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  1. 東京都議会 1996-04-17
    1996-04-17 平成6年度_各会計決算特別委員会(第15号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時四分開議 ◯井口委員長 ただいまから平成六年度各会計決算特別委員会を開会いたします。  本日は、局別審査のうち港湾局建設局の順で質疑を行います。  なお、本日は質疑終了までとし、意見開陳等は後日に行います。  これより決算の審査を行います。  平成六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。  これより局別審査を行います。  港湾局関係に入ります。  初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員及び先般の人事異動に伴い交代した幹部職員について、港湾局長から紹介があります。 ◯石川港湾局長 去る一月二十六日開催の当委員会におきまして、公務出張のため欠席いたしました幹部職員を紹介させていただきます。港湾整備部長新渕昭光君でございます。  また、四月一日付の人事異動に伴いまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、紹介申し上げます。計画調整担当部長藤崎治男君でございます。  以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。    〔理事者あいさつ◯井口委員長 以上で紹介は終わりました。      ───────────── ◯井口委員長 港湾局関係の決算については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。  発言を願います。 ◯渡辺委員 臨海副都心開発関連あるいはまた企業会計の関連の問題については、また別のところでやらせてもらうということにいたしまして、きょうは、本当に具体的で身近な問題について一、二お伺いをさせていただきたいと思うんです。  離島問題、島しょ問題についてご質問いたします。  一つは、御蔵島の防波堤で、これまで街灯そのものがあったのですけれども、昨年の台風によりましてこれが破損されたということで、夜などは真っ暗ということで非常に危険だという話なんです。そういうことで、防犯灯を一日も早く建てかえてほしいということが一つ。
     もう一つ、車どめの問題で、これについても、あわせてお願いをしたいという要望、陳情が私どもに届いておりますので、この際お聞きをしておきたいと思うので、よろしくお願いいたしたいと思います。 ◯高見離島港湾部長 御蔵島の照明灯につきましては、平成七年度に既に契約済みでございまして、間もなく取りつく予定でございます。  また、車どめの要望につきましては、調査の上、今後対応していきたいと考えております。 ◯渡辺委員 車どめの問題については、全然ないということではないみたいですけれども、かなり古いということで、波にさらされて非常に破損がひどいということみたいです。ですから、きちっとした形でつくっていただきたい、こういうことでありますので、ひとつ調査の上よろしくお願いしたいと思います。  それから、利島のことなのですが、利島の漁船の泊地問題です。漁港がありまして、一つは、海の方から島に向かって右側に客船そのものの突堤がある、左側に漁船の船だまりがあるわけですけれども、その手前に防波堤がありまして、その防波堤をかさ上げしたわけですね。したがって、外から帰ってくるときに中が全然見えなくなってしまっているという状況で、入るときに、島寄りにずうっと回っていかないとなかなか入れない、そういう状況にあるらしいんです。そして、島寄りにずっと行きますと、今度は浅くて船そのものが座礁するというか支障を来すということで、何とかこれをしゅんせつしていただけないだろうか、こういう話が出されているわけですけれども、この点についてはどうなっておるのでしょうか、ちょっとお尋ねしたいのです。 ◯高見離島港湾部長 小型船だまり内の物揚げ場の前面の玉石のしゅんせつの要望につきましては、既に地元からも聞いておるところでございます。第九次港湾整備五カ年計画の中でできるだけ早く対応を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◯渡辺委員 これも、そういうことで計画の中に入っているということであれば、できるだけ早く、とにかく漁民にしてみればそこのところを日常通るわけですから、どうしたって危険度があるということで、これは一日も早く何とかやっていただきたいという強い要望がありますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから、もう一つは大島の関係ですが、大島と、いわゆる本土というんですか、この間でカーフェリーを出してほしいという要望があるわけですけれども、この点については今どのように受けとめられておるのでしょうか、その辺からお聞きしたいと思います。 ◯高見離島港湾部長 厳しい接岸条件が要求されますカーフェリーの導入につきましては、伊豆諸島の厳しい波浪条件などから、大規模な防波堤外郭堤防が必要となってまいります。さらに、荷さばき所や駐車場のための用地の確保が難しいなど、港湾整備上極めて困難な研究課題であると認識しております。 ◯渡辺委員 カーフェリーそのものについては、大島の方たちが、いわゆる生産物をつくって、自分の車に乗せてそのままカーフェリーで出ていって、そして市場に持ち込むとか、例えばそういう話があったのですけれども、そういうふうにならないものかということが、一つですね。もう一つは、町の観光そのものをもっと活性化させるというか、観光客をもっとふやすということからいっても、カーフェリーがあればまた違った意味で観光客がふえるのではないかというような話も出されておるわけなんです。  そういう意味でカーフェリーということが出されてきているわけですけれども、話によりますと、昨年の十月に、港湾局の方が東海汽船といろいろお話があったようですけれども、それ以後の問題で、東海汽船の方は前向きにこのカーフェリーの実現に向けて今検討をし始めているというふうにお聞きしているんですけれども、その辺はどのように受けとめられているのか、ちょっとお聞きをしておきたいと思います。 ◯高見離島港湾部長 伊豆諸島との間でカーフェリーが通るということは、我々も非常に望ましいものとは考えておりました。しかしながら、先ほど申し上げましたように、伊豆大島は非常に波が荒い、そのために大規模な防波堤が必要ということになりますと、相当長期的な時間がかかるものでございます。  東海汽船もそういったような要望を持っておられましたけれども、我々との意見交換の中で、海の波が静かなように防波堤を整備するということは非常に時間がかかるということ。それから、カーフェリーを接岸するときに、波がありますと、岸壁と船を結んでいる斜路が壊れてしまうといったような技術的な問題も抱えているということも東海汽船は承知しておりまして、希望は持っているけど、長い研究課題だということで、お話し合いをしているところでございます。 ◯渡辺委員 従来までそういう話がやっぱりあったんだろうというふうに思うんですよね。それで、これは、先ほどもいいましたけれども、昨年の暮れからことしにかけての話ですね。そういう点で、従来の考え方そのものを、何か前向きで検討を始めているということで聞いているというふうに、町の人たちがいっているわけです。  そういうこともありまして、あえてきょうお聞きしたいということで質問したわけですが、いずれにしても、確かにカーフェリーが接岸するときに、波が荒ければ、そういう点では非常に困難さがあるということはわかりますよ。だけども、伊豆七島の全部ということではなかなかすぐいくということではありませんけれども、当面、大島との絡みでいえば、その辺はいろいろな難しさはあるかもしれませんけど、ぜひ研究、検討していただいて、できるだけ町の要望にこたえていただきたいというふうに思いますし、また、東海汽船の方についても、そういう方向でぜひ前向きにさらに検討をしていただくというふうなことで、港湾局としてもひとつご努力を願いたいと思うんです。そういうことを強く要望しておきたいと思います。  私はきょうは島の問題を幾つか、具体的な問題にだけ絞って取り上げましたけれども、ぜひひとつ局を挙げて、これからの島しょ関係につきましては一層取り組みを強めていただきたいということをお願いして、終わります。 ◯井口委員長 ほかに。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯井口委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  港湾局関係の決算に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯井口委員長 異議なしと認め、港湾局関係決算に対する質疑は終了いたしました。  以上で港湾局関係を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯井口委員長 これより建設局関係に入ります。  建設局関係の決算については、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯小川総務部長 去る一月二十二日の当委員会でご要求のありました資料について、ご説明を申し上げます。  お手元には、平成六年度各会計決算特別委員会要求資料という印刷物をお届けしてございますので、これをごらんいただきたいと存じます。  まず、表紙をお開きいただきますと、目次がございまして、ご要求のありました三件の件名が掲げてございます。この順番に従いましてご説明を申し上げます。  一ページ目をお開きいただきたいと存じます。1、都内の自転車専用道路整備状況及び他都市・諸外国との比較でございます。  まず、表の1は、自転車道整備状況をほかの都市と比較したものでございまして、平成六年度末現在の東京都、大阪府、愛知県のそれぞれの計画延長及び完成延長を比較したものでございます。  次に、下の表の2でございますけれども、これは諸外国と比較したものでございまして、日本とオランダ外三カ国の整備延長を記載をしてございます。  次に、二ページ目をお開きいただきたいと存じます。2、過去十年間の中小河川整備状況でございます。  まず、表の1では、中小河川の全体計画の河川数と延長を記載してございます。  表の2には、年度別整備状況といたしまして、全体計画に対する護岸の整備延長整備率治水安全度達成率をそれぞれ記載をしてございます。  なお、欄外の注意書きにございますとおり、この表は、一時間五〇ミリ対応の護岸整備状況をあらわしたものでございます。  次に、三ページをお開きいただきたいと存じます。3、総合治水対策委員会報告による治水対策事業費の比較でございます。  この表は、治水対策事業費治水対策ごとに、治水対策量一立方メートル当たりの費用を示したものでございまして、備考欄には、それぞれの費用算出の方法を記載してございます。  なお、欄外の注意書きにございますとおり、本資料は、神田川水系におきまして、時間降雨量五〇ミリ対応までは河道拡幅で整備を行いまして、五〇ミリを超えて七五ミリに対応する三つの対策について事業費を比較検討したものでございます。  以上をもちまして、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ◯井口委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、これより質疑を行います。  発言を願います。 ◯村松委員 私の方から、二テーマ質問させていただきます。  まず最初に、多摩動物園通り桜並木の問題で質問いたしますが、現在、モノレール建設の進捗によりまして、多摩動物園通りの桜の木が移植されているということなのですけれども、この問題で、日野市に住んでいる私にしても、またその周辺に住む住民にしても、それから多摩動物園を訪れた方からも、あの桜の木はどうなったんだということで、非常に怒りやら戸惑いやらということで、何ともいえない状況があるのですが、そういう中で、多摩動物園通りのあの桜並木なのですが、その長さと、それからここにどのくらい植わっていたのかをお示しください。 ◯中西参事 ご質問の桜の木の植わっていた延長と本数でございますが、延長としましては約千三百メートルございまして、本数は約二百三十本でございます。 ◯村松委員 長さが一キロ以上、それから二百三十本の桜の木。私の住む日野市の場合は、これだけまとまった桜の木があるというのは、多摩動物園のこの通りだけなんです。日野市民にとっては、この桜の木が咲くころというのを非常に楽しみにしていた、生活の一部になっていたというふうに思うんです。  現在、その桜の木がどこに移されているのか、その辺ちょっとお伺いします。 ◯中西参事 この桜並木につきましては、約二百三十本ありましたけれども、枯れていた木を除いた二百二十二本のうち、百六十二本は苗圃に仮植えをしまして管理を行っています。それから、希望のありました日野市内公園予定地などにも六十本移植しております。 ◯村松委員 この移植をするときに、周辺の住民に対する周知というのは、どういう形で何回ぐらいやったのか、お聞きします。 ◯中西参事 移植工事に際しましては、地域の理解を得るために、日野市や地元の自治会と協議しまして、沿道の方々にお知らせするとともに、五つの自治会を対象に地区センターで説明する機会を設けておりまして、また、現地には広報板等を設置して公知を行っております。今回の工事につきましては、三つの区域に分けて工事を行っておりますので、それぞれ三カ所の自治会等にご相談して、かつ、説明会を全体的に一回ということでやっております。 ◯村松委員 その説明会や関係市に対する協議というのは、ほかのモノレール工事をやるところと同じように、多分そのつもりでやったのじゃないかというふうに思うんです。  この多摩動物園通り桜並木の問題については、いろいろな新聞が取り上げて、テレビでもこの前取り上げられたということなんですけれども、ここにこういう投書が載っているんです。「消えた桜並木 悲しみの春に」、「毎年四月、桜の開花時期になると、ここ日野市程久保の多摩動物公園通り桜並木がすばらしい。春到来とばかり住民や、動物園通りを通行する車も桜トンネルを見ながら、しばし、目の保養を楽しみにしてきました。ところがモノレール開通に伴う道路拡幅工事のため、開花を目の前に付近住民の同意も得ず、東京都の建設局が、二百二十七本の桜を移植してしまいました。街路樹のない殺風景な通りは殺伐とし、生きている私たちに緑がいかに大切だったか、今さらながら痛感しています。初めての孫の入学式に桜花舞うなかの通学の夢は無残にくだけ、娘と悲しみと怒りを覚えています。一九九八年のモノレール開通時にはぜひ桜並木を復活させるよう、東京都に娘ともども運動していきたい。」、こういうのが出ておりまして、それから、この投書を読んだ方から、四日後なんですけれども、これは神奈川の相模原市の方が、「ある朝、東京・立川へいくのに車で多摩動物公園前の道を通りました。桜並木の枝々のつぼみもまだかたいころでした。これはみごとな花のトンネルになると楽しみに思いました。ともすると沈みがちな気持ちが明るくなりました。しかし、夕方の帰り道、桜の枝が切られ、丸裸の木々が立っていました。これは風景にたいするレイプではありませんか。子どもたち多摩動物公園に連れていった人々は、どういう気持ちがしたかと思います。」「戦後五十一年、さまざまな問題が浮かびあがってきて怒りで爆発しそうな気持ち桜並木によって少しでもいやされ、この国に生まれてよかったと思いたかったのに、桜を切るとはなにごとでしょうか。」と。  そういうのが出されまして、この周辺に住むお年寄りの方も、毎年毎年桜の花を見ながら、ああ、ことしも本当に元気で生きてきてよかったと桜に話しかけて、また来年も元気で会おうねというような、そういう思いでいたというんですね。周辺に住む者にとっては、桜の咲く時期というのは、入学式の時期であり、新しい人生のスタートの時期でもあるという意味でしっかり生活に根差している、そういうものだと思うんです。  きょう、ちょっと写真を持ってきたのですけれども、(写真を示す)これが去年の桜の花が咲いているときなんです。現在はこういう状況なんですね。この住民の人たちは、モノレールが通るのは嫌だといっているわけではないんです。ただそのやり方の問題で、一般の住民にすれば、東京都が、先ほどご説明がありましたけれども、普通のところを工事をするようなつもりで説明をしたと、そういうのがあったのですが──二月の終わりごろですか、あと二カ月もすればあの桜の花が咲くのに、何でという思いがあったんですね。そのときに一言周辺の人に納得できるように説明してもらえれば、そうすれば思いは違ったと思うんです。  それで、自治会や市の方には説明したとか、通り一遍のお答えでしたけれども、一般住民は知らなかった。それをもう少し周知してもらえればよかったというふうに思っているのですが、そのやり方に対して、東京都がどういう認識をしているのか、お聞かせください。 ◯中西参事 今回、多摩都市モノレール事業を進めるために、その導入空間となる道路を確保した上でモノレールを整備するという必要性がありまして、この日野市の程久保地区では、現在、道路幅が十五メートルございますが、それを二十二メートルに拡幅する必要があるということで、桜並木が支障となったということでございます。そこで、事業のスケジュールに合わせまして、最も移植に適する時期、開花前ということなのですが、その時期を選びまして移植工事を実施したところでございます。  今回の地元への周知についてのご質問でございますけれども、今回、市や自治会の方々と協議を行い、周辺にチラシ等を配布し、説明会行い周知を図ってきたところですけれども、桜並木という特殊性ですとか、それから移植規模二百三十本という大きさからいって、一層工夫した周知方法があったかなとは思っておりますけれども、一応の周知をやってきたというつもりでおります。 ◯村松委員 桜並木特殊性があってあと一工夫必要であったかなと、そういうご答弁なんですけれども、一般住民にすれば、本当にもう少し丁寧にやってほしかった、そういう思いがするんです。  そういう中で、今後の問題なんですけど、今後モノレールが建設をされる、その後また桜並木を住民の皆さんはぜひ残してほしいと、残してほしいといいますか、もとどおり桜並木にしてほしいという要望も強いわけです。そういうのを進めるに当たって、東京都でもぜひ関係市町村関係日野市、それから住民の要望をよく聞いて、桜並木にしていくということが──今、明快な答弁をいただけるのでしょうか。 ◯中西参事 現在、移植しました桜等は仮植え等をやっているわけでございますが、今後モノレールを整備し、またその下の道路も整備するわけですけれども、そうした道路の進捗に合わせまして、この桜をもとに戻すのかどうか、特に地域のといいますか、市とも十分協議して、またこうした桜を戻してほしいということであれば、再移植をするなど、桜並木の復元というものにも努めていきたいということで、地元自治体の意見をお聞きしながら決めていきたいというふうに考えております。 ◯村松委員 ぜひ、関係の日野市と住民の要望をよく聞いて、桜並木にしていただきたいと私は思います。  次に、高尾山トイレの問題で質問いたしますけれども、この高尾山というのは、ちょうど私たち都民にとっては手ごろな山だということなんです。  そこで、高尾山に今、年間どのくらいの利用者がいるのか、まず初めにそのことをお聞きします。 ◯桜井公園緑地部長 高尾山の登山客は、年間約百八十四万人というふうに聞いております。 ◯村松委員 年間百八十万人以上ということなのですが、年間の中でも、最も多いときと少ないときがあると思うんです。一日当たり、一番多いときで大体何人ぐらいで、少なくて何人ぐらいで、平均してどのくらいなのか、そのことを教えてください。 ◯桜井公園緑地部長 高尾山頂には、ゴールデンウイークのときあるいはもみじの時期の休日が一番利用客が多いわけですが、一日当たり最大で六千五百人ぐらいでございます。少ない普通の、いわゆる行楽シーズンでないときで、約二千人ぐらいでございます。 ◯村松委員 平均どのくらいだったのかというのもちょっと聞いてみたのですけれども。最高の一日六千五百人ということであるわけなんですが、こういう人数に対応するお手洗いの数、トイレの数というのはどうなのか、お示しください。 ◯桜井公園緑地部長 先ほどの答弁の中で、平均どれくらいかというご質問にお答えできませんでした。一日平均四百人ぐらいというふうに私どもは考えております。 ◯村松委員 最低二千人で、何で平均が四百人なんですか。 ◯桜井公園緑地部長 失礼しました。ちょっとお待ち願います。──最初にご答弁申し上げましたのは、休日のピークと最低ということでございまして、休日の平均ということになりますと、約二千人ちょっとということのようでございます。それから、平日の利用者の平均といいますと、四百人ということでございます。大変失礼いたしました。  それから、トイレの数でございますが、この山頂付近、幾つかのトイレがございまして、大見晴園地というのがございまして、そこが男子が八、女子が八。それから一丁平園地というところがございますが、これが男子が二の女子が二というふうなところでございます。 ◯村松委員 最高のピーク時の六千五百人の観光客に対して、お手洗いの数が本当に少ないのじゃないかというのは、この数字を見てもわかるのですが、東京都の施設でビジターセンターというのがございますよね。今、現地の方に多分お聞きになってつかんでいると思うのですが、ビジターセンタートイレの状況をちょっとお示しください。 ◯桜井公園緑地部長 ビジターセンター高尾山山頂付近にございまして、ここのトイレの状況は、男子が、いわゆる大の方が一つでございまして、あと小便、いわゆる小の方が四でございます。それから女子のトイレは三でございます。  利用状況でございますが、この山頂付近でお休みになる方が非常に多い関係から、山頂に一番近いということで、このビジターセンタートイレが利用されることが多いわけでございます。ゴールデンウイークなどの最盛期ですと、三十分ないし四十分ぐらいの待ち時間、(「間に合わないよな」と呼ぶ者あり)これは女子の場合でございますが、そういう状況でございます。 ◯村松委員 先ほど、間に合わないなんて話がありましたけれども、トイレで我慢するつらさというのは、皆さん経験されていると思うんです。私自身も何度もそういう思いはしているのですが、女性がずうっと並んで待ちきれなくて、男子のお手洗い、これは一つきりないのですが、そこへ行って、そして帰りに男性にしかられちゃったなんていうことも、トラブルなんかもあるんですね。  それで、高尾山の全体のトイレの数が少ないのじゃないか、そういうふうに思うのですが、東京都の管理者としては、その辺の認識はどうでしょうか。 ◯桜井公園緑地部長 おっしゃいますように、ピークのといいますか、利用者が非常に多い場合には足りないというふうに認識をしております。ただ、私ども調査をしてみますと、このトイレが足りなくなる日にちというのは、年間二十日ぐらいでございます。そのほかはほとんどこの状態で十分間に合っているということでございます。したがって、この二十日の問題をどうするかということだと認識をしております。  この山頂付近利用者が非常に集まるわけでございますが、薬王院から山頂に至るまでの山頂付近の手前に、私どもの比較的大きな便所がございます。この便所をできるだけ利用していただくように表示板、例えば、山頂付近には便所が少ないのでここで用を足してくださいとか、そういうふうな周知を図って、できるだけビジターセンタートイレに集中しないようにしていきたいというふうなことが第一でございます。  それから、そうはいいましても最盛期には足りなくなることは事実でございますので、臨時トイレをつくるというふうなことが考えられます。その場合でも、山頂付近はいわゆる給水の量の制限がございます。それから電気、例えば最近は電気を使ってふん尿を固形化するというふうな方法もあるようでございますが、そのような場合のその使用する電気の容量の制限等がございます。したがって、この問題につきましては引き続いて検討してまいりたいというふうに考えております。 ◯村松委員 私の質問は、足りていると思うんでしょうか、少ないと思いませんかという質問だったのですけれども、その質問に対して、一番つらい思いをしているのは年間二十日ぐらいだからと。だから、我慢しろというような、ちょっとそういう聞こえもあったのですが。高尾山というふうにいったときに、ああ、トイレでつらかったわねというようなイメージでは困ると思うんですね。やっぱりせっかくみんなが休日を使って楽しみに行く、そういう場所だけに、トイレの心配をしないで思う存分楽しんできてほしいというのは、担当者の思いではないかと思うんですけど、その辺、もう一回どうでしょう。 ◯桜井公園緑地部長 高尾山は自然公園でございます。私どもが扱っております公園は、都市公園という町中の公園と、それから山や海、伊豆七島、あるいは小笠原諸島でございますが、こういう自然公園と、二つの種類の公園を扱っておりますけれども、自然公園の場合は、できるだけその自然のままを保全して、それを恐る恐る楽しんでもらうというのが趣旨でございます。  したがって、高尾山の場合は自然公園でございますので、町中のトイレの状態と同じようなことで認識していただくということに、多少の認識の差があろうかと思いますので、私ども、高尾山には大勢の方が最盛期には来ていただいておりますので、できるだけそれに間に合うようにするつもりでございますが、先ほど申し上げましたように、自然を荒らすな、それから、くみ取りトイレなんかの場合ですと、そのトイレの運搬する道路をつくらなくてはならない、これが非常に制限がございます。それから、電気の容量の問題等々で、できるだけたくさんつくりたくともつくれないというふうな状況がございますので、それをさらに工夫しまして、ご要望のトイレをできるだけふやしていくという方向で頑張ってまいりたいと思っております。 ◯村松委員 トイレをふやすことがそんなに自然を壊すことなんでしょうか。年間百八十四万人の人が訪れて、そこで英気を養ってまたあしたから頑張ろう、そういうような場所であるからこそ、やっぱり東京都の都立公園のいいところがあると思うんですよ。私は何もあそこの上にコンクリートのまちをつくれなんていっているわけじゃないんです。あそこを訪れた人が快く帰っていけるように、快く楽しんでもらって帰れるようにということで、お手洗いをつくってほしい、増設してほしいといっているんですよ。  それで、臨時トイレが考えられると。水洗では、水の容量が少ないとか電気の容量の問題とかいろいろあるというふうにいっているんですけれども、さまざまな問題があるのは確かに承知しております。でも、やっぱり利用者のことをまず最優先に考えていただきたい。緑を壊してまでも、自然を壊してまでも、そんなにうんと壊してトイレをつくれというわけでもないのですから、そういうことをぜひ進めていただきたい、そのことを要望して、質問を終わります。 ◯野田委員 昨年の決算特別委員会においてもお尋ねをいたしましたが、神田川の環状七号線地下調節池事業の進捗状況についてお伺いいたします。  まず、第一期事業である神田川の取水施設の進捗状況はどのようになっているか、お伺いいたします。 ◯吉田河川部長 神田川環状七号線地下調節池事業は、延長四・五キロメートルで事業を今実施中でございます。そのうち第一期事業二キロメートルの区間につきましては、既にトンネルの本体部が完了しておりまして、現在、神田川の洪水を取り入れるための取水施設の工事を実施中でございます。この工事を平成八年度までには完成させて、直ちに供用を開始する予定でございます。 ◯野田委員 平成八年度末に完成させて供用を開始するとのことでありますけれども、今日までのこの経過等を見ましたときに、当初の工程より大分おくれが見られます。本当に平成八年度末に供用ができるのか、そして管理棟あるいはそれにまつわる附帯工事、こういったものが全部竣工するのかどうか、お伺いいたします。 ◯吉田河川部長 取水施設の管理棟と外構工事についてでございますけれども、これは副委員長のご心配のありますとおりなんですが、平成八年度内での完成は困難でございます。ただ、洪水を取り入れます施設につきましては、平成八年度末に完成させまして支障なく洪水対策を図ってまいりたい、かように考えております。 ◯野田委員 次に、第二期の事業である妙正寺川の立て坑用地の取得並びに善福寺川の取水立て坑工事の進捗状況について、どのようになっているのかお伺いいたします。 ◯吉田河川部長 二期工事の二・五キロメートルについてでございますが、現在、妙正寺川の発進立て坑の用地取得に精力的に努めております。現在九二%の進捗を見ております。今後とも、工事が早期に着手できるよう努力してまいりたいと思っております。  また、善福寺川の取水施設につきましては、平成七年度から準備工事として搬入路工事に着手しておりますが、立て坑工事につきましては、本年四月末に都立工業技術教育センターが移転をいたしますので、この移転を待ちまして直ちに校舎の解体工事を行い、工事に着手してまいる予定でございます。 ◯野田委員 環状七号線地下調節池の第一期事業で、発進立て坑用地として使用してきた杉並区立の梅里公園の復旧予定は、どのようになっているのかお伺いいたします。 ◯吉田河川部長 梅里公園の復旧についてでございますけれども、現在、杉並区と協議をしておりまして、今年度から実施いたします立て坑のふたかけ及び管理施設の工事の完了時期に合わせまして、平成九年度より着工してまいる予定でございます。 ◯野田委員 杉並区から要望のあった神田川そして善福寺川の両取水施設の、区民の利用できるような地域施設への取り組み状況について、お伺いいたします。 ◯吉田河川部長 神田川及び善福寺川の取水施設用地につきましては、洪水を地下の調節池へ導きまた排水するなどの河川管理上の必要な施設をつくるものでございます。したがいまして、取水施設の建設に伴います地域住民に利用される施設の設置につきましては、実現困難なものもございますが、河川管理施設の本来の目的を十分踏まえた施設利用の観点から、現在、設置可能なものにつきましては、杉並区と前向きに協議を行っているところでございます。今後とも、杉並区と協議を重ねながら検討してまいりたいと考えております。 ◯野田委員 最後に、神田川の調節池は、水害解消のために地元としては大きな期待を持っているわけでございますけれども、第一期の事業の早期の竣工、そして第二期事業の早期着工について、局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
    ◯木内東京都技監 都内の中小河川の整備でございますけれども、これは都政が進めております安全で快適な都市生活を進めるために大変重要な事業である、そういう認識のもとに整備促進を図っているところでございます。  現在、都内の中小河川整備状況でございますけれども、代表的な中小河川であります神田川を合わせまして、神田川も大体そうなんですけれども、まだ三分の二程度の状況でございます。ましてやその神田川も二年に一遍程度は残念ながら降雨時には水害が発生する、そういう寂しい状況でもございます。  そういう点がございまして、一日も早く水害から都民の生命や財産を守るために、神田川につきましては、今、先生のお話にもありましたように、単なる河道改修だけではなくて、分水路をつくり、あるいは調節池をつくりながら総合的な治水対策を進めて、その被害解消を図っているところでございます。  ご承知のように、環七地下河川の整備を積極的に進めているわけでございますが、この整備完成によりましては、かなりの部分の水害が解消される、そういう期待もございまして、全力を挙げているところでございます。ただいま部長から答弁申し上げましたように、平成八年度末には第一期工事を完成させまして、水害の軽減に努めたいと考えておりまして、機能を発揮する状況まではすべて完成という状況にはいかないような面もございますが、九年の雨期までには必ず機能を働かせたいと考えております。これは安心してもらって結構でございます。  さらに、第二期工事でございますけれども、これも用地の取得等に今努めているところでございまして、間もなく用地もすべて買える状況まで進んでおります。したがいまして、あとは工事の早期着工でございますので、それに力を注ぎまして、ご期待にこたえて、早期の完成に向けて努力していきたいと思っております。 ◯高谷委員 私は三点質問をしたいと思っております。一つは、玉川上水の史跡指定の関係、もう一つは、都立公園の野良猫、それから三つ目は、公園施設に関係する問題です。  初めに、玉川上水の史跡指定の問題なんですけれども、玉川上水の史跡指定をめぐっては、都議会の本会議で、これは我が決算特別委員会の委員長も話題にしたことがあると思いますけれども、各会派がその必要性を訴え、質疑を展開してきている経過があります。長い間の経過の中で、私は、建設局、都市計画局、ここらあたりがかなりいろいろ難色を示してきた経過があるのではないかと思うのですけれども、昨年の予算委員会で、もうここまで来たから期限を切ってやる努力をしたらどうかという話をいたしました。平成十年が東京近代水道百年に当たる、そこまでに史跡指定を実現しようというような答弁、そのための努力をするという答弁をいただいたわけです。  そこで、それから一年が経過してきているわけですけれども、この問題について局長の基本的な認識、これをお伺いをしておきたいと思うわけです。 ◯木内東京都技監 玉川上水は、本会議でもるる各先生からご質問がございましたし、知事も答弁いたしておりますけれども、江戸時代につくられました土木遺産としての価値もある施設でもございますし、さらには緑豊かな景勝地でもございます。そういう観点から、文化財として大切に保護すべき都民の財産である、そういう認識を持っております。  建設局は、この玉川上水につきましては、緑道を整備する等の公園的な整備や、あるいは、関連する道路でございますけれども、道路整備をするに当たりましても、その玉川上水の持っている価値を十分に尊重しながら、道路、橋梁等の関連施設の整備にも心がけているところでございます。  また、全庁的な組織といたしまして、玉川上水保全協議会、あるいはまた史跡指定準備検討委員会、そういうものもございまして、先生方のご意向を受けまして、何としても史跡としてあるいは緑として保全しよう、そういう観点から取り組んでおりますけれども、建設局も、その一員としましてこの両会に参加いたしまして、その趣旨を尊重する形で事業を進めているところでもございます。  今後のことでございますけれども、玉川上水にかかわります道路事業等あるいは公園緑道整備等もございますけれども、それを進めるに当たりましては、この文化的な価値あるいは景勝等に配慮いたしまして、文化財の保護と公共施設整備との調和を図るとともに、関係局と連携をいたしまして、史跡指定の推進に積極的に協力をしていきたい、そういうふうに考えているところでございます。 ◯高谷委員 大変いい答弁をいただきました。史跡指定をされると、建設局が一番苦労するんではないかなと。モノレールはうまくいきました。橋の問題がある。しかし、その苦労を顧みず、ひとつ史跡指定について、その推進に努力をしていただきたい、こう思うわけです。  次に、野良猫の問題なんですけれども、建設局の皆さんは、何でここで野良猫の質問をされなくちゃならないんだというふうに思っているのじゃないかと思うんですね。都立の戸山公園ですか、あそこには野良猫がたくさんいまして、町の中にも猫島というのはたくさんあるんですよね。通りがかりにえさをやる人がいる。勤め帰りの足音を聞くとそこに自然と猫が八匹、二十匹集まってくるんです。えさをやる人は困ったものだと私は思うんですけれども、この公園で、それを見かねて、近所の人たちが避妊手術を自費でやっているわけですね。それは、衛生局、ここら辺もきちんとかかわらなくてはならない課題だし、地元の区の方も何とかしなくてはならない課題。あるいは、都営住宅を建てかえた、それで猫がふえちゃった、公共事業をやった結果ふえちゃう、住宅局どうする。どこにいってもなかなかうまくいかないんです。  そこで、いよいよ信頼すべき建設局にお出ましを願おう、こういうふうに思いまして、この質問をするわけでありまして、決してよそからのとばっちりを受けたというような理解の仕方をしないで、私の質問にお答えをいただきたいと思うのですけれども、とりあえず、戸山公園における野良猫、その実情はどうなっておりますか。 ◯阿部参事 戸山公園内では、公園内に捨てられましたり迷い込んだ、そういう形で来た猫がおり、住民からの苦情があることは、公園管理者としてもよく承知しているところでございます。 ◯高谷委員 わかりました。そこで、心ある人が自腹を切ってそういうことをやっているわけですから、何とかしてやりたいと思うんですけれども、これにどのような対応を建設局としてはしているのですか。 ◯阿部参事 野良猫につきましては、野良犬等と異なりまして、保健所で引き取ってもらえない、あるいはその飼い主を見つけ出すことが非常に困難であり、私どもいろいろ頭を悩ましているところでございます。  私どもといたしましては、ただいま公園内に、野良猫の増加を防止するため、来園者に公園内に猫を捨てることのないよう注意を喚起いたしますような表示板を、衛生局の協力も得まして、設置しているところでございますが、今後なお実態につきましては調査してまいりたいと考えてございます。 ◯高谷委員 実態について調査をして、建設局としてできることについて何か考えてほしい。  ことしは雪が降りました。私も井の頭公園に行った。木の下に猫が座っていて──寒いですからね、猫は本来暖かいところが好きなんです。局長、例えばそれを見たらね、かわいそうだなと思うと思うんですよ。公園の管理者として、ああ、そろそろ命がなくなるな、厄介者が一匹いなくなるというような気持ちにはならないと思うんですね。公園に来た人は、さっきも高尾山の話がありましたけれども、やっぱり気持ちよくなって帰る、さわやかな気持ちで帰る。しかし、そういうのを見ると、心ある人は哀れみを覚えますよ。そういう意味では、来園者に対して精神的な被害というか、そういうものを現実に与えている、そういう状況もあるわけですから、ひとつただいまの答弁のようにやっていただきたい。  次に、公園の施設、公園の中にある施設の問題についてお伺いしますけれども、初めに、公園の敷地の財産上の性格についてはどのようになっていますか。 ◯阿部参事 公園敷地の財産上の性格につきましては、地方自治法第二百三十八条でいうところの行政財産でございまして、行政が公用もしくは公共用に供することとした財産でございます。 ◯高谷委員 公園には茶店といわれるものがあるんですけれども、この茶店の、建物ではなくて敷地の関係ですけれども、東京都の公有財産規則の中ではどのような位置づけがされていますか。 ◯阿部参事 東京都公有財産規則は、その第一条で、「別に定めるものを除くほか、この規則の定めるところによる。」としております。公園内の売店、茶店等につきましては都市公園法の適用を受けるものであり、東京都公有財産規則の適用は受けていないと考えてございます。 ◯高谷委員 それでは、都市公園法上、茶店はどのような根拠で設置をされていますか。 ◯阿部参事 都立公園内の茶店は、都市公園法に基づく設置許可を受けることとされております。各茶店は、許可に基づき公園の便益施設として設置されているものでございます。 ◯高谷委員 ここら辺から意見の分かれるところになってくるわけですけれども、例えば井の頭公園の茶店は、都市公園施行前の大正年間からやっているわけですね。私は借地権が発生していると思うわけです。これはあえて、地方自治法上、行政財産については借地借家法は適合しないと、あるいは五十何年かにあった中央卸売市場の訴訟、これは判決文を全部読んでみました、そういうことをわかっているというか調べた上で、私は借地権という問題があるのではないかというふうに考えるのですけれども、いかがですか。 ◯阿部参事 井の頭公園内の茶店は、大正六年五月の開園時点で、明治四十二年に制定されました東京市の東京市公園地使用条例に基づきます使用許可の手続がとられており、引き続き都市公園法に基づく同様の許可を受けているところから、借地権は存在しないと考えてございます。 ◯高谷委員 まず、本日の時点での局の考え方はわかりました。  そこで、今後この問題についてどのように対処されていくのか、局長のお考えをお伺いします。 ◯木内東京都技監 井の頭公園の中に設置されております十軒ほどの茶店でございますけれども、今参事から答弁申し上げましたように、非常に古いときから、大正六年五月でございますけれども、いろいろな経緯がございまして営業をしておりますし、そういう歴史等を持ったものでございますので、その辺は私もよく承知しているところでございます。  また、現状でございますけれども、井の頭池の周辺に設置されている、あるいは緑豊かな森を背景として設置されているなどを考えますと、井の頭公園を利用する都民に大変親しまれている、そういう状況であろうかとも思っております。  したがいまして、今後の対応でございますけれども、そういう歴史、あるいは背景、あるいは現状等を考えますと、公共財産でございますので、許可の問題あるいは取り扱いの問題等につきましては、法令等に準拠しながら、関係者と十分話し合いながら、その方向を定かにしていきたいと思っているところでございます。 ◯高谷委員 私も井の頭公園で泳ぎを覚えまして、茶店はそのころから知っているわけです。きょうはここまでにしておきますけれども、私はこの議論は、議論の出発点であるというふうにきょう思っているんです。地方自治法が施行されたときに、私はそういう機会に関係が整理されなければならなかったのではないかなというふうに思っているんです。実際、あそこにある茶店は、所有権登記をそれぞれしているわけです。現実にそこに生活している実態を知っているわけで、本当にそんなふうに考えるんですよ。  そういう意味では、ここでやっぱり何らかの整理をつけておく方が、将来にわたって都と関係者との関係でいいことであるし、整理しておかなければ必ず先へ行って問題になる。これは半年や一年で決着がつく話だと思っていませんけれども、以後この点について、機会があるごとに私は議論をしていきたいと思うんです。  そういう意味で、大正の時代から、かなり歴史が古く、事実関係がわからなくなっているところもあるわけですね。したがって局の方でも、やはりそういう議論にたえられる資料、こういったものを整理をする努力といいますか、ぜひそういうことをしていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。 ◯原委員 私は、道路の使用または占用について何点かお伺いしたいと思います。  現在、道路の利用状況というのは、非常に乱れているというか、さまざまな違法等もあるのではないかと思います。特に路上における違法な駐輪を初め広告物、さらには電柱とか街路樹等の公共物等にも、広告物また掲示物が張られておる。さらには、捨て看といわれるような簡易な広告物も至るところに見られるのが現状であります。  現在、道路上の看板または日よけ等の障害物は、許可を得て初めて占用することができる、こういうふうになっておりますが、まず、平成六年度の決算の中で、看板または日よけ等の占用料、この収入はどういうふうになっているのか、また、七年度、八年度における実績はどういうふうになっているのか、お尋ねしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 平成六年度の看板の占用料収入は約七億円でございます。また、平成七年度の占用料収入は約七億二千万、八年度につきましては約八億円を見込んでいるところでございます。 ◯原委員 現在、六年、七年、八年、微増でございますけれども、ふえているということが確認できました。  それでは、道路占用料を、徴収料を高めるために、都はどういう形で努力をしてきたのか、お伺いしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 看板の占用料の歳入増加やあるいは不適正な物件の適正化を図るために、平成二年度から実態調査を実施しているところでございます。実態調査に基づきまして、占用許可を得ていない物件につきましては、占用許可に適合する物件については占用許可をしていただくようなお願いをしている、またさらに、許可基準に該当しない物件につきましては、改築あるいは撤去をしていただくなどの指導を行ってきているところでございます。  また、そういったことのPR活動の一環といたしまして、リーフレットやポスターを作成いたしまして商店街に配布、あるいは掲示を依頼するとともに、「広報東京都」あるいは区報、市報等に関連記事を掲載をしているところでございます。また、看板業者にも協力をお願いいたしてございます。さらには、商店振興会あるいは商工会、看板業団体等に対して説明会を開催しているところでございます。 ◯原委員 今、地元団体とも協力をし合いながら説明会等、またはリーフレット、ポスター等を作成してPRをしておるということでございますけど、具体的に、商店街の振興会または商工会、さらには看板業者等に、何度ぐらい説明会または指導会を行ってきたのか、その実績をお示しいただきたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 看板の実態調査につきましては、従来は、お知らせを各戸に事前配布するという方法をとってございましたけれども、さらに周知徹底を図るという趣旨から、商店街への説明につきましては昨年の秋以降から実施しているところでございまして、昨年は、商店街やあるいは看板業界団体に対して、合計約十五回ほど説明会を開いているところでございます。 ◯原委員 十五回ですか。かなり少ないというか、焼け石に水ではないかというふうに実感するわけでありますけれども、では、どういう形において、この道路使用許可または道路占用許可というものが行われているのか、この手続、事務の流れ、これをご説明いただきたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 道路占用許可の手続の流れでございますが、まず、道路占用許可証、あるいは警察に提出いたします道路使用許可証を、所管の建設事務所に来ていただきまして受領していただき、必要事項を記入していただく、こういうことがまず最初にやっていただくことになります。  その後、両方の書類に必要な書類を添えまして、事務所に改めて提出していただきまして、借り受け印を押して、所轄警察署にその書類を持参していただく。その書類に警察の承認印を押していただいて、それを再度事務所に持参していただくということになります。  その次に、事務所におきましては、約一週間程度で終わっておりますけれども、占用許可書類の審査を行いまして、それが許可できるようになった段階で、申請者の方にお知らせを申し上げまして、事務所に来ていただいて、納付書に基づきまして占用料を払っていただく。それを払っていただいたことを私どもが確認したときに、占用許可証をお渡しする。こういった一連の手続になってございます。 ◯原委員 今お聞きのように、一つの許可証を、占用使用料を申請をするのに約五回近く往復をしなければいけない。占用の許可証──申請書でございますが、ここでいただきました、まずもらいに行くのに一往復。そして届けを出してまた往復。これを所管の地元の警察に持っていき、地元の警察でまた判をもらう、それは当日にもらえるのではないのです。ここの受領印ですと約一日、翌日に許可がおりています。さらにまたその判をもらったものを持って再び所管の事務所に行く。事務所では両方に判こを押して納付書を渡す。郵便局または銀行等で振り込んで、振り込んだ領収書を持って、再びまた事務所に行き、やっと許可が得られる。  果たして、こういう煩雑な申請ルートを通して、みずからの道路使用または、例えば看板とか日よけとかの料金を東京都に払う気持ちになるかどうか。何も三日も四日もかけて料金を払う必要はない。いただいた資料によりますと、申請していないところというのは、調査をしていない路線においては約八八%ある。一二%ぐらいきり自主的にみずから申請をしてお金を払っているところはないというふうに聞いております。これも先ほど、PRをして占用料を納めるように推進しようというふうに努力はしているのはわかりますけれども、この申請手続を見た限りにおいて、やはり町の人たち、一般の人たちは、到底払う気にもならないのではないかというふうに実感をいたします。  この問題に対して、これから簡素化をしなければならないと私考えるわけですけれども、例えば所管の事務所というのは、第一、第二、第三、各建設事務所、多摩におきましても建設事務所が対応しているわけですが、これは広範囲な地域を担当しております。例えば私の地元、四建でございますけれども、四建は豊島、板橋、練馬、この区、練馬の端からわさわざ豊島の大塚まで来るのも大変な距離だと思います。こういったものも、事務手続を簡素化することが占用料納入に協力をしていただける要因になるのではないかと思いますけれども、この点はどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 当初申請の手続が非常に複雑になっているのは、今ご指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、申請手続の簡素化については検討しているところでございます。例えば、郵送による申し込み受け付け等についても検討できないかどうか、早急に検討していきたいというふうに考えているところでございます。 ◯原委員 あわせて、この申請は更新手続も必要というふうに聞いております。更新手続についてはどのような手続になっているのか、確認したいと思います。 ◯新和田道路管理部長 継続、いわゆる更新手続の場合につきましては、一部警察協議が省略できるようなケースもございますけれども、先ほどご説明申し上げました当初申請と同様な手続を原則としてとっていただくということになってございます。 ◯原委員 私は、こういった煩雑な、または非常に日にちのかかる手続を今後も行っていけば、ますます道路占用料の徴収は難しくなる、このように考えます。そこで、今後の対応として、先ほども郵送等ということもお話がございましたけれども、道路管理の方法として、例えば、今の申請は三年というふうになっております、これをさらに延長することはできないのか、また、手続等についても、先ほどいったように、郵送等を利用してできないのか、また、これをやるためにどうしたらいいのかということをあわせてお聞きしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 今お尋ねございました占用許可の期間の更新といいますか、現在は三年でございますけれども、これを五年に延長するということで、私ども平成九年度から実施していきたい、こういうふうに考えているところでございます。  また、手続の簡素化という面では、先ほど郵送という話を私申し上げましたけれども、継続許可扱いのものにつきましては、往復はがき方式を導入することによってさらに簡略化できるのではないかと考えてございまして、これも鋭意今検討を進めているところでございます。 ◯原委員 先ほど、平成二年に実態調査を進めておると、この調査結果、これはどのような形で掌握をされているのか、お聞きしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 現在、二百六十五路線の都道のうち八十五路線、延長約六百キロメートルにつきまして、先ほど申し上げました調査を終了して適正化に努めているところでございます。また、調査物件約二万一千八百件のうち、許可件数約五千八百件、撤去、いわゆる適正化をしていただいた件数が四千五百件、合計で約四八%にわたる約一万四百件を適正化しているところでございます。 ◯原委員 そうしますと、半数以上が許可申請をしていない、または占用許可基準に合っていない、これが実態ではないかと思います。この実態を踏まえて、実は私の地元でございますけれども、都民相談に参られた方がございます。この人は店を新しくして十年になるけれども、看板の占用料というものを納めたこともないし、納めてくださいといわれたこともないと。多分この調査の路線の中に入ったんだと思いますけれども、十年たって初めて急に占用料を払えと、これが年間五万円だというふうに聞いて、どうしたらいいんだと、もし払わなくていいんであれば自分は払いたくないけれども、これは払わなければいけないのか、こういう相談でございました。  私は、法のルールからいけばこれは払わなきゃいけないんだと。道路使用についてはきちっと法にもまた東京都の条例にも定められてあります、できたら協力していただきたい、こういうお話をしたわけでありますけれども、今の実態から見ますと、これは四八%の方が調査した上で適正化になった、大半の人たちは不適正化のままでいる。こういった、占用許可の申請をしていない人たち、さらには、道路使用許可基準に適合していない広告物または看板等を出している、こういう人たちにはどのように都は指導をしてきたのか、この点をまずお聞きしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 今ご指摘のありましたように、調査済み件数のうち約五二%がいまだ適正化されていないのが実態でございます。そこで、私どもといたしましては、都民へのPRをもう少しやっていこうということで、先ほど申し上げましたような方法でPRを進めているところでございますけれども、さらには、まだ未申請の方に対しましてはこれからも毎年申請していただけるよう、依頼の文書等で引き続きお願いをしていきたいというふうに考えてございます。  また、占用許可基準に当てはまらない看板等につきましては、基準に適するような是正をお願いしてございますけれども、交通に支障になるとか、あるいは明白な違反というような物件につきましては、法的な問題も含めまして是正指導を強化してまいりたい、このように考えてございます。 ◯原委員 半分以上の人が適正でない中で、また、先ほど申しましたように、十年間何の音さたもない中で急に料金を払えというふうにいわれて、はい、わかりましたというのは、非常に困難ではないかというふうに実感いたします。では、このようなことを、再度指導したにもかかわらず是正しない人たち、一向に占用料を払おうとしない、または基準に反している広告物または障害物を設置している、こういう人たちに対して法的な罰則規定は存在しているのかどうか。また、この罰則規定というのは執行されたことがあるのか、執行して取り締まり強化を行っているのか。  先ほども、この条例がPR不足だというふうにいわれていますけれども、東京都の条例ができてからもう四十年以上たっている条例であり、また、道路法についても明確に法規制がなされているにもかかわらず、こういった実態に対して、都の基本的な考え方をお聞きしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 道路法に違反する占用物件あるいは申請をしていただけない物件等について、道路法上の考え方で申し上げますと、まずそういった違反行為、禁止行為に該当する場合には、道路法七十一条の規定に基づきまして監督処分という発動をいたしまして、それに基づきましていわゆる行政代執行法の手続にのっとりまして、最終的には代執行手続に移るということも可能になってございます。また、悪質な違反等につきましては告発措置ができることにも法的にはなってございます。  具体的な事例でございますけれども、例えば、道路上に建物等あるいは倉庫等をつくって不法占拠をしているような物件につきましては、今申し上げましたような監督処分に基づいて適正化を図ったケースはございますけれども、残念ながら、看板類等については、先ほど申し上げました監督処分を行ったケースは今のところはございません。今後につきましては、私どもとしては協力依頼をさらに引き続き強化するとともに、代執行法等の、あるいは行政手続的な法的な面も含めて、今後検討していきたいというふうに考えてございます。 ◯原委員 ぜひ公平性という立場の上から、正直者がばかを見るでは、これはいけないんではないかと思います。注意を受け、行政に協力し、きちっとした使用料を払っておる、こういう人たちがいるからこそ、我々も、ルールを施行し、また守るわけでございます。しっかりと調査を行って、半数以上の方がきちっとしたルールの上にのっとった生活ができるように、ぜひ指導していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。  次に、同じ道路使用でございますけれども、占用許可というものを受けられない、こういった看板もございます。これは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、置き看とか捨て看とか、これはもともと広告物として路上に掲示をしてはいけない、こういったものでございます。こうした不法物の物件に対して道路使用を管理する立場としてどのように指導をしているのか。また、現状の道路上のそういったものは実態はどうなっているのかを、お聞きしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 今お話のございました、例えば置き看板、捨て看板等の道路の不適正使用につきましては、私どもとしては、定期的あるいは随時実施しております道路パトロールの際に、そういった置き看板等を移動撤去するよう指導勧告をしてございますけれども、さらに、捨て看板等については発見次第撤去、即時撤去ということでやっているところでございます。また、このほかリーフレットやポスター、特に最近では「店先を見直す七つのチェック」というポスターを作成いたしまして、これも各商店会ですとか業界団体に配布するとともに、交番でございますとか郵便局等にも掲示をお願いして啓発に努めているところでございます。 ◯原委員 努力しているのはわかりますけれども、実情をきちっと把握してみると、これは特に繁華街等における捨て看の処理というのは、全くやりたい放題といったらおかしいかもしれませんけれども、それが実態ではないかなというふうに思います。当然、バーゲンのお知らせとかまたはピンク系のチラシとか広告とか、こういったのが特に目につくわけでありますけれども、撤去しても、数日とたたないうちに再び同じような広告物がそこに立っておる。やってもやっても結局行政側で処理をする。これはまさにやりたい放題やり抜くというのが実態ではないかと思います。これをどうやって規制していくのか、一掃していくのか、業者等に説明をしたり協力を得たといっても、実効性という面から見るとほとんどないのではないかというふうに思うわけであります。この点に関して取り締まりをただ単に強化するというのではなくて、きちっとした罰則規定の一つの権限を発動させるとか、こういった点も今後の対応として考えてはどうかと思いますけれども、この点に対してはどのようにお考えでしょうか。 ◯新和田道路管理部長 今ご質問のありましたような不法物件につきましては、警察等との協力も得ながら、協力なしでも進めなければならないというふうに考えてございますけれども、例えば、そで看板等につきましては、設置者に是正させる等の方法で可能でございますけれども、捨て看につきましては、だれがつけたか、設置者がだれか、あるいは使用者がだれか、そんなような点がございまして、法的適用までいくのがなかなか困難な面がございます。  したがいまして、私どもとしては、地元の商店街あるいは先ほど申しました警察等とも、あるいは地元区とも協力して、こういったものの撤去も含めて、啓発も含めてさらに真剣に取り組んでいかなければならない、このように考えているところでございます。 ◯原委員 先ほど私、道路使用許可と申請書の件を話しましたけれども、この点お役所仕事といっていいのかどうかわかりませんけれども、処分に対してのルール、また処理経過というのが非常に煩雑であり、または実行するまでに時間がかかるということを実感いたします。  例えば、不法物件を発見し、それを調査指導する、さらには警告を与える、警告を与えてから精密な調査をまた要する、そして、調査した上で今度は聴聞という形で事情聴取をする、そこで初めて措置命令が下る、この間だけでも何カ月もかかります。その間にはまた違う業者が、また違う人が掲示をしていく。非常にこの点も、ただ単なる行政措置だけでは解決がつかない、こういう盲点もついておるんじゃないかと思います。そして、掲示された看板がきちっとした業者の手によって回収されるんであればまだ許されますけれども、これも公共の人また物を使って──もっと平たい言葉でいえば、我々の税金を使いながら処理をしている、こういうことを今後どうやって防ぐかも真剣に検討し、協議をしていただきたいと思います。  特にこれは地元の、例えば町会とか商店街とか、こういった自治体ときちっと協力をする、さらには警察または行政等がきちっと関与をして、町の美化運動に取り組んでいく、こういった手法を考えていかないと、本当に町を美しくしよう、美観をきちっと損ねないようにしていこう。道路の管理においても、今カラー舗装等をつくりながら少しでも美観に心がけ、さらには人に優しい道路にしていこうということを心がけているさなかでございます。そういう意味からも、この連携を今後どのように推進していくのか、そして、地元の協力を得てこういった違法なものに対しての処理を考えているのか、この対策についてお伺いしたいと思います。 ◯新和田道路管理部長 先ほど申し上げましたとおり、こういった不適正な物件につきましては、私ども警視庁とのタイアップで適正化に、いわゆる撤去等の適正化を図っているというふうにご説明申し上げたところでございますが、今、原委員からお話がございましたように、地元との協力がどうしても必要であろうというふうに考えてございまして、全部の事務所ではございませんけれども、例えば地元警察、それから地元の商店街あるいは地元の中の例えば、商店街だけに限りませんで、青少年対策協議会ですとか母の会ですとかいろんな団体も一緒に入っていただく、あるいは地元区のそういった道路管理者も入ってもらう。そのほかに地元区の所管部署、所管部にも入ってもらう。  それから、先ほどから話が出ておりますチラシ類等につきましては、電線管理者が管理しております電柱とか電話ボックスとか、こういったものにもいろんなものが配布されてございます。そのためには、電線管理者、東電ですとかあるいはNTTですとか、こういった企業にも協力を仰がなければならない。こういったことで、今申し上げましたような団体が一緒になりまして合同で、町の美化も含めた、不法占拠の一掃作戦と申しますか、こういったものをやっている事務所もございますので、そういった体制を今後さらに推し進めていく必要があるなということを考えているところでございます。 ◯原委員 最後になりますけれども、ぜひ地元との協力──もちろん今いったように建設局だけで解決できる問題ではないと心得ております。しかし、道路管理者の立場としてぜひとも地元、そしてさらには地元行政とも力を合わせながら、本当にみんなのための人に優しい道路にしていただくために努力をしていただきたいと思います。  このことを強く要望して、私の質問を終わりにいたします。 ◯松村委員 都内の中小河川の問題と、自転車道路の問題について伺います。  まず、中小河川の問題ですが、その整備状況をこの十年間で資料も出していただきましたけれども、都内中小河川の時間当たり五〇ミリ降雨に対する整備は、何年度から始まり、九四年度、本決算ですけれども、この決算時における事業費の累積額、また進捗率はどうなっているか伺います。 ◯吉田河川部長 最初に、五〇ミリの着手といいますか、始まった時期というんですか、現在の五〇ミリ規模の護岸整備は昭和四十年代前半から着手してございまして、三〇ミリ改修が完成いたしました昭和五十年代前半から本格的に取り組んでいる状況でございます。  それから、中小河川整備費の事業費の累計でございますけれども、平成六年度末におきます中小河川整備費、事業費の累計は一兆四百七十三億三百万でございます。  それから、進捗率でございますけれども、平成六年度末におきます中小河川の護岸整備率でございますけれども、改修に要する延長三百二十四キロに対しまして五二%となっております。 ◯松村委員 昭和四十年代前半から着手したということですから、約三十年の年月を要して、予算も一兆円以上ですね。そして、ようやく五〇%を超えたというところじゃないかと。このように、中小河川五〇ミリ護岸の整備が長年月を要する理由について伺います。 ◯吉田河川部長 護岸の整備についてでございますけれども、沿線の関係します住民の方々の理解と協力を得まして事業を実施する必要がございます。特に事業用地の確保に当たりましては、関係権利者の生活再建を図りながら進めるため、調整に多くの時間を要している状況でございます。 ◯松村委員 沿線関係住民の理解と協力がなければもちろんできないことであろうというふうに思いますが、この間振り返ってみても、著しい市街化といいますか、河川両側にはもうほとんどのところがびっしり家並みが張りついているというところが多いんじゃないかと思います。もちろん地域地域によってはその整備状況だとか進捗状況も今後とも違うとは思いますけれども、例えば、私がこの間取り上げてきた石神井川を例に挙げましても、これから事業化しようとしているところについては、両側にびっしり家がもう張りついている。しかもそこに住んでいる方々は、この対象地域の住民のアンケートによりましても、ほとんど十年以上なんですね。長い方では三十年、四十年と住んでいる。ですから、当然高齢化が著しいわけなんです。例えば、今事業化をやろうとしている石神井川の地域の八十三世帯、これ事業計画の関係住民の九割以上ですけれども、その方々のアンケートによりましても、今後も現在の場所に居住したいと思いますという方々は八八%なんですね、長く住み続けたいと。この計画によって移転したいとか、そういう方々はわずか四%、わからないという方がまた四%、あとはその他というふうになっているぐらい、もう動けないというのが私は率直な実態じゃないかと思うんです。  ましてや、石神井川も改修を始めてから、ずうっと暫定三〇ミリ改修をやって、五〇ミリ改修までずうっと来て、大体三分の二ぐらいまでが計画区域が終わっていますけれども、今までが、長年月をかけながらもやってこれたのは、やはりその方々の──沿線の方々が水害を受けたとか、それから二十三区内は下水道ですね、合流式で、非常に練馬の区民なども下水道が都市基盤としても切実だったわけですね。ところが、下水道が合流式のために河川の改修がなければ遅々として進まなかったという練馬区民全体の合意といいますか、そういう機運の中で進んできた状況を私も知っているんです。  ところがもうその下水道もほぼ一〇〇%完成している。ましてや、じゃ水害のためなのかという点では、今の事業化区域を行おうとしている地域には三十年来水害はない。じゃ上流が出ていて自分たちがネックなのかといって調べてみたら、上流も調節池等々で時間雨量八二ミリが降ったときにも、ようやく一回調節池に水が入ったというぐらいで、そういう状況がない。それから下流で既にもう用地買収が終わって河川整備をやろうというところで、今まだいろいろこの間出たりしている、そこさえ整備が終われば当面の水害対策にも十分間に合うんじゃないか。だから、なぜそういう状況に今あるにもかかわらず、我々が、その生活権といいますか、そういう状況をあえて犠牲にしてまで協力しなければならないのかという、その切実な事情が出てこない。  だから、この方々のアンケートでも、あなたは現時点で今回の拡幅計画をどのようにお考えですかということで、やはり反対が八三%、賛成わずか一%、あと考慮中というのが一六%、こういう関係者の方々の今の意向があるわけです。現在いろいろ皆さん方が努力しようとしても、もう二年、三年目ですか、もっとそれ以上かかるにもかかわらず、測量も全然できないような事態ではないかというふうに私は思うわけです。  私は、昨年の第四回定例本会議でも一般質問でこのことを質問いたしましたけれども、技監、建設局長は、何とか住民の理解とご協力を得ながら引き続きやっていくんだという答弁がありましたけれども、今私がるるいったような実態が厳然としてあるわけですね。非常に私は難しい、あなた方の計画どおり進めるには難しい時点に今差しかかっていると思いますけれども、今この時点でどういう認識をお持ちなのか、再度お伺いしたいと思います。 ◯吉田河川部長 市街化が進んでいます町でございますけれども、ここですべての住民の理解と協力を得ますには、個々の皆様方の生活再建上の問題もいろいろとあると思います。これらの多くの問題も伴いますが、私どもとしてはきめ細かい対応を行いながら、これまでの実績を踏まえまして、今後とも川の拡幅に努めてまいりたいと思っております。 ◯松村委員 今答弁で、すべての方々の同意を得るのは難しいと。私のいっているのはすべてじゃないんです。九割が、今現にそういう形で困る、または、都が今いっているその考え方に同意できないと。そして、いろいろな具体的な、じゃ水害をなくすためにはこうしたらいいんじゃないか、こういうことも考えられるんじゃないかと、この機会にもっと自然の川によみがえらせるために、私たちができる協力は本当にやろうじゃないかとか、一緒に考えていこうと、今そういう視点に立っているんです。だから、何もすべての方々の賛成を得るのは難しいなどということじゃなくて、今のこの現状をしっかり私は認識すべきじゃないかというふうに思うんです。  そこで、住民のなかなか理解できない点には、この河川も河道拡幅一辺倒ではなくて、上流の雨水対策とか含めたいろいろなやり方があるじゃないかと、それは都市計画局が主に持つ総合治水、これはもっと全面的に先行してやってほしいということですけれども、この河川部にかかわるものとしても、例えばこの石神井川暫定計画に、上流地域における調節池を新たにこの暫定計画内に設けるというふうにされておりますけれども、ではこの事業というものは着手されたんでしょうか。または、いつごろこういう調節池が完成する予定になっているのかをお伺いしたいと思います。 ◯吉田河川部長 石神井川の上流部におきます調整池の設置についてでございますけれども、これにつきましても私ども検討してまいっておりました。ただし、河川沿いに適地がなかなか見つからないということで、現在まだ計画が具体化されていないというのが現状でございます。今後とも設置に向けて努力してまいりますとともに、中流部の河道拡幅を進めまして、治水安全度の向上を図ってまいりたいと考えております。 ◯松村委員 いわゆる河川沿いに適地が見つからないという答弁ですけれども、本当に皆さん方努力しているのかどうかということが住民の疑問でもあるわけなんです。というのは、今いいました石神井川の暫定計画にも、河川施設の整備計画は計画期間内に時間雨量五〇ミリ程度の治水安全度を達成することを目標にするということで、具体的に留渕橋から上柳沢橋までの区間において新たに調節池を設置することというふうになっているわけですよね。そういう点での、計画年度といえばこれ平成十年までを目標としていると思いますけれども、もうあとわずかに迫ってきているんですね。この間十年間というか、期間があったにもかかわらず、適地が見つからないという形で、私は住民の方々が理解、納得ができるのか。この住民の方々はそれならばということで歩いて、具体的にどこが調節池や遊水地に可能なのかということで二十三カ所具体的な場所を挙げて、これは河川部、建設局の方にも出しているというふうに思うんです。
     私もずうっと歩いて調べてみました。この留渕橋から上柳沢橋までの区間において設置するというふうになっていたのは、なるほど私は具体的だなと、そういうあいている地域ですよ、それは所有者がだれなのかとかいろんな困難があることはわかりますけれども。確かに、もう全然空間がないとか、どう考えても無理だというよりも、今いったこの区間も含めて、住民の皆さん方が挙げている二十三カ所ですか、本気になって取り組めば私はできるんじゃないかと、そういうことをやるべきと位置づけられていることもやらないで──やらないでというか、住民の方々には今具体的な場所が見つからないとか、具体化するまでには至っておりませんとかいうことじゃなくて、やると。やれることは全部やる。それから、河川部が都市計画局にも呼びかけて、もっとさらには総合治水を──降った雨の水をただ川に集めて流すんじゃなくて、もっと今の時代時代にふさわしい雨水浸透をやるようなことをやっぱりやると。その上で、じゃ今の河川の河道で本当に大丈夫なんだろうかということを示して住民とともに考える。また同時に、自然の川により近くよみがえらせていくということで初めて、私は、理解や合意だとか協力が得られていくのではないかというふうに思っております。  答弁もらっても繰り返すことになる、河川部では、一定の総合治水が都市計画局の方になるというような答えしか返ってこないような気がしますので、今の現状を踏まえて、私は、今までの河川部としての河川改修のあり方が非常に困難で、しかもそれがより経済的にもかかる、時間的にもかかるという現状を踏まえて、河道拡幅一辺倒のやり方から、今住民の皆さん方が求めるような方向へ転換していってもらいたい。やるべきは総合治水じゃないかということを、河川部にも、建設局にも強く申し上げて、この点では終わります。  次に、自転車の道路という問題についてお伺いしたいと思うんです。  まず、都内における自転車事故のここ数年間の傾向をお聞きします。 ◯古川道路保全担当部長 都内における自転車事故の発生件数のお尋ねでございますが、平成元年で約一万一千五百件、平成七年では約一万四千五百件となっており、だんだんふえているという傾向にございます。  また、自転車事故による死者数は、平成元年から平成七年まで毎年四十名から六十名で推移し、横ばい傾向にございます。 ◯松村委員 非常に自転車利用がふえるに伴って、そうした自転車の事故、痛ましい死亡に至るような事故も起きている。自転車事故は、自転車が安全に走行できる走路が確保されていないことに起因することも、私は大きいと思うんです。  そこで、自転車を交通として考え、走路の確保のため自転車道ともいえるものを整備していくべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ◯古川道路保全担当部長 自転車も安全に通れる道路整備というのは、先生ご指摘のように、我々も重要に考えておりまして、東京都と区市町村が連携して推進しているところでございます。東京都は、河川沿いや水道道路などを活用しまして、広域的な自転車専用道の整備を進めるとともに、多摩ニュータウン等大規模な面開発の中でも、自転車、歩行者専用道の整備を図っております。  また、東京都が整備します都市計画道路事業や歩道整備事業によりまして、自転車も通れる歩道の整備を計画的に進めております。今後とも積極的にこれらの整備促進を図ってまいりたいと考えております。 ◯松村委員 提出いただいた資料によっても、多摩地域とかそういうどちらかといったらサイクリングロード的な意味としての自転車道路と、また、今のお話にもありましたように、多摩ニュータウンの一部にはあるといっても、私が、いわゆる整備してほしいと求める自転車専用道路ですか、都市部における通勤とかに利用できるような形でのより安全な自転車道路というものが、都市計画道路や街路、道路の中に位置づけられていないと、だから、そういう建設も進んでいないというふうに、今の答弁を聞いても思わざるを得ないわけです。確かに広い幅員をとった、または歩道が十分あるようなところは車道ではなくて、その歩道にも自転車の通行帯を設けるとか、そういう工夫とか、現にそれが今、計画的にそういうことでは進めているというふうにはうかがえますけれども、もっとそれを一段と高めた、より自転車道路、専用道というんですか、みたいなものをこの都市部の中にも位置づける考え方が、今度新たな道路をつくる場合とかにできないかどうか、また、その障害といいますか、ネックになる問題はどういうことがあるのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◯古川道路保全担当部長 ただいまのご質問は、二つのことを私は受け取りました。  一つは、市街地の中で地域的な自転車道路も整備すべきではないかというご質問と、都市計画道路や歩道整備をするに当たっての問題点、課題ということの二点で受けとめたいと思います。  初めの点につきましては、ただいまも申し上げましたように、自転車も安全に通れる道路整備というのは、都と区市町村が連携して推進しているところで、地域的な自転車道の整備は区市町村が担当して、東京都が広域的な自転車道の整備とか、あるいは面的に、光が丘もそうですが、多摩ニュータウンもそうですが、大規模な面整備の中で、道路の体系的整備の中で整備するものということがあると思います。そういうことで、役割分担で整備を図っていくということがあろうかと思います。  また、後段の東京都が都市計画道路整備事業や歩道拡幅整備事業などによって自転車も通れる歩道の整備を計画的に進めていく上での課題と、市街地の中で進めていく課題ということにつきましては、市街地の中で既存道路の歩道整備などを進めていくときには、拡幅するために多数の地権者の方々のご協力をいただくということになりますので、そういう事業用地の確保など、住民の理解と協力を得ていくということが大きな課題となっているところでございます。 ◯松村委員 私のいわんとするところは、自転車こそといいますか、自転車は排気ガスも出しませんし、そういう意味では環境に優しい手軽な都市交通の手段じゃないかというふうに思うんです。ましてや東京のような土地事情だとか、それから、それほどひどい起伏が──まあ地域によっては違いますけれども──ない中で、もっと都市交通の一つの手段として自転車の利用がされてしかるべきじゃないか。しかし、そのためには安全な走路とかそれに伴ういろいろな施設整備が必要だと。これは諸外国の比較といいますか、その資料も出していただきましたけれども、オランダやドイツでこれだけ自転車専用道路、自転車道路というものが整備された規模が大きいというのは、そういう都市交通の手段として位置づけられているというふうにもお聞きしております。  そういう点でぜひ、都市交通の手段にふさわしい受け皿として、自転車専用道といえるものを、これは建設局だけのサイドではできないと思います。やはりそういう全体の位置づけがなければ、都市交通だというふうにならなければ、道路もそれに位置づけて必要な施設をつくるというわけにはいかないと思いますから、ぜひ今後とも関係部局とも協議し、そういう方向で進めていただけたらということを強く要望して、終わります。 ◯井口委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩をいたします。    午後三時十五分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時二十三分開議 ◯井口委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。 ◯渡辺委員 二、三、質問させていただきます。  まず最初に、一言でお答えいただきたいんですが、道路の中央分離帯とか両サイドに植栽がありますね。特にツツジとかそれからサツキとか植わっているわけですけれども、剪定というか刈り込みというか、これは大体いつごろやっているかということで、ちょっとお聞きしたいんですが。 ◯桜井公園緑地部長 私どもは都道の植栽の管理をしておりますが、サツキとツツジ類が花の咲く低木類では代表でございます。ツツジ類は大体四月の末で花の咲く時期が終わります。その花が終わった後すぐ剪定を行うようにしております。それで、その後翌年に咲くべき花芽がつくということになっています。サツキ類はそのツツジよりも約半月ほど花の時期がおくれまして、やはり同じように花が終わった後剪定をして、その後夏の時期に翌年の花芽がつくということでございますので、その花の時期が終わった後剪定するように、各建設事務所に指導しております。 ◯渡辺委員 これは私だけではないと思うんですね、感ずることは。中央分離帯とか両サイドによく植わっているわけですけれども、花の時期になって花が本当にきれいに咲くかどうかというのは、町の中をかなりさわやかにするかどうか、そういうことにも通ずる問題だと思うんですね。私、前からそれを感じていまして、たまたま今回思い切って質問してお願いしようというふうにしたわけです。  というのは、今のお話のとおりなんですけれども、実際はそうなってないんですよね。私、今ごろ何でやるのかということでいつも思うんですけれども、大体ツツジでもサツキでも花が終わってそして新芽が出ますね。新芽を刈り込むということでやるわけですけれども、結局はその後もまた出るわけですよ。それで、剪定を十月から、十月以降にやるというのが非常に多いんですよ、見かけるのが。せっかく来年花を咲かせようという花芽を全部刈り取っちゃうということですから、花が咲かないツツジとかあるいはサツキがずらっと並ぶ。どうしてそうなるかというと、例えば両サイドにある場合はガードレールがあるでしょう、ガードレールの中に大体植わっている、そうすると、ガードレールに合わせて剪定するというような状況というのも少なくないんですよ。だから本当に花が咲かない。  町の中に春になってツツジやサツキが咲くというのは本当にきれいですから、そういう点ではぜひひとつ、各出先の事務所に、そういうことで徹底してやるということですけれども、もう一度点検をしていただいて、花芽を摘まないようにきちっと手入れというか剪定をしていただけるように、これはお願いをしたいと思うんです。同時に、単なる都道だけじゃなくて実際には国道も同じですから、そういう意味では国の方ですね、国の管理事務所に対してもそういうことできちっと強く要望をしていただきたいということを、これ最初にお願いをしておきたいというふうに思うんです。よろしくお願いいたします。  次に、足立区内にある綾瀬川にかかる綾瀬新橋のかけかえ問題についてお尋ねをしたいと思います。  この綾瀬新橋というのは幅員が非常に狭いんですね。約七メートルというような状況であります。現状はどうなっているかというと、例えば、ちょっと大きな車が交差するということになりますと、人の歩行も困難になるという状況があります。まして、雨が降った日なんか傘を差して渡ろうというときに、そういうところに遭遇すると非常に危険を感じるというような状況があるわけですね。そういう点で、地域地元住民からは、今の橋の隣に人道橋だとか歩道橋をつくってほしいというような、非常に強い要望が出されているわけなんです。しかし、実際に人道橋や歩道橋をつくるといっても、この綾瀬新橋というのは、綾瀬川が満潮のところにさらにちょっと雨が降りますと水面が高くなりまして、ここの道路から溢水します。ですから陸閘というんですか、あれを引いて、そしてそこで土のうを積んでいわゆる溢水を防ぐということがやられておるわけですね。これが年に何回もあるわけですが、そういう状況にある。ですから、陸閘という扉がそこにありますものですから、切り込んで人道橋や歩道橋をつくるという状況にはないということなんですよね。  したがって、どうしたらいいかということでいろいろ悩んでいるわけですが、要は、かけかえていただかないと基本的な解決ということにはならないと思っているわけですが、この橋のかけかえの問題について今現状はどうなっているかということで、まず最初にお伺いしたいんです。 ◯沼尻道路建設部長 綾瀬新橋につきましては現在足立区道でございまして、区が管理する橋梁でございます。昭和四年に架設されましてかなり古くなっております。先生もご指摘のように、河川の計画高を侵している橋梁でございまして、ここには補助一三八号線という都市計画道路が計画されておりますので、これを平成三年に前期事業化予定路線として選定いたしまして、将来都道として整備をしていこう、こういうふうに決めたわけでございます。平成五年に現況測量を実施しまして、六年度からは、その現況測量をもとに橋梁かけかえに伴います構造検討を、現在行っているところでございます。 ◯渡辺委員 私は、一三八号線全体を拡幅してくれということをいっているわけじゃないですから、その辺はきちっとご理解しておいていただきたい。あくまでもかけかえ問題に限ってご質問しているということをお願いしたいわけですが、今検討されているということでございますが、この検討の結果はどうなっているんでしょうか。 ◯沼尻道路建設部長 先ほどもお答えしましたけれども、現在の綾瀬川の護岸よりも低い位置に架橋されているために、河川条件から、どうしても橋梁を護岸の天端まで上げる必要がございます。それと、橋の安全性から、その位置を考慮しながら、すりつくように現在構造を検討しているところでございます。 ◯渡辺委員 今お話があったように、天端の上になるわけですが、余り高くしても困るという問題もあるんですね。したがって、地元としましては、今地下鉄を導入するに当たって、一四〇号線というのがつくられようとしておるわけですが、その一四〇号線のところまでで平面交差できるようにしてほしい、こういうふうな話が出されているのですけれども、その辺はどうなんでしょうか。 ◯沼尻道路建設部長 現在、河川条件を満足し、また、地域の方々にも利用できるようにするための構造並びに縦断を検討しているところでございますけれども、先生のご指摘の一四〇号線との交差につきましては、平面交差で何とか処理したいというふうに考えています。ただ、この橋を利用する沿線の方々には橋梁形式になってかなり高くなりますので、どうしても側道が必要になってくるということでございます。 ◯渡辺委員 そうしますと、これの今後の見通し、そういうところまで検討されているということですから、見通しについてちょっとお尋ねをさせていただきたいんです。 ◯沼尻道路建設部長 今年度には構造検討の結果を地元にお示ししまして、地元地域住民の方々の理解と協力をもとに、幅員を広げる都市計画変更を実施していきたいというふうに考えています。  なお、九年以降、用地測量を実施し、早期に事業認可をとり、事業用地買収に着手していきたい、このように考えております。 ◯渡辺委員 わかりました。そういう点で、一定の見通しが出されれば、地域住民の方も、それではそれまで待とうということにもなりますけれども、今までそれがなかなか明確じゃなかったものですから、改めてお聞きしたわけですが、平成九年度から測量を始めて、そして事業計画ですか、事業認可をとって着工していきたい、こういうことですね。わかりました。  じゃそういうことでぜひひとつ、地域の地元説明会という問題も出されましたけれども、そういうときも十分地域の住民の方々の要望や意見を聞いていただいて、そして本当に地域の発展につながるような、そういうものになるように取り組んでいただきたいということを強く要望して、この問題については終わります。  それからもう一つですが、これは道路建設問題で、今、多摩の三・三・六と三・三・八という道路そのものがありますが、この三・三・六と三・三・八という道路はどういう形態の道路なのかということで、お尋ねをまず最初にしたいと思います。 ◯沼尻道路建設部長 先生のお尋ねの道路は、調布保谷線及び府中所沢線のことかと思いますので、このことについてお答え申し上げます。  多摩地域の骨格を形成する幹線道路として整備いたします調布保谷線並びに府中所沢線につきましては、原則平面の道路として整備する予定でございます。本線は四車線の十六メートルにしまして、沿道環境保全のため本線の両側に十メートルの環境施設帯を設け、総幅員三十六メートルに都市計画変更を行って整備することにしております。  なお、環境施設帯については遮音壁を設置するとともに、計画線内の植栽可能な区域については極力緑化を図ることにしております。なお、鉄道並びに主要幹線道路とは立体にすることで整備を進めていきたい、このように考えております。 ◯渡辺委員 この道路につきましては、通過道路というような状況にあると思うんですね。  それで、もう一つお聞きしますが、この道路の問題で地元説明をやっておると思うんですが、住民からいろんな意見が出ていると思うんですけれども、どういう意見が出ているのか、特徴的なところをちょっと聞かしてください。 ◯沼尻道路建設部長 地元説明会並びに地元対応の中で意見の出ること、特徴的なことでございますけれども、三十六メートルの幅員による地域分断に対するご心配、それから、住宅地を通る幹線道路でありますので、通過交通主体の道路になってしまって、地域にはメリットがないのではないか、道路が完成した時点で沿線の環境に対する配慮の心配等、このような意見も寄せられておりますけれども、促進要望も出ております。 ◯渡辺委員 いろいろ意見が出されていると思うんですね。先ほど申し上げましたけれども、環境施設帯をつくるということだけれども、実際問題として、真ん中に二車線ずつのいわゆる四車線ですね、そのわきに副道、そして歩道、こういう形になっていると思います。町の人たちはどういうふうにいっているかということになりますと、今申し上げられたように、一つは町の分断、それからもう一つは大気汚染の問題ですよ。自動車公害というか、自動車の台数がとにかく大幅にふえるということですね。これは東京都の建設局もそういう立場に立っているんだと思いますが、渋滞がひどい、渋滞解消のためには道路が必要だ。こういう論理で、じゃ道路をつくれば渋滞が解消できるのかというと、そういうふうにはならないんですよね、これまでも。道路が少ないからというふうにいいたいんでしょうけれども、そういうことじゃなくて、道路をつくればその道路にいっぱい入ってくる。この幹線道路だってそういう点では、環境予測調査でも相当の台数になる。三万台以上になるわけでしょう。いずれにしても、そういうところから大気汚染的なものとして公害が出るということも非常に心配されている。  それからもう一つは、信号の問題ですね。五百メートル行かなかったら大体横断歩道がないというようなことでいわれているわけです。しかし、都としてはそういうことはないですよと、こういうふうなことをいうんだけれども、四車線で中心を走って、そのわきに側道をつくって、近隣の人たちはその側道を利用してもらうということになっているわけですから、骨格的な幹線道路というところで、いや五十メートル行ったら信号だ、百メートル行ったら信号だ、こうなったらそれは骨格道路にならないと思うんですよ。だからやはり五百メートルぐらい行かないと横断歩道というか信号というものはできないと、私もそう思うんです。  そうじゃないということをいっているんだけれども、私はそうじゃないと思うんですね。幹線道路の役割を果たさせるということになればそういうことにならざるを得ない。だから、私はそういう意味では地域住民の人たちの意向というのは、本当に切実なる要望だし、また、そういう点では要望を受け入れて、一方的な、合意のない中で進めるということはやるべきじゃないと思うんですね。  そこで、事業費についてお伺いしますけれども、三・三・六、三・三・八それぞれ、現在いわゆる十二年までやろうとしているところの、事業化されたところの計画総事業費、これは幾らかということ、そこだけちょっと聞かせていただけませんか。 ◯沼尻道路建設部長 現在事業化に向けて地元にご説明している分の調布保谷線の二・二キロ区間でございますけれども、約二百八十億、府中所沢線の一キロにつきましては約百三十億と推定しております。 ◯渡辺委員 今の話のように莫大な財源が必要になるわけですね。例えば三・三・六について二・二キロで二百八十億、これを全体やろうということでの計画を見ますと、大体三倍ちょっとあると思いますよね。三倍でも大体これどれくらいかといったら、九百億近くかかっちゃう。それから三・三・八について一キロで百三十億ということで、距離にするともっとあって四、五倍になると思うんですが、そういうことになると、六から七百億ぐらいかかるんじゃないかというふうに思います。いずれにしても、この二つの道路だけでも相当な財源を必要とするということはいえると思うんです。  そこで、資料をいただいた内容についてちょっとお聞きしますが、平成六年から平成八年度の道路橋梁費というのは幾らということになっていますでしょうか。 ◯沼尻道路建設部長 平成六年度決算額で四千九百八十八億円でございます。平成七年度は四千八百三十七億円、平成八年度は四千五百四十九億円でございまして、七年、八年は予算額でございます。 ◯渡辺委員 それからもう一つ、今度もっとさかのぼってお聞きしますが、バブル期の平成元年とそれから平成二年、これの道路橋梁費は幾らになっていますでしょうか。 ◯沼尻道路建設部長 平成元年は四千百八十四億円でございまして、平成二年度は五千六百二十三億円でございます。 ◯渡辺委員 今度はその中で都債についてお伺いしますけれども、平成六年というのはこの決算ですから六年と、それから予算になりますけれども、平成七年、八年の先ほどご答弁いただいた中で、都債は幾らになっているか。それから、平成元年と平成二年度の中で都債は幾らになっているか、ちょっとそれも教えてください。 ◯沼尻道路建設部長 平成六年度の都債でございますけれども、二千百四十八億円でございます。七年度は二千八億円、八年度は二千二百二十一億円であります。なお、平成元年につきましては二百四十六億円、同じく二年度は二百七十二億円の都債になっています。 ◯渡辺委員 今ご答弁いただきましたけれども、平成六年度から八年度について、先ほど答弁いただいた道路橋梁費というのは、六年度だけとってみますと四千九百八十八億円ですね。その中で都債が二千百四十八億円ということですから、その都債の比率というのは非常に高い。半分近くなっちゃうということですね。それから逆に、バブル期の平成元年では四千百八十四億円中、都債は二百四十六億円、それから平成二年が五千六百二十三億円の中で都債が二百七十二億円と、都債の率が低いわけですよ。そうするとどういうことかというと、バブルがはじけた後、都債というものは急激にふえているんです。  時間がないから私の方から申し上げますけれども、例えば平成四年度、これ見ますと、道路橋梁費が七千百三十億円、都債が三千六百五十三億円、前年度は都債が二百九十七億円ですよ。それが四年度になると三千六百五十三億円に、大幅にふえるわけですね。しかも、その平成四年度からバブルがはじけた後、その都債というものは大体三千六百五十億円、三千四百億円、そして最近になって二千百億、二千億、二千二百億と、こういうふうになっているわけですけれども、とにかく膨大なのがずっと続いている。だから、バブルの時期については道路橋梁費というのは一般会計で主として出していた。それが、バブルがはじけたら、一般会計から捻出することが難しいということになれば、それは今度は都債ということで道路橋梁費を確保するということになっているというのが、一つ特徴じゃないかというふうに思うんです。こういうふうに変わったわけです。  それで、こっちからいっちゃいますけれども、これはこういうふうな形で都債がどんどんふえていく、ふえていくというか、続けられるということになったら、都財政を圧迫する、その主要な要因になるということは間違いないと思っているところですが、建設局もそういう認識はあるんでしょうか。 ◯沼尻道路建設部長 ご承知のように、道路橋梁費は道路、街路の整備はもとより、中央線などの連続立体交差事業、また、多摩川の中流架橋、多摩都市モノレールの整備などを進めておるわけでございます。これらは東京の活力を維持し、都市活動を支える根幹的な都市基盤施設でございますので、これからも引き続き整備が必要だと思っておりますし、東京のまちづくりに大きく寄与するものと思っております。しかしながら、施設の整備の進捗状況はいまだ十分でございませんで、例えば、都市計画街路の事業をとりますと、平成七年度末で区部、多摩を合わせまして完成率は四九%にとどまっております。これらを合わせまして、道路橋梁の整備に当たりましては、国に対して補助額の拡大を要望したり、効率的な事業執行を進めているところでありますが、早期完成に努めて、継続的な事業費の投入が必要であると考えています。このため、今後も効率的、弾力的な事業の執行に努めてまいりたい、このように考えています。 ◯渡辺委員 私は、生活道路、そういうものをやめろといっているわけじゃないんですよ。一般的に大型の自動車道、幹線道路というかな、そういうものについて──今日の都財政を圧迫している主要な要因は何かという問題については、昨年、東京都で発表しました都財政白書の中でも指摘されておりますし、このままいったら本当に都財政というのは大変な事態になるよということだけは、だれだってはっきりしていると思うんですよ。  例えば、三月定例会の予算特別委員会の中でもこの問題がいろいろと取り上げられましたよね。それで、来年度の予算編成に当たってどうなんだという話で、五千億不足しますという話が出たでしょう。五千億をじゃどうやって捻出するんだという問題が出てくる。財源がないからといって、それじゃみんな都債だということで、都債でもってやっていくことになれば、それは後年度でかなり大変なことになる。だから、例えば八年度の公債費が三千と四十何億でしょう。それが来年度は四千億になり、五千億になり、そして平成十四年になったら八千億円になるということまで試算しているわけでしょう。そういうことになったら、この都債というものがどれだけ後年度で都財政を圧迫するかという問題にならざるを得ないわけですよ。  したがって私は、特に、先ほども申し上げました、主要な自動車専門の幹線道路、例えば、首都高速道路の中央環状新宿線だとか、あるいは王子線だとかありますよね。こういう問題とか、それから、首都高の関連街路整備事業だとかいろいろあるでしょう。先ほどいった三・三・六も三・三・八もその一つですが、そういうものは今ここで思い切って見直しをするということにならないと、本当にこれは取り返しのつかないような都財政の破綻ということに通ずる問題だというふうに、私は指摘しておきたいと思うんですよ。  そういう意味で、例えば、首都高の王子線なんかあるでしょう、だから、ああいうの全部やめなさいといったって、あそこまでできているものをやめなさいといって、そのままにしちゃうかということにはならないでしょう。そういうものについては今凍結して、そして住民とよく話し合いをして、今後どうするかというものは、都財政をにらみながら、また住民と合意を得ながら、どういうふうに進めていくかということについてはやるべきだというふうに思うんですよ。  何でもいいからやめちゃえばいいという話をいっているわけじゃないんです。だから、そういう点で、道路橋梁費という問題についても全般的に私は見直す、そういう時期に来ていると思うし、また、それを見直さなければ、これからの都財政というものは本当にのっぴきならないところまで行ってしまうという問題だけを、ぜひひとつ考えていただきたい。そういう意味で、今申し上げた大型開発的な道路建設というものも、ひとつ勇気を持って、勇断を持って見直すということをやっていただきたいということを強く要望して、私は終わりたいと思います。 ◯井口委員長 ほかにありませんか。 ◯内藤委員 一つだけ。別に難しいことじゃなくて、ここでちょっと聞きたいと思っていたんで……。  さっき野良猫か何かの話が出たんで──東京都があれしている上野動物園、多摩動物園ですか、それの震災対策というのはどうなっているんですか、答えられたら、通告していないんで、わかる範囲内でいいです。 ◯阿部参事 詳細な計画は今手持ちにはございませんけれども、建設・住宅委員会の第二回だったと思います。緊急の震災対策の補正予算がつきまして、それによりまして、例えば多摩動物園のライオンの園舎の改修ですとか、上野動物園でもたしか、ゴリラじゃなくて、大きい動物の緊急改修を行って、とりあえずしのいだという経過がございます。 ◯内藤委員 それは大分前の話じゃなくて、例の阪神大震災があった後の話ですか。 ◯阿部参事 本年度の震災対策──本年度と申しますか前年度、平成七年度の第三回定例都議会での補正予算による措置に伴う工事でございます。 ◯井口委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  建設局関係決算に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これに異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯井口委員長 異議なしと認め、建設局関係の決算に対する質疑は終了いたしました。  以上で建設局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後三時五十八分散会...