世田谷区議会 2018-09-20
平成30年 9月 定例会-09月20日-03号
平成30年 9月 定例会-09月20日-03号平成30年 9月 定例会
平成三十年第三回定例会
世田谷区議会会録第十四号
九月二十日(木曜日)
出席議員(五十名)
一番 ゆさ吉宏
二番 加藤たいき
三番 おぎのけんじ
四番 青空こうじ
五番 あべ力也
六番 ひうち優子
七番 上川あや
八番 すがややすこ
九番 山口ひろひさ
十番 石川征男
十一番 安部ひろゆき
十二番 高岡じゅん子
十三番 田中みち子
十四番 阿久津 皇
十五番 佐藤美樹
十六番 小泉たま子
十七番 河村みどり
十八番 津上仁志
十九番 菅沼つとむ
二十番 石川ナオミ
二十一番 河野俊弘
二十二番 三井みほこ
二十三番 大庭正明
二十四番 田中優子
二十五番 桃野よしふみ
二十六番 そのべせいや
二十七番 福田妙美
二十八番 高久則男
二十九番 山内 彰
三十番 真鍋よしゆき
三十一番 上島よしもり
三十二番 江口じゅん子
三十三番 桜井 稔
三十四番 たかじょう訓子
三十五番 中村公太朗
三十六番 藤井まな
三十七番 岡本のぶ子
三十八番 平塚敬二
三十九番 板井 斎
四十番 和田ひでとし
四十一番 上山なおのり
四十二番 畠山晋一
四十三番 中里光夫
四十四番 村田義則
四十五番 羽田圭二
四十六番 風間ゆたか
四十七番 中塚さちよ
四十八番 諸星養一
四十九番 佐藤弘人
五十番 高橋昭彦
出席事務局職員
局長 本橋安行
次長 井上徳広
庶務係長 星野 功
議事担当係長 水谷 敦
議事担当係長 長谷川桂一
議事担当係長 下村義和
議事担当係長 岡本俊彦
議事担当係長 菊島 進
議事担当係長 末吉謙介
調査係長 佐々木 崇
出席説明員
区長 保坂展人
副区長 宮崎健二
副区長 岡田 篤
世田谷総合支所長
平澤道男
北沢総合支所長
髙木加津子
北沢総合支所保健福祉センター所長
木本義彦
玉川総合支所長
岩元浩一
砧総合支所長 澤谷 昇
烏山総合支所長
西澤 滋
政策経営部長 岩本 康
総務部長 中村哲也
庁舎整備担当部長(
施設営繕担当部長兼務)
松村浩之
危機管理室長 工藤 誠
財務部長 進藤達夫
生活文化部長 田中文子
地域行政部長 志賀毅一
スポーツ推進部長
内田政夫
環境政策部長 畝目晴彦
経済産業部長 久末佳枝
清掃・リサイクル部長
原田茂実
保健福祉部長 板谷雅光
障害福祉担当部長
松本公平
高齢福祉部長 瓜生律子
子ども・若者部長
澁田景子
保育担当部長 知久孝之
世田谷保健所長
辻 佳織
都市整備政策部長
渡辺正男
防災街づくり担当部長
関根義和
道路・交通政策部長
小山英俊
土木部長 五十嵐慎一
会計管理者 菊池弘明
教育長 堀 恵子
教育次長 淺野 康
教育政策部長 工藤郁淳
生涯学習部長 花房千里
総務課長 菅井英樹
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議事日程(平成三十年九月二十日(木)午前十時開議)
第 一 一般質問
第 二 認定第 一 号 平成二十九年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定
第 三 認定第 二 号 平成二十九年度世田谷区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定
第 四 認定第 三 号 平成二十九年度世田谷区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定
第 五 認定第 四 号 平成二十九年度世田谷区
介護保険事業会計歳入歳出決算認定
第 六 認定第 五 号 平成二十九年度世田谷区
学校給食費会計歳入歳出決算認定
第 七 議案第七十八号 平成三十年度世田谷区
一般会計補正予算(第二次)
第 八 議案第七十九号 平成三十年度世田谷区
国民健康保険事業会計補正予算(第一次)
第 九 議案第 八十 号 平成三十年度世田谷区
後期高齢者医療会計補正予算(第一次)
第 十 議案第八十一号 平成三十年度世田谷区
介護保険事業会計補正予算(第一次)
第十一 議案第八十二号 平成三十年度世田谷区
学校給食費会計補正予算(第一次)
第十二 議案第八十三号 世田谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第十三 議案第八十五号
世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例
第十四 議案第八十六号 世田谷区
出張所設置条例の一部を改正する条例
第十五 議案第八十七号
世田谷区立区民会館の指定管理者の指定
第十六 議案第八十八号
世田谷区立区民センターの指定管理者の指定
第十七 議案第八十九号
世田谷区立区民会館の指定管理者の指定
第十八 議案第 九十 号
世田谷区立区民会館の指定管理者の指定
第十九 諮問第 二 号
人権擁護委員候補者推薦の諮問
第二十 議案第九十一号
世田谷区立保健医療福祉総合プラザ条例
第二十一 議案第九十二号
世田谷区立保健センター条例の一部を改正する条例
第二十二 議案第九十三号 世田谷区発達障害相談・
療育センター条例の一部を改正する条例
第二十三 議案第九十四号
世田谷区立青少年交流センター条例の一部を改正する条例
第二十四 議案第九十五号
世田谷区立保育園条例の一部を改正する条例
第二十五 議案第九十六号
世田谷区立保健センターの指定管理者の指定
第二十六 議案第九十七号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例
第二十七 議案第九十八号 世田谷区営住宅の指定管理者の指定
第二十八 議案第 百三 号
世田谷区営住宅管理条例の一部を改正する条例
第二十九 議案第九十九号
世田谷区立認定こども園保育料条例の一部を改正する条例
第三十 議案第 百 号
世田谷区立地域体育館・地区体育室条例の一部を改正する条例
第三十一 議案第 百一 号 世田谷区立千歳温水プールの指定管理者の指定
第三十二 議案第 百四 号 世田谷区自転車条例の一部を改正する条例
第三十三 議案第 百二 号
世田谷区立自転車等駐車場の指定管理者の指定
第三十四 議案第 百五 号
世田谷区立レンタサイクルポート条例の一部を改正する条例
第三十五 請願の付託
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追加議事日程
第 一 議案第八十四号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例
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本日の会議に付した事件
一、日程第一 一般質問
二、追加日程第一
企画総務委員長報告、表決
三、日程第二から第六
決算特別委員会設置、付託、表決
四、日程第七から第十二
企画総務委員会付託
五、日程第十三から第十八
区民生活委員会付託
六、日程第十九
委員会付託省略、表決
七、日程第二十から第二十五
福祉保健委員会付託
八、日程第二十六から第二十八
都市整備委員会付託
九、日程第二十九
文教委員会付託
十、日程第三十及び第三十一 オリンピック・パラリンピック・
環境対策等特別委員会付託、表決
十一、日程第三十二から第三十四
公共交通機関対策等特別委員会付託、表決
十二、日程第三十五 請願の委員会付託
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午前十時開議
○三井みほこ 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
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○三井みほこ 議長 直ちに日程に入ります。
△日程第一を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第一 一般質問
○三井みほこ 議長 昨日に引き続き、一般質問を行います。一般質問についての発言時間は、一人十分以内といたします。
質問通告に基づき、順次発言を許します。
四十五番羽田圭二議員。
〔四十五番
羽田圭二議員登壇〕(拍手)
◆四十五番(羽田圭二 議員) おはようございます。早速、質問に入ります。
最初に、
公文書管理条例の制定について伺います。
さきの通常国会では、政府のもとで公文書の改ざんや隠蔽、廃棄や捏造が横行していることが明らかになりました。国家にとって都合の悪い公文書が誰かの恣意的な判断で廃棄もしくは隠され、国民の情報公開請求に対して情報がないものとして扱われることとなれば、主権者たる国民にとって物事を決定するための判断材料が失われるのと同じです。政府のもとで進んだこの間の公文書の扱いは、民主主義の根幹を揺るがすことであり、あってはならない問題です。
この点は、区にとっても重要な課題として考えることが必要です。区の政策決定について、誰がどのような経緯で決定したのか、誰の権限で決められたのかなどです。
以前、政策決定のプロセスにおいて、その関係書類が廃棄されていたケースがあったと記憶していますが、情報公開制度、個人情報保護は区民の知る権利を保障するもので、区民の政治参加、区民参加の大前提として重要な権利です。
区は、既に情報公開の基盤となる公文書の適正な管理を目指して、(仮称)
公文書管理条例の制定に動き出しています。そこで、この機に、公文書管理や情報公開のあり方を検証し、制度全体を改善する必要があると言えないでしょうか。区の見解を伺います。
公文書条例の制定に当たって、公文書の範囲や情報公開の対象がどこまで及ぶのかが一つの重要なテーマとなっています。
例えば、職員が職務上作成した私的メモは公文書に当たりませんが、当該実施機関の職員が組織的に用いるものは公文書として取り扱われます。しかし、私的メモであっても、それが政策形成過程における重要な議論等が記され、次世代につなぐ内容として位置づけられるならば、公文書として残されることも考えられるのではないでしょうか。
さらに、私的なメールと公用メールの取り扱い、電子メールの使用、公開、保存、廃棄のあり方などを含めたルールづくりの必要性がないでしょうか。このような多面的な議論、検討が必要であると考えます。
また、条例制定の検討作業では、区民参加が欠かせません。情報公開制度の基盤となる公文書の範囲や公開のあり方、保管や廃棄のあり方を含め、広く区民の意見をくみ取ることが必要と考えます。区の見解を伺います。
次に、
会計年度任用職員制度による格差是正について伺います。
非正規雇用と正規雇用の間で広がった格差は、賃金格差にとどまらず、福利厚生を含めた待遇格差にまで広がっています。
ことし六月一日、最高裁は、非正規社員と正規社員の間で生じている待遇格差の是正を求めた裁判で、正規社員の間で支給されている皆勤手当、給食手当などが非正規社員だからといって支給していない合理的理由が見当たらないとして、待遇格差の是正を求める判決を出しました。
この最高裁判決の背景には、日本の雇用形態の転換をもたらしている非
正規雇用労働者の増加の中で進んだ格差があります。民間企業で働く非
正規雇用労働者の格差の是正とともに、公共サービスを提供する地方公務員の職場における非常勤職員と常勤職員との格差の是正が問われてきました。
二〇二〇年四月から地方公務員の職場の臨時・
非常勤職員制度は、
会計年度任用職員制度に変更となります。これまで支給対象外とされてきた退職金や一時金にとどまらず、通勤手当や超勤手当など制度の確立などが求められています。この間の区の対応を伺います。
区は、この間、非常勤職員の休暇等の勤務条件の改善を行っています。妊娠中の
母子保健検診休暇や育児休業から介護休暇、育児時間、慶弔休暇や子の看護休暇など、そこまで広めてきました。
ところが、これらの休暇は、常勤職員は有給ですが、非常勤職員の場合は全て無給という状態です。制度があっても取得するには無給覚悟で、それでは格差是正にはほど遠く、制度を活用することさえ困難ではないでしょうか。
そもそも今回の制度発足の本来の趣旨は、同一労働同一賃金による格差の是正にあるといいます。この点を踏まえた対応が必要と考えますが、区の対応を伺います。
次に、ICT教育の児童生徒への影響と教職員の働き方について伺います。
日本眼科学会は、スマホ、パソコンやゲーム機器などでICT機器の長時間使用による児童生徒の裸眼視力の低下を懸念しています。
厚生労働省は、新VDT使用のガイドラインによって、対象となる作業、事務所等での作業内容などを規定し、連続作業と連続作業の間に十分から十五分の作業休止時間を設けるなど、連続作業時間及び休止時間を定めるとともに、照明や採光のあり方、業務量のあり方、グレアの防止、健康管理や健康診断のあり方等まで触れております。
もちろん、このガイドラインは、今やさまざまな職場に拡大したICT機器の長時間の使用が労働者の体に影響を与えることから、その予防対策として新たに策定されたものですが、一つの重要な参考資料であると思います。
今後、学校教育におけるパソコンやタブレットの使用がふえる中で、児童生徒への影響をどう認識しているのか、またその予防対策などをどう講じていくのか、区の対応について伺っておきます。
東京都は、教員の多忙化対策としてICTの活用などをうたっています。一般に、手作業から機械化による効率化は、事務の簡素化や
人間労働そのものの軽減がされるといいます。しかし、多くの職場では労働時間が夜間や深夜に及ぶようになり、現実には労働が軽減されていないのが現状です。
学校現場からは、ICT機器の導入による授業準備、成績管理などが教職員の長時間労働に拍車をかけていることが報告をされております。教員の多忙化、長時間労働に歯どめをかけるべきであり、仕事量の見直しや定員確保は欠かせないと考えますが、区の対応について伺います。
最後に、教育費の負担軽減と学校給食費の無償化について伺います。
義務教育の無償化に向けた取り組みとして、学校給食の無償化の段階的実施を求めてきましたが、改めて憲法第二十六条二項が規定する「義務教育は、これを無償とする。」という条文の具現化が問われております。
学校給食費は、現在の就学援助費のうちの大半を占めており、全ての児童生徒を無償とすれば、奨学援助の支給対象項目が広がるということも考えられます。仮に区内小中学校の児童生徒の給食費を無償とした場合には、二十五億円の費用が必要といいます。
これまで多子世帯や所得制限などの検討が行われてきたかとは思いますが、段階的に進める一つの案として、進学等で最も家庭の負担がふえる時期、
小中学校卒業年次を無償化にするということなどを含めて検討に入るべきではないでしょうか。区の検討状況と今後の対応を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 羽田議員にお答えをいたします。
情報公開、
公文書管理条例についてお尋ねをいただきました。
この間、国会でも、書類が存在したか、しないか、しないと言っていた書類があったり、また、それが大幅な改ざんがあったり、また、それを踏まえた省庁のあり方の中で、メモをつくらないようにする、まさに記録をしっかり残していくということと反対の傾向が出てきている中で、大変重要な時期を区にとっても迎えていると思います。
ことし六月、新たな任期を迎えた方々による最初の世田谷区情報公開・
個人情報保護審議会が開催されました。区は、審議会から情報公開制度、
個人情報保護制度の運営に関して貴重な意見をいただいておりますが、私は会の冒頭の挨拶で、情報公開、そして個人情報保護は区と区民の信頼関係を築く上で大変重要な二つの柱であるということを申し上げたところでございます。
このように、情報公開は区と区民との間に強い信頼関係を築く上で大変重要なものであり、この制度を円滑に運営するために、公文書の適正な管理は必要不可欠なものであると考えております。
今御指摘いただいたとおり、区では、世田谷区新実施計画の取り組みである情報公開の推進の一環として、新たな公文書管理のルールの検討と
公文書管理条例の制定に向けた検討に着手をいたしました。公文書管理の重要性が注視され、区民からの信頼を早期に確立するために、条例制定の内容をよきものにするよう、早期の作業を指示いたしました。
既に庁議の提出書類などは電子的に公開をしておりますが、過去、膨大な量にわたる区政情報の記録、アーカイブをどのように保存し、開示していくのか。なお、未来に向けた課題は大きいものと考えております。
今後は、条例制定の作業の中で、世田谷区情報公開・
個人情報保護審議会や区議会の意見をいただきながら、公文書管理、情報公開のあり方のルールについて検討を深めてまいります。
◎中村 総務部長 私からは、二点御答弁いたします。
初めに、情報公開と
公文書管理条例についてです。
世田谷区情報公開条例で開示請求の対象となる行政情報は、職員が職務上作成し、または取得し、組織的に用いるものとして保有している文書等であり、公文書はこの行政情報に当たります。よって、専ら自己の職務遂行の便宜のためのみに利用する私的メモや電子メールは、職員が組織的に用いるものではなく、公文書としての保管、保存等の取り扱いの対象外とされております。
しかし、当初は職員個人の備忘録や連絡調整のために作成された私的なメモやメールであっても、例えば会議の資料として職員間で共有され、政策形成過程における議論の中で利用されたものであれば、公文書として位置づけ、組織として保管、保存しなければならないと認識しております。
私的メモやメールと公文書の区別に関しては、その利用状況や保管状況を踏まえた具体的な基準が必要であると認識しております。今後、条例制定の検討を早めるとともに、私的メモや電子メールと公文書との区別に関する具体的基準や取り扱いにつきまして、他自治体の実例や判例を踏まえ、世田谷区情報公開・
個人情報保護審議会や
パブリックコメントを通じて広く区民の御意見をいただく中で、その保存、廃棄を含め、公文書管理の新たなルールとして検討をしてまいります。
次に、
会計年度任用職員制度による格差是正についてです。
地方公務員法及び地方自治法の改正により、現在、非常勤職員として任用しているほとんどの職員について、平成三十二年度から一般職の
会計年度任用職員として任用を行う必要があります。
区では、この間、職責に応じた報酬の設定や、御指摘のとおり無給のものもございますが、各種休暇制度の充実、研修体制の整備など、さまざまな勤務条件の整備、改善を進めてまいりました。また報酬のほか、通勤にかかる費用や業務上やむを得ない事由により超過勤務を命じた場合には、超過勤務手当に相当する報酬を支給してまいりました。このことに加え、今回の法改正により、一般職の
会計年度任用職員には、一定の条件のもとで期末手当の支給が可能とされているところです。
会計年度任用職員の任用や勤務条件のあり方につきましては、現在、特別区全体での検討を行っているところです。区におきましても、こうした検討状況を踏まえながら、国が掲げる同一労働同一賃金の観点からも、引き続き働きやすい環境づくりに向け検討を進めてまいります。
以上です。
◎淺野 教育次長 私からは、三点につきまして御答弁申し上げます。
まず、ICTの児童生徒への影響と、その影響への予防対策についてです。
区では、第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画の中で、これからの社会を生きる力の育成として、ICTを活用した授業の推進、家庭学習の支援を積極的に推進することとしており、
タブレット型情報端末、
大型拡大提示機等の配備を計画的に進めております。
こうしたICTを活用した教育を推進するに当たり、ICT機器を継続し、長時間使用することで、児童生徒に目の疲れ、眼精疲労やドライアイ等の症状が顕在化するのではないかと学会等で課題提起され、文部科学省では、児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックが作成されております。
このガイドブックでは、長時間の利用や就寝前の利用を控える等の対処法が記載されております。家庭でのICT機器の使用頻度が増加する状況を踏まえ、今後とも、児童生徒への影響等を国や都の動きも注視しつつ研究するとともに、学校を通じて情報提供を行う等の適切な対応を行ってまいります。
ソサエティ五・〇の時代を生き抜く子どもたちに必要な資質、能力の育成に向けて、
タブレット型情報端末等のより一層の活用等が求められております。健康被害の防止なども十分に配慮しながら、ICT教育を進めてまいります。
次に、教員の多忙化、長時間労働に歯どめをという件です。
区では、第二次世田谷区教育ビジョン及び世田谷区教育の
情報化推進計画第二期行動計画等に基づきまして、教科指導等におけるICTの活用や校務の情報化に取り組んでいるところです。
こうしたICTを活用した教育の推進は、教員の事務処理負担の軽減等の効果を上げることで、教員の多忙化の改善や、教員が子どもとかかわる時間の拡充につながるものと考えております。
校務ネットワークシステムを構築し、今年度は平成二十六年度に導入した約半数のパソコンの入れかえを行うとともに、特別支援教室の巡回教員などを含めた非常勤職員用の共用機の増設等、約千二百台のパソコン購入を実施してまいります。
教員の定数につきましては、東京都の基準により確保しているところですが、さらに区独自に少人数指導や特別支援教室の講師等を配置するなど、人的な支援を行っているところです。また、負担感が大きいと言われているものとして、学校において行う諸調査などがありますので、さらなる精査、改善を検討してまいります。
引き続き教員の事務の簡素化や定員の確保等、教員の多忙化解消に努め、教員が子どもとかかわる時間の拡充を図ってまいります。
続きまして、学校給食の無償化についてです。
学校給食は、児童生徒の健康の保持増進を図るとともに、食に関する正しい理解を深める上でも生きた教材として活用されており、大変重要な役割を担っております。
保護者負担軽減の観点から申し上げますと、区では、経済的に就学が困難な御家庭に対して、給食費や学用品にかかる費用の一部を支給している就学援助制度を設けてございます。この就学援助制度においては、生活保護の一・二四倍との基準を設けており、昨年度の実績として約五千百人に支給しております。
これに係る経費全体としましては約四億八千万円で、給食費については約二億四千万円と約五割を占めております。各支給対象費目の中で最も大きな金額となっております。また、本年十月には生活保護基準の見直しが予定されております。
このような状況を踏まえ、議員御提案の学校給食費の無償化につきましては、この間、さまざまな検討、シミュレーションを重ねております。いろいろと御提案をいただきましたが、現在の財政状況を考えますと、一定の所得制限を設けることなども検討する必要があると考えております。いずれにいたしましても、今後とも保護者の教育負担軽減を目指してまいります。
以上です。
◆四十五番(羽田圭二 議員)
公文書管理条例の制定なんですが、これは先ほど質問もいたしておりますが、区民参加による検討の時期を設けること、そして同時に、公文書管理と情報公開の重要性について、改めて広く区民に広げていくことが必要だと考えております。条例制定の今後のスケジュールも含めて伺っておきます。
◎中村 総務部長 再質問いただきました。
公文書管理につきましては、その重要性が注視されている中で、区民の意見を十分参考にする必要があると認識しております。
今後、条例制定に向けまして、お話しの公文書管理と情報公開の重要性について、区民への情報発信に努めながら、公募委員も含めて区民委員がメンバーであります情報公開・
個人情報保護審議会の御意見を今年度中に聞いた上で、三十一年度には
パブリックコメントを実施してまいりたいと考えております。そうした手順を踏んだ上で、できる限り早期に議会に条例案をお示しして、御議決いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
◆四十五番(羽田圭二 議員) ぜひ区民参加の徹底は図っていただきたいことを重ねて要望しておきます。
それから、教員の多忙化についてなんですが、これは、この間も我が会派から現場の勤務時間調査を含めて行うべきだということを再三申し上げてきたかと思います。
そうした実態調査の必要性は、現在も必要であって、最近のテレビ等の報道でも、労働時間、勤務時間が、朝、そして就業後、門があいて閉まるまで、そういう労働実態になっているということが明らかにされておりますが、この点については、ぜひ今後も追及をしていただきたいと思います。
それからもう一つは、教育の負担軽減ですが、これらについても、普遍的支援の必要性ということを含めて今後検討されるよう求めておきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十二番高岡じゅん子議員。
〔十二番高岡じゅん子議員登壇〕(拍手)
◆十二番(高岡じゅん子 議員) 通告に従い、順次質問いたします。
初めに、社会的事業所の育成と障害者の働く場の確保について質問します。
生活者ネットワークは、障害者の尊厳と社会参加には働く権利の保障が非常に大切なことと考え、知的障害者や精神障害者が正規職員として区で働けるために、特別区人事委員会の制度改革を提案してきました。
ことし初めて、全ての障害者に定期採用試験の門戸が開かれました。このように、障害者雇用に社会全体で取り組む流れの中、今般、世田谷区においても、障害者雇用率の報告に水増しともとれる誤りがあったことに深い失望と怒りを感じます。
世田谷区役所は、区内の各事業者に指導をする立場です。障害者雇用促進法に則した採用を拡大し、民間に求めている以上の雇用数と働きやすい職場環境の整備を達成し、区内事業者の模範となることが区の責務です。
常勤採用の計画的な取り組みや、区独自で採用できる非常勤、チャレンジ雇用など、さまざまな手法を駆使し、一日も早く、世田谷区役所の中に障害者とともに働ける職場をつくり、法定雇用率を達成すべきです。具体的見通しを伺います。
障害者が働くことを通じ社会参加を進めていくには、行政だけではなく社会全体が変わっていくことが必要です。
世田谷区内の三カ所の特別支援学校などにおいては、一人でも多くの卒業生を一般就労に定着させるべく取り組みを進めています。障害者の一般就労先の先進事例として大変有名な例としては、ダストレスチョークの日本理化学工業、滋賀県で始まった社会的事業所などがあります。こういった成功例の大きな特徴の一つは、障害の有無にかかわらず雇用契約を結び、最低賃金などの権利を保障していることです。また、目先の最低雇用率を満たすための雇用ではなく、一人一人を人材として捉え、その人に合った働き方や職種などを開発し続けていることも、業績を伸ばす鍵となっています。
障害者の働く場の確保には、このようなミッションを持つ社会的企業や社会的事業所が世田谷区内に立ち上がっていく必要があります。しかし、現状ではまだほとんど存在していないのが実態です。
まず、障害者の社会参加に対するバリア、障害は、当事者個人の側ではなく、それを拒んできた社会のほうにあるのだという障害の社会モデルへの理解が進むことが必要です。
障害者が働きやすい社会は、性別や年齢、体調、家庭生活との両立など、さまざまな理由により働く場から締め出されてきた人たちにとっても働きやすい社会ではないでしょうか。
ここで重要なのは、受け入れ側の企業や職場の理解促進や啓発になります。
求職側に立った支援としては、例えば、短時間労働から働く経験を積み上げていくことが無理のない継続につながる場合、週二十時間以上という障害者雇用促進法の枠にとらわれることが、逆に就労を難しくしてしまっているという可能性もあります。新たに働き始める一人一人の状況に合ったより柔軟な就労環境のマッチングが必要です。
一人でも多くの障害者の働くことを通じた社会参加を可能にする就労環境の充実を求めます。区の見解を伺います。
柔軟な就労環境を必要としている求職者は、手帳を取得した障害者に限りません。がんなどの療養からの回復後や、さまざまな理由で働くことに困難を感じている若者などもまた、短時間勤務からの就労や伴走型の支援を必要としています。
雇用所管として、障害者支援の所管とも連携し、困難を抱える人の働く場の確保を進めていく必要があると考えます。区の見解を伺います。
次に、現場から支援に確実につなげる高齢、障害、子育て等の総合相談の実現に向けて質問します。
二十七カ所のまちづくりセンター、あんしんすこやかセンターが福祉の総合相談窓口となって二年になります。高齢者の介護保険制度にひもづけられた地域包括支援センターであったあんしんすこやかセンターを世田谷型地域包括ケアと銘打って、障害や子どもにとっての相談も受けるように機能を拡充したわけですが、その機能と名称について、区民の認知はどれぐらい浸透してきているのでしょうか。
高齢の相談者から、幅広く丁寧に相談を聞き取った結果として、いわゆる八〇五〇問題が掘り起こされ、解決に向け、医療にも支援にもつながっていない精神的に不安定な成人へのアウトリーチ支援に結実しようとしていることを評価します。
また、高齢者に限らずさまざまな年代、さまざまなニーズを抱えた方が福祉の相談窓口に見えるようになってきました。縦割りと言われる福祉制度の枠におさまらない住民からの相談をどのように受けとめ、適切な支援につなげていくか、二十七の窓口こそが、最前線の現場として重要になっています。二年目の現状と課題について伺います。
生活者ネットワークが、身近な場所での福祉の相談窓口の開設を求めたきっかけは、ダブルケアについての勉強会からでした。生活を支える仕事と親の介護、そのため幼い子どもの預け先を探す保育所確保、幾つもの窓口を自分で回り、使える支援につながる制度にたどり着くまでの体験を聞き、世田谷区内の相談窓口だけでも一本化し、誰もが暮らし続ける、地域の包括相談窓口に実現を求めた、このことが今の福祉の相談窓口につながっています。
総合相談窓口開設から二年目に入り、次に区民に求められているのは、受けとめられた相談がどのぐらい適時的確に支援につなげるようになったかということです。介護と子育てのダブルケアや、障害者の高齢化に伴う支援体制の使い分けなど、幾つかの領域にまたがった支援が必要な事例がどのように支援に結びついていくのかがまだ見えてきません。
福祉の相談窓口ならではの強みを生かした複合的な相談を的確に支援に結びつける体制に関して、区の取り組みを伺います。
複合的なニーズに対応するには、地域の中に複合的な支援ができるサービス提供者の存在が不可欠です。例えば富山市では、市民の活動から補助金によらない高齢者と障害者がともに過ごせるデイケアサービスが立ち上がり、県単位の制度として発展してきました。最近では、一つの法人が同じ敷地内に高齢者施設、保育施設、放課後デイを隣接させ、多世代交流や障害児と地域にインクルーシブな子育て環境を提供するあしたねの森などもでき、地域と利用者から好感を持って受け入れられていると聞きます。
世田谷区内でも、都有地活用による福祉のインフラ整備事業などにより、同じ敷地内や隣接する場所で障害者と高齢者、子育て支援などの施設が次々と開設されています。
参加と協働による福祉のまちづくりを進める区としては、こういった新たな施設の立ち上げなどをチャンスとして活用し、区民と事業者を巻き込み、多様な人々が共生する福祉のまちづくりを進めるべきです。区の見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎中村 総務部長 私からは、区の障害者雇用について御答弁いたします。
障害者雇用につきましては、不適切な事務処理による障害者雇用率の誤算定を行い、御指摘ありましたとおり、民間事業者に率先して障害者を雇用し、模範となるべき区の信頼を損ねた責任を痛感しております。
現在、国からの依頼により平成二十九年六月一日現在の障害者雇用率の再点検の作業を庁内全体で進めております。この結果も踏まえ、今後の障害者雇用の取り組みを進めてまいりますが、まずは正規職員の障害者採用について、特別区人事委員会の統一的な採用選考が、今年度からは、身体障害に加えて知的障害者、精神障害者も対象となり、この統一選考による採用予定者数を拡大してまいります。
また、区では、民間企業への就職に向けて、区役所での業務経験を積むことを目的としたチャレンジ雇用を実施しておりますが、こうしたチャレンジ雇用の拡大のほか、区独自の雇用についても課題を整理しております。
雇用率の早期の充足とともに、障害のある職員がその適性を生かせるよう、職務を切り出し、または職域の拡大などをすることで、障害特性に配慮しながら働き続けられる環境づくりを進め、障害福祉所管とも連携し、信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。
以上です。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、社会参加につながる障害者の就労機会の充実についてお答えをいたします。
障害のある方が就労することは、経済的な自立のみならず、社会の一員としての誇りを持ち、生き生きと暮らす原動力になると考えております。しかしながら、障害者向けの求人は勤務時間が週二十時間以上のものが多く、障害特性や体調の不安により就労に踏み出せない方もおられると考えております。
国では、本年七月に障害者の雇用促進制度に関する研究会がまとめた報告書におきまして、短時間で働く障害者を雇用する企業の支援制度を創設することを提言しております。今後、具体的な検討がなされる予定と聞いております。
区といたしましては、国の動向を注視しながら、区内の産業団体に対し、障害の状況等を踏まえた短時間の雇用創出を働きかけるとともに、好事例につきましては積極的に発信をしまして、事業者に対する障害理解の促進にも努めてまいりたいと考えております。
あわせまして、障害特性や体調の変化も踏まえながら柔軟な働き方ができるユニバーサル就労の開発についても、平成三十二年度、二〇二〇年の実施を目指し、具体的な検討を進めてまいりまして、障害者の就労機会の拡充を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎久末 経済産業部長 私からは、困難を抱える人の働く場の確保について御答弁いたします。
世田谷区新実施計画後期の世田谷産業を担う人材の充実と活用では、子育てや介護等による多様な働き方を推進するため、個人それぞれに対応した職場環境の整備を図ることとしております。障害者雇用については、これまで障害者雇用促進協議会において、障害部門とともに、ハローワークや商工会議所と連携し、企業に障害者雇用への理解と啓発を増進し、雇用を促進するセミナー等を実施してまいりました。
一方、お話しのように、障害者に限らず短時間勤務からの就労が必要な方や、仕事選びがうまくいかないなどで働くことに困難を感じている方など、ハローワークの求人では結びつきにくい方がいらっしゃいます。こうした方の支援として、産業振興公社の三茶おしごとカフェでは、週三日や短時間の求人について、区内事業所を開拓するとともに、就労困難者の方に合った仕事の紹介を行うなど、求職者に合わせた就労支援をより一層強めてまいります。
今後は、障害者等支援の所管を初め関係所管と検討を始めたユニバーサル就労の検討の中で、多様な就労形態に合わせた職場環境について企業への理解を進めるとともに、こうした求人の確保に努めてまいります。
以上でございます。
◎平澤
世田谷総合支所長 私からは、福祉の相談窓口の現状と課題について御答弁申し上げます。
区では、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会地区事務局の三者が連携して、区民の身近な困り事やどこに相談すればよいかわからない相談等に対応する福祉の相談窓口を平成二十八年七月から、区内全二十七地区で実施しております。
福祉の相談窓口の認知度は、平成二十九年十二月の三〇・二%から、平成三十年五月には四三%まで向上してきました。そうした中で、法制度による支援に至る前の相談や複合的な相談等、困難な事例も散見されるようになってきました。今後は一層の認知度の向上に努め、新実施計画後期での目標である六〇%を早期に突破したいと考えております。
また、質の面では、複合的な課題など、相談する区民の側が課題を整理できていない場合も、窓口対応者の傾聴力を高め、課題を整理できるように研修に取り組みます。さらに、法制度に至る前の段階から日常生活を支援するための地区の市民活動や民間の取り組みの情報の収集に努め、お困りの方とつなげてまいります。
以上でございます。
◎木本
北沢総合支所保健福祉センター所長 私からは、福祉の相談窓口ならではの強みを生かした複合的な相談を的確に支援に結びつける取り組みについて御答弁申し上げます。
福祉の相談窓口では、高齢者のみならず、障害者、子育て家庭等の相談を身近な地区において幅広く受けるものとして、複合的な相談についても三者連携で受けとめ、取り組んでいるところです。
議員のお話にあった複合的な課題を抱える相談者に対する支援を行うには、子どもや高齢など専門的見地からの取り組みが重要となりますので、多職種による連携が欠かせません。
このため、福祉の相談窓口では、相談者から丁寧に状況を聞き取って課題を整理し、保健福祉三課を初め関係機関を集め、個別支援会議を開催しております。その事案に合った包括的な支援に向けて、相談者に寄り添い、一体となって課題解決に向けて取り組んでおります。
対応が難しい複合的なケースなどについては、これまで各地区で蓄積してきた対応事例を月一回開催する北沢地域の地域版地域ケア会議などで共有を進めており、対応力の向上とともに支援の充実に努めてまいります。
以上でございます。
◎板谷 保健福祉部長 私からは、福祉のまちづくりの推進についてお答えをいたします。
区では、世田谷区における地域包括ケアシステムの一環として、三者連携による福祉の相談窓口と、地区の課題を地区で解決する参加と協働による地域づくりに取り組む地域包括ケアの地区展開を進めてまいりました。
この間の取り組みから、福祉の相談窓口では、精神に問題を抱える方や八〇五〇問題などの複合的な課題を抱えた方への対応などが課題となっており、来年度、全区並びに地域における精神福祉分野の相談支援体制の強化や、子ども家庭に関する相談体制の充実に取り組んでまいります。
また、参加と協働による地域づくりでは、地区アセスを通じて把握した地区の課題に対し、三者と区民、事業者等が連携して解決に向けた具体的な取り組みを進めており、ひとり暮らし高齢者等の見守りや男性高齢者の居場所づくり、交通不便地域での買い物支援等の実施につながってきております。
今後も複合的な区民ニーズに適切に対応するため、窓口の対応力強化を図るとともに、区民や事業者等が持つ施設や人材、スキルといった資源を地域で活用するなど協働連携を強め、地域共生社会の実現に向けた福祉のまちづくりを推進してまいります。
以上です。
◆十二番(高岡じゅん子 議員) 再質問いたします。
障害者の働く場の確保において、インクルーシブな働き方を可能にする社会的事業所の重要性というものを指摘いたしましたが、区内では新たな社会的事業所を立ち上げるには困難な状況があります。
隣国の韓国を見ますと、社会的企業育成法があり、ソウル市では、ソウル市社会的経済基本条例などの育成制度を設け、労働市場から排除されがちな人材の働く場づくりに取り組む事業者を支援しています。
区長はソウルへ訪問され、社会的企業の育成に関しても情報交換や話し合いをされていると聞きます。社会的企業、社会的事業所の育成に関して区長の見解を伺います。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 高岡議員にお答えをいたします。
ソウル市あるいは韓国の事例について、私なりに見て感じたことをお答えしたいと思います。
韓国の社会的企業育成法なんですが、通常の条件では就労が困難な方々、社会的な弱者、弱い立場の方々に就労の場を確保したり、本当はなくてはならないんだけれども、まだ手が届いていない社会サービスを提供する企業や非営利法人などを制度化して国や自治体が認証し、教育支援、経営支援、また税の減免や社会保険料の支援なども行っている、こういった制度であります。
ソウル市では、社会的企業、社会的事業を中心に広げていこうと積極的に取り組んでおり、これを世界中の自治体で取り組んでいこうという国際会議に私も出席をいたしました。
公共を預かる自治体が市民やNPOと連携し、格差や貧困、差別の解消などの社会的効果を上げていくことは、例えばヨーロッパであるとか、あるいは北米であるとか、さまざまな国でこういった動きがあるということも、各国の報告からわかってまいりました。
現在、国会では、ワーカーズコープ法、これは議員立法で準備をされているさなかだと聞いております。本区でも、障害者施設等を受託しているワーカーズコープ、労働者協同組合ですが、法令上の根拠をここに付与していくものと聞いています。
障害者も含めて多様な人材が働く仕事づくり、社会的企業、事業に当たる役割も果たすものとして注目をしておりますし、さらに幅広い社会的企業、社会的事業、非営利の、そして結果、社会のゆがみを正していくような仕事の起こし方、その支援のあり方について、国会の動きも注目しながら、なるべく早く日本でも、世田谷区でも、障害者の方も含めた多様な雇用が成立するように努めてまいりたいと思います。
◆十二番(高岡じゅん子 議員) 働く場づくりに関しては、福祉の所管だけではなく、産業や、また、まちづくり、今言ったような社会的企業を地域の中につくっていくというような、民間事業者やNPOなどからの働きかけとかも活用して、ぜひ一歩ずつ、世田谷区内に誰もが働きやすくて、そして本当に幾つになっても安心して暮らし続けられるまちづくりをしていただきたいと思います。
今回は、雇用の面のほうと、そして福祉のまちづくりというふうに二つに分けましたが、民間やNPOの力を生かした社会的なニーズを捉えていく、そういった動きについては、同一の根があると考えております。今後、詳しくは、今回、決算委員会で質問させていただきます。
以上で終わります。
○三井みほこ 議長 以上で高岡じゅん子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、五十番高橋昭彦議員。
〔五十番高橋昭彦議員登壇〕(拍手)
◆五十番(高橋昭彦 議員) それでは、順次質問してまいります。
今回はまず、障害施策の対応について三つの観点から質問させていただきます。
一つ目は、マルチメディアデイジー教科書についてです。
日本では、音声のみのデイジーが視覚障害者向けの音声図書の規格として広く普及しています。そのために、視覚障害者のための図書と思われがちですが、本来、読むことに困難のある全ての人に必要なシステムが求められます。
読みに困難のある児童生徒とは、学習障害等の発達障害、視機能障害、弱視、知的障害、手で本をめくれない肢体不自由や脳性麻痺など、さまざまな理由があり、一般的に印刷された教科書を読むことができない状況があります。
平成二十年、いわゆる教科書バリアフリー法の施行により、マルチメディアデイジー教科書が教科用特定図書の音声教材として位置づけられました。マルチメディアデイジーは、音声を聞きながらハイライトされたテキストを確認できることから、文字を確認しながら学習できます。読み聞かせしなくても自分で学習できるようになった、内容がわかるようになった、音読が苦痛でなくなったなど、子どもたちが前向きに変わったと言われます。
平成三十年三月現在、全国で八千名の児童生徒が活用しています。しかしながら、世田谷区では周知が大変おくれており、必要としている児童生徒に届いていない現状があります。
そこで質問します。区は小中学校での活用の有効性についてどのように考えているのか。また、今後の教育委員会としての進め方についてお聞きしたいと思います。
次に、発達障害支援における区内大学との連携についてです。
文科省の調査によれば、現在、通常学級に六・五%の発達に課題を抱えていると思われる児童生徒が存在すると言われています。これらの児童生徒に対する支援は、発達障害者支援法などの制定により進んではいるものの、目に見える障害ではないことから、わかりづらく、教師にも適切な理解に基づいた指導方法が十分構築されていないといった問題があります。
発達障害からは、精神疾患、いじめ、不登校、ひきこもりなど、二次的に発生する心配があり、今後の社会を形成する上で大きな問題となる可能性があります。
さて、私は、日大文理学部で行っている教職支援センターの教育実践力研究会による教員へのリカレント教育の場に参加し、どのようなやりとりが行われているのか見てまいりました。
この研究会では、発達障害の傾向が見られ、長期不登校の経験のある生徒の指導経緯、保護者とのかかわりや、発達障害の傾向が見られる生徒への進学・就職支援の組織的対応、また、スクールカウンセラーとの協働のあり方など、毎回具体的なテーマでのやりとりがあり、四年前から年約四回開催し、都内の公立小中学校の教員や高校教員及び教職を目指す学生が四十名程度参加しております。
包括協定を結ぶ区内大学の具体的な実践研修で蓄積された経験と資源の世田谷区への活用が、子どもたちのため、また特に若い教員に必要であると感じました。
そこでお聞きします。大学の協力に対する教育委員会の見解をお聞かせください。また、今後の区内大学活用の進め方についてお聞きしたいと思います。
次に、十月一日から施行される東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例について、ここでは、手話による情報の保障について質問します。
条例の共生社会実現のための基本的施策には、情報保障の推進と言語としての手話の普及が明記されています。
手話は、聾者が音声言語のかわりに大切に受け継いできた言語であり、手話を知るためには、手話を自分たちの言語として暮らす人の生活や背景にある文化を理解することが大切であります。
この条例では、手話は独自の文法を持つ一つの言語であるとの認識に基づき、言語としての手話の認識を広げるとともに、手話の利用が普及するよう施策を講じるものとするとあります。
その上で、区は全ての区民が尊重し合える社会を築くために、さらに手話を身近に感じ、理解を促進すべきであります。
そこでお聞きします。積極的に手話を言語としての認識に立って普及啓発を進めるべきですが、区のこれからの取り組みについてお答えください。さらに、障害者のコミュニケーション保障の充実について、今後の方針をお聞かせください。
次に、今後の地域行政制度のあり方についてお聞きします。
世田谷区は、平成三年度より、全国に先駆けて地方分権の先取りとなる独自の地域行政制度を創設し、地域住民に密着した行政を目指して行ってきました。ことしで二十七年、世田谷区の行政運営の方針としてきた地域行政制度ですが、これまでも区は、今後の地域行政の推進と題し、三層構造のあり方など検討課題を整理してはいるものの、共通番号制度や地域包括ケアなど新たな対応すべき制度の導入があり、時代の流れに翻弄される世田谷区の地域行政制度になってしまっていると感じています。
今や人口は九十万を超え、今後二十年はふえ続け、百万都市へのカウントダウンが始まっています。あくまでも地区が地域住民密着の行政サービスの中心地であるべきですが、区民の生活行動や感覚、また区民の地域への多様なかかわり方、現在の高齢者、子ども、障害を含めた地域包括ケアの地区を超えた広範囲な対応など、これからの地区がサービスと見合う中心地となり得るのか。三層構造の役割と地区の概念など、政令都市並みの人口を擁する世田谷区の時代に呼応した地域行政の姿を示すことが必要であると考えます。
今般、証明書自動交付機のシステム廃止に伴う対応についての報告があり、マイナンバーカードの交付の推進や窓口の対応などについて示されました。コンビニ交付の利便性を促し、マイナンバーカードの交付を推進するとされていますが、逆に言えば、マイナンバーが進めば進むほど、利便性が進めば進むほど、地域行政の仕組みは変化し続けてしまうのではないでしょうか。
総合支所に保健福祉センターが復活し、センター所長が明確に位置づけられ、実質的には福祉は四課体制になり、今まで以上に効率性と専門性が推進できる状況になったと思います。だからこそ、区民一人一人にとっての地区の位置づけを確立すべきと考えます。どこで手続や相談をしても、一人一人をケアし、フォローするのも地区であり、そのための住民組織やまちづくりを構築するのも地区であるはずです。
そこで質問します。
まちづくりセンター窓口では証明書の発行と取り次ぎサービスを行い、充実を図るとありました。これはまちづくりセンターで何でもやります、何でもできますとの話につながるのではないでしょうか。地区というベースが地域行政の基本だと思います。そのためのまちセンの体制強化が重要です。区の考えをお聞きします。
さらに、地区においてのマネジメント、三者連携だけでなく、支所や本庁とのコントロールや迅速で的確な対応を行う地区の責任者、いわゆる管理職の存在がポイントとなってきます。管理職の配置についての見解も求めます。
百万都市に見合った地域行政制度、三層構造のあり方は、これまでの行政方針として進めるには限界があり、地域行政制度二十七年目の過渡期であると思います。世田谷区独自の行政制度である地域行政制度推進の条例化を検討すべき段階に入ったと思います。新たな時代に向けて地域行政制度を見直し、確固たるものにしていく必要があります。区の見解をお聞きします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤 教育政策部長 私からは、大きく二点にまとめて御答弁をさせていただきます。
まず一点目、マルチメディアデイジー教科書について、その有効性と今後の進め方についてという御質問です。
マルチメディアデイジー教科書は、教科書をデジタル化しており、教科書の文字や図を大きく提示したり、文章を読み上げたりする機能がありますことから、視覚障害や聴覚障害のある子どもへの支援に有効であるというふうに認識しております。また、全ての漢字にルビを振る、読んでいる箇所がハイライトで明確になる機能などは、通常の学級で学ぶ文章を読むことが困難な子どもにとっても、授業での大きな助けになると考えております。
現在、国や事業者はデジタルの教科書や教材を研究、開発して、個別学習や協働学習の場で活用できるよう工夫を進めております。教育委員会でも、小中学校校長会や特別支援学級設置校長会に情報を提供し、導入について検討しております。
今後につきましても、特別支援教育の充実に向けた取り組みや教育におけるICT環境の整備を進め、配慮の必要な児童生徒への支援や、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた指導の充実に努めてまいります。
次に、発達障害支援における区内大学との連携についての見解及び今後の進め方についてという御質問に御答弁を申し上げます。
教育委員会では、平成十七年二月に区内大学などと基本協定を締結し、学級運営への支援、配慮を要する児童生徒への支援などを行う学生派遣事業や、大学が持つ専門的な知的資源などを生かした教職員研修などを実施しており、今後も連携を深めていくことが重要であると考えております。
小中学校における発達障害などの児童生徒に対する支援につきましては、全小学校への特別支援教室導入や学校包括支援員の全校配置、心理士による校外からの支援など、力を入れて取り組んできたところですが、学校現場では、配慮を要する児童生徒の理解や対応が求められており、指導のさらなる充実が課題であると認識しております。
包括協定に基づき、大学と小中学校の事例を通して対応方法を一緒に考える機会を持ってはいかがかといった御提案でございますけれども、教育委員会としましても、これまでの具体例について分析、研究を行うとともに、今後、教職員研修などの中でともに考える機会を設けるなど、世田谷区と大学双方の発展と充実につながるような方法について検討をしてまいります。
以上でございます。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、手話の普及啓発と障害者のコミュニケーションの保障の二点について、あわせてお答えをいたします。
まず、手話の普及でございますが、東京都では、本年六月、障害者差別解消法等の理念を具体化するため、障害者への理解促進及び差別の解消の推進に関する条例を制定し、十月から施行することとしており、言語としての手話の普及を明記し、区市町村と連携して啓発活動を行うことも盛り込んでおります。
区におきましては、手話講習会の開催や手話通訳者の派遣などを実施してまいりましたが、今年度は新たに手話啓発パンフレットを作成しまして、小学校四年生に配付をしております。
今後の手話の普及につきましては、東京二〇二〇大会の共生社会ホストタウンである点も踏まえまして、広く区民が手話に親しめる機会の創出など、東京都とも連携しながら具体的な取り組みを充実させてまいります。
次に、障害者の情報保障とコミュニケーション支援につきましてでございますが、障害者基本法や障害者権利条約にも盛り込まれております聴覚障害に限らず、全ての障害者の日常生活における基本的な権利であると認識をしております。
そのため、区では、せたがやノーマライゼーションプランに情報アクセシビリティの向上を記載し、手話通訳者や要約筆記者の派遣、印刷物への音声コード対応、今年度は障害者のしおりの大活字版を作成するなど、情報保障とコミュニケーション支援の充実に取り組んでおります。
今後も情報通信技術の活用を含めました多様な媒体を活用しながら、当事者や関係団体とも意見交換をさせていただきまして、障害者の情報アクセシビリティの向上に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎志賀 地域行政部長 私からは、地域行政制度について、三点について順次御答弁申し上げます。
まず一点目、まちづくりセンターにおける証明書取り次ぎサービスなどを契機に、地区の強化をどのように図っていくかという点です。
平成三十一年十二月の証明書自動交付機の廃止後において、これまで自動交付機を置いていたまちづくりセンターでの住民票の写しなどの証明書発行を継続するため、まちづくりセンターで本庁の組織とネットワーク等を利用した証明書の取り次ぎサービスを行う予定でございます。
この対応は、マイナンバーカードの普及を前提としつつも、これまでまちづくりセンターで証明を取得していた方に御不便をおかけしないこととして実施するものでございます。
現在のまちづくりセンターでは、地域包括ケアの地区展開による福祉の相談窓口の設置など、最も身近な相談窓口として幅広い相談を受けるとともに、地区における防災機能の強化など、各地区における諸課題の解決に先頭に立って取り組んでございます。
今後の福祉社会の到来やICTの進展を見据え、これらの事業をしっかりと検証しながら、コミュニティーの醸成による地区の強化という観点から、地区における窓口のあり方やまちづくりセンターの充実について検討してまいります。
続きまして、まちづくりセンターへの管理職の配置という点でございます。
現在、各総合支所に総合支所特命担当の副参事を一名配置し、まちづくりセンター所長として、総合支所との連携のもと、多角的な視点からまちづくりの取り組みを推進する役割を担っております。
地区の行政拠点であるまちづくりセンターがそれぞれの地区特性に応じた課題に取り組むため、総合支所との連携を強化し、地区、地域における人、物、ネットワークなどの社会資源を有効に活用していくことが必要であると認識してございます。
今後、まちづくりセンター所長が地区の責任者として地区まちづくりを迅速かつ効果的に進めることができるよう、地区経営の観点から、まちづくりセンターの充実に取り組んでまいります。
最後に、新たな時代に向けて地域行政を確固たるものにしていく必要がある、区の見解はという点について御答弁申し上げます。
地域行政制度は、都市としての一体性を保ちながら、住民自治の実を上げるため、地域の行政拠点を核に、総合的な行政サービス、まちづくりを実現するために総合支所を設け、きめ細かい施策やサービスの展開を目指すことを基本に発足いたしました。
一方、制度のスタートから二十七年がたち、区政を取り巻く環境が著しく変化する中で、より効率的、効果的にサービスを提供する観点から、総合支所の組織改正や、出張所・まちづくりセンターの見直しなどを行うとともに、地区においては、防災の強化や地域包括ケアの地区展開を軸とした施策に取り組んできたところでございます。
百万人都市を見据え、高齢化の進展や、喫緊の課題である災害対策など山積する課題に取り組むには、区民が生活する場である地区の課題にまちづくりセンターが中心となって、迅速かつ的確に対応していくことがより必要となってまいります。今後とも、地域の実態に即したまちづくりを展開することを基本に、総合支所によるバックアップ体制の強化を図るとともに、地区における社会資源を結集した取り組みを進め、新たな時代に即した地域行政制度の充実に取り組んでまいります。
以上です。
◆五十番(高橋昭彦 議員) お答えいただきましたが、地域行政制度、またしっかり議論を重ねたいと思いますが、先ほど部長が言った地区経営なんですよ、やっぱり。地区を所長が、まちづくりセンターの人がどう経営していくか、二十七地区、二十八地区になるんでしょうけれども、各地区は、何事も起こらないで静かに、飛び出ないように、事故が起こらないようにだけを考えているだけでは地区経営にはならない。いかに自分のところが市並みの行政を行ってみせるぞというぐらい、やっぱり財源と権限とそれなりの責任をしっかりと所長に持たせるような状況をつくらなきゃいけないということだと思います。これはまた議論していきたいと思います。
あと松本部長、東京二〇二〇大会の共生社会ホストタウンという話をされましたけれども、手話を区民が身近に感じられるように何かするというふうに言っていますけれども、何かするじゃなくて、どういうことをしたいのか、きちっと答弁をお願いしたいと思います。
◎松本
障害福祉担当部長 再質問を頂戴しました。
手話の普及ですけれども、手話の普及については、これまでも手話講習会を四十年以上実施をさせていただいておりまして、延べで九千人以上の方が修了をしておりますので、一定の点では、普及啓発にはつながったのかなという点は考えております。
共生社会ホストタウンのことに関連してということでございますけれども、同じく共生社会のホストタウンになっております自治体の中では、例えば手話普及派遣員ですとか、あるいは手話パフォーマンス甲子園と、こんなような事例もございます。
手話の普及には、区民の方に関心を持っていただくということが極めて重要かなというふうに考えておりますので、その手話講習会ということだけでなくて、例えばですけれども、ミニ講座のようなもう少し気軽に触れていただくような機会ということも大事かなというふうにも思いますので、障害者の団体の皆さんとも意見交換をさせていただきながら、できる工夫を形にしていきたい、こんなふうに思います。
以上でございます。
◆五十番(高橋昭彦 議員) しっかり取り組んでください。よろしくお願いします。
終わります。
○三井みほこ 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、十三番田中みち子議員。
〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手)
◆十三番(田中みち子 議員) 初めに、六月の大阪北部地震に始まり、西日本豪雨、台風二十一号、そして北海道胆振東部地震により被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、犠牲となった皆様に哀悼の意を表します。そして、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
それでは、質問通告に従い順次質問します。
まず、人と動物との共生社会の推進について質問をします。
きょう、二十日から動物愛護週間が始まり、一階でもフェアが開催されています。また、ことしは五年に一度の動物愛護法の改正が行われます。前回の改正では、生後五十六日に満たない犬猫の販売や展示、引き渡しが禁止となりましたが、激変緩和措置がとられたことにより、現状では五十六日ではなく四十九日となっており、いまだ施行されていません。五十六日規制を確実にすることや、ガス室での殺処分の禁止、動物取扱業の規制の強化など、全ての動物のとうとい命が大切にされる動物福祉の向上となる法改正が望まれます。
一方、今回の改正では、自治体における地域猫活動の支援を義務づけることなど、繁殖制限の強化についても提案されています。東京都の犬の殺処分はゼロとなりましたが、猫はまだゼロではありません。
区内でいえば、昨年度、猫の殺処分件数は十八件あり、大変心が痛みます。飼い主のいない猫の問題については、地域猫活動が進むよう、セミナーなどで呼びかけを行うものの、核となるボランティアが育たず、春になると子猫が次々に産まれる現状です。先日も、餌やりを行う方と阻止する方との間でトラブルとなり、警察が出動したと聞いています。また、空き家の解体工事の増加に伴って、そこにすみつく猫が移動した先で繁殖している、庭先のふん尿など衛生的な問題等、さまざま相談が寄せられております。
猫の里親を探す取り組みとともに、猫を排除することなく、地域の問題として捉え、これ以上ふえないよう手術をしながら、適正に管理できる地域猫活動がしっかりと根づくよう、取り組みの強化を求めます。
また、地域で小さな命を見守りながら飼い主のいない猫を減らしていくには、不妊・去勢手術を徹底することが重要です。昨年度は、申し込み件数に対し全件助成したということですが、満額補助ではありません。カンパやボランティアの方の持ち出しに頼っている現状では、繁殖に追いつかないのではないでしょうか。助成を拡充し、繁殖抑制を徹底すべきです。見解を伺います。
次に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みについて質問します。
この夏は、地球温暖化による影響を嫌というほど思い知らされました。命の危険がある酷暑と相次ぐ被害。区内の七月の緊急搬送件数は二百二十一件、八月のゲリラ豪雨では三百八件の罹災証明が発行され、想定外の異常気象による被害は拡大し続け、持続可能な社会へシフトすべきと警鐘を鳴らしています。私たち一人一人が省エネルギーを心がけ、環境に負荷をかけない生活を送る必要があります。
特に住宅に関していえば、ZEHという言葉とともに、ゼロ・エネルギー住宅が注目されるようになりました。断熱性能を上げ、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境が実現するもので、ヨーロッパでは、エネルギーの消費が低い断熱住宅を貧困対策の一つとして推進しているそうです。
世田谷区では、エネルギー消費量削減や区民の再生可能エネルギー利用率を高めるため、既存住宅に対し断熱改修などを行う制度、世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業があります。国では、既存だけでなく、新築住宅を対象にした支援制度があります。
一方、長野県では、こうした国の制度普及も兼ね、建築物の省エネ、環境性能を把握し、初期投資とランニングコストを考慮し、省エネ、環境性能や自然エネルギー導入をどうするかといった検討が義務づけられる制度を設けて、新築住宅の省エネルギー化を進めています。こうした長野の先行事例なども参考に、新築住宅においても省エネルギー化が進むよう、制度の検討を求めます。
また、現在計画策定中の本庁舎について、これは建築環境総合性能評価、CASBEE、S達成を目指すとともに、ZEBReadyを視野に入れた検討を行うとのことですが、電力についてはいかがでしょうか。再生可能エネルギー一〇〇%で賄うべきと考えます。見解を伺います。
環境負荷が少ない生活を送る上でもう一つ大切なこと、これはごみを出さない持続可能な社会への意識啓発です。
プラスチックごみによる海洋汚染問題が大きく取り上げられ、ストローやプラスチック容器の使用や生産禁止など、世界では使い捨てプラスチックごみ発生抑制に大きくかじを切っています。また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは持続可能な大会運営を行うことになっており、アメリカの選手団のキャンプ地として、馬術競技を行う大会開催地当該地として、今こそ使い捨てプラスチックごみの発生抑制に向けた取り組みを進める必要があると考えます。
区民と事業者にチラシ等で啓発を行うこと、さらに、庁舎内の会議体でペットボトルが配られています。これを一切やめること、区みずから率先して使い捨てプラスチックごみを出さない覚悟で取り組むことを求めます。
最後に、先ほども質問にありました言語としての手話の普及に向けて質問をしてまいります。
私は、障害者差別解消法の具体的な取り組みを進める上で、世田谷区独自の条例制定や、パラリンピックを契機にした心のバリアフリーとユニバーサルデザインを推進することを求めてきました。平成二十八年の一般質問では、点字メニューや筆談ボード、段差解消スロープの設置など、実効性のある取り組みを求めた結果、商店街に対して予算がついたことなどは評価しています。しかし、最新版の区民の意識調査によれば、六八・八%の人が障害者差別法について知らないと答えています。法が施行され、二年経過しています。まだまだ認知度が低く、心のバリアフリーを一層進める必要があると考えます。
東京都では、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例が成立し、十月から施行です。この条例は、手話を含む情報保障の規定も盛り込まれました。
今回の都条例の施行前の九月に、世田谷区では、「話そう!手のことば~はじめての手話~」、これがそのリーフレットになります。こういったものを作成して、これは小学校四年生を対象に全小学校に配付したということを伺いました。手話の普及を進めるための取り組みとして、大変評価いたします。今後、このリーフレットの活用によって手話の理解が進むことを期待したいと思います。
一方、手話を使う聴覚障害者は国内に約六万人以上いると言われています。聾学校では、口の動きを見て意味を理解する口語法、これが重視されてきたため、コミュニケーション力の発達に課題があると指摘をされていて、手話教育の充実や手話通訳の配置充実のため、手話言語法の制定が望まれます。
全国手話言語市区長会は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる二〇二〇年に向け、手話言語法の制定を目指していますが、こちらの動きも大変遅く、聴覚障害者団体からは、手話を広く区民に普及するためには手話言語条例が必要であり、長きにわたり条例制定を求めておられます。
保坂区長は、この全国手話言語市区長会のメンバーでいらっしゃいます。手話言語法の動きを促進する上でも、世田谷区として手話言語条例を制定する必要があると考えますが、区長に見解を伺います。
兵庫県明石市は、手話の授業を全小学校で実施しています。手話の使いやすい社会づくりを実現するためには、自分の名前や挨拶など、手話を学べる体制づくりが必要です。聞こえない当事者と出会うこと、そして、手話を学び、使う機会をふやすことが重要であることから、学校現場とそして聴覚障害者団体が連携して、先ほど申しましたこのリーフレット「話そう!手のことば」、これらの活用も視野に、手話講習会を行う体制を構築することを求めます。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 田中議員にお答えをします。
手話の普及に向けた施策を推進するために条例の制定はいかにという御質問でございます。
障害のある方が円滑に情報を取得し、意思疎通ができるようにすることは、日常生活における情報保障として大変重要なことであり、障害者基本法にもその旨、記されているところでございます。
東京都では、この六月、障害者権利条約及び障害者差別解消法等の理念を具現化するため、障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例を制定、十月から施行することとしており、言語としての手話の普及についても明記しながら、区市町村と連携して普及活動をするということを盛り込んでいます。
世田谷区としての手話言語条例の制定のお話ですが、御紹介いただいたように、私も全国手話言語市区長会に参加しています。言語としての手話の普及は必要な取り組みと考えております。都条例が六月に制定された後に、二十三区内でも幾つかこの条例ができるところがあるんですが、七月に荒川区のほうで手話言語条例が制定をされたと聞いております。内容は、区が理解促進の役割を担う、そして手話を普及させていく、手話を使いやすい環境を整備する、区民は、このことに対する理解を深めていくように努める、事業者は、聴覚障害者が利用しやすいサービスや働きやすい環境を整備する、こういう内容であって、幾つかの条例の中で、理念をうたっているもの、そして、やや荒川区のほうは具体策にも踏み込んだものとなっているように思います。
この条例については、さらに検討して、議員御指摘の手話の普及、そして、ユニバーサルな差別解消に向けた一歩を記していきたいと思いますし、共生社会ホストタウンであることを踏まえて、区民が手話に親しめる環境整備、電子機器などにより日常生活に手話が必要な方の支援のさらなる充実に取り組んでいきたいというふうに思います。
◎辻 世田谷保健所長 私からは、地域猫活動について二点、まず、地域猫活動が地域においてしっかり根づくよう、取り組みの強化をとの御質問にお答えいたします。
地域猫活動は、地域住民、ボランティア、行政の三者が協働し、適正な餌やりや不妊・去勢手術等により、飼い主のいない猫をふやさないようにして環境被害を少なくする取り組みです。
御指摘のとおり、猫がふえ始めた地域等で活動を始めるに当たっては、猫の適正管理に係る理解者や不妊・去勢手術の協力者等、啓発や人材の確保が重要であると認識をしております。
保健所では、飼い主のいない猫でお困りの地域の町会・自治会等に対し、回覧等で地域猫活動に関する正しい理解の促進や活動参加者の募集などを行い、活動を地域に根づかせることや人材確保に取り組んでおります。
また、地域猫活動セミナーを平成十六年度から年二回実施しており、ボランティア団体の代表や活動地域の町会長等をお招きし、活動者の育成につながる説明や町会の御協力のもとで活動が効果を上げている事例の紹介等を行っております。
区といたしましては、今後とも地域と連携して地域猫活動を推進してまいります。
次に、猫の不妊・去勢手術代などの助成拡充についてです。
世田谷区では、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用助成を平成十九年度から実施しており、昨年度は百四十一件の助成実績がありました。手術費用の助成額は、雌猫一万円、雄猫五千円で、実際の手術費用との差額は活動者に負担していただいております。こうした状況の中、募金箱の設置やバザーを開催して手術費用を集めている町会や、地域活動団体が町会と連携し、絆連携活性化事業を活用して地域活性化の取り組みとして活動している地域もございます。
今後とも、他自治体や区内各地域で工夫して取り組んでいるさまざまな先進事例を収集し、地域に適した取り組み案を町会等に紹介することで、地域猫活動が行いやすい環境づくりを進めてまいります。
以上です。
◎畝目 環境政策部長 私からは、二点について順次御答弁申し上げます。
初めに、新築住宅においても省エネ化が進むよう、長野県の事例を参考にしてはについてでございます。
区では、環境基本計画の五つの目標の中に、環境負荷を抑えたライフスタイルの確立を目標の一つとして、住まい・建物の省エネルギー化を方針に掲げ、住宅や事務所の省エネを促進しており、その実現の方策として、区民、事業者、区の三者がそれぞれの役割のもと、協働していくことが重要であるとしてございます。
また、今年度改定いたしました地球温暖化対策地域推進計画におきましては、環境に配慮した住まいづくりを取り組み方針として、省エネ診断によるエネルギー管理の改善や新築、改修時にはZEH、ZEB化に努めるなど、住宅や事業所建物の省エネルギー化を推進していくとしてございます。
住宅都市である世田谷区では、温暖化対策として、家庭における省エネルギー化が特に重要であるとの認識から、省エネルギー機器の利用や住宅の省エネルギー化を促進する普及啓発の取り組みを推進しており、この夏に実施いたしました環境エネルギー・ラボでは、節電をしながら太陽熱などの再生可能エネルギーの利用や、断熱性能を上げたエコ住宅を紹介するブースを出展するなどしてまいりました。
今後の取り組みといたしまして、エネルギーの収支がおおむねゼロになるZEHに関するセミナーの開催を年内に予定しており、議員御指摘の事例につきましても、省エネ性能を持つ住宅の普及を図る取り組みとして参考になるものと考えており、今後、研究してまいりたいと考えてございます。
次に、プラスチックごみによる海洋汚染問題についてです。
プラスチックごみの海洋汚染は生態系に悪影響を与えると懸念されており、区民の健康や生活を脅かすおそれのある問題として捉える必要があると考えてございます。区民生活への影響を最小化するためにも、自治体として何ができるのか、環境基本計画の改定において、有識者の皆様に御議論をいただきたいと考えてございます。
区では、まず、区民や事業者の皆様に海洋プラスチック問題について知っていただくことが大切であると考えてございまして、専門家によるシンポジウムなどの開催やチラシ等により広く発信してまいりたいと考えてございます。
また、清掃・リサイクル部では、ごみとして出されているプラスチックの排出抑制や分別回収の普及啓発、必要でないものは買わないといった環境教育の推進、プラスチックのリサイクルに関する研究を進めることとしており、プラスチックごみの排出の減量に連携して取り組んでまいります。
庁舎内の会議体でのペットボトルの配付に関する御提案でございますが、まずは、庁内の会議等での使い捨てプラスチックの利用状況を点検、把握した上で、今後の取り組みを検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、計画中の本庁舎で、電力については再生可能エネルギー一〇〇%にできないかという質問にお答えをいたします。
本庁舎等整備におきましては、基本的方針の一つに、環境と調和し環境負荷の少ない持続可能な庁舎を掲げ、高い環境性能を備えた庁舎としてCO2削減及び省エネルギーの推進、自然の恵みとエネルギーの有効活用に取り組むこととしております。
同時に、本庁舎は区民の安全安心を支える災害対策拠点であり、発災直後から災害対策本部を機能させるため、災害時に電力の供給が途絶えたときにおきましても、他のエネルギーを利用し、一週間連続運転が可能な非常用発電機を設置するなどの計画をしてございます。こうしたエネルギーの平時の利用による効率性の観点も含めまして、日常利用時の環境性能と災害時の防災性能が両立できる最適なエネルギー構成を検討する必要がございます。
電力事業者との契約方法の検討は先の課題と捉えておりますが、まずは、本庁舎等整備におきまして、基本設計や中間報告にお示しをした太陽光、地中熱などの自然エネルギーを利用した省エネルギー設備など、電力の使用における再生可能エネルギーの積極的な導入について検討をしてまいります。
以上です。
◎工藤 教育政策部長 私からは、教育現場での手話教育などを求めるといった御趣旨での御質問に御答弁申し上げます。
障害の有無にかかわらず、さまざまな人々と協力して生きていく力を子どもたちに育むといったことは大変重要でございます。手話を学ぶことは、実際に障害者と交流したり、かかわったりする場面においてコミュニケーションツールとして役立つものと考えております。
小学校では、障害者理解を深める学習として手話を学ぶ機会を設けたり、音楽会や児童集会などで合唱する際に、歌詞を手話であらわす活動をしたりしております。中学校では、部活動で手話部が自校の合唱コンクールや学び舎内の小学校の音楽会において合唱と手話を披露するなどの取り組みを行っております。
教育委員会といたしましては、いただきました情報や資料活用について校長会へ周知し、各学校が児童生徒の関心や実態から他機関との連携により手話を学ぶ体験活動を実施し、障害者理解を深め、多様性を認め合い、支え合う共生社会を築いていく力を育成するよう組んでまいります。
以上です。
◆十三番(田中みち子 議員) 今、区長の答弁で、荒川区の手話言語条例を紹介いただいて、私もたまたま手元に持っていたので申し上げたいと思うんですけれども、荒川区は、前文があって、大変崇高だなと思いました。
聾者にとっての手話は第一言語であって、コミュニケーションの手段であると同時に、アイデンティティーであり、命であるとまで言い切っていて、すばらしいなと思っています。
そしてまた、今、一方で、市区長会、区長はメンバーでいらっしゃると思うんですが、手話言語法について、今の区長の認識というのも伺いたいと思います。再質問させてください。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 田中議員の再質問にお答えをします。
私は、先ほど申し上げたように全国手話言語市区長会のメンバーでございます。障害者基本法や国連の障害者権利条約で、言語である手話の普及について触れていますが、手話言語法は、それを具体化するものとして、全日本ろうあ連盟などの障害者団体におきまして、全ての国民の手話言語学習や、聾者の手話言語使用環境の整備などを求めているものと伺っております。
世田谷区議会におきましても、平成二十六年に、国に対して手話言語法の制定を求める意見書を提出していただいています。
この間の国の動きは、障害者基本法に基づき、障害者基本計画や障害者差別解消法に基づいた障害のある方の意思疎通の支援や合理的配慮の取り組みを進めるということにとどまっており、手話言語法制定の動きにはいまだ至っておりません。私も、この法の制定を、自治体の長として国に働きかけていきたいというふうに思います。
また、全国の共生社会ホストタウンが現在十四自治体となっております。情報交換をそれぞれしながら、話し合って、世田谷区における手話の普及の取り組みをさらに充実させ、この地域自治体からできる聴覚障害者の権利保障の充実に努めてまいりたいと思います。
◆十三番(田中みち子 議員) 聾者にとって手話は命ということです。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十六番小泉たま子議員。
〔十六番小泉たま子議員登壇〕(拍手)
◆十六番(小泉たま子 議員) 通告に基づき質問いたします。
まず、児童相談所整備についてです。
私は、一刻も早く児童相談所機能を世田谷区で持つべきとする立場です。
その前提のもとですが、報道等によれば、全国の児童相談所への虐待相談・通告が二十七年連続で過去最多を更新し、厚生労働省は悲惨な事件を受けて四十八時間以内の安全確認のルール強化を指示したとのことです。
国は、二〇二二年度までに児童福祉司を二千人増員することを決めたとされます。これらの対応策に疑問を持ちます。全くの対症療法ではないでしょうか。
区長は、一昨日の招集挨拶において、児童相談所が保護者との対話を重視したきめ細やかな支援を行うと同時に、虐待防止のプロセスを誘導するとされ、さらに相談のあらゆる場面において、子どもの権利が保障され、最善の利益が優先されたみんなで子どもを守るまち・せたがやの実現を目指すとされました。疑問です。今の区政は、児童相談所を中心に、子どもの成長を見守り、育てていこうというのですか。
熊本区政において、従来の対症療法型区政運営から予防型区政運営に転換するとされ、その象徴として、全国で初めて子ども部をつくり、子ども計画をつくったのです。そこでは、元気な子どもがより元気になるように、そして、いざというときのセーフティーネットにかからないようにすることが大きな課題だったはずです。その考えが崩れています。
区長の言われるみんなで子どもを守るまち・せたがやとは、誰がどう守るのでしょうか。今の仕組みでは、子どもの命を守るためになるべく早く通報し、迅速に対処するということの充実になりますが、これでは、地域で見守り合いではなく、見張りを行えということです。この姿勢は根本的に間違いではないでしょうか、お答えください。
さらに、子ども部設立の理念に立ち戻り、子ども政策を対症療法型行政から予防型行政に戻すべきです。お考えを伺います。
また、地域の児童館こそが子育ての中心となるべきであって、そのために、宮崎副区長が児童館の全区展開、再整備の方針を出され、評価します。
そこで、改めて児童館のミニ児相機能を明確にすべきと思います。お考えを伺います。
その上で、世田谷独自の施策として、子ども家庭支援センターのさらなる充実と児童館との連携を明確にすべきです。子ども家庭支援センターの所管である総合支所長のお考えを伺います。
これらの仕組みを健全に運営していくために、早急に児童館の地域移管を実現すべきです。区のお考えを伺います。
子どもの安全を児童相談所任せにすることから、脱却しなければなりません。これらの取り組みを進め、幼児虐待ゼロ、結果として虐待通告ゼロを目指すことを世田谷区として表明すべきですが、区のお考えを伺います。
次に、縦割り行政について質問します。
ある大学病院で、心臓の治療でCT検査を受けた患者さんが、肝臓がんの疑いの結果が出ていたにもかかわらず、病院全体として見落とし、担当医が心臓の治療だけを行い、結果、その患者さんの治療が手おくれとなって死亡された事件がありました。
大病院で、それぞれの専門家が患者さんの体の自分の専門のところだけを診る、その患者さんを一人の人間全体として診る人がいないことが問題です。
世田谷区も縦割り行政組織の典型であり、同様の問題があります。区民の情報が共有できないのも当然です。日に日に組織が拡大、複雑化しています。
区長は招集挨拶で、区長就任以来、長い間、手がつけられなかった慣習にもメスを入れた行政手法の見直しを進めたと言われましたが、実際はどうでしょうか。全国初めての総合的な取り組みである子ども部を子ども・若者部として、子どもと若者を分離し、さらには保育担当部を独立させたのです。
組織がふえればふえるほど情報の共有は難しくなり、そのための会議もふえるのです。組織を抜本的に見直し、本来の予防型行政の仕組みを実現すべきです。区のお考えを伺います。
地域行政について伺います。
区は、大都市世田谷の特色である地域行政制度を尊重すると言われますが、その地域行政の考え方そのものに疑問があります。
地域行政を三層構造とだけ捉えていることが問題であり、区民の位置づけがないことが問題です。改めて、地域行政は人を中心とした行政を展開する仕組みだということを表明すべきです。お考えを伺います。
目黒の虐待事件を受け、都知事は、転入時の情報共有強化と言われましたが、この転入時の情報共有は、児童相談所対応の児童が転居するときのことを言っているにすぎないのです。子どもは家庭とともに、地域の中で総合的に受けとめるべきものです。
区民を総合的に一人の人間として捉えることは、本庁の縦割り行政ではできません。この役割は、出張所・まちづくりセンターが担うべきものです。地域行政の理念を再確認し、まず基本的考えを打ち出すべきです。地域の責任者である支所長のお考えを伺います。
今、行政が点でしか見ていない区民を点と点をつなぎ合わせて、一人の人間と位置づけるのは地区の責任者である出張所長、まちづくりセンター長なのです。そのために、管理職が地区に必要ですが、区のお考えを伺います。
本庁舎整備のあり方に疑問があります。
報道によれば、総務省は、人口減や少子高齢化を踏まえて、二〇四〇年ごろを想定し、現在の半数の職員でも地域の行政機能を維持できるように自治体のIT化を加速するとされています。当然の取り組みと考えます。
このことについて、区の担当部門にお聞きしました。すると、驚くことに、今後二十年、世田谷区は人口がふえ続け、その対応をする、そのための本庁舎の規模であり、その後はわからない、そのときに考えると言われました。全く将来展望が感じられません。
区長の招集挨拶で、今後の行政需要の増加や、狭隘な職員のワークスペースを改善するために、庁舎などの規模を約七万平米とすると言われました。区の内部の事情だけを考えています。全くひとりよがりではないですか。
本来であれば、今後三十年、四十年、五十年、六十年後に区民生活はどうなっているのか、それに見合った行政のあり方はどういうものなのかという議論があって初めて本庁舎をどうするという考えになるべきです。
担当部門は、現在の区役所の業務内容をもとに、会議室が足りない、机が足りない、区役所に来る区民がなるべく行ったり来たりしないようにという観点から、本庁舎をつくろうとしていますが間違いです。会議室が足りないのではなく無駄な会議が多いのであり、机が足りないのではなく効率的な仕事の仕組みを導入すべきであり、本来、わざわざ区役所に来ないで済むように地域行政の展開をすべきなのです。
そのことを指摘すると、これらの課題については今後考えていきますと言われますが、考え方の筋道が全くありません。私は、次の世代の区民、そして職員に説明ができません。これらの課題について早急に結論を出すべきです。あるべき姿を全く考えようとしない今の区の姿勢に疑問を持ちます。
区の誠実な回答を求めて、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、児童相談所設置について二点お答えいたします。
まず、一点目でございます。みんなで子どもを守るまち・せたがやのキャッチフレーズについてと予防型の子ども施策を目指し、児童虐待通報ゼロの目標を明確にすべきという点にお答えいたします。
お話にございましたみんなで子どもを守るまち・せたがやは、子ども家庭支援センターと児童相談所の連携にとどまらず、地域の力を最大限に活用し、区民一人一人が愛情を持ち、円滑なコミュニケーションのもとで、子育てを助け合う温かな地域社会の実現を目指すことを目標としてお示ししたものでございます。
区は、これまでも予防型行政を目指し、さまざまな施策を展開してまいりましたが、児童相談所を区が設置、運営することで、一貫した方針に基づく予防型の児童相談行政が実現できるものと考えており、その実現に向けて努力を重ねてまいりました。
また、区は、地域による見守りや居場所に係る施策のさらなる充実を図り、虐待通報を必要とする事態に至る前の気軽な子育て相談から早期に問題を解決につなげていくことが最も重要であると考えております。
予防型の児童相談行政の実現により、虐待通報ゼロを目指しまして、引き続き全力で取り組んでまいります。
二点目でございます。児童館は子ども家庭支援センターと連携を図ることを明確にすべき、また、早急に児童館の地域移管を進めるべきという点にお答えいたします。
区は現在、今後の児童館のあり方、機能拡充等について、外部委員から成る世田谷区立児童館のあり方検討委員会に区の考えや施策の方向性等をお示し、御意見をいただき、具体化を図っているところでございます。
検討委員会では、身近な地区にある児童館として、これまでの児童健全育成事業を基盤として、信頼関係のもと、敷居の低い相談や気づき、見守り等の支援、地域の活動団体やまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者と連携した支援などの機能を高める必要があるとの御意見をいただいております。
今後は、地区の児童館が相談や気づきを適切にアセスメントし、子ども家庭支援センターなどと緊密に連携しながら、対応がおくれ、重篤な事態に陥ることのないよう、早期発見・対応の機能を強化して担うものと考えております。
そのためには、職員のアセスメントスキルや意識の向上を図るとともに、児童館の再整備や、子ども家庭支援センターとの連携手法等についても検討してまいります。
また、本年十二月にお示しする予定の児童館の今後の方向性や方針等を踏まえまして、児童館の地域移管につきましては、児童館や総合支所における執行体制の充実、児童館の再整備の取り組みなどを進める中で、児童相談所移管に対応できるよう、組織、人事、財政面の観点も含め、速やかに判断してまいります。
以上でございます。
◎澤谷 砧総合支所長 私からは、二点御答弁申し上げます。
初めに、児童相談所の移管後は、児童館や地域をつなぐ子ども家庭支援センターの役割が一層重要になる、子ども家庭支援センターとしてどう捉え、どのような役割を果たすのかについて御答弁申し上げます。
子ども家庭支援センターでは、児童館を初め地域の保育園や学校、医療機関や警察、あんしんすこやかセンター、主任児童委員など地域のさまざまな関係機関と密接につながる要保護児童支援地域協議会におきまして、児童虐待防止などについての啓発や情報共有を密にはかることで、ふだんから顔の見える関係を築き、日ごろより通報や相談がしやすい関係づくりを構築しております。
児童相談所開設に向けては、子ども家庭支援センターが児童相談所と一体となった一元的かつ地域の支援を最大限に活用した総合的な予防型の児童相談行政を地域一体となって取り組むために準備を進めております。
総合支所といたしましては、これまでの地域包括ケアの取り組みから、地区での課題については、まちづくりセンターとの連携がより重要になってきております。子どもの安全安心の確保はもとより、子どもの最善の利益のために、虐待のない子どもたちが自由に伸び伸びと成長できるような地域づくりに総合支所を挙げて全力で取り組んでまいります。
次に、まちづくりセンターが重要であるという基本的な考え方について、総合支所の立場から御答弁申し上げます。
区は、地域に密着した行政を行うことで、真の住民自治を確立するという地域行政の理念を念頭に、高齢化や防災などの社会動向を見据え、地区地域の強化に向けた取り組みを進めております。身近な地区の行政拠点であるまちづくりセンターにおいては、区民が日々の生活の中で抱えるさまざまな課題を受けとめるとともに、地区のイベントなど、人と人との交流を通じて住民との信頼関係を築き、区民と行政がともに地区を形づくっていくことが重要であると認識しております。
今後も、まちづくりセンターが区民一人一人の生活にかかわりを持つという認識のもと、まちづくりセンター所長を中心に、地区の実態を把握し、地区のコミュニティーの力を高め、それぞれの地区特性に応じた課題に機敏に対応することができるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◎岩本 政策経営部長 私からは、予防型行政への転換、縦割りからの脱却について御答弁申し上げます。
区民の生命、財産、安心を守ることが行政の役割であり、虐待予防や早期対応に重点を置く児童相談所の設置の取り組みを初め、予防型行政を積極的に推進する必要があります。
そのためには、各所管が区民一人一人の生活を総合的な視点で見て、担当所管外の課題にも気づき、縦割りを超えて横断的に連携しなければならないと認識しております。
世田谷区基本計画では、マッチングの推進を掲げ、目的を共有し、縦割りを超え、さまざまな分野や主体を横つなぎ、組み合わせることで、課題の解決を図る横断的取り組みの推進を大きな柱としております。
新実施計画後期においても、幼児教育、保育の充実や地域包括ケアシステムなど、縦割りからの脱却が不可欠な施策に連携して取り組んでおります。
業務上の責任の所在を明確にするため、各所管の事務分掌を定めておりますが、もとよりお話しいただきましたとおり、区民の生活は行政の分野別に分けられるものではなく、課題解決には職員それぞれが自分の権限と責任を持ち寄って、横断的、総合的に連携することが欠かせないものと考えております。
そのような意識の醸成に努めるとともに、事業の立案や執行に当たっては、常に柔軟な組織運営を行い、各部が連携協力するよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◎志賀 地域行政部長 私からは、地域行政制度について二点御答弁いたします。
まず一点目、地域行政は人を中心とした行政を展開する仕組みである、区の見解をということでございます。
区は、地域に密着した行政を行うことで真の住民自治を確立するという地域行政の理念のもと、地域住民に密着した総合的な行政サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開するための仕組みとして、地域行政制度を平成三年度に導入いたしました。
地域行政制度は、大都市世田谷にあって、より身近な地区において行政を行い、区政への区民参加の促進を図るものであり、お話にもございましたように、地区に暮らす人を中心に行政を展開するものであると考えてございます。
続きまして、地区の責任者であるまちづくりセンター所長には管理職をという点について御答弁申し上げます。
地区に着目した行政を展開する上で、最も身近な行政拠点であるまちづくりセンターが果たすべき役割が重要であり、現在、各総合支所に総合支所特命担当の副参事を配置し、地区の責任者であるまちづくりセンター所長として、総合支所との連携のもと、多角的な視点から積極的にまちづくりの取り組みを推進する役割を担っております。
地区の行政拠点であるまちづくりセンターが、子どもから高齢者までの日常生活をトータルに捉え、まちづくりセンター所長を中心に効果的な対応を行うことができるよう、地区経営の観点からも、まちづくりセンターの充実に取り組んでまいります。
以上です。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎整備は、将来を見据えて、行政のあるべき姿を考えてから取り組むべきという質問にお答えをいたします。
本庁舎整備におきましては、将来を見据え、複雑化する課題に対応するため、縦割りから横つなぎへマッチングを推進すること、地域地区を重視した地域行政制度の推進と本庁と地域地区の役割を明確にすること、そして、今後、区の人口が当面増加する推計に対応しつつ、将来の状況変化にもフレキシブルに対応でき、長寿命で持続可能な庁舎とすることなどを本庁舎等整備の基本理念とし、これをもとにしまして、若手職員を中心としたワークショップでまとめた意見も踏まえ、現在、各フロアの平面計画などの基本設計を進めているところでございます。
具体的には、各フロアは業務効率性が高く、部署間連携や将来の変化にも対応しやすい横移動を主とした間仕切りのない大空間とし、また支所の独立性、区民の利便性から、西棟の一階に世田谷総合所を配置し、その二階以上に支所と本庁との連携、役割分担を踏まえた本庁機能各部署を配置する計画を今回お示しをいたしました。
また、先日、二百名を超える職員が参加しました基本設計(案)中間報告の職員説明会では、庁内で検討しているAIやRPAなどの導入による定型業務の効率化などを目指す働き方改革の取り組みを紹介し、これからの新しい働き方を支える庁舎の執務環境のあり方について方針を示し、庁内からの提案も求めたところでございます。
今後も基本設計、さらに実施設計の中で機能的、効率的で柔軟性が高く、新しい働き方を支える庁舎の実現に向けまして、詳細に検討をしてまいります。
以上でございます。
◆十六番(小泉たま子 議員) 質問は事前に通告いたしましたが、全く答弁になっておりません。
答弁で、予防型の児童相談行政を目指すとされましたが、これが矛盾です。児童相談になってしまったら、問題が起きているのです。だから、そのような問題が起きる前に地域で解決していこうと言っているのです。予防型の児童相談というのは論理矛盾です。
区長に伺っても、子どもを守るとしか言わないわけですので、実務の責任者の宮崎副区長に伺いますが、児童相談所はもちろん移管する、それだけでなく児童虐待ゼロを区民とともに全力を挙げて実現すると決意表明をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 再質問に御答弁申し上げます。
ただいま部長のほうから、それぞれの担当のほうで御説明を申し上げましたが、それぞれこの予防型行政の部分のところについて取り組んでいきたいという意気込みをお示しさせていただいているものと思っております。
今般の児童相談所の都からの移管、これも、今、議員のほうからいろいろ御指摘いただいた部分についての、私たちとしますと、この移管がまず大前提になって、セーフティーネットが張られるということがまず大前提にないと、この予防型行政の部分において推し進めていくことが難しいというふうに思っています。
そういう意味では、縦割りという御指摘もございましたけれども、それぞれの行政体が都と区という形になっている部分を区に持ってくることによって、その辺の一元的な管理をしていくということが、ひいては児童虐待通報というものが、ないにこしたことはありません。しかし、現実的にはまだまだそこまで至らないという状況の中では、今がちょうど子ども家庭支援センターと児童相談所のほうに大体五十、五十の比率で相談が参っているという状況がございますので、これをまず、子ども家庭支援センターのほうに比重をかけていけるということをやっていきたいと、ひいては、それが児童相談所のほうから子ども家庭支援センターのほうにシフトしていくということが、これが予防型行政の形になってくるものというふうに思っていますし、それを目指していきたいと思っています。
例えば、児童相談所のほうに、今回、区としては、東京都のほうの今の人員体制を厚くさせていただきまして、世田谷区としては人員の専門化の部分も含めまして多く配置したいと思っていますが、これも、その状況が生まれてくれば、子ども家庭支援センターのほうにそのノウハウを引き継いでいくということによって、やはり予防型行政ができてくるんじゃないかと思っています。
その中でも、先ほど地域行政のほうに触れられましたけれども、やはり地区というところで見守りができてくるということが必要です。そういう意味では、区民の皆様にも力をかしてほしいと、このように思っていますし、また、そのことは区のほうからもまめに情報を発信していく、その中で、まちづくりセンターということについても機能していかなきゃいけないと、このように思っております。
以上です。
◆十六番(小泉たま子 議員) 本庁舎整備の検討は全く疑問だらけ。答弁でも、人口減少についてその後の変化にもフレキシブルに対応すると、こうされましたけれども、つまり、今考えていないと、そのときに考えるということです、それは。余りにも出たとこ勝負で、でたらめです。全く区の検討を信頼することができません。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、三十三番桜井稔議員。
〔三十三番桜井稔議員登壇〕(拍手)
◆三十三番(桜井稔 議員) 質問通告に基づき質問します。
我が党は代表質問で、気候変動による異常気象、地震活動の活発化などに対応した区の災害対策の強化についてただしてきました。私からは、特に地震災害から区民の命を守る住宅の耐震化について質問します。
首都直下地震はいつ起こるとも限りません。その被害想定によれば、世田谷では、建物倒壊が六千棟、死者が二百人とされています。
我が党は、緊急対策として住宅耐震を進めるとともに、助成金を使えば自己負担のかからない家具転倒防止、感震ブレーカー、耐震シェルターのセットの普及を提案してまいりました。
住宅耐震化工事の現状は、二〇一五年に二十九件、一六年に六件、一七年に八件と、毎年少なくなっています。区の住宅耐震化の現状は八七%、目標の九五%まであと一万六千戸の工事が必要ですから、これでは、いつになったらできるのかわかりません。区民への働きかけを含め、区はあらゆる努力をして住宅の耐震化を推進すべきです。
私どもは、過去に静岡県の耐震改修の取り組みを視察し、問題提起をしてきました。今回はさらに、高知県の耐震改修の現状を視察してきました。
高知県では、南海トラフ巨大地震が切迫していることを市民に繰り返し伝え、その対策の一つとして、建物の耐震化を進めています。高知県の人口は七十三万人、三十二万世帯です。県全体で、平成十七年から二十九年までに耐震改修工事が七千件以上実施されました。高知県では、耐震改修工事が自己負担なしで自治体からの助成額の範囲でできる低コスト工法を地元の業者に普及し、推進しているとのことでした。
低コスト工法は、既存の天井や床を壊さず補強できる工法で、家の外からも補強できます。天井や床の復旧工事が不要となり、工期が短縮でき、工事費も抑えることが可能となっています。県はそれを進める工務店を登録し、工事を促進しています。
低コスト工法の工事費は、一件当たり百万円から百八十万円に集中しています。県と市町村の補助金で賄える範囲となっています。
また、東京都では、パンフレットで耐震改修工法の事例を紹介しています。天井や床を壊さず、壁の補強を行う工法などを紹介して、費用は百二十万円から百四十二万円程度とされ、大変安い費用で工事ができるとしています。
しかし、世田谷区の耐震改修工事の費用の平均は二百五十万円から三百万円です。区内の工務店などにこの安い工法を普及することはできないでしょうか。
区は、区民に耐震改修工事の低コスト工法を紹介、推奨するとともに、区内の業者に対して工法を普及すること、また低コスト工法の事例などを研究することを求めます。
高知と東京では、事業者の手間も、材料費も雑費も違います。相応の助成額の増額も必要です。区の上乗せ助成をさらに拡充していくことを求めます。いかがでしょうか。
次に、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針(素案)について伺います。
区は昨年十一月、三軒茶屋のNTT東日本の敷地を活用した公共施設整備について、費用対効果の検討や議会でのさまざまな議論を踏まえて断念しました。そのときに、区は区民サービスの向上に向けた施設の課題解消などを検討するとしました。
区は課題として、太子堂出張所の狭隘化対策、また、集会施設と産業振興公社などが入る御幸ビルの老朽化の問題、さらに、障害者就労支援センターのユニバーサル化、産業支援機能、就労支援機能を挙げています。
今回明らかにされた三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針(素案)には、三茶周辺の公共施設再編の必要性に言及しています。
区は、三軒茶屋駅周辺の公共施設整備の課題をどう認識し、解決しようとしているのか、まちづくり基本方針にどう位置づけているのか伺います。
さて、現在示されている三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針(素案)ですが、区は来年三月をめどに基本方針として確定したいとしています。
区は、広報などで情報提供、町会、商店会、まちづくり協議会などの団体との協議、意見交換を行うとしています。住民説明会などは開かないとしています。私は、区のこうしたやり方は余りにも拙速で、まちづくりの主体は住民だとした区の立場とも相入れないものと考えております。
世田谷区はまちづくりの根幹に、まちづくりの主体は住民であるとして、区と住民が力を合わせ、まちづくりを進めてきました。三軒茶屋はその発祥の地でもあります。
私は、世田谷区のまちづくりの歴史について振り返っていました。
ここに「まちづくり最前線」「手づくり まちづくり」という大場啓二元区長の本が一九八五年に発行されております。この本であります。区のまちづくりの歴史が刻まれた本です。
ここで、大場さんが次のように述べております。少し長いようですが紹介します。
私どもがこのまちづくりに入りますときに、意を決したことが一つございます。それは、このまちづくりを進めていくことは、野原に町をつくるわけではないですから、皆さんがそこで生活し、お住まいになっているところとの話し合いをやっていくわけですから、ゼロからの出発であるということを申し上げてきております。ゼロからということは、初めから、誰でもそれは大変結構だということで乗ってこないだろう。だけれども、そこで頑張らなければいけない。ゼロが一になり、二になっていくことによって成果が上がっていくんだから、頑張ろうではないかと決意をして、このまちづくりに取り組んだわけでありますと述べております。
住民参加のまちづくりは時間がかかりますが、それを意を決して臨んだのが大場元区長であり、区の職員の皆さんでした。そして、この考えを条例化したのがまちづくり条例でした。
しかし、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針(素案)では、住宅の環境に配慮しつつ、今後のまちづくりに合わせ方策を展開する、住宅地と商業地のバッファーゾーンとして、住宅地も新たなまちづくりの範囲として地図上に示されております。つまり、この町に住み、暮らしを立てている住民の皆さんに直接かかわる方針も書き込まれています。
繰り返しますが、まちづくりはそこに住み、生計を立てている皆さんこそ主体です。町会や商店街のみの説明でいいわけではありません。今回のようなやり方は、世田谷区のまちづくりの歴史の汚点となりかねません。区は住民に対し、説明会、意見交換会を行うべきです。見解を伺います。
最後に、駒沢オリンピック公園のプールの再開について伺います。
駒沢オリンピック公園のプールは一九六四年に開設され、竣工後五十三年近く経過し、都は二〇一一年に老朽化を理由にプールを休止状態としています。地域の住民は、休止と書かれた施設の入り口に設置した看板を見て、再開を待ち望んでおりました。
八月二十八日に、駒沢公園プール再生を願う会の皆さんが、東京都知事へ駒沢公園プール再開を求める要望書を約五百筆の署名とともに提出しました。その際、東京都の
スポーツ推進部長は、今後どうするかは白紙の状態である。跡利用を決めていないので、今後検討する場合は地域の声を大切にしていきたいと答えました。
区は、ぜひ住民の声を受けとめ、都にプール再開を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎関根
防災街づくり担当部長 私からは、おくれている住宅耐震化について二点御答弁申し上げます。
まず、低コスト工法を紹介、推奨することや事例などを研究することについてです。
平成二十八年四月の熊本地震や、今月七日に発生した北海道胆振東部地震では、最大震度七が観測されるなど、国内で大きな地震が頻発しており、区民の皆様の震災に対する不安はますます大きくなっております。
区では、住宅の耐震化を推進するため、平成十七年度以降、木造住宅の無料耐震診断、無料訪問相談、耐震改修工事費助成等に順次取り組んでまいりましたが、耐震診断や訪問相談を受けても費用の捻出が困難であることなど、耐震改修工事まで進まない建物が多い状況は課題の一つとして認識しております。
一方、区でも、議員お話しの東京都のパンフレットを紹介しておりますが、区内での工事は、同じ面積で比較した場合、高知県よりも労務費が約二五%高く、その他の経費も高額になることや、実際にはパンフレットに紹介されている工法に合わせて他の補強も必要になる場合が多いことなどにより、高知県と同程度の金額での工事は困難な状況であります。
区といたしましては、引き続き設計者や工務店への低コスト工法の紹介や推奨、普及に努めるとともに、耐震診断実施後の無料訪問相談の機会には、区民の経費負担が少ない耐震改修方法を紹介することや、低コスト工法等の他の自治体の事例や新たな耐震改修手法の研究も継続して行うなど、職員一丸となって取り組んでまいります。
次に、耐震改修の上乗せ助成をさらに拡充することについてです。
区では、住宅の耐震改修をさらに後押しし、耐震化を一層促進するため、木造住宅耐震改修工事費助成について、今年度から平成三十二年度までの三年間、これまでの上限額百万円に加え、三十万円の上乗せ助成を、障害のある方や要介護状態の方がお住まいの場合は五十万円の上乗せ助成を実施しております。
この取り組みにより、区内における耐震改修の平均工事費約三百万円のうち、約四割を助成する制度になりました。上乗せ助成開始から五カ月間の状況として、今回の上乗せ助成制度を利用して今後耐震改修工事を進めていきたいとの相談もふえてきております。
区といたしましては、現在の区の耐震改修促進計画は平成三十二年度までであることから、上乗せ助成はこのまま継続して運用してまいりたいと考えております。
今後、計画の改定に向け、耐震診断から耐震改修に進まない方々の分析を行うなど、助成金のあり方も含め、区民の安全安心を第一とした施策を検討してまいります。
以上です。
◎岩本 政策経営部長 私からは、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針と公共施設整備の課題について御答弁申し上げます。
NTT東日本の敷地を活用した公共施設整備につきましては、太子堂出張所の狭隘化を初め、施設のUD化への対応や機能集約に伴う利便性の向上などを目指して検討を行いましたが、十分な費用対効果の確保が見通せないことなどから、区議会の御議論も踏まえ、交渉を終了し、改めて検討を進めることとしました。
三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針(素案)は、有識者検討委員会で御議論いただき、まちのビジョンとまちづくりの方向性を示しておりますが、具体的な取り組みは、本方針をガイドラインとして個別の誘導方針や計画などを策定の上、実施することとなります。
三軒茶屋駅周辺の公共施設については、引き続き喫緊の課題解決に向けて検討を続けるとともに、広域生活・文化拠点である三軒茶屋のまちの将来像の実現に向けて、公共施設整備の課題解決を図れるよう、個別の誘導方針などにあわせて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針(素案)につきまして、説明会、意見交換会を行うべきにお答え申し上げます。
区は、庁内検討委員会、有識者検討委員会などを経まして、広域生活・文化拠点であります三軒茶屋駅周辺地区のまちの将来を示すビジョンといたしまして、まちづくりの基本方針の素案を今般取りまとめたところでございます。
この方針では、主に商業・業務などの集積が進んでおります三軒茶屋交差点を中心としたおおむね半径三百メートル以内の範囲を対象として策定するものでございます。
区といたしましては、方針の策定に向けまして、まずは対象区域の方々の御意見をいただくために、関連します町会・自治会、商店街、まちづくり協議会など各関係団体との意見交換を行ってまいります。さらに広く区民の御意見をいただくために、ホームページでの公表、区政情報センターやくみん窓口などでの閲覧の実施による区民意見募集などをまず行ってまいります。
御指摘の地元説明会につきましては、現時点では具体の予定はしてございませんが、今回の意見募集なども踏まえまして、素案から案に取りまとめていく段階におきまして、地元に説明する機会を設けてまいりたいと考えております。
以上です。
◎内田
スポーツ推進部長 私からは、駒沢オリンピック公園のプールの再開につきまして御答弁申し上げます。
区では、成人の週一回以上のスポーツ実施率六五%を目標に掲げ、さまざまな取り組みを行っており、二年後に迫った東京二〇二〇大会を絶好の機会と捉え、障害者スポーツの推進を含め、多くの区民が広くスポーツに親しめる環境の整備に努めております。
お話しのありました都立駒沢オリンピック公園総合運動場プールにつきましては、東京都の施設でありまして、昭和四十一年に設置され、平成二十二年度末をもって廃止されております。これは施設の老朽化や利用者数の減少、周辺に年間を通じて利用できるプールが整備されてきたことなどが要因と伺っております。
当該プールの再開の要望につきましては、改めて施設を管理します東京都へ伝えてまいります。
以上でございます。
◆三十三番(桜井稔 議員) 保坂区長に伺います。
私は、今、大場元区長の住民参加のまちづくりを紹介いたしました。区長は、三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針への住民参加をどう考えているのか伺いたいと思います。よろしくお願いします。
もう一つ、岡田副区長に、このまちづくり基本方針の住民への説明会を、先ほど地元への説明を行っていくということでありましたが、もう一度、改めて答えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 桜井議員の再質問にお答えします。
私が就任してしばらくして大場元区長が亡くなったとき、改めてその御本、二冊とも読ませていただきました。とりわけ住民参加のまちづくりや、まちづくり条例に至るところは感銘深く受けとめたところであります。
今回のまちづくりの素案についてですけれども、所管部長が関係する皆さんにまず説明していきたいと、そういった答弁がございました。
三軒茶屋は、さっき別な会派への答弁にも答えたように、長い再開発の計画、ビジョンを議論した歴史がございます。いずれにしても、世田谷の玄関ということですから、その玄関をどうしつらえるかということについては、キャロットタワーのほうができていますけれども、非常に大きな問題だというふうに思っておりますので、区民が幅広く参加する、そして、三軒茶屋の町がどうつくられるかということに関心を持つ方、意見のある方に参加していただく仕組みはぜひつくっていきたいというふうに考えております。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 再質問にお答えいたします。
今回の三軒茶屋駅周辺まちづくりの基本方針でございますけれども、現在、渋谷が大きく変わりつつあり、また、二子玉川の町も大きく変わったという中で、三軒茶屋におきましても、昨日の御質問にもありましたように、再開発を準備されている皆様もあれば、また、それぞれ個別の地権者の方がビルを建てたり、さまざまなまちづくりの動きがございます。
そういう中で、先ほど部長から申し上げましたとおり、三軒茶屋駅周辺の地区の未来を示すビジョンをお示しして、そのビジョンのもとに、区民の皆さん、地権者の皆さんとまちづくりを考え、また、まちづくりをしていきたいということで、今回の準備を始めまして、これまで議論をさせていただき、また、これから区議会、また区民の皆様とも御意見を交換させていただきたいというふうに考えているところでございます。
先ほど
都市整備政策部長が申し上げたとおり、まず、対象区域の皆様に、関係団体、関係区民の方々に意見交換をしてまいりたいと思いますが、お話しのとおり、その範囲の中にはさまざま区民の皆さんがいらっしゃる、住んでもいらっしゃるわけですので、その辺の説明の仕方につきましては、そのまちづくりの段階、テーマに応じて、区民参加の方法を考えていきたいと思っておりますが、お話しの意見交換のような場についても御検討していきたいと考えております。
以上です。
◆三十三番(桜井稔 議員) 終わります。
○三井みほこ 議長 以上で桜井稔議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時十八分休憩
──────────────────
午後一時十分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
二十六番そのべせいや議員。
〔二十六番そのべせいや議員登壇〕(拍手)
◆二十六番(そのべせいや 議員) 通告に基づき質問いたします。
初めに、テクノロジーの活用による行政の効率化向上という観点で、音声認識技術の活用について伺います。
昨今ではスマートフォンやスマートスピーカーへの音声指示に代表されるように、電子機器での音声認識技術も飛躍的に向上し、その技術が日常生活の中で遜色ないレベルで用いられるようになりました。
一方で、区の業務を見渡してみると、会議録、資料の作成のために、ICレコーダーにより音声を録音し、それを逐一文字起こしする必要もありますし、この作業をテープレコーダーすらない時代の名残で、速記法という技術で対応が行われる場合もあります。
ここ区議会においても、本会議、委員会と速記が利用されていますが、ICレコーダー、ビデオ録画が同時に行われ、バックアップを複数取得した上で会議録作成が行われているのが実態です。
技術面以外で必ずしも速記でなければならないのかと考えると、世田谷区の条例、規則等を見てみると、速記を利用することができる旨について規定されているのが、不利益処分の不服申立ての審査に関する規則三十五条二項に調書の記載について、速記により代替ができる旨を記載している箇所にとどまり、一方で、速記法の指定があるものは世田谷区教育委員会会議規則三十三条「速記法によって議事等を記録することができる。」、世田谷区議会会議規則七十六条二項「議事は、速記法によって速記する。」の二カ所となります。少なくとも、区議会、教育委員会を除けば、あえて速記を使い続けるよりも、今すぐにでも速記から音声認識技術の利用に切りかえ、効率化、コスト削減を図るべきと考えますが、見解を伺います。
翻って、各種イベントが開催される際に、現在、手話利用者へ向けて手話が用いられているケースがありますが、これは手話を第一言語とする人々にとっては理解に資するサービスである一方、中途失調や加齢に伴う機能の低下等、手話を利用しない聴覚障害者にとっては理解をすることができません。
二〇一六年に実施された世田谷区障害者(児)実態調査によると、聴覚・平衡機能障害者九十人へのアンケートに対して、二十三人、二六%が手話利用者という結果になりました。同年の厚生労働省による全国在宅障害児・者等実態調査においては、回答者の八・五%、特に六十五歳以上については四・三%が手話利用者という結果となっています。
音声認識技術によって文字を表示することで、聴覚・平衡機能障害者だけでなく、聞こえづらい人、障害の有無を超えて、より多くの人への理解に資すると考えますが、あわせて見解を伺います。
続いて、ソーシャルリスニングについて伺います。
ソーシャルリスニングとは、インターネット上の一般ユーザーによる投稿情報を市場調査に用いる手法です。民間企業では、炎上防止やリスク管理の観点、また、お客様窓口まで届くことのないユーザーの声に耳を傾けることにより品質の向上を目指すために取り入れられる手法です。
区では長らく区民意識調査を実施し、また、区長へのメール、区長へのハガキと題して、区民からの意見を募集しています。しかしながら、偶然選ばれたり、よほど大きな問題がなければ意見としては顕在化せず、区民の本音を探ることは非常に難しいのが現状です。
また、参考に区民意識調査の回答率と、区民意識調査を実施したことし五月の年齢別人口を比較をしましたが、十から三十代の回答率が低く、その分、六十代から八十代が高くなっています。このため、この調査は、世田谷区民の実情よりも、より高齢者の意見が色濃く反映をされています。調査結果をうのみにすれば、より高齢者に有利で、若年層にとっては不利な区政運営となりますが、現在、人口比よりも区に声が届いていない若年層の声を聞くためにも、SNS等で行われるソーシャルリスニングは有効な手段であると考えられます。
SNSやブログ、さらには掲示板への投稿は、必ずしも匿名性があるから信憑性が怪しいのではなく、名前や立場を直接表明していないからこそ本音で語られている側面もあります。行政運営改善に向けて、直接区へ届く前の意見に耳を傾ける、傾聴する努力をすべきだと考えますが、見解を伺います。
また、殊、災害時においては、どこでどのような被害が起きているか、一般ユーザーからの投稿がインターネット上に集積し、これらを用いて被害状況を現場に出向かずとも確認することが可能です。
複数の自治体で豪雪や水害等においてSNSの投稿を情報収集に活用する動きが広がっていますが、改めて、災害時においてもインターネット上の投稿情報を被害のリアルタイムでの把握、優先順位づけに活用すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
災害時の乳幼児への安全確保について伺います。
乳児の栄養摂取を考えたとき、母親から母乳を摂取するか、調乳された調製粉乳、粉ミルクを摂取するか、基本的にはどちらかが選択肢となります。母体の心身の健康が確保されなければ母乳の選択肢をとることが難しいことを考えると、心身への負荷がかかる災害時には、実質的に粉ミルクが確保されるべき栄養摂取法となります。以上がこれまでの日本の常識でした。
欧米では既に液体状の調製乳、液体ミルクが災害時に限らず広く利用されており、こちらは既に液体であるため、物によっては、究極的には封をあけさえすれば、すぐに飲むことができます。
液体ミルクは、これまでも日本国内で製造、販売が禁止をされるものではありませんでしたが、国内で基準が存在しないことにより、カテゴリー自体が存在しないものとされてきました。その後、日本でも東日本大震災や熊本地震の際に海外から被災地に支援物資として届けられたことから広く知られるようになり、厚生労働省もこの流れを受けて、先月、この液体ミルクについて調製液状乳として規定を整備する省令改正をすることとしました。
東京都では、既に大手小売業者と提携して災害時の液体ミルクの流通を確保する提携を締結し、先日の西日本豪雨、また北海道胆振東部地震においても、都の調達した液体ミルクが都からの支援物資として送られました。
私自身も乳幼児とかかわる前には、液体であろうが粉だろうが大きな違いはないと思っていましたが、粉ミルクを飲用に適した状態にするためには、幾つかのプロセスを踏む必要があります。粉ミルクの封を切る、小分けでない場合は計量をする、水を七十度以上のお湯にする、飲み終わった哺乳瓶の衛生状態を保つ必要があると、粉ミルクと水が用意されていたとしても、非常時にこれらのプロセスを経るには、明らかに障壁が存在をしています。
以前の答弁によると、国や都の動向を見きわめるとのことでしたが、国は導入にかじを切った、都は実効性のある締結を行った上で、改めて世田谷区としてどのように考えるか、見解を伺います。
現時点では備蓄として保存することが適当でないということであれば、東京都のように流通と、また今後国内で製造された際にはメーカーと提携を結ぶなど、備蓄以外の方法で確保に努めるべきであると考えますが、あわせて見解を伺います。
続いて、保育園での避難体制及び訓練について伺います。
乳幼児や三歳未満児を含む保育園については、小中学校はもちろんのこと、幼稚園以上に避難について準備が必要であることは言うまでもありません。
園庭のある保育園については、建物から敷地内の遊具のない位置へ避難さえすれば一定の安全が確保できることは理解できますが、都市においての問題は、駅前にあるビル内の保育施設について、どのように避難をするかについてです。月に一度は避難訓練として避難ルートの確認が行われているはずですが、既に日常業務に追われている中で、マンネリ化せず、最悪の事態を想定した実効性ある訓練となっているでしょうか。
例えば保育士の配置人数の下限を考えると、ゼロ歳児は保育士一人当たり三人、一歳児は五人の避難を担当する必要があります。
東日本大震災時の保育施設の避難についての調査、論文を確認すると、散歩用のカートにも利用している避難車や抱っこひも、おんぶひもの不足が指摘をされています。人数分の確保をいきなり進めるということは現実的ではありませんが、例えば近隣の会社の大人に避難に協力をしてもらったといった話もありました。特に園庭のない保育施設の避難については、区としても事前に対策を講じる必要があると考えますが、見解を伺います。
また、避難だけでなく、室内の防災から保護者との電話以外の連絡手段の確保、乳幼児向けの備蓄、心のケアに至るまで、事前の対策について現在どのように対応されているのかについてもあわせて伺います。
以上で壇上から質問を終えます。(拍手)
◎岩本 政策経営部長 私からは、テクノロジー政策による業務効率化について、二点御答弁申し上げます。
初めに、音声認識技術の活用についてです。
現在、審議会などの議事録は速記者に作成を委託しているほか、職員が録音などをもとに作成をしています。また、イベントにおいても、手話通訳や文字通訳などユニバーサルデザインの工夫を取り入れることで、区民サービスの充実に取り組んでおります。これらに音声認識技術を取り入れることで効率化を図ることができないか、先行事例の研究などを進めているところです。
音声認識技術を活用している自治体の事例では、一部実用化しているものの、利用するシステムによって識字率などの性能差や価格差もあり、適切なシステム選択など、さらに検証を進める必要がございます。
職員が行う打ち合わせについては、音声認識に多少の不備があっても、必要な記録を作成できる場合もあり、システムの導入により効率化、事務改善を進めることができると考えております。
一方で、窓口における音声認識技術の活用にはまだ課題がありますが、聴覚障害者だけでなく、広く来訪者のサービス向上につながると考えており、今後、実用度の検証を行ってまいります。
次に、SNSのソーシャルリスニングについてでございます。
ソーシャルリスニングとは、ツイッターやフェイスブック、ブログなどインターネット上に書き込まれた生の声を分析し、消費者動向などを把握するマーケティング手法であり、民間企業では商品開発などにも活用されております。
インターネット上に書き込まれた情報の中には、匿名性の高い不正確な情報が含まれているというリスクもございますが、全体としての傾向を迅速に把握するためには有用なマーケティング手法の一つであるとされております。
行政での活用としては、例えば新たな施策を企画、立案する際の区民ニーズの把握の手法としては、調査の標本構成はおおむね区民の年齢構成と合っているものと認識してございますが、区民意識調査などの統計学的手法や、
パブリックコメントなど区民参加的な手法が有効であると考えております。
一方、災害時など緊急に地域の状況や区民ニーズを把握する必要がある場合には、行政が通常用いている情報収集手段には限界があり、これらを補完する手法としてどのような活用があり得るのか、御指摘の点も含め、ソーシャルリスニングの活用の可能性について研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、災害時における乳幼児用の液体ミルクの導入について御答弁いたします。
液体ミルクは、近年頻発する震災被害の際に、国外から届けられ、被災者から重宝されたと報道がされておりますが、国内では、これまで規格基準が定められていないため、製造されておりませんでした。
この間、政府は液体ミルクを解禁する方針を固め、厚生労働省の専門部会や内閣府の食品安全委員会による省令改正や健康影響評価、意見募集を行ってきましたが、先月八日、厚生労働省が液体ミルクを製造、販売が可能にする規格基準を定めた省令を施行しております。
省令では、製法や微生物試験の方法などを規定し、常温を超えない温度での保存が基準とされております。また、乳業メーカーの業界団体によりますと、流通までには最低でも一年はかかる見通しとの報道がされております。
液体ミルクは粉ミルクよりも手軽に扱うことができる反面、価格面や飲み残しを放置した場合の雑菌の繁殖、常温で飲むことや味の好み、賞味期限などの課題が挙げられており、区といたしましては、業界団体や他自治体の動向を注視してまいります。
以上です。
◎知久 保育担当部長 私からは、被災時における保育園の避難方法と保護者への連絡方法、災害用の備蓄品や子どもの心のケア等について御答弁いたします。
被災時における保育園対応は、発災直後から一カ月間に、保育園再開に向けて本所職員が取り組むべき業務を整理した震災時職員行動マニュアルのほか、保育園園長をメンバーにワーキンググループを立ち上げ、平成二十八年度に取りまとめた保育園防災マニュアルにより対応していくこととなります。
発災直後の緊急対応、通常保育再開までの応急保育の流れを具体的に整理した保育園防災マニュアルでは、保育士による避難経路と避難先の判断など、子どもを安全に避難させる手順を整理しております。
職員の非常配備態勢では、全ての保育士の発災時の参集場所を勤務先保育園に指定し、園の復旧再開に向けた体制を整えるとともに、御質問の保護者への通信手段として、緊急連絡メールや災害用伝言ダイヤルの活用、各区立保育園には三日分の備蓄用クラッカー、粉ミルク、離乳食に対応できる食品等を配備するなど、対応を整備しております。
発災時の冷静な対応、迅速な行動には、マニュアルに沿った日ごろからの実践的な訓練の経験が欠かせません。各園では、保育園防災マニュアルに沿った訓練を実施し、把握された改善が必要な点は随時見直しを行い、発災後の子どもの恐怖感や不安感を軽減する心のケアを含め、マニュアルがそれぞれの園で実践的な行動の指針となるよう改善を継続してまいります。
改善を重ねたマニュアルについては、区立以外の保育施設とも共有化し、連携を図るなど、引き続き被害を最小限にとどめられるよう、保育園の災害時の対応力向上に努めてまいります。
以上です。
◆二十六番(そのべせいや 議員) 保育園の防災について、既にマニュアルが用意されていること自体評価できますが、現時点で、あくまでも区立保育園向けの内容となっているため、これを横展開ができるような内容と今後してください。
先ほども粉ミルクの調乳の手順を確認をしましたが、これらを含めて、区全体で現在どのように乳幼児向けの備蓄が用意をされているのか、これは改めて確認をさせてください。
◎工藤 危機管理室長 再質問にお答えいたします。
災害時における乳幼児用の備蓄の現状につきまして、乳幼児向けの災害時の備蓄状況につきましては、粉ミルク、アレルギー対応粉ミルク、粉ミルク用の水、哺乳瓶、紙おむつ、ウエットタオルを全指定避難所に備蓄しております。また、指定避難所倉庫のバックアップである広域用防災倉庫にもほとんど同様の物品を備蓄しております。
あわせまして、各家庭におきましても、乳幼児が日常使用している物品にも十分配慮した非常用持ち出し袋や家庭内の備蓄、日ごろの防災意識など自助の取り組みが不可欠であると考えていることから、区では、乳幼児のための備えに関する啓発物などを活用しまして、今後とも関係所管と連携し、さらなる啓発に努めてまいります。
以上です。
◆二十六番(そのべせいや 議員) WHOが乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインというガイドラインを出しておりますが、非常時においても、現時点の備蓄を用いて衛生的に乳幼児が栄養摂取できる調乳した粉ミルクを飲むことができるのか、これは非常に疑問です。恐らく、かなり困難だというふうに考えています。
このガイドラインの中にも、可能な限り滅菌済みである液体調製乳が推奨されています。業界団体や他自治体の動向ももちろんあるかもしれませんが、子ども・子育て応援都市として、世田谷だからこそ取り組む価値というのは大いにあると考えています。どうか、最も弱い立場にある乳幼児の安全確保については力を注いでいただければと思います。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上でそのべせいや議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、二十五番桃野よしふみ議員。
〔二十五番桃野よしふみ議員登壇〕(拍手)
◆二十五番(桃野よしふみ 議員) 初めに、ことし二月に発覚した区職員による区営住宅不正入居事件について質問します。
五十代係長が十二年間、別の五十代職員が十六年間、所得の低い区民を押しのけ、区営住宅に不正入居を続けていました。
当初、区は、不正入居期間の近傍同種家賃をもとに、係長に約一千八百万円、職員に約二千百万円を請求しました。その後、所管に確認すると、五十代職員については代理人の弁護士がついた後、区は裁判所に債権額を届け出済み、五十代係長については二十万円の納付があった後、区が弁護士から代理人就任通知を受けたとの説明でした。
この説明は、弁護士が債務整理を受任した、つまり二件とも自己破産の手続が進んでいるのだと推測します。このままいけば、区が請求した金額の大半は支払われないということになるのか、見通しを聞きます。
次に、災害対策についてです。
区は、首都直下地震の際には区内十四万世帯で断水すると想定しています。区は区民に備蓄を促すとともに、飲料水については区役所に整備している井戸などを給水拠点とする、生活用水については、協力いただける区民へ補助をしながら、災害時に使用できる井戸を登録するなどの準備をしています。
私は、平成二十六年六月の一般質問で、区のホームページからさまざまな施設を検索できるiMapやスマートフォンアプリ世田谷区防災マップで検索しても給水拠点が正しく表示されない、震災対策用井戸は区民に周知できていないと指摘をしました。
現在、給水拠点についてはアプリで正しく表示されるよう改善されましたが、震災対策用井戸は表示されません。ならばと、iMapを見ると、給水拠点はいまだ正しく表示されず、震災対策用井戸も正しく表示されていないようです。私はiMapを頼りに幾つかの井戸を探してみましたが、現況が変わったのか、たどり着けない、たどり着いても看板が見当たらず、井戸があるかどうかわからないということがありました。
所管に確認すると、iMapの震災対策用井戸の情報は、平成二十三年六月以降更新されていないとのことでした。
給水拠点や震災対策用井戸の位置、利用方法や水質など関連情報を正しく区民に周知する必要性、今後の改善策について見解を伺います。
次に、プレーパークについてです。
禁止事項をなるべくなくし、子どもたちが伸び伸び遊べるプレーパークは、昭和五十四年に羽根木公園で誕生。現在は区内四カ所のプレーパークのほか、プレーパークの出前プレーカーが平成二十年にスタートするなど成長を続けています。
昨年度は、海外からも含め百二十七件の視察があるなど、毎年多くの外部団体の訪問があり、世田谷区が国内外に誇れる事業と言えるでしょう。
一方で、働く方々の環境はどうでしょうか。区は平成二十五年度、プレーパークで働くプレーワーカーの人件費について、新BOP指導員Bの単価を委託料算定の参考とし、平成二十五年度、平成二十六年度の事業委託料を定めました。しかし、その後、平成二十六年度から三十年度まで、新BOP指導員Bの報酬単価が上がり続けている一方、プレーワーカーの人件費については、その委託料算定を全く引き上げていません。
所管に確認したところ、平成三十年度の新BOP指導員Bの単価をプレーワーカーの人件費に当てはめて計算した場合、現在のプレーワーカーセカンドステージの報酬月額二十一万六千二百円に対し、当てはめ後では二十二万九千六百円、十二カ月で十六万円以上の差です。
プレーパーク事業の健全な成長のためには、働く人への適切な報酬は不可欠だと考えます。区の見解を伺います。
次に、DV被害者支援についてです。
平成二十八年九月、区は、元夫から逃れようと支援措置を受けていたAさんの住所を元夫の弁護士に渡してしまいました。Aさんが事前に元夫の弁護士が住所をとりに来るかもしれないと区に注意を促していたにもかかわらずです。
その後、私は世田谷区の支援措置には問題がある旨、再三指摘をし、改善を求めてきました。その過程でまず明らかになったのは、区長の支援措置に対する無理解です。
私が本件を最初に議会で取り上げた後、平成二十九年九月の記者会見で質問を受けた区長は、DV加害者の弁護士からの申し出はDV加害者の申し出とイコールではない、イコールと捉えていたら住民票を出すわけがないと答えています。
私は、この発言直後の本会議で、区長の発言は区の見解として正しいかと質問しました。区は、区長発言を訂正するだろうとの思いで質問したのですが、当時の本橋地域行政部長は、DV加害者の弁護士は法に定められた代理人であり、DV加害者と同一であるとは考えてございませんと答弁し、十一月二十九日の本会議では、岡田副区長も加害者と加害者側弁護士とは同一とは見なしておりませんと答弁しています。
これまで私は、総務省の住民基本台帳事務処理要領を示し、DV加害者の依頼を受けた弁護士からの申し出はDV加害者からの申し出と同視して対応するとされていると指摘してきました。しかし、区長も区もいまだに見解を改めていません。
そんな中、ことしの三月二十八日、総務省が通知を出します。区の対応が報道されたことと無関係ではないでしょう。DV等支援措置に関し、加害者の代理人弁護士から住民票の写し等の交付の申し出があった場合は、加害者本人から当該申し出があったものと同視して拒否せよと、改めて明確に示しています。
私は、幾ら何でも、幾ら何でも区長は認識を改めるだろうと思っていたのですが、ことし六月四日の区長記者会見で、この通知について問われた区長は、今度は、総務省の通知は技術的助言であって、参考にはするが、どのような対処をするかは自治体の判断だと言い始めました。
まず、国が定める事務処理要領や通知による技術的助言について、区も同じ考えか質問します。
三月二十二日の予算特別委員会で取り上げた裁判、弁護士からの申し出を拒否した橋本市が訴えられた裁判は、橋本市の勝訴が確定しました。判決の中で、支援措置の運用に関して国が定める事務処理要領は、その定めが明らかに法令の解釈を誤っているなど特段の事情がない限り、市町村長はこれにより事務処理を行うことが法律上求められていると言えると示されていることを改めて申し上げておきます。
区のこれまでの見解、DV加害者の代理人弁護士からの住民票の写し等の交付の申し出は必ずしも加害者本人からの申し出とは同視をしない、申し出への対応は個別にケース・バイ・ケースで判断をする、これが今後も維持されるのであれば、DV被害者は加害者側に住所がわたるリスクを恐れ、区に正しい住所を届け出て、支援措置を受けるという選択ができないでしょう。居住実態と異なる場所に住民票を置いたまま、どこかで息を潜めて暮らすとなれば、国民健康保険の加入、各手当の受給、就学や就職、選挙などでさまざまな不都合が生じます。落ち度のない被害者であるにもかかわらずです。
世田谷区長、世田谷区は、本件は加害者の代理人弁護士からの申し出を加害者からの申し出と同視しなかったことからの対応であり、誤りであった。これからはDV等支援措置に関し、加害者の代理人弁護士からの住民票の写し等の交付の申し出があった場合は、加害者本人から申し出があったものと同視して拒否すると明言し、新たなスタートを切るべきです。見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎志賀 地域行政部長 私からは、DV被害者の支援について、二点について御答弁申し上げます。
まず一点目、国が定める事務処理要領や通知による技術的助言についての区の考え方でございます。
技術的助言とは、地方自治法に基づき、国が地方自治体の事務に関し、地方自治体に対する助言として客観的に妥当性のある行為を行い、または措置を実施したりするよう促したり、またはそれを実施するための必要な事項を示したりする通知を発することができるとされているものでございます。
技術的助言といったものは法令としての効力があるものではございませんが、国から技術的助言として通知があった場合には、特段の事情のない限り、その内容に沿った事務を行っていくことを基本に、状況に応じて自治体として必要な判断を行っていくものと考えております。
続いて、二点目でございます。総務省の三月の各自治体への通知の内容から、加害者の弁護士からの申し出は加害者の申し出として拒否すると明言し、新たなスタートを切るべきという点について御答弁申し上げます。
特定事務受任者からの住民票の写し等の交付につきましては、住民基本台帳法第十二条の三において、受任している事件、または事務の依頼者が、自己の権利を行使するため住民票を確認する必要がある場合には、当該受任者に対し住民票の写しを交付することができると規定されております。
一方、御指摘の本年三月二十八日付の通知は、加害者からの依頼を受けた弁護士からの住民票の写しの交付の申し出があった場合には、加害者本人からの申し出があったものと同視し、請求を拒否すること等を示したものでございます。
区といたしましては、これからもDV被害者の方の心情に寄り添うことを基本に、交付については法令に従い個々に慎重に判断すべきものと考えますが、技術的助言の発せられた背景を鑑み、事務処理要領や通知等を十分に踏まえながら、細心の注意を払い、適正に住民基本台帳事務を遂行してまいります。
以上です。
◎澁田 子ども・若者部長 私からは、プレーパークについての御質問にお答えいたします。
区では、地域の資源を活用しながら外遊びのできる環境整備に力を入れており、プレーパークはその中核を担うものであると考えております。
プレーパーク事業につきましては、運営を実質的に担い、展開させさせてきたNPO法人に委託しておりますが、安定的、継続的な運営のためには、従事する人がやりがいと高いモチベーションを持って働くことができるよう、その処遇については重要であると認識しております。
この間、プレーパークで子どもたちと接するプレーワーカーについては、平成二十五年度より経験年数のある人材を各プレーパークに配置する仕様といたしました。その際、勤務日数や時間、勤務内容等が近い新BOP指導員Bの単価を委託料算定の参考といたしました。その後、委託料につきましては、開園前後の時間帯についても従事時間に含めるように仕様変更し、見直しを図ってきております。
今後、働き方改革や他の福祉分野の状況、新BOPに従事する指導員の単価などを参考にしながら、委託法人の意向も踏まえまして、働く人にとってよりよい環境になることを目指し、安定的に継続したプレーパークになるよう運営改善に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、災害用の井戸や給水拠点の周知について御答弁いたします。
水の情報のうち、飲料水につきましては、区役所に整備している井戸など給水拠点を掲載した紙媒体の区民行動マニュアルマップ版及びそのマップ版をスマートフォン用にアプリ化した防災マップアプリで配信しております。
また、生活用水につきましては、御協力いただける区民の方から、災害時に震災対策用井戸として使用できるものを登録しておりますが、区内に約千四百カ所のあるもの全てマップ版や防災マップアプリに表示すると見にくくなるため、掲載しておりません。
このため、震災対策用井戸はiMapのみに掲載していますが、現在、情報の更新は行っていないため、一部廃止や新設したものが反映されていないものがございますので、最新の情報につきましては、各総合所にお問い合わせいただくことになります。
また、震災対策用井戸を設置している場所には、その旨の表示板を掲示することとなっておりますが、取りつけていない場合や、改修等によって取り外している場合もございます。
災害時の水に関する情報につきましては、区民への日ごろからの提供が重要であると認識しておりますので、これらの情報の更新時期や内容、提供方法等について整理、検討し、今後、災害時の水の情報をより適切に区民の方にお知らせできるよう努めてまいります。
以上です。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、区職員による区営住宅不正入居への対応について、損害賠償金の支払いなどの見通しや今後の対応について御答弁申し上げます。
区職員による区営住宅の不正利用の件につきましては、本年四月に使用料の不足分相当額と支払い日までの利息の合計額を請求してございます。
その後、二件のうち一件は、代理人弁護士からの裁判所への申し立てが認められ、債務整理として自己破産の手続が開始されたところです。
二件のうちもう一件は、八月に分納計画の提出があり、これに基づき二十万円が納付されたところで、その後、一件目と同様に、弁護士から代理人就任通知を受けました。近々裁判所への申し立てを行う方向と確認してございます。
裁判所への申し立てが通った場合、その後の流れは裁判所の監督下となるため、区は債権者として、法に基づき裁判所や代理人の弁護士と対応してまいります。その中で、当該債権に関する回収額につきましても、裁判所の監督のもとで整理される状況でございますので、区といたしましては、法に基づき債権の届け出等の対応を行ってまいります。
引き続き、区営住宅の管理者といたしまして、当該二件を含め法令にのっとり、しっかりと対応してまいります。
以上です。
◆二十五番(桃野よしふみ 議員) 岡田副区長に聞きます。
区長は、技術的助言について、これは単なる参考だと、それを参考にして判断するのは区の裁量だというふうに区長は言っているんだけれども、今の答弁は、世田谷区は、区としてはそういう判断はしていないということでいいのかということを確認します。
先ほど御紹介しましたように、十一月二十九日、この場所で岡田副区長は、加害者と加害者側弁護人とは同視はしていないんだということを答弁しています。もう言っちゃったんですよね。言っちゃったから、これは言っちゃった事実はもうどうしようもない。この誤った認識に基づいて答弁をしてしまったことについて、御自身の率直な思いを教えてください。
そして、このAさんの件、今回の件は、誤った認識のもとで対応してしまったことであるから、ただ、今はもう正しい認識をちゃんと持っていると、今後は事務処理要領に沿って支援措置を行っていくということでいいのか、この三点を教えてください。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 再質問にお答えいたします。
今、所管部長が申し上げたとおり、技術的助言についての認識については、先ほどの答弁のとおりでございます。
そもそもの私どもの住民基本台帳事務を行うに当たりましては、法令に基づいて行うということでございますので、先ほど部長が答弁しましたとおり、住民基本台帳法第十二条で、受任している事件または事務の依頼者が自己の権利を行使するために住民票を確認する必要がある場合には、当該受任者に対し住民票の写し等を交付することができるという規定がございます。この規定に基づきまして、個々に慎重に判断をして、事務に当たるべきものと考えてございます。そういう意味で、昨年十一月に私が答弁を申し上げたことにつきましては、法令に基づいて、そのとおりの答弁をしたという認識でございます。
一方、この間、さまざまな事件がある中で、先ほど部長が申し上げたとおり、本年三月二十八日には、総務省から技術的助言があったということで、この技術的助言の発せられた背景、こういったものを鑑みて、事務処理要領、あるいは通知、こういったものを十分に踏まえ、細心の注意を払って事務に当たってまいりたい、このように考えているところでございます。
以上です。
◆二十五番(桃野よしふみ 議員) 法令の解釈をするために、それも含めて、この事務処理要領というのがあるんですよ。この加害者の弁護士と加害者を同視しないというのは、認識として正しいんですか、間違っているんですか、教えてください。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 再々質問にお答えいたします。
今のお話でございますけれども、法令上は、加害者と加害者から依頼をされた受任者が住民票の写しを交付するケースがあり得るということについては、そのように法令上は定められているということで、個々について、先ほどの判例のお話もございましたけれども、個々については、その事情、事情で判断されるものというふうに理解しております。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上で桃野よしふみ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、三十四番たかじょう訓子議員。
〔三十四番たかじょう訓子議員登壇〕(拍手)
◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 質問通告に従い、質問いたします。
私からは、新たな対応が求められる災害対策として、学校施設に関して二点質問いたします。
一つ目は、学校施設内のブロック塀、万年塀についてです。
大阪地震で通学中の児童が倒壊した学校のブロック塀の下敷きになり亡くなった事故を受け、区は、区立小中学校九十校、幼稚園九園でブロック塀、万年塀の調査を実施しました。ブロック塀は二十一校、四園で四十四カ所、万年塀は三十七校、六十四カ所でありました。うち二校のブロック塀が建築基準法に適合しなかったため、この間、撤去し、フェンスなどへの置きかえ工事が進められています。
子どもの安全、さらに避難所となる学校施設の安全性の向上の観点から、残されたブロック塀と万年塀の早急な撤去と対策が必要です。いつまでに完了させる計画かについても伺います。
二つ目は、体育館の避難所機能の充実についてです。
まず、体育館へのエアコン設置についてです。
区内でも、ことしの記録的な猛暑により学校体育館での活動が制限されました。西日本豪雨災害で被災された方が体育館での避難生活の中で、熱中症になり搬送され、こういった事態も起きました。
学校体育館へのエアコン設置は、子どもの安全と災害時の避難所生活者の健康を守るためにも早急に進めるべきです。いつまでに実施するのか、今後の見通しや目標などをお示しください。
次に、体育館の避難所機能の充実についてです。
熊本地震で避難所運営にかかわった方からお話を伺いました。当然ですが、学校体育館は学校の活動施設であり、避難所として設計されておらず、電力不足や害虫対策が課題とのことでした。
この間、区は被災地へ積極的に職員派遣を行っており、こうした経験にも学び、また被災自治体への調査や検討するなどして、体育館の避難所としての機能の充実を求めます。見解を伺います。
次に、就学援助の入学準備金の早期支給を求め質問いたします。
この間、区が経済的理由によって就学困難と認められる世帯への支援として就学援助の拡充に取り組み、中学校では入学準備金の前倒し支給を実施したことを評価しています。
我が党は、小学校でも入学準備金の前倒し支給が必要と繰り返し求めてきました。しかし、区は、学校事務のシステム改修を理由に実施を先延ばしにしてきました。
区内小学校の入学に当たって共通してかかる費用は、体操服や防災頭巾、文具など二万円弱です。ここにランドセル、学習机など、さらなる準備費用が必要となります。
就学援助を受給しているひとり親のお母さんから、お話を伺うことができました。貯金もなく、収入の全てが生活費となっており、小学校に入学するとき、借金などをして何とか費用を工面したとのことです。早急な実施が必要です。
小学校の入学準備金の前倒し支給は全国で広がっており、東京二十三区でも十六区が実施しています。小学校の入学準備金の入学前支給の必要性についての認識を伺います。
小学校入学前の入学準備金を支給するについて、いつから実施するのか、見解を伺います。
次に、債権管理の取り組みから生活再建への支援を求め、伺います。
区は、毎年この時期、世田谷区債権管理重点プラン実施結果について報告をします。先日の文教委員会で、給食費の収納状況についての報告があり、私は、給食費の滞納の背景には生活困難や多重債務等がある可能性があり、そうした場合、ただ収納を促すだけではなく、生活再建への支援を働きかけるなど丁寧な対応が必要と述べました。
先日、会派で滋賀県野洲市への視察を行い、債権管理の取り組みから生活再建への支援を学んできました。
野洲市では、市民の生活の安定こそが今後の長期的な納付意欲の向上につながるとした考え方から、本人の生活再建への支援を行うことに力を入れています。
二〇一五年四月、野洲市は債権管理条例等を施行し、長期にわたる不良債権の整理をして、生活支援へとつなげています。債権整理の場合には、生活困窮者自立支援法の考え方を盛り込んでいるところが特徴です。例えば給食費を滞納した世帯に対し、教育委員会が支払いを働きかけますが、あわせて生活相談、債権整理、生活再建への支援を開始します。大変積極的な対応だと感じました。
新実施計画後期策定のため、昨年度、議論が行われました。債権管理について、新実施計画で姿勢が変わりました。
行政改革の取り組みの中の債権管理について、新実施計画以前では、債権の徴収強化と法的措置の実施としましたが、新実施計画では、適正な債権管理や納付機会の拡大、必要な際には法的措置の実施などを図ると述べています。徴収強化の文言は消え、適正な債権管理に変わりました。低所得者への配慮の観点を踏まえ、区民の視点に立った改革を推進する立場を明確にしたものです。
しかし、債権管理重点プランには新実施計画の視点が反映されていません。区の財政にとって、債権の回収努力は必要ですが、新実施計画後期の視点で債権管理を行うべきと考えます。見解を伺います。
また同時に、区民の生活再建へ向け支援を行い、区民生活の安定を目指すことこそが重要です。見解を伺います。
滞納などで窓口に来る相談者をスムーズに相談へとつなげる工夫が必要ではないでしょうか。納税課や国保窓口に生活相談員を配置するなど、生活相談業務を行える体制を整えることを提案いたします。
次に、環八千歳台交差点の安全安心なバリアフリー化について質問します。
この間、環八千歳台交差点の西側の千歳台小学校や芦花公園側にお住まいの高齢者の方を中心に、バリアフリー化を求める切実な声をいただいています。例えば、千歳温水プールに通いたいが歩行が困難なため、歩道橋を使えない。こんな理不尽な話はないとのことでした。
既に区議会では、地域住民の方々の大きな運動があり、超党派で横断歩道を求め、区も実現に前向きな答弁をしています。
我が党は、横断歩道設置はバリアフリー化の一案であるが、抜本的対策としては、歩道橋のエレベーター設置が望ましいと主張してまいりました。
七月、区議団は、里吉都議とともに、東京都第二建設事務所に聞き取りを行いました。都から実地調査をもとに横断歩道の設置、信号のあり方等についても検討を行っているとした上で、その課題の多さについても伺いました。区として、実現に向けて、都、警察とともに主体的に課題解決する姿勢、取り組みが求められます。
環八千歳台交差点のバリアフリー化実現のため、積極的な働きかけとユニバーサルデザインの観点からどのようなビジョンで進めるのかが重要です。区の認識を伺います。
課題解決に当たっては、何よりも地元住民の声の反映と理解を得ることが重要です。都、警察、区、地域が一丸となり、安全対策に知恵を出し合い、協力する必要があり、そのために住民を交えた関係者協議の場の設置を都や警察に求めていただきたい。見解を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎淺野 教育次長 私からは、就学援助のいわゆる入学準備金についての御質問と、それから学校施設のブロック塀、それから体育館のエアコン設置につきまして御答弁させていただきます。
最初に、小学校の入学準備金の前倒し支給の必要性と支給するとした場合の実施時期等についての御質問について御答弁させていただきます。
就学援助制度は、経済的に就学が困難な御家庭に対して学校への支払い等に要する費用の一部を支給しているものです。お話しの新入学用品費の小学校入学前の支給につきましては、入学する際に必要なランドセルや体操着、学用品等が確実に準備できるように、保護者の経済的な負担軽減を図る観点からも重要なことと認識しております。
また、支給の時期は援助を必要とする時期を踏まえて行うことが望ましいと考えております。中学校の新入学用品費につきましては、平成二十九年四月入学者から入学前の支給を実施しております。小学校の入学前の支給に当たりましては、該当世帯への周知や申請の受け付け方法、審査に必要な所得情報の確認など事務作業の再構築、また、現行の電算システムの改修も必要となります。
こうした点を整理しまして、子どもの学習の機会を確保するために必要な援助の充実という観点から検討を進め、できるだけ早期に対応につきまして決定してまいります。
続きまして、学校施設内のブロック塀、万年塀等につきましてです。
教育委員会では、本年六月十八日に発生した大阪北部地震でのコンクリートブロック塀の倒壊による死亡事故を受け、六月二十日から二十二日の三日間で、全幼稚園、小中学校計九十九施設の敷地内にあるコンクリートブロック塀、万年塀等について目視による緊急調査を実施いたしました。その結果、建築基準法施行令に適合しない二校のコンクリートブロック塀に関しましては、七月に早急に除却を行ったところです。
現在、幼稚園及び学校敷地内のコンクリートブロック塀等につきましては、より安全性を確保するという観点から、順次除却等に着手しており、今後とも安全面に配慮した対応を行ってまいります。
いずれにいたしましても、教育委員会では、幼稚園、学校関係者及び近隣住民の皆様方の御理解と御協力を賜りながら、園児、児童生徒の安全安心を第一に、敷地内のコンクリートブロック塀等の安全対策に取り組んでまいります。
続きまして、学校の体育館へのエアコンの設置に関してでございます。
ことし夏の西日本豪雨被害の被災地において厳しい暑さが続く中、空調設備が設置されていない学校体育館で多くの住民が避難所生活を強いられ、熱中症の危険性が指摘された問題につきましては、体育館を管理する教育委員会としても課題であると考えてございます。
学校の体育館は、児童生徒の運動や学校行事の場であるとともに、災害時の避難所として重要な役割も担っており、地域にとっても大切な施設となっております。
現在、区内の学校の普通教室及び特別教室には冷暖房設備を全て完備してございますけれども、体育館には設置しておりません。このため、ことしの夏は学校行事、体育の授業、部活動等においても、熱中症予防のために使用を制限せざるを得ない状況になり、学校運営にも大きな影響を及ぼしました。
このような状況の中で、既に区長から学校の体育館への空調設備導入を検討するようにとの指示を受けております。児童生徒の熱中症予防や学校運営への影響を考慮し、早急に検討を進めてまいりますが、これにより、災害時の避難所ともなる全小中学校の体育館の機能の向上にもなるものと考えております。
以上です。
◎工藤 危機管理室長 私からは、体育館の避難所としての機能充実について御答弁いたします。
区では、地震や風水害等の大規模災害が発生した際の避難所として、区立の小中学校を指定しております。近年発生しました災害におきましても、小中学校の体育館を避難所としている事例が多く、季節による寒暖は避難生活をされている方々にとって非常に厳しいものであったと聞いております。
体育館は、災害時に避難所の一部となりますが、本来の用途としましては、子どもたちの教育のための施設であり、地域活動のためのスペース等になります。そのため、本来用途を目的とした教育委員会の検討を主とし、避難所としての機能充実につきましても、避難地からの報告や、これまで被災地に派遣した職員等からの意見を聞きながら協議してまいります。
以上です。
◎進藤 財務部長 私からは、債権管理につきまして新実施計画の視点でということについてお答えを申し上げます。
区の債権の管理に当たりましては、区民負担の公平性、公正性の確保をした上で、適切に対応することが重要であり、区では、新実施計画後期の行財政経営改革の取り組みに、債権管理の適正化と収納率の向上を図ることにより、区全体の収入の向上を図りますと位置づけるとともに、債権管理重点プランを作成し、現年度分徴収の徹底や滞納整理、収納事務の改善など、基本的な考え方に基づき取り組んでおります。
具体的には、再三の催告にもかかわらず、正当な理由もなく支払いに応じていただけない債務者には、財産調査により差し押さえ可能な財産がある場合は差し押さえ等の滞納整理を進めたり、法的手段を講じるなど、履行確保に努めております。
一方、さまざまな事情がある方には納付の相談に応じるとともに、福祉サービス等の相談窓口や多重債務の専門相談窓口の案内、債務整理の相談窓口につなぐなど、生活再建に向けた対応も行っております。
新実施計画後期の視点のお話がございましたが、生活困難者の生活再建に向けた支援をすることは、区民生活の安定を図る上で重要であると認識しております。
今後、債権管理を行う上で、こうした方々を十分見きわめていくとともに、御紹介の他自治体の例なども参考に、より効率的な対応策について研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎板谷 保健福祉部長 私からは、債務のある区民の生活再建へ向けた支援についてお答えをいたします。
区では、適正な債権管理を行うとともに、生活困窮の状態に陥った方に対するさまざまな支援を行っております。この二つの取り組みが相互に連携体制をとることが重要になります。
生活困窮者自立支援法に基づく支援を行っているぷらっとホーム世田谷では、庁内のさまざまな窓口との連携を図り、納税課、保険料収納課窓口等で案内チラシの配布を行うとともに、月一回、区民相談室のブースにおいて、債務整理の必要がある方等への対応を支援するため、自立相談支援員が法テラスの常勤弁護士のサポートを受ける形で相談会を実施しております。
また、昨年度は、保険料収納課が若年層の国民健康保険料の滞納者宛てに送付する郵便物にぷらっとホーム世田谷のチラシを同封するとともに、保険料収納課の窓口にぷらっとホーム世田谷相談員、法テラス弁護士の待機日を設けるといった取り組みも行っております。
ぷらっとホーム世田谷は、区内のさまざまな就労支援機関の連携拠点としての役割も担っていることから、区では、こうした機能も活用し、区民の生活再建に資するよう取り組んでまいります。
以上です。
◎五十嵐 土木部長 私からは、環状八号線千歳台交差点のバリアフリー化について二点の質問にお答えいたします。
まず、バリアフリー化に向け、どのようなビジョンで取り組むかについてです。
本年七月二十日に、警視庁の呼びかけによる千歳台交差点の横断歩道設置に関する実査が行われ、東京都第二建設事務所とともに、世田谷区も参加いたしました。
警視庁からは、当交差点に横断歩道を設けた場合、車両と歩行者を分離する信号機の設置が必要となり、車両の青時間が短くなることから、環状八号線における交通渋滞が発生し、深夜まで解消されない可能性があること、また、都内の別の場所では、地元要望により横断歩道を設置したものの、それにより交通渋滞が激しくなり、地元より新設した横断歩道の撤去を求められた事例があることを伺いました。こうしたことから、当交差点における横断歩道の新設は、慎重かつ詳細な検討が必要であると考えております。
今後も、引き続き警視庁や東京都との連携を図り、当交差点のバリアフリー化に向けての対応を協議してまいります。
次に、協議の場の設置についてです。
当交差点に横断歩道を設置することにより、環状八号線の交通渋滞が予想されることから、区といたしましては、警視庁や東京都から横断歩道設置による影響を詳細にお聞きするとともに、両者の見解を参考の上、区としての対応を検討してまいりたいと考えております。
一方、御提案の協議の場の設置につきましては、道路管理者である東京都が判断することと認識しております。
区といたしましては、これまでと同様に、地元の声を伝えるとともに、地域との調整を担うなど警視庁や東京都とのパイプ役となり、当交差点のバリアフリー化に向け取り組んでまいります。
以上です。
◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 再質問させていただきます。
学校のブロック塀の問題ですけれども、早急に進めることが必要と考えます。スケジュール感、どのようなスケジュールで進めるのか。
それから、体育館へのエアコン設置についても、その辺のスケジュール感、どのように進めていくのか、お示しください。
◎淺野 教育次長 再質問にお答えさせていただきます。
児童生徒、また区民の生命を守るということを第一に、より安全性を確保するという観点から、学校の敷地内の道路に面しているコンクリートブロック塀等につきましては、順次除却等に着手してございます。できますれば、今年度中の完了を目指しております。
教育委員会では、引き続きコンクリートブロック塀等の安全対策につきまして、全力で取り組んでまいります。
それから、学校の体育館の冷房ということなんですけれども、早急に検討をまとめまして、できるだけ速やかに対応してまいりたいと考えてございます。
以上です。
◆三十四番(たかじょう訓子 議員) 質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上でたかじょう訓子議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、五番あべ力也議員。
〔五番あべ力也議員登壇〕(拍手)
◆五番(あべ力也 議員) それでは、まず初めに障害者雇用の水増し問題についてです。
九月は障害者雇用支援月間です。同じ月に障害者雇用率の水増し不正がこの世田谷区でも発覚したことは大変皮肉なことであります。十月一日には東京都障害者差別解消条例が施行されます。
さて、人を雇用する事業所でもある自治体は、たとえ障害者雇用率を満たさなくても納付金を払う必要も罰則もありません。それをいいことに、障害者雇用率を長年水増ししていたことは、世田谷区民として怒りを覚えると同時に、まことに残念であります。
私はこの間、雇用は社会保障の根幹であり、障害者雇用は公共の果たすべき役割であると同時に、障害者本人に社会参加と生きがいを提供する大切な手段との思いから、さまざま障害者の雇用機会の創出の提案もしてまいりました。そのたびに、世田谷区からの回答の根拠として示されてきた法定雇用率などの数字の内訳が開示されていないことに何ら疑いを持ちませんでした。なぜなら、世田谷区を信頼していたからです。今回の件は、まさに区民の信頼を裏切るものです。
そこでまず、点検の意味も込めて、世田谷区の障害者の現状と世田谷区の果たすべき住民福祉の中の障害者雇用の考え方、区雇用障害者の実態、区内在住者と区外在住者数等の障害者雇用の実態を総括して御説明いただきたいと思います。
また、今回の水増し事由ですが、この責任は誰にあるのか、この責任を誰がとるのか、なぜこのようなことが長年放置されてきたのか、また、その放置されてきた年数は何年間なのか。今般の区の法定雇用率水増し不正の原因と今後の対応、東京二十三区の中で特に世田谷区がなぜ問題で、法定雇用率の中身は他の区との比較で何が違い、何が問題なのか、一般的な問題にまずお答えをいただきたいと思います。
私はこの問題の本質を問いたいと思います。そもそも障害者雇用率というのは何のために設けられている制度なのか。就業環境が厳しい障害者に官民を問わず働く機会を提供し、障害者の社会参加と自立を促すための制度が障害者雇用促進法のはずです。
この法律で障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害により障害者手帳を持っている人を指します。なのに、区は法定雇用率という数字ばかりに目を向け、その内訳はまことにずさんであります。障害者手帳を持っていない人まで法定雇用率に算入し、しかも本人の同意をとらずに障害者として取り扱っていたわけですから、これは明らかに違法であり、人権侵害にも当たる行為ではないでしょうか。この点、区はどのように考えているのか伺います。
さらに、この問題の根の深さは、本来雇用されるべき障害者が雇用されていない問題です。法定雇用率の水増しにより、二十六人の障害者手帳を持っていない方を区の職員として雇用していたということは、本来、障害者雇用促進法により雇用の機会が提供されるべき障害者がはじき出され、長い間雇用されずにきたことになるわけです。
そうした方への謝罪は当然ですが、賃金換算した場合、どれくらいの賃金機会が失われたことになるのでしょうか。その金額を補償するということも考えられると思いますが、障害者の皆さんに、区として補償するつもりはありますか、お答えをいただきたいと思います。
保坂区長は人権区長を自認していますが、こうした本質的な問題を放置し、格好よく見えるところだけ人権や差別解消と言っているだけではないでしょうか。今回の報告でも、障害者の採用枠以外で定期採用された職員を、手帳があるからということだけで障害者雇用の人数に算入するというのは根本的に間違った捉え方ではないかと思います。
もちろん途中で障害者になったとしても、障害者の権利は守られるべきで、この点を問題にする話ではありませんし、途中で障害者になる方の全てが障害者雇用数に入れてはいけないということでもありません。しかし、単に数合わせのために障害者雇用数に算入しているとすれば、それこそ問題を履き違えていると言わざるを得ないではないでしょうか。
そもそも正規雇用職員が途中で障害を持った場合、障害を理由に雇用を失うことがあるのでしょうか。あるとすればどういう場合で、今までの実績をお教えいただきたいと思います。
この問題が発覚してから、多くの障害者団体の方とお話をさせていただきましたが、皆さんが一番信じられないと驚いていたのは、まさに正規雇用の健常者として採用された職員で途中から障害を持った方を障害者雇用率に加えていたこと。
二つ目は、障害者雇用の内訳で八十八人のうち区民は四十七人、区外在住者が四十一人で、半数近くが区民ではないという事実です。もちろん区民だろうが区民でなかろうが、障害者としての権利は守られるべきということに変わりはありませんが、区民の区に対する期待は、区民福祉の向上を目的とする地方公共団体にあっては、当然区民である障害者の雇用を優先確保してくれているのだろうということです。
今回の件を受けて、現在、法定雇用率を下回る現状を早急に改善する必要があると思いますが、その枠をぜひ世田谷区民のために使って、障害者雇用を進めてほしいと思います。
世田谷区は、東京都の特別区という位置づけから、特別区人事委員会での採用と区独自に採用できる採用枠との精査が必要かと思いますが、障害者雇用は通常の職員の定数とは別枠で採用を行ってもいいくらいのことではないかと私は考えます。また、区は障害者や障害者団体に、今回の件をどのように説明したのでしょうか、お教えをいただきたいと思います。
区の法定雇用率の情報公開のあり方や区民である障害者の採用等に関し、現在ある障害者連絡協議会に参画してもらい、区とともに基準づくりや次年度の採用計画の策定、選考等を行う協働をおいて、ほかに今回の区民の区政に対する不信を払拭する手だてはないのではないかと考えます。
障害者が雇用されずにきた人権や差別に対する区長の見解、今後採用されるであろう二十七人の障害者を世田谷区民から採用することについての区の見解を伺います。
世田谷区には、施設や在宅、特別支援学校に通っていて就労を希望している障害者は、知的、身体、精神を合わせて推計で七百三十二人近くはいるとのことであります。ハンデを負いながら、区外にまで通勤している方もいます。これほど就労を希望している障害者がいる現状にあって、区内最大級の事業所である世田谷区が区民をもっと雇用するのは必定と考えますので、区の明快な答弁を求めたいと思います。
また、雇用主体となる区外郭団体での障害者雇用と法定雇用率、手帳の確認など、区民福祉向上の観点からの手法と運用になっているのか。さらには指定管理者指定権者として、区としての障害者雇用の適切な実態の把握と指導による事業者の世田谷区民の障害者福祉向上への貢献度を評価する手法と運用になっているのか、この点もお答えをいただきたいと思います。
次に、全小中学校の体育館にエアコンの導入という件でございますが、学校の暑さ寒さ対策は全国の自治体の待ったなしの課題で、もうすぐ寒い冬が、そして来年、また危険な暑さの夏がやってきます。まだエアコンの設置をしていない学校のある自治体でも、おくればせながら教室や体育館のエアコンの設置を急ぐと聞きます。
世田谷区は体育館でまだ小中学校全校へのエアコンの設置がなされていません。暑さ対策として来年の夏までに間に合うのか、寒さ対策はどうするのか、また、どのように格差なく進めるのか、予算措置等も含め伺います。
エアコン設置完了まで、体育館を利用した授業スケジュールや夏休みの期間延長等の検討など柔軟な対応も必要かと思いますが、教育委員会の見解を伺います。
最後に、世田谷ナンバー選択制実現性の真偽についてであります。
先日、区民の方から、世田谷ナンバーって品川ナンバーと選択するようにできるんだって、本当という御質問をいただきました。世田谷区として世田谷ナンバー選択制実現性の真偽について、図柄入りナンバーも含め、国交省の運輸局等の見解もあわせて、区民がそうしたうわさやうそに迷うことがないよう明確な回答を求めて、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 あべ議員にお答えをします。
区の障害者法定雇用率の算定について明らかな過ちがあったことについて、人権差別の観点でどうかということでございます。
共生社会ホストタウンを掲げてきました世田谷区にとって、本件は、人権や差別の観点から見ても、区への信頼を揺るがす事態であると痛感しています。
本区の場合、障害者手帳を持っていない職員をカウントすることで、いわゆる障害のある職員の雇用を制約したり排除したりする意図、いわゆる水増しして本来の障害者雇用の人員を少なくすることを意図したことではなかったのでありますが、ただ、従来の慣習に疑いを持たず、結果としてその門戸を狭めてしまったということは事実でありまして、まことに申しわけなく、区民の皆さんの信頼を大きく損ねることになったことをおわびいたします。
共生社会ホストタウンに登録し、先頭を切って障害者差別解消法の普及、理解、実践を呼びかけてきた経緯もあり、より厳しく反省するべきだと考えておりまして、今後、障害者雇用の拡大に向け、早急に具体的な方策を詰めるよう、所管部に指示をしているところであります。
◎中村 総務部長 私からは、区の障害者雇用について、順次御答弁いたします。
まず、区の障害者の現状と区の果たすべき住民福祉の中の障害雇用の考え方、区内在住者と区外在住者数など、障害者雇用の実態についてです。
世田谷区民のうち約二万九千三百人の方が障害者手帳等を所有しており、平成二十八年度に実施しました世田谷区障害者(児)実態調査の結果から試算しますと約千九百人の障害者が就労されており、就労を希望するが、働き先がなく就労できない障害者が約七百三十人おられると推計しております。
障害者雇用については、民間事業者に対する法定雇用率が二・二%とされておりますが、国や地方公共団体は二・五%と定められていることから、区には障害者の雇用を民間事業者に率先して進める役割が求められていると認識しております。
区雇用の障害者の実態につきましては、九月三日の企画総務常任委員会で御報告しましたとおり、点検後、障害者手帳を確認できた職員は八十八名でございます。このうち障害者を対象とする採用選考により採用した職員が五十五名、採用後に障害を有することとなった職員が三十三名でございます。また、八十八名のうち、区内在住者は四十七名、区外在住者は四十一名となっております。
次に、誰に責任があり、誰が責任をとるのか、なぜこのようなことが長年放置され、どれぐらいの期間であったのか、不正の原因、他区との比較についてです。
このたびの不適切な事務処理による障害者雇用率の誤算定につきましては、区の信頼を損ねる結果となり、事務を所管する担当部長としてその責任を強く痛感しております。本件に関する責任につきましては、区長の御判断を仰いでまいります。
雇用率の誤算定につきまして、少なくとも平成十四年度から障害者手帳の確認を怠っていたという状況でございます。原因といたしましては、国のガイドライン等の認識が不十分であったことから、人事異動の意向調査での本人の障害の主訴や病気休職の診断書等をもとに、一部の者について、過去のデータ、過去からのデータを引用し、手帳の確認をせず報告数に算入しておりました。また、基礎となる職員数について、再任用職員の区分の捉え方の誤認や除外すべき障害者の算定がございました。他区の障害者雇用率算定の詳細は現時点では把握できておりませんが、報道の範囲では、他の二区が誤った算入をしていたものと承知しております。現在、国の依頼により、全国の自治体が雇用率の再点検を実施していることから、その結果を注視してまいります。
次に、今後の対応についてです。
ただいま申し上げましたとおり、現在、国からの依頼を受け、平成二十九年六月一日現在の障害者の雇用率の再点検を行っているところです。
今後の障害者雇用につきましては、この結果も踏まえて具体的な取り組みを進めてまいりますが、まずは今年度から知的障害者、精神障害者も対象となった特別区人事委員会の障害者採用選考による採用枠を拡大してまいります。また、チャレンジ雇用の拡大や区独自の採用の仕組みの検討を急いでいるところです。法定雇用率を満たすだけでなく、さらに上回ることができるよう、障害者採用を促進するとともに、障害のある職員がその適性を生かし、安心して働き続けられる環境の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。
次に、障害者手帳を持っていない職員を法定雇用率に算入し、本人同意をとらずに障害者として扱っていたことは違法であり、人権侵害にも当たる行為ではないかという御質問です。
障害者手帳の所有を確認できなかった者を法定雇用率に算入していたことについては、国のガイドラインの認識が不足しており、過去からのデータの扱いを引用してきたことに加え、障害の有無というプライバシーに関することに一定の配慮をしたこともあり、結果的に本人に障害者手帳の所有確認をすることを怠ってしまったと考えており、個々人の人権侵害に当たるとまでは考えておりません。
現在、国からの依頼により行っています平成二十九年度の障害者雇用率の再点検の作業を行っており、障害者数に算入する際は、さかのぼって職員本人の同意を得ることとしております。
次に、本来採用されるべき人が採用されなかった、障害者の方々への賃金を補償するつもりはあるかという御質問です。
特別区人事委員会が実施します、従来の身体障害者を対象とする採用選考は、二十三区統一の選考として行われており、二十三区の需要数をもとに、人事委員会が合格者を決定し、人事委員会から提示された合格者を各区が面接して、採用者を決定する仕組みとなっております。
区では面接において提示された者が採用後に区職員として安心して安定的に就業できるかどうかという視点から採用の可否を判断しております。法定雇用率との関係で必ず採用するものではなく、提示された者を採用しない場合もあり、このことは賃金の補償の問題ではないと考えております。
次に、正規職員が採用後に障害を有することとなった場合、障害を理由に雇用を失うことがあるのかという御質問です。
職員の中には、採用後、病気や事故により障害者手帳を所有することになる者もおります。病気や事故による心身の故障により職務の遂行に支障があり、回復の見込みがない場合や、その治療に極めて長期間を要する場合には職を免ずる場合もございます。この場合においても、法令に定める免職事由に該当する場合に行うものであり、障害を有することになったことにより職を失うことは決してございません。
次に、障害者や障害者団体にどう説明したのかという御質問です。
このたびの法定雇用率の誤算定につきましては、区のホームページにおいて概要とおわびを掲載するとともに、障害者団体に対しましては、先日、九月十一日に開催されました世田谷区障害者福祉団体連絡協議会におきまして、障害福祉担当部よりお時間をいただき、おわびとこれまでの経過と今後の対応について御説明をしたところです。障害者団体のお一つから申し入れをお受けしており、申し入れにつきましては、この間の経過を含めて丁寧に御説明させていただきたいと考えております。
次に、障害者を区民から採用することについてです。
特別区人事委員会が実施しています、障害者を対象とする職員採用選考は、地方公務員法の平等取扱の原則を念頭に採用事務が行われており、受験資格に住所要件は定められておりません。また、現在検討を急いでおります区独自の採用についても、区民サービスを担う区職員としてより適性に富んだ方を採用するといった観点からは、住所を問わず広く募集し、幅広い方々の中から選考することが必要であると考えております。
現在、福祉的施策として区で行っていますチャレンジ雇用は、区内の就労支援機関を利用する区民を対象としており、今後、このチャレンジ雇用で配置する業務の範囲の拡大を急ぎ検討してまいります。
以上でございます。
◎岩本 政策経営部長 私からは、外郭団体での障害者雇用、また、指定管理者制度の運用での取り組みについて御答弁申し上げます。
外郭団体につきましては、現在、一団体を除き障害者の雇用義務数を満たしており、雇用義務数を満たしていない団体も早期の雇用確保を目指しているところです。また、常用雇用労働者数が百人を超える全ての事業主には、障害者雇用納付金の申告の義務がありますが、該当する団体は、申告に当たり障害者手帳を確認することとなっており、常時雇用労働者数が百人以下の外郭団体におきましても、各団体において障害者手帳の確認を行っているとの報告を受けております。また、雇用している障害者の方の約九割が区内居住者であると聞いております。
指定管理者の障害者雇用につきましては、昨年四月の指定管理制度運用に係る指針の改定により、指定管理者の選定基準に障害者雇用率と障害者差別解消等の取り組みの項目を追加し、施設ごとの候補者選定の際の基準に反映し、審査をしているところです。また、指定管理期間中のモニタリング評価の中でも同様の項目を設定し、各管理所管が定期的に評価を行っております。
事業者の事業態様や施設の規模、機能などにより、障害者雇用が難しい場合もございますが、区では、今後も外郭団体の指導、調整や指定管理者制度運用などを通じて、障害者の社会参加や障害者が力を発揮できる職場環境づくりが進むよう取り組んでまいります。
以上でございます。
◎淺野 教育次長 私からは、小中学校の体育館へのエアコン導入につきまして御答弁させていただきます。
本年の夏の猛暑では、熱中症対策として体育館での授業の中止や一学期の終業式を校内放送を活用し教室で行った学校もあり、体育の授業ばかりではなく、学校行事にも影響を及ぼしております。
このような状況の中で、既に区長から学校の体育館への空調設備導入を検討するようにとの指示を受けております。体育館の大きな空間をどのような方式で温度を下げていくのか、また、学校ごとに異なる電気容量や財源の確保など導入に向けた課題もありますが、これらの課題を整理し、早急に対応してまいります。また、体育館に空調設備を導入する場合にも、学校間で教育環境に大きな差が生じることは好ましくないことから、これらを踏まえて取り組んでまいります。
以上です。
◎久末 経済産業部長 私からは、世田谷ナンバー選択制実現性について御答弁申し上げます。
従来、自動車のナンバープレートには使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等の名称が表示されていましたが、地域振興や観光の観点を踏まえ、平成十八年から全国で新たな地域名表示によるご当地ナンバーが導入され、世田谷区においても平成二十六年十一月に導入したところです。
ナンバープレートの地域名につきましては、道路運送車両法第九条に基づき、国土交通省令で定められており、選択制導入のためには、国において省令等の改正が必要であると認識しております。また、国土交通省自動車局で定めるご当地ナンバー導入要綱においても、対象地域内で登録された全ての自動車に付与するものと定められており、選択制ではないことが明示されており、国土交通省の担当者からも同様の見解を得ております。
なお、地方版図柄入りナンバープレートに関しましては、十月一日から交付開始されるものですが、品川などの他地域のナンバーには世田谷の図柄を入れることができない旨、国土交通省と確認をしたところです。
本件につきましては、区民に対する従前の説明と異なるところがあるため、区民や事業者などの皆様に丁寧に周知を図ってまいります。申しわけございませんでした。
◆五番(あべ力也 議員) 総務部長にまず伺いますが、区のガイドラインの認識が不十分だった、手帳の確認をせずに報告書に算入をしたというのは不注意だったということですか。
それと、回答の中で、総務部長が人権侵害をしたとは考えていないという回答をしているということと、区長は結構丁寧に回答しましたが、人権侵害にも当たる内容だというような答弁だったと思います。この食い違いについてはどういうふうに御説明をしていただけるんですかね。はい、どうぞ。
◎中村 総務部長 再質問いただきました。
ガイドラインの認識が不足したということですが、これは不注意もありますが、過去からのやり方をそのまま引き継いできたということの、いわばずさんな事務処理の引き継ぎをしてしまったということで、その中でガイドラインの内容を十分に理解、認識していなかったことと認識しております。
また、人権侵害の部分ですけれども、これにつきまして、手帳の書類を確認できなかったものについて法定雇用率に算入していたこと、これも一つは、国のガイドラインの認識不足、また、過去からのデータを過信して引き継いできていたという不適切な事務処理の問題であると思います。また、障害の有無というプライバシーもあり、一定の配慮をしてしまったこともあって、手帳の確認をすればよかったところ、それも怠ってきてしまったというのが背景にあると考えておりまして、そういった意味で、人権侵害という意図はなく、個々人の人権侵害に当たるとまでは考えていませんという答弁をしたところでございます。
以上です。
◆五番(あべ力也 議員) 今部長の答弁では不注意もありますがということですから、不注意があったということですよね。これは法律的には過失ですね。そうすると、過失責任の問題、過失責任の原則からいえば、これは過失があれば損害がある人に損害賠償しなくちゃならないということだと思うんですよ。ところが、その問題については一向に責任は認めないし、区長も区の幹部もその点については否定しているんですね。これはちょっと問題だなと思いますので、その点についてちょっとお答えをいただきたいと思います。
◎中村 総務部長 補償の問題につきましては、ただいま答弁の中で人事委員会の選考の仕組みを御説明させていただきましたけれども、区のほうでは、例えば面接で提示されたものが法定雇用率に応じてそのまま自動的に採用するものではないということの御説明をさせていただきました。したがって、具体的な誰かがそこで採用されなかったとか、具体的な補償の問題とは認識していないということでお答えをしたところです。
以上です。
○三井みほこ 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、二十番石川ナオミ議員。
〔二十番石川ナオミ議員登壇〕(拍手)
◆二十番(石川ナオミ 議員) 通告に基づいて質問をしてまいります。
まず、医療救護所と福祉避難所の拡充について伺ってまいります。
このほど発生いたしました西日本の豪雨災害、また台風二十一号、北海道胆振東部地震など、日本では甚大な被害を受けました。改めて被災をされた皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、いまだ避難所生活をされていらっしゃる方が多くいます。一日も早く日常の生活が戻ってこられることをお祈りしております。
こうした災害を教訓として、私たちは日ごろより心の備え、いろいろなことを備えておかなければなりません。各地域で避難訓練などが行われておりますが、改めて地域、そして医療、行政がしっかりとタッグを組んで取り組んでいかなければならないということを強く感じております。
このたびの西日本の豪雨災害で被災された方の中で、医療救護所を訪れた方の中での症状として、片づけの作業中のけがや砂ぼこりによる目の痛み、慢性疾患などを挙げた方が多かったということです。また、簡単な処置でも、話していると涙を流す方や、サイレンの音を聞いて怖がってしまうという方々もいらっしゃったということです。さらに、症状の程度にもかかわらず、誰かに大丈夫だよという声をかけてほしいという様子だったという医療関係者の方の言葉を聞くと、本当に胸が締めつけられるような思いがいたします。PTSD、被災された方の心のケアというところも大事になってまいります。
ところで、世田谷区では、世田谷、玉川両医師会の協力のもと、既に砧地域では医療救護所の訓練が精力的に行われておりますが、ことしの七月には世田谷地域の桜小学校では初めて医療救護所の開設を想定した訓練が行われました。この医療救護所の拡充に向けて改善すべき点が多々出てきていると伺っております。どのようなことでしょうか、まずはお聞かせください。
そして、障害のある方や高齢者、また、避難所生活において特に配慮が必要な方が二次的に滞在をする福祉避難所について伺ってまいります。
二年前の四月に発生をいたしました熊本地震では、福祉避難所が遠くて行けなかったという声が上がっているなど、福祉避難所についての課題が多々出てきております。
世田谷区でも福祉避難所として、現在、高齢者の方が避難できる施設が四十七カ所、障害のある方が避難できる施設が三十八カ所あると伺っております。今後も協定を結ぶ施設がふえてくるということなんですが、数がふえればよいというだけではありません。こうした施設と行政がしっかりと連携を組んで、また、具体的にどういった支援ができるかということも検討していかなければなりません。区としての今後の方向性を伺ってまいります。
次に、障害のある方が医療機関で受診できる支援体制について伺ってまいります。
ことしの夏、文教委員会の行政視察では、インクルーシブ教育の先進的事例として大阪市の取り組みを伺いました。大阪市では、障害のあるなしにかかわらず、誰もが望めば合理的な配慮のもと地域の普通学級で学ぶことができるというインクルーシブ教育が、特別なことではなく、ごく当たり前のこととして行われているということ、この意識の違いにも感銘を受け、大変学びの多い、よい学習として持ち帰ることができました。
このように、大阪では教育面の充実だけではなく、障害者が身近な地域で安心して医療が受けられるよう、いち早く障害者地域医療ネットワーク推進事業などにも取り組んでいます。
先日、我が会派で各種団体の方々の御要望を伺いましたが、ある障害者の団体からは、知的障害があるという理由で地域の病院で受診ができなかった。医療関係の障害に対する理解啓発を行ってほしいという御要望をいただきました。あらゆる面での合理的配慮が求められている今、障害があっても適切な医療が受けられるよう、東京都と連携をして、区としても支援体制を強化していくべきと考えます。
例えば知的に障害がある方に対しては、既に大阪府でも医療現場で活用されています、医療サポート絵カードを導入するということも効果的です。これは知的障害などによりコミュニケーションをとることが苦手な患者さんに、例えば診察の際におなかを見せてくださいですとか、口をあけてくださいといったやりとりをイラストを見せながらわかりやすく説明していくというものです。安心して診察や検査が受けられるといった工夫をすることも合理的配慮につながります。
障害者差別解消法が施行されてから二年余りたちますが、ことしの十月からは、東京都としても条例として民間事業者にも障害者への合理的配慮が義務化されるという動きが出てまいりました。障害があっても不安なく医療が受けられるよう、区としても支援をしていくことが必要です。区の見解をお聞かせください。
次に、商店街の街路灯のLED化の推進について伺います。
商店街の街路灯をLED照明にすることで、二酸化炭素の排出量の削減や節電の効果、いわゆるエコ対策が期待され、十年ほど前から都の事業としてLED化が推進されています。
しかし、既に導入した一部の商店街では、LED電球が切れてしまいまして、交換の時期を迎えているということです。商店街の街路灯は町の安心安全にも寄与し、地域の重要なインフラとも言えます。また、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて機運の醸成、にぎわいの創出といった面でも、街路灯の果たす役割は大きいと言えるのではないでしょうか。
そうした中で、LED化の推進については、維持管理、ランニングコストが課題となっておりますが、こうしたことを区としてはどのように捉えているでしょうか、区の見解を伺います。
最後に、船橋、恵泉周辺の道路整備について伺います。
冒頭の質問でも申し上げましたが、私たちの生活は常に自然災害と隣り合わせであり、区民の生命と財産を守るためにも災害に強いまちづくりに取り組んでいかなければなりません。
内閣府が発表しています世論調査で、地震や大雨に備えるために道路整備の面からどのような対策が必要かという質問に対しまして、都市部におきましては救急活動や救援物資などの輸送を確実に行うために必要な幹線道路の整備、改修、複数のルートの確保ということを挙げている方が四割にも上っております。また、最新の区民意識調査でも、区が積極的に取り組む事業は何かという質問で、災害に強いまちづくりということがベストスリーに入っております。
こうした防災、減災という観点からも、これまでも再三にわたりまして船橋恵泉周辺の道路整備につきましては取り上げてまいりました。既に区としても全線開通に向けて取り組んでいらっしゃるということは十分承知をしております。ことしの第一回定例会におきましては、いまだ御協力をいただいていない地権者様に対する、区長みずからの行動が必要ではないかという質問をさせていただきました。その際の区長の答弁といたしまして粘り強い働きかけが重要という、恐らくこれは前向きで積極的であろうというお答えだというふうに私は捉えております。
さて、その後どのように対応してくださっているのでしょうか。道路整備における現状と区長の対応について伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 私からは、船橋恵泉周辺の道路整備につきまして御答弁申し上げます。
主要生活道路一〇六号線の道路につきましては、長い年月をかけて区で取り組んできた事業でございまして、全線開通を待つ住民の声も長きにわたり届いており、早期開通が必要だと考えております。
区は、これまでも相手方に対して粘り強く事業に対する御理解を得るための努力を続け、今年度に入ってからも、担当所管から接触交渉の状況報告を受けつつ、区長の指示のもと、私自身も直接面談をさせていただいたところでございます。
一方で、事業の長期化は避けなければならないため、行政代執行の可能性も排除せず準備を進めているところですが、本件につきましては、合意に基づく解決が何よりも望ましいことから、区を挙げて引き続き粘り強く働きかけてまいります。
以上です。
◎辻 世田谷保健所長 私からは、医療救護所の拡充についてお答えいたします。
区では、世田谷区地域防災計画に基づき、発災時には病院の近接地に六ケ所の緊急医療救護所及び避難所に併設した医療救護所を二十カ所立ち上げる計画となっております。
医療救護所では主に傷病者のトリアージや軽傷者に対する応急処置等を行うこととされており、区内の医師会、歯科医師会、薬剤師会及び柔道整復師会の先生方に従事していただくことになっております。そのため、災害時には被災者でもある先生方の人員体制や資機材の配置等を踏まえますと、医療救護所の拡充に関しましては、関係機関との調整が難しい状況にあります。
一方、発災時には設備の整っている病院や診療所の早急な再開が的確な医療救護につながることから、医療救護所への人員配置につきましては状況に応じた適切な対応が必要となってまいります。
いずれにいたしましても、医療救護体制につきましては、今年度実施する医療救護所の備蓄医薬品の見直し等さまざまな検討を進め、傷病者の方々が安心して利用できるよう、医療救護所の改善や充実に努めてまいります。
以上です。
◎松本
障害福祉担当部長 私からは、障害者施策につきまして、二点の御質問にお答えをいたします。
まず、福祉避難所の充実の点でございます。
災害発生時における障害者への対応でございますが、自宅で介助が受けられないケースや指定避難所での生活が困難な場合も想定されるため、区では一定の広さを持つ障害者施設等三十八施設と福祉避難所の協定を締結しております。福祉避難所として協力をいただく施設に対しては備蓄物品を提供し保管いただいているほか、無線機の配備など情報連絡体制の整備も行っているところでございます。
また、施設側との連携でございますけれども、協定施設との連絡会を毎年開催いたしまして、その中で、災害時を想定した訓練、あるいは実際に福祉避難所を運営した方をお招きして講演会等を行いながら、通常業務の早期再開の点も踏まえた福祉避難所運営マニュアル、こういったことの充実などに取り組んでおります。
また、福祉避難所の拡充につきましても、平成三十一年度には梅ヶ丘拠点障害者支援施設との協定締結を予定しておりますが、協定を結んでいない既存施設や今後開設する施設についても働きかけを行いまして、拡充に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、障害者の方が安心して医療機関を受診できる環境の整備という点でございます。
平成二十八年に施行されました障害者差別解消法では、障害者に対する差別の禁止を明記するとともに、行政はもとより、民間事業者にも障害者への合理的配慮を努力義務としております。
また、本年十月に施行されます東京都の障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例では、民間事業者にも障害者への合理的配慮が義務化をされます。医療機関が障害者の受診を拒否することは障害者差別解消法において禁止されており、国から医療関係事業者向けのガイドラインとして既に通知されておりますが、国におきましても、世田谷区、玉川両医師会における研修会や説明の機会を通じまして、障害者差別解消法の周知を図ってまいりました。しかしながら、医療機関におきましては、専門外の障害者を受け入れた場合、患者に適切な医療の提供ができない場合もあることから、受診をお断りせざるを得ない状況もあると伺っております。
区といたしましては、かかりつけ医制度の推進、あるいは障害者施設健診の地域の医療機関での実施拡大など、医療機関における障害理解の促進に取り組みながら、障害者が安心して医療機関を利用できる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、高齢者の福祉避難所の拡充と受け入れ体制について御答弁いたします。
区は、二次避難所として特別養護老人ホームや有料老人ホームなど四十七カ所の高齢者施設と福祉避難所協定を結んでおりますが、地域偏在もあり、さらに協定施設をふやす必要があると認識しております。
大規模災害時に速やかに福祉避難所が開設、運営できるよう、区では福祉避難所マニュアル標準版やBCPのひな形を示し、各施設でのマニュアル等の作成を指示しております。また、このマニュアル等をもとに、毎年、特養ホームを会場として協定施設が参加する実働訓練を行い、マニュアルやBCPの見直しを図るとともに、訓練内容を施設の全職員が共有できるよう、DVDにして各施設に配っております。
福祉避難所のマニュアルやBCPの見直し、情報共有を目的に、定期的な連絡会や大震災を経験した施設職員をお招きし、講演会も実施しております。また、各施設でも施設の避難訓練に地域住民の参加を得る一方、町会などが実施している防災訓練に施設職員が参加するなど、日ごろから地域とのつながりに努め、災害時に円滑な協力ができるよう取り組んでおります。
今後とも、新たに開設する高齢者施設などに福祉避難所協定締結を働きかけるとともに、実動訓練や意見交換等を通しまして運営体制の充実に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎久末 経済産業部長 私からは、商店街の街路灯LED化推進における課題について御答弁申し上げます。
商店街街路灯につきましては、平成二十年度から東京都と区の補助事業を活用して水銀灯からLEDへの交換が始まり、東日本大震災を契機に、省電力化のために多くの商店街がLED化を進めてまいりました。
現在、商店街街路灯のLED化開始から約十年が経過し、耐用年数等の問題から幾つかのLEDが切れてしまった商店街が四カ所程度あり、街路灯が消えたままの場所もあると伺っております。区では、このような商店街からの声を受けて、当該商店街に対しLED街路灯に関する調査を実施し、現状の把握に努めているところでございます。
一方、日本照明工業会によりますと、LEDの耐用年数については照明器具の劣化に伴って照明器具の故障率が増加するため、その修理費用等を考慮して全数交換が推奨されており、その適正交換時期を八年から十年と設定しております。
区といたしましては、LEDの適正な交換時期の研究とともに、東京都と協議しながら具体的な対応を検討しているところでございます。
以上でございます。
◆二十番(石川ナオミ 議員) 今注目を集めていますテニスの大坂なおみ選手は強くなるためには我慢が大事だということがございました。こちら、石川ナオミは、この我慢ということでは、恵泉の問題に関しましてはもう我慢の緒が切れるといったところでもございます。粛々と進めていただきますようお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で石川ナオミ議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、十七番河村みどり議員。
〔十七番河村みどり議員登壇〕(拍手)
◆十七番(河村みどり 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
初めに、性教育の充実について質問します。
平成二十八年度、厚生労働省によると、児童虐待や貧困のリスクを伴う十代の出産は年間一万件以上に上り、十代の人工妊娠中絶は年間一万五千件となっています。また、警視庁によると、平成二十九年のSNSを通した十代の性被害についても過去最多を更新、性感染症の梅毒についても、平成二十九年、国立感染症研究所の調べによると五年で七倍に急増し、今、子どもや若者の性に関するさまざまなトラブルが発生しています。
インターネットが身近になっている子どもたちにとって性交などの情報を早く知る傾向や、性的有害情報など性トラブルの危険性も高まっているにもかかわらず、文部科学省の学習指導要領では妊娠の経過は取り扱わないと性交は扱われておらず、性教育が各学校の裁量に任されている現状があります。子どもたちを本当に守る意味から、今、子どもたちが置かれている状況と学校現場の性教育が果たしてマッチしているのでしょうか。
先日、中高生を対象に性教育を行っているNPO法人ピルコンの染谷明日香理事長からお話を伺ってきました。そこで、刑法の性行為に同意する能力があるとみなされる性的同意年齢が十三歳と知り、大変驚きました。にもかかわらず、子どもや若者に正しい性知識が乏しい現状だと矛盾を指摘。欧米やアジアなどの諸外国では性教育は学校教育として義務づけられており、グローバルスタンダードの指標として、ユネスコの国際セクシャリティ教育ガイダンスでは性教育の開始は五歳から設定されています。
日本では性教育は寝た子を起こすとの声がありますが、ユネスコの調査では、性教育後、性行動を早めるのが〇%、性行動をおくらせるのが三七%という研究結果として、発達段階に応じた科学的な情報を伝えることが性行動を慎重化させるエビデンスを得ているといいます。
国内では秋田県が平成十六年から医師会と連携して、中学三年生を対象に踏み込んだ事業を十四年間続けた結果、十代の若者の人工妊娠中絶が三百二十四件から七十一件に大幅に減少したという成果を残しており、染谷理事長は、子どもたちを守るために必要なのは性を遠ざけることではなく、性についての正しい知識を学ぶ機会だと訴えておられました。
ここで三点質問します。
一点目は、区内の十代の人工妊娠中絶は平成二十八年四十二件との現状があります。性情報が氾濫している現代において、また、望まない妊娠を防ぐためにも、中学校までの義務教育で自分の身を守るための必要な性知識を学ぶ機会が重要と考えます。区はどのようにお考えか、まず認識を伺います。
二点目は、中学校の保健授業等において、現在、一部の学校で実施している助産師等の専門家による性知識の学習について、全中学校での実施を求めます。また、小学校高学年においても既にSNSに触れる機会があり、体の成長も早まっていることから、自分の体を理解するための学習機会を取り入れるべきと考えます。区の見解をお聞きします。
三点目は、子どもを守るために、家庭での性教育が置き去りにならないよう、親に向けた性教育の機会や地域の子育ての場での性教育の実施を求めます。区の見解をお尋ねします。
次に、認知症の在宅生活サポートの拡充について質問します。
先日、お一人で認知症の両親を介護されている働き盛りの年代の息子さんから、介護で疲れ果てて限界を感じているとのSOSが届きました。これまでも核家族化で親を子一人で介護しなければならないような方々から同様なお声があり、認知症の親が日中一人でも安心して在宅生活が送れるために、介護保険のはざまを埋める見守りやサポートの充実が求められています。
区の認知症高齢者は毎年増加し続け、本年四月現在、約二万二千人、二〇二五年には三万人近くに上ると推計されています。認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子研究部長は、認知症の人が行きたいところに行け、無事に家に戻ってこられるための、地域で一緒に支え合う個別支援ネットワークづくりは何よりも急がれると訴えています。
先月、区議団で住民主体の介護予防を先駆的に取り組まれている大東市を視察してきました。成果をおさめているこの住民主体の介護予防の通いの場は、さらに住民同士が互いに支え合う生活サポート事業へと発展していました。そこでは認知症の方への支援も行われており、話し相手や通院支援、買い物の食料品を冷蔵庫へしまう手伝いなど、ちょっとしたサポートにより在宅生活の助けになると、毎日利用している方もおられると伺いました。
厚生労働省は二〇一九年度、認知症の本人やその家族を支える認知症サポーターをマッチングする仮称オレンジリング事業を開始すると発表しました。この事業は、両者を仲介する橋渡し役となるコーディネーターの活動費などを補助し、認知症の人が変わらず日常生活を送ったり社会参加できるよう、サポーターによる支援活動の強化を目指すもので、大変期待されます。
ここで二点質問します。
一点目は、区は三者連携において地域で支え合う仕組みづくりを推進していますが、認知症支援のマッチングにおいては課題が多く、実施が困難な現状があります。
区が掲げている認知症の人の在宅生活を可能にするために、二〇二〇年に在宅生活サポートセンターが開設されますが、現状を打開するために、区はどのようにお考えか。在宅生活サポートセンターが司令塔となり、地域住民のみならず、NPO法人等も含め、地域の多様な地域資源を生かした仕組みづくりを行うべきと考えます。区の見解を伺います。
二点目に、認知症の人の在宅生活を可能にするための方策の一つとして、適切な養成後の認知症サポーターが支援の活動に参画できるよう活躍の場づくりが必要と考えます。国の認知症サポーターのマッチング事業の動向も視野に入れ検討すべきと考えます。区の見解を伺います。
最後に、都市農地を守るまちづくりの推進について質問します。
都市農地は、新鮮で安全な農作物の供給、災害時の防災空間の確保、心安らぐ緑地空間の創出など、潤いや安心感など、周辺住民の暮らしにとって多くの利点をもたらしています。
防災についても、災害発生時や火災時において、農地が一時的な避難所、避難場所になることの期待は大きく、災害時協力協定などの防災への貢献について、周辺住民へ周知することがさらなる農地保全への理解促進につながると考えます。
区が区内二つのJAと結んでいる災害時における生産緑地の活用と協力に関する協定は、平成十二年に締結以来、既に十八年が経過しています。この間、東日本大震災、熊本地震、本年も北海道胆振東部地震を初め記録的豪雨など、全国で多くの自然災害に見舞われました。いざという災害時に区民の命を守るためにこの協定が最大限に生かせるよう、改めて精査と区民への周知の必要があると考えます。
ここで二点質問いたします。
まず一点目は、災害時協力協定の内容にオープンスペースの活用や生鮮食品の調達の協力が挙げられていますが、十八年の経過の中で、所有者の世代交代やさまざまな時代の変化があります。農業者の方からは、仮設住宅を建てられてしまうのではないか、そのままずっと居続けられてしまうのではないか等の不安の声があると聞いています。その一方で、住民の命を守るための農地への一時的な避難は重要として、周辺住民へ災害時協力農地のPR強化を求めています。時代に即した具体的な項目としてバージョンアップすることを求めます。区の見解を伺います。
二点目は、都市農地貸借法が制定され、今月より生産緑地の貸借が行える新たな仕組みがスタートしました。都市農地の借り手が耕作の事業に関する計画の認定要件の例として、防災協力農地として協定の締結が挙げられています。初めて生産緑地の指定が行われてから三十年が経過する二〇二二年問題が迫る中、貸借が行えるこの新たな仕組みを積極的に周知するとともに、災害時協力協定の協力を呼びかけ、地域防災の向上を促進すべきと考えます。区の見解をお聞きいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎工藤 教育政策部長 私からは、二点御答弁を申し上げます。
まず一点目、中学校の卒業までに必要な性知識を学ぶ機会が重要と考えるが、区の認識をという御質問です。
小中学校の性教育は、学習指導要領に基づき、体育、保健体育などの各教科や特別の教科道徳などの授業を行い、子どもたちが心身の発育、発達の基礎的事項を理解し、互いに尊重し合うことの大切さを学習しております。
中心となる保健学習では、小学校中学年では大人に近づく心と体の成長について、また、中学校では心身機能の発達や感染症予防などについて指導しております。学習指導要領により、中学校までは妊娠の経過は取り扱わず、高等学校において避妊、人工妊娠中絶の内容に触れることが示されております。
また、子どもたちの成長発達の個人差や、保護者、地域の意識の多様性があることから、実態により全員に一斉に教えるべき内容と個別に対応することが望ましい内容を考慮して指導することが重要と考えております。
教育委員会では、世田谷保健所と連携して、助産師を講師に招き、社会や時代の変化に伴い必要とされる内容について、教員が理解することを目的とした夏季研修を実施いたしました。
今後とも教員の専門性を高め、関係機関との連携などにより、子どもたちに適切な判断力や生命尊重の態度を培ってまいります。
続きまして二点目でございます。助産師などの専門家による性知識の学習を全中学校で実施せよ、また、小学校の高学年においても学習機会を取り入れるべきではないかという御質問です。
お話にございました、世田谷保健所と連携しまして、助産師などをゲストティーチャーとして招いて、命と性の健康教育を開催しました。命の大切さや思春期の性に関する心と体について、生徒がより深く学習するために区立中学校で実施しております。平成二十八年度六校、平成二十九年度は七校が実施しておりまして、今年度は四校で実施予定です。また、学校独自に、助産師会に直接委託して実施をしている学校もございます。
教育委員会としましては、助産師等の外部人材を活用し、専門的な知見に基づいた指導をしていただくことにより、性教育を効果的に進める内容とすることが期待できると考えており、今後も世田谷保健所と連携を図りながら、校長会や研修などを通じて、助産師などを活用した授業の周知を進めてまいります。
学習指導要領では、児童の成長が早まっていることから、大人に近づく心と体の変化に関する内容が中学年に移行した経緯がございまして、高学年の学習内容としては心の発達と不安や悩みへの対処が示されております。児童の実態により、高学年での保健学習の際に適切に復習を行うなど、思春期の自身の体について、より理解できるよう指導の工夫を図ってまいります。
以上でございます。
◎花房 生涯学習部長 私からは、家庭での性教育について御答弁申し上げます。
家庭をめぐる社会状況が大きく変化する中で、それぞれの家庭の努力や子どもの心構えなどだけでは解決できない課題がふえております。
教育委員会では、子どもの教育にかかわる家庭、学校、地域社会におけるさまざまな課題について、保護者が互いに知恵を出し合い、学び合う場として家庭教育の充実を図るため、家庭教育学級を開催しているところでございます。この事業は、区立幼稚園、こども園、小中学校のPTAに対して委託する形で、各園、各校で年間三回程度実施しております。
お話しの性教育につきましては、今年度の家庭教育学級では二つの小学校で性教育に関するテーマで実施を予定しており、昨年度の実績では三つの小学校と一つの学び舎で取り上げております。また、家庭教育学級以外では、各小中学校で行われておりますPTA研修会において、二十九年度は小学校一校、中学校五校において性教育に関するテーマで実施いただいております。
今後は、家庭教育学級において性教育に関する学習の機会を拡充するなど、保護者、地域、学校が連携いたしまして、子どもたちの健全な成長に向けた取り組みに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、認知症の在宅サポートの拡充について、二点御答弁いたします。
初めに、認知症サポーターの活躍の場についてです。
認知症高齢者が年々増加する中、消費者被害や孤立死、自然災害などから認知症高齢者を守るためには、地域住民が相互に支え合い見守ることができる仕組みづくりが大変重要と認識しております。
区では、平成十八年度から認知症サポーター養成講座を実施し、これまでに累計約二万八千人の方がサポーターとなっております。また、認知症に関する見守りや支え合いの実践者の育成を目指して、平成二十三年度から認知症サポーターステップアップ講座を実施し、これまでに約二百名の方が受講されております。認知症サポーターステップアップ講座の修了生に対して、認知症施策の理解を深めるため、認知症ケアパスの周知や認知症カフェのボランティア募集の案内などを行ってまいりましたが、今年度は現在の活動に関するアンケート調査を行い、認知症サポーターの活躍の場について検討を進めてまいります。
今後も引き続き認知症サポーターの力をいただきながら、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりに取り組んでまいります。
次に、認知症在宅生活サポートセンターについてです。
認知症の方の在宅生活継続を支援するためには、認知症の方や御家族への適切な医療やケアの提供など総合的な支援が不可欠です。認知症の方や御家族の個別支援はあんしんすこやかセンターやケアマネジャーなどが中心になって取り組んでおります。
認知症在宅生活サポート室では、早期対応や、医療関係者、あんしんすこやかセンター、介護サービス事業所との連携、区民ボランティア等の育成、認知症ケアに関する全区的なネットワークづくりなどの役割を担っております。
認知症在宅生活サポート室の機能を拡充し、平成三十二年度に開設する認知症在宅生活サポートセンターでは、世田谷区の認知症ケアの拠点として、認知症の方や御家族のニーズを広く把握するとともに、関係機関と連携しながら、早期対応や在宅生活継続のための支援に取り組み、住民同士が支え合う地域づくりなど、総合的な認知症施策の推進に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎久末 経済産業部長 私からは、都市農地を守るまちづくりの推進について、二点御答弁申し上げます。
初めに、農地防災協定の見直しについてです。
区は、平成十二年一月に区内二つのJAと災害時における生産緑地の活用と協力に関する協定を締結いたしました。この協定は、災害時に生産緑地のあっせんや必要な農作物の供給についてJAと定めたものであり、JAは、組合員のうち協力していただける方の生産緑地等を区にあっせんし、災害時の復興事業に役立てることを目的としております。
具体的な内容といたしましては、災害の発生時に、JAに生鮮食料品の提供を初め、応急仮設住宅の建設用地、復旧資機材置き場や災害時のオープンスペースとして活用する農地を提供いただける農業者のあっせんを依頼し、御紹介いただいた農業者と金銭保証や使用料の支払いについて取り決めるということになっております。また、区の地域防災計画にも位置づけられております。
既に協定締結から十八年が経過しており、その間、大きな地震等の災害が発生していることもありますので、この協定についても検証する必要もあると考えております。引き続きJAを初めとした関係所管と連携し、意見交換しながら適切に対応してまいります。
次に、生産緑地貸借時の指定要件として、防災協力農地の協定の推進についてでございます。
都市農地の貸借の円滑化に関する法律は生産緑地の貸借を可能とした制度であり、ことし九月に施行されました。この制度は、貸借して営農する場合に提出された計画を区が認定することになっており、その認定要件では、都市農業の機能の発揮に特に資する項目のうち、いずれかに該当することになっております。その一つとして、災害発生時の防災協力農地として、区や農業協同組合等と協定を結ぶことなどが挙げられております。
区といたしましては、現在、区とJAとの間で協定を締結していることから、生産緑地の貸借の相談や申請があった場合には、申請者に対し防災協力農地としてJAに協力していただくようお願いしてまいります。
以上でございます。
◆十七番(河村みどり 議員) ありがとうございました。続きは決算特別委員会で質疑させていただきます。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で河村みどり議員の質問は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時十八分休憩
──────────────────
午後三時四十五分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
────────────────────
○三井みほこ 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。
────────────────────
○三井みほこ 議長 一般質問を続けます。
四十八番諸星養一議員。
〔四十八番諸星養一議員登壇〕(拍手)
◆四十八番(諸星養一 議員) 質問通告に従い、初めに、SDGsについて取り上げます。
昨年の決特委でも質問しましたが、今回は、二〇三〇年に向け、SDGsを広く区民に周知、区民とともに積極的に取り組んでいくべきとの観点からお尋ねいたします。
まず、SDGsの掲げる十七のゴールと百六十九のターゲットに関し、世田谷区としてどう取り組んでおられるのか、まず現状について概括的にお答えいただければと存じます。
SDGsは、グローバルなレベルでのSDGs、日本としての実施指針と八つの優先課題、そして世田谷区自治体としての取り組み、その一として、義務的、包括的取り組みとして推進するSDGs。その二として、自主的、選択的取り組みとして、固有の条件を踏まえ推進するSDGsと大きく三層に分かれ、それぞれ実効性あるプログラムが求められます。
そこで、設問の第二ですが、アクションプログラムその一として、自治体の最上位計画である総合計画とSDGsの取り組みをリンクさせる、その二として、個別戦略、計画にSDGsの要素を盛り込む、その三として、既存の計画に捉われず、SDGsの概念を組み込んだ個別の戦略や計画を練ることが挙げられますが、区として、二〇三〇年へ向けどう戦略を描こうとしているのか具体的にお示しをいただきたい。
この項の最後の設問です。
SDGsがマスコミに取り上げられない日はないでありましょう。つい最近も朝日新聞の連載で、経済界のリーダー十人の方々がSDGsで世界を変えていくとの思いを語っておられました。
その中で、経団連の中西宏明会長は、経団連の会員企業に遵守を呼びかけている企業行動勲章を昨年十一月、七年ぶりに改定した。その精神の柱に据えたのがSDGsです。イノベーションを通じ、持続可能な成長と社会的課題の解決を図ることを明記し、全ての人々の人権を尊重する経営を行うとの文言を入れたとあります。また、経済同友会の小林喜光代表幹事は、昨秋、SDGsのあり方を考える委員会を同友会に設置した。産業界全体でSDGsに取り組んでいかなければなりませんとまで断言をしています。
このように産業界のトップの方々がSDGsの取り組みを標榜されている時代にあって、特に経済・社会・環境政策の統合と新しい価値の創出へ、その視点が自治体の取り組みにおいても必須ではないか、そう強く感じてなりません。この点について、区の認識をお尋ねいたします。
次に、自転車保険の加入を義務づける条例の制定についてお伺いいたします。
設問に入る前に、桜新町自転車駐車場が拡張され、去る九月一日より開設されたことに、何より区の御努力に敬意を表するものであります。
本題に入ります。まず、自転車保険の加入についてです。我が党の平塚議員の後押しもあり、世田谷区として年間保険料千四百円で区民交通傷害保険に自転車賠償責任プランを追加でき、賠償金額は一億円まで補償という保険が今年度から始まり、六千八百五十一名の方が加入されました。私も加入をさせていただきました。一歩も二歩も前進と受けとめています。まず、このことに関し、区の評価をお尋ねいたします。
言うまでもなく、自転車と歩行者の事故で高額賠償請求事例が相次ぐ中、自転車保険への加入を義務づける自治体がふえています。努力義務も含めると、二〇一四年以降、十五都道府県、四政令市で条例が制定されています。一番直近の政令市は相模原市であり、市は加入義務化を知らせるパンフレット二十五万部を自治会や全小中学校などに配布するなど周知徹底を図っています。
市が加入義務化に踏み切った背景は自転車事故の多さであります。二〇一六年に起きた神奈川県内の交通事故における自転車事故の割合は、県平均が約二〇%だったのに対し、相模原市は三〇%を上回ったとのことです。
事故件数については世田谷区も同様であり、区内の交通事故件数と自転車事故件数が依然として都内ワーストワンであり、自転車関与率が全国平均の二倍であるという現実を直視しなければなりません。
二〇一五年十月、全国で初めて保険加入を義務化した兵庫県は、保険料を含め年間千円から加入できることから、現在、加入者は十万人近くになっているとのことです。京都市は昨年五月から自転車保険の種類や条例の内容などについて相談できる、きょうと自転車保険専用コールセンターまで設置をしています。
こうした自治体の義務化の動きを踏まえ、政府もことし六月に発表した自転車活用推進法に基づく推進計画の中で、法律による保険加入の義務づけについて検討を進める方針を明記いたしました。ちなみに、東京都も自転車条例の中に努力義務として記されていますが、これまで挙げた自治体の姿勢に比べるとトーンが弱いことは否めません。
それはともかく、我が世田谷区は人口九十万人を超え、人口規模からいえば、まさに政令市を超えています。自転車保険加入を義務づける条例の制定にこそ、今こそ取り組むべきであると強く訴えるものです。お答えをいただきたい。
最後に、ランドセル重量への配慮についてお尋ねいたします。
小中学生が通学するときの荷物の重さを懸念する声が出る中、文部科学省は去る九月六日、全国の教育委員会に対し、重量などに配慮するよう求める通知を出しました。
この件は、さきの通常国会において、我が党の佐々木さやか参議院議員が文教科学委員会の質疑でランドセル問題を取り上げ、林文科相に対応策を求めたばかりであります。
昨年の十一月にさかのぼりますが、大正大学の白土健教授、なお、白土先生は世田谷区在住でいらっしゃいますが、世田谷区の小学校一年生から三年生の児童二十人のランドセルの重さを調査されました。結果は、最高で九・七キロ、最も軽くても五・七キロある。平均は約七・七キロ。中には重いランドセルのほかに三・六キロのサブバッグを手にする私立小学校二年生の女子もいたとのことです。
重さが増した理由として、二〇一一年度からの学習指導要領改訂、いわゆるゆとり教育の見直し後に教科書のページ数がふえ、さらに大型化したことが挙げられます。国語、社会、算数、理科の平均ページ数は、ゆとり教育時代の二〇〇二年度と脱ゆとり後の二〇一五年度を比較し約三五%もふえており、ビジュアル化が進んだことで紙質も向上、重量もふえたとのことです。
今回の調査で最も重かった九・七キロのランドセルを背負っていたのは小学一年生の女子でした。この学年の女子平均体重は二十・八キロ、体重の半分の重さを背負っていることになります。小学生の時期は全体を通して筋肉、骨格は未成熟、不安定であり、背負う荷物の重さにも配慮が必要となります。
このような状況を背景として、佐々木議員は、白土教授の調査を引用しつつ、宿題に使わない教科書等を学校に置いて帰る、いわゆる置き勉など、子どもたちの荷物を軽くする工夫を文科省に求めたところであります。それが今般の文科省通知につながったものと考えます。文科省の担当者は置き勉を一律に推奨するわけではないが、子どもや地域の実態を考慮し、各学校で知恵を出してほしいと話をしています。
そこで、設問の第一です。まず、この通知を受けて、教育委員会としての考え方をお示しいただきたい。
具体的にお聞きいたします。置き勉をするには教科書等をおさめるロッカーを確保しなければなりません。紛失、盗難等を防ぐため、鍵のかかるスペースが必要になります。しかし、学校によってはそのスペースがないのが現実ではないでしょうか。
保護者の方からも、教室の後ろに一人ずつ開架式のロッカーはある。しかし、そこは主にランドセル置き場となっており、すき間に無理やり絵の具や算数セットを入れているような状況だ。それでも足りず、廊下のフックに上履きや体育館履きの袋をつるして荷物を置いています。置き勉の許可の通知がされても、教室にはもうスペースがない。ロッカーを新設しようにも、学校にだって場所はないですよと厳しい意見もいただいております。
しかし、ランドセル問題は、子どもたちの健康を守るために何より最重要のテーマであります。明確な方向性をお示しいただきたい。
政府が導入を考えている教科書のデジタル化が進展すれば、ランドセル重量の問題はその解決が見えてまいります。このデジタル化についてメリット、デメリットをしっかり押さえた上で導入を進めるべきと考えます。これら置き勉、デジタル化についてのお考えをお示し願います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 諸星議員にお答えをいたします。
SDGsについて、区の取り組み、認識について問われました。一昨日からの本会議で、私も招集挨拶で触れましたし、また、各会派、議員の皆さんから、この間の気象異変、直近では台風、水害をもたらした豪雨、あるいは雷雨、異常高温、また、冬の時期は厳寒ですね、寒過ぎる、寒波、あらゆることが極端になっているんですね、その中間がない。どうもそれが時々あるのが異常気象だったんですが、常態化していると。我々の意識もそろそろ根本的に変えなければいけないという内容を、このSDGs、二〇三〇年の十七のゴール、そして百六十九のターゲットを明確に示しているものと思います。
その中で自治体が果たしていく役割は大変大きいものと考えておりまして、民間においても、経団連が企業行動憲章などを改定し、各上場企業の社長がインタビューに次々と答えるなど、SDGsは確かにどこの会議に行っても話題になるところであります。
区では、男女共同参画の推進や生物多様性の保全、子どもの貧困の解消などさまざまな分野の施策においてSDGsの目標に沿った取り組みを行ってきましたが、とりわけ本年三月に策定いたしました世田谷区地球温暖化対策地域推進計画では、SDGsのマークもつけながら、SDGsとは何かというページも設けてこの計画をまとめたところであります。
ただ、SDGsを区民に周知すべきというところで言うと、まさにこれからというところだと思います。とりわけ私はSDGsの周知を重点的にしなければならないのは教育の分野だというふうに考えています。招集挨拶でも少し触れましたが、来月、十月二十七日に、区長部局の主催する総合教育会議と、教育委員会が推進する教育推進会議におきまして、SDGsをまさにテーマにして、子どもにどういうふうに伝えていくのか。そしてどのように、二〇三〇年までの目標というのを紙の上ではなくて、実際に私たち共通の目標、地球的な目標として共有できるのかという議論を開始し、速やかに、時間との闘いですから始めていきたいというふうに思います。
議員御指摘の経済・社会・環境政策について、従来二律背反の関係で捉えられることが多かったと。例えば産業の成長と環境というのはある種矛盾しているというような考え方もありましたが、三分野にわたる総合的な取り組みがもたらす相乗効果のメリット、産業界もこのことをもう踏まえてやっていくんだということが、これからのまちづくりで必要だというふうに考えております。
今後におきまして、SDGsが掲げる持続可能な開発は広範な課題であるために、この実施計画後期で重点的に取り組んでいる参加と協働、マッチングの取り組みを一層進めて、区民が安心して暮らせるSDGsを体現していく自治体の経営、区民との関係を構築してまいりたいというふうに思います。
◎岩本 政策経営部長 私からは、SDGsについて、二〇三〇年に向けた戦略について御答弁申し上げます。
SDGsの十七のゴールは環境の側面も多いことから、本年三月に策定した世田谷区地球温暖化対策地域推進計画に、区民や事業者の取り組みとSDGsの各ゴールの関連を具体的に示し、地域における地球温暖化対策の取り組みがSDGsの達成にもつながるものであることを案内しております。
自治体がSDGsを推進するためには、地域の実態を把握し、二〇三〇年のあるべき姿を描くことが必要です。SDGsを実現していくための方法として、区の最上位計画とSDGsの取り組みをリンクさせる、個別の戦略や計画に盛り込む、独自にSDGsの取り組み計画を練ると御紹介をいただきましたが、既に策定されている計画等との関連性を踏まえ、いかにマッチングしていくかが問われていると考えております。
現在、男女共同参画の推進、生物多様性の保全、子どもの貧困など、各種施策においてSDGsの目標に沿った取り組みを行っておりますが、御提案も踏まえ、今後、次期実施計画を初め、各種計画策定の際には調整を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎五十嵐 土木部長 桜新町自転車等駐車場の拡張に対しまして高い評価をいただき、まことにありがとうございます。
私からは、自転車保険の加入を義務づける条例につきまして、二点の御質問にお答えいたします。
まず、今年度実施した区民交通傷害保険に対する区の評価についてでございます。
区では、区民交通傷害保険を本年七月から実施するに当たり、議会での御指摘も踏まえ、「区のおしらせ」やホームページなどのほか、区内小中学校、幼稚園、保育園などにPRチラシを配付し、また、町会に回覧するなど周知に努めてまいりました。
その結果、自転車保険への社会の関心の高まりもあり、新聞やテレビでも取り上げられるなど注目を集めることができました。多くの区民に対し自転車保険加入の必要性、重要性について、また、自転車の安全利用や交通安全について意識を高めていただくことができたと考えております。申込者の九割以上が自転車賠償保険つきのコースを選択されていることで、今回の保険実施の狙いが確実に受けとめられていると感じております。
次に、条例の制定についてです。条例による自転車保険加入の義務づけにつきましては、努力義務としている自治体を含め、現在、十五都府県と四政令指定都市で実施しております。保険加入の義務化、努力義務化に当たっては、自転車利用者ばかりでなく、雇用主や自転車販売店などにも責務があるため、理解と協力が必要不可欠となります。
条例による義務化を最初に実施した兵庫県では、あわせて県独自の自転車賠償保険を開始し、これにより、自転車利用者の保険加入率は実施前の三割から六割に向上いたしました。その一方で、条例による義務化の課題として、保険加入の有無を把握することが難しいため、罰則を適用できないことがございます。
区では、今年度の区民意識調査で自転車利用者に対し自転車賠償保険つきの自転車保険への加入状況を確認したところ、約五〇%の結果を得ました。これに加え、区では区民交通傷害保険を実施し、約七千名の方に新たに御加入いただいております。
こうしたことから、当面は保険加入率の推移を注視しつつ、自転車保険加入の必要性を全国交通安全運動などあらゆる機会を捉えPRし、区民の自転車保険加入を促進してまいります。
以上です。
◎工藤 教育政策部長 私からは、二点で御答弁をさせていただきます。
まず一点目、ランドセルの重量への配慮についてということで、国の通知の検討をどのように進めていくのかということでございます。
文部科学省から平成三十年九月六日付にて児童生徒の携行品に係る配慮についてという通知文が発出されております。その中では、教科書やその他の学用品の重さや量について配慮が必要であること、各学校における工夫例などが示されております。
区内小学校におきましても、この通知の例にございますように、水彩道具や鍵盤ハーモニカなど専科の学習用具や教科書は各学期の初めに持参し、学期の終わりまで置いておくなど、重くかさばる物の一部は毎回持ち帰らずに済むような指導をしております。一方、教科書、ノートの学習記録を見ながらその日の復習や予習などを行う家庭学習は、学習内容の理解や学習習慣の定着から重要と考えております。
教育委員会では、子どもの安全面や体の負担などを踏まえ、各学年の発達段階や個別の状況などを考慮し、きめ細かな対応ができるよう、校長会とも取り組んでまいります。
続きまして、いわゆる置き勉を進めるとしても、ロッカーの確保ができるところとできない学校があるのではないかということ、あわせましてデジタル教科書についてはどう考えるかという御質問について御答弁させていただきます。
現状は、小中学校においてランドセルやかばんなどを入れる収納棚が教室内にあり、児童生徒が下校の際に一部の教科書を置いて帰宅することはできますが、ノートなども含めて置いておく棚などのスペース確保は難しいと認識しております。また、盗難やいたずら防止の面からしますと、扉の設置や施錠ができる状態ではないので、仮に学習用具を置くとしても環境を整備する必要があり、小学校低学年の子どもたちにとってはその扱いが難しい場合も考えられます。
一方、デジタル教科書につきましては、学校教育法が改正され、平成三十一年度からは正式な教科書として使用することが可能になりました。ただ、現状では、デジタル教科書は有償であること、全ての子どもたちが持つ端末を用意する必要があることなど課題がございます。
教育委員会といたしましては、国や東京都の動向を注視し、デジタル教科書を含めましてデジタル教材の活用については、教育総合センターにおける重要なテーマとして検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆四十八番(諸星養一 議員) 置き勉については、少しまた後で議論をしていきたいなと思います。
一点、区長にもしお答えいただければ、自転車保険の加入を義務づける条例、最終的には区長の御判断ではないかなという御決断があればと思いますので、もしお答えがあればいただきたいと思います。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 諸星議員の再質問にお答えをいたします。
この条例の義務化についてでございます。自転車保険の義務づけにつきましては、本区で自転車による交通事故が約四割と非常に高いこと、また、加害者となる事故では多額の損害賠償が請求されるケースがあること、また、御質問で紹介いただきましたが、政令指定都市、神戸市や相模原市でもう既にそういった義務化ということで図られていること。
政令市以上だと言われましたこの世田谷区九十万人の中で七千人の方が、初年度、区民交通傷害保険に加わっていただいた。現在、初年度ですので、部長が答弁いたしましたが、意義を十分受けとめながらも、一定の自転車店だ、あるいは雇用主だ、こういったところの理解等を進めるということもあわせて進めて、この条例化の可能性について前向きに検討させていただきたいと思います。
◆四十八番(諸星養一 議員) 以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で諸星養一議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、七番上川あや議員。
〔七番上川あや議員登壇〕(拍手)
◆七番(上川あや 議員) 初めに、性的マイノリティー、LGBT支援について伺います。
本年四月、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例が施行されました。同条例第八条の基本的施策で区は、一項四号で性別等の違いに応じた心及び身体の健康支援を、同五号で性的マイノリティーの性等の多様な性に対する理解の促進及び性の多様性に起因する日常生活の支援を掲げ、各所管部を挙げ、総合的に性的マイノリティー支援に取り組む根拠条例ができました。
このことにより、二〇一五年度より始まったパートナーシップ宣誓制度も、同条例第八条一項五号に基づく日常生活支援制度へと格上げされました。
課題の第一は、同条例に基づき実施されるパートナーシップ宣誓制度のブラッシュアップです。まず、パートナーシップを認める範囲を現行どおり同性カップルに限るべきなのかどうか、再検討が望まれます。
区が同制度の検討を本格化させたきっかけは、二〇一五年三月に区民の同性カップルら十六名が区長を直接訪ね、要望書を手渡したことでした。その要望書のタイトルは、同性カップルを含むパートナーシップの公的承認に関する要望書というもので、同性カップルのみならず、さまざまな非婚のパートナー、家族があることを踏まえてのものでした。新条例の趣旨に合った再検証を求めます。
また、同制度の開始当初から挙げられてきた改善要望に発行書面のカード化があります。現行のA4判で発行される書面では持ち歩ける証明書とするには難があります。この点、区に再検討を求めてきましたが、時は過ぎ、その実現は後続の札幌市、福岡市、大阪市に先を越されてしまいました。最も早く当事者から要望を聞いてきた当区が後塵を拝したままの状態であることが大変に残念です。改善を求めます。
加えて、審査の手続と発行書面のあり方でも改善が必要です。当区が要綱に基づきパートナーシップの宣誓制度を始めて以降、この方式は世田谷方式と呼ばれ、伊賀市、宝塚市、札幌市、福岡市、大阪市、また先月から中野区へと広がりましたが、後継自治体はいずれも住民票、戸籍謄本等の提出を求め、厳格にその適格性を審査するのに対し、当区は提出書類の設定もなく、当人のお申し出を了とするだけの性善説、これでは、当区の書面を証明書と受けとめる民間サービスがふえる中、悪用の可能性も拭い切れません。また、他の自治体ではいずれも当区の交付書面にはない公印の印刷があり、見る側に信用を与える力、与信力も一段と高いものとなっております。
当区も条例に基づく制度としてその信用性と使い勝手を高めるよう求めます。あわせて区長の見解を問います。
次に、同条例第十一条に基づく被害者救済の苦情処理制度がいまだ広報されていないことも問題です。
国の男女共同参画社会基本法第十七条に規定された苦情処理制度は、多くの男女共同参画条例に組み込まれておりますが、ホームページ等できちんと広報している自治体とそうでない自治体とがあります。条例に基づく制度を実際区民に役立つものとするには、制度の趣旨、使い方と窓口の広報が重要ですが、当区にはそれがないままです。この点、私からは繰り返し改善を求め、区も改善を検討しているとしておりますが、条例施行から半年がたち、あとどれくらい待てばよいのか、回答を求めます。
次に、当区の同条例と同様に、性的指向、性自認への差別を認めない条例がふえつつあります。文京区条例もこの点、当区と同様の差別禁止条項を持ちますが、区の考えを事業者に説明し理解してもらうという観点から、昨年十月より、区の発注工事契約書の仕様書にも個人情報保護条例、障害者差別解消法などとともに性的マイノリティーの差別禁止を明示し、新聞等でも報じられております。
当区も条例第四条区の責務で「区は、男女共同参画・多文化共生施策の実施に当たっては、区民及び事業者の協力を得る」と定め、第六条事業者の責務の一項で、事業者は、その事業活動及び事業所の運営において、男女共同参画社会及び多文化共生社会の形成に向けた必要な措置を講ずるよう努めなければならないとし、また、第二項で「区が実施する男女共同参画・多文化共生施策に協力するよう努めなければならない」とされております。
以上の規定に従えば、本区も文京区同様の周知が求められると考えますが、いかがか、区の見解を問います。
次に、性的マイノリティー支援を支える福祉人材について問います。
おととし九月の決算質疑で本課題を取り上げました。性的マイノリティーには、同性同士、家族として暮らしたり、ホルモン投与や外科手術を経たトランスジェンダーが多いなど、非典型的な家族、身体状況があるために、差別を恐れれば医療や介護も遠ざけてしまいがちです。
そこで、区の福祉人材育成・研修センターの研修を要望し、区からも、介護、福祉の現場でもLGBTを初めとした多様性を尊重し、LGBTについても正しい知識と理解を持って、利用者やその家族の支援に当たることは人権擁護の視点からも欠かせないと、極めて前向きな御答弁をいただきました。
しかし、その後の取り組みはといいますと、同センターの各種講座で東京都発行の三つ折りカラーリーフレットのモノクロのコピーを配っているだけです。これではLGBTの介護にどういう困難があるのか、支援で留意するべきポイントは何か等、全くわかりません。
この課題でも、世田谷区が具体的な研修を進められぬ間に、文京区が九月三日、同テーマで介護職員向け研修会を開催し、全国でも珍しい先進的事例として報道されております。
世田谷区は、真っ先に議会で指摘を受け、真っ先によい答弁を返しながら、またしても先を越された格好です。改めてきちんと実のある研修会を開くよう求めます。いつ実現できるのでしょうか、回答を求めます。
このテーマの最後に、災害見舞金を取り上げます。
同見舞金は、世田谷区災害見舞金支給要綱に基づき実施されてきた区独自の制度で、区内における火災、風水害等により被害を受けた世帯に見舞金を支給することで、区民の福祉に資することを目的としております。
火災における全焼、風水害による全壊、または流失時の見舞金は、単身世帯か否かでその額が変わり、死亡者が出た場合、残された世帯には九万円が支払われます。この適用範囲に同居する同性パートナーが入るか否かを区に問いますと、入るという回答です。ならば、ぜひこの本会議で公式に答弁としていただければと思います。また、要綱集を開かなければ内容のわからない、こうした制度を同性パートナーにも適用されることも含め、ぜひ広報していただくよう求めます。答弁を求めます。
最後に、テーマを変えまして、改築後の本庁舎の屋上庭園を光害の少ない、星の見やすい屋上庭園にできないか、提案をいたします。
教育センタープラネタリウムで開かれる天体観望会は、プラネタリウムの当日の星を見学した後、実際に屋外で星を観察するイベントですが、毎回、百四十名の定員を超える大人気のイベントとなっています。この点からも、環境さえ整えば星を楽しみたい区民は多いとわかります。
今では都会の世田谷区ですが、同プラネタリウムの解説員の方によれば、意外や都心部に比べ星の観察条件はよいそうです。もともと肉眼で見える星は一等星から六等星までですが、世田谷区では通常三等星までは見え、条件がそろえば四等星でも見えるときがあるそうです。その条件を整える一番の鍵は、人工の光が直接目に入らないようにすることだそうです。
ふだん東京で星が見えないと感じるのは、町の明かりが空を明るくする上に、町の光が直接目に入り、瞳孔が絞られているためであり、この条件を変えれば星はぐっと身近に感じられ、楽しめるようになります。
この余分な光、光害を避ける上で、本庁舎周辺は周囲より一段高く、好立地です。現状でも五階の区議会の控室からはそれ以上に高い建物が周囲になく、屋上庭園の安全な園路整備と調光次第では、芝生に寝転がりながら星を楽しめる夢のある庭園整備も十分に可能です。
その上で、来週も起こる十五夜、夏の七夕、年に十回は来るという流星群の夜などに開放できれば、子どもたちに、にせものではない、本物の星空を取り戻すことができ、格好の環境教育の場にもなると考え、提案をいたします。区の見解を問います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 上川議員にお答えをします。
パートナーシップ制度のさらなる改善をという御指摘でございます。
平成二十七年十一月に世田谷区と渋谷区が同じ日にスタートいたしました同性パートナーシップ制度は、今や札幌市、福岡市、また大阪市など政令指定都市も含む全国九都市に広がり、さらに拡大をするというふうに聞いております。
世田谷区では、本年九月一日現在、七十八組の宣誓がございました。早い時期に同性パートナーシップ制度を導入した自治体として、他自治体からの問い合わせ、視察、講演の依頼なども多いと聞いております。各自治体がこの制度を始めるに当たって、今御指摘にあるような本人確認の厳格化や受領証のカード化などの工夫を取り入れているという例もあると聞いています。後に続いて制度を動かし始めた自治体の取り組みから学ぶ点も多々あると考えています。先行自治体であったとしても、他自治体がさらにニーズを捉えて工夫し改善したところからは、よき点は取り入れてまいりたいというふうに思います。
私としても、制度開始から三年がたったことを踏まえて、これまでの取り組みに対する課題をまとめ、来年度に向けて、よりよい制度に向けた見直しに着手するよう、担当に指示をいたしました。
今後、当事者の御意見も聞きながら、これまで宣誓された方も、そしてこれから宣誓をされようとしている方にも信用性が高く、また、使い勝手のよい制度となるように検討を進めてまいります。
◎田中 生活文化部長 私からは、二点に御答弁いたします。
初めに、多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例に基づく苦情処理制度のホームページでの広報について御答弁いたします。
区では、同条例の趣旨や内容を、区民、事業者の皆さんに的確に御理解いただき御活用いただけるよう、条例本文、施行規則、条例解説をセットにしたものを用意し、窓口で配付するとともに、区ホームページにも掲載してございます。
御指摘の苦情処理制度について御紹介するホームページは準備中であり、いまだ公開していない状況でございますが、今月中の公開を予定しております。本条例は、苦情処理について規定していることが特徴の一つでございますので、ホームページを初め、今後もわかりやすく周知し、区民の安心につながる制度であることを広報してまいります。
次に、区の発注工事契約書の仕様書に性的マイノリティーへの差別禁止を明記する、文京区同様の取り組みを進めるべきという点に御答弁いたします。
世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例では、事業者の責務として、条例の基本理念を踏まえ、男女共同参画及び多文化共生の理解を深め、事業活動及び事業所運営に努めなければならないことを明記してございます。
このため、世田谷区では条例が施行された今年度、区内事業者に配付されている情報紙などを活用し、条例の周知を積極的に進めているところですが、文京区のように、区の発注契約における仕様書にも条例への理解を求めるという形で、事業者への周知につなげるという手法も有効であると考えます。
今後も条例の趣旨をより多くの事業者に理解していただけるよう、御提案の形も含め、さまざまな手法を検討し取り組んでまいります。
以上でございます。
◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、介護職員向け性的マイノリティー研修について御答弁いたします。
介護の現場において一人一人の人権を尊重し、相談や支援に適切に対応できるようにするため、性的マイノリティーについても正しい知識と理解を持ち、対応力の向上を図ることは不可欠であると認識しております。
区では、昨年度より区主催の介護従事者向け研修などで約二千五百名に都が発行するリーフレットを配布し、性的マイノリティーの正しい理解の醸成に取り組んでまいりました。性的マイノリティーの方を含め、誰もが安心して相談し、サービスを利用できるよう、介護職員が性の多様性、個別性に配慮し対応することが求められます。そのためには具体的に留意すべき点や支援方法などを学ぶ研修の実施が必要と認識しております。
区といたしましては、御利用者、御家族の尊厳を守るため、性的マイノリティーの課題は人権課題と認識し、介護職員のニーズにマッチし、日ごろの業務に役立つ効果的な研修となるよう、内容を検討の上、今年度中の実施を目指してまいります。
以上でございます。
◎工藤 危機管理室長 私からは、災害見舞金の適用範囲とその趣旨について御答弁いたします。
世田谷区災害見舞金につきましては、支給要綱で火災や風水害で被害を受けた世帯に対しまして見舞金を支給することにより、区民の福祉に資するとしており、生活の本拠となっている住居に一定程度以上の被害があった場合、または居住者が死亡した場合に、その世帯に対しまして見舞金を支給しております。
同性パートナーの方についてですが、住居及び生計をともにする世帯員であれば見舞金が支給されます。被害を受けた方への周知につきましては、去る八月二十七日の大雨で被害のあった世帯向けに、区ホームページのトップ画面で罹災証明書や見舞金の支給等につきまして御案内をしているところでございます。
今後、見舞金を含めた支援制度等がよりわかりやすくなるよう周知方法を検討するなど取り組んでまいります。
以上です。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、改築後の庁舎において星の見やすい屋上庭園の提案についてお答えをいたします。
大変夢のある提案をいただきました。本庁舎の整備は、区民交流の大きな方針の一つに掲げており、幅広い区民が訪れ交流することができる場所となる本庁舎等を目指しております。一階に区民交流機能、二階にはリングテラスを囲むように区民が交流するレストランを配置し、十階には見晴らしのよい展望ロビーを設け、広場とともに、さまざまな区民交流ができる庁舎とする計画でございます。
屋上につきましては、みどり三三%を本敷地内で達成するため、緑化をする計画でございますが、区民の憩いの場や職員の休憩の場としても利用されることが望まれ、今後、管理運営などの視点に留意しながら検討していく予定でございます。
御提案の星の見やすい屋上庭園とすることは大変貴重な経験ができる場になると思います。庁舎の屋上として管理運営の課題や整備手法の工夫が必要であると考えますが、周辺の立地条件なども含めまして、その可能性を検討してまいります。
今後、区民交流を促すさまざまな仕掛けを工夫し、区民が本庁舎等の完成を待ち遠しく思っていただけるように努めてまいります。
以上です。
◆七番(上川あや 議員) いずれも具体的に改善が見込める御答弁だと受けとめました。ただ言葉だけじゃだめなんですね。きょうも何回か言いましたけれども、ちゃんと実のあるものに、使いでのあるものに、区民が喜べるものにするためには、さらに工夫が必要ですし、有言実行でぜひお願いいたします。
以上申し上げて、私の質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。
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○三井みほこ 議長 次に、三十番真鍋よしゆき議員。
〔三十番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手)
◆三十番(真鍋よしゆき 議員) ことしになりまして固定資産税が高くなった、上がったという声を耳にします。中には、固定資産税はなぜ上がったのか、何に使われているのかという問い合わせが私にもあります。しかしながら、固定資産税は市町村税でありながら、東京二十三区だけは東京都の税金でありまして、非常に残念なんですけれども、同じく法人の住民税、市町村民税法人分、このことも同じであります。
かつてこの質疑の中で保坂区長が、保坂さん、楽天が世田谷に来てよかったねと言われましたというお話がありました。ほかの首長からすれば、大企業の本社が世田谷に来るということは、法人住民税、市町村民税法人分がそれだけ入る、こういう解釈をされるわけです。
また、固定資産税においても、前にも議会で申し上げましたが、コンパクトシティで大変成功していると言われている富山市、それこそ郊外の住宅を富山市内に移していく、個人の建物の援助もする、大変批判があったそうです。しかしながら、まちづくりをし、コンパクトシティが実現していくと固定資産税がうなぎ登りになって、もうその補助金、助成金を大きく上回って、批判する声は消えたというふうに聞いています。
世田谷区が九十万人口を抱えながら、いまいち元気がないなと思うのは、まちづくりをして固定資産税を上げる、また、産業振興をやって市町村民税法人分を上げる、やった努力が成果として出てくる、この姿がないからじゃないかなと私は思っています。
そういう中で、保坂区長は、いろいろな課題がありますけれども、児童相談所を都から区に移管させようということで今奮闘されています。議会も一生懸命、それこそ東京都により強力なバックアップをもらうために努力をしなければならないと思いますが、この児童相談所の移管、このことによって都区制度改革が前に進む。
そして、前にもこの議会でのやりとりで、区長は行く行くは政令指定都市を目指していきたい、こうおっしゃっておられました。この児童相談所の移管に伴い、都区制度改革がどのように実行されていき、世田谷区が自立した自治体になり、行く行くはどんな形で政令指定都市になるのか、保坂区長はどのような展望をお持ちなのか、改めてお尋ねしたいと思います。
続きまして本庁舎等整備のことでございますが、世田谷の区民会館のことに絞ってお尋ねをしたいと思います。
世田谷の区民会館は、昭和三十四年に建設されておりますので、五十九年になります。これを保存し、改修して使うんだということが、これまでの区のお話であります。
我が自民党は、改修の費用だけではなくて、更地にしてもう一度建て直す、改築の費用も出すべきだという主張をしてまいりました。なぜならば、この改築、また改修等のそれぞれの費用の概算が出なければ比較検討ができない。大変な税金を使う事業でありますので、これは絶対必要だと申し上げてまいりました。
当初、世田谷区はなかなかこれに対して返事をしてくれませんでした。改修の概算を出すというお話でしたが、やはり議会の粘り強い声で、区は九月五日だったと思いますけれども、特別委員会においてその数字を出していただきました。保存をし改修する場合が二十五億六千万円、建てかえる、改築するのが三十一億七千万円、八対十であります。区は八割程度で改修ができるからいいとされていますけれども、例えば一千万円で新築のお宅ができるのと、五十九年たった古いお宅を直して八百万円かけるのと、一体、みんなはどっちを選ぶのかなというのが私は率直な感想のような気がします。何ゆえに八割程度でこれが妥当だと区が思われるのか、改めてお尋ねしたいと思います。
もう一点、改修、保存をとる有力な条件が、保存をし改修した場合は二十カ月、ところが、改築した場合は三十カ月、この十カ月の差が出ています。先般の委員会で、この工夫をして三十カ月を二十カ月にすることはできないんだろうかという質問をしました。区当局のほうはそれは物理的に無理だという答弁でありましたが、それでだめだと言われて、はい、そうですかということでもないような気がします。
そこでお尋ねをしたいのですけれども、この設計を任されている佐藤総合計画に、ぜひともこの点を聞いていただいて、公の場でこの工期の短縮ができないのか回答を求めたいと思います。
続きまして、開発行為のことについてお尋ねをしたいと思います。
先日といいますか先月、区民の方から私のところに連絡がありまして、今、自分のお持ちの土地を活用して建物をつくるんだと。世田谷区に相談に行ったところ、今ならばおたくは開発行為に当たらないけれども、もうしばらくすると開発行為に当たるので、中心から三メートルであるとか何メートルであるとかセットバックをしなければだめですよと言われてびっくりした、こういう話であります。
それで、夏休みも返上して突貫工事で今書類を出す準備をしているけれども、あなたは世田谷の区議会議員なんだ。そして都市整備常任委員会にいると。にもかかわらずこのことを知らないのか、また、そういうことをどうして通したのか、こういうお叱りも受けました。
六月の定例会でそんな条例改正があったかなと思いまして、事務局にもお願いして調べましたら、そんな条例改正はありません。よくよく調べましたら、これは開発行為の審査基準の改定ということでございまして、これまでも区の中の基準を変えるときに一々議会には報告しないということでありますので、別に通常どおりだとは思うんですけれども、このことによってどういう影響が出るのかなと思いました。
例えば一つ生産緑地、生産緑地は今都市計画で決定されておりますので、それらがこの開発行為にこれから当たってくるのかというのを確認しました。開発行為というのは五百平米以上三千平米、それから三千平米以上がまたかかるということですが、区画形質の変更といいます。ですから、区画を変えていく、道路を入れる、これは開発行為に当たるんですけれども、質の変更だけは、世田谷区はこれまで五百平米以上三千平米未満は開発行為に当たらない、こうしてきたわけです。これを今度改定するという中身になったんですね。ですから、そのままの土地を、五百平米以上三千平米以下の土地を、これまでならば何かつくるときに、はい、それで開発には当たりませんよという土地が、これからは当たってくるということになります。
これは農地だけじゃないんですね。雑種地で駐車場をやっていると。雑種地から宅地に変えて何か建物をつくる、これは区画形質の質の変更ですから、これからはこれが開発行為にかかわってくる、こういうことになります。生産緑地の約一割がかかるんじゃないかなと私は地図を見て思いました。また、今言いました雑種地から宅地というのも世田谷区内には数多くあるのではないかなと思います。こういう形で、これは思った以上に影響があるんじゃないかな、こういう気がします。
そこでお尋ねをしたいんですけれども、この開発行為、開発許可の審査基準の改定、これはなぜ行うのかが一点です。それから、この改定を行うことによってどんな影響が起きるのか、どう区は考えておられるのか、これが二点目。三点目、これは今後どういうふうに対応していくのか、このことをお尋ねして、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 真鍋議員にお答えをいたします。
都区制度改革について、政令指定都市を目指す具体的な展望はというお尋ねでございました。
都区制度につきましては、平成十二年の都区制度改革以降、都区のあり方検討委員会などの場を通して、東京都との協議を重ねてまいりました。改正地方自治法の原則によった役割分担の明確化や、この役割分担に基づく安定的な財源配分の確立という極めて根本的な課題が積み残しになり、いわば児童相談所の移管問題がなかなか進まない中、停滞をしてきたというのが率直なところです。
しかしながら、平成二十八年の児童福祉法改正を契機にして、特別区による児童相談所設置について都区の協議が始まりましたし、また、政令指定への手続を現在目前にして、このやりとりを続けているところでございます。
一方、区の人口は十年後には百万人という規模に達し、その後も増加傾向を予測しています。さらなる行政需要の拡大が見込まれ、区政の充実を図りながら持続可能な自治体経営を行うために、今、真鍋議員おっしゃるように産業誘致をして、法人住民税に全く反映をしない。しかも、それぞれの特別区を除く市町村にある権限がまるでない、用途地域の指定権限すらないんだということを首長さんに言うと、それはそれは非常に驚くべきことだという反応が返ってくるぐらいでございます。
以前に言いましたとおり、私の思いは政令指定都市にしていきたいというものであります。これは大場区長時代、大場区長自身が世田谷独立というポスターを出しながら掲げた旗であります。
一方で、その自治法の法の縛り、これを解かなければいけない、それを解くには相当の力が私は必要だと思います。真鍋議員初め、この都区制度の矛盾については、何とか世田谷自立、財政自主権。そして、当たり前のというより、当たり前以上の政令指定都市が持っているその権限、これは必要だという認識は、議員初め賛同する方は多いと思いますけれども、ただ、これは本当にかたいものとして、これからしっかり、それぞれのいろいろな違いはあるけれども、これを乗り越えて、これをかち取っていこう。こういった協働の関係、また課題を洗い出し、そして、議会の皆さんの一致も必要だと思います。課題の掘り下げも、我々もやりたいと思います。そしてまた御報告をしたいと思います。
もう一つは、九十万区民が、それは私たち一人一人が望むところだという声を上げてもらわなければいけないし、少なくとも共感ができる、理解する、ぜひそれでいこう、これも大きな要素かと思います。
その意味で、まず特別区がどういう状態になるのか。固定資産税がまた高くなりましたと私は言われますし、それは東京都へという財調の話はほとんどの方が知りません。新聞記者も知りません。そこを理解してもらい、また、どういう制約があるのかということを区民にも周知しながら、ぜひ議会の皆さんと真摯な議論を始めていきたいと考えております。
◎松村
庁舎整備担当部長 私からは、世田谷区民会館整備につきまして、二点の質問にお答えをします。
まず、区は二十五・六億円をかけ耐震改修、一部改築としているが、三十一・七億円の改築を選ばない理由は何かということです。
区民会館整備につきましては、この間の議会での御意見を踏まえまして、複数の改修案に加え、改築の場合も参考にお示ししながら比較検討してまいりました。その結果、改修によって基本構想で求めていた以上の耐震性能とホール機能の確保ができること、改築の八割程度、約六億円安い費用であること、区民会館の閉鎖期間が短く、全体工期への影響もないことなどから、区といたしましては耐震改修によりまして構造体Ⅰ類相当の耐震性能を確保する案が妥当だと考えているところでございます。
御指摘のコストの面でございますが、今回の改修の概算工事費には、躯体の耐用年数よりも短い設備機器の更新費などが含まれております。一方、改築した場合の概算工事費につきましては、初期建設費のみを示しておりまして、改築した場合も一般的に築三十年程度で設備機器の更新や外壁改修等の大規模な改修費が必要となります。こうしたことから、長期的なライフサイクルコストは同程度になると考えておりますが、当面の財政負担の軽減の観点を踏まえ判断をしたものでございます。
また、区の公共施設等総合管理計画におきましても長寿命化を行う目安として、コストが改築工事費の八割程度で、かつ要求される機能水準を満足する要件を満たす場合に、長寿命化施設として取り組むこととしております。
次に、工事期間の比較検討における改築の場合の三十カ月を工夫して短くできないかという質問でございます。
本庁舎等整備につきましては、同一敷地内において、限られた条件のもと、安全を確保しつつ、円滑に工事を進めることが求められるため、全体工事を三期に分割して施行する計画としております。
今回の区民会館整備の比較検討におきまして、改修の場合は耐震安全性構造体Ⅰ類相当の耐震性能を一般的な耐震改修方法で確保できるため、第一期工事の施行期間として想定しております二十カ月の中で対応は可能と考えております。
一方、改築の場合でございますが、設計者に確認をしたところ、第一期の東一期棟の工事は地下工事と地上工事を同時に行う、いわゆる逆打ち工法の採用によりまして工期の短縮を図る計画であるのに対し、区民会館ホール及び楽屋部分の工事はこの東一期棟の工事と並行して改築工事を行うこととなるため、重機等の施工ヤードの確保が難しいことから、楽屋部分を施工ヤードとして活用し、順次施工することとなること。また、建物が特殊な形状、構造であること。現場施工のコンクリート工事であることなどによりまして、解体工事の工夫などをしても工期短縮には限界があり、区民会館整備の施工期間は三十カ月を要するということでございました。
区といたしましては、設計者が限られた敷地の中で建設重機の配置や資機材の搬出ルートなどの仮設計画を検討した上で、それぞれ工事期間を算出したものであることを確認し、その上で比較検討の判断を行ったものでございます。
今後、区民、議会の御意見を伺いながら、十一月に区民会館整備方針案をお示しし、十二月に方針を策定していく予定でございます。
以上です。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、開発行為の審査基準の改定に関しまして、三点に御答弁申し上げます。
初めに、改定の背景と理由でございます。議員のお話にありましたように、良好な市街地形成を誘導するため、建築物の建築を目的とした道路の新設や切り土、盛り土の造成など、その規模が五百平方メートル以上の場合は許可を必要とする開発許可制度でございます。開発審査基準につきましては、その制度を運用するために定め、必要に応じて改定をしてまいりました。
議員お尋ねの農地や雑種地を宅地にするという質の変更につきましては、国が発出した技術的助言を契機に、本区におきましては、平成二十年度からこれまで対象としていなかった質の変更について、対象面積を三千平方メートル以上の場合に開発許可の対象としたところでございます。
この間、年々農地や雑種地から宅地への転用が進み、道路後退や雨水浸透枡の設置などの基盤が整備されずに市街化が進んでいる状況が見受けられ、生産緑地の一斉指定から三十年を迎える二〇二二年には、さらに宅地化が進んでいくとの予想もある中、良好な市街地の形成を誘導していくため、今般、基準を改定することといたしました。今回の改定については、都市計画法の規定どおり、開発許可を要する質の変更の対象面積を三千平方メートル以上から五百平方メートル以上に引き下げたものでございます。
次に、審査基準の改定に伴う影響についての認識でございます。
質の変更のみであっても、区域面積によっては開発許可が必要となる場合があります。住宅を建築する際は、開発区域に接する道路を中心から三メートル後退する必要がございます。店舗等、住宅以外の建物を建築する際は、道路の反対側から最大一方九メートルまで後退する必要がありますが、農地などの多くが第一種低層住居専用地域に分布することから、住宅以外の建物を建築するケースは少ないものと考えております。
こうした状況におきまして住宅を建築する場合の開発においては、六メートルの道路が整備された区画整理や耕地整理が行われた区域におきましては道路の後退は必要ございません。また、農地などが多く存在する世田谷西部地域については道路拡幅を誘導する地区計画が策定されており、区画の変更を伴うことから、これまでも開発許可の対象となっております。さらに道路の新設を伴う戸建ての住宅を建築する場合も区画の変更となり、開発許可の対象となってございます。
このように、今回、改定の影響を受けないケースもございますが、道路の拡幅が必要となるなど影響を受けるケースも一定程度あるというふうに認識してございます。
最後に、今後の対応でございますが、審査基準の改定につきましては、農地をお持ちの方々やJAへの御説明、窓口、ホームページ等で改定の内容について御案内するなど周知に努めてきたところでございます。
今回改定した審査基準の適用につきましては、今後ともJAと連携を図りながら、より一層丁寧な周知を行うことが必要であるというふうに認識してございまして、十分な周知期間をとり、来年四月より運用していくこととしてございます。
以上です。
◆三十番(真鍋よしゆき 議員) それぞれ答弁をいただきました。
庁舎のことについては、八割程度だから、工期のことはあるんですけれども、八割程度が妥当だと言われても、はい、そうですかと言えるのかどうかって、本当に今でもちょっと私は思います。このことについては、これから住民説明会もあると思いますが、本当に皆さんが納得できるように、私としても決算委員会等で質問等またしていかなきゃならないなと思いました。
あと、都区制度改革、政令指定都市の話ですけれども、大場区長の当時、区を市にするといったら、何かイメージが下がると言われまして、区民の方がいまいちだったんですよ。そうしたら、DCでどうだろうか、ワシントンDCと同じようにねというのを大場啓二さんが言ったのを覚えています。何かみんながそうだなと言えるようなスローガンって大事だなと思っております。これは御一緒に活動していきたいなと思います。
以上で質問を終わります。
○三井みほこ 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、二十一番河野俊弘議員。
〔二十一番河野俊弘議員登壇〕(拍手)
◆二十一番(河野俊弘 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。
初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会におけるボランティアの活用について伺います。
前定例会に引き続き、まず申し上げますが、二回目となる東京大会、競技開催区として、区民の心に深く残る歴史的な大会にするためには、オール世田谷での大会の盛り上げが欠かせません。そして世田谷区はアメリカ選手団のキャンプ地でもあります。オール世田谷での盛り上げが区の課題であることは明白であり、オール世田谷づくりそのものが心に残る区のレガシーになるはずであります。
ここで改めてオール世田谷づくりがレガシーとなることを、区民全体に表明すべきと考えます。区の考えを伺います。
いわゆる縦割りの各所管の役割を超えて、区全体として取り組まなければ、大会の成功はないと初めに申し上げておきます。
そこで、今回は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたボランティアの活用についてですが、今月十二日に東京都及び大会組織委員会よりプレスリリースされた都市ボランティア、大会ボランティアの募集開始の案内を受け、区内で活動していただくボランティアの具体的な取り組みについてお聞きします。
本年九月二十六日より募集開始となる東京二〇二〇大会のボランティアですが、まず、選手村などの大会関係施設における観客サポート及び競技運営やメディアのサポートなど、大会の運営に直接関係する大会ボランティアが八万人、この募集については大会組織委員会が行います。そして、今大会、区が直接かかわるであろう内容の都市ボランティアは、当初三万人ということで、合計十一万人ですが、今回のプレスリリースの内容でこの三万人の内訳が少し明らかになったことがあります。
それは、その三万人のうち、都における募集は二万人、そのほか一万人は東京都観光ボランティア及びラグビーワールドカップで活動されたボランティアの方で、東京二〇二〇大会でも活動していただける方、都内大学からの希望者、そして都内市区町村からの推薦者が五千人程度などとあります。この都内市区町村からの推薦者が五千人程度から読み解くと、恐らくこの五千人のうち、今後、さらに世田谷区における人数の割り当てがその五千人の中から決まっていく、都市ボランティアとして区内で活躍する世田谷区民の方になるのではないかと思われます。競技場を持つ自治体として、地元に精通し、地の利を生かし交通案内などを行う、世田谷区内で活躍していただく都市ボランティアであります。
このことを受け、先日示されたうままちプロジェクト馬事公苑周辺五駅からのアクセスとともに、ボランティアの配置計画について、より具体的な方針を東京都に示していくべきと考えます。
開会まで二年を切った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、機運醸成はもちろんのこと、さらに来年は一年前のプレイベント、プレ大会のイベントも目前に迫り、本番さながらの取り組みが必要であることからも、東京都から今後さらに情報収集を進めるとともに、区から必要な人員数など積極的に伝えていかなくてはならないのは、今回のプレスリリースを見ても明らかであります。
そこで伺います。都市ボランティアの方々が周辺五つの各駅から馬事公苑の誘導につなぐ取り組みについて具体的にどのように考えているのか、区の見解を伺います。
さらには、馬事公苑での競技期間以外にも都市ボランティアの方々の活躍の場があるはずですが、そのさまざまな活用についてどのような方策を考えられるのか伺います。
関連し、あわせて区独自の観光の視点を踏まえたおたがいさまバンクによるボランティアマッチング事業を都市ボランティアの活動と一体的に捉え、今後どのように協力体制を構築し展開していくかが重要であります。区民一人一人に芽生えたボランティアの意識を摘み取ることなく醸成していくことは、競技開催区である自治体の役目であると考えますが、区の見解を伺います。
次に、三軒茶屋の駅周辺のまちづくりについて伺います。
三軒茶屋地区のかなめとも言える三軒茶屋二丁目地区第四工区の再開発準備組合が約三年前の地区の一本化に伴い、地権者の方を中心にまちづくりの検討がさらに本格化し、その中で、区はまちづくり基本方針の策定に向けて、現在、素案を取りまとめたところであります。
しかしながら、一九八一年に三軒茶屋地区市街地再開発基本構想の策定からもう三十七年の時を経ており、言うまでもなく、二丁目地区の再開発は地元住民の長年の願いであります。この地域に住み続け、そして働き続ける区民の生命と財産を守るためにも、行政として支援し、ともに進めていかなければなりません。私も生まれたときからなれ親しみ、ずっと身近な町であります。この再開発をとめることなく、早急に進めるべきであると考えます。
そこでまず、大都市世田谷の中で広域生活・文化拠点として三軒茶屋を位置づけたことで、区全体としてどう取り組むべきか、改めて伺います。
さらに、大都市世田谷として当然あるべき、千人規模で区内に区民が一堂に会することができるような大型施設も必要である、このことも再三申し上げてまいりましたが、宿泊機能も含め、今までにない本来あるべき大都市としての機能を持たせるべきだということです。
九月の速報で、区内の総人口は九十万七千四百九十五人と増加し続けています。都市型の人口構造のお手本とも言えるこの世田谷において当然あるべき姿を追い求め、区としてビジョンを明確に区民に示していかなければなりません。なぜならば、今回のこの三軒茶屋二丁目地区第四工区の再開発しか、大都市世田谷が本来持つべき機能を待たせるのは、区の東の玄関口とも言えるこの三軒茶屋の地区しかないのです。さらに、あえて申すならば、これから発展していく世田谷区にとって最後のチャンスであると認識すべきです。
そして、このビジョンの中で南北を自由に行き来できる空間づくりについても、あらゆる可能性を追求しなければなりません。現在の素案の中で南北を自由に行き来することができる空間の創出について、地下空間の構想を示されていましたが、つなぐ部分を限定することなく、地区全体を空間でつなぐために、地下、地上、空中、あらゆる可能性に着目し基本構想を進めていくべきだと考えます。
例えば地下についても単なる歩行空間ではなく、サブナードや今までにない地下街などを視野に入れるなど、主体となる再開発準備組合からさまざまな意見を取り入れることができるような、区としてビジョンを打ち出すべきと考えますが、区の見解を伺います。
最後に、区における外国人介護人材の受け入れについて伺います。
国として外国人留学生の就労支援として在留資格の対象職種を拡大、期間延長も進めて、外国人労働者が拡大の動きを見せつつありますが、日本に介護人材の不足は、二〇三五年には全体として約八十万人に達すると推定もあります。
その中で、今回は介護人材について、区は介護施設の拡充を進めていくと同時に、深刻な介護人材不足に外国人雇用に向けて積極的な取り組みを示すべきであると考えます。
きのうの新聞で、ミャンマー政府から同国の海外向け人材送り出し企業に対し、介護分野の実習生を日本に派遣することを許可する通知を出されたとされ、実際にミャンマーから日本に介護人材が派遣されれば初めてであり、日本側として二〇一七年十一月、外国人技能実習制度の対象職種に介護を追加して以後、介護人材は既にEPAでインドネシアなどからも受け入れられており、制度は違いますが、実質、これで派遣元の国がふえることになります。
ミャンマーでは人材の送り出し企業が既に日本向けを想定し研修を進めてきたとされ、最大都市のヤンゴンに拠点を置く日系人材紹介会社は二十七人の候補者を育成し、今回の許可を受けて、すぐにも申請手続をすると説明されており、派遣先も確保し、第一陣は年内に派遣される見通しであります。
さらに関連して、目黒区にある日本語学校においても介護専門コースを設けるなど積極的な動きを見せています。
人材の不足は介護の現場に限ったことではありませんが、先進都市世田谷として外国人介護人材の受け入れを進めていき、大きな視点では地域の国際化、理解を進めるにつながる重要な施策であると考えます。
区の見解を伺いまして、以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
◎内田
スポーツ推進部長 私からは、東京二〇二〇大会におけるボランティアの活用につきまして、都市ボランティアの配置並びにオール世田谷づくりでの取り組みでレガシーを残すことにつきまして御答弁申し上げます。
東京二〇二〇大会に向けたボランティアでは、組織委員会が直接大会運営に携わる大会ボランティアをおよそ八万人募集し、また、東京都は交通案内、競技会場の最寄り駅周辺における案内、サポートを行う都市ボランティアをおよそ三万人募集することとしております。
今月二十六日より、大会ボランティア、都市ボランティアともに募集を開始すると発表されました。その中で、都市ボランティアの都内区市町村からの推薦者として約五千人程度が示されましたが、世田谷区からの推薦者の数、具体的な活動場所などは明らかにされておりません。
現在、東京都と組織委員会が示した馬事公苑からの観客利用想定駅である経堂、千歳船橋、桜新町、用賀の四駅に、区といたしましては上町駅を加えた馬事公園周辺五駅からスムーズにアクセスできるように、都市ボランティアの配置を東京都に強く働きかけてまいります。あわせまして、都市ボランティアが馬術競技日以外の日に最寄り駅や会場周辺に配置されることも含めまして情報収集に努めてまいります。
オリンピック・パラリンピックの成功は、ボランティアの活躍にかかっております。区民、事業者、区がオール世田谷で手を携えて、東京二〇二〇大会にボランティアなどの事業に取り組むことにより、大会終了後も地域の資産となるレガシーが残せるものと考えております。
以上でございます。
◎田中 生活文化部長 私からは、東京二〇二〇大会におけるボランティアの活用について、おたがいさまバンクなど区独自のボランティアと都市ボランティアとの一体的な活動推進をという点に御答弁いたします。
東京二〇二〇大会では、区内の各所に観光案内、道案内、通訳などのさまざまなボランティアが必要であると考えており、現在、関係所管と区独自のボランティアの配置場所や内容について検討を進めております。
ボランティアの配置場所は、会場周辺駅に加え、区内の主要な駅を想定しております。会場周辺駅では都の募集する都市ボランティアと連携しつつ、区内各所で多言語対応のせたがや文化マップを配布するなど、大会後も世田谷を訪れてもらえるよう、国内外の方々に区の魅力を発信してまいります。
区が募集するボランティアには、町会・自治会、商店街、区内大学、日赤、NPO、高齢者クラブなどの協力が欠かせません。加えて、国際課が東京都と共催で実施している外国人おもてなし語学ボランティア育成講座の受講者や、産業振興公社の観光ボランティアなどの活用も視野に、より多くの区民の皆様がボランティア活動に参加していただけるような仕組みづくりに、関係所管と連携して取り組んでまいります。
ボランティアの募集に当たっては、区民の方の熱意が着実に活動につながるよう、機を逸することなく取り組んでまいります。
以上でございます。
◎渡辺
都市整備政策部長 私からは、三軒茶屋駅周辺のまちづくりについて、三点に順次御答弁申し上げます。
初めに、広域生活・文化拠点として、区全体としてどう取り組むべきかでございます。
広域生活・文化拠点として位置づけられた三軒茶屋駅周辺地区は、文化や観光の発祥地であるキャロットタワーや、渋谷との近接性、道路交通の集散した拠点であることを生かし、商業、サービス、業務、文化などの機能が充実した拠点を目指しております。
現在、区は、庁内検討委員会、有識者検討委員会などを経て、広域生活・文化拠点である三軒茶屋駅周辺地区のまちづくりビジョンとまちづくりの方向性として、町の魅力の継承や交通結節機能の強化、人を呼び込む新たな魅力の形成などを掲げた、まちづくり基本方針の素案を取りまとめたところでございます。
区といたしましては、本基本方針を策定し、これを踏まえて、地域コミュニティーの継承、都市基盤の強化、産業や観光の振興など、区の東の玄関口として広域生活・文化拠点にふさわしいまちづくりに、庁内関係所管と連携をしつつ積極的に取り組んでまいります。
次に、今までにない本来あるべき都市としての機能を持たせるべきでございます。
今までにないあるべき大都市の機能といたしましては、今般お示しした三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針の素案におきまして、シェアオフィスやコワーキングスペースなど新しい働き方を可能にする機能の導入、地域資源を生かした観光の推進、交流や活動を支える機能の導入などをビジョンとして、まちづくりの方向性を示しております。
議員御指摘の点を踏まえまして、広域生活・文化拠点として三軒茶屋に必要な機能の導入につきましては、官民連携の視点も踏まえまして、個別の誘導方針等にあわせまして今後検討してまいります。
最後に、南北を自由に行き来できる空間づくりです。
御指摘の南北を自由に行き来できる空間づくりにつきましては、今般お示しした三軒茶屋駅周辺のまちづくり基本方針の素案におきまして、地下鉄駅を中心とした歩行者のスムーズな移動、乗りかえの実現、駅直近の建物と駅への動線の連続性の確保、駅周辺に不足している歩行者空間の充実など、まちづくりの方向性としてお示ししております。
今後は、まちづくり基本方針の策定のもと、沿道の建てかえ、公共施設の更新などさまざまな機会を捉えまして、南北の円滑な移動の空間づくりに向け、バスや鉄道などの交通事業者、道路管理者、交通管理者など、関係の方々と連携を図りながら取り組んでまいります。
以上です。
◎瓜生 高齢福祉部長 私からは、介護人材確保策として外国人雇用について御答弁いたします。
今後ますます高まる介護需要に応えるため、サービスの担い手である介護人材の確保、育成、定着は喫緊の課題でございます。
国は、国内人材の確保対策の充実を基本とする一方、経済連携協定EPA制度、技能実習制度、資格を取得した留学生への在留資格の付与制度の三制度により外国人を受け入れ、受け入れ環境整備事業の創設など、外国人介護人材の受け入れ拡充策を実施しております。
複数の特養を運営している区内の特別養護老人ホームでもEPAの制度を活用し、インドネシア、ベトナムから多くの職員を採用している施設が数カ所ございます。先日、その一つの施設を訪問し、運営法人や職員から、言葉の壁や文化の違いに戸惑いもあるが、同じ国の出身者と一緒に働くことや法人の支援体制により、安心して仕事が継続できているなどのお話を伺ってまいりました。
介護人材確保はさまざまな取り組みを行う必要があり、外国人雇用を進めるためには、国や東京都の制度の活用や、外国人が安心して働けるよう、関係所管とも連携するとともに、介護事業者の声もお聞きしながら研究する必要があると考えております。
以上でございます。
◆二十一番(河野俊弘 議員) 三軒茶屋の再開発なんですけれども、申し上げましたが、今やっているこの第四工区しか、今言っていた大都市としての世田谷の機能、先ほど、区長が十年後には百万人になるというふうにおっしゃっていましたけれども、その中で、この東の玄関口とも言える三軒茶屋の地区しかこの可能性ってないと思うんですよね。
私もそこで一点、区長の認識を問いたいんですけれども、これから発展していく世田谷にとって、僕は最後のチャンスだと思っているんです。区長の認識を伺います。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 では、再質問にお答えします。
三軒茶屋は、世田谷区内、どこからどう見ても交通結節点、どこへ行くにも、三軒茶屋というのはちょうど扇のかなめのような位置にあって、それで玄関だと思っております。
それから、八〇年代に、今キャロットタワーが構想されてつくられていこうとするときの文書を読んでみますと、今御質問で語られたような課題も含めて多々記されています。ですから、その地域をよくするというよりも、広域文化拠点ですから、そういう世田谷の玄関としてふさわしいありようということを、もちろん地域の皆さんも一番最初にこのことを議論するべき人たちでありますが、区全体として広域生活・文化拠点にふさわしいまちづくりを、しっかり情報開示しながらやっていくチャンスだろうというふうに思います。
◆二十一番(河野俊弘 議員) しっかりと熱意を持って進めていただきたいと要望いたします。
以上で終わります。
○三井みほこ 議長 以上で河野俊弘議員の質問は終わりました。
これで一般質問は終了いたしました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後五時十二分休憩
──────────────────
午後五時三十分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
ここで日程の追加についてお諮りいたします。
お手元に配付してあります追加日程第一を本日の日程に追加し、ここで議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって本件は本日の日程に追加し、ここで議題とすることに決定いたしました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 これより
△追加日程第一を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
追加日程第一 議案第八十四号 世田谷区手数料条例の一部を改正する条例
○三井みほこ 議長 本件に関し、企画総務委員長の報告を求めます。
〔四十一番上山なおのり議員登壇〕(拍手)
◎企画総務委員長(上山なおのり 議員) ただいま上程になりました議案第八十四号「世田谷区手数料条例の一部を改正する条例」につきまして、企画総務委員会における審査の経過とその結果について御報告いたします。
本件は、建築物の敷地と道路との関係に係る建築認定申請手数料等を定め、あわせて規定の整備を図るため提案されたものであります。
委員会では、今回の条例改正により新たに増額を見込んでいる具体的な申請内容が問われたのに対し、理事者より、国際的な規模の競技大会に使用する仮設興行場等の設置期間延長の特例に関する事前相談が既に一件ある。なお、この場合の申請手数料は十九万五千円であるとの答弁がありました。
その後採決に入りましたところ、議案第八十四号は全員異議なく原案どおり可決と決定いたしました。
以上で企画総務委員会の報告を終わります。(拍手)
○三井みほこ 議長 以上で企画総務委員長の報告は終わりました。
これより採決に入ります。
お諮りいたします。
本件を委員長報告どおり可決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって議案第八十四号は委員長報告どおり可決いたしました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、
△日程第二から第六に至る五件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二 認定第一号 平成二十九年度世田谷区
一般会計歳入歳出決算認定外認定四件
○三井みほこ 議長 本五件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました認定第一号から認定第五号に至る平成二十九年度世田谷区各会計歳入歳出決算につきまして御説明申し上げます。
初めに、決算数値全体につきまして、歳入歳出決算総括から御説明いたします。お手元の決算書の三ページをお開きください。
表の最終行、一般会計と各特別会計を合計いたしました歳入決算額四千八百十五億五千六百二万一千五百三十二円に対しまして、歳出決算額は四千六百九十七億五千四百十八万一千九百九十五円で、歳入歳出差引残額は百十八億百八十三万九千五百三十七円となり、全額を平成三十年度へ繰り越しております。
次に、決算内訳を会計ごとに御説明いたします。
最初に、一般会計から御説明いたします。七ページをお開きください。
歳入決算額は三千二十七億六千七十一万一千百六十四円、歳出決算額は二千九百五十二億七千九百三十九万六百四十六円となっております。歳入歳出差引残額は七十四億八千百三十二万五百十八円となり、平成三十年度へ繰り越しております。
なお、この翌年度への繰越額には繰越明許費及び事故繰越しの財源十四億八千四百二十八万四千円を含んでおります。したがいまして、この翌年度への繰越財源を差し引きました実質収支額は五十九億九千七百三万六千五百十八円となっております。
歳入につきましては、次の八ページから一三ページにわたりまして、それぞれの決算数値を款、項別に記載しております。
一二ページ及び一三ページの歳入合計の行をごらんください。
表の中ほど、収入済額の合計は三千二十七億六千七十一万一千百六十四円で、前年度からの繰越事業費を含めた予算現額に対する収入率としては九七・二%となっております。
続きまして、歳出の説明に移らせていただきます。一四ページから一九ページに、歳入同様、款、項別に決算額を記載しております。
一八ページ及び一九ページの歳出合計の行をごらんください。
表の中ほど、支出済額の合計は二千九百五十二億七千九百三十九万六百四十六円で、前年度からの繰越事業費を含めた予算現額に対する執行率は九四・八%となっております。
続きまして、国民健康保険事業会計について御説明いたします。二三ページをお開きください。
歳入決算額は九百三十五億六千六百三十五万五千八百五十一円で、予算現額に対しまして九六・六%の収入率となっております。
歳出決算額は九百十七億八千六百六万七千六十四円で、予算現額に対する執行率は九四・八%となっております。
歳入歳出差引残額十七億八千二十八万八千七百八十七円は、平成三十年度へ繰り越しております。
続きまして、後期高齢者医療会計について御説明いたします。三五ページをお開きください。
歳入決算額は二百十二億一千百三十万九千六十二円で、予算現額に対しまして一〇〇・一%の収入率となっております。
歳出決算額は二百四億四百二十六万二千八百円で、予算現額に対する執行率は九六・三%となっております。
歳入歳出差引残額八億七百四万六千二百六十二円は、平成三十年度へ繰り越しております。
続きまして、介護保険事業会計について御説明いたします。四三ページをお開きください。
歳入決算額は六百三十三億五千六百七十三万四千七百七円で、予算現額に対しまして九八・七%の収入率となっております。
歳出決算額は六百十六億二千九百七十一万八千五百六十四円で、予算現額に対する執行率は九六・〇%となっております。
歳入歳出差引残額十七億二千七百一万六千百四十三円は、平成三十年度へ繰り越しております。
最後に、学校給食費会計について御説明いたします。五五ページをお開きください。
歳入決算額は六億六千九十一万七百四十八円で、予算現額に対しまして九四・〇%の収入率となっております。
歳出決算額は六億五千四百七十四万二千九百二十一円で、予算現額に対する執行率は九三・一%となっております。
歳入歳出差引残額六百十六万七千八百二十七円は、平成三十年度へ繰り越しております。
以上、五会計の平成二十九年度歳入歳出決算に細目としての各会計歳入歳出決算事項別明細書及び財産に関する調書等の附属資料を添えて提出させていただきました。
何とぞ慎重に御審議いただき、速やかに御認定賜りますようお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
お諮りいたします。
本五件を審査するため、四十七名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって本五件については、四十七名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。
ただいま設置いたしました決算特別委員会の委員の選任につきましては、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から指名いたします。
お諮りいたします。お手元に配付してあります決算特別委員会構成表のとおり指名することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よってただいま指名いたしました各議員を決算特別委員会委員に選任することに決定いたしました。
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決算特別委員会構成表
安部ひろゆき 石川ナオミ おぎのけんじ 加藤たいき
上島よしもり 上山なおのり 河野 俊弘 菅沼つとむ
畠山 晋一 真鍋よしゆき 山口ひろひさ 山内 彰
ゆさ 吉宏 和田ひでとし 板井 斎 岡本のぶ子
河村みどり 佐藤 弘人 高久 則男 高橋 昭彦
津上 仁志 平塚 敬二 諸星 養一 風間ゆたか
中塚さちよ 中村公太朗 羽田 圭二 藤井 まな
江口じゅん子 桜井 稔 たかじょう訓子 中里 光夫
村田 義則 大庭 正明 そのべせいや 田中 優子
桃野よしふみ 阿久津 皇 小泉たま子 佐藤 美樹
高岡じゅん子 田中みち子 あべ 力也 上川 あや
すがややすこ ひうち優子 青空こうじ
──────────────────
○三井みほこ 議長 この際、本議場において決算特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行うため、ここでしばらく休憩いたします。
午後五時四十二分休憩
──────────────────
午後五時五十二分開議
○三井みほこ 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
休憩中に行われました決算特別委員会の正副委員長の互選の結果を事務局長に報告させます。
◎本橋 区議会事務局長 御報告いたします。
決算特別委員会委員長 河野 俊弘議員
同 副委員長 高久 則男議員
同 副委員長 桜井 稔議員
以上でございます。
○三井みほこ 議長 以上で報告を終わります。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、
△日程第七から
△第十二に至る六件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第七 議案第七十八号 平成三十年度世田谷区
一般会計補正予算(第二次)外議案五件
○三井みほこ 議長 本六件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第七十八号より議案第八十三号に至る六件につきまして御説明申し上げます。
まず、議案第七十八号「平成三十年度世田谷区
一般会計補正予算(第二次)」につきまして御説明いたします。平成三十年度補正予算書の三ページをお開きください。
本件は、特殊詐欺被害への緊急対策、大阪北部地震の事故を踏まえたブロック塀等除去などの喫緊の課題への対応や、DV防止対策の強化、中学校特別支援教室導入に伴う環境整備などの状況変化に対応するとともに、今後の財政需要に備えた基金への積み立てを行うため、補正計上するものであります。
この結果、補正後の歳入歳出予算額は、既定予算額に五十五億八千八百六十一万三千円を追加し、三千七十九億四千百五十二万八千円とするものであります。
次に、議案第七十九号「平成三十年度世田谷区
国民健康保険事業会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。一一ページをごらんください。
本件は、国民健康保険事業に関し、前年度からの繰越金や国庫支出金の超過交付分の償還金などを補正計上するものであり、既定予算に十四億二千百三十七万四千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ八百五十八億五千八百二十三万六千円とするものであります。
次に、議案第八十号「平成三十年度世田谷区
後期高齢者医療会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。一七ページをお開きください。
本件は、後期高齢者医療事業に関し、前年度からの繰越金や広域連合への負担金などを補正計上するものであり、既定予算に八億二千三百五十一万七千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ二百十五億三千五百十万六千円とするものであります。
次に、議案第八十一号「平成三十年度世田谷区
介護保険事業会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。二一ページをお開きください。
本件は、介護保険事業に関しまして、前年度からの繰越金や介護給付費準備基金積立金などを補正計上するものであり、既定予算に十七億二千七百一万六千円を追加し、予算総額を歳入歳出それぞれ七百五億九千五百三十九万六千円とするものであります。
次に、議案第八十二号「平成三十年度世田谷区
学校給食費会計補正予算(第一次)」につきまして御説明いたします。二五ページをお開きください。
本件は、学校給食事業に関し、前年度からの繰越金の確定により、歳入予算の財源更正を行うものであります。
次に、議案第八十三号「世田谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、区長等の退職手当の支給率を改定するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第七十八号より議案第八十三号に至る六件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本六件を企画総務委員会に付託いたします。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第十三から
△第十八に至る六件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第十三 議案第八十五号
世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例外議案五件
○三井みほこ 議長 本六件に関し、提案理由の説明を求めます。岡田副区長。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 ただいま上程になりました議案第八十五号より議案第九十号に至る六件につきまして御説明申し上げます。
まず、議案第八十五号「
世田谷区立地区会館条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立奥沢地区会館及び世田谷区立希望丘区民集会所の位置及び施設を変更するとともに、その使用料の額を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第八十六号「世田谷区
出張所設置条例の一部を改正する条例」について御説明いたします。
本件は、世田谷区上町まちづくりセンター及び世田谷区九品仏まちづくりセンターの位置を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第八十七号「
世田谷区立区民会館の指定管理者の指定」、議案第八十八号「
世田谷区立区民センターの指定管理者の指定」、議案第八十九号「
世田谷区立区民会館の指定管理者の指定」、議案第九十号「
世田谷区立区民会館の指定管理者の指定」の四件について御説明いたします。
本四件は、いずれも指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第八十五号より議案第九十号に至る六件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本六件を区民生活委員会に付託いたします。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第十九を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第十九 諮問第二号
人権擁護委員候補者推薦の諮問
○三井みほこ 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。保坂区長。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 諮問第二号「
人権擁護委員候補者推薦の諮問」について御説明をいたします。
本件は、平成三十年十二月三十一日をもって任期満了となります委員七名の後任候補者を、法務大臣に対し推薦する必要があるので、御提案申し上げた次第です。
候補者につきましては、法の趣旨にのっとり、世田谷区法曹会、世田谷区社会福祉協議会、世田谷区保護司会から御推薦いただいたものであります。
慎重に検討いたしました結果、推薦することを適当と認めまして、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づきお諮りするものであります。
よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。
本件は、会議規則第三十八条第三項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。
これより採決に入ります。
お諮りいたします。
本件を諮問どおり答申することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって諮問第二号は諮問どおり答申することに決定いたしました。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第二十から
△第二十五に至る六件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二十 議案第九十一号 世田谷区立保健医療
福祉総合プラザ条例外議案五件
○三井みほこ 議長 本六件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第九十一号より議案第九十六号に至る六件につきまして御説明申し上げます。
まず、議案第九十一号「
世田谷区立保健医療福祉総合プラザ条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立保健医療福祉総合プラザの設置に関し必要な事項を定めるため、条例を制定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第九十二号「
世田谷区立保健センター条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、
世田谷区立保健センターの位置を変更するとともに、運動指導室の使用の手続等について定め、あわせて規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第九十三号「世田谷区発達障害相談・
療育センター条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、児童福祉法及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の改正に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第九十四号「
世田谷区立青少年交流センター条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立希望丘青少年交流センターを設置する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第九十五号「
世田谷区立保育園条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立梅丘保育園及び世田谷区立船橋西保育園を廃止するとともに、世田谷区立大原保育園の名称及び位置並びに世田谷区立豪徳寺保育園及び世田谷区立希望丘保育園の位置を変更する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第九十六号「
世田谷区立保健センターの指定管理者の指定」につきまして御説明いたします。
本件は、
世田谷区立保健センターの指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第九十一号より議案第九十六号に至る六件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本六件を福祉保健委員会に付託いたします。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第二十六から
△第二十八に至る三件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二十六 議案第九十七号 世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例外議案二件
○三井みほこ 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。岡田副区長。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 ただいま上程になりました議案第九十七号及び議案第九十八号、議案第百三号の三件につきまして御説明申し上げます。
まず、議案第九十七号「世田谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、建築基準法の改正に伴い、老人ホーム等の共用の廊下または階段の用に供する部分の床面積を容積率の算定の基礎となる延べ面積から除外するとともに、建築基準法施行令の改正に伴い規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第九十八号「世田谷区営住宅の指定管理者の指定」につきまして御説明申し上げます。
本件は、世田谷区営住宅の指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百三号「
世田谷区営住宅管理条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、生活保護法による保護の基準等の改正に伴い、世田谷区営住宅の使用者の要件に関する経過措置を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第九十七号及び議案第九十八号、議案第一〇三号の三件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本三件を都市整備委員会に付託いたします。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第二十九を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第二十九 議案第九十九号
世田谷区立認定こども園保育料条例の一部を改正する条例
○三井みほこ 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第九十九号「
世田谷区立認定こども園保育料条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立認定こども園における通常の保育時間を超えて行う保育の利用に要する費用を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本件を文教委員会に付託いたします。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第三十及び
△第三十一の二件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第三十 議案第百号
世田谷区立地域体育館・地区体育室条例の一部を改正する条例外議案一件
○三井みほこ 議長 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。
〔宮崎副区長登壇〕
◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第百号及び議案第百一号の二件につきまして御説明申し上げます。
まず、議案第百号「
世田谷区立地域体育館・地区体育室条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立希望丘地域体育館を設置するとともに、規定の整備を図る必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百一号「世田谷区立千歳温水プールの指定管理者の指定」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立千歳温水プールの指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第百号及び議案第百一号の二件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本二件をオリンピック・パラリンピック・環境対策等特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって本二件は、オリンピック・パラリンピック・環境対策等特別委員会に付託することに決定いたしました。
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○三井みほこ 議長 次に、
△日程第三十二から
△第三十四に至る三件を一括上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第三十二 議案第百四号 世田谷区自転車条例の一部を改正する条例外議案二件
○三井みほこ 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。岡田副区長。
〔岡田副区長登壇〕
◎岡田 副区長 ただいま上程になりました議案第百四号及び議案第百二号、議案第百五号の三件につきまして御説明申し上げます。
まず、議案第百四号「世田谷区自転車条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、世田谷区立駒沢第二自転車等駐車場及び世田谷区立千歳船橋西自転車等駐車場を設置するとともに、生活保護法による保護の基準等の改正に伴う利用料金の減免に関する経過措置を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百二号「
世田谷区立自転車等駐車場の指定管理者の指定」につきまして御説明いたします。
本件は、
世田谷区立自転車等駐車場の指定管理者を指定するため、地方自治法第二百四十四条の二第六項の規定に基づき御提案申し上げた次第でございます。
次に、議案第百五号「
世田谷区立レンタサイクルポート条例の一部を改正する条例」につきまして御説明いたします。
本件は、生活保護法による保護の基準等の改正に伴い、利用料金の減免に関する経過措置を定める必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。
以上、議案第百四号及び議案第百二号、議案第百五号の三件につきまして、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○三井みほこ 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本三件を公共交通機関対策等特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三井みほこ 議長 御異議なしと認めます。よって本三件は公共交通機関対策等特別委員会に付託することに決定いたしました。
────────────────────
○三井みほこ 議長 次に、
△日程第三十五を上程いたします。
〔井上次長朗読〕
日程第三十五 請願の付託
○三井みほこ 議長 受理いたしました請願は、請願文書表に掲げましたとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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○三井みほこ 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後六時十五分散会...