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  1. 茨城県議会 2008-12-17
    平成20年予算特別委員会  本文 開催日: 2008-12-17


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                 午前10時30分開議 ◯新井委員長 ただいまから,予算特別委員会を開会いたします。        ─────────────────────────── 2 ◯新井委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  荻津委員山中委員にお願いいたします。        ─────────────────────────── 3 ◯新井委員長 次に,本日の委員会につきまして,撮影・録音の許可願いが出され,委員長においてこれを許可いたしましたので,御報告いたします。        ─────────────────────────── 4 ◯新井委員長 これより議事に入ります。  本委員会に付託されました案件の審査を行います。  本委員会に付託されました案件は,第118号議案及び第119号議案の2件であります。  これらの案件を一括して議題といたします。  これより,通告に従って質疑を行います。  お手元に,去る12月12日に開催しました理事会の決定事項を配付してあります。これに基づいて質疑を行いますので,御協力をお願いいたします。  なお,質疑,答弁は,要点を簡潔明瞭にお願いいたします。  また,関連質疑につきまして,委員から希望がある場合には,挙手をしていただきまして,まず,質疑内容と答弁者につきまして,具体的に御説明いただきます。  その後,委員長においてこれを認めた場合に限り,答弁を含め10分以内で実施することといたします。  なお,関連質疑の内容と答弁者については,通告の範囲内として,簡潔明瞭にお願いいたします。  それでは,これより質疑に入ります。  最初に,加倉井委員
    5 ◯加倉井委員 自由民主党の加倉井昭喜であります。  早速ですが,通告に従いまして,知事並びに関係部長に質問をいたしますので,御答弁方よろしくお願い申し上げます。  まず,労働分配率向上への取り組みについて,知事にお伺いをいたします。  我が国では,平成14年2月から始まったいざなぎ越えと言われた戦後最長の景気回復も,ついに国民がその実感を持てないまま終わりを告げました。私は,そうなった原因の一つとして,この長い景気拡大局面においても,労働分配率が低下をし続け,実質賃金も下げどまりを見せないという実態があったことを挙げたいと思います。  労働分配率の低下が戦後最長の景気回復を実感しにくいものにした原因の一つになっていると思うのです。  一方,企業側から見れば,世界が同じ土俵の中で競い合う大競争時代において,その収益の中から将来の経営環境の変化に備えるための内部留保をふやしたり,株主重視の流れの中で,株主配当の割合を高めたりしていかざるを得ない事情があったのではないかと思っております。  ところで,某中央紙の報道によれば,橋本知事は,先月11月27日に立命館大学で開催された全国知事リレー講座において,約600人の学生を前に,労働分配率の問題に触れられ,景気回復には内需を喚起すればよいのに,労働分配率を上げないで給料を抑制してきたことが景気回復の足かせになってきたという趣旨の発言をされております。  そこで,まず,我が国の労働分配率の現状について,知事はどのように認識されているのか,お伺いをいたします。 6 ◯新井委員長 加倉井委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 7 ◯橋本知事 我が国の国民所得の分配におきましては,雇用者報酬や家計部門の利子,受け取る利子がこの10年間で下がってきております。一方,先ほど御質問にもありましたように,配当などにつきましては,10年前0.6%だったのに,今,2%という形で随分とその割合が上がってきておるところでございます。これは,先ほどのお話にございましたように,グローバル化が進む中で株主重視という傾向も出てきたことなどによるやむを得ない面もあるかとは存じます。  ただ,一方で,例えば,ILOの統計によりますと,この10年間でアメリカ産業分類別の1時間当たりの賃金というのは,95年と比べて約44%上がっているんですけれども,日本の場合は,2006年レベルでマイナス2.5~2.6%という状況になっております。こういった状況が,ひいては,例えば,農産物も値上がりしては買えないとか,あるいは水産物も買えないとかいうことにも結びついていくわけでありますので,私としては,内需というものを喚起して,いいスパイラルに持っていくためにも,もう少し雇用者報酬というものを上げていく労働分配率を上げていくべき時期だったのではないかなと考えておりましたので,そういったことについて学生諸君に申し上げたところであります。 8 ◯加倉井委員 ただいま,知事の方から,過去10年間にわたる国内の雇用者報酬の推移,あるいは配当,あるいは企業所得の推移等も御説明がありました。また,外国,アメリカとの対比でのお話もありました。  私も,どちらかというと,知事と似たような感触を得ておりまして,我が国の経済構造,これまでの外需依存型の経済構造から内需と外需のバランスがとれた経済構造にシフトしていくことが中長期的には求められているというふうに思います。  現在,猛威を振るっているアメリカ発の金融危機は,ヨーロッパ諸国や中東の産油国ばかりではなく,我が国にも押し寄せて,まさに世界同時不況の様相を呈しております。このような中,我が国を取り巻く経済環境は,先月のトヨタショックに象徴されますように,これまでのように輸出だけに依存した経済成長が当面は期待できない状況となってきております。ここに来て,急速に輸出関連企業を初め,多くの中小企業などが厳しい経営環境に置かれており,このまま景気後退が進めば,企業はこれまで以上に人件費の抑制に走ってしまうことが懸念されます。既に景気後退の波が雇用環境に深刻な影響を及ぼし始めており,自動車や電気関連などを中心に大規模な人員削減が行われているとの報道もなされております。  しかし,輸出だけに依存しにくい時期にあるからこそ,企業にはできるだけ雇用を確保し,あわせて人件費の割合を高めていく努力が求められているのではないかと考えます。そして,その企業の姿勢こそが個人消費を促し,内需の喚起にも大きく寄与して,ひいては我が国経済の危機的な状況の打開や最終的には個々の企業の経営改善につながっていくのではないかと考えております。  私は,我が国の労働分配率の課題について,知事に,学生たちの前で講演するだけでなく,実際の当事者である経済団体や実業団体などの方々に対しても,ぜひ働きかけをしていただきたいと考えております。  そこで,知事は,これまで,我が国における労働分配率の課題について,どのような場でお話をされてきたのか。また,内需を喚起し,我が国の経済を回復させていくための労働分配率のあり方について,知事の御所見をこれからどのように広めていこうとしておられるのか,お伺いをいたします。 9 ◯橋本知事 今,委員からるるお話があったわけでございますけれども,内外需という関係で言いますと,私は,外需というものもこれから大変重要な要素であり続けるのだろうと思っております。日本の場合には,食料6割輸入,エネルギー8割輸入ということでございますから,外貨を稼がなければいけないわけでございまして,そういった点で,外需の重要性というものが下がっていくことはないのだろうと思っております。  ただ,一方で,今回の危機の中で,例えば,お隣の韓国,大変な状況に陥っているわけでございますけれども,これについては,やはり外需依存度が高過ぎた。例えば,貿易の対GDP比率で見ますと,韓国は72.7%になっている。日本の場合は28.1%であります。これがいろいろな形で差になってきているのではないかといったようなことも言われておるところでございます。  したがいまして,内需もしっかりと力をつけていく,そして,外需についても,これまで同様に外貨を稼ぎ,日本の食料,エネルギーを変えるような体制をつくるために,しっかりとしたものに育てていく。この両方が相まって調和しながら進んでいくことが必要ではないかなと思っております。  そういうことによって,国内の購買力というものも上げていかなければいけないわけでございますけれども,ただ,総理も,産業界の代表との懇談会において,雇用の安定とあわせた賃金引き上げを求められたところでありますけれども,今の状況だと,本当のところ言いまして,なかなか雇用を守るのが精いっぱいなのかなと思っております。ただ,そういう状況ではございますけれども,これから仮に企業業績などが上向いていった場合には,これまでのような株主配当へかなり力を入れるという形ではなくて,雇用者の方に目を向けてほしいなという気持ちは強く持っておるところでございます。  そういうことを前提にしながら,これまでいろいろな場所でも労働分配率をもう少し変えたらいいのではないかということを申し上げてまいりました。例えば,早いものですと,平成18年度の2月に,私は,産業労働懇話会の中で,既にそういったことを申し上げているところでございまして,最近で言いますと,先般の立命館大学知事リレー講座,あるいは先月の28日に行われました内外情勢調査会茨城県内支部合同懇談会などでもお話を申し上げてきたところでございます。これからも,総理もいろいろ言っておられることでもありますし,私としても,もう少し労働分配率という方に目を向けていかないと,日本の一般庶民の方々といいますか,こういった方々が大変な状況になっていってしまうのではないかと心配をしておるところでございますので,委員の御指摘のように,これからもいろいろな場所で,機会があれば申し上げていきたいと思っております。 10 ◯加倉井委員 今回の経済危機は,100年に一度しか起こらないたぐいのものだと言われております。そうであるならば,その渦の中にいる個人も企業も,国,地方公共団体も,起こりつつある現実を厳しく,正確に見据えた上で勇気を持って対処していくことが今まさに求められているのではないかと思います。  ただいまの知事の答弁に沿った今後の取り組みに大いに期待しつつ,次の質問に移らせていただきます。  次に,地方分権改革推進委員会の第2次勧告に対する評価について,知事にお伺いいたします。  先週,12月8日に政府の地方分権改革推進委員会は,ことし5月の第1次勧告に続き,地方政府の確立に向けた地方の役割と自主性の拡大と題した第2次の勧告を行ったところであります。  今回の勧告では,地方自治体の自治事務に対し,国が法令で事務の実施やその方法にしばりをかけている,いわゆる義務づけ,枠づけの見直しと国の出先機関の見直しを2本の柱としております。  勧告の内容を見てみますと,まず,義務づけ,枠づけの見直しについては,約1万にも及ぶ条項を委員会が丹念に精査し,福祉施設の最低基準や道路構造令など約4,000もの条項に関して見直しが必要であるとの判断を示しております。  今回,自治体の条例制定権の拡大に向けた,このような勧告がなされたことは,私も積極的な評価をしているところであり,一連の報道を見ておりましても,この点については,橋本知事を初め多くの知事が肯定的な評価をされているようであります。  しかし,私が一番心配しておりますのは,もう一つの柱である国の出先機関の見直しの方であります。今回の勧告では,地方への権限移譲などで業務を縮小し,出先機関の職員を3万5,000人程度削減するとともに,現在の9機関は統合などで廃止,うち,国土交通省地方整備局など6機関について企画立案部門仮称地方振興局に,地方の公共事業の実施部門については,仮称地方工務局にそれぞれ統合するとしております。  先週の全国紙の報道によれば,今回の勧告に対するアンケートに対して,橋本知事は,大阪や兵庫の知事とともに,出先機関の見直しに関しては,全く評価しないとお答えになっているようであります。  そこで,今回の第2次勧告中,知事が出先機関の統廃合について,全く評価しないとお答えになった理由について,まずお伺いをしたいと思います。 11 ◯橋本知事 随分,丹羽委員長,強いリーダーシップを発揮してこられておりまして,精力的な議論を重ね,各府省の激しい抵抗を排して勧告がなされたことについては,私どもも大変すばらしいことだなと敬意を表する次第でございます。また,お話にございましたように,義務づけ,枠づけの見直しについて,初めて詳細に踏み込んだということについても評価をしております。  しかしながら,一方で,国の出先機関の見直しにつきましては,先月,麻生総理みずから大変踏み込んだ発言をされているわけでございまして,私どもとしては,それを踏まえて抜本的な対応案といいますか,提案というものがなされるものと考えておったところでございますが,なかなかそういった方向に行っていない。特に,きのう改めて緊急の地方分権改革推進委員会が開催されまして,3万5,000人の人員削減は,勧告事項であるということを確認されたようでございますけれども,こういった形で何とか本格的な対応というものを後送りにできないかといったような感じがにじみ出ておりまして,そういう点で,私どもとしては,国が本気で取り組もうとしているのかどうかということについて大変強く疑問を感じておるところでございます。  特に,地方整備局地方農政局など6つの出先機関を統合した巨大ブロック組織を設置することとしていることについては,我々の期待とは大変かけ離れているわけでございますし,また,国と地方の二重行政の排除をうたう勧告の趣旨とは異なる方向になっているのではないかなと思っております。  さらに,こういったものができますと,これまで以上に国の方が強くなっていってしまうということも危惧されるところでございますので,そういった意味で評価できない旨を回答させていただいた次第であります。 12 ◯加倉井委員 ただいまの知事の御答弁の中にも,6機関の統合によって企画立案部門の統合の機関として地方振興局,また,公共事業の自主部門については,地方工務局がそれぞれ中間に大きな形で位置してくる懸念があるというお話がありました。私も,今の知事の御答弁をお聞きして,私と方向的には全く同じ気持ちでいらっしゃること,それを聞いて私も安心をいたしました。  ところで,だとすれば,知事がお考えになる望ましい国と地方の役割のあり方や地方分権の最終的な姿とは,どのようなものなのか,御所見をさらにお伺いをしたいと思います。 13 ◯橋本知事 御承知のように,今,世界的な大競争の時代になっておるわけでございます。そういう中で,どうやって日本が発展していくかということになりますと,いろいろな発想をどんどん出してきて,その中からいいものを残していくという形にすることが必要ではないかなと思っております。  これまでのように,中央官庁が考えて,それを画一的に地方に実施させるという形では,とてもではありませんけれども,さまざまな発想というものは出てきにくいのではないかなと思っております。数は力という言葉がございますけれども,やはり数少ない中央省庁の人が考えるよりは各地方で大勢の人たちが考えた方がさまざまな考えも出てくるわけでございますし,あるいはまた,それぞれの地域,特色といったものに合った考えも出てくるのではないかなと思っております。そういった点で,もっともっと地方が自由にやれるような体制をつくっていって,新たな発想を生み出し,地域を発展させいくことが必要ではないかなと考えております。  そういうことを踏まえた上で,私の考え方としては,例えば,日本再建のための行政改革を推進する700人委員会というものがございますが,ここが去る3月27日に道州制に関する提言を出されました。それによれば,中央政府は,外交,防衛,通貨,金融,国の税財政,通商政策,国の治安,経済,法制,司法等,その性格上,地方公共団体が処理することになじまない事務,あるいは大規模災害等に関する事務などを担当することとしておりまして,教育,福祉,環境など,国民生活にかかわる内政の大部分は,地方自治体が担当すべきものとされております。このように,国は,国本来の役割に専念して,その他の内政の大部分に関しては,住民に身近な地方が主体的,かつ総合的に担うことを基本として,自治行政権自治立法権自治財政権といったものを持った地方政府中央政府と対等な形で確立していくことが個性豊かで創造性と活力に満ちた社会を実現していくための真の分権型社会の姿ではないかなと考えております。 14 ◯加倉井委員 ただいま,知事が述べられたような理想の分権社会を実現していくためには,税財源移譲の問題を含めて,まだまだ乗り越えなければならない大きな壁が立ちふさがっているような気がいたしております。  ことし5月の第1次勧告に続き,今回の第2次勧告が出されるまでの地方分権改革推進委員会での議論を見ておりましても,各省庁の分権改革に対する抵抗は激しさを増すばかりのようであります。先ほど,3万5,000人の人員削減の再確認ということを地方分権改革推進委員会が昨日緊急に行ったということを見ても明らかかと思います。  しかしながら,地方政府の確立を目指す地方分権改革は,我が国の将来の発展のためにはどうしても欠かすことのできない改革であると,私も深く認識しているところであります。  そこで,最後に,今,知事がおっしゃったような理想の分権社会を実現していくために,具体的にどのように取り組んでいくお考えなのか,御所見をお伺いしたいと思います。 15 ◯橋本知事 私は,今のような形でやっていってもなかなか根本的な解決にはならないのかなと思っております。政府の地方分権改革推進委員会,大変熱心に委員長さんが強いリーダーシップを発揮してやっていただいているところでございますけれども,現行の国と地方の関係を前提にして,国が持っている権限を少しずつ地方に移していくというやり方では,先ほど申し上げたような真の地方分権の実現にはつながってこないものと考えております。先ほどの700人委員会の提言にもございましたように,基本的に国が何をやり,地方が何をやるべきかという国と地方の役割分担の徹底した見直し,基本というものを立てた上で,それに伴っての税財源の配分ということを考えていかなければならないと考えております。  したがって,現実問題考えれば,すぐそこまでというわけにはいかないかもしれませんけれども,地方分権改革推進委員会としては,今後,政府の改革工程表が策定されるそうでございますので,その前に,まずはさらなる権限の移譲や財源,人材の確保策等について追加の勧告をまとめてほしいと思っておりますし,さらに,来春にも予定されております第3次勧告では,こうした事務権限と一体となった財源の移譲はもとより,地方の自主性,自立性を高め,地方税財源の充実強化が図れるような勧告を行うべきであると考えております。  ただ,いずれにしましても,各省庁,大変強い抵抗をしてくることは間違いないわけでございますので,総理を中心とする内閣の強いリーダーシップのもとで,政府を挙げて改革に取り組んでいくのだということをきっちりとやっていただかないと,なかなか実現できないのではないかなと思っております。何としても,地方分権改革をやり遂げるという強い気概,覚悟を持って,私ども地方自治体としても,国に意見を申し上げていく必要があるのだろうと思っております。 16 ◯加倉井委員 ただいまの分権改革に対する知事の決意をお聞きいたしまして,私も大変心強く感じたところであります。どうか,今後とも一層の地方分権の実現に向けて,全国の知事の先頭に立って取り組んでいかれることを大いに期待しております。  以上で,知事に対する質問を終わらせていただきます。  知事,ありがとうございました。  次に,県税徴収率向上策とその効果について,総務部長にお伺いいたします。  先ほども述べましたとおり,アメリカの金融危機に端を発した世界同時不況は,我が国の実態経済にも急速に影響を及ぼし始めており,県の基幹税目である法人二税などを中心に県税収入の落ち込みが大変心配をされている状況にあります。  また,三位一体改革を隠れみのとした国の一方的な地方交付税の削減によって,本県の財政状況はまさに危機的な状況にあり,自主財源である県税収入を確保するため,最大の努力をしていかなければならない時期にあると考えております。  しかし,昨年度の県税全体の徴収率を見てみますと,96.4%と全国41位の低い水準にとどまっているのが現状であります。今後,景気の後退による法人二税の減少など,税収減が確実に見込まれる中,税の滞納をこのまま放置することは,財政面への影響はもちろんのこと,納税者に不公平感を与え,地方税のシステムそのものへの信頼を失うことにもつながりかねません。そのためにも,景気が後退局面に入った今だからこそ,県税徴収率を何としても向上させていく必要があるのではないかと考えております。  こうした中,特に県民税の昨年度の徴収率を見ますと,92.8%で,全国ワースト5位,収入未済額では,実に約70億円と全体の半分を占める状況にあります。加えて,税源移譲の影響により,県税全体に占める個人県民税のウエートが高まっていることから,この税目の徴収率の向上に重点的に取り組んでいくべきであると考えております。  そこで,まず,本県の個人県民税の徴収率が全国的に見て下位にとどまっている原因について,どのように考えておられるのか,総務部長にお伺いをいたします。 17 ◯上月総務部長 お答え申し上げます。  個人県民税の徴収率が全国下位にとどまっております原因といたしましては,さまざまな事情が考えられるわけでありますが,個人県民税は,個人市町村民税とあわせまして,賦課徴収を市町村で行っていただいておりますが,これを行っていただいております市町村におきまして,これまでは,団体によりましては,徴税のための専門的な組織を設置していないなど,税の徴収体制が不十分であったというふうに考えられること,また,財産の調査,差し押さえや滞納処分の執行停止についての市町村職員の経験や徴収の技術が不足していたというふうに考えられること,また,市町村が住民に最も身近な行政主体でありますことから,意識の面というのだと思いますが,差し押さえや公売などの強制的な手段になかなか踏み切りにくく滞納整理が不徹底だったというふうに感がられますこと,さらには,徴収率が次第次第に低くなるに連れまして,住民の納税に対する意識が低くなっていくようなことになってしまっていたのではないかというふうに考えられますことなどの事情が複合的に絡んでいたのではないかというふうに考えてございます。 18 ◯加倉井委員 ただいま,個人県民税の徴収率が低い原因についていろいろ御答弁をいただきました。  それでは,そのような分析をされた上で,県では,これまでに,個人県民税の徴収率向上対策にどのように取り組まれ,具体的にどのような効果があらわれているとお考えなのか,お伺いをいたします。 19 ◯上月総務部長 県といたしましては,これまで,徴収確保対策会議ということで,収税だけではなくて,ことしは,課税の方の担当課長さんにも一緒に集まっていただきまして,そういった会議を開いたり,また,市町村税の徴収状況を直接担当課の方でヒアリングを行ったりいたしまして,その中で,先進事例の紹介,あるいは徴収体制の整備や税収確保の方策などにつきまして助言などを行ってまいりました。  また,平成18年度からは,県,市町村間における税務職員の相互交流や併任制度を実施しているところでございまして,本年度までに27の市町村との間で税務職員の相互交流,あるいは県税の職員の派遣を行いまして,滞納事案に係ります現状分析,あるいは処理方針の策定についての助言や滞納整理の実践的なノウハウを提供いたしましたほか,収納課の設置など徴収体制の整備強化につきましても,助言を行ってまいりました。  昨年度までに県税務職員を派遣いたしました21市町村の徴収率は,平均で3.5ポイント上昇いたしておりまして,その他の市町村の2.5ポイントを1.0ポイント上回っておりますなど,一定の成果が出ているものと考えております。  さらに,財政再建等調査特別委員会におきましても御審議をいただきまして,平成19年度の徴収率がかなり低い,90%以下というかなり低い市町村に対しましては,その後,県単の補助金を削減しますという方針もお示しをいたしまして,各市町村に対しまして一層の取り組みを促したところであります。  このため,平成19年度は,市町村合計で見ますと,差し押さえの件数も1万528件と前年度の1.8倍というふうになっておりますなど,滞納対策への取り組みが比較的に積極的になってきたかなというふうに考えております。  また,現在では,ほぼすべての市町村におきまして,徴収専門の課,または係が設置されております。  これら取り組みの効果によりまして,平成19年度の個人県民税の徴収率は,前年度を2.9ポイント上回る92.8%となっておりまして,この伸び率自体は,全国で2番目に高いという結果になっております。また,全国順位は,前年度から3つ向上しまして43位となりました。まだまだもちろん改善していかなければいけませんが,一定の成果があらわれてきていると考えております。 20 ◯加倉井委員 これまでの取り組みとその効果については,ただいまの御答弁でよくわかりました。しかし,個人県民税の徴収率の現状を見ますと,徴収率向上に向けたさらなる取り組みが求められると思いますが,今後どのような対策を考えているのか,お伺いをいたします。 21 ◯上月総務部長 今年度は,これまで成果を上げてまいりました県税務職員の派遣などを引き続き実施いたしますとともに,節目節目の時期に市町村を直接訪問いたしまして,税源移譲により増加しました税額を最大限に確保できますように,それぞれの団体の課題に応じまして,例えば,合併後の体制づくりでありますとか,そういった団体ごとの課題に応じまして,個別的,具体的な助言を積極的に行うなど,市町村の徴税力強化に向けまして,これまで以上にきめ細かな支援,助言に取り組んできているところであります。  また,徴収率による県単補助金の削減につきましては,一定程度順位も上がりましたが,まだまだ全国43位と依然として低い状況にありますこと,あるいは税源移譲の影響などによりまして,平成20年度は,特に滞納繰越額が大幅に増加してきてございます。それによりまして,徴収率の低下も懸念されますことを勘案いたしまして,平成20年度の個人県民税の徴収率に対しましても,引き続き適用することとしまして,先月,市町村に通知をいたしました。  さらには,滞納額の大きい市町村などを対象にいたしまして,県と市町村が共同で行います特別共同滞納整理を重点的に実施しますほか,県内の特別徴収義務のある事業所に対しまして,個人住民税の給料天引きの要請を行いますとともに,茨城租税債権管理機構の一層の活用を図っていくことといたしております。  これらによりまして,市町村の取り組みを支援し,徴収率の向上を図ってまいりたいと考えております。 22 ◯加倉井委員 地方税の徴収率が低いままでは,今後さらなる税源移譲を国から勝ち取る障害にもなりかねないと考えております。茨城の徴収率向上対策が全国の地方自治体のモデルとなるよう頑張っていただきたいと思います。  以上で,総務部長への質問を終わらせていただききます。  総務部長,ありがとうございました。  最後に,地域での地球温暖化防止活動の推進について,生活環境部長にお伺いいたします。  国が発表した昨年度の温室効果ガス排出量の速報値によれば,その排出量は,京都議定書の約束した1990年比マイナス6%の目標に近づくどころか,逆に8.7%増加している状況となっております。  温室効果ガスの排出量を部門別に見ますと,企業,公共部門からその約8割が排出されておりますが,家庭部門においても,家電製品の普及や大型化,世帯数の増加などにより,基準値と比べ41.1%増と大幅に排出量が増加している状況にあります。このようなことからも,省エネ型の日常生活の実践など,まずは家庭における二酸化炭素の排出削減に向けた取り組みを積極的に推進していくべきと考えております。  そこで,家庭部門からの排出削減に向けて,県ではどのような施策を行っているのか,まずお伺いをいたします。 23 ◯馬場生活環境部長 お答えいたします。  本県におきましても,家庭からの排出量は,基準年である1990年度と比べて22.3%増加している状況にございまして,家庭部門における削減というのは重要な課題となっております。  そういった家庭部門からの排出を抑制するための施策でございますけれども,日常生活の具体的な省エネの方法を17の事例で示しましたエコチェックシート,こういうのを作成し,17万部配布するとか,あるいは1人1日1キログラムCO2削減私のチャレンジ宣言への登録を市町村と協力して働きかけたりしております。さらに,今年度からは,各家庭の白熱電球を電灯型蛍光ランプに切りかえてもらうなどの家庭でのエコライフの実践を促進しているところでございます。 24 ◯加倉井委員 ただいま部長から,家庭部門での対策について御答弁をいただきましたが,私の地元でも,ことしの1月には筑西市明野商工会の青年部が中心となって,県内大学の地球温暖化防止対策の第一人者である教授を招いて,中学生を対象に地球温暖化と私たちの未来をテーマに公開講座を開催するなど,積極的な取り組みを進めております。  また,明野商工会では,その公開講座を担当された大学教授の指導をいただきながら,温暖化防止活動を展開するためのエコの木プロジェクト部会を立ち上げたところでもあります。  私は,まだほんの小さな動きかもしれませんが,県内各地域において,このような地球温暖化防止のための地域活動の芽が徐々に芽生え始めてきているのではないかと考えております。このような地域での地道な活動が積み重なり,さらには連携していくことによって,地球温暖化防止の大きなうねりが県内一円に広がっていくことを期待しているところであります。  そこで,そのような地域の活動を推進させる施策をどのように行っているのか,時間の範囲内でお伺いをいたします。 25 ◯馬場生活環境部長 委員御指摘のように,地球温暖化防止のための地域活動というのは,県内でも多くの事例が見られるようになりました。そういった地域における環境保全活動をさらに活性化するためには,エコの木プロジェクトもそうだと思いましたけれども,核となるリーダーが必要でございます。そのため,環境保全のリーダーを養成する講座ということで,エコカレッジを開催するとともに,リーダーが地域で行う環境学習活動を支援いたしますために,環境アドバイザーの派遣を行っています。  また,エコカレッジの修了生などを中心に261名を地球温暖化防止活動推進員として委嘱して,各地域における地球温暖化防止活動のリーダーとして御活躍いただいているところでございます。 26 ◯加倉井委員 それでは,生活環境部長ありがとうございました。  以上で,質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 27 ◯新井委員長 はい,御苦労さま。  次に,佐藤委員。 28 ◯佐藤委員 民主党の佐藤光雄であります。  通告に従い,質問を行ってまいります。  私ども,12月3日に民主党県議団として,知事に対して県政要望をさせていただいた中で,緊急要望として申し上げましたように,雇用対策と中小企業への支援について,しっかりとした対策を講じるようお願いをさせていただいたところであります。  まず,その点について,知事にお伺いをしてまいります。  これまでの雇用情勢は,就職氷河期とも言われた時代の若者の就職支援,あるいは年長フリーターの対策,そして労働者派遣法の改正などにより,非正規雇用の拡大が進み,雇用と賃金の格差是正の対策が求められている中で,追い打ちをかける形で,サブプライムローンの問題に端を発した世界的な金融危機は,実体経済に影響を及ぼし,世界同時不況に陥っております。
     国内では,急速な円高と株安のもと,外需の減少,物価の高どまり,そして家計への大きな影響があり,内需と地域経済の低迷が続いている状況にあります。  こうした状況のもとで,雇用情勢も厳しさを増しつつあり,大企業の雇用調整と生産調整といった形で影響が出始めております。  このような大企業による雇用調整が進められる結果,本県内の雇用情勢については,求人の減少に加え,有効求職者の増加が進み,下降局面にあるとされており,このところのマスコミにおいても,派遣労働者等の解雇,あるいは新卒者の内定取り消しなどのニュースが取りざたされております。  県内においても,非正規労働者など626人が失業,または失業する可能性があるとの報道がされておりますが,このような状況を踏まえ,現在の県の雇用情勢をどのように認識されていのるか。また,大企業の生産調整の影響は,県内中小企業の経営に深刻な影響も及ぼしているものと考えますが,県内中小企業の現状について,どのように認識されているのか,あわせて知事にお伺いをいたします。 29 ◯新井委員長 佐藤委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 30 ◯橋本知事 まず,雇用情勢についてでございますが,県内の有効求人倍率は0.80倍と,ことし10月現在でなっておりまして,全国と同じ水準になっておりますが,6月以降,5カ月連続で低下をしてきております。  そしてまた,月ごとの雇用保険受給者数の人口1,000人当たりの実人員というもの,これは本県全国で最も少ない数となっておるところでございますが,受給者数の対前年比,ことし8月まで5年以上にわたり連続して減少してきておりましたものがここに来て,9月から2カ月連続の増加となっております。  さらに,離職者のうち事業主の都合による離職者数というものが5カ月連続して増加してきているところであります。  このような中で,委員御指摘のとおり,昨今,派遣労働者等の解雇,新卒者の内定取り消しなどの深刻な問題が生じておりますが,私といたしましては,現在の本県の雇用情勢,ますます厳しさを増しつつあり,景気の先行きを考えますと,さらに厳しくなることが懸念される状況にあると認識しております。  次に,中小企業の現状でございますけれども,日本銀行水戸事務所の11月発表の調査によりますと,企業の収益環境は悪化しており,一部の中小零細企業では,資金繰りが厳しくなっているとされ,一昨日発表の短観におきましても,業況が悪いとする企業が大幅にふえております。  こうした中で,県や商工団体には融資や保証を利用したいとの相談が数多く寄せられており,商工団体によっては,相談が4倍近くふえたとの話も聞いております。  また,保証協会の保証承諾額も9月まで,実は前年割れが続いておったのですけれども,10月は対前年で104%,11月が112%と急速にふえてきております。  さらに,先日,関東経済産業局や水戸財務事務所と合同で実施しました県内中小企業のヒアリングや県や商工団体に寄せられております相談におきましても,建設業や印刷業などで原材料価格の上昇を価格転嫁できないといった声や製造業で自動車や半導体,家電関連の受注が大きく落ち込んでいるといった声など,厳しい経営の状況を聞いているところであります。  このようなことから,全体的に見ますと,県内中小企業の経営環境は大変に厳しさが増してきているものと認識しております。 31 ◯佐藤委員 ただいまの雇用,あるいは中小企業についての厳しさが一層進んでいるという御認識をいただきました。そのことを踏まえて,県として,県民生活を支える雇用対策をしっかり進めるとともに,企業の大多数を占める中小企業の育成に力を入れ,産業大県を目指してきた本県として,このような状況のときこそ,しっかり支えていかなければならないと考えております。  雇用対策と中小企業対策への取り組みをどのようにしていくのか。また,中小企業の方から金融機関に融資を申し込んでも貸してもらえないという話も何件か受けているところでございます。実効ある制度融資の周知,運用など具体的にどのような対策をとっていくのか,知事にお伺いいたします。 32 ◯橋本知事 まず,雇用対策についてでございますけれども,国では,去る12日に雇用問題及び企業の資金繰り確保を最重要課題に掲げました生活防衛のための緊急対策を取りまとめたところでございます。こうした中で,茨城労働局におきましても,今週末にも緊急雇用対策本部を設置することとしておりますので,商工労働部長を初め,関係各課長を参画させ,雇用調整などによる離職者の再就職支援や新卒者の採用内定取り消し問題等に国と連携して取り組んでまいります。  県といたしましても,引き続き,茨城就職支援センターにおきまして,若年者や中高年者等の就職支援を行いますとともに,企業説明会や就職面接会を開催し,高校生や大学生の就職活動を支援してまいりますほか,離職者の再就職や内定を取り消された学生の就職支援を図ってまいりたいと存じます。  また,解雇等に関する相談につきましては,茨城労働相談センターにおいて積極的に対応してまいります。  次に,中小企業対策でございますけれども,目下,中小企業の最も切実な問題は,売上や受注の減少,あるいは運転資金などをいかに確保するかといったことでございます。その資金繰りを支援するため,本定例会において,融資枠160億円規模のセーフティーネット融資の補正予算をお願いしているところであります。  この融資につきましては,年末の資金需要にこたえるため,緊急措置として,既存の融資枠を使い,去る11月21日から実施をしておりますが,県内中小企業に十分に活用していただけるよう新聞広告やホームページへの掲載,メールマガジンによる情報提供,関係機関を通じたリーフレットの配布などにより周知徹底を図っているところでありまして,開始後わずか3週間で132件,21億円が既に保証の承諾を受けている状況にございます。  昨年度のセーフティーネット融資が月平均37件であったことを考慮しますと,中小企業の資金繰りが相当逼迫している状況がうかがえるものと考えております。  また,制度の開始以降,県庁に230件を超える融資相談が寄せられておりますが,中には,御指摘のとおり,金融機関が融資に消極的だといった相談もありますので,この制度をより実効あるものとするため,19日,水戸財務事務所や関東経済産業局と共同で開催する会議の場におきまして,金融機関等の関係者に対しまして,中小企業の資金需要に積極的に応じてくれるよう要請してまいりたいと考えております。  さらに,今週末に県として,景気対策や雇用対策に総合的に取り組むための全庁的な体制を整え,国の予算編成の動向等を見きわめながら,県民の雇用と中小企業対策を推進してまいりたいと考えております。 33 ◯佐藤委員 認識と,そして対策,具体的にいただきました。ぜひ知事のリーダーシップと同時に,全庁的体制の中で取り組みをお願いいたしまして,知事に対する質問は終わりにいたします。  次に,商工労働部長にお伺いをしてまいります。  中小企業者は,年末,ここに来まして,資金繰りに奔走をしている状況がございます。他県の商工団体等の事例を見ましても,夜間の金融特別相談窓口を設置した事例も聞いております。そういったことからすれば,県とあわせて相談体制の強化をする必要があるというふうに考えておりますけれども,商工労働部長の見解をお伺いいたします。 34 ◯細谷商工労働部長 お答えいたします。  本県の中小企業の金融に関します相談体制といたしましては,県庁内の産業政策課,あるいは地方総合事務所にございます。また,各商工会,商工会議所,それから県信用保証協会にも相談窓口を設けておりまして,今回の緊急保証制度等についても多くの相談に対応しているところでございます。  しかし,一部では相談窓口につきまして,中小企業者に十分に知られていないということもございますので,今後,制度の周知とあわせまして,相談窓口についても,より一層の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。  あと,県内におきましても,多くの商工団体におきましては,年末30日まで窓口対応を実施するという予定でございます。また,ごく一部ではございますけれども,夜間対応も実施しているところでございます。  県といたしましても,中小企業の実情にあわせまして,本庁につきましては,年末や夜間についても相談体制をとっていきたいというふうに考えているところでございます。 35 ◯佐藤委員 先ほど,中小企業の金融の関係につきましては,知事から,中小企業の資金需要に積極的に応じていきたいと,あるいは,ただいま,部長の方からは,夜間も含めた相談体制を強化するという御答弁をいただきました。  先ほど,私の方からも申し上げましたように,中小企業への融資については,その条件についての基準の公表を含め,あるいは十分な説明を行っていただきたいというふうに考えておりますし,経営者の気持ちなり,ともに解決の糸口が見出せるよう産業大県の名に恥じないしっかりとした対応をここでお願いをしておきたいというふうに思っております。  次に,就職支援の関係でお伺いをいたします。  就職に関する相談等につきましては,現在,主に国のハローワークや県の就職支援センターにおいて実施されておりますけれども,県民の利便性を考えますと,県民に身近な行政機関であります市町村などにおいて,就職の相談が実施されることが非常に有効だというふうに考えております。  そのことについて,県と市町村との連携について,商工労働部長にお伺いいたします。 36 ◯細谷商工労働部長 お答えいたします。  県といたしましては,県内5カ所に設置しております茨城就職支援センターにおいて就職相談等を行っております。  さらに,県民の利便性の向上という観点から,就職支援センターから遠い市町村は,出張による就職相談等で対応しているところでございます。  県民の方々にとりましては,身近の場所で就職相談等が行われることが最も望ましいことではありますけれども,就職相談は,求人開拓とか,職業紹介とあわせて行うことを考えますと,市町村単位でというよりは,ある程度広域的に実施する方がより好ましいのではないかというふうに考えているところでもございます。  こういうことですから,より一層市町村との連携強化を図りまして,できる限り県民の身近な場所での就職相談が実施できるように努めていきたいというふうには考えているところでございます。 37 ◯佐藤委員 ぜひ,市町村,あるいは県民の方々に親切丁寧な対応をお願い申し上げるところでございます。  次に,通告に従いまして,ワークライフバランスの社会の実現について,引き続き,商工労働部長にお伺いをいたします。  さきの第3回定例会本会議におきましても,川口議員の代表質問,そして私も一般質問で,ワークライフバランスの推進を訴えをさせていただいたところであります。厳しい経済状況のときこそ,家庭,地域,そして企業とのきずなが大切と考えております。そのことにより,この難局を乗り越えられるというふうに思っております。  そのときの答弁にもありましたように,経済的自立が可能な雇用の確保が何よりも重要であるとの考えを示されました。  そこで,ワークライフバランスの推進について,幾つぐらいの県が宣言を行っているのか,まずお伺いをいたします。 38 ◯細谷商工労働部長 他県におけます宣言の状況でございますが,11月末現在で,滋賀,兵庫,広島,熊本,新潟の5つの県で宣言が行われております。 39 ◯佐藤委員 5つの県でそれぞれ宣言が行われているという状況でございますけれども,それぞれの宣言内容がどのようなものになっているのか,お伺いをいたします。 40 ◯細谷商工労働部長 他県の宣言の内容でございますけれども,まず初めに,仕事と生活の調和のとれた働き方のできる環境の整備,これが一つあります。それから,ワークライフバランス社会の実現に向けまして,機運の醸成などを労働団体,それから経済団体,そして行政が一体となって取り組むことを宣言すると,こういうような内容になってございます。 41 ◯佐藤委員 本県においても,県内労働団体,あるいは経済団体と設立をした協議会の場で宣言的なものを取りまとめていくということでありますが,どのような宣言をしていくという考えがあるのか,お伺いいたします。 42 ◯細谷商工労働部長 本県で行う宣言につきましては,ただいま委員から御指摘ありました協議会の中で御議論を今いただいているところでございます。  仕事と子育ての両立支援というばかりではなく,人生の各段階におきます働き方の見直し等を含めましたワークライフバランスという観点からの宣言として取りまとめてまいりたいというふうに考えているところでございます。 43 ◯佐藤委員 ぜひ今後とも,協議会において,ワークライフバランスの実現に向けた企業における仕事と生活の両立などを支援する取り組みの促進,あるいは機運の醸成を図るため,行政,そして労使が共通理解を深め,実効性のある産業大県をうたっている,この茨城県にふさわしい宣言を策定していただきたいと要望して,この件につきましては終わりにさせていただきます。  次に,新型インフルエンザ対策につきまして,保健福祉部長にお伺いをいたします。  御存じのように,新型インフルエンザとは,H5N1の強毒性ウイルスでありまして,鳥類のインフルエンザウイルスが人に感染し,人から人へと効率よく感染できるようになったもので,およそ10年から40年の周期で発生すると言われており,外国では,鳥から人への感染が報告されております。  日本でも,十和田湖で渡り鳥からH5N1の強毒性ウイルスが検出された報告もあります。そのため,新型インフルエンザが発生すれば,世界的な大流行が危惧されており,発生に備えて,事前に十分な対策を行うことが大切であるとされております。  そこで,初めに,新型インフルエンザの治療にも効果があると考えられているタミフルの備蓄状況を保健福祉部長にお伺いいたします。 44 ◯山口保健福祉部長 お答えいたします。  タミフルの備蓄につきましては,治療用として,国全体で2,500万人分を備蓄することとし,市場に流通しております400万人分を除きまして2,100万人分を国と都道府県で2分の1ずつ,1,050万人分ずつ備蓄いたしました。  本県では,平成18,19年の2カ年で1,050万人分の人口案分によりまして,24万6,000人分を備蓄したところでございます。 45 ◯佐藤委員 ただいま,24万という形で御答弁をいただきました。国,都道府県で備蓄しているタミフル以外に,市場に流通しているタミフルがあるというふうに聞いておりますけれども,それは,どのようなもので,本県ではどの程度流通されているのか,お伺いいたします。 46 ◯山口保健福祉部長 タミフルは,一般のインフルエンザ治療薬として出回っておりまして,医療機関でも広く用いられております。ただ,タミフルの市場流通量につきましては,製薬メーカーが出荷量を公表しておりませんので,本県の流通量につきましては不明です。ただ,今シーズンの供給準備量は,全国で900万人分ということであります。 47 ◯佐藤委員 一方で,タミフルの有効期限が5年から7年になったというふうに聞いております。どのような経過でそのようになったのか。また,7年の期間経過後は,どのようにされるのか,お伺いをいたします。 48 ◯山口保健福祉部長 お答えいたします。  米国食品医薬品局などの動向を踏まえまして,タミフルの製造販売者である中外製薬が国,都道府県の備蓄分の有効期間を5年から7年に延長する承認事項の変更を申請いたしまして,国が平成20年11月に承認したところでございます。この背景となりますのは,タミフルの成分自体は粉末でできておりまして,非常に安定した物質ということで,長期間保存ができるということが可能でございます。  ただ,製剤のタミフルにつきましてはカプセルでありまして,カプセルを構成するゼラチンの部分が劣化するということで5年ということであったんですけれども,米国の検査によりましても,このゼラチンの方も5年でなく7年有効だということになったというふうに聞いております。  それから,この後の7年の経過後はどうなるかということですけれども,タミフルの購入の契約の際に,売買契約では有効期限の切れたものに関しては,購入者の責任において廃棄するというふうに定められております。 49 ◯佐藤委員 次に,そのタミフルがどのように県として備蓄,保管されているのか,お伺いさせていただきます。 50 ◯山口保健福祉部長 お答えいたします。  県の施設で保管しておりますが,国のガイドラインによりまして,詳細な場所は非公開とするようにということで,非公開とさせていただいております。 51 ◯佐藤委員 いろいろな事情で非公開ということについては理解をいたしますが,しっかり保管をお願いをしておきたいというふうに思っております。  次に,新型インフルエンザが発生した際には,国,県のタミフルは,どのように配布されるのか。また,県が備蓄しているタミフルを配布する場合,どのような決定を経て,どのように配布されていくのか,お伺いをいたします。 52 ◯山口保健福祉部長 まず,市場流通分の使用状況を見るということが第一でございます。順次,県の備蓄分,国の備蓄分ということで配布されることになります。具体的には,県の備蓄分に関しましては,県の新型インフルエンザ対策本部の決定を経た後に,県内に50カ所程度設置する予定であります新型インフルエンザ発熱外来,または入院治療医療機関へと配布ということになっていきます。 53 ◯佐藤委員 次に,このタミフルの備蓄量という形でお伺いいたしますけれども,国では,国民の45%まで拡大をするとのことでありますけれども,本県としての対応をどうしていくのか,お伺いをいたします。 54 ◯山口保健福祉部長 冒頭説明させていただきました2,500万人分につきましては,本来,25%を想定して,その8割が医療機関にかかるという前提での備蓄分だったわけですけれども,今般,国の方で新型インフルエンザ行動計画及びガイドラインの改定がありまして,その中で,今度は45%にするというようなことと明記されたわけでございます。  国の方では,この平成20年度の補正予算でタミフルの1,330万人分,リレンザというちょっと構造の異なる薬を133万人分追加備蓄することとしているわけですけれども,同じ量を県の方でもという話が一部出ておりますけれども,まだその辺のところは決定されておりませんので,国の方針が決定された後で見直しの検討を考えたいという状況でございます。 55 ◯佐藤委員 県民の命にかかわる部分でございますので,しっかり情報を得て,対応については迅速にお願いをしておきたいというふうに思っております。  今回の補正予算では,新型インフルエンザ患者の入院医療機関を対象とした医療資機材の整備事業について計上されておりますけれども,医療体制の整備状況についてお伺いいたします。 56 ◯山口保健福祉部長 今回御審議いただいている案件は,新型インフルエンザ患者を入院治療する医療機関に対しまして,人工呼吸器を11施設,個人防護具を45施設へ,国,県,2分の1の補助で整備することをお願いしているものでございます。  現在,県の方では,新型インフルエンザ発熱外来や入院治療医療機関の確保について,関係機関の協力のもと,整備を進めてまいりました。現在のところ,発熱外来が50カ所,入院施設が45カ所,ベッド数で言いますと,2,500床を確保済みでございます。目標としておりますベッド数が3,000ですので,この必要目標に向けまして,さらに医療機関の御協力を仰ぎながら体制の充実に努めていきたいと考えております。 57 ◯佐藤委員 ベッド数について,あと500床という形でございますので,このことについては,早急に関連する医療機関との調整を図り,御理解をいただきながら体制整備に御努力をいただきたいというふうに思っております。  最後ではありますけれども,新型インフルエンザ対策としましては,タミフルの備蓄,あるいは医療体制の整備のほかに外出の自粛要請,そして学校の休校措置,そういった社会的な対策を講じることも必要であると考えております。その対策のためには,まずは,県民の理解と協力,このことが不可欠であります。そのため,県民への情報提供などについて,どのように取り組んでいくのか。また,県民に身近な自治体であります市町村に対して,どのように支援をしていくのか,お伺いをいたします。 58 ◯山口保健福祉部長 新型インフルエンザの発生時には,社会機能を維持するということが大切ですので,行政のみでは限界がありますので,やはり県民の理解,そして事業者の理解が不可欠というふうに考えております。  そこで,既に広報紙「ひばり」へ新型インフルエンザの知識等の掲載をしたほか,事業者向けの研修会,そして事業者支援のためのアンケート調査の実施などを行ったところでございます。  また,市町村に関しましては,やはり住民の一番身近な行政単位ということで,住民の視点に立った対策が行えますよう,市町村とワーキンググループを設置して役割等の検討を行っております。  また,新型インフルエンザに関する出前講座も実施しておりまして,さらに市町村担当者の研修会ということで,これまでも数を重ねてまいりました。今後も,このワーキンググループを継続しながら,市町村の課題等を検討する一方,市町村広報担当者を対象としたリスクコミュニケーションや市町村の新型インフルエンザ対策を積極的に支援していきたいと考えております。  さらに,県民等への情報提供などの啓発活動を今後も引き続き行いまして,発生時に生じる混乱と不安の解消に努めていきたいというふうに考えております。 59 ◯佐藤委員 それぞれ新型インフルエンザ対策について御答弁をいただきました。最後に御答弁いただきましたように,この新型インフルエンザが発生したときの県民の不安等々というものははかり知れないものがあるというふうに思っております。  日ごろからの県民,あるいは事業者への理解,そして自治体等との協力というものをしっかりしていただいて,備えあれば憂いなしというようなことがありますけれども,そのことを含めて新型インフルエンザの対策について,引き続き取り組みをされますことをお願い申し上げまして,この点については,質問を終わりにいたします。  通告の最後でございますけれども,高度処理型浄化槽の設置促進について,生活環境部長にお伺いをいたします。  環境対策は,待ったなしの対応をしなければいけない状況の中から,森林湖沼環境税の導入をしながら森林の整備,あるいは生活排水対策について,県を挙げて取り組みをしているところでございます。  そのような中で,霞ヶ浦流域におきましては,生活排水対策を推進するため,昨年10月に霞ヶ浦水質保全条例を施行し,高度処理型浄化槽設置の義務づけを行ったところでありますが,現在の高度処理型浄化槽の設置状況がどのようになっているのか,お伺いいたします。 60 ◯馬場生活環境部長 お答えいたします。  霞ヶ浦流域における高度処理型浄化槽の設置状況でございますけれども,霞ヶ浦水質保全条例で高度処理型が義務づけられました平成19年10月からことしの9月まで,この1年間で見てみますと,条例の適用となる浄化槽の設置基数が1,492基ございますうち,高度処理型浄化槽は1,399基でございます。設置基数93.8%となってございます。  流域における条例の施行直前,平成18年10月から平成19年9月までの条例施行直前の1年間の高度処理型浄化槽の設置割合というのが約43%だったことと比べますと,倍以上の大幅な伸びとなっております。これは,昨年10月の条例の施行にあわせまして,県と流域の市町村がさまざまな広報啓発活動や設置指導を行ってきたこと,さらには,ことしの4月からは森林湖沼環境税を活用いたしまして,高度処理型浄化槽に対する補助金を大幅に増加させたこと,そういった成果であると考えております。  しかしながら,一部では,まだ通常型の浄化槽が設置されているという実態もございますので,流域市町村とともに設置指導をさらに強化してまいりたいと考えております。 61 ◯佐藤委員 高度処理型浄化槽設置の義務づけをしながら行ってきたということでありますけれども,通常型の浄化槽をまだ設置されているようなこともあろうかというように思っております。今回の霞ヶ浦水質保全条例の改正に至った背景とねらいについてお伺いいたします。 62 ◯馬場生活環境部長 霞ヶ浦水質保全条例で高度処理型浄化槽の設置を義務づけているわけでございますけれども,それにもかかわらず,いまだ一部に通常型浄化槽が設置されているということにつきましては,2つの要因があると考えております。1つ目は,現行の霞ヶ浦水質保全条例では,条例に違反して通常型浄化槽を設置しようとするものに対しまして,指導,勧告といったような強制力を伴わない手段しかとれないという規定になっておりまして,しかも,違反者に対して罰則も設けられていないということが一つです。それから2点目としては,霞ヶ浦水質保全条例で,高度処理型浄化槽の設置を義務づけたわけでございますけれども,一方,建築基準法に基づく建築確認においては,高度処理型浄化槽の設置が審査要件となっていなかったということがございます。これら2つの要因を解消するために,今回,霞ヶ浦水質保全条例に変更命令の規定を設けまして,通常型浄化槽を設置したときには,期限を定めて,高度処理型浄化槽に変えるように命令して,従わないものには罰金を科すこととしたところでございます。
     同時に,建築基準条例の方も改正をいたしまして,高度処理型浄化槽の設置を建築確認の審査要件とすることによりまして,通常型浄化槽の設置を認めないということといたします。これらの2つの条例の改正によりまして,生活環境部と土木部が連携をしまして,高度処理型浄化槽の設置の徹底を流域において図っていこうとするものでございます。 63 ◯佐藤委員 ぜひ必要性も含めて,設置者には理解をいただけるよう普及啓発も含めてお願いをしたいというふうに思っております。  生活環境部長についての質問は,ここで終わりにさせていただきます。  時間が残り少ないところでありますけれども,土木部長に,今回の県の建築基準条例を改正することとされておりますけれども,それらの中で,流域22市町村を対象にした義務づけということであります。今回の建築基準条例については,この22市町村すべてを対象にするのかどうか,お伺いをいたします。 64 ◯伊藤土木部長 お答えいたします。  霞ヶ浦水質保全条例で対象としておりますのは22市町村でございますけれども,そのうち,土浦市とつくば市を除きます全部で20の市町村,こちらの方が県の建築基準条例の対象となります。  なお,土浦市とつくば市が対象外となっています理由でございますが,2つの市におきましては,特定行政庁ということで独自に建築確認などを行っております。そういったことで,県と同様に,建築基準条例を設けているため,除外としております。 65 ◯佐藤委員 関連する2つの市については,市の条例改正を行う必要があるというふうに思っておりますけれども,その状況についてお伺いいたします。 66 ◯伊藤土木部長 御指摘のとおり,土浦市,つくば市におきましても,県と同様に条例改正を行うということで,私ども調整をしてまいりました。その結果,2つの市におきましても,県と同様に,この12月の議会に条例改正の議案を上程しているというふうに報告を受けております。また,施行日の方も,県と同様に4月1日とするように条例の議案となっているというふうに報告を受けております。 67 ◯佐藤委員 最後に,条例改正の実効性あるものとなることをお願い申し上げまして,質問を終わりにいたします。  ありがとうございました。 68 ◯新井委員長 はい,御苦労さま。  暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は,午後1時を予定いたします。                 午前11時53分休憩        ───────────────────────────                  午後1時開議 69 ◯新井委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたします。  本澤委員。 70 ◯本澤委員 自由民主党の本澤でございます。  午前中は,農林水産委員会の委員長をされております加倉井委員,そして次に佐藤委員ということで,農林水産委員会の委員が続いております。3番目として,私がやるわけでありますけれども,農業のことをだれも質問しませんので,ふだん,私も,農業のことを副委員長として質問ができないものですから,ここでうっぷん晴らしにということではありませんけれども,ぜひ農林水産部長にもお聞きしながら進めていきたいと思います。  まず,教育長の方に伺いますが,農業振興のための関係機関の連携について,3点ほどお伺いします。  まず,農業高校における地域農業関係者との連携についてでありますが,農業振興のため,若くて意欲ある担い手を多数生み出すには,農業高校の活性化が急務であります。和歌山県には,南高梅という梅のトップブランド品がありますが,この南高梅は,南部高校の園芸科の生徒たちが5年の地道な研究の努力で名称を登録されて,南高梅の南高というのは,南部高校からとったものだと言われております。また,北海道の静内農業高校も,生産科学科という科がありますが,競争馬を生産育成していまして,平成17年度には,ユメロマンという馬が中央競馬会でも勝利をした。そして,高校生が生産した馬の史上初の快挙ということになっております。馬の産地という土地柄から地元産業をよく見据えた事業が行われ,生産を学ぶという明確な目的意識を持ったやる気にあふれる生徒が全国から集まってくるということであります。  こうした魅力ある農業高校をつくっていくことが本県の農業振興の礎となるものと考えております。  過日,私の地元の鉾田農業高校で,メロンの接ぎ木研究の研修が実施されました。メロンの栽培の台木であるつる割病を防ぐためということで,接ぎ木の技術の向上を目指す目的として実施されたわけでありますが,研修会では,鉾田市や県の農業改良普及センター,地元のメロン農家がノウハウの指導に当たり,農業高校の生徒や若いメロン農家の後継者が参加されたわけであります。この取り組みは,大変評価すべき事業と思っております。  農業高校の生徒たちにとっても,メロン農家からの最前線の生産技術を習得し,また,メロンの有望性や課題など生の話を聞くことができます。この取り組みが発展し,いつの日かつる割病を克服した鉾田農業高校ということになれば,南部高校,静内農業高校にも匹敵する農業高校になるのではないのかと私も期待しております。私は,今回の農業高校の事例を一つのモデルケースとして発展させ,県内の多くの農業高校でもっと幅広い品目でこうした地元の農業関係者との連携による農業高校の活性化に取り組んでいただきたいと考えておりますが,ここで,農業高校において,地域の農業関係者との連携のもと,高校生の農業に関する技術などを高める取り組みをどのように行っているのかということをまずお伺いします。 71 ◯新井委員長 本澤委員の質疑に対する答弁を求めます。  鈴木教育長。 72 ◯鈴木教育長 お答えいたします。  県立農業高校におきましては,高校生としての基礎・基本を学ぶとともに,農業の専門的な知識や技術を習得し,農業の社会的な意義や役割を理解し,勤労観や職業観を身につけることが重要であると考えております。  特に,高校生の農業に関する技術などを高めるためには,教員の指導力を向上させることや生徒が実際に高い農業技術を持った方から指導を受けることが大切であります。このため,県においては,農業総合センターや農業大学校などに教員を派遣し,農業の最新の技術を習得させるとともに,すぐれた農業技術を持っている地元の農家の方々を学校に招き,生徒たちに直接栽培方法などの指導を受けさせております。  農業高校における実践例といたしましては,水戸農業高校における干し芋の加工技術の習得,真壁高校における有機野菜の技術の習得,鉾田農業高校におけるメロン接ぎ木苗生産技術講習会などがございます。特に,ただいま委員から御指摘のありました鉾田農業高校の取り組みにつきましては,地元の農産物についての理解を深めることやそのすぐれた農業技術を学ぶことからも大変有意義な取り組みであると考えております。 73 ◯本澤委員 ただいま,3点ほど農業高校の取り組みが水戸農業高校と真壁高校とあったわけですが,鉾田農業高校のメロンの接ぎ木が実施された経過などをもう一度説明してください。経緯だね,なぜそういうことになったのか。 74 ◯鈴木教育長 まことに申しわけございませんが,ちょっと経緯等については,深く。申しわけございませんが。 75 ◯本澤委員 細かいことはわからないところもあるかもしれませんね。わかりました。後で,それは違う部長にお伺いしますけど。  では,今後,このような取り組みなどをどういう形で農業高校として進めていくのかということをお伺いします。 76 ◯鈴木教育長 農業高校の活性化についてでございますが,現在,農業高校においては,経営能力や基本的な農業技術を持った人材の育成,あるいは地域への貢献,地域との連携,農業教育の普及などを柱として,それぞれの学校において活性化に向けたさまざまな取り組みを行っているところでございます。このような取り組みを推進することにより,さらに農業高校の活性化に努めてまいりたいと考えております。 77 ◯本澤委員 次に,質問を変えさせていただきますが,農業大学校と農業高校との連携について伺います。  将来の農業の担い手を育成するためには,もう一つの重要な農業大学校があります。しかし,農業高校同様に,いま一つ,元気がない。ここ数年は定員割れの状況であります。来年4月の専修学校化にあわせた学科の再編,研究科入学資格の拡大などの学校改革には大いに期待しているところでありますが,私は,農業大学校の活性化のためには,農業高校との相互交流,連携の強化が有効ではないかと考えております。例えば,本県の農業高校の事例で言えば,接ぎ木研修の技術の研修に農業大学校の学生を参加させるのも一案であると思っておりました。高校側にとっては,少し年配の先輩と農業の夢を語り合うことによって就農への意欲がわいてくると思っております。  農業大学校側にとっては,接ぎ木技術のレベルアップとともに,周囲の高校生をリクルートすることもできるのではないでしょうか。私は,農業高校と農業大学校の教育が一貫性を持って一体的に担い手育成に当たっていくことが重要だと考えております。  まず,農業高校側では,農業への夢が持てるようなカリキュラムの工夫,充実等を図り,農業大学校への進学を志す生徒が多数出てくるよう一層の取り組みが必要であります。  農業高校から農業大学校への進学を促すため,今後どのように取り組んでいくのか,教育長にお伺いします。 78 ◯鈴木教育長 まず,農業高校から農業大学校への進学状況についてでございますが,ここ数年の合格者数を見ますと,10名から20名程度で推移してまいりましたが,本年度は,もう既に推薦入試の段階で24名が合格しております。今後とも,農業高校から数多くの生徒が農業大学校への進路選択をするよう努めてまいりたいと考えております。  農業高校と農業大学校との連携についてでございますが,教員の人事交流や連絡会議の開催,農業大学校の教員による出前講座などを現在行っているところでございます。また,高校に農業大学校の学生を招き,授業においてアドバイスを受けましたり,先進的な研究に取り組んでいる学生の研究発表を聞いたりしまして,農業大学校の生活や学習内容への理解を深めるよう努めているところでございます。  今後とも,このような取り組みをさらに充実させることにより,生徒が農業大学校に興味を持ち,農業大学校への進路選択を志すような環境を整えてまいりたいと考えております。 79 ◯本澤委員 先ほどちょっと伺いましたけれども,実態の鉾田農業高校でメロンの接ぎ木をされた内容は,教育長の方には届いてなくて,どういう実態だかわからなかったと思うんですけれども,主体的に,農業高校が生徒を募集できるような環境というのは,本当に農業高校に来てよかったという形で,静内高校のような,そして南部高校のような高校を,専門的なものをふやしていくことによって,学びに入ってくる方が多くなると思うんです。これは,茨城県の学校編成においても,農業高校は,今,3クラスがやっとという状態になっていること自体が教育の問題として,どういう教育をしているのだろうというところがあると思うんです。それを教育長として,どういう接ぎ木の研修が行われたのか,よく報告されていないということであることは非常に問題があるのかなと思うんですけれども,その辺を考えながら,将来,茨城農業ということを考えた上で,大変大切な農業高校でありますので,その辺を考えて,先ほどは,表面的にはいろいろ経営ができるようなとかいうことはありますけれども,もっと深いところで頑張っていただきたいと思うんですけれども,最後の質問として取り組み方をお聞きしたいと思います。 80 ◯鈴木教育長 ただいま,委員から御指摘がございましたような,委員の趣旨を踏まえまして,一生懸命農業高校を魅力あるものにして,多くの中学生が農業高校を目指すというようなことに努めてまいりたいというふうに考えております。 81 ◯本澤委員 教育長,どうもありがとうございます。  教育の問題は,鉾田農業高校ばかりでなくて,本当に大事な問題でありますが,農業が特に茨城県は重要でありますので,ひとつ,その辺,農業高校の将来を考えて事業を考えていただきたいと思います。  次に,農林水産部長に伺いますが,農業大学校は,担い手輩出の大変重要な機関なのでありますが,生徒が来るのを座して見ているのではなくて,もっと農業高校を初め,外に向かっていろいろな働きかけをして,生徒を集めなければなりません。  そこで,農業大学校と農業高校との連携を深め,農業高校の生徒たちの農業への関心や就農意欲を高め,そして農業大学校へ進学を促していくためには,今後どのように働きかけていくのか,農林水産部長にお伺いします。 82 ◯斉藤農林水産部長 お答えいたします。  農業につきましては,担い手不足,あるいは高齢化が進んでおりまして,団塊世代の定年期を迎えまして,定年帰農者がふえているといった,そういった明るい兆しがありますけれども,まだまだ若い担い手の確保,育成というのは,大変重要な課題だというふうに認識しております。  そういったことを踏まえまして,農業の若い担い手の育成機関であります農業大学校において,多くの高校生に農業への興味を持っていただけますように,1つとして,農業高校の方に出向きまして,農業大学校での課題研究の成果,あるいは学生生活を説明するといった出前講座を行っているところでございますが,その中で,農業大学校の卒業生に実際の体験談をお話しいただいたところ,生徒に非常にわかりやすいということで好評でございました。そういったことも,今後,積極的に実施してまいりたいというふうに考えております。  また,年4回ほどですけれども,農業大学校の方で,高校生がじかに学習環境を体験していただくというオープンキャンパスを実施しておりますが,本年度は,昨年を上回る124名の参加をいただいております。農業大学校の理解促進には,そういったオープンキャンパスも有効でございますので,さらにPRをいたしまして,より多くの高校生に参加していただくように努めてまいりたいと考えております。  先ほど,教育長もちょっと触れておりますけれども,教員レベルでは,農業大学校と,それから農業高校との人事交流,あるいは教員の間での教育懇談会をさらに継続して実施してまいりたいと考えております。  こうした取り組みのほかに,農業大学校は,来年,平成21年度から農業大学校の条例改正によりまして,学校教育法に基づく専修学校となりますことから,卒業すれば,専門士の資格が与えられるほか,大学3年生から4年生大学への編入が可能となります。そういったことから,高校生に対する農業大学校の魅力は高まるものと考えております。  今後とも,農業高校の生徒には,農業への関心をさらに高めていただくような取り組みに努めまして,農業大学校への進学を目指していただきまして,農業大学校生には生産経営の技術を習得して,地域農業の支えとなる担い手となっていただいて,そういった方々が将来的には次の世代を育てていくといった地域農業が今後とも継続的に発展していくような,そうした体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 83 ◯本澤委員 本当に来年の4月から専修学校化するということでありますから,多くの魅力を持った農業大学校になるのだなと思って期待をしております。それは,農業大学校が農林水産の方から見る目もありますけれども,教育長と高校側の方からも,その辺をよく理解していただいて,応援していただければと思っております。その辺をよく連携組んでやっていただきたいなと思っております。  次に,行政と農業者との連携についてであります。  今回の取り組み,メロンの接ぎ木の取り組みは,鉾田市の1農家の提案に端を発して,鉾田市,県の農業改良普及センターがそれに賛同し,最終的には農業高校にも参加していただくという形で実現したものであります。  私は,せっかくできたこの地域の農業関係者の協力体制を農業高校の活性化だけにとどめておくことはもったいないと思っております。この研修は,やり方次第では,鉾田地域のメロン接ぎ木技術の向上に大きく貢献できます。ここは,行政が音頭をとって多くの農業者にこの研修への協力を呼びかけ,発展させていくべきではないでしょうか。  参加者がふえれば,高校側では,多様な農業者から現場感覚の指導を受けることができ,接ぎ木技術そのものは広く地域に浸透していきます。今は,よそから買っている接ぎ木苗を自家生産できるようになれば,鉾田メロンの優位性は高まると思っております。  現時点では,この研修会は,鉾田市が指導していると聞いておりますが,県としては,この取り組みに対してどのようにかかわっていくつもりか,部長にお伺いします。 84 ◯斉藤農林水産部長 お答えいたします。  鉾田農業高校でのメロン接ぎ木研修の取り組みでありますが,今,委員の質問の中にございましたように,メロン生産農家の提案を受けまして,関係機関が連携して研修会を開催したものでございますけれども,今回,研修会に参加しております若いメロン生産者にとりましては,接ぎ木技術を習得して,苗を自前で生産できるようになる,そういったことになれば,大幅なコスト削減にもつながるというふうに思っておりますし,また,農業高校側から言えば,生徒さんたちにとって接ぎ木の体験を通じて,就農の動機づけとなるというふうにも考えております。  そういったことから,県といたしましても,大変有意義な取り組みであると考えております。もちろん,これは御承知ではございますけれども,鉾田市は日本一の生産を誇るメロンの大生産地でございまして,この産地の振興は,本県農業にとって大変重要であります。そういったことで,これまでも,メロン栽培の大敵であります,つる割病の対策として,例えば,太陽熱を利用した土壌消毒と病気に強い接ぎ木苗の導入をあわせた防除技術の確立に向けて,県の試験研究機関,あるいは農業改良普及センター,さらに生産者とか,それから関係機関一丸となって取り組んできております。  今回の鉾田農業高校における取り組みというのは,この産地の将来を考えますと,接ぎ木技術を研修した高校生がやがて就農していくことを期待しますとともに,研修を受けた若いメロン生産者を通じて,そういった接ぎ木技術が産地に浸透いたしまして,鉾田メロンの優位性がますます高められるものと考えておりますので,県といたしましても,今後とも,農業改良普及センターを通じて,農業者の協力を呼びかけますとともに,技術的な側面から積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。 85 ◯本澤委員 接ぎ木の研修会が行われて,人数の方は,学校の方から資料をいただきました。とりあえず,高校生と若い農業後継者が参加されたわけでありますけれども,残念だなと思ったことは,農業大学校の生徒が来られなかったです。その辺で,農林水産部長としては,どう思われますか。 86 ◯斉藤農林水産部長 そういった,これは,つい先日開催されたわけでございますけれども,準備期間の話と,それからあと,そういった連携の中で,農業大学校生がそれに参加するといった事前の準備について,そこまで至らなかったのではないかと思っておりますけれども,そういったせっかくの機会がございますので,これからも数回,恐らく開催されると思いますので,そういった開催される時期といいますか,それにあわせて,そういったことができるかどうかは,私ここで断言できませんが,もし,できるという方向であれば,ぜひそれに参加するように,そういった方向で検討してもらいたいと思います。 87 ◯本澤委員 先ほどから,部長の言葉からもそうでありますけれども,農業大学校の重要性というものを語られておりました。農業高校と連携を図る意味で,いつも農業高校と農業大学校の生徒の連携がとれることが一番かなと思いますので,その辺は,ぜひ。情報は,それは鉾田市の農業改良普及センターが頑張って,ここ,まとめて,何遍も足を運んでやってくださったわけですが,そういう末端の話を部長のところで早く吸い上げて,ああ,こういうことであれば,すぐに農業大学校の人もということで,農業大学校の生徒も入れて作業ができるようにしてもらうといいなと思っておりますので,末端の話をできるだけ真剣に聞かれて,対処していただければと思っておりますので,よろしくお願いします。  次に,メロンの新品種の育成についてお伺いします。  メロンの農家は,消費減退による価格の低下や農業資材の高騰などの影響を受けて,経営が厳しい状況が続いております。このような中,県が開発し,ことし試験販売を行ったメロンの新品種ひたち交3号に農家は大変期待しております。  ところで,このひたち交3号は,既に県が品種登録申請を行ったと聞いておりますが,現時点で発表できることはあるのか,農林水産部長にお伺いします。 88 ◯斉藤農林水産部長 県が育成いたしました新しいメロンの新品種で,ひたち交3号,この品種登録の手続につきまして,ことしの9月19日に農林水産省の方に出願しておりますけれども,現在,新品種として認めるべき差異があるか,あるいは安定して同じものが均一にできるかといった特性審査が行われておりまして,農林水産省からは,新しい名称の確定までにはまだ時間がかかるというふうに伺っております。  しかしながら,来年の5月には新しい品種のメロンの出荷が始まりますので,新しい名称の決定を含めて,販売促進の準備に怠りのないように努めてまいりたいと考えております。 89 ◯本澤委員 新しい品種を普及するに当たっては,県の全面的な支援が必要であります。  いずれにしても,来春の販売に向けて,既に作付が始まったと聞いておりますが,県として,今後どのように普及拡大やPRに取り組んでいくのか,お伺いします。 90 ◯斉藤農林水産部長 今,新しい品種,オリジナル品種の普及拡大でございますけれども,その普及拡大に当たりまして,東京にあります農産物販売推進東京本部,それから農業総合センターがございまして,そのほかに,全農茨城とか,県域営農支援センターなどを構成員といたします茨城の園芸振興戦略会議というのがございまして,その中で,どこの産地に生産してもらうのか,どういった販売をしていくかといった方針を検討しておりまして,さらに,その方針に基づきまして,具体的な生産指導,あるいは販売対策を進めているところでございまして,オリジナルメロンのひたち交3号につきましては,本年度は,JAかしまなだ,JA茨城旭村,JA水戸と3つの農協のメロン部会の全面的な協力をいただいて,試験販売を前提として15アールほどの栽培に取り組んでいただいております。協力いただいた生産者からは,大玉になり,収量も多いことから,引き続き栽培してみたいとの御意見もありました。また,美しいネットを出すための水管理,温度管理等の栽培技術の確立がまだ不十分だとの意見も出されております。  こういった意見を参考にいたしまして,平成21年産は,栽培面積がことしの約5倍となる77アールに拡大いたしますので,ひたち交3号を開発した研究機関と現地の農業改良普及センター,それからJA,栽培農家との連携をより一層強化いたしまして,定期的な巡回指導や意見交換をさらに密にいたしまして,技術的な課題の解決と普及拡大に努めてまいります。  また,来年度新しい名前での販売となりますので,出荷の箱とか仕入れのデザインといったものを早急に決めますとともに,生産量日本一,茨城オリジナルでのさわやかな甘さといったフレーズを使いながらPR活動を積極的に進めてまいりたいと考えております。 91 ◯本澤委員 最初の質問で,どのような状況になっているんだというと,一応,名前の方はまだ発表できる段階ではないような状態ですよね。5月には,発売をしなくちゃならないということになりますと,いつの時点でそれが発表できるような状況になるでしょうか。 92 ◯斉藤農林水産部長 国とのそういった情報のやりとりの中で,ちょっと,先ほど申し上げましたような審査の途中でありますので,はっきりは申し上げられませんが,今のスケジュールでいきますと,今年度内をめどに新しい名前が外に出していけるような状況になるのではないかというふうに私どもは考えております。 93 ◯本澤委員 今の時点では,その名前を公表するということは,やっぱり問題があるんですよね。でも,お話を聞くと,実際,商標登録するのには5年の経過は必要なのだけれどもという話でも聞いておりますけど,その商標登録は5年という期間があることもあって,来年の5月にはもうすぐに発売しなくてはならないということがありますけれども,その辺は,登録商標をしない段階でも発表はあり得るということでしょうかね。 94 ◯斉藤農林水産部長 登録とそれと商標登録と,名前の登録といいますか,国の方でその公表する段階に,先ほど御答弁いたしました慎重に,こういった品種がほかにないのか,あるいはそういったものが安定的につくられるのかといったことを審査してございますけれども,それとあわせて,同じような名前が出て,登録されているかどうかの審査もあわせてやっております。そういったものを踏まえて,その辺を慎重にやっているのですが,国,農林水産省における登録公表とあわせて,商標登録というものを私ども一緒に進めてまいりたいと考えておりますので,その手続もあわせて,年度内ぐらい,今のスケジュールで言いますと,年度内ぐらいに順調にいけば終わるのかなというふうに考えている次第です。 95 ◯本澤委員 私は,鉾田,茨城のブランドということで,本当に大事に大事にしているメロンだということはわかりますけれども,なるべく早く打ち上げて,早く名前を公表して,そうなんだとやりたいなと思って,私も,これが最後のタイミングで聞けるかなと,そして新聞に載れば,これはすぐに私も鉾田というところから出てきて,ああ,メロンの名前を早くつけてほしいなと思っていたところで期待していたものですけれども,きょうは名前は出ないんでしょうかね。そのタイミングは,これからメロンが5月に生産されるわけなんですが,今まで,ことし平成20年度の価格から言いまして,春メロンも再生産を割れた,そのころは資材が高くて,とにかく再生産費が賄えない,赤字だった。ところが,秋になって,それを何とか取り返せるかなということでやっていた。農家の方は,秋のメロン,アールスメロンを頑張って,春には赤字だったけど,何とか秋には取り戻そうかなと言っていたのですが,実際,それも取り返せなかった。そういうことで,非常にメロンを生産していても,再生産価格がとれないということで,メロンをみんな逃げ始めた。メロンはやめようということの農家がふえている。そこに,まだ名前がついていないひたち交3号というものが茨城県で出すわけでありますから,それは最初が肝心だと思っています。  その最初の肝心ということは,再生産価格を下回るような価格で売り始まったら,到底それは幾ら内緒に,極秘に大事に名前を本澤にも言えないよ,だれでも言えないよというもので大事にしていても,再生産価格を割るような価格になるわけで,ですから,そのメロンは,最初が肝心で,幾らに売りたいのか,その希望価格というものをどう考えているのか,お伺いします。 96 ◯斉藤農林水産部長 ことし,ひたち交3号という名前を使いまして,試験販売してございます。その実績といいますか,その結果を申し上げますと,ほかの,例えばアンデスとか,そういった同様のレベルのメロンに比べまして,およそ100円ぐらい高い値段で売れておりますので,そういう意味では,このひたち交3号というのは,少し高値で売れるといった見通しは持ってございます。 97 ◯本澤委員 100円という言い方が聞いている人わかるのかなと思うんですよね。箱でというと,5キロ箱ですよね。5キロ箱で,今までの価格が幾らくらいだったから,それが再生産価格でぎりぎりなところなんだと,そして,それは非常に今度のメロンはこのくらいなんだということじゃないと,聞いていてわかりにくいと思いますから,もう一度。 98 ◯斉藤農林水産部長 失礼いたしました。1個当たりの方がわかりやすいと思って,1個当たりの単価に直していたのですけれども,例えば,ほかでアンデスが800円ですと,ひたち交3号は1個900円,箱によって4個なり,5個なりといった箱がありますけれども,その倍数で1箱4個入っていれば400円ぐらい高い値段で販売されたというようなことでございます。 99 ◯本澤委員 最初が肝心ということで話したと思いましたけれども,農家の方々は,市場の方で消費者が値段をつけて競って買うと。ですから,あくまでも原価があって,売値を決めたいんですけれども,売値が相手が決められる。ですから,みんな再生産割れをしてしまって,結果的に赤字という状況になるわけでありますから,そのメロンについては,ひたち交3号に限らず,ほかのメロンのあくまでもそれをリードしていく意味で,今回は大事にされていると思いますから,その価格については,あくまでも,これだけの原価がかかっているから,これ以上に買ってもらわなくちゃだめなんだということをきちっと伝えていただいて,そして販売をしていただきたいと思います。  それが付録で一時だけ高くて,あとは知らないよというのでは,これも茨城ブランドという意味でのメロンが衰退してしまいますので,できるだけ頑張っていただきたいと思います。  部長,どうもありがとうございました。よろしくお願いします。  残り4分ということで,次の質問をさせていただきますが,鹿島灘海浜公園の整備状況について伺います。  鹿島灘海浜公園は,茨城県の海岸線のほぼ中央に位置し,鹿行地域の健康,運動,レクリエーション活動の拠点として位置づけられた全体計画76.2ヘクタールの都市公園であります。平成12年から順次オープンし,現在では17.6ヘクタールを鉾田市が指定管理者として管理運営を行っております。地元の物産販売や健康フェスティバル等を開催し,利用促進を図っているところであります。  私は,第3回の定例会でも質問しましたが,どのように整備していくかということでお伺いしましたけれども,いろいろ台地部と海浜部のつながりを強化したり,回遊性をもたせた整備の促進,2点目は,周辺道路からの公園の誘導案内の充実についてでありますが,どんなふうに海浜公園が整備されてきているのか,進捗状況をお願いします。 100 ◯伊藤土木部長 お答えいたします。  まず,見晴らしの丘でございますが,こちらの方は,今年度中に完成する見込みとなってございます。  また,見晴らしの丘と海浜部を結ぶ園路につきましては,現在,コスト縮減の観点から設計の見直しを行っておりますが,今年度中に計画を取りまとめまして,来年度から周辺の松枯れ対策とあわせまして,園路の整備を進めたいと考えております。  また,周辺道路からの誘導案内,こちらの方でございますけれども,こちらの方も,来園者のルートに当たります国道51号,こちらの4カ所,表示を設置するということで,道路管理者と協議が調ったところですので,今年度中に設置したいと考えております。
    101 ◯本澤委員 あと,2点目は,その海浜公園なんですが,海浜公園が昭和58年から25年を経過していて,今,23%の供用面積でしかない。その23%しか開園していないということで,都市計画は変更できないのか。よく地域の方と考えて,23.1%しか開園できてない都市計画されている公園を見直しできないのかということをお聞きしたいと思いますが。 102 ◯伊藤土木部長 第1の理由に,長期間を要しているという御指摘,それから第2期計画が大丈夫なのかという御懸念につきましても,私どもも重く受けとめてございます。  まずは,第1期をきちっとやるということが第一でございますけれども,第2期計画につきまして,今後どう進めていくかということでございますが,現時点で,まだ見直し等の判断まで至っておりませんけれども,昨今の情勢を踏まえまして,現計画がこのままで妥当なのかどうか,そこの点については,検証をする必要があると考えております。  御指摘も踏まえまして,地元の鉾田市などとも協議して,検討を進めていきたいと考えております。 103 ◯本澤委員 残りが1分でございますので,1期工事においても,鉾田市に指定管理者になっていただいていますけれども,その指定管理者になっている鉾田市でも,もう手を余しているような状態で,大変だという状態を聞かれます。それなのに第2期工事というのをやるべきかどうかをよく検討していただくということを要望にして,私の質問にかえさせていただきます。  どうも,本当に御苦労さまでした。 104 ◯新井委員長 次の質疑に入る前に,報告いたします。  山中委員から,質疑に当たってパネル資料を使用したい旨の申し出があり,特定の団体や個人のプライバシーにかかわるものでないことから,委員長において,これを許可いたしました。  ここで,その写しを配付させます。                  〔資料配付〕 105 ◯新井委員長 山中委員。 106 ◯山中委員 日本共産党の山中です。  最初に,養護学校の教育条件の改善について質問いたします。  学校建設を視野に入れた教室不足の解消です。養護学校における児童生徒数の増加は著しく,結城養護学校が309人,勝田養護学校で267人,県内初の知肢併設型つくば養護学校は,開校2年目で248人で,全員の給食がつくれない。数年後には300人にもなる状況です。鹿島養護学校,伊奈養護学校,美浦養護学校も,いずれも200人を超え,大規模化しているわけです。特に,結城養護学校と勝田養護学校は,平成17年,19年にそれぞれプレハブ校舎を10教室ずつ設置したにもかかわらず,なお,教室不足の状態にあります。教育長は,この現状をどのように受けとめているのか,まず伺います。 107 ◯新井委員長 山中委員の質疑に対する答弁を求めます。  鈴木教育長。 108 ◯鈴木教育長 お答えいたします。  特別支援学校の児童生徒数は,近年増加傾向にあるところでございます。国の基準に基づき,学級編制を行っておりますが,不足教室が数多く生じている状況となっております。  県においては,これまで,校舎の増築,仮設校舎の設置,大子養護学校,水戸高等養護学校,つくば養護学校などを新設するなどして対応してきたところでございますが,まだ,教室に不足が生じておりますので,学校内の空きスペースの活用や特別教室の普通教室への転用などにより教育活動に支障がないように対応しているところでございます。  これによりまして,現在のところ,希望する児童生徒については,すべて受け入れることができております。 109 ◯山中委員 文部科学省は,本年3月5日に特別支援学校の在籍児童生徒数の増加に伴う大規模化,狭隘化への対応についてという通知を出し,新増築,改築,大規模改造など適切な措置に努めるよう強調しています。  京都府は,地域から通える養護学校を目指し,平成22年と23年に新設する計画です。また,神奈川県は,平成16年,18年,本年と3校を建設し,さらに平成22年,23年にも新設を予定しています。本県における養護学校の過大化と教室不足を解決するには,増設以外にはありません。パネルを用意いたしました。  309という県内最大の結城養護学校,超大規模校,この結城養護学校の通学区域は,境,それから五霞,古河まで,余りにも広大です。本県のスクールバスの乗車時間というのは,90分以内とされておりますけれども,他県は,60分以内ということで取り組んでおり,見直すべき課題だというふうに思っています。新たな学校建設も視野に入れて,教育条件の改善を一刻も早く進めるべきだと思いますけれども,教育長の所見を伺います。 110 ◯鈴木教育長 まず,過密過大の規模の基準でございますが,これは,国においては,特別支援学校の過大過密の基準というのは設けてございません。ただ,全国的にちょっと見ますと愛知県で350人以上を過大規模校として分離新設の検討校としているという例はございますが,その概念のところは,今のところないということでございます。  ただいま,パネルによって委員の方から県西地区について,特に,古河市及び旧猿島郡地域において,特別学校支援地域がないという,他の地域に比較して特別支援学校の数が少ないということや,先ほど,委員の方からもお話がありましたが,結城養護学校につきましては,平成17年に10教室の仮設校舎を設置しましたが,まだ現在のところを見ますと,さらにまた不足教室が増加してきているというようなことについては十分認識をしているところでございます。  県におきましては,今,県全体に,この県西地域も含めてでございますが,不足教室が増加しているという状況を踏まえまして,今後の特別支援学校のあり方を含めた整備計画の検討に着手しているところでございます。  検討に当たりましては,今後の児童生徒数の推計,通学に要する時間,障害の種類や程度,養護学校の状況などを十分に踏まえた上で具体的な検討をしてまいりたいと,そういうふうに考えております。 111 ◯山中委員 いいですか,伊奈養護学校は,岩井地域も,今,坂東ですけれどもね,坂東市まで通学区域になっているわけです。  それから,協和養護学校のプレハブ教室の話が出ましたけれども,仮設校舎,これを入れますと,不足教室は21になります。伊奈養護学校13,これほど足りないわけですよね。全体で109教室足りない。プレハブ教室まで入れると130教室足りないという状況ですから,いつまでも検討しているということではなく,即刻対応を求めたいというふうに思いますが,その点いかがですか。 112 ◯鈴木教育長 先ほど申し上げましたように,ただいま検討し始まったところでございます。 113 ◯山中委員 検討始まったところ。この状況は,以前からこういう状況にあったということはもちろん承知をしていたというふうに思いますので,始まったばかりということではなく,速やかな対応を強く求めたいというふうに思います。  2の特別支援教育コーディネーターの増員の問題です。  昨年4月から学習障害,注意欠陥多動性障害,高機能自閉症など,軽度発達障害の子供への支援を含む特別支援教育が本格化し,盲,聾,養護学校は,支援地域のセンター的役割を位置づけられております。  文部科学省が6.3%と推計した軽度発達障害の子供の通常学級における支援体制は,極めて脆弱だと思います。通常学級を支援する特別支援教育支援員は,地方交付税措置されましたけれども,本県の場合は,6割の小中学校が配置していないわけです。特別支援教育の拡充に向け,市町村教育委員会や幼小中高など関係機関との連携,そして医療,福祉,専門機関とのネットワークや巡回相談など,地域全体の支援体制を強めることが今緊急の課題になっているわけです。  相談件数は,昨年だけでも2,000件も養護学校に寄せられています。そのかなめを担っているのが特別支援教育コーディネーターですけれども,本県の定数配置は,たった2人です。国に対し増員を要望するとともに,県独自の専任配置ができないか,伺います。 114 ◯鈴木教育長 平成19年4月の学校教育法の改正によりまして,特別支援学校においては,学校が所在している地域の教員や保護者への相談や情報提供を行うなど,センター的役割が求められたところでございます。  まず,特別支援教育コーディネーターの配置状況でございますが,基本的に,1校当たり五,六名ということで,特別支援学校全体で107名の教員を兼務配置しておりまして,そのほか,12校には専任の教員を14名でございますが,配置しているところでございます。  専任の教員を配置するに当たりましては,地域性を考慮し,県内の13の地域拠点校の専任配置に努めてきたところでございます。  来年度,専任配置を行う予定といたしまして,現在,北茨城養護学校だげが未配置になっておりますので,来年度,専任配置を行う予定としております。  これによりまして,すべての拠点校にコーディネーターが専任で配置され,県内全域を支援できる体制が整っていくものと考えております。  国に対する定数配置の要望ということでございましたが,ただいま申し上げましたように,私ども,今の教員標準法の定数の中で,支援学校がセンター的な役割を担うのは当然でございますので,そこの中で専任教員を生み出しておりますので,当面,国への加配要望は考えてございません。 115 ◯山中委員 次に,緊急経済対策について質問をいたします。  緊急対策本部の立ち上げです。アメリカ発の金融危機は,日本経済に深刻で重大な打撃を与えています。雇用破壊と失業,倒産の危機に直面しているとき,県民生活,雇用と中小企業を守るのは,県政の最も重要な課題です。  知事は,緊急対策本部の立ち上げを表明しましたが,いつ立ち上げるのか,県独自の緊急対策を行うよう求めるものですけれども,御答弁ください。  ところで,本県は,社会福祉施設における原油物価高騰に関する影響調査を11月に行い,97%の施設で運営が圧迫されていると回答がありました。  国の緊急対策を活用し,施設に対する福祉ガソリンや生活困窮世帯への福祉灯油に早急に取り組むことについて,知事にお伺いします。 116 ◯橋本知事 緊急経済雇用対策本部でございますけれども,早ければ今週末にも設置して,全庁一丸となって各種対策を講じてまいりたいと考えております。あした,政策幹部会議でいろいろ協議をする予定でございます。  それから,具体的対策でございますけれども,既に国から示されております生活者の暮らしの安心や金融経済の安定強化,地方の底力の発揮などを柱とする生活対策や去る12日に示されました生活防衛のための緊急対策などを踏まえますとともに,今後,内容が明らかになってまいります第2次補正予算案や本県の実体経済の状況などを見きわめながら,雇用機会の創出,あるいは県内中小企業の経営安定対策などをしっかりと検討してまいりたいと考えております。  いずれにしましても,この点につきましては,委員と考えを同じくしておりますので,私どもとしても一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。  それから,もう一つの社会福祉施設における原油物価高騰対策でございますけれども,これにつきましては,今,97%というお話がございましたが,正確に申し上げますと,11月に行われました県の社会福祉協議会の調査では,福祉施設の運営において,原油物価高の影響は余りないが3%,多少影響があるが42%,影響はあるが,経営努力でカバーしている26%となっておりまして,大きな影響があると答えたのは28%にとどまっているところであります。  一方,現時点におけるガソリン及び灯油の価格は,9月以降下落に転じており,特にガソリンに関しては,現在では,3年半前の水準まで値下がりしている状況にございます。  また,本県の消費者物価指数は,対前年同月上昇率が8月は2.6%,9月は2.1%でありましたものが10月には1.7%となってきており,徐々に落ち着きを取り戻してきている状況にあります。  今後とも,原油価格や物価の推移など,経済の動向に注目しながら国の動きや他県の状況なども踏まえ,茨城県緊急経済雇用対策本部などにおいて,総合的に検討してまいりたいと考えております。 117 ◯山中委員 知事が立ち上げを表明してから,もう既に一週間もたっているという状況ですから,本来なら,スピードをもってやらなければいけないし,私どもが福祉灯油について最初に提案をいたしましたのは,ことしの3月の第1回定例会の一般質問で,これを申し上げて,それから急速に燃油の高騰があって,一番必要としている時期に何も手だてを打たなかった。今,3年半前に戻ったからと,様子を見るという段階ではないというふうに私は強く申し上げておきたいというふうに思います。  次に,非正規労働者の雇用確保についてです。  景気悪化を口実に,派遣労働者や契約社員,期間社員の大量の雇いどめ,解雇の計画が相次いで発表されています。自動車産業から電気産業など,他の産業にも広がっています。厚生労働省調査では,300人が内定を取り消され,全国で3万人余の非正規労働者が雇いどめ,解雇されようとしているわけです。  このうち,本県の7件,626人は,年末までに失業すると見られています。本県では,企業が雇いどめ,解雇計画を公表しておりませんけれども,きょうで終わり,帰ってよい,給料は1カ月分出すからと突然通告された人や早期退職後に会社から声がかかって働いてきたが,今度は真っ先に首かなどの事例を聞いています。この年の瀬に,突然職を失い,路頭に迷う,こういう事態が現に引き起こされているわけです。ですから,実態は,政府がつかんだ以上にひどい状況にあると思います。こうした事態をどのように知事として受けとめているのか,伺います。 118 ◯橋本知事 先ほどの灯油購入費の助成について申し上げますと,これを実施しているのは平成20年11月現在で,6道県にとどまっているところでございまして,ほかの県におきましては,やはり灯油の消費量なども考えた上で対策を講じていないのが実情でございます。  それから,非正規労働者の雇用の安定につきましては,国では,大量解雇や採用内定取り消しを行う事業主に対する指導,あるいはまた,離職を余儀なくされた方々に対する再就職支援などの取り組みの強化を図っているところであります。  さらに,今般,生活防衛のための緊急対策において,解雇された方々が社員寮などに住み続けられるよう事業主に要請することや悪質な内定取り消しを行った企業名の公表などの指導を徹底することが打ち出されました。  県といたしましては,これまで,茨城就職支援センターを中心に,フリーターなどの非正規雇用者の正規雇用に向けて,職業紹介やキャリアカウンセリング,求人情報の提供,企業説明会等の就職支援を行ってまいりましたが,今後,国と連携して,採用内定を取り消された学生等への就職支援,あるいは離職者の早期再就職支援などの対策に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  なお,今後,さらなる雇用情勢の悪化が懸念されますことから,例えば,茨城産業会議等の会議の場などもございますから,そういったところなどで雇用の安定確保について,経済団体等へも要請してまいりたいと考えております。 119 ◯山中委員 企業の都合だけで労働者を解雇することはできません。非正規労働者にも適用されるべき雇用のルールがあるわけです。有期雇用の途中解雇については,労働契約法第17条等1項で,企業が倒産の危機にあるなど,やむを得ない事由を除いて禁止をしています。整理解雇による人員削減は,企業の維持,存続ができないほどの差し迫った必要性がない限り,やってはならない。人員削減の必要性,解雇回避の努力,人選の合理性,労働者との十分な協議を満たさない限り,解雇は無効との判例が確立をしているわけです。  現在の雇用破壊の大もとには,1999年に派遣労働を原則自由化した労働法制の規制緩和があり,そして労働者派遣法の抜本改正が必要だというふうに思います。  労働者の生活と雇用を確保することは,雇用対策法第5条にあるように,国とともに本県も必要な施策を講ずる責任があるということでいろいろされているという御答弁でした。厚生労働省は,12月9日,労働法規に反する非正規労働者の解雇を防止する労働基準局長,そして職業安定局長名の通達を出したわけです。  そこで,知事においては,県内770社,先ほど産業会議というようなお名前を出しましたけれども,私は,県内770社が加入する茨城県経営者協会,派遣や期間社員など非正規雇用を多く抱える企業,そして本県の税優遇措置が適用されている企業など,直接訪問して通達の趣旨に沿った雇いどめの自粛,そして雇用確保への努力を要請すべきだということを申し上げたいと思います。  大失業の危険を未然に食いとめるために,今,知事みずからが乗り出して,きちんと要請すべきだというふうに思いますが,改めて知事の所見を伺います。 120 ◯橋本知事 産業会議というのは,実は,今,委員がおっしゃられた経営者協会など,すべての経済団体を包含するものでございまして,より大きな立場から申し入れを行っていくこととしておりますので,御安心をいただきたいと思います。 121 ◯山中委員 今回,626人を雇いどめする7件は,雇用対策法第24条,第27条で1カ月前の提出が義務づけられた大量雇用変動の届け出,それから再就職援助計画を提出していない,明らかな法違反をしているわけです。  正規労働者への企業や雇用主の違法な行為も後を絶ちません。茨城労働局の監督指導で支払われたサービス残業代,昨年32企業,1,767人に実に2億4,000万円です。賃金と退職金の不払いは448件で,1,672人に2億8,000万円,最低賃金違反事業所は,全国平均の6.4%を上回る8.3%になっています。ですから,企業そして雇用主,事業所,社会的責任を果たさなければならないという立場にあるこれらの事業所,企業などがこうした法違反,それから正規雇用労働者への違法な行為,これらもあわせてしっかりとやめるべきだと,雇用の確保,それを改めて要請してもらいたいというふうに思いますが,いかがでしょうか。 122 ◯橋本知事 雇用対策に当たりましては,先ほど,委員の方からお話しございましたように,県としては,国が講ずる施策を前提として,これとの整合性を図りながらされているところでございまして,国の方で,まず第一義的には積極的な対応策を講じていくこととしております。  そして,国におきまして,今週末にも茨城労働局の方で,緊急雇用対策本部というものを設置する予定でございますので,そこに当然,私ども県としても参加をしてまいりまして,今おっしゃられたようなことを参考にしながら,少しでも雇用の面で県民の方々が安心できるような体制をつくるために努力をしてまいりたいと考えております。 123 ◯山中委員 そうですね,改めてその労働法規と厚生労働省通達を遵守するように,そのことをしっかりと申し上げてもらいたいというふうに思うんですね。特に雇用対策法の第24条,第27条の届け出が出てないというのは,これはもう,最悪なケースだというふうに思うんですよね。その認識で取り組んでもらいたいというふうに思います。  景気の調整弁のように,人間を使い捨てにしていいのか。企業の責任とともに,政治の責任が強く今求められているところです。失業の増大というのは,茨城の経済にも重大な影響をもたらすわけで,県としても,総合的な相談窓口,そして本県自身が雇用を創出して,失業者などへの仕事づくりを進めるなどの対応を強く求めて,次の質問に移りたいと思います。  中小企業への融資です。  商工労働部長にお尋ねします。  長年商売をして,ことしほど厳しい年はないと深刻な声があふれています。緊急経済対策の原材料価格高騰対応等保証制度は,1年半の時限措置ですけれども,100%保証ということで,先ほどお聞きしましたけれども,大変申し込みが殺到しているわけです。しかし,いまだに2割以上の202業種が対象外になっています。私どもは,12月5日に塩川鉄也衆議院議員と経済産業省の中小企業庁に赴いて,全業種に拡大することなど積極的活用を申し入れてまいりました。担当者は,税金が未納でも,返済の見通しがあれば融資できると回答しておりますけれども,本県は,この立場で取り組んでいるのか,お聞かせください。 124 ◯細谷商工労働部長 お答えいたします。  今回の緊急保証制度は,昨今の厳しい経済環境の中で,中小企業の資金繰り,これを支援するという目的に創設されたものでございます。  金融機関,あるいは信用保証協会におきましては,企業の経営実態,あるいは償還の可能性等を審査した上で融資を行います。したがいまして,今御指摘のような税金が仮に分割納付というような状態であっても,今申し上げました経営実態,あるいは償還の可能性があれば,こういうものであっても利用できるということになるかとは思います。 125 ◯山中委員 下まで浸透していないという認識が中小企業庁の方にはありました。そのことをぜひ今の話を徹底していただきたいというふうに思います。  昨年10月から導入された部分保証制度,それまで100%保証が20%,金融機関に負担してもらう制度に改悪をされました。この影響について,これもパネルで用意いたしました。  これは,私どもが県信用保証協会と懇談した際に示された資料です。部分保証が導入された平成19年の下期,保証承諾が91.4%,そして平成20年の上期,部分保証が始まって84.7%という状況になっています。赤字であっても,きちんと返済してきた企業に対して,商工会議所で融資を認めても,金融機関が貸してくれなかった例がふえているというようなことで心配の声も出ていて,貸し渋り,貸しはがしを結局助長させてしまったというふうに思っているわけですけれども,緊急保証制度を全額保証にしたことは,部分保証制度の失政を国としても認めたということにほかなりません。部分保証制度を撤回して全額保証に戻すように,国に働きかける必要があるというふうに思いますが,この点での所見を伺います。 126 ◯細谷商工労働部長 ただいま御指摘の責任共有制度というのは,保証協会と金融機関が適切な責任分担を図りまして,両者が連携して融資後におけます経営支援などを行うということで導入されたものでございます。  ただいまの責任共有制度によって,融資が減っているという御指摘でございますが,私どもも,平成19年の下期から責任共有制度が導入され,今,パネルにもあったとおりでございます。これは,責任共有制度がある融資とない融資とあるわけでございますけれども,ある融資とない融資をやはり同じような平成18年度の下期と比較いたしますと,両方とも減っております。減っておりますが,仮に責任共有制度があったからって,必ずしも大幅に減っているとか,そういうことはないという,私どもの方のデータはそういうデータも受けております。  それよりも,そのデータ,全体的に融資が減っておりますけれども,その当時,平成20年,平成19年後半からですが,このあたりでは,商工団体や中小企業者からは,原油とか原材料価格が非常に高騰しまして,将来にわたって設備投資とか事業拡大を控えて,融資の負債を圧縮するというような傾向に流れたために,全体的にそういう融資が減っているということでございまして,私どものデータとしましては,その責任共有制度のものが大幅に減るとか,そういうことではございませんで,全体的に減ったというふうに認識しております。 127 ◯山中委員 今,年の瀬を控えて,資金繰りの困難から,この融資制度を使いたいということで,県庁にも問い合わせが殺到しているというお話でした。何よりも中小企業の倒産を増大させるような,そういうことをさせてはならないという立場で取り組んでもらいたいというふうに思います。  3のエネルギー対策についてです。  東海第二発電所の高経年化対策,これは知事にお尋ねいたします。  エネルギー政策を化石燃料から自然エネルギーの開発利用に転換することは,地球温暖化対策のかなめとも言えます。ところが,政府は,原発を温暖化対策の切り札として,電力供給の約半分を原発で賄おうとしているわけです。しかし,事故や災害などによって,原発の停止が相次いでいるように,決して安定的な電源とは言えないという状況です。しかも,事故による環境破壊の危険性,原子炉から出てくる放射性廃棄物の処理,処分方法も未確立という状況です。  東海第二発電所の現状を見ても,特に,昨年の第21回定期検査以降は,点検補修後の最終段階である調整運転において重大なトラブルを繰り返して,毎回定期検査に6カ月を要している。原発が安全に運転できる目安は30年とされていますけれども,ことしの11月28日,既に30年を超えました。トラブルが続発し,定期検査のたびに半年もとまっているという事態は,老朽化のあらわれではないかという住民の強い不安のもとになっているわけです。  トラブルが続発し,こうした中,日本原子力発電は,この原発で60年運転を仮定した高経年化対策という延命策に踏み出しています。さらに,出力増強やプルサーマルを計画しているわけです。原発の設備利用を引き上げることは,老朽原発を酷使することであり,住民を大変危険な状態にさらすというふうになります。運転停止を含めた必要な措置をとるよう,国に求めるべきではないかと考えますけれども,知事の見解を伺います。 128 ◯橋本知事 原子力発電所につきましては,原子炉等規制法に基づいて,運転開始後30年を超えるプラントについては,施設設備の腐食,磨耗といった経年変化事象に関する技術的な評価と,それに基づく今後10年間の保全計画の策定が義務づけられているところでありまして,国の審査の結果,妥当と認められれば,さらに10年間の運転継続が可能となる制度になっております。  国は,本年7月に東海第二発電所について,日本原子力発電が行った技術評価及び今後の保全計画は,妥当と評価をしているところであります。  現在,県におきましては,専門家で構成する茨城県原子力施設高経年化対策等調査研究会を設置し,調査検討を行っているところでございます。  今後,県といたしましては,国の審査結果及び県の調査研究会における検討の結果を踏まえて,適切な対応をしてまいりたいと考えております。 129 ◯山中委員 私どもとしては,企業任せの高経年化対策でいいのかということを指摘しているところです。概要で,主な経年劣化事業というのを挙げているわけですけれども,評価の結果というのは,すべて企業で出しておりまして,健全性を保てるとか,十分な余裕があるとかいうことで,本当に60年の運転がこれで保障できるのかという非常に大きな疑問を持っているところです。  2の東京電力常陸那珂火力発電所2号機の中止の問題です。  昨年7月の新潟県中越沖地震で,柏崎刈羽原子力発電所が被災し,運転中止となりました。これを補うために,東京電力は火力発電所をふやしてきたわけです。火力発電所こそCO2排出の最大の事業です。原子力推進策は,CO2排出を促進させてきたわけです。こうした動きの中で,東京電力常陸那珂火力発電所2号機は,平成25年以降の建設計画を前倒しをして,平成25年運転開始で進めています。CO2排出削減に逆行するものであり,知事は,中止を求めるべきだと思いますけれども,この点での所見を伺います。 130 ◯橋本知事 また,先ほどの件で申しわけありませんが,私ども,企業のあれをうのみにするのではなくて,県としての調査研究会で十分検討してまいりたいと考えております。
     それから,ただいまの御質問でございますけれども,エネルギー政策基本法というのがございまして,その中では,第1に,安定供給の確保,2番目に,環境への適合,3番目に,市場原理の活用ということが3原則として挙げられているところでございます。  確かに,石炭火力というものにつきましては,環境への適合という面から若干問題は出てくるかもしれませんけれども,電力の供給については,今回の柏崎刈羽原子力発電所の運転停止等に伴い,その確保が夏場には特に大変大きな課題になってくるわけでございます。そういった点で,安定供給というものも重要視していかなければいけないわけでございますけれども,安定供給を図りますためには,一つのエネルギー源に過度に依存することなく,エネルギー源の多様化を図ることが大変必要であると言われております。  そして,特に,世界的に埋蔵量が多く,供給源が多様な石炭を効率的に利用することは,エネルギーセキュリティーの観点からも大変重要であると言われておるところでございます。  私どもも,そういったことも踏まえた上で,石炭火力を導入するのであれば,どうやって環境への適合といった項目にも配慮した形にできるかということが大変大事ではないかなと思っております。  今回設置をされます常陸那珂火力発電所2号機につきましては,石炭火力としては世界最高水準の45%の熱効率のものであり,また,石炭火力の平均的なCO2排出量よりは1割程度少ないものと聞いておるところでございます。  このようなことから,県といたしましても,エネルギーの安定供給の確保と環境への適合といったものを調和させていく点からも,常陸那珂火力発電所2号機は必要なものと考えております。 131 ◯山中委員 本県は,CO2排出量の多い県で,人口比で全国4番目,そして本県のCO2排出量は8割が産業,運輸部門,しかも,本県の産業部門は,全国の2倍という状況になっています。先ほど,知事はお話をしておりましたけれども,電力会社が燃料費の安い石炭火力をふやしてきたために,世界一の石炭輸入国になって,これが大型火発を急増させてきたというふうに思います。  平成4年,地球温暖化対策のための気候変動枠組条約が採択されたにもかかわらず,石炭火発をふやしてきたという状況にあります。で,東京電力常陸那珂火力発電所の石炭は,常陸那珂港の輸入の半分以上を占めて,燃やした灰は,中央埠頭に埋め立てるなど,2号機増設でさらに東京電力の専用埠頭化が増強されるというふうに思います。  環境破壊を食いとめるためにも中止を強く求めたいというふうに思います。  それから,次に新エネルギーへの取り組みについてです。  原子力や火力発電所に依存するのではなく,太陽光,風力,バイオマスなど自然エネルギーに転換していく方策をとらなければならないという,そういう時代に今なっているわけです。  平成20年の県の環境白書では,新エネルギーは,平成22年に2.2%と大変低い目標で,実績値は示されていません。太陽光発電の補助は,平成9年度当初は,1キロワット当たり設備費の3分の1の補助で,限度額34万円,ところが平成17年度は2万円,そして平成18年度からなくなってしまったわけです。国の施策が自然エネルギーを軽視していることを示しているわけですけれども,県として,自然エネルギーの目標を引き上げて,公共施設や各家庭に県独自の補助を行うなど,積極的に取り組むことを求めているものですけれども,現状と今後の方策について御所見を伺います。 132 ◯橋本知事 私どもとしても,新エネルギーの導入には積極的に取り組んでいきたいと考えております。2002年の計画策定時,わずか0.3%程度でありましたものを2010年には約7倍の2.2%の使用というものでございまして,私どもとしては,大変思い切った目標を立てたつもりでございます。  新エネルギーは,地球温暖化対策として極めて重要な役割を担うものでありますので,今後とも,導入促進になお一層力を入れていきたいと考えております。  そうした中で,太陽光発電のお話,その他があったわけでございますけれども,太陽光発電につきましては,今回,洞爺湖サミットなどを踏まえまして,平成17年度に廃止されました補助制度を補助単価も,1キロワット当たり7万円と引き上げて復活されるということでございますので,県といたしましては,まず,この制度の普及促進を図ってまいりたいと考えております。  そのほか,これまでにも,バイオマス燃料の製造を行うベンチャー企業への支援や中小企業の新エネ,省エネ施設導入に係る融資なども行っているところでございますし,また,県内の研究機関等での積極的な取り組みに対しても,私どもも協力をしておるところでございます。  いずれにしましても,御指摘も踏まえて積極的に対応してまいりたいと思います。 133 ◯新井委員長 山中委員の質疑の時間が終わりました。  御苦労さまでした。 134 ◯山中委員 ありがとうございました。 135 ◯新井委員長 暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は,午後2時45分を予定いたします。                 午後2時24分休憩        ───────────────────────────                 午後2時45分開議 136 ◯新井委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたします。  高崎委員。 137 ◯高崎委員 公明党の高崎でございます。  通告に従い,順次,質問をさせていただきますので,明快なる御答弁をお願い申し上げます。  まず初めに,福祉医療対策について,橋本知事にお伺いいたします。  先ごろ,県政世論調査が公表されました。この世論調査の中で,生活が苦しくなったと答えている世帯が昨年より4.4ポイント増加して46.7%という結果が出ました。この調査を行ったのは,原油高騰の時期であると思いますが,現在は,さらに事態が進行し,本県においても,世界的な金融危機の影響で,企業の業績が急速に悪化し,リストラが行われるなど,かなり厳しい状況となってきており,今後,生活が苦しくなったとの声は,さらに拡大すると思われます。  このようなときこそ,例えば,生活支援対策の一つとして,乳幼児マル福の対象年齢の引き上げを行い,より多くの子育て世帯が経済的支援を受けられるよう,制度を拡充すべきではないかと考えております。  そこで,まず,本県以外の都道府県の乳幼児マル福の対象年齢の状況はどうなっているのか,知事にお伺いいたします。 138 ◯新井委員長 高崎委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 139 ◯橋本知事 全国のことし4月1日現在の乳幼児マル福制度の状況でございますけれども,外来につきましては,本県と同様に,就学前までとしているところが25道府県,これよりも低い年齢としているところが18府県,小学校3年生など本県以上に年齢を引き上げているところが4都県となっております。  また,入院につきましては,本県と同様に,就学前までとしているとろが34道府県,これよりも低い年齢としているところが4県,小学校3年生など本県以上に年齢を引き上げているところが9都府県となっております。 140 ◯高崎委員 ありがとうございます。  多くの県民の方からも乳幼児医療費助成制度の対象年齢の拡大を求める声が寄せられており,この厳しい経済状況の中でこそ,少子化対策を充実させることが重要であると考えております。県として,乳幼児医療費助成の対象年齢を現行の未就学児までから小学校6年生までに拡大するお考えはないのか,知事の御所見をお伺いいたします。 141 ◯橋本知事 小学校入学前までとしている対象年齢を小学校6年生まで仮に拡大いたしますと,約5億円の新たな財源が必要になってまいります。  一方,御承知のとおり,本県財政は,三位一体の改革によりまして,5年間で約1,600億円の一般財源が減少してきており,大変危機的な状況にあるわけでございます。その中で,いわゆる一般行政費に当たる一般財源というものも1,600億円前後,特に県単独の政策的な支出に当たられているものは340億円程度となっております。  こういった中で,行革努力を精いっぱい行ったとしても,県民生活に密接にかかわる保健,福祉,医療等の分野でさえ現在のレベルを維持していけるかどうかということが大変大きな課題となっている現状にございます。直ちに小学校6年生まで対象年齢を引き上げるということは,極めて難しい状況にあるのではないかと考えております。 142 ◯高崎委員 ちょっと話違いますけれども,現在,国で実施されている児童手当,これは,今,小学校6年生までとなっております。この児童手当制度は,制度発足当時から小学校6年生までの支給対象年齢では,実はありませんでした。当初は,3歳未満までが対象でありましたが,その後,小学校入学前までに対象年齢が拡充,さらに財源を確保されながら,小学校3年生に拡充し,また,現在は,小学校6年生までに拡充といったように,支給対象年齢が段階的に拡充されました。  県政世論調査においても,暮らし向きが苦しくなったという理由として,医療費の増加が大きいとの意見が見受けられます。マル福制度の拡充を求める声があるわけであります。  そこで,乳幼児マル福の対象年齢も,小学校6年生までの拡充がすぐさまは難しいのであるならば,段階的に,例えば,小学校3年生までの対象年齢の拡充を図るといったような方法をとることができないのか,知事の御所見をお伺いいたします。 143 ◯橋本知事 段階的にというお話でございますけれども,外来,入院とも,小学3年生まで拡大した場合,新たに約3億円が必要になってまいります。これをどう考えるかということでございますけれども,先ほど申し上げましたように,乳幼児医療制度については,全国平均レベルの助成制度と現在なっております。  また,本県では,全国で4県しか実施しておりません妊産婦への医療費助成制度なども実施しているところでございます。私どもとしても,委員の考えと同じように,少子化対策,あるいはまた,生活対策という意味で,この制度を充実していきたいという思いは山々でございますけれども,今の財政状況を考えますと,すぐにというわけにはなかなかいきにくいのかなと思っております。  ただ,せっかくの御提案でございますので,これからの県財政の状況,あるいは他県の動向なども踏まえながら,中期的な課題という形で検討をさせていただければと存じます。 144 ◯高崎委員 ありがとうございます。  いずれにしても,県政世論調査というのは,医療費だけではなく,教育費の負担増,負担が重くなったというような項目がありますし,また,この県政世論調査,単なるアンケートということではないと思いますので,しっかり県政世論調査にあります県民の声,これはしっかりこたえられますよう,お願いを申し上げまして,知事への質問は終わります。  次に,病院改革の取り組みと救急医療体制の整備について,病院事業管理者にお伺いいたします。  まず初めに,病院改革の取り組みについてお伺いいたします。  古田病院事業管理者は,改革の3原則を掲げて,病院事業改革を行っていると伺っております。その中に,政策医療を中心に,県民が求める質の高い安心,安全な医療サービスを提供し,県民の公益にこたえられる県立病院づくりを目指すという項目があります。全国的に医師,看護師が不足し,医療崩壊が叫ばれる中,県民の安心,安全を守る医療を提供することがまさに公立病院の使命であると考えます。  救急医療やがん治療体制の強化など,さまざまな改革に取り組んでこられましたが,県立病院改革も残すところ1年余りとなりました。今後の改革の取り組みの方向性について,病院事業管理者にお伺いいたします。 145 ◯古田病院事業管理者 まず初めに,病院改革への取り組みについてお答え申し上げます。  改革に着手して間もなく,県立病院に求められているさまざまな政策医療の実現のためには,必要な診療要員の確保と一定の時間が必要であることを痛感しつつ,まず,強いリーダーシップを持つ新執行部を確立し,そのもとで全職員の意識改革を断行してまいりました。  そして,県立3病院への取り組みは,政策医療の中でも喫緊の課題である救急医療の充実から始めてまいりました。  総合病院である中央病院においては,このほかにも,県民からの期待や医療需要が大きいがん診療や循環器医療の充実などに力を入れてきたところでございます。  しかし,まだ中央病院としましては,小児医療,産婦人科医療などについては,成果を上げてきておりません。こども病院につきましても,本来の高度小児医療のさらなる充実についても十分ではございません。  また,友部病院は,現在,実施設計を進めておりますが,実際に2年後に,新たに竣工される友部病院が政策医療をしっかりと担えるような準備をしていく必要があります。  そして,3病院に共通して求められている人材育成機能,とりわけ看護体制の強化充実にも3病院がようやく取り組み始めたところであります。  県立病院改革のために,私に与えられた期間は,あと1年余りであり,その間に必要な医師,看護師等のスタッフの充足がさらにどれだけ実現できるかが私の改革の成果につながることは十分理解しております。  一定のスタッフの充足を目指し,来年の4月に向けて,目下努力をしているところでございます。  今後の1年余りの間に,県立病院が県民の求める安心,安全な質の高い医療を少しでも多く提供できるよう,体制を進めつつ,病院の健全経営体制の基盤確立とその道筋をつけることが私に与えられた改革における重要な使命だと考えております。 146 ◯高崎委員 ありがとうございます。  次に,県立中央病院の救急医療体制の整備についてお伺いいたします。  これは,今定例会でも,同じような質問をされた議員さんがいらっしゃいますが,改めて予算特別委員会で質問させていただきます。  管理者が進めている改革の実績として,県立3病院の救急体制の強化があると思います。友部病院においては,精神保健福祉法第24条の救急患者の24時間365日受け入れを開始しました。この結果,救急患者の受け入れもふえ,平成19年は,平成18年に比べ,倍以上の571名を救急患者として診察したと伺っております。  また,中央病院においては,基本的に,救急患者を断らない方針のもと,救急患者の受け入れを積極的に行っています。しかし,この結果,救急車搬送件数で,平成19年は3,344件と,前年度より851件増加し,今年度は,11月末の8カ月で2,252件と,平成18年度1年間の受け入れ件数2,549件を超えております。このままでは4,000件を超えるペースと管理者も言われております。  この要因としては,北関東自動車道の開通に伴い,救急体制の手薄な筑西地区からの救急車もふえたものも一因ではないかと考えます。  今後,東関東自動車道の開通も予定されており,鹿行地区からも県央地区への救急搬送がふえるのではないかと危惧しております。  しかし,中央病院も,ハード的な問題で救急患者の受け入れの余裕もないと考えますが,中央病院の救急医療体制の整備について,病院事業管理者にお伺いいたします。 147 ◯古田病院事業管理者 救急医療体制の整備についてお答え申し上げます。  中央病院の救急患者の受け入れは,永井病院長のもとで,片田救急センター長を中心に,全職員の献身的な努力により,増加の一途をたどる救急患者を原則断ることなく,何とか対応してきております。  しかし,現状におきましては,患者に行う心肺蘇生のための救急蘇生室や運ばれてきた患者さんの全身状態を見分ける処療室,処置経過を観察する観察ベッド,夜間の救急入院患者用のベッド,それに救急用のICUなどといった機能が全くないまま,付添いの家族の方々には廊下でお待ちいただくといったように,救急患者さんへの対応に必要な最低限度の機能がないままであるのが現状であります。  本年度は,既に11月の末の時点で,平成18年度の実績を上回る,委員御指摘の2,500床を超える救急搬送患者を受け入れ,年度末には4,000件を超えることが見込まれておりますが,ことしの年末年始は,特に12月27日から1月4日までの9連休になりますことから,この対応に今から苦慮しているところでございます。  また,間もなく北関東自動車道が東北自動車道と接続するなど,県内の道路整備が進むにつけ,今後ますます県内各地から県立病院へ救急車が向かうようになることは間違いございません。  したがいまして,私としましては,政策医療に不可欠な救急医療体制の整備を一刻の猶予もなく行っていただきたい旨,先般の一般質問で答弁いたしたところであります。  病院局としましても,その具体的な内容について,関係方面と現在協議を始めているところでございます。 148 ◯高崎委員 ありがとうございます。  県民の安心,安全を守る医療を提供するのが公立病院の使命でありますので,よろしくお願いします。  また,知事,財政的な面,しっかりバックアップしていただけるようにお願いしますし,私ども議会としましても,とにかく県民の安心,安全といいますか,命を守るためのお手伝いをさせていただきたいと思いますので,これで質問を終わります。  ありがとうございます。  次に,雇用体制と相談体制の充実について,商工労働部長にお伺いをいたします。  県内の雇用情勢は,本年10月末には,有効求人倍率は0.8倍と前年より0.14ポイント下回るなど,大変厳しい状況となりました。さらに,派遣労働者の雇用,解雇の状況は,全国で約3万人,県内でも626人が失業,またはその可能性があるとの情報もありますが,今後の予想としては,さらに厳しい状況になると考えても過言ではありません。  県内の高校生の就職内定状況についても,現在のところ,就職内定の取り消しは確認されてないものの,来春卒業予定の就職内定率が10月末現在で67.8%と前年よりも1.4ポイント減少しており,注意を要する状況にあります。  このように,急激な景気悪化により,雇用情勢が目まぐるしく変化している中で,県は,その状況に対応した支援を行う必要があると考えますが,就職氷河期に正社員になれなかったフリーターなどの若者の雇用支援について,現在どのように支援を行っているのか,商工労働部長にお伺いいたします。 149 ◯細谷商工労働部長 お答えいたします。  現在,フリーター等の若者に対しましては,茨城就職支援センターにおきまして,キャリアカウンセリング,あるいはビジネスマナーなどを習得する講座,就業体験,企業説明会等を実施しております。  さらに,訓練期間での講習と企業での実習を組み合わせた訓練,いわゆるデュアルシステムと申しておりますけれども,これを無料で実施しているところでございます。 150 ◯高崎委員 国においては,フリーターなどの若者の雇用支援のための対策が打ち出されているところでありますが,県として,今後どのように取り組んでいかれるのか,商工労働部長にお伺いいたします。 151 ◯細谷商工労働部長 委員御指摘のとおりでございまして,国におきましては,フリーター等を常用雇用化するという支援策をこのたび拡充したところであります。  今後さらに,年長フリーターを積極的に雇用する事業主への奨励金の創設等が検討されるというふうに聞いております。  県といたしましては,今後,こういう国の予算編成の動向等を見きわめながら,国や県の施策のより一層の活用を働きかけまして,若者の雇用支援に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 152 ◯高崎委員 次に,障害者の雇用についてでございます。  障害者の雇用については,先月発表された県内民間企業の雇用率は1.54%と,昨年と同率で,全国33位にとどまる状況にあります。昨今の雇用情勢が悪化していく中で,社会的弱者である障害者の雇用については,今後ますます厳しくなると私は危惧しております。このような状況下で,県としては,どのような対策をとっていかれるのか,商工労働部長にお伺いいたします。 153 ◯細谷商工労働部長 障害者の雇用についてでございます。  これまで,意識の啓発とか,障害者の就職面接会の開催,職場体験実習,あるいは障害者の適性に応じた職業訓練の実施など,障害者の雇用拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。  今後とも,これらを着実に推進いたしますとともに,今回の国の緊急対策等におきまして,障害者支援策の拡充,新たな制度の創設等が打ち出されているところでございますので,国とも連携を図りながら,障害者の雇用が促進されるよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 154 ◯高崎委員 障害者の雇用を促進する上で,障害者が職業に必要な知識,技能を習得することは大変重要なことであると考えておりますけれども,県として,どのような取り組みをしていかれるのか,商工労働部長にお伺いいたします。
    155 ◯細谷商工労働部長 障害者の職業訓練についてでございます。  本県では,コーディネーターを1名配置いたしまして,受け入れ企業の開拓,職業訓練希望者との面談等を行いまして,企業に委託という形で障害者の訓練を行っているところでございます。  また,知的障害者につきましては,販売や商品管理など必要な知識,技能習得のために1年間の職業訓練を実施しているところでございます。  今後とも,企業にいろいろ御協力をいただきながら,市町村やハローワーク等とも緊密に連携を図りまして,障害者の希望や適性に応じました訓練を実施していきたいというふうに考えているところでございます。 156 ◯高崎委員 ありがとうございます。  茨城就職支援センターでは,今年度から新たに県内5カ所で出張相談が開始され,就職支援センターから遠い地域の県民の利便性を考慮し,出向いて就職相談を行っているということに対して,私は高く評価しております。  しかし,課題も見えてまいりました。11月までに大子町,北茨城市,潮来市,稲敷市,坂東市の5カ所で,合計33回実施し,延べ307人の利用となっております。先月,北茨城市の出張相談では,39人もの利用となり,十分な相談ができない状況がありました。これは,月1回ですので,1回に39人の方が来られた。その利用者の利便性を考慮すると,相談体制や環境整備が必要であると考えますが,どのように対応していかれるのか,お伺いします。  さらに,何度も言いますが,雇用情勢が大変厳しい状況にある中,就職支援センターの役割はますます重要になってくると考えますが,今後どのように取り組んでいかれるのか,商工労働部長にお伺いいたします。 157 ◯細谷商工労働部長 出張相談ということでございますが,これまでの利用実績を見てみますと,委員御指摘のとおりでございまして,地域によりまして,利用者の人数に差がございます。こういうことから,開催回数や相談員の数など,実施の体制について検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。  また,環境の整備でございますが,特に,IT機器の活用が有効なわけでございますけれども,開催場所の設備の状況もございますので,開催する場所の市町村と適宜いろいろ検討しながら,機器の活用について検討していきたいというふうに考えてございます。  あと,今後についてでございますが,来年度,地方総合事務所を含めまして,組織改正がございますけれども,これにあわせまして,県北に地区センターの拡充を図っていきたいというふうに考えてございます。  また,就職支援センターの機能,あるいは相談の場所,日時等について,県民の方々に知っていただくことも必要でございますので,市町村等とも十分な連携をとりまして,周知に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 158 ◯高崎委員 ありがとうございます。  部長,要望ですけれども,先日,水戸養護学校へ行ってきまして,その子たちの就職状況をちょっと聞いてきたんですけれども,やはり現場では非常に一生懸命取り組んでいるんですが,人もそう多くはないですし,そんなに多く企業訪問できないという中で,一つ感じたのは,やはり情報が必要なのかなというふうに感じまして,やっていただいていると思うんですが,障害者に対する企業の紹介であるとか,そういう求人の情報をぜひとも養護学校の方にも上げていただいて,しっかり連携してやっていただければなというふうに要望させていただきますので,よろしくお願いします。  以上で,商工労働部長への質問は終わります。  ありがとうございます。  次に,特別支援学校の教育環境の充実について,教育長にお伺いいたします。  過日,水戸高等養護学校を訪問し,各学年の授業風景などを視察させていただきました。生徒の授業を受ける態度,また,教える教師の方々の姿勢には大変好感が持てました。大変すばらしい学校であると正直な私の感想でございます。  特に,8コースの専門教育は,就職なども踏まえ,実践的に取り組みをされていました。しかしながら,障害を持つ生徒たちの実践的な専門教育を受ける過程の中で,時代の流れもあって,就職なども踏まえた専門教育の内容を少し改める必要があるのではないかと。例えば,福祉であるとか,また,事務であるとか,そういう今の時代にマッチした専門教育のコース,これを新設するなど,教育内容の充実を目指す取り組みが必要ではないかというふうに考えてきたわけでございますが,その辺について,教育長の御所見をお伺いいたします。 159 ◯鈴木教育長 水戸高等養護学校は,平成11年に新しくできた学校でございまして,軽度の知的障害者を対象に,職業生活に必要な意欲や態度をはぐくむとともに,勤労についての理解を深めることなどをねらいとして,卒業後の就労につながるコースを設定し,専門教育に取り組んでいるところでございます。  昨年度の数値で申し上げますと,卒業生46人のうち,40人が就労しているところでございます。  コースの設定に当たりましては,既存の高等部卒業生の就労実績の多い職種であること,生徒の希望に沿えるものであること,社会的ニーズの高いものであることなどを踏まえて対応してきたところでございます。  現在,クリーニングを初めとして8コースを設けておるところでございます。ただいま,委員から御提案のありました福祉系や事務系などのコースの設定につきましては,ここ数年,特に福祉関係に就労する生徒が出てきておりますので,先ほど申し上げましたコース設定要件に照らして,今後検討してまいりたいと考えています。  なお,新しいコースを設定するに当たりましては,既存のコースの廃止など,スクラップ・アンド・ビルドで対応してまいりたいと考えております。 160 ◯高崎委員 ぜひとも前向きに御検討の方,よろしくお願いします。  この間,ある障害者の雇用に関して懇談する機会があって,実は,知的障害者の方,介護職についたということをお聞きしまして,どんなことをやられるんですかといったら,接客だというような話をされましたですね。ですから,そういう福祉分野,特に介護分野なんかも非常にニーズがあるのではないかなと思いますので,よろしくお願いいたします。  次に,水戸高等養護学校は,大変人気が高く,入学の倍率は1.5倍を超えております。現在の定員は,1学年48名でありますが,今後,その定員の拡大を図っていくべきであると考えますが,教育長の御見解をお伺いいたします。 161 ◯鈴木教育長 定員の拡大についてでございますが,志願状況を見ますと,平成16年が一番志願倍率が高くて2倍でございまして,それ以降,ここ数年は少し下がってまいりまして,1.5倍前後と減少傾向にあります。  あとまた,関東近県とか全国の状況から見ましても,定員というのは,大体40人前後というのが設置されている状況でございますので,本県は48名ということでございますので,このようなことから,定員の拡大につきましては,今後もう少し推移を見させていただいて,それで検討してまいりたいというふうに考えています。  なお,検討するに当たりましては,設置目的の趣旨を踏まえた上で,志願者数や就職者数の状況,社会ニーズの把握,保護者等の意向等について十分検討した上で判断してまいりたいというふうに考えております。 162 ◯高崎委員 定員について,減少傾向にあると言いましたけれども,レベルが高いからといって,実は,最初からあきらめている親御さんもいらっしゃるわけですので,これも前向きに御検討願いたいと思います。  最後に,水戸飯富養護学校と水戸養護学校の環境整備についてお伺いいたします。  過日,両学校を視察いたしましたが,玄関が手狭であったり,バリアフリー化が図られていない箇所が見受けられました。これらの学校には,障害のある児童生徒が多数通っております。学校の実情を踏まえ,バリアフリー化に取り組むべきと考えますが,教育長にお伺いいたします。 163 ◯鈴木教育長 まず,水戸飯富養護学校についてでございますが,昭和60年に知的障害の児童生徒を対象として開校した学校でございます。学校のバリアフリー化につきましては,これまで,昇降口や玄関については,階段わきにスロープを設置しましたり,車いす対応のトイレも設置しましたし,校内の移動を円滑に行えるよう教室等にエレベーターも設置してきたところでございます。  ただいま,委員から御指摘のありました昇降口が階段になっており,バリアフリー化が図られておりませんが,これにつきましては,学校や保護者の方々の要望等を踏まえた上で検討させていただきたいと思っております。  次に,水戸養護学校につきましては,昭和37年に肢体不自由児の児童生徒を対象として開校した学校でございます。多くの児童生徒が車いすを利用して移動しておりますので,段差等の解消など,バリアフリー化を積極的に図ってきたところでございます。  委員御指摘の児童生徒の出入り口が車いすを並べておくにはちょっと狭いのではないかというお話でございましたが,今現在,車いす約80台分ぐらいのスペースがとりあえずありますので,現在のところは,確保されているという,学校側の方にお聞きしております。  今後,学校の意向等を十分踏まえた上で対応を検討してまいりたいと考えています。  県の公共施設,とりわけ特別支援学校は,障害のある児童生徒が安全かつ円滑に教育活動が行えるようバリアフリー化に積極的に取り組んでいかなければならないものと考えております。 164 ◯高崎委員 ありがとうございます。  今回は,水戸飯富養護学校と,それから水戸養護学校と,私の地元,水戸市だけしか見れませんでした。いずれにしましても,バリアフリー化に関しては,今回,私としては2カ所しか見れませんでしたが,いずれにしても,県内の養護学校のバリアフリー化に極力努めていただきますようによろしくお願い申し上げまして,私の質問を終わります。  ありがとうございました。 165 ◯新井委員長 はい,御苦労さまでした。  最後に,鶴岡委員。 166 ◯鶴岡委員 自由民主党の鶴岡正彦でございます。  付託案件並びに行政課題について,通告に従いまして,質問を進めてまいりますので,よろしくお願いをいたします。  まず初めに,茨城空港の就航対策についてでございます。  去る10日,11日と知事におかれましては,マレーシアを訪問されまして,エア・アジアXのアズランCEOとトップ会談が行われました。その結果につきましては,知事の記者会見,また,新聞報道等で承知をしておりますが,その中で,アズランCEOから日本における最初の就航先として,茨城空港を希望していると,こういうコメントを得たということで,私としては,大変喜んでおりますし,一歩前進であったというふうに評価をいたしております。  しかしながら,世界経済が不透明な中にございまして,もう少し状況を見きわめたいと,こういう理由によりまして,就航表明は得られなかったわけでございますけれども,私は,知事がみずから訪問をされまして,相手方との信頼関係を構築された,これは大変大きな意義があったというふうに思っております。  今後も,この対策について,しっかり頑張っていただきたいというふうに思っておりますが,今回のこの訪問を踏まえて,当日,マレーシアは大変晴天だったというふうにお聞きしております。きょうの天気は,雨後晴れ後雨のようでございますけれども,この就航対策について,天気にたとえて,知事の長期天気予報をお聞かせをいただければ大変ありがたいと思います。 167 ◯新井委員長 鶴岡委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 168 ◯橋本知事 今回のアズランCEOとのミーティングの後で,彼は,ちょっと記者向けのインタビューに答えておりますので,それを引用させていただきたいと思います。  まず,よき友人である橋本知事と近況を話し合えてよかった。よい議論,実りの多い議論ができた。日本で最初の就航先として,茨城空港を望んでいることに変わりはない。あと1年余りの間,空港整備の進捗を当然期待している。私たちは,非常に進んだ交渉の段階に入っているといったことを言ってくれております。  私としては,今後,進んだ交渉の段階に入ることを改めて確認できたということで,大変意義のある訪問だったと考えております。  また,今回初めて,クアラルンプール国際空港のLCCターミナルを見てまいりましたが,メーンターミナルの方が閑散としている感じがいたしましたが,LCCターミナルの方は,本当にごった返すという状況でございまして,彼らのキャッチフレーズであります,たしかウィ・キャン・フライトというキャッチフレーズがあるんですけれども,そういう時代に入った。だれでも飛行機を利用して旅行ができる時代に入ったということを実感してまいったところでございます。  そういう中で,ちょっと長くなりますけれども,実は,エア・アジアXの方では,去年の9月に今月ロンドンに就航するということを発表いたしました。ところが機材の納入がおくれまして,これを3カ月ほどずらさざるを得なくなった。これについて大変に信用を失墜したのではないかということを危惧しておるところでございます。同じ過ちをといいますか,同じ失敗を二度と起こさないためにも,もっとはっきりした段階で発表したいという意向を強く持っておりまして,そういう観点から,就航発表の時期につきましては,空港工事の進捗状況,あるいは機材調達について確信が持てる状況などをしっかりと見定めた上で発表していきたいという意向を強く持っておられました。  私といたしましても,エア・アジアXの考え方,理解はできるわけでございますけれども,やはりこちらの事情としては,できるだけ早く就航表明をしていただきたいということもございますので,引き続き,強力に交渉を進めてまいりたいと考えております。  最後に,今後の見通し,長期予報に例えるというのはなかなか難しいところでございますけれども,空の状態で申し上げますと,航空業界のみならず,経済全体が先が読めない,今,乱気流の中に入っている状況ではないかなと思っております。  しかしながら,この乱気流を乗り越えていけば,そこには間違いなく明るい未来が待っているのだろうと信じております。 169 ◯鶴岡委員 私も,ことしの4月に山口武平団長とともに,当地を訪問してまいりました。その際に,エア・アジアXのCEOにもお会いさせてもらいましたが,大変な意気込みでございました。ぜひ私は,これを成就していただくように,これからもお願いしたいと思います。  先日行われました総務企画委員会におきまして,県議会から国への意見書が発議をされました。これは非常に切り口のいい意見書だなということを感じました。これについて,知事の方にちょっとお尋ねをしたいというふうに思っております。  この意見書の中にも記されておりますが,国土交通省の資料によりますと,国際航空の需要は2000年と2012年を比べてみますと,約2,000万人増が見込まれる,伸びがあるということのようでございます。また,首都圏での伸びでございますと,同じ2000年と2012年の比較では,約1,400万人増となるだろうと,このように予測がされているわけでございます。  このような中で,首都圏で3番目の空港でございます茨城空港は,茨城県を中心とした北部関東地域の航空需要に対応するということはもちろんでございますけれども,首都圏全体の一翼を担うものと,このように感じているわけでございます。  そして,この首都圏における災害が発生をした場合に,緊急時にこの茨城空港を利用するということが必要になるのではないか,また,成田,羽田の代替空港としての役割も求められているのではないか,このように記されておりました。私も,こういう整備を今後進めていくということは大変重要だというふうに思っておりますし,これを実現するためには,私見でございますけれども,県の地域防災計画の見直しを図ることによって,国との協議の場ができてまいります。その意味では,この役割が拡充の促進につながってくるだろうというふうに思うわけでございます。  私は,この茨城空港がこの代替空港として,また,災害等における重要な役割を担うというふうに思っておりますので,知事がどのようにお考えになっているのか,また,今後どのように進めていかれるのか,その点についてお尋ねをしたいと思います。 170 ◯橋本知事 阪神・淡路大震災の発生時に,神戸港の国際ハブ機能が損なわれたことは記憶に新しいところでございますけれども,首都圏における災害発生時には,茨城空港は,成田,羽田が使えなくなるという前提に立ちますと,代替空港として機能してもらわなければならないのだろうと思っております。  また一方で,先ほどお尋ねにもありましたように,災害対応ということといいますか,被災者対応といった面もございます。そういったことについては,必ずしも同じ方向ではないものですから,若干外国からの航空便を受け入れるということと被災者対応するということは,反対側といいますか,お互いがぶつかり合う面もございます。そういったことについて,どうやって調整していけばいいのかも含めて検討させていただきたいと思います。 171 ◯鶴岡委員 国との協議というのは必要になってくると思うんですね。そういう意味では,いろいろな場を通じてやっていく。やはり茨城県の全体の防災計画の中に百里の飛行場をとらえ,さらに成田,羽田のことも考えていくと,こういうことが必要なのかなという意味で,ぜひお願いをしたいというふうに思います。  次に,景気対策についてお尋ねをいたします。  また,商工労働部長に,中小企業融資資金貸付金についてお尋ねしたいんですけれども,今回の補正予算は,これが目玉でございますし,今,緊急な課題でございます。各委員からそれぞれ質問等が出たわけでございますので,重複をする部分がございます。お許しをいただいて,私の方から質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず,景気対策本部でございますが,麻生総理は,現在の経済情勢について,アメリカ発の金融危機は,尋常ならざる速さで実際経済へ影響し始めているという認識を表明されたわけでございます。  去る12日に,生活防衛のための緊急対策が発表されました。また,県におきましても,知事からは,経済対策本部を全庁的につくっていくというお話もございました。実は,私ども自由民主党は,茨城の底力をもって活力と安心への挑戦というスローガンのもとに,来年度の重要政策大綱をつくらせていただきました。その中で,中小企業や,また,特に建設業,大変厳しい経営状況でもございますし,支援等を求めているわけでございます。  その中で,私も知事にお話を申し上げましたが,やはり全庁的な組織で,今後どういう対策を進めていくか,ぜひ御協議いただきたい。しかし,県でできるものも非常に限定をされております。やはり国の予算に応じて国と一体となって対策を進めていくということが重要であろうというふうに思っております。  そういうことで,全般的に知事が今お考えになっておられる景気対策本部における内容と,また,雇用対策等につきまして,御意見等あれば,ぜひ御披瀝をいただきたいと思います。 172 ◯橋本知事 委員からお話しございましたように,対策本部における経済対策というもの,雇用対策というものは,第2次補正予算や新年度予算といった国の対策,動向といったものを見きわめながらのものになってくると考えております。  ただ一方で,本県の実体経済や雇用情勢なども踏まえまして,本県の実情に応じた形で行っていくことも必要であると考えております。  これまで,県としては,11月に建設業支援プログラムを策定し,経営強化新分野への進出などの支援を行ってきておりますほか,今月には,県発注工事についての工事代金の債権を譲渡することによる融資保証制度を導入したところであります。  今後は,今般創設いたしましたセーフティーネット融資の緊急保証枠の十分な確保などの中小企業の経営安定化対策や(仮称)地域活性化生活対策臨時交付金の活用によるインフラ整備などを検討してまいりたいと考えております。  次に,雇用対策についてでありますが,現在,国においては,雇用就業機会を創出する基金事業創設について検討がなされております。  これは,地域の発展に資する事業や非正規労働者の一時的な雇用の創出等を内容とするものと聞いております。具体的な実施に当たりましては,各県の実情に応じて対応することになってくるものと思われますので,対策本部の中で全庁的な検討を行い,より効果的な雇用の創出につなげていきたいと考えております。  さらに,近日中に茨城労働局でも,緊急雇用対策本部を創設する予定でございますので,ここに参加して非正規労働者の再就職支援など,国と連携した雇用対策を講じてまいりますとともに,私や教育長が県内経済団体に対しまして,雇用の維持や内定取り消し防止の緊急要請をしてまいりたいと考えております。  こういった経済対策や雇用対策に加えまして,この対策本部におきましては,(仮称)安心こども基金の創設に伴う子育て支援サービスの拡充や福祉介護人材の確保策など,県民の生活の安心確保に資するさまざまな取り組みについて,総合的に検討してまいりますとともに,各種の支援策の広報の充実などについても検討してまいりたいと考えております。 173 ◯鶴岡委員 ありがとうございました。  100年に一度と言われる金融危機でございます。大変厳しい環境の中でございますので,県民の期待に大いにこたえていただきたいと思います。  ありがとうございました。  続きまして,商工労働部長に,中小企業融資金貸付金についてお尋ねをいたします。  今回の補正の目玉でございますけれども,補正の内容等については,十分に理解をしているつもりでございます。しかしながら,平成10年10月から平成13年3月までに実施をされました。これは,小渕内閣のときだったと思いますが,中小企業金融安定化特別保証制度ができました。この制度が施行され,焦げつきがふえて信用保証協会に大きな負担を与えたという経緯がございましたし,今もINGでございます。この特別保証制度というのは,破産,和議,会社更生など10項目から成りますネガティブリストに該当しなければ原則で貸しますよと,こういう制度でございました。この制度によって,特に使い道はなかったけれども,借りられるということで借りておいたとか,借りて株に投資をしたとか,こういう報道もあったように記憶をいたしております。まさに中小企業のモラルハザードを引き起こしてしまったという批判もございました。  また,通常の場合,貸しても返済できないのではないかというところまでも貸したということで,焦げつきに至ったケースも多かったということでございます。  ここで,改めて,この信用保証協会がこの信用保証制度を活用して,代位弁済を行った状況をまずお聞きをしたいと思います。 174 ◯細谷商工労働部長 中小企業金融安定化特別保証制度についてお答えいたします。  この制度によりまして,保証承諾を行った額でございますが,この当時,3年間で6,035億円でございます。このうち,代位弁済額は約1割の616億円に達してございます。この616億円のうち,8割が日本政策金融公庫から保険として支払われております。これから債務者の回収分を差し引きまして74億8,100万円が信用保証協会の損失分というふうになってございます。  この制度におきまして,国で損失補償の財源措置をしておりまして,県信用保証協会に対しましては61億1,700万円が出捐されてございます。したがいまして,この差額13億6,400万円が信用保証協会の純粋な損失となってございます。 175 ◯鶴岡委員 こういう状況でございます。しかしながら,現在の経済情勢を見ますと,やはり借りたい人に貸してあげる,速やかに融資をしていくということが必要であろうと思います。先ほども議論があったようでございますので,私からは触れませんが,やはり,今,国民の多くがそれと同じことがまた起こるのではないかということを心配していらっしゃる方もいると思います。その意味では,今回の制度と,また,前の安定化特別保証制度にどのような違いがあって,そういうリスクをできるだけ避けながら,やはり借りたいという方にしっかり貸し出していくかという二律背反の問題があるわけでございますが,これについて,商工労働部長のお考えをお尋ねしたいと思います。 176 ◯細谷商工労働部長 今回のセーフティーネットの緊急保証制度と10年前に行われた制度,委員から御指摘ありましたように,いわゆるネガティブリストに該当しなければ,ある程度借りられたという10年前の制度でございますが,今回の緊急保証制度は,従来からのセーフティーネット保証制度を拡充いたしたものでございまして,指定業種を大幅に追加いたしました。  それから,保証対象要件でございますが,売上率の減少とか,利益の減少とかという,対象要件の緩和等を行いましたが,あくまでも従来と同じセーフティーネットの保証制度でございます。  したがいまして,信用保証協会が信用調査,面談とか現地調査等でございますが,審査を行った上で融資が行われますので,平成10年から行いました以前の中小企業金融安定化特別保証制度のような問題は生じないものというふうに考えてございます。 177 ◯鶴岡委員 どうもありがとうございました。  中小企業者は大変な期待を持っていると思いますので,運用をよろしくお願いをしたいと思います。  ありがとうございました。
     次に,地方財政制度について,総務部長と議論をしてみたいと思います。  財政制度の基本は,出るを図って入るを制すという量出制入の原則でございます。最近の議論を見てみますと,私は,その逆であります入るを図って出ずるを制すという量入制出の原則,すなわち,家計簿のように,歳入において歳出が決まるというふうなことが財政運営の基本だというふうに考えていらっしゃる方が多いのではないかなと,このように感じているわけでございます。  財政が逼迫をいたしますと,どうしても予算のやりくりから政策を切り詰める,こういう発想が強まりまして,量入制出が当たり前と考えやすくなってくるわけでございます。  しかし,それは本末転倒でございまして,量出制入,すなわち地域にとってどういう政策が必要なのか,そういう発想に立って歳出において税負担が上下に変動するというのが正しい姿でございます。  まず,行政として行うべき事業の量を決めますが,その際には,必要な事業だけに限定されるように個別事業ごとに慎重に吟味をするということが必要でございます。これが量出でございます。これが決まれば,この遂行に必要な税の総額がおのずと決まってまいりまして,納税者への割り振りでありますとか,そういうものを決めていく,これが制入でございます。  しかしながら,税の負担には当然限界がございますので,量出は,税負担の水準や納税者の負担感に関係なく一方的に決められるのではなくて,いわば,税というのは,量出過程で抑制効果を果たすということになるわけでございます。  財政膨張に対するブレーキというふうに言われているわけでございます。この意味で,量出と制入は双方向の関係になるわけでございます。ただし,実際に税負担を短期間で変動させるということは無理でございますので,その役割を地方財政計画を通して地方交付税がになっているのが現在の地方財政制度でございます。  そういう量出制入の立場になって考えますと,現在の予算編成の手法でございますシーリングというすべての分野を一律に扱いまして,事業ごとの優先順位を考えない方法が果たしていいのかどうかと,私は大いに疑問を持っているところでございます。  例えば,公共事業につきますと,個別事業箇所ごとの査定を行わず,道路でありますとか,河川でありますとか,こういう分野ごとの総額で規制をしてしまうというやり方でございます。本来必要な政策が実施されないということになってしまうのではないかというふうに思っているわけでございます。  近年の地方財政計画は,量出制入ではなくて,量入制出の立場に立って策定されているのではないかというふうに思わざるを得ないところでございます。  このために,地方は,医療,福祉関係経費などの義務的経費さえも賄うのが困難な状況になっている状況でございます。  こうした問題に関しまして,基本的に,総務部長はどのようにお考えになっているのか,お尋ねをしたいと思います。 178 ◯上月総務部長 お答え申し上げます。  るるございました御指摘は,まことにごもっともな点ばかりだというふうに考えております。まず,制入,入るを制するという点につきましては,我々の実務的に申し上げますと,予算編成で歳出が固まってまいります年明けの1月末ごろには住民税の賦課期日を超えてしまっております。また,周知期間等から考えましても,新税の創設も難しく,森林湖沼環境税といったような形,すなわち,こういう歳出にこういう歳入をお願いしたいと,あらかじめ言うような形でない形,財政収支の結果を制入という形で税に転嫁するといったようなことは,実務的にも大変難しい問題がございます。  そのため,御指摘がございましたように,マクロの地方財政計画での的確な歳入歳出の見積もりというのが決定的に重要になるわけでありますが,この点,国から見ましての量出,あるいは制出というのでしょうか,出ずるを制するにとでも言うのかと思うのですが,交付税を削減しようとして地方財政計画の歳出を十分に積まないといったような事態は,私は,地方の財政,ひいては地方の経済や地方の社会を壊していくことにつながっていくのではないかというふうに思っておりまして,三位一体の改革以降の一連の流れというのは,まさにそのような状況というべきではないかと大変危惧しております。  また,量出,出ずるを量るの方に関しますシーリング等につきましては,御指摘のように厳しいシーリングを現在設けているわけですが,シーリングそのものも全部が一律ではなくて,ゼロ%から30%まで事業の性格によって差を設けております上に,シーリングの一方で,数十億円規模の新規の要求枠を別途設けるなどしまして,単なる一律削減とはならないように工夫には努めてございます。  また,公共事業につきましては,既にピーク時の4割程度となっておりますので,おのずと着工箇所も限られてきておるわけでありますが,新規箇所を中心に,陸・海・空の交通ネットワークづくりや防災対策などの観点からチェックに努めているところではございます。  しかしながら,年々量出は難しさを増してきていることは事実でありまして,御指摘を十分に頭に置いて編成に当たらなければいけないと考えております。 179 ◯鶴岡委員 今申し上げましたのは,税というものに対して県民にも理解をしてもらいたいと,そういう私自身の自戒も込めて申し上げたということでございます。  以上のような議論を踏まえまして,平成21年度の地方財政計画,地方交付税について質問をさせていただきたいと思います。  来年度の地方財政計画も今週末,あした,あさってぐらいには財務,総務両大臣が折衝で決まるというふうに思っておりますが,この地方財政計画が地方の財政需要をきっちりととらえていないということを感じているわけでございます。  来年度につきましては,税収が落ち込むということで,地方交付税の肩がわりに臨時財政対策債の発行がかなりふえるのではないのかなというふうに思っておりますし,また,本年度の県税収入がさきの新聞で発表されましたけれども,現時点で約180億円減収しているということで,減収,この部分は法人税の減収分については,減収補てん債で補てんをする。これは後年度交付税で措置をされるということでございますが,やはりここで問題になりますのは,後年度の交付税措置ということでございます。実は,第1回定例会の代表質問の中でも,私は申し上げましたけれども,後年度の償還時に交付税による財源措置をするという手法は,地方交付税総額がふえている時代であればともかく,総額がふえていないという現状の中では,実質的に破綻をしているといわざるを得ない。安易に行われるべきではないと考えますということを申し上げているわけでございますが,総務部長にお尋ねをいたしますが,今年度の臨財債の発行額,そして平成19年度末の臨財債の残高,そして地方交付税総額の推移を教えていただければと思います。 180 ◯上月総務部長 まず,本年度の臨財債発行額は,328億円を予定しておりまして,県債発行の総額の約3割を占める状況になっております。平成19年度末の臨財債残高は,2,267億円でございまして,これは一般会計の残高1兆7,000億円余の約13%となっております。今後も増加が懸念されるところであります。  また,地財計画におけます交付税総額につきましては,平成12年度は21.4兆円でございましたが,臨財債創設に伴い,平成13年度以降減少が続いておりまして,平成19年度においては15.2兆円まで減少をいたしております。  臨財債を含めました実質ベースで見ましても,交付税総額は,平成15年度の23.9億円をピークに三位一体改革により平成16年度以降大幅に減少してきているところでございます。 181 ◯鶴岡委員 今お話しありましたように,交付税措置されるべき額というのは大変ふえているけれども,交付税総額は減っている状況を見ますと,100%この交付税措置されるのかどうか,大変な疑問に思っているところでございます。  先ほどの議論で申し上げますと,量出制入ではなくて,量入制出の立場に立って国は考えているのではないかと,こういう疑問が生じるわけでございます。  こういう疑問が解消されるように,地方交付税の増額につきましては,議会としても意見書等を発議をいたしまして,いろいろ国に対して働きかけをしているところでございます。  そこで,先ほど申し上げた地財計画の動向,見通しを総務部長は,官邸にも相当強いパイプを持っていらっしゃるようでございますので,ぜひその辺を教えていただきたいと思います。  また,総務部長は,我が県にいらして,ことしで4年目でございます。この間,大変厳しい危機的な財政状況の中で,職員の給与カットでありますとか,1年半に及びます行財政改革調査特別委員会の執行部側の責任者となって改革案を取りまとめてこられたわけでございます。大変苦労の多い4年間だったのかなというふうに思いますが,この4年間を通じて,地方財政の現場を見てこられて,やはり国で考えていたことと大きな差異があるのではないのかなというふうに思うんです。そういう意味では,地方財政の現場で感じた問題点などについて,素直な御意見等を聞かせていただければ大変ありがたいなと思います。 182 ◯上月総務部長 地財折衝は,今まさに大詰めとなってございます。予断を許さない状況というふうに認識しておりますが,地方税,あるいは交付税原資であります国税5税の大幅な減収見込みの中で,12月8日の政府与党合意による交付税の増額を図りますため,今年度は地財計画への適切な歳入歳出の積み上げに相当努力をしていただいているようであるというふうに思っております。ただ,それでも相当苦戦をしているようではございます。  一方で,臨財債につきましても,しかしながら,これは仕方がないことでありますが,当然ながら大幅にふえる見込みであるというふうに思いますが,私としましては,一般財源の総額が不交付団体の税収減,水準超経費の減などを含めて,それも含めて実質的に見たベースで60兆円を超えるレベルなのかどうかなということが非常に気になっているところであります。  いずれにしましても,本当の最終段階でありますので,国の地方財政当局を信じて,ここは見守るしかないというふうに感じておるところであります。  また,現場で感じた思い,問題点につきましては,本県では,御案内のとおり財政再建等調査特別委員会で大変御熱心に審議をいただきながら,歳出歳入いずれの面においても,国を上回る行政改革に取り組んできております。考えられますありとあらゆる対策を積極的にとってきたつもりでございます。  私としましては,地方財政の理論面も勉強してきたつもりでありますし,また,本県ほど財政力が強いところでは決してありませんが,財政課長なども経験させていただいて,現場での勉強もさしてきていただいたつもりであります。しかし,平成16年度の交付税ショックの後,5年間も交付税の削減がこれほど続きますと,これほど行革をやっても,これほど厳しいものなのかという思いでいっぱいであります。  改めて地方財政の命綱であります交付税や地財計画の重要性を改めて再認識させられますとともに,国の一方的な決定で地方団体が右往左往させられないように,国と地方が対等に協議できる場が制度的に担保されるということも大変重要だなというふうに実感をいたしているところであります。  いずれにしましても,地方交付税の復元を祈りつつも,みずからの財政はみずからで守っていくという姿勢で本格化する予算編成に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 183 ◯鶴岡委員 時間もございませんので,一部事務組合のあり方についてお尋ねしたいと思います。  この一部事務組合については,御案内のとおり,地方公共団体の能力の補完でありますとか,能率的な事務処理,広域的な行政を進めるために設立されたわけでございますけれども,この反面,調整能力が低いこと,地域の利害が表面化しやすいこと,組織が画一的で運用の選択の幅が少ないこと。実質的な財政基盤の確立が難しい。さらには,各組合に管理者や議員がいて,組織のスリム化が進まないと,こういう問題点があるわけでございますが,市町村の合併が進みまして,現在44の市町村になっているわけでございますが,この一部事務組合は,大変大きな問題になっているというふうに思います。部長は,どのようにお考えになっているのか。主として,やはり合併をした市町村で,また旧来のものが残っているとかということもございます。この一部事務組合については,県の関与が非常に難しい部分がございます。その意味で,県のリーダーシップ,なかなか難しいとは思いますが,この一部事務組合をある程度強制的にといいますか,さらに少なくしていくということが重要だというふうに思います。その意味で,総務部長の一部事務組合に対する考え方と,そして方策等があれば,それをお聞かせをいただきたいと思います。 184 ◯上月総務部長 一部事務組合につきましては,合併前後で60組合ありましたものが現在42組合に減少しまして,職員数も4,100人から約1,200人減りまして30%程度減ってございます。  ただ,職員数が1人のものから450人程度のものまで大小さまざまでありますし,また,合併を含めました社会情勢の変化から抱えている問題もさまざまでございます。  市町村本体に比べますと,やはり業務の見直しや外部委託,職員定数削減といった行政改革が十分に進んでいないケースも見受けられますので,これまで,市町村は,合併後のまちづくりなどはもちろんですけれども,庁内体制の整備に優先して力を注いできたのだと思いますが,これからますます財政も厳しくなっていくことが見込まれますので,広域連携による事務処理の効率化,あるいは住民サービス向上といった観点から,一部事務組合の見直しを検討し,取り組みを進めていくべき時期が来ているのだろうというふうに考えております。  まずは,それぞれの市町村みずからが主体的に十分検証を行うなどの取り組みを行っていってもらうことが重要だと思っておりまして,昨年10月には既に各市町村及び一部事務組合に対しまして,行政改革プランの策定公表などを促す通知などを行っております。  ただ,これらの見直しは,組合やそれらの構成市町村が緊密に協議や調整をしなければ進みませんので,県としましても,各組合の置かれている環境はさまざまでございますので,その環境を十分に踏まえて,構成市町村間の協議の場を設けましたり,あるいは統合や直営化などの考え方,あり方につきまして,一緒になって議論に加わるなど,できるだけ早期に見直しが進むよう,取り組みが進みますよう働きかけを始めてございます。  既に構成する市が同じで取り扱う事務が違いました事務組合が来年4月の統合に向けて手続を始めているケースや,あるいは解散に向けて検討を始めている組合も出てきてございます。  我々としましては第5次行政改革大綱中間取りまとめをいたしましたが,その中でも,合併後の行政体制整備の支援の一環としまして,一部事務組合の再編等について必要な助言をしていくということを書いてございます。県としましても,十分にそれぞれの組合の実情の把握に努めながら見直しが的確に進みますよう,個別,具体的に徐々に働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。 185 ◯鶴岡委員 ありがとうございました。 186 ◯新井委員長 ありがとうございました。  御苦労さまでした。  以上で,質疑を終了します。        ─────────────────────────── 187 ◯新井委員長 これより付託議案の採決を行います。  採決は,区分して行います。  まず,第118号議案について,原案のとおり決することに賛成の方は,挙手を願います。                  〔賛成者挙手〕 188 ◯新井委員長 挙手多数と認め,原案のとおり決しました。  次に,第119号議案について,原案のとおり決することに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 189 ◯新井委員長 御異議なしと認め,原案のとおり決しました。        ─────────────────────────── 190 ◯新井委員長 次に,閉会中における事務調査の件を議題といたします。  1 予算特別委員会の運営について  2 予算状況の調査について  以上を閉会中の事務調査事項とし,議長にその旨を申し出ることにいたしたいと思いますが,これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 191 ◯新井委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。        ─────────────────────────── 192 ◯新井委員長 以上で,本委員会に付託されました案件の審査は終了いたしました。  なお,本委員会の審査結果報告書等の案文につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 193 ◯新井委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。        ─────────────────────────── 194 ◯新井委員長 本委員会の審査に当たり,委員並びに執行部の皆様には,長時間にわたり,終始熱心に御審議いただき,心から感謝申し上げます。  本日の審査において,委員から出されました御意見等については,今後の県政に十分配慮されるようお願いいたします。  今,日本経済は,世界的な景気減速の影響により,企業活動や雇用情勢が非常に厳しい状況にあり,国民の将来に対する不安は大きくなっております。  こうした不安を払拭し,将来の明るい見通しを提示することこそが,今,我々に課せられた責務であろうと考えます。  執行部におかれましては,こうした視点から,予算の重点的,効率的な執行はもとより,真に県民の福祉向上が図られ,将来の明るい見通しにつながる施策に取り組まれるようお願い申し上げまして,予算特別委員会を閉会いたします。  大変お疲れさまでございました。                 午後4時3分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...