資料配付のみ
農林水産企画課
・令和6年度
能登半島地震に係る
農林水産関係の被害
状況について
農村整備課
・氷見市の
農業用水路の復旧状況について
森林政策課(
森林整備担当)
・「とやま森の祭典2024」の開催結果について
水産漁港課(
水産担当)
・富山湾の漁獲状況について
建設技術企画課
・令和6年
能登半島地震による
公共土木施設の被害状
況について
道路課
・
県道安居福野線川崎橋の開通について
河川課
・出水期に向けたダム等に係る新たな取組みについて
(4) 質疑・応答
川島委員
・
空き家対策について
・
建築確認申請の緩和について
・
市街化調整区域の
開発行為緩和について
山崎委員
・
水素エネルギーの活用について
中川委員
・災害時における県の
技術職員について
・米の
高温対策について
鍋嶋委員
・
農林水産物等の輸出について
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安達委員長 報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。
質疑・質問はありませんか。
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川島委員 よろしくお願いいたします。私から大きく3問、質問させていただきたいと思いますが、加速度的な
高齢化社会、本当にどんどん高齢者の方が増えて、健康な高齢者の方が多いこと自体はいいことでありますけれども、それに伴って
地域社会のありようが、今までと同じような対応では、なかなかままならないという現状が押し寄せております。
そういった中で、今、特に深刻な空き家が年々増えておりまして、私の地元の福岡町でも旧
中心市街地においては、もう相続人もおらず、空き家の屋根が落ちるものだから、かれこれ3年市道をバリケードで封鎖しているというような状況のところが増えてきております。また、空き家にイタチやハクビシンなどの害獣が住みついて、ふん害などいろんな社会問題を引き起こしている現状でありまして、その状況がどんどん悪化していると捉えております。
そういう意味では、市町村、自治体が予算のない中頑張って、特に高岡は3年間、
固定資産税を市で面倒を見て、何とか空き家を解体して土地を売ってよとか、いろんな施策も出てきておるところでありますが、いよいよ県としても、こういった
空き家対策に市町村だけではなくて主体的に取り組んでいこうということもあってか、今回、「
富山型ウェルビーイング住宅(仮称)」が打ち出されました。
これは
空き家対策だけではなくて、耐震化を進めること、そして高気密、高断熱の住居を増やすことで、ヒートショックを減らそうとか、複合的な目的があって
ウェルビーイング住宅ということを掲げておるんだろうと捉えておりますが、私の中では新田県政の中で
ウェルビーイング施策、なかなかつかみどころがないところでありますけれども、ようやく施策を形にしていこうということが、この委員会からといいましょうか、
大西課長のところから目に見える形で出てきたのかなと捉えております。また、室井滋さんが制作された
ウェルビーイングを題材にした絵本なども出てきたのかなと思うわけであります。
ウェルビーイング住宅施策は的を射た施策だと高く評価するところでありますが、私もいろいろと工務店や
空き家所有者の話も聞きながら、ただでも何とか誰かこの空き家を持ってくれんかという声がどんどん増える中で、工務店としてはリスクを伴いますけれども、新しい
リノベーション住宅として、特に若い世帯、例えば大都市からの移住・定住につながる若い方々が、
富山型ウェルビーイング住宅に興味を示して、
新築住宅よりある程度安価で土地も購入できるという、非常に理にかなった、これからしっかりと全庁的に進めていくべき施策なのかなと思っております。私も工務店に意見を聞きながら、こういう施策があるからちょっとエントリーしてよということで、今、お声かけさせていただいているところであります。
委員長、資料の配付をお願いしたいと思います。
4
安達委員長 許可します。
〔
資料配付〕
5
川島委員 空き家対策については
民間事業者もやっぱり頭を悩ませておりまして、何とか空き家をリニューアルしてこういうふうにしたら次の活用が図られるのではないかということで、いろんな分野、いろんな切り口から取組が進められております。
配付させていただいた資料は、今月8日付でしたかね、
北日本新聞の記事でありますけれども、高岡市で
伝統工芸品や
伝統産業の技を、
インテリアとか住居の装飾材として取り入れていると。例えば高岡銅器「
オリイブルー」さんのブルーのパネルがあったりですとか、私の地元、菅笠もいろいろ進化を重ねておりまして、
インテリア装飾材にもなっております。
ランプシェードのかさであったり、壁材にスゲを使って夏場は涼しく虫が寄らないと、こういうことをいろいろ試行錯誤しながら
伝統産業を未来につなげていこうと頑張っておるわけですけれども、例えば
ウェルビーイング住宅施策を進めていく際に、こういった富山県ならではの
伝統工芸の分野から、装飾材みたいなものも組み合わせて、さらに消費者がこれいいなと、おしゃれで住んでみたいなと若い人たちが思えるような施策に昇華することができないかと考えます。
全国でどこの自治体もいろいろ頭を悩ませながら
空き家対策をしている中において、本県も
ウェルビーイング施策のように部局を横断した施策を掲げるにあたっては、こういう良い施策が
建築分野から出てきておりますので、各部局連携して、若い人たちが興味を持つような
リノベーション住宅、ゼロ
カーボン住宅ですかね、いろんな複合的な要素を捉えながら、富山県オリジナルの
住宅施策に昇華していただきたいなと思うわけです。
そういうことを踏まえて、県内の
空き家住宅、空き家の現状について、まずどのように捉えておられるのか。そして今お話ししてきたとおり、さらに施策にインセンティブをつけるためにも、各部局の施策を集約してやっていくことについて、また、
ウェルビーイング住宅施策における今後の取組方針など、
米澤課長にお伺いしたいと思います。
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米澤建築住宅課課長 まず空き家につきましては、4月に発表されました総務省の令和5年住宅・
土地統計調査の概数集計によりますと、県内の空き家の軒数は6万9,700戸でございまして、
空き家率は14.7%となっております。平成30年の前回調査から9,700戸、1.4ポイントの増加となっておりまして、今後も
人口減少の進行等により増加が懸念されますため、
空き家対策をさらに進めることが重要であると認識しております。
このため県では、これまで取り組んできた空き家の
有効活用とモデルとなる改修への支援に加えまして、今年度新たに、まちなかの
空き家解消や
高性能リノベーション住宅の
流通促進等に資する空き家の断熱改修に対し、最大200万円の支援を行うこととしました。
また、5月に開催しました第2回「
富山型ウェルビーイング住宅(仮称)」
検討委員会では、健康や富山らしさを
コンセプトとするイメージや、新築及び
既存住宅の
性能水準の素案を提示したところです。
既存住宅の
断熱性能や
耐震性能を高め、快適で低コストな生活を広く知ってもらうことで、空き家の利活用にもつながることを期待しております。
県ではこうした施策を通じ、市町村とも連携して
空き家対策に取り組んでまいりたいと考えております。また、御提案のありました
伝統工芸の
住居装飾材への活用などは、
富山型ウェルビーイング住宅の
コンセプトである富山らしさといったところを表すものと考えられます。「
富山型ウェルビーイング住宅(仮称)」が、今、委員から御提案がありました若者の移住・定住にもつながるような魅力的なものとなるように、引き続き検討してまいりたいと考えております。
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川島委員 ありがとうございます。非常に前向きな答弁をいただいたと思っておりますが、やっぱりせっかくやるんですから、特に
人口減少対策でもしっかり
対策本部もつくってやっていこうという中でありますので、都会から若い方々が注目して、自然豊かな富山県で、耐震化もされて、高気密で最新鋭で、かつ中古だけど安価で、やっぱりここへ移り住みたいなと思えるような
住宅施策にしていただきたいと思います。そのためにはいろんな部局から知恵をお借りして、
伝統産業分野もそうでありましょうし、
地域おこし協力隊員も、今、全国、都会から呼ぼうという中にありますので、そこで
シェアハウスとしての活用もいかがかなと。2,000万円ぐらいなのかなと思いますので、一度県でモデル的に購入してもいいんじゃないかと、そういった思い切った取組も期待するところであります。ぜひ頑張っていただきたいなと、我々もまたPRに尽力したいと思いますので、よろしくお願いします。
続いて2問目ですが、これもやっぱり高齢化に伴って大きな問題として、私もよく冬場、耳にするお話でありますが、
カーポートというのは車庫でありますので、当然、
建築構造物ということで家の敷地の中に建てるときには
建築確認申請をして、しっかりとルール、法律に沿って進めていかなければなりません。しかし、御存じのとおり、雪国である富山県においては、年々降雪のありようも激甚化している中で、今ではデイサービスの送迎などの車寄せとして家の戸口に車が乗り入れる機会が多くなってきておりますが、お年寄りが雪で玄関から出られないという状況が増えてきて、私も
カーポートを建てたいんだけれども、建蔽率で建てられないと、こういう声が寄せられることが本当に増えてきたなと思っております。
昭和25年に制定された
建築基準法が、どこまで今の時代に沿っているのかということも感じるわけでありますけれども、特に本県における
アルミカーポートの設置については、法律は当然守らなければならないですが、福祉の面からも家に
カーポートを建てられるように、何か弾力的な運用とか、何かしら知恵を絞っていく必要があるのかなと考えております。
積雪が多い本県において、
規制緩和の必要性があると考えるわけでありますが、今ほどの話も踏まえて、県での
建築確認申請緩和の取組について、
大西課長にお伺いしたいと思います。
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大西建築住宅課長 まず、
建築確認申請ですけれども、
建築基準法に基づきまして防火や構造、避難など建築物としての安全性の確保、また、建蔽率や容積率、高さの制限など良好な
まちづくりのための基準への適合など、建築物に係る最低限の基準に適合しているかどうかを確認しております。
アルミカーポートにつきましても、一定の面積を超える場合については
建築確認申請が必要とされております。
県ではこれまでも
建築面積の算定の
緩和措置や
申請書類の見本、その他、
留意事項などをホームページに掲載しておりまして、分かりやすい説明に努めるとともに、業界からの要望を受けましてパトロールを行い、適正な申請や施工が行われるよう指導に努めてきているところでございます。
その一方で、狭い敷地にお住まいの方が、雪対策や、高齢者などを対象とした
介護者送迎用車両の
駐車スペースとして
アルミカーポートを建てる場合、建蔽率の問題で建てられないなどの事例があるということは、承知しております。
こうした中、今、委員御提案の
アルミ製カーポートの
建築確認の
申請緩和につきましては、
建築基準法や
関係告示の改正による
建築面積の算定方法の緩和で対応すべき事項となりますので、現時点ではかなり困難と考えております。
ただ、県としましては、例えば
カーポートを活用した介護者の
送迎用車両の
駐車スペースなどについて、どのような運用が可能なのか、まず近県の
建築担当課などからの
情報収集にも努めてまいりたいと考えております。
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川島委員 ありがとうございます。東北はどうなっているのかとか、北陸でも石川、福井、どんな知恵を絞って、どんな運用を図っておるのかぜひ調査いただいて、やっぱり年々こういった声が増えているということも受け止めていただくとともに、特に富山県はアルミの県でありまして、
アルミ産業の民業圧迫にもつながらないように、何とかお困りの方を助けられるような施策も構築していただきたいなと思います。ぜひ要望として受け止めていただくよう、よろしくお願いします。
それでは3点目でありますが、これも空き家でありますけれども、
中心市街地だけではなくて郊外でも空き家が散見、発生しております。特に郊外の空き家というのはちょっと屋敷林があったりして、一戸建ての敷地が大きいところが空き家になって、いろんな問題が発生していると。先ほどちょっと触れました害獣など、いろんな問題が発生しておるところであります。
そういった中で宅建協会さんからも、
市街化調整区域という土地の規定があるわけだけれども、そこでの空き家の
開発行為がなかなか手をつけられないものだから当然売買も進まない。そういった空き家が放置されて、
地域社会に様々な問題を生じておるということで、毎年要望を受けているところであります。
このような
市街化調整区域内の空き家を活用した非
住居型民泊施設や古民家の
リノベーションモデルがいろいろ出てきておりますけれども、そうした
開発行為が、ある程度しやすくなるような取組が求められると思うわけであります。これからますます
人口減少が進んでいくさなか、過疎の防止に資するためにも、新たな
開発行為の対象として、
市街化調整区域内であっても、こういった空き家の
リノベーションがしやすくなるような取組を進めていくべきではなかろうかなと思うわけですけれども、
大西課長の見解をお願いいたします。
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大西建築住宅課長 都市計画法の規定によりまして、
市街化調整区域においては開発が限定されております。既存の建築物の
用途変更の場合も、原則として許可を要するものとされております。
その一方で
市街化調整区域におきましては、近年、空き家の発生や
集落コミュニティーの維持が困難となるような課題が生じてきておりまして、これらの課題に対応して平成28年に改正されました国の指針では、既存の建築物を
観光振興のために必要な宿泊、飲食等の提供に供する施設や、
既存集落の維持のために必要な
賃貸住宅等の用途に活用する場合は、弾力的な運用が可能とされております。
また、昨年度改正されました
空家等対策の推進に関する
特別措置法──
空家特措法といっておりますけれども、この一部改正によりまして、市町村が
空家等活用促進区域を
市街化調整区域に創設した場合、
市街化調整区域内の空き家の
用途変更につきましては、
許可権者である
都道府県等が配慮することとされております。
現在、本県の
開発許可の基準では、国から示されている
用途変更許可の
運用弾力化に対応した要件は設けておりません。また、市町村による
空家等活用促進区域が定められていない状況ではありますけれども、
市街化調整区域の建築物を
観光振興や移住・定住のための
賃貸住宅、また、古民家の
リノベーションの
モデル展示場等に
用途変更する場合は、その建物が立地する地域の住民や自治体の意見などを踏まえ、県の
開発審査会で十分議論していくこととなると考えております。
御提案のありました
開発行為の緩和につきましては、他県における取扱いなども踏まえ、
市街化調整区域を有する富山市、高岡市、射水市などとも連携しながら、
開発許可に新たな要件を追加することなどについて、今後とも検討してまいりたいと考えております。
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川島委員 ありがとうございます。
大西課長のところでは、今、新たに
富山型ウェルビーイング住宅施策もしっかり進めていく中にありますので、やっぱり
市街化調整区域でもそういう要望のあるところには、しっかり制度、政策も打ち込めるように、ぜひこういう機会を得て緩和していく方向に取組を強めていただきたいなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
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山崎委員 よろしくお願いします。先日、
県東部地域産業活性化議員協議会で、県東部の議員さん方と一緒に福井県の
美浜発電所を見学してまいりました。地震や
津波対策のために2,600億円余を投じてこれを維持しておられるということに、大変衝撃を感じたわけであります。
今、
化石燃料が大変高騰しておるわけでありまして、
化石燃料から少しでも依存度を下げて、ゼロ
カーボンに近づけていくという観点からも、我が県でどういった取組ができるだろうかということを考えさせられました。
富山県の大きな特徴の1つとして
水力発電があると思います。特に私は
夜間電力が利用できるのではないかと思ったのですが、今、
夜間電力は非常に需要が増加しているそうで、
夜間電力に頼るということはできないというお話ではございましたけれども、こういう安定的に発生する
自然エネルギーを生かし、
余剰電力で水素を製造することによって
エネルギーを蓄えることができるわけでありまして、
化石燃料などの価格変動の影響から守るといいましょうか、安定化することができると思っております。
県民の大変な関心事でもありますので、
水力発電による
水素製造につきまして、今どのような状態にあって、今後どのような方向性を考えていらっしゃるのか、
牧野企業局長にお伺いいたします。
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牧野企業局長 去る4月に
企業局長を拝命いたしました牧野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、
水素エネルギーの活用についてお答えいたします。
水素は
燃料電池や熱源などに利用する際に二酸化炭素を排出せず、貯蔵や輸送が可能であることから、ゼロ
カーボン社会を実現する
エネルギーとして期待されております。現状、国では「2050年
カーボンニュートラルに伴う
グリーン成長戦略」におきまして、成長が期待できる14の重点分野の1つに位置づけまして、
技術開発支援などを推進しております。
県でも
カーボンニュートラル戦略に基づき、新
世紀産業機構におきまして、意欲ある企業が参加する研究会を立ち上げ、事業化の取組を支援しておりまして、加えて
サプライチェーン構築に向けた
産学官連携などに取り組んでおります。
委員から御紹介ありましたが、電力は需要と供給のバランスを保つことが必要でありまして、全国的には
太陽光発電などの導入拡大に伴い、需要よりも供給力が上回る頻度が増えてきております。こうした
余剰電力を水素などに変換して貯蔵し、供給することができれば、
発電設備の利用率を上げる観点からも有効な手段の1つになり得ると考えております。
ただ一方で、水素の製造、貯蔵や輸送にはコスト面の課題があると認識しております。現在のところ県の
水力発電は、御紹介ありましたように発電した電力を全量供給しておりまして、
余剰電力は発生しておりませんが、今後の
発電設備の効率的な運用や
エネルギーの安定供給という観点から、
水素製造等の
技術開発や県内における
サプライチェーン構築の動向等を注視し、
情報収集に努めてまいります。
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山崎委員 水力発電所、
富山県内にもたくさんありまして、今も
水力発電の可能な場所を探しておられるものと思っておりますけれども、富山県の特徴である強みをぜひとも生かしていただいて、少しでも県民に夢と経済の安定を与えていただけるように、御尽力を賜ればと思っております。
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中川委員 どうも御苦労さまでございます。本当にこの前も地震があったわけでありまして、びっくりしていましたけれども、昨年の
豪雨災害、そしてまた今年の
能登半島地震ということで、復旧・復興において関係の皆さん方には、本当に心から感謝を申し上げたいなと思っています。
いろんな案件もありますが、
土地改良では2,500か所ぐらい、また、
土木関係では市町村のほうを合わせて370か所ぐらいの被害が、昨年の
豪雨災害の後、新しく出てきているわけでございまして、大変な御苦労だなと改めて思っています。
そして、特に氷見のほうでの
土地改良施設では、国営で造った
パイプラインと県営で造った
パイプラインを合わせて140キロ余りについても、国・県・市、
関係土地改良区、
土地改良事業団体連合会、また、コンサルタントなどを含めてチームを組んで、4月の営農に間に合わせるために本当に力添えをいただきまして、4月26日には全ての用水に水が届くようになったと。そしてまた
パイプラインではないところ、1,000キロぐらいあるところを目視で確かめられて、とにかく間に合ったということでございまして、こういうチームをつくって対応されたということは、本当に感謝を申し上げたいと思います。
これから本復旧に向けてまだまだやっていかなければいけないことがたくさんあるわけですので大変だと思いますが、ぜひ皆さん方には頑張っていただきたいと思っています。
こういう災害を見ていますと、平成になりましてから、災害大国と言われるぐらいに、日本中が災害に見舞われているわけでありまして、災害が毎年起きることを想定しながらやっていかなければいけない時代になっているんだろうと思います。
そういうことを含めて、どうやって対応していけばいいかということは本当に頭が痛いわけであります。この前から言っていますが、特に人口が減少する中で、なかなかコンサル、建設業者、あるいは県や市町村においても技術者さんが集まってこない状況で、どういうことができるか考えていかなければいけないということが非常に大切になっています。
働き方改革なども含めて、それぞれの職員、あるいは民間の皆さん方もやっぱり過度な状況にならないよう留意していかなければいけない中で、どういう体制を整えておかなければいけないのかということを常に思っているわけであります。
土木関係で言いますと、市町村で災害があれば要請を受けて、土木センターなどの職員が応援に行くとか、あるいは県全体に及ぶ大きな被害であれば県下全域の職員の皆さん方が集まっていただいて対応すると。それでも駄目なら、県外から応援にきてもらうといったことが当然出てくるわけであります。
また、農業関係で言いますと、農業水路、
土地改良施設は
土地改良区が管理しておりますが、とても
土地改良区職員だけでは手に負えませんので、市町村の職員、また、市町村に頼んでもなかなかそういう対応ができないということで、県の農林振興センターや関係市町村の職員、あるいは関係の
土地改良区などが集まって、応援体制を組んでいかなければいけないわけであります。
社会インフラは、経済活動の一番大事なものでありまして、それを放っておくと当然そういうことができないわけであります。ですから、何をおいても食べることと社会インフラをしっかり守り、維持管理していくことが、これほど大事なときはないんじゃないかなと思うくらいであります。
そんなことを考えると、やっぱり応援体制を常に考えておかなければいけないんじゃないかなと思うわけであります。前から言っておりますが、土木部と農林水産部において、それぞれ応援体制がどのようになっているかをお伺いしたいと思います。
土木関係では石井
建設技術企画課長さんに、そして農林水産部は横山
農林水産企画課長さんに、それぞれ今の現状と明文化されていることを含めて、その対応をお伺いしますのでよろしくお願いします。
16 石井
建設技術企画課長 この4月に
建設技術企画課長を拝命しました石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
甚大な被害が発生しました場合における土木部内の
技術職員の応援体制につきましては、土木部危機管理要領に明文化をいたしておりまして、これに基づき昨年6月から7月の
豪雨災害では立山土木事務所などに3名、
能登半島地震では氷見土木事務所などに10名の職員を応援派遣しております。
一方、県と市町村の間では相互応援に関する協定などは結んでおらず、市町村への職員派遣を明文化したものはございませんけれども、平成20年に発生しました富山県沿岸の寄り回り波被害では、入善町からの応援要請によりまして県から職員を派遣するなど、これまでにも市町村からの要請により応援をしてきておるところでございます。
しかしながら今回、
能登半島地震のように広域的な災害につきましては、県でも多くの施設が被災をしておりまして、派遣が困難な場合がございます。そういった場合には総務省などを通じまして、他の自治体からの応援をいただけるよう要請するなど、市町村の体制構築を応援してまいりたいと考えております。
17 横山
農林水産企画課長 まず委員のほうから官民の
技術職員の話がございましたが、委員も御承知のとおり、農業水利施設や農地につきましては農林振興センターの指導課が、災害時を含め、本来業務として日頃から市町村や
土地改良区を支援しております。
御質問の災害時の県内の応援体制につきましては、災害の規模や範囲、内容が様々であることから、市町村、
土地改良区も含め明文化はしておらず、現状は実情に応じて臨機応変に対応しております。
具体的には災害があった際に市町村や
土地改良区など関係団体と連携しまして、被害把握に努めた上で市町村からの要望もお聞きして支援しております。
例えば令和5年度の
豪雨災害では富山市や小矢部市、立山町に対し、農林振興センターからの職員派遣などにより、災害査定用資料の作成を支援しております。
また、今回の地震において、委員から御紹介のありました氷見市の
パイプラインは、まさに国や
土地改良区、コンサルなどとチームを組んで調査したほか、現在は本格復旧に向けて市の災害査定が円滑に進むよう、必要な助言を行っております。
今回の地震への対応については、県全体でも検証会議を行うこととしておりますが、農林水産部としても応援体制も含めて全体的に検証を行いまして、課題に対しては改善を随時進めてまいります。
18
中川委員 ありがとうございました。明文化はしていないということなんですが、やっぱり危機管理というか、明文化したものをぜひつくって、それに基づいて速やかに動くことが、私は非常に大事だと思っています。
というのは、災害のあったとき、なかったとき、そしてまた担当者によってあったとき、なかったとき、経験があるかないか、全部違うわけです。災害時に速やかな行動ができるようにするためには、ぜひ明文化したものをつくって、日頃からそういう場合はどうするかということを常に整理しておくということが、非常に大事じゃないのかなと思います。
また、県の職員であれば総合土木職ということで、同じ職種で採用されているわけなので、土木部と農林水産部の職員同士で相互交流するというようなことが大切じゃないのかなと思います。
やれることは全部やって、一体となって動くということが、県民に対して非常に大切なことでありますので、その場になって困るんではなくて、あらゆることを想定し、明文化しておいてもらいたいということでございますので、ぜひよろしくお願いします。
次に、平時から
技術職員が不足しているということは、この前の2月議会でも私はお話ししていたわけであります。いろいろと職員採用を工夫しているということもありますが、先ほども言いましたように、恐らく今の状況でいくと学生がどんどん減っていることもあり、もう現状を維持するだけでも大変なことだと私は思うんです。
国のほうでは、何人か手当てして予備軍を設けるということを決めていますが、この前の答弁を見ていますと、それでもなかなか集まらないというのが現状になっているわけであります。目標はあってもやっぱり現状はなかなか集まってこないということも、ぜひ頭の中に入れておかなければいけないんだと思います。
この前、予算特別委員会の中でも話をしていたんですが、県職員と市町村が一体となった取組をしていきたいと。また、蔵堀副知事から、そういうことについては認識しているけれども、他県の状況を見たりだとか、あるいは国でも動きがあるが、その方法が本当にうまくいくのかをよく見る必要があると。
うまくいくのかなということについては、県と市町村の職員が一緒になって仕事をするということが極めて大事だという観点から、ずっと申し上げてきているわけであります。それぞれの県、あるいは市町村のインフラの整備水準は、幾らか違うと思いますが、県民や市民にとっては、県や市町村がどういうレベルでやっているかは、ほとんど分からないわけでありまして、とにかく車が通れたり、人が歩けたりするということについて、むしろアンバランスがあること自体がおかしいわけであります。それぞれの管理方法、あるいは交通量によって差が出てくるのは仕方ありませんが、本来はやっぱり一緒のレベルで、基本的には同じ考え方、同じ設計基準でやっているわけなので、やはり私はそういうことを含めると県の職員と市の職員が連携じゃなくて、一緒になって仕事をしていくということをぜひやってもらいたいと思っているわけであります。
この前の答弁を聞いておりましても、何かよそごとみたいな感じしか私は受けなかったんですが、私は何回も言いますけれども、人が集まってこない、技術者がいない中で、本当にどうなるかということなんです。だから私は例えば氷見市と氷見土木、あるいは立山町と立山土木とかそういうところからでも、1つのモデルケースとしてやってみることが大事じゃないかと思います。
その中でやっぱり課題というのが当然出てくるわけなので、それをどうするかということをやっていく。この前の答弁を聞いていても、他県の様子や、どういう課題があるかを見てから対応したいと、こんなような答弁しかないんですよ。私はそれでは本当にかけがいのないインフラを守っていくことができないんじゃないかと思っています。
そういうことで、以前にも提案してきたんですが、どういうふうにその後やっているのか、人ごとじゃないのでね、これ。ぜひ今現在そのことがどうなっているのか、土木部から改めて聞いておきたいと思います。
19 石井
建設技術企画課長 社会資本の整備や災害対応に従事する
技術職員の確保は、県内だけではなく全国自治体の共通課題でございます。本県では現在、4土木事務所や農林振興センターなどに職員を6名増員配置いたしまして、平時における技術的助言や合同技術研修会の実施など、市町村と連携体制を構築してきているところでございます。
市町村が管理する道路等のインフラ整備や維持管理のためには、整備計画や点検、補修計画の策定が求められておりまして、担当職員には専門の知識が必要でございますが、各市町村とも技術者の数は減少傾向にあります。
委員から御提案のございました県と市町村が一体となってインフラ整備などの業務を行うことは、有効な手法であると考えております。しかしながら委員からもお話ございましたけれども、課題もあると考えておりまして、例えば自治体ごとの適切な管理水準設定の在り方、また、管理瑕疵が生じた場合の責任分担、さらには何をおいても市町村の意向確認といったものがあると認識しております。
現在、国土交通省では、既存の行政区域にこだわらず、複数の自治体が参画する広域エリアにおいて、道路、河川、下水道などのインフラを群として捉え、効率的、効果的な整備などを目指す地域インフラ群再生戦略マネジメントが提案されておりまして、委員から御提案のありました県と市町村が一緒に取り組むものも含めて、全国で11のモデル地域が設定され、検討が進められておりまして、まずはこの検討成果を注視してまいりたいと考えております。
20
中川委員 それはこの前の副知事の答弁と全く同じようなことを言っているわけなので、私はそれからどんなふうに進めようとしているのかということを伺いたかったんです。だから今、11のモデルがあってその中でどういう状況か見てから、うちの県もやろうかなということしか答えがないんだろうと思いますが、そういうことでは私は駄目だと思うんです。
実際さっき言ったように、今から十何年前は、例えば平時でも土木職員は530億円ぐらいの仕事をやっているわけです。2005年、平成17年には、当初予算で536億円をやっています。そして今現在、2023年の令和5年度で400億円プラス補正を入れて530億円くらいやっているんです。
土木技師がそのときは509人いたんだけれども、今424人で85人も減っている中でやっているわけです。恐らくそういう中で、管理職になった方とかいろんな方がいたら、本当に現場でやっている人数はもっと少ないので、仕事量がこれだけあるのに、よくこなしているなと私は思うんです。さらに災害ですよ。
農地でも同じくらい、2000年には252億円やっていて、今の2023年では133億円プラスして補正が出たので、やっぱり200億円ぐらいやっているわけです。その当時から見れば70人ぐらい減っていて、誰が見たって足りないと思うんです。それぐらいみんな現場で一生懸命やっているんだと思うんです。
職員がなかなか確保できないのは市町村でも一緒なんです。整備水準だとか管理水準だとか、管理責任だとか、いろいろとおっしゃいますけれども、それはどういうことになっても当然ついてくるわけなんです。そういう課題がもう見えているんだから、それはやっぱりモデルをつくってやるべきなんです。なぜやらないのか。これだけ皆さんが苦労して、災害大国だと言われて被災県でもどんどん人が足りなくなって弱っているわけです。これは県だけじゃないんです。市町村の
技術職員もどんどんいなくなってきているわけです。市町村で採用してもなかなか長続きしないとか、あるいは県のほうに行ってしまうとか、そういうことが現実、起きているわけです。これは首長さんからもそう言われているわけです。県だけじゃないんだと、市町村はもっとひどいんだと言われているわけです。
だから私は県の状況だけでそんなことを考えとったらとんでもないことなので、ぜひ、県が旗振り役としてどこかの場所をモデル地域に決めて、そういう課題がクリアできることなのか、できないのか検討して、できなかったらできるようにしていかなければ駄目なんです。土木事務所でその辺をどうしていくんだということを本当に考えてくださいよ。
今、何となくやっているからいいということではなくて、将来、10年、20年、本当に職員は増えません。本当にこれは真剣に考えないと駄目ですよ。人が足りないから、復旧もできない、工事もできない。私はむしろ県と市とコンサルタントが一緒になって仕事をするぐらいのことをやっていかないと、とてもじゃないけどできないと思うんです。
だから国土交通省の河川国道事務所は、既に民間のコンサルを入れて、積算業務とか設計業務をやっている時代なんです。これまでのやり方をいつまでもかたくなにやっていると、富山県がもうずたずたになりますよ。ずたずたに。その思い、その決意、そういう感覚がなかったら、富山県というのは本当に足元をすくわれる。今もう始まっています。いや本当、情けないと思う。今そんな感覚では。土木部長、土木事務所について、ちょっと答えられますか。
21
金谷土木部長 ありがとうございます。今の現状をまず認識しろというようなお話であったのではないかなと思っております。
技術職員が厳しい状況にあるというのはおっしゃられるとおりでありますし、市町村も含めてそうだというのも、まさにそのとおりだと思っております。
そのような中で少しでも効率的に仕事をしていくということで、DXというような話ももちろんあります。ただ一方で、人口は必ず減っていってしまう現状にあるということも、私たちも認識しなければなりませんし、その中でどうやってインフラを守っていくのかというのは、本当に真剣に考えていく必要があろうかと思います。
どんな方々とタッグを組んでやっていけばいいのか、あるいはやらなければならないのかということを真剣に考えなければならない、そんな岐路にまさに立っているんだと思っております。
そんな中で石井
建設技術企画課長が話してくれました群のマネジメントについて、国のほうで今まさに検討が進んでいます。具体的に、計画をどういうふうにつくっていくかということ、それから実施する際にいろんな課題があるでしょうと、具体的には業界のお話もあるかもしれません。実際に発注する際にどんなまとめ方でするかということも、国のほうで検討されております。そうした観点で私たちも考えていかなければならないんだなという、そういう意味では旗印を国のほうは示してくれているんだとも思っております。
先人の、あるいは先輩方のやっていらっしゃるところも参考にしながら、私たち自らが少しずつでも前に向いて進んでいかなければならないと思っておりますので、また御指導よろしくお願いいたします。
22
中川委員 やっぱり取り組まなきゃ駄目です。取り組まなきゃ。待っていては駄目です。本当に現実にそうなってきているんです。
要するに国がやっているのを見ているんじゃなくて、県がやってみて国にこういうところが駄目だからこの制度を改革してくれ、直してくれということを言っていかないと駄目なんです。
そういうことを思っているというか、現実に本当に直面しているわけです。ぜひそういうプロジェクトでも何でもいいから、やってください。
サンドボックス予算でも何でもいいからそれを使って、ぜひやってください。お願いします。私も何回も言っているけれども、全然動いていないです。上の空になっている。とんでもないことです。これからぜひやってください。
次に、先ほど川島さんから
開発行為の関係で
市街化調整区域の話がありましたが、
市街化調整区域というふうに一くくりにされるけれども、農林水産部にも関係あるので、これも前も言っていたんだけれども、やっぱり農村集落に人がいなくなってきているんです。農村集落に人がいなくなるということは、コミュニティーももちろんでありますが、そこのインフラとか、あるいは集落機能、祭りなども、ソフト的なことでありますが、機能しなくなってきているんです。
皆さんの中に
市街化調整区域のそういう集落に住んでいる方もおられると思いますが、見渡してみてください。年寄りしかいなくなってきているんです。実際、小学生や子供がいないんです。なぜそうなったとお思いですか。人が増えたら、みんな市街化区域の中に住んでくださいという政策がずっと今まで続いていたんです。それが現実なんです。
ですから農家の分家しか住むことができなかったんですが、分家するぐらいならまちの中に行けということで、みんな行ってしまったんです。そうしたら残されたのは年寄りだけです。そうして1人亡くなり、2人亡くなって空き家になってしまうと、こういう現状があるということなんです。
ですから、国による
開発行為の緩和とか何とかいうけれども、私はこの前も予算特別委員会で言っていたんですが、動向を見てということじゃなくて、本当に今、集落は弱っているんです。だから空き家をどうするかとか、空き家を壊して誰かに住んでもらうとか、
観光振興のためだとかいろんなことをおっしゃっていますが、そこに住む人がいなくなったら本当にその集落機能は終わりなんです。
農業も、どんどん担い手が減少して、農村集落といえど農業をやっている人たちがほとんどいなくなってサラリーマンばかりなんです。そういうところにちゃんと着目して、人が住めるようなことをやってくださいという声が、悲鳴のように上がってきているわけです。
これは宅建業者が聞いて、そう言っているわけで。何も商売をしたくてやっているんじゃなくて、まさしくそういうところが非常に困っているということなんです。
ですから
開発行為ができるように検討していくというような課長の答弁もありましたが、答弁はそれでいいのか分かりませんけれども、他県の状況を見るとかそういうことじゃなくて、富山県の集落が弱っている、
市街化調整区域の集落が弱っている中で、そのためにどうするかということをぜひ前向きに考えて、意見を聞くより、もう分かっているわけですから、こうしましょうということを言えば、みんな元気が出て、じゃ、やりましょうかとこうなるんです。
だから空き家をほかの人たちに展示したり、移住してくれる若い人たちを呼び込んだり、あるいは広い敷地があれば、2軒や3軒ぐらいにしてもいいじゃないかと思いますし、そういうことをやっぱりやっていかないと駄目なんです。ただ観光のためにお店を造ったりするだけでは、集落機能というのは維持できないんです。そういう観点から私は、検討していくというのではなくて、もっと積極的にこうしていかんまいかということを、国も認めているわけですから県のほうから呼びかけてほしいなと思っています。
大西建築住宅課長のほうは、これまでも液状化などで大変なことになっていることは分かっていますけれども、やっぱりそういうことを両部で検討して、チームをつくって、おい、何かせんまいかということをぜひやってほしいんです。
農地転用の話も、もちろん優良農地を守らなければならないということでありますが、集落内に変な土地がたくさんあり、そういうところを人が住んでもらえるようにしていかなければならない時代になっとるんです。そういう観点から、もちろん検討するのはいいんですけれども、早く対応を決めて、こういうふうにやりましょうということをぜひしていっていただきたいと思います。
これは土木部長と農林水産部長が共管しておりますので、ぜひ一緒に会議でも立ち上げてやってもらいたいと思います。土木部長、本当にそういう気持ちで、気持ちというより、そうやってください。何か一言言ってください。
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金谷土木部長 ありがとうございます。既存の集落あるいは既存の家屋で、空き家となったものをさらに使っていくというのがすごく大事なことで、物すごい危機感があることだというご指摘をいただきました。
2回目、3回目の転用というのは、どういいますか、仮に転用をしていくというやり方があったとして、歯止めをかけていかなければならない部分はあるんだと思っております。
ですけれども、空き家をそのまま放置していくと
集落コミュニティーの危機になるとおっしゃられることは十分理解しておりますので、
空き家対策が少しでもそのようなことにプラスになるよう努めていければと思いますし、先ほど
大西課長からもありましたけれども、新たな要件を追加することなどを検討していくことで、前向きに考えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
24
中川委員 とにかくしっかりやっていただきたいと思います。
ちょっと熱くなりましたので冷たい水の話をしたいと思いますが、米の
高温対策について、本当に今、高温に強いということでは、データから見てもやっぱりコシヒカリから富富富への切替えをしたほうがいいんじゃないかということで、令和10年度には富富富とコシヒカリの栽培面積が同程度になる姿を目指して取り組んでおられるということも聞いています。
そうした中で、やっぱり冷たい水というのは、非常に必要じゃないのかなと思います。昔、富山県ではむしろ冷水障害があるということで、冷水を避ける栽培指導をずっとやってきた経過があるんですが、今はこれだけ暑さが続くとそういうこともかなり影響して、一等米比率が落ちているんじゃないかと思うわけであります。やっぱり冷たい水に着目した管理を徹底することも、非常に大事じゃないのかなということで、栽培技術のプロである大田農業技術課長さんにお伺いしたいんですが、用水管理者と連携した冷たい水に着目した管理をどういうふうにやっていけばいいのか、あるいはやるべきじゃないのかと思うんですが、いかがでしょうか。
25 大田農業技術課長 去る4月に農業技術課長を拝命しました大田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
令和5年産のコシヒカリは記録的な猛暑などの影響により白未熟粒が発生し、一等比率は今年3月末現在で50.6%と低い状況となっております。一方で、富富富をはじめとする高温に強い県育成品種では、一等比率が90%から93%と高い品質を確保しております。
このため令和6年産水稲については高温耐性品種の作付拡大のほか、コシヒカリでの5月15日を中心とした田植の徹底ですとか、生育診断に基づく確実な追加穂肥の実施、稲体の活力を維持するための出穂後20日間の湛水など、登熟期間の適切な水管理について指導を行っているところであります。
今ほど
中川委員から御指摘いただきました冷たい水を水田に導水することにつきましては、特に登熟期間における水田の温度上昇を抑制することで稲体の活力維持が可能となることから、異常高温への対応として、米の品質向上に一定程度の効果があるものと考えております。
一方で、このような水管理については地域の状況や計画的な水利用なども考慮する必要があるため、実施に当たっては用水管理者や関係機関・団体の意見も聞きながら、連携して取り組んでまいりたいと考えております。
26
中川委員 今ほども話があったように、昨年度のうるち米の一等比率は50.6%、富富富が93.2%で、てんたかくや、てんこもりが90%以上あったということです。今年は富富富の栽培面積を約1.5倍の2,496ヘクタールとすることを目指すと伺っており、「『富富富』生産・販売・PR戦略」には、新しく地域の実情に応じた栽培技術の指導徹底に努め、良食味と収量の確保を図ることを付け加えられているわけです。
その中で水の使い方というのが何か書いていないのですが、技術指導の中には書かないんですか、やっぱり。書かなくてもいいんですか。
27 大田農業技術課長 現在の水稲の栽培指導においては、水管理の事項は当然あるんですけれども、登熟期間については特に水の温度とか入れる時間帯までの記述はなく、今は登熟期間における出穂後20日間の湛水管理ということだけが指導の基準としてはあるわけです。
夏場は胴割れの防止という意味でも、水の確保が必要な時期でありますので、やはり水の利用は効率的にしなければいけないという観点で、今はまずは湛水管理を主にはしていますけれども、今ほど委員御指摘があったように、やはり高温の程度がこれまでにない規模となっていることもありますので、いろんな方策を研究したり、また実践していきたいと考えております。
28
中川委員 次に、これは福井県のことなんですが、コシヒカリの一等米比率が全国では50.5%に下がったんだけれども、令和5年度は、福井県は80.5%ということで、全国の平均から見ると25.8%ぐらい下がったんだけれども、福井県は6.3%しか下がらなかったと。それは
パイプラインで冷たい水を豊富に供給できて、きめ細かな水管理ができたからじゃないのかと言われています。
例えば国営の九頭竜川下流地域では、94%で幹線から末端まで自然圧
パイプラインを使っていて、冷たい水が供給され、水管理がうまくいったからじゃないのかなと言われています。出穂後15日間の平均気温が30度を超える、あるいは28度を超えても、品質や等級が落ちるものが増えると言われています。
そうしたことを考えたときに、やはり富山県でも冷たい水を供給して、きめ細かな水管理をすれば
高温対策ができるんじゃないかと思うわけであります。基盤整備も随分やっていますけれども、これから高温に対応できる基盤整備をぜひ進めるべきじゃないかと思うんですが、桶谷
農村整備課長にお伺いしたいと思います。
29 桶谷
農村整備課長 委員御紹介のとおり、福井県では平成11年度から国営農業用水再編対策事業「九頭竜川下流地区」によりまして、老朽化した開水路の改修と安定した水源の確保などを目的に、
農業用水路の
パイプライン化に取り組まれてきたところでございます。
パイプラインは限られた用水を有効かつ安定的に活用でき、自動給水栓を併用することで水管理の省力化が図られるとともに、夜間の冷たい水を送水する夜間かんがいを行うなどのきめ細かい水管理を行うことで、夏場の水田温度の上昇を抑制し、稲の高温障害の軽減による米の品質向上につながるものと認識しております。
本県では近年、水管理の省力化等を目的に、幹線用水路では県営かんがい排水事業によるシステム化、末端用水につきましては県営農地整備事業もしくは県単事業によりまして、
パイプライン化やタイマー操作、ICTを活用した遠隔操作等が可能な自動給水栓の設置を進めてきておりまして、令和5年度末時点で783基の自動給水栓を設置し、様々な目的に応じた水管理が可能となってきております。
一方、水管理におきましては気候、季節、地形等の地域の特徴や用水路の多面的な機能に応じて行うことが重要でございまして、水管理の省力化や米の品質向上のため、幹線水路のシステム化による計画的、安定的な水配分や末端水路の
パイプライン化、自動給水栓の導入による
高温対策など農業者のニーズを十分把握しながら、きめ細かな水管理を実現する農業水利施設等の基盤整備に取り組んでまいりたいと考えております。
30
中川委員 昔はダムとかそういうところから表面取水ということで、温かい水をどんどん入れなければいけないということだったんですが、最近は冷たい水がある時期に取水してやらなければいけないんじゃないかなと、大変強く感じるわけであります。ぜひこれからそういうことも含めて、品質低下に関わる水温などにも配慮して、ぜひ取り組んでいかなければいけないんじゃないかなと思います。
そういう面では、
パイプライン、また、自動給水栓ですか、そういったことも含めてどんどん取り入れることが非常に大事じゃないのかなと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
今、
高温対策ということで米のことについて言ったんですが、本当に気候はこれからもどんどん変わってくるので、これまでと同じような考え方ではなかなか立ち行かないんじゃないかと思います。コシヒカリを急に全部やめるというわけにいきませんので、好事例も参考にしながらしっかり取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
31
鍋嶋委員 私からは、農林水産物の輸出について2問、質問させていただく予定でしたけれども、今ほど
伴市場戦略推進課長さんのほうから報告がありましたので、最初の質問の品目別の動向、こちらをお聞きしたいなと思っております。
農林水産物等の輸出実績は、令和4年度に33億円だったものが令和5年度は55億円と、私が想像していたよりもかなり増えているということで、非常にすごいことだなと感じております。その中において米だとかは横ばいだったということなんですけれども、水産物が増えたという要因、そして、調味料が1.3倍だったり飲料が3倍となったことについて、ちょっと細かいところを教えていただけたらと思いますので、
伴市場戦略推進課長さん、よろしくお願いします。
32
伴市場戦略推進課長 先ほどの
報告事項よりもう少し細かく説明をさせていただきたいと思います。
まず水産物につきまして、これまで中国などに輸出をしておりましたが、その分がベトナムを中心に輸出先の国が変わったという状況になっております。なおかつ水産物の漁獲量につきましても非常に増えておりまして、ベトナムを中心とした冷凍魚の輸出額がもう2倍まで、かなり膨れてきているという状況でございます。
また、水産加工品、沖漬けだとか、干物だとかそういった水産加工品につきましても、台湾などのアジアを中心に1.5倍になってきたという状況でございます。
続きまして、調味料は、みそ、しょうゆといったものが輸出されておりますが、こちらもアメリカあるいはヨーロッパ、そしてアジア地域、全般的にぐっと増えておりまして、1.3倍になったという状況でございます。
また、飲料の3倍の部分でございますが、こちらはお茶を中心に3倍に増えたという状況でございます。
そのほか干し柿1.2倍、冷菓、麺類は維持というような状況になっております。
33
鍋嶋委員 お茶は3倍ですか。
34
伴市場戦略推進課長 はい。
35
鍋嶋委員 それは富山県のどこかのメーカーさんが出されているのですか。
36
伴市場戦略推進課長 県内の飲料メーカーさんが出しておられます。
37
鍋嶋委員 ありがとうございます。55億円の中で、その他というところがかなり増えているということで、それだけ多くの商社さん、農家さん、水産物加工会社さんなりに声をかけられた成果だと思っております。
次の質問ですが、令和5年の実績を踏まえ、とやま輸出ジャンプアップ計画の令和8年度120億円の目標達成に向け、今後どのように取り組んでいくのかということですけれども、令和4年で33億、令和5年で55億となれば6年で77億、7年で99億という感じになっていってもらえるのが理想です。先ほどの報告でも、県外、海外でいろんなフェアなどをされる計画を見させてもらったんですけれども、そのほかにも何か考えていることがあれば教えていただければと思います。
38
伴市場戦略推進課長 今年度から考えている部分もそうなんですけれども、昨年をちょっとだけ振り返りさせていただきたいと思います。
昨年度から市町村と連携したワンチームとやまということで、輸出をいろいろやっております。まずタイで、とやま食品輸出フェアinバンコクということで県産の青果物、具体的にはサツマイモ等、あるいは水産物を輸出、PRしたほか、台湾、ドイツで見本市への出展、インドネシアの現地レストランにおける富山県フェアなど、海外でのプロモーションを行ったところでございます。
こうした昨年度までに行った取組の中でつながりができておりまして、さらなる輸出拡大に向けて、商流の拡大というのが重要になってくるかなと思っております。今後、海外におけるこうしたプロモーションを、昨年度までの取組と継続して行っていきたいと考えております。
また、今年度、海外バイヤーさんからも非常に問合せ等が多くございまして、海外バイヤーのニーズに的確に対応するべく、コロナ禍で得られたオンラインミーティングというすばらしいツールを使いまして、商流構築、お話合いができている状況であります。
それと先ほど御報告しました、新たに北陸三県で連携したフランス・パリ、あるいはシンガポールでのフェア、また、お隣の岐阜県さんとも連携いたしまして、6月末に台湾での共同PRも実施することにしており、近隣県と連携することで相乗効果を図るとともに、新規の商流構築も同時に進めていきたいと思っております。
ただ、依然として国ごとに規制が異なり手続が複雑なこと、輸送コストやコールドチェーンの関係も含めた物流の構築といったこと、あるいは品目ごとにいろいろと課題があるということでございますので、そういう規制関係はやはり専門家であるジェトロさんの協力を得ながら、個別事業者への専門家の派遣を進めてまいりたいと思っておりまして、今後とも令和8年度の120億円という目標達成に向けまして、輸出実績を着実に積み上げてまいりたいと考えております。
39
鍋嶋委員 ありがとうございました。私も台湾に今年1月の終わりに行ってきた際に、現地の店としては北陸三県だとか北陸という形で何か商品を出してもらえれば、幅広いお客さんにPRできると言われていたので、北陸三県で行うフェアは非常に効果的だと思います。
また、以前から言われているお酒等は、これからかなりの伸び代があるかなと思っていますので、そういったところも目を向けながら、やっていってもらえたらと思います。来年もまた楽しみにしておりますので、お願いします。
40
安達委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。
2 陳情の審査
41
安達委員長 次に、陳情の審査に入ります。
陳情は1件付託されておりますので、当局から説明願います。
42 森田河川課長 それでは、私から陳情第5号、井戸水汚濁の改善等を求める陳情書につきまして、御説明のほうをさせていただきます。
この陳情につきましては、陳情者の自宅付近で県が行いました二級河川泉川の河川改修工事が始まりました頃から自宅の井戸水に濁りが生じたこと、また、本事案に対する行政対応が進まないことにつきまして、改善を求めているものでございます。
氷見市を流れます泉川につきましては、川幅が非常に狭く、昭和58年や平成20年の豪雨などで河川から水があふれたことなどにより、家屋や農地への浸水被害が発生しているところでございます。そのため平成元年度に川幅を拡げる事業に着手しまして、現在事業中のJR氷見線橋梁部を含む河口から氷見市上泉地内までの、延長約2.3キロメートルの間で河川改修を進めているところでございます。
このたびの陳情箇所付近におきましては、平成17年度から19年度にかけまして西條中学校グラウンドの地下を、直径約1.8メートルの暗渠管で流れておりました河川を陳情者の自宅側に川幅約15メートル、川底から地表面までの高さ約4メートルの開水路としまして、新たに河川を付け替える工事を実施したものでございます。
これによりまして川底は改修前より約0.5メートル下がり、陳情者の井戸から河川の中心までの距離は約34メートルから約18メートルとなりました。また、井戸の深さにつきましては、陳情書に記載のある深さ8メートルから10メートルに対しまして、川底が4から6メートル程度浅い位置関係となっております。
本事案に対する氷見土木事務所の対応につきましては、昨年6月に陳情者から連絡があり、これまで複数回にわたり協議を行いますとともに、当時の工事の状況や井戸の水質調査など、過去の経緯を確認してきたところでございます。
本件につきましては、工事完成後17年が経過しており、慎重に対応する必要があると考えておりまして、今後、濁りなどの水質調査を検討するとともに、引き続き陳情者と丁寧に協議をしてまいりたいと考えております。
43
安達委員長 ただいま当局から説明を受けましたが、これについて御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって陳情の調査を終わります。
以上で付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
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