芝地区総合支所長・
環境リサイクル支援部長兼務 新 井 樹 夫
芝地区総合支所協働推進課長 中 林 淳 一
麻布地区総合支所協働推進課長 鈴 木 健
赤坂地区総合支所協働推進課長 山 田 吉 和
高輪地区総合支所協働推進課長 鈴 木 雅 紀
芝浦港南地区総合支所協働推進課長 土 井 重 典
土木課長 佐 藤 雅 紀
地域交通課長 海老原 輔
街づくり事業担当部長 坂 本 徹
環境課長 茂 木 英 雄
地球温暖化対策担当課長 大久保 光 正
みなと
リサイクル清掃事務所長 重 富 敦
危機管理・
生活安全担当課長 滑 川 寛 之
学務課長 山 本 隆 司
〇会議に付した事件
1 審議事項
(1) 請 願元第6号
羽田空港増便による都心および港区の
低空飛行ルート計画の撤回を含む再検討を国に求める請願
(元.6.20付託)
(2) 請 願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願
(3) 請 願元第10号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願
(以上元.9.13付託)
(4) 発 案元第7号 交通及び環境整備に関する諸対策について
(元.6.20付託)
午後 2時00分 開会
○委員長(風見利男君) ただいまから、交通・
環境等対策特別委員会を開会いたします。
本日の署名委員は、なかまえ委員、池田委員にお願いいたします。
傍聴者から、撮影・録音の申し出がありました。これを許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) それでは、そのようにさせていただきます。
説明員の出席についてご説明いたします。
本日は、請願審査に関連して、各
地区総合支所協働推進課長及び
滑川危機管理・
生活安全担当課長に出席いただいております。
次に、今定例会の当
委員会担当書記をご紹介いたします。議事係の扇谷雅子さんです。
9月13日に開会された委員長会の報告をいたします。
9月13日の本会議で請願元第9号及び請願元第10号が当委員会に付託され、本日、請願審査を行うことになりました。
なお、平成30年度
決算特別委員会は、9月25日(水)から質疑に入る予定となっております。
以上が委員長会の報告です。よろしくお願いいたします。
日程に入ります前に、本日の運営についてご相談させていただきます。
当委員会に新規で付託されました審議事項(2)、審議事項(3)の2請願につきましては、いずれも請願者から趣旨説明の申し出がありましたので、まずそれぞれの趣旨説明をお受けしたいと思います。その後、日程を変更して、審議事項(2)、審議事項(3)の請願審査を行い、日程を戻しまして、審議事項(1)から順次審査を行いたいと思いますけれども、このような進め方でよろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) では、そのように進めさせていただきます。
付託された請願の写しにつきましては、あらかじめ配付しております。
また、新規の請願について、いずれも請願者より追加資料の提出がありました。席上に配付してありますので、ご確認ください。
また、陳情書が議長宛てに提出され、当
特別委員会に送付されましたので、お手元に配付をしております。ご参照ください。
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○委員長(風見利男君) それでは、審議事項(2)「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」の趣旨説明を受けたいと思います。
本請願については、議長宛てに1名の追加署名がありましたので、ご報告いたします。
それでは、「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」を議題といたします。
請願者の方がお見えになっておりますので、請願の趣旨説明をされる方は前のお席にお越しください。どうぞ、お座りになっていただいて大丈夫です。
それでは、書記に請願文の朗読をしていただきます。
(職員朗読)
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○委員長(風見利男君) それでは、朗読は終わりました。請願の趣旨説明をお願いいたします。
○請願者(黒田英彰君) ただいまから、「羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」に関しまして、趣旨説明させていただきます。
請願者は、井口典昭、それから私、黒田英彰の2名です。本日は、井口が仕事の都合で出席できませんので、私、黒田が代表して説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず最初に、本請願に関しまして、港区議会の定数34名の区議の皆様の中から、紹介議員になっていただいた議員が15名ほどいらっしゃるとお伺いしております。第9号の方の請願ですと14名、この後に説明させていただきます第10号の方ですと15名の方々からご紹介いただきましたと聞いております。この件につきまして、まず最初に御礼申し上げたいと思っております。
特に、本
特別委員会の委員であられる井筒委員をはじめ、自民党、それからみなと政策会議の皆さん、公明党の皆さん、共産党の皆さん、
街づくりミナトの皆さんと、幅広い会派の方々の先生方からご紹介いただいた、このことは私どもからすると非常に心強い、心強く受けとめさせていただいている次第でございます。
また、私が請願者の1人ではあるわけですけれども、請願者自らが、その趣旨説明を議会でできる、このすばらしい議会運営につきまして、これは例えば私が実際に住んでいる渋谷区では絶対にあり得ない制度ではありますけれども、こういう貴重な機会をいただいたことに関しまして、港区議会の皆様全員に対しまして敬意を表させていただく次第でございます。
では、本題の方に移らせていただきます。
私たちは、これまで約2年間、羽田空港の新飛行計画について、主に
パイロット、もしくは航空管制などの視点で、その危険を指摘し続けてきた次第でございます。新飛行計画が実際に運用されるとして、最も懸念されるものは何か、それは氷の落下だと私どもは考えています。着陸態勢に入る飛行機のことを思い浮かべていただきたいのですが、当然のことながら、着陸直前に、直前と言いましても、滑走路の手前大体10キロから15キロぐらいではありますけれども、そこで車輪をおろします。専門用語で言いますと、片仮名で言えば
ギアダウンと申します。一応、
ギアダウンはどこで行うべしという厳密なルールはないようです。ですので、
国土交通省の方は特に指定はしていない模様です。ただ、複数の
パイロットの方々にいろいろ取材させていただいたりしますと、おのおのの判断で、大体この辺でギアをダウンさせるのだということになっている模様です。ただ、従来の事例から言いますと、大体10キロから15キロぐらいの手前でギアをおろすことが多いですので、一般的に言えば、都庁のあたりからこの港区上空のどこかで車輪をおろすのではないかと言われています。その際に、ほぼ確実に氷の塊が地上に落下するという事象が発生いたします。
そこを具体的に説明させていただきますけれども、出発する空港で雨なり雪なりが降っていた場合、その水分がどうしても車輪を収納する場所、ここにたまってしまいます。この車輪を収納するところには、エアコン、もしくは温めて水蒸気にするというような装備は、今の航空機には一切ございません。また、最近の航空機は高度1万メートルぐらいという空気密度の低いところで燃費を良くするものでありますので、夏場でも氷点下であることは間違いありません。つまり、そこの車輪を収納する、収納庫と言うのでしょうか、そこにたまった水が氷結する、これは自然の摂理だと言えます。ですので、車輪をおろすときに、どうしてもその固まった氷が地上に向かって落っこちていく、これは防ぎようのない、かなり防ぐことが難しい事実だと、まずお伝えさせていただきたいと思っています。
皆様にお配りいたしました資料、特にこちらの資料です。NHKが報道しました氷塊もしくは不良部品ですね。これが落下することに関しての報道をホームページから出力したものを皆様にお渡ししている次第でございます。
これまでの羽田空港に関しましては、南風、北風を問わず、全て海の上、東京湾の上で
ギアダウンを行っています。したがいまして、氷が仮に落っこちたとしても海の上でございます。
成田国際空港に関して言えば、特に北風が吹いて、太平洋の方から着陸する機体につきましては、九十九里浜の手前さらに2キロから3キロ先の沖合で車輪、ギアをおろさせています。強制的におろさせています。その結果として、基本的にはそういう氷塊、もしくは部品が太平洋の上で落っこちるようオペレーションさせているという事実がございます。ところが、皆様ご存じのとおり、この
都心低空飛行ルートでは、先ほどお話ししましたとおり、どうも都庁の付近、もしくはこの港区の上空で車輪をおろすというルートになっている次第です。
では、氷の塊なのか、不良部品なのかはともかくとしまして、こいつらが学校のグラウンド、公園、バス通り、
首都高速道路、マンションの屋上、一般家屋の屋根の上に落ちるという危険性は、どれだけ怖いものか。また、港区は
人口密集地区です。昼間人口で言えば90万人を超えています。こんな
人口密集地で、そういう部品、氷が上空500メートル、600メートルの高さから落っこちてきたらどうなるのかをぜひご想像いただきたいと思っております。もっと言えば、運が悪ければ、ここにお集まりの区議の皆さんの頭にそういうものが当たる可能性だって否定できないと私は考えています。
ここまで、落下物を中心にお話しさしあげましたが、ほかに深刻な事態を招くと懸念されることが、まだ幾つかございます。私たちが
ヒアリングしたところから申し上げますと、品川区の
視覚障害者団体の方々からの
ヒアリングでは、目の不自由な方というのは音が全てであると。つまり、街なかを歩いたときに、では車が来ているのか、来ていないのか、これを判断するのは音でしかあり得ない。したがって、70デシベルとか80デシベルとか、とんでもない音が降り注ぐこの環境で、どうやって車が接近しているのかを判断する材料が失われてしまうと。つまり、安全に歩行できなくなるというお話を私たちは聞いています。
また、保育園の先生からの
ヒアリングによりますと、園児のお昼寝の時間、もしくは散歩等に相当大きい支障が生じてしまうのではないかと懸念なさっているというところも聞かせていただきました。
また、
高輪区民センターの裏には、上皇陛下、上皇后陛下の仮住まいとなる仙洞仮御所、
高輪皇族邸があることは言うまでもありません。現在はとても閑静な高台に位置しております。ところが、新飛行経路はその上空約500メートル前後という高さで、南風が吹いているときは午後3時から7時までの間の3時間、2分に1分程度の頻度で、1時間に30回ということですね。少なくとも
ボーイング737もしくはA320クラスの飛行機が、今の実態であれば大型機が半分ぐらい飛行する、飛行着陸をするというのが予定されている次第です。
皆様にお配りしたこのみなと区議会だよりの8月号の表紙、これには、
高輪皇族邸の前に美しく咲き誇るプリンセス・ミチコの写真のコピーをお配りさせていただきましたけれども、この美しい花に飛行機からの氷があっては決してならない。私たちは、日本人として、このことに大変心から憂慮していると申し上げたいと思っております。
この請願の趣旨説明の最後に、固定化しないという意味合いについてご説明させてください。それは、具体的に言えば、代替案をとり入れることとご理解いただければと思っております。先ほどごらんいただきましたNHKの資料の後半に、例えばニューヨークのジョン・F・
ケネディ国際空港の事例等をご紹介させていただいている次第です。羽田空港新飛行経路の最大の問題の1つとして、今の羽田空港の滑走路が、実は短いという事実にあります。つまり、どういうことかと申し上げますと、飛行機のスペック、具体的には、
離陸滑走距離というスペックがあります。具体的に言えば、エンジンが片方とまっていたとしても、それでも何とか離陸できる距離という意味です。例えば、今、日本でANAにしてもJALにしても主力機になっています
ボーイング777クラスの機体ですと、3,200メートルの滑走路がないと、一番重い重量、要するにお客さんを全部乗せて、燃料をいっぱい積んで、荷物もいっぱい載せてという状態で離陸できないと言われています。つまり、これが何を意味するかと言えば、本来、国際線、要するにお客さんをいっぱい、全員乗せて、燃料を満載して、貨物も全部積んでという状態で、羽田空港から安全に離陸でき得る
ボーイング777が運用できる滑走路はC滑走路しかないという意味です。
成田国際空港であれば、今の
メーン滑走路であるA滑走路は4,000メートルあります。それから、今、第2滑走路がありまして、第3滑走路の新設工事が始まっておりますが、それが完成した暁には、3,500メートルの距離の滑走路ができ上がります。つまり、そういう国際線をフルに運用するために必要な滑走路を持っているのは、羽田空港ではございません。
成田国際空港です。ということをまずお伝えさせてください。
本来は、くどいようですけれども、国際線を主に使うというのであれば、
成田国際空港をどう活用するかという話が大本命になってしまいます。なぜならば、今の羽田空港の拡張計画の中には、基本的には滑走路の延長計画が含まれておりませんので。という中で、首都圏にはほかにも空港がございます。例えば、百里基地、茨城空港ですね。静岡空港というのも1つの選択肢になり得るでしょう。厚木基地や下総基地、もうこれを官民で利用するという選択肢もあり得ると思います。
そういう意味におきましては、国際線をフルに活用するという観点においては、どうやって3,500メートル級の滑走路がある空港を活用するのかというのが大本命のお話ではありますけれども、それでも、今度は飛行場の運用のお話です。管制方法をどうするのか。例えば、ロンドン・
ヒースロー空港等でやられている手法を
国土交通省がもっと積極的にとり入れていただけるのであれば、今、予定されている増便計画の中で、南風のときにこの都心低空を飛行させる、及びその着陸機が離陸していくという中で増えるべき1万1,000便程度の便数であれば、くどいようですけれども、管制方法、手法を海外に学ぶという手法さえとっていただければ、十分こなせるぐらいの数であったりはします。
その辺を含めまして、ぜひ港区上空飛行を固定化しないようというこの請願をご採択いただきまして、
国土交通省に対し、港区上空の飛行を固定化せずに、代替案を含めました検討をしてもらうように、働きかけをぜひお願いしたいと思っている次第でございます。国がもう決めたから、決めたことだからとの理由で、継続審議という名の先送りをしていては、区民の納得は得られないのではないかと私たちは考えます。
去る4月の
区議会議員選挙では、皆様方は、多くの区民と対面し、区民の負託に応えるという新たな決意を持たれたのではないかと思っております。その多くの区民の安全・安心のためにも、何とぞ採択をよろしくお願い申し上げまして、趣旨説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(風見利男君) ありがとうございます。
それでは、請願者の方にご質問等がございましたら、どうぞ。
○委員(琴尾みさと君) 本日はお越しいただきまして本当にありがとうございます。
住民の方から本当にたくさんの不安の声などをお聞きしているかと思うのですけれども、周辺住民の方々からどういったご意見が多いのか、多い順に代表的なご意見をお聞かせいただければと思うのですけれども、よろしくお願いします。
○請願者(黒田英彰君) この
低空飛行計画を知っていらっしゃる方で言うと、やはり一番のポイントは、最初に挙がってくるものは、正直に言うとやはり音です。今も試験飛行をなさっていると思います。基本、朝の6時から8時ぐらいに行われているケースが多いのですけれども、えーっ、あんなにセスナ機って小さいのにこんなにうるさいのという声は、よく
ツイッター等でも見かけることはできる次第です。ですので、今の時点では、やはり騒音問題に対する不安というのは大きいと思います。
例えば、札幌市の周辺であれば、もう二重窓をセットしているお宅もかなり多いですから、まだ我慢のしようがあるのかもしれません。ただ、東京都で二重窓なんか用意しているところってほとんどないではないですか。という中で、私の住んでいる恵比寿近辺ですと、一番うるさい音は73デシベルぐらいと言われています。多分、港区で一番うるさくなるのは高輪の駅の方だと思いますけれども、その辺では80デシベル級の音が2分に1回降ってくると言われています。
パチンコ屋の店内です、80デシベルと言えば。私も正直、パチンコを打つ人間ですから、多少お恥ずかしい話ですけれども、店内に入るときに、もう耳栓がなかったらやっていられないですよ。それぐらいうるさいです。それが、実際に皆さん、何かお休みのときで構いませんので、ぜひ
パチンコ屋さんに行ってどれだけうるさいかというのをご体験いただければ、どうしたものか、では、本当に、たかだか3時間だからいいのかという議論ができるのではないかと思っています。
本来であれば、可能であればです。議会の中で、一度、2分に1回、80デシベルの音を流していただきたいです。それを1時間なり、2時間なり、ずっと。その中で議論がきちんと成立するのかどうか、それをきちんと確かめてから、さあ、この件をどうするのかというところをお考えになるのも手ではないのかなとは思っています。
私は健常者ですので、正直、
視覚障害者の方々が、先ほどご紹介しましたけれども、こういうところで自分たちの安全が損なわれるというところは、言われてみるまで気づかなかった次第あります。もしかしたら、そういう本当に小さな声、もしくは声になっていない声もあるのではないかと思います。その辺はぜひ、本当に皆様も区民の方々と対話を繰り返していただきまして、何が問題なのかどうか、そこはきちんと確認していただければなと考えている次第でございます。
○委員(琴尾みさと君) ありがとうございます。
本当に日々の生活に直結することだと思っておりますので、とても不安があることだろうと思っております。区民の方々により安心して暮らしていただけるように、その新飛行経路についてもさまざまな角度から対応を検討していくべきものだと思っております。
○委員長(風見利男君) ほかに。よろしいですか。
私から。固定化しないということで、いろいろ代替案というお話がありましたけれども、管制の仕方とか、地方空港の利用とか、いろいろな話も出ましたけれども、都心上空を通らないということは、現行の海を通って入るという、ここを工夫することで運航できないのかという点はいかがなのでしょうか。
○請願者(黒田英彰君) 真剣に説明し始めますと、極めて長くなってしまいますので、ポイントだけご紹介させていただければと思います。
もともとは請願元第10号の方に向けての資料につけさせていただきましたが、こちらです。我々が考える選択肢の代表的な方向性というものです。実は、日本の管制基準をいじくる、いじくらないにかかわらず、先ほど簡単にご説明させていただきましたけれども、
都心低空飛行による効果、1万1,000便ぐらいのお話であれば、ほかにも選択肢は、私たちで調べがついた範囲内でも4つ、5つはございます。大きく簡単に説明させていただきますが、第1の方向性は、余りに余っている
成田国際空港、もしくは
関西国際空港、もしくは
中部国際空港、ここの余剰枠を使えば1万1,000枠などは簡単に埋まります。
具体的に、
成田国際空港の件については簡単に説明させてください。今、
成田国際空港は地元自治体と年間30万便の離発着について、既に合意が得られています。2017年段階の
国土交通省の統計によりますと、
成田国際空港の着陸回数は年間12万5,000回と言われています。離陸分を足し込みますと、およそ25万回です。では、地元と合意ができているというところの30万回から、現状、離発着している25万回の差し引き、これが余剰枠だというのであれば、5万回の余剰はございます。
関西国際空港も
成田国際空港とほぼ同じような状態です。
関西国際空港は、同時に離陸し、もしくは同時に着陸しという運用ができる
パラレル空港です。滑走路を2本持っています。本来であれば、福岡空港の運用をまねすれば、年間36万回ぐらいの離発着は可能な空港です。ただ、そこまでの、要するに空港のキャパシティー、上限ですね。そこまではたどり着いていません。こちらにも、だから年間7万回、8万回の余剰枠はあります。
中部国際空港は、滑走路が1本しかありません。ただ、名古屋という場所柄、変な話ですけれども、名古屋だけで、あそこはもう300万人、400万人の人口を抱えているまちですけれども、国際線を毎日運航できるほどの需要はございません。ですので、東京や、もしくは大阪、要するに関西と比べてみますと、どうしても便数は少なくなってしまいます。ヨーロッパとか、もしくはアメリカの基準で言えば、
ボーイング737とか、A320とか、もしくはリージョナルジェットとか、そういう100人乗り程度の小さい飛行機で運用すべき国際空港だったりはします。ですので、ここにも余剰枠が年間10万ぐらいの規模でございます。
ですので、何か何でも羽田空港で増便したいというお話でなければ、例えば
首都圏一体で何とか運用するのだという考え方に立つのであれば、まず一番最初に考えるべきは、
成田国際空港の余剰枠をどう使うのかというのが最優先であるべきです。また、この羽田空港に関しましては、公用機枠というものが年間1万1,000便用意されています。具体的に申し上げるのであれば、1日30便の枠が365日分あるという意味です。
政府専用機が毎日飛ぶということはあり得ません。例えば、G7、G20、毎日東京で開かれているわけではありません。公用機枠という名目で、実際には、
国土交通省の統計によりますと、年間50%ぐらいは利用されていると言われておりますが、だとしても、今申し上げた公用機の枠、年間1万1,000枠のうち、半分は使われていないわけです。要するに、これが実は時間調整で、出発地もしくは羽田空港の天候が悪くなったときの調整枠、バッファ枠になっているということは事実です。
では、いわゆるこの公用機枠を
成田国際空港だけにお願いする、もしくは先ほど申し上げた
成田国際空港・
関西国際空港・
中部国際空港3空港で分散する、いろいろやり方はあるかと思いますが、この枠をほかの空港に持っていって、そのあいた1万1,000枠で民間機を運用すれば、羽田空港に関して言えば、
都心低空飛行などはしなくても、1万1,000回の増便ができるという事実はございます。
また、これは航空評論家の杉江弘さんがよくおっしゃる話なのですが、日本の管制官は、飛行機を離陸するときに、なかなか滑走路に入れという進入許可を出さない、諸外国と比べると最低15秒は遅いとよくおっしゃっています。では、そこの15秒分を国際基準に応じて撤廃して、もっと運航間隔を詰めたらどうなのかというのが、ここで言うところの2番の考え方です。杉江さんの試算によれば、5%から10%ぐらいは増便できる余地はあるだろうというお話を、私たちは聞いている次第です。
最後に、ロンドン・ヒースロー空港の件について簡単に説明させてください。あそこは4,000メートル級の滑走路を2本持っている空港です。逆に言えば、たった2本です。そこで年間、24時間運用の空港ですけれども、年間48万回の離発着をこなしています。同じことが羽田空港のA滑走路、C滑走路という意味でもいいですけれども、羽田空港には滑走路が4本あるわけです。もっと、何が違うのかというところの条件を突き詰めていきますと、管制間隔をどれだけきちんととるのかというところが、日本とイギリスと、もっと言えばアメリカとも違う。では、国際基準とは何ぞやというのは、世界それぞれ基準が違う中、一番ひどいもの、最悪のもの、それが国際基準だったりします。という意味においては、日本の基準は欧米の基準から比べれば極めて緩い状態です。もっと言えば、
国土交通省と言ってもいいでしょうね。管制官は
国土交通省が管理しています。
国土交通省がそういう欧米のような詰めた運用をさせていない、それが問題です。この問題を解決すれば、これは本当に規制を変えるという話になりますので、なかなか交渉が難しいことはありますが、ただ、この問題をやるだけでも、
都心低空飛行を一切やらずとも、年間48万回から49万回の離発着を羽田空港でやらせることは、実はできます。
ですので、難易度そのものには、少し難しいものから、すぐにでもできるものとありますけれども、この
都心低空飛行なるものをやらなくても、解決するための方法は3つも4つも存在します。という中で、なぜ、港区を含めて、東京都の都心部、
人口密集地を着陸しないといけないのかというところについて、私たちもそうですし、多分皆様もそうではないかと思っておりますが、本当はもう少し
国土交通省と真剣に議論しないといけないところではないのかなと考えておりますが、これで答えになっておりますでしょうか、委員長。
○委員長(風見利男君) ありがとうございます。
ほかになければ。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) では、ありがとうございました。
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○委員長(風見利男君) それでは、次に、審議事項(3)「請願元第10号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願」の趣旨説明を受けたいと思います。
本請願については、議長宛てに1名の追加署名がありましたので、ご報告いたします。
では、請願を書記に朗読していただきます。
(職員朗読)
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○委員長(風見利男君) ありがとうございます。朗読は終わりました。それでは、請願の趣旨説明をお願いいたします。
○請願者(黒田英彰君) では、引き続きまして、「羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願」に関しまして、趣旨説明をさせていただきます。
請願者は、星野芳昭と、私、黒田でございます。本日は、星野が仕事の都合で出席できませんので、私、黒田が代表して説明させていただきます。
実は、私、平成7年、1995年ですね。阪神・淡路大震災の被災の経験を持っております。そのときに痛感したところから軽くお話しさせていただきたいのですが、災害への対応というものは、自助、共助、それから公助、3種類ありますけれども、やはり共助はかなり大事だと思っております。その後、この経験を生かしまして、私が勤務しておりました港区のアメリカ系の資本の会社でございましたが、そちらの防災計画を実際に私がつくったり、住んでいる渋谷区のマンションで計画をつくったりということをした経験もございます。また、共同請願者である星野も、港区のマンションで自助の徹底であったり、独自の共助の取り組みであったり、もしくは、例えば非常用電源にEV、電気自動車を活用するようなことがあり得るのかどうか等々含めまして、または、医師や看護師等による救護センターの運営をどうしようかというところまで踏み込んで運営しているという経験を持っているというところを、まずお話しさせていただきたいと思った次第です。
平成23年に制定された港区防災対策基本条例、こちらは、防災対策に対して基本理念を定め、港区、区民、事業所のそれぞれの責務を明らかにして、災害の予防対策、応急対策、そして復興対策について基本的事項を定めることにより、災害対策を総合的かつ計画的に推進することで、区民の生命、身体、及び財産を災害から保護することが目的となっています。改めて、この条例を制定された港区議会の皆様に敬意を表するところでございます。
今回、この請願は、端的に申し上げますと、この港区の災害に関する条例に基づきまして、港区
航空事故災害対策計画の策定を強く求めるものでございます。理由は請願書に記載されておりますが、補足という形で口頭で説明しますと、大体以下のところをご説明させていただきたいと思っています。
最初に、先ほどの請願でもお伝えいたしましたけれども、
ギアダウンに伴う氷の塊の落下、これが十分想定されることです。しかも、港区上空、700メートル前後から氷の塊が落下した場合、大規模災害につながるおそれがあります。まさにリスクだと私たちは考えています。あらゆる場所に落下した場合の想定は可及的速やかに行わないといけない状況なのではないかと考えます。
2つ目は、氷の落下よりは発生確率は低いですけれども、落下した場合は氷よりもはるかに広い範囲で衝撃を与えるであろうものが部品の落下です。1メートル、2メートル単位の部品が地上に落下するという事例も正直ございます。例えば、大阪市におきましては、KLMオランダ航空の飛行機が数メートルのパネルを落っことし、これが、国が真剣に、ああ、これは落下物対策をやらんといかんなあと動機づけになった1つの事件だったりもします。航空機は数十万点の部品を持っています。全ての部品を完全にチェックすることはできません。やはり、数カ月なのか、数年なのか、そういう単位で見ていけば、何かしらの部品を落っことしていくのが今の現代航空機の宿命です。ゼロにはできません。
また、私たちが取材させていただいた中ですごくおもしろい話がありましたのが、やはり航空評論家、杉江さんのお話でございます。飛行機が着陸して空港にいる間、要するにお客さんが乗り降りしている間です。機長はTチェックという日常チェックをするそうです。ただ、そのTチェックを行う時間が余りにも短過ぎるので、現実的に機長はどこを見ているか。それは、基本的には車輪周りしか見る時間がないそうです。要するに、車輪がきちんとパンクしていないか、もしくはきちんと上がりそうなのかというところは見る時間はあるそうですが、では、主翼周りであったり、そのような細かいところまで見ている時間はないと、それが実態なのだそうです。確かに、4年ないし5年に1回、オーバーホール整備もあります。300時間おきにもそういうチェックがあるそうです。そのときのチェックで通ったものが、実際に飛行直前に、本当にそれでもまだ健常な状態にあるかどうか、それをチェックするすべは、今の日本のみならず世界中そのようなものはございません。ましてや、一番の国際空港である以上、日本の航空会社だけに、そのようなかなり難しい、現実から見て極めて実態から離れているそういった整備をやれと言われたとしても、同じ話を国際航空会社に押しつけることができるのかという問題は非常に大きいです。
現実的に
国土交通省が言っていることは、もしそのようなインシデント、事故に近いものが発生した場合は、運航計画を取り消すぐらいのことしかできないそうです。基本的には、彼らは罰則は持っておりません。罰則のないところでどれだけ強制力があるのか、私は相当疑問に思っています。
3番目。先日も、ロサンゼルス国際空港で飛行機が墜落しました。世界で墜落事故なるものは、1年間で5、6回は残念ながら起きています。たまたま日本ではここ数十年墜落事故がなかったので、まだまだ大丈夫ではないかと思われるかもしれませんが、ある意味、大地震が来るのと同じ発生確率だと私は思っています。
でなければ、ついこの間、千葉県に史上最強の台風が上陸してしまいましたが、そのような数十年に1回の災害に対してどう備えるのかという話と、私は一緒ではないかと考えています。
ここで、補足資料について簡単に説明させてください。こちらです。こちらには、つい4カ月前に、国の中央防災会議が改訂を発表した防災基本計画の目次、項目だけをごらんいただいておりますが、その中に、Ⅴページの終わりの方から6ページの頭の方のところにありますが、航空災害対策編という項目が含まれている次第です。細かいところはお時間があるときにお調べいただければとは思いますが、明らかに、航空事故災害が災害の1つとして国の方針として明確に位置づけられているということがご理解いただけると思います。特に、災害の応急対策という観点では、地方公共団体の活動体制、これについて明記がある次第です。
その資料のもう1枚裏側に、その2として、先行事例としてという意味ではございますが、茨城県日立市が策定した
航空事故災害対策計画の冒頭部分をおつけさせていただきました。皆様ご存じだと思いますが、日立市といえば水戸市よりも北、
成田国際空港からも相当離れているところですし、同じように百里基地からも離れたところにあります。それでも、そういう自治体であったとしても、国の方針に基づいて、彼らは
航空事故災害対策計画をきちんと策定しているという事実がございます。ただ、私たちは、港区の特殊事情をいろいろ鑑みますと、日立市の計画では不十分ではないかなと考えています。おそらく、港区の職員はこの内容を読んでも、港区の実態と合わないところが多々あると受けとめるのではないかと推察している次第です。
そこで、先述しましたとおり、港区防災対策基本条例に基づき、氷の塊及び部品の落下に備えた自助・共助・公助のあり方を明確にし、特に昼間人口が88万人、通勤、通学、観光客と多種多様な滞在者、通過者をも視野に入れた
航空事故災害対策計画の策定が至急求められているのではないかと考える次第です。
港区には、平成25年に策定され、平成27年に改訂された港区危機管理基本マニュアルがあると聞いておりますが、その内容を拝見させていただきましたけれども、これは冒頭の目的という項目に明記されているとおり、区、つまり執行部の職員が実施すべき危機管理に関する基本的事項を定めたものにすぎません。そういう意味では、区民等の自助や共助の部分まで踏み込んだものではないです。また、国の中央防災会議が定めている防災基本計画とも整合しない部分があることも事実です。航空評論家で、長年国際線のジャンボ機、
ボーイング747の
パイロットをなさっていた杉江弘さんが、先日、羽田空港新飛行経路は世界にほぼ例がない3.5度という急角度での着陸になるので、尻もち事故等々を含めたリスクがかなり高くなるのではと表明している次第です。港区がこれからも国際都市港区を表明し続けていくのであれば、区民や事業所を巻き込みながら、独自の航空事故対策計画を策定し、想定外という言い訳をしなくてもいいように、備えあれば憂いなしの安全・安心な港区の実現にぜひ結びつけていただきたいという願いを我々は持っています。
最後に、昨日、私はホームページ上で港区地域防災計画なるものを拝見させていただきました。震災編という項目はございます。風水害編という項目はあります。ただ、残念ながら航空災害という項目はございません。また、実は原子力災害という項目もないということも確認させていただきました。今、なぜ原子力という話をさせていただいたかと申しますと、
国土交通省が予定している今回の新計画において、南風のときに、川崎市のコンビナート地区を新たに離陸飛行させるというものも含まれておりますが、その飛行ルートからわずか1キロのところに、東芝が所有しております原子力臨界実験施設のプラントがまだ生きています。わずか1キロです。当然、離陸時に飛行機が離陸に失敗して墜落するということは、基本的にはエンジントラブル、例えばバードストライク、鳥がエンジンの中に突っ込んでしまって使いものにならなくなってしまったということで、推力を失ってというケースが往々にしてあり得る話なのですが、では、B滑走路から離陸していった飛行機に対してバードストライクが発生してしまい、そして墜落していくときのわずか1キロです。わずか1キロ先に原子力臨界実験施設がまだあります。廃止の方向とは聞いています。ただ、まだ廃止にはなっておりません。それは、川崎市のホームページを見ていただければ、今どういう状態なのかというのは、皆様でもチェックできる状態です。まずは航空災害をどうするのかというところがメインになっていくかと思いますが、どうせそういう形で新たに計画を再整備するのであれば、あわせてそういう原子力災害というところも視野に置きながら、いろいろ研究なさっていって、準備を万端にしていただくべきではないかというのが私たちの思いでございます。
以上でございます。ご清聴ありがとうございました。
○委員長(風見利男君) 趣旨説明は終わりました。
請願者の方にご質問があればどうぞ。
○委員(琴尾みさと君) 先ほど、1年間に墜落する回数が大体5回から6回ということで、大変驚くべき数字だったのですけれども、これは旅客機が墜落した回数ですか。それとも、ヘリコプターなども含めた、小型も含めた回数なのでしょうか。
○請願者(黒田英彰君) 申しわけございません。今、タブレットパソコンを持ち込んでおりますので、そこで調べる時間があれば、どちらかというところまで正確にお伝えすることができるのですが、今、そこまで細かいデータを持って、こうだとお伝えすることができないという状態でございます。
○委員長(風見利男君) よろしいですか、ほかに。よろしいですか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) では、ほかにご質問がないようですから、趣旨説明はこれで終了いたします。
請願者の方、どうぞ席にお戻りください。ありがとうございました。
────────────────────────────────────────
○委員長(風見利男君) それでは、審議事項に入ります。日程を変更して、審議事項(2)「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」を上程いたします。
質問のある方はどうぞ。
○委員(池田こうじ君) まず、請願者の方、ありがとうございました。
まず、理事者の方に確認したいのは、今現在、区民の不安、ご心配、非常に厳粛なものとして存在しているところだと思いますが、それについての認識を。先日、区長も意見表明をいたしましたが、あわせて現状認識について、区民の不安等についての認識についてお答えいただければと思います。
○環境課長(茂木英雄君) 今回、国の方で8月8日に新飛行経路の運用開始、国際線増便についてのプレス発表がありましたけれども、その運用開始決定後も、区には落下物や騒音に対する不安の声が区民の皆様から寄せられているところです。あわせて、計画を知らなかったという方の声も区には寄せられております。そうしたことから、区としましては、羽田空港の機能強化に関する情報の周知が十分ではないと考えているところです。
○委員(池田こうじ君) 本請願は、固定化しないように国に求めるという趣旨でありますが、その固定化について、羽田空港の機能強化についての国の言及が何か今まであったのか、また、その機能強化の趣旨として、主にどういったものがあるのか、その固定化ということについて、絡めて、何か国の見解というものがあれば教えていただきたいと思います。
○環境課長(茂木英雄君) 国につきましては、今回の羽田空港機能強化新飛行経路運用開始の関係ですけれども、まずは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を円滑に開催すること、こうしたことに加えまして、首都圏の国際競争力の強化であったり、またあるいは、地方の発展、訪日外国人の増加を実現していくとしておりまして、東京2020大会の終了後も継続していくと聞いております。
今回、品川区からの、現飛行ルート案で固定化することがないように取り組んでいただきたいという意見に対しまして、国の方からは、飛行ルートのあり方については騒音軽減等の観点から、継続的に検討してまいりたいと回答しております。
また、先日の9月4日、港区議会議員を対象としました学習会の中では、飛行ルートのあり方については、何ができるのかということについて当然考えていかなければいけない話ではありますが、現時点では、具体的にどのようなタイミングでどうなのだという話、さらに踏み込んだ話をいうことは、お答えは難しいと聞いております。
○委員(池田こうじ君) 機能強化の1つの目的である東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な運用という話がありましたけれども、そのオリンピック・パラリンピック後も固定化してこの運用をしていくというような見解ということでよろしいでしょうか。
○環境課長(茂木英雄君) 国の方からは、2020年、来年3月29日から運用開始をし、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を目指してそこをやっていくということですけれども、東京2020大会以後についても、そこで中止をするというわけではないと聞いております。
○委員(兵藤ゆうこ君) 請願者の方、ありがとうございました。
請願者の方からもご指摘いただいたように、港区危機管理基本マニュアルというものがあるということで、見せていただいておりますけれども、この港区危機管理基本マニュアル、職員の方々がどう動くかということのマニュアルになっておりまして、実際にこれは災害ですとか事故が起こったときに、そのときに応じて改訂をしているというものです。例えば、竹芝のエレベーター事故が起こったときですとか、新型のインフルエンザとか、北朝鮮によるミサイル発射、そういったものが起こったことによって、区の方も早急にマニュアルを改訂していただいているというものですけれども、これに関しては、実際に職員の方々向けのマニュアルということで、これは以前改訂していただいたときには……。
○委員長(風見利男君) それは請願元第10号。今、第9号。
○委員(兵藤ゆうこ君) すみません。間違えました。
○委員長(風見利男君) ほかに質問はないですか。では、私の方から。質問がないと、困りますので。
先ほど、池田委員の質問に答えて、国が3月29日から新飛行経路を飛ばすと、こういう決定をして、区長は、区民からは依然として落下物や騒音等に対する不安の声が寄せられており、区としては新飛行経路案に関する情報等の周知が十分でないと考えておりますと、当日にコメントを発表して、ホームページでも公表したわけですけれども、東京都から国に意見表明をするということに当たって、その前に開かれた会議の内容と、東京都が意見をするに当たって、何かコメントありませんかという問い合わせが来たと思うのですけれども、それはいつ来たのでしょうか。
○環境課長(茂木英雄君) 東京都の方から、今年8月1日に、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会幹事会ということで、書面で開催すると。そのときに、その内容についての確認を求められたところです。8月1日です。
○委員長(風見利男君) それに対して、会議のいわゆる議事の内容の確認と、それから、東京都から国に意見を上げるに当たって、何か意見ありませんかということについて、港区としてはどういう回答をされたのですか。
○環境課長(茂木英雄君) 今回、東京都の方からは2点、確認を求められております。1点目が関係区市の意見概要に対する国の回答について、2点目が首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で国に伝える東京都の意見についてということで、確認を求められたところです。
区では、首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で国に伝える東京都の意見案の中の関係区市の意見を伝えている部分についての確認ということで、こちらについては関係区市の意見概要をもとに作成されており、港区が要望した対策が盛り込まれた内容となっていたことから、特段意見はないということで回答しております。
○委員長(風見利男君) 東京都への意見案、東京都が意見を発表するに当たって、ご意見ありませんかと言ったことに対しては、何と答えたのですか。
○環境課長(茂木英雄君) 東京都から示された東京都の意見案につきましては、区からは、特段意見がないということで回答しております。
○委員長(風見利男君) なしでしょう。ところが、先ほど言ったように、区民からは依然として落下物や騒音等に対する不安の声が寄せられておりますと。それで、飛行計画を知らない人もいると。こういう実態を区長が表明しているわけですよね。こういう区民の状況があるのに、何で区が意見はありませんという回答になるのですか。そういう、区民が不安を持っていますということをきちんと言うべきではないのですか。なぜ言わなかったのですか。
○環境課長(茂木英雄君) 示されました東京都の意見案の中には、関係区市の意見概要ということで、港区が要望した対策がきちんと盛り込まれていた内容となっておりました。また、あわせて、港区から国に対する意見の中では、今、風見委員長がおっしゃられました、区民の皆さんが落下物や騒音等を心配する声が区に寄せられている、こうした声に対して国としても真摯に受けとめ十分に対処してほしいということ、そうした内容を、区からも国に対して意見を提出しておりまして、そうした資料についても首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会に提出されていると聞いておりましたので、東京都から示された原案については意見なしということで回答させていただいたところです。
○委員長(風見利男君) だから、
国土交通省は、自治体から了解を得たというのを、金科玉条のように使っているわけですよね。ですから、この間、9月4日に勉強会を行ったときにも、長々と言っているわけですよ。
「2019年8月7日に首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会というものを開催いたしまして、ここでは、それ以前の東京都の各市、連絡会での結果を踏まえた上で、東京都の副知事あるいは特別区長会の会長、江東区の山崎会長、あるいはその他関係する県の副知事、あるいは政令指定都市の副市長、その他関係する方々にお集まりいただきまして、改めて先ほど申し上げましたような羽田空港のこれまでの経緯、その追加的な対策、各自治体からの意見、あるいはそれに対する回答ということをご説明させていただいたところです。
それで、その際にいろいろな自治体の方々からご意見を頂戴いたしました。1つは、一方でこれまでやってきた対策であったり、追加的な対策、これについては一定の評価をいただくことと、一方では、やはり羽田空港の新飛行経路の設定につきましては、非常に各住民の方々のご不安ということが根強いというようなことを踏まえた上で、国に対ししっかりと対策、万全の対策ということを講じてほしいと、そういった意味でのご発言、そういう話がございました。
その次のポツでございますけれども、これは関係する都、区、県からそれぞれございました。機能強化につきましては、スケジュールに基づいて進めてほしい、こういう一方、もう1つは、羽田空港の機能強化につきましては、国の事業として、国の責任のもとで進めるものと理解している」と。ですから、国が、区民がどう思おうと、国は勝手にやってくださいよと、こういうことをあなた方が言って、
国土交通省はそのことを理由に、3月29日から飛ばすと、こういうことを公表したわけですよね。ですから、やはり区の態度というのはものすごく重大なことを許してしまったと。
国は今まで、地元の理解を得た上で実施しますと言っていたと思うのですけれども、その地元というのは何ですか。
○環境課長(茂木英雄君) 国から地元に対する解釈といたしましては、そこに住まわれている住民の方、地元の自治体、また、地元の区議会というようなことで聞いております。
○委員長(風見利男君) そうですよね。地方自治体と、区議会と、地元住民と。その3つが理解をして初めて決定をすると。本来こういう取り決めでしょう。
きょうの請願も出てきていますし、今も継続になっている請願があります。地元の人、あるいは区議会が納得したということはどこにもないと思うのですけれども、そのことはいかがですか。
○環境課長(茂木英雄君) 国は、今回の新飛行経路の運用開始決定に当たりまして、関係自治体などからの騒音ですとか落下物対策、引き続きの情報提供に関する意見や要望に丁寧に対応していくということを前提といたしまして、地元の理解が得られたと判断し、国の判断、責任で実施を決定していると理解しております。
○委員長(風見利男君) 地元の理解が得られたというのですか。だって、住民の皆さん、誰一人、オーケーという表明を港区にしてきた方はいらっしゃるのですか。
○環境課長(茂木英雄君) 区には、落下物や騒音に対する不安の声が寄せられているところでして、計画に反対するというような声もありますし、また、計画を知らなかったという声も聞いております。
○委員長(風見利男君) だから、地域住民の方々が、今度の飛行計画を了解したり、理解したということはどこにもないわけですよね。港区もそういう認識でいるわけですよね。
○環境課長(茂木英雄君) 飛行経路の運用開始決定後も、区には不安の声が寄せられておりますので、そのように認識はしております。
○委員長(風見利男君) だから、3つのうち、港区は、国が決めることだから、区民の安全のためにいろいろな方策をやっているので、さらに強化をしてください、あるいは、地元の人たちにきちんとした説明をしてくださいと、こういうふうには言っているけれども、地域住民も、港区議会もいろいろな意見があるわけで、これでオーケーですよとはなっていないわけで、だから、3つのうち1つだけなのですよ。それでもいろいろな意見を言っているわけですよね。区長が。だから、地元の理解を得てという、その3つのうち2つが、少なくとも認めていないわけで、だから、
国土交通省が今まで言ってきたことからして、今回の3月29日から運用を開始しますよという決定は、今までの言ってきたことからして、非常に問題なのではないかと思うのですけれども、どうなのでしょうか。
○環境課長(茂木英雄君) 繰り返しになりますけれども、国の方は、新飛行経路の決定に当たりましては、関係自治体からの騒音・落下物対策、引き続きの情報提供に関する意見や要望に丁寧に対応していくことを前提といたしまして、国としては、地元の理解が得られたと判断し、今回の国の判断、責任で実施を決定したところです。
区は、この羽田空港の新飛行経路運用開始につきましては、国の航空政策として、国の責任でしっかり住民の理解を得て進めていただきたいということでずっと申し上げてまいりましたので、引き続き、そういった立場で騒音対策、安全対策、しっかりやっていくように、また、まだまだ知らないという方もいらっしゃいましたので、ここについては丁寧な情報提供に努めていただきたいということで、強く求めてまいりたいと考えております。
○委員長(風見利男君) 私はそのようなことを聞いているわけではないのですよ。そのことは、区長も、開始決定以降のコメントの中ではっきり言っているわけで、議会で行った学習会のときにも、氷の落下のことを私は質問しましたよ。そうしたら、どこで脚を開くかは、
国土交通省が決めることではなくて、機長が決めることだということなのでわかりませんみたいなことを言っていたのだけれども、どちらにしても、都心上空を飛行すれば、先ほどの説明にあったとおり、新宿区で開くのか、港区で開くのか、私は大体、羽田空港に着陸する時間と距離からして表参道あたりだと思っているのですけれども、どちらにしても、どこで開いたとしても、都心の上空を飛べば、氷はそこで落ちるわけです。海では絶対に落ちないのですよ。それは、
国土交通省の人たちも認めたわけですよね。勉強会の中で。だから、そのような危険なことが起こるのはもうはっきりしているわけで、環境課長は盛んに、国の責任で住民の皆さんの理解を得るように努力してくださいと、この間ずっと
国土交通省は教室型説明会も港区では何回も行ったし、教室型ではない説明会を一生懸命行ってきましたけれども、お金もかけて新聞で広告したり、いろいろな広告も出したりしていますけれども、結局、オーケーと言った方はいないわけですよね。ですから、3つのうち、少なくとも3分の2がオーケーを出していないのに、これで地元の理解が得られたという判断は、私は間違っていると。
国土交通省の。
だから、あなた方もその立場に立ってもちっともおかしくないと思うのですよ。だって、別に港区が認めたかどうかではなくて、地元の理解を得てと言いながら、地元の理解を得ていないのはもう事実なわけで、それは、だってそのとおりなのでしょう。だから、地元にもっと説明しなさいよと言わなければいけないぐらい、問題点があるから言っているわけなのではないのですか。
○環境課長(茂木英雄君) 運用開始決定後も、区には落下物、騒音に対する不安の声が寄せられておりますので、私としても、区民の理解が十分に進んでいる状況には至っていないとは考えております。そのため、国の方に、しっかりとした対策を求めてまいりたいと考えております。
○委員長(風見利男君) 渋々認めたと。だから、やはり
国土交通省の決定自体が、地元の理解を得たと言いながら、地元の理解を得ていないということなのですよ。それは今、あなたが住民の声がいろいろ寄せられているというのは、そういう、決定に対してとんでもないことだということで寄せられているわけなので、その立場でしっかりこれからも当たってもらいたいと。その立場にいるわけですから、そういう立場でしっかり頑張ってもらいたいと思うのです。
ほかに。よろしいですか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) では、請願の扱いはどういたしましょうか。
(「態度表明」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) 態度表明が必要ですか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) それでは、態度表明が必要ということですので、各会派順次、お願いいたします。まず、自民党議員団。
○委員(池田こうじ君) 自民党議員団でも、この請願について厳粛に受けとめていろいろ議論をさせてもらいました。
質問で確認しましたように、現実に、区民の皆さんの不安と、周知が足りないところも多々あるというのは事実ですし、区長も、それについて同じように表明をしているところであります。その一方で、我が区、そしてこの東京の発展において、羽田空港の機能強化というのは、自民党といたしましても十分理解しているところです。
今回、この固定化ということですが、狭義・広義、いろいろな意味で固定化という捉え方ができるかと思います。請願者の方からもお話がありましたように、自民党議員団からも議会で提案をしたところですが、地方創生の一環の中で、地方空港の活用をもっとするべきではないかということもありますし、技術革新や、先ほどご提案がありました管制手法も、まだまだ詰めるべきところもあろうかと思います。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会以降もこの機能強化を続けるという表明をしているということではありますが、そういったいろいろな代替案も含めて、この「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」については、自民党議員団といたしましては、今回は採択したいと思っています。
○委員長(風見利男君) 次に、みなと政策会議。
○委員(兵藤ゆうこ君) まず、固定化しないように国に求める請願についてですけれども、今回の請願では、国際都市港区が管制機能をロンドン・ヒースロー空港などの世界の主要都市のやり方に準ずることで、増便を推進するべきという内容だと考えます。新飛行ルート案については、固定化せずに代替案を含めた検討を国に求める意見書を出すということは、不安が残る区民に対応するという意味でも非常に重要だと考えます。
よって、みなと政策会議は、請願に採択いたします。
○委員長(風見利男君) 次に、公明党議員団。
○委員(なかね大君) 我が会派としましても、この請願に関して、会派としまして重く受けとめまして審議をしてまいりました。
国として行う施策が得る計画に関しましてはしっかり受けとめながら、ただ、まだまだ区民の方の不安の声はそのとおりでして、また、私の地域でも広くいただくお声であります。
現時点で、この計画に関してはまだまだ容認できるものではないという視点の上で、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の後もやはりこの計画が進むという上では、この新ルートの再設定を含めた、固定化しないようにというこの請願に関しまして、我が会派としましては採択とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○委員長(風見利男君) 次に、都民ファーストと日本維新の会、お願いします。
○委員(琴尾みさと君) 都民ファーストと日本維新の会を代表して態度表明させていただきます。
羽田空港の飛行経路につきましては、実際に飛行が開始された後もさまざまな角度から検証が行われるものと思います。したがって、固定化されるべきものとは考えていないことから、請願第9号は採択すべきものと考えます。
○委員長(風見利男君) 態度表明は終わりました。
全会一致のようですので、採決については簡易採決でよろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) それでは、審議事項(2)「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」について採決いたします。
「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」を採択することについて、ご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) ご異議なきものと認め、審議事項(2)「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」は、満場一致をもって採択することに決定いたしました。
なお、本請願に関した意見書については、正副委員長で意見書の案文を調整して、委員会として取りまとめたいと思います。よろしくお願いいたします。
────────────────────────────────────────
○委員長(風見利男君) 次に、審議事項(3)「請願元第10号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願」を上程いたします。
ご質問のある方はどうぞ。
○委員(兵藤ゆうこ君) 先ほどは失礼いたしました。
請願者の方、本当にありがとうございます。請願者の方もご指摘いただいたように、港区におきましては、港区危機管理基本マニュアルというものがございまして、こちらの方は職員の方々のマニュアルという形でなっております。そして、災害とか事故とかが次から次へとやはり起こるということで、実際には、そのたびにやはり区の方でも早急に改訂していただいているということです。そこで質問なのですけれども、前回改訂をしていただいて、そのときには航空事故、この羽田空港の問題というのは浮上していなかった部分ということだと思うのですけれども、そのことに関して区の見解をお伺いいたします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 港区危機管理基本マニュアルの改訂についてですけれども、このマニュアル自体は平成17年に整備をしまして、その後、平成25年に改訂をしております。やはりそのときの時勢、未曽有の想定しない事故が起こればそれに対応して、要は想定外ということがないように、あらゆる危機に対応できるようにということで改訂をしております。
平成25年当時に、航空機から落下物ということは想定して改訂していないというのが実情であります。
○委員(兵藤ゆうこ君) それであれば、やはりまだこれから改訂を重ねるということもあるということでよろしいでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) そういった危機が想定されるということで、そういう危機にも港区が対応しているということをきちんと示すという上でも、改訂というのは可能であると考えます。
○委員(兵藤ゆうこ君) ありがとうございます。これに関しても改訂をするという部分だと思うのですけれども、あともう1つなのですけれども、請願者の方も資料のところに添付をしていただいているように、例えば、日立市とかいわき市といった空港の近隣市に関して、このような形でかなり分厚く航空災害対策計画というものを、その市では策定をしているということです。実際に今回このマニュアルに言葉を入れるということだけではなく、やはりそこの区の上空に非常に大規模な危機というか、もしものことですけれども、墜落とか、そういったことなども考えられるということもありますし、あとはやはり、高輪の皇族邸があるという部分に関しましては非常に危機的に感じるわけなのですが、こういった
航空事故災害対策計画を策定するということの区の見解をお伺いいたします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) まず、日立市などで制定しております対策計画については港区でも承知しておりますけれども、そちらの内容は墜落等の多数の死傷者を出すような災害、これに対応するものとして策定されていると承知しております。
まず、危機管理の考え方なのですけれども、基本的に災害に該当するような大きな被害であれば、これは当然、国の災害対策基本法、それから港区防災対策基本条例、これに基づきまして災害として対応するということになります。
先ほどお話ししました港区危機管理基本マニュアルというのは、災害には当たらないけれども、区民の生活の安全にかかわるような、影響するようなあらゆる事案に対応するために制定してあるものです。
現状、例えば航空物からの落下物ということであれば、当然、落ちる場所によって被害の程度も大小、また想定される影響というのもさまざま変わってくると思います。その影響の中で、大きい影響が懸念されれば当然災害として対応することになります。そうでないものに関しましては、例えば火事ですとか爆発事故、いろいろな事故を想定して、この港区危機管理基本マニュアルは想定されていますので、基本的には落下物事故、災害危機管理の事故として、いずれでも対応できる体制を港区は現在できていると考えております。ですので、現状ではこのマニュアル、必要があれば改訂いたしますけれども、現在の災害に対する対応、そしてこの危機管理に対する対応は、港区の体制で可能だと考えております。
○委員(兵藤ゆうこ君) 今回の請願もそうなのですけれども、落下物等に関しては対応できるということですが、大きなそういった航空事故に関しては、やはりこういったしっかりとしたものを策定すべきということでの区の見解をお伺いいたします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 災害に関しましてもさまざまなものがあります。先ほど、港区地域防災計画に関しましては、震災編と風水害編ということになっておりますけれども、当然、ほかにもさまざまな災害がございます。大規模な列車事故、爆発、その他いろいろな事故に基づいて被害が起きれば、それは災害として対応することになります。
例えば港区におきまして、過去に赤坂地区で不発弾が出たという事案がありました。これにつきましても、区民への影響が大きいと考えまして、これは平成24年になりますけれども、港区ではこのとき災害対策本部を設置して、災害として迅速に対応しております。
ですので、災害規模のものがあるから計画をつくるということは、状況的に必要になれば検討するものでありますけれども、現状として、そういう災害が起こっても、災害対策本部を設置して、一応対応する体制があるということで、現状では計画の必要性はないと考えております。
○委員(兵藤ゆうこ君) ただ、もちろん、港区の上空を飛行機が低飛行、低空で飛行するとなったときに、危険性としては、墜落とか非常に大きな災害にかかってくるということもあるかと思いますので、そういった部分では検討の余地があると考える次第ですけれども、いかがでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) もちろん、計画を策定しないと決めているということでは当然ございません。いろいろな状況に応じて必要性を検討するということは可能性としてあると思いますが、先ほどの説明は、あくまでも現状としてはこれまでの体制で対応できると考えているということです。
○委員(池田こうじ君) まず、この港区危機管理基本マニュアル、請願者の方からもお話がありました、兵藤委員からもお話がありました、現状、もし今万が一、航空機から落下物があった場合の対応の基本となるのは、この港区危機管理基本マニュアルということでよろしいでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) ご指摘のとおりです。港区危機管理基本マニュアルには、先ほどの繰り返しになりますけれども、被害の程度、区民への影響等に応じて、それぞれ対策本部を設置して対応するということがマニュアルの中に書かれております。落下物事故であっても、その影響等を考慮して、区としてどういうふうに対応するかということが定められております。
○委員(池田こうじ君) 今回の請願の趣旨は、万が一の事故の場合のときに、港区として災害の対策が迅速にきちんととれるかどうか、そういう計画がすぐできるのかということですが、重ねて聞きますけれども、そういった航空事故が起きた場合は、この港区危機管理基本マニュアルにおいて、対策と対応ができるという認識でいらっしゃるということでよろしいですか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) はい。そのとおりです。
○委員(池田こうじ君) 今、改訂の話が兵藤委員からも出ましたが、この平成25年9月のマニュアルには、航空機事故、落下事故という文言は一言も入っていません。ですから、例えば、この危機管理体制の基本フロー図の事例、危機の例の中にも入っていませんので、その辺については、今、直面して不安の声が大きい事例ですので、改訂については具体的に検討して、航空機事故も、この港区危機管理基本マニュアルできちんと包括できるということを具体的に示すべきだと思いますが、答えられる範囲で結構です。答弁お願いします。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) やはり、実際に区民の方の不安、落下物、事故が起こったときに区はどうするのだという不安の声がありますので、こちらはきちんと落下物事故も想定して、きちんと区の体制はできているのだということを示すためにも、具体的なそういう文言を記入したマニュアルの改訂というのは前向きに検討していきたいと思います。
○委員(池田こうじ君) そしてこのマニュアルは、港区としてこういう危機、航空機事故だけではなくて、あらゆる危機において動く根本になるものですが、この航空機事故等々についても、区民の皆さんが抱えていらっしゃる今の新しい不安、課題ということで、このマニュアルに記載するだけではなく、広範な調査研究、万全の準備をしていただきたいと思います。
○委員(なかね大君) 今お話があります港区危機管理基本マニュアルなのですけれども、これは区民の方たちというのは知り得る内容なのでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) 現在は、このマニュアルは公表という形ではしておりません。
○委員(なかね大君) 私も白金台地域、また高輪地域に住み、危険を感じる1人であるのですけれども、このようなマニュアルがあるということを、まだ地域の方たちも当然知らないわけです。そういう中で、区民の方たちから不安の声が上がるのも当然かなと思いますので、少しでも不安解消のためにも、ぜひこのマニュアル自体が、存在自体が広く周知されるように努めていただきたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) ただいまのご指摘のとおり、区民の方にもきちんと区がそういうことを対応しているのだということを示すためにも、皆さんに知っていただくための公表、周知というのは積極的に考えていきたいと思います。
○委員長(風見利男君) ほかに。よろしいですか。
今のやりとりを聞いていて、マニュアルの中に、いわゆる航空機からの落下物等のことがよくわかるような表記を記入していく、そういう検討をすると、そういう理解でいいわけですね。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) はい。そのとおりです。
○委員長(風見利男君) それともう1点、きょう資料でいただきました、国の中央防災会議が策定した「防災基本計画」の中に航空災害対策編というのがありますよね。これは私は見ていないので不勉強で申しわけないのですけれども、これらの中身が、これから区のマニュアルを改訂する上でかなり参考になるのではないかと思うのですけれども、これも具体的に危機管理・
生活安全担当課長のもとで、危機管理・
生活安全担当課長は知っているのかもわかりませんけれども、よく研究していただいて、このことも含めた改訂に着手できればと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○危機管理・
生活安全担当課長(滑川寛之君) そういった関係する国の方向性などもしっかり研究はして、マニュアルにも生かせるようにしていきたいと考えております。
○委員長(風見利男君) では、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) では、これをもって質疑を終了いたします。
どういたしましょうか。簡易採決でよろしいですか。
(「態度表明」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) では、態度表明を。態度表明に入ります。まず、自民党議員団、お願いいたします。
○委員(池田こうじ君) 今、危機管理・
生活安全担当課長からもありましたように、今、特にこの計画を策定しなくても、この港区危機管理基本マニュアルの中できちんと災害、航空事故を包括し、また、それを改訂していくという明言がありましたので、この請願については継続でお願いしたいと思います。
○委員長(風見利男君) 次に、みなと政策会議。
○委員(兵藤ゆうこ君) この港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願についての態度表明を行います。
実際、その港区危機管理基本マニュアルに盛り込むということももちろんそうなのですけれども、今回非常に重要であることは、仙洞仮御所、
高輪皇族邸があり、万が一に備えて港区も十分に航空災害対策計画を盛り込んだ計画を策定するべきだと考えます。
また、日立市やいわき市の事例もあるように、市周辺に空港がある場所では、大規模
航空事故災害対策計画を策定しており、航空運輸事業者の運航する飛行機の墜落等の大規模な航空事故による多数の死傷者の発生した場合とその予防策や、休日や夜間に発生した場合や民間企業との連携等など、詳細が盛り込まれています。このことを踏まえて、区として航路下の区民の安全・安心を考えることは大切であると考え、みなと政策会議は採択いたします。
○委員長(風見利男君) 次に、公明党議員団。
○委員(なかね大君) さまざま今ありました質疑応答の中で、この請願で求められているものに関しまして、現在のマニュアルで十分対応できるというお話でありました。ただ、現在のマニュアルはまだ今回の羽田空港の新飛行ルートを想定してはつくられておりませんので、今後改訂する必要があるかと思います。こういった観点で、我が会派としましては、この請願につきましては継続といたします。
○委員長(風見利男君) 次、都民ファーストと日本維新の会、お願いします。
○委員(琴尾みさと君) 都民ファーストと日本維新の会を代表して態度表明させていただきます。
本請願にてご指摘の災害リスクへの対策の必要性につきましては理解できるところであります。区で既に進めている危機管理体制や対応フロー等の災害対策計画に加えて、令和2年3月29日より離発着運用に鑑みながら、追加で必要な策について引き続き検討を進めていくことを望みます。
したがいまして、請願元第10号は継続でお願いいたします。
○委員長(風見利男君) では、態度表明は終わりました。
継続との意見が出ておりますので、まず継続についてお諮りいたします。採決の方法は、挙手採決といたします。
審議事項(3)「請願元第10号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願」につきまして、今期継続ということに賛成の方は挙手をお願いたします。
(賛成者挙手)
○委員長(風見利男君) 挙手多数と認めます。よって、審議事項(3)「請願元第10号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区
航空事故災害対策計画の策定を求める請願」は、今期継続とすることに決定いたしました。
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○委員長(風見利男君) それでは、日程を戻しまして、審議事項(1)「請願元第6号
羽田空港増便による都心および港区の
低空飛行ルート計画の撤回を含む再検討を国に求める請願」を上程いたします。
なお、本請願につきましては、議長宛てに931名の追加署名がありましたのでご報告いたします。また、この931名の中には、高輪地区の4町会の町会長の署名も含まれておりますので、ご承知おきください。
それでは、質疑に入ります。質問のある方は順次どうぞ。(「質疑は終わっているから何もない」「ぼけてしまったのではないの」と呼ぶ者あり)ぼけていないよ。だって、質疑あるかと聞いているのだから。(「ないと言っているではないか」と呼ぶ者あり)いや、私はありますのでね。ないですか。いいですか。
では、私から何点かお聞きしますけれども、従来から教室型説明会を引き続き各地で開催するようにと。特に青山地域で言えば、飛行経路の下の青南小学校の講堂でなく、わざわざ赤坂地区総合支所のような青山地域から遠いところでやる必要がないので、そういう教室型の説明会を引き続き開催するようにということで、区からも
国土交通省に意見を言っていると思うのですけれども、その辺はどうなっているのでしょうか。
○環境課長(茂木英雄君) 今、風見委員長がお話しされましたとおり、区からも、これまで開催した地区・地域を含め、航路下の小学校区、特に青山地域などにおいての住民説明会の開催については要請をしておりまして、先日の5月末、国に対して出した意見の中にもきちんと盛り込んでいるところです。現在、国の方では、これまで第1フェーズから第5フェーズまで行ってきたオープンハウス型説明会を、秋以降に各地区で開催していくと、あわせて地域での説明会を、区と調整をしながら行っていくということで回答をいただいておりまして、具体的な点については詰めていきたいと考えております。
○委員長(風見利男君) この間の議会で開催した学習会の中でもこのことが出されて、港区とよく相談をして開催したいと、こういうふうに言っているわけですよね。ですから、早い段階で、開いたけれども、近隣住民の方が知らないという中で開いても意味がないわけで、お知らせする方法も含めて、多くの区民の皆さんがその説明会があるということを知るために、また、早急に航路下のところで開催できるように、
国土交通省に引き続き早急に開催できるように要請していただきたいと思いますが、いかがですか。
○環境課長(茂木英雄君) 説明会の開催に当たりましては、より多くの方に来ていただきたい、参加していただきたいという思いは私も一緒ですので、その広報の仕方を含めまして、また説明会の開催について、早期に実施できるように国の方に求めてまいりたいと考えております。
○委員長(風見利男君) ぜひお願いしたいと思うのです。これも同じで、いろいろ関心を持っている方が
国土交通省に具体的に懇談を申し入れても、全然開こうとしていないわけですよね。ですから、やはりそういう説明会の中で、区民がしっかり声を
国土交通省に伝えるという、そういう機会をつくっていかないと、各地方自治体が賛成したからということで勝手に決めてしまうわけですから、やはり地元の声が、どういう区民の声があるのかということを、こういうところで知ってもらうというのは非常に大事なわけで、早急に開催できるように引き続き強くお願いしておきたいと思います。
ほかになければ、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) 本請願については、今期継続といたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) それでは、今期継続と決定いたしました。
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○委員長(風見利男君) 次に、審議事項(4)「発案元第7号 交通及び環境整備に関する諸対策について」を議題といたします。
本発案について、何かございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) それでは、本発案につきましては、本日継続としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) それでは、本日継続と決定いたしました。
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○委員長(風見利男君) そのほかに、何かございますか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(風見利男君) なければ、本日の委員会を閉会いたします。
午後 3時48分 閉会...