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  1. 東京都議会 1998-02-05
    1998-02-05 平成10年文教委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後三時二十六分開議 ◯池田委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。  初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。  当委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯池田委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。  先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせました。ご了承を願います。  本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、教育庁関係の「東京都の聴覚障害教育の今後の在り方について」の報告事項について質疑を行うとともに、請願陳情の審査を行います。  これより教育庁関係に入ります。  初めに、過日の委員会で聴取いたしました「東京都の聴覚障害教育の今後の在り方について」の報告について質疑を行います。  本件についてご質問等のある方は、発言を願います。 ◯かち委員 東京都の聴覚障害教育の今後のあり方について、ほぼ一年間にわたって検討をされてきた内容がまとめられておりまして、私も一応目を通させていただいたんですが、この中で私の印象に残ったところでは、聴覚障害のある子供の全人的な調和のとれた発達を促し、保護者の多様なニーズに可能な限り柔軟に対応できる保健、福祉、教育の各方面からの総合的な支援体制の充実が求められるという内容がとても印象的でしたし、私自身も実にそのように思うわけです。幼児教育を重視する意味でも、ゼロから二歳にかけての早期発見、早期教育体制を充実していく、そういう場合には、教育関係だけではなくて健診──保健所や、そして福祉行政との連携も非常に求められる、そのネットワークが必要だろうなとつくづく思っております。  資料がついていますので、これについてお聞きしますが、資料の四〇ページで、資料13です。小学校の難聴学級、障害の程度別児童数の推移というのがグラフで載っております。これを見てみますと、普通学校の難聴学級に通級する子供たちを見ると、五年分あるんですが、二、三年前から全く聴力の測定不能な子供の数も目立ちますし、それから日常会話がほとんどできない、こういうお子さんの数もふえているという状況があるんです。本来、聴覚障害のための難聴学級が日常の学習をする上で、これが悪いためにそれを補うための学級として存立されたと思うんですが、こういう現象を見ますと、随分さま変わりしてきている。保護者の皆さんの要求も高まってきているあらわれなのかなというふうにも思うんですが、実際のところ、こういう難聴学級に通級しているお子さんの教育効果というのはどのようになっているでしょうか。 ◯加島学務部長 難聴学級は、ご案内のとおり、生徒が通級することによって聴覚関係の指導を受けるということでございます。したがいまして、聴覚障害の程度の重い生徒につきましては通級指導時間を可能な限り確保することによりまして、指導の効果を高めているところでございます。 ◯かち委員 ちょっと趣旨が違っていたように思うんですが、本来ならば、早期に発見して、その障害を持つお子さんは聾学校で基礎からきちんと教育をした方が自己実現、学力を伸ばすことができる対象も今は難聴学級に行っているという事態があるわけですけれども、そういう中で実際に学力が十分についていっているのかどうか、そういうことについてどのようにお考えになっているかお聞きしたい。 ◯加島学務部長 難聴学級で、通常ですと週に一回とか、そうした形で通って難聴関係の、聴覚の活用等の指導を受けているところでございますけれども、それだけではやはり十分でないということで週何回か通う、通級時間を多くする、そういうことと、また通級学級において学科の教科の学習の補習といいますか、そうした指導も行いまして効果を上げているところでございます。 ◯かち委員 比較対象がなかなかないので、こういうことをきちんと評価されるのは難しいとは思いますけれども、私としては、選択の幅はいろいろあるべきだと思います。保護者の皆さんのニーズの多様化にこたえる、そういう対象にするべきだろうとは思うんですが、本来なら、そういう聾学校できちんと基礎的な教育をしながら学力をつけていく対象でありながら、普通難聴学級に通級している対象が果たしてどういう状況に置かれているのかなというのが非常に懸念されるわけで、そういうところはぜひ教育委員会としても把握をしていただきたいと思います。  ゼロ歳からの早期発見、早期学習、教育の必要性というのを子供たちだけではなくて、母親、父親、保護者自身が聾教育の重要性、必要性について認識をする場でもあると思うんです。子供だけではなくて、親への啓蒙活動にもつながるのではないか、そういう意味で保健、福祉、教育のネットワークが非常に必要ではないかなと思っております。
     次に、適正規模、適正配置を考える際に、そういうことが基本的にこの答申の中には流れているわけですが、大前提となるのは、子供たちが身近なところでそういう学校に通える条件があるということだと思うんです。しかし、ここに分布図が載っておりますけれども、非常に都内でも学校の数は限られているわけですね。これ以上学校をくくってしまうということは、幼小中学の義務教育の子供たちの通学困難を生み出すことになるのではないか。とりわけ聾学校でも重度重複児童がかなりいるわけですけれども、こうしたお子さんは通学できなくなってしまうのではないか、こういう問題について教育委員会としてはどのように考えていらっしゃいますか。 ◯加島学務部長 今回の答申では、確かに適正規模、適正配置の提言がされているところでございますが、その際、検討に当たっては、特に幼少につきましては通学の便を重視しながら考える必要があるとしているところでございます。  また、重度重複の生徒についてどうするつもりかと、教育委員会はどういうふうに考えているかということでございますが、重度重複の生徒の通学の便を重視することは、それはまた当然であるというふうに私たちも思っておりますので、仮に適正規模、適正配置の計画を立てる場合には立地条件のよいところを検討するとか、あるいは場合によっては、障害が重複した生徒でございますので、近くの養護学校の重度重複学級において個に応じた適切な教育が実施できるような、そうした体制も考えていく必要があろうかというふうに思っております。 ◯かち委員 今のご説明だと、幼少についてまでは通学距離を考慮するけれども、中学部についてはしないというふうに聞こえますけれども、小中が義務教育になっているわけですが、その点で中学部はもう切り離してもいいというふうなお考えですか。 ◯加島学務部長 この答申にございまして、適正な学校配置を考える場合の具体的な視点が載っております。この適正な配置あるいは適正な学校規模を考えるということは、現在の都立の聾学校が非常に小規模化しているというところがあって、集団としての教育効果が非常に上がりにくい状況にあるというそういう判断のもとに適正規模、適正配置が提言されているわけでございます。しかし、そうした中にあっても幼、小学校においては通学の便を重視する必要があるのではないか。中学部においては通学の便、そしてまた集団としての教育効果と申しますか、学校規模とのバランスを考慮する必要があるのではないかと、このような答申が行われているところでございます。 ◯かち委員 こういうところでは教育効果が上がらないというふうにすぐお答えになるんですけれども、小規模教育がなぜ教育効果が上がらないかという点では、やっぱり議論のあるところだと思うんです。現場の先生方のお話や実際の現場を見ていただくと、小規模でも丁寧な指導ができるという点では教育効果が上がるんですよ。実際にそういう集団的な接触や健常児との接触、場面というのは工夫次第で幾らでもできると思うんです。ですから、こういうところに教育効果というふうにすぐ出されないで、むしろさっきの問題についての教育効果をぜひ検討していただきたいと思うんです。  次に、こういうふうに統廃合をしていくと、全体的にはバランスがとれたとしても、必ずどこかが切り捨てられるということになるわけですね。そういう場合に一番弱い部分が切り捨てられてしまうという、高校統廃合の問題でも同じですけれども、そういうことを教育の分野で起こしてはならないと思うんですよ。ところが実際には、もしこういうふうに統廃合がされていきますと、今まで身近に通っていた学校がなくなってしまう、通学が遠くなるということによってどこが削られてしまうかというと、重度重複障害のあるお子さんですよ。そういうお子さんは、一時間以上もバスに乗って学校へ行くことができない。そうなると、結局身近な最寄りの養護学校に行くことになるでしょう。個別の問題はあると思うんです。個別にいろいろな障害を持っていても、この子がどこに行くのが一番適当かというそれぞれの判断はあるだろうと思うんです。そういう通学条件の理由によって、本来聾学校によってコミュニケーションを十分に習得できる状況をつくり出せるにもかかわらず、それが養護学校というところで、そこは聾専門ではありませんから、体制的にも非常に厳しい状況の中に置かれるわけですから、できる可能性をそこで阻んでしまうのではないか、そういう問題を思うわけですね。ですから、こういうことによって切り捨ては絶対にしてはならないと思うんですが、その辺は大丈夫というふうにお考えになっているでしょうか。 ◯加島学務部長 この適正規模、適正配置は、通う生徒たちにとって魅力ある学校にしていく、そのための基盤としては一定の集団がどうしても必要なんではないかというのが、この答申の考え方の基礎にあるというふうに考えております。したがいまして、もちろんこの答申においては、通学の便も十分考慮しながらという留保はついているわけでございます。先ほど具体的にも申し上げましたけれども、適正規模、適正配置を検討するに当たっては、そこが必ず、今まで通いやすかった人が、あるいは多少不便になる、逆に場所によっては、今まで通いにくかった人が通いよくなるとか、そうしたことは必ず起こってまいりますので、通学の許容範囲とかそうしたこともあると思います。そうしたことも考えなければならない。また、先ほどの重度重複児のために、どのようにしたらよろしいかというようなことも考えなければならない。そうしたことを総合的に考えていく必要があろうかというふうに思います。それで、重度重複児の場合については個々に判断する必要があろうかというふうにも思いますが、児童生徒の所在地に近い養護学校での受け入れということも検討に値するのではないかというふうに考えているところでございます。 ◯かち委員 そういうお答えをいただくとは思っていませんでした。  先ほど私もいいましたように、個々の状況に応じて必要な、重複している場合にどこを選択するかという必要性から選ぶ養護学校というのはあるだろうと思うんですけれども、この統廃合によって通学が困難になっていかざるを得ないという、そういう状況はつくるべきではない、そういうふうにいったんですけれども、そういうふうには考えない、もうこうなったら養護学校へ行ってもらうしかないということですか。 ◯加島学務部長 先ほども申し上げたというふうに思いますが、重度重複の子たちについて通学の便をよくする、あるいは通学しやすくするというのは基本的な考え方としてそれは当然あると、教育委員会としてはございます。ただ、その場合に重度重複の子供、特に重複──難聴とプラス知的発達障害とか、そういうようなことがある場合が多いわけでございますが、そうした場合に聾学校を選択するか、あるいは近くの養護学校を選択するか、仮に養護学校を選択した場合でも、養護学校において十分に指導できるような体制を検討する必要があるんだ、こういうことを申し上げたところでございます。 ◯かち委員 ちょっと考え方が平行線のようです。養護学校で十分な体制がとれるようにするというふうにおっしゃいましたけれども、今でさえ養護学校の状況はなかなか厳しい状況にある中で、実際にそれが可能なのかというのはかなり疑問に思います。ぜひそういう切り捨てをつくらないということで、総合的な検討をしていただきたいと思います。  次に行きますが、資料の三七、三八ページ、資料10、11にありますが、幼稚部から、教育効果が上がって普通小学校へ入学した児童というのは一四%弱見られるんですね。ところが、小学部から中学部へ入学した児童はゼロ%、小学部の聾学校からはもうほとんどの児童が中学部に、そのまま聾学校に行っているというパターンになっているかと思います。幼児教育で教育効果が上がって小学部に入学した児童も一四%いるわけですが、果たしてこの児童が六年間の小学教育の中で本当にうまく発達してきているのか、普通教育についていくというふうにいっていいのか、こなしていける状況にあるのかどうかという、そういう追跡調査はされていないんでしょうか。 ◯加島学務部長 聾学校幼稚部から通常の小学校に入学した場合、その多くの生徒は難聴学級に通級するというような形をとっている場合が多いということがございます。全く通わない生徒もそれはいるわけでございますが、そうした形態をとっていることが多いということでございます。  それから、聾学校のサイドからの追跡といいますか、それについては現在のところそうした体制をとっておりませんが、立川の聾学校におきまして通常学級に入った生徒について通級という形で指導をしている例がございます。 ◯かち委員 ゼロ歳からの早期教育が功を奏していった、今後の過程の中ではどのように展開されていくかというのはまだわからないんですけれども、可能性もあるのかもしれませんが、幼児教育の中で一定の効果を上げたとしても、普通学校に行った場合に、低学年の間はそれほど学力的な差がないと思うので、何とか一緒にやっていけるかなとは思うんですが、それがだんだん高学年になっていくと非常に厳しいものがあるのではないかと思うんです。ぜひその実態をつかんでいただきたいと思いますと同時に、小学校から聾学校には一〇〇%そのまま上がって、そこから普通の中学に行く子がいないという状況を見ても、なかなかそれは厳しいのではないかなというふうに思うんです。ですから、その辺の調査はぜひしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◯加島学務部長 小学校を選択して小学校に入学していくと、聾学校の小学部に入らないで小学校に入学していくというような形をとるわけでございますが、その後追跡調査を我々あるいは学校が──学校といいますか、聾学校がすることを保護者が望むかどうかという問題もあろうかというふうに思っております。ですから、もし保護者あるいは生徒の方で聾学校の力をまたかりたいというようなことがあるとすれば、それに対して聾学校は手を差し伸べていくということは必要であろうというふうに思っております。 ◯かち委員 申請主義ということなんでしょうか、今、社会的にはノーマライゼーションというようなことで障害があろうがなかろうが同じように生活できる、学習できる条件をということで、一般的な風潮というか、親御さんの心理としては、難聴であってもなるべく普通の学校に入れたい、難聴学級で何とか理解できていけばいいなという願いがあるのはわかりますけれども、そのことと、実際にこの子が、どういう状況をつくり出すのがこの子にとって一番効果的なのか、いいのかということを本当に親御さんと保健や福祉、教育関係の方々が率直に相談し合えて条件をつくっていくことが望まれると思うんです。この答申の流れの中では、保護者のニーズ、保護者の考え方がこうなってきているから、それに合わせてこうするよというふうな流れになっているんですけれども、子供にとってどういう状況が一番必要なのかということを前提にした内容でなければならないと思うので、ぜひ計画を立てられるときにはそういうことも──だから、その辺の実態をつかんでほしいといったわけです。  最後になりますが、二十三区内に三校しかない高等部の職業コースの重複設置の解消というのがあるんですが、これも通学条件になるんですけれども、二十三区で三校しかない中で、一つの学校でしかコースの選択が選べないということは、非常にこれも子供にとっては選択の幅が狭められてしまう。だから、決していいことにつながらないように思うんですが、その辺の見解はどうでしょうか。 ◯加島学務部長 高等部の生徒の現状を見てみますと、例えばの話でございますが、綾瀬ろう学校の家政コースというのがございます。これは高等部二年生、三年生、専攻科一年生、専攻科二年生合わせまして三人がこのコースを専攻しているというようなことがございます。また、石神井ろう学校情報機械科は、本科の三年生、それから専攻科の一年生、二年生合わせて六名というようなことで、場合によっては各学年一人あるいは二人というようなコースもございまして、結局、その生徒たちはいつも授業を一人で受けるというようなこともございます。そうしたコースが、各学校に同じようなコースが置かれているというような実態もあるということでございまして、この委員会の答申ではそうした類似の、あるいは同一のコースは統合再編成してみたらどうなんだろうかと、そのことによって集団教育といいますか、一定の規模に立った生徒の教育ができるのではないか、そうした考え方をとっていると思います。したがいまして、私どもといたしましては、もちろん交通といいますか、通学のことは考慮しなければならないわけですが、それとあわせて重複して設置されているコースの見直し、あるいはその方法を検討していく考えでございます。 ◯かち委員 やっぱり幾つかこちらの考えとは違うなというふうに思うんですが、この答申の前文の中に、聴覚障害児の一人一人を大切にし、個人、個に応じた教育を充実改善するためにという視点からこういう答申が考えられたという点からすると、今のようなご答弁では条件を狭めてしまうということに向かっていくと思うんです。そういう意味で、この答申を出された委員会の構成メンバーを見ますと、関係者はいるんですけれども、現場で直接子供たちを見ている代表が二十八名中一人ではないかと思うんです。そういう現場の先生方の意向、考え方を反映できる場がないのではないかと思うんです。ですから、今後計画を策定されていくに当たっては、ぜひ現場の実情、それから声を反映させる中で計画していただきたいということを申し述べまして、私の質問を終わります。 ◯土持委員 聴覚障害教育の今後のあり方ということで答申が出されたわけですが、この過程でいろんなご意見が寄せられております。それは、ゼロ歳からの教育ということについては我が会派も随分本会議で質問したりしてまいりましたけれども、この実施に当たって、その見返りとして聾学校の統廃合、引きかえというんですか、そんな感じで受け取られているご意見を持っている方が随分いらっしゃいます。答申を出されたときにいつでもそうなんですが、もっと丁寧に、また都民の皆さんにわかりやすく、ぜひ正しく理解をしていただくということも含めまして、そういうご意見に対してどういうふうに教育庁がお話ししているのかというようなことが、必ず何か答申が出ると意見が寄せられるわけですから、その点について、まず引きかえにするという意見に対してどのような見解を持っているか、お示しください。 ◯加島学務部長 答申に示されましたゼロ歳からの早期教育につきましては、衛生局、福祉局、都教育委員会の三者が連携して弾力的に実施していく方向が示されたところでございますし、また、家庭や病院等への巡回訪問の形態等も挙げられているところでございます。本答申の精神といいますか、そうしたゼロ歳からの早期教育に始まりまして、高等部の専攻科二十歳までの聴覚障害、乳幼児、児童生徒の教育の充実や高等部卒業後の相談機能に及ぶ新しい施策について総合的に提言しているものでございまして、そのような引きかえというようなことではございません。 ◯土持委員 もう一つ強く出ていた声は、財政健全化計画とかあるいは経済効率主義ということで、聴覚障害教育の切り捨てにつながってくるんじゃないかという懸念の声が非常に強かったんですけれども、これについてはどうですか。 ◯加島学務部長 この答申におきましては、都立聾学校の少人数化が進みまして、児童生徒の学習意欲の停滞を生み出している。また、切磋琢磨の機会を逸しているというそうした判断、そうした課題が指摘されているところでございます。答申には、魅力ある都立学校に改革するために児童生徒の社会性や協調性の伸長を図ることのできる、一定の学習集団の確保のための適正な学校規模と適正な学校配置が提言されたものでございます。答申には、このほか魅力ある都立学校としていくための改善充実策が数多く提言されているところでございます。 ◯土持委員 もう一つ、この検討委員会の中で、委員の先生の中で専門委員の方がいらっしゃると思いますけれども、その委員の方の今回の答申に当たってのご意見というか、統廃合に対するご意見がありましたら示していただければと思います。 ◯加島学務部長 この検討委員会には、聴覚障害者関係の団体の方からもご意見をいただき、あるいは意見書も提出されているところでございますが、その聴覚障害者団体の意見書の中には、確かに聾学校の学生数は減少しています、現状を見る限りでは、ある程度の合理的な統廃合も必要ではないかとも考えていますというくだりがございます。 ◯土持委員 魅力的な聾学校の改善充実をということで、この答申の中に書かれております。また、コースの統合についても書かれているわけですけれども、一貫していえることは、遠距離にわたる生徒児童さんの通学、このことが最大懸念されるんじゃないかと思うんです。これについては先ほどもちょっと答弁がありましたけれども、改めてどのように考えているか示していただきたいと思います。 ◯加島学務部長 答申では、幼稚部、小学部については通学の便を重視するということが書いてございまして、中学部においては通学の便と学校規模とのバランスを配慮して、具体的な計画を慎重に検討していく必要があるとしているところでございます。また、高等部については生徒の社会性や協調性の伸長と主体性や自立心等の育成を図るために一定の学習集団の規模の確保を重視して、具体的な計画を検討していく必要がありますが、適正配置に当たっては交通の便等の立地条件に配慮をしていく必要があると私どもも考えているところでございます。 ◯土持委員 立地条件はよくわかるんですが、立地条件を検討するに当たって、統廃合するわけですから、どうしても距離が遠くなる方が出てくる。何となく今の答弁ですと、バスを回せばいいとかという部分が出てきそうな感じがするんですけれども、十分に遠距離の通学について検討をこれからもいただきたいし、さらに聴覚障害者の方々の意見を、これからもさらに聞いていくという姿勢が非常に大事じゃないかと思うんですね。  最後になりますけれども、重複障害の教育、先ほど質疑がありましたけれども、改めて今までと変わってこういうところを重視してやるんだということを示していただきたいと思います。 ◯蛭田指導部長 都立聾学校には聴覚障害に知的発達障害等をあわせ有する重複障害の幼児、児童生徒が平成九年五月一日現在六十人在籍しているわけでございます。東京都では、こうした生徒のために重度重複障害学級を設け、個に応じた教育を行ってきたところでございます。しかしながら、ご指摘のように、重複障害教育の充実が大きな課題でございますので、幼児、児童生徒の多様な実態に応じましたコミュニケーションの指導の調査研究を鋭意行いまして、重複障害教育の手引書の作成などを通しまして、さらに重複障害教育の充実に努めていく所存でございます。 ◯土持委員 何となく教科書を読まれているような感じがしたんですが、こういう教育のいろんな答申を出す場合に、気持ちの部分が非常に大事だと思うんです。ですから、今までこうだったからこうだったというしゃくし定規じゃなくて、今後この答申に基づいていろんな形で施策を推進するわけですから、また、今児童一人の方で年間千五百万円ぐらいたしか予算措置がされているんじゃないかと思いますけれども、大変な予算を計上して実施するわけですから、その中にぜひ教育庁の気持ちという部分をもっと入れて、もう少し人間的な対応というか、いろんな話し合いの中から、それを目指してぜひ頑張っていただきたいということを切に要望して終わりたいと思います。 ◯藤川委員 私の前に質問に立たれました、かち委員それから土持委員の質疑を聞いていて、私がこれから質問させていただくことに関しては、まず最初にこれだけはっきりさせておく必要があるのかなと急に思い立ちまして、この点は答弁をいただかなければならないんですが、ちょっとお聞きしたいんです。要するに、英語でいうハンディキャップト・チルドレン・パーソンという、そういう障害を持たれた方という場合に、この聴覚障害を持っている子供たちと、それ以外のいろいろなハンディキャップを持っておられる子供たちとの大きな違いというものがあれば、まずそこをちょっと明らかにしていただきたいと思います。 ◯加島学務部長 障害があるということにつきましては特に違うということはないわけでございますが、聴覚障害者の場合は耳が不自由ということでコミュニケーションが非常にとりにくいということがございます。したがいまして、このコミュニケーションをとりやすくしていく、その障害の状態を改善、克服していくというところが非常に聴覚障害にとって大事であると。そして、聴覚障害の教育に当たっては、特にこの辺は強調されているところでございますが、コミュニケーションの基盤が育成されていくといいますか、基盤が形づくられていく、その基盤ができつつあるというところが、ちょうどゼロ歳から二歳の時期である。この時期が最も大事なんだというふうにいわれておりまして、そういう意味で聴覚障害については早期の教育が必要なんだと。他の障害においても必要でないというわけではないわけですけれども、最も効果的といいますか必要視される、こういうところがあろうかというふうに思っております。  それからもう一つ、聴覚障害の生徒の場合は一般社会に就職していく割合が相当高いということがございます。 ◯藤川委員 もう一度確認させていただきますが、思考能力、思考形態においてハンディキャップがあるのかないのか、それから、肉体的に、例えば手足というか四肢とか、そういうものが具体的にハンディキャップを負っているところがあるのかないのか。要するに、聞くということに対して非常に苦労しておられるという以外には、ほかには肉体的にハンディキャップを負っているところがあるのかないのかということを、もう一度確認させていただきます。 ◯蛭田指導部長 知覚障害の方は現在多様化しているわけでありますが、通常一つの原型としては、知覚障害があるということと、思考などの知的障害は一応は切り離して考えられるわけですが、ただ一番大きな課題は、思考の中で言語の獲得ということが密接な関係がございますので、言語獲得過程をどのように教育の場面で行うかということが最も聴覚障害の方の重要な点だといわれております。ただし、現在障害が多様化しておりますので、聴覚障害に加えまして知的発達障害が加わった場合には重複しておりますので、知的障害の部分と聴覚障害の部分がどのように重なり合ったりするかということについては、かなり可能性の分野については実践的に今後研究される必要があろうかと思っております。 ◯藤川委員 私は、東京都の聴覚障害教育検討委員会の答申を熟読させていただいたわけですが、相当高度の質の高い答申であるというふうな感想を持っております。かち委員も質問されておりましたが、特に、都立聾学校の適正規模と適正配置について私は質問させていただきたいと思うんですが、最近少子化ということでもってあらゆる面において、経済の面においても、また教育の面においてもいろいろと大きな問題を投げかけているわけですが、教育という点から考えますと、障害のある子供たちは少人数であっても、むしろ相当きめの細かい教育がなされる必要があるんだろうと思います。そこで、健常児と障害を持っておられる子供たちとの教育のあり方というのは違うものがあるだろうと思うわけですが、都立聾学校の一学級の定員は大体どのくらいで構成されているか、まず質問させていただきます。 ◯加島学務部長 都立聾学校の学級編制基準でございますが、恐れ入りますが、答申の三三ページをごらんいただきたいと存じます。現在、この聾学校の学級編制基準は国の改善計画に基づいて改善中でございますが、平成九年度でございますと、小学部一年から五年までは六名、六年では七名、中学部一、二年は六名、三年は七名となっております。平成十年度においては、小学部、中学部ともすべての学年が六名になる予定でございます。高等部本科では、平成九年度は、一、二年が八名、三年が九名ですが、平成十年度には、全学年八名になる予定でございます。一般の小学校、中学校につきましては、学級編制基準はそれぞれ四十名ということになっているわけでございます。 ◯藤川委員 私が偶然知った、ある非常に──人命にかかわる組織の教育だとか訓練にどのくらいの人数が一番適正な人数であるかということをその人から聞いたことがあるんです。要するに、もし聞き落とされた場合、また、もし長いこと話を一方的に聞かせ続けたときにもう飽きてしまった、飽きて聞く忍耐力がなくなったときに、そのチームの命にかかわるような大切なことを話をしたら結局大変なことになるわけですから、そうすると大体プラス・マイナス七名くらいが適正な人員であると、しかも時間では四十五分が限度であるといっているわけです。時間のことは聞きませんでしたが、今、部長のお答えですと、大体プラス・マイナス七名ぐらいだという面では、その規模がいろいろとハンディキャップを持っておられる子供たちのためにという面では適正なのかなと思います。  念のために、公立小学校、中学校の学級編制の一学級当たりでは、今どのくらいの都の平均の学級構成になっていますか。 ◯加島学務部長 本年度の五月一日現在の調査でございますが、普通学級の平均は小学校では三十・七人、中学校では三十四・七人でございます。 ◯藤川委員 先ほど人命にかかわる組織の適正人員で七名プラス・マイナスという話を私の方からさせていただきましたが、都立聾学校の定員が一学級六名から八名というのは、そのくらいの人数が教育的に考えて適正であろうという理由があると思いますが、聾学校の場合の七名プラス・マイナスという適正人員というお考えのその理由をお聞かせください。 ◯加島学務部長 都立の聾学校を初めといたしまして、障害のある幼児、児童生徒については、その障害の種類や程度等に応じて特別な配慮のもとに手厚くきめ細かな教育を行いまして、一人一人の可能性を最大限に伸ばしまして、社会参加、自立を実現していく必要がございます。そのため、個々の児童生徒の障害の状態や発達段階を考慮いたしまして、少人数による学級編制、手厚い教職員配置などを行っているものでございます。 ◯藤川委員 一学級の定員が六名から八名ということになりますと、聾学校の少人数化という、今ここで一番懸案になっている事柄ですが、現状はどのような実態になっているか、その点はどうですか。 ◯加島学務部長 答申が問題といたしましている中心的なところは、そこの各学年に何学級あるかというようなところが中心になっているところでございますが、現在、都立聾学校の小学部六校でございますが、六校で三十六学年ということになります。二学級以上の普通学級のある学年は九学年ということになっております。二十七の学年では単学級という実態でございます。中学部では十八学年ということになりますが、二学級以上の普通学級のある学年は五学年ということで、残りの十二学年は単学級ということになっているところでございます。 ◯藤川委員 よく英国の映画なんか見ていますと、豪邸の中で、すごいお金持ちが家庭教師を雇って子供を一対一でもって教育するという場面をよく映画やテレビの中で見ますが、私は、学校という組織があって、その存在価値とか存在理由というものはどこにあるのかと考えるわけです。もし人数が、子供の数が少ない方がきめ細かな教育指導をすることができる、その子供の持っているいろいろな資質というものを引き出すことができるというそういう考え方もありますが、でも、我々人間が一人で生きていくんだったらば一対一で教育を受けてもいいわけですけれども、ここにも大勢の人がいて、その中でお互いに意見を闘わせ合っていたり、いろいろと大勢の人の中でもって、人の間でもって我々が生きるという限りにおいては、学校教育の場、学校の存在理由というのは一対一ではないんだろうと思うわけです。要するに一対一の、教える先生が一だとすれば、その受ける側は、ある一定の複数の生徒たちがそれに対応するという形をとっている。だから私は、学校の存在価値というのはそういうところにあるんだろうと思うわけです。そういうことを考えた場合に、個別指導をきめ細かに行うという観点からは子供の数が少ない方がよいと思われますが、その他教育上にどんな問題があるかということについて重ねて質問させていただきます。 ◯加島学務部長 子供の数が少ない方がいいのではないかということでございますが、聴覚障害の状態の改善のためには、一人一人の児童生徒に対する個別のきめ細かい指導が必要なことは、これはございます。そのためにも個別の養護訓練ということをやっているところでございます。ただ、それだけに終わらず、それに加えまして、都立聾学校の教育では教科学習、クラブ活動など集団の指導を通して児童生徒の全人的な育成を図ることも大切な目標となっているというふうに考えております。現状の少人数化した都立聾学校の小学部、中学部においては、児童生徒の学習意欲の停滞、自分の学力の状況を認識しにくいといった実態がございまして、児童生徒同士の響き合いや切磋琢磨の機会を逸していると答申では指摘されているところでございます。さらに高等部におきましては、体育、クラブ、部活動などの集団を基本とする活動ができにくく、青年期に欠くことのできない活力ある集団の確保が困難な状態にございます。 ◯藤川委員 三月の二十一日に私どもは、小金井の第二小学校という学校の同窓会を開いて、皆で集まろうと。そのとき、私どもの一学級編制というのは、大体五十五人プラス・マイナスぐらいの大世帯だったんです。今考えてみますと、先生から相当きめの細かい個別的な指導を受けたようでもあるし、受けないようでもあるし、だけど先生からいろいろな刺激を、いろいろな教えを請う以外にいろいろな種類の仲間がいた。現在この年になりまして、ああそうか、おまえ随分変わったなというような形でもってお互いに昔を懐かしむという限りにおいては、仲間から受けたいろいろな感化なり影響力というのは相当強いものがあると思います。私は五十五人でもってサツマイモをかじりながら教育を受けたということを非常に懐かしんでいるんですが、子供たちがともにかかわり合ったり刺激し合ったりして育つためには、どの程度の規模の集団が必要だというふうにお考えですか。 ◯加島学務部長 難しい問題であるというふうに思いますが、幼児、児童生徒が学校生活を通してコミュニケーションの力や学力などの伸長を図るためには、集団の中で切磋琢磨する関係が重要でございます。一定の学校規模の確保によりまして、教科学習やクラブ活動、遊びなどの中で、ともに励まし合う心や協調性、社会性を育成することができるというふうに考えているところでございます。そのために答申では、小中学部では各学年二学級、高等部においては各学年三から四学級の確保が望ましいと提言されているところでございます。 ◯藤川委員 先ほど五十五人でもってサツマイモをかじりながら授業を受けた話をしましたが、それは戦争直後のそういう状況下の中で、そういう教育を私どもは受けたわけです。世の中がだんだん変わってきますと、その変化に応じて、また時代のニーズにこたえるような形でもって、教育のあり方というのも随分変わってくるだろうと私は思うわけです。そういう面で、これからの時代というものが今物すごく日本にとって、私はすごく大きな一つのターニングポイントに入っているんだろうと思うわけです。そして、今までのお金の使い方一つにしましても、今までのような予算の配分でいいのか、今までと違った時代のニーズにマッチしたお金の配分、使い方というのは必要だろうと私は思っているわけです。だから、景気を回復するといっても、今までのようなお金の使い方でもって景気を回復したらいいのかということになると、これは疑問だと。  また、学校の荒廃に関してもいろいろな教育のあり方に関しても、今までのような状態でもって教育予算を配分していけばいいのかというと、これもまたそういう時代にはなっていないんだろうと思うわけです。そういう面で、もし時代にマッチしていない面があるとすれば、また、もし聾学校──私自身調べてみたんですが、公立の小中学校と比較して、生徒一人当たりの校庭というんですか、学校の広さが八倍も九倍もあるという状況でもって、そういう面では相当──先ほど加島学務部長はいろいろな質問に対して答えておられましたが、要するに少人数化しているということを考えた場合に、そういう面で余剰、余分といわれるようなスペースなり、何かがもしあったとしたら、それは時代のニーズにおいて、ほかの社会福祉の面に回すとかいろんなことを適正に配分しないと、幾らお金があっても足りないという状態が起きる、私はそういうふうに思うわけです。だから、そういう面では決して子供たちの教育というものをないがしろにすることなく、懸命にこれからハンディキャップを負っている子供たちのために適正な教育を施していただきたいということを意見を申し述べまして、私の質問を終わります。 ◯田代委員 答申を読ませていただきまして、一言申し述べさせていただきたいと思います。  私が昨年、第四回の定例会の一般質問の中でこの答申について質問させていただいて、教育長さんから前向きなご答弁をいただいたところでありますけれども、答申には、ゼロ歳からの早期教育の弾力的な実施や都立聾学校卒業後の相談機能の整備など斬新な提言がたくさんなされております。まだまだ改善の余地がございますけれども、この答申の中で都立聾学校の回復に向けて私が共感したことを幾つか述べさせていただきたいと思います。  まず、この答申の中にあります中高の一貫教育についてでございますが、私が知る限りでは、愛知県の県立名古屋聾学校が中学部と高等部を併設している、設置している唯一の学校であると覚えております。中高一貫教育は全国の聾学校にほとんど例のない教育のあり方でありまして、都立聾学校の新たな一つの具体的な方向性が示されたものと考えております。また、都立聾学校高等部の今後のあり方についてですが、進学やまた就職の生徒さんたちの多様な学習のニーズにこたえられる職業コースなどの再編、あるいは統合をぜひ検討していただきたいと存じます。  また、これに関連いたしまして、答申にありますように、児童生徒数の減少に従いまして、適正な学校規模や適正配置についても、児童さんあるいは生徒さんの立場や環境を重視して検討を進めることもぜひ必要であると考えております。  さらに、都立聾学校の専門性の向上についてでございますが、聾学校の教諭普通免許状を所有する教員をふやすことと並びまして、外部からの専門家の導入ということが提言されましたが、町田市にあります私立の日本聾話学校ではオーディオロジストを置いて高度な技術による聴覚管理を行っております。都立聾学校においても専門医師や、あるいはその専門家などの導入によりまして、いろいろ改善を図っていくという提言がなされておりますが、これは大変意義深いことであろうと思っております。また、このほかには、答申には開かれた都立聾学校の推進が提言されておりまして、第十五期の中央教育審議会の第一次答申におきましても、地域の人々への学校施設の開放や学習機会の提供、あるいは地域コミュニティの拠点としての条件整備などの推進が提言されております。都立聾学校におかれましても、開かれた学校としていくための検討を積極的に進めていただいて、あわせて都民に施設や設備を開放する視点というところから、老朽化した校舎の改築も進めていただきたいと存じます。  このようにして東京都の聴覚障害教育の今後のあり方について、全般的に言及されました──答申が示されたことは大変喜ばしいことでありまして、検討委員会の委員の皆様方のご努力にはこの場をかりて感謝を申し上げるんですが、しかし、この答申の具体化につきましてはまだまださまざまな問題が残されておりますので、教育委員会においては鋭意取り組まれるようにお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。 ◯桜井委員 私は一点だけ質問しますが、一九ページと二五ページですか、つまり区市町村との連携強化とかあるいはまた区市町村の充実強化と、そういったことで中身も書いてございますが、これを読まないで生の声で、これからどういう、具体的に現在こうなっているからこれからこうやっていくんだと、それをひとつ具体的にいってください。 ◯加島学務部長 現在、区市町村が行っております聴覚障害教育は、小中学校に難聴学級を設けまして、普通学級から通ってくる生徒の聴覚活動あるいは補習というようなことをやっているところでございます。ただ、これは区市町村が設置しておりますが、この答申におきましては必ずしも適正に設置されてない、適正な配置がされていないというようなことが大きな問題ではないかということが一つございます。  それからもう一つ、先ほどもご質問ありましたけれども、聴覚障害の重い子供がだんだんとふえている。その子供たちの教育を効果的に行う必要があるんだと、そうした課題が示されているところでございます。したがいまして、私たちは東京都でございますけれども、東京都と区市町村の両者がよく協力し合いまして、適正配置あるいはそこにおける教育内容の向上ということに努めていかなければならない、こういうことでございます。 ◯野村委員 既にいろいろな論議がされてまいりましたが、私も今度の答申を読ませていただいて一番特徴があるのは、ゼロ、一、二歳の早期教育の実現について答申されているという点だと思います。今、早期発見それから乳幼児の健診の普及、また、それによる早期発見、それから聴覚の補償技術の進歩の中で大変早期教育というのは重要なものだと私も思います。  都立聾学校ではもう随分前から、十何年前からでしょうか、制度としては位置づけられないけれども、幼稚部の教員を兼任したり、人を別に抜いて張りつけたりというような形で、大変工夫をして教育相談というような形で、今までもこのゼロ、一、二歳の早期教育を実施してこられたと思います。こうした教育を受けて育った子供たちが各学校にいるわけですけれども、その子供たちの教育効果、これはまた非常に難しいことで、障害の程度というのが、一人違えば皆違うというようなそういう状況なので、なかなか大変だと思いますが、何か教育効果というようなものがいえるとすれば、ご報告いただけたらありがたいと思います。 ◯蛭田指導部長 早期教育におきましては、特に近代の医学ではそうした障害の克服の医学的な発達がございますので、早期の診断というのが重要だとされております。とりわけ言語理解や言語消失等のコミュニケーション能力の基礎を養うという点ではタイムリーな早期教育、早期の障害の発見が重要であるというふうに私ども考えております。あわせまして、この残された聴力を可能な限り早期の段階から活用いたしまして、聴覚機能や言語能力の発達を促すということが重要であるというふうに思っております。またあわせまして、この障害を持つ保護者の方が養育の過程でそうした障害の内容についてご理解をいただくということが、幼児の全体的な発達を促す上でも極めて教育的な効果があるというふうに思っております。 ◯野村委員 実践的な効果を伺いたかったんですが、子供がこうだということで……。  私もこの間、最近では立川ろう学校を見せていただきまして、ゼロ、一、二の教室といいますか部屋で、ちょうど一歳になってよちよち歩きを始めた子供たちが三人、教育を受けている場を見てまいりました。小さいながらも補聴器をつけて、FM補聴器という、そういうエリアの中で喜々として活動しているという姿を見てきたんですけれども、本当に考えてみますと、私も子育てをやりましたけれども、生まれたときからあらゆる機能を、聴覚を使って子供たちが音を獲得し、それが言葉になり、物とつながり、それで一つ一つ言葉を獲得して、その言葉によって考えるというそういう過程を経て、知恵を働かせ育っていくということになるわけですけれども、その聴力を残念ながら大変弱いままで生まれてきた子供が、そういう言語能力の獲得に大変な時間がかかるというか、そのまま放置すれば獲得さえできないというような、こういう状況に置かれているわけですよ。それを一刻も早く、今おっしゃったように残された機能を十分に可能な限り活用して、そういう知識、まず言葉ですね、言葉を獲得するというそういう指導を一日も早く、生まれたときから一日も早くスタートさせるということがどんなに大事なのかということを、私も子供たちを見ながら思わされてまいりました。  この答申の中では早期教育、今までは幼稚園以上が教育だから、文部省の管轄下だから、ゼロ、一、二は教育じゃない。厚生省管轄の保育でもないし、全く特別なんだから、教育相談という名前をつけてというか、そういう名前にしてでも教育が必要なんだというやむにやまれぬ、教育関係の皆さんの頑張りで教育相談というのがやられてきたものを、今度はきちっとこの答申の中で早期教育という形で教育が必要なんだというふうに位置づけられた、これは本当にすばらしいことだと私も思っているわけです。先生方の努力というのも大変なものがありますけれども、ぜひそういう教育というものの位置づけを活用して、多くの子供たちがそういう教育を早期から受けられるというふうになりますように頑張っていただきたいなと思っております。  こういう早期からの教育の上に立って、幼稚部それから小学校、中学校、高等部と教育を積み重ねていくことになるわけなんですけれども、立川ろう学校でも一年生、二年生、三年生、四年、五年、六年と小学部から中学部、高等部、専攻科というところまで一応全部見せていただいてまいりましたが、それが早期教育の上に積み上げられているということを大変強く感じたわけです。  それからまた、子供たち一人一人が障害も違う、障害の程度も違う、聴力ですね。それから、それをいつから教育が始まったか、受けられたかというその時期で違うという、本当にその組み合わせは千差万別で、子供が十人いれば十人それぞれが違う中で学校として──さっきの小中学校は六人、来年度は全部六人になりますね。高校は八人というのが一クラスで、先生を中心にして子供たち一人一人が机を丸く囲んで先生の顔が見えるという、こういう位置で指導が進められていたわけですけれども、私たちも健常児の教員をやってきて四十人とか五十人の子供を指導しましたけれども、こういうふうに一斉に話をすれば聞いていない方がおかしいというか、しっかり聞きなさいということをいえばいいわけですけれども、ところが聴力障害の子供が本当に先生が今いったことをわかったのかどうか、聞こえたのかどうか、聞こえても理解ができたのかどうか、一人一人先生がそれを確かめなければならないという、一人一人に声かけをして、そしてそれを確認するというそういう限度からも──今度六人ということで、六人でも大変なことだと思います。  重複学級という話が先ほどございましたが、重複の子供たちは三人で一つのクラスですよね。そういう形で三人で、ちょうど流感がはやっているときなので、二人の学級のところを一人しかいなくて、先生一人に子供一人というそういう場面もありましたけれども、そういう中で教育が行われているわけです。ですから、そういう実態の中で子供たちの学力が、健常児の学校の一年生とか三年生とかそこまで積み上げてきたのと同じように、学習が積み上げられる場というところが大変困難だというお話ですね。ですから、三年生なんだけれども、一年前の二年生の教科書を使っている場合もありますよと。それから、家庭でできる、例えば漢字を書くとか、そういうようなものは宿題を出して、それでせめて補っているんですという先生のお話もございました。  こういう中で、先ほどのゼロ、一、二歳の教育というのは大変いい、すばらしいというふうに申し上げたんだけれども、今度は適正な学校規模という、これまでもそういうお話ございましたが、そういう論がこの中で出されているわけです。私は適正な学校規模というか、一学年が小中学校では二学級、高等部では三ないし四学級というふうに書かれていますから、学年規模ですよね、そういうものを持った学校というこういう立場で考えられているんですが、私は、なぜこういう適正な学校規模という、なぜというかそれはどういう根拠で、何をもとにこの適正な学校規模というものを導き出したのかというところを伺いたいと思うんです。先ほど来それに似たような、そういう答弁なさるのかなというような答弁もほかの質問でございましたけれども、重ねて申しわけありませんが、もう一度、なぜ、どういうことを基準にして適正な学校規模というふうにいうのか伺いたいと思います。 ◯加島学務部長 先生おっしゃいますように、具体的な指導に当たって少人数で指導していくと、先ほども出ましたけれども、学級編制が非常に小さい学級で指導できるということはそのとおりでございますが、その学級編制ともう一つ別に、その学校の規模というものがあるだろうというのがこの答申の趣旨でございます。例えば、先ほど少人数の六人で学級編制する、そしてそこできめ細かな教育が行われる。これは聾教育において必要なことでありますが、仮にそれが一年生から六年生まで、さらに六年生から中学部に入って九年間にわたって、その同じメンバーでずっと教育が行われていくというような固定化された中ではいかがであろうか。個別指導に加えて、それなりの友達関係を持った中で社会性や協調性をつけていく、切磋琢磨の中で子供の学力の伸長も図っていく、そういう全人的な発達を目指すためには、小学校においては二学級程度の規模が必要なんではないかとか、違ったクラスがあるということが必要なんではないだろうかということが一つございます。  そしてまた、同じ学年に二クラス複数以上の学部があるということは、それぞれ担当の教員が同じ学年につくということでございますので、教員同士の切磋琢磨と申しますか、相互の刺激、相互研修や授業研究ということも行うことができまして、教員の専門性の向上も図ることができるんだと、そうしたことから都立学校の生徒及び教員の活性化を図っていくことができるのではないか。そうしたことが、答申が各学年二学級あるいは三、四学級といった趣旨でございます。 ◯野村委員 するするっとおっしゃるから、するするっとそんなような気がしちゃうかもしれませんけれども、私はこれは納得できないんですよね。というのは、その子供たちの世界、一人一人の聾児の世界というのが小さいときほど広がっていないわけです。補聴器をつけて、それで手まねもつけながら、一番初めにさっきいいました、重複の子供一人、一対一で勉強していますというその子の机の横には指文字という絵が書いてあるんです。指で文字をあらわすという手話の前段階ですよね。そういうものをまず子供に習得をさせる、そういうところから教育が始まっているというか、そういうことをしながら子供たちが育っていくわけだから、私たち何となくこうやって今手を打っちゃいましたけれども、その聾児は私が何か話しかけたら、その手で何かいっているんじゃないかと思って一生懸命手を見詰めてくれちゃうんです。それで、ああごめんなさいという感じがしちゃうんですけれども、そういう非常に小さなというか、コミュニケーションを獲得する、つくるところから子供たちの成長が始まるんでしょうかね、それも大変なことなんですよ。  だから、今おっしゃる理屈は理屈かもしれないけれども、理屈はおっしゃるけれども、本当にそれが聾学校の子供たちにとってそうなのかどうかといったら、これは私は疑わざるを得ないんですよ。子供たち六人で、七人いれば幸せにも二学級になるわけだから、四人とか三人の子供と先生が一対一で手話も指文字も使い、補聴器を使って一生懸命耳で聞いて、ループが張りめぐらされている教室で一生懸命残された聴力を使って聞いて、そしてそれを獲得して自分のものにしていくというのは、集団がどうのという以前のことが大変大きいんじゃないでしょうか、学年が進んでも。  先ほど申し上げたように、子供たちの中にはいろんな子供がいて、早期教育を受けたから、本当に先生こうだとべらべらとしゃべって、普通聾児の言葉というのは、例えば「す」と「ず」というのは、口や顔を見ていってもどっちをいっているのかわからない。それを聞き分けるということも指導の一つですね。そういうふうにしなきゃならない。そういう教育を受けてきた子供の発音というのは、きちっとわかります。だけど、大変遅く教育を受け始めた子供というんですか、おくれている子供は、同じ三年生の子供でも、その子の発音は、ちょっと考えてみても何といったのかなと、私たちが考えるようなそういう発音で、現実にありました。  ですから、二つ学級が必要だという以前に、それからいろんな子供たちと交わるという以前に、仲間の中で自分の言語生活を発達させる、広げていくというそのことに全力を傾けるということからいえば、適正な学校規模が必要だから統廃合だといって遠くの学校に集めるんじゃなくて、本当に子供たちが苦労をせずに近くの学校に通って、そこで十分な自分の学習の時間、うちへ帰っても、遊んでコミュニケーションを高める時間、そういう時間を確保する方がずっと大事なんだと、そういう位置づけをしなければいけないと思いました。  特に教育の中で──今とはちょっとあれしますが、「す」と「ず」の話をしたついでに、私もなるほどこういう指導なんだと思ったのは、今大変新しい高いリースの機械が立川ろう学校には入っておりまして、「す」という音だったら図形がディスプレーに出るわけです。そういうふうにつくってある。そこで子供たちがそういう口の振動がそのまま伝わって画面に伝わるような装置、頭に──つけましてそれで発音すると、その子供の発音が図形に、波形に出るという、そういうような機械を持って、そういう指導が必要な子は専門の先生がついて、ここに一人ずつ座って指導をするんですよ。すばらしい機械だなと思ったんですが、その機械が出る前はどうしていたんですかと聞いたら、割りばしをくわえて、その先っぽをその子供に持たせて、先生が「す」といったときの振動と「ず」といったときの振動が違うと。自分でやってみて、先生が「ず」といったときの振動をさせて、そうそう、それが「ず」というのよということを獲得させる。それほど個々の子供に大事な音声を獲得させる、正しい音声を獲得させる。それが今の聾学校、それは一つの例ですけれども、一つ一つの音についてそういう指導を行って子供たちの能力を開発していく、発達させていくという、こういう指導が行われているわけですから、個々に応じた教育、対応した教育というのが非常に大事だということを私も感じてまいりました。  先ほど学務部長さんがお答えになりました、理屈をつけて。今度は適正な規模の学校にするためには統廃合しようというのは、これは間違っているといわざるを得ないわけです。高校改革という名前で統廃合計画が出されましたけれども、私は、その中で、先ほどどなたかの話でありましたが、経済効率がこの学校のこの答申にもあるのではないか、そういうことを思わざるを得ないんですが、そういう学校の数を減らして、その減らした学校だけはちゃんと立派な学校を建てますよと、そういうことが考えられているんではないでしょうか、いかがでしょうか。 ◯加島学務部長 先生がお出かけになった立川ろう学校は、都立の聾学校の中でも群を抜いて大規模な学校でございます。ほかの学校はもっとずっと小規模化しているような状況がございまして、そうした学校でクラスにおいて個別の生徒の、個々の生徒に合わせて指導を行っていくというのはそのとおりなんでございますけれども、しかしながら、学校の規模としては一定の規模が必要なのではないか。それは先ほど申し上げたような、小中では二学級、高等部では三、四学級が望ましいということは学校の活性化のためにどうしても必要である、教育のためにも必要である、そうした答申であると私どもは理解しているところでございます。 ◯野村委員 経済的なお金──立川ろう学校はきれいな学校に建てかえられまして、いいところで子供たちも学んでおられたけれども、二十三区の方の学校はみんな老朽化をしているので、建てかえを早くしなければならない段階に来ているというこういう状況も承知しておりますが、それを建てるには、財務局の方の立場からいえば、これを全部建てかえては大変なお金がかかるから、これを少し整理統合すれば立派な学校が建てられるよというような、そういう内々の話がこの陰に隠れてはいないかというのが私の心配でございます。  そういう意味では、私は逆に今ここの資料のトップに、二八ページに資料1として東京の聾学校の設置図がございます。この地図を見て、これは東京都全部の、端っこ、西の方が切れていますが、この中にどこに学校があるのかというのが載っているわけですけれども、たったこれだけのこの一枚の中に全都の学校が載っているので、三多摩には立川があって、ここに一つだけれども、二十三区の方は、この狭い二十三区の中にこんなに学校がいっぱいあって、統廃合すればいいじゃないかと、そういうふうに見えちゃっている、見てしまっているのではないか。私はそうではなくて、この多摩に一つしかない、立川ろう学校一つしかない、そのために遠くから通う子供のために寄宿舎もつくられているけれども、もともとはこういう聾児などは、特に親元から、親とのコミュニケーションも大事なわけですから、この三多摩に一つではなくて、ここにこそあと一つや二つの聾学校をつくる。そして子供たちが自分の近くからそんなに苦労しないで学校に通えるという、そういう状況をつくり出すことが、今東京の聾教育に求められていることではないかとさえ思います。どうでしょうか。 ◯加島学務部長 今後、東京の児童生徒、幼児も含んででございますが、全般的に減少の傾向にあるということはございます。そうした、現在でも聾学校がかなり小規模化しているという状況の中で、さらに多摩地区に聾学校をつくるということは、小規模化した学校を建てていくということになるのではないかというふうに思われますので、現在のところは考えておらないところでございます。 ◯野村委員 そこは見解が全く違う。小規模学校でもいいから一人一人にしっかりした学力をつける、聴力を獲得させ、言葉を得させ、そして、言葉で人間は思考するわけですから、言葉で考えられるような子供に育てたいのですという、立川ろう学校の校長先生の言葉、そういう教育を目指して、学校の統廃合ではなく、小規模でもいいから子供たちにしっかりした学力を得させる。集団でいえば、同じ学年の横の集団じゃなくてもいいわけですよ。昔は縦の集団で、近所でも餓鬼大将を中心にした集団がありましたね。それと同じように、学校の中でも縦の一年と二年と三年を一緒にしたそういう集団的な活動のありようがあるわけですから、そういうことも活用すれば、そんなに学級規模などということを大上段に立てて考える必要はないのではないかと思います。  最後に、先ほど来話も既にございましたが、この答申を出しました検討委員会の構成について、聾教育の先生方が余りにも少ない、聴力障害の大人の方々の参加も少ない、そういう方たちの声がどう反映したのかということがございましたが、私も本当にこれは重要だと思うんですね。実際にそういう教育も受け、聾教育は百二十年の歴史を持っているというわけですから、その中で育ってこられて今社会で活躍をしていらっしゃる方々が現にいらっしゃる、そういう方々の経験をこういう会議の中に生かすこと。それから、現在新しい段階、校長先生はもちろん聾教育をしていらした先生がお二人入っていらっしゃるけれども、今の新しい重複障害の子もどんどん学校に入ってくるというような状況の中で、それからまた、新しい機器も開発をされて学校の中に活用されているという、こういう時代に経験をしている先生方が入ってくるというのは大変大事なことだと思うんです。  聞くところによりますと、その他の障害、肢体不自由とかそういうような方向に向けても、これからこういうような検討委員会が持たれるというような話でございますが、それに向けてはぜひそうした教育関係者それから障害者、障害を持って社会で頑張っていらっしゃる方、そういう方々を参加させて広くそういう方々の意見を聞く、そういうふうに構成をしていただくように要望しまして、終わりたいと思います。 ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本件に対する質疑は、本日はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、請願陳情の審査を行います。  この際、お断り申し上げます。  本日審査いたします請願陳情に対する理事者の説明は、お手元配布の請願・陳情審査説明表をもってかえたいと思います。  つきましては、請願陳情の上程の際の朗読はいずれも省略いたしますので、ご了承願います。  初めに、請願九第五五号、遺伝子組み換え食品の表示の確保に関する請願及び請願九第八三号の二、病院給食や学校給食の自然食品(有機農産物)の活用、具体化に関する請願については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔請願審査説明表は末尾に掲載〕      …………………………………
    ◯池田委員長 本件について発言を願います。 ◯野村委員 遺伝子組みかえ食品の表示の確保をという──都立学校の施設の給食にあっては消費者の不安が解消されるまでの間使用しないでほしいという、こういう請願の中身でございます。  現在、厚生省がガイドラインをつくりまして品目を指定しておりますね。それはどんなもので何品目なのか、お答え願いたいと思います。 ◯阿部体育部長 厚生省がこれまでに安全性評価をした遺伝子組みかえ食品は、大豆、菜種など六種類、二十品目でございます。 ◯野村委員 世間のといいましょうか、厚生省が指定している品目もまだ六種類、二十品目で大変少ない。だから、そういうものを学校給食には使わないでほしいというこういう意見に対しては、これはちょっと受けとめられないというような声を私も聞くんですけれども、この遺伝子組みかえの食品については、今既に少なくとも六種、二十品目は表示がされて示されているという中で、少なくともこれだけでもまず、これを都立学校の給食に使わないというような方向で進めるということはできるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◯阿部体育部長 遺伝子組みかえ食品については、東京都においても知事が農林水産大臣に対しまして、同食品の表示がなされるよう要望を行っておりますけれども、現在のところ表示を義務づけられておりません。表示が義務づけられていない現状におきましては、遺伝子組みかえ食品や、これらを原料とする加工品を識別することが極めて難しく、同食品を使用しないようにすることは事実上不可能に近いということがいえるかと思います。 ◯野村委員 表示の義務づけが実施されていないというので困難だというわけですけれども、とにかく学校給食には使わないでほしい。それから、表示も今後出されてくるということになれば、そういうのは使わないようにしようよという、そういうことを決めておくことは何ら問題はないのではないか。  二番目の八三の二の、病院給食や学校給食の自然食品の活用、具体化というのがございますが、今度は遺伝子組みかえ食品じゃございませんが、自然食品を早期に公立学校の給食に導入してほしいということで、これも同じような思いで、給食にはそういうのはこちらはどんどん取り入れてほしい、こういうことなのですが、公立学校の給食などでも産直などそういうのを活用して、有機農産物とか低農薬とか、そういうのを取り入れているところがあると聞いておりますけれども、どうでしょうか。 ◯阿部体育部長 健康に有益な自然食品を積極的に取り入れるべきかどうか、そういったところが公立学校にあるかということでございますけれども、現在相当数の区市町村学校でそれぞれの地域の状況等を踏まえましてさまざまな取り組みを実施し、有機農産物の導入をしているということがあるということは承知しております。 ◯野村委員 子供たちの給食に安全な食材を活用してほしいという親の願いと、そういう気持ちを受けとめるという意味で、私はこの二つの請願は趣旨採択をすべきだということを表明して終わります。 ◯藤川委員 九の五五号について質問させていただきたいんですが、我々が質問するときには、ある程度理論的な武装をして、ある程度下調べをして質問するんですが、今回は私はもう全くわからないわけです。だから、理論武装も何もないし、知識も何もない状態で質問するわけです。  というのは、我々が今生きているわけですが、この人間という存在が現在生きている、いつぐらい前から存在したかというと、約四十億年ぐらい前から始まったと。そのときに我々の原形みたいのができて、それから営々と四十億年にわたって、要するに我々は酸素を呼吸し、いろんなものを食しながら現在こういう形で生きているわけです。そのときに遺伝子を組みかえて、人間のご都合主義でもって生きるということをやるということは、神に対する冒涜だとか人間のご都合主義だとかいろんなことをいわれているわけです。遺伝子を組みかえて、新しく我々が膨張しているニーズに対してこたえようとするということをやること自体が、本当に我々の存在そのものを将来に向かって危うくするのかどうなのかということは、これをもし検証するとすれば、我々の現存在が四十億年かかったと同じように相当長い年月を要するかもしれない。  田代さんのあれだと、二百年たつと我々は全部この世の中から存在がなくなってしまうんだという意見もありますけれども、いずれにしてもわからないことだらけなわけです。そういう中でもって、このことについて甲論乙駁やって、いいか悪いかということを、この請願に関してある一定の結論づけるということは、非常に私にはわからないし難しい。一体現状はどのような考え方が敷衍しているのか、東京教育庁ではどのあたりが常識的な考えというふうに考えるのか、もしお持ちでしたらお聞かせいただきたい。 ◯阿部体育部長 大変難しいご質問なんですけれども、遺伝子組みかえ食品につきましては先ほどもお答えしましたが、厚生省の安全性評価指針に基づきまして、その審査において、環境に対する影響や食品としての安全性を確認した上で世の中に販売されるということ、こういう状況でございます。このようなこともございまして、学校給食に関して文部省等国からは、同食品の取り扱いに対する具体的な指示ですとか指導は、現在のところ来てございません。  東京都におきましては、知事から農林水産大臣に対しまして同食品の表示と安全性とに関する情報提供について要望しておりますけれども、これについても今のところ来ておりません。都教委としましては、国の動向とか庁内関係部局の検討状況を見ながら、区市町村の関係課長会や学校栄養食品の連絡会、研修会などを通じまして同食品に対する情報等を適宜提供をしていきたい、このように現段階では考えております。 ◯藤川委員 今お答えいただいたわけですが、ご答弁者ご当人もわからないのが多々あるらしいように承りましたけれども、私自身としましては全く見当がつかない。それを、請願を受けてから現在までの短い間に我々が、これはオーケーだとかノーというようなことを即断するには余りにも時間がなさ過ぎる。だから、もう少し私自身は慎重に、この件については一年たつか二年たつかわからないけれども、十分考えてみたい、そういうふうに私の意見を開陳いたしまして、発言を終わります。 ◯田代委員 我々もまだまだ調査研究が必要だろうと考えておりますので、もう少し時間をいただきたいなと思っております。 ◯池田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  請願九第五五号、遺伝子組み換え食品の表示の確保に関する請願及び請願九第八三号の二、病院給食や学校給食の自然食品(有機農産物)の活用、具体化に関する請願については、さらに調査検討を必要とするため、本日はいずれも保留といたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第五五号及び請願九第八三号の二は保留と決定しました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、請願九第六五号、義務教育費国庫負担法の改正反対の意見書提出に関する請願及び陳情九第一二七号、第六次教職員配置改善計画の早期達成及び義務教育費国庫負担制度の堅持に関する陳情については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔請願陳情審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言を願います。 ◯野村委員 二つの請願と陳情に共通しております義務教育費国庫負担法の、堅持に関するものと、改正反対の意見書提出というこの件については、既に意見書も提出をしているというこういうことだと思いますので、これはそのまま申し上げないで、やめまして、そして、陳情の方にございます第六次教職員配置改善計画の早期達成という問題について一つ伺っておきたいと思います。  第六次義務教育諸学校教職員配置改善計画の概要というかその特徴、特にいろいろありますが、いろいろと問題になっております養護教諭についてとか小学校の正規教員の充実とか教職員の問題とか、そのぐらいを聞かせていただきたいと思います。 ◯押切人事部長 第六次教職員配置改善計画でございますけれども、これは平成五年度から十年度までの計画でございます。主な特徴としましては、義務教育においては指導方法の工夫などの改善、例えばチームティーチングの導入、あるいは中学校におきましては選択履修の拡大、さらに生徒指導の充実、こういったものが計画化され、教員の増配置などが計画されています。  それから、養護教諭の配置につきましては、三十クラス以上の大規模な学校については複数配置をする、こういったことも計画化されております。また、先ほどもお話が出ていましたけれども、盲・聾・養護学校の学級編制基準につきましては、七人で一クラスというものを六人に一クラスというようなきめ細かな計画になっております。こういった点が特徴でございます。 ◯野村委員 第六次教職員改善計画が出されたこと自体、それまでの第五次までの計画よりももっときめ細かな指導を行うために、これだけの人を配置することが必要だということを示しているわけですから、これは、こういう方向で東京都においても教員の配置を手厚くするというか、そういうことが必要だと思うんですけれども、なぜできないのでしょうか。 ◯押切人事部長 国におきましては国家財政の危機ということもございまして、いわゆる財政構造改革法が昨年の十一月二十八日に法案が成立しております。これにおきまして、従来の六次改善計画が平成三年度から十年度までということで計画が終了する予定でございましたけれども、そういった財政構造改革法の改正によりまして二年間延長するということになっています。そういうことで計画が二年延長するということが既に決まっておりまして、都におきましては、例えば義務教育におけるチームティーチングなどにつきまして計画を前倒しをして、従前の計画どおり予算要望をしてまいりましたけれども、都財政の状況も厳しくございまして、その点については今度の予算案では認めてもらえなかったという状況でございます。 ◯野村委員 必要だということはだれも認められるところで、その早期達成をというこの陳情の趣旨はまことに当然だと私も思いますので、この二つの請願及び陳情については趣旨採択を求めたいと思います。 ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。  初めに、請願九第六五号、義務教育費国庫負担法の改正反対の意見書提出に関する請願を採決いたします。  お諮りいたします。  本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第六五号は趣旨採択と決定いたしました。  次に、陳情九第一二七号、第六次教職員配置改善計画の早期達成及び義務教育費国庫負担制度の堅持に関する陳情を採決いたします。  お諮りいたします。  本件中、第二項及び第三項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情九第一二七号中、第二項及び第三項を趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、請願九第九三号、請願九第一三一号及び請願九第一三二号、心身障害学級に従来どおり時間講師を配当することに関する請願、並びに請願九第一四二号、障害児教育条件の水準引上げに関する請願については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔請願審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言願います。 ◯藤井委員 ただいま提出されました請願については、心身障害学級に従来どおり時間講師を配当すべきだと、していただきたいということでございますが、ご承知のとおり、平成九年度教育委員会はこの心身障害学級の講師を大幅にカットするということで、それに対しましてこの請願者については、児童生徒の数が少なくても、あるいは障害の程度が重くても軽くても時間講師は必要である、なおかつ児童生徒が専門的な、例えば音楽、美術、体育、こういった教育を受けられるようにする必要があるという趣旨でございます。  これにつきまして、まず私は、教育委員会の方に基本的な考え方としまして、東京都の教育委員会は心身障害者教育に対してどういう基本的な考え方で臨まれているのか、まずお伺いをしたいと思います。 ◯加島学務部長 都教育委員会といたしましては、心身に障害のある児童生徒がその能力、特性を最大限に伸ばし成長発達していけるように、それぞれの障害及び発達の状態に応じた適切な教育環境を整備し、心身障害教育の充実を図っているところでございます。また、区市町村教育委員会と連携いたしまして、一人一人の児童生徒の障害の種類や程度、発達の状態及び個々の教育内容、方法等に基づく適切な就学相談を行っているところでございます。 ◯藤井委員 今お答えありましたように、いろいろな就学相談あるいは教育の発達に応じた教育方針等で行っているということでございますが、既にご承知のとおり、東京都は昭和四十九年度から養護学校に志望する生徒全員を受け入れるようにしたとしているわけでございます。また、東京都の教育委員会は、障害のある児童生徒の就学を保障し、就学条件を整備するとともに、学級編制基準の改善に取り組んでこられたわけでございますが、そこで、心身障害にある生徒が養護学校並びに心身障害学級さらに普通学級にそれぞれ学んでいるわけでございますが、養護学校と心身障害学級の学級編制基準はどのように違うのか、その違いについてお伺いをしたいと思います。 ◯加島学務部長 公立の養護学校及び小中学校の心身障害学級の学級編制基準につきましては、法令に定められた基準を標準といたしまして、都教育委員会が定めているところでございます。  都立の養護学校の小中学部の一学級の児童生徒の定員は六名、重度重複児童生徒の場合は三人としているところでございます。区市町村立小中学校の心身障害学級の固定学級の児童生徒の定員は八名、養護学園は二十名ということでございます。もう一つの、通級指導学級の児童生徒の定員は二十名、ただし、情緒障害通級指導学級は十人としているところでございます。 ◯藤井委員 それでは、養護学校と心身障害学級との指導している内容、これの違いはどうなんでしょうか。 ◯蛭田指導部長 養護学校につきましては、盲学校、聾学校及び養護学校の学習指導要領に基づきまして教育内容が編成されることになっております。  心身障害学級は、小学校、中学校学習指導要領に基づくわけでございますが、学級の実態に即しまして、盲学校、聾学校及び養護学校の学習指導要領を参考といたしまして、教育課程を編成することになっております。例えば比較的障害の程度が重い場合は、身辺自立などの指導内容が多くなりまして、比較的軽度の場合は、国語や算数など教科の指導が多くなるという傾向にございます。 ◯藤井委員 そこで問題でございますが、この心身障害学級に対しまして、講師、この配置というのはどのような考え方で行っているのか、それから、この講師時間数の予算はどのように決定されるのか、これについてお伺いしたいと思います。 ◯押切人事部長 小中学校における心身障害学級の講師時数につきましては、小学校の場合ですと、言語指導などの専門教育の指導充実という目的、あるいは中学校の場合ですと、教員の持ち得る授業時間数を超える時間数や生活指導に対応するための時数として、東京都が定める配当方針に基づいて配当しているというものでございます。 ◯藤井委員 具体的に、小学校についてはどうなのか、中学校については講師の配置はどのような、いわゆる非常勤講師配当基本方針というんですか、それについてちょっと教えていただきたいと思います。 ◯押切人事部長 いわゆる配当の目的は先ほど申したとおりでございますけれども、小学校の心身障害学級の場合につきましては、一校当たり最高六時間という範囲内で、学校の実態、例えば授業の時間割だとかあるいは授業展開の方法だとかあるいは重度の、生徒の障害の程度、こういったものに見合って判断をしております。  中学校の心障学級につきましては、先ほどの目的等でございますけれども、一学級校につきましては一校当たり最高十時間で、それぞれの学校の実態に応じて配当する。あるいは二学級校、二つのクラスの場合については、一校当たり最高四時間の範囲で配当する、こういったことでございます。 ◯藤井委員 平成九年度はこの心身障害学級における時間講師が相当減らされているという実態がありますが、どのような実態なのか。それから、どうして減らされたのか、その理由についてお伺いいたします。 ◯押切人事部長 小学校の場合でございますが、百二時間減っております。中学校の場合は、これは週当たりでございますが、七十時間が減じられております。この減じられた理由でございますけれども、平成九年度は心身障害学級の児童生徒数がふえたことによりまして、教員定数がふえました。これに伴いまして、講師対応の時間数が全体として減少したというものでございます。予算措置されている額が減ったものですから、その中で各学校の実態に応じて調整したということで、申請どおりの配当には至らなかったというものでございます。 ◯藤井委員 全体の予算の中で、各学校へはどのように配当されているのか、この点について伺います。 ◯押切人事部長 小学校の場合におきまして、先ほど申し上げた目的と最高限度額の中で、学校の実態を考慮しながら充てるというものでございます。また、中学校におきましても、先ほどの目的と最高限度額の範囲内で、学校の実態をよく聞いて、その上で配当しているというものでございます。 ◯藤井委員 それでは、これは私どもにいろいろな学校やあるいはPTAの方から毎日のようにいろいろと要望が来ておりまして、その中に、私は地元大田区でございますが、講師配当基準から外された例ということでございます。子供の数や先生の数に変化がないのに、時間講師が削減された学級があります。また、子供の数がふえている学級で、先生の数は変化がなくて、時間講師が削減された学級がありますという例の中で、大田区では二校ありまして、大田区の東調布中学校では、子供は三人ふえて十三人になったけれども、先生は三人で変わりません、学級数は二学級で、時間講師が昨年度の七時間から二時間減らされて、五時間になりましたということの例と、もう一つは、大田区の西六郷小学校では、子供の数が二人ふえて十五人になりました、先生は三人で相変わらずで、学級数は二です、それにもかかわらず時間講師が昨年度の六時間から二時間減って、四時間になりました、こういう苦情といいますか、こういった調査の結果をいただいているわけですけれども、なぜこの講師時間が減らされているのかお伺いをしたいと思います。 ◯押切人事部長 お話の二つの学校におきまして減ったことは事実でございます。先ほど申しましたように、全体の講師時間数が残念ながら八年度より九年度は減ってしまったという中で、各学校の講師時間数について調整せざるを得なかったというものでございます。  調整に当たりましては、一つは、児童生徒の障害の程度、また授業の時間割の内容、さらには授業展開の方法、例えば二つのクラスを三グループにやるというような学校もございますし、あるいは合同で授業するというようなことがございます。そういった授業展開の方法などを総合的に勘案しまして、ほかの学校の心障学級などと比較しながら調整せざるを得なかったというものでございます。 ◯藤井委員 こういう非常に微妙な問題ですから、東京都の教育委員会の方針に従ってやっていらっしゃると思いますが、こういう例外的な問題とか、あるいはまた地元の方からすると、何でうちの学校だけがというのはやはり大きな問題になってくると思います。そういう意味で、大変東京都の財政状況が厳しい中でご苦労されているわけでございますが、その点は重々承知をしております。減らされた学校は、それぞれさまざまな課題あるいは問題を抱えて困っていらっしゃる。そういう中で、平成十年度予算編成は今ご努力されておりますが、この時間講師についてどのように予算の方針を持たれているのか、これについてお伺いいたします。 ◯押切人事部長 都教委としましては、各学校の実情などをできるだけきめ細かく聞きまして、一定の予算的な範囲もございますけれども、各学校の事情を聞きまして、できるだけの努力をしてまいりたいと思っております。 ◯藤井委員 最後に、今そういう部長のご発言でございますので、今後、予算編成が第一回定例会等で煮詰まると思います。我が党もそういった意味で、この時間講師の問題についても、これからも十分地元の皆様、そして関係者、PTA、そしてまたさまざまな方たちのご意見、ご要望、こういったものもしっかりお伺いしていきたいと思いますし、また、教育委員会としても、こういった関係者の皆様のご意見、ご要望をしっかり受けとめていただきながら、この予算編成に取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。  なおかつ、この問題につきましては、今回いろいろ要望をいただいております。今後第一回定例会等でしっかり議論してまいりたいと思いますので、我が党としては、今回は継続審議という立場で臨みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◯野村委員 今の藤井理事の質問に続くというような形で質問させていただきたいと思います。  今の心障学級の講師時間なんですけれども、私もどうしてそういうことが起こるのかというのがなかなかわかりませんで、この間ちょっとお話をしておりますときに、ああ、なるほどということがわかりました。私のつかんでいるところでは、普通学級での講師時間、中学が一番普遍的ですね。そういう講師時間の配分はどういうふうに計算をしているのか、普通学級における講師時間の配分の計算の方法。今の心障学級の考え方は全都的に計算をしている、そうなのか。あるいは全区市町村でまとめるのか、教育委員会単位といいますか、それとも学校単位ですか、どうですか。 ◯押切人事部長 中学校の講師時数の配当につきましては、教員の持ち得る授業時間数を超える時数について配当しております。配当は都教委でやっています。 ◯野村委員 単位です、聞いたのは。それはわかっているんですが、どこの単位で計算をしているのか。先ほどのご答弁でもわかりますように、心身障害児学級の場合は全都的に時間数を計算して、教師に余る分というんですか──は講師時数として計算をしている。しかし、一般的には、普通学校の場合には各学校で、先生たちはこれだけいる、残りは講師に来てもらわなきゃならぬという形で各学校単位でやっているわけでしょう、そうじゃありませんか。 ◯押切人事部長 先生のお話しになったとおりです。 ◯野村委員 私もやっとわかったんですよ、そこにおかしくなる原因があるんだと。全都的に計算するわけですから、大きな単位の中で計算すれば、出てきた数というのは、個々に分ければ足りなくなる、当然ですよね。一つの学校で計算したよりも、まとまっちゃうわけです。隣の学校と一緒になっちゃって、先生の足りない分というふうになれば、当然そうなりますね。その数を、パイですね、それを必要な学校に講師時数として配当するわけですね。それで配当方針という、最大限ここまでは配当しますよという、最大限だというところを強調していらっしゃいましたから、そういいますが、最大限ここまで配当しましょうという表があって、それの計算によって、うちの学校はこれだけ配当してくださいという申請を各学校から出される。ところが、実際に、査定というのかわかりませんが、その学校に配当された講師時間数は、先ほどの例を挙げても、去年よりも三時間減っているとか五時間足りないとかというふうな申請とのずれが出てきちゃうというのは、そこに私は大きな原因があるんだなということがやっとわかりました。これは重大問題だと思うんですよ。なぜそうなのか。普通学級だったら学校ごとに計算して、そして必要な時間数を出しているものを、心障学級だけなぜ全都的な計算をするんですか。 ◯押切人事部長 心身障害学級におきましては、国語や算数など各教科につきまして、生活体験と合わせた総合的な指導を中心に行っておりまして、その点で中学校の普通学級との違いが出てまいります。 ◯野村委員 わからないですよ。心障学級は、よくいう言葉でいえば、まさに差別をされているといってもおかしくないんじゃないでしょうか。先ほど──私まだいってませんでしたね。心身障害児学級の先生方が一つの学校で、生徒が七名で担任が二名になる。数学などを生徒のレベルに合わせて三グループで授業をしている。一学級には本当は十三時間講師がつくことになっているのに、九時間しかついてないので、一グループ、三つに分けてやるんだけれども、七人をですよ。本当は先ほどの聾学校じゃないですけれども、みんなレベルが違いますから、三つに分けて指導するんだけれども、だから、先生が三人必要だ。本当だったら、さっき私がいったように、その学校の講師時数で計算すれば十分もう一人先生に来ていただけるはずなのに、来てないわけで、二つのグループは本職の先生が見ていらっしゃる。しかし、もう一つのグループを見る人がいないので、介護の担当の方に見てもらっている。こんなのは認められませんよね。だから、どこかの学校なんていえないんですよ。こんなことは無免許運転ですからね。先生じゃない人が子供たちの数学の勉強を見てあげていると。その願いは、担任の先生か講師の先生に見てほしい。当然じゃありませんか。これが今心身障害児学級の現状で、この学校だけじゃありません、あちこちで起きている現象、これは先ほど藤井理事がいわれたとおりです。  私、きょうはちょっと絵をお借りしてきたんですけれども、これは小学校なんですけれども、子供さんのかいた絵なんです。三年生ののりひさ君の作品。こういう絵なんですが、それからこっちも紹介しましょう。まなちゃんという子の果物の絵。それから、同じまなちゃんが、三年生です、かいたトンボのこんなすばらしい絵をかける子。この子供は一年生のときにどんな状況だったかというと、これはひっかき絵ってありますね。下に色を塗っておいて、それでひっかきますと、その下の色が出てきてという、こういうひっかき絵でも、進んでくればもっと構成ができるんですが、その一年生のときにはこういう程度の絵しかかけなかった子供が、三年生になったら、その同じ子供がこういう絵をかける。  これがどういう中でかかれた絵かといえば、専科の図工の先生が、講師が配当されてきて、その先生が、この水槽の中にいるザリガニをかこうという動機づけをやりまして、それで、すごいはさみだね、はさみをかいてごらんというと、子供がうんといってはさみをかく。これは一番大きなの、この下のがまずですね。それではさみをかく。その先生はそのほかの子供のところを見て回っていますけれども、子供は一生懸命はさみをかいている。それでぐるっとまた回ってきて、ああ、よくかけたね、胴体もかいてあげようね、胴体ってどんな格好していたと見たら、子供たちは見ていて、平仮名の「つ」という字みたいだといって、その「つ」のような形をしている胴体をかくんですね。それで足もかいて、ただ一匹だけだったから、お友達もかいてあげようねといったら、その子供は、こののりひさ君は、この上の一匹をかき、それからその子供の力からいえば、同じ様子でもう一匹友達をかいて、かき終わったら、先生が、じゃ、どういうところに住んでいるのかといって、そういうふうに一つ一つ動機づけをしながら、これだけの絵を三年生の子がかき上げているわけですよ。この子たちというか、この学級は図工の専科の先生が講師としていらしているので、子供がこういうすばらしい力をつけて、本当に幸せな学級ですね。  しかし、いろいろなお話を伺いますと、せっかくこういうふうに三年生のときとか二年生のときに専科の先生が来て、ここまで子供たちがかけるようになったのに、次の年になると、講師時数を削られて、その専科の先生が来ないようになっちゃった。そうしたら、先生たちはみんな免許証を持っているはずだといえばそれまでだけれども、やはり専門の先生が指導したらもっと子供たちは伸びただろうに、本当に担任の先生方は、残念だ、子供たちはこういう力を持っていたんだなということを再確認して、これだけの力が発揮できるんだなということで感動さえして、先生方は講師の先生にぜひ来てもらいたいと、先生方はもちろん、お母さんたちやお子さんたちも願っているわけですよ。  音楽でいえば、あるところでは、先生が楽器を演奏して、ピアノを弾いて指導をしていたのが、その次の年からその音楽の講師の先生が来なくなっちゃったから、伴奏はその上手な先生のをテープに吹き込んでもらって、そのテープに合わせて歌いなさいといったって、テープはあくまでも機械ですから、子供たちの声に合わせて少し遅くしてあげたりというようなことはできませんから、子供の声と伴奏は離れてしまう。いい指導ができない。講師の先生がまた去年と同じように来てくれればすばらしい指導ができるのにといって、先生方も悩んでいらっしゃる。お母さんたちも本当に残念に思って、何とか講師時間をきちっと、最高方針というその方針どおりに配当してほしいと願っていらっしゃる。それがこの請願の趣旨です。  教育庁の皆さんですから、教育のことを考えていらっしゃると思うんですが、子供は特に、大人でもそうですけれども、褒められれば伸びますね。絵だけではありません。絵を褒められたら、絵だけではなくて、ほかの生活面でも子供たちはどんどん自信を持って伸びていきます。これは皆さんご承知のとおりですね。ということがあるのですから、これはそういう専科の先生が専門的な指導力を活用して子供たちを伸ばせば、それだけ子供はどんどんいろいろな面で精神的にも知的にも発達をしていく。こういうことから考えても、本当にこの講師時数の配当の仕方が、さっきいわれたように、普通学級だったら一つ一つの学校で計算をして配当されるのに、心障学級については全都的な計算をして、まずこれだけ講師時間何時間分、それをあなたのところには何時間あげて、つじつまを合わせる。ここは一緒に学年を合同してこういう授業をやっているから、講師の先生は少なくてもいいとか、そういう調査もしながら時数をあんばいしてというか、そういうことは私は許されないと思うんですよ。どうですか。そこでちょっと質問いたします。 ◯押切人事部長 現在の制度としましては、心身障害学級につきましては、一つの学級に一人の先生とプラス一人の先生という対応でやっております。全教科を専科制のような形で対応する制度になっておりません。したがいまして、複数の先生が授業を展開し、持ち時間数の足りない分、あるいは言語指導などの必要なものについては講師で付加をする、こういう制度になっておりますので、なかなか音楽とか国語を普通学級のような教科対応にするということは難しい現状であります。 ◯野村委員 そんなねじ曲げた答弁はおかしいですよ。みんなおかしいと思いますよね。そんなこといってないですよ。とにかく決められている配当時間だけの講師を配当してください、その一つなんですよ。ですから、たまたま講師で専科の先生に来ていただいたらこういうことになって、それなのに、同じ学級数は変わらないのに、次の年には専科の先生が来なくなっちゃったというような事態が本当に起きているから、音楽とか図工とかで今例を申し上げたのであって、講師時数をください、切なる願いはそれだけだと思います。いかがですか。 ◯押切人事部長 現在の講師時数の配当方針では、最高限度額を定めたものでございまして、先ほど申しましたように、総枠に限度がありますので、なかなか申請どおり配当できるという状況にはございません。私どもとしては、先ほど申しましたように、学校の実情をよく聞きまして、できるだけきめ細かい対応をするように努力してまいりたい、こういうふうに考えています。 ◯野村委員 先ほどのような枠がある限り、今の方針はこうですからこれ以上できませんというのではなくて、そこの枠を変えるべきだというのが私の申し上げていることです。そうしなければ、学校が申請をしただけの講師の配当時間数が来ないから、せめて申請した配当時間数だけはよこしてくださいという願いで、それはそういう計算の仕方、全都的な計算の仕方をやめてというか、もっとゆとりを持たせて、せめて申請が受けられるだけの時間数を確保するだけの予算を確保するということが求められて、この請願で求めているわけです。そういう心身障害を持った子供たちというのは、それだけ手厚い指導が必要なわけですね。聾学校もそういった立場でやってきたし、盲・聾・養護学校、みんなそうですね。心身障害児学級もそうのはずです。そこに教育行政に携わる当局が、本当にその子供たちの発達を保障するという立場で、せめて配当方針どおりの講師時間を配当するような手だてを講ずべきだと思いますが、教育長、いかがでしょうか。ぜひそうやってほしいというのが親の願いです。 ◯市川教育長 確かにおっしゃるような話は実態として十分承知をしているつもりですし、理解もいたしますが、全体として足し算で積み上げていく、あるいは全体として出てきたものを学校数あるいは講師時数によって割り算をしていくという、計算のやり方をお話しになっているんだろうと思いまして、現在の状況では予算の最高限度額に制限がある、あるいは決められた予算内でしか配当できないということでございますので、非常に我々としても切ない話ではございますけれども、現状では与えられた予算の中で講師時数を配分していくしかないというのが実態でございます。 ◯野村委員 大変情けない答弁ですね。東京都の教育行政に携わる最高の教育長さんは、これだけしかないのですからこれしかありませんなどということじゃなくて、本当に子供たちの発達を保障するだけの頑張りをやっていただきたいということを申し上げておきます。  これについては、私は、心身障害児学級の講師問題ですが、ぜひ趣旨採択でもしていただくようにと思いますので、表明しておきます。  以上、終わります。 ◯土屋委員 ほとんど野村先生がお話をしてしまったのであれなんですが、枠の問題というのはよくわかるんですね。板橋の高島平にも同じような学校があって、先生方とそれからご父兄の方とよくお話をするんですけれども、これはどうして専科の先生が必要かということをぜひご認識をいただきたいと思うんですね。先ほど野村先生が絵を見せましたけれども、実はあのぐらいの絵じゃなくて、もっと子供によっては一面床がキャンバスぐらいの絵をかく子だとかいろいろな子がいるわけですね。中には自閉症の子もいますから、そういう子たちの閉ざされた言葉とかそれから気持ちを引き出すには、音楽と絵をかくということが非常にいいということなんですね。ですから、なかなか専科の先生方とお話をしても、学校で習ったことプラス、その先生の適性だとか学校での経験というのが非常に物をいうということをおっしゃっています。お母さん方と話しましても、やはり今までほとんど言葉を発することができなかったお子さんが、音楽会で一生懸命歌っているとか、そういう実態があるわけですよ。  こういう議論で一番大切なのは、いつもそう思うんですけれども、現場の先生方とか現場のお父さん、お母さんの意見をぜひ聞いていただいて、確かに予算がこれだけしかないという行政の気持ちはわかるんですけれども、これから予算審議があるわけですから、予算の中にも、つけなくていい予算が幾らでもあるわけですから、どの予算が大切で、どの予算につけるべきかというものを精査していただいて、やはり都民の皆さんというか、我々の声が反映するような行政であってほしいと思います。特に教育というのは絶対不可侵だと思うんですね。私学助成も随分削られたんですけれども、この世の中で何が一番──高齢・少子化というんですけれども、そんなのは二つに分けなきゃいけない。少子化にどう対応するかということと、分けなけりゃいけないということをいつも思っているんですけれども、特に教育というのはすごく大切だと思いますので、これは質問というよりはお願いで、先々はその枠を取り払って、それが本当の意味の教育の機会均等だと思うんですね。機会均等というのは、やる気のない子も学校に入れるというのは私は全然反対なんだけれども、障害を持った子だとか、それから家庭的に経済的に問題がある子があっても、その子たちもスタートラインは一緒だというのが本当の意味の教育の機会均等だと私は思いますので、ぜひ行政の方も現場に耳を傾けていただいて、たまには高島平に来ていただいて、見ていただいて、現場の声を反映するような行政をお願いします。  以上です。
    ◯桜井委員 二つ、三つ質問をさせていただきますが、一つは、現在、時間講師は何人ぐらいいるんですか、とりあえず総数で。 ◯押切人事部長 およそ三千七百人ほどおります。 ◯桜井委員 その三千七百人いらっしゃる先生方のうち、今度削減──削減といっては失礼ですけれども、カットされる人数は何人ぐらいなんですか。カットされた後、残る人数でもいいですけれども、どういう状態なんですか。 ◯押切人事部長 時間数が予算で減じられていますので、講師の数が何人減るというものでございませんけれども、義務教育全体で講師時間数を見ますと、減っているものもございますけれども、例えば小学校のチームティーチングのようなもので時間数がふえている予算もございますので、総じてそんなに変化がございませんので、講師への雇用といいますか、それには影響がないものと考えます。 ◯桜井委員 そうすると、従来どおり時間講師を配当していただきたいというこの請願、これと、あなたの答弁ですと、従来どおりなっているということになるわけ。違うでしょう。 ◯押切人事部長 小中学校の心身障害学級で働きたいということに限って申し上げれば、雇用される時間数といいますか、それは減ることになります。しかし、当然、小中学校全体で、ほかにも心障学級以外でも講師が働いていますので、トータルで見ますと、講師の雇用には影響ないというように考えています。 ◯桜井委員 もう一遍質問になりますけれども、心障学級で全体で、おいでいただいている時間講師の先生は何人ぐらいいるんですか、現在は。さっきは総数で聞いちゃったけれども、心障でどのくらいですか。 ◯押切人事部長 講師時間数が減じられるものですから、その減じられた講師時間数が何人分の雇用に値するかということはちょっと今数字を持ち合わせておりませんので、わかりかねます。 ◯桜井委員 結局そういうことになると思うんですけれども、私の友人も時間講師をやっている者が何人かいるものですから聞いているんですが、身分というんですか、ごく簡単にいうと、我々みたいな下町の人間の言葉を使えば、必要なときには来ていただく、必要じゃなくなったら、もういいよと、そういうような不安定な身分というか、そういう状態に置かされているんですか、時間講師というのは。ざっくばらんにいってくださいよ。 ◯押切人事部長 正規職員のようにフルタイムではございませんので、雇用関係が正規職員に比べて不安定かと申されれば、そのとおりでございます。 ◯桜井委員 時間講師の先生方だって、ちゃんときちんと生活をしていかなきゃならないわけですよ。当然だと思うのね、人間生活ですから。そういう人たちの身分がそういう不安定な状態にしてあるということが、現状なんでしょうけれども、そこらあたりのところがこういう、先ほど来、全体のパイがふえたり減ったりすれば、時間講師の時間が減ったりふえたりとか、こうなってくるわけでしょう。そこの、これはあなた方というか、我々も含めてでしょうが、制度としてそうなっているからやむを得ないんだと今教育長もおっしゃっておりました。しかし、そこらあたりのところをこれからもう少し深く真剣に検討してあげる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。  教育という極めて重要なお仕事をされる方ですから、身分の安定というとちょっとおかしいかしれないけれども、余り──働いていると。ところが、わからないわけね。次の年になった場合に、また働けるのか働けないのかわからないとか、そういうような状態に置いておく、あるいは逆にいえば置かれている人が、きちんとした教育をしろということは、情熱だって失っちゃう。なかなか持ちにくいし、とても成長していく子供を、一生懸命やろうというそういう気持ちもなかなか持ちにくいでしょうから、そこらあたりのところを何かいい工夫がないんですかね。極めてざっくばらんな質問をしているんですけれども、いかがですか。 ◯押切人事部長 講師を希望される方にはいろいろな方がいると思います。例えば仕事を既に持って、そのあいた時間を、生業を持ちながら講師をやる方もいますし、それから、本当は正規教員になりたくて教員試験を受験したんだけれども、残念ながら受からなくて、ちょっとその間、正規教員受験期間中に講師をやるという方もいると思います。それから、学校がたくさんふえた時代に、教員が足りないところを講師でやっていられた方もおります。今いった方々については、最後の後者の方については、都としても、過去の経緯も踏まえまして、正規教員ではないんですけれども、勤務条件を安定するようにボーナス等の支給もしてございます。そういうこともやっておりますけれども、生業を持ちながらとか、あるいは一定期間経過的な対応として講師を望んでいる方もおりますので、全部について勤務条件を安定するというのは難しいことだと思います。 ◯桜井委員 今説明されまして、中身について、中身というと失礼ですけれども、内容について若干わかってきた気がします。  次に質問しますけれども、さっきの答弁にもありましたが、調整をしたといいましたね。調整の結果、時間講師が従来どおりのままの学校もあるのか、全部の学校が全部──そこらあたりどうなんですか。 ◯押切人事部長 調整した結果、前年どおりという学校もございます。 ◯桜井委員 ちょっとしつこくて悪いんですけれども、前年どおりという学校、別に何校、何校と名前までいう必要ありませんけれども、全校のうち前年どおりというのはどのくらいなのか。あるいは逆にいうならば、減っちゃった学校がどのくらい、どっちをとってもいいんですけれども、そこらあたりどうなんですか。 ◯押切人事部長 心身障害学級を設置している学校数というのが義務教育で五百三十五校ございまして、そのうちの講師時数が欲しいという配当申請を出してきた学校が二百九十校ぐらいございます。二百九十校のうちで、多いものですから、どのぐらいが現状維持で、どのぐらいが調整したかということはちょっと今数字を把握しておりません。申しわけありません。 ◯桜井委員 五百三十五校あるうち二百九十校が講師派遣の要請をしている。そのうち、現状のままになっている学校がどのぐらいで、減になった学校がどのぐらいかということはわからないというわけですか。それで調整をしたといえるんですか。 ◯押切人事部長 申請した学校は二百九十校と申し上げましたが、そのうち、申請どおり措置できなかった、つまり調整せざるを得なかった学校は百三十六校です。 ◯桜井委員 そうすると、二百九十校のうち、百三十六校は調整された学校ということですね。残りの学校は従来どおりということですか。そういうふうに受けとめていいですね。そうしますと、これまた違う問題が出てきちゃうんだよね。これはわからないじゃない。あなた方とこういう議論をしている場合は何となくわかるけれども、何でおれの学校は調整されて、向こうの学校は調整されないんだとか、そういうのというのはわからないじゃない。極めてざっくばらんな、感じでしかわからないもの。あなた方はわかっていますよ。僕らだって今聞いてだんだんわかってきたけれども。そういうようなところというのも、不公平感というのかな、そういうような極めて俗な言葉を使うんだけれども、そういうことも出てくると思うんですよ。その辺のあたりは趣旨を徹底されてないんじゃないのかな。いかがですか、その点は。 ◯押切人事部長 配当審査に当たりましては、先ほど申し上げました、それぞれの学校の申請の内容を見まして、授業時間割だとか、あるいは授業を展開する展開の方法だとか、あるいはそこに入学している児童生徒の障害の程度だとか、そういったものを総合的に勘案して調整をしてございます。一応、申請するのは学校の校長先生、学校側から出てまいりますので、学校側と調整しながら進めております。  個々の学校の細かい内容については申し上げられません。 ◯桜井委員 いずれにしましても、この問題については、私どもも、このままあなた方のいうとおりに、削るんだという考え方には一〇〇%賛成するというわけにはいかないという考え方を持っております、はっきりいいまして。  ちょっとそれと絡むかどうかわかりませんけれども、たまたまあれですから、これと関係ないかもしれませんが、今度、非常勤講師の特別非常勤講師というのをつくることになっていますね。特別非常勤講師というか、新しい制度ですけれども、それをちょっと聞いておきたい。 ◯押切人事部長 市民講師という制度がございます。これは教員免許は持ってないけれども、非常にすぐれた技能や能力あるいは経験を持っている者を学校現場で活用する、こういった市民講師という制度がございます。 ◯桜井委員 これは多分新設だと思うんですけれども、このことはつまり教員の免許なしでも教壇に立てる制度、簡単にいえばそういうことだと思うんですけれども、そういったことを人材を登用して、そして新しい教育をやっていくのだというねらいだと思うので、結構なことだと思うんですけれども、さっきの予算という、全体のやはり予算というのがあるでしょう。そういった絡みや何かあった場合、こういったものがしわ寄せになっているんじゃないかというようにとられると困るんですよ。こういったものをつくったからこっちは削るんだとか、そういうふうにとられても困るんですよ。そこらあたりはどうですかね。これはちょっと教育長に聞いた方がいいかな、どうだろう。 ◯押切人事部長 ほかの講師制度が充実するから、心障学級の講師時間数が減るという問題でございまして、私どもとしては、先ほど減った理由を申し上げましたけれども、総額として総体として教員定数がふえた、心障学級の正規教員の定数がふえたということでもって、講師時数が減ったものと理解しております。 ◯桜井委員 この請願は二つか三つ来ているんですね。うちの、うちというのは自民党ですけれども、何人かの先生方が紹介議員に入っているんですけれども、結構いろいろとみんな要望を聞いているわけですよ。そうすると、あなた方が今やろうとしている時間講師の削減というのか、時間の削減というの、これは。時間講師の時間の削減というんですか、それがちょっと腑に落ちないというか納得いかないというか、そういった点もあるんですね。でありますので、いま少し検討する必要があるんじゃないかな、こういうように考えているんですよ。先ほど、ほかのことも理由があるんでしょうけれども、私もその一人でありますので、ぜひもうちょっと配慮してもらえないか、こういうように考えておりますので、よろしくお願いします。今の最後のところは要望にしておきますので、よろしくお願いします。  以上です。 ◯かち委員 九の一四二号、障害児教育条件の水準引上げに関する請願についてお聞きします。  先ほど来、教育庁の理念はすばらしいんですけれども、それが実態に合っていないという中身がここにも同じようにかかわってきているのではないかなというふうに思うんですね。それで、この請願の要旨の理由の中に、東京都の障害児教育の水準を全国レベルで比較して見たときに、平成八年度の文部省基本調査によると、東京の養護学校教員の一人当たりの児童生徒数は一・七七八人。これは全国平均の一・六六三人を上回って、首都圏五都県の千葉、埼玉、神奈川、山梨、東京、この五都県の中で最低、全国三十六位というふうに出ておりますが、これについて教育庁の方では同様に認識しているのかどうかお聞きします。 ◯押切人事部長 盲・聾・養護学校の教員の一人当たりの児童数でございますが、この場合は、都立養護を見ますと、小中学校の場合は教員一人当たりが一・八一人の児童、高等部の場合は二・二七人というように理解しております。  恐縮でございますが、他県の例はちょっと存じておりません。 ◯かち委員 事前に聞いた数字とちょっと違うのであれですけれども、その調査した時点は何か違うんじゃないかと思うんですね。このときの資料は文部省の資料ですから、確かにこういう数だと思うんですが、東京都は全国的にも先駆けて心身障害児教育に取り組んできたと思うんですけれども、現時点でのこういう状況は非常によくない状況ではないかと思うんですよ。もっと障害児教育に光を当てるべきだというふうに思うんですが、それでは、重度重複学級の設置率、この文章の中には、八年度統計で東京都は四五・三八%となっておりますが、それでは直近の統計、今年度の調査ではどうでしょうか。そして首都四県との比較ではどうなっているかわかりますか。 ◯加島学務部長 重度重複関係の措置率でございますが、東京都の場合は四六・四%でございます。  近県でございますが、千葉県七〇・九%、埼玉県七二・七%、神奈川県六五・〇%でございます。 ◯かち委員 一年たつと、随分他県の状況も変わってきていますね。私の持っている資料では四五・三%。昨年の資料でやりますと、東京の場合は一・一%しか伸びていない。神奈川の場合は六五%ですが、前年度は六一・八ですから、三・八%。埼玉の場合は、四八・五%が七二・二%ですから、二三%上がっています。千葉の場合は二二%上がっています。近県の障害児教育への取り組みの意欲というか、進歩というかはすばらしいものがあるだけに、首都東京がこんなに遅々としていいのだろうかというふうな思いがあるわけなんです。首都の場合は非常に人口も多いし密度も多いし、そういう中で重度の障害重複のお子さんも意識高く、要求も高まって、障害教育を受けたいということで学校に通ってくる、通う状況をつくってきたという歴史もあるわけですけれども、こういう中で、実際今通っているお子さんの重度重複度というか、手のかかるぐあい、医療行為を必要とする度合いですね、これについて教育委員会の方で調査していると思うんですが、その数字を教えてください。 ◯加島学務部長 ただいま申し上げたパーセントは、養護学校のうち肢体不自由養護学校について申し上げたわけでございますが、重度重複の生徒の場合、指導になかなか難しいところがあるということはご案内のとおりでございまして、したがいまして、そうした生徒について重度重複学級という形で、三人で一クラスという形をとっておるところでございます。 ◯かち委員 ちょっといい方が悪かったのかもしれませんが、重度重複で医療行為を必要とする重い子供さんが学校に出てくる、肢体不自由が主だと思うんですけれども、そういうお子さんが、実際学校生活をしている中でどのぐらいいるのか。学校生活の中でもそういう行為を必要とする人はどのぐらいで、学校では何とか頑張れるけれども、日常生活ではそういうことが必要になっている、そういうお子さんも出てきているわけです。そういうものは東京都としてつかんでいる数字は、全国平均と比べてどうなのかという数字をお聞きしています。 ◯加島学務部長 失礼いたしました。都立の肢体不自由養護学校では、在籍が小学部から高等部まで合わせまして千八百二十三名おるわけですが、その中で日常的に医療ケアを必要とする児童生徒数は三百六十九名、二〇・二%。それから、学校生活の上で医療的ケアを必要とする児童生徒数は二百八名ということで、一一・四%でございます。  あと、全国との比較でございますね。少々お待ちください。──全国統計は現在のところございません。 ◯かち委員 私が持っている調査結果では、全国校長会の調査によりますと、全国は八・一三%ということです。こういうことから見ると、東京都の障害児教育というか、肢体不自由の学校に通ってきている、非常に重いお子さんが来ているんだということがわかるわけなんですね。  先ほどからいろいろ基準がいわれておりますけれども、重度重複学級の基準は三人ということですね。この基準に沿って配置をすれば、今日のようなこのような請願が出てこないと思うんですけれども、やはり実態がそうなっていない。そういうところでこういう問題が出てきていると思うんですね。ですから、結局それは予算の枠の中で決めるから、実際に必要であっても、そこに配当できない、学級配置ができないという問題があるわけなんですね。教育委員会としては、一人一人のお子さんの基礎調査というのをされていると思うので、一人一人が重度重複かどうかという判断をしていると思うんですね。そういうものを本当に基本どおりに算定すれば、必要数はどのぐらいというのが出ると思うんです。しかし、実際に配当はこれしかできていない。その数字はありますか。 ◯加島学務部長 肢体不自由養護学校におきまして、その生徒が比較的重度であるか、あるいは重複障害を持っているかというようなことは、医師の判断というようなことも加わってくるというふうに思いますけれども、毎年学校長から私どもの方に重度重複児である、そのような判定と申しますか、そうしたものはいただいているところでございます。最近の資料では、千五百二十七名の在籍で、千七十四名が重度重複という判定をいただいたところでございます。 ◯かち委員 すぐに計算できないんですけれども、千五百二十七名いますと。実際に認定された基準に当てはまる数が千七十四ですか、これを基準で割り当てると、何クラスの学級編制になるんですか。 ◯加島学務部長 学校側から重度重複の判定があったからといって、直ちに重度重複学級を設置するわけではございませんので、学校の状況、いろいろ学校と相談しながら設置しているということでございます。 ◯かち委員 学校の状況や学校と相談しながらということですけれども、基準はもう決まっているわけですね。認定、それは重度重複かどうかというのを決めるのは点数表で決めるわけでしょう。障害の程度はどうか、どうかというのを点数であらわして、それを合計して、これを認定するというふうに決めていくわけですから、その一人一人の児童の重複度というのは客観的な数字として出てくるわけですよ。それを認めるかどうかというのは、また別な判断ですよといういい方ですね、今のは。 ◯加島学務部長 学校側の重度という判定は必ずしも医者の診断書がついていないわけですから、学校側の判定がすべてであるという形ではないというふうに我々は考えております。 ◯かち委員 そういうことはわかっていて判断しているわけで、では教育委員会の方が判断力があるのかということなんですけれども、そうではなくて、やはり全体の予算の枠があって、その中で配分しなければならないから、実態があってもそれを認められないというのが今の現状なんじゃないですか。それが先ほど来からいわれている、何があっても、教育を財政難を理由に、そこにしわ寄せをしてはならないということだと思うんですよ。  今の実態、資料はそちらで見ているし、認識されていると思うんですが、私が調べた段階では、学級数で現在百五十九学級が不足になっていますね。これで計算しますと、職員の配置数は二百七十六ということです。多少の違いはあるにしても、これはやはりしわ寄せは最も弱い部分の重度重複障害のある子供たちにいくわけですから、こういうことはあってはならないと思うんです。速やかに改善すべきだと思うんです。こういうことが改善されれば、本当に現場で働く教職員の健康障害も非常に多いようですが、こういうことも改善されるわけですから、基本はやはりどんな子供にも、どの子にも行き届いた教育を保障する、その行政の立場に立ってこの実態を速やかに改善していただきたい、そういう意見を述べまして、私はこの請願は採択されるように求めて終わります。 ◯池田委員長 そのほか発言はございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 発言がなければ、これより採決を行います。  請願九第九三号、請願九第一三一号及び請願九第一三二号については同趣旨でありますので、一括してお諮りいたします。  本件は、いずれもさらに調査検討を要するため、本日はいずれも保留といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第九三号、請願九第一三一号及び請願九第一三二号はいずれも保留と決定いたしました。  次に、請願九第一四二号を採決いたします。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯池田委員長 起立少数と認めます。よって、請願九第一四二号は不採択と決定いたしました。  この際、議事の都合によりおおむね五分程度休憩いたします。    午後六時三十一分休憩      ━━━━━━━━━━    午後六時三十八分開議 ◯池田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  次に、請願九第一二七号、希望者全員が入学できる都立高校の実現に関する請願、請願九第一六〇号の一、すべての子どもに豊かな高校教育の保障に関する請願、請願九第一六四号の二、すべての子ども・生徒にゆきとどいた教育の保障に関する請願及び陳情九第八七号、平成十年度東京都公立高等学校定通教育振興に関する陳情については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔請願陳情審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言願います。 ◯野村委員 この今まとまりましたのは、関連をしているといいますが、その後の高等学校改革にかかわるものもありますし、三十人学級、定時制の二十人、それから入試制度、教員定数の国並み加配、発達と人格を伸ばす障害児教育を、それから高等部の訪問学級の充実、病弱高等部の重複学級増設、進路指導については自主性尊重、父母との合意に基づくものにせよ、指導要領の見直し、老朽校舎の改築問題、それから公私協との連絡協議を都民要求に基づくものにしてほしいというような多岐にわたったものでありまして、三十人学級だとか高校全入とか、私どもも十月の事務事業の概要の質疑の中でも申し上げたことでもあるので、これを全面展開していると、とても時間も大変だと思いますので、申しわけございませんが、これについては一つ一つの質問は割愛させていただきたいと思います。  そして、このすべての三つの請願、最後は陳情ですね、すべてではなくて、私は、一番最後だけは抜かしまして、その前の三つの問題については、ぜひとも採択をしていきたいというふうに意見を表明して終わります。 ◯かち委員 九の八七号、高等学校定通教育振興に関する陳情で、これもいろいろたくさん要旨があるんですけれども、二、三についてお聞きします。  2の(4)、事務職員の土曜休業やローテーション勤務に伴う管理職の負担増を解消することというのがあるんですが、具体的にどういう状況になっているのかお聞きします。 ◯押切人事部長 都立高校全・定併置校の事務職員のローテーション勤務につきまして、来年度から本格実施する予定ですが、実施校の事務室は原則としてすべての土曜日は閉庁することにしてございます。これまでは土曜日は、学校の休業日である、月の第二、第四週以外の土曜日は事務室は開庁しておりますが、ほかの日に比べますと、土曜日の固有の業務が少ないようになっています。質問の方では、教頭の負担が非常に多いのではないかというお話でございますけれども、土曜日の業務というのは極めて少ないという状況にあります。中身としては、一般的土曜日の事務室業務といいますと、来客だとか電話等の取り次ぎ等でございます。ローテーション勤務をしますと、事務室に事務員が不在ということで、教頭の負担がふえるのではないかというお話でございますけれども、私どもとしては、警備業務の一部を拡大して警備員に対応してもらうとか、あるいは教頭の上に負担がかからないように、学校の教職員全体で土曜日の午後について、土曜日の開庁日の事務室対応について遺漏のないようにしてまいりたいと考えております。 ◯かち委員 ローテーションをしていないところでも、土曜日の開庁の日、定時制の高校の授業のあるときには、午前中の授業が終わってみんな帰ってしまう。夕方から事務職員が出てくる。その空間の間の対応ができないということなんですね。そこには夜間の給食の出し入れだとか応対だとか、それからクラブ活動で何かあったときの対応だとか、警備員では対応できない問題が発生しているんです。ところが、それはやはり学校内で対応しようという教育庁の指導のもとに、結局、残業にもならない、教頭先生がそこをカバーせざるを得ないというのが現状だというふうにお聞きしています。そういう問題が解決できないのではないかということなんです。 ◯押切人事部長 事務員は不在でございますけれども、ほかの日に比べますと、比較的業務量も少ないですし、それから教頭以外にも教員の方もおりますし、また、警備員業務の委託などで多様に対応して、教頭の負担を、負担がゼロになることはないかもしれませんけれども、軽減を図ってまいりたい、こんなふうに考えております。 ◯かち委員 教頭先生が土曜日もなく働く状況というのは、やはり好ましくないんじゃないかと思うんですね。そういう矛盾が生まれない状況で、ぜひ検討していただきたいと思います。  4の(1)のところの要望ですね。施設設備の拡充のところで、食堂の冷房機を完備してほしいという内容なんです。私も一度定時制を訪問したことがあるんですが、定時制の年齢層というのは、十代から七十代までということで、非常にいろいろな方が来ているわけであります。高齢者の方にとっては特に疲れて来て、食堂で食事をするわけですけれども、暑い中で食べるというのは非常に酷なことだと思うんです。本当に福利厚生の意味からも、食堂の冷房というのは当然ではないか。夏の時期というのは、特に食中毒とかO157の問題なんかもある状況の中ですので、衛生管理の面からもこれは必要ではないかと思いますが、見解をお聞きします。 ◯石井施設部長 食堂の冷房化についてでございますけれども、昭和四十八年度から平成二年度までの間に、保健室とか音楽室、視聴覚室、それから図書室等の冷房化を既に行っておりまして、さらにその後、平成三年度から平成十二年度までの計画で、現在、パソコン教室、LL教室、職員室、用務員室、それから給食に関しましては、給食調理員の控え室などの冷房化を現在進めているところでございます。今ご要望がございました食堂も含めまして、現在の計画にない部屋の冷房化につきましては、今進行しております計画が終了した後の検討課題として私どもも検討させていただきたい、そう考えております。 ◯かち委員 ぜひ早期に実現されるように要望します。  二番目の、定時制専用の普通教室の確保という要望が出ているんですが、幾つかのところについては専用化できているんですが、教室だけは全日制の子の使った机を使うということになっているわけで、私物なども入っているでしょうし、こういうときに、学級数も減ってきている中では可能ではないかと思うんですよ。その辺の状況はどうでしょうか。 ◯石井施設部長 定時制専用の教室についてでございますけれども、現在、ご存じのとおり、定時制の専用諸室として整備されているものもございます。それは職員室でありますとか生徒会室、教材室などでございます。普通教室は、今全日制と併用ということでやっております。ただいまご質問のありました定時制専用普通教室の整備も含めまして、定時制専用施設の充実については、今後の検討課題としてこれから引き続き検討してまいりたいと思います。 ◯かち委員 たくさんの項目でありましたけれども、今お聞きした中では、基本的にはその方向で努力をされるというご回答もありましたので、私は、基本的にはこの陳情については採択でいいと思っております。 ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。  まず、請願九第一二七号については起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯池田委員長 起立少数と認めます。よって、請願九第一二七号は不採択と決定いたしました。  次に、請願九第一六〇号の一についてお諮りいたします。  本件中、第八項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第一六〇号の一中、第八項を趣旨採択と決定いたしました。  次に、請願九第一六四号の二についてお諮りいたします。  本件中、第七項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第一六四号の二中、第七項を趣旨採択と決定いたしました。
     次に、陳情九第八七号についてお諮りいたします。  本件中、第一項の第一号から第二号まで及び第二項の第一号から第三号までを、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情九第八七号中、第一項の第一号から第二号まで及び第二項の第一号から第三号までを趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、請願九第一三九号の一、晴海サッカー場誘致に関する請願及び請願九第一七八号、三多摩地域に都立武道館の建設に関する請願については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔請願審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言願います。 ◯野村委員 晴海サッカー場の誘致に関する請願でありますが、前国際見本市会場のその奥ですね、海側奥の用地にとこういうことで、私ども調査をいたしましたところ、地域の皆さんの方では、あそこにそういう十万人規模の人たちが来たのでは、交通混雑やら、とても大変なことになるということで、また、その土地の利用については考えが違うというような声も聞かれておりますが、中央区の方にそういう話を聞いたりしていらっしゃいましたら、伺わせていただきたい。 ◯阿部体育部長 中央区議会で本趣旨での請願の採択はないというふうにお伺いしております。 ◯野村委員 このサッカー場については、そういうわけでいろいろとまだ意見がよくまとまっていないというような状況で、私どもがそういう判断をしてもいいのかどうかという思いで、保留にしたいと思います。  それから、三多摩地区に都立武道館の建設に関する請願が出ておりますが、多摩地域における武道館建設について、武道施設の計画について簡潔に述べていただきたいと思います。 ◯阿部体育部長 多摩地域における武道施設の計画についてのお尋ねということでございますけれども、多摩地域の武道施設につきましては、調布基地跡地に計画している武蔵野の森総合スポーツ施設におきまして、国際的、全国的な武道大会が可能な多目的体育館、あるいは小規模大会、練習会場として利用される専用の武道施設の建設計画を盛り込んでおります。この武蔵野の森総合スポーツ施設の建設計画は、財政健全化計画実施案により、施設の必要性、規模、管理運営方法、開設時期などについて総合的に検討し、必要な見直しを行うこととされ、平成十年度予算原案におきましては、その建設が延期されることになりました。今後とも、地元市とのこれまでの経緯を踏まえ、多摩地域のスポーツ振興を図る視点からも、必要な検討を進めてまいります。 ◯野村委員 意見ですが、そういうことでありますので、これはぜひ趣旨採択をしたらどうかということを表明して終わります。 ◯池田委員長 発言がなければ、これより採決を行います。  初めに、請願九第一三九号の一を採決いたします。  お諮りいたします。  本件は、さらに調査検討を要するため、本日は保留といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第一三九号の一は保留と決定いたしました。  次に、請願九第一七八号を採択いたします。  お諮りいたします。  本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第一七八号は趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、請願九第一四〇号、都立桜水商業高校の統廃合反対に関する請願、請願九第一四七号、請願九第一六二号、都立永福高等学校の統廃合反対に関する請願、請願九第一七九号、都立千歳高校の生徒募集の継続等に関する請願、陳情九第九四号、都立羽田工業高校定時制の現地存続に関する陳情、陳情九第一〇四号、夜間定時制高校の適正配置計画に関する陳情及び陳情九第一六二号、都立城北高校全日制の存続に関する陳情については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔請願陳情審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言願います。 ◯かち委員 東京の都立高校の改革計画について、総論の部分と、それから個別の高校の部分とありますけれども、総論から出発して発言をしますので、ちょっといろいろごちゃまぜになると思いますけれども、私ども共産党としては、この都立高校の今後のあり方を考えるときに、まず財政問題から出発したというところからボタンがかけ違っているというふうに判断しております。教育に財政問題を持ち込むべきではないというのは、今までの討論の中でも出てきたことでありますし、どうしたら本当に今の都立高校の教育が豊かに行き届いた高校になるのかという視点から考えるべきだと思うんです。そういう点から、今のまずクラスの人数を少なくして、四十人学級から三十人学級を目指すというのは、もう世界の趨勢ですから、そういう立場に立てば、今統廃合しなくても十分にできるという立場であります。ですから、採択する立場でいいます。  個別の課題ですけれども、一四〇号、一四七号、一六二号は、同じ統廃合される学校ということで、都立桜水商業高校の統廃合に反対する請願と永福高校の統廃合に反対する請願ということなんですけれども、志向が違うというのと、やり方が、手順が性急過ぎる、そして十分に関係者の意見が反映されないまま、強行に進めていっているというところが今日までの状況だと思うんです。当該の高校関係者の中にはいまだにしこりが残っているし、ますますこれに対する反対の機運というのは高まっている、そういう状況もあると思うんですね。十月ごろに大体みんな出されているんですけれども、十月以降今日までの間に、教育委員会として、ここに出されている対象校に対する働きかけや説明がなされたのかどうかをまず聞きます。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 この改革推進計画に対する説明でございますけれども、決定後、高等学校の校長会だとかPTAの関係の方々、それから教職員などに説明会を開いて、十分お話し合いを行っております。中にはまだ十分理解が得られてないという状況もございますので、今後話し合いはまだ続けていきたいというふうに考えております。 ◯かち委員 十月以降、杉並区議会の中でもかなり問題になったようです。この中で、杉並区の教育長の方からも意見、要望が上げられていると思うんですが、それはどういうことになっていますか。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 杉並区からの意見でございますが、平成九年の十一月十三日に、杉並区教育委員会の教育長から、永福高校と桜水商業の統合問題につきまして、地域や学校関係者の意見を聞いてお願いしたい、そういう趣旨のお話を伺いました。 ◯かち委員 ともかく関係者の合意が得られてないので、そこを合意を得るように努力してほしいということだと思うんですけれども、それに対して教育委員会としてはどのように回答されたんですか。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 都の教育委員会としましては、引き続き地域や学校関係者の方々等のご意見を伺いながら、この杉並の場合には永福と桜水商業でございますので、より魅力ある総合学科高校を発展的につくってまいりたいというふうにお答えしております。 ◯かち委員 地域に特性のある学校とか、いろいろ言葉は並べられるんですけれども、この桜水商業も永福高校も非常に地域に根差して、しかも、永福高校は歴史的にも地域の住民の皆さんの要望の高まりの中ででき上がった学校でして、いろいろ基準の中を見ても、築十九年、狭隘高校という範疇にも入らない、二千平米以上あるわけですから。そういう高校が統合されなければならない。交通の便もいい。この永福高校は普通高校で、一次募集では定員に満たないときもありますけれども、二次募集では二倍以上の倍率で、非常に高校進学を希望する子の受け皿になっている、そういう特徴、役割を持っている高校です。桜水高校も、杉並区ではただ一つの商業高校で、非常に業界からも高く評価されていて、桜水ならばというふうに採用も多いと。しかも、受験する子供たちも非常に倍率が高い。こういう非常に特色のある、それぞれすぐれた学校ですよね。この学校が統合されてしまって、それぞれの特色をなくしてしまうということについては、全く私自身も理解しかねる問題なんです。全体のバランスの中でこういうふうにつまんでいかなければならないというところで、非常に多くの犠牲を醸すことになると思うんですね。このことについては、本当に考え直していただきたいと思うんです。地域に根差した特色ある学校が、今現にやられている学校をつぶしてしまうという状況は絶対につくってはならないと思うんですね。  それと同じように、定時制の高校についても同じです。北園の定時制高校を初めとした、この四区ですか、その定時制高校についてはそれぞれ非常に努力して、先生たちも頑張って、生徒も頑張って教育をやっているのに、今度の基準の改定で非常に募集停止基準が高くなってしまう。五名が十名になってしまうということでは、生きながらえるべき高校すらもつぶしてしまう状況をつくっていると思うんです。ですから、非常に都民のニーズ、願いにこたえるという状況からは逆行している流れを今つくっていると思うんですよ。そういうことは決してつくってはならないという思いでいっぱいです。  それで、定時制高校のことでもう一つだけ確認しておきますが、羽田工業定時制高校、ここについてはつい昨年の四月までは、新しくできる総合学科高校の中にできるということで認識していたのに、急に変わってしまって、いまだに新しくできる定時制高校の場所が決まっていないという状況でしたけれども、今日の時点でどうなっているんでしょうか。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 大田地区単位制工業高校の設置場所につきましてのことですが、一日も早く決定できるように積極的に現在折衝を進めているところですが、現在のところまだ決定ができておりません。 ◯かち委員 非常に無責任なやり方だと思うんですね。つぶすことだけは決まっていて、新しい高校はいまだに場所も決まっていない。そういうことで当該の子供たちや関係者の皆さんの合意は得られないと思うんです。ぜひこれは白紙に戻して検討し直していただくことを強く求めて、これはすべてについて採択を要望します。 ◯野村委員 請願九の一七九号、都立千歳高校の生徒募集の継続等に関する請願、私の属する、住んでおります第二学区の学校でもあり、これだけ高校統廃合を認めるという立場で、せめて本校の生徒募集を継続してほしい、新設高校の基本計画検討委員会に保護者、同窓生の代表を加えてほしいという、こういう二つの要求で出された請願でございます。  この千歳高校は平成十二年度に募集を停止して、十四年度には生徒がゼロになるから、そこで一気に建てかえと。それから、その相手になります明正高校は平成十三年の募集停止ということが出されているわけでありますけれども、先生方も父母も、もちろん子供たちも卒業生も、こういうふうに募集を停止してしまったら、もうその学校は全く新しい学校とは切れてしまう、続かないということで大変寂しい思いをして、これは困るといっていらっしゃるわけですね。それぞれの学校の伝統とか歴史とかいうのはあるわけで、その伝統と歴史を継承させたい。これはどの学校でもこの思いは同じだと思います。長年伝統になっている行事を継承する相手というか、下の学年がいないというのは、そこの生徒たちにとって何と寂しいことかと分会長さんもいっておられましたけれども、私も本当にそう思います。このような人間的な気持ち、当然の気持ちを教育庁としてはどう受けとめるのかということを伺いたいと思います。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 千歳高校の募集停止の時期の問題でございますが、今回の計画では、生徒の減少の状況や校舎改築工事に伴う影響を考慮しまして、平成十二年と考えているところであります。  お話がありました、両校の歴史や伝統を継承させるということについてですが、現在、両校の校長ら教職員を委員としました検討委員会を設置しておりまして、その中で、新しい学校に継承すべき内容や両校を発展した新しい学校のあり方について検討をしているところでございます。 ◯野村委員 気持ちをどう受けとめるのかと伺っているんですけれどもね。事柄だけじゃなくて、やはりその気持ちを受けとめるということが、教育行政というのは人間を扱う行政ですから、これは本当に大事にしなければならないところ、それがやはり欠落しているというところが重大な問題なのではないでしょうか。  この学校では、お話を伺いましたところ、子供が減っていると、今おっしゃったとおりだけれども、そういうときに、新しい学校はいずれ六学級で、今は千歳も明正も六学級ずつある。いずれ半分になるのだから、募集停止ではなくて、例えば三学級ずつに縮小してもいいから、それから明正高校は建てかえるわけではありませんから、明正高校に間借りをするという形でもいいから、千歳高校の学校を新しい学校に本当につなげるというやり方ができるんじゃないかと、そこまで考えておられるそうです。  それに一方、きょう示されました教育委員会として、教育庁の方としての陳情審査の説明表の方を読みますと、募集停止の時期についてというところで、一つは、新しい学校は千歳高校の校舎を解体するんだから、今募集停止が必要だ。それから二番目は、第二学区の生徒が減少するから、その対応を考慮する。三番目に、仮称世田谷地区の単位制高校と、それから今までの千歳と明正高校の三校の生徒が一つの校舎で学ぶということの影響を考慮すると書いてありますね。ということは、まさにその子供たちは、新しい学校に、もう明正と千歳と一緒に同じ校舎で、間借りという形だけれども、そして新しい学校にこういうふうに発展させるという、これが本当の発展じゃないか、これが本当の統廃合じゃないか、こうしてもらいたいというところまで具体的に考えているのに、教育庁側は、今読み上げたみたいに、その三つの学校が一緒にいるということの影響はということは、否定的に見ているわけですね。ここは全く考え方が違うといわなければなりませんが、どうしてまずいんですか。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 この現在の状況の説明の中で、統合する二校とそれから新しい学校、三校が一つの校舎で学ぶという影響といいますのは、過去に晴海総合高校を統合してつくったときに、こういう状況が起きております。まだそのときの総括といいますか、生徒への影響などについていろいろ分析する必要があるだろうということで、そこら辺をこれから検討したい、しようというふうに考えております。 ◯野村委員 分析は早くすべきだと思いますけれども、晴海総合高校のときは、やはり伝統をばしっと切ったんですね。その問題なわけでしょう。だから、その教訓を生かすのは、ここを本当に発展的に統合して、新しい学校──これは私たちは賛成じゃないですよ。しかし、その枠内で、この方々の請願の趣旨ということから考えれば、そういう思いがあって、具体的に皆さんが寄り寄りこういうことだってできるじゃないのというふうに考えていらっしゃるということも私は紹介しているわけなんですが、そういうところまで、そういう気持ちもあるわけですよ。  それでは、この高校改革の大もとになりました長期構想懇談会で座長談話というのがございましたね。ちょっとそれを紹介してください。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 「都立高校長期構想懇談会の答申にあたって(座長談話)」平成九年一月二十五日、都立高校長期構想懇談会は、昨年一月東京都教育委員会から諮問を受け…… ◯野村委員 その問題のところだけでいいです。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 一番のところでよろしいですか。「改革の具体的実施に当たっては、さまざまな形を工夫して、保護者、学校関係者、地域の意見などを幅広く聞く機会をもち、関係者の理解のもとに施策を展開するよう努めること。また、各学校が創意工夫をこらし改革に主体的に取り組むことが必要であり、学校と東京都教育委員会が一体となって積極的に改革に取組むこと。東京都教育委員会は各学校の取組みに対し、必要な支援に力を尽くすこと。」 ◯野村委員 まさにこの座長談話というのは異例な形で、この構想懇談会の答申とその座長談話と合わせて、もう一つありましたね。三つの文書を一つとして、それを答申とするというそういうものだったわけでしょう。だから、まさに今読み上げてくださったように、都民の声を聞き、父母、卒業生、そういう関係者の声をしっかり聞いて、そしていろいろ工夫を凝らして、そしてみんなの合意が得られる形でやれということをいっているわけですから、その線に沿ってすれば、むげにこういう、せっかくの、都立高校でいえば、こういう皆さんの願いを退けるのではなくて、どのようにそれが実現できるかという方向で考えていくのが、そういう課題を私はあえて押しつけたと申し上げるけれども、そういう立場の方々がなさることなのではないでしょうか。  そういう意味で、この請願、二項目は、基本計画検討委員会に同窓生や保護者代表を加えてほしいという願いもありますが、それも含めて、これを採択をしていきたいということを表明して終わります。 ◯桜井委員 請願九第一七九号、都立千歳高校の生徒募集の継続等に関する請願について一言触れます。  これは我が党の議員も三名紹介議員になっていますが、「統合案そのものに反対であったが、諸般の事情で統合はやむを得ないとしても、新千歳高校が新しい母校として、ぜひとも生徒一人ひとりを大切にし自由を尊重する校風、そしてこれまで積み上げてきた実績・伝統を引き継いでもらいたいと考えている。こうした思いを新千歳高校に反映させるために、現千歳高校の教職員のみならず、保護者・同窓会の意見を表明できる場が必要である。」、この部分についてちょっと説明していただけませんか。どういうことをいっていますか。わからないですか、この趣旨は。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 ここに書いてあります3のところの「こうした思いを新千歳高校に反映させるために、現千歳高校の教職員のみならず、保護者・同窓会の意見を表明できる場が必要である。」ということで、私ども先ほど申し上げました検討委員会という場を設けておりますが、ここにぜひ参加させてほしいという要望がこの請願の2のところに出ております。そのことを説明しております。2のところの「新設高校の基本計画検討委員会に、保護者・同窓会の代表を加えること。」ということで、入っております。 ◯桜井委員 念押しみたいなんですけれども、今あなたのおっしゃったことで、こうした思いを新千歳高校に反映させるために、現千歳高校の教職員のみならず、保護者、同窓会の意見を表明する場ができた、つくった、そういうふうに解釈していいわけですね。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 この件で、検討委員会の委員は両校の校長、それから教職員、それに教育庁内の職員で構成されておりますので、教職員は入っておりますが、保護者と同窓会につきましては検討委員会のメンバーには入っておりません。それで、その方たちのご意見につきましては、校長にお話をするかあるいは私ども都教委の方にお話をしていただければ、できるだけそのお話の中身をお聞きしまして、取り入れられるものは取り入れていきたいというふうに説明会等で説明をいたしております。 ◯桜井委員 こだわって質問しているんじゃないんですけれども、私は都立高校の統廃合は絶対やるべきだ、こういう考えの持ち主ですから、そのことについて反対はしておりません。また、ここにも統合はやむを得ないとみずからいっているわけですからいいんですけれども、ただ、そういう場合に、非常に大変な作業ですよ、はっきりいって、統廃合というのは。統廃合する手順というか手続というのは、これはもう十分の上にも十分に、本当に細心の注意を払ってやっていくことが必要である。これはいうまでもないことですけれども、そういう思いがあるから、今あえてここのところをくどく質問しているんでして、今のご答弁ですと、同窓会とか何か、まだそういった何か、例えばその会に入りたがっているんだけれども入れないよとか、そういうようなところもあるんですかね。どうなんですか、そこらあたりは。 ◯小海都立高校改革推進担当部長 この検討委員会は、新たな学校の教育課程の編成や、教育内容、方法、それを反映した施設設備などに関して、専門的、実務的に検討することを目的としているため、先ほど申し上げました両校の校長、教頭、それから教職員、教育庁関係職員で構成しているところでございます。 ◯桜井委員 もうこれ以上繰り返してもあれですから、要望というか、強くお願いしておきますが、円満に、そして力強く統廃合が進められるように十分なる気配り、心配り、それを細心にやっていただきたいということを強く要望しておきます。よろしくお願いします。  取り扱いについては、保留ということにさせていただきます。 ◯藤井委員 個別の各高校の統廃合に関する請願につきまして、請願九第一四〇号、一四七号、一六二号、一七九号、九四号等々につきましては、個別のそれぞれの統廃合計画でございまして、現在、この計画を進めるために該当する高校に、PTAあるいは同窓会の関係者等に対して、先ほども、説明等行い、理解を進めているというご答弁でございました。私どもとしましても、この計画について、しっかりと関係者の方に十分な理解をしていただきたいことと、また、教育委員会としてもそれなりのしっかり要望、意見等を踏まえた対応をしていただきたいということを前回もお願いをしたところでございます。  先ほどもご答弁にありましたように、羽田工業の高校定時制の問題につきましても、まだ単位制高校の場所が決まってないというこういう対応では、なかなか地元の方たちは納得できないのではというふうに思います。また、私がこの委員会でも述べましたように、学校給食の設備の問題、場所の問題、また、定時制高校生のいろいろ福利厚生面での問題、こういったものもしっかりと地元からの要望等受け入れていただきながら進めていただきたい。  また、第一回定例会でも予算的な問題もありますので、いろいろと今後さらに継続して審議していかなければならないという立場で、今後の継続審議をしっかりと望んでいきたいと思います。  以上です。 ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。  請願九第一四〇号、請願九第一四七号、請願九第一六二号、請願九第一七九号、陳情九第九四号、陳情九第一〇四号及び陳情九第一六二号については、それぞれ関連しておりますので、一括して採決いたします。  お諮りいたします。  本件は、さらに調査検討を要するため、本日はいずれも保留といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、請願九第一四〇号、請願九第一四七号、請願九第一六二号、請願九第一七九号、陳情九第九四号、陳情九第一〇四号及び陳情九第一六二号については、いずれも保留と決定いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、請願九第一五二号の四を議題といたします。      …………………………………    〔請願審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言を願います。 ◯藤井委員 まず、請願の九第一五二号の四、東京都財政健全化計画の徹底審議及び再検討に関する請願、これにつきましては、内容的には都立高校の統廃合を中止しろという趣旨でございますが、いろいろこれについてはこの委員会でも、都立の統廃合計画、昨年九月に出ました都立高校改革推進計画の議論の中でいろいろとこの委員会でも皆さんと論議いたしました。いろいろと出てきた中で、これから間もなく迎えます二十一世紀の教育を考えるに当たりまして、今、大変国際社会の中で日本の置かれた立場、そしてまた急速な高齢化、そして少子化、その中で教育委員会の統廃合推進計画の中にもありましたように、やはりこれからは個性ある、あるいはまたそれぞれの生徒の特質、能力、将来へのいろいろと希望に合った、そういった選択科目あるいは学部、学科等を選択できるという意味での、今後のそういう多様性に応ずる教育というものは必要だということは私どもも理解をしております。  先日も東京都総合技術教育センターに視察をさせていただきましたけれども、最新の、いわゆるキャド・キャム・システムであるとか、さらにはコンピューターの利用、そしてまたNC、MC工作機械の最新的な技術を使ったそういうものを研修等で行いながら、有為な人材を社会に送り出そうという、こういう東京都の姿勢というものも学ばせていただきましたけれども、さらに晴海総合高校におきましても、いろいろとそれぞれの伝統の高校を統合して、新しく晴海総合学科をつくったわけですが、私どももいろいろと視察させていただく中で感じたことは、やはり同じ一つの科目であっても、例えば英語であっても、いろいろとそれがさらに細かく、英語弁論あるいは外書購読、そしてまた映画の英語等々、それこそ多岐にわたって分かれている。コンピューターについても、最新のコンピューターを利用した訓練を行える場所でありますし、そういった意味で、確かにこの新しい時代に対応するという意味では、今までの伝統、歴史を踏まえながらも、新しい時代、社会、そしてまたニーズにこたえられる技術を学ぶ、さらには知識を学ぶ場としてのこういう都立高校の教育のあり方というものは必要であるというふうに考えます。  そういう意味で、この九第一五二号について、統廃合はやめろということにつきましては、私どもとしては、これは賛成はしかねるということを述べたいと思います。 ◯池田委員長 発言がなければ、これより採決を行います。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯池田委員長 起立少数と認めます。よって、請願九第一五二号の四は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に陳情九第一〇六号、(社)東京都教職員互助会の維持、自立・自主の保障に関する陳情、陳情九第一〇九号の一、都民本意の行政改革に関する陳情及び陳情九第一一一号、学校教育の自立・自主保障のための教育行政改革に関する陳情については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔陳情審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言を願います。 ◯野村委員 三本合わせて、賛成できる点も出てはおりますが、全体として論旨がよくつかみ切れませんで、ここで態度を決めることはできないということで、日本共産党は保留としたいと思います。
    ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、採決を行います。  初めに、陳情九第一〇六号を採決いたします。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯池田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情九第一〇六号は不採択と決定いたしました。  次に、陳情九第一〇九号の一を採決いたします。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。──起立者なし。よって、陳情九第一〇九号の一は不採択と決定いたしました。  次に、陳情九第一一一号を採決いたします。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。──起立者なし。よって、陳情九第一一一号は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯池田委員長 次に、陳情九第一一六号、養護教諭の病気欠勤代替制度の充実及び正規養護教諭の複数配置に関する陳情及び陳情九第一八七号、養護教諭の配置に関する陳情については、関連しておりますので、一括して議題といたします。      …………………………………    〔陳情審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 本件について発言願います。 ◯かち委員 二つの案件についてはほとんど同じ趣旨だと思いますので、一括して伺いますが、今日、生活環境の変化などによって、小中学生の心身にあらわれる異常や健康障害など、非常に多岐にわたってふえていると思います。そしてまた、いじめや不登校、そして今問題行動というような状況も出ていますね。つい先日もナイフで殺傷事件だとか警官を襲うだとか、非常に不穏な状況まで生み出しているというのは本当に見逃せない状況だと思います。こういう問題の背景にある問題と、これを解決していく上で保健室や養護の教諭が果たしている役割は非常に大きいし、除外しては考えられない状況にあるのが今日ではないでしょうか。  養護教諭の本来の仕事は児童の健康管理で、統計の分析や健康教育活動そのものなんですが、現実的には保健室登校が常態化してしまって、一人ではとても対応できないという実態があるそうです。私、ある中学校の養護教諭の先生に状況をお聞きしたところでは、保健室登校というのは勉強がわからないために来る子が非常に多くなっている。六時間、教室では耐えられない状況になってきているんですね。いつもほっとする場を求めて保健室に来る。特に休み時間になると、たくさん来る状況だそうです。一日に四、五人いる、こういう状況もあるというような、保健室のかつてはなかったような状況があるんです。この保健室登校をしている学校が都内では一体どういう状況になっているのか、数字で教えてください。 ◯阿部体育部長 保健室登校の学校の状況についてということでございますけれども、生徒の数はちょっと今わかりませんですが、保健室登校の児童生徒がいる学校のおよその数でございますけれども、小学校におきましては、千三百八十四校中四百三校、二九・一%、中学校におきましては、六百五十二校中二百七十五校、四二・二%、高等学校においては、百八十九校中五十五校、二九・一%でございます。都における公立学校の状況でございます。 ◯かち委員 今の数字では実態は定かではありませんけれども、都内の高校の中で三〇から四〇%の学校で保健室登校をしている子供がいる。その実態を見れば、一人というわけではなくて、常時四、五人いるというふうな状況もあるわけで、これではやはり養護本来の仕事はできないし、しかも、そういう問題行動のある子供たちへの対応というのは非常に時間もかかるし、時間外の対応もしなければならないということでは、本当に大変だという声を私も聞いております。  養護教諭の複数配置基準が今東京都では三十七学級以上ということですけれども、これが定められてから既に二十三年たっているわけですね。先ほどのお話にもありましたように、国も今見直しをして、三十学級にしようという状況にあるわけです。こういう中で、東京都としてもぜひ、今のような状況にかんがみれば、その基準をもっと引き下げて対応すべきではないかと思うのですが、その辺のご見解をお聞きします。 ◯押切人事部長 小中学校における養護教諭の複数配置につきましては、今お話しのように、国の標準法では三十学級以上校については複数配置、都の場合は三十七学級以上校について複数配置という基準でございます。現状におきましては、国基準を超えて養護教諭を複数配置するということは非常に難しいと思いますが、しかし、今の保健室登校の現状を考えますと、こういった学校現場のさまざまな課題を抱えていることについては事実でございますので、私どもといたしましては、一つは、登校拒否対応のための教員の加配、あるいは養護教諭で再雇用になった方々の加配とか、あるいはスクールカウンセラーの配置と拡充などによりまして、こういった問題については対応を図ってまいりたいと考えております。 ◯かち委員 問題自体が非常に深刻で大変な状況になっているから、それへの対症療法というか対応策としては、チームティーチングとかカウンセラーだとか、いろいろな施策で見ていかなければならない、そういう対応は必要だと思うんですけれども、やはり日常的に子供に一番接していて、一番子供が安心できる立場で果たしている役割を、養護教諭をぜひ複数配置すべきだと思います。しかも、東京都で三十七学級以上の学校そのものが今なくなっている状況、にもかかわらずこれだけ問題が出ているんですから、そこは現実的に判断をすべきだということを強く申し上げておきます。  あと、都立中学の中には夜間中学と分校があるわけですが、ここへの養護教諭の配置はどうなっているんですか。 ◯押切人事部長 現在、都内には中学校の夜間学級は八校ございますけれども、養護教諭の配置はございませんで、賃金職員の配置によって対応しています。分校につきまして、分校も八王子、檜原に三校ございます。これにつきましては、本校の養護教諭が対応することが原則となっております。 ◯かち委員 八校の夜間中学の中には、対応すらできていない学校もあるようです。しかも、アルバイト的な対応でしかできていないという点では、同じ学ぶ子供たちの環境を整えるという点でも非常に手落ちというのでしょうか、問題ではないかと思います。しかも、分校というのは本校から離れたところにある。こういう学校に本校から養護教諭が行かなければいけないという点では、非常に今ある学校でも大変なのに、さらにそこに穴をあけてしまうという状況もありますので、ぜひこういう学校についての養護教諭の配置もされるように強く要望して、この件については、両方について採択を求めます。 ◯藤井委員 スクールカウンセラーについてちょっと何点かお伺いしますけれども、現在東京都はこのスクールカウンセラーを何校配置されているのか教えていただきたいと思います。 ◯蛭田指導部長 現在、小学校に十二校、中学校に三十四校、高等学校に十校、計五十六校でございます。 ◯藤井委員 どうもありがとうございました。国もこのスクールカウンセラーについて非常に力を入れているというのを、先日新聞記事で見ました。来年度、さらに全国的にふやしていくと。それに合わせて東京都も、たしか最初は私の記憶では二十一校か二校というところから比べれば、既に二倍半近い配置になっているということでございますので、今後、先ほどご答弁がございましたように、学校の中でのいろいろといじめあるいは不登校、さらにはまたいろいろな先生との摩擦、そういったものに対してこのスクールカウンセラーの役割というのは大変大きい、またこれから重要な部門だろうというふうに思います。そういった意味で、今後、東京都としてもスクールカウンセラーを来年度もふやしていくというふうにも伺っておりますし、また、先ほどご答弁にありましたように、登校拒否の対応をするための教員の加配、さらには養護教諭の資格を持っている人を嘱託員として今後は活用していくということでございますので、そういった学校内のいわゆる生徒の対応について、今後さらに研究をしていくということを期待いたしまして、この請願については保留としたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、採決を行います。  初めに、陳情九第一一六号をお諮りいたします。  本件は、さらに調査検討を必要とするため、本日は保留といたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情九第一一六号は保留と決定いたしました。  次に、陳情九第一八七号を採決いたします。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯池田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情九第一八七号は不採択と決定いたしました。  以上で請願陳情の審査を終わります。  なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分で、執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。  以上で教育庁関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後七時四十八分散会...