富山県議会 2021-03-23
令和3年厚生環境委員会 開催日: 2021-03-23
また、慰労金の申請をしたけれども、
感染拡大防止支援事業は申請しなかった、すなわちお金がないので申請できなかった可能性がある事業者がもしあるとすれば、どれぐらいあるか、理由と併せて教えていただきたいと思います。
喜多医療政策班長にお願いいたします。
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喜多医療政策班長 まず、医療分の慰労金について、
申請件数は
医療機関等からの申請が1,169件、退職者などからの
個別申請が48件で、合計1,217件となっております。
全ての申請に対し交付が完了しており、交付額は、まだ精算は全て終わっていないため額の確定はしておりませんが、約39億5,000万円でございます。
また、
感染拡大防止支援事業につきましては、
医療機関、薬局、
訪問看護ステーション等からの
申請件数は1,593件、
交付決定額は約17億5,000万円であり、そのうち支払いが完了しているのは約76%でございます。
慰労金の申請をしたが、
感染拡大防止支援事業の申請はしなかった
医療機関等は113件あり、該当の
医療機関等からは、マスクなど、既に持っているもので十分足りるであるとか、
医療機関の規模が小さいため、それほど高額で大型の
感染防御装置は不要であるといったような声がございました。
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藤井委員 障害分について、これと同じ質問を
辻井障害福祉課長にお願いしたいと思います。
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辻井障害福祉課長 障害分の慰労金につきましては、法人分は193件、個人分は169件あり、交付額は2億6,125万円でありました。
支払完了率は100%でございます。
支援金につきましては、223法人から申請があり、
交付決定額は約3億3,900万円で
支払完了率については現時点で90.1%です。
慰労金の申請はしたものの、支援金の申請をしなかった法人は35法人でして、その理由を
事務委託業者に確認しましたところ、マスクや消毒液は県からの配布で賄えていたためということであったり、申請するほど
衛生物品を購入しなかったなどの理由によるものと聞いております。
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藤井委員 それでは、介護分について
中井高齢福祉課長にお願いいたします。
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中井高齢福祉課長 慰労金の
申請件数につきましては、法人からの申請が624件、
個人申請は850件でありまして、
交付済み額は約16億円でございます。
また、支援金の
申請件数は613件ありまして、
交付決定額は約16億8,000万円となっております。そのうち517件に対して
支払い済みでありまして、完了率は84%となっておるところでございます。
また、慰労金の申請はしたが、支援金の申請をしなかった事業者は59法人ありまして、その内訳としては薬局などの
居宅療養管理指導のみなし指定のところが多く見受けられました。基本的には、そのようなところは医療分でいただいているようなところが多いのではないかと思っております。
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藤井委員 適切に支払いがされているというように理解もしておりますが、一方で、慰労金を申請したけれども、交付金の申請をしなかった事業者に支援が行き渡らないことで、もしかしたら残念ながら事業を休止するとか、やめてしまった事業者があるのではないかという懸念があります。
そこで4つ目の質問ですが、令和2年度に
事業休止や廃業した
医療事業者は県内で何件あるか、また、その
事業規模や従業員数等をお伺いしたいと思います。
喜多医療政策班長お願いいたします。
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喜多医療政策班長 令和2年度に休止した
医療機関は5件ございまして、その主な理由は
病気療養でございました。同じく廃止した
医療機関は22件であり、その主な理由は、
開設者死亡や、高齢化、また、移転や
住所変更などとなっております。
事業規模については、把握してございません。
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藤井委員 主に、クリニックが多いということなのでしょうか。
〔「そうですね」と呼ぶ者あり〕
12
藤井委員 それでは、同じ障害分に関しても
辻井障害福祉課長にお願いします。
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辻井障害福祉課長 今年度に
事業休止した事業者は6件、廃業した事業者は9件であります。また、これらの事業者の規模は、
従業員ベースで、最も多いところが15名、最も少ないところが2名であります。
なお、休業、廃業については、障害のある方が心身の
状態変化により、別の事業者から
サービスを受けるようになった等の理由により、利用者が減少したことが主な理由と考えております。例年の傾向と大きく変わるものではございません。
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藤井委員 毎年、これぐらいの数があるというのは、例年の傾向と大きく変わらないという意味ですか。
〔「そうですね」と呼ぶ者あり〕
15
辻井障害福祉課長 むしろ去年よりも減っている感じです。
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藤井委員 では、最後に介護分に関しても、
介護事業者の件数について
中井高齢福祉課長にお願いいたします。
17
中井高齢福祉課長 それでは、介護分について申し上げます。
介護分については、所管、許認可を実施しているところが富山市、あるいは市町村といろいろ重複しますので、県で分かる
県所管分について、御説明をさせていただきます。
廃止届がございました
介護事業所は、これまで13件でございます。休止分についてはありません。廃止届のあった事業所の内訳は、
訪問介護が5件、
訪問看護が2件、
通所介護が4件、
短期入所サービス系が2件でありまして、ほとんどが
小規模事業者であります。
廃止の主な理由としましては、
人材不足が多いわけですが、そのほかでは、別法人への
事業譲渡ですとか、別
サービスへの移行というような理由もあったところでございます。
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藤井委員 先ほどの障害分と近いですが、毎年の傾向からすると、多いでしょうか。少ないでしょうか。
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中井高齢福祉課長 本年度は今のところ13件ですが、昨年は19件、その前は12件、その前は24件となっておりまして、例年から見ますと若干少ないかなと思っています。
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藤井委員 医療、障害、介護の従事者の方々は、本当に御苦労されていることだと思いますが、経営のところもかなり苦しいという話です。廃業等、
休止件数を見る限りでは、コロナの影響は慰労金及び
支援金等もあり、従来とそこまで変わらないということが確認できました。ありがとうございました。
21
山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑を終わります。
(3) 討 論
22
山崎委員長 これより討論に入ります。
討論はありませんか。
23
津本委員 今回、本委員会に付託された議案のうち、議案第6号令和3年度富山県
一般会計予算の本委員会の
関係部分に反対をいたします。簡潔にその理由を述べたいと思います。
今回の予算では、
DV民間シェルター支援の創設、あいの風とやま鉄道駅の
エレベーター設置補助など、歓迎するものが少なくありません。
しかし、以下の3点で同意できないものと思っています。
1点目は、民生費です。
社会保障の充実に充てるとして、消費税が10%に増税されて2年目の当初予算になります。しかし、県民の暮らしを支える民生費は、昨年の1.1%に続き、今回も3.2%の伸びであり、ほぼ横ばいにとどまりました。
2点目は、
乳幼児医療費助成です。
助成対象は、入院は入学前、通院は3歳児までになっており、
対象年齢でも
予算規模でも全国の都道府県の中で最下位のクラスにとどまっています。県内の市町村は言うまでもなく、対象を中学生まで、あるいは高校生にまでするなど、ずっと先を走っています。
この市町村の頑張りを支え、
子育て世帯にとって最も身近な市町村がさらに
子育て支援に取り組めるように応援することが必要だったと考えます。
3点目は、
高齢者施設の
PCR検査等に対する県の姿勢です。
重症化リスクのある
介護施設などを
新型コロナウイルスから守ることは、
感染対策として極めて重要だと考えています。しかし、そのための
PCR検査等を事業者任せ、事業者の
自己責任で済まし、県は実施しようとしていません。
以上で、令和3年度富山県
一般会計予算への
反対理由の説明といたします。
24
山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって討論を終わります。
(4) 採決
25
山崎委員長 これより、
付託案件の採決に入ります。
本委員会に付託されました諸案件のうち、まず、議案第6号令和3年度富山県
一般会計予算のうち、本
委員会所管分について、原案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
26
山崎委員長 挙手多数であります。
よって、議案第6号については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議案第10号令和3年度富山県
母子父子寡婦福祉資金特別会計予算ほか29件について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
27
山崎委員長 挙手全員であります。
よって、議案第10号ほか29件については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
(1)
説明事項
28
山崎委員長 次に、請願・陳情の審査に入ります。
請願は1件付託されておりますので、当局から説明願います。
29
薮下厚生企画課長 私からは、請願第1号、富山県
医療労働組合連合会執行委員長前田洋志さんから提出がございました安全・安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守るための請願について御説明をいたします。
新型コロナウイルス感染症拡大に対応しまして、
国交付金等を活用しながら、医療・介護・福祉の各分野で必要とされております物資などの確保や
提供体制の確保に対応したところでございます。
今後とも必要な物資や体制の確保について努めてまいります。
また、
地域医療構想調整会議におきまして、地域の実情や感染症への対応を踏まえまして、国立公的を含む各
医療機関が地域に担う役割や機能につきまして、改めて十分に議論いただくなど、
地域医療が持続的・安定的に確保されるよう取り組んでまいります。
また、
人材確保につきましては、
就学資金対応や
関係機関との連携などによりまして、医師、看護師、
医療技術職、介護職の確保に着実に取り組んでまいります。
保健所等につきましては、保健所の恒常的な
人員体制を強化するための
地方財政措置が講じられることを踏まえまして、各
厚生センターの保健師の定数を計7名増員して体制を充実していきますほか、
ウイルス研究検査体制につきましては、既に
新型コロナの変異株の検査も可能になってございますけれども、こうした
変異株対応も含めまして、引き続き
検査研究体制の充実に努めるなど、
厚生センターと併せて県民の健康を守る役割をしっかり担ってまいります。
(2) 質疑・応答
30
山崎委員長 ただいま当局から説明を受けましたが、これについて質疑はありませんか。──ないようでありますので、質疑なしと認めます。
(3) 討論
31
山崎委員長 これより討論に入ります。
討論はありませんか。
32
津本委員 今、議題になっています安全・安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守るための請願について、紹介議員の1人でもありますので、討論というよりは発言をしたいと思います。
新型コロナウイルスとの戦いは1年以上に及び、今も経済活動、
国民生活に深刻な影響を及ぼしています。
とりわけ第3波では、首都圏などで
感染者急増により
医療崩壊などが取り沙汰されました。
この経験から明らかになったことは、感染症に対応する上で、医師、看護師、
介護職員が不足していること、病床や
集中治療室についても大幅に不足していたこと、保健所について体制の強化が必要であることです。
パンデミックとの戦いにおいて、率先して患者を受け入れる
公立公的病院の役割は極めて大きいということだったと考えています。
SARS、
新型インフルエンザ、MERS、そして今回の
新型コロナウイルス、ここ僅か20年の間に新たな
ウイルス感染が次々と発生しています。これからも新たな
ウイルス感染への対応が必要になるものと見られています。
そうした、新たな感染症にも対応できるように、医療等への十分な
財源確保、
公立公的病院をしっかり守るとともに、
地域医療構想を見直し、地域の
医療体制を充実すること、医師、
看護師等の増員、
保健所等公衆衛生行政の拡充、強化など国に要望するとともに、県としても取り組むことが大事だと考えています。
委員の皆さんの御理解をお願いいたしまして発言といたします。ありがとうございます。
33
山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって討論を終わります。
(4) 採決
34
山崎委員長 これより採決に入ります。
初めに、請願第1号の1、安全・安心の医療・介護の実現と国民のいのちと健康を守るための請願書のうち5を採択することに、賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
35
山崎委員長 挙手少数であります。
よって、請願第1号の1のうち5については不採択すべきものと決しました。
次に、同じく請願第1号1のうち2を採択することに、賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
36
山崎委員長 挙手少数であります。
よって、請願第1号の1のうち2については不採択すべきものと決しました。
最後に、同じく請願第1号1のうち1、3及び4を採択することに、賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
37
山崎委員長 挙手全員であります。
よって、請願第1号の1のうち1、3及び4については採択すべきものと決しました。
したがいまして、請願第1号の1については、一部採択すべきものと決しました。
なお、陳情については、今回は付託されておりませんので、御了承願います。
3 閉会中
継続審査事件の申出について
38
山崎委員長 次に、閉会中
継続審査事件の申出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中
継続審査事件については、お手元にお配りしてある申出案のとおり、議長に申し出たいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
39
山崎委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてある申出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
4
厚生環境行政当面の諸問題について
(1)
報告事項
林生活衛生課長
・富山県食肉検査所における食肉の流通誤りについて
石田くすりコンソーシアム推進班長
・「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コン
ソーシアムの取組状況について
資料配布のみ
子ども支援課
・富山県ひとり親家庭等自立促進計画(第4次)の策
定について
生活衛生課
・「富山県動物愛護管理推進計画」の見直しについて
(2) 質疑・応答
津本委員
・
新型コロナ感染防止対策について
藤井委員
・避難行動要支援者名簿について
・「国際工芸アワードとやま」について
川島委員
・デジタル化の推進について
・
新型コロナウイルス感染症について
平木委員
・
厚生センターの体制強化について
種部委員
・ひとり親自立支援計画について
・子供の事故防止について
井加田委員
・
子育て世帯への生活支援特別給付金について
山本委員
・少子化対策について
・退職に際して後進への助言について
40
山崎委員長 ここで委員に確認します。
追加で出席を求めたい説明員がおりましたら申し出てください。
〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
41
山崎委員長 それでは、追加出席は、なしといたします。
それでは所管行政一般についての質問に入ります。
質疑・質問はありませんか。
42
津本委員 新型コロナ感染防止対策ということで、5点お願いします。
1点目です。政府は首都圏4都県の緊急事態宣言を21日で全面解除いたしました。
感染を抑え込むことができず、専門家からはリバウンドを心配する声がある中での解除になってしまいました。
緊急事態宣言によるこれまでの対策では限界であり、打つ手がないというのが実際のところと考えています。
この間、私たち日本共産党は無症状感染者の早期発見、保護が不可欠であり、そのためのPCR等の大規模検査が必要と繰り返し言ってまいりました。
緊急事態宣言全面解除によって第4波もあると考えなければいけません。県内でも発見されましたが、感染力が強く死亡率も高いとされる変異株についての警戒も必要です。期待されるワクチンも、感染を抑える効果については、検証ができていません。その効果が確認されるまでは、感染拡大を抑える対策の手を緩めるわけにはいきません。
そこで、県として緊急事態宣言解除後の
感染対策について、どう考え、どう取り組むのか、基本的なスタンスについて健康課長にお尋ねいたします。
43 菊地健康課長 委員からもお話がありましたとおり、去る21日をもって、首都圏の1都3県に発令されておりました緊急事態宣言が解除されております。
本県におきましては、関係の皆様が連携しスピード感を持って対策を講じてきた結果、現在、県内の感染状況は比較的落ち着いていると思っております。
一方で、年度末や年度初めを迎え、今回の宣言解除もありまして、これまで以上に人の往来、飲食の機会などの増加が見込まれるところでございます。
また、変異株につきましても全国に広がりつつあり、本県においても去る19日に初めて変異株が確認をされたということもございます。ここで気を緩めることなく、感染再拡大を防止していく必要があろうかと思っております。
このため、感染リスクの高い3密、飲食を伴う懇親会など、いわゆる5つの場面を回避すること、それからマスクの着用、フィジカルディスタンスの徹底、手指消毒、換気の徹底等の基本的な感染予防の徹底を、改めて社会全体で共有する必要があろうかと思っております。
そして、これまでの経験で明らかになりました例えば飲食の場面ですとか、恒例行事といった感染リスクの高い場面に着目した、戦略的な情報発信を強化するとともに、
新型コロナウイルス対策に関する正しい知識の普及、それから偏見、差別等の防止に向けた情報発信等を引き続き進めてまいりたいと考えております。
また、社会経済活動を継続しつつ、感染再拡大を防止し、重症者、死亡者の発生を可能な限り抑制するため、これまでの成果、知見、経験を踏まえまして変異株への対応、それから検査体制の充実や
厚生センターの体制強化、発症及び
重症化リスクを低減するためのワクチン接種の着実な推進、それから医療
提供体制の充実などに取り組むこととしております。
今後とも、県が独自に定めたロードマップに基づきまして、また
関係機関と連携し、県民の皆様の御協力もいただきながら感染拡大の防止に取り組んでまいりたいと考えております。
44
津本委員 一般的な答弁だったと思っています。
危機を抑えきれなかったけれども、緊急事態宣言は解除せざるを得なかったというところで、私は大変心配しています。やはり私たちは、危機感を持って、これからも考えていかなければいけないと思っています。
次の質問に入ります。
政府は、感染者のリバウンドの懸念があり引き続き警戒が必要とし、宣言解除後も飲食における
感染対策、変異ウイルス対策の強化、モニタリング検査など感染拡大防止策の強化、ワクチン接種の着実な推進、医療
提供体制の充実、この5つを柱とした対策を徹底し、感染の再拡大防止に全力を挙げるといった方針を掲げられています。
県は、この対策に対し、どのように考え、取り組むのか、
新型コロナウイルス感染症対策班長にお尋ねいたします。
45 石崎
新型コロナウイルス対策班長 委員御指摘の今回政府から示されました5つの柱につきましては、
新型コロナウイルス感染症対策本部でも示されておりますように、これまでの約1年間の
新型コロナウイルス感染症への対応の中で、多くの経験を積み、得られた知見を踏まえて打ち出された対策であると認識しております。
県の今後の取組について、健康課長の答弁と重複する部分もございますが、この5つの柱に沿って申し上げます。
まず、1つ目の飲食における
感染対策につきましては、県民の皆様に、感染リスクの高い、3密や飲食を伴う懇親会等、いわゆる5つの場面の回避ですとか、「ますずし」の励行など基本的な感染予防対策を徹底していただくよう様々な媒体を通じてお願いしていきます。
2つ目に、変異ウイルス対策の強化につきましては、2月2日から県の衛生研究所で変異PCR検査を行っており、これまで65件実施いたしまして、3件の変異株の陽性が判明しているところでございますが、引き続き国の方針等も踏まえながら、監視体制の強化を行います。
3つ目の感染拡大防止策の強化につきましては、来年度健康課を拡充改装しまして、新たに50人規模の健康対策室を新設することとしております。また、
厚生センターの体制を強化するため、各
厚生センターの保健師の定数を合計7名増員し、加えて通常の検査体制につきましては、1日最大約3,900件の検査が可能な体制を維持することとしております。
4つ目のワクチン接種につきましては、医療従事者への接種を早急に進めるとともに、県民の皆様への接種が円滑に行われるよう広義的な課題の調整や、
関係機関への協力依頼など、市町村と連携して取り組むこととしております。
最後に5つ目の医療
提供体制の充実につきましては、引き続き、約430名のかかりつけ医による身近な
医療機関での診療検査の実施、病床確保計画に基づく平時で73床、最大500床の入院病床の確保、検疫庁舎等の宿泊施設の設置などに取り組むこととしております。
46
津本委員 菅首相は、変異ウイルス検査の抽出実施をこれまで10%としていたものを40%に引き上げたいと言っておられました。どういうことかといいますと、陽性が出て感染していることが判明した人に対して、もう一度PCR検査を実施し、変異株であるかどうかチェックするということです。
陽性としてはっきり判明した人のうち40%をめどに変異株の調査をしたいということかなと思っていますが、富山県は、どうでしょうか。
それと、モニタリング検査をしましょうと言われていますが、先ほどの御答弁では、それについて触れられていなかったような気がします。モニタリング検査について、富山県は全く考えていないということでしょうか。
47 松倉感染症・疾病対策班長 まず、変異株についてですが、
新型コロナウイルスにつきましては、従来よりも感染しやすく、ワクチンが効きにくい可能性のある変異株が、世界各地で報告されているところでございます。
国では、これまで変異株の検査につきましては、陽性者のほうから10%を抽出して検査をすることとしておりましたが、3月18日に示された基本的対処方針では、委員御指摘のとおり、抽出を早期に40%程度まで上げることとされました。
先ほどの答弁とも重なりますが、2月2日から県の衛生研究所では、変異株の検査が可能となっておりまして、ウイルス量が十分であれば、衛生研究所及び
厚生センターで判明した、全ての陽性検体の検査を実施してきており、3月22日まで65件の検査を実施しているところでございます。
それを2月以降で見ますと、陽性者の59.1%の検査をしているところでございます。
変異株につきましては、できるだけ検査を行うこととしておりますけれども、変異株であっても3密の回避やマスクの着用、手洗いなどの対策がこれまでと同様に有効であるとされていることから、引き続き
感染対策の徹底に取り組んでまいりたいと考えております。
2つ目の質問でございます。
モニタリングの検査につきましては、これも委員御紹介のとおり3月18日の国の対策本部で示された緊急事態宣言解除後の
新型コロナウイルスの対応というところで示されたものでございまして、繁華街や歓楽街等を中心に無症状者に焦点を当てた、幅広い
PCR検査等の実施ということのようでございますけれども、国では本年の2月22日から開始され、今後、解除地域の繁華街、歓楽街、大学、空港、駅等で、まずは1日当たり1万件規模の実施を想定し、これらのデータの解析による感染症の流行、拡大の探知を踏まえまして、検査やクラスターなどの対策など、早急の対応を進めるとされたところでございます。
県といたしましては、まずはモニタリング検査の実施方法や成果などを踏まえまして、実施の要否を、今後検討してまいりたいと考えております。
48
津本委員 頑張っているなというふうに思いたいです。
国のほうは、これから40%に引き上げようということですが、富山県としては、できるだけ多く実施してきており、結果としては60%近くとなっていたということで、ぜひ、その姿勢を貫いていただきたいです。
衛生センターに提供されない検体もあるから、いろいろ考えなければならないことがあるかもしれませんが、私は、できれば全量検査を実施したらいいと思っていますし、モニタリング検査についても、検討しますと答弁されましたが、ぜひ、同じく実施したほうがいいと思っています。
実施する方向で検討すると、今ほどの御答弁を理解していいですか。
49 松倉感染症・疾病対策班長 現在、国のほうでは、1日当たり1万件程度の規模を想定して実施され、早期の対策に進めるということでございます。県といたしましては、モニタリング検査の方法や成果を踏まえて、実施の要否を検討していかなければならないと考えております。
50
津本委員 やはり答えていただけませんが、実施の方向で検討していただきたいと思います。
次の質問に入りたいと思います。
介護施設等のPCR検査についてです。
先ほどの請願の討論の際にも申し上げましたが、県のほうからは、これまで、医師の判断があればPCR検査を実施できる、施設に交付される感染症緊急包括支援金を使うことができると繰り返し答弁をいただきました。
しかし、実際には、嘱託医師が検査を了解してくれないといった話も聞いています。また、新年度は
高齢者施設等にとって財源となる感染症緊急包括支援金がないと聞いています。
感染のいかんにかかわらず、マスクの着用や手洗い、3密回避などを県民に要請していますけれども、同様に
重症化リスクのある
介護施設などへの感染を防ぐ取組も大事だと思っています。
高齢者施設、福祉施設、
医療機関におけるPCR等の社会的検査について、県が主導的に行う考えはないか、改めて感染症・疾病対策班長にお尋ねします。
51 松倉感染症・疾病対策班長 国の通知では、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域では、自治体の判断により、地域の関係者を幅広く検査することとしています。特に
医療機関、
高齢者施設等については、勤務する者や入院、入所者全員を対象に定期的に一斉に行政検査を実施することを自治体に求めているところでございます。
また、先ほど申しました3月18日に国の対策本部で示された緊急事態宣言解除後の
新型コロナウイルス感染症の対応では、
重症化リスクの高い人が多い
医療機関や高齢者福祉施設等において、従事者等に症状が現れた場合に早期に陽性者を発見することによって、感染拡大を防止する観点から、迅速に検査が実施できるよう、従業員数等に応じた形で抗原検査キットを配布するとされておりまして、今後、具体的なことが国から示されるのではないかと考えております。
県では、これまでも感染者が発生した場合には、感染源や感染経路に関する調査を丁寧に行いまして、幅広くPCR等の行政検査を実施してきており、これまで幾つかの事例では数百人規模での実施もしているところでございます。
今後とも、感染者の発生や変異株の動向、感染経路不明の状況、クラスターの発生や規模などを総合的に勘案いたしまして、感染拡大の防止の観点から検査の必要な方が、遅滞なく検査を受けることができるよう適切に対応してまいりたいと考えております。
52
津本委員 富山市では、感染者が多数発生し、クラスターも発生しましたが、結局検査を実施しませんでした。国の通知は、以前から発出されていましたが、市か県か分かりませんが、やはり検査を実施しなかったというのが私の印象です。
現在、県内では感染者数が本当に落ち着いていますが、それでもマスクをして、3密は避けるようにしている。
重症化のリスクのある
高齢者施設や病院は、いろいろあるわけですが、そういったところについて、症状が現れたら検査を実施するのではなく、県の責任として実施すべきだと思っておりますので、このことだけは言って次へ進みたいと思います。
4点目ですが、
新型コロナウイルスの感染が急増した首都圏では、
医療機関の
人員体制不足などで、受入れ病床が逼迫し、感染者が入院できず自宅で亡くなるケースも相次ぎました。
感染症の
パンデミックは、今回の
新型コロナで終わりではなく、これからも新たに発生するとみられています。感染症にも対応できる
医療体制の構築が必要だと私は考えています。
一方、
地域医療構想は、地域の
医療体制を2025年時点の医療需要に沿った必要最小限のものに縮小しようとするものと理解しています。この医療需要には、感染症対策という視点では見ていません。これでは病床に余裕がなく、感染症に対応できるとは思えません。
地域医療構想の2025年を目標年次とする必要病床数について、再検討が必要と考えますがいかがでしょうか。医療政策班長の所見を伺います。
53
喜多医療政策班長 国では、昨年12月に
新型コロナ対応を踏まえた今後の医療
提供体制の構築の考え方が
社会保障審議会医療部会等で整理されました。それで、新興感染症等につきましては、2024年度からの
地域医療計画で記載事項に追加することとされました。
また、
地域医療構想につきましては、
新型コロナ対応が続く中ではありますが、人口減少や高齢化はこの間も着実に進み、マンパワーの制約が一層厳しくなること、また、地域における質の高い効率的な医療
提供体制の維持には、医療機能の分化、連携の取組は必要不可欠なことから、
地域医療構想の背景となる中長期的な状況や見通しは変わっていないとの認識が示されております。
その上で、感染拡大時の短期的な医療需要には、医療計画に基づき機動的に対応することを前提に、病床の必要量など、基本的な枠組みを維持しつつ、着実に
地域医療構想の取組を進めていくこととされ、具体的な工程は、この冬の感染状況を見ながら、国において改めて検討するとされております。
県といたしましては、今後、国において具体的な工程が示され次第、改めて各
医療機関が地域で担う役割や機能について、地域の実情に応じて、
地域医療構想調整会議において十分に議論いただきたいと考えております。
54
津本委員 目標年次の2025年はこれだけの医療需要でしょうということですが、病床数を見ていると、ぎりぎりだなという思いがあります。
高度急性期病床については、必要な量を割り返して、75で割って100にするのかな、多少の空き病床を用意しておかなければいけないということで、必要最小限のベッド数を残すということだと、私は理解しております。
しかし、日常の医療需要によって、実際に満床になったときに、今回のような
パンデミックが広がると、結局医療従事者は感染症のほうに力を入れていくことにならざるを得ないわけですが、それこそ、
医療崩壊という事態に近いのではないかなと私はイメージしております。
地域医療構想は国が検討すると言っていますけれども、このまま進めていく上で、臨時的な感染症対策については、機動的に対応すればいいのだとは、なかなかいかないのではないかと思っております。国の様子を見なければいけないというのは分かりますが、県としてもよく考えていただきたい。現場の方ともよく議論しますということですので、どうあるべきかを一緒に考えていただきたいと思っています。これは要望になります。
最後の質問に入ります。
厚生労働省は、2029年頃から医師が過剰になるとして、再来年の2023年度以降、日本全体の大学医学部の定員数を削減する方針だとしています。しかし、医師がどれだけ必要かといった判断の基となる推計は、今ほどお話しした
地域医療構想と同じように感染症対策を想定しないで行っています。しかも、医師の時間外労働を過労死ラインである年960時間に設定して推計しています。私は、週40時間労働を前提にすべきであって、年960時間や720時間といった時間外労働を前提にすべきではないと考えています。
そもそも、日本の医師は少ないと言われてきました。日本の医師の数はOECD経済協力開発機構加盟36か国中、32位であり、OECD加盟国の単純平均と比べると、約13万人も医師が足りないと言われてきました。
医師の長時間労働を是正するためにも、また感染症対策を強化するためにも、医師数を抜本的に増やす取組こそ必要だと私は考えていますが、いかがでしょうか。医師・看護職員確保対策班長に所見を伺います。
55 岩城医師・看護職員確保対策班長 医師の養成には、医学部と臨床研修の期間を合わせて8年もの期間を要することから、将来人口の変化を見据えた中長期的な観点で考える必要があります。
国においては、平成20年度から、いわゆる地域枠を中心に医学部定員を随時、臨時に増員してきたことにより、全国レベルで医師数は毎年約4,000人ずつ増加している状況にあり、直近の需要推計を全国ベースで見ると、今後の人口減少に伴い将来的には医師需要が減少局面になり、2029年頃以降は供給過剰になると見込まれるとされております。
全国レベルで見れば、こうした国の推計には一定の合理性があると考えられますが、県としましては、なお富山県内において医師が充足している状況にあるとは言えないことから、公立病院、公的病院や大学医師会等と協議しながら、特別枠や医学生を対象とする奨学金等により引き続き医師確保に努めてまいりたいと考えております。
56
津本委員 あまり議論したくはないのですが、今のお話は、富山県のことなど特定のケースではなくて、大枠として、全国の医学部の定員数そのものを見直して、減少の方向で考えていきますという方針だと、私は理解しています。
そのこと自体については、どう考えているのでしょうか。
57 岩城医師・看護職員確保対策班長 国の推計自体は、専門家や有識者が参加された検討会において検討されているということで、それなりの根拠に基づいて議論されているものであろうとは思っております。
58
津本委員 これで終わります。
ただ960時間という長時間労働を前提にして、2029年頃には医師は十分に足りますというふうな判断がなされることについては、やはり改善を求めていくべきだと思っています。
59
山崎委員長 ここで暫時休憩いたします。
休憩時間は10分間といたします。再開は11時20分といたします。
〔休 憩〕
60
山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑・質問はありませんか。
61
藤井委員 改めまして、まず、皆さんにお礼を申し上げたいと思います。私は2年前に議員に当選させていただいて、初めて常任委員会として所属させていただいたのが、こちらの厚生環境委員会になります。一期生がゆえに、あまり質問の項目も練れていない部分もあって、皆さんには御迷惑おかけしたところもあったかと思いますが、真摯にお答えいただきまして本当にありがとうございました。
また、コロナ対応の最前線で戦われた皆様でございますので、改めてその旨も感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
それでは、2つ質問させていただきます。
まず、1つが、避難行動要支援者名簿についてです。一般質問で吉田勉議員のほうからも質問がありましたが、これは災害対策基本法に基づいて作成が義務づけられているもので、自力で避難するのが難しく、支援が必要な方々を登録しているものです。避難行動要支援者名簿は、一応、市町村で100%作成はされており、県内で7万3,000人分が名簿に登録されているものの、外部への名簿の事前提供が3万3,000人分、あと個別計画の策定に至っては1万5,000人分となっております。
やはり、名簿を作成していても、どう活用するかというところまでオペレーションをきめ細かくやらなければ、あまり活用されず、意味がないのかなと思っておりますので、要支援者名簿のより一層の活用について市町村へどのように働きかけを行っていくのか、
薮下厚生企画課長にお願いいたします。
62
薮下厚生企画課長 委員御指摘のとおりでございまして、名簿の活用について、関係者への提供は登録者数の約半数までしかできておりません。
名簿情報の活用が進まない理由といたしましては、個人情報の観点だったり、あるいは個々の方が家族のサポートを受けるから提供する必要はないとおっしゃっているということが挙げられるかと思います。
県では、このことは課題であると認識しており、市町村の担当者を対象とした避難行動要支援者支援に関する研修会がございますけれども、例えばそこで、本人から拒否の意思表示がない限り事前提供できるという、いわゆる逆手挙げ方式による活用事例を紹介するなど、名簿を活用した個別避難計画の作成を促しているところでございます。
なお先ほども御紹介がありました災害対策基本法ですけれども、現在、令和3年通常国会で一部改正案が審議されてございます。改正案成立後は、避難行動要支援者に対しまして実効性が高い避難支援が行えますよう、市町村に対して個別計画の作成が努力義務化されることになってございます。
また内閣府からは、優先度が高い方につきまして、おおむね5年程度で計画策定に取り組むことと、併せてその経費を令和3年度より新たに地方交付税化することなどを伺っているところでございます。
こうしたことを踏まえて、さらに事前提供によります名簿の活用が進みますよう、今後とも市町村と連携して対応してまいりたいと思います。
63
藤井委員 すみません、逆手挙げ方式というのが、私は分からなかったので、もう少し御説明いただけますか。
64
薮下厚生企画課長 要するに、駄目な場合は手を挙げてくださいということです。
65
藤井委員 ありがとうございます。
逆手挙げ方式について分かりました。まず、公開しますが、駄目だったら後から言ってくださいということでいいですか。
66
薮下厚生企画課長 駄目な場合は、駄目と言ってくださいということです。書類の記入に当たって、駄目という意思表示の欄があるということでございます。
67
藤井委員 ありがとうございました。
あと、本人の同意なしでも
関係機関に情報提供できる場合があると思います。これは逆手挙げ方式とは、また違うとは思いますけれども、県として、どのような方針を定められているのかお聞きしたいと思います。
68
薮下厚生企画課長 避難行動要支援者名簿の平常時の情報提供につきましては、災害対策基本法によりまして、災害時または災害発生の恐れがある場合について、同意がなくても避難支援者の情報等を関係者に提供することができることになっており、平常時については、同意いただいた方のみ情報提供可能となっているところでございます。
ただし、本人の同意がなくても、平常時から名簿情報を外部に提出できる旨を市町村が条例などで別に定めている場合は、平常時から本人の同意を得ずに、避難支援者の情報を関係者に情報提供を行うことができるとも明記されているところでございます。
各市町村がそれぞれの状況に応じた取組方式を選択できますよう、県では富山県災害時要支援者支援ガイドラインというものを作成しておりまして、それによって、事前情報に関する具体的な取組方法をお示しするとともに、研修会などを通じて、助言や情報提供を行っているところでございます。
今後とも、個人情報の観点を考慮しつつ、適切な名簿の活用を市町村に促していきたいと考えています。
69
藤井委員 富山県内の市町村で現在、条例を定められているところはありますか。
70
薮下厚生企画課長 どういった形の条例か定かではありませんが、上市町が作成していらっしゃると承知をしております。
71
藤井委員 それでは、2問目、国際工芸アワードとやま2020展についてです。
このコロナ禍で、国際工芸アワードとやま2020展を開催するに当たり御苦労がたくさんあったかと思います。世界62の国と地域からの応募があり、4月4日まで富山県美術館で展示会が行われており、私も観覧しに行きました。とてもすばらしい作品が多かったかなと思っております。
県美術館での企画展である、国際工芸アワードとやま2020展は、現在、どのくらいの来場者数となっているか文化振興課長にお願いいたします。
72 水落文化振興課長 先月25日から開催しております国際工芸アワードとやま2020展でありますが、昨日までで約5,000人の方に御観覧いただいているところでございます。
また、次の日曜日である3月28日には、高岡市の瑞龍寺で授賞式の開催を予定しているところでございます。その後、受賞した7作品を含めた、大体約40作品ぐらいですけれども、高岡市の御協力を得て4月10日から高岡市美術館において巡回展を開催することにしております。
さらに、多くの方々に御観覧いただきたいと思っております。
73
藤井委員 国際工芸アワードとやま2020展は、昨年が初めての開催ということでしたが、今後どのような形で進展されていくのか、2021年以降の取組についても水落文化振興課長にお伺いします。
74 水落文化振興課長 令和3年度は、先ほどご紹介した高岡市美術館での巡回展のほかに、アワード受賞者と県内工芸職人の協同制作プログラムの開催、それから富山の工芸の魅力や今後の展望を考えるとやま工芸シンポジウムの開催を予定しているところでございます。
今回の国際工芸アワードとやま2020展につきましては、工芸の魅力を国内外に発信するすばらしい取組であるということで、工芸の専門家から高く評価されていること、それから、海外からの応募数が前回より伸びているということで、本アワードが海外の工芸関係者も注目する国際公募展となっていることなどを踏まえまして、今後とも継続して開催する意義があるのではないかと考えております。
こうしたことも踏まえて、令和4年度以降の開催について検討してまいります。
75
藤井委員 ぜひ、2回目、3回目と永続的に続くようなコンテストになるようにお祈りしております。
76
山崎委員長 ほかにありませんか。
77 川島委員 この厚生環境委員会は、
新型コロナウイルスの所管ということもあって、一度も意見交歓会を開けなかったことが、非常に残念で寂しく思っております。皆さんが新しい部署に異動されたら、ぜひ御活躍いただいて、意見交歓会も活発に行えるように本当に願うところであります。
それでは、質問に入ってまいりますが、昨日の総括質問では、新田知事から、DX時代に乗り遅れないように、デジタル公共インフラ構築を図っていきたいといった旨の発言もありました。
そういった中で、生活環境文化分野、そして厚生分野それぞれにおけるデジタル化の推進状況と、どのような取組を実施していかれるのか、それぞれ村岡県民生活課長と
薮下厚生企画課長にお伺いいたします。
78 村岡県民生活課長 生活環境文化部についてお答えいたします。
部内のデジタル化につきましては、環境関係法令に関する一部届出等の電子申請での対応を行っているほか、今年度は
新型コロナの感染拡大を受けて新たに県美術館ではワークショップなどを動画配信しました。また、環境フェアのウェブ開催や、消費生活センターではツイッターにより消費者被害の注意喚起や製品事故の商法などを速やかに発信しております。
また、新しい生活様式に対応するため、県立文化ホールにおいて有線LANなどのデジタル配信環境を整備し、利用者からは好評を得ているところです。
さらに、部内の会議を、内容や出席者に応じ、テレビ会議システムを活用して実施しており、執務室が南別館と第2電気ビルに分かれていることから、往復十数分程度の移動時間短縮につながっております。
また、令和3年度は、高志の国文学館でのタッチパネルによるデジタル展示システムの導入や、リモートワーク等の多様な働き方に対応するため、立山山麓家族旅行村にフリーWi-Fiを整備することとしております。
加えて、指定管理鳥獣の捕獲において、これまで県自然博物園「ねいの里」で実証してきたICTを活用したくくりわなを捕獲専門チームへ導入し、効率的な捕獲による体制の強化を図ることとしております。
今後とも、事務、事業のデジタル化により業務の効率化や県民の利便性向上につなげてまいりたいと考えております。
79
薮下厚生企画課長 私からは、厚生部の関係についてお答えいたします。
主に、手続関係について子細にお答えさせていただくことになりますが、まず、県庁全体の取組としては、押印の廃止が進められておりまして、同時にオンライン申請の推進も行われております。厚生部としても現在、押印廃止の作業を進めているところでございます。また、オンライン申請でございますけれども、手数料納付が必要であるとか、図面の添付が必要なことが多いものですから、実はあまり進んでございません。現在、食品衛生申請のうち、手数料が不要な届出のみオンライン申請に対応しているところでございます。
今後、県庁全体の取組として手数料納付のキャッシュレス化も進めていくこととしておりますので、それに合わせてオンライン申請も進めていくこととなると思います。
また、厚生部所管事業について、「富山八策」のくくりで改めて確認いたしますと、デジタル化推進に寄与するものとしては、オンライン保健指導のためのシステム整備やタブレット端末の配備、あるいは遠隔医療の実施に必要な
医療機関、それから在宅患者の機器等の購入費への補助、それから
介護施設等での業務負担軽減や業務効率化等に資するICT導入への補助などを行うこととしております。
こういったことにより、今後とも業務の効率化や県民の医療福祉の充実に寄与できるよう、デジタル化の推進について積極的に検討してまいりたいと思っています。
80 川島委員 着実にデジタル化を進めていかれる状況をお話しいただきました。
特に、
新型コロナウイルス対策とデジタル化は、既に一体だと思っていますので、厚生部におかれては、手続だけではなくて行政執行や運営の部分でもしっかりデジタル化を図っていくということが必要なのかなと思いますので、よろしくお願いします。
そういった強力なデジタル化を進めていく中にあって、本当に水を差すようなお話でありますが、無料通話アプリLINEの案件について伺います。
私も、当委員会で、例えば、補助制度をLINEで申請可能とするなどいろいろ活用を図ってほしいと促しておった手前、今回のLINEの事件については非常に戸惑っております。前提とすべきことが前提になっておらず、個人情報が漏れているということについては、厚生部だけではなく県としても、今後のデジタル化を図っていく中において、非常に注意して、もしかしてということを常に考えていかなければならないのかなと思っております。
全国では、8,000万人以上がLINEを利用しており、県内では4万人弱と、既に幅広く利用されておるアプリでありますけれども、登録された県民の方々の個人情報が担保されているのかどうなのか、その辺の状況も含めて石崎班長にお願いいたします。
81 石崎
新型コロナウイルス対策班長 3月17日になりますが、LINEの個人情報が中国の関連会社で閲覧可能な状態になっていたという一部報道を受けまして、LINE社からは、外部からの不正アクセスや情報漏えいは発生していないというプレスリリースが出ております。
また、3月19日になりますが、LINEの個人情報保護に不備があった問題を受けまして、武田総務大臣のほうからは、総務省の意見募集や問合せに対応する
サービスの運用を停止する考えを示されまして、LINEに対し、今回の事案の経緯及び詳細等について、電気通信事業法に基づく報告を求めたとされたところでございます。
県におきましても、こうした状況を踏まえまして、「富山県─
新型コロナ対策パーソナルサポート」や「コロナ相談@富山県」などLINEを活用した行政
サービスについて、念のため直ちに運用を停止したところでございます。安心して利用いただける環境が確認された後に、再開することとしております。
なお、これらのアカウントにつきましては、お住まいの市町村や性別年齢を確認することはございますが、氏名や住所など個人情報を取得しているわけではありません。しかし、県民の皆様の不安になることがないよう、個人情報の漏えいがないと安全が確認されるまでは、運用を停止することとしております。
82 川島委員 聞くところによると、総務省から通達があったということで、26日には都道府県や自治体からの説明を総務省に上げていく運びだろうと思っております。差し支えなければどのように説明されるのか伺います。
それと、これは本当に大きな問題だと思っていて、LINE社は、口頭で情報漏えいはなかったと発表していますが、現実的にはどうなのか、県としてもやはりLINE社に対して、今後の再発防止策や状況について個別に問合せをする必要もあろうかと思いますが、その辺いかがでしょうか。
83 石崎
新型コロナウイルス対策班長 総務省のほうからは、この件に関して報告するようにということで連絡をいただいておりまして、まずは活用の有無といった現状についての報告義務だったと記憶しております。
また、LINE社からは、直接
サービスを利用させていただいておりますので、先ほどプレスリリースのコメントにつきまして報告があったところです。
いずれにしても、国のほうで対応等を示されますので、そういった国の動き等を注視いたしまして、検討してしっかり対応してまいりたいと考えております。
84 川島委員 県民だけでなく国中で信頼が揺らぐ大きな案件だと思いますので、ぜひ注視して安心できるデジタル化の推進を図っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、最後の質問に入ります。
昨日、本会議場で石黒部長が足をよろめかせておられ、本当に満身創痍だなという感じで議場から見ておりました。
2年近くにわたって、あまり比べるものではないのかもしれませんが、歴代
厚生部長の中で、これだけの緊張感を毎日保って本当に御苦労されたなと、ねぎらいと感謝をし、心から敬意を申し上げたいと思います。
コロナ第1波のときから、どしっとした石黒部長のたたずまいが、県民に安心を与えていると、そういう声も非常にありまして、たじろぐことなく
新型コロナ対策を記者発表されておられる姿に、多くの県民が安心感を覚え、感染拡大を防いだのだろうと、心から敬意を表したいと思います。
そんな石黒部長でありますので、
新型コロナウイルス感染症に対する思いも大きいのだろうと思います。
そういった所感といいましょうか、今後の課題と対策も含めて、次の新しい部長に何を心がけてほしいかといった部分も含めて、ぜひ御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。
85
石黒厚生部長 ただいま、委員から本当にありがたい、温かいお言葉をいただきました。ありがとうございます。
昨年3月に、本県におきまして初めて
新型コロナウイルス感染症の患者が発生して1年、計900名を超える多くの感染者が発生いたしました。
この間、県民の皆様には、いわゆるマスクの着用とか、手洗いの励行、換気の徹底、あるいは3密の回避とか、いろいろな行動、生活様式の変容をお願いしてきたところでございます。
また、時期によっては、不要不急の外出の自粛等、様々な御負担をかけたところでございます。
このような言い方をしたら悪いですけれども、本県の県民性は非常にまじめで、県民のほとんどの方々にそういう対策を徹底していただいていることにより、本県における感染の状況は比較的落ち着いているものと思っております。
それと併せまして、医療・介護・福祉、あるいは保育・教育、このような社会的に必要とされる機関で働いている方々が、やはり感染のリスク等を背負いながらも一生懸命取り組んでいただいていること、特に医療従事者の方々には直接的なリスクを負いながら、一生懸命自分の職務を果たしていただいていることについて、改めて敬意を表したいと思っております。
今回の
新型コロナ感染症に対する取組といたしましては、私は大きく2つあると思っております。
1つは、感染の拡大防止、もう一つは、収束に向けた取組です。
感染の拡大防止に向けた取組として大きく必要とされるのが、やはり検査体制の充実、医療
提供体制の確保、そして、県民の皆様への呼びかけといいますか、様々なことを周知すること、これが必要だと思っております。
検査体制につきましては、これまでも
医療機関あるいは医師会など、様々な
関係機関の御協力を得て充実に努めてきたこともあり、先ほど、答弁もありましたけれども、今後はそういう変異株への対応も充実させていく必要があろうかと思っております。
医療
提供体制の確保につきましては、いろいろな点がありますが、やはり大きいのは、それぞれの身近なところにおける診療、診察、検査が実施できること、そして入院病床を確保すること、そしてもう一つは、宿泊療養施設を確保すること、こういう取組をしっかり進めていくことだと思っております。
3つ目の県民の皆様への呼びかけについては、これまでも何回も知事から呼びかけていただきましたけれども、やはり適時に、例えば今感染が広がりそうだとか、あるいは気を緩めずにとか、こういうことを呼びかけて県民の皆様に行動していただくことが非常に大事かと思っております。
もう一つ言いました収束への取組につきましては、やはりワクチン接種ということに尽きるかと思っております。
現在
新型コロナウイルスにつきましては、言わば指定感染症の2類という極めて危険度の高い位置付けがされております。ただ、ワクチンが普及することによって、もしかしたら2類の取扱いが変わり、もっと低いランクになるかもしれません。
ワクチン接種を進めることにより県民の皆様が抗体を持つといったらいいのでしょうか、抵抗力を持っていただくことが必要になろうと思います。ですから、ワクチン接種についても、今後、着実に進めていく必要があろうかと思っております。
コロナにつきましてはすぐに収束せず、収束するまでこれから何年もかかるかもしれません。ただ、そういう長い、ある意味、戦いになったとしても、やはり県が県民の皆様と一緒に手を取り合って、それに立ち向かっていくことが必要だと思っておりますので、今後とも、またひとつ御支援、御理解をお願いしたいと思います。
86 川島委員 はい、石黒部長ありがとうございました。
本当に、そのとおりだろうなと思います。もうしばらくは気を緩めることなく、よろけることなく、ぜひ頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
87 平木委員 私からは、これまでも
厚生センターについて幾つかお聞きしてきましたので、年度の最後に、また締めで聞いてみたいと思います。
通告の質問の前に
石黒厚生部長に1つだけお聞きします。今回、コロナの対策の途中で県のトップが交代しました。新田知事は現場主義を掲げておりますけれども、
厚生センターについては、知事は足を運んで現場の確認をされた機会がこれまであったのでしょうか。当然、現場の情報管理を行うこともそうですが、そこに足を運ぶというのもひとつ現場主義を示す方法だと思っています。
もし、まだ足を運ばれていないのであれば、この年度内に、最後のお仕事として、知事を連れていくということも必要かと思いますが、現状の把握と状況をお伺いしたいと思います。
88
石黒厚生部長 新田知事は、いろいろな現場を見るということで、就任以来、例えば、
医療機関とか、厚生部
関係機関も幾つか訪問されて実態を視察されておられます。
厚生センターでは、高岡
厚生センターに視察に行かれました。視察されて、非常に狭いということで、現場がいろいろ問題を抱えておられるということを見ておられました。
厚生部はいろいろな案件を抱えております。
厚生センターもそうですし、例えば、児童相談所なども御覧いただきまして、今後の対応について検討いただきたいと思っております。また知事だけではなくて、我々も現場に赴き、いろいろなところを視察させていただき、場面を思い浮かべながら対応を検討するものだと思っております。
89 平木委員 ありがとうございます。安心しました。
厚生センターや支所など、いろいろな現場がありますので、県のトップクラスの皆さんには、ぜひ今後とも現場を見ていただくということを徹底いただきたいです。
次年度に、職員の増員を提案いただいているところもありますけれども、例えば、人を受け入れる広さも含めて、現場は管理を行う余裕も持たなければいけません。
デジタル化の中で言いますと、県庁内では、コロナ禍においてオンライン会議などにしっかり対応するための会議室、Wi-Fiに接続できる環境整備を進めてきました。
ノートパソコンやポケットWi-Fiも職員の増員に対応できる数量を確保することが、当然ながら同時に必要です。
新型コロナウイルス感染症への継続的な対応が必要だと、先ほど、部長からも答弁がありましたけれども、
厚生センターにおいて、センター間の情報共有、もしくは全国の先進事例を学ぶためのオンライン会議やオンライン研修会に対応できる環境の整備を進めていただけているのか厚生企画課長に伺います。
90
薮下厚生企画課長 厚生センターにおいては、現時点で、本所支所間の所内会議でありますとか、それから各種学会やブロックごとの所長会といった各種会議にオンラインで参加いただいているところではございます。
ただ、整備が十分であるかどうかということにつきましては、これまでそういったウェブ環境を前提としたものについては、決して十分でなかったのかなと思います。回線が不安定であり、複数の方が同時に同じ場所で会議に参加するようなことが、なかなか難しい状況でございます。
お尋ねの無線LANの環境でございますけれども、
厚生センターのお話になりますと、建物の形状でありますとか、部屋の配置状況を踏まえた適切なLAN配置でありますとか配線の敷設などに対応することが必要となってくるかと思います。
現在、無線LANを所管する情報政策課におきまして、令和4年度の早い段階での環境整備を目指していると伺っているところでございます。
当面は、引き続き限られたLAN環境の下で、ウェブ会議などに出席をしていきながら、無線LAN環境の整備などについて、情報政策課を含めた庁内関係課と連携し、そして、
厚生センターの整備環境がより充実したものとなるように努めてまいります。
91 平木委員 なるべく早く進むことを祈ります。
次の質問です。
厚生センターの職員の皆さんは、いわゆる県庁内のエッセンシャルワーカーともいえる大変重要な役割ですが、自宅から
厚生センターまで、それぞれ通勤をしている中で、例えば、県を縦横断して通勤するような状況があれば、改善すべきだと考えます。
厚生部関係ではなく教職員の皆さんにまれに見られるケースですが、県西部に住んでいる方が県東部の端まで通勤しているという状況なども聞く場合があります。
厚生センターについては、
新型コロナウイルスの対策以外の日常的な業務も含めて、緊急対応が多い職場であると思いますが、
厚生センターへの通勤時間の最適化が必要ではないかと考えます。現状の把握も含めて、どのように考えていらっしゃるか厚生企画課長に伺います。
92
薮下厚生企画課長 まず
厚生センターの業務について申し上げますと、
新型コロナウイルス対応のほかに、緊急的な対応として、例えば、精神障害のため、御自身を傷つけ、または他人に害を及ぼす恐れがあると認められるものについて通報があったようなときには、精神保健福祉法に基づいて、夜間休日を問わず保健師などの技術職員が調査、それから医師の立ち合い、診察の立ち合い、入院措置の対応に当たっております。
また、食中毒などの疑いが発生した場合には、患者や店舗への調査、検査など迅速に初動対応をする必要がございます。そうしたことを踏まえて、職員の配置については、適材適所を原則としつつ、こうした業務への適切な対応でございますとか、通勤負担も考慮いたしまして、できる限り自宅から職場まで、県を縦横断して通勤することのないよう配慮しているところでございます。
富山市をまたいで通勤している職員は、現在4センター、4支所合わせて約3%と少数となっているところでございます。
また、今年度の
厚生センター職員の通勤時間は、片道平均でおおむね40分でございまして、内訳を申しますと、30分以上60分未満が42.4%で最も多く、次いで30分未満が31.4%、60分以上もそれなりでございまして26.2%となっております。
職責や職務経験等から、遠距離通勤にならざるを得ないという場合もございますが、長期的に特定の職員に負担が偏らないように配慮しておりますし、緊急的な事案にも即応できますよう
厚生センター管内の市町村など、近隣に居住する職員も配置しておるところでございます。
職員の配置に当たりましては、緊急的な事案に適切に対応できるよう、今後とも通勤距離や通勤時間にできる限り配慮していきたいと考えております。
93 平木委員 新年度から増員も含めた対応があります。
厚生センターだけではなくて、各課長も含めて、皆さんがいい形で新年度からも働けることをお祈りいたします。2年間ありがとうございました。終わります。
94 種部委員 通告していた質問ではありませんが、
報告事項の中から、ひとり親自立支援計画について、一言質問をさせていただきたいと思っております。
ひとり親自立支援計画をまとめていただき、これから自立支援に対していろいろな施策を実施していかれるのだと思いますが、このコロナ禍であぶり出された一番大きな福祉の課題は、ひとり親家庭の貧困の問題だったと思います。
石黒部長をはじめ、厚生部の方々が頑張ってくださいまして、ひとり親に対しての現物給付だったり、様々な支援をしていただいて何とか乗り切ってきたと思いますが、資料を読んでいてとても気になったところがありました。
皆さんが資料を持っていらっしゃるか分かりませんが、35ページの養育費の確保と面会交流の部分であります。
コロナ禍でDVが非常にエスカレートした場合、その現場からまず逃げるという決意を促すために、次年度になりますが、県のほうでDVシェルターに対する支援といった大きな政策を打っていただきました。
しかし、避難した後の経済的な問題があるために、逃げることができない人が非常に多いということがあります。
給付は当然大事ですけれども、安定的な収入という意味で養育費の徴収も大事です。徴収のために面会交流をセットにされると、非常に危険を伴う場合があって、当事者はとても葛藤して困っているわけです。
私は面会交流ありきではないと思いますし、子供が嫌がった場合、あるいは調整をした上でリスクが高い場合には、面会交流は実施すべきではないと考えています。幾ら支援をして個別の調整をしても、把握しきれないことが非常に多くありまして、日本はアセスメントが非常に甘いと思っています。
それこそ、警察を絡めたような事案がありますし、実際に面会交流で死亡する例がありますので、この資料に、子供の健やかな成長を図るために、面会交流を実施しなければいけないというようなニュアンスがあるのが非常に気になりました。
ひとり親の当事者からすると、この一言に大変傷つくかなという思いがあります。
計画策定にあたっては委員の選定をされ、パブリックコメントやアンケート実施もしていらっしゃると思うのですが、その中で面会交流に対する不安を訴える方がおられなかったのかということと、委員の中に当事者の方が入っていたのかということについて、久崎子ども支援課長お願いいたします。
95 久崎子ども支援課長 まず、パブリックコメントについては、そうした意見はございませんでした。検討委員会のメンバーにつきまして、ひとり親の関係者ということで申し上げますと、母子寡婦福祉連合会の会長さんですとか、あとはひとり親ではございませんが、よくひとり親の皆さんの相談を受けておられる母子・父子自立支援員さん、そうした方に委員をお願いして現場のお声をお聞かせいただいているということになります。
委員が申し上げられたとおり、確かに、ケースによっては非常に危険なことにもなり得るということも、こちらのほうも実際よく分かっております。
県のほうでも予算はついておりまして、実績はないのですが、面会交流の実施につきましては、面会することについて双方の親御さんからの事前の同意がない限りは、この事業を実施するということはできませんという流れにしています。もちろんDV案件であれば、同様に面会交流を進める手順にはしておりません。そのあたりは、いろいろ気をつけていかなければいけないということは分かっています。
また、仮にうまく面会というところまで来た場合には、委員はよく御存じだと思いますけれども、公益社団法人の家庭問題情報センターの新潟ファミリー相談室の方に、その場で同席いただいて調整いただくことも考えております。実施に当たっては、委員がおっしゃった懸念の部分は重々気をつけてまいりたいと考えております。
実は、ひとり親さんから、こういった面会交流の要望については、全くないというわけではないのです。ただ、現在のコロナウイルスの事情がどうか分かりませんが、支援員さんのほうからそういった要望が多少ある場合がありますので、個別のケースをしっかり見据えた上で進める必要があろうかと思っております。
96 種部委員 安全に実施いただくことが前提だと思います。養育費のことがあるので、面会交流に応じざるを得ないような人がいる中で、心のケアなしには実施できません。また面会交流後に調子の悪くなる子供もやはりいるわけで、そこがとても大事な部分ですが、面会交流が子供の健やかな成長を図るために必要だというふうになると、心の中では受け入れられないという人が、やはりいらっしゃるのではないかと思ったので、最大の配慮をもって実施していただければと思っています。
ありがとうございます。
それでは、通告していた部分の質問をさせていただきたいと思います。
コロナ禍において、子供や若い方たちの死因で自殺が非常に増えたのは大きな問題ですが、子供の死因の1位は、小さい子については先天異常、それ以上になり5歳から9歳については、事故がトップであります。
現在、子供の数が非常に減っているので亡くなる子供は1人でも少なくなってほしいという思いがあります。
それから、ひとり親支援計画が実施されるに当たり、チャイルド・デス・レビューが始まりますので、事故防止というのは非常に大事なことだと思っています。
先日、消費生活センターを視察させていただきました。そこで事故防止情報について情報発信がされているということを見てまいりました。
事故で亡くなっている方は、毎日1人以上おり年間300人から400人が亡くなっている状況であります。原因としては窒息、家庭内での首つり、磁石の誤えんや腸せんこうというのが非常に多いという状況です。
類似事例の再発を防ぐということは、非常に大事でありまして、安全情報を知る必要があるのは、保護者だと思います。
消費者庁や消費生活センターから子供の事故防止情報は提供されておりますし、先日、視察させていただいたときに「暮らしの安心情報」や、「くらしの情報とやま」という雑誌で、様々な事故の情報について、対処方法や予防方法が掲載されておりましたが、これを保護者に伝えるのは難しいのではないかと思っています。
例えば、昨年ブドウによる死亡事例がありましたが、消費者庁からニュースリリースが出るまで4か月から5か月かかりまして、その間にも毎日1人ずつ事故で亡くなっている人がいるという状況でした。
やはりできるだけ早く、かつ積極的に新しいニュースには伝える必要があるのではないかと思います。
母子健診や乳幼児健診の機会などに、親御さんたちに接触する機会があると思いますが、その場で子供の事故について伝えることを、現在、実施していらっしゃるのかどうか、岩城消費生活班長さんにお伺いいたします。
97 岩城消費生活班長 消費者庁では、関係省庁と連携してホームページ上に、「子供を事故から守る!事故防止ポータル」サイトを開設し、直近に発生した子供の事故の内容や、不慮の事故を未然に防止するために、注意するポイントなどの情報を発信しております。
県では、消費者庁や
国民生活センターが発信する注意喚起情報を基に、県のホームページやツイッターなどの広報媒体を活用して、速やかな周知を図るとともに、市町村の関係部署にも情報提供しているところでございます。
子供の事故は、過去に発生した事故と同様の事故が繰り返されることが多く、また保護者にしっかり伝えることで未然に防ぐことができるものが多いと言われております。
こうした点を踏まえまして、市町村では、委員からお話のありました乳幼児健診や保健師の家庭訪問などの機会に、事故防止のためのリーフレット等を直接配付し、助言するなど、啓発を図っていると聞いております。
県といたしましても、関係部局やこうした市町村等と連携しながら、様々な機会を通じて子供の事故の未然防止に向けた普及啓発に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
98 種部委員 恐らく紙媒体では保護者は見ないだろうと思います。このような「くらしの情報とやま」を、例えばサンフォルテのところに並べておいても、取りに来るお母さんはまずいないと思います。
電子媒体のほうがいいということで、ツイッターでも情報を発信されているということですが、ツイッターだけでなく、ほかの媒体、例えば乳幼児健診の際に、目につく場所にスマートフォンなどで読み取り可能なコードを作成しておいたりすることが必要かもしれません。
短期間で、本当にたくさん事故が発生していまして、去年のブドウによる死亡事故があった後も白玉団子などで僅かな期間に何人も亡くなっています。
防げる事故だったと思いますので、スピードをアップする意味でSNSでの啓発について、もう少し重点化すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
99 岩城消費生活班長 一部繰り返しになりますが、県では、消費者庁や
国民生活センターが発信する注意喚起情報を基に、県のホームページやツイッターなどの広報媒体を活用して、速やかな周知を図っておりますが、このほかにも、県警をはじめ、市町村、老人クラブ、民生委員、児童委員協議会などの福祉関係団体、消費者団体等で組織するネットワークを通じて事故防止を呼びかける「暮らしの安心情報」をメール配信しております。
こうした情報につきましては、市町村では消費者行政担当部署に限らず、必要に応じてメール、ファクス、コピーの配布などによりまして、福祉担当部署や教育担当部署にも速やかに周知を図り活用されているところでございます。
このように必要な情報につきましては、迅速に周知するようにこれまでも常に心がけているところでございまして、県といたしましては、今後とも待ちの姿勢ではなくて、どうすればお母さん方に必要な情報が届くか考えまして、SNSでの発信など工夫しながら事故防止情報の積極的な発信に努めてまいりたいと考えております。
100 種部委員 消費者庁から提供されるものについては、積極的に周知を図るということですが、スピードということを考えますと、もう一つ新しい媒体として、小児科学会が出しているインジャリーアラートというものがあります。
最近100円均一ショップで販売されているスポンジ状の給水製品など、新しい商品が原因で、今までなかった事故が発生してきています。例えば、洗濯機の下に手を突っ込んで指を切断してしまう話や、家のロールスクリーンの横のひもで首をつってしまう事例が発生しております。
こういった場合、ロールスクリーンの横にベッドを置くなといった情報を小児科学会がインジャリーアラートとして、またセーフキッズジャパンというところも情報を出しています。実はこういった媒体のほうが情報が早くて、そこから消費者庁に情報提供されますが、消費者庁から他方に情報がリリースされるまでに、相当な時間がかかっています。
このことを考えますと、積極的にインジャリーアラートやセーフキッズジャパンが提供する情報を取り入れれば、注意喚起だけでも早く行うことができるのではないかと思いますが、御検討いただけないか岩城消費生活班長お願いします。
101 岩城消費生活班長 消費者庁に事前に確認しましたところ、消費者庁では、委員からお話のありました日本小児科学会のインジャリーアラートの発信内容を定期的に確認したり、セーフキッズジャパンが出している事故情報を参考にしたりすることに加えて、
医療機関ネットワーク事業に参画している
医療機関からの事故情報など、幅広く情報の収集に努めているとのことです。
ただし、収集した全ての情報を公表するのではなく、事実関係を確認し、内容を十分に精査した上で、注意喚起の必要があると判断したものについて、消費者に注意喚起を促しているとのことでございました。
県といたしましても、こうした消費者庁からの情報を活用するとともに、庁内関係部局との連携を密にしまして、正確な情報の迅速な周知に努めてまいりたいと考えております。
102 種部委員 現場の救急をやっていらっしゃる方や小児科の先生方など
医療機関の方は、現場から上がってくる情報を、何とか早くフィードバックしたいと思っていらっしゃるのですが、消費者庁を通ると何か月も先となってしまい、非常に時間がもったいないこととなってしまいます。
せっかくですので、厚生部、生活環境文化部という縦割りではなくて、連携の取り方についても考えていっていただきたいと思います。
103
山崎委員長 ここで暫時休憩をいたします。
休憩時間は15分間といたします。再開は12時26分であります。
〔休 憩〕
104
山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑・質問はありませんか。
105
井加田委員 途中休憩も取っていただきましたので、改めて、私から1点だけ質問させていただきます。
先週末、国のほうから
子育て世帯への生活支援特別給付金を支給する方針が示されました。
支援メニューが増えるということは、とてもいいことだと思いますけれども、これまでも2回にわたってひとり親支援ということで給付金が給付されてきている状況もあります。
できるだけ早期に支給していただきたいと言われておりますけれども、これまでの給付とどの点が違うのか、支給時期の見通しと併せて、御説明をしていただきたいと思っております。久崎課長にお願いいたします。
106 久崎子ども支援課長 国の低所得の
子育て世帯への生活支援特別給付金は、
新型コロナの影響が長期化する中で、低所得のひとり親及び二人親の
子育て世帯に対しまして、生活の支援を行うという観点から児童1人当たり5万円を支給するというものでございます。以前は2人目以降は3万円ずつ金額が加算されるものでしたけれども、今回は1人当たり5万円でございます。
対象は、まずひとり親世帯については、これまでと同様児童扶養手当受給者等になります。二人親世帯につきましては、所得の制限がございまして、住民税非課税世帯となっておりますが、詳細については、現在、国において具体的に制度設計しておられると聞いております。
スケジュールについてですが、ひとり親世帯のうちの児童扶養手当の受給者は、県及び市町村で対象者を把握しており、国から支給の条件が示されれば、申請不要として可能な限り早期に支給するといったことになっております。
ただ、まだ国のほうで詳細が示されておりませんが、条件が示され次第、県及び市において速やかに対象者の抽出を行い、支給をしてまいりたいと思っております。
その他の二人親世帯の
子育て世帯につきましては、申請に基づき支給をすると聞いております。
こちらも国の制度の詳細が示され次第、対象者が漏れなく速やかに申請されますように、市町村と協力して実施してまいりたいと思います。
107
井加田委員 二人親世帯の対象は、住民税非課税世帯であるようですけれども、対象者の申請漏れがないように、また必要な方に必要な支援が届くように、しっかり県と市町村とが連携して進めていただきたいと思っています。
事業としては不要なものになるという思いもありますが、コロナ禍も長引いておりますので、必要な支援として利用しやすいよう、なるべく早期に改善しながら、しっかり継続して取り組んでいただきたいと思っております。
108 山本委員 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
新型コロナウイルスに関して、終始取り組んできた2年間だったと思いますけれども、少子化の問題について、この
新型コロナウイルスと大変関連が深いことだと思いますので、質問いたします。
昨年9月に発表されました厚生労働省の人口動態統計によりますと、2019年の我が国の合計特殊出生率は1.36ということで、過去最少となりました。
本県の合計特殊出生率は1.53で0.01ポイント増加をしたということでございますが、出生数については6,604人で、過去最少ということでございます。
新型コロナウイルスの影響などもありまして、2020年出生数が一体どうなっているのか大変心配をしているところでございます。
どの程度把握しているか分かりませんけれども、2020年の本県の出生数の見込みについて久崎子ども支援課長にお聞きします。
109 久崎子ども支援課長 厚生労働省の人口動態統計は、例年6月に概数が公表され、9月に確定数が公表されます。そのため、2020年の本県の年間出生数については、現時点では分からない状況になっています。ただ、厚生労働省が毎月公表しております月報というものがございまして、こちらでは10月分までが公表されております。
これによりますと、2020年1月から10月までの本県の出生数は5,238人となっております。前年同期の出生数は5,506人となっておりまして、比較しますと268人減少しているということが分かります。
なかなか見込みは、立てづらいですが、このようなデータが出ている状況でございます。
110 山本委員 いろいろなところで言われているとおり、本県についても出生数が減っているのが現状ということだと思います。かなり減っているといってもいいのかもしれません。
少子化の問題については、これまでも本県において大事な政策の1つとして取り組んできたところでございます。国のほうもそうですけれども、これといって決め手がなく、効果が上がらないまま、非常に苦しい状況が続いていると認識しており、このコロナ禍にあって、やはり大きな影響を受けているのではないかと懸念しているわけでございます。
しかし、そんな中でも令和2年度は幾つか取組を実施されまして、新年度も継続して取り組む事業があるので、幾つかお聞きをしておきたいと思っております。
今年度、「切れ目ない妊娠・出産包括支援推進事業」ということで、母子保健事業を実施する市町村に対しまして、医療、行政の関係者との連携体制を形成したり、人材育成研修会の支援を実施したりしておられました。私が特に興味を持ったのは、圏域を越えた産後鬱対策に係る協議会の開催であります。この協議会を新年度も続けられるということでございますけれども、この1年間、コロナ禍において受けたいろいろな相談も含めて取組実績はどうか、聞きたいと思います。
111 菊地健康課長 今年度の実施状況ですけれども、まず、各
厚生センター単位で、市町村等の相談支援従事者に対する周産期鬱病等に関する研修を2回、市町村における支援困難事例等の事例検討を25回、それから産科
医療機関等との地域連携ネットワーク会議を4回、開催いたしまして、周産期保健医療の連携・強化・促進を図っているところでございます。
一方、今ほど委員のほうからもお話がありました県下全域を対象とした人材育成研修会及び産後鬱等のサポート会議ですけれども、大変申し訳ございませんが、
新型コロナ感染症の感染拡大防止の観点から、今年度の実施は見送りをさせていただいております。
ただ、妊娠期から出産・子育て期にわたる切れ目ない支援ということで、市町村などの
関係機関との連携は重要ですので、今年度は実施がかないませんでしたけれども、来年度はぜひ実施したいと考えております。
また、育児不安の軽減や児童虐待防止への対応には、福祉の視点も大変重要になりますので、来年度はこういった福祉関係者も対象に加えた切れ目ない
子育て支援機関ネットワーク強化研修会というものも新たに実施することにしております。
112 山本委員 大変期待をしておりましたが、
新型コロナウイルスの影響で開催できなかったということで、残念でございます。新年度については、
子育て支援機関ネットワークを強化されるということで、しっかりお取組いただきたいと思います。
今年度の新規事業で取り組まれた「不安を抱えた妊婦支援事業」は、500万円程度の予算だったかと思っております。電話やSNSを活用した相談、あるいは特定妊婦に対し産科受診への同行、あるいは一時的な居場所の提供といったようなことで、妊婦に寄り添うような形の支援ということでございます。
新年度予算でも550万円ということで、今年度に引き続き実施されるということでございますので、今年度の実績と来年はどのような形で実施するかお聞きしたいと思います。
113 菊地健康課長 この事業は、3つの事業からなっております。
1つ目は、専用電話とLINEによる「妊娠・出産悩みほっとライン」、2つ目には、若年や経済困窮などの理由から、妊娠確認のための産科受診ができない方への受診同行支援、それから3つ目には、産科受診の結果、妊娠が確認されましたけれども、居所、お住まいが不安定で支援が必要な方に対する居場所の提供という、大きな3つの柱です。
まず「妊娠・出産悩みほっとライン」についての事業実績でございますけれども、電話相談は平成23年から始めており、例年、大体30件から40件程度の件数で推移しておりましたけれども、令和2年度については、2月末時点で79件ということで倍増しております。ただ、これはある特定の若年カップルさんが、出産に向けて複数回相談されたということで、回数が増加しているものでございます。
また、令和元年10月末にLINEの個別相談を開始しております。これは、先ほども説明がありましたが、3月19日からは運用停止中ということになっておりますけれども、今年度2月末までで延べ488件の御相談をいただいておりまして、電話相談の約6倍です。
やはり、LINEは電話より気軽な相談ツールということかなと思っております。
また、それぞれ相談の内訳ですけれども、電話相談については、妊娠、特に経済的な面の御心配、御相談事が多く43%でございます。それからSNS、LINEのほうの相談は妊娠への不安が最も多くて30%ということになっております。
3本柱のうちのあとの2つ、受診同行支援と居場所の提供につきましては、2月末時点で実績はございません。ただ、いつでもこういった受診同行支援等に出動できるように、今年度から相談員を1名増員しまして、計3名体制としております。同行支援の際には2名で同行し、相談もきちんと受けられる体制となっております。
新年度もこれらの事業を継続して、市町村と連携しながら、妊娠・出産に悩んでいる方のお悩みに答えていきたいと思っております。
114 山本委員 経済面の不安が43%ということ、あるいは心理的に不安がある方が30%ということで、やはりコロナ禍の影響がある程度あるのだろうと思っております。
また、同行支援については、実績はないけれども、強化していこうというお考えは、大変良いと感じました。
新型コロナウイルスの対策を行いながらの実施で、菊地課長には大変ご苦労だったかと思いますけれども、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
不妊治療、不育治療についての助成もしっかりと行っていただいております。本事業は、子供が欲しいけれども、できないという方にしっかりと寄り添うものでございます。困っている方々に希望を与える事業だと思いますが、4月から保険適用になるというお話もございます。
本年度の実績と併せて、これまでの実績について、お聞きをしておきたいと思います。
115 菊地健康課長 それでは、まず不妊治療費助成についてでございますけれども、直近3年の年間延べ件数は大体1,350件から1,400件ぐらいとなって、助成額は2億円から2億1,000万程度で推移をしております。
今年度は、1月末で延べ886件、助成額が1億3,800万円となっておりますけれども、例年、年度末に申請が集中するということで、4月以降にならないと、前年との比較はできないのかなと思っております。
また、今ほど委員からも御紹介ありましたけれども、不妊治療に保険が適用されるというお話も昨年の12月にございまして、保険適用までの期間は、国のほうの助成事業が拡大するということになっております。県のほうでもそれに対応して、今年の1月以降の治療分から助成を拡充しております。こういったこともあり、例年と違った傾向も出てくるのかなと思っておりますので、3月末までの状況を見て、いろいろ対策を考えていきたいと思っております。
それから、不育症治療費助成につきましては、平成29年度から、市町村と連携して保険適用の検査治療費を補助しております。毎年大体60件前後の御活用をいただいておりまして、実績額としては約90万円から110万円の幅で推移をしております。
今年度の実績は、3月19日現在で58件、実績額は140万円となっております。これについても3月末までの申請であれば、もう少し件数は伸びるのかなと思っております。
なお、不育症については、令和3年度から国のほうで、保険外の検査を併用して実施する治療についても、
助成対象としたところでありまして、こういった事業についても不妊治療助成と併せて周知して、お子さんが欲しい方がきちんと授かれるように、応援していきたいと思っております。
116 山本委員 大変だと思っておりますけれども、多くの方に事業があること知っていただきたいですし、利用したいと思っておられる方に、もっと利用していただければいいかなと思います。ありがとうございました。
厚生労働省は、2月22日に人口動態統計の速報を発表しました。2020年の出生数の速報値は87万2,683人、前年比で2万5,917名の減少ということですが、確定すると、83万人から84万人台になって過去最少を更新する見通しということだそうですね。
これは、妊娠届の提出が前年を大きく下回っているというのが根拠でありまして、妊娠届の数だけから言うと、87万2,683人だけれども、実際に確定すると、それからさらに減り83万人から84万人になるのではないかということです。
妊娠届の提出ということで言うと、21年の出生数については、80万人台を割り込む可能性があるとするレポートもあれば、ほぼ確実としているレポートもあります。
ここ4年間で見ると、2015年には我が国で出生数は100万人を超えておりましたが、16年、17年、18年が90万人で来て、2019年で80万人台に落ち込みました。
これがコロナの影響で2020年には83万人台になって、2021年には、もういきなり80万人台を割り込むということで、急速に出生数は減っているという大変苦しい状況だと認識をしているわけでございます。
ただ、これは世界的な傾向だと思っております。アメリカのほうでも、人口増加率ということで見ると、コロナでの死者数が多いというのもありますが、過去120年で最低ということでございます。台湾、韓国も同様で、台湾では特に昨年の出生数を対前年比でいくと7%減となっており、韓国も同傾向ということで、世界中で産み控えという傾向にあるのではないかということでございます。
この原因について、1つは、先ほどの菊地課長の報告にもあったとおり、やはり経済面での先行き不安であると思っています。もう1つは、コロナウイルスの感染が、妊婦や胎児に及ぼす影響についての懸念が広がっているという心理的な不安の2点だろうと思っております。アメリカCDCの調査では、妊娠している女性は同年齢の妊娠していない女性に比べると、コロナに感染した場合、重症化や死亡のリスクが高まるということを発表しています。
しかし、一方では、昨年12月にハーバード大学の研究者グループの論文で、妊娠中の女性が胎児に
新型コロナをうつしてしまう可能性は低いということが発表されました。
いろいろなことが考えられるのでしょうが、相談体制をしっかりしていくだとか、困っている方に寄り添い、手を差し伸べることが必要だと思います。それに加えて、コロナに関してあるとすれば、コロナウイルスが妊娠・出産に与える影響や、これまでわかっている情報をしっかり整理して、提供していく体制を組むということが、ひとつ大切なことだと思います。
相談の内容を見ながら、横の連携を取っていただいて、どういう部分が不安で、どういう対処方法があるのかということを、心配されている皆様方にしっかり情報提供をすることが大事ではなかろうかと思います。
テレビのバラエティー番組などで、お父さんが家に帰ってくなり家に入るなと言われたり、ホテルで宿泊するよう言われた例を紹介しており、このコロナ禍では苦しい状況の家庭もあると聞いています。
一方で、一緒に家にいる時間が長くなったからこれまで以上に夫婦の絆が高まったとか、家族間の話ができるようになったとか、いい話もあるわけです。
少子化の問題で言うと、コロナは大変悪い影響を及ぼしていると思います。ただ、その中でも、我が国の人口減少問題、本県の人口減少問題にしっかりと取り組んでいっていただきたいと思うわけでございますが、この生活様式が変わろうとする状況下で、子供を産み育てやすい社会づくりとするために、どのように取り組んでいかれるのか、久崎課長の力強い答弁をお聞きしたいと思います。
117 久崎子ども支援課長
新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、先ほど、委員がおっしゃったように、妊娠届出数や出生数が前年同期で減少している中、子供を産み育てやすい環境を整備するということは、今まで以上に重要であると考えております。
このため、新年度は、先ほど、菊地課長のほうからも話があったと思いますが、妊娠・出産支援については、授かりたい人を応援する環境づくりの推進に向けまして、不妊治療の保険適用までの間、国の治療費助成制度の拡充に合わせ、県の助成制度を拡充するとともに、不育症治療につきましても、新たな国制度に対応し一部の保険適用外の検査費用を支援することとしております。
また、
子育て支援におきましては、市町村における切れ目のない
子育て支援の充実が非常に大変だと思っておりますので、こうした充実に向けた研修会の実施ですとか、あるいは富山子ども病院を含めた小児医療
提供体制の検討を行うこととしております。また女性の就業率の高まり等による保育ニーズの増加に対応するため、市町村による計画的な受皿整備ですとか、病児保育などの特別保育の充実の支援、保育の担い手確保などに引き続きしっかりと取り組んでいくこととしております。
さらに、働き方改革の面でございますが、他部局に関することとなりますが、仕事や子育ての両立に率先して取り組む企業の表彰制度の創設、男性の家事・育児参画推進キャンペーンの実施などに取り組むこととしております。
このように様々な面での施策を実施しながら、
新型コロナウイルスの影響で生活様式が変化する中でも、安心して出産・子育てができるような環境づくりに、市町村とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。
118 山本委員 大変なときでも、しっかりと手厚くサポートをしていただくことで、またいい方向につながっていくのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
通告は以上でございますけれども、幾つか質問を加えていきたいと思います。
今朝方、新聞紙上に、県の人事が掲載されていたわけでございますが、拝察しますに、竹野部長も石黒部長も、これで退任ということになられるのだと思うわけでございます。お二方とも昭和37年、36年生まれということですが、同い年ですね。早生まれの関係ではありますが、長年、県のために尽くしてこられたと思っております。
竹野部長におかれましては、農林水産部の水産漁港課長、生活環境文化部の次長、また総合政策局の次長もお務めになられました。最後は、生活環境文化部長ということでございましたけれども、長年お勤めお疲れさまでございました。
これまでお勤めになられて、いろいろと思うところもあると思います。また、本県の生活環境文化行政について、これからどのようにしていくのがいいと思われるかを含めて、我々後進に何事か御助言をいただければ、大変ありがたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
119
竹野生活環境文化部長 今朝の新聞で私と石黒部長の名前がなかったということで退職するということが公になったわけでございます。このような発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
私は、昭和59年に県庁に入庁いたしまして、37年間の県庁生活で、17所属を異動してまいりました。様々なことがあったと思います。
一番印象に残っているのは、水産漁港課に在籍していた時で、氷見ブリの産地偽装事件の対応をしたり、東日本大震災が発生し、気仙沼市において富山県の船舶が8隻被災したため、再建支援を早急に国に要望したこともありました。また、滑川市に派遣されていたことがありまして、派遣されて1週間経ったところで、市発注工事で談合事件が発生して、対応に追われたとこともありました。県の制度を聞き、いろいろと相談しながら進めました。
いろいろなことが思い起こされますけれども、幸いよい上司、よい同僚に恵まれまして、様々な課題に対応することができて、何とか退職まで勤め上げることができたのかなと思っております。
これまで一緒に仕事してくださった方に心から御礼申し上げたいと思います。
厚生環境委員会が関係するところでは、生活環境文化部関係の部署に計13年在籍しました。厚生部関係の部署は1年半しかおりませんでしたが、特に文化行政につきましては、教育委員会が所管していた頃も含めまして10年半携わらせていただきました。
私事になって申し訳ないのですが、実は、私は中学校、高校時代は運動部に所属しておりましたが、体を傷めまして、その後、文化部に所属いたしました。運動部に在籍していたときは、学校や住民の方の理解、あるいは応援というものが非常にありがたく大きいと感じましたが、高校の文化部に入りましたら、学校や、地域の方の理解度というものは運動部に比べて非常に物足りないと思いました。
大学も文化系サークルに入りましたが、そのときでもやはり、県民の文化に対する理解度というのは、まだまだだなと思っていました。それもあり県庁に入庁した際に、県民の文化に対する関心を高めたいという思いがあったので、文化行政に携わりたいということを志望の欄に書きました。3つ目の所属でそれがかなって、それ以来10年少しの間、文化行政に携わることができて、本当にありがたいと思います。
私が何かやってきたというふうには言えませんけれども、三十数年前に比べますと、芸術文化に触れる機会、あるいは発表の場というものが非常に増えたのではないかなと思います。
現在、特にこのコロナ禍で、なかなか外出できず、人との交流ができないという中で、心のゆとりがなくなってきている、あるいは人に強くあたったり、自分さえよければという感情が芽生え、あるいは、知らず知らずのうちに強くなっているのではないかなと思っております。
私は、生の芸術文化に触れることで、感情が揺さぶられる、あるいは豊かな感覚が醸成されると考えております。多くのイベントや行事が中止または延期になったということは非常に残念ですけれども、今後とも文化の灯を消してはいけないと強く思っております。
私は仕事を行う上で心がけてきたことが、大きく2つございます。
1つは、仕事は前向きにやろうということです。もう1つは、人とのつながりを大事にするということでございます。
仕事を前向きにやるということについては、どうしてもやらなければならない仕事に取り組む際には、嫌々やっていてはいい仕事はできない、前向きに考えて取り組むことでいい結果が生まれる、あるいは精神的負担も減るのではないかなと考えております。
また、人とのつながりを大事にするということについては、現在、DXやIT化など、いろいろと機械化が進んできておりますが、仕事をやる、やらないを決めるのは人であります。自分独りでは何もできず、いろいろな人たちと協力することで仕事ができるのではないかと思っております。
人と人との関係を大事にして、相手の気持ちも考えながら、また現場の声を聞き、現場に赴き確認して、仕事を進めてきたと思っておりますが、うまくいかなかったことも多々あったかとも思います。
これから残られる方にも、この2つを心がけて仕事を進めていただければ、円滑にいくのではないかなと思います。
議員の皆様方には、これまでも温かい励ましや御指導をいただきました。本当にありがとうございました。
また、一緒に仕事をした職員の皆様にも、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
私は県庁を去りますけれども、今後どこで、どのように関わっていくか分かりませんが、またどこかでつながりがあるかと思いますので、ぜひ、そのときはよろしくお願いいたします。
長い間、本当にありがとうございました。
120 山本委員 竹野部長ありがとうございました。
石黒部長におかれましては、知事政策局の総合交通政策室の航空政策の課長を歴任され、医務課長と危機管理監をやっておられたときの印象が私自身大変強く残っておりますが、額に汗をするということが何となくぴったりとくる仕事ぶりだったと思っております。
竹野部長以上に幅広い分野で御活躍をされて、最後は、
厚生部長ということでございましたけれども、この危機下でこれまでの経験を活かし、先頭で指揮を取れということだったのだろうと思っています。
振り返られて、本県厚生行政や県政全般に関して、我々後進に何か、ためになる一言をよろしくお願いいたします。
121
石黒厚生部長 このような発言の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
私は、県庁に35年間勤めまして様々な職場を経験させていただきました。多くの仕事をして、様々な人と付き合い多くの経験をしました。苦しかったこともございますし、楽しかったこと、うれしかったこと、あるいは悔しい思いをしたこともありました。
私の周りの県職員、当時の上司、同僚、あるいは部下の方々は、個人的には、総じて極めて優秀だと思っております。ただ、なぜか私の周りには、癖の強い人が多かったと個人的には思っておりますが、周りから見たら、おまえはどうなんだと言われると思っています。周りからは、石黒を評して態度だけはでかいと、いつも言われておりますのでそのようなものかと思っております。
昨日、本会議場で山崎副知事が、仕事は楽しくというふうにおっしゃられていました。これは本当に私も思うところでございます。いろいろな職場を経験しましたが、振り返ってみれば、どの職場も非常に楽しかったです。当時は様々な苦労をしたはずですけれども、振り返れば、楽しくいい思い出だと思っております。ただ、
厚生部長はまだ振り返ることできません。
県庁内外の人と付き合いをさせていただきました。先ほど竹野部長もおっしゃられましたけれども、仕事から逃げず、多くの人と向き合うことが必要だと思っております。仕事に対しても、人に対しても、格好よく言えば誠実に向き合って、逃げることのないように、自分でそれができたかはまた別でして、いろいろできなかったことや、脇に置いたこともあろうかと思いますけれども、気持ちとしては、そのように向き合ってきたと思っております。
いろいろな経験をさせていただきましたが、先ほど言いましたように、楽しくできたのもやはり上司の方、同僚の方に支えていただいたからだと思っております。これまでの県庁生活で、周りの皆様に助けていただき本当に感謝を申し上げます。また、県庁だけではなくて、議員の皆さんもそうですし、県庁外、例えば民間、あるいは市町村も含めて、今までお付き合いさせていただいた方々にも感謝を申し上げたいと思います。
先ほど言いましたように県庁に35年間勤めましたが、厚生部は、4回在籍しました。実は新規採用時に、公衆衛生課、今の健康課に在籍しており、最後は
厚生部長ということでございまして、偶然でございますけれども、ありがたいことかなと思っております。
本当に皆様にはお世話になりました。
今後、どういう形で関わるかは分かりませんけれども、次のところでも、またお世話になるかと思います。どんな形であれ、また県政のために頑張っていきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
122 山本委員 石黒部長は35年間、竹野部長は37年間になりますか、たくさんの仕事をしっかりとこなしてこられました、確かなお言葉でございました。メッセージをしっかり受け止めさせていただきました。
長年の御労苦に感謝申し上げて、引き続きまた私ども後進に御指導、御鞭撻賜りますように、お願いを申し上げて質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
123
山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。
以上で付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようであります。
それでは、このメンバーによる委員会は今回が最後となる予定でありますので、私から一言御挨拶を申し上げます。
令和元年5月に委員長に就任して以来、種部副委員長をはじめ、委員の皆様方、執行部の皆様方の御協力によりまして、本日まで無事委員長の職責を果たすことができましたことに対し、深く感謝を申し上げます。
また、報道機関の皆様方の御協力に対しましても、この席をお借りして厚く御礼申し上げます。
コロナ禍で、皆さん本当に大変な思いをされる中、
厚生環境行政の関係者の皆様方の献身的な取組に心から敬意を表し、そしてその御労苦にねぎらいを申し上げたいと思います。
本県の
厚生環境行政が、今後ますます充実、発展することを祈念いたしまして、挨拶といたします。
どうもありがとうございました。
これをもって厚生環境委員会を閉会いたします。
お疲れさまでございました。
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