世田谷区議会 2021-08-26
令和 3年 8月 区民生活常任委員会-08月26日-01号
部長 片桐 誠
市民活動・生涯
現役推進課長
加野美帆
文化・
芸術振興課長 佐久間 聡
経済産業部
部長 田中耕太
商業課長 中西成之
産業連携交流推進課長 納屋知佳
工業・
ものづくり・
雇用促進課長
荒井久則
参考人
公益財団法人せたがや
文化財団
理事長 青柳正規
事務局長 城倉 茂
文化生活情報センター副館長
松下洋章
美術館副館長 橋本善八
文学館副館長 花房千里
事務局統括部長 山田 実
公益財団法人世田谷区
産業振興公社
副理事長
小田桐庸文
事務局長 竹内明彦
産業振興課長 梅田 亨
地域活性・観光課長 惠見明文
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センター
会長 山田正孝
事務局長 小湊芳晴
◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇
本日の会議に付した事件
1.報告事項
(1) 令和三年第三回区
議会定例会提出予定案件について
〔報告〕
① 令和二年度公益財団法人せたがや
文化財団の
経営状況に関する書類の提出
② 令和三年度公益財団法人せたがや
文化財団の
経営状況に関する書類の提出
③ 令和二年度
公益財団法人世田谷区
産業振興公社の
経営状況に関する書類の提出
④ 令和三年度
公益財団法人世田谷区
産業振興公社の
経営状況に関する書類の提出
(2) 令和二年度及び令和三年度
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターの
経営状況について
(3) その他
2.協議事項
(1) 次回委員会の開催について
◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇
午前九時開議
○
羽田圭二 委員長 ただいまから
区民生活常任委員会を開会いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
羽田圭二 委員長 本日は、当委員会で所管する外郭団体の
経営状況の聴取を行います。
まず、
委員会運営に関しては、引き続き
新型コロナウイルス対策を講じてまいります。理事者からの報告は簡潔明瞭に、委員からの質疑も要点を絞っていただくようお願いを申し上げます。会議時間の短縮に向けた御対応をお願いいたします。
また、発言に当たりましては、お手元の
ワイヤレスマイクを使用いただきますようお願いいたします。
報告の順序は、レジュメに記載のとおり、せたがや
文化財団、
産業振興公社、
シルバー人材センターの順に、各
団体入替えで行います。
報告は、まず区理事者より
経営状況について説明をいただき、引き続き、各団体より
経営方針等についての御説明をいただきます。その後、質疑応答に入りますので、よろしくお願いいたします。
それでは、1報告事項に入ります。
まず、(1)、①と②令和二年度及び三年度公益財団法人せたがや
文化財団の
経営状況に関する書類の提出についての報告に入ります。
本件に関し、参考人として、
青柳理事長、
城倉事務局長、
松下文化生活情報センター副館長、
橋本美術館副館長、
花房文学館副館長、
山田事務局統括部長に御出席をいただいております。本日はお忙しい中、本委員会のために御出席いただき誠にありがとうございます。
それではまず、区理事者より、
経営状況の報告をお願いいたします。
◎佐久間 文化・
芸術振興課長 令和二年度及び令和三年度の公益財団法人せたがや
文化財団の
経営状況に関する書類の提出について御報告いたします。
それでは、令和二年度の事業報告及び決算について御覧ください。
1
実施事業でございますが、ここでは各館の主な事業実績をお示ししております。主なものを御説明いたします。
世田谷文化生活情報センターは、生活工房、
音楽事業部、
世田谷パブリックシアターの三部門に加え、令和二年度には、新たな国際施策の充実発展に向け、国際交流や多
文化共生を推進する
国際事業部を新設し、
事業展開を図ってまいりました。
世田谷文化生活情報センターの事業の総
入場者数は十五万五百四十人でございました。
世田谷美術館では、
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定していた企画展は中止、延期となりましたが、施設の特性を生かしました「作品のない展示室」や、北大路魯山人などの収蔵作品を活用した企画展など、
世田谷美術館が持つ魅力を生かした
事業展開に取り組みました。三つの分館を含めました総
入場者数は十五万千三百四十九人でございました。
世田谷文学館では、臨時休館の影響により会期を変更して、「
安野モヨコ展」「あしたのために あしたのジョー!展」など、様々な事業を実施いたしました。
新型コロナウイルス感染症の
感染拡大状況を鑑み、一部の企画展では
事前予約制を導入するなど、
感染防止対策を徹底して事業を運営してまいりました。総
入場者数は十六万五千六百二十人でございました。
それでは、裏面を御覧ください。2
損益計算書(
正味財産増減計算書)でございます。
一般正味財産の部、経常増減の部でございます。(1)
経常収益といたしましては、主なものとして、
収益事業が十億二千五十七万九千二百九十一円など、
経常収益の合計(A)で二十四億四千百八十七万八千六百三十九円でございます。(2)
経常費用といたしましては、
自主事業の公演、
展覧会事業等の事業費は二十四億三百五十一万八千七百八十四円、管理費は六百八十八万五千五百八十七円、
経常費用の合計(B)は二十四億一千四十万四千三百七十一円でございます。したがいまして、
経常収益(A)から
経常費用(B)を差し引きました
当期経常増減額(C)は三千百四十七万四千二百六十八円のプラスでございます。
次に、
経常外増減の部でございます。
当期経常増減額(C)と
当期経常外増減額(F)を合計しました
税引前当期一般正味財産増減税(G)と他
会計振替額(H)の合計から法人税等(I)を差し引きました
当期一般正味財産増減額(J)は三千九十五万六千七百三十七円のプラスでございます。この増減額(J)に
一般正味財産期首残高(K)を加えました
一般正味財産期末残高(L)は七億五千二百四万七千八百十九円でございます。
次に、
正味財産の部でございます。基本財産は八億円で変動はございません。なお、この運用益四百十一万八千二円を
一般正味財産の
経常収益へ振り替えております。よって、
一般正味財産期末残高(L)と
指定正味財産期末残高(O)を合計いたしました
正味財産期末残高(P)は十五億五千七百八十九万一千八百十九円でございます。
続きまして、令和三年度の
事業計画及び予算について御説明いたします。令和三年度公益財団法人せたがや
文化財団の
経営状況に関する書類の提出を御覧ください。なお、概要版の資料には、事業名称及び開催日程は最新の情報で記載しているため、
事業計画書の内容と異なる場合がございます。
1の
事業計画でございますが、各館の主な
実施事業をお示ししております。
世田谷文化生活情報センターでは、公演、展示、教育普及など様々な事業を展開するとともに、区の施策と連携しながら多
文化共生の取組を進めております。なお、四階の
ワークショップルームは
ワクチン接種会場として使用しているため、主催事業での使用及び区民利用を停止しております。
世田谷美術館では、令和二年度に引き続き
感染防止対策に万全を尽くし、安心して来館していただける環境整備をしてまいります。
企画展示事業のほか、
普及事業では、対面式の
ワークショップ等困難な状況にあることから、
映像コンテンツを制作し、
オンライン配信するなど、新たな手法をさらに充実してまいります。
世田谷文学館は、
新型コロナウイルス感染症の影響による財政状況の悪化を受け、企画展は通常よりも開催期間を延長して二本の実施を予定しております。感染の拡大は運営面にも大きな制約をもたらしましたが、
ICTツールを活用しながら、もっといつでもどこでも誰でもアクセス可能な文学館を目指してまいります。
それでは、裏面を御覧ください。令和三年度予算の内訳表でございます。
一般正味財産の部、経常増減の部でございます。
経常収益といたしましては、
収益事業が十二億一千二百八十八万二千円など、
経常収益の合計(A)で二十六億九千二百九十八万円と見込んでおります。(2)
経常費用といたしましては、
自主事業の公演、
展覧会事業の事業費は二十七億三千三万三千円、管理費は千六百六十六万六千円、
経常費用の合計(B)は二十七億四千六百六十九万九千円と見込んでおります。
一般正味財産期末残高(H)は六億七百二十七万九千六百五円と見込んでおります。
次に、
指定正味財産の部でございます。基本財産は八億円で変動はございません。よって、
一般正味財産期末残高(H)と
指定正味財産期末残高(K)を合計いたしました
正味財産期末残高(L)は十四億七百二十七万九千六百五円と見込んでおります。
報告は以上でございます。
○
羽田圭二 委員長 次に、
経営方針等について、説明をよろしくお願いいたします。
◎青柳 理事長 それでは、せたがや
文化財団の経営方針をお話し申し上げます。
御承知のとおり、今説明もございましたが、せたがや
文化財団は、舞台、それから音楽、
生活デザイン、国際交流、それから美術、文学という主に六つの分野を美術館のような施設、あるいは
音楽事業部のような事業部を中心に活動をしております。特に世田谷に在住の方々が心豊かに、そして、人生をいい方向に導いていただけるような文化の充実を生活者の目線でしっかりと受け止めて楽しんでいただける、そういう文化を広めていきたいと感じております。そのことによって、この世田谷という地域に住むことを誇りに思い、そして、自分たちの生活を充実していく、そういう方向で活動をしていきたいと考えております。もちろん今申し上げた六つの領域、あるいはそれに関連する施設、事業部の活動だけではなくて、全体としても様々な文化というものを、文化というのは非常に幅の広いものでございますから、そういうものも財団として意図して活動していきたい、そのことによって、世田谷に住む方々の生活の充実というものを心がけていきたいと考えております。
◎松下
文化生活情報センター副館長
文化生活情報センターでございます。
ただいまの理事長のお話、また、先立っての区の文化・
芸術振興課長からの御説明も頂戴しましたけれども、現在、
感染防止対策を万全に講じまして、一方、国の補助金の獲得、そういった財源獲得の努力も最大限行ってまいりまして事業を何とか進めているところでございます。
個々の事業については、資料もございますので、ここでは省かせていただきますが、直近のところで一番力を注ぎましたのは、今年五月から生活工房で、区民への
ワクチン接種会場として、今日も、今この時間も運営をしておりますけれども、オフィスですとか店舗ですとか様々な複合ビルでございますキャロットタワー内を接種会場とするということで、管理組合とのたび重なる協議、調整を経まして、最寄りの駅、商業施設、銀行、
公共施設等にも全面的な御理解、御協力を頂戴して、これまで円滑に運営できております。区の御指導も含めまして本当にありがたく、感謝を申し上げております。
こうした取組も、文化芸術に接していただく区民の皆様に、そのような機会の提供に少しでもつながるものというふうに考えております。引き続き、区民や地域の皆様との関わりを大切にしながら、区の文化・
芸術振興計画、多
文化共生プランの方向に沿いまして、多くの皆様の信頼にお応えできる事業運営に区と連携しつつ、全力を挙げてまいりたいと考えております。
文化生活情報センターについての説明は以上でございます。
◎橋本 美術館副館長 美術館から御報告を申し上げます。
今年度も、昨年度から引き続き
感染症対策を徹底して行っております。御来館の皆様にも、職員、そして、
関係事業者にも理解をいただいて、現在のところ大過なく運営を行っております。年度をまたいで、三月二十日から六月二十日にかけて開催した「アイノとアルヴァ 二人の
アアルト展」では、当館としては初めて御来館者の
日時予約制を導入しました。館内の密回避を行うということを目的にいたしましたが、思いのほかオペレーションも円滑に行うことができて、相応の効果が上げられたと考えております。
七月三日からは、東京二〇二〇大会の開催を見込んで一昨年から準備しておりました「
グローバル化時代の現代美術」を開催いたしました。残念ながら、現況によって、お客様が海外からももちろんいらっしゃいませんし、国内からもほとんどいらっしゃらなかった。収蔵品を大きく活用して行った事業でしたが、そういう中でも、
子どもたち、小中学生が大変多く来館してくれて、これは私どもにとっては大変大きな救いだったなと、楽しい、うれしい光景でございました。
普及事業については、相変わらず対面での事業が困難ですので、
オンラインでの
デジタルコンテンツの配信に力を注いでいます。ただ、こういった状況が長く続きますと、やっぱり
デジタルコンテンツでは、こういう文化を伝えていくという我々の仕事の限界もあるのかなと、次の手法を考えていきたいというふうに思っております。
展覧会のほうは、国外から持ってくる困難とか、国内でも輸送費が高騰しておりまして、やはり収蔵品を活用していくことが重要かなと、それから、国内の諸美術館、博物館との連携といったものをもう少し深めていくことで、いろんな事業の充実を図っていきたいと思っております。
それから、広報事業については、やはり即時性を求められるということから、
ホームページの改善を進め、それから
フェイスブックやツイッターといったSNSを現在最大限に活用しているという状況でございます。これからも世田谷区の文化・
芸術振興計画を踏まえて、これを実践に結びつけていく、実現していきたいというふうに考えております。
最後でございますけれども、前回この場でお話を頂戴しましたレストランの運営についてでございますが、その後、
サービス公社の上層部の皆さんともお話をしたり、現場の皆さんともお話をいたしました。現況では、やはり密対策のために席数を限っているということと、それから、経営上の理由からスタッフの数についても絞り込んでいるという状況だそうです。私どもも日頃からコラボメニューの開発などを一緒にやっておりますので、今後も社会状況が回復していくと、これに沿いながら、お客様に対するサービスをどういうふうに改善していくか、ここについて検討を続けていきたいと思っております。
◎花房 文学館副館長 それでは、
世田谷文学館について御説明をいたします。
文学館では、現在、「イラストレーター
安西水丸展」を開催しております。土日など休日には三百人から六百人の方々が来館されておりますが、混雑状況を確認しながら、展覧会場に一時間ごとに最大千名程度まで、
二酸化炭素濃度一〇〇〇PPM以下といたしまして、
感染防止対策をしっかり行い、運営しているところでございます。ライブラリー「ほんとわ」につきましては、こちらの室内は
抗菌コートを施しておりまして、乳幼児も安心して本を読んだり、くつろいだりすることができます。また、川場村の木材で制作しました什器や、ゆったりとした授乳室も好評でございます。
次に、十月からは、「『坊っちゃん』の時代」「孤独のグルメ」でも知られ、日本はもとより、ヨーロッパやアジアの国々でも多くの読者を持つ
谷口ジローの展覧会を開催いたします。文学館は昨年が開館二十五周年でございましたが、これを記念して収蔵品を活用し、
世田谷ゆかりの作家の貴重な資料を御紹介する「セタブン大
コレクション展PARTⅠ ふかくこの生を愛すべし」を開催いたします。また、
移動文学館事業「どこでも文学館」では、当館所有のパネルやバナーなどを全国に貸し出す取組を始めております。昨年度は
コロナ禍の影響によりまして来館者数も減少いたしましたが、この事業では、身近な学校や図書館、
区民センターなどで文学と触れ合う機会を多くの皆さんにつくっていただくことができました。
最後に、七月に
ホームページをリニューアルオープンいたしました。
コロナ禍においても、
ワークショップなどの
オンライン事業や収蔵品のインターネットの公開などを充実いたしまして、世田谷区の文化・
芸術振興計画を踏まえ、
世田谷文学館のさらなる魅力を発信してまいります。
○
羽田圭二 委員長 ありがとうございました。
それでは、これまでの報告、説明に対しまして御質疑がございましたら、どうぞ。
◆
小泉たま子 委員 ただいまいろいろ御報告を受けましたけれども、この
コロナ禍の中で大変だろうと思いますが、私は、今のこの時期こそやらなければいけないことがあるのではないかと思っております。この三年度に、前例にとらわれない創意工夫した取組を進めますとあります。それから、区民の文化向上に寄与する創造的な
文化施設であり続けるために、今後も地域の方々との関わりや幅広い分野とのコラボレーションをやって進めていくと。
しかし、世田谷の区民がどのぐらいここに出入りしているか、その数字をつかんでいるかどうかということが一つあります。世田谷の区民の皆さんのためにどれだけ役立っているか、親しまれているかということだと思うんですが、やっぱり区民全体の様々な文化活動への支援がこの
文化財団から見えてこないと、私は区民のためのものだとは言えないと思うんですね。そのあたりはどのように考えているか伺います。
◎松下
文化生活情報センター副館長 最も事業部の数が多い
文生センターの例を事例として御説明をさせていただきます。
全く委員がおっしゃるとおりだと思っておりまして、区民の皆様への意識調査や
区政モニターの皆様の
アンケートなどを拝見しますと、美術館を筆頭としまして各施設とも大変な認知度をいただいているというふうに考えておりますが、さりとて、やはり区民の皆様の活動につながるものになってくるというところがあってこその
文化施設であるというふうに考えております。現在、なかなかリアルでの接触というふうなものは持ちにくいところではありますが、一例として申し上げますと、夏休み中も演劇の
ワークショップなどは従前の人数の半分にし、一回当たりの時間も半分に縮め、その
代わり実施回数を増やす、身体接触を原則としてなくするという形での
ワークショップの工夫を行っております。演劇の
ワークショップの場合は、大方の参加者の方が区民の方でいらっしゃいます。
また、
音楽事業部に関しましては、昨年度は多くの事業がやむなく中止、または大幅なやり方の変更に追い込まれておりますけれども、例えば
ジュニアオーケストラについては練習の大半を
オンラインに切り替える、直前の段階で集合練習を
パートごとに行う、発表なども
アンサンブル形式での
ミニコンサートという形で、例えば、美術館を会場として提供いただきながらということで、小規模なものを区内の随所で提供していく、こういった工夫なども行ってきているところです。明年度からの指定管理の提案書を出させていただいているところでございますが、その中に今申し上げたような様々な工夫も盛り込ませていただき、本年度それをいわば先取りする形での取組を進めさせていただいているところでございます。
文生センターの事例として御説明申し上げました。
◎橋本 美術館副館長 美術館のほうでは、
展覧会ごとに
対面アンケートというのを必ず実施しておりまして、区民の利用率というのがはっきりここで分かってきております。おおむね一万人から二万五千人ぐらいの
入場者数のある規模の展覧会ですと、約六〇%のお客様が
世田谷区民ということです。これを超えてくる六万人、七万人という規模の展覧会になってきますと、区民の利用率は当然下がってきます。外部からのお客様が大変多くいらっしゃるということになります。ちなみに、昨年行いました「作品のない展示室」では、八割、九割が区民の皆さんでした。
非常事態宣言が出ていましたので、状況が状況でしたけれども、そのような数字になっております。
それから、区民の創造への支援ということで申し上げますと、
区民ギャラリーの稼働率ということが挙げられると思います。
コロナ禍になってキャンセルが今増えてしまっておりますけれども、抽せんをしないとならない、大体一・三倍から四倍ぐらいの倍率で、年間を通じて、
区民ギャラリーも全て利用者に申込みをいただいているという状況でございます。
それから、やはり事業を一緒に展開していく、協働ということで考えますと、小中学生の
子どもたちの鑑賞教室を支援してくださる
ボランティアの皆さん、小中学生の皆さんは
世田谷美術館には年間約一万人来場されていますけれども、この
子どもたちの支援をする
ボランティアが今、四百名ほどを超える
ボランティアに登録をしていただいておりますけれども、やはり
コロナ禍になって、この
ボランティアの人たちとどういうふうにつながりを続けていくかということが今課題になっておりますけれども、こういった事例で、
世田谷美術館では、区民とのつながりとか支援とか交流を持っているかなというふうに考えております。
◎花房 文学館副館長
世田谷文学館でございますが、確かに
コロナ禍におきまして、遠方からいらっしゃる方が非常に少なくなってございます。そういう状況でございますが、先ほど申し上げましたように、「ほんとわ」で乳幼児の方を連れた区民の方、御近所の方にたくさん来ていただいています。大体月に千八百人ぐらいお越しになりまして、土日などは
入れ替え制で整理券を配って対応しているところがございます。また、区民への支援としましては、講義室を活用していただいて、読み聞かせ、俳句の会等々で皆さんに活動をしていただいております。
◆
小泉たま子 委員 このようなことは先ほどの報告でお察しすることはできるわけですけれども、これは今までのやり方ですよね。ですけれども、私が申し上げたのは、今までのようなことじゃなくて、もっと区民の活動を支えて支援していく、もっと広げていく、もっと区民の中に入っていく、そういうことをやらなければいけないんじゃないかということを私は申し上げたかったんですけれども、今やっていらっしゃることを並べられたわけです。
だから、これを一歩、もう二歩も出て、今の
コロナ禍だからこそ、そういうことをどうしたらいいのか、来年、再来年につながるようにすべきだということで私は意見を申し上げました。個々のことを伺うんじゃなくて、
文化財団としての全体のお考えを私は伺いたかったのですけれども、もう時間がありませんので、これでとどめます。
◆
高岡じゅん子 委員 ちょうど今、パラリンピックが行われていまして、私は随分前から、美術館で視覚障害の方も一緒に、例えば令和三年度で言うと三二ページとかにあるアクセシビリティ向上の視覚障害の方とのミュージアム・セッション、こういったものにすごく注目してまいりました。
パラリンピックの今年というのは、そういうハンディを越えた地域共生、やはりいろんなハンディがあっても豊かに文化を楽しめる、そういう世田谷をつくっていく大きな一歩にすべき年で、コロナでそれどころではなくなっているんですが、小泉委員がおっしゃったのとちょっと似てくるんですが、やはりこれを機会に、来館者サポートであったり、アクセシビリティの向上、美術館は特に目で楽しむと思っている中で、コラボというか、視覚障害のある方と一緒に楽しむということで、特別に力を入れてこられたように思いますが、ほかの全ての事業においても、そこについてこれからさらに力を入れていく必要があると思うんですけれども、何か方針があればお教えください。
◎松下
文化生活情報センター副館長 美術館が主に目で楽しむというふうな概念からどうしても入りがちだというふうなところを例にしてのお話を頂戴しましたので、演劇やダンスを取り扱っているというところでパブリックシアターの事例を御紹介申し上げますと、視覚障害のある方のために、舞台の内容についての概略説明を事前に行う舞台説明会というものを行う、また、当然のことながら、介助犬を伴っての御観劇はもちろんオーケーにしておりますが、プラス、視覚障害のある方向けに解説つきの音声ガイドをお申し出、御希望のある場合に差し上げるということ、また、お手洗いなどについても音声案内システムつきの化粧室はもちろん整えておりますが、こういったこと、また、逆に聴覚障害のある方には上演台本をあらかじめお貸し出しをするということや、内容に応じてですけれども、外国からいらっしゃる方、また、日本国内のものでもやや内容が分かりにくいものについては、字幕をタブレット端末に映し出すような形でのタブレット貸し出しなども行わせていただいております。このような工夫は従前からも行っておりましたが、引き続き取り組んでまいります。
◎青柳 理事長 今現在、委員がおっしゃるように、アール・ブリュットというような、視覚障害というか、少し障害のある方々が美術教育を受けないで、そのままストレートに表現するというような美術が大変広まっておりまして、それがまた、いろいろな障害を持っていらっしゃる方にとっての治療にも役立っていると。それからまた、老人ホームなどでは、昔の写真や昔の話をすると急に活性化して認知症が緩やかになっていくという回想法といいますが、こういうような部分をいろいろな
文化施設の中に取り込んで、それで本当に生活に密着した文化による障害の方々へのいい影響を与えるというようなことが今、世界中で盛んになってきております。ですから、そういうことも我々財団として視野に取り入れながらやっていきたい。
そうすると、その回想法というのは、例えば町の中にある古い絵なんかを見て、それでみんなで三十年前、五十年前の昭和時代の戦後すぐのことを思い出す、そうすると、思い出すだけで、それが刺激になるんですね。それが認知症にもまたいい影響を与える。先ほど新しいことを少し考えなくてはいけないとおっしゃいましたが、こういうことが恐らくそういうことにも影響するんじゃないかと思いますので、財団としていろいろ考えていきたいと思っております。
◆
高岡じゅん子 委員 アール・ブリュットを積極的に使っていくというのは、とても新しい取組で、認知症希望条例というのを世田谷区につくりましたが、希望条例という言葉だけが先行して、その希望にきっちりつながっていくような形が見えない中で、
文化財団がその希望を形にする活動として福祉ときっちりつながって、こういったことを進めていただくことをぜひ強く希望したいと思います。ありがとうございました。
◆おぎのけんじ 委員 御説明ありがとうございました。ちょっと角度が変わるんですが、文学館とか美術館とか様々こういう施設があると思うんですけれども、そういった施設におけるキャッシュレス決済の取組というのは今どういう状況になっているか、分かれば教えてください。
◎花房 文学館副館長
世田谷文学館の場合は、キャッシュレス決済は現在いたしておりません。その状況でございます。それで、区のほうも今検討されているようでございまして、それに基づいて私たちも検討しなければいけないという状況でございます。
◎松下
文化生活情報センター副館長
文化生活情報センターで金額的に最も多くを占めるお客様からお金を頂戴するものというのは、パブリックシアター、シアタートラムでの公演のチケット収入でございます。こちらは、現在のコロナの状況に至って以降、窓口での販売は全て取りやめておりまして、全て
オンラインという形での決済に一本化をさせていただいております。現実に窓口にいらした場合にはもちろん対応させていただきますけれども、したがいまして、基本的にクレジットカードでの決済、コンビニなどでの決済ということを基本にお願いをしております。
また、一部の
ワークショップに関しましては、事前予約の段階で、これもクレジットカード等によるあらかじめの事前決済を条件にして御参加をいただくというものも一部取り入れておりますが、どうしてもこれに伴ってのいわゆる取扱い手数料が発生してきてしまうものですから、少額の参加料の場合にはなかなか導入がしにくいというふうな要素もあるというところを勘案しながら、現在は少しずつ広げてきているというふうな状況でございます。
◎橋本 美術館副館長 美術館においては、収蔵品を使った区からの委託での事業と、それから、財団が自主的に行っている展覧会と二種類あるわけで、その辺で、受託、収納の関係で現金を取り扱わなければならないという部分、それから、受付で切符を直接買っていただくお客様については交通系のICカードを取り入れております。それから、ミュージアムショップのほうではクレジットカードでの決済が可能になっております。あとは、入館料で、企画展事業で昨年度から取り入れております
事前予約制、これは完全に
オンライン決済で、事前に全部決済を済ませてから御来館をいただいていると。完全ではございませんけれども、そちらのほうについてもかなり進んでいるかなというふうに思います。これについては、今後とも、お客様のニーズに合わせた形で決済方法をいろいろ工夫していきたいと思っております。
◆おぎのけんじ 委員 キャッシュレス決済というのは、今後、利用の割合というのはどんどん増えていくと思いますし、いろんな事情があるんでしょうけれども、やっぱり区民目線に立った窓口の在り方というものを考えていただきたいなと思います。
クレジットカードもそうですけれども、各種何とかPayという決済サービスもいろいろありますし、世田谷でもせたがやPayというものが始まっておりますけれども、やっぱり世田谷区に関連するそういった施設でせたがやPayを利用していけることの環境整備というのは、これは所管のほうに言ったほうがいいのかもしれませんけれども、そうあるべきだなと私は思っていますので、ぜひ皆様方のほうでも、そうしたことを検討の一つに加えていただけるとよろしいかなと思いますので、要望しておきます。
◆
中山みずほ 委員 御説明ありがとうございました。先ほど理事長がおっしゃられた回想法は、私の母も実際にやっていたりするので、ぜひ実現したらいいなと。すみません、個人的な感想が一つと、あと質問が三点ございます。
皆さんおっしゃられるように、
コロナ禍で大変いろいろな工夫や御苦労があるだろうなと思うんですけれども、まず一つ、各論の話でいくと、
世田谷美術館の「作品のない展示室」というのが結構な集客になっているように私は思ったんです。しかも、先ほど八割、九割は当然近くの区民であるということで、この一万六千人以上、一万七千人近く集客ができたところの勝因といいますか、そこはどういったことをお考えでしょうか。
◎橋本 美術館副館長 本当に昨年度の企画展事業は、一つとして予定どおりできなかったんですね。全部中止か延期で、ただ、その展示室を閉めておくという選択肢もありましたけれども、積極的に美術館の建物を見てもらう。これまでの世の中は、美術館は物を見るためのただの器だったわけです。でも、それぞれの美術館というのは、やっぱりそれぞれの個性を持っていて、特に
世田谷美術館の場合は砧公園の中にあって、建築家の内井昭蔵さんの思想から、本来であれば展示室に窓は必要がないのですけれども、それがたくさん造られていた。ふだんは壁で隠していますけれども、僕らは、あの壁を取り去ったときに、どれだけ美しい光景がそこから見られるかということを知っていたので、大変な
コロナ禍の中で美術館が社会に貢献できることとか差し出せることというのは何かということを考えたときに、建物そのものの美しさを鑑賞してもらおうと。
私どもはそういう単純な動機だったんですが、何か世の中は、今の状況を逆手に取った面白いアイデアだというふうに評価をしていただいて、我々も想定外の反応がSNS上もありましたし、新聞も、テレビも報道してくださった。やはりああいう特別な時期の人々の感情というのが、どういう作用をしたのか私もよく分からないんですけれども、非常に興味を持っていただいて、来てくださった方たちがまたSNS上で発信をしてくださるという好循環の下で、
世田谷美術館のお客さんの層があれ以来少し変わったというのが実感できております。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。私も窓の絵に大変感動しまして、確かに作品のほうに目が行っていて気づかないですよね。これは今回の
コロナ禍であるからこその発想の転換だと、すごくすばらしいなと思っていて、あと、今おっしゃられたようにSNS発信がすごかったんですね。私の友人たち、その他拡散されている人たちの中の感想が、やっぱり今おおむねおっしゃられたようなことを言っていて、気づかなかった点に気づいたということで、すごく高評価だったと思います。なので、二回目、三回目をやれということではないんですが、やっぱりこの感覚というのは今回すごく重要だったなと私は感じましたので、大変な中だとは思うんですけれども、ぜひまたこういった企画も含めて進めていただけたらなと思います。
同じく、今回の
コロナ禍で、いろんな事業でやっぱり
オンラインを活用するということがあの転換の中にすごく書かれていたかと思うんですけれども、あくまでも今、
コロナ禍であって、このような文化芸術というのは本来はリアルで見ていくものであることから、
オンラインでも何とかしようという補完的な意味でやっていると思うんですが、とはいえ、いろんな評価の中に、例えばふだん子育てとかをしていて、今まで美術館に行けた人、お芝居を見に行けた人がなかなか行けない、もしくは、この前フジロックもありましたけれども、フジロックも、私なんかの友人は、みんな若い頃は行っていたけれども、今は家族もいるし行けない、でも、ライブ配信があったので見られたとか、やっぱり
オンラインがコロナのいわゆる代替品ということではなくて、もしかすると、主流にはならないけれども、より裾野を広げる方向に行くんじゃないかと思うんですが、今後の
オンラインの活用を、コロナが仮に収束したとしても、どのようにお考えか教えていただけますでしょうか。
◎松下
文化生活情報センター副館長 今、委員からお話をいただいたことは、実は
オンラインで行いました事業の事業結果の
アンケートを取らせていただいた際に、やはりできたら
オンラインじゃなくてリアルにしたいなというふうなお客さんはもちろん多うございます。一方で、これが
オンラインでなかったら参加ができなかった、そもそも参加すること自体考えなかったというお客様もいらっしゃいました。例えて申し上げればということですけれども、生活工房など、従来から様々な情報ツールを活用した取組を進めてきておりましたけれども、こちらの事業などでも、本当だったら絶対に来られないですよねという物すごく遠隔地の方が非常に関心を持って、
オンラインだから参加ができて非常によかったと。本来、私どもは区民の皆様に還元して何ぼなものですから、どうしても区民の皆さんを主に考えてしまうんですが、広く文化芸術全般ということにウイングを広げて考えるならば、私どもがそういう取組をしていく、また、ほかの施設でも全国のいろんなところが同じような取組をしていくことで支えあっていくことも含めて様々な可能性があるのかなというふうに目を開かされた感がございます。
とはいえ、やはり
オンラインオンリーで何かをするというよりは、リアルと
オンラインをいかにそれぞれの特徴を生かしながら組み合わせていくのかというところが、今後の展望としては間違いなくそこが主流になってくるのかなというふうに、
文化生活情報センターの各部の状況から見ますと、そのように今受け止めているところでございます。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。そうです。今おっしゃられたように、ハイブリッドでやることも想定していくということが今お話にあったので、私もそれがかなったらいいなと本当に思っているんですが、そうしますと、今後の
事業計画の中で、リアルもやるけれども
オンラインもやるといったときの収支の方法であったり、計画の立て方であったり、あと効果測定も含めて、そこは今後どのようにやっていくとお考えか教えてください。
◎松下
文化生活情報センター副館長
文生センターの例ということで申し上げますと、
ワークショップなどについては、比較的
オンラインでのハードルというのは低うございます。ところが、公演事業などを有料配信するという場合になりますと、やはり有料であるというのに見合ったそこそこのクオリティーを
オンライン上でも確保をしなければいけないということで、実は相当なコストが発生をいたします。当日、その場で楽しんでいただくのにふさわしい音響や照明、お客様の誘導というところには従来どおり気を配りつつ、
オンライン配信のためのというところでのプラスも加わってくるということで、やはり全ての事業について、いわゆる生のものと
オンラインのものとを併用するというよりは、私どもも公益
文化財団でございますので、やはり一定の収支というところも意識をしながら、有料配信のメリット、デメリットというところは、個々の事業ごとに見極めていきながら行っていくのかなと。
そういう意味では、いわゆる
ワークショップ系のところについては、併用というのは様々な形で大いにやっていこうというところに軸足を置いておりますが、いわゆる公演事業などについては、その適否も含めて、個々の内容に応じて見定めていくというのが現段階での考えでございます。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。今おっしゃられたように、先行投資も必要な、もしかすると、それこそ機材だとか、あと人も必要ですよね。そういった技術にスキルがある人ということもあると思うので、もし本格的な
事業展開をされるようであれば、そういったところも踏まえて、今後また報告いただけたらなと思っています。
あと最後に、このコロナでいろんなことが中心になったりしている中で、人材への影響、雇用も含めて、そういったところは何かあったりするんでしょうか。
◎城倉 事務局長 やはり今回のコロナの影響の中で
事業展開について相当の影響を受けたということから、今、人の話が出ましたけれども、どう対応していくかということは大きな課題でありました。その中で、やはり雇用は継続するという大前提、その方針を崩さないようにというようなことで対応してきたというのが現実でございます。
ただ、実際にはやはり現場で働く人の仕事がなくなる、例えば受付であるとか、そういうところについては、やっていないんですから仕事がないわけですね。そういうところについては、やはり生活を維持するということから補償を出すとか、それは認められていますので出す、そのような対応をしてきているということです。基本的には、仕事のなかった人も雇用を継続できるような形のことを考えてやっていくというようなことが大事じゃないかと。今後、どのようなことになるのか分かりませんけれども、基本はそこに据えて進めていきたいというふうに考えております。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。つまりコロナで仕事がないからいいということではなく、補償も含め対応して、できる限り雇用を継続するという御回答だったと思いますが、ぜひそこは丁寧にお願いしたいという要望です。
◆ひえしま進 委員 今の
コロナ禍で、ある意味、一番打撃を受けているのは教育現場だと思うんですね。それで、この
事業計画とか、この事業内容を見ますと、美術鑑賞教室とか学校と子どもの連携事業というのがあると思うんですけれども、今、小学校などでもタブレット端末を一人一台配付しておりまして、こういったものを活用してこれまでやってきたものがあれば教えていただきたいのと、これからどういう取組をされるのか。学校自体が休みになってしまえばこういうものも実施できないわけですから、どういったお考えなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
◎橋本 美術館副館長 今お話があった特に小学校四年生を対象とした美術鑑賞教室は、一九八六年の開館以来、ずっと絶やさずに、どんな状況であってもやってきたんです。さすがに昨年度は全てがなくなりまして、これは
子どもたちの鑑賞の機会をこのまま失わせてしまっていいのかと。私どもの館でずっとやってきているのは、小学校四年生と中学一年生なんですね。中学一年生になりますと、一年逃すともう次のチャンスがない。なので、今年からは中学生全員に鑑賞のガイドを配って、美術館にいつ来てもいいよということで、中学生向けの鑑賞ガイドの拡充も教育委員会と連携して進めさせていただきました。それから、小学校のほうは、今年、一時期スタートしたんですけれども、やはり緊急事態の中で中止になって、今、中止状態です。ただ、そのままではやっぱりいけないということで、今お話しのあったように、タブレットとか
オンラインを使って、
オンライン授業をさせていただいています。各学校にも冊子、ガイドを配って、
子どもたちが夏休み期間とか、ほかの土日も活用して、美術館に来てくださるような形態を取っています。
あと、先ほど
オンラインのお話がありましたけれども、
デジタルコンテンツのお話がありましたけれども、今年の夏は、ナイトツアーといって、これは毎年リアルでやってきたんですけれども、
子どもたちが美術館に集まって、閉館後の美術館をあるストーリー立ての中で探検していく。今年はハイブリッドで、事前に、美術館の作品が盗難に遭うというか、怪盗から犯行予告が来まして、そこから予告編から始まって、
子どもたちに呼びかけるような形で、
オンラインで、ユーチューブで流したんですけれども、それで探偵を募集するんです。その
子どもたちは親と一緒に、夏休み期間の普通の日に遊びに来て、そのミッションを果たして、一体どの作品が怪盗に狙われているのか、それを今度は
オンラインでみんなで集まって、また答え合わせをするというのをついおとといかな、さきおとといぐらいにやったばかりなんですけれども、また、最後の締めの編も流して、全部で四編構成で
子どもたちが参加できるような、だから、工夫によって、これからもどういう状況においても、僕らも同じことを繰り返すだけじゃなくて、
オンラインという形とリアルとハイブリッドでいろんなことをやっていきたい。
子どもたちにできるだけ多くの鑑賞の場を用意していきたいと思っています。
◆た
かじょう訓子 委員 関連でなんですけれども、こういった子どもを対象にした
ワークショップであるとか、こういった
オンラインでの鑑賞ができる機会というのは、大体自宅でというのではなく、どちらかというと学校でみんなで集まってというような取組になるんでしょうか、それとも、個人でもというふうに考えておられるんでしょうか。
◎橋本 美術館副館長 これは両方です。ですから、学校では授業の時間を決めていただいて、そこで
オンライン授業をやるというような形になりますし、それから、学校の先生の御希望によって、私どものこれまでのノウハウを
オンラインで御提供する、コンテンツをつくって御提供して授業資料にしていただくというようなやり方。
もう一つは、
ボランティアの人たちが毎週土曜日に小人数で集まって作っているんですけれども、「おうちで百円
ワークショップ!」というキットを作っています。これを毎週金曜日と土曜日に夏休みは販売していて、そのほかの期間も毎週土曜日に販売しているんですね。本当に百円なんです。今度はデジタルのコンテンツを見ながら、それを自分の家で組み立てて遊ぶというような、来館していただくということと、それから、おうちで楽しむ、これの組み合わせの事業を今進めております。
◎青柳 理事長 今の
オンラインの話題で、我々もこれから勉強して、なるべくいいコンテンツを出したいと思うんですが、いいものを出せば出すほど著作権等に触れてきます。それで海外で、例えばアメリカやオランダなどではパブリックドメインといって、教育とか、あるいは質のいい娯楽などには、著作権を超越してどんどん使えというようなことが行われていると。
そういう意味で、今、日本の
オンラインは、デジタル庁もできるとはいっていますが、そういう権利関係をきちっと社会が認識するような形でよりよい方向にするというのは全く基盤整備ができていません。ですから、我々がどんなにいいものを作ろうとしても、それで
子どもたちに本当に楽しんでもらうものをやろうとすればやろうとするほど、権利関係をクリアしていかなくてはいけない。
だから、これはぜひ財団としても研究していきたいし、それから、トリプル・アイ・エフといって、本当に超高精細なものを普通のテレビやモニターなどに出して、だけれども、それがダウンロードできないというソフトなんかもあるんです。そういういろいろなものを積み重ねて、質のいい
オンラインをやるように考えたい。これは財団全体としてのこれからの課題であると考えております。
◆た
かじょう訓子 委員 ありがとうございます。私どもは、保護者の方から、あるいは保育の現場の方から、あるいはおでかけひろばなどの対応をしている方々から、幼児から子どもにかけてですけれども、やっぱり精神的に危険な状態のお子さんも増えているし、それに伴って親も、だから、親が先なのかも分からないですけれども、お子さんのいる家庭で、お子さんのいる家庭だけではないですけれども、コロナの関係でお子さんも含めて精神的に相当追い詰められているという状況がある中で、やっぱりアートがそこに癒やしを与えるとか、希望を与えるというふうになると思いますので、ぜひ質の高いものを提供していただけるように御検討いただければと思います。
◆
河村みどり 委員 本日は、ありがとうございます。時間も押しているので、一つだけお伺いしたいのですが、新しい事業として、国際交流センターの窓口ができましたけれども、ちょうど一年たちました。新しい事業ということで、船出がかなり厳しかったと思います。
実際、
コロナ禍ということで、国際交流という部分でのところで、そもそもの計画とかがなかなか進まなかった部分はあると思うんですが、併せて外国人の相談窓口という部分をしっかりと位置づけさせていただいている事業だと認識しているんですけれども、特に
コロナ禍だからこそ、外国人の窓口の中で困っている方がしっかりつながっていくという部分が本当に大事な分野でもあるかなというふうに思っているんですけれども、この一年の評価、また、特に国際交流センターがあるということ、ここで相談ができる、行政とは違う、土日でも相談ができるんだという特別なそういう位置づけになっているわけですから、そこの周知が本当に大事だったのではないかなというふうに思いますので、そこで工夫されたこと、また、課題だとか、そしてもう一つ、この人数なんですが、これはあくまでも訪れた人数になるのかどうか、外国人の方の割合ですね、日本の方と外国人の方と、また、どれだけつながったとかという部分での評価を教えていただきたいと思います。
◎松下
文化生活情報センター副館長 ありがとうございます。昨年の四月にオープンをしたという時点では、実は窓口を閉じて、電話と
オンラインのみでのという形の変則開館ということになりましたけれども、六月からリアルにも開催をできて、さりとて、当初計画していた事業はほぼ全滅という状態になってしまった。ゼロからのスタートではございましたが、この間、区ともいろんな協議、調整を重ねながら何とか少しずつ軌道に乗れてきたかなというふうに考えております。
最初に、
コロナ禍におけるというふうな部分を申し上げると、やはり開設当初の段階では定額給付金のお尋ねが外国人の方からございました。区のほうの行政窓口にアプローチしようと思ったんだけれども、どこにどういうふうに聞いていいのかよく分からないということでお尋ねがあり、結局、最後は海外まで、その方は実は資格があったんですけれども、海外居住だったということで、そこまでかけて最終的には受給につなげることができたということで、大変感謝をされた事例もございます。
最近増えておりますのは、やはりワクチン接種でございまして、当館の同じ建物の四階に
ワクチン接種会場があるということもございまして、かなりのお問合わせがございます。こちらは区のほうで外国語での情報発信にもかなり気を配ってくださっているがゆえに、ファーストアプローチまではできているんですけれども、そこから先のいわばどこにどういうふうに聞いていいのか分からないというレアケースの対応なども含めて御相談をいただき、御対応を申し上げております。
今までのところの来館者として、パーセンテージで申しますと、圧倒的に多くは日本人の方、それも外国の方を何らかの形でサポートをしたいとかつながりたい、そういう御要望が多く寄せられております。昨年度の割合で申しますと、全体の一〇%に満ちておりませんけれども、事業の中では、今月ですけれども、外国人の方と日本人の方とがやさしい日本語で交流をするという事業がようやくリアルで初めてできたんですけれども、その際には、日本人、外国人各二十人という形で、フィフティー・フィフティーの形での交流ができたので、大変に御好評をいただいた。これから少しずつそういうチャンネルを増やしていければというふうに思っております。
ここまでのところでの評価というところでございますけれども、世田谷区内にやはり二万人以上の外国人の方がお住まいでいらっしゃる。三軒茶屋がいかに交通利便性が優れたところとはいえ、この一か所だけで、その方々のケアをしていくというのは到底無理なことでございます。したがって、いかに
オンライン上でのということもさることながら、様々な団体とつながっていくのか、区内の大学しかり、区の様々な外郭団体しかり、もちろん世田谷区しかり、こういった部分のつながりが、実は大学などは、残念ながら、ごめんなさい、気持ちはあるんですけれどもまだつながれませんというところが昨年度は大方を占めておりましたけれども、今年度から少しずつそういうことがリアルに展開できてくるようになりました。今、一番活発にやらせていただいているのは、同じ三軒茶屋にございますテンプル大学さんですけれども、相当事業にも御協力をいただいて、多くの学生さんの御参加をいただいています。
こういった部分を、大学だけではなくて、区内にも日本人学校などもございますので、こういったところとの接点も、これは区とも御相談をしながら少しずつ広げていくことで、いわば点から線へ、線から面へという形を今後とも目指してまいりたいと考えております。
◆
河村みどり 委員 今後ともよろしくお願いいたします。
◆いたいひとし 委員 一点だけ質問したいんですけれども、いつもこの
文化財団の報告書を読むと、大体区民の一人当たりが一回何らかの形で訪問したというか、来館したという数が出ているんですけれども、それが半減していても
経常収益はプラスだったと書いてあるんですけれども、公益財団ということと、外郭団体であるということと、それから、
文化財団の理念である市民活動の支援ということを考えたときに、私の周りでも、この一年間、文化芸術に携わっていらっしゃる方でほとんどお仕事がないと、大変厳しい状況が今でも、今後どのぐらい続くか分かりませんが、また、アフターコロナになっても、通常に戻るにはやっぱり一定の時間はかかるだろうと考えたときに、この財団独自の取組として、預貯金とかも限りがあるんでしょうけれども、そうしたものを活用した、そうした方々への公益財団法人としての独自の役割というものが私はあるような気がするんです。
昨年は事業の見直しだとか、また、
オンライン対応だとか、労務管理だとか御苦労もあったと思うんですが、今年度、これからまだ半年あるわけですけれども、そうした大変困っていらっしゃる世田谷区の文化芸術を支える方の足元をしっかり強くしていく、そういう独自の取組というものが私は必要だと思うんですけれども、財団としてはどのようなお考えでしょうか。
◎松下
文化生活情報センター副館長 ただいまの副委員長からの御指摘は、まさに昨年度の今ぐらいの時期から、これは区と協働で進めさせていただいて、大きな成果を上げられたというふうに思っておりますが、せたがや元気出せArtsプログラムと題して、区の文化振興基金の半額を取り崩しいただいて、アーティスト、個人やグループへの支援、また民間の文化・芸術施設への支援、あと、劇場施設を客席制限で半数に減らした際に、貸館公演などを行う劇団やダンスカンパニーにとっては収入が半減してしまうということで、客席半減の分の利用料金の一部を減額をする、こういうお取組を区が主体的にお取り組みをくださった、そこに
文化財団も、作品の審査、また、配信をしていく際の現場での収録をするその収録に当たる部分のマンパワー及びその経費などを負担してということで、財団としてもこの事業に一定の貢献をしてこられたかなというふうに考えております。
大変多くの感謝の声も寄せられておりますが、やはりアーティスト、またはアーティストの活動の場であるところの施設への支援という部分につきましては、やはりこれは財団単独というよりも、区との連携、協調の上でどのような活動が展開できていくのか、また、それに当たっては、区のほうでもさらなる支援を今般お考えというふうにも伺っておりますので、そうした中で、区とも御相談をさせていただきながらの取組かなというふうに考えております。
◆いたいひとし 委員 私が言いたいのは、財団がやっぱり先頭に立ってやってほしいということを言っておりまして、区とのそうした連携をするのは昨年度もそうでしたし、今度の常任委員会の案件でもそういうものが出る予定だと聞いておりますけれども、そうしたことを念頭に置いて言っているのではなくて、財団として、後ろからついてくるのではなくて先頭を走ってほしいという、こういう
コロナ禍だからこそ外郭団体の真価が問われていると私は見ているんです。要するに、何をこの
コロナ禍でやってくれるのかと。財団というか、外郭団体として存続している意義というのはやっぱりこういうときに現れてくるんだろうと、本当の意味での
文化財団の底力というものがここに出てくるんだと、そう思って見ておりますので、検討していただきたいと思います。
それともう一つですけれども、先ほどの教育現場との連携というか、垣根を低くしていくというか、文化芸術が持っている力を教育に生かしてほしいということで、世田谷区も不登校特例校というものが今構想に上がっています。その中のプログラムとして、やっぱり自己表現、どう自分で出していくのか、そういうことがプログラムの中に、その特例校の中に入っております。
私も近くの市に行ってまいりまして、やはり不登校特例校に、そういった芸術、演劇等の人たちが関わっていて、やはり不登校の皆さんは、自己表現、なかなか肯定感はないし、自分のいいところを表現していくとか、自分が持っているものをどう実現していくのかということに対しての様々な専門的な知見から指導していただいているというのがありましたので、今後ますます教育の現場とのそういう関わりを増やしていきたいと思っておるんですが、そういう考えていただけるような部署というのはあるんでしょうか。
◎青柳 理事長 今、委員のおっしゃったことは非常に大切なことだと思っております。例えば、今回のコロナのときにアーティストたちの支援というのを文化庁と経産省が行っておりまして、そのときに、演劇人たちはいろいろな団体があるので、すぐに特定してそこへ一人一人に補助金を出すことができたんですが、美術関係の人たちはそういう団体を持っていなかったので、特定できなくて一人一人に補助金を出すことができなかった、それで慌てて今、その団体をつくろうとしているというようなことがあります。
財団としてもこれから検討しなくてはいけませんが、世田谷区に住んでいらっしゃるアーティストという方々がどういう方々がいるのかを具体的に把握していくということは、具体的にそれ以降いろんな活動を支援していくためにも非常に重要なことだと思うので、財団でこれから検討しなければいけないと考えております。
それからもう一つ、最後の部分のお話ですが、そこもおっしゃるとおり、これから財団として非常に重要な部分なので、研究していきたいと考えております。事実、例えば地方で御神楽などを
子どもたちがやっていると、それを都会に持ってきたときに大変注目されるというので、自分たちは意外に、田舎のこういうことをやっていたんだけれども、これだけ自己表現でいろいろなものをできるんだというので自信になっているというような例がいろいろあります。そういうことも研究しながら、今、委員がおっしゃったようなことに対応できるような活動ができるかどうか、それも財団で考えていきたいと思います。
◎松下
文化生活情報センター副館長 ただいまの理事長のお話で全てを言い尽くしているのですが、一点だけ補足をさせていただければと思います。
現在、
世田谷パブリックシアターのほうで、世田谷区教育委員会がつくっていただいている教科「日本語」の教科書の中で、実は一部分を執筆をさせていただいております。そこの中に、演劇、またはダンスということに必ずしも限定したことではないのですが、まさに副委員長がお話しになられたような、自分で、体、または何か動き、動かないことも含めてですけれども、それをもっていろんな表現をするというようなプログラムも実は既に執筆をさせていただいて、教育委員会の先生向けの
ワークショップなどの中でも、ただいま申し上げたことについての展開をもう既に実践をし始めているところでございます。そういったところでの取組の状況なども今後評価をしながら、今後どういった形がさらに望ましいのかということは考えてまいりたいというふうに思っております。
○
羽田圭二 委員長 ほかに質疑がないようなので、以上で令和二年度及び三年度公益財団法人せたがや
文化財団の
経営状況に関する書類の提出についての報告を終わります。
参考人の皆様には、委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。本日は皆様に御出席をいただきまして、委員会といたしましても有意義な議論ができたのではないかと思います。本日は誠にありがとうございました。
ここで、説明員、参考人の方の入替えを行います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
羽田圭二 委員長 次に、③と④令和二年度及び三年度
公益財団法人世田谷区
産業振興公社の
経営状況に関する書類の提出の報告に入ります。
本件に関し、参考人として、小田桐副理事長、竹内事務局長、梅田
産業振興課長、惠見地域活性・観光課長に御出席をいただいております。本日は、お忙しい中、本委員会のために御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
それでは、まず区理事者より
経営状況の報告をお願いいたします。
◎中西 商業課長 令和二年度、令和三年度の
公益財団法人世田谷区
産業振興公社の
経営状況について書類を提出させていただきましたが、こちらの概要について御報告させていただきます。
まず、令和二年度の
経営状況について、概略でございますが、お手元に、令和二年度の決算書と概要がセットになった資料がございますので、こちらを御覧ください。
新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、観光事業をはじめとした幾つかの事業を中止する一方、
コロナ禍で厳しい状況にある区内中小企業の経営支援や労働相談といったセーフティネット事業を中心に積極的に推進してまいりました。
まず、概要のⅠの事業報告のところで、1中小企業の振興に係る支援に関する事業でございますけれども、令和二年度の前半は、世田谷区の
新型コロナウイルス感染症対策緊急融資を中心に制度融資のあっせんに注力いたしました。その後は、融資のみならず、補助金や給付金の活用などの資金繰り対策、また、経営改善など経営支援コーディネーターによる相談や創業セミナー、創業相談などといったところに力を入れてまいりました。項目を二つ飛ばしまして、4のところの雇用、就労に係る情報の収集、提供及び普及並びに各種相談等の支援並びに職業紹介に関する事業でございますが、ワークサポートせたがやと連携を図りつつ、仕事に就きたいと求める方に対する就労マッチング支援などの取組をはじめとして、
コロナ禍において、労働環境や雇用等で課題を抱えた労働者に対し、社会保険労務士等による労働相談やメンタルケア相談などを実施するとともに、仕事のキャリアの悩みに対するキャリアカウンセリングの三茶おしごとカフェの事業など、求人、求職のマッチングに力を入れてまいりました。
その次の5の中小企業勤労者福祉の充実及び推進に関する事業、いわゆるせらサービス事業ですけれども、例年どおり、余暇活動助成事業、健康維持増進関連事業、自己啓発促進事業を進めてまいりました。ただし、
コロナ禍の影響により、余暇活動助成事業は例年の三分の一程度の実績にとどまっております。
途中飛ばしました2、3、それと最後の6の事業につきましては、
コロナ禍の影響によりイベント等、あるいはイベントへの参加等を中止せざるを得ず、大幅に事業を縮小しております。詳細については、そちらに書かせていただいているとおりでございます。
次に、概要の裏面を御覧いただきたいんですけれども、令和二年度の
正味財産増減計算書内訳表でございます。まず、経常増減の部でございますが、
経常収益、(A)のところですけれども、合計で四億九千六百四十七万三千三百九円でございます。その内訳ですが、区の補助金が三億六千五百七十二万三千八百五十六円、また、せらサービスの事業収益などで六千九百九十万三千七百九十二円、せらサービス会員からの受取会費が五千七百四十四万一千三百円となってございます。
次に、費用のほうです。
経常費用のところ(B)の欄ですけれども、各種事業の実施経費及び実施に係る人件費の合計、事業費及び理事会、評議員会の運営に係る管理費、それらの合計で五億一千二百七万六百十五円となってございます。
この結果、経常増減の部の差し引きですけれども、マイナス千五百五十九万七千三百六円、(C)の欄でございますけれども、こちらが
当期経常増減額となってございます。
次に、
経常外増減の部ですけれども、経常外収益及び費用ともゼロでございます。結果として、当期の
一般正味財産の増減額は、先ほど申し上げた経常増減額と同額の一千五百五十九万七千三百六円となってございます。
Ⅱの
指定正味財産増減の部でございますけれども、基本財産運用益の全額を
一般正味財産へ振り替えておりますので、結果として
指定正味財産の増減はなしということで五億円のままでございます。
これらの結果、両者を合計した
正味財産の期末残高は六億四百五十万四千四百三十一円となってございます。昨年度の決算については、このように報告を受けております。
続きまして、もう一つクリップ留めになっておりますが、今年度、令和三年度の
事業計画と収支予算、この冊子につけさせていただいております令和三年度の事業の概要について御説明させていただきます。
こちらにつきましては、前回の参考人招致でも概要を御説明させていただいたとおり、記載のとおりの事業体系の下で事業を進めているところでございます。
裏面につきましては、収支予算内訳表でございますが、記載のとおりの予算で今仕事をしているところでございます。
事業の進捗及び事業方針等については団体のほうから御説明をさせていただきます。
説明は以上です。
○
羽田圭二 委員長 引き続き、
経営方針等について説明をよろしくお願いいたします。
◎小田桐 副理事長 それでは、公社から御説明させていただきます。
まず、本日は、緊急事態宣言の中にもかかわらず、当公社の
経営状況に関する御説明の場を設けていただいたことに心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
御案内のとおり、世田谷区の
産業振興公社は、区の産業政策を担う
経済産業部と密接に連携しまして、公益財団法人として公益性の高い中小企業振興策を弾力的かつ機動的に展開していくことを経営方針としております。令和三年度の当公社の事業等につきましては先ほど商業課長が御説明したとおりでございますが、私からは、令和三年度の特徴的な事業につきまして、特に前回御説明の場を設けていただいたときからの変更点等も含めて御説明を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響から各事業の延期、中止等が余儀なくされておりまして、今年度におきましても、まん延防止等重点措置に続きまして第四回目の緊急事態宣言が発令されるなど、経済活動の立て直しにつきまして見通しが立たない状況が続いております。区と連携を取りながら、区内中小事業者の復興支援に関する事業を積極的に展開するということで努めているところでございます。
具体的な事業内容といたしまして、まず一点目に中小企業経営支援の取組でございます。具体的には、様々な経営相談、融資あっせん、セーフティネット保証認定業務、これらを行うとともに、世田谷区で新たに事業を始める方々への創業支援に力を入れてございます。平成二十七年度から特定創業支援事業者というふうに公社はなってございまして、これに基づいて、中小企業診断士による相談など、創業を目的とされる方々へ寄り添った支援を行っているところでございます。令和三年度につきましても、昨年度より開設しました総合経営相談窓口、こちらにおきまして、一時支援に関する御紹介や、業態を転換される事業者様等に対しまして、職員や中小企業診断士等がアドバイス、サポートを行っているところでございます。このほか、区内産業の紹介、事業者間交流、これを促進する事業等につきましても継続して現在も取り組んでいるというところでございます。
二点目としまして、コロナの感染拡大の状況によりまして、都県をまたぐ移動自粛が要請されるなど、従来型の観光事業はなかなか難しいという状況でございますが、この状況を逆に身近な町の魅力を各方面に再認識していただくという機会と捉えまして、その方針で情報発信に力を入れているところでございます。SNSや観光
ホームページといったデジタル媒体だけではなくて、ガイドブック世田谷、世田谷ぷらっと二〇二一、世田谷みやげの紹介冊子などの紙媒体を、図書館、駅、観光案内所等で幅広くお配りしまして、町や個店の魅力を発信しているというところでございます。また、世田谷おもてなし・交流・参加実行委員会の事務局として、ニュースレターの定期的な発行、区内団体の演技、演奏をユーチューブで配信し、元気と感謝を届ける世田谷スーパーエール二〇二一事業など、コロナを乗り越え、町に活力を取り戻すための事業、こちらに力を入れているところでございます。ウィズコロナと言われる時代に、商店街や個店、事業所の支援に、地域活性化を目指して引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
三点目ですが、三軒茶屋就労支援センター、三茶おしごとカフェについてでございます。こちらの三茶おしごとカフェでは、併設する国のワークサポートせたがやと連携しまして、より幅広い就労支援を行っております。
ホームページ上に区内事業者の求人情報等の提供を行う三茶おしごとナビ、こちらの運用も行っているところです。また、求職者や高齢者等が希望する求人を開拓するため、三名の担当者で区内事業者を求職、求人開拓をしているところでございます。求職者の方とカウンセラー及び求人開拓員との三者面談を行いまして、求職者と企業とのマッチングに取り組んでいるところです。今後も引き続き、求職者のニーズに合う求人の開拓、紹介などを取り組んでまいりたいと思っておりまして、加えて、介護、福祉、建設などの人手不足が深刻な分野の人材確保支援、これをどのように進めていくかというのは大きな課題であります。
四点目でございますが、勤労者福祉事業、いわゆるせらサービス事業でございます。会員数につきましては微増しているところですが、引き続き会員の増加に努めてまいります。昨年同様に今年度も、宿泊、観劇、グルメあっせん等、各事業における会員の参加に大きく影響が出ると思われるんですが、引き続き特産品のあっせん等を拡大するなど、コロナ対策が行われている中で、より会員に満足いただける生活密着型の企画を幅広く提供してまいりたいと考えております。
また、公益財団法人保健センターと協力しまして、新型コロナウイルスのワクチン職域接種事業をせらサービスの会員と家族並びにそれ以外の希望者の事業所の方々も想定して九月から実施する予定でございます。今後とも、区内中小事業者にお勤めの方々が世田谷区で働いていてよかったと喜ばれる勤労者福祉の向上に努めてまいります。
結びになりますが、今年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響で区内中小事業者は経営悪化に伴う事業継続の在り方について大変苦労されているところです。当公社としましては、三十名程度の小規模な組織の下で効率的な業務体制を維持しつつ、区と連携を図りながら、区内中小事業者の経営回復を積極的に支援するため、全力で事業に取り組んでまいりたいと考えております。
また、前回の参考人招致の際に御指摘、御示唆いただきました公社及び区の関係窓口間で、それぞれ事業情報を共有して広く区民や事業者の皆様に御案内するということの仕組み、連携について御示唆いただきました。早速、窓口担当係長の連絡会、こちらを開催いたしまして、より充実した情報提供の実現に向けまして取組を強化したところでございます。
今後も引き続き、公社の事業運営等につきまして議会の皆様からも御意見、御指摘等いただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。
私からの説明は、長くなりましたが、以上でございます。
○
羽田圭二 委員長 ありがとうございました。それでは、これまでの報告、説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
◆た
かじょう訓子 委員 いつもありがとうございます。この間、議会でも言ってきたことですけれども、事業者の皆さんは本当に大変な状況だというのは皆さんつかんでおられると思いますし、それをどういうふうに区の事業に生かしていくかというのも、一番身近に区の事業者の方と接しておられるところで、やっぱりそこをつかんでいただきたいと、そして、それを生かすような取組も私たちも頑張っていきたいというふうに思っているんです。その実態把握についてはどのような努力をされているのか、伺いたいと思います。
◎竹内 事務局長 事業者様の実態というところなんですけれども、昨年度、本当に大変な状況になって、特別融資について数千件の申込みがあったという状況があって、コロナという状況でございますので、基本的に書類を郵送、あるいは信金さんの代行という形で取り組みました。通常融資の申込みが年間千数件というところが昨年度は四千件と、千数百件ぐらいですから、例年の三倍から四倍の量があったというところだったんですけれども、事業者さんにじかに話を聞くということが昨年度の状況でいうとできなかったというところはなかなか苦労したところでございますけれども、今年度はほとんど融資の申込みは出てこないという状況で、一昨年と同じぐらいというところで、資金需要という点では、信金さんなんかと相談してもあまりないねというようなお話になっている。
逆に創業の相談なんかは、ほとんどずっと枠いっぱいに申込みが来ておりますし、今、区と連携して取り組んでおります事業転換の取組についての御相談、こういったものがかなり来ているというところで、やはり今までどおりの事業をやっていてはなかなか難しいというところの中で、少し工夫をしてやり方を変えようというようなことをお考えになられている事業者さんが多くて、そのことを私どもの抱えている中小企業診断士であるとか、そういった専門家に話を聞いて少し考えていこう、あるいは、そういったものの補助金を取っていこうというようなことが今、事業者さんの課題になっているのかなというふうに考えております。
また、商店街のほうに顧問的診断士ということで行っている診断士のレポートなんかを読んでいますと、商店街のほうでも、今度はできるだろう、次のキャンペーンはやれるだろうみたいなことを毎回企画するんだけれども、そのたびにずっとコロナの状況が悪化したりなんだりということの中で、中止、中止ということが余儀なくされていて、今、正直ちょっと疲れているという感じが見てとれます。
やはり現下のこのような状況の中では、イベントやキャンペーン的な取組は非常に難しいというところの中で、なかなか手を取り合って何かをやっていくという状況にならないというところが苦労しているところのようですけれども、経営が困難になるかというと、いろんな給付金ですとか補助金なんかが出ている中で、辛うじて支えられているという中で、何とかちょっとでも落ち着いたところで、力をためておいて動いていきたいという意欲は感じられる、そういうレポートを頂いているところでございます。
これからせたがやPayのキャンペーンですとか、いろいろ取組が始まりますけれども、そういった中で、事業者さん個々を訪問するなどしながら、よりニーズを捉えて、どういう支援が必要なのか、事業者さんのお話を伺っていきたいというふうに考えております。
◆た
かじょう訓子 委員 ぜひ事業者さんの声を聞き取るということについて積極的にやっていただきたいなというふうに要望します。
また、事業者の方々が創業相談など、今までと違った形で事業を行うことを今検討されている方が多いというお話でしたけれども、そういうふうになりますとやっぱり支援の仕方も変わってくるだろうというふうに思うんですね。今まではイベント中心だったというふうに私も認識しているんですけれども、その辺についても、何をすることが一番その事業者の振興につながるのかということもぜひ検討いただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
◎竹内 事務局長 おっしゃるとおりだなというふうに思います。イベント自体は、やはり商店街さんとかはやりたいというところだと思いますし、区でもいろんなイベントを中止していますけれども、来年こそはみたいな思いはあるというふうに思いますけれども、
オンラインを含めたいろんな形もできますし、人が集まらなくても何か盛り上がれるようなこと、本当にこの一年間いろんなことを各団体で企画しております。そういったものにも大分慣れてきているようですので、これが絶対にいいという方法を何か確立しているわけではないんですけれども、いろいろ試行錯誤を繰り返しながら新しい形、そういったものも考えていかなければいけないと思っていますし、今日のこの段階で、こういう方向で進んでいきますというふうには申し上げられないですけれども、事業者さんたちとも本当に意見交換を繰り返しておりますので、そこは新しい方向を出していきたいなというふうに思っております。
◆
小泉たま子 委員 このたびの補正予算で示された中に、創業支援、業態転換、それから新ビジネス創出支援事業補助金の増ということで、百件から百八十件ということが示されたわけですけれども、これは本当に大切なことだと思っておりますが、これに対して公社はどういう役割を示されるのでしょうか、教えてください。
◎竹内 事務局長 そちらの補助金につきましては、
事業計画を作成するための中小企業診断士による面談、そして、セミナーを公社のほうで事前に取り組んでおります。事前に中小企業診断士と面談し、計画を練り上げていただいた方が区のほうに計画書を提出して認められると補助金が出るという仕組みになっておりまして、事業者さんが自分たちの中でつくった計画だけでは通らないという形になっておりまして、必ず私どもが事前に確認をさせていただいて、フォローをさせていただいている、そういう形で協力させていただいております。
◆
小泉たま子 委員 サポートをしていくということですね。
それからもう一つは、今、
ものづくり学校が新しくなろうとしているわけですけれども、これに対して公社はどういうような関与をしようとしているんでしょうか。
◎竹内 事務局長
ものづくり学校について、現在、見直しといいますか、工事が行われ、新しい仕組みを区のほうで検討されているというのは承知しております。公社は今のところそこには関わっていないわけですけれども、今後、区議会での御議論もいただきながら、新しい
ものづくり学校といいますか、あの場所の活用の方針が示されている中では、私どもがどういうふうに関与するのか、公社としても議論させていただいて、提案をさせていただくというような機会を設けていきたいなというふうに考えておりますけれども、現状においては、見直しの検討に私どもとしては関わっていないという状況でございます。
◆
小泉たま子 委員 中西課長に伺いますけれども、区側としては、このことについてはどのように考えていらっしゃいますか。
ものづくり学校に対しての公社との関係です。
◎田中
経済産業部長 中西課長を御指名だったんですけれども、範囲で言うと産業連携的な部分がありますので、私のほうでお答えします。
現在、サウンディング調査をやり、参加したいと言っている事業者との対話が終わり、その中で、一定程度、区が示したコンセプトで、事業者もある程度の採算を取りながら、世田谷での新しい施設展開というのをどうやったらいいかという情報を今、集めているところです。
産業振興公社も当然、区内中小企業支援ということで、今まさにコロナの途中ですけれども、コロナの状態を、直接影響を受けている事業者さんをどうやって支えていくかということで、今の
産業振興公社の役割としてそれが一番大きいのかなと思っています。
そういった中で、新しい
事業展開で、第三回定例会で議会からの御意見をいただこうと思っていますけれども、様々な御意見をいただいた中で、どういった関わり方、関与の仕方、当然起業・創業部分というのが重なってきたりですとか、それから起業、創業した後の伴走支援の部分でも公社の役割が重なるという部分がありますので、その辺を整理した形で、どういった形で関与することが効果的なのか、一番効果がある方法で関わっていければいいかなと考えていますけれども、現段階ではまだ明確な部分ができていませんので、そういった明確な部分ができた段階でどういった関わり方ができるのかというのをきちんと詰めていきたいというふうに考えています。
○
羽田圭二 委員長 小泉委員、申し訳ないですが、
経営状況に関連をして御質問いただきたいと思います。よろしくお願いします。
◆
小泉たま子 委員 公社としての在り方に非常に関係があると思っていましたので、今日は質問させていただきましたけれども、やはり公社と区側の関係というのは非常に密接であるべきだと思うんですね。ちょっと関わりが少ないんじゃないかと。蚊帳の外まではいきませんけれども、非常にあれだと。だから、産業振興という意味からしても、一心同体とは言いませんけれども、かなりそういう部分があっていいと私は思います。今、部長がおっしゃられたのは、今の区の考え方を言われたと思いますけれども、もっと関わってもらっていいのではないかという気が私はいたします。
経営状況とかそういうことに関係はないかもしれませんけれども、答えたくなかったら答えなくてもよろしいんですが、今日、私がお聞きしたかったのは、やっぱりこういう段階に来て、こういう時代が変わってきて、今後どうなるか分からないこの時代で、やはり以前から
サービス公社との再編、統合とか様々な話が出ている、そのことについて、今、公社としてはどのように考えていらっしゃるのかということをお尋ねしたかったんですけれども、いかがでしょうか。
◎小田桐 副理事長
産業振興公社の在り方の検討というのは、区のほうでは、
サービス公社だとか、それ以外にトラストまちづくりも含めて何年も前から議論になっていたと思うんです。そこの中での議論の中の大きな一つは、その三つの団体だけではないんですけれども、今、それぞれの各外郭団体が世田谷区とどのような関係でどういう役割を果たしていくのかというところの整理が一番必要でありまして、それは全部の団体共通だと思います。
産業振興公社の部分で、私どもの公社の部分で申し上げますと、実は二十三区の中でも、このような産業振興の公社を持っていない自治体がございます。私どもがやっているようなお仕事を区が直接やっているというような自治体もあります。二十三区だけではなくて、全国に幅を広げるとそういったところは多々あるかもしれません。
もう一つ、逆に
ものづくり学校のお話が出ましたので、それと同じようなインキュベートの施設だとか創業支援の施設、それを、
ものづくり学校ができたときも全国的に一度はやった時期でして、言い方が変ですが、いろいろなところで全国の学校をそういう産業施設につくり変えるというところが非常ににぎやかにやられていた時代でした。そこの施設の持ちようというのは、直接行政がやっているところもありますし、そこの維持管理を公社等の、その当時は第三セクターと言っていましたが、そういったところに任せているところもありました。
世田谷区の
ものづくり学校もそうですし、世田谷区の
産業振興公社もそうなんですが、それらがちょうど一つの区切りの時期になっているかもしれません。そのままああいう
ものづくり学校のようなものを維持していくのがいいのか、それから、公社自体がやっていることを公社の組織を維持させてやっていくほうがいいのか、もしくは、ほかの自治体のように
経済産業部に全部吸い上げるという方法だってあります。つまり吸い上げるということは、行政が責任を持って全てのサービスをやるということにかじを切るということなんですが、逆に言いますと、仮にそうなった場合には、
ものづくり学校のような維持管理の部分を、行政が、今の段階では区がやっているわけですけれども、区がそういうインキュベートの施設を運営していると。一方では、公社がやっている場合には、公社はそれを財産として管理して、いわゆる財団法人の機能をそこで発揮できるような財産として持たせるという切り替えをしているわけです。世田谷区の場合は、それが両方混在している状況なので、どちらかに整理するというのは必要だろうなと。そのときに、
ものづくり学校に対して公社はどういうふうにお役に立てるのかというのが今後議論されて詰められていくんじゃないかなというふうに考えています。その区のオーダーに沿った形で、公社のほうでは理事会の中で一生懸命議論を交わしまして、どういうふうな役割を担っていくかというのを検討していきたいというふうに考えます。
それと、公社自体の存続の話で言いますと、先ほど申しました全ての経済産業に関するサービス事業を行政のほうに集約するというやり方もないことはありません。区のほうでそれを検討していただいて、そういう結論を出した場合には、そのときに
産業振興公社は発展的に解消する可能性だってないことはないです。そこまで幅を広げて、公社としては今後の行きようというのを検討したいなというふうに考えていまして、三、四年前から公社の今後についての提言を整理したものを理事会で御説明させていただいたりしていましたので、これからまたそれが拍車がかかるんだろうなと、区のほうで新しい実施計画等をつくっていく中でうたわれていくんだろうなというふうに考えます。これからの大きなテーマだと思います。
◆
小泉たま子 委員 ありがとうございました。終わります。
◆
中山みずほ 委員 御説明ありがとうございました。二点ありまして、具体的な事業の中で、今回、おもてなし・交流・参加プロジェクトの運営業務を受託されていると思うんですが、今回、オリパラはいろいろあって、存在感が今ちょっと感じられないんですが、これは今後どのように展開されるのか、教えていただけますでしょうか。
◎竹内 事務局長 存在感がないという御指摘で、いろんな企画を組んだんですけれども、軒並み中止ということになっているんですが、先ほどもお話があったような
オンラインの取組ということもやっておりまして、今、エールという取組は、区内の高校ですとか、区民吹奏楽団ですとか、そういった皆さんに、アメリカ選手団、また世田谷でいろいろ頑張っていらっしゃる事業者、あるいはエッセンシャルワーカーの皆さんへのエールを送るというような取組をインターネット上に公開をしておりまして、区のユーチューブのほうよりはかなり閲覧数の多い、学校によっては結構多くの視聴をいただいているような取組をやっております。また、ピースランタンの取組は、六月にやろうと思っていて本当に残念だったんですけれども、十月にはやろうというふうに思っております。
このおもてなしの取組をどうしていくのかということにつきましては、今、パラリンピックをやっておりますので、これが終わった段階で、区の交流推進部のほうと協議をさせていっていただくということになると思うんですけれども、オリパラを一つのきっかけにということではあるんですが、オリパラで終わるというふうには考えておりませんので、国際交流の取組であったり、区内外の方々をおもてなしをするという取組自体は継続をしていきますので、今年のような大きな取組を準備をするということではないというふうに思いますけれども、地道な活動として継続をしていく、そのためにどういうものを残していくのか。
これはレガシーという言葉をよく使われますけれども、今回は本当に残念と言っていいのか、当初描いたとおりの計画にはならなかったわけですけれども、それでもいろいろな取組もやった、また、実際、アメリカの選手団も来たというようなことの中で、何をレガシーとして残していくのかということを詰めて、何らかの形を残していきたいというふうに考えておりますので、今後、報告等をさせていっていただければというふうに思っております。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。要は今回の
コロナ禍での外部要因によって、すみません、存在感がないという言い方は失礼な言い方だったかもしれないですが、やっぱりまだ区民の方に届いていないなという印象がありますので、今後、継続されるのであれば、オリパラは終わりますが、大事な要素はあると思いますので、ぜひ
オンライン等も、周知も含めてお願いしたいと思います。
もう一点質問です。今、各商店街だとか事業者さん、いろいろ困られている方がいらっしゃると思いますし、先ほどたかじょう委員がおっしゃっていたように、事業者の声を聞くというところで、実際、例えば足を向けて、商店街も含めてアウトリーチで相談を受けているということ、今、せたPayなんかもキャンペーンもやっていますけれども、そういう試みはされているのでしょうか。
◎竹内 事務局長 基本的な枠組みとして、顧問的診断士という形で中小企業診断士が張りついております。レポートを頂いていて、その内容を読んだり、日常的に診断士から報告を聞いておりまして、何か具体的な支援が必要だとか、あるいはこういうことで困っているというお話がありましたら、私も含めましていろんな職員が伺って、一緒に御相談するということの機会を設けております。
なので、商店街振興組合の皆様とは結構やり取りができているのかなというふうに考えておりますけれども、商連に加盟していないような団体も含めて、いろいろな商店街がございますので、全てに行き渡っているかというとそこまで行っておりませんので、今後、そういう届いていないところも含めて、きっかけをつくっていきたいなというふうに考えている次第です。
宣伝も含めてですが、今回、職域接種ということで取組を始めたわけです。せらの会員に向けた職域接種ということで今始めておりますが、若干余裕がありそうなので、商店街の皆さん全体にという形で声かけを来週からしようというふうに考えておりまして、ふだんほかの融資的なお話で会えない方なんかともこういう機会でコミュニケーションが取れたら、そういうところからワクチンの話以外のことも含めていろいろとコミュニケーションを取っていく、そういうきっかけにもしたいなというふうに考えております。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。今、職域接種によって様々な接点があったということがあったと思うんですが、私たち議員は、やっぱりいろいろなところを回る中で、今、
コロナ禍で制限はされますけれども、今、中小企業診断士の方からの報告を受けてという、もちろん二次的な情報も必要だと思うんですけれども、やっぱりある程度直接的に話したところから見えてくるものというのがすごく大きいように感じています。例えばせたがやPayに関しても、実際に伺う中で、なぜ参加したのか、なぜ参加しないのかというところの中にすごくヒントがあるんですね。なので、ぜひそういったことも今後進めていただけたらと思います。以上です。要望です。
◆
河村みどり 委員 本日はありがとうございます。時間もありませんが、細かい点なんですが、二点ほど伺いたいと思います。
まず、総合経営相談のほうですね。令和三年度も引き続き継続していただけるということで、本当にありがとうございます。今現在というか、一時支援金の際のときだとは思うのですが、登録確認機関になって、それをお願いしたいと思った区民の方が
産業振興公社のほうの窓口でも断られてしまったと、枠がないということだったんだと思うんですけれども、今現状、その実態というか、一時的なものだったのか、現状がどういう状況なのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
◎竹内 事務局長 登録確認機関につきましては、SKC、一般社団法人のほうが機関になっておりまして、私どもはそこと協力関係の中で対応している、
産業振興公社が窓口となって認定されている団体さんにお願いをしているという形になっております。六月に一旦、国のほうの締切りがあった関係で、六月の末にかなり集中的な申込みをいただきました。私どものほうも急遽ブースを三個増やして対応するということもやって、人のほうも、中小企業診断士の皆さんを急遽増員をしまして精いっぱい対応していったんですけれども、どうしても一時的にお受けできなかった案件が若干あったというふうに、後にフォローして、基本的に七月の頭の段階では全ての方をお受けしたという形になっていると思っています。七月以降は大体落ち着いておりまして、今はもともとの一ブースに戻しているという形でございます。
今も中小企業診断士の皆さんとは、必要があったら増員しますよと、この時期こういう形で増員する可能性がありますというお話はしておりまして、国のほうで締切りが設定される場合が逐次ございますので、それに合わせて対応しようという形で準備をしているんですけれども、御案内のとおり、あの確認作業につきましては、各事業者さん一回やればいいということでございますので、この間、支援金を何らかの形で受け取って、一回その認定を受けた事業者さんはもう必要がないので、大体行き渡っていったのかなというふうに考えております。ただ、また国の制度、いろんなものの期限、これはかなり急に設定されたりしますので、そういったことに対応する中で、必要があれば、できるだけ増員をして対応しようというふうに考えております。
あれは各士業の皆さんですとか、信用金庫さんなんかでも認定は受けられるという形でございますので、
産業振興公社の窓口としては、誰でもいいよということではなくて、どこにも頼れない、そういう事業者さんを優先的に扱っていきたいなと。頼もうと思えば頼めるんだけれども、こちらのほうが無料だからという話も結構聞いたりするんですけれども、そういうことではなくて、やっぱり行政書士さんも含めたいろんな士業の方とつながりがない、あるいは信金にもちょっと頼めないんだというような方がいらっしゃるので、そういった方に対応していくということをメインに対応していく、そこは漏らさずにやっていくということで取り組んでいきたいというふうに考えております。
◆
河村みどり 委員 ありがとうございます。今後も臨機応変に行っていただけるということだったんですけれども、たまたまその方はやっぱりどこにもお願いするところがなくて、最後の頼みという思いで連絡を取ったんだけれどもなかなかできなかったと、たまたまそういう時期的なものだったのかもしれないですが、本当に今後どうしようかみたいな御相談だったものですから、そういう方のその後のフォローもぜひまた進めていただけたらと思います。
その上で、この支援、これだけではないと思うんですけれども、持続化給付金だとか家賃の支援給付金のときは、区民の皆さんも、全体的に世の中が分かっていたと思うんですけれども、今回の支援に関して、一時支援金だとか、月次支援金に関しても、例えばフリーランスの方だとか、個人事業主の方とかは、自分が対象だというふうに分かっていらっしゃらない方も本当にまだまだ多くて、例えば国は五〇%減だけれども東京都は三〇%減だとか、国のほうは申し込んだけれども都のほうは分からなかったとか、これだけの給付のことだけではないと思うのですが、そういった部分での周知的なものの工夫とかはされていらっしゃるのかどうか伺わせていただければと思います。
◎竹内 事務局長 確かにいろんな給付金があって、一つは受けたんだけれどもほかがやっているかどうか分からないですとか、あるいは月次、一時支援金なんかにつきましては、飲食店の方ではなくて、飲食店であったり、休業要請を受けて落ち込んでいるところと取引があることによって落ち込んでいる事業者さんに対する給付金ですので、そういったところもフォローしているんですが、ネットのいろんな書き込みなんかを見ていると、そういったところはフォローされていないみたいな意見が大分目立ちますので、やはり周知が届き切っていない方はいらっしゃるんだなというふうに感じております。
私どもとしても、これは国、東京都の制度でございますが、できるだけいろんな機会、媒体を通してお伝えしようという努力はやってはいるんですけれども、何分小さな組織でございますので、まだまだ行き渡らないかなというところもございます。そういった部分につきましては、私ども公社というよりも、区であったり、また、区議会の皆様の周知の力のほうがはるかに強いというふうに思いますので、ぜひ全体で協力して、せっかく国や東京都がつくった制度でございますので、やっぱり困っている事業者さんに確実に周知をしてお伝えするということは、私どもも頑張りたいと思いますが、これは「区のおしらせ」ですとか、そういった媒体で、ぜひ区の皆さんに頑張っていただいて周知をお願いしたいなというふうに思っております。そういうような依頼はかけていきたいというふうに思っております。
◆
河村みどり 委員 ありがとうございます。本当に一人でも多くの困っていらっしゃる方のところに手が届くように、またこちらも進めていきたいと思っております。
最後に、二点目の質問なんですけれども、これも細かいことで申し訳ないのですが、先ほど小田桐副理事長のほうからもお話がありましたけれども、就労の工夫をされていらっしゃるというお話があったと思うんですが、
コロナ禍ということもあったので、高齢者の方向けの面談ができないので、ズームで行わせていただく、そういった機会をつくっていただいたことがあったと思うんですけれども、そういう就労相談、就労面接に関して、そのときの機会に関しては、年齢を問わない、ある程度高齢者向けの御案内で、販売だとか、清掃という業務の企業様と結ぶ、そういった機会を設けていただいたことがあったんですけれども、高齢者の方向けでしたので、ただ、ズームでやらせていただきますという内容だったんですが、たまたまそのお仕事をされていらっしゃった方は、やはり情報弱者といいますか、そういったことができない方だったものですから、せっかくのそういう機会に参加ができなかったということが実はあったのですが、私もズームでの募集だとか、面接だとか、案内というのはすごく有効的なものだと思うので、
コロナ禍でもありますし、ぜひ今後も進めていただきたいと思うんですが、一方で、そういった情報弱者の皆様に対して、もう一歩そこに対応できるような工夫をしていただけたらなという思いなんですが、そこら辺のことが分かりましたら教えていただきたいと思います。
◎竹内 事務局長 二段階にお話を。まず、就労のほうのセミナーですとか相談事業について、かなり大胆にズーム等
オンラインを取り入れております。昨年度は、女性ですとか、あと事業者さんとのセミナー関係、打合せ関係を基本的には
オンライン、ズームを使ってやるという形にしたんですけれども、今年の六月以降は、今、ほとんど全てのセミナーをズーム、ウェビナーを使って実施しております。
利点がありまして、リアルでやるセミナー等につきましては、会場の広さの制約があって、その定員の二分の一という中で、私どもの会場では十名か十二名、そういった人数しか入れない状況なんですね。それが今、八月、九月のセミナーなんかですと二十八名、ウェビナーで登録をいただくことができる形にしていて、大体毎回満席の申込みをいただいている。それは、高齢者であっても女性、いろんな対象に向けたセミナーを組んでいますが、どのセミナーも今大体いっぱいです。それはほとんどウェビナーやっています。
当初は、やはり御高齢の皆さんからなかなかというお話をいただいたんですが、うちのスタッフのほうもウェビナーを視聴していただく方に対する説明も大分手慣れてまいりまして、インターネット環境をお持ちの方については、今ほぼ問題なく、大きなトラブルがなく受講いただいているということでございますので、やはり世の中全体もそういう方向に来ておりますし、大分なじんできたかなというふうに捉えております。
ただ、委員がおっしゃられたような、なかなか難しいという方は現にいらっしゃいますので、そういった方については対面の取組というのも維持をしていくという形で取組を継続していきたいというふうに思っておりますので、そうした方も取り残さない形の中で、ただ、主力につきましては、やはり
オンラインのほうが評判がいいという状況がございまして、やはり移動をあまりしたくないとか、特に御高齢の方のほうが多いんですよ。来たくない、集まりたくないという方が多いものですから、御自宅で受講したいという方は非常に多いです。
ですから、高齢者向けのセミナーのほうが人気が高かったり、結局、枠がいっぱいでお断りがちょっと出ちゃうんですけれども、そういう状況がございますので、やはりそこはそこで取り組み、委員がおっしゃられたようなフォローすべき方々についてはフォローする仕組みということを併せてやっていきたいというふうに考えております。現状、今年度はセミナーの参加者数は昨年度を上回る状況で推移しているということでございます。
○
羽田圭二 委員長 ほかに質疑がなければ、以上で令和二年度及び三年度
公益財団法人世田谷区
産業振興公社の
経営状況に関する書類の提出についての報告を終わります。
参考人の皆様に委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。本日は皆様に御出席をいただきまして、委員会としても有意義な議論ができたのではないかと思います。本日は誠にありがとうございました。
それでは、二時間ほど経過をしていますので、十一時十五分まで休憩とさせていただきますが、ここで説明員、参考人の方の入替えも併せて行いますので、よろしくお願いいたします。十一時十五分再開とさせていただきます。
午前十一時八分休憩
──────────────────
午前十一時十五分開議
○
羽田圭二 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
報告事項の聴取を続けます。
次に、(2)令和二年度及び令和三年度
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターの
経営状況についての報告に入ります。
本日は、本件に関し、参考人として、山田会長、小湊事務局長に御出席をいただいております。
本日はお忙しい中、本委員会のために御出席いただきまして誠にありがとうございます。本委員会を代表して、心からお礼を申し上げます。
それではまず、区理事者より
経営状況の報告をお願いいたします。
◎荒井 工業・
ものづくり・
雇用促進課長 それでは、区から、
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターの
経営状況について概要を御説明いたします。なお、詳細内容につきましては、お配りさせていただきましたこちらの緑色の令和三年度定時総会議案書に掲載されておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
まず初めに、
シルバー人材センターでございますが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づきまして設置されている法人でございます。会員は六十歳以上の方で、企業や家庭、公共団体などから
シルバー人材センターが仕事を引き受けまして、会員に仕事を提供するという形になっております。会員は、就業することによって
シルバー人材センターから配分金を受け取るという仕組みになってございます。
それでは、こちらの資料を御覧ください。Ⅰの令和二年度事業報告でございます。1の会員への就業提供につきまして、1)会員数から仕事受託件数、契約金額、就業延日人員、就業実人員及び就業率、会員配分金、それぞれ記載の数字となってございます。元年度の実績と比較いたしますと、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により全ての項目で減少している状況でございます。
次に、2の仕事受託でございます。1)受託事業では、①公共区分でございますが、公園の清掃や区立施設の管理などのほかに、平成二十八年度から五年間の指定管理者として契約した自転車等駐車場の受託事業がございます。なお、公共部門から受託した金額の約三分の二、六八%が指定管理者分でございまして、その内訳といたしましては、2)指定管理者の欄に記載のとおりでございます。次に、②企業区分でございますが、内容といたしましては、マンションの管理、ごみ出し清掃などがございまして、件数、金額は記載のとおりとなっております。③家庭区分につきましては、家事援助サービスや除草、草木の剪定など、家庭から受注されたものでございまして、件数、金額は記載のとおりとなっております。次に、④独自区分につきましては、会員の方々の技術や経験を生かして、パソコン教室、カルチャー教室、陶芸教室などを行っておりますが、令和二年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により実施をいたしませんでした。
次に、3)新規会員獲得につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、集合形式での説明会ではなく、
オンライン説明会や感染対策を実施しての対面での個別説明会に切り替え、新規会員の獲得を行ったところでございます。区では、
シルバー人材センターが地方自治法による政策目的随意契約が可能な団体であることを踏まえ、受託事業の拡大に向けて、予算編成時に庁内に向けたPRや報告を行うとともに、会員獲得につきましては、「区のおしらせ」に掲載する等、必要な支援を実施しているところでございます。
次に、3の会員の人材育成等につきましては、入会時の研修、会員のスキルアップのための技能研修、その他、記載にありますような各種の研修を実施しております。顧客ニーズに応える就業能力の向上や質の高いサービスを提供するよう努めております。
最後に、4の広報活動でございますが、
シルバー人材センターにつきましては、広く区民の方、また、企業への周知に努めるとともに、広報誌「シルバーせたがや」の発行、リーフレットの作成、配布、その他、区のイベントにおけるPRに取り組んでいるところでございます。
裏面をおめくりいただきまして、裏面を御覧ください。裏面は令和二年度収支決算総括表でございますが、お配りした定時総会議案書に記載されている昨年度決算の収支について総括的にまとめたものでございますので、御確認ください。
続きまして、二枚目の令和三年度の
経営状況について御説明いたします。Ⅲの
事業計画でございます。1の会員への就業提供のおのおのの数値及び2の仕事受託の各予定件数及び契約金額につきましては、記載のとおりとなってございます。
以下、3の会員等の人材育成等(研修実施予定)、それから、また4の広報活動につきましても、先ほどと同様、記載のとおりとなってございます。
区といたしましては、引き続き、区広報などの
シルバー人材センターの事業のPR、また、仕事の受託の拡大に向けた庁内周知等に努めてまいります。
裏面を御覧ください。裏面には令和三年度の収支予算総括表を記載しております。こちらも先ほどの決算同様、お配りいたしました緑色の定時総会議案書に記載の収支予算書について総括的にまとめたものとなってございます。
私からの説明は以上でございます。
○
羽田圭二 委員長 次に、
経営方針等についての説明をよろしくお願いいたします。
◎山田 会長 私は、世田谷区
シルバー人材センター、会長を務めております山田正孝です。よろしくお願いいたします。日頃から同センターの運営につきましては、多大な御協力をいただき感謝申し上げます。
次に、センターの現況について御説明いたします。
シルバー人材センターは、六十歳以上の高齢者に就業の機会を提供する活動をしております。最近、企業が定年を六十五歳まで年齢を引き上げていること、さらに、七十歳まで再延長の動きがあり、現在、当センターの平均年齢は七十六歳と、やや一歳ぐらい二、三年前より上がっているのが現況でございます。会員数は、長引くコロナの影響もあって入会説明会の実施がほとんどできなくなり、やや減少している傾向が見られます。こうした中で、令和元年七月から実施した出張説明会は、その一日で入会まで完了できる手続の簡素化の効果により、会員数の確保と増加傾向が見られました。よって、この一日で完結する方法については今後も続けてまいります。
また、独自事業の学習教室、パソコン教室、趣味活動のカルチャー教室、陶芸教室等は、コロナ感染予防対策に伴い実施を見合わせていることを所轄官庁から説明がありましたが、センターの会員組織である委員会、部会、さらには、会員間の連携、親睦を図るための組長、班長会議もコロナの影響で全て休止、十月まで休止が決定しております。
その中で、私が会長就任前に部会長として務めていました会員相互をつなぐシルバーせたがやの会報誌は、部員一堂の総意により、自主的な打合せ会という方法で、感染対策を十分に取りながら、一回の休刊で済ますことができました。このように、わずかではありますけれども、会員の連携に努めております。現在のコロナ感染拡大が非常に大きく、大変危惧されております。しかし、これからも理事会、事務局とで会員間の連携確保、会員獲得の努力を行っていきます。
以上が
シルバー人材センターの現況でございます。よろしくお願いいたします。
○
羽田圭二 委員長 ありがとうございました。それでは、これまでの報告、説明に対し御質疑がございましたら、どうぞ。
◆河野俊弘 委員 本日はありがとうございます。会員の平均年齢が七十六歳ということで、今、三千九人の会員の方が令和二年の事業報告の中には書いてあるんですけれども、やっぱり
コロナ禍になって
オンライン面接だったりとかというので、
オンラインを駆使したというところが様々出てくる中で、今後いろんな事業を展開していく中でも、会員さん一人一人のデジタルデバイド対策というか、
オンラインで様々なことに対応していくということも大事なのかなというふうに思っています。新規会員になる方が令和二年のところだと二百十九名というふうに書いてあるんですけれども、平均で大体そのくらい毎年入っているのかということをちょっと確認したいということと、その際に、そういった
オンラインツールだったり、例えばスマートフォンを持っている率だったりとか、全体の中でどのくらいあるのかなというのも教えていただきたいです。
◎小湊 事務局長 ここ数年の数字を今ここでつまびらかにする資料は手元にないんですが、令和二年度一年間で見ますと、入会の会員が二百三十五名、それで逆に退会が三百四十七名おりましたので、令和元年度末、令和二年三月末の段階で三千百二十一名いた会員が、この資料のとおり、差し引きをして三千九名にちょっと減ってしまった、そういう状況です。
それで令和元年度の入会者ですが、記憶ですと、たしか四百名を上回る入会者がいたと記憶しています。この違いは、コロナになる前は、入会者を増やすためにということで、出張説明会ということで、センター本部で人を集めて入会説明会をするのではなくて、我々のほうが地域に出ていって、いろいろな地区会館の会議室とかそういうところをお借りして出張説明会をしました。その結果、四百何名という入会者が増えたということで、この議案書のほうにもありますが、会員数がずっと順調に伸びてきて三千を超えたところで二千何百人落ちて、上げ止まりだったところが、その出張説明会でぐっと伸びたんですが、このところコロナでまたちょっとしぼんでいるということですので、今後、センターのPRを強化してまいりたいと思っております。
それから、スマホ等ですけれども、割合は、細かい数字はないんですが、それなりにお持ちです。実はそういう
オンライン説明会が、そんなにたくさん人数がいるわけではないんですけれども、入会のときに、我々は、会員さんに直接いろいろな御案内をするツールとして、スマホをお持ちの方、携帯とかメールのアドレスを登録していただくようにしておりまして、かなりの割合で登録いただけるような現状になっています。それで、先般も一斉配信というのをちょっと試してみまして、今後使えるツールかなと思っていますので、どんどん拡大していきたいなと思います。
◆河野俊弘 委員 やっぱり
シルバー人材センターに入会したいとか、そういったいろんな意欲がある方はそういった率も高いのかななんてちょっと思っていたんですけれども、これは要望というか、今回の中でもほかの自治体とかを見ていると、スマートフォンとかの使い方だったりというのも、高齢者同士が教えるというのもすごく効果的だという話を聞いていて、やっぱりそういった方々は使える方が多いということで、今後、スキルは年代とともに上がっていくと思うので、そういったときに、様々な地域の中でのデジタルデバイド対策で、こういった方々が活躍していただく、高齢者の方が教えるというのも本当に一つの武器になるかなというふうに思うので、そういうのをぜひやってほしいなということと、これはまた別の自治体で、eスポーツのチームとかを高齢者の方がつくったりとかというのもあったので、そういう今の時代に合わせたというか、いろんな方向性で試せるタイミングでもあると思うので、ぜひそういったこともチャレンジしていただきたいということです。
◆おぎのけんじ 委員 御説明ありがとうございました。一つお聞きしたいんですけれども、
シルバー人材センターの経営指標として、顧客満足度みたいなものというのは持たれているのかということと、持っているのであれば、どういう形で評価をされているのか教えてください。
◎小湊 事務局長 実は、先ほど会長からもお話しのあった部会というものがあるんですけれども、こちらの中で就業適正化部会という部会がありまして、本来、これまでは部会員がお仕事をいただいている先に定期的に伺って
アンケートを取って、それで満足度調査をしていました。ただ、この間、コロナの関係でそこは満足にできていません。満足度調査の指標という形ではっきり指標は立ててはいないんですけれども、年次計画で我々も五年計画を持っていまして、そちらのほうに満足度のアップということは文言としては載せさせていただいていますが、どのぐらいパーセンテージでアップという指標はないんですけれども、今後、コロナのほうの収束に合わせて、今まで休止をしていた満足度調査の
アンケートとかそういったものは再開していきたいなと思っています。
◆おぎのけんじ 委員 私がお聞きしたかったのは、仕事を発注している側の満足度ではなくて、いわゆるエンドユーザー、こういう機会なのでちょっと言わせていただきますと、例えば自転車の駐車場の管理をされていますよねと。そこを使っている方々から、これまでも結構厳しい声をいろんな地域の方から、かつ幅広い年齢の方から、三つや四つじゃなくて、かなりの数を私は受け取ってきたんですね。それを私が区のほうに伝えてということもできると思うんですけれども、実際、そうやって駐輪場を使われた方の満足度というのがどの程度かというのを把握して、悪ければ悪いなりに働かれている方々にフィードバックをし、改善していくということが顧客接点を持っている担い手としての責務の一つかなとも思うわけで、そのあたりをどう管理されているのかということをお聞きしたかったんです。
◎小湊 事務局長 発注者側ではなくて、実際にサービスを受けた個人の方、あるいは顧客という意味では、例えば家事援助とか育児支援という部分では、その都度、
アンケートを取ったりしております。
お尋ねの自転車については、日々、就業報告書ということで頂いております。それで、かなりのトラブルがあるということも承知をしています。こちらは指定管理者として受託をしていますので、そういった部分で、その改善の部分について所管課のほうといろいろ調整をしていきたいと思いますが、そういう個別の調査というのも今後検討していきたいと思います。
◆おぎのけんじ 委員 個別に調査するということでお願いしたいと思いますけれども、私のところに寄せられる声というのは、にわかには信じられないようなこととかも聞いたりしています。言葉遣いの問題だったり、詳細は省きますけれども、そういったことがやっぱり現場で起こってはいけないと思いますし、現場で何が起こっているのかというのを、書面上だけじゃなくて、やっぱりもうちょっとリアルに把握して日々の改善につなげていっていただきたいということを強く要望しておきます。
◆
中山みずほ 委員 御説明ありがとうございました。この事業は今、
コロナ禍の影響がやはりあって、実際の受けるお仕事が減っているということがあったと。具体的に言うと、契約実績も前年度比千二百四十二と、これは民間事業と家事援助のところを今ぱっと見たんですが、そういった中で、会員の方々は何かを求めて会員になるわけで、当然、外的報酬、いわゆるお金というのもあれば、内的報酬でやりがいみたいなものもそれぞれあるからこそ会員になると思うんですけれども、そういったところの仕事が減ることによるフォローというのは何かされているんでしょうか。
◎小湊 事務局長 いわゆる報酬ではなく配分金という形で渡していますけれども、配分金が減ることによってのフォローというのは特段しておりません。ただ、確かに相対的に仕事は減っております。例えば配分金ベースで言うと、令和二年度は元年度に比べて一一・二%落ちています。その落ちている中身が、例えば、先ほども話題に出た駐輪場は、学校とか職場が人流を抑えるということで利用そのものが減ってしまったということがあるので、利用料金制を取っていますので収入が入ってこない、その分、会員の配分金を絞らざるを得ないんですが、ここは、実際にいつも働いていただいている会員のシフトの数を多少絞ることで調整をするというようなやり方をこれまでしてきています。ですので、先ほど指定管理の範囲の中でというお話をしましたが、現時点でも駐輪場についてはまだシフトを絞ったやり方をしていますので、その辺がそういう接客にどのくらい影響が出ているのかということも含めてちゃんと検証して、今年度の後期のほうに備えたいと思っています。
それからあと、これは肌感覚にはなりますが、コロナによって、例えば家事援助のように、家の中にシルバーの会員さんが入っていくような仕事は確かに明らかに減ったなというふうに感じています。ただ、今年度に入りまして、そういったところも少しずつ改善してきていますので、様子を見たいかなと思っています。
◆
中山みずほ 委員 ありがとうございます。減ってきた理由がコロナという分かりやすい要因の場合も一つの外部要因としてあると思うんですけれども、それ以外の要因なんかもきっとある可能性はあるのかなという気がしますので、ぜひシルバーの会員の方々のやりがいだとか、また、今、配分金のお話がありましたが、多少その収入という面をフォローできるようにしていただきたいと思っています。
○
羽田圭二 委員長 ほかに質疑がないようなので、以上で令和二年度及び令和三年度
公益社団法人世田谷区
シルバー人材センターの
経営状況についての報告を終わります。
参考人の皆様に委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。本日は、皆様に御出席をいただきまして委員会としても有意義な議論ができたのではないかと思います。本日は誠にありがとうございました。
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羽田圭二 委員長 次に、(3)その他ですが、何かございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
羽田圭二 委員長 特にないようですので、以上で報告事項の聴取を終わります。
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○
羽田圭二 委員長 次に、2協議事項に入ります。
(1)次回委員会の開催についてですが、前回の委員会で確認をしたとおり、九月一日水曜日正午から開催をいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
以上で協議事項を終わります。
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○
羽田圭二 委員長 その他、何かございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
羽田圭二 委員長 なければ、以上で本日の
区民生活常任委員会を散会いたします。
午前十一時三十九分散会
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署名
区民生活常任委員会
委員長...