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06月16日-03号

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  1. 金沢市議会 2016-06-16
    06月16日-03号


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    平成28年  6月 定例月議会          平成28年6月16日(木曜日)-----------------------------------◯出席議員(38名)     議長  福田太郎     副議長  野本正人     1番  上田雅大      2番  小間井大祐     3番  坂本泰広      4番  松井 隆     5番  中川俊一      6番  熊野盛夫     7番  大桑初枝      8番  広田美代     9番  源野和清      10番  長坂星児     11番  前 誠一      12番  麦田 徹     13番  高  誠      14番  喜多浩一     15番  下沢広伸      16番  高岩勝人     18番  久保洋子      19番  松村理治     20番  清水邦彦      21番  黒沢和規     22番  山本由起子     23番  森 一敏     24番  小阪栄進      25番  小林 誠     26番  秋島 太      27番  角野恵美子     28番  宮崎雅人      29番  玉野 道     30番  森尾嘉昭      31番  松井純一     32番  安達 前      33番  澤飯英樹     34番  中西利雄      36番  横越 徹     37番  田中展郎      38番  高村佳伸◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長        山野之義   副市長       丸口邦雄 副市長       細田大造 教育長       野口 弘   公営企業管理者   桶川秀志 都市政策局長    平嶋正実   総務局長      相川一郎 文化スポーツ局長  詩丘樹持   経済局長      八田 誠 農林局長      松倉剛弘   市民局長      野島宏英 福祉局長      太田敏明   保健局長      越田理恵 環境局長      佐久間 悟  都市整備局長    野口広好 土木局長      浅川明弘   危機管理監     中川富喜 会計管理者     石野圭祐   消防局長      小谷正利 市立病院事務局長  太村正信   財政課長      松田滋人-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長      林 充男 担当部長兼議事調査課長      議事調査課長補佐  三傳敏一           中宗朋之 議事係長      角田章郎   調査係長      山口賢一 主査        八木淳介   主査        喜多泰正 主査        太田豊司   主査        渡邉泰介 主任        松田宏志   主任        酒井敏正 総務課担当課長   橋高祐二   主査        齊藤哲朗-----------------------------------◯議事日程(第3号)  平成28年6月16日(木)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成28年度金沢市一般会計補正予算(第1号)ないし議案第19号市道の路線変更について                               (質疑) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第3号)に同じ-----------------------------------     午前10時3分 開議 △開議 ○福田太郎議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○福田太郎議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○福田太郎議長 これより、日程第1議案第1号平成28年度金沢市一般会計補正予算(第1号)ないし議案第19号市道の路線変更について、以上の議案19件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○福田太郎議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 1番上田雅大議員。     〔1番上田雅大議員登壇〕(拍手) ◆上田雅大議員 おはようございます。 発言の機会を得ましたので、自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたりお尋ねいたします。 質問の1点目は、クラフト創造都市としての今後の展開であります。 昨年5月に、山野市長は、ユネスコ創造都市ネットワーク世界会議の金沢開催を成功裏に終え、ユネスコ本部との連携はもちろん、クラフト部門の都市、また、近隣アジア地域のほかの部門の都市との友好を深め、各国の担当者に、金沢の歴史、伝統、文化など、多くの魅力を堪能いただいたことを記憶しております。また、ユネスコ創造都市ネットワークは、2015年の認定都市を加え54カ国、116都市へと広がりました。新たに47都市が認定されたところであり、交流の輪がさらに広がっております。金沢での世界会議開催から1年が経過しました。友好を深められた都市との連携やユネスコ本部との連絡調整、また、クラフト部門の都市間交流など、どのような進展があったのでしょうか。まずは、世界会議金沢開催後のユネスコ創造都市事業の新たな進展や交流の進捗状況についてお伺いします。 さて、ユネスコ本部は、フランス・パリに所在しております。この秋には、市長がユネスコ本部で、文化庁との連携のもと、日本のユネスコ創造都市と合同で、日本文化の魅力を発信すべくプロモーション展を開催するとお聞きしております。これを機に、昨年のユネスコ創造都市金沢会議の成果を広くフランス・パリから発信することも大切であると考えます。また、現在、フランスには工芸家の派遣は行っておりませんが、せっかくのフランス・パリ訪問ですので、工芸家を相互の国に派遣し、若手工芸作家の育成を行うような新たな挑戦、次なる視点を探し、世界戦略構築への素材を見つけることも重要と考えます。このような視点から、この秋に予定されている市長のフランス訪問に当たり、どのような友好交流活動を想定されているのか、また、広く世界への金沢の魅力発信の面でどのような行動を予定されているのか、市長のお考えと現時点での予定をお聞かせください。 さらに、フランス・パリ訪問後、今後の事業にどのように生かしていかれるのか、あわせてお尋ねいたします。 フランスといえば、もう1つ視点があります。オリンピックパラリンピック東京大会事前合宿誘致ホストタウンへの提案についてであります。ホストタウンへの提案は、私もことし3月の総務常任委員会において、2次募集への取り組みについて幾つか確認をさせていただきました。前向きに取り組むとの回答であり、先月の17日に、フランス国を誘致先とした申請を行い、2日前の14日に、ホストタウンにめでたく登録されました。私は、市民の機運醸成のためにも、事前合宿誘致ホストタウンへの申請は、世界の交流拠点都市を目指す金沢にとって大変意義深いことだと思っております。今回、フランスを相手国に申請を行いましたが、数ある姉妹都市の中でフランスを相手国に選んだ理由をお聞かせください。 また、事前合宿誘致ホストタウン制度との違いを市民の方々にもっとわかりやすく説明することも大切なことではなかろうかと思います。そこで、ホストタウンについて、事前合宿誘致との関係及び今後のスケジュール、また、ホストタウンに登録されることによる効果について、お考えをお伺いします。 また、先般、丸口副市長を代表とする訪問団がフランスを訪れた際には、フランスの水泳連盟など、関係機関が大変意欲的であったとの報道がありました。実際にお会いになられた丸口副市長の誘致の感触はいかがなものであったか、丸口副市長にお尋ねいたします。 一方で、オリンピックパラリンピック東京大会事前合宿誘致には、世界レベルの基準を満たす施設が必要となります。現在、整備が進められ、明年度から供用が開始される予定の金沢プールは、オリンピックパラリンピック東京大会の事前合宿を初め、国体等に利用可能な施設とお聞きしておりますが、施設面でどのような点が事前合宿誘致に有利に働くとお考えか、また、金沢プールの世界へ誇るべき施設の優位性についてお聞かせください。 ところで、世界レベルの施設が金沢に新設されることは大変有意義なことと思います。私は、オリンピック選手たちが練習を行っている横で一緒に練習ができる環境は、スポーツ振興、競技技術力向上にとても重要なことであると思います。他方で、市民に身近な施設であるという面も忘れてはいけない視点であります。市民が利用しやすく、あらゆる年代層が利用できる施設であるべきであると考えます。その点からの工夫はどのように考えているのか、施設運営面で、合宿や各種大会等と市民誰もが利用できる施設として市民利用の両立をどうお考えなのかお聞きします。 さて、世界平和を願う気持ちは、全世界の人々に共有できるものであります。平和への意識啓発は、人のつながりと、それを支える人づくりが基本であります。平和を希求する人々がつながりを持っていくことが大切であり、そのつながりの一つの手段が文化交流であります。文化交流は、その点からも重要な施策であります。本市においては、文化創生新戦略の柱の一つとして、文化の人づくり基金を今年度より新設しました。新戦略の基本は、まさに人づくりにあると考えます。今後の文化に関する人づくりの視点は、若い人の意欲喚起、経験を積んだ方の技術継承、若手工芸家の販路開拓、学生時代からの風土や感覚の体験、小中学生などの体験塾の充実など、いろいろあろうかと思います。新規施策を幾つか当初予算に盛り込んでいますが、文化創生新戦略や文化の人づくり条例制定後の文化施策は、今までの政策からどのように進化しているのか、新戦略の目指す方向性とあわせてお聞きします。 また、私は、大型の展覧会を金沢に誘致し開催することも、金沢文化の魅力を高める文化施策の一つの方法だと思います。先日、東京で開催されたレオナルド・ダ・ヴィンチ展に私自身も足を運びましたが、本当に多くの方が来場されておりました。期間中の来場者数が100万人を超える展覧会もあります。観光客や市民の方々に、金沢で世界の美術や芸術品の鑑賞を行っていただくことも、歴史、伝統、文化を重んじる金沢にとって、金沢文化に厚みを持たす意味で必要なことではないでしょうか。市長のお考えをお伺いします。 さて、次は災害時の対応についてお伺いします。 先般発生した熊本県の震災で見られたように、学校施設は、被災時には避難拠点施設となります。自治体職員だけでは人手が足らずに、教員たちも避難所の運営に携わり、教育関連の仕事に加え、被災者の支援の業務を担い、大変御苦労されたとお聞きしました。学校職員は、その避難所管理の中枢を担う立場にあったようです。本市でも、大規模な災害が発生した場合には、避難所に指定されている小中学校等の公共施設への地域の方々の避難が想定されます。特に避難所開設から安定した運営がなされるまでは、金沢市災害対策本部の担当者だけでなく、校長を中心とした学校職員の力も大切だと考えます。被災状況が明らかになり、徐々に落ちつきを取り戻してくると、今度は学校職員には、学校再開に向けた準備や児童・生徒への学習対策など、多くの業務が求められることが想定されます。そこで、熊本地震のような大規模な災害発生時において、学校施設が避難所となった場合の運営や避難所における学校職員の役割について、どのように考えているのかお聞きします。 また、学校施設での避難所運営や学校運営に係る学校職員の負担軽減策の一つとして、近隣自治体からの教員の派遣が想定されますが、このことについては石川県との連携が必要と考えますが、あわせてお聞きします。 次は、学校でのエレベーター設置についてです。以前、額中学校には車椅子の生徒が通学されておりました。本人はもちろんですが、学校の職員の方がとても御苦労された話をよく聞きました。私も、さまざまな立場でエレベーターの設置について働きかけを行ってきました。今回、額中学校のエレベーター設置について一定の方向性が出ましたので、障害のある子どもたちが安心して学校に通えるようになることはとてもうれしく思っております。そこで、額中学校のエレベーター設置について、今後のスケジュールをまずお伺いします。できるだけ早いタイミングで工事に着手し、夏休みまでに工事が完了し、2学期から利用できるようになることが望ましいと思いますが、具体的な予定等についてのスケジュールをお伺いします。 また、市内の学校新設や耐震改修工事にあわせてエレベーターの設置が進められておりますが、それ以外の学校のエレベーターについては、今後どのように整備が進んでいくのか、あわせてお伺いいたします。 次に、本市の教育についてです。野口教育長におかれましては、新しい教育委員会制度がスタートし、新教育長となられ、2期目を迎えられました。新教育長としてのこの3年間でどのようなことに重点を置き、どのようなことに取り組んでいかれるのか、新教育長としての抱負を改めてお伺いします。 また、その中で、今日的な課題をどのように捉え、その課題にどう対応していくのか、あわせてお伺いいたします。 さて、私は、現在、中学校PTAの役員として活動を行っております。ことしは、東海北陸ブロックの研究発表の当番校に当たっており、昨年より、PTAとして、家庭教育について研究発表の取り組みを行ってきております。そのような中で、いろいろと考えさせられる時間や場面が多くありましたし、親と子のコミュニケーションの大切さも、研究内容を通じ再認識させていただきました。近年、保護者の共働きや核家族化により、家庭でのコミュニケーションの時間が、私も含め、少なくなってきているように思います。先日、金沢市家庭教育推進懇話会が開催され、本市が目指すべき家庭教育の推進について議論されたとお聞きしました。私自身、家庭教育は大変重要なテーマだと認識しており、大いに期待しております。研究発表での取り組みで、保護者の思いを子どもに伝えることの大切さや、そっと背中を押してあげる優しさも大事なことだと思いました。本市では、未来を担う心豊かな人づくりを目指し、家庭教育推進プログラムの策定を行う予定とお聞きをしておりますが、家庭教育について、小中学校の育友会、PTAと今後どのように連携を図っていくのか、保護者の役割と行政の役割をどのように結びつけていくのか、本市の考えをお伺いいたします。 次に、学校教員とスポーツについてです。近年、児童・生徒の不登校が問題視されておりますが、私は、学校教員の病気休職が全国的に増加傾向にあることも問題があると思います。教員が病気休職となるのは、モンスターペアレントなど、さまざまな要因があるようですが、金沢市の中学校の実態として、昨年度は何%の教員が病気による休職となったのでしょうか、また、体育の教員に限って言えば何%の教員が病気による休職となったのでしょうか、お伺いします。 近年の教育施策として、学力アップの政策も必要なのですが、2020年にオリンピックパラリンピックの開催が決定しており、スポーツに対しての市民の方の関心や機運も高まりを見せてきていることから、私は体育の教員に注目をしております。最近では、技術力アップや専門性等を考え、部活動ではなく、クラブチームに所属する生徒もふえてきております。私の息子も、部活動ではなく、地元のクラブチームに所属しております。一方で、学校におけるスポーツ活動の場として部活動があります。子どものスポーツ全体を底上げするには、学校における部活動の充実が重要であると考えます。中学校の部活動では、教員の方が顧問をされておりますが、部活動の充実のため、教員による指導強化を今以上に図ろうとしても、現在の教員の方のさまざまな負担を考慮すると、限界があるように思います。中学校の部活動では、教員以外の指導者にお願いをしているケースもあると思いますが、現在、金沢市立の中学校で、教員以外の外部指導者についてはどのくらいの学校で、何名の方にお願いしているのでしょうか。地域の方と協力し、専門競技経験者を募り、登録制で地域の部活動に協力していただき、サポート体制をとっていくのも一つの方法ですし、体育教員の増員を検討することも必要だと思います。そこで、学校の部活動の充実に向けた取り組みについて、教育長にお伺いいたします。 次は、子どものプログラミング教育についてです。海外で続々と導入されている子どものプログラミング教育ですが、日本でも子どものプログラミング教育の関心が高まりを見せております。特にIT先進国では、5歳ごろの幼少期からプログラミング教育の必修化が進んでおります。国内だけでなく、国際競争力を維持するために、IT人材を育成するという側面からも、子どものプログラミング教育のニーズは高まっているようです。欧米のように、日本でもITプログラミング教育は少しずつ広まってきておりますが、学校教育に導入されるには、指導者育成等の課題があり、もう少し時間がかかりそうです。また、民間の教育サービスも、引き続き主流は受験対策関連であり、IT教育の収益性はよいとは言いがたい現状です。そこで、お伺いします。本市では、市PTAとの取り組みや、昨年より試験的に石川高専とタイアップした事業で、子どものプログラミング教育の取り組みを行い、週刊誌等でも取り上げられましたが、私は、プログラミング教育は学校教育には必ず必要になってくると思いますし、昨年の実績を踏まえて、内容を整理し取り組むべき課題だと思います。今後、プログラミング教育を具体的にどのように考えていかれるのか、方向性などをお伺いします。私自身、ITプログラミング教育は必要だと考えており、行政と民間がタイアップ、連携を行い、しっかりと取り組んでいくべき課題だと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 次は、アフター新幹線対策についてです。 金沢駅を出発し、白山比咩神社でおついたちまいりをし、金沢を観光する、白山市とのセットプランの取り組みが今月始まりました。新たな取り組みであり、とても関心を持っております。私自身も、毎月1日に白山比咩神社のおついたちまいりに参加をし、ことしで6年目となります。山野市長におかれましても、同様に毎月足を運ばれているとお聞きしております。本市と白山市との間で、平成25年に、加賀藩と霊峰白山をテーマに観光連携協定が結ばれました。それから、白山市とタイアップした白山詣双六等の企画が始まりました。加賀藩前田利家公白山比咩神社の再興に力を注ぎ、歴代の藩主が白山さんを参拝したと言われており、両市の間は歴史的にも深いつながりがあります。本市の歴史文化と白山市の霊峰白山の大自然や観光素材を組み合わせた観光セットプラン旅行商品づくり等を首都圏や国外の観光客に広くプロモーション活動を行い、本市の魅力に新たなものを付け加えた、近隣自治体とタイアップしたこのような取り組みはとてもすばらしく、また、金沢ブランドにさらに厚みを持たす取り組みであり、アフター新幹線対策として必要不可欠だと考えております。白山麓には、白山白川郷ホワイトロードや天然かけ流しの中宮温泉、ブランド化した白山麓猪、熊肉、そば、巨木などの天然の素材が豊富です。そして、何よりもすばらしい霊峰白山があります。明年の平成29年には、白山は開山1,300年を迎えます。また、中宮温泉も開湯1,300年を迎えます。中宮という名は、白山山頂の奥宮と白山比咩神社との間にあることから、その名がつけられております。白山開山・中宮温泉開湯1,300年記念と金沢の工芸体験等を組み合わせたセットプランで、金沢にリピーターをふやすような取り組みは大いに期待できると思います。そこで、お伺いします。今後、このような近隣自治体とのセットプランでの観光商品や交流について推進を行っていくべきと考えますが、そのような予定があるのか、市長のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。(拍手) ○福田太郎議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 1番上田議員にお答えいたします。 まずは、クラフト創造都市のことについてお尋ねがございました。昨年5月、日本で初めて行われたユネスコ創造都市ネットワークの世界会議が金沢で行われたという意義は、大変私は大きいというふうに思っています。その会議の市長サミットで、私は2つ提案をさせていただきました。1つは、やはり世界会議となると、移動や日常的なコミュニケーションがなかなか難しいということもありますので、エリアごとの交流をこれから積極的に進めていくべきではないかと。金沢でいえば、日本、韓国、中国で既に10を超える都市が創造都市の認定を受けておりますので、その中でコミュニケーションをとっていくことが大切ではないか。もう1つは、金沢はクラフトの部門で登録をいただいているところでありますが、異なる分野での交流ということも提案させていただいたところであります。このみずからの提案の方向性に沿いまして、5月にいろいろと打ち合わせをさせていただきました結果、同じクラフトではありますけれども、中国の景徳鎮市に若手の工芸作家を派遣するほか、さまざまな活動を行っているところであります。また、異なる分野ということでいえば、やはり昨年の5月の世界会議の際にいろいろと下打ち合わせをさせていただきまして、メディアアートの分野で登録されていますフランスのアンギャンレバン市から、今年度アーティストを受け入れることとしています。さらには、世界会議以降も、金沢市はユネスコ本体とクラフト分野の創造都市との連絡調整役も担わせていただいておりまして、積極的に活動することによって、世界の交流拠点都市金沢の実現につなげていきたいと考えています。 秋のフランス訪問に当たり、どのようなことを考えているのかということであります。私は、議会の皆さんの御理解がいただければ、ぜひ秋にはフランスにお伺いしたいというふうに思っています。姉妹都市であるナンシー市や、さらには先ほど申し上げました創造都市ネットワーク世界会議を機に交流を始めているアンギャンレバン市などにも訪問をさせていただければというふうに思っています。何といっても一番のメーンは、ユネスコ本部と日本の創造都市との共同開催になりますけれども、ユネスコ本部における展示会をさせていただきたいというふうに思っています。そこで、本市もブースを設けさせていただきまして、伝統工芸品の展示や伝統芸能の披露も予定をしたいというふうに思っています。本物の文化の一端を、フランスを初めとした創造都市の皆さんに感じていただければというふうに考えています。また、そのほかにも、シンポジウムであったり、さまざまな交流活動、プロモーションにも取り組むこととさせていただいておりまして、私みずからそれぞれに出席させていただく予定になっています。 また、若手工芸作家の派遣先の開拓ということですけれども、これはいい機会でありますので、上田議員御提案いただきましたように、その派遣先の開拓などにも取り組んでいきたいと考えています。 ホストタウンのことですけれども、フランスを相手国に選んだ理由をお尋ねになりました。まずは、先ほど来申し上げていますナンシー市とは、43年の長きにわたって交流させていただいています。金沢美大を中心に、若手のアーティストの一方的な交流ではなくて、受け入れ、また、派遣をして相互の交流をさせていただいているところであります。また、平成25年度からは、学生さんをインターンとして、それぞれの市役所に派遣し、研修を積んでもらっているところでもあります。また、市立病院とナンシーの病院との交流も始まっているところでもあります。また、日仏自治体交流会議も、第1回から第3回までは金沢市が日本側委員会の会長を務めさせていただいているところでもあります。それぞれさまざまな交流実績があり、私は、フランスを今回ホストタウンの相手国として選ばさせていただきました。また、東京オリンピックパラリンピックの事前合宿の誘致活動にも積極的にこれまで取り組んできて、大きな前進が見られそうだという手応えも含めて今回選ばさせていただきまして、お話ありましたように、6月14日の火曜日に、国のほうから正式に、金沢市をホストタウン2次登録としてお認めをいただいたところであります。この登録を機に、さらに勢いをつけて取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。 東京オリンピックパラリンピックに向けまして、事前合宿の誘致とホストタウンは、私は大きなエンジンになるというふうに思っていまして、スポーツ交流であったり、地域の文化を含めた活性化を図ることを目的としているところであります。具体的な活動は、これから詳細を詰めていくことにはなりますけれども、まずは東京大会の開催に向け、オリンピックパラリンピック選手とのふれあい教室の開催などでスポーツ交流をさせていただければというふうに考えています。また、これまで行ってきた文化、教育、観光、産業など、各分野の交流を深めていきたいというふうに思っています。このような幅広い分野での交流を通じて、フランスとの交流の裾野がさらに深まっていくことが、繰り返しになりますけれども、世界の交流拠点都市金沢実現に向けての大きな第一歩になっていくんだというふうに思っています。 金沢プールのことについてですけれども、金沢市は、オリンピックパラリンピックの事前合宿地として、水泳、ウエートリフティング、トランポリンの3分野で手を挙げているところであります。特にフランスに対しましては、その中でも水泳について大いに関心を持っていただいているところであります。施設としましては、何といっても屋内に50メートル、25メートル、飛び込みのプールが備えられています。そして、日本初になりますけれども、飛び込みトレーニング室も備えているところであります。立地条件といたしましても、金沢駅から約3キロメートルという距離にありますし、近隣に総合病院もあります。トレーニングの最中に、まさかのけがであったり、体調を崩した場合であっても、すぐに対応できる体制にもなっています。一昨年、プールの起工式が行われ、日本水連の専務理事さんにお越しいただきました。そして、つい先般、スポーツ庁の鈴木長官にもお越しいただき、お二人とも同じことをおっしゃっていただきました。東京オリンピックパラリンピック開催の時点では、この金沢プールは日本で最新のプールだと、恐らく多くの国に関心を持っていただけるんではないだろうかというふうにもおっしゃっていただきました。その言葉を私は糧にして、さらに事前合宿の誘致に取り組んでいきたいと考えています。 もちろん一義的には、市民の皆さんにお使いいただくというのが目的であります。50メートルプールですけれども、可動壁になっていまして、25メートルプールと、もう1つのほうは多目的プールにすることができます。水深につきましても、床の可動により高さを調節することができます。例えば、25メートルプールはいろんな競技者に使っていただき、隣の多目的プールには幼児に使っていただくというようなことも含めて、多くの市民の皆さんにお使いいただければというふうに考えています。また、ハード的にも、今申し上げたプールそのものももちろんのこと、施設にも意を用いているところでありまして、大会関係者と一般利用者が別々に入れる入り口と更衣室を設け、動線が交差しないように配慮し整備しているところでもあります。このことから、大会の開催と市民の利用を同時に行う際にも、支障なく御利用いただけるものと考えておりまして、各種大会と市民利用の両立を図ってまいりたいと考えています。 文化のことについて何点かお尋ねがございました。条例制定後の取り組みのことですけれども、これまでも、能楽や素囃子等の子ども塾を通じて次世代の人材育成に取り組んでまいりました。新たに文化創生新戦略を策定したことに伴いまして、子ども塾に加え、高校生や大学生などの若者、また、親子向けの文化体験講座の開催により、幅広い年齢層で、切れ目なく伝統文化に触れられるような機会の充実に努めたところであります。さらには、伝統芸能や伝統産業の指導的役割を果たす人材の海外等の研修費用に対する新たな支援制度を創設し、後継者育成を強化することにいたしました。4月には、この文化創生新戦略を推進するため、庁内横断のプロジェクトチームを設置したところでありまして、戦略の着実な推進を図ることによって、文化都市、文化創造都市としての金沢の位置をさらに高めていきたいと考えています。 規模の大きな展覧会の誘致も大切ではないかということでした。これまでも、金沢21世紀美術館におきましても、フランスのパリ3大美術館の一つでありますポンピドゥー・センター国立近代美術館との共催展、さらには全国規模の巡回展などが開催されているところであり、今後とも、多くの人々に訪れてもらえるよう、より魅力ある展覧会を企画するよう工夫を凝らしてまいります。 ITプログラミング教育のことについてお尋ねがございました。私も、時代の趨勢で大切であるというふうに思っています。学校現場に入れることについては、さまざまな御意見があるということは理解をしておりますけれども、私は、市としてその環境をつくっていくことも必要だというふうに思っていますし、プログラミングに接することによって、社会に出たときの心的ハードルも低くなるということも大きなことだというふうに思っています。御指摘いただきましたように、昨年度、ITビジネスプラザ武蔵のセミナーの一環といたしまして、小中学生を対象にゲーム制作などの体験会を実施したところであります。今年度は、その実績も踏まえ、中学生、高校生を対象とし、金沢工業大学を会場としてお借りをし、専門的知識を学んでいる大学生の個別アドバイスも得ながら、2日間のプログラミングスクールを開催したいと考えています。開催に当たりましては、地元ICT企業と連携し、地域一帯となって取り組んでまいります。ここから未来のビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズがあらわれる、そんな思いを持って取り組んでいきたいと考えています。 近隣自治体との、特に白山市との連携についてお尋ねがございました。これまでも、白山市とは観光連携協定を結びまして、御指摘いただきましたように、さまざまな施策に取り組んでいます。また、お話しいただきましたことのほかにも、城下町金沢と霊峰白山を巡る旅などの観光モデルコースを旅行会社に御提供させていただきました。また、観光ボランティアガイドに案内をしていただきますモデルツアーも実施したところであります。さらには、東京都文京区、目黒区におきまして、加賀藩ゆかりの地で白山市と共同で出展を行っているところであります。これからも、白山開山1,300年を組み込んだ旅行商品を旅行会社等に働きかけるとともに、首都圏でさらにアピールするためにも、来月7月に銀座の金沢での共同企画展を実施することとしているところであります。白山市には、何といっても白山麓という金沢にない魅力、強みがありますので、連携をして取り組んでいくことが私はエリアの発展につながるんだというふうに思っていますし、白山市以外の近隣の自治体、さらには官民連携をしながら、それぞれの強みを生かして観光ツアーの開発を進めながら、国内外から観光客の誘客に努めてまいります。 私のほうからは以上です。 ○福田太郎議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 震災時における教員の対応についてお尋ねがございました。まず初めに、大規模な災害発生時の学校職員の役割についてでございますが、各学校では、学校防災計画に基づきまして、震度5弱以上で学校災害対策本部を設置し、児童・生徒の安全確保を最優先に対応するとともに、避難所支援班を編成し、避難者の受け入れや誘導など、避難所の運営に協力することになっております。 また、石川県との連携でございますけれども、熊本地震におきましては、被害の大きかった自治体が比較的被害の少ない自治体から教職員の派遣を受けていると聞いております。本市におきましても、同様の状況が発生した場合には、避難所の運営に加え、学校再開への対応も必要となりますことから、県教育委員会に他の自治体からの教職員の派遣を要請するなど、県との連携を密にしていく必要があると考えております。 次に、額中学校とその他の学校のエレベーターの設置につきましてお尋ねがございました。補正予算を可決いただければ、早急に実施設計に取りかかっていきたいと考えております。今回は、エレベーター設置を伴う増築工事で、消防設備の改修もあわせて行うために、設計及び工事にある程度の時間が必要であり、現時点での完成は年度末を想定しておりますが、工夫を凝らしながら、できる限り早期の完成を目指してまいりたいと思っております。その他の学校につきましては、個々の児童・生徒の状況にも十分配慮をしながら、施設の新増築や大規模改修にあわせて、可能な限りエレベーターを設置することを基本としております。 新教育長としての抱負についてお尋ねがございました。昨年度、総合教育会議において策定をいたしました教育行政大綱の具現化に全力を傾注してまいります。具体的には、基本方針に掲げました未来を担う人材の育成、特別支援教育の充実、家庭・地域の教育力の向上、生涯を通じた学びの支援、また、教育・学習環境整備の推進の実現に向けて、一つ一つの施策を着実に進めるべく全力で取り組んでまいります。 今日的な課題についてとその対応についての御質問でございました。まずは、学校教育におきまして豊かな人間性と確かな学力を育むため、新たな金沢型学校教育モデルの着実な実践を学校現場と連携して進めていきたいと考えております。また、教育環境の充実を目指して、将来の児童数の予測を踏まえた新しい学校規模適正化計画の策定とその実現に努めていきたいと考えております。さらには、学校が抱える課題を家庭や地域と連携し解決につなげていくために、コミュニティ・スクールの導入を進めていくほか、家庭の教育力の向上を目指して、家庭教育の振興策を重点的に実施してまいりたいと考えております。そうしたことを本年度の教育委員会の重点施策にも掲げておりまして、着実に進めていくことができるよう全力で取り組んでまいります。 小中学校の育友会、PTAとの今後の連携につきまして、家庭教育の振興には、保護者自身が学び合い、成長することが大切であると思っておりまして、保護者一人一人が自分の家庭を振り返り、自信を持って家庭教育に取り組めるように、家庭教育に関する情報や学習機会の提供などについて、さらなる連携を図ってまいりたいと思っております。 保護者の役割と行政の役割についてでございますが、家庭は、子どもが基本的な生活習慣や学習習慣、社会的なルールなどを身につける上で大変重要な役割を担っていると思っておりまして、一方で、行政は、保護者の自主性を尊重しつつ、家庭教育に関する学びの機会や情報の提供など、保護者が必要とする支援を適切に行っていくことが大切であると思っております。保護者と行政が連携を深め、それぞれの役割を的確に果たせるような環境づくりを進めてまいりたいと思っております。 ○福田太郎議長 発言時間が経過しておりますので、この際、発言を簡潔かつ速やかに終了されますようお願いいたします。 ◎野口弘教育長 金沢市立中学校の教員の…… ○福田太郎議長 終了されますようお願いいたします。 ◎野口弘教育長 はい。 ○福田太郎議長 以上で、1番上田雅大議員に係る質疑並びに一般質問は終了いたします。 4番松井隆議員。     〔4番松井 隆議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆松井隆議員 発言の機会をいただきましたので、みらい金沢の一員として質問させていただきます。 発言に先立ちまして、本年4月14日に発生しました熊本地震により甚大な被害が発生し、犠牲になられた方々に哀悼の意をあらわしますとともに、今なお不自由な生活を送られている方々にお見舞いを申し上げます。 それでは、質問をさせていただきます。 今日まで、阪神、東日本大震災などの震災、広島県土砂災害、利根川流域、鬼怒川流域における水害など、災害にはいろいろあります。天災は、人間の力では防げないが、その後の対応を間違えると、天災は人災となり、被害は拡大していきます。皆さんも御存じだと思いますが、金沢市には森本・富樫断層帯があります。平成25年11月22日に、森本・富樫断層帯の長期評価の一部訂正が行われております。森本・富樫断層帯は、石川県河北郡津幡町から金沢市を経て白山市明島町付近までの区間に至る長さ約26キロの断層帯で、断層帯の東側が西側に乗り上げる逆断層となっております。報告によりますと、森本・富樫断層帯では、断層帯全体が1つの区間として活動すると推定され、マグニチュード7.2程度の地震が発生すると推定されております。本断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は2%から8%であります。数字とすれば小さい数字でありますが、今後30年間に地震が発生する可能性が我が国の主な活動断層の中では高いグループに属すると発表されております。本市においても、この森本・富樫断層帯が原因で地震が発生したと想定して、金沢市災害アセスメント調査が実施され、そのデータをもとに災害対策計画を立案されていると思います。ここで、金沢市災害アセスメント調査から幾つか質問をさせていただきます。 1つ目は、建築物の想定被害予測についてであります。金沢中心市街では、老朽ビルや町家などの古い木造建築が数多くあります。熊本地震でも、新しい耐震基準で建設されたビルが全半壊したと聞いております。建築物に対して、どのくらいの倒壊被害を受けると考えているのかお伺いしたいと思います。
    福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 市内全建物は約16万3,000棟ありますけれども、マグニチュード7.2の地震が発生した場合、約1割の1万8,000棟の建物が、柱の剪断や曲げ、ひび割れなどにより、耐力--建物の耐える力に著しい低下が見られる、いわゆる大破の状態となります。そしてまた、約2割の3万2,000棟の建物が、非構造体に大きな損傷が見られる、いわゆる中破以上の被害を受けるものと予測しています。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今、市長のほうからお話があったように、大破で約1割、それから中破以上で約2割の建造物が損傷に至るというふうにお答えいただきました。私も、この資料の中身を見させていただきまして、やはり木造建築がすごく多いところであります。それとあわせて、鉄筋コンクリートづくりの建物も多いというところであります。 そこで、次に進ませていただきます。この老朽ビルの更新について少しお伺いいたします。金沢市内を森本・富樫断層の一部、その中には野町断層というものがありますけれども、これが緊急輸送道路である国道157号線に沿った形で延びております。特に老朽ビルが密集する片町、香林坊地区における再整備の推進は課題と考えております。ここで、どのようにこの建物の更新を図っていくのかお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 これまでも金沢市は、この香林坊から片町、いわゆる都心軸の沿線における地元まちづくり協議会の皆さんと勉強会を重ねてまいりました。整備手法であったり、にぎわいの創出であったり、また、さまざまな補助メニューのことも提示しながら勉強会を重ねてまいりました。先般、片町きららがオープンしたことにより、地元の皆さんの再整備に向けた機運も大いに高まってまいったところであります。さらに、この勉強会や意見交換会を続けていきたいというふうに思いますし、具体的な話も今出つつありますので、その事業化を促していきたいというふうに思っています。また、それと加えまして、この都心軸沿線には、依然として、昭和56年以前に建てられた未耐震の中小老朽ビルが数多く残っています。これは金沢だけではなくて、恐らくは昭和40年代から50年代にかけての繁華街と言われた全国の地域の多くが同じような課題を抱えているというふうに思っていますので、そういうことを、金沢市の開発協議会はもちろんですけれども、全国市長会等々を通じまして国に働きかけておりますし、引き続きそのことにも鋭意取り組んでまいります。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 特に片町、香林坊かいわいは、本当に古いビルが建ち並び、今ほどお話ありましたように、昭和40年代のビルがたくさんあるというところで、157号線を補給路として守るためにも、ここはしっかりと再開発に着手していっていただきたいというふうに思います。 次に、道路と橋梁の想定被害状況についてお伺いいたします。災害時に、道路、橋梁が受ける被害状況はどれぐらいのものがあるのかお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 中川危機管理監。 ◎中川富喜危機管理監 平成24年度に見直しを行いました金沢市地域防災計画では、国道、県道など幹線道路約290キロメートルのうち、道路の被害箇所は80カ所と予測しております。また、橋梁の被害につきましては、橋長15メートル以上の橋梁のうち、12橋で不通になると予測しております。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今のお話の中にもありましたように、道路については80カ所の被害が想定されているというふうにお話がありました。 それに続きまして、橋梁耐震化工事の進捗率についてお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 浅川土木局長。 ◎浅川明弘土木局長 金沢市道の緊急輸送道路の橋長15メートル以上の18橋について、橋梁の耐震化を実施しているところであり、現在、対策済みの橋梁は14橋となっています。また、対策が完了していない橋梁は、今年度工事を予定の大豆田大橋も含め、現在4橋残っておりますが、平成31年度までには完了したいと考えております。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 ありがとうございます。今お話がありましたように、緊急輸送道路を中心に計画的に耐震補強を進めていると考えますが、災害が発生したときには復旧に時間がかかることから、早い進捗を求めたいと思っております。また、やはり緊急道路にかかる橋というのは、本当に大事な橋であって、特殊区間というふうにも考えておりますので、ぜひ、そこは進捗を早める方向で進めていっていただきたいと思っております。 引き続きまして、狭隘道路の拡幅モデル事業についてお伺いしたいと思っております。事業についての御説明をよろしくお願いいたします。 ○福田太郎議長 浅川土木局長。 ◎浅川明弘土木局長 狭隘道路拡幅整備モデル事業は、防災まちづくり協定を締結している地区において、セットバックの用地を取得し拡幅整備することにより、狭隘道路の解消を目指すものであります。現在、協定を締結していますのは、金石西、横山町及び森山の3地区でありまして、今年度は横山町地区及び森山地区において、それぞれ1カ所の整備を予定しております。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 金沢は、古い建物が密集し、狭い道路が多く、緊急車両などの通行にも支障が出る中、やはり地元町会の協力と理解をいただき、計画的に事業が進めばと考えております。今後も、こういう狭い道路については、協力を得ながら道路の拡幅に努めていただきたいというふうに思っております。 続きまして、それにつながります防災広場の整備状況についてお伺いしたいと思います。金石地区、森山地区、横山地区などで防災広場整備を進められているところではありますが、今回は横山地区の防災広場の整備概要についてお伺いしたいと思います。 それとあわせて、狭い道路で構成されますまちには、一時避難場所として防災広場がやはり重要になってくるというところで、狭隘道路の拡幅モデル事業と連携して進める方法というものはあるのかどうかお伺いしたいと思っております。 ○福田太郎議長 野口都市整備局長。 ◎野口広好都市整備局長 この広場は、防災まちづくり計画に基づき設置するものでありまして、地域住民の交流促進を図るだけでなく、耐震型防火水槽を設置するなど、地域の防災拠点としても位置づけられるものであります。なお、この整備では、仰せの狭隘道路拡幅整備モデル事業との連携も図ることとしておりまして、地域全体の防災機能の向上につなげてまいりたいと考えております。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 防災広場、それと先ほどからお答えいただいております狭隘道路はやはり大切な事業だというふうに考えておりますし、ここはしっかりと連携をとった形で進めていっていただきたいというふうに思っております。 それでは、引き続きまして、緊急輸送道路のルート確保についてお伺いしたいと思います。熊本地震により、市民の家屋に対する耐震診断希望がふえる中、緊急輸送道路の確保と、それを今度は避難路としての指定にあわせて、沿道建築物の耐震化をどのように指導していくのかをお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 昨年度のことでありますけれども、金沢市建築物耐震改修促進計画を改定いたしました。緊急輸送道路の第1次、第2次路線の延長約230キロメートルを耐震改修促進法に基づきます避難路として位置づけたところであります。沿道の町会の皆さんには、まずは周知の徹底を図っているところでありまして、本年度から順次、説明会をさせていただきたいというふうに考えています。また、避難路沿道建築物の耐震改修に関しましては、限度額が高い手厚い補助制度を設けておりまして、活用の促進に向けて、地震時に倒壊してしまって道路をふさいでしまうような可能性のある建築物の所有者に対しまして、まずは耐震診断を受けていただくように、文書による個別指導を行ってまいりたいと考えています。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今お話しいただいた緊急輸送道路の確保と、避難誘導路としての道路の確保には、今、市長のほうからお話がありましたように、道路に隣接する家屋の耐震診断というのは本当に大事であり、その対策をしていくということも大事だというふうに思っております。前の災害の経験から、やはり道路は救援物資や復旧資材、人員の輸送手段として確保しなければならないものであり、災害に備え、整備していかなければならないというふうに思っております。そういう意味では、今回の予算の中に、耐震の診断から最後に至る改修までの予算をつけられていることには本当に敬意を表したいというふうに思っております。 引き続きまして、ライフラインの想定被害状況についてお伺いしたいと思います。震災時における上水道施設の想定被災状況についてお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 桶川公営企業管理者。 ◎桶川秀志公営企業管理者 金沢市地域防災計画では、大規模な地震が発生した場合、耐震性能の低い普通鋳鉄管などが布設されている市内約2,000カ所で、管の損傷等の被害が発生するものと想定しております。また、浄水場については、給水に支障を及ぼすような被害は発生せず、主要配水池8施設については、約半数に機能低下が生ずるおそれがあるものと考えております。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今お話をいただいた中で、ライフラインというのは、被災された方々にとっては本当に重要な設備であり、ライフラインに受ける影響というものは本当に大きいものがあると考えております。そして、特に森本・富樫断層帯で地震が発生した場合には、平野部全般にわたっての液状化現象が想定もされております。そういう中では、ライフラインの補強というのは本当に大事な問題だというふうに思っております。 ここで、配水施設と管路耐震化についてお伺いしたいと思います。食料とともに大事なのは、水の確保でございます。人は1日3リットルの水が必要と言われております。災害時において、水の確保は重要であり、配水施設、管路耐震化の推進状況について伺いたいと思います。 ○福田太郎議長 桶川公営企業管理者。 ◎桶川秀志公営企業管理者 平成27年度末における耐震化の状況につきましては、浄水場はほぼ完了しており、また、主要な配水池では53%、管路は84%の進捗率となっております。災害に備えたライフラインの強靱化は、非常に大切な課題であり、今後とも計画的に推進してまいりたいと考えております。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今お話しいただいたように、水道施設の保守メンテというのは本当に大事な作業でありまして、私も見させていただいた中には、もし災害が発生したときの応急日数は、例えば400人体制で50日かかり、また800人体制で1カ月は要すると出ておりました。そういうことを考えれば、ふだんからの、これからの整備事業の中において、管路の耐震化というのは本当に早急に進めていかなければならないと思います。そういうことを考えて、やはり耐震化の進捗率を高めていただきたいというふうに思っております。 続きまして、上下水道の広域連携についてお伺いしたいと思っております。上下水道の広域連携に向けた研究会が開催されたというふうにお伺いしております。具体的なテーマの一つに、災害時の対応とありますが、どのような取り組みを考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 桶川公営企業管理者。 ◎桶川秀志公営企業管理者 災害時における協力体制の構築を目指し、既に県内各市との間で相互応援協定を結ぶとともに、内灘町及び津幡町と個別に協定を締結しているところでございます。今回の研究会では、これらに加えまして、応急給水や管路復旧など、災害時の対応について協議することとしており、また、この夏には4市2町による上下水道災害時応急活動合同訓練の実施を予定しているところでございます。今後とも、協力体制を一層強化し、災害時対応に万全を期してまいります。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 広域連携につきましては、市も進めている施策であるということで、今後も、上下水道に関する連携をどういうふうに進めていくのかとかを綿密にこれから打ち合わせをしていただきたいと思います。 引き続きまして、水に関してですけれども、災害時協力井戸点検調査という項目が今回上がっておりました。災害発生時に活用可能な協力井戸点検調査が行われることは、よい施策と考えております。中身を見ますと、5年間で計206カ所の予定とされておりますが、これはもう少し早くならないのかどうかお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今、議員からお話しいただきましたように、206カ所の井戸を5年間でという準備をしているところであります。ただ、少しでも早くという思いはよく理解できますし、私も同じ思いではありますけれども、実務的に、この短期間で全ての井戸をきちんと検査をするということはなかなか課題もありますが、少しでも前倒しできないか工夫を凝らしていきたいと思います。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今お話しになられましたように、確かに急な進捗となると、水の検査状況も関係して難しいと思いますけれども、先ほどからお話がありますように、水道関係のところは本当に被災するということを考えれば、少しでも水の活用ができる井戸を探しておきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 引き続きまして、防災備蓄施設についての質問に入りたいと思います。 現在の防災備蓄倉庫の設置数についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○福田太郎議長 中川危機管理監。 ◎中川富喜危機管理監 拠点防災備蓄倉庫は、大和町防災倉庫、大桑防災倉庫、泉本町防災倉庫、夕日寺防災倉庫の4カ所でございまして、このほか小学校や公民館等の180カ所の施設を合わせた計184カ所で、防災備蓄品の分散保管を行っているところでございます。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 中心になるところが4カ所、そのほかに180カ所の計184カ所で、備蓄の分散をしながら備蓄品を保管しているということでございます。 それでは、避難施設の耐震基準についてお伺いしたいと思います。市の防災計画におけます避難施設の耐震基準を満たさない施設について、あるのかどうかを伺いたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 現在、市の指定避難所は205ありまして、一部公民館や旧の小学校の9カ所は耐震基準を満たしておりませんので、震災時の避難所としては使用せず、他の指定避難所へ適正に誘導に努めるところであります。この9つのうち5カ所につきましては、既に建てかえであったり、移転が予定されていますが、残る旧小学校跡地など4カ所は、木造の建物でもあり、当面、耐震化の予定もありませんので、早急に広域避難などを含めた避難所のあり方について検討してまいります。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 今お話がありましたように、避難施設9カ所が耐震基準に満たないというところであります。そのうちの5カ所については、対応がされるということで、あとの残り4カ所については、旧の小学校の木造の建物などということで、これについても、なるべく早い段階での避難場所の確保に努めていただきたいと思います。 続きまして、防災設備の配備数についてお伺いしたいと思います。備蓄倉庫における防災備蓄物品のアルファ米及び水の配備数についてお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 中川危機管理監。 ◎中川富喜危機管理監 アルファ米の備蓄量は10万食、飲料水は500ミリリットルボトルで9,000本、4,500リットルを備蓄しておるところでございます。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 熊本地震においては、想定の3倍近い11万人の避難があり、食料不足が発生したと聞いております。本市における備蓄数に問題はないのかどうかを伺いたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 短期避難者は、最大で20万人を見込んでいるところであります。今ほど、危機管理監から答弁がありましたけれども、当面10万食のアルファ米を備蓄しているというところであります。当然、数字が合いません。十分な備蓄量とは言えません。ただ、これ以上の備蓄数をふやすとなりますと、保管場所の確保であったり、多額の経費がかかるということもありますので、一義的には自助の一環として、ふだんから市民の皆さんに3日分の食料と飲料水を御自身で備蓄していただくようにお願いしているところであります。また、災害が起きてしまった場合ですけれども、県内や北陸3県の相互応援協定を締結している自治体からの広域支援に合わせ、協力協定を既に結んでいるさまざまな団体や事業所がありますので、その団体や事業所からの支援にも期待したいというふうに思いますし、そういう支援体制がすぐとれるように、日ごろからコミュニケーションも図っているところであります。今のところ、備蓄数をふやすことは考えてはいません。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 ありがとうございます。今、備蓄数からすれば10万食のものがあると市長からもお話がありました。私も、市長のお話のように、確かに全てのものを確保するということは難しいというところで考えれば、やはり自助、皆さんにまずは自分のものは自分で確保するということを広めていかなければならないというふうに考えております。 それでは、備蓄米の中身についてお伺いしたいと思います。それは、アレルギー対応食の配備状況についてであります。熊本地震では、食物アレルギー疾患を抱えた人も多く被災され、本市においても、食物アレルギー疾患を抱えた人たちが避難することが想定されます。このことから、アレルギー対応食の保管状況についてお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほどからアルファ米10万食というお話をさせていただいておりますけれども、それ以外にアレルギー対応のアルファ米というものがありまして、そのアレルギー対応のアルファ米は、一般食とは別に4,000食を備蓄しているところでありまして、食物アレルギーのある方に適切な食事の提供ができるように最大限の努力をしているところであります。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 アレルギーの会全国連絡会によりますと、東日本大震災では、自治体の保管場所で対応食がまじってしまったということもあったそうであります。また、熊本においては、備蓄の中にあった対応食が一般食料として配られた例もあったと聞きます。配備されているアレルギー対応食は、一般食料との差別化はしてあるのか、伺いたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 先ほども申し上げましたけれども、一般食と区別しているところであります。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 アレルギーを持っている方におきましては、普通の食事をとりますと、やはりショック症状が出たりとか、せっかく避難されてきたにもかかわらず、そういう症状でまた重いものになるということは避けたいというふうに考えますので、これからも厳重に保管していただきたいというふうに思います。 続きまして、災害情報の伝達についてお伺いしたいと思います。 電光表示システムの配備状況ですが、情報伝達手段である防災無線が聞こえにくいことへの対策として、前年度に電光表示システム整備の費用が計上されております。現在の配備状況についてお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 孤立するおそれがあります山間部などを対象に、平成20年度より電光情報表示システムの配備を進めてきたところであります。昨年度までに、湯涌地区や夕日寺地区などの154町会、キゴ山少年ふれあいの里などの4市有施設に、計159台配置しているところであります。このシステムのほか、緊急情報電話案内サービス、さらには金沢ぼうさいドットコムなど、情報伝達手段の多様化を図っているところであります。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 情報の伝達は重要な問題で、大事なのは住民を守ることで、命と安全にかかわることは、あらゆる手段を講ずべきであると私は考えております。石川県防災会議でも、土砂災害警戒情報の伝達方法が問題になったと聞いております。電光表示システムも伝達方法の一つではありますが、町会長に1台との制約から、情報が町民へ連絡されない危険性もあるので、正確な情報の配信方法の検討を進めていただきたいというふうに思っております。 続きまして、公衆街路灯のソーラー化について、お伺いをしたいと思います。震災時、電気の供給がとまっても対応できるよう、街灯のソーラー化ができないか、これを提案したいと思いますが、お答え願えませんでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 既に、公衆街路灯につきましては、環境保護の視点からもLED化を進めているところでありまして、昨年度までに約4,200灯のLED化をしているところであります。今後ですけれども、約3万5,000灯の切りかえが必要となってきます。現実的には、ソーラー化は費用が多くかさむということ、さらには寿命がLEDに比べて短いということ、そして市民からもLED化の切りかえを望む声が多いということから、引き続き、LED化の切りかえを急いでまいりたいと思います。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 私がこれを提案したのは、東日本大震災のときに東京が大停電になりました。実は、こういうソーラーの光があれば、それを目標として皆さんが避難する誘導路の一つとしても活用できるのではないかというふうに思ったから提案させていただきました。今後の検討もよろしくお願いしたいと思います。 それから、次に家庭用の太陽光パネルの設置についてであります。熊本地震の被災地でも、自宅に設置した太陽光発電が活躍したという新聞報道がありました。震災で停電に遭っても、連結運転から自立運転に切りかえることにより、1,500ワットの電化製品が使えるようになります。本市においては、個人用住宅用太陽光パネルの設置費用補助制度がございます。災害に備えて、この制度を広く展開していかれてはどうかでお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 大規模な災害が起きたときには、その太陽光パネルそのものが損壊するという可能性はありますけれども、小規模なものでしたら、十分に電力供給の代替手段になり得るというふうに思っています。既に本市に設置されている住宅用の太陽光パネルですけれども、平成27年度末時点で、設置数は3,000基をやや超えているところであります。非常用電源としても利用ができる住宅用蓄電システムの補助制度を今年度追加したところであります。万が一のときはもちろん、日常的にも省エネという視点からも、さまざまな機会を捉まえてPRをしていきたいというふうに思っていまして、利用者がふえていくことも期待したいと考えています。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 ありがとうございます。 引き続きまして、災害時の初動体制の時系列活動についてお伺いしたいと思います。御答弁よろしくお願いいたします。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 発災から3時間以内に初動体制を確立し、被災状況の把握や消火・救助・救出の開始、避難所の開設、広域応援要請等の支援を行いますとともに、24時間以内に、救助・救出活動以外の応急活動や避難生活の支援を開始したいと考えています。さらに、3日以内に、被災者への支援や行政機能の復旧に取り組むこととしています。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 初動体制においては3日が勝負というところでございます。 そういう意味では、最後の質問になりますけれども、消防団の高齢化と減少対策についてお伺いしたいと思います。私は前回も発言しましたが、災害対策においては、地域での一人一人の自助、多様な主体の共助が重要であり、自助や共助による災害対策への貢献を見ると、阪神・淡路大震災での調査によれば、6割から9割が自助、共助で救出されているというところであります。そして、地域の防災力を直接担っているのが消防団員であります。しかし、消防団員は、長期的に減少しているとともに、高齢化が進んでおります。消防団員の減少や高齢化は、地域の防災力を直接担う人材の縮小とともに、防災力が必ずしも効果的に発揮されない点などが懸念されます。今後、消防団の高齢化と減少対策をどのように図っていくのかお伺いしたいと思います。 ○福田太郎議長 小谷消防局長。 ◎小谷正利消防局長 本市消防団においては、消防団活性化推進研究会を設置しまして、さまざまな検討を行っております。近年では、その提言に基づき、活動服のデザインを一新いたしましたほか、大学の学園祭において消防団活動をPRするなど、若者の入団促進に努めているところでございます。また、消防団協力事業所表示制度の導入や勤務地団員の任用を可能とするなど、消防団員の確保に向けてさまざまな施策を講じております。今年度は、消防団員入団促進キャンペーンを展開し、広く市民に広報いたしておりまして、消防団とも協議を重ねながら、引き続き、魅力ある消防団を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○福田太郎議長 松井隆議員。 ◆松井隆議員 ありがとうございます。消防団の方々については、本当に日夜、災害に対する仕事に対して協力いただいております。今後とも、消防団員の皆様が働きやすいような環境づくりを推し進めていただきたいと思います。 これで、私の発言を終わらさせていただきます。 ○福田太郎議長 以上で、4番松井隆議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手) 27番角野恵美子議員。     〔27番角野恵美子議員登壇〕(拍手) ◆角野恵美子議員 発言の機会を得ましたので、公明党金沢市議員会の一員として、以下数点お尋ねいたします。 質問の第1は、本市の観光施策についてお伺いします。 北陸新幹線開業2年目に入り、まちなかの人の流れも変わり、曜日や時間帯を問わずに歩く人の姿を多く見かけるようになりました。特に、小さな子どもを連れた家族連れがふえているように思います。歩く人がふえるということは、まちにとってとてもいいことであり、まちに根づいた店の魅力を発見してもらうには、やはり人が歩いてこそであります。     〔議長退席、副議長着席〕 片町きらら、香林坊東急スクエアと、金沢中心部には人がめぐる核となる存在が続いて誕生し、金沢市商店街連盟が昨年秋実施した歩行者通行量調査によると、片町きらら前では、2013年との比較で平日9割、週末でも約4割増えたそうですが、本市といたしましても、片町をさらに発展させ、犀川大橋周辺の回遊性を向上させるような施策を展開すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 最近、着物をレンタルして金沢を散策する観光客がふえ続けているようですが、片町、香林坊周辺においても、レンタル着物や浴衣などで観光地めぐりを楽しんでもらう和装体験や、今後のニーズを見きわめながら、茶道などの体験メニューを企画してはいかがでしょうか。 金沢のまちは、浅野川、犀川の2つの川の流れと寺町台地、小立野台地、卯辰山の3つの台地によって形成され、それらの高低差は大小さまざまな坂をつくり出し、散策に趣を添えているようです。そこで、片町から、2000年に国の登録有形文化財となった犀川大橋、室生犀星が青年期まで過ごした雨宝院や室生犀星記念館、にし茶屋街、そして寺町へと、金沢の知られざる名スポットをめぐる充実した取り組みとして、市民や利用者同士も楽しめる写真投稿等の情報発信を活用したまち歩きツアーの開発も検討されてはいかがでしょうか。 歴史と文化がある重伝建に指定されている寺町台寺院群をこれからのまちづくりの中核として、それぞれの寺院の特徴を生かしなから、外国人への対応や観光振興、地域おこし等、一層の取り組みが必要ではないかと思いますが、どのようにお考えなのかお伺いします。 ところで、東の浅野川と並称される西の犀川は、犀星のいわば魂の故郷であります。寺町台にある金沢の環境にふさわしい建築として連綿と育まれてきた質の高い建築文化を国内外に発信する建築文化拠点施設の整備に向け、実施設計に着手されますが、その基本設計の概要についてお尋ねするとともに、同じ寺町地内にまちのりポートが設置されますが、建築文化拠点施設、寺町、そして清川町との回遊性について、本市はどのように取り組まれるお考えなのかお伺いします。 また、高い意匠性を保つ建築物に着目し、新しい金沢の魅力を寺町から今後どのように発信していかれるおつもりかお伺いします。 ところで、松尾芭蕉は、古歌や故事で知られた名所旧跡の地を訪ねて、陸奥・北陸路を旅し、紀行文学の傑作である奥の細道を完成させました。先月、私は、国名勝おくのほそ道の風景地にも選ばれている大垣船町川湊のすぐそばにある奥の細道むすびの地記念館に出かけ、お話を伺いました。この記念館には、松尾芭蕉や奥の細道に関する資料が展示され、開館5年で来館者が既に100万人突破し、平成28年10月に開催される奥の細道サミットの開催会場に決定しております。芭蕉は、奥の細道の旅で金沢には10日間滞在し、元禄2年初秋、松尾芭蕉が金沢に立ち寄った際に利用した旅籠、宮竹屋の跡地を示す石柱が片町スクランブルの一角に立っており、現在の片町を中心に金沢の俳人たちと交流するなど、片町はまさしく芭蕉通りでもあります。また、市内には10以上の句碑や複数の肖像画も残っているようです。本市は、2018年度開催の奥の細道サミットの誘致を目指すとのことであり、これらの情報を地図とともに掲載し、愛好者らに散策を楽しんでもらうには、パンフレットも必要ではありますが、石柱が立っているスクランブル交差点あたりに芭蕉の総合的な案内板が必要ではないでしょうか、お伺いします。 国は、2013年度から、芭蕉の足跡が残る場所を奥の細道の風景地として名勝に指定し始め、石川県では小松の那谷寺境内や山中温泉の道明が淵が選ばれております。山中温泉最古の元湯宿、扇屋館の玄関先には、芭蕉と門弟の曾良との別れ際の二人を再現した座像が置かれ、それぞれの思いを託した句も添えられ、旅日記や滞在記録なども保存されております。ところで、本市には芭蕉の根強いファンが非常に多くおられますが、俳句以外でも泉鏡花など、金沢とかかわりの深い作家も多いかと思いますが、文学のまち金沢の発信についてどのように考えているのかお伺いします。 次に、本市の防災対策について伺います。 熊本県内を中心に大きな被害を出している地震は、活断層によって引き起こされた直下型地震で、被害も熊本県内のみならず、隣の大分県にも及んでいます。政府の地震調査委員会のデータによると、森本・富樫断層帯による程度の地震であり、同断層帯での地震が今後30年以内に発生する確率は2~8%となっていますが、その際には最大でマグニチュード7.2程度の地震となり、本市の地域防災計画では、市内の木造建築約13万3,000棟のうち、約1万5,800棟が大破し、約1万1,900棟が破損すると試算されております。地震調査委員会では、今後活発に活動すると見られる主要な断層帯の概要を公表していますが、まずは身近な活断層を知り、対策に生かすべきと考えますが、その認識と対応について伺います。 ところで、熊本地震の教訓として、地震で人が亡くなったというよりは、建物が壊れて命が奪われたと見るべきとしています。本市でも、熊本地震を契機に、住宅耐震に関する市民の相談がふえていることを受け、アドバイザー派遣を通じて積極的に改修を呼びかけることは大変意義があることと認識しております。さて、本市では、2020年度末までに住宅耐震化率を90%とする目標を掲げていますが、現在の木造住宅の耐震化率と住宅耐震の相談件数を、また、改修工事には所有者の高齢化などの課題も多いと思いますが、家全体ではなく寝室だけといった部分改修の検討も必要ではないかとも考えますが、木造住宅耐震化率の向上に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。 また、今回の地震で、病院の災害対策の重要性が改めて浮き彫りになっています。地震が発生すると、災害医療を担う施設は幅広い機能を発揮しなければなりません。構造だけでなく、設備を含めた建物の耐震性を確保していくことが大前提となりますが、幅広い機能を発揮しなければならない病院の耐震対策や患者の視点での防災対策について、本市の認識と対応を伺います。 大きな災害が起こると、避難所での生活を余儀なくされる可能性があります。避難所をどう運営するか、事前の備えを地域ぐるみで考えておくことの重要性を改めて認識しますが、地域だからできる準備にふだんから取り組むことが大事であり、事前の備えを地域ぐるみで考えて訓練することや、自分のまちは自分たちで守ろうという近助を想定した訓練も大切です。これらの取り組みについて伺います。 ところで、熊本地震後、被災した外国人住民が言葉の壁による不安を抱えています。避難生活が長引く中、行政などが使う日本語の表現が難しく、きちんと理解できないためであります。どうやって必要な情報を伝えるのか、災害時には外国人をどう支援されるのか、本市のお考えを伺います。 そして、今回の熊本地震を契機に、連続する大地震も想定外ではなくなりました。また、地震による大規模な土砂災害も想定に入れなければならないことも明らかになってきました。あるいは、車中泊に対する対応なども踏まえて、地域防災計画の見直しを進めなければならないと考えます。あすは我が身と思って災害に備えるという意味は、大規模災害に備えるということではないでしょうか。本市においても、熊本地震を教訓とした地域防災計画の見直しを進めるべきと考えますが、その認識と対応について伺います。 次の質問は、食品ロス削減に向けての取り組みの推進について伺います。 食べられる状態なのに捨てられる食品ロスがなかなか減らないようです。農林水産省によると、日本では年間に1,700万トン、魚のあらなど有価物を含めると2,801万トンの食品廃棄物が発生しており、このうち4割近い642万トンが食品ロスで、発生した食品ロスは生ごみとして焼却処分されるため、環境問題にも影響します。先月15日、先進7カ国--G7環境相会合が富山市で開催され、初日は資源や廃棄物の有効利用などをテーマに議論し、食べ残しや賞味期限切れなどで捨てられている食品廃棄物の削減に向け、各国の連携を強化することで一致しました。食品廃棄物について、2030年までに世界全体の1人当たりの廃棄量を半減させるなどとした国連の持続可能な開発目標の達成に向け、各国政府が経済界と協力して取り組むことを確認し、具体的には、食料の保存施設や流通網などの整備を後押しするとしました。食品ロスの半分は、メーカーや小売店といった事業者の流通、販売の過程で起き、もう半分は家庭での食べ残しや賞味期限前の廃棄などで発生しています。削減には、事業者への要請や規制とともに、国民への意識啓発も問われ、これまでさまざまな立場から食品ロス対策が行われ、食品ロス対策に先駆的に取り組む自治体もあります。京都市は、2020年までに食品ロスをピーク時から半減させる目標を掲げ、また、長野県松本市では、宴会の食べ残しを減らすため、乾杯後の30分と終了前の10分は自席で食事を楽しむという30・10運動を進めています。NPOの取り組みとしては、賞味期限が迫った食品を引き取り、生活困窮者へ無償提供するフードバンクなどが有名です。以下数点お伺いします。 松本市では、食育の推進、生ごみ削減の観点から、もったいないをキーワードとして、あらゆる世代に、家庭や外食時などさまざまな場面で食べ残しを減らす「残さず食べよう!30・10運動」を進めており、PR用コースター、ポケットティッシュ、ポスターを作成し、店舗等において協力していただける方は連絡くださいと呼びかけています。本市でも、まずは学校などで、教育施設における学校給食や食育、環境教育などを通して、食品ロス削減のための啓発を進めるべきだと思いますが、本市の削減対策の現状について伺います。 家庭における食品在庫の適切な管理や食材の有効活用の取り組みを初め、飲食店等による飲食店で残さず食べる運動や、松本市のように、宴会での乾杯後の30分と終了前の10分は自席で食事を楽しむ30・10運動を進めるなど、市民、事業者が一体となった食品ロス削減に向けての取り組みを進めることが重要であると考えますが、いかがでしょうか。 フードバンク活動が2014年2月時点で35都道府県、40団体に拡大され、群馬県太田市ではフードバンク事業を直接手がけています。賞味期限が迫った食品を引き取り、生活困窮者へ無償提供するフードバンク事業について、本市の今後の取り組みをお尋ねいたします。 次に、B型肝炎ワクチンの定期接種化について伺います。 B型肝炎ウイルス--HBVの感染が持続すると、肝硬変や肺がんになり、肝硬変や肺がんは大人の病気と思っている方が多いと思いますが、大人でHBVによる肝硬変や肝がんで苦しんでおられる方の多くは、子どものとき、それも3歳児までに感染したためであります。今、B型肝炎ウイルスによって肝がんになった人は、毎年6,000人ぐらいが亡くなっており、この方たちのほとんどがHBVを持っているキャリアのお母さんから赤ちゃんへの分娩時の感染によるものでありますが、最近では保育園などでの感染もあり、3歳児までに集団生活に入る子どもたちがふえています。子どもたちがHBVに感染しても、自覚症状はほとんどありません。HBVワクチンは、肝炎を予防する、肝がん予防ワクチンでもあります。平成28年10月からB型肝炎ワクチンの定期接種化が了承され、接種対象年齢は生後1歳に至るまでの間にある者となる予定で、定期接種の対象者については平成28年10月からの事業開始以降、恐らく90%以上の非常に高い接種率となることが予想されます。以下お伺いします。 4月から8月までに出生する子どもは何人ぐらいになり、一斉に10月接種を希望しても対応ができるのでしょうか。 10月に接種を受けられなかった場合は、翌月以降にずれ込み、3回目の接種は生後1歳を超えることが考えられますが、対象とするのでしょうか。 制度のはざまの世代となってしまった1歳児以上の子どもは低いままの接種率という現状について、どのようにお考えでしょうか。 国が定期接種とすれば、1歳児以上の子どもであっても、接種を希望する方は少なくないと思います。ゼロ歳児同様に、行政から広く疾患の啓発があり、接種を希望する方へは市の公費負担で接種を受けられるよう、少なくとも3歳児までは無料で接種できるよう推進していく必要があると思います。既に公費助成が実施されているところや、中には全額補助の自治体や予定されている自治体等もあるようですが、定期接種の対象から漏れてしまう1歳児以上の子どもに対しても、市の任意助成事業として接種の推進をしていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。 最後に市民相談から御質問いたします。 先日、江東区在住の女性から、金沢に住んでいる弟には電話がないので声を聞くこともできず、とても心配だとの相談がありました。本人を確認後、大変お元気で何の心配も要りませんとお伝えしたところ、そんな子どもの使いではあるまいし、困っている人の声を何とか実現するのが議員ではないのか、江東区では、65歳以上で近くに身寄りが誰もいない人を対象に、通話料だけが自己負担の高齢者福祉電話があるとのことでした。調査をしてみますと、多くの自治体が65歳以上の年齢で実施されていました。富山市では、昭和44年から実施しており、対象者は65歳以上の市内の住民で、近隣に親族が居住していないこと、現に電話を有していない等、ほかにも条件はありますが、高齢者の孤独感の解消を図ることが大事な目的として、平成27年3月末現在で、生活保護の方は7割、市全体としては107名が利用し、事業費は270万円であります。一方、本市では、75歳以上のひとり暮らしや高齢者のみの世帯のうち、寝たきりの者--要介護4、5の認定がある者がいる世帯で、固定電話の回線がある世帯を対象に緊急通報装置が貸与される高齢者見守りサービス事業がありますが、現在、どのくらいの人が利用され、緊急通報装置が活用されているのか、事業費等もお聞かせください。 さて、厚生労働省の発表によると、ことし3月時点で生活保護を受けた世帯数は約164万世帯で過去最多、そのうち65歳以上の高齢者世帯は約83万世帯で、全体の約51%を占め、高齢者の貧困が進んでいることが浮き彫りになっています。本市でも、65歳以上のひとり暮らし高齢者や、高齢世帯の低所得者も対象に、孤独感の解消や安否確認、緊急時の連絡等の利用のため、高齢者見守りサービス事業の対象年齢を65歳からに引き下げるよう検討してはいかがでしょうか、お伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○野本正人副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 27番角野議員にお答えいたします。 まず、犀川大橋周辺のことについてですけれども、現在、片町、香林坊間では、地元のまちづくり協議会と整備手法やにぎわいの創出について意見交換を重ねているところであります。片町きららに続きますさらなる再整備を目指し、事業化を促しているところであります。また、この犀川大橋周辺は、川筋景観の形成にも意を用いているところでもありますし、また、地元まちづくり協議会と連携したにぎわいの創出をこの大橋付近でできないかということを地域の皆さんと検討を重ねているところでもあります。地域全体のさらなる回遊性の向上につなげてまいります。 まち歩きツアーのことについてもお尋ねになりました。現在、本市では、着つけや呈茶が受けられます金沢なんでも体験プログラムでの情報発信、産地組合が主催しますきもの着装会、きものでランチ等を通じ、金沢の伝統文化を観光客が体験する取り組みを進めており、引き続き、民間事業者と連携し、金沢の魅力ある伝統文化に触れ合う機会を創出してまいります。また、まち歩きツアーの一つとして、今年度、片町からにし茶屋街、寺町寺院群を結びます静音の小径につきまして、スマートフォン等を活用し、手軽にまち歩きできますように、地図のデジタル化と英語、中国語での多言語化に取り組む予定であります。加えて、これは市民が主体ですけれども、市民企画型観光モデルツアーを開発してきたところであり、ホームページ等で情報を発信してまいります。 寺町台寺院群のことですけれども、これまでも、金沢古地図めぐりや寺町台めぐり等のパンフレットを作成し、魅力ある地を回遊する観光情報の発信に努めてきました。また、地元のまちづくり協議会や寺院関係者によります寺院群をめぐる催しや朝市、セミナーなどを行う寺活などの活動が行われているところでもあります。また、ここに来て、この9月には寺町サミットの金沢開催を予定しておりまして、増加する国内外の観光客への対応も踏まえ、地図やガイドブックの多言語化など、地域と連携を図りながらしっかりと情報発信に取り組んでまいります。 建築文化拠点施設のことについて何点かお尋ねがございました。寺町台で予定しているところであります。基本設計では、敷地の自然や歴史とのかかわりを強調し、金沢固有の環境にふさわしい現代建築を目指したものとしています。室内空間は、犀川に向けた眺望と一体となった和風空間とするとともに、谷口吉郎先生が設計をいたしました代表的な建築作品の一部を復元、展示するタイプの博物館とも言えるようなものと位置づけています。敷地内では、市民が自由に通り抜けられる通路を設け、寺町と清川町とを結ぶ新しい歩行者のネットワークを形成し、桜橋詰、寺町台かいわいの回遊性の向上を図っていきたいというふうに考えています。 設計者であります谷口吉生先生が手がけました文化施設との交流、連携も図っていきたいというふうに思っていますし、寺町台の重伝建の入り口にも当たるところでもあります。金沢市のまちづくり、建築文化を考える拠点としていきたいと考えています。 松尾芭蕉のことについて何点かお尋ねがございました。御指摘ありましたように、金沢には、芭蕉ゆかりの場所や句碑、書画等が数多く残っています。今年度、パンフレットを作成したいと考えていまして、芭蕉が金沢で過ごした10日間の足跡をたどりながら、金沢を散策できるようにしたいと考えています。御提案いただきました案内板の設置につきましては、今のところは予定しておりませんが、パンフレットが完成した際には、金沢市観光協会のホームページにあります観光デジタルパンフレットへも掲載し、広く内外に発信をしていきたいと考えています。 文学のまち金沢も新たな魅力になるんではないかということです。私も同感であります。芭蕉については、日本国内だけではなく、アメリカやヨーロッパの小学校でも日本の俳句を学んでいるところがあるというふうにも聞いています。また、金沢の三文豪もいらっしゃいます。泉鏡花文学賞の受賞作家の皆さんも、金沢に思いを寄せていただいているところであります。今年度ですけれども、この泉鏡花文学賞の受賞作家や選考委員の先生方にエッセーを執筆していただき、金沢市の公式サイトに掲載する予定でありまして、今後とも、金沢とゆかりのある文人たちが感じた金沢の文学的な魅力をさまざまな機会を捉まえて国内外に発信していきます。 防災のことについて何点かお尋ねがございました。森本・富樫断層帯につきましては、県が既に行った詳細な調査をもとに、本市が地域防災計画を策定しているところであります。この活断層によって震度6以上の地震が起きることも想定し、出前講座の開催、防災訓練の実施等を通じ、市民への周知や自主防災組織の育成を図るとともに、防災対策の構築や防災拠点施設の整備など、地域防災計画の着実な実践に努めているところであります。 木造住宅耐震化に向けてですけれども、本市の、この補助制度は全国の中でも最も充実している制度の一つだというふうに思っています。それに加えまして、本年度から1階部分のみの補強についても補助対象とするなど、さらなる支援の拡充を図ったところであります。今回の補正予算に耐震アドバイザー派遣費の増額も計上しているところであり、引き続き、支援制度の周知に努め、耐震化率の向上につなげてまいります。 病院の耐震のことについてお尋ねがございました。病院が果たす役割は大変大きいと思っています。既に入院している患者さんはもちろんのこと、被災者に対しましても継続して適切な医療を提供することが私は病院には求められてくると思っています。地域防災計画では、避難所に開設する救護所での対応が難しい被災者を、病床20床以上で手術室を有する市内44カ所の救護病院へ搬送することとしています。今後は、熊本地震での医療関係者の情報もいただきながら、国の動向も注視し、それぞれの病院が主体となって、耐震対策、患者の視点での防災対策の充実に取り組めるよう支援を行ってまいります。 近くの方で助け合うという近助のことについてお尋ねがございました。私も、大変大切な視点であるというふうに思っています。防災出前講座は、年間100回を超える要望があります。特に最近は、町会や地域団体といった単位での申し込みがふえているところでもあります。避難生活を想定した炊き出しや間仕切りの設置、簡易トイレの製作などの訓練にも、地域ぐるみで取り組んでいただいているところであります。今年度、災害時要支援者名簿を活用した避難訓練について、幾つかの町会から相談をいただいているところでもあり、今後とも、より地域に密着した訓練となるよう努めてまいります。 外国の方への情報提供ですけれども、これまでも英語、中国語、韓国語、ポルトガル語の4カ国語に対する避難所多言語対応冊子を作成し、活用することとしています。できる限り、外国語に堪能な方にボランティアとして力をかしていただきたいというふうに思います。そういう方に避難所に行っていただいて、外国人の方の不安解消に努めるほか、専門の相談窓口を開設するなど、各種情報を多言語で提供していきたいと考えています。 地域防災計画の見直しのことについてですけれども、今回、熊本地震では二度にわたる震度7の揺れ、さらには1,000回を超える余震の発生により、建物等の倒壊や自動車を利用した避難生活者の増加など、これまでと違う状況が見られたことから、国では防災基本計画の見直しを検討しているとお聞きしています。本市といたしましても、引き続き、被災地の情報収集に努め、他自治体の例も参考にしながら、地域防災計画の見直しについて検討を重ねてまいります。 食品ロス削減のことについて何点かお尋ねがございました。本市では、これまでも、婦人会や市民団体等と連携をし、環境負荷の少ない買い物を推奨するグリーンコンシューマーの育成に取り組んできたところであり、本年度は新たに、食材を無駄なく調理するエコクッキング講座を商店街と連携して開催することとしています。加えて、食品メーカーや小売店などの品ぞろえや在庫確保等に伴う食品ロスにつきましても、ことし1月に国が発表した廃棄物処理法に基づく基本方針に係る国の今後の施策に呼応し、適切に対応してまいります。 フードバンク事業のことについてですけれども、現在、生活困窮者に対しまして金沢市社会福祉協議会が一時的な食料の提供を行っており、また、必要な場合には、生活保護制度で対応しているところであります。フードバンク事業は、食品ロスの削減という側面もありますけれども、災害発生時における避難生活者への支援、さらには今ほど申し上げましたような生活困窮者への支援という観点もありますので、その必要性は私も十分認識しているところであります。今後、研究させていただきたいと考えています。 B型肝炎ワクチンの、定期接種化についてお尋ねがございました。現在、定期接種ではないB型肝炎ワクチンの接種率は、市として把握はできていませんが、接種することが望ましいものと考えています。御提案がありました市独自の助成につきましては、今後、現行の任意予防接種助成制度に加えることができないかなど、検討を重ねてまいります。 高齢者見守りサービス事業のことについてですけれども、昨年10月の新システム導入を機に、当時の利用状況等を踏まえ、より持続可能な制度とするために、対象年齢を65歳から75歳に引き上げたものであり、現時点での対象年齢の引き下げは考えてはいません。 私のほうからは以上です。 ○野本正人副議長 野口都市整備局長。 ◎野口広好都市整備局長 木造住宅の耐震化率と住宅耐震の相談件数についてお尋ねがございました。平成27年度末において、市内の全木造住宅は約11万1,000戸と推計されていますが、そのうち約3万戸が未耐震であり、耐震化率は約73%であります。耐震に関する相談件数は、平成26年度が158件、平成27年度が235件で、本年度は4月が64件、5月が104件の計168件となっており、この2カ月間で前年度の7割を超える件数の相談がございました。 以上でございます。 ○野本正人副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 学校給食や食育、環境教育などを通しての食品ロス削減の対策についてお尋ねがございました。健康教育推進プランには、食育の充実を掲げておりまして、各学校では、家庭科を初めとした各教科や特別活動、発達段階に応じた給食指導などを通して、食べ物を大切にすることや好き嫌いなく食べることなどについて指導しております。また、学校給食におきましては、食べ残しの分析やその改善策の検討を行いながら、給食を残さないような献立の工夫を続けております。 以上でございます。 ○野本正人副議長 越田保健局長。 ◎越田理恵保健局長 本年10月のB型肝炎ワクチンの定期接種の開始時にちょうど対象となる4月から8月に出生するお子さんの数と、それらのお子さんが一斉に接種をされた場合、ワクチンの確保や接種体制の対応ができるかとの御質問にお答えいたします。本市において、4月から8月までに約1,600人の出生が見込まれております。10月の定期接種開始に向けての国のワクチン供給量の見込みに基づきますと、本市としては必要なワクチンは確保できると考えております。金沢市医師会等とも連携いたしまして、円滑な接種が実施できるよう、万全な接種体制を構築してまいります。 生後1歳までに3回目の接種を完了しない場合、1歳を超えても接種対象とするのかとの御質問でございますが、3回目の接種が1歳を超えた場合、予防接種法に定めた定期接種の対象とはなりません。接種完了までには、初回から約半年の期間が必要であり、御指摘のとおり、1歳までに3回の接種を終えることができないケースも想定されますことから、全国市長会を通じまして、国に救済措置の要望をしてまいりたいと考えております。対象者には、接種券発送の際に注意喚起の御案内を行うほか、新聞広報を初め、3カ月健診の会場や医療機関での情報提供など、早目の接種を呼びかけ、期間内に接種を完了するよう啓発に努めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○野本正人副議長 太田福祉局長。 ◎太田敏明福祉局長 緊急通報装置の活用状況についてのお尋ねがございました。緊急通報装置は、昨年10月より新たなシステムでの運用を開始しておりまして、4月末現在で463台を設置しております。また、昨年10月からこの4月までの活用状況でございますが、緊急コールによります救急車の出動要請が12件、健康相談が44件、その他の生活相談が146件でございました。また、月1回のセンターからの定期コールによる見守りも行っているところでございます。なお、事業費につきましては、緊急通報装置の設置費、また、コールセンターの運営委託費などで、510万円の予算計上をしているところでございます。 以上です。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    △休憩 ○野本正人副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後0時5分 休憩--------------------------     午後1時3分 再開 △再開 ○野本正人副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○野本正人副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 6番熊野盛夫議員。     〔6番熊野盛夫議員登壇〕(拍手) ◆熊野盛夫議員 こんにちは。会派創生かなざわの熊野盛夫でございます。よろしくお願いいたします。 まず、金沢市が地方創生において何を優先課題にしているのかを市長にお尋ねいたします。 地方創生は、国のまち・ひと・しごと創生本部が、人々が安心して生活を営み、子どもを産み育てられる社会環境をつくり出すことによって、活力にあふれた地方の創生を目指して掲げられた大きな目標です。そして、地方において仕事が人を呼び、人が仕事を呼ぶ好循環を確立することによって、向こう5年間で、人口の東京一極集中の是正、さらに国全体の深刻な人口減少の解消を目指しております。この向こう5年間というのが一つのみそです。先月、5月10日に開かれた第5回まち・ひと・しごと創生担当大臣と地方六団体の意見交換会において、石破担当大臣から、地方創生が失敗すると、この国がなくなる、強い使命感、責任感を持って取り組む、中央政府と地方政府の共同責任、共同作業であり、取り組みを加速していきたいという発言がございました。国の存続をかけて、地方創生の失敗は許されないという断固とした決意です。また、2月9日に開催された全国市議会議長会の評議員会において、同じく石破担当大臣は、残った時間は少ないので、全国の市におかれては、それぞれの地域のお知恵とお力で、我が市が日本を引っ張る、そういう思いで地方創生を進めていただきたいと述べられております。ここでは、残った時間は少ないという国の認識をしっかり押さえねばなりません。内閣府の調査では、都市部に住む全体の約4割が地方移住してもよいと考え、その中で20代から40代の地方移住の条件として挙げられたものは、教育、医療、福祉などの利便性の高さが最も高くて51%、次いで居住に必要な家屋や土地が安いことが48.9%、生活の場や文化イベントの充実が42.6%、移住に必要な情報提供など自治体の支援があることが35.3%、今より魅力的な職場があることが26.8%、道路などの社会基盤の整備が25.3%となっています。よく、まず仕事がないと移住はないと聞きますが、仕事も当然必要ですが、移住を前向きに考える人が真っ先に教育、医療、福祉の利便性を挙げておられる点は、十分に注目すべきだと思います。それは逆に、都市部における教育、医療、福祉の体制の中でも、「保育園落ちた日本死ね」のブログではありませんが、いろいろなものが込み入った都市部の現状から考えて、子育て、教育環境が非常に厳しい状況で、向上する余地は余りないと考えている人が多いあらわれではないかと思います。また、都市部において、公立の学校より私立の学校へ進学させたいと考える保護者が多いことも、公の教育環境に対する評価の低さのあらわれではないかと思われます。つまり、そういった子育てしにくい都市部から子育てしやすい地方への人口移動をいかに図るか、子育てしやすい地方の環境づくりこそが地方創生においては最重要で、喫緊の課題ではないかと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。 移住希望者に対するインターネットサイト--全国移住ナビにおいて、金沢市は、金澤ふうライフのユーチューブ映像でプロモーションを図っております。その中で、子育てしやすいまちと称し、保育待機児童数ゼロ、84の放課後児童クラブ、通院・入院医療費助成中学3年生までの3点をPRしています。この3つを掘り下げてみますと、まず保育待機児童ゼロについては、第1希望から順に希望を尋ねられ、住まいあるいは職場から離れた保育園、幼稚園、認定こども園に、第1あるいは第2希望ではないが何とか通っているという話も聞きます。第2の84の放課後児童クラブは、共働き家庭に安心感を与える内容です。通院・入院医療費助成中学3年生まで、こちらも重要な施策ではあります。しかし、肝心の小中学校の教育環境は一切触れられておりません。この義務教育環境の充実をPRすることが大切ではないかと思われます。しかし、現実的に金沢市内の教育環境はどうでしょうか。中心部の学校は、統廃合の流れ、逆に郊外部においては、あふれんばかりの児童数、生徒数になっています。今年度、入学者数が最も多かった田上小学校では、教室から非常口に向かう廊下に多くの教材が置かれていました。地域の防災拠点にも指定されている学校の非常口経路が確保されていないことは大きな問題です。また、給食の配膳室に入り切らない給食が配膳室前の廊下に並べられていました。衛生管理の観点からも問題があります。保健室のベッドは2つしかなく、ベッドが埋まった状態で3人目の児童が体調不良を訴えた際は、校長室のソファを向かい合わせに2つ並べて臨時ベッドとして、校長室は間仕切りによって半分が臨時保健室になっている状況です。職員室の机の配置もかなりタイトで、息を吸った状態でしか通れないくらいの間隔でした。教職員の労働環境としては適正を欠いていると思われます。体育館や教員の駐車スペースなども含めて、果たしてこれで健全な教育環境が確保されているのでしょうか。いち早く改善が望まれてしかるべきと思われますが、市長、教育長のお考えをお伺いいたします。 次に、大徳地区の大徳小学校、木曳野小学校、昨年度に完成したばかりのお隣の戸板小学校はどのような状況でしょうか。大徳小では、1年生と4年生がそれぞれにあと1人ずつふえれば、もう1教室ずつふやさねばならず、空き教室もそれでいっぱいになります。また、木曳野小学校には、本来、大徳小学校の通学区の児童が80人通学しています。このような状況からも、一刻も早い改善が求められています。幸い、市議会において大徳地区の第3の小学校の建設の御答弁をいただいておりますが、進捗状況はいかがなものでしょうか。 現在も新築住宅が何軒も建設されている校下の状況を見るにつけ、来年度はどのような状態になるのか危惧されます。戸板小学校では、来年度入学見込み予定の児童数で既に満杯になると、校長先生も話されていました。この4月より通学区域審議会で学校規模の適正化に向けた議論を開始されたとのことですが、どのような内容で、どのような検討がなされているのでしょうか。 恐らく、全国の金沢市のような中核市では、同じように市内中心部の過疎化、ドーナツ化、郊外への居住化が進み、学校規模の適正化問題を抱えていると思われます。しかし、現在、地方創生の予算項目には、残念ながら、過疎地域の合併を前提とした学校規模適正化の予算はあっても、市街地の学校規模適正化に関する予算はありません。つまり、各自治体がそれぞれに学校規模の適正化を早急に進めなければならないのです。金沢市が義務教育の根幹に係る学校規模の適正化に積極的に予算づけし、子どもが最も多くの時間を過ごす学校の教育現場の環境整備に取り組み、子育て世代の共感を得られれば、それが地方の礎となる将来の人材育成、そして地方創生の道になっていくと思われます。昨年度の中核市サミットの前橋宣言の中で「中核市は、地方創生の中核をなす施策である『子育て支援』をこれまでの福祉施策を中心とした枠組を基盤としながら、それを転換、拡大させ、総合施策としての『地方創生に向けた子育て支援』という新しい枠組を生み出す必要性と可能性を認識した上で、雇用、住宅、教育、まちづくりなど多様な施策により、総合的な子育て支援を推進します。」とうたわれております。現在、金沢市では、第二庁舎の建設の実施設計段階にありますが、中核市サミットの宣言からも、学校規模適正化こそ地方創生のかなめになり、その実現に向けた施策こそ最も早急に取り組むべき課題だと思われますが、市長のお考えをお聞きします。 しかし、現在、子どもが多いからといって、10年、20年とその規模が維持されるかといえば、これは別の問題です。現在、少子化が進んでいる市内中心部も、かつては多くの子どもたちでにぎわっていたと聞きます。では、単純に学校規模適正化だけに目を向けるべきかといえば、それに加え、それらの学校施設、あるいは別の市の公共施設の柔軟な使用についての条例を定めてはいかがかと思います。現在、金沢市立の小中学校の施設の開放に関する規則が定められています。実際、広く市民の学校利用につながっている重要な規則です。しかし、あくまでも学校は学校です。高齢者がふえれば高齢者福祉施設、子どもがふえれば学校といったように、市の公共施設の柔軟な利用方法が、財政上の節約の観点から、また、地域住民のニーズの観点からも求められると思われますが、市長のお考えをお伺いいたします。 次に、公民館の役割と公民館主事の委嘱形態に関する質問です。 少子超高齢社会において、社会教育の推進と地域コミュニティーの核としての役割を果たす公民館の重要性について、昨今、多くの地域の住民の認識は高まっております。昨年12月に開催された金沢市生涯学習フォーラムでも、文部科学省生涯学習政策局の谷合社会教育課長が、高齢化、人口減少、そして厳しい財政状況の中で、その重要性の高まりと、単なる学習にとどまらず、地域の課題解決につながる学びの提案をされました。時代の流れと現実をしっかり踏まえた的確な提言であったと、お話を拝聴いたしました。さて、先般、新聞等で、市内の公民館が活動実績のない架空の団体名義で市から祭りの開催の補助金を受け取り、元町会長ら住民66名が署名を集め、不明瞭な会計を明らかにするために、公民館に会計帳簿の開示を求めたとの報道がありました。地域コミュニティーの核として機能しなければならない公民館が地域住民から疑念を抱かれる状況になってしまったことは、非常に憂慮すべき事態です。地域課題を解決すべき公民館が地域課題をつくってしまったという状況は、さきの文科省の谷合課長のお話に逆行しています。事態は、まだ経過段階で、この問題について結論を出すことはできませんが、公民館活動の経費や公民館で中心的役割を担って働く主事の給与は、その4分の3が金沢市の税金で賄われている現状を鑑みると、市として何らかの措置を講ずるべきと思いますが、いかがでしょうか。 住民が公民館に求めている情報開示についても、あわせて見解をお伺いいたします。 また、金沢市に対して行った関係書類の開示の対応についても不満を抱いていると仄聞いたしますが、どのようにお考えでしょうか。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 次に、家庭ごみ有料化の各地区の説明会と市民の理解度についてお尋ねいたします。 市長みずからが会場に赴き説明される、市内9ブロックのごみ有料化についての説明会が開催されました。その中で、私も元町福祉健康センターでの説明会に参加させていただきました。そのとき、まず感じたことは、ごみ有料化のみに絞った説明会ではなく、平成28年度の予算概要とあわせた説明会であったために、時間的に余裕がなく、説明が足早になり、スクリーンに映し出される資料もあっという間に変わり、参加された町会長さんらもうなずく暇もない勢いで、確かに情報量としては非常に多く丁寧な説明かもしれませんが、内容をわかりやすく伝えることよりも、やっているぞという熱を伝えるための説明会のような気がいたしました。今後、校下説明会、町会説明会と、いわゆる丁寧な説明を計画されておられますが、その際、さらにゆっくりとしたペースで話す、わかりやすい丁寧な説明をすべきではないかと思いますが、当局のお考えをお聞かせください。 そして、全ての説明を終えてから、参加者から、市民が納得したかどうかどうやってはかるのか、住民投票でもすればよいのではないかという御意見が出ました。市長は、住民投票はしないと即座にお答えになられました。質問された方は、それならこの説明会は何のために開いているのか、説明会を開いたという既成事実だけをつくるためか、どうせ有料化するのなら、こんな会しなくてもいいのではないかという厳しい御指摘をされました。市民の理解が伴わない施策は、先行き不安を抱えます。まして、ごみ回収の基本は、何よりも市民と行政の信頼関係です。市民の理解度をどうやって判断するかについて、市長のお考えをお聞かせください。 最後に、先般、金沢市が世界的に権威のある飲食店ガイドとして有名なフランスのミシュランガイドに対し、英語版ウエブサイト制作に当たって拠出した900万円の負担金についての質問です。 富山県も1,070万円、富山市も972万円、金沢市と同じように予算化したことは、新聞等でも報道されました。しかし、石川県は、飲食店の格付を支援することを理由に断っています。それぞれの自治体によって対応が異なるのは当然ですが、市民の間には、県が断っているのに、なぜ金沢市は拠出したのかという声も上がっています。当局の意図するところ、お考えをお聞かせください。 また、先般、日本では認知度が低いものの、ミシュラン同様、フランスの飲食店ガイドとして権威のあるゴ・エ・ミヨーが北陸を扱ったガイド本を出版いたしました。これは、新幹線開業とともに全国的にまた世界的に、北陸がまた新幹線利用者数から特に金沢が食のスポットとして注目を集め出したあかしであり、石川県の支援金拒否ではありませんが、金沢市も負担金を拠出しなくても、ミシュランのほうで英語版ウエブサイトを制作せざるを得なかったのではないかと思われますが、いかがでしょうか。お考えをお尋ねいたします。 最後に、世界の交流拠点都市を標榜するがゆえに、金沢市に対し、今後、次々と世界中のガイド等が支援金を求めてくることも考えられますが、対応についてお聞かせください。 以上で質問を終わります。御清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○野本正人副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 6番熊野議員にお答えをいたします。 まず、地方創生と小中学校の規模適正化についてです。地方創生については、去年の10月に金沢版総合戦略を掲げさせていただきました。4つの基本目標は、もう熊野議員も御存じかと思います。その中でも、子育て支援をこの基本目標の第1に金沢市は掲げているところでありまして、子育てを包括支援する金沢版ネウボラの仕組みを構築し、妊娠から出産、育児までの切れ目のない支援を行うとともに、金沢らしい子育てサポートを推進するなど、子育てしやすい環境に取り組んでいるところであります。熊野議員おっしゃったように、私は、子育て環境が充実しているということにより一層力を入れると同時に、発信をしていくことが大切なんだというふうに思っています。 田上小学校のことについてお尋ねがございました。田上小学校の児童数がふえてきているということは認識していますし、先般、増築も行ったところであります。ただ、現在、通学区域審議会におきまして、大規模校の解消も大切な視点の一つとして、学校規模の適正化に向けた議論を進めているところでありまして、それを踏まえ、教育環境の改善、充実に向けて適切に対応してまいります。 健全な社会を築くための礎である教育への投資は、私も熊野議員同様、大変大切だというふうに思っています。本年度当初予算におきましても、統合により開校した泉小学校の建設事業費を盛り込むなど、前年度比で6.5%増の教育費を計上したところでありますし、先ほど金沢版総合戦略の1番に子育て支援を挙げたというふうに申し上げましたとおり、引き続き力を込めて取り組んでいきたいというふうに思っています。 一方で、第二庁舎のこともお触れでございました。第二庁舎の建設は、地方自治体が行政を行うための基盤となるもので、その整備も自治体にとって最も基本的かつ重要な仕事であることを御理解願います。 学校施設を他に利用しやすいようにあらかじめ条例をという御提案をいただきました。公共施設というものは、当然のことではありますけれども、特定の行政目的を達成するために、設置条例を設けた上で、市民の利用に供するものであります。条例では、目的や用途、管理方法等を明確化しなければならないこと、さらには所期の目的を達成した施設を他の目的で利用する場合には、その都度、条例を改正、または制定する必要があります。したがって、仰せのような条例をあらかじめ制定することができないということを御承知おきいただければと思います。ただ、本市におきまして、これまでも個々の事例に鑑みながら、デイサービスであったり、放課後児童クラブであったり、保育所であったり、柔軟に取り組んでいるところでもありまして、一つ一つの課題について、その都度その都度、丁寧に地域の皆さんと話し合いをしながら進めていければというふうに思っています。なお、本市では、現在、まちなかの教育施設の再編整備等を進めているところでありまして、引き続き、公共施設の有効かつ効率的な活用に努めてまいります。 公民館のことについてお尋ねがございました。仰せの事案に係る補助金は、市として規則にのっとり適正に支出したものであります。また、事業は、あくまでも地域の団体が共同で行ったものであり、市として公民館を指導することは考えてはいません。 ごみの有料化の説明会のことについてお尋ねがございました。もともとは、既に去年のうちから、私は、町会連合会の皆さんに、新年度予算の説明会を一度やらせてほしいというふうにお願いをしておりました。2月に、ごみの有料化の審議会から答申をいただきまして、その中で、地域の皆さんにより丁寧な説明が必要だという答申をいただきました。私は、その審議会の答申というものは大変重く受けとめているところであります。ただ、具体的な数字等々はまだ議会に上程もしていない段階でもありましたので、3月定例月議会のときに、私は、この場で議会の皆さんに、まちづくりミーティングで説明させてほしいというふうにお願いをさせていただきました。議会に上程をしていない数字の入った施策を地域の皆さんに説明するということは、これは私は異例なことだと思いますので、あえて3月定例月議会で、皆さんにお願いをさせていただいた上で、説明会をやらさせていただいたということもありますので、平成28年度の予算説明は大幅に時間を短くいたしました。ごみの有料化の説明を私なりに丁寧にさせていただきましたし、一つ一つのパワーポイントは相当長い時間、丁寧に説明しました。1つだけ、はしょったところがあります。そこは、全国の事例と石川県内の事例のところです。全国では既に60%以上が有料化を行っており、石川県内では既に79%の自治体が有料化を行っているところであります。これは、事務方としては大切な資料で、私も大切な資料とは思ってはいますけれども、国全体がそうだから、他の自治体がそうだから、金沢市もやるんだという説明を私はしたくないという思いもありましたので、そこだけは、熊野議員がおっしゃったように、丁寧に説明することはしませんでした。国の例、石川県内の例であることだけを言って、はしょって説明しました。それ以外は、一つ一つ相当時間をかけて、パワーポイントの資料の前に行って私が指さしをしながら丁寧に丁寧に説明しましたし、質疑応答で答えるときにも、そのページに戻って、そのページを私が指さしをしながら丁寧に説明をさせていただいたつもりでいますし、引き続き、これから町会連合会であったり、町会であったり、大学であったり、業者に対する説明も、同じように丁寧に説明を重ねていくことが必要だというふうに思っています。 タイミングはどうやってはかっていくのかということでありました。今ほど申し上げましたように、担当部署のほうで鋭意説明会を重ねているところでありますし、引き続き、それを続けているところであります。最大限の努力をしていきたいというふうに思っています。最終的には、私がしかるべきタイミングで適切に判断し、議会の皆さんに条例と予算を上程させていただいて、市民の負託を受けた議会の皆さん各位にお諮りをしたいというふうに考えています。 ミシュランガイド英語版ウエブサイトの件についてお尋ねがございました。先日発行されましたミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版は、ミシュランが独自に取材し発行したもので、ガイド本と日本語版ウエブサイトがいずれも有料で構成をされているところであります。本市が費用負担を予定している英語版のウエブサイトにつきましては、地元自治体がその費用を負担することが条件で制作されるところでもあります。こちらは、誰もが無料で見ることができるものであり、自治体の費用負担がない場合は制作がされないものだというふうにお聞きをしております。私は、ミシュランのこのブランド力、影響力というのは極めて大きいというふうに思っています。この議場でも何度か申し上げておりますけれども、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにおいて3つ星で紹介された都市で連携をしている3つ星街道のことは、熊野議員も御存じかと思いますけれども、たくさんの海外の方に御利用をいただいているところでもありますし、改めて、このミシュランの海外の方々たちにおけるブランド力の強さというものを実感をしているところでありまして、私は大いに期待ができるという思いの中からとらさせていただいたところであります。 負担金を拠出しなくても、金沢はブランドがあるから、制作せざるを得なかったのではないかということですけれども、私はそういうおごった考え方はいつかは頓挫してしまうので、謙虚でいなければいけないというふうに思っています。せざるを得ないんではなくて、私どものほうからその魅力を伝えることによって、取り上げていただけるように努力をしていかなければいけないと思っています。 他のガイドブックのお話がありました。一つ一つ調査をしながら、我々の中で議論もしながら、その都度その都度、費用と誘客促進の効果をはかりながら、判断してまいります。 私のほうからは以上です。 ○野本正人副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 田上小学校、また、新設を予定している大徳地区の小学校、そして戸板小学校のことについてお尋ねがございました。田上地区、大徳地区、戸板地区は、いずれも周辺の土地区画整理事業の進捗によって、今後もしばらくは児童数が増加をしていくものと予測しております。現在、通学区域審議会におきまして、大規模校の解消の観点も含めて、学校規模の適正化に向けた議論を行っているところでありまして、その議論を踏まえて、学校の新増設や通学区域の見直しなど、具体的な対応策を検討していきたいと考えております。 また、通学区域審議会で、どのような内容で、どのような検討がなされているのかとのお尋ねでございました。前回の学校規模適正化に関する懇話会の提言から5年が経過し、この間、小学校の統合が進んだこと、平成27年3月に中学校通学区域再編計画を作成いたしましたことから、新たな学校規模の適正化に向けた方針につきまして、現在、通学区域審議会によって議論を行っているところでございます。方針の策定に当たりましては、小学校の統合のほか、大規模校の解消や中学校の規模適正化といった観点から、今後の児童・生徒数の予測を踏まえた検討を行うことといたしておりまして、年内をめどに取りまとめてまいりたいと考えております。 次に、公民館主事のことにつきましてお尋ねがございました。-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 以上でございます。     〔「議長、6番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○野本正人副議長 6番熊野盛夫議員。 ◆熊野盛夫議員 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ○野本正人副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------     〔「議長、29番、関連」と呼ぶ者あり〕 ○野本正人副議長 29番玉野道議員。 ◆玉野道議員 教育長に2点お伺いをします。 小学校のことです。過大規模校で、プレハブでもいいから早急に対応をしてほしいという小学校が幾つかございます。そういう緊急の対応策について、現場の声をどのように受けとめて対策を早急に練るか。来年度までは待てないという声もあります。 もう1点は、総合教育会議の中で、教育現場が抱えているそういう課題を総合教育会議の場でどう問題提起していくかという、仕組みのあり方について、教育長はどのようにお考えなのですか。この2点についてお伺いをいたします。 ○野本正人副議長 野口教育長。 ◎野口弘教育長 まず、プレハブ等についてのお話がございましたけれども、教育委員会も各学校を訪問しております。そうした中で、学校長ともいろいろな話をさせていただいておりますけれども、その中で必要に応じて、そのことに対して本当に必要であれば対応しないといけないと思っておりますけれども、今、私どもが校長と話している中では、ここ数年は何とか対応できるんではないかなと捉えております。しかし、あくまでもそれは今の段階でありまして、今後、子どもの数がどう推移するかについて、それを踏まえながら対応していきたいと思っております。 また、総合教育会議の中における議論の内容についてだと思っておりますけれども、それにつきましては、それぞれの学校の校長や、また、いろんな有識者等の話を聞きながら、そこにおいて議論すべき内容を踏まえて、これから議論をしていきたいと思っております。 以上でございます。 ○野本正人副議長 7番大桑初枝議員。     〔7番大桑初枝議員登壇〕(拍手) ◆大桑初枝議員 このたび発言の機会を得ましたので、日本共産党市議団の一員として、以下数点にわたり質問させていただきます。 まず初めに、金沢駅西広場隣接地へのホテル誘致についてお尋ねいたします。 市長は、提案説明の中でも、インターナショナルブランドホテルを駅西に誘致する計画を明言いたしました。この計画は、金沢市が保有する金沢駅西広場に隣接した土地で7,423.74平方メートルを1平方メートル当たり30万5,000円で売り出すとのことです。金沢駅周辺の路線価格は上昇しており、平成28年度に公表されたものを調べると、駅から320メートル離れた広岡1丁目112番の商業地域は1平方メートル当たり44万5,000円の価格がついています。路線価格に比べて余りにも安い価格と言わざるを得ません。どのような基準で1平方メートル当たり30万5,000円という価格を算出されたのか伺いたいと思います。 そして、市民の財産である土地を路線価格よりも安く売り出すことについて、市民の理解を得られると思っていらっしゃるのでしょうか、お聞きいたします。 また、譲渡対象面積は7,423.74平方メートルですが、最低譲渡面積は4,000平方メートルとなっています。最低譲渡面積で契約が成立した場合、活用されるのは約53.9%にすぎません。応募者が敷地の一部のみを希望した場合には、それ以外の敷地には本市が立体駐車場を整備するとのことですが、最低譲渡面積で契約が成立すれば、約3,423平方メートルの土地に本市の負担によって駐車場をつくることになります。これは、一部の業者、それも海外資本や県外の大手資本の便宜を図るものではありませんか。観光客がふえても、そのもうけは海外資本や県外の大手資本に吸収されるだけで、金沢の経済の活性化につながりません。さらに言えば、この立体駐車場は誰が使用すると想定されているのか伺いたいと思います。仮にホテル利用客だと考えておられるならば、疑問を持たざるを得ません。ブランドホテル利用者層は、県外や海外から来られる方が大半を占めることになるでしょう。その方々が車でお越しになるとは思えません。むしろ新幹線などを使って利用されることになるでしょう。市民にしてみれば、ホテルに併設された駐車場となれば使い勝手が悪くなりますし、ホテル運営業者が周辺の駐車場よりも高い利用料を設定すれば、ますます市民の利用はなくなるでしょう。市民の財産である金沢駅西広場隣接地に大手資本が建設するホテルのために立体駐車場をつくって、さらに市民から高い料金を取る、これでは市民の理解を得ることができません。市長のお考えをお聞かせください。 金沢を世界の交流拠点都市として、そしてブランド力を高めるとして、本市への富裕層の観光を呼び込むためにホテル建設を積極的に進めるということは、一部の人の利益を優先することにならないでしょうか。市外企業の呼び込み型の拠点開発での観光施策を改め、地元企業へ利益が還元されることを中心に据えた政策への転換を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。市民の財産である市有地を安く提供し、本市が駐車場までつくり、結局、大手資本のもうけづくりを応援するというのがこの事業ではありませんか。これは市の仕事ではありません。市民の憩いの場となるような施策をお願いして、次の質問にいきます。 次に、高齢者の方々が抱えているさまざまな問題点についてお尋ねいたします。 2001年以来7回にわたって年金が削減される一方で、税や社会保障の負担をふやし続けた結果、高齢者世帯の家計収支の赤字額が10年間で1.8倍に増加していることが総務省の調査で明らかになりました。本市においても長年にわたって行ってきた福祉の切り捨て、とりわけ高齢者へのお祝い金などの削減や廃止、医療費助成などの後退、縮小が追い打ちをかけてきたことも大変深刻なことです。消費税増税や食費の高騰、公共料金値上げも大きく影響しています。こういう中で、何とか生活を維持できているのは、地域の支え合いもさることながら、きめ細やかな福祉の施策があったからです。高齢者のささやかな楽しみを切り捨てるような市政であってはなりません。高齢者の方が安心して生活するために抱える問題点は、経済的な面だけではありません。買い物や入浴、趣味や体を動かせる場所に通えるかなどに関しても、多くの不安を抱えておられます。地域のスーパーが消えたという話を耳にします。歩いて行ける範囲にスーパーがあったのに、スーパーの廃業により、今はタクシーで1週間分の食材を買いに行っているという高齢の方、バスを利用しているという方は、バスの本数が少ないため買い物をする時間よりもバスを待っている時間のほうが長くなり、それがおっくうになって、買い物の回数が減ってしまったという声も届いています。中にはスーパーなどが配送サービスを行っていたりしますが、自分の目で見て選びたい、買いたいというのが願いのようです。市内には、有料配送サービスを行っているNPO法人もありますが、私が話を聞いたNPO法人では、車両の老朽化や運転手のなり手不足から、利用する方の期待に沿えないことも多いと嘆いておられました。そこで市長に伺います。買い物に行きたい高齢の方を有償で運送しているNPO法人を本市として助成するお考えはありませんか。 また、近くにスーパーがない地域には、コミュニティバスの運行を検討していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。 入浴についても懸念の声が寄せられています。家に浴槽があっても、掃除ができない、段差があって使いづらい、体を伸ばせないなどの理由から、家のお風呂ではなく公衆浴場を利用したいという声をよく聞きます。また、公衆浴場は憩いの場でもあり、友人や知人と話をするコミュニケーションの場でもあると重宝されています。本市では、ふれあい入浴券がそうした声に応えた事業となっています。そして、利用者の多くが、この事業の存続と拡充を強く願っていらっしゃいます。そこで市長、ふれあい入浴券はこれからも続けるとともに、枚数の拡充や1回の利用料の負担額の見直しなどを図っていくべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いしたいと思います。 あわせて、今、営業されている民間の公衆浴場への支援策は考えておられませんか。燃料の高騰や設備の故障などが原因で廃業される公衆浴場がふえてきています。今現在営業しておられる公衆浴場への積極的な支援も強く求めたいと思います。 趣味や体を動かせる場所の確保についても伺います。御高齢の方々の多くは、筋力維持のためにも、体に無理のない程度の運動をしたいと思っておられます。その意味からも、水中ウオーキングに人気が集まっていると聞きます。しかし、本市にあるプールは、飛び込み用や競泳用につくられている面が強く、水中ウオーキングに適したものとなっているところは少なく、市営プールを市民の誰もが気軽に利用できるものにしてほしいと思います。本市に今ある市営プールを整備し、老朽化した設備に関しては、財政基盤に合った市民の楽しむ場としての再整備を求めたいと思います。さらに、将棋や囲碁、マージャンなどのゲームをしたいという要望もあります。将棋・囲碁サロンなどを利用する際の助成や、校下で行われている地域サロン以外でも、公民館や集会所などを開放して、将棋クラブや囲碁クラブ、マージャン大会などを高齢者の方の生きがい施策の一つとしてさらに積極的に広げていくべきだと考えますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 次の質問は、市営住宅についてです。 私は、これまでも市営住宅の問題を取り上げ、改善をお願いしてまいりました。しかし、市営住宅に関しては、今も発生し続けている問題もありますので、今回も取り上げます。公営住宅法の改正から、市営住宅は所得の低い方を対象とする住宅へと変化し、入居者の収入基準も引き下げられ、ますます公営住宅に入りにくくなっています。そこで、本市では、コミュニティーの再生を維持するなどとして、4月から市営住宅条例で、子育て世帯については収入基準の特例の対象を拡大するなどしています。調べてみましたら、市営住宅のある町会では、45世帯中30世帯までが高齢の単身世帯であり、あとは高齢夫婦世帯で、子どものいる家庭は1世帯でした。また、ある町会では、90世帯が入居可能なところ、75世帯が入居していて、約半数が高齢の方で、残りの半分がひとり親家庭の方です。皆さん働くのに必死です。高齢で夫婦が健在の間は何とか年金で生活ができるのですが、夫が亡くなると、女性1人では生活が成り立たなくなり、さまざまな困難を抱えます。そういう中で、団地の自治会機能が十分果たせないなどの問題も生まれてきています。先日も、町会長さんが嘆いていました。入居者の大半が高齢者かひとり親家庭で、若い人に町会活動に参加してもらいたいが、ひとり親家庭は仕事優先になってしまい、日中、団地にはほとんどいない。そのため、ごみ当番や町会長などは同じ人が持ち回りでやっている状態で、このままだったらごみステーションの管理もできず、ごみであふれたらますます入居する人が減ってくるという懸念の声でした。夏祭りもできるかどうかと頭を抱えておられました。また、一方で、入居者の収入が基準を超えると高い家賃を求められ、さらには明け渡しや退去を強いられます。一定の収入のある中堅の共働きの世帯が出ていかざるを得なくなり、ますます高齢化が進みます。この件で、御主人の収入がここ1~2年残業がふえた分多くなったために基準を上回り、明け渡し、退去命令の通知が来て、どうしたらよいかとの相談がありました。その方は民生委員であり、団地の高齢の方のお世話を積極的にやっていらっしゃる方でした。しかし、退去、明け渡しの通知が来たことで、自分の任務のことや今後の住居の心配もあり、せっぱ詰まった様子でした。一緒に子育てをしてきた友達のいるこの地域で、これからも住み続け年をとりたいという願いを、そして少しでも高齢の方の役に立ちたいという思いを持っていらっしゃいました。このような収入超過で市営住宅の明け渡しの対象となる方の要件と、過去3年間に退去を求めた件数はどれくらいありましたか。また、その際、退去を求めた方にどのような対応をとっているのか、しゃくし定規で一律に決めるのではなく、個々の思いを受けとめた対応をしているのかお伺いいたします。 次に、市営住宅におけるお風呂について伺います。市営住宅の近くにお風呂屋があったのは昔の話で、各住宅にお風呂の設備が必要ではないでしょうか。ところが、本市の市営住宅で、浴槽と給湯器が設置されているのは30%にすぎません。速やかにお風呂の整備を求めますが、この対策はどう取り組まれているのでしょうか。 住まいは人権とも言われます。住民が入れかわるときには、お部屋をきれいにリフォームをいたしますが、長く同じ人が住んでいるところはそのままです。居住者と相談して、保全や改修を計画的に行うことが大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 そして、規模が大きい緑住宅の将来的な配置を見据えた再整備計画を策定する予算もつきました。地元住民の方の意見も組み入れながら計画を立てていってほしいと思います。そして、どんな形で、いつごろ、住民に計画が示されるのでしょうか。計画とはどんな内容のものなのでしょうか。この計画を策定する中に、どのような形で住民の声が入るのでしょうか、お尋ねいたします。 最後に、新しい交通システムの導入について伺います。 新しい交通システムの導入についての検討委員会が立ち上げられ、1回目の委員会が開催されました。市長は、どのような新しい交通システムを想定しておられるのか、改めてお尋ねいたします。 特別委員会においても、公共交通の議論が繰り返され、その中で、バス路線の編成には、既存の路線にこだわることなく、駅、公共施設、病院などを交通結節点とした利用者目線での再編を目指し、市や市民、事業者が一体となって議論を進めるという提言をしています。私は、先月、岐阜市が市民と協働で運営しているコミュニティバスの視察に行ってまいりました。岐阜市は、急速に高齢化が進み、特に郊外に開発された団地での高齢化率が30%になっているところもあります。この現状の中、行政主導のもと、地域、住民、交通事業者が計画づくりから一体となって、市民共同のコミュニティバスを18地区、18路線で運行し、市内の8割をカバーしています。ルートやダイヤの編成には、地域のまちづくり協議会の方々が積極的に参加していました。このコミュニティバスを中心にまちおこしが行われ、幅広い地域住民のふれあいの場にもなっていて、実際、乗車をしてみますと、高齢の方がこんなバスがあるから幸せに生活ができると言われるとおり、200メートルごとにバス停があり、金沢でいうふらっとバスのような市民から愛されるバスになっていました。新しい交通システムの導入に当たっては、市民生活に密着し、市民が移動する手段として、コミュニティバスの充実が何よりも優先されるべきではないでしょうか。特に郊外の交通不便地域においては、銀行や病院をつなぎ、スーパーにも行けるといったような生活圏を走るバスの運行を求める声は大変切実です。既に都市部も含め全国で広がっているコミュニティバスというのは、採算を考えるのではなく、自治体が責任を持ってやる事業となっています。そして、この施策は、移動困難者の解消という狭い意義だけではなくて、福祉、医療、教育、地域の活力の維持など、まちづくりの土台となっています。そういうふうに考えていかなければならないのではないでしょうか。ですので、交通事業者が営利目的でやるのは困難が大きいと思います。本市では、交通不便地域での支援策はありますが、実施する地域がなかなかふえていません。町会への負担、乗車する人への負担を考えると、まだまだ市民からの要望に応えたものになっていないのではないでしょうか。そして、早急に市民第一に考えた交通システムを構築すること、そして住民参加で、市が主体となってコミュニティバスを整備していくことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお伺いし、私からの質問といたします。(拍手) ○野本正人副議長 山野市長。     〔山野之義市長登壇〕 ◎山野之義市長 7番大桑議員にお答えいたします。 駅西広場に予定していますインターナショナルブランドホテルの、売却予定価格のことについてですけれども、売却予定価格は不動産鑑定士さんに入っていただきました不動産鑑定評価に基づきます時価相当額であり、適正な価格であります。 立体駐車場のことについてもお尋ねがございました。本事業の募集要項において、敷地全体を購入し、一体的に活用することを推奨しています。審査基準においても、その趣旨を反映しているため、御指摘には私は当たらないと思っています。応募があった提案につきましては、有識者により構成されます審査委員会で総合的に審査されることになってきます。 この事業は、国際的な知名度と高い評価を得ている高級ブランドホテルを誘致することで、都市のステータスを高めるものであります。そして、そういうホテルはネットワークを持っていらっしゃいます。金沢市全体に対するブランド力を、そのネットワークを活用して発信していただくことによって、さまざまなMICEであったりだとか、そういう富裕層の方も訪れていただきます。そういう方たちは、その地域やその国のリーダーの立場でもありますので、そういう方たちを通して、金沢というまち、金沢という都市を発信していただくということにつながってきます。ハード的な意味だけではなくて、ソフト的な意味を含めたいろんな意味での新たなランドマークとなりますし、にぎわい交流拠点が形成されるというふうに思っています。先ほど申し上げましたように、地元経済全体への波及効果は私は極めて大きいものだと考えています。 高齢者にNPOが行っている買い物支援のことですけれども、御存じかと思いますけれども、既に金沢市は、NPO法人や各事業者の起業であったり、スタートアップに係る初期費用の支援を行っています。また、自立に向けた課題に対応する専門家の派遣等の支援も行っているところであります。現時点におきまして、新たな支援を行うことは考えてはいません。 ふれあい入浴券のことについてお尋ねがございました。ふれあい入浴券につきましては、入浴料金の改定により、平成27年度に利用者負担額を100円から150円に見直したところであります。これは、今ほど申し上げましたように、金沢市が行ったのではなくて、入浴料金の改定に合わせたところでありますので、御理解をいただければと思います。ただ、利用者1人当たりの利用枚数が年々減少しているということや、さらには市民行政評価におきましても、高齢化の進展に伴い、事業費が増加することを踏まえ、交付枚数や自己負担額などを見直す必要があるという、毎年大変厳しい評価を受けているところでもあります。ただ、持続可能な制度としていきたいというふうに思っていまして、そのためにも現時点では、交付枚数をふやしたり、利用者負担額を見直すということは考えてはいません。 公衆浴場については、私も大切だというふうに思っています。お年を召した方だけではなくて、多くの方の地域コミュニティーの場にもなっているというふうに思っています。また、災害時の協定を私どもと結ばさせていただいています。万が一のことがあったときには、さまざまな形でお力添えをいただくことにもなるかというふうに思います。そういう観点もありまして、市内の公衆浴場に対しましては、ボイラーなどの設備やバリアフリーなどの施設改修に要する費用の助成、そのための借入金に対する利子補給を行い、支援をしているところであります。また、浴場組合に対しましても、利用者の増加を目的とした各種イベント等に対する助成を行っているところであり、今後とも、公衆浴場の経営の安定に資するように引き続き支援を重ねてまいります。 市営総合プールのことについてお尋ねがございました。御案内のとおり、建設後57年経過しており、大変老朽化も進んでいます。御存じのとおり、城北市民運動公園内に金沢プールを建設中であり、明年4月に供用開始の予定であります。したがって、先ほど申し上げました57年たち老朽化した既存の市営総合プールの利用につきましては、年度末までに検討をしてまいりたいと考えています。 高齢者のための地域サロン以外の環境が必要ではないかということです。地域サロン以外で高齢者が将棋、囲碁、健康マージャンを行う場としては、老人福祉センターが3カ所、また、千寿閣のほか、公民館に併設している老人福祉センターが2カ所、老人憩の家が16カ所ありますので、ぜひ、より多くの方に御利用をいただきたいと考えています。     〔副議長退席、議長着席〕 市営住宅のことについてお尋ねがございました。お風呂の整備についてですけれども、さまざまな支援を行っているところではありますけれども、生活スタイルの変化にあわせ、残念ながら公衆浴場は減少しているという事実もあるところでもあります。さらには、新たに入居される生活困窮者の負担軽減を図るという観点もありますので、浴室整備は早急に対応すべき課題だといふうに考えています。これまでも、建てかえやさまざまな住宅改善事業にあわせ計画的に浴室整備を進めてきたところであり、本年度は、昨年の3倍となります15戸の浴室改善事業を予定しているところであります。 古くなった住宅の計画的な改修ですけれども、市営住宅に入居されている方の住戸につきましては、不都合が生じた時に、その都度、修繕しており、畳みかえや結露防止などのための換気扇設置など、計画的な改修も行っているところであります。また、これは光が丘住宅ですけれども、内外装をあわせてリフォームする全面的改善事業も実施しているところであります。引き続き、計画的に改善を行うことにより、ストックの有効活用と長寿命化を図り、住環境の改善に努めてまいります。 緑住宅のことですけれども、緑住宅再整備計画は今年度中の策定を予定しています。少子高齢化の進行など、社会情勢の変化を踏まえながら、住宅の配置、供給戸数などの整備概要を取りまとめたいと考えています。既に、地元町会を通じ入居者等の意見を聞いているところであり、可能な限り、計画に反映したいと考えています。明春にも、入居者に計画の内容をお示ししてまいります。 新しい交通システムですけれども、どんなふうに考えているのかということですけれども、私は、単なる移動の手段だけではなくて、まちづくりと一体的なものを考えているところであります。まちの魅力や拠点性を高め、人の交流を促すものになればというふうに考えています。そのためにも、定時性の確保、速達性、景観性にすぐれたものが私は大切ではないかというふうに考えています。当然、連動して、バス路線の再編、パーク・アンド・ライド駐車場、フィーダー交通の確保などと一体的に取り組むことを想定しています。 コミュニティバスのことについてお触れでございました。今ほど申し上げましたように、既に新しい交通システムのことについて議論を始めているところでありまして、その中で考えていきたいというふうに思っています。バス路線網の再編の中で、具体的に検討をさせていただきます。 私のほうからは以上です。 ○福田太郎議長 野口都市整備局長。 ◎野口広好都市整備局長 市営住宅について、高額所得者としての明け渡しの対象となる方の要件と過去3年間に退去を求めた件数、また、退去を求めた方への対応についてお尋ねがございました。公営住宅法の規定に基づき、市営住宅に5年以上入居している方で、月額の所得が2年間にわたり31万3,000円を超える方を高額所得者と認定し、明け渡しを求めております。過去3カ年に明け渡しが必要な旨を通知した件数でございますが、平成26年度3件、平成27年度14件、本年度9件の計26件であります。明け渡しに当たっては、必要に応じて当該年度の収入状況を勘案するなど、個々の世帯の状況に応じた相談とアドバイスを丁寧に行っているところであり、平成26年度及び27年度に通知を行った17件のうち、9件が自主的に退去され、残り8件の方々につきましては引き続き入居できるようになったところであります。 以上でございます。     〔「議長、7番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○福田太郎議長 7番大桑初枝議員。 ◆大桑初枝議員 先ほども答弁ありがとうございます。やはりコミュニティバスについては、各地域から、早く通してほしいという要望が本当にたくさん届けられています。先ほども、まちづくりの中で一緒に考えていくとおっしゃいましたが、この要望の声に対して市長がどのように応えるのか、もう一度お尋ねいたします。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 市民の皆さん方の声は、私は大切なものだというふうに受けとめています。そういう声も踏まえながら、先般立ち上げました学識者や交通事業者や市民の方に入っていただいた検討委員会の中で、そういう意見もお伝えしながら議論させていただければというふうに思っています。 ○福田太郎議長 3番坂本泰広議員。     〔3番坂本泰広議員質問者席へ移動〕(拍手) ◆坂本泰広議員 自由民主党金沢市議員団の一員として、質問の機会をいただきましたので、以下数点にわたり質問をいたします。 まず、質問に先立ち、熊本、大分両県で発生した地震により犠牲となられた多くの方々に心から哀悼の意を表するとともに、現在もなお避難生活を余儀なくされている方々に対しお見舞いを申し上げます。そして、発災直後から昼夜を分かたずの救助・捜索活動、その後の民生支援に当たられた自衛隊、警察、消防を初めとする関係機関の皆様の活動に対し、敬意を表するとともに、国民の一人として感謝を申し上げたいと思います。 それでは、質問に移りたいと思います。 さきの12月定例月議会において、防災、特に地震に伴う火災に関する質問をさせていただきましたが、今定例月議会におきましては、本市の危機管理について幾つかお尋ねをいたします。今回は、災害対処が主になりますが、危機管理ということで、非常に広範な分野における共通的な概念をもとに質問をしていきたいと思います。 さて、安全・安心なくしては何も始まらないことは言うまでもありません。今定例月議会において、多くの議員が異口同音に災害のことについて質問を行うのも、安全な暮らしを願えばこそのことだと思います。平穏な状態があってこそ、あらゆることが築かれていくわけです。国でいえば、まず自国の平和と安全を実現することが第一であり、国家指導体制の違いに関係なく、世界中のほとんどの国々が抑止力を保持し、体制を整えていることからも、このことは明白であると思います。平和を実現するためには、武力を伴わない対話、すなわち外交と、実力を後ろ盾とする抑止力という相反するものが必要です。平和な状態が当たり前のようになってくると忘れてしまいがちですが、この平和な状態は常にこうした努力の上に成り立っているということを忘れてはなりません。当然、それはさまざまな環境の変化に合わせて常に見直して、新しくしていかなければなりません。私は、元自衛隊員であり、現在も予備自衛官として万が一の事態に備えています。理想だけを叫んでも何も実現しないことは、みずからの経験として、ここにいる誰よりもわかっているつもりです。今こうしている間にも、多くの仲間が額に汗して、歯を食いしばって、それぞれの持ち場で頑張っています。そのことに深く感謝し、政治にかかわる一員として、金沢市民の安全・安心を確保し、その上で幸福を追求していきたいと思います。さて、今述べた国の考え方を本市に置きかえて考えてみれば、金沢市民の安全・安心を担保することは、市長の責任であり、最も大きな役目の一つではないかと思います。自然災害は言うに及ばず、人災事故を起因とする災害や各種テロ等、考え得る全ての事態、そして最悪の事態を想定して危機管理を行っていかなければなりません。東日本大震災での教訓を挙げますと、津波対策における防潮堤と水門の備えでは、村民約3,000人の命を守った岩手県の普代村と、185人もの犠牲者を出した宮古市田老地区との違いであり、避難のあり方については、児童、教員の8割以上が犠牲となった宮城県石巻市大川小学校の悲劇と、岩手県釜石市の小中学校生徒が見せたいわゆる釜石の奇跡であり、過去の津波被害を超える対策を施し、何ら損傷もせずに住民の避難場所にさえなり得た東北電力女川原発と、たびたび国会で取り上げられたり、IAEAからも大津波に対する懸念が指摘されながらも対策を怠った東京電力の福島第1原発であり、これらの例はその明暗を決定的に分けたものです。とうとい人命はもちろん、多額のインフラに対する投資も水泡に帰すことになりました。福島第1原発事故に至っては、全国の原発が停止に追い込まれ、まさに国家的エネルギー危機を生み出し、これが脱原発論争にまで発展した結果、エネルギー政策全体に大きなダメージをもたらし、毎年の石油、天然ガス等の輸入増加分だけでも4兆円を超え、貿易収支を悪化させ、日本経済、そして国民生活を厳しく圧迫しています。危機管理にかけるコストは、一旦事が起きてしまった場合の被害を考えれば、結果として安くつきます。このことからも、平素からの危機管理としての対策や訓練の重要性と、実際に危機に直面した際の準備を含めた対応のあり方がいかに重要であるかがよくわかると思います。本定例月議会初日の市長提案理由説明に、安全・安心の確保に最大限の意を用いていくとの言葉がありました。まず、市長にお尋ねします。本市の市政を預かるリーダーとして、危機管理はどうあるべきと考えているのかお聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 まずは、万が一のことはあってはならないことではありますけれども、予防といいますか、抑止力という表現も使われましたけれども、その視点が大切だというふうに思っています。計画的にハードの整備を行うだけではなくて、先般も梅雨入り前にパトロール隊の出発をさせていただきました。脆弱な可能性があり得るところを早い段階で察知し、ハード的な対応、もしくはソフト的な対応につながる御助言をすることが大切だというふうにも思っています。また、やはり同じ時期に水防訓練を行いました。自衛隊の皆さんのお力添えもいただいたところでありますけれども、そういう訓練を通じて、起きてしまったときの被害をできるだけ小さくするためにも、ソフト的な、人的な訓練も大切になってきます。そういうことをまずは地道にやっていきたいというふうに思っています。また、万が一のことが起きたときには、速やかに情報を収集し、情報を一元化することが大切なことだというふうに思っています。情報を一元化することによって、さまざまなこれまでの訓練等々から得られた知見をもとに、次の対応策に入っていくことが私は大切なんだというふうに考えています。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 地道にやっていくことに尽きるんじゃないかというふうに思います。また、予防に努めることも重要であります。こうしたことからも、できる限りのことをこれからもやっていっていただきたいと思います。 さて、一般に危機管理とは、時、場所を問わず思わぬ形で発生する緊急事態に対し、予知し、予防し、対策を講じることであり、また、万が一発生した場合には、素早く的確な対応で被害の拡大を極限に抑え、速やかに平常の状態に復帰させるための方策を講じることであると言えます。そして、危機管理の全体像は、以下の5段階に区分できると言われます。その第1段階は、危機の予兆--シグナルの感知・察知であり、第2段階は、危機発生に対する予防策・対策の実施と万が一危機が発生した場合における対応策等の準備・訓練であり、第3段階は、発生した危機の封じ込めと損害拡大の防止であり、第4段階は、平常の状態への復帰・復旧であり、そして第5段階は、学習--教訓を得ての対策・訓練・対応策等の見直しであります。これらのプロセスが行われて初めて危機管理がなされていると言えるでしょう。今ほど市長がおっしゃったことが、この中でも言われているところであります。さて、本市では、危機管理計画の基本方針においてこのことを定めているわけですが、この計画は平成25年2月に出ております。さまざまな今までの事象等を踏まえた上で、適宜見直しや、必要に応じて修正等は行われているのでしょうか、お聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 仰せの危機管理計画は、地域防災計画、国民保護計画と並ぶ本市の安全・安心に関する3つの基本方針の一つであります。他の基本方針同様、新たな事態が発生した場合には、適宜見直しを行っているところであります。例えば、これまでも、鳥インフルエンザ等の感染症などの発生を受け、計画の見直しを行ったところであります。今後とも、安全・安心の確保に向けて最適な計画としてまいります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 くどい言い方になるかもしれないですけれども、絶えず見直していくことが何よりも必要であり、計画もマニュアルもこれで完璧というものはなく、完成というものはないんだというふうに私はいつも思っております。この点もよろしくお願いいたします。 次に、市庁舎等が機能喪失した場合の代替施設や体制についてお聞きします。東北太平洋沖地震では、津波により行政機能が一瞬にして崩壊し、熊本地震では、人吉市のほか宇土市、八代市、大津町、益城町の4市町で庁舎が損壊し、その機能を喪失し、いずれも役場機能を移転させました。元陸上幕僚長で、東北太平洋沖地震に際し、東北方面総監として日本初の陸海空自衛隊による統合任務部隊を指揮した故君塚栄治氏は、震災対応当時の経験談の中で、災害対応のかなめとなる責任を有する自治体の機能が喪失したことで、全ての前提条件が崩れたと記しています。平素の訓練では、市町村の機能が生き残って、次々と指示ができるということを前提としていたからであり、このことから、対策として、自治体の機能喪失に備える準備の必要性を訴えていました。さて、本市において、本庁舎が機能を喪失した場合、代替機能を果たす施設があるのかお聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 現状では、本庁舎が使用不能になった場合には、消防本部庁舎に災害対策本部を移すことになります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 消防本部庁舎にその機能を移すと、いわゆる災害対策本部のようなものになるのかなというふうに思います。今、第二庁舎において危機管理センター設置のことも言われておりますが、現状は消防本部ということで把握いたしました。 このほかにも、代替施設を幾つか指定しておく必要があるというふうに思いますが、その辺に関してはどのようにお考えでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 今、特別委員会で議論をしていただいています第二庁舎内には、免震構造を有する危機管理センターを整備することとしておりまして、この施設が完成すれば、この施設におきまして本部機能を有するということにしたいと私は考えています。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今ちょうど、基本設計からその後に移行する時期ではないかと思いますけれども、あらゆることを想定した上で、その設計に当たっていただきたいというふうに思います。 さて、これは企業でも多く取り入れられていることですけれども、業務継続計画というものがあります。今ほどあったように、大きな損害があったり、あるいは機能を喪失した場合に備えて、いかに業務を継続して行っていくかという平素からの計画でありますが、この策定状況というものがあればお聞かせ願いたいと思います。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 本市におきましては、業務の継続に向けた非常時の初動体制、また、優先業務に関する対応を定めた金沢市防災マニュアルを一昨年作成したところであります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 今、防災マニュアルというものを策定したということですけれども、この内容について、職員に対する周知徹底はどういった形で行われているのかということをお聞かせください。 ○福田太郎議長 中川危機管理監。 ◎中川富喜危機管理監 防災マニュアルにつきましては、関係各課に全てお配りしてございますし、また、訓練等の中で徹底するように周知してございます。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 徹底ということなので、文字どおり、多くの職員がこれをしっかりと把握するということが大事ではないかなと思います。災害初期においては特に混乱した状況になると思います。その中で、一人一人の職員の方が自分の果たすべき役割を平素から認識しているということは非常に大事だというふうに思いますので、引き続き徹底に努めていただければというふうに思います。 次に、非常参集体制についてお尋ねします。休日や夜間などに災害や事故が発生した場合、職員を参集させる必要があると思います。全職員を対象とした場合、市がその機能を発揮し始めるまでにはそれなりの時間を要するというふうに思いますが、毎年行っている非常参集訓練の結果、参集完了までの時間はどれぐらいを要したのか、そして開始から30分ごとの参集状況はどうだったのかをお聞かせください。 ○福田太郎議長 中川危機管理監。 ◎中川富喜危機管理監 非常参集訓練では、想定地震発生後1時間半と2時間の時点での参集状況を把握しておりまして、昨年度の訓練では、1時間半後が95.7%、2時間後では98.5%の職員が登庁しております。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 1時間半後で95.7%、2時間後で98.5%ということで、非常に高い数字ではありますけれども、災害の種類にもよるとは思いますが、実際に災害が起きた場合の最悪の状況を考えますと、この議会でも今まで幾人かの議員の方が何度か質問し、あるいはその答弁の中で、森本・富樫断層帯直下地震の話がありました。最悪の事態を想定した場合には、なかなかこの数字までいかないのではないかなというのが正直なところだというふうに思います。参考に申し上げますと、阪神・淡路大震災における各自治体の参集状況の概要で、神戸市、芦屋市、西宮市と、まさに直下で地震が起きたところでありますが、次の数字があります。1月17日の地震発生からまだ同日の約18時間後の時点で、神戸市においては41%、芦屋市においては42%、西宮市においては51%でした。明け方の未明の地震でしたが、18時間後において、いずれも5割を下回っている、あるいは5割程度の数字というふうになっています。それから考えると、今ほどあった1.5時間後で95.7%、2時間後で98.5%は呼集体制の確認という意味では、これは十分成果があるのではないかなというふうに思います。しかしながら、現実の数字を見てみますと、翌日の42時間後に至っても、神戸市においては6割、芦屋市においては5割、西宮市においては6割6分ということで、約8割程度になったのが神戸市で3日後の1月20日の90時間後で、芦屋市ではその時点でもまだ69%、西宮市でも78%ということでした。地震発生から五、六日間の間では、要するに人的機能は回復しないというのが事実として明らかに出ておりますので、非常にシビアな数字を常に考えながら、いろいろな計画を練ったり、方法を考えていていただければいいのではないかというふうに思います。今ほど言いましたとおり、本市を中心とした災害があれば、対応に当たるべき職員みずからも被災者となりますし、それなりの人員の損耗といったことも覚悟しなければならないというふうに思いますが、今ほど申し上げたとおり、ある程度そういった欠員などが生じるといったことの見積もりを立てておく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、どの程度の割合でそういうことが起きるのかという想定はございますでしょうか、お聞きします。 ○福田太郎議長 中川危機管理監。 ◎中川富喜危機管理監 通常時の参集訓練とは違いまして、実際に災害が発生した場合には、職員本人の被災はもとより、公共交通の麻痺や道路の渋滞、建物の被災などにより、すぐに全員が参集することは難しいというふうに考えておりまして、阪神・淡路大震災の参集率を参考にしまして、初動体制の3時間後で20%、1日後で50%、3日後で70%、1週間後では98%の職員が参集できるというふうに見込んでおります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 しっかりと見積もりを立てておくということがやっぱり何よりも大事でないかなというふうに思いました。引き続き、最新の情報等、情勢等を踏まえながら、そういったことを引き続き検討していただきたいというふうに思います。 次に、第二庁舎に設置予定の危機管理センターにおける防災情報システムについてお尋ねします。市長は常々、想定外はあってはならないというふうな言葉を折に触れておっしゃっておりまして、災害対応が主になるとは思いますが、あらゆる事態を想定して汎用性の高いシステムが必要であると考えますが、今後、防災情報システムの基本計画を策定する上で、どのような事態を想定し、何を重視をするのかお聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 まずは、情報システムですけれども、同報防災無線であったり、Jアラートなど、多様な情報の一元化やシステムの統合を図りながら、避難行動を要する大規模な自然災害発生時において、市民の早期の避難や被害の最小化につなげる情報を正確そして迅速に発信できるようなものにしていきたいと考えています。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 あらゆる事態を想定するというのも確かに難しいところでありますが、システム構築をしていく上で考えられる要素は可能な限り取り入れ、また、将来的に発展性のあるようなシステム、こういったものも望まれるのではないかというふうに思います。 これは余談になるかもしれないですけれども、山梨県甲府市では、システムサーバーがダウンした場合に備えて、神奈川県小田原市とシステムの相互バックアップを行っていて、万が一、大規模震災で被災してシステムサーバーが停止した場合には、他方の市のサーバーでの稼働を行うというような取り組みがなされているそうです。近隣市町では、同時に被災するおそれがあることから、現在取り組んでいる中核市の連携の中でも検討してみてはどうでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 情報として、しっかりとお聞きさせていただきました。中核市市長会の中でも議論させていただければと思います。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 次に、危機管理における訓練のあり方についてお尋ねします。危機管理計画においても、各部局や職員に対し、研修や訓練の重要性を挙げておりますが、展示型の訓練のみならず、図上演習などで実践的な訓練が必要だというふうに思います。あらゆる事態を想定した訓練が必要で、例えば市長や部局長を初め、各級ポストにおいて事故があった場合の権限の継承はどうなっているのか、また、例えば市長がその職務を遂行できない状態になった場合はどうするのか、そして実際にその職につく人が参加して訓練ができているのかどうか、お聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 本市の地域防災計画等において定めがあります。副市長を災害対策本部の副部長とし、本部長である市長に事故があったときには、その職務を代行するというふうに明記されているところであります。また、その指揮命令系統の明確化のため、各部局長はあらかじめ課長を複数名指定し、代行順序を定めているところであります。また、職員防災訓練には、市長を初め、全管理職が参加しているところであります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 全員が参加しての訓練を行っている、あるいは指揮の継承についてもしっかりと明示がなされているということで、当たり前のようなことなんですけれども、なかなかそれをふだんからやっぱり意識していかないといけないというふうに思います。 市の職員は定期的に配置がえや人事異動がなされると思いますけれども、万が一の場合、災害が起きた場合の担当として、応急的に、例えば前年度まで危機管理課で勤務をしていた職員を何かあったときの場合の補助としてあらかじめ指定をしていくとか、こういった工夫もある程度必要かなというのは、各都道府県、特に首都直下地震が懸念されている地域ではそういう体制も検討されているという資料もありますので、また参考にしていただければと思います。 今ほど訓練の話がありましたけれども、自衛隊や警察、あるいは部外機関を含めた合同の図上演習であったり、市単独で行う演習などを、それぞれ年度に各1回程度行うことが最低限必要であるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 昨年8月に実施しました市民防災訓練におきましても、自衛隊、医療関係団体にも御協力をいただいたところでありまして、応急救護訓練も実施し、参加者の自助、共助、公助の役割の重要性を改めて確認したところでもあります。また、先般行われました水防訓練におきましても、鬼怒川の氾濫のことも踏まえまして、自衛隊の皆さんから、実際に水上の救助訓練の様子も拝見させていただいて、私も含めて、多くの参加者の意識も高まったというふうにも思っています。今後とも、市単独訓練を行うことはもちろん大切なことではありますけれども、自衛隊、警察、医療関係者を含めた部外関係者も交えた訓練に積極的に取り組んでいきたいと考えています。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 錬磨に限度なしという言葉がありまして、訓練をするにこしたことはないということなので、積極的に取り組みをお願いしたいというふうに思います。 何度も危機管理、あるいは危機という言葉を使っておりますが、危機といえば、我々からすれば、ある意味自由な意思を持った相手であり、常に主導権はないというふうな状態であると言えます。適切な対処を行うためにも、危機管理マネジャーなどの統裁下でリアリティーある状況判断を伴う訓練などをする必要があるというふうに思いますが、この辺についてはいかがお考えでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 仰せのように、リアリティーのある実際の状況を想定し、それに合わせた訓練の重要性というものは認識しているというところでありまして、平成23年度より毎年、危機管理課職員を中心に、あらかじめ訓練内容を示さないブラインド型図上訓練に取り組んでいるところであります。今後、参加職員を拡大するとともに、より実践的な訓練となるように工夫を重ねてまいります。なお、内閣府が推奨します地域防災マネージャーの制度というものも、私はあってもいいというふうに思っていまして、今後、他都市の状況も見ながら研究してまいります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 訓練であれば失敗もできます。実際の場面においての失敗というのは許されないわけですから、訓練で教訓を得て、先ほども言いましたとおり、計画やマニュアルに生かしていただければというふうに思います。 次に、情報収集、そして分析体制について幾つかお尋ねします。情報とは、判断を下し、行動を起こすための必要な知識であり、これなくしては何も始まりません。日本語の情報という言葉には、インフォメーションとインテリジェンスという2つの意味が含まれていて、危機管理を専門とする機関では、インフォメーションを情報資料、インテリジェンスを情報と呼び、この2つの言葉を厳密に使い分けています。インフォメーションとは生の情報であり、その真偽の確認や分析が行われて初めてインテリジェンスとなります。危機対応時には、真偽が未確認の情報や、場所、時間、発信者が定かでないような不完全な情報資料がたくさん入ってきます。こうしたインフォメーションに基づいて危機対応を行うと、誤った判断を下す可能性があります。このため、不完全なインフォメーションをインテリジェンスにするための作業が危機対応における情報マネジメントを行う上で必要不可欠となります。本市の情報収集体制と具体的な手段にはどのようなものが挙げられるかお聞かせください。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 まず、平時におきましては、主に各部局におきまして、現地監視カメラの映像や気象状況、水位などの情報を把握するとともに、必要に応じて直接、気象台等の関係機関に問い合わせさせていただくことによって情報を収集し、危機管理課へ報告することになっています。また、震度5弱以上の地震発生などの非常時ですけれども、まずは速やかに災害対策本部を設置し、次に各地区支部や出先機関、出勤途上職員などから被害情報を収集するとともに、各部局が関係する団体との連絡を通して各種情報を収集し、災害対策本部に集約する体制をとっています。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 ありとあらゆる手段を尽くして情報を集めて、インフォメーションをインテリジェンスに変えていくということが必要ではないかというふうに思います。 ここからは少し提案のような形になりますけれども、近年、さまざまな分野で利活用が注目されている小型無人機、通称ドローンの導入や活用は、自治体に革命的な情報収集手段をもたらすのではないかなというふうに思います。従来、市・町のレベルでは運用不可能な空中からの映像伝送技術は、技術の進歩によって、完全に手の届くところになりました。4月下旬、私は幕張メッセにおいて開催された展示会に行ってまいりました。そこで、実機の展示説明、あるいは飛行デモンストレーションを見学してきましたが、さまざまな機種や機能で、私の予想を上回る性能や多用途性に驚きました。今や全天候性能を持ち、低コストで、効率よく、正確に、迅速に情報収集が可能です。導入に向けて検討するべきであると思いますが、いかかでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 本年度、金沢大学との共同ではありますけれども、災害時における小型無人機の活用に関する研究をさせていただいているところであります。先般開催しました石川中央都市圏防災連絡会議におきましても、小型無人機の活用について検討を進めることを確認したところでありまして、今後とも関係機関と連携しながら研究を進めてまいります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 非常に有望な手段ではないかなというふうに、私は実際見てきて実感しました。市全体をカバーできるように、例えば市の出張所であったり、消防出張所であったり、こういったところにあらかじめドローンの離発着のための指定をしたり、あるいは必要に応じてそういった展開をするということも想定に入れたらいいのではないかなというふうに思います。時間がなくなってきましたので、急いでいきたいと思います。前回はスタンドパイプで、今回はドローンということで、坂本も好きやなと思われそうですが、危機管理自体、私のライフワークだと思っておりますので、これからもさまざまな提案をさせていただくつもりです。 さて、危機管理はまず家庭からということで、金沢市民一人一人がみずからの安全確保を意識することがとても重要な意味を持つと思います。冒頭に述べた東北太平洋沖地震においても、津波てんでんこの考え方がしっかりと保たれていたことで多くの人命が救われました。自助なくして共助は行えません。自分の身を守れない人に他人を守ることはできません。子どもたちには、金沢の歴史を学ばせる中で、寛政の大地震が金沢にどのような被害をもたらしたのかといったことを教えることも大事ではないかなというふうに思います。さて、市では防災マップが完成して以降、当初は配られたようですが、その後、内容の更新はあるが、配布はされず、ホームページでの閲覧が可能ということになっておりますが、改めて配布の予定はないのでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 自主防災組織におきまして、独自防災情報を盛り込んだマップをつくるための基礎資料として、防災マップの提供を行ったものであります。内容が更新された際には、情報提供を行うこととしています。なお、各自主防災組織におけるマップの作成に対しましては、市として支援制度を設けているところでありますので、御理解をお願いいたします。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 少なくとも、見直しのあった地域に関しては、改めて新しいものを配布すべきではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。 ◎山野之義市長 土砂災害等や液状化などは、大規模かつ広範囲に発生する可能性もありますので、各種ハザードマップを見直しの都度、地域に配布し、情報提供に努めてきたところでもあります。本年度は、津波に関するハザードマップの見直しを予定しておりまして、作業終了後、速やかに対象地域に配布してまいります。このハザードマップも、自主防災組織が行う防災マップの作成時に活用していただければと考えています。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 常に新しい情報を市民に提供していただきたいというふうに思います。 今ほどありました防災マップを活用して、例えば中学生などに、避難経路の考察などを授業の中に取り入れて、防災マップの周知と、そこに含まれる情報の重要性を教えていってはどうかなと思います。これも先ほど言いました釜石の奇跡は、小中学生がとった行動がまさに明暗を分けたわけですから、こういったことを意識してもらうという意味でも必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○福田太郎議長 山野市長。
    ◎山野之義市長 学校のことのお尋ねではありますけれども、地域の自主防災組織で取り組んでいることでもありますので、私のほうから答弁をさせていただきます。防災マップは、主に各校下で図上訓練などを行う際に活用いただいているものであります。御指摘のように、教育現場におきましても防災教育の基礎資料として活用してもらうということは、私は大変意義が大きいというふうに思っていますので、各種の機会を通じて周知に努めてまいります。 ○福田太郎議長 坂本泰広議員。 ◆坂本泰広議員 周知に努めていくということですが、今こうしている次の瞬間にも災害はやってくるかもしれないというつもりで、平素から、我々も含めて市民の一人一人がそういったことを意識していく、危機に対する備えの気持ちを持つということが何よりの防災ではないかなというふうに思いますので、引き続き、行政としてやるべきことについて真摯に取り組んでいただければというふうに思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。(拍手) ○福田太郎議長 以上で、3番坂本泰広議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○福田太郎議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明17日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後2時58分 散会...