石川県議会 > 1991-06-27 >
平成 3年 6月第 3回定例会−06月27日-03号

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  1. 石川県議会 1991-06-27
    平成 3年 6月第 3回定例会−06月27日-03号


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    平成 3年 6月第 3回定例会−06月27日-03号平成 3年 6月第 3回定例会 六月二十七日(木曜日)  午前十時八分開議          出席議員(四十七名)            一  番   粟       貴   章            二  番   紐   野   義   昭            三  番   一   川   保   夫            四  番   小   倉   宏   眷            五  番   米   田   義   三            六  番   長   井   賢   誓            七  番   石   田   忠   夫            八  番   宇   野   邦   夫            九  番   吉   田   歳   嗣            十  番   向   出       勉            十一 番   善   田   晋   作            十二 番   上   田   幸   雄            十三 番   岡   部   雅   夫            十四 番   矢   田   富   郎            十五 番   櫻   井   廣   明
               十六 番   稲   村   建   男            十七 番   奥       清   一            十八 番   長       憲   二            十九 番   角       光   雄            二十 番   北   村   茂   男            二十一番   永   瀬   隆   平            二十二番   勝   木   菊 太 郎            二十三番   大   幸       甚            二十四番   福   村       章            二十五番   嶋   野   清   志            二十六番   谷   口   一   夫            二十七番   河   口   健   吾            二十八番   石   本   啓   語            二十九番   中   村   幸   教            三十 番   米   沢   利   久            三十一番   中   川   石   雄            三十二番   金   原       博            三十三番   宮   下   正   一            三十四番   山   田   宗   一            三十五番   宮   地   義   雄            三十六番   竹   野   清   次            三十七番   米   沢   外   秋            三十八番   北   野       進            三十九番   八 十 出   泰   成            四十 番   若   林   昭   夫            四十一番   稲   本   孝   志            四十二番   桑   原       豊            四十三番   山   根   靖   則            四十四番   藤   井       肇            四十五番   池   田       健            四十六番   庄   源       一            四十七番   川   上   賢   二       ────────────── △開議 ○議長(米沢利久君) これより本日の会議を開きます。       ─────・──・───── △会議時間延長 ○議長(米沢利久君) この際、本日の会議時間は、あらかじめこれを延長しておきます。       ─────・──・───── △議長諸報告(省略) ○議長(米沢利久君) 諸般の口頭報告は省略いたします。       ─────・──・───── △質疑・質問(続) ○議長(米沢利久君) 日程に入り、質疑並びに質問を続行いたします。上田幸雄君。  〔上田幸雄君登壇、拍手〕 ◆(上田幸雄君) ことしは統一地方選挙の年でありました。二月の知事選挙に始まりまして、四月には県議会議員の選挙、市町村議会議員の選挙、さらに町村長の選挙等が相次いで行われました。非常に熱い熱い春でありました。私も珠洲市郡地域の皆様方の大きな信託をいただいて、再びこの県政の壇上に立つことができました。御支援をいただきました皆様方に心から感謝しながら、さらに県勢発展のために、そして、その県勢の発展が県民の幸せにつながるように努力を傾注していきたい。今、決意を新たにいたしているところであります。何とぞ議員各位、そして知事初め執行部各位に格段の御高配を賜りますように心からお願いを申し上げる次第であります。  さて、さきに開会をされました当初議会におきまして、準通年型の予算ということで大きな議論が交わされました。しかし、今期定例会に五百十四億円という大型補正が提案をされました。これは現計を合わせて四千八百億円になるわけでありますが、前年度対比一一・四%増ということは、非常に積極的な予算と評価できるものであります。また、その中身につきましても、県土の基盤づくりの推進のために、また健康と福祉の増進のために、加賀と能登の格差是正のために大きな施策に、その肉づけがされておりますことを評価するものであります。  県政を取り巻く諸問題が山積をいたしておりますが、その中にあって加賀と能登の格差是正というのは、古くて新しい大きな課題であります。能登は今、全般にその地盤沈下が非常に激しいわけであります。そういう中でありますので、温かい思いやりを込めた県政の施策が求められているわけであります。今期定例会に県水の見直しということで、五十億円に及ぶ予算が計上されました。この料金の格差に向けて大きく一歩を踏み込んでいただきましたことを評価し、感謝するわけであります。また、この県水の問題と同じくして、有料道路の料金の問題がございました。しかし、この有料道路の料金問題につきましては、先送りをされたということはいささか残念に思うわけであります。この能登縦貫道路というのは、加賀産業道路と同じように生活と産業を抱き合わせて走る大動脈であります。加賀産業道路が無料で走れるのと同じように、この能登有料道路も、ぜひとも無料で走らせていただきたいというのが地域住民の長年の悲願であるわけであります。  知事は今期定例会の議案説明の折に、未来からの声に耳を澄まし、公平、公正にしてこの県政を担当していきたい、こんな決意表明がございました。未来からの声に大いに耳を傾けていただくのも結構でありますが、現実のこの大きな声にも、ぜひとも耳を傾けていただきたいと思うのであります。この料金問題、いろいろと難しい問題が山積いたしているようでありますが、しかし難しい問題であるからこそ、全国最多選を誇る中西知事の政治手腕、行政手腕に大きく期待をいたすわけであります。何とぞ、大いに英知を絞っていただいて、努力をしていただいて、さらにこの県民の負託にこたえていただきたいと強く要望をいたすわけであります。この料金問題についての知事の見解をお聞かせ願いたいと存じます。  次に、能登空港についてお尋ねをいたしたいと存じます。  能登空港につきましては、今期定例会に三千五百万円の予算を計上していただきました。空港はこれからの地域の活性化の大きな玄関口になるわけでありますので、能登空港が建設されることによって能登の発展、浮上に大きな役割を果たすものと期待をいたしております。知事はこの能登空港については、単なる調査ではなく、一歩踏み込んだものを実施したいという前向きな姿勢を示されておりますが、一歩踏み込んだものというのは一体どんなものなのか、その中身についてお聞かせを願いたいわけであります。さらに、その調査内容あるいは調査の範囲等についても、その計画をお示しをいただきたいと存じております。  また、コミューター空港を前提として、この調査を行うやにお話を聞いているわけでありますが、やはり将来的な展望に立って、一つの手続上コミューターに入るにいたしましても、やはり本格空港としての位置づけをしっかりと見きわめていただきたい。三千メートル規模の滑走路ができるような、そんな調査もぜひともあわせて行っていただきたいものだと思っております。  さらに、今ほど調査費を計上したばかりでありますので、その先を急ぐのは余りにも早計かと思いますが、これからの調査スケジュール、そしていろいろなハードルを乗り越えて工事に着工するのは一体いつごろになるのか、そして飛行機が飛ぶのは一体いつごろになるのか、そのめどについてもあわせてお答えをいただきたいと存じております。  次に、北陸国際空港についてでございますが、北陸国際空港問題懇話会が四月に、その最終報告ともいうべき追加報告がございました。昭和六十二年に同委員会が設置をされまして四年間、検討、研究を続けられたその結果が、あの本にまとめられているわけであります。貴重な時間と金をかけたあの調査報告書でありますが、その中身については、やや薄いのではないか、こんな意見もございます。また一方では、同懇話会の委員の先生方は我が国を代表する権威ある方々ばっかりでありますので、この方々によって北陸国際空港のあり方を検討していただいたということに大きな意義があるんだという御意見もあるようであります。  昨年の二月に、この中間報告がございました。この中間報告書によりますと、北陸国際空港を中心にして考えた場合には、やはり将来はこの自衛隊基地を移転することが最も望ましい、こんな提言がございました。したがって、今回の最終報告と言われるこの追加報告にも、このことがさらに大きく記帳されるものと期待をいたしておったわけであります。しかし、さきの中間報告以来、自衛隊、そして小松市の方から、この自衛隊基地の移転については軽々に応じられないというような反論があったということなどもあってか、やや自衛隊の移転についてはトーンダウンしているのは、いささか残念に思うわけであります。自衛隊の移転につきましては、当初から小松市の事情や、あるいは自衛隊の都合のあることはわかっておったわけでありますし、将来的な展望に立って国際空港のあり方をもっと明確に浮き彫りにしてほしかったと思うわけであります。  そこで知事にお尋ねをするわけでありますが、今、一本の滑走路で確かに余裕があろうと存じます。しかし、これから国際便がどんどん飛んでくる。外国機がどんどん乗り入れてくる。さらに国内便の需要も高まっていく。そしてまた、スクランブル飛行も相重なってくるということになりますと、一本の滑走路では到底対応し切れなくなってくると存じます。すなわち、共用の限界に達したときには、一体どうするのか。自衛隊を移転するのか第二滑走路を建設するのか。将来のこの北陸国際空港のあり方について、知事の見解を求めておきたいと存じます。  次に、のと鉄道についてお尋ねをいたしたいと存じます。  七尾線の電化に伴いまして、和倉以北については、のと鉄道がこれを引き継ぐことになりました。待望の電化線がいよいよ九月から営業開始するわけであります。この電化につきましては、当初からぜひとも穴水まで電化を延伸していただきたい、輪島まで延伸していただきたいというのが当時の大きな声でありました。今、和倉までの電化が相なる今日でありますので、さらに穴水まで、輪島まで、この電化を延伸していただきたいと思いますが、その電化に取り組む知事の決意と姿勢を求めたいと存じます。  また、この七尾線の電化に伴いまして、JRと能登線が相互乗り入れをするということであります。輪島まで二往復、直通列車が走るということでありますし、珠洲までは一往復、この直通列車が走るということであります。輪島まで二往復走るのに、なぜ珠洲まで一往復なのか、その理由をお聞かせ願いたいと存じます。  私はかねてより、いろんな機会を通じて、この直通列車の運行を求めてまいりました。それは穴水から珠洲までの地域の沿線の皆さん方が、ぜひとも直通列車を走らせていただきたいという強い要望があったからであります。しかも、それは二往復ぜひとも走らせていただきたいということを何回か申し上げたことがございますが、今回、一回になったというその理由とともに、重ねてもう一便増便をされるように強く要望をいたしておく次第であります。  また、さきの第三セクターの信楽鉄道のあの惨事は、非常に生々しいものがあるわけでありますが、今、のと鉄道の安全運転についてのその対応は万全かどうか、求めておきたいと存じます。  また、いよいよこれからのと鉄道が時代の波におくれることのないようにするためには、スピードアップ等いろいろと改善をしていかなければならないと存じます。そのためには、すれ違い駅の設置あるいは信号の近代化等も必要になってくると思いますが、それらの計画、対応策があるのかどうか、あわせてお答えをいただきたいと存じます。  次に、県警本部長にお尋ねをいたしたいと存じます。  金沢−珠洲二時間圏構想の中で大きな位置づけをいたしております珠洲道路の改良につきましては、今、鋭意その仕事が進められております。あの曲がりくねった道路を真っすぐに伸ばしていただきました。さらにその道路の幅員も大きく広げていただきました。今まで奥能登に見たことのないほどの立派な道路であります。走行性が非常に高まる道路にしていただいたことに感謝をいたしております。  走行性が高まってまいりますと、ついついアクセルを踏み込むのがドライバーの心理であります。先般、あの改良された道路に何回かスピード違反取り締まりがございました。走ってくる車の大半がスピード違反で検挙されたということも聞いております。ドライバーとして安全運転に心がけることは当然のことであります。また、交通規則を遵守するのも当然の義務でありますので、それに違反した者は検挙していただいて私は大いに結構だと思っております。しかし、あの道路につきましては、先ほども申しましたように、当初は非常に曲がりくねった道路でありました。そのときの制限速度は五十キロであります。今、大きく走行性が高まる道路に改良していただきました、その制限速度は同じく五十キロであります。多額の金額を投入して走行性を高める道路にしていただいたわけでありますので、私はすぐに、この道路に見合った速度制限の見直しをしていただきたい。実は、こんなことを昨年の予算特別委員会に申し上げたことがございました。しかし今日まで、その対応が何らなされることなく、ただスピード違反取り締まりばっかりされますと、ついネズミとりと言われるように、警察に対するこの意地悪さというようなことが県民感情に埋もれていくのは、まことに残念に思うわけであります。  そこで県警本部長にお尋ねをするわけでありますが、このように高規格な道路ができたときに、すぐその速度等について改善、対応ができないものかどうか。あわせてまた珠洲道路、穴水から珠洲までありますが、全線の見直しということができないものかどうか、あわせてお答えをいただきたいと存じます。  次に、電源立地についてお尋ねをいたしたいと存じます。  電源立地につきましては、今、二十一世紀ビジョンにも大きな位置づけをいたしております。志賀原子力発電所につきましては、平成五年の七月、その開業を目指して、その運転を目指して今、工事が順調に進捗をいたしているとのことであります。また、七尾火力発電所につきましては、五月末に本格工事に着工をいたしました。一方、珠洲原発についてはいまだ足踏みの状態にありますことは、まことに残念に思うわけであります。  珠洲市の現状は非常に厳しいものがあります。年々、若者の流出が相次ぎました。この若者の流出が、過疎化へさらに大きな拍車をかけているわけであります。一方、高齢化社会がどんどん進行いたしております。高齢者人口の占める割合も今日では二一・五%になったということでありますし、このまま推移していきますと、十年後の二十一世紀には三一%を超えるであろうというような予測がなされているわけであります。このような諸情勢から何としても過疎化の歯どめをしなければならない。そして若者の定着できるような、そんな受け皿づくりをしなければならないということで、一つの施策として電源立地が計画をされたわけであります。計画以来、今日まで幾多の変遷がございました。しかし、常に電源立地というのは安全性が第一である、安全性なくして電源立地はあり得ないということの基本姿勢に今日まで立ってまいりましたし、さらに、それとあわせて住民の皆さん方の理解と協力を得るということが大きく必要になってくるわけでありますので、住民の皆さん方の協力と理解を得るために、今、珠洲市では講演会の開催、あるいはオピニオンリーダーの育成、そしてまた先進地の視察などを積極的にこれらのことを推進をいたしているわけであります。特に、先進地の視察につきましては、今日まで四百七十七団体、一万一千人を超える方々が先進地の視察を行っております。電源立地に対する正しい理解と、そして必要性について勉強を重ねているわけであります。また一方では、この電源立地に反対する、この根強い抵抗もあるのは事実であります。しかし、今日の珠洲市の現況を考え、将来の珠洲市の状態を思うときに、この電源立地についても、やはり真剣に、冷静に勉強していく必要があろうと存じております。  知事は、珠洲市のこの電源立地の現在の状態を、車のギアに例えるとニュートラルの状態だということを表現されたことがございます。まさに的確な表現でありました。車のギアをニュートラルにして、今、空ふかしばっかりいたしておりますが、油ばっかり要って一向に前に進むことができない。これが現状のように思うわけであります。そこで知事にお尋ねをするわけでありますが、今後の電源立地の進め方について県民に対してどのように理解と協力を求めていくのか、また、この電源立地に対して、いつごろにギアチェンジをしてアクセルを踏むのか。この点についての知事の見解をお聞かせ願いたいと思うのであります。  いろいろと質問をしたいこともたくさんあったわけでありますが、予定の時間がまいりましたので、私の質問は以上で終わりますが、何とぞ前向きな答弁を賜りますようにお願いを申し上げて私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) ただいまの上田議員にお答えいたしますが、私はかねてから上田議員と全く同じ考えでありまして、能登と加賀の格差是正、これを県政におきまする最大課題の一つとして考えているわけであります。何もこれは能登の方の地域エゴにこたえるという意味でなく、県勢の均衡ある発展のためには格差是正に努めなきゃならぬことは言うまでもございません。そういう基本的な姿勢を持っておりますけれども、今の直接のお尋ねの能登有料道路の料金につきましては、大変残念ながら実現し得ないのであります。私も全くこれについては矛盾を感じまして、こういう有料道路を持っている県の知事といろいろと話し合っているんでありますけれども、国の制度等からして思うに任せない面がございます。  県知事の管理する道路ですから、料金は県知事が決めるのは当然であります。ところが、これに政府が入ってまいります。大臣認可なくしては料金が左右できない。大変残念なんです。地方自治の時代と言いながら、県道の料金まで国に掌握されていることは残念という以外に道ございません。今、四車線工事を始めましたために、さらに百六十五億円の追加投資も行っておりまするし、また、無料化については四百二十五億円の直接出費を必要とするんであります。せめて今の千円を半額にしてはどうかというのが我々の提案なんですが、建設省の認めるところにならない。大変残念に思っております。これからも議会議員各位の御協力をいただきながら、強く国の方に訴えてまいりたいのであります。もうこれは機会あるごとに御要望ございますが、県道でありながら知事の思うに任せないことをあえて申し上げているのであります。そうしますと上田議員は、知事の政治力、行政力をもって何とかぶち当たれということですが、ぶち当たっておりますが、今のような状況でございますので、なお県選出の国会議員の皆さんやら県議の皆さんとともども、あるいは沿線市町村の皆さんの声も強く反映を東京にしていただきたい、こういうことでございます。国の中央の統制の強さをつくづく感じております。  石川県で下げると全国に値下げ運動起こるのがいかぬという話もあります。値下げあれば結構じゃないですか。私は値下げ運動起これば大いに結構じゃないかと思うんですが、役人というのは、すべて右へ習えを言うもんですから、この点は困ったことだというのが率直なところであります。  次に、能登空港でございますが、かねてから可能性調査は予算化いたして若干調査やっておりましたが、今度は具体的な設置についての調査始めるわけであります。先日の代表質問にもお答えしたかと思うのでありますが、運輸省は三年間の気象条件を必要といたしております。したがいまして、三年間の気象データを添えなきゃなりませんが、地形あるいは地質等も調べてみ、許可申請を行う必要もございますが、できるだけ早く手続が完了できるようにしたいのであります。また、これをいわゆる能登空港と称するかコミューター空港と称するかによって問題はたくさん出てまいりますけれども、コミューター空港と言った方が国の許可をクリアしやすい、そういうことでございますので、とりあえずはコミューター空港かと思っております。コミューター空港も滑走路千二百から千五百、いろんなものございますが、最低限千五百メートルにしたいのでありまして、今のお話のように三千メートルということも将来計画として大変大事だと思っております。  そこで、一番私どもが注意していきたいのは、いわゆる誘致合戦にならないように、関係の能登地域の方でいろいろと衆知を絞っていただきたい。そして、その空港から放射線状に道路をつなぐ、これが大変大事だというふうに思っているのであります。  なお、小松空港との関連でございますが、小松空港の基地を移転してはどうかというお話もありますけれども、これについては現実論じゃないと私は思っております。将来、現実論になるかも存じませんが、今日こういう問題を議論することは、かえって混乱が来るというふうに思っております。  自衛隊との共用空港であります那覇空港から見ても、まだ民航は三分の一以下ですから、小松空港で十分余裕ありと考えております。ただ、小松の地元としては、並行滑走路の話も出ております。それも十分検討に値すると思うのでありますけれども、一県に二つの空港あっていいんじゃないかというのが私の考えであります。一県に二つ空港は要らないという御意見もかなりあるようでありますが、山陰地方へ行きますと一県二空港ございます。石川県も能登と加賀、非常に南北に長うございますから、二つの空港はあっていいという考えに立っているのであります。どうぞ立地の場所あるいは周辺の協力等についての一層の御協力をお願いしたいというふうに思っております。  なお、空港ができても飛行機が飛ばなくては意味がございません。失礼ですが、隣県にもそういう空港がございます。したがいまして、空港をつくるからには、大体こういうふうに民間航空が展開されるであろうということを念頭に置いていかねばならないのであります。  次に、のと鉄道の問題に関連いたしまして、穴水までの電化についての強い御要望が最近出てまいりました。大変結構なことなんです。もっと早くから声を上げていただきたかったけれども、今まだ大いに結構でございまして、穴水までの電化、ぜひとも実現したいというふうに思っております。ただ、JRが負担するにいたしましても、非常に複雑なJRとのと鉄道、地元との絡み合いの問題がございますので、それを解決しなきゃなりません。しかし、能登総合開発促進協議会での特別決議もされたわけでありまして、皆さんの御協力を得ながら積極的に取り組んでまいりたい。和倉温泉−穴水間は大体、概算三十五億円を必要とすると考えているのであります。この三十五億円の捻出、これはできないことはございません、JRとして、と私は見ておるのであります。これからもJR本社等に強く要請してまいりたいのでありますが、同時に、その裏負担として、のと鉄道の経営の問題がございます。したがいまして、これについてはかなり県も出費を覚悟しなきゃなりません。ただ、穴水まで出てどうかというお話が第三者から声が出ています。「雷鳥」が穴水入ったといってどういう意味があるんじゃと、こういうお話ございますが、私は大変大きな意味を持つと思うんであります。穴水まで電化いたしますと、奥能登の方々も、まさに東京、大阪と身近になった感じを受けるであろう。非常にそういう意味では地域住民の皆さんに対する励ましになると考えているのであります。今、金沢駅からディーゼルカーに乗りかえております。和倉からの乗りかえになるかもしれない。これでは、実は能登の振興になりません。穴水まで電化したことは、東京、大阪が目の前に来たと、こういう意味を持つというふうに考えております。  次に、安全運転でございますが、信楽鉄道から見まして、県ののと鉄道もいろいろと点検いたしております。のと鉄道は信楽事故の翌日、直接知事が社長を呼びまして総合点検を命じたところでございます。今後さらに鋭意努力をしたいというふうに思っております。  金沢−珠洲間の直通列車の運行をもっと増発すべきではないかとのお話でございますが、いろいろと御要望ございますけれども、なお今後、努力を要すると考えているのであります。何よりも県は並行して珠洲道路二時間構想を平成四年には実現するんです。そうしますると、珠洲から金沢へ参りましても、レールよりバスの方が早い、料金も安い、こういうことでございますので、これから経営は苦しくなるだろう。苦しくなっても道路はもっと整備しなきゃならぬ、こういうことであろうかと思います。お説のようにスピードアップのためのいろんな調査も実施いたしております。スピードアップはサービスの一番大事なことですから、ぜひともスピードアップをしたいと思いますが、何分にも大きな予算を伴いますので、また現実的には議会と御相談したいと思っております。  電源立地につきましては、特に珠洲原電でございますが、私は十分慎重に安全性を第一にして、そうして地域住民の理解を得ながら進める、これ以外に道はないと思うのであります。住民の皆さんが安心できるような、そういう道をさらに探っていく必要があろうかと、こういうふうに考えている次第でございます。  多くを申しませんが、十分御理解いただけるかと思います。電源立地と地域の振興、結びつくようでありますが、結びつけるとするとどうすればいいか。それは大きな問題でございますが、特に国家的見地に立っての電源立地、大変大事なことだという認識のもとに、今後なお進めたいと思っております。 ○議長(米沢利久君) 西村企画開発部長。  〔企画開発部長(西村昭孝君)登壇〕 ◎企画開発部長(西村昭孝君) 金沢−珠洲間の直通急行列車につきまして、現在の能登線の列車運行本数は、ほぼ限界に達しております。急行列車の増発を図るために、行き違い設備の新設や信号の自動化等の措置を講ずる必要があるところでございます。この辺の事情を踏まえながら、のと鉄道及びJRに対しまして、金沢−珠洲間の直通急行列車の増発を働きかけてまいりたいと、このように考えております。  さらに、スピードアップによるサービス向上のためのいろいろな行為でございますけれども、のと鉄道で本年度、能登線の近代化及びスピードアップ方策の調査を行うことにいたしております。今後この調査を踏まえまして、能登線の近代化と列車本数の増加に県といたしましても一層努力してまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 坂東警察本部長。  〔警察本部長(坂東自朗君)登壇〕 ◎警察本部長(坂東自朗君) 珠洲道路のスピード規制の件についてでございますが、この珠洲道路を道路改良などに合わせましてスピード規制の見直しを図ってきたところでございまして、現在、総延長四十四・二キロメートルのうち、四十三・六キロは最高速度を毎時五十キロメートルということになっておりますが、今後とも道路改良の進捗状況とか、あるいは改良後の道路形状、さらには交通量、あるいは地域住民の方々の御意見等を総合的に検討いたしまして、スピード規制のさらなる検討を含めまして、この道路の交通の安全と円滑化を図っていきたいと、このように考えております。 ○議長(米沢利久君) 庄源一君。  〔庄源一君登壇、拍手〕 ◆(庄源一君) 今回の統一地方選挙におきまして、県民の皆様より二期目の負託を賜りましたことをまず感謝申し上げるものであります。ただ、まことに残念ながら中道の議席は一つになりました。徳川家康の人生訓にも、「勝つことばかり知りて負くることを知らねば害その身に至る」とありますように、謙虚に事実を受けとめ、次回への飛躍のばねにしてまいりたいと思うのであります。ともかくこの四年間、微力ではありますが、県民福祉の向上のために全力で取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、私は公明党を代表し、今議会に上程されました補正予算案並びに県政の重要課題について、知事並びに執行部の見解をお尋ねをしたいと思います。一部の質問が重複いたしますことをお許しをいただきたいと思います。  さて質問の第一は、知事が八選の公約としました女性の登用を含めた副知事の選任問題についてであります。  既に知事選から五カ月近くも経過しているにもかかわらず、副知事の不在は決して正常な形ではないと思うのであります。県民のニーズが多様化し、また各種のプロジェクトが進行している中で、副知事の果たす役割は非常に重要であります。また、知事が公約として掲げた女性副知事も、女性の社会進出が進む中で女性の視点から県政に新たな施策や提言を求めることは、これまた非常に重要と言わざるを得ません。県民の期待もまことに大きいと思うのでございます。公約の実行という面から見ても、また県民に対する政治姿勢としても、今議会にせめて副知事を複数制にするための条例改正案を提出する必要があったのではないでしょうか。知事は慎重に考慮しているとさきの代表質問での答弁がありましたが、県政の総仕上げともいうべき知事の任期は四年でございます。県政の重要課題が山積している今、守りの県政ではなく、積極的な攻めの県政が必要であると思うのでございます。今後の手順を含めて、どのようにお考えでおいでるのか明快な御答弁をお願いしたいのであります。
     二点目に、中西知事八期目の政策予算を盛り込んだ大型の補正予算案についてであります。  政策経費を盛り込んだ五百十四億の大型補正でありますから、積極的な予算となることは当然であろうと思います。加賀、能登格差の代名詞のように言われてきた県水料金の引き下げを初め、能登空港設置調査費、奥能登リーディング・プロジェクトの推進など、能登浮上への願いも込めた予算として一応の評価をいたすものであります。しかしながら、能登の皆さんがひとしく要求していた生活道路ともいうべき、先ほども質問がございましたが、能登有料道路の料金軽減策がなかったことなどは、いま一歩と言わざるを得ないのであります。また二十件に及ぶ新規の調査費が多く、これが果たして具体的な能登の活性化対策として実現をするのか、疑問これありでございます。今までの能登に対する県の対応が後手後手に回り、若者が定住するに足る基盤整備のおくれなど、時代の流れについていけなかった感を抱くのであります。今回も、また単なるアドバルーンに終わらないでいただきたいと思うのでございます。  ところで、この能登に関する調査費が事業化をされ、具体化するとなりますと、一体どれぐらいの予算が必要となるのかお聞きをしておきたいと思います。後代負担が極端に増大をし、つけを回しかねないことを危惧するからであります。知事の率直な感想を求めたいと思います。  また今回の補正では、社会福祉振興事業基金へ十五億円の上積みを初め、在宅介護支援センターの増設並びに在宅福祉への取り組みを前進させたことなど、これまた率直に評価をしておきたいのであります。しかしながら、地価高騰に伴う民間家賃の上昇の中で、高齢者世帯や一人暮らしのお年寄りは大変な家計の圧迫を受けておるのでありまして、高齢者のための、しかも一種ではない二種の県営の集合住宅への対応があってもよろしいのではないかと申し上げたいのであります。  第二の質問は、開発問題であります。  北陸新幹線問題についてお聞きをしておきたいのであります。並行在来線問題がネックとなっていた新幹線金沢−高岡間の取り扱いについて、富山県は基本ルートを変更し、一部在来線を活用するという調整ルート案を石川県に投げてきたのでございます。ともかく早期に本格着工するという大局的見地から、県としてもこの調整案を受け入れ、過日、運輸省への本格建設を要請したところであります。しかしながら、私は今回の調整案の対応の中で、何点かの疑問が生ずるのであります。  一点目に、富山県の事情によって既に環境アセスメントも済み、正式に決定された基本ルートがいとも簡単に変更されてよろしいものなのか。変更ルートが仮に工期と建設費の縮減を図ることができたとしても、加越トンネルの難工事に使った約九億円はどうなるのか。今までの環境アセスメントは何であったのか。むだ金ではなかったのかという思いに駆られてくるのであります。今後もこのようなことがあり得るのですか。少なくとも北陸三県は団結をし、足並みをそろえていただきたいと思うのであります。今後の対応と方針をお聞かせ願いたいのであります。  二点目に、調整ルート案の中で特に高岡−石動間の新たな環境アセスメントはフル規格を前提としたものなのか、いま一度、改めて確認をしておきたいと思います。また津幡−石動間が第三セクター化した場合、その経営の見通しと県の負担はいかように相なるのか、お示しを願いたいと思います。  三点目に、過日、七年後の長野冬季オリンピックの決定により、長野までのフル規格化が本格的に決定をしたと思うのであります。北陸新幹線建設にとって、長野での冬季五輪は全くの追い風であり、採算面から見ても、これを機に長野以西も一気にフル規格で推進していくチャンスと受けとめられるのであります。となりますと、暫定的にスーパー特急を走らせ、将来フル規格の新幹線を走らすという、それこそわずかかもしれませんが、鉄路分のむだな二重投資をするより、この際一気にフル規格化への運動をという思いが出てくるのでありますが、今後の運動の方向性をも含めて、知事並びに企画開発部長の見解を承っておきたいのであります。  次に、原発問題について一言触れておきたいと思います。ことし二月に起きた関西電力美浜原発二号機の事故原因を調べていた通産省資源エネルギー庁は、細管破断の原因をこれまでの調査で主犯と見られていた振れどめ金具の施工ミスと認め、その結果、細管が金属疲労を起こして破断したとする中間報告を先日発表したのであります。中間報告どおりだとすると、小さな初歩的なミスが重大事故につながったことになるのであります。しかも事前の定期検査で発見もできず、国の検査対象にさえなっていなかった。原発に求められる徹底した安全性に日本の原発はこたえていなかったことになるのであります。これまで絶対安全を誇張してきた国や電力会社の姿勢が問われなくてはならないのであります。美浜原発事故は、原発の命綱である緊急炉心冷却装置が作動するという国内最大の事故であり、一歩間違えば最悪の事態につながったのであります。幸いにして大惨事は免れたわけでありますが、いつでもすべての安全装置が作動するとは限らないのでありまして、実際、炉内の圧力を下げるための加圧器逃し弁が正常に機能しなかったということでございます。ソ連のチェルノブイリ原発事故が証明するように、事故の重大さを考えれば、その安全対策は、いかなる事態や人為的ミスにも耐え得る装置の裏づけが必要であります。その技術が確立されていない限り、原発は常に不安と共存せざるを得ない存在なのであります。来年七月に試運転を迎え、核燃料も搬入された志賀原子力発電所の建設が進み、また珠洲原発立地を抱える我が県にとっても、まさに看過できない問題であります。知事も議案説明の中で、その立地について、あくまでも安全性を前提に地元住民の意向を十分尊重しながら慎重に取り組んでまいりたいと述べておりましたが、統一選の珠洲における選挙結果をも勘案し、どのような見解をお持ちであるか、改めてお聞きをしておきたいのであります。  これに関連いたしまして、志賀原発に関する石川県原子力防災計画案が去る二十一日、国に提出をされました。私はこれほど重大な問題が、また県民にとっても重大な関心事が議会でも十分に議論されないまま、なぜ性急に結論を急ぐのか、納得のできないところであります。万が一の非常時に備える防災の安全対策は、国の基準を踏襲したのか知りませんが、どんなに議論を尽くしても過ぎることはないと思うのであります。このような重大な問題が関係市町と関係者だけで一方的に進めてよろしいものか。事故への備えは全県的問題ではありませんか。県当局の政治姿勢を疑うものであります。我が党として、防災計画の対象地域及び災害対策本部の設置基準について抜本的な見直しを要求するものであります。  次に、金沢港の活性化問題についてお尋ねをいたします。  日本海時代の拠点港として大きな期待が寄せられている金沢港は、魅力ある海の玄関として今、注目を浴び始めてきたのであります。金沢港振興協議会も日本海側最大の港湾物流センターの必要性を訴え、金沢港を国際物流の拠点として成長させるために、環日本海物産見本市の開催やポートセールス強化に向けて動き出しております。この経済界の動きに相呼応して、今こそ金沢港の活性化に県政の力点を置くべきときであると思うのでありますが、知事のお考えはどうであるかお尋ねをいたします。  第二に、第八次港湾計画の見直しの中で、余暇、海洋レジャーにも対応できる旅客船埠頭の整備や釣り施設を含むウォーターフロント開発を推進する金沢港ポートルネッサンス二一の調査が開始されております。これはどのような計画であるか、お聞かせを願いたいのであります。  私は金沢港に求めるものは、産業、経済としての一大物流拠点はもちろんのこととして、同時に魅力ある海の玄関にふさわしい港の再生であります。例えばニューヨークには自由の女神、サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジなど、国際都市の有名港にはそれなりのシンボルがあり、一種独特の趣を持っているのであります。また、サンフランシスコには漁師の波止場と呼ばれるフィッシャーマンズ・ワーフがあり、沿岸漁業の基地として発展した一角が魚介料理や土産品センターとして重要な観光ポイントになっておるのであります。金沢港は規模は小さくても、世界に通用する国際観光都市金沢にふさわしい個性的な美しい景観の創出であります。ややもすると金沢港は貨物荷揚げ港のイメージが強く、華やかさに欠ける一面があります。しかし、これからの金沢港は、大型海洋レジャー時代、環日本海時代に対応する明るく華やいだイメージアップを図り、豪華客船も停泊できるような景観と機能を有する個性豊かな港町として再生を図るべきだと訴えたいのであります。知事の御所見を伺っておきたいのであります。  次に、金沢港の西防波堤の開放問題についてであります。私は過去二回にわたり本会議と委員会でも、この西防波堤を釣り用に開放できないか訴えてきた一人であります。しかしながら、御承知のとおり、年々締め出しの強化が図られる一方となっております。この西防波堤は絶好の漁場であり、立ち入り禁止の鉄柵を乗り越え多くの釣り人が侵入をし、当局の締め出し強化とのイタチごっこの状態が何十年この方続いております。確かに安全性の問題では賛否両論があることは、これまた事実であります。しかし、釣りは健康的で手軽にできるレジャーとして週休二日制の余暇時代にもマッチし、年々釣り人口が増加をしておるのであります。したがって、西防波堤が好漁場として禁止を尻目に侵入者が後を絶たないのであります。かといって、ここから締め出された釣り人は、より安全な釣り場を見つけることができないことも、また事実であります。より県民に親しまれ、楽しまれる港づくりの施設整備の一環として、西防波堤の安全策を講じて釣り人に開放できないものか、再度の御検討をお願いをするものであります。  あわせて、マリーナ計画にある海釣り施設についても、九年先の平成十二年ではなく、もっと早期に完成ができないか、あわせてお尋ねをしたいのであります。  次に、厚生問題についてお尋ねをいたします。  国民年金基金の問題でございます。本年の五月一日より国民年金基金がスタートをいたしました。この制度は国民年金と被用者年金との格差是正の一環として、被用者年金の所得比例部分に相当する二階建て部分を国民年金に基金として組み入れたものであります。それは現状の国民年金が二十四年加入、夫婦二人で約月額十万九千円にしかならないのでありまして、給付水準が老後の所得保障にはほど遠く、基礎生活すら支えられないからであります。今回こうした自営業者の方々の要求を受けて、上乗せ年金として制度がスタートしましたことは、まことに喜ばしいことであります。そこで何点かについてお尋ねをしたいのであります。  一点は、県内における本基金の加入対象者は約十四万人ぐらいと聞いているのでありますが、これが国民年金課の資料によりますと六月十日現在で二千二名の加入申し込みとなっております。これは余りにも少ないではありませんか。率ではじきますと一・四%でございます。県としてはどれぐらいの加入者を今回の年金基金のスタートに当たって見込んでいたのか、また見込んでいるのか。また、その啓蒙に当たってはどのような方法をとっているのか、お答えを願いたいと思います。  去年の九月議会でも私は質問をいたしましたが、相当のPR等もするという御答弁でありましたが、来たのは市役所からの案内の一枚でございまして、詳しいことは県、市に問い合わせるようにと、こういう案内でございました。もうひとつ県民にわかりやすいPRができないものか、厚生部長の御答弁に御期待をしたいと思います。  それから第二点に、このPRと関係してくるのでありますが、現在の加入状況を見る限り、自家募集分は四百六十八名で全体の二三%、一方生命保険会社等の受託機関分が千五百三十四名で七七%と、その八割近くが生保の啓蒙に負うところが大きいのであります。したがって、啓蒙を民間に任すから自然に都市部がふえ、遠隔地の町村が極端に加入が少ないということになるのではありませんか。ちなみに一けた台の町村が十三もあるのであります。場合によってはゼロというところもございます。もっと行政でしっかりPRをし、取り組む必要があるのではないですか。あわせて、この基金のメリットも、もう一度明らかにしていただきたいのであります。  第三点に、国民年金の保険料の免除者及び滞納者は、残念ながらこの基金に加入ができません。当然のことでありますが、また老後の所得保障を考えますと、まことに残念なことであります。ところで厚生部長、現在、国民年金の保険料の滞納者が非常に増加をしておるとのことであります。将来、無年金の可能性があるわけであります。その数は何名になりますか。対策等があるや否や、あればお聞きしておきたいのであります。  次に、ごみ処理問題についてお尋ねをいたします。  ごみ問題はごみ戦争と言われるほど、毎日、毎日、山のごとくあふれ出るごみの処理は、まことにやっかいなものであります。先般発表されました厚生省の平成元年度ごみ統計によると、石川県は家庭と事業所から出る一般ごみ排出量が一日一人当たり換算で全国一でございます。千八百六十五グラムとなっております。この数値は全国平均の一・六七倍、富山県、福井県の約二倍という異常なごみの量であります。その原因の一つには、事業所から排出されるごみ、これは主に紙でございますが、極端に多く、家庭のごみとほぼ同量であると言われております。他府県では事業所系のごみを家庭ごみの一五%程度に低く抑えているのとは、石川県の場合は対照的であります。その原因と対策について、まずお聞きをしておきたいのであります。  県内の特徴は、この五年間で一般ごみで二二%、産業廃棄物で一八%という速いスピードでごみが増大していることであります。マンション建設や再開発ラッシュによって、排出される企業責任の産業廃棄物が一般ごみに混じって処分されるため、区分けのあいまいさがあることもごみをふやす原因と思われるのであります。ここを明確にしなければ、各市町村の処分場に持ち込まれて埋立地の寿命を短くしているのであります。県の対応策を求めたいと思います。また、ごみの減量化とリサイクル運動にどのように取り組んでいるのか、あわせてお聞きしたいのであります。  これに関連しまして、奥能登地区の三公立病院で、処理業者がいないため、やむを得ず注射針や血液など感染のおそれのある医療廃棄物が一般の不燃物、可燃物として処理されていた実態が浮き彫りにされましたが、環境部長、この医療廃棄物対策は今後どのように進められますか、お聞きをしておきたいと思います。  時間が来たようでございます。県警本部長への質疑通告をしてございましたが、委員会の方に回したいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) ただいまの庄源議員にお答えいたしますが、一部は担当部長からお答え申し上げますので、御了解いただきたいと思います。  真っ先に副知事問題を取り上げられましたが、先日の代表質問にお答えしたとおりのスタンスでございます。県政の重要なポストを占める地位でございますので、慎重な上にも慎重でありたい、こう考えております。また、そのとき申し上げましたが、県の部長諸君それぞれが副知事のつもりで精いっぱい元気よく仕事やっておりますことを改めて申し上げておきたいのであります。  昭和三十八年の初めて私、知事に就任いたしましたときにも数年間、副知事を置いておりません。また、安田隆明さんが参議院転出後も同様でございます。いろいろとそのときの状況に応じて考えるべきでございますが、慎重に考えていきたいということは重ねて申し上げておきたいのであります。  次に、補正予算については、まず能登有料道路でございますが、先ほどの上田議員にもお答えしたような状況でございます。残念ながら料金軽減できません。したがって、常時利用する方には割引率の高い利用券を発行しているのであります。すなわち、九%だったのを一七%の割引率にいたしておりますので、かなり実質的にはこれによって効果があるんじゃないかと思っているのであります。  次に、新規調査費が具体化された場合、どれだけの予算が必要なのか、また、総花的な調査費ではないかという御質問であったかと思いますが、これまでも調査した結果、逐次具体的に予算化しておりますので、決して見せかけの調査でないことを十分御承知いただきたいのであります。特にリープロのように有利な起債の活用等をもいたし、これらの調査費関係については逐次、実現化に進めていくつもりでございます。  それから、福祉対策につきましては、このたび基金を十五億円計上いたしました。これから、この基金をどう活用するかでありますが、先日来小規模の障害者授産所、精薄者授産所等見てまいっておりますが、何としても経営に大変苦労しているんであります。見かけのはでな仕事と違いまして、大変皆さん苦労いたしておりまして、それらに、まず援助の手を差し伸べたいと考えております。  県営二種については部長からお答えをいたします。  次に、新幹線については、これも既に何回か申し上げたとおりでございまして、新幹線の早期着工の実現のために、現実的処理として富山県提案の変更案に同意することにしたのでございます。この変更案に同意することを議会の特別委員会でも御了承いただきまして、ただいま北陸三県共同で国やら鉄建公団に推進を働きかけているわけでございます。今後とも地元の意向ができるだけ反映できますよう、強く働きかけてまいりたいのであります。  また、加越トンネルの八億円強の予算につきましては、富山県で責任を持って処理するように強く申し入れをしているところでございます。  環境アセスメントは、したがって若干の追加を必要といたしますけれども、フル規格を担保していくことが必要でございまして、フル規格新幹線を前提として環境アセスメントも行われると聞いているのであります。  また、津幡−石動間を第三セクター化した場合の経営見通し、担当の部長からお答えいたしますが、そもそも在来線がそう簡単に私は撤去できないと思います。御承知でしょうが、貨物列車一日四十二本、北陸本線の金沢駅を通過しております。これをトラックに換算すれば、大変な量であります。したがいまして、これからの時代の推移を見なきゃなりませんが、結論的には一般の利用客の足を奪わないようにと、こういうことを思っているわけであります。冬季オリンピック、長野に決定を見たのでありまして、長野までは少なくともフル規格の加速が行われるものと期待いたしておりまして、これから、さらに長野以外の北陸各県、歩調をそろえて国会議員を初め議会等の御支援をいただきながら最大限の努力をしたいのであります。  原発問題については、既に代表質問並びに先ほどの上田議員にもお答えしているとおりでございますが、美浜原発は大変残念な事故でございます。県ではエネルギー庁の説明を聞きまして、原因究明をしっかりと公にすること。また、再発防止を強く申し入れたところでございます。繰り返しておりますように、安全性の確保を大前提として、地元住民の意向を尊重しながら着実に進めてまいりたいと思っているのであります。  志賀原電の県防災計画でございますが、十分関係市町と議論をしたところでございます。総務部長答弁に譲りたいと思っておるのであります。  次に、金沢港の活性化でございますが、県には重要港湾は金沢港と七尾港、両方ございます。県政の上では両方の港湾が立っていくようにしなきゃならないんです。金沢港だけに偏るわけにはまいりません。また特性からして七尾港は大変天然条件に恵まれた良港でございますので、これをさらに生かしてまいりたい。金沢港はいわゆる掘込港湾でございますが、だんだんと活性化に努めているところであります。最大の課題は何か。荷物が陸上に積む場所が非常に狭隘になってきた。ルネッサンスも結構ですが、まず港として荷物の集積場が非常に狭隘になってまいりまして、担当者が苦労しているのであります。将来的には御承知のような沖合に出す長期計画がございまして、それをできるだけ実現を早めたいのであります。同時に、港というものは物流だけでなく、やはり美しい港であってほしい。この心構えでもって私ども進めているわけでございます。  フィッシャーマンズ・ワーフとかいろいろと御質問がございますけれども、今、金沢港の漁協の前、毎日曜日にTAP90で大変にぎわっているのであります。結構なことだと思います。ただ、県内至るところフィッシャーマンズ・ワーフでは、これは貧乏します。どこもかしこもフィッシャーマンズ・ワーフでいいわけございません。その辺の調整が必要だというふうに思っておりますが、TAP90によりまして金沢漁協が中心になって日曜日、催しやっておりますが、大変評判よろしゅうございます。  それから、あと海釣り等については土木部長の答弁に御了解いただきたいと思っているのであります。  年金問題については厚生部長からお答えをいたしますが、大変大事なことだというふうに思っている次第でございます。  ごみ処理問題は環境部長に対するお尋ねでございますけれども、ごみを発生する家庭、事業者、それぞれ一層の理解を深めてもらわにゃなりません。その理解を深めていただくよう、これからもさらに努力するつもりでございます。ごみの量が日本一ということは決して名誉なことではございません。したがって、さらに民間団体等に呼びかけまして、このごみの減量化に努めてまいりたいのであります。  以上をもちまして私からのお答えとしたいと思います。 ○議長(米沢利久君) 浦西総務部長。  〔総務部長(浦西友義君)登壇〕 ◎総務部長(浦西友義君) 県の原子力防災計画についてお答えいたします。  原子力防災計画案につきましては、防災関係機関、原子力防災の専門家や地域の代表などからなります原子力防災対策部会及び専門委員会におきまして、専門的、技術的な見地から十分御検討いただき、作成したところでございます。また、議会関係委員会におかれましても御議論をいただいているところでございます。先般、関係機関との調整が終了いたしましたことから、手順に従いまして災害対策基本法四十条の規定に基づきまして国との協議を開始したところでございます。県といたしましては、大綱たる性格を有しております原子力防災計画を策定の上、さらに今後、具体的な肉づけのため、計画の実施要領を作成いたしまして、また関係市町村におかれまして市町村防災計画を策定していただきまして、全体として実効ある防災対策の整備を行うことが緊要であるというふうに思っております。これによりまして地元の皆様の不安の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。  さらに、内容の見直しについてのお尋ねでございますが、今申し上げましたように、関係専門委員会等におきまして御検討いただいた結果でございますが、国の指針を参考に地域の特性等を踏まえ、技術的、専門的に検討され、作成されたものでございまして、原子力災害に対しまして的確な対応ができるものと考えておりまして、御理解をいただきたいというふうに思っております。 ○議長(米沢利久君) 西村企画開発部長。  〔企画開発部長(西村昭孝君)登壇〕 ◎企画開発部長(西村昭孝君) 津幡−石動間を第三セクター化した場合の経営見通しでございます。津幡−石動間、延長十三・一キロと大変短いため、経営面におきましても決して楽観できないと考えております。のと鉄道の経営実績を生かすとともに、今後、具体的な運営に当たりましては、国、JRの協力を求め、石川、富山両県が責任を持って対応してまいりたいと、このように考えております。JRに対しまして要望しております現在の施設の第三セクターへの無償譲渡または貸与、人材の派遣、列車運行面の協力などの支援の状況を踏まえ、利用者の利便性の向上につながる鉄道となるよう、経営見通しとあわせ検討してまいりたいと、このように考えております。  それから、現在のスーパー特急の投資が将来、二重投資にならないか、こういう御質問でございました。運輸省案によりますと、新幹線規格新線、いわゆるスーパー特急方式は、フル規格の路盤に狭軌のレールを敷設するものであります。将来、フル規格化の整備の場合はレールを広軌にする必要が生じますが、これらは段階的な整備のための必要な措置であると考えているところでございます。今後ともフル規格整備に向け一層努力をしてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 松谷厚生部長。  〔厚生部長(松谷有希雄君)登壇〕 ◎厚生部長(松谷有希雄君) 国民年金基金についての御質問がございました。御承知のように、国民年金基金は自営業者等の国民年金加入者のために基礎年金の上乗せ年金として法制化されまして、当県におきましても、本年五月一日より石川県国民年金基金がスタートしたところでございます。この制度の加入見込みについてでございますが、発足当初の加入見込みは、本年度末で約一万人としてございますが、来年度以降も制度の周知に努めまして、多くの方々に加入していただきたいと考えております。  この制度の周知、広報につきましては、テレビ、ラジオ、ポスター等、各種の広報媒体により実施しておるところでございますが、国民年金基金におきましては、加入の促進を図るため、さらに七月から国民年金加入者を対象にダイレクトメールの送付、あるいは生保等の受託機関を含め、加入勧奨を行っておるところでございます。県といたしましても新しい年金制度であることから、都市部、町村部を問わず、市町村の協力を得まして、この制度の啓蒙、広報に努めてまいりたいと考えております。  なお、個別の加入勧奨に当たりましては、行政みずから行うことは差し控えることとしておりますので、御理解いただきたいと思います。今後とも制度の普及が図られるよう、国民年金基金を指導してまいりたいと考えております。  この基金制度のメリットでございますが、相対的には老後生活資金準備のための資産形成に役立つということでございます。具体的には現役引退後の生活資金を事前に無理なく準備できること、あるいは各個人の実情に合わせた年金が選べること。基本のユニットは終身年金であるので生活設計が安定しているというようなことであります。また、具体的には税制上の優遇措置がございまして、掛金金額が社会保険料控除が適用されるほか、国民年金基金から受け取る年金につきましては公的年金控除が適用されることとなっております。  次に、国民年金本体の方の保険料滞納者についてでございますが、保険料の滞納者は多くの不在者等もございまして、画一的に把握することは困難でございますが、大枠として推計いたしますと一万人余と思われます。なお、平成二年度の本県の収納率は約九〇%でございまして、全国平均の約八五%を上回る実績を上げております。無年金者の発生防止は、この収納率の向上に努めることに尽きますが、市町村との連携、協調を密にいたしまして、鋭意努力してまいりたいと思っております。具体的には口座振替による納付の推進、あるいは文書、電話並びに個別納付特例の強化等を粘り強く指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 斉藤環境部長。  〔環境部長(斉藤晴彦君)登壇〕 ◎環境部長(斉藤晴彦君) ごみ処理問題についてお答えを申し上げます。  市町村等の廃棄物処理施設で処理されております一般廃棄物は、一般家庭から出てまいりますごみ、事業所系のごみ、それから一般廃棄物と区分しにくい合わせ産廃等がございまして、本県におきます県民一人一日当たりのごみの排出量は、御質問にありましたように千八百六十五グラムとなっております。その内容は、家庭系のごみが九百六十四グラムでございまして、全国平均よりも幾分高いようでございますが、その他のものが九百グラム強となっておりまして、全国平均をかなり上回っている現状にございます。その理由は明確に分析したわけではございませんが、本県の実質経済成長率七・五%は全国第十四位で、全国平均よりかなり高い値を示しております。また、パソコン、ワープロの保有率が全国第二位とか第三位とかいうようなことから、オフィスのOA化に伴います事業系の紙ごみが多いこと、それから入り込み観光客が多いことによります事業系のごみの増加、あるいは県内の企業が中小企業が多くて、合わせ産廃として排出されるごみが多いというようなことが原因と推測されます。  ごみの分別について県民への啓蒙、意識改革、広域処理についてどう考えているかという御質問でございましたが、このたび国では、廃棄物の排出抑制、分別、再生を明確にすること、また県民及び事業者の責務として排出抑制、分別、減量等に関して地方公共団体へ協力すること、それから市町村の策定する一般廃棄物処理計画において排出抑制のための方策、分別収集についての事項を定めること等々を内容といたします廃棄物処理法の大幅な改正案がさきの国会に上程されておりまして、現在、継続審議となっているところでございます。県といたしましては改正法案の審議状況を十分見きわめながら、本年度、廃棄物広域処理構想検討会を設置いたしまして、その中で広域処理のあり方についても検討してまいりたいと考えております。また、県民への啓発、意識改革につきましては、従来からテレビ、ラジオ等の広報媒体を利用いたしまして実施しているところでございますが、今後さらに市町村を通じまして、適正なごみ処理について住民への意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。  それから、ごみの減量化とリサイクルへの取り組み状況につきましては、県は昨年の十二月にリサイクル活動実践団体や回収処理業者、それから流通団体、それから市町村等の代表からなりますリサイクル検討委員会を設置いたしまして、リサイクル活動の現状把握、回収システムの問題点の整備、各種団体の取り組み方針等について検討を行ってきておりまして、その検討結果を踏まえまして、県及び市町村において排出される不用となった紙の有効利用を図るために、紙質に応じて分別収集を徹底すること、スーパーマーケットの協力を得て牛乳パック、空き缶などの一斉回収日を設けることなどとしております。また、リサイクルにつきましては、最近、企業や団体におきましていろんな取り組みが始められておりますので、県としても支援をしていきたいと考えております。  最後に、医療系廃棄物の処理の問題でございますが、病院等の医療機関から排出されます感染性の廃棄物につきましては、医療関係機関におきまして管理責任者等を置きまして、原則として施設内において焼却等の滅菌処理をする方法と、許可を有する産業廃棄物処理業者に委託する方法がございます。平成元年十一月に厚生省の通知によりますと、地域の保健衛生の確保、向上の観点から、地域の実情を踏まえ、感染性廃棄物の適正な処理の実施に対する協力を市町村に対し求めているところでございます。御質問にありました能登地区の三病院では、医療機関が滅菌処理した後、事業系一般廃棄物といたしまして市町村等の廃棄物処分場でその処理を行っているものでございまして、今後とも感染性廃棄物によります事故を未然に防止するため、院内焼却ないしは滅菌処理の徹底を指導してまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(米沢利久君) 高木土木部長。  〔土木部長(高木啓輔君)登壇〕 ◎土木部長(高木啓輔君) 高齢者のために県営二種の集合住宅の対応を考えていないのかとのお尋ねでございます。公営住宅の建設につきましては、基本的には補助率が高くて高齢者福祉と密接な関係がある二種住宅は市町村、一種住宅は県という役割分担をしてきたところでございます。しかし、県営であっても建てかえの場合には現入居者の収入状況を勘案するなどいたしまして、必要に応じて一種から二種へ住みかえ変更ができるように二種住宅も建設してきたところでございます。今後とも入居者の実態、入居希望者等の住宅事情を見きわめた上で、二種住宅の建設を検討してまいりたいと考えております。なお、今年度建設の住宅からは全戸、高齢者対応住宅としております。また市町村に対しても高齢者対応住宅を配慮するよう指導しております。  次に、金沢港のポートルネッサンス二一の調査内容ということでございますが、これは金沢港が御指摘のように、環日本海時代に対応して物資流通の拠点として、またクルージングや海洋性レクリエーションに対応したものとして抜本的に再生するよう開発の構想を検討するものでございます。調査の実行に当たりましては、学識者、地元代表、行政機関の関係者で委員会を構成いたしまして広く意見を聞き、方策を取りまとめる予定でございます。調査結果につきましては、港湾計画に位置づけいたしますとともに、順次実現化して金沢港の活性化を図りたいと考えております。  次に、金沢港の西防波堤について安全対策を講じて県民に開放できないかという点でございますが、この西防波堤は直接外海に面しておる非常に長い防波堤でございますために、緊急時の避難、事故の発見及び救助が困難であります。今後も同防波堤の延伸工事を施工する必要がありまして、工事用の大型車両が防波堤上を通行することになりますので、釣り人のこの防波堤への立ち入りには支障があると考えております。これらの理由から防波堤の開放、またはこれを利用した海釣り施設の設置は人命にかかわる問題でありまして、人命尊重の観点から極めて困難であると考えております。ただ、現港湾計画で御指摘ありましたように、海釣り公園を大浜地区に計画しておりますので、この施設の整備につきましてポートルネッサンス二一調査で見直しを考えていきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 各位に申し上げます。議場内が大変蒸し暑うございますので、上着をとっていただいて結構でございます。  吉田歳嗣君。  〔吉田歳嗣君登壇、拍手〕 ◆(吉田歳嗣君) 今を生きる私たちが次に生きる人々に何を残すことができるか。県議として二期目の戦い、厳しい選挙戦を経て、選挙民の皆さんが今、私たちに何を期待しているかを身をもって体験してまいりました。知事も一期目以来初めてという激戦を戦い抜き、県民の望むものは何かをしっかりと把握されたものと推察いたしております。世の中の変化のスピードが今日ほど速い時代を人類は歴史上、経験したことがありません。経済や私たちの暮らしぶり、そして自然環境等、すべての分野で目まぐるしいほどの変わりようであります。その中で政治の改革だけが、国においても地方においても遅々として進まない。そのいら立たしさこそ、国民の、そして私たち石川県民の気持ちであります。知事は知事選の最中に何回も「積年の悪弊がある、県政を刷新しなければならない、クリーンな県政を目指す」との発言をなさっております。また、それが活字にもなっております。一体、積年の悪弊とは何でありましょうか。何を刷新し、何をクリーンとして県政とするのか。それを期待されて投票された多くの人々もあったはずであります。二月より現在まで、いささかの興奮のときがさめた今、冷静に判断され、明確にされることが政治不信のときと言われる今日の政治が、そして私どもの県政が県民の信頼を取り戻す原点ではないだろうかと思うのであります。県議会の一員として自己反省を込めながら、改めて知事の姿勢を問い直したいと思うのであります。  次に、開発と環境についてお尋ねをいたします。  一つは、日本人の常でしょうか、何か事があるとブームが生まれます。リゾート開発がよいとなれば、日本全国リゾート一色となります。それも、ゴルフ場がなければリゾートにあらずの感さえあります。石川県においても土地対策指導要綱の改正前の経過措置として多くのゴルフ場の申請がなされました。これら申請されたゴルフ場建設予定地は、その後どうなっているのでありましょうか。バブル経済が崩壊をし、申請会社名は残っているものがありますが、主体そのものが変わってしまった会社もあると聞き及んでおります。確実なる中間報告があってもよいのではないでしょうか。また、スキー場建設やバーデンリゾート施設等、近隣市町村から競合するような構想が発表されます。今度の予算における奥能登リーディング・プロジェクトが大変バランスのよい発想がなされているのを見たとき、県内市町村が同じような構想をするならば、県においてはこれらの構想を調整するような機関が必要となってくるのではないでしょうか。ゴルフ場やスキー場が自然環境と大きくかかわるものであります。企画開発部長のお答えを願うものであります。  そこで、次に環境問題についてお尋ねいたしますが、その中で地下水対策についてお尋ねをいたします。  現在、手取川扇状地には豊富な水を求め、ハイテク工場が数社、立地をいたしております。これからも立地を求める企業が多数あるとも言われております。これらのハイテク工場では、半導体に付着した不純物を洗浄するために、さまざまな有機塩素系溶剤が使用されております。兵庫県太子町や千葉県君津市においては地下水汚染が報告されております。地下水は一たん汚染されますと、その回復が困難であると言われております。汚染の後の悲惨さは、アメリカのシリコンバレーのレポートがよく物語っております。未然防止を図ることが何よりも大切であります。国においても水質汚濁防止法の一部を改正し、有機物質を含む汚水等の地下への浸透を禁止する措置を定め、地下水の監視測定体制を強化したのであります。ハイテク工場の立地は、技術立県を目指す我が県にとっては大変重要なことであります。一方、手取の地下水は私どもの飲料水として、工業水として、上水は農業用等、大変有用な面に使用をされているのであります。ハイテク産業が立地することにより手取の水が、特に地下水が汚染されることが絶対にあってはならないのであります。君津市の地下水汚染は、野積みにされた使用済みドラム缶にわずかに残った溶剤が流れ出たものが原因と言われております。安全管理には細心を期さなければなりません。  そこで第一点、有機塩素系溶剤による環境汚染を未然に防止するために、使用段階はもとより、保管、廃棄、水質検査等、総合的な管理体制が必要と考えられますが、石川県としてはどのような指導を行っているのかをお尋ねいたします。  第二点は、これらハイテク工場における有機塩素系溶剤の使用実態が確実に把握されているのかどうかをお尋ねいたします。  第三点は、排出水の測定結果はどうなっているのでありましょうか。  第四点は、これからも新たに開発される化学物質が使用される場合もあると考えられます。今までどおりの対応では対応し切れない部分も出てくるわけでありますが、新しい薬品の使用に関してはどのような規制がなされるのでありましょうか。  以上、環境部長に地下水汚染についてお尋ねいたしたいと思います。  今までは汚染の面から見てきたわけでございますが、先ほども申しましたように、技術立県を目指し、鉱工業出荷額全国一%を目標とする我が県にとって、豊富な水を利用し先端科学技術大学院大学や石川ソフトリサーチ・パークを核とした手取扇状地は、工場立地に最適な土地であります。しかるに、工場立地の希望の土地が現状では農業基盤整備の後追いとなっており、農政の立場から転用の困難や不可能の場合が多々あるわけであります。各市町村はそれぞれに基本構想を持ち、土地の有効利用を図っておりますが、市町村単位でなく、県としての土地利用構想があってもよいのではなかろうかと思うのであります。各市町村は土地対策として、また町勢の発展、市勢の発展を目指すものとして整合性のある土地対策を市町村としては持っておりますが、県全体の虫食いをなくすためにも、適正な開発を目指す石川県産業の百年の大計のためにも、石川県としての独自な方法が探られてもよろしいのではなかろうかと思います。  そこで、農業政策の立場から農林水産部長はこのような現状をどう把握をし、どう解決をなさっていこうとお考えになっていらっしゃいますか。また、技術立県を目指し大きく産業県として発展を目指す我が県の立場から、商工労働部長の考え方をお尋ねしておきたいと思うのであります。  今を生きる私たちが次に生きる人に何を残すことができるか。私は政治の場に立つ者の命題だと思います。先ごろ、日系の外国人労働者と日本の若者の親善サッカー試合が行われました。国歌斉唱が行われ、ブラジル国歌、ペルー国歌、君が代が斉唱されました。日本の若者よりも大きな声で立派に一生懸命に君が代を外国人の労働者が歌ってくれて、周囲の人々を感動させたのであります。その中の一人が、おじいさんは日本からブラジルに出稼ぎに、私はブラジルから日本に出稼ぎにと言って悲しそうな笑みを漏らしたのであります。我が国における外国人労働者の就労には一定の制限があります。日系人については日系二世、三世は日本人の配偶者等、または定住者として在住する場合については、その活動、就労に制限がないところから、南米、特にブラジルから多くの日系人が日本国内での就労をいたしておるのが現状であります。しかし、日本国家としての基本方針、建前とでも申しましょうか、そして現実、労働力不足の対策として雇い入れをしている現状、本音とでも申しましょうか、そんなはざまの中で彼らの悲鳴が聞こえてくるようであります。サッカーの試合やお祭り、輪踊り、運動会への参加等、さまざまな試みがなされております。しかし、ポルトガル語しか話せない三世の人々の疎外感。改善されたとはいえ、決して快適とは言えない住居環境。国際化をいうならば、いろんな方策もありましょうが、私どもはこういう問題を足元から見直さなければならない大事なときに至っているのではないかと思うのであります。  国家が建前上いろいろな施策を講ずることができないのなら、本音の部分で、雇い入れ企業に対して住環境整備のための金融支援や日本語講座、特にポルトガル語しかできないので大変な困難を伴うわけでありますが、開設を図るような何らかの方策をとっていくことが開かれた石川県のあり方だと思い、国のやり方に対して、時には強い不満を申し述べられる知事にとっても、やりがいのある仕事ではないかと思うのでありますが、いかがなものでありましょうか、お尋ねをいたしたいと思います。  恐らく、石川県下に就労する人々の人数や年齢構成、国別人数等、全くわからないのが現状であります。知事の心温かい決断をお願いし、それこそ地方発の政治の神髄をこういうような政策で見せてもらいたいと思うのでありますが、いかがでありますでしょうか。
     最後にいま一つ、一・五三人、言うまでもなく出生率であります。子供を産むか産まないかは女性だけの問題ではなく、男性にも問われる問題であろうと思います。ボーボワール女史は、サルトルとの同棲と申しましょうか結婚と申しましょうか、その期間に、今こんなに幸せなのにこの上何を望むというのかということで、子供を産まなかったそうであります。自己の意志として子供を産まない人もいるでしょうが、過疎の市町村では第二子から祝い金を出すとか、いろいろな方策がとられています。県としても何らかの助成の方法はとられませんでしょうか。また、それだけでなく、女性の子供を出産した後も働ける環境づくりも大事なのではないかと思うのであります。多くは申しませんが、知事のお得意の言葉でありますが、議場から女性議員のいなくなった今、知事、女性のための先取り行政をぜひお願いをしたいところであります。今、石川県におかれては出生率の低下と、その対策についてどういう施策がとられているのか、また、今後どうあるべきかを知事にお尋ねしたいと思います。  最後に、たくさんの人から質問がございましたが、副知事の問題について、もう一度私からもお尋ねをしたいと思います。  知事が二十八年前に初めて県知事になられたときの石川県の行政の質。現在、その質の高さは大変なものだろうと思います。高めていらっしゃったのは、あなたの努力だろうと思います。また、その量の増大も大変なものがあろうかと思います。最近のハードなスケジュールを見ておりますと、ああ御苦労さまだなあと思うのが実感であります。その上に知事、二十八年間はいや応なくあなたにもお年を重ねられたのであります。どう見ましても、御苦労さんだ、お疲れだなというようなときもございます。今、二十八年前を思い浮かべて、数年間は副知事を置かなかったとおっしゃいますが、今度はやはり置いていただいて、今より以上に県民サービスや行政の質の向上を図るべきときではないだろうかと思うのであります。スタンスについてはお話をいただきますが、大変微妙な問題でもあり、最高人事でもあり、また、言う人によれば次をねらえる人だということも言われております。お答えにくい立場もあろうかと思いますが、いつまでも慎重にという言葉から脱却をしていただいて、副知事についてはこうありたいと県民に申されるのが、知事選への公約を果たす一つではなかろうかと思いますし、今、二人制云々されておりますが、男性であろうと女性であろうと、能力さえあれば先に女性の登用があってもしかるべきだと思うのであります。どうぞ知事のお体を気をつけながらの発言でございますので、一歩踏み込んだ適切な御答弁をいただけますことを県民とともに期待をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) 吉田議員の御質問の中で、特に知事の答弁を求められたものについて申し上げたいと思います。  一番最後の副知事問題は、皆さん方それぞれ、この演壇に立って御質問、御意見ございますが、私のスタンスは同じでございます。何だか知事は疲れているから補佐を置けという意味にとれますと大変残念でございまして、元気いっぱいでございます。また、部長諸君は知事の職務の代決ができる。副知事は代決は制度上ございません。したがって、各部長がそれぞれがみずから副知事のつもりで、知事の意図に対して一生懸命やってくれている。朝早くから夕方まで知事室に飛び込んでまいります。その姿を見ていますと、県政は円滑に動いているものだと思っているのであります。適切な人物あれば副知事に迎えたいということは、かねてから申しておりますけれども、事が重要人事でございますから、慎重な上にも慎重にしてまいりたい、こう考えているわけであります。  第一点に戻りまして、知事は選挙公約として公平、公正を旨とするということを言ったが、どうかというお尋ねがあったと存じます。どなたも同じことを言うと思うのであります。ただそれをスローガンにするだけでなく、さらに県民の負託にこたえて、県民から見て、なるほど公正に行われているなということについては、絶えずみずからを戒めなきゃならないのであります。みずからを戒めて、この四カ月まいりました。これからもさらに公正でありたいと思います。予算の編成だけでなく、予算の執行についても、すべて同様の考えでございます。惰性に流れることなく、絶えず今日からあすを目指して努力する、これが私の信条でございます。  次に、あとは各部長に対するお尋ねかとも思いますけれども、特に開発と環境保全でございますが、現在、環境と開発、その調和をどこで図るか、大変苦労しているのであります。バブル経済と言われるものに破綻は見えてきたものの、依然としてゴルフ場は投資する価値ありという大多数の認識がございます。また農山村では、現状ではどうにもならぬから農業をやめていこう、あるいは林業をやめようというふうな動きからいたしまして、これをまずゴルフ場というふうに皆思いつくようであります。リゾートイコールゴルフ場というのは今のお話のように大変短絡的でございますけれども、なかなかとまらない。県では全国よりは厳しい県土の一・八%に枠を決めましたけれども、十分な審査をしていきたい。また、ゴルフ場がなければ、その地域がどうにもならぬという地域については改めて考えていきたいと思っているのであります。  次に、外国人労働者の問題でございますが、この実態をよく計数的に調査したいと思っております。私は何カ所かの聞き取りをいたしましたけれども、いろんな問題点ございますが、少なくとも現在のところは比較的円滑に推移をしているようであります。しかし、労働力の絶対量が不足していること、一方、中小企業に対しては資金量が、絶対量が不足してきた。このことが我が石川県の活性化の問題に大きく影響すると思うのであります。やはり、正面から外国人労働力の導入について、政府ではしっかりした政策をつくり、枠組みをつくってほしいのであります。ただ、どうもやむを得ぬからというなし崩しで押されているとなっては、我が国の政策として適当ではございません。今お話ございましたが、日本語講座等もいろいろとこれからもさらに努力したいと、こう思っております。  宗教的な習慣、信条、民族的な習慣等からして食生活でも一部、大変配意を要することがあるようでありますが、私の今日まで聞いてまいりましたところでは、おおむねこれをクリアしているようでございますが、大変大事なことを御指摘いただきまして、私もぜひとも積極的に前向きに取り組みたいと思っております。  最後になりますが、出生率の低下問題、大変ゆゆしいことだと思っているのであります。人類全体の各国民、民族の歴史を見ますると、必ず消長があることは間違いございません。しかし、余りにも出生率の低下が急激であり、しかも率の問題が大変厳しいわけでございまして、全国の自治体、県内の市町村とも大変これに配慮しているのであります。社会全体が出生率問題に取り組まねばならない、こういうことではないかと思います。だんだんと高齢出産になってきたことは事実であります。高齢出産になりますと、やはり少ない子供を育てようということになってくることは間違いございません。そのときに社会的支えとして、例えば、このたび予算に計上いたしましたゼロ歳児保育、あるいは休日保育の普及充実、また育児休暇をはっきりとり得るようにする。いろんな問題ございますが、総合的に出生率低下を社会的に支える行政体の仕事は大変大事だと、こういうふうに考えております。 ○議長(米沢利久君) 西村企画開発部長。  〔企画開発部長(西村昭孝君)登壇〕 ◎企画開発部長(西村昭孝君) 昨年の土地対策指導要綱の改正の際、経過措置の対象となったゴルフ場のその後の状況についてお答えを申し上げます。  平成二年二月の県土地対策指導要綱の改正の際に、経過措置の対象となったゴルフ場、二十二カ所ございます。このうち三カ所が計画を断念、また本年一月の三十一日までに土地利用権の八〇%以上を取得できなかったことから、五カ所が経過措置の対象外となります。よって現在、対象となっているゴルフ場の数は十四カ所でございます。今後、実際に建設されるゴルフ場の見通しにつきましては、現段階での把握は困難でございますが、良好な自然環境の保全等に一層留意するとともに、関係市町村とも十分連携の上、適切に対処してまいりたいと、このように考えております。  それからなお、リゾート開発構想問題につきましては商労部長がお答えを申し上げますが、企画開発部といたしましても、関係事項につきまして部内や市町村とも十分調整を図って対応してまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 斉藤環境部長。  〔環境部長(斉藤晴彦君)登壇〕 ◎環境部長(斉藤晴彦君) 手取扇状地の地下水対策につきまして、まず有機塩素系の溶剤によります環境汚染を未然に防止するため、どのような指導を行っているかという御質問でございました。いわゆるハイテク工場の立地に当たりましては、関係町と事業者との間で公害防止協定を締結するよう指導しておりまして、県といたしましても協定の当事者、あるいは立会人として参加しているところでございます。協定では管理体制の整備を初めといたしまして、それぞれ排出水の許容限度を定め、あるいは有機塩素系の溶剤の適正な保管、使用を確認するための立入調査を実施するとか、事業者によります排水の自主測定及び関係町への測定結果の報告を義務づけているところでございます。また使用済みの有機溶剤につきましては、全量回収の上、産業廃棄物処理業者に引き取らせておりまして、地下水汚染を初め環境汚染を生じさせないよう指導しているところでございます。  次に、有機塩素系の溶剤の使用実態を把握しているかと御質問でございましたが、同溶剤の使用状況につきましては、毎年、企業から報告を受けておりまして、その使用実態を把握しているところでございます。ちなみに有機塩素系の溶剤といたしましては、一−一−一トリクロロエタンのみを使用しておりまして、使用量は月当たり二百リットルから千五百リットルとなっております。また、有機塩素系の溶剤を全く使用しない工場もございます。  それから、排出水の測定結果はどうなっているかという御質問がございました。企業の自主測定結果につきましては、関係町を通じまして県に報告がされることになっておりますし、また県と関係町におきましても、立ち入りの上、排出水の測定を行いまして、協定値の遵守状況を確認しているところでございます。トリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンにつきましては、いずれの事業所においても検出限界以下でございますし、一−一−一トリクロロエタンにつきましては検出限界以下から、最高でも協定値が一リットル当たり三ミリグラムとなっておりますが、それの約六百分の一というごくわずかでございます。  それから、新たな化学物質の使用に対する対応をどうしているかということでございましたが、従来からハイテク工場におきまして、新たな化学物質を使用しようとする場合には、協定に基づきまして、県はこれらの化学物質の使用方法等について事業者から協議を受けることとしております。県では文献情報等をもとにいたしまして、専門的見地から新たな化学物質の使用、管理並びに廃棄物処理の方法が適正なものかどうか等について検討いたします。使用しようとする化学物質によって周辺環境に影響を及ぼさないよう事業者を指導してきているところでございます。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 武田商工労働部長。  〔商工労働部長(武田文男君)登壇〕 ◎商工労働部長(武田文男君) まず、リゾート開発に関してでございますが、県といたしましては、従来から各市町村における観光開発構想につきまして、それぞれの地域の個性が発揮されるよう、必要な指導、助言等を行い、地域の特性を生かした構想が推進されるよう努めてきているところでございます。今後とも各市町村あるいは関係団体等と連携を密にしながら、自然環境との調和を図り、地域の特性を生かし、また時代のニーズにも対応した秩序ある観光開発を進めてまいりたいと考えております。  次に、基盤整備と工場立地につきましての考え方のお尋ねでございます。工場適地の選定に当たりましては、市町村の御要望を踏まえるとともに、農業基盤の整備状況などを踏まえました土地利用計画との整合性、また当該用地の条件等を勘案し、事前に国、県、また市町村の関係部局等と十分調整を図った上で箇所の選定に当たっているところでございます。今後とも地域の土地利用との整合を図りながら、企業立地に努めてまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、外国人労働者に関してでございますが、雇用環境の改善につきましては、日本人、外国人を問わず、大変重要な課題でございます。また、人材確保という観点からも大事な問題でございまして、中小企業の行います福利厚生施設の整備を支援してまいりたいということから、今回、六月補正におきましても低利の融資制度の創設をお願いをしているところでございます。また、本県における外国人に対する日本語教育に関しましては、これまでも日本語教師の養成、確保、あるいは国際文化交流センターの日本語講座の充実、また民間実施団体への助成など実施をいたしているところでございます。このほか、外国人研修生の受け入れのあり方につきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。  次に、婦人の働きやすい環境に関してでございますが、家庭を持っておられる女性が就業を続けるためには、出産、育児、介護など多くの課題があると考えております。このため県といたしましても、従来より関係機関と連携を密にしながら、家庭を持つ御婦人方が働きやすい環境の整備に努めてきたところでございます。本年度におきましては、働く女性のためのガイドブックを作成いたしますとともに、今回の補正予算の中で婦人労働者の就業促進のため、事業所内保育施設設置補助事業制度を新設するなど、関連施策の充実に努めているところでございまして、今後ともより一層の環境整備を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 岩本農林水産部長。  〔農林水産部長(岩本荘太君)登壇〕 ◎農林水産部長(岩本荘太君) 農業基盤整備と工場立地の件でございますが、農業基盤整備の実施につきましては、市町村、県並びに関係機関との連携と調整の上で策定されております農業振興地域整備計画、並びに土地改良長期計画を一つの枠組みといたしまして、その中で優良農地の確保と低コスト農業を推進するために実施しているものでございます。  後発の工場立地との関連でございますが、農業基盤整備事業を実施いたしまして工事完了した場合、完了後八年間は転用ができないということが原則でございます。しかし、地域の開発にかかわります諸法令等、例えば農村工業導入法などに基づきまして施設の整備計画を策定しております地域につきましては特例措置が講ぜられることがございまして、この措置で実際に実施しているところもございます。また、新規に着工するところ並びに継続して事業を実施しているところに工場立地等の案件が出てまいりました場合は、当然、優良農地を確保することが前提でございますが,調整のとれた土地利用計画が図れるよう、市町村等とも調整を図りながら基盤整備事業の中で農地整備等の取り組みを行う場合、あるいは地区を除外する等によって対応してまいっているところでございます。  いずれにいたしましても今後とも関係機関との調整を一層密にして対応してまいりたいと考えております。       ─────・──・───── △休憩 ○議長(米沢利久君) 暫時休憩いたします。   午後零時十分休憩       ─────・──・─────   午後一時八分再開          出席議員(四十名)            一  番   粟       貴   章            二  番   紐   野   義   昭            三  番   一   川   保   夫            四  番   小   倉   宏   眷            五  番   米   田   義   三            六  番   長   井   賢   誓            七  番   石   田   忠   夫            八  番   宇   野   邦   夫            九  番   吉   田   歳   嗣            十  番   向   出       勉            十一 番   善   田   晋   作            十二 番   上   田   幸   雄            十三 番   岡   部   雅   夫            十四 番   矢   田   富   郎            十五 番   櫻   井   廣   明            十六 番   稲   村   建   男            十七 番   奥       清   一            十八 番   長       憲   二            十九 番   角       光   雄            二十 番   北   村   茂   男            二十二番   勝   木   菊 太 郎            二十三番   大   幸       甚            二十五番   嶋   野   清   志            二十六番   谷   口   一   夫            二十七番   河   口   健   吾            三十二番   金   原       博            三十三番   宮   下   正   一            三十四番   山   田   宗   一            三十五番   宮   地   義   雄            三十七番   米   沢   外   秋            三十八番   北   野       進            三十九番   八 十 出   泰   成            四十 番   若   林   昭   夫            四十一番   稲   本   孝   志            四十二番   桑   原       豊            四十三番   山   根   靖   則            四十四番   藤   井       肇            四十五番   池   田       健            四十六番   庄   源       一            四十七番   川   上   賢   二          欠席議員(七名)            二十一番   永   瀬   隆   平            二十四番   福   村       章            二十八番   石   本   啓   語            二十九番   中   村   幸   教            三十 番   米   沢   利   久            三十一番   中   川   石   雄            三十六番   竹   野   清   次       ────────────── △再開 ○副議長(北村茂男君) これより会議を開きます。       ─────・──・───── △質疑・質問(続) ○副議長(北村茂男君) 休憩前の議事を続けます。山根靖則君。  〔山根靖則君登壇、拍手〕
    ◆(山根靖則君) この春に選ばれました与野党合わせて十二名の今期新人議員のトップバッターとして初登壇の機会を与えられました幸運に感謝をいたします。社会党の一年生議員の山根でございます。  県政壇上に立たせてくださいとお願いをして、その壇上がこの場所なのかと感慨もひとしおでございます。この初心を忘れず、県民の皆様の負託にこたえて頑張らねばならないと思っております。初舞台という感動も込めまして、県政施策の何点かについて私の思いを申し述べ、知事を初めとする関係部局長のお考えをお伺いいたします。  これまでの質問に対する答弁を聞いていて感じましたことは、そつのない答弁というのは冷たいもんだなあという印象でありました。私はそつのある質問しかできませんけれども、どうかお答えの方は血の通った温かみのあるものをお願いしたいと思います。  最初に、里山の保全対策の早期の事業化を求めることと今後の見通しについてお尋ねをいたします。  このたびの本予算案の主要施策の概要を見ておりまして、子供のころに見たきり、とんと見ることのできなくなったホタルが背戸の川に戻ってきたときのようなうれしさを覚えたところがございます。それが里山の保全対策というところでありました。私たちが子供のころからなれ親しんできた心のふるさととも言える里山を、ぜひとも保護のもとで残していかねばならないと思います。三百万という予算はホタル一匹ほどのものであるかもしれませんけれども、ふるさとの自然破壊がとどめようもなく進んでいく中で、この一匹のホタルを大事にふやしていきたいと思います。こうした弱いものにこそ力を貸すのが知事の言われる思いやりのある人の時代の県政であろうかと思います。  この里山保全対策の具体化について私の考えを述べてみたいと思います。私はこの里山保全対策地域を、その数において、県下のゴルフ場のあるところには、すべてその周囲に設けるくらいの数にしていただきたいと思っております。そして、その地域が小鳥や昆虫や小動物や、そして子供たちや老人など住民の憩いの場として、できる限りもとの自然を生かす形でつくっていただきたいと思っております。ゴルフ場の開発等が先を競って行われようとしているとき、今、早急にしなければ取り返しのつかなくなることの一つとして、この里山保全対策事業があると考えます。早期の事業確定を求めます。今後の見通しについて知事並びに環境部長のお答えをお願いいたします。  さて、里山から目を少し広げて、地球の環境悪化を救う道としての森林の保全について県の林業対策の見通しをお聞きいたします。  国は今年度を森林・林業活性化元年として国有林の再建や民有林の活性化に乗り出したと聞きます。新規の補助事業として実施に移される流域林業活性化推進事業というのは、今年度一億円余りの予算で、全国で三十一の流域の指定を行い、始められるもののようでございます。流域というのは市町村の枠を越えて森林の持っているいろんな機能が発揮されるところという意味のようでございますけれども、本来なら大きな川の上流域というようなことでしょうが、当面、石川県としては大きく加賀と能登の二つが考えられると思います。石川県においても今年度の流域指定について積極的に国に働きかけ、加賀、能登を含めて地域の意向も反映しながら国との連絡を密にして、この指定事業を進めていただきたいと思います。この事業は全体計画で全国百五十八流域を考えておるようでございますが、これは今後も継続して行われるということでございますから、石川県としてもさらに対象流域を加賀、能登と言わず、ふやしていく方向で取り組んでいただきたいと思います。知事並びに農林水産部長のお考えをお聞きいたします。  次に、木場潟の自然環境保全についてお尋ねをいたします。  木場潟は昭和四十八年に県の都市計画公園として設定され、周辺整備事業等が現在、進められております。この夏の国体のカヌー会場ともなっておりますが、地元に住む者として、その水の汚れについて、石川県の環境行政のおくれを指摘されるようで気になっております。小松青年会議所が、「よみがえれ木場潟」と題して開いた木場潟湖沼会議のチラシの中に、木場潟の水についてこんなふうに書いております。「昭和二十年ごろまで四、五メートルの水深があったのに、今はヘドロがたまって深いところで二メートルほどしかない」であるとか、「この二十年間で随分変わって、そこで泳いでいたとは信じられないほど真っ黒に汚れています」というふうになっています。私も気になって実際に見に行ったことがありますけれども、確かに木場潟へ流れ込んでいる川の中には、変に水の色が透き通っていて底の泥が真っ黒で、生物らしいものが見当たらない、そういう川も流れ込んでおりました。地元の人の話を聞きますと、少しオーバーな話じゃないかとも思いましたけれども、カヌーの練習をしていて誤って水に落ちたりすると白いシャツが黒くなるとか、あるいは皮膚の弱い人はかぶれるようなことがあるということでありました。この木場潟へ流れ込む川の一つの上流には産業廃棄物の処理場もあり、その排水がかぶれの原因ではないかとも言われたりしておりますが、詳しい調査はできておるのでありましょうか。また、この木場潟のすぐ近くの里山をゴルフ場にする計画が進行中でございます。ゴルフ場の排水は木場潟へ流れ込むことになっております。一層の水の汚染が進むのではないかと危惧されますが、木場潟に対するこれまでの水をきれいにしていくという作業の状況と、それが国体後も続けられるのかどうか、今後の計画をお聞きしたいと思います。  できれば、このゴルフ場の計画にかえて、県がかわりに里山健民公園とするような考えがないか、それもあわせて知事並びに環境部長のお考えをお願いをいたします。  次に、教育長にお願いをいたします。学校には常勤、非常勤を含めて講師と呼ばれる人がたくさん必要です。病休あるいは産休あるいは育休、そういう補充、そのほか最近では初任者研修で学校をあける人の穴埋めなどさまざまでございますけれども、その実態と、それぞれの講師の勤務条件が本採の人に比べてどこがどのように違うのか、お聞かせ願いたいと思います。  また最近、このようにいつ仕事にありつけるかわからぬという講師をあきらめまして、ほかの仕事についてしまう人も大変多いということで講師不足ということも聞きます。講師確保のための方策をお尋ねいたします。  私も教員をしておりましたから、講師の人たちが不安定な身分に甘んじながら、学校において本採用の人たちと何ら変わらない仕事をこなして、そして教育のすきまを埋めてこられた実態を見てまいりました。この人たちに対する勤務条件の改善であるとか、あるいは採用に対する保証をもっと考えるべきだと思います。  教育長は、教師の生きざまそのものが教科書である、教師は人間担任であれというのが信念であるとも伺っております。ことしも、もうすぐ教育採用試験も行われますけれども、あの短期間の試験だけでは、豊かな人間性を持った人を見つけ出すことは難しいとも聞いております。私は、この講師の期間というものは何ものにもかえがたい初任者研修期間であり、採用試験期間であると思っております。その期間を通じて子供たちや現場教職員は、きっと未来の石川の教育を託すべき豊かな人間性を持った教員を探し出してくれるものと思います。講師不足と言われる折から、講師の人たちのあしたに希望をもたらす意味からも、講師経験を採用に考慮する、いつまでも講師として飼い殺しにはしないという道を開いていただきたいと思います。泥まみれで苦労をされたという現場経験をお持ちの教育長の温かい答弁を求めておきます。  さて、最後になりますが、体の弱い人々、特に障害を持つ人々に対しての諸施策についてお伺いをいたします。  やさしいまちづくり整備事業費として三億円が計上され、スロープ、身障者トイレ、そのほかいろいろと公共設備の整備が予定をされております。それらの事業を進めていくに当たっての県当局の基本的姿勢について知事並びに厚生部長のお考えをお聞きをいたします。  往々にして、これら障害者の施設は市街地から遠く離れたところにあることが多いもんですから、それら設備の整った市街地へ出ていくことがなかなかできないということを考慮していただきたいと思います。施設から一歩外へ出るということだけでも、安全管理の面からなかなか許されてはおらぬわけです。車いすの人たちがバスに乗るためには二人以上の付き添いが条件になっているようです。施設の職員とか、あるいはボランティアの人たちに頼ることが多いということですけれども、ボランティアの人たちも、いつでも来てもらうことはできません。障害を持つ人たちが町へ出るまでの方策をどのように考えておられますか。私は障害児の教育に十五年余りつかせてもらっておりましたが、一般の人たちは余りにも障害者の実情を知らなさ過ぎると思っています。私たちがきめ細かな施策だと思っていることでも手抜かりが多いことを知らされます。歩道の段差切り下げが言われておりますけれども、車いすの人たちにとって、あの歩道と車道の三センチの段差がとてもきついというふうに言われます。どうかやさしいまちづくりの推進につきましても、障害者の声をじかに聞きながら進めていただきたいと思います。  障害者の実情を知らなかったということを実感しました例を申し上げます。先日、私たちの県政連絡会で県内のいろいろな施設を視察に行ってまいりましたけれども、総じての感想というのは、これら社会的に弱い立場の人々の施設が全体的に狭くって設備も不備で、息の詰まる思いがした、そういうのが多かったという感想がございます。ある障害者の授産施設を訪問いたしました。町から離れた田んぼの中に生活する建物と工場とがくっついて建っておりました。この建物の中がこの人たちの毎日の生活の場であり、仕事の場であり、一生を過ごさねばならない場だと考えたときに、余りにもひどいと思えるものでした。倉庫が足りないというので、廊下に荷物が積んでありました。狭い廊下が一層狭くなっております。毎日の生活のための部屋というのは、あの青年の家なんかにありますように、あんな感じのベッドが両側に並んでいて、そして四人の人たちがそこに住んでいるということでした。畳一畳余りのその一人の空間というのは、やっと確保できるプライベートの空間だというふうな感じでありました。合宿で一泊をするんなら我慢もできましょうけれども、そこで毎日生活をして一生過ごさねばならないということを考えたら、これは後でも話をしますけれども、施設から離れたところに一戸建ての家があって、そこに住んでみたい、そして普通の人のようにそこから施設に通ってきたい、そんな生活をしてみたいというこの人たちの要望がひしひしと感じることができました。そこで働いておられる職員の方が、自分の子供がここにおると思ってみてください、こう言われたときに、私は涙が出るくらいの思いでありました。さきにも述べましたが、これら社会的に弱い立場の人たちの生活の場が一般の社会から遠く離れているために、その実情が知らされていないということに私は問題があると思います。その意味では、障害者でも町へ出られるやさしいまちづくり事業というのは評価をしますけれども、障害者が町へ出るまでの手だてを本当にもっと考えていただきたいと思うのであります。障害者の思いの実情を知らないでつくる心温まる施策の冷たさを私たちは知る必要があると思います。この私たちが訪問をした施設で、県庁女子職員の制服がこの人たちの手でつくられていることも私は初めて知りました。  最後に、私の近くにある身体障害者療護施設の実情を訴えて、私の質問を終わらせていただきます。そこは、在園者が百三十名ほどの社会福祉法人の療護施設でございます。その中には、ようやく一人で歩ける人から車いすに乗る人、完全に寝たきりの人までいろいろ入っておられますが、ほとんどの人が日常生活において他人の介助が必要な人ばかりです。しかし、体の自由がきかなくっても、考えたり話をしたり簡単な作業の可能な人もたくさんおられます。その人たちが求めておられるのは生きがいでありました。何か人のためになることがしたい、自分でも、ああこんなことができるんだということをつかみたいということでございます。脳死が騒がれておりますけれども、この人たちは意識的に生きることを求めておられます。人の世話がなければ身の回りのことができない。だから療護施設というところに入っています。ところが、その療護施設に入っておるから、その人たちは仕事ができないし、しなくてもいいということになっておるんだそうです。これが私たちの思いやりのある福祉施策の姿ではないかと考えさせられました。ここの人たちが何を今希望しているかといいましたら、その療育と、そして仕事をすること、授産とを兼ね備えた生きがいセンターというものをつくってほしいという希望であります。十五年前にそういう運動を始めたそうです。一回、積立金をしたということでした。けれども、計画はそれ以来進んでいない。何か、市で近くに土地も購入してあるということですが、そのままになっているという話でございます。私は、障害を持つ人たちが社会参加をしていくための一つのステップとして、彼らの夢であるこの療育と授産とを兼ねた生きがいセンターづくりを、ぜひとも県の手で実現してほしいと思います。知事並びに厚生部長の、それこそ血の通ったお考えをお伺いいたします。  ちょうど時間が来たようでございます。これで私の初質問、終わらせていただきます。本当にどうもありがとうございました。よろしくお願いをいたします。(拍手) ○副議長(北村茂男君) 各位に申し上げます。議場内が大変蒸し暑うございますので、上着をとっていただいて結構でございます。  中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) ただいまの山根議員に主として私からお答えいたしますが、第一点、里山保全、私もかねてからやりたいことでございます。幸いにして国の制度もだんだんと整ってくるようでありまして、里山保全はぜひとも県内至るところでやりたいのであります。日本人の原風景はやはり田園風景であり、里山風景であろうと思うのです。それをお金にあかしてゴルフ場に転換し、スキー場に転換することが全面的に私は賛成できないんであります。場所を選んで、一部の地域はスケート場あるいはスキー場、ゴルフ場となってもいいけれども、押しなべてそうなっては困ります。そういう意味でも、里山保全は大きなそれに対する対応策と考えているのであります。今度、県予算では調査費を計上いたしました。また夕日寺のトンボサンクチュアリーも実行に移すことにしておりますが、これらについては地権者と相談しながら、できるだけ広めてまいりたい。これは金沢だけでございません。全県的にそういう気持ちを強く持っているのであります。  他県では非常に民間運動が盛んでございまして、トラスト運動というものも始まっております。なかなか我が石川県ではトラストというまではまいらぬにいたしましても、県がむしろトラスト運動の先頭を切る気持ちでもって里山保全をやりたいのであります。  そこでもう一つ、大変私は状況によっては危険性を生むと思うのは、国並びに民有林等の活性化事業であります。活性化の名において、いたずらに道路をつけ、施設をつくることは果たしていいのかどうか。これが全面的にいいという御意見が無条件に多いようでありますが、森林の活性化のためには、もっと利用度を高めよう。利用度を高めることは、木を切って道路をつけて遊び場をつくることになるのかどうか。この辺のところも実は慎重でなければならないと思っております。そういう意味で流域内の森林整備、大変結構なんですけれども、今申しましたように、これが本当の流域の森林整備にしっかりとなるかどうか、これを十分監視しなきゃならぬと思っていますので、山根議員もぜひ御協力をお願いしたいのであります。  次に、木場潟でありますが、水質が汚れていることは事実であります。主として生活雑排水でございますので、小松市の下水道事業の進捗をひたすら期待をいたしております。また集落排水等については、いろんな手段でもって、これも進めていくつもりでございます。これまでは御承知のように、木場潟の底のヘドロは周辺の農家が肥料としてこれを還元しておったわけであります。暑いさなか田舟でもってヘドロをくみ上げて、これを肥料として農地に還元しておったわけでありますが、そういうことはなくなりました。したがって、汚れだけが進むということも事実でございますので、私もいろんな工夫を考えようとしておりますが、殊に大日川ダムの三湖用水、これは無効放流しておりますので、これを木場潟に流し込みたいのでありますが、私の発想はよかったんですが、単に流し込んだだけでは一体お尻はどうなるのかという話でございまして、今江潟を通じての前川、梯川への流域、これらを全体的に考えなきゃならぬという話でありまして、それもそうだと思いまして、今、加賀三湖水の流入位置変更等含めて、いろいろと調査中でございます。率直に言いますと、これについて国の力を借りたいというお話もわかるんです。しかし、下手をすると奥能登パイロット事業になってしまう。こんなことを言うと農林省のお役人やら大蔵省の役人は不愉快な顔をするけれども、えてしてなりがちなんです。私はやはり手づくりでこういうものはやっていくべきだというのが基本的態度でございます。  そういう意味からいたしまして、私は水郷公園として立派に整備したいと思っております。殊に花ショウブ、カキツバタ等の群生地をつくろうと今やっておりますが、いずれこの群生地は立派に成功するだろう。ことしも二万株ばかり花ショウブ等が植わっておりますけれども、株分けして、少なくとも倍以上にしたい。そして花ショウブやらカキツバタを見るためには木場潟へいらっしゃいと、こういうふうにしたいのでございます。  都市公園ではございますが、水郷公園としての位置づけをしっかりするつもりでありまして、特に三谷あるいは木場から見た空港のある側には、桜でもせめて植えたい。また、柳も一部の方で植えることとして、昨日も私、小松の土木事務所まで行きまして、現地でいろいろと相談したんでありまして、私としてはそういう意味では、私なりに大きな関心を持ち、熱意を持っていることを改めて申し上げたい。  それからなお、一部の方、本当にこういうことの関心を持っている方でも、護岸をコンクリートでやるという声がある。これは絶対いけません。コンクリートであってはいかぬので、水の中まで安息角で土を盛ってヨシ等を植えればフナ等も産卵いたします。コンクリート護岸は絶対反対でございます。あえて申し上げておきたいと思うのであります。  次に、障害者対策として、私も機会あるごとに障害者施設等を見てまいっております。先日も小松のある施設のある記念式典に参りました。そこで思いますことは、何とかして生きていこうという御当人、また、それを支えなきゃならぬという気持ちで必死で頑張っていらっしゃる御両親等見ますると、本当に涙の出る気がいたします。これからも障害者福祉、さらに力を入れていきたいんでありますが、例えば穴水の精育園、あるいは近くできまする奥能登の特別養護県営のホーム等は、直接こっちが設計もし、監督もいたしますので、かなり配慮したつもりでございますが、民間福祉施設についても、できるだけ単に補助出すだけでなく、そういう配慮が行われるようにしたいと思っているのであります。問題は、車いすの経験を設計者やら担当者、皆積んでみることが必要だ、そういうようなことを思うんです。福祉というものは、その障害者の目の高さでものを見、行動してみる、そういう経験を積むことが大変大事だと思います。これからもやってまいりますが、なお、いろいろと激励やら御忠告を賜りたいと思っております。 ○副議長(北村茂男君) 松谷厚生部長。  〔厚生部長(松谷有希雄君)登壇〕 ◎厚生部長(松谷有希雄君) 障害者対策についてでありますが、知事答弁を補足させていただきたいと思います。  障害者の社会参加がより容易になるように、いろいろな施策に努めているところでございます。今回でも、やさしいまちづくりにかなりの財源を投入してございますが、まだまだ十分ではないという御指摘でございます。障害者の声を聞きながら今後とも進めてまいりたいと考えております。  それから、療護施設と授産施設を兼ねた施設をつくってはどうかという御提案でございますが、療護施設はご存じのとおり重度の身体障害者を入所させて、リハビリあるいは生活介助等を行う施設でございます。障害者の施設につきましては、このように最重度の方を収容する施設、あるいは軽度の方、仕事ができるまでの間の訓練を行う授産施設、そういう障害の種類、程度に応じて、それぞれ必要な整備をしていくということとしております。御提案の複合施設につきましても、障害者を初め多くの関係者の意見を聞きながら、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(北村茂男君) 斉藤環境部長。  〔環境部長(斉藤晴彦君)登壇〕 ◎環境部長(斉藤晴彦君) 今回の補正予算の里山保全対策調査費でございますが、里山におきます植生や土地利用状況等の現況調査によりまして基礎的な資料を収集いたしまして、里山の保存と活用方策等について検討いたします。具体的な方策については、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。  それから、木場潟の水質に関係いたしまして、木場潟に流入する河川の上流に位置する産業廃棄物処理場の排水についての御質問でございましたが、この産業廃棄物の処分場につきましては公害防止協定を締結いたしまして、一般の排水基準よりはかなり厳しい排水基準を当てはめておりますが、定期的に測定をやっておりますが、最近の測定データによりますと、協定値が、例えばBODで六十ミリグラムパーリッターでございますが、実測値は四・八ppmということでございまして、十分の一以下になっております。  それから、木場潟流域のゴルフ場に関しての御質問がございましたが、木場潟流域のゴルフ場につきましては、このほど提出されました環境影響調査報告書案につきまして、学識経験者からなります技術審査会におきまして、水質保全、動植物の保護、水利用への影響など、環境に与える影響の程度や保全対策につきまして技術的、専門的に厳しく審査を行ったところでございます。県といたしましては、こうした技術的、専門的見地からの検討、さらに小松市長の意見を踏まえまして、事業者に対して適切な環境保全対策を講じまして、周辺環境への保全に万全を期すよう厳しく指導しているところでございます。今後、事業者と小松市との間で締結されます開発協定の中に、環境保全対策の確実な実施を担保するため、立ち入り調査や事業者によります環境監視、測定結果の報告などの規定を盛り込むように指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(北村茂男君) 肥田教育長。  〔教育長(肥田保久君)登壇〕 ◎教育長(肥田保久君) それでは教育問題についてお答えいたします。  講師の種類はどうか、あるいは勤務条件はどうなっているか、その確保は万全か、それから講師の経験を教員採用に生かしたらどうか、こういう四点でなかったかと思います。  まず一点の、講師の種類についてでございますが、産休や育児休業等の職員の代替として臨時にお願いする常勤講師がございます。いま一つは、高校における時間単位の講師、あるいは研修や病気等の職員の代替としての非常勤講師、大きく二つございます。  これらの講師の勤務条件でございますが、その勤務する期間の長短によりまして決められるものでございますけれども、常勤講師につきましては基本的には正規の職員に準じております。待遇も正規の職員に準じております。非常勤講師につきましては、正規職員のものをベースにしておりますが、その任用期間や勤務態様にさまざまなタイプがありますので、給与や勤務時間はそれぞれの状況に応じて決めているところでございます。また、その待遇については、これまでも改善に努力してまいりました。今後も努力してまいりたいと思っております。  次に、講師の確保の件でございますが、ことし四月末で、いわゆる常勤講師二百八十人、非常勤講師百八十三人、合計四百六十三人を充てたところでございまして、万全を期しております。ただ、これの確保につきましては、退職なされた方や、あるいは教員採用試験のC合格の方等を充てて欠員を埋めておるわけでございますけれども、今後ともその確保は厳しい状況でございますが、万全を期してまいりたいと、このように考えております。  次に、教員採用試験に際して講師の経験をもっと考慮すべきではないかという点でございますが、本県の教員採用試験の結果を見ますと、ここ数年、合格者の中で講師経験を有している者等の割合はおおむね六〇%を超えております。講師経験者を優遇することは、地方公務員法上できないことになっております。しかし、教員採用試験におきまして実施する面接や模擬授業、あるいは実技等、多面的な選考におきまして講師経験が十分生かされ、その結果、このような六割を超えるという数字になっているものと、このように考えております。  以上でございます。 ○副議長(北村茂男君) 川上賢二君。  〔川上賢二君登壇、拍手〕 ◆(川上賢二君) 日本共産党を代表して知事並びに関係者に質問します。  まず、議会制民主主義の根幹にかかわる問題、小選挙区制の問題で知事の所信をただします。  政府・自民党が導入しようとしている小選挙区制は、二十五日に選挙制度審議会が発表した区割り案に基づいて赤旗新聞が試算したところ、自民党が全議席の実に七六・六%を占めるというものであります。その一方で、自民党以外の諸政党に対する投票は死票として切り捨てられるものであります。主権者である国民の意思を正しく反映するという議会制民主主義の根本を全く踏みにじるものだと言わなければなりません。このような最悪の選挙制度に野党のすべてが反対しているのは当然であります。日本共産党は小選挙区制の策動を中止するように強く要求しているところであります。国会が各党の合意で決議しているのは、中選挙区制のもとでの衆議院定数の抜本的是正であります。今なすべきことは、国会決議に基づいて一票の格差を二対一以内にするなどの措置をとることではないでしょうか。小選挙区制の導入は議会制民主主義を根本から覆すものではないのか。これに反対すべきものではないのか。知事の見解をお聞きするものであります。  質問の第二点は、原発問題についてであります。  ことし三月二十二日に金沢地方裁判所において、能登原子力発電所海洋調査に係る損害賠償等請求事件にかかわる判決が下されました。この判決で裁判所は、住民の損害賠償請求については棄却しましたけれども、県が行った海洋調査そのものについては当時、能登原発の建設が不可能な状態にあったのを打開するため、もっぱら北電に対して原発立地手続上の便宜を供与する意図で行われたものと認めるのが相当と住民側の主張を認めているのであります。この海洋調査に限らず、県当局の電力資本に対する異常な肩入れは、一九七二年五月、志賀町赤住での住民投票に県が直接介入したことなど、枚挙にいとまがありません。私はその一つとして、かねてから珠洲市における県の現地事務所の設置を指摘し、その廃止を要求してきました。ことし二月九日の関西電力美浜原発での大事故、四月の一斉地方選挙における珠洲市民の皆さんの審判などを見れば、珠洲市での原発立地計画を白紙撤回すべきであります。また、電力会社に奉仕するだけの現地事務所は廃止すべきであります。知事並びに企画開発部長の見解をお聞きをいたします。  質問の第三点は、交通問題についてであります。  まず、県当局が北陸新幹線の建設と引きかえに津幡−石動間をJRから切り離すことに同意したことは、今後に大きな問題を残すものであると言わなければなりません。日本共産党は、新幹線は交通の近代化と利便をもらたすものであり、政府の責任において北陸新幹線を建設すべきことをかねてから主張してまいりました。同時に、いつでも、どこへでも移動できる自由、交通権を国民に保障するためには在来線の拡充が必要であります。津幡−石動間のJRからの分離は、これまで沿線各県住民の大切な足となってきた北陸線をずたずたに切り刻むものであり、信楽高原鉄道の大惨事が示すように、鉄道の安全性という点からいっても大きな問題があります。県内で今、直面しているのは石動−津幡間でありますが、この区間のJR北陸線の廃止を認めることは、将来、金沢以西の北陸線の扱いについても大きな禍根を残すことにはならないでしょうか。県当局の、とにかく新幹線着工最優先という態度では、新幹線か在来線かと二者択一を迫ってくる政府・自民党に対して北陸線を守ることもできないし、また地元負担の問題でも、政府・自民党やJRの言いなりにならざるを得ないと思うのであります。この姿勢を根本から改めるべきではないのか。知事の見解をお聞きするものであります。  次に、七尾線では九月一日を期して和倉−輪島間の経営をのと鉄道に移管し、津幡から七尾の間を鉄道部とする計画が進められていますが、これについて質問します。ことし五月の十四日、第三セクターによる会社、信楽高原鉄道の列車衝突事故によって四十二人もの犠牲者を出しました。その原因究明の中で、JRの一元的管理が維持されていれば連絡体制の不備などは生じなかったこと、経営困難な第三セクターになり、人件費が国鉄時代の七分の一に減る極端な人減らしで体制の手抜かりが生じたなど、自民党政府による国鉄の分割民営化、地方線切り捨ての誤りが改めて明らかになったのであります。  さて、七尾から輪島まで、のと鉄道の列車とJRの列車、電車が複雑に入り組んで走ります。このような中で、信楽高原鉄道で起きたような不測の事故が発生する危険はないのか。また、のと鉄道引き受け後の、その区間の職員数は管理部門を含めて六十八名とされています。これは現行に比べて半数近くに職員が減らされるということであります。職員削減によって安全上の問題は生じないのか。また、七尾線の鉄道部化に伴って大幅な職員配置の変更が行われますが、特に目立つのは保線関係職員の大幅な削減であります。電化によってスピードアップする中で、安全の問題はないのでしょうか。これも企画開発部長の見解をお聞きいたします。  知事は、加賀、能登の格差是正ということをかねてから強調されています。しかしその一方で、これまで奥能登の住民の重要な足であった鉄道が相次いで国鉄、JRから切り捨てられているのが現実であります。これを許さず、地方鉄道の充実に力を入れることこそ加賀、能登の格差是正のためには必要ではないのか、知事の見解をお聞きするものであります。  質問の第四点は、医療、福祉の問題であります。  まず最初に、障害者のための民間福祉法人の問題であります。最近、私は金沢市内のある身体障害者通所授産施設の関係者から、こんな訴えを聞きました。その施設の通所者二十人のうち、重度重複障害者の比率は高く、作業指導、食事、排泄などに全部または一部の介助を必要とし、基準の指導員配置数三名では日常の処遇をこなすことは困難になってきているというのであります。別の障害者施設で働く人たちからも職員の待遇改善について訴えを聞きました。三十歳を過ぎて年収は三百万円ぐらい。せっかく福祉の意欲に燃えて就職したけれども、これではお先真っ暗だというのであります。仕事がきつい、給料が安いなどの理由から、最近ではせっかく福祉系の大学を卒業しながら、福祉施設就職者はわずか二四%にとどまっているという九〇年三月卒業生についての調査結果もあります。障害者福祉施設のこのような現状を改善するためには、県の思い切った援助策が必要だと思います。例えば愛知県では、県で作成した社会福祉法人給与規程、これは県職員の給与体系に準ずるものでありますが、これによって計算した人件費と措置費で賄われる人件費との差を県で補助するなどの対策をとっているといいます。石川県においても職員の配置基準の低い身体障害者通所授産施設などについては特別に職員の加配を行うとか、あるいは措置費では足りない職員の人件費については県で補助するなどということが必要だと思います。知事の考えをお聞きします。  次に、今回提案された補正予算の中には高齢者、身障者の社会参加を促進するために、県内公共施設を改造するための予算三億円が組まれていますが、これに関連して質問します。  先日、県内の視覚障害者団体の皆さんから県内の公共施設の改善について要望をお聞きしました。県の社会福祉会館については先日の質問で紹介もされましたので、きょうはJR金沢駅についての要望を紹介します。駅ホーム上の階段入り口への誘導チャイムの設置、柱への防護マットの巻きつけ、すべての券売機の点字化、拡大文字による見やすい時刻表の掲示などであります。障害者スポーツ大会へ来県する視覚障害者の皆さんもたくさんいるわけですから、金沢市の玄関口である金沢駅で、こういう心づかいがぜひとも必要だと思います。障害者の皆さんの要望にこたえ、県としてもJRに対して積極的に改善を求めるべきだと思います。知事のお考えをお聞きをいたします。  医療、福祉問題の最後に、白内障患者の皆さんの要望でお聞きをいたします。私は最近、老人性白内障を患っているお年寄りから、レンズ代や手術代が補助にならないのか、こんな相談を受けました。しかし、残念ながら、現在の健康保険制度では適用にならず、また県内の自治体には補助する制度もありません。白内障の手術といえば眼内レンズを埋め込むことが今や常識となっていますが、レンズ代を含めて片眼約十万円の負担となれば、手術をためらうお年寄りも少なくありません。  そこで知事に質問します。レンズ代を含めて手術料に健康保険を適用するよう国に対して働きかける意思はないか、また県としてレンズ代やあるいは手術料の一部でもいいですから助成する意思はないか、お聞きするものであります。  質問の第五点は、金沢市の自然環境、緑の保全の問題であります。  金沢という都市にとって、卯辰山や野田山など周辺の丘陵地の森林は大きな役割を果たしていると言われています。市街地と一体となって景観を形づくってきました。古都と言われる京都は、大文字山など周辺の丘陵地、森林と一体となっていますけれども、金沢でも同じ点を感じるのであります。私は郊外地の農地、周辺の丘陵地の森林も含めて自然環境、緑を保全していくことが、これからの金沢だけでなく、都市の環境政策として極めて重要な位置を占めてくると思いますが、まず知事の所見をお聞きをいたしたいと思います。その点でいかがお考えでしょうか。  知事は今議会の議案説明の中で、景観対策あるいは里山の保全対策などを強調しています。しかしその一方で、金沢市近郊の夕日寺に建設されているゴルフ場を認める立場をとり続けているのは、一体どういうことでしょうか。金沢の市街地に間近い里山で進められているこのような自然破壊をまず中止させることが差しあたって必要ではないのか。先ほどの質問に対して知事は里山を守ることの重要性を得々と語られました。とすれば、まず、この夕日寺のゴルフ場の建設を中止させる、ここから始めるべきではないのか。この点について知事の考えをお聞きをするものであります。  次に、金沢市の市街地形成と関係ありますが、金沢大学移転後の金沢城跡の利用の問題で質問します。日本共産党は、金沢城跡は全域を文化財保護法による厳重な規制のもとに置き、文化財並びに景観など保全すること、城内キャンパスの既存の施設、建築物は可能な限りこれを活用して広くこれを開放し、地域の知的交流の中心として大きく発展させること、慎重な配慮のもとに兼六園などと一体化した文教風致地区として整備し、歴史的遺産、歴史的景観豊かな緑地系として広く開放する。石川県、金沢市を象徴する場所として、長期の展望をもって大切に保全していくことが必要であると考えています。今回の補正予算の中に城跡の利用についての調査費が計上されていますが、跡地利用についての知事の基本的な考えをお聞きするものであります。  質問の第六点は、内灘アーバンリゾートの問題であります。開発者である大京によって行われた環境影響調査について、幾つかの点で知事に質問します。  大京の報告の中で、計画地に生息している可能性は極めて低いと考えられる、こんなふうに記述されていたシロチドリ。生息する可能性は低いと考えられている、こう記述されていたシロバナハマヒルガオが建設予定地付近で確認されたのは御承知のとおりであります。開発行為がシロチドリの生息やシロバナハマヒルガオの成育に与える環境上の影響をきちんと予測、評価し、その影響が大であるならば、開発計画は当然変更または中止すべきであると考えます。知事はかねてから自然の生態系を大切にしなければならないと言ってこられました。今、大京の開発計画がシロチドリやシロバナハマヒルガオなど貴重な動植物の生態系に与える大きな影響を黙って見過ごすつもりでありましょうか。この点をお聞きします。  大京のリゾート計画では、景観も大きな問題とされています。報告書では、三カ所を選定し、その地点からの眺望には問題がないとしています。しかし、最も眺望の点で影響を受けると思われる内灘高校からの眺望がどうなっているのか。何も検討はありません。大京の調査は、一番問題になるところを意図的に避けているとしか思えません。大京の建築物や施設ができた後、内灘高校からの景観が今までよりも大きく変化することが予想されますが、これを放置しておいてよいのでしょうか。知事の見解をお聞きします。  もう一つ、大京の調査報告書で欠けている重大な問題があります。それは施設ができ上がって供用開始した後の自動車交通量の増加に伴う交通騒音及びアミューズメント施設などから生じる喧騒音の影響であります。これについて大京の報告書は、その影響は軽微であると考えられると、初めから調査もしていません。しかし、交通騒音及び喧騒音が付近の住宅地、とりわけ内灘高校に与える影響は軽微であるとは考えられません。また、アミューズメント施設が夕方以降、遅くまで営業すれば、日中以上にその影響は大変大きいと考えられます。交通騒音及び喧騒音についても、きちんと予測と評価をさせるべきではないでしょうか。県は今年度中にアセスメントを制度化しようとしています。環境上の重要な影響が予測された場合、開発行為の変更あるいは中止を決断してこそ、また義務づけてこそ、アセスメントの意義があると思います。アセスメントというものを乱開発にお墨つきを与えるものではあっては絶対になりません。内灘アーバンリゾートの開発許可権者は知事であります。知事はかねてから自然の生態系を大切にしなければならない、環境を大切にしなければならないと言ってきました。その言葉が本当であるならば、極めて不十分なアセスメントで開発行為を許可するなどということは絶対にできないはずであります。開発予定地を大京から買い戻し、自然環境や生活環境、そして景観など保全すべきことを強く主張するものであります。  最後に、中学校での学校給食について質問します。  学校給食は一九五四年、学校給食法が制定され、当時の文部大臣が、学校給食は児童が食を通じて生きる力を学ぶ大切な場であると述べたように、教育的な意義を持ち、教育の一環として位置づけられてきました。石川県内の中学校で見ますと、県内の中学校の六七・三%が完全給食を実施していますが、金沢市内では学校数で二〇・八%、生徒数ではわずか六・五%であります。このため金沢市内の父母の間から、中学校でも学校給食を実施してほしいという切実な要望が上がっています。しかし金沢市はまだ父母の要望にこたえていません。そこで教育長にお聞きしますが、県教育委員会として中学校の学校給食についてどのように考えているのか。金沢市を含めて、中学校での学校給食を広げるために県教育委員会としても一層努力すべきではないのか、見解をお聞きするものであります。  以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(北村茂男君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) お答えいたします。  一番最初の問題、これは大変難しい問題でございまして、なかなか私なりにまとまったことを申し上げる段階ではございません。ただ、小選挙区制がすべてに優先して大変正しいのかどうか、これについてはいろんな御意見のあるのは私も重々承知しているところであります。いかにすれば民意が公平に反映される選挙制度であるか。こういうことであろうかと思いまして、なお、その成り行きを注意深く見守ってまいりたいと思うのであります。  ここで、あえて知事のコメントは避けたいと思いますけれども、選挙制度調査会は学識経験者の皆さんといいますが、経験者より学識者ばかりなんですね。よく学識経験者と一言につながっていいますが、まあ、こういう選挙制度を実行したら、どういうふうに我が国の政治の姿が変わるのか、これもよくわからぬ点があるというふうに新聞には報道されております。ともかく私なりに注意深く見守ってまいりたい。どうして民主主義社会の中の民意が最も効率的に公平に反映できるかということに重点を置いて見てまいりたいのであります。  次に、原発問題でございますが、珠洲市の選挙の結果という話もございましたが、余り生々しくって私から申しかねますけれども、住民の皆さんの選択肢、これがどういうところにあるか。これからも注意深く見守っていかねばなりませんが、白紙撤回と言われましたが、それは私はできません。日本のエネルギー政策を長期的に見ますると、水力、火力、火力の中で石炭と油、そして原子力、これらがうまく組み合わさってできていると思うのでありまして、これからも原子力発電所は必要であると、こういう強い認識はいたしておりますけれども、この推進については地元住民の意向を十分尊重しながら、無理押しをしません、ごり押しをしませんとこれまで申したような姿でございますが、幸いにいたしまして珠洲市も一生懸命に対応していただいているのであります。  珠洲市にございまする県の立地連絡室は廃止する気持ちはございません。ともかく気長に根気よく話し合いを進める以外に道はないと。その中で、なお安全性を一層高めることも、もちろん大事であるというふうに考えておるのでありまして、地元の意見をお聞きするためのこういうパイプは大事だというふうに思っているのであります。  次に、新幹線でありますが、新幹線についてはかねてから本議場を通じて申しておりますように、新幹線の着工を最優先と考えております。ただ、そのために既存の生活路線を無造作に切り捨てられては困るのでありまして、そのことは十分念頭に置いておりまして、午前中の御質問にもお答えしたとおり、この新幹線が現実に走るようになりましたときに在来線をどうするかということは今から十分検討しておきたいのであります。何よりもレールを使う人々の利便性の向上に努めなきゃならぬことは言うまでもございません。したがって、御心配をかけないようにしていきたいというふうに思っているのであります。  次に、のと鉄道でございますが、地方路線の切り捨てを決していたしておりませんし、そういう意図は毛頭持っていないのであります。御承知のように、利用しやすいようダイヤも編成いたしました。列車本数も増加しておりまして、もっぱらサービス向上を念願といたしているのであります。また、JR西日本との連携もよくしながら、輪島線等の運行をしてまいることにいたしているんであります。のと鉄道がむやみな人員削減等によって安全に問題ないかということでございますが、十分安全は考えておるつもりでございまするし、これからもさらに安全性を念頭に置いてやってまいりたいのであります。  福知山線の列車踏切事故等を考えますと、お互いのレールの上の車両同士の衝突という全く想像できない事故以外に踏切事故も出てまいります。踏切改良もこれから努めてまいるつもりでありまして、県道については県の予算で、市町村道は市町村の予算で踏切改良が行われるよう、精いっぱい誘導していきたいのであります。  医療、福祉でございますが、医療も福祉も逐次改善されておりますけれども、まだまだたくさんなさねばならぬことがございます。小規模施設等についても、このたび造成いたしました福祉基金の活用等を考えていこうと思っているのであります。小規模作業所へ参りますと、そこで手伝っている方、ボランティアと言いながら大変つらいお立場だと思います。どこまでも県費で補うというわけにいきませんけれども、少しでも県費で応援をするように考えていくつもりでございます。いろいろと腹案は持っておるのであります。  それから、特に重度、重複障害者の多い施設については、特に配慮しなきゃならぬと思います。国の措置費でも職員増には重度加算行われておりますけれども、果たしてそれが適切な程度であるのかどうか。また、県単独事業については国の対象外としてもこれを助成しなきゃならぬと思います。そういう思いを込めまして、このたび補正予算で福祉基金をあえて追加計上した次第でございます。  高齢者、障害者の社会参加を進めるため、先ほどの御質問ございました山根議員にもお答えいたしましたが、いろんな配慮がもっと必要である、このことは間違いございません。また、皆さんの御指摘もちょうだいしたいというふうに思っているのであります。  老人性白内障患者のレンズ代、これは専門的にわたりますので厚生部長からお答えを申し上げます。  次に、環境問題で、夕日寺ゴルフ場につきましては、既に措置権者の金沢市長が許可をいたしております。あとは地元のいろんな声を伺いながら、どういう方法で緑地等の確保をするかということでございますが、それについても市長は鋭意やっているということでございます。私は里山保全事業とうまくかみ合わせていきたい、こんな気持ちを持っているわけであります。  金沢城移転に伴いまする跡地の利用でございますが、私も文化財的な面が大変大きいと思うのでありまして、文化財的な面を考慮しながら国の方に交渉に当たりたい、こういうふうに思っております。都市部に残された貴重な空間でございます。しかも兼六園とつながっております。いろいろとそういうことを考えていくつもりでございます。  次に、内灘のアーバンリゾート計画でございますが、開発行為の許可申請は内灘町を経由して出されるわけでございますが、町の公害審議会の意見を踏まえて対応する方針と聞いているのであります。シロチドリあるいはシロバナハマヒルガオ、こういうものについては十分配慮しているつもりでございます。このアーバンリゾートの景観問題等、まあ土木部長に対するお尋ねでございますが、我々も決して無関心、無造作にこの仕事を進めることではございません。そのことを申し上げておきたいと思うのであります。 ○副議長(北村茂男君) 西村企画開発部長。
     〔企画開発部長(西村昭孝君)登壇〕 ◎企画開発部長(西村昭孝君) 七尾線の和倉−輪島間をのと鉄道に移管されることについて、信楽鉄道で起きたような事故が発生する危険はないかと、こういう御質問でございました。  信楽高原鉄道の列車衝突事故につきましては、現在、事故原因の調査が進められているところでございます。県といたしましては、当日直ちにのと鉄道に対しまして注意を喚起したところでありまして、一方のと鉄道におきましても、臨時に信号機の総点検や異常時取り扱い手順の再チェック等を実施するとともに、職員一同に対し安全対策について注意を呼びかけたところでございます。さらに五月の二十八日から三十日にかけまして、運輸省中部運輸局によります安全運行管理のための一斉総点検が行われました。特に問題はなかったところでございます。しかし、今後とも信楽高原鉄道の事故を対岸の火事とせず、安全運行管理に手抜かりのないように、新規引き受け区間についても万全を期すよう会社を指導しているところでございます。  次に、大幅な職員の削減、配置がえが行われて安全対策上問題はないかと、こういう御質問でございました。現在、JRの和倉−輪島間の職員数は百十八人でございます。のと鉄道が七尾線引き受けに当たりましては、駅の出改札業務の一部廃止、管理部門の縮小、作業の一部外注化等能登線方式の合理化によりまして、六十八人で運営することにいたしております。のと鉄道におきましては、能登線の開業のときと同様、JRからの出向者等、豊富な経験、技能を有する職員を受け入れまして、列車の運行と安全管理に万全を期すことといたしております。  また、JRでは本年九月一日から津幡−和倉温泉間について鉄道部を設置すると聞いておりますが、鉄道部設置により安全性や旅客サービスが低下することのないようJRに申し入れをしているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(北村茂男君) 松谷厚生部長。  〔厚生部長(松谷有希雄君)登壇〕 ◎厚生部長(松谷有希雄君) 医療、福祉関係についてお答え申し上げます。  視生会という視覚障害者団体からの要望についての御質問がございましたが、JR関係につきましては要望の都度、JR当局にもお伝えを申し上げまして、協力方働きかけをしているところでございます。この秋には全国身体障害者スポーツ大会、ほほえみの石川大会が開かれることもございますし、今後とも連携、協調を密にしてまいりたいと考えております。  人工水晶体、白内障患者のレンズ代の件でございますが、人工水晶体を用いた埋め込み手術につきましては近年、行われるようになってきておりますが、現在のところ保険給付の対象とはなっておりません。御質問の趣旨につきましては、国に働きかけてまいりたいと考えております。  県費助成につきましては、医療費負担制度全体の関係において、なかなか困難であると考えられますが、慎重に検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○副議長(北村茂男君) 高木土木部長。  〔土木部長(高木啓輔君)登壇〕 ◎土木部長(高木啓輔君) 内灘アーバンリゾート計画の建築物や施設ができた後の内灘高校からの景観について、どう思うかという御質問でございます。内灘アーバンリゾート計画には高層建築物も含まれると聞いておりますが、それらは十分な空間的ゆとりを持って計画されておると、また植栽も施されていると考えられることから、周辺に過度な圧迫感を与えるものではなく、周辺との調和を十分配慮したものになると考えております。  次に、内灘地区の交通騒音、喧騒音についても予測と評価をさせるべきでないかという御質問でございます。開発区域内における環境調査につきましては法的に義務づけられておりませんが、内灘町は事業者に対して当該計画の環境調査をさせており、県としても指導依頼がありましたので、県として留意すべきことにつきまして関係各部の意見を聞いた上で、町及び事業者に意見を述べたところでございます。 ○副議長(北村茂男君) 肥田教育長。  〔教育長(肥田保久君)登壇〕 ◎教育長(肥田保久君) 学校給食の問題についてお答えいたします。  金沢市における中学校での学校給食の実施率は、いわゆる完全給食校が五校で二〇・八%でございます。ミルク給食をやっておる学校は十九校で七九・二%、両方合わせますと一〇〇%というような形になっております。学校給食の実施やそのやり方については、最終的には市町村で対応するということになっておりますが、県教育委員会といたしましても児童、生徒の心身の健全な発達や人間関係を育成していく上で完全給食がより望ましいと、このように考えております。したがいまして、このような見地に立って完全給食の実施について協議を進めてまいりました。金沢市でも目下研究を進めておるところでございますので、今後ともこのことについて引き続き金沢市を含めて協議をしてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。  〔川上賢二君発言を求む〕 ○副議長(北村茂男君) 川上賢二君。 ◆(川上賢二君) 再質問いたします。  最後の、内灘アーバンリゾートですけれども、知事の答弁、甚だ残念に思いました。直接私お聞きしたのは、知事のいろんな見解をお聞きしたのであって、土木部長に聞いたのではありません。土木部長答弁なさったことに別にどうこう言うわけじゃないけれども、かなめの点はですね、自然の生態系は大切にしなければならないとか、あるいは環境については大切にしなければならないと、かねてからそういうことをこの議場の中でも言っていらっしゃる。そういう知事のふだんのお言葉からして、私、幾つか指摘しましたけれども、こんなふうに貴重な動植物が影響を受けようとしている。それについてですね、この開発を進めさしていいのか、知事はどう考えるのか、その辺をお聞きしたんだけれども、その辺はするっと逃げてしまわれたような気がします。はっきりとした答弁を求めます。  以上です。 ○副議長(北村茂男君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) 県の土地公社に対しまして、数社の開発業者から提案がございました。その中で、ただいま話題になっておりまするアーバンリゾート計画は一番すっきりした計画であった。その計画で、なるほどこれならいいなという判断したわけでありますが、その後、植生、動物等についていろんな御意見が出ておりまして、これについては内灘町自身もいろいろと御検討いただいているところであります。私の聞く範囲では、シロチドリその他について十分保護策が講ぜられるという話でありますが、なお、どういう担保が行われるか、今後ともこれらについては十分留意してまいりたい、こういうふうに考えております。       ─────・──・───── △休憩 ○副議長(北村茂男君) 暫時休憩いたします。   午後二時二十四分休憩       ─────・──・─────   午後二時四十四分再開          出席議員(四十五名)            一  番   粟       貴   章            二  番   紐   野   義   昭            三  番   一   川   保   夫            四  番   小   倉   宏   眷            五  番   米   田   義   三            六  番   長   井   賢   誓            七  番   石   田   忠   夫            八  番   宇   野   邦   夫            九  番   吉   田   歳   嗣            十  番   向   出       勉            十一 番   善   田   晋   作            十二 番   上   田   幸   雄            十三 番   岡   部   雅   夫            十四 番   矢   田   富   郎            十五 番   櫻   井   廣   明            十六 番   稲   村   建   男            十七 番   奥       清   一            十八 番   長       憲   二            十九 番   角       光   雄            二十 番   北   村   茂   男            二十一番   永   瀬   隆   平            二十二番   勝   木   菊 太 郎            二十三番   大   幸       甚            二十四番   福   村       章            二十五番   嶋   野   清   志            二十六番   谷   口   一   夫            二十八番   石   本   啓   語            二十九番   中   村   幸   教            三十 番   米   沢   利   久            三十一番   中   川   石   雄            三十二番   金   原       博            三十三番   宮   下   正   一            三十四番   山   田   宗   一            三十五番   宮   地   義   雄            三十七番   米   沢   外   秋            三十八番   北   野       進            三十九番   八 十 出   泰   成            四十 番   若   林   昭   夫            四十一番   稲   本   孝   志            四十二番   桑   原       豊            四十三番   山   根   靖   則            四十四番   藤   井       肇            四十五番   池   田       健            四十六番   庄   源       一            四十七番   川   上   賢   二          欠席議員(二名)            二十七番   河   口   健   吾            三十六番   竹   野   清   次       ────────────── △再開 ○議長(米沢利久君) これより会議を開きます。       ─────・──・───── △質疑・質問(続) ○議長(米沢利久君) 休憩前の議事を続けます。米田義三君。  〔米田義三君登壇、拍手〕 ◆(米田義三君) さきの選挙におきまして多くの皆様の御支援を賜り、この由緒ある壇上に立たさせていただきました。皆様に感謝しながら、まことに光栄に思っているところでございます。今後は知事初め当局の皆様方、そして先輩、同僚議員の御指導と御理解をいただきながら、より住みよい石川県の発展のために微力をささげ、その責めを果たしていきたい気持ちを新たにしているところでございます。何分ともよろしく、まずお願いを申し上げたいと存じます。  これから質問に入るわけでございますけれども、何分初めての経験であり、質問内容も要領を得ぬ部分もあろうかと思いますが、誠意をもって率直な質問をいたしますので、知事初め関係部局の方々の率直な答弁をいただきたいと思います。  質問の第一は、国体準備体制についてであります。  石川国体も夏季大会まであと七十三日。秋季大会まで百六日と迫り、さらに、ほほえみの石川大会と続くわけであります。昭和二十二年、第二回国体以来、四十四年ぶりに開催されます本年の石川国体の成否のかぎを握る一つには、各大会を通じて何のトラブルもなく、全国から集う選手たちが真に競技に打ち込める環境をつくり上げることにあるのではないでしょうか。加えて、過去の例によりますと、各大会には皇族方を初め多くの要人が御臨席されるはずであります。このような状況に際し、まずお伺いしたいのは警備問題であり、とりわけ皇室、要人に向けてテロ、ゲリラ事件を起こしている極左暴力集団の動きが気になるところであります。極左暴力集団といえば、昨年十一月、天皇、皇后両陛下の伊勢神宮御参拝を妨害しようとして東海道新幹線沿線コンクリート壁を爆破した事件や、即位の礼祝賀パレードに向けて迫撃砲を発射した事件等々、狂気のさたとも言える数々の犯行に及んでいることを想起されるものであります。  本議会におきましても昭和六十二年六月二十七日、極左暴力集団による暴力的破壊活動の根絶に関する決議がされたところであります。こうした不法集団に対して、県警では国体等に備えて警衛警備上の諸対策を講じておられるとは思いますが、極左暴力集団はどのような集団であり、現在どのような活動を展開しているのか。また、石川国体に対して不法な動きがあるのかどうか、警察本部長の所見をお伺いいたします。と同時に、万全の体制で警衛警備に努めていただき、各大会を実のあるものとして成功させ、さすが石川県との名声を高めていただくよう期待するものであります。  次に、交通問題であります。本県での車両保有台数は約六十万台に上り、免許人口は五十七万人と毎年三%近い伸びを示しているのが現状のようであります。加えて、国体等各大会開催時には県外車両の乗り入れも相当数に上ることが予想され、特に秋季大会では秋の行楽期とも重なり、九つの競技、二十会場が集中する金沢市を中心に交通の流れも大きく変化することが当然予想されるのであります。一方、県内の交通網は整備されつつある現状ではありますが、平素のラッシュ時等の渋滞の様相を見るときに、選手並びに応援団等の移動がスムーズにいくのか甚だ危惧されるところであります。円滑な交通流の確保のため、県内車両の運転自粛あるいは時差運行など、総量抑止対策を初め諸対策を講じておられるとは思いますが、予算を伴う国体関連の信号機や交通標識の設置、あるいは交通規制が目的に沿うよう対応されているのかどうか、警察本部長からお答え願いたいと思います。  質問の第二は、警察行政についてであります。  その一つは、国体準備体制の質問と関連いたしますが、交通信号機の設置の件であります。昨年の交通死亡事故は県警初め交通関係者の皆様方の御努力によりまして辛うじて前年を下回ったようでありますが、交通情勢は年々混迷の度を深めているところであります。このような交通情勢の中で、県警に対して警察庁長官から、平成二年中の交通総合対策が優秀であったこと及び暴走族グループによる死亡ひき逃げ事件、検挙解体による功労があったということで、二件について表彰されたことが報道されておりました。同時に、二件の警察庁長官表彰はかつてない快挙であり、深く敬意を表するものであります。
     一方、地域住民から見れば、交通問題で一番期待するものは信号機の設置であります。道路を安全に横断するために信号機が欲しいという要望が全県下にわたって数多く出されていると聞いております。交通事故防止に対する県民の高い関心のあらわれと思うのであります。しかし、要望してもなかなかつかないという声も多く聞くわけであります。信号機をどのような交差点でも無制限につけるというわけにはいかないことは当然と思いますが、都心部を離れたところでは、まだ相当数必要な箇所があると考えております。そこでお伺いいたします。信号機の数多い設置要望の現状をどのように認識されておられるのか。また、毎年何基ぐらいが設置されているのか。今後、県民の要望に対し、いかにこたえていかれるのか。知事、警察本部長の所見をお聞かせいただきたいと思います。  その二は、警察施設等の整備及び警察官の処遇改善についてであります。今回の補正予算案において駐在所の建設や警察車両整備の関連予算が計上されておりますことを評価し、これが魅力ある警察づくりに大いに貢献されるものと期待するものであります。しかしながら、最近の人手不足を反映して、警察官も全国的に応募人数が減少していると聞いております。また、警察施設の整備や警察車両の配備にもまだまだ不十分な点が見受けられるのであります。そこでお伺いいたしたいと思います。勤務環境整備の面では、老朽化等で勤務環境が芳しくない駐在所、派出所あるいは待機宿舎はどれくらいあるのか、これを今後どのような計画で整備していかれるのか。また、警察車両の配備充実方針をどのように立てておられるのか。  優秀な人材確保の面では、現在、警察本部庁舎前に、「ここに君の人生がある」と、まことに結構なキャッチフレーズで警察官募集の懸垂幕が掲げられているのでありますが、優秀な警察官の採用をするためにどのような対応策を講じておられるのか。処遇改善の面では、暮らしやすさ日本一の石川県をさらに安全で住みよい県にするために、時として無定量の勤務に耐えながら、その一翼を担っている警察職員の処遇も、また大切なことと考えております。特に、本年は石川国体等の重要課題も控えており、過重な勤務が余儀なくされるわけでありますが、警察職員の処遇改善をどのように図っていかれるのか。知事、警察本部長の所見をお聞かせいただきたいと思います。  次に、教育問題についてお伺いいたします。それは礼儀作法についてであります。  礼に始まって礼に終わる、これが今も昔も変わりない礼儀作法の手本であり、決して疎略に流れてならないと私は思っております。私は先般、金沢市内のさる中堅企業を訪問しております。ちょうど二十名近くの新人社員が社内のあいさつ回りをしている最中でありました。新入社員の大部分が足を広げたまま両手をだらりと下げ、あるいは両手を前後に組んだまま、ぺこりと頭を下げて、お願いしますというのがあいさつの状況でありました。新入社員が退去してからその幹部いわく、最近の新入社員は礼をすることも知らぬ、厳しく鍛え直さにゃならぬと嘆いておられました。私も、かつて警察官採用試験の面接試験を何回か経験しておりますが、受験者の半数ぐらいがさきの新入社員と同様の態度であったことを記憶しており、疎略な態度は必ずしも個人の能力の差だけでないように感じているのであります。もちろん、礼儀作法を初めしつけ教育は、ひとり学校教育の責任とは毛頭考えてはおりませんが、次の三点についてお伺いしたいと思います。  一つは、学校教育を通じて気をつけの姿勢といいますか、基本の姿勢や正しい礼の方法はどのように指導がなされているのか。  二つ目は、疎略な礼しかできない、あるいはしない原因はどこにあるとお考えか。  三つには、現実を直視され、今後どのように対応されていくお考えか。  将来につながる学習に努力していらっしゃる教育長にお答え願いたいと思います。  最後に、今回の補正予算案を作成するに当たって、知事初め関係者の御苦心のほどをうかがい知ることができるわけであり、重点課題につきましても、まことに響きよく感じとれたところであります。全体として加賀、能登の格差是正の対応がきわ立つように感じたわけでありますが、均衡ある発展のためにはもっとものことと受けとめております。しかし、加賀地区内でも地域によっては相当の格差があり、県都金沢市でさえも、近郊及び山間部においては道路整備一つとってみても思うように進んでおらず、まだまだ開発すべき面の多いのが現状でないかと思うのであります。県当局はこれらのことを十分御承知のことと思いますが、今後もよりきめ細かな行政を心から期待するものであります。  まだ時間に余裕があるようでありますが、初めての質問であり、お許しをいただきまして私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) ただいまは米田議員から主として警察行政のバックアップについて知事の見解をお聞きになったんだと思います。県の警察行政、本部長以下、一生懸命努めているところでありますけれども、なお予算等において不自由があるために思うに任せない、その能力を発揮できない面があれば、できるだけこれは予算で補っていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。  特に、来るべき国民体育大会におきまして、皇室警護、VIP警護等もございまして、大変御苦労いただいているところであります。本部長の方とよく計数的にも打ち合わせをいたしまして、全力を挙げて警備に努めているんでありますが、特にその中でも交通規制等についても、なかなか思うに任せないこともあろうかと思います。特に交通標識等は地元の要望あれば、できるだけこれを取り上げることにいたしておりますけれども、率直に言いますと各警察署の判断に任さねばならぬ点がたくさんございます。信号機が多くなれば、それで安心というわけにいきません。いろんなことを考えておりますが、基本的には道路構造その他からいたしましても改善の余地がたくさんあるというふうに考えているのであります。  特に、米田議員から御発言いただいて、実は感謝したいんでありますけれども、警察官の執務場所、また警察学校等でございます。これらについては、特に老朽なものについては相応の改築を考えているのでありまして、駐在所等もそうでございます。また、警察学校についても、できるだけ程度をよくしようと、こういうことを考えておりまして、勇躍警察官になろうとする人々に対する報いをしたいというふうに考えているのであります。また、警察車両の整備問題も、若干でも県の手で補いたいと思っているんであります。基本的には御承知のように、法律上、国費で補うものがたくさんございますが、県もできるだけの応援をしたいというふうに思っているのであります。  今回の補正予算では、加賀、能登の格差の是正の意欲が大変目立つというお話で、大変うれしいんでありますけれども、もちろん加賀におきましても山間部その他、まだまだ整備を必要とすることがございます。格差是正というのは、なかなかできるものではございませんが、格差をできるだけ縮めていく、この努力は精いっぱい誠意を尽くしてやってまいりたい、こういうふうに思っている次第であります。  どうぞよろしくお願いします。 ○議長(米沢利久君) 肥田教育長。  〔教育長(肥田保久君)登壇〕 ◎教育長(肥田保久君) 礼儀作法の問題についてお答えいたします。  礼儀作法の基本的な姿勢や正しい礼の仕方については、学校教育だけではなくて、家庭や社会全体を通して指導していかなければならないと、このように考えております。しかし、学校におきましては体育の授業、集会、授業の始めや終わり、クラブ活動等、学校教育全体を通して、その基本的なあり方を指導しておりますが、形だけではなく、心のこもった礼儀作法の一つとして指導しているものの、まだまだ徹底していないのが現状だと思います。したがって、私どもは三年前からすべての学校で思いやりの心などを育てる心の教育を推進しておりまして、今後さらに節度のある礼儀作法ができるように学校教育全般を通して指導していきたいと思っております。  なお、この問題は、子供の問題は即、私たち大人の問題ではないかと考えております。私ども教職を含む大人が、まずもって子供たちに、その正しいあり方を行動をもって示してやることが大切ではなかろうかと思います。ノーベル賞学者のローレンツは、子供たちは尊敬する人、いい人の態度や言うことを聞くようにプログラミングされているというようなことを申しております。このようなことからも、私どもがまず襟を正し、家庭や地域とも十分連携しながら、このことについては対応してまいりたい。なお、四月の第一回目の指導主事会議に、まず教育委員会全体を通して、教育委員会からこれは始めていこうというようなことを申したところでございます。よろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 坂東警察本部長。  〔警察本部長(坂東自朗君)登壇〕 ◎警察本部長(坂東自朗君) まず、国体等の警衛警備に関しての御質問にお答えしたいと思いますが、極左暴力集団、世に言われます過激派と言われるものでございますが、昨年、全国で百四十三件のテロ、ゲリラ事件を引き起こしておりまして、二十数名の死傷者を出しております。そして、その手段も爆発物、あるいは時限式発火装置を使用するなど、非常に凶悪化してきております。また、その攻撃対象も、闘争と直接関係のない個人宅をねらうなど、その差別化が著しいところであります。そして、極左暴力集団は本年の闘争課題といたしましても、昨年同様、反皇室闘争に取り組むという姿勢を明らかにしておりまして、既に全国で本年に入りましてからも、皇室闘争を含めます十二件のテロ、ゲリラ事件を敢行しているところであります。このような情勢からいたしまして、石川国体におきましても皇室に対する不法事案を敢行してくることが十分に予想されますので、石川県警といたしましても米田議員御指摘のように、ちょうど四年前に当議会におきまして極左暴力集団による暴力的破壊活動の根絶に関する決議、こういうものを可決していただいておりますので、この決議にのっとりましてテロ、ゲリラ等の絶対根絶というものを最重点に掲げまして、警察諸対策を強力に推進し、国体等の警衛警備の万全を期していきたいと、こう考えておりますので、県民の皆さん方の何分の御協力をお願いする次第であります。  次は、国体絡みの信号機の設置とか、あるいは交通標識の設置についてでございますが、石川国体、秋の国体には、選手あるいは役員を初めといたしまして、国体関係者約十五万四千人からの参加が見込まれております。さらには当国体、県下一円で競技が行われるということになっております。特に開会式におきましては、多数の選手、役員とか、あるいは一般観客の参加が見込まれておりまして、金沢市内はもとよりでございますが、会場周辺の沿道、道路におきまして、周辺道路におきましてかなりの交通混雑というものが予想されるところでございますので、現在、関係機関あるいは団体との連携によりまして、大会に伴う一般観客者とか、あるいは一般交通の交通をできるだけ安全に、かつ円滑にするような対策と、さらには大会関係者の円滑な輸送を図り、一般交通に与える影響を最小限に抑えていくと、そういう対策を鋭意、現在進めているところでございます。  そこで、御質問の信号機の設置とか交通規制についてでございますが、国体関連の道路の新設とか、あるいは競技会場周辺の道路の整備が行われておりますので、必要と認める箇所につきましては信号機とかあるいは交通標識を設置するなどして会場周辺の交通の安全と円滑を図り、その万全を期することとしております。  以上が石川国体絡みでございますが、次に、県民の信号機設置要望に対する警察の対応ということについてでございます。御案内のように国民皆免許時代に向け、あるいは大量交通のこの車社会の中にありまして、交通信号機というものは極めて重要な交通安全施設となっております。また、県民の方々からも設置要望が非常に多く出されておりますので、これが整備に積極的に対応しているところでございまして、現在までの設置数は県下千四百十二基であります。昨年度は四十五基を設置いたしましたし、今年度におきましても四十五基の設置をお願いしているところでございますが、今後とも道路網の整備とか、あるいは交通量の推移を見定めながら、さらには県民の方々の要望等も踏まえまして、信号機の整備と総合的な交通対策を進めていきたいと、このように考えております。  次は、警察の駐在所あるいは派出所等の整備計画についてでございますが、ただいま現在、県内には駐在所、派出所と、それから検問所合わせまして百八十六カ所ございます。本年度は既に四カ所の駐在所と派出所の整備が認められておりますが、県当局の御配慮によりまして、さらにこの六月県議会におきましても六カ所の駐在所の建てかえをお願いしておりますが、まだまだそれでも古いものが四十カ所ほど残っておりますので、当面これらのものから順次、建てかえ整備してまいりたいと考えています。また待機宿舎につきましても共同宿舎、あるいは一戸建て宿舎合わせまして六百八十六戸、さらには独身寮七十五室というものを現在保有しておりますけれども、これらのもの、昭和三十年代に建設された古いものが百三十五戸と、さらには十八室を数えておりますので、とりあえずはこれらのものから順次整備をお願いしてまいりたいと、このように考えております。  次には、警察車両の整備、充実に関してでございますが、警察車両というものはいろんな警察活動を支える基幹装備であると我々は認識しております。その整備に当たりましては、先ほど知事さんからもお話ございましたように、関係当局、なかんずく県当局の御高配によりまして順次整備してきているところでございますが、最近の犯罪の広域化あるいはスピード化、こういった現象に的確に対応できるように、より機能性の高い車両の整備にも努力してまいりたいと思います。とりわけ地域の警察事象に機動力をもって即応できるように、駐在所、派出所にできる限り小型警ら車、いわゆるミニパトカーと言われるものでございますが、こういう車両も配備していきたいと、このように考えております。  次は、優秀な人材確保方策と、それから警察職員の処遇改善という点についてでございますが、優秀な警察官、人材を確保するということは県内の良好な治安を確保するためにも非常に重要な課題ととらえておりまして、積極的な採用業務を進めているところでございます。若手警察官によるリクルーター制度の導入とか、あるいは若者の感性に訴えた採用のためのパンフレットとか、米田議員御指摘がございましたように、ここに君の人生があるといったような非常に斬新なキャッチフレーズの採用、さらには積極的な広報活動等々の各種施策を推進しているところであります。  最後に、警察職員の処遇の改善ということについてでございますが、これもまた米田議員御指摘のように、本年は石川国体の開催を控えまして、我々警察にとりましても非常に多忙な年となっておりますが、これに見られますように、近年、警察職員の職務内容はいろんな、あるいはあらゆる分野で複雑化あるいは高度化、専門化しておりまして、職務執行というものは困難の度を著しくしているところであります。したがいまして、これに見合ったような処遇の改善を図るということは大変重要だと考えておりまして、関係当局、とりわけ県当局の御配慮によりまして処遇の改善は順次図られてきているところではございますが、さらに流した汗に十分報いられるような処遇の改善、あるいは過重な勤務の後で安んじて、家族ともどもくつろげ、あるいは憩えるような居住環境の整備、危険と隣合わせの勤務の中で安心して活動できるような車両とか、あるいは装備資器材の充実、さらにはその手当の充実、こういった点につきまして改善を進めて、活力ある組織づくりの確立を図り、もって県内の治安維持を図るという県民の期待にこたえていきたいと、このように考えております。  以上であります。 ○議長(米沢利久君) 八十出泰成君。  〔八十出泰成君登壇、拍手〕 ◆(八十出泰成君) さきの県議選で県内初の連合県議として、この議場に送っていただきました。そして今、県政発展に胸を膨らませてのデビュー戦でございます。どうぞお手やわらかにお願いをしたいと存じます。  去る五月一日のメーデーに、知事は実に二十八年ぶりにごあいさつをされたことを聞いて大変驚いているわけでございますが、これは労働団体との間で、これまでややもすると冷やかだった関係を改善し、前向きに対応していこうとする知事御自身の姿勢のあらわれとお見受けし、何よりも労働行政に対する並々ならぬ決意ありと、勝手な思い込みかもしれませんが、判断をし、今後に期待をしているところでございます。どうぞ知事を初め関係部局長は、この期待を裏切らないように積極的な対応をしていただきますようお願いをし、早速質問に入りたいと思います。  まず第一の質問は、知事選公約の女性副知事についてであります。これまで何人もの方から質問がありましたが、私の方からは女性の立場でお尋ねをしたいというふうに思います。  知事、あなたはさきの知事選で、選挙期間中にもかかわらず追加公約として、この女性副知事の実現を取り上げられました。それだけに当選された暁にはいの一番にこの問題に対して具体的な取り組みをなされるものと、あなたの支持者はもちろんのこと、県下の女性の皆さんが女性の社会進出と社会的地位の向上に弾みがつくと大いに期待をされていましたし、私もその一人でありました。しかしながら、当初議会でも今六月補正議会でも、条例改正や固有名詞も何の提案もなく、ただ重要な人事問題だけに慎重を期すとおっしゃるだけで、マスコミ等では、このままでは恐らく九月議会でも提案はないだろうとまで書かれているのであります。一昨日の代表質問の答弁や、きょうのそれぞれの皆さんの質問に対する答弁の中で知事は、いつの間にか女性副知事が抜けてしまい、一般的な副知事問題にすりかわり、あまつさえ過去に副知事が三年も空白だった時期が二回もあったとおっしゃったり、自分は元気だということを強調されるに至っては、知事は本気で女性副知事誕生を考えておられるのかということを疑いたくなるような思いになったのは私だけではないはずであります。選挙公約は単なる人気取りや言葉の遊びではないはずであります。本来、順調に推移をしたなら、この石川で全国で最初の女性副知事が誕生するはずでございましたが、今では東京都にも、そして継続になっていた沖縄は今議会に提案中ということでありますから、ついに先を越されてしまいました。どうぞ一日も早く女性副知事誕生に向けた具体的なプロセスをお示しいただきたいと思います。  折しも、働くお母さんたちが長年待ち望んでいた育児休業法が、休業中の所得保障や罰則規定等の問題が残りつつも、この四月に参議院で、五月には衆議院でそれぞれ全会一致で可決成立し、官民を問わず広く育児休業制度が普及することになったのは周知のとおりであります。これで職場における男女雇用機会均等法、家庭では育児休業法と、男女平等の枠組みが相整ったわけでございます。あとはこれらの法律を現在の職場、地域の男性中心の社会の中で女性の社会進出や地位向上がいかに具現化されるかであります。  こうしたことを考えたときに、我が石川での女性副知事誕生の是非が試金石であるといったら少し大げさかもしれませんが、それくらい私は重要な問題だと思うわけであります。地方自治体は民主主義の学校だとおっしゃる人がおいでます。だとするなら、この女性副知事問題は、文字どおり民主主義の成熟度を示すバロメーターではないでしょうか。知事、重ねてのお願いです。女性副知事誕生に向けた今後のプロセスをお示しになって、県下の女性の皆さんに勇気を与えていただきたいのであります。  次に、二つ目の質問でございますが、中小企業労働者の時間短縮を中心とした労働条件改善についてお伺いをいたします。  いよいよ、ことしの四月一日から週労働時間が四十四時間に労働基準法が改正されたことは御案内のとおりであります。かねてから欧米先進諸国に比べて二百時間から五百時間も多く働き、各国から働きバチだとまで酷評されるくらい長過ぎる我が国の労働時間は、世界的にも大きくクローズアップされ、国、企業を挙げて労働時間短縮への対応が急務として取り組まれてきましたが、平成二年度で年間労働時間がいまだ二千七十六時間でわかるように、一向に改善が進まず、このままで推移すると政府公約の平成四年度一千八百時間の目標達成とはほど遠い現状のようであります。また、我が石川県の実態も思わしくなく、平成元年度では二千百九十一時間で、昨年度、平成二年度の県下の労働者の実態調査を見ますと、平成元年度よりも減少傾向にはありますが、産業レベル、企業レベルでも差があり、トータルで一千八百時間達成までにはまだまだ時間がかかりそうであります。とりわけ昨今の景気の持続的拡大を背景にした労働力不足も相まって、中小企業においては極めて深刻であります。加えて、国民のゆとり、豊かさを求める声の増大とともに、若年層を中心に就職の際にしても、いわゆる三Kあるいは四K、五Kとも言われる企業は敬遠され、短い労働時間、良好な職場環境、充実した福利厚生施設等が重視をされる傾向にあり、それだけに、これらの分野では中小企業と大企業との格差は大きく、中小企業が労働力確保に当たって非常に不利な立場に置かれているわけであります。したがって、中小企業がほとんどの我が県では、貴重な労働力が県外に流出してしまっているわけであります。  以上のことを考えたときに、中小企業職場の魅力アップのための労働時間短縮と労働条件の向上、職場環境の改善、福利厚生施設の整備等、雇用管理の改善に積極的な中小企業に総合的な行政の思い切った支援、援助が必要なのであります。時あたかも、この四月に中小企業労働者の雇用確保と定着を目指す中小企業労働力確保法が成立し、魅力ある職場づくりに向けた新援助施策が打ち出されました。現在、本年八月の施行に向けてさまざまな準備が進められているようですが、私たちはこの法律の成立を歓迎をし、労働時間短縮を初め中小企業労働者の福祉の向上にとって実効のある運用がされるよう期待をしているところであります。  今回の法律の運用においては、国が定める基本指針に基づいて、各中小企業事業組合が改善計画を提出をし、それを都道府県知事が認定することになっており、また具体的な指導、援助措置の実施面でも各都道府県の果たす役割は非常に大きいものがあります。どうぞ、この法律の趣旨が各中小企業協同組合や中小企業事業主に徹底をされ、県内の中小企業労働者の時間短縮、福祉の向上に結びつくよう、今後九月議会に向けた県当局の積極的な対応を求めるものですが、商工労働部長、お答えいただきたいと思います。  三つ目は、国際化時代に向けた県の姿勢についてお伺いいたします。  国際交流は従来、国レベルの問題でありましたが、近年における交通、運輸、通信手段の飛躍的な発達によって国際的な相互依存関係を一層緊密にし、県民の生活、文化、経済などの広範な分野に浸透してきており、今日では国の政治を超えて地域レベルでの積極的な取り組みが必要になってきております。環日本海時代が叫ばれている今、より一層重要であります。そんな中にあって、北信越レベルではお隣の福井、富山、そして新潟が国際化への対応の取り組みも活発となり、県や市町村を初め民間企業、各種団体、交流グループ及び個人等による多様かつ積極的な国際交流活動が幅広く展開されています。それに比べて我が石川は、県を初め行政の国際交流への参加は随分とおくれをとっているようで、残念でなりません。県内での三カ月以上の外国人滞在者は昨年で四千五百六十二人と昭和五十五年に比べ九百十二人ふえ、とりわけ中国、フィリピン、ブラジル、アメリカ、オーストラリアなどからの留学生、研修者の増加が目立ち、今後、外国人の県内滞住者はさらにふえると言われています。こういった人たちを受け入れる国際交流団体は現在、市民グループや国別の協会など合わせて約七十団体を数え、そのほとんどが支援、援助のないまま個別に対応しているのが現状であります。幸い、この六月補正で民間国際交流の円滑な推進を図るために財団法人設置の基金づくりのための予算計上がされたことに胸をなで下ろしているところでありますが、県当局はいま一歩踏み込んでいただいて、各団体の活動の拠点として、あるいは外国人留学生、研修者同士が、また県民と外国人が情報交換や生き生きとした交流ができる国際交流会館建設の実現を強く要請するものでありますが、いかがでしょうか。  いま一つは、外国人の医療保障の問題であります。今ほど述べましたように、県内で三カ月以上滞在する外国人は四千五百人を超える数になりました。今後ますますふえ続けていくこの人たちが、滞在中に不慮の事故や病気で倒れたときの医療保障は一体どうなるのでしょうか。昨年の秋まで全国の自治体は、生活に困窮する外国人の生活保護という基本的な通達に従って、在日外国人の医療扶助を行い、定住か非定住かの区別なく生活に困窮する外国人の最後のよりどころとして存在したのであります。ところが、去る五月の新聞報道でこんな記事が載っていました。ことしの三月に京都に住むフィリピン女性労働者がくも膜下出血のために倒れ、幸い命を取りとめ、その医療費を福祉事務所に申請をしたら、定住者以外の外国人に生活保護を適用しないよう厚生省の行政指導を受けたと言われたそうであります。思いがけなく大病に困窮する非定住的な外国人は、この不幸なフィリピン女性にとどまらず、留学、興行、文化活動、観光旅行等の目的で来日する外国人は、定住外国人よりははるかに多いのであります。これらの人たちは皆適用されないのでしょうか。昨年十二月の第四十五回国連は、すべての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する国際条約を日本国政府代表を含む全会一致で採択をしたのであります。つまり、非合法に在留する外国人労働者の医療費も受け入れ国が保障しなければならないという外国人労働者保護条例の理念に日本国政府代表は賛同しているのでございます。大きな矛盾であります。  そこで県当局にお伺いしますが、もし我が県でこのような事態が起きたら、いかが対処されるか、関係部局長の御意見をお聞かせください。  質問の四つ目は、津幡町潟端地区の工場誘致計画についてであります。  昨年の六月、新聞紙上で津幡町潟端地区においてカーペット業界の国内最大手住江織物と金沢市内の中堅家具メーカーテラソーが業務提携をして進めているDCブランドの家具生産、流通拠点の建設計画が発表され、この計画を初めて知らされた同地区の湖南、陽香台両団地を中心とした地元住民が、団地に隣接しての工場誘致は認めるわけにはいかないと工場誘致に反対する会を結成しながら計画の見直しを求めて反対運動を展開し、昨年の九月の段階で両団地はもちろん、隣接する住民にも働きかけて四百十二世帯、七百四十二名の反対署名を集め、町当局に提出したのであります。以来、役場当局との話し合いも余り進まず、硬直状態で今日に至っているのであります。湖南、陽香台両団地の住民たちは、この計画に対してどこからも何にも知らされず、新聞発表で初めて知ったわけであります。そのような住民無視の行政手法は必ず問題が生じ、後々禍根を残す結果になるわけであります。静かな住宅地を求めてきた人たちにとって、突然の工場誘致は迷惑千万なのであります。住民の皆さんが町当局に抗議を行っていく過程で幾つかの問題が浮上してきました。  一つには、住民に対する区、町の事前説明がなかったことに対する責任の所在を追及すると、区は町に、町は県にあると責任逃れに終始をしているということであります。今日、自然環境や住環境をいかに守るかがそれぞれの自治体の重要なテーマになっているにもかかわらず、住民を無視をし、区や町のトップだけの判断で物事を対処しようとする前近代的な政治手法は、厳しく責められなければならないゆゆしき問題であります。  いま一つは、町当局のずさんな都市計画であります。問題になっている湖南、陽香台両団地は用途地域でいえば最も保護されるべき第一種住居専用地域ですが、隣接する工場誘致計画の地域は白地であるといえども、最も規制の少ない工業用地にしていこうとするわけであり、県内でも例のないことであります。本来、一種住居専用地域に隣接する地域はだれが考えても第二種、第三種住居専用地域になるのが常識ではないでしょうか。この計画策定に当たって当然県当局への相談に行ったはずですが、計画に対する指摘や指導はされなかったのでしょうか。もし、その時点で県当局が都市計画上問題があり、住民との合意が難しいことを指摘しておれば、このような結果にならなかったはずであります。  いずれにしましても、現状では住民の反対の意思はかたく、これ以上の進展を望めず、強行すれば混乱は必至であります。ここ一つは県当局が行司役になり、お互いの立場を理解し合いながら、なおかつ工場誘致が実現するために計画場所の変更を提起されてはいかがでしょうか。知事及び担当部長の御英断を期待して、次の質問に移ります。  最後の質問ですが、内灘アーバンリゾート周辺のアクセス道路と河北潟放水路架橋についてであります。  昨年五月、かつての北陸の宝塚と言われた粟崎遊園の再来だといって地元の多くの皆さんに期待されて計画された内灘アーバンリゾートは、限りある自然や付近住民の住環境を守るために積極的な話し合いを数多く重ねながら、町当局の熱意と努力により着々と準備が進んでいるようであります。先般、多くの住民の意思の反映である環境アセスを行うために当初契約期間を半年間延長されたことについては、当然のことであり、住民の皆さんが納得できる結果をあらゆる角度からいただけるよう期待をしているわけであります。  そこで県当局へお尋ねしますが、地元でも一番多く心配しているのがアーバンを取り巻くアクセス道路の問題であります。現在でも朝のラッシュ時や海水浴シーズンでの車の混雑、渋滞は大変なものですが、これに加えてアーバンの利用者の一日平均一万四千台を処理するためには、どうしても既存道路の拡幅と新たなアクセス道路が不可欠であります。これなしには計画の実現はあり得ません。どうぞ、この事情を察していただき、既に町当局からの要請がしてあります諸江向粟崎線の早期着工と能登海浜道の直線化を早期に実現していただきたいのですが、現状と見通しについて知事、土木部長からそれぞれお聞かせをいただきたいと思います。  いま一つは、河北潟放水路架橋の可能性についてであります。昨年十二月、内灘町民挙げての河北潟放水路架橋実現への一万三千余の署名と、県議会の皆さんの御協力によって架橋実現への請願を採択いただいたところであります。しかしながら、この間、さまざまな角度から聞こえてくる情報は、正直言って前向きな方向が見えず、悶々としているわけでありますが、この六月補正で明確に放水路架橋と名を打って調査費が計上され、地元関係者は大いに歓迎をし、一日も早い着工を心待ちにしているわけであります。何しろ、昭和四十三年当時の国営河北潟干拓工事改良事業の犠牲の中で、内灘町は放水路をはさんで南北で分断されていますが、知事、以上の……。 ○議長(米沢利久君) 八十出議員に申し上げます。申し合わせの時間がまいりましたので、簡潔にお願いいたします。 ◆(八十出泰成君) (続)もう少しお願いします。  南北の均衡ある発展が阻害されてきた歴史だけに、放水路架橋実現は町民の長年の悲願でもあります。知事、以上のことを十分お含みいただいて、放水路架橋の調査の内容、架橋の目途及びトータル的な意味での放水路架橋実現の可能性についてお伺いしまして、時間を超過いたしましたが、私の質問にかえさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) お答えいたします。  第一は、女性副知事登用問題でございます。期せずして三候補者とも同じことを同じ日の午後の政策発表に追加したのであります。私はもともと、これを念頭に置いておりました。というのは、沖縄におきまする女性副知事問題のトラブル等を見ておりましたので、できれば登用したいなという考えは、思いは極めて切実でございますけれども、さてよく考えてみますると、なかなか適任者が得にくいということ。こういうことからいたしまして、まだ慎重に考えているということで御理解を賜りたいのであります。  条例案にもし付議するとすれば、具体的な人名が確定してから付議すべきであると思います。それまでに県の方では今度、婦人青少年課長あるいは建築住宅課長等、女性登用しております。逐次、女性を登用をふやしてまいりたいのでありますが、なかなかこれまで適切な人が社会的にもお役所の中でも十分育っておりませんので、いろいろと苦慮いたしておりますが、副知事問題については先般来お答えしているところで御理解をいただきたいんであります。  次に、労働問題でありますが、特に中小企業におきまする労働時間短縮、週休二日制の導入等、これは大変切実な大事な問題でございます。労働環境を整備しなければ、今の状況では中小企業労働者はなかなか得がたい、こういうことでございます。そのためには各中小企業ともかなり無理をいたしまして職場環境の整備等に努めておりますが、同時に我々は中小企業が労働時間短縮やら職場環境整備がし得るように、まず中小企業を応援しなきゃならぬわけです。中小企業がこれらを受け入れたためにアウトになっては大変ですから、中小企業がしっかりと対応し得るよう持ってまいりたい。今度の六月議会におきましても、県予算の中で設備貸与制度、その他いろんな制度導入いたしまして、省力化、時間短縮に対応するようにいたしております。ちょうど今は、まだ高原状態の景気の状況ですから、今こそは大きなチャンスだというふうに考えているのであります。  多くを申しませんが、単身者向けの住宅整備、あるいは事業所内の保育所の整備、あるいは組合としての共同人材確保等に努めておりますが、何としても時間短縮は一つの大きな流れである。このことは中小企業の経営者自身、一番厳しくみずから感じていると思うのでありまして、今、繰り返すようでありますが、したがいまして中小企業として、それらが受け入れ可能になるように中小企業の体力をつけたい、こういうふうに思っているわけでございます。  次に、国際化問題でありますが、石川県では全国でも珍しいボランティアによりまする世界に開く会等が女性中心で行われておりまして、これは大変評判よろしゅうございます。それから関連いたしまして、例えばユーロセンターは、我が国におきまする日本語教育、日本文化教育、日本企業に対する教育はすべて石川県で実施しているわけであります。また、ロンドン大学その他も、夏は石川県で教育を受けることによって大学の単位にするということで大変、私うまくいっていると思うんです。何か新聞報道等見ますると、お隣の庭のバラは赤く見えるけれども、そういう心理のものでありまして、私は石川県は大変うらやましく思われているというふうに思っております。  外国の要人もたくさん参りました。アメリカのアマコスト大使もそうでありますが、ことし特に著名人としてはシンガポールのリー・クアン・ユー元首相も参りました。非常に石川県はそういう意味において、私は大きな成績を上げつつあるし、大きな国際会議も、その重要なものは石川県、金沢で行われることが大変ふえてきたのです。したがって、それらの国際会議等のための支援措置が必要でございまして、コンベンションビューロー等もそれに当たっているのでありますが、なおこれからもいろいろと努力しようと思っております。  現在、石川県では今度の予算組みましたように国際交流基金をつくりまして、五千万円では足りません。もちろんこれから増額を図って自治体外交の名も、実も上げるようにしたいと思っているのであります。一番この隘路になっておりますのが、いわゆるJICA───国際研修センターでございますが、これもかなり現実味を帯びてくるようになりました。JICAは本当なら石川県そろそろ来ていいんでありますが、大阪のJICAの施設が非常に老朽化いたしまして、私が大阪の行政責任者であれば、みずからのお金をもって補うんですけれども、どうもそうならぬようで、JICAはほとんど大阪のそれにことし食われるということでありますが、何としてもJICAも欲しい。しかし今、モンゴルの農業青年の研修、韓国青年の農村研修等も行っておりますように、非常に多面的でございます。地道かもしれんけれども、立派に成績を上げつつあるように思います。今度七月、石川ウイーク九一をシベリア、イルクーツクで開きますのも、これも一つの刺激になるだろうし、シンガポールのアンテナショップ、秋も開きましたが、春もなお開きたいと思っております。また、地元の関係方面と協力してジャパンテント等やっておりますことも大変、私いいんじゃないか、こういうふうに思っているのであります。  さて、そこで外国人の医療保障について、厚生省の基準で窓口ではねられた。これは京都府のようでございますけれども、内容は観光ビザによる入国であったようでございます。そのビザを持って長期滞在したということでこのような対応が行われたようであります。我々はこれらについてどう対応すべきかでありますが、観光客など、いろんなケースによって違いますけれども、差し迫っている場合には県の負担で市町村が救護する制度もございます。それらを適用していくべきだというふうに思っているのであります。留学生あるいは技術研修生については、独自の措置をとっているつもりでございます。  これらは一つの限界があると思いますのは、いわゆるボートピープル。幸い石川県にはボートピープル参りませんが、それらとのバランスも大きな配慮の要素にあるようでございます。我が国が人道主義を標榜しながら、ボートピープル等に対して非常に冷たいという話もございます。その辺は政府自体の対応でございますけれども、我々も十分考えておかねばならぬと思います。  次に、工場誘致問題でございますが、潟端付近の問題については商工労働部長等からお答えいたしますが、何としても町当局は何よりのチャンスだから、地元の了解を得て積極的に受け入れを行う旨、表明したというふうに我々は受けとめているんであります。良好な住宅と良好な工場とをどうやって適応させるか。この辺が課題であろうと思っています。工夫はいろいろとございます。緩衝緑地等の対応も必要だと思っております。  最後になりましたが、内灘のアーバンリゾート周辺の道路整備でございますが、これは土木部長からお答えいたしますけれども、特に私は、やはりアーバンリゾート、十分地元との合意を得て実施していきたいと思うのであります。  次に、放水路の架橋問題であります。かねてからの念願でございまして、今度調査費を計上いたしましたが、はっきりと架橋という名前を打って計上したわけであります。この架橋という名前を打ったことがどういう響きを政府の各方面に及ぼすか、これはここでは申しません。申しませんが、いろんなクリアすべき問題が出てまいりましたけれども、架橋はぜひとも実現したい。そのためには内灘町北部の全面的協力。全面的協力というのは、適切な値段での県に対する土地公社等を通じての買収、それらも必要とすると思っているのであります。いろんな手段を考えておりますが、北部地区が県に協力しようという姿勢をはっきり示してもらえば、架橋問題は弾みがつくと、こう考えているのであります。 ○議長(米沢利久君) 武田商工労働部長。  〔商工労働部長(武田文男君)登壇〕 ◎商工労働部長(武田文男君) 津幡町の工場誘致計画についてでございます。県におきましては企業側の要請に基づきまして、津幡町に対し、潟端地区またはその周辺での工業用地の開発並びに地元の受け入れについて検討するように伝えたところでございまして、津幡町におきましては開発の可能性が最も高い用地として現候補地を選定するとともに、地権者並びに地元の代表等に打診を行い了解を得た上、町として積極的に受け入れをしたいとの意向と伺ったところでございます。  また、工場の立地場所についてでございますが、町におきましては工場の誘致に関しまして町議会における計画用地取得の議決を得ております。また、工場の建設に当たっては、企業に対し、緩衝緑地帯を設けるなど、周辺の環境に十分配慮するよう指導を行うこととしておるところでございまして、県といたしましては町の意向を尊重してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 高木土木部長。  〔土木部長(高木啓輔君)登壇〕 ◎土木部長(高木啓輔君) 津幡町の工場誘致計画のうち、第一種住居専用地域の隣接地に工場を配置させることについてでございます。都市計画法では、当該敷地は用途地域が定められていない地域にありまして、開発許可により工場の立地は可能でございます。しかしながら、第一種住居専用地域に隣接しておりまして、計画においてその点の十分な配慮が必要であると考えます。開発許可におきましては、都市計画法の基準により騒音、振動による環境の悪化を防止するため、隣接地の間に緩衝帯、緑地とか空地、こういった緩衝帯を設けることとなっておりますし、さらに工場の外壁や屋根及び窓について遮音構造とするよう今後、指導していきたいと考えております。  それから、内灘アーバンリゾートの周辺アクセス道路の整備でございますが、アーバンリゾートのアクセス道路としては町道幹三号向粟崎線及び町道内灘海浜線の二路線で対応できると考えております。そのうち町道幹三号向粟崎線については、整備済みでございます。町道内灘海浜線につきましては六百八十メートルございますが、開発計画の許可にあわせて整備に着手できるよう準備をしておるところでございます。  また、御指摘のありました諸江向粟崎線でございますが、これは能登海浜道路や内灘町と国道八号や金沢市街地を連絡する幹線道路でございます。能登海浜道路から臨港線までの未整備区間千百五十メートルございますが、これのうち能登海浜道路から主要地方道松任宇ノ気線の間四百九十メートルですが、これにつきましては金沢市及び内灘町の事業として平成二年度から施工中でございます。松任宇ノ気線から臨港線間の残る六百六十メートルにつきましては、県事業として平成三年度、新規に事業着手する予定であります。県の施工区域内には大野川の橋梁がありまして、多額の事業費を要するために早期完成に向けてなお努力していきたいと考えております。また能登海浜道路の直線化につきましては、内灘−白尾間の四車線化計画のときに検討したいと考えております。  〔池田健君発言を求む〕 ○議長(米沢利久君) 池田健君。 ◆(池田健君) 八十出議員の河北潟放水路架橋調査費にかかわる質問に関連をして一言だけ伺っておきたいと思います。  改めて申し上げるまでもございませんが、河北潟放水路を境にいたしまして、内灘町の南北は過密地域と過疎地域があの放水路をはさんで共存をするという極めて異例の状況になっていることは御承知のとおりであります。したがって、私どもも近年、何回かこの放水路の架橋問題に対しまして、県が積極的に対応を進めるように要望もいたしてまいりましたし、また町当局から切実な要望が県に寄せられてもおり、かつ町独自の基金の積み立ても既に始まってまいっております。しかし正直申し上げまして、これまで土木企業委員会及び本会議で示されております県執行部側のスタンスというのは、具体的に申し上げますと、知事の積極的なニュアンスに比較をいたしまして、実務者側の消極的な態度がきわ立ってきたように私は受けとめております。つまり、頭と足がばらばらの状態だったと思うんであります。そこで今回、改めて調査費の計上ということになったわけでありますから、常識からいけば頭と手足が一本になったなと、好意的に私はそのように理解をしておるわけでありますけれども、今、改めて八十出議員の質問に対して知事からの御答弁がございましたけれども、土木部長からの補足説明がございません。老婆心であるかもしれませんけれども、改めて土木部長から知事答弁を補佐したお答えをいただきますようにお願いをして私の関連質問にさせていただきます。 ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) 重大問題でございますので、高木部長に対する答弁をお求めでございますが、私から行政の最終責任者としてのお答えを。先ほど八十出議員に申し上げたとおりであります。  御承知のように、松任宇ノ気線が並行して走っております。したがって公共事業には非常に困難である。このことをまず第一点申し上げたいんです。もう一つは、公共事業でなくて、川に橋をかけること、一体国の仕組みの中で認めてくれるかどうか。こういうことであります。多く議論いたしますと土木部長に大変難しい問題かかりますので、その点を御了解いただけたら大変ありがたいと思っております。 ○議長(米沢利久君) 桑原豊君。  〔桑原豊君登壇、拍手〕 ◆(桑原豊君) 本日最後の発言バッターを務めます新人の桑原でございます。今まで大変首を長くして、緊張してこの時を待っておりました。県民の皆さんの負託の重さと、この張り詰めた初心をしっかり胸にいたしまして、諸先輩の御指導を得て、県民にわかりやすい県政を目指して頑張りたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
     そこで最初に、そのわかりやすい県政の眼目となるべき情報公開制度についてお伺いをいたします。  情報公開制度につきましては、今回、情報公開懇話会の設置が決められ、積極的に取り組むこととなりました。既に全都道府県の三分の二で制度化され、県内でも県都金沢市がこの七月から施行ということから考えますれば、おくればせながらの感も否めないわけではございませんが、とにかく重い腰を上げられて前向きに対応されるということに評価をいたしたいというふうに思います。  さて、本制度は県民に開かれた民主的な県政を実現するためには必須のものであると確信をいたしております。県民の求める行政情報が適切、公正に提供されるならば、県民の判断材料が豊富になり、一層地方自治の参加意識が高まることは言うまでもございません。このような意義を持った制度の確立に向けて、幾つかの点についてその所見をお伺いしたいと思います。  まず、既に内部の検討会で議論してきたことと思いますが、この制度の意義、目的に関連いたしまして、幾つかその考え方をお伺いいたしたいと思います。  一つは、この制度のよって来るところは日本国憲法の定める知る権利であり、それは最大限尊重されねばならないということを大前提としていると思うのですが、この点はいかがでしょうか。知事の言葉じりをどうこう言うつもりはございませんが、提案理由の中で県民の理解と信頼を得るために必要だという趣旨でお話をされておったかと思います。どことなく為政者の側からの論理が入っているように思うのですが、私のうがった見方でしょうか。あくまでも基本的人権としての知る権利として認識する必要があるのではないでしょうか。  二つ目は、個人の尊厳を守るため、個人のプライバシーに関する情報については、これまた最大限尊重されねばならないと思いますが、どうでしょうか。  三つ目は、この制度はあるだけでは意味がないので、県民の皆さんに活用されなければ意味がないというふうに思います。県民にとってわかりやすく利用しやすい、公正で信頼できるものでなければならないと思いますが、どうでしょうか。  四つ目に、この制度は公開することが原則であり、非公開の情報は最小限にすべきと思いますが、どうでしょうか。  五つ目に、情報公開の開示が拒否された場合は、公平な第三者機関によって迅速な救済が保証されるべきと考えますが、どうでしょうか。  以上の点について、まずお伺いをしたいと思います。  さて、次にこの懇話会に関連いたしましてお伺いをいたします。懇話会は、できるだけ各界、各層の人材を幅広く多数集めて審議していただきたいのでありますが、懇話会とはその字のとおりねんごろに話し合いをする場でございますから、それにも限界があろうかと思います。神奈川県のように、この懇話会の審議に並行して、それを補強し、豊かにするものとして県民の集いのようなものを各地で行い、生の県民の意見を聴取したり、時にはアンケートをとってその意識を把握するような多面的なことを試みてはどうでしょうか。情報公開制度をつくる過程がどれだけ公開されるのか、県民にわかりやすく開かれたものになるのか、その制度のよしあしを決める、それはバロメーターになるのではないかと思います。また、そのことが県民一人一人が情報公開制度をうまく活用していく環境づくりにもつながっていくというふうに思います。ぜひ早く制度化をしていただきたいわけですが、時を経るに従って、特に最近の情報公開制度は、皮肉な言い方をいたしますと、非公開条項のみがやたらにふえてきて、実質は情報非公開制度と化しつつあるように思います。庁内の文書リストの作成や、その管理システムの確立など、準備作業を怠りなくやることはもちろん、県民に開かれた実の伴った公開制度となるように、拙速は避けて県民に喜ばれる立派なものになるよう審議を尽くしていただきたいと、このように思います。  私も役所勤めの経験をしてきた一人ですが、どうも縦割り行政の中では、えてして自分の仕事、自分の課、部局の仕事は他の人や他の課、部局には見せたがらない、知らせたがらない、そういう風潮がありがちなわけでございます。役所の中でさえそういうわけでございますから、役所の情報を県民に知らしめるということになりますと、いろんな困難もあろうかと思います。そういう意味では、この制度は役所の一人一人の意識を改革するということにもつながる大変大きな意味を持っているというふうに思います。ぜひ知事、さまざまな困難を乗り越えて意欲的に取り組まれんことを重ねて御要望をいたしたいと思います。  次に、高齢化社会への対応について、特に在宅福祉を中心にお伺いいたします。  平成二年における、いわゆる合計特殊出生率、すなわち一人の女性が生涯に産む子供数が一・五三となりました。平成元年には一・五七ショックという言葉まで生まれたほどだったのですが、ついにそれをも下回ったわけでございます。従来の推計では二〇二〇年ごろ、高齢化率が二三・五%ぐらいになるのではないかと言われていましたが、この調子では人口全体の伸びが鈍り、やがて減り始め、高齢化社会はもっとドラスティックにやってくるかもしれません。来るべき高齢化社会が重くて暗いものになるのか、それとも明るく活力のあるものになるのか、まさしく二十一世紀に至るこの十年間のありようが、その行方を決めることになるでしょう。そのことのゆえに厚生省は一九八九年末に高齢化保健福祉推進十か年戦略、いわゆるゴールドプランをつくり、それらを進めていくための法的な整備を図るため、一九九〇年、老人福祉法など関係八法の改正が行われたわけであります。老人福祉法の改正により、一九九三年四月からは住民に一番身近な市町村によって在宅福祉及び福祉施設のサービスが一元的に提供されることになりました。また、県と市町村にはそれらのサービスの供給や実施に関する計画、すなわち老人保健福祉計画の策定が義務づけられることとなりました。これらが改正の趣旨に沿って運営されていき、現在のところ市町村の努力事務とされている在宅福祉サービスが、一九九三年の見直し時期において首尾よく市町村の必須事務として法定化されるならば、一層その充実が期されるでありましょう。しかし、そのためには越えねばならないハードルがたくさんあるように思います。福祉は人なりと言われております。箱物が幾ら先進的で立派でありましても、それを支えていく人が不十分ならば、心の通い合う立派な福祉を実現することは不可能でございます。特に在宅福祉の場合は人そのものと言えるのではないでしょうか。  現在、県内には二千六百人余りの在宅寝たきり老人がいると言われております。県内のホームヘルパーは平成二年度調べでは二百四十二人であります。現在、全国では三万五千人のホームヘルパーがいるそうですが、ゴールドプランの緊急整備目標は十万人であります。問題の大きさと対応の不十分さに深刻な思いをせざるを得ません。  そこでお伺いをいたします。  一つは、県は今回、ホームヘルパー百五名の増員を計画し、予算化していますが、その充実、確保に確信はおありでしょうか。なぜかといえば、現在のホームヘルパーの賃金や労働条件では、なかなかその人員の確保が無理なのではないかと思うからであります。その大幅な改善が求められているわけですが、いかがでしょうか。また、その内容の改善も求められております。現在のパートの多い雇用形態を常勤形態の雇用をふやし、それを基本としていくことが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。県としてそのための方策は持ち合わせていますか、教えていただきたいと思います。  二つ目は、一九九三年の見直し時点で在宅福祉サービスを市町村の必須事務にしていくためにも、またその時点から市町村に義務づけられる老人保健福祉計画を実施していくためにも、市町村の財政力や職員体制の地域格差を解消し、その能力アップを図らねばなりません。基本的には国の責任だと思いますけれども、県としての支援策は何かあるのか教えていただきたいと思います。  三つ目は、県の老人保健福祉計画はサービス供給体制の整備計画でありますが、その策定に当たっては、その地域の自主性やニーズを重んじることが大切かと思います。ゆえに、そのために制度利用者となり得る地域住民の計画策定への参加を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、在宅福祉を中心にお伺いいたします。  次に、障害者の雇用状況についてお伺いいたします。  障害者の雇用がしっかり確保されなければ、それを抜きにノーマライゼーションを語ることはできないと思います。障害者の雇用の促進等に関する法律において定められた法定雇用率を達成するためには、企業の見識や責任感だけでは不十分であります。これを促進していく行政の強い後押しがなければ到底無理ではないでしょうか。そこで、法定雇用率の達成状況に関して、県内の企業の規模別、産業別の主な傾向と、県内の地方公共団体のそれについて教えていただきたいと思います。この分野は労働省が所管をしていますが、そうした県内の傾向を踏まえ、県として企業への啓蒙や雇用奨励策など、何か対応策がおありか教えていただきたいと思います。また、石川県としては地方公共団体としての法定雇用率を達成をしておりますけれども、その内容を見てみますと、重度の障害を持った方々の雇用という面では極めて不十分でございます。県によってはそうした方々に別枠の採用枠を設けてやっておるところもあるというふうに聞いているわけでございますけれども、石川県としてそうした点を改善し、他に模範となるような優良団体となるべきではないか、県はそうなるべきではないかというふうに思うわけですが、どうでしょうか。  次に、能登空港についてお伺いをいたします。  能登空港については今までの議論からいたしましても、当面コミューター空港として位置づけるということでございますけれども、一つは、どこと能登を結ぶコミューター空港なのか、この点をお伺いしたいと思います。もう一つは、空港までのアクセス、どういう交通網を想定をしているのか、お伺いをしたいと思います。  次に、将来的には小松空港と並立することになると思いますが、その際の両者の役割分担、どういうことを想定をされているのか教えていただきたいと思います。  能登には今、二つの原子力発電所が計画をされており、既に一つについては、もう建設が相当進んでおるわけでございます。聞くところによりますと、輪島の自衛隊のレーダーサイトには、今年度中にミサイルを備えた防空隊が設置されるというふうに聞いております。将来的に能登の非常に狭い地域に、こんな不安や危険を伴う空域で、まともな空港として機能し得るのかどうか、そこら辺に多少の疑問を感ずるわけですが、その点についてもお伺いをしたいと思います。  次に、金沢セントラルリゾートのゴルフ場問題についてお伺いいたします。  金沢セントラルリゾートが市内夕日寺地区に造成中のゴルフ場工事現場で、この五月末に二度にわたり事故が発生し、一人が死亡するという痛ましい出来事がございました。私どもも急遽現地を視察しましたが、急傾斜の軟弱な地盤に加えて、林野庁の許可基準である二百万立方メートルをはるかに超える五百五十万立方メートルもの土砂を移動させるという難工事では、こうした事故も不思議ではないと実感いたしました。あの緑豊かな里山は、まさに砂漠と化しておりました。現場を見て、その破壊のすさまじさに息をのみました。例えゴルフ場に賛同し、ゴルフが大好きな方々であっても、あのさまを見れば何とも言えぬ感慨というか、憤慨の感情を持たれたのではないかというふうに思います。ご存じのように、当地は市街地や夕日寺の小学校に近く、文教地区、住宅団地、自然公園地域でもあり、農薬などの使用によるさまざまな悪影響を考えると、とてもゴルフ場には不適であります。現に住民の方々による大きな反対運動も起きております。このようなことからも、現在、公害紛争処理法にかかる調停が行われておりますが、どんな状況にあるのか、お聞かせ願いたいと思います。  あの一帯には健民自然園があり、このたびの補正ではトンボサンクチュアリーを整備しようというところでもあります。県は、いわば子供や県民が自然に交わる憩いの場としているのに、その直近にゴルフ場とは、どう考えても合点がいきません。今度の補正予算では、県としても里山のすばらしさを残そうと心を砕いているのですから、ぜひ知恵を出していただきたいと思います。県と市が協議し、夕日寺ゴルフ場及びその周辺地域が本当に里山のよさを残した憩いの場となるような方策を考えていただきたいと思います。  知事は先ほどナショナルトラストに触れられて、県がトラストをするというような積極的な御発想もされたわけですが、そうした知恵を生かして、その労をとっていただきたいと思います。  最後に、二十一世紀ビジョンについてお伺いいたします。  六十三年末にでき上がり、現在、本県発展の道しるべとなっている二十一世紀ビジョンについては、何としてもこの計画を幻に終わらせることがあってはならないと思います。そのためには状況の変化に対応した適切な見直しが必要と思われます。人口の見通しも年々変化しています。超高齢化社会の到来もより間近いと思われます。経済指標も同様に変化しております。そこでお聞きしたいのですが、計画中のビジョンを進めるに当たっての中で述べられている主要施策の当面の実施プログラムはどうなっているのでしょうか。また、社会経済の変化に対応したビジョンの適切な見直しというのは、いつ、どのようなやり方で行われ、それがどんな形で県民に知らしめられるのか教えていただきたいと思います。このビジョンを確実なものにするためには、この計画がより確実な基礎の上に打ち立てられることが必要だと思うので、よろしくお願いをいたします。  少し予定時間を超過いたしました。ぜひ血の通った御答弁をいただきますようにお願いを申し上げて、質問にかえさしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(米沢利久君) 中西知事。  〔知事(中西陽一君)登壇〕 ◎知事(中西陽一君) 桑原議員にお答えいたします。  まず第一点の、情報公開制度の問題でございますが、具体的には総務部長が担当いたしておりますので総務部長からお答えしたいと思いますが、この公開制度の趣旨は、言うまでもなく県政に対する理解と信頼を一層深めるものだと思います。住民サイドから見れば、公正で民主的な運営が確保される、それが何よりの願いであろうかと思うのであります。住民の情報公開に基づく権利が憲法上の権利であるかどうかについては、裁判上の争いになることは御承知のとおりであります。いずれにいたしましても、大変大切な課題であると考えております。情報公開いたしますと、私は一生懸命に公正な県政を執行しているつもりでございますが、なお公正さが確保できるものと考えておりまして、情報公開は私としては積極的でなければならないと考えております。もっとも、プライバシーの権利は最大限保証されねばなりませんが、これらについては懇談会でしっかりと議論を煮詰めていただくつもりでございます。個人情報等について、いわゆるのぞき見的な立場での公開請求があってはならないと思うのであります。住民の、県民の皆さんの利用しやすいようでなければなりませんので、その点も十分含めて、各界各層の情報公開懇談会を設置し、県民の御意見を反映してまいりたい、こういうふうに思っております。  あと、いろんな具体的なお尋ねございましたが、すべて総務部長からのお答えで御理解をいただきたいのです。  次の、高齢化社会への対応でございますが、高齢化社会へどうやって対応するか。できる限り我々は天寿を全うしたいわけであります。天寿を全うということは、自分の残存能力を生かして、人様の介護を受けずに生活できれば最高であります。そのように持っていくためには、健康管理も考えなきゃなりませんし、また高齢者向けの社会にしていかねばならぬわけでありますが、それと同時に、不幸にして介護を要する姿になりましたときに、できるだけ行政の手で、ボランティア活動もお願いいたしますが、行政の手でもってホームヘルパー等によりまする介護を差し伸べねばならない、こういうふうに思っているのであります。このホームヘルパー等については、特養への事業委託をした上で、職員として確保することも広く展開してまいりたいと、こういうことを思っているのであります。  市町村が在宅サービスを行います場合、県の支援対策はどうかということですが、できる限り応援していくつもりでございまして、応援というのは口先だけでなく、連携を密にしていきたい。連携を密にしなきゃならぬ、こんな考えでおります。  老人保健福祉計画の策定に当たりましては、地域住民の参加を求めてはどうかと。原則的には結構でございまして、ボランティア活動を活発にする、そして理解を深めることが大変大事だと思います。理解を深めれば自分たちもこういう難しい状況になるんだろうか、それならばもっと健康に気をつけようということにもつながりますので、できるだけ地域住民の参加を求めてまいりたいと思っているのであります。  次に、障害者の雇用状況でありますが、法的には達成されたと言われますけれども、まだ私は県、市町村全体を通じて見ますると、企業等においてはまだまだ努力の必要があるんじゃないか。幸い、県あるいは市町村は二%になっておりますが、民間企業では一・六%でございます。今後なお努力しなきゃならぬ、こう考えております。ノーマライゼーションは企業への参加から始まるというのも一般論で結構でございますが、障害者が勤務できるような工場の整備等に積極的に努めてまいりたいと思っているのであります。そして障害者に意欲を持って働いていただくよう、これからも努めてまいりたい。障害者の皆さんもノーマライゼーションの一環としてではなく、意欲を持って働くことが何よりの福祉だと私は考えております。そういう努力をするつもりでございます。  能登空港は当面、コミューター空港として位置づけてまいりますが、どういう飛行機をどこへ飛ばすか、これは今後の課題でございます。大変大事なのはこの問題であろうと思います。また、小松空港が民航と共用していきますと、例えば滑走路上で何かトラブルが起こった、すぐには着陸できぬというようなケースが起こりました場合の安全弁にもなるかというふうに思っておりますが、大きなプランを描きながら、現実論でまず進めたい。大きなプランを描きながら、現実論で進めてまいりたいと思います。  空港までのアクセスは大変大事でございまして、その点を配慮しながら仕事を進めてまいりたいと思います。  小松空港については、当面、国際空港としての実績づくりに努めてまいりたいと考えているのであります。いずれ、だんだんと具体的に考えがまとまりましたら、議会に御相談したいと思っているのであります。  原子力発電所など周辺の状況も十分配慮していくつもりでございます。  それから、夕日寺ゴルフ場でございますが、詳細な公害紛争調停委員会の調停内容は担当部長からお答えいたしますけれども、既に許可権者の金沢市が許可いたしております。慎重に考えた結果、許可したということでございますので、それを是認せざるを得ませんけれども、御指摘のように里山保全は大変大事でございまして、これからも里山保全はしっかりと対応してまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。  二十一世紀へのビジョンの改訂でございます。お話のように二年半たちまして、たった二年半と言いたいんですが、その間に日本の経済また大きく変わりました。石川県も数字的な問題を含めて、さらに変化を見てくるようでございますので、現実論としてローリングシステムをとっていかねばならないと思っております。ローリングシステムというのは、毎年、毎年、状況によって手直しをしていくことでございますが、当面は平成五年度末の計画目標を設定して、着実にそれに進んでいるような次第でございます。今回はこのビジョンの裏打ち調査と申しますか、達成率等を調査する予算を計上いたしました。俗にいうフォローアップの予算を計上したところでございます。鋭意、作業を進めてまいりたい、こう考えております。 ○議長(米沢利久君) 浦西総務部長。  〔総務部長(浦西友義君)登壇〕 ◎総務部長(浦西友義君) 情報公開制度につきまして知事の答弁を補足させていただきたいと思います。  まず、非公開の情報の範囲でございますが、これにつきましては今後、情報公開懇話会において御議論いただくことになるわけでございますが、公開を原則といたしまして、非公開とする情報は合理的な理由に基づく必要最小限の範囲に限定すべきであるというふうに考えております。  次に、開示が拒否された場合の救済制度でございますが、既に情報公開制度を実施しております都道府県におきましては、行政不服審査法に基づく異議申し立ての方法をとっているところでございます。本県におきましても懇話会の御意見を聞いて御議論いただくわけでございますが、条例による第三者的性格の附属機関の設置が適当だというふうに考えておる次第でございます。  それから、情報公開制度の作成に当たります懇話会のあり方でございますが、情報公開懇話会は県民の意見を広く反映した制度づくりをする必要ということから、県民各層、各界の代表者二十名程度を選任させていただきまして、幅広い御意見をお聞きしたいというふうに考えておるわけでございます。また、並行いたしまして県民へのPR、職員への意識啓発、さらに情報公開に対応した文書管理体制の見直しなどを図ることによりまして有効かつ適正な制度づくりに努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 松谷厚生部長。  〔厚生部長(松谷有希雄君)登壇〕 ◎厚生部長(松谷有希雄君) 高齢化社会への対応について補足させていただきます。  まず、ホームヘルパーの件でございますが、今年度におきましては国庫補助基準額の相当程度の引き上げが行われていることも踏まえまして、引き続き増員の確保につきまして事業の実施主体でございます市町村に対する指導に力を入れてまいりたいと考えております。また、今年度から新たに非常勤のホームヘルパー養成を目的とした段階別の研修システムが導入されておりますが、これらを踏まえまして、常勤職員とあわせてパートタイマーの非常勤職員による対応なども弾力的に取り入れることにより事業の拡充を図ってまいりたいと考えております。  次に、市町村が在宅福祉サービスを実施するに当たっての県の支援策についてでございますが、在宅福祉サービスは基本的には住民に最も身近な地方公共団体でございます市町村が自主責任を有するものでございますが、このことは県の責任をいささかも軽減するものではないと認識しております。このため、従来から市町村に対する各種情報の提供、相互間の連絡調整、それからサービス提供に伴います経費に対する所定の補助はもちろんのことではございますが、各種の県独自の施策を講ずることによりまして市町村を支援してきているところでございます。現在までに電動式療養ベッドの給付等に対する助成あるいはショートステイを初めて利用する場合の利用料に対する助成、ホームヘルパーの活動車両に対する助成、託老所事業に対する助成など種々の施策を行っておりますし、今回の補正予算におきましても福祉ボランティアの推進モデル事業、あるいは介護ヘルパーの設置促進事業、ショートステイ送迎事業など新たな県独自の施策を盛り込んでおりまして、これらの施策によりまして在宅福祉の充実を図るとともに、市町村の支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(米沢利久君) 斉藤環境部長。  〔環境部長(斉藤晴彦君)登壇〕 ◎環境部長(斉藤晴彦君) 夕日寺ゴルフ場調停事件につきましては、調停委員会におきまして、これまでに数回にわたり申請人、被申請人の双方からそれぞれの意見を聞いているところでございますが、調停委員会の行います調停の手続につきましては、公害紛争処理法第三十九条の規定によりまして非公開と定められておりますので、内容を公表することについては差し控えさせていただきたいと存じます。よろしく御理解を賜りますようお願いいたします。 ○議長(米沢利久君) 武田商工労働部長。  〔商工労働部長(武田文男君)登壇〕 ◎商工労働部長(武田文男君) 障害者雇用の状況につきまして御説明申し上げます。  平成二年六月現在におきます本県民間企業の障害者の雇用率は一・五七%となっておりまして、全国平均の一・三二%を上回っている状況にございます。一方、規模別に見てまいりますと、概して従業員規模の大きな企業の方が雇用率が低い傾向にございます。また、産業別で見ますと、卸小売業や金融保険業の雇用率が低いという現状にございます。また市町村につきましては、平均で二・六三%という状況でございます。県といたしましては障害者雇用の促進を図りますため、障害者雇用促進キャンペーンなど啓発活動の実施、雇用率未達成企業への指導の徹底、休職障害者の求人開拓、あるいは就職あっせん、また障害者雇用にかかる各種助成金の活用の促進など諸施策を講じているところでございますが、高齢化、重度化の傾向もございます中で障害者雇用の促進の実効が上がりますように、さらに指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       ─────・──・───── △閉議 ○議長(米沢利久君) 本日の議事はこれをもって終了いたしました。  次会は、明二十八日午前十時より会議を開きます。  これにて散会いたします。   午後四時三十九分散会       ─────・──・─────...