平成28年 6月 定例月議会 平成28年6月15日(水曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 福田太郎 副議長 野本正人 1番 上田雅大 2番 小間井大祐 3番 坂本泰広 4番 松井 隆 5番 中川俊一 6番 熊野盛夫 7番 大桑初枝 8番 広田美代 9番 源野和清 10番 長坂星児 11番 前 誠一 12番 麦田 徹 13番 高 誠 14番 喜多浩一 15番 下沢広伸 16番 高岩勝人 18番 久保洋子 19番 松村理治 20番 清水邦彦 21番 黒沢和規 22番 山本由起子 23番 森 一敏 24番 小阪栄進 25番 小林 誠 26番 秋島 太 27番 角野恵美子 28番 宮崎雅人 29番 玉野 道 30番 森尾嘉昭 31番 松井純一 32番 安達 前 33番 澤飯英樹 34番 中西利雄 36番 横越 徹 37番 田中展郎 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 山野之義 副市長 丸口邦雄 副市長 細田大造 教育長 野口 弘 公営企業管理者 桶川秀志 都市政策局長 平嶋正実 総務局長 相川一郎
文化スポーツ局長 詩丘樹持 経済局長 八田 誠 農林局長 松倉剛弘 市民局長 野島宏英 福祉局長 太田敏明 保健局長 越田理恵 環境局長 佐久間 悟 都市整備局長 野口広好 土木局長 浅川明弘 危機管理監 中川富喜 会計管理者 石野圭祐 消防局長 小谷正利
市立病院事務局長 太村正信 財政課長
松田滋人-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 林 充男 担当部長兼議事調査課長
議事調査課長補佐 三傳敏一 中宗朋之 議事係長 角田章郎 調査係長 山口賢一 主査 八木淳介 主査 喜多泰正 主査 太田豊司 主査 渡邉泰介 主任 松田宏志 主任 酒井敏正 総務課担当課長 橋高祐二 主査
齊藤哲朗-----------------------------------◯議事日程(第2号) 平成28年6月15日(水)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第1号)ないし議案第19号市道の路線変更について (質疑) 日程第2
一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)に同じ----------------------------------- 午前10時2分 開議
△開議
○福田太郎議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△会議時間の延長について
○福田太郎議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○福田太郎議長 これより、日程第1議案第1号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第1号)ないし議案第19号市道の路線変更について、以上の議案19件を一括して議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問
○福田太郎議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 21番黒沢和規議員。 〔21番
黒沢和規議員登壇〕(拍手)
◆黒沢和規議員 おはようございます。 平成28年度6月定例月議会に質問の機会を得ましたので、自由民主党金沢市議員会の一員といたしまして、以下数点につきお尋ねをいたします。 質問の第1点は、
東京国立近代美術館工芸館の石川県移転についてであります。 地方創生の一環であり、国の機関の地方移転の具体的対象として、3月22日開かれました政府のまち・ひと・しごと創生本部の会議におきまして、
東京国立近代美術館工芸館の石川県移転が決定されましたことは、石川県民、金沢市民にいたしましても大変喜ばしいことであり、心から歓迎をいたすものであります。石川県立美術館や
石川県立伝統産業工芸館が立地をし、ユネスコのクラフト部門の創造都市に認定をされ、また、美術工芸大学や21世紀美術館を有し、藩制時代から工芸を育み、継承、発展をさせてきた本市に
東京国立近代美術館工芸館が移転されますことは、金沢の文化度をさらに高めるものであり、この上は移転が一日も早く実現することを心から期待をし、以下の質問をさせていただきます。 初めは、山野市長には、去る4月16日、馳文部科学大臣とともに工芸館を初めて視察されたとのことでありますが、実際に工芸館を視察をされた感想にあわせ、本工芸館の金沢市への移転についてどのような評価をされているのか、改めてお尋ねをいたします。
東京国立近代美術館工芸館の移転につきましては、基本的には国と石川県が直接その衝に当たることは申すまでもないところであります。しかし、私ども金沢市民にとりましては、移転先は金沢であることは疑いのないところでもあり、市民といたしましても、工芸館の移転が実現するのはいつなのか、規模はどのくらいなのか、どういった施設になるのか、また、その機能はいかなるものなのか、そのために金沢市はどのようなかかわりと支援をするのか、大変気になるところであります。これまでの報道等を拝見いたしますと、今後の具体的なスケジュール等につきましては、ことしの8月ごろまでに、その方針を示したいとされているのであります。さきの市長の提案説明でも、そのことが改めて表明されております。また、2020年の
東京オリンピック・パラリンピックまでには移転を実現したいとの希望もあるようであります。既に市長にありましては、移転に関し、県と協調、連携をして、できるだけの協力をしたいとの意思表明もされておりますので、現時点における本市の対応等について、以下お尋ねをいたします。 まず、工芸館移転の場所についてでありますが、知事の思いは、県立美術館と県立歴史博物館との間が望ましいとされているところであります。ここは、位置的には兼六園文化ゾーンの一角でもあり、県立美術館、
県立伝統産業工芸館、広坂には金沢21世紀美術館が既に立地をし、幸い、旧来の建築物も撤去、もしくは今年度中には撤去されるとのことであります。これ以上の適地はないと考えられるところであります。現在の東京の工芸館は、展示会場の657平方メートルを含んで、全体で延べ1,858平方メートルであります。国としては、当初、移転するとすれば、その倍の4,000平方メートル程度の施設が必要であり、そのための費用は50億円程度と見込んでもいたようであります。しかしながら、その後は、工芸館は全面移転をするのではなく、一部移転の方向にもあるとお聞きをするところであり、敷地的には現在と同規模程度のものが想定されているようであります。だといたしますと、それは国の機関の移転というよりも、むしろ工芸館の分館をつくるという色彩が強まってしまうようにも思えてくるのであります。一部機関、部署の移転や分館をつくるという発想ではなく、全面的な移転がなされてこそ、地方創生の所期の目的が果たされ、地方の発展につながるものと考えるのでありますが、この点、市長はどのようにお考えであり、県とはどのような協議をされているのかお尋ねをいたします。 また、規模、機能につきましては、全面移転ということを想定いたしますと、現在想定されている適地では、面積的になかなか難しいということも考えられます。工芸館そのものの機能につきましては、単なる展示施設ではなく、研究機関的な要素を有したものとすべきと考えるのでありますが、この点について市長はどう考えられ、県と協議をされているのか、あわせてお尋ねをいたします。 そして、現在、本市では、
金沢美術工芸大学の移転改築が検討されているところであり、それにあわせて美大の附属施設としての美術館の建設も俎上にのせられてくるものと思われます。これをどこに設置するか等については、時期尚早かとは存じますが、美大の移転については、このほどそのための懇話会の発足も明らかにされたところであり、そのことも当然に視野に入れていかなければならないと思うのであります。展示部門だけでなく、学術研究機能を含めた県立美術館や21世紀美術館、美大等との連携が図られることにより、金沢市に工芸館が存在する意義も増し、大きな相乗効果も生まれてくるものと考えるのでありますが、こうした点についてはどのような考え方をされていくのかお伺いをするものであります。 さらには、今ほど述べました種々の方向性が明確になり、全体像が見えた時点で、基本的には国の機関の移転でありますから、本市がどのようにかかわり、費用面や人的面を含めて、どのような負担や支援をしていくのかということの議論に進んでいくのではないかとも思うのであります。それらの検討が国や県と重ねられ、最も望ましい形での移転が実現されることが期待されるところであります。あえて申し上げれば、拙速は巧遅にしかずであります。場合によっては、移転完了が2020年を超えるということもあるのではないかとも思えるのでありますが、その辺を含めて、金沢市の対応のあり方について市長のお考えをお示しいただきたいと思うのであります。 質問の第2点は、後世に伝える美しい日本語についてであります。 私は、今日、日本は、インターネットやSNSなどの普及により、日本語文化の大きな変革期の中にあるのではないかと感じている一人であります。特に敬語など、外国語にはその例を見ない美しい日本語は、やがて消えゆく運命にあるのではないかという強い危機感にも駆られているのであります。私ども日本人は、かつて水やお茶などを飲むとき、瓶から直接口をつけて飲むこと、いわゆるラッパ飲みや口飲みは、行儀が悪いこととして親などから言われ、しつけられてきたところであります。ところが、ペットボトルという新しいライフスタイルとも言うべき、便利さと手軽さを優先した飲料水容器の出現により、あっという間にさま変わりし、すっかり日常生活に定着してしまいました。時代とともに、人々の生活も変わり、伝統や風習、価値観が変化していくことは、ある種仕方のないことでありますが、一方で、長い歴史と伝統の中で培われてきた生活文化や、よき風習が廃れ、変化していくことは、寂しくもあり、また、残念なことであります。ことしの2月、保育所に入所できなかったお子さんの保護者と思われる人が「保育園落ちた日本死ね」とブログに書き込みをし、それが拡散をし、社会的に大きな反響を呼んだことは御記憶のことと存じます。私は、ここで、そのことによる保育行政について取り上げようというのではありません。ここに書き込まれたその言葉そのものについて、少し触れさせていただきたいと思うのであります。と申しますのは、それはある意味では意図的な物言いであったかもしれませんが、「日本死ね」という表現は、いささかいかがかなものがあるというふうに思うわけであります。この表現にかかわらず、昨今のテレビのニュース番組等でも、視聴者等から
公式ツイッターサイトなどを通じて事件などについてコメントが寄せられ、テレビ画面のテロップで流されることが多くなってまいりましたが、私は、そうしたものにおける表現、言葉遣いについて、どうかなと気になってしまうのであります。また、子どもたちの間でSNSを通じての相互通信等においても、暴力的であったり、過激であったり、相手への配慮を欠いた表現が書き込まれることも少なからずあるようであり、これが触法事件--法に触れる事件でありますが、つながってしまうという例も全国的には見受けられるところであります。一般的に、どのような状況であっても、相手を思いやる心は常に持ちたいものであります。その相手を思いやる心は、おのずとその人の言葉遣いにもあらわれてくることは申すまでもありません。そんな意味からも、相手のことを考えた言葉遣いというものに関心を寄せていきたいものであります。ひいては、そのことが、長い間連綿と続き築き上げられてきた美しい日本語が後世に伝えられていくゆえんともなると考えるのであります。これまでも、本市では、日本語教育については特に力を入れられ、学校教育でも積極的に取り組まれてきていると承知をいたしておりますが、市長には、かねてより、正しい美しい日本語について強い関心を示されてきておりますので、今日の状況をどのようにお感じになられ、市の施策として、美しい日本語の継承と使用について具体的にどのように進めようとしているのかお尋ねをいたすものであります。 また、本市における小中学校教育では、日常の言葉遣い等にかかわり日本語教育をどのように展開されているのか、その実情を教育長にお尋ねをいたしますとともに、日常生活における言葉遣いや表現について、次代を担う子どもたちに対する美しい日本語教育について、学校教育の中ではいかに進めていくのか、教育委員会のお考えをお尋ねをいたします。 そして、市長には、過日の提案理由説明の中で、家庭教育の振興について取り上げ、
家庭教育推進懇話会を立ち上げ、今後、検討を重ねた上で、年度末をめどに推進プログラムを策定したいと所信を述べておられます。私は、相手を思いやる心、そこから育まれる美しい言葉遣いは、まずは家庭教育の中から生まれ、そこから醸成されてくるものと考えているものでありますが、市長には、家庭教育の振興において、そのことを施策の推進に当たって一つの柱としていくお考えはないかお尋ねをするものであります。 あわせて、この家庭教育の振興を推進し、実効あるものとしていくため、昨今、幾つかの自治体でも制定をされるようになってまいりました
家庭教育支援条例を制定するお考えはないか、この際お伺いをするものであります。 さて、美しい日本語教育に次いで取り上げさせていただきたいのは、小中学校における英語教育についてであります。 この4月、文部科学省は、全国の中学生、高校生を対象にした昨年度の
英語教育実施状況調査の結果を発表したところであります。これによりますと、全国平均では、中学3年生の英検3級程度以上の英語力を持つ生徒は36.6%、石川県は47.8%という数字が出されておりました。国は、平成29年度までに、この割合を全国平均で50%にすることを目標にしているわけでありますが、石川県は全国4番目ということでありますので、これがクリアされることは間違いのないことと存じます。ちなみに、本市の場合は、既にその50%を超えているともお聞きをするところでありますが、具体的にその割合はどうなのか、まずこの際お聞かせを願いたいと存じます。 もちろん、ここに出されている数字は、あくまでも一つの目標を指数化しただけのものであり、その基準を達成することが、英語教育の水準を上げ、生徒全体の英語力を向上させるという本来の英語教育の目的が達成されたことにはならないわけでありますが、一つの指針としては参考となるものであり、さらなる努力をしていきたいものであります。また、今回公表されたもので、もう1つ、英検準1級以上の資格を持つ英語教師の割合というものが出されているのであります。これによりますと、全国平均は30.2%、石川県は41.8%ということであります。これにつきましても、国においては平成29年度には50%とするという目標が立てられているのでありますが、金沢市の状況についてお示しをいただけたらとも思うのであります。 でき得ることでありますならば、さらなる中学生の英語力の向上を期待し、英検準1級以上の実力を持つ教師の割合を50%と言わず、段階的に、より多くふやしていけたらと思うのであります。この点について、英語教師の資格向上を図るという趣旨からも、資格取得のための研修等の充実を図るなど、具体的な取り組みについてお伺いをするものであります。 また、国は、平成32年度から、英語を現在外国語活動としている小学校5、6年生では正式教科とし、小学校3、4年生で外国語活動として実施することを方針としてすることを示しておるところでありますが、これでいきますと、5、6年生では現行の2倍の年間70回、3、4年生では年間35回、週でいいますと、5、6年生は週2回、3、4年生は週1回の授業を行うことが必要になるわけであります。現在、小学校の毎週の標準的授業時間は計28回とされており、そういたしますと、授業時間をいかに確保していくかということが課題となってまいります。中教審の作業部会では、土曜日の活用など、幾つか例示をして、その対応策について検討しているようでありますが、本市においては、既に小学校の英語教育については、さまざまな工夫をされ、実施をしてきているところであります。まだ先のことではありますが、現状を見きわめながら、この点どのような準備をし、金沢市の特色ある対応をされていくのか、お考えのほどを教育長にお尋ねをいたしておきたいのであります。 さて、間もなく参議院議員選挙が行われるところとなっております。私は、学校教育にかかわる課題について、幾つかの点に触れさせていただきましたが、教育にかかわることといたしまして、今回の選挙で注目されておりますことは、選挙の争点そのものとは別に、18歳への選挙権の引き下げであろうかと存じております。そこで、第4点目の質問といたしまして、
市立工業高校生徒の政治活動や選挙運動についてお尋ねをしておきたいのであります。 高校生の校外の政治活動につきましては、今までのところ、5府県4政令指定都市の教育委員会が、生徒の校外での政治活動の参加について、学校への届け出は不要としているのであります。石川県は、これに対して、各校の判断に任せるとしているところでありますが、市立工業高校を有する本市教育委員会の方針について、改めてお伺いをいたします。 私は、学校教育という視点からいたしますと、これらの面では何らかの指針、対応も考察されるべきものとも考えるのでありますが、基本的に、本市においては高校生の政治活動や選挙運動についてどのようなスタンスをとられているのか、まずお尋ねをいたします。 そして、校外において放課後や休日に行う選挙運動や政治活動についての届け出制や許可制についての考え方、また、校内における放課後や休日に行う選挙運動や政治活動についての考え方や方針等について、具体的にお示しをいただきたいと思うのであります。この点を最後にお伺いをいたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。(拍手)
○福田太郎議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 21番黒沢議員にお答えいたします。 まず、
東京国立近代美術館工芸館の移転についてであります。4月に、馳大臣に御案内をいただいて、中を見学させていただきました。御存じのとおり、この展示館は、金沢市の名誉市民第1号であります谷口吉郎先生が設計を手がけたものであります。また、展示室の中には、休憩用の椅子として自然な感じで、金沢美大の名誉教授をお務めいただいた柳宗理先生がデザインをされた
バタフライスツールも置いてありました。また、私は、倉庫の中も拝見させていただきました。倉庫の中には、大場松魚先生であったり、十代
大樋長左衛門先生であったり、我々金沢市民、石川県民にとってなじみの深い先生方の作品が倉庫に保管されていました。改めて、金沢、石川との御縁というものも感じさせていただきました。私は、移転のメリットは、大きく3つあると思っています。1つには、何といっても、先ほど言った先生方もかかわっていらっしゃいます
東京国立近代美術館工芸館が移転されるという、このブランド力であります。このことは、私は、市民、県民の誇りにもつながっていくものだというふうに思っています。2つには、移転されることによって、金沢、石川にお住まいの特に若い作家さんが日常的、恒常的にこの高いレベルの先生方の作品に触れることによって大いに刺激を受け、さらなる高みに向かって挑戦するための刺激になるというふうに思っています。3つには、観光客であったり、もしくはこの工芸館に足を運ぶという目的でいらっしゃる方もたくさん出てくるんではないかというふうに思っています。発信力が高まってくる、これらの大きな意義が3つあるというふうに思っていまして、今回の移転はもろ手を挙げて歓迎をしたいというふうに思っています。 全面移転、さらには研究機関の移転も考えてはどうかということでした。具体的な施設機能につきましては、国等との協議を進めていく中で固まっていくものと考えています。本年8月をめどに、一定の結論を得ることとされておりまして、県としっかりと連携をしながら、国等との協議を鋭意進めてまいります。 他施設、機関との連携についてですけれども、御指摘いただきましたように、県が国に提案した移転候補地には、県立美術館、伝統産業工芸館が近接しているところでもあります。また、金沢市には、21世紀美術館、
金沢美術工芸大学、さらには中村記念美術館や卯辰山工芸工房など、多くの工芸関連施設が集積していることを踏まえ、工芸館とこれらの施設が連携することで相乗効果が生まれるよう、県・国等と協議を進めてまいります。 負担、また、移転の時期のことですけれども、これも黒沢議員から御指摘ありましたように、今般の政府関係機関の移転は、地方創生の観点から国の施策として行われるものであります。国は、新たな財政負担を極力抑制したいという方針でありまして、地元に対して最大限の協力が求められているところであります。工芸館の移転は、私は黒沢議員と同じで、本市にとっても大きなメリットがあると考えています。応分の負担を含め、県と連携しながら、国等との協議に臨んでいるところであります。 移転完了時期ですけれども、
東京オリンピック・パラリンピックの開催時期に間に合わせるということを一つの目標にして取り組んでいらっしゃるというふうにお聞きしています。訪日観光客の石川、金沢への来訪にもつながりますことから、こうした点も念頭に置きながら協議を進めてまいりたいと考えています。 美しい日本語の継承についてお尋ねがございました。私も大いに関心を持っています。議員時代、この議場からも、私は「文化としての日本語」と題しまして、何点か当時の市長、教育長に質問させていただいたこともあります。また、私のメルマガであったりブログであっても、やはり文化としての日本語という観点から、さまざまな思いを述べてきました。ややデフォルメされた表現かもしれませんけれども、国家とは国語ということが、私は、この日本においてはそのまま当てはまるというふうに言っても過言ではないというふうに思っています。特に子どもたちがその言葉に触れるのは、一義的にはやっぱり家庭、家族だというふうに思っています。また、毎日通う学校の図書館であったり、公立の図書館の読書活動等を通じて、美しい日本語という感性を身につけていくものだというふうに思っています。いわゆる時代の流れの中で評価を受けてきた古典的名文と言われている文章など、最良の日本語に出会うことによって、正しい日本語を身につけてほしいというふうに思っています。御指摘のように、一義的には家庭だというふうに思っていますが、学校における適切な指導であったり、図書館の利用促進などを通じて、子どもたちが美しい日本語に触れる機会を数多く提供できるように考えていきたいと思っています。 家庭教育振興施策のことについてお尋ねがございました。家庭教育は、全ての教育の出発点であります。個人にとって、家族が社会にかかわる最初の集団、最初の集まりだというふうに思っています。家族を通して、子どもたちが基本的な生活習慣や学習習慣、社会的ルールなどを身につけるというものだというふうに思っています。相手を思いやる心、美しい言葉遣いというものは、まずは家庭教育の中で育まれていくことが私は望ましいものだというふうに考えています。今年度設置いたしました
家庭教育推進懇話会の中におきましても、そのことについて十分議論していきたいと考えています。
家庭教育支援条例のことについてお尋ねがございました。本年度、生涯学習課内に家庭教育振興室を設けさせていただきました。振興策を議論するための
家庭教育推進懇話会を設置することとしたところであります。今後、この
家庭教育推進懇話会の中で、御指摘の条例の必要性も含めて、十分検討させていただければというふうに思っています。 私のほうからは以上です。
○福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 初めに、美しい日本語の使用について、学校教育の実情と今後の方向性についてお尋ねがございました。児童・生徒が好ましいコミュニケーションをとることができるよう、国語科におきましては、丁寧な言葉、また、相手や場に応じた言葉遣いについて、発達段階に応じながら系統的に指導いたしております。また、あわせまして、道徳におきましても、適切な言葉遣いや思いやりの心など、他の人とのかかわりについて指導しているところでございます。一方で、子どもたちの言葉遣いを正しくしていくには、何よりも大人がよき手本を示すことが大切であると考えており、学校におきましては、まずは教員自身がそうした言葉遣いができるように、学校訪問等を通しながら指導を行っているところであり、今後も指導の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、英語教育につきまして何点か御質問がございました。英検3級程度以上の英語力を持つ本市中学校3年生の割合でございますが、53.2%であり、全国と比較して高い結果となっております。 本市の英検準1級以上の資格を持つ英語教師の割合につきましてもお尋ねがございました。現在、金沢市立中学校で英語を指導している教員は91名おりますが、その中で英検準1級以上等を取得している教員は48名であり、52.7%となっております。 また、資格受給のための研修の充実についても御質問がございました。仰せのとおり、教員の資質向上を図る上で資格取得というものは重要であり、市教委といたしましても、毎年、英語能力試験を確実に受験するように指導しているところであります。今後とも、研修内容の充実に努めてまいろうと考えております。 小学校英語の教科化につきまして、授業時数の確保と特色ある対応についてお尋ねがございました。3、4年生につきましては、平成16年度より週1回の英語科の授業を実施しておりますことから、大きな問題はないと考えております。一方で、5、6年生につきましては、週当たりの時数がふえることになりますので、その時間を捻出することがやはり課題となっております。中央教育審議会が示しております授業時数を確保するための方策等も参考にしながら、本市にふさわしい授業のあり方について今後検討をしてまいりたいと考えております。 次に、市立工業高等学校の生徒の政治活動及び選挙運動についてお尋ねがございました。市立工業高等学校における政治活動や選挙運動に対するスタンスでありますけれども、今回の公職選挙法の一部改正につきましては、未来を担っていく若い世代の意見を現在と未来の我が国のあり方を決める政治に反映させていくことが望ましいという趣旨から行われたものであり、生徒が自主性とか主体性を持って政治に参画することを期待いたしております。市立工業高等学校におきましては、選挙管理委員会と連携をいたしました模擬投票の実施など、実践的な教育を通じて、生徒が有権者としてみずからの判断で権利を行使できるよう具体的に指導してきたところであり、今後とも適切な指導に努めてまいりたいと考えております。 校外において放課後や休日に行う政治活動と選挙運動の届け出制や許可制につきましてお尋ねがございました。法令に反する行為を行う場合、また、活動に熱中することで学業や学校生活に支障が出る場合を除いて、制限を加えるべきではないと認識しており、届け出制や許可制は考えておりません。また、校内における放課後や休日に行う政治活動と選挙運動につきましては、市立工業高校は生徒を教育する公的な施設であることを踏まえ、政治的中立性を確保する必要がありますことから、校内での選挙運動や政治活動は認めないことといたしております。 以上でございます。 〔「議長、21番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○福田太郎議長 21番黒沢和規議員。
◆黒沢和規議員 るる御答弁いただきました。その中で、工芸館のことを再度お尋ねをさせていただきますが、規模の問題でございます。現時点では、市長としては大変お答えにくいところがあるというふうに思います。県との協議がございますので、県と歩調を合わせなければいけないということがあると思うのでありますが、先ほども申し上げましたとおり、実質的に、現在の展示部門だけでも2,000平米要るわけであります。先ほど市長は、いわゆる倉庫とおっしゃいましたけれども、収蔵庫のことだと思いますが、そこにはいろんなものがあって、収蔵庫とか附属施設を考えると、ほぼ全面的な移転をするとなると、やはり4,000平米近くのものが要るのではないかというふうに思うわけであります。そういたしますと、現在提示をされている場所ではなかなか厳しいのかなという、極めて雑駁な言い方で恐縮でございますが、そんな感じも持つわけであります。そうしたところにおいて、全体的な市の文化施設等々を踏まえた上で、市長はどのようにお考えになっていらっしゃるのか。お答えのできる範囲で結構でございますので、御答弁を賜りたいと思います。
○福田太郎議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 御案内のとおり、国から道府県に声をかけて、石川県御当局に真剣に議論をしていただいて、工芸館の移転に手を挙げられました。お認めいただいて、今、話し合いをしながら進めているところでありますので、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、国等と県と歩調を合わせながら、連携しながら取り組んでいきたいというふうに思っています。黒沢議員の思いをしっかりと受けとめまして、そのことも踏まえながら話し合いをさせていただければと思います。
○福田太郎議長 23番森一敏議員。 〔23番森 一敏議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆森一敏議員 みらい金沢の一員として、以下数点、質問させていただきます。きょうは、原発の活断層問題と、子育て、教育に絞って質問させていただきます。 まず、志賀原発の活断層問題についてです。 原子力規制委員会の有識者会合が最終評価書を4月27日に提出しまして、規制委員会に受理をされたのは御存じのことだと思います。その結果は、1号機直下を走るS-1断層、2号機の重要施設の下を走るS-2、S-6断層のいずれも将来活動する可能性は否定できない、という結論に至ったわけです。繰り返しますけれども、原子力規制委員会の新規制基準の取り扱いでは、可能性を否定できないものは活断層とみなすとしているので、適合性審査によって不適合になり、志賀原発は許可取り消し、廃炉が決定づけられていくということになると考えられます。3月の定例月議会でも、科学的知見に基づき判断されるべきとの答弁を繰り返された山野市長に、この有識者会合の最終評価書が出された事実をどう受けとめておられるか、まずお伺いします。
△休憩
○野本正人副議長 この際、暫時休憩いたします。 午前11時55分 休憩-------------------------- 午後1時2分 再開
△再開
○野本正人副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問(続き)
○野本正人副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 5番中川俊一議員。 〔5番中川俊一議員登壇〕(拍手)
◆中川俊一議員 質問の機会を得ましたので、市政刷新金沢の一員として、以下数点にわたり質問をさせていただきます。 まず、質問に入る前に、さきの熊本地震により犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げ、被災地の一日も早い復興を御祈念申し上げ、質問に入りたいと思います。 近年、世界各地においてさまざまな災害が頻発しております。我が国においては、さかのぼること1995年1月に発生した阪神・淡路大震災、2004年10月の新潟県中越地震、また、2007年3月の能登半島地震、そして私たち日本人が決して忘れることができない、2011年3月に発生し、戦後我が国最大の被害をもたらし、5年を経た現在においても多くの自治体が復興をなし得ていない東日本大震災など、地震を起因とする災害、また、2014年8月の広島土砂災害、2015年9月に発生しました鬼怒川決壊による大規模な水害など、毎年のようにさまざまな災害が発生しております。そして、またもや2016年4月に発生した熊本地震での広範囲にわたる災害の中で顕在化してきた新たな問題についてお尋ねします。 私も含め、市民の多くの方々は、災害が発生すると政府や自治体が守ってくれる、初動に若干の日数がかかったとしても、必ず支援の手を差し伸べていただけると確信しておりますし、その担保があるからこそ、日々安心して生活を営んでいるのではないでしょうか。しかしながら、その救いの手はペットには差し伸べられません。現在、日本は、すさまじいペット大国となっております。総務省統計によりますと、日本の人口は2015年12月の時点で約1億2,700万人で、そのうち14歳以下の子どもの数は約1,600万人であります。一方、これに対しペットの数は、一般社団法人ペットフード協会の2013年全国犬・猫飼育実態調査によりますと、あくまで犬と猫だけの数量になりますが、犬で約1,087万頭、猫で約974万頭であり、合計いたしますと約2,060万頭と、子どもよりもペットのほうがよほど多いという現状になっております。飼育者の年代別では、50代から60代が36%と最も多く、実子が巣立ち、ペットを子ども同様に飼育されている方々は多いのではないでしょうか。そのような状況下、災害が発生すると、人だけではなく、ペットも同様に被災することは疑いの余地はなく、必然的に災害時には、ペットを飼っている御家庭の多くはペットも連れて近くの避難所に避難する、いわゆる同行避難を選択するであろうと考えられます。我が国は、平成25年8月に環境省が災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを策定し、自治体等が地域の実情に応じた動物救護体制を検討する際の参考となる指針を示した中で、災害時に飼い主はペットを同行避難させることを明記しています。また、日ごろから餌などの備蓄をするよう飼い主に啓発することや自治体が避難所にペットの飼育スペースを設けることなども盛り込まれたと思うのですが、国・地方公共団体とも、災害時に動物を救護しなければならないという法的根拠はいまだにないですし、全国でこの同行避難を認めている地方自治体は現在においても少ないのではないでしょうか。この現状を踏まえ、一部の自治体や動物愛護団体、獣医師会などがペットの防災について議論を深めておりますが、現時点では少なくとも公式的にはペットの同行避難はできない状況になっています。そもそも多くの自治体がそうであるように、本市においても、災害時における避難所開設及び運営は、地区防災組織として地区住民が自発的に運営する形になっているため、そういった要望に対して行政が介入することは難しいと推察されます。仮に、動物愛護の観点から自主的に同行避難を許容する避難所が部分的に開設されたとしても、避難場所に人と動物の居住スペースの一応の隔離を行っても、動物由来の感染症のリスクや動物の鳴き声やふん尿などで、動物嫌いの人やアレルギーを持つ人との間であつれきが生じる可能性などの問題も考えられます。実際、東日本大震災でも、同行避難したペットにまつわるトラブルは多数報告されておりますし、熊本地震においても、同行避難を断られた相談が600件を超えたとのことであり、入所を断られた被災者の多くの方々は、半壊した家や車中泊で避難生活を余儀なくされておる現状が報告されております。車中泊では、エコノミー症候群の発症リスクは高くなり、実際に多くの方が二次的被害に遭われていることは記憶に新しく、心を痛める出来事であります。災害時には、人命救助が第一であることは言うまでもありませんが、ペットの救護対策につきましても重要な課題であると考えます。一方、そんな中、東京都新宿区では、避難所などのペット受け入れを事実上認め、避難所に指定されている49の学校全てにペット同行避難のマニュアルを配布するなど、全国でも画期的なペット防災先進地域として取り組んでおられます。いざというときに災害からペットを守るための講演会などを開催しており、その中で、大規模災害において、行政がペットに対して全く何もしないというわけではないが、じかに動物を救護することはないという現状を踏まえつつも、飼い主もペットも両方助けないと両方だめになるとの観点から、区民や住民、飼い主などに、広く災害発生時におけるペットの救護に関しての啓発活動をしております。また、ペットの防災訓練等も実施し、地震を疑似体験できる起震車と火災時の煙を体験できる煙ハウスにペットと飼い主に疑似体験してもらうなどして、飼い主が慌てなければ、飼い主と信頼関係がある犬はパニックを起こさなかったなどの防災訓練での検証結果を踏まえ、飼い主とペットの信頼関係が日ごろから築かれていれば、避難所でペットがパニックを起こさず、鳴き声などのトラブルを防ぐことができるのではないかとの見解を示し、啓発活動に生かしているとのことです。国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる、かのマハトマ・ガンジーの言葉でありますが、世界に誇れる道徳心あふれる我が金沢にしたいものですし、思いやる心を成熟することにより、希薄しつつあるコミュニケーションにも寄与するものと考えます。災害時におけるペットの同行避難及び避難所運営につきまして、本市の御所見をお伺いいたします。 次に、ペットの救急医療対策についてお尋ねします。東日本大震災を教訓に、全国の獣医師らで2014年7月に結成した災害動物医療研究会が、災害派遣医療チーム--DMATのペット版、災害派遣獣医療チーム--VMATの育成に取り組み始めております。これまでに全国で約70人が資格を取得しており、研究会は、法律や自治体の防災計画に動物救護を明確に位置づけるべきだと訴えております。群馬県高崎市や大阪市などで開催されたVMATの認定講習会には、獣医師や動物看護師、動物愛護推進員、また、動物行政にかかわる自治体職員らが参加して、災害獣医学や公衆衛生学、ペット専用避難所の運営を学んでおります。災害発生時には、事前の協定に基づいて都道府県や政令指定都市の獣医師会が被災自治体にVMATを派遣するなどしており、また、当該研究会では、複数地域で講習会を開催し、緊急時に中心となって活動する人材を育成する取り組みをしております。認定者には、今後、各地で育成業務に携わってもらうなどし、各地の獣医師会と自治体との協定締結を促進する活動を行っておりますが、本市においては、災害派遣医療チーム--DMATのペット版、災害派遣獣医療チーム--VMATはどのようになっているのか、災害時におけるペットの医療対策はどのようにお考えかお尋ねいたします。 また、都市部で東日本大震災と同規模の災害が発生した場合、数万匹単位でペットが被災すると見られ、公衆衛生の観点から、野生化させない対策も課題になっておりますが、災害時におけるペットの救護対策につきまして、本市として今後どのように取り組んでいくか、あわせてお伺いいたします。 次に、障害者及び高齢者や妊婦さんなど、社会的弱者と位置づけられる方々の災害時の避難行動に当たり、熊本地震の中でも特に被害が甚大だった益城町の家屋の倒壊等々の事例を鑑みますと、本市においては、戦災を免れ、また、大きな震災もなく、古式ゆかしきまち並みが点在し、歴史文化都市として誇れるまち並みとなっておりますが、反面、地震等の災害において家屋の耐震化への対応の立ちおくれ感が否めず、森本・富樫断層での活動も危惧される中、同程度の地震が発生いたしますと、家屋の倒壊等により、避難所への車椅子での移動や歩行補助器使用の御高齢者や妊婦さんなどの移動が困難な状況になると推察されます。また、仮に地区内の避難所に着けたとしても、熊本での避難所の例に見られるように、障害者対応の建築物でないと、御高齢者や障害者の方々の、長期はもとより短期での避難生活もできないことが浮き彫りになってきております。狭い動線の避難所では、車椅子では動けず、トイレもままならないなど避難生活ができず、安全・安心のために避難してきた場所であるはずが、再び移動しなければならない状況が起きた事例を見ますと、心が痛みます。このような事例が本市においては起きないように、私たち行政にかかわる者が真摯に取り組んでいかなければならないと、心を新たにしているところであります。このような状況の中で、心温まる明るいニュースもありました。熊本学園大学の取り組みであります。この大学には、社会福祉学部に東教授という方がおられますが、この方の前職は内閣府障害者制度改革担当室長として障害者制度の改革推進を精力的に進めてこられた方です。4月14日以降、大きな揺れが続いている中で、避難所運営を想定していなかったにもかかわらず、学生ボランティア等を配置し、早い段階で独自に避難所を開設し、地域の御高齢者や障害者の方々を受け入れて、避難された方々から感謝の声が上がっているとのことです。ただ、一方で、地理的な問題や限りあるスペース等々の問題もあり、全ての御高齢者や障害者の方が避難できるわけではなく、一般の避難所で対応する仕組みをつくらない限り、障害者の方などが支援の網からこぼれる可能性が憂慮されるとコメントされておりました。本市におきましても、行政が計画を立案し、避難所運営の課題をきちんと検討し、具体的なマニュアルを作成し、地区防災会にかかわる方々や市民に広く認識してもらうなどの措置も必要ではないでしょうか。各部局にお聞きしたところ、車椅子対応のユニバーサルトイレの設置状況は、中学校では紫錦台中学校を初め8校、小学校では戸板小学校を初め12校であり、合計20校の設置にとどまっており、緊急時の車椅子対応の仮設トイレに関しましては30台となっております。また、トイレのある公園は125公園と、努力はされていると推察しますが、ユニバーサルトイレ設置に関しては59公園で、47%の設置状況になっております。災害時は、1カ所の空間スペースに不特定多数の被災者が避難しており、通常のトイレ設置率では対応し切れないと考えますが、本市における御高齢者や障害者の方々の避難所受け入れ対策及びトイレ設置に関する御所見をお伺いいたします。 さて、今回の熊本地震の初動を鑑みますと、社会生活における水の大切さが今までにこれほどクローズアップされた事例はないのではないでしょうか。私たちは、本市において何気なく水道を利用し、家の中で簡単に水を手にし、日々の炊事、入浴、洗濯、トイレ等々、社会生活を過ごしており、私自身、災害未経験の中で、水道水が出ないという境遇に遭ったことがないため、蛇口から水が出ないということを想像すらしたことがありません。しかしながら、よくよく考えれば、水道水は土中に整備されている水道管を通して各家庭に配水されており、今回のような直下型地震が発生した場合、配水管がダメージを受けるのは容易に想像されます。先ほどからお聞きしているトイレ等の整備を急いでも、水がなければ使用できませんし、上下水道、特に上水道の耐震化は急がなければならない課題だと思います。特に狭小道路などでは、家屋の倒壊や道路の損壊等により通行不可能な状態になり、水道管が破損しても、修繕するのに時間を要することが想定されます。そこで、本市の水道管における耐震化率と今後の整備方針についてお尋ねいたします。 さて、今回の熊本地震から2カ月がたとうとしておりますが、いまだ困難な避難所生活を強いられている方が大勢いらっしゃいます。また、当初定められていた避難所が損壊により使用できない箇所も多々あったようでありますが、本市において耐震改修の済んでいない指定避難所があるのか、いま一度、拠点避難場所等の再点検が必要ではないでしょうか。本市指定の拠点避難場所の耐震化状況をお伺いいたします。 また、障害のある方や幼少な子連れの方やペット同行避難及び一定の隔離措置が必要な多種多様な要援護者のニーズに対応するためには、地区拠点避難場所である小学校や中学校の施設だけでは対応し切れなくなる可能性を踏まえ、地域の防災拠点として地区公民館のあり方も考えなければいけない時期に来ているのではないでしょうか。東日本大震災や最近では熊本地震の事例を見てもわかるように、大規模災害の直後は、行政による支援、いわゆる公助が市民に行き届かないケースも想定され、自助や地域における共助が重要となってまいります。そして、地区公民館が避難場所となれば、その役割の一翼を担うことになり、各公民館の館長や主事の果たすべき役割も少なからずクローズアップされることとなります。さらには、災害時のみならず、少子高齢化社会では地域における助け合いがコミュニティーの維持に不可欠なものとなり、その拠点である公民館は、町会連合会とともに地域における存在感を増しております。そこで、少子高齢化社会を念頭に、地域コミュニティーの拠点として今後の公民館に期待する機能について、市長及び教育長のお考えをお聞きいたします。 今、あえて期待すると申し上げました。言うまでもなく、地区公民館の設置主体は市でありますが、本市の地区公民館は、いわゆる金沢方式により、地域の特性を生かし、自主的な運営が進められております。しかし、繰り返しになりますが、少子高齢化による地域コミュニティーの変容、担うべき役割の多様化が進めば、これまでのように運営費を支出し、金は出すが口は出さないというスタンスではなく、市として具体的な関与や助言が必要となるのではないでしょうか。役割が多様化すれば、職員もそれに対応してまいらねばなりません。職員のスキルアップも含め、地域の幅広い活動の拠点としてさらにブラッシュアップを図っていかねばならないと思いますが、御所見をお伺いし、私からの質問を終わります。(拍手)
○野本正人副議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 5番中川議員にお答えいたします。 避難所におけるペットの対応についてお尋ねがございました。本市の避難所運営マニュアルにおきましては、ペットについて避難所の屋内に入れることは禁止がされているところであります。同行した場合は、避難所運営委員会に届け出や手続を行った上で、屋外の駐輪場等で飼い主が責任を持ち、他の避難者に迷惑がかからないように飼育することを基本としているところでもあります。新宿区の例をお挙げになられました。あらかじめ、新宿区は、獣医師会と避難所においてペットの救護活動を実施することを内容とする協定を締結し、啓発活動としてパンフレットを配布するなどの取り組みを行っているとお聞きしています。ペットに関する対応につきましては、国のガイドライン等の動向、また、今ほど申し上げました新宿区を初め他の都市の取り組みを見ながら、適切に対応してまいります。 災害派遣獣医療チーム、いわゆるVMATのことですけれども、本市では、この災害派遣獣医療チームは設置していません。 ペットの野生化についても、御懸念があり、御指摘いただきました。東日本大震災におきましても、福島第1原子力発電所周辺の立入禁止区域では、飼い主とともに避難することができなかったペットが野生化し、問題となったことは承知しているところであります。そのためにも、改めて飼い主の皆さんに対しまして、ペットの世話や管理は、平時のみならず、災害時においても飼い主の責任のもとで行われるべきことを啓発するとともに、国や他都市の取り組み状況を注視しながら、本市として、これからどんなことができるのか研究をさせていただければと思っています。 高齢者や障害者の避難所の受け入れ体制ですけれども、本市では、指定避難所の運営主体であります各校下の自主防災組織や学校長など施設管理者に対しまして、特別な配慮が必要な方のことを考慮しながら避難所運営マニュアルを作成するように指導しているところであります。これに加え、高齢者や障害のある方などのために、あらかじめ87カ所の福祉施設等と協定を締結し、福祉避難所として指定を行っているところであります。より一層、その告知に努めてまいります。今後、各校下で行われます防災訓練でも、今ほど申し上げたようなことなども視野に入れながら、避難所運営訓練を取り入れるなど、体制の強化に努めてまいります。 避難所のことについてですけれども、耐震化が進んでいないのは幾つあるのかということです。本市の指定避難所は205カ所あります。公民館や旧小学校など、9カ所が耐震基準を満たしていません。そういうことから、震災時の避難所としては使用せず、他の指定避難所への適正誘導に努めることとしています。 公民館のことについてお尋ねがございました。今後の公民館に期待する機能、役割ですけれども、私は、金沢というまちはコミュニティーのまちだというふうに思っています。そのコミュニティーの中核を担っていただいているのは、中川議員がおっしゃった地域公民館であり、町会連合会であり、婦人会、子ども会、さまざまな地域の皆さんだというふうに思っています。その中でも地域公民館は、その地域コミュニティーの中での中心であり、幅広い世代層が集う場だというふうに思っています。その地域においてさまざまな課題に対応していただいていますし、その中で人材育成ということにも取り組んできたのが、金沢の地域公民館であるというふうに私は思っています。その中で、次の世代に受け継いでいく助け合いの精神というものも、しっかりとつなげてきていただきました。地域を担う人材育成の場となることを期待しているところであります。少子高齢化を踏まえ、さまざまな課題があるかと思いますけれども、本市としても、地域公民館の皆さんとしっかりと連携しながら、これからの活動に期待していきたいと考えています。 私のほうからは以上です。
○野本正人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 拠点避難場所となる学校の車椅子対応のトイレの設置についてお尋ねがございました。本市の小中学校におきましては、これまでも耐震補強工事等の際に、トイレの洋式化を図っております。昨年度は、改築をいたしました鞍月小学校及び紫錦台中学校の体育館に、車椅子やオストメイトに対応した多機能トイレを整備したところでございます。車椅子対応のトイレにつきましては、設置スペースの問題もありますけれども、今後、大規模改修時等に可能な限り整備してまいりたいと考えております。 少子高齢化を踏まえ、今後の公民館に期待する機能につきましてお尋ねがございました。地区公民館は、これまで地域住民にとって最も身近な学習や交流の拠点として、活力のある地域社会の実現に大きな役割を果たしてきていると思っております。私は、これからの公民館には、学校や家庭との連携、協力を図りながら、地域で子育てや教育を応援し、支えていくとともに、多様化する地域社会の要請に応えるために、地域の課題解決に向けた学習や活動の場となることを期待しております。 また、公民館への助言やさらなる活性化についてもお尋ねがございました。本市の公民館活動は、古くから地域主導による運営がなされておりまして、地域の主人公である住民が主体的に学ぶ場、交流する場を創出し、その中で地域づくりが行われてきたことが特徴であると捉えております。今後とも、地域の自主性を尊重しながら、適切な助言、指導を行ってまいりたいと考えております。また、公民館職員の資質向上のため、必要な専門的知識や技術を学ぶ研修を行うことなどによって、公民館が担うべき役割の多様化に対応できるよう努めてまいりたいと考えております。 私のほうからは以上でございます。
○野本正人副議長 桶川公営企業管理者。
◎桶川秀志公営企業管理者 水道管の耐震化率と今後の整備方針についてお尋ねがございました。平成27年度末における水道管の耐震化率は84%となっております。災害に備えた水道管の耐震化は、非常に大切な課題でございまして、今後とも重要な基幹管路を優先し、計画的に推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○野本正人副議長 25番小林誠議員。 〔25番小林 誠議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆小林誠議員 質問に入ります前に、さきの熊本地震におきまして犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、一日も早い復興を心より祈念を申し上げたいと思います。 発言の機会を得ましたので、金沢保守議員会の一員として、数点にわたり質問をさせていただきます。 初めに、国政の動きについて、2点お伺いさせていただきます。 先月27日に、オバマ大統領が現職のアメリカ大統領として初めて広島の地を訪問されました。私は、これまで、世界で唯一の戦争被爆国として日本が平和を訴えることの必要性ということをこの本会議でも述べてきましたけれども、今回、アメリカ大統領が広島を訪問され、被爆者と対話、また、ハグをするシーンに、私は感慨深いものがありました。多くの犠牲者をオバマ大統領が追悼したこと、そして原爆資料館に足を運んだこと、献花したこと、私は大変意義深いなと思っておりますが、まさしく歴史の転換点であったかと思います。そのことについて、まず山野市長のオバマ大統領の広島訪問に対する率直な御感想をお聞かせいただければと思います。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 小林議員と全く同じ思いを持ちました。間違いなく歴史の転換点であったというふうに思いますし、何年後かには、小林議員がおっしゃいましたように、オバマ大統領が被爆者を抱きしめたその写真がその転換点を象徴する写真として、我々の子どもや孫の代にずっと伝わっていくことを私は期待したいというふうに思っています。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 本市も、昭和60年に平和都市宣言を議決しています。その中で「世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶は、人類すべての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない。」と記されております。私も、今回、質問するに当たり、この平和都市宣言の制定された経緯も調べさせていただきました。議員の思い、議会の思いがしっかりとこの宣言文に反映されているのでないかなと改めて感じた次第でありますが、ぜひとも、そういった思いを山野市長も胸に刻みながら取り組みを進めていっていただければなと思います。 次に、消費税の増税再延期についてお伺いいたします。来年4月に予定されていました消費税の10%への引き上げについて2年半延期することを安倍総理は表明しました。財務省の試算では、年間の税収は5兆6,000億円程度増加すると見込んでおりましたが、この増税分の税収でもって、市民生活に直結する社会保障の充実や年金給付、また、子育て支援策に充てることとしておりましたけれども、この延期によって、市民に一番近い自治体である金沢市にどのような影響があるとお思いか、消費税増税の再延期についての市長の御所見と、この再延期によって本市にどのような影響をもたらすか、あわせてお伺いいたします。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 安倍総理のほうで、今回の御決断をされました。世界経済の減速による経済の下振れリスクを回避するものだというふうに受けとめています。ただ、これ金沢だけではありません、全国の地方自治体にもかかわってくることだと思いますけれども、予定されていました社会保障の充実策がどういう扱いになってくるのか、また、必要な財源の確保というものも課題になってくるというふうに思っています。今後の動向を注視してまいります。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今回の安倍総理の増税の再延期というのは、私は一定の評価をしたいと思っておりますが、ただ、今ほど申し上げていますように、やはり財源が不足してくるわけでありまして、今後、やはり地方独自にどう財源をつくっていくか、また、税制のあり方をどう考えていくかということも議論をしていかなくてはならないと思っております。そういった意味で、ことしの4月から、地方を所管する総務省から細田副市長をお迎えいたしましたので、ぜひとも細田副市長のお知恵をかりながら、また、総務局や財政課の知恵をいただきながら、地方独自でどういった税制を確保していくか、財源を確保していくかということを議論していかなければならないなと思っていますが、きょうは時間がありませんので、この議論につきましては、また発言の機会をいただきましたらぜひ議論させていただければと思っております。 再度、広島のオバマ大統領の訪問についてお伺いいたします。広島訪問の翌日の新聞記事は、各紙一面、オバマ大統領の声明を取り上げております。その見出しが「核なき世界へ」と「核兵器なき世界へ」という2つの表現に分かれておりました。市長、午前中の答弁では、市長御自身、核なき世界へという表現を使われましたけれども、私は、核兵器なき世界へ、また、核なき世界へ、同様の意味と捉えがちではありますけれども、私はそこに大きな違いもあると思っています。言葉尻を捉えるようでありますけれども、オバマ大統領の声明の原文を深く理解することも大切じゃないかなと思っております。山野市長は、過去の著書や本会議の発言から察するに、言葉や日本語、漢字の使い方というものは厳格であるべきだとお考えだと思いますけれども、核なき世界、核兵器なき世界、この2つのフレーズにどのような違いと意味合いがあるとお考えか、また、本市のスタンスとあわせてお伺いいたします。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 申しわけない。私は、原文を読んでおりませんので、原文がどんな表記かをよく理解しているところではありませんし、核なき世界、核兵器なき世界、新聞によって違っていたということですけれども、そのこともまだ確認しておりません。ただ、今、議論をお聞きしておりまして、私は、広義、狭義の違いはあるかもしれませんが、平和な世界を目指すという視点や、基本的な考え方においては、違いがないものだというふうに思っています。先ほど、小林議員からお話しいただきましたように、平和都市宣言をしている都市でもあります。これまで、多くの海外の都市と姉妹都市なり友好交流都市なり、また、ここ最近に至りましてはユネスコ創造都市ネットワークの関係で、多くの都市と良好な関係を築いているところでもありますので、引き続き、そういう関係を大切にしながら、世界の平和にささやかながら貢献していければというふうに考えています。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 オバマ大統領の声明の原文では、ニュークリアストックパイルズという言葉を用いています。直訳すれば、核兵器という言葉になろうかと思いますので、純粋に訳せば、核兵器なき世界へということになろうかと思いますが、今ほど市長がおっしゃられたように、言葉は違いますけれども、大きな意味合いとして平和への思いということに関しては共通の認識だと思いますので、ぜひとも金沢市もその平和、核兵器廃絶に向けての取り組みを一歩、二歩、進めていただければと思います。 次に、教育長にお伺いいたしますけれども、オバマ大統領の広島訪問は、日本の平和教育を考え直す、また、見直すきっかけにもなっていると思います。この機を捉まえて、かねてから私が述べています8月6日、9日を、金沢の小中学校、また、市立工業高校の登校日に設定することを改めて要望していきたいと思っておりますけれども、昨年度の実績では、8月6日または9日を登校日に設定している小学校は9校、中学校は2校、市立工業高校は設定していないということでありました。教育長は、8月6日、9日が大切な日なので、校長先生方としっかりと話をしていきたいと、この本会議でも述べておられますけれども、私の質問以後、教育長は校長先生方とどのような話し合いを持たれてきたのか、また、現時点において、ことしの8月6日、9日を登校日に設定している学校数を、あわせてお伺いいたします。ことしの8月6日は土曜日ということもありますけれども、その辺を含めて御答弁いただければと思います。
○野本正人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 これまでも本議会で答弁させていただきましたが、8月6日、9日は唯一の戦争被爆国の国民として、多くのとうとい命の犠牲の上に現在の平和があることに思いをめぐらせる大切な日である、このことはずっと言い続けていると思っております。前回御質問をいただきましたその後、各学校の校長先生方と話し合いをさせていただきました。その会や校長会議や学校訪問等の中で、児童・生徒が歴史を学び、平和のとうとさについて考える機会を適切に設けてほしい、そんなふうに訴えてまいりました。今年度の8月6日は、議員がおっしゃられたとおり土曜日でありますけれども、登校日をその前後に実施する学校は10校、また、8月9日に実施する10校と合わせて、合計20校となり、昨年度よりも6校増加いたしました。また、それに加えまして、これ以外の日に登校日を設けて、平和に関する教育活動を実施するとした学校は8校となるなど、着実にふえていると思っております。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今ほど、教育長から着実にふえているということでありましたけれども、この広がりをさらに来年、再来年以降広げていただきますようよろしくお願いいたします。やはりその上で、8月6日の意義、9日の意義ということをきちんと子どもたちに教えた上で、平和であったり、日本の安全保障、また、抑止力ということもきちんと考えるきっかけをつくっていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、新たな視点として、修学旅行についてお伺いいたします。午前中でも少しやりとりがありましたけれども、まず中学校における修学旅行の意義、そして中学校における修学旅行の昨年度の行き先を、あわせてお伺いさせていただきます。
○野本正人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 中学校における修学旅行では、平素と異なる生活環境のもとで、各教科等の学習と関連づけながら見聞を広め、自然や文化などに親しむ態度を育てること、また、あわせて集団行動や共同生活の体験を通して、公衆道徳などについて望ましい体験を積むことを目的といたしております。昨年度の本市の中学校の行き先につきましては、関西方面20校、関東方面1校、東北方面1校となっております。 以上でございます。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今ほどの答弁ですと、ほとんどの中学校が関西方面ということでありましたが、恐らく関西というと、京都であったり、奈良であったり、大阪、神戸というところが行き先としてなってくるのかなと思います。金沢市としても、歴史都市としての共通点があるから、そういったところにも行程が組まれているんじゃないかなということも推察いたしますけれども、もう少し足を延ばして、広島に修学旅行に行くことをぜひ検討していただきたいと思います。行程や費用、引率の先生の負担を考えると難しい面はあるかと思いますけれども、やはり広島の平和記念公園や原爆ドームは日本人なら一度は訪れるべき場所だと思いますし、中学生という多感な時期に訪れることが日本の平和を考える上で私は重要だと思っていますけれども、改めて教育長の御所見をお伺いいたします。
○野本正人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今、議員がお話しされましたように、修学旅行の行き先を決めるに当たりましては、行程とか費用面等の限られたいろんな条件があります。その中で実施しなければならないなど難しい面もありますけれども、今回のこの機会を捉えて、平和の大切さを考えることも視野に入れた修学旅行のあり方について、各学校長にはまたお伝えしていきたいと思っております。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今回のオバマ大統領の広島訪問に際しまして、2人のKの功績があったということが新聞報道されておりました。その1人がジョン・ケリー国務長官で、先般、広島で外相サミットがあった際に広島の地を訪れて、原爆資料館や平和記念公園を訪れ、追悼、献花をし、その上で、やはりオバマ大統領も現職大統領としてぜひ広島の地を訪問すべきだということを強く進言したと言われております。もう1人のKがキャロライン・ケネディ駐日大使であります。駐日大使に就任後、毎年のように8月6日に広島の地を訪れて、追悼式典にも参加しておりますし、報道によれば、キャロライン・ケネディ駐日大使も二十のころに広島を訪問し、原爆資料館や追悼公園、原爆ドームを見て、広島の悲惨さということを感じたということでありました。それがあって、今回、国務長官や、また、現職大統領の広島の訪問につながったものと思っておりますから、やはりキャロライン・ケネディ駐日大使のように多感な時期、中学生ではありませんでしたけれども、二十前後のころに広島の地を訪問したことが今回の現職大統領の広島の訪問につながったと私は思っていますので、ぜひとも市内の中学生にもこの時期に広島を訪れるきっかけをつくっていただきたく、そのリーダーシップを教育長にぜひ発揮していただきたいと思っております。 次に、駅西地区及び駅前の活性化と土地利用についてお伺いいたします。 まず、駅西地区について伺いますが、駅西地区の中でも大徳地区は、本市でも数少ない人口増加地区となっています。そのことで、大徳小学校や木曳野小学校が手狭になるなど、新たな課題も生み出されています。この課題に対応するため、大徳、木曳野両小学校の規模について、中学校通学区域のあり方を検討する中で、大徳地区での小学校の新設というものが答申されております。ただ、その後、新設校についての情報が少なく、地元の保護者からも多くの問い合わせを受けております。まずは、大徳地区の小学校新設に向けた取り組みの状況と課題をお伺いいたします。
○野本正人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 本市小中学校の通学区域の適正化を図るために設けられております通学区域審議会におきまして、現在、大規模校の解消も観点の一つとして、学校規模の適正化に向けた議論を行っているところでございます。そうした中で、大徳小学校、木曳野小学校は、周辺の土地区画整理事業の進捗によって、今後もしばらくは児童数が増加していくものと予測しており、検討の対象になるものと考えております。審議会の結論を待って、具体的な対応策を検討いたしていくことになりますけれども、課題となる学校用地の確保も含め、教育環境の充実に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今ほど、教育長が課題として申し上げられました学校施設用地の確保でありますけれども、大徳地区では、既存の住宅や商店が建ち並び、新たな校区となる地区に、私は適当な用地がない状況にあるんじゃないかなとも感じています。一方で、少し離れた50メートル道路沿いには、あいた市有地がありまして、その土地の利活用の方向性も示してほしいという地元の声もあります。50メートル道路と海側環状道路が交差する一等地でありますけれども、将来、新交通システムが整備された際の用地としてさまざまな可能性があるとは思いますが、現時点での利活用の方針についてお伺いいたします。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 当該用地は、鞍月土地区画整理事業にあわせまして、まちづくり用地として先行取得いたしました約1.8ヘクタールであります。御指摘ありましたように、50メートル道路と海側幹線に面した大切な土地でもあります。駅西地区のみならず、金沢市全体のまちづくりにとっても大切な場所でありますので、御指摘のありました点も含めて、さまざまな可能性について、引き続きもうしばらく検討させていただければと思います。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 現状においては白紙ということになろうかと思いますけれども、大徳地区の新設校については、適正規模の土地がないという課題がある一方で、今ほど議論しました50メートル道路沿いの市有地については、なかなか明確な方針が示されていないという状況でもあります。大徳地区の新設校も含めて、今ほどの土地利用について、今後の駅西地区の発展を見据えた際に、やはり大局的な判断もしていかなければならないと思いますし、その上で県とも協議を重ねていかなければならないと思います。やはり地元の方々が納得できるような方針を示してもらいたいと思いますが、改めて御所見をお伺いいたします。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 御指摘のとおりであります。先ほど、駅西地区はもちろん、金沢市全体にとっても大切な場所だというふうに申し上げました。総合的、そして慎重に議論をしていかなければいけませんけれども、金沢市全体といっても、地域の皆さんの御理解をいただくことが何といっても私は一番大切なことだというふうにも思っています。当該市有地にふさわしい土地利用を引き続き検討させていただきます。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 小学校新設の問題に関しましては、子どもにとっても、親にとっても、また、地域の方々にとっても、やはりコミュニティーの問題もありますから、生活の根幹にかかわってくる大きな問題であろうかと思います。地元でも、さまざまな憶測やうわさもありますので、市の責任として、できる限り早い段階での整備方針というものを示していただければと思います。 次に、駅前の活性化についてお伺いいたします。先般、金沢都ホテルの再開発計画が報道されました。今後、新たな金沢のランドマークとなるような再開発を期待するとともに、新幹線開業効果によるにぎわいが持続するような活性化にぜひとも期待したいと思っております。民間企業の事業とはいえ、駅前のまさに顔とも言える土地で、半世紀ぶりの再開発でありますから、ぜひ山野市長の御所見をお伺いすると同時に、この再開発にどのような期待を持たれているのか、また、本市としてかかわる部分がどのような形であるのかお聞かせいただければと思います。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 お話ありましたように、一義的には民間のものではありますけれども、市としても2つの側面で大きく関心を持っています。1点は、ランドマークという表現を使われましたけれども、駅から兼六園口に出てすぐのところであります。間違いなく駅前の新たなランドマークになり得る場所でもありますし、そのことは都市のイメージ、都市の風格というものにも直接伝わってくる部分もあります。もう1点は、現在もそうですけれども、地下で都ホテルにつながっているところでもあります。その地下通路の整備に係る調整ということもかかわってきます。これは駅前のにぎわいに直接つながることでもありますので、民間の事業ではありますけれども、今後、開発につきましては動向に注視してまいりたいと考えています。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 都市のブランドであったり、地下通路の整備は、本市としても今後かかわっていく課題とありましたけれども、やはり観光客の方はもちろんのこと、地元の方々、金沢市民、石川県民が納得でき、利便性もある施設となってもらえるように私も願っております。 続きまして、熊本地震に係る支援と職員派遣についてお伺いいたします。 本市は、災害が発生した際に、自治体間相互で職員の派遣を行い、被災地の復興支援の一助を担っております。市長においては、東日本大震災の際に、いち早く、できることは何でもするという言葉を使って支援を表明され、震災から6年がたった今でも継続して職員を派遣されておられます。そのことに改めて敬意を表したいと思いますし、今回の熊本地震でもさまざまな支援活動を行われておりますけれども、まず熊本地震に係る本市の支援状況をお伺いすると同時に、被災地の復興支援に係る職員派遣の意義についてお聞かせいただければと思います。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 具体的に申し上げます。給水活動や医療救護、健康管理支援などに、延べ29名の職員を派遣いたしました。また、被災者へ市営住宅を無償提供するなどの支援体制を早い段階で整えたところであります。引き続き、国・県、全国市長会等々と連携しながら、必要があれば、なしうる限りの支援策を講じていきたいというふうに考えています。意義ですけれども、一義的には、一日も早い復旧・復興の役に立ちたいという思いがあります。その次は、あってはならないことですけれども、万が一、本市にとって大規模な災害が起きることも考えられ得ることです。派遣された職員が今まで経験のしたことないような規模の災害応急対応や災害復旧に携わるということは、本市にとっても大きな意義があるというふうに考えています。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 改めて、市長の姿勢に心強さというものも感じますし、被災地において身を粉にして働いている、また、働いた市の職員に心から敬意も表したいと思います。 職員派遣は、被災地のさまざまな支援要請に応じる形で行われていますけれども、要請があった場合の職員派遣に係る窓口であったり、コーディネートの体制、そしてやはり派遣される職員の安全というものもきちんと管理しなくてはいけないと思っております。そうした中で、職員派遣に当たって、被災地で即戦力となり得るように、実際に赴く職員に事前にきめ細かく支援の内容や被災地の状況を教えるということも重要だと思いますけれども、その辺の体制についてどうなっているのかお聞かせいただければと思います。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 先ほど、国・県、全国市長会や給水車のお話をいたしました。日本水道協会等々、さまざまな窓口から要請がありました。それぞれの担当部署に要請がありましたけれども、情報は全て危機管理課で一元化して対応するようにしてきました。そうしながら、各地に職員を派遣したところでもあります。おっしゃっていただきましたように、派遣した職員が体を壊しては元も子もありません。現地においても、金沢市だけではなくて、派遣職員を対象にした毎朝の準備運動等々をすることによって、安全管理、健康管理にも配慮されていたというふうにお聞きをしています。そしてまた、事前の情報ですけれども、当然、各種団体等を通じまして、でき得る限りの情報を取得しているところであります。また、派遣した職員も、これまで専門的な知識やノウハウを身につけた職員でもあります。集められ得る限りの情報をその専門的な経験を積んだ職員に伝えることによって、私は業務においてスムーズに力を発揮することができたというふうに思っています。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 先ほどの職員派遣の意義のときにも市長からお話がありましたけれども、派遣された職員は、今後、仮に金沢市で災害が発生したときに、その経験というものが生かされてくるだろうと思いますし、その経験を生かしていかなければならないと思っています。そうした意味で、金沢市の災害時の非常配備体制において、派遣した職員が中核となって働けるような体制の構築というものが必要だと思いますけれども、改めてその辺の体制づくりについて、市長の御所見をお聞かせください。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 これまでも、東日本大震災であったり、熊本の地震で、多くの職員が頑張ってくれています。その出発式であったり、また、帰任の報告のときに、私はいつも申し上げていることがあります。一番は、まず自分自身が健康、元気であってほしい、健康管理に気をつけながら、当地の職員に成り切って、復興のために汗を流してきてほしいということをお伝えしています。その次に、帰ってきたときには、もちろん自分にとってすごい財産になっていると思いますが、その財産を同僚に伝えることによって、金沢市の財産にしてほしいということも伝えているところでもあります。そして、今年度、災害時受援マニュアルの作成を予定しているところでありますけれども、その受援マニュアル作成に当たりましても、派遣した職員の経験や意見というものも反映していきたいというふうに考えています。また、多くの自治体や企業関係者、ボランティア関係者の方々の支援を円滑に受け入れる体制の構築にも努めていきたいというふうに考えています。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 ぜひ、今後そのような経験が本市の中で生かされるように期待していきたいと思っております。 次に、新たな執行体制についてお伺いいたします。 ことしの4月に、新たな副市長として総務省から細田副市長を迎え、2カ月余りが経過いたしました。基礎自治体の副市長として、日々市政にかかわる幅広い業務をこなされていることと思いますが、総務省時代には経験できなかったであろう2つの仕事、イベントについてお伺いいたします。初めに百万石まつりでありますけれども、百万石まつりでは、大会の実行委員会会長兼実行委員長として、百万石行列や踊り流しなどを見たと思います。行列などが注目されておりますけれども、このまつりの本当の魅力は、お茶や踊りなどの伝統文化、また、スポーツなどの協賛事業が同時に行われて、まさに子どもから大人までが一体となって楽しむことができるところだと私は考えています。そうした中で、細田副市長は初めて百万石まつりに携わり、金沢の文化やスポーツの厚みについてどのようにお感じになられたかお聞かせいただきます。
○野本正人副議長 細田副市長。
◎細田大造副市長 私は、金沢百万石まつり実行委員長として、百万石行列のほか、加賀友禅燈ろう流し、入城祝祭、百万石踊り流し、民謡、お茶、生け花などの場に参加させていただきました。議員御指摘のように、武者行列だけではなくて、長い歴史を持つ加賀鳶や獅子舞、奴の演技、勇壮な太鼓の演奏、華麗な加賀友禅や百万石踊り流しに深い感銘を受けたところでございます。さらに、市内各所では、盆栽展や親善少年相撲を初め、子ども提灯太鼓行列、生け花展、お茶会、弓道大会、ウオーキング大会など、数多くの文化・スポーツ行事が開催され、議員御指摘のように、子どもから大人まで多くの市民、団体や外国人にも支えられて百万石まつりが成り立っていることを認識したところでございます。地域コミュニティーのきずなの強さを目の当たりにいたしまして、本市の文化やスポーツの厚みはまさに本物であると実感したところでございます。 以上でございます。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 ありがとうございました。さまざまな経験をされて、さまざまな行事に出席され、体験されて、まさにその思いがさらに強くなったことだろうと思っております。 次に、台湾にも5月に訪問されておりますけれども、金沢の代表として台湾を訪問され、国政における外交と違った草の根交流ということにも経験されたことだと思います。団長として台湾を訪問された細田副市長は、本市と台湾との交流についてどのような思いを持たれたのか御所見を伺いますし、また、このような交流を行う意義、そして本市に与える影響についてお聞かせいただければと思います。
○野本正人副議長 細田副市長。
◎細田大造副市長 今回、私は、八田與一技師夫妻の墓前祭への参列と観光誘客活動を行うために、台湾の台南市等を訪問してまいりました。訪問に先立ちまして、八田技師が育った花園小学校や生家等を訪れ、台湾に寄せる金沢市民の皆様の熱い思いを感じるとともに、実際に台湾を訪問しまして、先人の皆様が築き上げてきた市民同士の強い信頼関係を深く認識するとともに、これまでの友好関係を次の世代に伝えることの重要性を実感したところでございます。本市を訪れる外国人旅行者の約半数は、台湾から御訪問いただいていらっしゃる方々でございまして、日台交流サミットや金沢マラソンを初め、これまでの一つ一つの着実な交流の積み重ねが大きな成果としてあらわれているものであり、引き続き、台湾との末永い心の交流に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今ほど、百万石まつりについて、そして台湾との関係について、副市長から心強いというか、十分な理解をしていただいた上で、副市長としてこれからもぜひとも御活躍をいただければと思っております。 副市長の役割というのは、一義的には山野市長を支えることだと思いますけれども、やはり時に進言して、これまでにない新たな視点でもって施策を展開もしていっていただければと思っております。交流拠点都市の実現にも邁進していただきたいと思っていますけれども、細田副市長は、本市をどのようなまちにしていきたいとお考えか、着任2カ月で感じた本市の課題も含めてお聞かせいただければと思います。
○野本正人副議長 細田副市長。
◎細田大造副市長 本市をどのようなまちにしていきたいのか、また、その課題についてお尋ねがございました。私は、先般行われました金沢百万石まつりの加賀友禅燈ろう流しにおきまして、先人の皆様方のまちづくりに対する感謝の気持ちと次の時代を担う子どもたちの笑顔を願う私の思いを、自分自身が作成した燈ろうに文字と絵で込めさせていただいたところでございます。こうした私の思いとこれまで培ってまいりました経験や新たな発想を、世界の交流拠点都市金沢の実現にいささかなりとも生かすことができればと考えているところでございます。就任以来、職員や市民の皆様との対話を通じまして、市政の諸課題の把握に努めてきたところでございまして、文化やスポーツなど個性が際立つまちづくりや重点戦略計画の着実な実践などに、山野市長を補佐し、職員とともに全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。議員各位におかれましては、御指導、御鞭撻を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今、細田副市長の所信表明をいただきましたけれども、今後、市長には執行体制のトップとして、やはり強いリーダーシップをとっていっていただき、発揮をしてもらいたいと思います。私は、地方自治体のリーダーは、その都市の品格や個性をあらわす方であってほしいと願っています。最近では、きょう辞職願を出されたということですけれども、東京都のように、その資質に問題が出るような事例もありますけれども、市民を安心させるためにも、改めて市長に、今年度の新たな執行体制にかける思い、そしてリーダーシップやリーダーとしての資質について御所見をお伺いいたします。
○野本正人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 去年の秋ごろだったと思いますけれども、私は、2人の副市長に来てもらいまして思いを述べました。次の年度は、新幹線の後、アフター新幹線の年度になると、これまで議場でも何度も申し上げてきましたけれども、ぜひ金沢の個性に磨きをかけることと新しいことに挑戦することについて意を用いて予算を組んでほしいということ、そして予算だけではなくて、やはり執行体制にもそのことが目に見えるようにすることも大切だという思いも持っておりましたので、そのことも伝えさせていただきまして、今回、金沢の個性でもあります文化、そして新しいことに挑戦するという意味も含めてスポーツ、そこから文化スポーツ局をつくらさせていただきました。もちろん、それ以外のことも全て大切なことではありますけれども、執行体制を含めてアフター新幹線としてベクトルを明確にさせていただいたところであります。 リーダーシップについてお尋ねがございました。誤解を恐れずに言えば、私は、リーダーシップは2つに尽きると思っています。1つは、リーダーは方向性を示すこと、こちらに行くという方向性を示すことだというふうに思っています。理念を持って、そして理念に立脚しながら、スタッフの力をかりて、10年後、我が社、我が組織、我がまちはどういう方向に行くのか、そのことを明確にし、今度はそのビジョンを実現するための具体的、個別的な施策をつくっていく、その方向性を明確にするということが1つ。もう1つは、スタッフ、仲間のモチベーションを高めるということです。リーダー、もしくはサブリーダーだけでは何もできない。金沢市でいえば、職員の皆さんのお力をおかりしないと、そして議会の皆さんのお力をおかりし、また、アドバイスもいただきながらつくっていかなければいけません。その一緒に仕事をする仲間のモチベーションを高めていく。その2つが私はリーダーシップだというふうに思っていまして、まだまだ力不足ではありますけれども、その思いをこれからも胸に刻んでいきながら取り組んでまいります。
○野本正人副議長 小林誠議員。
◆小林誠議員 今、市長がおっしゃられた思いは、私も共通する部分がたくさんあります。私自身も、市議10年目を迎えて、市長の思い、今答弁されたことに、ますますその思いも強くなってきておりますので、ぜひ、ともに市民福祉の向上のために努力をしていきたいと思っています。 教育についてお伺いしたいところでありますけれども、文教消防常任委員会に所属もしていますので、委員会や、また、本会議場で機会がありましたらお伺いさせていただきます。失礼いたしました。ありがとうございました。
○野本正人副議長 以上で、25番小林誠議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△休憩
○野本正人副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後2時16分 休憩-------------------------- 午後2時33分 再開
△再開
○福田太郎議長 出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問(続き)
○福田太郎議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 29番玉野道議員。 〔29番玉野 道議員登壇〕(拍手)
◆玉野道議員 質問の1点目は、エネルギー産業の創造と地域内経済の循環に関してです。 この4月1日からの家庭や商店への電力小売の全面自由化に伴い、新たなビジネスチャンスを狙う新電力--PPSの設立が相次いでおり、異業種連携による新サービスを組み合わせたセットプラン料金など、新メニューが次々と打ち出されています。この65年ぶりの大変革のもと、これまでの地域の電力会社から電気を買うことが当たり前の時代が終えんし、電力供給システムの環境は大きく変革しており、これを機に、電力の地産地消を目指す自治体も出てきています。例えば、福岡県みやま市では、地元金融機関も出資したみやまスマートエネルギー株式会社を設立し、エネルギーの地産地消を目指し、消費電力を目で見せるためのタブレットの貸与による省エネルギー化や地域雇用の創出も目的としています。また、経済産業省の大規模HEMS情報基盤整備事業と連動させ、ヒト・モノ・仕事の創出につながる自治体PPSの成立やHEMSプロジェクトの実現など、地方創生と結びつけた地域活性化の新たな取り組みとして成果を上げている自治体もあります。中でも鳥取市は、鳥取ガスと共同で地域新電力と言われる自治体PPSを立ち上げ、電気とガスのセット販売で料金割引を検討しております。このように、誰もが生活する上で必要不可欠なエネルギー産業を地域の基幹産業の一つとして創造していくことは、地域経済の活性化、産業振興策として、地域内に雇用を生み、加えてエネルギー料金が波及する経済の循環を実現させ、安倍政権が掲げる地方創生からも重要な課題と考えます。そこで、本市のエネルギー産業とも言える公営企業を主導とした地域経済の活性化や、産業振興策と位置づけた自治体PPSなどのエネルギー産業としての方向性と経済の地域内循環の意義について、市長にお尋ねいたします。 さて、エネルギー論議においては、再生エネルギーの視点が欠かせません。昨年12月のCOP21パリ協定の締結や、制度開始から2年を経過し、再生エネルギー特別措置法の見直しが進み、エネルギーの自由化と並行して再生エネルギー政策も転換期を迎えています。総務省、経済産業省、農林水産省、環境省、国土交通省が対応・連携し、地域に合った新たなビジネスモデルやイノベーションを生む土壌が形成され、地域エネルギー産業を創出する実例が全国で広まっています。総務省が地域の経済循環を目的とするエネルギー事業を推進する積極的な支援の方向性を打ち出し、国のエネルギー計画にも、電気とガスを1つの事業者がセット販売で割引して供給するビジネスモデルも記述しています。そこで、電気事業も有する全国的に特異な存在である本市の公営企業の可能性と進めるべき方向性について、推進役である総務省から着任された細田副市長にお尋ねいたします。 今後、人口減少、少子超高齢社会の進展に伴う財政難が重要課題となる中、公的資金の再配分だけでは地方行政が立ち行かなくなることは明らかで、本市公営企業主導によるエネルギーの付加価値を創出するビジネスの創造は重要課題と言えます。今年度、来春の都市ガス小売全面自由化を控えて、ガス事業で市外の需要調査に着手するとしていますが、地域エネルギー事業の創出を連携市町との共通課題と捉えて、地域、エネルギーの2つのキーワードから中枢拠点都市である本市が明確なビジョンを描き、市民や関係機関の理解と協力のもと、地域経済及び産業などの総合力を高めることが重要と考えます。地域エネルギー事業に関して、既に国は人口20万人程度の都市でこれらの事業展開を想定し、鳥取市を対象としたシミュレーションでは、年間30億円、15年間で430億円超えの経済波及効果を生み出し、年間160名程度、15年間で延べ2,500名程度の雇用を生み出すとの試算があります。そこで、エネルギー産業が新たな展開を迎える中、公営企業の存続意義及び石川中央都市圏ビジョンにおける具体的な事業展開について、経営戦略2016と副題に掲げる進化と挑戦並びに官民パートナーシップの推進とあわせて、公営企業管理者にお尋ねいたします。 地元民間事業者の参画による自治体PPSの設立は、地域エネルギー事業の創造と多彩なプロジェクトとの相乗効果を生む大切な施策と言えます。今後、地域経済の循環と未来のまちづくりにつながるエネルギー政策への投資は、政策とは思えない64億円とされる第二庁舎建設での議会スペースの確保と比べて、その優先度は歴然であると考えます。そこで、鳥取市のシミュレーション結果とあわせて、エネルギー事業創出の可能性や事業化と第二庁舎建設における議会スペース確保について、市長にお尋ねいたします。 さて、民活の号令のもと、これまで石川県を初めとした多くの自治体が電力事業やガス事業を民間に譲渡してきました。当時とは状況が異なりますが、今日のエネルギー自由化の市場論議の強まりの中、公営企業の改革も待ったなしの土俵際にあると考えます。人口減少は需要減少につながり、民間では、取扱商品の拡大などの事業拡大か、事業縮小と固定費削減が当然の選択肢となります。もとより、公営企業のサービス、取扱商品は、住民生活に寄り添う必需品で、上下水道事業の継続が使命であるがゆえに、高度成長期に整備された施設の老朽化に伴う更新が急がれ、経費削減につながる事業運営の手法の見直しなど、具体的な対策が求められています。特に水道事業は、今後も、エコからの節水、代替水源利用--地下水ビジネス、サービスの多様化--ペットボトル飲料水・飲料水宅配サービスなどにより需要が減少し、料金収入の回復が望めないことを踏まえると、公営企業の運営の見直しは必須です。今、公営施設の運営権を長期的に民間に付与するコンセッション手法が注視され、これにはコスト以外にも情報通信技術--ICTやクラウド型の管理システムによる一元管理などのメリットもあります。そこで、本市は、改革の一つとして、連携中枢都市圏における上下水道の連携について既に協議を開始していますが、具体的な運営手法の改善と大阪市や浜松市などで導入の動きがあるコンセッション方式についてのお考えとあわせて、公営企業管理者にお尋ねいたします。 さて、日銀の金融政策が異次元緩和やマイナス金利導入などにより歴史的な超低利率と長期金利が大きく低下している中、水道事業の損益計算書でも明らかなように、既発の公営企業債の30年債は、昔の金利水準にあり、水道事業の資金調達の金利負担が異常に高いことに気づかされます。今後、上下水道事業の先細りが現実視されるだけに、公営企業自身の財政から財務への経営手法の転換が必要です。これまでは、自治体の調達金利は民間より低いと言われていましたが、今や神話となってはいないのでしょうか。繰り上げ償還には、将来分の利息まで支払うことが求められていますが、新公会計の基本的な考え方により、民間金融機関からの低利な資金への借りかえで、料金に占める利払い比率が改善し、料金水準の維持や、場合によっては料金の引き下げにつながるのではないかと考えます。そこで、財政から財務への経営手法の転換とマイナス金利下における資金調達システムの改善、さらには資金調達を組み合わせたポートフォリオの取り組みについて丸口副市長に、マイナス金利下における資金運用や指定金融機関とのパートナーシップなどの財政面については企業会計を担務されてこられた会計管理者にお尋ねいたします。 本市の人口ビジョンに示されるように、将来的な生産人口の落ち込みによる税収減少から、財政が厳しい状況に陥ることが危惧されています。一方で、さまざまなインフラの更新や長寿命化により工夫を凝らしても、限界が訪れ、高度成長期に整備したインフラの大規模な更新が迫り、公営企業の資金調達を適正な水準に誘導することが重要です。本市も多額の地方債残高があり、国の定める手法により財政の健全性を評価していますが、資金調達視点でも経営改革を進めるため、歳入事業ごとに予算を振り分ける財政という発想を超えて、金利をどうマネジメントしていくか、財務という観点での見直しが必要と考えますが、企業局担務でもある丸口副市長並びに公営企業管理者にお尋ねいたします。 質問の2点目は、公共施設等総合管理計画と公共施設マネジメントに関してです。 人口減少、少子超高齢社会を見据え、利用実態の変化やニーズに対応した公共施設の適正化が急がれる中、熊本・大分地震での耐震改修工事を完了した施設での損壊など、今、熊本・大分地震の検証と教訓に学ぶことも必要です。公共インフラの更新投資必要額については、新聞等に掲載されている試算でも、将来的には多額な費用額確保の困難性と予算確保への危惧などから、政策の取捨選択と転換を示唆しています。また、税収の減少や社会保障費の増大による財政バランスの悪化の懸念から、根本的な仕組みを変えるための集約型都市構造を目指すほか、公共施設の総量規制により財政、施設を管理するため、何でも新築で賄うことから、現存する建物をいかに上手に活用するかという意識改革と政策転換が求められています。総務省は、その現状評価と全体把握の必要性から、自治体に公共施設等総合管理計画の策定とあわせ、固定資産台帳の整備と新公会計へ連動させる財務マネジメント立案を2015年度から3年以内の期限設定で要請をしています。そこで、本市における施設等の現状と適正規模、資産老朽化比率、将来世代負担率など、公共施設等総合管理計画の策定におけるファシリティーマネジメントに基づく政策立案と実行計画並びに最適化への組み合わせ分析について、総務局長にお尋ねいたします。 さて、3月定例月議会の連合審査会において、本市の国勢調査速報と地区別人口動態推移によるまちづくりの課題と学校をめぐる諸課題について、問題提起をさせていただきました。学校は、児童・生徒の学習の場であるとともに、生活に直結する地域コミュニティー施設であり、災害時には避難生活の拠点としての役割を担うことから、学校施設の統廃合や配置の見直しは、地域住民生活に大きな影響を与えます。建設当初は、児童・生徒数に見合った各機能が適正な基準を満たしていた学校も、その後の児童・生徒数の推移などにより、基準機能面での過不足が生じ、過大な規模に変容した小中学校における消防法や学校給食衛生管理基準、労働安全衛生法の基準に沿った望ましい教職員の職場環境など、適正を欠いていないのかとの懸念を抱きます。そこで、学校における避難路確保などの消防法に基づく是正案件など具体的な事案について、消防局長にお尋ねいたします。 過大規模校でアリーナ面積などが不足する一方で、過小規模校では余裕教室や余剰教室が生まれるなど、両者における標準諸室や機能面での教育現場における格差拡大など、懸念材料が顕在化してはいないのでしょうか。2017年度からの義務教育標準法の改正に伴う学級編制計画を初め、学校教育に係る国の方針や学習環境、学校生活環境整備に、パブリックスペースの整備など、求められる条件に対応できる機能全てが備えられているとは思えません。そこで、大規模校及び小規模校での機能格差への対応、今後の児童・生徒数の推移とユニバーサルデザインへの対応など、多様な機能整備としっかりとした学びの場の構築に関して、通学区域審議会並びに総合教育会議での課題を踏まえ、その改善策について、特別職になられた新教育長に所信とあわせてお尋ねいたします。 未来を担う全ての子どもが安心して学習し、豊かな学校生活を送るためにも、大切な教育環境である学校施設を適正基準で、かつ適切に維持、改善し、地域コミュニティーの核としての役割を果たしていくことが最優先課題と考えます。教育は、何よりも未来への投資です。日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあること自体が深刻ですが、地域の基盤をなすのは人材育成であり、教育です。人材育成、教育を最優先し、地域の活力が湧く社会を構築すべきです。64億円と言われる第二庁舎建設での議会スペース確保よりも、政策としての未来を担う子どもたちの教育施設の機能充実と将来へのまちづくりとしての先進的な投資や俯瞰的な見地からも、戦略的に、かつ優先的に取り組むべきと考えます。そこで、教育基本法第17条の規定により、教育行政大綱を策定し、所管の事務として執行することになられた市長に、教育施設の改善と機能充実とその優先度について、あわせてお尋ねいたします。 さて、地域コミュニティーの崩壊が危惧される中、地域密着型施設とも言える学校の統廃合や配置の見直しにより、地域コミュニティー資源をどのようにマネジメントし、地域の将来像を描き、新たな地域拠点を形成する道筋を明らかにしていくことは重要です。学校の統廃合や配置の見直しによる地域住民の生活に与える影響を最小限にとどめるためにも、学校をコミュニティー施設として捉え、その機能をできるだけ存続させるための公共FMが必要です。今、就学前の保育施設、就学後の放課後児童クラブの施設やその仕組みは、子育て、働く女性を支援する観点からも整備が急がれ、増加する高齢者ケアニーズについても同様に、地域包括ケア、健康維持のための総合的な戦略の中で、これらニーズを明確にし、供給不足を解消することも必要です。公共施設の総量規制の実施手法に、コミュニティー施設を対象とした複合化と地域移譲があり、学校施設を公共施設マネジメントの対象として、地域内施設の再編や地域づくりに生かしていくことが必要です。そこで、学校施設の多世代交流拠点としての機能化、複合化への対応と地域コミュニティーづくりについて並びに公的不動産--PRE戦略における公共施設マネジメントと都市マスタープランなどに基づく市街地再開発を連携させていく上で、まちづくりのコンパクト化事業のモデル事業の一つと言われているシェア金沢についてどう捉えているのかを、あわせて都市整備局長にお尋ねいたします。 さて、本市は、公営企業所管の建物に福祉部門を入居させ、公共FMによる保有と使用の機能を分けた管理手法により、施設運営の効率化を図ろうとしています。地方自治法第238条の2には、首長が公有財産の効率運用を図るために必要な措置を講ずることができるとの要旨が明記されていますが、国の使用調整等の管理手法の地方への適用について、総務局長にお尋ねをいたします。 今後、公共施設を総括的に管理し、全庁的な最適化を図る視点が重要で、使用調整機能など公共FMは、長期にわたり一貫性を持って取り組むことが大切であり、基本的な理念や計画策定手続の明文化や条例化が必要となっています。そこで、総量規制についても、単なる削減ではなく、行政サービスの質を向上させ、市民の参画や事業者の協力や内容について、第三者委員会の審議など、全体を統括し、使用調整の機能を担保する組織体制の確立について、総務局長にお尋ねいたします。 いずれにせよ、人口減少、少子超高齢化社会に直面し、かつ熊本・大分地震による重大な示唆からも、今日の自治体経営は安全・安心、持続などの多くの課題を有しており、特に最近は想定外との言葉が許されがたい状況にもなっているだけに、事後保全は何もしなかったに等しく、時代の要請は予防保全です。消費税率10%への引き上げの2年半の延期を踏まえ、次世代に過大な負担を先送りにしないためにも、財源を精査し、政策実現の優先順位と財政運営の道筋を戦略的に俯瞰的に示す市長のトレードオフ決断力とイニシアチブが問われていると考えますが、消費増税延期の所感も含めて市長にお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
○福田太郎議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 29番玉野議員にお答えいたします。 エネルギー産業の創造のことについて何点かお尋ねがございました。御案内のとおり、本市では以前より、再生可能エネルギーの一つであります水力発電事業により、低廉な電力を地元の電力会社に長期契約で卸売してきているところであります。自治体PPSのような小売への参入につきましては、1つには、電力需要の確保、安定供給という側面、さらには本市が行っております水力発電の潜在成長力の面などで課題もありますことから、今後、電力市場の動向等をまずは注視してまいりたいと考えています。 エネルギー政策は大切ではないかと、第二庁舎のこととあわせてお尋ねになりました。再生可能エネルギーの活用は、今ほど申し上げましたような視点からも、私は大変大切なものだというふうに思っています。あわせて、省エネルギーの推進ということも、エネルギー政策全体の中で考えていかなければいけませんので、そのことも含めたエネルギー政策の投資は大切なことだというふうに思っています。ただ、一方では、第二庁舎の建設は、地方自治体が行政を行うための基盤となるもので、その整備は、自治体にとって最も基本的かつ重要な仕事の一つでもありますことから、南分室の老朽化への対応や執務スペースの改善等の観点からも、必要不可欠な事業であるということを御理解いただきたいと思います。 教育施設のことについてお尋ねがございました。健全な社会を築くための礎であります教育への投資は大変重要であるというふうに思っています。今後の金沢、日本を担っていくのは子どもたちです。本年度の当初予算におきまして、前年度比で6.5%増の教育費を計上したところであります。その中でも、教育施設の改善ということには意を配ってまいりました。泉小学校・中学校建設事業、森山町小学校改築事業、長土塀青少年交流センター整備事業など、教育施設の機能充実に意を用いるとともに、国の補正予算に呼応し、学校施設の耐震化にも取り組んでいるところであります。引き続き、子どもたちのためにも、また、玉野議員御指摘のように、地域コミュニティーの核ともなっておりますので、市民のためにも、教育施設の充実に努めてまいります。 トレードオフの決断力ということにお触れでございました。私も大変大切なことであるというふうに思っています。ある施策に取り組む際、そのコストと便益性というものを勘案しながら決断をしていかなければならないのが、玉野議員御指摘のトレードオフの決断力だというふうに思っています。大切な視点だというふうにも思っています。本市におきましても、重点戦略計画を策定し、また、その他状況を勘案をしながら、さまざまな施策に取り組んでいるところであります。ただ、そのための必要な事業費を中期財政計画の中に盛り込むことにより、財政の健全性を確保しつつ、また、限られた財源やマンパワーなどを集中させながら、計画的な行財政運営に努めてきているところであります。なお、消費税率引き上げの再延期は、世界経済の減速による経済の下振れリスクを回避するためのものと理解しています。 私のほうからは以上です。
○福田太郎議長 細田副市長。
◎細田大造副市長 地域エネルギー事業の創出と推進についてお尋ねがございました。総務省では、地方に仕事をつくり人を呼び込むなど、地域経済の好循環づくりの方策の一つとして、自治体が主導する地域エネルギー事業を促進しておりまして、地域の活性化にも一定の効果が期待できるとしているところでございます。金沢市企業局は、古くから発電事業とガス事業をともに実施している全国で唯一の自治体でございまして、地域エネルギー事業の推進に大きな役割を果たしてきたものと認識しております。御指摘の自治体PPSのような小売への参入については、企業局として、今後の電力やガスの市場動向などをまずは見きわめる必要があると考えているところでございます。 以上でございます。
○福田太郎議長 桶川公営企業管理者。
◎桶川秀志公営企業管理者 公営企業の存続意義と石川中央都市圏における事業展開並びに経営戦略2016についてお尋ねがございました。公営企業の意義は、住民生活や産業活動に必要不可欠なライフラインサービスを、利益のみを優先することなく、安全かつ低廉に安定供給し続けることにあり、公営企業に対する市民の期待も引き続き大きいと考えております。そうした期待に応えるためにも、さらなる経営の高度化やライフラインの強靱化が必要との思いから、経営戦略では、今後の公営企業が目指すべき姿として進化と挑戦を、また、取り組むべき施策として官民パートナーシップを掲げたところでございます。なお、都市ガスの新たな事業展開に向けまして、来月にも石川中央都市圏を視野に入れた需要調査を開始することといたしておりまして、調査結果を踏まえて、今後のあり方を検討してまいりたいと考えております。 次に、連携中枢都市圏における上下水道事業の連携についての具体的な手法とコンセッション方式についての考えについてお尋ねがございました。上下水道の経営効率化を図る上で、広域連携は重要な視点でございます。現在、石川中央都市圏の市・町で、施設や事務の共同化等をテーマに研究を行っているところでございまして、共同化の実施に当たっては民間活力の導入も検討していきたいと考えております。新しい官民連携の手法の一つとなりますコンセッション方式につきましては、利用料金の設定や事業費の削減効果などの面で課題もありますことから、今のところ導入は難しいと考えておりますが、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、金利をどうマネジメントしていくか、財務の視点から見直しが必要であるとのお尋ねがございました。公営企業は、民間企業と異なり、株式等による自由な資金調達はできず、設備投資などの借入財源は企業債により賄うこととなっております。その際、担保は不要でございますが、借入先や金利等の借入条件は、多くの場合、限定されておりまして、金利のマネジメントには制度上制約がございます。そうした中で、今後とも金利負担の軽減を図るため、金利動向を注視しながら、借入条件の最適化に最大限の努力をしていきたいと考えておりまして、御理解をお願いいたします。 以上でございます。
○福田太郎議長 丸口副市長。
◎丸口邦雄副市長 公営企業における財政から財務への経営手法の転換、それから資金の調達、運用についての御質問にお答えをいたします。仰せのように、金利等の動向にこれまで以上に留意していくことは大変大切なことでありますが、公営企業の資金調達の手段である企業債は、借入先のほとんどが財政融資資金等に限られておりまして、仰せの金利マネジメント型企業経営ということへの転換につきましては制約は多いかと思います。そうした中で、下水道事業の一部で認められている銀行資金などにつきましては、入札等により低利な利率で借り入れを行うとともに、預金の運用等に当たりましても、入札で預金先を決定しているほか、ペイオフ対策として、預金先が破綻した場合に損害が生じないよう、借入債務の範囲内で預け入れを行うなど、調達と運用のバランスを図りながら、最適化に最大限の意を用いているところでございます。 また、これからの自治体の財政運営には金利をどうマネジメントしていくかという視点への切りかえが必要と思われるがどうかということでございました。地方自治体の財政は、歳入の大部分が市税や国庫補助金、地方交付税などで賄われておりまして、資金調達は地方債など一部に限定されております。加えて、地方債計画等において、地方債の借入先、また、償還期間等のその範囲が決められておりますほか、資金運用につきましても、安全かつ確実な方法によることが法令上義務づけられるなど、民間企業の財務とは異なっておりますことから、金利マネジメント型の財政運営への転換には制約も多いものと考えております。ただ、地方債の借り入れや現金の預け入れに当たり最適化を図っていくことは大切でありますことから、今後とも仰せのような視点も大切にしながら、健全で的確な財政運営に心がけてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○福田太郎議長 石野会計管理者。