群馬県議会 2021-12-06
令和 3年第3回定例会文教警察常任委員会(教育委員会関係)−12月06日-01号
これから冬休みを迎え、クリスマスや正月などいろいろなイベントがあるので、改めて、
子供たちと
保護者に情報の周知をお願いしたい。
続いて、
教員不足の現状についてお聞きしたい。
教員の補充ができないほど
教員不足が生じていると聞いているが、現状はどうか。
◎鈴木
学校人事課長
年度当初については、必要な人員を配置しているが、年度途中において、
病休等で急な休暇を取得した場合、すぐに配置できない状況がある。
◆
加賀谷富士子 委員
未配置の状況は、把握しているのか。
◎鈴木
学校人事課長
11月1日現在で、27校が未配置となっている。
◆
加賀谷富士子 委員
未配置となっている場合の対応はどうか。
◎鈴木
学校人事課長
市町村教育委員会と連携して、1日でも早く配置ができるように取り組んでいる。未配置の間は、
子供たちの授業に支障が出ないように校内の教員で対応している。
◆
加賀谷富士子 委員
先生も本来の業務に加えて、
教員不足の対応もされているので、先生にとっても子供にとっても負担になっている。1日も早く配置されるようにお願いしたい。
続いて、学校における働き方改革について伺いたい。
業務の削減や
見直しが図られて、時間外勤務も減少していると思うが、コロナ対策やICT教育の導入、英語の教科化や道徳を評価するなど、
教職員の仕事は増えている。
いろいろな業務の削減や
見直しに取り組んでいるが、実際に働いている
教職員たちの実感としては、多忙化が解消されていないようであるが、どうか。
◎鈴木
学校人事課長
英語の教科化や道徳の評価に加えて、昨今では、新型
コロナ対応や1人1台PCの配備など、
教職員の新たな業務が増加した一面もある。
一方で、
コロナ対応として、学校行事が中止や延期になったことで、行事の目的や意義を振り返って、より効率的な運営を見直すきっかけになった側面もある。
また、ICTの導入時には負担もあったが、導入後は授業の効率化や負担軽減につながり、
児童生徒の理解の深まりを感じている声もある。
さらに、学校と
保護者間の連絡手段などもICT化することによって、一層の業務改善・効率化も期待できる。
また、それぞれの学校では、授業が始まる前の行事の一部廃止や清掃を簡略化して
子供たちが早く帰れる取組など、細かな工夫を積み重ねている実例もある。
これにより、小学校の例では、1月当たりの時間外勤務45時間以下の割合が、10月で比較すると平成30年が47.5%、令和元年が54.3%、令和2年は66.9%、令和3年は71.4%と毎年増加している。しかし、45時間を超える時間外勤務を行っている
教職員も一定数おり、引き続き、関係機関と連携して、
教職員が改善を実感できるように取組を進めていきたい。
◆
加賀谷富士子 委員
通知表の採点も始まり、
教職員も忙しい時期を迎える。
時間外勤務が減少し、学校の
管理職が早く帰るように
教職員へ促しているが、仕事が減らないため持ち帰り仕事をしている先生が多くいる。
業務が減って、多忙化の解消が実感できるような取組をお願いしたい。
来年度のスクール・サポート・スタッフの配置についてはどうか。
◎鈴木
学校人事課長
スクール・サポート・スタッフについては、今年度も1人1台端末の導入に伴う支援に重点を置くため、DX推進スタッフとして配置している。
来年度についても、
教育委員会全体として、どのような支援ができるのか検討しながら対応を考えていきたい。
◆
加賀谷富士子 委員
スクール・サポート・スタッフは、教員の業務の削減に効果があるので、是非、配置と増員をお願いしたい。
◆
鈴木敦子 委員
制服選択制について、中学や高校で女子のスラックスを導入する動きがあるが、生徒への周知はどのように行われているのか。
◎栗本
義務教育課長
中学校の制服については、基本的には
市町村教育委員会の指導の下、地域の実情や生徒
保護者の意向も踏まえて、各学校において、採用、
変更等を行っている。スカートやスラックスの選択制については、スカートに苦手意識のある生徒や防寒対策の理由で徐々に広がっている。
例えば、館林市では、市内のすべての学校で選択できる。
生徒が不安なく生活できるように配慮することは重要であると考えており、今後も引き続き、生徒の心情に寄り添いながら一人一人に応じた配慮がなされるよう周知していきたい。
◎天野
高校教育課長
現在、女子生徒が在籍するすべての学校で、スラックスかスカートを選択できる。スラックスかスカートの選択は、中学生向けの学校案内パンフレットや学校のホームページのほか、新入生を対象とした入学者説明会、夏から秋にかけて行われる学校説明会などの機会に周知をしている。
女子生徒にスラックスの着用を認めることについては、防寒対策や自転車通学の利便性、性的マイノリティとされる生徒等でスカート着用に抵抗を感じる生徒への配慮など様々な理由があるが、
県教育委員会としては、すべての中学生が不安なく高校を選択し、入学後も安心して学校生活を送ることができる環境を整えることが重要であると考えている。
生徒一人一人に寄り添いながら、適切に対応していきたい。
◆
鈴木敦子 委員
理由を問わず、制服を選択できることが大切である。
異装届を提出しなければ、スラックスを選択できなかった女子生徒の話を聞いた。性別へ違和感があるトランスジェンダーは、カミングアウトしなければならないことで心理的な負担になる。誰でも制服を選択できることが大事である。
あわせて、入学前に周知することが、経済的な負担の軽減にもつながるので、ホームページや説明会などで積極的に周知していただきたい。
また、髪型についても細かな校則があり、性別に違和感がある生徒にとっては、負担になっている。
子供たちの心に寄り添って、校則としての合理性について、今後、
見直していただきたい。
男女混合名簿については、1999年の男女共同参画社会基本法以降に推奨され、ジェンダー平等意識を推進するため全国的に広まっている。
群馬県内の男女混合名簿の導入状況はどうか。
◎栗本
義務教育課長
小中学校の
児童生徒名簿の作成については、基本的には各
市町村教育委員会の指導の下、各学校で作成している。
男女混合名簿の導入については、男女共同参画の視点から使用が広がっており、県内の小中学校においてもかなりの割合で使用されているが、一部の学校で男女別名簿が使用されている。
学校においては、性別に関わらず、
児童生徒が安心して生活できることは大切であるので、
県教育委員会としては、人権上の配慮を適切に行う学校運営ができるよう、引き続き指導するとともに、研修等を通じて
教職員の人権意識の高揚を図っていきたい。
◎天野
高校教育課長
県立高校等においては、共学校のうち、8割以上の学校で男女混合名簿を使用している。また、現在男女別の名簿を使用している学校のうち数校が、来年度以降、男女混合名簿に切り換える予定である。
今後、男女混合名簿を使用する学校は、一層増えていくと思われる。
◆
鈴木敦子 委員
人権上の配慮で、男女混合名簿の必要性は2点である。
1点目は、男子が前、女子が後という男性優位の無意識の価値観や潜在的な意識を植え付けてしまう問題がある。
2点目は、性別の違和感で、
子供たちを無意識のうちに傷つけてしまう
可能性もある。人権上の配慮、ジェンダー平等意識の点で、男女混合名簿が100%になるように取り組んでいただきたい。
さらに、学校によっては、卒業式で男子何名、女子何名と紹介する学校もあるが、男女を分ける必要があるのか確認していただきたい。
一方で、体育の授業、災害時の避難などには、男女別の名簿が必要になるので、状況に応じて使い分けていただきたい。
教員の多忙化解消について、勤務時間の把握に統一のエクセル表を活用して、勤怠管理を行うことは、全国的にも先進的な取組である。
県教育委員会として、勤務実態の把握に力を入れていることは理解しているが、記録が適正に行われていないという話を現場の
先生方から伺っている。
具体的には、時間外勤務の時間が80時間に達しないように操作している学校が一部でまだある。
なぜこうしたことが起きてしまうのか、原因をどのように考えているのか。
◎鈴木
学校人事課長
勤務時間の適正な記録は、働き方改革の原点であると考えている。
虚偽の記録などを残すことについては、働き方の実態を覆い隠して、改善策の検討にも支障を来すことから、様々な機会を通じて、適正な記録をするよう働きかけている。
また、昨年度は、改変事案を受けて、より適正な記録を推進するために、記録システムの一部を改修し、パソコンの起動や終了した時間は、改変できない対応を行ったところである。
本人が自主的に時間外勤務や勤務時間を改変することも含めて、様々な機会を通じて適正な記録をすることの意義、目的、学校全体としての意識改革の
重要性など周知を図っている。
◆
鈴木敦子 委員
時間外勤務が80時間を超え、産業医の面接を受けた
教職員はどの程度いるのか。
◎鈴木
学校人事課長
具体的な数値は手元にないが、時間外勤務が月80時間を超えた場合には、産業医との面接ができることについて、
管理職から各
教職員に周知しているものと承知している。
◆
鈴木敦子 委員
面接を希望した教員が、
管理職からネガティブな反応をされたと伺った。時間外勤務が80時間を超えることに対して、抑制的な見方をする現場もあるのかと感じている。
実際に80時間を超えた全員が産業医との面談ができているのか確認したかった。
教員の多忙化については、
県教育委員会で一生懸命取り組んでいるが、養護教諭や事務職員も相当の負担が生じている。
養護教諭や事務職員など、教諭以外の職員の働き方改革について伺いたい。
◎鈴木
学校人事課長
現在、職種ごとのワーキンググループを設けて、各々の
業務内容を踏まえながら、ICTの活用を含めて業務効率化に向けた方策等について検討している。
職種ごとに業務の実態に応じて、多忙化解消が図られていく取組ができると思っている。
○
伊藤清 委員長
以上で
所管事項の質疑を終了いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
伊藤清 委員長
これより
付託議案の採決に入ります。
採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」との声あり。)
○
伊藤清 委員長
討論がありませんので、本
委員会に付託された
教育委員会関係の議案について採決いたします。
始めに、第172
号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手を願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、第172
号議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、第185
号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手を願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、第185
号議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
△請願の審査
○
伊藤清 委員長
次に、請願の審査に入ります。
本
委員会に付託された請願のうち、
教育委員会関係の請願は、継続分2件、新規分3件であります。
それでは、第1号について、
執行部から説明願います。
◎橋
健康体育課長
(第1号「学校給食費の無料化を求める請願」について説明)
○
伊藤清 委員長
説明は終わりました。
第1号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」との声あり。)
○
伊藤清 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
「継続」に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、「継続」と決定いたします。
次に、第4号について、
執行部から説明願います。
◎鈴木
学校人事課長
(第4号「
公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入するための条例制定に反対する請願」について説明)
○
伊藤清 委員長
説明は終わりました。
第4号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」との声あり。)
○
伊藤清 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
「継続」に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、「継続」と決定いたします。
次に、第10号について、
執行部から説明願います。
◎服部
管理課長
(第10号「小学校の校庭芝生化の早期実現についての請願」について説明)
○
伊藤清 委員長
説明は終わりました。
第10号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」との声あり。)
○
伊藤清 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
「継続」に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、「継続」と決定いたします。
次に、第11号について、
執行部から説明願います。
◎鈴木
学校人事課長
◎服部
管理課長
◎天野
高校教育課長
(第11号「教育格差をなくし、ぐんまの子どもたちにゆきとどいた教育をすすめるための請願<1項、2項1号・2号・4号・5号・3項>」について説明)
○
伊藤清 委員長
説明は終わりました。
第11号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「継続」との声あり。)
○
伊藤清 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
「継続」に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、「継続」と決定いたします。
次に、第12号について、
執行部から説明願います。
◎橋
健康体育課長
(第12号「
コロナ禍による危機的な生乳需給緩和の改善を図るため学校給食用牛乳の利用拡大を求める請願」について説明)
○
伊藤清 委員長
説明は終わりました。
第12号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。
(「趣旨採択」との声あり。)
○
伊藤清 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
「趣旨採択」に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
伊藤清 委員長
挙手全員であります。
よって、「趣旨採択」と決定いたします。
△散会
○
伊藤清 委員長
以上で、
教育委員会関係の審査を終了いたします。
次回は、7日、午前10時から再開して、警察本部関係の審査を行います。
本日は、これにて散会いたします。
(午前11時33分終了)
委員会記録署名委員
文教警察常任委員会
委員長 伊藤 清...