茨城県議会 2009-05-01
平成21年5月臨時会(第1号) 本文
11
◯藤咲会計管理者 去る4月1日付をもちまして
会計管理者を拝命いたしました藤咲康二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
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平成21年5月29日(金曜日)午後1時14分開議
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12 ◯議長(葉梨衛君) これより本日の会議を開きます。
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会議録署名議員の指名
13 ◯議長(葉梨衛君) まず,
会議録署名議員を定めます。
茨城県議会会議規則第118条の規定により,西條昌良君,舘静馬君,石田進君,
長谷川修平君を指名いたします。
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諸般の報告
14 ◯議長(葉梨衛君) 諸般の報告をいたします。
閉会中において,
茨城県議会会議規則第120条第1項ただし書きの規定により,お手元に配付してありますとおり議員を派遣いたしましたので,報告いたします。
次に,平成21年第1回定例会において議決されました療養病床の再編に関する意見書,
東関東自動車道水戸線潮来鉾田間の
整備計画区間への
早期格上げに関する意見書は,去る3月25日及び26日に国会並びに
内閣総理大臣ほか政府関係機関あて提出いたしましたので,報告いたします。
次に,閉会中における委員会の開催並びに各委員会の
所管事務事業に係る調査等については,お手元の配付の
委員会活動状況一覧表のとおりであります。ごらんおき願います。
次に,
人事委員会から,
地方公務員法第8条及び第14条の規定に基づき,職員の
期末手当等に関する報告及び勧告の提出がありましたので,これを別途各位に送付してあります。ごらんおき願います。
次に,
監査委員から,平成21年2月分及び3月分の
会計管理者,
公営企業管理者及び
病院事業管理者所管に係る
現金出納検査の結果,茨城県
衛生研究所ほか170機関の定期監査の結果,並びに
財団法人茨城県
看護教育財団ほか23団体の
財政的援助団体等監査の結果について報告がありましたので,その写しをお手元に配付してあります。ごらんおき願います。
次に,知事などから通知のありました
地方自治法第121条の規定に基づく出席要求による出席者につきましては,お手元に配付の印刷物により御了承をお願いいたします。
次に,知事から議案が提出されましたので,報告させます。議事課長。
〔
小林議事課長報告〕
財 第 83号
平成21年5月29日
茨城県議会議長 葉 梨 衛 殿
茨城県知事 橋 本 昌
議 案 の 送 付 に つ い て
平成21年5月
茨城県議会臨時会に下記の議案を提出するため,説明書を添えて別添のとおり送付します。
記
第81号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例
報告第2号
地方自治法第179条第1項の規定に基づく
専決処分について
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日程第1 会期の件
15 ◯議長(葉梨衛君) これより議事日程に入ります。
日程第1,会期の件を議題といたします。
お諮りいたします。このたびの臨時会の会期は,本日1日といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
16 ◯議長(葉梨衛君) 御異議なしと認め,さよう決しました。
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日程第2 第81号議案及び報告第2号
17 ◯議長(葉梨衛君) 日程第2,第81号議案及び報告第2号を一括して議題といたします。
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第81号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例
報告第2号
地方自治法第179条第1項の規定に基づく
専決処分について
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18 ◯議長(葉梨衛君) この際,知事から
提出議案の説明を求めます。
橋本知事。
〔
橋本知事登壇〕
19
◯橋本知事 平成21年5月
県議会臨時会の開会に当たり,
提出議案についてその概要を御説明申し上げます。
今回提出の議案は,条例1件,報告1件であります。
第81号議案は,職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例であり,
人事委員会の勧告に伴い,平成21年6月に支給する
期末手当等について,その一部を暫定的に凍結することなど所要の改正をしようとするものであります。
報告第2号は,
専決処分の報告で,平成20年度の
一般会計の歳入が確定したこと等に伴う予算の補正などであります。
何とぞ適切な御議決を賜りますようお願いを申し上げます。
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上程議案に対する質疑
20 ◯議長(葉梨衛君) これより
上程議案に対する質疑を許します。
鶴岡正彦君。
〔59番
鶴岡正彦君登壇〕
21 ◯59番(
鶴岡正彦君) 自由民主党の
鶴岡正彦でございます。
本議会に提出された職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例につきまして,党を代表して,通告に基づき質疑を行います。
内閣府が5月20日に発表した2009年1月から3月期の
GDP速報によると,物価変動の影響を除く
実質GDPが前期比4.0%減,年率換算では15.2%減と,戦後最悪の落ち込みでありました。昨年来の世界的な金融危機を発端とした不況が,日本経済を支える輸出産業を直撃し,所得,雇用環境の悪化で消費も低迷し,歴史的な
マイナス成長となったと言われております。
また,大手企業の夏のボーナスは,平均19%の減額との報道もなされている状況であります。
このような景気の急速な悪化や財政の逼迫の状況にかんがみれば,これまで一度も,本県のような給与の
削減措置を行ってこなかった国が官民格差の是正措置を実施するというのは,遅きに失していたと言わざるを得ず,
民間企業のボーナスの状況を把握するため
特別調査を実施した今般の
人事院勧告及びそれを受けた
公務員給与の適正化は,必要なことと考えております。
また,本県においても,
経済情勢に合わせた形で
職員給与を考えていかなければならないのは当然であります。
その意味では,県内の
民間企業の実態に即した
人事委員会勧告が行われ,それに基づく給与等の是正が実施されるのであれば,やむを得ない措置であります。しかしながら,
地方分権を進める立場からすれば,本県独自の調査もなく,国の勧告に追随するという形で出された今回の
人事委員会臨時勧告のあり方,また,このような形で出された勧告に基づき,臨時会を招集し,
改正条例案を提案された知事の姿勢に,釈然としない思いを抱いているのは私だけではないと思います。
そこで,申し上げたような観点から,
人事委員会委員長及び知事に対し,本条例案に関する質疑を行ってまいります。
まず,
人事委員会委員長に伺います。
5月1日の
人事院勧告に追随するかのように,本県を含む36都道府県の
人事委員会では,夏季の
期末勤勉手当の
臨時勧告を実施いたしました。凍結幅は,大半が本県と同様,国と同じ0.2カ月分であり,これまでの2.15カ月分であった夏の支給額を1.95カ月分に減額するという趣旨であります。
しかし,中には,鳥取県のように,既に減額済みの夏の手当が1.95カ月以下であるために勧告を見送ったところもございます。さらに,福岡県のように,県内の
民間企業の
ボーナス支給状況について正確なデータが集まっていない,また,山口県のように,県内企業の妥結率が低く,
特別調査も行わず
民間給与の実態を正確に把握できないとして,勧告を見送っているところも見られます。
このように,各県によって勧告の有無が生じてきているのは,人事院が
国家公務員の給与等の基礎事項の変更に関し勧告を行ってはならないと義務づけているのと異なって,
都道府県人事委員会は講ずべき措置について議会及び長に勧告することができるとされ,必ずしも義務づけられているわけではないためと考えられます。
さらに,本県において,この時期に行った勧告が,
地方公務員法に基づき給与等の研究の成果として行ったものであるのか。また,社会一般の情勢等に適応するように講ずべき措置なのか,あるいは生計費並びに国及び他の
地方公共団体の職員並びに
民間企業の給与その他の事情を考慮したと言えるのかどうか疑問であります。
このように考えますと,今回,人事院が勧告を出したことに追随して
人事委員会が勧告を行った根拠等について,改めて説明していただく必要があります。
本県では,これまでの通例では,
県内民間企業の
給与実態調査を実施した上で勧告がなされてきたわけでありますが,今回についてはこの調査を実施しないで勧告を実施したとのことであります。
そこで,この時期に
臨時勧告を行う意味が果たしてあるのか,お伺いいたします。
また,
民間状況が不明であるならば,
臨時勧告をしないこともあり得たはずですが,通常の勧告時期まで待つ等の検討はしなかったのか,なぜ勧告を見送らなかったのか,伺います。
次に,国に準じた形での
暫定削減勧告を行うことの必要性について伺います。
本県職員の
給与水準,
ラスパイレス指数は,平成20年4月1日現在で98.0であり,全国順位でも低い状況でありました。本県は,昨年まで全庁的に給与の
削減措置がとられていたため,昨年度の勧告において,
人事委員会として,
給与減額措置がとられている影響について深い憂慮を示し,速やかな解消について報告されました。
今回の勧告の根拠が,国が勧告したのであるから県も当然国に追随しなければならないという理由であるならば,これは
地方分権の考え方にそぐわないものではないかと考えます。
給与水準が国よりも低い状況が続いた経緯があり,今なお管理職の給与の
減額措置が続く中で,暫定とはいえ,なぜ国に準じて国と同じ比率で
期末手当等の
凍結勧告を行う必要があったのか,お伺いいたします。
次に,今後予定される秋の
人事委員会勧告には,どのような考え方で臨むのか伺います。
給与勧告制度は,
地方公務員の
労働基本権制約の代償措置でありますので,
人事委員会が
第三者機関としてその機能を全力で発揮し,本県の実態をよく反映するような調査研究を行い,正確な根拠に基づく適正な勧告をされるべきであります。
今回の勧告は,あくまで暫定的なものと理解しておりますが,今後,通例である秋の勧告に向けて,
県内民間企業の状況について精査方法をどのように考えているのか。勧告の精度を高めるために,昨年度の実施規模である,企業規模と
事業所規模50人以上の
県内民間事業所のうち243事業所を対象に実施した
職種別民間給与実態調査について,今後,
対象事業所数等をより多くするなどが考えられますが,調査の精確性を期するために何らかの対応を考えておられるのか,伺います。
次に,
人事委員会勧告を受け,今回の
条例改正案を提出された知事に伺います。
本県では,
一般職員について,12年度から13年度及び19年度から20年度の二度にわたり,
職員給与の
減額措置が行われました。また,私
たち県議会議員や知事等の幹部職員については,平成11年10月から
減額措置を先行して実施しているところでございます。
私は,この措置について,財政再建上必要であり,大きな効果があったものと認識しており,第1回定例会の代表質問において,管理職以外の
一般職員の
減額措置の中止に関して,どういう経緯で,またどのような
財政見通しを立て,
給与カットを継続しないという結論に至ったのか,知事にただしたところであります。
知事は,
人事委員会勧告における指摘などを理由に,国の
財政支援等も活用して,最終的には知事の判断で管理職以外の
一般職員の
給与カットを取りやめたわけでありますが,その結果,私の調査では,ことしの
ラスパイレス指数は100から102の間になると考えております。
昨年の勧告から7カ月,一般の
職員給与が復元されてわずか2カ月のこの時期に,国が暫定的に
期末手当等の減額を行ったことによって,本県も他の都道府県と同様に減額することとなったところであります。
臨時勧告を見送っている宮城県の事例がありますが,ことし4月から
一般職員の月額給与を一律5.5%カットしており,4月からカットを取りやめている本県とは逆の動きとなったわけであります。
給与カットを中止せずに,3年目も継続していれば,取りやめた場合の影響額が財源として確保できたはずであり,今回のような暫定的な凍結よりも,はるかに説得力のある対応ではなかったかと思います。そう考えますと,昨年の
給与カット中止の決定を下した時点の見通しが甘かったのではないかと思うのであります。
さて,一方で,私は,この
減額措置が,いまだ
給与カットが続いている管理職に対しては,
トリプルパンチとなることに危惧しております。
課長相当職や学校長以上の管理職は,現在,給料が5%カットの上,
期末勤勉手当に反映されるとともに,
管理職手当が20%カットされておりますが,今回は,それとは別に,さらに
期末勤勉手当の0.2カ月分の暫定凍結が行われるのであります。
管理職については,本年2月に決定した第5次行革大綱において,成果の重視,特に
リーダーシップマネジメント能力が強調され,新たな
人事評価の実施や意識改革を図る研修,役割と責務の再認識など,責任の重大さが特に強調されております。
しかしながら,責任や期待の増大に反して,給料や
管理職手当がカットされております。これは,
人事委員会勧告で
カット中止の意見があったにもかかわらず,知事の判断で継続したものであります。
初めに申し上げましたとおり,本県においても,
経済情勢に合わせた形で
職員給与を考えていかなければならないのは当然であり,現時点で求められている措置であることからやむを得ないものと考えます。しかしながら,
期末勤勉手当を減額することの理由はあっても,現在その管理職の給与の
カット状態が続いていることとは,背景が別であります。
今回,知事が
人事委員会の勧告を尊重し,
期末勤勉手当の凍結を実施するのであれば,少なくとも19年度来継続している管理職の
給与カット措置については,昨年度の
人事委員会勧告の趣旨にのっとり,この際取りやめるべきであります。
また,今回の勧告は,この秋に予定される勧告内容を想定し,冬の
期末勤勉手当が夏季支給に係る調整分と合わせて極端に減額されないような
激変緩和措置の意味もあると言われておりますが,そのような意味合いであれば,さらなる給与の減額が予想される中,二重,三重の影響を受ける管理職の給料や
管理職手当について,その
減額措置をやめることが,勧告を尊重すべき知事の態度ではないでしょうか。
期末勤勉手当の算出は,給料の5%が減額された上で算出されるので,本来であれば,今回の
条例改正において,評価期間である昨年12月からの6カ月分については
給料減額分を本来の額に戻して計算し算定上措置するといった,何らかの対応をすべきであったと思います。
また,
管理職手当については,今後,
減額措置の解消の検討も必要であると考えます。
今回の条例の改正において,一般職以外の
給与減額措置の解消が困難であれば,今後,減額割合の変更も考えるべきでありますが,この点も含めて管理職の
減額措置の
取りやめ等について知事の見解を伺います。
次に,今回の凍結による影響額の活用策について伺います。
今回の改定により,県が支払いを凍結する影響額は約30億円と聞いております。この金額について,私は景気の悪化という原因を考えれば,県としても,県民のためにさらなる景気対策,
経済対策等に重点的に使用すべきであると考えます。
国は,地方が凍結により捻出する財源について,平成14年の
人事院勧告における
マイナス勧告の際と同様に,
地方交付税の再計算を行い,交付税や
臨時財政対策債の減額という対応をとる可能性もありますが,
地方分権の流れの中で,
人事院臨時勧告に始まり,地方への財源の締めつけで終わる,このような話は論外であり,あってはならないことであります。
知事は,今後このような事態が生ずることのないよう,国に対し強力に働きかけるべきであります。
そこで,捻出された資金の活用等について,県はどのように考えているのか伺います。
最後に,県民に対する
行財政改革や県政運営への理解の方策について伺います。
民間ボーナスの大幅減が今後予想される状況では,今回の
条例改正はやむを得ないと考えますが,行政に対する県民の視線が厳しい中で,このような
手当減額といった形もとりつつ,努力をしながら県政運営に努めている状況を,県民の皆さんに誤解のないよう理解していただく必要があると思いますが,その方策について伺います。
以上で,私の質疑を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
22 ◯議長(葉梨衛君)
鶴岡正彦君の質疑に対する答弁を求めます。
人事委員会委員長が欠席のため,
小井戸人事委員会委員。
〔
小井戸人事委員会委員登壇〕
23 ◯
小井戸人事委員会委員 鶴岡正彦議員の御質問にお答えいたします。
まず,最初に,
臨時勧告を行う意味についてであります。
去る5月1日に
人事院勧告がなされたところでありますが,人事院は,これに先立ちまして,本年4月7日から24日までの間,
民間企業の夏季一時金について
特別調査を実施いたしました。人事院は,この調査を行った理由について,景気の急速な悪化に伴い,過去20年以上にわたって見られないほど大幅な前年比マイナスとなることがうかがえたことを挙げております。このため,例年5月から行う
職種別民間給与実態調査とは別に,緊急にその決定状況を把握するための
特別調査を実施することとされたところであります。
この
特別調査ですが,調査を行った企業約2,700社のうち,夏季一時金を決めたとする企業は340社であり,夏季一時金の対前年の減少率は,実質マイナス13.2%となっております。
人事院は,このような
特別調査の結果等を踏まえて,6月に支給する
期末勤勉手当の支給割合を,
一般職員で0.2月分を凍結し合計1.95月分とするなどを勧告したところであります。
本県におきましても,人事院の動向を受けて対応を検討したところであります。
まず,本県独自の調査についてでございますが,先ほど申し上げましたとおり,人事院が実施した
特別調査で,夏季一時金を決めたとする企業が340社にとどまっており,本県においても夏季一時金の妥結企業が少ないことが想定され,本県でこれを実施したとしても精緻な数字は把握できないものと考えたことから,これを見送ったところでございます。
しかしながら,本県の
民間企業の一時金は,従来から全国の民間の傾向とほぼ同様な傾向にあること,本県に所在する
民間企業の本年の春闘の妥結状況を見ても,一時金は昨年と比較して大幅に減少している傾向にあり,民間の夏季一時金と公務員の
期末勤勉手当に大きな乖離があることは適当でなく,可能な限り民間の状況を本県職員にも反映させることが望ましいこと,及び,過去においても社会情勢の変化を踏まえ臨時的に意見を申し述べたことがあることなどから,
地方公務員法の趣旨を踏まえ,社会一般の情勢に適応させるため,緊急に何らかの調整的な措置を講ずることが適当であると判断するとともに,精緻な減少幅を把握できないことも考慮し,暫定的な措置として,6月に支給する
期末勤勉手当を0.2月分凍結するとの
人事委員会勧告を行ったところであります。
次に,
臨時勧告見送りの検討についてであります。
先ほど申し上げたとおり,国の
特別調査においても調査サンプル数が必ずしも十分に得られなかったことを踏まえると,都道府県レベルの判断においては,議員御指摘のように,勧告等を行わなかった11県と同様に改定を見送るという考えもあったかと思います。しかしながら,当委員会といたしましては,本県に所在する企業においても夏季一時金が大幅な減少傾向にあり,民間の水準を適切に反映する必要があること,都道府県レベルでは36都道府県で改定する旨の勧告等がなされていること,12月期の
期末勤勉手当で1年分を精算すると大きな減額となる可能性があることなどから,
地方公務員法の趣旨を踏まえ,緊急に
人事委員会勧告を行ったところであります。
次に,国に準じた勧告の必要性についてでございます。
本県職員につきましては,
一般職員については,昨年3月で2年間にわたる
給与カットが解消されたところでありますが,
管理職手当受給者については
減額措置が引き続いているところであります。
これらの
給与カットと
人事委員会勧告制度の関係の基本的な認識についてでありますが,現在行われております管理職に係る給与月額及び
管理職手当を減額する特例措置につきましては,平成21年第1回定例会において,
人事委員会委員より,本県の厳しい財政状況等を考慮してとられるものと思料され,やむを得ないものとの意見を申し述べたところでありますが,他方で,
人事委員会勧告制度の趣旨とは異なるものであるとの認識を示したところであります。
また,本委員会は,従来から,勧告するに当たっては,
減額措置前の給与等で民間の給与等を比較してきたところであります。これは,県財政等の状況等を総合的に勘案して,高度な政治的判断として決定している時限的,特例的な
給与カットにより発生した較差を,将来に向かって効果を及ぼすこととなる制度改正によって対応することは適当でないとの考えに基づくからであります。このため,今回の
期末勤勉手当の凍結につきましても,
給与カットとは切り離して考えたところでございます。
人事委員会勧告制度の趣旨を踏まえ,御理解を賜りますようお願いいたします。
次に,調査の精確性への対応であります。
例年行っております
職種別民間給与実態調査につきましては,人事院や他の都道府県との共同調査により全国一律に実施する調査であります。また,調査の企画立案,調査事業所の選定,その他調査の統一を図るために必要な事務は,人事院の所管となってございます。
調査の精確性を期するための対応についてでありますが,平成18年に比較対象となる企業規模を100人以上から50人以上に改め,調査事業所数を150事業所から183事業所とし,さらに平成20年には60事業所増加させて243事業所としたところであります。このようなことにより,
民間企業従業員の給与をより広く反映することができたものと考えております。
今後とも,人事院と連携を図りながら,
民間給与をより適正に反映するよう努力してまいりたいと考えております。
24 ◯議長(葉梨衛君) 橋本知事。
〔
橋本知事登壇〕
25
◯橋本知事 鶴岡正彦議員の御質問にお答えいたします。
初めに,管理職の
減額措置の
取りやめ等についてであります。
給与カットにつきましては,本県の財政状況が極めて厳しいところから,必要な財源を確保するため,緊急避難的に管理職の皆さんに協力をお願いしているものであります。
一方,現在の本県の財政状況を見ますと,県内の
経済情勢が製造業を中心に生産活動が急速に減少し,雇用情勢も一段と厳しさを増していることなどから,県税収入がさらに大きく減少するのではないかと懸念がされているところであります。
また,三位一体改革の影響により,平成16年度以降の6年間で
地方交付税が約4,500億円も減少しているなど,県財政は今後とも厳しい状況が続くものと思われます。
一方,今回のボーナス凍結による影響額は約30億円と見込まれておりますが,この分については,これまでの例によれば,交付税が減額算定されることが予想されるところでございまして,本県財政が好転するといったことは現段階では考えられず,まことに遺憾ながら,管理職の
給与カットを取りやめることは困難な状況にございます。
次に,凍結による影響額の活用策についてでございますが,今回の措置が暫定的なものであり,今後行われる
給与実態調査に基づく
人事委員会勧告がどのようなものになるかわからないことや,過去,勧告による給与の減額に際しては,再算定により交付税等が減額された例があることなどから,今のところ政策に充てる新たな財源が確保されたと考えられる状況にはございません。したがいまして,この影響額約30億円を活用して景気対策等実施することは,現時点では困難ではないかと考えております。
なお,議員が御指摘されました「
人事院臨時勧告に始まり地方への財源の締めつけで終わる」という点につきましては,今後,給与の減少額について国が交付税等にどう反映させるかという問題が起きてまいります。三位一体の改革以降,交付税総額が急激に減らされてきたことを踏まえ,過去の減額再算定といったやり方を踏襲するのではなくて,今回は,地方の厳しい財政状況を考慮して,ぜひとも交付税総額を十分に確保してくれるよう,国に強く要望してまいりたいと考えております。
次に,県民の理解を進める方策についてでございます。
議員御指摘のように,
行財政改革の取り組みや県政運営につきまして,県民の皆様の御理解,御協力を賜ることは極めて重要であります。このため,これまで広報紙,新聞,テレビ,ラジオ,インターネットなどのあらゆる広報媒体,さらには職員みずからが現地に出向く県政出前講座などにより,県民の皆様に対しまして県政に関する情報の発信を積極的に行ってまいりました。
私自身も,県民の皆様と直接対話を行う「明日のいばらき」を初めとするさまざまな機会を通じ,県財政の厳しい状況,
行財政改革の取り組み内容,さらには県の施策全般について説明を行ってきたところであります。
なお,県財政の極めて厳しい状況にかんがみ,職員の
給与カットまでして必要な財源を捻出していることにつきましては,県民の皆様の御理解がいただけますよう,
行財政改革大綱や財政集中改革プラン等において,その実績,効果等を公表しているところであります。
また,県職員も,民間の厳しい経済雇用情勢を踏まえて,今回
期末勤勉手当の一部凍結を行ったということを県民の皆さんに知っていただけるよう,広報紙やホームページ等によりアピールをしていきたいと考えております。
今後とも,
行財政改革の取り組み等について,さまざまな機会や媒体を活用しながら,わかりやすく丁寧に説明するなどにして,県民の皆様の御理解と御協力のもと,なお一層円滑な県政運営に努めてまいります。
────────────────────────────
26 ◯議長(葉梨衛君) 次に,
長谷川修平君。
〔45番
長谷川修平君登壇〕
27 ◯45番(
長谷川修平君) 民主党の
長谷川修平であります。
このたび提出されました職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例につきまして,
人事委員会委員長及び知事に対し,党を代表して質疑を行います。
2000年4月の
地方分権一括法施行以前,都道府県においては,その仕事の8割が機関委任事務でありましたが,現在は,国だけではなく都道府県においても法令解釈権が付与されるなど,県の権限は広範になっております。我が党も
地方分権の必要性を訴え,また,県も国に対して地方への権限移譲を強く訴え続けてきたと私は認識しております。
また,労働基本権は労働者本来の権利であり,民主党といたしましては,公務員の労働基本権の回復を目指しておりますが,労働基本権が制約されている現状では,その代償措置としての
人事委員会勧告制度は尊重されるべきと考えております。
しかしながら,私は,今回の県の
人事委員会勧告のあり方については,疑問を感じざるを得ません。すなわち今回の勧告は,国の
人事院勧告を踏襲しただけであり,県の
人事委員会としての独自の調査や検討がなされていないと考えるものだからであります。
時代は余りに早く動いており,また予期し得ない現在の世界的経済危機の状況の中では,県として給与のあり方について明確に方針を出すことは難しいのかもしれません。また,財政状況も経済環境により短期間の間に大きく違ってしまう場合,国と異なる県としての
人事委員会勧告は,余り意味も持たないものになっているかもしれません。しかしながら,私は,各県において,その地域の産業構造や雇用状況等はそれぞれ異なることから,その地域の実情を踏まえた視点から,県としての
人事委員会勧告を出すべきではなかったかと考えるものであります。
今回の臨時議会が招集された趣旨は,県の
経済情勢をきちんと分析した上で,県の勧告の提案理由を議員に知らしめ,その勧告の考え方や根拠,理念,論点等を明確にし,それを踏まえた
条例改正案について議会として政策決定する場であると私は思っておりました。また,そのような議論を通じ,今回の改正の意図が県民に理解されるものであると考えていたのであります。
県の
人事委員会勧告は,県職員の給与のみならず,県内市町村や地域経済への大きな影響を与えるものであります。それを考えれば,今回の勧告は,国の勧告をうのみにしただけで,給与制度を専門的に調査検討する
人事委員会としての機能をみずから放棄するものだと言われてもやむを得ないのではないでしょうか。
今後,県の
人事委員会には,旧態依然とした国と県の
人事委員会の形を,全国に先駆けて変えることを期待するものであります。国追従という上下関係ではなく,県職員を含めた市町村職員,県民が一体になってエネルギーを集中させて,茨城で生き生きと働けるような,そんな分権時代にふさわしい
人事委員会の勧告を望むものであります。
そこで,
人事委員会委員長に伺います。
昨年来,世界的な
経済情勢の急激な悪化という異常事態にかんがみれば,人事院は,民間準拠を基本とする
国家公務員の
給与水準を適正に保つため,
臨時勧告を行う必要があったことについては,基本的には理解できるものであります。しかしながら,総務省の働きかけがあったとのことでありますが,
地方分権を推進する立場からは,この要請なり技術的指導があったことに対し,県
人事委員会が独自に本県の
民間企業の
給与実態調査を行わず,国に追従して勧告をしたことはいかがなものかと考えるものであります。
国からの
人事委員会への働きかけに対し,県
人事委員会はどのような検討をし,勧告を決定したのか,経緯を伺います。
また,全国では,本県を含め36都道府県の
人事委員会が,夏季の
期末勤勉手当の臨時凍結の勧告を実施いたしましたが,県によっては,県内の
民間企業の
ボーナス支給状況について正確なデータが集まっていない,また,県内企業の妥結率が低く,
特別調査も行わず
民間給与の実態を正確に把握できないとして,
臨時勧告を見送ったところもあります。
本県では,通例では
県内民間企業の
給与実態調査を実施した上で勧告を行っておりますが,今回については民間事業所の調査を実施しないで勧告を実施したのであります。
人事委員会が,データの精確性について前提となる調査も実施せず,数値も不十分な国の臨時調査の結果を根拠にして,過去の県の傾向が過去の国の傾向と同じであったからという理由のみで夏季手当の凍結,実質削減という勧告を行うことは,大変な危険な動きであり,ひいては
第三者機関としての県
人事委員会の独立性,信頼性を揺るがすものであると考えます。
また,
臨時勧告がこのような形で可能であるならば,今後も随時社会情勢の変化をとらえて実施される可能性がありますが,恣意的に給与改定が行われるおそれもあります。
そこで,今回の勧告の根拠,妥当性及び精確性について,改めて伺います。
次に,知事に伺います。
大変な不況期に,
民間企業は血のにじむ努力を懸命に続けております。このような状況の中で,自治体とそこに勤務する公務員もまた痛みを分かち合わなければなりません。しかしながら,今回のように明確な説明もないまま国追従の勧告に基づく
期末勤勉手当の凍結が実施されるのでは,職員の士気も上がりません。
本県では,既に19年度から20年度にわたり職員の
給与カットが行われ,
一般職員についてはこの4月から回復した直後であり,病院局の職員及び管理職は減額をいまだ継続中であります。
一般職員にとってみれば,給与が復元されて
期末勤勉手当に期待を抱くこの時期の凍結措置は,家計及び心理的に与える影響も大きいのではないでしょうか。また,管理職にとっては,給与減額が継続中の上,それとは別にさらに
期末勤勉手当の一部凍結が行われダブルカットとなりますが,給与の減額を実施中の他県においては,凍結措置を見送っているところもあります。
病院局の職員については,さすがに病院事業管理者によって凍結措置をとらないという判断がなされたようでありますが,今回の凍結措置の対象となる職員にとっては,カット,カットの縮こまりの行政改革では,職員の夢ややる気はしぼんでしまいます。これでは,未来志向の行政改革にはなりません。
県職員が,県民と痛みを分かち合いながら,常にみずからを律し,給与以上に県民のためにしっかり働き,奉仕する姿勢を持てるような
人事委員会報告及びそれを実現する施策が必要ではなかったのでしょうか。管理職,
一般職員とも,今回の凍結によって士気が低下するという懸念を持つものであります。
そこで,職員の士気の維持・向上に向けてどのように対応していくのか,伺います。
以上で,私の質疑を終わります。
御清聴ありがとうございました。
28 ◯議長(葉梨衛君)
長谷川修平君の質疑に対する答弁を求めます。
小井戸人事委員会委員。
〔
小井戸人事委員会委員登壇〕
29 ◯
小井戸人事委員会委員 長谷川修平議員の御質問にお答えいたします。
まず,
臨時勧告決定に係る検討の経緯についてであります。
議員御指摘のとおり,
人事委員会勧告制度は労働基本制約の代償措置として大変重要なものであり,本委員会といたしましては,従来より,
地方公務員法の趣旨を踏まえまして勧告を行っているところであります。
今回,人事院においては,本年の民間の夏季一時金が過去に見られないような大幅なマイナスとなることがうかがえたことから,
特別調査を実施し,その結果などを踏まえまして,
期末勤勉手当を0.2月分凍結する勧告を行ったところであります。
この
人事院勧告の取り扱いに関しまして,総務省から,国の取り扱いを基本として対応されたい旨,
地方公務員法第59条に基づく技術的助言をなされておりますが,本委員会といたしましては,勧告の検討に当たりましては,従来から,国の取り扱いや他の都道府県の状況,そして民間の状況などを見ながら総合的に判断をしているところであります。
今回の勧告に当たりましても,同様の考え方で検討しました結果,急速な景気の悪化による夏季一時金の減少を踏まえまして,本県においても,
地方公務員法の趣旨を踏まえ,社会一般の情勢に適応させる必要があると考え,臨時的に勧告を行ったところであります。
次に,
臨時勧告の根拠の妥当性及び精確性についてであります。
議員御指摘のとおり,例年行っております秋の勧告に当たりましては,
職種別民間給与実態調査を実施しているところであります。今回の勧告に当たりましても,
期末勤勉手当の改定につきましては,従来どおりこの調査の結果を踏まえまして改定することが基本であるとの考えを示したところであります。
本委員会といたしましては,今回の勧告に当たりまして,独自の調査は行っておりませんが,これは人事院の
特別調査におきまして,夏季一時金を決めたとする企業が調査対象企業の13.5%にとどまっていることからすれば,都道府県においては例年の調査によるべきだと考えたからであります。
しかしながら,急速な景気の悪化による夏季一時金の減少を踏まえまして,本県においても,情勢適応の観点から総合的に検討を行ったところであります。
具体的には,過去の臨時的な措置や国の取り扱い,大半の都道府県で改定の勧告を行おうとしている状況,さらに本県の民間一時金と全国の民間一時金は従来から同傾向にあることや,本県の
民間企業においても本年の一時金について大幅に減少している傾向があることを検討した結果,民間の夏季一時金と公務員の
期末勤勉手当に大きな乖離があることは適当でなく,可能な限り民間の状況を本県職員にも反映させることが望ましいと考えたところであります。
また,12月期の
期末勤勉手当で1年分を精算しようとすると,大きな減額となる可能性があることも考え,何らかの調整措置を講ずることが適当であると判断しまして,
人事院勧告に準じて特例措置を講ずることが適当であると判断したところであります。
なお,
期末勤勉手当につきましては,先ほど申し述べましたように,本来,
職種別民間給与実態調査の結果を踏まえ,その改定の要否を決定すべきであることから,今回は,暫定措置として凍結という形で勧告をしたところであります。
本委員会といたしましては,今後とも,中立的,専門的な
第三者機関として,職員の適正な勤務条件の確保を図ってまいる所存でございます。
30 ◯議長(葉梨衛君) 橋本知事。
〔
橋本知事登壇〕
31
◯橋本知事 長谷川修平議員の御質問にお答えいたします。
職員の士気の維持・向上に向けた対応についてであります。
今回のボーナスの凍結措置は,
人事委員会の勧告を踏まえ実施するものではありますが,職員の士気への影響が懸念されますことは,議員御指摘のとおりであります。しかしながら,民間のボーナスの支給状況を踏まえ,冬のボーナスでの減額幅が大きくなる可能性などを勘案し,凍結という
人事委員会勧告がなされたところであり,現在の厳しい経済状況からして,やむを得ないものと考えております。
一方,職員の士気や意欲を高めることは,組織の活性化や効率的な行政運営を図る上で大変重要なことであります。こうした状況を十分に認識した上で,議員の御指摘も踏まえ,一生懸命に仕事に取り組んでいる職員が報われるようにするための
人事評価制度の確立や職員の希望をできるだけ取り入れた人事異動,アイデアオリンピックや目標チャレンジ制度の優秀者に対する表彰の実施,さらには各種研修制度等により職員のキャリア形成を支援するなど,職員の士気の維持・向上を図り,生き生きと仕事に取り組めるような活気ある職場づくりに,より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
────────────────────────────
32 ◯議長(葉梨衛君) 次に,井手義弘君。
〔46番井手義弘君登壇〕
33 ◯46番(井手義弘君) 公明党の井手義弘でございます。
通告に従いまして,提案されている議案に関する質疑を行います。
今回の期末手当の減額は,県民生活の向上のために日夜御努力をされている県職員,教職員,警察関係の方々には,大変厳しい苦渋の決断であります。しかし,100年に一度という未曽有の経済危機の中,呻吟する県民の実情を見るとき,やむを得ない措置であると理解をしております。
労務行政研究所の調査によると,ことし夏のボーナス支給額は,東証一部上場企業140社の平均で64万8,149円,昨年夏に比べ14.4%減と,7年ぶりに減少しています。これは,1970年の調査開始以来,最大の減少率となっているそうであります。
業種別に見てみると,減少率が最も大きいのは機械製造業の32.8%減,自動車などの輸送用機器製造業の24.3%減,非鉄・金属製造業の22.9%減などとなっています。いずれも我が県の主要産業であり,茨城県の
民間企業のボーナス支給額は,全国水準に比べても大幅減になることが想定をされています。
県職員のボーナスの減額について,かえって個人消費にブレーキをかけ,景気にマイナスであるとの意見もあります。しかし,公務員の報酬はすべて県民の税金で賄われていることを自覚しなくてはなりません。私ども県議会議員も含めて,県職員は,みずからの報酬を削ってでも,県民の不況克服のための財源を捻出する責任があると考えます。こうした基本的な視点をまず確認をして,以下3点についてお伺いをいたします。
まず,
期末勤勉手当減額の県財政への影響と今後の県職員の
給与カットについて,知事にお伺いをいたします。
今回提案された県職員の夏のボーナスの減額で,約30億円程度県の歳出が削減できるとの答弁が,さきの自民党への質疑でありました。しかし,同時に,国の
人事院勧告に準じた措置であるために交付税等の
減額措置が行われる可能性があり,独自の財源としては活用ができないとの見解も示されたところです。県職員の犠牲の上で捻出されたこの浄財が,県民のために活用できないということに心の痛みを感ずるのは私一人ではないと思います。
さて,今回のボーナス減額の全国的な状況を見てみますと,47都道府県のうち,条例を改正しボーナスを減額するところは35都道府県にとどまっており,残り12県は,独自に給与の
減額措置を既に実施しているなどの理由で,減額を行わないことにしています。独自の判断で給与をカットしている県は,その減額分をそのまま自主財源として活用できているという事実を見逃してはいけません。もし茨城県が,本年4月から撤廃をした職員の
給与カットを継続していたならば,その結果捻出された財源は,県独自の財源として,この不況克服や県民のセーフティーネットの充実に活用できたわけであります。
今後,県内企業の決算状況が明らかになるにつれ,県税収入の落ち込みはかつてない規模に膨らむおそれがあります。私は,茨城県が置かれた財政状況,本県経済の実態などを勘案しますと,県職員の
給与カットについても,一刻も早く適切な判断を行わなくてはならないと感じております。
そこで,期末
手当減額の県財政への影響と今後の県職員の
給与カットについて,知事の御所見をお伺いいたします。
次に,企業局,病院局,県出資団体職員などの期末手当の取り扱いについてお伺いをいたします。
今回の条例の効果が及ぶのは,一般行政職,公安職,教育職など約3万3,000人です。県企業局や病院局などは,条例の対象外となっています。また,県の出資団体は,独立した経営を行っており,期末手当についても独自の判断で支給額を決定しています。しかし,いずれも県との関係性は深く,県職員と同程度のボーナス減額は避けられないものと考えます。
また,病院局は,知事部局とは異なり,ことし4月以降も医師を除くすべての職員の給与を3%から7%カットしており,夏のボーナスへの対応は他の部門とは異なるものと考えられます。
こうした点を踏まえ,企業局,県出資団体などの期末手当の取り扱いについては知事に,病院局の期末手当については病院事業管理者に御質問をいたします。
最後に,知事の退職手当についてお伺いをいたします。
私は,昨年9月の公明党の代表質問において,県の厳しい財政状況を勘案し,退職手当の見直しを検討すべきではないかと知事に提案をさせていただきました。
それに対し,知事は,本県の退職手当は妥当な水準にあるとの見解を示されましたが,その上で,「本県の財政は大変厳しい状況にございますので,今後,財政の状況などを見ながら,そのあり方については,なお検討してまいりたいと存じます」との答弁をされております。
政治には結果責任が求められます。県職員にボーナスの減額,給与のカットなどの痛みを強いるわけですから,そのトップは具体的な形で責任を明確にする必要があります。もし知事がみずからの退職手当の見直しを決断されるとすると,その裏づけとなる条例を提案する機会は,6月から始まる次の議会しか残されていません。知事に,退職手当の見直しに関する御見解をお伺いをいたします。
以上,3点について,知事,病院事業管理者の答弁を求め,私の質疑といたします。
ありがとうございました。
34 ◯議長(葉梨衛君) 井手義弘君の質疑に対する答弁を求めます。
橋本知事。
〔
橋本知事登壇〕
35
◯橋本知事 井手義弘議員の御質問にお答えいたします。
初めに,県財政への影響と
給与カットについてでございます。
今回の
期末勤勉手当の支給凍結による影響額は約30億円と見込んでおりますが,この金額がそのまま新たな財源となるかどうかは,現状では極めて不透明であると考えております。過去の例におきましても,勧告による給与の減額が大きい場合には交付税等を再算定し,その分を調整する措置がとられており,今年度も同様の対応となる可能性があることから,支給凍結が直ちに県財政によい影響を与えるものとは期待できないと考えております。
一方,職員の
給与カットについては,議会でもカットをやめるよう強く御指摘をいただきましたことや,昨年の
人事委員会の報告,地財対策の状況などを踏まえ,
一般職員につきましては今年度からカットを取りやめたところでございます。
現下の県内の
経済情勢は悪化がとまらず,県財政も大変厳しい状況が続いておりますが,国からの各種交付金の積極的な活用や,県庁一丸となってさらなる
行財政改革に努めることにより,必要な財源を確保しながら経済雇用対策に取り組んでいくことにより,今年度中に再び一般職の
給与カットを行うことは,何とか避けていきたいと考えております。
次に,企業局,出資団体職員等の
期末手当等の取り扱いでございますが,まず企業局につきましては,県に準ずる規程を定めており,県職員と同じく減額を実施いたします。
一方,出資団体につきましては,県に準ずる給与規程を定めている法人に対しましては,県職員の給与等の改正に準拠するよう要請しますとともに,独自の給与規程を整備している法人に対しましても,財務状況や県からの支援の状況などを総合的に勘案して対応を検討するよう,従来から要請しているところであります。
今回の措置が,民間の厳しい現状を反映して行われたものであることや,
国家公務員においても同様の措置がとられていることなどを踏まえますと,
期末手当等の一部の暫定的な凍結につきましても,同様に要請を行っていくべきものと考えております。
なお,住宅供給公社など3公社につきましては,県からの支援を受けている状況にありますことから,現在の給与減額とあわせて
期末手当等の一部凍結を実施することを確認しております。
次に,退職手当のあり方につきましては,昨年の本会議でもお答えいたしましたように,考え方がいろいろあるかと存じますが,これだけを単純に見るのではなく,責任の重さ,仕事の量など職務の内容を見ながら,全体的な処遇のあり方が適切かどうかを総合的に判断していく必要があるのではないかと考えております。
例えば私の場合で見ますと,年間給与は,国の一般職の公務員である事務次官より低く,局長クラスとほぼ同額でございますし,退職手当を含めた4年間の給与総額でも,文書通信交通滞在費を含めると,副大臣や大臣政務官,さらには一般の国会議員と比べてもはるかに低い状況にございます。
また,現在,私の退職手当については2割カットを実施していることもあり,全国の知事の中では中位の水準になっているところでもあり,おおむね妥当な水準として御理解をいただける範囲にあるのではないかと考えております。
現在,私につきましては,50%の給料カットを実施しているところでもありますし,また,期末手当については20%カット後の月額で算定することとなっておりますことから,今回の凍結措置と合わせますとおおむね30%の減額となることになっております。
36 ◯議長(葉梨衛君) 古田病院事業管理者。
〔古田病院事業管理者登壇〕
37 ◯古田病院事業管理者 病院局職員の取り扱いにつきましてお答えいたします。
病院局としましては,地方公営企業法に基づき,病院改革に取り組むべく,他部局に先行して独自に平成18年11月から給与削減を実施し,現在も継続中であり,県立病院改革に必死に取り組んできているところであります。
現在,病院改革がまだ道半ばであり,今後も病院局職員が積極果敢に取り組みを続けられるよう,これまでの改革の実績を総合的に判断し,病院事業管理者としては,今回,行政職の管理職員を除き,今回の凍結を見送ることといたしました。
今後の対応につきましては,経営改善の達成状況を見守りつつ,慎重に判断してまいりたいと考えております。
────────────────────────────
38 ◯議長(葉梨衛君) 次に,江田隆記君。
〔43番江田隆記君登壇〕
39 ◯43番(江田隆記君) 自民県政クラブの江田隆記でございます。
通告に従いまして,知事並びに総務部長に質疑いたしますので,明快なる御答弁をお願いいたします。
最初に,知事にお伺いいたします。
このたび本会議に提出された職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例は,去る5月15日に知事及び議長に提出された
人事委員会勧告に基づいたものでありますが,今回の勧告はあくまで暫定的な凍結措置であって,秋には正式な調査結果に基づく勧告がなされて,最終的にはその勧告をもとに再度精算するということであります。
民間企業が大変厳しい状況にあり,テレビや新聞でも報道されているように,派遣切りや就職の内定取り消しなど,若者にも高齢者にも大変厳しい現況にあります。そんな中で,
民間企業に勤める方からは,ボーナスが半額になったとか,ボーナスがもらえるだけでうらやましいなどという話も聞こえてきております。
5月21日に厚生労働省が発表した平成19年の世帯所得は平均556万円で,平成になって以来最低であり,昭和63年の水準だということでもあります。これは2年前の数字なので,ことしはもっと下がっているものと思われます。
このような社会情勢のもと,時間もない中でもありましたので,
人事委員会が暫定的な凍結という異例な勧告をしたこともやむを得ないものと思われます。
秋の勧告が出てから,1年分の給与の引き下げ分を冬のボーナスだけで精算すると,ことしは
民間企業の景気もよくないことから,大幅な減額が予想されます。そのため,今回その一部をあらかじめ前倒しして調整しておくことで,冬のボーナスの引き下げ幅を緩和する策を講じたとも聞いております。こうした状況にある中で,知事は,ボーナス凍結の
条例改正案を提案されたわけであります。
そこで,
条例改正に臨む知事の基本的な姿勢についてお伺いいたします。
次に,特別職のボーナスの取り扱いについてお伺いします。
今回の
条例改正案には,知事等の特別職及び教育長の給与の
条例改正も含まれております。特別職や教育長については,0.15カ月分の凍結と伺っております。国では,国会議員がボーナス20%カットの法案を提出しているところでありますが,何を基準に0.15カ月分凍結という判断をなされたのか,知事の見解をお伺いします。
次に,職員の士気への配慮について,総務部長にお伺いします。
今回のボーナスの凍結措置は,民間の状況を考えれば実施せざるを得ないことは理解できます。しかしながら,職員にしてみれば,3月までの
給与カットが終わったばかり,まともな給料はまだ2カ月分しかもらっていない,管理職は
給与カットの上にさらにまた下げられるのか,という声が上がるのも理解できるわけであります。
特に,管理職にあっては,19年度から引き続き課長級で年間四,五十万円,部長級で六,七十万円ものカットになっていると聞いております。
余り厳しくし過ぎて職員の意欲が停滞してはなりません。「人は石垣,人は城」と申しますけれども,組織で一番大事なのは「人」であります。職員がやる気を持って職務に当たることで,県庁全体の持てる力が最大限発揮できるわけであります。
そこで,今回のボーナス凍結措置によって,職員の士気の低下が起きないようにするための配慮について,総務部長はどのようにお考えなのか,総務部長の御所見をお伺いいたします。
以上で,私の質疑を終わります。
御清聴ありがとうございました。
40 ◯議長(葉梨衛君) 江田隆記君の質疑に対する答弁を求めます。
橋本知事。
〔
橋本知事登壇〕
41
◯橋本知事 江田隆記議員の御質問にお答えいたします。
今回の
条例改正に臨む基本姿勢についてでございます。
地方公務員は,本来労使が対等な立場で交渉して決めるべき勤務条件の決定に際し,争議権や労働協約締結権が制約されているところから,その代償措置として,中立的な専門機関である
人事委員会が,社会
経済情勢や
民間企業,他の公務員の給与の状況などを考慮して給与勧告を行う仕組みになっております。
勧告は,知事や議会の判断を拘束するものではありませんが,その性質上尊重するのが基本であると考えております。
今回の
期末手当等の凍結措置に係る
条例改正に当たりましては,
民間企業における厳しい経営状況や,国,他県,県内市町村の対応の状況などを総合的に判断した結果,勧告どおりに実施することが適当であると判断したものでございます。
次に,知事等特別職の期末手当の取り扱いについてであります。
特別職及び教育長については,勧告の対象外でありますので,従来から職員及び国の特別職に準じて取り扱ってきているところであります。
国では,
期末手当等を凍結する改正法案を提出しているところであり,総理大臣や国務大臣等の特別職について,幹部職員である事務次官や審議官等と同じく6月の期末手当の10%に当たる0.15月分を凍結することとしております。
今回の特別職や教育長の取り扱いは,これに準じて決定しているものでございますので,御理解を賜りたいと存じます。
42 ◯議長(葉梨衛君) 上月総務部長。
〔上月総務部長登壇〕
43 ◯上月総務部長 職員の士気への配慮についてお答え申し上げます。
本県では,厳しい財政状況が続いておりますので,本年度は
一般職員については
給与カットを何とか中止しましたが,管理職につきましては,一部緩和したものの,引き続き
給与カットを行わざるを得ない状況となってございます。
また,
人事委員会勧告を受けての今回の夏のボーナスの一部凍結は,民間のボーナスの支給状況が大変厳しい状況にあることや,凍結をしなければ冬のボーナスでの削減幅が大変大きくなる可能性がありますことから,やむを得ないものと考えておりまして,御理解をいただきたいと存じます。
しかしながら,また御指摘のとおり組織を支えるのは「人」でございまして,職員の士気や意欲を高めることは,組織の活性化を図る上で大変重要なことと認識してございます。
そのため,既に,新目標チャレンジなどの職員提案制度やその結果に基づきます表彰制度の導入,庁内公募によります職員配置,自主企画型の各種研修制度等によります職員のキャリア形成の支援などの取り組みを進めてきているところでございまして,加えて,職員のやる気を引き出すための新しい
人事評価制度の仕組みを整備していくことなどよりまして,活気ある職場づくりの推進に努めてまいりたいと考えております。
また,自己啓発,ボランティアや育児,介護等のための休業制度の利用促進などにも配慮し,御指摘を踏まえまして,今後とも職員の士気の維持・向上を図れるよう努めてまいりたいと考えております。
────────────────────────────
44 ◯議長(葉梨衛君) 次に,山中たい子さん。
〔12番山中たい子君登壇,拍手〕
45 ◯12番(山中たい子君) 日本共産党の山中たい子です。
職員の給与
条例改正についてです。
条例改正は,5月15日の
人事院勧告に基づき職員の特別給0.2カ月分を暫定的に凍結し,一般行政職で約8万8,000円を減額するものです。勧告は,急速な景気悪化で
民間企業の夏季一時金が減少しており,社会情勢に適応させるため
人事院勧告に準じた特例措置を講じたとしています。
人事院が実施した4月の
特別調査は,
対象事業所数が従来の1万社の5分の1で2,700社です。そのうち,夏季一時金の決定は340社で13.5%,従業員数で見ると19.7%です。公務員の給与改定のルールは,勧告でも述べられているように,前年の8月からその年の7月までの1年間に民間事業所で支払われた特別給の実態を把握し,年間の支給月数を調整することが基本となっています。ですから,
人事委員会及び人事院は,本年も例年どおりに5月から6月にかけて,78職種,約1万人の
職種別民間給与実態調査を行っています。この結果を踏まえ,秋には,凍結分をあわせ,必要な措置が勧告されることになっております。
人事委員会委員長に御質問します。
勧告は,これまでの給与改定ルールを一方的に変更するものではないでしょうか。11県は,民間における未定事業所が多いことや,
給与減額措置を既に実施していることを理由に,給与改定の勧告そのものを見送っています。勧告に当たって,独自の調査は行ったのでしょうか。
また,いまだ決まっていない県内中小企業の夏季一時金決定に及ぼす影響についてお答えください。
次に,給与削減とその影響について,知事に御質問します。
本県は,既に,本年3月までの2年間,独自に給与削減を実施し,その額は210億円です。管理職は,平成12年4月以降給与,手当の削減が継続されています。今回の勧告は,県独自の給与削減を考慮していませんが,実施すれば知事として二重の減額を行うことになります。特別給減額の対象人数とその額についてお答えください。
全市町村に対し,5月8日総務部長名で,国の取り扱いを基本にした速やかな対応を通知しました。県内全市町村で県と同様の措置がとられた場合,その対象者数と総額についてお答えください。
経済危機の打開に,地域を挙げて取り組んでいるときです。勧告の実施が,県職員とその家族はもとより,民間中小企業や地域経済など県内全体に与える影響について伺います。
以上で,質疑を終わります。(拍手)
46 ◯議長(葉梨衛君) 山中たい子さんの質疑に対する答弁を求めます。
小井戸人事委員会委員。
〔
小井戸人事委員会委員登壇〕
47 ◯
小井戸人事委員会委員 山中たい子議員の御質問にお答えいたします。
人事委員会の役割と勧告内容についてであります。
まず,最初に,通常と異なる方法で勧告を行った理由であります。
例年秋に行っている
人事委員会勧告につきましては,5月初旬から6月中旬にかけて行う
職種別民間給与実態調査の結果などを踏まえ,職員と
民間企業の従業員の均衡を図り,社会一般の情勢に適応させるという
地方公務員法の趣旨に基づき,総合的に判断し,勧告などを行っております。
本委員会が5月15日に行った勧告につきましては,急速な景気悪化による
民間企業の夏季一時金の減少を踏まえ,社会一般の情勢に適応させる必要があると判断して緊急に行ったものであり,6月期の
期末勤勉手当に限定して0.2月分凍結の勧告をしたものであります。
このようなことから,暫定措置としたところであり,今後は,例年行っております
職種別民間給与実態調査において昨年冬季の一時金を含め調査を行い,改定の要否を秋に決定することとしております。
次に,県の独自調査の実施についてでありますが,人事院が実施した
特別調査の結果を見れば,本県においても夏季一時金の妥結企業が少ないことが想定され,本県で独自調査を行ったとしても精緻な数字が把握できないことや,本県の民間の一時金は従来から全国の民間の傾向とほぼ同様な傾向にあることなども考慮して,実施しないとしたところであります。
次に,
民間企業のボーナスへの影響についてであります。
議員御承知のとおり,
人事委員会勧告は,
地方公務員の適正な給与を確保するという機能を担っており,勧告の対象は本県職員でございます。
人事院が実施した
特別調査によると,いまだ一時金について妥結していない企業が多数を占めていることにつきましては承知しておりますが,このような
民間企業への影響については,当委員会としては把握する立場にないところでありますので,御理解を願います。
48 ◯議長(葉梨衛君) 橋本知事。
〔
橋本知事登壇〕
49
◯橋本知事 山中たい子議員の御質問にお答えいたします。
今回の
期末手当等の凍結措置とその影響についてであります。
まず,県職員が6月に支給される
期末手当等の10%を凍結されることによる影響額でございますけれども,約3万3,000人で約30億円の額が凍結されることになってまいります。
また,市町村につきましては,今まさに
条例改正案が審議されている段階で,確定しているわけではございませんけれども,国と同じ内容で実施されますと,市町村職員の場合,過去の支給実績額から試算いたしますと,約2万5,000人余で19億円となることが見込まれます。
なお,県内経済,特に消費に及ぼす影響等が予想されるところでございますけれども,その影響額については具体的な数値は試算しておりません。
────────────────────────────
50 ◯議長(葉梨衛君) これで
上程議案に対する質疑を終了いたします。
────────────────────────────
地方公務員法第5条第2項の規定による
人事委員会の意見
51 ◯議長(葉梨衛君) 次に,第81号議案について,
地方公務員法第5条第2項の規定により
人事委員会の意見を求めます。
小井戸人事委員会委員。
〔
小井戸人事委員会委員登壇〕
52 ◯
小井戸人事委員会委員 第81号議案職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例について,意見を申し述べます。
本議案は,本委員会が去る5月15日に議長及び知事に対して行った職員の
期末手当等に関する報告及び勧告を踏まえ,本年6月期の職員の期末手当の支給割合等について所要の改正を行おうとするものであり,適当なものと認めます。
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53 ◯議長(葉梨衛君) お諮りいたします。第81号議案及び報告第2号につきましては,
茨城県議会会議規則第38条第3項の規定により委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
54 ◯議長(葉梨衛君) 御異議なしと認め,さよう決しました。
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55 ◯議長(葉梨衛君) これより討論に入ります。
討論の通告がありますので,これを許します。
大内久美子さん。
〔13番大内久美子君登壇,拍手〕
56 ◯13番(大内久美子君) 日本共産党の大内久美子です。
通告した議案に反対討論を行います。
第81号議案は,職員の給与改定条例です。夏季一時金を0.2カ月分減額し,一般行政職の平均で約8万8,000円に上ります。公務員の特別給は,毎年5月から実施される
職種別民間給与実態調査において,前年の8月からその年の7月までの1年間に
民間企業で支払われた一時金の実施を精確に把握し,官民較差を算出した上で決めてきました。
ことし6月の夏季一時金は,既に昨年の
人事院勧告で決まっていました。ところが,人事院は,突然4月に調査をして,夏季一時金削減の勧告を5月1日に出しました。今までのルールを一方的に踏みにじるものであり,認めることはできません。
調査のずさんさという点でも問題があります。対象企業は従来の5分の1で,対面調査も行われていません。しかも,
民間企業で一時金の労使交渉が妥結した企業は1割にすぎません。人事院みずからデータ確保の精確性などの不確定要素があると認めるように,勧告制が持つ精確性を損なうことは明らかです。
しかも,本県は,総務省の通知を5月8日に受け,同日に同文の,国の取り扱いを基本として,支給基準日を踏まえれば速やかに対応する必要があると,各市町村長に総務部長が通知を出しました。
独自の調査も行わず,即刻国に従い,市町村にも事実上強要する姿勢は,
地方分権の流れと地方自治の趣旨に逆行するものです。
11県は,給与改定勧告そのものを見送りました。一時金の削減が社会的に与える影響は重大です。県の公務員約3万3,000人,市町村は2万5,000人です。夏季一時金が決まっていない9割近くの民間労働者の賃金にも,否定的な影響を与えるものです。
今,深刻な景気悪化の中で,外需頼みから内需主導の経済対策に切りかえるために,家計を応援することが求められています。政府は,景気回復として内需拡大の補正予算を出したと言いながら,内需を冷やす一時金削減の前倒しでは,道理はありません。消費低迷と景気悪化の悪循環を加速させることにしかなりません。なぜこんなに急いだのでしょうか。
政府・与党が人事院に圧力をかけ,人事院が労働基本権剥奪の代償機関としての中立公平な
第三者機関の立場を投げ捨ててしまったことによるものです。よって,同意できません。
報告2号は,県税条例の一部改定で,個人県民税の上場株式等の配当及び譲渡所得利子税率を5%から3%に2011年まで3年間延長するものです。既に,2005年から2007年まで本県では80億円も減額されております。大資本家優遇の不公平税制には反対です。
以上で,討論を終わります。(拍手)
57 ◯議長(葉梨衛君) 以上で,通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終了いたします。
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58 ◯議長(葉梨衛君) これより採決に入ります。
第81号議案及び報告第2号を一括して問題といたします。
お諮りいたします。本件は,原案のとおり可決及び承認するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
59 ◯議長(葉梨衛君) 挙手多数であります。よって,本件は原案のとおり可決及び承認されました。
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60 ◯議長(葉梨衛君) 以上で,今臨時会に付議されました案件はすべて議了いたしました。
これをもって,平成21年5月
茨城県議会臨時会を閉会いたします。
午後2時43分閉会
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