• "意向表明"(/)
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  1. 富山県議会 2024-06-10
    令和6年経営企画委員会 開催日: 2024-06-10


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  1 閉会中継続審査事件について   (1) 説明事項    南里経営管理部長    ・6月定例会付議予定案件(総括)について    ・6月定例会付議予定案件について    波能会計管理者    ・6月定例会付議予定案件について   (2) 質疑・応答 川上委員長 以上が6月定例会付議予定案件の説明です。  この内容については、定例会の付託委員会で十分審査をお願いすることになりますが、今ほどの説明において、計数等に特に御不審の点がありましたら御発言願います。──ないようでありますので、以上で6月定例会付議予定案件の説明を終わります。   (3) 報告事項    川津知事政策局長    ・令和6年度サンドボックス予算の執行状況について    南里経営管理部長    ・令和6年度サンドボックス予算の執行状況について    資料配付のみ    カーボンニュートラル推進課    ・「小水力発電導入可能性調査」の結果公表について    ブランディング推進課    ・「SUSHI collection TOYAM
        A」の開催結果について    防災・危機管理課    ・令和6年能登半島地震に係る災害対応検証会議の設     置について   (4) 質疑・応答    佐藤委員    ・マイナ保険証救急搬送活用について    ・再生可能エネルギーに係る課税について    立村委員    ・能登半島地震を受けての対策について    ・令和5年度包括外部監査結果報告を受けての今後の     対応について    ・県職員の確保・定着について    庄司委員    ・「SusHi Tech Tokyo2024」に     おける成果等について    瘧師委員    ・「小水力発電導入可能性調査」の結果公表について    筱岡委員    ・「寿司といえば、富山」ブランディングの推進につ     いて    ・災害復旧事業に対する地方財政措置について    大門委員    ・少子化対策について 2 川上委員長 それでは、報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。  質疑・質問はありませんか。 3 佐藤委員 本日、2項目について伺わせていただきます。  初めに、いわゆるマイナ保険証救急搬送活用について伺います。  言うまでもなく、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証については、医療機関等を受診した際に、より多くの種類の正確な情報に基づいた総合的な診断や、重複する投薬を回避した適切な処方を受けることができるほか、高額な医療費が発生する場合でも、一時的な自己負担や、役所などでの限度額適用認定証書類申請手続をする必要がなくなり、また、簡単に医療費控除申請の手続ができます。  公明党は、マイナ保険証を国民が安心して活用できる仕組みづくりを推進し、患者の搬送時の活用についても後押しをしてまいりました。  そうした中で、消防庁は、先月23日よりマイナ保険証を活用した救急搬送の実証事業を、神奈川、兵庫、宮崎各県内の3消防本部で開始されました。救急隊員が現場でマイナ保険証を読み取り、患者のかかりつけ医や服用している薬などを迅速に把握し、医療機関へ円滑に搬送できるようにするものであり、全国35都道府県の67の消防本部で順次効果や課題を検証し、来年度には全国での導入を目指すとしております。  消防庁がマイナンバーカードの救急搬送への活用を進める背景には、年々進む高齢化による救急需要の拡大があります。そこで、まず、本県におけるマイナ保険証の救急搬送への活用についての見解を、辻井消防課長に伺います。 4 辻井消防課長 消防庁では、救急隊がマイナ保険証を活用して傷病者情報を正確かつ早期に把握し、救急活動の迅速化・円滑化を図る取組、いわゆるマイナ救急の全国展開を進めております。  今年度は、マイナ救急の効果や課題を検証するため、全国67の消防本部で実証事業を行うとともに、システムの円滑な運用に向けて、具体的なシステム要件や運用の細部の検討を行うと承知しております。  マイナ救急は、救急隊員にとっては正確な情報の取得、救急活動の円滑化・省力化、適切な医療機関の選定等に役立ち、傷病者にとっては身体的・精神的負担の軽減につながる効果が期待されています。一方で、消防庁が令和4年度に実施した実証実験では、操作手順の多さや機器の操作性の問題等により、結果として現場滞在時間の短縮につながらなかったとの意見もあったところでございます。  こうした中、昨年6月に消防庁が全国の消防本部に実施したマイナ救急の全国展開に係るアンケート調査において、県内に7つある消防本部では、調査時点では判断できないとの理由から、導入を希望しない、もしくは検討中と回答しております。  県としましては、実証事業の効果の検証、分析やシステムの改善状況など、国の動向も見定めつつ、さらに全国状況を注視し、必要な情報を提供するなど、県内消防本部マイナ救急の導入の可否について適切に判断できるよう、支援してまいりたいと考えております。 5 佐藤委員 消防庁では、今ほど課長からお話ありましたとおり、患者の同意を得た上でマイナ保険証から患者の医療情報を確認して、また、患者の意識がない場合は、同意なしでも例外的に閲覧できることとしております。  高齢化社会が進む中で、先ほども言いましたけれども、救急件数が増加していくと思われますので、限られた台数の救急車を有効に活用するということも、また、迅速に活動して一人でも多くの患者に対応したいという声もございますので、できるだけ前向きにまた検討いただければと思います。  さらに、もう少しちょっと突っ込んだ話で恐縮ですけれども、こうした活用方法を推進するためには、マイナンバーカードを携行する必要があります。昨年、デジタル庁がウェブ上で実施したアンケート調査では、回答した2万人のうち、ふだんから持ち歩いているという方が43.1%となっておられます。そこで、消防庁では、実証実験に参加する各地の消防本部に対して、救急を通報した人にマイナンバーカードをあらかじめ準備していくよう呼びかけるということでございます。  本県における今後の取組について、改めて辻井消防課長に伺います。 6 辻井消防課長 実証事業では、マイナンバーカードを活用し、過去に受診した医療機関名や処方した薬剤等の情報を救急救命士が確認し、これらの情報を参考に、搬送先の医療機関を選定することや、マイナンバーカードを使うタブレット端末の操作性等の実証のため、救急を通報した人にあらかじめマイナンバーカードを準備しておくよう協力をお願いしております。  マイナンバーカードを用いた救急業務が全国展開されれば、救急活動の円滑化・省力化や正確な情報の把握、傷病者本人や御家族の身体的・精神的負担の軽減が図られることから、傷病者においてあらかじめマイナンバーカードを準備しておくことが望ましく、カードを準備されていない場合は、現場滞在時間の延長につながるおそれがあります。  県内では、実証事業に参加している消防本部はないことから、カードの準備の呼びかけは行われておりませんが、今後、県内の消防本部がマイナ救急を導入することを判断されれば、県としては、国や市町村と連携して、マイナンバーカードをあらかじめ用意するよう、しっかりと周知してまいりたいと考えております。 7 佐藤委員 全国の消防では、救急車両の台数を増やしておりますけれども、今後も進む高齢化を背景とした救急需要の拡大に応えるには、ハード面の整備だけでは難しいとも聞いております。ぜひとも本県の救急搬送における活用の促進を期待しております。  次に、再生可能エネルギーに係る課税について伺います。  宮城県では、再生可能エネルギー施設の森林などへの建設をめぐり、住民と事業者との間でトラブルが相次ぎ、こうしたトラブルを防ごうと、森林を大規模開発する再生可能エネルギー事業者に対し、営業利益の2割相当の税負担を課すとのことで、再エネ事業の森林以外への誘導を図る全国初の税を導入したと伺っております。  また、報道によると、このような再エネ課税に対しては、都道府県の6割に当たる28の府県が、関心があると共同通信のアンケートに回答し、関心を示したとのことでありました。  そこで、富山県も関心があると回答されたということですが、再生可能エネルギーに係る課税について、本県の見解を前山カーボンニュートラル推進課長に伺います。 8 前山カーボンニュートラル推進課長 宮城県では、太陽光パネルや風車など、再エネ施設の大規模な森林開発計画をめぐりまして、土砂災害や景観、環境への悪影響等を懸念する県民の声が大きく、自治体への要望や署名による反対運動、住民訴訟が行われるなど、社会問題化していたことから、再エネ施設を森林以外の適地へ誘導することにより再エネの推進と環境保全の両立を図ることを目的に、新税を導入されておるところでございます。  一方、本県のメガソーラーの導入状況につきましては、10メガ以上のメガソーラーは、宮城県44か所に対しまして本県は1か所だけ、また、1ヘクタール以上の林地開発許可を伴う大規模な開発は、宮城県27か所に対し本県6か所と、冬の積雪期の発電効率の影響ということもあってかと思いますが、状況は大きく異なっているほか、県内の市町村や関係機関等からは、再エネ施設に関する地域住民とのトラブルなどの声は寄せられていないものと承知しております。  本県では、昨年策定した戦略に基づきまして、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組んでおりまして、宮城県のような課税は、今のところ検討していないところですが、一方で、今後の再エネ施設の導入状況によっては、環境保全や地域共生との両立を図る必要があることから、引き続き県内の再エネ導入に伴う森林開発の状況や、地域住民との関係等について、森林担当課や市町村と連携して情報収集してまいりたいと考えております。 9 佐藤委員 幸いにして、我が県にはこういった危機的な状況というか、差し迫った状況というのはないと聞いておりますけれども、青森県でも有識者会議を設けて、陸上風力と大規模太陽光発電──今ほどのメガソーラーを対象とした、再生可能エネルギーに係る新税の導入に向けて議論を始め、また、宮城県では既に整備したものについての課税を行わないということになっておったと思うんですけれども、青森県のほうではそういった不平等も是正するなどの狙いもあり、年内の条例制定を目指すという報道も聞いております。  改めて、そういった再生可能エネルギーに係る本県の取組をしっかりとまた進めてもらいたいと思いますが、国全体の方向性等もありますので、今後の方針について、再度課長に伺います。 10 前山カーボンニュートラル推進課長 青森県が検討している新税につきましては、宮城県が森林以外の区域へ再エネ施設を誘導することが目的であるのに対して、青森県の場合は風力発電が全国1位といった特徴がありまして、新設だけでなく既存施設への課税も検討しているなど、全国有数の電源立地県としての立場からも、新税の検討を進めているという特徴がございます。  一方で、既存施設への条例による新たな課税、いわゆる法定外課税と呼ばれておりますけれども、これについて、他県の事例では、税を負担する事業者の反発が強く、国への事前協議や同意を得る過程において事業者との折り合いがつかないといった課題があると承知しております。  風力発電などの大規模な再エネ施設の整備が進む青森県とは状況が異なる本県といたしましては、まずは再生可能エネルギーの新規導入に向けまして、事業者の参入を促進することが重要と考えておりまして、今は青森県のような新税の導入検討は予定していないところでございます。  一方で、県内での再エネ施設の整備に当たっては、再生可能エネルギーの導入と自然保護や地域との共生との両立も大切でありますので、宮城県ですとか青森県など御紹介いただいた先行県の取組ですとか、あるいは国の対応といったものも注視しながら、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 11 佐藤委員 まさにそのとおりで、山形県においてもまた、知事が独自の課税を前向きに検討したいという意向表明をされたという報道もございました。  再エネ施設の建設に伴う森林破壊や、今ほど課長がおっしゃったように、景観阻害が各地で問題となっていることは、東北地域等の流れなんだと思うんですけれども、そういったことを念頭に、やはり自然災害の防止や景観保護と再エネ促進とを、まさに両立していくという課題については、今から本県においても両立のための施策をしっかりと丁寧にやっていくということが、今後また重要性も高まってくるんじゃないかなと思いまして、あえて今日、質問させていただきました。今後の対応について、また検討していただければと思います。 12 立村委員 まず初めに、能登半島地震を受けての対策についてお伺いします。  先日開催されました第1回災害対応検証会議の資料によれば、人流データの分析、県民アンケートの実施などにより検証を行った後に、地域防災計画をはじめ受援計画や、2月定例会前のこの委員会で見直しを提案したBCPなど、各種計画の見直しを行うとされたところであります。  そこで、改めて現行の富山県災害時受援計画を一読したところ、DWAT、福祉チームの受入れに関する記載が一切ありません。現状、本県では、要支援者の個別避難計画の作成は遅々として進んでおらず、また、福祉施設そのものが被災する可能性もあります。避難所での避難生活が長引くことを想定する必要があります。その際、災害関連死を防ぐためにも、DWATの受入れを円滑に進める必要があると思います。  今回の能登半島地震では、DWATの派遣側と受入れ側の連携について、事前の検討が十分でなく、活動が軌道に乗るまで時間がかかったと言われています。  そこでお伺いします。  受援計画の見直しに当たり、現行計画では規定のないDWATについて、受入れの流れなど連携方法を明記すべきと考えますが、熊本防災・危機管理課長の見解をお伺いします。 13 熊本防災・危機管理課長 DWATにつきましては、本県では令和元年10月に、県の厚生部と県内の福祉関係団体との間で「富山県災害派遣福祉チームの派遣に関する協定」を締結いたしまして、富山DWATの派遣体制を構築しております。  本年1月の能登半島地震におきましては、石川県から要請を受けまして、富山DWATを1月12日から3月16日までの52日間被災地に派遣し、石川県内において要配慮者の支援活動を行っております。県としては、そうした活動を通じまして、そのニーズや重要性を改めて認識したところでございます。  委員御指摘のとおり、現行の富山県災害時受援計画には、DWAT受入れの規定がないことから、今後、今回の災害対応を検証し、各種計画の見直しを進める中で、受援計画についても、全国各地から派遣されるDWATが迅速かつ円滑に活動していただけるように、DWATの受入れの流れについて明記することなどを検討してまいりたいと考えております。 14 立村委員 ぜひそのようにお願いします。  避難生活が長引けば、医療の必要性はもちろん、先ほど言いましたけれども、災害関連死といったことを防ぐ意味でもやはり福祉専門職の方のお力が必要になるのは間違いないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、例年8月頃に行われる県の総合防災訓練ですが、次回は、能登半島地震発生後、最初の訓練となります。今回の災害対応の反省点をしっかりと踏まえた有意義な訓練が期待されるところであります。  そこでお伺いします。  今年度の富山県総合防災訓練の主な内容と新たな取組について、熊本課長にお伺いします。 15 熊本防災・危機管理課長 今年度の総合防災訓練につきましては、現在、開催地であります黒部市、入善町及び朝日町と、地震と津波を想定した訓練を実施する方向で協議を進めております。  特に、本年1月の能登半島地震において、県内各地で交通渋滞が発生するなど課題が顕在化しました、津波警報発令時における避難訓練の実施を検討しております。  また、今般の地震におきましては、大規模災害時の自助、共助の重要性を改めて認識したことから、指定避難所での住民主体による避難所の開設・運営訓練など、住民の皆さんが参加する自助、共助を重視した訓練を行うことも計画しております。  さらに、新たな取組といたしまして、孤立集落を想定したドローンによる物資輸送訓練ですとか空輸による広域医療搬送訓練など、より実際的で実効性のある訓練の実施につきまして、現在、関係機関と調整を行っているところでございます。  このたびの能登半島地震で、参加機関の課題認識や住民の皆さんの防災意識は大いに高まっているということで、これまで以上に有意義な訓練となるよう、しっかり準備を進めてまいりたいと考えております。 16 立村委員 課長おっしゃったように、県民の防災意識が高まっている今、県の総合防災訓練に対する県民の方々の注目も非常に高まっていると思います。ぜひ意義深い訓練になるように、諸準備を進めていただければと思います。  次に、令和5年度包括外部監査結果報告を受けての今後の対応についてお伺いします。  令和5年度の包括外部監査のテーマは、公共施設等の管理状況についてでありました。監査結果報告を踏まえての今後の方針といった、そういった大局的な観点からの質問は本会議の場に委ねることといたしまして、私からは、各論として2つの指摘事項への対応についてお伺いします。  まず、今回の監査では6件の指摘事項がありました。報告書によれば、指摘事項とは、法令、条例、規則等に違反している場合、あるいは違法ではないが社会通念上著しく適当でないと考えられる場合に該当する事項とされています。大変重く受け止めるべき事項ということになります。  その重い指摘事項の1つに、公共施設等の再編の議論を推進すべきとあります。これを見たとき私は、我が意を得たりという心境でありました。というのも、私は昨年の9月定例会において、県有施設の将来の需要を見極めた上で、場合によっては施設の集約、廃止も含めて、部局横断的に検討していく必要があり、令和4年度に実施した県有施設ファシリティマネジメント基礎調査の結果も踏まえ、どのように取り組んでいくのか、南里経営管理部長の見解をお伺いしたところであります。引き続き検討を進めていくとの御答弁であったかと思いますが、検討は進んでいるのでしょうか。進んでいませんよね。  監査報告書では、現時点では保有総量や適正配置についての具体的な検討や計画策定には至っておらず、全庁的取組としては不十分と、ばっさりと書かれております。監査報告書には、部局横断的にとか全庁的な取組といったワードが数多く見受けられます。そして、外部監査人のコメントとして、既に整備した庁内推進体制において、実効性のある活動が展開され、目標である「公共施設等の保有総量の適正化と最適な配置」を実現していただきたい、とされています。  そこでお伺いします。  外部監査人の言う既に整備した庁内推進体制とは、副知事をトップとする富山県県有施設整備等推進委員会を指していますが、これまでこの委員会が果たしてきた実績をどう評価し、今後どのように公共施設等の再編の議論を推進していくのか、南里経営管理部長にお伺いします。 17 南里経営管理部長 委員御指摘の富山県県有施設整備等推進委員会は、県有施設の保有総量の適正化や最適な配置などを全庁的に検討実施するため設置したものでございます。  一方、同じく令和4年度に実施いたしました県有施設ファシリティマネジメント基礎調査では、行政庁舎の更新整備に当たっては、職員数、将来人口当たりの規模、適当な配置、担当地域の妥当性も踏まえた検討が必要なこと、スポーツ施設及び文化施設については、今後の人口減少に伴う利用率の低下により、施設の在り方、運営の効率化、市町村施設との機能分担の必要性など検討事項が示されたことから、委員会の下に設置した部会において、課題の共有と対応策の検討を行ってまいりました。  こうした結果も踏まえて、本年7月には、委員会を開催することとしております。これまでの部会での検討結果や、人口減少、少子高齢化、県民ニーズの多様化などの社会経済情勢の変化に加えまして、テレワークも含めた職員の働き方改革、職場環境の改善、また、能登半島地震を踏まえて、今、改めて実施しておりますけれども、施設の耐災害性の検証など、より多面的な視点で、全庁的かつ実効性のある議論を推進してまいります。 18 立村委員 まず、1つ目の問いにちょっと答えていただきたいんですが、これまでこの委員会が設置されてきておったわけなんですが、これまでのこの委員会の実績をどのように評価しておられますか。もう一度お伺いします。 19 南里経営管理部長 委員会と同時に実施いたしました県有施設ファシリティマネジメント基礎調査で、たくさんの検討事項を示されたところでございます。こういったことを、まず課題として共有させていただきまして、各部局において、公共施設の再編などに関する全庁的な取組体制の必要性を再認識するきっかけとなるなどの効果はあったものと認識しております。  また、これを踏まえて、今年度7月の委員会を開催するということでございまして、新たな要素も含めながら議論を推進していきたいと考えております。 20 立村委員 未来の話をしたいと思いますが、監査報告では、財源のことを考えれば、長寿命化を行う対象施設を絞り込むことが先決、といった意見も出されております。こういった課題については、部長のお言葉にもありましたが、部局横断的に、全庁的な取組として対応していかないと、なかなか進まないと思います。  今、真剣に検討しないといけない時期に来ていると思いますので、部会開催後、7月に当該委員会が開催されるということでありますが、その会議の開催状況を注視してまいりたいと思いますので、協議が進むようによろしくお願いいたします。  次に、当該監査報告では、財源は多様な方法で確保していく必要があり、公共施設等の整備を目的とした基金の造成についても検討すべきとの意見が示され、同じく指摘事項として、公共施設等に充当可能な財源の見込みを示すべきとの指摘がなされていますが、この指摘を受けての今後の対応について、掃本財政課長にお伺いいたします。 21 掃本財政課長 県の公共施設等総合管理方針における推計では、今後30年間の将来的に必要となる更新費用等につきまして、長寿命化対策を講じ、耐用年数を超えて使用する場合でも約9,000億円、年間にしまして299億円が必要とされており、県財政に与える影響は大きいものと考えております。  こうした財政負担の軽減や平準化を図るため、県ではこれまでも各省庁の様々な補助金などの国費や、公共施設等適正管理推進事業債など、交付税措置のある有利な地方債を最大限活用するとともに、市場公募債の発行によります資金調達の多様化など、様々な手法により財源の確保に努めてきております。  一方で、経済社会情勢等が変化していく中で、今般の能登半島地震への対応といった中長期的な課題もあります。将来にわたり充当可能な財源の見込みを具体的にお示しすることは、現時点では難しい点もあるのではないかと考えております。  また、今ほど御紹介ありました公共施設等の整備を目的とした基金の造成につきましても、手法の一つとは考えられますが、まずその財源をどう手当てするかといった課題もございます。
     引き続き他県の事例等を研究いたしますとともに、中期的な財政見通しや地方財政計画なども踏まえて、県全体の投資的経費の中で適切な水準となるよう、また、多様で有利な財源の確保にも努めながら、持続可能な財政運営に配慮しつつ、事業の優先度も考慮しながら、公共施設等の更新等に努めてまいりたいと考えております。 22 立村委員 今ほど課長から説明のあったとおり、いろんな事業を県でやっておるわけですけれども、公適債であるとか市場公募債であるとか、そういったいろんな財源を有効に活用されていることは、重々承知しております。  6月補正予算でも財政調整基金を6.7億円ほど取り崩して、残高は11.9億円になるんでしたっけ、ということも聞いております。今ほど課長おっしゃったように、いろいろな意味で厳しい財政状況でありますけれども、中長期的にこういった公共施設等に充てる財源についても、また引き続き御検討いただければと思います。  次に、県職員の確保・定着についてお伺いします。  県職員採用上級試験による採用者のうち、採用後3年以内に自己都合により退職した人数の推移について、矢野人事課長にお伺いします。 23 矢野人事課長 採用後、3年以内に自己都合で退職された職員数について、ここ5年ほどで見ますと、令和3年度採用者では14名、離職率は6.8%、令和2年度は12名、6.8%、元年度は7名、4.0%、平成30年度は9名、5.3%、29年度は13名、6.7%と、ほぼ横ばいで推移しております。  主に新規大卒者を対象とする上級試験の採用者に限りますと、令和3年度採用者で3年以内に退職した方は3名、離職率は3.4%、令和2年度は4名、4.1%、元年度は2名、2.0%、平成30年度は1名、1.1%、29年度は3名、3.0%であります。  富山労働局が公表している県内の新規大卒者の就職後3年以内の離職率が大体25から30%前後であることと比較いたしますと、本県職員の離職率は低い状況にあります。 24 立村委員 民間の25%から30%という数字と比べたら低いというのは、おっしゃるとおりかと思います。ただ、どうなんでしょうか、この数字を見たときに、多いと思うのか少ないと思うのか、民間と比べたらそれは少ないんでしょうけれども、私は率直に、令和3年度採用者で14人とおっしゃいましたが、やはりちょっと多いのかなと、すみません、率直に思いました。  実は、なぜこんなような質問をするかというと、私の同級生の御子息が、東京の大学からUターンして県庁に入りまして、私の同級生も非常に喜んでおりました。その御子息が、2年もしないうちに県庁を退職されて、どうするのかなと思っていたら、すぐに東京の民間会社で就職が決まったという話だったんですね。  離職率は、民間に比べて低いということでしたけれども、やっぱり今、どの業界も人手不足ということもありまして、人口減少時代に入って、特に若い人材というのはもう奪い合いの世界になっているんじゃないかなと思っております。  特に民間企業では、初任給のアップであるとか、もういろんな策を取っておられます。処遇改善が進んでいます。県では、新規の採用という意味では、これは人事委員会の所管になるんだと思いますけれども、試験の負担を軽くするなど、いろんな対策を講じられていることは承知しておりますが、採用後も働き続けられる職場、選ばれ続ける職場、そういった職場になるように、引き続き執務環境の充実に努めていただければと思います。  次に、最近よく耳にしますが、カスタマーハラスメント対応についてお伺いします。  昨年度、議員の間でもこのハラスメントに関する研修会を開催して、いろいろ見識を深めたところではあります。ただ、そのときはまだ、カスハラちゃ何よというような感じで聞いておられた議員もあったことを記憶しております。  ただ、本当に最近、いろんなところでこのカスタマーハラスメントの問題が取り上げられている。民間企業の問題かなと思っておりましたら、先日の報道では、一部政治家による公務員に対するカスハラも報道されているところでありまして、県議会ではそのようなことはないと思いますが、気をつけなければならないなとも思っているところであります。  カスハラ対策は、民間企業において先行しているところではありますが、調べてみましたら、人事院においては今年の2月に、国家公務員がカスハラを受けた場合は公務災害と認定できるよう、指針が改定されたということでした。また、例えば札幌市では、啓発ポスターの掲示や電話の通話録音の試行、対応マニュアルを作成するなど、独自に対応を強化した結果、効果が出ていると聞いております。  県民の方々と直接接するという意味では、市町村において、より対策が必要かと思いますが、県においても、例えば広報課での広聴業務や県民相談室、あるいは出先機関などには様々な相談窓口があるかと思います。  そこで、カスハラから職員を守るための本県の対応について、矢野課長にお伺いします。 25 矢野人事課長 県民からの相談などに対しまして、職員は丁寧かつ真摯に話を聞き説明を尽くすなど、適切な応対に努める必要があります。しかしながら、職員に対して同じ主張や要求を長時間執拗に繰り返す、攻撃的、恫喝的な言動を行うなどの行為は、職員の萎縮や精神的苦痛につながり、通常業務に影響するなど、県の行政運営にも支障が生じます。  このような場合には、上司や同僚が同席するなど、組織として対応し、迅速かつ適切に職員の救済を図ることとしております。また、庁内において面会の強要や乱暴な言動を行う方に対しましては、県の庁舎等管理規則に基づき退去を命じることができることとしております。  昨年12月の総務省からの通知では、カスタマーハラスメントから職員を守るため、各自治体に対し、厚生労働省が公表している民間企業向けのマニュアルも参考とした、組織的な対応を求めています。  委員から御紹介のありました件もありまして、県内外の自治体においては、職員向けのカスタマーハラスメント対策のマニュアルの作成といったことのほか、ハラスメント防止策の一つとして、名札の記載内容を、姓名のフルネーム表記から、名字だけに変更するといった対策も行われているところであります。  職員が安心して働ける職場環境づくりは、人材確保の観点からも重要であると考えておりまして、名札の表記の変更など、他の自治体や民間の事例も参考にいたしまして、早急に対応を検討してまいります。 26 立村委員 私、県職員時代に2つ目の職場が立山土木事務所で、用地交渉を3年間やりました。今思えば、あれはカスハラだったんだなというような経験もよくしました。  よく言われますが、ああいう出先機関にいたときは、県民の方々と直に接するいい機会になった、勉強になったとかというのは、そこから異動してから言えることであって、実際、当時自分があそこにいたときは、楽しいことも、いいこともありましたが、つらいことのほうがやはり思い出として残っています。精神的に追い詰められ、それこそ寝られない日もありました。  ただ、私が当時救われたのは、先ほど課長もおっしゃいましたが、困ったときは組織として対応することにしているということです。私も当時上司に恵まれまして、私が困ったときにはその上司に常に助けを求めて、そうしたら上司は、1人じゃちょっとおっかないんだったら──すみません、おっかないと言うと言葉は悪いですけれども、どれだけでも私と一緒に同行するよと言ってくださる、そういった上司に救われて、私はその3年間を全うすることができました。  そういったカスハラに耐えられず辞められる方も、もしかしたらおられるかもしれません。そういったことにならないように、また、今ほどおっしゃったようなマニュアルであるとか名札の表記の変更といったことなど、いろんなことを検討して、対策を講じていただければと思います。  また、通告はしていませんが、先ほど、南里部長のほうからありました職員処分の件について、課長にちょっとお伺いしたいと思います。  本人からの聞き取り等はまだこれからということでありますので、詳細はちょっと差し控えますが、まず、私のほうで確認させていただきたいのは、容疑者の方は、私の記憶ではANAからの出向者であり、当該職でANAからの出向者という意味では2人目ではないかなと思います。  1人目の方というのは、ANAから出向された後、今のANAの富山支店長にそのまま残られたと記憶しておるんですが、ANAからの出向者というのは、県で受け入れるに当たって、まず、観光振興室で受けて、その後、ANAの富山支店に行くという、そういう流れになっているんでしょうか。 27 矢野人事課長 そのあたりは、ANAさんの人事の対応かと思っておりますので、県としては承知していないところです。 28 立村委員 もしそうなっているんだったら、県の仕事を御理解された上でANAの富山支店長になっていただけるというのは、県の航空政策を進める意味でも非常にいいなと思ったので、ちょっとお伺いしたんですが、そういった前提はANA側の問題ということですよね。  それでは、今回、その容疑がかかっている方ですが、採用するに当たって、当然、県のほうでもANA勤務時代の勤務状況やそういったことを調査された上で、面接して、合格、というのか分かりませんけれども、そういった一連の採用に至るまでの手続というのは、どういった手続を踏まれたのでしょうか。 29 矢野人事課長 委員お話のような面接ということは、行っておりませんが、ただ、いずれにしてもANAさんのほうから、こういう方ですという人物の紹介はいただいた上で、どういった経歴をたどってきたか、この方が、例えば観光サイドに行って御活躍いただけるかどうかというところで判断しております。 30 立村委員 今の課長の答弁ですと、その人物が、ANAでの勤務においてどんな勤務態度であったかとか、例えば過去、ANA時代、何か問題を起こしたかといったことについては、県当局としては一切分からないというか、感知せずという、ANAにお任せということでよろしいでしょうか。 31 矢野人事課長 人事課といたしましては、当然、御紹介いただける方はそういったことがない方だという前提で、県のほうに御紹介があって、出向といいますか、交流いただいていますので、それはないと思っております。 32 立村委員 分かりました。私もそう思います。  ただ、結果としてこういうことになったわけでありまして、今後、先ほど部長のお話にもありましたとおり、ANAとも協議の上、今後の対応を考えられることになるかと思いますが、今後、こういった悲しいといいましょうか、残念な事件が起きないように、また課長のほうでもよろしくお願いいたします。  次に、職務経験者の採用についてお伺いします。  県職員の年齢構成を見ると、30代後半から40代が少ないのが現状であります。昨年度末に策定された富山県職員人材育成・確保基本方針によれば、就職氷河期世代試験は令和6年度で終了見込みであることから、現行のUIJターン試験も含め、多様な経験や知識・技能、専門性を有する職務経験者採用の在り方について、他自治体等での経験者採用拡大の動きなども踏まえ、検討しますと記載されております。  この記載中、他自治体等での経験者採用拡大の動きとあるとおり、職務経験者の採用については全国的に広がっており、競争の時代にあると思います。  そこでお伺いします。  UIJターンなど職務経験者の採用に関し、通年募集を実施してはどうかと考えますが、岡本人事委員会事務局次長・企画・任用課長にお伺いします。 33 岡本企画・任用課長 30代後半から40代の職員が少ない中、複雑・高度化する行政課題ですとか多様化する県民ニーズに迅速かつ適切に対応するため、県では上級試験、初級試験に加えまして、平成27年度から職務経験者、いわゆるUIJターン試験を、また、令和2年度からは就職氷河期世代試験を実施して、有為で多様な人材を確保することにより、培ったスキルを即戦力として県行政に生かしていただいているところでございます。  委員御指摘のとおり、就職氷河期世代試験は、現時点の予定では、今年度をもって終了を見込んでいること、また、県職員の確保が年々厳しくなっていることから、職務経験者試験と併せて、これら社会人経験者の採用試験制度の在り方を改めて見直すべきと考えておりまして、既に全国の試験制度を研究して、検討を始めているところでございます。  御提案の通年募集については、職務経験者試験で採用する職種など、一定程度申込者が見込まれる試験におきましては、費用対効果なども考慮しますと実施には課題もあるのではないかと考えているところですが、募集期間や受験機会の多様化など、受験しやすい環境づくりは大切なことでありますので、今後とも各任命権者と連携しながら、引き続き、受験者のニーズや時代に対応した試験制度を検討してまいりたいと考えております。 34 立村委員 令和4年2月のこの委員会において、針山議員より、全職員を対象に通年採用を行なう考えはないかと、当時の人事委員会事務局長に問うておられます。その際の事務局長答弁は御存じかと思いますけれども、ここで注目すべきは、薬剤師や獣医師さんというのは、採用が極めて困難な専門職で、実質的には通年募集を行っておられますよね。  今、課長おっしゃったように、いろいろ準備もありましょうから、費用対効果の問題があるということは重々把握しておりますけれども、それと実際の職員を採用する重大さといいましょうか、その辺のバランスを考えていただいた上で、全職員を対象に通年募集をとまでは、それはちょっとさすがに無理なんじゃないかなとは思っておりますが、この職務経験者を対象に、例えば通年募集として、ただし試験を行うのは年3回とか、そういったいろいろな方法が考えられると思います。  それでどれだけの申込みがあるかどうかは分かりませんけれども、今、職務経験者採用試験を見直すということが書いてあったものですから、ぜひその見直しの中で、検討の一要素に加えていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  最後の質問になりますが、いわゆる孫育て休暇の新設について、見解をお伺いします。  定年延長に伴い、孫を持つ世代の職員が増加することが想定されます。他の自治体や民間企業においては、孫休暇を導入する職場が実際に出てきているところであります。本県では、こどもまんなか社会の実現を重要政策に掲げ、今年度予算においては、各種の事業が予算化されたところであります。子育て環境の充実のためには、祖父母の協力が重要であると考えます。  そこでお伺いします。  孫の世話をするために取得できる特別休暇を新設してはどうかと考えますが、南里経営管理部長の御所見をお伺いします。 35 南里経営管理部長 定年延長に伴い、孫を持つ世代の職員の増加が見込まれる中、60歳以降についても、仕事と家庭を両立しながら働き続けることができる職場環境づくりが必要です。また、国では、全世代で子育て世帯を応援する方針を打ち出しており、県としても、こどもまんなか社会の実現に向けて、職員には子供だけではなく、孫の育児にも積極的に参加してもらいたいと考えております。  委員御提案の孫休暇は、自治体では宮城県や神奈川県が導入しておりまして、男性職員が配偶者の出産のための付添いや育児のために取得できる特別休暇の対象を、子だけではなく孫に拡充したものでございます。  ちなみにですけれども、宮城県では、孫も対象となる家族看護休暇制度がある一方で、神奈川県では、孫は家族看護休暇制度の対象とはなっていないようでございます。  本県では、孫を含めた家族の看病や通院の世話のため、年5日まで取得できる特別休暇として、家族看護休暇を設けている一方で、男性職員を対象とした妻の出産休暇や育児参加休暇においては、その対象を子に限っております。  これらの特別休暇は、子育てしやすい環境の整備や職員の離職防止にもつながる一方で、職員の休暇制度は県民の理解と納得が得られることが大事だと考えております。他県の事例も参考に、休暇制度の在り方について整理検討してまいります。 36 立村委員 議員という職務上、いろんな業界の方とお話しする機会があるんですが、やはり孫の面倒を見なければいけないから辞めますとか、あるいは見たいから辞めますとか、そういった理由で退職される方がいて困るんだよという話をよく耳にするところであります。  今ほど部長の答弁の中にもありましたけれども、有給休暇ですから、慎重な意見もあるだろうということは重々承知しておりますが、この少子化、人口減少時代にあって、お子さんはもう家族だけでなく地域の宝だとよく言われますけれども、幾らかの公費負担が伴っても、例えば孫休暇を取得することに対しては、県民の理解は得られるんじゃないかなと私は思っています。  ただ、部長今おっしゃったように、家族看護休暇とか、いろいろな特別休暇等もありますので、そういったものもうまく組み合わせて、いい制度になればいいなと思っています。県庁でそういった制度が創設されれば、それが市町村、ひいては民間企業にも波及していくものだと、私は思っています。ぜひ前向きに検討していただければと思います。 37 庄司委員 私からは「SusHi Tech Tokyo 2024」における成果について伺いたいと思います。  この後、筱岡委員からも「寿司といえば、富山」について質問があるということですが、私もこの5月15日に東京ビッグサイトで開催された「SusHi Tech Tokyo」、新聞にも紹介されており、翌日私も現場に行ってきました。本当に多くの方々が訪れておられましたし、国内だけではなく、海外からもたくさん、50万人の参加ということで、大変大きなイベントでありました。そういった東京都の主催するところで、「寿司といえば、富山」をアピールできたということは、大変すばらしい機会であったと思います。  実際にその具体的な内容が、そしてまた小池都知事もそこに参加されたということで、新聞などにも出ておりましたが、その小池都知事の富山のすしへの反応はどういったものだったのかということも含めて、その成果について、初田ブランディング推進課長にお伺いいたします。 38 初田ブランディング推進課長 「SusHi Tech Tokyo」は、社会課題の解決や未来の都市図を実現するための最先端技術、いわゆるテックを集めまして発信する大型の国際イベントでございまして、英語で言いますと「Sustainable High City Tech Tokyo」、そのSustainableの頭文字「Sus」とHigh Cityの「Hi」で「SusHi」、そして「Teck Tokyo」ということでございまして、国内外に向けまして未来の都市モデルを発信するものでございました。  イベントのほうは、3つのプログラムで構成されておりまして、このうち委員に視察いただいたのは、5月15、16日のこの2日間で約4万人の来場者があったと伺っていますが、グローバルスタートアッププログラム、こちらのほうにおきまして、「寿司といえば、富山」ののれんを掲げた屋台を出店させていただいております。委員にはこちらへ16日に出席いただきまして、ありがとうございました。  この出店に当たりましては、東京都さんと連携して、富山のすしに特殊冷凍技術というテックの要素を加えまして、冬の氷見寒ブリをネタにすし職人が握ったすしを最新の技術で冷凍、そして解凍した上で、お一人につき1貫、1日で2,000貫、2日間で合計4,000貫を提供させていただきました。  初日の開幕に当たりましては、小池都知事さんにも本県のブースを訪れていただきまして、「寿司といえば、富山」のブランディングについて私のほうから御説明をして、すしも召し上がっていただきました。その際には、都知事からは「おいしいわね」というコメントもいただいておりまして、本県のすしの魅力を実感いただき、すしのブランドにおいても、東京都さんと連携した取組ができたものと考えております。  実際にすしを試食いただきました約1,200名の方のアンケートがございまして、日本人の方、外国人の方ともに「非常に満足」または「やや満足」という、広い意味での満足と御回答いただけた方が全体の9割を超えております。もっと富山のすしを食べたくなった、富山に行きたくなったといったような個別の声も伺ったところでございます。  また、その際には、富山湾鮨であるとか富山の観光のパンフレットを持ち帰っていただける方も多くおられまして、広く富山のPRを行うことができたと思っております。  さらに、また、その場だけではなくて、「SusHi  Tech Tokyo」で本当にすしを配る富山県、好きですよ、その感じというような好意的なコメントも複数のX、旧ツイッターで投稿されておりまして、SNSを通じた魅力発信にもつながったものと考えております。 39 庄司委員 名前が「SusHi Tech」なんで、僕らも、澤崎議員と行ったんですけれども、初めは本当にすしのイベントだと勘違いしていまして、ただ、今説明あったとおり、スタートアップだとかイノベーションで地域課題を解決していくという趣旨のイベントでして、新しい冷凍技術を活用して富山のすし、寒ブリが今食べられるということなんですね。  こういった技術、これはもっと「寿司といえば、富山」をPRするために活用できるんじゃないかなと、その可能性も現場で感じてきましたし、特に県職員の方、女性の方がお二人、本当に一生懸命やっておられました。  そして、冷凍のすしを職人の方が出しておられるんですけれども、その職人が実はアルバイトの方で、見た目はもう完全に職人なんですけれども、氷見で作ったすしは、まさに職人の方が作られたすしで、提供される方は、結局誰でもいいという。ですから、人材不足にも将来対応していけるんじゃないかなと思いまして、そういったいろんな富山の課題が、この新しい冷凍技術で何かクリアしていけるような、何かそういうことを現場でも感じさせていただきました。ありがとうございます。  次に、その特殊冷凍技術なんですけれども、これを活用して今回、氷見のすしを提供されました。フードロスや環境負荷の低減、今言ったような人材不足、こういったことに、これからこの技術が活用できるんじゃないかなと、すごく可能性を感じています。私も農業に携わっていますし、そういった、例えば取れ過ぎるときもありますよね。取れないときもあります、物が。  ですから、シロエビの質問も後で筱岡委員がされるということですけれども、シロエビが取れないときに、例えば取れたときのシロエビをこの冷凍技術を活用して提供するとかいったことも可能になってくると思いますので、こういった技術についてぜひ農林水産部などと、せっかくこのつながりができたので、しっかり連携して、取組をもっと深掘りして広げていっていただきたいなと。  ブランディングなんで、PRが中心になってくると思いますけれども、せっかくの機会ですので、ぜひこういったことに取り組んでいっていただければと思います。ご所見をお伺いをいたします。 40 初田ブランディング推進課長 今ほど委員からもお話しありましたが、「SusHi Tech Tokyo」では、富山県の魚にも選定されております富山湾の王者ブリと、「富富富」のシャリを使って、これを一旦おすしとしまして、冷凍時の細胞の破壊を極小化して品質低下を抑える特殊冷凍技術を活用した冷凍ずしにすることで、冬が旬の氷見の寒ブリを5月に提供することができたものでございます。  委員からありましたが、特殊冷凍技術を活用することで、寒ブリといえば冬なんですけれども、いわゆる漁期が限られるような魚を通年で提供できる、また、豊作、大漁で多く収獲できたときに冷凍保存して、不作、不漁のときに出荷することで、豊作、不作、大漁、不漁による影響を受けにくくなる、あとは、新鮮さを維持できて輸出拡大の有効な手段になる、冷凍してストック可能なので計画的に作業もできる、そして、先ほどありましたように、その場に職人がいなくても提供できるということで人材不足にも対応できる、などといった効果が期待されると考えております。  そうしたことに加えまして、食品ロスの抑制にもつながるものと考えております。  すしをフックに、富山の食の魅力を発信する「寿司といえば、富山」、このブランディングにつきましては、すしをはじめとする幅広い飲食業、農林水産業、あるいは伝統工芸、観光産業等への波及効果につなげることが大事だと思っております。  今後とも、農林水産部など関係部局と連携した上で、関係団体なども巻き込んで、すしのブランディングを推進していきたいと考えております。 41 庄司委員 飲食というのが一番環境負荷が大きい分野だと言われています。そういったところで、やっぱりその環境負荷を低減する取組を、この「寿司といえば、富山」でやっておると。そのこと自体がまた付加価値にもつながっていくと思いますので、ぜひそういったことも進めていただいて、さらに県民の認知も広めていっていただければありがたいなと思っております。  この「SusHi Tech Tokyo」なんですけれども、私も行っていろんな方にお会いしてきましたが、実は、富山県ゆかりの方がおられて、この「SusHi Tech Tokyo」のイベントを中心的に回しておられる東京都の室長さんが、井波の方なんですよ。まさに関係人口で、いろいろとまた交流をそこで広げて、「寿司といえば、富山」を広めていっていただければなと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 42 瘧師委員 通告しておりませんが、報告事項として資料提出されています「小水力発電導入可能性調査」の結果公表につきまして、1点質問したいと思います。  小水力発電というのは、他の再生可能エネルギーに比べまして、設備に要するスペースというのが小さくて済むということで、小さな川や用水路でも発電ができると。そして、比較的安定した発電量が確保できる、発電量は水量と落差に比例するということでありまして、富山県はそういう意味では水の王国で、豊富な水資源と急峻な地形を有していますから、小水力発電を導入していくことは、まさに富山県ならではのカーボンニュートラルの取組になるんじゃないのかなと思っております。  ただ、最近、新規導入が少ないように思うんですが、以前から小水力発電導入の課題といったら何か3つあるというふうに伺っておりまして、まず1つ目は水利権の取得、河川法の制約によりまして、河川水を利用する場合は河川管理者から水利使用の許可が必要であるという、水利権の問題ですよね。  それから、2番目には採算性のリスクということでありまして、設備の中の水車や発電機というのは、決して安いものではなく、それらの初期費用の回収に20年程度の長い期間を要するわけなんですが、その間に水量の変動があったりして発電量が減少する可能性があるというリスクを抱えておる。  それから、3つ目には維持管理と、これは、稼働しているかどうか、やっぱり毎日のように確認しなきゃいけないということであるとか、あるいは川から流れてくる枯れ木や落ち葉などのごみの撤去、そういった管理に必要な人員の確保という問題があるというようなことも、以前に聞いておりました。  今現在もそういった課題というものはあるのか、そして今回のこの導入可能性調査というのは、その課題を踏まえた上での調査であったのかどうかということを、お伺いしたいと思います。 43 前山カーボンニュートラル推進課長 今回、河川、農業用水路、上下水道の、全部で16か所を、有望地点ということで公表いたしました。  河川につきましては、環境省の再生可能エネルギー情報提供システムのリーポスというところで、水量と落差というものが分かる仕組みになっておりまして、水力発電の導入ポテンシャルがおおむね150キロワット以上存在する地点で、かつ採算性ということで、支出回収年数が大体20年間を下回る箇所ということで、まず40か所を抽出し、さらに道路からの距離が1キロメートル以内ですとか、県の管理河川に該当するか、構造物が既に存在しているかなどの観点から抽出して、最後に4か所まで絞ったというところでございます。  また、農業用水路につきましても、土地改良区さんにアンケート調査いたしまして、ぜひやってほしいというようなところを抽出いたしまして、7か所。上下水道管理者にもアンケート調査いたしまして、5か所を抽出したところでございます。  今御質問にありました水利権、採算性、維持管理という観点から、一応可能性として検討できるということで、業者さんにも委託して計算した上で、選定したところでございます。 44 瘧師委員 そういう中で、この資料では、民間事業者の参入が見込める地点、有望地点ということなんですが、この民間事業者の参入というのは、これは、例えば土地改良区であるとかそういう農業団体を含めたような話なのか。また、浄水場、上下水道の場合ですと、これは自治体が管理していて、自治体自ら事業を興すのは非常にやりやすいような感じもするんですが、この民間事業者の参入というのは、ちょっとどういう意味なのかなと。 45 前山カーボンニュートラル推進課長 この農業用水路、上下水道につきましては、あくまで民間参入というのは、発電事業というものを常日頃やっておられる方々が、より数をこなすことですとか、あるいは最新の技術を導入することで採算性等をクリアして、事業化できるという観点で選定しております。 46 瘧師委員 せっかくこういった調査をされましたので、ぜひとも各関係団体、市町村とも連携しながら、小水力発電導入に向けて、御尽力いただきたいと思います。 47 筱岡委員 私もまず初田課長に、庄司君に続いて質問したいと思います。  先ほど、冷凍技術云々言って、現場を見てこられたそうです。ただ、冷凍すしもちょっと味気ないような気もするわけです。この前も話したように、すし職人の養成をする学校もあるわけでございまして、その学校は物すごい人気だそうでございます。やはりカウンターの前で握ってもらうのが一番でございますが、庄司君の言うとおり、ケース・バイ・ケースでそういうのもいいかと思います。これは余談でございました。  この「寿司といえば、富山」の認知度をいかに上げるかということが、ブランディングの中でも非常に重要な一つになっておりますが、昨年のアンケートでは、やっぱり北海道がトップで、富山県は3番か、4番かぐらいでございました。
     マスコミ報道では、一、二週間前かな、もう既に富山県の知名度が大分上がっているやに書いてあったものも見たわけでございます。  そこで、最近の「寿司といえば、富山」の認知度、どんなもんか、まずお伺いします。 48 初田ブランディング推進課長 主要都市圏における「寿司といえば、富山」の認知度ですが、昨年10月に実施した県の調査では、富山県は全体の4番目、8.9%。一番目は、先ほど委員よりありましたように、北海道で52.1%ということで、少し開きがある状態でございました。また、富山のすしを県外の知人等に積極的に勧める県民の割合、これは昨年8月県政世論調査で調べましたところ、45.3%という結果でございました。今年度の調査は、秋頃に調査を実施することとしております。  県内外における認知度向上には、話題や外部評価が高まる情報発信が必要だと思っております。このため、すしのブランディングの狙いや意図などを知っていただけるように、昨年11月ですが、県内で有識者によるトークセッションを開催するとともに、特設ウェブサイトやSNSによる発信に努めてきております。  また、先ほど答弁申し上げましたが、先月、国際的イベント「SusHi Tech Tokyo」に出店するとともに、先週には食のインフルエンサーなどを招待し、すしを切り口に自然や文化など本県の多彩な魅力を五感で体験できるイベント「SUSHI collection TOYAMA」を開催しまして、参加者からのSNS等を通じた波及拡大を図ったところでございます。  こうした取組の効果もあり、本年1月の民間のアンケート調査では、すしがおいしいと思う都道府県で本県が1位になっております。また、本県と包括連携協定を締結しております第一生命保険富山支社さんが県内の顧客の方を対象に実施したアンケート調査では、「寿司といえば、富山」プロジェクトの認知度が46%でございました。  また、県内のホテルでは、今月から富山湾の魚介を使った握りずしの食べ放題を朝食メニューに追加されるなど、民間における取組も広がってきておりまして、着実に認知度が高まってきているものと考えております。  今後とも民間事業者の方などと連携協力いたしまして、目標の実現に向け、しっかり取り組んでまいります。 49 筱岡委員 第一生命の調査を見たのかな。相当上がった、県外でも上がっておるんかなと。県内はもちろんですが。課長自身頑張っている成果が、着実に表れておるのかなと。また引き続き頑張っていただきたいと思っております。  そこで、ただ、残念なのは、魚ですわな、ネタの。ホタルイカはもう大豊漁で、逆にシロエビが不漁の不漁とお伺いしております。都会の方は、富山はシロエビと。ホタルイカももちろんいいんですが、やっぱりシロエビが、富山といえばシロエビと言われるぐらいの人気の魚種ですから、それが大不漁ということになれば、今年の富山のブランディングに影響が出ないかなと懸念するわけであります。その辺、どうですか。 50 初田ブランディング推進課長 シロエビにつきましては、ブリやホタルイカと並び富山県の魚に選定されておりまして、富山を代表する水産品の一つでございますが、委員からもありましたように、本年は不漁となっております。これに伴いまして、シロエビの流通量の低下であるとか、値段の高騰といったようなことも懸念されるところでございます。  一方で、シロエビにつきましては、新湊漁港さんにおきまして、漁船を2班に分け、1日置きに操業し、全体の水揚げ量を調整しながら1日の売上金額を集め、各漁船に均等に配分するプール制を導入することで、資源の枯渇を未然に回避し、資源を守り、持続的な利用を続けてきておられます。  また、こうした取組が評価されまして、今年の1月ですが、水産資源の持続的利用や環境に配慮した漁業等を認証する水産エコラベルを、漁業認証としては県内初めて取得されるなど、ブランドの価値を高め、そして守られるような取組を続けてきておられます。  こうしたことも踏まえまして、私ども県としましても、先週開催いたしました「寿司といえば、富山」のキックオフイベント、「SUSHI collection TOYAMA」におきましても、招待した首都圏等の食のインフルエンサーの方などにシロエビ漁の視察や地元漁師によるプール制の取組の紹介、シロエビを使った朝食の提供を行うなど、富山の食を代表するシロエビの魅力を最大限にアピールしまして、存分に御堪能いただいたところでございます。  富山のおすし、やはりシロエビなど富山湾で取れるおいしい魚介があってこそ成り立つものと思っておりますので、今後とも漁業関係者や飲食店等の関係の皆様と連携しまして、富山県のPRに取り組んでまいります。 51 筱岡委員 先週の「SUSHI collection」はすばらしかったようでございまして、それでまた認知度がさらに大分向上したものと期待しておりますから、引き続き頑張ってください。  続いて、2月定例会中の常任委員会では、震災によって我が地元でも下水道が相当やられまして、二十数億円程度の大きな被害が出たということで、東日本大震災で講じられた特別交付税措置について、南里部長は、知事をはじめ、また国に引き続き働きかけますと言われておりましたが、その国への要請の状況等を教えていただきたい。 52 南里経営管理部長 今回の地震によって、上下水道や港湾施設などの地方公営企業の施設においても甚大な被害が発生しましたことから、その復旧事業に対する財政支援について、市町村における事業も含めて、東日本大震災での対応と同様の支援を講じていただきますよう、筱岡委員からの御提言も踏まえながら、震災発生後、知事が先頭に立って、松村防災担当大臣や松本総務大臣などに要望してまいりました。  その結果、去る3月、地方公営企業の上下水道事業や港湾事業の災害復旧への支援として、一般会計からの繰出基準が拡充されるとともに、その繰り出し額に対し、交付税措置のある災害復旧事業債を充当できるよう、地方財政措置が拡充されました。ありがとうございます。  この財政措置は、熊本地震では適用されていないことから、被災地の実情を十分に受け止められて、極めて特例的な措置として、今回、速やかに決定いただいたものでありまして、大変ありがたく、本県、それから関係市町村の取組を後押しする大きな力になるものと考えております。  これを受けまして、県では速やかに令和5年度2月補正において、港湾施設の災害復旧事業に係る一般会計繰出金を計上したほか、その後判明しました新たな被害に対応するため、今回提案予定の6月補正予算案でも必要な経費を計上するなど、積極的に活用しているところでございます。  今回の措置を最大限に活用しながら、引き続き土木公共インフラや、下水道をはじめとする生活関連インフラの早期復旧に、スピード感を持って取り組んでまいります。 53 筱岡委員 知事や部長の本当に力強い要望活動で、見事実現していただいて、熊本の方にはちょっと申し訳なかったかもしれないが、私の地元の役所も、古いせいもあって被災しましたが、今言われたような財政支援をいただけるところです。今後ともよろしくお願いします。 54 大門委員 私のほうからは、恐らく今議会でも話題になるであろう人口減少、少子化についてお伺いをしていきたいと思います。  富山県の人口が100万人を切りました。そして、先日の報道にもありましたが、過去1年の出生者数も5,512人と6,000人を切って過去最少となってまいりましたし、合計特殊出生率も1.35ということで、人口減少が加速をしてきております。いつか100万人を切るだろうとは言っていましたが、実際に100万人を切ったということで、私自身、大変ショッキングなことだなと受け止めているところであります。  富山県でも、よく人口ビジョン、この図を見ると思いますが、この図でいきますと、赤い折れ線グラフが富山県が目標としている人口の推移、青い折れ線グラフが国立社会保障・人口問題研究所が出している推計人口でして、両者に開きがあるわけなんですけれども、今の減少の傾向を見ますと、どちらかというと、人口問題研究所が推計している人口減少に近い数字になってきているんじゃないかなという印象を受けております。  国のほうでも、この人口減少を止めるためのラストチャンスというふうに言っておられますし、新田知事もこの人口100万人を切ったことで、前向きな施策をはじめ大胆な発想で突破口を目指していきたいと言っておられます。  私もこれは本当に同感でありまして、今まで経験をしたことのない事態でありますし、いろんなことにチャレンジをして、何とかこの人口減少を少しでも食い止められるようにしていかなければならないと思っているところであります。  そこで、富山県は、富山県人口未来構想本部会議を立ち上げまして、新たな人口ビジョンを今後策定するという流れになっております。この人口減少についての議論は、まさしく子供が生まれるという自然増減の話、また、移住などの社会増減の話、また、人口が減っている中で、どうやってこの活力ある地域を残していくのかというような話など、いろいろ多岐にわたると思っております。  そういった中で、今回、この経営企画委員会ですので、人口減少の少子化の部分について聞いていきたいなと思っております。まずは、出生者数も大変減ってきており、5,512人と過去最少、合計特殊出生率も減少傾向となっておりますが、このことについてどう受け止められているのか、荒木少子化対策・働き方改革推進課長にお伺いしたいと思います。 55 荒木少子化対策・働き方改革推進課長 先日、厚生労働省が公表した令和5年の人口動態統計によりますと、本県の出生数、婚姻件数はいずれも過去最少、合計特殊出生率についても前年より低下しておりまして、本県の少子化に歯止めがかからず、少子化のスピードが加速し、深刻さを増していると受け止めております。  出生数や婚姻件数の減少につきましては、経済的な不安感や仕事と子育ての両立への負担感、価値観の多様化による結婚に対する意識の変化など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられ、また、コロナ禍も少なからず影響しているのではないかと考えております。  このため、現在、来年度スタートする子育て支援・少子化対策に関する新たな基本計画の策定に向け、外部有識者等で構成します県民会議を設置して検討を進めるとともに、富山県人口未来構想本部におきましても、先日、結婚・出産・子育ての願いがかなう環境整備について議論を行ったところでございます。  今後とも、希望する方が結婚・出産・子育てをしやすい環境を整えるため、子育て支援や経済的負担の軽減に加えまして、働き方改革や女性活躍、男性の育児休業取得の促進、結婚支援の充実をはじめ、あらゆる施策を総動員して、部局横断で少子化対策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 56 大門委員 先ほども言いましたが、富山県の出生率、2023年なんですけれども1.35となっております。全国平均では1.2ということで、全国的に見たら高いほうではありますが、コロナ禍ではたしか1.4幾つだったところ、そういった影響もあり、減少傾向というようなことだと思っております。また、富山県の希望出生率が1.9ということで、希望との開きも出てきています。  そういった中で、既婚者の出生率といった数字も出ていまして、全国的な数字になりますが、これも少し減少傾向で、少し前までは2あったんですけれども、今は1.9というような状況であります。恐らく結婚している方々は、平均して2人ぐらい子供を産んでいるというような状況かなと思っておりまして、やはりこの少子化の問題の大きな課題の一つに、結婚する方が少なくなってきているということがあるのかなと思っております。  富山県の既婚者の出生率の統計はないと聞いていますが、富山県の若い世代の未婚者率はどのような状況なのか、お伺いします。 57 荒木少子化対策・働き方改革推進課長 直近の令和2年の国勢調査によりますと、本県の初婚年齢のボリュームゾーンであります20代後半の未婚率は、男性が75.0%、女性が61.2%となっております。男女とも全国平均と比較いたしますと低くはありますけれども、昭和40年頃は男性が30%程度、女性は10%程度であり、以降、令和2年まで上昇が続いております。 58 大門委員 今の数字を見て分かるとおり、本当に結婚する方が減ってきているというような状況ですし、このまま子供がどんどん少なくなってきている中で、結婚する方が少ないとなると、なおさら減少傾向が進むというような状況だと理解をしました。  そういった結婚観といったこともいろいろ変わってきていますが、やはり結婚しない理由の一番の問題は、私、経済力だと思っております。これは商工労働部の所管になると思いますが、やはり若い世代の賃金をどうやって上げていくのかということが一番大事だと思っています。  いろいろと資料を調べてみましたら、既婚者の平均収入が大体506万円、独身の方の平均年収は337万円というようなデータもあります。やはり結婚して子育てをする、教育をするというのは、非常にお金がかかってくると思いますし、そういった中で、やはり経済力というのがネックとなって結婚できないという方がおられるんじゃないかなとも思っております。  ですので、非正規労働者もたくさんおられる状況をどうしていくのかですとか、やはり所得というものをどんどん上げていくということが、非常に大事かなと思っております。  また、今回、少子化という観点でいろいろとお話をしていきますと、やはり結婚観や、出会いに関する価値観というものも非常に大きく変わってきているとも聞いております。  いろいろと調べまして、交際経験のある方や交際をしている方の割合を見てみますと、全体でいきますと61.7%の方が、これまで交際したことがある、交際経験があるということですね、男性でいきますと53.1%、女性でいくと70.2%の方が今まで交際したことがあるというような状況です。  ちょっとびっくりしたのは、逆に、今現在交際をしていますかという質問に対しての回答が、全体でいくと29.4%が交際していると。男性に関しては25.2%、女性に対しては33.7%と、現在交際している方も非常に少ないなと感じています。  これも少し前と比較してみますと、2000年には、現在交際しているという数が大体47%だったわけなんですけれども、本当に交際についての価値観なども変わってきているんだと思いますが、非常に減ってきているなという印象であります。  この前、大学生とお話をする機会があったんですけれども、このコロナ禍で、彼らは合コンという文化がなくなったそうであります。接触するなと言ってきたので、やはり顔を合わせて出会うきっかけの場である合コンは、僕たち、したことありませんと。3年間しなかったのでやり方も分かりませんので、という状況だそうです。本当にびっくりでして、僕の大学時代は……何とも言えませんが、楽しい時代もありましたけれども、非常に出会いの形というものも変わってきたということであります。  ですので、今、よく結婚、出産そして子育てというような話もしておりますが、やはりその前に出会いという部分が非常に大切になってくると思っております。今回、データを見ても、やはりそういった交際に対することに対して、もっと前向きになるようなことを伝えていかなければいけないのかなとか、この出会いのきっかけというものをもっと増やしていかなければいけないのかなとも思うわけなんです。  やはりそういった出会いに対してもっとクローズアップして、施策を進めていく必要もあるかと思いますが、御所見をお願いいたします。 59 荒木少子化対策・働き方改革推進課長 出生数と婚姻件数は関係が深く、未婚率の上昇が出生数にマイナスの影響を及ぼすとともに、これまでの出生数の低下により女性人口の減少が進んだことが、少子化、人口の自然減の一つの要因と考えられます。  また、未婚率の上昇の背景には、若者を取り巻く経済情勢や雇用環境の変化が影響しており、先ほど申し上げました経済的な不安や仕事と子育ての両立の難しさに加えまして、結婚に対する価値観の変化や出会いの場の減少などの社会的要因があると考えております。  このため、新たな計画におきましては、子育て支援だけではなく、若い世代から選ばれる雇用環境の整備といたしまして、ジェンダーギャップの解消や雇用の安定化のほか、共働き・共育ての推進として、長時間労働の是正や柔軟な働き方の推進など、若い世代が結婚や子育ての将来展望を描けるよう、重点的に取り組む方向で検討を進めております。  また、結婚を望む方への支援につきましても、「adoor」によるマッチング支援等の充実に加えまして、委員も御指摘ございました出会いの機会の創出により、重点的に取り組むことも検討しております。  今後、県民会議での議論も踏まえまして、秋頃には中間報告案をお示しする予定としております。さらに、子供や若者、子育て中の方を含め、広く県民の皆様の御意見をお聞きする機会も設け、施策に反映し、より実効性のある計画となるよう努めてまいりたいと考えております。 60 大門委員 本当にこの人口減少というのは、厳しい現状があると思っております。本当に課題が山積といいますか、幅広い問題がありまして、これを1つ解決したからといって、この人口減少が止まるわけではないとも理解しておるわけなのですが、最初に言いましたように、やはり今まで経験したことないところに到達しておりますので、本当にいろんなことにチャレンジをしていかなければならない、また我々もしっかりとアイデアを出して、しっかりとこの問題に対して取り組んでいきたいと思っております。 61 川上委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。  2 陳情の審査 62 川上委員長 次に、陳情の審査に入りますが、今回は付託されておりませんので、御了承願います。  3 その他 63 川上委員長 以上で付議事項についての審査を終わります。  この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...