3番目は、最近この議会でも提案されております市長をはじめとする管理職の給与カットは財政の改善にどれほど役立っているのでしょうか。改めて考え方をお聞きしたいと思います。
4番目は、現在の底なし不況は公共事業で景気回復できるほど生易しいものではないと私は考えています。したがって、景気対策の名の
もと余り波及効果のない公共事業を安易に受け入れるのは問題があると思うのであります。予定された大型事業を中断するのか、あるいは先送りするのか、総合計画を変更しても決断することが必要なのではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
5番目は、本市の有する資産総額の推定はどのくらいかという質問であります。この資産総額がわかれば、市債残高と対比し高岡市が債務超過になっているのかどうかがわかります。この点については先日の決算委員会でも議論されたのでありますが、そのときは余り明確になりませんでした。改めてお伺いするところであります。民間企業のように、法的にバランスシートをつくる義務はないのかもしれませんが、先日の
NHK衛星放送のシンポジウムで宮城県の浅野知事が民間企業の手法を参考に取り入れる必要を強調され、実践に移していることが発言されておりました。その後の私の調査によりますと、他の自治体でもこういう試みをする自治体がふえているようであります。私は
地方公共団体に無原則に民間の手法を取り入れることについては反対をしているところでありますけれども、この点に関しては大変感心したことをつけ加えておきたいと思います。
6番目は、地方交付税と
地域総合整備事業債、いわゆる地総債のことでありますが、それと財源対策債などとの関係であります。これも決算委員会で議論されたところであり、ぜひとも解明しなければならないと考えております。この地総債が新設されたとき、全国の首長はこぞって地方交付税に算入されるという点と使い道に裁量性があるということで歓迎したと言われております。しかし今日、地方債残高が累増し危機的な状況になっている一因になっていることから考え、一種の麻薬的な役割があったのではないでしょうか。それにもかかわらず現在、国においては景気刺激のため赤字地方債の発行もやむを得ないとの議論がなされるようになりました。全くもってのほかであります。しかし、この背景には従来から国の景気浮揚のための前倒し予算や有利な起債であるとして地総債を無批判に受け入れてきた地方自治体の姿勢があるのではないかと私は考えるのであります。
私の最近の記憶によりますと、先ほどの決算委員会でのことでありますが、「地総債の償還財源が次年度の地方交付税に算入されているとすれば、当然繰上償還などの措置がとられるべきではないのか」という私の質問に対し、担当部長は「交付税に算入されているのは18億円余であるが、繰上償還すべきかもしれないけれど厳しい財政運営であるためできない」という応答でした。次年度において繰上償還すべき債務は実際にはなされていない原因は一体何だったのか。それは財源が不足するためなのか。それとも制度上できなかったのか。それが私の率直な疑問であります。市債残高が累増していく原因を我々は国の制度であるとばかり思っていたのでありますが、実際には高岡市にも大きな責任があったのではないかと考えざるを得ないのであります。
以上の疑問に率直にお答えいただきたいと思います。私の認識不足かもしれないし、勘違いがあれば率直に指摘していただきたいと思います。私はプライドを傷つけられることもないし、怒ることもしません。事態を正確に把握できればそれでいいのであります。とにかく私たちは自分たちの次の世代に大きな借金を残そうとしているのであります。
大きな項目の2番目に移ります。総合斎場の問題についてであります。
ことしの3月議会において
岩坪岡田島地区からの事実上の撤退が佐藤市長から表明されました。その際、「市長の任期中に場所を決定するのが政治責任ではないのか」という私の質問に対し、「そんなに長くは考えていない。早急に選定したい」という市長の決意のほどが示されました。しかし、市長の任期まで余すところ1年4カ月になりました。また、来年4月には市議会議員の選挙が待ち受けています。最近になって市民の間では総合斎場に関する話題が再燃しておりますので、市議会選挙の政治課題の一つになるものと思われます。
この総合斎場の問題は、人間の死と生に関する極めて敬虔な場所であり、現在の社会制度ではすべての人々がその必要性を認めているにもかかわらず、一方では因習的に忌み嫌われている場所でもあります。それだけに墓地や火葬場が法的にも厳しい枠はめがあり、他の公共事業とは違う対応が求められていることもよく承知しているつもりであります。
また、この事業では福岡町との間で一部事務組合が結成され、自治体間の信義の問題が存在していることも忘れてはなりません。
さて、この問題については、この9月議会の代表質問で自民クラブの藤田議員が取り上げられました。佐藤市長からは基本的な考え方がそのときには披瀝されております。この答弁を私なりに簡単にまとめてみますと、まず長年の経過と経験を教訓とし、同じ轍を踏まないこと。そして、いたずらに長く時間をかけることなく、できるだけ早く一定の方向を打ち出すことが基本になっております。
さらに、候補地選定の要点として、第1に立地環境の問題、第2に造成に当たっての技術的な問題と安全性、経済性、第3に地元住民の理解と協力を真に得られるかということでした。そして、できるだけ早く可能性のある地域を絞り込みたいという考え方が示されております。
そこで、お聞きしたいのでありますが、同じ轍を踏まないで地元住民の真の理解と協力が得られるためにはどんな方策があるのかということであります。地域住民に対してただお願いしますというだけでは誠意が伝わらない。例えばその地域全体の総合施策を早い時期に示すことも必要になると考えるのであります。
また、この問題についての議会との協議も当然のことでありましょうが、その前に大切なのは担当部局だけではなく関係部局も含めた全庁的な取り組みが必要なのではないかということであります。市長以下、市役所が一丸となって取り組んでいるという姿勢が目に見えるようにすることが先決と私は最近この問題について強く感じるようになったのであります。よろしく御答弁をお願いしたいと思います。
3番目は、高岡駅前・中央駐車場の問題についてであります。
この問題につきましては、今議会の最終日に議決案件として追加提案される予定であると伺っております。しかし既に会派説明されたことでもあり、これに同意すれば予算審議のときには整合性を持った対応が必要になるという判断からこの問題を取り上げました。
1番目は、新幹線との関係はどうなるのかという点であります。
以前にも議会で私の意見を申し上げたことがありますが、
フル規格新幹線なのか、
スーパー特急なのかによって高岡市のまちづくりは決定的に違ってくるのであります。
フル規格新幹線、または分離駅が覆せないのなら、現在の高岡駅周辺の再開発は抜本的に見直さざるを得ないのであります。だれもがそのことをわかっていながら公式の場所で発言しないという不思議な状態が今続いています。
最近、地元の某新聞にこの問題に関する社説が載りました。問題点は的確に指摘してあるのでありますが、それでも
フル規格新幹線をあきらめるべきとも書いてないし、分離駅から併設駅に変更すべきとも書いてありません。報道関係にしてもこの点についてはタブーになっているのかもしれません。
その社説では、さらに分離駅に決定された理由を、併設駅が密集地の移転問題、莫大な建設費、地元の財政事情を挙げていますが、どちらかといえば財政事情にウエートが置かれているような書き方であります。これは私の認識と少し違います。15年前の市議会は財政事情だけで判断するほど愚かではなかったと弁明しておかなければなりません。当時、議会も私の所属していた社会クラブも活発な調査活動を展開していました。議会では鉄建公団の責任者を招いて説明を受け、併設駅も分離駅も技術的に問題がないことを確認し、また建設省の
都市計画課長からの説明では、分離駅は複眼都市になるため併設駅にすべきであり、連続高架には補助制度があることも聞いておりました。したがって、併設駅を選択した最大の理由は、沿線の住宅地に根強い反対があり、鉄建公団が着工後6年間で完成したいという期間内に同意を得ることはほぼ絶望的であるという判断をしたからであります。しかしその後、国の財政事情が悪化し、建設費の地元負担の問題が浮上するとともに、新幹線建設の凍結が取りざたされるようになりました。そのうち国鉄が民営化されJRになったことも決定的な情勢の変化になったものと思います。
そして既に十数年を経過しました。これだけの期間、塩漬けにされたままであるとは当時の関係者はだれもが考えなかったのです。すぐにも着工されるものだとばかり思っていました。新幹線の着工が棚上げになって、まちづくりに最も大きな被害を受けたのは高岡市であります。当時の議員として、私もその不明を恥じ、強い責任を感じております。
その反省の上に立って考えると、
フル規格新幹線の完成の見通しが問題となってきます。果たしてフル規格の北陸新幹線は近い将来に実現するのでしょうか。あえて私はノーと言いたいのであります。その決定的な理由は、国鉄がJRに民営化されたこと、また、財政再建の重要課題が先送りになっている国の財政にも建設費を負担する余裕がないことであります。分離駅を併設駅に変更することも不可能だとすれば、
フル規格新幹線をあきらめ
スーパー特急方式による併設駅建設を推進すべきだと思います。したがって、
新幹線建設期成同盟の運動からは一歩身を引くべきであります。さまざまな
政治的しがらみの中で一地方自治体が突出した発言をすることは難しいことは私も承知しているつもりであります。しかし、事が高岡市百年の大計に関することであれば、蛮勇を振るうことも今必要なのではないでしょうか。
2番目には、このことに関連し
南北一体化構想に結論を出すべきではないのかということであります。このことについては、議会で特別委員会が設置され研究調査が進められているところでもあり、余り多くを言うつもりはありません。しかし、高岡駅前の再開発が
ステーションビル改築の帰趨と関係なしに論じられない以上、既に発表された
南北一体化構想の3案について早急に結論を出すべきではないかと思います。
選択の次第によっては、膨大な事業を必要とし、他の事業の採択や進捗に重大な影響を与えることでもあり、方向性を明示する責任があるのではないかと思うのですが、市長の御所見を承りたいと思います。
3番目は、中央駐車場の設置については、去る10月13日の「
公共交通活性化フォーラム」の伊能忠敏氏の提言と矛盾するのではないかという点であります。ホテルニューオータニで開かれたこのフォーラムには私も興味を持って参加していたのでありますが、大変感心し、参考にもなりました。モータリゼーション最優先の風潮の中で、公共交通を優先するまちづくりがいかに経済効果を生み、人々の心の豊かさを再認識させているのか、ヨーロッパや日本の都市の実践例、例えばトランジットモールやライトレールや低床式車両を紹介しながら説得力のある講演でした。
経済行為優先、便利さのあくなき追求が、いかに都市の文化を貧しくしているか、現代の人間の価値観に対する問題提起としても傾聴してきたところであります。
この講演の中で幾つかの具体的な提言がなされています。思いつくままに列挙してみますと、第1点としては、JR駅をおりたらすぐに電停がなければならない。これには建設省の2分の1の補助があるということもつけ加えられておりました。2点目は、末広町の繁華街に停留所がないのはおかしいという話でありました。3番目は、高岡の駅前を複線化すべきだということでありました。また電車優先信号にすると。電車が通ったら全部青信号になるということでありますが、この4つの提言がすぐにも思いつく具体的なものだということを言われておりました。
そして、マイカーは自分本位の社会をつくった。日本はアメリカよりヨーロッパを参考にすべきだということ。そして都市交通はあさってのことを考えるべきだということも強く印象に残りました。
さて、この提言を我々はどう考えるべきかということであります。中央駐車場の建設は明らかにマイカー社会に追随し推進する政策であります。多分完成すれば、駅前のタクシー、万葉線の電車、バスの利用者は間違いなく減ることになります。一方で万葉線の存続を命題としながら、また一方で大型駐車場を設置する、この矛盾をどう考えればいいのか。高岡市のあさってを考える視点からの市長の御所見をぜひお伺いしたいのであります。
4番目は、中央駐車場は再開発ビルの着工が明らかになった段階で着工しても遅くはないのではないかという疑問であります。昨今の経済情勢のあおりを受けて、もし再開発ビルの建設が中止になったとしたら、巨大な閑散とした駐車場だけが高岡の駅前に残ってしまいます。その責任はだれが負うのか。45億円という事業費は、全額が起債であると言います。市長だけでなく、議会にも次の世代に対する大きな責任があります。再開発ビルの着工が確実になった段階で事業化すべきではないのか。それが常識であると思うのですが、再開発ビルの着工見通しと駐車場先行の基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
大きな項目の4番目であります。
在日・韓国朝鮮人の高齢者と障害者に国民年金適用の救済措置を新設することについてであります。これは最近の実施している各地方自治体の例を見ますと、在日外国人全体に適用を受けておりますので、そのことを少し補足しておきたいと思います。
この問題につきましては、平成5年3月議会で私が取り上げ、市長から「何分にも該当者が少ない状況でもございますので、今後対象者の推移、他都市の取り組みの状況などを見ながら検討課題とさせていただきたい」という答弁がありました。
その後、自民クラブの石灰議員が平成7年12月議会で取り上げられ、そのときは福祉保健部長が「今後、全国の動向あるいは富山県内他都市の状況を十分踏まえる中で検討を進めてまいりたい」という答弁でありました。
いずれも他都市の状況を調査するということでありましたが、それから5年以上たっています。十分調査もされたことであろうと思いますが、私の調査は少し古い1997年4月の資料でありますが、高齢者への給付が 259市町村、障害者への給付が 217市町村であります。ただ、富山県内では立山町と大沢野町のみであり、他の市町村はそれぞれ他自治体の出方をにらんでいるようであります。例によって悪いくせとしか言いようがないのでありますが、私の触感によりますと、特に高岡市の決定を待っているようであります。近県では平成8年4月1日より金沢市が在日外国人に対して、条例化し、実施をしております。
問題提起してから5年を過ぎ、対象者は十数名で年々年老い、その数が減っていきます。早急に対応しなければ、国の制度の欠陥とはいいながら、対象者は死に絶えてしまうのであります。これまでの議会の答弁によれば、市長及び担当部課におかれましては、難民条約の採択による国籍条項の問題、それに伴う国民年金加入の欠陥の問題などよく御承知のことであります。また、市内の実態調査なども十分されているものと認識しております。残るのは、人道的な問題としての決断のみであります。
なおつけ加えれば、金 大中大統領の最近の来日により日韓の新しい関係が生まれつつあると言われております。また、これはあんまり賛成しがたいのでありますが、商品券の支給の対象にもなっているようであります。
また、ことしの11月12日の
全国市議会議長会で可決された18項目のうちにも、「在日外国人の制度的無年金者に対する
救済措置制度化の早期実施」が項目として入るようになっております。いかに問題として重視されているのかわかると思います。議長さんにはよく御承知のことだと思います。
ことしはくしくも
世界人権宣言50周年であります。
世界人権宣言は1948年12月10日に国連第3回総会において採択され、それ以来、世界の共通の基準として存在し続けています。その第1条には、すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利について平等である云々とあります。第2条は長いので省略しますが、その内容は人種、皮膚の色によっていかなる差別も受けることもなくということが高らかに書かれております。
先ほどからも述べておりますように、対応は急を要するものです。佐藤市長におかれましては、国際化の一環として人道的な配慮に基づき来年度から実施されるように強く要請する次第であります。
以上、質問を終わりたいと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。
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答 弁
5 ◯議長(北世七雄君) 当局の答弁を求めます。市長 佐藤孝志君。
〔市長(佐藤孝志君)登壇〕
6 ◯市長(佐藤孝志君)
社会民主クラブ 太田議員の御質問にお答え申し上げます。
議員からは、第1に財政問題についての御質問をちょうだいいたしました。
まず、平成10年度の
財政収支見込みについてでございます。
長引く景気の低迷に伴いまして、本市はもちろん地方財政を取り巻く環境はさらに厳しさを増している状況にございますが、このような中での本市の平成10年度の
財政収支見込みにつきましては、景気低迷による減収の補てん措置がまだ不確定の状況にあることなどから、はっきりとしたことは申し上げられないような状況にございます。
そこで、あくまでも現時点での見込みでございますが、市税につきましては、個人市民税で追加の特別減税などにより、現在提案申し上げている12月補正予算後に対し4億 5,000万円程度の減収、法人市民税では景気低迷の影響により同じく6億 6,000万円程度の減収となる見込みでございます。固定資産税や市たばこ税などを含めた市税全体でも10億 3,000万円程度の減収となる見込みであります。このほか、
利子割交付金、
自動車取得税交付金などが減収となる見込みであります。
一方、地方譲与税は堅調に推移しているほか、
普通地方交付税では
基準財政需要額における経済対策分の
需要額算入措置や単位費用等の改正により、12月補正予算後に対し約5億 4,000万円の増収となっております。また、特別減税の補てん措置として
減税補てん債を約5億円増発できる見込みとなっております。なお、本
年度通年ベースとなった
地方消費税交付金や
減収補てん債の措置が定まっていないこと等の不確定要素がございます。
このような厳しい状況下にありますため、市税等の収入確保を図るほか、経費の節減をより一層進めるなどして適切な財政運営に努めていきたいと考えております。
次は、平成11年度の
予算編成方針はどうかということについてでございます。
平成11年度の予算編成の基本的な考え方につきましては、11月5日に方向を定め、翌6日に各部局に通知いたしております。
現下の地方財政は極めて厳しい状況にありますが、本市の財政も平成11年度は長引く景気停滞や特別減税、恒久減税の実施により市税等の一般財源が大幅に落ち込むことが懸念される状況にあることに加え、扶助費、公債費等の義務的経費の増高が見込まれ、これまで以上に厳しい財政運営を余儀なくされると思われます。
このため行財政改革を引き続き推進するとともに、施策事業の厳正な見直し、選択を図ることはもとより、従来より一段と徹底した経費の節減合理化と限られた財源の重点的な配分に努めるなど、今日の厳しい状況に対応した行財政運営を推進していく考えでございます。
以上のような考え方に立ちまして、平成11年度予算の基本的考え方を定めておるのであります。
この中で、予算要求枠につきましては、既に御案内のとおり一般財源ベースで昨年度の原則10%削減から原則15%削減に、投資的経費についても昨年度は補助事業については7%の削減としたが、単独補助とも10%削減としたほか──昨年度と申しますのは、今年度予算についての昨年出しましたときの方針でございますけれども、この単独補助とも10%削減としたほか、総合計画第7次事業計画に掲げるものでありましても、重要かつ緊急やむを得ないもの以外は削減の対象としたところでございます。
次は、私をはじめ管理職の給与カットは財政の改善にどれほどの効果があるのかという点についてでございます。
本市は、高岡市行財政改革大綱に基づき、これまで事務事業及びその執行方法の見直し、職員定数、人事管理、給与の適正化などを行ってまいりました。中でも職員定数の適正化につきましては、平成10年度初までに 600人程度の減員を行うという長期目標を達成したところであります。しかしながら、高岡市の人件費比率は依然として県内9市の中で最高であり、全国の都市や類似都市の中では高い方に属しております。また、先ほども申し上げましたように、長引く景気の低迷に伴う税収の減少、公債費等の義務的経費の増加によりまして、財政状況は一段と厳しさを増しております。こうした状況から、本市は引き続き行財政改革を継続、推進していかなければならないものと考えております。
一方、民間企業におきましては、極めて厳しい経済環境のもとで、給料・賞与の抑制、削減や徹底した経営合理化など、懸命の経営努力が現在進められております。
以上の状況にかんがみまして、高岡市として今後行財政改革を一層推進するに先立ちまして、私などの幹部職員の給与等を減額しようとするものでございまして、その額は 1,270万円程度の減額となりますが、議員各位の御理解を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
次は、景気対策の名目で余り波及効果のない公共事業を受け入れているのではないか、大型事業について思い切った対応をすべきではないかという御指摘、御質問を賜ったわけでございます。
我が国経済は依然として低迷状況にございまして、国におきましては先般、景気を一両年のうちに回復軌道に乗せるため、過去最大規模の緊急経済対策を決定し、景気回復に向けた諸施策が打ち出されたのでございます。私といたしましても、このような措置が効果を上げ、我が国経済が深刻な状況から全国的に一日も早く脱却することを強く願っているのでございます。
本市といたしましては、これまで国の数次の景気対策に伴う財政措置等を踏まえまして、できる限りその対応に努めてきたところでございますが、その中においてもどうしても急がなければならない事業や市民生活の向上に大きく資するものなど、事業の緊急度、優先度などを勘案してきたつもりでございます。
総合計画第7次事業計画につきましては、本市を取り巻く財政状況が極めて厳しく、また、これがこれからもそういう状況が続いていくと予想されますことから、従来にも増しまして各種施策・事業の優先度、緊急度、投資効果等について厳しい選択を行うことによって、限られた財源の計画的、重点的な配分に努めていくこととしております。したがいまして、第7次事業計画に掲げているものでありましても、計画の進度調整等を行うものもあり得ると考えております。
それから、本市の有する資産総額は推定どれぐらいか。また、市債残高と対比して債務超過になっていないかとのお尋ねがあったのでございます。
先ほど御紹介ございましたように、最近幾つかの
地方公共団体におきまして、市民に、あるいは県民に財政状況をわかりやすく知らせるための一つとして企業会計的処理を行うことが試みられておりまして、関係者の関心も高まっているところでございます。この試みは、昨今の行政改革への住民要請に対して
地方公共団体が企業会計的な見方に照らして自身を評価しようというものでございまして、支出の大きさを対効果で見ることの重要性を再認識しようとするものでございます。
しかしながら、このような取り組みにおいて課題となっておりますのは、財務評価におきますところの客観的な数値化において、特に社会資本整備である公共土木施設等を会計上資産として取り扱うことに関してのものでございます。例えば、土木・河川等の事業費は、支出のみが計上されておりますけれども、本市でもこれまでこれらの公共事業の実施により道路・河川をはじめ下水道とか公園整備など、社会資本の整備充実に要した投資額は大きな比重を占めておりまして、これらの資産は膨大かつ多様なため、直ちにその資産額を求めることは難しい面があると言わざるを得ないのでございます。
したがいまして、これら以外の建物や土地については算出が比較的可能、容易でありましても、全体の総資産額ということになりますと、既に取り組んでいる団体におきましても公共土木施設の取り扱いについていまだ検討中であり、正確に把握することはなかなか難しいと認識しているようでございます。今後、他の
地方公共団体の取り組み状況などにつきまして調査研究してまいりたいと思っておりますので、この点で御理解を賜りたいと思います。
次に、交付税措置がなされた段階でなぜ繰上償還ができないのか。また市債残高が急増したのは地方自治体にも責任があるのではないかというお尋ねについてでございます。
地方債の元利償還につきまして交付税措置のあるもののうち、
地域総合整備事業債、いわゆる地総債につきましては、それぞれの自治体の財政力に応じて元利償還金の一定割合が措置されることとなっておりまして、本市の場合、平成9年度におきましては40.2%となっております。また、地方財政対策上の不足額に対応して発行された財源対策債につきましては、100 %が
基準財政需要額に算入されております。
具体的には、毎年、当該年度の元利償還額等を基礎として算入されるものでございまして、平成9年度では
地域総合整備事業債等については約18億 1,100万円、財源対策債等につきましては約4億 4,800万円、合計約22億 6,000万円が交付税の
基準財政需要額として措置され、平成9年度の公債費に充当する一般財源の一部となっているのでございます。したがいまして、制度的には交付税措置分が直ちに繰上償還の財源となるものではないのでございます。
市債の残高が増加してきたことにつきましては、これまで今日的な市民ニーズの高い施設や本市において不足している施設の建設に取り組んできたことに加え、国の景気対策に呼応して公共事業や単独事業を実施してきたことによるものでございまして、これが累増傾向にあることは十分に認識いたしております。このため、本市の市債の発行額につきましては、平成9年度当初予算では対前年度比15.6%の減、平成10年度当初予算では対前年度比28.9%の減というふうに抑制してきたところでございまして、また、繰上償還や低利への条件変更等を行いまして、公債費の縮減に努めているところでございます。
第2に、総合斎場につきまして方針転換後の候補地の選定作業の状況などについての御質問をいただきました。
総合斎場につきましては、できるだけ早く一定の方向を打ち出せるよう、現在、技術面や環境面など幅広い視点に立って調査検討作業を進める中で、候補地を絞り込んで慎重に地元の状況把握に努めている状態でございます。
私といたしましては、過去の教訓を十分に生かしながら、新しい候補地を決定するための調査検討を進めるに当たって、特に留意しなければならないことは、これまで長年にわたり多難な取り組み経過を重ねてきた懸案事業であるだけに、総合斎場を受け入れていただける地域において、地元に斎場施設を立地することに関して、当該住民の皆様の温かい御理解と御同意を円滑に得られるかどうかが最も重要な要素であると考えております。
私は、住民の皆様方に対しては、最大の誠意と努力を尽くして施設の受け入れをお願いしてまいることは申し上げるまでもございませんが、施設の受け入れ要請に当たりましては、単に斎場の立地のみをお願いしようというものではなく、当該地域全体の発展に積極的に取り組んでまいる考えでございます。このため地元の御意向も十分承りながら、当該地域の生活環境の整備をはじめ、将来にわたるその地域の地元の振興、発展に必要な整備構想などもお示し申し上げる中で、施設の受け入れに対する地元の御理解と御同意が得られるよう努力していきたいと考えております。
また、市役所内部での取り組み体制につきましては、議員御指摘のように、全庁的な取り組みが当然必要となります大事業でございますので、事態の推進状況を見ながら的確な連携が図られるよう対処してまいりたいと思っております。市議会の皆様には引き続き温かい御理解と一層の御支援、御指導をお願い申し上げる次第でございます。
第3の御質問は、高岡駅前整備と中央駐車場についてのものでございました。
まず、
フル規格新幹線をあきらめ、
スーパー特急による併設駅建設に割り切るべきではないかという点についてでございます。
北陸新幹線につきましては、高岡市としては、これが多極分散型国土を形成する高速交通体系として不可欠なものであり、また大震災等の災害時における東海道新幹線の代替ルートとして重要な位置を占めていることから、整備計画どおり全線フル規格で早期に整備されることが必要であると考えております。
この北陸新幹線の整備につきましては、石動-金沢間は平成4年から、糸魚川-魚津間は平成5年から新幹線規格新線、いわゆる
スーパー特急方式での暫定整備が進められており、また高崎-長野間のフル規格での開通後、平成10年3月から長野-上越間がフル規格での整備に新規着工したところでございます。新規着工区間の開通までにはかなりの年月を要すると見込まれていることなどから、当分の間
スーパー特急による運行が行われるのではないかと言われている状況でございます。
新幹線高岡駅の問題については、諸般の要素を十分考慮しながら、かつ高岡市並びに周辺都市の将来にとって最善と思われる方策がとられるよう真剣に対処してまいりたいと考えておりますが、新幹線の暫定整備計画では、当面
スーパー特急方式によって現高岡駅に乗り入れることになっていることから、現駅を中心とする中心市街地の整備を急ぎたいと考えております。
次は、いわゆる
南北一体化構想の結論はいつごろをめどに出すのかという点についてでございます。
JR北陸線を挟む南北地区におきましては、それぞれの地区にふさわしい都市整備を図るとともに、両地区の都市機能を有機的に連携させ、両地区の均衡ある発展を促進するため、南北の一体化を推進する必要があると考えております。
南北一体化につきましては、御案内のとおり、これまで鉄道の連続立体交差化、道路の単独立体交差化、それから橋上駅と一体となった南北自由通路設置の3つの方式につきまして、それぞれの可能性、利害得失などを検討してきたところでございます。
鉄道の連続立体交差化につきましては、交通安全面の向上、都市交通体系の強化、中心市街地の大幅な都市改造などにより市街地の再生、活性化が図られるなど、都市に与える影響が極めて大きいと考えておりますが、一方で貨物・機関区の移設、統合など鉄道施設の大幅な合理化、膨大な事業費と長期間にわたる工期、沿線市街地の再整備などを要するという課題がございます。
また、道路の単独立体交差化案については、西下関川原線を南側へ延伸するルートと構造上の問題や市街地再整備などの課題があります。
橋上駅案についても、既存鉄道施設の抜本的な改善やステーションビルの再整備等の課題がございます。
現在、南北一体化方策につきまして、他都市の事例研究や、橋上駅化の場合のこれまで検討していない駅周辺地区の整備の仕方など幾つかの補足調査を実施しているところでございます。
南北一体化の方策につきましては、事業費規模や関連する諸問題、鉄道事業者の意向、市議会をはじめ関係方面との幅広い意見を踏まえまして、てきるだけ早く方向性を出していきたいと思っております。
次は、先般本市で行われました「
公共交通活性化フォーラム」の提言と大型駐車場の設置とは矛盾するのではないかとの御指摘、御質問にお答え申し上げます。
このフォーラムの場には、私、所用ございまして出れませんでしたけれども、翌日、伊能先生自身にお会いし、また後ほどフォーラムの講演録を拝見いたしまして、先生の御指摘、提言の中にはなるほどということで感銘を受けたこと、参考になったことがたくさんあったように思っております。
さて、本市全体の活性化や一層の発展を図るためには、本市中心市街地におきまして商業・業務、サービス、文化などの各種の都市機能の充実強化を図りまして、富山県西部地域の発展を牽引する役割を果たせるようにすることが必要でございます。そのためには、今後中心市街地や駅周辺地域において再開発事業などによる魅力的な核施設の整備や個々の商店、商店街組合などの努力による魅力ある商店・サービス街の形成を進めるとともに、市域内はもとより周辺市町村から本市中心市街地へのアクセス性の向上を図ることにより、来街者、要するに本市の中心部等々へいらっしゃる方の来街者の増加を図る必要がございます。
また、本市中心部におきます駐車場の整備、中心市街地へのアクセス幹線道路の整備などの交通基盤施設の整備、それとJR線、路線バス、万葉線などの公共交通機関の利用の促進は、ともに本市の中心市街地への来街者の増加をもたらすものであると同時に、各種の施策、努力によって増加した来街者のさまざまな交通ニーズを満たすものでございます。高岡中央駐車場は、駅前という立地特性を生かした多種多様な駐車需要や高岡駅周辺の将来のまちづくりも念頭に置いた駐車需要に十分対応できるよう、中心市街地の活性化に資する駐車場として位置づけております。公共交通機関と相まって来街者の増加をもたらすとともに、各種の交通ニーズに対応するものであると考えております。
また、中央駐車場の整備は、パーク・アンド・ライドといった形で、JR線利用者に対する利便性の向上が図られることや、路上駐車の解消によって路線バス、万葉線の円滑な道路交通が確保されることから、公共交通機関側に資する面もあると考えております。
このようにして、本市で構想しておりますところの中央駐車場というものと、これからの公共交通の活性化ということについては矛盾をするものではない。両者が相補って、相あわさって本市の中心部等々への来街者の増加をもたらし、ひいては高岡市の活性化、発展をもたらすものではないかと、このように考えている次第でございます。
次は、中央駐車場の着工の時期についてのお尋ねについてお答え申し上げます。
中央駐車場は、今ほどもお答えいたしましたような位置づけをしておりますが、交通動態から見たこれからの高岡駅周辺の駐車需要と、駅前再開発等に伴う駐車需要の双方のニーズを見込んで計画しているものでございます。