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  1. 岐阜県議会 2022-02-01
    03月09日-03号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    令和 4年  2月 定例会(第1回)…………………………………………………………………………………………… △議事日程(第三号)                   令和四年三月九日(水)午前十時開議 第一 議第一号から議第五十八号まで 第二 議第五十九号 第三 請願第三十一号から請願第三十三号まで 第四 一般質問…………………………………………………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一 日程第一 議第一号から議五十八号まで 一 日程第二 議第五十九号 一 日程第三 請願第三十一号から請願第三十三号まで 一 日程第四 一般質問…………………………………………………………………………………………… △出席議員 四十六人      一番   平野恭子君      二番   森 治久君      三番   山内房壽君      五番   森 益基君      六番   小川祐輝君      七番   平野祐也君      八番   所 竜也君      九番   今井政嘉君      十番   藤本恵司君     十一番   中川裕子君     十二番   伊藤英生君     十三番   澄川寿之君     十四番   水野吉近君     十五番   安井 忠君     十六番   恩田佳幸君     十七番   若井敦子君     十八番   広瀬 修君     十九番   布俣正也君     二十番   国枝慎太郎君    二十一番   林 幸広君    二十二番   高木貴行君    二十三番   野村美穂君    二十四番   長屋光征君    二十五番   高殿 尚君    二十六番   田中勝士君    二十七番   加藤大博君    二十八番   山本勝敏君    二十九番   松岡正人君     三十番   川上哲也君    三十一番   松村多美夫君    三十二番   小原 尚君    三十三番   水野正敏君    三十四番   野島征夫君    三十五番   伊藤秀光君    三十六番   平岩正光君    三十七番   佐藤武彦君    三十八番   森 正弘君    三十九番   渡辺嘉山君     四十番   伊藤正博君    四十一番   小川恒雄君    四十三番   村下貴夫君    四十四番   尾藤義昭君    四十五番   藤墳 守君    四十六番   玉田和浩君    四十七番   岩井豊太郎君    四十八番   猫田 孝君…………………………………………………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長         服部 敬 総務課長         高野朋治 議事調査課長       梅本雅史 議事調査課管理調整監   桂川義彦 同    課長補佐    大野享子 同    課長補佐    棚橋典広 同    課長補佐    久富英材 同    課長補佐    蕨野 孝 同    係長      市橋ますみ 同    主任      山辺有紗…………………………………………………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事           古田 肇君 副知事          平木 省君 副知事          河合孝憲君 会計管理者        西垣功朗君 秘書広報統括監兼デジタル政策統括監              尾鼻 智君 総務部長         横山 玄君 清流の国推進部長     丸山 淳君 危機管理部長       渡辺正信君 環境生活部長       内木 禎君 健康福祉部長       堀 裕行君 健康福祉部子ども・女性局長              安江真美君 商工労働部長       崎浦良典君 県土整備部長       船坂徳彦君 都市建築部都市公園整備局長              湯澤将憲君 教育長          堀 貴雄君 警察本部長        加藤伸宏君 総務部次長(情報化推進担当)              阿部修二君…………………………………………………………………………………………… △三月九日午前十時開議 ○議長(佐藤武彦君) おはようございます。ただいまから、本日の会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(佐藤武彦君) 諸般の報告をいたします。 書記に朗読させます。    (書記朗読) 議案の提出について 知事から、本日付をもって、お手元に配付のとおり、議第五十九号 控訴の提起についての議案の提出がありました。 請願書の受理について 請願第三十一号 長良川河口堰の運用見直しとゲートの試験的開放の議決を求める請願、ほか二件の請願書を受理しました。 職員に関する条例に対する意見について 人事委員会委員長から、令和四年三月二日付をもって、議第二十九号 岐阜県職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例については異議がない旨の回答がありました。…………………………………………………………………………………………… ○議長(佐藤武彦君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。 追加提出議案に対する知事の説明を求めます。知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) おはようございます。 本日追加提出いたしました議案につきまして、御説明申し上げます。 議第五十九号は、岐阜県警察が個人情報を収集・保有し、その一部を提供したことにより、プライバシーが侵害されたとして提訴されていた国家賠償請求事件につきまして、先月二十一日の岐阜地方裁判所の判決を不服として名古屋高等裁判所に控訴するものであります。よろしく御審議を賜りますよう、お願いを申し上げます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(佐藤武彦君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十八番 森 正弘君。    〔三十八番 森 正弘君登壇〕(拍手) ◆三十八番(森正弘君) おはようございます。 質問に入る前に、二点、申し上げます。 新型コロナウイルスの感染が確認されてから、約二年が経過いたしました。 この間、新型コロナウイルスにより亡くなられた皆様、そして御遺族の皆様に対し、心よりお悔やみを申し上げます。また、今のこの瞬間も厳しい闘病生活を送っておられる皆様、後遺症に苦しんでおられる皆様にはお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い回復を願っております。 さらに、医療、保健、介護、教育、保育などの現場を支えてくださっている皆様、感染防止対策に協力していただけている事業者の皆様、その他、御協力をいただいております全ての県民の皆様に心から感謝を申し上げます。 続いて、去る二月二十四日、国際社会の懸命な外交努力にもかかわらず、ロシア軍はウクライナへ侵略を開始しました。 この侵略は、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる明白な国際法違反であるとともに、国連憲章の重大な違反であり、岐阜県議会は三月四日、「ロシアによるウクライナへの侵略を非難する決議案」を全会一致で可決しました。 ウクライナの人々は、平穏な日常が奪われ、多くの人が住み慣れた家を離れ、家族と別れ、避難生活を余儀なくされています。また、民間人を含め、多くの犠牲者が出ています。 ロシアに対し、ウクライナへの攻撃を即時停止し、部隊を国内に撤収することを強く求めます。 それでは、議長より発言のお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表し、通告に従い、県政の諸問題について順次質問をさせていただきます。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策と今後の行財政運営について、四点お尋ねします。 新型コロナウイルスの第五波は、昨年秋以降終息に向かい、本県における新規感染者は、十二月十九日からは十一日連続ゼロとなりました。 しかし、世界的なオミクロン株の感染拡大により、本県においてもこれまでにないスピードで新規感染者数が増加しました。仕事始めを待っていたかのように、一月四日には五十九日ぶりに新規感染者が二桁となり、十九日にはそれまでの最大値を超えました。同日、国は「まん延防止等重点措置区域」の本県への指定を決定しました。二月十三日までとされた指定期間は、その後二回延長され、三月二十一日までとなっています。 県は、最大限の危機感を持って、感染拡大の防止、在宅を含めた医療体制の確保、検査体制の強化、ワクチン追加接種の加速化などのため、様々な取り組みを行っています。中でも、飲食店等に対する一律の営業時間の短縮、酒類提供の停止の要請は、近隣県と比べて厳格な内容となっていました。 しかし、この業界は、度重なる営業時間の短縮等の要請により経営体力をそがれていたことから、県政自民クラブは二回目の延長前、二月二十八日に、要請を継続する場合には柔軟な対応を検討することと知事に要望し、三月七日以降は要請内容が緩和されました。 今後も、引き続き感染拡大防止対策など、様々な取り組みを柔軟に行う必要があると考えます。 そこで、知事にお尋ねします。 第六波における県の取り組みの評価と今後の対応方針について、御答弁をお願いいたします。 次に、今後の行財政運営について、三点お尋ねします。 初めに、当初予算編成の狙いと、その実現に向けた取り組みについてお尋ねします。 今年度も、新型コロナウイルスの影響への対応が中心の一年になりました。新年度の当初予算編成に当たっては、昨年末、県政自民クラブから、新型コロナウイルスの感染抑制と経済正常化への両立をはじめ、県政全般にわたり百五十五項目を要望したところです。それに対し、知事からは、全ての項目について推進するとの答弁をいただきました。 令和四年度も、執行部と議会が車の両輪となって、ウイズコロナ、アフターコロナ対策に取り組んでいくことになります。新型コロナウイルスから県民の生命と暮らしを守った上で、デジタルトランスフォーメーションカーボンニュートラル、SDGs、新次元の地方分散などの施策を進めていく必要があります。 また、県が従前から抱えている重要かつ困難な課題も、数多くあります。そして、来年一月には建設中の新県庁舎が開庁します。新しい県庁舎の開庁に合わせ、新たな日常を深化・定着させ、新しい県政を切り開く一年になることが期待されます。 そこで、知事にお尋ねします。 新年度予算案の狙いとそれを実現するための取り組みについて、御答弁をお願いします。 次に、新年度予算案における歳入見通しと今後の財政運営についてお尋ねします。 現在、通常国会に提出されている国の新年度予算案では、地方財政は次のようになっています。一般財源総額は、今年度を七千億円上回る六十三兆九千億円が確保されています。その内訳は、企業の業績の回復が見込まれることから、地方税等が今年度と比べて三兆九千億円増額の四十三兆八千億円とされ、地方交付税もリーマンショック後最高となる十八兆一千億円が確保されています。 また、赤字地方債である臨時財政対策債は一兆八千億円と、過去最低に近い水準になっています。 一方、昨年試算された本県の中期的な財政見通しでは、来年度以降、毎年度、百億円程度の財源不足が生じるということです。 国は大幅な税収増を見込んでいますが、新型コロナウイルスの影響が不透明であること、歳出面でも今年度から当分の間、公債費の増加が見込まれていることから、新年度の歳入見通しや今後の財政見通しが懸念されます。 そこで、総務部長にお尋ねします。 新年度の県税収入と地方交付税の交付額、並びに臨時財政対策債の発行額を含めた一般財源総額をどのように見込んでいるのでしょうか。 また、さきの十二月定例会において、今後の財政見通しについて改めて試算をすると答弁されていますが、その結果はどうだったのでしょうか。 次に、職員のメンタルヘルス対策についてお尋ねいたします。 総務省は、今年度初めて、全国全ての都道府県と市区町村を対象に、メンタルヘルス(心の不調)に関する調査を実施しました。調査の背景には、自治体職員のメンタルヘルスによる休職者が増えていることがあります。令和二年度の状況が調査され、昨年十二月に結果が公表されました。 これによると、全ての都道府県でメンタルヘルスのため一週間以上病気休暇を取得、また休職した職員が二十名以上存在し、合計四千七百三十八人となっています。そのうち、一割の四百七十二人が退職し、約三分の一の千五百五十一人が今年度に入っても引き続き休んでいるということです。そして、理由は「職場の対人関係(上司、同僚、部下)」が最も多く、次いで「業務内容(困難事案)」となっています。 この調査は昨年度の状況に関するものですが、今年度も新型コロナウイルスが猛威を振るい、職員は多忙を極めていると推察されます。 岐阜県でも、健康福祉部を中心に多くの職員が対応に追われています。人手が足らないため、各部局から応援職員が派遣されますが、派遣元の職場にも仕事はあるため、残された職員の負担も大きくなります。さらに、デジタルトランスフォーメーションカーボンニュートラルなど、新たな政策課題にも取り組まなければなりません。 そこで、多くの困難な業務を抱えてしまったり、多忙のあまり職場でのコミュニケーションがうまくいかなかったりする職員が今年度もいたのではないかと懸念されます。 そこで、総務部長にお尋ねいたします。 今年度の岐阜県職員のメンタルヘルスの傾向と今後の対策はどのようになっているんでしょうか。 ここで、一回目の質問を終わります。 ○議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 二点、お尋ねがございました。 まず初めに、私からも新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方、あるいはその御家族に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、現在も闘病されている方々の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げる次第でございます。 さて、この第六波では、今まで経験したことのない強い感染力を持つオミクロン株から、いかに県民の命を守り抜くかという厳しい闘いとなりました。 この変異株が全国各地で確認されつつあった昨年末、本県はいち早く、徹底検査とともに、県民に対し、感染防止対策の徹底を呼びかけてまいりました。しかし、オミクロン株の感染力はそれを上回り、新規陽性者数は僅か六日間で、本県が定める最低段階レベル一から最悪のレベル四へ上昇いたしました。 こうした感染急拡大を受け、一月十七日、国に対してまん延防止等重点措置を要請し、同二十一日より適用されることになりました。 本県は、当初より最大の危機感を持って特別措置法の体系の中で最大限の対策を実施することとし、飲食店等に二十時までの営業時間短縮及び酒類の終日提供停止を要請いたしました。 また、社会経済活動の継続を考慮しつつ、県民の生命を守り抜くための総合的な対策も講じたところであります。 第一に、医療提供体制の再構築であります。 中等症以上となった方が必要な医療を確実に受けられるよう、病院、宿泊療養施設及び自宅療養の役割分担を整理した上で、病床、宿泊療養施設の拡充、自宅療養者の重症化予防に向けた協力医療機関の大幅な増加、市町村との連携による保健所体制強化などを行いました。 第二に、学校、保育所、福祉施設などでの対策であります。 学校では、部活動禁止、陽性者が一名確認されれば学級閉鎖とすることなど、早期の対応により学校全体の休校を防ぐことといたしました。また、学校、保育施設、福祉施設職員への予防的PCR検査及びワクチンの優先接種を進め、可能な限り施設閉鎖を防ぐ取り組みを行っております。 第三に、企業の事業継続支援であります。 オミクロン株の感染力を考慮した事業継続計画、BCPの再確認を呼びかけるとともに、BCPを策定していない中小・小規模事業者を念頭に、簡易版基本モデルの提示、計画策定支援セミナーの開催など、きめ細かに支援してまいりました。さらに、岐阜県オミクロン株対策特別支援金も一月末に専決処分し、全国的にも例を見ない幅広い事業者への支援を開始いたしました。 第四に、三回目ワクチンの接種加速であります。 市町村及び医療団体と緊密に連携した接種体制の構築により、医療従事者、高齢者、エッセンシャルワーカーの接種を徹底的に進めております。その結果、本県の総人口に対する接種率及び高齢者の接種率は、いずれも全国第一位となっております。 こうした取り組みについて、まさにオール岐阜で、県民、事業者の皆様に御理解と御協力をいただきました。例えば時短要請の応諾率は九九・四%、夜の人流も約七割の減少となったところであります。 これを受け、新規陽性者数七日間合計の今週先週比は、一月中旬に五倍を超えて急拡大していたところが、二月下旬以降、十五日間連続して一を下回って減少傾向を続けております。全国的に見れば、まん延防止等重点措置適用外の地域や、既に解除した地域において感染拡大傾向が少なからず見られる中で、本県ではピークアウトの傾向が持続しております。 そういったことから、三月七日より第三者認証店において二十時まで酒類の提供を認めることとし、また学校の部活動もある程度認めるなど、一定の緩和を行ったところであります。 しかしながら、現状では、第一に、十万人当たり新規陽性者数は百九十九・五二人と、依然として第五波のピーク時の約一・八倍にあること、第二に、自宅療養者はいまだに三千人規模にあること、第三に、ワクチン追加接種は全国トップレベルであるものの道半ばであること、第四に、感染力を増したBA.2系統の拡大懸念があることなど、十分に警戒すべき状況にあると認識しております。 なお、感染の再拡大のおそれが明らかになったと判断した場合には、感染防止対策と社会経済活動とのバランスも考慮しつつ、先手先手の対応を速やかに行ってまいります。 次に、当初予算の狙いについてのお尋ねでございます。 新年度当初予算案は、税収増などから過去最大規模となる中で、めり張りを効かせた積極予算といたしました。 まずは、新型コロナウイルスとの闘いであります。当面求められるウイズコロナ対策に万全を期すとともに、アフターコロナへ向けた未来への展望を描くことを最重視いたしました。 第一に、ウイズコロナ対策であります。 まず県の大規模接種会場の設置、職域接種を行う企業への助成などによりワクチンの追加接種を加速するとともに、福祉施設の個室化、スクールバスの増便、第三者認証店における感染対策の再確認などの感染防止対策を徹底いたします。さらに、病床、宿泊療養施設、後方支援病床及び臨時医療施設の十分な確保などにも取り組んでまいります。 次に、コロナ禍において孤独感・孤立感を深めておられる方々への支援として、不安を抱える女性、妊産婦等へのアウトリーチ型(訪問型)の支援、生活困窮や児童虐待問題に携わる職員の増員、SNSなどによる相談体制の強化、子供の居場所への食料支援体制の構築などを行ってまいります。 さらに、中小企業等の事業継続、雇用確保対策として、中小・小規模事業者の経営安定化のための金融支援、コロナの影響による離職者を正規雇用した企業への奨励金の支給などを行ってまいります。 第二に、未来を創るアフターコロナ対策であります。 まずデジタルトランスフォーメーションにつきましては、岐阜県DX推進計画に基づき施策を展開してまいります。詳細は、後ほど御答弁させていただきます。 次に、SDGs・脱炭素社会の実現につきましては、SDGsネットワーク会員による普及啓発活動を新たに開始するほか、再生可能エネルギーの導入、エネルギーの地産地消、燃料電池自動車の普及などの脱炭素化の取り組みをオール岐阜体制で進めてまいります。 そして、新次元の地方分散や新産業創出を推進するため、ワーケーションやサテライトオフィスを誘致するほか、「ぎふ宇宙プロジェクト」による宇宙産業の育成支援、アフターコロナに向けた商品開発や販路拡大への支援などを行ってまいります。 これらのコロナ対策とともに、中長期的なビジョンである「清流の国ぎふ」創生総合戦略に基づいて行ってきた「清流の国ぎふ」づくりも、着実に前に進めてまいります。 創生総合戦略の三本柱に即して申し上げますと、まず第一の柱、「清流の国ぎふ」を支える人づくりといたしましては、本県の特性を生かした環境教育、ぎふ木育の低年齢段階からの展開、花卉産業、宇宙産業などの担い手育成、新規就農者や起業・事業化を目指す学生への支援などを行ってまいります。また、特別支援学校における職業教育の充実、ぎふアグリチャレンジ支援センターによる農福連携、農業分野での女性リーダーの育成、就職氷河期世代の正社員化支援など、誰もが活躍できる社会の実現にも取り組んでまいります。 第二の柱、健やかで安らかな地域づくりでは、私立高校の入学金補助制度の新設など経済支援の強化、保育環境改善に向けた助成制度の新設、不育症検査への支援、多胎児家庭や若年妊婦などへの相談体制の強化、市町村と連携したフードドライブモデル事業などに取り組みます。加えて、名鉄高架化事業、東海環状自動車道西回り区間の整備などを計画的に進めるとともに、頻発・激甚化する災害に対応してまいります。 第三の柱、地域にあふれる魅力と活力づくりでは、コロナ禍で延長を余儀なくされた全国将棋サミット二〇二二及びエンジン〇一in岐阜の着実な開催、令和六年度の国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭などの準備を進めてまいります。また、岐阜関ケ原古戦場記念館、空宙博、県営都市公園、中部山岳国立公園、木曽川など本県が有する施設、地域資源を存分に生かした観光振興を再起動するほか、スマート農業の展開、森林空間を活用した森林サービス産業の育成、県産米の活用・流通の促進など、本県の農林畜水産業を強化してまいります。 こうした積極予算を編成しつつ、同時に、来年度当初予算では臨時財政対策債などの県債の発行を抑制いたしました。その結果、県債依存度が平成五年度以降、二十九年ぶりに一桁台、県債残高は昭和四十五年度以来初めて減少いたしました。 今後も、社会保障関係経費、社会資本の老朽化対策経費、公債費の増加などが見込まれますので、引き続き財政の健全化に配慮した財政運営を行ってまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 総務部長 横山 玄君。    〔総務部長 横山 玄君登壇〕 ◎総務部長(横山玄君) 二点、お尋ねをいただきました。 まず、新年度予算案における歳入見通しと今後の財政運営についてお答えをいたします。 来年度の歳入については、経済が全体として回復基調にあることを背景に、税収が三百七十八億円増、地方交付税が五十一億円増、そして臨時財政対策債が四百七億円減と、財政の健全性が高まっております。一般財源の総額としては五千九百五十億円と、今年度から微増と見込んでおります。 その上で、今後の財政見通しですが、まず今後の収支見通しは、社会保障関係経費や公債費の増加幅が一般財源総額の伸びを上回る見込みであることなどにより、引き続き毎年度百億円程度の財源不足が生じるとの試算となっております。 また、実質公債費比率は、仮に令和五年度以降も来年度予算と同水準の県債発行額を維持できれば、将来的にも現在の全国平均である一〇%程度の水準となる見込みです。 今後も気が抜けない状況が続きますが、国に対し十分な地方一般財源の確保を求めつつ、県としても、財政の健全性の確保に向けて不断の努力を続けてまいります。 次に、職員のメンタルヘルス対策についてお答えをいたします。 総務省の調査によれば、本県は他の都道府県と比べ、病気休暇を取得する職員の割合は低い状況にあります。これは、職員の心と体の健康管理計画に基づき、毎年取り組みを見直しながら対策を進めてきたことによるものと考えております。 一方で、今年度は病気休暇を取得する職員が本年二月末時点で八十三人と増加をしております。その要因は様々ですが、コロナ対策業務への従事を理由とした者が数名ございました。年代別では二十歳代、三十歳代の若年層で増加をし、特に二十歳代では、初めての異動後に体調を崩す職員が増加する傾向にあります。 このため、特に若手職員への対策を強化し、採用後、初めて異動する職員に対しては、本人の適性を踏まえた適材適所の人事配置にこれまで以上に努めるとともに、異動後には全員に声かけを行い、早めの相談を促すなど、メンタル不調の未然防止と早期対応に努めてまいります。あわせて、コロナ対策業務に従事する職員については、定期的な健康相談を引き続き丁寧に行ってまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 三十八番 森 正弘君。    〔三十八番 森 正弘君登壇〕 ◆三十八番(森正弘君) 御答弁、ありがとうございました。 続いて、アフターコロナを見据えた施策について、四点お尋ねいたします。 初めに、岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画が目指す姿と、それに向けた取り組みについてお尋ねします。 新型コロナウイルスは世界中を巻き込んだ大きな災難ではありましたが、デジタル革命に真剣に取り組むきっかけにもなりました。国においては、昨年九月にデジタル庁が発足し、デジタル時代の官民のインフラを五年間でつくり上げる取り組みを始めています。 本県においても、アフターコロナの新たな日常を見据えたデジタル・トランスフォーメーション推進計画の策定が進められ、本定例会に議案として提出されています。 この計画は、これまでにも説明があったように、行政のデジタル化、市町村行政のDX支援、各分野のDXを三本柱とし、各界有識者の意見を聞いたり、若手職員の政策提案を受けたりしながら策定作業が進められました。 一方、デジタル化に不慣れな方もおられることから、全てをデジタル化することではなく、アナログの必要性も十分考慮しながら、誰一人取り残されないデジタル社会である岐阜県を基本理念としています。 デジタル社会は、誰も見たことがないものであります。また、この計画は内容が非常に多岐にわたっており、ボリュームも九十ページと多いことから、具体的に「新しい日常」とは何か、自分自身の生活がどう変わっていくのか、県民の皆さんがイメージしづらいのではないかと思います。県がデジタル化を進めることにより、県民生活がどう変わるのか分かりやすく説明していただけるとありがたく思います。 そこで、知事にお尋ねします。 岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画の推進によってどのような社会を目指すのか、またそれに向けた来年度の具体的な取り組みをお答えください。 次に、農畜水産物の輸出拡大の強化に向けた取り組みについてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの拡大に伴う緊急事態宣言の発令等により人の流れが制限されたため、中食・外食を中心に、国内の農畜水産物の需要が大きく減少しています。そのため、例えば米は在庫が積み重なり、価格は低い水準で推移しています。新型コロナウイルスが終息し、国内需要が回復することが望まれますが、次々に現れる変異株により、まだ先を見通す状況に至っておりません。 こうした状況を打開し、県産農畜水産物の需要を拡大するには、国内需要を喚起するだけではなく、海外へ打って出ることも必要であると考えます。 これまでのTPP11や日EU経済連携協定、日米貿易協定に加え、今年はASEAN(東南アジア諸国連合)十か国、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの地域的な包括的経済連携協定が発効し、追い風になると思います。 県はこれまでも、飛騨牛・アユ・柿の三品目を重点に輸出拡大に取り組み、大きな成果を上げています。また、米価の低迷対策として、一部で取り組まれている米の輸出にも積極的に取り組んではどうかと思います。 今後は、これまでの販売対策を強化しつつ、輸出品目の拡大に向けて取り組んでいただきたいと思います。 そこで、知事にお尋ねいたします。 県内農畜水産物の輸出拡大の強化に向け、どのような取り組みを行っていくのでしょうか。お願いいたします。 次に、県営都市公園の魅力を発信するための企画についてお尋ねいたします。 県は、平成二十八年に岐阜県都市公園活性化基本戦略を策定し、昨年度までの五年間、花フェスタ記念公園、平成記念公園、養老公園、世界淡水魚園の県内四公園について、料金無料化による入園者増と園内消費の拡大、公園の特徴を表す名称への変更、年間を通した固定客確保のための園内の環境整備、民間投資による公園の魅力向上の四つの取組方針を掲げ、取り組んでいます。 例えば平成記念公園は、平成三十年に「ぎふ清流里山公園」と名称変更し、入園料を無料としたことに加え、令和二年には全国に先駆けた道の駅のホテル誘致を実現しました。その結果、昨年十月にはリニューアルからの入園者数が二百万人を超えるなど、大きな成果を上げています。 そして、今年度から始まった新・岐阜県都市公園活性化基本戦略では、岐阜県百年公園、各務原公園を加えた六公園の新たな方向性と実施する施策を示しました。既に十月には花フェスタ記念公園の名称を「ぎふワールド・ローズガーデン」と変更し、ちょうど見頃を迎えたバラが彩る秋のローズウイークは多くの人でにぎわいました。今後も、さらなる県営都市公園活性化の取り組みが期待されるところです。 そこで、知事にお尋ねします。 知事は、昨年六月定例会で、県政自民クラブの平岩正光議員の質問に対し、「新・岐阜県都市公園活性化基本戦略の最終年度となる令和七年度は、前戦略から足掛け十年の総決算の年」「本県で十年置きに実施している都市公園の祭典の年」と述べておられますが、令和七年度に向けて県営都市公園の魅力を県内外に幅広く発信するためにどのような企画を検討しておられるのか、お答え願います。 次に、中小・小規模事業者に対する今後の支援についてお尋ねいたします。 これまでにない規模で拡大した新型コロナウイルス第六波は、人々の行動を制限し、経済活動にも大きな影響を与えています。本県でもまん延防止等重点措置により、飲食店のみならず、酒類の提供事業者など幅広い業種が影響を受けています。 このため、国で三〇%以上の売上げ減少事業者を対象とした事業復活支援金、県ではさらにこの支援金に支援額の上乗せや、国の支援対象とならない一五%以上の売上げ減少の事業者も対象に加える支援金を設け、支援に取り組んでいるところであります。 今後も、新型コロナウイルスの影響が見通せないことを考えますと、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言など経済全体に影響を受ける場合には、こうした緊急的な支援措置を講じていく必要があります。 同時に、新型コロナウイルスにも対応しながら事業を継続していけるよう、引き続き商工会議所や商工会、県産業経済振興センターなどの支援機関とも連携しながら、中小・小規模事業者の足腰を強化していくことが重要であります。 また、先ほど県のデジタルトランスフォーメーションの取り組みについてお尋ねしましたが、中小、とりわけ小規模事業者においてもしっかりとデジタル技術を活用し、生産性の向上を図っていく必要があります。 そこで、商工労働部長にお尋ねいたします。 中小・小規模事業者の事業継続とアフターコロナに向け、どのような取り組みを行っていくのでしょうか、お答えを願います。 ここで、二回目の質問を終わります。 ○議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕
    ◎知事(古田肇君) 三点、お尋ねがございました。 まず、DXについてでございます。 今後、人口減少・少子高齢化がさらに進行し、担い手不足をはじめとして、従来からの課題が一層深刻になることが懸念されております。また、今般のコロナ禍を契機に、アフターコロナの新たな日常への対応が求められております。デジタル化は、こうした我が国の課題に対するブレークスルー(突破口)の一つとして、強く期待されるところであります。 このため、本県ではこの一年間、広く県民や関係者の皆様から御意見をお聞きしながら、県の政策・施策をデジタル化を切り口に棚卸しをしてきたところであります。 これらを踏まえて、アナログをデジタルに置き換えるだけの単なるデジタル化にとどまることなく、県民の皆様がその利便性を実感し、私たちの暮らし方、働き方の変革につながるトランスフォーメーション(変革)を実現させるとともに、誰一人取り残されることなくその恩恵を享受できるよう、デジタル格差の解消を図ってまいりたいと考えております。 また、デジタルとアナログのバランスの取れた併用にも留意していく必要があるというふうに考えております。 こうした基本的な方針にのっとり、誰もが活躍でき、豊かさを実感できる社会、社会課題をデジタルの力を生かして解決し、どの世代も健康で安心して暮らせる社会、さらには情報格差がなく、誰もが便利なサービスを活用できる社会を目指してまいります。 そこで、来年度からは今議会にお示ししております岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画に基づき、議員御紹介の三本柱でDXを推進してまいります。特に地域づくり、防災、環境など十六の分野に整理をいたしまして、それぞれの分野で多彩な個別プロジェクトを展開してまいります。 主な施策を御紹介いたしますと、第一に、県民がDX効果を実感できる取り組みであります。例えば防災分野では、SNSを活用した避難情報のプッシュ型配信、AIが自動集約したSNS情報による被災状況の把握などを進めてまいります。また、健康分野では、アプリを活用したスポーツや健康活動の促進、保健指導のオンライン化、文化では、ハイブリッド公演・展示会の実施。観光では、電子観光クーポンの配付、官民一体となったデジタルマーケティングの推進などを進めてまいります。 第二に、デジタル環境の整備及びイノベーション創出であります。産業・労働分野では、中小企業におけるクラウド活用、デジタルツールによる地場産品の販路拡大、さらには半導体関連産業やデータセンターの誘致などによるデジタル産業の強化を図ります。 また、農林業では、農業のビッグデータの活用による収量・収益性の向上や、森林情報を一元管理する森林クラウドシステムの活用などに取り組んでまいります。 第三は、新たな成長の芽を育てる人材育成であります。デジタル技術を活用したSTEAM教育(総合的、創造的な問題解決型学習)の推進、児童・生徒の情報リテラシーの向上、DX人材育成のための社会人教育、建設・建築業におけるデジタルツール活用人材の育成など、幅広い分野で進めてまいります。 加えて第四に、デジタルデバイド(情報格差)対策といたしまして、高齢者向けICT講習会の実施、障がい者や生活困窮者のデジタルリテラシー向上支援など、誰一人取り残されることのないデジタル社会の実現に向けて、きめ細かに対応してまいります。 これらの様々なDX施策について、来年度新設するデジタル推進局を核とした全庁横断的な体制でアフターコロナに向けて大胆に進めてまいります。 次に、農畜水産物の輸出拡大の強化に向けた取り組みについてお尋ねがございました。 本県では、平成二十一年度から「観光・食・モノ」を三位一体でPRする飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトを進めてまいりました。飛騨牛、アユ、柿を中心に、質を重視した農畜水産物の輸出戦略を展開してまいりました。 この結果、飛騨牛の輸出量はコロナ禍で一時落ち込んだものの、日米貿易協定などを追い風に、家庭需要に対応した小ロット輸出が功を奏してV字回復をし、今年度は二月末時点で七十三トンと過去最高を更新しております。また、アユの輸出量は十五キログラムから千七百五十キログラム、柿についても〇・五トンから約十七トンと大幅に拡大し、コロナ禍であっても物は動くことを実感しております。 今後も、品目ごと、地域ごとに戦略を立て、積極的なプロモーションを展開してまいります。 このうち飛騨牛につきましては、来年度には、新たにアメリカ西海岸で海外推奨店の開拓に着手いたします。さらに、世界人口の約四分の一を占めるムスリムに着目し、マレーシアでハラール処理した飛騨牛の販売フェアを開催するとともに、インドネシアでも輸出ルートの確保に取り組んでまいります。 また、アユ、柿につきましては、引き続きアジアを中心に販売拡大を図ります。これまで密接な関係を築いてきた香港の高級百貨店などの海外拠点と連携した販売フェアや、アユの海外推奨店の拡大に取り組んでまいります。 次に、昨年からオーストラリアに輸出を開始したイチゴにつきましては、今年二月に開催した「岐阜いちごフェア」が、現地におけるいちごフェアでありますが、大変好評であったと伺っております。農業大国オーストラリアでも品質で十分に太刀打ちできることを確信したところであり、今後は、高級レストランなどでの継続的なフェアにより知名度を高め、輸出拡大につなげてまいります。 加えて、メロン、桃、梨などの新たな輸出品目の開拓に向け、テスト輸出や現地プロモーションを段階的に進めてまいります。 また、御提案の米の輸出につきましては、日本食の普及とともに拡大が期待され、国からは、輸出額を二〇二五年には二〇一九年の二・四倍、百二十五億円にまで拡大する目標が示されております。 県といたしましても、県産米の輸出拡大に向け、商談会への参加や現地プロモーションなどのJAグループ等の取り組みを支援してまいりたいと考えております。 加えて、全国コンクールや食味ランキングで高い評価を受けているコシヒカリやいのちの壱などのブランド米を、様々な海外プロモーションの機会を捉え、PRしてまいります。 三点目が、県営都市公園の魅力の発信ということでございます。 県営都市公園につきましては、平成二十八年度に岐阜県都市公園活性化基本戦略を策定いたしました。 第一に、料金無料化による入園者増と園内消費の拡大。第二に、公園の特徴をより的確に表す名称への変更。第三に、固定客確保のための園内整備。第四に、民間投資をテーマとして、公園のポテンシャルを引き上げる取り組みを進めてまいりました。 その結果、例えばぎふ清流里山公園では、名称変更と無料化によるリニューアル以降の入園者数が今や二百二十万人を超えるとともに、民間投資によるホテルの誘致にも成功いたしました。この成功に倣い、花フェスタ記念公園をぎふワールド・ローズガーデンへと名称変更し、併せて魅力的な商品開発やオープンカフェの設置などにより、バラを存分に楽しむことのできるよう運営の改善を図りました。その結果、秋のローズウイークの入園者数はコロナ禍前の一・五倍となるなど、多くの方々に御利用いただいております。また、養老公園も子供の成長に対応した遊具の整備などにより、家族で楽しめる公園としてにぎわいを見せております。 このような県営都市公園活性化の取り組みの成果については、国からも、昨年、第四十一回緑の都市賞国土交通大臣賞という形で、高く御評価をいただいたところでございます。 これに続いて、今年度を初年度とする新戦略におきましては、岐阜の魅力を国内外に発信するゲートウエーとしての公園の機能強化、ワーケーションでの活用など公園という空間を利用した新たなサービスの提供などを開始したところであります。 そして、この新戦略の最終年度となる令和七年度は、十年間に及ぶ一連の改革の集大成の年であると同時に、十年置きに開催している県営都市公園フェアの開催年にも当たります。 このため、現在、都市公園活性化懇談会において、本県の魅力を発信するにふさわしい新たな都市公園企画について検討を進めていただいております。この懇談会では、これまでのところ、本県の自然資産の活用、観光・産業の振興、脱炭素をはじめとする環境問題への取り組み、地産地消の拡大提案など、幅広いテーマで県営都市公園を舞台とした情報発信や市町村との連携を進めていくべきといった御示唆をいただいております。そして、その実現の一つの手段として、「花と緑」をテーマに全国から多くの来場者が集まる全国都市緑化フェアについて、六つの県営都市公園を会場として開催することを検討してはどうかという提案もいただいているところであります。 今後、さらに検討を深めていく中で意見の集約を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(佐藤武彦君) 商工労働部長 崎浦良典君。    〔商工労働部長 崎浦良典君登壇〕 ◎商工労働部長(崎浦良典君) 中小・小規模事業者に対する今後の支援についてお答えします。 中小・小規模事業者が事業を継続するためには、まずは新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ需要の回復が不可欠であります。 そこで、県産品については首都圏での県産品販売コーナーの設置、海外のECサイトでの販売、日本酒の電子カタログを作成し、オンライン商談等で活用するなど、販路拡大を図ってまいります。 また、感染状況を見極めつつ、新たな旅行キャンペーンを展開し、裾野が広い観光産業のV字回復につなげてまいります。 次に、新たな事業展開に向けた支援として、事業転換などにチャレンジする事業者への補助金の上限額を百五十万円から三百万円に拡充し、商工会議所や商工会などの支援機関と連携して活用を促進するほか、地場産業の新商品開発などを支援する設備導入補助も実施してまいります。 さらに、DXの加速化による生産性向上に向け、新たにDXのファーストステップに踏み出す事業者を支援する相談窓口の開設や専門家派遣などを行い、中小企業におけるDX基盤の整備促進を図ってまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 三十八番 森 正弘君。    〔三十八番 森 正弘君登壇〕 ◆三十八番(森正弘君) 御答弁、ありがとうございました。 続いて、安全・安心な暮らしの確保について、四点お尋ねいたします。 初めに、家畜伝染病への対応についてお尋ねいたします。 ここ二年間の新型コロナウイルスにより忘れ去られてしまった感がありますが、三年前の岐阜県では豚熱の発生により養豚農家が大きな被害を受けていました。 その後、令和元年十月に豚へのワクチン接種が始まったことにより県内農場では発生は抑えられていますし、県内の野生イノシシの検査では、陽性事例は以前に比べて非常に少なくなっています。 しかし、他県ではワクチン接種農場での発生が確認されていることや、野生イノシシの陽性事例もゼロではないことから、本県でも再発生の懸念は拭い切れません。 また、高病原性鳥インフルエンザは毎年のように国内で発生していることから、養鶏農家の脅威となっています。 さらに、より感染力が強く、ワクチンが開発されていないアフリカ豚熱は、国内の発生事例はありませんが、韓国や中国をはじめとするアジアやヨーロッパで発生が続いていますし、過去に国内で発生したことのある口蹄疫もいつ発生するか分かりません。 加えて、重篤な症状のない慢性疾病についても農家経営に大きな影響を及ぼすことがあり、対策を進めていく必要があります。 これらの対策を進めていくためには、ハード・ソフト両面で家畜防疫体制を強化していく必要があります。 そこで、知事にお尋ねいたします。 家畜伝染病の発生を防ぐためにはどのような取り組みを行い、発生してしまった場合にはどのような対応をしていくのでしょうか。お答えください。 次に、災害時における安否不明者の氏名等の公表についてお尋ねいたします。 災害が発生した場合、県では知事をトップとする災害対策本部を設置し、被害情報の把握、救命・救急活動、被災者の支援などの業務を行っています。そして、県が得た情報を報道機関に対し迅速に発信していくことも求められています。災害時の死者・行方不明者の氏名等の公表については、都道府県ごとに対応が異なる状況にあります。そのため、日本新聞協会から国や全国知事会に対し、人的被害については氏名等の詳細を示すよう要望が出されていました。 このため、知事会は内閣府の協力の下、昨年六月に災害時の死者・行方不明者の氏名等の公表に関わるガイドラインを作成しました。翌七月に静岡県熱海市で土石流災害が発生した際には、静岡県災害対策本部が安否不明者となっている方々の名簿を公表し、広く情報を募ったところ、救助対象者の絞り込みにつながり、人命の救助活動の効率化、円滑化に役立ったということです。 こうした状況を踏まえ、九月に、国は知事会が作成したガイドラインの趣旨に沿った内容の通知を各都道府県に発出しました。その通知には、市町村や関係機関と連携の上、平時から検討しておくこと、個人情報保護条例に定める個人情報の利用及び提供制限の例外規定の適用を検討されたいことなど留意事項を定め、都道府県と市町村が平時から検討を行うことを促進するものとなっています。 本県では、知事会のガイドライン作成や国の通知発出前から、御家族の同意や捜索救助の必要性を前提とした公表方針を作成していますが、災害時、迅速に安否不明者の氏名等を公表するには、平時から市町村等と共に十分に検討しておくことが必要です。 そこで、危機管理部長にお尋ねします。 災害時における安否不明者の氏名等の公表を円滑に行うため、公表に関わる具体的な対応手順についてどのような準備がなされているのでしょうか。 次に、津波浸水想定の見直しについてお尋ねいたします。 平成二十三年八月、内閣府に、南海トラフの巨大地震モデル検討会が設置され、翌年に南海トラフ巨大地震による津波高等について報告がありました。 その報告では、東日本大震災のデータや世界の巨大地震の特徴などを踏まえ、当時の最新の科学的知見に基づき、発生し得る最大クラスの地震、津波が推計されました。十一パターンが設定され、それぞれ推計が行われていましたが、内陸県である本県はいずれのパターンにおいても浸水地域に含まれておらず、大きな関心は持たれなかったと記憶しております。 しかし、平成二十六年度に愛知県及び三重県がそれぞれ公表した津波浸水想定では、本県との県境付近で浸水すると言われた内容が含まれていました。 そのため、岐阜県でも独自の津波浸水想定調査が行われ、平成二十九年七月に調査結果を公表しました。その内容は、河川敷の浸水まで含めると、海津市、羽島市、養老町への浸水が想定されるというものでした。中でも、海津市の揖斐川左岸側では、地震発生直後、河川堤防の沈下により川の水が堤防からあふれ、最短三十秒後には三十センチ浸水するという、全く予想していなかった結果でした。 私は、どのような災害が起きた場合でも命を守ることが第一で、そのためには安全な場所に避難できることが必要だと思います。地震発生後、津波が到達するまでには、幸いにして一定の時間がかかります。その間に避難を行うことができるため、避難計画の作成や避難訓練の実施などにより、前もって準備をすることができます。しかし、地震発生後三十秒では、手の打ちようがありません。このため、地元住民の間で不安が高まりました。 先月に行われた会議で、堤防の管理者である国は、調査の結果、改めて堤防の耐震化をする必要はないという旨の結論を示しました。これは、県の津波浸水想定とは矛盾する結果であり、地域住民の不安や疑問を解消するため、県の津波浸水想定も早急に見直していただかなければと思います。 そこで、危機管理部長にお尋ねします。 堤防の耐震化不要という国の結論を踏まえ、県の津波浸水想定の見直しについてどのようにお考えでしょうか。 次に、岐阜県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の周知等についてお尋ねいたします。 今議会には、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例案が提出されています。この条例案では、自転車保険への加入が義務、ヘルメットの着用などが努力義務とされ、県民の皆さんに協力を求める内容となっています。 自転車保険の加入義務化は、過去の一般質問で何度も取り上げていましたが、なかなか前向きな答弁はありませんでした。しかし、一昨年九月の定例会において、県政自民クラブ長屋光征議員がお尋ねになった際に、令和三年度中に加入を努力義務とした条例制定に向けて取り組むと答弁があり、今回の条例案に至ったものです。 自転車事故では、約一億円もの損害賠償を命ずる判例も出ていることから、自転車保険への加入について、努力義務から一歩進んで義務としたことは、経済的な負担はあるものの、必要なことだと思います。 一方、警察庁によると、自転車乗用中の交通事故において、ヘルメットを使用していなかった方の致死率は、着用していた方に比べて令和二年は三倍高かったということです。 私が見る限り、自転車に乗っている小・中学生はおおむねヘルメットを着用しているように見受けられますが、高校生も含めた大人では着用している方が少数派であると感じられています。 条例案では、自転車保険、ヘルメットの着用は、周知期間が必要だということで十月一日施行となっていますが、県民の皆さんの協力を得るために効果的な周知が必要となってきます。 そこで、環境生活部長にお尋ねします。 条例の施行に当たり、自転車保険加入の義務化、ヘルメットの着用の努力義務化について、実効性を上げるための周知・徹底をどのように行っていかれるのでしょうか。 ここで、三回目の質問を終わります。 ○議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 家畜伝染病への対応についてのお尋ねでございました。 豚熱や高病原性鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の発生を防止するためには、まずは農場へのウイルス侵入を防ぐ飼養衛生管理を徹底することが第一であります。県としても、その向上に向けた施設や設備整備への補助、専門獣医師等による農場支援チームの派遣などの支援を行ってまいりました。 特に豚熱では、国の基準を上回る県独自の飼養衛生管理基準を設定し、農家へ徹底するとともに、ワクチン接種の免疫付与状況を丁寧に確認しつつ、農場ごとに接種時期を調整するなど発生リスクの低減に努めております。同時に、経口ワクチンの散布など、野生イノシシ対策にも継続して取り組んでおります。 以上の対策につきましては、岐阜県CSF有識者会議の専門家の方々に御評価と御指導をいただきながら進めているところであります。 今後は、ウェブ研修会を通じて、家畜伝染病に関する情報をタイムリーに農家と共有するなど、引き続ききめ細かな対策を講じてまいります。 また、国内への侵入が危惧されておりますアフリカ豚熱や、平成二十二年に宮崎県で発生しました口蹄疫などに対しましては、国による水際対策に加えて、農場への立入指導やモニタリングによる警戒を継続いたします。さらに、下痢や肺炎などの慢性疾病に対しても、民間獣医師と連携した飼養衛生管理の指導など、丁寧に対応してまいります。 なお、この三年間、豚熱対策に大変御苦労された県内の養豚農家が先頃、その高い水準の飼養衛生管理を含めて日本農業賞大賞及び農林水産大臣賞を受けられたことは、これまでの取り組みの成果として大変うれしいニュースでございました。 第二に、万が一、伝染病が発生した場合には、迅速かつ適切な対応が何よりも重要であります。そのためには、ウイルスの早期発見が要となりますが、本県では、三年前の豚熱発生時の初動対応について、若干苦い経験がございます。 このため、現在、本年六月の開所に向けて、飛騨家畜保健衛生所の再整備を進めております。今後、中央家畜保健衛生所とともに、迅速かつ高度な病性鑑定への対応と検査能力の向上を図ってまいります。 同時に、これらを担う職員を育成、確保するため、北海道大学や養豚獣医師などの下へ派遣し、診断技術や農場指導能力を習得していただくよう取り組んでいきます。 さらに、殺処分が必要となる場合に備えて、関係者とともに防疫実働演習を徹底して行ってまいります。 以上、申し上げましたとおり、家畜伝染病の発生予防と発生時の速やかな対応と、この両面から今後とも緊張感を持って取り組んでまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 危機管理部長 渡辺正信君。    〔危機管理部長 渡辺正信君登壇〕 ◎危機管理部長(渡辺正信君) 二点、お尋ねをいただきました。 まず、災害時における安否不明者の氏名等の公表についてお答えいたします。 県は、災害発生時、被災の状況、規模、範囲、安否不明者などに関する情報を収集、集約するとともに、救助・捜索活動の円滑化に必要と判断した場合は、安否不明者の氏名等を公表することとしております。 この公表に係る手続を迅速かつ円滑に進めるため、現在、市町村や県警と協議を進めており、公表手順案を整理したところです。具体的には、第一に、県は関係機関から安否不明者情報を集約し、市町村及び県警と共有します。第二に、市町村はDV、ストーカー、児童虐待などで住民基本台帳の閲覧制限を受けている方がいないか、また家族の同意があるか等について確認し、県から県警にも同様の観点で確認を行います。第三に、その結果を踏まえ県が情報を整理し、記者発表やホームページで公表いたします。 今後、これらの手順とともに、県、市町村等関係機関の担当部署、連絡先等を盛り込んだ手順マニュアルを年度内をめどにまとめてまいります。 次に、津波浸水想定の見直しについてお答えいたします。 平成二十九年七月の県の津波浸水想定は、国のガイドラインに沿って地震による揖斐川左岸堤防の沈下等の程度を想定し、浸水区域及び浸水深を算出したものです。その算出に当たっては、当時は国の揖斐川左岸堤防に係る耐震調査が継続中であったため、想定される沈下量を一律七五%として設定したところ、御指摘のように、海津市面積の約三割が浸水するとの結果になったところであります。 その後、国による堤防の耐震調査及び水門・樋門の耐震化工事が完了したことを踏まえて、専門家から、二十九年七月の津波浸水想定について、再計算の上、見直すべきとの御意見をいただいておりますので、これら調査結果等を算出条件に反映し、来年度中に津波浸水想定を見直してまいります。 見直し作業と並行して、海津市と連携し、住民の方々に対し、耐震調査及び耐震化工事の内容、津波浸水想定見直しの方向性、スケジュール等について丁寧に説明してまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 環境生活部長 内木 禎君。    〔環境生活部長 内木 禎君登壇〕 ◎環境生活部長(内木禎君) 岐阜県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の周知等についてお答えします。 御指摘の条例で規定する保険加入は、加害者となった際の相手方への損害補填を確実に行うとともに、自身の経済的負担を軽減するため新たに義務として定めるものであり、ヘルメットは、自らの命を守るために着用を勧めるものであります。 こうした趣旨を県民の皆様に十分に御理解いただくため、特に十月までの半年間は、市町村、県警、交通安全協会、自転車や保険の取扱事業者などと連携し、チラシやポスター等による啓発に加え、毎月の街頭啓発、高齢者世帯への戸別訪問など丁寧に周知してまいります。 加えて、事故の件数が多く、ヘルメット着用率も低い高校生を対象に、教育委員会等と連携して全ての高等学校において出前講座を開催し、保険加入やヘルメットの着用を自転車利用のルールとして徹底します。 また、約三百人の高校生をヘルメット着用推進リーダーに任命し、実際の着用体験の発表を通じてヘルメット着用の意義を広く発信するなど、効果的に周知してまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 三十八番 森 正弘君。    〔三十八番 森 正弘君登壇〕 ◆三十八番(森正弘君) 御答弁、ありがとうございました。 次に、持続可能な社会づくりについて、五点、お尋ねいたします。 初めに、過疎地域の担い手の育成・確保に対する支援についてお尋ねいたします。 今年に入って、思わぬ情報が私の耳に飛び込んでまいりました。私の地元海津市のうち、旧平田町の地域が今年四月から過疎地域として追加指定されるということでした。 現在、県内で十六団体が過疎地域に指定されており、海津市は十七団体目になります。これまで県内で指定された地域はいずれも山間地域でありましたが、今回、初めて平野部の指定となりました。過疎地域に指定された団体では、その地域で暮らす人々のため、また将来にわたり地域が持続していけるため、道路や上水道といった生活基盤の整備のほか、医療や福祉、地域公共交通といった生活サービス等の維持に持続的に取り組んでおられます。このような施設の整備やソフト事業の実施に当たっては、過疎対策事業債という有利な地方債を活用できるため、財政面では非常に優遇されています。 しかし、人口減少、少子高齢化の進展の中にあって、担い手の育成・確保については大変厳しい状況にあります。各団体では、地域振興や地域活動の担い手の育成・確保に取り組んでいるところですが、単独での取り組みには限界があります。 県では、過疎地域の基幹産業である農業や林業の担い手の育成・確保を積極的に展開されていますが、それと同様に、地域の維持に必要な人材の育成・確保に対しても、支援を行っていく必要があるのではないかと考えます。 そこで、清流の国推進部長にお尋ねします。 人口減少、少子高齢化が特に進んでいる過疎地域の担い手の育成・確保に当たり、どのような支援を行っていくのでしょうか、お答えください。 次に、製品プラスチックの収集に係る支援についてお尋ねします。 プラスチックはその使いやすさから幅広く使われていますが、使い捨てされているものが多くあります。そのため、処理が不十分なまま環境に流出してしまうものがあり、世界的な問題となっております。食品トレーや包装紙など、「プラ」という文字を矢印で囲んだ識別マークがついている容器包装プラスチックやペットボトルは、早くから分別収集が進められています。しかし、それ以外のプラスチックでできた台所用品や文房具などの製品プラスチックと言われるものは分別収集が進んでいません。 そこで、国は昨年六月、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律を制定し、来月施行されます。この法律の大きな柱の一つが市町村の分別収集及び再商品化であり、市町村は製品プラスチックの分別収集の基準をつくることなどが努力義務になっています。 ところが、環境省が昨年実施した全国の市区町村アンケートによると、法律の施行後三年以内に製品プラスチックの収集を検討している団体は、回答があった八百六十七のうち、既に収集をしているというところも含めて七十二のみでした。プラスチックの資源循環の促進を図るためには、市町村に製品プラスチックを回収してもらう必要があります。 そこで、環境生活部長にお尋ねします。 本県市町村の製品プラスチックの収集についての検討状況はどのようになっており、県は市町村を支援するためにどのような取り組みを行っていくのでしょうか、お願いします。 次に、岐阜県食育基本条例の運用の見直しについてお尋ねいたします。 私たちは、日々忙しい生活を送る中、毎日の食の大切さを忘れがちになっています。そこで、全ての県民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと豊かに暮らすためには、健全な食生活を実践することができる人を育てていく食育を推進する必要があります。 そのため、本県では平成十七年に議員提案により、岐阜県食育基本条例を制定しました。これは、食育基本法制定後に成立した県レベルの食育に関する条例としては、全国初となるものでした。そして、条例に基づき、岐阜県食育推進基本計画を策定し、現在に至るまで各施策が取り組まれ、毎年議会に対して報告されています。 こうした報告を踏まえ、昨年度実施された議員提案条例検証特別委員会では、「運用の改善を求める。条例の見直しの必要はない」とされ、次の三点が指摘されました。目標値の設定が現状に沿っているか等を再検討し、見直しが必要な数値があれば再設定を行うこと、創意工夫を凝らした効果的な食育のPRに努め、さらなる理解と促進を図ること、SDGsの観点を取り入れた持続可能な食育を推進することです。 そこで、健康福祉部長にお尋ねします。 昨年度行われた議員提案条例検証特別委員会において運用の改善が求められましたが、その後どのような改善が行われ、来年度にはどのような取り組みが行われるのでしょうか、お願いします。 次に、県内建設業者の安定的な事業継続についてお尋ねします。 建設業に携わられる皆様には、住宅やオフィスビルなどの建設、道路や橋などの土木構造物の建設、維持管理などの本業のほか、地域の危機管理について大変重要な役割を果たしていただいています。地震や風水害などの自然災害、あるいは鳥インフルエンザや豚熱など、予期せぬ危機事案が発生すると、いつも最前線で緊急対応に当たっておられる姿を拝見し、本当に心強く感じています。 しかし、新型コロナウイルスは、我々の地域を守っていただいている建設業界にも影響を与えています。例えば県産業経済振興センターの景況調査によると、影響が最も大きかった令和二年第二・四半期の景況は、全業種がマイナス八三・四であったのに対し、建設業はマイナス六四・八でした。ところが、今年度第一・四半期の見通しは、全業種がマイナス一〇・三まで回復したにもかかわらず、建設業はマイナス二四・六と低い水準にとどまっています。 また、個別の企業からは、民間工事の受注は減少傾向にある、資材価格が高騰しており収益環境はより厳しくなっている、資材不足のため入手が困難になっているという声を聞きます。このままでは、建設業に携わる多くの事業者の皆さんが今後事業を継続することが難しくなるのではないかと危機感を抱いているところです。 建設業が地域防災の要として、地域住民の方々の暮らしを守るとともに心の支えとなっていることは言うまでもありません。そのため、建設業は持続可能な業界でなければなりません。 そこで、県土整備部長にお尋ねします。 県内建設業者が安定的に事業を継続するため、公共事業の確保と県内建設業者に配慮した公共事業の発注のため、どのような取り組みを行っているのでしょうか。 次に、休日の部活動の地域移行への支援についてお尋ねいたします。 子供たちにとって部活動は、授業とは異なる環境で活躍でき、クラスと異なる集団で交友関係を育むことができる貴重な時間となっています。 一方、この部活動は、教員の多忙化の大きな原因の一つとされており、国は、中学校における休日の部活動の段階的な地域移行を打ち出しています。具体的には、休日の部活動は学校活動から切り離し、地域活動として地域人材が担うとし、令和五年度から段階的に移行を図ることになっています。 ここで重要なのは、地域人材になると思います。この地域人材は、日頃の部活動の指導をするだけでなく、大会等への引率のほか、事故が発生した場合にはその救護、保護者や学校への連絡などの対応を行わなければなりませんし、責任も発生します。 また、平日に学校で行われる部活動との連携も必要です。しかも、学校ごとに地域人材が確保できなかった場合は、複数校で合同部活動を行うことが想定されますが、その場合は、複数の学校との連携をする必要もあります。 さらに、体罰はもちろん、その他ハラスメントを行うような人は避けなければなりません。 このため、私は教員のOBの方が地域人材の中心となることが望ましいと考えています。学校での部活動の顧問をしている教員が休日は地域人材として従事することもできますが、事の発端が教員の多忙化解消であることから、それだけでは各市町村が必要な地域人材を十分に確保するのは困難ではないかというふうに思います。 そこで、教育長にお尋ねします。 休日の部活動の地域移行に際して、市町村が地域人材を確保していくために、県ではどのような支援を行っていくのでしょうか、お答えください。 これで、四回目の質問を終わります。 ○議長(佐藤武彦君) 清流の国推進部長 丸山 淳君。    〔清流の国推進部長 丸山 淳君登壇〕 ◎清流の国推進部長(丸山淳君) 過疎地域の担い手の育成・確保に対する支援についてお答えいたします。 過疎地域の担い手の育成、確保のため、県はこれまで都市部から過疎地域等に移住し、一定期間地域活性化に向けた活動を行う地域おこし協力隊員について、派遣期間満了後の定着支援を進めてまいりました。 また、今般の新過疎法の施行を受けたニーズ調査から浮かび上がった先進事例に関する研修や有識者との関係構築について、今年度から県が実施することといたしました。 具体的には、地域づくり団体などを対象に、地域課題の解決に向けたICT技術の利活用について先進地の導入プロセスを学ぶ研修や有識者との意見交換を開催したところであり、来年度も継続してまいります。 加えて、地域課題の解決に地域外の人材と取り組むことで、継続的に地域に関わる人材の獲得にも取り組んでまいります。先月、白川町におきまして、町外からの移住者を活用し、地域の担い手の確保を図る特定地域づくり事業協同組合が県内で初めて発足したところであり、こうした取り組みも支援してまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 環境生活部長 内木 禎君。    〔環境生活部長 内木 禎君登壇〕 ◎環境生活部長(内木禎君) 製品プラスチックの収集に係る支援についてお答えします。 本年一月、国から製品プラスチックの分別収集・再商品化促進の基本方針や具体的な基準を示す省令が示されたことを受け、県は、国と連携して市町村に対する説明会を開催したところです。具体的には、分別収集に関する基準として収集する品目やその大きさなどのルールづくりが必要であること、再商品化には容器包装リサイクル法の指定法人に委託する方法と市町村が選定した再商品化に対応できる事業者と連携する方法の二通りがあることなどについて詳細な説明を行いました。 現時点で、本県では三十一市町村がプラスチックの分別収集・再商品化の検討を進めておりますが、市町村からは再商品化に対応できる事業者の情報の不足、分別収集・再商品化に要する費用やその財源の見通しの困難さなどがなお課題であると伺っております。 このため、県としては、今後も国と連携し、全国の先進事例を提供するとともに継続的に相談に応じるなど、市町村を丁寧に支援してまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 健康福祉部長 堀 裕行君。    〔健康福祉部長 堀 裕行君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀裕行君) 岐阜県食育基本条例の運用の見直しについてお答えします。 まず数値目標の再設定でありますが、食育推進基本計画の中間見直しを実施し、達成した目標値の上方修正等を行うとともに、糖尿病が疑われる方が増加傾向にあることから、働き盛り世代の生活習慣病予防を推進するため、食育に取り組む企業の増加を新たに指標として設定したところです。 次に、効果的な普及啓発については、岐阜ゆかりの著名人が野菜を使ったお勧めメニューを紹介するランチリレーを新聞に掲載するなど、野菜摂取の重要性の周知に取り組んでおります。 そして、持続可能な食育の推進については、SDGsの目標の「あらゆる年齢の全ての人の健康的な生活の確保」に向け、小学生、大学生、高齢者への講座の開催、高校生向けリーフレットの作成など、幅広い年代を対象に生涯を通した食育を推進しています。 来年度は、県民の栄養摂取状況や健康状態を調査し、基本計画に基づく取り組みの評価を進め、その結果を基に御指摘の三点に関する検討も継続し、不断の改善を進めてまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 県土整備部長 船坂徳彦君。    〔県土整備部長 船坂徳彦君登壇〕 ◎県土整備部長(船坂徳彦君) 県内建設業者の安定的な事業継続についてお答えします。 県内建設業者は、道路、河川、砂防施設の整備や維持管理はもとより、災害時の応急復旧、除雪業務など、農山村地域をはじめ、県土の基盤を支える重要な役割を担っていただいております。 県としても、その事業継続に向け、安定的かつ持続的な公共事業の確保が重要であると考えており、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策など、国の優位な事業を積極的に活用し、県単独事業も加えて事業量の確保に努めております。これにより、今年度の事業予算の総額は五年前と比べて約一・二倍であり、引き続きその確保に努めてまいります。 次に、建設工事の発注に当たっては、各発注機関の管内に本店を有することを入札参加資格の条件とするなど、県内建設業者の受注機会の確保に努めており、昨年度の土木関係工事における県内業者への発注率は約九八%となっております。 また、契約後についても、資材の価格が高騰した場合には適正な利益が確保されるよう、引き続き契約額の変更に柔軟に対応してまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) 休日の部活動の地域移行への支援についてお答えします。 県教育委員会では、今年度から羽島市、下呂市、安八町を地域移行の推進地域に指定し、実践研究を進めております。また、先月には全市町村を対象に地域移行に関する意見交換を行い、市町村からは、地域人材の確保について、どのような人材がいるのか把握できない、安心して任せられる人材が必要といった声をいただいております。 このため、まずは教員OBや地域のスポーツ協会、競技団体、地域クラブ等の協力を仰ぎながら指導可能な人材のリストアップに取り組むなど、人材の掘り起こしを進めてまいりたいと考えております。さらに、県スポーツ協会と共に指導経験の浅い方を対象とした研修を行い、技術面のみならず、生徒の個性を尊重することや好ましい人間関係を構築する手法を学んでいただき、受講者にはライセンスを発行する取り組みを開始する予定です。 こうした人材の掘り起こしと育成を両輪に、市町村における地域人材の確保を支援してまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 三十八番 森 正弘君。    〔三十八番 森 正弘君登壇〕 ◆三十八番(森正弘君) 御答弁、ありがとうございました。 誰もが活躍できる社会づくりについて、三点、お尋ねします。 初めに男女共同参画について、二点、お尋ねします。 新型コロナウイルスは、社会の弱いとされる部分により大きな影響を与えております。中でも、女性への影響が深刻となっています。まず雇用面では、サービス業、とりわけ飲食・宿泊業等を直撃し、女性の割合が高い非正規雇用労働者を中心に大きな影響がありました。 総務省の労働力調査によると、緊急事態宣言が発出された一昨年四月には前の月と比べて雇用者数が八十六万人減少していますが、女性の非正規はそれを上回る九十四万人減少となっております。 また、一昨年行われた学校の全国一斉臨時休業では、多くの保護者が仕事を休むなどして家庭で子供の世話をせざるを得ませんでした。その後、一斉休業はありませんが、感染拡大のたびに行われる分散登校やリモート授業、学級閉鎖などがあると、仕事と子供の世話のやりくりに追われることになります。 内閣府の調査によると、一回目の緊急事態宣言時においては、小学校三年生以下の子供がいる世帯では、家事・育児・介護の負担が大き過ぎると感じた女性の割合は男性の二倍となっています。 さらに、同じ内閣府の男女共同参画白書によると、令和二年度は、女性が被害者になりやすいDV(配偶者暴力)や性犯罪・性暴力被害に関する相談が増加しているということですし、女性の自殺件数が増えていることは様々な場面で取り上げられています。 そこで、知事にお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの影響を踏まえ、県は男女共同参画についてどのような取り組みを行っていくのでしょうか。 男女共同参画の意識の高まりにより各分野で女性の活躍が期待されていますが、それは警察官でも同じです。 かつて、女性警察官と言えば婦警さんと呼ばれ、スカートの制服を着用し、ミニパトに乗り、駐車禁止を取り締まっているというイメージがありましたが、しかし、本県警察本部が作成している女性向け採用リーフレットを見ると、今では若手・中堅・ベテランの女性警察官が様々な分野で活躍していることが分かります。また、性犯罪、DV・ストーカー犯罪、児童虐待、そして少年非行など、女性や子供が被害者となる事案では、捜査や被害者支援で女性警察官の対応が求められていることがあります。つまり、女性警察官はなくてはならない存在ということです。 これまでも警察本部では、平成二十三年に岐阜県警察における女性警察官の採用・登用の拡大に向けた計画、二十八年には岐阜県警察次世代育成支援及び女性活躍推進行動計画を策定し、女性警察官の活躍に取り組んでこられました。昨年四月には、これらの計画を発展的に解消して、岐阜県警察におけるワーク・ライフ・バランス等の推進のための取組計画を策定し、令和八年度初めまでに女性警察官の割合を一二%とすることなどが目標としています。 そこで、警察本部長にお尋ねします。 岐阜県警察本部における女性警察官の活躍推進について、これまでにどのような成果と課題があり、今後はどう取り組んでいかれるのでしょうか、お願いします。 次に、特別支援学校の設置基準についてお尋ねします。 少子化が進む一方、特別支援教育のニーズの高まりにより、特別支援学校に通う児童・生徒の数は全国的に増加傾向にあります。そのため、本県を含め、慢性的に教室不足が続いている特別支援学校があります。 そこで、文部科学省では、令和二年度から令和六年度までの期間において、教室不足の解消に向けた取り組みを集中的に行うよう都道府県教育委員会等に求めてきました。さらに、昨年九月、必要な教員の数、校舎や運動場の面積等を定めた特別支援学校設置基準を公布しました。特別支援学校に設置基準が設けられたことは、学校の教育環境を確保していくために大変価値のあることです。 本県では、平成十八年に策定されたこどもかがやきプラン以降、特別支援学校の建設が積極的に進められ、県立特別支援学校の数は、平成十七年度の十二校から現在は二十一校となっています。県内各地域に特別支援学校が整備されたことは大変評価されることでありますが、今月一日に文部科学省が公表したところによると、一部の学校では校舎の面積不足や教室不足があるということでした。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 特別支援学校設置基準に照らした場合、校舎の面積に不足がある学校について、これを解消するためにどのような対策を取っていくのでしょうか、お答えください。 以上、県政各般にわたり質問させていただきました。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) コロナ禍における男女共同参画についてのお尋ねでございました。 本県は、男女共同参画社会の実現に向けまして、平成十五年に条例を制定いたしました。そして、その翌十六年に岐阜県男女共同参画推進計画を策定いたしまして、これに基づいて様々な施策を実施してきた次第であります。また、平成二十六年度には子ども・女性局を新設いたしまして、男女共同参画と少子化対策を一体として進めてきたところでございます。 こうした中で、平成二十九年の県民意識調査では、「男女とも仕事をし、家事・育児・介護も分かち合う」と考える方の割合が、平成十四年の六八・五%から八四・六%に大きく上昇するなど、これまでの固定的な男女の役割分担意識に変化が見られております。 一方で、国の調査におきましては、女性の労働者に占める非正規の割合は五〇%を超え、女性が育児・家事に充てる時間は男性の六・五倍となるなど、依然として就労や子育ての場における女性の厳しい状況は解消されておらないわけであります。 こうした状況の中、新型コロナ感染症の拡大は、男女共同参画の推進に様々な影響を及ぼしております。私どもの調査では、コロナ前と比較をしますと、ひとり親からの就業相談が六割の増加、女性の自殺者数が三割の増加、さらには性暴力被害相談は二割の増加ということでございます。また、DVの相談は若干減少しておりますけれども、外出自粛によって被害が潜在化しているのではないかというふうにも懸念されるわけであります。 一方で、女性からはテレワークなど多様な働き方の継続を望む意見が寄せられ、男性からは以前に比べて家庭や地域社会を重視するようになったという声も聞かれるなど、アフターコロナに向けたライフスタイルの変化も見られております。 こうしたことから、第一に、女性の就労支援として、セミナーの開催、就労相談のオンライン化、ひとり親の資格取得のための講習会の拡充などを行ったところでございます。 第二に、困難な状況にある女性に対しましては、SNSを活用した性暴力被害の相談窓口の開設、DVに関する電話相談時間の延長、孤独・孤立対策のためのこころの相談窓口の専用ダイヤルの新設など、相談体制の充実を図るとともに、不安や孤独を感じる女性への訪問支援など、きめ細かく取り組んでいるところでございます。 第三に、新たなライフスタイルに対応するため、来年度から女性のデジタルスキルの習得を目的とした研修の開催や、サテライトオフィスの誘致などデジタル環境の整備を進め、勤務時間や場所にとらわれない多様な働き方を支援し、家庭と仕事を両立しやすい環境を整えてまいります。 また、企業を対象に雇用環境整備や育児休業取得の周知・意向確認の義務化などを内容とする育児・介護休業法の改正、これに関する研修会や相談会を開催し、男性の育児休業取得の促進を図ってまいります。 なお、昨日報道がございましたが、都道府県ジェンダー・ギャップ指数を見てみますと、本県は行政分野では五位、教育分野では七位と上位にございました。これは、県庁及び県教育委員会において、「まず隗より始めよ」の意識で女性管理職の登用を積極的に進めてきたことが評価につながったものと認識しております。特に県の知事部局におきましては、令和三年度当初の女性管理職の割合は二〇%に達しております。また、令和二年度の男性職員の育児休業取得率は、全国第一位の六四・九%ということでございます。 ○議長(佐藤武彦君) 警察本部長 加藤伸宏君。    〔警察本部長 加藤伸宏君登壇〕 ◎警察本部長(加藤伸宏君) 女性警察官の活躍推進についてお答えいたします。 県警察では、女性警察官の活躍推進に鋭意取り組んでおります。 これまでの成果としては、人数面で、警察官全体に占める女性の割合が本年度初め一〇・一%と十年前の約二倍に増加したことや、業務内容面で、女性警察官が従事する業務が女性を取り扱う性犯罪、ストーカー事案等はもとより、かつては男性向きと考えられた山岳警備等にまで拡大していることが挙げられます。また、業務環境面でも、女性用仮眠室等女性向け施設が増え、育児休業後復帰支援制度等、女性警察官が仕事と家庭を両立しやすい仕組みが整いつつあることが挙げられます。 他方、課題としては、女性警察官の約九割が巡査部長以下の階級にあるなど、女性の幹部への登用が十分とは言えないことが挙げられます。 このため、今後は、本年度策定した岐阜県警察におけるワーク・ライフ・バランス等の推進のための取組計画に基づき、令和八年度初めまでに警察官全体に占める女性の割合を一二%程度に増やすとともに、警部補全体に占める女性の割合を現在の約四%から六%程度に増やすという目標の下、女性幹部職員の育成をも念頭に置きつつ、女性警察官の活躍推進をさらに進めてまいります。 ○議長(佐藤武彦君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) 特別支援学校の設置基準についてお答えします。 議員御紹介の調査では、本県の県立特別支援学校二十一校のうち、校舎面積の基準を満たしていないのは八校となっております。こうした学校では、二つのクラスを一つの教室に配置したり、特別教室を普通教室に転用したりするなどの工夫をして、現在、授業を行っているところです。 文部科学省の設置基準では、学校周辺が住宅地であって土地の確保が困難等の特別の事情があり、かつ近隣の学校等の施設を使用して教育活動が実施できる等により教育上支障がない場合には整備を必要としない旨を規定しております。 このため、県教育委員会としましては、各学校の立地状況や学びにおける支障の状況などを詳細に把握するとともに、児童・生徒数の今後の推移を見極めながら整備の必要性や優先度を精査した上で、できるだけ早期に今後の整備の方向性を固めてまいりたいと考えております。…………………………………………………………………………………………… ○議長(佐藤武彦君) しばらく休憩いたします。 △午前十一時五十八分休憩 …………………………………………………………………………………………… △午後一時再開 ○副議長(松岡正人君) 休憩前に引き続き会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(松岡正人君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十二番 伊藤英生君。    〔十二番 伊藤英生君登壇〕(拍手) ◆十二番(伊藤英生君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、県民クラブを代表して、大きく五つ、全十三項目について質問させていただきます。 大きく一つ目は、国際情勢の変化をめぐる県の対応について、二点お伺いいたします。 一点目は、岐阜県におけるサイバーセキュリティー対策の体制について、総務部次長にお尋ねいたします。 今般の国際情勢の変化を受け、令和四年三月一日付で、国は、経産省、金融庁、総務省、厚労省、国交省、警察庁、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターの連名にて、政府機関や重要インフラ事業者、産業界などに対し、セキュリティー対策の強化を呼びかける注意喚起を行いました。その内容は、組織幹部のリーダーシップの下、対策の強化を依頼するものとなっており、今このタイミングで出された意味をよくよく考え、受け止める必要があります。当然、県における情報セキュリティー対策についても、万全を期さねばなりません。 サイバー攻撃への備えについては、昨年三月十日の本会議において松岡副議長のほうから質問され、対策の内容について答弁をいただいておりますが、今回私は、県のセキュリティー対策の体制についてお尋ねしたいと思います。 例えばサイバー攻撃を受けた場合、場合によっては速やかにネットワークを遮断するなどの対応が求められます。それは、県の業務そのものを停止させることに等しく、そのような重要な判断については、現場のシステム担当レベルではなく、県幹部レベルによる統制が必要と考えます。 また、最近の危機管理、リスクマネジメントにおける潮流の一つの考え方として、サイバー攻撃を完璧に防ぎ切ることは不可能であるということを前提とした対策、例えば当県が運用する重要なシステムに悪意ある攻撃等がなされた場合には、被害を最小限にとどめるための緊急管理体制を構築することや、その計画をあらかじめ策定しておくことが重要とされております。悲しいですが、当県もサイバー攻撃を受ける可能性がある、そんな世の中でありますので、どうか万全を期していただきたいと強く願うところでございます。 そこで、総務部情報化推進担当次長にお尋ねいたします。 サイバーセキュリティー対策の重要性に対する認識及びその体制について、御所見をお聞かせください。 二点目は、国際情勢に関連した県内企業への対応について、商工労働部長にお尋ねいたします。 ロシア軍によるウクライナ侵略は、その戦争行為による影響のみならず、県経済に深刻な影響を及ぼす可能性があります。それは、原油価格のさらなる上昇や原材料価格の上昇、製造や物流、商業、金融等々、実に様々な分野へ影響が想定されるところであり、この影響は、日本、そして岐阜県にも及ぶことを考えておかなければなりません。 私のところにも、中小零細企業関係者様から様々な御心配の相談をお寄せいただいております。 一部紹介いたします。 燃料費が上がるとランニングコストがかさむが、それでも販売価格を上げることができないから、結局自分たちが損する分を負担することになるとか、仕入価格が上がり、輸送費も上がることが予想されるが、そうなっても取引先に値上げをお願いすることができないとか、折からの新型コロナによる影響も相まって、資金繰りを考えると絶望感を覚えるなどといった声です。 今般の事態は、短期間では解決し難い状況になりつつあると推認するところですが、県としての受け止めや姿勢をお聞きしたく、商工労働部長にお尋ねいたします。 現状をどのように捉えていらっしゃるでしょうか。また、今後の情勢によっては県内企業に対して何らかの対応を取っていく必要があると考えますが、今後に備え、現時点でどのようにお考えでしょうか、御答弁をお願いいたします。 ここで一回目の質問を終わります。 ○副議長(松岡正人君) 総務部次長情報化推進担当 阿部修二君。    〔総務部次長情報化推進担当 阿部修二君登壇〕 ◎総務部次長情報化推進担当(阿部修二君) 岐阜県におけるサイバーセキュリティー対策の体制についてお答えいたします。 デジタル化が加速し、サイバー空間の重要性が増す一方、サイバー攻撃の深刻性も同時に高まっており、不正アクセスなどに対するサイバーセキュリティーの確保は極めて重要と認識しています。そのため、サイバー攻撃等の被害や影響範囲に応じ、知事をはじめ県幹部へ迅速に情報共有し、その判断を仰ぐ体制を構築し、さらに県のインターネット通信はセキュリティー専門スタッフにより常時監視し、必要であれば強制遮断が可能な体制としています。 そして、本県は、サイバーセキュリティー確保に向けて、岐阜県情報セキュリティ基本方針を策定し、対策に当たっております。三月一日付で国から通知されたセキュリティー対策強化にも既に対応し、一日約十八万通を受信する電子メール等のうち約半数を不審メールとして検知し、ブロックしているところです。 これからも日々進化するサイバー攻撃に対応するため、緊急管理体制について不断に見直すとともに、データのバックアップ、復旧手順の確認など、不測の事態に備えた取り組みを行ってまいります。 ○副議長(松岡正人君) 商工労働部長 崎浦良典君。    〔商工労働部長 崎浦良典君登壇〕 ◎商工労働部長(崎浦良典君) 国際情勢に関連した県内企業への対応についてお答えします。 岐阜県輸出関係調査によると、二〇一九年の県内製造業のロシアへの輸出額は全体の〇・四%程度であり、今般実施した県内企業へのヒアリング調査でも、現時点では直接的な影響はないとの声をいただいております。一方で、今後のさらなるエネルギー価格や原材料価格の高騰による影響を懸念する声が様々な分野から寄せられております。 このため、国では先週四日に、ガソリン価格抑制のために石油元売業者への補助金の上限の引上げやタクシー事業者への支援策など、原油価格高騰に対する追加対策を決定しました。本県も、こうした事態に先駆け、昨年十二月に原油・原材料価格高騰等に対する融資相談窓口を開設し、融資制度を創設しておりますが、今週からは、新たにウクライナ情勢に伴う経済変動等も含めた融資相談窓口を開設し、対応に当たっております。 今後も引き続き国際情勢や国の対策の効果等を注視するとともに、相談窓口や企業ヒアリングなどにより丁寧に状況を把握し、必要な対策を講じてまいります。 ○副議長(松岡正人君) 十二番 伊藤英生君。    〔十二番 伊藤英生君登壇〕 ◆十二番(伊藤英生君) ありがとうございました。 大きく二つ目は、新型コロナウイルス感染症対策(第六波)対策の効果検証と今後の取り組みについて、二点お尋ねいたします。 一点目は、「知事、今回の酒類提供停止措置はさすがに厳し過ぎたのではないですか」という本心を込めた質問です。 本県は、まん延防止等重点措置の適用に伴い、二〇二二年一月二十一日から三月六日まで、県内全域の飲食店に対し、営業時間の短縮と酒類の提供停止を要請いたしました。まん延防止等重点措置そのものは再延長され、現在も続いておりますが、酒類の提供停止要請は何とか三月六日をもって解除されました。 政府は、一月六日、対処方針を変更し、今次まん延防止等重点措置から、知事の判断で酒類の提供を行わないよう要請することも可能とするなど、さらなる措置を可能といたしました。本県においては、まさにフルスペックの措置を取ってきたということでございますが、近隣の愛知県や三重県では、第三者認証店において酒類の提供を可としており、今回はどうして本県だけこれほど厳しい措置を取ったのか、私の下にも大変厳しい声が寄せられております。 一部紹介いたします。 毎回感染が広がるたびに飲食店を締めつけるが、なぜ飲食店ばかりを悪者にするのかとか、居酒屋や焼き肉屋を経営されている方からは、お酒を出すなというのは潰れろと言われているようなものとか、そして、これが一番痛烈だと思いますが、これまで県の要請に従って感染症対策に真面目に取り組んできたが、裏切られた気持ちになったという声でした。こうした声は、関係団体からも県庁にも届いていることと存じます。 今回、第三者認証店において酒類提供が条件つきで解除されたとはいえ、こうした声に真摯に向き合っていかなければ、今後、県が第三者認証店の維持、拡大を推し進めていく際に障壁となる可能性があると思います。 ここで、第三者認証店とは何かについて、簡単に説明したいと思います。 岐阜県は、二〇二〇年六月から、飲食店等の感染症対策に関する基準、例えばアクリル板等の設置または座席間の距離の確保、手指消毒の徹底、マスク着用の徹底、換気の徹底などを定めて、それをクリアしている店舗にミナモステッカーを配付し、県民に対しても、このミナモステッカーを取得、貼付け、掲出している店舗を利用するよう推奨してきたところです。こういうステッカーでございます。(資料を示す)見たことがある方も多いかというふうに存じます。 国は、二〇二一年四月、都道府県に対し、第三者認証店を導入するよう通知を出しましたが、岐阜県は、先駆けて行ってきたこの制度とほぼ同じ内容であったため、ミナモステッカー取得店舗をそのまま第三者認証店として移行し、二〇二二年二月末現在、県下一万二千三百六十五件の店舗の皆様に御協力をいただいているところでございます。 今回、岐阜県と同じタイミングでまん延防止等重点措置が適用された本県を含む一都十二県が執り行った飲食店への要請内容を比較して、第三者認証店をどのように扱ったのかを見てみますと、時間帯の制限はあるものの、認証店で酒類の提供を可能としたのは、東京都や愛知県、三重県など九都県で、終日停止としたのが、長崎県、宮崎県、そして本県の三県のみでございます。 県民の命を守ることが最重要課題ということは理解しております。その一方で、酒類提供の停止要請によって仕事を失い、苦しむ人がいるのも事実です。今後の県民の皆様からの御理解と御協力を得ていくためにも、今回のまん延防止等重点措置で岐阜県が取った酒類停止要請は、どういった根拠と見込みに基づいて行われ、結果的にどのような効果があったのか、県民に対して丁寧に説明していく必要があると強く感じております。 そこで、知事にお尋ねいたします。 今次まん延防止等重点措置の中、岐阜県では飲食店等に対し、終日の酒類提供の停止を要請しましたが、これについて根拠に基づいた効果検証を行い、真に必要な取り組みであったかを検証して、次回の取り組みに生かすべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 続きまして、二点目は、県立高校に配備されている抗原検査キットの使用実態と医療機関との連携について、教育長にお尋ねいたします。 先般、国が昨年二〇二一年九月に全国の小・中・高校などに配付した抗原検査キットが使用期限を過ぎて廃棄されている例が相次いでいるという状況を耳にしました。第六波のさなか、医療機関等で検査キット不足が指摘される中、大変違和感を覚える事案でございます。とはいえ、県教委、市町村教委には責めはなく、むしろこの検査キットをめぐり、教育の現場は国の政策に振り回されているのではないかと感じております。 ここで、抗原検査キットが学校に配付された経緯を振り返ってみたいと思います。(資料を示す) 二〇二一年六月十七日、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が変更になり、大学、専門学校、高校、特別支援学校等に対して、「最大約八十万回分の抗原簡易キットの可能な限りの早い配付を進め……」という方針が示されました。 翌日の二〇二一年六月十八日、文科省、厚労省の連名により、高校における抗原簡易キット配布希望の調査についてという事務連絡があり、標準的な規模の学校で一校当たり五十から百個程度の配付という目安が示された上、県立高校や県立特別支援学校高等部、市立高等学校、市立特別支援学校高等部に対し、希望数を回答するように求めました。 なお、回答期限は十二日後の六月三十日でした。キットは、八月末から九月にかけて国から各学校へ直送されたとのことでございます。 八月二十五日、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が変更され、「中学校、小学校、幼稚園等に対しても、最大約八十万回分の抗原簡易キットの配付を九月上旬に開始し……」という方針が示されました。 翌日、八月二十六日、同じく文科省、厚労省の連名により、幼稚園、小学校及び中学校等における抗原簡易キットの配布先についてという事務連絡があり、市町村の規模に応じて配付する旨、対象は幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校の幼稚部、小学部、中学部である旨、申込期限の第一期限は、何と翌日の八月二十七日、最終回答はその一週間後の九月三日とする旨、第一期限分は九月初旬から希望する市町村教育委員会に直送する形で順次発送する旨、最終回答期限分は九月中旬以降に発送する旨が示されたとのことでございました。 九月二日、さらに追加の希望を募る内容の幼稚園、小中学校、高等学校等における抗原簡易キットの追加配布についてという事務連絡があり、回答期限は一週間後の九月九日に設定されておりました。ちなみに、県立学校では希望を見送ったとお聞きしております。 以上、抗原簡易キットの配付に関わる簡単な経緯でございます。 コロナ禍での学校、子供に関することでありますので、悠長なことは言っていられない状況であることは当然であると思うのですが、使い勝手や効果などは二の次、配付ありきで進められた感を覚えるのは私だけでしょうか。もっと言えば、そもそもとして、この検査キットは何のために学校に配付されたのか、そのこと自体がよく分からないものであったとも強く感じております。 文科省は、体調不良時は医療機関への受診が基本とし、使用する場合は養護教諭らの立会いや保護者の同意が必要である等と手引などで各教育委員会に示達しておりました。また、小・中学校では使用対象を原則として教職員とし、子供への使用は小学四年生以上と区切っております。 配付されたキットは、鼻から綿棒を二、三センチほど入れてこすりつけ、その綿棒を浸した液体を判定用の容器に垂らすと十五から三十分ほどで結果が出る仕組みですが、学校現場からは、うまく使えずに飛沫が飛ぶリスクや陽性反応が出た際の対応の難しさなどから、学校では非常に使いづらい、学校では使えないと指摘する声も上がっているのが実態です。 教育現場の第一線で奮闘する先生方の声は実に切実、どうか国に対し、今回の実態を知っていただき、次回の施策に生かしていただくためにも、本県においてこの検査キットがどのように使われ、どのような使用実績だったのかを検証していくことが大切であると思います。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 国から配付された抗原簡易検査キットにつきまして、県教育委員会が所管する高校、特別支援学校等における使用の現状はどのようになっておりますでしょうか。また、学校で使い切れない抗原検査キットを医療機関等へ融通する際の関係機関との連携について、現状をお聞かせください。あわせて、現在県教育委員会で取りまとめを進めている市町村立の小・中学校等における使用実績、廃棄数などにつきまして、現在までで把握しているデータがありましたらお示しください。 ここで二回目の質問を終わります。 ○副議長(松岡正人君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 新型コロナウイルス感染症対策の効果の検証、とりわけ酒類提供停止要請についてでありました。 まず新型コロナ第六波につきましては、オミクロン株の極めて強い感染力によりまして、僅か六日間でフェーズ一から四まで拡大するなど、いまだ経験したことのないスピードで、しかもそれまでの第五波をはるかに超える規模で感染拡大が始まりました。このため、本県としては、先手を打って感染の抑え込みを図るべく、当初より最大限の危機感を持って、広い範囲にわたって、できる限りの総合対策を講ずることといたしました。これら一連の対策につきましては、累次の県専門家会議、岐阜県新型コロナウイルス感染症対策協議会、県教育推進協議会などにおいて、言わばオール岐阜で決定を重ねてきたところであります。 その中で、新型コロナウイルスは飛沫の広がりによる感染が大きな要因であることから、特に、国の基本的対処方針においては、感染リスクが高まる「五つの場面」ということで取り上げておりまして、その第一に「飲酒を伴う懇親会等」、第二に「大人数や長時間におよぶ飲食」、第三に「マスクなしでの会話」が位置づけられております。 また、県の専門家会議におきましても、こうした場面について繰り返し強く注意喚起をするよう指摘をいただいております。事実、本県では、年明け以降、まん延防止等重点措置適用時までの八十二件のクラスターのうち、ほぼ半数の三十九件が成人式の二次会をはじめとする飲食関係でありました。飲食店などからの感染事例、あるいは大人数の会食による感染拡大事例などが発生していたわけであります。 これらを踏まえ、総合的な感染防止対策の一環として、特別措置法に基づく基本的対処方針で認められた最大限の措置として、飲食店等に対する一律二十時までの営業時間の短縮及び酒類提供の終日停止を要請いたしました。その結果、九九・四%の事業者の方々が時短要請に応じていただいておりますし、夜の繁華街の人流も要請前と比較して約七割減少いたしました。改めて飲食店等の皆様方の御協力に深く感謝を申し上げる次第であります。 そこで、これらの御協力の感染防止効果をどのように特定するかということでございます。 まず申し上げなければならないことは、第一に、新型コロナ感染防止対策は、大変広範かつ多岐にわたる総合対策として実施しておるわけであります。 第二に、それらの内容、実行状況などは自治体ごとに異なっております。 また、第三に、検査、療養、ワクチン接種などの対応にも自治体間で違いがございます。 さらには、第四に、都市部から中山間部まで、あるいは繁華街から過疎地まで、地域の状況は様々であります。 こうしたことに十分留意する必要がありますが、したがって、各都道府県が実施している一つ一つの対策ごとにその効果を特定することは必ずしも容易ではないと思っております。 その上で指摘させていただきますが、まず第一に、第六波の早い時期からまん延防止等重点措置が適用されておる首都圏一都三県、関西圏二府一県及び東海三県の人口当たり新規感染状況を比較しますと、岐阜県は最も低くなっております。かつ、このところピークアウトの兆しも見られておるわけであります。一方で、沖縄をはじめ重点措置区域の適用が解除された幾つかの地域では、このところ夜の繁華街の人流が急増しており、新規陽性者の増加傾向も見られると、これは国のアドバイザリーボードにおいても報告されております。また、まん延防止等重点措置が全く適用されなかった幾つかの県においては、全国上位の、トップクラスの感染状況が見られます。 第二に、人口当たりなどで隣県と比較してみましても、陽性者数に加えて、重症者及び死亡者数、自宅療養者数、救急搬送困難事案件数などは、本県においては低く抑えられております。 第三に、そもそも本県は、岐阜駅前から柳ケ瀬に至る繁華街を有し、大きな経済活動のある愛知県と隣接するといった地域特性がございます。また、本県は、保健所業務が逼迫する中でも、他県に比して幅広い範囲で積極的疫学調査を徹底して行っております。これらの事情にもかかわらず、感染に関するもろもろの数値が本県では相対的に低く抑えられております。 以上、御指摘申し上げました幾つかの状況から見て、本県では、特別措置法の体系の中での最大限の措置の実施と、それに対する県民の皆様、あるいは事業者の方々の多大な御協力、そして東海三県の中でも非常に懐深い病床及び宿泊療養施設の確保、そのための医療関係者の努力などにより、「県民の生命(いのち)を守る」ためのできる限りの体制、対応ができたものと考えております。 なお、今月に入って、御指摘のありましたように、一定のピークアウトの兆しが見られるという認識の下で、一部の対策を緩和したところでございます。しかしながら、現時点におきましても、十万人当たり新規陽性者数は百九十五・五八人、これは第五波のピーク時のまだほぼ倍近くでございます。自宅療養者数は三千三百四十八人、病床使用率は三八・七%に上っております。また、ワクチンの追加接種率は、全国第一位とはいえ総人口の約三割にとどまるなど、警戒を緩める状況にはございません。さらに、より感染力の強いBA.2系統による感染拡大の懸念もございます。何件か岐阜県でも発症しております。今後、感染拡大局面に再び直面する際には、社会経済活動とのバランスに十分留意しながらも、「県民の生命を守る」ための対策について果断に判断してまいります。 そして、今後、第六波の終息が明らかなものとなったところで、改めて様々な角度から本県の取ってきた対策を検証してまいります。 ○副議長(松岡正人君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) 学校に配備されている抗原検査キットについてお答えいたします。 まず県立学校での使用実態ですが、本年一月末時点で五千六百八十九個が配付され、このうち学校での使用が三百五十三個、医療機関への提供が二百五十個、また使用期限が一月末までに切れたのは百二十一個となっております。 当初、国の手引では、生徒や教職員が医療機関をすぐに受診できない場合の使用を想定していたため、例えば修学旅行先で発熱した生徒の検査に使用するなど、限定的な活用となっていました。その後、使用要件の緩和に伴い、感染の疑いがある教職員の検査や生徒が実習に参加する際、事業所の求めに応じて行う検査などで活用しているところです。 また、医療機関との連携については、検査キットが不足していた一月下旬、国に確認した上で、学校医や地元の医師会の求めに応じて医療機関に提供した事例があります。 なお、市町村立学校については、一月末時点で七千五百七十七個が配付され、このうち学校での使用が五百六十二個、使用期限が一月末までに切れたのは五千八百十一個と承知しております。 ○副議長(松岡正人君) 十二番 伊藤英生君。    〔十二番 伊藤英生君登壇〕 ◆十二番(伊藤英生君) ありがとうございました。 大きく三つ目は、人への投資と県民を支える施策として、三点お伺いいたします。 一点目は、清流の国ぎふ大学生等奨学金事業の成果とさらなる推進について、知事にお尋ねいたします。 少し古い話で恐縮ですが、二〇一六年二月十九日の中日新聞に、岐阜県の二〇一六年度予算案に関する記事が掲載されておりました。大変印象深い内容でありましたので、一部引用させていただきます。 予算編成の土台は二〇一五年度につくった「清流の国ぎふ創生総合戦略」であり、人口減少が進む中、地方創生をどのように実現するのかの方向性を打ち出し、県内への移住者について、二〇一五から二〇一九年度の五年間で約六千人との目標を立てた。一月二十日に始まった知事による各部局の予算査定、予算編成の最終局面で、知事は、移住・定住の推進について「目玉はないのか」とハッパをかけた。担当者は、当初優先順位が低いとして要求していなかった県外の大学生向けに県内へのUターン就職を条件に返済を全額免除する奨学金制度を示し、予算案に盛り込まれることになったと書かれておりました。 当時私は、給付型奨学金制度の必要性を強く感じておりましたので、議会で質問したり、会派の予算要望の中にも盛り込ませていただいておりました。結果的に給付型ではなく、Uターンを条件に返済を免除するという制度設計にはなりましたが、当時予算化されたことを大変ありがたく思うとともに、当初は優先順位が低かったのかとも思ったことを思い出します。 改めて、この清流の国ぎふ大学生等奨学金事業について説明しますと、県内への移住の促進と優秀な人材の確保を目的としており、奨学金の額は月三万円、県外大学等に進学した県外在住の方で、将来的に岐阜県に戻り、岐阜県で活躍する意思がある方に奨学金を貸与するとともに、卒業後に県内に居住し、かつ県内で就業すること等を条件に返済を免除するという制度でございます。この県内就業につきましては五年を維持することが条件となっておりまして、二〇二二年度は、この制度がスタートしてから最初の返済免除が行われる節目の年度となります。この政策によってどれぐらいの方が県内に戻り、活躍されているのか気になるところでございますし、岐阜県の明日を担う若き人材の確保という点で大変重要な施策であり、成果と今後についても大きく期待するところでございます。 そこで、知事にお尋ねいたします。 二〇一六年度よりスタートした清流の国ぎふ大学生等奨学金事業ですが、その成果はどのようなものでしたでしょうか。また、今後この制度をさらに推進していくべきと考えますが、知事の所見をお聞かせください。 続きまして、二点目は、外国人材活躍と多文化共生施策の推進について、知事にお尋ねいたします。 本県に暮らす在住外国人は、令和三年六月末現在で五万八千四百十二人となっており、市別では、多いほうから、岐阜市九千三百十六人、可児市八千百六十四人、大垣市五千七百十二人、美濃加茂市五千四百三十九人となっております。私が住む可児市におきましても、同時期の令和三年七月一日現在の人口が十万一千百二十一人でしたので、実に人口の八・一%が外国人県民という計算になります。 外国人県民の中には、家を買い、車を持ち、自治会や子ども会の活動に協力する方々もお見えになり、自分のことに置き換えた場合、私が海外に住んで、果たして同じだけのことができるだろうかと思うことがあります。このように、既に外国人県民は、地域の社会、経済、文化等の一端を担う構成員としての存在であり、この人口減少社会において、その人材を確保し、就労と生活支援の両面から外国人材が活躍できる環境づくりを進めていくことが大切であると考えております。 一方、ここ数年の新型コロナ対応では、外国人県民への情報収集や情報伝達の在り方が課題として顕在化してまいりました。それぞれのコミュニティーで指導的・中心的役割を担っているのが、教会であったり派遣会社であったり、国籍ごと、在住地域ごとに多様、複雑なルートがあり、その把握と連携をしっかりと行っていく必要があると感じております。 また、教育の現場におきましても、これまでは外国人児童・生徒が在籍する学校はある程度特定の学校に集中していたのですが、在住地域が広がるにつれ、数名だけ在籍する学校が現れるなど、日本語指導が必要な外国人児童・生徒への対応も変化してきております。 さらに、毎年のように発生するゲリラ豪雨災害など、防災に関する情報収集・伝達の在り方についても課題でございます。その点、本県におきましては、平成三十年度より外国人防災リーダーを養成するなど、災害時の多文化共生の対応を進めてきているところであり、その効果も気になるところです。 そして、ここ最近私が心を痛めていますのは、ロシアによるウクライナ侵略であります。県内にも少なからず、ウクライナ、ロシア、ベラルーシの出身の方々が居住されており、日本国内においても様々な感情が渦巻く中、いわれなき誹謗中傷に遭っていないか、嫌な思いをしていないか、気になるところです。多文化共生を考えたとき、実は遠い国で起きていることが身近な問題に発展するのではないか、そんなことを心配する毎日であります。 もろもろ申し上げましたが、どうか岐阜県においては、外国人県民の誰もが活躍できる多文化共生社会が実現できるよう祈念して、知事にお尋ねいたします。 本県におきましては、県内の在住外国人を「地域社会を構成する外国人県民」として認識し、様々な取り組みを進めているところでございますが、近年の新型コロナ対応や激甚化する気象災害対応、教育環境整備の重要性の高まり等を踏まえ、外国人材の活躍と多文化共生をどのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。 続きまして、三点目は、夜間中学校の潜在的ニーズ把握の取り組みについて、教育長にお尋ねいたします。 昨年秋頃の話になります。県内に住む一人の大学生が私の元に訪ねてきました。その理由は、夜間中学校について卒業論文を書きたいので、この私にインタビュー調査をしたいとのことでありました。その学生さんは、在学中に多文化共生に関わるボランティアに積極的に参加、大学では教員免許を取得されたということで、どうやらそこから夜間中学のことに関心と問題意識を持つに至ったようでした。 また、私が二〇一九年三月の議会で夜間中学校について一般質問したことをどこかで知り、私に白羽の矢が立ったようでした。私も、真摯に関心を寄せてくれる若者がいることにうれしさを覚える反面、そのインタビュー調査に的確に答えられるよう、県の取組状況や市の取組状況を再調査した次第ですし、この問題について、やはり継続的に取り組んでいく必要があるなと思いを新たにしたところでございます。 さて、ここで夜間中学とは何かについて、簡単に説明したいと思います。 中学校夜間学級、以降、夜間中学といいますが、これは戦後の混乱期の中で、生活困窮などの理由から昼間に就労または家事手伝い等を余儀なくされていた学齢生徒が多くいたことから、その生徒に義務教育の機会を提供することを目的として昭和二十年代初頭に中学に付設された学級のことをいいます。その後は社会情勢の変化に伴い、その設置数が減少しましたが、二〇二一年四月時点で、十二都府県三十市区に三十六校が設置されており、近年は日本国籍を有しない生徒が全体の八割を占めている状況となっております。 話は前後いたしますが、平成二十八年十二月には、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が成立、全ての地方公共団体に夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務づけられました。そして、この流れを受けて、各地で新たに夜間中学校を設置する動きがあり、ここ最近では、熊本県が二〇二四年春開校を目指し、夜間中学校を設置すると表明、新年度二〇二二年度予算案に関連経費を盛り込んだとのことでございます。 少し古い数字で恐縮ですが、二〇一〇年度国勢調査によりますと、本県で十五歳以上の方で小・中学校を卒業していない方の総数は千四百五人、うち日本人は千二百六十三人、外国人は百四十二人とのことでした。就職や転職をはじめ社会生活を営む上で、義務教育課程を修了していないことにより生じる困難は我々の想像をはるかに超えるものがあるであろうと察するところであり、情報収集や必要な施策を行き渡らせるためにも、貧困対策で活動を行っているNPO等との連携強化をしていく必要があると考えます。また、高校、大学へと進学を希望する外国人県民にとっても、夜間中学校は非常に重要な役割を果たすものと考えます。 本県におきましても、夜間中学校など学びの機会確保に向けた意見交換会等を開催するなど、状況把握に努めてきたところでございますし、ニーズ調査も実施したとお聞きしております。このニーズ調査、なかなか集約が難しいとお聞きしておりますが、集約が難しいからこそ見えてきた課題があると思います。課題は何か、それを解決するにはどうしたらよいか、何にどう取り組んでいるのか等々、一定の結論に至っているのか、大変気になるところでございます。 あわせて、県内各地に市民ボランティアが自主的に運営する夜間中学校が開講しているとお聞きしております。公立ではないため卒業資格を得ることはできませんが、地域事情に合った学びの機会の確保につながる存在と考えますが、自主運営の夜間中学校とどのように連携をしていくのかについても大変気になるところです。 自治体でニーズ調査を行っても、夜間中学校の認知度が低く、また識字の面で課題のある方が対象のため、定型的なニーズ調査では現状の把握が困難であると思われます。対象の方々のニーズを把握するには、自主開講の教室や貧困対策NPOと連携しながら、より踏み込んだ調査が必要ではないかと考えます。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 夜間中学校の潜在的ニーズ把握を行っていくために、今後どのような取り組みを進めていくお考えか、御答弁をお願いいたします。 ここで三回目の質問を終わります。 ○副議長(松岡正人君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 二点お尋ねがございました。 まず、大学生等の奨学金事業についてでございます。 本県は、全国に先駆けまして、人口減少、少子高齢化という課題に着目して、平成二十一年に岐阜県長期構想を策定いたしました。そして、その発展形である「清流の国ぎふ」創生総合戦略におきましても、一貫して人口減少、少子高齢化を課題の基軸に据え、その克服を目指して様々な施策を展開してまいりました。こうした中で、先ほど議員が御指摘のあったように、「目玉はないか」とハッパをかけた記憶は全くないのでありますけれども、この創生総合戦略策定後の最初の予算でありました平成二十八年度予算におきまして、進学による県外転出に効果的な対策を講ずるための新規事業ということで創設したわけであります。 その成果でありますが、令和三年度までの六年間で六百四十一人に対して奨学金を貸与しております。このうち、令和三年三月末までに卒業し、就職した方は二百二十五名、そのうちの六四%の百四十五名が県内企業に就職しておられます。ちなみに、本県出身者が進学する県外大学の協力を得て実施した追跡調査によりますと、Uターン就職率は三一%ということでございます。このことから見ましても、奨学金事業の成果が得られているというふうに考えていいのではないかと思っております。 一方で、奨学金を貸し出した方のうち、なお三割以上の方が県外就職を選ばれておるということでありますが、その理由の一つとして、奨学金の返還免除の要件の大学等卒業後六か月以内に県内就職という点に問題があることが判明いたしました。実際に本制度を活用してUターン就職の意欲ある方々が年一度の採用機会を逃し、期間内に県内就職できなかったため、やむを得ず県外企業に就職してしまうケースが少なからず発生しておるというふうに承知しております。このため、こうした方々が次の年にも再度県内就職にチャレンジできるよう、県内居住及び県内就業する期限を、大学等卒業後「六か月以内」から「十二か月以内に内定をもらっている場合には、大学等卒業後十八か月以内」にまで緩和する条例の改正案を今議会に上程させていただいておる次第でございます。 現在、コロナ禍を契機とした地方回帰の高まりを捉えて、ワーケーション環境の整備、サテライトオフィスの誘致、企業誘致の強化などの取り組みにより、新しい次元の地方分散の実現を目指しております。こうした中、この奨学金制度につきましても、Uターン就職促進の重要なインセンティブとして、ニーズに応じた見直しを柔軟に行いながら生かしてまいりたいと思っております。 次に、外国人材の活躍と多文化共生施策の推進ということでのお尋ねでございます。 現在、本県では、来年度からとなる「第四期岐阜県外国人材活躍・多文化共生推進基本方針」の策定を進めております。今回は、約二年にわたるコロナ禍において、外国人県民の感染者が多く発生していることや令和元年度に特定技能制度が創設されたことを踏まえて、第一に、外国人県民におけるコロナ対策の徹底、第二に、外国人材が活躍できる環境整備、これらを重要課題と据えております。このため、「すべての県民が働きやすく、暮らしやすい多文化共生社会」の実現を目標として、以下の四つの方向性から外国人施策を推進していきたいと考えております。 まず第一に、地域における円滑なコミュニケーションづくりでございます。新型コロナ対応を通じまして、外国人県民の方々の大変複雑な情報収集経路が明らかになってまいりました。引き続き外国人県民へのきめ細かな情報提供を進めるため、外国人コミュニティー、外国人雇用企業、技能実習監理団体などとの連携を強化してまいります。また、自動車税や県営住宅など生活関連情報の多言語化や地域に根差したボランティア団体が行っている日本語教室への支援なども徹底強化してまいります。 第二に、外国人材が活躍できる環境づくりでございます。人口減少社会における人材確保という観点から、特定技能をはじめ有能な外国人材を受け入れようとする企業に対して、相談支援やセミナー開催を進めるとともに、外国人材に対して県内企業情報を積極的に発信してまいります。 第三に、子供の教育環境づくりでございます。県内の公立小・中学校に在籍する外国人児童・生徒は増加傾向にあります。令和三年五月現在では三千二百四十六人ということでございます。このうち約半数の児童・生徒が日本語指導を必要としているということから、教員や非常勤講師を増員するとともに、指導力向上に向けた教員研修も実施してまいります。 第四に、安全・安心に暮らせる環境づくりであります。外国人は、災害用語や自然災害に不慣れなことから、避難指示等の災害情報を多言語で発信するとともに、日本の災害特性や防災知識の啓発を行う外国人の防災リーダーを引き続き育成してまいります。 以上に加え、コロナの総合対策の中に外国人県民対策をしっかりと位置づけ、外国人コミュニティーのキーパーソンを通じた効果的な情報伝達や外国人県民の感染が深刻でありました美濃加茂市、可児市と連携した対策の徹底などをこれまで行ってきております。 また、この三月から外国人の新規入国制限が緩和されたことを踏まえて、受入れ団体が負担する待機施設の宿泊費用に対して、市町村と協調して補助する制度を創設したところでございます。 多文化共生社会の実現に向けましては、行政、民間、県民それぞれが果たすべき役割を認識し、連携していくことが重要でございます。このため、各分野の有識者で構成する外国人材活躍・多文化共生推進会議、あるいは外国人県民コミュニティ会議などを通じて相互に情報交換を行いながら、一体となって取り組んでまいります。 ○副議長(松岡正人君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) 夜間中学の潜在的ニーズ把握の取り組みについてお答えします。 県教育委員会では、平成二十六年以降、中学校の設置者である全ての市町村を対象にニーズや設置に関する検討状況を調査しております。また、全国の夜間中学校では約八割が外国籍の生徒であることから、外国人県民の集住市を中心に、岐阜市、可児市など十三市町との意見交換を現在定期的に行っているところです。さらに、外国人県民を支援する方々からも個別に意見を伺ってまいりました。 こうした意見交換の結果、夜間中学への入学を希望する方を見いだし、具体的なニーズを把握するためには、その支援者や応援者の方々も対象とした調査が必要であることが明らかになりました。このため、来年度は、意見交換の場を活用して調査方法や内容を検討し、まずは十三市町において八月から九月にかけて調査を実施いたします。調査をする際には、国際交流協会等のNPOに加え、識字教室や福祉施設の運営者の方々なども幅広く対象とすることで、夜間中学で学びたいと考える方を適切に捉え、潜在的ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(松岡正人君) 十二番 伊藤英生君。    〔十二番 伊藤英生君登壇〕 ◆十二番(伊藤英生君) ありがとうございました。 大きく四つ目は、脱炭素社会の実現へ向けた施策について、二点お伺いいたします。 その一点目は、県有施設の脱炭素化を進めるための年間エネルギー収支調査の必要性とZEB化を含めた取り組みについて、環境生活部長にお尋ねいたします。 ZEBとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングの頭文字を取ったもので、建物断熱などの省エネ、太陽光などの創エネで年間の一次エネルギーの消費量収支をゼロ%にした建物のことをいいます。 少し補足しますと、一次エネルギーとは、加工されていない状態で供給されるエネルギーのことで、例えば石油、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、太陽光を指します。これに対して、産業活動や交通機関、家庭など需要家レベルで消費されるエネルギーの総量のことを最終エネルギー消費といい、ZEBでは、この一次エネルギーと最終エネルギーがポイントとなっております。といいますのも、地球温暖化対策やエネルギー需給の安定化のため、エネルギー消費量を減らすことが必要であることが叫ばれる中で、事務所ビルや商業施設などの建物、業務部門におきましてですけれども、での最終エネルギー消費量は、二〇一八年のデータでは、日本全体の一六・一%を占めており、一九九〇年度の一二・六%と比較して増加しています。つまりは、建物でのエネルギー消費を大きく減らす必要に迫られているということになるのですが、それを実現させるために示されたものがZEBなのです。 しかしながら、実際には年間の一次エネルギーの消費量収支をゼロ%にするといってもなかなか厳しいことから、二五%以下をNearlyZEB、五〇%以下をZEBReady、延べ面積が一万平方メートル以上で一定削減すればZEBOrientedとして、それらも含めてZEBと定義づけされております。パーセンテージだけを見ると緩やかな基準のように思われるかもしれませんが、その実、個人住宅などを対象にしたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に比べると、条件的に厳しい認証制度となっております。 総務省は、二〇二二年度地方財政対策の中で、公共施設等適正管理推進事業費の対象に脱炭素化事業を新規追加しました。少子高齢社会の中、更新費用が課題となっている公共施設等の適正管理について、国は、計画づくりの要請や財政的な支援策を実施し、二〇二二から二〇二五年の間に集約化・複合化を行う対象事業に対して公共施設等適正管理推進事業債を発行することが可能となりました。この脱炭素事業としては、太陽光発電の導入、建築物におけるZEBの実現、省エネルギー改修の実施、LED照明の導入の四つの地方単独事業が示されております。 こうした流れの中、自治体がNearlyZEB認証の新庁舎を建設するという動きがありました。 神奈川県開成町では、役場庁舎の建て替えに際し、地球環境への負荷、ライフサイクルコストを縮減するZEB庁舎という基本方針を掲げ、町の豊富な資源である水を空調熱源として利用するなど、高効率な省エネルギー設備を備えることによって、庁舎としては全国で初めてNearlyZEBの認証を取得するに至りました。町のウェブサイトによりますと、標準的なビルに対して、一次エネルギー消費の五五・一%を削減、太陽光発電も加えて七九・〇%の削減を設計段階で可能にしているとのことでございます。 本県におきましても、様々な分野で脱炭素に関する取り組みを進めているところ、さすがに現在建設中の県新庁舎の開庁には間に合わないとは存じますが、今後老朽化した公共施設の建て替えや集約化・複合化を行う際には、このZEB認証取得を進めていただき、国の有利な制度を活用しつつ、県民に対しては、県が脱炭素に取り組んでいる姿勢を公共施設の在り方から広く示していくことが大切なことではないかと考えております。 そこで、環境生活部長にお尋ねいたします。 本県におきましても、県有施設における脱炭素化を進めるために年間エネルギー収支の調査を進めていくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。あわせて、岐阜県内のカーボンニュートラルを達成するためには、県が率先して県有施設の消費エネルギーを削減し、脱炭素化を進めていく必要があると考えますが、公共施設を新設する際のZEB化の取り組みも含めてお考えをお聞かせください。 続きまして、二点目は、県営都市公園における電気自動車充電設備の導入について、都市公園整備局長にお尋ねいたします。 あまり知られておりませんが、実は、岐阜県は電気自動車の普及率が全国一位であることは御存じでしょうか。いわゆる地方の車社会が普及率を押し上げているかもしれませんが、これからの時代、電気自動車の普及が進むことは明らかなことでありますし、それを支えるインフラ整備が欠かせないことは言うまでもありません。そして、本県には、県営都市公園、例えば可児市にありますぎふワールド・ローズガーデン、養老にあります養老公園、各務原市の世界淡水魚園等々があり、県の内外から多くの方々にレジャーをはじめとした様々な目的で御利用いただいておりますが、県内の県営都市公園には電気自動車向けの充電設備が一つもないのが実情であります。 県では、二〇二一年三月、新・岐阜県都市公園活性化基本戦略を策定し、都市公園について、地域経済の活性化やアフターコロナ社会への対応を図る取り組みを通じ、岐阜県におけるこれからのライフスタイルを実現する手段として、この都市公園を近隣から広域に至る幅広い利用者に「岐阜」を体感してもらう機会の創出に積極的に取り組むことで、地域経済の振興や交流人口の拡大の一翼を担うと位置づけております。 他方、岐阜県地球温暖化防止及び気候変動適応基本条例におきましては、温室効果ガス排出抑制のために率先して講ずる措置に関する計画で八つの取り組みが示されており、その中の一つに、自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出抑制に関する取り組みが掲げられております。また、二〇二一年三月には、県自らが大規模な事業者であるという立場から、「脱炭素社会ぎふ」の実現に向け、率先して取り組みを行うことを定めた岐阜県温室効果ガス排出抑制率先実行計画が策定されました。 このように計画等に基づいた各種取組が進められる中、あらゆる観点から電気自動車に関するインフラ整備が欠かせないことは言うまでもありません。もちろん関連する公共交通機関の確保・充実も必要ではありますが、今後普及の一途をたどるであろう電気自動車で来園される方に対しても対応していく必要があり、県営都市公園におきましても、ぜひ整備を進めていただきたいと存じます。 そこで、都市公園整備局長にお尋ねいたします。 世界的な潮流となっているEVシフトを見据え、県営都市公園においても電気自動車の充電設備を導入していく必要があると考えますが、御所見をお聞かせください。 ここで四回目の質問を終わります。 ○副議長(松岡正人君) 環境生活部長 内木 禎君。    〔環境生活部長 内木 禎君登壇〕 ◎環境生活部長(内木禎君) 県有施設の脱炭素化を進めるための年間エネルギー収支調査の必要性とZEB化を含めた取り組みについてお答えします。 まず県有施設の年間エネルギー収支調査ですが、県は、省エネ法に基づき、毎年度施設ごとのエネルギー使用量を調査し国へ報告していますが、今年度からは太陽光発電等のエネルギー創出量も調査しており、既に施設ごとのエネルギー収支を把握しております。 次に、ZEB化を含めた脱炭素化の取り組みですが、第一に、省エネ効果の大きい高効率な空調設備等への切替え、二〇三〇年度を期限とした全県有施設の照明のLED化等により、省エネを徹底してまいります。 第二に、太陽光発電設備を設置可能な県有施設等の五〇%に設置する目標に向け、来年度計画を策定し、順次導入してまいります。 第三に、今後の新築施設については、原則ZEBOriented相当以上とし、二〇三〇年度までに新築施設の平均でZEBReady相当を目指す方針を定めたところであり、今後、県温室効果ガス排出抑制推進本部施設部会において、関係課と調整しながらZEB化の取り組みとその進捗管理を行ってまいります。 ○副議長(松岡正人君) 都市公園整備局長 湯澤将憲君。    〔都市建築部都市公園整備局長 湯澤将憲君登壇〕 ◎都市建築部都市公園整備局長(湯澤将憲君) 県営都市公園における電気自動車充電設備の導入についてお答えいたします。 県温室効果ガス排出抑制率先実行計画においては、施設を管理する所属の取組方針が定められ、来客の多い施設では、県民が使用できる電気自動車の充電設備の設置を検討することとされております。 県営都市公園については、現時点において設置に至っておりませんが、その理由としては、公園駐車場において充電サービスを提供する主体と採算性を考慮した料金体系の設定など、運営に関する諸課題が上げられております。 しかしながら、県営都市公園は来客の多い施設であるため、県率先実行計画を踏まえた脱炭素化に向けた施策を先導的に取り組む観点から、その設置を進めることが必要と考えております。 このため、他団体における導入事例、運営実態などを調査した上で、設備の運営に関わる指定管理者等と課題について調整し、充電設備の導入を検討してまいります。 ○副議長(松岡正人君) 十二番 伊藤英生君。    〔十二番 伊藤英生君登壇〕 ◆十二番(伊藤英生君) 最後となりましたが、大きく五つ目は、安心・安全な暮らしを実現させる施策について、四点お伺いいたします。 一点目は、雪害タイムラインを活用した雪害の予防と対策について、危機管理部長にお尋ねいたします。 ここ数年来、雪不足でスキー場などから悲鳴が上がっておりましたが、一転、この冬は強い寒気が幾度も流れ込み、各地で大雪による被害が報告されております。 大雪による影響で分かりやすいのが、交通事故の発生です。大雪に見舞われた本年二月十七日では、正午までに、県内では積雪・凍結によるスリップ事故が三百二十件発生、うち人身事故は十一件、一人が重症、十四人が軽傷を負っております。また、さらに遡って関ケ原で統計開始以降最高の九十一センチの積雪を記録した二月六日には、同日午前零時から同九時までの間に、県内でスリップ事故が四十四件、うち人身事故は二件、二名の方が軽傷を負っておられます。そのほか、昨年来、積雪を伴う降雪等により、事故の発生率が上がってしまっている状況でございます。 また、車の立ち往生も深刻な課題です。本年二月五日の午前十一時半から午後五時二十五分まで、大雪の影響で名神高速道路の上下線が滋賀県と岐阜県内で通行止めとなりましたが、その影響で大型トレーラーや大型貨物車など複数の車が走行不能状態となる事案が発生しました。 また、記憶に新しいところでは、他県の事例ですが、二〇二〇年十二月十六日、新潟県内において山沿いを中心に雪が降り続き、関越道上り線で約二千台を巻き込んで数十時間にも及ぶ立ち往生が発生するという事案がありました。なお、この事案のてんまつですが、十二月十八日朝に自衛隊が到着し、救援物資の輸送や車列の前後からの除雪作業を行い、ようやく車が動き出したのは四十時間以上もたった後だったとのことでございます。この事案では、幸いにして死者はいませんでしたが、体調不良を訴えて緊急搬送された方々がいらっしゃいました。 二〇一三年には、北海道中標津町で、雪に埋もれた車から一酸化炭素中毒と見られる四人の御遺体が見つかるという大変痛ましい事件も発生しております。時に大雪は、交通だけでなく、ライフラインのほか、農林水産業、運輸、医療、教育等々、多方面にわたって甚大な被害や影響をもたらします。 こうした中、タイムラインを使った大雪災害の予防に対する取り組みが全国各地で広がっております。 タイムラインとは、災害の発生を前提に、防災関係機関が連携して災害に発生する状況をあらかじめ想定し共有した上で、「いつ」「誰が」「何をするのか」に注目して、防災行動とその実施主体を時系列で整理した計画のことであり、国、地方公共団体、企業、住民等が連携してタイムラインを策定することにより、災害時に連携した対策につながることが期待されております。 事例を幾つか申し上げます。 国交省中部地方整備局では、スタック車両の発生が懸念される降雪が予測される気象条件について、二〇一四年度の雪寒対応実績に基づき、降雪開始二時間前から、雪氷業者に対し凍結防止剤の予備散布を開始させ、降雪開始一時間前から、道路巡回要員が気象状況や路面状況を把握しつつ、タイムラインからToDoリストを作成し、実際にToDoを行った記録に基づいてタイムラインを修正するというPDCAサイクルを実践しており、タイムラインとToDoリストを併用・活用した雪寒対応を行っているとのことでございます。 また、兵庫県では、全国で初めて雪に特化した雪害タイムラインを策定、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえたあらゆる災害に迅速に対応できるフェニックス防災システムを導入しております。このシステムには、災害情報や気象観測情報の収集・提供、被害予測などの機能や需給推計・タイムライン機能を有しており、迅速かつ的確な初動・応急対応に大きく貢献しているとのことでございます。 さて、質問しているタイムラインですが、有名なところでは、当県に隣接する雪国の富山県が先進的に取り組んでおられます。 ちょっとタイムラインとはどういうものかというイメージだけ、またまた字が小さくて大変恐縮なんでございますけれども、こういったものでございます。(資料を示す)これは富山県のタイムラインでございますが、富山県におきまして、二〇二一年十一月五日、災害級の大雪に見舞われた際の関係機関の段階的な動きをまとめたタイムラインを公表して、段階的な行動計画により市町村や交通事業者など関係機関との行動を共有し、円滑な連携による対応を目指しているとのことですが、特筆すべきは、空振り覚悟で必要なことは前倒しで実施するというスタンスでございます。 岐阜県にも雪害のタイムラインを策定されているとのことでございますが、対外的に公表されておらず、県民が目にすることができない状況にあります。危機意識や災害に対する意識を高めるために、ぜひとも見える化をしていただき、県民や関係機関、関係者間で共有を図っていただきたく存じます。 また、昨今の気候変動は暑さだけではないと思います。現に今季は相当量の降雪があり、この先、将来にわたって想定外の降雪に見舞われる可能性も十分考えられます。そう考えますと、ふだんあまり雪が降らない市町村でも、雪害タイムラインを策定し備えておく必要があるとも思いますし、県が策定を促していく必要があるのではないかと考えます。 そこで、危機管理部長にお尋ねいたします。 県内においても災害級の降雪が発生することがあることを踏まえ、県民にも本県タイムラインを公開して、高い危機意識と取り得るべき対策を見える化していくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。また、県内市町村にも同様にタイムラインの策定を呼びかけていく必要があると思いますが、そのお考えをお聞かせください。 続きまして、二点目は、岐阜県犯罪のない安全・安心まちづくり行動計画への放火対策の明記について、環境生活部長にお尋ねいたします。 二〇一九年七月に発生した京都アニメーションへの放火、二〇二一年一二月に発生した大阪市北新地ビル火災など、放火によって多数の犠牲者が出る痛ましい事件が相次いでおります。放火は火災原因の上位に上げられる原因の一つであり、平穏な生活を妨げる大きな脅威となっております。また、放火は人が意図的に火をつけることによって発生する犯罪であり、未然に防止することは難しいかもしれませんが、傾向を知ることで対策も可能と考えております。悪意を持った行為者に隙を見せないためにも、行政が主体となってさらなる放火の対策を進めていく必要があると考えます。 他自治体においては、まちづくりのアプローチから防犯や防火に取り組んでおります。 兵庫県宝塚市では、二〇一三年、放火による市庁舎火災を受けて火災検証委員会を立ち上げました。報告書と同時期に防火啓発を目的としたDVDを制作し、無料で貸出しを行っております。放火されない環境づくりのための評価シートを個人用や事業者用に提供し、簡単な設問に答えて採点をし、対策を取ることができる取り組みを進めているとのことでございます。 また、東京都足立区では、防犯に配慮したまちづくりを推進する防犯設計ガイドラインを策定し、道路、公園、駐車場・駐輪場、集合住宅、住宅地開発、建設中の現場等の防犯環境について、具体的な設計・計画方法を提示しております。物理的環境の設計により犯罪を予防する手法であり、警察や住民などによる防犯活動と併せて総合的な防犯環境の形成を目指し、防犯設計タウン認定制度、防犯まちづくり推進地区認定制度を付随させ、まちの安全性のPRへとつなげる取り組みを進めているとのことでございます。 放火対策は、県や消防、県警、地域など様々な部門にまたがります。それに横串を通し、政策をより一体的、効果的に推進していくことが重要であり、本県におきましても、まちづくりのアプローチからこうした取り組みを進めていく必要があると考えております。 そこで、環境生活部長にお尋ねいたします。 放火犯罪をなくすための一つの方法として、岐阜県犯罪のない安全・安心まちづくり行動計画に放火対策を明記することが県民への共通理解の浸透と高い防犯意識等の醸成につながり、ひいては県民一丸となった安全・安心なまちづくりにつながると考えます。岐阜県犯罪のない安全・安心まちづくり行動計画に放火対策を明記することのお考えを御答弁お願いいたします。 続きまして、三点目は、交番・駐在所の再編・統廃合に伴う地域の安全と安心感の醸成について、警察本部長にお尋ねいたします。 交番や駐在所は、地域住民の身近な場所にあり、警察官が勤務して地域住民の暮らしの安全を守る活動をする拠点として機能しております。交番は、主に都市部に置かれ、警察官が交代で警戒活動に当たっておられます。また、駐在所は、原則として一人の警察官が家族と共に地域に居住し、地域の安全を守っておられます。 ちなみに、交番は、日本固有の文化として「KOBAN」と表記されております。これについては、警視庁のウェブサイトにおいてその成り立ちが触れられておりましたので引用いたしますと、「ある国の固有の文化などを類似のない外国に紹介するときは、無理に訳さないで発音のままで紹介しています。日本では相撲(SUMO)、歌舞伎(KABUKI)などがあります。日本の独自の制度である交番制度は、KOBANシステムとして米国の大学教授D・H・ベイリー氏によって紹介されたり、英語文献にもKOBANの表記が見られ、次第に国際語として市民権を得るようになりました」とあります。 このように、日本固有の文化として地域に根づいてきた交番・駐在所の制度ですが、人口減少や都市部への人口集中、警察官の人員不足などが影響し、交番・駐在所の統廃合や、交番は設置されているものの人員配置が少ない空き交番が全国的な課題となりました。空き交番の解消への取り組みについては、駐在所も含めて、地域警察官の人員配置の見直し等の必要が生じたところでございます。 ここで、人口減少幅では岐阜県より厳しい状況下にあります徳島県の事例を見てみたいと思います。 徳島県警は、二〇二〇年に徳島県警察・地域警察再編計画を策定し、市街地など一定の人口集中地域にある複数の駐在所を統合し、二十四時間体制の交番に置き換えることで、夜間や休日に発生する事件・事故への対応力の強化を図っているとのことでございます。再編の具体案は固まっていないものの、駐在所をほぼ半分にし、交番を十四か所増やす案で調整しているとのことで、日勤の警察官が一人で勤務する駐在所に対し、交番は複数の警察官が三交代で勤務する二十四時間体制となり、児童虐待やストーカーなど夜間も警戒が必要な事案にもより的確に対応できるようにもなり、採用が増えている女性警察官の配置も進めやすくなると考えているとのことでございます。 なお、遠隔地にある山間・沿岸部には引き続き駐在所の機能を維持しつつ、統合によって管轄地域が広くなった地域には、交番・駐在所へのパトカー配備を充実させて機動力を確保していくとのことでございます。 様々な社会要因の中、交番・駐在所の再編・統廃合への流れは全国的なものとなっており、岐阜県におきましてもあらがい難い流れになっているものとは存じますし、実際に幾つか統廃合の話を耳にしている状況でございます。そうであるならば、どうやって警察機能を保持し、安心感を醸成していくのかについて、同時に考えていくことが大切であると考えます。 こうした再編・統廃合に伴い、移動交番を導入する動きがあります。 神奈川県警は、二〇二一年三月末で交番を十二か所廃止しましたが、それに伴い、交番機能を備えた車両、アクティブ交番を導入しました。(資料を示す)神奈川県警地域総務課によりますと、アクティブ交番の導入費用は十二台で約四千万円、伸縮式のひさしがついており、一定期間とどめおいて交番としても使用可能となっているとのことで、廃止交番に隣接する交番などに配備し、落とし物の受付や見守り活動を行っているとのことであります。 このように、他県では、交番や駐在所の統廃合を進めながら、移動交番を使い、地域の安全を守る活動を推進している事例もあり、岐阜県でも有効な施策ではないかと考えます。 そこで、県警察本部長にお尋ねいたします。 今後の交番・駐在所の統廃合・再編の基本的な考え方はどうなっているのでしょうか。また、交番の統廃合等により交番や駐在所が遠くなってしまった地域への対策として、警察機能を保持できる移動交番の導入が効果的であると考えますが、警察本部長の御所見をお伺いいたします。 最後の質問となります。 四点目は、水上バイクの取締り等について、警察本部長にお尋ねいたします。 二〇一六年六月、羽島市の木曽川におきまして、ゴムボートに乗って遊んでいた親子に猛スピードの水上バイクが突っ込み、十歳と三歳の子供二人が亡くなるという大変痛ましい事故が発生いたしました。この水上バイクを運転していた女性は、免許を持っていなかったとのことでございました。 同様に、全国各地において水上バイクによるトラブルや事故が相次いでおります。 二〇二一年七月、兵庫県明石市の林崎・松江海岸で、シュノーケリングをする人が海の中へ潜っているすぐ近くを水上バイクが走り抜けるという大変危険な行為がありました。明石市は、これを人に接近する危険行為を禁じた水難事故防止条例に違反すると判断し、死亡を予見できる状況での行為で未必の故意に当たり、殺人未遂の疑いがあると断じ、告発のほか、神戸海上保安部、県、明石署と共に合同パトロールを実施し、防犯カメラの設置を行ったとのことでございます。 このほか、二〇二一年九月には兵庫県淡路島市で、水上バイクが消波ブロックに衝突し、三人が死亡、二〇二一年九月には山梨県河口湖で、水上バイクが接触し、二人が肋骨や足首の骨を折る重傷、同年十月には静岡市清水区の漁港で、水上バイク二台が衝突し、運転していた二人が足を折るなどのけがをするという事故が発生しております。 こうした事故を受け、各地で条例化やルールづくりを行う動きが活発化しております。 兵庫県では、水難事故等の防止に関する条例を制定しており、水上バイクを含むプレジャーボートでの海域などの利用者に危険を及ぼす行為に二十万円以下の罰金が規定されております。また、滋賀県では、琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例を制定しておりますが、騒音等を防止するため、一定の水域をプレジャーボートの航行規制水域として指定し、航行規制水域においては減速し、最短距離を騒音を減じる措置を講じて航行することが求められており、停止命令等の違反者には三十万円以下の罰金が科せられるとのことでございます。 神奈川県では、全ての河川における基本ルールを迷惑行為防止条例と海上衝突予防法及びガイドラインを示しております。急転回し疾走させる等により遊泳している者に対し危険を覚えさせるような行為を迷惑行為防止条例で禁止し、安全な速度で航行すること、他船の追越し方法、追い越した後の進路など、海上衝突予防法関係で例示をしております。そして、東京都では、包括的な安全条例で規制を行っており、酒気帯びの状態での操舵は、三か月以下の懲役または五十万円以下の罰金が科せられるとのことでございます。驚きましたが、お酒を飲んで水上バイクを操舵することが規制されるのは、この東京都が全国で初めてとのことであります。 ここはぜひ、河川でレジャーなどを楽しんでいただくためにも、何らかの手を打っていく必要があると考えます。 そこで、県警察本部長にお尋ねいたします。 水上バイクに係る事故及び危険な操舵の通報状況、パトロールや啓発活動の状況についてお聞かせください。また、今後、危険な操舵を行う水上バイクを取り締まるための条例や河川の安全利用のガイドラインなどのルールづくりが重要であると思いますが、警察本部長の御所見をお伺いいたします。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(松岡正人君) 危機管理部長 渡辺正信君。    〔危機管理部長 渡辺正信君登壇〕 ◎危機管理部長(渡辺正信君) 雪害タイムラインの見える化と市町村における策定の必要性についてお答えいたします。 県は、新潟県や福井県で発生した大雪災害における初動対応の不備の指摘を踏まえ、昨年十二月、気象予報に応じた情報発信や体制の立ち上げ、通行規制の実施、市町村や国との連絡調整など、県の対応をまとめた雪害タイムラインを策定いたしました。 雪害対策には、行政、県民、関係機関が一体となった取り組みが重要です。そのため、今後タイムラインに、大雪に関する情報の収集、食料や除雪用具の準備、停電への備えといった県民一人一人の行動、物流や交通事業者の取り組みなどについても盛り込み、見える化した上で、空振りを恐れず早めに行動する危機管理意識の醸成のため、ホームページやSNSで広く公開するとともに、タイムラインに基づく関係機関参加による訓練を実施してまいります。 さらに、市町村に対してタイムラインの策定を促すとともに、県としても、タイムラインのひな形の提供、作成講習会の開催などにより、市町村における策定支援を行ってまいります。 ○副議長(松岡正人君) 環境生活部長 内木 禎君。    〔環境生活部長 内木 禎君登壇〕 ◎環境生活部長(内木禎君) 岐阜県犯罪のない安全・安心まちづくり行動計画への放火対策の明記についてお答えします。 岐阜県犯罪のない安全・安心まちづくり行動計画には、これまで犯罪防止の観点から全体的な記述はされていたものの、放火対策に特化した明確な記述はありませんでした。しかしながら、大阪市北区での事案でも分かるように、一たび放火事案が発生すれば悲惨な結果につながるため、本年六月に策定する令和四年度計画より、放火対策を明記してまいります。 具体的な施策としては、県が作成した、家の周りには燃えやすいものを置かない、家の周りを明るくするなど、放火されないための八つのポイントを県ホームページ等に掲載するとともに、各消防本部の協力の下、今月から重点的な周知を開始いたします。 また、条例に基づき各圏域に設置される地域連携会議で取組方針を共有し、犯罪のない安全・安心まちづくりを担う約六百の防犯ボランティア団体や企業の御協力を得て、八つのポイントにも留意しながら県内各地でパトロールを行っていただくなど、放火防止の取り組みを強化してまいります。 ○副議長(松岡正人君) 警察本部長 加藤伸宏君。    〔警察本部長 加藤伸宏君登壇〕 ◎警察本部長(加藤伸宏君) 御質問を二件いただきました。 まず一件目、交番・駐在所の再編・統廃合に伴う地域の安全と安心感の醸成についてお答えいたします。 県警察では、県民の皆様に対し、できる限り公平に、かつできる限り手厚く、パトロールその他の警察サービスを提供するという考え方に基づき、住民の居住状況、犯罪・事故等の発生状況等各種指標の現状及び将来予測を踏まえ、交番や駐在所の配置の見直しを中心とした警察力の配分の最適化に不断に努めております。近年は、事件に対する機動的対応力を高めるため、交番等の統廃合を進める方向にありますので、交番等が遠くなって不安に思う方の心配を解消するべく、近接した交番等の連携や交番等とパトカーによる機動警らの連携を強化するなどして対応を図っております。 議員御指摘の移動交番につきましては、こうした対応を高度化する可能性もうかがえますので、他府県での運用状況を参考にしつつ、当県における導入の可否、効果的な運用方法等について、今後研究してまいります。 続いて二件目、危険な操舵を行う水上バイクを取り締まるためのルールづくりについてお答えいたします。 水上バイクに係る事故は、本県では過去十年間で八件発生しており、このうち死亡事故は二件で、計三人の方が亡くなっております。また、水上バイクの危険な操舵に関する一一〇番通報は、昨年四件ありました。 県警察では、水上バイクに係る事故等の危険性に鑑み、関係機関とも連携し、船舶職員及び小型船舶操縦者法が定める免許の必要や岐阜県迷惑防止条例が定めるモーターボート等による危険行為の禁止等について、広報チラシを配布するなどの啓発活動を行うとともに、河川パトロールを実施して免許証を確認したり、注意喚起したりしております。水上バイクに係る違法行為としては、過去十年間で六件を検挙いたしました。 議員御指摘の水上バイクを取り締まる条例やガイドラインにつきましては、今後の事故発生状況、通報状況等を踏まえ、関係機関と連携して必要な調査・研究をしてまいります。 ○副議長(松岡正人君) 十五番 安井 忠君。    〔十五番 安井 忠君登壇〕(拍手) ◆十五番(安井忠君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、ヤングケアラーの実態と支援について質問させていただきます。 この問題につきましては、令和二年九月の議会におかれまして尾藤先生の代表質問で取り上げられましたが、来年度予算案にヤングケアラーに関する新事業が計上されたこともあり、今回お尋ねするものであります。 最近、ヤングケアラーという言葉をよく耳にするようになりました。法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うような想定をされるような家事や家族の世話を日常的にしている十八歳未満の子供とされています。数十年前であれば、子供が家の手伝いや家族の世話をするのは当たり前といった風潮もあり、そうした子供は、親の手伝いをする、いわゆるいい子として好意的に受け止められることが多かったと思います。一方、現代のヤングケアラーは、年齢に見合わない重い責任や負担を負うことで、本当なら享受できたはずの勉強に励む時間、部活に打ち込む時間など、子供としての時間と引換えに家事や家族の世話をしていることがあります。 ヤングケアラーの具体的な事例といたしまして、障がいや病気のある家族に代わり、買物、料理、洗濯、掃除など家事をしている。家族の代わりに幼い兄弟の世話をしている。家計を支えるために労働をし、金銭的に障がいや病気のある家族を助けている。がん、難病、精神疾患など慢性的な病気の家族を看病している。アルコール依存、薬物、ギャンブルなど問題を抱える家族に対応しているなど、多岐にわたっています。いずれも家庭内のデリケートな事柄であることから、周囲は分かりにくく、また周囲には話しづらいため実態を隠し、孤立しがちにもなります。こうした生活が常態化していて子供たち自身もそれが当たり前として疑問に感じなければ、周りに声を上げる、助けを求めることもなくなります。 そうした中で、プライベートを尊重しつつ、どのようなアプローチでヤングケアラーの実態を把握するのか、なかなか難しい問題だと思います。周りの大人たちがヤングケアラーに対する理解を深め、子供たちの声なき声を拾い上げる必要があります。 厚生労働省は、平成三十年度からヤングケアラーの実態の把握をするため、市町村の要保護児童対策地域協議会、以下、要対協といいます、にアンケート調査を実施しています。 要対協とは、虐待や非行など様々な問題を抱えた児童の早期発見と適切な保護を目的として、児童福祉法に基づいて市町村が設置し、児童相談所や学校・教育委員会、警察など地域の関係機関によって構成される組織です。 令和元年度の要対協における要保護・要支援・特定妊婦登録件数の合計約十九万二千件のうち、ヤングケアラーと思われる子供は二千百七十四件とのことでした。また、要対協におけるヤングケアラーの概念の認識度は、令和二年度の調査で九三・三%となり、令和元年度の調査時の七四・七%から大幅に増加しました。そして、ヤングケアラーという概念を認識している要対協のうち、「ヤングケアラーと思われる子供の実態を把握している」と回答したのが三〇・六%、「ヤングケアラーと思われる子供がいるが、その実態は把握していない」が二八・七%、「該当する子供がいない」が四〇・〇%という結果でした。 ヤングケアラーと思われる子供はいるが、その実態は把握していない理由については、「家族内のことで問題が表に出にくく、実態把握が難しい」と回答したのが八一・八%ととても高く、次いで「ヤングケアラーである子供自身やその家族がヤングケアラーであるという問題を認識していない」が六六・八%、「虐待などに比べて緊急度が高くないため、ヤングケアラーに関する実態の把握が後回しになる」のが三六・〇%となっています。 また、ヤングケアラーと思われる子供の実態把握の方法として、「関係機関、関係団体から報告・指摘があった際、ヤングケアラーとして対応している」との回答が四割ほどを占めており、ヤングケアラーの早期発見、早期対応のためにも、要対協に関わる様々な機関でヤングケアラーの認知度を上げるとともに、全体で対応できる仕組みづくりが必要であると考えます。 令和二年度、国は、ヤングケアラーの実態をより正確に把握するため、従来から調査している要対協に加え、中学校、高校への調査や中高生の生活実態のアンケートを実施しました。国が中高生を対象としたヤングケアラーについての全国調査を実施するのは初めてのことで、公立の中学校千校と全日制の高校三百五十校を抽出して、それぞれ二年生にインターネットアンケートを行い、合わせて一万三千人から回答を得ました。その結果、世話をしている家族がいるという生徒の割合は、中学生が五・七%でおよそ十七人に一人、高校生が四・一%でおよそ二十四人に一人でした。この割合から推測すると、中学二年生で約五万五千人、高校二年生で約四万二千人のヤングケアラーがいることになります。 ただ、ヤングケアラーの対象と思われる子供自身がヤングケアラーであることの自覚がないことも多いことから、数字は氷山の一角とも考えられ、見過ごすことのできない事態であると言えます。 また、世話の内容は、食事の準備、洗濯など家事が多く、他にも兄弟を保育園に送迎したり、祖父母の介護、見守りをしたりと多岐にわたっています。家族の世話にかかっている時間は、平日の一日の平均で、中学生が四時間、高校生は三・八時間ですが、一日に七時間以上を世話に費やしている生徒が一割を超えていたということです。 やりたくてもできないことを複数回答で尋ねたところ、中学生では、「特にない」という回答が五八%だった一方、「自分の時間が取れない」が二〇・一%、「宿題や勉強の時間が取れない」が一六%、「睡眠が十分取れない」と「友人と遊べない」がいずれも八・五%でした。また、「進路の変更を考えている、進路を変更した」が四・一%、「学校に行きたくても行けない」と答えた生徒が一・六%いました。一方で、相談をしたかという設問には、「相談した経験がない」という生徒が中高生ともに六割を超えました。「誰かに相談するほどの悩みではないから」という理由が最も多く、「相談しても状況が変わるとは思わない」という回答が続いています。 ヤングケアラーの子供たちは、これらのことが原因となり、学校生活に影響が出て、勉強時間の不足や不登校につながり、やむを得ず退学する場合もあるようです。また、学校を卒業、就業しても、就業を継続することが困難になる場合もあります。 本県においても、市町村の要対協を対象にした調査によると、令和二年八月末時点で、十五市町村三十六人が、兄弟姉妹の世話をしている、家事をしているなどの回答をし、ヤングケアラーに該当することが判明しました。三十六人のうち、中学生が二十人と最も多く、次に小学生が十一人、高校生が四人となっており、小学生の中には低学年も二人含まれたということです。 昨年三月、国は、関連機関の連携をより一層推進し、ヤングケアラーの支援につなげるための方策について検討を進めるため、ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームを立ち上げ、五月に今後取り組むべき施策等を取りまとめました。それによると、ヤングケアラーに関する研修・学ぶ機会の推進や地方自治体における現状把握の推進、相談支援、教育現場への支援、適切な福祉サービスなどの運用を検討するなどが上げられています。ヤングケアラー対策は、ある特定分野の組織だけでなく、県や市町村、各団体など、多岐にわたる連携が必要であると考えます。 神戸市では、昨年六月、二十代も含めた子ども・若者ケアラーの相談・支援窓口を開設し、当事者はもとより、自分がケアラーであることに気づいていない場合もあるため、周囲の人からの情報提供も受け付けているそうです。 国では、ヤングケアラーについて、令和四年度から三年間を集中取組期間として、中高生の認知度五割を目指し、社会的認知度の向上を取り組むとしています。 以上のことを踏まえまして、子ども・女性局長に二点お尋ねいたします。 一点目、ヤングケアラーは表面化しにくく、家庭の問題であるため、支援を必要とされている方の実態把握が重要であると考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 二点目、ヤングケアラーの実態を把握するとともに、市町村と連携し支援に取り組む必要があると考えますが、具体的な支援について、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございます。    (拍手) ○副議長(松岡正人君) 子ども・女性局長 安江真美君。    〔健康福祉部子ども・女性局長 安江真美君登壇〕 ◎健康福祉部子ども・女性局長(安江真美君) ヤングケアラーについて、二点御質問をいただきました。 まず、ヤングケアラーの実態把握のための取り組みについてお答えします。 本県は、国の調査に先行し、令和二年八月末時点で市町村の要保護児童対策地域協議会を対象とした調査を行い、県内にも一定数のヤングケアラーがいることを把握いたしました。その後、令和二年十二月に実施された国の調査は、学年の全員を対象とせず、抽出調査にとどまり、回答率も低かったことから、これとは別に県内児童の実態をより詳細に把握する必要があると考えております。 このため、来年度、本県独自で、県教育委員会の協力の下、小学五年生、中学二年生、高校二年生全員及び学校を対象としたアンケート調査を実施いたします。あわせて、介護保険事業所、障がい福祉サービス事業所、医療機関など関係機関に対し、聞き取り調査も行ってまいります。これらの調査を通じ、県内の実態把握に加え、児童本人の「自分はヤングケアラーかもしれない」との気づき、関係者へのヤングケアラーに関する認知度向上、相談先の周知といった効果も期待しております。 次に、ヤングケアラーを支援するための取り組みについてお答えをします。 ヤングケアラーの支援に当たっては、ヤングケアラー本人の心理面にも配慮した支援とともに、本人が介護や世話をしている家族についても、市町村、介護、医療など関係機関と連携し、適切な支援につなげていく必要があります。 これまでも、校長会、民生・児童委員の会議などの機会を捉え、ヤングケアラーの定義、市町村の要保護児童対策地域協議会を活用した支援方法などについて関係機関に周知してまいりましたが、こうした取り組みに加え、来年度から、市町村職員向けにヤングケアラー支援施策の事例紹介、介護・教育関係機関職員向けに関係機関の連携による支援事例の紹介など、それぞれの立場に応じた研修をネット配信も活用しながら実施してまいります。 また、中央子ども相談センターにヤングケアラー支援専門職を新たに二名配置し、市町村支援担当の児童福祉司と共に市町村を巡回訪問し、個々のケースの支援や関係機関の連携等について助言してまいります。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(松岡正人君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件のうち、議第五十九号 控訴の提起については、直ちに教育警察委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(松岡正人君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件のうち、議第五十九号は、直ちに教育警察委員会に付託することに決定いたしました。 なお、審査は本日中に終了し、議長に報告願います。 △令和四年第一回岐阜県議会定例会議案付託表 委員会名付託案件教育警察委員会◯ 議第五十九号…………………………………………………………………………………………… ○副議長(松岡正人君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。 明日は午前十時までに御参集願います。 明日の日程は追って配付いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 △午後二時五十二分散会 ……………………………………………………………………………………………...