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  1. 茨城県議会 2008-12-15
    平成20年決算特別委員会  本文 開催日: 2008-12-15


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                  午前10時30分開会 ◯細谷委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。      ─────────────────────────────── 2 ◯細谷委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  大内委員と井手委員にお願いいたします。      ─────────────────────────────── 3 ◯細谷委員長 次に,本日の審査日程につきまして御案内をいたします。  本日は,最初に警察本部の部門別審査を行い,続いて総括質疑及び採決を行います。      ─────────────────────────────── 4 ◯細谷委員長 それでは,これより議事に入ります。  本委員会に付託されました案件は,認定第1号平成19年度茨城県公営企業会計決算の認定について,及び認定第2号平成19年度茨城県一般会計及び同特別会計歳入歳出決算の認定についてであります。これを議題といたします。  それでは,警察本部の部門別審査に入ります。  審査は,最初に執行部から説明を受け,その後に質疑を行います。      ─────────────────────────────── 5 ◯細谷委員長 説明に入る前に,小風警察本部長から出席説明者の紹介をお願いいたします。  小風警察本部長。 6 ◯小風警察本部長 警察本部長の小風でございます。  委員各位には,平素から警察行政各般にわたり温かい支援と御理解を賜っておりますことを,この場をおかりいたしまして御礼申し上げます。  それでは,警察本部の出席説明者を紹介いたします。  委員席から向かいまして,私の右側から,山上警務部長です。
     続いて,黒澤地域部長です。  続いて,真家交通部長です。  続いて,江幡組織犯罪対策統括官です。  続いて,私の左側から,助川生活安全部長です。  続いて,石井刑事部長です。  続いて,安警備部長です。  次に,2列目にまいります。  委員席から向かいまして左側から,宮内警備部参事官兼公安課長です。  続いて,永塚刑事部参事官刑事総務課長です。  続いて,宮本生活安全部参事官生活安全総務課長です。  続いて,大高警務部参事官兼総務課長です。  続いて,小野警務部参事官兼会計課長です。  続いて,小島警務部参事官兼警務課長です。  続いて,寺門地域部参事官兼地域課長です。  続いて,小田部交通部参事官兼交通企画課長です。  続いて,生出交通部参事官です。  最後が,酒井刑事部参事官組織犯罪対策課長です。  以上でございます。よろしくお願いいたします。      ─────────────────────────────── 7 ◯細谷委員長 それでは,執行部の説明をお願いいたします。  初めに,小風警察本部長から決算概要について総括的な説明をお願いいたします。  小風警察本部長。 8 ◯小風警察本部長 それでは,平成19年度警察費の決算の概要について御説明いたします。  お手元の決算特別委員会資料の1ページをお開き願います。  まず,歳入決算についてでありますが,予算額は86億1,400万円余,調定額は86億5,700万円余,収入済額は86億4,000円余,収入未済額は1,600万円余で,歳入決算額は前年度に比べ13.6%の増となっております。  歳入につきましては,8使用料及び手数料の3証紙収入が最も多く35億8,300万円余となっておりますが,これは,運転免許試験等の手数料収入であります。  また,14諸収入につきましては,収入済額が予算額と比べて2,200万円余の増となっておりますが,これは放置違反件数の増加によるものであります。  2ページをお開き願います。  次に,歳出決算についてでありますが,予算額601億7,700万円余,支出済額599億7,500万円余,不用額2億200万円余でありまして,予算に対する執行率は99.7%となっております。  不用額の主なものについては,このページの左下に掲げてございますが,警察管理費では,警察本部費の1億300万円余,警察施設費の900万円余など,警察活動費では,一般活動費の2,400万円余,刑事警察費の2,500万円余などであります。  翌年度への繰越額についてはありませんでした。  以上が,歳入歳出決算の概要であります。  なお,決算の詳細及び主要施策の成果につきましては,関係部長から説明いたします。 9 ◯細谷委員長 引き続き,各所管部長から決算状況について順次説明をお願いいたします。  初めに,山上警務部長。 10 ◯山上警務部長 それでは,平成19年度におけます警察費の決算状況及び主要施策の成果について御説明いたします。  お手元の決算特別委員会資料の4ページをお開き願います。  まず,超過または不用額についてでありますが,警察費の歳入決算で予算額に対し500万円以上の超過または不足が生じたものについて御説明をいたします。予算額との増減額の欄がございますが,ここが超過または不足を示しております。  まず,証紙収入の警察手数料でございますが,945万5,260円の収入超過となっております。これは,自動車運転免許更新時講習等の受講者数等が当初見込みより多かったためであります。  次に,延滞金,加算金及び過料の過料等が2,054万円の収入超過となっております。これは,放置違反件数が見込みより多かったためでございます。  続きまして,県債の警察債,こちらにつきましては770万円の不足となっております。これは,一般単独事業債が減少したためでありますが,具体的には,平成18年度からの繰り越し事業でございます航空隊庁舎建設整備費及び交番駐在所整備費に係る事業費の確定によるものでございます。  続きまして,5ページにお進み願います。  歳出決算で,予算額に対し100万円以上の不用額,または翌年度繰越額が生じたものについて御説明いたします。  まず,警察管理費のうち公安委員会費等4項目,また,警察活動費では一般活動費等の4項目のそれぞれにつき100万円以上の不用額が生じたところでございます。理由につきましては,この資料に記載のとおりでございます。  続きまして,7ページをお願いします。  監査委員の指摘事項と処理状況でございます。  本年8月27日に,平成19年度に係る事務事業について,監査委員の監査を受けましたが,指摘事項はございませんでした。引き続き,県警としましては,効率的な予算の執行と適正な会計事務に努めてまいる所存でございます。  次に,警務部関係の主要施策の成果について御説明いたします。  お手元の平成19年度主要施策の成果に関する報告書,この報告書の280ページをごらんいただきたいと思います。  まず,(1)県民を守る治安体制の整備というものがございます。その中でア警察官の増員がございますが,決算額の1億1,561万2,000円,これは増員されました警察官の人件費,被服費などでございます。  茨城県の警察官につきましては,平成13年度から平成19年度までに747人が増員されました。  その結果,平成19年中の刑法犯認知件数が5年連続して減少しました。また,検挙率についても9年ぶりに40%を超えましたほか,平成19年中の人身交通事故死者数は,昭和33年以来の最低水準となるなど,治安指数の面では一定の成果があらわれているところでございます。  しかしながら,殺人事件等の県民が大きな不安や脅威を感じる事件が依然として発生していることや,本県警察官1人当たりの負担人口が依然として高いことなどから,安全で安心して暮らせる地域社会を確立するためには,さらなる警察官の増員を検討する必要があると考えております。  続きまして,281ページをごらん願います。  イの警察施設の整備でございますが,まず,そのうちの交番・駐在所建設整備費についてでございますが,治安情勢の変化を踏まえまして,ひたちなか西警察署管内に馬渡交番を,つくば中央警察署管内に赤塚交番を新設しました。これらに加えまして,高萩の駅前地区再開発に伴う高萩警察署の高萩駅前交番の移転建てかえ,さらには老朽した駐在所8カ所を建てかえした建設工事費等でございます。決算額にしますと2億9,869万7,000円でございます。  次に,下妻警察署改修費でございます。県西地区の留置施設及び下妻警察署庁舎・敷地の狭隘化を解消するため,平成18年度から平成20年度までの3カ年で敷地の取得や庁舎の改修・増築をすることとしたものでございます。決算額2億866万2,000円は,平成19年度におけるその工事費及び委託費でございます。  続きまして,282ページをお願いします。  ウの警察機動力の確保のうち,警察車両整備費でございます。これは,広域化,スピード化する犯罪情勢に的確に対応するとともに,効率的で効果的な警察活動を推進するため,捜査用車・パトカーなどの四輪車につきましては35台,白バイなどの二輪車につきまして9台の整備更新を行ったところでございます。決算額は1億1,057万4,000円でございます。  次に,283ページでございます。  エの警察IT化の推進のうち,警察情報化推進費について御説明いたします。  県警では県民サービスの向上等を図るため,電算システムの高度化や端末装置などの計画的な整備,また公務に使用してまいりました私有パソコンを一掃するため,公用パソコンの早期整備を進めてきたところでございます。決算額の11億8,190万円は,電子計算機システム運営費公用パソコンの整備などに要した費用でございます。  最後に,288ページをお開き願います。  (3)安全な地域社会づくりでございますが,そのうちのアの安全安心まちづくりの推進のうち,警務部関連のものとして2つ,具体的には被害者対策推進費と次の外国人犯罪対策費について御説明いたします。  まず,被害者対策推進費でございますが,決算額665万円でございますが,これは犯罪の被害者などに対します相談・カウンセリング,さらには非常通報装置の貸し出し等の被害者支援活動いばらき被害者支援センターへの助成に要した費用でございます。  外国人犯罪対策費でございますが,これは決算額537万2,000円となっております。中国語のうち北京語についての委託研修や,タイ語についての現地研修等に要した経費でございます。  以上が,警務部の主要施策の推進結果でございます。 11 ◯細谷委員長 次に,助川生活安全部長。 12 ◯助川生活安全部長 生活安全部関係について御説明いたします。  お手元の主要施策の成果に関する報告書288ページをごらんください。  (3)の安全な地域社会づくりのうち,安全安心まちづくり推進事業費,次の289ページの犯罪発生情報ネットワーク事業費スクールサポーター設置事業費,さらに,次の290ページ,少年非行防止費の4点につきまして,予算の執行状況と主要施策の成果について御説明いたします。  1点目は,安全安心まちづくり推進事業費についてであります。  この事業は,県民の防犯意識の高揚を図るとともに,犯罪被害に遭いにくいまちづくりの推進を目的に,平成15年度から推進しているものであります。  本事業につきましては,決算額が377万円であり,多発する住宅対象侵入窃盗,自動車盗,車上ねらい等の犯罪発生を抑止するための対策として,平成17年につくばエクスプレスつくば駅に10基設置しました街頭緊急通報システム,いわゆるスーパー防犯灯と,平成15年に水戸市見川小学校区に7基,平成17年に土浦第二小学校区に10基設置しました,子ども緊急通報装置の維持管理費が主な支出であります。  2点目は,犯罪発生情報ネットワーク事業費についてであります。  この事業は,各地域における自主防犯活動の活性化を促すとともに,警察活動の強化を図ることを目的とし,平成18年度予算で構築し,平成19年5月15日から運用開始したものであります。  本事業につきましては,決算額が2,251万円であり,機器等のリース費やプリンターのインク代等の消耗品費が主な支出であります。  本事業のうち,ひばりくん防犯メールは,平成19年の情報提供件数74件,平成20年3月末の登録者数は1万5,000人弱でしたが,本年11月末ではそれぞれ357件,約2万9,000人と大幅に増加し,県民への浸透と効果的な注意喚起を図っているところであります。  また,犯罪情報地理分析システムに関しましては,各種事件の発生状況や危険場所,注意場所などを地図上で分析し,県警ホームページ上において犯罪マップ,地域安全マップ不審者情報マップ等を掲載しておりますが,更新頻度をふやすなど,より効果的な活用に努めているところであります。  3点目は,スクールサポーター設置事業費についてであります。  この事業は,平成17年12月に栃木県今市市で殺害された女子児童が,常陸大宮市内に遺棄された事件の発生を契機としまして,平成18年度から学校周辺における子供の安全を確保するため,警察官OBを中心とするスクールサポーターが県内の警察署に1名ずつ,合計28名が配置されることとなったものであります。  本事業につきましては,決算額が7,384万2,000円であり,そのほとんどが人件費となっております。  スクールサポーターの主な業務は,学校訪問や学校周辺の安全点検,防犯パトロール,防犯教室や不審者対策訓練の開催等であります。  4点目は,少年非行防止事業についてであります。  本事業につきましては,決算額が706万4,000円であり,少年サポートセンターの活動に係る広報啓発カレンダーの印刷費や,少年警察ボランティアである少年指導委員476人の報償費が主な支出となっております。  この事業では,少年サポートセンターを中心に,少年指導委員と連携し,被害少年や不良行為少年等に対する立ち直り支援活動,少年相談の受理,街頭補導等を実施したほか,合計218校,児童生徒約2万9,000人を対象とした薬物乱用防止教室や安全教室を開催し,少年の非行防止と健全育成のための活動に積極的に取り組んでいるところであります。  生活安全部からは以上であります。 13 ◯細谷委員長 次に,黒澤地域部長。 14 ◯黒澤地域部長 地域部からは,平成19年度主要施策の成果に関する報告書の282ページ及び283ページにございますヘリコプター運航管理費通信指令システム運営費地域情報ネットワーク推進費の3点について御説明いたします。  まず初めに,ヘリコプター運航管理費についてであります。  お手元の資料282ページをごらんください。  県警が保有しているヘリコプターは,平成6年度に県費で整備された紫峰と,平成11年度に国費で整備されたひばりの2機でありますが,運航管理費の決算額は7,044万9,000円であります。主な支出は,ひばりの2,400時間の点検,紫峰の操縦及び整備技術訓練等の研修などでございます。  平成19年中は,2機合わせた飛行時間が約560時間でありましたが,ヘリコプターによる空からの追跡により自動車窃盗事件交通ひき逃げ事件,空き巣事件等の被疑者の検挙に貢献したほか,水難事故や山岳遭難の捜索活動,海水浴シーズンにおける海浜警ら,産業廃棄物不法投棄事件の捜査活動,空からの各種広報活動など,ヘリコプターの優れた特性を生かした活動を推進しております。  次に,通信指令システム運営費についてでございます。  資料の283ページをごらんください。  本県警察の通信指令システムは,事件・事故等の110番通報に対し,直ちに通報内容を警察署等へ伝えるコンピューター・システムであり,パトカーや交番等の警察官を現場に急行させるとともに,重要事件については緊急配備の発令等に役立たせるものであります。  また,携帯電話からの110番通報が全体の62.5%を占め,引き続き増加傾向にある一方で,携帯電話からの110番通報は現場の特定が難しいという問題点があるため,的確な現場特定のための位置情報通知システムの導入により,より迅速な現場対応を図っております。  通信指令システム運営費の決算額は6億3,505万4,000円であります。主な支出は,携帯電話からの110番通報に関する位置情報通知システムの導入,通信指令システムリース料メンテナンス委託料専用回線使用料などであります。  平成19年中の110番有効受理件数は18万7,373件であり,毎日平均して513件の110番を受理しております。なお,携帯電話からの110番通報は合計11万7,076件で,全体の62.5%を占めております。  最後に,地域情報ネットワーク推進費についてでありますが,資料の283ページをごらんください。  決算額は7,425万5,000円でありますが,主な内容は,地域情報ネットワークシステムとして交番等に整備されたパソコンのリース料,ファクス及び転送電話の回線使用料等であります。
     この地域情報ネットワークシステムは,警察本部のコンピューターと警察署及び交番の端末がオンライン化されたものであり,これにより遺失物等の早期返還や地域住民に対するネットワークを活用した地域住民への治安サービスの向上に資することができました。  地域部における説明は以上のとおりでございます。 15 ◯細谷委員長 次に,石井刑事部長。 16 ◯石井刑事部長 刑事部からは,緊急配備支援システム整備事業費組織犯罪対策費の2点につきまして,事業概要と予算執行状況を御説明いたします。  お手元の資料平成19年度主要施策の成果に関する報告書の289ページをごらんいただきます。  まず,緊急配備支援システム整備事業費について御説明いたします。  このシステム整備事業は,国費事業の自動車ナンバー自動読取システムと同等の機能を有するカメラを,県内の要所となる道路に設置しまして,重要犯罪,重要窃盗犯その他不法投棄事犯,ひき逃げ事犯等自動車利用犯罪が発生した際,通過車両と逃走車両のナンバーを照合させるなどして早期に犯人を検挙し,県民が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するために欠かせない事業の1つであります。  これら広域化,スピード化している自動車利用犯罪に対応するため,ただいま申し上げました自動車ナンバー自動読取システムの整備を進めているところでありますが,北海道に次ぐ道路総延長距離を有する本県の道路環境をすべて網羅するまでには至っていない状況にあります。そこで,広域な移動を伴う自動車利用犯罪の検挙対策は,県警として喫緊の課題であることから,緊急配備支援システムの整備が極めて重要であると認識し,平成19年度から整備を開始したところであります。  平成19年度中の緊急配備支援システムの設置状況は,30カ所,60カメラであり,事業費につきましては,予算額1億5,541万円,決算額1億5,190万7,000円となっております。  本事業は,平成19年度から平成21年度までの3カ年計画で,100カ所,200カメラの設置を予定している継続事業でありますので,今後の予算措置につきましても御理解をお願いしたいと思います。  次に,組織犯罪対策費について御説明いたします。  暴力団犯罪,薬物・銃器犯罪,来日外国人犯罪等の組織を背景とする犯罪は,治安悪化の大きな要因であり,暴力団がすべてにおいて深く関与していると言っても過言ではなく,この暴力団を壊滅・弱体化させることが最重要であります。  暴力団は,けん銃発砲を伴う対立抗争事件を起し,社会に不安を与えるなど凶悪化する一方,資金獲得活動におきましては,覚せい剤の密売や恐喝などの伝統的資金源に加え,建設業,貸金業等の事業活動に進出をしたり,行政対象暴力を敢行するなど多様化しております。  このため,警察は,暴力団に対する強力な取り締まりと並行しまして,財団法人茨城暴力追放推進センターを初め,関係機関・団体と一体となり暴力団排除活動を展開しているところであります。  具体的には,暴力団による不当要求による被害を防止するため,事業所が選任した不当要求防止責任者に対し,不当要求防止責任者講習を実施しております。この講習は,暴力団対策法に基づき,茨城県公安委員会が財団法人茨城暴力追放推進センターに講習事業を委託し,同センターにおきまして,地域別,職業別に分け,県内5カ所の会場で定期講習,選任時講習,臨時講習を実施しているところであります。  受講者は,行政機関,金融機関,建設業,飲食店等と多岐にわたっており,講習内容も,講習指導員や弁護士が,暴力団からの不当要求による被害を防止するために必要な対応要領等について,実践的かつ具体的に実施しているところであります。  平成19年度中における不当要求防止責任者講習の実施状況は,実施回数で26回,受講人員1,240人であり,これらの事業につきましては予算額1,140万1,000円,決算額1,103万円となっております。  これら暴力団排除対策につきましては,警察の取り組みだけではなし得るものではなく,社会全体で取り組むべきものと考えておりますので,今後も関係機関・団体等と緊密な連携を図りながら総合的な排除対策を進めてまいる所存であります。  刑事部からは以上であります。 17 ◯細谷委員長 最後に,真家交通部長。 18 ◯真家交通部長 交通部からは,安全で快適な交通社会づくりの推進結果につきまして御説明いたします。  平成19年度は,高齢者に対する交通安全教育や交通指導取り締まり等の交通安全対策,信号機の設置や交通規制の実施等の道路交通環境の整備を進めまして,安全で快適な交通社会づくりを推進したところでございます。  これらの事業関係の最終予算額は43億4,181万5,000円,決算額は43億1,445万円であります。  事業内容につきましては,主要施策の成果に関する報告書284ページから288ページのとおりでございますが,そのうち主な3点について御説明いたします。  まず,284ページの中段でございます。1点目は,いきいき運転サポート事業でございます。  高齢者の死者数は依然として全死亡者数の約4割と高い割合を占めております。また,高齢運転者による交通事故も,高齢者免許人口の増加とともに年々増加傾向で推移しておりました。  そこで,高齢運転者に対する教習所での実技指導や適性検査などの機会を提供するいきいきシルバードライバーセミナーを初め,高齢者の保護意識の高揚を図る講習会の開催など,高齢運転者の総合的な交通事故防止対策として,いきいき運転サポート事業を平成19年度からの3カ年事業として推進しております。  事業を開始いたしました平成19年は,高齢運転者による交通事故の発生件数,死者数ともに減少するなど,その成果が認められたところでございます。この事業の平成19年度の決算額は288万9,000円でございます。  第2点目は,286ページの中段でございます。違法駐車総合対策推進事業でございます。  放置駐車違反取り締まりに係る事務の一部を民間に委託することができる改正道路交通法が平成18年6月1日に施行されたことに伴いまして,水戸警察署と土浦警察署におきまして,放置車両の確認及び標章の取りつけに関する事務を民間に委託したところでございます。  平成19年度におきましても年度当初からこれら2警察署におきまして,当該事務を民間に委託したところでございますが,8月1日からは,日立警察署,そしてつくば中央警察署におきましても同事務を民間に委託しまして,放置駐車違反の取り締まりを強化しました。  その結果,平成19年度中の確認標章の取りつけ件数は1万2,094件でございまして,平成18年度中と比較しまして,約29%増加をしております。  なお,本事業に要した費用の決算額は,委託費用,それから,放置駐車違反を一元的に管理するためのシステムのリース料など7,860万1,000円でございます。  最後,3点目,286ページ下段から287ページの交通安全施設整備事業でございます。  本県は,道路実延長が約5万5,000キロと,先ほど刑事部長からございましたように,北海道に次いで全国で第2位の長さでございます。このような道路環境のもと,道路交通の安全と円滑を確保するため,平成19年度におきましては,交通事故が多発している地域,あるいは路線等を抽出しまして,信号機の新設や感応化等の高度化,そして,見やすくわかりやすい高輝度道路標識及び標示の整備等,交通安全施設を重点的に整備いたしますとともに,牛久交通管制サブセンターの新設等を実施したところでございます。この事業に要しました決算額は31億895万6,000円でございます。  以上が,交通部の平成19年度における主要施策の推進結果でございます。以上でございます。 19 ◯細谷委員長 ありがとうございました。  ただいままでの説明の中で補足するようなことはございませんか。      ─────────────────────────────── 20 ◯細谷委員長 ないようですので,以上で説明聴取を終了し,これより質疑に入ります。  質疑のある方はお願いいたします。  佐々木委員。 21 ◯佐々木委員 御説明ありがとうございました。  私の方から1点だけ質問させていただきたいと思います。  成果に関する報告書の286ページ,違法駐車総合対策推進費というところで,まず,平成18年6月から,放置車両の事務について民間に委託できるようになったということでございますけれども,決算が7,860万1,000円ということでありますけれども,この委託費とシステムの一元化による費用だということで御説明があったわけでありますけれども,委託費の委託されている業者の延べ人数について,まずお答えいただきたいのと,それから,取り締まり件数が1万2,000件,29%増ということでありますけれども,これは茨城県全体の取り締まり件数なのか,それとも,この重点地域だけに限った件数なのか,その点について,まずお願いいたします。 22 ◯真家交通部長 違法駐車の事務委託につきましては,先ほど言いました4署に委託してございますが,それぞれの監視につきましては,1地域2人で監視に当たるということでございますので,監視員の数からいたしますと8名ということになりますけれども,ただ,8名では休み等もなくて回りませんので,それぞれの事業所におきまして,少なくても4名を確保するようお願いしておりますので,それなりの数がそれぞれの事業所で確保されているということでございます。  それから,取り締まり件数でございますが,1万2,094件というのは,平成19年度中の茨城県全体の取り締まり件数でございまして,そのうちの1万912件が委託しております4署における取り締まり標章の取りつけ件数でございます。 23 ◯佐々木委員 ありがとうございます。  それで,費用の話だけではないと思いますけれども,所管する警察署の1万件に対して,放置車両の違反金は1万5,000円でしたっけ,その掛ける件数と委託費と,見たときにどういう成果が出てくるのかということ,どういうふうに見ていらっしゃるのか,ちょっとお願いします。 24 ◯真家交通部長 成果といいますと,あくまでも道路交通の円滑化,それから,交通事故防止ということでございますので,例えばそれぞれの4署の実施前と実施後の駐車台数の調査結果などございますので御披露いたしますと,それぞれ警察署ごとに委託をする1カ月前と1カ月後の,それぞれの重点路線,重点地域がございますが,そこでの瞬間駐車台数を調査した結果がございます。  まず,水戸警察署管内でございますが,これは水戸駅前から大工町までが最重点路線ということでございますが,ここでの瞬間駐車台数が,実施前が47.5台,それから,実施後は11.5台ということで75%減っております。  それから,土浦警察署管内,これは土浦駅から亀城公園北,千束町の間でございますが,実施前が41台,それから,実施後は24.5台ということで40%減少しております。  それから,つくば中央警察署管内でございますが,これはつくば市内の中央通り,吾妻1丁目付近でございますが,実施前が23.1台,実施後は14.3台ということで38%減少しております。  それから,日立警察署管内でございますが,これはJRの日立,多賀,大甕駅前,この辺が重点地域でございますが,ここでの実施前が37.4台,実施後は25.1台ということで32%,瞬間駐車台数で見ますと減っております。  また,そのほか一般の方からいろいろな御意見等ございまして,免許更新に来た方等にお尋ねしますと,それぞれの地域の方に聞きますと,路上駐車が少なくなって走りやすくなった,あるいは道路がすっきりしたと,バスの運転手さんなども,違法駐車がなくてスムーズに運行できるというお言葉もいただいてございます。 25 ◯佐々木委員 先ほど,この数値については,いばらきの安全2008というのを見させていただきましたけれども,ちょっと数字は違うのですけれども,こっちの方が高いなと思って聞いていました。  瞬間の路上駐車台数の調査結果もさることながら,その取り締まり地域の渋滞が解消された。しかりそうなのでしょうけれども,これの導入前と比べて事故が減っているのかどうか,それについても数字が何かございましたら。 26 ◯真家交通部長 それぞれの導入いたしました4署管内におきます駐車車両が関係した交通事故がございますので,それをちょっと拾ってみますと,4署合計でございますが,平成18年中が28件ございました。平成19年が15件ということでございまして,13件,46%ほど減少してございますので,駐車車両がなくなった分,駐車車両にかかわるような事故が減っているという状況でございます。 27 ◯佐々木委員 それと,この法律の導入の背景には,警察官が絶対的に足りないというのがあったのだろうと思っております。交通部門を民間に委託することによって,警察官を別な捜査の方に重点的に振り向けることができるというのが,1つの目的だったように記憶しておりますけれども,今回導入されまして,2年なり,1年ちょっとなりになりますけれども,人員がこっちにどれだけシフトされたとか,そういう数値がございましたらお願いいたします。 28 ◯真家交通部長 具体的な数字は持ち合わせてございませんけれども,現実的に今まで警察官あるいは交通巡視員がやっていた部分,大きな部分を監視員の方が取り締まりをやっておりますので,その部分をひき逃げ交通事故の捜査であるとか,ほかの地域における取り締まりであるとか,そういったところへ警察官を効率的に配置して,従前以上に中身の濃い仕事ができたと考えております。 29 ◯佐々木委員 いろいろな成果が出ているのだろうと思っております。監視員の方,ガイドラインに沿っていろいろ公平,公正に取り締まっていらっしゃると思っておりますし,それによって交通環境が改善をされると思います。  ただ,一方で,導入の前からいろいろと指摘されておりますけれども,例えば宅配業者とか,タクシーとか,福祉車両の関係の方々から見ると,ちょっと参ったなというような言われ方をされておりますけれども,要は,まじめに働いている人とか交通弱者に対して十分な考慮がされているのかどうかというところを,ちょっと私疑問な点がございまして,もともと駐車違反の取り締まりというのは,例えば悪質性とか迷惑性,危険性が高いものというのが本来の目的であろうと思っております。  違法駐車を厳しくするのも,これは場所によっては必要なのかもしれませんけれども,実情に合った弾力的な運用をするのも,私は重要ではないかと思っております。今後の駐車対策,取り締まり対策につきまして,どのように進めようとされているのか。  また,私は余り広げるべきではないと思っていますけれども,他の警察署に広げるつもりがあるのかどうか,場所も含めて,今後どのように進めようとしているのかお伺いいたします。 30 ◯真家交通部長 取り締まりにつきましては,駐車違反だけでなくて,悪質,迷惑性の高いものを重点執行してやっているところでございまして,今回の駐車の規制につきましても,今おっしゃったように,宅配業者であるとか貨物の方々は,5分以内という法律の時間制限はございますが,それを超える方もおられますので,例えば水戸市内のメーンストリート50号の南町,泉町あたりのところにつきましても,午前と午後1時間ずつ,貨物の積み下ろしにつきましては,その時間帯は5分を超えてもとめることができますという規制を実施しておりますので,今後,そういうところの必要があるかどうか,県内全体を見まして,規制の改正などもしていきたいと思っております。  それから,委託地域の拡大でございますが,今後の推移を見る必要はございますが,地域の要望であるとか,駐車実態,それから,110番による苦情等,そういったものを勘案しながら検討していきたいと考えております。 31 ◯佐々木委員 これで終わりますけれども,ぜひ地域の実情に応じまして,弾力的に運用されますことを要望いたしまして,私の質問を終わります。 32 ◯細谷委員長 ほかにございますか。  井手委員。 33 ◯井手委員 それでは,3点ほどお伺いをさせていただきたいと思っております。  主要施策の成果に関する報告書のページ順に質問をさせていただきますので,よろしくお願いをしたいと思います。  まず,282ページでございます。ここには警察機動力の確保という項目が掲載をされておりまして,その中でヘリコプターの運航管理費についての記載がございます。先ほども御説明をいただきまして,県警本部には2台のヘリコプターがあるということで,犯罪捜査にかなり威力を発揮しているという御報告をちょうだいいたしました。  そこで,国費で整備をしたひばりが平成11年,県費で整備をした紫峰が平成6年の整備ということになっています。平成6年ということになりますと,来年で15年目という1つの更新ということも考えなくてはいけない時期に差しかかっているのかなと考えるところでございます。県の防災ヘリに関しましても,私同様の質問をさせていただきまして,更新時には点検等が多くなり,それにかかる管理費が多くなるので,何らかの時点で新しく更新した方が結果的に安くなる場合もあるという答弁を,知事部局では行っておりました。  そういうことを考えますと,紫峰は県の防災ヘリよりもかなり稼働も多いようでございますし,また,使っている年数も長いようでございますけれども,今後の計画も踏まえて御答弁を,更新に関していただきたいと思っております。 34 ◯黒澤地域部長 ヘリコプターを2基保有して活動しておりますが,基本的には耐用年数が20年をめどにしておりますので,その間は引き続き点検整備ということで運用を考えております。 35 ◯井手委員 基本的には,整備にかかる費用と更新した方のどちらがいいかというバランス勘定になるかと思います。大切な宿題でございますので慎重に検討していただきまして,更新も躊躇せずに行うべきではないかと考えます。  続きまして,287ページでございます。  287ページには,交通安全施設の整備に関します記述を御報告いただいております。特に信号灯器に関しまして,LED化に関して従前から強くその推進を主張してまいりました。LEDの信号は,一般的な電球式の信号に比べましても省エネであり,また,視認性,見やすいということもありまして,導入の効果が高いと言われております。ただし,イニシャルコスト,最初の整備コストが電球式に比べましてかなり高いというデメリットがあるということで,計画的な整備が必要であろうと言われております。  御存じのとおり,言うまでもなく,茨城県は信号灯器の数については全国的にも非常に多い県だと伺っておりますので,このLED化のメリットも大きい反面,初期投資は大変な御苦労があるのではないかと思っておりますけれども,このLED化の現状,特に全国的に見てどのような状況になっているのか。また,今後も含めて御説明をいただきたいと思います。 36 ◯真家交通部長 信号灯器のLED化,平成15年度から継続して行っておりますけれども,平成18年度末では4,470灯,整備率にしますと6.42%でございましたが,平成19年度末は1,330灯を増灯いたしましたので5,800灯になっております。整備率も8.5%になっているところでございます。  さらに,今年度20年度でございますけれども,2,100灯余りを整備予定でございますので,これを合計しますと7,900灯ということになりますので,整備率も1割を超えるのではないかと考えております。  それから,全国的な順位でございますけれども,平成18年度末で見ますと,整備率で36位,それから,灯器数でいきますと18位でございましたが,平成19年度末には整備率で32位,灯器数で13位と順位を上げてございます。平成20年度につきましては,資料がまだございませんが,さらに上がるものと思っております。 37 ◯井手委員 今後の信号機の新設に関して,私はむしろ電球式はやめて,茨城県の場合は全部LED化すべきであると主張してきたのですけれども,これは決算特別委員会の審議を少し逸脱しているかとは思いますけれども,来年以降の信号灯器の整備の基本的な考え方はどういうふうにお考えでしょうか。 38 ◯真家交通部長 この件につきましては,ことしの第1回定例会の常任委員会で井手委員の方から御質問がございまして,当時はまだ警察の方からきちっとした整備的な考えはございませんでしたので,当時はああいうふうにお答えしたところでございますが,昨年度の末になりまして,警察庁の方から,今後整備する信号機については,国補事業,県単事業を問わずLED化で進めていくべきだという方針が示されておりまして,この件につきましては財政当局とも協議をいたしまして,その方向でいきましょうということになっておりますので,今後につきましては,すべてLED化ということで進めていく考えでございます。 39 ◯井手委員 それと,既設のものに関して,御提案というか,これはなかなか正式な採用がされていないようでございますけれども,いわゆる電球式のランプ,これをそっくりLEDで電球の形のランプが民間の事業者から開発,販売をされているようでございます。まだどこの警察本部,県警本部でも実績がないということで採用には至っていないという情報もいただいておりますけれども,いわゆる既存の信号機に対してランプを交換する。そのランプが結果的にLEDであるという形式で,私は既存のものも,信号機全体を交換するのではなくて,そのランプの交換だけでLED化を進めるのも1つの考え方とは思っておるのですけれども,こういう考え方について御所見があればお聞かせをいただきたいと思います。 40 ◯真家交通部長 委員おっしゃったような電球があることは承知してございまして,近県ですと群馬県とか埼玉県あたりで何カ所か,その電球を使って実験的にやっているというお話は聞いておりますけれども,多分にコストが高いということもございますし,先ほど言いましたように,今後はLED化がどんどん進みますし,新設した灯器も,1年もたつと更新対象となりますので,その電球だけを変えるのではなくて,灯器全体を変えていった方が効率的かなと。  また,新しいものにつきましては,廃棄でなく,保管をしておいて,必要によってそれをつけかえていくということで,信号灯器そのものごと交換した方が効率的ではないかと考えております。 41 ◯井手委員 わかりました。  そういった1つの限られた予算でございますので,うまく運用しながらLED化を早期に徹底をしていただきたいと思っております。  最後に289ページに移りまして,緊急配備支援システムについてお伺いをしたいと思います。  この緊急配備支援システムに関しましては,各県の警察本部でもさまざまな呼び名がいろいろあるようでございます。初動捜査支援システムであるとか,重要犯罪捜査支援システムであるとか,そういった各県とも県レベルでかなりの予算を投下しながら進めているようでございます。  その中で1つお伺いをしたいのは,県が独自に進めております緊急配備支援システムと,国が今まで整備を進めていました,いわゆるNシステムといわれるようなものとはどう違うのか,同じなのか,また全国的な国が進めてきたシステムと,県が進めている緊急配備支援システムというのは整合性があるのか,もっと言えばリンクされているのかも含めて,御答弁いただける範囲で結構でございます。お答えいただければと思います。 42 ◯石井刑事部長 ただいま委員言われました,いわゆる既存のNシステムと現在構築中のシステムとでは,まず,共有はされておりません。全く別ルートでもって警察本部の方にそのデータは送られてきますので,それはそれとして運用はしております。  それと,単純に言えば,これまでのNシステムの建設につきましては,委員御存じのとおり,柱の基礎から極めて厳重かつ強固に建設されております。現在進めております県のシステムにつきましては,既存の柱,信号機も含めて,こういった信号機の補助柱,こういったものにつけることが可能なものですから非常に安価で進められるというところで,これまでのものとはちょっと違うところだということで御理解いただきたいと思います。 43 ◯井手委員 私は,いろいろなプライバシーへの配慮であるとか,監視国家であるというさまざまな御批判があることも存じておりますけれども,やはりこれは犯罪の抑止効果,また犯罪を取り締まる,また逮捕に至るまでの,その効果と比べれば,きちっとした整備を進めるべき案件ではないのかなと思っております。  せっかくつくり上げている各47都道府県が,調べてみますと,やはり独自にこれを構築しているようでございますので,同じ電子データベースでございますので,これは県警本部長等にもお願いして,全国のシステムとしてリンクできる方がより初動捜査を行うためにも必要なことではないか,そういった意味ではそういう機会があれば茨城県警発の提案として,ぜひ全国のシステムとして練り上げていただきたいと,これは個人的でございますけれども,提案させていただきます。  それから,もう1点,この整備の手法でございますが,私もなかなか調べましても議事録等で載っているところが少ないので,栃木県の事例だけ調査できたのですが,栃木県の平成19年度の予算編成の中で警察本部としてこういう説明があるのですね。栃木県の場合には120何基を平成19年度予算化をして,システム整備費の予算として13億5,615万円を計上しますという言い方になっているのですね。台数が県内の緊急配備地点232カ所のうち,最も効果の高いところの123カ所という説明を栃木県警はしておりました。  この13億円という費用は何を言っているのか,ちょっと私も調べきれなかったのですが,茨城県警の場合は100カ所を,3年間で整備するために平成19年度は1億5,000万円余りということで,ちょっと余りに予算に開きがあり過ぎますものですから,1つ考えられることは,例えば茨城県の場合のシステムの整備手法は,いわゆる整備をして後からランニングコストを精算していく手法なのか,それとも例えばリースみたいな形で10年とか20年の中で償還をしていくシステムなのか。栃木県は一括してそれを購入するのかもしれませんけれども,ですから栃木県は13億円かかって,茨城県は1年間では1億5,000万円だと。ただしそれが5年,10年続くのかもしれません。この1億5,000万円の金額,これを可とするわけでございますけれども,その整備手法についてちょっと御説明をいただきたいと思います。 44 ◯石井刑事部長 ちょっと栃木県につきましては,全く知識を持っておりませんので勘弁していただきたいと思いますけれども,県内の今の事業は,すべて買い取りで行っております。ですから,栃木県との予算額がそれほど差がつくというのもちょっと不可解なのですけれども,他県と比べましても,うちの方で30基1億5,000万円というのはそうかけ離れた数字ではないというのは,私,報告を受けております。 45 ◯小風警察本部長 このシステムの予算についてでございますけれども,システムの構成の関係がありまして,他県と予算が違っているのではないかと思っております。
     まず,カメラの設置につきまして,どこの箇所に設置するのか,カメラ本体だけでなくて,その設置箇所によりまして工事費が違ってまいりますし,それから,カメラで撮影いたしました映像をデータベースと照合するわけですけれども,そこまでの回線構成がどうなっているのか,これによっても経費が違ってきます。また,そのデータベース,これについての照合措置ですね,カメラによって発見いたしました盗難車両,手配車両のナンバーと,今までこちらの方で持っております盗難車両として通報のあったもの,これと照合する照合装置の構成,こういったところの違いから品目による違いがあるのではないかと考えております。  いずれにせよ本県の場合,予算の効率的な執行ということには十分配慮しております。 46 ◯井手委員 それでは,最後に1点だけ。  100カ所これを設置する,来年度までで完了するということになるかと思いますけれども,その後の管理コストというのは,逆に言うとどのぐらいかかっていくわけでございましょうか。 47 ◯小野警務部参事官兼警務部会計課長 約30基で決算額が70万7,000円というのが平成19年度でございます。 48 ◯井手委員 繰り返しになります。確かにプライバシーの保護等の問題もございますでしょうけれども,今の数字を聞いても,これは非常に効果と費用を比べた場合,効果が高いのではないかと実感をせざるを得ません。そういった意味では,計画的に経費の縮減等にも努力していただきながら,この事業を進めていただければと思っています。  以上3点をお伺いいたしました。ありがとうございます。 49 ◯細谷委員長 ほかにございますか。  舘委員。 50 ◯舘委員 交通安全施設整備についてお伺いをさせていただきます。  直接の所管は多分土木部になると思うのですが,関連する事項としてお伺いをしたいと思います。  最近,交差点などに,何という名称かわかりませんが,きらきらしたガラス製みたいのが入っておる交差点というのが非常に多く見られて,昼間は太陽光によって光る,また夜はライトによって光るということで事故の防止,また注意を促すという点で大きな成果を上げているのかなと思っております。その辺の整備について,土木部が所管だと思いますが,多分連携を図っていると思っているのですが,どれくらいの整備をされているのか。また,どういったところを重点として,そういった整備を図られているのかをお伺いしたいと思います。 51 ◯真家交通部長 まさに委員おっしゃったように,これは国土交通省が進めている事業でございまして,要するに交差点の存在ですね,夜であればライトに光る,それから,昼間であれば太陽に照らされて光るということで,特に大きな交差点ですね,どこからどこまで交差点かわからないようなところもございますので,交差点の存在を明らかにするというためにやっていると聞いております。  通称キラキラ舗装と言っておりまして,私の承知している内容を申し上げますと,県内では6号,50号,51号,この交差点のうち,特に必要なところ9交差点を選んで施工すると。そのうち8交差点において終わっているということでございますが,これは交差点を舗装した後に接着剤を散布しまして,その中にガラス玉のような炭化珪素という粒子だそうでございますが,3.5ミリから1.5ミリ,こういったものをまきまして,しばらくするとあのような状態で黒い舗装の上にきらきら光るものがあるという状態でございます。ただ,経費が大分かかるようでございまして,従来の5倍くらいかかるそうでございます。 52 ◯舘委員 わかりました。  ある意味連携はされているのでしょうか。 53 ◯真家交通部長 はい。 54 ◯舘委員 また,事故の件数について関連してお伺いをいたします。  平成19年度は警察署,皆さん方の御尽力によって,死亡事故の件数は非常に驚異的に減ったということに対しまして,敬意を表するところでございますが,残念ながら平成20年度は昨年を既に上回っている状況だと聞いております。そうした中で死亡事故も含めた人身事故,それとまた人身事故以外の物損の事故についての件数,また内容の分析というものがそれぞれされておるのかどうか,お伺いをいたします。 55 ◯真家交通部長 一般的に交通事故といいますと人身事故をこれまで言ってきたわけでございますけれども,実際にそのほかに死傷者がない物件事故というのがございます。  例えば平成19年中で言いますと,人身交通事故2万415件でございますが,そのほかに物件事故が6万9,300件余でございまして,約7万件の物件事故があるわけでございます。  この物件事故は,平成12年からずっと9万件台ございまして,その一方で人身事故は減っているということでございますから,このままいきますと人身事故はどんどん減っていく,さらに死者数も,昨年は178人ということで大分減りましたし,減っていくのだろうと思いますが,現実には物件事故というのは存在するということでございます。 56 ◯舘委員 私の聞いている範囲では,いろいろな人身事故,死亡事故の件数は減っている。しかしながら物損事故については微増して余り減っていないという状況だと思っております。この分析が,私の聞いている範囲ですと,調べている中では死亡とか人身事故については,例えばコンピューター上の中でいろいろなグラフとなって,また線となって出てくると聞いておりますが,残念ながら物損事故についてはそういったシステムがいまだに手作業であるというか,アナログ的にやっておられると聞いております。さまざまなIT化,またはコンピューターの部分については予算が入っているようでございますが,その辺のコンピューターのいろいろなシステムの整備というのをしていかないと,なかなかそういった分析はできないのではないかと思っておりますが,そういったいろいろなシステムの分析の中で,交通事故に関するコンピューターのシステムというものをどのように考えているのかをお伺いします。 57 ◯真家交通部長 委員御指摘のように,これまで当県におきましては,人身事故のみコンピューターを使いまして分析をしてございました。それは,死亡事故の抑止という,昭和46年ごろ633名という大量の死者があったわけでございますし,そういうことで人身事故につきましてはコンピューターでやってございましたが,物件事故につきましては,残念ながら件数しかわからないということで,中身については分析は行っておりません。ただ,今言いましたように,だんだん人身事故数が減ってくる,死者数が減ってきますと,その母数となる,分析の対象となる数が減ってまいりますから,少ない数でやるよりは大きな数でやった方が絶対にいいわけでございますし,また,物件事故といいましても,人身事故になるか,死亡事故になるかは紙一重でございますから,これからは,現在もそういう考えでありますけれども,物件事故も含めたシステムによる分析をしていく必要があるだろうと思っております。 58 ◯舘委員 なぜこういったことを聞いたかといいますと,多分そういう分析ができない,逆に言うとあくまでも一般論でございますけれども,よく死亡事故というものが起きないとなかなか信号の整備がされないとか,横断歩道の整備がされない,一般の方々が言うそういった事例になるんだと思うのですけれども,今,部長おっしゃられたように,物件事故と人身事故,死亡事故というのは,場合によっては紙一重なのかなと。逆に言うと,先ほどの統計から見ても,物件事故というのは減っていない。そういう意味ではここをきちんと分析をして,死亡事故とか人身事故に対する予防というものを考えた交通安全施設の整備というものをしていかないと,たまたま死亡事故が減ってはおりますけれども,まだまだ10万人に対しての割合がワーストの部分,また死亡事故のワーストの中でもまだまだ上位であるという部分にどうしても結びついていってしまうのではないかという思いがするわけでございます。  今,コンピューターまたはITの進化によって,さまざまな経費というのがかかっており,また,県の財政も厳しいという状況であるのは重々承知をしておりますけれども,こういった死亡事故につながるような事故の防止のために,ぜひともそういった事故のコンピューターシステムの予算というものも,皆さん方のパソコンとかも非常に大切だと認識はしておりますけれども,さらに整備を進めていただいて,ぜひとも事故の防止,ひいては死亡事故がワーストの中から消えるような努力をしていただくように要望いたしまして,質問を終わります。 59 ◯細谷委員長 ほかにございますか。  今委員。 60 ◯今委員 先ほど井手委員の方から,緊急配備支援システムの話が出たのですけれども,僕もよくわからないのですけれども,緊急配備支援システムですね,機器と解析ソフト,この費用の割合というのはどのぐらいになるのでしょうか。 61 ◯小野警務部参事官兼警務部会計課長 概算で申しわけありません。今出ているのは工事費,それと通信運搬費ということでしておりますので。 62 ◯今委員 例えばそのデータですね,カメラのデータを持ってきて,それを判断するのにカメラのソフトが入っているわけですよ。ソフトウエアが。そっちの方が金は高いのかなと思っていたので,そのシステムはつくってしまったのですか。 63 ◯小野警務部参事官兼警務部会計課長 30基運用しておりますので,初年度の分で組んでおります。そのはじき出すソフト,そのものも入った工事になっております。 64 ◯今委員 どのぐらいあるの。 65 ◯小野警務部参事官兼警務部会計課長 ちょっと今積算の根拠を手持ちでございませんので。 66 ◯今委員 何でこういう話を出すかというと,Nシステムとこのシステムがどう違うかは,私わからないのですけれども,Nシステムの中に,例えばカメラの情報を入れて,データだけを入れて,それでつないでいけばいいんじゃないかなと思ったのですけれども,各県がやっているということは,Nシステムの方に入っていけないことなんですかね。そこがよくわからないのですけれども。 67 ◯小風警察本部長 国費で整備をしておりますシステムにつきましては,国費で整備されている通信回線といったものを基本的に用いることになっております。県費の方につきましては,県独自でやっておるのですが,基本的な考え方については共通しております。ただ,いずれにしましても,最終的にはそれらのデータにつきましては,通信指令でありますとか,捜査活動などに反映できるようになっております。 68 ◯今委員 ですから,各県でそういう整備,全部カメラを追加していって,最終的にはNシステムと合体するという方がいいんじゃないかと思ったのですけれども,将来的にそこら辺の考え方はどうですかね。 69 ◯小風警察本部長 ただいまの御発言の趣旨というのは,運用のやり方においては生かされております。ただし,国費で整備されましたこのシステムにつきましても,それぞれ整備された時期が違っております。実際の運用に当たりましては,それぞれの運用状況にあわせて,ソフト等についても改修などが加えられておりますので,直ちに接続がしにくいところの部分はあるやに伺っております。  しかし,いずれにせよ,現場での運用については齟齬のないような形で行われているところであります。 70 ◯今委員 将来的にぜひ全国的につないでいただいて,そして全国的にそういうデータが利用できれば,Nシステムの方がもっと細かくできるわけですね。カメラがどんどん設置されて,最終的には,何年先かわからないですけれども,Nシステムにつなげば本当に広域の細かい監視ができるのではないかと思いますけれども,将来的なお考えはどうでしょうか。 71 ◯小風警察本部長 将来的にはそのような方向で運用されるようになろうかと思います。ただ,現状を申し上げますと,国費の部分,それから,各県の部分がありますので,それらの間で情報の交換に齟齬がないように工夫をしていくという対応しているところでございます。 72 ◯今委員 わかりました。よろしくお願いします。  それでは,1点ですけれども,今,世間を騒がせているサイバー犯罪といいますか,携帯を使ったりパソコンを使ったり,そういうネットワークを使ったりしていろいろな犯罪が行われておりますけれども,これは警察庁を主体に対策をしているのか,各県が,ネットの世界はどこで起こるのかわからないもので,その辺は今どのように対応されているのかというところをお聞きしたいのですけれども。 73 ◯助川生活安全部長 情報通信ネットワークの普及ということが,我々が考えている以上に早いものでございまして,特にインターネット上の犯罪について,国においては外郭団体的なものでインターネット・ホットラインセンターにおいて,インターネット上における違法情報,有害情報等の把握等に努めているところでございます。そのインターネット・ホットラインセンターで把握した情報は,当然,私どもの県の方にも提供されることになっているところでございます。国ではそういう動きをしてございます。 74 ◯今委員 今もお話があったのですが,やはり全国的にどこで起こるかわからない犯罪になってきているので,当然国のセンターの方でやっているのでしょうけれども,県の方もいろいろな犯罪を把握して対策しようと思って,専門家の方も対応しておられると思うのですけれども,茨城県の場合はどのような対応ですか。 75 ◯助川生活安全部長 このサイバー犯罪に関しましては,生活安全部で生活環境課においてサイバー犯罪対策係というのを設けておりまして,警察官の中でもサイバー犯罪の知識,技能等を持ち合わせた者を集めて対応しておりまして,そこでも十分とは言えませんけれども,サイバーのパトロール等も実施しながら,あと相談等も寄せられておりますので,その相談に基づく犯罪捜査等に従事しているところでございます。 76 ◯今委員 例えばサイバー犯罪対策係ですか,そこで検挙した犯罪というのは何件ぐらいあるのですか。 77 ◯助川生活安全部長 サイバー犯罪,昨年は134件で,すべてサイバー犯罪対策係というものではありません。警察署全体で,当然専門的な知識が必要でございますので,そこに本部の捜査員等が指導しながら,あるいは一緒になって捜査をした件数が134件,昨年ございました。 78 ◯今委員 先日もテレビを見ていましたら,元サイバー犯罪にかかわりがあったという犯人が出まして,いろいろな犯罪が出てきますけれども,対策もやっているのですけれども,その犯罪をやっている方は二枚も三枚も上手の専門家がいて,とてもついてこれないよという話をしておりましたけれども,警察の方は,どうしても犯罪が起こってからその対策となってしまうところがあると思うのですね。そこら辺で,将来的に彼らよりもっと上をいくためにはどうしたらいいのかなというところが,どう考えられているか,そこら辺をお伺いしたいのですけれども。 79 ◯助川生活安全部長 先ほど申し上げましたとおり,インターネット上の高度化,広域化ということで,今,私どもが考えている以上に進んでいるのが実態でございます。そういう中で国の方が中心になりまして研修会,いわゆる学校等に茨城県から何名か,そういう施設,教育機関に集合を受けて,そういう教育を受けながら先取りしたことも見据えてやっておりますが,依然として民間の高度化というのは著しい状況でございますので,どうしても現場ではその違反にあった対応というので,後手に回るのは否めない事実でございます。 80 ◯今委員 非常に大変難しい対策にはなろうと思うのですけれども,例えば先ほどお話しました犯罪をやっていた人に,こういうアイデアがあるんだとか,そういうことを聴きながら,将来を見据えた予防になるような対策も,ぜひこれから考えていっていただきたいなと思うので,そこら辺はお願いして終わります。 81 ◯細谷委員長 よろしいですか。  大内委員。 82 ◯大内委員 最初に,交通安全施設の整備についてです。  信号機設置平成19年度の設置箇所と,それから,要望ですね,どのぐらいあったのか伺います。 83 ◯真家交通部長 平成19年度の信号機の設置要望数,警察署から来たものでございますが,464カ所,それにつきまして設置が県費,国費を含めまして101基でございます。 84 ◯大内委員 要望に比べて設置は22%,約5分の1という状況ですね。これは,これまでの5カ年の経過を見てもいかがでしょうか。 85 ◯真家交通部長 平成15年度から平成19年度を経年で見てみますと,大体警察署からの要望数は400から500基ございます。その中で実際に設置した数も,平成19年度の101基,それから,平成16年度が119基ということで,100基を若干上回る程度で推移してございます。 86 ◯大内委員 先ほどありましたけれども,この信号機の費用ですけれども,幾つか種類はあると思うのですけれども,押しボタン,それから,定周期,またLED化の場合,それぞれどのような費用がかかるのか伺います。 87 ◯真家交通部長 信号機にはいろいろ種類がございますけれども,一般的に押しボタン,通学路等にございますけれども,警察庁の示した標準単価で190万円でございます。そのほか,例えば車が来たときだけ感知して青になったり赤になったりする半感応式でございますが,これが約560万円。それから,全方向の車の状況を感知して制御する全感応式といっていますが,これが約570万円。それから,それぞれの交差点の1年間の曜日別,平日等を含めまして,大体の交通流量等を事前にプログラムしまして制御するプログラム多段式というのがございますが,これが約460万円。そのほかに,この辺で言いますと黒羽根町ですか,スクランブルを入ったところに一灯式というのがございますけれども,赤と黄色だけですね,あれが約90万円,そういう費用でございます。 88 ◯大内委員 それぞれ費用が出されたわけですけれども,全体として過去5年の推移を見ても要望の箇所について,設置が約5分の1という状況ですけれども,これはきちんと設置の,例えば優先順位の基準,それから,通学路,交通量などの安全最優先ということ。基本的にどういう箇所を優先にしているのか。そして設置されない場所については,どういう安全対策をとるのか,地元の自治体などとの協議がどのように行われているのか,伺いたいと思います。 89 ◯真家交通部長 信号機を設置するに当たりましては,まず,委員おっしゃったように,子供であるとか高齢者であるとか,こういう方々の安全を特に確保する必要があるかどうか。それから,物理的な問題としまして,すれ違いができませんと信号機は使えませんから,すれ違いができるだけの道幅があると。それから,信号機を使ってさばかなければならないような交通流量があるというのが,大体3つの大きな基本でございまして,そういう箇所につきまして,それぞれ地元署を通じて要望があった箇所につきましては,本部の交通規制課という専門家がおりますので,全箇所を見まして,物理的につけられるかどうか,あるいは必要性はどうかということをまず判断いたします。そのほか,地元署の方でも,地元の協議会であるとか,役場であるとか,そういうところからの要望も含めてございますので,さらに道路改良ができるかどうか,そういったところは本部の方を含めまして関係機関と協議をいたしました上で,実用性,緊急性,そういったものを判断いたしまして,順番をつけまして,いただく予算の範囲内での箇所づけというものをいたすことにしております。 90 ◯大内委員 箇所づけをするのですが,全体として年間要望に比べて約5分の1ということは,予算をふやしてでも必要な箇所は増設をすると,新設をするというのが本来の交通安全対策の基本ではないかと思いますが,年間信号機にかけている金額ですね,それをお答えください。 91 ◯真家交通部長 平成19年度の信号機101基でございます。先ほど言いましたように,県単独事業と特定事業とございますが,決算額が3億9,328万1,000円,約4億円の経費が必要でございます。 92 ◯大内委員 私は安全最優先ということで,せめてこの要望箇所の5分の1ということでない予算の増額,これが必要ではないかと考えるものでございます。  先ほど取り上げられたLED化を最初からやるとしたら,あと10万円そこに増額すれば,最初から設置がされるということも聞いております。いずれにいたしましても,年間約4億円ですから,ここは県単事業といえども重視していただきたいということでございます。  私どももいろいろ信号機設置の要望が出されるのですが,とにかく予算がないということで何年も待っている場所もあります。そして,つけられるところは残念ながら死亡事故があったところとか,事故件数が多いところということが優先されます。死亡事故などあってはならないことですけれども,危険箇所ということですね,ですから本部長に,これはずっと経年大体要望箇所の5分の1程度なのですね。何とか増額できるように取り組んでいただきたいということですが,所見を伺います。 93 ◯小風警察本部長 交差点における交通事故の防止につきましては,信号機の設置というのが有効であろうかと考えております。しかしながら,限られた予算を効率的に執行するという観点からいたしますと,交差点における事故の防止は信号機の設置だけではなく,道路標識,道路標示による対応ということが可能な部分もありましょうし,また,道路管理者にこの近傍に交差点があるよということを運転手さんにわかるような,そういう工夫もあろうかと思います。いずれにせよ,いろいろな対策を講じまして,交差点における事故を中心とした防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。 94 ◯真家交通部長 済みません,先ほどの御質問に答えがありませんでした。  信号機設置につきまして本部長から答えがございました。  それから,信号機が死亡事故がないとつかないというお話でございますが,そうではございませんで,全体の6割から7割が事故多発でございまして,残りの3割か4割は道路改良とか,あるいは年度末に交差点ができるというところを見込しまして,先行的につけるということもございますので,必ずしも死亡事故がなければつけないということではございませんので,念のため。 95 ◯大内委員 ぜひ積極的に取り組んでいたたきたいと思います。  ところで,今年の県政世論調査でも,県警察に力を入れて取り組んでいただきたいこと,その第1番目が,地域パトロールの強化71%という県民の回答でございました。このパトロールについて,どういう体制で取り組んでいるのか伺いたいと思います。 96 ◯黒澤地域部長 お尋ねの件でございますが,県警ではパトロールを強化してほしいという県民からの要望に応えて,事件事故の発生を未然に防ぐということ,また,犯罪を検挙するため犯罪の多発する時間帯,または地域等に重点を置いたパトロールを行っているところでございます。  特に子供や女性が被害者となるような犯罪については,県民の治安に対する不安感を著しく高めるということがありますので,特に幼稚園,小学校の周辺や下校時等の通学路,また通勤時間帯等における駅構内,あるいはその周辺,その他,不審者情報等に基づいた時間,場所等に対してパトロールを強化し,不審者に対する積極的な職務質問を行っております。そういう意味で今後とも引き続き積極的な街頭活動を,自警団が中心になりますけれども,そういう形で進めてまいりたいと考えております。 97 ◯大内委員 24時間体制で地域の見回りなど行うその場所というのは,交番であるかと思いますけれども,どういう体制で行われているのでしょうか。 98 ◯黒澤地域部長 県内に交番は79カ所ございまして,3交代勤務で24時間対応しております。その勤務員で警らパトロールを行っているということでございます。 99 ◯大内委員 1つの交番に,このパトロールで当たられる方はどういう人員体制になっておりますか。 100 ◯黒澤地域部長 24時間ということでありますので,全員ではちょっと回ることはできません。基本的にはこの交番1組2名が警らを回ります。また,警察署にパトカーがございますので,そのほかに方面別にパトカーも運用して警らをしております。 101 ◯大内委員 2人体制で6人,24時間,そこに嘱託の相談員の配置ということで行われていると伺っております。  そこで,平成19年6月6日に県警察における警察署等の再編整備についての提言書が出され,そして,年度末,平成20年3月10日に当面の第1期整備ということが出されました。そういうことに基づいて駐在所が交番にという方向で取り組まれていると思いますけれども,どのような取り組みなのでしょうか伺います。 102 ◯山上警務部長 ただいま委員から御指摘がございました警察施設の再編でございますが,今年の3月,警察施設再編整備計画,これは第1期計画ということで平成20年度から平成22年度までの3カ年を対象にしているものでございますが,これを発表いたしまして,この第1期の再編整備計画に基づきまして,現在,交番,駐在所の再編整備を計画的に推進し,夜間体制と初動捜査体制の強化を図っているところでございます。 103 ◯大内委員 この提言のときにも,まず警察法第53条では,警察署の設置というものは条例で定めることになっているわけです。そして,警察署の下部組織として交番,派出所,駐在所などを置くことができるということですね。茨城県はこの警察署について,再編整備については一時これを宿題にして,まず交番,駐在所ということに手をつけ始めました。  しかし,この提言には警察署が設置されていない市は神栖市と守谷市,そして神栖市は人口1万人当たりの刑法犯認知件数が茨城県内で第2位,そして,凶悪犯の認知件数は第1位ということでございます。この警察署の体制をそのままにして,交番そして駐在所の再編整備が行われているというのは,法的な警察法第53条,警察施行令第5条からすると,警察署の配備というのは人口問題とか,その地域の交通,通信,こういうものを勘案して警察署の設置ということになるのですね。この点についてはどのような整備計画のもとで交番と駐在所の再編を行うのでしょうか。  何かやり方が,もうちょっと一番大事なところをきちんと方針を立てて,そして地域の見回り,一番身近なところをどう強化していくのかということだと思うのですが,その点についてはいかがですか。 104 ◯山上警務部長 警察署の整備でございますけれども,こちらにつきましては再編整備による総合的な警察力強化,こういった考え方を前提とした上で県内の治安情勢がございます。それから,社会経済情勢の推移といったものもございます。さらには県の財政事情といったものもございますので,これらを考慮した上で総合的に判断をした上で,計画的に整備してまいりたいと考えております。  また,現在,県警が直面する最重要課題は,夜間の体制,初動捜査体制をいかにして強化していくかということでございますので,まずは第1期計画としましては,そちらの重点というものを勘案した上で交番,駐在所の再編整備を進めているところでございます。 105 ◯大内委員 先ほどの答弁ですと,交番が主体になって見回り体制ですね,2人,そして交番の管理をする方を嘱託として昼間は置いているということで,6人の方が3日に1回泊まりをして何とか支えている地域のパトロール,そこに警察署のパトロール事業が一緒になっていますということですね。ということになりますと,やはり警察署がどういうふうに再編して,この実態に合ったものになっていくのかということと連動していると思います。  なぜそういうふうに思いますかと言いますと,先ほどの神栖市の実態などは,緊急な対応が迫られていると。私の身近な茨城大学周辺,ここに交番がないということで,若い人たちが,大学の周辺ですからひとり暮らしです。そしてアパート暮らしですね。そこが今の非常に危険な状況です。洗濯1つ干していると,ここに夜などねらわれるという危険性があって,地域住民の方は切実に,やはり大学の近くに交番を設置してほしいということを長年にわたって要望してきました。私も機会を得て何度かその要望をしております。しかし,もともとの警察署の体制と交番体制と,そして駐在所をどうするかという,そういう中でまだまだ課題となっているということでございます。やはり今の若い人たちの危険な状況,頻繁にいろいろな形で起きているということで,必要な交番はきちんと必要なところにつけるということを検討していただきたいということとあわせて,警察署の再編も,全県的にそういうことが言えるのではないかと思います。どのように取り組んでいくのか伺います。 106 ◯山上警務部長 ただいま委員から神栖市について言及がございました。神栖市に警察署を新設すると,これを検討する必要性があるというのは県警が発表しました構想で書かれておるところでございまして,この構想に示した考え方に変更があるわけではございません。同時に,神栖市の治安対策は,警察署の新設がなければ何もできないかということでは毛頭ございませんで,県警としては既に幾つかの措置を講じてきております。  例えば神之池の交番を増員する,あるいは土合に交番を新設するといったこともしておりますし,それから,本部の執行隊を含めたパトロールの強化をするということもやっております。ちなみに,この9月には2回に分けて交通警察主導で緊急の対策を実施しまして,数十台のパトカーを導入して一斉取り締まりを行っているところでございます。  それから,人の送り込みということであれば,県警の幹部でございます警視を神栖市役所に派遣しまして,こちらで課長として勤務することによって治安対策に当たっているということもございますので,その辺もぜひ御勘案いただければと思います。 107 ◯大内委員 これで終わりますけれども,平成20年3月10日の第1期の整備計画は,まず最初ということだと思います。1日も早く住民が望む安心して暮らせる警察,住民の立場で再編をしていただきたいと,増設をしていただきたいということを基本に考えていただきたいと思います。  道路使用許可申請手数料,茨城県は1カ月ではなくて15日にしていると,全国でも余り例がありません。そして料金も1回2,300円ということで,1カ月4,600円になるという非常に高いものでございます。私はぜひこれは全国的に見ても15日ということについては改善をすべきではないか,料金の引き下げについても,1カ月2,000円から2,500円,これが全国の例です。そこからすると約2倍ということになります。どのように改善をしていくのか伺います。 108 ◯真家交通部長 道路使用許可の日数につきましては,それぞれの許可をするに当たりまして,どのぐらいのものが必要かということを勘案して決めております。  それから,手数料につきましても,それぞれのいろいろな人件費でありますとか,他県との比較などをいたしまして決めているところでございますけれども,刻々変わる交通情勢,いろいろな社会変化がございますので,そういうところは検討はしていきたいと思います。 109 ◯細谷委員長 井手委員。 110 ◯井手委員 ただいまの大内委員の御質問に関しましては,意見だけ述べさせていただきます。  私どもといたしましては,確かに費用について高いことについては抵抗もございますけれども,さまざまな意味で今の県警の道路使用許可申請の費用は,私は妥当だと考えております。決して高くないということだけ,意見を表明させていただきたいと思います。 111 ◯細谷委員長 山岡委員。
    112 ◯山岡委員 交通死亡事故対策についてお伺いさせていただきます。  平成18年は前年比マイナス39人,それから,平成19年は前年比マイナス61人と,こういう表現は妥当かどうかわからないですけれども,まさに驚異的な減らし方をしていただいたわけですけれども,どうして減ったのかということについて,交通部としてはどういうふうに分析されておられるのかお伺いします。 113 ◯真家交通部長 交通事故,死亡事故につきましては,ひとり警察だけでできるものではございませんので,我々の権限である取り締まり,それから,交通安全協会とか母の会であるとか,それから,県とか,そういうところがそれぞれの立場でできるものを一生懸命やっていこうということで,その成果として昨年は死者数が大幅に減ったものと思っております。  中でも昨年はいろいろな法改正がございまして,特に飲酒運転の罰則の厳罰化でありますとかがございまして,ドライバー側も,これはしっかりしなければいけないという意識もあったでございましょうし,それがことしは逆にふえているということもございますけれども,その辺のところがどういうところが原因なのか,しっかり見きわめをしまして,今後の対策に生かしていきたいと思っております。 114 ◯山岡委員 ありがとうございます。  残念ながらことしは少しふえておりまして,200人を超えてしまうのではないかと心配されております。さらに死亡事故を減らしていかなければならないのですけれども,現在の死亡事故の特徴として高齢者の方が多いと,それは県警としても最重要課題として取り組くんでいる,そして,さまざまないきいき運転サポート事業などをしておられます。しかし,それだけでは,県が掲げている平成22年度までに高齢者の死亡者数70人以下にするというのは,ちょっと難しいような気もいたします。  それで,たまたまなのですけれども,知り合いの方で交通事故で亡くなられた方の葬式に2回行って,同じようなことをその参列者から聞いたのですけれども,1人は,たまたま私の隣の家で生まれた女の方で75歳になる方だったのです。  話を聞いておりますと,ちょうど1年ぐらい前,朝5時ごろですけれども,ウオーキングの途中で交通事故に遭われた方,それから,もう1人は80歳を超えた男の人なのですけれども,夜,人通りの少ないところで横断しようとしてひかれてしまった。そうすると,近所の人たちとか親戚の人たちのお葬式での話なのですけれども,何でそんな時間に歩いていなければならないのかなと,運転者に同情的なことも聞きました。そういう意味で,免許を持っていない方に対する指導というのは,警察としては非常に難しいことだろうと思います。しかし,それを何とかしなければ,やっぱり高齢者の事故というのは減らすことができないのではないかと思います。  それで,いい例というか,刑法犯認知件数が7万件に迫ろうとしたときに,県では自主防災組織を各地でつくっていただきました。その成果が非常に上がって減ったんだと思います。ですから,免許を持たない高齢者の方が,夜必要でもない時間には外出しないようにというのは,やはり警察で取り締まるということはできませんけれども,そういう働きかけを何らかの形でしていかないとならないのではないかと思っております。交通部として,どういうふうにその辺のところを考えておられるのかお伺いいたします。 115 ◯真家交通部長 確かにことしの高齢者の事故を見ますと,6割から7割が運転免許を持っていないという方もおられますし,ことし夏場は朝方田んぼに行くとか,あるいはごみ出しに行く途中はねられてしまったという方もおりますし,それから,今おっしゃったように,何でこんな時間に歩いているんだろうということで,この前,常陸太田市内の国道349号であった死亡事故など,朝の4時でございますから,そういった方もありますので,そういうことをどのように知らしめていったらいいだろうかということで,免許を持っている方は更新時講習という機会がございますけれども,そのほかに高齢者が集まってくる老人クラブであるとか,それから,ゲートボール会場であるとか,そういうところをうちで把握をいたしまして,こちらから出前をしまして,出前式の安全教室と言っていますけれども,そんなところで,こうですよ,危ないですよ,こんな時間帯は危ないですよ,あるいはどうしても歩くときは反射材をつけてくださいよということも今やっておりますし,それから,年末にかけて非常に事故が多いものですから,この時間帯にパトカーを総動員しましてやっておりますけれども,そういうときも反射材をいっぱい持っていまして,黒い格好で歩いている人につきましては,たすきをかけてやるとか,それから,靴なども,差し支えなければその場で反射テープをお張りするとか,そういうこともやっておりますし,それから,交通安全母の会などでは,独自の事業としまして高齢者のお宅を訪問しまして,いろいろな振り込め詐欺なども含めまして,交通安全教育,それから,防犯指導などもやっているところでございますから,地道にそういうことを継続していくのがいいのかなというのが1つございます。  これは高齢者側でございますが,それから,ドライバー側から見ますと,こんな時間に歩いている人はいないだろうと,まさに先ほどの午前4時などは,こんな時間に歩いている人はいないだろうという感覚で運転している人が,どうも多いようでございますから,いろいろな教育の機会に,こういう時間に歩いている人があって,実際こういう事故があったよということ,ですから交差点があったら,そこから出てこないだろうじゃなくて,出てくるかもしれないという防衛運転なども含めまして,いわゆる高齢者側と,それから,ドライバー側と絡めた教育をしていきたいと考えております。 116 ◯山岡委員 それから,ことしふえているので,ちょっと不思議な気もするのですけれども,飲酒運転による死亡事故がふえていると聞いております。いろいろ厳しくなりましたし,これだけ騒がれているのに,茨城県では飲酒運転による死亡事故がふえているというのはどういうわけなのか。また,その対策というのを徹底していただくことをお願いして質問を終わります。 117 ◯真家交通部長 先ほど言いましたように,昨年は法改正があった直後ということで緊張感もあったんだと思いますが,1年過ぎまして若干その辺の緊張感が欠けているかもしれませんので,そうだとすれば大変でございますから,キャンペーンとか取り締まりとか,そういったものを強力にやっていきたいと思っております。 118 ◯細谷委員長 ほかにございますか。 119 ◯小田部交通部参事官兼交通部交通企画課長 それでは,先ほど佐々木委員から御指摘のございました,いばらきの安全2008の27ページの数値のことで御説明を申し上げます。  うちの真家の方が報告いたしました数値,瞬間路上駐車台数につきましては,委託前1カ月と,それから,委託後1カ月,直後の1カ月間,これの数値でございます。ここに記載してございますいばらきの安全2008の27ページの数値につきましては,委託前の1カ月は同じでございますけれども,委託後につきましては,いずれも平成20年4月1カ月の平均,この比較でございますで,その件,訂正をさせていただきます。 120 ◯細谷委員長 ないようですので,以上で質疑を終わり,警察本部の部門別審査を終了いたします。  ここで暫時休憩をいたします。  再開は午後1時20分とし,再開後は総括質疑及び採決を行います。  御苦労さまでした。                  午後0時21分休憩      ───────────────────────────────                  午後1時20分開議 121 ◯細谷委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  これより総括質疑に入りますが,これまでの説明がございましたが,今までの中で補足するようなことはございますか。  ないようですので,早速総括質疑に入ります。  質疑に当たりましては,付託された案件,またはこれに関連する事項について,部門別審査を踏まえた全体的な観点からの質疑に限らせていただきたいと思いますので,御協力をお願いいたします。  それでは,質疑がありましたらお願いいたします。  大高委員。 122 ◯大高委員 それでは総括質疑ですので,全体的な視点ということで,来年度予算を踏まえてということですので,まず総務部長にお伺いします。  来年度予測される300億円程度の財源不足ですか,これに対して今年度は事業費を,職員の人件費も絞りきった雑巾のあとを絞る状態で出ないということで,事業費一律カットということに踏み切ったわけですが,来年度の予算編成に対しては,この決算を踏まえてどのような部門に力を入れ,どのような部門が予算的には配分的に少なくすべきか,本来でしたら知事にお尋ねすべきことなのですが,どういう御所見であるのか,全体の総枠でお伺いしたいと思います。 123 ◯上月総務部長 まず,来年度の予算の不足額見込みは,現在で400億円と見込んでおります。その状態から,さらに現在の景気の落ち込み状況をもとに考えると,さらに少なくとも50億円程度以上は開いていくのだろうと考えております。  我々として,現在考えております削り込みにつきましては,現在は財政課長段階で査定をしておりまして,これから私のところに上がってまいりますが,どこの分野をどういうふうにということについては,どの分野は特にプラスに考えるということなく,1つ1つゼロベースで見直していきたいと考えております。  当面,公共事業につきましては,ピークからすると4割を切るような状況になっておりますが,縮減重点化は引き続き図っていかなければいけないのかなと思っております。これは国の方の予算が,交付税措置などがどうなるのかということも,よくよく見きわめないといけないと考えております。  あわせて,全体的にゼロベースでもう一度見直していくべき点は多々あると思いますが,しかし一方で,将来の発展につながるところについては,つけていかなければいけないものもたくさんあるのだろうと思います。例えば少子化でございますとか,1個1個言いますとたくさんありますのであえて例示はいたしませんけれども,つけるべき点につきましても,よく各部とこれから議論していきたいと考えております。 124 ◯大高委員 ゼロベースに立った視野ということでございますので,これまでの質疑の中でも,特に大内委員など御心配がございました。また自民党の政策協定の中でも何度もお願いしてまいったのですが,例えばどっちとは言わないですよ,国営水利事業の国営の負担金,こういったものをもう1回別シーリングにして,もともと日本経済は内需拡大してきたわけですから,県内の内需拡大で考えたら県内行政,県単とか県営事業に事業費を回すべきではないかという考えを,何回も自民党からも別建てシーリングということで要望がございましたね。ゼロベースということは,これについてはどのように今執行部の方では考えていらっしゃるのか,ご所見を伺います。 125 ◯上月総務部長 直轄の負担金と補助事業の関係だと思います。これは,先般の知事会議でも知事から御発言があったようでありますけれども,前から直轄負担金は極力減らす,あるいは制度としてはなくしていただきたいということを,強烈に今申し入れているわけであります。我々としては直轄負担金ではなくて,補助裏の方の事業をやらせていただきたいと,その方が県内経済のためにもなるだろうと考えて,これは常々国に対しては申し上げております。  そういう基本的な方針で臨みたいと考えております。 126 ◯大高委員 私も自民党なのですけれども,ちょっと質問内容が偏ってしまうかもしれないですが,本当に片一方で何100億円の事業,その一方で高齢者世帯の場合,国民年金だけで生活していると年間70万円ぐらいしかない人が,来年の介護保険料がまた3%,1月25日に国会が法改定すれば利用者負担に回るわけです。県として単独で,例えばですよ,高齢者世帯でどちらかがグループホームに入るとか,ショートステイに入るときは,月2,000円だけ見てやるとか,全くそれはゼロ。障害者自立支援法にしたって,国の補正だけで,では県で見ますよといった分はゼロ。で,一律事業費は20%カット。これが健全な行政運営と言えるのでしょうか,めり張りのある行政と言えるのでしょうか。私見でも結構ですので,お答えいただきたいと思います。 127 ◯上月総務部長 現在はシーリングに基づく要求の段階だと,これから査定は進んでいくんだと思います。最初の出来上がりの姿がどうなっていくかというのは,これからよく詰めていかなければいけないと思っておりますが,ものによって30%シーリングをかけているものもたくさんあるわけでありまして,2年続けてかけると0.7掛ける0.7,2年続けてかけると半分になってしまうわけであります。必ずしもこれが正常な姿とは到底思えないと思うのですが,一方で国が交付税を三位一体改革以降切ってきたわけであります。その切ってきた結果がこうなるというのは,ある意味自然な結末でもあると考えておりまして,そういう意味では,国の財政措置というものをきちんとやっていただきたいと思っております。 128 ◯大高委員 今の御答弁で,それ以上は言わないですけれども,例えば財政が厳しいのは国のせいだ,国のせいだと何年も来て弱者は切り捨てるのか,今の質問内容をよく各部長さんお考えをおくみ取りいただきたいと思います。  最後にもう1点だけ,農林水産部長にお伺いします。  農薬の世界基準がまだ手直しされていない状況で,オバマさんがなってどうやってもWTO,FTAAでねらってくるのは,僕はリンゴか,あるいはそういった果実,しかも出荷段階での農薬の使用は世界基準にないわけですから,これ迫られてくると思うのですよ。これに対して本県の部長さんとしての御所見をお示し願いたいのですが,よろしくお願いします。 129 ◯斉藤農林水産部長 農薬基準といいますか,それと農産物との関連だと思いますが,確かに今非常に農薬基準……。 130 ◯大高委員 簡潔でいいです。 131 ◯斉藤農林水産部長 厳しい基準で,1個1個の基準のないものは非常に厳しい基準の0.01ppmが適用されているのですが,できれば私ども,それぞれの農産物について個々の基準をつくった上で農産物が供給できるような体制ができるのが一番いいと思っておりますので。 132 ◯大高委員 部長,例えば国がやらなくても県としてはそういうものを率先して,流通にしても見直しをかけるところは見ていくし,農薬についても考えると解釈してよろしいでしょうか。 133 ◯斉藤農林水産部長 これは国の方で基準を決めますので,私ども要望はいたしております。基準がないものは早々に基準をつくっていただきたいと要望していますので,国の方にぜひやっていただきたいと思います。 134 ◯大高委員 私が言いたいのはそこなんです。各先輩委員の皆様の前でこういうことを言うのは失礼なのですけれども,すべてが国が,国がで,じゃあこれから本当に都道府県の役割というものが,行政のあり方,県議会議員の取り組み方,こういったものいろいろ,県民の皆さん,国民の皆さんに質される時期にあるんだと思うのですね。岐路だと思うのです。そういう意味では,来年,16年目を迎える橋本県政下の行政の執行部の皆さんの取り組み方も,一層努力していただけますことを切にお願い申し上げまして終わります。 135 ◯細谷委員長 ほかにございますか。  大内委員。 136 ◯大内委員 審査意見書の中に県債の発行を抑制されたいと示されておりますけれども,平成19年度一般会計,特別会計,県債発行についてはいかがでしたでしょうか。 137 ◯羽白総務部財政課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 数字を確認して,すぐお答えさせていただきます。 138 ◯大内委員 私はあくまでも,この審査意見書の中に示された内容で見てみました。残念ながら平成19年度の決算は県債発行が328億円ふえました。1年間で1,943億円発行しました。私どもに示されているのは,一般会計では減らしましたという説明です。一般会計では確かに280億円減りました。しかし県債発行で,何と特別会計は土地区画整理事業で549億円ふやし,港湾事業で46億円,合わせて595億円ふやしたのです。私はここに茨城県の会計で,一般会計では減らしました,努力をしていますと言いながら,特別会計,とりわけ今問題になっておりますつくばエクスプレス沿線開発,これを中心にした土地区画整理大規模事業,これは全国的にも例のない大規模事業でございます。そして港湾事業,この2つで595億円もふやしていると,ここに書いてあります。審査意見書の資料をつぶさに見ますと書かれていることでございます。  この県債発行が,結果的には後年度の公債費の増加となって,財政を圧迫してきたということが,これまでも指摘をされてきました。平成10年度,このときの景気浮揚策が一番大きな問題になっていると言われ続けてきました。しかし,平成19年度の決算を見ますと,また県債発行をふやしている,ここに本当に茨城県の今後の財政,そして県政運営にかかわる問題が含まれていると厳しく指摘したいと思います。  そこで,平成19年度,県住宅供給公社,県土地開発公社,幾らのいわゆる支援策をとったのでしょうか,お答えください。 139 ◯伊藤土木部長 平成18年度ですか,平成19年度でございますか。 140 ◯大内委員 平成19年度の決算です。 141 ◯伊藤土木部長 住宅供給公社につきましては,正確には17億円台だと思います。18億円弱です。それから,土地開発公社につきましては,こちらの方は借りかえに伴う97億円の10分の1の部分だと思います。 142 ◯大内委員 今度の決算の,開発行政のつけが県財政を圧迫しているという事実です。皆さんがお配りした主要施策の成果に関する報告書,この中にはっきり出ております。県住宅供給公社は46億円の補助金支援策ですね,それにプラスして1億5,000万円,合わせて47億5,000万円です。そして,県土地開発公社は9億7,000万円,この2つを合わせて57億2,000万円,これがいわゆる債務超過になるとした,いわゆる損失補償という形で税金を投入して穴埋めをしたという事実です。これは予測ではありません。この報告書に示されている事実ですが,土木部長,あなたが行ってきたことについて数字が違います。もう一度お答えをいただきたいと思います。 143 ◯伊藤土木部長 済みません。数字を今取り違えております。申しわけありません。  土地開発公社につきましては,97億円の10分の1ということで9億7,000万円で正確でございますが,住宅供給公社については,毎年毎年の支援額460億円の10分の1,46億円を外しております。それから,追加支援額1億5,000万円でございます。申しわけありません。平成19年度決算では。平成19年度の住宅供給公社の決算額としての追加支援額の方を私申し上げてしまいました。申しわけありません。 144 ◯大内委員 答弁いただきましたのは,私が先ほどお話した数字でございます。2つの公社で57億2,000万円,大変な額でございます。財政が苦しいからといって職員の給与も削りました。職員も減らしました。そして大事な福祉施策,どんどんシーリングで削ってきました。しかし,一方で57億2,000万円という「ほしょう」をしたのでございます。  ところで,この「ほしょう」は何に基づいているのかということですが,損失補償なのか債務保証なのか,伺いたいと思います。 145 ◯伊藤土木部長 県の方が借入金として損失補償をしておりますので,県の方は公社に対して損失補償をしております。 146 ◯上月総務部長 債務保証ができるというのは法律で限られておりまして,土地開発公社に対しましては債務保証,それから,住宅供給公社等に対しましては損失補償ということでやってございます。 147 ◯大内委員 平成18年11月15日,第三セクターの損失補償は違法という横浜地方裁判所の判決が出されました。これは,今お答えにありましたように,県土地開発公社は債務保証です。そして,県住宅供給公社は損失補償契約に基づく補償でございます。ここが法的に認められていない補償だということで,今全国的に初めて横浜地方裁判所で違法の判決が出され,そして,公金の支出としていかがなものかということで大きな問題になっていることでございます。このことについて見解を求めます。 148 ◯上月総務部長 横浜地裁の判決というのは,地裁段階のものでございました。結審してしまったのですけれども,我々としては非常に,何と言うのでしょう,中途半端な形で結審した判決だと思っております。  公金の支出自体は認められておりまして,形の上で勝訴しているので自治体側が控訴できなかったという形であります。その中で損失補償について違法であるという形で言われたものでありまして,実際には公金を出す方については,自治体側が勝訴したので,ぜひ控訴していただいて,上級審で判断いただければ,その辺の判断も固まるのかなと思っておりましたところ,そこで結審してしまいまして,お金を出すことはいいけれども,その中の損失補償のところは違法という,非常に何となく中途半端な形の判決だったのかなと思っております。 149 ◯大内委員 損失補償契約はあくまでも二者間の契約ということで,損失が生じた場合穴埋めをするという約束事でございます。ですから,これまで県住宅供給公社がこれだけの債務を行った一番大きな原因は,知事が損失補償をするという契約を銀行と取り交わしていたということだけでございます。法的には,これはいわゆる債務保証の拡大であり,これを乱用するということが,今,地方自治体の公金支出として大きな問題となっているということが問われているわけでございます。  私は,県の住宅供給公社の,とりわけ十万原開発,これについては大きな損失を生むことになるので,計画の段階からやめるように県議会で何度か指摘をしてきたところでございます。このような大規模住宅団地,バブルのときに計画をし,その後,それを今度はインフラ整備ということで新たな投資をしてしまった。これが今の過大な借金を抱えることになってしまった1つの実例です。  そのときにも,何のためにこれを行うのかということを問いただしました。そうしましたら,常陸那珂港開発の後背地とか,いろいろ理由をつけておりましたけれども,人口がふえる,住宅が必要,そういう予測のもとに行ったけれども,それは需要見込みも違っていたというのが今の現実でございます。私は今度の会計のこの決算の中で債務保証について考えるべきだと思います。損失補償については,これはあくまでも銀行から訴えられたときに県の責任が問われるのです。ところが茨城県は,銀行から訴えられる前に損失を予測して,そして銀行側に税金で投入するということを決めてしまった。ここに,県民が納得できない,心ある県職員も納得ができないという事態でございます。これを10年間続けるという,これが私は財政の一番圧迫している大きな問題と指摘をします。  そこで,なぜこういうことが行われたのかということだと思います。  それは,あくまでも,先ほど出されましたけれども,今までの経済対策が外需型,茨城県で言えば呼び込み型,企業が来てくれる,そうすれば茨城は繁栄をする。そのために開発をする。このことに一貫して反省もしないで行われています。  しかし,今大事なのは,内需主導型です。地域の経済をどうしていくのか,この茨城県の特質である農業,漁業,そして中小零細企業,ここにどれだけきちんとした施策が充実されていくのかということが,これを教訓にするならば,内需型に経済対策それから県政運営の方向を切りかえる,ここしか解決の道はないと言えると思います。  工業団地開発用地,莫大な売れ残りがあり,来年度からはさらに開発公社の損失補償にも1年間10億円程度の補償をするということが方向として出ております。3つの公社の穴埋めを税金で行うことについて,痛みを感じないのか,この方法がいいのか,私は問われると思います。  そこで,なぜこのようになっているかについて,県政の中でのチェック体制,これは内部のチェック体制もそうです。それから,私ども議会も問われます。このチェック体制がどういう立場で行われているかということだと思いますが,それが国保連合会の不祥事を見抜けなかった県の一般指導監査ということに大きく示されました。  そこで,私は,今,農業協同組合法に基づく94条,94条の2,県の検査という大事な任務があります。この任務を背負って検査をしていた茨城県の農林水産部農業経済課,ことしの6月5日に農林水産部長が謝罪文を関係者に送ったということですが,これは一体どういうことなのでしょうか,伺いたいと思います。 150 ◯斉藤農林水産部長 県民の方から,ある農協についての内部的な問題について,知事あてに文書が来まして,それが当農林水産部の方に回されてきまして,それを担当課の方で,もちろん該当する相手方はJA農協ですが,農協の方にも確認するという業務もございますけれども,そのときに相手方に,確認するのと合わせてそのコピーを渡してしまったという事実がございまして,それに対して,しばらくたった後に当該農協の理事会の方で渡されたというか,渡した文書をコピーして理事会に配ったという事実がございまして,知事あてに文書を出した方の方にそのコピーが渡りまして,結局県の方から当該農協の方にその方の文書が渡されたということが御本人はわかりまして,それに対して私の方に,どういうことなんだというお話がございましたので,それに対して非常に,とにかく道義的には非常にまずいことだという考えがございましたので,最初は謝罪に参ったのですが,その後,私の方でも議会中でございましたのですぐに行けないので,その行けないということを兼ねて,御本人に謝りの文書を出したという経緯でございます。 151 ◯大内委員 知事あての手紙をそっくりそのまま,手紙とあわせて住所氏名まで相手方に渡したということだと思いますが,農業協同組合法94条,毎年1回県は検査をしなければならない。そして94条の2,行政庁の監督上の命令または指示などもできるという,非常に農協の検査という重要な任務を背負っているものでございます。  そこで,平成19年8月10日に,この北つくば農協役員の不祥事について,農水省関東農政局農業経済課長あてと茨城県あてに,このことについてきちんと事実を示してほしいと,調べてほしいと,調査をし直してほしいという要望がありました。それを受けて,茨城県は,先ほどの法律に基づく検査はしたのでしょうか。 152 ◯細谷委員長 大内委員に御協力願いたいのですが,できる限り部門別の審査の内容については簡潔にしていただいて,全体的な質疑をお願いしたいと思います。 153 ◯斉藤農林水産部長 検査は実施いたしまして,そのような事実はないというように判断を,その時点でしてございます。 154 ◯大内委員 平成19年9月に94条の3に基づく,いつでも検査することができるという検査をしております。その前の年には,1年に一度の定期検査を平成18年10月18日に行っています。  何を言いたいかと言いますと,この検査をする県が,きちんと訴えている,その立場で検査をしたのか,それとも相手方に手紙,文書を渡して,相手方の立場でこの問題を見ていたのか。要するに検査という立場は,あくまでも公平に事実を見なければならない。本当に公平な検査をしていたならば,相手方に手紙を出すということは,あってはならない,もちろん名前と住所などあってはならないという,ここは守秘義務に当たります。しかし,検査をする姿勢がどうだったのかということが問われる内容だと思います。検査に当たる職員はどのような実務の研修などをして専門的な職員として養成され,配置をされているのでしょうか。 155 ◯斉藤農林水産部長 職員の研修の経緯はちょっと私承知してございませんが,その関連で農業経済課ですが,そちらの方ではそういう検査は重々やっていますので,非常に公平,中立的に検査したと聞いておりますし,内容的に県の方で実施できます検査ですが,いわゆる調査権といいますか,そういったところまで入り込めませんので,相手方の,例えばその先の先までというわけにはいかないので,そこにある農協の方のデータで検査した時点で,そういった事実の確認はできなかったというか,そういうことはないと,その時点で判断したと聞いております。 156 ◯大内委員 この問題は,平成5年の合併1年から起きている4億2,000万円の融資をめぐる事件でございます。長い間の農協の関係者が,この問題をきちんとただしたいということで取り組んできたものでございます。これを受けて,県が検査権を持っている重要な行政機関でございます。そこにきちんとした自覚を持って職員が当たられているのかどうか,私はここにいわゆるチェック機能としての外部監査,他団体の関係する団体の監査や検査に臨むこの体制の不備があるのではないかと考えるものでございます。  国保連合会のときにも,国保連合会は,国保を扱う室が兼務で行っています。しかし,農協に関しては,検査については専門で行う部署でございます。ですから,本来あってはならないことが起きているということは,きちんとその監査,検査に当たる職員の養成とどういう姿勢で臨むのかという,ここが形骸化もしくは不十分になっている,その1つの実例ではないかと考えた次第でございます。  改めてこの問題の調査にきちんと検査権がある県として,事実確認から現在起こっている問題,調査をし直す必要があるのではないかと考えますが,部長の見解を伺います。 157 ◯斉藤農林水産部長 御質問は,今提起されている問題についての再度確認ということかと思いますが,それは今までの調査の中でも,私どもは先ほどお答えいたしましたように,公平,中立的に調査を実施していると考えておりますし,その中で精いっぱい検査をいたしておりますが,今,それについては係争中の事案ということもございますので,それ以上さらに先にいくのは私どもの権限としてできませんし,中立的に調べた結果では,先ほどお答えいたしましたように,現時点ではそういったことが,不正というか,不当というか,そういったことが発見できませんので,今後はそういったことが,これから争いになっていくかもしれませんけれども,そういったものの経緯を見ながら,その都度対応していかざるを得ないと思っております。 158 ◯大内委員 部長名で謝罪文を送ったということ自体が異例の事態でございます。今は係争中ではありません。この問題は平成11年のときに裁判外の和解成立ということで,形だけこのような和解が行われました。裁判外の和解です。  その後,この農協では異例の警察官2名を参与として迎え,そして内部告発をした職員が,幹部が給与カット,その他もいろいろな形での制裁を受けていると。  私が最初に述べましたように,チェック機能というのは,内部告発をした人を制裁してはならない,今の民主主義の到達した一番新しい,この改革のためには内部告発は重要,この観点がきちんとしていなければならないことです。部長はこの事件についてきちんと経過を御存じでないようです。ですから,部長がそうですから,真剣になってこの問題について取り組むという体制になりません。  私は部長が謝罪文を出したということは,この問題について一体どういうことが起きたのか,そして今どうなっているのか,これをもう一度監査という権限を持つ農林水産部で,一からきちんと調査をして教訓も明らかにしなければならないということを考えるわけでございます。その点について部長の所見はいかがでしょうか。 159 ◯斉藤農林水産部長 ただいま係争中と申しましたが,当事者同士で今いろいろやっている最中という意味で先ほど申しましたが,確かに県の方にそういう文書といいますか,申し出の文書があったときに,相手方に,当事者の一方であるJAの方にそのコピーを渡してしまったというのは,まさにおっしゃいますように,通常あってはならないことでございますので,私どもまず第一義的に,一番最初に道義的にそれはあってはならないことでございましたので,最初に,とにかく早急に謝罪に行けないという意味での謝罪文は出してございます。追ってまた私の方で謝りに行くという文面でございますけれども,今は行けないので後ほど,とにかく非常にそういった意味では申しわけないという文書を出しておる経緯がございます。  今,中身についてのことでありますけれども,例えば融資の話につきましても,あるいはその後の事案もあるのですが,それにつきましては私の担当課の方では,その中身について当該農協に出向きまして調査をしておりますし,それについての結果については承知してございます。  ただ,今,私どもの方に文書をいただいた方のお話だと,まだその後に続いていろいろなことを考えていらっしゃるかどうかわかりませんが,その後のことも踏まえて私どもは現時点では,今まで調べたこと以上には,現時点ではそれから先に踏み込むことはできませんので,そういった状況であるということだけは先ほど申し上げたつもりでございますし,それについて,私どもの権限の中でのいろいろな農協検査というのは,現時点ではきちんとやっているつもりでございます。 160 ◯大内委員 県の役割がきちんと関係する団体,法令に基づく検査,監査,これをしっかりと行っていただきたいということで強く要望しておきます。  茨城県の財政を圧迫している開発型の行政のつけが,今,財政負担という形で出ているということを先ほど明らかにしましたが,国と一体になった直轄事業,大型プロジェクト,これをいつまで続けるのであろうかと,この点が問われる問題だと思います。  霞ヶ浦導水事業,常陸那珂港,茨城空港,これが巨大3大,他の県には余りない大型税金のむだ遣いといわれ,県財政を確実に圧迫している最優先課題になっていることは,茨城県の,ある意味では他の県にない大変な重いものを抱えていると思います。
     この切りかえがどうしても必要ということで,各分野にわたりまして,土木部長にも農林水産部長にも,霞ヶ浦導水事業の現時点での到達点,これを言いました。これは全国にも注目をされています。すべての漁業者が1円の補償金ももらわないで裁判で建設差しとめ,見直しを訴えている,全国に例がない裁判です。ぜひそれぞれの立場で,環境問題どうなるのか,生態系がどうなるのか,河川の保全はどうなるのか,こういうことをきちんと県の立場で調査をし,ものを言い,中止を求める,そのことが求められていると思います。  最後になりますが,公共事業の転換として,実は私このペットボトルを持ってきました。きょうこれが配付された水ですけれども,これです。これは朝,気になって酌んできた水でございます。48年たちましたこども福祉医療センターの水道水,余りにも水道管が老朽化して,最初に出す水などは非常に茶色,腐敗というか,老朽化が深刻です。これも公共事業への切りかえ策として,まず,耐震化と老朽化,これをどうやって福祉施設,県立高校,きちんと調査をすれば,しなくても48年たちましたからどうしようもないということで,この水,皆さん御苦労しております。  ということですので,この公共施設の老朽化対策をきちんと計画的に行っただけでも,地元発注型の公共事業に確実に転換ができるというのが,私どもの提起でございます。この転換を求めて,友部病院の改築は決まりましたが,その後はまだ出されておりません。平成21年度から新たな公共施設の改築計画が出されるのではないかと関係職員は期待をしているということでございますが,その方向性について伺いたいと思います。 161 ◯上月総務部長 現時点で国の予算や交付税の総額なども決まっていない中では,これは何ともお答えしかねる状況にはございます。  新たな改築に手をつける前に,公共事業のあり方なども縮減,重点化の方向で見直さざるを得ない状況でありますし,それをやりながら,御指摘のような,確かにこども福祉医療センターは非常に古くなっていることも事実だと思います。私も非常に厳しい中ではありましたけれども,友部病院については,その中で相対的に一番古いといいますか,改築の必要性があろうということで,知事まで諮った上で全庁的に決定したわけでありますが,その次のことが言えるような状況にはまだ到底ございません。御指摘のようなことも十分念頭に入れながら,今後の査定作業に当たっていきたいと思っております。 162 ◯細谷委員長 ほかにございますか。  井手委員。 163 ◯井手委員 それでは,総括的な審議でございますので,私は全部門に関係し,さらに監査委員事務局とも関連いたします内容のことについて御質問させていただきたいと思います。  質問の内容は,会計検査院の検査と我が県の監査の体制等についてでございます。  御存じのとおり,10月18日付で会計検査院は12道府県の不正経理に関する報告書を提出したところでございます。この件につきましては,さまざまな報道がされ,私ども県民にとっても,地方自治体の会計それ自体,経理それ自体が大変不信感を持たれた大きな事件だったと考えております。愛知県で1億3,000万円,岩手県で1億700万円,1億円以上の多額な,いわゆる国の補助金等の不正経理ということが明らかになったわけでございます。  これに関連いたしまして,会計検査院では,年に何回か国の補助金等についての検査を,我が県に関することも行っていると聞き及んでおります。  昔の話はともかくといたしまして,とりあえずこの平成16年度から5年間ぐらい,平成16,17,18,19,20年度も含めて,国の会計検査院が県に対して指摘した内容があるのかないのか,検査の概要とその結果等について御説明をいただきたいと思います。 164 ◯幾浦会計管理者 会計検査院の実地検査は,毎年約10回ぐらいずつ行われております。関係省庁別には,国土交通省が一番多いわけですけれども,13回,平成16年度から平成20年度までの間ですね。それから,農林水産省が11件ということで,それぞれの事業の検査が行われていまして,その結果として指摘事項という形で指摘されるわけですけれども,平成16年度は4件,平成17年度が3件,平成18年度が2件,平成19年度が1件でございます。  指摘の内容は,いずれもだんだん減っていますけれども,交付補助要綱がございますが,非常に細かいものでございますけれども,大部分は担当者のそれの理解不足ということで指摘を受けまして,例えば補助金の返還が必要であれば,その返還をするという措置をとってございます。 165 ◯井手委員 その内容につきましては,事前に事務局から御提出をいただいて,私の手元にもございますけれども,1点だけ具体例と言っては恐縮でございますけれども,平成17年度に国土交通検査第1課が行いました公営住宅賃貸対策補助金の交付事業ということで,この金額が一番多いものですから具体にお伺いをしたいと思っているのですが,約2,000万円が過大交付であったということで,1年後に県はそれを返還しているという報告になっております。  例えば今の御説明にあった,会計管理者からの説明がありましたけれども,それが見解の相違等で簡単に2,000万円も差が出てしまうのかどうか,できれば具体的にわかりやすく説明をしていただければと思います。 166 ◯伊藤土木部長 端的に申し上げますと,要綱の理解不足というより,理解不足ではありますけれども,見解の相違ではなくて,単純に私どもの補助金を算定する上での算定方法にミスがあったというところでございます。本来であれば補助額から控除しなければならない部分があるのですが,そこの部分の計算式をちょっと取り違えておりまして,家賃補助でございまして,戸数に期間を掛けますので,額が大きくなったということでございます。 167 ◯井手委員 それでは,過去平成16年度から平成20年度の間では,いわゆる裏金等につながるような不正経理等の指摘はないと理解させていただきます。  一方,この12道府県に入りました実地検査以降,これは10月18日に発表された内容でございますけれども,茨城県にも会計検査院の実地検査が10月20日から24日の間行われていると聞いておりますけれども,この内容はどのような内容でございましたでしょうか。 168 ◯幾浦会計管理者 新聞報道等でもありましたけれども,検査は,そもそも今回の検査の背景でございますけれども,平成18年度から平成19年度にかけまして各県で不正経理があったということで,それから参議院の決算委員会の方で会計検査院の方に調査改善措置をしろということでありまして,主にそれと同じような内容でございまして,農林水産省絡みと国土交通省絡みの,特に多かった需用費と賃金と旅費,これらについて同じような調査が行われました。 169 ◯井手委員 こうした1つの会計検査院の動きに呼応して,橋本知事もいち早く記者会見等をいたしまして,いわゆる国の補助金だけではなくて,県単の事業費についてもしっかりと襟を正してといいますか,万が一こういう不正がないように,自分たちでも自主的に調べますということをされて,現在,自主監査というか検査が行われていると認識しておりますけれども,この経過について御説明いただきたいと思います。 170 ◯上月総務部長 経過と申し上げますか,会計検査院の検査にまさに呼応した形で,今,委員から御指摘がありましたような形で,本県の県単分につきましてもあわせて検査をする必要があるんじゃないかということで,11月から始まっておりますが,現在似たようなといいますか,ほぼ同様の方法をもちまして検査をしているところでございます。 171 ◯井手委員 今回の会計検査院が行った,いわゆる不正経理等の指摘に関しましては,各県の議会でもさまざまな反応が出ております。全部の資料を取り寄せることはできませんでしたが,一番金額の多かった愛知県では,12月の定例県議会で党代表の代表質問の中で,不正経理を見逃したことに対する監査委員の認識を尋ねる質問が出たと考えております。その中では,代表監査委員は,県民の信頼にこたえられず遺憾,監査の体制と手法が十分でなかったと,いわゆる議会並びに県民に謝罪をしたという新聞のデータベースの記事がございました。  確かに私ども議会にとりましても,議会からも監査委員を出しておりますから,連帯をして責任を持たなくてはいけないような厳しい事態だと思いますけれども,大変聞きづらい質問になりますが,会計監査がしっかりとやられている前提で国が行うこの会計検査院の検査,大体4日間から5日間でございます。もっと長く実際やっているのかもしれませんけれども,実地検査というのはそのくらいだと聞いておりますけれども,その中で1億円規模の不正というものが出てくると。県の監査365日とは言いませんけれども,しっかりとやっていてくださっていると確信をしておりますけれども,ではなぜ県の監査では見つからず,会計検査院の検査では見つかるのか,まさに体制と手法に問題がなかったのかという,これは一県民としての自然な感想だと思うのですが,ここについて御感想があればお聞かせをいただきたいと思います。 172 ◯島崎代表監査委員 ただいま,国の方の検査で見つかって,県の監査ではなぜ見つからないかという御質問でございましたけれども,現在,国補県単の事務費が問題になってございます。これについては,現在執行部の方で調査中でございます。  私どもとしては,国の検査で見つかるのは,会計検査院の国補と県単の区分ですね,これが恐らく共用ではないかと。国側からではもっともな話なのですが,私どもにも言い分がありまして,例えば事業担当の所長さんが竣工式に旅費を使っていくのは,国補事業だったら国補を使うのは当然だという言い分もあると思うのです。従来,今まで新聞サイドで見ている限りはそういうものは県単の費用で行くべきだとか,それから,アルバイト,臨時職につきましても,総務課と国補県単一緒にやっている事業課は基本的に県単であるべきとか,そのような額を全部入れて間違いが多かったと,これだけあったという話には,必ずしも国の一方的な話なので,私どもも言い分があると,このように考えております。  要は,結論的に申し上げますと,国補と県単の額について多い少ないはございますが,私どもとしては,それなりに適正に同じ誤りがあれば,同じように指摘してまいったつもりでございます。  金額の話が出ましたけれども,私どもの平成19年度ベースで申し上げますと,注意が17件指摘しまして,金額ベースにしますと1億1,700万円程度の注意事項相当額の金額になっております。 173 ◯井手委員 代表監査委員の御指摘,それも大きい問題だと思います。いわゆる見解の相違,国の補助金のどこまでが範囲なのか,県の単独事業はどこまでの範囲なのか,これは確かに意見の相違があることは事実だと思います。  でも私は,一番大きい1つの検査体制,監査体制の問題は,預けという手法を見抜けるか見抜けないかだと思います。いわゆる県の中だけの監査にとどまっている現状の監査の体制,会計検査院の検査手法は,それを一歩踏み出して,県と取り引きのある業者まで出向いていって,この取り引きが実際にあるのかないのか,金額が正しいのか正しくないのか,そこまで踏み込んでいるので,お互いの見解が一目瞭然で出てきてしまうということにあるのではないか。私はこの預けというものの悪癖をどう根絶をしていくかということについては,監査のやり方については一考を要する必要があると認識をしておりますが,この件についての御所見を伺いたいと思います。 174 ◯島崎代表監査委員 預けがあるかどうか,まだ私の方はつぶさに結果について知らされていないわけでございますが,確かに委員御指摘のとおり,会計検査院が検査する場合,民間事業者につきまして,帳簿あるいは参考人として意見または資料の提出を求めることができます。これにつきましては,それを求められた一般の事業者は,こたえなければならないという義務がございます。  一方,地方自治法では,私の方はその帳簿あるいは参考人という形で民間の事業者,こういう方に対して質問権,調査権はあるのですが,することはできるのですが,最終的に相手は受忍義務がないわけでございます。したがいまして,私どもがもし,一定の問題があって民間事業者に立入調査をするということになった場合には,法令的に相手方に義務がないものですから,任意の協力という形で一定の調査の限界はございます。 175 ◯井手委員 私はそういうことも含めて,これは茨城県だけの問題ではないと思いますし,茨城県の監査が力がないとか,適当にやっている,そういうことは私は全く考えておりません。1つの全国的な,1つの地方と国との問題として,私ども議会としてもこういう認識をして,我が県からこういう「不正」いう2文字を一掃するために,これからも努力をしていただきたいと思いますし,また議会としてもそのような姿勢で臨むべきだと考えております。  以上でございます。 176 ◯細谷委員長 ほかにございますか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 177 ◯細谷委員長 ないようですので,以上で総括質疑を終了いたします。      ─────────────────────────────── 178 ◯細谷委員長 これより付託案件の採決を行います。  認定第1号平成19年度茨城県公営企業会計決算の認定について,及び認定第2号平成19年度茨城県一般会計及び同特別会計歳入歳出決算の認定については,原案のとおり認定すべきものと決することに賛成の方は挙手を願います。                 〔賛成者挙手〕 179 ◯細谷委員長 挙手多数と認め,本件は原案のとおり認定すべきものと決しました。      ─────────────────────────────── 180 ◯細谷委員長 なお,本委員会の審査結果報告書等の案文につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 181 ◯細谷委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。      ─────────────────────────────── 182 ◯細谷委員長 以上で,本委員会に付託されました案件の審査はすべて終了いたしました。  これまでの委員並びに執行部各位の御協力に対しまして,厚く御礼を申し上げます。  なお,審査の過程において委員より提起されました意見等には十分配慮の上,今後の予算執行や来年度の予算編成等をされるよう切にお願い申し上げます。      ─────────────────────────────── 183 ◯細谷委員長 以上で,決算特別委員会を閉会いたします。  大変御苦労さまでした。                  午後2時17分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...