですけども、これまでは物価あまり上がらない状況、賃金もあまり上がらない状況の、この日本の経済だったからその仕組みで何とかなっていたんですけども、実は介護の現場、事業者の皆さんもそうですが、ここに物価高だとか賃金を引き上げようとするときに対応しようと思うとすごく苦しいというようなお話を聞きます。
今さっきおっしゃった産業平均で比べると大きく負けているので、処遇改善を図るために、割とこまめに見直してはくださっているんですけども、この賃上げが起こる、持続的にしかもしていこうとすると、この環境をやっぱり変えていかなければいけないんじゃないか。今までの仕組みでは追いつかないんじゃないかという問題意識を私は持っています。
先ほどもそこが課題だとおっしゃっていただいたので、これはもう国に働きかけることしかできないのかもしれませんけども、引き続き取組を進めていただきたいと思いますが、
健康医療福祉部長に、この点について見解を改めて伺います。
◎
健康医療福祉部長(大岡紳浩) お答えいたします。
議員おっしゃるとおり、県でもこれまでから国に対しまして、今回の物価高騰等の状況に応じて、時宜を得た処遇改善が行われるように求めてきたところでありますので、引き続き臨時的な報酬改定についても必要に応じて要望してまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)県庁においても、賃上げに向けて率先して取り組む姿勢が重要であると考えます。県の職員は、会計年度任用職員も含めて人事院勧告に従って行われる一般職の国家公務員の給与改定のこれの影響を受けますが、賃金改定の仕組みがあります。物価高や今春の民間企業の賃上げの状況を反映して、今年の人事院勧告では月収を約2.7%、うちベースアップ分として約0.96%引き上げるよう、だから2.7%引き上げるよう勧告をされています。県職員については、労使交渉を経て適切に賃上げが行われるように期待をします。
一方で、県は様々な事業をアウトソーシングしており、業務委託や指定管理などで民間の事業者などに発注をしています。業務委託を受ける事業者や指定管理者となる事業者において、その業務に従事する人の賃上げを行うことができるようにすることは重要です。言い換えれば、業務委託を受ける事業者や指定管理者が必要な人件費分を価格交渉、価格転嫁できる仕組みとなっていることが重要であると言えます。
業務委託の人件費相当分について、賃上げに県はどのように対応しているのか、総務部長に伺います。
◎総務部長(東勝) (登壇)お答えをいたします。
県が発注する委託業務につきましては、内容が多岐にわたるため一概に申し上げることは難しいところでございますが、例えば庁舎管理や警備、清掃業務におきましては、前年度の労務費に直近の人事院勧告のベースアップ分の改定率を乗じた単価で次年度予算を積算することといたしております。
また、予算の執行段階におきましては、労務費等の最新の実勢価格等を考慮の上、適正な価格での発注に配慮するよう全庁に求めているところでございます。さらに契約後におきましても、民間企業の賃上げの動き等に鑑みまして、相手方から申出がありました場合は、事情を確認した上で契約金額や履行内容の変更が可能である旨通知しておりまして、こうした一連の過程の中で、発注者として賃上げの状況への対応に努めているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)同様に、指定管理を行っている事業に関しても、人件費相当分について賃上げの件はどのように対応しているのか、総務部長にお伺いいたします。
◎総務部長(東勝) お答えいたします。
指定管理業務につきましては、直近5年の地方公務員の人件費の伸び率を参考といたしまして、将来の賃金上昇を一定見込みました上で人件費の積算を行っているところでございます。また、指定管理期間中に指定管理料の総額を変更すべき特別な事情が生じました場合には、基本協定書に基づきましてその都度県と指定管理者が対応を協議することとしているところでございます。こうした中で、指定管理業務におきましても賃上げの状況への対応に努めているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)この春、非常に大きな賃金改定が行われ、社会的に賃金の改善が行われた状況で、県に関わる業務を行う指定管理の事業者さん、この人たちが行う事業のために働く人たちの賃金もきちっと改定をされる。これ、本来は公務員の皆さんがされるべき仕事を言ってみれば民間に出しているような形になっているところもあるので、その人たちの賃金がきちっと適切に改善されていくということは、求められることだと私は考えます。
その上で、特に今行われているものは、賃金上昇があまり算定されていない中で人件費設定がされているような面があるはずです。ここが、物価上昇もありますし、人件費がそれに伴って上がっていくという状況を見たときに、ちゃんと事業者さんで物価上昇分の賃上げを少なくともできる状況にあるのか。今、仕組みはあると言ったんですけど、現実にできるのかというところがポイントになると思うんです。
この点について総務部長、見解をお伺いします。
◎総務部長(東勝) お答えをいたします。
ただいま指定管理業務につきましての仕組みといいますか対応につきまして御説明させていただきましたけれども、それをもって、事業者において賃上げができるということに直接結びつくというものではないかと思いますが、事業者のほうにおきましては、この指定管理業務だけではなくて、いろんな業務を請け負ったり対応していただいている部分もあるかと思いますので、そうした事業全体の中で、事業者におかれましても賃上げの努力というものは、いろんな県の施策、対策等も踏まえて対応をいただけるものというふうに考えておりまして、そういう形で人件費が上がった分につきましては、指定管理業務の仕組みの中でしっかりと対応するような形で考えていきたいというふうに思っております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)物価上昇が行われている中での、実質賃金を元の水準に戻すための賃上げ、この原資をどこから取るのかという話なんですけどね。企業のその受けた事業者さんの努力、それはしてもらったらありがたいですけど、それはその上に積んでほしいところですよね。ということなんじゃないかなと思っているので、この分について言うと、きちっと発注者側で、今日はキーワードは価格転嫁だと思っているんですけど、きちっと価格転嫁ができるような環境にするということを県庁の中でもきちっとやる。事業者さんからきっちりと協議を申し込まれるような状態にしておくことが非常に大事なのではないかと考えますし、相手が、その状況が取れたのかということを確認することも大事なのではないかと考えます。改めて総務部長の見解をお伺いします。
◎総務部長(東勝) お答えをいたします。
指定管理業務につきましては、基本協定書の中で先ほど申し上げましたように、事情が生じた場合は対応ができるというふうな形で盛り込んでおりますので、そうした点をしっかりとまた周知をしてまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)今後、業務委託や指定管理などで働く人を含め、県が行う業務に従事する人の賃金について、賃上げに適切に対応できる新年度予算とする必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
◎知事(三日月大造) 総務部長からも答弁いたしましたとおり、現在も予算、その執行、契約後の各段階において賃上げの状況の反映に努めているところでございますが、賃金の上昇局面が続く中、県として発注する工事や委託料等の人件費を適切に見積もることは、社会における所得向上の観点、また、契約条例の趣旨からも重要であると認識しております。
このため、新年度予算編成において十分意を用いますとともに、賃上げに係る対応も含めた今般の国の経済対策の動向等を注視いたしまして、県として必要な対応を検討してまいりたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)この10月に経済対策を取りまとめられてということで、補正予算が組まれるのかなと思います。その予算なども含めて、今県庁で働く、または県に関わる事業で働く人のことについてちょっと言及していただいたんですけども、途中で取り上げたように、やっぱり県内の事業者さんでも適切に賃上げが行われるような、何か必要な事業があるときはしっかりとそこにも意を用いていただいたり、必要な予算をつけていただけたらなと思っております。その件について、重ねて知事に問いたいと思います。よろしくお願いします。
◎知事(三日月大造) 国も経済対策をまとめるという、そういうことを受けまして、県としても、物価高から県民の生活を守る視点、これは主に低所得者の方々にどういう支援ができるのか、また、賃上げ、所得向上、地方の成長という枠組みの中では、リスキリング、学び直しをどのように支援していくのか、また、投資をどのように呼び込むのか、デジタル、行財政改革をどう進めるのか、防災・減災、国土強靱化をどう進めるのか、こういう観点に立った県版の五本柱の対策等を検討するように指示しているところでございますので、その枠組みの中で、賃上げ等につきましてもどういった対策ができるのか、考えていきたいと存じます。
◆15番(河井昭成議員) 終わります。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、15番河井昭成議員の質問を終了いたします。
次に、6番桐田真人議員の発言を許します。
◆6番(桐田真人議員) (登壇、拍手)それでは、通告に基づきまして、分割質問方式により第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会における開催準備について質問を行います。
2025年に、本県全域において44年ぶりとなる第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会が開催をされます。現在、実行委員会の各部会におかれまして開催準備を行われており、この一連の作業の中から顕在してくる様々な課題や懸念にきめ細やかに対応をされています。ここに深甚なる敬意と感謝を申し上げます。
とりわけ全国より選手をはじめとする大会参加者が短期間に延べ14万泊利用すると想定され、不足が懸念をされている宿泊業務については、宿泊施設を一元管理、配宿を一体的に行う合同配宿方式が採用され、円滑かつきめ細やかな配宿業務の実施に向けて取り組まれています。
しかしながら、宿泊取消料の取扱いについては標準宿泊約款が用いられず特例が設けられており、かねてよりこのことに懸念が示されています。この特例とは、勝利がかなわずお帰りになられる場合、いわゆる負け帰りと言われる場合には、以降の取消し日数に関わらず宿泊施設が収受できる取消料を1泊分とする負け帰り等に係る特例、併せて、1泊2食が原則である、夕朝食を取り消した場合についても、取り消した食数に応じた額が宿泊料から減じられる欠食控除と言われる仕組みであります。
これらの特例や仕組みは、中小零細企業が多い傾向にある宿泊施設の経営に対して、影響が及ぶのでないかと懸念をしております。
第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会開催に係る宿泊料金設定の基本的な考え方には、負け帰り等に係る特例による空室リスクや、欠食控除による過大在庫の発生など、想定される様々なリスクを十分に勘案され、各宿泊施設において上限1万8,000円の範囲で設定されるものと承知をしています。
その上で、いま一度、コロナ禍において厳しい環境にさらされ、いまだに回復したとは言い難い状況にある県内の宿泊施設から寄せられる願いや思いを把握しながら、開催に関わる全ての方々が笑顔に満ちあふれた大会にしていく努力が必要であると考えます。
また、本大会を通じて全国各地から来県をされる大会参加者の皆様方が、大会前後や期間中、本県各地域の魅力を存分に堪能していただく絶好の機会であるとともに、このときの体験や思い出が以降の将来への本県への再訪につながるものと考えます。
このことから、アフターコンベンションを念頭に、より長期にわたり本県への滞在につながるよう、アフタースポーツを楽しむことのできる仕組みや企画を提案することにより、負け帰り等に係る特例や欠食控除がもたらす影響を軽減できるとともに、滋賀の魅力発信につながるものと考えます。
そこでまず、負け帰り等に係る特例や欠食控除が県内の宿泊施設にもたらす影響を、本県はどのように認識をされ対策を講じていかれようとしているのか、文化スポーツ部長にお伺いします。
あわせて、本県の観光振興の面から、関係される部局間でどのような連携を図って対策を講じていかれるのか、商工観光労働部長に伺います。
次に、勝利がかなわずお帰りになられる皆様に、そのまま当初の予定どおり本県に滞在していただける仕組みの創設や、滋賀の魅力発信を選手派遣元の地方自治体やスポーツ団体に提案されることについて、知事の見解を伺います。
○議長(奥村芳正) 6番桐田真人議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)私には最後に賜りましたけれども、まずお答えをさせていただきます。
議員御指摘のとおり、両大会参加者の配宿は、県内宿泊施設だけでは足りない、対応できないということでございますので、近隣府県の御協力が必要となる状況です。選手団の皆さんには試合会場に近く移動の負担が少ない配宿というものを考えておりまして、敗退されてキャンセルとなった宿には別の競技を充てるなど、多くの方に県内で宿泊いただき、本県の魅力を堪能いただきたいと考えております。
あわせまして、両大会の選手団を応援するために来県される御家族や友人の皆様には、敗退後も本県に滞在いただき、本県が有する歴史や自然等の魅力にも触れていただきたいと存じます。
そのためには、選手や派遣元団体、家族等に対し事前に観光案内を行うなど、市町や観光協会とも連携いたしまして本県の魅力を発信しながら、大会終了後にも再訪いただいたり、また、いろんなお申込等、お問合せ等をいただける準備を進めていきたいと存じます。
◎文化スポーツ部長(谷口義博) (登壇)お答えします。
本県での両大会の開催期間につきましては、県内宿泊施設の稼働が高い時期でございます。加えまして、大阪・関西万博の会議と重なっておりますので、両大会に提供する客室がキャンセルされる場合には、例えば準備した食材が無駄になるなど、各宿泊施設に与える影響は少なくないというふうにまず、認識しております。
一方でその対策として、先催県では対戦チーム同士を同宿、同じ宿舎とすることで、負け帰りキャンセルとなる客室を事前に特定して、その客室へ別の競技の選手を配宿する方法、あるいは勝ち残ったチームを宿替えする方法などの工夫で宿泊施設の負担軽減を図っているという事例がございます。
本県におきましても、こうした先催県の取組を参考に、それまでより詳細に調べまして、関係部局と連携しながら実情をつぶさに把握した上で、必要な対策というのを改めて講じてまいりたいと考えております。
◎商工観光労働部長(林毅) (登壇)最後に私へいただきました質問についてお答えをさせていただきます。
国スポ・障スポ大会および大阪・関西万博は、本県に多くの誘客が見込めますことから、その前年に当たります来年度から県全体の誘客機運の醸成を図りまして、旅行商品の造成など効果的な誘客を推進してまいりたいと考えております。特に国スポ・障スポ大会につきましては、選手、家族などの関係者が確実に本県にお越しになりますことから、競技間、競技の間、競技終了後に周遊いただきます観光案内ですとか土産物の販売など、本県の魅力を発信できるよう、大会実行委員会と連携した取組を進めてまいりたいと考えております。
◆6番(桐田真人議員) (登壇)配宿業務というのは大変長期にわたるものでありますので、今、
文化スポーツ部長がおっしゃったように、きめ細やかに準備をしていくと、対策を講じていくということをおっしゃりましたので、くれぐれも皆さんが、宿泊施設等々が不安感を感じないように、きめ細やかに、そしてまた迅速に、また、そして斬新なそういった仕組みをつくっていただいて、適切な配宿が、業務が完遂されることを期待をして、次の質問に移らせていただきます。
それでは、次の質問を行います。分割質問方式で、滋賀県立琵琶湖文化館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案について、質問を行います。
現在、本県におきましては、昭和36年に開館をし、平成20年から休館中の滋賀県立琵琶湖文化館の収蔵品や役割を次世代へと担う施設として、令和9年12月の開館を目指し、大津港を隣接地に新しい琵琶湖文化館の整備に向けて取り組まれています。このたびの整備については民間事業者の創意工夫を発揮し、公共サービスの質の向上を期待し、設計、建設、維持管理、運営を行うPFI手法の一つであるBTO方式が採用され、来場20万人を目標に掲げられています。
この新しい文化館には、文化財の収蔵、展示といった従来の機能に加えて、新たな文化観光拠点となるビジターセンターの機能などをそなえ、文化、観光の中核施設として位置づけられており、今後の浜大津地域一帯のさらなるにぎわい創出につながるものと大いに期待をしています。
御承知のように、大津港周辺や湖岸公園などでは、遊覧船のナイトクルージングや、びわこ花噴水、夜間イルミネーションおよび地域団体主催のフェスティバルなどが、その立地を生かして個性豊かな取組が連綿と催され、昼夜間の取組を通じて年々その認知度も高まってきています。
今議会に、議第109号滋賀県立琵琶湖文化館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案が提案をされています。第3条第1項の開館時間は午前9時から9時半に変更されていますが、閉館時間は従来の午後5時までとなっています。私は、当該地域において文化・観光の中核施設として位置づけられている新しい琵琶湖文化館が午後5時に閉館することとなると、冒頭申し上げてきたような地域住民や各種団体および民間企業が連携を深め、一体感を高めながら取り組んでこられた様々な取組に影響を与えないものかと懸念を抱くものであります。
そこで以下、全て
文化スポーツ部長に見解を伺います。
まず、閉館時間の決定において、その経緯について見解を伺います。次に、新しい琵琶湖文化館が地域住民や各種団体および民間企業と連携を深め、一体感を高めながら、文化・観光拠点となるビジターセンター機能をどのようにして発揮されようとされているのか、その決意、姿勢を伺います。
◎
文化スポーツ部長(谷口義博) お答えいたします。
まず、1点目の閉館時間の設定の経緯でございます。新しい琵琶湖文化館の閉館時間につきましては、類似施設の状況を参考にしながら、立地する地域の状況、展覧会等の学芸業務や文化・観光拠点としての業務の内容等を踏まえて設定したものでございます。
なお、条例では、知事が必要と認めるときは閉館時間を変更できるということとなっております。したがいまして、例えば周辺で開催されるイベントの時間に合わせて、その日は4階の展望テラスから琵琶湖等での夜景が見られるようにするなど、利用者のニーズに応じた柔軟で弾力的な運用を行ってまいりたいというふうにまず考えております。
あと、2点目の文化観光拠点としての機能についてでございますが、新しい施設の文化観光拠点としての機能につきましては、県内の文化財の情報を集約して発信することによりまして、県内各地へ人々をいざなうだけでなくて、大津市をはじめ民間企業等、ほかの事業主体と連携しながら地域のにぎわいを創出するということを目指しております。
文化観光事業の推進に当たりましては、県、PFI事業者のほか、周辺の施設あるいは交通機関、ボランティア団体等で構成される地域協議会というのを設置いたします。その中で、互いに情報を共有しながら検討を行ってまいります。この協議会を有効に活用して、地域との一体感を持って、一層のにぎわい創出に取り組んでまいります。
◆6番(桐田真人議員) (登壇)再質問します。
いわゆるこの整備方式が民間の創意工夫を十分に発揮をして、そして集客力を高め、中核施設として位置づけていくということになっているわけですね。先ほど維新の河村先生から質問のありました、20万人の目標を掲げておられるということで、極めて高い目標であると自認をされているわけですよね。そうすると、従来の考え方の運営方法では、やはり力不足ではないか。これは当然感じるわけであります。
そしてまた、周辺の施設と同じように午後5時に決めているということを論拠にされていますが、各府県立施設であるとか美術館もそうですけれども、やはりゆっくりと1時間館内に滞在をする、2時間かけてしっかりと収蔵品を見ていく。こういうふうにゆったりと時間を過ごす施設でもあるんですよね。そうすると、5時に閉館をするとなると、3時に行かなくてはいけないんですよね。4時に行っても、もう終わってしまうな。もう4時半ぐらいになると、そそくさと閉館業務の、何かもう帰ってくださいみたいな、そういうちょっと水臭い対応も感じる可能性もあるわけですよね。
だから、やはり集客を20万人をしていくということであれば、そして、なおさら民間の創意工夫を高めていくということであれば、やはりこの午後5時に閉館時間を結論づけたということについては、もう少し私は議論を深めていっていただきたいというふうに思いますね。そして今、知事が認めれば柔軟に対応されていかれる。これは大変、条例にも書かれていますから当然のことであるというふうに思うんですが、中核施設ですからね。必要に応じてではなくて、自らが必要を感じて、中核施設であるということを自認して地域の活性化に取り組んでいくという、そういう姿勢が私は大事であると思うんですよ。
間違っても花火大会の日に閉館をしていては駄目ですよ。しっかりと開けて、やっぱりしていかないといけないんですよ。そういう施設に皆さん位置づけられているということを、地域の期待が高い施設であるということを、もう一度再認識をしていただいて、県当局としても、これ、建物のオーナーですから、所有権は県が持っているんですから、しっかりとそこら辺は認識をしていただいて、管理運営を、維持運営をしていただきたいというふうに思いますね。
とりわけ、とりわけですよ、20万人の来場者の目標を掲げておられるということであれば、琵琶湖の観光が閑散期と言われる冬季、冬の集客をいかにつかんでいくかということが、僕は成否がかかってくると思っています。そういったときに、5時に終わっていたらもう真っ暗なんですよ。しかしながら、空気の澄んだ冬場の浜辺から夜景を見るときの、夜景はすばらしいものですよ。すばらしい。そういった魅力をやはりもう一度再認識していただいて、この閉館時間の5時というのは知事の必要が応じるとき、それは大事なんですけれども、その条項を積極的に活用いただいて、催物であるとかそうではなくて、もう常時、いろんな意味で5時以降も開館をしていくという、そういった取組、姿勢、これを私は琵琶湖文化館に望むので、この私の熱い思いを受けてどのように答弁をされるか、お願いをしたいと思います。本当に大切な、大切な施設なんです。お願いしたいと思います。
◎
文化スポーツ部長(谷口義博) 改めて議員の熱い思いというのを承りました。そうした中で、ちょっと当初の立てつけとしては、今申し上げた9時半から17時という設定で条例化を進めようとしているんですが、今おっしゃったように、本当に具体的な議員がおっしゃっていることと必ずしもかみ合わないかもしれませんけど、本当に必要なとき、あるいは重要なポイントのときというのは機を逸さないように、しっかり当該の5時にこだわらずに開館時間を延長して、地域のにぎわいにしっかり貢献するというやり方で、まずはスタートさせていただきたいというふうな思いでございます。
◆6番(桐田真人議員) (登壇)お願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、次の質問に移ります。大津警察署管内における交番および駐在所の整備状況について質問を行います。
まず初めに県民の1人といたしまして、日々県内における治安維持に当たってくださっている全ての警察官、職員、ならびに職務遂行をお支えになられている御家族はじめ、関係者の皆様に深甚なる敬意と感謝を申し上げます。
私は、大津市東南部地域を管轄をする大津東警察署の新設を大きな政治の目標として定め、今日に至る今まで、そして、これからも一貫して取り組んでまいる所存でございます。この間、大津市東南部地域を中心とする各学区の住民、自治会の皆様の御理解、御協力をいただきながら、大津東警察署の新設について、あらゆる機会を通じて滋賀県ならびに公安委員会へ働きかけてまいりました。同時に、住民の皆さんにとって最も身近な警察施設である交番および駐在所の機能の充実や更新にも関心を持ち、実感することのできる平穏な生活の実現に向けて取り組んでまいりました。
令和5年8月末現在、本県における犯罪認知件数は、過去5年平均ならびに令和4年に比べ約2割程度増加を示しています。同時に、大津警察署管内においても同様に増加の傾向を示しています。また、全体数に占める割合の一定数が瀬田駅や膳所駅、大津京駅など、今後も人口の増加が見込まれる駅周辺地域における認知が固定化されている傾向にあることから、住民の皆さんは、実感をすることのできる安全で平穏な生活の実現を強く求められています。
さらには、身近にまで及びつつある悪質化、巧妙化している犯罪に対する警察力の強化として、住民にとり最も身近で信頼を置く地域警察官のさらなる活動の充実に期待が高まっており、その活動拠点となる交番や駐在所の老朽化対応をはじめ、被害者対応および女性警察官の働きやすい施設環境などの機能充実に向けた整備は最重要であると認識します。
そこで、大津警察署管内における交番および駐在所の整備状況について、警察本部長の見解をお伺いいたします。
◎警察本部長(中村彰宏) (登壇)お答えいたします。
地域住民の安全・安心に密接な交番、駐在所でございますけれども、滋賀県公共施設等マネジメント基本方針に基づきまして、築年数や老朽、狭隘度などを勘案いたしまして、計画的に整備を進めておるところでございます。
大津警察署管内でございますけれども、現在13交番、3駐在所がございます。このうちJRの瀬田駅を管轄する瀬田駅前交番とJR大津京駅を管轄します皇子山交番の2施設が、令和7年度に建築後40年となりますことから、今後の犯罪情勢等の変化にも対応ができるように、機能の充実、強化に向けた建て替え整備の手続を進めておるところでございます。
◆6番(桐田真人議員) 終わります。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、6番桐田真人議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後3時08分 休憩
────────────────
午後3時30分 開議
○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
最後に、22番柴田清行議員の発言を許します。
◆22番(柴田清行議員) (登壇、拍手)それでは、本日最後になります。よろしくお願いしたいと思います。
まず1問目、地域内エコシステムにおける県としての役割について質問をさせていただきます。滋賀県では、2050年までにCO2ネットゼロの達成を目指されております。そのための取組を通じて、県民生活の豊かさ、地域や経済の持続的な発展などにもつなげるCO2ネットゼロ社会づくりを推進されております。また、昨年制定されました琵琶湖森林づくり基本計画においては、重点目標に木質バイオマス地域循環プロジェクトが掲げられております。地域内エコシステムの取組においては、経済産業省と林野庁の共同研究にて進められ、平成29年度から林野庁が地域内エコシステム構築事業とされました。小規模な木質バイオマスエネルギーの熱利用によって、森林資源を地域内で持続的に循環をさせるという仕組みであり、電気代が高騰している中においても地域内エコシステムの取組には注目をされておりますので、これについて質問をさせていただきます。
まず、地域内エコシステムについて、滋賀県としてどのように考えられているのか、まずは知事にお伺いをいたします。
○議長(奥村芳正) 22番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)森林資源を木質バイオマスエネルギーとして地域内で循環利用する仕組みである地域内エコシステムは、林業収益の向上、森林の適正な整備や保全、化石燃料からの転換によるCO2ネットゼロ社会づくりにつながるなど、様々な効果が期待できるものと認識をしております。また、滋賀県基本構想実施計画の施策でありますバイオマスの利用拡大による地域内資源循環の推進にも資するものと考えております。
ただ、後ほど出てくるのかもしれませんが、収益性など課題も多いと承知をしておりますが、地域内エコシステムの取組を通じて地域の課題解決や活性化につながるよう、県としても積極的に支援をしてまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、地域内エコシステムは全国でもいろんな都道府県で取り組まれておりますが、本県における取組状況を琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) (登壇)お答えいたします。
林野庁の地域内エコシステム構築事業を活用した取組が、平成29年度から令和5年度にかけまして、全国で51の地域で進められております。一方、本県におきましては、林野庁の地域内エコシステム構築事業の採択を受けて、1つの市と1つの町におきまして地域協議会をつくり、燃料のサプライチェーンの構築や設備導入のコスト検討などに取り組まれております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございます。県内、調査をされているのは事実です。ただ、なかなか実施には至っていないというのが今の現状であり、県としてもやっぱりそこの部分に関してもう少し地域を広げた形でのサプライチェーンが必要じゃないかなという意向の中で今回、質問をさせていただいておりますし、県におきますと岩手県や長崎県あたりはかなり県が積極的に携わって事業を推進されておりまして、特に岩手県は県立プールがバイオマスエネルギーによって、温水プールの熱利用として利用されているという実績も行われております。
次の質問に行きます。県内の地域内エコシステムの取組において、燃料の調達から製造、エネルギー利用までのサプライチェーンはどのような体制が確立されているのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
先ほど申し上げました、1つの市、1つの町につきましては、現在検討を進められている段階でございまして、議員おっしゃるサプライチェーンの構築には、いまだ至っていない状況でございます。それ以外に、県内の一部施設で木質バイオマスエネルギーの活用に取り組まれているという事例はございますが、地域の森林資源の利用は限定的な状況でございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)ここで少し琵琶湖環境部長に再問したいんですが、先ほど知事も言われましたコスト面の不安という部分もあろうかと思っています。実をいうと、3年前の小型バイオマスエネルギーの小型のボイラーと今のボイラーが、かなりの差が出てきてしまっている。熱利用に関しても約3分の1の原材料にあって同じ熱量を出るというような今の現状も多分、把握はされていると思うんですが、その中で今後どのようなサプライチェーンをつくれるのかといいますと、材料が少なくて、熱量がたくさん出てくるという今の現状もあろうかと思っています。
少し小さな地域でサプライチェーンをつくっても、それが達成できないというのが今、滋賀県の現状であり、そのサプライチェーンをつくるのにも、範囲を2町合わせていただくとか、お隣の森林組合さんと組むとか、まず材料をそろえてその材料をチップ化できるか、そして、小型燃料の国の援助を受けての設置ができるかというのが、まずは取組の中で、どういうふうに循環が、県内で循環ができるかというのは重要だと思うので、その点につきまして再問したいと思います。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
今、議員御指摘くださいましたボイラーでありますとか、そういった技術革新については、本当にかなりのスピードで進んでおるというふうに認識してございますので、県といたしましても、議員御指摘のようにできるだけ広い地域でサプライチェーンの構築ができないかという点を含めまして、情報収集と実際の利用される方々、見込みのある方々への周知啓発といった点も含めて、しっかり研究してまいりたいと考えてございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)今の質問によく関係するんですが、地産地消の地域内循環システムの構築について、現在の取組を琵琶湖環境部長にお聞きをしたいと思います。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
まずは地域内エコシステムについての周知啓発を通じて機運の醸成を図りまして、地域関係者の間で協力体制をつくっていただくというのが必要ではないかと考えてございまして、そうした協力体制を通じてサプライチェーンを構築することがまず第一かと考えてございます。
また、木質バイオマス燃料の製造施設でございますとかボイラーなどのエネルギー利用施設の導入に係る初期コストに加えて、燃料の調達コストや安定供給面でも課題があると考えてございますので、そうした点でも県としてどういった支援ができるのかというのを考えていきたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)まず、木材を調達する。調達する場所とかは今回、滋賀県、丹生ダムの建設予定地とか残存山林、北のほうでは、これから県が取得された場所というのはたくさん僕は出てくるんだろうと思っています。問題は、川中のチップ材にどのようにしていくのか。現地でするのか、その小さな工場に木を運ぶ、これだけでも熱量は使ってしまいますので、そういうふうな部分が僕は県としてこれから必要になってくるんじゃないか。小型ボイラーに関しては、林野庁や経産省の予算を利用すれば設置はできます。
そこでサプライチェーンができると思っているんですが、やっぱり川上は僕は絶対あると思っています。川下、これも小型ボイラーのすばらしい発達によって、3年前の3分の1近い熱量が、部材が少なくなって熱量が上げられるということですので、問題のこの川中の部分に関しては、やはり今後、県が少し担っていただきたいと思っていますが、琵琶湖環境部長に再問したいと思います。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
議員、今御指摘くださったとおり、一番問題なのは川中ということでございますので、そこは県としても認識、共有しておりますので、しっかり力を入れていきたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、先ほど琵琶湖環境部長も少しお伝えいただいたんですが、県内施設での今後の取組について、琵琶湖環境部長にお聞きをしたいと思います。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
現状ですと、県の施設において地域内エコシステムによる木質バイオマスの利用は、現在のところはございませんというところでございますが、今後、先ほど申し上げた課題の解決を考えながら、県内での地域内エコシステムが構築されるよう、県としてもしっかり支援を行いつつ、当該地域内における県の施設においても木質バイオマスエネルギーが利用されるよう、研究を進めてまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)続いて、教育長に県立学校の今後の取組についてお尋ねをしたいと思います。
◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。
御質問に関連いたします県立学校における取組として、現在、伊香高校におきまして、北部ならではの地域環境、森林等を含めた北部ならではの地域環境を生かした学びの展開として、(仮称)森の探究科の設置を検討しておりまして、人と自然が共存する循環型社会構築に資する人材の育成を図ろうと取り組んでいるところでございます。
この学びの過程の中では、バイオマス発電やまきストーブなど、森林資源の有効活用の方法を考えたり、木材チップやまきの燃焼によりますエネルギー利用効率の学習等も取り入れたいと考えているところでございます。地域内エコシステムが構築される際には、関係する県立学校におきまして、そのシステムへの参画の可能性についても併せて検討してまいりたいと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)今、伊香高校の取組を御紹介いただきました。まだ研究をされている最中ではありますが、これだけではなく、これも含めて研究をしていただきたいと思いますが、伊香高校も含めて、県立高校には学校林というのを持っておられます。これが川上のことになって、川上、川下がそろえば先ほど琵琶湖環境部長が言われた川中のことを県が何とかしていけば、学校林プラスという、自分のところの山ですから、プラスアルファという部分で、材料買わなくてもいい。それをどのような材料に加工するかという部分を何とか琵琶湖環境部で考えていただきましたら、これからサプライチェーンができてくるだろうと思うので、その件についても、学校林を持っている高校は、伊香高校は持っています。私の出身校ですので。私の知っているのでは、長浜農業高校や、もう1校は多分、持っていると思いますので、そういう部分に含めて、プラスアルファというのでサプライチェーンがつくりやすいと思いますので、それについても教育長に再問したいと思います。
◎教育長(福永忠克) 県内の県立高校におきましては、従来林業科を持っていたりして、林業科の演習という形で学校林を、地元の皆さんの御協力を得ながらその演習林で様々な活動をしてきたと聞いております。
ただ、この演習林につきまして、学校林につきましては、その後、学校自体でなかなか管理するのが大変だということで、地域の方や関係者の方で管理をお任せをしているという部分もございますので、そういった方々とうまく連携しながら、学校林に多くの木が生えておりますので、その木を有効に活用するということも今後の可能性として十分にあると考えているところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)まさしく今、教育長が言われた言葉が、県立高校との地域連携。これは滋賀県の教育委員会としても、これから進めていくと言われておりますので、地域内エコシステムによっての地域内連携が、県立高校ができるという部分になろうかと思いますので、併せてよろしくお願いしたいと思います。
続いて、2問目に入りたいと思います。高時川の濁水対策について質問をさせていただきます。昨年の8月5日の早朝、余呉町中河内地区から丹生地区にかけまして記録的短時間大雨が降りました。1時間余り100ミリを計測したと記憶をしておりますが、高時川上流の丹生川においては大水害が発生をいたしました。その後、高時川の濁水は一時よりは澄んできておりますが、現在も雨が降りますとまた濁水に戻るという状態であります。この回復力については、よくなってはきていると思っていますが、今年の夏の丹生川や高時川のアユの放流、これは今回はできませんでした。イコール、アユの友釣りの期間が漁業組合ではできなかったということであります。
9月12日にも高時川濁水問題検討会議が開かれ、分析結果の中間報告がなされました。現在での把握について、いろいろと示されたと感じておりますが、そこで、これからの対策についてお聞きをしたいと思います。濁水の原因を調査されたと思いますが、どこにこの濁水の原因があったのか、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
これまでに濁りの定点観測、地形変化の解析調査、濁りや土砂の分析調査を行ってまいりました。これらの調査から、流域の広い範囲におきまして大規模な侵食でありますとか土砂の堆積があることが判明いたしまして、高時川本流の中下流部に堆積した粘土でございますとかシルトといった細かい粒が濁りの原因であると考えられる現状でございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)この濁水が繰り返されるという原因についても、琵琶湖環境部長に再問したいと思います。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、高時川本流の中下流部に広くそういった細かい粒が堆積をしておりまして、それによりまして濁りが長期化していると考えられるところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)私、濁水が繰り返されるという原因をお聞きしたので、調査結果によると、細かい粘土の上に大きな石がまた溜まる。また粘土が、層ができているから、大きな水になったときには上の石が削られて真ん中の2番目になっている粘土層が出てきて濁水が繰り返されるというような報告があったと思っているんですが、次に行きます。
今年の7月13日にも1時間雨量30ミリの雨が降り、丹生川上流では護岸の侵食や市道奥川並線の道路が全て流されてしまった。また、高時川への土砂の混入があり濁水となったのではないかと思っているんですが、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
高時川では、議員御指摘いただきました7月13日を含めまして、まとまった雨によりまして複数の箇所で河岸侵食などがあったことを確認してございます。こうした河岸侵食などにより流出した土砂も濁りの原因の一つであると認識してございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)今年になっても、僕は30ミリの雨が物すごい雨なのか表現しにくいんですが、やはり崩れやすくなっている。だから、少しの雨でもまた土砂が出ているということでいいんでしょうか。琵琶湖環境部長に再問したいと思います。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
議員の御指摘のとおりだと考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、高時川に注ぐ5つの河川の濁水の現状を、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
今年の5月から7月までに高時川の本流と先ほどお答えいたしました支流の5河川に自動計測する濁度計を設置いたしまして、河川の濁りの状況を観察いたしました。
その結果、時間降水量が30ミリ程度ございますと、本流だけでなく支流の5河川でも濁りが見られますが、降雨がなければ3日程度で支流の濁りは収まると、そういう状況となってございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)すみません。1問飛ばしてしまいまして申し訳ございません。
土砂流出の場所について、詳細な調査結果が出ていますが、どの場所から土砂が高時川に流入したのか、多い場所のほうから順にお答えをいただきたいと思いますので、琵琶湖環境部長、お願いいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
航空レーザー測量のデータを活用しまして進捗状況の把握を行っております。高時川流域では高時川本流の侵食量が最も多くありまして、その後、多い順に針川、尾羽梨川、大音波谷川、奥川並川、鷲見川の順に浸食量が多くなってございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、今言われた5つの河川、当然本流の浸食が一番多かったと。それが一番たくさんの土砂が出た。それはもう当然です。私も現場にいましたけども、あの削られる量はすごくありましたので、自分の命というか、自分もちょっと危ないなと思ったぐらいですので。やはり一番たくさん土砂が出るのは針川、続いて尾羽梨川、続いて大音波、そして、奥川並、そして鷲見というようなお話をいただきましたが、まず上流のほうからお聞きをしたいと思います。
上流にスキー場跡地があります。大音波谷川での対策について、琵琶湖環境部長にお聞きをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
大音波谷川上流のスキー場跡地におきましては、これまでから県の指導を受けまして、事業者により是正工事が行われてきております。ただ、工事用車両の進入路が昨年の8月、今年7月の豪雨で寸断されてしまいましたので、現在は進入路の復旧工事と併せまして是正計画の抜本的な見直しが行われているところでございます。
県といたしましては、早期に是正工事が完了するよう引き続き事業者を強く指導してまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)この業者に是正を促している区域をお聞きしたいんですが、この大音波谷川の部分なのか、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
是正工事の区域といたしましては、林地開発許可を受けたスキー場跡地の範囲内でございまして、大音波谷川はスキー場跡地以外の当然流域ございますので、そうしたスキー場跡地から流出した土砂以外にその区域外から流出した土砂も堆積をしてございます。
こうした状況につきまして、検討会議におきましても情報を共有しておりますので、土砂を止める対策が必要と御意見もいただいておりますので、対応を検討してまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)そしたら、大音波谷川についてはしっかりと県が対応をしていくということでよろしいでしょうか。再確認をさせていただきたいので、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
事業者への指導と併せまして、県としてもしっかり対応をやってまいりたいと存じます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)この大音波谷川に関しては、やはりスキー場から出た土砂も多い。ただ、他の支流からも出た土砂も多いと、私も現場行きましたけども、確認をさせていただいていますが、無許可での開発であったわけですよね、このスキー場に関しては。昨年も無許可で土砂を、静岡県のほうでは土を盛られて大きな害があったという部分に関して、こういう河川の上流とか、災害が起こるような無許可での開発を、その他滋賀県内でされているのか、これはしっかりと調査されたのか、琵琶湖環境部長にお尋ねをいたします。
◎琵琶湖環境部長(森本哲司) お答えいたします。
その他の地域ですね、今回のこの大音波谷川のスキー場のような違法な工事があったということは、今のところ承知をしてございません。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)私は調査をされたのかと、滋賀県内でそういう現状があることを調査をされたのかとお聞きしたのですけれども、しっかりとこれは調査を今後していって、こういうところが、今回のこのスキー場の開発について全く滋賀県は知らなかった。気がついたのが何年後だったのかというのを、ここでは言いません。僕も一般質問で前もやらせていただきましたので。そういう現状にならないように、やはり琵琶湖環境部としてはしっかりと県内のこういう箇所がない、危険な場所がないかという部分に関しては調査をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
続いて、その下の針川、尾羽梨川。ここが一番たくさんの土砂が出たと報告をされておられますが、ここには砂防ダムが設置をされております。その砂防ダムをどうするのかと含めて、この対策については土木交通部長にお聞きしたいと思います。
◎土木交通部長(三和啓司) (登壇)お答えいたします。
針川、尾羽梨川でございますが、ここにつきましては現在、先ほど議員もおっしゃっていただきましたが、高時川濁水問題検討会議、この有識者によるこの会議におきまして、濁水長期化の原因の究明というのが今されている状況でございます。その会議の結果を踏まえまして、今後、国、県、市で構成する連絡調整会議で対策について検討するということになっておりまして、それを踏まえまして、今ほど砂防ダムがあるというふうに御指摘いただきましたけれども、土木交通部といたしまして、その役割を果たしていきたいというふうに考えておるところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)この針川、尾羽梨川には上流に各3つずつの砂防ダムがございます。砂防ダム、きっちりと土砂を食い止めてはいただいていますが、全て土砂が盛り越している。もう満杯状態です。この3つとも確認をさせていただきましたが、今後のこの対策については、今も土木交通部長の発言がありましたように、濁水を止めなきゃいけないという考え。単なる砂とかを止めるというのは砂防ダムがあればある程度こう止まっていくわけですが、濁水を止めなきゃいけないという考えに関しては、砂防ダムが役に立っているのか、立っていないのかというのは、今回の委員の中でも指摘をされていますので、よろしくお願いをしたいと思います。
続いて、丹生ダム建設用地や残存山林に注ぐ鷲見川、奥川並川の対策について、これも土木交通部長にお伺いをいたします。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
鷲見川、奥川並川の対策につきましても、この検討会議の原因究明を受けまして、土木交通部としてその役割を果たしていきたいというふうに考えておるところでございます。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)冒頭に言いましたように、丹生ダム建設予定地に注ぐこの2つの川、実をいうと針川、尾羽梨川もそうなんですが、40年間建設をするという形で、建設用地や残存山林はほとんど人の手が入っていないという現状の中で、この大きな雨が降りました。これが大きな土砂を出したという、私は一番の原因ではないかなと思っているんですが、それも含めてやっぱりこの問題は、国に対してもこういう現状の中でしっかりとした対策をお願いするほうがいいと思っていますが、土木交通部長に再問したいと思います。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
丹生ダム事業用地や残存山林につきましては、ダム事業が行われるという予定でありましたことから、維持管理が長く行われていない状況が続いていたというふうなことは、事実として認識をしているところでございます。この濁水長期化の原因と、その事実との関係、その原因につきましては、今検討会議で究明をされているということでございますので、それを受けまして、その対応あるいは今の国の話もございましたけど、それも含めて対応してまいりたいというふうに思っております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)それでは、この高時川を含む6河川、この管理者について土木交通部長にお伺いをしたいと思います。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
高時川につきましては、姉川合流部から余呉町菅並までと、飛びまして中河内から県境付近までの区間は滋賀県が、さらにその上流は長浜市が、余呉町菅並から中河内までの区間については国が管理者でございます。また、支川である5河川のうち、針川、尾羽梨川、鷲見川の3河川につきましては、高時川合流部から上流の一部は国が、さらに上流は長浜市が管理者でございます。奥川並川につきましては、高時川合流部から上流の一部は国が、その上流の一部は滋賀県が、さらにその上流は長浜市が管理者となっております。残る大音波谷川につきましては、長浜市が管理者となっております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)ちょっとややこしい説明になっているんですが、丹生ダム建設予定地ないし残存山林を含めたこの丹生ダムの予定地の周りの川、特に針川や尾羽梨川を含めて、現在、県の直轄管理になっております。
そこの部分に現在かなりの土砂がたまっているということは、県の皆さんに本当に努力をしていただいているんですが、やっぱり国のお力を今後は借りて、この問題に関してもしっかりと解決をしていっていただきたいと思いの中でこれを聞かせていただきましたので、再度、今後の対策についても、もう一度土木交通部長にお尋ねをしたいと思います。
◎土木交通部長(三和啓司) お答えいたします。
国の現在ですね、ダムの事業に関連して国が河川の管理者となっているということも承知しておりますので、それも踏まえまして、県の土木交通部としてもしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)いろいろとお話をさせていただきました。また、意見も聞かせていただきました。今後の総合的対策について、知事にお伺いをしたいと思います。
◎知事(三日月大造) まず、長期にわたる濁水によりまして影響を受けていらっしゃる方々にお見舞い申し上げたいと存じます。
直近、見ますと、雨の降りようや、そういったこともあって濁りがない日もあるようですし、ちょうど今アユの産卵の時期ですので、引き続き状況は注視してまいりたいと存じます。
これまで2回の検討会議を通じまして、濁水の原因につきまして一定の知見が得られたと聞いております。また、高時川流域では国、県が昨年8月以降の豪雨で被災した護岸や県道の復旧を行っているところでございます。
今後の総合的対策といたしましては、これまでの対策を進めるとともに、有識者に加え、漁業、地元関係者の皆様からも幅広い御意見等をお伺いし、いただいた御意見について、国、県、長浜市で構成する連絡調整会議で検討し、年内に対策をまとめ、それを確実に実施してまいりたいと考えています。
◆22番(柴田清行議員) (登壇)知事の話もありました。濁水のほうも、僕は昨年よりはだんだんだんだんよくなってきている、きれいになってきていると思っておりますし、今年の夏、川に入ってみますと、高時川漁業組合の辺、丹生川漁業組合の辺にもアユがたくさん見られました。ただ、私の私見なんですが、やっぱり川の藻とかが濁水の小さな粒子によって石の上についてしまっているので、アユがそれを食べなくて、ちょっと成長度に関してはちょっとまだ疑問な部分もあります。これはもう専門家の方々が詳しいと思いますし、よくはなってきていると思いますので。
ただし、高時川に注ぐ5河川にある土砂の数量というのも、ある程度分かっていただいていると思いますが、今後、少しの雨でもまだまだたくさんこの高時川に流入するおそれもある。そこら辺も今後の対策会議には入れていただいて、早期の対策部分、そして、柔軟的な、時間がかかるけれども、根本的な対策という部分は分けて、今後、しっかりとした濁水対策をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(奥村芳正) 以上で、22番柴田清行議員の質問を終了いたします。
以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。
明29日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時12分 散会
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