世田谷区議会 2022-10-11
令和 4年 9月 決算特別委員会−10月11日-05号
令和 4年 9月 決算特別委員会−10月11日-05号令和 4年 9月 決算特別委員会
令和4年決算特別委員会
決算特別委員会会議録第五号
日 時 令和四年十月十一日(火曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十五名)
委員長 宍戸三郎
副委員長 津上仁志
副委員長 いそだ久美子
阿久津 皇
石川ナオミ
おぎのけんじ
加藤たいき
河野俊弘
菅沼つとむ
畠山晋一
真鍋よしゆき
山口ひろひさ
和田ひでとし
いたいひとし
接種体制整備担当課長
田村朋章
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本日の会議に付した事件
認定第一号 令和三年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
認定第二号 令和三年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第三号 令和三年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
認定第四号 令和三年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
認定第五号 令和三年度世田谷区
学校給食費会計歳入歳出決算認定
(
福祉保健委員会所管分に対する質疑)
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午前十時開議
○宍戸三郎 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
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○宍戸三郎 委員長 本日は、
福祉保健委員会所管分の決算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。
◆桃野芳文 委員 おはようございます。F行革の
福祉保健領域質疑を始めます。
今日パネルを持ってきましたけれども、このパネルは、先日の総括質疑で我が会派の大庭正明委員が使ったパネルを、もう一回持ってきました。これは委員の皆さんのお手元には、タブレットに入っていますけれども、世田谷区職員の年齢分布を表したパネルで、この青い棒が区職員の年齢分布を表しています。一番の
ボリュームゾーンは、この若手のところ、三十一歳から三十五歳になってくるんですけれども、世間で言う第二次ベビーブームのあたり。五十一歳から五十五歳のところも
ボリュームゾーンになっていまして、その前後、五十代から六十代手前ぐらいまでが
ボリュームゾーンになっているということです。
世の中で第二次ベビーブームと言われるのが一九七一年から七四年なので、五十代前半の方が第二次ベビーブームのところに当たるということになります。ということで、これから申し上げることは、世の中で起きていることでもあり、区職員の皆様にも身近な問題であるというふうに思っております。
このパネルで言うと、この第二次ベビーブームの少し前あたり、バブル世代と言われているところ、ここは一九八八年に、二十四時間働けますかというCMがはやりました。一九八九年、翌年には新語・流行語大賞にノミネートされるということで、世間に強いインパクトを与えたCMだったということですね。ちなみに、一九八九年の新語・流行語大賞を取ったのはセクシュアルハラスメントという言葉でした。そうやって考えると、随分時間の変遷というか、時代の変遷を感じるものだなというふうにも思います。
二十四時間働けますかというCMがはやった時代というのは、一日の大部分をばりばり働く、寝ないで働くというのがいいんだと、そういう価値観が割と世の中で支持されていたような時代だったということもあります。私も、社会人になった最初の頃、二十代、三十代の頃は、もうバブルは弾けていましたけれども、何かそういう雰囲気があったように思います。遅い時間まで働いて偉いぞ、頑張っているなと、そういうふうな時代だったような気がします。
時代は変わって、今はワーク・ライフ・バランスだとか、働き方改革というふうに言われる時代になってまいりました。その頃、若い頃にばりばり仕事をしていた方も、今は体力の衰えだとか、体調の変化だとか、そういったことを感じる世代になってきたというふうに思います。それは私も含めてですけれども、そういう世代になってきたと思います。
近年、厚労省や経済産業省が使っている言葉に
プレゼンティーイズムという言葉と
アブセンティーイズムという言葉があります。この
プレゼンティーイズムという言葉は、生産性が低下してコストが増大する状態。病気と言うまでもないんだけれども、健康不安を抱えていて、体調があまりよくない、不安だとか、不調だとか、不快とか、不順とか、そういう状態で仕事をしている人たち。これで、それは生産性が低下してコストが増大するんだよというふうに言って、この
プレゼンティーイズムという対策が非常に重要だということを、政府も最近言い始めました。一方、
アブセンティーイズムというのは、
プレゼンティーイズムという状態が進んで、仕事を休んでしまっている状態。なので、
プレゼンティーイズムという状態でしっかり対処していくべきだということを、国も最近言っています。
先ほど申し上げた、二十四時間働けますかという時代から、今は人生百年時代ということで、キーワードは二十四から百へという時代になってまいりました。この
プレゼンティーイズムという状態にうまく対処しながら残りの人生を充実したものにしていくと。大体五十代前後ぐらいで、この
プレゼンティーイズムという状態が発生してくることが多いわけですけれども、まだまだ折り返し地点ですから、そこでしっかり対処して、残りの人生を充実して過ごしていきましょうという考え方が最近言われてきたわけです。
その中で、特に、このコロナのタイミングに合わせてという部分もあると思うんですけれども、更年期症状とか更年期障害、こういったものに関する情報発信も、非常に政府も中心にして大きくなっています。更年期症状とか更年期障害に対する行政のサポートが必要なのではないかということで、今日は取り上げたいんですけれども、時間がないので、男性の更年期症状、更年期障害ということに絞って話をしていきたいと思います。
令和四年七月二十六日付の厚労省の「更年期症状・障害に関する意識調査」というものがあるんですけれども、これで更年期に女性ホルモンの減少による月経周期の乱れ、自律神経の乱れによって、個人差はあるが不調等が起きることについて、よく知っていると回答した人の割合は、女性で、二十、三十代で約二割、四十歳代では約四割、五十歳代以降では約五割ということで、女性でもあまり広く理解が進んでいる状態ではないということがよく分かります。また、男性では、六十歳代で約二割、ほかの年代で約一割ということです。
男性にも更年期にまつわる不調があることについて知っている、四十歳代以降の女性の割合は約三割から五割、四十歳代以降の男性の割合は約一割から二割ということで、男性は特にまだまだ理解が進んでいないということなんですね。とはいえ、一方、男性も、この更年期症状、更年期障害で
プレゼンティーイズムという状態に陥るということは、最近よく知られ始めてまいりました。
まず、女性だけではなくて、男性の更年期症状、更年期障害に関する区の認識、これについてどう考えているのか。また、私は、男性に対する啓発も非常に必要なのではないかなというふうに考えていますけれども、それに対して区の認識を教えてください。
◎大谷 健康企画課長 更年期障害に関しての認識でございますけれども、更年期障害に関しては、男女とも性ホルモンの減失に伴い現れる症状を指します。女性では閉経前後の十年間に現れ、自律神経症状ではのぼせや発汗、精神・神経症状では不眠やいらいら、身体症状では骨粗鬆症、動脈硬化による心疾患系の疾患や脂質異常症、さらに性機能では泌尿・生殖器の萎縮症状などがございます。男性は女性に類似した異常発汗や精神症状のほか、精力の減衰などの症状があり、喫煙や運動不足、不規則な生活習慣や生活習慣病とも関係があるとされています。
集中力の低下や無力感などから、不調と仕事の両立に悩む事例も報告されており、心身に不調が生じやすい更年期の上手な健康づくりと働き方は、男女問わず社会的な課題と認識しております。
現状ですけれども、区は、女性の更年期症状に関しては、ホームページやリーフレットを活用して、様々な機会を捉えて啓発を行っています。今後、働く世代を対象とした企業向けセミナーなども活用し、男性に向けた情報発信についても取り組む必要があるというふうに認識をしております。また、区民から健康相談があった際は、男性、女性問わず、必要に応じて受診勧奨などを行ってまいります。
更年期でございますけれども、人生百年時代と言われる中、その先の人生を生活の質を維持し健やかに歩くための折り返し地点であり、積極的な更年期の健康づくり、また、前向きなライフスタイルについて啓発をしてまいります。
◆桃野芳文 委員 NHKの番組だとか大手全国紙、新聞各紙なんかでも、男性の更年期というものが最近取り上げられるようになってきました。一方、世田谷区の健康せたがやプラン、これを見ても、女性の健康のところに、ほんの少しだけ更年期という言葉が書いてあるんですけれども、当然、女性に対する施策もまだまだだと思いますけれども、男性のところが皆無ですから、しっかりこういう今の時代の風潮を捉えて、世田谷区に取り組んでいただきたいと思います。
田中優子委員に替わります。
◆田中優子 委員 私からは女性特有の病気の周知啓発について取り上げます。
先ほどの桃野委員の質疑では男性の更年期障害について取り上げられていましたが、これはもうまだまだですが、実は、女性についても更年期障害、それに伴う病気ですね。まだまだ知らない、知られていないことが多いと思っています。
更年期障害、これは個人差が非常に大きくて、ひどい人は心身ともに本当に不調を来し、大変我慢を強いられる状況に陥ります。でも、事前に知っておくと予防ができることもあったり、早期治療につなげられることもあるので、正しい知識を身につけておく。これがもう人生の質を変える意味でも必要だと思っています。
女性にとっての更年期障害の原因、それは、卵胞ホルモンであるエストロゲン、これが年齢とともに減少し、閉経を迎えるとなくなってしまう。そのホルモンバランスの崩れにあると言われています。
今日は、最低限知っておくべき女性特有の病気と症状ということで、こちらのパネルを用意しましたが、この三つですね。皆様のもとに、タブレットに掲載をしてはいますけれども、この三つの症状について知っていただきたいと思います。三つというのは、子宮内膜症・腺筋症、骨盤臓器脱、微小血管狭心症です。皆様の中で、これを全部知っているという方はいるでしょうか。
まず、子宮内膜症についてなんですけれども、内膜症、これは聞いたことがある人は増えていると思うんですが、腺筋症というのは恐らくあまり知られていないと思います。
思春期に始まる月経、通称生理と呼ばれているもの、これは症状が重いと相当の痛みを伴う月経困難症と呼ばれるものがあります。腹痛や頭痛だけでなく、精神的にも、もういらいらしたり、鬱っぽくなったり、毎月毎月体調不良に襲われるわけなんですけれども、なかなか婦人科の受診というとハードルが高くて、我慢する、正しく診てもらえないで過ごす女性が非常に多いわけです。
痛みの原因はいろいろありますけれども、まず、ここにはちょっと載せていませんが、子宮後屈ですね。後ろに屈折するという位置異常というものもあります。ひどい場合は、後屈した子宮がほかの臓器とくっついて、癒着してしまって、よりひどい痛みを起こすということもあります。これは知識としては覚えておかなければならないものだと思っています。
もう一つの痛みの原因、子宮内膜症ですね。こちらに掲げました。これは、出産の準備のための子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまうんですね。例えば骨盤の腹膜、それから卵巣などにできてしまって、そこで炎症を起こす。正しい場所ではないので、炎症を起こしたり癒着を招いたりする。そのことによって非常に痛みを伴ってしまうわけです。
さきに述べましたエストロゲンは、子宮内膜を増殖させ、妊娠の準備を始める働きのほかに、女性の体を守るという役割をしています。それは骨を強くしたり、血管をしなやかに保ったり、高血圧を防いだりという非常に重要な働きをしているんですけれども、子宮内膜症というのは、このエストロゲンによって内膜がどんどん作られるということで進行する可能性が高いので、自然に治るということはないですね。生理がある限り毎月起こる症状で、放っておくと不妊になってしまう。その可能性が高いです。薬や手術での治療が必要なんですけれども、先ほど言ったように、なかなか婦人科に行かない人たちが多くて、ただの月経困難症だとか、重い生理痛だと思って過ごしてしまうわけです。ですから、早めに婦人科で受診、診断を受けることを、自治体としてもまず周知すべきだと考えます。
もう一つ、子宮腺筋症と呼ばれるこちらですけれども、これは、子宮内膜に類似した組織が子宮平滑筋組織、つまり筋肉ですね。筋肉組織に入り込んでできてしまうというもので、内膜症よりもさらに激しい痛みを伴う病気であります。生理がある限り、この病変部というのは悪化していく一方で、症状が改善することは通常あり得ないということだそうです。
腺筋症になってしまうと、ほとんど薬での治療は効果がなくて、低用量ピルとか、いろいろありますけれども、効果がなくて、ひたすら強い痛み止めでしのいで閉経を待つか、子宮摘出手術をするしかないようです。閉経を待つにはあまりにも長過ぎるのと、毎月陣痛のような激痛に襲われるという爆弾を抱えている状態では、生活に支障を来すため、子宮全摘手術を受ける人が多い。私もその一人であります。
私は、この腺筋症など、当時聞いたこともなかったので、診断されたときは、もう非常に驚きました。知っていればもっと早く、その激痛をずうっと我慢するという必要もなかっただろうに、早く終止符を打てたのじゃないかと思ったんですけれども、今は、同じ病気で無意味な痛みと闘っている女性を一人でも救いたいという気持ちです。そのためには、こういうことがあると、やはり区が区民に対し積極的に周知をしていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 女性には生理があることに伴う特有の病気がございます。例えば、腹部の張りやむくみなどの身体症状、いらいら感や集中力低下などの精神症状が出現する月経前症候群、さらには、腹痛や頭痛などを伴う月経困難症などがございます。一般に軽度の生理痛は成人女性の約八割に見られ、痛みの背景には子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮後屈が原因であるということもございます。
子宮内膜症は十代後半、子宮腺筋症は三十代後半が発症しやすい年齢で、放置すると閉経まで数十年に及ぶ生活の質の低下につながる可能性がございます。子宮後屈は、子宮が後ろに傾いている状態で、生理痛や腰痛の原因となるだけでなく、子宮内膜症を併発する場合もございます。生理痛は誰にでも起こる症状ですが、生活に支障を感じるとき、また、重度の貧血をきっかけに、早めに受診して対処方法を知ることが生活の質を維持するためにも大切です。
区のホームページでは、女性の健康に関する厚生労働省のサイト、女性の
健康推進室ヘルスケアラボを周知してございますが、今後、お話しの症状も含め、区のホームページ、また、
子宮頸がんワクチンや子宮頸がん検診、これらの勧奨通知の中で、若い女性特有の疾患の紹介や対処方法を掲載し、啓発を強化してまいります。
◆田中優子 委員 今、御答弁の中に、子宮内膜症は十代後半から起こり得るということがありましたけれども、若い女性特有の疾患の紹介という点では、ぜひとも教育委員会とも連携していただきたいということを、今日は要望だけしておきます。
次に、二番目の、こちらの骨盤臓器脱ですね。これは、女性であっても知らないとか、初めて聞いたという人が非常に多くて、症状自体も深刻なんですけれども、私は、知らないというこの状況が非常に深刻だと感じています。
今年の六月十日の朝日新聞に「『骨盤臓器脱』ひとりで悩まないで」という記事が大きく掲載されていました。骨盤臓器脱とは、女性が出産や加齢により骨盤底筋という筋肉が弱ってしまい、その結果、骨盤の中に収まっていた臓器、子宮とか膀胱とかですね。それらが徐々に下がってきて、膣から体外に出てきてしまうんですね。若い頃は、臓器が体の中に収まっているなんていうのは当たり前のことだと思っているわけですけれども、実は臓器はそれぞれかなり重くて、重力に耐えている、支えているのが骨盤底筋という筋肉なわけです。それが弱ると重力に逆らえず、どんどん落ちてきてしまうわけですね。
内臓が外に出ているということは、皆さん想像できますか。排泄に物すごく支障を来しますし、感染症の心配もあります。日常的にも違和感、不快感があって、生活の質が著しく落ち込みます。五十代以降に症状が出るという人が多いそうですけれども、私のよく知っている女性で、八十七歳で骨盤臓器脱となってしまった方がいます。既に要介護という状態で、その年齢で開腹手術をしなければならなかった。お腹を切り開いて、飛び出してしまった臓器を引っ張り上げて縫い付けるそうです。おなかの中で。上のほうに。そんな大手術をしても、臓器ですから、また伸びてきて、また落ちてくる、出てくる可能性もあるらしく、何といっても、全身麻酔で開腹手術となると体にとって大変大きな負担となります。
私は前述のように、子宮腺筋症で開腹手術を受けたことがありますけれども、術後のダメージというのは本当に重くて大変でした。四十代でもそうでしたから、八十代後半でそのような大手術をしなければならないとは、何ということだ、何と不幸なことかと思いましたが、そういう方、実際結構いらっしゃると思います。年を取れば取るほど骨盤臓器脱というのは増えていくわけですね。
今日、なぜ力を入れて骨盤臓器脱のことを話しているかといいますと、これは知ってさえいれば予防ができるからなんです。予防策というのは、毎日毎日、気がついたらいつでも、どこでも、何回でもいいので、お尻の筋肉、きゅっとお尻に力を入れて、締めては緩める、締めては緩める、これを繰り返すことで骨盤底筋の筋力は高まっていくと言われています。こんな簡単なことで、お金もかからない、それで将来快適に過ごせるかどうか、大きく変わってくるわけです。知っていればやっていたのにということでは遅いんですね。知らずに何もしないで年を取ってしまったら、もう手遅れなんですね。そういう女性が多過ぎるわけです。
ぜひとも、世田谷区の女性たちは、このような危険にさらされることなく、年を取っても快適な人生を過ごしてほしいと考えるわけです。区として、この骨盤臓器脱についても啓発していただきたいと思いますが、見解を伺います。
◎大谷 健康企画課長 骨盤臓器脱は、出産や加齢により骨盤底筋が緩み、膀胱や子宮、直腸などの臓器が膣口から下がってくることで起きる疾患でございます。昨今は椅子中心の生活様式が増え、骨盤底筋も緩みやすく、症状が進行すると、お話しのとおり排尿障害や排便障害になる可能性もございます。
症状の有無にかかわらず、骨盤底筋は日頃の簡単な運動で鍛えることができ、尿失禁の予防効果もあり、生活の質の向上につながります。また、症状がある場合でも、軽い症状ならば、医療的なアドバイスを受けながら、トレーニングにより手術によらず改善も可能とされています。女性自身が御自分の体に関心を持ち、早めの予防に取り組むよう、骨盤臓器脱の症状や予防方法、これらについて区のホームページ等を活用して啓発の充実に取り組んでまいります。
◆田中優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、微小血管狭心症、三番目に掲げました。これについて伺います。この微小血管狭心症と聞いて、知っているという人はどれだけいらっしゃるでしょうか。数年前から、ちらっちらっと新聞に取り上げられたり、NHKの番組で放映されたりはしているんですけれども、ほとんどの人が聞いたこともない病名だと思います。
微小血管狭心症とは、いわゆる一般的に知られている狭心症とは別の病気で、非常に細い末梢の血管が一時的に収縮するために起こるものなんですね。これは更年期前後の女性に見られることが多い狭心症と言われています。
どういう症状かといいますと、こちらの、皆さんのもとにパネルを表示してあると思うんですけれども、こちらにありますように、症状としては、原因不明の奥歯のずきずきや痛み、原因不明の顎の下から耳の後ろの違和感、痛み、原因不明の喉の締めつけ、苦しさ、息を吸えない、溺れるような感覚、原因不明のみぞおちあたりの強烈な圧迫感や痛み、原因不明の胸のあたりの強烈な圧迫感や痛み。上記のような症状の幾つかが順番に、または同時に発生するとあります。
発生のタイミングは安静時なんですね。前触れなく突然、上記の症状のどれかの違和感から始まる。発生頻度は定期、不定期に繰り返し発生する。そして、症状の持続時間ですけれども、三十分以上から一時間以上、症状が、この苦しい痛みを伴う症状が続くんですけれども、しばらくすると何もせずに収まってしまう。こういうものであります。
実は、私は現在、この微小血管狭心症の治療中なんですね。これまでに循環器系の専門医に相談して診てもらったこともありますし、救急外来で深夜病院に駆けつけたこともありますけれども、どの医師も、看護師も、専門家、循環器系専門医でも、誰一人、微小血管狭心症を知らず、私は、自分でこの名前を出したにもかかわらず、はあみたいな感じで、心電図の検査を毎回やりますけれども、正常です、異常ありませんと言われ、結局いつも原因が分からず、そのうち症状が収まるので、そのまま帰宅するしかない。しかし、また発作が起こる。その繰り返しで二十年経過しました。
年に四、五回、突然いつだか分からない、痛みに襲われ、発作が起こって、これまで百回近くの発作と闘ってきたことになるわけなんですけれども、一番ひどかったのは六、七年前で、心臓の苦しさだけでなく、目まいと吐き気を伴って、もう一体、自分の体はどうなってしまったんだ、何が起こっているんだろうと、非常に不安で恐ろしい時間を過ごしてまいりました。
そうこうしていたところ、本当に今年になってなんですけれども、女性外来オンラインというサイトを知りました。それがこのトップページ。ちょっと小さいけれども、スクリーンショットしたんですが、女性外来オンラインという、これはホームページのトップのページになります。ここを見ましたら、そこの一番最初のところに微小血管狭心症とタイトルが出ていたんですね。もう、これを発見したときの感激といいますか、感動といったらありませんでした。ああ、ここにちゃんと取り上げられている。もう救われた気がしました。
このサイトは、埼玉県にある静風荘病院というところで女性専門外来を担当している天野惠子医師という方によって作られているんですけれども、天野医師が最初に、この病気の存在やその特徴などについて、日本の循環器学会に紹介したということです。いわゆる一般的な更年期障害については、大分知識を持ち始めて、知られてきていると思うんですけれども、微小血管狭心症については、医師ですらまだまだ知らないという状況なんですね。知っていたとしても、この名前を知っていたとしても、多くの循環器外科、循環器内科、心臓専門病院においてでさえも診断が難しいと言われています。まさに私が、もうこの二十年間、体験してきた状況だなと思いました。
そして、同じような状況、つまり、どこへ行っても原因が分からなくて、ひたすら発作に苦しむことが続いている女性たち、天野医師によると、もう本当に予約がいっぱいで、新規の人は二か月後とか、ひどいと三か月後ぐらい、もう治療している人が多いんですね。そういう状況で、医師が少ないということもちょっと問題だと思うんですけれども、もっと早く知っていればこんなに苦しむことはなかったのにという思いが拭えません。
これからは、同じように苦しんでいる女性たちが救われるように、この微小血管狭心症についても周知啓発をしていただきたいと、今回取り上げました。その際、先ほど御紹介したこちら、女性外来オンライン、これを参考にすると、かなり正確な情報と、それから、具体的な治療にも結びつくと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 お話しの微小血管狭心症は、動悸や胸痛、胸の痛みが不定期に起こる疾患で、通常の狭心症のような冠状動脈に異常はないものの、心臓周辺の微小な血管が異常な収縮を繰り返すことで胸の痛みを感じる病気です。女性の更年期は卵胞ホルモン、エストロゲンが急激に低下し、血管を保護し、しなやかに保つ機能が低下し、心身ともにストレスも抱えやすいこともあり、更年期とも関連があると言えます。
お話しの女性外来オンラインでございますが、女性特有の疾患が分かりやすくまとめられ、医療機関検索も可能で、女性が自ら健康状態の異変に気づき、受診にもつながるツールの一つだと考えてございます。区では、この微小血管狭心症について区民が詳しく知ることができるよう、ホームページ等を活用して、症状や留意点について啓発を行ってまいります。また、子宮内膜症・腺筋症、骨盤臓器脱も含め、女性特有の病気について女性自らが知識を持ち、症状を感じたら速やかに受診し、将来の健康に不安なく生活できるよう、関係所管とも連携して周知啓発を充実させてまいります。
◆田中優子 委員 積極的に周知啓発していただけるということではあるんですけれども、ホームページだと、わざわざそれを知って見に行った人じゃないと目にしないわけなんですね。知ることができないんですね。ですから、ぜひともここは、保健センターの発行紙などもあると思いますけれども、「区のおしらせ」、これを見ている人は非常に多いので、「区のおしらせ」で自然と区民の目に触れるような形での周知啓発をお願いしたいと思います。今日のところでは答弁は求めませんが、強く要望しておきますので、また今後の、どういう取組かを見ていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それと、もう一つ重要なのは、世田谷区に二つ医師会があると思うんですけれども、その医師会の先生方に微小血管狭心症を知っていただくことではないかと思います。なかなか専門の先生、お医者様たちに、これを知っていますかと言うのは難しいというか、分かりますけれども、議会で取り上げられましたということで、この情報を伝えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎大谷 健康企画課長 微小血管狭心症は、症状が専門の先生の中でもなかなか見つけづらいというところもございます。また、区民の方がそこにたどり着くまで難しいという状況もございます。
今回の御提案も含めまして、まず、地域の先生が診られる、または御紹介できるということは重要だというふうに考えてございますので、機会を捉えて医師会の先生方にもお伝えをしてまいりたいと思います。
◆田中優子 委員 ぜひお願いいたします。
先日、男女共同参画センターらぷらすが企画した「プレ更年期・更年期のホントのこと講座」というものに、私はオンラインで参加させていただきました。とてもよいイベントだったんですけれども、一つだけ残念に感じたのは、参加者の方から質疑応答の際に、心臓がどきどきするけれども、心臓を調べても問題ないと言われたんですということに対して、婦人科に行ってみてくださいという回答だったんですね。それはもう、もちろんもっともだし、ありだと思うんですけれども、その一方で、こういう講座でこそ、微小血管狭心症という病気があるんですよ、更年期の前後に起こる人がいるんですよということを、やっぱり知らせてほしいと思ったんですね。その言葉がなかったということは非常に残念というか、まあ、しようがないんですね。今はもう、お医者様でも知らないような状況ですから仕方ないんですけれども、今後は機会あるごとに、保健所とらぷらすの連携というのも、しっかりやっていただけたら、もっとよりよい周知につながるのではないかと思っています。ぜひそこの点も、この病名を世田谷区民はみんな知っているぞという状況になるようにお願いしたいと思います。
以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。
◆中里光夫 委員 それでは、共産党の福祉保健領域の質問を始めます。
まず最初に、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツと包括的性教育について質問していきたいと思います。
リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツとは、性と生殖に関する健康と権利、子どもを産む、産まない、いつ何人産むか、これを女性が自分で決めるという基本的な人権ですが、この四月にリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの周知啓発専門部会が設置されました。専門家、医療、子育て、教育、人権関係、各方面から構成されており、領域横断的な検討が期待されます。とても大切なことが始まったというふうに思います。
日本では性教育が極めて不十分という問題があります。人間の生理や生殖、避妊についての科学的な知識も、互いを尊重し合う人間関係を築く方法も、自分の心や体を傷つけるものから身を守るすべ、こういうものが十分学べないままに成長していくという現状があります。
日本で性教育が遅れた原因に、性教育へのバッシングがありました。教育現場では大変な萎縮の雰囲気をつくって、これはいまだ大きな後ろ向きの状態が続いているということを言えると思います。私自身も、性教育をきちんと受けたという覚えはあまりありません。子どもたちにどう接して、どう教えたらいいのかと、戸惑いながら子育てをしてきたという思いがあります。
ある勉強会で、科学として子どもたちに教える問題なんだと。それから、性は多様だ、性教育は人権教育であり、お互いを尊重する人間関係をつくる上で大切なものなんだ、こういうことを学びまして、私は大変な衝撃を受けました。こうした考え方は包括的性教育として世界の性教育のスタンダードとなっています。
ユネスコからはガイダンスも発表されています。そのガイダンスでは乳幼児から青年期以上まで対象としています。日常生活の全ての局面に対応できるよう、発達段階に応じた学習課題を準備し、豊かな共生関係を保障することを目指している。日本の現状は世界から大きく立ち遅れているというふうに感じています。
区のリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの取組は、思春期世代に向けての啓発とのことですけれども、思春期だけを切り出すのではなくて、包括的性教育の考えに立って進めていく必要があると思います。大人も性教育を受けてきませんでした。思春期の子どもたちを大人が支えるためにも、大人への啓発を進める必要があると思いますが、見解を伺います。
◎宮本 健康推進課長 本年四月から世田谷区健康づくり推進委員会の下に、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発専門部会を立ち上げ、二回の専門部会と、思春期世代及び保護者を対象としたワークショップを開催し、九月の常任委員会で中間報告をいたしました。
ワークショップでは、保護者から子どもにどう伝えるべきか、親自身が知識を得る機会が欲しい、家庭でだけでなく、身近な学校、地域全体で包括的性教育を当たり前に伝えていけるようになるとよいという意見があり、また、あわせて、思春期世代からも保護者向けの啓発があると家庭で話しやすい環境になるという意見がありました。こうした当事者からの意見も踏まえ、委員からの御指摘のとおり、思春期世代の身近にいる保護者や教員をはじめとした大人世代への啓発の機会をつくっていきたいと考えております。
思春期世代への啓発に係る環境を整備することで、地域全体で子どもたちに伝えていける包括的性教育を目指して、議会や専門部会での御意見も伺いながら、さらに検討を進めてまいります。
◆中里光夫 委員 大変積極的だと思います。やはり地域全体でと、そして子どもたちを支える大人世代からということも非常に重要だと思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。グランドビジョンと区立保育園の統廃合計画について質問します。
今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)は、一、年少人口の減少に合わせて単に支援の施設を縮小していく方策を取らずに、二、出産期からの在宅子育て支援を充実することをベースに、三、支援や施設ごとに分かれていた施策を総合的な視点で組み替え、一体化する方向を目指す、こういう考え方を示しています。この中で、二番で、在宅子育て支援を充実することをベースにとありますが、なぜそれがベースになるのかと。在宅子育てでも施設での支援も両方充実させる必要があるということで質問させていただきます。
資料の中でニーズ調査がありました。ゼロ歳児の家庭養育の割合は七五・一%、在宅子育ての支援は必要です。しかし、一、二歳児は施設利用が増えています。令和三年には家庭養育が五割を切りました。また、三歳から五歳の家庭養育は一一・二から八・六、九割以上の圧倒的な御家庭が保育園や幼稚園に通わせていると。多くの保護者が施設の長時間利用を希望し、実際に過ごしているということも、そこに出てきました。
幼稚園利用者の希望時間、終了時間、平日が十七時以降というのが全体の四四・八%を占めていて、これも増える傾向を示しています。どんどん長時間預けたいという御家庭が増えている。それから、教育・保育事業の一日当たりの利用時間、これが平均七・八時間、七時間以上子どもを預けている家庭は七一%以上ということになりますから、本当に長時間預けるニーズというものが増えてきていると。
施設利用のニーズは非常に高くて、在宅子育てとともに施設の強化も必要です。そのことをグランドビジョンに書き込むべきです。施設の質と量の確保、充実に向けた区の見解を伺います。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 グランドビジョンでは、年少人口の減少に合わせて、単に支援や施設を縮小していく方策を取らずに、支援や施設ごとに分かれていた施策を総合的な視点で組み替え、一体的な施策を展開していくことを目指してございます。
また、全ての子育て家庭が日常的に地域の人々や子育て支援につながっていることがより大切であるため、身近なところで地域の人々や子育て支援につながるための施策の強化策として、ベビーカーや歩いて十五分の距離におでかけひろばを新たに整備するとともに、地区における子育て支援の拠点の役割を担うため、未整備地区への児童館の整備を引き続き、原則直営による実施と併せて、全ての児童館を子育て支援館として展開するなど、在宅子育てと子育て施設の充実、それぞれを強化してまいります。
なお、今後の社会情勢の変化等により、方向性を見直す必要が生じた場合には、改めて検討するとともに、現在、調整計画素案の段階でございますので、委員の御指摘も踏まえ、具体的な表記についても検討してまいります。
◆中里光夫 委員 在宅子育てと子育て施設の充実、それぞれを強化していくという答弁ですから、そこはしっかり進めていただきたい。表記についても進めていただきたいと思います。
区立保育園を児童館とともに子育て支援の核であることをグランドビジョンで位置づけよということを求めてきました。一般質問では、区立保育園が公的なセーフティーネットとしての役割を行政の責任の下、担い、児童館とともに全ての子どもの安全と健やかな育ちを保障するための取組を確実に進めてまいります、こういう答弁がありました。
区立保育園と児童館は子育て支援の役割に違いがあります。在宅支援の充実に関する絵が資料の一一ページにあるんですが、この中では、児童館には専門職と連携した児童相談等の実施というものが新規事業として掲げてあります。一方、区立保育園は専門家による児童相談等の実施の拡充というふうになっています。専門家による相談をやれるのが保育園だということなんですね。区立保育園は専門家、人材を育てる場所だと。実際に園長経験者などが私立園の指導などに当たって、今、大活躍しているわけです。この区立園の世田谷区全体の保育の質向上に努めていると。そのための人材を輩出していると。区立園が減ってしまえば、人材を育てる機能が弱まってしまうんじゃないかということを言えると思います。
ニーズ調査の希望する教育・保育事業というのもあります。これでは区立・私立保育園が四三・三%から六〇・三%、圧倒的に保育園を希望している御家庭が多いと。ゼロから五歳、全て増える傾向です。区立保育園へのニーズも期待も高まっている。児童館とも違う役割が期待されている。この区立保育園をなぜ減らすのか。グランドビジョンが掲げる子ども・子育て関連施策全体で必要な施策に組み替え、子ども・子育て応援都市をバージョンアップすると言っていますが、それどころか、子ども施策の後退になるんじゃないでしょうか。区の見解を伺います。
◎伊藤 保育課長 このたびの今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)では、子ども・子育て関連施策全体で必要な施策に取り組むこととし、区立保育園は園児に限らず、就学前の子どもの育ちのセーフティーネットと位置づけております。その一方で、現下の就学前人口の減少に伴う私立園の定員割れや、区立保育園の老朽化の課題へ対応するためには、区立保育園の弾力化解消に加えて、計画的な再整備の取組が必要になるものと考えております。
区立保育園は児童福祉施設として子どもの健やかな成長を見守るとともに、保護者の支援や地域の子育て支援等、子育てにおける重要な役割を担っておりますので、お預かりした子どもの保育の一層の充実を図りながら、児童館とも連携し、園児だけでなく地域、地区の子どもと子育て家庭の支援を充実させてまいります。
◆中里光夫 委員 区立保育園の役割があって、子育て家庭の支援も充実させるし、保育園自身も重要だと言いながら、計画では区立保育園を減らすんですよ。減らしながら、それができるのかということを問うているんです。その減らすということが後退につながるんじゃないかということを言っています。今の答弁で、そうですかと納得するわけにいかないです。どうそこを認識しているのかということです。
子ども・子育て応援都市に逆行するようなこと、これはほかにもあります。区立保育園の統廃合計画が出されています。特に、用賀・砧地区の五つの園を二つに統合する計画。こういう絵が示されています。この計画では、南大蔵保育園、南大蔵保育園というのはここです――と用賀保育園の分園、この駅のそばです。ここを二つを建て替えて統合園とします。ふじみ保育園、それから上用賀保育園、大蔵保育園、この三つは、この場所からなくなって用途転換というふうになっていくという話です。
整備方法は、仮園舎を作らずに、廃止や統合で空いた幼稚園や保育園の施設を利用するというもので、これは全体では延べ七回移動があります。大変複雑です。その手順ですけれども、まず最初に、この駅前の用賀保育園分園を廃止します。その空いたところに隣のふじみ保育園から移動します。さらに、この空いたふじみ保育園に南大蔵保育園から移動します。それをやった上で、この南大蔵保育園の建て替えを行います。ここの建て替えが済んだら、このふじみ保育園に移った南大蔵保育園が戻る。それから、この大蔵保育園が入る統合園となります。その後に、今度は、この用賀保育園分園に移っていたふじみ保育園が、もう一回ふじみ保育園に戻ります。それから、この駅前の用賀分園を建て替えます。これは、建て替えが済んだら、このふじみ保育園はもう一回こっちに戻って、統合園となります。上用賀保育園は、そのときにここに入って統合園となります。こういう複雑な中で、特に、このふじみ保育園は三回移動するんですね。そういうところです。
私は、この五園とその周辺を、この休みに自転車で回ってみました。これは回って実感したんですけれども、今通っている園から別の園に通うことになるというのは、親御さんにとっても大変な負担になります。それから、統合園で、これは五つのうち三つがなくなるというわけですから、この三つがなくなれば、通う距離というのは相当長くなってくるわけですね。それから、ここに環八があります。環八を挟んで移動も行われますので、今まで環八を越えなくてよかった人も、環八を越えなきゃいけないというような事態も出てきます。
子どもたち、見てきましたけれども、それぞれ環境が違う園なわけですね。私も自分の子どもが保育室から認可保育園に移ったとき、当初、その園に慣れるまで非常に苦労したという経験がありますけれども、園を変わると、子どもたちは環境に慣れるのに大変苦労するのではないかというふうに思います。何より、五つのうち三つがなくなってしまうということになれば、身近な地域で果たしている区立保育園の役割、地域の保育環境、これは大きな後退になるというふうに感じました。
どの施設も老朽化が激しいです。現場で働く方のお話も聞きましたけれども、エアコンが壊れたとか、大型冷蔵庫が壊れたとか、洗濯機がとか、ガス台がだとか、いろんな設備が壊れていくと。現場の努力で何とかしのいでいるけれども、大変な負担だというお話を聞いています。設備も老朽化が激しいと。
区立保育園は統廃合するんじゃなくて、再整備方針にある大規模修繕が可能なところはしっかりと行って、計画的に一つずつ建て替えを進めるべきだと考えます。区が示した再整備の手法は子どもの最善の利益の考えに反するのではないか。区の認識を伺います。
◎伊藤 保育課長 お話しのような大規模修繕を行う場合においても仮設園舎は必要になりますが、仮設園舎を建てるのに適した土地は、新規に百人規模の保育園を建設できる土地となるため、今回の整備計画地周辺にはございません。さらに、仮設園舎を建てるには一か所当たり一億円ほどの費用がかかり、財政負担の課題もございます。
そのため、この七月に報告した計画案では、これまでも、羽根木こども園の改築に当たって区立代田保育園の園舎を仮園舎として活用したように、再整備する園の近くにある既存の園舎を仮園舎として使用し、保護者がなるべく元の園の近くの保育園や、駅に近く利便性の高い保育園に通うことができるよう検討を行いました。既存の区立保育園を仮園舎として使用することで、認可基準に必要な園庭や保育室が確保されることに加え、避難経路や防犯などの安全対策も既に取られているため、安全安心な保育の継続ができると考えております。
ふじみ保育園の園舎移転については三回となりますが、実際の子ども、保護者の方の移動は最大でも二回の予定となっております。移転に当たって、特に複数回の移転対象年度の入園希望の方には、できる限り負担をおかけすることがないよう、入園前からの丁寧な周知に加え、園運営においても十分配慮し、再整備を進めてまいります。
◆中里光夫 委員 入園前に説明すればいいということではないと思います。それから、環八を越えるような移動もあります。事故があったような危険な交差点もありますし、そういったことをどう区は考えているのかと。大変な負担を強いることになるし、例えば、この計画も見直しをしていけば、もっと負担の少ないやり方は幾らでもできるし、そもそも統廃合はどうなのかということを、しっかりと住民の皆さん、区民の皆さんと議論しながら進めていく必要があると、この間も主張してきました。こういうやり方は私は認められないということを言って、次に移りたいと思います。
それでは、次は、新BOP学童クラブの問題についてです。
新BOP学童クラブの時間延長の条例が通りました。モデル事業実施に当たっては、必要な職員体制の拡充、確保を図ることが前提だということも言ってきました。しっかりと準備を整えて、このモデル事業には当たっていただきたい。
学童クラブに子どもを通わせる保護者の方の話なども伺いますと、やはり一番の心配は人員体制なんです。非常勤の欠員が常態化しているというのが、もうずっとこの間、問題になってきています。体制が不足しているので見守りしかできない、十分子どもと関わりができず職員の成長にもつながらない、こういう指摘もあります。常勤職員を増やすべきだと。登録が九十六人で二人とあるけれども、二百人超えでも二人のままって、これはおかしいんじゃないか、こういう声をたくさん伺っています。
区は、新BOP学童クラブは直営が基本だと言ってきました。この姿勢を今後も貫く必要があります。そのためにも職員体制の確保は重要な問題。時間延長を全校展開とすると言っていますけれども、職員体制は本当に大丈夫なんでしょうか。欠員を解消することが先じゃないんでしょうか。全校展開ありきではなくて、モデル事業について、職員の欠員状況も含め、しっかり検証することを求めます。
また、大規模校での校内の場所の確保が喫緊の課題とされてきましたけれども、現状どうなっているでしょうか。
◎須田 児童課長 新BOP学童クラブは、十月から五校において実施時間延長モデル事業を再開し、全校実施に向けた具体的な進め方を年内にお示しすることとしております。実施に当たりましては、モデル事業をしっかりと検証するとともに、利用者からの意見等をいただき、子どもの状況や実施内容、手続等について確認を行い、課題を明らかにし、児童、保護者にとってよりよい事業となるよう改善していきたいと思っております。
区としましては、何らかの御事情により、子どもが安全に過ごせないなどの理由で時間延長を利用しなければならない御家庭のセーフティーネットの役割を果たす必要があることから、新BOP学童クラブは公設公営を基本としながら、実施体制を十分に確保する、また、現在進めております学童登録二百人を超える大規模校や狭隘化の進む小学校において、ランチルームや家庭科室の利用、図書室の利用時間拡大など、調整を進めておりますが、こちらのほうもスペースの確保を努めていきます。
そうしたことで必要な御家庭が利用できるよう、本格実施に向けて取り組んでまいります。
◆中里光夫 委員 学童クラブがセーフティーネットだという話がありましたけれども、ならば職員配置をしっかり行って、安全を確保する、保育の質を守る、これが重要なんじゃないでしょうか。そこをしっかりと踏まえた上で、時間延長の展開という話になるんじゃないでしょうか。そこはしっかりと検証していくべきだし、人員体制、安全確保、そこに十分留意する必要があるというふうに思います。
学校の外に民間学童を誘致することが準備されていますけれども、民間学童の誘致はすべきではないと考えます。民間の活用では、企業が利益のために人件費を抑える低賃金、不安定な雇用となって、職員の専門性も育たない、こういう問題がよく起こります。また、区内の企業主導型保育で経営破綻で突然閉園したということも、かつてありました。
以前、渋谷区の例を取り上げましたけれども、直営の学童クラブを廃止し、全児童対象の放課後クラブという事業に転換して、営利企業に委託して実施していると。指導員は派遣会社などが集め、その結果、突然辞めたり、年度途中で配置転換があったり、経験が少ない人も多く、事故の連絡が適切にできない、子どもの気持ちや体調に寄り添った保育が行われない、こういう指摘もあるという話を伺っています。
世田谷の認可保育園の場合、人件費率五割以上を区独自補助金支給の条件としました。これは、人件費が下がることが保育の質に直結するからということで、そういう基準を決めました。また、財務調査の権限もあります。突然廃止されるような、そんなことが起こらないように経営状態、財務状態をチェックする権限がある。これが一定の歯止めの役割を果たしていると考えます。
学童でもこういったことができるんでしょうか。民間学童の保育の質は守れるのか。どのように担保するのか。突然の事業撤退や、少ない人件費で職員が次々替わるような事態を防ぐことができるのか、伺います。
◎須田 児童課長 民間の放課後児童クラブの公募に当たっては、事業者が確保すべき支援の質を定めた運営方針を踏まえた募集要項を示すとともに、事業者の説明会を行うとともに、書類審査のほか、既存施設の現地調査、財務審査などを行うこととしてございます。また、放課後児童支援員の雇用を長期的に安定した形態にする取組の計画策定を求めることとしております。
区としましては、民間事業者が質の高い安定した運営ができるよう、区の研修への参加や第三者評価の受審を促すなど、適切な支援を行ってまいります。
◆中里光夫 委員 人件費五割のチェックというようなものができないのであれば、本当にこれは質の担保ができるのか、疑問だというふうに思います。
以上で質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午前十時五十六分休憩
──────────────────
午前十一時十分開議
○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
生活者ネットワーク、どうぞ。
◆金井えり子 委員 生活者ネットワークの福祉保健所管の質問を始めます。
高齢者虐待の事件が後を絶ちません。在宅介護で虐待が起こる場合、介護疲れやストレス、経済的な問題がある場合もあります。家族の介護は家族がやって当たり前と言われてきた歴史を、まだまだ引きずっているようにも思えます。介護の社会化を目指して導入された介護保険制度ですが、二十二年の時を経ても、なかなか進んでいないことは明らかです。
そして、施設に入所しても介護施設内での虐待が起こる場合もあります。介護職員の知識不足やモラル不足、また、人材不足などから、過度な労働やストレスが利用者に向けられてしまうことがあります。特に、このコロナ禍で家族の面会もままならず、スタッフだけの閉鎖された環境ゆえ、犯罪とも思える虐待が報道されています。高齢者施設等での虐待、世田谷区の現状と課題、認識を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 高齢者虐待は高齢者への人権侵害の最たるものであり、決してあってはならないことと認識をしております。
高齢者施設等の職員による虐待に関する相談・通報件数は、令和元年度九件、二年度十三件、三年度二十三件、認定件数は、令和元年度一件、二年度五件、三年度八件であり、三年度は増加しました。
高齢者虐待に関する相談、通報は総合支所保健福祉課で受理をし、その内容に基づいて情報収集等を行い、状況により施設等への実地調査後、虐待の有無を判断しております。区は虐待と認定した場合、施設等に対して改善指導を行い、改善計画書の提出を求め、区職員が施設等に出向いてモニタリングを行い、再発防止に取り組んでおります。
◆金井えり子 委員 平成十七年に高齢者虐待防止法ができ、また、令和三年度の介護報酬の改定により、虐待防止についてさらに言及されています。虐待防止のための対策を検討する委員会の設置、指針を定めること、研修を定期的に実施する、虐待防止のための担当者を置くなどです。
介護職員の基礎的な知識不足などで、利用者の言動を理解できずに起こる虐待は、知識を補うことで防ぐことができます。アンガーマネジメントや職員のメンタルヘルスケアなども研修が有効と考えます。世田谷区の対応はどのようになっているのか、伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 高齢者虐待防止法では、高齢者虐待の防止、虐待を受けた高齢者の迅速かつ適切な保護等について、区市町村が第一義的な責任を持つ役割を担うことと規定されております。
区では、あんしんすこやかセンター、民生委員、介護事業者、警察等をメンバーとする高齢者虐待対策地域連絡会を開催し、高齢者虐待への対応やネットワークの充実を図っております。さらに、福祉人材育成・研修センターにおいて高齢者虐待対応研修等を実施し、介護職員の虐待対応への理解促進に取り組んでおり、引き続き高齢者虐待の防止に努めてまいります。
◆金井えり子 委員 区市町村が第一義的な責任を持つ役割を担うというふうに、今、御答弁いただきました。今後とも虐待防止の取組をさらに進めていく必要がありますので、よろしくお願いいたします。
でも、そうした取組があっても、施設内の様子は大変見えにくく、虐待を受けている高齢者御本人からは発信できないなどの課題が多いのが現状です。「介護報酬改定に係るQ&A」に、小規模事業所においては他者、他機関によるチェック機能が得られにくい環境にあることが考えられることから、積極的に外部機関等を活用されたいとあります。
東京都には第三者評価事業があり、世田谷区も高齢、障害、保育、様々な福祉現場で活用しています。他者、他機関のチェック機能として、利用者本位の福祉の実現、サービスの選択、サービスの質の向上、事業者の透明性の確保をしていくものです。高齢者虐待の早期発見はもちろん、質の高いサービス提供に必要な、職員の働きやすい環境整備にも役立つものと思っています。第三者評価は東京都の補助制度があるということですが、まず、その内容を御説明願います。
◎谷澤 介護保険課長 福祉サービス第三者評価制度は、サービス提供事業者が外部の評価機関から専門的かつ客観的な視点による評価を受け、その結果を公表することで、利用者が自身に合ったサービスを選択する上で必要となる情報を得られるようにするとともに、事業者にとっても自らのサービスを見直し、サービスの質の向上等を図る機会となり得る仕組みとなっております。
第三者評価の受審費用は事業者の負担によることが基本ではございますが、その活用を促進するため補助制度を都が設けており、サービスの種別によって都が直接補助するものと、区市町村を通じて補助するものとで区分されております。区では、この補助制度を活用しまして、認知症対応型共同生活介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、これらのサービス事業所を補助対象として第三者評価制度の受審を支援しております。
◆金井えり子 委員 本当にいろいろな種類の介護サービスというものがあるということなんですけれども、正規、非正規にかかわらず、適正な賃金、休暇、働きやすい環境づくり、研修とともにステップアップのためのシステム整備、補償など、どの程度、今、達成できているのでしょうか。働く人の環境は、本当に回り回って利用者へのサービスに反映します。第三者評価はとても必要だと感じています。この補助制度を使った区内の高齢者施設等の第三者評価の受審の現状を伺います。
◎谷澤 介護保険課長 第三者評価の結果につきましては、補助金の申請段階で公表することに同意することが条件となっております。区内の介護老人福祉施設や認知症対応型共同生活介護事業所などにおける第三者評価の実施状況につきましては、都の福祉保健財団のホームページ、とうきょう福祉ナビゲーションにおきまして、令和元年度は五十七か所、令和二年度は四十九か所、そして令和三年度は五十四か所の評価結果が公表されております。
◆金井えり子 委員 これだけたくさんの介護ですとか、本当に高齢者のサービスの事業がたくさんある中で、三年に一度とはいえ、今年度は五十四か所、本当にこの受審の低さは問題だと思います。
手挙げ方式ですと、補助制度の対象外の施設や訪問介護など小規模の事業所は、費用の持ち出しになるのでなかなか手が挙げられません。第三者評価が受けられないという現状です。小規模事業者こそチェック機能は必要と考えます。
区の主要事務事業にも、権利擁護の推進と保健福祉サービスの質の向上として、第三者評価の受審促進とあります。小規模事業所へ第三者評価の必要性や優位性を周知すべきと考えます。今後の区の取組について伺います。
◎谷澤 介護保険課長 事業者が第三者評価を受審し、その結果を公表することは、サービスの質の向上や事業運営の透明性の確保のみならず、利用者がその評価結果を、サービスを選択する上での情報として有効に活用することができ、大変有益であると認識しております。このため、区では、今後の介護保険制度の改正や都の補助制度の状況等を踏まえながら、区内介護保険施設、介護サービス事業所の第三者評価の活用が一層進むよう、受審の促進や補助制度に関する情報の発信に努めてまいります。
◆金井えり子 委員 必要性の発信、よろしくお願いいたします。ただ、事業所的には必要性というのは分かっていても、補助制度の対象外で費用面で手が挙げられないという事業者も多いという現状だと思います。第三者評価を受審しやすくなるよう、東京都との連携や補助制度の見直しなど、区から働きかけ提案していただけるよう求めます。
次に、保育園の香害について伺います。昨年の、ちょうどこの決算特別委員会で、保育園の保育士の方、また、保護者の方からも、強い香料で困っているという声が上がっていると伺いました。対応していただけるとの御答弁でしたが、その後はいかがでしょうか。区への御相談などはあるのでしょうか。保育園での取組の進捗状況などを伺います。
◎伊藤 保育課長 保育園での取組につきましては、令和三年度は、世田谷保健所が作成したポスターやチラシを活用し、職員や保護者へ、化学物質に頼り過ぎない生活を送るための情報をお知らせいたしました。保護者から区に寄せられた香害に対する相談は、昨年度は数件ございましたが、今年度に入ってからはございません。
◆金井えり子 委員 御相談はないということですよね。それはとてもいいことなのかもしれませんけれども、しかし、どこに相談したらいいのか分からないというお話も聞きます。室内環境の相談窓口というものがあるのも世田谷区の誇れるところなので、ぜひ、その存在を周知していただけるとよいと思います。
厚生労働省のシックハウス症候群関係マニュアルには、子どもは大人よりも環境中の化学物質に対して脆弱であると言われている。また、柔軟剤でシックハウス症状が出る可能性があるなどの記述があります。保育園など成長過程の子どもたちの過ごす環境をしっかり守らなければなりません。
体に影響を及ぼす可能性のある化学物質は、空中を舞った後に床に落ちてきます。赤ちゃんや小さな子どもは床の近くの空気を吸うので、よりリスクが高くなります。強い香りは嫌いな人がいるからというレベルの話ではありません。普通に販売され、日常的に利用されている商品の中には、他人の健康被害につながるおそれもあるものもあるということ、子どもにはより注意を払う必要があるということ、危険性を保育現場で働く方々、保護者にしっかり伝えていくべきと考えます。周知啓発の強化、どのような工夫ができるでしょうか。見解を伺います。
◎伊藤 保育課長 保育施設では、化学物質過敏症などのアレルギーや、一人一人の子ども特有の疾病へのきめ細かい対応が求められておりまして、香害などにつきまして正しい知識を職員一人一人が身につけておくことが必要です。区立で言えばキッズビューになりますが、保育施設では、ウェブ上で個別に連絡できる仕組みが導入されておりまして、これらを活用して保護者に連絡してもらえるよう、今年度は保育施設に世田谷保健所のチラシをメールにてデータで提供いたしました。
シックハウス症候群や香害でお困りの方には、保育施設において世田谷保健所での相談につないでいくことも行いながら、子どもや保護者などの健康や安全を守っていけるよう努めてまいります。
◆金井えり子 委員 本当に、もう化学物質だらけの、この世の中ですので、子どもたちの健康をとても心配しております。ぜひ保育園での周知など、よろしくお願いいたします。
続いて、一般質問でも伺いましたが、災害時避難行動要支援者個別避難計画について伺います。個別避難計画は誰のためにつくるのでしょうか。当然、災害時避難行動要支援者である御本人のためです。そして、その方の命を守る責任のある区のため、それから、その方の支援者のためです。では、何のためにというと、災害時に命を守るためということですよね。それぞれの御事情に合わせた個別の避難について計画をつくっておくというものだと思いますけれども、個別避難計画、改めて確認させてください。
◎澁田 世田谷総合支所保健福祉課長 個別避難計画は、災害時に自ら避難することが困難な要支援者ごとに、避難支援のため作成する計画とされております。一人一人の状況に合わせた避難行動が取れるよう、より具体的な取組が重要であると認識しております。
今回の計画は、避難行動要支援者の支援に関する協定を結んでいない町会・自治会の地域にお住まいの要支援者の方でも、御同意をいただければ地域の支援者や福祉専門職等に情報提供ができることや、連絡先や緊急連絡先をお知らせいただくことで災害時に安否確認に活用できること、要支援者御本人が避難所等へ避難する際に必要な支援者の人数や移動方法など、事前に確認いただける項目を郵送調査で回答をいただき、災害時の要支援者の避難支援に役立てていただけるものと考えております。
◆金井えり子 委員 今、整理していただきましたけれども、協定を結んでいない町会・自治会の地域にお住まいの方でも、同意をいただけば情報提供できるというような内容でした。区が必要なのは、まず安否確認ですよね。個別避難計画の一番大事な個人情報、それから連絡先、支援者などです。
もちろん、そのために始めた個別避難計画なので、そこが基本だということは分かります。でも、御本人にとっては、その後、例えば在宅避難ならばこうする、避難所に行くのなら誰とどうやって、どういうふうに避難するといった具体的な部分が必要です。そして、支援をする方々は、もっと具体的に、そのとき自分がどんな役割で関わればよいのかという部分が知りたいということですよね。
一つの個別避難計画ですけれども、活用する上で、その都度、その関わりによって必要とする情報が違います。区と当事者のやり取りで、基本のところはしっかりつくっていただきたいと思いますが、そこに当事者と地域の支援者とが一緒に計画の具体的なところを重ねてつくっていく、そこまで入って本当の個別避難計画であると考えます。
支所としては、今後の取組、どのようにしていくのか見解を伺います。
◎澁田 世田谷総合支所保健福祉課長 今年度は、緊急性の高い多摩川の洪水、浸水想定区域内に居住しておられる避難行動要支援者、約五百人の方につきましての個別避難計画の作成に取り組んでおりますが、令和五年度以降につきましては、震災や中小河川の洪水なども含め、区内全域の要支援者の個別避難計画に着手できるよう準備を進めているところです。今後も地域、地区のハザード状況に合わせた意識啓発や、福祉サービス提供事業者への協力依頼を行い、個別避難計画の取組を、あらゆる機会を捉えて区民や事業所等に広く周知してまいります。
さらなる支援の輪の広がりにより、要支援者本人、家族を交え活発な意見交換ができるよう、支援機関や町会等に積極的に働きかけるとともに、実際に各地区で実施されている勉強会や避難訓練等で、より個人の特性に合わせた着実な個別避難ができる計画の実効性の向上にも取り組んでまいります。
◆金井えり子 委員 先日、ちょっと町会の方とお話ししたときに、私たち、もちろん支援するよ、だけれども、そのとき何していいか分からないんだよというふうにお話しされていました。この個別避難計画というものを、今、区が動いてつくっているということも、御存じない区民の方もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ、そのあたりの周知も進めていただきたいと思います。本当に区と当事者の紙面のみの情報交換だけでなくて、実効性のある、本当に役立つ個別避難計画を目指していただけるよう求めます。
続いて、九月二十七日の福祉保健常任委員会で、東京リハビリテーションセンター世田谷・障害者支援施設梅ヶ丘の施設入所支援の取組についての御報告がありました。これまで日中支援と夜間支援を一体的に行っていましたが、一部見直し、通所先にそれまで通っていたところを継続して選べるようになりました。この東京リハビリテーションセンターは、三年をめどに地域移行を行う、通過型の地域生活支援型入所施設ということですよね。三年目を迎えてニーズなどを考慮したということですが、地域移行を前提とした支援であれば、この見直しは当然とも思えます。
委員会の中でも、そもそもの地域移行について議論がありました。区の見解をいま一度伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 これまで東京リハビリテーションセンター世田谷からの地域移行につきましては、開設から十五人、実現してまいりました。区内に重度障害者が入居できる障害者グループホームの整備を懸命に進めているところでございますが、多くは区外のグループホームへの移行となってございます。
地域移行の考え方でございますが、基本的には、せたがやノーマライゼーションプランの基本理念にもあるとおり、住み慣れた地域で支え合い、自分らしい生活を安心して継続することであると理解してございます。区内のグループホームなどへの移行を目指しつつも、何よりも優先されるべきことは、障害者御本人や、その御家族の御意向を踏まえたところへの地域移行であると考えております。引き続き、障害者御本人や御家族に寄り添いながら、運営事業者と共に地域移行を進めてまいります。
◆金井えり子 委員 障害のあるなしにかかわらず、住むところを選んで安心して自分らしく暮らす、これは当たり前の権利です。区内のグループホーム整備を求める声が本当に多いです。本当に懸命に進めているところというお話でしたけれども、ぜひ整備を進めていただき、御本人や御家族に寄り添った対応ができるよう求めます。
この東京リハビリテーションセンターですけれども、できた当初から様々な問題が指摘されてきました。地域からそのイメージというのは払拭されているんでしょうか。地域との関係づくりはどのようにしていますか。施設で一体型、その後、地域移行ということであるなら、もうこの東京リハビリテーションセンター自体が地域に根差し、自然に地域に溶け込めるようなものであるべきと考えます。
コロナの影響もあるかとは思いますけれども、東京リハビリテーションセンターの地域との関係づくり、また、区はどのように関わっていくのか伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 障害者が地域で暮らし続けるためには、地域の方々の理解と協力は欠かせません。入所者の地域移行や日常生活支援を担う東京リハビリテーションセンター世田谷にとりまして、地域との良好な関係づくりは重要でございます。コロナ禍で制限されている部分もございますが、施設側は地域交流スペースを設けて地域の方々に貸し出したり、お祭りを開催するなど地域との関係づくりに取り組んでいるところでございます。また、入所者の支援におきましても、施設内の支援にとどまらず、買い物支援など利用者と一緒に商店街に出かける交流を行ってございます。
区といたしましても、入所者が地域移行された後の円滑な地域生活の実現に向けまして、地域との良好な関係づくりに引き続き取り組むよう、施設を支援してまいります。
◆金井えり子 委員 地域との良好な関係づくり、本当にお願いしたいと思います。これは地域にとってもいいことだと思うので、よろしくお願いいたします。
次に、障害者の就労について伺います。障害の、それこそあるなしにかかわらず、コロナが始まった頃、雇い止めなど、お仕事がなくなる方、とても多かったというのは言うまでもありません。在宅ワークなど業務形態の変化もありました。コロナ禍も三年目を迎え、少し状況は落ち着いてきているかに見えますが、障害者の就労への影響の変化、伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 障害者の就職者数につきましては、令和元年度、二年度、三年度の順に百四十三人、百十一人、百十九人となってございます。こうした減少傾向は、新型コロナウイルス感染拡大による企業の採用活動が抑制された影響ではないかと考えております。
区では、企業への障害理解の啓発と雇用促進を目的に、地域の産業団体、特別支援学校、ハローワークなどの団体が連携いたしました世田谷区障害者雇用促進協議会を設置してございまして、区はその事務局となってございます。この協議会では、企業向けの研修会やフォーラム等の開催を通して啓発活動を行ってございまして、今年度、これまでは、障害者就労支援センターによる障害者雇用に関する基礎講座や、企業の採用担当者に区内の就労支援機関の活動や訓練内容を知ってもらう、企業と障害者就労支援機関の座談会を実施してございます。
また、今後につきましては、就労支援機関や特別支援学校の見学会のほか、雇用したい企業と就職したい障害者をマッチングさせる実習面談会、障害者の就労支援に協力して活動実績が顕著であった事業所または個人に対して感謝状を渡す障害者雇用促進フォーラムなどの活動を予定してございます。今後も、障害者雇用促進協議会の活動を通して、各企業の障害理解を深めていくとともに、障害者雇用の促進を推進してまいります。
◆金井えり子 委員 障害者雇用、本当にマッチングがキーポイントということが分かります。先ほどの東京リハビリテーションセンターの件も同様ですが、先日可決した世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例によって、より理解が深まることを期待します。
障害者が働くツールの一つとして分身ロボットOriHimeが話題となっています。先日、製作者の吉藤オリィさんの講演を聞きまして、実際、実験カフェのDAWNに行ってきました。OriHimeは遠隔操作で話をしたり作業をしたりできる、そんな分身ロボットです。ロボットというとAIなどを連想しますけれども、パイロットと言われる操作する人の、本当に温かみのある血の通った分身です。OriHimeを使えば、寝たきりの方も外出ができない方も社会参加ができる、仕事ができる。これまで諦めていた様々な体験ができます。
現在、世田谷区の区立小学校でもOriHimeが実験的に使われています。まだまだ可能性の話ではありますが、OriHimeの活用で障害者就労が変わるかもしれません。例えば、世田谷区のチャレンジ雇用などからOriHime活用を進めてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 区では、企業等への一般就労を目的としました通過型就労であるチャレンジ雇用を、平成二十二年度から実施してございます。現在は知的障害者と精神障害者の方を対象に、会計年度任用職員として採用いたしまして、企業の支援員と共に、ビジネスマナーを身につけることのほか、封入、封緘などの事務作業に従事してございます。
分身ロボットのOriHimeにつきましては、在宅ワークを行うための支援機器として、身体障害のある方が遠隔操作で、一部飲食店などでの活用がされていると認識しております。自治体では港区の福祉売店で試験導入をしております。
御提案のチャレンジ雇用としてのOriHimeでございますが、雇用形態や遠隔などの支援方法の課題もございまして、導入には慎重な検討が必要と考えておりますが、新たな取組となるため、まずは情報収集に努めてまいります。
◆金井えり子 委員 夢を広げていただきたいと思います。
以上で生活者ネットワークの福祉保健所管の質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。
◆つるみけんご 委員 それでは、新風・せたがやの風の福祉保健領域の質疑を始めます。
初めに、認知症施策について伺います。
世田谷区で認知症とともに生きる希望条例が制定されて二年が経過しました。この希望条例では、「区は、区民等が認知症及び地域共生社会に関する正しい知識及び理解を深めることができるよう、学習の機会の提供を積極的に推進するものとする。」とあります。区はこの間、従来の認知症サポーターの養成講座を、条例の理念を踏まえた世田谷版認知症サポーター養成講座、アクション講座として新たにつくり変えた上で、講座を展開してきたものと認識しております。
今回の決算特別委員会においてお示しいただいている主要施策の成果では、資料の右上のページ番号一〇一ページに、その取組の成果が記載されております。これによりますと、令和二年度末時点の認知症サポーターの養成数は累計で三万六千二百四十四人、令和三年度末までの目標数は四万一千六百八十人となっております。単純に差引きをして、令和三年の単年度の目標数はおよそ五千四百人ということになります。資料では累計で記載されておりますが、単年度の昨年の実績を計算しますと、令和三年度の実績は七百三十七人となっております。目標の五千四百人に対し七百三十七人、わずか一四%程度となってしまっております。
この取組の目標とする数字と取組の成果である実績には相当な乖離があると言わざるを得ません。その原因と、これまでの取組の状況についてお聞かせください。
◎望月 介護予防・地域支援課長 区では、希望条例に基づく認知症観の転換を図るため、従来の認知症サポーター養成講座の内容を刷新し、アクション講座、世田谷版認知症サポーター養成講座を実施しており、令和二年度末に約三万六千人の認知症サポーターとなっており、令和五年度末までの三か年で一万七千人増の約五万三千人を養成することを目標値としております。
令和三年度においては、コロナ禍により一部講座が中止となったことに加え、条例の趣旨に沿ったテキストの見直しにも時間を要し、講座の実施期間が短くなったことにより、当初予定していた講座回数を実施できませんでした。その結果、令和三年度の認知症サポーター養成数は七百三十七人にとどまり、目標値である五千四百三十六人を達成できませんでした。
今年度は、あんしんすこやかセンターが中心となり、小中学校、民生委員、金融機関等を対象にアクション講座を実施し、また、一般区民向けの認知症講演会の一部にアクション講座の内容を取り入れることで、養成数の増加に努めております。度重なるコロナ拡大により、八月末時点で七百二十八人となっており、今年度、目標の達成が難しい状況にございます。
六月には小学校の福祉体験授業において、社会福祉協議会と合同で認知症当事者にも登壇いただく講座を実施し、大変好評でございました。来月も認知症の授業を予定しております。目標達成に向けたさらなる取組が必要であると認識しております。
◆つるみけんご 委員 今、御答弁の中にもありましたが、来年度、令和五年度末までの目標は約五万三千人ということになっております。一方、これまでの実績ということで言いますと、約三万七千七百人、目標までおよそ一万五千人となっております。今のペースでは全く届かない、遠く及ばないと言わざるを得ない、大変厳しい状況にあるように思いますが、区として目標の達成に向けてどのようなお考えをお持ちか、お聞かせください。
◎望月 介護予防・地域支援課長 今後、アクション講座受講者を増やすためには、講座を実施できる講師を増やしていく必要がございます。地域のアクションとの連動や社会資源開発等を踏まえ、見据えて、日頃から地域に根差して活動している社会福祉協議会の職員にも研修を実施し、講師を増やしてまいります。また、コロナ禍でも効果的な取組を進めるべく、オンライン等を活用したアクション講座の在り方も検討するとともに、希望条例の理念を幅広い世代に浸透させるため、小中学生への講座を実施してまいります。
目標達成に向け、より多くの区民、事業者等にアクション講座を実施し、地域の様々な団体や教育委員会とも連携しながら、共にアクションを起こす区民を増やしてまいります。
◆つるみけんご 委員 地域や教育委員会に協力を求めるということ自体は賛同いたしますが、一方で、その前に、ここにおられる職員の皆様、全庁全職員の皆様が受講されているのか。ここではあえて質問にはいたしませんが、認知症希望条例における、全ての区民が認知症と共に生きる意識を高めるという趣旨をしっかり全庁で共有していただいて、目標の達成を目指すべきと考えます。
次の質問に移ります。九月五日の福祉保健常任委員会で示された今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)を含む子ども・子育て支援事業計画の素案について伺います。
この計画素案によれば、今回の調整計画は、単に事業の需要量の見込みと供給体制の確保の内容等を定めるだけでなく、世田谷区未来つながるプランと連動し、今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)を示すものであり、子ども・子育て応援都市をバージョンアップするための施策の構築に取り組むとあります。つまり、今後の子ども政策の考え方たるグランドビジョンと、子ども・子育て応援都市のバージョンアップという非常に大きなビジョンが、この計画に含まれているということになります。
区は、この計画素案の作成に向けて、世田谷区子ども・子育て支援事業計画のニーズ調査を行ったとのことですが、まずは、この調査の目的について区のお考えをお聞かせください。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 今回実施した保護者を対象としたニーズ調査は、子ども・子育て支援事業計画の策定のため、五年に一度、全国の自治体で共通に実施するものであり、前回調査が平成三十年度であったため、本来であれば令和七年度からの子ども計画(第三期)の策定に向けて、令和五年度に実施する予定でございました。しかしながら、現在の事業計画を策定した令和二年度以降、育児休業の利用の拡大、テレワークの普及など、コロナ禍の影響もあり、子どもと子育て家庭を取り巻く環境や、保護者の働き方が急激に変化していることから、子ども・子育て会議での議論も踏まえ、一年前倒しをして、子ども・子育て支援事業計画を見直すために実施いたしました。
◆つるみけんご 委員 コロナ禍の影響を踏まえて一年前倒しされたとのことですので、それ自体は大切な視点だと思います。一方で、今、御答弁にありましたように、コロナ禍の影響を受けたというのは、子どもと子育て家庭を取り巻く環境、つまり、子どもと保護者であるという御認識をされているわけですが、先ほど申し上げたニーズ調査の対象は保護者のみとなっております。
この調査の中身を見ますと、放課後の過ごし方の現状と希望、子どもが成長する上で大切だと思うことなど、かなり子どもの視点を大切にすべき事柄も含まれております。この計画素案は、今後の子ども政策の考え方たるグランドビジョンと、子ども・子育て応援都市のバージョンアップという大テーマを含むということを踏まえますと、今回のニーズ調査について保護者のみを対象とするということは、子ども・子育て応援都市宣言を掲げる区の基本的姿勢と整合性が取れていないように思えますが、区のお考えを伺います。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 幼稚園、保育所等の就学前の子どもが利用する教育・保育事業やひろば事業、一時預かり事業や放課後児童健全育成事業等の地域子ども・子育て支援事業の確保量を定める子ども・子育て支援事業計画を見直すとともに、保護者の保育等に関する現在の利用状況や、今後の利用状況、就労状況や就労意向、子育てに関する状況などを把握するため、保護者を対象に実施したところでございます。
一方で、今年度、小学四年生から高校生を対象としたワークショップを予定しており、その声を受け止め、今後の子どもを中心とした地域づくり等に生かしてまいります。さらに、令和五年度には子ども計画(第三期)の策定に向けて、小学生や中学生、高校生世代や若者を対象とした調査を実施する予定であり、今回実施した保護者対象のニーズ調査と併せて子ども・子育て会議等で議論し、子どもや若者の意見、置かれている状況を把握してまいります。
◆つるみけんご 委員 繰り返しになりますが、この計画は、グランドビジョンと子ども・子育て応援都市のバージョンアップという大テーマを含むということを区がおっしゃっておられるわけですので、その大前提に立ち返ると、素案作成の段階で子どもの声を聴くということが組み込まれていなければならなかったのではないでしょうか。今後、素案から案にする段階で、子どもの声についてもしっかりと組み込まれるべきと考えます。
続いて、このニーズ調査について、少し具体的な中身について伺ってまいります。
平成三十年度調査の結果として、子育てする上で足りないと感じることというアンケート項目があります。これに対する回答では、子どもが思い切り体を動かして遊ぶ環境が四八・八%で最も多くなっております。この結果を踏まえて、この四年間で区が実施してこられた取組についてお聞かせください。
◎須田 児童課長 区では、外遊びや自然と触れ合う機会の減少や、外遊びができる身近な場所を知らない子どもが増えている現状を捉えまして、全ての子どもが身近な場所で自由で主体的に生き生きと外遊びができる環境を整え、外遊びの啓発と理解促進を進めております。また、大人の外遊びの体験不足や重要性の認識の低下、乳幼児親子の外遊びの機会の不足など、大人の理解を広めることが子どもの外遊びを助長することにつながると考え、外遊びの理解促進、啓発を目標に、人や団体とのつながりをコーディネートする外遊び推進員により、外遊びの啓発、推進を行っているところでございます。
区には自然体験の遊び場であるプレーパークが四か所ございますが、プレーパークは禁止事項をなるべくなくし、自分のやりたい遊びができる場所として、外遊びの象徴的な遊び場となっており、乳幼児親子から中高生に至るまで、たくさんの子どもが遊びに来る場となっております。あわせて、乳幼児期から身近な公園等で気軽に外遊びができる機会としてプレーリヤカーを実施し、子どもたちの遊びの環境を整えているところでございます。
◆つるみけんご 委員 様々取り組んでこられたことと思いますが、この調査の同じ項目の今年度の結果を見てみますと、やはり子どもが思い切り体を動かして遊ぶ環境ということが、また第一位となっております。四五・九%の方がそのように回答されておりまして、その割合は四年前とほぼ横ばいという状況になっています。
区が様々な施策に取り組んでおられるにもかかわらず、区民のニーズは変わらないということになりますと、区が展開しておられる施策と区民ニーズの中に、ずれが生じているという可能性があるのではないかと考えられますが、区のお考えをお聞かせください。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 前回のニーズ調査を実施した平成三十年度と比較して、令和四年度は、コロナ禍における子どもが育つ環境がいまだ制限されている現状があり、今回の調査結果に一定程度の影響を与えているものと考えております。
来年度実施する子ども対象の調査は、子ども自身が感じていることや望むことをしっかりと把握した上で、今回の保護者を対象としたニーズ調査の結果と比較できるよう、子ども・子育て会議等を通じて調査項目などを検討していきたいと考えております。さらに、それぞれの調査結果により、子どもと保護者のニーズを把握し、ニーズに合致した子ども施策を展開できるよう、来年度から検討を開始する子ども計画(第三期)等に生かしてまいります。
◆つるみけんご 委員 この調査のみならず、調査にも多額の費用がかかっているわけですから、調査が形骸化するということがないように、調査結果と展開する施策の効果とを照らし合わせて、区民ニーズに的確に応えていただきたいと思います。
次に、マスクの影響ということについて伺ってまいります。特に、子どものマスクの着用については、新型コロナウイルスの流行直後から様々な指摘がなされてきました。例えば、マスクの着用が呼吸の妨げになるとか、それにより脳への影響がある、また、言葉や社会性への発達を阻害するや、最近では顎関節症を引き起こす可能性があるのではないかといった指摘もなされています。しかし、この情報過多な現代において、情報の取捨選択というものが極めて難しいということを、恐らく多くの方が少なからず、いろいろな場面で感じておられるものと思います。マスクの長期的な着用についてどのようなデメリットがあるのか、社会的な感染症蔓延のリスク低減と併せて、セットで議論されなければなりません。
まだまだ不透明な部分はあるかとは思いますが、マスク着用が子どもの成長と将来に及ぼす影響をどのように捉えておられるのか、専門家である保健所長のお考えをお聞かせください。
◎向山 世田谷保健所長 厚生労働省は二歳未満のマスク着用は推奨しておりませんし、二歳以上就学前の子どもについても一律の着用は求めておりません。また、小学生以上についても、いわゆるディスタンスが十分な場合ですとか、会話がほとんどない場合などのマスクは着用不要というような考え方は示しております。
国の専門家助言組織のアドバイザリーボードでございますとか関連の学会などは、子どものマスク着用に関する影響に関して、周囲の大人が子どもの顔色などに気づきにくい、幼児においては表情の読み取りの学習自体が困難になるというような課題を挙げてございます。
いずれにいたしましても、保健所はマスクも含めて、心身と子どもの影響とコロナ禍という観点から、小児科医ですとか専門家等の見解を十分に把握いたしまして、関連所管に情報提供してまいりたいと考えてございます。
◆つるみけんご 委員 今、御答弁いただいたように、今後また、さらなる研究等が進むと思いますので、区民の皆様一人一人が判断する材料として、様々な視点から科学的知見に基づいた情報発信というものを、関係所管だけでなく、また区民の皆様にもしていただきたいと思います。
以上で新風・せたがやの風の福祉保健領域の質疑を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、障害とかダウン症をお持ちのお子さんをお持ちの保護者の方から質問と要望等をいただきました。
その内容は、特別支援学級にいるお子さんの場合には、一日当たり、新BOPに通える人数を制限されているというふうなことで、原則、利用希望日には受け入れられるという体制を取っているというようなことなんですが、そもそも利用希望日を事前に申請しなくてはならないということに大変疑問を感じていると。普通級の児童は、誰でも、いつでも、利用したいと思ったときに利用ができる。しかし、支援級の児童は、事前に利用希望日を申請する必要がある。普通級の児童のように、いつでも利用したいときに利用できるのが理想だと思っていますけれども、そういう改善ができないのか。また、せめて利用できる回数を増やしてほしいと願っていますというような内容です。
また、普通級じゃなくて、支援級の児童は、普通級の児童と新BOPに行っても一緒に遊べないんだそうです。別々に分けられているということで、ダウン症とか、そういう障害をお持ちの、保護者の方、そして当事者のお子さんも、健常の子どもと遊びたいというふうに思っているんだそうです。ところが、新BOPとかの中では、もう分けられてしまって、一緒に遊べないというのが現状なんだそうです。
こういう状況に関して改善を求めるということなんですが、区の見解を伺いたいと思います。
◎須田 児童課長 配慮を要する児童の利用につきましては、利用開始の前や、お子さんの状況が変わったときなど、新BOP職員と保護者で、施設面、人員面など必要とする配慮の内容などを相談、調整し、円滑に利用いただけるようにしており、原則、御利用日には受け入れられるよう体制を取っております。
今回、人数制限されているという苦情が委員に届いたということは重く受け止めてございます。教育委員会事務局と連携いたしまして早急に状況の把握に努め、事実が確認された際には適切に対応してまいりたいと思っております。
今後につきましては、新BOPで安全面が確保できる、そこが大前提ではございますけれども、人数制限により利用できないというケースが起きないように、各新BOPに周知してまいりたいと思います。あわせて、健常者と障害者の方が共に触れ合うということも、新BOPの中では大切にしてございますので、そういったところにも力を入れてまいりたいと思っております。
◆あべ力也 委員 しっかり受け止めて改善していただきたいと思います。
また、続けて、この新BOPの関係ですけれども、特別支援学校に通っている子どもは、副籍という形で自分の地域の学区の学校に登録をしているということなんですけれども、登録をしている場合でも、その学校の新BOPを使えないということなんですね。それは、区の説明では、区のルールにより、その学校の児童しか利用できませんという説明を受けたということなんですが、これは本当なんですかね。これもお答えいただきたいと思うんですが。
◎須田 児童課長 BOPにつきましては、学籍のある小学校の児童が登録することとしてございます。副籍のある児童の利用につきましては、御希望のあった際には、教育委員会の所管課を通して該当の新BOPに対応を依頼してございます。対応としましては、利用希望の保護者の方が新BOP事務局長等の職員と面談を行い、新BOPの概要や利用方法等をお伝えするとともに、利用希望の児童の状況を伺い、利用の相談をしてございます。
今回苦情があったということは、職員が誤った認識を持っている可能性もあることから、正しい取扱いを周知徹底するとともに、誤った案内をしていた事実がないか、各新BOPに確認してまいります。
◆あべ力也 委員 どうも現場と役所の認識が随分乖離しているようですから、現状をちゃんと調査していただいて、親御さんやお子さんのそういう実情をしっかり受け止めて、改善をしていただきたいと思います。
次に、認証保育所の問題ですけれども、認証保育所を経営されている方から、これもいろいろな要望等がございました。賃料を値上げしないと事業継続ができないというような状況で、物価高対策を補助金等で対策をしてほしいというような要望なんですが、そもそもの問題として、たくさんの認可保育園ができている状況の中で、認証保育所の役割はもう終わりというような考えで世田谷区はいるのかどうかということを、聞いてほしいということなんですね。その上で、もしそういう考えなり、認証保育所に対する様々お考えがあるのであれば、やはり経営者の方と意見交換をする日を設けてほしいということなんです。
というのは、経営者にしてみれば赤字が継続して廃業しなくちゃならない、赤字を抱えて倒産するというふうなことは避けたいということなんですね。その上で、今ならば、そんなに痛手を負っているわけじゃないから、世田谷区のほうとして、もう認証保育所をやめたほうがいいというのであれば、いつでもやめますよ、それで、閉めるのであれば、その費用等に関して区と相談したい、費用を出してくれるんだったら、それにこしたことはないけれども、どうなんだろうというのが率直な御意見のようです。これに対する世田谷区の回答をいただきたいと思います。
◎松岡 保育認定・調整課長 今後も就学前人口の減少等、傾向がありまして、認証保育所の施設の欠員は膨らむ傾向でございます。ただ、待機児童ゼロの観点から重要な役割を担っていると認識しております。
コロナ禍以降、テレワークなど多様な働き方が広がっておりますので、多様な保育ニーズの受皿となっている認証保育所は今後も重要な施設だと認識しておりますので、今後も子育て世帯を支え、経営の改善にもつながるような支援を継続していきたいと考えております。
◆あべ力也 委員 経営者の方は事業としてやっていられるので、区と意見交換したいと言っているんですね。利用者だけじゃなくて、そういう経営者の声をしっかり受け止めて、今後の認証保育所をどうするのかということを、しっかり話合いをしていただきたい。これは要望しておきますので、よろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 ひとり暮らし世帯が急増し、社会的に孤立する人や、誰にもみとられず亡くなる方が増え続ける中で、六十五歳未満の孤立死の実態が把握されていないことについて伺います。
今、私が手にしているのは「世田谷区における高齢者見守りの取組み」という、区がホームページで公開している十八ページの資料です。委員の皆さんには配付のタブレットでも本日共有しております。ページの構成は次のようになっています。まず、冒頭ページが国の高齢者統計、二ページ目と三ページ目の一部が区の高齢者統計、三ページ目半ばから六ページにかけての三ページ半が、世田谷区独自の平成三十年度高齢者孤立死の調査結果であり、冒頭の説明部分にはこうあります。「高齢者が誰にも看取られずに自宅で死亡し、死後数日を経過し発見されたもので、区及びあんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)にて把握した件数を計上している」。そして、区内の六十五歳以上の高齢者の孤立死八十二件について、性別、年齢、発見までの期間、発見月、発見者、介護保険その他のサービス利用状況等を子細に分析したレポートとなっています。
最後に残る十一枚のページは、全て区の見守り施策の紹介となっています。当区で独自に把握した、この区内孤立死の調査結果について、六十五歳未満のデータもいただけないですかと、お問合せをしたところ、返ってきたメールでの回答はただ一言、六十五歳未満の状況は把握していないということでした。これのみです。
そこで伺います。区は六十五歳未満の現役世代の孤立死について、なぜ把握し、分析しようとなさらないのでしょうか。その命の重みと対策の必要性に変わりはないのではないですか。いかがですか。
◎有馬 保健福祉政策部次長 区における高齢者見守りの取組の中で、六十五歳以上について調査分析を行っておりますが、これまで六十五歳未満について把握してこなかったのが現状でございます。
孤立死は独居の高齢者だけではなく、どの年齢層にも起こり得ることだと認識しておりますが、現状は東京都監察医務院の孤独死の数値でしか把握をしておりません。区内でどのくらいの方が孤立した状態で亡くなっていたかを把握することは非常に難しいものと捉えております。
◆上川あや 委員 高齢者で把握できるものが、現役世代で把握できないはずなどないと思うのです。要は、現役世代への目配りが不足しているのではないでしょうか。さきに挙げた資料の後段、十一ページにもわたる見守り施策の中で、六十五歳未満でも御利用いただけるものは、どれとどれなんでしょうか。
◎有馬 保健福祉政策部次長 委員御指摘の資料でございますが、より早く異変に気づくための見守りや、安全確保のための高齢者を見守る仕組みでして、地区高齢者見守りネットワーク、高齢者あんしんコール、民生委員ふれあい訪問、あんしんすこやかセンターによるあんしん見守り事業の四つの見守りに加え、配食やごみの訪問収集などのサービス提供者による見守り、新聞販売やライフラインなどの事業者による見守り、地域の支え合いによる見守りがございますが、これらの見守りは基本的には高齢者を対象とした取組となっておりまして、六十五歳未満は対象としておりません。
孤独、孤立は人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得るものでございますから、現在実施しております高齢者の把握の仕組みが活用できないか、検討してまいります。
◆上川あや 委員 六十五歳未満の孤立死についても、もっと把握する努力が必要だと思います。東京都の監察医務院が公表する統計資料によりますと、令和二年度のひとり暮らしの者の死、つまり、単身の自宅住まいで他者により発見された死亡者の数、すなわち孤立死の数は、都内全体で七千六百七十三名となっています。このうち、六十五歳未満の割合は男性が三七・一二%、女性も一九・六九%です。つまり、現役世代の孤立死は男性で四割、女性で二割にも上りますが、区にはデータの蓄積も考察もなく、支援策もほとんどないというのが現状です。そこで見守りがあれば守れた命もあったのではないでしょうか。
今後は、六十五歳未満の孤立死についても把握、分析し、孤立死の予防や異変の早期発見の手だてを検討するよう求めますけれども、いかがでしょうか。
◎有馬 保健福祉政策部次長 区は、令和六年度からの次期地域保健医療福祉総合計画を来月から検討する予定でございます。計画策定に当たり、例えばヤングケアラーなどの関係部署をまたぐ支援が必要な方や、ひきこもりなど既存の制度では対応が困難な方など、複雑、複合的な課題や制度のはざまの方などを支援するための体制を検討することとしておりまして、孤独、孤立の問題につきましても検討する予定としております。
孤独、孤立の問題は年齢にかかわらず、また、御本人が抱えている課題も様々な事情が想定されますので、区としましては、高齢者を対象とした従来の見守り、施策等を拡大する中から実態の把握に努め、六十五歳未満の孤独死を含め、孤独、孤立に対する手だてを検討してまいります。
◆上川あや 委員 最後に、今、具体的に動ける支援策について伺います。
先週、現役世代の見守り支援に取り組むNPO法人エンリッチ代表の紺野功さんという方にお会いしてきました。二〇一五年二月、自宅のマンションで自営業をされていた当時五十一歳の弟さんを孤独死で亡くされ、現役世代に対する行政の無策を痛感したことをきっかけに、LINEのプッシュ通知に相手がタップをすることで日々安否確認をし、異変があれば登録した連絡先に知らせる、もしくはスタッフが駆けつける見守り支援事業を立ち上げ、御活動をされています。
現在のサービス利用者は約九千人。しかし、先月は一月で六百人の増加、先々月も一月で四百人の増加と、利用者も急増しているそうです。そこではサービス利用者の大部分が現役世代ですが、もしもの際の連絡先が書けないという方も多く、誰でもよいから書いてと求めても、実際に駆けつけてくださるとは限らない、こういった課題があるそうです。このため自治体との連携を模索されています。実際、二十三区全てに当たって協力関係をつくれたのは杉並と足立区の二区だけというのが、とても悲しいです。
六十五歳以上では、区も多くの事業者と見守り協力協定を結べているのですから、六十五歳未満の区民のために連携できないはずなどないのです。御協力いただけないでしょうか、伺います。
◎有馬 保健福祉政策部次長 委員御紹介のNPOの取組については、高齢者に限らず、多くの世代で現実に発生しているひとり暮らしの孤独死につながる健康不安、見守りや安否確認のニーズと受け止めております。他の自治体が六十五歳未満の方々の見守りをどのように実施しているかなどの対応例を参考にしながら、まず区として、御本人の安否確認への協力等、できる対応を検討してまいります。
◆上川あや 委員 速やかに改善を求めて、私の質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時六分休憩
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午後零時五十五分開議
○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、行政のDXに対する高齢者の方へのケアについてお伺いをいたします。
企画総務委員会の所管で、行政のDXを進めていただきたい旨の質問をしました。行政のDXを進めると同時に、大切なことは機器に不慣れな高齢者の方への対応です。行政のDXによりデジタル化を進め、働く世代の方々に対して手続を簡素化するとともに、デジタル化に不慣れな世代に対して手厚くケアをすることが行政の役割と考えます。
高齢者の方にデジタル化に向けて、デジタルでの申請を教えるとともに、できない場合には代わりに手続を行うなど、しっかりとケアをする必要があると考えます。例えば深谷市では書かない窓口を開設し、職員の方が申請書に必要事項を聞き取りによって記入する取組を始めており、渋谷区では高齢者の方にスマホを無償提供して操作に慣れてもらう取組を公表しております。
世田谷区でも書かない窓口の設置、また、高齢者の方へのスマホ無償配付など、DXの高齢者対策を具体的に検討していただきたく思います。見解をお伺いいたします。
◎望月 介護予防・地域支援課長 行政のDX推進と並行して、高齢者などデジタルに不慣れな方への対応を行っていくことは必要不可欠であると認識しております。高齢者のデジタルデバイド対策として、また、コロナ禍での高齢者のフレイルや孤立防止の方策として、あんしんすこやかセンターなどでのスマホ講座や、オンラインによる介護予防講座を実施しております。また、新型コロナウイルスワクチン接種のスマホ受付に当たっては、まちづくりセンター等において支援を行いました。さらに、福祉の相談窓口でのオンライン相談のモデル実施についても、これから取り組むこととしております。
今後の高齢者に対する行政のDX推進への対応は、DX推進担当部をはじめとする関係所管と連携して検討を進めてまいります。
◆ひうち優子 委員 ぜひ、高齢者の方に対する対策についてもよろしくお願いいたします。
次に、仕事をしながら介護をする方々への支援体制について、まず整備面について伺ってまいります。
平成二十六年に質問をいたしましたが、この点はサービス面、施設面、両面での支援が必要であります。団塊の世代の方々が七十五歳以上になる二〇二五年には、介護の必要な高齢者も増加すると言われており、国では介護保険制度を見直し、区でも計画の策定作業が進められております。介護に悩む四十代、五十代の働き盛りの世代が増え、介護のために仕事を辞めざるを得ない状況は深刻で、社会的損失も大きいと考えます。
特に、働きながら介護をする世代によっては、特別養護老人ホームは時間的にも金銭的にも不可欠であります。以前にも取り上げましたが、特養に入所できない方は老人保健施設を利用され、特別養護老人ホームの待機となっており、これは本来の老人保健施設の目的とは違いますが、在宅で介護できない方にとってはやむを得ないことだと思います。しかし、老人保健施設は三か月しか利用できないため、別の施設を探さなければならない状況で、仕事をしながら新しい施設を探すのは、なかなか難しいといった御意見を以前にいただいておりました。
そこで、特別養護老人ホームと老人保健施設の整備状況、今後の整備の考え方について改めてお伺いをいたします。
◎杉中 高齢福祉課長 区では、特別養護老人ホームについて、平成二十七年度から令和七年度までの中長期整備目標として、定員千人分の整備目標を定めております。進捗状況は、平成二十七年度から令和四年九月末現在で九施設、六百二十二人分の定員増が図られ、特養待機者数は平成二十六年度末に二千二十三人だったところ、令和四年九月時点で千三百七人となっております。
現在建設が進んでいる弦巻五丁目国有地における整備のほか、東京都住宅供給公社大蔵住宅の建て替えに伴い生じる創出用地等を活用し、今後さらに二百六十六人分の整備を見込んでおります。また、老人保健施設については、二十七年度以降、二施設百十六人分の整備を行いました。
今後、特養等について大規模団地建て替えの機会を捉えるなど、公有地を活用し、目標達成に向けて着実に整備を進めてまいります。
◆ひうち優子 委員 平成二十六年度末に二千二十三人の特別養護老人ホームの待機者が、令和四年九月で千三百七人ということで、かなり整備が進んでいるのかと思っておりまして、今後も着実に整備を進めていただきたいことを要望いたします。
次に、仕事をしながら介護をする方々への支援体制、サービス面についての支援についてお伺いをいたします。
サービス面では、介護をしながら安心して仕事をし続けるためには、急なニーズでも二十四時間対応してくれる定期巡回・随時対応型訪問介護看護、また、デイケアだけでなく、お泊まりや訪問ありといった急なニーズにも応えてくれる小規模多機能型居宅介護、また、ショートステイ、長時間のデイサービス、このように、働きながら、特に働きながら介護をする方々のために場所、時間に柔軟に対応するようなサービスの拡大が必要と考えます。これらのサービスの現状と、今後の整備の区の考え方をお伺いいたします。
◎杉中 高齢福祉課長 今、委員御指摘のサービスの整備状況ですけれども、平成二十七年度以降、小規模多機能型十か所、看護小規模多機能型五か所、定期巡回・随時対応型は四か所増加しました。また、現在ショートステイは二十四か所三百六人分が整備され、デイサービスは認知症対応型も含め、約二百五十か所となっております。なお、デイサービスは夜間まで延長してサービスを提供しているところもあります。
今後も、高齢者の在宅生活の継続及び家族介護者等の負担軽減のため、地域密着型サービスをはじめ、整備の充実に努めてまいります。
◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。
次に、認知症探索サービスについてお伺いをいたします。
高齢化が進み、厚生労働省が二〇二〇年時点において発表した認知症と診断されている方が、推計で全国で約六百万人、世田谷区では介護認定を受け、かつ日常生活に何らかの支障がある方は約二万四千人です。
認知症の症状の一つとして、道が分からなくなり帰ってくることができないなどの行動があり、行方が分からなくなってしまった方は全国で一万七千六百三十六人でした。ちょっと目を離した隙にいなくなってしまったというケースは、よくあると思います。御家族も警察に届けて近隣を探すのですが、なかなか見つからない現状があります。
認知症で行方不明になってしまう方に対する対策について、区の考えをお伺いいたします。
◎杉中 高齢福祉課長 区では、高齢者見守りステッカー事業として、認知症により外出先から帰れない等の不安がある高齢者の方に氏名、住所、連絡先等を事前登録してもらい、登録番号と高齢者あんしんコールの連絡先を記載したステッカーを配布しております。警察等に保護された際、二十四時間三百六十五日つながるあんしんコールを活用し、登録番号から緊急連絡先に連絡できる体制を整えております。また、社会福祉協議会では、せたがや一人歩きSOSネットワークとして、メール配信による早期の安全確保を目指す取組をしております。
今後も引き続き、高齢者の見守り事業に取り組んでいくとともに、地域との見守りネットワークの充実等、認知症の方が安全安心に外出できる地域づくりの実現に努めてまいります。
◆ひうち優子 委員 今後も、この認知症の方が安心して外出できるような仕組みについて、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 まず最初に農福連携、私は、六月の議会で農福教連携、教育の教というので取り上げた点について伺います。
今年度、六月の議会、一般質問で、今年度展開、実施されております農福連携事業の、そこの畑において、いわゆる福祉作業所に通っていらっしゃる障害のある方たちだけでなくて、そこの、まだ手前にいる小学校高学年、あるいは中学生といった子たちに農福連携のそこを体験してもらうということが、障害のある子たちにとってのキャリア教育的な場にもつながるのではないかということで提案をさせていただきました。その際に、教育委員会事務局側とも連携をしながら進めてまいりますということで御答弁いただいているんですけれども、現在の進捗状況についてお伺いします。
◎山田
障害者地域生活課長 農福連携事業は、これまで区内の障害者施設に通所されている障害者の参加によりまして、土に触れる、あるいは農作業そのものを体験するイベントとして、合計十回実施してまいりました。畝作りや種まき、実際の農作物の収穫など、ふだんの施設での作業では体験できないことを体験され、障害者の豊かな表情も見られて、同行した施設職員も充実した体験だったという声を聞いております。
こうした体験は今後の農福連携事業においても継続してまいりますけれども、単に施設に通所されている障害者だけではなく、地域にお住まいの皆様も参加して一緒に体験していくことが、障害や農地保全の必要性の理解につながると考えております。
お話しの特別支援学級との連携につきましては、農地の近隣の特別支援学級の参加を提案し、まずは試行として進めてまいります。
◆佐藤美樹 委員 まずは試行していただけるということで、私のほうも今後の推移を見ていきたいと思いますけれども、六月のときも申し上げましたけれども、非常にこの農福連携事業に期待を寄せている、障害のある子をお持ちの保護者の方たちも多いので、近隣の学校以外にも広がるといいなというふうに期待をしています。
次に、子どもの権利について、これもさきの予算委員会でも取り上げた論点なんですけれども、子どもの権利ということについて、子ども自身が、自分たちがその権利主体であるということを体感して、子どもの意見表明、参加表明というところの話になりますけれども、そういったことにつなげる取組がすごく大事ではないかということを、予算委員会でも取り上げさせていただきました。
そして、来月、子ども条例と子どもの権利に関するシンポジウムというものが予定されているということで、初の試みに期待をしているんですけれども、ただ、こうしたイベントをやって、結局一過性のものに終わってしまうのではなくて、やはりこういったシンポジウムで、子どもたち自身も参加すると聞いていますので、そこで得られた気づきであったりエッセンスを各現場の取組にも反映させていただきたいと思いますが、また、これはもともとが、子ども条例二十周年というところが起点となっての試みでありますので、子ども条例自体にもそういった気づきを反映させるような、そういう取組も期待したいと考えますが、今後について伺います。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 令和五年四月に施行されるこども基本法では、全ての子どもが健やかに成長することができ、心身の状況や置かれている環境等にかかわらず子どもの権利が守られる社会の実現を目指し、子ども政策を総合的に推進することを目的としており、国及び地方公共団体は、子どもや養育者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずることなどが規定されております。
現在区では、子ども・子育て会議に子どもの権利部会を設置し、こども基本法の施行も見据え、子ども条例や子どもの権利に関する今後の施策展開の議論を重ねており、今年度末を目途に子ども・子育て会議として報告書をまとめる予定です。加えて、十一月に開催予定の若者が参加するシンポジウムを通して、子どもの参加や意見表明の機会の在り方について意見交換を実施する予定でございます。
子ども条例施行後、二十年という機会に、今の子どもたちを取り巻く状況を捉えた条例と、権利に関する施策展開の在り方について、子ども・子育て会議等での議論を重ね、現行条例制定時にはなかった論点も含め、方向性を見出していくとともに、子どもの権利に係る区民意識の啓発、醸成にあらゆる広報媒体を活用するなど、創意工夫して取り組んでまいります。
◆佐藤美樹 委員 今回、国のほうでも、こども家庭庁の創設に際して推進体制というものが取られていて、その資料の中にも、かなり子ども、若者からの意見表明という言葉が重要な論点として取り込まれているなというふうに見ています。区のほうも積極的に、こういったことを意識して施策展開していっていただきたいと思います。
そして、最後に少子化対策についても伺います。これは総括質疑でも伺った点なんですけれども、かつては、世田谷区は国と逆行して子どもが増えていると言われていた時代もあるので、なぜ三年前から少子化に転じたのか。こういった要因分析も、まず必要じゃないかという点ですとか、それと、さらに言うと、六月議会で、そもそもこの保育サービスの拡充だけでは十分ではなくて、出産費用を含め、子育て世帯の経済的負担の軽減というところも、政策としてもう少し拡充していく必要があるんじゃないかという観点から、今ある、第三子を産む際に出産一時金に上乗せ助成をやっていらっしゃるんですけれども、これが第二子のところで必要なんじゃないかという質疑をしました。
その後、ほかの会派の方からも同様の質疑があって、区の答弁としては、都度、今後の国の動向、出産一時金の増額というような、そういった動向も見据えて検討しますというふうな答弁が繰り返されているように思うんですけれども、やはりこれは早めに手を打つ必要があると思いますので、いつまでに何を検討していくのか、どういうふうなタイムスケジュールでこういったことを考えていくのか、伺います。
◎小松 子ども家庭課長 区では、子育て世帯の経済的負担を軽減する目的で、平成二十一年度より第三子出産費助成を行っております。子育て世帯にとって出産費用は第一子、第二子にかかわらず大きな負担になっていることは認識しております。
制度の第二子以降への拡大の御提案に当たりましては、今後の子ども・子育て施策の充実を目指す中で、総合的に検討を行う必要があると考えております。実施に当たりましては相応の財源の確保も必要なことから、国の動向も踏まえまして検討してまいります。
◆佐藤美樹 委員 ちょっとあまり代わり映えのない御答弁かなとは思うんですけれども、やはり総合的な検討や、いつまでというところが非常に重要かと思いますので、また続きはほかの機会に問わせていただきたいと思います。
以上で終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。
◆そのべせいや 委員 まず、ペット基金が設立できないか。
世田谷区は、二〇二一年の犬の登録数は四万頭を突破し、都内二位の八王子市に一万頭以上差をつけて圧倒的な犬の町であり、また、猫はそれ以上に多く、区の推計によると八万匹、合計十二万匹は、人間のゼロから十六歳とほぼ同数で、総じて都心のベッドタウンならぬペットタウンと言えます。ペット愛好家が多く、ペット政策への要望もある一方で、さらに加速する高齢化、深刻な少子化を前に、現実的な優先順位としてペットに割く予算は長らく後回しとなってきましたが、ペット基金を設立し、愛好家の方々からのふるさと納税の受皿として、集まった予算で順次ペットとの共生環境整備が実現できないでしょうか。
◎佐藤 生活保健課長 区のふるさと納税を活用した取組は、特定の目的のために設立した基金に積み立て、継続的に事業に充当する場合や、個別のプロジェクトの原資とする場合がございます。
他自治体における動物関連施策のふるさと納税は、動物愛護に関する活動を行う団体への支援、飼い主のいない猫への対策事業、動物保護施設の建設費用等に充当しており、目標金額に対して高い達成率を上げております。人々の共感を得ながら継続的に事業を展開しているものと認識しております。
区は、昨年度から開催している世田谷区人と動物との共生推進のための連携協議会での議論や、現在改定している人と動物との調和のとれた共生推進プランの検討に伴う区民からの意見等を踏まえ、人と動物との共生の取組について、既存の基金活用によるふるさと納税の募集も含め、今後の事業展開について検討してまいります。
◆そのべせいや 委員 続いて、子育て情報の改善について。
二〇二〇年の決算委員会で、せたがや子育て応援アプリの抜本的見直しについて提案をしましたが、当時はユーザーアンケートの実施を検討とのことでした。いよいよリリースから九年目に入り、十年近く、ほぼアップデートのないこのアプリは、本格的に過去のものとなっています。
昨年のアンケートをどのように捉え、何が改善されたでしょうか。比較対象となる民間の子育てアプリ等と、また、他自治体のアプリと比較を用意せずに、使いやすいかだけ四段階で聞いたアンケートでしたので、本当に改善に資する情報がユーザーから引き出せたかは疑問が残ります。
既に、従来は子育てアプリでしか実現がされなかった出産予定日や月齢、年齢に応じたレコメンド機能については、世田谷区公式LINEアカウントで担えるようになりましたが、子育て応援アプリの唯一の価値が、ふだんから利用されているLINEというプラットフォームで実現できるようになった今、毎月三十万円の子育て応援アプリのランニングコストを、多くの機能を担うLINEアカウント全体の運用、二十五万円と比較してどう考えるのか、また、LINEの子育て情報登録者数と比較をしてどう捉えているのか、伺います。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 現在区が運営している子育て応援アプリにつきましては、ダウンロード者数が約四万七千人おり、直近の状況においても毎月約三百件程度のダウンロード数があることを確認しております。また、昨年のユーザーアンケートでは約百五十人の方に御回答いただき、約七割の方から満足との回答がございました。平成二十六年十月に子育て応援アプリを開設して約八年経過したところでございますが、これらのことから一定の評価はできるものと考えております。
一方で、この間も関係所管課と検討を重ね、委員御指摘の費用面をはじめ、LINEに移行した場合のメリット、デメリットを検証しているところでございます。現時点においてLINEによる取組のほうが費用対効果も含め効果が高いものと考えられることから、今年度中を目途に、子育て応援アプリから世田谷区公式LINEへの移行へ向けての調整を進めているところでございます。
◆そのべせいや 委員 また、子育て応援アプリの一コンテンツにもなっているイベント情報について、以前指摘をしたように、区役所ウェブサイトのイベントページから情報を引用していますが、現在のカテゴリー分けが文化・芸術、子ども・教育・若者、福祉・健康・スポーツ、講座・講演、その他と五つになっていることで、乳幼児向けの情報にアクセスしようとしても、ゼロ歳から高校生までを対象にしているイベントまで一緒くたにされており、必要な情報を得ることが難しいです。
再度細かく提案をしますが、現在一まとめになっている子ども・教育・若者を乳幼児、小学生、中高生及び若者といったように、対象、カテゴリーを細分化して、それぞれの対象に対して必要な情報が届くように情報を整理していただけないでしょうか。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 現在、子育て応援アプリの子ども関連イベント情報について、区ホームページの子ども・教育・若者のイベント情報に関するページのカテゴリーを引用しておりますが、日付ごとに一括してイベント情報を掲載していることから、その日の子ども関連のイベントについて、区内全体の情報が一覧で見えるという利点もあるかと考えております。一方で、委員御指摘のとおり、必要な情報だけを即座に探す場合は情報量が多く、目的のイベントを探しにくいという面もあるかと考えます。
今後、まずは子ども関連のイベント情報に関する区ホームページの表記について、児童館や学校などの現場の意見も聴きながら、関係所管課と連携してカテゴリーの見直しを検討するとともに、アプリからLINEへ移行する際には利用者の目線でコンテンツを再構築するなど、できるところから積極的に取り組んでまいります。
◆そのべせいや 委員 最後に、紙やPDFで散らばっている情報の集約と予約のオンライン化について。
再三申し上げているとおり、一定の世代以下向けの情報は、チラシよりもウェブ検索、SNSのほうが有用であり、オンラインファーストに前提を切り替える必要があります。各児童館のイベント情報は区のイベントカレンダーに細かく掲載されており、この点、大変ありがたいですが、一方、申込みについては、現地に足を運ぶか電話をする必要があります。子どもがお昼寝をしている、夜間帯など電話ができない、はばかられるシチュエーションであっても申し込めるよう、また、非電話コミュニケーションの世代が対象になっているからこそ、本庁ではない部署についても予約のオンライン化に対応していただきたいですが、各児童館でもオンライン予約受付の体制が組めないでしょうか。
◎須田 児童課長 現在、児童館では行事等の申込みは、子どもや保護者等との会話を大切にし、電話のほか、現地での申込みを主として行っております。これまでの申込み方法において、子どもや保護者等と直接会話することにより、児童館の行事以外のことも知ってもらうとともに、子ども・子育て家庭の状況や困り事等を知るきっかけとなるなどのメリットもあると感じております。
一方で、委員御指摘のとおり、児童館の時間外にでも申込みが可能となるオンラインを活用した申込み方法は、利用者にとって利便性が高いことも承知しております。子育てのため日中電話がかけられない方や、これまで児童館を利用したことのない方の参加を促す意味でも、今後、利用者ニーズのさらなる把握に努め、子ども・子育て家庭がより一層児童館を利用しやすくなるよう、オンラインを活用した申込みの手法についても検討してまいります。
◆そのべせいや 委員 さらに、おでかけひろばについても、イベント情報が一か所に集約をされておらず、それぞれの個別のウェブサイトに掲載をされている状態ですが、モバイルファースト時代に合わせた情報提供への切替え、また、区で一元的に集約できないでしょうか。そして、各イベントの予約方法についても、個々の事業者により差が出ていますので、申込みのオンライン化についても運営のスタンダードとして区から御案内いただけないでしょうか。
◎小松 子ども家庭課長 区が補助しておりますおでかけひろばは三十二か所ございます。それぞれのおでかけひろばが独自に毎月様々なイベントや講習会を実施し、周知方法も工夫しております。
委員御指摘のように、イベントや講座に関する情報は多岐にわたり、様式も一定でなく、PDFのみの案内も散見されます。それらのイベント情報は日々更新されているため、各おでかけひろばのホームページのアドレスを、区のホームページにリンクとして掲載することで、利用者が最新のイベントや講座の情報を得られるようにしております。
また、イベント等の申込みにつきましては、ICTに関しまして先進的な活用をしている、おでかけひろばとの情報共有などをしております。そちらのほうを支援してまいります。
○宍戸三郎 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。
◆神尾りさ 委員 世田谷区立児童相談所が開設されて三年目に入りました。この間、職員の確保ですとか育成が課題とされてきましたけれども、令和三年度の事業評価によりますと、職員の数が、児童福祉司が四十二名、児童心理士が二十一名となっておりまして、目標であった三十三名、そして十七名を大きく超えて達成しています。ただ、一方で、昨年度の全国の児童相談所が対応した相談件数が二十万七千六百五十九件となっていまして、過去最多を更新しております。これは今後も増加傾向が続くのではないかと予測されます。
世田谷は職員の人数的には確保できていますけれども、勤務年数三年未満の方が七割程度とも聞いておりまして、引き続き丁寧な教育や指導が必要とされます。
まずは、職員の育成における現状と課題認識について伺います。
◎河島 児童相談所副所長 開設から三年目となり、職員が業務に慣れ、日々の業務が円滑に進んでいると感じております。育成体制としては、固定した地区を担当しない児童福祉司が新任職員と一緒にケース対応し、バックアップ体制を取るとともに、児童相談所での勤務経験のある係長が全体の指導に当たるほか、日頃の実務を主導する職員のほかに、新任職員の不安や負担を聞き取る、いわゆるメンター的な役割を果たす職員を決め、定期的に振り返りを行うなど、経験の浅い職員の支えになるような工夫をしているところです。しかしながら、経験が豊かな職員が限られる中、新任職員に対し、知識面、技術面の指導をするという体制を維持していくことが課題であると感じております。
◆神尾りさ 委員 新任職員と経験のある職員が一緒に目標を設定して、丁寧な指導を行っているということが分かりました。
当区では心理的虐待の件数が多いという特徴が見られまして、また、令和二年度と三年度の児童虐待通告を比較しますと、児童相談所と子ども家庭支援センターに区分けされた件数というのが逆転しています。令和三年度、子ども家庭支援センターへの区分けの件数のほうが多くなったというところも特徴的です。児相と子家センのさらなる連携が必要となりますけれども、具体的にどのように連携していくのか伺います。
◎河島 児童相談所副所長 子ども家庭支援センターとの連携については、開設当初から目指した一元的運用の仕組みの下に、一時保護が必要なリスクの高いケースは児童相談所が対応し、いわゆる泣き声通告などの子育て支援が必要なケースは子ども家庭支援センターが対応するというような、それぞれの機能に応じた役割分担が適切に行われております。このような役割分担を円滑に進めるために、各地域で月に一回の定期的な合同会議での情報共有や支援方針の確認など、きめ細やかな連携を図っております。また、職員の育成についても研修体系等を一本化し、合同で研修を行うなど、理念の共有及び支援の質の底上げを図っているところです。
◆神尾りさ 委員 今ありました合同研修ですけれども、どのような内容なのか伺います。
◎木田
児童相談支援課長 子ども家庭支援センターと児童相談所の合同研修といたしましては、新任・横転職員向け研修、専門研修、事例検討研修などを実施しております。新任・横転者向けの研修では、児童相談所と子ども家庭支援センター、双方の基本的な業務の流れを習得するほか、ソーシャルワークに必要な知識をロールプレイなどを通して学んでいるところです。専門研修や事例検討研修では、関係機関連携に係る専門的な講義や、職員自身が対応した事例を振り返る、学びを深めることによって、さらなる知識の習得及びスキルの向上を図っております。
◆神尾りさ 委員 今、研修でロールプレイなども行うということだったんですけれども、今日は一点、提案をしたいと思います。
児相の職員さんが家庭訪問をしたときに保護者から実際に言われた言葉、例えば、人間として未熟だですとか、仕事を辞めろですとか、とてもきつい言葉を言われることがあります。職員の方々は日々、こういった暴言やどなり声などにも対応しながら、子どもの命を守るという重圧と闘っていらっしゃるわけです。
そういった職員の心の負担を軽減させながら研修を行うということを目的に、区内の東京都市大学の宮川准教授が開発した、バーチャル空間を使った指導方法というものがあります。ふだんの家庭訪問などの研修では、職員同士が親役と、それから職員役に分かれて行うんですけれども、お互いが顔見知りのために、なかなか緊張感が生まれづらいという課題があります。
しかし、バーチャル空間では、相手はアバターに、今日ちょっと持ってきたんですけれども、こうやってかぶります。それで見える環境が、この中に集中できて、自分役と、それから職員さん役の相手との間で研修を行うという内容で、そのときに心拍数を測る装置を取り付けます。それによって、研修中に自分のストレス度が上がる、心拍数が上がるというときに、そこで経験のある職員さんが間に入ってきて指導できるというようなことを開発されています。相手の言葉や表情、声の変化などにも集中できるということで、先ほどあったロールプレイを行う際に、こういった装置を活用して研修を重ねていくということで、激しい言葉を浴びせられても動じずに対応するための訓練ができるとされます。また、怒りの言葉の裏に隠された保護者の方の本当の気持ち、例えば、本当は助けてというような気持ちが隠されているというところも、理解できるようになるような訓練を行うそうです。
職員の心の負担の軽減や、スキルアップにつながるのではないかと思いますけれども、区の見解を伺います。
◎河島 児童相談所副所長 児童相談所職員が保護者とのやり取りの中で強い抗議を受けることも少なからずあり、特に経験の浅い職員が受ける心理的な負担は大きなものになっております。職員のメンタルヘルスを保つことは大きな課題だと考えております。また、スキル不足のためにうまく対応できないこともあるため、現在は経験豊富な児童福祉司が講師役となり、面接技術について具体的なイメージがつくれるように、ロールプレイを研修に取り入れるなどの工夫をしております。
今後、さらに研修内容の充実を図るため、お話にあったバーチャル空間を使った研修のような新たな研修方法についても研究、検討してまいります。
◆神尾りさ 委員 先ほどの、このVRと、それから心拍数を測る装置というものに簡易のものがありまして、特に心拍数のほうなんですけれども、簡易の装置があって、家庭を実際に訪問する際に、職員さんがそれを取り付けて行って、その場でストレス度を可視化して、自分のストレスがどのぐらい上がったかということを確認しながら対応できるということで、心理的ダメージの軽減にもつながるというふうにされます。
職員さんのメンタルヘルスを保つためにも、前向きにぜひ検討していただくよう要望し、以上で終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。
◆くりはら博之 委員 私からは障害者の方の就労支援について伺います。
障害の有無にかかわらず、多くの人が活躍できる社会を実現するには、地域全体で障害のある方や、その家族を支えるための取組が必要不可欠です。区は、区民や事業者の方々の障害への理解を深めるために、せたがやノーマライゼーションプランに基づく、先日可決された世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例、また、障害者雇用促進協議会による活動や、せたJOB応援プロジェクトなど、障害者雇用に関する様々な支援に取り組んでいます。
その中で、まずは世田谷区障害者就労支援センターゆに(UNI)の実績について伺います。この施設は今年で開設から七年が経過するわけですが、令和三年度の当該施設を通じて雇用につながった件数と、過去の実績や成果についてお聞かせください。
◎山田
障害者地域生活課長 ゆに(UNI)は上用賀アートホールに併設されておりまして、障害者総合支援法のサービスである就労継続支援B型などを提供する通所施設としての就労支援施設と、就労面と生活面の支援を一体的に行います障害者就労支援センターの二つの側面がございます。また、区内の障害者施設の自主生産品の販売を行いますフェリーチェが、就労支援施設の分場として第二庁舎入り口にあります区役所店と、喜多見駅前本店の二店舗ございます。
就労支援施設としての就職者数でございますが、直近三か年分としまして、令和元年度、二年度、三年度の順に六人、四人、八人となってございます。障害者就労支援センターとしての就職者数は、同じく直近三か年分といたしまして、二十人、十一人、十二人でございます。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございました。就労希望者数にもよるのかと思いますが、年度による偏りがあるようです。引き続き丁寧な支援をお願い申し上げます。
次に、障害のある方のスキルアップについてです。その方の特性や個性を生かすことはもちろんですが、就労に当たっては、その方自身のスキルアップも効果的と考えます。令和二年三月の世田谷区障害者(児)実態調査結果報告書によると、企業などで仕事をしている方の仕事の内容で一番多いのが事務の仕事で、次いでパソコンを使った仕事となっています。DX推進による変革が求められる中、パソコンの使用を基本としたICTに関する知識の向上も必要かと考えますが、区の見解をお聞かせください。
◎山田
障害者地域生活課長 障害のある方の就労の際には、パソコンを使った事務的な仕事だけでなく、出勤管理等、多くの職場でICTに関する知識が求められます。就労移行支援事業所であります、すきっぷでは、全員を対象としたパソコンの基本的操作習得をはじめ、個々の適性や職種の希望状況に応じて、エクセルやワードなどの使用方法など、ICTに関する知識であったり、スキルの向上を図るためのプログラムを用意してございます。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。プログラムを用意されているとのことです。DXが推進していく上ではパソコンは必要不可欠ですので、引き続きスキルアップに向けた支援をお願いいたします。
最後に、職場定着について二点お伺いいたします。まずは、区が行っている職場定着のための取組の概要と、就労定着率の実績を教えてください。
◎山田
障害者地域生活課長 職場定着の取組といたしましては、企業等に雇用された障害のある方が安心して働き続けられるよう、障害者就労支援センターなどの就労支援機関が、障害者からの相談を通して就労に伴う生活面の課題を把握するとともに、企業や関係機関等との連絡調整であったり、それに伴う課題解決に向けて必要な支援を行っております。
お話しの就労定着率につきましては、都のホームページにおきまして事業所ごとに公表されております。就労定着支援を提供いたします区内の事業所は九つございまして、就労定着率は五割以上七割未満の事業所から、九割五分以上の事業所となってございます。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。
続いてですが、先ほども申し上げた世田谷区障害者(児)実態調査結果報告書では、一般企業に就職したい方が就職するために希望する支援として、企業等での職場体験実習が最も多くなっておりますが、区の取組の状況を教えてください。
◎山田
障害者地域生活課長 企業等が障害のある方を実習生として職場に受け入れて、実際に業務を体験する職場体験実習は、雇用を考える企業等にとっても、就職を希望する障害のある方にとっても、就職後のミスマッチを防いで安定した就労を継続する上で大変効果が高いと認識してございます。職場体験実習は、ハローワークや東京しごと財団など、雇用支援を行っている団体においても、その重要性から職場体験実習を促す事業を各種展開しておりまして、当区の障害者就労支援センターからも、より多くの職場体験実習につながる場の希望がございます。
区は、こうした状況を踏まえまして、区の障害者雇用を促進するために設置されました世田谷区障害者雇用促進協議会におきまして、職場体験実習を前提とした企業を募り、雇用を考える企業と就職を希望する障害者のマッチングを図ることを目的といたしました、新たなプログラムの開催を予定してございます。区といたしましては、企業等に雇用された障害のある方が安心して働き続けられるよう、今後も各事業の実施を通して職場定着の促進を図ってまいります。
◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。定着率については運営事業者とも協力して、定着率を上げるよう支援をお願いいたします。それから、職場体験実習については、ぜひとも早期の実現をお願いいたします。
最後に、まずは、せたがやノーマライゼーションプランの基本理念を浸透させ、地域社会の理解を深めることが最も重要です。また、コロナ禍やDX推進などの社会の変化や実情に合った支援策としていくことも重要かと考えますので、引き続き、地域全体で障害者や家族の生活を支えるための取組を着実に進めていただくことを求めまして、私からの質問を終わりにいたします。
○宍戸三郎 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 先月の九月十九日は敬老の日でしたが、各自治体での敬老のお祝い品などを贈呈しているということで、私も二十三区のホームページを見て調べました。
お隣の渋谷区では、七十五歳以上の方にJCBのギフトカード五千円分とカタログギフト五千円、今年百歳になった方には花束と記念品とお祝い状を送っていたそうです。また、港区では区内共通の商品券、金額は七十歳が五千円、七十七歳は一万円、八十歳は一万五千円、八十八歳は二万円、九十歳は二万五千円、九十九歳は三万円、百歳以上の方には記念品と花束の贈呈だったそうです。
そして、江東区では、満七十七歳の方には五千円、数えで八十八歳の方には一万五千円、数えで九十九歳の方には二万円、数えで百歳の方には五万円、数えで百一歳の方には二万円を贈呈。そのほかにも、満七十五歳以上の方を対象に、長寿をお祝いする式典である敬老のつどいがあって、演歌歌手の原田悠里さんの歌謡ショー。
また、千代田区では七十五歳、八十五歳、九十一歳から九十九歳まで、でも、九十五歳の方は除いて一万円、七十七歳と八十歳は一万五千円、八十八歳と九十歳は二万円、九十五歳は五万円、百歳以上の方には六万円を贈呈し、そのほかにも、七十五歳以上の方全員、演歌歌手の藤あや子さんが出演する敬老会に招待したそうです。
それでは、期待の世田谷区では、先月、敬老のお祝いで区長さんと高齢福祉部長さんが百歳の方のお宅を訪問したと伺っていますが、区では、この訪問のほかに敬老のお祝いとしてどのような取組をしているのか、教えてください。
◎杉中 高齢福祉課長 区では、高齢者への慶祝事業として、満八十八歳及び満百歳になられる方に対して、長年にわたり社会の発展に寄与してきたことに敬意を表するとともに、その長寿を祝い、健康を祈念するため慶祝品を贈呈しております。
内容としては、区内共通商品券を百歳の方に二万円分、八十八歳の方に八千円分を郵送により贈呈しております。また、委員から御紹介いただいたとおり、百歳の方の中から御自宅への訪問による贈呈を希望される方一名について、区長が御自宅を訪問して直接慶祝品をお渡しし、お祝いしております。
◆青空こうじ 委員 百歳まで長生きできるということは本当に幸せです。すばらしいことだと敬意を表しているところですが、全国的に百歳以上の人口も年々増えていることです。
そこで伺いますが、世田谷区の百歳以上の先輩たちは何人ぐらいいるのか、お伺いします。
◎杉中 高齢福祉課長 九月一日現在、慶祝品の対象となる、今年度中に満百歳になられる方は区内に二百九十三名、百一歳以上の方は四百九十六名いますので、百歳以上の方は合計七百八十九名となっております。
◆青空こうじ 委員 百歳以上の方が増えているということは本当にうれしいことですが、お年寄りにはお年寄りのいいところや、また、得意なところがあって、例えば家で留守番してもらったり、小さいお子さんの面倒を見てもらったり、家族みんなにおばあちゃんの手作り料理を作ったり、活躍している方もいると思います。
そこで、せっかくなので、世田谷区で百歳、百一歳以上の方も含めて、お祝いしてはいかがなのでしょうか、お伺いします。
◎杉中 高齢福祉課長 委員御指摘のとおり、慶祝品の対象に百一歳以上の方も含めている区もあります。区として、百歳を超えても元気な方々に対して敬意を表することは重要であると考えております。一方で、百一歳以上の方は四百九十六名いますので、仮にその方たち全員に二万円相当の慶祝品を贈呈するとした場合、新たに約一千万円の財源措置が必要となります。また、高齢化の進展に伴い、対象者がさらに増加することが想定されます。
なお、いただいた御意見については、今後の事業の参考とさせていただきます。
◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。でも、今年は四百何十人いると言っても、その方も税金を払ってきたんですからね。よろしくお願いします。
私は、ちょっと話は変わりますが、毎月、新代田のあんしんすこやかセンターで介護者のつどいに参加しています。一人で悩まず、介護されている方同士が安心して不安や悩みを話したり、ほかの人の介護の話を聞いたりすることで、自分自身の心と体が軽くなると思います。また、あんしんすこやかセンターの職員も参加しているため、介護保険に関する質問にもお答えしてくれます。私も一昨年まで家族を介護していたので、定期的に連絡をいただけることも心の支えとなっています。
あんしんすこやかセンターでは、介護予防について、イベントや事業など、どのようなものがあるのか教えてください。また、同じ建物の中にあるまちづくりセンターとあんしんすこやかセンターと社会福祉協議会、そして児童館が、地区に暮らす高齢者の介護予防のためにも、どのような話合いや連携をしているのか、教えてください。
◎望月 介護予防・地域支援課長 あんしんすこやかセンターでは、御自宅訪問をした方や介護などに参加した方を対象に基本チェックリストを行い、リスクの発見に努め、早期に状況に応じて必要な介護予防のサービスの利用等につないでおります。
介護予防に取り組む場として、あんしんすこやかセンターでは、はつらつ介護予防講座や高齢者の生活に役立つテーマを扱う、いきいき講座を開催しております。また、住民グループによる体操教室など、介護予防活動や地域デイサービスを支援し、参加の場を確保しております。さらに、フレイル傾向の高齢者に筋力アップ教室や丸ごと介護予防講座などを案内したり、理学療法士等、専門職員を御自宅へ派遣し、介護予防の個別のアドバイスを行うこともございます。
四者連携会議では、例えばコロナ禍では、高齢者の外出支援により、体力や認知機能の低下が大きな課題となっており、この対策として、自宅にいても交流や体操をする方法としてスマートフォンの活用を進めております。今後とも四者連携により地区の課題を把握し、若い世代を巻き込みながら連携し、介護予防を進めてまいります。
◆青空こうじ 委員 せっかく三者が同じ建物にいて、そして、今年度から児童館が加わり、四者で連携を進めているのですから、その環境を、ぜひ高齢者の健康、長寿のためにも生かしてください。
以上で質問を終わります。
○宍戸三郎 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後一時四十四分休憩
──────────────────
午後二時開議
○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆石川ナオミ 委員 自由民主党、福祉保健所管の質疑をいたします。
昨年五月に災害対策基本法の一部が改正されまして、私たちの災害時の避難に関する行動も、より高い意識で臨めるようになってきました。ここ数年、ニュースでも観測史上初ですとか、異常気象のということで、この言葉そのものにも、非常にいつ大災害が起きてもおかしくない、もう災害との隣り合わせであるということを感じずにはいられない状況でもあります。ですから、避難に関する準備は平時の段階で完了しているということが、もうもはやベストであるということでもあります。自治体や個人レベルでもBCPの策定や物資の備蓄などに取り組むことが命を守る鍵ともなります。
そこで、松原にあります通称うめとぴあの保健医療福祉総合プラザ、こちらにおけます災害時の対応について三点質疑をしてまいります。
総合プラザは災害などの発生時には区の医療救護本部としての機能も有しておりまして、そのプラザ内には薬剤師会が行う救急薬局も含まれております。この薬といいますと、私も消防団員として避難訓練などに参加をして、実際に稼働しているときにも、参加者の方から、こういう避難をした際の、例えば持病で高血圧の薬を飲んでいますとか、糖尿病の薬を飲んでいますといった方々から、実際に避難先で薬がなくなったときにどうしたらいいんだろうか、そんな不安のお声もいただくことがあります。
災害時には、お医者さんなどの専門人材の配置はもちろんなんですが、常備薬などの保管も重要であると考えます。こうした不安の声にも対応していただくためにも、救急薬局での薬の備蓄及び薬剤師の配置などについて、区としてはどのようにお考えでしょうか。見解を伺います。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 大規模災害が発生した際には、負傷者等への応急措置に多くの医薬品が必要とされるなど、平時からの薬の常備ですとか、災害時における薬剤師の配置というのは重要なものだというふうに認識してございます。
区では、地区薬剤師会との災害協定におきまして、救護所等における薬剤師の配置に加えまして、備蓄している区の医薬品に不足が生じた際に、医薬品の供給を薬剤師会に要請できることになってございます。一方、地区薬剤師会におきまして、区の保管庫が、今お話がございました保健医療福祉総合プラザから場所が離れているということも鑑みまして、それから、施設の老朽化の状況ということもございまして、移設に向けた検討を現在しておりまして、薬剤師の配置も含め、区と協議を始めたところでございます。
また、移設の時期などを含めまして、今後も引き続き協議を進めまして、平時、災害時等への備えができるよう環境を整備してまいります。
◆石川ナオミ 委員 今、御答弁にもございましたけれども、三宿にございます薬剤師会事務所は建物の老朽化が進んできているということで、安全性の担保というところからも、やはり移転については喫緊の課題となっております。ですから、総合プラザへの移転は、ぜひ前向きに検討していただきたいというふうに思います。あわせて、災害等の有事に限らず、先ほども申し上げましたが、やはり平時からの準備が大事であるということで、薬の備蓄も重要でありますから、ぜひ前向きに進めていただきたいというふうに思います。
また、平時においては在宅医療で必要とされる点滴ですとか注射など、無菌状態で調製しなければいけないということもされております。そこで、総合プラザ内への移転が現実的なものになるのであるならば、この救急薬局の活用の一つといたしまして、無菌調剤室などの設置が考えられるのではないでしょうか。現在、区内に薬局がおよそ四百か所ございますが、無菌調剤ができるところが十九か所で、うち八か所が共同利用できるというふうに伺っております。区として、総合プラザ内に無菌調剤室の設置についてはどのようにお考えでしょうか。見解を伺います。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 今、委員のほうからお話しいただきましたが、在宅医療という観点ですが、例えば、がん患者ですとか医療的ケア児等の、在宅で安心して療養生活を送るためということで、今お話があった無菌調剤室の活用につきましては、その重要性を認識しているところでございます。また、地区薬剤師会からも、高い無菌性が求められる在宅療養者に対する安全な調剤のため、また、複数の薬局の薬剤師が共同利用できるということで、無菌調剤室設置への御意見を伺っております。
区といたしまして、必要性などにつきまして多くの御意見を聴きながら、設置に向けた検討材料を、今、集めてございまして、予算面ですとか設置時期などを含めまして総合的に判断してまいります。
◆石川ナオミ 委員 様々な課題はあろうかと思いますけれども、やはり区民の皆さんの安心安全という観点からも、ぜひ御検討いただきたいなというふうに思います。
さて、ここまでは救急薬局に特化して質疑をしてまいりましたが、三点目は、保健医療福祉総合プラザ全体としての機能について伺ってまいります。
総合プラザは救急薬局のほか、もう皆さん御承知のように、幾つかの施設が併設をされております。プラザ全体の施設管理におきましては、指定管理者を導入しているというところでもございます。そこで、今後、この総合プラザを所管する立場から、災害時の拠点としてどのように機能拡充を図っていくとお考えでしょうか。答弁をいただきます。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 保健医療福祉総合プラザでございますが、今、委員お話ございましたが、世田谷区医師会や保健センターなど、多くの専門人材がそろってございます。また、施設の管理運営におきましては、施設全体の調整機能の役割をプラザの指定管理者が担っているところでございます。
震災等の災害発生時に設置される医療救護本部ですが、保健所が主体となり指揮命令を行うことになりますが、プラザの指定管理者におきましても、本部機能の運営に支障が出ないよう、来館者への対応、避難所への誘導など、当該本部へのサポート体制を整えているところでございます。
今後に向けましては、施設全体で災害時における施設機能が十分に発揮できるよう、関係所管やプラザ内の各施設と、平時からの避難訓練などを通じまして、施設全体の役割ですとか取組の再点検を行いながら、災害時等における取組の拡充につきまして検討を重ねてまいります。
◆石川ナオミ 委員 ぜひお願いしたいと思います。医療救護本部は保健所が主体となりまして指揮命令を行うということでもありますので、災害時におけるそれぞれの役割なども改めて点検をしていただきまして、日頃から関係所管との連携もしっかり図っていただきながら、ぜひ進めていただきたいということを要望いたします。
そして、ここからは障害者施策について伺ってまいります。午前中も他会派からも質疑がございました、うめとぴあのもう一つの施設、東京リハビリテーションセンター世田谷について伺ってまいります。
こちらはオープンから三年半がたちました。大きな期待と、そして、開所当初は様々な皆さんからの厳しい御意見などもございましたが、運営改善に努めてきたというふうに伺っております。こちらの施設のうち、地域生活支援型の入所事業は、この施設の主な事業となっております。しかしながら、この入所事業は、障害のある方がずっとこの施設で生活するのではなく、一定の期間を経れば地域に移行していくという、利用期限が設けられているわけですね。退所者に伴う利用調整の課題から、先日の福祉保健常任委員会でも報告がございましたけれども、今年の四月一日時点の状況では、五十床あるうち十五床が空きがある状態であると。また、最新の状況ですけれども、九月三十日時点では二十床の空きとなっているということなんですね。希望者は非常に多いというふうに思いますけれども、ニーズとの乖離が生じているんじゃないかなという、そういった課題も散見されます。
こうした点も含めまして、今後、この施策をどのように進めていくとお考えでしょうか。方向性も改めて伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 東京リハビリテーションセンター世田谷・障害者支援施設梅ヶ丘が開設して四年目となりました。開設当初は、委員お話しのとおり、若干運営に混乱があったものの、利用者が望む地域移行を着実に進めているところでございます。しかしながら、梅ヶ丘拠点の整備の検討が始まってから十年が経過いたしまして、当時の利用者像と現在の施設利用ニーズとの差が生じております。
そのため、区と運営事業者と何度も検討を重ねながら、現在の通所先を変えずに入所支援を希望する方に対しまして、日中支援と夜間支援の一体的提供の一部見直しであったり、空床の対象となっている障害特性の方を的確にマッチングできる情報提供体制の強化、これらを図る取組につきまして、九月二十七日の福祉保健常任委員会で御報告させていただきました。
また、入所を希望しながらも安定した支援を受けたいけれども、三年を目途に地域移行する仕組みがあることから、利用をちゅうちょする方も多いという声も聞いてございます。施設利用が必要な方のニーズは何なのか、これらを把握いたしながら、利用者に望まれる施設となるよう、引き続き施設側と検討してまいります。
◆石川ナオミ 委員 御答弁の中にもございましたが、三年を目途という利用期限を設けているということで、利用者の方々がちゅうちょせざるを得ないという面もあるということなんですよね。ですから、せっかく作ったこの施設が利用しづらいということでありますならば、見直しも必要だと考えます。利用期間についても、区は、こちらは工夫してほしいなということを改めて考えるんですけれども、こちらについての見解を求めます。
◎山田
障害者地域生活課長 障害者支援施設梅ヶ丘は、重度障害者を対象とした地域生活支援型の入所施設でございまして、これはお話しのとおり、ついの住みかではございませんで、一定程度期間を設けて支援をしていくこととなってございます。しかしながら、障害特性によりまして、一律的な支援機関では地域移行は難しいとの面もございます。利用をちゅうちょする一因となってございます。
また、区内には地域移行先であります重度障害者を受け入れるグループホームが少なく、整備運営事業者の決定いたしました千歳台三丁目の区有地、また、東京都住宅供給公社大蔵住宅の創出用地を活用しました新規施設の整備、あるいは、今年度から基準を満たす重度障害者を受け入れた場合に、グループホームへの新たな補助制度を創設するなど、受皿作りを懸命に進めているところでございます。
地域移行は、利用者やその御家族の御意向を最大限尊重することが第一優先であると考えてございます。区内における移行先の整備状況であったり、その他の利用ニーズを把握しながら、当初のコンセプトを基本としつつも、重度障害者の地域移行支援の在り方や、利用期間の柔軟な対応につきましても、運営事業者とともに引き続き検討してまいります。
◆石川ナオミ 委員 東京リハビリセンターを退所してからの受皿となる施設も、今、非常に不足をしているといった、そうした課題もございますので、そちらにも対応していただきたいというふうにも思います。いずれにしましても、東京リハビリセンターが、皆さんが利用したいというふうに思える施設となるように、区としても引き続き取り組んでいただくように、改めて要望いたします。
そして、続きましては、緊急時バックアップセンターについて伺ってまいります。
先日、モデル的に北沢地域で開設をされました、この緊急時バックアップセンターは、障害者と御家族の緊急時に対応、相談するものでありまして、いわゆる親亡き後の支援にもつなげていくという事業でもございます。当面、国や都の補助金を活用していくということですが、今後も、この北沢地域だけではなくて、世田谷区全域で実施できるようにするためにも、補助金などの財源確保を努めていくということが必要だと考えます。こちらについての見解を伺います。
◎宮川
障害施策推進課長 障害者の地域生活支援拠点等整備事業につきましては、この十月から北沢地域においてモデル実施を開始したところです。新規で開設しました緊急時バックアップセンターは、障害者と家族の緊急時に二十四時間対応し、当面の生活の維持のためのコーディネートなどを行います。特定財源といたしましては国や都からの補助金を見込んでおりますが、補助対象経費の考え方や他事業との案分により、この事業の特定財源の確保は三分の一程度となっております。
地域生活支援拠点等整備事業は、今年度の取組についての評価、検証の後、区内全域への展開や機能拡充を行う予定でありまして、これに当たり、国や都の他の補助金の活用の可能性を探り、これまで以上に特定財源を確保できるよう、関係所管とも連携し、検討してまいります。
◆石川ナオミ 委員 まずは財源確保で、やはり見通しを立てていかなければいけないということも、継続していくということが大切ですので、ぜひそのあたりも先を見据えて取り組んでいただきたいというふうに思います。
先日、実はずっと寝たきりで生活をしていらっしゃる障害のある区民の方がいまして、その方のお宅に伺って、いろいろとお話、御相談なども承ってまいりました。たまたまその方が「広報せたがや」を御覧になりまして、このバックアップセンターのことが載っていて、ここの記事を御覧になって、もうこういう支援を待っていたんですよということを本当におっしゃっていました。
実際に、その方のお宅では、その方御自身と、そして御高齢になるお母様がいて、お母様が本当に高齢になってきていて、この後のことをどのようにしていくのか、もう不安で不安でしようがないということを涙ながらにお話をされていらっしゃったんですね。ですから、こうした方々の不安に寄り添えるという施策であってほしいということを願っております。
さて、この緊急時バックアップセンターは、今、一部でということなんですけれども、今後、大きな期待が寄せられているということも含めまして、全区的な展開としてはどのように進めていくでしょうか。部長の意気込みを伺いたいと思います。
◎須藤 障害福祉部長 先般議決いただきました条例、そちらと、あと国連の勧告がございました。こうしたことを踏まえまして、まずしっかりと施策として展開していけるようにしたいというふうに考えております。
その中で、特にこれまでの世田谷区の施策から一歩踏み出すというような形で、この緊急時バックアップセンターをやってまいりますので、そうした中で、まず北沢での試行、こちらをしっかりと行っていって、利用者のニーズの把握ですとか、それから課題をしっかり捉えていきたいというふうに考えております。
そうしたノウハウの蓄積と、それから検証、こちらのほうも少しちょっと時間をいただくかもしれませんけれども、しっかり行った上で、当事者の方ですとか、それから御家族、それからまた議会の皆さんも含めまして多くの御意見をいただいて、期待に応えられるように来年度の全区展開を目指してまいりたいというふうに考えてございます。
◆石川ナオミ 委員 本当に期待されていらっしゃる方が多いですので、ぜひこちらはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
そして、もう一つ、障害者施策につきましては、医療的ケアが必要なお子さんへの支援について伺ってまいります。
私が議員になりまして初めての質問をさせていただいたのは、八年前ということになりますけれども、それから、この医療的ケアが必要なお子さんに対する支援、もう八年前から比べると、法律ができまして、随分と前に進んできたなということは改めて感じるんですが、ただ、まだまだ改善していくべきところはたくさんございます。
以前にも改善要望いたしましたが、放課後のデイサービスなどの通所施設は不足しているということ、そして、この夏、我が会派でも、その会の方々の皆さんからヒアリングをさせていただいたときにも、こうした御要望もいただいておりました。安心して預けられる施設、また、看護師の育成について、どのようにお考えでしょうか。答弁を求めます。
◎越智
障害保健福祉課長 現在、医療的ケア児が通所している児童発達支援、また、放課後等デイサービスの施設は区内に十二施設ございますが、令和四年度の医療的ケア児の人数は、推計ではございますが約百八十人、百八十九人と見込んでおり、全ての方が十分に通える状況とはなってございません。
新規施設の整備に当たりましては、学識経験者の御意見なども踏まえまして、保護者等に通所ニーズに関するアンケートを実施いたしまして、今後、その結果を踏まえながら必要な整備の在り方について検討してまいります。あわせまして、医療的ケア児が安心して通える施設にするために、その課題といたしまして、看護師をはじめとする担い手の育成がございます。日頃、顔を合わせる機会の少ない訪問看護ステーションや障害児者の通所施設に勤務する看護師を中心とした作業部会を開催いたしまして、課題の共有やネットワークづくりを行い、各施設での質の向上を目指しているところでございます。
今後、取りまとめた意見を次のノーマライゼーションプランに反映いたしまして、看護師の育成や確保、そして看護師同士が支え合える仕組みの構築を図ってまいりたいと考えてございます。
◆石川ナオミ 委員 医療的ケアが必要なお子さんに対しての支援、様々な角度から取り組んでいかなければなりませんが、有事の際の蓄電池、バッテリー等の支給につきましては、これは実現をしまして、うめとぴあにも非常用電源の確保ができたというところで、非常に今後は、この医療的ケアが必要なお子さんが、やはり私もそうなんですよ。実際に接していく中で、ああ、大きくなったなというふうに感じる、そのやっぱり成長があるというところでも、やはりお子さんが成長して、例えば十八歳以上になってきたというときに、医療的ケアが必要な方の対象枠も広げていかなければいけないなというところがあろうかと思います。ですから、本当にそういった意味では、幅広い医療的ケアが必要な方々への支援という観点で取り組んでいただきたいということを要望いたします。
さて、最後は、人と動物との調和のとれた共生推進プランについて伺ってまいります。
我が家にも愛犬が二頭、二匹と言うんでしょうかね。おりまして、一匹は七年前から飼っておりますけれども、散歩しておりまして改めて思いますことは、ここ最近、本当にワンちゃん、猫ちゃんを飼っていらっしゃる御家庭が増えたなと。散歩でも、すれ違う方が非常に増えてきたなということを感じております。
コロナ禍を契機としまして、癒しを求めるとか、ライフスタイルが変わってきたというか、ライフスタイルの充足をということで、犬とか猫ちゃんを飼うということ、迎え入れている御家庭も多いんじゃないかなというふうに言われております。
実際に、宍戸委員長のお宅にもワンちゃんが二匹いらっしゃいますね。我が会派の畠山議員のお宅にもワンちゃんがいますけれども、こうした身近に動物を飼っているというところで犬猫談義ができるぐらいに、日頃からのコミュニケーションの一つとしても、本当にペットというのは、コンパニオンアニマルというのは家庭の中だけではなくて、コミュニケーションの一つとしても広がりつつあるんじゃないかなというふうに感じております。世田谷区におきましても、昨年度は犬の登録件数が四万八百六十九頭と。もうこれは過去最高を記録しているということで、ペットの存在は、より大きなものになっているのではないでしょうか。
その一方で、ここ数年、健康上の理由をはじめとした飼い主の様々な事情によりまして、動物の飼育が困難になる事例が多く生じてきております。いわゆる多頭飼育崩壊の状態も見受けられるということで、飼い主やペットだけではなくて、これが近隣住民の生活環境を脅かすという、非常に残念な状況にもなってきております。このことは私のもとにも、実際に猫の多頭飼いということでのお宅のトラブル、御近所トラブルということで、御相談をいただいたこともございまして、実際に、そちらのお宅にも伺って見せていただきましたけれども、やはり猫の排泄物の後始末という処理で、結構精神的にまで追い込まれてしまうといった、本当に切実なお困りのお声も伺っております。
さて、区では世田谷区人と動物との共生推進のための連携協議会を設立いたしまして、平成十七年に策定されました人と動物との調和のとれた共生推進プランを社会情勢に合わせて内容を改定しているということで、そこで、三点伺ってまいります。
まずは、猫の不妊去勢手術の助成ですとか、ボランティア団体への支援について、現状はどのようになっているでしょうか。
◎佐藤 生活保健課長 区では、飼い主のいない猫の増加を予防するため、飼い主のいない猫の手術費用の一部助成を行っております。あわせて、飼育困難状態の発生を防止することを目的に、飼い猫に対しても手術費用の一部助成を行っております。
ボランティア団体の支援につきましては、区とボランティアによる意見交換会を開催し、様々な事例の情報共有や事例研究を行っております。多頭飼育崩壊や動物虐待も疑われるような困難事例が発生した場合は、ボランティアと東京都動物愛護相談センターや各警察署をつなぎ、解決へ向けての橋渡しを行っております。また、協働して飼育困難や多頭飼育崩壊の解決に取り組んだボランティアには、活動内容に応じて助成金を交付する事業を今年度開始しております。
今後も引き続き、区民と動物が安心して暮らすことのできる生活環境の実現を目指し、区民、ボランティアや団体にとって使い勝手のよい制度となるよう、検討を進めてまいります。
◆石川ナオミ 委員 ボランティアの方々も非常に献身的に取り組んでいらっしゃいますので、そうした方々への支援というのも、しっかりお願いしたいところでもございます。
この支援なんですが、令和三年度予算と執行状況について伺ってもよろしいでしょうか。
◎佐藤 生活保健課長 委員お話しのとおり、犬や猫の飼育頭数は増加しており、その背景には、コロナ禍による在宅時間の増加も要因の一つと考えられ、令和三年度、飼い犬の登録数は過去最高の四万八百六十九頭でございました。猫は登録制度がないため、正確な飼育頭数は把握できておりませんが、民間調査によると、全国的に増加傾向にある旨の報告がなされております。
犬の新規登録数、令和元年度までは二千七百頭だったものが、令和二年度、三千八百頭程度で、それから、令和三年度が三千七百頭程度と、顕著に増加しているというところでございます。
不妊・去勢手術助成の件数は、令和二年度より三百件程度増加し、それ以降、横ばいの傾向にございます。令和三年度の猫の不妊去勢手術助成金、予算額、決算額ともに六百六十二万三千円、執行率は一〇〇%でございます。
ボランティア団体の活動支援助成金につきましては、今年度、新規事業として予算を計上し、試行的に実施しております。事例等への対応状況を連携協議会に報告し、事業の課題等を整理し、来年度以降の本格実施につなげてまいります。
◆石川ナオミ 委員 本当に、先ほども触れましたけれども、高齢者の方々が入院などで飼育困難になった場合に、多頭飼育崩壊で御近所トラブルにもなっているというような、そんな状況もございますので、動物との共生においては、この問題は避けては通れないといったところの重要な問題でもございます。
今後、世田谷区としては、こうした問題にどのように取り組んでいくとお考えでしょうか。
◎佐藤 生活保健課長 近年、飼い主が高齢、入院等、様々な理由により飼育が困難になる事例、それから、飼い主の判断力の課題等により、ペットが管理し切れない頭数になる多頭飼育崩壊の事例が発生しております。区は昨年度、人と動物との共生推進のための連携協議会を設置し、人と動物との調和のとれた共生推進プランの改定を進め、その中で飼育困難事例や多頭飼育崩壊の対応への協議を行っているところでございます。
現在開催している連携協議会における議論で、飼育困難や多頭飼育崩壊に至る前の予防、防止等を行うことの重要性が確認されました。協議会の分会においても予防策の一つとして、区民が身近に動物に関する相談、連絡が行える制度について議論を進めているところでございます。引き続き内容を詰め、プランへ反映させるとともに、具体の施策として構築してまいります。
◆石川ナオミ 委員 相談窓口がどこなのかということすらも、やっぱり区民の皆さんはお分かりにならない方もいらっしゃいますから、そうした相談のしやすい、また、相談をどこにするのかといった情報も、しっかりと届けていただきたいというふうに思います。
地域猫の課題などは、もう本当に行政が、ぐっと踏み込んでいかなければならない、そうした対応をしていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質疑を終わりといたします。
続いて、山口委員と替わります。
◆山口ひろひさ 委員 大きい声でやると委員長に怒られてしまいますので、元気ですか。元気があれば何でもできるということで、プロレスの一時代を築き上げましたアントニオ猪木こと猪木寛至さんが残念ながらお亡くなりになられたわけですけれども、僕もこの委員会の中で、ちょっとプロレスの話に触れたことがありまして、日本のプロレスといったら街頭テレビの、やはり力道山から始まりまして、それからジャイアント馬場、そして、アントニオ猪木の時代になっていくわけです。
日本プロレスということで二人は一緒にやっていたんですけれども、やがてたもとを分かち合って、ジャイアント馬場は全日本プロレス、そして、アントニオ猪木は新日本プロレス、これを設立いたしまして別団体になるようになりました。
長年やっぱりライバルですから、ジャイアント馬場対アントニオ猪木というのはプロレスファンからは熱望されたわけですけれども、その熱望は夢となってしまったわけであります。どちらかと言うと、ジャイアント馬場の全日本プロレスというのはオーソドックスなプロレスを続けています。アントニオ猪木は、自身の異種格闘技というんですかね、こういうのを行いながら、プロレスこそ、やはり最強の格闘技だという、そういう路線を歩んでいました。
私が本当に小さい頃ですけれども、ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリとアントニオ猪木、アリキック、こういうのも生まれました。世紀の凡戦だと批判をされましたけれども、時がたつにつれて総合格闘技の原点であったのではないかというふうに称賛されております。
このアリの試合のほかにも異種格闘技ということで、ミュンヘンオリンピックで金メダルを取った柔道のルスカ、それとも戦ったり、僕が一番覚えているのは、熊殺しで有名だった極真空手のウィリー・ウィリアムス、この一戦なんかは本当に記憶に残っているところですけれども、やがてプロレスから政界にデビューをいたしまして、スポーツ平和党を設立して、得意技、国会にまんじ固め、消費税に延髄蹴りということで見事当選を果たしてきたわけであります。猪木の得意技というのはやっぱりまんじ固め、延髄蹴りですけれども、片方のジャイアント馬場の得意技というと、脳天唐竹割り、あと十六文キック、そして極めつけが三十二文ロケット砲。
若い方は御存じないかもしれませんけれども、三十二文ロケット砲というのは何だというと、単なるドロップキックなんですね。単なるドロップキックなんですけれども、私がプロレスを見てきて、ドロップキックで三カウントを取った選手というのは、ジャイアント馬場以外、あまり見たことがないです。この三十二文ロケット砲もだんだん年を取ると、悲しいかな、見られなくなってきたわけですけれども、それだけ体力を使う技なのかなというふうに今は感じています。
猪木さんは、政界の中でも、そのプロレス等を利用して北朝鮮との交流を重ねたり、また、一味違った活躍をされてきました。全盛期のプロレスファンとして、本当に心からお悔やみを申し上げますし、御冥福をお祈りしたいなというふうに思っております。
この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし、踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる、迷わず行けよ、行けば分かるさ、ありがとう、そういう気持ちで、聞けば分かるさということで質問に入りたいと思います。
私は、まずeスポーツ、この件に関して質問をしたいと思います。
このeスポーツに関しては、区民生活領域でも我が会派の河野委員が、やはりeスポーツは世田谷区として明確な位置づけをするべきじゃないかというような質疑もありました。一般質問の中でも、このeスポーツ、多く語られてきたわけでありますけれども、僕は、今日はこの位置づけというところから少しそらしまして、高齢者に与えるeスポーツの効果、こういった視点から少し質問をしたいなというふうに思っています。
このスポーツというと、やはり体を動かす、これが伴うものかなというふうに考えがちですけれども、実はスポーツという意味には楽しむという意味もあるそうで、やはりこのeスポーツの中にも体を動かすものもあるわけですけれども、しかしながら、シューティングゲームとか格闘ゲーム、パズルゲーム、こういったものもeスポーツの中に含まれるそうであります。
テレビゲームのはしりといいますか、よく学生の頃、ゲームセンターとかに行ってブロック崩しとか、あと、僕がちょうど学生の頃にブームだったスペースインベーダー、もう千円札を両替機に入れて、百円玉をいっぱい持ってゲームセンターや喫茶店、よく行きました。よく考えれば、喫茶店でコーヒー一杯飲んでゲームをやるわけですけれども、その何十倍ものお金を払っていたということですよね。今考えれば、よくやっていたなというふうに思いますけれども、このテレビゲーム、はしりですけれども、僕も子どもができて、それからファミコンブームが来て、スーパーファミコンなんていうのも買いましたけれども、よく子どもとテレビゲームをやりました。
ストリートファイターというのはよくやったのを覚えていて、波動拳とか昇龍拳、この出し方を子どもから教わりながら一緒にやっていたんですけれども、こうしたストリートファイターというゲームもeスポーツに入るということでありますので、そういう意味では、体を動かすことと楽しむということで非常に幅広いのがこのeスポーツになるわけです。
全世界では非常に盛り上がっているそうですけれども、今までゲーム大国だった日本では、あまりちょっと、河野議員もいろいろこの質問もしていますけれども、盛り上がっていないというか、一千億円以上、世界のレベルでは市場があるそうですけれども、まだ日本のほうでは数億円規模で、ただ、これから新たな企業の参入というものもありますし、そして、今、誰でも一台持つのが当たり前になってきましたスマホ、これでできるゲームもeスポーツに組み込まれているそうでありますので、そういう意味では、これからこの発展というのが日本においても期待できるところです。
このeスポーツの魅力というのは、性別、年齢に関係なく、まず誰もが楽しめるというところだと思います。それから、医療の観点から見ますと、囲碁や将棋、あと、こういったテレビゲーム、こういうゲームが認知症やアルツハイマーにも非常に効果があるという研究発表もあります。こういったことを考えますと、高齢者の、いわゆる施策というんですかね、そういう場面で非常に幅広く使えるものではないかなというふうに思うんですけれども、まず、その辺の観点から、いかがお考えでしょうか。
◎望月 介護予防・地域支援課長 eスポーツは幅広い層で楽しめることから、地域の活性化や世代間のコミュニケーションの促進だけでなく、高齢者の健康寿命の延伸や単身高齢者の社会参加促進への効果も期待されております。
◆山口ひろひさ 委員 九月十九日は敬老の日だったんですけれども、日本の百歳以上の年齢の方が九万人を超えたということです。九万人と言われるとどんなもんかなというふうに、なかなか想像がつかないんですけれども、国立競技場が八万人、ちょっと聞いたら、横浜国際総合競技場というんですか、新横浜にある日産の、いわゆるマリノスのホームグラウンドだと思いますが、そこが十万から十一万ぐらい入るということですけれども、あそこがいっぱいになって、出てくる人がみんな百歳だと、そう考えると、いや、やっぱり日本は本当に長寿大国なんだなというふうに感じますよね。
私が学生の頃、先ほども話しましたけれども、ゲームセンターに行ってゲームをしたり、昔のゲーセンというと、若者のたまり場みたいなところだったんですけれども、実は高齢者の施策としては、こういう、今おっしゃるように、非常に効果があるということと、もう一つは、若者との交流というのも、やはり一つの視点になってくるのかなというふうに思うんですよ。
それで、僕らが子どもの頃、学生の頃にあったゲームセンターではありませんけれども、こういったeスポーツ、いろんなものがあるわけです。若者も楽しめるし、高齢者の方も楽しめるということで、やはりゲーセンじゃないですけれども、eセン、eスポーツセンターという視点も入れながら、こういった施設を考えるということも必要なのではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
◎望月 介護予防・地域支援課長 eスポーツは、高齢者の健康寿命の延伸や単身高齢者の社会参加促進への効果も期待されており、フレイル予防や多世代交流の手段として活用する自治体もございます。高齢者層へのeスポーツの普及には、実施する会場や機材の確保、サポートするスタッフ体制などの課題があり、委員御指摘のeセンにつきましては、関係部署が連携し、高齢者の利便性などを踏まえながら検討を行う必要があると考えております。
今後も、他自治体の取組事例などの情報の収集に努めるとともに、地域デイなど通いの場においてeスポーツの多世代交流の可能性など、事業者の意見も聞きながら具体的に検討してまいります。
◆山口ひろひさ 委員 ゲーセンじゃないですけれども、eセンとなると、先ほどの答弁のとおり、まだなかなか解決しなくちゃいけない課題というのがあるのかもしれませんけれども、ただ、これから本当にこういうeスポーツが盛り上がってくると思いますので、ぜひ検討をしていただいて進めていただければありがたいなというふうに思います。
それで、こうしたテレビゲームが高齢者に対しての効果があるということであれば、フレイル予防の観点から、高齢者クラブもいろんなことをやられていますけれども、例えば、こういう活動の場所にゲーム機とテレビを置けば誰でもできるわけですよね。意外とこれはやっていると、ギャラリーじゃないですけれども、仲間が、二人で対戦しているのとかゲームを見に来るわけですよ。
そういう意味では、手頃にできる対策だとも思いますし、例えばこうした地区会館ですとか、そういった部署にこういうものを設置するとか、こういうことを聞くと所管が違うということになっちゃうのかもしれませんけれども、ただ、非常につながる部分というのはありますので、ぜひこれから縦割りじゃないですけれども、横の連携、今いろいろDXとか、アルファベットというのがはやっているようですけれども、だから、縦割りですから、TYから、横の連携だからYR、ぜひYRを進めていっていただきたいなと思いますけれども、その辺の御見解はいかがでしょうか。
◎望月 介護予防・地域支援課長 ありがとうございます。実施する会場とか機材の確保、あと、高齢者をサポートするスタッフ体制などもございまして、いろいろ課題がございます。引き続き、他自治体の取組事例等、情報収集に努め、関連部署とも連携しながら進めてまいりたいと思います。
◆山口ひろひさ 委員 うちの会派のほかの委員からもあったかと思いますけれども、福岡に視察に行ったときに、こうしたいわゆるゲームのプログラミングをしていることの視察をさせていただきました。そのときに見させていただいて、高齢者の方の目が輝いているんですよね。お星様がある、昔で言えば鮎原こずえ、この目になっていたということで、やっぱりそういうのを見ていると、それはドライブゲームだとか太鼓のゲームだとか、そういうものだったんですけれども、年を取っても楽しいものは楽しいんですよ。
やっぱり楽しいということは、それだけいろいろ外に出て、みんなと和気あいあい、こういう効果というのもあろうかと思いますので、いろんな課題もあろうかと思いますけれども、ぜひこういったものを取り入れる方向で考えていただければありがたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
次に、ヤングケアラーについてお聞きしたいと思います。
まず、このヤングケアラーとはということなんですけれども、ヤングケアラーとはどういうことでしょうか。
◎小松 子ども家庭課長 ヤングケアラーとは、法令上の定義はないが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に担っている子どもと厚生労働省のホームページでも紹介されており、また、十八歳未満をヤングケアラー、十八歳からおおむね三十歳代のケアラーを若者ケアラーと呼ぶこともあります。
明確な定義につきましては国も明らかにしていないため、法制化などの今後の国の動向を注視するとともに、区としてヤングケアラーという言葉をどのように捉えていくかなど、専門家の意見等を参考に検討してまいります。
◆山口ひろひさ 委員 このヤングケアラーというのは、認知度といいますか、そういうところでも少ないし、このヤングケアラーという表現自体が非常に分かりづらいんじゃないかという意見も聞いたりしますけれども、まだまだこういう意味では世間に認知されていない課題の一つだと思うんですけれども、そういう中で、実際にこういう子どもたちが存在するわけでありますので、いろいろとこういう認知度を広める活動というのも行われていると思います。
ただ、一つ僕が思うのは、注意しなくちゃいけないのは、ヤングケアラー自体が悪いことだという観点から入っていってしまうと、なかなかこの問題は難しいのかなというふうに感じています。
一つの大きな問題というのは、やはりこういった介護等のことによって、子どもに対して非常に大きな負担がかかってしまう、学校生活や、また、勉強、そういった部分で、本当に学生らしい、子どもらしい生活ができなくなる、そういった課題があるわけで、本人の過剰な負担というんですかね、やっぱりそれを何とか解決していく問題だと思うんですよ。
それで、なかなかこの課題というのは、本人も介護や、こういう世話をすることに、負担になっているんだろうけれども、あまり自覚がないとか、あと、やはり自分の家族の問題、家庭の問題なので、あまり人には知られたくないというか、そういった意識が働いて潜在化しやすいというのが、この課題の一つだと思うんです。
そういうことに関しては、周りの目といいますか、例えば、学校では教員、学校の先生方の目ですとか、やはり地域の目、多くの大人の目でこういった子どもたちの変化というのに気づいてあげるということが大事だと思いますし、また、学校では、ふだんの生活と変わってくる、宿題を忘れがちだとか、忘れ物が多くなるとか、居眠りが多くなるとかということもあるのかもしれませんけれども、やはりそういったことに気づくということが非常に大事なポイントなのかなというふうに思います。
だから、多くの目が欠かせないと思うんですけれども、やっぱりそういう意味では、教員の方や、こういった福祉関係の方、また、子ども食堂を今いろいろやられていますけれども、そういったところも関係するのかもしれませんけれども、しっかりこういった方々に研修、また啓発を行って、やはりこういうヤングケアラーの存在というもの、この認識を高めていただいて変化に気づいて対応していくということが私は大事だと思うんですけれども、その辺の対応はいかがでしょうか。
◎小松 子ども家庭課長 ヤングケアラーが抱える問題は家庭内のデリケートな問題であり、本人や家族に自覚がないといった理由などから表面化しにくいと言われております。区が今年五月に行ったヤングケアラーに関する実態調査におきましても、家族の世話をしていると回答した子どものうち、世話について相談したことがないと回答した子どもへ相談しなかった理由を尋ねたところ、自分のことをかわいそうと思われたり、変に思われたりしたくないとの回答が小中学生及び高校生世代において、いずれも約一割、家族以外の人に相談するような悩みではないからとの回答が中学生及び高校生世代では一割を超える回答があり、本人からの相談が寄せられ難く、支援に結びつかない実態が見えてきました。こうした実態を踏まえ、子どもに関わる大人がヤングケアラーへの理解を深めるとともに、気づきの感度を高められるよう普及啓発に取り組んでまいります。
また、実際の支援に当たりまして、子どもの心情や家庭環境に配慮しつつ、子どもの声を丁寧に聞きながら必要な支援につなげられるよう、関係所管と連携しながら、学校、教育委員会、新BOP学童クラブ、児童館、青少年交流センターなど、子ども、若者に関わる支援者向けの研修等に取り組んでまいります。
◆山口ひろひさ 委員 このヤングケアラーを対象に絞った条例の制定を埼玉県の入間市ではつくったそうです。この一番のあれは、条例の中で目的、行政の責務、保護者の役割、学校の役割、そしてヤングケアラーの支援をまず明記したと。市長が言うには、条例制定によって、何のために制定したかといいますと、ヤングケアラーの子どもが本当に支援を受けたいと言っても、その支援を受けさせる、受けさせないというのは、それを決定するのは、やっぱり保護者なんですよね。その保護者に決定権があり、子どもには何も決定権がない。
そういう中で、やっぱりしっかりと市がそういう部分に関与してこの条例を制定することによって、関与して子どもの声を上げやすくする、そういった目的もあるそうです。
また、先ほど言ったように、多くの方にその認知度を上げていくということもあるわけですけれども、いろいろ、今、実態調査の中でありましたけれども、なかなか声を上げづらいというか、上げにくいというか、そういう実態調査もあるわけです。だから、僕は、子どもたちも家の家事や介護、世話をするということは決して悪いことじゃないんですけれども、それが過度になると、やっぱり負担になる。
それで、そのときに、ふっとため息じゃないですけれども、それをつける環境をつくるということが、今の実態調査を見ていると必要なのかなというふうに思うんですけれども、まだまだ本当に調査段階の課題のヤングケアラーの取組かもしれませんけれども、そういったことを考えて、世田谷区としてはどんな環境づくりということを考えているか、そんな可能性があるか、ちょっと教えていただければと思います。
◎小松 子ども家庭課長 入間市では、ヤングケアラー支援条例を制定し、今年七月一日から施行しております。条例では、市の責務及び保護者、学校、地域住民と関係機関の役割を明らかにするとともに、ヤングケアラーの支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、社会全体で子どもの成長を支えるための環境づくりをするとしております。
区では、今年度行ったヤングケアラーに関する実態調査の結果や、現在行っております支援者側へのヒアリング調査の結果などを踏まえ、令和五年度にはヤングケアラー支援マニュアルを作成し、区や学校、関係機関の職員がそれぞれの役割や連携先を確認し、ヤングケアラーを早期に発見して必要な支援に結びつけられるよう、関係者がヤングケアラー支援の全体像を把握して行動に移せるようにいたします。
地域住民に対しては、ヤングケアラーへの正しい理解と、地域で子どもを見守り、適切な支援へつながる環境をつくるため、シンポジウムやチラシ、ホームページ等で普及啓発を行ってまいります。
また、区で行いましたヤングケアラーに関する実態調査におきまして、世話をしている家族がいると回答した子どもの自由意見にも、自分の気持ちをきちんと話せる環境づくりが必要だと思うという趣旨の記述もございまして、本人が安心して大人に話せる場が身近にあることが重要だと考えております。
学校や地域の大人が日頃から子どもとの信頼関係を築き、本人に寄り添った見守りができるよう、学校、児童館、新BOP等の職員や民生・児童委員等の地域の大人に対し、研修やシンポジウムなどでヤングケアラー支援についての普及啓発を広く行ってまいります。
◆山口ひろひさ 委員 こうした相談体制は本当に大事だと思いますし、また、この相談体制とともにこれから求められるのは、具体的な、どういう支援ができるのかということだと思うんですよ。例えば、介護ですとか、こういう福祉のサービスの支援というのはありますけれども、しっかりそういったものをつないでいくということも大事ですし、また、これはプランの部分になるのかもしれませんけれども、病気や障害を持った方々の場合に、しっかりと子どものケアを前提としない十分な福祉サービス、そういう提供のプランを立てるとか、あと、ひとり親の方なんかに対すると、兄弟の世話ですとか保育園の送迎、また家事なんていうこともあろうかと思いますけれども、しっかりと具体的な支援がどうできるかというのも大切だと思うんです。
国では、今まだ検討の中で予算等々というのは考えていると思いますけれども、そういう中で、法律で義務づけられているわけではまだありませんので、じゃ、身近な自治体がどうやって動くのかということが大切な部分になってくるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、非常にこういう問題というのは深く探ると、また児相との関係の部分もやっぱり出てくる可能性もありますし、ぜひそういった部分で、まだまだこの調査段階の部分かもしれませんけれども、具体的な支援、最も大事な部分だと思いますけれども、どんなことが考えられるか教えていただければありがたいです。
◎小松 子ども家庭課長 区では、ひとり親家庭や、何らかの事情で子どもの養育が困難な家庭に対しまして、養育支援等ホームヘルパー訪問事業にてホームヘルパーを家庭に派遣し、家事等の支援を行ったり、弁当の配達をする配食サービスやサポーターを家庭に派遣して調理等を行う食の支援サポーター派遣事業などを実施し、日常生活の支援を行っております。
また、高齢者や障害者に対する家族介護におきましては、子どもを介護力とすることなく、居宅サービス等の利用について配慮するなど、ケアマネジャーや相談支援専門員がその家族全体に対するアセスメントを行い、適切な福祉サービスにつなげていく必要があります。
今後も、日常生活に困難を抱えるヤングケアラーに対して、これら既存のサービスを組み合わせで使うことで、ヤングケアラーのみならず、その家族全体の支援につながるような支援プランを子ども家庭支援センターのケースワーカー及びケアマネジャーなどが効果的に作成できるようにするなど、関係所管に対して研修や情報提供などに力を入れてまいります。
◆山口ひろひさ 委員 こういう課題というのは教育委員会ですとか横の連携、先ほど言いましたけれども、YRが非常に重要だと思いますので、これからもこのヤングケアラーの課題につきましては連携を深めて、ぜひ取り組んでいただきますよう要望しておきます。
最後に、少子化対策についてお聞きしたいと思います。
世田谷区の出生率というのは、東京都内自治体、六十二自治体の中で五十四位、二十三区の中では十九位。ただ、これは新宿区と杉並区と同率でありますので二十一位とも取れるわけです。子育て応援都市ということで、フィンランドを参考に世田谷版ネウボラ、妊娠期から就学前まで切れ目ない支援、そして、子どもを産み育てやすい町を目指しているということですけれども、こういったことをうたいながら、この出生率の低さというのは、私はどうもちょっと違うんじゃないかなというふうに思っています。
それで、ほかの会派からも出ておりましたけれども、やはり出産一時金、給食の無償化という話は、うちが最初だ、うちが最後だと、そういうところまでの議論が出ていますけれども、区長の答弁の中で、グランドデザインの中でこれも考えるということでありました。ただ、給食の無償化は早い判断をするということだったですけれども、この出生率の一時金の増額に関しては、残念ながら、早い判断をするということはなかったですけれども、このグランドデザインの中で優先順位を考えるのであれば、私は、給食の無償化だけがひとり歩きするのは非常に疑問を感じます。やはり将来的なことを見れば、出産の一時金というものもしっかり取り組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎小松 子ども家庭課長 国の令和三年度の調査研究結果によりますと、室料差額等を除く東京都の公的病院での出産費用の平均値が約五十五万三千円となっており、健康保険制度による出産育児一時金の四十二万円を大きく上回り、子育て世帯に係る経済的負担が大きくなっているものと認識しております。
区では、子育てをする家庭の経済的負担を軽減し、子どもを産み育てやすい環境を整備する目的で、平成二十一年度より第三子出産費助成として、出産費用と出産一時金の差額を最大六万円まで支援する施策を行ってきました。国の議論に先駆けての出産一時金の上乗せ給付増額実施の御提案ですが、都市部における出産費用の状況を踏まえつつ、今後、国における出産育児一時金の増額等の議論の動向、区議会の様々な御意見、御要望、財源の問題も含めまして検討し、区として必要な制度改正等を行ってまいります。
◆山口ひろひさ 委員 この件に関しては、僕が推測するには、どちらかというと賛成の意見が多いんじゃないかなというふうに感じているんですけれども、この答弁の中では、いろいろ国の動向を踏まえてという答弁がありますけれども、この件に関して、国の動向がやっぱりウエートを大きく占めているのか、それとも、子育て応援都市宣言をしている世田谷区が国の動向を見ずに、待たずにしっかりと世田谷区が子育てを引っ張っていく、応援をしていくんだという、そういう気持ちがあるのか、その辺をはっきりしていただきたいと思います。
◎柳澤 子ども・若者部長 今、出産一時金のことについてお話をいただきました。一つ、国のほうがいわゆる骨太の方針の中でも出産一時金については議論していくというようなことを述べてございます。まず、その動向というのは注視していく必要があると思っています。
世田谷区としましても、今後の子ども・子育て施策の充実、これを目指してございます。そういったことからも総合的な検討を行う必要があると思っておりますので、相応の財源確保も必要なことから、今後、検討のほうを進めていきたいと思っております。
◆山口ひろひさ 委員 よろしくお願いします。
菅沼委員と替わります。
◆菅沼つとむ 委員 最初に、砧の杜プレーパーク整備について聞きます。
プレーパークは、子どもたちの地域の中で生きる力を育む場所です。自分の責任で遊ぶのがプレーパークです。木の上に小屋を作ったり、自分たちで小屋を作ったり、ビニールシートでプールを作ったり、穴を掘ってたき火でパンを焼いたり、自由でやりたく遊ぶのがプレーパークです。
第一に、プレーパークは自分たちで小屋を作ったりします。できているプレーパーク、区が作っているプレーパークをどうぞというのは違うんじゃないの。それは普通の公園でしょう。水道、電気を引いてあげておけばいいと思いますが、区の考えを聞きましょう。
◎須田 児童課長 砧地域に、今プレーパークはございませんけれども、新たにプレーパークを整備する方向で今考えているところでございます。プレーパークのリーダーハウスにつきましては、学習施設として、区の施設として整備していくものと考えてございます。
プレーパークで、そのほか遊具としていろんなものを作っているのは承知してございますけれども、今回、リーダーハウスというものについては区の公共施設として整備していく予定でございます。
◆菅沼つとむ 委員 やっぱり子どもたちが自分で考えて、夢でどういうふうにするんだというのがプレーパークだと思いますよ。今の答弁は公園だと思います。
それから、プレーパークでたき火をしても消し忘れがあったり、消防自動車が来たり、プールを作って水を出しっ放しで周りに迷惑をかけたりするんですよ。それがプレーパークなんです。それで、建築基準法四十八条の近隣の住民の反対があった場合、区はどういうふうな対応をしていくのか聞きます。
◎須田 児童課長 プレーパークで火を使うということは、子どもたちの育みにとって非常に大切なことだと考えてございます。そういった意味では、可能であれば火を使える環境を整えていきたいと思います。ただ、近隣の方に、例えば体調不良とか、そういったものがあるとすると、そこは無視することはできませんので、そういったところは、そういった御意見をお聞きしながら、できるだけ可能な方法を探ってまいりたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 ちょっと質問と答えが違うんだけれども、建築基準法四十八条の近隣住民への説明というのは答弁がないんですけれども、再度お願いします。
◎須田 児童課長 必要な説明というものはしていかなければいけないと思いますので、求められたときには、そういったところについては確認してまいりたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 建築基準法四十八条というのは、周りの近隣に説明をして、オーケーをもらわなくちゃいけないというやつなの。だから、周りが反対したらできないという話だ。だから、そういう問題を提示するなら、やっぱりきちんとその辺もやらないと。
次に行きます。新BOP学童クラブの時間延長モデル事業について聞きます。
第一に、一般質問で学童クラブの延長時間で利用率が何%でやるのか、やめるのか。一校当たり何人ならやるのか、やめるのか、きちんと答弁をいただきます。
◎須田 児童課長 今回、モデル実施で実績のほうを確認いたしますけれども、今回実施しましたのは、国においても運営方針の解説書において小一の壁を解消するため近隣の保育園等と時間を合わせることが求められておりましたり、他区においては既に十九時以降も運営を行っております。
世田谷区としましても、これまで保育園に預けて働いていた御家庭が小学校に入学した途端に働けなくなるようなことがないように対応する必要があると考えてございます。
また、福祉的な観点からも働かなければ経済的に苦しい御家庭や、成長の過程で一人で留守番ができない子どものセーフティーネットの役割を果たすためということもございます。そういったこともございますので、何人というところは今のところ定めてございません。
◆菅沼つとむ 委員 六十一校全校にこれからやるといって、きちんと検証してやるというのに、やるという役所が何%ならやるのか、やめるのか、一人いたらやるのか、やめるのか。これをやるのは税金よ。そんなのも提示できないでやるの。再度聞きます。
◎須田 児童課長 先ほども申し上げましたとおり、こちらにつきましては福祉的観点から実施するものでございまして、現時点で、その辺の基準を設けるわけではなくて、全体を見ていって、今後の施策の検討というものはあるのかなというふうに思ってございます。
◆菅沼つとむ 委員 いつそれを議会に示せるの。
◎須田 児童課長 今回の時間延長につきましては、基本的には全校実施の方向で今考えているところでございます。今回、検証でそちらのほうに向けたいろいろな課題というものは検証してまいります。
あと、実際に利用率というものが今後少ないからすぐにやめるということではなくて、必要な御家庭には届けなければいけないという観点もございますので、もう少し長期的に見ていければと思ってございます。
◆菅沼つとむ 委員 じゃ、一人でもやる、一人でも来るか来ないのに延長をやって、職員をそのまま待たせておく。これは全部税金よ。利用率というのはきちんと区として出さなくちゃ。それが、議会に出て必要か必要じゃないかというのを判断するわけだから、それを出してくれなかったら判断材料になりません。早く出していただきたいというふうに思います。
第二番目、新BOP学童クラブの時間延長でアルバイトと八人体制で行います。六十一校が、さきにも心配されましたけれども、職員、アルバイトの確保が厳しいんじゃないかと。そういうときにはどうするの、これ。七人でも六人でも回していくの、これ。
◎須田 児童課長 今回、実際運営するに当たりましては、新BOP学童クラブの事務局長、児童指導員を含めましてローテーションで回すという形にさせていただいております。ただ、必要な人員というものは確保が必要だと思っておりますので、そちらのほうはしっかり確保して運営をしていきたいというふうに思ってございます。
◆菅沼つとむ 委員 今までもそうだけれども、アルバイトだとか、ああいうスタッフが足りないといって困っているじゃない。今までちゃんとやっていたならいいですよ。今までも足りなくて困って、募集をどういうふうにかけようかとやっているわけだから、今度六十一校になったらもっと大変になるのは当たり前の話じゃないですか。その辺は、やっぱりしっかり考えて議会に出しておかなくちゃいけないと思います。
それから三番目、新BOP学童クラブの延長で個別、月別の様々なデータはきちんと出していただけるんでしょうか。確認します。
◎須田 児童課長 今回、令和五年度以降、どのように進めていくかということにつきましては年内にお示しすることとしてございます。その前に検証を進めまして、実施結果等につきましては常任委員会で御報告させていただきたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 次に行きます。民間学童クラブ、放課後児童健全育成事業について聞きます。
一般質問での答弁でも、放課後の健全育成事業をしている事業者しか参加資格はない。民間学童クラブの質の確保、安定的な運営のため、幼稚園、保育園は運営能力、質の確保ができないということで答弁いただきましたけれども、間違いないか確認します。
◎須田 児童課長 本事業の応募資格につきましては、放課後児童健全育成事業を実施している事業者としてございますけれども、これは法令に基づく設備や人員などの基準を満たして、かつ国が策定した指針などを踏まえた質の高い安定性のある事業実績を評価基準として設定し、確認することとしているものでございます。
選定の際には、実際に学識経験者も交えて現地調査を行い、書類だけでなく実際の質の高い運営を行っているか確認することも想定してございます。制度外のいわゆる学童クラブですとか、幼稚園ですとか、保育園ですとか……。(「答弁はきちんと簡潔に」と呼ぶ者あり)はい、そちらのほうでは、学童期の児童について適切な評価が難しいということもございますので、法内の児童福祉施設等については、学齢期児童の支援実績により判断できるかどうか、そういったものについては考えていきたいというふうに考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 答弁は、簡潔によろしくお願いいたします。
第一問目、職員の質について聞きます。
保育園、幼稚園の先生は二年間勉強して、各現場で実習をして、国家免許を取って先生になります。民間学童クラブの資格は、都の研修で四日から五日研修を受ければ資格が取れます。保育園、幼稚園の職員のほうが質が高いと思いますが、何で質が低いと言うんですか、聞きます。
◎須田 児童課長 保育士等の力量が低いと言っているわけではございません。ただ、保育園等の事業者につきましては、実際にはかなり小さいお子さんのほうを見ているということで、学童期のそういった保育についてなかなか評価が難しいというところもございますので、今回については、法内で学童期の放課後児童健全育成事業を実施しているところ、こちらのほうをまず見させていただければというふうに思ってございます。
◆菅沼つとむ 委員 これは、民間学童のほうは場所を確保して、やるのは職員ですよ。質というのは、職員の質がいいか悪いかが一番ですよ。そうじゃないなんて、答弁書にそう書いてあるじゃないですか。
それで、職員の質についてですが、保育園、幼稚園の先生方は二年間勉強してやりますけれども、基本的には、国家試験に受かるには三年以内に全科目が合格し、実技試験も合格して幼稚園、保育園の先生になれます。その幼稚園の保育の先生になるには、教育の意義、生涯学習社会における教育の現状、子どもの発達、発育など様々な実践と勉強をしていきます。当然、四日間の研修でいるよりは国家試験のほうが全然上じゃないですか。どちらが上か聞きます。
◎須田 児童課長 どちらが上かということは、ちょっと私のほうでお答えはできないんですけれども、放課後児童健全育成事業のほうには放課後児童支援員というものを置かなければいけないことになってございます。そういった保育士の資格を持っていらっしゃる方については、その研修を受講する資格がございますので、そういった方に受けていただいて入っていただくということは可能かなと思います。
ただ、実際の事業者選定にそのまま生かせるかどうか、事業者選定とイコールにできるかどうかというのは、ちょっとまた別の問題かと考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 三度目ですけれども、答弁は明確にお願いいたします。
それで、第二番目、基本的には、新BOP学童クラブの延長のときには、先ほど答弁いただいたように、きちんと検証の場所がある。それはそのとおりだと思います。民間学童クラブを議会にどこで、基本的にはきちんとチェックする場所があるの、これはいつ頃あるの。見た感じじゃないよ、これ。
◎須田 児童課長 民間の放課後児童クラブのほうを誘導した後には、区としましては、訪問とかをいたしまして、必要な検査、指導等は行っていきたいというふうに思ってございます。ちょっと議会についての御報告については、どのようにするかは検討させていただきたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 いつ頃ですか。
◎柳澤 子ども・若者部長 御質問の学校外の民間の放課後児童健全育成事業の誘導につきましては、来年度の後半からということでございます。補助事業を一年間運営してみて、その上で実績報告等もいただきます。また、第三者評価などの取組もしていただきますので、そういったものも併せながら議会のほうには御報告させていただきたいというふうに考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 それともう一点、区の答弁では、世田谷区は幼稚園、保育園の安定した運営ができていないということが言われているんですけれども、実際に区立の幼稚園、保育園は皆さんが知っているようにきちんと安定的に運営できていますよ。どこができていないのか具体的に、簡潔にお願いします。
◎須田 児童課長 幼稚園、保育園が安定的に運営できていないかどうかは、ちょっと私のほうでは承知して……。(「答弁書に書いてあるよ。答弁をお願いします」と呼ぶ者あり)
◎中村 副区長 今、課長が答弁したとおり、区立幼稚園、区立保育園が安定的な運営が確保されていないというような認識には立っていません。ただ、事故があったときとか、そういうときは議会に御報告し、再発防止策をまとめたり、そういうところは確かにあります。そういうところは追及して、安定的に、安全に運営するのは、今後、引き続き課題で取り組んでいくものと考えています。
◆菅沼つとむ 委員 今の副区長の答弁ですけれども、来月十一月には募集要項が入るんです。募集要項が十一月に入って、その中に、経験をしたことがない事業者は駄目だと言っているわけ。それは何、そのまま出すの。どうするの、これ。
◎須田 児童課長 今回、募集の要件として保育園の実績を認めるかどうかというお話かと思いますけれども、先ほども申し上げましたとおり、今回は法内の放課後児童健全育成事業、学童期の事業を実施するものでございます、そういった観点から、そういった法内の事業を実施しているところを学識経験者も踏まえて実際に確認するなどして、質の確保をした上で選定したいというふうに考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 そうすると、健全育成事業、これはやっていなくても応募ができる、できない……。
◎須田 児童課長 今回の募集要項では、法内の放課後児童健全育成事業を実施した実績があるということを求めたいと考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 そうすると、今まで言ってきた保育園、幼稚園は参加ができない、そういうことだと思いますけれども、前半に出ていたように、認証保育園が逆にもう赤字が多くなってやめたいという話も出てきているわけよ。そうすると、放課後学童だとか、そういう民間学童をやりたいときでも門前払いでできない。これは世田谷区に二つしかないのよ。ほかの保育園、幼稚園はみんな皆様、見えるのよ。それでも駄目なんだ。
◎須田 児童課長 今回、事業の実績については、区内だけではなく……。(「分かっています」と呼ぶ者あり)保育園によっては、そういった実績を持っているところもございますので、そういったところについては参入できるものと考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 それから、民間学童クラブ、障害を持った学童、配慮を要する学童は何人でも、親と子どもが行きたいと言ったら入れますね、確認します。
◎須田 児童課長 新BOP学童クラブについては、基本的には配慮を要する児童についてはお断りしてございません。民間の放課後児童健全育成事業者につきましては、補助金の範囲内で受け入れていただくものと考えてございます。
◆菅沼つとむ 委員 もうちょっとはっきり、学校の学童クラブは受け入れている。民間の場合も学校と同じように親と子どもが行きたいと言ったら受け入れる。どちら。
◎須田 児童課長 区の施設につきましては、区の責任においてしっかり受け入れることとなります。(「民間のほうを聞いているの、民間のほう」と呼ぶ者あり)民間のほうにつきましては配慮を要する児童の受入れについても要請していきますけれども、具体的に施設面ですとか人員面、補助金の金額等がございますので、そういったものを踏まえて受入れについて検討していただくものでございます。
◆菅沼つとむ 委員 これはどういうこと、学校では入れて、民間学童では、相手がオーケーすればいいけれども、受け入れるかなんか分からないという答弁よ。これはどういうこと、副区長。
◎中村 副区長 配慮を要するお子さんにつきましては、施設面ですとか、人員の配置面とか、いろいろ配慮をする部分があると思いますので、保護者の方と御相談の上、区のほうで責任を持って対応していきたいと思います。区職員のほうがノウハウもありますし、経験もあるということで、そう考えています。
なので、そこは民間のほうにも対応していただきますけれども、区のほうでぜひいかがですかということは、保護者の方とは話していきたいと思います。
◆菅沼つとむ 委員 これはおかしいよ。学校はオーケーで、逆に配慮を要する子どもだとか障害の人は民間学童に入れない。あれ、逆に民間学童のほうがお金を出せば送り迎えをやってくれるんだよ。親が迎えに行かなくても、家庭にある程度余裕があれば家まで送ってくれるわけよ。なのに、民間学童には、相手に聞いてオーケーじゃなくちゃ入れない、これはどういう話。
◎中村 副区長 事業者任せという意味ではありませんけれども、障害の種別ですとか、程度ですとか、様々あると思いますので、そこは区のほうで一義的に受け入れ体制はしっかりつくりますけれども、事業者のほうにも相当の受入れもしていただきたいとは思っています。
◆菅沼つとむ 委員 これは都の補助金、区の補助金で、ただでやってくれるというんじゃないのよ。それで、受け入れるという条件じゃなかったらやる必要ないじゃない、民間学童。同じにしなくちゃ。じゃ、手間のかかることは学校でやれ、手間のかからないやつは民間でどうぞ。そんな話、あるわけないじゃないですか。答弁がない。
◎中村 副区長 ちょっと繰り返しになりますけれども、事業者のほうでは受けないということでは全くありません。放課後健全育成事業という法定の事業を担っていただくだけの法人を選定するわけで、そういう理念を持ったところをきちんと選定したいと思います。
ただ、いろんな状態のお子さんがいらっしゃいますので、そこは保護者、お子さんの選択を含めて相談させていただきたいという部分はあるというところです。
◆菅沼つとむ 委員 それで、事業者には、そういう障害者、配慮を要する子どもたちは受け入れないような程度の低い事業者ならやめていただきたい。
それから次に、一人月五千円で民間放課後児童クラブができるというんですけれども、間違いないか確認します。
◎須田 児童課長 今回、民間の放課後児童クラブを誘導するに当たりましては、区と同様の金額五千円とする予定でございます。
◆菅沼つとむ 委員 例えば五日間の送りだけで七千三百三十七円かかったり、四日だと七千四十円かかったり、結構オプションがたくさんあるんですよね。それで、実際には、例えば土曜日の日や何か、お昼や何かは民間ですと六百六十円となっているんですけれども、これはどうするの、土曜日のときには。六百六十円、それは民間で負担してくれているの、五千円の中に入っているの。
◎須田 児童課長 土曜日の扱いにつきましては、区の新BOPにつきましてもお弁当という形で持ってきていただいているようなこともございます。実際に事業者につきましてどのような取扱いをするかというのは、提案をいただきながら考えていきます。
◆菅沼つとむ 委員 実際には、一番心配するのは、民間学童の場合はいろんなオプションがあるんです。プチ留学だとか、サマーキャンプだとか、それから、夏休みの海だとか、いろんなオプションがたくさんあって、じゃ、生活に余裕がある、お金のある人はいいですよ。生活困難者だとか、それから、所得が低い人はどうするの。同じ学童に行っていて、ほかの人たちが行って、自分は家庭で行けない、これは格差が広がるんじゃないの。
実際には、小学校の二、三年だったら覚えていますでしょう。
○宍戸三郎 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時二十八分休憩
──────────────────
午後三時四十五分開議
○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
公明党、どうぞ。
◆津上仁志 委員 それでは、公明党の質疑を始めたいと思います。
まず私のほうからは、医療的ケアの必要な方への支援について伺っていきたいと思います。
区は今年度、基金を活用し、人工呼吸器、吸引器などを使用している十八歳未満の医療的ケアの必要な方へ、停電時にも使用が継続できるようポータブル電源、小型ソーラーパネル、インバーター装置の配付を実施いたしました。支援を受けられた方からは喜びの声が寄せられています。一方で、十八歳以上の人工呼吸器やたん吸引器などが必要な医療的ケア者の方や、その御家族からは、成人にも対象を広げてほしいとの強い要望が寄せられております。
都議会公明党のたかく都議会議員が、昨年、都議会第四回定例会一般質問において、医療的ケアが必要な方が災害時でもケアが継続できるよう、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の対象物品に、これまで対象外となっている蓄電池を加えるよう求め、対象が広げられました。このような都の事業も活用しながら、医療的ケア児と同様に、人工呼吸器使用者に限定することなく、電源が必要な機器を使用する医療的ケア者全てを対象に新たな補助制度の創設などに取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎越智
障害保健福祉課長 在宅で人工呼吸器、酸素吸入、また、頻繁に喀たん吸引等を行う医療的ケアが必要な方にとりましては、停電が生命の維持に直接関わってくるため、災害時の電源の確保は重要な課題であると認識しております。
このため、今年度は、医療的ケア児の笑顔を支える基金を活用いたしまして、十八歳未満の医療的ケア児を対象としてポータブル電源等の個別配付を実施してございます。今後、十八歳以上の医療的ケア者の方々につきましても、人工呼吸器を使用している方への東京都の補助金も活用するなどいたしまして、ポータブル電源等を配付できるよう、関係所管課と協議して検討してまいります。
◆津上仁志 委員 ありがとうございます。年齢制限なく配付できるよう検討していただけるということなので安心いたしました。しっかりと進めていただきたいと思います。
対象になる方が知らないということがないように、まず、各総合支所の保健福祉課とよく連携をしていただきたいというふうに思います。また、現物を支給する場合には、どこかでやっぱり締め切る必要が出てくると思いますけれども、その場合に、必要となる方には随時申請を受け付けて、あまり期間を置かずに迅速に配付できるような、そういう体制というんですかね、そういった検討も併せてしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
次に、医療的ケアの必要な方が利用できる日中ショート、短期入所機能の整備について伺います。
区は、医療的ケア児の利用可能な施設拡充に取り組んでおり、現在は、日中ショート、短期入所施設が各二か所、利用が可能となっております。一方で、医療的ケアの必要な高校を卒業した十八歳以上、六十五歳未満の方が利用できるショートステイ先は東京リハビリテーションセンター世田谷など三か所となっておりますが、人工呼吸器などにはほとんど対応しておらず、高校を卒業し、短期入所を利用したい場合は、ほとんどの方は区外施設を利用せざるを得ない状況となっております。
そのため、区内への整備を求める声は少なくありません。さきの福祉保健委員会で大蔵住宅を活用した福祉施設の運営事業者について報告があり、障害者施設には短期入所機能も併設され、運営事業者についても医療的ケアに関する豊富な経験を持ち、重度障害者への対応にも期待できるとの評価がされておりました。
また、都営下馬住宅の建て替えも終わり、建物解体が進んでおり、これまで求めてきた建て替えにより創出された新たな土地への障害者施設整備についても、今後東京都との協議が進んでいくと思います。これから整備されるこれら障害者施設では、十八歳以上の医療的ケア者も利用できる施設となることが期待できます。
今後整備される障害者施設においては、医療的ケア児だけでなく、十八歳以上、六十四歳未満の方も利用ができる、また、特に場の少ない重症心身障害者の方も利用ができる短期入所施設となるよう積極的に働きかけるなどして、場の確保に向け取り組んでいただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 現在、区には、利用者の医療依存度にもよりますけれども、お話のありました東京リハビリテーションセンター世田谷をはじめ、医療的ケア者を受け入れる短期入所施設はあるものの、利用者家族などからは、医療的ケア者を受入れ可能な短期入所施設の充実の要望をいただいているところでございます。今般、東京都住宅供給公社が整備運営事業者を決定いたしました大蔵住宅創出用地を活用しました障害者施設では、短期入所が二床、整備される予定でございます。
当該短期入所施設は、医療的ケア者を複数人受け入れるグループホームに併設して整備されるため、短期入所におきましても医療的ケア者を受け入れるよう、公社を通じて整備運営事業者に働きかけてまいります。
また、お話がありました下馬二丁目都営アパート建て替え事業に伴う創出用地ですが、東京都に対して高齢者、障害者などの福祉施設としての活用を要望しているところでございます。医療的ケア者を受入れ可能な短期入所施設の整備など、利用者や利用者家族のニーズに応えられるよう、引き続き、東京都へ要望してまいります。
◆津上仁志 委員 特に重症心身の方を受け入れられるような短期入所施設というのはほとんど区内にはない状況ですので、しっかり確保ができるように引き続き取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、都営下馬住宅建て替えに伴う創出用地への高齢者施設整備について伺います。
これまで暮らしの中で、誰に相談していいか分からないこと、また、病院に行くほどではないけれども、ちょっと気になること、相談はないけれども、誰かと話したいときや、お茶を飲んで一息つきたいときに立ち寄れる場となる暮らしの保健室を、特に高齢者や障害者が多く住む団地内に整備することを、これまで求めてきました。
先ほど申し上げたとおり、下馬団地建て替えが終わり、創出用地への高齢者施設整備についても、これから東京都との協議も進むと思いますが、地域交流スペースについては選定された事業者が運営を行うため、ほとんどの施設が地域ニーズと合っていない、また、活用がされていなどの状況にありました。
さきの定例会一般質問で、地域交流スペースの活用について、保健福祉政策部からは団地住民や地域のニーズを聞き取り、スペースが有効に活用されるよう、東京都や、新たに整備される施設の整備運営事業者に対して要請するなど、施設所管部と密に連携を図るとの答弁がありました。
そうであるならば、要請ではなく、事前に地域ニーズを聞き取り、それを事業者募集時に提示するなど、場所はあるが利用されないというミスマッチを防ぐことも可能と考えますが、区の見解を伺います。
◎杉中 高齢福祉課長 都営下馬二丁目団地の建て替えに伴い創出される用地の活用については、現在、区は東京都に対して特別養護老人ホーム等を含めた福祉施設の整備を要望し、協議を行っているところでございます。
特別養護老人ホームの整備運営事業者が施設整備に併せて都が定める要件を満たす地域交流スペースを整備する場合、都の補助金を活用することができます。この地域交流スペースは、災害発生時に要援護者を受け入れる等、地域における防災拠点としての役割が求められている一方で、平常時は地域の方々が利用できる多目的スペースとしての役割も期待されております。
今後、都に対して福祉施設の整備運営事業者を公募する際に、下馬団地の方はもとより、近隣にお住まいの方も含めて広く地域の方々に御利用いただける地域交流スペースの設置、及び活用を条件として事業者の選定を行うよう区から働きかけをしていきたいと考えております。
◆津上仁志 委員 さきの定例会では、保健福祉政策部、先ほど申し上げましたけれども、団地住民と地域ニーズをしっかり聞き取っていただけるというふうに答弁をいただいたんですけれども、高齢福祉部も同様の考えでよろしいんですよね。しっかり聞いていただける、そういう場をちゃんと持っていただけるということでよろしいんでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 当然、都有地ですので東京都が公募しますけれども、区の要望はかなり聞き入れてくれるというふうに想定しておりますので、地域の方のニーズもちゃんと確認した上で、そこら辺を固めていきたいというふうに考えております。
◆津上仁志 委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
最後に、世田谷区人と動物との調和の取れた共生推進プラン改定に向けたガバメントクラウドファンディングを活用した取組の強化について伺っていきたいと思います。
さきの福祉保健委員会で素案が示されました。私は、地域猫活動をする方と住民とのトラブルを防ぐため、活動の周知と腕章などの目印をつける取組を提案してきましたので、区が研修を行い、一定のルールに基づいて活動を実施する団体や個人を認定し、地域猫活動に対する住民理解を進める施策は重要だというふうに思っております。
一方で、猫の不妊・去勢手術費助成制度の令和三年度の実績は、飼い主のいる猫は千二百十三件、飼い主のいない猫は百三十八件となっており、重点施策に掲げる地域猫活動の推進には、残念ながら、この制度はほとんど寄与しておりません。制度そのものの見直しも必要だと考えます。
目標達成のために取組むべき事項の中の、全区民への啓発策として寄附金制度等広く区民の目に触れる制度の活用の検討とあります。クラウドファンディングを活用した寄附金の獲得に乗り出し、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費助成など、進んでいない地域猫活動への支援、または、ドックラン整備や譲渡会開催支援などに活用していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎佐藤 生活保健課長 寄附金の募集は世田谷区民のみならず、全国に対し世田谷区の人と動物との共生推進に向けた考え方を広めることとなり、多くの御支援をいただくことで事業の推進力となります。また、地域において地域猫活動に取り組まれているボランティアや町会・自治会等の方々の活動を応援することとなり、活動の励みになると考えております。
今後、人と動物との共生推進のための連携協議会での議論や、人と動物との調和のとれた共生推進プランの改定に伴う区民からの意見等を踏まえ、地域猫活動の支援など、様々な事業を通じて人と動物との調和の取れた共生社会を実現するため、寄附金の活用について課題を整理するとともに、庁内調整を進め、導入に向けて詳細を詰めてまいります。
◆津上仁志 委員 ぜひ詰めていただいて活用できるように、先ほど他会派の方に答弁されていましたけれども、全国的に見ても非常に寄附の集まりというのはいい事業にもなるので、ぜひ共生が進むような、特に今進んでいない事業をしっかり進められるように、活用できるように取り組んでいただきたいというふうに要望して、私の質問を終わりまして、高橋委員と交代いたします。
◆高橋昭彦 委員 それでは、続いて私のほうから質問させていただきますけれども、まず、僕は三問ぐらいなんです。その後、副議長がじっくりやりますので、とんとんとんとやっていきたいと思うんですけれども、一つ目は、
子宮頸がんワクチンです。
この質問をしようと思っていろいろ課長とも相談していたら、急に報道が入ってきまして、すごいですよね、これはびっくりしました。
子宮頸がんワクチンは二価、四価、九価とあるんです。あるんだということを、実はうちの家のすぐ近くの方から、高橋さん、知っているかいと言われて、実はうちの娘が二人いるんだけれども、
子宮頸がんワクチンが推奨されない期間に入っていて、やっとこの春から打てるような状況になったんだよという話をその人から言われて、そうしたら、よく調べたら二価と四価があって、それでもう一つ、九価があるという、二価と四価と九価と言われてもよく分からないから調べてみたわけですよ。
そうしたら、二価と四価というのは約七〇%の予防ができるけれども、九価ワクチンというのは八八・二%の予防ができるというふうに言っているわけなんです。ワクチンにそんなに違いがあるのかと思ったんだけれども、九価のワクチンというのはアメリカとかオーストラリアなどで定期接種しているけれども、日本は販売されているけれども、全額自己負担だよと。これは一回接種するのに三万円ぐらいするんだというんです。これを三回やらなきゃいけない。
その人は、実はうちのすぐ近くなんだけれども、二人、子どもがいるわけです。女の子が。じゃ、片方だけ十万円かけて、片方はねというわけにはいかないでしょうと。もう大変だけれども、やっぱりがん対策という意味ではやらなきゃいけないと思ってやったんですと言うんです。こういうことがあって、やっぱり予防ができるというものにもう少し幅を広げてもらわないと困るんですと。もう大変な思いをして、この二人の娘に三回ずつ受けたんですという話をされたんですよ。
そうですかと言って、いろいろ調べてみました。いろいろ調べてみたら、この九価のワクチンというのは、自治体でも頑張ってやっているところがあったんです。富士市というところは、この接種費用補助をしていて、これは何とか世田谷区でもできないものかというふうに高橋課長に相談したわけですよ。そうしたら、いや、それはできないと思いますよというお話があったわけです。
そんなことをしている間に、じゃ、何とかそのきっかけをつくるためにもちょっと質問しますよというふうにしていたら、その夜、NHKの報道で九価ワクチンは定期接種になりましたという状況になって、うれしいんですけれども、やっぱり必要なものは必要だということでやっていくのが大事だと思うんです。
その上で一言だけ言っておきますけれども、この予防接種法上の対象年齢が小学校六年生から高校一年生までですね。二〇〇三年から予防接種に関するお知らせを中止していた。その間、接種機会を逃してしまった人に対してキャッチアップ接種というのを、この四月から行っていますよということですよね。
対象は一九九七年度から二〇〇五年度までの高校二年生から二十五歳までの人ですよと。今年の四月にお知らせを郵送で送ってもらいましたということです。この対象の年齢の方で対象学年を超えてしまって自費で接種された方については、接種したことが証明される書類などを申請いただければ区の定められた額の範囲で償還払いを行っていますと。二価と四価はしていますというんだよね。
だから、これは定期接種になるということなので、こういう制度に持っていってもらえると助かるんだろうなと僕は思うんですけれども、この定期接種になるという状況を踏まえて、保健所としてどうこれから取り組んでいくのかということと、もう一つ加えて、この今やっている二価と四価に対しての償還払いは、何とかこの九価にも適用できないものなのかということをちょっと御答弁願いたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎高橋 感染症対策課長
子宮頸がんワクチンについては予防接種法上の定期接種ということですが、今、委員のおっしゃったとおり、二価ワクチンと四価ワクチンが定められたものとなっています。九価ワクチンについては、令和四年十月四日に国の厚生科学審議会がございまして、そこで議論がありまして、国のほうでも令和五年度早期から定期接種として接種できるように準備していくということでお話が出ております。今現状、ちょっと国からの正式な通知はないような状況となっております。
ただ、
子宮頸がんワクチンに関しては初めての性交渉の前に接種をするということが重要だと言われておりまして、今の現状では二価ワクチンと四価ワクチン、自費接種として九価ワクチンはございますが、いずれのワクチンについても効果としてはございますので、お子さんとお話ししていく中で、接種を遅らせることなく、対象年齢の方に関しては打っていただきたいと思っているものです。
償還払い等については、やはり定期の予防接種というふうに定められた中で決めているというところもございますので、今後、来年度に関してはちょっとまた通知が出てから対応は検討していくことになりますけれども、現状で助成等に関しては、なかなか検討というのが難しい状況とはなっています。
ただし、今持っている情報だけですと決められないところもございますので、情報を確認して、関係機関と連携して、きちんと対応していければと思います。
◆高橋昭彦 委員 これからのことなんですから、よく検討してもらいたいと思います。やっぱりいよいよ、やっと接種できたという状況にもなって、その上でのこんな状況なものですから、よく検討してみてください。
もう一つ、ワクチン。帯状疱疹というのがありますね。帯状疱疹。日本では八十歳までに三人に一人が帯状疱疹になると言われているんですよね。免疫が低下したときに発症すると言われています。水ぶくれがあったりしてすごく痛い、これが続く、そんな状況になるわけですけれども、何人も帯状疱疹になって大変だったんだという人がいますよ。皆さんの知り合いもそうだと思いますけれども。
帯状疱疹になって治ればいいんですけれども、結構神経痛が残ったりとか、後に残るものがあったりする。顔面とかになったりすると、目とか耳とか、耳とかになった人が、その後、ふらふらするという状況がずっと続くんだよねといって、本当に、こんなになると思わなかったんだけれどもと言われますよ。
よく調べると、コロナ禍で免疫力が下がってリスクが上がっているという話もNHKでやっていたりするじゃないですか。五十歳以上の方は予防ワクチンが接種できますとテレビでもやっていますね。でも、これは一切助成制度がないわけです。これも二つのワクチンがあるんだよね。何でワクチンにこんなに差がいっぱいあるのかなと、いろんなものがと思うんだけれども、一回接種で終わる生ワクチンというのは七千円から一万円だと。だけれども、二回接種をするこの不活化ワクチンは一回当たり二万円から三万円ぐらいするんだよと。
これもやっぱり差があって、ということになると、やっぱり効かないと困るから感情としてはそっちになるわけですよ。これは結構自治体ではやっています。二十三区の中では文京区がやっていて、名古屋市もやっている。名古屋市は不活化ワクチンまで一生懸命やっている。
こういう現状がありますね。これはまだ厚生労働省はうんとは言っていないわけだけれども、五十歳以上の三人に一人ですよ。だから、これこそやっぱりきちっと自治体で対策を取るべきなんじゃないかなと思いますけれども、今度はどうでしょう。
◎高橋 感染症対策課長 帯状疱疹は、水ぼうそうウイルスというものによる病気でして、初めて感染すると、小さいお子さんですと水ぼうそうで、大人になってから感染する方もいますが、その際は、大人になってからだと少し重症化することもあると言われています。
その後、体内に長く潜伏していて、免疫が下がったときに再度発症して、そのときに帯状疱疹と言われますが、コロナの影響なのか何なのかというのはなかなか分からないんですけれども、問題となるのは発疹が治った後に痛み等の神経痛という症状が長く続くことがあると言われています。
ワクチンについては、先ほど委員の御指摘もあったように生ワクチンと不活化ワクチンという二種類があるんです。効果としてはそれなりにあると言われているんですが、現時点では、国内で接種することは可能なんですけれども、予防接種法に基づく定期の予防接種という形では、国では認められておりません。
今現状、いろいろなデータ等も集まっておりまして、国のほうでも議論は継続中と聞いておりますし、東京都の動向も変わってくる可能性もございますので、そちらを注視しながら、区の対応については検討してまいりたいと思います。
◆高橋昭彦 委員 慎重になっていてもしようがないので踏み出しているところがあったりするわけですよ。踏み出すということも大事だと思いますので、よく検討してください。
もう一つ、最後です。児童館について、ちょっと一つだけお聞きしたいと思います。
今後の子ども政策の考え方(グランドビジョン)を出されましたね。その中に、中高生の活動や子ども・子育て支援、学習支援の場の充実のために児童館の閉館後や休館日の貸出しを行う等、効率的、効果的な活用を図りますと出しましたね。よく出しましたよ。これは評価するんですけれども、私は児童館のことはずっと昔から言っていまして、ちょっと調べたら、平成二十四年の決算特別委員会でしたね、ちょうど十年前です。
札幌市の児童館というのがあって、これは百四か所ある。ここは中高生タイムといって、バンド、バスケ、ダンスがみんなできるように、夜九時まで高校生がやっているよと。ここはもう委託もしたりして、きちっと柔軟な対応をしているじゃないかということをそのときに言ったんですよ。
だから、世田谷区としても何としてももう少し時間延長して、そして、休館日も開けてあげて、みんながやっぱりその場をしっかり使えるようなものにしていくべきなんじゃないのというふうに話をした。そうしたら、もう十年もたったんですけれども、当時、志賀さんという人が児童課長でしたよ。この志賀さんが、お話のとおり、夜間などに中高生専用の時間帯を設けることは効果的であると。ただ、児童館は区民センターとか都営住宅の複合施設に入っている場合もあるから、ほかの施設の調整、近隣への影響も考慮することがあって、課題であることは事実ですと。いずれにいたしましても、様々な観点から検討してまいりたいと。十年間たって、ようやくこの閉館後の体制とか、休館日をどう使うかとか。世田谷区は時間がかかりますね。本当に一つ一つ。帯状疱疹は早くやってくださいね。十年かけないで。
これはどういうふうに使おうと考えているのか、どういう方針でこの閉館後とか休日を活用していこうと、どう踏み込んだのか、答弁願いたいと思います。
◎須田 児童課長 夜間や休日の児童館施設の活用につきましては、これまでにも行ってきた地域活動団体の利用に加えまして、子ども・子育て支援に向けた様々な活動の利用も想定し、検討を進めているところでございます。
また、区はグランドビジョンにおいて中高生の活動や子ども・子育て支援、学習支援の場の充実のために児童館の閉館後や休館日の貸出しを行う等、施設の効率的、効果的な活用を図っていくことの方向性を示してございます。
この取組の具体化として、まず地域の子どもを支援する活動団体に学習支援等の場として提供することから始めることとし、施設の状況等を踏まえ、民間事業者を活用した時間外の施設管理なども視野に入れながら有効活用に向けた様々な検討を進めていきます。
今後は、地域団体による時間外の利用状況、さらには、児童や乳幼児親子、中高生などの児童館利用者や地域の利用ニーズを把握した上で、児童館が時間外においても地区における子ども・子育て支援の中核的役割を果たす施設としてふさわしいものとなるよう、具体化に向けた取組を進めてまいります。
◆高橋昭彦 委員 また議論します。よろしくお願いします。
では、替わります。
◆岡本のぶ子 委員 まず、多胎児支援のさらなる拡充について伺います。
本年三月の予算特別委員会において、私は、育児不安を抱える保護者からの声として、本区の多胎児支援事業を拡充すること、また、妊産婦の健康診査の公費助成をすることを求めました。これを受け、区が本年八月一日よりヘルパー訪問と移動支援のタクシー利用の対象年齢を三歳未満まで拡充し、妊産婦の健康診査も令和四年度四月に遡って公費助成実施を迅速に実行したことを評価いたします。
ただ、ヘルパー訪問事業の利用に関して大変気になるのが、利用可能な時間帯が平日と土曜日の午前九時から午後五時までであり、保育園に通園する多胎児家庭の保護者からは、せっかく年齢幅が拡充されても利用できる日が限定されており、平日夜間の利用や日曜日も利用できるようにしてほしいとの声をいただいております。本件に関する区の見解を伺います。
◎小松 子ども家庭課長 多胎児ヘルパー支援のツインズプラスサポートは、令和四年八月からの年齢要件及び訪問時間数の拡充に当たり、要件に該当する御家庭二百六十七世帯へ御案内をお送りし、九月末までに百三十一件の申請をいただいております。
二歳児までの拡充により利用者が大幅に増加しており、新規事業者の確保に取り組むなど、現在は質を維持しつつ、安定供給を第一に進めております。現時点では、拡充からの期間が短く、利用件数等の実績の蓄積が十分でないため、委員からの御指摘にありましたように、今後、利用状況の確認や、対象者アンケートを実施するなど、事業の検証を行ってまいります。
ヘルパー事業所により訪問可能な地域や曜日、支援内容等の要件に違いもあるため、引き続き各事業者の意見を聞きながら働きかけてまいります。また、ヘルパー事業者向けの研修につきましても、多胎児を育てる家庭支援の理解を深めることを目的とした研修等を実施しており、今後も訪問支援に生かせる研修を実施してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 育児不安解消に向けて、本事業を必要とされている全ての多胎児家庭がヘルパー訪問を利用できるよう、事業の改善を重ねて求めておきます。
次に、おでかけひろばの利用についても伺ってまいります。
私は、本年八月に子育てひろばで行われたワークショップに伺い、集われたお母さんやスタッフの皆さんのお声をお聞きしました。その中で気になったのが、ワークショップ主催者の方が保育園に通園されている保護者の御要望を受け、今回、土曜日に開催したという一言でした。
改めて調べてみると、区内に六十八か所ある中のほとんどのひろばが平日十五時までの開催であり、土日を含めて開催しているのは子育てステーションの五か所のみであることが分かりました。区は今後の子ども政策(グランドビジョン)の中で、世田谷版ネウボラの新展開として在宅子育ての充実を掲げ、ベビーカーや子どもが歩いて十五分のより身近な場所におでかけひろばを現在の六十八か所から八十か所まで広げるとしていますが、さきの事例でも分かるように、平日は仕事と育児の両立で忙しく、なかなかお子さんとゆっくり過ごすことができない保育園児の保護者の中には、おでかけひろばを土日に利用したいと思っている方々がおられると考えます。
今後、保育園に通園されている保護者が利用しやすいように、おでかけひろばの開催日の拡充を求めます。区の見解を伺います。
◎小松 子ども家庭課長 区内にあるおでかけひろば四十二か所のうち、イベント開催を含め土曜日に開設しておりますのは二十三か所でございます。二十三か所の中で日曜日も開設しているのは委託事業である子育てステーションの五か所となっております。また、児童館によっては、不定期ではございますが、土曜日、日曜日に子育てひろばを実施しております。
本年五月に実施しました「世田谷区子ども・子育て支援事業計画」ニーズ調査におきましては、おでかけひろばを利用しない理由として、開催時間や曜日が自分の都合に合わない、また、忙しくて利用できないが、それぞれ約二割となっております。利用者のニーズに合った開設曜日や時間の設定につきまして、ニーズ調査結果を勘案し、補助事業者であるおでかけひろばの意見も踏まえ、働きかけてまいります。
区では、おでかけひろば事業に従事しております職員向けの研修を実施しているほか、事業者が自主的に実施している研修についての経費補助などを行っており、引き続き、事業者における人材確保と育成の支援充実に取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 今後、区が子ども・子育て応援都市をバージョンアップすると表明するのであれば、多胎児家庭への支援の課題、おでかけひろばの利用可能日の課題でも取り上げたように、在宅子育て家庭のみならず、保育を利用している子育て家庭も含め、全ての子育て家庭を応援する姿勢を区の子ども政策(グランドビジョン)に示すとともに、支援を必要とする子育て家庭に寄り添う区の施策の改善を求めます。区の見解を伺います。
◎嶋津 子ども・若者支援課長 区がこのたび実施したニーズ調査により、妊娠や出産、子育てがコロナ禍の影響もあり、家庭の中だけで行われているという現状が明らかになりました。これらを解決するために、困難な状況になってから支援につながるのではなく、保育園などの理由の有無を問わず、全ての子育て家庭が日常的に地域の人々や子育て支援につながっていることがより大切であるため、今回のグランドビジョンでは日々の暮らしの身近なところで人や支援につながるための子育て支援の充実を目指しております。
具体的には、おでかけひろばでの(仮称)親子でほっとひと息事業の実施、子育て支援館の全児童館の展開、セルフケア事業などの充実、さらに理由を問わない一時預かり事業の拡充などを予定してございます。
今後、改善が必要な施策につきましては見直しを進めるとともに、全ての子育て家庭が妊娠期から孤立することなく地域の人々や支援につながりながら安心して暮らせるよう、寄り添い型の支援の充実を図ってまいります。
◆岡本のぶ子 委員 今、答弁をいただきました。本当に全ての子育て家庭の支援を考えていただきたいんです。保育園に通っている保護者の方たちからすれば、保育園に預かっていただいて、お子さんを連れて帰ったらすぐにお風呂に入れて、御飯を食べさせて、寝かしつけるという、そのことが精いっぱいであって、本当にお子さんと一緒に過ごす時間ということができるのは、土曜日が休みであれば土曜日にできるかもしれませんが、日曜日が大半になってくるとなると、もうひろばも三時までで終わり、また、多胎児支援も夕方五時までで終わっている、日曜日は使えないとなると、何か世田谷区の言っていることが本当に子育て全てを網羅しているのかなということが非常にいぶかしく思います。その点について、部長、重ねて改善を求めますが、いかがでしょう。
◎柳澤 子ども・若者部長 今回、グランドビジョンということでお示しさせていただきました。特にアンケート調査をした中で、やっぱり在宅子育ての中で孤立している、子育てが夫婦の中だけで行われている、そういったような状況も見えました。とにかくより地域で子育てを支えていくんだということを明確に打ち出す必要があるということで、今回、様々在宅子育て支援であるとかということで出させていただいています。
今後はこれを充実させていって、子ども・子育て応援都市ということをさらに進めていくといったことで取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
◆岡本のぶ子 委員 部長、今、私が質問したことを聞いていましたか。保育園に行っている保護者は、保育園に預けているからいいでしょうにしか、部長の今の答弁は感じないんですけれども、いかがでしょうか。
◎柳澤 子ども・若者部長 申し訳ございませんでした。そういうことではなくて、保育園という部分の、もちろん日中の支援もございますけれども、さらにその後の時間というのが、当然子育てというところでは長いですから、そういった時間であるとか、それから、土日、まさに親子でほっと一日過ごせるという時間もございますので、そういったところをしっかり区としても支えていきたいというふうに考えてございます。
◆岡本のぶ子 委員 重ねてよろしくお願いいたします。
次に、視覚障害者等の情報提供保障と就労機会の創出について伺います。
区は、令和二年四月からLINEを活用したプッシュ型の情報配信サービスをスタートいたしましたが、視覚障害者の方々を想定した配信になっておらず、残念ながら、ワクチン接種など様々なタイムリーな情報が入手できない状態が続いております。この件は、令和二年第一回定例会の一般質問でも取り上げましたが、約一年半経過し、改めて質問をさせていただきます。
視覚障害者用のプッシュ型情報配信サービスが構築され、その配信業務を視覚障害者の仕事として担うことができる仕組みが民間事業者より提案されております。視覚障害者へのタイムリーな情報保障と就労支援という観点から速やかな導入が求められます。区の見解を伺います。
◎宮川
障害施策推進課長 パソコンやスマートフォンを使う視覚障害者の多くは、画面読み上げ機能や読み上げアプリを使っておられますが、知りたい情報を探すのに時間がかかるなどの不便があり、情報がプッシュ型で届くことで情報へのアクセスの改善が期待できます。
一方、視覚障害者の就労状況は、はり、きゅう、マッサージが多く、事務系の仕事は少ないと伺っており、情報へのアクセスと就労機会の拡大が併せて進むことは視覚障害者にもメリットがある取組と考えられます。
障害者の情報コミュニケーションと就労支援につきましては、新たに制定した条例を基礎としまして関係機関とも協議し、施策展開を検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。条例制定された今、やはり情報保障ということが、しっかりとその充実が求められております。特にこのコロナ禍で災害情報に匹敵してもおかしくない、日々いろいろな情報が配信された中で、視覚障害者の方がその情報をタイムリーに受け取れていないということが一年半続いておりますので、ぜひ早急なる改善を求めます。
次に、車椅子ユーザーの方の移動を助けるシェアスロープの普及について伺います。
本件については、他会派の方が一般質問でも触れてくださっておりました。本年七月にNPO主催のシェアスロープの体験会に私は参加させていただきました。これは、商店街の複数の店舗で持ち運びできるスロープをシェアする取組で、車椅子の方やベビーカーで来店される若いお母さん方が、シェアスロープがあると気軽にお店に立ち寄れるのでありがたいと好評でした。
本区には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした心のバリアフリー推進の一環として、商店等に対する段差解消スロープなどの物品購入助成を実施されていたと認識しておりますが、先月、松原のカフェ&ギャラリーで行われた車椅子ユーザーの絵画の展示会に伺った際、商店主の方より、お店の出入口の段差を解消したいと思い、物品助成について区に問合せをしたが、既に事業は終了しており、段差解消の工事助成があると聞いたが、店舗のオーナーの承諾が必要で実現が困難とのことでした。
今月、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例が制定された本区として、心のバリアフリーを推進する上からも、シェアスロープを様々な店舗や段差解消のために活用していただくことは大変有用だと考えます。区の見解を伺います。
◎宮川
障害施策推進課長 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としました心のバリアフリー推進の一環としまして、商店等に対する段差解消スロープや点字メニュー等の物品助成事業を令和元年度から三年度まで実施しました。この助成事業は当初より期間限定としていたため、三年間で終了しましたが、事業者にバリアフリーを考えていただくきっかけとなる事業であったと考えておりまして、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例に基づく事業として、来年度の実施に向けて検討しているところです。
また、スロープを複数の店舗等でシェアして使うことは、店舗のバリアフリーの一助となるとともに地域のつながりづくりにも資するものと考えられます。今後、区の助成制度を使って購入したスロープを店舗などがシェアする仕組みづくりや障害当事者の意見を取り入れる町歩きなど、心のバリアフリーにつなげる施策を検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 先日伺ったカフェでも、やはりそういう、もしスロープの助成が復活されるなら使いたいというお声もありました。私は、やはり何かちょっと期間限定で世田谷区がスロープ助成をしていたということに対しても非常にはてながいっぱいついちゃったんです。パラリンピックを契機として、共生社会ホストタウンとして、どんどんこれから世田谷区は目指していたはずなのに、期間限定だったということに対しては何とも言えない気持ちがありましたが、今、来年度からまた復活させるというような答弁もいただきましたので、ぜひこのシェアスロープも含めて、こういう地域丸ごと心のバリアフリーが進展できるように、ぜひお願いしたいと思いますが、部長、いかがでしょうか。
◎須藤 障害福祉部長 先ほどいただいた情報保障の部分、それから、今回のこのシェアスロープを含めて心のバリアフリーという部分、区として大変重要だと思っていまして、条例の中でしっかりと位置づけたものを具体化していく取組としてしっかりと進めていきたいと思います。これが終わりではないと思いますので、さらに少しちゃんと見直しをしっかりしながら、バージョンアップも含めて、今後しっかりと検討していきたいと思います。
◆岡本のぶ子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、買物支援について伺ってまいります。
我が会派の河村議員、高橋議員からもコロナ以前に度々、買物支援の必要性を訴え、地域性を考慮した取組が徐々に進んできたと認識しております。その後、国内では新型コロナウイルスが確認されてから約二年九か月が経過し、様々な世代に精神的なストレスがかかり、健康への課題が出てきております。特に重症化リスクが高い高齢者の方々は、度重なる行動制限の中で家に閉じ籠もりがちになり、地域での様々なイベントが縮小される中で人と対面で触れ合う機会が激減、運動不足による著しい体力の低下と会話をする機会の減少により認知機能の衰えが心配されております。
ちょうど新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた昨年三月三十一日に東急バス、都立〇一系統の都立大学駅北口から成城学園前駅間の路線バスが廃止になりました。約一年が経過した本年五月、上用賀五丁目に住む高齢者の方々から御相談がありました。路線バスが廃止され、地域内にはコンビニやスーパーがなく、徒歩で約三十分程度かかり、買物に行くのが大変。特に高齢者が多く住む団地内には、高齢者がひきこもりがちになり、孤立化しているとのことでした。
この地域は、道路・交通計画部が指定する十か所の交通不便地域には入っていないため、区の交通不便解消の計画から除外されており、バス路線の廃止に伴い、商業施設や鉄道路線から離れた場所で孤立化した高齢者を取り巻く課題は深刻であり、地域課題に即した迅速な対応が必要です。
今後、区としてコロナ禍で課題が浮き彫りになってきた高齢者の孤立と健康への影響を改善するために、きめ細やかに地域課題を聞き取り、社会福祉協議会に委託している地域資源開発事業を活用し、買物支援と交流の機会の創出を目的とした取組の速やかな構築が求められます。区の見解を伺います。
◎工藤 生活福祉課長 区が社会福祉協議会に委託しております地域資源開発事業では、例えば、奥沢地区では認知症カフェを定期的に開催し、地域住民が一緒に体操やおしゃべりをするとともに、パンや鮮魚等の移動販売車を誘致しております。居場所づくりに買物支援を絡めた取組を実施しているところです。
昨年度は、コロナ下で地域資源開発事業の様々な活動を控えざるを得ませんでしたが、今年度は、買物支援を重点事業と掲げ、三地区で既に実施をしております。委員御指摘の上用賀地区を含めた四地区は事業検討中、その他の地区においても実施に向け、七地区でニーズ調査を行っているところでございます。
今後とも、社会福祉協議会と連携し、地区のニーズを迅速かつ的確に把握し、適切な地域資源とのマッチングを行い、自宅等に閉じ籠もりがちな高齢者の方々の健康保持や介護予防と、地域の中で顔と顔が見える関係を築き、地域で支え合う環境づくりに総合的に取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 迅速にきめ細やかに聞き取りをしていただいているということ、非常に評価したいと思いますし、コロナ禍で、本当に道路・交通計画部がやっている交通不便地域はあまりにも時間がかかり過ぎていますので、それは別として、世田谷区のとにかく高齢者の交流の場をどう創出するかということも重要ですので、買物支援等の交流の場づくりということを今推進するとも答弁いただいていますので、ぜひその取組を進めていただきたいことを要望いたします。
最後に、認知症予防について伺います。
本区では、令和二年十月に、認知症とともに生きる希望条例が我が会派の強い要望により施行し、令和三年三月には世田谷区認知症とともに生きる希望計画が策定されました。先月十九日、敬老の日に、地元桜丘町会の敬老会場に伺った際、奥様を長年介護されている男性から、世田谷区の希望条例、希望計画を読み、認知症への様々な施策に期待をしてきたものの、既に計画が発表されて一年半、具体的な取組が地域で見られず残念だという厳しいお言葉をいただきました。
改めて希望計画を読んでみますと、大きな柱立ての一つに、社会参加や健康の保持増進の機会の拡充、「区民が、楽しみややりがいにつながる活動に参加し、自分なりの役割を通じて活躍するための多様な機会を地域の中で拡充していきます。元気なころからそれらの機会に参加する人たちを増やしていくことで、孤立を防ぎ、いくつになっても、認知症になってからも、心身ともに健やかさを保ち、自分らしい暮らしを続けている人を増やしていきます」とあります。
本件に関して、具体的にどのような取組を想定し、区としてこの一年半取り組んでこられたのか伺います。
◎望月 介護予防・地域支援課長 認知症とともに生きる希望計画は、令和三年から五年度を推進体制の基盤づくりの第一期として、認知症観の転換や、本人発信・参画、そして希望と人権を大切に、暮らしやすい地域をともにつくるなどを重点テーマと捉え、認知症になってからもよりよく暮らしていくための備えとして、元気なうちから地域でつながる活動に参加できるよう、仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。
計画初年度である昨年度から地域づくりの重要性を想定し、あんしんすこやかセンターはもとより、まちづくりセンターや社会福祉協議会、児童館に対し、認知症条例や計画、そして認知症になってからも安心して暮らせる地域づくりについて説明し、地区での話合いを求めてまいりました。
また、認知症観の転換を図るため、令和四年三月に刷新した世田谷版認知症サポーター養成講座用のテキスト、アクションガイドを使用しながら、各地区のあんしんすこやかセンター職員などが講師となり、地域の中で暮らす人や在学、在勤の方など、地域の実情を踏まえたアクション講座を実施しているところでございます。
しかしながら、コロナ禍により、区内の施設閉鎖や各種会議や事業の中止、延期が相次いだ時期などがあり、計画どおりに進んでいないのが現状でございます。委員御指摘の具体的取組については、認知症の御本人から出た希望である、例えば、誰かと登山をしたいとか、図書館で子どもたちに本の読み聞かせをしたいといったことを地区の中で実現していき、次のアクションがまた地区の中で広がっていくよう、地域づくりを進めてまいります。
◆岡本のぶ子 委員 先週、町会の回覧板の中に、令和四年秋号「経堂あんすこだより」というものがありました。はつらつ介護予防講座の参加者募集に目が留まりました。定員を見ると六十五歳以上の区民を対象として一回七名、月二回ほど、二グループに分かれているので対象は十四名。また、経堂地区の健康教室の御案内は、認知症への備えと運動として先着二十名と記載されていました。
ただ、先月一日付の六十五歳以上の経堂地区の高齢者人口は一万七百四十三人であり、あまりにも受皿が小さ過ぎると感じました。ここで提案ですが、希望計画にあるように、お元気な頃から社会参加を促すために、日頃から公共施設で活動されている市民活動の場を受皿と捉えて介護予防の観点から活用できるよう、高齢福祉部と生活文化政策部が連携をした条例に沿った積極的な取組が必要と考えます。
例えば、あんしんすこやかセンターの方が出前で桜丘区民センターなど、あんすこから離れた場所に相談会を開催するなどして、介護予防と市民活動の両方を案内するなど、積極的な取組が求められます。区の見解を伺います。
◎望月 介護予防・地域支援課長 高齢者が身近なところで気軽に相談できることは、困り事を早期に把握し、対応していくため重要であると認識しております。あんしんすこやかセンターから遠い地域などに住む高齢者からの相談には、通常、訪問や電話により応じたり、サロンや自主活動グループなどを訪問し、相談の場を設けたりしております。
また、あんしんすこやかセンターによっては身近な場所での相談機会をつくるため、マンションの集会室、公共施設、イベントなどで出張相談を実施しております。
現在は、コロナ禍でこうした出張相談活動を縮小しているあんしんすこやかセンターも多いですが、今後は感染状況を見据えながら、委員御指摘の経堂地区をはじめ、出張相談などでも高齢者が元気なうちから社会参加できるよう、活動の場の案内を行うなど、高齢者が気軽に相談できる機会を増やすよう取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 やはりお元気なうちからが重要だと思います。お元気なうちから地域に参加している、それが、いざ、万が一、認知機能が衰えたときに周りのサポートの手が、行政だけではなくて仲間からのサポートが届くということになりますので、ぜひそこの部分に光を当てた取組をお願いしまして、公明党世田谷区議団の質問を終わらせていただきます。
○宍戸三郎 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後四時四十一分休憩
──────────────────
午後四時五十五分開議
○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
世田谷立憲民主党、どうぞ。
◆藤井まな 委員 世田谷立憲民主党、福祉領域の最初の質問として、コロナに関する質問をしていきたいと思います。
その中でも後遺症について質問をしていきたいと思うんですけれども、様々な後遺症の事例があるというふうに言われています。世田谷区では後遺症の調査をいろいろしたという発表で、様々新聞に載って、その方向性はいいと思うんですけれども、その後、どこまでこれを追っていくのか。また、若い世代と高齢世代とか、どういう傾向があるのかとか。あとは、もっと皆さんが知りたいと思っている中で意見をもらったのは、療養期間はお金、費用が出ますけれども、その後、費用は出なくなったりして、トータルで後遺症に関してどれぐらい費用がかかっているのかとか、こういったことを知りたいという御意見をいただいてまいりました。
後遺症に関して調査をしていると思いますけれども、世田谷区は、その後遺症に関してどこまで追っていくのか。そして、そういったことを調査する気があるのか、今現時点で調査しているのか、そういったことをお伺いしたいと思います。
◎荒木 世田谷保健所副参事 今、コロナウイルスの後遺症について御質問いただきました。昨年度、二回アンケート調査を実施しまして、今年度、令和四年度について、コロナ後遺症に関する予算を確保してはいない状況にございます。今年度当初ですけれども、昨年度の後遺症のアンケートの調査結果を踏まえまして、そこの自由記載欄に労働関係の相談が意外と多かったということが分かりまして、労働相談等の部署との連携を図り、これまで実施していた医療機関への相談機能に加えて、労働相談等があった場合には、そちらのほうに、例えば生活困窮ということであればぷらっとホーム世田谷につないだりというような形の窓口の連携を進めているところでございます。オミクロンに対しての後遺症への調査については予算の確保ができていない状況なので、今のところ、予定はしておりません。
また、費用の助成についてなんですけれども、医療費の助成についても、世田谷区では、今のところ実施の予定はないということになります。
◆藤井まな 委員 長い人だと後遺症にすごく長期間、悩まれている事例がたくさんあるんですよね。しかも、若い世代も結構多かったりするので、やっぱり後遺症に関して、改めてオミクロン株にもかかわらず、これから新しく出てくるかもしれないですけれども、調査ということをまた考える必要があるんじゃないのかと私は思っていますし、医療費の助成の話をしているのではなくて、どれぐらいかかったか、多くの人たちが知りたいという声が僕には届いているので、そういった事例を紹介したり、周知するだけでもやっぱり全然違うと思うので、そういう事例の積み重ねをぜひとも検討していただきたいというふうに思います。
また、後遺症以外にも、もう一つ、コロナのワクチンの副反応というものがあります。後遺症は後遺症相談センターに電話をするということになっていますけれども、この間、僕は文教常任委員なんですけれども、文教常任委員会でコロナワクチンの副反応についてどうしたらいいかというやり取りがされているときに、ワクチンコールセンターに電話をしてくれという発言がありましたけれども、その対応で正しいのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
◎寺西
住民接種調整担当課長 新型コロナワクチン接種は、国、都道府県、区市町村で役割分担がされており、都道府県の主な役割として、医学的知見が必要となる専門的な相談体制の確保が定められております。この役割分担の下、東京都は接種後に副反応を疑う症状が出た方の相談窓口として看護師、保健師等を配置した副反応専門のコールセンターを設けております。
区は、ホームページや接種を受けた区民にお渡しするチラシで、接種後に副反応を疑う症状が出た場合の相談先として都の副反応相談センターを掲載しております。区では、新型コロナワクチン接種の予約など一般的な相談に対応するためコールセンターを設けております。実際には、副反応を含めた相談をされる方も多いですが、副反応にはまれにアナフィラキシーなど重大な事例もあることから、専門的・医学的見地が必要と思われる場合は東京都のコールセンターを御案内することとしております。
◆藤井まな 委員 そうですよね、世田谷区のホームページにも載っていますので。委員会だと、とっさの場でそういうのが出てこないこともあるかもしれないですけれども、やっぱり関係ない部署であっても、これを共通認識させておくというのは大変重要だと思いますので、横の連携を図っていただきたいというふうに思います。
それから、後遺症も副反応もそうなんですけれども、その後、PTSDで悩まれる方とかもいらっしゃいますので、そういったところも、やっぱり副反応は東京都が全部情報は蓄積されるんでしょうけれども、世田谷区も東京都の方たちと連携をして、副反応でもどういったものがあるのか、それで長期で苦しんでいらっしゃる方はいないのか、そういったことの情報も共有をしていく必要があると思います。
また、コロナの後遺症なのか、ワクチンの副反応なのかということの証明は、やっぱり僕もお医者さんじゃないですから、必ずこれがそうなんだとは言えないんですけれども、先ほど高橋委員からもありました帯状疱疹について、大変に多くの事例があるというふうに聞いています。
例えば、私は、世田谷区じゃないんですけれども、世田谷区じゃない二十三区の保健所の職員の方と意見交換をするときがありまして、帯状疱疹でかかった医療費がとんでもない金額になってしまった、何百万円もかかってしまったというような事例があるんですって。そういうことに対して、やっぱり多くの人たちに知ってほしいと、その保健所の方は言っていました。
世田谷区の保健所も、先ほど文京区でワクチンの補助があるという話がありましたけれども、そのワクチンの補助も二種類、さっきの高橋委員とかぶっちゃうので全部は言わないですけれども、二種類あって、そのうちの一つのほうしかやっていないということですけれども、それでも文京区は帯状疱疹に対してワクチンの助成を出すということを言っているから、そのことに対して、多分、多くの人たちが興味を持ったり、どういったことが起こるんだろうと分かるようになると思うんです。
世田谷区もこういった事例があるんだよということをしっかりと周知していただいて、助成が検討できるのであれば、そういったことも行っていただきたいというふうに思いますけれども、さっきと答弁がかぶってもいいので、一言、担当にいただければと思います。
◎高橋 感染症対策課長 帯状疱疹の予防のためには、先ほど委員もおっしゃいましたとおり、生ワクチンと不活化ワクチンの二種類のワクチンがありまして、どちらも予防接種法としては規定されておりませんで、任意接種ということで全額の自己負担となっているのが現状です。現時点では法律に基づかない接種ということになりまして、今後、国や東京都の動向等を踏まえて、区の対応については検討してまいりたいと思います。
◆藤井まな 委員 取り組んでいただきたいということを意見しておきます。
また、コロナの質問の最後に、これは結構厳しく前回言った話を繰り返させていただきたいと思うんですけれども、コロナが発生すると病院の先生が診断をしたりするということで、その途中でハーシスという登録のシステムを使うと思うんですけれども、これを、病院の先生が一度オンラインで記入したものに対して、区の委託事業者が先生に言わないで書き換えたということが起こったということを、僕はこの場から言って、そういったことはないようにしなければいけないんじゃないかという話をさせていただいたときには、そういったことが起こらないようにするというふうに区側の答弁がありました。
しかし、残念ながら、同じようなことがいまだに起きているということで、これは何で事業者は書き換えて何も言わないんですかね。コミュニケーションを取ればいいだけだと思うんですけれども、僕はこの話をもう一度聞いたときに、区側とその委託事業者のコミュニケーションは本当に取れているのかなと、すごく疑問に感じましたね。なぜ同じようなことが起こってしまうのか、区はどのように捉えているか、お伺いをさせていただきます。
◎高橋 感染症対策課長 医療機関から発生届が提出されましたら、その状況を基に患者さんに対して聞き取りを行っております。当保健所が委託している事業者の担当者が患者さんから情報を聞き取った際に、届け出た内容と違うことがあった場合、今回に関しては医療機関に確認の連絡をせずに、その内容を、通称ハーシスと呼んでおりますが、新型コロナウイルス感染症等情報把握管理システムの自由記載欄というところに記載し、対応を終了いたしました。
当保健所では、委員御指摘がありました昨年度の御指摘を踏まえて、感染症法による調査により知り得た追加情報につきましては、厚生労働省等の見解に基づいて医師が届け出た発生届自体は修正せずに、ハーシスの健康観察欄の自由記載欄に記載をしていくということにしております。
いずれにしましても、追加の情報につきまして、オミクロン株の急激な感染拡大の時期ではありましたが、医療機関へ確認を行わなかったのは事実でありまして、この点に関しましては、医師を含め関係者に大変申し訳なく、おわび申し上げる次第です。改めて保健所内での取扱いを確認しまして、今後は適切に対応してまいりたいと思います。
◆藤井まな 委員 その委託事業者の方たちと僕はお会いしたことがないから、どれぐらい人が入れ替わったり、どういう環境でお仕事をされているのか分からないですけれども、コミュニケーションをもっと取らなきゃいけないと思うし、もしも人が入れ替わっているんだとしたら、一度言ったことは何度も繰り返して言わなきゃいけないし、こういうことがずっと繰り返されて、二度あることがもう一回、三度起こったりすると、お医者様はずっと世田谷区にいらっしゃいますから、そのお医者さんたちと信頼関係が崩れていってしまう。お医者さんなくして、医療機関なくして世田谷区なんてやっていけないわけですから、お医者さんたちの信用をなくすようなことが今後ないように、二度あることが三度ないように注意して取り組んでいただきたいということを述べておきます。
次に、障害者支援の話をしていきたいと思います。
僕は、この場所から様々な障害者支援の話をさせていただいたんですけれども、特にケアをしなければいけないというところの話をしたのが、障害を持った方でも、重度であったり、軽度であったり、一級であったり、二級であったり、それぞれの種類によって様々な手当があったりなかったりという部分があるわけで、そのサービスがやっぱりどうしても、ある瞬間、切れてしまう。
本来だったら、例えば、精神であれば一級には手当が出ているけれども、二級には手当が出ていないとか、それはそこだけではなくて、僕が言ったのは、上半身に障害があっても移動支援を渋谷区は出しているけれども、渋谷区と世田谷区の境目で、そのサービスが出なかったり、出たり、こういう境目の人たちに対してよりケアをしなければいけないという話を何度も何度も、ここで私はしてきました。
そんな中、やはりそういう少し違うだけで全然置かれる環境が違うということに対して、世田谷区の保健福祉サービス苦情審査会というところがあるんですよね。そこに、僕に相談に来た方は、精神障害の二級なんだけれども、この二級にも障害者福祉手当の支給拡大を行ってほしいということを世田谷区保健福祉サービス苦情審査会へ申立てをいたしました。
そこの申立てを行った結果に関して、手当支給には条例の改正が必要であるものの、審査会としては、本件申立ては保健福祉サービスの制度自体の改善に該当するという回答が来たわけです。
つまり、サービス苦情審査会は、改善に該当する、改善しなきゃいけないんじゃないかというふうな意見を述べたということでありますけれども、この事実に対して世田谷区はどう対応していくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
◎宮川
障害施策推進課長 心身障害者福祉手当の精神障害への支給につきましては、重度障害である手帳一級の方に通院や文化的・社会的活動への参加を促すため、二十九年四月から行っているところです。この一月に、手当につきまして手帳二級の方から苦情申立てがあり、先月、保健福祉サービス苦情審査会から区に意見書が出されました。
意見書では、手帳二級所持者を福祉手当の支給対象としないことに関して、法令適用の違法性や瑕疵はなかったとした上で、精神障害者の福祉の増進を図る施策の充実や所得補償としての手当の支給拡大の検討など、保健福祉サービスの制度自体の改善に関する御意見をいただきました。苦情審査会からいただきました御意見に対する検討結果につきましては、後日、審査会等に報告する予定です。
精神障害の方の福祉の増進を図る施策の充実等につきまして、当事者の状況の把握に努めながら検討してまいります。
◆藤井まな 委員 これは、審査会に対して世田谷区が、また結果を報告するんですね、公式に報告をするということでよろしいんですか。
◎宮川
障害施策推進課長 おっしゃるとおりです。後日、報告を予定してございます。
◆藤井まな 委員 そうであるならば、今、僕が話した話の内容も加味していただいて、そういった悩んでいる方がたくさんいらっしゃるということをしっかり加味していただいた上で報告を行っていただきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。
最後に、世田谷区の障害を持った方たちの就労について発言をしたいんですけれども、工業・ものづくり・雇用促進課に障害を持った方の就労の相談をして、そうしたら、工業・ものづくり・雇用促進課からはハローワークに電話してくれと言われて、僕がハローワークに電話して、取りあえず当人をハローワークに連れてこいと。登録しないと始まらないからと。渋谷にしかないんですね。
この問題は様々な問題があると思うんですけれども、今日、もしも朝からずっと障害者の就労の話を、ずっと今日の委員会を聞いていた区民の方がいたとしたら、多分、この工業・ものづくり・雇用促進課の対応は間違いなくおかしいと感じると思うんですけれども、こういった対応でよろしいのか、担当の方に伺いたいと思います。
◎山田
障害者地域生活課長 今のお話につきましては、しっかりと障害者に対しての就労の情報の対応はすべきであったというふうに考えます。
◆藤井まな 委員 これを、いわゆるたらい回しと呼ぶんだと僕は思っています。確かに障害を持った方たちの就労のサポート機能は世田谷区にあるわけですよね。それを、僕はさっきの話、何かしましたね、横のつながりがないと。文教がきちんとコロナの副反応の話ができなかったのと一緒で、工業・ものづくり・雇用促進課は、本来だったら、福祉の人たちが対応したらできる話をしなかったわけですよね。
これは本当に大きな問題ですよ。やっぱり共通意識を持っていただきたい。共通意識を持って、課が違うからとかで全然反応が違うようなことが起こることはやめていただきたい。これで僕はわざわざたらい回しされて、ハローワークにも電話して、また新しい問題を見つけちゃって、ハローワークの登録はやっぱり渋谷でしかできない、世田谷区に機能がないからと。またそれでもちょっと怒りが増しちゃったぐらいなので、こういう対応はぜひとも改善をしていただきたいということを申し入れて、質問者を替わります。
◆いそだ久美子 委員 私からは、保健センター決算の実績と今後の対策について、まずお伺いします。
コロナ禍の影響で保健センターが二、三か月事業休止しました昨年度に比べ、実績は上がったものの、事業計画数を下回る事業が幾つか見られました。まず、健診センターの第一ミッションであるがん検診もその一つです。昨年の決算特別委員会でホームページリニューアルについて私から提言し、来年一月に新しくなるとお聞きしました。期待しております。
御提案ですが、がんが気になる働き盛りの世代は、ほとんどオンラインを使います。今回、他会派からも多く指摘したこのお話ですが、がん検診や特定健診は封書による案内から、ホームページからのオンライン申込みに切り替えていく時期ではないでしょうか。メールで翌年の案内も送れますし、封書に代わる注意喚起機能は果たせると思いますが、いかがでしょうか、まずお伺いします。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 新型コロナウイルスの蔓延状況を踏まえまして、保健センターでは令和三年度も引き続き各事業で徹底した感染対策を講じつつ、事業受入れの計画数を従前に戻すなど、これまで事業拡大に取り組んでおり、実績の多くでコロナ禍前の水準に近づいているものでございます。
区は、がん検診事業ではさらなる受診率の向上に向けまして、国の指針に基づき、来年度から受診対象者全員への個別勧奨に取り組むなど、受診勧奨にも今後より一層力を入れていく予定でございます。
今、委員から御指摘がございましたオンライン化につきましても大変有用であると認識してございます。現在、リニューアルに向けまして財団ホームページにおいて試行錯誤、動いていますが、これまで同様にがん検診ですとか、健康増進事業などの電子申請は継続するものとして認識してございます。
ホームページのリニューアルといたしまして、多くの世代の閲覧の機会を増やしまして、より多くの区民の方々が保健センターを知り、利用できる仕組みづくりに取り組んでおりまして、区といたしましても保健センターと連携を図りながら、効果的な情報発信について取り組んでまいります。
◆いそだ久美子 委員 逆に、今期計画値を上回る実績だった項目に筋力アップを目的としたマシントレーニングがありました。在宅勤務が増え、運動不足を感じている働く世代が増えているといいます。がん検診よりちょっと楽しいマシントレーニングや体力測定を、がん検診の予告とともに周知する方法もまたありかと思います。
また最近、認知症への不安や学び直しブームから、脳の健康管理、脳ドックが注目されています。私のところにも区内の他の検診機関からスマートフォンに案内が来ますが、簡易コース一万円から二万円で、脳ドックが初めて世に登場したときは五、六万円だったことを考えますと随分身近になり、受けやすくなったと感じています。
区の脳ドックの簡易コース、こちらもありますが、三万八千円でやや高めの設定ですが、ここはもう市場競争になっておりますので、脳ドックを期間限定、区民限定で、例えば一万九千八百円のキャンペーンなどの価格設定も有効かと思いますが、そのようなことは可能でしょうか。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 保健センターがコロナ禍より始めました健康講座、健康教室などの動画配信、それから、区といたしまして平日日中に参加の難しい壮年期の世代など、いろいろな取組として有効なものと考えてございます。また、夜間や土曜日などに開催する壮年期世代の健康教室の有用性なども評価してございます。
保健センターが自主事業として実施します、今、委員からもお話がございましたが、MRIなどの脳ドックでございます。こちらは高度な医療機器を使ってございまして、利用された方からの満足度も高く評価されているものと認識してございます。
脳ドックにつきましては、区内事業者への支援ということで、産業振興公社の中小企業勤労者福祉事業の会員の皆様方に、これまでも割引制度を適用してきたところです。
これから、これまでのセンターでの実績を踏まえまして、今後も感染状況、それから社会情勢を捉えながら、民間で展開されている手法、また、価格のお話もございましたが、そういったことも参考に取り入れるなど、工夫を重ねながら多くの方々に御利用いただける事業が実施できるよう、区といたしまして連携を図りつつ、調整、指導していきたいというふうに考えてございます。
◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。最後に、広報宣伝の方法です。
「げんき人」には定期的に掲載されているということですが、同じ媒体は同じ層にしかアプローチしません。前回も御紹介しました「世田谷ライフ」のような一般誌に掲載するとか、スーパーや病院、駅の構内などにポスターを掲示するとか、パンフレットを作り、銀行やクリニックの待合室に置く、自治会報への広告出稿、あるいは自治会の方に体験取材していただくのもいいでしょう。来期はこれまでとは違う媒体への露出を検討いただきたいですが、その点はいかがでしょうか。
◎小泉
保健医療福祉推進課長 今、委員から御紹介いただきました、この「げんき人」でございますが、年四回発行しております保健センター独自の健康情報誌でございます。新聞折り込みなどで区内全域に約二十六万部、今、配布をしているところです。そのほかにも、毎月の「区のおしらせ」でがん検診の周知、それから、うめとぴあ通信での記事の掲載、事業チラシの配布など、様々な手法で周知、啓発を現在行っております。
また、新たな取組ということで、区内郵便局の窓口に備えてございます封筒、こちらに保健センター事業のPR広告を掲載いたしまして、年度内に区民に配布する予定であると聞いております。
一方、コロナ禍ということで、例えば、保健医療福祉総合プラザ内の施設ということもありますが、地域との交流ですとか、集客による連携PRイベントが開催できないという現状もございます。今、委員からお話もありましたが、一般的な認知度がまだ低いという状況、それから、それを打破するため今後も啓発に力を入れるなど、認知度向上の取組は喫緊の課題というふうに捉えてございます。
ウィズコロナを視野に、今お話しいただきました「世田谷ライフ」など、一般誌への掲載なども含めまして、保健センターの魅力を若い世代などへも広く情報発信できるよう、関係所管並びに保健センターを含む保健医療福祉総合プラザ内の各施設などとも連携を図りながら取り組んでまいります。
◆いそだ久美子 委員 健診センターというのは、気に入っていただければリピーターになりますし、特に世田谷区の健診センターは最新の検査機器を導入し、都心の大学病院にも引けを取らない施設だと私も思っております。高い医療機器を備えているからこそ、常に利用され、稼動していないと損失になってしまいます。引き続き、区民周知の方法を工夫していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次は、新BOP学童クラブの時間延長についてです。
かつて、自分をはじめ周囲の会社員出身のママさん議員たちが政治を志したきっかけの一つが、この学童保育の時間延長だったことを懐かしく思い出しました。現在二十三区で世田谷区が十八時以降までの延長をしていない最後の区だと聞いて、都心の企業に通う共働きの夫婦が多い周囲の状況を見て、意外にも感じております。
新BOP学童クラブの時間延長モデル事業、以前には平成三十一年四月より二年間、五校に対し実施したと聞いています。学童クラブを利用する保護者七千百七十人への事前アンケートでは、定時終業後の帰宅は十八時半以降の保護者が過半数であり、三〇%から四〇%が時間延長モデル事業を希望すると回答していたにもかかわらず、利用実績は利用率二・三%で、利用者は月平均二・九人と、予想を大きく下回り、本格導入に踏み切れなかったようです。
事前調査と実態との乖離が生じたそのときに、利用を希望すると回答した人に、なぜ利用しなかったかなど原因を分析するフォロー調査はなさったんでしょうか。まずお聞きします。
◎須田 児童課長 本調査は匿名の調査であったため、利用を希望すると回答した人を対象に追跡調査は行っておりません。令和二年度に実施した時間延長に登録している児童の保護者を対象としたアンケートでは、具体的な見直しをすべき点として、スポット利用の実施を要望する声が多く寄せられました。
また、本年三月に実施しました保護者アンケートでは、必ずしも毎日延長が必要ではなく、週一、二回や月一、二回といった時間延長が必要という結果がございました。
区では、これらの結果から、働き方に合わせたスポット利用の実施が必要なものと判断し、実施内容を見直しして時間延長モデル事業を再開することといたしました。
◆いそだ久美子 委員 匿名アンケートだったとしても、例えば、前回利用すると回答したのに利用しなかった人に向けてというアンケートを取ることもできましたし、最初からモニターとして何名か個人に追跡調査という形で調査もできたと思います。調査の仕方は工夫していただきたいと思います。
私のほうで予想できるのは、帰宅が十八時より遅くなり、学童のお迎えには間に合わないと分かっている保護者は入学前に民間学童に申し込んだり、祖父母を呼び寄せたり、区外に転出してしまったり、あるいは正社員を辞めて短時間勤務に切り替えるなど、もう対処を済ませているので、入学後に急にモデル事業を始めても利用しない。
ただ、後輩ママたちのために制度を成立させてあげようと、利用すると賛同の回答をしたのではないかと思います。私もそのような回答をしたことがあります。民間学童を使っていても、あれば利用しますと回答したことがございます。
今回、十月より条件をスポット利用も認めるとし、再度、別の五校に対しモデル事業を実施し、本格導入につなげるということですが、ここで大事なのは、モデル事業を何名利用したかではなく、本格導入するときに小学校に入学する未就学児の学年にこのことを周知し、利用を検討してもらうことです。
今回のモデル事業実施に当たり、未就学児――保育園に限りません、復帰する人もいますので――の保護者に概要を周知し、利用アンケートを行うのでしょうか、お聞きします。
◎須田 児童課長 委員御指摘のとおり、区では時間延長事業を進めるに当たっては、これから利用の対象となる未就学児への概要の周知は必要であると考えてございます。今回のモデル事業につきましては、本年十月からの再開で現在の就学児童が対象となることから、保育園等に十分周知が及んでいませんが、全校実施に向けては、未就学児も含めて広く周知を図っていきたいと考えております。
小一の壁を不安に思っているお子さんも多いことから、未就学児の保護者の声についてはアンケートも含め確認する手法を検討してまいります。
◆いそだ久美子 委員 どんな結果が出るか、私の時代とも違いますので、どうなるか私も分かりません。ただ、他区では一か所当たり十名前後が延長時間を利用しているといいますが、前回のモデル事業のように利用人数が少ないなら費用対効果の観点から延長事業は実施すべきでないという意見もあります。
区の区内企業の男女共同参画に関する意識・実態調査によれば、子育てに関して利用できる短時間勤務や就業時間の繰上げ、時間外労働の免除など勤務先の諸制度が終わるのが小学校入学前が最多回答です。区が行った保護者への令和四年のニーズ調査では、小学生の母親三千二百九十九人のうち、小学校の入学時に仕事を辞めた母親が百六十二人でした。いろんな事情はあるかと思いますが、ニッセイ基礎研究所のデータによれば、大卒女性が同一企業で正社員で働いた場合の生涯賃金は二・五億円、子育てで一旦仕事を離れ、非正規で復帰したとしても生涯賃金は約九千万円で、その差、マイナス一・六億円です。パート復帰ならさらに待遇が悪いので、差額マイナス二億円になります。
本人ばかりでなく、社会的損失が非常に大きいところです。子を持つ女性にとって、正社員は一度手放すと戻ってこないんです。経済効果の観点からも、たとえ百人や二百人のためだとしても、小一の壁を超える手助けを行政が行う意義は大きいと私は考えます。
次に、時間延長のための職員配置です。
学童指導員に会計年度任用職員が多く、質の担保ということが言われますが、そもそも非正規は正規職員より質が低いんでしょうか。さきの例のように、能力の高い人でも一度非正規になると正社員に戻りづらいシステムに取り込んで人件費を抑えるのが今の日本の雇用の現実です。短時間勤務だから会計年度任用職員で済むのであり、有能な人材を所定の研修を経てワークシェアしていけばよいのではないでしょうか。
そこで、区の新BOP学童非常勤指導員Bの募集要項を私も見てみました。子育て経験者や大学生もその下のランクですかね、応募できるようですが、このBというところは、大卒生は学部が指定されています。教育学部や社会福祉学部が望ましいのは私も理解しますが、法学部、経済学部、商学部、文学部、理工学部などの卒業生を除外するのはなぜでしょうか。
また、時給待遇はどれほどでしょうか。
◎須田 児童課長 放課後児童健全育成事業所には資格を有する放課後児童支援員を置かなければならないこととされておりまして、新BOP学童クラブにおいても放課後児童支援員の配置を行ってございます。放課後児童支援員の資格を得るには定められた研修受講が必要でございますが、その受講資格としましては、保育士、社会福祉士、教育職員免許状を有する者のほか、社会福祉学や心理学、教育学などの科目を専修する学科を卒業しているなどの要件がございまして、この研修受講を予定している新BOP指導員の応募要件には学部の指定を設けてございます。
そのほか、児童福祉施設、児童館、学童クラブ、保育所、障害児福祉施設等における実習や勤務経験などを通じ、子どもと関わる経験を有する者という応募要件も設けるとともに、大学生も応募できる経験等の必要のない指導員の別の区分も設けてございます。
委員お尋ねの時給につきましては、新BOP学童クラブの会計年度任用職員の報酬が月額であるため、最も金額の高い指導員Aという職区分の報酬月額は十八万五千四百五十一円でありますが、これに加えて任用期間六か月以上の勤務など、一定の要件を満たした人に期末手当を支給することとなってございます。
◆いそだ久美子 委員 研修を受講する要件としての学部指定があるということで、学び直しとか、リカレントと言われる今の御時世で、人手不足の放課後の児童を見る、この仕事のために人集めをするのに専攻学部で選別している余裕はないと思います。
私も文学部出身なので、大学を入り直さないと、この研修は受けられないと分かりました。学童保育指導員を取得すると同じ業界でも時給が上がりますので、希望者や人手を増やすためにも、区でできることなのか分からないですけれども、この要件は見直しをしたほうがいいのではないかと思います。
また、夕方以降のスポット仕事は昼間より時給が高いのが通常で、民間学童の募集要項を見ましたら一日二時間、週数日勤務で時給千四百円から千八百円、これが相場みたいです。よい人材というのは取り合いになりますので、こういった民間学童の市場価格を見て柔軟な募集要件を工夫して、よりよい人材を区のほうにも集めていただくよう要望いたしまして、質問者を替わります。
◆中塚さちよ 委員 本日最後の質問になります。私からは、在宅要介護高齢者の受入れ体制整備事業について、一番最初に質問させていただきます。
在宅要介護高齢者の受入れ体制整備事業というのは、高齢者の在宅の要介護の方が家族など、介護してくださる方が全員コロナに感染したり、陽性になってしまったりして誰も介護ができなくなってしまったときに受け入れていただけるショートステイ、これが必要であると区民からの要望もあって実現をした制度というふうに認識をしております。
一旦これは終了しましたけれども、令和四年四月十六日に、またコロナが感染拡大をしてきたため再開をしました。この事業ですけれども、この新型コロナ第七波の時期を、再開してからカバーしている時期でしたので多くのニーズがあったと考えられますが、利用実績が少なかったというふうに聞いています。これまで何件、利用がありましたでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 区は、委員御紹介があったとおり、在宅で介護している家族が新型コロナに感染したことにより濃厚接触者となった要介護高齢者が一時的に利用可能な施設のベッドを確保し、家族が安心して療養に専念できる環境を構築するための受入れ体制整備事業を実施しております。
区内のショートステイ施設一か所のベッド数、十床分を確保し、令和四年四月十六日から事業を再開しており、九月末現在で利用件数は七件となっております。
◆中塚さちよ 委員 このとき、本当に保健所も病院も逼迫して大変な状況でした。しかし、半年間で利用は七件しかなかったということですが、この利用したいといった問合せや御相談は何件あったのでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 事業を再開した四月十六日から九月末現在で、利用件数も含めた相談件数は二十二件となっております。
◆中塚さちよ 委員 二十二件相談があったけれども、七件しか利用されていないということは、十五件の方は利用ができなかったということですね。ちなみにこの事業ですけれども、令和三年五月一日から令和四年一月三十一日の九か月間の間でも二十七件、相談件数があったけれども、利用したのは七件だったというような報告も高齢福祉部のほうの資料で確認ができました。
さて、なぜ利用できなかったのでしょうか。詳細を聞かせてください。
◎杉中 高齢福祉課長 受入れに、利用に至らなかった原因につきましては様々なケースがありますけれども、幾つか御紹介しますと、医療的ケアが必要だったため受け入れられなかった、同居家族の検査結果が陰性だったため必要がなくなった、近隣に住む親族の介護の協力が得られることになった、かかりつけ医の判断で病院に結果的に入院した、施設内での感染防止の安全管理上、受け入れすることができなかった等でございます。
◆中塚さちよ 委員 困っているときに受け入れていただくための制度だったと思います。医療的ケアが必要だったから利用できなかったという方は、これは令和三年のときにも全く同じ理由で断られてしまった方がいたということが報告でも分かっています。
第七波のときに、私も身近でこのサービスを必要とした方がいたので問い合わせました。区の担当者が本当に急いで親切に対応してくださったんですけれども、施設の側から、とにかくその施設まで高齢者の方を送迎できることが必ず必要だと言われてしまいました。一般的に、高齢者のショートステイというのは希望すれば送迎がついています。家族の方も全員陽性で、感染してしまって誰も介護ができないのに、どうやってその施設まで送迎をしろというのでしょうか。
また、陽性になってしまった同居家族の方がいるうちに訪問してくれるヘルパーさんとかはいません。事業所さんはみんな断られています。だからこそ、こういうショートステイが必要で、そのための制度をつくってもらったはずなのに、送迎できませんということで利用できないというのは非常に、何のための制度だったんだろうと思います。一体事業者とどのような契約内容になっていたんでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 送迎につきましては、受入れ施設側と契約する事前交渉で、送迎をやってくれないかという交渉はやらせてもらいましたけれども、施設側から、職員の新型コロナ感染のリスクを下げたいといったようなこともありまして、ちょっとそこまでの契約には至りませんでした。
なお、送迎につきましては利用者側に介護タクシーを確保してもらったり、ヘルパーやケアマネジャーが同行したりと、自己で確保していただいている状況です。
◆中塚さちよ 委員 介護タクシーはなかなかすぐ取れないです。それに、コロナのための緊急搬送をしてくれる民間のやつもありますが、私も何件も調べましたけれども、三万円とか四万円とかかかるんですよ。ケアマネジャーが同行しろということですけれども、ケアマネジャーの仕事は何だか区は御存じなんでしょうかね。インテーク、アセスメント、ケアプランの作成、サービス担当者会議をやって、モニタリングして、給付管理するのがケアマネジャーの仕事です。高齢者の送迎ではありません。
通常、高齢者のショートステイは、そのようなときに希望すれば必ず送迎をしてもらえるのに、このような状況でしたので、今後、また第八波が来ないとも限りません。また、この制度はまだ利用できると思いますので柔軟に対応できるようにしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 現在、本事業の受入れに関する相談があった場合には、区の担当者が丁寧に状況を聞き取った上で、受入れ施設側と受入れに関する調整をしております。
一方で、受入れ施設側としては陰性を確認したとはいえ、濃厚接触者を受け入れることは発症の可能性もあることから、一定のリスクを承知の上で対応していただいているところでございます。引き続き施設側とより緊密に連携をしながら、可能な限り対応できるように調整してまいりたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 この制度は困った人のためにすぐ使えるということのために、別途、利用実績がなくても委託費用が支払われることでちゃんと確保してもらえるようになっています。実際には、利用希望のあったうちの三分の一しか利用されなかったわけなんですけれども、一体幾らで委託していらっしゃるんでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 本事業につきましては、当初、令和四年九月末までとしていましたが、この間、新型コロナの感染拡大の波が繰り返されていることから、令和五年三月末まで実施期間を延長したところです。受入れ施設のショートステイの構造上、ゾーニングが可能な十床分のベッドのエリアを確保するため、実施期間である約一年間分の通常のショートステイを受け入れた場合の介護報酬や居住費等の相当分として、委託費は約五千百五十万円となっております。
◆中塚さちよ 委員 決して安くはない金額で、いざというときのために、もちろん施設の側の方もリスクがある中で御協力いただいていると思います。ぜひ今後は困っている方がしっかり助けていただけるように、医療的ケアの人が何度も断られているというのは、こういうのは何とかならないのかとか、送迎の問題も何とかできなかったのかとか、同じような理由で断られてしまっている方々の理由をしっかり検討して、今後、利用できるように検討していっていただきたいと思います。
この制度は、今後もまた延長ということもあるかと思います。制度として必要だと思っていますけれども、そういった場合、やはり特養とかだとリスクが高いというのはあると思いますので、特養以外のこうした宿泊機能を持っている施設とかも含めて、医療的ケアも対応できるとか、ベッド数もそのときに応じてうまく調整できるような、そうした事業者さんを委託費のことも含めてもう一度検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎杉中 高齢福祉課長 区としては、新型コロナの影響を受けている期間中は本事業を継続していく必要があると考えております。また、受入れに至らなかったケースの中には、結果的に必要なくなったというケースがある一方で、実際に受入れを断ったケースもございますので、そこはいま一度、検証したいというふうに考えます。
一方で、本事業は一定のリスクや施設の構造上の条件があることから、受け入れてくれる施設がなかなか見つからなかったという経緯がございました。仮に令和五年度以降も本事業を継続する場合は、いただいた御意見も踏まえまして、現在の受入れ施設との契約の在り方や送迎の件も含めて、改善できる部分は改善していきたいというふうに考えております。
◆中塚さちよ 委員 どうぞよろしくお願いします。
次に、障害者グループホームについての質問をいたします。
本日も他会派とのやり取りの中でも本当に多くの方の意見も出ていたかと思いますが、障害者のグループホームはどうも足りません。通過型施設からの移行先がないといったお話も出ておりました。私も代表質問でもこの障害者のグループホームの増設というのを求めています。今に始まったことではなく、世田谷区には障害者の方が子どもの頃から生活をしていくといった土壌が病院だったり、学校だったりたくさんありますので、やはりグループホームは非常にニーズがあります。
そのような中で、区も頑張っていますけれども、なかなか整備が追いついていないと。都や区の補助金があるので、こういったものを活用して少しでも多くグループホームができるといいんですけれども、果たしてこのグループホームに関する補助というのは一体どのような基準で支給されているのでしょうか。
◎山田
障害者地域生活課長 区では、知的・身体障害者を主たる対象としたグループホームへの運営費補助につきましては、区が推薦する障害者が入居した場合に運営費補助金を交付してございまして、また、整備費については区の上乗せ補助がございまして、そちらについても区が推薦する障害者を定員の二分の一以上、入居することを条件としてございます。
区が推薦した入居者に限って運営費補助を交付している理由でございますが、法人が決めた障害者しか入居できない状況を避けていきたいという考え方がございまして、区で入居希望者の募集を行って、介護の状況であったり、障害者の障害特性など、緊急度の高い障害者に優先して入居してほしいというところから、こういった交付基準を定めてございます。
◆中塚さちよ 委員 区のほうで緊急性の高い方を優先的にという考え方自体は間違ってもいませんし、否定するものでもありませんが、今これだけグループホームが足りない中で、やはりだんだん親の会の方とかは、もう自分たちも年を取ってきて、将来どうなっちゃうんだろうと。今は何とか頑張れているけれども、先々真っ暗だと、そういう声を本当に多く聞いています。
そうした中で、自分たちの土地とか建物を出すので、そこにもちろん、自分の身内だけじゃなくいろんな地域の方に入っていただいて、そういったホームをつくっていきたいということをやろうとしても、その分、補助金が減らされると、そうすると、やはり開設できないということも聞いています。
そういった運営補助に関する要綱等があるんでしょうか、記載について教えてほしいんですけれども。
◎山田
障害者地域生活課長 区内に整備するグループホームにつきまして、区が推薦した障害者が入居できない場合、運営費補助の対象外とはなりますけれども、開設することは可能でございます。現在、区内におきまして、運営事業者が法人の会員などを入居させて、運営費補助の交付を受けずに運営しているグループホームもございます。
運営費の補助要綱ですが、交付できる事業者として、利用者の決定につき区長との協議を経ることを承諾した事業所に限ると記載がございます。
◆中塚さちよ 委員 補助を受けずにやることもできるということです。実際、民間事業者がそのように補助金なく運営している障害者グループホームがあるということも、私も認識しています。区でもこれからできるところもあるんですけれども、しかし、そうしたところの中では資金繰りがうまくいっていないところもあるということも耳にしているわけですよ。
実際、東京商工リサーチによりますと、二〇二〇年度障害者福祉事業の休廃業や解散は百二十七件なんです。これは急増しているんですよ。この中には当然グループホームの運営法人というのも含まれると考えられます。自分が親の立場で、亡くなった後にお子さんが入っていた障害者のグループホームが倒産して、身寄りのない方々が放り出されるようなことになったら、これはとんでもない話ですよね。
そうであるならば、やはり必要としている方がこのグループホームに申し込むんですから、必要ない方、そういう方が入りたいということは考えられないので、どのような方であっても、当然こうしたグループホームを必要とする方が入れ、そこをしっかり区がケアをしていく、そこに補助金を出すことで行政がしっかり関与をし、そして運営をしてもらうといったやり方が望ましいんじゃないかというふうに考えます。
特に小さいグループホームほど、やっぱり一人分、二人分の運営費が減らされたら二五%とか、下手したら四人だったら半分とかいうふうに運営費の補助がなくなってしまうから、経営上の影響がとても大きいですよね。そうすると、やっぱり働く人の待遇の問題も出てきますし、質のよい人材も確保ができない、そういったことにもなってきます。しっかり安定運営をして、安全な障害者のグループホームというのが増えるように、区としても頑張っていただきたいと思います。
他自治体では実際に、もちろん誰でも彼でも入っていいということではなくて一定の基準はつくりますと。だけれども、区が入れる人を決めるんじゃなくて、その基準に基づいて入居者の選定を法人に一任している、そういったところもあるというふうに聞いています。合理的な基準をつくって、その開設法人に守ってもらえばよいのではないでしょうか。グループホームをしっかり増やしていくために補助の在り方の見直しが必要と考えております。区の見解を伺います。
◎山田
障害者地域生活課長 近隣区、幾つか聞いた範囲でのお答えになりますけれども、渋谷区におきましては、世田谷区と同様にグループホームの入居者を区が推薦して決めております。一方で、その他の区でございますが、委員からお話があったように、入居者の選定は運営事業者に一任しているということも事実としてございました。
しかしながら、先ほど来お話しさせていただいているとおり、一任した場合の緊急度の高い障害者の入居についての懸念がございます。したがいまして、当区においては、現在は先ほどのお話のとおり、介護者の状況、また、緊急度合い、あと障害特性、こちらにおいて、やはり緊急度の高い方を優先的に入居してほしいという考え方がございます。そのため、グループホームの補助要綱に条件を設けさせていただいております。
現時点におきましては現在の方法を継続していきたいと思っておりますけれども、法人に入居者の選定を一任しているほかの区、この状況におきまして、緊急度の高い障害者の入居をどのように対応しているのか、この点について情報収集してまいりたいと考えております。
◆中塚さちよ 委員 緊急度の高い方はちゃんと上に来るように、そういったポイントとかを区のほうで決めて、それを法人に守ってもらえばいいだけの話ではないかと思うんです。高齢者の特養ホームとかもポイント制になっていますよね。障害者も今、障害区分認定をやっているわけですから、そういうのを活用していけばできない話ではないと思いますので、御検討いただきたいと思います。
では、次の質問に入ります。がん患者のアピアランスケアについての質問をさせていただきます。
令和元年の六月、定例会の一般質問で私ががん患者のアピアランスケアについての質問をさせていただきました。アピアランスケアは、抗がん剤をはじめとする薬物療法とかに副作用で脱毛や皮膚の黒ずみ、外見の変化があった方のストレスを軽減するためのケアです。ウィッグとか、胸の補整具やカバーメイクといったものをそのときに紹介させていただきました。二十三区では、当時は港区のみがウィッグの助成を行っていて、それから、豊島区、千代田区も実施予定ということを述べました。本区でも取り組むように求めたところでございます。
そのときに区の答弁としては、国や近隣自治体等の動向を注視し、がん対策推進委員会の意見もお聞きしつつ検討してまいりますという答弁をいただきました。その後、新型コロナの流行がありまして、がん患者さんは手術や治療が延期になったり、また、抗がん剤とかの副作用で非常に免疫力が低下している中、ワクチンも打てないとか、感染に不安があるけれども、通院しなきゃいけないとか、妊婦さんにはタクシー券が配られたけれども、がん患者は命がけで通院していました。
私自身も免疫が低下して、本当に危険な感染症にかかって危ないこともありましたので、本当に心が痛むコロナの感染拡大でありましたけれども、その後、今、日常生活、社会生活が再開しています。お仕事をして、通勤しているがん患者さんもいらっしゃいます、アピアランスケアのほうは、その後、港区、豊島区、千代田区に加えて、中央区、文京区、葛飾区などでも実施されています。
世田谷区でもいよいよ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎松本 世田谷保健所副所長 区では、がん対策推進計画に基づきまして、がんになっても自分らしく暮らせる地域社会の実現のため、療養支援の充実に努めております。具体的には、がん先進医療費利子補給制度や、本年度より開始しました若年がん患者在宅療養支援事業、また、がん相談についても区立保健センターでがん情報コーナーを設置し、相談を受けるなど、利便性の向上に取り組んでおります。
お話しのアピアランスケアにつきましては、がんの治療等に伴う外見の変化が治療や就労の意欲を低下させることもあることから、治療中でも自分らしく生きるために重要なものであると認識しております。
来年度には、令和六年度からの次期がん対策推進計画を策定する予定です。策定に当たっては、がん患者や家族への支援の充実という観点から、現在の区の取組を振り返り、区民ががんになっても自分らしく暮らすことができるような効果的な支援策をアピアランスケアへの経済的支援の必要性も含め、がん対策推進委員会等の意見を伺いながら総合的に検討してまいります。
◆中塚さちよ 委員 ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、区民生活委員会のところに続きまして、町会・自治会の募金集め問題について取り上げさせていただきます。
区民生活所管では、寄附というのは自らの意思で金銭や品物を無償で提供すること、強制するようなものではないといった基本的な考え方を確認させていただきました。その中で、イギリスのチャリティーエイド財団、世界寄付指数調査によると、日本の寄附指数は最下位と、寄附文化が根づいていない、また、そうした残念な状況の中で町会・自治会の役員さんが募金集めに来られると非常に断りにくい、強制力を感じてしまう、そういった声を多くいただいています。
また、他会派の方も多く取り上げていましたけれども、集める側が、町会・自治会も加入率が下がっています。高齢化しています。もう様々なお仕事を役所のほうから頼まれて、本当にやるほうもつらい、来られるほうもつらい、その募金なんですけれども、この赤い羽根共同募金なんですが、自治体ごとに地区協力会というのがあって、そこに社協とか区とかが入っていて、募金集めについて議論しています。
過去に田中議員も武蔵野市を取り上げていますけれども、武蔵野市は、この協力会の改革を行いまして、令和元年度には戸別訪問の募金をやめたということです。区もこの事務局を担っておりますが、ぜひ本区でも見習って、協力会で募金中止を検討してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
◎工藤 生活福祉課長 区でも共同募金をしておりますけれども、こちらについては募金箱の設置、郵便振替、銀行振込、電子マネーなどがございますので、様々な募金活動について御提案をして、やりやすい活動をしていただきたいと思っております。
◆中塚さちよ 委員 募金というか、戸別募金の中止を求めたいと思います。ぜひ時代に合ったやり方で自発的な寄附を進めていくよう求めまして、質問を終わらせていただきます。
○宍戸三郎 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。
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○宍戸三郎 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後五時五十二分散会...