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  1. 愛知県議会 2016-02-01
    平成28年2月定例会(第8号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成28年2月定例会(第8号) 本文 2016-03-10 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 77 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長(横井五六君) 選択 2 :  ◯議長(横井五六君) 選択 3 :  ◯十九番(河合洋介君) 選択 4 :  ◯警察本部長桝田好一君) 選択 5 :  ◯十九番(河合洋介君) 選択 6 :  ◯十九番(河合洋介君) 選択 7 :  ◯議長(横井五六君) 選択 8 :  ◯四十三番(藤原宏樹君) 選択 9 :  ◯企業庁長中野幹也君) 選択 10 :  ◯議長(横井五六君) 選択 11 :  ◯二十番(日比たけまさ君) 選択 12 :  ◯建設部長市川育夫君) 選択 13 :  ◯二十番(日比たけまさ君) 選択 14 :  ◯議長(横井五六君) 選択 15 :  ◯十四番(わしの恵子君) 選択 16 :  ◯建設部建築局長(尾崎智央君) 選択 17 :  ◯十四番(わしの恵子君) 選択 18 :  ◯議長(横井五六君) 選択 19 :  ◯四十九番(島倉誠君) 選択 20 :  ◯警察本部長桝田好一君) 選択 21 :  ◯四十九番(島倉誠君) 選択 22 :  ◯議長(横井五六君) 選択 23 :  ◯八十九番(小島丈幸君) 選択 24 :  ◯建設部建築局長(尾崎智央君) 選択 25 :  ◯議長(横井五六君) 選択 26 :  ◯六十二番(いなもと和仁君) 選択 27 :  ◯企業庁長中野幹也君) 選択 28 :  ◯議長(横井五六君) 選択 29 :  ◯六十三番(飛田常年君) 選択 30 :  ◯建設部長市川育夫君) 選択 31 :  ◯議長(横井五六君) 選択 32 :  ◯三十五番(西久保ながし君) 選択 33 :  ◯警察本部長桝田好一君) 選択 34 :  ◯三十五番(西久保ながし君) 選択 35 :  ◯四十一番(石塚吾歩路君) 選択 36 :  ◯議長(横井五六君) 選択 37 :  ◯議長(横井五六君) 選択 38 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 39 :  ◯六十四番(堀嵜純一君) 選択 40 :  ◯建設部長市川育夫君) 選択 41 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 42 :  ◯三十六番(小山たすく君) 選択 43 :  ◯教育長(野村道朗君) 選択 44 :  ◯三十六番(小山たすく君) 選択 45 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 46 :  ◯七十六番(富田昭雄君) 選択 47 :  ◯県民生活部長(川島毅君) 選択 48 :  ◯七十六番(富田昭雄君) 選択 49 :  ◯県民生活部長(川島毅君) 選択 50 :  ◯教育長(野村道朗君) 選択 51 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 52 :  ◯七十八番(高木ひろし君) 選択 53 :  ◯教育長(野村道朗君) 選択 54 :  ◯七十八番(高木ひろし君) 選択 55 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 56 :  ◯五十二番(市川英男君) 選択 57 :  ◯教育長(野村道朗君) 選択 58 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 59 :  ◯三十一番(犬飼明佳君) 選択 60 :  ◯教育長(野村道朗君) 選択 61 :  ◯三十一番(犬飼明佳君) 選択 62 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 63 :  ◯五十三番(柴田高伸君) 選択 64 :  ◯警察本部長桝田好一君) 選択 65 :  ◯五十三番(柴田高伸君) 選択 66 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 67 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 68 :  ◯教育長(野村道朗君) 選択 69 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 70 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 71 :  ◯四十一番(石塚吾歩路君) 選択 72 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 73 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 74 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 75 :  ◯四十番(須崎かん君) 選択 76 :  ◯副議長(杉浦孝成君) 選択 77 :  ◯副議長(杉浦孝成君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長(横井五六君) おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 第一号議案平成二十八年度愛知県一般会計予       算から第六十四号議案包括外部監査契約の締結       についてまで及び第八十六号議案教育委員会教       育長の選任について 2: ◯議長(横井五六君) 第一号議案平成二十八年度愛知県一般会計予算から第六十四号議案包括外部監査契約の締結についてまで及び第八十六号議案教育委員会教育長の選任についてを一括議題といたします。  この際、第一号議案平成二十八年度愛知県一般会計予算のうち第一条中歳出第九款建設費から第十五款予備費まで及び第二条繰越明許費から第六条歳出予算の流用まで並びに第二号議案平成二十八年度愛知県公債管理特別会計予算から第六十四号議案包括外部監査契約の締結についてまで及び第八十六号議案教育委員会教育長の選任についてに対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  河合洋介議員。 3: ◯十九番(河合洋介君) 皆さん、おはようございます。  それでは、私からは、歳出第十款警察費第二項警察活動費のうち、サイバー犯罪対策、サイバーセキュリティー施策についてお伺いをいたしたいと思います。  サイバー空間における犯罪やサイバー空間を利用、仲介して発生する犯罪は、年々高度化しており、複雑化もしており、被害状況も複雑、多様化をいたしております。  サイバー犯罪と一言で呼ばれておりますが、コンピューターネットワークを利用した犯罪とコンピューターまたは電磁的記録を対象とした犯罪とに分類をされております。  その中は、身近なものばかりでありまして、我々もふだんから利用するインターネット上で起こるさまざまなトラブル、インターネットバンキングやオンラインゲーム、ソーシャルメディアなどのアカウントの乗っ取りなど、あるいはネットオークションの詐欺やフィッシングの行為、あるいは成り済まし、ネット上での名誉棄損、音楽や新聞、雑誌などの無断掲載による著作権侵害や、今後は住基カード、あるいはマイナンバーなんかの個人情報の漏えいなどのトラブルも起こり得るのではないかと思われます。  ウイルスや磁気データの改ざんなどなど、例を挙げればいとまがありません。  ほかの質問でも出ておりましたけれども、スマホ教室など、県民生活部での取り組みやネットパトロール、あるいは学校裏サイト等、教育委員会による児童生徒向けの取り組みももちろん大切でありますけれども、今回は、取り締まったり、相談を受けたりする立場である愛知県警察本部の取り組みについてお聞きをしたいと思います。
     本予算案の中で、犯罪の起きにくい社会づくり推進費として一億六千七百五十万余りが計上されておる中に、サイバー空間の脅威に対する対処能力の向上とあります。警察活動の充実のうち、生活安全警察活動費四千七百四十三万円余の中にもサイバー犯罪対策の推進とございます。  そこで、まず初めに、昨今の事例も含め、サイバー空間の脅威のうち、サイバー犯罪に対する愛知県警本部としての現状認識をお伺いしたいと思います。  二〇一四年の十一月、国は、サイバーセキュリティ基本法を制定いたしまして、その翌年、昨年の二〇一五年九月には、サイバーセキュリティ戦略を閣議決定されました。その中で、サイバー空間に対してさまざまな定義、そして、その対応についても、さまざまな指針、戦略が制定をされております。  そのサイバーセキュリティ戦略の中で、サイバーセキュリティー人材の育成や組織能力の向上が明確にうたわれてもおります。しっかりとした知識や高いリテラシーを持つことがトラブルからの防御策になることは明らかでありまして、皆様方それぞれ御自身や御家族、そしてまた、お仲間、我々であれば支援者からの相談も多いかと思いますが、被害者にならないようにというのはもちろんのことでありますが、場合によっては、無意識のうちに加害者になってしまっておる場合もありますし、もしかしたら犯罪者になってしまっておる場合では困ってしまいます。  サイバーセキュリティーを意識していない利用者は、被害を受けるばかりか、みずからが加害者となる危険性をはらんでいると戦略の中でも示されております。  しかし、きちんとした知識やリテラシーを持っていないと、そんなことが実際に起こり得るのが現状ではないでしょうか。  スマートフォンやタブレット型端末を所有し、それらを使い、仕事や生活、こういったことが当たり前の時代になっております。インターネットを使った買い物、支払い、データの受け渡し、SNS等による自己表現も、子供から大人、高齢者に至るまで、当然のごとくサイバー空間を利用しておるのが現実であります。  もはや生活の一部となっておりますそのサイバー空間は、実際の実空間と同様に、そのルールやトラブルの可能性、ケース、対処法などをしっかりと学ぶことが大変重要であると思います。  例えるなら、交通ルールを知らずに車を運転するようなもので、インターネットリテラシーが低い状態でサイバー空間を利用するなんていうのは大変恐ろしい状況、状態にあると言ってもいいと思います。  ベーシックな、基本的なサイバー知識やリテラシーが欠如しておると、さまざまな問題が起こります。昨今、役場の職員や教員など、公務員によるサイバー犯罪も珍しくありません。取り締まる側の警察官もなおさらだと思います。公務員、我々議員ももちろんでございますが、こういう低いリテラシーでは県政に影響が出てしまうのではないでしょうか。  サイバーセキュリティ戦略の中では、目指すべきサイバー空間を定義づけておりまして、それは個人や組織を問わず、あらゆる主体がサイバーセキュリティーに対する認識を深め、各主体の協力的かつ自発的な取り組みを通して、その脅威に対処できる安全な空間でなければならないとしております。実空間とサイバー空間とのしっかりとした認識が必要であると示されております。  また、その中で、政府機関に限らず、重要インフラ事業者、企業、個人といった全てのサイバー空間に関するステークホルダーが、利害関係者がサイバーセキュリティーにかかわるビジョンを共有し、役割、責務を果たし、努力する必要があるともうたってあります。  実際に、さきに申し上げましたとおり、サイバー空間に起因をして、国民の個人情報や財産を初め、実生活に影響を及ぼす事例が頻繁に報告をされ、被害が深刻化しておる状況があります。国民、社会を守るため、サイバー空間を構成する機器やサービス、アプリケーションなど、利用環境が安全、安定的に提供されることが不可欠であると、主に提供者である民間事業者に向けての指針を示すと同時に、その利用者に対して欠かすことのできない努力としてみずから進んで意識、そして、リテラシーを高め、主体的に対策に取り組むことを求めております。  加えて、取り締まる側、警察組織に対しても、悪意ある振る舞いなど、脅威の無効化のために犯罪脅威への対策を積極的に強化する、サイバー犯罪への対応も急務であると戦略の中では示されております。  警察としての取り組みの具体的な方策としては、サイバー犯罪への悩みや不安に関する相談に応じられるサイバーセキュリティー人材を育成することに加え、サイバー空間でのルールについて、普及啓発活動を活性化するとあります。  加えて、実空間と同様に、サイバー空間においても法令に従って適切に取り締まると同時に、サイバー空間において、今後起こり得る新たな手口にも対処できるようにするため、犯罪対処能力、捜査能力の向上が不可欠であるとしてございます。  そこで、愛知県警本部にセキュリティー人材育成、技術の向上、組織強化の観点からお伺いをしたいと思います。  全ての警察官がベーシックなウエブ知識、サイバー知識や高いインターネットリテラシーはもちろんのこと、サイバー犯罪の手法、手口など、共通認識として捉えていく必要があると思いますが、今回のサイバー犯罪対策予算の中にどのように反映をされているか、お伺いをしたいと思います。  続けてお伺いをいたしますが、今後も高度化、複雑化していくであろうと予測されるサイバー犯罪に対し、愛知県警本部としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。  以上、御答弁願います。 4: ◯警察本部長桝田好一君) 初めに、サイバー犯罪の現状についてお答えいたします。  情報通信技術の進展とともに、サイバー空間では次々と新たなサービスや技術があらわれており、その利便性が向上している反面、これらを悪用したサイバー犯罪の手口も日々新たなものが出現している状況にあります。  そういった状況の中、県内の情勢について申し上げますと、まず、サイバー犯罪の検挙状況につきましては、他人のID、パスワードを無断で使用して不正にコンピューターを利用する不正アクセス事件のほか、ネットワーク利用に係る詐欺事件、著作権法違反事件など、昨年中三百二十二件を検挙したところでありますが、前年より六十七件の減少となっております。  次に、インターネットバンキングの不正送金事犯につきましては、昨年中五十二件が発生し、前年より件数は六十九件減少したところでありますが、被害額は前年より約二千万円ふえまして、二億百四十万円に上っております。なお、全国では被害額が三十億円を超えるなど、憂慮する状況にあります。  さらに、サイバー犯罪等に関する相談件数は、前年より七十八件減少したものの、昨年中六千三十四件と高水準で推移し、ショッピング偽サイト利用に係る悪質商法など、身近に不安を感じる相談が大半を占めている状況にあります。  そのような中、昨年は、警視庁等と合同でインターネットバンキングに係る不正送金事案に関し、不正アクセス事案の犯罪インフラとなっている、いわゆるプロキシサーバーと呼ばれる中継サーバーの事業者二人とプロキシサーバーの設置者を検挙したところでもあります。  次に、人材育成、技術向上についてお答えいたします。  人材育成、技術向上につきましては、全警察官を対象とした講義の実施、あるいはサイバー捜査検定試験の実施など、全警察官のスキルアップに向けた取り組みを積極的に推進するとともに、捜査担当者を対象に、民間企業における研修やインターネット環境を利用した実践型教養の実施等により、一層高度な技能の習得を図っているところであります。  平成二十八年度は、県警察サイバー犯罪対策課内に研究研修センターを新設することとし、サイバー空間で実証可能な実験環境や研究用解析ソフトの整備などをお願いしているところであります。  同センターの設置によりまして、最新の情報通信技術の掌握、サイバー犯罪に関する情報の集約と分析、新たなサイバー犯罪に対する捜査手法の研究をより一層推進し、新たなサイバー犯罪の手口に迅速に対応することを目指しているところであります。  最後に、今後のサイバー犯罪に対する取り組みについてお答えいたします。  今後も高度化、複雑化していくサイバー犯罪に的確に対処していくためには、サイバー空間における変化を掌握し、サイバー犯罪に対する対処能力を高め、新手のサイバー犯罪を取り締まっていくことが不可欠であります。  そのため、県警察では、昨年十二月、最新のサイバー犯罪の手口や動向等のサイバー空間における情報収集、分析機能の強化、サイバー犯罪の積極的な取り締まりや県民の犯罪被害防止対策の促進など、サイバー空間の脅威に立ち向かう社会全体の意識の向上、警察部門間の連携強化や人的・物的基盤の強化の三つを柱とする愛知県警察サイバーセキュリティ戦略を制定したところであります。  今後は、この戦略を着実に実施し、高度化、複雑化するサイバー犯罪に的確に対処し、安全で安心なサイバー空間の確保に全力を注いでまいります。  以上です。 5: ◯十九番(河合洋介君) 御答弁を賜りました。本部長、ありがとうございます。  お話を今お聞きするに、検挙数や相談数は若干減少傾向にはあるけれども、内容的に複雑、多様化、そして、恐らく高度化もしておるというお話でありましたので、引き続きさまざまな御対応を賜るというのはもちろんなんですが、そんな中、新年度からサイバー犯罪の研究研修センターですかね、呼称は、を設置されるというふうに今お聞きをしまして、大変心強いなというふうに思っております。  恐らく警察学校等でも、新任の警察官の方なんかには、こういったサイバー犯罪のベーシックなスキル等々の研修はあると思いますが、今現在御勤務されていらっしゃる全ての警察官の方への研修や、あるいは犯罪手口の研究等を一手に担う新しいセクションをつくられるということですので、大変期待をさせていただくところでありますし、その研修プログラムの内容にも、私個人としても大変興味があるところでありまして、実は、我々こういう議員としての仕事をやっておっても、知らない間に本当に自分のアカウントが乗っ取られて、例えば、自分の支援者にさまざまなメールなんかが送られてしまったり、あるいはSNSで、匿名でいろんな誹謗中傷も含め、さまざまな攻撃を受けたり、皆さんされていらっしゃる方は多いと思いますが、ぜひ我々議員も、やっぱり結構大事なことでして、議員として我々がよく理事者側に、例えばクラウドファンディングやってくれとか、あとはWi─Fiの設備をしっかりやってくれとか、ポータルサイトをつくったらどうだとか、SNSを使って県の情報をどんどん発信してくれとか言うのはいいんですけど、結局そこに潜むいろんなトラブルだとか、そういうベーシックな知識がない状態で提案なんかしたらもってのほかじゃないですか。ですので、やっぱり我々もリテラシーを高めていくという、リテラシーというのは、もちろん釈迦に説法ですが、識字率と日本語では訳されますけれども、正しく読み書きができる方法なんです。読み書きができるだけじゃだめなんです。正しく読み書きができる……     〔「質問しているのか。誰に言っておるんだ」と呼     ぶ者あり〕 6: ◯十九番(河合洋介君) (続) 済みません、申しわけないです。  ですので、ぜひそうした研修等々を我々議員や県の職員さんにもぜひ広げてやっていっていただけるとうれしいなというふうに要望させていただいて、加えて、高度化、多様化する犯罪事案、県民の皆様の不安を除くようにさまざまな取り組みをお願い申し上げて、大変僣越なことを申し上げまして、同僚の皆様方にもおわびを申し上げて、発言を閉じたいと思います。ありがとうございました。 7: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  藤原宏樹議員。 8: ◯四十三番(藤原宏樹君) 私からは、第十六号議案平成二十八年度愛知県用地造成事業会計予算に関連して、企業庁の臨海工業用地の企業誘致状況と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  これからのまちづくりを考えていく中で、人口の減少を大きな課題として捉えていかなくてはなりません。人口の流出を防ぎ、さらに、定住促進を進めていくために必要な要素としては、医療、教育の充実に並び、雇用の創出、働く場所の確保が重要であります。  そこで、本県企業庁は、産業の受け皿として、県外企業の新規立地や県内企業の移転、拡張のための用地を提供することにより、本県の産業振興と地域経済の活性化、雇用の創出に大きく貢献しているものと認識しております。  このうち、内陸用地については、私の地元である豊川大木地区を初め、最近開発した地区は、造成工事完了とともに完売となるなど、企業立地が順調に進んでいると聞いております。  一方、臨海用地は、工業用地のほか、埠頭用地、公園緑地、公共用地等の多面的な土地造成を行い、これまでに自動車、鉄鋼、木材、造船などのさまざまな業種が立地しているところであります。  豊川市内の臨海用地について申し上げますと、御津一区には一期、二期と二つに用地が分かれており、御津一区一期事業分は、マリーナ施設や金属加工業等が立地しており、完売となっております。また、御津二区についても、鉄鋼業や食品加工業等が立地し、順調に企業立地が進んでいるところであります。  こうした中で、現在、御津一区の二期事業分が分譲されておりますが、国道二十三号と東三河環状線に近接し、今後は埠頭も整備されることから、地元地域としても、優良企業の進出に大きな期待を寄せているところであります。  しかしながら、近年は、生産拠点の海外移転に加え、東日本大震災の影響により、企業は臨海部への進出に慎重な姿勢を示しており、臨海工業用地を取り巻く状況は非常に厳しいものがあると思われます。  現状としては、先日、ようやく一社、進出見込みがあると話は聞いておりますが、平成二十一年度の分譲開始以来、現在に至るまで企業進出は一社もなかった状況であり、依然厳しい状況であります。  このことは、内陸工業用地の分譲が好調に推移しているのとは対照的であり、臨海工業用地の企業立地促進には、高潮や津波に対する企業の不安を払拭する具体的な対応策が必要であると考えます。  関連して、現在、地元からは、御津一区と御津二区を結ぶ臨港道路東三河臨海線の早期整備が要望されております。私も、この道路と橋梁は、物流の効率化による産業活動の活性化を促進するだけでなく、災害時の避難・救助活動に重要なインフラとなるものであり、その早期整備が必要であると考えておりますので、担当部局において一層の御努力をお願いいたします。  さて、企業庁は、現在、東三河地域に多くの臨海工業用地を抱えていると伺っております。東三河地域の製造品出荷額等は、輸送用機械、プラスチック、食料品を中心に、二〇一四年は四兆七千億円、県内シェアは一割を超え、都道府県と比較しても、全国二十二位の京都府に匹敵する規模となっております。  東三河地域を支える三河港は、昭和三十九年に重要港湾に指定され、トヨタ自動車や関連企業の進出により自動車関連産業が集積しております。自動車輸出が増大するとともに、外資系自動車企業による自動車輸入とあわせて、日本有数の自動車流通港湾として発展を遂げており、一九九三年以降、完成自動車の輸入が金額、台数ともに日本一位となっております。  さらに、一昨年にはメルセデスベンツの輸入も再開し、国内で流通する輸入自動車の五割が三河港で陸揚げされるなど、日本一の輸入自動車港湾として確固たる地位を築いております。  また、当地域では、近年、三井化学や三菱商事によるメガソーラー発電施設が立地し、再生可能エネルギー事業の適地としても注目されており、今後も再生可能エネルギー関連企業の進出も期待されるところであります。  そこで、地域経済の活性化、雇用の創出を生んでいくために重要である企業立地について三点お尋ねいたします。  一点目は、臨海工業用地の最近の企業立地の状況と在庫状況についてお伺いいたします。  二点目は、企業立地が進まない御津一区の二期事業分について、高潮など企業進出に対する不安を取り除くため、具体的にどのような対策を講じられるのか、お伺いいたします。  三点目は、臨海工業用地の企業誘致に向けて、今後どのような取り組みを進めていくのか、お伺いいたします。  以上であります。 9: ◯企業庁長中野幹也君) 臨海工業用地の企業誘致の状況と今後の取り組みについて三点お尋ねをいただきました。  まずは、臨海工業用地の最近の企業立地の状況と在庫状況についてであります。  最近の企業立地の状況につきましては、東日本大震災以降の五年間で申し上げますと、田原一区、四区のメガソーラー事業の九十七・二ヘクタールのほか、四件八・八ヘクタールとなっております。  また、在庫状況としましては、衣浦港の臨海工業用地で五・一ヘクタール、三河港の臨海工業用地で九十九・九ヘクタールの合計百五ヘクタールとなっております。  次に、御津一区の二期事業分の高潮対策などについてであります。  企業庁におきましては、地元豊川市と連携し、高潮対策として、外周部を高さ一メートル、幅二十メートルの盛り土で囲う取り組みに来年度から着手を予定しております。これは、過去に発生した伊勢湾台風や平成二十一年の台風十八号の高潮にも対応できる高さであります。  また、津波につきましては、平成二十六年に県が公表いたしました南海トラフの巨大地震による浸水想定では、御津一区はほぼ浸水しない予測となっており、加えて、この高潮対策により津波に対する安全性がさらに高まるものと考えております。  現在、御津一区の二期事業分につきましては、議員お示しのように、企業から具体的な引き合いもいただいておりますので、企業庁としましては、今後高潮対策を進めることで、より企業が進出しやすい環境づくりに取り組んでまいります。  最後に、臨海工業用地の企業誘致に向けた今後の取り組みについてであります。  臨海工業用地への引き合いについては、東日本大震災以降大幅に減少しておりましたが、最近は景気の回復基調もあり、製造業や物流関連の企業、また、再生可能エネルギー関連企業からも具体的な引き合いをいただいております。  臨海工業用地のメリットとしましては、港に近接し、工業用水や特別高圧電力などの産業インフラが整備されていること、大規模な用地を比較的安価に確保できること、周辺に住宅がなく事業活動への制約が少ないことなどでございます。  企業庁といたしましては、これらのメリットをしっかりPRいたしますとともに、今後とも地元市と密接に連携を図りながら、積極的に企業誘致活動に取り組んでまいります。 10: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  日比たけまさ議員。 11: ◯二十番(日比たけまさ君) 私からは、歳出第九款建設費第一項建設管理費のうち、建設業担い手確保育成推進費について伺います。  地域社会を担う基幹産業である建設業は、現在、建設投資額の減少に伴う就業者の減少と高齢化という深刻な問題に直面しています。  具体的な数字であらわしますと、建設投資額は、平成四年の八十四兆円から平成二十六年は四十八兆円に、建設業就業者数は、平成九年の六百八十五万人から平成二十六年では五百五万人に減少しています。また、愛知県における建設業就業者数は、平成十四年の三十四万人から平成二十六年には二十七万人に減少しています。  特に、若者の建設業離れが目立ち始めており、建設業の年代別就業割合は、五十五歳以上が三四・三%と全産業平均よりも約六ポイント高くなっている一方で、二十九歳以下が一〇・七%と全産業平均よりも約六ポイント低くなっており、次世代への技術継承が大きな課題となっています。  さらに、他産業に比べても離職率も高い状態にあります。平成二十七年の愛知労働局の調査によりますと、高校卒業後三年目までの離職率が全産業平均三〇%に対し、建設業は四五%と高く、若年層への魅力発信と離職防止が喫緊の課題となっています。  要因として幾つか挙げられる中で、まずは何といっても処遇です。きつくて危険な仕事というイメージが強い建設業において、かつては他業種よりも高い賃金が魅力となり、若年労働者をつなぎとめる役割を果たしていました。  しかし、建設投資が減り続け、各社が生き残りのために受注価格を下げざるを得ない環境が生まれてしまった結果、そのしわ寄せは下請企業を直撃し、末端で働く方々の処遇がさらに悪化してしまいました。  技能労働者の年間給与は大幅に減少し、平成九年に平均で約四百三十八万円あった年間給与額は、平成二十一年には約三百五十七万円まで落ち込んでいます。  また、入職経路の整備が余り行われていない点も挙げられます。下請では多くの職人が活躍しておりますが、他業種と比べた場合、どのようにして職人になるのか、どうやってキャリアアップしていくのかといった部分が見えづらいと言われています。  さらに、他業種と比較した場合に、女性の活用がうまく行えていない建設業界の実態も指摘されています。就業者全体に占める女性の割合は一四%で、製造業の三〇%や販売・小売業の五一%と比べるとその少なさは明白です。  建設業は、私たちの生活と経済活動の基盤である社会資本の整備や維持管理といった経済の発展への貢献はもとより、地域にとっての地元業者は、災害時における緊急対応や復旧活動といった住民の安全・安心の確保に欠かすことのできない存在であります。  実際、私の地元春日井市においても、平成二十三年九月、台風十五号により市内を流れる八田川、地蔵川の越水、内津川の堤防斜面崩落、高座山での土砂崩れ等、複数箇所で同時に復旧対応が求められる緊急事態が発生しました。この際、市、県の職員、自衛隊による懸命な土のう積みに加わっていただいたのが地元の建設業者でした。  市が用意する土のうだけでは足りない中での地元業者による土のうの提供と作業協力、そして、急斜面での作業における建設業者の豊富な知識、経験による陣頭指揮があったからこそ被害の拡大が防げたと言っても過言ではありません。  もちろん、平時から防災訓練等への協力や有事に備えた体制整備など、市民における期待は非常に大きいこともつけ加えておきます。  建設業の課題の解決に向け、国では、平成二十六年六月、担い手三法と呼ばれる公共工事に関連する三つの法律、公共工事の品質確保の促進に関する法律、以下、品確法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、以下、入契法、建設業法が同時に改正されました。  主な改正点は、品確法においては、担い手の中長期的な育成・確保のための適正な利潤が確保できるよう、市場における労務、資材等の取引価格、施工の実態等を的確に反映した予定価格の適正な設定、入契法においては、ダンピング防止を入札契約適正化の柱に追加、建設業法においては、建設業者、建設業者団体、国土交通大臣による担い手の育成、確保の責務等となっています。  このように、建設産業の再生への目標が示され、発注者及び受注者の双方に担い手確保、育成の責務が明記されたことに加え、国土交通省が設置した建設産業活性化会議においては、総合的な人材確保、育成対策の推進が取りまとめられました。  こうした流れを受け、建設業担い手確保に関する各種取り組みを他県も展開し始める中、本県としても魅力ある施策の展開が求められるところです。  本県においては、今議会に公契約条例案の提出がなされました。条例案では、取引の実例価格を踏まえた適正な予定価格の算定や低入札対策を実施するとともに、都道府県では初の取り組みとなる事業者からの労働条件や安全衛生等も含む労働関係法令の遵守状況等について報告を求める内容となっており、地域経済を担う事業者の経営の安定と労働者が安心して働ける環境の整備に大いに期待が持たれるところです。  ぜひ最大の課題である労働者の処遇改善を図るとともに、若年労働者にキャリアアップがイメージできる環境、そして、女性が活躍できる環境の整備にもつなげていただきたいと思います。  そこでお尋ねします。  平成二十八年度新たに取り組む建設業担い手確保育成推進事業について、その目的、内容を伺います。
    12: ◯建設部長市川育夫君) 建設業担い手確保育成推進事業についてであります。  まず、事業の目的であります。  本県では、昨年十月に策定した愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略に建設業の新たな担い手の確保を図ることを位置づけております。このため、本事業は、社会インフラの整備や維持管理、災害時における復旧・復興を担う地元建設業への技術者、技能労働者の入職、定着の促進を図ることを目的に実施いたします。  次に、事業内容についてであります。  建設業は、入職から三年間の離職率が他産業に比べて高いことから、入職後三年未満の技術者、技能労働者を対象に、研修機関を活用した建設業の基礎的な技術、技能を修得する研修、施工管理技師などの資格取得に向けた研修並びに熟練の専門技能労働者を講師として招く鉄筋工や型枠工などの専門技能研修を実施することとしております。さらに、日常業務において、若年労働者を指導、教育する育成者の養成研修も実施いたします。  このような取り組みにより、若年労働者の知識、技術力の向上を図ることで、地元建設業への定着を促進してまいりたいと考えております。  また、新たな担い手を確保するため、建設業への入職に関心を持つ学生とその保護者や先生を対象に、建設現場見学会や意見交換会を開催し、建設業の魅力、やりがいなどを家庭や教育の場に発信するなど、新規雇用に向けた取り組みも実施してまいります。  あわせて、これらの取り組みの成果を新たな担い手確保に向けたマニュアルとして取りまとめ、建設業にかかわる関係者全体で共有するなど、地元建設業への人材が着実に確保、育成されるよう努めてまいります。 13: ◯二十番(日比たけまさ君) 御答弁いただき、ありがとうございました。  要望させていただきます。  報道によりますと、地方創生の実現に向けて、全都道府県が三月までに策定するまち・ひと・しごと創生総合戦略では、今、部長にも御答弁いただきましたが、愛知県も含めまして、二十七府県が地元建設業の担い手確保育成策を盛り込んでいるそうです。  例えば山形県では、本年度から県内企業で正社員として働く三十九歳以下の若手と全ての女性を対象に、コンクリートミキサー車など大型車両の運転免許取得にかかる費用を一人当たり最大八万円補助する事業を展開し、また、和歌山県では、県が発注する建設工事で県内業者が受注する割合、件数ベースを九八%とする高い目標を設定し、あわせて主任技術者に占める若手、女性の割合を一九年度までに現在の一〇%から一五%へと引き上げるため、建設業関連学科の新卒者や女性の雇用を入札参加資格審査で加点評価する取り組みを進めることを打ち出したとのことで、どこも若者と女性の入職、定着を図る施策に力を入れていることがうかがえます。  さて、私は、三月六日、連合愛知が主催する二〇一六春季生活闘争地域フォーラムに出席しました。このフォーラムに大村知事はパネリストとして参加され、地方創生の実現に向けては、中小企業の発展、そして、雇用の創出が欠かせない、愛知の活力を生み出すためにも、行政として現場の働きやすさをサポートしたいと力強く話されました。  さらに、県が四半期ごとに行う中小企業景況調査の直近の結果、これは平成二十七年十月から十二月期に当たりますが、ここで行政に求める今後強化すべき支援策として、人材確保支援が一位となった、これは調査開始以来初めてであり、それだけ人材確保が中小企業の急務であるというふうに認識しているとお話をされました。  そこで、私は、同調査の建設業における結果を調べてみると、行政に求める支援策の一位は人材確保支援、二位が人材育成支援、三位が雇用維持支援と全て人にかかわる支援策であり、加えて、平成二十五年七月から九月期の調査以降、全て一位が人材支援確保策であることを確認しました。それだけ建設業にとっては逼迫した問題であるんです。  ぜひ建設業が求めていた人材確保支援策にお応えいただくとともに、できれば一方的な周知にとどまらず、担い手本人にまで伝わるような周知、そして、本人のモチベーション向上につながる支援となりますよう要望して、質問を終わります。 14: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  わしの恵子議員。 15: ◯十四番(わしの恵子君) 質問します。  通告に従い、第一号議案平成二十八年度愛知県一般会計予算第九款建設費第九項住宅費及び第十二号議案平成二十八年度愛知県県営住宅管理事業特別会計予算に関連して、県営住宅の建てかえ及び維持修繕について伺います。  日本共産党愛知県委員会は、一昨年の二〇一四年十一月に県営住宅アンケート調査を行い、三十七団地の住民から四百九十一件の要望、意見をいただきました。  玄関ドアや排水管の塗装が剥がれてさびだらけ、ベランダの一部が崩落している、ベランダのさびがひどく布団が干せない、下水の排水が悪く逆流してくる等々です。この内容については、既に県の建設部に提出しているところです。  先日、私は、北区の辻町住宅と味鋺東住宅を視察しました。築三十四年以上の辻町住宅は、千十九戸のうち八%程度が空き家となっています。大規模改修もなく、玄関ドアはペンキが剥げ落ち、コンクリート部分はコケが生えていました。雨漏りはその都度対応していただいているそうですが、なかなか難しいようです。  入居者からは、子供たちが県営住宅に住んでいることを友達に言えないなど、悩みも出されました。  味鋺東住宅は、五階建てですが、エレベーターもなく階段の手すりもありません。入居者から要望があったところだけ設置するということで、一階の部分だけ手すりがついてもあとは全くついていませんでした。  県営住宅は、現在、五万九千戸管理されていますが、高度経済成長期に一気に建設されたために、築四十年以上の住宅が三五%、築三十五年以上の住宅が五〇%と老朽化が進んでいます。  愛知県公共施設等総合管理計画では、県営住宅の劣化や損傷が、異常が発生する前の軽微な段階での予防的な補修修繕や適切なタイミングでの大規模修繕を実施することにより、住宅の性能、機能を保持回復できると指摘されています。ところが、県は、財政確保が困難になったことを理由に大規模修繕を十分に行ってきませんでした。  なぜこんなことになっているのか、それは使用料、家賃の収入で住宅の修繕費用が賄われているからです。  そこで、使用料収入について調べてみました。一九九六年度の使用料収入は二百二十三億円でしたが、公営住宅法の改正で原価主義から応能応益制にかわり、ここ数年は年間百五十億円程度と減っています。ここ十数年来、管理戸数は六万戸前後とかわりませんが、経年とともに老朽化住宅がふえ、維持修繕費はふえていくのが当然だと思いますが、逆に減らされています。  二〇一六年度の維持修繕費は四十五億円ですが、一九九六年度の八十四億円からは半分近くまで減らされています。そんな中でも、先ほどのアンケートにもあったように、入居者の切実な声が届き、最近三年間は増額となっています。しかし、抜本的な増額が必要だと思います。  入居者が管理委託されている住宅供給公社を訪ねて修繕をお願いすると、必ず返ってくる返事は、危険を感じる緊急の事案には対応しますが、見ばえにかかわることは我慢してくださいと言われます。維持修繕費の大幅な増額が必要だと思います。そのためにも、一般会計からの繰入金は減らさずに増額すべきではないでしょうか。  そこで質問です。  第一に、ただいま県営住宅の問題点を幾つも挙げさせていただきましたが、抜本的な改善策は、県営住宅の建てかえを積極的に進めていただくことだと思います。県営住宅の建てかえについては、現在どのようになっているのか、また、今後どのように進めていくのか、伺います。  第二に、県営住宅の維持修繕費を大幅にふやすべきではありませんか。そのためには、一般会計繰入金を減らすのではなく増額すべきと考えますが、いかがでしょうか。  そして、先ほども述べたように、大規模修繕も行っていないため、塗装関係を初め損傷が激しく、放置されたままになっています。特に各戸の玄関ドアは、風雨や日照りにさらされ、塗装が剥げ落ちて哀れな状況です。  県が配付している入居者のしおりの中の入居者の費用負担義務についてには、建具はありますが、玄関ドアについては明記がありません。ところが、公社は、入居者個々で直してくださいというので、塗装の色がばらばらでもよいですかと聞くと、それはいけないと言われます。玄関ドアの塗りかえは、入居者の負担ではなく管理者が行うようにすべきと考えます。  そこで第三の質問ですが、県営住宅の入居者からは切実な問題として、玄関ドアの塗りかえは、入居者の負担ではなく管理者の負担で塗りかえできませんでしょうか。答弁を求めます。  以上です。 16: ◯建設部建築局長(尾崎智央君) 県営住宅について三点の質問をいただきました。  まず、県営住宅の建てかえの現状と今後の進め方についてでございます。  県営住宅は、高度成長期の昭和四十年代に約一万七千戸が建設されており、全体の約三分の一を占めております。これらの住宅は、建設後四十年以上が経過し、住戸が狭く、エレベーターの設置も困難なものが多いことから、順次建てかえを進めているところでございます。  建てかえ事業の実施に当たっては、空き家が多い住宅も見られますので、建てかえ前の入居状況を勘案し、必要な戸数を精査することで、事業期間の短縮や事業費の縮減を図り、全体事業の進捗を早めていきたいと考えております。  また、今年度は、民間の資金やノウハウを活用して、より低コストで良質な住宅を整備できないか検討してまいりました。  今後とも、建てかえに当たっては、民間活力の導入など、さまざまな手法を検討し、トータルコストの縮減を図りながら計画的な実施に努めてまいります。  次に、県営住宅の維持修繕費についてのお尋ねでございます。  県営住宅を長期にわたって適切に維持管理していくためには、大規模改修や予防保全的な修繕を計画的に進めていくことが重要であると考えております。このため、昭和五十年代前半に建設された住宅を対象に、建物全体の大規模改修を行う長寿命化改善を順次進めております。  また、エレベーターの巻き上げ電動機などの部品の取りかえや安全装置の設置などの改修工事を順次実施しているところでございます。  一方、予防保全的な修繕につきましても、住宅ごとの個々の状況に応じて外壁やベランダ手すりの計画的な修繕に取り組むとともに、平成二十八年度には新たに給水設備について、加圧給水方式への切りかえを進めていくこととしております。このため、平成二十八年度予算では、前年度予算を約一億七千四百万円上回る四十五億三千五百万余円の維持修繕費を計上しております。  なお、平成二十八年度予算での一般会計繰入金の減少は、公債費の減少に伴うものであり、必要な維持修繕費については確保しております。  今後も、維持修繕費の効果的な執行に努め、県営住宅の適切な維持管理を行ってまいります。  最後に、玄関ドアの塗装塗りかえについてでございます。  県営住宅の修繕につきましては、退去に伴い実施する空き家修繕、外壁や手すり、給水設備などの共用部分を予防保全的に修繕する計画修繕、水漏れなどの緊急対応や階段の手すり設置などの小規模修繕を実施する一般修繕がございます。  玄関ドアにつきましても、ドアの開閉を制御するドアクローザーや丁番が破損するなど、生活に支障を来すような場合には、一般修繕により速やかに破損箇所の取りかえを行っております。  一方、玄関ドアの塗装塗りかえにつきましては、県営住宅条例や賃貸借契約書で入居者負担としている建具の修繕に該当いたしますので、御理解をいただきますようお願いをいたします。 17: ◯十四番(わしの恵子君) 答弁をいただきました。玄関ドアについては、本当に何とか公費でお願いをしたいと思います。  そして、公営住宅ですけれども、住まいの憲法第二十五条だと思います。安全で最低限度の文化的な生活を営めるようにしていただきたいと強く願います。  応募倍率が平均四倍という現状の中、建てかえを大いに進めることを初め、住宅の補修修繕にも力を入れて、募集戸数を抜本的にふやしていただくことを強く要望して、質問とさせていただきます。 18: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  島倉誠議員。 19: ◯四十九番(島倉誠君) 私からは、第一号議案平成二十八年度愛知県一般会計予算のうち、歳出第十款第二項警察活動費中交通安全施設整備費についてお伺いをいたします。  本県の交通事故死亡者数は、十三年連続で全国ワーストワンという大変不名誉な記録を更新中であります。この件につきましては、今定例会で我が党の神野団長からも代表質問がなされ、その中で、昨年の死亡事故者数二百十三人のうち、約六割に当たる百二十二人が六十五歳以上の高齢者であり、また、約二割の四十七人が自転車利用者、さらには、約五割に当たる百四件が交差点での事故とのことでした。  本県では、これまでにも交通事故死者数全国ワーストワン返上への取り組みを大村知事、県警本部長を先頭に、県警察を初め、関係各部が連携し、各地域で機会を捉えての啓蒙啓発や講習会の開催、町なかでの指導や取り締まりの強化、ハード面では、信号機のLED化、道路標識や標示の更新、さらには、信号機の歩車分離化やカラー舗装化など、総力を挙げて取り組んでまいりました。  結果は、平成二十六年と比べ、人身事故件数は三・八%、負傷者数は三・七%減少したものの、死亡事故者数は、冒頭申し上げたとおり、残念ながら十四件、九人増となってしまいました。  ことしも、昨日までの速報値では、人身事故件数七千六百四十九件、前年比五百三十五件の減少、死亡事故者数四十人、前年比マイナス一名と減少はしていますが、死亡事故者数は茨城県とともにワーストワンであり、ワーストワン返上に向けて、さらに気を引き締め取り組んでいくことが大切と考えます。  そこで、交通施設整備費について幾つか伺ってまいります。  初めに、信号機の新設費であります。  信号機の新設には、新たに供用開始される道路に設置されるものと既設道路に設置されるものがあります。新設供用の場合は、事前に道路管理者と県警察が予測される交通量に基づいて協議をし、必要性に応じて設置されます。  一方で、既設道路に新たな信号機が設置される多くの場合は、地域からの要望であり、各地の自治会や市町村を通じて所轄の警察署に上げられ、それぞれの署員が現地を確認、道路形態や交通量などを調査し、危険度や設置基準に合致しているかなどを判断し、県警本部に上げ、設置するべきか否か決定をしています。  ちなみに、平成二十八年度の設置分として各署より上がった信号機の設置要望は八十七カ所と伺っています。  信号機の設置予算は年々減少し、平成二十五年度は約一億五千七百万円、設置基数は七十二基でありましたが、平成二十八年度予算額は約六千七百万円、設置予定基数は二十九基であり、平成二十五年度と比較すると予算ベースで四二・八%、基数ベースで四〇・二%となっており、著しく減少をしております。  既設道路への信号機の設置については、死亡事故が起こらないと設置できないのかと多くの県民の方から言われることがありますが、平成二十八年度は、新たに供用開始される道路への設置基数を考えれば、これからは死亡事故があっても信号機は設置されませんと言わなくてはならないのかと大変危惧をいたします。  維持管理費など今後の課題もありますが、信号機の設置についてしっかりと予算化し、必要な場所には確実に設置していくべきと考えますが、このことに対する見解をお伺いいたします。  次に、信号機のLED化について伺います。  信号機のLED化の効果は、西日等の影響により信号機が点灯しているかのように見える疑似点灯現象が発生せず、視認性がよく交通事故抑止効果が高いことや、従来の電球式と比較して電球の長寿命化や消費電力が少ないことにより維持管理コストの削減ができるなど、メリットがあります。  平成二十六年度末の本県のLED化率は三九・二%と、全国平均の四五・五%を大きく下回っている状況であります。平成二十七年度に予定されているLED化を全て終えると、LED化率は四二・七%になると承知していますが、他府県でも信号機のLED化を積極的に推進していることを考えれば、平成二十八年度当初予算案で計上されている五千百七十五灯のLED化を完了したとしても、全国平均には満たないのではと推察いたします。  十三年連続で交通事故死者数全国ワーストワンを返上するためには、まずは、全国平均に追いつき、さらに可能な限り早期に全ての信号機のLED化を実現すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。  三点目に、県警本部は、交通安全施設整備にさまざま取り組んでおられることは十分承知もしていますし、限られた予算の中では、交通安全施設を整備していくのにも限界があることも理解をいたします。  しかしながら、冒頭で申し上げたとおり、交通事故を減少させていくことは本県にとっては喫緊の課題でもありますし、全ての県民の願いでもあると思っています。そのためには、従来どおりの取り組みにとらわれることなく、新たな発想と視点も取り入れ、進化させていくべきと考えます。  例えば、道路標識の部材を現在の鉄製からFRPなどに変更し、コストダウンを図りながら整備する手法なども検討する価値があるのではと思います。  また、誤解を恐れずに言えば、本県に九百基を超える一灯点滅式の信号機があると伺っています。いわゆる生活道路でよく見られる赤と黄色の点滅信号機です。これは交差点において一時停止等を意味するものですが、今では道路標識の改良によって視認性も以前と比較し、かなり向上し、一灯式の信号機を廃止して、一時停止の交通規制や交差点部分の道路をカラー舗装化することで、その役割を十分に果たすことができるのではと考えます。  また、バイパス道路などが新たに供用開始されたことによって、それまでの既設道路の交通量が著しく減少するなどした場合は、既設の信号機や標識を見直すことで維持管理費を削減し、他の整備に向けていくことも考えられます。もちろん、その際には地域の住民にしっかり説明をし、理解を得ることが大前提ではあります。  そこでお尋ねいたします。  昨年度末、県内の一灯点滅式信号機は九百十一基あり、ただいま申し上げたような、これにかわる取り組みをスタートしていると伺っていますが、その取り組み状況はどのようになっているのか、あわせて、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 20: ◯警察本部長桝田好一君) まず、信号機の新設についてお答えいたします。  信号機の設置につきましては、警察庁の信号機設置の指針に基づき、交通量や道路構造から必要性等を判断しているところであります。  平成二十八年度につきましては、警察署から要望がございました八十七カ所について現場調査を実施した結果、交通量が少なく信号機を設置することにより信号無視を誘発するなど、交通の安全と円滑に支障を及ぼすおそれのある場所のほか、道路幅員が狭く信号柱を立てる場所がないものでありますとか、歩行者が安全に信号待ちをできる滞留場所がないなど、物理的に信号機の設置が困難な場所が認められました。  平成二十八年度は、これらの場所を除く設置条件が整った場所二十九カ所全部につきまして、当初予算に計上させていただいているところであります。  次に、信号灯器のLED化の推進についてお答えいたします。  LED信号灯器は、明るく視認性の確保に有効であり、交通事故の抑止効果が認められますほか、球切れの心配がない、消費電力も少なく、維持費も安いなどの数々のメリットがございます。  議員お示しのとおり、当県におきましては、信号灯器のLED化率が全国平均を下回っておりますが、平成二十七年度は平成二十六年度よりも千五百八十六灯多い四千九百三十灯の事業量をお認めいただき、整備を進めているところでございます。  また、平成二十八年度につきましては、それよりも多い五千百七十五灯をお願いしているところであり、LED化のペースを上げて、平成二十八年度末におけるLED化率は四六・三%となる見込みであります。  信号灯器のLED化は、地域住民の皆様の要望を踏まえながら、西日対策が必要な交差点や交通事故多発交差点のほか、老朽化が顕著な信号灯器を重点的に行っているところであります。  今後も引き続き積極的な整備を推進し、信号灯器のLED化を一層進めてまいりたいと考えているところでございます。  最後に、一灯点滅式信号機についてお答えいたします。  当県におきましては、平成二十六年度末現在で、全国で二番目に多い九百十一基の一灯点滅式信号機を有しておりますが、近年は、視認性の高い一時停止規制の道路標識を導入するなどにより、一灯点滅式信号機の優位性は薄れてきているところでございます。  加えて、現場の状況に応じて道路管理者によるカラー舗装等の安全対策を講じることでより一層視覚に訴えることもできます。  一方、議員お示しのとおり、一灯点滅式信号機の一時停止規制への切りかえは、電気代や信号柱等の更新に必要な費用の削減を図ることができます。また、災害等の停電時においても、交差点機能を維持することができるといったメリットもあると考えております。  そこで、現在、このような一灯点滅式信号機の切りかえを積極的に推進しているところであり、その結果、平成二十六年度は十二基の一灯点滅式信号機を切りかえ、平成二十七年度は五十一基を切りかえる予定であります。  今後も、地域住民の方々の御理解をいただきながら、こうした対策を推進してまいりたいと考えているところでございます。 21: ◯四十九番(島倉誠君) ただいま答弁いただきました。それを踏まえて、少し要望させていただきたいと思います。
     まず初めに、信号機の設置についてでありますが、物理的に困難な場所もあるというようなお話でありましたので、そういったところは別といたしましても、やはり必要な箇所にはしっかりと今後、管内流用も含め、また、補正予算等の対応など、臨機応変に対応して設置をしていただきたいというふうに思います。  次に、信号機のLED化でございますが、四六・三%になるということでありますが、一日でも早く全国に追いつくことはもちろんでありますが、やはり他府県をリードするような愛知県にぜひともなっていただくよう努力をしていただきたいと思います。  また、今回質疑では取り上げませんでしたが、道路標識及び道路標示の整備でありますが、来年度四億九千二百七十万円余、一万一千三百六十九本、道路標示では十二億円余をかけ、三千二百三十八キロの整備を計上されていますが、それぞれ過去三年間の更新必要事業量に対する充足率は五〇%にも満たしていません。この点についてもしっかりと対応していただくよう要望させていただきます。  また、そのためには、やはり限られた予算を効率よく執行していく必要があると思います。道路標識のFRP部材の導入検討や、代替処置で安全が確保される交通安全施設など、設置にかかる費用や維持管理コスト低減にも努力をされ、交通安全確保に引き続きしっかりと努めていただくようお願いをいたします。  今回は、交通安全施設整備費について質疑をさせていただきましたが、命にかかわる大切なことでもありますので、交通安全施設全般のさらなる向上を目指して取り組んでいただくよう強く要望して、終わらさせていただきます。 22: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  小島丈幸議員。 23: ◯八十九番(小島丈幸君) 私からは、最初に、第九款建設費第九項住宅費第一目住宅総務費のうち、民間建築物耐震改修費補助金などについて伺います。  未曽有の被害をもたらした東日本大震災から間もなく五年が経過しようとしております。  本県においては、この五年の間に震災から得られた教訓を踏まえ、地震防災対策の行動計画となる第三次あいち地震対策アクションプランや、大規模自然災害のリスクに備える愛知県地域強靱化計画を策定し、さまざまな対策が進められております。  今後三十年以内に七〇%の確率で発生すると予測される南海トラフ地震は、県内の建築物の倒壊に伴う死者数が約二千四百人、さらに、建築物の倒壊等により逃げることができず浸水、津波に巻き込まれて亡くなる方が約八百人と想定されております。地震による想定死者数約六千四百人のおよそ半分は、建築物の倒壊等によるものと予測されていることから、建築物の耐震化を進めることは、地震による減災対策としてのさまざまな対策の中で特に重要なものであります。  建築物の耐震化の促進については、我が党としても、本会議の場においてたびたび質問をし、住宅については、無料耐震診断の実施や耐震改修費補助制度の拡充などにより促進を図っていること、民間建築物については、平成二十五年十一月の耐震改修促進法の改正により、診断の義務づけをした建築物に対する耐震診断費補助制度の拡充や耐震改修費補助の創設などにより促進を図っていることなどを答弁していただいております。  そこで、私からは、民間建築物のうち、診断が義務づけされた建築物の耐震化の促進について、二点質問をいたします。  診断が義務づけされた建築物のうち、不特定多数の方が利用する大規模な店舗、病院やホテル、旅館などは、昨年の十二月末までが診断結果の報告期限とされております。耐震改修促進法の改正施行が平成二十五年十一月二十五日であるので、報告期限までに約二年しかなかったわけでありますが、期限までに全ての建築物の報告がされているのか、気になるところであります。  さらに、診断結果については公表されると聞いております。公表によって、建築物の耐震性をその建築物を利用されている方々にお知らせすることは大切なことである反面、公表されているものは耐震性がわかるが、されていないものはわからないわけであります。公表されないものであっても、いわゆる新耐震基準でつくられたものなどは耐震性が確保されているわけなので、公表に当たっては、そうしたことをきちんとお知らせすることが重要と考えます。  また、公表時期についても、県内の行政庁や近隣県と合わせることなどによって、公表される側にとってできるだけ公平性が保たれるようにする必要があると考えます。  そこで、一点目の質問ですが、昨年十二月末までに診断結果の報告が必要である建築物の報告状況及びその公表はどのように行われるのか、伺います。  次に、耐震化の促進についてでありますが、診断結果を公表することで耐震化が進むわけではなく、公表を契機として、耐震性が不足している場合は、耐震改修工事等を行っていただくことが必要なわけであります。  しかしながら、耐震性が不足している建築物を所有している方にすれば、改修工事を行うにしても、資金の調達や工事中の営業継続の問題など、営業活動上少なからず影響を受けることになり、なかなか踏み切れないのではないかと考えます。  他方、県を初めとしたいわゆる所管行政庁は、耐震性が不足している建築物の把握ができるわけでありますから、耐震化の促進を図る絶好の機会であると言えます。  例えば、昨今、外国人旅行者の増加などにより利用者がふえているホテル、旅館や大規模な商業店舗などにおいては、この機会にこそ耐震改修等に取り組んでいただけるような行政の取り組みが必要だと考えます。  そこで、二問目として、耐震診断結果の報告を受け、耐震性が不足している建築物の耐震化の促進に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、伺います。  次に、第十二号議案平成二十八年度愛知県県営住宅管理事業特別会計予算のうち、歳出第一款県営住宅管理事業費第一項県営住宅管理費について伺います。  県営住宅では、入居者の高齢化が進んでいることから、デイサービスや訪問介護を利用している入居者がたくさん暮らしておられます。また、お子さんやお孫さんが親や祖父母の様子を見るために車で県営住宅を訪れることも多くあります。  県営住宅の駐車場は、入居者本人か同居の親族がみずからの車のために借りることが原則であります。ただし、六十歳以上の高齢者、身体障害者、母子・父子世帯であれば、世話をするために通う親族や訪問介護員が駐車場を必要とするときにも借りることができることとなっております。  しかしながら、毎日使用するわけでもないのに介護に来てくれる人などの駐車場を月々の駐車場料金を払ってまで借りる入居者は少ないとお聞きをしております。  こうしたことから、私は、平成二十六年二月定例県議会の議案質疑において、デイサービスの送迎や訪問介護の車が利用するための介護者専用駐車場を整備すること及びコインパーキング事業については導入できないかについて質問をいたしました。  建築担当局長から、介護者専用駐車場については、順次整備を進めていること及びコインパーキング事業については、導入に向け検討していきたいとの前向きの答弁をいただきました。  そこで、第一に、県営住宅における介護者専用駐車場の現在の整備状況について伺います。  次に、県営住宅でも、高齢化等から車を持たない入居者がふえて、空き駐車場が多くなっていると聞いております。  そこで、県営住宅駐車場の空き区画をコインパーキングとして利用、活用することは、県営住宅の来訪者の利便性を向上させるとともに、県営住宅周辺の路上駐車対策としても有効であると考えます。  そこで伺います。  今年度、名古屋市瑞穂区の県営中山住宅でコインパーキング事業が導入されたと聞いておりますが、その状況と今後どのように取り組まれていくのか、伺います。  以上です。 24: ◯建設部建築局長(尾崎智央君) 民間建築物の耐震化につきまして、まず二点お尋ねいただきました。  まず、耐震診断結果の報告状況とその公表方法についてでございます。  大規模な店舗、病院やホテル、旅館など不特定多数の方が利用する建築物につきましては、耐震診断の結果を昨年十二月末までに県や名古屋市など、所管行政庁へ報告することとなっておりました。積極的に診断を行っていただいた結果、若干報告期限に間に合わなかったものもございますが、二月末までに県が所管するもので二百二十八棟、県内全所管行政庁合わせて四百九十五棟の報告がありました。まだ数棟未報告のものもございますので、早急に報告するよう指導しているところでございます。  診断結果の公表につきましては、法令や国のガイドラインに基づき、建築物の名称、所在地、耐震性の度合いがわかる指標、耐震改修や除却等の予定の各項目について、用途ごとに取りまとめ、公表することとしております。  議員御指摘のとおり、公表の対象となっている建築物は、昭和五十六年五月以前の旧耐震基準により建築されたものに限られておりますので、公表にあわせてその旨をしっかり周知してまいります。  また、公表の時期につきましては、現在、県内の他の所管行政庁や近隣県などと同時期に公表できるよう調整を進めているところでございます。診断結果の公表に当たりましては、できるだけ公平性が保たれるよう、公表の内容や時期について十分配慮してまいりたいと考えております。  次に、建築物の耐震化の促進に向けた取り組みについてでございます。  耐震診断の結果、耐震性が不足している建築物の耐震改修につきましては、国や市町村と協調して改修費用の四四・八%を補助する制度を平成二十六年度に創設し、耐震改修実施への支援を進めてまいりました。  今回、診断結果の報告をいただいた建築物の所有者の方からも、来年度、この補助制度を活用して耐震改修を実施したいという申し出を幾つかいただいているところでございます。  今後、改修の意向は持ちつつも、実施時期を決めかねている方にも、この補助制度を活用し、できるだけ早期に改修を実施していただくよう、市町村と連携して直接働きかけていきたいと考えております。  さらに、県内の大学や建築関係団体と連携して、建築物の耐震改修に関するシンポジウムを開催したり、国が作成した耐震改修事例集を活用して、改修の方法や改修に要するおおむねの費用、建物を利用しながら改修した事例を紹介するなど、所有者への啓発や情報の提供を行ってまいります。こうした取り組みを進め、建築物の耐震化の促進を図ってまいります。  次に、県営住宅の駐車場についてのお尋ねでございます。  まず、介護者専用駐車場の整備状況についてでございます。  入居者のデイサービスセンターへの送迎や訪問介護に来られる方々のための、いわゆる介護者専用駐車場につきましては、これまで県営住宅の建てかえや既設住宅の駐車場整備にあわせて確保してきたところでございます。  また、既に駐車場が整備されている住宅につきましても、自治会の要望に応じ、適宜介護者専用駐車場の整備を進めてまいりました。  現在の整備状況でございますが、平成二十六年二月以降の二年間で新たに七住宅二十九区画を増設し、平成二十八年二月末時点では四十七住宅百二区画となっております。  今後も、介護サービスを受ける入居者がさらに増加すると想定されますので、自治会との調整を図りつつ、介護者専用駐車場の整備を引き続き進めてまいります。  最後に、コインパーキングの状況と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。  入居者の高齢化などに伴い、駐車場の空き区画がふえてきたことから、こうしたスペースを有効に活用するため、コインパーキングの導入について検討を進めてまいりました。  名古屋市瑞穂区にあります県営中山住宅は、駐車場の契約率が低いことから、まとまったスペースが確保でき、また、住宅周辺の状況などからコインパーキングとしての需要が十分見込まれるため、自治会と調整の上、公募により事業者を決定し、本年二月から貸し付けを始めたところです。  二月十二日から九区画のコインパーキングの営業が開始されており、事業者からは、二十九日までの十八日間で延べ百七十台の利用があり、順調なスタートが切れたと聞いております。  今後も、コインパーキングの需要が見込まれる住宅について、自治会との調整を進め、引き続きコインパーキングの導入を図ってまいります。 25: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  いなもと和仁議員。 26: ◯六十二番(いなもと和仁君) 私からは、第十四号議案平成二十八年度愛知県水道事業会計予算第一款資本的支出第一項建設改良費の建設事業費に関連して、愛知県営水道地震防災対策についてお尋ねをいたします。  東日本大震災の発生からあす三月十一日で五年がたちます。いまだに十分に復旧・復興がなされていない中で、一刻も早い復旧を心から願っております。  この大震災の被害は、地震そのものによる被害に加え、津波、火災、液状化現象、大規模停電など多岐にわたっており、三月七日現在で死者一万五千八百九十四人、行方不明者は今もなお二千五百六十一人と未曽有の巨大自然災害となりました。  我々は、この大震災の経験を風化させることなく、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震へ備えなければなりません。このため、行政のみならず、地域、県民、企業といった多様な主体によるハードやソフトのいろいろな対策を組み合わせることが必要であると考えております。  特に水道は、人の命に直結する重要なライフラインであり、日常生活はもとより、産業活動など県民の生活に欠くことのできないものであります。  平成十五年に発生した宮城県北部の地震では、一県八市町村約一万三千七百戸が断水し、完全復旧には二十二日間要されました。翌十六年の新潟県中越地震では、県内の四十五の水道施設が影響を受け、約十二万九千八百戸が断水しました。  阪神・淡路大震災では、大都市における直下型地震だったことがあり、被害はさらに甚大となりました。死者六千人以上を出したこの震災では、神戸市のほぼ全世帯を含む二府七県八十一水道の約百三十万戸が断水、完全復旧までは三カ月もの日数を要し、水が断たれることの深刻さが改めて浮き彫りになりました。  日常生活において、私たちは、一人一日当たりおよそ二百四十リットルの水を使っております。対して、阪神・淡路大震災のとき、震災直後の一週間、給水量は、一人一日当たりわずか十六リットル、二週間たった時点で一人二十三リットル程度を得られるようでしたが、それでもふだんの十分の一にすぎず、被災した人々は、不自由なく水が使える生活のありがたさをつくづく感じたと語っております。  水道事業を行っている企業庁では、平成七年の阪神・淡路大震災を契機として、水道施設の地震防災対策に取り組まれ、特に、平成十五年に愛知県営水道地震防災対策実施計画を策定し、地震に強い水道づくりを目指し、一週間程度での応急給水、二週間以内の平常給水を目標に掲げ、ハードやソフトの対策について、より実効性を高めて取り組んでおります。  また、県内全域が南海トラフ巨大地震の地震防災対策推進地域に指定されたことから、平成二十七年三月には、さきの実施計画を見直し、津波や停電対策などにも取り組んでいるとのことであります。  そこで、まずお尋ねをいたします。  企業庁では、愛知県営水道地震防災対策実施計画に定められた各種対策を計画的に実施することとしておりますが、この実施計画の進捗状況と、今後どのようにこの整備を進めていくのか、お尋ねをいたします。  次に、東日本大震災で被災した水道事業者では、発災直後の情報収集や連絡調整などに追われ、応援要請までに時間を要するとともに、応援者の宿泊場所や応援車両の駐車場などが必ずしも確保されておらず、応急給水におくれが生じたとのことであります。そのため、迅速な応急給水、さらには、復旧活動を行うには初動体制の確保が重要となります。  大規模な地震では、被災したほとんどの水道事業者では対応が困難なことから、東日本大震災でも他の水道事業者はもちろん、民間の業者などの応援が必要であったと聞いております。  水道水は、飲み水とすることはもとより、家屋の清掃、片づけ等、被災後の復旧活動や医療用などに不可欠なものであり、特に、用水供給事業として市町に水の卸売をしている県営水道では、一日でも早い復旧が必要であります。  そこでお尋ねをいたします。  県営水道では、迅速な応急給水、復旧活動のための初動体制の整備について、どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 27: ◯企業庁長中野幹也君) 県営水道の地震防災対策のうち、まず、実施計画の進捗状況と今後の整備についてお答えをいたします。  県営水道では、ハード対策として、浄水場や管路など既存施設の耐震補強を初め、緊急時の水道水を貯留いたします広域調整池、浄水場間を接続し、水道水を融通する連絡管などの施設整備を進めております。  また、そのほかに、市町などの水道管と接続する支援連絡管や、水道水を応急給水する支援設備などの整備を行ってまいりました。  本年度末までの実施計画の進捗状況につきましては、市町などとの連携施設である支援連絡管や応急給水支援設備などは完了しており、実施計画全体の総事業費約九百五十億円のうち約四百九十億円を実施、五一%の進捗となっております。  また、ソフト対策についても、県内全ての水道事業者間における相互応援に関する覚書の締結、地元土木業者の方々との応急復旧時の優先出動や、愛知県管工事業協同組合連合会との技術的協力についての協定を結んでおります。  今後の整備につきましては、広域調整池や連絡管などの緊急時等に対応する施設は、できる限り第三次あいち地震対策アクションプランの目標年度である平成三十五年度までには完成させることとしております。  また、現在稼働中である浄水場などの既存施設の耐震補強についても、水の安定供給と並行しての工事となりますが、実施計画の計画期間である平成四十二年度までには完了させるよう整備を進めてまいります。  次に、迅速な応急給水、復旧活動のための初動体制の整備についてであります。  県営水道では、議員お示しのとおり、大規模地震が発生した場合でも、一週間程度での応急給水、二週間以内の平常給水を目標としておりまして、そのためには初動体制の整備が重要なものというふうに考えております。  そこで、円滑に初動体制が展開できますように、水道事務所など県内五カ所に共用備蓄倉庫を整備し、地震発生後に実施いたします応急給水及び復旧に必要な資機材を備蓄しております。  また、応援者の確保は、応急給水及び復旧の進捗に大きな影響を与えますことから、尾張旭市内にあります水道事務所の出張所の敷地を有効活用して、応援者の受け入れ施設としての広域災害水道応援活動拠点の整備を計画し、平成二十八年度から工事に着手することといたしております。  この拠点の整備につきましては、まずは、現在使用しております庁舎の建てかえにあわせて、応援者や応援資機材の受け入れスペースを設けることとして、平成三十年度の一部供用開始を目指してまいります。  一方、大規模震災時に迅速に対応していくためには、関係部局や県内の水道事業者はもちろん、水道事業者で組織いたします全国的な団体との連携も大変重要であり、引き続きこうした関係機関とこの拠点への参集方法などの調整を図りながら事業を進めてまいります。  今後とも、必要な対策を迅速かつ効果的に実施し、市町などの水道事業者とともに、県民の皆様に安全で安心な水道水を安定して供給できるよう取り組んでまいります。 28: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  飛田常年議員。 29: ◯六十三番(飛田常年君) 私からは、歳出第九款建設費第五款港湾費のうち、海陽ヨットハーバーの整備についてお伺いいたします。  三河湾は、温暖な気候と波静かな海域に恵まれており、三河湾の奥部に位置する蒲郡市は、四つの温泉郷があり、五月には、古くからの観光名所である竹島周辺に毎年数多くの潮干狩り客が訪れ、六月には形原のあじさい祭り、七月には三尺玉が三発上がる蒲郡まつり、十月には海中渡御が行われる三谷祭等、年間を通じて多くの観光客に訪れていただいています。  さらに、蒲郡市の東部にはラグーナ蒲郡があり、ラグナシア、フェスティバルマーケット、ラグナマリーナなどの施設のほか、天然温泉施設、タラソテラピー施設や宿泊施設なども備わり、県が整備した大塚海浜緑地も含めて多様なスタイルで海を楽しむことができる地区が形成されております。  平成二十六年に民間による運営が始まったラグーナテンボスでは、3Dマッピングやイルミネーションを初めとする新たなイベントを矢継ぎ早に実施し、蒲郡駅への無料シャトルバスの運行などのサービス向上も行い、集客力を上げております。  今後の展開としても、施設の拡張が予定されており、三月十九日には、花と水とアートが融合したエンターテインメントガーデン、フラワーラグーンがオープンし、四月二十九日には、アートシアターがオープンし、ハウステンボスでも好評を得ているハウステンボス歌劇団の公演が予定されております。  また、リゾートホテルやロボットホテルの建設も始まると聞いており、さらなる地域経済の活性化、雇用の創出が期待されるところであります。  このように、多くの観光客が訪れる蒲郡では、マリンスポーツであるヨットに対する関心も高く、昭和六十三年から平成十三年まで、蒲郡駅からほど近い竹島埠頭が世界最高峰のヨットレースであるアメリカズカップに挑戦するニッポンチャレンジの練習基地として利用され、現在も蒲郡駅の駅前広場には、その当時のヨットがシンボルとして展示されています。  また、地元の県立蒲郡東高校では、ヨット部が何回もインターハイや国体に出場しており、ヨットが根づいた地域であります。  ラグーナ蒲郡の西に位置する海陽ヨットハーバーは、増加するレクリエーション需要に対応するため、昭和六十一年に三河港港湾計画に位置づけ、県により整備が進められ、平成五年度に完成しております。
     このヨットハーバーは、保管施設として野積み場約一万八千平米、艇庫約一千平米、係留施設として浮き桟橋三基、船揚げ場が二カ所で二百二十五メートルなどの施設を有しております。  完成後の平成六年には、わかしゃち国体のヨット競技会場として利用され、平成二十四年のぎふ清流国体においても、ヨット競技会場として利用されました。  そのほかにも、全日本選手権や全日本学生、高校総体といった全国規模の大会だけでなく、国際大会も数多く開催され、ホームページで公表されている平成二十七年度の大会の予定を見ても、三十回の開催が予定されております。  こうした競技大会として利用される一方、レンタルヨットを豊富に取りそろえ、ヨット教室、オープン参加型ヨットレースや体験乗船会など、気軽に参加いただけるイベントも開催し、幅広い人々がヨットを楽しめる施設として海洋性レクリエーションの普及にも大きく貢献しております。  昨年春の東京オリンピック・パラリンピックのセーリング会場の選定においては、残念ながら神奈川県の江ノ島に開催地を譲ったものの、国際セーリング連盟や日本セーリング連盟から、海陽ヨットハーバーは、競技環境において高く評価されたところであります。  東京オリンピック・パラリンピックの候補地選定を通じて、愛知・蒲郡の知名度が向上したところでもあります。平成二十九年夏には、テーザー級世界選手権大会の開催が決定しており、今後も国際大会の開催が期待されています。  その一方で、海陽ヨットハーバーは、平成五年の完成後二十年以上が経過しており、豊田自動織機海陽ヨットハーバーという愛称で呼ばれるように、施設の修繕に関しては、平成二十六年度からネーミングライツ制度も活用して、利用する上で支障とならないよう小規模な修繕は行われているようですが、ここは抜本的な改修も必要な時期が来ているのではないかと感じております。  こうした中、平成二十八年度予算に海陽ヨットハーバー整備費が盛り込まれました。ラグーナ蒲郡地区では、民間活力による地域の活性化につながる取り組みが進んでいるところであり、このタイミングで海陽ヨットハーバーがリニューアルされ、魅力が増すことは、地域全体としてのにぎわいの創出につながるものと大いに期待しております。  そこでお尋ねいたします。  今後期待される国際大会の開催も踏まえて、海陽ヨットハーバーの整備をどのように進めていくのか、また、ラグーナ蒲郡地区の活性化に県としてどうかかわっていくのかをお伺いいたします。 30: ◯建設部長市川育夫君) 海陽ヨットハーバーの整備とラグーナ蒲郡地区の活性化についてお尋ねをいただきました。  初めに、海陽ヨットハーバーの整備についてであります。  海陽ヨットハーバーは、これまでも多くの大会で御利用いただいておりますが、建設後二十年以上経過したクラブハウスは、適切な維持管理に努めているものの老朽化が進み、給排水施設は大規模な修繕が必要となってきております。  また、クラブハウスは会議室が不足しており、大会の開催時に競技役員や選手に対する競技前のミーティング、あるいは天候が悪化したときに退避する場所の確保に苦慮している状況であります。  さらに、大規模な大会では、多くの救助艇や運営艇が必要となりますが、係留能力が不十分であるとともに、競技艇の計測エリアも不足しております。  このため、今回の整備では、既存クラブハウスの給排水施設などをリニューアルするとともに、多様なニーズに対応した会議室を備えたクラブハウスを増設いたします。  あわせて、救助艇や運営艇を多数係留できるような浮き桟橋や競技に参加するヨットがスムーズに計測できるエリアを新たに整備するなど、国内、国際大会が安全で円滑に運営できるよう、関係者と調整しながら整備を進めてまいります。  海陽ヨットハーバーでは、平成二十九年夏に開催が決まっているテーザー級の世界選手権に加え、同時期には、オリンピック種目にもありますフォーティーナイナー級の世界選手権の開催が内定しております。さらには、同年秋に開催されるセーリングのワールドカップについても、現在招致活動を進めているところでありますので、早期に各施設の設計を取りまとめて工事に着手し、順次整備を進め、平成二十九年秋には完成できるよう努めてまいります。  次に、ラグーナ蒲郡地区の活性化についてであります。  現在、ラグーナ蒲郡地区のアクセス強化のため、ラグーナ蒲郡の東側と国道二十三号を結ぶ新たな道路や地区内道路の整備を進めております。  地区内道路については、ことし秋に供用する予定であり、アクセス道路についても、早期供用に向け、測量設計を行い、関係者と協議を進めているところです。  また、株式会社ラグナマリーナを初めとする土地所有者や、関係する行政機関により構成されるラグーナ蒲郡地区まちづくり協議会に本県も参画し、これまでに九回にわたり積極的な協議を行ってまいりました。  海に近い立地特性を生かした質の高い都市空間の形成など、新たなまちづくりの方向性について、早期に取りまとめることとしております。  県といたしましては、今回の海陽ヨットハーバーや道路の整備を通じ、周辺で進められている新たな取り組みと一体となってにぎわいを創出し、ラグーナ蒲郡地区を核として、東三河のみならず県全体の活性化につなげていきたいと考えております。 31: ◯議長(横井五六君) 進行いたします。  西久保ながし議員。 32: ◯三十五番(西久保ながし君) それでは、私から、歳出第十款警察費第二項警察活動費の街頭犯罪対策費の中の特殊詐欺対策について伺います。  先日の代表質問で我が団の塚本団長から全体の質問をさせていただきましたので、きょうは三点について一歩踏み込んだ対応をお願いしたく質問をいたします。  一点目は、高額詐欺対策についてであります。  ことしの一月、私の地元岡崎市内で七十代の女性がニセ電話詐欺で六千五百万円をだまし取られました。六千五百万円のうち、一千五百万円は、指定された住所に宅配便で送り、残りの約五千万円は、自宅に取りに来た男に渡してしまったというものであります。  なお、女性は、現金を三カ所の金融機関の窓口で三回に分けて引き出し、このうち一回は、金融機関側からの声かけがありましたが、防ぐことはできませんでした。  六千五百万円という高額なお金を一瞬にして失った女性の心情を思うとやるせない気持ちになりますし、こうした悪質な犯罪を決して許してはいけないというふうに思うところであります。  今回の被害額は、一件で六千五百万円もの大金をだまし取られたわけですが、この額は、岡崎署管内で昨年一年間で発生した三十六件の被害総額四千五百七十五万円をあっさり超える高額な被害であります。  また、先日は、日進市でも七十代の女性が一千三百万円をだまし取られましたが、この件も金融機関からの声かけがありましたが、防ぐことはできませんでした。  既に、ことしに入り三月二日現在、県内で一千万円以上の被害件数は十七件、これだけで総額四億円を超えており、異常事態だと思います。  今回の岡崎市と日進市の事例二件ともに、一度は金融機関での声かけがあり、未然に防ぐ機会があったわけですが、防ぐことができず、大変残念な結果となってしまいました。  そこで、今後の対応策についてですが、現状でも金融機関に警察が出向き、確認するなどの対応がされているということですが、残念ながら今回の二件の事例については、警察への通報はなかったということであります。通報していれば防げたのではないかと残念に思うところであります。現状では、警察への通報義務はないということですが、せめて高額の場合は理解を得て必ず通報するなど、警察との連携をもっと強化すべきと考えます。  また、家族への連絡確認は大変重要な観点だと考えます。個人情報や個人の権利にも絡む難しい問題ではありますが、被害金額が高額なだけに一歩踏み込んだ対策の強化を望むところであります。  そこで質問ですが、こうした高額詐欺被害を防止するための強化策など、今後どのように取り組んでいかれるのか、伺います。  次に、二点目ですが、今後発生が危惧される新しい詐欺の未然防止策について伺います。  特殊詐欺について、さまざまな対策を打ち、成果を上げているのにもかかわらず、被害がなかなか減少しない一つには、詐欺グループが新制度導入を先取りし、新たな手口を考え出しているからであります。  特に高齢者は、新制度が導入された直後は理解が追いつかず、よくわからない状況の中で、詐欺グループの格好の標的にされているように思います。そうした意味では、既にマイナンバー制度の導入を悪用した不審な電話が全国的に発生していますし、四月に実施される電力自由化に便乗した悪質な勧誘も既に出始めているようであります。  また、六月には低所得の高齢者に臨時給付金が支給されますので、それに便乗した詐欺にも注意が必要となります。  国民生活センターにはさまざまな相談が上がっており、今後、多様な手口の詐欺が横行するのではないかと危惧いたしますが、詐欺グループが犯行に及ぶ前に先手をとるような未然防止策の検討が必要だと考えます。新しい詐欺を未然に防止するのは非常に難しいことですが、少なくとも事前に想定した注意ポイントなどをまとめ、情報発信し、注意喚起をしておくことなどの対応も必要ではないかと思います。  そこで質問ですが、これから多発が予測される新種の詐欺を何とか未然に防ぎたいものですが、今後どのように取り組んでいかれるのか、伺います。  最後に、少年たちが特殊詐欺犯罪に巻き込まれない未然防止について伺います。  最近の詐欺の手口は非常に進化してきていますが、同様に、詐欺グループの体制もかなり進化していると思います。リーダーをトップに組織化され、研修まで行っているということで驚いてしまいますが、私が一番心配していることは、こうした組織の中で、特に現金を受け取る受け子でありますとか、見張り役の中には高校生を含む少年たちも多くいるということであります。  先日の新聞報道でもありましたが、昨年全国でニセ電話詐欺で検挙された少年の数は、対前年比二六・四%増の四百二人ということで、統計を取り始めた二〇〇九年以降、毎年ふえ続けているということで本当に心配になります。  彼らの中には、先輩から声をかけられ、犯罪とは知らずにアルバイト感覚で特殊詐欺に加担しているケースも少なくないということであります。前途ある若者たちがそんな犯罪に巻き込まれないよう、教育委員会等とも連携をして、さまざまな機会を通じて、教育、指導、注意喚起を徹底し、加害者、犯罪者にならぬ未然防止にも力を入れていただきたいと思うところであります。  そこで質問ですが、県内の少年の検挙状況及び現在の取り組みと今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 33: ◯警察本部長桝田好一君) 初めに、高額詐欺被害の防止対策についてお答えいたします。  被害の多くは、金融機関で引き出した現金が多いことから、県警察では、県内の全金融機関に対しまして、七十歳以上の高齢者が二百万円以上の現金を引き出す際は、積極的な声かけと被害が疑われる場合の警察への通報を依頼しております。  金融機関によりましては、六十五歳以上の高齢者が百万円以上の現金を引き出す際には、全て警察に通報をいただいている例もあるところであります。  金融機関から通報がありました場合は、全て警察官が金融機関に臨場し、だまされていないかを家族に確認するなどし、金融機関とともに被害者を説得して被害防止に努めているところでございます。  こうした取り組みによりまして、昨年は一年間で四百八十七件、約十六億円の被害を未然に防止できたところでございます。  しかしながら、窓口において被害が疑われるかどうかの判断は困難なため、現金をお渡しして被害に遭った事例も多数ありますことから、金融機関に対して過去の事例等をタイムリーに提供するなどして、より一層の被害防止に努めてまいります。  次に、今後発生が危惧される新しいだましの手口対策についてお答えいたします。  犯人グループは、これまでもマイナンバー制度の導入や自然災害発生に伴う復興・復旧など、県民の関心が高いテーマを口実にだます手口を用いており、実際に被害も発生しております。  今後も、臨時給付金や電力の小売自由化等を新たな口実としただましの手口による被害の発生が懸念されるところであります。  これらにつきましても、関係機関と緊密に連携して、広報啓発活動を行うとともに、具体的な手口などの情報を発信して、被害の未然防止、拡大防止に努めてまいります。  最後に、県内の少年の検挙状況及び少年が特殊詐欺に加担することがないようにするための取り組みについてお答えいたします。  昨年、特殊詐欺の実行犯として百四十五人を検挙しておりますが、そのうち少年は二十八人であります。また、本年二月末現在では十四人を検挙し、そのうち五人が少年であり、その中には中学生も含まれております。  少年が特殊詐欺に加担することがないようにするため、学校における非行防止教室の機会に事例を交えた講話や保護者等を対象とした講演を実施してきたところであります。  先日、県内の中学生を検挙した際には、関係する教育委員会に情報提供したほか、当該市の教育委員会に対しましては、市内の全ての中学校における指導をお願いするとともに、県警察で運営しておりますツイッターにおいて、中学生を受け子として逮捕したことを受け、保護者に対する注意喚起についての情報発信をしたところであります。  あわせて、各警察署に対しましては、改めて非行防止教室において、少年を特殊詐欺に加担させないための講話の実施を徹底したところであります。  さらに、夏休みに実施しております中学生を対象とした非行防止ポスターコンクールのテーマに特殊詐欺を加えることともしております。  今後とも、教育委員会を初めとする関係機関と連携し、少年を特殊詐欺に加担させないような機運の醸成に努めてまいります。 34: ◯三十五番(西久保ながし君) 答弁ありがとうございました。  一点だけ要望したいと思います。  ただいまの警察本部長の答弁の中で、愛知県内で検挙された少年の数を伺ったんですが、その中に中学生もいるということで、正直ちょっと驚いておるわけですが、一人でもいるということは、今のこういう時代ですので、既にもう広がっているというふうに思ったほうが私はいいと思います。  そういう意味では、広域的に広がってしまう前に早急に手を打つ必要があるというふうに思います。県警としては素早い対応をとっていただいていると思いますが、ぜひ県警だけでなく、教育委員会、関係団体と連携をとっていただいて、こんな犯罪に本当にこれから将来のある子供たちを何としても巻き込まないように、ぜひ危険の周知等々徹底していただきますように再度お願いをし、終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 35: ◯四十一番(石塚吾歩路君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 36: ◯議長(横井五六君) 石塚吾歩路議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 37: ◯議長(横井五六君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時十分開議 38: ◯副議長(杉浦孝成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  堀嵜純一議員。 39: ◯六十四番(堀嵜純一君) 私からは、第九款建設費第二項道路橋りょう費のうち、衣浦大橋周辺の渋滞対策について伺います。  衣浦港周辺地域は、輸送機械や製鋼所、近年では、本県が推進しております航空宇宙産業などの製造業や発電所などの基幹産業を中心とした企業が多く集積し、物づくり産業を中心としての今後の本県のさらなる発展を支える重要な地域であります。  また、この地域を東西に結ぶ国道二百四十七号衣浦大橋は、衣浦港の臨海部を東西に連絡するにとどまらず、国道四百十九号を経て、トヨタ自動車やデンソーを有する豊田市や刈谷市と半田市臨海部にありますアイシン精機や豊田自動織機を有機的に結ぶなど、機械工業を中心とする高度産業集積に特色がある知多地域と西三河地域とを結ぶ交通の主軸となっております。  また、二〇〇五年二月に開港いたしましたセントレア臨空地区への東西三河からの主要な移動ルートとしての重要な尾張への結節点となっております。  しかしながら、衣浦大橋周辺は、両端橋詰めの衣浦大橋東、衣浦大橋西交差点を中心に慢性的な渋滞が発生しており、この地域の企業への通勤時間の長時間化はさることながらも、物の流れも滞り、企業活動にも大きな支障が生じていると聞いております。  この衣浦大橋周辺の渋滞対策として、平成二十五年度には、公安委員会とも調整の上、半田市側の衣浦大橋西交差点の南側、衣浦港の十三号地に向かう途中にある潮干町及び亀崎町六丁目という二つの交差点において、左折レーン設置や信号サイクルの改良を実施していただいております。  その結果、朝の通勤時間帯において、特に衣浦大橋西交差点から南に向かう車は、対策前には朝七台から八時台までずっと渋滞をいたしておりましたが、今では八時台だけの渋滞となり、渋滞の発生する時間としては幾らか減っていることを実感しております。  このことは、地元住民や関係企業にとっても大変喜ばしいことで、即効的な対策としてすぐにできることから、速やかに実施していただいた県当局の対応には大変感謝しているところであります。  また、高浜市側の衣浦大橋東交差点についても、私の地元半田市から橋を渡って高浜方面へ移動すると、交差点の真ん中に立派な橋梁が既にかかっており、高浜立体事業が着々と進んでいることが実感できるようになりました。この対策は、中長期的な視点に立って、時間も事業費もかかる対策であると認識しておりますが、県当局及びその関係者の継続的な取り組みには感謝するとともに、その完成を心待ちにしているところであります。  さらに、今年度からは、衣浦大橋西交差点の渋滞緩和に向けた対策にも着手するということで、地元としても非常に期待しているところであります。  この衣浦大橋西交差点は、半田市街地方面から東の高浜方面へ右折する大型車両や長尺トレーラーが窮屈に回り込むことが多いこと、あわせて、高浜から衣浦大橋を西向きに渡り、知多市方面へ直進する交通と半田市街地方面へ左折する交通量が多いことから、交差点の大きさや形状が大きな課題であると私は感じております。  そこで、これら県が進めている衣浦大橋周辺の渋滞対策について二点お伺いいたします。  一点目は、高浜市側の高浜立体事業の進捗状況と完成見通しについてお伺いいたします。  二点目は、半田市側の衣浦大橋西交差点の渋滞対策の状況と今後の予定についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 40: ◯建設部長市川育夫君) 衣浦大橋周辺の渋滞対策について二点お尋ねをいただきました。  知多地域と西三河地域を結ぶ国道二百四十七号衣浦大橋周辺は、特に朝夕のピーク時間帯において、橋梁の東西両側の信号交差点を中心に渋滞しており、愛知県内の主要渋滞箇所として選定されております。  このため、交通状況調査をもとに渋滞原因を特定し、公安委員会を初めとする関係機関との調整を図りながら、高浜立体事業や衣浦大橋西交差点の改良工事などを戦略的に進めております。
     まず、高浜立体事業の進捗状況と完成見通しについてであります。  衣浦大橋東交差点では、南北交通の立体化を図る国道四百十九号高浜立体事業を進めております。昨年秋までに橋台及び橋脚十九基が全て完了し、全長約九百メートルにわたる橋梁部についても、三分割して全て発注済みとなっております。  そのうち、最も長い中央部については、昨年十一月に橋桁の架設を完了したところです。北と南に残る二つの橋桁については、現在製作中であり、来年度にかけて順次架設工事を進めてまいります。その後、橋梁部の舗装工事や照明灯などの附属設備工事を実施、平成二十九年度中には立体部を完成する予定であります。  次に、半田市側の衣浦大橋西交差点の渋滞対策の状況と今後の予定についてであります。  まず、南の半田市街地方面から衣浦大橋を渡り、東の高浜市方面に向かう右折車両への対策についてであります。  現在、この右折には二車線が確保されているものの、交差点が手狭で、大型車が右折するときに速度をかなり落とす必要があり、後続車への渋滞を誘発しております。このため、交差点を西側に拡幅して、右折車両の通行を円滑にする改良工事を年度内に発注し、来年度早々には現場着手する予定であります。  次に、衣浦大橋の西向き車線への対策についてであります。  現在、衣浦大橋の西向き車線は二車線ございますが、実質的に直進一車線、左折専用一車線で運用していることから、直進車線に渋滞が発生しております。  このため、新たに下流側に左折専用の橋梁をかけることによって、現在の衣浦大橋西向き車線を直進二車線化する事業を行ってまいります。この橋梁のうち、高浜市側の橋台一基の工事を年度内に発注し、来年度早々には現場着手する予定であります。  衣浦大橋周辺の渋滞対策につきましては、これらの事業を一つ一つ確実に実施するとともに、その都度効果検証を行うなど、引き続き効率的な事業進捗を図ってまいります。 41: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  小山たすく議員。 42: ◯三十六番(小山たすく君) 私は、歳出第十一款教育費第二項小学校費、第三項中学校費のうち、普通旅費について伺います。  学校における普通旅費は、学校と各教育事務所や教育委員会などの関係機関との連絡に要する旅費や修学旅行、野外活動、遠足などの下見に要する旅費、教科教育を初めとする各種研究会や教職員の資質向上に資するための研修への参加に要する旅費などを指しますが、この旅費が年々減少を続けていることから、現在、学校現場においては少なからぬ支障が生じております。  普通旅費総額を教職員数で割った一人当たり旅費の額は、平成六年の九万三千七百六十円を最高に、平成十四年の旅費制度改正を経て一気に減少し、毎年五%削減の実施とあわせ、実に十五年間にわたり減額が続けられてきた結果、今年度の一人当たり旅費は三万一千七十円と、この二十年余りで三分の一以下にまで減少しています。また、来年度は今年度よりさらに減額され、二万九千九百四十三円となっております。  このため、各学校では、事務の効率化や出張参加人数の見直しを行うなど、少ない予算を効果的に使うための努力が続けられてきましたが、その努力もそろそろ限界に来ているのではないかと思います。  例えば、修学旅行で東京に行く場合、国会議事堂に行くコースとスカイツリーに行くコースなど、生徒が選択できる複数のコースがある場合などは、コースごとに危険箇所の有無やコース設定や時間配分が適正かどうかなどの下見を行う必要があり、複数人での参加が求められますが、下見に参加できる人数が三人から二人になったり、二人から一人に減る中で、子供の安全にかかわる調査に十分な時間を割くことが難しくなってきているとの声が聞かれております。  また、教員がそれぞれの能力向上や指導方法、対応事例を学ぶための研修についても、公務出張としての派遣であれば業務の一環として参加することができますが、現状はそのための旅費が確保できないことから、研修に参加するためにみずから有休をとり、自腹を切って参加している場合も多くあると伺っております。  一方、こうした研修会等も、同じ市町村内、あるいは近隣での開催であれば、このような状況でもある程度は無理を押して参加することはできなくはありませんが、これが県外の先進事例を学ぶ研修会や視察、講演会などであった場合は、往復の飛行機代や新幹線代、ホテル代、研修会の参加費等を実費で負担することになり、有給としての休暇のとりにくさとあわせ、研修会等への参加自体を断念せざるを得ないという声も多く聞かれます。  教員の資質向上が重要であることは広く理解されていながら、研さんを積みたいという教員の意欲と機会が予算上の措置によって実質的に失われてしまっているという状況は憂慮すべきであると思います。  また、こうした自発的な研修とあわせ、五年、十年研修等の法定研修や新任校長研修、教頭研修など、受講が義務づけられている研修や県が主催者としての研修等の各種研修会等などもあり、これらは教育センターや各教育事務所、県庁等へと出向く必要があります。  こうした多様な業務や関係機関との調整のため校外へと出張する機会が多くありながらも、旅費の減額が続けられてきた理由として、教育委員会は、インターネット環境の整備等によって、書類の提出のために直接出向く機会を減らしてきたことや、研修の一部をパソコンで行うeラーニングとしたこと等を理由の一つとして挙げていますが、実際に減少した業務はわずかであり、旅費の減少額とつり合うものではないというのが現場の実態であると思います。  さらに、学校側の事情としては、旅費を伴わない校長命令は制度上認められないことから、突発的な事件、事故や急を要する打ち合わせ等にも対応できるように、年度末まで若干の金額を残しておきたいとの思いもあると思います。  また、会計処理上の問題として、ある出張の必要旅費が学校の旅費残額を上回っている場合は、必要額を満たさないため、その出張自体が認められないことになり、その残額は使われないまま残ることになります。そのため、どうしてもこうした若干の執行残は各学校で生じざるを得なくなってしまいます。  それが県内の小中高等学校、特別支援学校合わせ千五百校を超える学校数の合計となれば、予算上はかなりの不用額として捉えられてしまうことも見落としてはならない点であると思います。  以上申し上げてまいりましたが、私は、この問題の根底は、学校の運用のよしあしや教職員個々の努力というものではなく、業務量は変わらないのに業務の遂行に必要な予算が減少し続けているという構造のひずみが学校現場における問題を生じさせているということに尽きるのではないかと思います。  言うまでもなく、関係機関との連絡に要する旅費については、円滑な学校運営上のために、修学旅行や野外活動、遠足などの下見に要する旅費は、学校行事における児童生徒の安全確保のために、さらに、各種研究会や研修参加に要する旅費は、教員の資質向上、ひいては愛知の学校教育の水準向上のために必要不可欠な経費であります。  もちろん、県財政も厳しき折、予算を増額するということは並大抵のことではないと思います。しかし、私は、このまま旅費の抑制が続くと、正常かつ安全・安心な学校教育活動に支障が出ることが危惧されるところまで来ているとの認識を県は持つべきであると思います。  そこで、まず、教育委員会として、普通旅費が減額を続けている現状をいかに捉えているのか、伺います。あわせて、各学校の実情や意見を広く正確に把握するために、聞き取り調査やアンケートなどを早急に実施し、適正額への増額に向けた見直しを行うべきと考えますが、見解を伺います。 43: ◯教育長(野村道朗君) 小中学校等の教職員旅費の現状の認識と今後どうしていくのかということにつきましてお尋ねをいただきました。  普通旅費につきましては、高校や特別支援学校を含めて、県内、県外の出張の精査や参加人数の見直しなど、効率的かつ計画的な旅費予算の執行を各学校にお願いをしてきたところでございます。  しかしながら、近年は、各学校の工夫だけでは教育活動に伴う出張に十分対応し切れないとのお話も教育委員会のほうにも多くいただいております。  したがいまして、来年度は、各学校から聞き取りを行いながら、旅費の執行の実態をしっかり把握した上で、児童生徒の安全、学校の円滑な運営や教職員の資質向上などに支障を来さないよう、必要額の確保に努めてまいりたいと考えております。 44: ◯三十六番(小山たすく君) 要望を申し上げます。  教育長から今、各学校への聞き取り調査を行っていただけるとの答弁をいただきました。また、増額に向けて必要な見直しを行い、予算の確保に努めるという趣旨の力強い答弁をいただいたというふうに思っております。ぜひとも現場の実態に合わせて、着実な見直しが図られることを期待したいと思います。  一方で、旅費の現状は、当然のことでありますが、突然今の状況になったわけではありません。毎年、各学校、団体等から改善要望が上がっていたことと思います。今回の聞き取り調査の実施に当たっては、より細かく丁寧な調査となるように心がけていただき、実態をしっかりと把握していただきたいと思います。  そして、最後に、財政当局におかれましても、厳しい財政状況であることは十分承知をしておりますが、愛知の未来を担う子供たちのためにぜひとも御理解賜りますようお願い申し上げまして、質問を終わります。 45: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  富田昭雄議員。 46: ◯七十六番(富田昭雄君) 私からは、歳出十一款教育費九項私立学校費についてお尋ねをいたします。  一般質問でも、私学の募集定員割れの問題は取り上げられましたが、視点を変えて質問したいと思います。  愛知県は、以前より私学振興については手厚く、私学助成について、授業料助成、経常費助成を含めて五百九十三億余円を今年度も計上しているわけであります。  私立学校に通われるお子様をお持ちの御父兄の負担を少しでも軽減するのは全く異論ありませんが、私の問題意識としては、その多額の経常費助成を受けている多くの私立学校において、入学者数が募集定員を割っているところが多いということであります。二〇一〇年度から六年連続で募集定員を私学全体で二千人以上下回っているということであります。定員充足率は、この間、九〇%前後で推移し、公立高校の九九%と比べると極端に低いのであります。このことが愛知県の高校進学率を下げ、全日制高校進学率全国最下位の九〇%につながっています。  愛知県の全日制の高校進学率は、十九年連続でほぼ全国最下位で、九〇%前後で推移しています。ですから、いつも計画進学率九三%に対して、実質進学率との乖離が常に二%から三%あります。  このことについては、教育委員会も私学振興室も問題意識が余りないようでありますが、本当に計画値に近づけようと努力しておられるのか疑問であります。  実質進学率を上げようとするなら、公私ともに成績の中間層を争って獲得に動いてみえますが、内申書の点数が低い生徒の受け入れ先を確保することだと思います。  ここで注目したい点は、全日制の高校への進学を希望する中学生が昨年では九月の時点で九三・七六%います。成績が悪くて入れてもらえない生徒が進路を変更せざるを得ないのか、最終二月の段階で受験できるのは九〇・七五%の生徒です。残りはどこへ行くのか見てみますと、圧倒的に通信制の高校であります。  私は、このことが問題だというふうに思っております。通信制の高校では、自学自習が基本で、全くの独学によるものなので、四年間で卒業できるのは二〇%から三〇%と言われています。多くの生徒は途中で挫折して、高校をやめてしまうと言われております。  このように、毎年愛知県では、将来に夢も希望も見出せず、絶望感に押し潰され、社会に放り出される若者を大量に生み出していることになります。  こうした状況を放置していいわけがありません。内申書の点数が低い生徒は、全日制高校を希望しても、私立高校は受験すらできない。公立は募集定員の枠が二対一と決められ、とりたくても定員以上入学させられないのであります。  このような硬直した状況を生み出す背景には長い歴史があるようでありまして、生徒が急増した昭和五十年代に公立高校の整備が追いつかず、私立高校に多く受け入れを求めた時期があり、そうしたやりとりの中から愛知県の現在の公私協調路線ができ上がったと言われています。その結果、募集定員の配分比率が公私おおむね二対一を堅持していることにつながっているわけであります。これは、一九八一年の県の有識者会議で決められ、それ以来いまだに続いているということであります。  そこで、公私の二対一の募集定員から実質進学率について考えてみますと、昨年でいけば、卒業する全生徒数七万三千六百十三名掛ける計画進学率九三%でありますので、募集定員は六万八千四百六十一名で決まり、それを公私二対一で配分します。公立四万五千六百六十三名、私立二万二千七百九十八名になり、この募集枠をお互いに了承し、基本とするわけであります。昨年は、その募集定員に、公立が三百十八名、私立が二千六十二名の欠員を出しています。  時代が大きく変わり、公立高校の入試の結果の前に私立学校の入学金を納める時代と違い、私学は今や入学者全体の七割を推薦で決めています。よって、一般入試で募集するのは三割であります。  高校の入試制度が複合選抜になり、少なくとも公立高校を二つ以上受験できるようになりました。だから、私学側は、成績が優秀な生徒を早くとりたいとの思いが強く、推薦にシフトせざるを得なかったのであります。  私学の高校には、ある一定の成績から下は入学させないという足切りがあると言われています。それが定員割れの大きな原因かもしれません。いずれにしても、この公私二対一の枠のバランスの中で実質進学率が決まってきます。  そこでお聞きします。  私学高校において、毎年募集定員を割って、それも六年連続で二千名以上も入学者数が下回っていることについて、何が原因でそうなるとお考えか、お聞かせください。私学協会としても、個々の私立学校においても、それについてどのような改善策に取り組んでおられるのか、また、それについて県としてどう指導されてこられたのか、お聞きをいたします。  次に、先ほど指摘をいたしました通信制高校に異常に入学者が多いということについてであります。  最近の新聞などマスコミ報道でも、国から就学支援金を不正受給した疑惑が持たれる通信制高校が問題視されています。昨年では、愛知県の通信制の入学者総数は三千六百十一名、公立の旭陵高校、刈谷東高校入学者百七十九名を除く三千四百三十二名が広域通信制、もしくは全国の私立の通信制に就学しているようであります。ほとんどが専修学校高等課程と接合しており、高等学校卒業資格が取得でき、これが売り物になっています。しかし、費用は決して安くありません。  広域通信制高校とは、全国、あるいは三つ以上の都道府県の生徒を対象とした学校でありまして、愛知県としては全く実態が把握できていない、どれぐらいの生徒がその通信制高校を卒業したのかをほとんどつかんでいないのです。  通信制高校入学者は、愛知県の全体の構成比四・九%あります。全国では平均二%台でありますが、愛知県は五%近い四・九%あります。これは、他県に比べても断トツに高いのであります。この通信制入学者の三千六百十一名の生徒が、県もどれぐらいその高校を卒業したか把握できておりませんが、把握できている一部通信制のデータを見ても、相当の数の高校生が途中でやめています。  将来において、立派な社会人として働ける若者をニートやフリーターの予備軍にしているこの現実があるわけであります。全日制高校に希望どおりできない場合は、将来の職業の道筋をつけるために、専門学校や職業訓練校などの選択や、職人になるために直接就職する選択がもっとふえてもよいと私は思います。  私は、そんなに子供たち個人に差があるわけではないと思います。ちょっとした環境の違いや、たまたま出会った人に大きく影響を受けて変わるわけであります。だから、子供たちの進路については、周りの大人は慎重にならなければなりません。  そこでお聞きします。  私学振興室は、愛知県公私立高等学校設置者会議の責任者として、このような実態を憂慮し、今までに公私で少しでも改善しようとする取り組みがあったのか、お伺いをいたします。  また、今後の改善方法として、公私の募集定員の比率二対一を見直すか、私立高校が募集定員まで目いっぱい生徒を入学させるか、受け皿になる新しいタイプの高校を設立するか、何らかの具体的な取り組みがあるのか、お考えをお示しください。  以上です。 47: ◯県民生活部長(川島毅君) 私立高校において、入学者数が募集計画を下回ることの原因や私学での改善策、県の指導についてのお答えをいたします。  私立高校において、二千人を超える欠員が平成二十二年度から連続している原因としましては、リーマンショック後の景気低迷や、国の就学支援金制度導入による公立高校の授業料実質無償化を受けた公立志向の高まり、さらに、中学卒業者の進路として、全日制課程だけでなく、広域通信制を含む通信制課程や定時制課程、専修学校等、進学の選択の幅が広がっていることなど、さまざまなことが要因と考えられます。  これに対する私学の改善策としましては、現在、半数近くの学校が二次募集を行うなどしており、生徒の受け入れに努力をされております。  また、私学協会においては、父母負担の軽減を図る県の助成制度や各私立高校の魅力を紹介する充実した内容のガイドブックを進路指導の時期に合わせて、中学二年、三年生に配付したり、毎年十月に開催をしておる生徒、保護者向けの私立学校展でも説明をするなどして、私立高校への受験を促すとともに、不登校となっていても受験できる制度の導入についても各学校に働きかけております。  さらに、県の対応といたしましては、多くの欠員が出ていることを踏まえ、各私立高校の設置者、校長、私学協会会長に対する通知により、毎年十一月ごろに中学卒業見込み者の進学希望に応えるためにも、入学者数が生徒募集数を下回ることのないよう、円滑な生徒の受け入れに最大限の努力をしていただくことを求めているところでございます。  次に、全日制高校への進学を希望する生徒が通信制高校に進学している実態における公私での改善に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。  本県では、県及び名古屋市教育委員会、私立学校設置者等を構成員とする愛知県公私立高等学校設置者会議を毎年開催し、公私が協調して全日制高校への進学を希望する生徒の進路実現に向けた協議を行っております。  この会議では、生徒が全日制高校への進学を果たせない原因として、学力不足や不登校などが指摘をされており、これらの課題を改善するための方策を検討し、取り組みを進めております。  具体的には、私立高校への受験を促す中学生への周知など、私学側の取り組みのほか、公立側の取り組みとして、長期欠席者等を対象とした特別な選抜制度の周知等の取り組みを行っております。  また、今後に向けて、不登校など特別な事情を持つ生徒の学習ニーズに応えるため、学年による教育課程の区分がなく、必要な単位を修得すれば卒業可能な全日制の単位制高校の検討を進めることとしております。  いずれにいたしましても、公私が協力して全日制高校への進学を希望する生徒の進路実現に向け、より効果的な取り組みが進むよう、引き続き協議、検討をしてまいります。 48: ◯七十六番(富田昭雄君) それでは、再質問をさせていただきたいというふうに思います。  御答弁いただいたことは、今までも取り組んでいただいております。本当にその御努力はありがたいと思いますが、結果として、六年も二千名以上の私学の欠員が出ているということは事実でありまして、定員を満たしていないわけであります。  大きく改善されるというふうには思えないと感じるわけでありますが、私の周りにも、真面目に通っていると、通いたいと思っている生徒がたまたま一定の成績より低い内申書だからといって、どこにも入学させてもらえない、受ける私立高校がないというのは本当に困ります。  そうでなければ、募集定員の二対一の枠組みをもう見直してもいいのではないかというふうに思うわけであります。公立高校がその分引き受けるということで、単純に計画進学率九三%に対する今の差千七百人分を公私で引き受けていただければいいわけでありまして、私立がそれをできないのであれば、二対一を見直して、公立で引き受けていただくと。  確かにいろいろ聞きますと、私学側にも言い分がありまして、一般入試で定員を上回る合格を出しても、どれぐらいの歩どまりで私学に入学するのか計算できないということであります。しかし、一般入試といいましても三割ですから、七割は推薦でとるということでありますが、どれぐらい合格通知を出しているかわかりませんが、一般入試で定員を上回る合格通知を出しても、どれぐらいの歩どまりかわからないということでありました。  現在の複合選抜の入試制度がある以上、私学は生徒を思うように獲得できない、確かにそうであります。だから、私学側は、複合選抜の入試制度は見直せということで、そういう御意見があります。  しかし、一方では、九月の時点で九四%あった全日制高校を希望している生徒が受験時には九〇%になっているということであります。受験してもらわなければとれないわけであります。だから、問題は、中学の進路指導の段階で起きているというふうに思うわけでありまして、私立高校としても、各中学に内申書の入学可能なハードルを示しているかどうかわかりませんが、そのことが進路指導で希望の全日制の高校を受験できないということになれば、受けても受からないわけでありますので、進路指導を余儀なくされるということであります。  いずれにしても、内申書の点数が低い生徒が行き場を失い、通信制に流れてしまうという今の現実、ぜひ公私ともに、成績の中間層、それ以上のところばかり見て獲得するのではなく、上から下まで全体を見て、成績のたまたま悪かった生徒も受け入れることを公私がしっかりと話し合って決めていかなければならないと思います。  また、経済困窮者の生徒の対応にしても、国や県の複雑な支援制度を正確にわかりやすく周知する必要がありますので、学校選択が経済的な理由で狭まらないように、私学側が一生懸命直接説明する機会を中学校へ通ってふやしていただきたいというふうに思います。  環境推薦制度もありますので、十分に活用されるように、中学校の進路指導と連携をしていただきたい、これを強く望むわけであります。  改めてお聞きしますが、進路希望調査で九月の段階で九四%あるものを二月の受験段階で九〇%に落ち込まないようにするためには、どのような対策が考えられるか、まずお聞きします。  そして、計画進学率に実質が近づくように、どんな手だてがあるのか、有効な方法があればお示しをいただきたい。そして、そのためにも、公私の募集比率、二対一を見直すべきだというふうに私は思いますが、そのお考えはないか、教育長にも答弁を求めます。  以上です。 49: ◯県民生活部長(川島毅君) 全日制高校への進学率向上に向けた対策方法についてお答えをします。  全日制高校への九月時点における進学希望が受験段階に至る過程で下がってくる大きな要因としては、これまでの愛知県公私立高等学校設置者会議の協議では、家庭の経済的要因、学力不足や不登校などの事情が考えられることとしております。これに対しまして、私立高校を選択する生徒の父母負担を軽減する私学助成の着実な実施、長期欠席者等の特別な事情のある生徒を受け入れる高校の拡大などにより、全日制高校への進学を希望する生徒の進路実現に向け、引き続き公私が協力をして取り組みを進めてまいります。 50: ◯教育長(野村道朗君) 全日制高校への進学率向上に向けた対策、方法について、私からもお答えをいたします。  希望と実績に差が生じている原因としては、全日制を希望しながらも、学力不足や不登校、経済的な事情などにより、当初の進路希望を変更せざるを得なかった生徒がいることによるものと、このように考えております。  こうした実態を踏まえまして、公私それぞれが引き続き一人でも多くの生徒の希望に沿った進路がかなうように取り組んでいくことが重要であると考えておりまして、今のところ、二対一の見直しについては考えていないところでございます。  県教育委員会といたしましては、地道な取り組みではございますが、学習がおくれがちな中学生を少しでも減らすことや、全日制単位制高校を初め、多様な生徒が受け入れられる学校づくりに努めてまいりたいと考えております。  また、経済的理由により高等学校への進学を諦めることがないよう、奨学給付金の充実につきましても、国に強く働きかけてまいります。 51: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  高木ひろし議員。
    52: ◯七十八番(高木ひろし君) 私からは、歳出第十一款教育費第一項教育総務費及び第五項特別支援学校費にかかわって、障害のある児童生徒の教育について質問いたします。  障害者差別解消法がこの四月一日からいよいよ施行されます。愛知県でも、昨年の十二月議会で愛知県障害者差別解消推進条例ができました。これまで世間の偏見や無理解によって悲しい思いをしたり、障害があるために当たり前の社会生活を諦めざるを得なかった障害のある人々にとって、非常に明るいニュースであります。私も大いに評価し、期待する者の一人です。  しかし、障害者に対する差別とは一体何を指すのか、どうすればその差別を解消することができるのか、また、行政側の法的な義務となりました合理的配慮と言われるものは一体何なのか、こうしたことの理解の普及や具体策の実行はまだまだこれからだと言わねばなりません。  ここでは、学校教育の分野における差別の解消、特に学校選択の問題に絞って、県教育委員会の考え方と対応を伺いたいと思います。  障害のある子供やその保護者たちは、一体どんなことを差別と感じ、困ったり、悩んだりしているんでしょうか。  私たち民主党愛知県議員団では、二〇〇九年から二〇一〇年にかけて、障害当事者二十七団体が加盟しているADF(愛知障害フォーラム)の皆さんに御協力をいただき、県内の障害者に対する差別の事例を収集いたしました。身体障害、知的障害、精神障害、視聴覚の障害、難病や発達障害など、さまざまな人々から寄せられた事例は八百十七件に上りました。  分野別に整理してみますと、福祉分野で百四十四、次いで多いのが教育分野の百二十七、雇用関係が百十九、交通や施設関係が八十四、コミュニケーションや情報関係が六十八、医療関係が五十二などと続きます。  教育分野での百二十七の事例のほとんどは、障害児だからと当然のように自宅から遠く離れた特別支援学校に行くことを選ばされていることへの疑問であり、また、地域の学校に通わせようとしたときに立ち塞がるさまざまな困難、そして、子供の心を傷つける周囲の言葉や態度でありました。  それから数年の月日が流れた三月二日、つい先日でありますが、普通学級で学んでいる障害のある子供を持つ親御さんたちがさまざまな体験をまとめた「良い事例・困った事例集」というものが県教育委員会に提出されました。ここには、就学先を決める段階から授業や学校生活、親の付き添いや行事参加に関することなど、百五十八もの具体的な事例が紹介されております。  一例を紹介しましょう。  地域の学校への就学を希望したけれども、親の付き添いが必要と言われ、仕事上の関係でどうしてもそれは無理なので、やむなく支援学校に行った、何かあったら大変だからという理由で、一人だけ教室に取り残されて、希望してもプールの授業に参加させてもらえなかった、また、トイレの介助が必要な児童なのに、誰にも介助してもらえず、一日中我慢していて、とうとう体調を崩してしまったなどなどであります。  相変わらず普通学級にいる障害のある子供たちがお荷物や邪魔者のように扱われている事例が多くある一方、好ましい事例も数多く紹介されているのが今回の特徴であります。この数年間に起きた大きな障害者にかかわる条約や法律の変化、こうした前進が大きく反映していると見るのは私だけでしょうか。  その事例は、介助員が配置されたり、バリアフリーの施設改修が行われて、親の付き添いがなくても校内生活が過ごせるようになった、また、担任の先生がその子の障害に対応したいろんな工夫を凝らして、障害児も授業や学校行事に一緒に参加できるようにしてくれた、また、同じクラスの友達が誰から頼まれたわけでもないのに、その障害のある子の世話役を買って出てくれているなどなどであります。  こうした事例を見ていると、付き添いを拒否する親の気持ちとしては、決して自分が楽をしようというような意味で学校に要求を突きつけているわけではありません。障害のある我が子が地域の学校集団の中で、地元の近所の子供たちと一緒にいる居場所と出番が見つけられたことを本当に喜んでいることがわかります。  一方、当の障害児や障害者たち自身はどう感じているんでしょうか。  愛知県重度障害者団体連絡協議会が、昨年、特別支援学校、かつての養護学校の在校生や卒業生に対して行ったアンケートの結果を見せていただきました。そこでは、実際には、できれば地域の学校に通いたかったと回答した人が七割以上に上りました。その理由としては、地元の友達が欲しかった、あるいは姉や弟と一緒の学校に通いたかったなどと率直な理由が述べられていました。  インクルーシブ教育ということが言われ始めました。これは、排除しない教育という意味であります。これを規定しました障害者の権利条約の批准に向けて、障害者基本法が改正されたのが四年前であります。ここでは、可能な限り障害児が障害のない児童とともに教育を受けられるよう配慮すること、そして、国及び地方公共団体は、このために障害のある児童生徒並びにその保護者の意向を可能な限り尊重しなければならないと明記されております。  これに伴って、文部科学省は、平成二十五年の九月に学校教育法施行令を次のように改正いたしました。いわく、障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、保護者の意向を最大限尊重しつつ、総合的観点から市町村教育委員会が就学先を決定すると。  就学指導委員会という名前が教育支援委員会に変わり、これは、名称の変更だけではなくて、障害のある子も原則普通学校へ就学するという権利が確保され、例外として特別支援学校を選ぶことができるというふうに、従来と全く逆転したわけであります。  これに加えて、四月から施行される障害者差別解消法では、文科省が出した対応指針を見ますと、障害を理由として、受験、入学、授業の受講等を拒むことを不当な差別的取り扱いの例として示しています。  こうした差別を解消するための合理的配慮の提供は、国及び地方公共団体にとって法的な義務となりました。ちなみに、民間団体にはまだ努力義務とされております。  つまり、これからは、障害のある子や保護者が地域の学校に就学を希望した場合、これまで往々にして前例がない、施設や設備が不十分で受け入れは困難、対応に当たる人が確保できないなどの理由により実質的に受け入れを拒むことは、それが過重な負担であることが証明されない限り、合理的配慮の不提供に当たり、これは法律違反、条例違反となるおそれがあるのであります。  そこでお伺いいたします。  質問の一、こうした障害児の教育、就学に関する大きな法的な環境の変化は、果たして就学先を実際に決定し、地域の普通学校を所管している市町村教育委員会や学校の現場にどのように徹底されているのでしょうか。特に、我が子の障害に悩みつつ、就学先の選択に迷う保護者、住民の方々にこれをしっかりと伝え、理解していただく必要があると思いますが、これをどのような方法で行っているのか、お示しください。  質問の二です。地域の普通学校、普通学級において、障害のある子供を受け入れるためには、合理的配慮としてさまざまな措置が必要となります。市の教育委員会は、学校の建物、設備を改修したり、人的な配置をしなければならないという事例が多々出てくることが想像されます。それが不十分でありますと、結局現場の教員の皆さんや保護者に過重な負担がしわ寄せされることになることは明らかであります。これに対して、県としてはどのような支援をしていくつもりなのでしょうか、お示しください。  質問の三であります。高校教育に関する問題です。愛知県では、既にいろんな方から話題になっております知的障害特別支援学校の過大化による教室不足が深刻な問題となり、特に高等部の生徒の増加が非常に著しいということが問題になっています。  私は、この背景に、先ほどの富田議員が指摘した進学率の問題と関係がありますが、障害のある生徒が普通高校へと進学する道が閉ざされていることに原因の一つがあるのではないかと考えております。  名古屋市内に住むAさんという女性がいます。彼女は、車椅子で学習障害を含む重複障害を持ちながらも、高校進学の夢を捨て切れず、ことし三回目となる公立高校を受験します。  目指す高校へ通いたくて、通いたくて、二年間も許可を得て、その高校へ聴講生として、毎日その学校に自力で車椅子で通いました。そして、けなげに勉強を続けてきた彼女、間もなくその試験日を迎えるわけですが、まさか三たびも合格点に達しないという理由でこの子を高校生として受け入れることを拒否するようなことがあるとすれば、それが本当に血の通った教育なのだろうかと私は思わざるを得ません。  障害の有無にかかわらず、全ての子供たちに高校教育の機会を保障する、これは、今や既に国を挙げての大義名分になったはずであります。高校入試と高校教育課程において、障害のある生徒への合理的配慮や支援のあり方を根本的に検討する必要があるのではないかと思います。教育長の見解を伺います。  質問は以上です。 53: ◯教育長(野村道朗君) 障害のある子供の就学、進学についてお尋ねをいただきました。  初めに、就学先決定の仕組みに関する保護者等への周知についてでございます。  議員お示しのとおり、障害者の権利に関する条約の批准に向けた関係法令の改正の中で、障害のある子供の就学に当たっては、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から、市町村教育長が就学先を決定する仕組みとなっております。  このため、本県では、就学先の決定に関する手続を記載した特別支援教育に関する広報資料や、障害者の権利に関する条約並びに関係法令の趣旨を取りまとめた資料を作成して、市町村教育委員会や学校などの特別支援教育関係者に配付をするほか、ウエブページに掲載をし、県民の皆様への周知にも努めているところでございます。  また、市町村教育委員会で、教育相談及び就学事務にかかわる就学担当者などに向けた手引書におきましても、就学先決定のプロセスや就学に関して保護者の方々へ適切に情報提供し、理解を深めていただくよう依頼しているところでございます。  今後も、引き続き市町村教育委員会を通じて、確実に保護者等の理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、障害のある子供を地域の小中学校で受け入れるための県からの支援についてお尋ねをいただきました。  まず、学校の建物を改修する場合についてでございます。  この場合、県としての補助制度はございませんが、国の制度として、障害児等の学習環境の改善も補助対象の一つとなっております学校施設環境改善交付金がございますので、この制度を市町村に周知するとともに、事業量に見合う予算の確保や、国庫補助制度のさらなる充実が図られるよう、全国都道府県教育委員会連合会等を通じて、国へ要望活動を行っているところでございます。  次に、人的な支援についてでございますが、本県としましては、特別支援教育の推進に向けて、看護師や支援員、教員など、人的配置の充実をこれまでも国に要請をしてきております。そのうち、医療的ケアを行う看護師につきましては、これまで国の補助事業の対象は特別支援学校のみでございましたけれども、新たに小中学校も対象となったことを受けて、二十八年度の県の新規事業として、インクルーシブ教育システム推進事業費補助金により市町村への支援を予定しているところでございます。  また、特別支援教育支援員につきましては、市町村が地方交付税措置の活用などにより配置をいたしておりますけれども、県としましては、こうした支援員を初め、必要な人的配置のための財政措置の充実を引き続き国に要請し、市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。  最後に、障害のある生徒に関する高校入試と高校教育課程における合理的配慮についてお尋ねをいただきました。  まず、高校入試についてでございますが、本県の公立高等学校入学者選抜におきましては、障害のある志願者について、中学校長が提出する受検上の配慮に関する申請書に基づいて必要な配慮をしております。  例えば、視覚障害のある志願者には、拡大問題を用いたり、聴覚障害のある志願者には、放送や監督教員の指示が聞こえやすい位置に座席を配慮しております。また、上肢に障害があり、自分で文字を書けない志願者には、介助者による代筆も認めております。  本県の入学者選抜では、こうした特別な措置を行うことによりまして、障害のある志願者がそのことによって不利益を受けることがないよう、できる限りの配慮に努めているところでございます。  また、本県の入学者選抜では、障害のある志願者が中学校でどんな努力をしてきたかや、高等学校で学びたいという自身の思いを記した自己申告書を提出できることといたしております。  各高等学校は、この自己申告書に記された内容を精査するとともに、面接の結果なども踏まえ、志願者の学習に対する意欲や態度を十分に評価し、合否判定を行っているところでございます。  次に、高校の教育課程を学ぶ上での合理的配慮についてでございます。  合理的配慮は、障害のある生徒一人一人の状況に応じて個別に必要とされるものでございまして、学校と本人、保護者の間で可能な限り合意形成を図った上で、その内容を決定していくことが大切でございます。  本県では、既に車椅子の生徒には、所属する学級の教室を校舎の一階にしたり、また、体育の授業の補助や、日常の学校生活における衣服着脱、トイレの介助等に当たる支援員を配置するなどの配慮を行っておりますが、障害者差別解消法の施行を機に、合理的配慮の例などを示したリーフレットを活用するなどして、教職員の認識をさらに高め、障害のある生徒に対し、できる限りの合理的配慮に努めてまいりたいと、このように考えております。 54: ◯七十八番(高木ひろし君) 丁寧な御答弁をありがとうございました。私のほうから二点要望というか、提案をさせていただきたいと思います。  差別の禁止といいますと、いかにもその周りの者は身構えてしまうような冷たい響きがありますけれども、これは、裏返して言いますと、一緒に仲間になって、包み込んでいこうという考え方でありまして、そういう意味で、インクルーシブ教育というのと差別の解消法というのは、これは裏表でセットになっているというふうにぜひ考えたいと思います。  私たちにとっては、障害のある子が同じクラスに入ってきたら、一体そのクラスでどういうことが起きるだろうか。なかなか実例が、具体的に想像力を働かせませんとこれがわかりません。どんな困難があるのか、あるいはどんないいことがあるのか、そういったことを非常にリアルに想像させるための教材を、私は昨年発見いたしました。昨年の十二月の障害者週間に、名古屋市中区の中区役所ホールで上映されました「みんなの学校」という映画であります。  これは、ごらんになった方も、御存じの方も多いかと思いますが、大阪市内の大空小学校という学校で、実際に木村校長先生を先頭に、教員の皆さんがその他の職員やボランティアや親たちと一緒になって、子供たち集団と解け合って、助け合ったり、時にはぶつかったりしながら、すばらしい教育実践を繰り広げていくという、こういうドキュメンタリーであります。  そして、この中には、二百三十人の生徒の中で、大空小学校には実に三十人もの特別支援を必要とする生徒が含まれておりまして、この生徒たちを含んだいろんな個性がこの学校の中で輝いている、お互いにそれがいい影響を与え合って、全体の学校集団として成長していくという、実に感動的な話であります。  やはりインクルーシブ教育と横文字で言いましても、何のことかなかなかよくわかりませんし、差別の禁止だ、解消だと言えば、これは身構えてしまうような話にもなりますので、私は、ぜひこうしたすばらしい教材が実際の学校の様子として、我々がふだん見ることができないようなもの、ドキュメンタリーとして、上映運動が今行われておりますので、ぜひ御活用いただいて、議員の皆さんにも、ぜひ機会があれば見ていただきたいと思うわけであります。  それから、もう一つ、高校教育の話でありますけれども、今まさにそういう、もう受験目前、公立高校の受験日が数日後に迫っておりまして、非常に皆さん、生徒たち当事者はもちろん、家族もやきもきして不安な日々を過ごしております。  そんな時期でありますので、特定の誰かが入れるか入れないかという話に余り深入りすべきではないと思いますけれども、この条例ができ、法律ができたことによって、今までは、先ほどの話ではありませんが、受験制度のある、あるいは推薦がもらえなければ入れない全日制の公立高校はどうも無理だなと思って、いろいろほかに、それ以外のところへ流れていく生徒、その中に特別支援学校の高等部があるわけでありまして、小中学校までは普通の学校で、特別支援学級に在籍した子もいますけれども、普通の学校でみんなと一緒に学んできた子が、高校へ行く段になって特別支援学校の高等部しか選ぶ先がないと、この事態はやはり問題と言わなければならないんじゃないでしょうか。  先日の朝日新聞を見ましたら、私も改めて数字を見て驚きました。この数年間で障害を持つ大学生の数が倍になっております。二〇〇八年度に六千人だったのが、二〇一四年度には一万四千人になっています。  大学でも、こうして障害のある子がみんなと一緒に学ぶ環境がどんどんできつつあるんです。高校でできないはずはないと思う。もっとこれは具体的な配慮、支援を強めていただくようにお願いをいたしまして、終わります。ありがとうございました。 55: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  市川英男議員。 56: ◯五十二番(市川英男君) 私からは、歳出第十一款教育費第一項教育総務費第四目学校教育指導費のうち、特別支援教育推進費のインクルーシブ教育システム推進事業費補助金に関連してお伺いをいたします。  特別支援教育についてでありますが、障害のある子供は、特別支援学校だけでなく、小中学校の特別支援学級や通常の学級にも在籍しております。  先般、市町村が配置している看護師免許を持つ支援員から医療的ケアを受けながら学ぶ児童が在籍する小学校へお邪魔をいたしました。その様子を見るにつけ、こうした児童生徒が安心・安全に学校生活を送るためには、看護師の配置といった学びを支える体制が大変重要であると改めて強く感じたところであります。  来年度からの新規事業として予算計上されているインクルーシブ教育システム推進事業費補助金は、こうしたニーズに対応するため、市町村立の小中学校への看護師の配置に要する経費に対して補助を行うものと聞いております。  そこで、まず、小中学校において、医療的ケアの現状はどのようになっているのか、教育長にお伺いいたします。  次に、今申し上げた補助事業の名称にもなっているインクルーシブ教育システムについてであります。  インクルーシブ教育システムとは、障害のある者と障害のない者がともに学ぶ仕組みのことであり、義務教育段階でいえば、ともに学ぶ場となるのは小中学校であります。  その小中学校において、障害のある児童生徒に対する教育の場の一つに特別支援学級がありますが、小中学の児童生徒数は、年々減少しているにもかかわらず、特別支援学級に在籍している児童生徒数は年々増加しております。本県においては、今年度、九千六百十五人の児童生徒が特別支援学級に学んでおり、十年前と比べると児童生徒数は一・八倍にふえております。  昨年の一般質問でお伺いしましたが、この特別支援学級は、以前、小学校では二人、中学校では三人の児童生徒がいないと学級を新たに設けることができなかったため、自分の住む地域の学校に通うことができないケースもありました。  しかし、今年度から小学校では、児童一人からでも特別支援学級が設置できるようになり、いよいよ来年度からは新たに中学校でも同様に、一人から設置できるとのことで、地域の学校で学べる環境が整うことになりました。また、通常の学級にも障害のある児童生徒が在籍しており、そうした児童生徒に対する通級による指導を担当する教員が来年度も増員されると聞いております。  このように、障害のある子供に対する教育環境の充実が進められておりますけれども、障害のある子供と障害のない子供が同じ学校で生活する中で、子供たちはどのように感じているのか、その一端を内閣府が毎年発行している障害や障害のある方にかかわる体験作文などの作品集からうかがい知ることができます。  その中には、障害のある子供の目線から書かれたものや、障害のない子供の目線から書かれたものがあり、そのいずれも、ともに生きる心が育まれていること、言いかえれば、共生社会の形成に向けた芽が着実に育っていることを感じさせるものであり、障害のある子供と障害のない子供の触れ合いの重要性を再認識できるものであります。  一方で、インクルーシブ教育システムが意味するところのともに学ぶこと、これを実現するにはさまざまな課題があるのも事実であります。  まず、障害の程度が重い子供が就学の時期を迎え、保護者が学びの場を考える際に、その思いは人それぞれであります。地域の子供と同じ学校に行かせたいという方もあれば、特別支援学校の専門性に期待を寄せる方、あるいは子供にとってどちらがよいのか思いを悩む方もあるのではないかと思います。  子供の就学先は、最終的には市町村の教育委員会が決めることになっておりますが、私が願いますのは、保護者から相談があった際には、こうしたさまざまな思いにしっかりと耳を傾け、思いを受けとめてほしいということであります。そして、市町村教育委員会において、そうした対応が確実になされるよう、県教育委員会においてもしっかりバックアップしてほしいと思います。  そして、障害のある子供が小学校あるいは中学校に通うことになった後の対応も重要であります。先ほど申し上げましたように、小中学校においては、特別支援学級や通級による指導といった障害のある子供に対する教育環境の充実が進められておりますけれども、小学校や中学校でそれぞれの子供の障害に応じた教育をしっかりと行うことができるよう取り組むことが肝要であります。  このほかにもさまざまな課題があるとは思いますが、インクルーシブ教育システムについて、どのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。  次に、外国人児童生徒教育推進事業についてお伺いいたします。  文部科学省が公表している平成二十六年度の日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の結果によれば、本県における日本語指導が必要な外国人児童生徒数は六千三百七十三人と、第二位の神奈川県の三千二百二十八人を大きく引き離して全国最多となっております。平成二十四年度の同調査の結果と比べて四百九十五人増加し、在籍する学校数も五十一校増加して六百九十九校となっております。これは、定住する外国人増加に伴った影響であると思われます。  言語別に見ますと、ポルトガル語を母語とする児童生徒が依然として多いものの、最近では、フィリピノ語や中国語を母語とする児童生徒が急増し、外国人児童生徒の多国籍化が進んでいると言えます。  また、日本語指導が必要な児童が全校児童の過半数を占める学校がある一方で、少数ではありますが、在籍している学校が県内全域に広く分布する傾向にあるとも聞いております。  このような外国人児童生徒が在籍する市町では、母語を話せる支援員等を配置して、生活適応指導や学習支援をしたり、保護者向けの配付文書の翻訳や通訳等を行うなどの対応をする必要があると聞いております。  先日、私は、我が党の岡議員と豊田市で外国人生徒が多数在籍する中学校を訪問し、外国人児童生徒教育の状況を視察してまいりました。  その学校では、日本語指導が必要な生徒に対して、県が加配している日本語教育適応学級担当教員と、市が独自に配置する支援員が、在籍学級とは別の教室で国語や社会の指導を行っておりました。担当教員が日本語で指導し、支援員は、日本語での理解が難しい場合に母語での説明を加え、生徒の学習内容の理解を補っております。  また、来日間もない生徒は、拠点となる小学校に豊田市が開設している初期指導教室に四カ月ほど通い、日本での生活に必要な初歩的な日本語を学習しているということです。  さらには、放課後にNPO法人の開設する日本語教室に通い、日本語学習とあわせて、わからない問題をボランティア等に尋ねながら、問題集で繰り返し学習している生徒がいるとも伺いました。  このように、きめ細かな支援を受けて、外国人生徒が生き生きと学校生活を送っていることに胸が熱くなる思いでした。  しかしながら、県内の外国人児童生徒が在籍する全ての市町で支援員等が配置されているわけではなく、独自の支援員等がいない市町の学校においては、児童生徒への支援や保護者との意思疎通に困難を抱えているのが現状です。  外国人児童生徒は、継続的な支援があれば、みずからの力を高め、可能性を広げることとなり、将来への希望を持って愛知に住み続け、いずれは愛知を支える人材となるはずです。  こうした市町の支援だけでは十分でない部分を補っていくことが県として大切な役割であり、県が外国人児童生徒教育推進事業として派遣する語学相談員への期待は非常に大きいと考えております。  特に、来日したばかりの日本語が話せない児童生徒にとっては、なれない日本での生活と言葉について困っていることなどを母語で話せる語学相談員の存在や初期指導教室等での支援は非常に心強いものです。  そこでお伺いいたします。  日本語指導が必要な外国人児童生徒教育の充実を今後どのように進めていかれるのか、教育長の御所見を伺います。  以上です。 57: ◯教育長(野村道朗君) インクルーシブ教育と外国人の日本語指導に関して二点にわたってお尋ねをいただきました。  インクルーシブ教育システム推進事業費補助金について、まずお答えしたいと存じます。  初めに、小中学校における医療的ケアの現状についてでございます。
     本県におきましては、医療的ケアを必要とする児童生徒が年々増加しておりまして、名古屋市を含む公立小中学校で、平成二十四年度は二十三名でございましたが、今年度は五十二名となっております。  また、医療的ケアを行う看護師につきましても、医療的ケアの対象となる児童生徒の増加に伴ってふえてきておりまして、平成二十四年度は一名でございましたが、今年度は十二名が配置をされております。医療的ケアの内容と割合は、たんの吸引など呼吸に関するものが五五%、導尿が二〇%、経管栄養など栄養に関するものが一五%、その他が一〇%となっております。  今後におきましても、医療的ケアを必要とする児童生徒はふえることが見込まれますので、二八年度予算に計上したインクルーシブ教育システム推進事業費補助金によりまして、そうした児童生徒への支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、インクルーシブ教育システムについてでございます。  障害者の権利に関する条約によれば、インクルーシブ教育システムとは、人間の多様性の尊重、精神的、身体的な能力を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加するとの目的のもと、障害のある者と障害のない者がともに教育を受ける仕組みと示されております。  県といたしましては、その理念を平成二十六年三月に策定をした愛知県特別支援教育推進計画に反映をさせておりまして、さまざまな課題の解決に向けて取り組みを進めているところでございます。  具体的には、障害のある子供の個別の教育的ニーズに応えるためには、小中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった多様な学びの場を整備していくことが重要であると考えております。  その上で、障害のあるなしにかかわらず、社会性を養い、豊かな人間性を育て、多様性を尊重する心を育むために、小中学校と特別支援学校との相互理解を推進する交流や共同学習についても、積極的に推進をしてまいりたいと考えております。  また、就学先の決定につきましては、平成二十五年度の学校教育法施行令の改正によりまして、本人、保護者の意向の尊重がより明確にされるとともに、障害の状態や教育的ニーズなどを踏まえた総合的な観点に立って行われることとなりました。その趣旨に沿い、市町村教育委員会において適切な対応がなされるよう、就学に関する手引やリーフレットなどによりまして、理解、啓発に努めているところでございます。  さらには、インクルーシブ教育システム推進には、教員の専門性の向上が大変重要でありますことから、二十八年度には、小中学校の児童生徒に対する指導、支援の充実を図り、地域における特別支援教育の推進者を育成することを目的としたコンサルテーション事業を新たに実施する予定としておりますが、そういった実施など、全ての教員の専門性の向上を図るために、今後も研修の充実や特別支援学校教諭免許状の取得率向上などに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、小中学校における日本語指導が必要な外国人児童生徒教育の充実についてお答えを申し上げます。  本県におきましては、日本語指導が必要な外国人児童生徒は広く地域に散在をするとともに、多国籍化も進んでおりまして、きめ細かな学習及び学校生活適応の支援を進めていく必要があると考えております。  そこで、今年度から日本語教育適応学級担当教員の配置基準を拡大して増員を図ったほか、語学相談員を五名増員し、ポルトガル語対応四名、スペイン語対応五名、フィリピノ語対応二名の十一名体制として、要請のあった小中学校への訪問回数を大幅にふやしたところでございます。  訪問した学校では、外国人児童生徒の日本語能力や母語力を見きわめた上で、日本語教育適応学級担当教員に日本語指導のための教材を紹介したり、学習支援の補助をしたりして、継続的な支援に努めてきたところでございます。  しかしながら、日本語指導が必要な外国人児童生徒は、個々の日本語能力に大変大きな差がありますことから、一人一人に応じた指導計画や指導資料を作成する方法のほか、適切な日本語指導を行っていくための教員の力量向上というのが課題となっております。  今後、県教育委員会といたしましては、こうした課題の解決に向け、語学相談員を一層有効に活用しまして、訪問校において該当の児童生徒の日本語能力を測定する方法を啓発したり、能力に応じた日本語指導方法の充実に努めてまいりたいと考えております。  また、日本語指導の担当教員や市町村教育委員会の指導主事等を対象とした研修会を開催いたしまして、日本語指導に携わる教員等の資質向上を図ってまいります。  このことに加えまして、来年度、外国人児童生徒の日本語指導に実績を持つNPO団体や大学と連携をしまして、学校における日本語初期指導の研究モデル事業というものにも取り組みまして、外国人児童生徒教育の一層の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。 58: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  犬飼明佳議員。 59: ◯三十一番(犬飼明佳君) 私からは、第十一款教育費第四項高等学校費県立学校施設長寿命化推進事業費のうち、県立学校のトイレ整備、洋式化についてお伺いいたします。  皆様の自宅のトイレは洋式でしょうか。今の子供たちは、生まれたときから自宅のトイレは洋式、コンビニ、デパート、ファミレス、どこに行っても洋式トイレが大多数を占めております。  では、県立学校のトイレはどうなっているのか。教育委員会の調査によりますと、昨年四月現在で、高等学校百四十九校で、便器数が一万三千二百個あり、うち洋式トイレは四千百十四個で三一%となっています。いまだにほとんどが和式であるのが現状であります。  私は、今回、県立高校を訪問し、トイレ調査をしてまいりました。一校は普通科高校で、洋式トイレ率は平均と同様、三〇%であります。  しかし、実際見てみますと、一カ所のトイレについて、男子トイレは和式が一つ、洋式が一つ。女子トイレは、和式が三つ、洋式が一つとなっていました。教室棟では、このトイレを三クラス、男子約六十名、女子約六十名で使用する設置となっていました。  私は、在校生一、二年生四百三十人に協力をいただき、使用状況のアンケートを行いました。その結果、洋式トイレを中心に使用する生徒は、男子九七%、中でも必ず洋式を使用する生徒は六九%にも上りました。女子は、洋式トイレを中心に使用する生徒は七六%、うち洋式のみ使用する生徒は一四%でした。  人数で見てみますと、六十人の女子生徒のうち四十六人は洋式を使用したいと考えています。しかし、洋式は一つしかありません。四十六分の一であります。多くの生徒は、やむなく和式を使用していると推察をされます。これは、特殊なケースではなく、県立高校の洋式化率の平均三〇%という数字が示す実態であります。  さらに、私は、女子生徒の比率が高い商業高校も調査いたしました。この高校は、全体の洋式化率は二二%ですが、教室棟では六クラスでトイレが一カ所でありました。男子トイレは、和式一個、洋式一個となっておりますが、女子トイレに至っては、和式七個、洋式一個となっています。実は、これは女子生徒一学年百九十六人に対し、洋式は一個しかない状況となっております。  私は、二年生二百三十二人、男子三十六人、女子百九十六人にアンケートの協力をしていただきました。こちらでは、やはり不満が大きいのか、自由コメント欄に大変多くの生徒さんから記入がありましたので、紹介をいたします。  まず、洋式か和式かについては、洋式が少ない、ふやしてほしい、和式は要らないとの声が圧倒的に多くありました。  そして、トイレはいつも並んでいるや、混雑しているときは我慢する、また、ほかの校舎であいている洋式トイレを探すといった落ちつかない様子、授業に間に合うかどうか焦る様子が浮かび上がっております。  さらに、洋式トイレに対しても、便座が冷たい、便座を拭くアルコール消毒は必須だ、温水ウオシュレットが欲しい、音を隠せる音姫が欲しいなど、実はこうした洋式トイレにコメントを寄せた女子生徒のほとんどは、学校ではいつも和式を使用しているの欄に丸がついておりました。こうした日常的に使用している世間一般のトイレとの大きなギャップも示されておりました。  そして、今回の調査の中で断トツに多かった声は、臭い、汚いでありました。今も昔も、学校のトイレは、臭い、汚い、暗いの3K、さらに、怖い、壊れているを加え、5Kと言われております。この負のイメージが浮き彫りになる結果でありました。  私は、この5Kの要因となっている一つが、進んでいない洋式化にあると考えております。例えば、トイレ関連企業が設立した学校のトイレ研究会のレポートによると、和式便器は、構造上、便や尿による汚れが多くなり、雑菌が繁殖しやすい。さらに、清掃時に床を水で洗い流す湿式だと、床がぬれたままで菌が増殖し、悪臭も発生しやすい。この悪循環が起きている。しかし、洋式トイレの設置とあわせ、床を塩化ビニール等にすることで、清掃方法をモップや雑巾で拭ける乾式にすることで、雑菌は四百六十分の一に減らせるということであります。衛生面でも大幅に改善ができます。  また、環境面においても、大便を流す水量は、和式トイレでは一回約十三リットルに対し、洋式トイレでは一回五リットルから六リットルであり、約五〇%ほどの節水、節約につながります。  さらに、外国人児童生徒が増加する中で、日本の子供たちからも敬遠されている和式便器は、もはや外国人児童生徒にとっては学校でしか見たことがないような存在なのかもしれません。トイレもグローバル化する必要があります。  さらに、学校には、教職員や在校生のみならず、多くの保護者や来校者が来られます。どなたでも利用できる身障者対応多目的トイレも必要です。この多目的トイレについても、教育委員会の調査では、まだ五十三校で設置されていないとお聞きしました。ノーマライゼーションの観点からも早期の設置が求められます。  そして、もう一点、私が最も危惧しておりますのは、特別支援学校のトイレであります。洋式化率が六一%であり、一刻も早く洋式化を完了していただきたい。それとともに、トイレの整備内容についても、教員や介助者の方が一緒に入れるようなゆったりとしたスペースの確保や、排せつ練習中の子供も少なくありません。清掃用の流しや汚物流し、洗濯機は支援学校のトイレでは欠かせません。また、小学部、中学部、高等部の成長や肢体や知的など、障害に応じたトイレ整備にも手を入れていくことが急務であります。  私は、ただ単純に洋式化するということではなく、特別支援学校の児童生徒にとって、トイレは自立のための大切な学習スペースであり、全ての児童生徒にとって、トイレはきれいで落ちついた中で排便し、集中力が増し、さらに勉強に取り組むためのリフレッシュの空間にするべきであると考えます。  このたびの県立高等学校教育推進実施計画(第一期)には、こうあります。県立学校施設の長寿命化計画の策定に当たり、老朽化対策のほか、学習環境の質の向上にも配慮し、トイレの洋式化など、県立高等学校施設に求められる機能、性能の確保を図るとともに、魅力ある高等学校づくりを推進するための施設整備を目指すと。  トイレの洋式化を示されたことに大いに期待をしております。先ほどのトイレ研究会によりますと、全て洋式トイレにしても、生徒からの苦情は全くないそうであります。一〇〇%を目指して計画を策定していただきますようにお願いをいたします。  以上、述べてまいりましたが、現在のトイレは、洋式、和式の違いのほか、床の湿式、乾式の違い、手すりの有無、また、多目的トイレのオストメイト機能の有無など、建築時期等によって異なったつくりになっております。  これを機に、高等学校、そして、特別支援学校それぞれにおけるトイレ整備について、統一仕様を作成する必要があります。また、その中で、洋式トイレについても、生徒からの声が多く、より衛生的で快適な学習環境をつくる、温水洗浄便座を統一仕様として推進するべきであると考えます。  そこでお尋ねします。  特別支援学校を含めた県立学校において、洋式化を初めとしたトイレ整備を今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。 60: ◯教育長(野村道朗君) 県立学校における洋式化を初めとしたトイレ整備についてお尋ねをいただきました。  これまで高等学校におきましては、人にやさしい街づくりの推進に関する条例に基づき、トイレごとに一つの便器は洋式化を、また、特別支援学校におきましては、トイレ介助などの観点からも、全ての便器の洋式化を大規模改造工事や耐震改修工事にあわせて行ってきたところでございます。  なお、こうした対応とは別に、障害のある生徒が高校へ入学した場合などには、個別に洋式化の対応もしてまいりました。その結果、洋式便器の設置率は向上してまいりましたが、高等学校では三一%、特別支援学校では六一%にとどまっているところでございます。  今後は、県立学校施設の長寿命化計画を策定するに当たりまして、来年度には、外部有識者などで構成する検討委員会において、改修の基本的な方針を定めてまいりますので、その中で、トイレのあり方につきましても検討してまいります。  なお、検討に当たっては、保護者や教職員の代表者にも検討委員に加わっていただき、生徒や保護者の声も取り入れることとし、洋式便器の設置割合の考え方や附帯設備、広さなどの使用期間について、学校種に応じて定めてまいりたいと考えております。 61: ◯三十一番(犬飼明佳君) 要望させていただきます。  トイレの整備に対する統一の仕様ということも、検討委員会の中で策定していただくということでの答弁もいただきました。  学校の耐震化を経て、今後、老朽化対策、長寿命化対策をどうするのか、そして、学校では和式が中心となっておりますので、こうした現在のトイレをどうしていくのか、こうしたことは、実は本県のみならず、多くの都道府県立の学校、そして、市町村の小中学校、こうした学校が直面している重要な課題となっております。  そうした中で、神奈川県では、今回、県立学校の和式トイレを二〇二三年度末までに全て洋式にかえる、こうした方針を決めたということです。報道によりますと、整備に向けた事前調査や試行工事のために、十六年度予算案では一億七千百万円を計上して、衛生面、学習環境、そして、現代の生活様式、こうしたものを踏まえた整備を進めるということであります。  神奈川県の便器数は一万四千個で、洋式は約三割にとどまっているということでありますので、ほぼ本県と同じような状況となっております。  教育長からの御答弁の中で、洋式トイレの設置率という話もありましたけれども、神奈川県でもそうですけど、やはり一〇〇%洋式化を進めていくべきであるというふうに思います。神奈川県が今後どう進めていくのかということも、ぜひ参考にしていただきたいと思います。  本県においても、財源を確保して、推進計画を立てていただくようにお願いをいたします。  そしてまた、特に、先ほど質問の中でも述べさせていただきましたけれども、特別支援学校のトイレ整備、これと県立高校の多目的トイレの全校設置、これは喫緊の課題であります。  この二点については、最優先として早急に取り組んでいただきますように要望して、終わります。 62: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  柴田高伸議員。 63: ◯五十三番(柴田高伸君) 歳出第十款警察費第一項警察管理費のうち、交番・駐在所建築費に関連して、交番、駐在所の統廃合についてお伺いをいたします。  交番、駐在所は、地域住民の身近なところに存在し、そこに警察官が勤務して、パトロールによる犯罪の未然防止や事件、事故への対応など、日々地域住民の暮らしの安全を守る活動を展開しています。  我々を取り巻く社会情勢については、都市部におけるさらなる都市化の進展と地方部における過疎化の進行による地域構成の二極化、核家族化の進行、地域社会における住民関係の希薄化などが加速しています。  また、モータリゼーションの進展や携帯電話の普及、拡大などの生活環境の変化は、常に警察活動にも大きな影響を与えており、そのたびに警察が取り組まなければならない事象も変化を続けています。  さらには、これらに起因すると思われる凶悪犯罪や特殊詐欺事件、来日外国人による犯罪、反社会的勢力による組織的犯罪が続発するなどの犯罪の質的変化のほか、多様化、スピード化の一途をたどる警察事象に対して、迅速かつ的確に対応することが求められ続けています。  そうした中、交番・駐在所勤務員におかれては、日々変化を続ける社会情勢に的確に対応し、住民の期待と信頼に応えるべく懸命な努力を行うとともに、自治体、自主防犯団体との連携によりさまざまな対策を講じ、治安維持向上に努めてこられましたが、それ以上に地域住民から強く求められるパトロールの強化と常時在所という相反する要望への対応や多様化、スピード化する各種犯罪に的確に対応するため、本県では、平成十七年度から十年間、交番・駐在所再編強化計画の推進を図り、交番、駐在所の新設、移転及び廃止を実施することによって、県内の警察力の適正な配分による治安基盤の強化及び視認性、利便性の向上による交番機能の強化を推進してきたところであり、県警として、当初の目的はおおむね達成したものと評価されていると承知をしております。  また、今後の方針として、事案の複雑化、対応時間の長時間化などの依然厳しい情勢の中で、これまで以上に地域警察官の効果的な運用を図り、組織的な対応力を強化するため、今後も交番・駐在所勤務員の集約による執行力の強化を図るとともに、交番、駐在所の建てかえ時等における機能の充実を検討していく必要があると示されております。  そこで、交番、駐在所の統廃合による廃止に対して、地域住民の反対が多い中にあって、それ以降も、新たな受け持ち交番によって、当該地域の治安維持向上に遜色がない警察活動を地域住民が納得できるように推進するということが極めて重要であり、交番存続を願う地域住民と新たに受け持つ交番との距離感を縮めて、治安情勢に対する不安を取り除くためのきめ細かな対応が必要であることを指摘しておきたいと思います。  そのためには、住民に対して、交番、駐在所の統廃合の目的は、その体制機能を充実強化することにあることを明確にし、地域の防犯力の向上を住民と一層協力、協働して図り、交番、駐在所の設置場所がどこであれ、その受け持ち区域に密着して、我が町の交番として地域住民からしっかり認知されることで、交番との意識上の距離感を縮めることが重要であります。  そもそも、警察活動には地域との連携が欠かせませんが、交番、駐在所に勤務する警察官がこれまで以上に地域の防犯アドバイザーとしての役割を担い、地域の自主防犯活動に対して指導、助言を行う顔の見える活動に加え、犯罪の未然防止のために交番を拠点としたパトロールカーの運用を強化し、小さな事件、事故も見逃さず迅速に対応する警察活動など、地域住民に安心感をもたらす目に見える活動や、地域行事への積極的参加など、地域住民との触れ合う活動を強化して取り組むことで、地域のネットワークやコミュニケーションの核として認知され、交番、駐在所の設置場所が住まいの近くであるかそうでないかにかかわらず、安心のよりどころとして安心感が醸成されるものと思います。  また、統廃合の結果として廃止された交番の受け持ち区域が交番空白区域であるかのような物理的な距離感を新たな受け持ち交番との間に生じさせないことが重要であります。そのために、残交番の偏在是正を目的とした、その後の移設を含めた受け持ち区域の均等見直し、すなわち残交番の適正配置のさらなる検討も必要であります。特に、統廃合により廃止された交番の施設については、それ以降、地域の自治会や住民が地域安全活動の拠点として再利用することも検討されるべきと思います。  ここで、二点お聞きをいたします。  まず一点目、交番・駐在所再編強化計画実施期間以降、今年度末までと来年度以降の統廃合の状況はどのようになっているのか、お答えください。  二点目、次に、統廃合によって廃止となる交番、駐在所の受け持ち区域の住民感情にどのように寄り添って、その不安を払拭し、また、その期待に応えているのか、お答えください。  以上、答弁をお願いいたします。 64: ◯警察本部長桝田好一君) 初めに、今年度まで及び平成二十八年度以降の交番、駐在所の統廃合の状況についてお答えします。  平成二十六年度までの交番・駐在所再編強化計画につきましては、県内の警察力の適正な配分による治安基盤の強化及び視認性、利便性の向上による交番機能の強化を目的として推進してきたものであり、十年間で交番の新設二十六カ所、駐在所の交番への切りかえ十七カ所、交番の廃止四十三カ所、駐在所の廃止四十カ所となっております。  今年度に新設し、あるいは廃止した交番、駐在所はございませんが、平成二十八年度につきましては、交番二カ所と駐在所一カ所につきまして、廃止に向け地元説明等を進めております。  今後も、警察力を強化し、住民の安全・安心を守るため、犯罪情勢や地域情勢等に加え、施設の状態を考慮しながら、年度ごとに整備等の検討を進めてまいります。  次に、交番、駐在所を廃止した後の対応についてお答えいたします。  安全・安心のシンボルとして地域に根づいた活動をしている交番、駐在所が廃止されることにより、県民の方々が治安が悪くなるのではないか等の不安を抱かれることは承知しております。  そこで、県警察といたしましては、交番、駐在所の警察官によるきめ細かいパトロールのほか、本署パトカーの効果的な運用による重点的な警戒活動を行うこととしております。また、それぞれの地域を担当する警察官につきましては、引き続き指定をしてまいります。  また、住民の身近で発生している事件、事故等の早期解決が望まれる問題につきましては、住民の方々や関係団体と緊密に連携して、その解決に取り組み、住民の方々の不安の払拭に努めてまいります。  また、地域の自主防犯活動に対しましても、地域安全担当官等による防犯指導や犯罪情報の提供を積極的に行い、住民の方々と自治体、警察が連携し、活発な活動が行えるようにしてまいります。  今後も不安の解消に努めますとともに、警察力を強化し、住民の方々の安全な暮らしを確保するため、万全を期してまいります。 65: ◯五十三番(柴田高伸君) それでは、繰り返しになりますが、一点要望いたします。  地域警察の体制、機能の充実強化を目的としながらも、交番、駐在所が統廃合によって廃止されることで、その地域との関係、特に犯罪抑止効果による安心感や、その地域における警察活動が決しておろそかになってしまうことはあってはなりません。全ての警察活動は、住民の理解と協力のもとに行わなければならないのは申すまでもございません。  今後、統廃合による施設の廃止や、配置人員の減員が生じる地域の住民に対しては、警察とのかかわりがおろそかになるのではないか、総じてマイナスの影響が生じるのではないかという感情に陥らないように、地域警察官が住民の心のうちを察知して、体制強化による警戒力や親和性の向上などについて十分な説明を行い、そして、積極的に治安維持活動を行うことで安心感と理解を得ること、これを十分に配慮していただきますように要望して、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。 66: ◯副議長(杉浦孝成君) 進行いたします。  筒井タカヤ議員。 67: ◯百三番(筒井タカヤ君) 平成二十八年二月定例議会は、代表質問に始まり、一般質問、議案質問に進み、各党を代表する議会運営委員会の各位の御配慮をいただき、私が最後となる質問者として発言させていただけることを、御配慮に心から感謝いたします。  歳出第十一款教育費教育総務費学校教育指導費特別支援教育推進費のうち、体制推進事業費について質問いたします。  平成十九年四月に学校教育法の改正が行われました。従来までの特殊教育から特別支援教育へと大きく変わりました。特別支援教育の柱というべき理念は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという立場で、それぞれの幼児児童生徒一人一人に合わせた教育的な求めを分析、理解をして、幼児児童生徒自身が本来持っている力、能力を高めることはもちろんのこと、生活や学習上の困難を解決するために、適切な指導や必要な支援を行うものとしています。  さらに、この理念充実を求め、平成二十四年七月の中央教育審議会の報告書が示されました。報告では、特別支援学校のセンター的機能に向けた取り組みの充実や、特別支援学校の先生方に対し、特別支援教育の専門性をさらに高めることを求めています。  その一方で、現実は、特別支援学校に在籍している幼児児童生徒の障害の状況は、重度、重複化、多様化していて、これに携わる先生一人一人が多岐にわたる専門性を身につける資格を得ることは極めて難しい状況です。特別支援教育を行う先生方が長期間にわたって必要な資格取得をするために、長期休暇で県内外に講習を受けるには代用教員も必要ですが、現実には短期間に対応することは不可能なことでもあります。  平成二十四年の中央教育審議会の報告書には、必要に応じて外部の専門家などの人材を活用して、学校全体の専門性を確保していくことも求めています。  これからの特別支援学校は、さまざまな職種、医療ケア的なものは、医師や理学療法士、作業療法士及び他資格者の人々と連携、協力をして教育を行っていくことが求められていると考えます。  県では、体制推進事業の中で、平成二十六年度と二十七年度にわたって、文部科学省の特別支援学校機能強化モデル事業を県立の盲学校、岡崎と名古屋の二校で取り組みました。その中で、視覚障害のある方の歩行訓練を行う訓練士の方による指導を行い、大変効果があったと聞いています。  岡崎盲学校には、歩行訓練を行うことができる資格者が教員におられました。名古屋盲学校には、資格を持つ教員がおられないために、外部から歩行訓練の資格者の応援のもと実施されていました。
     これを機会に、他県における状況を調べてみました。白いつえを使って、視覚障害のある方が一人で歩行ができるよう、先生方もいわゆる歩行訓練士の資格を取るように研修を受けているところもありました。また、その道のプロ、すなわち資格者と契約してお願いをしているところもありました。  平成二十六年、二十七年度の文部科学省による特別支援学校機能強化モデル事業の特徴は、歩行訓練の内容が盛り込まれていることであります。具体的には、一に、白いつえの操作訓練、二に、学校周辺の環境把握訓練、すなわち、信号の利用や道路の横断等を重視した交通安全の体で覚える体得であります。三つ目、乗り物、市バス等の利用の訓練、四つ目、長期休業、夏休みの通学訓練、これらは学校長、教職員、生徒及び家族から大変に喜ばれました。  平成二十七年度でこの事業は終了しますが、学校関係者や生徒及び家族からも継続を求められております。私もぜひ継続してほしいと思いますので、御高配をいただきたい。  そこで質問です。  平成二十八年度以降、モデル事業で得られた成果はどのように継続していくのか、また、歩行訓練士資格者の継続的な配置、さらには、盲学校教員の資格取得への応援体制を計画的に築いていただきたく存じます。県としてどのようにされるのか、率直に教育長に伺います。  また、名古屋と岡崎の盲学校には、歩行訓練士の資格を持った教員が何名おられるのか、他の特別支援学校も含めてお答えをください。もし特別支援学校に資格を持った教員がおられましたら、適正配置の検討を求めます。  さらに、特別支援学校の教員を養成する各種の学校、大学に対し、歩行訓練士等を含む各種の資格を取得する意欲のある学生及び有資格者の学生を養成していただけるように伝えていただきたいと思います。  教員を養成する学校、大学も、対応を検討してくだされば、未来は私は明るいものと信じます。以上であります。 68: ◯教育長(野村道朗君) 文部科学省のモデル事業に関連をして、大きく二点のお尋ねをいただきました。  初めに、モデル事業の成果の継続についてでございます。  文部科学省の特別支援学校機能強化モデル事業では、外部人材の活用が事業の柱の一つとして位置づけられておりまして、今回、愛知県では、二校の盲学校に視覚障害指導員や歩行訓練士などの外部人材を活用したところでございます。  このうち、歩行訓練士からは、児童生徒が直接一人一人の状況に応じて適切な指導が受けられ、生徒が自力で安全に通学できる歩行能力が格段に向上するなどの効果が見られました。児童生徒への適切な歩行訓練は継続されることによって効果が確かなものとなり、また、保護者や現場の教員からも継続の強い要請がありますことから、平成二十八年度以降におきましても、歩行訓練士の有資各者から継続して歩行訓練が受けられるよう対応してまいりたいと考えております。  盲学校教員の資格取得への応援体制ということにつきましては、歩行訓練士の資格取得のためには、学校現場を長期間離れて研修を受ける必要がございます。また、研修場所も全国で二カ所というふうに限られておりますことなどから、現時点で資格取得の計画はございませんが、外部専門家の配置活用により盲学校の専門性を担保してまいりたいと考えております。  次に、歩行訓練士の資格を持った教員の数につきましては、県立特別支援学校では二名の教員が資格を持っており、今年度は盲学校に一名、肢体不自由の特別支援学校に一名となっております。  また、特別支援学校の教員を養成する大学等への資格取得に関する働きかけについてでございますが、これから特別支援教育の一層の充実が求められる中にありまして、特別支援学校の教員にも、特別支援学校教諭免許状の取得はもとより、より専門性の高い指導能力をあわせ持つことが重要となります。  そのためには、やはり大学での養成段階から学生に資格取得も含めて、特別支援教育の専門性を高めることの重要性を意識づけることが望ましいと考えておりますので、これまでも愛知教育大学を初め、教員養成大学には、特別支援教育に関連するカリキュラムの充実をお願いしてきておりますけれども、今後も引き続き強く働きかけてまいりたいと考えております。 69: ◯百三番(筒井タカヤ君) 要望といたします。  平成二十六年度と二十七年度にわたる文部科学省の特別支援学校機能強化モデル事業が終了することによって、平成二十八年度以降については、歩行訓練士による歩行訓練が断念されることになるのではないかと学校関係者、生徒、その家族も大変に心配をしておりました。  ただいま野村教育長から、モデル事業で得られた成果を継続しますとの明快な答弁に接し、深く感謝申し上げます。盲学校生徒にとりましては、歩行訓練士による歩行訓練は、今後も必要不可欠なものであると思います。  この件に関しまして、一点要望があります。以前、名古屋盲学校の寄宿舎指導員として勤務をし、歩行訓練士の資格を取得した教員が他の特別支援学校にいるという話を聞いております。訓練の必要な視覚障害児のいる名古屋盲学校に配置されていないことが今回混乱を招いた実情であります。今後、計画的な有資格者の人事配置がなされるよう求めます。  最後になりますが、野村教育長におかれましては、今議会を最後として退任され、後任に職を譲ると聞きました。  このたびは、一人の盲学校生徒への歩行訓練がきっかけでありましたが、支援の必要な他の多くの生徒が安全に通学できるようになりましたことは、あなたが真剣に対応、努力してくださったおかげであります。あなたの愛にこの議場を通して、心から感謝と敬意をお伝えさせていただきます。野村教育長さん、今回はありがとうございました。  以上です。 70: ◯副議長(杉浦孝成君) 以上でただいま議題となっております議案に対する質問を終結いたします。        ───────────── 71: ◯四十一番(石塚吾歩路君) ただいま議題となっております議案は、さらに審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 72: ◯副議長(杉浦孝成君) 石塚吾歩路議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 73: ◯副議長(杉浦孝成君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております議案はそれぞれ所管の常任委員会に付託することに決定をいたします。  なお、議案付託表は議席に配付をいたしました。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 請願(五件) 74: ◯副議長(杉浦孝成君) 次に、請願を議題といたします。  本議会に提出されました請願五件については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託をいたします。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 75: ◯四十番(須崎かん君) 本日はこれをもって散会し、明三月十一日午後一時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 76: ◯副議長(杉浦孝成君) 須崎かん議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 77: ◯副議長(杉浦孝成君) 御異議なしと認めます。  明三月十一日午後一時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後三時九分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...