ツイート シェア
  1. 茨城県議会 2008-05-07
    平成20年財政再建等調査特別委員会  本文 開催日: 2008-05-07


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                 午前10時31分開議 ◯石川委員長 ただいまから,財政再建等調査特別委員会を開会いたします。        ────────────────────────── 2 ◯石川委員長 まず,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  森田委員と常井委員にお願いいたします。        ────────────────────────── 3 ◯石川委員長 それでは,これより議事に入ります。  本委員会に付託されました案件は,行財政改革の徹底を図り,財政再建を進めるための諸方策についての調査であります。  ただいまから,これを議題といたします。  この2月から本委員会の中間報告後の具体の調査項目について各委員方からの意見集約を行ってまいりました。お手元に「今後の調査のポイント(案)」というペーパーをお配りしてございますが,これは皆さん方から出していただいた意見を包括的な表現で極力反映し,正副委員長で文章化したものであります。また,この項目のほかに,出資団体数を具体的に削減すべきという意見もございました。これらについては,本格的には次回の出資団体の調査特別委員会の中で大きな実績を出さなければならないと考えておりますが,これを待つことなく,本委員会設置期間中に少しでも削減の方向を打ち出せるくらいの取り組みを要望しておきたいと考えます。  それでは,今後,このような項目で本委員会の調査を行っていきたいと考えますが,よろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 4 ◯石川委員長 それでは,このポイントについて今後調査を進めてまいりますので,執行部の皆さん方にもよろしくお願いいたします。  それでは,調査に入ります。  本日は,組織面の現状・課題と今後の方向として,知事部局本庁組織等,教育庁関係,警察本部関係について御審議いただきます。  まず,知事部局本庁組織等について,執行部の説明を求めます。  上月総務部長。 5 ◯上月総務部長 それでは,資料1をお手元にお出しいただきたいと思います。  資料1を1ページめくっていただきまして,知事部局の本庁組織等でございます。  まず,上から2行目になりますが,1,本庁組織の現状でございます。
     (1)にありますように,組織体制の見直し,スリム化に関しましては,徹底した簡素・効率化を図り,社会経済情勢の変化に柔軟に対応することができるように,あるいは,地方分権の進展を踏まえた自主的,自立的なものとなるように,再編整備に取り組んでまいったところであります。  一番大きな単位としての部局等につきましては,その下,1)でございますが,行財政改革調査特別委員会,当時議会で設置していただきました調査特別委員会の御提言も踏まえまして,その下のポツ,主な取り組みと書いてございますが,平成11年度に,福祉部と衛生部及び農林水産部と農地局,これを統合いたしました。また,知事直轄組織を設置したところでございます。  また,18年度には,一元的な企業誘致体制を知事直轄に再構築するとともに,公営企業法を全適いたしまして病院局を設置し,知事部局から分離をしたところでございます。  これらを含めまして,そのページの右半分の表をご覧いただきたいと思います。  平成5年度,今の橋本知事になりましてからの平成5年度と現時点20年度の比較をしてございます。平成5年度には部局は8部2局ありましたものが平成20年度には7部プラス直轄1局ということでございまして,1部1局の削減となってございます。それから,課につきましては,80課ございましたものが71課ということで,9課の削減となってございます。それぞれ1割以上というんでしょうか,それなりに削減をしてまいったということでございます。  2ページをお開きいただきたいと思います。  2ページの上から4行目までは課室のところの80課程度から70課程度への話が書いてございますので,その下,(2)県の重要な政策等に対します推進体制の整備に関してでございます。  複数部局等にかかわる重要な行政課題などに対しましては,部局を横断した推進本部あるいはプロジェクトチーム,連絡会議等の活用や庁議の場の活用などによりまして,効率的な運営,積極的な対応に努めているところであります。  そのページの右半分の方をご覧いただきたいと思いますが,推進本部といたしましては,現在,行財政改革の推進の本部,あるいは少子化対策の本部,医療改革の本部などなど,35の本部を設置しているところでございます。  それから,その下にございますが,プロジェクトチームの設置例とございます。比較的最近での設置例が2つございまして,ひたちなか地区の事業推進のためのPT,プロジェクトチームを設置したものが平成7年から8年,介護保険の関係のPTを設置したものが10年から11年にかけて2回ございました。それぞれ平成8年度にはひたちなか整備推進局となり,あるいは介護保険推進室となり,それぞれそういう形で発展解消という形になっているところであります。  また,2ページの下半分,参考と書いてあります大きな表がございますが,新たな政策課題等への対応例でございますけれども,例えば,1つ目の企業誘致の推進に関しましては,先ほど申し上げましたように,知事直轄に平成18年に産業立地推進の東京本部をつくり,本部長を置き,あるいは立地推進室長を置きというようなことをいたしました。  また,茨城空港につきましては,昨年度半ばでございましたが,空港対策監を設置するとともに,空港対策室を課に格上げするというような対応をいたしたところであります。  一つ置きまして県北の地域振興に関しましては,平成18年度に県北振興室を置くとともに,部をまたがるさまざまな事業がございますので,企画部の次長を県北振興施策の実施の責任者というふうにいたしたところであります。  その次の段につきましては,少子化対策室を平成13年に設置いたしますとともに,少子化対策の関係各課が入りました推進本部を平成13年に,同じ時期に設置をいたしております。  さらに,平成16年には児童福祉課を子ども家庭課と名称を変更いたしまして,少子化対策などにつきましてさらに充実を図るというような改正をいたしたところでございます。  その他につきましては,説明は省略させていただきたいと思います。  続きまして,3ページで,他県との比較でございます。  3ページ,2番の(1)をご覧いただきたいと思います。  一番大きな部局等の設置状況が他県と比較してどういう感じであるかということを調べたものでございます。  こちらにつきましては,右上のところに小さな表がございますが,3ページの右上にあります小さな表をご覧いただきたいと思います。  茨城県,本県は,部局等が8,知事直轄が1,合計9ございます。これを全国平均,東京は規模が違いますので東京を除きまして全国平均を見てみましたところ,部局等が9,知事直轄が0.6ということで,9.6程度ということになります。  さらに,課室等につきましては,本県が71に対しまして76.7となってございまして,それぞれ見ましても本県が特に多いというわけではないという状況でございます。  さらに,3ページの下半分の表をご覧いただきたいと思います。  人口別で県を振り分けまして,部局等の状況をプロットしたものでございます。  人口250万人から400万人という茨城県があります欄をご覧いただきますと,京都,広島,こちらは部局が10,静岡が8ということで,茨城はちょうど真ん中でございます。  さらに,9設置しております県といたしまして,人口100万人から250万人のところをご覧いただきたいと思いますが,青森,岩手を初め,栃木,群馬なども入っておりまして,13県が9つ設置しているということになっております。そういう意味で,全国的に見て中庸程度なのかなというふうに読めるところでございます。  4ページをお開きください。  さらに,課の設置につきまして,他県とどんな状況なんだろうかということでいろいろと調べたものでございます。  4ページの上の1)の表でございますが,産業立地推進本部立地推進室,これは本県では産業大県づくり,企業立地を日本一にしようということで,知事直轄で一生懸命やっているわけでありますが,他県の例を見ますと,通常どおり商工部門に置いているような例が44県と多い。  それから,2つ目の女性青少年課につきましては,本県では知事直轄に置いてやっておりますが,県民生活部門に置いているような例が多い。  3つ目でございますが,市町村課につきましては,本県では総務部に置いておりますが,総務部門に置いておりますのが23県あります。一方で企画・地域振興部門に置いているような例も18県程度あります。  2つほど飛ばしまして,国際課というのがございます。国際課につきましては,本県では生活環境部に置いておりますが,同様に県民生活部門に置いておりますのが14県,企画・地域振興部門に置いておりますのが12県,商工観光部門に置いておりますのが12県と,それぞれ,県における位置づけの違いによってこのあたりはいろいろとばらけているという状況であります。  一つ飛ばしまして,労働関係以下のところをご覧いただきたいと思いますが,労働関係につきましては,本県では労働政策課と職業能力開発課,2課体制で行っておりますが,これは他県では1課で行っている県が26県,2課で行っている県が13県というような状況になっております。  環境につきましては,本県は3課体制ですが,3課で行っているのが16県あります一方で,4課10県,5課以上も18県ということで,他県では課が多いようなケースも多いようであります。  林業は,本県が2課,他県を見ましても2県の体制が多いようでありますし,水産は本県は2課でありますが,1課の県が16,2課の県が16,半々ぐらいかなという状況であります。  農地関係につきましては,本県は3課体制で行っておりますが,全国的に見ますと1課の体制が24県,2課の体制が17県となっておりますが,ここをご覧いただきましてもおわかりいただけますように,それぞれ,県によりましてニーズ,あるいは県の置かれている状況などが違いますので,単純には数だけで比較はできない面がやはりあるのかなと。他県で農地関係は1課が多いから,じゃ本県でも3課体制ではなくて1課でというわけにはいかないというふうに思っておりますので,そのあたりも考えながら,他県との比較の表は見ないといけないのかなということを,改めてこういうふうに整理,分析した結果,感じているところでございます。  その下,2),他県における部の大くくり化等の状況でございます。  こちら,部の方の関係は余り例は,数は比較的少ないわけですが,総務と企画部門を同一部としている県が4県。  それから,これは若干多いんですが,環境部門と林政などを同一部としている県が10府県ございました。農業と商工を同一部としている県が3県,観光を合設している県が3県というふうになっているところであります。  これらはそれぞれ,先ほども申し上げましたが,参考にしながら,本県としてどういうふうな姿で行政に取り組んでいくのが一番いいのかということを積極的に考える材料にしていくべきものであろうと考えてございます。  5ページをご覧ください。  3番で,本庁と,これまで議論をしてきていただきました出先機関の職員の勤務等の状況を調べたものでございます。  まず,(1)平均在課年数の状況でございます。  この平均在課年数につきましては,ページ真ん中の細長い表をご覧いただきたいと思います。  本庁につきましては,課長級以上だと平均2.0年,補佐級だと2.8年,係長級だと3.3年,非役付きだと2.8年,平均2.8年程度ということになっておりますが,一方,出先機関はそれぞれ2.2年,3.3年,4.6年,3.3年,平均で3.7年と,本庁よりも若干長目というふうになっております。  このことにつきましてはこれまでも各委員の方々からもいろいろな機会に御指摘もいただいておりましたが,余り頻繁にポストをかわるというのは,これからますます厳しい課題,難しい課題が多くなっていくであろうという中で決して好ましいことではないのではないかというふうに考えておりまして,今年度,20年度の人事異動では,例えば課長ポストで見ますと,平成19年度,1年前は3年目の課長というのは1人しかおりませんでしたが,20年度は11人というふうに3年目で引き続き懸案に取り組んでもらうというような課長を大幅にふやしたところでございます。同様に,担当も課題によりましては長くなることもやむを得ないといいますか,長くなるのも当然だというような考え方で,従来よりは異動を抑え目にするよう心がけているところでございます。  例えば課長でありましたらば,従来,例えば2年掛ける3ポストぐらいでいるような感じでありましたらばそれは3年掛ける2ポストぐらいの感じ,のようなイメージで異動していく方がさまざまな課題には取り組みやすいのではないかというふうに考えているところであります。  それから,5ページの下半分,(2)の時間外勤務の実績の状況でございます。  こちらにつきましては,6ページの表を直接ご覧いただきたいと思います。  6ページの1),1人1月当たりの時間数でございます。  表の表側から1つ目,2つ目というんでしょうか,平成10から19年度の平均のところをご覧いただきますと,本庁は17.6時間,出先は7.1時間。それを比較しますと2.5倍。全県庁で平均しますと10.6時間という状況でございました。本庁と出先の比といいますのは,その一つ右の欄,平成10年度の欄からずうっと右の方へ平均19年度あたりまでご覧いただきましても,大体同じような状況でございます。そして,時間数の方につきましても大体同じような状況でございますが,下から2つ目の合計の欄をご覧いただきたいと思いますが,合計の欄につきましては,平成10年が11.5時間でございましたが,これがじりじりではありますが,特殊要因がある部分を若干除きますと,平成19年度には初めて,最終見込み,詳細は精査中でありますが,2けたを切って9.5時間まで減らすことができたのではないかというふうに考えているところでございます。  2)の方をご覧いただきますと,こういう月別の1人当たり時間数がどの時期に多いのかということが2)の方でございますが,これは大体検討しておりましたとおり,年度末,年度初め,決算の時期,あるいは予算最終の議会でのさまざまな御議論をいただきます時期,4,5,6月,あるいは1,2,3月,そのあたりが多くなっておりますのと,あと10月でございますが,これは予算の準備,あるいは災害対応といったようなことがあって長くなっているのではないかというふうに考えておりまして,このあたりの業務をいかにうまく平準化できるかということで残業の時間数というものもうまく管理ができるのではないかというふうに考えているところであります。  このような状況を踏まえまして,6ページの(3)で,職員の異動希望の状況でございます。  この異動希望の状況につきましては,本庁勤務を希望している者が約4割となってございまして,これはその下の表をご覧いただきたいと思いますが,事務職で見ますと大体5割前後,技術職でいいますと大体3割前後が本庁希望ということで,異動希望の中の本庁希望ということになってございます。全体では約4割前後というふうになっておりまして,そこそこの率で大体一定しているんですが,我々として若干心配といいますか懸念いたしておりますのが,右半分,※印で書いている部分でございまして,担当レベルの職員に比べまして,企画などをしていきます本庁での職責が増します補佐級の本庁勤務希望率を比較してみますと,平成15年からここ5年間ぐらい見ますと,事務職では6.1%減,技術職では6.5%減,全体でも6.3%減と本庁への希望率がかなり大きく低下してきているということがございまして,先ほど申し上げましたように残業なども本庁の方はかなり多くなっておりますので,このあたりはうまく我々としましても勤務管理をきちんとしていかなければいけないのでないかというふうに考えているところでございます。  それらを踏まえまして,7ページ,4の課題でございます。  左側の1つ目の丸でございますが,さまざまな政策課題に柔軟かつ的確に対応していくために,スクラップ・アンド・ビルドをもちろん基本としながら,適時適切に組織の再構築をやっていく必要があるということ。特に,団塊の世代の大量退職がここから三,四年ございますので,その間に,よりスリム化した組織のあり方について鋭意検討し,採用の方も管理を適切にしていく必要があるというふうに考えております。  また,2つ目の丸にありますように,複数の部局にかかわる行政課題にうまく対応していく。これはこの委員会の中でも,少子化に関して関係課を呼ぶとたくさん来てしまって,どことどういうふうに話ししていいかわからないというような御苦情みたいなお話もありましたけれども,そういった複数の部局にかかわる行政課題はこれからますますふえていくと思われますので,こういった課題に対応するためには組織改正ももちろん必要な場合はやらなければいけませんが,部局を横断した推進本部やプロジェクトチーム,連絡会議等を活用するほか,形式にとらわれない迅速な連携を常に図っていかなければいけないのではないかと考えております。  また,3つ目にありますように,現在進めております出先機関の再編整備をやっておりますが,本庁へ集約する業務の受け入れ体制の最終的な検討,詰めの作業をする必要があると思っております。  それらにつきましての今後の対応は右半分でございますが,まず,他県事例,あるいはその導入効果の検証等を行いながら,常に,より簡素で効率的な組織体制は検討していかなければいけないと思っております。複数部課で行われている類似,あるいは関連施策に関しても,最も効率的,効果的な組織体制をどういうふうにすれば構築できるんだろうかという観点で常に見直しを行っていかなければいけないというふうに考えております。  特に,部局横断的な政策課題につきましては,部局横断的なものにつきましても大小さまざまいろんな課題があると思いますので,すべて組織体制でというわけにはもちろんいかないと思います。有機的,かつ迅速,機敏に連携し合う機動的な組織,これはまさに第4次大綱に書いてあるとおりでありますが,こういう組織になりますように,管理職のリーダーシップの発揮,あるいは職員の意識改革,これが最も重要だと思っておりますので,このように努めてまいらなければいけないと考えております。  また,3つ目の丸にありますように,出先機関の再編整備に伴います本庁の受け入れ体制等につきましては,本年7月の調特を目途に今詳細な詰めの作業を行っております。本庁で直轄しようということで御提案といいますか,我々から申し出ております県央地域につきましては,許認可事務の受け入れ体制,福祉事務所の形態,あるいは,県央地域を含めた総合事務所がなくなった後の地域振興体制全体としてどういう体制をとるか,こういったことにつきまして詰めの作業を行い,7月を目途に我々なりの一たんの結論を出しまして,また御相談をさせていただきたいと考えているところであります。  私からは以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 6 ◯石川委員長 ありがとうございました。  引き続き,人事課長からの説明を求めます。  中島総務部参事兼人事課長。 7 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 それでは,引き続きまして,ただいまご覧になっていただいております資料の8ページをご覧いただきたいと存じます。  「将来を担う優秀な職員の確保と人材の活用」というところでございます。  1の現状,(1)職員の年齢構成の状況についてでございます。  下の表をご覧いただきたいと思いますけれども,山になっているところが2カ所ございます。年齢別職員数は,55歳から59歳及び44歳から46歳の各年齢で200人を超えております。この200人を超えている年代の採用時期を見てみますと,戦後最も長く続いたと言われるいざなぎ景気の後,茨城国体とか植樹祭が開催された時期,それから,58年ころから始まりましたハイテク景気とか平成景気,こういうものが始まる前で,本県で科学万博が開催されました60年度の時期に採用された年代の方が200人を超えております。また,新規採用の対象となっております,下に年代が書いてございますけれども,10代から20歳代の若年層では人数が少ない状況にありますけれども,これは今後の採用で徐々にここの採用人数が増加していって平準化していくということになってまいります。  退職が多い時期がこれから5年ほどあるわけでございますけれども,この時期に職員を多く採用いたしますと同じようなばらばらな形になるという可能性がございますので,採用人員は退職者数より少なくしていく必要がございますけれども,なるべく一律の人材を採用していくことが必要になってくるというふうに考えているところでございます。  次に,9ページの,職員採用試験の状況でございます。  その1),真ん中の表にございますけれども,ピーク時は昭和50年で25.6倍という非常に高い倍率がございました。ただ,それ以降も10倍から20倍を超える倍率となっております。ただ,近年,民間の雇用増などによって競争率が少し低下する傾向にございます。それなりの競争率がございますので,ある程度能力のある人材が採用できているというふうな認識をしているところでございます。  2)の受験者確保対策でございますけれども,採用試験説明会の実施や大学訪問,特に技術系職種などについてやっておりますけれどもこういうもの,それから,一番下になりますけれども,テレホンサービスによる試験情報の案内やホームページでの情報提供等をしているところでございます。  1枚おめくりいただきまして10ページでございます。  先ほど説明いたしましたように職員として採用するという場合に,(3)でございますけれども,任期付職員・研究員の採用というような制度を一方でとっておりまして,行政の高度化,専門化に対応するため,専門的な知識,経験やすぐれた識見を有する人材を任期付職員として採用しております。  それから,成果重視という観点から任期付の研究員の採用制度も活用しておりまして,試験研究機関における研究活動の活性化を図っているところでございます。  職員数につきましては,そこの真ん中にある表でございますが,括弧書きが当該年度採用した職員,それぞれ各年度の4月1日現在の人数で,例えば20年を見ていただきますと,現在17名の任期付職員・研究員がございます。これは,記載してございませんけれども,全国的に見ますと全国3位の状況でございまして,東京29名,千葉18名に次いで全国3位の人数となっております。全国平均で見ますと,4人弱くらいが現在の状況でございます。  (4)の職員採用数の状況でございます。  職員採用数は近年,11ページの表にございますように採用というところでございますが,おおむね160から170人程度で推移をしております。定員適正化計画では22年度に行政部門の職員数を5,190名,病院局を含めますと6,420名になるわけでございますけれども,こういうふうな計画を立てておりまして,これに向けて職員の適正化を進めてまいりますけれども,職員の大量退職,先ほど見ていただきましたこれから5年ぐらい,300人超が数年続きますので,定員削減をしながらも160名程度を限度とした採用が必要になってくるというふうに思われます。それを説明いたしましたのが,右の枠の中でございますけれども,6,420名を,大体職員が勤務する38年というふうに想定いたしますと,年間168.9人採用していくとちょうど同じくらいの人数の職員の層になるということで,この160人程度を限度とした採用がこれからも行われていく必要があるというふうに思っているところでございます。  現在のような状況等を見まして,2の課題,11ページでございますが,定員適正化計画を着実に進める一方で,重要な政策や新たな行政ニーズに対応できる組織体制を整備するため,今後数年間続く職員の大量退職も勘案しつつ,将来を支える優秀な職員の確保に配慮するとともに,職員全体の意識を高めて組織の活性化を図っていく必要があるというふうに考えているところでございます。  そのための対応といたしまして,丸を2つ記載してございますけれども,新たな人事評価制度を確立するとともに,目標管理,それから,提案型の派遣研修制度など職員のやる気を引き出して能力を十分に発揮させていくこと,また,職員採用数は採用後三十余年にわたって組織の年齢構成を決定することになってまいりますので,厳しい財政状況下にあっても優秀な職員を一定数採用するとともに,先ほどちょっと説明いたしました任期付の活用などによりまして多様な人材確保対策に引き続き取り組んでいくこととしたいというふうに考えているところでございます。  続きまして,12ページでございます。  人口規模から見た県職員の適正規模についてでございます。  まず,現状でございますが,総務省の定員管理調査結果による比較ということで,下の表をご覧いただきたいと存じます。一般行政部門は職員数で全国14位でございます。また,職員1人当たり人口は本県の総人口と同じ11位となっております。1人当たりの本県より上位の1位から10位というのがすべて政令指定都市等が存在する都道府県となっておりますので,試しに政令指定都市や特別区の部分を除いて計算いたしますと,本県は5番目。職員1人当たりが何人の人口を抱えているかということで行きますと,そういうものを差し引きますと5番目になりますけれども,そういうものを入れて順位を出しますと11位ということになります。  それから,13ページでございますが,次に,スリム度を見るための参考となります総務省定員モデルというのがございます。それの比較では,下の表にございますように,13年から17年まで5位から8位ということで,他団体に比べて職員数は効率的になっているというふうに認識をしております。この総務省モデルといいますのは,右の枠のところに書いてございますけれども,総務省が作成しまして3年ごとに改定するというものでございまして,各県が定員適正化計画を推進する上で目標となる職員数などを算定するものでございます。11部門に分かれておりまして,指標を用いてモデルとなる職員数を算出するというものでございます。その代表的な5つの部門についてどういう指標を採用しているかというのが,真ん中の中央の枠の中にあるものでございます。そういうふうなモデルとなる職員数と実際にいる職員数を比較して順位づけしたものがスリム度というものでございます。  この表が17位までとなっておりますけれども,これは8次モデルという基準で17年まで行っていたわけでございますけれども,現在,指標の簡素化を図るということで,総務省において新たなモデルの作成を進めている状況にございまして,17年度までの記載とさせていただいたものでございます。こういう現状でございます。  2の課題でございますが,定員適正化計画を図っていく上で客観的指標に基づく規模の設定というのが重要であるというふうに考えておりますので,策定中の新しいモデルの活用により客観的な目標を定めて組織の簡素,効率化を図っていく必要があるというふうに考えております。ただ,現在のところそれがまだ出ておりませんので,対応といたしましては,当面,総務省による新モデルの策定,発表がなされるまでは定員管理調査というのを毎年やっておりますので,その分析等により各県比較などを行いながら,相対的な全国順位に留意しながら適正化に向けた取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。  説明の方は以上でございます。どうぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 8 ◯石川委員長 ありがとうございました。  それでは,質疑に入ります。各委員の皆さん方から質疑をお願いいたします。  常井委員。 9 ◯常井委員 今説明をいただいた中で何点かお伺いします。  まず,今の説明の5ページで,課長以上の平均在課年数ということで出ているわけですけれども,これは部長も含めたということで理解してよろしいんですか。 10 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 はい。部長級も含めたものでございます。 11 ◯常井委員 部長で2年を超えるというのはそうはないんじゃないかと思うんですけれども,いずれにしても,先ほど総務部長から説明がありました3年の課長が11人というお話があったと思うんですが,これは非常にいいことなんじゃないかなと思って,部長の評価と私も同じ認識を持っております。  幾つかのポストを50代に数多くやって部長になるというのも一つかもしれませんが,自分で仕事に慣れるまでには半年からそのくらいはかかっちゃいますから,2年では,次の予算をつくって,前の人の流れで次の予算をつくって,やっと自前の予算をつくったと思ったら今度は自分が仕事に就けないということなので,この3年というのは相当いい傾向になってくるんではないかと思うんですよ。その分,若いときにはもう少し幾つかの部署を経験させるということもあわせて必要だと思うんですが,その辺はどのように考えていますか。 12 ◯上月総務部長 基本的におっしゃるとおりだと思います。若いときは皆さんそれぞれたくさんのポストをそれぞれに経験されていらっしゃるわけでございますが,そのそれぞれのポストの経験の仕方も,とはいえ,1年で余りたくさん動くとか,2年でどんどん動いていくとかいうよりは,やはり3年,あるいは若いうちにどこか,例えば今回でいうと空港みたいな問題のときは例えば4年になったってそれは仕方がないというような形で,そこは臨機応変にというんでしょうか,基本は確かにおっしゃるように年をとってから余りたくさん移ってもなかなかいい仕事ができないと思いますので,若いうちはいろんな仕事を経験しながら,ただ,時によって大きな課題にぶつかったような場合には,そこは単純に数を経験させるだけではなくて,比較的長くなってもそこは仕方がないというような形での運用が望ましいのではないかというふうに考えております。 13 ◯常井委員 そういう部長の言われた答弁の中で,達成感を若いうちに与えてやるというのも一つかと思いますので,その辺の兼ね合いをよく考えていっていただきたいと思うんですが,それでちょっと気になりましたのが,6ページの,本庁を希望する割合が低下しているということなんです。これは15年度からの比較ですけれども,どうなんですかね,実際,士気の低下とか,同じ給料なら楽した方がいいとか,時間外がない方がいいとか,そういう傾向が単に起きているのか,いわゆる上昇志向がないという傾向になってきてしまっている。特に最近そういう突出した部分が見受けられるのかどうかお聞きしたいと思います。 14 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 この数字は,もう少し細かく中を見てみますと,本庁希望の中身というのは,補佐級,係長級,さらに下の役付以外とこういうふうになってくるわけですけれども,どんどん職層が増すに従いまして本庁希望が少なくなっているというような数字になってございます。  技術の方がそういう意味では本庁希望が少ないというのがもう一つの特色でございますけれども,技術の場合は外の出先での仕事,要するにポジションというのが多いというのもございますので,結果としてそういうふうになるものというふうに思っておりますけれども,いま委員がおっしゃいましたように,ある程度,担当から係長,係長から補佐になってくるに従っていろいろな面が見えてきまして,これは非常に大変だというような思いを持つという方がいるということも否めないというふうに考えております。
    15 ◯常井委員 今の現状はわかるんですが,人事課長として,この事態をどういうふうに思っているのかお伺いしたいんですよ。 16 ◯上月総務部長 公務員を志望して公務員になりました以上,難題があり,難しい課題があるときほど充実感があり,あるいは仕事をやっていて楽しいというときはないんだと私は思っております。それが,そういうふうに思われていないんだとしたらそれがなぜなんだろうかと感じているわけですが,鉄は熱いうちにたたけではないですけれども,若いうちから,先ほど委員から御指摘がありましたように,達成感があるような仕事の仕方というんでしょうか,そういうものを上司ともども一緒になってやっていくというようなことを経験していく。そういうのを積み重ねていって,さらに自分が上司になったとき,それなりのポジションになったときにそういう課題に積極的に取り組む,そういう姿勢を育てていくということでないといけないんじゃないかというふうに思います。  それぞれの課題が,何か難しい問題があったときに,自分の上司を見ていれば何となく問題から逃げたい,課題から逃げたいような姿勢をしているような上司ばかりを見ていては,部下も育たない,上司も育たない──そういう人が多いと言っているわけじゃないですけれども,一般的に言ってそういうことになるんじゃないかと思いますので,例えば,現在の財政再建等調査特別委員会でさまざまな難しい課題,宿題をいただいておりますが,それら一つ一つやりますときにも,私どもは一緒になって,まさに関係職員一同,一丸となってやっていく。それによって,課題は非常に大変なんですけれども,達成感をできるように,そういったふうに取り組んでいくことを実践していっているつもり,私などはやっているつもりでございます。  ただ,もう一つ,先ほど6ページの上の方の表でありますけれども,残業時間が長いというところがございます。それで,自分の経験で申し上げますと,難しい課題といいますか,やりがいのある仕事をやっているときは残業時間が少々長くても……もちろん短い方がいいんですけど,それが負担になるということは余りないんじゃないかと思うんですが,この仕事はやめれるのにやっているみたいな仕事が積み重なっていってずるずる長くなるとか,そういうことで拘束時間だけが長くなるみたいなことは決してあってはいけないんだというふうに思っています。  総務部では,昨年,財政の方も丸1年,本当に大変な思いをして,一生懸命この課題に取り組んできましたし,人事課なども一生懸命取り組んでまいりました。分権なども進んでいますから,行革室なども大変な仕事がありましたし,新税などもいろいろと御議論いただきましたけれども,税務課なども大変でございましたが,総務部としては残業時間は減っております。人員も減っている中で残業時間も減っている。それは,いかに春から計画的に仕事をうまくやっていくかということ,あるいは,適切なところで上司がうまく余計な仕事をさせないとかいうような管理をしていくことが重要であるか。  必ずしも成果を出すためにたくさんの労働時間が要るというわけではないんだと思うんです。そういったことをうまく管理していくということを考えながら管理職が仕事をしていくということも非常に重要ではないかと。そういったことをやっていくことでこういったふうにならないように,むしろ難しい課題があるときに本庁にぜひ行ってやりたいということにつながっていくようにしていくべきではないかというふうに思います。 17 ◯常井委員 本庁の場合には先ほど言ったことに加えて議会があるということで,議会との折衝能力とか,そういうのもあるので回避される部分もあると思うんですが,現在の幹部の姿が次年度以降の希望率にかかわってくるんじゃないかと思うので,財政再建ということでどれだけ真摯にやるかというのも一つの試金石になってくると思うんです。  組織は人なりということで,人をまず試験によって採用しているのが県なんですが,今,試験の時期は,今我々の手元にも来年の採用の人事委員会のパンフレットが送付されてきました。7月に試験ですね。それで10月ごろに大体内定ということになると思うんですけれども,これが今の民間の就職ですね,学生から見れば就活,就職活動,それがこれまでと相当違って早まってますよね。3年生になると就活に入っているのが実態だと聞いていますが,民間に逃げない職員を採用するためには,民間と張り合わなくてはいい人材は採れないわけですよね。私,すごいタイムラグがあるような気がしてならないんですが,その辺のところをどういうふうに考えているのかお伺いしたいと思います。 18 ◯石川委員長 高橋人事委員会事務局長。 19 ◯高橋人事委員会事務局長 採用試験の時期の問題ですけれども,委員,御承知かと思いますが,例えば県職員の試験,6月29日に今年度はやりますが,これは全国一斉でございます。東京都以外の都道府県は基本的に問題を同じくしてございますので,試験日も同一でございます。それから,採用時期を早めるというのは,そういった問題が出てくるというのが一つございます。  あとは,民間と公務員を希望する方,民間も受けて公務員を受けるという方は,実はかなり少のうございます。1次試験が終わって,2次試験の面接をずっと私も去年からやってございますが,公務員を受ける方は,例えば国家のII種と県庁の上級と国税専門官と市役所,ここらを受ける方。公務員を希望している方は,根強く公務員志向ということがございます。ただ,広く受験者を集めるという意味では,就職時期が早まっていますので,大学でいうと3年生,高校でいうと2年生に向けたいろいろPR活動を,今後早目にしていく必要があるかというふうに考えております。 20 ◯常井委員 もう一度お伺いしますけど,民間で3年生のときから就活が始まって,企業では,昔はお互いがだめだとかいろいろあったんですけれども,今はもう自由に内定をどんどん出しちゃうでしょう。その人たちは恐らく,内定をもらった以上はほとんどの人は企業に行っちゃうわけですよ。いわゆる企業向けの就職を希望する人と公務員を希望する人と完全に分かれるのかどうか,その辺のところをどういうふうにつかんでいるのかお聞きしたわけなんですよ。  要は,私が心配するのは,やる気のある本当の物事に対してきちんと立ち向かうような多くの人材が先に企業に取られちゃうんじゃないかということを心配しているんです。ですから,全国一律だなんていうのは今初めて聞いたんですけれども,県が地方分権の中できちんと自分で経営をやっていくといった場合にはその根幹となるのは人なんで,必ずしも全国一律にのっとってやらなくちゃならないものなのかどうか。独自にもう少し早目にやったり,いい人材を採る努力を単にPRしているだけじゃなくて,実際に同じ時期に試験をやるとか,そういう方法があってもいいんじゃないかということを思うんですが,そうやらないと,いい人が採れないんじゃないですかね。  その点,どうなんでしょうか。人事委員会は試験をやる制度側ですけれども,じゃ,採ってもらった人を使う方としてはどういうふうに理解しているか,人事課長,お伺いしたいと思います。 21 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 常井委員のおっしゃること,時期の問題ですね,これは民間との関係ということを考えればごもっともな話だというふうに存じます。  一つ私どもこの時期に全国一律でという話のときにもう一つ考えなければなりませんのは,採用計画というものがございまして,実は前年度に役所の場合は組織が固まります。前年度に組織が固まって人の配置が固まりますと,すぐ3月の末から,じゃ来年の職員採用の人数をどうするかという採用計画の作成に入ります。そのときに,じゃ来年は退職者が何人いるんだ,来年どういうふうな部門でどのくらいの人が削減できるんだ,じゃこのくらいの人数が必要だねということで採用計画をつくっていきます。  そのときに,先ほどちょっと説明いたしましたけれども,なるべく職員がばらつきがないようにしていくためには,ある程度何年間か同レベルくらいの人数が欲しいというのがございますので,そういうものと調整をしながらやっていくというようなこともありまして,その採用計画ができましてから人事委員会の方に,これだけの人数を試験で採っていただきたいというような形でやるという状況もありますことから,今の時期みたいになるということについてはシステム上は仕方がないのかなというような感じを持っております。  それから,もう一つ,先ほど説明いたしました中で任期付の研究員みたいなものにつきましては,茨城県で今どんなふうな研究課題があるのかとかそういうことを見まして,こういうところで採用される方というのは大学院の在職者の方とか大学院を卒業する予定の方とかいうのが多い状況にございます。一方では,そういう任期付の制度なんかを活用しながら,研究室に行って優秀な人材をある程度前もって目をつけて,そういう任期付の研究員の場合は公募いたしますので,そこに乗ってもらって,ほかの方と見て優秀であれば採るというようなやり方をとることによってそういうふうな側面をカバーしていくというやり方なのかなというふうに思っているところでございます。 22 ◯常井委員 私は,再々言いますけれども,試験の時期とか,あるいは県庁自体がデュアルシステムみたいに学生を受け入れて,じゃ企業を受けないで残っていてくれよとか,そういうふうないろんなやり方があると思うんですよね。そういう独自性を求めて,独自の人材を,いい人材を採る努力をしなかったら,全国一律のやり方にのっとっていきますよなんていうことを今の時代で言っていたら,いい人は採れないし,ほかの県より卓越した県にはなり得ないんじゃないかというふうに思いますので,若干噛み合わない部分があるかもしれませんが,お聞きおき願いたいと思います。  ちょっと長くなって恐縮ですが,続けて,この委員会で後半戦の議論に入る前に財政再建の考え方で確認を含めて整理しておきたいと思っているんですが,一番初めにちょっとお聞きしたいのは,大阪府が財政非常事態宣言を出して,橋下知事がですね。それで,20年度で1,100億円の削減目標額を出すということ。これは非常にわかりやすくて,ポイントが2つなんですね。1つ,収入の範囲内で予算を組む。2つ目は,財政健全化団体にならない。その2つだけなんですね,ポイントは。要は,今まで我々が言ってきた身の丈に合った財政構造改革をしようということなんです。  そういう中で,ここで私が聞いている範囲では,向こうの橋下知事は,財源不足額云々なんていう言葉は出てこないんです。我々はどこまでも,県は財源不足額という前提で,20年度は550億円足りません,21年,22年度もそれぞれ400億円ずつ不足しますというような言い方を前提にして,いかにもそれが初めにありきのようなことでやってきているわけですね。じゃ,20年度は550億円足りませんと言った後どうなったかといいますと,その中から,基金の取り崩しをしたり,今回は森林環境税もありました。それから,人件費のカットも続けてやりますということで,残る200億円がどうしても足りません。足らないのは,禁じ手と言われる手法を4年連続して使って,県債管理基金の中から借り入れて予算を組みましたということになっているわけですね。  毎年毎年,財源不足額があって,それについていろいろさっき言ったようなやり方で最終的に予算が組めましたと。これは県民に対しては我々も大変だという気持ちでいるわけですけれども,結果的に何とか予算が組めちゃったということなんですが,これは財源不足額を先に御旗みたいに立てちゃって,その言葉が大手を振って歩いているように感じるんですよね。  財源不足額があるということであれば,じゃどうやって財源を確保するかという,張るような仕事をして,一生懸命財源確保をしているように見えるんですけれども,そこで既に一人一人の職員の手から離れちゃっているという段階で,幾ら総務部長が頑張っても財政課長が頑張ってもそれは我々は知らないよということで──知らないよと言っているかどうかは知りませんが,手が届かないところですから財政の方で考えてくださいということになっちゃっているような気がするんです。  本来は,今までシーリングをかけて,スクラップ・アンド・ビルドでことしもやりました。やって,どうしても足りないという金額が200億円だということですから,その200億円を財源不足額と呼ぶのは私は何とか理解できるんですけれども,その前の550億円を財源不足額として言葉として使っているんですね。だから,財源不足額が2種類あるような気がする。そういう言葉に流されながら,実際上は予算を組めて,県政は動き始まっている。  そういう中で,財源不足額が先にあるというのが,私は妥当性がないんじゃないかと思うんですね。要は,言いたいのは,地方財政に財源不足額という観念を持ち込まない。歳入の範囲を超えた歳出はだめなんだということを言わなければ健全な経営はできないんじゃないかと。いつまでも財源不足額という,従来のサービスとか施策を前提にしてその流れで行くとこれだけ足りませんよという意味での財源不足額を前提にしていたんでは,健全な財政を維持することはできない。そういう意味で,大阪府では恐らく財源不足額が幾らなんていうことは言わない。要は,さっき一番先に言いましたように,歳入の範囲内で予算を組むんだということをずばりと言っているということだと思うんですね。  ですから,私はあくまでも,茨城県においても歳入の範囲内で歳出を見ていく。入るを図りて出るを制すということを何回も言われてきておりますけれども,その基本原理を貫いてこそ,本当の財政構造改革,真の財政構造改革があるんじゃないかと思うんです。ということは,今までその一環として組織の改編もやってきましたけれども,どういう前提で考えるかという考え方によって,どれだけ歳出を,大なたを振って削っていくのかどうか,それが大きく違ってきちゃうんじゃないかと思うんですね。ですから,今後この委員会においても,私は,収入に合わせて収支均衡を目指して夕張にならないために,そして県政の経営の健全性を図るためには,歳入の範囲でしか歳出を認めないんだという大前提をここでもう一回打ち立てて,切り込んでいくなり,歳入をふやす考え方を取り入れていかなければ,財政の健全化なんていうのは到底望めないんじゃないかというふうに思っております。  県民は,夕張を見て目覚めてきているんだと思うんですよ。あくまでも県政というのは,あるいは地方自治というのは,経営は健全でなければいつかは自分たちにかぶってくるんだということを身にしみてわかっていると思うんですね。そういう意味においては後半戦に向けてきちんとその辺を整理して,認識を執行部と委員会,議会の方で一致させて進んでいかなければならないんじゃないかなというふうに思った次第です。  少々長くなって恐縮でありましたけれども,その点について,上月総務部長,大変恐縮でありますが,大阪府を前提として今お話をしましたけれども,これはこの委員会においても,あるいはこれまでの議会においても十分言われてきたことでありますが,どういうふうに後半に向けてお考えをされているのかお伺いしたいと思います。 23 ◯上月総務部長 私も,今回,組織だったものですから財政の方の資料を余りたくさん持ってこなかったもので,大阪の方の数値は一度見てみたんですが,目指しているものがそんなに変わるとは思っていないんです。言い方をどういうふうに,バンと打ち出して,そういうふうにインパクトを持たせてやっているかどうかということなんじゃないかと私は思っておりまして,歳入の範囲内で予算を組むということを大阪府が,暫定骨格でしたので,今度本格予算になった後どう予算を組まれるのかというところはよく我々も見させていただきたいなというふうに思っております。1,200億円というふうなことが1,100億円,あるいはそれ以上切られるのかどうなるのか,そのあたりは見極めた上で評価もし,我々としてそれも受けとめないといけないのかなというふうに思っております。  歳入の範囲内で組むというのが大原則であろうというのはもちろんのことではあるんですが,例えば現在,三位一体改革でひどい,むちゃくちゃな切られ方をした交付税,それを前提にその範囲内で組みますというふうなことを言っていると財務省にとっては思うつぼでありまして,その範囲内でどんどん縮んでいけば,じゃ,どんどん交付税を切ればどんどんその中で縮んでいってくれるのかと誤解されても困りますから,やはり必要なものは必要なんだというところはちゃんと我々も言わなきゃいけない面もあるのではないかというふうには思います。  ただ,私としましては,大阪の置かれている状況と我々の置かれている状況は余りに違いますから,繰替え運用をして,それを3月末に返しもせずにずっと温めてきた状況が続いていたわけでありますので,あそこまでひどくなっている大阪府の状況の中でああいうふうな手法をとらないといけなかったのかなというふうに思いますけれども,我々は,この財政再建調特で昨年度来非常に厳しく御議論いただいている,しかも丁寧に御議論いただいている,そのやり方といいますのが現在の茨城県の状況としましては非常にすばらしいやり方ではないかと。議会の方で御審議しながら,我々としてはこういうことをやりたいということを提案させていただいて御審議いただいて,またさらに提案させていただいていることを繰り返している,このやり方は非常にいいのではないかというふうに思っておりまして,財政再建調特の残りの期間,できる限りそこは厳しく,しかし,県民サービスはいきなり切ってしまっていいというものでもないものもたくさんありますので,そういった面も考えながら,いい財政運営ができるようにきちんと取り組んでまいりたいと思っております。 24 ◯石川委員長 いいですか。  伊沢委員。 25 ◯伊沢委員 先ほどの常井委員の質問に多少関連しますが,残業時間の関係のことについて,それを踏まえての質問ということにさせていただきたいと思います。  先ほど御説明がありましたように,1人当たりの残業時間数が本庁と出先では大分違うようにお話をお伺いしました。また,それと因果関係があるのかどうかわかりませんが,職員の異動希望ということも本庁への希望率は低下している現状にあるというようなお話をお伺いしました。また,そんな中で,今,出先機関の再編整備を進めていただいております。出先機関の再編整備後,本庁が仕事を受け入れていくということになろうと思いますが,そうなると,もしかすると本庁の方で,仕事の効率化とかそういうことも含めて,やりがいとかやる気とか,先ほどもありましたけれども,また管理職のリーダーシップとか,そういう必要なものがあろうかと思いますが,ややもすると,本庁がますます残業時間が長くなって,また,本庁への異動希望が少なくなるというような可能性もあろうかと思うんですが,そういうことになってしまってはいけないと思いますが,今のこういう現状の中で,本年7月の目標に,出先機関再編整備後の本庁の受け入れ体制を取りまとめるということになっておりますが,現在の状況,そして,このような現状を認識した上でどのように進めていくのか,お伺いしたいと思います。 26 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 まさに今,それぞれ各部の方と総合事務所などは後半の分にかかりますので,一つ一つの事業を見ながらというようなやり方で,今回の出先の見直しでどのくらいの職員数の削減ができるかというのを詰めている最中でございます。  本庁に仕事を持たすものについては,当然のことながら,出先で減らした人数がそのまま職員の削減数になるというわけではありませんで,本庁のグループに持ってくるものについてはそこで効率的にできるようなものであれば,例えば出先5人でやっていたものを本庁に3人とか2人とかいうことはあり得ると思いますけれども,そういうふうな形で,本庁に持ってくるものについては人をきちんとつけるということでやっているところでございます。それぞれ,土木部門,農林部門,総合事務所の各部担当部門が今やっておりまして,7月に数字として出せるようにということでやっておりますけれども,当面,ことしの採用計画をつくる中で,各部にどのくらい来年度分として──来年すべて一気に職員を削減しちゃうということではございませんので,3年とか4年とか5年とか団塊の世代の多い人数が退職していくときなども一緒に考えながらやっていきますのであれなんですけれども,当面,来年度は,出先機関の関連で大まかに申し上げますと100名程度といいますか,そのくらいの,出先については削減ができるのではないかと。それについて本庁にどのくらい戻さなくちゃならないのか……。  失礼いたしました。出先を削減して本庁に戻して大体100名程度,大まかな数字でございますけれども,そういうものを頭の中に持っておりまして,そこら辺をさらに精査すべく,今,各部と調整を進めているというような状況にございます。 27 ◯伊沢委員 ありがとうございます。この委員会が財政再建の委員会ということで,人数を減らすということが前提で議論が進んでいくのは仕方がないかと思いますが,ただ,一方では,減らし過ぎてまた時間がふえて職員の意識が低下するということになってしまってもいけないと思いますので,職員さんの意識改革も含めて,いろいろ御苦労があろうかと思いますが,引き続いて,そういうことも踏まえて整備を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。以上です。 28 ◯石川委員長 ほかにございますか。  鶴岡委員。 29 ◯鶴岡委員 一点だけお尋ねします。  2ページの,県の重要な政策等に対する推進体制の整備でございます。これについては,現在,35の推進本部ができているということですけれども,この推進本部はどのようにしてつくっていくのか,これについてお尋ねします。 30 ◯石川委員長 今橋政策監。 31 ◯今橋政策監 推進本部のあり方でございますが,各部でいろいろな課題が出てきましたときに当然その部局だけでは対応できないということがありますので,各部と連携を図るために要綱等で推進本部を設置しているものがございます。 32 ◯鶴岡委員 推進本部をつくって,そこでどのような対応をして,どのように報告し,どのように決裁をして,どのように執行しているのか,体制はいかがですか。 33 ◯今橋政策監 推進本部におきましては,それぞれの課題,対応,それにつきまして推進本部会議を開催いたしまして,それで,各部の御意見,幹部の御意見を承りながら,部としてどのような政策展開をしようかということを内部決定して,政策幹部と協議しながら政策の展開を図っていくというやり方をとっております。 34 ◯鶴岡委員 一般論でお聞きするとそういう形になるんでしょう。この文章の中に,庁議の場の活用などによって効率的な運営に努めているということでしょう。ですから,この庁議に上げる前にどういう対策をきちんととっているのかということ,それから,庁議でどのような決裁をもらっているのかということが問題だと思うんですね。  それで私が言いたいのは,実は,連休の間に山口議員にマレーシアに連れていっていただきました。その際にローコストキャリアのエアアジアに陳情に行ってまいりました。そして,ぜひ茨城空港に来てほしいと,こういうお願いをしたわけですね。そのときにいろんな話をした際に,LCCの方からは,ホテルをつくってもらいたい,そして,県内に電化製品を売っているところがありますか,それから,衣料を買えるところがございますか,こういう具体的な内容のものが出てきているわけですね。そういう意味では,ここに書いてある企業誘致の推進と茨城空港の推進本部がしっかり連携をとらなければ,推進本部が別々にあっても仕方がない。今の状況の中で推進本部を有機的に立ち上げていかなきゃいけないということだと思うんですよね。  そういう意味では,もちろん,運賃の安いものを利用する方たちを茨城県内でどのように対応し,満足して帰っていただくかということになるんだと思うんですね。そういう意味では,ホテルの誘致,それから,電化製品等を扱うものをどこに配置するとか,そういう全体的な計画をきっちりつくっていかなきゃいけないと思う。ただ推進本部をつくったというだけではだめなんですね。これを有機的にいかに活用するかということが大切なのであって,それを統括する庁議の場がどのような形で進められているかということなんですよ。それをしっかりやってもらいたい。  そして,その前段としての政策幹部会議をしっかりやってもらうことによって新たな施策をそれぞれの推進本部でやってもらうような体制をつくっていかなきゃいけないと思うんですね。ボトムアップなのかトップダウンなのか,その辺はしっかり連携をとりながらやっていかなきゃいけないと思いますけれども,総務部長,いかがですか。 35 ◯上月総務部長 資料2の4ページをちょっとご覧いただきたいんですが,そこに推進本部の設置状況ということで,35の推進本部,危機管理のようなものも入ってございまして,例えば先ほど鶴岡委員御指摘のような件につきましては,10番の,名前が百里飛行場民間共用化になっているところが既にもう古いような気もしますが,こういう場所を積極的に使っていけばいいんだというふうに思います。しかし,私としましては,例えば,国の大臣の集まる関係閣僚会議みたいなものもございますが,関係閣僚会議の最後の場面というのは余りその場面では意見がないのかもしれませんけれども,そこまでに上げるプロセスが,まずお互いにやりとりをする,非常に有機的に,積極的にいろんなものに対応していく,そういったプロセスを経た上で,あるいはトップダウン,あるいはボトムアップ,そういったことを縦横無尽に繰り返しながら,最後ここの場所に来る。あるいは,一番最初にそういうふうな問題があるよということをこういう場所を使って下におろしてもらって,ひとしきりやった上で,また適宜上げたり下げたりしながらやっていくということを柔軟にやっていくということだと思います。  こういった会議を形式的に開くことに余り意味があるとは私自身は思っておりません。こういった場所をどううまく使っていくかということが重要なのでありまして,いま委員御指摘のように,一番最高の意思決定機関であります庁議で,知事からの指示,あるいは関係各部長からのそれぞれの部長への質疑ややりとり,そういったものを踏まえて,さらに推進本部をいかにうまく活用していくか。あえて言えば別に本部という名前がついてなくても,関係の人が集まって適宜一生懸命議論して,それで,関係の部長がそこで集まって議論すれば本当はいいのかもしれないというぐらいの柔軟性,弾力性を持ってやるべきではないかというふうに思います。 36 ◯鶴岡委員 最後にします。  ですからね,だからこそ,マトリックスの組織をつくりなさい,マトリックスの予算をつくりなさいということを言ってきているわけですよ。しかし,今,現状では,今後の対応策の中にはそれについての対応がしっかり出てきていないのじゃないのかなと。そして,今新たに茨城県が直面をしている大きなプロジェクトに対する対応が現実にできていないんじゃないか。その辺は,対策本部をつくってあるからいいんだということではなくて,対策本部のまた横の連携の,有機的な会合をどのような形でやっていくのかということなんですよね。  ですから,そういう意味では,ここに書いてあるように庁議の場の活用云々ではなくて,その前段で,対策本部の責任者がほかの責任者に話をして,今こういう問題があるんだけどどうしようかとか,そういうことを有機的にやれる対応は今後どういうふうにやっていったらいいんじゃないかと。だから,この対策本部のあり方そのものも考え直さなきゃいけないんじゃないか,こういうことを申し上げているわけでございまして,この辺についてもぜひ御協議をいただきたいと思います。何かあれば……。 37 ◯上月総務部長 御指摘はまことにごもっともでありまして,私もまさにそのように思います。出てきた問題に,とにかく民間の会社だったらばそこに対応しないと,ビジネスチャンスがあるのに対応しないと,もうけ損なったりつぶれちゃったりするわけですから,県にとっての重大な課題があればそれにいかに積極的に柔軟に対応していくかということが重要なんだと思いますので,この本部会議につきましても,置いてあるからいいというんじゃなくて常に見直さないといけないと思っておりますし,これの使い方,あるいは,いま委員から御指摘がありましたように,トップの部長さんが関係の部長さんと集まったり課長が集まったり,そういったことを繰り返しながらいかに弾力的にやっていくべきなのか,よく我々自身も頭に入れて業務に励みたいと思います。 38 ◯石川委員長 森田委員。 39 ◯森田委員 きょうはいろいろ数値を出していただいて,例えば全国的な比較の中で,部が本県は9部,全国平均だと9.6とか,課で行くと全国平均は76.7が本県は71とか,こういう数字で見る限り,それなりにその都度その都度,改革等を行って,スリム化されてきたのかなと。スリム度もそうですね。  それから,320人ぐらい退職して,その半分の160人ぐらい採用ということですので,これもそのとおり行けばかなりいい形になるのかなと思うんですね。  残業時間も決して多いという感じしません。10時間前後というのは,そのぐらいどこでもやってますのでね。まあ少なければいいんでしょうけど。  そういう中で考えていくと,こういう数値だけではコストが読み切れないものもあるのかなと。例えば,政策が1年でも1日でも早く達成できたものはそれはコストが安くなるのかなという気がするんですね。県民の要望なり期待にこたえたという意味ではね。つまり,公務員の仕事というのは,県庁の仕事というのは,言うまでもなく利益を上げるわけじゃないわけですので,県民サービスがどのぐらい行き届いたかということだと思うんですね。そういうもので行きますと,先ほど常井委員がプライマリーバランス的な話をされましたけれども,出と入りですね,そういったものがバランスとれていれば一番もちろんいいんですけれども,今申し上げたような政策の達成度で行くと,今,鶴岡委員がまさに指摘されたようなことなんですけれども,これまで重要政策とかプロジェクト的なものはチームを組んだり,それから連絡会議でやられたり,推進本部を設けられたと思うんですが,今後は,特に長期的な政策,例えば交通安全対策とか少子化対策とか産業振興とか観光立県とか,こういうものについては,そういうプロジェクトチームとか一時的な推進本部じゃなく,恒常的な,いわゆる正規な部なり課なり,そういうもので政策をまとめて政策を実現する,一日も早く達成するというふうな感覚が必要なのかなというふうに改めて思うんですね。  これ以上,現存の体制のスリム化というのはなかなか難しいなと思うものですから余計思うんですけれども,そういう大きな政策単位に対する組織の整備というものは現在何か構想としてありますか。できたら,総務部長。 40 ◯上月総務部長 難しい課題というんでしょうか,今起こる現状の課題につきまして,先ほど鶴岡委員から御指摘がありましたような例えば空港の問題であれば,担当部となる,ヘッドクオーターとなるべき部なり課なりがあるわけでございます。例えば,そこにいろんな関係の,観光も関係あるでしょう,その他の商工も関係あるでしょう,それから,道路をつくるんだったら土木部も関係あるでしょうということで,そこにまとめた課をドカッと,100人ぐらいの課なり局でもいいんですが,つくってしまっても,今度はそこで分断されたところともとの土木部との,例えば道路だったらば予算の中でどう執行していくかとかいう調整が出てくるので,結局,どっちに切ってもまた別の調整が出てきてしまってそこがうまくいくのかというような問題などはあるわけでありまして……。もちろん,そういうふうにした方がいいところがあればそういうふうにした方がいいと思います。けれども,基本は,今ある課で,先ほど鶴岡委員から御指摘ありましたように人もいるわけですから,関係の人を寄せ集めて,考えて集めて話をして議論すれば仕事はできるので,わざわざそのために組織をつくるというふうにしなくても幾らでも対応できるんじゃないかと私は思っております。  まずそれをやった上で,きちっとした恒久的な組織があった方がいいようなものであればそれはつくるべきであろうというふうに思いますが,まずその前の段階で,理事いらっしゃいますけれども知事直轄政策審議室があるわけですから,そこまでになる前の段階のそういう名のものがあれば,医療の改革などは,昨年来,知事直轄が中心になって病院局と保健福祉部が入って議論しているわけですけれども,そういったのをうまくつかまえながらやっていく音頭を場合によってはとる。あるいは空港みたいなものでも,はっきりヘッドクオーターがわかっているものはそこが中心になって弾力的に機動的に対応していくというようなことをまずはやっていくべきなのではないかと。そのたびに組織をつくるというようなことを一々こうやってやっていくと,結局,また次の課題がいろいろ重なってくると何だかよくわからないような感じになっていってしまうことも往々にしてあるのではないかなというふうに思っておりまして,まずはそういう弾力的な対応が重要ではないかと思っております。 41 ◯森田委員 これで終わりにしますけれども,要するに一般の民間の企業で行けば,特に電気製品で行けば,これはエアコンの製造部門だ,こちらはテレビだ,こちらはCDだとかいろいろありますよね。そこでやると,事業の成果,評価も完全にできるし,私が申し上げたのは,単発的な茨城空港対策とかじゃなく,今言った長く続くようなものですよ,観光であるとか少子化対策とかそういったものについては,予算も張りつける,人数ももちろん張りつける。そういう中でどのぐらい成果があったかとか県民の期待にこたえられたかということが,県民に非常にわかりやすいし,やっている方もやりがいにつながるんじゃないかなという気がするんです。  だから,県の事業全体でそれをやるというのは難しいと思うんですけれども,幾つかポイントを絞ってやれば,今,道路にしても交通安全施設でやっているものとかいろいろありますよね。そういうものをある程度まとめられるものをまとめて成果としてどう見るかというふうなことだと思うので,これは即答は求めませんけれども,そういうことも一つ方法としてあるんじゃないかなということで今後検討していただければありがたいと思っていますので,よろしくお願いいたします。以上です。 42 ◯石川委員長 飯岡委員。 43 ◯飯岡委員 先ほどから,県の重要政策等に対する推進体制の整備という中で企業誘致の推進についてちょっとお伺いしたいんですが,18年に産業立地推進本部長,そして立地推進室長ということで知事直轄のプロジェクトチームができたわけなんですが,その中で課の在職年数ということで,これから2年から3年ということで20年度に11人になったということで,特に私は企業誘致に対しては,東京本部長とか室長が,2年,3年ではなくて4年,5年,それ以上,職員の皆さんも継続的に最低3年以上はいてもらいたいと思っているんです。  なぜこういうことを言うかといいますと,民間で営業,いろんな面で,恐らく県の職員の皆さんも日夜努力して,1年間に数千社なり,それなりに回っていると思うんです。そういう中で,いろいろな会社に行く上で,1年か2年ぐらいでかえては,1年間では回るだけで,人を紹介するだけで,さまざまな中でただ歩いているだけ,そういう状況になってしまいますので,部長,また室長,そして職員も,数年というか,とにかく何年も継続してやっていただきたいと思っています。  そういう中で,今の現状と,そして職員の今の在職ですか,勤務年数がどうなっているかちょっと聞かせてください。 44 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 東京本部につきましてはことし3年目になりまして,職員を2人異動させております。ただし,関連する部署に異動させております。企業誘致をやるようなセクションに持ってくるということで。それから,持っていく職員も,若い職員ですと,例えば企画部とか商工労働部で企業誘致の経験をした職員を持っていくということで,異動としましては,例えば3年になったとしても,その職員は何年かの経験を持って行って,そういう人が戻るときにもその経験を生かせるようなところということで,特に企業誘致はポートセールスも一緒にやっておりますけれども重要な場所ですので,そのようなことでやっているところでございます。 45 ◯飯岡委員 知事もトップセールスで,企業立地面積も日本全国でトップクラス,そしてまた件数もトップクラスなんですが,ただ,茨城県においては1,500ヘクタールという面積で塩漬けになっている土地がある。債務も4,600億円ということで,さらに金利も1年間に73億円払っているということで,これは将来の負の財産を残さないように,企業立地は茨城県にとって非常に大事な部門だと私は思っています。そういう中で,3年と言わず5年,また,もっと長く営業していかないとだめだと思っているんです。そういう中で,民間においては,かなりの営業年数,そこに何年もいてそれで仕事を取ってくるという状況なので,これからは,3年と言わず4年,5年を心がけていただきたいと思うんですが,その辺,最後にお願いします。 46 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 5年という年数は,係長クラス等については,これまでは5年いるとなぜ5年いるんだというような形で人事の書類等を出すようにしていたんですけれども,一番働き出のある係長から補佐に来るくらいの職員については5年が標準ではないかというような考え方を去年の異動のときに示したものでございます。ただ,課長クラス,部長クラスの職員の場合,ある程度の年代で行ったときに次の職責に上げるというときに,そのポジションに既に部長クラスの方がいるとそんなわけにいかないというような,そういう一方での事情もございます。  ただし,この場合は,例えばそこのポジションでなくても本庁の企業誘致をやっているポジションがございますので,そういうところで部長クラスに異動させるというような,そういう意味で同じ場所にはいませんけれども関連業務でというような工夫はできると思うんですけれども,1カ所で課長クラス5年,部長クラス5年というのはなかなか現実的には難しい点がございますので,そこのところは御了承いただければというふうに思います。 47 ◯飯岡委員 では,最後に。  今,5年というのはなかなか難しいということでお話を聞きましたが,ただ,教育の現場も校長先生次第で学校が変わってくる。また,昔も最低5年ぐらいは校長をやってもらえれば学校は子供たちにとって大分いい学校になっていくということで,一つの現場でいえば企業推進本部長というのはそのところの社長でありますので,そういう中で,職員に対しても人脈がなければ企業立地はできないと思っています。そういう引き継ぎとかいろいろあると思うんですが,人と人の,この人だったら任せられるということで5年の歳月は必ずかかると思っています。ただ,企業立地に関しては全力を上げて,今後も3年といわず4年,その辺も考えていただくことをお願いして,終わります。 48 ◯石川委員長 足立委員。 49 ◯足立委員 御説明いただいた中で,10ページの職員採用数の状況,それから13ページの課題ということで,客観的な標準,目標を定めて組織の簡素・効率化を図っていくと,こういう2つの命題のお話がございました。  それで,まず職員採用数の状況なんですけれども,病院局を含めて6,420人,これは平成22年を目標年にした適正化計画による採用人数なんですけれども,これから割り出して毎年160人。160人採らないと,先ほどの課長のお話ですと,優秀な人を集めるためにも160人必要だと,こういうふうなお話がありました。それを掛け合わすと6,420人を超えるわけですが,平成22年を目標とした適正化計画ですべて推しはかっていいのかどうかという,一つ問題提起をさせていただきたいと思います。  それから,もう一つは,13ページの方の課題として,各県比較を行って,県との比較で客観的な標準,目標を定めていく,定員も含めて考えるということなんですが,相対的な物の考え方がありますけれども,茨城県の事業,茨城県の予算,茨城県のさまざまな取り組みに合わせた定員というのはやっぱり必要なんだろうと思うんですね。後ほどまた質問させていただくつもりでおりますけれども,とりあえず,今後の職員採用の状況と課題について御説明がありましたが,この160人というのは,今のお話ですと継続して採用するというお話ですが,改めて確認をしておきたいと思います。 50 ◯中島総務部参事兼人事課長兼行財政改革・地方分権推進室次長 委員御指摘のとおりでございまして,160人程度を限度としたというふうな中にちょっとそのような意味合いを含めさせていただいたようなつもりでございました。といいますのは,300人退職時代があと5年続くということでございますので,それから,当面,今の目標は6,420人でございますけれども,さらにこの後の行革大綱をことし1年くらいかけて検討していくわけでございますけれども,そのときにまた,先ほど御指摘もありましたようなそういう観点も含めて,どのくらい今後削減していかなきゃならないのか,このままの人数でいいのかという議論をしなければならない時期にちょうど来ております。  そういう意味で,今の計画上は160人程度を限度としてということでここには書かせていただきましたけれども,大体300人程度でございますと,採っているのが160人ですと150ぐらいの定数が減っていきますので,22年まではそれでございますけれども,その後の4年間というのも同じように160くらいの採用で行きますと,やはり150人くらいずつ定数を減らしていくというような話になってまいります。  ただ,そこまで職員数を減らせるのかどうかというのはそのほかの要素も含めて検討しなければなりませんので,ここで,当面記載させていただきました160人程度を限度として,例えば1年間ずつ10人とか20人採用を控えるというふうにすると,その人間が38年間勤めるわけでございますので,全くの平行ではなくて,ほんの少しですけれども下になったようなこういう山になりまして,職員数全体で見るとかなり削減できるような計画ができるのではないかというふうに考えております。ただ,そのことが現時点で数字としてどのくらいのレベルというのがお示しできないようなこともございまして,ここでこのような記述の仕方といいますか,そういうふうなことをさせていただいたような状況でございます。 51 ◯足立委員 人口に応じたという説明もございましたけれども,他県の比較もさることながら,本県も人口はこれから減少するというデータが示されています。それは納税人口が減る,働き手が減るということのある意味で大きな社会変革ですから,それに合わせた職員というのは一つのモデルになってきますので,数が多い少ないというのは仕事量だと私は思いますし,また,予算等も考えなきゃいけない。ぜひ,大事なことです。今本当に減らさなきゃならないとしたら今減らすべき絶好のチャンスだと思いますし,このタイミングを逃したらまためぐってこないわけで,ぜひ精緻な目標を立てていただいて,しかるべき対応をお願いしたいと思います。  先ほど常井委員と総務部長のやりとりを伺っておりまして,歳入に見合った歳出,いわゆる身の丈予算を考えるべきだと。大阪府の例を挙げて質問されましたが,総務部長,そんなことをしたらこれは国の思うままになってしまう。交付税が減らされちゃったよと。こういうお話をいただきました。まさに今,制度的に,世間では,我々も関係していますけれども,道路だ社会福祉だということで議論されておりますが,言ってみれば,地方分権というのはある意味で名ばかりというか,すべて国と地方の共同作業,融合型の制度に今なっています。  そういうことでおりますから,茨城県だけが何かやろうと言ったって,お話のように,私は身の丈予算に合った,これからそういう必要に差し迫られるだろうと思いますが,しかし,そうやれば今,制度的には国から攻められちゃうということですから,これは制度改革とあわせて,徹した地方分権を求めていかなきゃいけないんじゃないだろうか。お金も権限もと,こういうふうなことですし,3月の代表質問で申し上げましたけれども,そういう意味では道州制とか制度改革,さらなる市町村合併とかを進めていかなきゃいけない,こんなふうな思いでおりますけれども,一方,そういう中で,だけどこのまま行ってしまったら,今,他県の比較とかさまざまな御説明をいただきましたけれども,一部の都府県を除いて大変な借金を抱えているわけですね。1,000兆円という気の遠くなるような国,地方を挙げてさまざまな借金を抱えているという状況の中で,あそこがいいとかここが悪いとかいう比較をしている,それも大事ですけれども,茨城県としてどうあるべきなのかということの分析と対応というのは,今も空港の問題でありましたけれども,そういう必要なものは人員を割くし,必要ないものは極力カットするというふうな,スクラップ・アンド・ビルドという,この考え方を徹してやる必要があると思うんですが,私は近い将来,大阪府的な,これはどこの都府県も,東京都も含めてそういう改革を迫られているんじゃないか。今にっちもさっちも行かない。すべてやっていることは糊塗的というイメージでとらえられてしようがないんですけれども,総務部長,今のやりとり,国の意のままになっちゃう,だからこれは違うんだというお話がありましたけれども,私は身の丈に合った予算というのは徹して追求する必要があるんじゃないか,こんなふうに思いますが,改めて伺っておきたいと思います。 52 ◯上月総務部長 先ほど,常井委員に対します御答弁の一番最初に申し上げましたように,大阪府がおっしゃっていること,求めているところはそんなに変わらないと思っているというふうに最初に申し上げたのがそういう意味なんでございまして,身の丈で予算を組まなきゃいけないというのはまことにもっともであるというふうに私は思っております。ただ,今の三位一体でこんなふうになってしまった状況の中でそれがいいというふうに言ってしまうとつけ入られてしまうということもあるので,そういった点は気をつけないといけないんじゃないかというふうに申し上げたわけでありまして,もともとの根幹である身の丈に合った予算を組まなきゃいけないというのはまさにおっしゃるとおりだというふうに思っております。  ただ,歳出の方法をどういうふうにカットしていくか,歳入の方をどういうふうに確保していくかということを丁寧に一つ一つ考えていくというふうにしないと,いきなり県民サービスの方をバサッと切っちゃって,それを身の丈に合った予算だと言っても,それは形は身の丈に合った予算かもしれませんが,中身の質が県民にとってそれでいいのかというふうにもなりかねないということじゃいけないと思っておりますので,その作業を丁寧に,かつ積極的にやらなきゃいけない。身の丈に合うような予算にしなきゃいけないという作業を,この財政再建調特という場を今我々も大いに活用させていただいて御審議をいただいているところであるというふうに認識してございます。 53 ◯石川委員長 ほかに質疑はございませんね。  質疑もないようですので,本庁組織等についての調査をこれで終了いたします。  暫時休憩をいたします。  再開は,午後1時といたします。                 午後0時11分休憩        ──────────────────────────                  午後1時開議 54 ◯石川委員長 休憩前に引き続き,調査を続行いたします。  次に,組織面の現状・課題と今後の方向のうち,教育庁関係についての審議を行います。  まず,総括的な説明を求めます。  鈴木教育長。
    55 ◯鈴木教育長 新しく教育長になりました鈴木でございます。よろしくお願いをいたします。  資料1の14ページ以下に記載しておりますが,教育庁関係につきまして御説明いたします。  本日は,教育庁から4項目について審議をお願いしております。私の方から各項目の概略を説明させていただきますので,よろしくお願いをいたします。  まず,1つ目の,公立小中学校の適正規模についてでございます。  現在,少子化の進行により,県内の小中学校の児童生徒数は大幅に減少しており,学校の小規模化が進んでいる状況にあります。こうした小規模の学校において,児童生徒が切磋琢磨することや社会性を育成することが難しいというような教育面からの課題が指摘されております。このようなことを踏まえ,4月25日に「公立小中学校の適正規模について(指針)」を公表したところでございます。また,厳しい地方財政の中で学校運営の充実や課題となっております学校施設の耐震化を進める上でも,適正規模や適正配置に向けた取り組みを進めていく必要があると考えているところでございます。  今後はこの指針に基づきまして,市町村における小中学校の適正規模化への取り組みを促進してまいりますとともに,必要な支援や助言をしてまいりたいと考えております。  次に,16ページの方になりますが,2つ目の課題でございます。  県立高等学校の再編整備についててございます。  昨年8月,茨城県高等学校審議会に生徒減少に対応した活力ある県立高等学校づくりを図るための学校の適正規模,適正配置についてと,2つ目として,産業構造等の社会の変化や生徒の多様化に対応した魅力ある学校,学科のあり方についての,2つについて諮問したところでありますが,4月17日に第1次答申としてそのうちの一つ,学校の適正規模や適正配置,学校の統合のあり方等について御提言をいただいたところでございます。  今後,12月には最終答申をいただく予定でございますので,これらの答申を踏まえて,平成21年度に基本計画及び実施計画を策定し,高等学校の再編整備に努めてまいりたいと考えております。  3つ目の課題でございます,お手元の資料で申し上げますと18ページでございますが,青少年教育施設のあり方についてでございます。  青少年教育施設につきましては,青少年の健全育成のための共同宿泊学習や体験活動の場として,現在,県内に6施設ございますが,少子化等の影響による宿泊者数の減少や施設の老朽化が大きな課題となっております。そのため,昨年度,検討委員会を設置し,関係団体等の方にも委員になっていただき,青少年教育施設のあり方について検討してきたところでございます。3月末にその報告書が取りまとまりましたので,今後はこの報告書の提言内容を踏まえ,運営コストの縮減に努めるとともに,施設の廃止等を含め,青少年教育施設のあり方を見直してまいりたいと考えております。  最後の20ページになりますが,4つ目は,教員の業務の軽量化についてでございます。  近年,学校の教員の多忙化が指摘され,教員が子供と向き合う時間を確保するということが大きな課題となっております。こうした状況を踏まえ,県教育委員会といたしましては,今後,学校の状況調査を行い,教員の勤務実態等を把握するとともに,教員の業務の削減,あるいは学校と地域の連携による業務の一部外部化等について検討してまいりたいと考えております。  以上,4項目についてでございますが,詳細は担当課長から御説明させていただきますので,御審議のほどよろしくお願いをいたします。 56 ◯石川委員長 ありがとうございました。  引き続き,公立小中学校の適正規模について執行部の説明を求めます。  横瀬義務教育課長。 57 ◯横瀬義務教育課長 資料1の14ページをご覧願います。  公立小中学校の適正規模についてでございます。  まず,指針策定の背景についてでございますが,現在,少子化の進行により県内の小中学校の児童生徒数が大幅に減少しており,学校の小規模化や複式学級が増加しております。また,今後の人口推計からもさらに少子化が進むものと予測されております。  こうした中で,学校の小規模化により子供たちが切磋琢磨できにくい教育環境上の課題が生じており,その改善を図ることが必要であります。そのため,小中学校の設置者である市町村において学校の適正規模や適正配置に向けた取り組みを進める中で,県として基準となる適正規模について提示することが求められておりました。また,効率的な学校運営が求められておりますことから,教育予算の集約化や学校施設の耐震化を促進するためにも,学校の適正規模,適正配置に向けた取り組みが必要となっております。  次に,2,「本県における公立小・中学校の適正規模について」でございますが,去る4月25日に開催いたしました定例教育委員会において報告をし,「公立小・中学校の適正規模について」を策定いたしました。同日,市町村の首長さん,次長さん,及び教育長に対しまして指針を示させていただいたところであります。  その指針の骨子でありますが,適正規模の基準といたしまして,資料に記載のとおり,小学校では,学級編成,いわゆるクラス替えが可能である各学年2学級以上となる12学級以上を,中学校では,クラス替えができ,なおかつ5教科に複数の教員が配置できる9学級以上をそれぞれ適正規模の基準といたしました。参考として記載させていただきましたが,この基準を下回っている学校は,平成19年5月1日現在の状況でございますが,小学校では346校,中学校では74校,合計420校となっております。  お手元の資料2の8ページをお開き願います。  先ほど御説明させていただきました基準を下回っている小中学校,合わせて420校の市町村別の状況及び市町村における適正配置等に関する取り組み状況等をまとめたものでございます。赤のところが「計画あり」,黄色のところが「策定中」というものでございます。  資料1の15ページにお戻りいただきまして,(2)適正配置を進めるに当たっての考え方としまして,適正規模を下回る学校については,地域の実情や児童生徒数の今後の推移などを踏まえて市町村において積極的に検討する必要があるとし,統合の検討例として,複式学級のある学校,小学校で各学年1つの学級の学校,中学校において5学級以下の学校を示しました。これらの学校を初めとして,児童生徒の教育環境の改善に向けて,学校の設置者である市町村に対しましては幅広い観点から適正配置に向けて検討をお願いしてまいります。  (3)適正配置に際して留意すべき事項は,統合は教育環境の改善を図るものであること,また,その過程で,児童生徒を初め保護者,地域住民の方に環境の変化を及ぼしますことから,市町村が取り組みを進めるに当たっての留意事項を示させていただきました。そして,小中学校の設置者である市町村に対する県としてのかかわりとしまして,(4)に,適正配置に取り組む市町村教育委員会への支援として,他県や本県における取り組み状況等についての情報提供や指導助言,市町村に必要とされる支援措置の検討を示しました。  今後,この支援措置の具体策について検討してまいりたいと考えております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 58 ◯石川委員長 ありがとうございました。  それでは,質疑に入ります。委員の皆さんの質疑をお願いいたします。  森田委員。 59 ◯森田委員 お世話になります。  公立小中学校の適正規模ということで今るる説明がありまして,なるほどなという聞き方をしておりましたし,大きな社会的な関心であり課題かなと思っておりますので,一つの方向が出たことはそれなりに受けとめております。  そんな中で,これまで学力向上策なんかのときに適した適切な競争は必要であろうということで何点か申し上げたことがあるんですが,こういった小規模化による課題なんていうことになると,切磋琢磨,競い合いがなく,集団生活になじみにくいなんていうことで,むしろデメリットというか,欠点というか短所というか,こういったふうに列挙されていますし,それから,複式学級のある学校は適正配置をするに当たっての考え方の中に一つの複式学級だとかはやりにくいし,今言った競争なんかは全くなくなってしまうという意味から書いてあるんだと思うんですが,小学校での各学年1学級というのはクラス替えができないということはもちろんわかるんですけれども,そういう中に同じように入るんですかね。同じような考え方で行くと,中学校においての5学級以下というのも3掛ける2で6学級ないとということなんでしょうけれども,やっぱり適正規模には入らないという理解なんですか。 60 ◯横瀬義務教育課長 この指針を策定するに当たって,小学校の場合には学級編成ができるというのは,各学年2学級で,6学年ですので,12学級と。中学校の場合に,議論の過程で学級編成ができるのは6学級というのがございます。他県等を調べてみますと,8道県でこのガイドラインを示しておりまして,4つの県では6学級という指針を示しており,残り4つでは9学級という指針を示しています。本県では,6学級の場合に,国,社,数,理,英という5教科の教員配置が1人ということで,中学校の専門性を考えますと,9学級以上になりますと2名ずつ配置できるということから,今回,中学校は9学級以上というふうに定めたところであります。 61 ◯森田委員 数字的な理屈ではよくわかるんですけどね,ただ,小学校でいえば全体の576小学校のうちの346校,中学校でいうと233校のうち74校ということで,特に小学校等につきましては,半数以上,約60%が適正規模にならないということですよ,これを見ると。ガイドラインをやるときに,そこまで大なたを振ってしまっていいものかと。  例えば,専門的なことはわからない部分もありますけれども,小学校の低学年と言われている1年生,2年生,3年生までは1学級でもクラス替えをする意義とか意味は薄い。高学年になったらクラス替えした方が競争力が生まれるし,いろんな意味でいいというようなことがあるので,例えば,6掛ける2という単純な計算よりは3プラス3掛ける2,だから9とか,何かそういうこともある程度あるのかなと思うんですけれども,随分と簡単だと思うんですけど,いかがですか。 62 ◯横瀬義務教育課長 森田委員の御指摘のとおりで,確かに小学校は346校ですが,本県の小学校の特徴を見てみますと,6学級,いわゆる各学年1学級という学校が213校あります。先ほど御説明しましたように,12学級以上,9学級以上というふうに定めましたが,特に複式学級が,小学校は29校ございます。中学校は1校ございます。複式学級のある小中学校が30。単学級が213校。中学校の学級編成ができない5学級以下が20校。指針では12,9と示してありますが,特に複式と単学級と中学校の5学級以下というものはより積極的にということで,指針の中には示させていただきました。 63 ◯森田委員 それはよくわかるんですけどね。  それから,各市町村の首長なり教育委員会からもいろんな要請があってという話が前段でありましたけれども,どういう内容なんですか,その要請というのは。 64 ◯横瀬義務教育課長 委員の最初の質問で,資料2の9ページをちょっとご覧いただきたいと思います。先ほどの補足をさせていただきます。  これが本県の,上が小学校,下が中学校,極めて特徴的なのが,6学級の小学校が極めて多い。棒グラフで出ているかと思います。中学校につきましては,そこにありますように,6,9,12というところが出ているところであります。  ただいまの森田委員からの質問でございますけれども,市町村でも先ほど申し上げました策定しているところと今策定中,内部で検討しているところ,今後ガイドラインが出たら検討していきたいということで,県としてもある程度のそういう基準を示していただければというふうな要望も市町村等からもございました。現にこのガイドラインを25日に出しましたところ,2つの市町から,ガイドラインに沿って進めていきたい旨の連絡等も受けているところでございます。 65 ◯森田委員 非常に指導監督といいますか,管轄機関で行くと市町村の場合にはそちらの教育委員会でいろいろ定めておりますよね。これまでいろいろ特に学力向上策等で私ども何回か質問させてもらいましたけれども,予算特別委員会などを通じてそうなんですが,本論に入っていくと,それは各市町村の教育委員会で決めることだから我々県は手が出しにくいんですよという答弁が非常に多かったんですけれども,今度のガイドラインについては逆に頼られているところが多いんですか。つまり,各市町村ではガイドラインが決めにくいから,県の方で一定の指針を出してもらえればそれに沿って計画をしたいというふうな意向が強いという理解をしてよろしいですか。 66 ◯横瀬義務教育課長 市町村にこのガイドラインを定めるに当たって,首長さん及び教育長さん等にアンケート調査をしておりまして,首長が考えていたり,あるいは教育長レベルで考えていたり,あるいはガイドラインが示されたら積極的にそれを見て対応していくという市町村が多く出ているのは,調査はしております。 67 ◯森田委員 時間がありませんのでこれで最後にいたしますけれども,長い歴史を考えますと,統合と分離というんですかね,これの繰り返しなんですね。そのたびにむしろ旗が起きたり,これまでですよ,あったんですが,今後,単なる通学距離が長くなるだけではなく,そこはスクールバスを用意したり,いろいろ安全,安心の面から考えてもそういう点の配慮もあると思いますので,これまでの動きとは違うと思うんですけれども,その地域の文化とか,それから,群れの関係ですかね,そういういろんなことがありますので,ガイドラインはガイドラインで結構だと思うんですけれども,また,小さい学校ならではの取り組めることがたくさん今新聞に報道されておりますよね。地域も巻き込んだ学校ができるとかいろいろありますので,ガイドラインはガイドラインとして結構ですけれども,そういったいろんな要素があるということを御理解いただいて,それから,市町村の意見等も真摯に受けとめていただきながら進めてもらいますように,それだけお願いしたいと思います。  終わります。 68 ◯石川委員長 ほかにございますか。  鶴岡委員。 69 ◯鶴岡委員 今お話がございましたけれども,小学校から何キロメートルぐらい離れた子供たちはスクールバスを出さなきゃいけないとかいう基準がございますか。 70 ◯横瀬義務教育課長 スクールバスというよりも,今の国で決めております小学校の通学距離といいますのは4キロメートルを目安,中学校は6キロメートルというふうな目安は出ております。 71 ◯鶴岡委員 これで6学級が213校ということなんですけれども,このガイドラインによって市町村の行政需要が今度はふえてくるという可能性が非常に大きいですね。そういう意味ではそういう議論がなされているのかどうなのか。また,教育庁内でそういう点については市町村と連携をとっているのかどうか,その辺はいかがですか。 72 ◯横瀬義務教育課長 委員御承知のとおり,市町村が自主的に判断していく,進めていくものが望ましいとは思いますが,今回,県としてこういう適正規模についての指針を示したのと同時に,義務教育課に市町村教育推進室というものをつくりましたので,市町村と連携を図りながら適切な指導助言ができるように努めていきたいというふうに考えております。 73 ◯鶴岡委員 結局,ガイドラインをつくってほしいという要請があった。その際にそういう問題点があった。これについては文部科学省との調整といいますか,それについてはやられていますか。 74 ◯横瀬義務教育課長 直接的に国からの標準というのは12から18学級ということで定められているもので,特に我々が検討していく上では,国というよりも子供たちの教育環境というふうな形でこのガイドラインを策定したわけでございます。 75 ◯鶴岡委員 ですから,ガイドラインをつくるに当たって文部科学省はこれに対しての一つの考え方を持っている。それに対する,市町村に対する対応については何かありましたかということを聞いているんです。折衝しましたか。 76 ◯横瀬義務教育課長 特に接触というか,それはしておりません。 77 ◯鶴岡委員 これは高校の再編の問題と絡んでくるわけですけれども,今,中高一貫教育というものが非常に叫ばれてまいりました。これに対して,小学校,中学校の再編と高等学校の再編に当たって,中高一貫の考え方,県の考え方はどのような考え方をお持ちなんですか。 78 ◯石川委員長 早川高校教育課長。 79 ◯早川高校教育課長 中高一貫に関しましては3つの形態がありますので,それぞれの形態について設置をいたしまして検討していこうというふうな考えでございます。 80 ◯鶴岡委員 答弁になってない。その2つを話してなければ。 81 ◯早川高校教育課長 失礼いたしました。中高一貫につきましては,中学校と高校の連携といいますか,そういう意味では,緩やかな連携であります連携型と,それから,中等教育学校といいまして,完全にそのまま6年間を計画的,継続的に指導する中等教育学校,それから,外進制,内進制というのがあります併設型の中高一貫と,こういうものが3つありますけれども,今回,中高一貫をつくります並木の方に中等教育学校をつくりますけれども,今後,その状況を見ながらどうすべきかということを考えていきたいというふうに思っております。  文科省としては500校ぐらいつくるようにというふうな考え方もありまして,本県としてもできるだけ,まず3つの形をということで前後期の実施計画ではつくっていったということでございます。 82 ◯鶴岡委員 この再編の問題は大変大きな問題を含んでいると思うんですね。それぞれの市町村の教育委員会,小学校,中学校を管理監督する教育委員会,高等学校を管理監督する県の教育委員会,そして,義務教育,中等教育を管理する文部科学省ですね,その管轄といいますか,権限をいかに明確にしていくかということになっていると思うんです。そういう意味では,小中高の一貫校のあり方をこの中に示していかないとどうも片手落ちになっているんではないかというふうに思うんです。そういう意味では,小学校の再編のことについてのガイドラインを出すということについては,市町村からの意向があったかもわからないけれども,県の役割としてはそれで正しいのかどうなのかという部分もあると思うんです。  ですから,小中学校の再編と中高一貫教育をどう考えるか,それから高等学校の再編と,これは全体の中で考えていかなきゃいけない問題であって,少し片手落ちの部分があるんじゃないかなと思うんですけど,教育長,いかがですか。 83 ◯鈴木教育長 いま委員からの御指摘のとおり,その部分でいうと,中高一貫,高等学校,小中学校,この連携,文部科学省も含めてですけれども,そこのところが,見ていると,御指摘のとおり,少し連携がとれなかった部分もあるのかもしれませんが,今回,小中学校につきましては,前々から国が12学級から18学級が望ましいという標準規模がございまして,先ほどから申し上げますように,子供たちの関係で切磋琢磨,人間関係上いろいろ問題があるということで,今回,できれば11学級以下については統合をということでお示ししたところでございます。  いま委員からの御指摘については,今後,十分検討させていただきたいと思っております。 84 ◯鶴岡委員 総務部長ね,市町村に対する行政需要に対応する考え方を,今後,国との協議の中で進めていかなきゃいけないんじゃないかと思うんです。再編をするに当たっての条件整備ですね。そういう意味では総務部としてはいかがお考えですか。 85 ◯上月総務部長 条件整備というのはどういう意味でしょうか。 86 ◯鶴岡委員 市町村は,今後,再編をするに当たって,今4キロメートル以上のところについては今度はスクールバスを出さなきゃいけないということになりますね。1つの町でも,3つ,4つとなりますと,1台ではできない。3台になる可能性だってある。これが北の方の部分については大変多くなっていくだろうと思いますし,そういう市町村の行政需要に対応するためには県としてどういう対応をするか,そして,国との協議をどう進めていくかということが必要なんじゃないですか。 87 ◯上月総務部長 御指摘はごもっともだと思うんですが,県としては,市町村がこの指針を踏まえて今後基本的に自主的に再編に取り組んでいただけるように後押しをしていくということだと思いますけれども,その際に促進をしていくために必要な財政的な支援のあり方,これは大いに考えていかなければいけないと思っております。  例えばスクールバスに関しまして,例えば支援をする。例えばでありますけれども,そういうふうにした場合に,単にスクールバスの支援だけにしてしまって,朝夕だけバスが使われるということではまた少しもったいないのかもしれません。スクールバスというか,バスを使って地域で回すということを,教育現場を越えてもっと使うような工夫もあっていいのかもしれません。そういったことについては教育庁と我々企画部なんかも含めていろいろと議論をしながら,今後よく詰めていきたいと思います。 88 ◯鶴岡委員 先ほどの議論にもありましたけれども,結局,今,市町村ではコミュニティーバスというのを持っているわけですよね。ですから,あくまでも行政課題については一般市町村民のみならず,学生たちのことも考えなきゃいけない。そういう意味ではまさに,またいろいろ協議をやっていかなきゃいけない。それこそ推進本部をつくらなきゃいけないかもわからない。国とのね。これはやはり教育長にもお話ししておきたいんですけれども,国の政策に絡んでいくということになるわけですから,財政支出については市町村の立場に立って県が考えていくべきことだろうと思います。  繰り返しになりますが,先ほど申し上げましたように,小中学校の再編と高等学校の再編と中高一貫の部分を中に入れて協議をいただくようにお願いして,質問を終わります。 89 ◯鈴木教育長 私どもの方で,それではこれからどんなふうにして小中学校の適正規模化を図っていくかということでございますが,先ほど私どもの方の課長も言いましたが,できれば,先ほどの絵でわかりますとおり,赤字の取手市とか行方市とかやった例がございますので,早急にこの事例集というのをつくりまして,他県の統合をやっている例とかそういうものをつくりまして,義務教育課か市町村の教育推進室が一体となって市町村を訪問していろいろ御意見を聞いて,それによっていろいろ財政的な支援が本当にどうなのかということも含めて,あとは先生方の加配の問題も要望があるかもしれませんので,そういうことも含めていろいろ検討させていただきたいと思います。  あと,国との関係は,十分そこら辺も踏まえて,国の方と調整させていただきます。 90 ◯鶴岡委員 そういう答弁をされますとまた話ししなきゃいけないんだ。取手市の方で今計画をつくりました。これはあくまでも再編委員会でつくっただけであって,まだ市民の意見を聞いているということではありませんよ。ですから,そういう意味では,計画はあるけれどもまだこれは机上のものであって,まだいろんな意見を聞いて,決定をしたというわけじゃないんですよ。これから1年かけて検討していこうというのが,まさにこの計画があるところじゃないんですか。ですからそういう意味で,事前に考えながら進めていくということで,この計画そのものがすべて終わったということじゃありません。その辺の認識をしっかりやってください。 91 ◯鈴木教育長 すみません。下の方にも取手市の場合は,注で,答申案ということで……。すみません。今,取手と行方なんかを一緒に言ってしまって申しわけございませんでした。 92 ◯石川委員長 常井委員。 93 ◯常井委員 一点お伺いしたいんですけれども,今の市町村からの要望もあってそういう適正規模についての指針を定めたということなんですが,これは期限はいつを想定しているのか,それによって県費負担教員のさっき言った加配の問題とか人をどうやっていくとか,やった市町村とやらない市町村とアンバランスになると,県全体の県費負担教諭の配置の仕方にかかわってくると思うんですね。しかも,財政再建も含めてこの適正化をやっているわけですから,どこかでは,しりを決めていかなくちゃならない。そういう意味では,幾ら指針をつくったとは言いながら,あるいは市町村が本来の設置者としての権限があって,県は一応そういう支援体制だということであっても,きちんとそういうところは決めていかなくちゃならないと思うんですが,その点はどうなっていますか。 94 ◯横瀬義務教育課長 常井委員の御指摘のとおり,極めて難しい問題ではあるんですけれども,実際に教員の年齢構成等を見ますと,ことし51歳になる者が800名おります。これから大量退職ということも考えられます。平成29年度末が大量退職の一番多いところでございます。現実にことし,統合が10校から5校になりまして,およそ44名という数があるわけですけれども,平成20から30年度あたりを目途に進めていければいいなというふうには考えております。 95 ◯常井委員 もう一度最後のところを確認したいんですが,よく聞き取れません。 96 ◯横瀬義務教育課長 申しわけありません。この計画ができてから5年ぐらい,あるいはガイドラインを示して,これからできれば8年ぐらいで考えています。その理由としまして,先ほど申し上げました28年ですと28,29年ですので,大量退職者が出るピークがその辺になりますので,それに合わせてできればいいかなというふうには考えております。 97 ◯常井委員 そんなに先になるということですか。これは先ほどいろいろな考えるべき要素はあって,しかしながら,適正規模ということは,子供たちにとってと同時に,県の財政にとっても大事だということでやっているわけですから,29年を待たなくても,前にも議論がありましたように,勧奨退職とかいろいろ方策はあるわけでしょう。それはそれ,これはこれという形で考えていくべきだと思うんですが,余りにも悠長な考え方なんじゃないかなと思っているんですけれども,その点はどうですか。 98 ◯横瀬義務教育課長 最長というような考え方でお話をさせていただきまして,これはできれば,早ければ早い方がいいかと思っていますし,こちらで考えている年数でなかなか市町村さんにというわけにもいきませんので,その辺は十分,市町村さんと推進室あたりで諮りながら,基本的には委員おっしゃるとおり,子供の教育環境を早目,早目に改善できるのが一番いいのかなというふうには考えております。 99 ◯石川委員長 いいですか。  鈴木(徳)委員。 100 ◯鈴木(徳)委員 教育においては,授業で学術的なことを教えるほかに,知育,徳育,体育,その他,社会環境に適応するいろんな要素が教育の中にはあると思うんですけど,その中で私が生徒数が少なくなって心配することは,例えば体育とか芸術方面ですね,音楽とか美術とかそういう方面で,クラブ活動というのは,あるいは授業以外の教育というのは非常に大事なものだと考えているわけですが,最近,聞くところによると,生徒数が少ないために,サッカーの11人とか野球の9人とか,9人ぴったりでもできないでしょうから,例えば予備の十二,三人とか,サッカーだったら十五,十六人とか,そういうのが集まって,学校でそういうチームができないんだということを聞いているわけです。  文化面においても,人が1人か2人では美術部的なものもできないだろうし,吹奏楽部といえばいろんな楽器が集まってやるんでしょうからそういうのもできないということを聞いているわけなんですけど,そういうことが教育現場から当然上がってきていると思うんですが,その現状をお知らせいただきたいと思います。 101 ◯横瀬義務教育課長 鈴木(徳)委員のおっしゃるとおりで,冒頭御説明をさせていただきました子供たちの適切な教育環境。教育環境というのは我々の頭の中では,当然,学習があると同時に,いま委員がおっしゃるとおり,体育で集団的なスポーツができない,それから,音楽でいえば合唱ができないというふうなことがありますので,そういう点からも学校の統合につきましてはある程度の人数を確保する必要があるということは確認しておりますし,当然に部活動にしてみれば,1つの学校で1つのチームがなかなか組めないという状況もこれは確認しております。  さらに,学習といいますのは,教員が子供に教えるだけじゃなくて,子供同士の話し合いの中で学ぶということもありますので,ある程度の数は必要なのかなというふうに考えております。 102 ◯鈴木(徳)委員 将来,野球選手のプロになるとかサッカー選手になるとか,それから,美術でも音楽でもプロになることもさることながら,自分が好きな,そして打ち込めるものに打ち込んだということはまたそれは,例えば甲子園に行っている人は大多数はプロにならないわけですけど,しかし,そういうことに打ち込んだということが人生において非常なバックボーンというか,自分の力になるわけですね。それを人数が少なくて野球チームができないというために子供がそういうチャンスを逃すとしたら,そういう場をつくってやらないとしたらばこれはやっぱりうまくないんではないかと思うんです。  ですから,そういうこともぜひ勘案して,学校を減らすのは残念であるけど,逆にそういう場をつくってやるんだということも大きく要素に入れて考えたらいいんじゃないかと思います。 103 ◯石川委員長 ほかにございますか。  飯岡委員。 104 ◯飯岡委員 適正配置の図を見た中で,つくば市を例に挙げて申しわけないんですけど,小学校が22校,つくば市は38校あるんですが,中学校が3校,そして14校ということで,その中で6町村が現状と計画案が出ています。これからいろんな市町村も出てくると思うんですが,市町村によって随分減らす数がばらばらということで,つくば市の場合は2校減っていますが,中心部と農村部の格差が非常に開いています。旧村部においてはどんどんと合併しても,子供たちの少子化ということでどんどん減っている状況であります。  そういう中でつくば市は,今,ほとんどの小中学校が昭和58年以前に建てていますので,100%に近い耐震は持たない。いろんな各市町村の開きがある中で,統廃合をしたときの計画案とか,どのようにして学校を減らしていくというのは出ているんですか。 105 ◯横瀬義務教育課長 これは具体的に出ている市町村もあれば,まだそこまでの学校名までは挙げていないというところもございます。実際に飯岡委員おっしゃるとおり,つくばは北の方が統合に向けて,南の方は逆に言えば分離というふうな,同じ市の中でも2つの動きがある。
     このことにつきましては,市町村教育推進室,あるいは事務所長と市町村教育委員会との話の中で,市町村が主体的にどの辺とどの辺を考えるのかというのが筋といいますか考え方だと思いますが,まだそこまで我々としてすべてを把握しているわけではございません。 106 ◯飯岡委員 その中で,県内全部一緒だと思うんですが,耐震が持つか持たないかはどのくらいのパーセンテージあるのか,数字を教えて……。わかりませんか。大体でいいです。 107 ◯横瀬義務教育課長 申しわけありません。耐震については後ほど調べてお知らせします。 108 ◯飯岡委員 わかりました。  つくば市の場合,耐震がほとんど持たないということで,今年度からプレハブで10年間のリースをするということで,6校ぐらいやるんです。そういう中で,学校数は減らさないで,とにかく何とかリースして,10年間,子供たちの安全を考えて,10年間とにかくやっていこうと。その中で財政的によくなったら建て替えようということでやっているんですが,ただ,つくば市の場合は今度は,先ほど話題に出ましたが,並木で中高一貫教育,来年度から小中一貫でつくば市の春日の方にやっていくんですが,これは北部の方は,旧筑波町でも7つの地区で各小学校があったんです。今,統廃合しながらやっている中でスクールバスなりいろんな面で対応しているところであります。  そういう中で,適正配置,これから統廃合するガイドラインもどんどん出てくると思うんですが,財政的にも厳しい中で,つくば市の方も教員数を減らすこともできるし,極端なことを言えば,統廃合して残った学校を売っていくとか,例えば旧筑波町の学校を小中一貫にしようとか,そういう試みを今やっているところなんです。そういう中で,各市町村の統廃合にすべく,この計画案はどのようにしていくかというのはこれから大事だと思いますので,その辺を各市町村にも徹底して,いろんな各市町村の事案を提供しながら統廃合していくべきだと思っているんです。  ただ,いろんな格差という問題について,県南,県北といういろんな格差があります。その辺も配慮しながらやっていただきたいと思うんですが,その辺を含めて,総合的に市町村も合併した中で,統廃合について市町村と連携を組んでやっていってもらいたいんですが,その辺を最後聞かせていただいて,終わります。 109 ◯横瀬義務教育課長 実は私もつくば市さんの方には,直接このガイドラインを策定するに当たっては事前にいろんなお話を伺いに参りました。飯岡委員がおっしゃるとおりに,確かに小中一貫を考えているとか,統合よりもそういうものを進めたいと。我々としては,じゃ支援策としてどういうものを市町村さんは望んでいるのか,そういうのをしっかりと受けとめていくと同時に,市町村さんは情報がなかなかありません。県内の市町村の情報と同時に全国の情報等を我々は収集し,そういうものを示していきたいというふうに考えております。 110 ◯石川委員長 ほかにございますか。  質疑もないようですので,公立小中学校の適正規模についての調査をこれで終了いたします。  次に,県立高校の再編整備について執行部の説明を求めます。 111 ◯早川高校教育課長 この4月から高校教育課長になりました早川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,県立高校の再編整備について御説明いたします。  資料1の16ページをお願いいたします。  まず,1,茨城県高等学校審議会第1次答申についてでございます。  現在,県教育委員会では,平成22年度までを計画期間とする県立高等学校の再編整備を推進しているところでございますが,その後も中学校卒業者数の減少が見込まれております。  そこで,1の(1)にありますように,昨年の8月8日,県の教育委員会は茨城県高等学校審議会に対しまして2つの諮問事項について諮問いたしました。一つは,少子化の時期の学校の適正規模,適正配置について,もう一つは,そのような時代の魅力ある学校,学科のあり方についてということでございます。  その後,慎重に御審議をいただきました結果,諮問事項の1番目の方,これについての審議がまとまりまして,4月17日に審議会の委員長から県教育委員長の方に第1次の答申が提出されたというところでございます。  その答申の本文につきましては,資料2の11ページ以降でございます。  この答申の概要についてこれから御説明させていただきますが,要点の方は資料1の16ページの方に載せてありますけれども,今回,資料2の本文の方で御説明をさせていただきたいと思います。御参照いただければと思います。  13ページをお願いいたします。資料2の13ページの下の方でございます。  この答申は3つの柱から成っておりますが,1つ目の,今後の募集定員と学級数についてでございます。  本県の平成32年3月の中学校の卒業者数は,約2万5,500人と推計されます。今後12年間で約4,500人の減少が見込まれるということがまず報告されております。  続いて,14ページでございます。  2行目以降にございますが,平成32年4月入学者の県立高等学校全日制課程の募集定員は1万8,120人,学級に直しますと454学級程度とも見込まれます。したがいまして,削減学級数は,平成20年度に比べて96学級程度と考えられるということが報告されております。  2点目でございます。2の,学校の適正規模・適正配置についてでございます。14ページの中ほど,下の方になります。  (1)学校の適正規模につきましては,下から6行目でございますが,前回,平成12年の答申に引き続きまして,適正規模は1学年4から8学級が妥当であるという形で報告されております。  なお,地域の実情を勘案しまして,適正規模に満たない,つまり,1学年3学級以下の規模での生徒募集も行うことはあり得ますけれども,そういう場合であっても,一定期間,入学者数の推移等を見てから当該校の統合等の実施について判断する必要があるとまとめられております。  前回の答申ではこの3学級以下の募集校について特に条件がついておりませんでしたが,今回の答申では,一定の条件下での存続ということで条件を満たさなくなった場合は統合の実施を検討するように求めているということでございます。  次に,15ページでございます。  (2)の学校の適正配置につきましては,活力ある学校づくりを進めるため,適正規模を維持できるよう,統合等による再編整備を進める必要があると報告されております。  あわせて,ページの中ほどでございますが,中学校卒業者数の大幅な減少が見込まれます県北山間部の過疎地域については,そのまま当てはめるのではなくて特段の配慮が必要であるということ。それから,中学校卒業者数の増加が見込まれる地域,つくば市などでございますが,その場合には学級増を視野に入れる必要があるとされております。これらのことにつきましては,今回の答申で新たに打ち出された内容ということであります。  なお,県北山間部の過疎地域への特段の配慮ということは,具体的には2学級で募集することとか分校化を検討することを想定しているということでございます。  3点目,16ページでございます。  学校の統合のあり方についてでございます。  16ページの(1)「統合の基準の設定」の下から4行目以降にありますとおり,適正規模に満たない学校については統合の実施に統合の具体的な基準をあらかじめ定める必要があるというふうに報告されております。  続きまして,17ページでございます。  (2)「統合のかたち」でございます。  本県ではこれまで,統合はいわゆる対等統合の形をとることとしておりましたけれども,今回の答申では,対等統合の形をとることが望ましいというふうにはしてありますけれども,今後,適当な統合対象校がない場合も想定されるということから,個々のケースに応じて,単独の募集停止を含め,いわゆる対等統合とは異なる方法を検討する必要があるというふうにまとめられております。これらの統合の基準の設定とか統合の形については前回の答申では全く触れておりませんでしたので,今回の答申の特色と言える点であります。  以上,第1次答申の概要について御説明をいたしました。  続きまして,資料1の17ページ,(3)今後の予定でございます。  今年度は2つ目の諮問事項について御審議をいただきまして,12月ごろには最終答申が提出されるという予定でございます。その後,平成21年度になると思いますが,県立高等学校の再編整備についての基本的な方向といいますか,そういうことを示す第2次と我々とりあえず考えておりますが,県立高等学校の再編整備の基本計画をまず策定するということでございます。  それと同時に,時期はずれると思いますが,再編対象校の具体名,学校名を含んだ具体名を含む前期実施計画,10年間をスパンとして見ておりますので一挙にということは無理だと思いますので,何段階かに区切ってということで,まず最初の実施計画を策定する予定としております。  続きまして,2の,現実施計画において統合の対象となっていない小規模校の取り扱いについて御説明をさせていただきます。  現在,後期実施計画──これは19年度から22年度を対象にしておりますが──に基づきまして統合等の再編整備を続けておりますけれども,この計画では,統合対象にしなかった学校であっても,学校の状況によっては後期実施計画中に統合対象とすることがあると定めております。この春の入学者選抜において適正規模を下回る,すなわち3学級以下で募集した学校は,既に統合が予定されております5校と1分校を除きますと,計9校ございます。計9校ございますが,そのうち8校で定員を満たしていないという状況にございます。  今後は,適正規模を下回る小規模校につきましては,入学者数の推移等を見て他県の統合の基準なども参考にしながら,統合あるいは募集停止などの対応を検討してまいりたいと考えております。  それから,資料2の方の19ページでございます。先ほどの本文の後ろでございます。  ここに,県立高校に係ります経費についての表を載せてございます。これは平成18年度決算でございまして,学校規模に応じての表でございます。1学年について,8学級,6学級,4学級,3学級規模のそれぞれの同じ普通科の学校を4校抽出いたしまして,学級数,生徒数,経費等についてまとめたものでございます。  表の右から3番目に1校当たりの経費の合計の欄がございますが,1学年8学級規模のA校は約6億8,000万円,そして,1学年3学級規模のD校では約3億100万円というふうになっております。  一番右側に,生徒1人当たりということで経費について計算しまして,ほぼ同じぐらいなんですが,D校がかなり高くなっておりますけれども,これは大幅な定員割れというふうな状況が原因でございます。D校が360人,収容定員を満たしているということになれば83万6,000円ということになりますので,そう大きな違いはないということになります。  それから,その下の,他県の小規模校,分校の統合等の基準例でございます。  統合等の基準につきましては21道県で策定しておりますが,そのうち長崎県では,そこにございますように,3学級以下校において2年続けて1年生在籍者が定員の3分の2未満の場合,統合または募集停止を検討するというふうな基準ができております。また,宮城県では,分校において2年連続で全学年の在籍者が定員の3分の2未満であり,かつ,80人に満たないというふうな場合,あるいは,2年連続して分校所在地地域の中学校からの入学者数が当該中学校卒業者数の4分の1未満である場合は募集停止とするというふうな基準が,他県の場合はございます。  本県におきましても,このような他県の例を参考にいたしまして,平成22年度までの後期実施計画における小規模校の統合とか募集停止について検討するとともに,高等学校審議会の1次答申を踏まえまして,23年度以降の第2次再編整備の基本計画において具体的な統合の基準を定めるよう検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 112 ◯石川委員長 ありがとうございました。  それでは,質疑に入ります。質疑がありましたらお願いいたします。  森田委員。 113 ◯森田委員 今細かく御説明いただきました。その中で,特に答申の中で,本県の平成20年3月の中学校卒業者数が3万人と見込まれますけれども,32年3月には2万5,500人ということで,12年間で4,500人の減少だと,そういう減少はもちろんわかりますね。それから,それに対して,次のページなんですが,全日制課程の募集定員が1万8,120人程度,必要とされる学級数は454ということなんですが,中学校卒業生2万5,500人の中で全日制課程の募集定員が1万8,000人ということで,約70%でしょうかね。ということは,全日制ですからそれ以外もあるんでしょうけれども,おおむねは私立に行くという理解ですか。  あわせて,私立高等学校に行く学級数なり定員数なり人数が全然予測が入ってない,どこにも資料がないような気がするんですが,私立がわかりましたら教えてください。 114 ◯早川高校教育課長 現在,98%の進学率になっておりますので,そのうちの70%が県立高校の全日制の方に来ているという現状がありますので,その数字で計算したということでございます。それが一点でございます。  それから,私立等は特に協議をしていないという状況で,現状からこういうふうになるであろうという予測値でございます。 115 ◯森田委員 私立は検討しないんですか。私立が伸びるとか横ばいで行くとか減るとかいう検討は一切入っていないんですか,この中には。 116 ◯早川高校教育課長 私立も非常に人気があるところと厳しいところがあるというふうな状況もありますので,今後なかなか予測しにくいということで,同じ割合で進行するであろうという予測のもとでこの数字を出しているということでございます。 117 ◯森田委員 実は,公立高校が1つなくなるだけでも地域ではいろんな問題があるわけですよね。だから,簡単に言うと,私立に負けない県立高校になれば私立が少なくなって県立が多くなるわけですよね。その逆もあるわけですよ。だから,それは私立のことを考えなかったらだめですよ。県立のことだけ考えて,だんだん少なくなって,学級数なり生徒数が少なくなったら統合すればいいんだというような,そういう考え方はおかしいんじゃないですか。私立もちゃんと位置づけて,この辺にあるだろうと。それに負けない学校づくりをしていけばこれは維持できるだろうというふうな,何らかの目標なり定義があってしかるべきじゃないですか。 118 ◯早川高校教育課長 委員のおっしゃるとおり,もちろん私立と公立で現在3万人の生徒を分け合っているという状況でございますので,我々県立高校としても私立に負けないような特色ある学校づくりということで一生懸命やっているわけです。学校,学科のあり方も,今までの同じような形ではなくて,総合学科をつくったり,単位制をつくったり,あるいは定時制の単位制をつくったりということで,何とか私立に負けないような県立ならでは学校づくりをやろうということでやっておりますけれども,生徒が入る人数については,今後どちらが多く入るか入らないかというのはなかなか読めないものですから,割合として現状とほぼ同じぐらいの割合,70%が大体県立高校,それから定時制もありますので,あとは私立高校,それから,今は私立の通信制などもありますが,そういうことで大体この比率で行くのではないだろうかと,そういう計算,何かの根拠がないと数字というものはなかなか難しいものですから,そういうことでこの学級数を出したということでございます。 119 ◯森田委員 これ以上求めませんけれども,私立の数字とか資料を出してくださいよ。我々は全然判断できない,これでは。課長が自分で,今までのならわしといいますか慣例というか,そういう数字のもとにやったと言いますけれども,平成何年度は私立が何名いて,今後はこうなるとか,全然資料がなくてそう言われても我々はわかりませんよ。判断できないですから。3割対7割という数はどうなんですか。よしとすべき数字なんですか。それとも,もう少し頑張ってそれを8・2にするとか,そういう……。私立はただじゃないですからね。助成しているわけですから。その辺の私立との兼ね合いもしっかりとした数字を出してくださいよ。要望します。 120 ◯早川高校教育課長 私,今はここで数字を出しておりませんが,これは審議会の方で審議されておりますので,その状況では具体的な数字が出て,そこで議論がされたという中でこういう数字が出てきたというふうに考えております。  生徒は,とにかくどこかの高校に入りたいというふうに考えているわけですので,生徒たちに望まれるような学校をつくりたいということで頑張っております。 121 ◯石川委員長 常井委員。 122 ◯常井委員 まさに森田委員の言われるとおりだと思うんですよね。ただ,先ほど19ページのA,B,C,DのD校の話を言ったんですけれども,これは生徒1人当たり経費228万円,年間かかるということでしょう。そうすると,月にすると20万円近くかかるということでしょう。こういうのを,だれか高校に入りたいといっても,これだけかけて高校を維持していく必要がないという方向性を出しているんでしょうけれども,これはまるっきり,本当に私立にこれだけ任せちゃった方がいいんじゃないですか。私立にこの持参金を持っていかせたらお釣りが来るのと違うんですかね。どう見たって,これを検討とか何とかという,そういう言葉で言っている現状ではないと思うんですよね。どう思います。お聞きしたいんですけど。 123 ◯早川高校教育課長 まあそういう現状でございますので,学校としては何とか生徒を確保するという方向で努力をしてもらっておりまして,ある学校などはこういう状況でありましたけれども,回復して今定員が埋まっているというような学校もありますので,すぐさまということも状況を見ながらということで,こういう状況にならないようにまず学校に努力していただいて,もしそういう状況が続くようであれば,我々としても考えざるを得ない。統合の検討を当然考えていくというふうなことをしていきたいと思っております。 124 ◯常井委員 状況を見てとか努力を超えて,全体的な少子化の中で,どうやったって,D校見合いの県立校に生徒を集中して,逆に私立から引っ張るような力というのは,間違ってもないわけでしょう。そうしたら,まるっきり私立に学校ごと持ってもらうとか,生徒を全部請け負ってもらうとか,もうそういうふうに,状況を見てとか何とかと言わないで,どこかで損益計算書の分岐点というのはあるんじゃないですか。  そういう感覚を入れないと,義務教育じゃないんですから,県民の税金で基本的にやっているわけですから,父兄とかOBとか同窓生をどう説得するかというのはまた別問題であって,もうやっていけないということははっきりしている高校をもっと明確にリストアップすべきですよ,金額で。私立はむしろ喜んで受け入れてくれるかもしれないし。ちょっと言葉はどうかわからないですけど,金の鳥かごでスズメを飼うということを言った人がいますけどね,そういうふうになっちゃうんじゃないですか。言葉は当たらないかもしれませんが,どこの高校だかわからないから特に特定して言っているわけじゃないですけれども,そういう高校を持っていてアップアップしている県の財政をほうっておくわけにはいかないでしょう。どう思いますか。  だから,様子を見てとかそういう状況じゃないということを私は言いたいんですよ。教育長,いかがですか。初めて来たときしか言えないですよ,これ。 125 ◯鈴木教育長 実はこれは,D校というのは,先ほど9校と課長が言ったと思いますが,後期の実施計画の中に入っていない9校でございまして,小規模校で。ことしは大変努力をしていただきまして,学生もたくさん入ったようでございます。  先ほど私どもの課長が19ページの資料で申し上げましたように,できれば私ども,今回実施計画の中に盛り込んでいない学校でも,ある程度,2年間で続けて定員の3分の2未満の場合は廃校にするとか募集停止するとか,こういう具体的な基準を,最終答申が12月に出てまいりますので,それを踏まえてできるだけ早い段階で基準をきちっとつくって,皆さんの理解を得ながらそういう対応をしてまいりたいと,そういうふうに思っております。 126 ◯石川委員長 高橋委員。 127 ◯高橋委員 学力検査,いわゆる高校入試で1つの学校でも一番上で合格した人と一番下で合格した人と,もちろん点数の開きというのはどこもあると思うんですが,県内の平均というのは,1校当たり一番上と一番下……こういうことを言っていいのかどうかわからないんですけれども,大体どれくらいの差の子たちの集まりなんでしょうね。それは次の話があるものですから,まずちょっと聞きたいんです。 128 ◯早川高校教育課長 今手元に資料を持っておりませんので明確なことは申し上げられませんが,非常に少ない学校と非常に多い学校といろいろあるかというふうに思います。 129 ◯高橋委員 なぜ聞いたかといいますと,ことし,名前は言いませんけれども,ある統廃合が決まっている学校があって,AとBとしますよね。Aの方がもちろん学力偏差値が上なんですね,私らの中学から行くときに。Bが下で。ところが,Bの方がことし競争率が高かったんです。なぜかというと,在学中に統廃合するから,Bの方に入っておけば合併してAの方の学校になれるからということで,親もそちらの選択をして,学校の先生もそうしなさいというふうに進学指導して,そちらの方が競争率が高くなっちゃったというところがあったんですね。  要は,私,何が言いたいかというと,結局,今までその学校は100点ぐらいの差だったところが今度は統廃合することによって200点ぐらいの差がある子供たちがそこに集まるということになってくるんだと思うんですよね。ただ統廃合,統廃合と言っているだけじゃなくて,学校運営のあり方というものも一つあわせて考えていかないと,どっちにしたって今ほぼ100%高校進学率というのはあるわけですよね。ほぼですよ,九十何%ですけれども。その子たちをすべて統廃合して,学校が減る中でもその子たちをすべて入れるということは,どこかで受け皿をつくらなきゃならないわけですから,そうするとその差が広がる。1つの学校の今までちょこっとした差の子供たちだったのが,うんと差があって,その子たちをまとめて学校は一つの運営をしていかなければならないという,そこを考えていかなければならないんじゃないかなと思うんです。  統廃合ばかりでそういうところがうたってないものですから,その辺のところをどういうふうにお考えか,お尋ねさせていただきたいんですが。 130 ◯早川高校教育課長 最初の,A高校とB高校が統合するので同じ学校を卒業するということはちょっと違うと申し上げたいと思うんですが,A高校に入りますと,統合してもA高校を最後まで3年間過ごして卒業する。B高校に入った場合には,B高校を3年間,卒業するという形で,その後同じ学校ということはあり得ると思うんですけれども,卒業はその学校でということでございます。  それから,当然,統合しますと,2つの違った性格の学校が一緒になる場合もありますし,先ほどお話がありましたように学力差があるという学校があります。ですから,そういう学校,生徒たちがそこに入ってくるということは十分我々理解しながら,学校の方でもそういう生徒たちに対応できるように何とかきめ細かく対応しようということで,今,統合している学校についてはそれぞれ工夫あるいは苦労しながらやっているという状況でございます。 131 ◯高橋委員 そこは私が勘違いしました。じゃ親も勘違いしているということで,そういう親とか学校をきちんと指導しておかないとまずいんじゃないかなと思うんですけれども,その辺のところをもう一回通達しておいてください。  どちらにしても,小学校,中学校と違って,高校というとある一定の特色というのを出して,この学校はどういうふうなんだという,勉強で行く,進学校で行く,あるいはスポーツが強い,いろいろ特色があってその学校というのが成り立っていくのかなと。それが小中学校と違う高校なのかなというふうに思うんですね。統廃合によって,これからもっと幅広い子供たちがそこに集まって,学校運営というのは今までより難しくなってくるんじゃないかなと思うんです。その辺のところをどうぞこれから御配慮いただきながら,配属する校長先生にも,どういう特色で行くのか,その学校はどういうふうなのかということをあわせて,統廃合と同時に考えていただければなというふうに思っております。その辺のところを要望しておきたいと思います。 132 ◯早川高校教育課長 前期計画で統合を実施した学校で,生徒本人あるいは保護者等にアンケートをとってみましたけれども,それまで小さな学校で,部活動とか特別活動なんかが非常に寂しかったのが,統合して一緒になって部活が,集団のスポーツができるようになったということで評価をしている場合もあります。統合することによってそういうふうに部活とか行事とかが活発にできるようになって新たな特色ができるということもあるかと思いますので,その辺,十分配慮してやっていきたいと思っております。ありがとうございます。 133 ◯石川委員長 ほかにございますか。  鈴木(徳)委員。 134 ◯鈴木(徳)委員 今まで統合した学校が十何校ありますよね。その学校が統合して1つの学校になって,そこの募集をしまして,募集に応じるというか,入学の人員は定数と比べてどういうふうになっていますか。 135 ◯早川高校教育課長 大体は,1倍までは行っていないという状況が多いことになっております。 136 ◯鈴木(徳)委員 私の聞いた範囲では,統合するのに,統合する説得として1学級ふやしたと。統合して残る学校というと統合してはまずいかもしれませんけれども,具体的に言えば,残る学校を1学級ふやして募集したと。最初から定員に満たないんだというような話を聞いたんです。  それで,その前に,減らすと言っては申しわけありませんけれども,統合という名目ですから片一方なくなる学校については,減らすときにその町の名前がついているけど,その町からは10分の1ぐらいしか入学していないんだと。ですから,ほかの町から,子供が少なくなって中学生が少なくなって来なくなるんだから,これはその町に余り影響ないというようなことも聞きました。  そういうことから勘案すると,今,1学区制でどこの学校へも行けるというようなことと,それから,そういうふうに統合して,そこが募集人員よりも応募者がふえちゃって,だから統合しないでくれればよかったのにという言葉が出るならいいんですけど,統合してなおかつ,受験生が1倍にならないんだというようなことなんですよね。ですから,私は,常井委員からも地域の方とか卒業生に配慮してやった方がいいということも一つありましたけど,そういうことを丁寧にお願いすれば,小学校,中学校より簡単に,大胆に高校は統合すべきだと思っています。  小学校,中学校も,先ほど言ったようなことで統合することはやむを得ない。私も統合することに賛成な学校も随分あります。人数からいってですね。しかし,高校は,もっともっと大胆に統合させて……。もともと遠くから,さっきの話じゃないけど,地元の名前がついているといえども地元でも今まで10分の1しか通ってなかったんだというんだから,地元にあるというだけで地元の高校ではなかったわけですよ。ですから,今度はどこへでも自分の入りたい学校へ入れるわけですから,小中学校みたいな狭い範囲でないわけですから。  今,常井委員から19ページのD校の話が出ましたけれども,これは例えば減らしたってどこの学校へも行けるわけだし,お金かけるのがまんざら悪いとは言いませんけど,1人220万円ほどかけるということはある意味で言えば不均衡にもなりますし,そういうことでありますから,財政改革でばかり言っているわけではありませんけど,統合した結果,今言ったように1倍の倍率にならないというような結果がもう出ているんですから,高校が多過ぎるということですよ,はっきり言いまして。  ですから,この統合は,小中学校より,大胆に私はやってもらいたい。そして,義務教育化しているとはいえども,名目的にも義務教育でないわけですから,自分の進む道として望んで行くわけですから,高校の統合というのは私は大胆にやっていただきたいと,こう思うわけですが,所見がありましたらお願いしたいと思います。 137 ◯早川高校教育課長 いま委員のおっしゃったように考えたいと思います。ただ,先ほどお話がありましたように,地元の子供たちがどういうふうに行っているのか。本当にそこの学校がなくなってしまうと地元の子供たちが行くところがなくなってしまうのかどうか,その辺のところをよく検討しながら,大胆に進めるというふうなことでやっていきたいと思います。 138 ◯石川委員長 いいですか。  ほかにございますか。
     質疑もないようですので,県立高校の再編整備についての調査をこれで終了いたします。  次に,県立青少年教育施設のあり方及び教員の業務の軽量化について審議をいたします。  まず,県立青少年教育施設のあり方について執行部の説明を求めます。  高野生涯学習課長。 139 ◯高野生涯学習課長 4月に生涯学習課長になりました高野でございます。よろしくお願いいたします。  それでは,県立青少年教育施設のあり方について御報告いたします。  資料1の18ページをご覧いただきたいと思います。  まず,1の現状でございますが,県では青少年の健全育成の観点から,共同宿泊学習や体験活動の拠点として西山研修所など6つの施設を設置して運営してまいりました。  恐れ入りますが,資料2の方の20ページをご覧いただきたいと思います。  そこに施設の現況について記載してございますが,1の対象施設でございますが,そこに記載してございますように,西山研修所など6つの施設でございます。  次に,2の利用状況でございますが,宿泊者数につきましては平成17年度の合計は8万6,000人となっておりまして,ピーク時であります昭和60年度の13万4,000人と比較いたしますと約64%まで減少しております。  次に,3の平成17年度の運営コストについてでございますが,吾国山洗心館は,施設の規模が小さく利用者が少ないことなどから,利用者1人当たりの運営コストが1万1,176円と,ほかの施設と比較しますと高くなっております。  4の年少人口の推移を見てみますと,利用者の中心であります児童生徒の今後の推移は,20年後の平成37年度には平成17年度と比較しますと約36%減の27万2,000人と推計されております。  恐れ入りますが,また資料1の方にお戻りいただきまして,18,19ページをご覧いただきたいと思います。  18,19ページの,2の課題でございます。  (1)少子化やニーズの変化による宿泊利用者人数の減少,(2)建設からおおむね30年以上経過による施設の老朽化,(3)包括外部監査,18年2月の指摘を受けた運営面の効率化,(4)施設に求められる機能の充実としまして,ニーズに対応したプログラムの開発などが課題となってございます。  18ページの右側の,今後の対応でございます。  1の,検討の背景及び見直しの視点でございますが,現状及び課題等を踏まえまして,平成19年度に利用者団体等を委員とする検討委員会を設置いたしまして,そこに記載してございます(1)少子化を踏まえた本来必要な施設数及び宿泊定員,(2)施設の効率的な運営,(3)施設に求められる機能の充実の3つの視点をもとに,施設のあり方を検討いたしました。  2の検討結果でございます。  (1)少子化を踏まえた本来必要な施設数及び宿泊定員につきましては,1)現在必要な宿泊定員と,2)施設の改築時期等,20年後を見据えた将来構想に分けて検討いたしました。  1)の現在必要な宿泊定員は,現在の宿泊利用者及び宿泊利用状況等から870名と想定されます。このため,宿泊定員が68名と少数で,運営コストも高く,利用率も極めて低い,そして効率的運営が困難である吾国山洗心館につきましては,今年度の指定管理期間満了をもって廃止することが望ましい。  それから,2)の将来必要な宿泊定員は,将来の年少人口の推移から20年後は560名と想定ができ,定員200から300人規模の施設を2または3施設配置すれば対応が可能であろう。あるいは,利用者サービスの向上や運営の効率化の観点から1カ所に集約することも有効であるとのことであります。  次に,(2)の施設の効率的な運営についてでございますが,1)の里美野外活動センターにつきましては,冬季の利用が極端に少ないことから,平成21年度から12月から3月の冬季を休所とするなど一層の運営コストの削減に努める必要がある。  そして,西山研修所,中央青年の家,白浜少年自然の家,さしま少年自然の家の4つの施設につきましては,今後ともコスト削減など効率的な運営に努める必要がある。  なお,その中でも他の施設と比較して運営コストが高い西山研修所につきましては,人件費の削減等に努めるなど,そのあり方について引き続き検討していく必要がある。  最後に,(3)施設に求められる機能の事実につきましては,今後も存続する施設について利用者の利便性の向上を図るなど魅力ある青少年教育施設とするため,時代に即した体験活動プログラムの開発,そして,施設と学校との連携や青少年団体等へのPRの強化,だれもが安心して利用できる安全面や衛生面の施設・設備の充実など,機能の充実を図る必要があるとの報告をいただいております。  県といたしましてはこれらを踏まえまして,今後は運営コストの削減,施設の廃止等を含め,青少年教育施設のあり方を見直してまいりたいと考えております。  青少年教育施設のあり方につきましては,以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 140 ◯石川委員長 ありがとうございました。  続いて,教員の業務の軽量化について執行部の説明を求めます。  横瀬義務教育課長。 141 ◯横瀬義務教育課長 資料1,20ページをお開き願います。  教員の業務の軽量化についてでございますが,近年,教員の業務の多忙化により子供と向き合う時間が減少しているという指摘がございます。県としても,教育の質の向上という点から,教員の多忙化の解消が急務と考えております。  まず,(1)の教員の勤務実態についてでございますが,資料2の21ページの表とあわせてご覧願いたいと思います。  教員1カ月当たりの勤務実態についてでございますが,平成18年度の文部科学省の全国調査によりますと,教員の残業時間は,持ち帰りの仕事時間も含め1カ月平均で約34時間となっております。この残業時間の発生は,正規の勤務時間内での生徒指導等や補習,部活動,調査報告書作成や会議などの事務的な業務等が増加し,そのため,学校行事等の準備や教員がそれぞれの裁量で処理できる授業準備,成績処理等が残業時間に行われる傾向があるためと考えられております。  資料1の20ページにお戻りいただきまして,その多忙化の要因でございますが,児童生徒への指導に関する業務で見てみますと,先ほど生徒指導等が増加していると申し上げましたが,生徒指導上の問題を抱え,個別の対応を必要とする児童生徒が増加しております。不登校やいじめなどの問題に対して,教員は家庭との電話連絡や家庭訪問を行うなどきめ細かく対応しており,そのほとんどが放課後や夜間に行われているという実態がございます。  また,2)の事務的な業務で見ますと,各種調査報告書等の事務処理が増加しておりますし,小規模校では教員1人当たりの負担が大きくなります。  3)の関係機関との連携に関する業務で見ますと,各団体からの作品募集や理解啓発のための資料配付等への対応,また,租税教育や年金教育などの教科外の教育活動等もあり,生徒指導や事務的な業務も含め,それらが複合して教員の多忙化の要因となっております。  21ページにございます(3)国の動向についてでございますが,国におきましても20年3月に,学校現場の負担軽減のための当面取り組むべき事項ということで,調査文書等に関する事務負担の軽減,調査研究事業モデル校のあり方の見直し,学校の校務運営体制の改善などについて,教育委員会に学校現場の負担軽減のための取り組みを進めるよう求められております。  このため,県としましては教員の業務の軽量化に向けて取り組みを進める必要があり,課題といたしましては,一つは児童生徒に直接かかわる業務以外の業務の削減をどう進めるかでございます。  教員の多忙化の原因として生徒指導の増加を申し上げましたが,これは児童生徒の指導に直接かかわるものであることを考えますと,まず,事務的な業務の削減を進めていく必要がございます。県では教育情報ネットワークを活用して調査事務の軽量化を図っておりますものの,学校には市町村教育委員会や教育研究団体など,各方面から調査報告等が要請されますので,学校現場の状況を把握し,それを踏まえた事務負担の軽減策を講ずる必要があると考えております。  また,教員の業務に係る支援体制を確立する必要があります。特別な配慮を要する児童生徒の増加,家庭の教育力の低下など,子供の状況の変化や学校に対する保護者や社会からの要請が多くなっております。また,部活動,特に運動部活動においては,種目の専門家でない教員が指導に当たっているなど,教員だけでの対応が困難な状況が見られますことなどから,児童生徒に直接かかわる業務についても外部人材を活用するなど,教員を支援する体制の確立を進める必要があると考えております。  このため,今後の対応といたしまして,関係機関と連携した業務量の削減策を講じてまいります。  まず,(1)で,学校状況調査を実施し,学校現場の状況を的確にとらえる必要がございます。調査や報告業務など廃止や整理統合できる事項などを視点として調査を行い,市町村や学校長会,教育研究団体等,各関係機関が協力して学校に対する業務の見直しを進め,効果的な業務量の削減を図ってまいります。  2にございます,学校と地域との連携体制の構築による見直しを図ってまいります。  参考にございますように,学校支援地域本部事業は,地域コーディネーターが中心となって部活動や児童生徒の安全確保等に地域のボランティアを活用して,業務の一部外部化を進める事業でございます。この事業の活用により教員の業務の軽量化を図るよう,市町村や各学校に働きかけてまいります。  以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 142 ◯石川委員長 ありがとうございました。  質疑に入ります。皆さん方の質疑をお願いいたします。  何か質疑ございますか。  質疑もないようですので,県立青少年教育施設のあり方及び教員の業務の軽減についての調査をこれで終了いたします。  ここで,執行部の入れ替えのため,暫時休憩いたします。  守谷企画広報室長。 143 ◯守谷企画広報室長 先ほど説明できなかったことが一つございまして,飯岡委員の質問にお答えいたします。  市町村立学校の耐震化の状況でございます。  県内では全体で49.4%の耐震化率でございますが,ちなみに,つくば市では49.4%でございます。つくば市の全校数は245校でありまして,耐震化の状況が必要である56年以前の142校ございまして,それらと56年以降の新しいものも合わせて49.4%という耐震化率でございます。以上でございます。 144 ◯石川委員長 それでは,暫時休憩いたします。委員の皆さん方はこのままお待ちいただきたいと思います。                 午後2時32分休憩        ──────────────────────────                 午後2時35分開議 145 ◯石川委員長 休憩前に引き続き,調査を続行いたします。  次に,警察本部関係について調査をいたします。  組織の効率化,警察施設の再編整備及び警察力を強化するための県民理解と協力の確保について執行部の説明を求めます。  小風警察本部長。 146 ◯小風警察本部長 委員長初め委員の皆様には,平素,警察行政に深い御理解と御協力を賜り,心より御礼申し上げます。  まず,財政再建に関する警察本部の取り組みについて3点御説明申し上げます。  1点目は,組織及び定員の不断の見直しによる効率化の推進についてであります。  警察では,平成13年から県議会並びに県民の皆様の御理解を得て警察官747名を増員し,現在の定員は4,636名であります。しかしながら,警察官1人当たりの人口負担を見てみますと,全国平均が511名のところ,本県は644名と高く,全国第7位の高負担となっております。一方,一般職員も,定員が581人のところ平成10年から削減し,平成22年度には549人で運用することとしております。  このような厳しい状況に対応するため,警察では,県内全体の治安実態を踏まえ,組織及び定員の見直しを行ってまいりました。今後とも,関連業務の統合,パワーシフトによる適切な人員配置等によりまして効率的な組織運営に努めてまいりたいと考えております。  2点目は,予算の効率的な執行についてであります。  警察予算は約608億円で,県予算の5.76%であります。また,県民1人当たりの警察予算は約2万円で,これは全国44位という低い水準となっておりますが,警察といたしましても,県財政の厳しい状況を認識し,経費削減に努めるとともに,費用対効果を念頭に予算の効率的な執行に努めているところであります。  最後に,警察施設再編整備計画についてであります。  この計画は,夜間における治安体制及び初動体制の強化を目的として,今後3年間で交番を78カ所から90カ所程度に増設,駐在所を243カ所から160カ所程度に再編整備するものであります。これにより,治安体制の強化とともに今後30年間で約27億円の経費の削減を見込んでおりますので,計画の推進について委員の皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げます。  次に,行政組織の現状及び課題,今後の対応につきましては,警務部長から説明させます。以上でございます。 147 ◯石川委員長 ありがとうございました。  続きまして,警務部長からの説明を求めます。  山上警務部長。 148 ◯山上警務部長 それでは,続きまして,警察本部の行政組織の現状と課題及び今後の対応について御説明申し上げます。特に,本日は財政再建等調査特別委員会ということでございますので,具体的な数字も交えながら,お手元の資料に沿って御説明いたしたいと思います。  資料1の22ページをご覧いただければと思います。  本日お話しします項目は大きく分けて3つございまして,組織運営の効率化,警察施設の再編整備,3点目として警察力を確保するための県民の理解と協力の確保でございます。  まず,1点目の組織運営の効率化,資料1の22ページでございます。  まず,1の組織についてでありますが,御案内のとおり,日本国の警察の特徴として公安委員会制度がございます。公安委員会は,警察の民主的な運営と政治的中立性を確保するということを目的といたしまして,知事の所轄のもとに置かれ,大綱方針を定めて警察を管理することとされております。  次に,警察本部長の位置づけでございますが,本部長を含めて,警察官の階級で警視正以上のいわゆる地方警務官と呼ばれている警察官につきましては,県公安委員会の同意を得て国家公安委員会から任命されることとなっております。警察本部長は,警察庁長官の指揮監督に服し,全国警察が同一の基準により業務を執行しております。この点が知事部局とは異なる点でございます。  続きまして,2の,県警察の概要について御説明いたします。  組織は,警務部,生活安全部,地域部,刑事部,交通部,警備部,そして警察学校の6部1校から成っております。部の下に33の課などがあります。警察署につきましては,全部で28警察署。警察署のもとに,交番が78,駐在所が243設置されております。  次に,本年4月1日現在の定員でございますが,警察官が4,636人,一般職員が581人,合計5,217人でございます。いずれも,警察官をとりましても一般職員をとりましても,全国で人口では第11位でございますが,警察官,一般職員の数では全国第13位の規模にとどまっております。  次に,23ページをご覧いただきたいと思います。  警察職員の定員の推移を表でお示しいたしました。警察官につきましては,平成13年度から19年度まで747人の増員をお認めいただきまして,4,636人となっております。他方,一般職員につきましては,定員は581人でございますが,行財政改革大綱に基づく削減によりまして,現在は556人で運用しております。また,今後も平成22年度までに7人を削減し,549人とする予定でございます。  今後の県警の対応といたしましては,嘱託職員,または臨時職員への切りかえ,さらには,業務の一部民間委託によって,一般職員の削減を検討してまいりたいと考えております。  次に,24ページをご覧いただきたいと思います。  このページの上の表は,警察官1人当たりの負担状況を示しております。先ほど本部長から説明がありましたとおり,茨城県警察の課題といたしましては,増員をお認めいただいたわけでございますが,依然として警察官1人当たりの業務負担が全国レベルに比べると高いということでございます。この課題に対応するため警察といたしましては,警察官の増員が当面見込めない状況において,組織,定員の不断の見直しを行い,警察官の効果的な配置により治安の回復を図ってまいりたいと考えております。  下の段の表は,警察の予算に関する表でございます。  本年度の予算は608億6,100万円でございます。県の予算に占める割合は5.76%ということでございます。また,この資料には記載されておりませんが,県民1人当たりの警察予算は約2万円でございまして,全国レベルでは44位という低い水準となっております。平成20年度の予算につきましては,19年度に比較しまして約7億3,000万円,1.19%の減額でございます。  予算の主な削減項目は何かということであれば,右の欄に削減項目と削減額を掲げております。例えば,被服調整費が1億700万円,地域情報ネットワーク推進費が5,700万円等ということで削減されております。こうした削減によりまして,警察官1人当たりの被服費は,関東管区,これは関東管区は全部で10県ございますが,10県中最低の水準にとどまっております。  次に,25ページに,警察予算の内訳をグラフにしてお示しいたしました。このうち右の欄をご覧いただきたいと思いますが,今年度は一定の契約について随意契約から一般競争入札に移行いたしました。その結果,約2,700万円の削減が見込まれております。移行した契約といたしましては,具体的には自動車保管場所現地調査業務委託等,15の契約がございます。  県警といたしましては,今後とも一般競争入札の対象契約を拡大するなど,適正な予算執行に努めてまいりたいと考えております。  次に,3の,警察基盤の整備についてでございます。  平成13年度から19年度までの増員747名と申し上げましたが,具体的な配置先は表のとおりでございます。主な配置先としては,交番体制の強化に約180人といったことがございます。  続きまして,26ページにお進みください。  警察ではこれまでも,不断に組織及び定員の見直しを行ってまいりました。当面,警察官の増員は望めない状況にございますので,今後とも県内全体の治安情勢を踏まえるとともに,警察施設再編整備計画の実施に合わせて人員の配置の見直しを行ってまいります。本年度は,治安情勢などを考慮いたしまして,3つの課,1つの隊,警察署は10,この定員を削減するとともに,鹿嶋警察署,つくば中央警察署,取手警察署等,10の警察署を増員しております。
     次に,再任用職員,嘱託職員などの活用についてでございます。  県警では,本年度から警部以下の警察官にも再任用の対象を広げまして,警察官でいえば6名を再任いたしております。課題といたしましては,今後,再任用職員の効果的な活用が図られるよう,配置ポストについて引き続き検討することとしております。  右の欄の,再任用に関する今後の対応についてでございますが,定年退職者が長年培ってきました知識,技能などを確実に若手警察官に伝承し,警察執行力の強化に資することがメリットとしてございます。  なお,今後,再任用の上限の年齢が段階的に引き上げられ,28年度から任用期間が5年となることとなっております。県警では,平成28年度までに再任用者を段階的に50人まで拡大し,正規職員との振り替えを目指すことといたしたいと考えております。  再任用者を常時50人雇用した場合,どれだけの予算削減効果があるかということでございますが,お示ししましたように,試算でございますが,警部補との年収の差が1人当たり110万円ございますので,年間50人を再任用すれば110万円の50倍ということで,約5,500万円の削減効果があると試算されているところでございます。  次に,左の欄の方の,イの嘱託職員の活用についてご覧いただきたいと思います。  交番の相談員制度は平成6年から導入されまして,議会,そして財政当局の御理解を得まして,本年度までに県下78の交番のすべてに交番相談員を配置しております。また,スクールサポーターでございますが,これは平成18年度からすべての警察署に1人ずつ配置しております。今後,交番相談員の方につきましては,20年度中に新たな交番8カ所の開所が予定されておりますので,これらの交番への配置も検討してまいりたいと考えております。  なお,スクールサポーターに関連して申し上げれば,これと同様の活動を行っているものとして,文科省の事業であるスクールガードリーダーというものがございます。スクールサポーターは警察署に配置されているわけですが,スクールガードリーダーは,市町村の教育委員会を活動の拠点としているものでございます。このスクールガードリーダーは,現在,40の市町村で67人の方がガードリーダーの仕事を委託されておりますので,スクールサポーターとスクールガードリーダーとの連携を一層強化しまして,子供の安全を守る活動を推進してまいりたいと考えております。  また,右の欄の一番下に掲げてございますが,交番相談員及びスクールサポーターを合わせて106人になります。これを警察官で対応した場合と嘱託職員で対応した場合の経費,どれぐらいの差が生じるかということをまた試算してみました。その削減効果は,毎月当たり,1月で1,700万円の差が出るということでございます。今後とも嘱託職員の効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。  続きまして,27ページをご覧いただきたいと思います。  知事部局との交流人事についてでございます。  現在の状況でありますが,知事部局と警察は関連業務について従来より人事交流を行ってきているところでございます。  今後の対応といたしましては,業務の関連性のほか,業務の効率性を念頭に,また他の県における状況なども参考として,人事交流に関する検討を引き続き行ってまいりたいと考えております。  次に,資料の(5),ITの活用による組織の効率化についてでございます。  これまでも,犯罪発生情報ネットワークシステム,遺失物管理システムなどを整備し,省力化を図ってきているところでございますが,今後の対応といたしましては,大型汎用コンピューターにかえてオープン仕様のコンピューターシステムに移行することによって,運用経費の削減,そして業務の効率化を推進してまいりたいと考えております。  次に,資料の4,事務事業の見直しでございます。  (1)の既存の事業の見直しにつきましては,警察がこれまで行ってまいりました事業の見直しをお示ししております。逓送業務,これは警察本部と警察署の間で物品や文書の輸送を行うものでございますが,こういった逓送業務の民間委託,あるいは放置駐車車両の確認などの民間委託,さらには,受付窓口職員の臨時事務職員への振り替え等をやってきております。  警察におきましては,先ほども御説明しましたとおり,平成22年度に運用定員を549人とすることとしております。なお,一般職員,主事レベルでございますが,これを臨時事務職員に振り替えた場合は年間約210万円の経費の削減となります。職務に応じてこうした振り替えを検討してまいりたいと考えております。  また,その下,(2)の類似業務の統合による効率化ということでございますが,これまで,本部の庶務業務を統合することによる合理化,あるいは護送業務の集中運用による業務の効率化を図ってきたところでございます。集中護送は,被疑者などの護送を個別に行う場合には被疑者1名につき警察署に3名が必要であったということでございますが,これを集中して行うことにより各警察署の護送要員が1名で済み,平成19年1年間で,延べの数字でございますが,約5,600人の減員効果がございました。  このように集中護送は非常に有効でございますので,今後は検察庁とも協議を行い,まだ実施しておりません県西方面での集中護送の実施に向け準備を重ねているところでございます。  次に,(3)関連団体への支援状況でございます。  出資団体は,茨城県防犯協会,暴力追放推進センターの2団体でございます。これら2団体につきましては,別途,経営評価が行われ,おおむね良好との評価を得ております。  補助金の支出でございますが,平成20年度予算で,防犯協会,茨城県警察ときわ会,いばらき被害者支援センター,自動車安全運転センターにそれぞれ支出をしているわけでございます。  なお,本20年度から,茨城県交通安全協会,茨城県暴力追放推進センターへの補助金を廃止しております。交通安全協会につきましては,19年度は320万円支出しておりました。暴力追放推進センターについては400万円支出しておりました。これを廃止いたしました。関東管区内10県におきまして補助金を廃止している県を確認いたしましたところ,交通安全協会については茨城のほかは栃木のみ,暴力追放推進センターについては茨城のほかは埼玉,静岡のみという状況でございます。  次に,大きな項目の2番目の,警察施設の再編整備について御説明いたします。  資料の28ページをご覧いただきたいと思います。  警察施設の再編整備の必要性でございますが,治安情勢の悪化にもかかわらず警察活動の拠点となる警察署や交番駐在所は変わっていないことから,これらを現在の治安情勢や社会経済情勢に対応した配置や管轄区域に再編する必要がございます。  この必要性に基づきまして,警察におきましては,警察署等再編整備構想,いわゆる構想と称するものを策定したわけでございます。この構想につきましては,今後の治安情勢,社会経済情勢の推移や県の財政事情などを考慮しつつ,実現に向け検討を重ねてまいりたいと県警としては考えております。当面は,夜間における治安体制,そして初動捜査体制に強化することを考えております。  資料の2の,必要性のところをご覧いただきたいと思います。28ページから29ページにかけて記述されております。  県民の生活の夜型化,24時間化に伴いまして,凶悪犯の72%,交通死亡事故の52%,緊急配備件数の72%が夜間に発生しているという実態がございます。また,(2)のように,県民の体感治安といったものもなかなか向上しないという状況にございます。  さらに,本県茨城の特徴でございますが,交番と駐在所ということでいえば,駐在所の比率が75%。全国に比較して非常に高い状況にございます。駐在所が多いということで,夜間における治安体制が脆弱であるということは否めないわけでございます。また,駐在所の老朽化も進んでおります。この表にございますけれども,全国にある築後35年以上の駐在所の約半分が茨城に所在しているということで,茨城が全国ワースト1位という状況でございます。  こうした状況を踏まえまして,県内の事件,事故の夜間発生傾向に的確に対処し,治安維持を図っていくため,夜間体制,初動捜査体制の強化が喫緊の課題と判断し,最優先事項として,交番,駐在所の再編整備に取り組むこととしたわけでございます。  右の方の欄をご覧いただきたいと思います。  警察では,平成20年度から22年度の3カ年にわたり警察施設再編整備計画を策定いたしました。これは,夜間における事件,事故が多発している地域の駐在所を統合し,交番の新設,駐在所の大型化,パトカー要員の増強を行うものでございます。  29ページにございますように,この方針により,現在78の交番を90所程度に増設,243ある駐在所を160所程度に再編整備するものでございます。  この再編計画によって経費はどういう影響を受けるかということでございますが,大幅な削減効果があると見込んでおります。統合駐在所の建設経費,維持管理費等の削減により,今後30年間で約27億円の削減効果があると見込まれております。なお,この計画により,平成20年度の新設交番につきましては,この欄の右側に記載した8つの交番でございます。一つ一つの交番の建築費につきましてもできるだけ縮減するということで,木造と鉄筋コンクリートでは1カ所当たり1,000万円の差がございますので,経費の安い木造交番の導入に努めてまいりたいと考えております。  長くなりましたが,最後に大きな項目の3点目を手短に御説明いたします。  警察力を確保するための県民の理解と協力の確保でございます。  まず,現状でありますが,警察では,県民の皆様に警察活動を理解していただくため,適切な広報・広聴活動の推進,苦情への適切な対応,警察署協議会の委員の皆様からの提言を受け,それを警察署運営に生かす活動を行っております。今後,広報関係では警察の活動が県民に理解されるよう積極的な広報に努めるとともに,ホームページなどを活用し,印刷製本費の削減にも努めてまいりたいと考えております。  課題といたしましては,都市化,核家族化などの進展に伴い,住民の連帯意識が希薄化し,地域の犯罪抑止力,警察への情報提供などが低下しておりますので,現在,自警団については864団体,6万1,600人の方に参加していただいているわけですが,こうした方々を支援することにより,地域の連帯感,防犯意識の高揚にも努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 149 ◯石川委員長 ありがとうございました。  それでは,質疑に入ります。委員の皆さんから質疑をお願いいたします。  鈴木(徳)委員。 150 ◯鈴木(徳)委員 参考のためにお聞きするんですけど,けさの新聞で,モラルの問題以上の相談事というか,110番に公衆便所からトイレットペーパーを届けてくれとか,磯にクーラーボックスを忘れてきたからそれを持ってきてもらえないかとか,そのようなことがずらっと新聞に出てまして,こんなことまで相談するのかなというようなことを感じるんですが,警察署で聞きますと,本当に生活の果ての果てまで相談に来るんですよということで,困っちゃうんだけど,民主警察で対応しなきゃならないから一応対応しているんですけどということなんですけど,それについての対応の人件費と言ったらあれですけど,それにかかる労力というのか人件費というのか,そういうのは数字にはピタッとは出てこないでしょうけど,どのような感じがしますか。 151 ◯山上警務部長 ちょっと人件費という形では数字を今持ち合わせてないんでございますが,今の御質問に関連しまして実態がどうなっているかということでございますが,平成20年4月末における110番の総受理件数は7万809件でございます。このうち有効なものとして受理されたもの,有効な110番の受理件数は,5万7,339件ということでございます。  内容的には,最も多いのが交通関係。これが30%を超えております。そのほか,各種照会が20%弱といったところがございます。  こうした中で,まさに不要不急のものというのがどれぐらいあるのかということでございますが,例えば,車が故障してしまったのですがどうしたらいいでしょうかというような要望,相談が,当県においてもございます。このような緊急性の低い110番通報が全体の中でどれだけ占めるかということでございますが,私どもの集計では,約4本に1本,25%が緊急性の低い110番通報でございます。  私ども県警といたしましては,110番は緊急電話であるという周知をより一層図っていかなければいけないということで,毎年1月10日は「110番の日」ということでございますがこうした機会を利用して,110番の緊急性といったものについて広報活動を従来より図ってきておりますし,今後とも一層図ってまいりたいと考えております。 152 ◯鈴木(徳)委員 うちの警察署で聞いた話なんですが,これらに丁寧に対応していると,嘱託の職員さんといえども幾らふやしてもなかなか大変だという話も聞いたんですが,県警として広報をどういうところに,こういうことはいけませんよと。例えば,けさの新聞だと,携帯電話が料金高いから何とかしてくれと警察に言われたって……。そんなことがあるのかなというのがけさの新聞には載ってましたけど,薄々はそういうことをうちの警察署でも随分聞いていました。ですから,これを県警本部だけじゃなくて県庁あるいは学校,あらゆる機関をあれして,警察の役目はこういうふうなんだということをやれば,それを労力といえば労力,お金に換算すれば人件費ということになると思うんですけど,大分減るんじゃないかと思うんですけど,そういうことは考えていないですかね。 153 ◯山上警務部長 今の質問に対する直接のお答えになるかどうか定かではないんですけれども,一つ難しい問題は,110番通報が,入電した時点で直ちにこの110番通報は緊急性があるかないかというのは瞬時に見分けがつかないというケースが多々ございます。話しているうちにこれは緊急ではないなということがわかってくるということでございますので,今,警察の方で努めておりますのは,110番の受理,実際に話している時間をできるだけ短縮するということによって,いざ緊急の通報が来たときに支障を来さないようにしたいということも考えております。  ただ,ここは委員御指摘のように,電話を受ける警察側の対応だけで解決できる問題ではございませんので,県民の方々の理解,協力あってのものだと思いますので,県警としては広報活動に努めてまいりたいと考えております。 154 ◯鈴木(徳)委員 最初に申しましたように,けさの新聞で改めて驚いたわけでありますが,県警本部としてもこれから,そういう新聞社等,あるいはテレビを含めて一般の人に知れ渡るように,こういうことは110番にかけてはいけませんよというのか,これは違いますから,ほかの捜査なり,本来の職務に非常に影響するからということをアピールして,そして,そういうことは本当に困っているんでしょうから,そういうことを申し込んだらいいと思うんです。 155 ◯石川委員長 ほかにございますか。  森田委員。 156 ◯森田委員 以前に,何年か前にちょっとお話し申し上げたんですが,本当に忙しい警察業務の中で,きょうも話の中で交通関係に非常に手を取られるという話がありました。軽微な,簡単な交通事故,物損事故の簡単なものですね,あのためにすぐ出動して,計ったり事情聴取したりしてやってますよね。ああいう簡単な事故に対して交通事故センター的なもの,いわゆる警察業務じゃなく,そういう関連機関をつくって,警察の人は警察本来の業務に専念できるような環境づくりができないものかなということで前にちょっと申し上げたことがあるんですが,駐車違反の取り締まりを民間の方に委託してやってございますよね。ああいう形でできないかなと。そうしたらそのときは,我が茨城県だけでは難しいけれども,そういう動きも待ちたいという話だったんですが,そういう動きというのは全国的にはないんでしょうかね。 157 ◯小野警務部参事官兼警務部会計課長 違法駐車の関係がございましたので,私の方で会計事務を取り扱っておりますので,交通部等も含めて,今のところそのような話は承っておりません。ただ,それがもし現実化するならばすばらしいことであると思うんです。ただ,それが,例えば物損といいますか,物と物との衝突だけで終わっていればいいんですけど,それが,けがが出たとなると人身事故に切りかえるということなんで,その辺がネックになっているのかなと思います。必ずその点は交通部の方にも伝えたいと思います。ありがとうございました。 158 ◯森田委員 結構でございます。 159 ◯石川委員長 常井委員。 160 ◯常井委員 警察は治安の維持ばかりじゃなくて,生命,財産ばかりじゃなくて,県政のいろんな,産廃,あるいは企業の誘致についても治安の維持というのが前提になってきまして,非常に大きな大事な部署になって,県政との結びつきが強いわけですね。その中で,指揮系統は警察庁長官から本部長に行って,財政は基本的に県の方から行ってという部分がありますね。人件費なんかは,例えば交付税措置でされているとはいいますけれども,大体7割から8割の間,そのほかは県の持ち出しということで,予算と指揮系統が違うということでなかなか難しいやり方だと思うんですが,そういう中で,今回,人事交流を検討されるというような方向づけをされておりますが,今の段階でまだ具体的には進んでいないのかとは思いますけれども,どういう方向性でどういう人事の交流を考えていけるのか,お考えがあったらお伺いしたいと思います。 161 ◯山上警務部長 人事交流につきましては既に実施しておりまして,例えば,県警から県庁,あるいは県内の市町村へも人員の出向派遣を行っております。一番最近の例でございますれば,神栖の市役所に対して警視を1名出向させるというようなことも積極的に推進してきているところでございます。 162 ◯常井委員 警察から行政へ派遣する形での人事交流というのは,県の要請に基づいて随分行われているようなんですけれども,県の知事部局から県警への受け入れといいますか,そういう部分についてはこの検討の対象ではないということなんでしょうか。 163 ◯山上警務部長 現在,県の土木部の道路維持課の職員の方1名が併任で県警本部の交通規制課において勤務しております。したがいまして,県の方からも警察として人員の受け入れをしてきているというところでございます。 164 ◯常井委員 私の考えとしては,県政との結びつきは自治体,警察を通して強くなっているので,ある程度,前も委員会で述べたことがあるんですけれども,予算の獲得とかそういう仕方においても警察はちょっと上手じゃないなと思うところがあるんですよね。そういう意味では,人も受け入れて,知事部局との意思疎通もうまくいって,そういう中で警察の事情もよくわかってもらって,予算を獲得したり,円滑な県政全般の運営に当たっていく方法があればなというふうに思っているものですから,そういう観点で検討される余地があるのかどうかということをお伺いしたんですけれども,いかがでしょうか。 165 ◯山上警務部長 先ほど来御説明しましたように,県警は警察官は増員をしてきたわけでございますが,一般職員については32人削減するという状況に置かれているわけでございます。県の方から警察として人員を受け入れるということでありますれば,まず一義的には一般職員ということで受け入れることになるかと思うんですが,当の一般職員が全体のパイとしてはこのように削減を余儀なくされているということで,どうした形で受け入れていけるのかといった点は慎重な考慮を必要とすると思います。また,1名という数字が,例えば他県と比べてどうかということでございますが,隣県の栃木も,警察が県庁から受け入れている人員は1名ということでございます。また,本県とほぼ同規模の長野県におきましても2名ということでございます。  そういった他県の例なども踏まえつつ,検討を重ねてまいりたいと考えております。 166 ◯常井委員 もう一点なんですけれども,茨城県は駐在所が多いということはきょうの資料でわかったんですけれども,今,駐在所を減らす前の現在の形として,前は駐在所は,家族が一緒に住んで,そこに住み着いて地域に溶け込むという前提で今まで来たと思うんですね。その姿が,私は警察の大もとの基盤になっていると思うんです。それが茨城県はほかの県に比べて多いんだけれども,今度削っていくと。しかも,最近は単身で,警察官だけがそこの駐在所に寝泊まりして,土,日は家族のもとに帰る,そういう形になってきているようなんですが,原則は警察本部としてはどっちに置いていくのか,家族なのか単身なのか,その辺の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。 167 ◯山上警務部長 いま委員御指摘の,駐在所が地域においていわばコミュニティーセンター的な役割を果たしてきたというのは,私どもも十二分に認識しているところでございますし,そうした重要性は今後も維持されるべきものだと考えておりますが,私が申し上げた説明でちょっと誤解を招いたかもしれないんですが,駐在所が多いから減らすということではなくて,むしろ,交番,駐在所がこのような比率であることが現在の県内の治安情勢に対応しているのかどうかということをよく考えなければいけないということでございます。  駐在所につきましては,御案内のとおり,基本的には警察官が1名いて,日勤制でございます。ですので,居住はしておりますが,夜間は居住部分に引き込んでいるということでございます。また,交通手段としても,パトカーは基本的に配置されてない。原付バイクなりで対応しているということでございます。  この一方,交番につきましては24時間勤務でございます。常に制服を着た警察官がいるということでございますし,交通手段としてはパトカーを備えているということでございます。したがいまして,現在,県内,コンビニ強盗とか頻発しているわけでございますが,こうした夜間の犯罪に対応する体制としては,警察施設としてはやはり交番を充実させていく必要があるのではないかと,こういうことを申し上げたところでございます。 168 ◯常井委員 いま部長が言われたことは当然わかっているわけなんですけれども,家族居住を原則とするのか,その方針の問題ですよね。現在の単身と居住の割合をまずお聞きして,茨城県警本部としては,前の委員会で私の質問を受けたときには家族居住を原則とするんだということを言っていたんですが,どうもいろいろ子供の教育の問題とかあって,警察がそういうふうに言い出しちゃったんでは世の中も終わりだなと思った部分もあるんですけれども,そういう方針はきちっとこの際に明確にしていっていただいた方がいいのかと思ってお聞きしております。お願いします。 169 ◯石川委員長 小島警務課長。 170 ◯小島警務部参事官兼警務部警務課長 以前,地域課長をやっているときに委員の御質問をうちの統括官が答えた記憶がございますが,それ以来ずっと,駐在所の配偶者の同伴化は進めておりまして……。ただ,現状では,職業を持っていたりすることが昔と違って多いということがありますと同時に,若い層が多いものですから既婚者がいないという実情もございましてなかなか進まないような現状でございましたが,最近になりまして大分若い層が結婚し始めまして,この適任者がふえているかなという印象は持っておりますので,県警としてもそういった家族の同伴を進めるような方向で,現状でやって努力していることは間違いないことでございます。 171 ◯常井委員 重ねて質問させてもらって,同じ方向だということをお聞きして安心した部分もあるんですが,交番化とか夜間体制の強化とかいうのは非常によくわかるんですけれども,警察の足腰というのは,やはり地域にお巡りさんとして根づいて,子供たちの運動会とか地域行事に家族で行って,そこでお巡りさんの姿を見ていて,あこがれてお巡りさんになっている人もいるでしょうし,牧歌的な部分ばかりかもしれませんけどもね,それがやっぱり警察の大もとにあるんじゃないかなと思っているんですよ。ですから,その体制は今後も,今のような答弁で駐在をどうあるべきかというのは常に考えていただきたいし,維持していただきたいというふうに思っております。  終わります。 172 ◯石川委員長 ほかにありますか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 173 ◯石川委員長 ないようですので,警察本部関係についての調査をこれで終了いたします。  以上で,本日の議事はすべて終了いたしました。  次回委員会は,5月30日10時30分から予定しております。  これで委員会を閉会いたします。御苦労さまでした。                 午後3時18分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...