神奈川県議会 > 2015-02-19 >
02月19日-02号

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  1. 神奈川県議会 2015-02-19
    02月19日-02号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
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    平成27年 第一回 定例会 △《本会議録-平成27年第1回-20150219-027677-諸事項-出席議員等・議事日程-》         平成27年第1回神奈川県議会定例会会議録第2号〇平成27年2月19日 午後1時1分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共100名       出 席 議 員                       西   村   く に こ                       渡   辺   紀   之                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       藤   代   ゆ う や                       原       聡   祐                       栄   居       学                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       斉   藤   た か み                       飯   田       満                       若   林   智   子                       根   岸   孝   之                       芳   賀   よ う じ                       谷   口   かずふみ                       三   橋   政   雄                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       守   屋   てるひこ                       柳   下       剛                       八   木   大 二 郎                       細   谷   政   幸                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       市   川   よ し 子                       日   浦   和   明                       土   居   昌   司                       小   林   大   介                       城   田       学                       赤   野   た か し                       宗   像   富 次 郎                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       髙   橋       稔                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       早 稲 田   夕   季                       岸   部       都                       合   原   康   行                       作   山   友   祐                       松   本       清                       久   坂   誠   治                       か と う   正   法                       軽   部   和   夫                       安   川   有   里                       山   本   俊   昭                       馬   場   学   郎                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       杉   本       透                       石   井   もとみち                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと   桂 太 郎                       嶋   村   た だ し                       木   村   謙   蔵                       寺   崎   雄   介                       長   友   よしひろ                       近   藤   大   輔                       山   口   ゆ う 子                       日   下   景   子                       曽 我 部   久 美 子                       塩   坂   源 一 郎                       飯   田       誠                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       桐   生   秀   昭                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       向   笠   茂   幸                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       古   沢   時   衛                       た き た   孝   徳                       齋   藤   健   夫                       安   藤       慶                       松   崎       淳                       岩   本   一   夫                       相   原   高   広                       笠   間   茂   治                       川   上   賢   治                       藤   井   深   介                       国   吉   一   夫                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       大   村   博   信                       梅   沢   裕   之                       堀   江   則   之                       中   村   省   司                       久 保 寺   邦   夫                       茅   野       誠                       平   本   さ と し                       はかりや   珠   江                       豊   島   き よ し       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           黒   川   雅   夫         同             吉   川   伸   治         理事            首   藤   健   治         政策局長          二   見   研   一         総務局長          中   島   栄   一         安全防災局長        和   田       久         県民局長          松   森       繁         環境農政局長        金   子   眞 理 子         保健福祉局長        中   島   正   信         産業労働局長        蛯   名   喜 代 作         県土整備局長        浅   羽   義   里         会計管理者兼会計局長    木   村   博   嗣         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進局長    佐 久 間   信   哉         政策研究担当局長      竹   本       治         広域連携担当局長      仲   村   吉   広         労務担当局長        中   田   泰   樹         マグカル担当局長      薄   井   英   男         拉致問題・国際戦略担当局長 大   竹   准   一         エネルギー担当局長     藤   巻       均         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       安   西   保   行         同  県立高校改革担当局長 山   本       博         警察本部長         松   本   光   弘         警察本部総務部長      猪   又       博         人事委員会事務局長     山   口   正   志         監査事務局長        朝   日   富 士 子         労働委員会事務局長     久   保   満 里 子         公営企業管理者企業庁長   北   村       明         企業庁企業局長       渋   谷   敏   裕   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          冨   田   輝   司         議会局副局長        髙   橋   創   一         同  議事調査部長     西 ケ 谷   孝   之         同  総務課長       森       清   司         同  議事調査部            議事課長       谷   川   純   一         同  議事調査部            政策調査課長     霜   尾   克   彦   ───────────────────────────────────────            平成27年第1回神奈川県議会定例会議事日程第2号                            平成27年2月19日午後1時開議第1 定県第 1 号議案 平成27年度神奈川県一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川県公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川県母子父子寡婦福祉資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川県農業改良資金会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川県恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川県林業改善資金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川県沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川県県営住宅管理事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川県病院事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川県水道事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川県電気事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 23 号議案 同  年度神奈川県酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 24 号議案 神奈川県立宮ケ瀬やまなみセンター条例   定県第 25 号議案 神奈川県競輪組合承継基金条例   定県第 26 号議案 神奈川県立宮ケ瀬湖集団施設地区及び鳥居原園地条例   定県第 27 号議案 神奈川県立宮ケ瀬湖カヌー場条例   定県第 28 号議案 神奈川県行政手続条例及び神奈川県廃棄物の不適正処理の防止等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 神奈川県個人情報保護条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 教育長の給与等に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 附属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 産業集積の促進に係る不動産取得税の税率の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 神奈川県立21世紀の森条例の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 神奈川県看護師等修学資金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県理学療法士及び作業療法士修学資金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 神奈川県介護福祉士及び社会福祉士修学資金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 43 号議案 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 44 号議案 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 45 号議案 指定介護予防サービス等の事業の人員、設備、運営等に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 46 号議案 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 47 号議案 指定介護予防サービス等の事業の人員、設備、運営等に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例による改正前の指定介護予防サービス等の事業の人員、設備、運営等に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 48 号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 49 号議案 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 50 号議案 旅館業法施行条例の一部を改正する条例   定県第 51 号議案 神奈川県立かながわ労働プラザ条例の一部を改正する条例   定県第 52 号議案 神奈川県屋外広告物条例の一部を改正する条例   定県第 53 号議案 神奈川県建築士法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 54 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 55 号議案 神奈川県立のふれあいの村条例の一部を改正する条例   定県第 56 号議案 警察組織に関する条例の一部を改正する条例   定県第 57 号議案 神奈川県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 58 号議案 指定管理者の指定の変更について(秦野精華園)   定県第 59 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 60 号議案 包括外部監査契約の締結について   定県第 61 号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期計画の認可について   定県第 62 号議案 神奈川県薬物濫用防止条例第2 定県第 168号議案 平成26年度神奈川県一般会計補正予算(第7号)   定県第 169号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 170号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 171号議案 同  年度神奈川県公営競技収益配分金等管理会計補正予算(第1号)   定県第 172号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 173号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計補正予算(第1号)   定県第 174号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 175号議案 同  年度神奈川県農業改良資金会計補正予算(第1号)   定県第 176号議案 同  年度神奈川県林業改善資金会計補正予算(第1号)   定県第 177号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 178号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 179号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計補正予算(第2号)   定県第 180号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 181号議案 同  年度神奈川県県営住宅管理事業会計補正予算(第1号)   定県第 182号議案 同  年度神奈川県都市用地対策事業会計補正予算(第1号)   定県第 183号議案 同  年度神奈川県病院事業会計補正予算(第1号)   定県第 184号議案 同  年度神奈川県水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 185号議案 同  年度神奈川県電気事業会計補正予算(第1号)   定県第 186号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計補正予算(第1号)   定県第 187号議案 神奈川県警察自動車運転免許試験場における運転練習の手数料の徴収に関する条例   定県第 188号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 189号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 190号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 191号議案 神奈川県森林整備加速化・林業再生事業基金条例の一部を改正する条例   定県第 192号議案 神奈川県地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例   定県第 193号議案 南方諸地域戦没者追悼沖縄神奈川の塔整備基金条例の一部を改正する条例   定県第 194号議案 食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 195号議案 宅地建物取引業法施行条例の一部を改正する条例   定県第 196号議案 神奈川県建築基準条例の一部を改正する条例   定県第 197号議案 神奈川県道路交通法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 198号議案 工事請負契約の変更について(県央方面特別支援学校(仮称)新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 199号議案 工事請負契約の変更について(県央方面特別支援学校(仮称)新築工事(空調)請負契約)   定県第 200号議案 不動産の処分について   定県第 201号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 202号議案 訴訟の提起について   定県第 203号議案 訴訟の提起について   定県第 204号議案 和解について   定県第 205号議案 神奈川県競輪組合の解散について   定県第 206号議案 神奈川県競輪組合の解散に伴う財産処分について   県報第2号 専決処分について承認を求めること(平成26年度神奈川県一般会計補正予算(第6号))   県報第3号 専決処分について承認を求めること(平成26年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第1号))   県報第4号 専決処分について承認を求めること(平成26年度神奈川県水道事業会計補正予算(第1号))   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成27年第1回-20150219-027678-質問・答弁-杉山信雄議員-代表質問①知事の政治姿勢について②県経済の活性化について③県政の重要課題について》   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共94名 ○議長(向笠茂幸) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(向笠茂幸) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、定県第1号議案 平成27年度神奈川県一般会計予算外61件及び日程第2、定県第168号議案 平成26年度神奈川県一般会計補正予算外41件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  杉山信雄君。〔杉山信雄議員登壇〕(拍手) ◆杉山信雄議員 私は自民党神奈川県議団を代表し、通告に従い、順次質問いたします。  知事、警察本部長におかれましては、明快なご答弁を、また、議員の皆様には、しばらくの間、ご清聴のほどお願いいたします。  質問の第1は、知事の政治姿勢についてであります。  初めに、間もなく任期の終わりを迎えようとしている黒岩知事の、任期を振り返っての所感について伺います。  4年前に松沢前知事による突然の東京都知事選への転出という事態を受け、黒岩知事におかれましては、極めて短時間の中で知事選への出馬を決断され、なおかつ未曽有の大災害となった東日本大震災の直後の混乱の中で選挙を戦い、県民の期待を背負って知事にご就任いただくこととなったわけであります。  原発事故の深刻化と電力不足という厳しい状況の中で、知事におかれては、過度に原発に依存しないエネルギーの確保という点から、太陽光発電を初めとした再生可能エネルギーの導入を促進されてきました。議会としても「神奈川県再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」を議員提案によって成立させるなど、互いに協力し合いながらこれを推進してきたものと理解しております。  また、大震災を踏まえた地震災害対策においても、「神奈川県地震災害対策推進条例」を制定し、公助による災害対策のみならず、自助、共助の考えや具体的施策を示すなど、来る大規模災害への備えを進めてまいりました。被災地の震災廃棄物の受け入れについては、県の処分場で受け入れることはできませんでしたが、漁網等については、県内自治体の協力を得て受け入れることができたことは評価しております。  次に、「いのち輝くマグネット神奈川」という目標のもと、自殺対策の推進、不活化ポリオワクチン接種への切りかえ、就業看護師の増加など、県民の命に直結する諸事業を積極果敢に進められてきたものと認識しております。  そして、経済のエンジンを回すという観点では、ヘルスケア・ニューフロンティアに関する諸施策の推進を初め、さがみロボット産業特区、そして国家戦略特区の指定を受けるなど、未来に向けた成長戦略の基盤づくりに大きな成果を上げたものと考えております。  さらに、財政基盤の構築という点についてでありますが、緊急財政対策の名のもとに県民の皆様に対して大切な補助事業が削減されるなど、県民生活に大きな影響を与える改革でありました。結果として、県民の皆様のご理解とご協力のおかげでプライマリーバランスの黒字化を実現し、一定の成果は上がったものと受けとめております。  一方、今申し上げましたヘルスケア・ニューフロンティア政策などのように大きな変化を伴う政策を前にしたときに、将来に不安を持つ人たちがおられることも、また事実であります。  医師会の皆様など、こうした方々に、より丁寧な説明と積極的な対話が必要であると感じます。さらに、黒岩県政全体を俯瞰したとき、かつて福祉先進県と言われた神奈川としては、障害をお持ちの方や高齢者など社会的弱者に対して黒岩カラーと言えるような地に足のついた政策は見えてこなかったように思います。  このように4年間を振り返りますと、大いに評価すべき点が多いものの、さらに一層ご努力いただきたい面もあるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  神奈川県知事として務めてまいられましたこの4年間を振り返り、どのように総括し、評価されるのかお伺いいたします。  次に、かながわグランドデザインの成果についてお伺いいたします。  県では、3年前の平成24年3月に総合計画であるかながわグランドデザインを策定しました。  このかながわグランドデザインの実施計画は、計画期間が平成24年度から26年度の3年間であり、今まさに総仕上げの時期を迎えております。  県では、計画を着実に推進し、進行管理を行っていくために、実施計画に示した施策の実施について、毎年度、政策評価を行い、その評価に基づき政策運営を行っています。  また、計画の最終年度に当たる今年度においては、毎年度の評価も踏まえて、3年間の総点検を行うこととし、点検報告書の素案をまとめ、昨年12月には議会にも報告がありました。その後、県民意見の募集を行い、現在、報告書の最終案の取りまとめに向け、鋭意作業を進めているところと思います。  昨年の12月の議会で報告を受けた際には、点検の過程で明らかになった新たな課題については真摯に受けとめ、今後の施策に反映するなどの対応を図るよう求めたところであります。  そこで、知事に伺います。  知事自身は、県の総合計画である、かながわグランドデザインに基づく、これまでの3年間の取り組みについて、現時点でどのように分析し、総括しているのか、知事の見解を伺います。  次に、地方創生への対応についてお伺いいたします。  昨年11月、人口減少と東京一極集中の是正を目的とした、まち・ひと・しごと創生法が制定され、12月末には人口の現状と将来の展望を提示する国の長期ビジョンと、今後5カ年の政府の方向性を提示する国の総合戦略が閣議決定されました。  これを受けて、都道府県や市町村においては、国の長期ビジョンと総合戦略を勘案して、地方における人口の現状と将来の展望を提示する地方人口ビジョンと、地域の実情に応じた今後5カ年の施策の方向性を提示する地方版総合戦略の策定作業が本格的に求められることとなりました。  そのため、国の総合戦略の中には、人口減少などを克服するための施策のほか、地方の総合戦略の策定を後押しするための支援策が盛り込まれております。  具体的に財政面では、国の補正予算により、地方版総合戦略に先行して取り組む地方自治体に対しては自由度の高い交付金を措置し、また、人材面では、人的支援を望む地方自治体に国家公務員を派遣するなど、これまでにない手厚い支援を用意しております。  これは、地方創生に関し、従来の取り組みの延長線にはない次元の異なる大胆な政策を力強く実行するという基本方針に基づく対応であり、今回の地方創生に対する政府の強い思いがうかがわれます。  本県は、全国において、いまだ人口減少に至っていない数少ない自治体の一つではありますが、県内を見渡せば、県西地域や三浦半島地域は既に人口減少に至っており、言うまでもなく、この問題は対岸の火事ではありません。  地方創生、人口減少問題は、本県においても正面から受けとめるべき課題であり、今まさに知事の本気度が問われているのではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  この地方創生について、県としてどのように取り組んでいこうと考えているのか、知事の決意とあわせて見解をお伺いします。  次に、行政改革の取組について伺います。  本県では、昭和50年代前半から途切れることなく、行政改革に取り組んでまいりました。  黒岩知事のもとでは、県政を取り巻く環境の変化に的確に対応しながら、質の高い行政サービスを実現するため、平成24年度から26年度までの3年間を対象として、平成24年3月に新たな行政改革の指針を策定しています。  また、この間、本県の危機的な財政状況を契機として、神奈川県緊急財政対策を取りまとめ、財源不足の解消に向け、集中的に取り組んでまいりました。  今年度は本指針の取組期間の最終年度となることから、3年間の取り組みや成果について点検が実施されています。  昨年12月に示されました点検報告書の素案を見ますと、緊急財政対策に沿って、財源の確保のための取り組みについて、全庁を挙げて推進した結果、平成25、26年度の2年間で見込まれました1,600億円の財源不足を解消できたことやホームページの見直しによる情報発信や県庁本庁庁舎の公開などによる、身近に県庁を感じてもらうための取り組みなどが進んだ一方、女性職員の幹部職員への登用など進捗が不十分な取り組みも見られます。  行政改革は不断の取り組みが必要であり、今後とも、このような点検を通じて把握できた課題への対応をしっかりと図っていくことが重要であります。  そこで、知事に伺います。  点検結果を踏まえ、この3年間の行政改革について、総合的にどのように評価されているのか、知事の見解をお伺いいたします。  次に、県税収入見通しと当初予算編成の考え方についてお伺いさせていただきます。  最近の我が国の経済情勢は、27年3月期の企業収益について、大幅な増益となった26年3月期をさらに上回る前期比2%の増益と予想されているほか、雇用・所得環境も改善が見られており、個人消費に弱さが見られるものの、景気の緩やかな回復基調が続いております。  さらに、海外経済に目を転じると、米国経済が好調に推移しており、こうした状況を見ますと、県税収入を取り巻く環境は以前に比べれば明るくなってきているようであります。  このような中で編成された平成27年度当初予算は、総額1兆9,495億円と骨格予算であるにもかかわらず、過去最高の規模となっておりますが、その編成過程では、550億円の財源不足からスタートする大変厳しい予算編成であったと推察いたします。  また、その内容を見ると、骨格予算としての編成であることから、義務的経費や県民生活に配慮すべき施策が中心となっているものの、ヘルスケア・ニューフロンティアや健康寿命日本一など、県がこれまで取り組んできた施策を着実に推進する予算になっていると感じます。  我が会派としても、アベノミクスにより経済の好循環が生まれ始めている中、神奈川から経済のエンジンを回し、経済の好循環をさらに拡大していく施策を実行することは大変意義あることであり、重要なことだと考えます。  そこで、知事にお伺いします。  平成27年度の県税収入について、26年度当初予算額を大きく上回る1兆2,057億円を当初予算案に計上されておりますが、税制改正の動向なども踏まえて、どのように県税収入を見込んだのか、お伺いいたします。  また、任期4年間で最後の予算編成となる27年度当初予算について、どのような考え方で編成されたのか、あわせて知事の見解をお伺いいたします。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 杉山議員のご質問に順次お答えしてまいります。  私の政治姿勢について、何点かお尋ねがありました。  まず、任期を振り返っての所感についてです。  私があの未曽有の大震災直後に知事に就任してから、間もなく4年がたとうとしています。振り返りますと、就任後に訪れた被災地の状況を目の当たりにして、日本復活のモデルを神奈川で示したい、それこそが私の知事としてのミッションだと強く感じたことが、ついきのうのように思い出されます。  以来、「いのち輝くマグネット神奈川」の旗印のもと、県民の皆様との対話や議会での議論を重ねながら、その実現に全身全霊を傾けてきました。  真っ先に取り組まなければいけないと感じた新たなエネルギー体系の構築については、かながわソーラーバンクシステムや屋根貸しといった神奈川発の先進的な取り組みにより、太陽光発電の普及の流れをリードし、導入拡大を図ってきました。  これにより、大規模発電所を中心とした集中型電源から、再生可能エネルギー等を活用した分散型電源への転換の歩みは着実に進んでいると認識しています。  もう一つ、先進国の共通の課題である超高齢社会への対応については、世界のモデルとなる取り組み、ヘルスケア・ニューフロンティアを強力に推進し、世界に発信し続けてきました。  昨年5月には、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区とさがみロボット産業特区に加えて、県全域が国家戦略特区に指定され、取り組みに大きな弾みがつきました。  現在、この三つの特区を最大限活用して、最先端医療、最新技術の追求や未病を治す取り組み、介護・医療など生活支援ロボットの実用化などを積極的に進めているところです。  この4年間、このようにして全力で取り組んできた結果、神奈川では、今、さまざまな分野において、新たな時代を切り開く大きなうねりが生まれてきていると実感しています。神奈川から日本復活のモデルを示し、成長戦略を引っ張っていく、そうした基盤づくりをしっかりと進めることができたと自負しているところです。  次に、かながわグランドデザインの成果についてです。  かながわグランドデザインは、いのち輝くマグネット神奈川を基本目標に掲げ、その実現に向けて、3年間に取り組むべき政策を実施計画としてお示ししたものです。政策の推進に当たっては、3年間という限られた期間の中で最大限の効果を上げられるよう、さまざまな工夫を行いました。  まず、生じた課題に全庁横断的に対応するため、クロス・ファンクション体制を整備するとともに、年間を通じ随時に政策レビューを行い、政策を速やかに予算につなげる仕組みを導入するなど、計画を実現するための政策形成プロセスを見直しました。  また、対話の広場を通じて、県の課題について県民と率直な意見交換を重ね、企業や大学、市町村などとも多くの事業について協働、連携し、県民総力戦で実施計画に掲げるプロジェクトを推進してきました。  その結果、例えば県民の命に直結するプロジェクトでは、看護師養成に力を入れる改革を進め、その増加数を全国一としたほか、国内最高規模のシェイクアウトやビッグレスキューなどを実施して、県民の防災意識の向上を図りました。  また、神奈川のポテンシャルを生かした活力を創出するプロジェクトにおいては、横浜、鎌倉、箱根に次ぐ新たな観光の核づくりや海外でのトップセールスにより、国内外からの観光客の増加を実現しました。  さらに、ライフサイエンス関連などの最先端産業の集積を図り、本県の成長戦略の実現に向けて経済のエンジンを回す基盤を構築することもできたと考えています。  こうした実施計画の推進を通じて、ロボット特区や全県を対象とする国家戦略特区、そしてヘルスケア・ニューフロンティアや県西地域活性化プロジェクトといった大きな政策にも結実してきました。  もちろん、全ての課題を解決できたわけではなく、今後も取り組むべき課題はありますが、実施計画に掲げている個々のプロジェクトを見れば、いずれも一定の成果が見られるところであり、計画期間3年間を通じておおむね順調に進捗したと考えております。  次に、地方創生への対応についてです。  昨年11月に成立したまち・ひと・しごと創生法に基づき、年末には国の長期ビジョンと総合戦略が閣議決定され、国と地方を挙げての地方創生、人口減少問題対策が動き始めました。  この対策の基本的な考え方として、東京圏への人口の過度の集中の是正が挙げられていますが、問題なのは、東京都への一極集中であり、地方創生においては、神奈川も地方だという認識が必要です。  本県では、県西地域と三浦半島地域で既に人口減少が進んでいますし、全国を上回るペースで高齢化が進んでいきますので、全県挙げて危機感を持って早急な対策を講じていかなければなりません。  私は、神奈川の地方創生とは、まさにいのち輝くマグネット神奈川を実現することだと考えています。超高齢社会を力強く乗り越える神奈川モデルをつくり、世界に発信していくこと、それにより、経済のエンジンを回すこと、子供を産むなら神奈川、子供を育てるなら神奈川を進めること、これらにより、いのち輝く神奈川を形にしていきます。  また、地域らしさに徹底的にこだわり、地域がみずからの魅力は何なのかを考え、人、物、金を地域に引きつけるマグネット神奈川を目指します。  こうした地方創生を実現するためには、とにかく地域が本気で一枚岩になって取り組むことが必要です。そのために、まずは市町村と連携して地域らしさに合わせた目標を定めてまいります。そして、神奈川ならではの長期ビジョンと総合戦略をまとめて、県民総ぐるみで地方創生を進めてまいります。  また、このたび、国の補正予算により、総合戦略の先行型として交付金が措置されることになりました。この対応としましては、まずは既に人口減少が始まっている県西地域と三浦半島地域への対策や新たな観光の核づくり事業を重点的に進めるとともに、結婚から出産・子育てまでの切れ目ない対策に市町村と連携して取り組んでいくことを考えています。  この施策に対応する補正予算については、今後、追加提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。  次に、行政改革の取り組みについてです。  本県は平成24年3月に新たな行政改革の指針を策定し、無駄のない行政運営の徹底や、簡素で効率的な執行体制づくり、財政の強化、安定などの行政改革に取り組んできました。また、その間、危機的な財政状況を契機として、県議会の皆様のご協力もいただきながら、緊急財政対策に重点的に取り組んできたところです。  その結果、組織執行体制の面では、指針の取組期間の3年間で職員数を213名削減したほか、出先機関を15機関廃止するなど、かなりのレベルまでスリム化を進めてきました。また、財政面でも、施策、事業の見直しや不用県有財産の積極的な売却、さらに職員給与カットなどにより、25、26年度に見込まれた1,600億円の財源不足を解消することができました。  このように3年間の行政改革はおおむね成果を上げることができたものと認識しています。  現在、本県が直面している超高齢社会や少子化といった喫緊の課題に対応するためには、不断の行政改革に引き続き取り組んでいくことが必要です。とりわけ、ICTの活用などにより、業務の進め方を見直し、時間や人員といった限られた資源の有効活用を推し進めていくことが求められています。  また、自由闊達な議論ができる組織づくりなどを通じて、職員一人一人が能力を最大限発揮できるような質の高い組織を目指す改革が必要です。  今後は、成長戦略の実現に向けて、神奈川から経済のエンジンを回していくためにも、安定した行財政基盤の確立とともに、質の面からの行政改革を推し進めることが重要であると考えています。  次に、県税収入見通しと当初予算編成の考え方についてお尋ねがありました。  初めに、平成27年度の県税収入の見通しについてです。  まず、税収規模が最大の個人県民税は、景気が回復基調にあることから、前年度に対し、148億円の増収を見込んでいます。また、法人事業税については、国税である地方法人特別税からの一部復元などにより、前年度を244億円上回るものと見込んでいます。さらに、地方消費税についても、26年4月の税率引き上げの影響がほぼ平年度化することなどから、938億円の大幅な増収を見込みました。  このように27年度の県税収入は税制改正による増が大きく寄与し、主要な税目で増収が見込めることから、前年度を大きく上回る1兆2,057億円を計上しました。この県税収入に地方譲与税などを加えた実質的な税収額は、26年度当初予算額を1,038億円上回る1兆3,270億円となったところです。  次に、平成27年度の当初予算編成の考え方についてです。  27年度当初予算は、本年4月に知事選挙がありますので、骨格予算として編成しました。  こうした中にあっても、県民の安全・安心の確保や新たな子ども・子育て支援制度などにしっかりと取り組むとともに、成長戦略の実現に向けて、神奈川から経済のエンジンを回す、かながわ成長戦略実現予算として編成したところです。  具体的には、地震等災害対策や待機児童対策、三つの特区を活用したヘルスケア・ニューフロンティアの取り組みなど、これまで重点的に取り組んできた施策を着実に推進いたします。  一方、介護、医療、児童関係費や、公共施設の維持修繕コストの増加など、将来の歳出圧力が高まっていますので、財政健全化に向けた取り組みも着実に進めていきます。  そうした中、県債管理目標で掲げたプライマリーバランスの黒字化については、4年前倒しで達成することができました。  平成27年度当初予算は、財政健全化に取り組みながら、神奈川から経済のエンジンを回し、日本全体を元気にする、そういう考え方で編成したものです。  答弁は以上です。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 先ほど私の質問の中で、行政改革の取り組みについて、1,600円と申し上げましたが、1,600億円の誤りでした。訂正いたします。〔訂正済〕  それでは、任期を振り返っての所感について、再質問をさせていただきます。  ただいま黒岩知事より、この4年間の総括を伺いました。その中で、ご答弁の中で、成長戦略の基礎づくりを進めることができたとのお話でありました。確かに三つの特区による本県経済の再生は、その種をまくことができました。まさに、これから芽を吹かせ、そして、やがて果実がとれるよう、さらなる取り組みが重要であると考えます。  任期の終わりを迎えるに当たり、知事の再選、つまり2期目の立候補について、ここではっきりと知事のお考えをお示しいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  ご指摘のように、これまでの4年間で三つの特区をかち取り、神奈川の進むべき道、これがはっきり見えてきたと思います。私は、今、これまでつくってきた流れをしっかりと軌道に乗せて、成長戦略を神奈川から実現したい、強くそう思っています。それが私に課せられた責務だと、その思いを強くしているところです。  経済のエンジンは神奈川から回していく。そのために、来る4月の県知事選挙に立候補することを決意いたしました。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 ただいま知事から力強い立候補表明をいただきました。ただ、大切なことは、何をなすために再選を目指すのかということだと思います。  知事は再選を目指すことにおいて、何を県民に約束をし、何を実現しようとするのか、ここで議会にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  再選を目指すに当たりまして、引き続き「いのち輝くマグネット神奈川」、これを実現するよう全力を注ぎたいと思っているところであります。これまでのように、県民の皆様の意見にしっかりと耳を傾けながら、対話型でこれを前進させていきたい、一つ一つ具体的な形にしていきたい、そのように思っております。  例えば、エネルギーやヘルスケアの分野におきましては、かながわスマートエネルギー計画、ヘルスケア・ニューフロンティア、こういった取り組み、これを着実に推進しまして、分散型エネルギー社会、また健康長寿社会、これが実現したなと皆様が実感できるような形に、何としてもつくり上げていきたいと思っております。  また、新たな観光の核づくり、県西地域活性化プロジェクトなど、地域が元気になる施策というもの、これも何とかして結実させて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際には、それがしっかりとした形になっているといったことをぜひ目指していきたいと考えております。  課題を乗り越えながら、そして、そのプロセスそのものが成長戦略なんだと、それが経済のエンジンを回すことになるんだと、この思いでしっかりと神奈川から経済のエンジンを回しながら課題を解決していく、そんなモデルをつくっていきたいと思うところであります。  以上です。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 ただいま黒岩知事の再選出馬表明、そして主な政策と熱い思い、これをお聞きすることができました。  特に新たな観光の核づくり、観光という漢字は観る、そして光るという字であります。まさしく、5年後10年後の光り輝く神奈川の姿を見に来ていただく、多くの方が本県に訪れるわけです。ぜひ頑張っていただきたい。  一言申し上げます。成長戦略にかかわる知事の政策は、我が自民党政権が掲げる成長戦略と合致したものであると受けとめております。したがいまして、我々自民党神奈川県議団はこの知事の姿勢と政策を大いに期待し、エールを送りたいと思います。  以上です。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。  〔杉山信雄議員登壇〕 ◆杉山信雄議員 質問の第2は、県経済の活性化についてであります。  ただいま知事から再選に向けた成長戦略についてお話をいただいたところでありますが、ここではさらに個別の問題について伺いたいと思います。  初めに、国家戦略特区についてお伺いします。  アベノミクスの成長戦略の第3の矢の核とも言われている国家戦略特区につきましては、昨年5月に本県全域が東京圏の国家戦略特別区域の指定を受けてから、8月に本県独自の推進会議を開催し、その後、10月と12月の2回の国家戦略特別区域会議を経て、12月19日に東京圏国家戦略特別区域計画の認定を受けたところであります。  この区域計画には、いわゆる規制改革の初期メニューとして、欧米等で承認されているものの、国内では未承認の医薬品等を速やかに提供する保険外併用療養に関する特例や、世界最高水準の高度な医療を提供する病床規制の特例などが盛り込まれており、こうした特例を最大限に活用していただきたいと考えます。  そうした中、先月28日に、区域会議の分科会として、健康・未病産業や最先端医療産業などの創出に資する新たな規制改革を議論する神奈川県健康・医療分科会が開催され、知事からはCHO構想の加速化に向けた提案を行い、さらに、横浜市や川崎市、事業者からも多くの提案がなされました。  このように国家戦略特区については、分科会の開催や新たな規制改革の提案など、知事の強いリーダーシップのもと取り組まれておりますが、今後大切なのは、これらの動きを区域計画の特定事業として具体の形にしていくことであると考えます。  そこで、知事にお伺いします。  今般開催した神奈川県健康・医療分科会の成果をどのように受けとめているのか、また、新たな規制改革の提案を実現するために、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いします。  次に、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進について伺います。  知事がヘルスケア・ニューフロンティアを提唱して約1年半、この間、最先端医療関連産業や未病産業の創出、イノベーションを支える国際的医療人材の養成など、さまざまな政策にスピード感を持って取り組み、実績を積み重ねてきたものと認識しています。  まず、最先端医療関連産業、特に再生・細胞医療は、これまで治らなかった病気が治るなど、人々の生活を大きく変える可能性があり、その国内市場も、現在の約90億円から、2050年には300倍近い約2.5兆円になると推計されており、大きな成長が期待されております。  こうした状況を踏まえ、本県では、川崎市殿町地域に再生・細胞医療の産業化の拠点を目指す(仮称)ライフイノベーションセンターの整備を推進していますが、このセンターにどのような企業や医療機関を集積させていくのか、我が会派としても、今後の動きに注目しているところであります。  また、未病産業の創出については、昨年8月に未病産業研究会を設立させ、モデル事業等を実施しています。設立当初は60社余りだった研究会への参加法人が、この2月には140社を超えるなど、本県の取り組みに多くの法人が関心を寄せていることがうかがえるものであり、今後、ビジネスの種を芽吹かせ、太い幹に育てていくことが重要と考えます。  さらに、国際的医療人材の養成については、克服すべき課題を一つ一つ解決しながら、十分な検討を行っていただきたいと考えます。  このように本県では、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向けた新たな取り組みを数多く打ち出しておりますが、今後も、企業や関係機関などと連携しながら、本県が主体となって産業化を牽引していくことが重要であります。  そこで、知事にお伺いいたします。  これまでの取り組みを踏まえ、ヘルスケア・ニューフロンティアが目指す新たな市場・産業の創出に向け、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  次に、さがみロボット産業特区についてお伺いします。  去る2月10日、政府の日本経済再生本部において、ロボット新戦略が決定されました。これは、知事が全国の自治体から唯一、委員として選ばれ参画したロボット革命実現会議の提言を受け、策定されたものであります。  新戦略では、日本を世界のロボットイノベーション拠点にするとともに、世界一のロボット利活用社会にするとし、実証実験のための環境整備や人材育成に加え、普及に向けた規制緩和や新たなルールの構築など、多岐にわたる取り組みが盛り込まれております。  規制緩和一つ見ても、電波法や改正薬事法など、知事がこれまでさがみロボット産業特区の取り組みの中で、国に突きつけてきた項目が位置づけられており、平成25年7月に、総合特区における規制緩和の速やかな実現等を求める意見書案を決議し、内閣総理大臣に提出するなど後押ししてきた我々としても、うれしい限りであります。  さて、国においてロボット新戦略が決定した今、大切なのは、本県がいかに早く新戦略に沿った対応をしていくかであります。国からアクションプランが示されたことにより、全国各地でのロボット産業振興の取り組みはさらに活発化していくものと予想され、それらとどう差別化を図っていくかが鍵となります。  さがみロボット産業特区で先駆的に取り組んできたアドバンテージはあるものの、今後ますます厳しくなるであろう地域間競争を勝ち抜くためには、ロボットオリンピックを神奈川に誘致するなど、新戦略に位置づけられたあらゆる取り組みを神奈川で実現し、発信していくぐらいの気概を持って進め、特区の成功に結びつけていただくことを強く望みます。  そこで、知事にお伺いします。  国から示されたロボット新戦略を受け、本県のさがみロボット産業特区の取り組みをさらに加速させるために、今後どのような対応を行っていくのか、知事の見解を伺います。  次に、エネルギー政策に関する4年間の総括と今後の取組について伺います。  知事は、前回の選挙戦を通じて、福島第一原子力発電所の事故で失われた電力を補うため、ソーラーパネルの普及を強く訴えました。  その後、中長期的なエネルギー政策として、かながわスマートエネルギー構想を提唱したところです。  この構想では、当初の太陽光発電の導入目標は見直されましたが、原子力発電所の事故を契機にエネルギー政策の抜本的な見直しが迫られていた中で、いち早く新たな方向性を示したものと受けとめております。  県議会としても、「神奈川県再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」を議員提案し、全会一致で可決・成立しました。  この条例に基づき、昨年4月には、それまでの取組実績と情勢の変化を考慮して、かながわスマートエネルギー計画を策定し、新たに薄膜太陽電池普及拡大プロジェクトなどに取り組んでいるところであります。  今年度は知事の任期の最終年度であり、エネルギー政策について総括する必要があります。また、最近のエネルギー情勢をめぐる新たな課題に対応するため、今後の取り組みの方向性を示していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  これまで進めてきた4年間のエネルギー政策について、どのように総括しているのか、また、現在のエネルギー情勢を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  次に、今後の産業振興の方向性について伺います。  本県の産業は、これまで日本の経済成長をリードしてきましたが、経済のグローバル化や産業構造の転換など、取り巻く環境が大きく変化しています。  県では、ヘルスケア・ニューフロンティアやさがみロボット産業特区などにより、新たな成長産業の創出、育成を図っており、県内産業は、経済の牽引役が大きく切りかわろうとする、まさに転換期であります。  成長産業の振興に係る県の取り組みは高く評価しますが、地域経済を活性化するために最も大切なことは、技術の高度化等によって、県内企業の国際競争力の向上や、成長産業への参入を促進し、県内の産業構造を転換していくことだと考えます。  そのためには、さまざまな企業ニーズへの柔軟かつ迅速な対応や、シーズ発掘から事業化、商品化まで一貫した支援などを行えるよう、県内企業に対する技術支援のあり方を抜本的に見直し、強化することが必要であります。  県内には、神奈川県産業技術センターや、公益財団法人神奈川科学技術アカデミー─通称KASTなど、数多くの支援機関が集積していますが、県内産業の成長を加速するには、知事のリーダーシップのもと、こうした組織が一致団結し、それぞれのポテンシャルを十二分に発揮して県内企業を支援することが重要であります。  中でも、県内中小企業のすぐれた技術を支えてきた産業技術センターにつきましては、平成25年9月に神奈川県産業技術センターあり方有識者会議から出された提言において、機能面のさらなる充実を図り、中小企業支援の中心的役割を果たしていくことが必要とされ、また、そうした機能を果たすため、KASTと統合し、地方独立行政法人化すべきとされました。  そこで、知事にお伺いします。  急激に進む産業構造の変化を踏まえると、県内産業の成長に資する企業への支援のあり方などについて、有識者からの提言を踏まえつつ、時代の要請に合った形で見直すことが必要と考えますが、知事の見解をお伺いします。  次に、建設事業の入札制度の改善についてお伺いいたします。  昨年6月、建設産業のいわゆる担い手三法が成立し、本年1月末、国が公共工事の品質確保の促進に関する法律─品確法に基づく運用指針を策定するなど、建設産業の担い手の育成・確保に向けた具体的な対策が、来年度に向けて動き出しています。  こうした中で、本県においては、昨年度、いち早く改正品確法の理念を先取りした、いのち貢献度指名競争入札を創設したことは、我が会派も評価しているところであり、建設業界も好意的に受けとめています。  一方、こうした動きの背景には、建設産業を取り巻く厳しい環境の中で、その対策は待ったなしという状況があります。そこで、改正品確法の理念であり、県民の安全・安心を守る担い手である建設業者を中長期的に育成・確保していくための対策を、来年度に向けて、本県においても早急に進めていく必要があると考えています。  これまでも、我が会派においては、入札制度の見直しには終わりがないものと捉え、昨年9月の代表質問のほか、さまざまな場面を通じて、知事に対しても、入札制度のさらなる改善を強く要請してきたところであります。  具体的には、いのち貢献度指名競争入札に関しては、本年度の県土整備局における試行結果の検証を踏まえ、来年度に向けた制度の改善と、試行範囲の拡大を検討していくと9月の知事答弁でも聞いておりますが、来年度に向けたこの制度の発展的な展開を求めているところであります。  さらに、公共工事におけるダンピング対策の強化でもあり、改正品確法において発注者の責務に掲げられた担い手の適正な利潤の確保に配慮した取り組みの実現に向けては、最低制限価格制度のさらなる改善も必要と考えているところであります。  そこで、知事にお伺いします。  建設産業の担い手の育成・確保の取り組みを加速させるため、来年度の本県の入札・契約制度の改善について、どのように対応していこうと考えているのか、知事の見解をお伺いいたします。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
    ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  県経済の活性化について、何点かお尋ねがありました。  まず、国家戦略特区についてです。  先般開催された神奈川県健康・医療分科会では、国から小泉大臣政務官が出席し、本県を初め、関係自治体や事業者から出された新たな規制改革に関するさまざまな提案について活発な議論が行われました。  県からは、新たな規制改革項目として、健康・未病産業の創出を図るため、CHO構想の加速化に向けた個人別の健康保険料率の設定などを提案しました。さらに、最先端医療関連産業やロボット産業の創出に向けて、イノベーションの加速につながる特許の延長期間の適正化や医療用ロボット普及のための活用可能施設の範囲拡大などを訴えました。  今回提案した内容や国内外に発信している未病の考え方については、小泉政務官にも強く共感していただきました。規制改革を推進する政府と本県の目指す方向性は、軌を一にしていると改めて実感したところであります。  今後、規制改革の早期実現に向けて、こうした新たな提案が区域計画に盛り込まれるよう、国家戦略特別区域会議の場でしっかりと訴えてまいります。そして、神奈川から経済のエンジンを回していくため、神奈川県が先頭に立ち、岩盤規制への挑戦を続けていくべきと考えております。  次に、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進についてお尋ねがありました。  本県では、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現を加速化するため、本県が指定されている三つの特区を活用しながら、最先端医療関連産業と未病産業の創出に向けた取り組みを展開しています。  まず、最先端医療関連産業については、大きな成長が期待されている再生・細胞医療分野の産業化に向けて、業界団体や国との連携を戦略的に進めていくことが重要と考えています。  現在、平成28年度当初の開設を予定しているライフイノベーションセンターへの産業化に向けた関連プロジェクトの誘致にも積極的に取り組んでおり、世界に先駆けた再生・細胞医療のショーケースの実現を目指しています。  次に、超高齢社会において成長産業となり得る神奈川発の未病産業の創出については、昨年発足させた未病産業研究会を軸に、ビジネスの種となるモデル事業を着実に実施しています。今後、一つでも多くの成功例を神奈川から生み出せるよう取り組むとともに、10月に予定している未病サミットにおいて、こうした取り組みを国内外に積極的に発信していくべきと考えております。  さらに、最先端医療関連産業や未病産業の創出を実現するためには、イノベーションを実践する人材が不可欠であることから、医学はもとより、工学や経営学など、複数の分野の幅広い知識を持つ世界で通用する人材を養成していきたいと考えています。現在、養成機関の設置形態や国内外提携先の選定など、早急に具体化を進めているところです。  これからも、こうした具体的な取り組みを通じ、最先端医療関連産業や未病産業の創出などの取り組みを加速化させていくことで、経済のエンジンを力強く回していくことができると思います。  次に、さがみロボット産業特区についてお尋ねがありました。  国のロボット新戦略を受けた、さがみロボット産業特区での対応についてです。  今般のロボット革命実現会議の議論で、私が最後までこだわったのは革命という言葉です。本当に革命の名に値するプロジェクトは起こせるのだろうか、そういった視点で意見を投げかけつつ、慎重な姿勢を崩さない省庁に対しては、時に厳しく批判もしました。  その結果、ロボット新戦略では、従来の枠にとらわれない柔軟な発想で、車や家など、生活環境そのものがロボットになっていくという方向性が打ち出されました。  また、介護ロボットの介護保険適用については、3年に1度しか行われない見直し手続に対し、私から、時代錯誤だと厳しく改善を求めたところです。これを受けて、新戦略では、随時で適用申請を受け、追加もしていくこととなるなど、さまざまな規制や手続の緩和が盛り込まれました。  こうした一連の議論を注視していた複数の企業から、現在、本県と組んで介護保険適用を申請したいとの話が来ています。今後は、そうした企業と連携して厚生労働省に当たることで、早期の適用を目指してまいります。  また、新戦略では、ロボット実証実験フィールドの整備が位置づけられ、現在ある実証フィールドとして、さがみが例示されています。そこで、本特区の実証フィールドの取り組みや、さがみでの実証の有効性、優位性を関係省庁にアピールしつつ、国の実証プロジェクトを誘致するなど、タイアップも模索しているところです。  我が国のロボット新戦略を真に実効性のあるものにしていくためには、さがみロボット産業特区の取り組みが大きな鍵を握っています。引き続き、ロボット革命の実現は神奈川が担うという思いで神奈川県は邁進していくべきと考えております。  次に、エネルギー政策に関する4年間の総括と今後の取り組みについてお尋ねがありました。  まず、4年間の総括についてです。  私は知事に就任した直後の県議会で、喫緊に求められていることは、原子力発電所の事故で失われた電力を早急に補うこと、そして、原子力発電に過度に依存しないエネルギー体系を早急につくることではないかと訴えました。  その後、平成23年9月にかながわスマートエネルギー構想を提唱し、創エネ、省エネ、蓄エネの三つの取り組みを進める中で、特に太陽光発電の普及拡大に重点的に取り組んできました。  まず、設置費用を売電収入等で回収し、実質的な負担ゼロを目指すソーラーバンクシステムを立ち上げました。また、発電事業者に屋根を貸してソーラーパネルを設置する屋根貸しビジネスモデルを、全国に先駆けて県有施設に導入しました。  こうして常に先頭に立って新たな取り組みを発信し、太陽光発電の普及を図ってきた結果、県内の導入量は、昨年度末までに62.4万キロワットに達し、3年間で約5倍の伸びとなっています。  さらに、昨年4月に策定したかながわスマートエネルギー計画では、火力発電等の集中型電源から、太陽光発電等の分散型電源への転換を図り、エネルギーの地産地消を目指すことにしました。  太陽光発電の急速な普及に伴い、昨今、一部の電力会社が電力系統への接続を制限しましたが、エネルギーを地産地消すれば、電力系統に大きな負荷はかかりません。今回の事態を見て、我々が目指してきた方向性が正しかったと改めて確信したところです。  このように4年間のエネルギー政策については、高い目標を掲げ、新たな挑戦を続けてきたことにより、エネルギー革命の流れを全国に発信するとともに、目指すべきエネルギー体系への道筋をしっかりと示すことができたと考えています。  次に、今後の取り組みについてです。  東日本大震災による電力需給の逼迫状態は解消されましたが、分散型エネルギーシステムを構築しなくては、本当に危機を乗り越えたとは言えません。  そこで、分散型電源をさらに拡大するために、さまざまな建物や施設への薄膜太陽電池の導入や発電出力が安定しているガスコージェネレーション等の導入を促進します。  また、太陽光発電が一層普及し、発電設備の設置費用が年々低下していくと、その費用が電力会社に支払う電気料金より安くなります。そうなれば、発電設備を設置して自家消費することが主流になります。そして、エネルギーを自給自足する自立型の住宅やビルが普及し、さらに住宅や事業所で余ったエネルギーを地域で融通することにより、エネルギー自立型のまち、スマートタウンが実現します。  こうして分散型エネルギーシステムによる新しい社会の姿を神奈川からいち早く世界に発信し、エネルギー革命を強力に推進していくことができると確信をしております。  次に、今後の産業振興の方向性と企業支援のあり方についてお尋ねがありました。  県経済のエンジンを回すためには、長い間、日本経済の牽引役ともなってきた本県製造業の活性化が重要です。そこで、本県では、国家戦略特区など三つの特区を中心に、成長産業の創出、育成を図るとともに、中小企業の競争力強化につながる総合的支援を行ってきました。  そうした取り組みをさらに加速させ、確たる成果につなげるためには、科学技術面での知見や発見を生かし、新しいものや価値を生み出すイノベーションの創出が必要です。そのためには、基礎研究から事業化までの一貫した支援を行っていくことがより重要になってきます。  そこで、中小企業を中心としたオープンイノベーションや技術支援、製品化支援に取り組んできた産業技術センターと、光触媒など先端分野の基礎研究に取り組む神奈川科学技術アカデミーを統合した新たなイノベーション創出支援機関の創設を検討しています。  この新たな支援機関は地方独立行政法人とし、組織や財政面での自由度を高め、県の施策も反映できる体制にしたいと考えています。そして、革新的な技術や製品がここから続々と生み出され、県内経済の成長につながっていくに違いないと思っております。  次に、建設事業の入札制度の改善についてお尋ねがありました。  建設産業の担い手の育成・確保に向けた入札制度の改善に当たっては、企業努力の適切な評価とともに、法改正により発注者の責務とされた適正な利潤への配慮の二つの視点が重要と考えています。  そこで、まず、いのち貢献度指名競争入札については、企業努力をよりきめ細かく評価するなど、運用を一部見直し、本年4月から全庁で展開します。  次に、本県ではダンピング防止のため、最低制限価格制度を採用し、本県独自の算定式により、工事ごとに品質確保に必要な経費を見積もった上で、最低制限価格を設定しています。  設定に当たっては、上限を工事費の90%とし、運用していますが、平成25年11月に算定式を見直したため、この1年間、運用状況を検証してきました。その結果、算定上、上限を超える工事が全体の約3割にも達しており、このまま制限し続けることは、品質確保や適正な利潤への配慮という趣旨を損ねることになります。そこで、来年度から算定結果どおりの設定とするよう、90%の上限を撤廃します。  県は、こうした入札制度の改善により、担い手の育成・確保を促進し、経済のエンジンがより一層回る好循環にしっかりとつなげてまいります。  答弁は以上です。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 ご答弁ありがとうございました。  それでは、2点再質問をさせていただきます。  1点目は、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進であります。  ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向け、三つの特区を最大限に活用し、経済のエンジンを回していくということは理解できました。  再生・細胞医療分野は社会的なニーズも高く、飛躍的な成長が期待されているところであり、また、新たな市場となる未病産業についても、強い期待を持って見守っていきたいと思います。  そうした中で、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向け、本県が指定されている特区をどのように活用していくのか、そういう考え方をお伺いさせていただきます。  また、2点目は、今後の産業振興の方向性についてであります。  産業技術センター、そしてKASTの統合、独法化を行うことなどにより、これまで機関が担ってきた機能はどのように強化されるのか、また、本県の産業振興にどのような効果が期待されるのか。また、独法化することで、採算重視の経営となってしまい、これまで担ってきた中小企業への支援策などの公的役割がおろそかになってしまうのではないかと危惧するところであります。そうした公的役割を今後も遂行していくために、今後、県としてどのように関与していくのか、これについてお伺いさせていただきたいと思います。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えしてまいります。  ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向けて、本県が指定されている特区をどのように活用していくのかというご質問でありました。  繰り返すまでもありませんが、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区、そしてさがみロボット産業特区、神奈川県全域を対象とした国家戦略特区、この三つの特区が、今、神奈川県は認められているわけでありまして、一つの県でこのような特区が指定されているというのは、首都圏では神奈川を除いてほかにはありません。これは県内の経済の活性化にとって、大変大きな優位性であるというふうに考えております。  現在、京浜臨海部の特区の象徴的なエリアであります殿町地区、これを最先端医療分野のゲートウエーとしまして、川崎市と連携しながら国内外に発信しているところであります。  また、さがみロボット産業特区では、実際にロボットが利用される環境において開発や実証を行うなど、介護・医療ロボット等の実用化に取り組んでいるところであります。特に研究開発の中でも、出口戦略と言われる製品化、そこに早くつなげるような特別な規制緩和が行われるような特区になっているところであります。  さらに、全県が指定されている国家戦略特区におきましては、今、区域会議の分科会である神奈川県健康・医療分科会におきまして、新たな規制改革に関する議論をしっかり行っているところでありまして、この区域会議に盛り込まれた事業というものを着実に実施していくことが重要であると考えているところであります。  こうした取り組みを通じまして、神奈川の取り組みが国内のみならず、世界のモデルとなるよう、これまで培ってきた国際的なネットワークも活用しながら取り組みを進めていきたい、そのように考えているところであります。  続きまして、産業技術センターとKASTの統合、独法化を行うことで、どうなるのかというご質問でありました。  新たな支援機関では、産業技術センターとKASTの両者の強みを一体化しまして、県内中小企業への支援をより強化していきたいと考えています。  具体的には、KASTが担ってきました基礎研究から、そして産業技術センターにおける実用化研究、製品化、事業化まで、一貫して支援することになりますので、事業化のスピードアップが図られるということだと思います。  また、金属加工など実践的な技術の習得や、大学との連携による先端領域に重点を置いた教育、これを行うことで、幅広い視点を持った若い技術者の育成等にも取り組んでまいれると思います。こうした相乗効果によりまして、本県の産業振興が加速するものと考えております。  また、もう一つの質問としまして、公的役割といったものを今後も追求していくために、今後、県としてどのように関与していくのかというご質問でありました。  地方独立行政法人、これは設立団体であります県が議会の議決を経て定めることになる中期目標に沿って運営されることになります。したがいまして、新たな支援機関では、中小企業からの技術相談や依頼試験への対応のほか、新商品開発支援など、これまで県が担ってきた役割にしっかり取り組んでもらえるものと考えております。  答弁は以上です。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 ご答弁ありがとうございました。  二つの機能が相乗効果により強化されるというお話も聞きましたし、また、中期目標については、議決をもって知事が定めるということも確認ができました。  それでは、要望させていただきます。  まず、今後の産業振興の方向性についてでありますけれども、この産業技術センターとKASTが統合、独法化することで、県内中小企業の技術力向上や競争力強化並びに若い技術者の育成や技術の継承等につなげていくという考えは理解をするものの、現在、現場で働いている方にとってはさまざまな不安もあると思います。今後も丁寧に説明しながら進めていただきますよう要望いたします。  要望の2点目は、さがみロボット産業特区であります。  先ほど知事からは革命という言葉にこだわったとありましたけれども、今回、ロボット新戦略に位置づけられたさまざまな取り組みを、さがみロボット産業特区で積極的に取り組むことで、生活支援ロボットの早期実用化を図り、本県経済の活性化につなげていただくことを要望いたします。  3点目は、建設事業の入札制度の改善についてであります。  我が会派が昨年9月の代表質問で要望したとおり、本年4月から、いのち貢献度指名競争入札を全庁展開することとあわせて、今回、最低制限価格制度の改善として、工事における最低制限価格の上限の撤廃を、全庁レベルで県として実施するという知事の英断は高く評価したいと思います。  こうした対応は、建設業界の実情や品確法の改正の趣旨を知事がよく理解されていて、担い手の育成・確保に向けて、本気で取り組んでいこうというその意気込みを感じました。  今後も引き続き、建設業界の担い手の育成・確保のために、工事及び工事系委託の入札制度に関し、終わることのない改善に取り組んでいただき、地域全体の経済の活性化につなげていただくよう要望いたします。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。〔杉山信雄議員登壇〕 ◆杉山信雄議員 質問の第3は、県政の重要課題についてであります。  初めに、「神奈川県手話言語条例」について伺います。  昨年12月の第3回定例会において、神奈川県手話言語条例が我が会派と公明党、県政会による議員提案として全会一致で制定されました。  この条例の提案は、昨年5月、5万4,000人余りの署名を添えた陳情書が当時の古沢議長に提出されたことを契機に、我が会派としても、手話が言語であることに対する県民の理解を深め、手話が日常的に使用できる共生社会の実現を目指した施策展開を県として図るためには、条例の制定が必要であると判断したことにあります。  条例の検討に当たっては、議員有志による検討会議を立ち上げ、当事者団体や事業者のご意見を拝聴しながら、たび重なる議論を行ってまいりました。また、先行して条例を制定した鳥取県を視察し、推進体制や取組状況について調査を行うなど、さまざまな角度から条例案の検討を行ってまいりました。  条例案の提出やその可決・成立については、この間、さまざまな形で新聞を初めとした多くのメディアにも取り上げられ、その反響も大きかったと認識しております。  条例の制定は、手話の普及等の取り組みを進めていく上でのゴールではなくスタートであり、本年4月の条例施行後は、県が、県民や事業者、さらには市町村と連携強化を図り、条例に基づき、福祉の範疇を超えた手話推進計画の策定に全庁挙げて取り組み、施策を具現化していくことが重要であります。  そこで、知事にお伺いいたします。  議員提案された神奈川県手話言語条例が全会一致で可決・成立されたことについて、どのように認識しているのか、また、今後どのような取り組みを進めていくのか、知事の見解を伺います。  次に、子ども・子育て支援新制度について伺います。  子ども・子育て支援新制度については、昨年末になって、新制度の財源となる消費税の10%の税率引き上げ時期が1年半先送りされることとなり、関係者はもとより、子育て家庭からも新制度が実施できるのか不安が広がったところであります。  県では、こうした状況を踏まえて、12月に知事と県内全市町村長との連名で国に対して財源確保に関する緊急要望を提出するなど、新制度の円滑な実施に向けて取り組んでまいりました。  こうした中、国は子ども・子育て支援新制度を、予定どおりこの4月からスタートすることとしました。年明けの1月14日に閣議決定された来年度の政府予算案では、子育て支援の充実を図る安倍政権の方針に基づき、新制度の実施に必要な財源として、5,100億円を確保したことは評価するところであります。  さらに、去る2月5日には、公定価格の単価が発表されましたが、大きな課題でありました既存の認定こども園が新制度へ移行した際の大幅な減収見込みについても、単価を見直すなどの対応が図られました。  国からこうした具体的対応が示されたものの、新制度のスタートを目前にして、各市町村は準備作業に追われており、円滑な制度移行ができるかどうか不安を感じている関係者も多いと考えます。  そこで、知事にお伺いします。  国が発表した来年度予算案や公定価格の単価の見直しなどについて、県としてはどのように受けとめているのか。また、目前に迫った新制度のスタートに向けて、どのように取り組んでいくのか、あわせて知事の見解をお伺いいたします。  次に、今後の本県の防災対策について伺います。  阪神・淡路大震災からちょうど20年が経過し、その間、我が国の防災対策は大きく前進しました。  県でも、総合防災センターや広域防災活動備蓄拠点の整備などに加え、市町村の防災対策への支援にも積極的に対応してまいりました。  そのような中、4年前の東日本大震災は想定をはるかに超え、まずは真っ先に避難するなど、自分の身を守る自助の重要性が指摘されたところであります。  また、昨年11月の長野県北部の地震は、震度6弱にもかかわらず、住民が協力し、犠牲者を出さなかったことから、改めて共助の重要性を認識したところであります。  今後発生の想定されている地震について、国は、一昨年、南海トラフ巨大地震や首都直下地震の被害想定を公表し、県でも、今年度、地震被害想定調査の取りまとめを行っております。  さまざまな自然災害の発生や新たな知見に基づく地震被害想定などを鑑みると、これからの神奈川県は、新たな防災対策を展開していく時期に差しかかっております。  自然災害をゼロにすることは不可能でありますが、減災は可能であり、県民の命にかかわる施策は重点的に取り組むべきと考えます。  県は、東日本大震災の課題を踏まえ、平成24年度から今年度まで、市町村地震防災対策緊急推進事業により、防災対策を推進する市町村に対して支援を行ってきましたが、今後、新たな防災対策の観点から、一層の充実を図る必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いします。  次々と発生する大規模な自然災害や、新たな知見に基づく地震被害想定を踏まえ、今後どのように防災対策を進めていくのか、基本的な考え方をお伺いします。また、防災対策を実効性あるものにしていくため、市町村の取り組みをどう支援していくのか、あわせて知事の見解をお伺いします。  次に、県立がんセンターの重粒子線治療について、2点伺います。  1点目は、重粒子線治療の治療方針・運営方法についてであります。  がん対策は本県の重要な医療施策の一つであり、医療技術が飛躍的に進歩しているにもかかわらず、がんはいまだに県民の死亡原因の第1位であります。  本県では、がんを克服するための施策の一つとして、県立がんセンターへの重粒子線治療装置の導入について、行政と議会が一体となって取り組んでまいりました。  平成17年には「がんへの挑戦・10か年戦略」の中で、重粒子線治療装置の導入を位置づけ、県議会としても、超党派の議員で構成する、がん撲滅をめざす議員連盟を立ち上げ、重粒子線治療装置の導入に向けた要望を行ってまいりました。  また、平成20年に議員提案で制定した「がん克服条例」にも、重粒子線治療装置の導入を位置づけたところであります。  このように県民からの大きな期待が寄せられている重粒子線治療が、いよいよ本年12月から開始されます。稼働まで1年を切り、県民の期待も大きいことから、ここでしっかりと、そのポイントについて確認させていただきます。  まず、重粒子線治療における運営方法や治療方針についてであります。  治療希望者はいつからどのように申し込めばいいのか、治療してもらえる部位は限られるのか、県民の期待が大きい分、患者が殺到し、何カ月も治療を待たされる状態にならないか、県民とそれ以外の患者について、県民の治療を優先するのかなど、運営方法についてさまざまなことを決める時期であると考えます。  がんセンターを中心に、こうした運営方法や治療方針が検討されていることと思いますが、治療が真に必要な人が効果のあるときに受けられるような仕組みづくりが必要で、これを明確にすべきであると考えます。  そこで、知事にお伺いします。  重粒子線治療の治療方針や運営方法の基本的な考え方について伺います。  質問の2点目は、重粒子線治療の治療費についてであります。  さきの定例会では、平成27年度からの5年間を目標期間とした、県が県立病院機構に指示する第2期中期目標を議決しました。これを受け、今定例会では、県立病院機構が作成した第2期中期計画案が提案されております。  今回提案されている中期計画は、今後5年間の県立病院機構の方向性や目標を示す重要な計画であり、県民生活への影響も大きいものがありますが、その中で県立がんセンターの重粒子線治療費は350万円と記載されております。  重粒子線治療は健康保険の適用がなく、先進医療と位置づけられており、先行施設である放射線医学総合研究所や群馬大学などでも、治療費は314万円となっております。  他の先行施設が314万円という中で、県立がんセンターの重粒子線治療が他より高めの料金設定となっていることについては、先行施設との関係で、本当に想定されている患者を集めることができるかという懸念もあります。  350万円の治療費は、誰もが容易に工面できるものではなく、治療を受けるに当たっては、患者の経済的負担が大きいものと考えます。  そこで、知事にお伺いします。  重粒子線治療費の設定と患者見込み数の考え方について伺います。  次に、農業の新たな担い手の育成・確保について伺います。  国では、2013年12月に農林水産業・地域の活力創造プランを取りまとめました。現在、農業を足腰の強い産業としていくための産業政策と、農業・農村の有する多面的な機能の維持・発展を図るための地域政策を車の両輪として、農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増させることを目指しています。  中でも、若者や女性を含めた多様な人材を活用し、チャレンジする農業経営者が活躍できる環境を整備し、その潜在力を発揮させることによって、6次産業化を初め、付加価値を高める新商品の開発や国内外での市場における需要開拓などを進めることは、農業の産業としての競争力を強化していくためには重要であります。  しかし、農業の担い手は減少し続けて、これまで本県の農業生産を支えてきた昭和一桁世代が、現在、次々とリタイアするような状況になっているのではないかと思われます。  このため、農業従事者の脆弱化が今後ますます進むことで、新鮮で安全・安心な県内産農産物の安定供給が困難になるとともに、耕作できなくなった農地─耕作放棄地が多く発生し、県土が荒廃してしまうのではないかと危惧しているところであります。  県では、かながわ農業アカデミーを設置し、農業の担い手育成に一定の成果を上げていますが、農業の担い手の減少、高齢化の状況を踏まえれば、農家以外から参入してくる若者や女性、中高年者、さらには企業など、意欲と能力のある多様な担い手を育成・確保していくことが重要であると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県農業を支える新たな担い手の育成・確保について、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  次に、治安情勢に応じた人的基盤の強化について伺います。  良好な治安の存在は、社会の健全な発展のために欠かすことのできない重要なインフラであり、良好な治安を確保し、県民の命、身体、財産を守ることは、県政に課せられた責務であります。  この治安水準の重要な指標である本県の刑法犯認知件数は、平成14年をピークに減少傾向にあり、顕著な改善傾向にあります。これは、全国2位の約910万人県民を擁し、首都機能の一端を担う本県において、県警察が各種治安対策に尽力したことはもとより、県、そして県民が一体となって取り組んだ成果であります。  また、平成13年度以降における警察官の増員も、これら治安の回復に効果をもたらしていると認識しております。  しかし、刑法犯認知件数が改善する一方で、ストーカー事案やDV事案が多発し、昨年1年間の振り込め詐欺の被害総額は、これまでで最高の約42億円となるなど、依然として厳しい情勢にあります。  さらに、国際情勢では、イスラム過激派組織が邦人を巻き込んだ卑劣きわまりない事案が発生するなど、まさにテロの脅威に直面していることを強く再認識したところであります。  このような情勢の中、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、本県においても良好な治安を一層確固たるものとすることが求められております。  我が会派はこれまでも県民の安全・安心を確保するため、警察官の増員を求め、県議会としても、昨年、意見書を国に提案し、強く要望してきたところであり、このたび、閣議決定された国の平成27年度政府予算において警察官の増員が盛り込まれたことは喜ばしいことであります。しかし、本県の現状を鑑みると、いまだ十分とは言いがたく、さらなる増員が焦眉の急となっております。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  現下の治安情勢に対応すべく、県民が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するため、警察官の増員に伴う組織体制の強化が重要と考えますが、警察本部長の見解を伺います。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、県政の重要課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、「神奈川県手話言語条例」についてです。  昨年5月に手話言語条例の制定を求める陳情書が県議会に提出され、6月の本会議でしきだ議員から、条例制定についてのご質問をいただきました。その際、私からは、条例を定めることについて、しっかり議論をして、県民の皆さんの理解を深める必要があるとお答えしたところです。  その後、議会の皆さんが精力的に議論を重ね、より多くの県民のご理解を得て、昨年11月の第3回定例会に手話言語条例を提案され、全会一致で可決されたことは大変すばらしいことだと思います。  私としても、こうしたプロセスを経て成立したこの条例の重みを受けとめ、県としてしっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。  次に、今後の取り組みについてです。  条例では、県は手話の普及等を推進する責務を負い、手話推進計画を策定することとされています。この計画には、手話が日常的に使用され、耳の不自由な方、聾者とそれ以外の方がともに共生できる社会の実現を目指すため、さまざまな分野での施策を位置づけることが求められています。  そこで、全庁を挙げて手話の普及等に取り組むため、庁内組織を早急に立ち上げます。また、条例施行後、速やかに聾者などの当事者の方々や、県民、教育や産業労働等の分野の有識者による協議会を設立し、幅広いご意見を伺いながら計画を策定していくことになります。  そして、市町村とも連携して、計画の着実な推進を図ることにより、手話の普及が進んでいくものと思います。  次に、子ども・子育て支援新制度についてお尋ねがありました。  これまで国は、新制度の財源として、消費税率を10%に引き上げた場合の増収分のうち、7,000億円を充てると公表してきました。しかし、昨年秋、税率引き上げ時期を先送りすることとしたため、自治体や関係者からは、新制度の実施をめぐって、施設の運営に十分な財源が確保されるのかといった不安の声が上がってきました。  そこで、県では、昨年12月19日に、私と県内全市町村長の連名で、新制度の財源について、国が責任を持って確保することなどを求める緊急要望を行いました。  その後、国は年明けに来年度予算案を閣議決定し、子育て支援の充実を図るため、新制度の財源として5,100億円を計上しました。  さらに、2月には、保育所などに給付される運営費の算定根拠となる公定価格の単価が示され、それまで大きな課題となっていた大規模幼稚園の収入減への対応や、保育士等の人件費の改善が図られることになりました。  こうした国の対応は、新制度の財源確保を初め、公定価格の単価の見直しなど、これまで県が繰り返し要望してきたことが、おおむね反映されたものと受けとめています。  しかし、市町村から保育所等への支払い手続など、新制度の運用面では、まだ詳細が明らかになっていない部分があり、準備におくれが生じています。  県としては、今後も国に対して、制度の具体的運用について、早急な提示を求めるとともに、市町村や施設への迅速な情報提供に努め、目前に迫った新制度の円滑な実施に全力で取り組んでまいります。  次に、今後の本県の防災対策について、2点お尋ねがありました。  まず、防災対策の基本的な考え方についてです。  私は、東日本大震災の翌月に県知事に就任しました。当時から被災地や被災者の支援を積極的に進めており、現在も被災地への本県職員の派遣数は全国最大の規模となっています。  また、学識者による検証委員会を設け、本県の地震防災対策を見直したほか、ビッグレスキューやシェイクアウト訓練なども日本一の規模で進めています。  さらに、県議会の皆様とも本会議や委員会などの場で幅広い議論を積み重ね、「地震災害対策推進条例」を制定しました。  こうした取り組みに共通しているのは、命を守ることを最も優先するという考え方です。いかに県民の命を守るかという観点で、被害をできる限り軽減する減災に取り組むことが、防災行政の基本だと考えています。  現在、県では地震被害想定調査を進めています。新年度は、新たな被害想定をもとに、被害を軽減する対策をまとめた地震防災戦略を策定します。この地震防災戦略に沿って、減災の効果が高い防災対策を優先的、計画的に進めてまいります。  次に、市町村の取り組みへの支援についてです。  減災のためには、県民がみずからの命を守る自助、県民や消防団、事業者が連携して助け合う共助も不可欠です。そこで、新年度の予算案では、総額3億円の市町村減災推進事業費補助金を創設し、市町村が進める自助、共助の取り組みを支援します。  県と市町村が一体となって減災を進め、県民や事業者などとともに、県は災害に強い神奈川を目指してまいります。  次に、県立がんセンターの重粒子線治療についてお尋ねがありました。  まず、重粒子線治療の治療方針・運営方法についてです。  本年12月の治療開始に向けて、治療方針や運営方法をしっかり定めておくことは重要です。  まず、治療方針については、手術や化学療法、エックス線による高精度な放射線治療など、さまざまながん治療とあわせ、重粒子線治療の効果が最も期待できる患者さんに最優先で治療していきます。そのため、照射にかかわる職員の資質向上と医師との連携にしっかり取り組んでいきます。  また、治療部位については、他の先行施設で実績がある前立腺がんなどを対象とし、着実に成果を上げていきます。他方、治療実績の少ない小児がんなどについては、臨床研究として取り組んでいきます。  次に、運営方針です。患者さんについて県内外の区別はしませんが、県民の皆さんが受診する地域の医療機関などの紹介をいただき、受け入れてまいります。  今後、患者さんの専用窓口を設け、秋口を目途に受付を開始し、紹介元医療機関と連携して、できるだけ患者さんを待たせないよう円滑な運営に努めていきます。  こうした治療方針や運営方法のもとで、安全性を第一に考えながら、着実に重粒子線治療の効果を生むよう、県として引き続き支援してまいります。  次に、重粒子線治療の治療費についてです。  まず、重粒子線治療の治療費については、来年度からの5年間の第2期中期計画期間内に重粒子線の運用に係る費用を治療費で賄うという考え方により設定しました。  次に、患者見込み数ですが、安全性を確保しながら治療を行うため、段階的にふやしていく必要があります。12月から治療を開始する平成27年度は治療室1室で10名の治療を行い、28年度は2室に拡大し、200名、29年度は全4室を稼働し、340名の治療を行う見込みです。こうして治療にかかわる人員や体制を強化しながら、開業11年目の平成37年度以降は年間880名の患者さんを受け入れることを見込んでいます。  がんセンターの重粒子線治療は、患部への照射の精度がより高い最新の照射技術を採用しています。また、全ての治療室にCTを設置し、照射箇所をより正確に確定するなど、他の施設以上の治療環境を整えています。  このように最新で高度な治療を提供し、患者さんのニーズに応えることで、想定している患者数の受け入れを確保できるものと考えています。  最後に、農業の新たな担い手の育成・確保についてお尋ねがありました。  県内の多くの農家で後継者が不足する中、意欲ある若者や企業など、新たな担い手を育成・確保していくことは重要な課題です。  しかし、農家の後継者以外の方が農業に新規参入する場合には、実践的な農業技術の習得が必要なことや、収入が得られるまでに時間がかかることなどが壁になっています。  そこで、県では、かながわ農業アカデミーにおいて、平成27年度から、農家後継者以外の方を対象に独立就農チャレンジコースを新たに設けます。これは新しく農業を始めるときと同様に、経営プランの作成から販売までの作業を模擬的に体験するものです。  また、野菜は比較的短期間で収穫でき、収入が得られることから、より多くの学生が野菜栽培を学べるよう、実習圃場を拡大し、就農後の早期の収入安定につなげていきます。  さらに、農業アカデミーでは、企業等の農業参入にも力を注いでいます。これまでの就農支援ワンストップサービスに加え、今年度から積極的に企業に呼びかけ、企業参入の成功事例や課題など、参入の判断に役立つ情報を提供するセミナーを開催しています。  昨年12月とこの1月に開催したセミナーには合計54社の参加をいただき、その中には具体的な参入の相談をいただいている企業もありますので、引き続き支援してまいります。  県では、今後も新規参入者のニーズに合わせたきめ細かい支援を行うことで、本県農業の将来を支える新たな担い手の育成・確保に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(松本光弘)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 松本警察本部長。 ◎警察本部長(松本光弘) 治安情勢に応じた人的基盤の強化についてお答えします。  初めに、県内の治安情勢です。  昨年の刑法犯認知件数は、戦後最多の19万件台を記録した平成14年の約4割まで減少させることができました。また、昨年の刑法犯の検挙率は40.1%、殺人、強盗などの重要犯罪の検挙率が76.2%と、いずれも他の大規模県と比較してもすぐれた実績を残したところです。  しかし、ストーカー、DV事案や振り込め詐欺を初めとした特殊詐欺など、子供、女性、高齢者が被害に遭う犯罪が多発するとともに、国際テロ情勢が一層厳しさを増すなど、依然として予断を許さない治安情勢であり、これらの課題に迅速かつ的確に対処することが急務となっております。  このような情勢を踏まえ、このたび、平成27年度に警察官を60人増員する議案を本定例会に提出しているところです。今回の増員の狙いは、現下の治安情勢を勘案し、人身安全関連事案対策、特殊詐欺対策、そして我が国を取り巻く国際情勢の変化に対応するための事態対処能力の強化の3点を推進するために措置するものであり、これらの増員を踏まえ、第一線警察署のほか、警察本部の担当部門に要員を配置し、実情に応じた効果的な体制を構築するなど、現場執行力のさらなる向上を図ります。  特に振り込め詐欺等の特殊詐欺に対しては、昨年9月、検挙対策プロジェクトを立ち上げ、検挙対策を主眼とした諸対策を推進し、一定の成果を上げておりますが、さらに取り組みを強化するため、本年4月、捜査第二課のこのプロジェクトを(仮称)特殊詐欺対策室に格上げし、強固な体制を確立する予定です。  県警察といたしましては、安全で安心して暮らせる地域社会の実現に向け、引き続き国に対して警察官の増員を求め、治安情勢に応じた強固な警察基盤を構築し、県民の期待に応えてまいります。  以上でございます。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 それでは、県立がんセンターの重粒子線治療の治療費について、再質問を行います。  治療費用と患者の負担軽減策は両方で議論すべきでありますが、今回、平成27年度当初予算を見ますと、患者の負担軽減策については触れられておりません。重粒子線治療が保険適用になることが一番望ましいことでありますが、現状では適用ができないことから、他施設では治療費の貸し付けや減額、金融機関からの貸し付けを受けた場合の利子補給などの負担軽減策が設けられていると承知します。  本年12月の治療開始に向けて、患者の負担軽減策については、早期の議論が必要であるかと思いますけれども、その負担軽減に対する知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  重粒子線治療というのは、現在は先進医療の扱いとなるため、高額な治療費がかかります。本来、患者さんの負担軽減につきましては、保険適用になるということが第一でありまして、引き続き、これは国に対して保険適用を強く求めていかなければならないと思っています。  それまでの間は、今、民間の保険で先進医療特約保険というものがたくさんあります。これがこの治療費を給付対象としていますので、国の保険適用になるまでの間は、こういったものの存在を病院機構とPRしていくということが必要になってくると思います。  しかし、こうした取り組みを前提としても、県民の皆さんの負担軽減についての検討は必要であると思います。一方で、多額の経費が必要となりますから、この観点での議論もしっかりと行わなければなりません。  現在、重粒子線治療の提供に当たっては、重粒子線治療の専門家やがん患者の会の代表者などを構成員としました課題検討委員会を立ち上げて、幅広いご意見をいただいているところであります。  12月の治療開始に向けて、この課題検討委員会でのご意見や他の先行施設の例も参考にしながら、県議会での議論も踏まえて検討していく必要があると考えております。  答弁は以上です。〔杉山信雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(向笠茂幸) 杉山信雄君。 ◆杉山信雄議員 それでは、要望をさせていただきます。  県立がんセンターの重粒子線治療の治療費についてでありますけれども、いよいよ12月の治療開始までは余り時間もありません。この負担軽減策をどうするのか、今、検討委員会もあるようでありますけれども、早期に提示をしていただき、最善の方策、これを議会とともに検討し、県民の皆様のご理解が得られるよう努めていただくことを要望させていただきます。  要望の2点目は、「神奈川県手話言語条例」についてであります。  手話言語条例は、この4月から条例施行され、今後は、条例に規定された推進計画の策定が始まることとなります。計画策定に当たっては、県民の意見を聞くことが規定されておりますが、意見聴取に当たっては、当事者団体など幅広く意見を聞くとともに、市町村との連携も図りながら、実効性のある計画を策定していただきますよう要望いたします。  要望の3点目は、農業の新たな担い手の育成・確保についてであります。  この課題については、一朝一夕では解決できません。新たに就農を希望する意欲ある若者や企業に対して、農地中間管理事業の活用なども含め、しっかりと支援することで、神奈川の農業を支える担い手の育成・確保を進めていただくことを要望します。  最後に、今定例会は改選期を迎える大切な議会であります。今後のさらなる県政発展のためにも、今定例会における諸議案について、本日以降、熱心に議論を行い、県民の皆様の期待に応えていきたいと思います。  以上をもちまして、私の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。〔拍 手〕 ○議長(向笠茂幸) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向笠茂幸) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時57分 休憩───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成27年第1回-20150219-027679-質問・答弁-長友よしひろ議員-代表質問①知事の4年間の総括について②県政運営の重要課題について》                   午後3時20分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共75名 ○副議長(小川久仁子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(小川久仁子) 質問を続行いたします。  長友よしひろ君。〔長友よしひろ議員登壇〕(拍手) ◆長友よしひろ議員 民主党・かながわクラブの長友よしひろです。  通告に基づき、会派を代表して質問をいたします。  知事並びに警察本部長におかれましては、どうぞ明快なご答弁を賜りますようお願い申し上げます。先輩、同僚議員の皆様方におかれましては、どうぞしばしの間、ご清聴賜りますようお願い申し上げます。  最初の柱は、知事の4年間の総括についてであります。  初めに、4年間の総括と今後の決意について伺いたいと思います。  「いのち輝くマグネット神奈川」を掲げて、颯爽と黒岩知事は登場いたしました。いよいよ4年がたとうといたしております。  前回の県知事選挙におきましては、私たちも当時の黒岩候補を支援し、その後の県政運営においても、二元代表制としての本旨を踏まえつつ、政策提言を含めて前向きな議論を行ってきました。  知事は、命を大切にする県政を掲げて取り組んできたわけです。今まさに県民が命に係る政策に関心を持ち、ともすれば、命が脅かされるという不安もある中で、県として医療や福祉、命を大切にする教育等に積極的な取り組みを行ってきたことと評価をしているところであります。  高齢化が急速に進み、また社会の中で経済格差も広がり、6人に1人の子供が貧困状態にあるとも言われる非常にゆゆしき状況である中、今後も一人一人の命を大切にし、命に寄り添った県政が行われるべきであると考えます。  これまで4年間の取り組みに確かな実を結ばせ、県民にその効果を実感していただくために、黒岩知事は、今後の県政運営について、その責任から逃れるべきではないと考えます。その場合、私たちもオール神奈川の一員として、その重要性を認識し、最大限支えていく決意であります。  そこで、知事に伺います。  これまで命にこだわり、県政運営を進めてきた黒岩知事は、4年間の任期をみずからどう総括されているのか、また4月の県知事選挙を含めて、どのような決意を持って今後、臨まれようとしているのかを質問したいと思います。  次に、「かながわグランドデザイン」のプロジェクトの評価についてです。  総合計画かながわグランドデザインは、目標年次、平成37年、いのち輝くマグネット神奈川を実現するを基本理念に掲げ、神奈川の将来像や政策の基本方向をまとめた基本構想と、そうした基本理念や将来像の実現に向けた県の政策をまとめた実施計画で構成されています。  3年前、議会に総合計画案が提案された際には、知事から本会議での答弁で、プロジェクトは政策の方向性を描いた県民の皆さんへのメッセージであり、実現に向けて一気に全力で邁進していくとの決意が示されたところであります。  また、その推進に当たっては、県民の皆さんが取り組みの成果を実感していただくことが何より重要とありました。そのことを踏まえると、いのち輝くマグネット神奈川に向けて進めてきた取組内容やその結果について、改めて県民の皆さんに丁寧に説明する必要があると思います。  3年間の間には、厳しい財政状況を受け、緊急財政対策もありましたが、その際にも、プロジェクトに掲げた目標を変えることなく取り組みを進め、目標の達成に向けて鋭意努力してきたと承知いたしています。  そこで、知事に伺います。  かながわグランドデザインに基づくプロジェクトについて、知事はこれまで3年間の取り組みをどのように評価しているのか、課題はあるのかを含めて所見を伺いたいと思います。  次に、国に対する姿勢についてです。  県は、県政を推進する上で、国による取り組みが必要な場合には、さまざまな形で国に要請を行ってきていると承知しています。国家戦略特区の導入に当たっては、神奈川県全域を区域に指定するよう国に申請し、実現が図られてもいます。  このほかにも、知事が力を入れている再生可能エネルギーの固定価格買取制度や、首都圏の高速道路料金の件など、さまざまな政策課題について国に要請を行い、成果を得られたものがあると認識しています。また、県は、毎年度、国の施策・制度・予算に関する提案を取りまとめ、継続的に国へ提案を実施しており、一定の成果を得たものもあります。  しかし、国は県の提案に対し、各種の規制が存在していて、必ずしも前向きな対応を行ってきたとは限りません。本県のみならず、地方全体が長年にわたり提案してきている地方税財政制度の根幹の改革などは実現を見ていません。  県の提案が実現しないばかりか、臨時的措置であるはずの臨時財政対策債が10年以上続けられていることや、最近でも、地方税を国税化する地方法人税が導入されたことなど、むしろ制度が改悪されていると言わざるを得ない部分があるのも事実です。提案説明での不交付団体化発言は同様の視点に基づくものと推察いたします。  したがって、県民や県政に大きな影響のある政策課題や、本県が全国に先駆けて制度構築を進めている政策のうち、国の政策や仕組みがネックとなっているものについては、今まで以上に制度改正などを積極的に国に働きかけていく必要があります。また、時には国に対し、強い姿勢で臨むことも必要ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  知事は県政運営において、国に対してどのような姿勢で臨んできたのか伺います。また、今後はどのような姿勢で臨んでいくのか、所見をあわせて伺いたいと思います。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 長友議員のご質問に順次お答えしてまいります。  私の4年間の総括について、何点かお尋ねがありました。  まず、私の4年間の総括と今後の決意についてです。  私はジャーナリスト時代から救急救命士誕生につながった救急医療キャンペーンに取り組むなど、一貫して命にこだわってきました。4年前に知事に就任して以降は、県民の皆様の命がいかに輝くようにするかを最も重要な使命の一つとして全力で取り組んできたところです。  例えば、深刻な看護師不足に対しては、准看護師の養成停止の方針を決定し、看護師養成に力を入れたことで、県内の就業看護師数は平成24年末までの2年間で全国トップとなる5,000人以上の増加が図られました。  また、国に先駆けて県独自で生ワクチンより安全な不活化ポリオワクチン接種を実施したことにより、国の動きが促され、当初予定したよりも前倒しして定期接種が開始されるということもありました。  さらに、健康寿命日本一を目指すヘルスケア・ニューフロンティアを推進する中で、医食農同源を初めとする未病を治す取り組みや、介護予防、認知症予防などの事業も積極的に実施しています。  直接命を守る取り組みも進めてきました。県立学校の全教職員にAEDの取り扱いを含む心肺蘇生法の研修を実施し、AED講習の対象を県職員全員に広げることを決定したほか、ビッグレスキューかながわや、かながわシェイクアウトなどの防災訓練も行ってきました。  また、介護従事者の社会的な評価の向上を目指す、かながわ感動介護大賞や子供たちの命を大切にする心を育む、「いのちの授業」大賞といった命にかかわる賞も創設してきたところです。  この4年間、こうした県の先進的な取り組みにより、命を輝かせる取り組みは着実に進んでいるものと感じています。  そして、今後もこうした流れをとめることなく、県民の皆様が、命が輝くことを実感できるよう、引き続き取り組んでいくことが私の責務だと考え、次期県知事選挙に立候補する決意を固めたところです。  今後とも命に徹底的にこだわり、その輝きを増すことができるよう、県民や議会の皆様とともに、県民総力戦で取り組んでまいりたいと考えています。  次に、「かながわグランドデザイン」のプロジェクトの評価についてです。  このプロジェクトは、県政における喫緊の課題に対応するため、先進性や発展性を持った県の重点施策を分野横断的に27本にまとめたものであり、策定以来、全てのプロジェクトで所期の目的を達成するよう、私が先頭に立ち、全力で取り組んできました。  特に、限られた時間と財源の中にあって、最大限の成果が得られるよう、庁内に部局横断的なクロス・ファンクション体制を整備するとともに、プロジェクトには優先的に必要な予算を措置しました。その結果、計画全体の予算化率は97.4%と、歴代の総合計画の中でも非常に高い率となっています。  また、現在実施している実施計画の総点検において、総合計画審議会からは、全てのプロジェクトで一定の成果が見られるとのまとめのご意見をいただいており、私としても、3年間を通じて計画全体としてはおおむね順調に進捗したと考えています。  ただ、個々のプロジェクトごとに見ると、計画策定時の想定に比べ、順調に進んでいるものと、進捗におくれが生じているものとがあります。  例えば、神奈川を世界にアピールする国際戦略に関するプロジェクトにおいては、私がみずからプロモーションしてきましたが、円安の追い風もあり、当初の目標を上回る外国人観光客の増加を実現しました。さらに、ロボット関連やいのち関連などの最先端産業の集積を図り、本県の成長戦略の実現に向けて、経済のエンジンを回す基盤を構築することができました。  一方で、エネルギー関係のプロジェクトでは、太陽光発電は急速に普及しておりますが、当初の想定と比べ、太陽光パネルの重さの問題で、工場などの屋根への設置がおくれている状況で、これは今後の課題であります。ただし、今、促進している薄膜太陽電池の普及が一気に進めば、この課題も解消されるものと考えています。  また、そのためにも、今般の固定価格買取制度の運用見直しに当たっては、太陽光発電の普及に支障が生じないよう、国に強く要請し、その方向で見直しが図られたところです。  次に、国に対する姿勢についてです。  本県は3歩先行く神奈川の取り組みを進めているところであり、国との関係においても、上下関係ではなく、県から国を動かすという姿勢で臨んでいます。そのために、神奈川が全国のモデルとなって国を動かすような政策展開を図るとともに、国の制度改正に対しても、単に国に要望するというのではなく、県から積極的に政策提案を行っています。  これまでの取組事例としましては、まず国を動かすような政策展開として、特区の取り組みが挙げられます。  私は、ヘルスケア・ニューフロンティアを実現するための重要なツールとして、国家戦略特区など三つの特区を最大限活用しています。その中で、国に対して言うべきことは言うことによって、規制緩和をかち取るなどして、ロボット産業や再生・細胞医療分野で出口戦略を重視した先進的な施策を展開しています。  次に、本県から積極的に国に政策提案を行い、一定の進展や成果が見られたものとしては、PM2.5の原因物質とされるガソリンベーパー対策、割高となっている圏央道、横浜横須賀道路の料金の見直し、県費負担教職員の給与負担等に関する権限と財源の指定都市への移譲などが挙げられます。  また、国における検討に対し、本県の立場から強い姿勢で意見を述べ、政策推進を妨げない方向性を得たものとして、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の運用見直しにおいて、住宅用太陽光発電設備を出力抑制の対象から除外することや、地方創生推進のため、東京圏から地方へ企業を移転させる税制の導入に当たり、移転を促進する特定地域から本県を除外することなどが挙げられます。  このように国に対しては本県の側から積極的に発信していくという形で、協力すべきことは協力し、言うべきことはしっかり言うという姿勢で臨んできました。神奈川はこうした姿勢を基本に、常に国をリードするという使命を担った県であると私は考えています。  答弁は以上です。〔長友よしひろ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 長友よしひろ君。 ◆長友よしひろ議員 大変丁寧な答弁をいただいたと思いました。ありがとうございました。  まず、今後についてのことでありますが、黒岩知事から強い決意が述べられたと認識いたしました。会派といたしましても、この4年間をみずから私たち自身が振り返ったとき、知事と前向きな議論が行われてこれたのではないかというふうに考えています。  知事におかれましては、県政課題が山積する中、神奈川総ぐるみというお言葉でしたでしょうか、オール神奈川の体制を継続して、今後もトップリーダーとして、その手腕を発揮されるよう期待をしたいと思います。  総合計画の質問につきまして、大変冷静に分析をされた答弁だったというふうに思っております。総合計画の中のさまざまな分野、あるいは課題として掲げられたことにつきましては、今後の常任委員会や予算委員会で取り上げていきたいと考えております。  国に対する姿勢につきましても、大変力強いお答えだったと思います。神奈川が国をリードするというその思いも伝わってまいりました。引き続きしっかりと訴えていただいて、規制に挑んでほしいと思います。私たちもともにそれに挑んでいきたいと、このように思います。  この質問については以上です。〔長友よしひろ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 長友よしひろ君。〔長友よしひろ議員登壇〕 ◆長友よしひろ議員 質問の第2の柱は、県政運営の重要課題についてであります。  まず初めに、行財政の課題について、三つ伺いたいと思います。  その一つ目は、財政の課題についてです。  平成27年度の当初予算編成方針を示した時点では、財源不足は550億円であり、その後、変動要素からさらに680億円まで拡大したと聞いています。これに対して、27年度の事業見直し100億円余りや26年度の収入増等で確保した580億により、27年度の財源不足見込みを解消したとの提案説明がありました。  また、平成26年度の基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化は、県税収入確保や地方交付税に対する国への粘り強い働きかけにより、あるいは臨時財政対策債の発行抑制など、財政健全化に向けたこれまでの取り組みの成果があらわれたものと、ここで改めて評価をしたいと思います。  これまでも一貫して財政健全化に向けた取り組みを提案してきました。あるいは実行を求めてまいりました。2年前に、今後5年以内のプライマリーバランス黒字化と10年以内の県債残高減少の二つの目標を示されたのも、求めてきた延長線であり、明確に定めたことは知事のリーダーシップに基づくものと受けとめてきました。知事と担当部門の成果と、改めてこの点も受けとめたいと思います。  しかし、経済情勢は無論のこと、少しでも手綱を緩めると、もろくも崩れ去る懸念は共通のものであると思います。今後はこれらを前提として、毎年50億円から100億円を目途にした臨時財政対策債を含めた県債全体の発行抑制を継続的に行うと同時に、策定されるであろう財政健全化の方策に、県債管理目標とその工程を記すことが肝要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  緊急財政対策の3年間の取り組みを含めた4年間の財政課題に対する取り組みについて、知事の自己評価と今後のさらなる財政健全化に向けた考え方を聞きたいと思います。  この項目の二つ目、行政改革の取組についてです。  現行の行政改革の指針は今年度末で終了となります。知事の掲げる政策である総合計画の推進が図られたことは、これまでの行革への取り組みによる成果と言えます。今後も政策を推進させるため、時代に即した行政運営を行うため、さらなる行革の取り組みが求められるのは言うまでもありません。  これに加えまして、先ほど知事は来期に向けた決意を述べられました。その決意ならば、なおさら、知事の政策推進のためには、この行革は必要不可欠だと考えます。  本県では、昭和50年代前半から行政改革に取り組んできたと承知しています。昨今でも、平成19年、行政システム改革の基本方針、21年、県庁改革の基本方針、22年、改革戦略プラン、そして、24年策定の現在の新たな行政改革の指針へとつながっています。  知事は、これまでも、また今回の提案説明でも、不断の行政改革の必要性を述べています。まさに、取り組みを継続してきたあらわれの言葉であると思います。このことからも、今年度末で終了となる行政改革の指針にかわる新たな行政改革の取り組みを示す指針を直ちに策定することは極めて重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、新しい行政改革の方針と、行政改革の指針の策定について見解を伺いたいと思います。  次に、国の補正予算への対応についてです。  先ごろ、国において成立しました補正予算は総額3兆5,000億円にも上ります。地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策と銘打たれ、地域の実情に配慮しつつ、消費を喚起する、地方が直面する構造的な課題へ実効ある取り組みを通じて地方の活性化を促す、災害復旧等の緊急対応や復興を加速するという三つに重点を置いて示されています。  それぞれ多岐にわたる分野、内容にわたっている中、実効性に懸念を抱く内容も散見されますが、本県がこれまで取り組んできました内容と適合する部分も多数あると認識しています。  この緊急経済対策として実施される国の補正予算は、時間、内容、使い方などの課題や制約がある中、現在、全国の自治体で一斉に対応する補正予算の策定作業が行われていると聞いています。  県でも同様に、これに対応した補正予算を策定中であり、対応の規模等については、まとまり次第速やかに本定例会に提案すると、今後の追加提案の予定と説明があったところでございます。限られた時間で大変な作業と推察するところであり、労苦をねぎらうところであります。  今後提案されて可決・成立してから年度末までの期間の短さから考えると、補正予算の多くの具体的な実施は来年度へ繰り越さざるを得ないものと想定されます。このことは来年度予算案の今後の審議にも大きく関係することになります。  そこで、知事に伺います。  補正予算の編成にどのような考え方で臨んでいるのか、知事の見解を伺いたいと思います。  二つ目です。エネルギー政策についてです。  知事はエネルギー政策に力を入れて取り組んできました。太陽光パネル200万戸設置など、半ば不可能と思える目標にも取り組み、「かながわスマートエネルギー計画」のもと、毎年の予算編成でさまざまな施策展開を行っています。  エネルギー政策は、長期的な取り組みにより効果があらわれるものでございます。また、国や市町村も同様の施策をとっていることから、広域自治体の県としての役割がどこにあるかを常に自問自答しながら進んでいかなければならないと思います。  一方で、住宅用太陽光パネル、HEMS、屋根貸し、薄膜太陽光電池、さらにはコージェネ導入費補助などの取り組みがなされてきた。それらが互いにどのように関連しているのか、県が中心になって取り組む必要性、毎年のようにメニューが変わると思われる印象の中で、県民からの声も寄せられているのも事実です。  県が行うエネルギー政策は県民に身近であり、県民が手にとり、目に触れる、そして依然厳しさを増している県民生活に確かな実感をもたらすべきものであります。  そこで、知事に伺います。  これまでの4年間、エネルギー政策を進めていく中、広域自治体である県としての役割をどのように認識して進めてきたのか、また、今後どのような役割を担っていこうと考えているのか、伺いたいと思います。  次に、公契約条例の制定についてです。  公契約条例は、自治体が発注する工事等において、発注業者と労働者、下請業者の契約に条件をつけ、いわゆる官製ワーキングプアをなくすことを目的としています。  会派として、いまだ厳しい経済状況の中で、勤労者の雇用と生活を守る立場から、公契約条例の制定を、本会議を初め多くの場面で主張してきました。  県でも、平成24年度に、産業労働局、県土整備局及び会計局の職員をメンバーとする公契約条例研究会を設置して検討を進めてきました。また、その後には、県が設置した外部有識者等で構成する公契約に関する協議会から、公契約に関する協議会報告書が示されたところであります。  知事は、昨年第2回定例会で、我々の質問に対する答弁で、今後はこの報告書に基づいてさらなる検討を進めていくと述べられました。  勤労者を取り巻く環境は逼迫しており、いまだ十分に改善されているとは言えません。雇用や生活を守る立場からも、答弁にある、さらなる検討を進めてきた今後は、公契約条例の制定をしっかり視野に入れながら検討が進められていくべきだと考えます。  そこで、知事に伺います。  公契約条例に関する協議会の報告書を受けとめ、今後どのような方向性を持って検討を進めようとしているのか、所見を伺いたいと思います。  次に、危険ドラッグ対策についてです。  残念ながら、昨今も危険ドラッグに関する痛ましい事件が全国で多発しています。県警察が関与した検挙や取り締まりの報道も多く見られるところです。今後も、社会全体で撲滅に向けて取り組まなければならない喫緊の課題であります。  県警察が、これまで危険ドラッグ撲滅に向け、行政指導や取り締まりの実施、危険性、有害性についての啓発活動等を積極的に取り組んできたことは承知しています。  一方、国においても、昨年4月に薬事法が改正され、指定薬物の単純所持、使用等の規制がされました。12月には、危険ドラッグに対する検査命令や販売中止命令の充実強化が図られました。また、さきに述べた国の補正予算でも、危険ドラッグ対策の推進が内容に盛り込まれています。  そのような中、危険ドラッグの事件が出始めた当初から、会派として継続的に求めてきた危険ドラッグを規制する条例である「薬物濫用防止条例案」が今回提案されました。県として独自に違法薬物を指定すること、警察職員に販売店等への立入権限を付与すること、罰則を設けるなど、実効性ある抑止力を持った条例案であると受けとめています。  条例制定後は、これまで県全体で危険ドラッグ撲滅に向けて取り組んできた活動に加えて、販売禁止や販売実態把握の迅速化など、具体的な防止策の推進と条例制定による抑止効果が十分に発揮されることが期待されます。同時に、引き続き、あらゆる法令を駆使した取り締まりの必要性があると思います。  そこで、警察本部長に伺います。  危険ドラッグを取り巻く昨今の情勢と、これまでの県警察の取り組みの成果を伺いたいと思います。また、あわせて、条例が提案されたことを受けて、今後の危険ドラッグ撲滅に向けた県警察の取り組みを伺いたいと思います。  次に、土砂災害対策についてであります。  昨年8月の豪雨による広島市北部での土砂災害は、多数の人命が失われるなど大きな被害が発生しました。  8月26日の記者会見で、知事は、土砂災害警戒区域の指定について、平成27年度の完了を目指して進めているが、29年度までに完了するかどうかは困難な状況であり、できる限りこれを早くしていきたいと述べられていました。  また、国においては、このような甚大な災害を受け、土砂災害防止法を改正したところです。改正法では、土砂災害警戒区域の指定の前に、基礎調査結果の公表などの土砂災害の危険性のある区域の明示や、土砂災害警戒情報の市町村への通知など、円滑に避難勧告等が発令できるような情報提供の仕組み、避難体制の充実強化などが盛り込まれています。  この制定を受け、県では、土砂災害警戒区域の指定のために実施した基礎調査の結果を、法施行直後の先月22日にホームページなどを通じて公表したと承知しています。これにより、土砂災害警戒区域の指定が必要と見込まれるが未指定である区域約3,800カ所のうち、約1,800カ所の基礎調査完了が公表されたことになります。残りの基礎調査未完了の約2,000カ所については、基礎調査が完了した箇所から順次公表されていくと聞いています。  急傾斜地の崩壊や土石流などによる災害のおそれのある箇所については、これまでも土砂災害警戒区域の指定に向け、基礎調査、住民説明など大変な業務を丁寧に進めてきたと認識し、その取り組みに対して敬意を表するところであります。さまざまな事情はあるものの、なるべく早期に基礎調査を完了、公表し、土砂災害警戒区域として指定していく必要があると考えます。  また、同じ土砂災害警戒区域内にあっても、特に危険な区域として指定できる土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンについては、私権の制限など、さらに困難な事情があると承知しています。指定を進めるためには、指定後の県としての対応策や支援策を示すことも肝要であると考えています。  そこで、知事に伺います。  土砂災害警戒区域の指定完了は、具体的にいつを目指しているのか、また、この指定完了後は、警戒区域内で特に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる特別警戒区域の指定に向け、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたいと思います。  最後に、県立がんセンターについてです。  平成17年に、「がんへの挑戦・10か年戦略」を県は策定し、これまでさまざまながん対策に取り組んでまいりました。平成20年度には、県立がんセンター整備運営事業実施方針が示され、がんセンターの整備方針が示されるとともに、重粒子線治療装置整備基本構想が策定され、重粒子線治療装置の導入について、その概要が示されました。  これまでも会派としては、がんセンター整備と重粒子線治療装置の導入について、県民の命を守るために積極的に進めるよう求めてきたところであります。また、県民からも多くの期待が寄せられてきたのも事実であります。  一方で、がんセンターについては、日々県民からその課題を含めてさまざまな意見が寄せられています。独立行政法人化したとはいえ、県立病院であることには変わりなく、政策的な視野も取り入れて、今後もよりよい運営を目指して、県として積極的に関与を果たしていくべきであります。  さて、いよいよ本年12月より、重粒子線治療装置の治療が開始されることになりました。この料金は、今回の提案にあります中期計画に盛り込まれています。350万円という価格です。高いという印象を持っています。  全国の他の同様の施設よりも高く、さらに、先進医療として、国に認められるまでの自由診療の期間においては、この価格にさらに消費税が上乗せされ、実に400万円近い価格になってしまいます。  そもそも県立病院は、経営の視点は重要でありますが、ひとしく県民がその治療を受けられなければなりません。お金のあるなしによって命に差がつくことは、少なくとも公立病院としてはあり得ないことであると考えます。  県立病院機構の設定した価格は価格として、県として政策的な判断を加えて、県民がひとしく治療を受けられるような支援策を早急に講じるべきであると考えます。その具体策としては、治療費の一部を県として補助、助成することが望ましいと考えます。  また、病院機構に対してではなく、県民に、つまり患者に直接補助するのが効果的であると考えます。そのほかにも可能な限りの支援を行う必要があると考えているところです。  そこで、知事に伺います。  今回、中期計画に盛り込まれた350万円という価格について、知事はどのような認識を持っているのか聞きたいと思います。また、公立病院としての責任を果たすため、患者に対して、どのような支援を行っていくつもりなのか、あわせて伺いたいと思います。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政運営の重要課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、財政の課題についてです。  県は、平成24年1月、危機的な財政状況の中で、緊急財政対策本部を立ち上げ、外部の有識者の意見をいただきながら、緊急財政対策を取りまとめ、全庁挙げて取り組みを進めてきました。  この取り組みの結果、2年間で見込まれた1,600億円の財源不足を解消することができました。また、長い間、懸案だった政令市の県費負担教職員の給与負担、いわゆるねじれ問題については、29年度を目途に解消することができました。  さらに、金がないときは知恵を出せ、これを合い言葉に、新たな予算措置なしで県有施設にLED照明を7万本導入したほか、全庁の電話契約を見直すことで、1,620台のタブレット型端末導入の財源を生み出しました。また、パソコンのリースなどにリバースオークションの手法を取り入れ、15億円のコストを削減するなど、知恵と工夫で財源を捻出してきました。  加えて、緊急財政対策の中で目標として掲げたプライマリーバランスの黒字化について、26年度最終予算において4年前倒しで達成することができました。  この4年間の取り組みは、財政の健全化に向けて大きな成果を上げてきたと考えています。  その一方で、義務的経費が8割を超える硬直化した財政構造は依然として改善していません。加えて、高齢化の進展などに伴い、介護、医療、児童関係費は今後ますますふえ続けることが見込まれています。また、これまで大量に発行してきた臨時財政対策債の償還も本格化していきます。さらに、公共施設の老朽化に伴う維持修繕コストの増加も大きな課題となっています。  こうした課題を克服するためには、引き続き手を緩めることなく、行財政改革に取り組むとともに、神奈川から経済のエンジンを回し、税収増につなげていく必要があります。  また、地方と国の仕事量は6対4なのに、税源は4対6となっておりますので、地方の仕事量に見合った税源を確保できるよう、全国知事会などを通じて、地方税財政制度の抜本的な見直しを、国に対しさらに強く求めていく必要があると痛感しています。  こうした取り組みを通じて、全力を挙げ、財政健全化を目指すべきだと考えております。  次に、行政改革の取り組みについてです。  現在の新たな行政改革の指針は、「かながわグランドデザイン」推進の原動力となる県庁の実現を目指し、改革、改善を図っていくため、平成24年3月に策定しました。この指針に基づき、職員数の削減や出先機関の廃止などに取り組み、かなりスリムな組織執行体制となっています。  また、この間、緊急財政対策に取り組み、施策・事業の見直しや人件費の抑制などにより、25、26年度の2年間で見込まれた1,600億円の財源不足を解消することができました。  一方で、幹部職員や審議会委員の女性の割合は指針で設定した目標に達しておらず、女性の活躍する社会の実現に向け、さらなる取り組みが求められています。  また、超高齢社会や少子化といった喫緊の課題への対応や、成長戦略の実現に向け、神奈川から経済のエンジンを回す施策をさらに推進していくことが必要です。  今後、新たな課題に対応するためには、ICTの積極的な活用による業務の効率化、県政を取り巻く環境の変化に迅速、柔軟に対応できる組織づくり、自由闊達な議論ができる風土づくりなど、職員が能力を最大限に発揮できる質の高い組織づくりにより一層取り組んでいかなければなりません。  現在の指針の取組期間は今年度末までですが、不断の行政改革に取り組んでいくためには、引き続き目標や方向性を、例えば指針というような形で示し、全庁で共有していくことは重要なことであると考えております。  次に、国の補正予算への対応についてです。  地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を受け、この2月3日に成立した国の補正予算では、例年の公共事業の追加補正に加え、今回の大きな特徴として、新たに地方自治体向けに交付金制度が創設されました。  この交付金の内容は、大きく二つとなっています。  一つは、地域消費喚起・生活支援型の交付金で、地方の消費拡大に直接つながる事業が対象とされ、ふるさと旅行券やふるさと名物商品券などのメニューが示されています。現在、これらのメニューを用いて県内観光地めぐり、商店街ツアーやかながわ名産100選のPRなど、本県が進める施策への交付金の活用を検討しているところです。  もう一つは、地方創生先行型の交付金で、観光振興や少子化対策など、地方の活性化を促す事業を今後5年間にわたり実施していくものです。  本県は、この交付金を活用して、まずは既に人口減少が始まっている県西地域と三浦半島地域への対策や、新たな観光の核づくり事業を重点的に進めるとともに、結婚から出産、子育てまでの切れ目のない対策に市町村と連携して取り組んでいくことを考えています。  現在、公共事業の追加も含め、補正予算の編成作業中であり、調整が整い次第、この会期中に追加提案させていただく予定ですが、大半は27年度に繰り越して実施することとなります。  特に、新たな交付金については、現在提案中の27年度当初予算とあわせて効果的に活用することにより、地方創生や人口減少対策への取り組みを推進していくべきと考えております。  次に、エネルギー政策についてお尋ねがありました。  まず、これまで4年間のエネルギー政策における広域自治体としての県の役割についてです。  東日本大震災が発生し、それまで経験したことのないエネルギー危機に直面するまで、エネルギー政策は国主導で進められてきました。  私は、エネルギー危機を乗り越え、原子力発電に過度に依存しないエネルギー体系を構築するには、地域がエネルギー政策に責任を持つ必要があると考えました。そして、中長期の総合的なエネルギー政策を示すことが県の役割であると判断して、平成23年9月にかながわスマートエネルギー構想を提唱し、さらに、昨年の4月に「かながわスマートエネルギー計画」を策定いたしました。  この構想や計画に沿って重点的に取り組んできたのは、太陽光発電等の分散型電源の導入促進です。  住宅分野では、太陽光発電設備の補助金の件数を倍増し、固定価格買取制度導入後は、エネルギーを管理するHEMSとの一体的な導入への補助金に切りかえ、延べ2万7,000件を超える支援を行いました。  また、産業分野では、工場等の屋根を発電事業者に貸して太陽光パネルを設置する屋根貸しビジネスモデルの普及を図り、あわせてエネルギー効率が高く、発電出力も安定しているガスコージェネレーションの導入を支援してきました。  そうした中で、工場等の屋根は太陽光パネルの重さに耐えられないケースが多いことがわかり、本年度から薄くて軽い薄膜太陽電池を多様な施設にモデル的に設置するプロモーションを推進しています。  このように、県としてエネルギー政策の目標や取り組みを示し、国、市町村及び事業者等と連携して施策を展開することにより、エネルギー革命の流れを全国に発信してきました。  次に、今後のエネルギー政策における県の役割についてです。  これからは、導入した太陽光発電等の分散型電源とそれを管理するシステムを活用し、エネルギーを自給自足する自立型の住宅やビルの普及、さらにエネルギー自立型のまち、スマートタウンの実現を目指していくことになります。  そのために、県としては、さまざまな事業者等と連携し、そうした新たなエネルギー社会の姿を早く県民の皆さんにごらんいただけるようにして、神奈川発のエネルギー革命を一層加速するべきと考えております。  次に、公契約条例の制定についてです。  昨年の3月にまとめられた公契約に関する協議会からの報告では、公契約条例の導入について、条例で報酬下限額を設定する必要があるとする積極的な意見と、熟練工賃金への影響などの問題があり、適切ではないとする両方の意見があり、意見の一致は見られませんでした。  一方、入札契約制度の改善により、契約額が増額すれば、労働者に支払える賃金もふえることから、入札契約制度そのものの見直しは引き続き行う必要があるとしています。  その上で、今後、県が検討すべき課題として、入札契約制度の見直しや一般業務委託の積算等のルール化、また、賃金実態調査や公契約条例制定自治体の運用状況調査の継続を指摘しています。  また、平成26年6月には品確法が改正され、建設産業の担い手の育成・確保のため、適正な利潤への配慮が公共工事の発注者の責務とされました。  そこで、協議会の報告書や法の改正を受け、入札契約制度などの見直しに取り組んでまいりました。  その結果、来年度から最低制限価格制度について、一般業務委託では消防施設保守管理など4業種に適用を拡大してまいります。また、工事では、現在90%に設定している最低制限価格率の上限を撤廃することとしました。  公契約条例については、こうした入札契約制度の見直しなどを引き続き進める中で、本県の賃金実態や既に公契約条例を施行している自治体の運用状況を調査しながら、条例の制定も視野に入れて検討を継続していくべきと考えております。  次に、土砂災害対策についてお尋ねがありました。  県は、土砂災害の危険度を周知するため、土砂災害警戒区域の指定に取り組んでおり、指定が必要と見込まれる約1万800カ所のうち、これまでに約7,100カ所を指定しました。残りの3,700カ所については、まず、区域指定に必要な調査を平成27年度末までに完了させます。その後、1年程度以内を目途として、できるだけ早期に区域の指定が完了するよう、地元説明などの手続にスピード感を持って取り組んでいかなければなりません。  次に、土砂災害特別警戒区域の指定に向けた取り組みです。  警戒区域の指定が完了するめどが立ちましたので、今後は特別警戒区域の指定に必要な調査を進めていくことになります。この調査に当たっては、民有地に立ち入る必要がありますし、特別警戒区域に指定されると、新規の住宅の立地や建築物の構造などに厳しい規制がかかります。このため、土地利用規制の具体的な内容や住宅の移転が必要な場合の助成制度、県が実施できる防災工事などについて説明し、地元の理解を得る必要があります。  土砂災害から県民の命を守るためには、特別警戒区域についても指定を進めることが重要ですので、その指定に向け、県はこれまで以上に丁寧な説明を行いながら、しっかりと取り組んでいくべきと考えております。  最後に、県立がんセンターについてです。  県立病院は県民の皆さんに高度・専門医療を提供する役割を担っており、重粒子線治療はこうした役割のもとに行っていくものです。  そこで、まず、重粒子線治療の治療費ですが、現在、健康保険が適用されず、先進医療の扱いとなるため、患者さんが負担する治療費が高額となっています。  この治療費は、来年度からスタートする病院機構の第2期中期計画期間内において、重粒子線の運用に必要な費用を治療費で賄うという考え方により設定されたものです。したがって、病院機構が中期計画の期間内に健全な経営を目指すという考えは重要でありますので、県としても設定された治療費は妥当なものと考えています。  次に、患者さんへの支援ですが、まずは、重粒子線治療が健康保険の適用となることが第一でありますので、引き続き、国に対して保険適用を強く求めていかなければなりません。また、保険適用には十分な治療実績が必要ですので、がんセンターでの治療実績が保険適用に貢献できるようにするべきだと考えています。  それまでの間は、民間の先進医療特約保険が治療費を給付対象としていますので、このPRを病院機構と行っていくことになります。  こうした取り組みを前提としても、患者さんの経済的負担は過大であると考えています。  そこで、現在、重粒子線治療の専門家やがん患者会の代表者などを構成員とした課題検討委員会において議論をいただいています。12月の治療開始に向けて、この課題検討委員会でのご意見や他の先行施設の例なども参考にしつつ、県議会での議論も踏まえ、検討していく必要があると考えております。  私からの答弁は以上です。〔警察本部長(松本光弘)発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 松本警察本部長。 ◎警察本部長(松本光弘) 危険ドラッグ対策についてお答えします。  最初に、危険ドラッグ関連事案の取り扱い件数を申し上げます。  平成26年中に県警察が取り扱った危険ドラッグ乱用者数は295人です。そのうち、健康被害が認められた人が191人で、危険ドラッグの使用が原因と疑われる状況で14人の方が亡くなっています。いずれも対前年比で大幅に増加しており、大変憂慮すべき状況です。  次に、検挙状況につきましては、県警察では、昨年中、県薬務課や関東信越厚生局麻薬取締部等の関係機関と連携して、行政指導、合同立ち入り、取り締まりを強力に推進し、危険ドラッグ販売店5店舗を摘発するとともに、危険ドラッグの単純所持等で合計37件、41人を検挙しました。  その結果、県内では平成24年5月に最大で31店舗の危険ドラッグ販売店を把握しておりましたが、取り締まり等により、本年1月末現在では6店舗にまで減少させました。  県警察といたしましては、危険ドラッグ対策を喫緊に取り組むべき最重要課題の一つと考えており、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会の実現に向けて、県警察の総力を挙げて取り組んでいきたいと考えています。  具体的な取り組みとしては、まず、県内の危険ドラッグ店舗ゼロに向けた活動です。そのために、今まで以上に関係機関との連携を強化し、行政指導、合同立ち入り、取り締まりを一層推進してまいります。  次に、危険ドラッグに関する広報啓発活動の推進であります。  危険ドラッグの危険性や有害性などについて、県民の皆様に認識していただくため、警察職員を派遣した薬物乱用防止講演や各種キャンペーンなど、さまざまな機会や手段を利用して県民の皆様に訴えていきたいと考えております。  なお、県警察としては、「神奈川県薬物濫用防止条例」の制定に向けた審議の状況を踏まえ、体制の強化や取り締まりを徹底して、危険ドラッグ対策に万全を期してまいります。  以上でございます。〔長友よしひろ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 長友よしひろ君。 ◆長友よしひろ議員 答弁を受けまして、再質問と幾つか意見を申し上げたいと思います。  今回の質問は、さきの一つ目の柱で、知事から次期に向けての決意を述べていただきました。それを受けて、私たちとして、この4年間、さまざまな課題に継続的にともに取り組んできたつもりでございますが、その中で、特に中心的に取り組んできたものを幾つか挙げた次第であります。全体として、大変前向きな答弁をいただけたのではないかというふうに思っております。  まず、再質問から申し上げたいと思います。  行革についてです。  今後の考えるべき行革のあり方ということについては、この時点では予想以上に方向性を示していただけたというふうに、答弁を聞いていて思いました。なるほどなと、こういう姿勢で臨んでいくんだ、こういう方向性を目指して行革をやっていくんだということが答弁の中で、私なりに理解をいたしました。  そこで、大切なのは、方針としてはそういう方向だというのはわかりました。最初の質問でも申し上げたところなんですけれども、直ちにこれを定めていく、策定をしていくというのが、やはり重要なことなんだろうと思っています。  この点について、現時点で述べられること、述べられないことというのはあるんだろうと思いますが、やはり早期にやっていくことが、今までも述べていただいた、知事の今後やっていくんだ、こういう神奈川を目指していくんだということにつながる大きな根幹の部分であると思いますので、ぜひ早期に策定をしていくべきだと思います。改めて、その点の考え方を1点伺いたいと思います。  次に、意見等を述べたいと思います。  財政の健全化につきましては、これは言うまでもありません。プライマリーバランスの黒字化、平成4年以来ということですから、20年以上であります。過去の経済情勢やそれぞれさまざまな要因はあったとしても、過去の20年間、できなかったことができたということは大変すばらしいことだと思います。このことは、間違いなく次世代に対して責任を果たしていく一つの大きなあらわれだと思います。この点、しっかり私たちもそうなんですけれども、重みというものを理解して取り組んでいきたいなと思っていますし、どうぞ今後も引き続き手綱を緩めることなく取り組んでいただきたいと思います。  補正予算に関することでありますが、今提案されている当初予算とあわせて、これから新しい部分については連動していかなければいけない、それが大事なんだという、こういうことだったと思います。こういう方針のもとに、考え方のもとにやられているんだというのがわかりました。  5年間ということの実は不安的な要素が、5年間、本当に毎年同じ額だけ来るかとか、いろいろ不安なことはあると思います。今までのやり方と少し違う仕組みで来ているというのも承知しています。こういう不安はあるわけでありますが、実行性を持って今後提案されることを期待したいと思います。  エネルギー政策についてです。  中長期的に取り組みを進めないと成果が出てこないというのも、このエネルギー政策として当たり前のことだと思います。その中でも成果をあらわしてきたんだというのは、私たちも認識をしているところです。それはそれであるんですけれども、今、目の前で、今すぐという思いを多くの方々が持つのも、それも当たり前のことだろうと思います。  エネルギー革命という方針を目指していくんだというのも理解をしたところでありますが、ぜひ県民に身近なわかりやすい施策が今後も展開されるように努めていただきたいということを申し上げたいと思います。  公契約条例の制定についてでありますが、条例制定を視野に入れてという答弁をいただきました。非常に踏み込んだ、予想以上の知事の決意を述べていただいたというふうに受けとめたところです。  今後は条例の中身についてさまざまな検討が行われていくと思いますので、会派としても積極的に提言をしていきたいと思います。公契約条例の制定に向けて、一層取り組みをお願いしたいと思います。  県立がんセンターについてです。  経営の視点というのが重要だというのは、さきにも私たちも述べたところであります。一方で、350万円という額は、ほかの取り組みをされているところと比べて高いというのは誰もが思うことだと思います。  実は積算について、公立病院としてのあり方に重要な課題があるというのは、私たち会派としても今回の中期計画の案を見て受けとめているところでありますので、この点については、今後、常任委員会や予算委員会の中で述べていきたいと思いますが、今回申し上げたのは、県立病院は県立病院としての考え方が一つはあるというのはわかった上で、県として具体的に支援策というものを政策的に考えていくべきじゃないかということでありました。公立病院の本旨にのっとって、患者負担の検討がされるよう重ねて求めていきたいと思います。  危険ドラッグ対策についてであります。  これからの取り組みの決意というものを述べていただきました。  数日前ですか、新聞で見たわけでありますが、ある民間団体が首都圏の中高生を対象に危険ドラッグの意識調査を行った結果というのが示されていました。その結果では、中高生の半数以上の方が危険ドラッグの入手が可能だという回答だったとありました。  一瞬見たときは衝撃を受けたんですけれども、当たり前と言えば、もしかしたら当たり前なのかもしれないというふうにも感じました。  こういった実態を私たち大人が直視して、この条例をもとに撲滅に向けて、社会全体として、社会の目で取り組んでいくんだということが、改めて必要なんだろうと思った次第であります。  県警察、あるいは県の担当部署、薬務課ですか、中心に取り組んでいただくわけでありますが、ぜひ県庁一体、神奈川県全体で取り組みを進めていきたい、かように今の答弁を聞いても思ったところであります。ぜひご努力を賜りたいと思います。  土砂災害についてです。  1年以内を目途に区域の指定、スピード感を持ってやっていくというふうに具体的に述べていただきました。先ほども述べたのですけれども、現場の方々は本当に大変な努力をされているというのは、かいま見ています。私の地域も本当に多くあるものですから、ご努力には敬意を表したいと思っておりますが、ぜひ、今までもやっているんですけれども、これからも一刻も早期に、まずは指定をするということを頑張っていただきたいと思います。  加えて、特別警戒区域のところは、これは重ねての意見となりますが、この特別警戒区域を指定していくということは、なおさら大変なわけでありますから、指定された後のこともしっかり体制としてつくっていかなければいけないんだと思います。一義的には国の仕事なんだろうと思いますけれども、県として、独自にこの点を前向きに考えていただきたいということを申し添えたいと思います。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、ご質問にお答えいたします。  次の行政改革の指針なるもの、なるべく早期に策定すべきであるというふうなこと、それをどう考えるかということでありました。  これまで行政改革というのは、数を減らすということが中心でありましたけれども、その中で県の職員の数も随分減ってきました。しかし、仕事量は変わっていないという中で、やはりこれからは質の転換を図っていかなければいけないということであります。  例えば、タブレットを入れただけで、今まで紙をこれだけ使っていたものが、印刷する人たちもいなくなった、コピーする必要もなくなったということで、業務は大幅に縮小されたということが劇的に起きました。  それだけではなくて、今の少ない人数の中で、どうすればもっと効率的にできるかということ、私も、今、直接いろいろな階層の職員と率直な意見交換をしながら、どこに問題があるのかというふうなことで、質の向上ということを目指しているところであります。そういったものというのは、ただ単に数さえ減らせば行政改革だといった時代から、質というものを変えていくには、指針なるものといったものをつくっていかなければいけないというふうに思っています。  しかし、それにはある程度の時間もかかる作業だと思っていますが、できるだけ早くという気持ちは私も同じであります。ただし、いつやるのか、といったときにおきましては、4月に知事選挙がありますから、今この時点では、私は、早いほうがいいなと思っている、ということにとどめさせていただきたいと思います。  答弁は以上です。〔長友よしひろ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小川久仁子) 長友よしひろ君。 ◆長友よしひろ議員 行政改革に対する再質問、答弁、早期に着手をしていきたいという思いだと思います。率直にこの答弁をしていただいたということ、お礼を申し上げたいと思います。私たちも同様の思いであります。  最後に申し上げます。  今回の27年度の予算案は、かながわ成長戦略実現予算であります。過去の予算ももう一度見直してみました。あるいは知事の提案説明、最初の所信表明も全て見直してみました。  26年度、かながわ未来創造予算、「いのち」にこだわり、成長戦略と財政健全化を同時に加速、25年度、再生への第一歩、20年後も「いのち輝くマグネット神奈川」、24年度、いのち輝くマグネット神奈川を実感できる予算とありました。  提案説明、26年度の提案説明では、いのち輝くが1回、いのちが4回、25年度では、いのち輝くが4回、いのちが9回、24年度では、いのち輝くが6回、いのちが5回、23年就任直後の所信表明では、いのち輝くが9回、いのちが7回述べられています。  命を本当に大切にするという思いを持ってやってきたというのを重々承知するところでありますが、今回の提案説明の中では、いのち輝くが1回だけだったんです。ちょっと残念に感じましたが、さきの答弁で、今後も命にこだわって県民総力戦でやっていくと述べられました。期待をしたいと思います。〔拍 手〕 ○副議長(小川久仁子) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(小川久仁子) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(小川久仁子) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明20日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後4時37分 散会...