まず、1点でありますが、
安倍川水力発電所建設計画についてであります。
プレスリリースによりますと、
中部電力株式会社は、昨年3月2日に
安倍川水力発電所の建設計画について公表され、具体的に発電出力は7,100キロワット、流れ込み式で水力発電、2019年に工事着手して、2022年に運転開始の予定だと公表してございます。
同日付で田辺市長は、
中部電力株式会社取締役執行役員発電カンパニー社長、伴 鋼造氏から、「
安倍川水力発電所建設についてお願い」という文書を受け取っております。
この内容は、調査の結果、
安倍川上流地点では、
水力発電所建設に適した場所であると確認されたので、別添のとおり、
水力発電所の建設を計画しました。関係法令を遵守のもと、貴市当局、地域住民の皆様を初め関係者の御理解を賜りながら進めてまいりますので、御指導、御協力をよろしくお願いしますという内容であります。
水力発電所建設における
堰堤設置場所は、梅ケ島の湯の森地先であり、
発電所建設場所は大河内の有東木地区の
県道沿い地先であります。発電と運用方式は水路式・流れ込み式で、発電出力は7,100キロワット、一般家庭で1万1,700世帯分の
年間使用電力量であります。
最大使用水量は、毎秒7トンとなっております。小
水力発電規模よりさらに大型で、中規模の発電であります。
私の議会質問を機に、中部電力・
再生可能エネルギー事業部の担当者の説明では、梅ケ島、大河内の両地区住民にとって、
地域活性化に貢献する具体的な内容を十分に確認することはできませんでした。
ここで伺いますが、
安倍川水力発電所建設計画に対して
地域活性化を含めどのように受けとめているのか、お伺いいたします。
次に、
ワサビ栽培の
世界農業遺産認定と
地域活性化についてであります。
静岡県内の
ワサビ生産者と市、町、県で構成した
静岡わさび農業遺産推進協議会会長、
川勝平太知事の念願がかなって、「
静岡水わさび伝統栽培」が
世界農業遺産に認定されて、県内の
ワサビ栽培地域は活気づいております。
世界農業遺産認定を機に、本市の一次産業が元気づくチャンスとなることを期待しておりますが、県内で認定されたワサビ産地は、静岡市、伊豆市、下田市、東伊豆町、河津町、松崎町、西伊豆町の3市4町であり、産地間競争も際立ってくるのではないかと思うのであります。
ここで伺いますが、
ワサビ栽培が
世界農業遺産に認定されたことをどのように受けとめているのか、お伺いいたします。
〔36番安竹信男君質問席へ移動〕
5 ◯企画局長(松永秀昭君)
安倍川水力発電所建設計画に対する受けとめについて御答弁させていただきます。
まず、
水力発電所といった
地球温暖化対策に資する
再生可能エネルギーの普及については、3次総に位置づけ促進するものとしております。
また、本市が積極的に取り組んでいるSDGsのゴールの1つであるクリーンなエネルギーといった点においても、
再生可能エネルギーの普及は重要なものと考えております。
今回の計画につきましては、建設に伴う一定の経済効果が見込まれるものと考えられます。
一方、
水力発電所は、本市の貴重な財産である安倍川の本流に建設が計画されていることから、事業者にあっては、建設や運転に伴う周辺環境や農林漁業への配慮などについて、市民の皆さんや関係団体に対して丁寧な説明を続け、理解を得ていくことが必要と考えております。
本市といたしましても、計画の進捗状況などを注意深く見守りつつ、必要に応じて適切に対応してまいります。
6
◯経済局長(池田文信君)
ワサビ栽培の
世界農業遺産認定をどのように受けとめているかについてですが、このたびの認定は、本市の
ワサビ生産者やその地域の方々に誇りと自信をもたらすものであり、世界に輝くオンリーワンの都市を目指す本市としても、大変喜ばしいことであります。
また、
ワサビ栽培発祥の地としての歴史的価値とともに、文化や景観などの保全に係る地域の取り組みが評価されたものであり、大変意義深いものであると受けとめています。
今後は、この
ワサビ栽培を
ワサビ生産者や地域の方々とともに、本市の貴重な財産として次の世代にしっかりと継承するよう、熱意を持って取り組んでいきます。
7 ◯36番(安竹信男君)
安倍川水力発電所建設計画に入りますが、事業者は、昨年4月に梅ケ島学区と大河内学区における地元説明会をそれぞれ2回開催しております。事業者から私がいただいた説明会結果報告では、特に反対意見はなかったということであります。と同時に、質疑応答の中で、工事方法や環境への影響確認、地域協力を望む意見があったということであります。
また、地域住民の説明会の感想を少々伺う限り、具体的で丁寧な説明を受けた状況ではなかったように拝察いたします。これからが本当の説明会になるんだろうと期待するわけであります。
ただいまの答弁では、この建設計画に伴う経済効果が見込まれるとのことでありますが、どのようなものなのか。地域住民が将来にわたって、この
水力発電事業とどのようなかかわりができるのか、地域貢献度を高めるために、静岡市としても積極的な折衝をするようここで要望しておきたいと思うものであります。
静岡市は、静岡市
環境基本条例を定め、環境の保全について市の基本理念を定め、市民、事業者及び市の責務を明らかにしております。良好な環境保全と将来への継承、環境の共有性と環境の有限性の認識を示し、全ての市民が健康で、文化的な生活を営むことができる良好な環境を創造することを定めているのであります。
ここで、伺いますが、
水力発電所建設が自然環境に与える影響について、どのように捉えているのか、お伺いいたします。
8 ◯環境局長(櫻井晴英君) この事業は、静岡市
環境影響評価条例の対象事業ではないため、一連の
環境影響評価手続を行う必要はありませんが、事業者は河川水量や動植物等の環境調査を行っております。
本市といたしましては、事業の規模から判断し、環境に著しい影響を与えるものではないと考えておりますが、引き続き事業者が行う調査や対応を注視し、必要に応じて指導、助言を行ってまいります。
9 ◯36番(安竹信男君) この事業が静岡市
環境影響評価条例の対象外だということでございますが、私はここが問題だと思うのであります。
本市では、
環境基本条例をさらに補完すべく、静岡市清流条例で、安倍川、藁科川、興津川に代表される清流の保全に関する基本原則を定めております。清流の保全に当たっては、水量が適正な状態に保たれること、水源である森林、生態系への配慮などを市民の責務としております。
静岡市民は、日本一おいしい水を飲めることで、安倍川に感謝し、オクシズに暮らす梅ケ島や大河内の地域住民は、森林を育てて水源涵養に努めてきているのであります。
行政は、環境に著しい影響を与えるものではないと、ここで一蹴することのないように、ただいまの答弁のとおり、事業者の環境調査を注視しながら、地元住民が泣きを見ることがないように、努力されるよう強く要望しておきます。
これより個々の課題について伺ってまいります。
市民の飲料水に与える影響についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
10
◯上下水道局長(森下 靖君) 飲料水のうち、上水道への影響についてですが、水道事業については、
発電所建設予定地から約18キロメートル下流に、水道の
主要水源施設で安倍川の伏流水を取水している牛妻水源地がありますが、
発電所建設計画では、発電に使用された全水量が安倍川に戻される仕組みであることから、影響はないものと考えております。
また、
発電所建設予定地の約2キロメートル下流にある渡地区の簡易水道については、その水源が地下約30メートルの井戸水であり、表流水や伏流水と違うため、影響はないものと考えております。
しかしながら、工事期間中については、井戸水の濁り等の変化に注視していきたいと考えております。
11 ◯36番(安竹信男君) 事業者の計画では、毎秒最大7トンの取水が必要だと計画しておりますが、牛妻地先にある観測による日流量年表を見ますと、安倍川の表流水は2014年、10トン未満が93日、14トンが155日ありました。2015年には、10トン未満が73日、14トンが146日ありました。2016年、10トン未満が84日、14トンが133日でありました。
このデータには、ばらつきはありますが、観測地点の牛妻地区から上流部の安倍川支流である玉川や大河内の支流が流れ込んで合流合算されているわけでありますから、
取水堰堤建設予定地はさらに奥でありますので、この流量はさらに低量だと推測されるのであります。私から見ますと、年間の半分は毎秒10トンに満たない水量ではないかと思うのであります。
発電所排水溝までの5キロメートル余の区間の水量は、どの程度補償されるのでしょうか。
ここで伺いますが、アマゴとかアユなどの水産資源への影響について心配するわけであります。市はどのように対応されるのか、お伺いいたします。
12
◯経済局長(池田文信君) 開発地点に生息する魚類を把握するため、事業者による調査が行われ、アマゴ、アユ等の生息が確認されております。
本市としては、事業の動向を注視するとともに、安倍川において漁業権を持つ
安倍藁科川漁業協同組合と
十分話し合いを行うよう事業者に伝えたところです。
本市の内水面漁業を継続していくためには、水産資源の確保が重要であることから、
漁業協同組合が事業者に対して必要な対応ができるよう、本市としてもほかの
水力発電所建設の事例について調査を行い、
漁業協同組合に助言を行います。
13 ◯36番(安竹信男君) ここで、たかがアマゴだとか、アユと言ってはいけません。
安倍川上流部において、特にアマゴは水産資源のシンボルでありますし、清流の都として、シンボリックな安倍川にとって、アマゴやアユは生き証人といっても過言じゃありません。
安倍藁科川漁業協同組合と中部電力との交渉は、これからだと推測されますが、当局の十分な後押しと御指導をよろしくお願いいたします。
高さ4メートルの堰堤や導水管、発電所を建設するに当たっては、周辺の山林伐採に手が入りますが、堰堤上流部には大量に土砂が堆積し、河川敷が上昇することは自明の理であります。流域の森林域に新たな崩壊地が発生することが予想されますが、相当な面積の森林が影響を受けると思われます。
ここで伺いますが、森林法にかかわる許認可については、どのように手続が行われていくのか、お伺いいたします。
14
◯経済局長(池田文信君) 現時点では、
事前協議段階でありまして、事業者から開発面積等の詳細が示されていませんが、開発する森林面積が1ヘクタールを超える場合は、
林地開発許可申請の手続が必要になります。
林地開発許可申請につきましては、森林法や静岡市
森林法施行細則等に基づき審査を行い、環境の保全にも配慮した適正な開発が実施されるよう指導を行っていきます。
15 ◯36番(安竹信男君) 井川ダムということで、中部電力との接触もありますし、この6年の間にいろんなことを想像しながら、この質問をさせていただきました。
森林に被害が発生すると予想される森林域というのは、レクチャーをする担当職員の話では、買収で補償されるのではないかということであります。事業者がこの森林を買収するということは、所有者になるわけでありますので、地域の環境保全に十分努めていただきたい。崩れてもいいんだではなく、これは私たちの森なんだという姿勢については、私は今までの経験上、中電に忠告をしておきたいと思うのであります。
なお、南海トラフ大地震対策が叫ばれる中で、発電所のある優位性を生かした電力の地産地消型で、台風や洪水といった自然災害時の停電や孤立が心配される梅ケ島や
大河内地区住民を初め安倍川流域に暮らす市民を優先とした、周辺住民1万1,700世帯に電力供給されるといった地域貢献性の高い発電施設になるよう要望しておきたいと思うのであります。
当局は、SDGsの面からも
再生可能エネルギーの普及は重要であるとしておりますが、私はここで二宮尊徳の報徳思想を一言申し添えておきたいのであります。道徳のない経済は罪悪である。経済のない道徳は寝言である、こういうことであります。
次に、ワサビの問題に入ってまいります。
産地間競争も激しくなることが予想されるわけでありますが、何といってもワサビ発祥の地が本市の有東木であるということは、ありがたい史実であります。
有東木の仏谷山、標高1,503メートルにワサビ山と呼ばれる土地があり、ここに自生していたワサビを移植して育て上げたのが日本の
ワサビ栽培の元祖だと言われております。
駿府城に入城した徳川家康公にこのワサビを献上したところ大変喜ばれ、門外不出とまで珍重されたと伝わっておりますが、徳川家の御紋が葵の紋、この葵の紋の紋様がワサビの葉っぱの形状によく似ているのも奇遇ではないでしょうか。
ここで伺いますが、今後、
世界農業遺産の認定を受けた
ワサビ栽培をどのように情報発信していこうとしているのか、お伺いいたします。
16
◯経済局長(池田文信君)
ワサビ栽培は、オクシズへの観光客の誘致につながる有望な地域資源であることから、積極的な情報発信に努めてまいります。
平成30年度は、山合いの美しいワサビ田の風景やオクシズの豊かな自然環境、伝統的な食文化など、ワサビの魅力を収録した動画を制作し、SNSを活用して、国内外に発信していきます。
また、
地元民間放送局の番組を通じて、
世界農業遺産の認定を受けた
ワサビ栽培に関する本市の取り組みを紹介することを予定しています。
さらに、産業界が一堂に会する産業フェアや本市にゆかりのある方を招いて開催する静岡市
交流会in東京など、市内外でのさまざまなイベントでPRしていくとともに、本市を訪れた方々にワサビの産地であることをわかりやすく、また印象強く示せるよう案内看板等の設置を検討してまいります。
また、市内の子供たちに向けては、教育委員会が取り組む
静岡型小中一貫教育のしずおか学の副読本への掲載により、本市の
ワサビ栽培のすばらしさを伝えていくほか、市民の皆さんに向けては、生涯
学習センターが主催するみのり大学や
市政出前講座を通じて紹介をしていきます。
17 ◯36番(安竹信男君)
世界農業遺産の1つに
ワサビ栽培が加わったことで、当局も積極的に情報発信に努める企画をされている、その熱意が伝わってうれしく感じます。
世界農業遺産認定は、名誉なことであり、オクシズの恵まれた自然環境を観光に結びつけるためにも、
世界農業遺産認定記念碑を建立するべきだと私は考えております。
本市はもとより、国内外へ
ワサビ発祥地の存在感を示すためには、
新東名静岡インターチェンジ付近に大きなワサビのモニュメントを設置することも有効ではないでしょうか。ぜひとも職員の熱意に負けないほど、田辺市長に熱くなっていただくよう要望しておきます。
ワサビ産出量を見ますと、静岡県40億円、シェアで75%、長野県8億円、15%、岩手県3億円で6%、
水ワサビ栽培面積では、静岡県が120.7ヘクタールで42%、兵庫県が41ヘクタールで14%、新潟県35ヘクタールで12%となっており、名実ともに静岡県がトップであります。
安倍山葵業組合組合長が白鳥義彦氏でありますが、彼は17代目だというので驚きます。総会時には恒例のワサビの品評会が開かれ、見事な品ぞろえに生産者の努力も高く評価されているわけであります。会員の皆さんがさらによい品質を求めていこうと、この切磋琢磨の精神に敬意を表してまいりました。これまでに
農林水産大臣賞を受賞した会員が過去10年間に3名いると言われるのであります。
後継者問題も深刻ですが、ワサビ田の耕作が放任されないような
仕組みづくりはすごく大事であり、生産者の声を十分ここに反映させることを期待するものであります。
ここで伺いますが、ワサビの品質向上やワサビ田の維持についてどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。
18
◯経済局長(池田文信君) 本市では、高品質な
ワサビ生産を持続するために、ワサビの生産団体が取り組む優良品種の導入や普及に関する事業を支援しています。平成28年度には、葵区有東木における大規模な
ワサビ育苗施設の整備を支援し、年間10万本を目標に優良な苗の安定生産、安定供給に取り組んでいるところです。
高齢化等の理由で維持できなくなるおそれのあるワサビ田については、
ワサビ生産団体と連携し、次の世代に引き継ぐための仕組みを検討していきます。
19 ◯36番(安竹信男君) 10年ほど前の話であります。ある生産者を私が訪ねたときに、ワサビの苗を育苗するために、自分のワサビ田から採取した種を北海道へ送るというのであります。北海道で生育した苗が飛行機で輸送されて来るという話を聞かされて驚いたことがあります。
今、御答弁ありましたように、有東木地区に
ワサビ育苗施設を設置したということは、これは画期的であります。本当にありがとうございました。
水ワサビ田の景観は、多くの市民の目に入ると思いますが、江戸時代をさらにさかのぼる時代に、険しい山間地で年中水が湧き出る場所を探し、歴代にわたって数十段にも及ぶワサビ田の棚田を造成した先人たちの高い能力と強靭な精神力、体力には敬服いたします。
春夏秋冬、水の中の労働条件は、今も昔も変わりません。
ワサビ栽培はきつい仕事でありますので、後継者問題を語るときには、いかに省力化、機械化できるかが重要ではないでしょうか。
ここで伺いますが、高齢化が進み、後継者不足が課題であるときに、担い手の確保対策をどのように考えていくのか、お伺いいたします。
20
◯経済局長(池田文信君) 市内のワサビ農家は約150世帯ありますが、40歳未満の後継者のいる農家は1割に満たず、後継者の確保と育成が大変重要であると認識しています。
本市では、
全国わさび品評会で
農林水産大臣賞を受賞するなど、高い技術を持った若手生産者もおり、このような若手に栽培技術に関する講座の講師を担ってもらうなど、
ワサビ生産者全体の生産意欲や技術の向上を図っていきたいと考えております。
また、現在、
ワサビ栽培への新規就農を希望して、県外から本市に移住してきた若者が研修生として学んでいるという事例もあり、こうした意欲ある若者を後継者として育成し、事業を引き継いでいけるような
仕組みづくりを
生産者団体と連携して検討していきます。
21 ◯36番(安竹信男君) 一次産業の六次化は長い間に大分、進んできているわけでありますが、今や農産物の地産地消の動きと相応して、例えばうつろぎや真富士の里、JAじまん市でも加工品の品数がふえ、農家の所得向上につながる動きが進んでいます。
ここで伺いますが、
世界農業遺産認定を
地域活性化につなげるためには、生産現場だけでなく、他業界と連携した支援体制が重要だと思うわけでありますが、どのように考えるのか、お伺いいたします。
22
◯経済局長(池田文信君)
ワサビ栽培の
世界農業遺産認定を
地域活性化の好機と捉え、本年4月にワサビの生産振興及びオクシズの活性化を目的とした「オクシズわさび応援団」が発足したところです。応援団には、本市を初め県やJA、
ワサビ生産団体、静岡商工会議所、するが企画観光局など、さまざまな分野から10団体が加入しており、農商工連携や観光に着目した取り組みを進めていきます。
今後は、この「オクシズわさび応援団」が中心となって、ワサビの収穫を盛り込んだ体験観光ツアーを実施するなど、オクシズ地域への国内外からの誘客に取り組み、地域経済の活性化につなげてまいります。
23 ◯36番(安竹信男君) 全体を通じまして、一次産業が本当に厳しく、特に今お茶が厳しいときを迎えているわけでありますが、そういう中で何か1つ特化して、元気が出るということは大変ありがたいことであります。このワサビ発祥の地が多くの皆さんから注目される、このときを迎えるに当たって、ほかの産業もそうですが、ぜひ経緯が結びつくような施策を展開していただきたいと思うわけであります。
ただいま「オクシズわさび応援団」の話が出ましたけれども、今、地域には集落支援員が入ったりして、非常に努力されております。よく言われることは、地域振興には若者、よそ者、ばか者と言われる者がいないと、地域は発展しないということであります。私もそのことを十分井川という田舎で感じています。私もそのばか者の一人かなと思っていますが(「そうだ」)ありがとうございます。この若者やよそ者が好んで入ってくるような施策を市長、ぜひ牽引していただくよう心からお願い申し上げまして、私の質問を閉じます。
ありがとうございました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
24 ◯議長(田形清信君) 次に、池谷大輔君。
〔19番池谷大輔君登壇〕
25 ◯19番(池谷大輔君) 自由民主党、池谷大輔です。
それでは、通告に従いまして、質問をいたします。
まず、大項目の1、市長の政治姿勢についてですが、今回は田辺市長の国連でのスピーチも含めSDGs関連で質問をいたします。
御承知のとおり、SDGsとは、サスティナブル ディベロップメント ゴールズの略であり、日本語では、持続可能な開発目標と訳されます。2015年9月の国連サミットで採択され、翌年の2016年から2030年までの15年間で、加盟国は達成しようという国際的な目標であります。
17の大きな目標と、それを達成するための169の達成基準が盛り込まれており、これは2030年のあるべき世界はこうでなければならない。例えば貧困はなくさなければならない、飢餓をゼロにしなければならない、そういった大きな目標が17。さらにその目標をどうやって達成するか、そのための達成基準が169項目として出てくるものであります。
田辺市長は、2月の本会議の施政方針の中で、第3次総合計画をSDGsに組み込むと明言をされました。基本的に積み上げ方式あるいは漸進主義と言われる行政の仕組みに対し、目標があり、そこに向かってどうしていくかというバックキャスト形式のSDGsを導入するのは容易ではないかもしれません。ですが、安倍総理もSDGs推進本部の本部長を務めており、先頭に立って実施に向けて努力をしていく、地方創生の実現に資する、そういった非常に前向きな発言も報道されております。
静岡と政府と世界がSDGsで手を取り合い、目指すべき社会の実現に向けて邁進していく、これが「世界に輝く静岡」につながるものだと理解をしております。
そこで、1回目の質問です。
国連ニューヨーク本部で、田辺市長が行ったスピーチの内容とその手応え、それについてどうだったか、お答えください。
次に、地域課題についてお聞きします。
先月の5月25日、田形議長のお膝元、用宗は武島において長田5学区の連合町内会役員と地域の議員が膝を詰めて地域の課題を共有する5学区連絡協議会が行われました。それぞれの地域の役員がさまざまな課題と現状を話し合い、お互いが持つ情報を共有することで、地域を前に前にと進めていこうと考える有意義な会合であります。
大項目の2、地域課題についてでありますが、この会合で出てきた諸課題をテーマに質問いたします。
まずは、徘回認知症高齢者について。
この問題は、昨年も長田西の課題として、加藤議員に取り上げてもらった問題であります。御承知のことでありますが、現在、長田西学区では敬老会で79歳以上の高齢者全員に見守りバッジを配布しております。このバッジはスマートフォンをかざすことで、バッジの持ち主がどこの誰なのかわかる仕組みになっており、迷子になってしまう可能性のある徘回認知症高齢者の対策として、地域が主体的に取り組んでいるものであります。
さて、静岡市当局には、この長田西自治会連合会の取り組みに対し、地域で主体的に取り組む好事例ではあるが、システムの運用経費、個人情報の管理についてどのように地域で解決できるのか、注意深く見守っていきたいといった答弁をいただいております。これは、言いかえれば、器具を使って徘回認知症高齢者対策をするという、全国共通の国の施策が現状ではなく、それぞれの自治体が創意工夫を凝らして、独自の対策をしている現状にあるからだと考えております。
昨年、厚生委員会で訪れた高崎市では、靴の中にマッチ箱サイズのGPS発信機を埋め込み、徘回高齢者がどこにいるのか、家族が確認できるようにするという施策をやっておりました。資料のとおりでございます。
徘回する高齢者と、ともに生活をする家族にとってみれば、心強い施策ではありますが、自分の所在地が常に家族に把握されているというものは、皆様にとってはいかがなものでしょうか。プライバシーの問題も少しはありますが、その靴1つ当たりの値段を聞いたところ、1つ4万円ほど値段がかかるそうで、市が全額負担をしているという話を聞いて驚いた記憶がございます。
各自治体が、各地域が課題に対する解決策を独自で出し、実証実験作業を進める中、本市においても本年度、新たに始まった徘回高齢者に対する施策があると聞きました。
そこで、質問ですが、地域包括ケア推進本部が進める徘回認知症高齢者の捜索模擬訓練とはどのような内容か、お答えください。
次に、長田街道の整備についてお聞きします。
長田街道は、長田を南北に結ぶ基幹道路であり、徒歩や自転車などで市民は通勤、通学をする、日々の生活において非常に大きな役割を果たしている道路であります。
しかしながら、道路幅は狭い箇所が目立ち、家の玄関をあけたら歩道もなく、すぐ目の前を車が往来するような住宅も多数存在しております。非常に危険な状態であり、いつ事故が起こってもおかしくない、そんな状況が数十年と続いております。
それに対し、長田西中学校より北側の向敷地区域内に関しては、できる限り待避所をふやしていくという方針で、少しずつ道路幅の拡幅をしているところであります。南北に長い長田街道でありますが、長田西中学校より南側は、まだまだこれから整備が始まるところも存在しております。当局は長田街道の現状と課題について、どのように把握をしているかお答えください。
次に、長田北地区の公園整備についてお聞きします。
駿河区の長田地域の北側に位置する長田北学区は、向敷地、向敷地西町、手越、向手越、手越原の5つの自治会からなる地域でありますが、公園の数が少なく、向敷地公園、手越公園といった既存の公園は、広さや遊具の数において、他地域の大きな公園と比べると非常に寂しいものがあります。
長田北地区における公園の計画は、今から51年前の昭和42年に、都市計画決定された向敷地と手越の両方にまたがる金山に3.6ヘクタールの金山公園の計画があります。地元より、平成18年に公園整備要望を行い、市も地域住民の声を聞いてくださり、要望を受け付けてもらえたのですが、既に計画区域の一部では、宅地化が進んでいる現状にあります。
そこで、今回は何としてでも長田北地区に子供たちや子供たちをつれていく若いお父さん、お母さんあるいは地域に住む年長者が憩いの場として利用できる長田北のシンボルになり得る公園をつくってほしいという思いを地域から預かってまいりました。それを念頭に質問させていただきます。
長田北学区地区における公園整備状況についてどのように当局が考えているのか、お答えください。
次に、備蓄食料についてお聞きします。
6月18日に、大阪府北部を震源として発生した地震では、気象庁が観測し始めてから初めて大阪府で震度6弱を計測したとのことでありました。まずもって、今回の震災に遭われた被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
地震をめぐる報道を見ておりますと、今回の地震は、南海トラフ巨大地震の前兆かという専門家の発言もありました。とりわけ、地震に対する備えを以前から先進的に進めている静岡市でありますが、非常時に用いる食料の備蓄体制を中心に何点かお聞きします。
まず初めに、静岡市では災害発生時、自宅で生活をし続けることが困難な家庭のために、避難所を多数開設することになっております。
しかしながら、収容人数は限られており、全員が避難できるわけではありません。当局は、災害発生時も自宅で生活を続けるための各家庭での備えとしてどのようなことを推奨しているか、お答えください。
次に、避難所に避難されてきた方への食料の提供でありますが、自宅から避難をする際に、食料や飲料水を持ってこられる方ばかりではありません。むしろ、在宅避難者においても、備蓄食料の備えが足らず、避難所に来るケースも想定されております。
被災後、数日たてば、自衛隊による救助であったり、全国からの援助も期待はできますが、被災直後は行政による常日ごろからの備えが被災者に供給されることとなります。
そこで、お聞きしますが、市では、どのような考えに基づいて食料の備蓄を行っているか、お答えください。
さらに、行政ではなく、家庭での食料備蓄についてお聞きします。
内閣府における防災対策推進検討会議における南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの最終報告では、発災直後では、特に行政からの支援の手が行き届かないことから、まずは地域で、自立活動をするという備えが必要であり、食料や飲料水、乾電池、携帯電話の電池充電器、カセットコンロ、簡易トイレなどの家庭備蓄を1週間分以上確保するなど、細かい具体的な対応を推進する必要がある、そう記載されております。
質問でありますが、静岡市内における各家庭での食料備蓄率はどうなっているのか、データがあればお示しいただきたいと思います。
以上、1回目の質問であります。
26 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢のうち、SDGsについて。
先日の国連ニューヨーク本部でのスピーチ内容とその手応えはどうだったかとの御質問にお答えをいたします。
手応えは大いにありました。行ってよかったと思っております。
まず、今回の訪問を通じて強く印象に残ったことは、国連のニューヨーク本部事務局がSDGs推進に取り組む本気さであります。やっぱり現地、現場に行ってみて、肌で感じるというのは大事なことだなというふうに思いましたが、国連事務局のSDGsへの力の入れようというのは、私の想定以上でありました。
とりわけSDGsを所管している国連事務局のパートナーシップオフィスの皆さんは、国連の外の各国政府はもちろんのこと、企業とかNGOとか、そして、私たち自治体とのタックを組むことを強く望んでおりましたので、私たちの来訪を大変歓迎してくれました。
池谷議員にぜひ御理解いただきたいことは、結局のところ私ども静岡市が3次総で、2022年までに市民約70万人を対象にして目指すまちの姿、健康とか安心とか、共生とかをキーワードにした都市ビジョンと、国連がSDGsで2030年までに地球上の約70億人の人々に対して求めている地球の姿というものは、目指す方向で全く同じだということであります。文明と自然といいますか、経済と環境のバランスをどうとりながら、私たちのこの地球でいかに豊かに健康に、そして、幸せに暮らしていけるのかと、この目指す方向で一致したということであります。
今回、日本政府を初めNGOなどさまざまな御関係の皆様の橋渡しの御尽力のおかげで、静岡市と国連ニューヨーク本部事務局が結ばれました。ですので、この世界共通の目標であるSDGsに、私たちの3次総を組み合わせていくということは、私たち自身の豊かな市民生活をつくっていく、つまり3次総であるとか、5大構想をより一層強力に推し進めていくツールになり得るというふうに確信をいたしました。
私は、国連でのスピーチにおいて、そのことを丁寧に説明しました。そして、国連の皆様にアジアの日本の静岡市というところで、こんなまちづくりをしているという3次総や5大構想についてアピール、シティプロモーションをしてきました。今度は日本に戻って、まだまだ静岡市民の皆さんに認知度が低い国連が目指すSDGsについての説明をして、この市民認知度を50%まで引き上げていきたいという決意をスピーチで述べたところであります。
加えて、スピーチの前後に、精力的に会合を重ねました。日本政府の国連代表、星野大使を初め今回の会議そのものを主催したチャウドリー国連大使や先ほど申し上げましたパートナーシップオフィスのウィリアム・ケネディ上級役員などなど個別に会合を持ちまして、率直な意見交換をしました。
その中で、3次総、5大構想はもちろんのこと、例えばジェンダーイコーリティーというSDGsの目標に向かって、今、静岡市では女性が活躍する都市環境をつくるために、「しずおか女子きらっ☆」プロジェクトに力を入れるとか、若い方々への啓発のために来年1月に東京ガールズコレクションを開催するとか、そんな説明をしたところ、大いに評価していただいたという実感を得ております。
その証拠に、帰国してからでありますけれども、パートナーシップオフィス、ケネディ上級役員から、来月再びSDGsについてのハイレベル政治フォーラムがニューヨーク本部で開催されるので、静岡市長、改めて来てくれないかという、そして、またスピーチをしてくれないかという大変うれしい申し出もありました。
また一方、これも新聞で御承知かと思いますが、私たち静岡市は、日本政府の呼びかけに応じ、SDGs推進にいち早く取り組みました。よって、先日、約1,700の自治体の中で、29のSDGs未来都市に選んでいただきまして、総理官邸に行ってまいりまして、その未来都市の選定証の授与式に出席してきました。そのときに安倍総理からは、日本がSDGsに取り組み、国連を重視しているという外交姿勢を示すためにも、日本の地方自治体がSDGsを推進してくれるというのは、大変心強いし、それは地方創生につながるものなんだと。ぜひ全世界に誇れる取り組みをして、日本の自治体を牽引していってほしい、ロールモデルになってほしいという激励もいただいたところであります。
このようにいち早くSDGsに取り組んでくれたこと、これは市の職員が企画局を中心にして一生懸命3次総にSDGsを落とし込む作業をしてくれたたまものであります。そして、国連との関係も構築でき、日本政府からの支援も今後受けられるようになったことで、3次総を推進して、市民生活をよくするという「世界に輝く静岡」の実現がより強力に推進できる体制ができたというふうに理解をしていただきたいと思います。
残念ながら、御招待いただいた来月のハイレベル政治フォーラムは、私の日程上、最後に井川地区でやらなきゃいけないまちづくりセッションがあって、私はこれに行けず、美濃部副市長を派遣する予定です。今回構築できた国連との新たなネットワークを最大限活用し、日本政府とも連携をしながら、世界におけるSDGs先進都市を目指すとともに、「世界に輝く静岡」の実現に向けた取り組みを着実に進めていきたいと考えております。
どうぞ池谷議員には、市民の皆さんへのSDGsの普及に関しまして、より一層のお力添えをお願いいたします。
以下は、局長及び統括監に答弁をさせます。
27 ◯健康長寿統括監(羽根田信人君) 徘回認知症高齢者の捜索模擬訓練の内容についてですが、この事業は、認知症高齢者の症状や徘回行動などの理解を深めるとともに、地域での見守りネットワークの構築や徘回認知症高齢者の行方不明者をできるだけ早く安全に保護できる体制づくりを目的としています。
訓練は地域包括支援センターが中心となり、地域住民や自治会、地区社協、民生委員・児童委員、警察等が協働して、認知症であることを想定した徘回役の捜索を行います。捜査に当たっては、現在、本市が実施している認知症の行方不明者情報をメール配信する認知症しずメールや徘回のおそれがある人の靴等に張る認知症見守りシールを活用した情報伝達、徘回者の気持ちに配慮した声かけ等を行い、安全に保護し、自宅へ戻すまでの一連の流れを実施する予定です。
本年度は、安西番町圏域、大谷久能圏域、有度圏域の3カ所で、小学校区程度の地区をモデルとして実施してまいります。
28 ◯建設局長(伊東正高君) 私のほうからは、長田街道の現状と課題についてお答えいたします。
通称長田街道は、駿河区用宗と向敷地を結ぶ延長約6キロメートルの長田地区を南北に縦貫する道路で、一部区間は一般県道用宗停車場丸子線であり、沿道には中学校や住宅、工場などが隣接しております。
また、機能を補完する道路として都市計画道路手越原用宗線が指定されております。
議員の御指摘のとおり、長田西中以南の長田街道の現状は、おおむね2車線の車両通行の確保はできておりますが、歩道の未整備区間が多く、過去には死亡事故も発生するなど、歩行者や自転車の安全性に課題があるため、注意喚起などの応急的な対策を実施しているところであります。
課題の抜本的解消には、都市計画道路手越原用宗線の整備が効果的と考えておりますが、計画区間には人家の連檐や鉄道交差などの多くの課題を抱えていることから、現時点では事業化に至っておりません。
29 ◯都市局長(片山幸久君) 長田北地区の公園整備状況についてどのように考えているのかについてでございます。
公園は、市民生活に必要な憩いや心身の健康、防災、レクリエーション、地域コミュニティなど、さまざまな機能を有する施設であることから、公園サービスを市民の皆さんに等しく提供できるよう適正な配置に努めております。
このため、公園が不足している地域への整備に向け、民有地の買収に限らず、公共用地の活用のほか、議員の皆様の御協力をいただき創設した無償借地公園制度などにより、用地を確保するため、用地情報の収集や関係者との協議に取り組んでおります。
長田北地区には、安倍川河川敷の緑地や小規模な区画整理による小さな公園はありますが、地区の皆さんにとって、身近な適正規模の公園が不足しており、整備が必要であると認識しております。
30 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 備蓄食料に関する3点の御質問にお答えいたします。
最初に、災害発生後も自宅生活を継続するための備えについてですが、本市では、地震即避難所ではなく、自宅で継続生活ができるよう、家庭内防災対策の充実を図ってまいりました。その柱として、次の3点を推奨しております。
1点目は、自宅を守ることです。耐震化で家屋の倒壊からみずからの命を守るとともに、感震ブレーカー設置により、通電火災を防止することで、発災後の生活の場を確保することができます。
2点目は、家具等の固定で、倒れた家具等により死傷することを防ぐとともに、室内の被害を最小限に食いとめることで、自宅での生活を継続することができます。
3点目は、7日分の食料や飲料水などの備蓄で、これによりライフラインや経済活動が回復するまでの間も、住みなれた自宅で生活することができます。
これらを進めることで、自宅での継続生活が可能となり、避難生活でのストレスによる二次被害を防止できるものと考えております。
次に、市の備蓄食料に関する考え方についてですが、まず自助として各家庭で十分な備えを行い、発災後も自宅で生活を完結できることが理想です。しかし、自宅の倒壊等により、家庭内の備蓄食料を持ち出しすることができない場合も想定されます。
そこで、やむを得ず、避難生活を送らなければならなくなった方々を対象に、公助として本市では想定する避難所収容者数約12万人の3日分に相当する食料、約100万食を備蓄しており、非常時に避難者に対し、必要な分を必要なところに、迅速に配給できるよう、公共施設等市内111カ所に分散して備蓄しております。
次に、各家庭での食料備蓄率についてですが、本市が平成29年1月にインターネットを活用したウエブアンケートで、非常食の備蓄量について616人から回答を得ております。そのアンケート結果によると、1日以上の備蓄を行っている市民の割合は67%になっておりますけれども、3日以上となると32%、さらに7日以上となるとわずか5%にとどまっております。
このアンケートは、非常食としての備蓄について調査したもので、日常生活におけるストックは含んでおりませんが、厳しい数字であり、家庭内での備蓄に対する啓発の必要性を痛感しております。
〔19番池谷大輔君登壇〕
31 ◯19番(池谷大輔君) 2回目の質問です。まずは、SDGsについて。
国連の皆さんから大きな期待を寄せられ、今後も国連とかかわりを持って取り組んでいくとのお答えでした。
静岡市のまちづくりの目標である世界に輝く静岡の実現、この言葉でありますが、正直今まで日々の生活の中でなかなか実感が湧くことはありませんでした。MICEの推進や日本・スペインシンポジウムなど、実績を少しずつ重ねていることは理解しておりましたが、市民の中で静岡は世界で輝いているまち、そういう実感は余りなかったのではないでしょうか。
しかし、だからこそ今回のSDGs推進と市長の国連でのスピーチを通じ、世界に輝く静岡とはこういうことなんだ、そういう思いになりました。
今後の課題は、SDGs自体の知名度が低く、中身や思想、思い、そういったもろもろが市民に知られていないことであります。もしかしたら役所の中でもまだ足りないのかもしれません。
先ほど市長からありましたとおり、国連からも期待をされ、来月再びスピーチが求められているとのことでしたが、美濃部副市長にはぜひとも頑張っていただきたいと思います。
みずから動く市民の活動のサポートをするため、あるいは第3次総合計画を加速化するためにも、SDGsの普及に努めていただきたいと思います。
そこで、質問ですが、今後SDGsに対し、市は普及啓発に向けてどのような取り組みをしていくのかお答えください。
次に、徘回認知症高齢者対策です。
本市における捜索模擬訓練についてお答えをいただきました。現在、徘回認知症高齢者に対し、器具を用いて対策をする自治体と器具を用いず、地域力で対策をする自治体に分かれております。静岡市の捜索模擬訓練は、器具を用いずに徘回認知症高齢者を捜索する、後者のほうの施策であります。
ここで1つ、他都市の事例を紹介したいと思います。資料にもありますが、東京都大田区でやられている話であります。
大田区では、地域包括支援センターからのアイデアで、高齢者にこういったキーホルダーを配布しております。高齢者見守りキーホルダーです。表に識別番号、裏に電話番号が書かれております。9年前に始まった大田区発の高齢者見守りキーホルダーでありますが、今では大田区の65歳以上の5人に1人が携帯をしております。使い方はシンプルで、これを身につけた方が徘回をしていると、そのように周りの方が気づいた場合、見かけた方が記載の電話番号に電話をかけ、識別番号を伝えるだけです。それだけでこの方がどこの誰なのか、全国どこで失踪、徘回をしても見つけ出すことができるキーホルダーであります。目立つところにキーホルダーをつけておくことで、失踪、徘回だけでなく、事件、事故に巻き込まれた際などにも、速やかに行政機関や家族と連絡がとれる仕組みになっております。
既に東京都では23区中半数以上の区で導入されており、資料にあるとおり、全国の自治体でも導入が進んでおります。
これのすぐれているところは、非常にコスト感覚にすぐれたところでありまして、先ほど靴のGPS、あれは1つ4万円でしたけれども、こちらのキーホルダーは1つ200円という話でありますので、非常に安価な値段で、静岡中の高齢者にも対策ができるのではないかなと考えております。
話を戻します。質問に対する答弁を聞いて、静岡市が行おうとしている捜索模擬訓練は、静岡市民が地元でいなくなった際には、効果を発揮するだろうと思いました。地域包括支援センターを中心に市民を巻き込んで地域力でカバーをする、ただ住んでいる住民ではなく、地域のために、市のためにみずからできることに進んで取り組む市民を育むよい政策だと思います。
しかしながら、静岡市民が地元から離れ、市域を越えて行方不明になった場合は、どうなるのでしょうか。先ほど当局より説明のあった捜索模擬訓練では、自治体をまたいでしまうと対応ができないのではないか、不安が残ります。
そこで、お聞きしますが、徘回認知症高齢者が市外まで行方不明になった場合の施策はどうなっているのかお答えください。
次は、長田街道についてです。
現状の説明の中で、都市計画道路手越原用宗線の話が出ました。この都市計画道路は、国道1号から南に向かって真っすぐ用宗にまで延びていく道路であります。計画されたのは昭和32年であり、公園の件とかぶりますが、こちらも計画路線上には民家が建ち並んでいる状況にあります。当局の言うとおり、これから手越原用宗線を整備するのは課題も多く、非常に困難であると言わざるを得ません。だからこそ現状の長田街道を早急に整備していただきたいとの思いがあります。
長田南学区からの地域要望も何年も出ております。応急的な注意喚起ではなく、スピード感を持って対応していただきたいです。
そこで、質問ですが、市は、市が考える課題解決に向けた対応についてどのような考えを持っているかお答えください。
次は、公園についてです。
1回目の質問で、適正規模の公園が不足しており、整備が必要であるとの認識をしている、そういった旨の答弁をいただきました。地域の思いと合致した答弁であります。
長田北地区では、平成22年に金山公園の代替案として、市営向ヶ岡住宅跡地を利用した公園整備要望を行い、市営向ヶ岡住宅跡地の公園整備に向けた要望活動を続けている地元の思いがございます。市営向ヶ岡住宅跡地を公園整備候補地としてどのように考えているかお答えください。
最後に、備蓄食料についてであります。
1回目の質問で、各家庭での備えについて、市の食料備蓄の考え方、市が把握している各家庭での食料備蓄率についてお聞きをしました。市の食料備蓄について避難所収容者数の3日分、100万食を備蓄しているとのことですが、この数字は多いのか少ないのか、どういった判断基準で100万食なのか。また、備蓄食料とはいえ、永久に食べられるものではなく、災害がなければいずれ廃棄されるものであると予想されますが、その方法は何であるかお聞きしたいと思います。
備蓄食料の数は他都市と比較してどのような状況か。また、賞味期限を迎える備蓄食料の取り扱いについてもお答えください。
次に、各家庭での食料備蓄率についての答弁として1日分以上が67%、3日分以上が32%、7日分以上はわずか5%という数字が示されました。これは災害に対する対策を進めている静岡市としては少ない数字なのではないでしょうか。行政としても市民にもう少し食料備蓄をしてほしいという考えがあると思います。
一般的に災害時のための食料備蓄というと、3日分というのが頭の中にあると思います。1週間分以上備蓄すべきというのは、さきの南海トラフ巨大地震の報告の中で、市民の間に周知されている話ではありません。冷蔵庫の中身で3日分、それ以外に備蓄食料4日分と工夫をすれば1週間分以上の備蓄はできない話でもありません。昔に比べ現在は深夜でも近所で食料品を買うことができるため、備蓄をしない人がいるかもしれませんが、大きな震災が起きたとき、商店から商品が全てなくなる光景は、テレビで繰り返し流されております。
さきの備蓄率の数字を見ると、常日ごろからの備蓄や防災意識の向上はまだまだする必要があるのではないでしょうか。各家庭の食料備蓄の状況を継続的に把握するとともに、さらなる啓発を行う必要があると考えるが、どう考えているかお答えください。
以上、2回目の質問です。
32 ◯企画局長(松永秀昭君) SDGsに関する今後の普及啓発に向けた取り組みについてですが、市民の皆さんにSDGsを知っていただくためには、さまざまな場面で、そのロゴマークを目にしたり、目指す社会を身近に感じる機会をふやしていくことが必要であると考えております。
そこで、来年1月3日からSDGs推進ウィークと銘打って、集中的に普及啓発イベントを実施することで、まち全体をSDGs一色に染め上げ、ウィークの集大成として東京ガールズコレクションを開催し、市内はもとより、全国へ情報発信してまいります。
平成28年3月に改定された静岡市都市計画マスタープランでは、本市の将来都市構造として、集約、連携型都市構造と銘打ち、快適で質の高い、いわゆる高次機能が集約した拠点の形成や人やものの交流を生み出すネットワークの形成に取り組み、にぎわいと活力にあふれる都市を目指していくものと伺っております。
このにぎわいと活力にあふれる都市の実現のためには、既成市街地における都市機能の更新、まちなかの交流、回遊性の創出、にぎわいの回復という課題解決は必須であり、この解決策の1つとして市街地再開発事業が担う役割は大きいものと認識しております。
市街地再開発事業の目的は、低階層の木造建築物や老朽化した小規模なビルなどが密集し、生活環境の悪化した市街地において、細分化された敷地を広く統合し、不燃化された共同建築物に建てかえ、あわせて公園、緑地、広場、街路など公共施設とオープンスペースを確保することによって、快適で安全な都市環境を再生しようとするものです。
JR清水駅西口の「えじりあ」やJR草薙駅南口のグラソード草薙を初め多くの再開発事業が行われており、おのおのの地区において、新たに生まれ変わったまちの顔として、その効果を発揮しているところであります。
しかしながら一方では、静岡都心地区内でありながら、例えば御幸通り沿線の昭和30年から40年代に建てられた旧耐震基準のビルが連なる街区や呉服町通り沿線の防火建築帯や防災建築街区など、いまだ都市機能の更新を必要とする街区が数多く見受けられることも事実であり、そのような中、一部に再開発事業の実施に向けて検討を進めている地区もあると伺っております。
さらに、本格的な人口減少社会や少子高齢化社会を迎えるに当たり、福祉関係予算の負担増、空き家の増加、都市のスポンジ化など、新たな社会的課題が顕在化しており、市の財政が厳しいことは理解しております。
しかし、防災対策上からも都心地区の再整備は喫緊の課題となっています。
現在、再開発事業計画案の策定が進められている事業には、地下街、地下道の計画もあると聞いています。市民の憩いのスペースとして活用が期待でき、本市が進めているまちは劇場にも大きく貢献すると考えます。
そこで、質問します。
今後の都市機能の更新に際し、これまでの再開発事業の取り組みと今後の再開発事業に係る市の考えはどのようか、お伺いいたします。
以上で2回目です。
44 ◯都市局長(片山幸久君) これまでの再開発事業の取り組みと今後の再開発事業に係る市の考えについてでございます。
本市の再開発事業は、JR静岡駅北口の葵タワーを初め24事業が完成し、土地の合理的かつ健全な高度利用と防災機能の強化などを図るため、建物の高層化、議員のお話にもありましたように不燃化、公共空間整備などに主な視点を置き、進めてまいりました。
近年、人口減少などの社会情勢の変化や市民の暮らし方が多様化する中、地方の実情に合った再開発事業の実施が求められております。
このため、これからの再開発事業は、まちが魅力とにぎわいを持ち続けられるか、また、回遊性や生活利便性の向上、子育て支援の環境改善など、いかに地域に貢献できるかという視点を加え進めてまいります。
今後も勉強会や意見交換の場を通じ、地権者や地域の皆さんなどとの連携を深め、計画段階から事業の実施、完成後の利活用に至るまで共通の認識を持ち、質の高い都市機能の更新が実現できるよう取り組んでまいります。
〔22番早川清文君登壇〕
45 ◯22番(早川清文君) 答弁いただきました。3回目は、意見・要望といたします。
高等教育のあり方に対する市長の答弁をいただきました。市立大学設置ありきではないとのこと、確認いたしました。
市長は、まちづくりは人づくりであると常々言っておりますが、教育の流れは幼児教育、義務教育、この時期は家庭教育、社会教育が重なりますが、人間としての基礎が育まれ、そして、高等教育、生涯学習と学ぶことが続きます。
私どもは、以前、兵庫県小野市教育委員会に特色ある基礎教育の研究グループとして視察に行きました。小野市においては、東北大学の川嶋教授の理論に基づく小野検定と脳科学を取り入れた16カ年教育、要するにゼロ歳から15歳までに取り組んでいました。子供たちはまちの宝、あすの小野市を支える子供を育成するとの強い意気込みを感じました。この初等教育からの人づくりがまちづくりの基本と、私は考えます。
一方、先ほど市長が申されましたリカレント教育は、再挑戦するための環境であり、多岐にわたる専門職の教育機関が必要になります。よって、そのことは、既存の地元大学間の連携が必要であり、協力を依頼すべきと考えます。
そこで、真の高等教育機関の役割が達成できるよう、本市は支援に重点を置き、課題を見つけ、成果を上げていくことを強く要望いたします。
次に、再開発事業については、世界に輝く静岡市の景観づくりのため、静岡市の玄関口でもある再開発事業は、魅力ある回遊性や利便性にすぐれた……
46 ◯議長(田形清信君) あと1分です。
47 ◯22番(早川清文君)(続) 質の高い都市機能を持ちあわせたにぎわいのあるまちの建設のため、次の総合計画に位置づけ、地権者、事業者、地域の皆さんとの協議には、丁寧な対応と最大限の支援をお願いしたいと思います。
以上で、全ての質問を終わります。
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48 ◯議長(田形清信君) 次に、望月賢一郎君。
〔1番望月賢一郎君登壇〕
49 ◯1番(望月賢一郎君) 日本共産党の望月賢一郎です。
午前中、最後の質問となります。
最初に、事業者が計画中止を発表した清水LNG火力発電所について伺います。
去る3月27日、JXTGエネルギー株式会社は、本市清水区袖師町の同社所有地に建設を計画していたタービン2基、総出力110万キロワットの天然ガス火力発電所について、環境影響評価準備書の提出を断念し、計画を中止すると発表しました。
2015年1月にこの計画が発表されてから3年2カ月、地元住民を中心とした建設中止を求める住民運動の大きな成果だと思います。
この計画について、昨年8月には田辺市長から、清水のまちづくりと一致しないという意見表明があり、これを受け事業者は、計画を一時中断しておりました。私自身は昨年の市議会議員選挙で、この計画中止を公約の第1に掲げ当選をし、前任者である西谷博子さんから引き続きこの問題を議会ごとに取り上げ、質問もしてまいりました。
前回2月議会では、本議会に市民2万5,800名余りから提出された駅前LNG火力発電所の建設中止を求める請願の紹介議員として、この議場で賛成討論を行ったのは御承知のとおりであります。残念ながらこの請願は不採択となりましたが、建設中止を求める地元の圧倒的世論の前に、計画は中止となったわけです。計画中止の発表直後に出された清水駅前分譲マンションの販売広告には、火力発電所計画は中止になりましたと、大書きされていたそうであります。
まず最初に伺います。この建設中止について、事業者から静岡市に対してどのような説明があり、静岡市行政として、計画の中止をどのように受けとめたのか、お聞かせください。
次に、今後このような環境影響評価を伴う大型事業の計画が出てきた場合の対応について伺います。
今回の発電所計画は、環境影響評価法の対象事業でありました。計画発表当初は静岡県がこの環境影響評価を担当しておりましたが、その後政令市である静岡市が担当し、市長が経済産業省に直接意見を述べることができるようになりました。
静岡市では、今回の火力発電所の準備書の提出に備えて、環境局で環境影響評価法に基づく公聴会の実施要領も定めたと思います。
このように、制度面では整備は進んでいます。しかし、問題はこうした大型事業に対する市行政の姿勢であると思います。
今回の発電所計画では、計画発表直後に経済局が658万円をかけて、経済波及効果の調査を行い、建設時330億円、稼働後年間190億円の経済効果があるという試算を出しております。その後の市民団体と市当局の交渉などでも、当局が事業者の見解をそのまま発言する、こういった場面を私自身も何度も目にしてきました。
実際、この計画が清水駅前周辺において、かなりのマイナスの経済効果をもたらしたわけですが、これが昨年の清水のまちづくりと一致しないとする市長の意見表明まで続きました。この意見表明によって、当然ながら当局の姿勢は大きく変わるわけですが、この間の当局の姿勢は、市民の大きな不信を招いたと言えます。
こうした経緯を踏まえ、今後今回のような
環境影響評価手続を伴う大規模な民間の計画が持ち上がった際、静岡市は中立の立場に立ち、市民への情報提供を第一義的にし、市民意見の集約により方向性を確立すべきと考えますがいかがでしょうか、当局の見解を伺いたいと思います。
以上、1回目の質問です。
50 ◯政策官(赤堀文宣君) 清水LNG火力発電所に関する2つの質問にお答えいたします。
最初に、建設計画中止に関する事業者からの説明と本市の受けとめについてですが、まず、事業者からの説明については、計画中止の報道発表と同じく、計画の見直しにはさらなる時間を要することから、事業性の確保が困難と判断したということでした。
次に、計画中止に関する受けとめについては、本市が求めた国際海洋文化都市に添う視点を含め社内で総合的に検討を重ねた上での御判断として、それを尊重したいと考えております。
次に、
環境影響評価手続を伴う大規模な民間事業に係る対応についてですが、本市としては事業計画が関係法令に即していることを大前提とした上で、目指すまちづくりの方向性や政策との整合、事業が与える影響や効果などを総合的に勘案し、対応すべきものと考えております。
〔1番望月賢一郎君登壇〕
51 ◯1番(望月賢一郎君) ただいま御答弁をいただきました。今回の事業者の判断を尊重すると、こういう答弁でした。
今後の問題としては、環境影響評価を伴う民間の大規模事業に関しては、静岡市のまちづくりの方向性や政策との整合で判断をするとのことでした。しかし、これは環境影響評価を伴う大規模事業ということです。環境影響評価というのは、そこに住む住民の環境に大きな影響があるから行うわけであります。市のまちづくりの方向性というような例えば商業施設や観光施設、オフィスビルなどとはわけが違うわけであります。これはしっかり区別をして考えるべきものだと思います。
環境影響評価法についていいますと、平成23年、法改正が行われ、
環境影響評価手続の第一段階に配慮書というものがつけ加わりました。2月議会でも環境局に確認をしましたが、環境影響評価法というのは、手続法であり、一旦始まってしまうと、事業の修正はあっても、とめることはできない、これでは余りに理不尽だということで、最初に配慮書がつけ加わり、早い段階で住民の意見を反映させるということになっています。
こうした法改正の趣旨からいっても、大規模事業に対する住民の意見、反映というのは、大きな流れになっていると言えます。
先ほども述べましたが、今回のLNG火力の環境影響評価は、当初、静岡県が担当しておりました。配慮書の段階では、住民もわけがわからず、1カ月の開示期間はあっという間に終わってしまったわけです。今後は、静岡市が
環境影響評価条例を持っているわけですから、こういった案件が出てきた場合、最初から静岡市が対応することとなります。ぜひとも配慮書の段階から住民にしっかりとした周知、意見聴取を行い、その意見を反映させた対応をしていただくことを強く求めたいと思います。
今回、この発電所中止運動を担ってきた市民団体、清水LNG火力発電所問題連絡会は解散をいたしました。今後は清水のまちづくりに積極的にかかわっていくため、清水まちづくり市民の会の立ち上げを準備しているそうであります。発電所建設を中止に追い込んだ市民の大きなエネルギーをまちづくりに生かしていくことは大変重要だと思います。行政当局には、ぜひともこうした市民団体の意見に耳を傾けていただけるよう要望をいたします。
続いて、事業撤退が発表された駿河湾フェリーについて伺います。
5月25日、来年3月31日をもって駿河湾フェリーが事業から撤退することが運航会社から発表されました。撤退の理由ですが、新聞報道などによりますと、伊豆縦貫道の整備などによる利用者の減少、原油高による燃油価格の高騰が原因とされています。特に、燃油価格の上昇は、私も運輸関係の経営者の知人が何人かおりますが、この変動というのは経営努力の範囲外である上に、経営に大きな影響を及ぼすということであります。
そこで、伺いますが、駿河湾フェリーの撤退表明に対して、市当局はどういう認識を持っているのか。また、これまでどんな形でフェリーに協力、支援を行ってきたのかをお聞かせください。
また、今後の対応として、既に静岡県がプロジェクトチームを立ち上げ、動きを進めている中で、市としてはどのような対応をとっていくつもりか、お聞かせください。
最後に、静岡市の生涯学習施設について伺います。
3月15日に、生涯学習推進審議会から答申が出されています。この中で利用方法の一元化というのが大きなテーマになっています。これは、何の一元化かというと、旧静岡・清水の利用方法の一元化ということです。もっと具体的にいうと、現在、清水生涯学習交流施設だけにある9条団体──利用料免除団体ですが、これを廃止し、清水の利用者に静岡と同等の負担を求めるというものです。
さらに、施設維持の費用についても、利用者に負担を求めることも示されています。
この答申を受け、市は今後どのような見直しを行っていくのか、方針をお答えください。
以上、2回目です。
52 ◯観光交流文化局長(中島一彦君) 駿河湾フェリーに対する本市の認識、これまでの協力状況及び今後の対応について一括してお答えをいたします。
初めに、撤退に対する本市の認識についてですが、このたびの駿河湾フェリー撤退表明については、本年度中に中部横断自動車道の県内区間の開通を控え、また、2020年まで、静岡デスティネーションキャンペーンを実施している中での出来事であり、本市と伊豆地域を結ぶ重要な観光ルートの選択肢の1つが失われてしまうことは、大きな損失であると考えております。
これまで、静岡、伊豆間を往来するフェリーのルートは、平成29年では年間約17万人、乗用車約3万台に利用されており、フェリー撤退による本市への観光客数の減少も憂慮されます。
次に、本市のこれまでの協力状況についてですが、本市は静岡県、伊豆の2市3町、事業者と協力し、平成25年度に環駿河湾観光交流活性化協議会を設立以来、静岡、伊豆両地域の交流人口の拡大と
地域活性化を図ることを目的に、駿河湾フェリーを活用した観光振興に取り組んでおります。
具体的には、この協議会を通じてメディアを活用した静岡、伊豆のフェリー観光ルートのPRのほか、団体バス旅行に対する助成などの事業を実施しております。
最後に、今後の対応についてですが、県議会、県観光協会などが県に要望する動きがある中で、環駿河湾観光交流活性化協議会の構成員である伊豆2市3町と連携して、適切に対応をしてまいります。
53 ◯市民局長(豊後知里君) 生涯学習施設の利用方法の見直しについてですが、本市では昨年度、生涯学習施設の配置適正化方針を策定し、生涯学習施設を学びの場として持続可能なものとしつつ、地域コミュニティーによるまちづくり活動の場として活用していくことといたしました。
現在、生涯学習施設には、生涯
学習センターと生涯学習交流館があり、同じ活動であっても申請開始日や施設使用料など、利用方法が異なっております。
そのような中、静岡市生涯学習推進審議会より、施設利用の一体性の確保や利用者の負担の公平性の観点から、利用方法について一元化を進めることが望ましいとの答申を受け、本市としては次の3点について、見直しの方策を考えております。
まず、1つ目として、利用方法の一元化です。これは、生涯学習施設の種類によって異なっている利用者団体の区分や利用申請開始日を統一するもので、現在の区分を見直し、新たな区分を設置し、区分ごとに利用申請開始日を統一していきます。
2つ目は、運営に係る経費に加え、老朽化による修繕費等が増大する施設を維持していくための利用者負担の見直しです。施設を今後も維持し、市民の皆さんに安心、快適に御利用いただくため、利用者負担の考え方を基本とし、負担をお願いするもので、団体区分ごとに施設使用料を設定します。
3つ目は、まちづくり活動を支援するための施設活用です。これまで以上に地域住民によるシチズンシップに富んだまちづくり活動を支援し、また、さらに発展させていくために、自治会、町内会等のまちづくり活動については、施設使用料を全市的に無料といたします。
なお、利用方法の見直しに当たっては、今後市民や施設利用者の皆さんに対して丁寧な説明を行い、理解を求めてまいります。
〔1番望月賢一郎君登壇〕
54 ◯1番(望月賢一郎君) 3回目は、意見・要望です。
駿河湾フェリーについてですが、当初は現在、日の出埠頭にあるフェリーターミナルを平成35年ごろまでに江尻に移転し、JR清水駅から直通でフェリーに乗船できる施設を目指すということでした。これは、LNG火力発電所などの__施設と違って、地元に大きな経済効果をもたらすという点でも、他市にはない、特徴ある地域をつくっていくという点でも、地元商店街、河岸の市関係者などから大きな期待が寄せられていました。今回このフェリーそのものが撤退になるということになれば、こうした江尻地区のウォーターフロントの魅力創出事業の1つが失われることにもなります。今の御答弁でも撤退による本市への観光客数の減少が憂慮されるということでした。
今後は、伊豆2市3町や静岡県と情報を共有した上で、各分野で協議をしていくとのことですが、静岡市としても今後は観光文化交流局に答弁をいただいておりますが、海洋文化都市推進本部や都市局など、庁内関連部局で連携をし、積極的な対策を行っていただきたいと思います。
続いて、生涯学習施設についてですが、利用方法の異なる旧清水・静岡を一元化するというのは乱暴な話です。そもそも旧清水・静岡では、生涯学習施設の成り立ちが違うわけです。詳細は述べませんが、それは現在の利用状況にもあらわれています。
平成26年度の利用状況を見てみますと、清水区の生涯学習施設の利用件数は4万9,286件、これ1年間です。これには若干、葵区の中山間地の交流館の数字も入っていますが、それは非常にわずかなものです。これに対して葵区、駿河区両区を合わせても3万2,277件ということで、圧倒的に清水区が多いということになっています。
さらに、静岡市が平成27年度に策定した第2次生涯学習推進大綱では、生涯学習を行っている人の割合を現在の30%から平成34年までに50%にする目標が掲げられています。生涯学習をする人がふえれば、地域の活力が増すということだと思います。
しかし、今回の利用一元化、施設維持のための利用料の実質値上げは、こうした方向に水を差すものではないでしょうか。そもそも生涯学習施設というのは、地域への投資です。単なる貸し館事業ではなく、地域づくりという視点が必要だと思います。清水の生涯学習施設の伝統を無視し、一方的に負担をかぶせる今回の答申を受けた利用方法の見直し案、これは皆さんのところに配布をさせていただいております。この見直し案は、清水区選出の議員として、絶対に認められないことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
55 ◯議長(田形清信君) この際暫時休憩します。
午後0時11分休憩
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午後1時10分再開
56 ◯副議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
次に、宮城展代さん。
〔18番宮城展代君登壇〕
57 ◯18番(宮城展代君) 自由民主党の宮城展代です。
通告に従い、質問いたします。
今、私たちは目まぐるしく変わる変化の時代を生きています。平成30年、平成はことしで幕を閉じます。実は、私は10年ほど前から、インターネットなど通信技術の進歩による経済のグローバル化や産業界の空洞化、また、私たちの人間の価値観の変化から新しい時代が来て、その中をどう生きていくのかということを考えなければならないと思っていました。
しかし、もはやその時代も過ぎ、この数年の間に急速に進むAIの進歩や少子・高齢化、核家族化と単身世帯の増加で、今は日々また、刻々と変化する時代を生きているんだと認識するようになりました。
さて、平成生まれは人口の約27%を占め、今の日本の土台を担っている若者たちが平成生まれなのです。平成に入って一番大きな変化は、やはりコンピューターが小型化したことで、インターネットを世界中の人がどこででも使えるようになったことではないでしょうか。