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  1. 茨城県議会 1998-09-17
    平成10年予算特別委員会  本文 開催日: 1998-09-17


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                 午前10時35分開議 ◯潮田委員長 ただいまから,予算特別委員会を開会いたします。        ─────────────────────────── 2 ◯潮田委員長 本委員会は,執行部を交えての初めての委員会でありますので,一言ごあいさつ申し上げます。  第1回定例会におきまして,当委員会の委員長を拝命いたしました潮田でございます。  本委員会は,昭和42年の第2回定例会におきまして,予算を総合的に検討し,予算審査の一体性を確保することを目的として設置して以来,この目的に沿って運営され,大きな成果を上げてまいりました。県内の経済情勢は,内需面を見ると,消費関連の動向に改善の動きは見られず,外需についても,東南アジア等の経済混乱の影響が続いていることから,雇用状況も,また失業者数が過去最高を更新するなど悪化傾向を強めております。今後,政府による大型の景気対策が実施されますが,雇用情勢の悪化が消費者マインドに悪影響を与えることなどが懸念され,個人消費等内需の早急な改善が厳しいものと考えられることから,本県税収も大きな伸びは期待できない状況にあります。こうした中で,財源の適正な配分,効率的な執行を目指す上からも,予算審査の重要性はますます高まっており,当委員会の使命も大きなものになっております。  この時期に,当委員会の委員長を拝命いたしましたので,身の引き締まる思いでありますが,予算審議の適正な審査,委員会の円滑な運営に全力を尽くしてまいる所存でございます。委員並びに執行部各位におかれましても,適切な委員会運営ができますよう御協力をお願いいたしまして,あいさつといたします。  なお,副委員長がおくれておりますので,来た時点にごあいさつをいただくことにいたしますので,よろしくお願いいたします。        ─────────────────────────── 3 ◯潮田委員長 次に,委員席についてお諮りいたします。  委員席につきましては,ただいま御着席のとおりといたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 4 ◯潮田委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。        ─────────────────────────── 5 ◯潮田委員長 本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  塩田委員と飯塚委員にお願いいたします。        ─────────────────────────── 6 ◯潮田委員長 これより議事に入ります。  知事から,知事公室長が公務のため,本日の委員会を欠席したい旨の届け出がありました。委員長においてこれを受理いたしましたので,御了承願います。         ───────────────────────────
    7 ◯潮田委員長 本委員会に付託されました案件の審査を行います。本委員会に付託されました案件は,第 110号議案ないし第 121号議案及び第 140号議案の13件であります。これらの案件を一括して議題といたします。  これより通告に従って,質疑を行います。  お手元に,昨日16日に開催いたしました理事会の決定事項を配付しております。これに基づいて,1委員の持ち時間を質疑,答弁を合わせて,おおむね40分といたしたいと思いますので,御協力をお願いいたします。  なお,質疑,答弁は,要点を簡潔,明瞭にお願いいたします。  それでは,これより質疑に入ります。  最初に,加藤委員。 8 ◯加藤委員 ただいま御指名をいただきました加藤浩一でございますが,通告に従いまして,まず最初に,那珂川の河川改修の促進等について,ここで,まず最初に改修促進に向けた今後の県の取り組みにつきまして,橋本知事にお伺いをいたし,かつ,2つ目の質問といたしましては,流失をいたしました寿橋の復旧対策について,土木部長にお伺いをするものでございます。  さきの大雨による災害の元凶となりました那珂川の河川改修について,その整備促進について伺うものでありますが,8月28日から30日にかけまして,この大雨によって,那珂川周辺は,大洪水によって多大な被害を受けたところでありまして,水戸市を初めといたします那珂川沿岸市町村の住民の皆様方に心からお見舞いを申し上げると同時に,一昨日の台風で再び浸水をした,あるいは被害を受けた多くの方々が一日も早く平常な生活に戻れるよう願ってやまない次第であります。  今回の那珂川の大水害に関しましては,既に本会議等々で一般質問において,我が党の石川多聞議員が知事に総論的な視点から今後の対応を質問いたした次第でもございますし,私も,担当である土木委員会におきまして,個別的な観点から,執行部にその考え方をただし,対応について尋ねてまいった次第であります。  特に,今回の水戸市の水害による被害につきましては,知事みずから被災地の視察に数度にわたり御視察をされて,その被害の大きさをつぶさにごらんになって,御承知のとおりであります。さらに,報告にもありましたとおり,浸水家屋は,水戸だけでも床上,床下,合わせて,8月28日だけで 654棟と,またさらに1日おいて30日にも再び浸水の被害に遭う状況に至りました。さらに,田畑の農作物を初め,公共施設の被害を含めますと,相当な被害額に達するところでありまして,特に,二度にわたり,あるいは三度にわたり被害を受けた家屋や農作物は,特に農作物などは全く全滅をするほどの被害を受けたところでありまして,さきの補正予算で全壊の措置はとったものの,大変な被害を受けたところであります。  さらに,一昨日,本県を襲ったこの台風によっては,時間的には短い通過ではありましたけれども,しかし,それでもなお飯富,あるいは藤井,田谷,それから岩根等々の再びの浸水を見たところであります。  12年前の台風等については,100 年に一度と,こういうような執行部の説明等々もありまして,その大被害をこうむった執行部の説明の言にたがいして,12年に,しかも3回それらの被害をこうむるような状況に至りました。今回の被害を受けました状況を私はつぶさに見て歩いたわけでありますが,これは,すべて12年前の水害に当たって,整備がなされなかったところからの浸水被害でありました。さきの12年前の被害が教訓とされて生かされてなかったと,こういうふうに感ずるわけであります。特に,今回の場合には,寿橋の流失を初めとして,この水府町の堤防等々につきましては,緊急災害の事業期間内にまた再び起きたということ,さらには,田谷地区を襲ったこの浸水等々につきましては,境川の逆流によって多くの被害を受けたわけであります。特に,この境川の流失部分につきましては,那珂川の下流の堤防よりも一段と低いということで,堤防のかさ上げを求めて,整備促進の最中でありました。今回は,幸いにいたしまして,その堤防を超えることはありませんでしたけれども,境川の逆流によって多大な被害を受けました。さらに,岩根地区,あるいは藤井地区におきましても,一部那珂川に無堤地区,いわゆる堤防のない地域があることによりまして,岩根はまたたく間に浸水をしたわけでありますし,この那珂川の支流であります藤井川,そしてその支流であります西田川から,この流失がされることによって岩根全体が水没をしてしまったと,そういうようなことを考えたときに,この岩根,藤井を救っていくためには,那珂川の無堤地区の解消の一日も早い促進が考えられるわけでありますし,なおかつ西田川の逆流水門の設置が整備されていれば,このような被害はなかったわけであります。  さらに,西田川の上流部分であります茨城県が管理する,この上流部につきましても,堤防がないということで,ここからの流失によって藤井の農作物は大打撃をこうむりました。さらに,藤井川上流は,工兵橋という橋がありますが,その下の50メートル下が下流部分からすると,極めて低い堤防ということでありまして,そこからオーバーフローしたというような現況にございました。飯富地区の漏水は,いち早くこの藤井川の漏水が防止されたということで 123号線は辛うじて救われたところでありますけれども,これらの緊急な対応も必要であります。さらには,田野川の上流につきましても,この上流にいったところで常磐高速道路の橋脚部分については,一部田野川の堤防が寸断をされております。そこまで那珂川の水位が上がれば,そこからさらに逆流をして,この飯富地区が被害をこうむるというふうな状況にございました。そういうことを考えたときに,この那珂川の,あるいはそれぞれの支流の堤防の一日も早い促進並びに逆流水門の設置を強く望んでやまない次第であります。  そうした思いに対して,さらにはもう一方,この石川川,いわゆる常澄地区に関します,この石川川が依然として河川改修がなされておりません。このことによって,そこに位置する秋成,大場,島田,こうしたところが水位が上がるたびに冷や冷やした生活を送っているところであります。こういう現況につきまして,今回の極めて大きな被害に対して,知事が,国,あるいは茨城県としての対応をどのように考えておられるのか,この決意のほどを再び聞かせていただきたいと,かように考えるわけであります。 9 ◯潮田委員長 加藤委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 10 ◯橋本知事 加藤委員の御質問にお答えいたします。  今回の水害につきまして,被害に遭われました方々,まことにお気の毒でございまして,お見舞いを申し上げますとともに,同時に,私どもといたしましても,こういったことが二度と起きないように早急に対応策を講じなくてはいけないとの思いを強くしておるところでございます。一日も早い災害の復旧,被災者の救援に今後とも全力で努めてまいりたいと考えております。  お尋ねの那珂川の改修促進に向けた県の取り組みについてでございますが,那珂川の水害対策といたしましては,本会議でもお答えを申し上げたところでございますけれども,無堤区間の堤防整備及び那珂川へ流入する河川への逆流防止対策が緊急の課題となっているところでございます。現在,万代橋付近で堤防整備が実施されており,その整備率は71%となっているところでございますけれども,緊急改修区間のうち,左岸側には未整備区間が多く残っているため,県といたしましては,この整備をより一層促進するよう国に強く働きかけてまいりたいと考えております。  また,緊急改修区間以外であっても,今回大きな浸水被害があった地域につきましては,新たな事業の採択等について強く要請してまいりたいと考えております。  先般,9月3日にも,建設省の関東地方建設局の河川部長が現地の調査に来られたところでございますけれども,その際にも,具体の箇所についていろいろな意見交換を行ったところでございますし,また,お願いもしたところでございます。  また,その後9月4日にも,今回の災害に対して建設省に強くお願いをしに参っております。  今後とも,来年度の予算編成に向けて,那珂川の改修事業促進について強く要請を行っていきたいと考えておりますが,先ほどのお話にもございました岩根地区等につきましては,例えば,建設省の方でも予算の確保,あるいは堤防用地の取得の問題など問題点はございますものの,できるだけ早急に着手したいとの意向も言ってくれておるところでございますので,今後とも,私どもといたしまして,最重点課題として那珂川の河川改修という問題に取り組んでいくよういろいろな形での働きかけなども強めてまいりたいと思っておりますし,県としても頑張っていきたいと思っております。 11 ◯加藤委員 ありがとうございました。知事には,ぜひひとつ最重点課題として河川改修を行っていきたいと,この決意をいただきました。この声が被害を受けた,あるいは被害を受けなかったにしても,すれすれのところで免れた住民にとって大きな支えになるだろうと,このように感ずるわけでありますので,ぜひお願い申し上げて,知事に対する質問を終わります。ありがとうございました。  続きまして,土木部長に,先ほど流失いたしました寿橋の復旧等についてお伺いをする次第であります。  時間もありませんので,極めて飛ばして説明するようなことになるかと思いますが,御承知のとおり,この寿橋は,水戸市がかつて明治時代,この隣の,今はひたちなか市でありますが,その当時,川田村と言ったところでありますが,川田村枝川と,この水戸市とをかつては渡し船でつないでいた。それが大正の元年に寿橋が建設をされたということで,自来大変地域に密着をした利用をされておったところでございます。今回,この洪水によって流失をしたところでありまして,この緊急な復旧が必要だというように感ずるわけであります。御承知のとおりいろいろ資料を見てみましたら,茨城県が有する橋の中で最も古い橋であったというふうに記され,なおかつその経過等々も今までの歴史上大変貴重なものであったというふうにも記されておりました。寿橋というのは,極めておめでたい橋だというようなことから,お互いの行政区がこの橋によって結ばれたということで,極めてめでたいということで,寿という言葉がつけられたというふうにも記されておるところであります。  今回,これらが流失をされたというようなことで,これらの復旧についてどのように考えておられるのか,伺うところであります。  一昨日のこの補正予算におきまして,今回の寿橋は新しい永久橋を整備する方向で調査費を計上したと,このようなことになっておるわけでありますので,現在までの,この愛着を持った寿橋をどのように復活をしようとするのか,まずこの件について伺うものであります。 12 ◯不破土木部長 寿橋につきまして,今後どのようにしていくのかという御質問でございます。  委員が御指摘になりましたとおり,県管理の橋では最古のものでございます。幾度か災害復旧や補修を経まして,現在の状態に至っていたわけでございますが,今回の那珂川増水によりまして,28日の午前4時に延長 146メートルの橋梁が一部を残しまして流失いたしたところでございます。  流失いたしました寿橋は,橋脚間の距離やけたの高さ,橋の長さなどが短い等構造的には治水上の問題点,つまり河川の流れを阻害する形となっていたわけでございます。  那珂川の堤防改修工事は,平成12年には完成の予定でございますので,流失前の形で復旧しますと,堤防が完成した後にも,洪水時に川の流れを阻害し,上流部では堤防の決壊等の要因にもなると考えられております。  また,これまで以上に流失する危険も高くなる可能性もございますので,治水上の問題を解決するためにも,河川の改修計画にあわせまして,永久橋を早急に建設したいと考えております。 13 ◯加藤委員 今,話の中で,私は,歴史と伝統のある,そして住民に極めて愛着を持った寿橋をどのように再構築するのかという質問に対しましては,平成12年に堤防が完成すると,その堤防にあわせて新しい永久橋をつくるんだというふうなことでありましたが,どのように架け替えようとしているのか,どういうふうな状況でこれを架け替えようとする要素なのか,これについて伺っておきたい。どういうふうな状況,どんなふうな形になっていくのか。この場所に移るのか,あるいは今の場所に再構築されるのか,場所が移って建設されるのか,その辺について,どのように架け替えようとしているのか,伺っておきたいと思います。 14 ◯不破土木部長 どのあたりに架けようかという御質問でございますが,寿橋の架かる県道水戸枝川線は,水戸市内ではかぎの手状に折れ曲がっておりまして,幅員も狭く,永久橋を現在の位置に架けますと,多数の家屋移転を伴う改良工事を実施せざるを得ないと考えております。そういう意味で,非常に困難を伴うことが予想されております。  また,流失いたしました寿橋の上流に架かります水府橋と下流の6号国道に架かります水戸大橋の間は,約2キロメートルの距離がございます。那珂川を挟みました両地区の今後の振興とつながりを考慮いたしますと,おおむね中間に建設することが有力ではないかと考えております。  また,実現性の面からも,これがよいものと考えております。  それに加えまして,ほぼそれに近い位置に,水戸市側におきまして,都市計画道路3・4・10号線というものが都市計画決定されております。これを生かした位置での架橋案を水戸市,ひたちなか市と協議してまいりたいと考えております。 15 ◯加藤委員 今,都市計画道路を計画をしている。それについて架け替えていきたいというふうな話がありました。これは,私は,確かに今指摘をされたように,元の位置は大変かぎの手になっているということも事実であります。これは城下町の特徴でありますからそういうことでありますが,この都市計画道路は,ここも途中までしか来ておりませんから,これが延びていくためには,今,家屋の移転が大変だと言ったけれども,家屋の移転そのものを実際にやらなければならないんですね。いつごろまでに,どういうふうな協議をして,いつごろ着工するのか,まず,着工する時期,そして完成する年度,このものについて伺っておきたいと思います。 16 ◯不破土木部長 実際に全線を完成するとなりますと,それなりの期間がかかります。地元住民の皆さん方の生活道路の確保の観点からも,永久橋は一日も早く完成させたいと考えております。  そういうことで,両市はもとより,一番問題となります河川管理者等関係機関との調整も年内には始めていきたいと考えておりますし,また,架橋位置を含め,ルートについても早急に結論を出したいと考えております。 17 ◯加藤委員 早急というのは,いつごろになりますか。 18 ◯不破土木部長 本年度は,ルートの決定と,それから橋梁の予備設計にも着手してまいりたいと考えております。来年度には,国補事業の採択を受けるよう努力いたしまして,本格的な工事にも着手していきたいと考えております。  それから,実際に完成する段になりますと,詳細設計の段階でかなり詳細な河川管理者との協議がございまして,それらを入れまして,工事等も入れまして,3年から4年ぐらいはかかろうかと考えております。  その早期完成に当たりましては,両市の協力も得たいと考えておりますし,また,地元の皆さんとの協議を経て,御理解も得ながら早急に完成するよう努めてまいりたいと考えております。 19 ◯加藤委員 今,3年ないし4年かかると,来年でも着工したいと,こういうふうな話でありました。大変早い時期の着工と年数でありますが,しかし,今,3年ないし4年かかるということになると,その間全く行き来がなくなってしまうということになりますので,何とかその辺を,今あったところに仮設橋でも何でもできないのかどうかということも検討していただきたい。このことは,ひとつ対応で結構でありますから,答弁は要りませんが,今の橋のところも3年も4年も全くこれは交流がなくなってしまうということに対しては,生活上極めて不便だと,こういうこともありますので,そのことについてぜひひとつ協議をいただきたい。このことをお願い申し上げまして,土木部長に対しての質問を終わります。ありがとうございました。  続きまして,県庁舎の跡地について,知事にお尋ねをするものであります。  いよいよ新県庁舎が来年4月には2週間程度をもって,4月の下旬に移転をすると,大変な作業になるわけでありますが,県民のサービスの低下につながらないために,ぜひひとつ敏速な準備をお願い申し上げたいと存じます。  ところで,この跡地についてお伺いするわけでありますが,この県庁跡地は,行政,文化の極めて重大な本県にとって一区画をなしてまいりました。歴史的にも,本県の中核としての機能を長年にわたって果たしてまいったところであります。そうした中にあって,今回,跡地の利用等については暫定利用ということでございますけれども,その暫定利用にとって,県民にとっては極めて重大な関心事であります。特に,長年にわたって水戸市民,あるいは県民になれ親しまれた建物であるがゆえに,県庁とそこに集まる集客の多さ,そういうものが周辺に対して極めて大きな影響を与えてまいりました。そうしたことを考えたときに,この跡地をどういうような状況で本庁舎の活用として利用していくのか。特に,改装については余り費用をかけないで済む事務的な活用を検討しているというように聞いておるわけでありますが,本庁舎への入居決定に当たって,県の基本的な考え方,あるいは入居機関の候補としてどのようなものが現在挙がっているのか,これらについて伺っておきたいと思います。これは知事にぜひ答弁を願いたいと思います。 20 ◯橋本知事 加藤委員には,県庁跡地利用につきまして大変御心配をいただいているところであり,また,貴重なアドバイスも常日ごろからしていただいておりますことにつきまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。  地元からは,集客力のある施設をということで,強い要望を受けてまいったところでございますけれども,財政状況の急激な悪化に伴い,県庁移転が直ちに本格的な跡地利用のための施設整備を行うことは極めて困難な状況になってしまいましたことにつきましては,まことに申しわけなく存じております。  当面の暫定的な利用方法といたまして,議事堂につきましては20億円程度かかると予想しておるところでございますけれども,図書館として利用していく,そして本庁舎につきましては,用途変更を行う本格的な利用を行いますためには,40億円近い極めて大きな費用がかかる見込みということでございますので,現在の用途を変更しないで利用できるよう,事務所的活用を基本として検討を進めているところでございます。  入居機関の決定に当たりましては,今,加藤委員からもお話ございましたように,できるだけ多数の利用者を認め,にぎわいを少しでも保てるものであること,そして同時にまた,周辺のビルなどと競合しないよう役割分担に心がけること,さらに歴史のある跡地の利用にふさわしい機能を発揮できるものであることなどを念頭に置きながら慎重に検討してまいりたいと考えております。  現在,入居機関の候補としてどういったものがあるのかということでございますけれども,例えば,現在,統合構想が進められております福祉関係の相談機関,例えば中央児童相談所などを集約した,いわゆる総合相談センター的な機関を一つの候補として考えております。あるいはまた,県の関連団体などにつきましても,有力な候補かなと思っております。さらに,茨城大学から要望もございます公開講座への活用なども視野に入れながら,今後検討を進め,なるべく早期に決定をしてまいりたいと考えております。 21 ◯加藤委員 ありがとうございました。時間もありませんので,もう少しいろいろ尋ねたいことがありますけれども,県民に親しまれたこの地域でありますから,どうかひとつにぎわいのある集客力のあるような施設を,そういうような類のものを,今話に聞きますと,大学の活用だとか,あるいは総合的な福祉の相談所だとか,そういったような時代にマッチした,しかも人が集められるような,そういうものに活用していただけることをお願い申し上げまして,質問を終わります。ありがとうございました。  続きまして,教育長に,県庁舎の跡地の活用で,議事堂の活用についてお伺いをいたします。  県庁の議事堂等につきましては,建築後30年をたっているとは言いながらも,極めて堂々たる,しかも極めて有効な活用が図られるということで図書館に転用されるというふうなことで聞いておるところであります。大変結構な利用だと思いますけれども,本県生涯学習拠点の施設として,県民が求めるさまざまな情報をいち早く提供できるような幅広い図書館の活用というようなものが求められなければならないわけであります。そういうようなことで,改修工事を行うということでありますが,どういうふうな改修をして,それらに対応していこうとするのか,これについてお伺いをするものであります。  それから,2つ目は,県庁舎は,水戸市の商業地帯に極めて隣接したところでありまして,その商業施設というものは極めて多くの影響を持っているところであります。特に,図書館ということになりますと,人を引きつける施設として障害者,あるいは高齢者の利用,そういうものにも十分に配慮していただきたいと思います。さらに,これは提案でありますが,この議事堂の活用,ただ普通の図書館ということではなくて,議事堂,我々が議事堂というものは長い間にわたって,昭和45年以来県政の中心的な舞台として,先輩議員や我々が県政の方針を決定をして,あるいは審議をし,そういうものを決定してきたところでありますから,議場の特徴,あるいは特異性,特性,こういうものをぜひひとつ新しい図書館の形の中に生かしていただきたい。それには,メディア,いわゆる映像のでき得るもの,この議事堂などは,特に本会議場は,そうした映像ができ得るような図書館施設が必要ではないのか,こんなことも感じますので,教育長のそれぞれの考え方について伺っておきたいと思うものであります。 22 ◯川俣教育長 お答えいたします。  県議会議事堂の県立図書館への転用に係ります改修工事についてでございますけれども,議事堂は,先ほどお話がありましたとおり,建築後30年ぐらい経過しておりますので,構造附帯につきましては,十分調査の上,補強,補修工事を進めてまいりたいというふうに考えております。  また,図書館への用途変更に伴いまして,建築基準法や消防法に基づく防災排煙設備工事や消火設備工事等が必要となります。さらに,空調,衛生や電気等の各設備,機器につきましては,既に耐用年数が過ぎておりますことから,それぞれ更新が必要でございます。  そのほか,議事堂の地下1階部分を書庫として使いますし,また1階,2階部分を視聴覚室や閲覧室等のスペースとして活用するための工事を行いまして,利用者が自由にゆったりと読書や調査研究ができるような図書館となりますよう整備を進めてまいりたいと考えております。  次に,図書館の機能についてでございますけれども,議事堂を図書館へ転用することによりまして,現在の図書館と比較して,延べ床面積で約2.7倍となりますし,また,それに伴いまして,資料の収蔵能力が一段と向上します。さらに,自由に利用できる開架式の資料室とか,閲覧席等も2倍以上にふやすことが可能になります。このため,利用者が快適な環境の中で,豊富な図書や雑誌等の資料から必要となる情報を効率的に得ることができるようになるというふうに考えております。  また,委員から御指摘がありました障害者や高齢者の方々が利用しやすい施設の整備につきましては,スロープの設置,あるいはエレベーターの改修,身障者用トイレの新設等を検討してまいります。  また,本年度から資料の貸し出し,返却やインターネットを介しての資料検索等のサービスを現在の図書館で行っておりますが,その情報システムにつきましては,システム関連機器というものを設置しまして,情報化社会の進展に対応したサービスの拡充に努めてまいりますし,郷土資料の収集,提供,サービスにつきましても一層の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。  さらに,図書館機能の詳細な内容につきましては,専門家の方々から御意見を賜るようにしまして,非常に厳しい財政状況の中での暫定利用ではございますけれども,できるだけ県民の学習ニーズにこたえ,多くの方に利用される魅力ある図書館となるよう検討してまいりたいと考えております。  また,委員から提案がございました議場の活用方法につきましても,視聴覚関係の機能等含めて十分考えていきたいと思っております。 23 ◯加藤委員 ありがとうございました。時間もありませんので,ぜひひとつ魅力のある図書館として完成できますことを願ってやみません。以上で質問を終わります。ありがとうございました。  最後になりましたけれども,治安維持の重要性と財政負担について,こういうことで牛久警察署の建設について,それから交通巡視員の警察官への身分の切りかえについて,それから警察活動と財政負担の関係について,これらを総務部長に一括して伺い,なおかつ治安の確保等々について,総括的に知事に伺いたいというように考えておるわけであります。時間が迫っておりますので,かいつまんでお話を申し上げます。  これらは,牛久の警察署,あるいは交通巡視員等の警察官への身分の切りかえ等々につきましては,我が党の石川多聞県議が本会議で取り上げたところであります。その中で,私は,極めて心配している点を何点か伺っておきたいと思うのでありますが,牛久の警察署の建設については,この地域は極めて最近東京のベッドタウンとして人口の移住が極めて増加の激しい地域であります。したがいまして,茨城県の急増した地帯を何とか治安の維持できるような体制にもっていかなければならんということを考えておるわけでありますが,先ほどの本部長の答弁の中で,今後一層この地域は人口の増加が予想されることを予測せざるを得ない。したがって,事故,それから事件の発生も大幅に増加することが今後考えられる。竜ヶ崎署の体制強化という手法だけでは,治安はもうこの区域は維持していく上で万全とは言いがたい状態になってしまった。今後さらに人口がふえていくことを想定すれば,新しい形,いわゆる新しい署をつくって新しい形の中で対応しなければならないというふうな答弁がなされておりました。確かに,これは県南地域は極めて人口の移住が多いというようなことを考えたときに,果たして今までの警察署の所管だけでいいのかどうかという問題がございます。そのことが1点。  それからもう一つは,交通巡視員の警察官への身分の切りかえ等につきましては,これは既に全国で三十数県がこれに対応しているところであります。本県は,この警察官の人口負担率,いわゆる警察官1人に対して人口の負担率,こういうものは全国で2番目と,このような数字が出ていると同時に,さらに本県は極めて道路の延長が長いということ,したがって事故発生率も多いということ,そういうことを考えたときに,他県は,我々の茨城県より警察官1人に対しての人口比率が極めて低いにもかかわらず,三十数県がこの身分制度を切りかえて警察官としての身分の対応をし,その差額も聞いてみるところによると,一般会計でわずか 3,000万円ぐらいの違いしかない。こういうふうなことも聞き及んでいるところであります。そういうことを考えたときには,ぜひひとつ巡視員というものを警察官の身分に切りかえていく必要性があるのではないかということを感ずるわけであります。  3点目に,財政の負担等々について伺うということでありますが,本県の総額予算,いわゆる当初の予算に対しまして,警察の構成比率は,平成10年度当初予算で5.2%ということでありまして,構成比率にいたしまして,全国平均は6.5%というようなことのようであります。したがいまして,本県は極めて全体的な予算の中で占める警察の比率が極めて低い。特に今回の補正予算を加えると,4.9%に全体の比率が下がってしまう。こういうようなことを考えたときには,せめて全国の最悪な状態にある,いわゆる極悪犯といいますが,凶悪犯罪が極めて本県は多いというようなことを考えたときに,この全国ベースに何とか変えてもらえないかということを考えるわけであります。  最後に,知事に,これは部長にお尋ねをした答弁をいただきたいということと,あわせて時間もありませんので,知事に即座に尋ねていきたいと思います。  治安の確保について伺うわけでありますが,先日の集中豪雨によりまして,本県本市は大きな被害を受けたことはただいま申し上げたとおりであります。その間,消防署,あるいは警察官,そういう方々は身を挺してこれらに当たってまいりました。  私も,消防署やあるいは警察官の方々と同じように自分たちの地域が水に浸っておりますので,こういうことに毎日同じような行動をとってまいりました。そのときに,寝ずのいわゆる交替制と言いながらも,その昼夜,これらの交通の規制,あるいは誘導,あるいは避難の対応,こういうものに接しておりましたときに,極めて警察官の重要性というものも改めて感じたわけてあります。ちょうど,私は,その翌々日,自宅に用事があって遅く夜中に帰りましたところが,夕べから一睡もしないということで,交通の事故処理をしておりました。そういうことを考えましたときに,本県の示す犯罪状況は,本県の位置づけというものを改めて点検せざるを得ないと思うものであります。  警察官1人当たりの県民負担率,これは先ほど申し上げましたとおりでありますし,本県が 767人に対して全国の平均は 562人であるということを考えたときに,極めて負担率が大きい。それから運転免許証1人当たりの持っている人たちに対しての負担率,これは本県が462 人に対して全国平均は 318人ということで,これも極めて本県は比率が高いところであります。事故発生率でも第3位ということであります。特に,殺人,強盗など凶悪犯の発生は人口10万人当たりの事件発数で言いますと,全国第1位になってしまう。こういうことを考えたときに,東京に近いこともあって,外国人の犯罪数も極めて凶悪犯が多いということも言われております。こうした事態を考えたときに,治安の維持の確保がいかに大事であるか,このことを訴えざるを得ないところであります。知事が常に言われております生まれてよかった,住んでよかったと言える基本というものは,平和でなければなりません。その平和と安心というものは治安の維持でなければなりません。こういうことを考えたときに,以上の観点から,知事の所感を伺いまして,質問を終わらせていただきます。お二人の答弁をいただきたいと思います。ありがとうございました。 24 ◯務台総務部長 まず,牛久警察署の建設についてのお答えでございます。  さきの一般質問の中で,警察本部長からお答え申し上げたところでございますが,牛久警察署の用地につきましては,地元地権者との交渉を進めてまいりました結果,すべての地権者の内諾が得られたこともございまして,当初2カ年で手続を進める予定でございましたが,10年度の単年度で用地の取得を終える見通しとなったところでございます。  今後につきましては,基本設計,実施設計,そして工事と進めていくことになりますが,用地の取得のめどがついたという事態を踏まえるとともに,社会経済情勢の変化とか,本県の厳しい財政状況なども総合的に勘案しながら適切な時期に工事に着手できるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 25 ◯加藤委員 ぜひひとつ早目にお願いをいたします。 26 ◯務台総務部長 それから治安維持の重要性と財政負担について,まず,身分切りかえの話でございます。  御存じのとおり,本県におきましては,平成9年度に政令定数自体がふえる中で,5人の交通巡視員の身分を警察官に切りかえたところでございます。これは,即戦力が期待できるということで,優秀な巡視員を選考により採用したものでございまして,各警察署に配置しているところでございます。  ところで,警察官の定数というのは,国の政令で定める基準に従い,県条例で定めることになっております。この政令の基準は国におきまして,各都道府県の治安を維持するために必要と認められる人員について定めているところでございます。  御指摘のとおり,本県の警察官1人当たりの負担人口は,全国2位の負担水準となっております。ただ,一方で,活動エリアの観点から見ますと,1人当たりの負担面積は,全国34位というふうに平均より狭くなっているという側面もございます。この警察官の定数は,人口,面積,治安水準,犯罪発生状況,こういったものを勘案して,各県の実態を見て国で定められているというものでございまして,仮にこの数に適切を欠く面があるとすると,基本的には国の方で考えていただく問題ではないかというふうに考えているところでございます。  このため,警察本部を中心としまして,これまで積極的な働きかけをしてきたわけでございますが,今後ともこういった努力が必要ではないかというふうに思っております。  ちなみに,平成8年度に警察官 105名,9年度に28人と,この2年間で合わせて 133名の警察官が増員されております。採用された警察官は,既に研修を終えて,各警察署に配属されておりますので,相当程度の定員増の効果が今後期待できるのではないかというふうに我々は考えております。  県単で行うことにつきましては,本来,国が政令で警察官の定数を定めることとなっている制度の趣旨からして適切なものかどうかはかねてより議論になるところでございます。  本年策定しました茨城県の行革大綱におきましても,警察官については,警察法施行令に基づく配置を行うというふうに記載しているところでございまして,そこら辺の事情を御理解いただきたいというふうに思います。その後,本県の財政状況がさらに悪化する状況の中で,この定数を上回って配置するということは,国における財源措置がないということもございまして,難しい面があるということでございます。  公安職にすることによりまして,1人当たり95万円程度の人件費の増となるということで,今,3,000 万円というふうにございましたが,我々が試算してみますと,人件費の面で大体 5,000万円を超える額,それから装備費とか活動費とか被服費などを含めますと,その額が倍近くになるのではないかというふうに考えておりまして,決して少額ではないというふうに考えております。  さらに,税収が不足する中で,一般財源で賄わなければならない経費でございますので,仮にこれを編み出すとすると,言葉をかえて言いますと,他部門の予算の圧縮によってこれをやるということになりますと,なかなか難しい面があることを御理解いただきたいというふうに思っております。  さらに,治安維持の重要性と財政負担についてでございますが,警察予算が少ないという御指摘がございました。全国平均 6.4%に比べますと 5.2%ということになっております。全国平均高い順で20番目でございます。ただ,この数字は,若干解説申し上げますと,全国に政令市を持っている都道府県がございます。この政令市を持っている都道府県におきましては,政令市の地域の中の行政事情というのは大分政令市に移管されておりまして,その分都道府県の歳出規模が小さくなる傾向がございます。そういうことにつきましては,警察予算とか教育予算の比重が相対的に大きくなってきております。神奈川県などはそのいい例だと思います。そういったところを除いてみますと,全国平均の警察費は 5.0%ということでございまして,茨城の 5.2%というのは,全国平均より高いということになります。全国で10番目ということになりますので,こういった観点の数字もあることを御理解いただきたいと思います。  確かに,警察の非常に厳しい状況にあるというのを我々も認識しておりまして,こういった観点から,先ほど申し上げましたように,牛久警察署の新設準備を進めているほか,笠原の新しい警察庁舎の中では,最新鋭の交通管制センター,あるいは新通信指令システムの導入を進めているところでございます。  多様化する警察需要に迅速,的確に対応できるよう今後とも警察本部とも調整しながら,警察予算の充実を図っていく必要があると考えております。  以上,御理解いただきたいと思います。 27 ◯加藤委員 言いたいことはありますが,時間がありませんので,結構です。 28 ◯橋本知事 今,加藤委員からお話がありました生まれてよかった,住んでよかったと言われる社会,愛される茨城をつくり上げますためには,安全ということが何事にもまして基本であるということはまさにおっしゃられるとおりでございます。  お話のありましたように,防災もそうでありますが,治安も極めて重要であります。ともすれば,日本におきましては,空気と安全をただと考える傾向が強かったところでございますけれども,暴力団対策,覚せい剤対策など課題が山積しており,多くの経費が必要となってきております。良好な治安は,世界に誇るべき我が国の財産とも言えるものでございますので,これを確保するために,今後とも全力を尽くしていきたいと考えております。 29 ◯加藤委員 知事が治安に対して大変御理解のある答弁をいただいたことで,今後の改めての予算を措置,そういうものについて期待をするところであります。  それから,さらに,総務部長には,今るるいろいろお話をいただきました。本県の警察官の定数は国の政令で定める基準に従い,各県の条例で定めることにされており,こういうことの答弁でありましたけれども,しかし,現実的には全国で三十数県に及んで,既に国の政令を待たずに県の条例制定でこの数を上回っているというようなことが現実でありますから,特に,我々は今言いましたように,1人当たりの負担率も高い,あるいは凶悪犯も極めて多い,そしていろいろな犯罪が極めて多いという県下にあって,我々よりずっと治安が維持されているところが既にそういう措置をとっているという現実を考えれば,これはいずれ近いうちに対応してもらわなければならぬというように考えておりますので,十分にひとつ肝に銘じていただきたいと,かようにお願いを申し上げまして,質問を終わります。ありがとうございました。        ───────────────────────────
    30 ◯潮田委員長 次に,小川(一)委員。 31 ◯小川(一)委員 自由民主党の小川一成です。  通告に従い,質問をいたします。  最初に,NPOについて,生活環境部長にお伺いいたします。  この件については,昨年3月の第1回定例議会において一般質問をしておりますが,その後,本年3月,特定非営利活動促進法,いわゆるNPO法が可決成立いたしました。これを受け,本定例会でNPOの法人化に関する規定を定めた条例案が提案されているところであります。この法律制定の背景には,行政に対する国民の意識の変化があると思うわけであります。従来は,どちらかと言えば,要求型であったが,最近は行政と協力をしながら活動するという参加型へと意識が変革してきており,阪神・淡路大震災で全国各地から数多くのボランティアが集まったことが大きなきっかけになったと思われます。  本年10月に行われるゆうあいピックには,7,000 人ものボランティアが応募したと聞いております。参加することに充実感というものが県民の間にも根づきつつあると思われます。こういった活動を支えるために,このNPO法は大きな意義を持つものではないかと思っております。  また,団体が法人格を持つことは活動を一層充実したものとして広域的なものにしていくためにも,この法律が意義があるものと私は考えております。  NPO法は,本年12月から施行されますが,県では,条例をもとに,具体的な手続を規約で定めることになると思うが,この手続は,極力簡便な方式にすべきというふうに考えておりますけれども,例えば,書類にむだな押印などを求めなくてもいいと,できるだけ簡潔にすると,あるいは県内の各地方総合事務所などで,出先機関に申請書を置いておいて,できるだけ各団体が簡単にその書類を手にして申請をすることができると,そういったような対応を考えるべきと思うわけでございますが,法人格を取得するための手続の簡素化についてどのように考えているか,まずお尋ねをいたします。 32 ◯潮田委員長 小川(一)委員の質疑に対する答弁を求めます。  長嶺生活環境部長。 33 ◯長嶺生活環境部長 NPOの法人の設立に当たりましての手続の簡素化につきましてお答えいたします。  この法律におきましては,認証という簡便な方式によりまして法人を設立することが規定となっております。その認証という制度でありますが,いわゆる許可主義とは異なりまして,法律の定める要件を備えていれば,設立が認められているものでありまして,行政庁の裁量権を極力抑えた制度であります。  また,設立認証の審査に当たりましても,基本的には書類によりまして行われるものであります。これらの点は,この法律の法人設立の簡素化は大きな特徴を担っております。  御審議いただいております申請書などの形式を考える条例案につきましても,その趣旨を十分に尊重いたしまして,簡便な手続で法人格を取得できますよう運用することといたしておりますが,具体的には,法人が県に提出する書類につきましても,正本のほかに閲覧の必要な書類を一通のみとするなどの負担の軽減を図ることといたしております。  また,委員御指摘の押印の省略につきましては,県の行財政改革大綱におきましても,申請書など押印の見直しなどにつきまして努めることといたしておりますので,申請書の添付書類につきまして適正に作成されたものであると推定できる場合におきましては,押印を省略することができる方向で検討いたしてまいりたいと思っています。  そのほか申請書や添付書類などの記載や作成部分につきましては,その具体的な要領を簡潔に整備いたしました申請書の手引書などを作成いたしまして便宜を図ってまいるほかに,出先機関の総合事務所などの県の関係団体の窓口に申請書を置きまして,関係者の方々が容易に入手できますよう,そのようにいたしてまいりたいと思っております。そのようにいたしまして,手続の簡素化や申請者の負担の軽減に努めてまいる所存でございます。 34 ◯小川(一)委員 できるだけ簡便にということで,これはお願いしておきたいと思います。  ただ,この法案がまだ通ったばかりですので,県民に対して十分に浸透がされてない,そういう観点から,できるだけ県民全体に行き渡れるような,これからの社会の中で,このNPOの活動が重要な役割を担ってくるものというふうに考えているところでございますけれども,県としてNPOの意義や役割について,広く県民に啓発していく必要があるのではないかというふうに考えております。  そこで,県では,今後どのように啓発普及を進めていくのか,お伺いいたします。 35 ◯長嶺生活環境部長 NPOの意義や啓発普及についてのお尋ねでございますけれども,県内の各地で行われておりますボランティア活動を初めといたしまして,NPOの活動がより活発に行われるためには,委員の御指摘のとおりでありまして,NPOの意義とか,あるいはまた役割,または法制度につきまして,広く県民に周知することが必要であります。このために,県といたしましては,NPOの意義や役割,法の内容,制度の概要などをわかりやすく説明したパンフレットや申請に当たりましての手引書などを作成いたしまして,関係団体や県の出先機関,市町村などに配布することにいたしております。  また,市民活動を行っている団体や市町村に対しましても,法の趣旨につきまして説明会を開催いたしたいと思っております。  そのほか,県や市町村の広報紙などを利用いたしまして,NPOについての周知を図るほかにインターネットなどを利用いたしましての広報なども検討してまいりたいと思っております。  このように,さまざまな機会や媒体を利用いたしまして,広く県民に対しまして普及啓発に努めてまいりたいと思っております。 36 ◯小川(一)委員 この法案も,今通過したばかりですので,県の方でも十分な対応というふうに申し上げましても,すべてはこれからでしょうから,できるだけ各団体が活発な活動ができるように,今回は2点ほど要望をしておきたいというふうに思います。  まず第1点は,活動拠点の整備を図ってほしいということで,NPOに対する県の支援として重要なことは,活動しやすい場づくりであろうというふうに思っております。NPO同士が交流する場と情報を提供する場づくりが必要であり,それには新たな活動拠点を整備することが本来は望ましいわけですが,現下の状況を考えると,既存の施設を利用して場づくりをしてはどうかというふうに考えております。  例えば,県庁跡地利用の一環として,本庁舎を活用するとか,あるいは生涯学習センター,これは県内に4カ所整備されておりますが,そういったところの活用など生活環境部長として,関係部局と協議調整しながら検討を進めていただきたいというふうに思います。  第2点は,県の組織体制の整備でございます。  NPOがこれから発展していくためには,行政との良好なパートナーシップをどのように構築していくか,これが重要であるというふうに思っております。そのためには,行政とNPOをつなぐ窓口として,県の組織体制を充実していく必要があり,各種の情報提供や相談を行うため,人的な充実を図っていただきたいというふうに2点要望して,この件については終わりにしたいと思います。  次に,伊奈・谷和原丘陵部の区画整理事業内における廃棄物処理対策について,企画部長にお伺いいたします。  茨城県の昨年度中の産廃不法投棄は,174件,対前年比22件増と,関東地区では最悪の件数となっております。こうした不法投棄される廃棄物は,県外から搬入されたものが多いと思われますが,我が県は平たんで産業廃棄物の搬入がしやすいこと,あるいは近県の埼玉県や千葉県ほど都市化が進んでいないために,人目につかない場所の多いことなどの地形的,地理的要因も一因となっているのではないかと思うわけでございます。県が断固たる対応をとることによって,茨城県は捨てづらい,茨城では捨てられないといった印象を不法搬入する業者に対して与えることが重要であるというふうに思うところでございます。こうした観点から質問を進めていきますが,まず,伊奈・谷和原区画整理事業地内の現に投棄されている産廃の処理についてお伺いをいたします。 37 ◯高田企画部長 伊奈・谷和原丘陵部土地区画整理事業の産業廃棄物処理対策の取り組みについてお答えしたいと思います。  委員御承知のとおり,伊奈・谷和原丘陵部土地区画整理事業地内には,8カ所約 5.7ヘクタールにわたり地中に廃棄物が埋設されているところでございます。この廃棄物は,宅地の造成工事の支障になるものでございまして,また一方では,廃棄物が埋設されたままでは沿線開発の地区イメージを損なうおそれもございます。事業を円滑に進めるためには,この廃棄物を全量処理するということが最良の方法と考えられますことから,事業主体としての県が造成工事の中で廃棄物を処理していくというのが基本的な方針でございます。  したがいまして,今年度から廃棄物が埋設されている箇所につきまして,廃棄物の処理を含めた造成工事に着手したところでございます。 38 ◯小川(一)委員 これ,新聞報道にも先般改めて報道されたところでございますけれども,伊奈・谷和原丘陵部地区に埋設されている廃棄物については,全量を県が撤去するということで,今,答弁があったとおりでございますけれども,今年度の当初予算で9億円計上してございます。さらに,今度の補正予算では,2億円の撤去費用が計上されているわけですが,速やかに撤去すると同時に,区画整理事業内の関係者の地権者はもとより,これに関係ない地権者がいるわけですね。投棄された地権者とは全く関係のない,そういった地権者,あるいは県民に負担を強いることなく,この事業を撤去を進めてほしいというふうに要望するところでございますが,この件については,昨年の第3回定例会の中での予算特別委員会で染谷議員が取り上げ,撤去の費用負担について,廃棄物が埋まっている土地の所有者に対しては減歩率を強化する,土地の売り主に対しては,土地の評価減により県が受ける不利益の補てんを求めると,さらに,不法投棄者に対しては,不法投棄の立証に努め,原状回復,または廃棄物処理費用の補てんを求めるというような答弁を企画部長の方からなされておりますけれども,この1年間,どのような取り組みをしてきたのか,お尋ねをいたします。 39 ◯高田企画部長 委員御指摘のとおり,この処理財源につきましては,一義的には,その不法投棄したものや廃棄物が埋設されている土地の地権者に費用負担を求めていくという考えがございます。  具体的に申し上げますと,今どうしているかということでございますが,まず,1点目の廃棄物が埋まっている土地の所有者に対して減歩率を強化するということでございますが,これにつきましては,今後の土地区画整理事業の事業計画の中で処理していきたいというふうに考えてございます。  2点目の土地の売り主に対して土地の評価減により県が受ける不利益の補てんを求めるということ,それから,3点目の不法投棄者に対して不法投棄の立証に努め,原状回復または廃棄物処理費用の補てんを求めるという2点につきましては,既に相手方に対しまして損害賠償ないし原状回復につきまして,それぞれ内容証明郵便で,現在,県の方から請求しているところでございます。 40 ◯小川(一)委員 こういったことに対して,県は,決して捨てることを許さないという強い姿勢で臨むことが必要だというふうに私は思っております。  ですから,当然,知っていて不法投棄をさせておいて,その上を土でおおってしまって,県にその土地を同一値段で,ほかの地権者と同じような値段で売るということは,これは非常に悪質である。当然これは強減歩で望んでしかるべきかなというふうに思っております。  そのほかに,県が所有しているところに不法投棄されてしまったという件に関しては,原因者に求めていきたいということでございますけれども,さらに,県は,同じようにつくば地区,つくば地内においても,伊奈・谷和原地区と同様に,土地区画整理を行うこととなっているということでございますけれども,つくば地区は,伊奈・谷和原を上回る 1,540ヘクタールの開発をしようとしているわけでございますが,伊奈・谷和原と同じように,そういう不法投棄の事例があるのではないかというふうに私は危惧しているところでございますが,つくば地区で不法投棄された土地を県が知らずに購入したところがあるのかどうか。さらに,県が用地を取得した後に不法投棄されたところがあるのかどうか。あるいはまた,恒久的な対策として,今後,県有地の管理を県はどのように行っていくのか,この3点をお伺いいたします。 41 ◯高田企画部長 つくば地区についてのお尋ねでございますが,つくば地区におきましては,平成6年7月より土地の買収を開始いたしまして,日本自動車研究所JARIの用地を除きほぼ買収を終了しておりまして,現在,314 ヘクタールの土地を県が所有しているところでございます。  まず,この中に不法投棄されている土地を買収したものがあるかどうかというお尋ねでございます。これにつきましては,用地買収時につきまして,現況調査,あるいは補償物件調査などを実施してございますが,このときには,例えば掘削してごみを埋設した形跡のあるところはございませんでした。  また,現地では,地元の方々からの話もいろいろ聞くわけでございますが,これまで県有地にこういった廃棄物が埋められているというような話を聞き及んでいるところはございません。  次に,用地買収後に,今度廃棄物が捨てられるようなことがなかったかという御質問でございます。  買収した土地につきましては,職員が日常的に巡視しているところでございますが,道路に面する場所に,冷蔵庫とかタイヤとか,そういった粗大ごみが放置されている場所は,残念ながら若干ございますが,大規模な不法投棄が行われているということは,現在確認されてございません。  また,新たに掘削されて廃棄物を投棄されているというところもございません。  それから,つくば地区の県有地の管理状況についてでございますが,県におきましては,開発地区内の買収が実質的に終了したわけでございますので,平成9年度をもって,つくば都市整備局を廃止したわけでございますが,開発地区内の県有地の管理のため,引き続き現地に用地管理事務所を置きまして,職員3名と嘱託員2名を配置しているところでございます。この5名で定期巡視を毎日行うなどして,不法投棄防止や早期発見に努めているところでございます。  また,このほか,不法投棄防止監視員などにも依頼するなどして不法投棄防止に努めているところでございます。  なお,先ほど申し上げましたが,定期巡視の中で発見した粗大ごみなどにつきましては,警察や県,市の担当課に通報しまして,投棄者特定のための調査を依頼するとともに,看板や柵などを設置いたしまして,不法投棄の拡大を防止する措置をとっているところでございます。 42 ◯小川(一)委員 314 ヘクタールの土地を取得してあるということでございますが,広い面積ですので,そういった不法投棄などされないように,ひとつ力を尽くしてほしいなというふうに思っております。  土地区画整理事業は,平成17年の完了を目指しているわけでございますけれども,この事業と並行して廃棄物の撤去を進めていかなければならないわけでございますが,常磐新線の開業も平成10年から5年間延期されたところであり,これ以上事業の遅延があってはならないというふうに考えております。  そこで,平成17年度事業完了に向けて,廃棄物の処理をどのようなスケジュールで進めていこうと考えているのか,お尋ねいたします。 43 ◯高田企画部長 先ほども申し上げたとおりでございますが,本年度から廃棄物埋設箇所の造成工事に着手したところでございます。  できれば,処理期間といたしまして,本年度と来年度の2年間でやっていきたいというふうに考えてございます。この処理に当たりましては,工事に手戻りが生じないよう造成工事のスケジュールにあわせて進めていく必要があるわけでございますが,できる限り早く撤去してまいりたいというふうに考えてございまして,先ほど委員から御指摘ございましたように,当初予算の9億円に加えまして,今議会に2億円の造成工事費の増額補正をお願いしているところでございます。  いずれにいたしましても,平成17年度の鉄道開業に支障がないよう,事業を進めてまいる考えでございます。 44 ◯小川(一)委員 この撤去費用,大分お金がかかるということでございますが,当然,一般財源のほうからの持ち出しはないというふうに伺っておりますけれども,特別会計でやるにしても,何でやるにしても,本来ならば使わなくても済むお金でございますので,ぜひ不法投棄などされないように最善の努力をしていただきたいというふうに思います。  質問は以上で終わります。  次に,水道料金の改定について,企業局長にお伺いいたします。  この問題については,本会議,常任委員会でも取り上げられているところでありますが,改めてお伺いいたします。  今回の料金値上げについては,約8万 6,000人に上る請願がありましたように,大きな反対運動が起こっております。この不況の折に,値上げでもないだろうというのが多くの県民の率直な感情であろうというふうに思うわけでございます。  そこで,以上のことを踏まえて何点か質問をいたします。  現在,企業局では,県南,県西のほか,県中央,鹿行の4つの広域水道事業を行い,それぞれ独立採算制により経営しているわけでありますが,水道事業,それぞれの収支状況についてお尋ねをいたします。 45 ◯石川企業局長 企業局で行っております4つの広域水道事業の収支状況でございます。  まず,県南広域につきましては,平成9年度の単年度収支,約6億 3,000万円の赤字がございます。累積では,8億 5,000万円の黒でございますが,平成10年度末までには,累積でも欠損金が生じる見込みでございます。  以下,9年度の決算で申し上げます。  鹿行広域,単年度収支約2億 9,000万円の黒ですが,累積では7億円の赤,県西広域では,単年度約3億 7,000万円の赤,累積でも26億 2,000万円の赤,県中央広域では,単年度約2億 5,000万円の赤,累積でも23億 9,000万円の赤字となっております。 46 ◯小川(一)委員 そうしますと,この中で,県南広域水道事業について見ると,ほかの地区と比べて優良な状況に今日まであったというようなわけでございますけれども,平成5年度ごろから対前年比の費用の増加が顕著になってきているわけでございますが,この費用の増加が県南水道の経営圧迫につながっているのではないかと思うわけでございますけれども,県南水道事業について,費用増加の原因となっているのは,何なのかをお尋ねいたします。  それから,今後の費用の増加見込みについても,あわせてお尋ねいたします。 47 ◯石川企業局長 県南広域水道の費用増加の要因でございますが,水源となります霞ヶ浦開発事業関連の費用というものが大きな要因となっております。具体的には,平成5年度からの水資源開発公団への割賦償還金,毎年約11億 9,000万円の返済,平成6年度から発生いたしました減価償却費,毎年約2億 8,000万円,平成8年度から負担が発生いたしました管理費,毎年約1億 1,000万円などによるものでございます。  また,平成7年度から新たに稼働いたしました阿見浄水場の維持管理費,年間約2億 5,000万円ほどでございます。それと減価償却費,年間約7億 9,000万円なども要因の一つになっております。  それから,今後の費用増加の見込みでございますが,水源の水質悪化に伴いまして,高度浄水施設の建設,これは,取手市にございます利根川浄水場のオゾン処理施設に約74億円が必要でございます。  また,県南広域は,給水開始から30年以上も経過しているために,土浦市にございます浄水場の改築が避けられない状況となっておりますことや,施設の耐震化への対応が必要でございまして,今後もこういったものの費用の増加が見込まれるわけでございます。 48 ◯小川(一)委員 今回の県南,県西の料金値上げ問題については,一般質問に対して,企業局長から答弁がございましたが,今回,料金値上げに対する企業局の今後の対応について,改めて企業局長の所見を伺いたいと思います。  それから,今後,県中央,それから鹿行の水道事業についても,順次値上げの検討を進めているというふうに聞いているわけですが,今後の見通しについてもお伺いいたします。 49 ◯石川企業局長 今回の料金改定に対する企業局の対応でございますが,先ほど申し上げましたように,県南,県西,両広域水道とともに,その経営状況は赤字基調で推移をいたしておるわけでございます。  委員御承知のように,その経営は独立採算制で実施をされておりまして,受益者負担が原則となっております。また,料金算定期間が過ぎておりますことから,今回,料金改定を提案をさせていただいたわけでございます。しかしながら,今回の料金改定につきましては,この不況下で時期が悪いのではないかという御意見や請願もいただいておりますことから,一般質問でもお答え申し上げましたとおり,企業局と各市町村との相互信頼に基づきまして,今後,関係市町村と十分協議しながら慎重に対応してまいりたいというように考えておるわけでございます。  次に,県中央広域水道の経営状況でございますが,平成4年1月の給水開始以来,赤字基調で推移しておりますが,料金算定期間は11年度までとなっておりますので,平成12年度以降には料金改定等何らかの経営改善措置を講じなければならないと考えております。  また,鹿行広域につきましては,現在,累積欠損金はあるものの,単年度収支は黒字基調で推移しておりますので,今後の決算状況等を見ながら検討してまいりたいというように考えます。 50 ◯小川(一)委員 今,局長がおっしゃったように,企業局というのは,受益者負担の原則に基づいて経営するわけでございますので,企業局の経営を損なわないよう,受益者たる県民に負担を求めるのは私は当然だというふうに思っておりますけれども,その前に,まず徹底した経費削減のための企業努力と県民に対する十分な値上げをするならするような説明と理解が求められるのではないかなというふうに思うわけでございますが,今回,その件について,私は,必ずしも十分ではなかったのではないかなというふうに思うところでございます。  例えば,今,局長が施設の改善のために 250億円の金が必要なんですよと,施設の改築については,築後30年たっているので 250億円をかけて新築したいというような説明であるけれども,我々県民サイドから申し上げるとすれば,築30年というのはまだまだ使えるのではないかという感じが,これは県民感情として私は率直な感情だと思うんです。そういう観点から申し上げるならば,もう少し使えよと。しかしながら,よく話を聞いてみると,耐震性の建物にしないと,もうならない,そういう意味で老朽化しているんだよと,万一のときにライフラインの確保が必要なんだよということが全く我々に伝わってこない。耐震性だというのは今初めて聞いているわけですよ。耐震性の施設をつくらなければならないんだと,そういういった説明が県民の方に伝わってこないから,何でこの時期にそんな値上げをするんだというような話の展開になってくるわけなのではないかなというふうに思っているわけなんです。  同じように,値上げをするにしても,説明の仕方というのは私はあると思うんです。18.4%の値上げをするんだけれども,標準的な1カ月の家庭で,水道料金に与える影響はどのくらいになるんだというところがまだだれにも伝わってない。どのくらいの値上げになるんだという,その数字,大体,この資料に基づいて言いますと,一般家庭の1カ月の水道料金に与える影響というところで試算がされているようですが,県南広域について申し上げるならば,1案と2案がありまして,1案というのは,今申し上げましたように 250億円の施設の改善費も含めて改定するならば,1カ月に,平均的な家庭の水道料金に与える影響というのは,約 241円ですよということなんですね。施設の改善費を入れないで単に赤字解消,それからその後の累積赤字も出さないということのみで試算したということであれば,139 円なんですよ。そういうところの,1カ月に与える 241円というのは,いわばたばこ1箱の料金ですね。それが高いか安いかの議論は後に譲るにいたしましても,そういったことをもう少しつまびらかに県民に知らせてないのではないか。そういうPR不足が私はあるんじゃないかというふうに感じているわけなんですが,その辺の所見をお尋ねいたします。 51 ◯石川企業局長 まず最初の方に,自助努力をすべきではないかということでございますが,従前から繰り上げ償還などの自助努力をしていきましたけれども,今後は,第三者などを交えました経営改善委員会のようなものをつくりまして,そういった方々の意見も取り入れながら,その努力をするとともに,国などへの繰り上げ償還の枠の拡大などの努力をしながら経営努力に努めていきたい。  それから,PR不足なんじゃないかということでございますが,委員御承知のように,我々の事業というものは,直接住民ではなくて,相手が市町村だったわけなんですね。ですから,市町村に対して我々は説明をしたわけです。今,説明中なわけです。市町村がまだイエスもノーも言わないうちに,直接住民が我々の料金がすぐに上がってしまうのではないかというところで今回のような署名運動のようになってしまったということだと思うんです。そういう意味で,我々としては,確かに市町村には説明はしてきたつもりでございますけれども,まだ理解がされていなかったということも反省もございますので,我々としましては,これからそういった水道の仕組みとか,水の大切さとか,そういったものにつきまして,企業局だけでもできませんので,企画部とか衛生部とか,生活環境部とか,そういったことも一緒に御協力いただきながら,わかりやすい水道の仕組み,料金の仕組み,水源費の考え方,そういったことにつきまして,パンフレットとか,そういったものをつくりながら,できるだけ県民の皆様にも御理解いただけるような方向で努力をしていきたいというように思っております。 52 ◯小川(一)委員 我々が説明を受けるときにも,十分にわかるようにご説明いただきたいなというふうにお願いをしておきたいと思います。  いずれにしても,今回の請願の内容も,多くは,この不況の中で値上げでもないだろうと,4月から実施するというのは時期が悪いのではないかというような内容ではないかというふうにも思っているところでございますが,その請願の内容では,昨今の不況の中で,家計の圧迫につながるような値上げは納得できないというのが住民の感情であり,私も同感でございます。  したがって,料金改定は,何が何でも来年4月ということではなくて,4月以降に先送りするということも視野に入れながら,さらに一層の企業努力をしながら,県民の理解を得られるよう関係市町村と十分協議をしてもらいたいというふうに要望をして,この件については終わります。  次に,新しい畜産試験場の整備を契機とした新技術への取り組みについて,農林水産部長にお尋ねをいたします。  本県は,全国的に見ても第5位にランクされるなど,全国有数の畜産県となっております。しかしながら,畜産業をめぐる情勢は,都市化の進展による環境問題や輸入量増大による価格の下落など経営環境は大変厳しいものがございます。私の住んでいる守谷町でも,酪農の経営が行われておりますが,生産性は高いんだけれども,以上のような状況から大変苦戦を強いられております。このような状況の中で,畜産試験場を現在地の友部町から八郷町へ移転整備しているわけでありますが,県の財政が厳しい中での今度の補正予算での復活は,それだけ本県がその試験場に寄せる期待が大きいのではないかと思うわけでございます。  そこで,21世紀の本県畜産をリードする新しい畜産試験場でどのような方針のもとに新しい試験研究に取り組んでいくのか,農林水産部長にお伺いいたします。 53 ◯高島農林水産部長 畜産試験場におきます整備の方針についてお答えいたします。  委員御指摘のとおり,畜産は,本県農業において非常に重要な基幹部分でございます。そうした中,国際競争とか産地間競争によりまして,厳しい状況を迎えているんですが,県としてはいろいろ対策を講じておりますが,試験研究分野からの新技術の導入といった面からの支援というものが重要になってきていると考えております。  今,試験場としては友部にございますが,これは大正15年に整備されております。そういった関係で,用地が若干狭いということと施設も老朽化しているということで,平成4年に八郷に整備移転するということを決めております。この移転に当たりましての整備方針につきましては,平成4年9月に,正田陽一東大名誉教授を座長にいたしまして,茨城畜産をリードする研究体制懇談会というものを設けて御議論いただいております。この提言を受けまして,県としても整備方針を決定したわけですが,その中での今後の茨城県畜産全体での研究体制の整備方向としましては3つ大きな方向づけを設けております。  1つは,ゆとりある畜産経営の実現ということでございまして,飼料給与の自動化とか,自給飼料生産の省力化,こういったものを進めようということでございます。それから2つ目が先端技術導入による革新的畜産農家の育成でございます。これは,受精卵移植とかによります低コスト生産とか,クローン牛の生産等を念頭に置いたものでございます。それから,3つ目の柱といたしまして,環境にやさしい畜産技術の開発ということで,家畜排せつ物の低コスト処理といったものを打ち出しております。これが茨城県畜産全体での研究体制の整備でございますが,今回の移転整備に当たりましては,21世紀に向けて茨城県の畜産試験研究の基幹施設ということで整備いたしますわけで,こういったことに向けて考えておりますが,特に,この中で今後の畜産の発展に著しく寄与すると見込まれておりますバイオテクノロジー等の先端技術の開発,こういった点と,それから畜産の発達に不可欠な畜産環境対策といったものを重点的に整備いたしてまいる考えでございます。 54 ◯小川(一)委員 今,3点ほど整備に当たっての答弁がございました。ゆとりある畜産経営の実現,先端技術導入による革新的畜産経営の育成,それから環境にやさしい畜産技術の開発をするんだというようなことで進めているということでございますが,私は,先ほど申し上げましたように,本県は全国有数の畜産県でございますので,茨城県の新しい畜産試験場では日本をリードする先端技術の試験研究にも積極的に取り組んでいくべきだと考えております。  先ほどお話にも出ましたように,先端技術といえば,クローン牛が話題となっておりますけれども,ことしの7月に石川県の畜産総合センターでは,国との共同研究の結果,世界で初めて体細胞クローン牛が誕生したことが大きく報道されました。クローン牛の生産が実用化すれば,高品質が約束された牛だけを生産でき,農家の経営は間違いなく安定する夢の技術だというふうに思っております。しかし,現在の技術レベルでは成功率が極めて低く,まだまだ実用化にはほど遠い段階にあるというふうに聞いております。幸い,本県の場合は,国の研究機関や大学が立地しております。試験研究には有利な条件がそれだけそろっているわけでございますので,今後,これらの国の機関,大学等,どのように連携しながら新しい試験場においてどのような先端技術の研究に取り組まれるのか,最後にお尋ねしたいと思います。 55 ◯高島農林水産部長 先端技術の研究でございますが,移転の整備に当たりまして,1つは,今までやっておりました受精卵移植等につきまして幾つかの研究機関に分かれていたんですけれども,それを全部八郷の今回新たに整備する試験研究に一元化いたします。それによりまして,受精卵の採取とか,それから移植などの研究,そういったものをさらに研究を進めて,例えば受精卵移植の採取率とか,それから受胎率の向上といったものに努めていく考えでございます。こういった受精卵の移植技術というのが低く,今後の試験研究の基礎的な部分になってくるのだと思いますが,こういった技術を蓄積しながら,今後は体外受精の研究とか,それから受精卵の性判別の研究,受精卵分割の研究,これは一部手がけているところもございますが,そういったものをさらに進めながら,さらには核移植の研究,こういったものを進めていきたいと思います。これを進めながら,将来的には,茨城県でも体細胞クローンのような研究ができるような体制にすることを目標としております。  そうした研究を進めていくに当たりましては,委員御指摘のとおり,茨城県の中だけではなくて,やはり国の研究機関,それから大学との連携というのは非常に重要になってくるというふうに考えております。これは,今までも,例えば,国の関係では,委託研究員制度ということで,県の職員を国の機関試験場に派遣いたしまして実地研修しております。今回の整備に向けましても11年,来年からは受精卵移植の関係で,畜産試験場に1人派遣研修を出すことを考えております。こういった話とか,それから委託研究に伴う研究員の交流とか,それから他県との協定試験の中で,国の御指導を仰ぐといったことをやってきております。  それから,つくばに試験研究機関があるということも生かしながら,研究機関同士の情報交換ということを県と国の間でやってきております。この中では,各場所長をあわせてやっている情報交換とか,それから畜産試験,畜産関係に限ってやっているものとか,もう少し分野を狭めて衛生問題でやっているとか,こういうのが幾つかございますが,そういった情報交換も今まで進めてきているところでございます。  今後の話ですが,やはり先ほど申し上げましたような最先端の技術については,やはり国との連携というのが非常に重要になってまいりますので,こういった試験研究機関が茨城県にそろっているという地理的条件,委員がおっしゃるような条件を生かしながら,連携を深めながら,そういった最先端の試験に取り組んでまいりたいと考えております。 56 ◯小川(一)委員 わかりました。新しい畜産試験場に寄せる県民の期待が大変大きいものがございますので,ぜひ期待にこたえられるよう要望して終わりたいと思います。
     ありがとうございました。        ─────────────────────────── 57 ◯潮田委員長 ここで,石川副委員長よりごあいさつをいただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 58 ◯石川副委員長 副委員長の石川でございます。けさほどは遅刻いたしまして,まことに恐縮でございます。委員長を補佐して,円滑な委員会運営のために努力してまいりたいと思いますので,よろしくどうぞお願い申し上げます。        ─────────────────────────── 59 ◯潮田委員長 それでは,暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は,午後1時ちょうどといたします。                 午後0時15分休憩        ───────────────────────────                 午後1時2分開議 60 ◯潮田委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたします。  塩田委員。 61 ◯塩田委員 塩田尚であります。  私は,質問項目が少し多いものですから,超特急で質問を進めていきたいと思っておりますので,執行部の皆様方におかれましても,簡潔な御答弁をお願い申し上げます。  まず,県債についてお尋ねをしたいと思います。  県債のうち,政府系の資金につきましては,原則として借りかえ等は難しいということは私も聞いておりますが,いわゆる民間の金融機関等からの借り入れ,縁故債について,金利の低い方にシフトできないのか,借りかえができないのかというのが私の今回の質問の要旨であります。そこで,県債の縁故債の借りかえについて,県の基本的な考え方をお聞きしたいと思います。  まず第1に,縁故債の借入先はどのような状況になっているのか,まずお尋ねしたいと思います。 62 ◯潮田委員長 塩田委員の質疑に対する答弁を求めます。  務台総務部長。 63 ◯務台総務部長 縁故債の借入先についての御質問にお答えします。  縁故債は,政府資金の枠の関係もございまして,地方の資金調達の弾力性を強化するために設けられている制度でございまして,地方団体と関係のある金融機関などとの個別交渉により発行しているものでございます。借入先につきましては,通常,地方団体と取引関係を有する金融機関,それから各種の地方公務員共済組合などとなっております。  本県の場合,金融機関のほか,各種共済資金,それから生保,損保からの借り入れを行っているところでございます。  それから,平成8年度には,県が財政的支援を行っている団体,例えばグリーンふるさと振興機構,こういった団体にも県債の引き受けをお願いした実績がございます。 64 ◯塩田委員 それで,縁故債の場合,借入先を決めるに当たって,つまり,金融機関等を決めるに当たって,県の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。 65 ◯務台総務部長 借り入れに際しての基本的な考え方でございますが,縁故債の借り入れ,これは平成9年度末の残高ベースで 4,435億円ございます。この大部分につきまして93%金融機関に依存しております。なぜこういうふうになっているかということでございますが,縁故債がこのところ年々増加傾向にございまして,単年度の借入額も多額に上る状況にございますことから,長期資金の引受先となるためには,相当額のまとまった資金をある程度継続的に供給できることが条件となりまして,指定金融機関でございます常陽銀行に手数料を比較的低いもので引き受けていただいているということでございます。 66 ◯塩田委員 私は,県債の縁故債の場合の一覧表も見せていただいたんですが,要は,超低金利の時代でありますから,どうしても過去に起こした県債については金利が高いわけですよね。その金利を決めるに当たって,一方的に通告されるのか,金利を決める場合の方法についてお尋ねしたいと思います。 67 ◯務台総務部長 縁故債の借入利率につきましては,本県の場合,市場公募債の発行団体となっておりますので,この市場公募債の借入利率と連動させて,これと同一の利率としております。例えば,現在,市場公募債 1.6%でございますが,仮に今借りるとしたら,この利率で借りるということになります。 68 ◯塩田委員 それでは,本題に入りますが,今まで借りた過去の金利の高い縁故債については,金利の低い県債へと借りかえというか,シフトすることはできないのでしょうか,お尋ねしたいと思います。 69 ◯務台総務部長 県債の借りかえについての考え方でございますが,県債には,証券発行の方式の県債と証書発行の方式,2つございます。金融機関の引き受けによります県債につきましては,ほとんど証券方式でございまして,全体の9割弱が証券となっております。証券と証書の違いでございますが,証券につきましては,不特定多数の投資家の手に渡ることを想定しているものでございまして,特に発行年次が古く,金利の高いものにつきましては,全国的に流通しております。こういうものについては,投資家保護の観点,それから今後の地方債に対する投資家の信頼感の確保という観点から,なかなか借りかえというのは難しいのではないかというふうに思っております。  それから,証券の買い入れ償却という方法も理論的にはございます。ただ,この場合には,市場の実勢価格での買い入れとなりますので,額面よりも高く買い入れるということになりますと,実質的な金利の負担軽減効果は余りないということになります。  問題は,証書の場合でございますが,通常金融機関が保有しておるケースが多いと思います。この場合は,市場が混乱するということはございませんが,金融機関との交渉が前提となりますので,県が一方的に借りかえを進めるわけにはいかないという交渉を前提の話になるということでございます。 70 ◯塩田委員 県内の市町村等では,借り入れを切りかえているというお話も聞いたものですから,私の方も質問してみたわけでありますが,今,証券化しているので非常に難しいということで,私も納得しましたが,そうした金利を引き下げてくれないかという交渉は難しいのでしょうか。 71 ◯務台総務部長 金利の交渉は,先ほど申し上げましたように実勢を考えながらやっているということになります。  それから,市町村についてのお話がございましたが,市町村債の場合は,発行単位が県の場合に比べて小さいと,それから証書,証券発行,証券発行の場合もほとんどが金融機関の手元にあるということでございまして,そういうことからやりやすいのかなと,実際,つくばとか土浦でやっているという話は聞いておりますが,そういう違いがあるのではないかと思っております。 72 ◯塩田委員 おおむねわかりました。県民の皆さん方は,できればやすい金利の方にシフトできないのかという素朴な疑問を持っていると思いますので,私の方も質問いたしましたが,今後とも,増大する公債費等を見たときに,いかに財政負担を軽くしていくかというのは大きな命題だと思いますので,引き続き努力されるようにお願いを申し上げて,この件を終わります。  引き続き,工事入札制度の改善について,土木部長にお尋ねしたいと思います。  去る9月8日の新聞を読んだわけでありますが,公共工事に係る予定価格の事後発表と低入札価格調査制度の適用範囲の拡大を来月1日から施行されるという報道があったわけでありますけれども,私は,その報道を見て初めて,ああ,こういう新しい制度が導入されるんだなということを感じたわけでありますが,透明性が高くなるとか,あるいはコストが縮減されるとかということで非常にメリットが大きいというふうに新聞報道では書かれてありましたが,その新しい制度について,簡単に御説明をいただきたいと思います。 73 ◯不破土木部長 建設工事に係る入札契約制度の改善内容についてお答えいたします。  この改善につきましては,茨城県建設工事入札契約制度検討委員会におきまして検討を進めてきたところであります。このたび,2項目につきまして改善を行うことといたしました。実施は,平成10年10月1日より実施することといたしております。  その概要でございますが,予定価格の事後公表につきましては,まず,落札価格の高どまりを招く危険性や建設業者の見積もり努力を損なわせる可能性などが指摘され,従来非公開とされてきたところであります。今回,入札契約手続の透明性向上の一環といたしまして,予定価格を契約締結の翌日に公表することといたしたものであります。  次に,2点目は,低入札価格調査制度の適用範囲の拡大でございます。本県では,従来より24億 3,000万円以上の政府調達協定対象工事につきまして,その適用をいたしておりました。今回,請負に付する額が1億円以上の工事につきましても,適用を拡大することといたしたものであります。 74 ◯塩田委員 いいことづくめのようなありますが,今まで導入できなかったのですから,それなりのデメリットもあったのではないかと思うんですよ。したがって,メリット,デメリットについて,ひとつ御説明いただきたいと思います。 75 ◯不破土木部長 予定価格の事後公表及び低入札価格調査制度のメリットとデメリットについてでございますが,まず,予定価格の事後公表でございますが,メリットといたしましては,入札手続の透明性の向上でございますとか,公正の確保に資する,あるいは不正な入札の抑止力があるといわれております。  デメリットといたしましては,以後発注される同種の工事の予定価格は類推でき,競争が制限され,落札価格は高どまりするおそれがあると言われております。また,建設業者の見積もり努力を損なわせるおそれもあると考えております。  次に,低入札価格調査制度のメリットでございますが,調査基準価格未満の入札が直ちに排除されるわけではございません。そういうことで,その調査次第によりまして,競争の利益を県民が十分に享受できる可能性があります。  一方,デメリットといたしましては,調査体制の整備が必要となりまして,工事の内容によりましては,調査に時間を要することから,執行が遅延したり,事務負担が増大するという点がございます。  また,工事の品質を確保するために,適切な執行を見守る必要が大きくなりますことから,監督や検査等の業務量が増加すると考えております。 76 ◯塩田委員 ありがとうございます。入札そのものが透明性が高まれば,県民の皆様方も安心できると思います。また,コストが削減されて,財政負担が幾らかでも少なくなれば,それだけに大きなメリットがあると思うわけでありますが,ひとつ,コスト縮減に成功した暁には,その余った事業費で,できるだけ幅広く県内の公共事業が活発化するように御配慮いただきたいと思います。  以上をもって,この件は終わります。  引き続き,土木部長さんにお尋ねしたいと思いますが,私,さきの一般質問でも取り上げましたけれども,つくば地区に,都市計画決定に向けての素案の説明会がいよいよ開かれるということで,この21日から開かれるそうでありますが,いよいよその都市計画決定,それから新しいまちづくりというふうにプログラムが組まれていくわけでありましょうが,その素案ができたということも事前の説明会が地元の市議会であったのでしょうか,その新聞報道を見て,私ども初めて知ったようなことでありまして,毎日議会へ来るよりもうちで新聞読んでいた方が情報が早いというふうな感じもいたしますが,それはさておきまして,新しいまちづくりに関して,県の基本的な取り組み方,姿勢について簡単に御説明をいただきたいと思います。 77 ◯不破土木部長 まちづくりの基本的な考え方でございますが,常磐新線沿線開発地区のまちづくりにつきましては,土地区画整理事業という事業を活用して実施することといたしております。  鉄道駅を中心としたさまざまな都市機能の配置,誘導に努めますとともに,固有の自然資源を生かした緑からのまちづくりを基本的な考え方といたしておりまして,そういった特色を持っているわけでございます。  一方,これらの開発地区の周辺部につきましては,農村集落を中心とした非常に豊かな田園環境が形成されておりますことから,市街化調整区域としてそれを保全し,都市的な土地利用への転換を抑制するとともに,生活基盤や農業基盤の充実を図ることを基本的な考え方といたしております。 78 ◯塩田委員 これからのまちづくりに関して議論すれば,これは一日どころか何日あっても議論は尽きないと思うんですが,そこで,きょうはただ1点だけ,土木部長さんにお尋ねしたいと思います。  幹線道路の整備が今度の素案でもかなり重要なテーマとして挙げられているようでありますが,区画整理等によりまして,計画区域内につきましては,当然市街化になるわけでありますから,これは良好なまちづくりができるだろうと思うんです。しかし,区域内から一歩出たところが国道があって,あるいは上下4車線以上の立派な地方主要道路とか,そういう幹線がありながら,そこへ,例えば民間業者も多く立地条件を求めて進出したいと思っているはずだと思うんですが,しかし,市街化調整区域という網の中で,なかなか立地条件が整わずに,結果的には虫食い状態になっていくのではないかということも心配するわけでありますが,そういう幹線道路の沿線,この1点だけに限ってお尋ねしたいのでありますが,幹線道路の沿線のまちづくりについては,市街化区域以外の,市街化調整区域等につきましては,どのようにお考えなのか,お聞かせいただきたいと思います。 79 ◯不破土木部長 非常によく趣旨はわかるんでございますが,今回の開発区域外につきましては,現在ございます田園的な集落環境といったものを保全することを基本的な考え方といたしておりますことから,幹線道路沿線につきましても,市街化を抑制する方向で考えざるを得ないと考えております。  したがいまして,委員御指摘の民間事業者の皆さんが施設立地の要望,非常に多くあるということでございますが,それにつきましては,対応はなかなか難しいと考えておりまして,現行法で許容されております沿道サービス施設などに限定されることになるのではないかと考えております。 80 ◯塩田委員 全く前へ進まない話になってしまいましたけれども,議論しても尽きませんので,ここらで矛をおさめますが,かつては,たしか茨城県もそういう調整区域の幹線道路の沿線に関しても,都市計画を積極的に見直していくというお話を聞いていたような気がするんですが,何かどーんとトーンが下がってしまいまして,結局的にはもとのもくあみのような感じになったような感がするわけでありますが,今後ともひとつそういうことも,市街化調整区域内の沿線も含めて,今後のまちづくり,あるいは都市計画について,さらに御検討いただきたいと思います。以上をもちまして,この件は終了させていただきます。  引き続きまして,教育長にお尋ねしたいと思うのでありますが,教育問題の中の国旗掲揚と国歌の斉唱について,特に,今回は茨城県の公立学校においてはどのような現状と指導方法をされているのかということについてお尋ねしたいわけであります。オリンピックとか,それからワールドカップとか,ああいう国際スポーツ大会を私どもテレビで見る範囲では,例えば試合の前とか,あるいは表彰式の折とか,国旗が掲揚されたり,あるいは国歌の演奏が流れます。そのときに,外国の選手の皆さんとか,あるいはサポーターの皆さんとか,あるいは観客の皆さんというのは,特に自国のみずからの国の国旗とか国歌に対して非常に敬けんな態度で臨んでいるわけであります。そのことに私どもは非常に強い感銘を受けるわけでありますが,つい先ごろ,フランスで行われましたワールドカップ等をテレビで見ますと,それに比較しますと,君が代が流れても,日本の選手は敬けんどころか,まず歌は口ずさまない,どっちかというと知らんぷりして,ただ体をせわしなく動かしているということで,見ていて非常に残念な思いがいたしました。そういうことは,やはり小さいころからの外国との教育の差も幾らかあるのかなというふうに想像するわけでありますが,子供たちに,やはり自分の国を誇りを持ってもらう,あるいは郷土を愛する気持ちを持ってもらうと,そういう観点からいきましても,国歌とか,あるいは国旗に対する教育の姿勢というのは,私は非常に大事ではないかと思うわけでありますが,本県の公立学校における国旗掲揚,それから国歌斉唱について,どのような御指導をなさっているのか,お尋ねしたいと思います。 81 ◯川俣教育長 お答えいたします。  本県の公立学校における国旗掲揚とそれから国歌斉唱の指導についてどうかということでございますが,委員の御意見のとおりでございまして,これからの国際社会に生きる児童生徒というものが国旗,国歌に対しまして正しい認識を持つということ,また,それを尊重する態度を身につけるということは極めて大切であるというふうに認識しております。  国旗,国歌の取り扱いについてでございますけれども,小中学校及び高等学校の学習指導要領というのがございますが,その中に,入学式や卒業式においては,その意義を踏まえ国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとするとされておるところでございます。  これにつきましては,平成元年からこのように改正されたところでございまして,それ以前の指導要領では,文言似ておりますが,最後が斉唱させることが望ましいと,望ましいから指導するものとするというふうに強くされたというふうに我々認識しております。そういう指導要領に基づきまして,各学校におきましては,児童生徒の発達段階に応じて入学式や卒業式,あるいはそれを初めとするような学校行事などの機会を通しまして,国旗,国歌についての指導を行っておるところでございます。 82 ◯塩田委員 今の入学式,それから卒業式のお話が教育長の方から出ましたが,新聞報道では,よく国旗の掲揚を拒否したり,あるいは国歌の斉唱を拒否したり,あるいは削除したりという事例を見るわけであります。本県では,少なくとも新聞報道ではそういうのは一切なかったように記憶をいたしております。  また,ただいま秋の運動会の,あるいは体育祭のシーズンでありますから,私どもも学校訪問を兼ねてよく出席させていただくわけでありますが,私が出席させていただいた小中学校に限っては,すべて国旗掲揚がなされておりました。それだけに教育内容も行き届いているのかなというふうに思うわけでありますが,本県における公立学校の入学式,それから卒業式等における国旗の掲揚,それから国歌の斉唱の実態についてお尋ねしたいと思います。 83 ◯川俣教育長 本県における国旗掲揚と国歌斉唱の実態についてのお尋ねでございますけれども,本年の3月,4月に行われました卒業式,入学式に,その状況についてお話しますと,まず,国旗についてでございますけれども,すべての小中学校及び高等学校で掲揚したところでございます。また,国歌につきましてですが,小中学校におきましては,すべての学校で斉唱したというところでございますが,高等学校におきましては,ごく一部の学校でございますが,それをしなかったというところがございます。ちなみに,全国の傾向とどうかといいますと,高校で国歌を斉唱したと,実際に歌ったという率について言いますと,平成7年度の実績でございますけれども,全国では78.4%,それに比較しまして,本県では92.9%と高い率で実施しているというふうに認識しております。  今後とも,各学校に対しまして,学習指導要領の趣旨を踏まえまして,国旗の掲揚や国歌の斉唱を適切に実施するよう指導しまして,児童生徒が国旗,国歌に対しまして正しい認識を持ち,それを尊重するという態度を身につけるようにしてまりたいというふうに考えております。 84 ◯塩田委員 ほぼ達成されているということで,私どもも,今お話を聞きまして安心したわけでありますが,自分の国を愛するとか,あるいは郷土を愛するとか,そういう気持ちはやはり人間として自然発生的に生まれてくるものだと思うんです。そういうものをいかに上手に引き出してやるかというのは,やはり教育の大事な役目ではないかというふうに思います。子供たちが自分の国に誇りを持って正々堂々と日の丸を仰ぎ,また正々堂々と君が代が歌える,そういう環境をつくってやるのもまた私ども大人の責任ではないかと思いますので,引き続き今後とも御指導いただきますようお願い申し上げまして,教育関係の質問は終わらせていただきます。  引き続きまして,商工労働部長にお尋ねをいたします。  漫遊空間いばらきづくり融資資金の円滑な執行についてお尋ねをいたします。  漫遊空間いばらきづくりの融資資金の制度につきましては,平成9年度に創設をしていただいたわけでありまして,今議会におきましても,その新たな予算措置も講じられているような次第であります。この制度を活用して,既に今つくられておりますつくばの国際会議場に隣接してホテルもつくられているようでありますが,このホテルにつきましては,県が肝入りでつくられているわけでありまして,今や稼働率は80%を超えるという,地元の宿泊施設不足から見ますと大きな朗報であるというふうに喜んでいるわけでありますが,一方で,特に外国から国際会議等に見えるお客様は,私はあくまでつくばの研究者等に聞いたお話でありますが,ただ,その研究発表だけが目的ではなくして,そういう機会に訪れた地域の自然とか,あるいは名所旧跡等を歩きながら楽しみたい,あるいは頭も体もリフレッシュしたいという気持ちがどうも強いようであります。そういう逆に国内外から見えるお客様,来訪者に対してのニーズにおこたえするためにも,この漫遊空間いばらきづくりの融資制度を大いに活用していただいて,今後ともさらにその宿泊施設等もつくっていただきながら,茨城のよさを,そこらを拠点にしながら大いに知っていただきたいというのは私どもの願いでありますが,今,県が肝入りでつくられておりますホテルにつきましては,余談になるかもわかりませんが,本当の機能だけで,泊まる,食べるだけで果たしてこれでいいのかなという不安は私自身は持っております。  できればフィットネスクラブであるとか,あるいはプールであるとか,少しリフレッシュできるような,そういう施設があればもっとよかったのかなと思うわけでありますが,せめてサイクリングコースを提供するとか,あるいはジョギングコースを提供するとか,そういうソフトの分で幾らかでも知恵を出していただいて,お客さまに喜んでいただける,あるいはつくばのよさを知っていただける,そういうホテルづくりを目指していただきたいというふうに思うわけであります。これは,地元の民間ホテル業者等もこの制度を活用することによりまして,新たにその宿泊施設ができるということでありますから,これは地元にとりましても非常に大きなメリットがある融資制度でありまして,私どもも,それだけに期待が大きいわけでありますが,現実にこの融資制度を運用するに当たっては,金融機関の対応が大きなポイントになってくるというふうに思うわけでありますが,そこで,県の方にもひとつ十二分に御指導をいただきたいと思うわけでありますが,この件につきまして,県としての取り組み方についてお尋ねしたいと思います。 85 ◯畠山商工労働部長 漫遊空間いばらきづくり融資資金貸し付けの促進についてのお尋ねでございます。  本県では,県や市町村による観光拠点施設の整備が進んでおりますけれども,一層の観光振興を図るというような観点から,民間事業者に,漫遊空間いばらきづくり資金融資制度を積極的に活用していただいて,観光拠点施設の整備を促進することが必要であるというふうに考えてございます。  このため,来年6月のつくば国際会議場オープンに伴います宿泊需要に対して,つくば市内の宿泊事業者が計画するホテルの新設,あるいは増改築事業に対しても支援を行うため,今議会において,委員今おっしゃったような融資枠の拡大をお願いしているというところでございます。  本融資制度は,金融機関と県による協調融資でございまして,具体的には,県が1を金融機関に貸し付けまして,これに金融機関が2を加えて融資を行うものでございます。県が観光拠点施設の認定を行いまして,金融機関が事業計画や経営内容の審査を行うことになっております。  したがいまして,実際には,金融機関の審査を経た上で融資が行われることとなりますので,本融資制度が金融機関の融資対応による影響を受けることは考えられるところでございます。  しかしながら,つくばにおける宿泊施設の充実につきましては,観光地の受け入れ体制を図る上で重要であるというふうに考えておりまして,本融資制度の事業趣旨に沿った運用が図られるよう努めてまいりたいというように考えてございます。 86 ◯塩田委員 せっかくつくっていただいたすばらしい融資資金の制度でありますから,これらが十二分に活用されまして,それらのおかげで宿泊施設不足に悩む地元に新たな宿泊施設ができるよう強く希望するものでありますから,ひとつ県におかれましても,大所高所から御指導をいただきますようお願い申し上げまして,この件につきましての質問は終わらせていただきます。  引き続きまして,警察本部長にお尋ねをしたいと思います。  まず,異物混入事件からお尋ねをしたいと思いますが,この7月でしたか,和歌山県で,いわゆる毒入りと見られるカレーを食べまして,そのおかげで4人の方が死亡なされるという悲惨な事件があったわけでありますが,その後,何か燎原の火のごとく全国に似たような事件が頻繁に起こってまいりまして,私ども茨城県でも何件かそういう事件があったように新聞報道で記憶をいたしております。幸いに,自作自演であったり,あるいは狂言であったりというようなこととか,あるいは非常に軽微な混入物であったとか,そういうことで,茨城県におきましては,そう大きな事件には発展していないようでありますが,いずれにいたしましても,善良な市民,県民の皆様方を不安と恐怖のどん底に陥れているわけでありまして,あたかもかつてのサリン事件をほうふつとさせるような,身震いするような気がいたします。まさかあのときのような大がかりな組織はないだろうというふうに私どもも思ってはおりますが,この異物混入事件につきまして,茨城県の今まで起こった事例とか,あるいはその取り組み方,対策等につきまして,本部長のお考え,基本的な姿勢をお尋ねしたいと思います。 87 ◯堀警察本部長 毒物異物混入事件の現状と県警察の対応についてお答えいたします。  全国的に毒物異物混入事件が多数発生しておりますが,本県におきましては,常陸太田市内のコンビニエンスストアの異物混入事件を認知いたしております。これにつきましては,その後の捜査によりまして,当該被害者と目されていた者が自分で洗剤を混入して飲んだ事件であり,狂言ということで,9月10日にコンビニエンスストアに対する信用毀棄及び業務妨害により同人を逮捕いたしております。  なお,別に水戸市内で男性が無理やりクレゾール液を飲まされたと届けになった事件を認知いたしておりますが,これはスーパーやコンビニ店内で飲料物に混入させた事案ではないということで,別に扱い,現在捜査中であります。  このほか,ペットボトルの栓が開いていたとか,飲食物を食べたところ変な味がしたといったような届け出がありまして,現在までに四十数件の鑑定を実施いたしておりますが,有毒物質は検出されておりません。  現状の次に捜査体制でありますが,警察本部並びに27警察署に捜査員の待機体制を強化するとともに,県内3方面に常設いたしております機動鑑識班を3交替で24時間待機させ初動捜査に万全を期しております。  特に毒物の鑑定につきましては,なかなか難しい面もございますが,牛乳にまざると鑑定が難しいとか,いろいろな問題がございますが,青酸化合物,砒素化合物,そして有機燐系農薬,これは大きな3大毒物でありますが,これの予試験試薬を整備して,リトマス試験紙のようにすぐにわかる,その後正確に鑑定していくという段階を経る,こういう体制を科学捜査研究所の専門の係がいつでも迅速に鑑定できるように整えております。  問題の防止対策につきましてでありますが,先般,関係機関,職域団体と再発防止会議を開催し,商品管理や有毒物質の適正な管理についてお願いするとともに,警察署の署員が食品販売店全店舗を訪問し,店舗内における自主警戒の強化,販売品の適正な管理,不審物,不審者の早期発見,警察への通報等について指導を実施いたしております。  しかし,この種コンビニエンスストア,あるいはスーパー等は,県内数百店舗に及び,また自動販売機は約16万台と多数に上りました。この種の事案防止は,極めて難しい状況にあります。特に4分の1に上るスーパー等では防犯ビデオを設置してないということもございまして,これに対する設置方や自主警戒の強化を強く促していきたいと思っております。  引き続き,広報紙等による県民への注意喚起や自動販売機設置箇所の自主警戒の強化等を呼びかけまして,警察の警戒と相まって,毒物異物混入事案の再発防止と被害の防止に努めてまいりたいと考えております。 88 ◯塩田委員 大変な御努力なされているというお話を聞きまして,現場で働く皆さん方にまことに頭の下がる思いであります。先ほど加藤委員からも御指摘がありましたように,それじゃなくても警察官1人当たりの受け持ち分担が余りにもひどすぎるということが指摘されているわけでありまして,かかる状況のもと,次から次へ大変な事件が起こっているわけでありますが,今後とも,ひとつ本部長におかれましては,前線で働く皆様方を叱咤激励しながら,少しでも環境をよくしながら,なおかつ治安の維持に大いに働いていただきたいというふうにお願いを申し上げる次第であります。  引き続きまして,私どもの地元のつくばと土浦地区におきます暴力団同士と見られる対立抗争事件につきまして,お尋ねをしたいと思います。  この事件につきましては,事件が事件だけに,私どもも確かな情報が全く入ってこないだけに,今はどうなっているのか,あるいはこれから先どういうふうになっていくのかということで,特に,地元のつくば,土浦市民の皆さん方は恐怖におののいているような次第でありますが,それこそ合言葉で,流れ玉に当たらないように気をつけようとか,そういう話も出るような始末でありますし,また,夜はできるだけ出歩かないようにしようとか,そういう話も日常会話の中に真に迫って出てまいります。非常に残念なことでありますが,今何だか新聞の報道をずっと見ていますと,幾らか小休止といいますか,何か鎮静化したような気もするわけでありますが,非常に死者も既に出ておりますし,私ども非常に関心を持っていることであります。特に,来年6月にはつくば国際会議場がオープンをいたしますし,3,000 人という収容人員のうち,それこそホテル等の条件が整えば,その半数ぐらいはひょっとしたらつくばとか,あるいは土浦に泊まっていただけるのかなという気がするわけでありますが,そうしましたら,アフターコンベンション,会議が終わった後,皆さんでとにかく夜の街へ陽気に繰り出していただいて,飲んだり,あるいは民俗舞踊を楽しんでいただいたり,あるいはダンスを楽しんでいただいたり,そういう夜の街が明るく,とにかく安全ですよということを特に外国のお客様にはPRをしたいわけでありますが,危ないから物騒だから外へ出るな,あるいは出て事件に巻き込まれたということになりますと,肝心の来ていただいた人がリピーターにならないということで,せっかくの肝入りで始まった,このつくば国際会議場の利用客もドーンと減ってしまうのではないか。それと同時に,筑波研究学園都市というふうに世界じゅうに情報を発信する知名度の高い街のイメージが著しくダウンするのではないかということを私どもは憂いているわけでありますが,もちろん並々ならぬ努力をいただいていると思いますけれども,その暴力団同士と思われる対立抗争事件につきまして,現状と対策等につきましてお尋ねしたいと思います。 89 ◯堀警察本部長 御指摘のように,県民が愛してやまない霊峰筑波のふもとでドンパチとはとんでもないということで,現在鋭意努力いたしております。  御説明いたしますと,本年5月から6月にかけまして,この地区で拳銃使用による殺人事件が1件,傷害暴力行為事件1件,拳銃打ち込み6件が集中的に発生いたしました。この背景は,つくば市内に進出を図った山口組系の暴力団員がつくば市内に組事務所を開設したところ,もともといました地元暴力団松葉会系小島一家が反発いたしまして,本年5月10日早朝,つくば市の組員宅マンションを鉄パイプ,金属バット等で襲撃し,組員及び同組関係者7名に傷害を与えたということ,これをきっかけに対立抗争が激化したものであります。  山口組対松葉会の抗争にとどまらず,松葉会の内部の内紛も絡んで,つくば市や土浦市におきまして,その後も拳銃発砲事件が連続6件発生し,さらに6月16日には,真壁町におきまして,松葉会系組員が射殺されるという事件に発展いたしております。  警察といたしましては,組織の総力を挙げて抗争事件の鎮圧と一般市民の巻き添え防止を図るために,警察本部とつくば中央を初めとする関係4警察署に現地対策本部を設置し,警戒検問活動を強化したところ,抗争事件につきましては,6月16日の事件を最後に一応発生がなく,沈静化を見ているところであります。  しかし,暴力団が敢行したこれらの各事件につきましては,本部と関係署の合同捜査班によりまして鋭意捜査を進め,対立抗争事件に関与した暴力団員8名を含む 113名を検挙し,さらに殺人事件の捜査にも全力を注いでおります。  警察といたしましては,今後とも市民生活の平穏を脅かす暴力団の壊滅に向けまして,関連事件の徹底検挙を進めながら,特に民間暴力追放組織との連携による暴力団排除活動を強力に推進いたしまして,県民が枕を高くして眠れるよう治安維持に努めてまいりたいと考えております。 90 ◯塩田委員 時間でありますので,一言要望をさせていただきたいと思います。
     まず,並々ならぬ御努力をなされていることに対して深く感謝を申し上げる次第であります。ついては,その結果として,市民の皆さん方が決して抗争事件等に巻き込まれないようにひとつ十分な御配慮をいただきますとともに,現場でそういう事件に当たっておられる警察官の方とか,そういう関係者の方々がゆめゆめけがをなされたり,あるいは傷害に遭われたりという,いわば二次災害でしょうか,そういうことに遭遇しないように御配慮をお願いしたいと思います。  それにいたしましても,加藤委員のお話の続きになりますが,警察官1人当たりの負担度が非常に高いわけでありまして,特に県南の方は十分厚く配置しているよとおっしゃってはいただいておりますが,例えば,つくば市の館野の駐在所等は昨年までは全国でワーストワンの負担率でしたよね。とにかく1人で何千世帯という受け持ちがあったような状況であります。ことしの春から改善していただいたような経緯があると聞き及んでおりますが,まだまだ治安に関しては不安な点があります。今後ともぜひとも本部長のみならず,県当局にお願いしたいと思いますが,警察官をもっとふやしていただいて,県民の皆様方が安心して住める治安のよいまちづくりを目指していただきたいと思います。  財政事情が厳しいことは十分承知をいたしておりますが,事件が起こって,あるいはだれかが巻き添えになってからでは遅いわけでありますから,人災にならないように県当局におかれましても,ひとつ十分御努力いただきますよう要望いたしてまして,終わります。  ありがとうございます。        ─────────────────────────── 91 ◯潮田委員長 次に,今橋委員。 92 ◯今橋委員 民主党の今橋です。  通告に従いまして,まず,天下りの問題について,どのような認識をお持ちか,知事にお尋ねいたします。  今,国民の関心を集めている事件の一つに,大手通信機メーカーの過大請求に絡む防衛庁調達実施本部の背任事件があります。防衛庁OBを天下りさせることを条件に,20億 6,400万円の返還額を3分の1の8億 7,400万円に不正減額したとされるものであります。私は,今回の事件から県として教訓とすべきこととして3つの問題を指摘したいと思います。  1つは,見積もりそのものが適正であるか,見抜く能力であります。見積もりのもととなる基本単価,積算方法など細部のデータの集積を行い,過大な見積もりに対し厳しく追及する体制が欠如していたことであります。2つ目は,天下りの問題であります。メーカーに対し,天下りを強要したり,要請したりするような姿勢がもし発注側にあれば,その後の力関係において,メーカー側の意向を聞かざるを得ない弱い立場をつくることであり,著しくその後の業務遂行に当たってマイナスの影響を与えるものであります。  また,本人みずからが天下り先の確保のために,手心を加えたり,情報を流したり,見積もりなどで便宜を図るようなことに対しても,本人のモラルの問題として片づけるだけではなく,二重三重のチェック管理体制の確立が必要であります。そして,3つ目が天下った先において,本人に期待される企業側の役割,責任であります。私は,多くの企業の天下りを受ける最大の目的は,人脈を使っての情報の収集であり,現役後輩に対する有形無形の圧力による有利な営業の展開と思います。このように考えれば,OBの天下りは,県の行政運営にとって極めて公平を欠くマイナスの存在との位置づけが必要と思うのでありますが,そこで,防衛庁調達実施本部の背任事件とを絡めて,知事として天下りの問題にどのように認識しているのか,お伺いいたします。 93 ◯潮田委員長 今橋委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 94 ◯橋本知事 今回の事件につきましては,新聞等で承知しているだけでございますけれども,大変驚いているところでございます。お尋ねの天下りにつきましては,メリット,デメリット両面があると考えておりますが,今回の事件を他山の石としてメリットを生かしながら,デメリットをできるだけ少なくするよう努めてまいりたいと存じます。  本県職員の退職に関しましては,定年による退職のほか,人事管理の適正化及び行政の効率化等を図るため,部長級の職員については,年度末現在で年齢58歳を基準として,退職勧奨を実施しているところでございます。そして,この退職勧奨によって退職する部長級の職員につきましては,定年より2年早く後進に道を譲るため,58歳で退職しているところでございますので,再就職の希望がある場合には,公社等公共的団体に対し,適任者を推薦しているところでございます。また,このほか,定年まで勤務した者,あるいは公社等を退職した者が技術等を買われて再就職,あるいは再々就職している場合もございます。これらの再就職につきましては,本人が長い公務員生活で培ってまいりました豊かな知識,経験を社会のために生かせるという面もございますが,また,御指摘のようにいろいろな弊害も考えられるところでございます。これまでも,そうした弊害を少なくするため,一般競争入札の拡大,あるいは今回も行おうとしております予定価格の事後公表など,制度的な対応を含めて対応に努めてまいっているところでございますけれども,せっかくの御指摘をいただいたところでございますので,今後ともいやしくも県民からの疑惑を招くことのないよう指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。 95 ◯今橋委員 ただいまの答弁をお聞きいたしまして,知事が本県においてはそういうことがあってはいけないというような強い気持ちで取り組まれていること,わかりました。ぜひとも知事のこの問題に対するリーダーシップを強くお願いいたします。  それでは,知事,ありがとうございました。  続きまして,総務部長にお尋ねいたします。  ただいまの知事の考えを実際に運用するのに当たりまして,県として取り決めた内規があれば,お伺いしたいと思います。また,この内規に沿って公社等からダイレクトに土木関連企業に就職した職員の数,または課長よりダイレクトに定年後,土木関連企業に就職した職員の数をお聞かせいただきたいと思います。 96 ◯務台総務部長 まず,再就職についてのいわゆる内規についてでございますが,本県では,県を勧奨退職した職員の再就職をあっせんするための基本的な取り扱いを定めているところでございます。  まず,再就職の推薦につきましては,原則として公共的団体に限ってこれを行っております。具体的には,県の出資法人,特殊法人,公益法人等でございます。推薦の手続は,職員を受け入れることを希望する公共的団体から知事に要請書を出していただきまして,知事が職員を推薦するというものでございます。就任の期間でございますが,3年を限度としておりますが,特別の事情がある場合には2年を限度に延長できることとなっております。  以上が取り扱いの主な内容でございますが,昭和48年にこの取り扱いが定められたわけでございますが,その以前は,再就職についての取り扱いがまちまちであったため,適正なルールを定めて,これを公平公正に運用する必要があるという声が高まり,統一基準として取りまとめたものでございます。  次に,課長級で県を退職した後,あるいは公社等に再就職した者が公社等を退職した後,直接土木関連企業に再就職,あるいは再々就職する場合の取り扱いについてのお尋ねでございます。これらのケースにつきましては,一定のルールに従ったあっせんは行っておりません。ただ,場合によりまして,個別のケースで紹介することはございますが,就職に際しましての給与等の条件については,県は直接関与せず,当事者間にお任せしているところでございます。したがって,具体的な数については,我々としては承知しているところではございません。 97 ◯今橋委員 今のお話を聞いておりまして,1つは,多くの県民の皆さんは,この勧奨退職という,勧められて定年前にやめられる方が公社等に移ることを本当に退職と思っているんだろうかというと,それはやはり退職ではなくて,ある意味では出向じゃないだろうかというような気持ちを持っているわけでございます。そういう格好の出向先において,専務等のしかるべき立場にあった方が3年なら3年という格好の延長期間が終わった時点でもって直ちにやはり他の土木関係,あるいは建設関係と,極めて影響のあるゼネコン等にダイレクトにやはり再就職する,あるいは再々就職するということに関しましては,今の御答弁におきましては,県としては関与できないというようなことになっておりますけれども,ある意味で,天下りという格好の見方というのは,そこの部分に一番集中しているのではないかと思うんですね。そういう面で考えますと,例えば公社等で定年になって退職される方が再就職,再々就職する場合でも,やはり2年間なら2年間,ある意味でかなり制限を受ける,これはやはり仕事の性格上,そういう立場にかかわったという意味から考えるとやむを得ない公益を守るための一つの制約ではないかと思うんですけれども,それについてはいかがでしょう。 98 ◯務台総務部長 2年間の猶予期間を設けてはという御提案でございますが,一応県を退職されているわけでございまして,退職後の猶予期間という問題につきましては,職業選択の自由という憲法上の基本的人権の問題がやはりあるのではないかというふうに思います。それから,本人がこれまで培った能力を活用しようとする場合に,身分関係の切れた前の雇い主の立場で県がこれを制約するということは,なかなか難しい問題もあるのではないかというふうに思っております。  ただ,御指摘のような点につきましては,いろいろ問題があるという事情もそれなりにわかる面もございますので,先ほど知事が申し上げましたように,再就職に当たっては,いやしくも県民の方から疑惑を招くようなことがないように指導の徹底を行っているところでございます。 99 ◯今橋委員 平成5年10月29日の職員の再就職の取り扱いについてという総務部長通達 789号,それから人事課長の総務部長通知の具体的取り扱いについての通達 788号では,かなり具体的に公社等の再就職以外の分野,いわゆる天下りの弊害を意識した厳しい制約がその内容には盛り込まれていると思うんです。しかし,ただいまの答弁でもありましたように,ほとんど答弁の内容は,公社等への勧奨退職予定者についての再就職という分野に答弁が偏っている感じがするんですけれども,私は,やはりある意味で公社以外の,いわゆる天下りと世の中でもって言われるような数字がやはりここでもって明確にできなかった,あるいはつかんでないということにつきましては,このような通達の中でもって二度と天下りなんかでもって問題が起きてはいけないというようなことを強く訴えているにもかかわらず,具体的にそれが運用されていないのではないか,無視されているのではないかという感じがするんですけれども,改めて単に公社等の再就職を決める規制とは別個に,世の中の天下りという格好の分野から,何らかの運用規定というものをつくるべきではないかと思うんですけれども,部長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。 100 ◯務台総務部長 先ほど委員が引用されました平成5年10月の総務部長の通知でございますが,職員があっせんによらずに自分の技術を生かしてゼネコン等建設業者に再就職する場合には,いやしくも県民との疑惑を招くことのないよう指導徹底を図るということで,そういう通知がございます。これに沿いまして,各部局におきましては,退職の際に,当該職員,あるいは場合によっては相手先にその指導の徹底を図っているところでございまして,この規定が形骸化していることはないというふうに考えております。 101 ◯今橋委員 きょうは,総務部長の方は,そういうそれぞれの部局の出向者に対しての数字が多分仕組み的に報告されてないような格好になっていないので,答が出せないのだと思いますけれども,ぜひともこの件に関しましては,総務部といたしましても,こういう通達を出している以上,具体的にこのような通達に沿った格好でもって,きちんと行われているかどうか,ひとつ今後の対応の中でもって強くフォローをお願いしたいというように思います。  それでは,総務部長,ありがとうございました。  それでは,続きまして,土木部長にお尋ねいたします。  厳しい経済環境の中で,公共事業に多くの期待が集まっている今,企業として公共事業に関与できるか否かは,企業の命運をかける問題であり,そのためには,あらゆる手段を使って情報収集,提案,営業活動は熾烈を極めるものと思います。  このような中で,絶対にあってならないことは情報の漏えいであり,業者選定に当たって,公正公明性の確保であります。  そこで,お尋ねいたします。  直接これらの業務に当たっている見積もり発注関係者及びその管理者の守秘義務とそれから情報管理,そして情報の漏えいに対して組織上,いかなるセーフガードを講じられているのか,土木部長よりお答えいただきたいと思います。 102 ◯不破土木部長 守秘義務と情報化についてでございますが,土木部におきましては,地方公務員法,これは守秘義務について記述してございます。それから,茨城県公文書の開示に関する条例,茨城県財務規則,茨城県建設工事施行等の手続及び監督規程,これらにつきましては,予定価について主に記述してございますが,それらによりまして,公務員の守秘義務につきましては,常日ごろより各種の会議などを通じて遵守の徹底を図っているところであります。  また,そのほかに,部外の方々がみだりに執務室へ入室することを遠慮していただくための対応といたしまして,部屋の外に名刺受けを置くなどの措置が,新たに建設されました事務所等ではカウンターの設置と接客用スペースを設けるなど執務室への入室の制限に努めているところであります。  また,積算作業,あるいはさまざまな会議の開催中の入室の禁止といった措置もとっているところであります。  今後も,機会あるごとに情報管理の徹底が図られるよう指導してまいりたいと考えております。 103 ◯今橋委員 今のお話の中で,情報収集のために,それぞれの職場の中に関係者の皆さんが入れない,これは非常に大事なことだと思いますけれども,先ほど出ました,いわゆる天下りと言われるOBの皆さんに関しましても,どのような対応をされておりますか。 104 ◯不破土木部長 OBであるかどうかということは,私ども余り関知しておりません。業界の方ということなら業界の方として,県民の一人としてなら県民の一人として,そのように扱っているつもりでございます。 105 ◯今橋委員 部長の立場から言わせれば当然そういうことになると思いますけれども,やはり,実務を担当されている方にしてみれば,数年前,自分の上長だったというような方たちが職場の中に来るというような状況というのは十分にあり得ると思いますので,ある意味で,そういう面で,今,部長がおっしゃられたような気持ちをそれぞれの第一線の皆さんも肝に銘じた格好でもってやっていただきたいというように思います。ありがとうございました。  続きまして,つくば研究支援センター,あるいはひたちなかテクノセンターの機能強化について,商工労働部長にお伺いいたします。  筑波研究学園都市の持つハード,ソフト両面の力を県内企業に誘導することを目的として,昭和63年に,県,民間など合わせて28億円の資本金で設立されたつくば研究支援センター,そしてまた水戸・日立地区の地域産業の振興を図ることを目的に,平成2年に設立されたひたちなかテクノセンターは,現在,県,民間の企業など合わせて資本金41億 2,600万円で,施設は平成9年に竣工しており,いずれの施設も中小企業を対象とする事業を進めております。  そこで,まず,両センターの設置の目的,体制整備状況について,また,それぞれの事業内容とその成果について,部長として十分な成果を出し切っているかどうか,お伺いしたいと思います。 106 ◯畠山商工労働部長 つくば研究支援センター,そしてひたちなかテクノセンターの設置の目的,体制整備状況についてでございます。  まず,つくば研究支援センターでございますが,筑波研究学園都市の科学技術を最大限に活用し,地域の研究開発水準の向上,そして研究開発成果の企業化を促進するため,いわゆる民活法に基づきまして,産学官の研究開発支援機関として設置したものでございます。  体制としましては,現在,常勤役職員17人を配置し,総務企画部,研究支援部の2部のほか,技術相談室を設けております。  次に,ひたちなかテクノセンターでございますが,いわゆる頭脳立地法に基づき,水戸・日立地域産業の高度化支援及び特定事業の集積促進を図るための中核的な推進機関として設置したものでございます。  体制としましては,現在,常勤役職員16人を配置し,総務部,研究開発部,研修交流部の3部のほか,新技術製品開発センターを設けているところでございます。  次に,つくば研究支援センター及びひたちなかテクノセンターの事業の内容とその成果についてでございます。  まず,つくば研究支援センターでございますが,事業は,施設提供,研究交流,人材育成,情報提供の4つの柱から成ってございます。例えば,施設提供につきましては,研究成果を企業化するため,各種の試験研究室を提供しておりまして,現在,48企業が入居し,ほぼ満杯の状況でございます。  また,研究交流につきましては,斬新なテーマを取り上げた技術分野別研究交流会を初め,公開講座や研究者との集いを開催し,産学官の研究交流の場としての役割を果たしているところであります。  さらに,人材育成や情報提供としましては,最先端の技術に関するセミナーの開催,さらにはセンター独自の研究開発情報誌の発行,会員の研究開発,新規事業へのシーズ提供に貢献してまいりました。  これらの事業を通じまして,県内の研究開発型企業に対する支援体制を強化し,新製品,新技術の開発へ結びつけるなどリサーチコアとしての使命を果たしてきたものというふうに考えております。  次に,ひたちなかテクノセンターでございますが,事業は,研究開発,研究支援,人材育成,情報交流の4つの柱から成っております。例えば,研究開発につきましては,センター独自で,あるいは地域の中小企業,大学などとの共同による研究開発を行っており,この中から,昨年度は水分センサーに関しまして,特許出願に結びついたところであります。  また,研究支援につきましては,テクノデザインセンターを通じ,中小企業のデザイン開発を支援しますとともに,コンピューターによる設計から光造形機での試作品制作までのシステムの提供を行っております。  さらに,人材育成や情報交流につきましても,ひたちなかクラブによる研究交流会のほか,数多くの研修会を実施しまして,受講者も年々増加するなど,最新の情報提供や交流など活発な事業を行ってまいったところでございます。  これらの事業を通じまして,地域の中小企業の高度化支援やデザイン業やソフトウエア業などの特定事業の集積促進に寄与してきたものというふうに考えております。 107 ◯今橋委員 確かに,一部の企業からは高い格好での評価というのはあると思いますけれども,今,県内の企業,特に中小企業が置かれている状況の中で一体この2つのセンターとかかわり合った企業というのはどのくらいあるんだろうかというように考えますと,極めて一握りの状況ではないかと思います。こういうすばらしい施設があるにもかかわらず,なかなかそれを使い切れない,あるいは使うだけの力がない。そこに,今の中小企業の置かれている厳しい状況があるというように思います。  そういう面では,どちらかといえば,私たちは力をつけて,あなたたちが来るのを待っているというような場所を提供するとかという格好の,あるいは情報を提供するとかというような格好の運営ではなくて,もう一つ,この2つのセンターからもっと具体的な格好でもって,何かが生まれることができないだろうかというような感じがするわけでございます。例えば,このグローバル化が進む中において,産業のリニューアル,あるいは新産業,新製品,新技術の開発など具体的で目に見える成果に直結する体制をまず一つつくることが必要なのではないだろうか。そしてまた,そういう体制をつくって,そういう人たちが新しい何かをそこから生み出していく,そういう格好の運営の転換が必要ではないかというように思うんです。今,一般的にワールドカップでも何でも,特に福祉の分野でもボランティアという格好でたくさんの方が自分の持っている力を役に立ちたいというような方が非常に多くなっておりますけれども,今言ったものづくりとか,あるいは研究とか開発とかというような分野に関しましても,私はやはりたくさんの方が自分の持っている力を世の中のために使うことができないのだろうかというように思うのであります。そういう格好の中で,例えば,そのためには,民間企業や大学,国,県のそういうOBの人だけではなくて,関心を持つ専門家の皆さんが,テーマごとにボランティアのような格好でもって,この指とまれ式に集まってアイデア提供から新製品開発まで具体化するまでの技術者集団の根城のような格好の施設での転換が今最も有効な対策と思うんですけれども,そこで,両センターの産業活性化,新産業新製品開発研究のための,いわゆる機能の強化について,ぜひとも商工労働部長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。 108 ◯畠山商工労働部長 産業の活性化,新産業新製品開発研究のための機能強化についてのお尋ねでございますが,中小企業の研究開発を支援するためには,産学官の連携を強化しまして,技術移転を促進することが特に重要であるというふうに考えております。  このため,つくば研究支援センターにおきましては,中小企業の新製品開発を支援するために,中小企業と研究機関等との技術交流の促進を初め,中小企業に対する大学や国立試験研究機関の研究成果の移転,普及を図るセミナーの開催,解説集の作成などを行っております。  また,センター内のいばらきサロンにおきましては,人的交流の場を提供しているのを初め,民間企業や大学,国の試験研究機関のOBなどを中小企業に派遣するテクノエキスパート派遣事業の拠点の一つとして中小企業への技術移転を中心に,県とともに総合的に支援しているところでございます。  次に,ひたちなかテクノセンターにおきましては,付加価値の高い製品づくりを支援するため,最新のデザイン開発機器を整備し,中小企業に開放しますとともに,第一線のデザイナーによる相談,指導,産業デザインの研修を実施するなど,機能の充実に努めてきたところであります。  また,本年度は,総合経済対策の一環として,国の地域コンソーシアム研究開発事業を導入し,電子部品の大型化,高精度化に対応できる省エネ型加工機械の開発を行おうとしているところでございます。  その体制としましては,県北地域の中小企業を初め,大学,国の試験研究機関,工業技術センターの技術者が集いまして,これまで以上にひたちなかテクノセンターが中心的な役割を担って中小企業の研究開発,支援を進めていくものでございます。こうした実績を踏まえますとともに,現在進めておりますテクノエキスパート派遣事業が非常に好評でございますので,今橋委員の御提案につきましては,これらの既存の事業との整合やその可能性について,今後十分研究しながら両センターの研究開発機能の強化に一層努めてまいりたいと,このように考えてございます。 109 ◯今橋委員 今,テクノエキスパートの話がございました。これはこれでもって既存の中小企業にとっては専門家の立場からアドバイスをいただけるということでもって非常に意味があることではありますけれども,これもなかなか派遣要請という格好でもって受け入れてくれないと出番が出ないという格好の状態というのはなるわけです。そういうふうに考えますと,例えば,このテクノエキスパートの皆さんの中から,どちらかといえば出ていって,それでもっていろいろな格好のアドバイスをするということよりも,出ていかなくてもいいから,そこの研究室において一つのテーマ,いろいろなアイデア,それをやはり製品化につなげるまでの取り組みをした方が自分には向いているというような人たちなどもたくさんいると思うんです。それと同時に,そういう人たちを支えるシルバーエンジニア的な人たちも,あるいは現役の皆さんも企業の中にはいっぱいいるはずですから,そういう人たちが集まって,それで単に中小企業から頼まれたテーマだけではなくて,新しく中小企業から,その開発した製品をうちに買わせてくれというような格好の目に見えた格好の成果ができるまで,取り組むことができるような事業部門というものを今言ったこの2つのセンターの中にきちんと入れていただきたい。これを要望申し上げまして,商工労働部長の質問は終わります。ありがとうございました。  続きまして,水害予知体制の確立について,土木部長にお尋ねいたします。  今回の那珂川流域の水害は,流域沿岸の築堤の整備が進んだこともあり,水位的に 8.43 メートルもあったにもかかわらず,昭和61年の水害に比べ大幅に被害を少なくすることができました。関係者の皆様の御苦労に対し,感謝の気持ちを十分に酌みながらも,依然として家屋の浸水,延べ 1,046棟,冠水面積 705ヘクタール,約29億円の被害総額を思うとき,改めてこの問題を取り上げるものであります。  まず,水害予知体制の確立であります。水害は,地震と違って気象条件によって,その要因が発生するものであり,要因の変化を正確にインプットすることにより,水害予知を可能とし,被害の想定に基づき災害防止のための適切な対応,指示をタイムリーに行うことを目的とするものであります。そこで,土木部における予知体制の整備状況と今回の水害で,それらの情報が水害の抑制にどのように機能したのか,お伺いします。  また,新庁舎における新しい設備は,機能的にどのようなアップが図られているのか,お伺いしたいと思います。 110 ◯不破土木部長 お尋ねは3点ございましたが,まず第1点目の水害予知体制の整備状況についてでございます。  県では,降雨時の災害に関する情報を的確に収集するため,雨量局,水位局など治水上,あるいは水防上必要となります観測施設を設置いたしております。現在,雨量局は,約 200平方キロメートルに1カ所の割合で31カ所配置いたしております。これは,県管理の1水系当たり,おおむね1カ所程度の配置状況になってございます。  また,水位局につきましては,主要河川に47カ所を配置いたしております。雨量や水位から災害を予測するためのシミュレーションでございますが,県におきましては,そういった電算システム等によるシミュレーションは行っておりませんが,これらの観測情報に加えまして,過去の出水記録などを参考に,水害の可能性につきまして内部的に検討し,その都度情報を提供したり,あるいは必要に応じて水防警報を発令し,水防団などに注意を促すことといたしております。  建設省が管理する河川におきましては,これは大体において大河川であることが通常でございます。そういうことで,水位や流量の観測地点も多く,過去の出水状況などのデータも豊富なことから,水位予測を実施いたしております。  このため,梅雨期や台風期などの大雨により洪水のおそれがある場合には,水防警報以外に気象庁と建設省は共同で洪水警報を発令し,主要地点の予測水位につきまして,関係行政機関や市町村,水防団,一般住民の方々に情報提供をいたしております。  続きまして,今回の水害でそれらの情報が水害の抑制にどのように機能したかについての御質問でございますが,今回の那珂川の出水におきましては,8月27日午後4時半,まず,那珂川の洪水予報が出されました。午後6時ごろに水府橋の水位が6メートルになるという水位の予想でございました。さらに28日零時30分には,6時ごろには水府橋の水位が8メートルから8メートル50センチに達すると,そしてそれがおおむね最高水位になるとの予想が示されたところであります。  また,水府橋における河川表示板によりまして,時々刻々の水位情報が示されておりました。このように水位に関する情報が関係機関や一般人に提供されたことは,その後の水防活動,警戒避難活動,緊急時の自衛活動を行うのに際して大いに機能し,役立ったと考えておりますし,また,それによりまして被害の軽減もあったものと考えております。  次に,新県庁舎におきます新たな防災関連設備についての御質問でございます。  水防関係では,現在の水防情報テレメーターシステムの更新を図る予定でございまして,今回の9月補正で約10億円の追加予算を上程いたしております。その中では,雨量局は,21局増設し,これによりましておおむね 100平方キロメートルに1カ所程度の配置となります。また,水位局は,20局増設する予定でございます。  県といたしましては,このような増設によりまして,治水,あるいは水防の活動に必要な情報をより詳細にかつ迅速に収集し,新たに設けました中央監視局によりまして,一元的な管理を行い,これらの情報を即座に関係機関に通信回線で提供できるよう整備を図ることといたしております。これによりまして,より的確な防災活動が実施できるよう努めてまいります。 111 ◯今橋委員 具体的に前向きな取り組みがされているようでございますけれども,確かに 200平方キロメートルから 100平方キロメートルという格好でもって非常に細かくはなると思いますけれども,例えば,それで十分なのか,あるいはこれがもっと今度は50とか,あるいは10とかというくらいになってきたときに,もっと正確な情報が入って,その正確な情報と連動するところのコンピューターによるところの被害予測,あるいはその予測に基づくところの予防のための具体的な指示という格好でもって,連動して初めてこれはシステムとして機能するのではないだろうかというように思います。そういう面で,ぜひともこの予知システムに関しましては,予知があって次に具体的な災害を防ぐための対応が指令として出てくるというふうに思いますので,この仕組みの早期完成,あるいはまだ十分でないとすれば,仕組みの完成に向けて,ぜひとも前向きな取り組みをお願いしたいということでもって,部長の質問を終わります。ありがとうございました。  続きまして,自衛隊の積極的活用につきまして,生活環境部長にお伺いいたします。  今回の水害では,知事の要請に基づき,60人3個中隊 180人の自衛隊の皆さんが待機し,うち60人の皆さんが土のう積みにかかわり,水害の被害抑制に当たられたと聞いております。使用された土のうは,28日が 2,400個,30日が 3,000個という大量のものであり,自衛隊並びに消防関係者の御苦労に対し,心から敬意を表します。  そこで,もし水害予知で完全に冠水地域を出さないためのシミュレーションに基づく対策が出た場合,県と自衛隊においてそれに沿った対応ができるか否か,お聞かせいただきたいと思います。  また,そのような対策を実施する場合,自衛隊員の動員の規模,必要機器,土のうなどの備蓄も含めて,県として自衛隊とより密接な救援関係を構築すべきではないかと思いますが,一部によっては自衛隊は人命にかかわる状況じゃなければ出動できないというような話があるんですけれども,ぜひとも人命だけではなくて,こういう水害を防ぐというような意味で自衛隊の出動がより迅速に,しかも完璧にできるのかどうか,生活環境部長からお答えいただきたいと思います。 112 ◯長嶺生活環境部長 自衛隊の支援の強化についてお答えいたします。  自衛隊の災害派遣は,災害対策基本法や自衛隊法に規定されておりまして,都道府県知事の要請に基づきまして,災害派遣を行うことを原則としております。  また,自衛隊で派遣をする場合に,その基準といたしましては,公共性,緊急性,非代替性が基本となっておりまして,具体的には,まず,生命,財産が保護される必要があるとき,次に直ちに災害派遣する必要があるとき,さらに他の機関のみの活動では十分でないときなどであります。  自衛隊は,県知事から要請があった場合は,この基準に基づきまして派遣の必要性の有無を判断し,災害派遣を行うものであります。  委員のお尋ねの水害予防に基づく浸水のおそれがある場合の地域への自衛隊の災害派遣についてでございますが,水害の防御や水害による災害の軽減につきましては,水防法というのがございまして,その水防法に基づきまして,市町村等の水防管理者の団体であるものが責任においてこれを行うこととされております。  また,河川につきましては,河川法にありまして,河川管理者が災害発生防止を図る観点からこれを管理することとされております。したがいまして,水害に対しましては,一義的には,これら水防管理団体や河川管理者が水防業務に当たることが第一次的なことになっております。  その上で,災害から県民の生命,財産を守るために十分な対応が困難な場合には,自衛隊に対しまして,早期に速やかに災害派遣を要請することとしているところであります。  今後とも,水防管理団体や河川管理者はもとより,自衛隊とも一層の連携強化を図りまして,水害の未然防止に努めてまいりたいと思っております。 113 ◯今橋委員 確かに自衛隊の皆さんの場合でも,その前の段階で消防関係者の皆さんがどっちかといえば自分の人力でもって,多分30キロから50キロぐらいの土のうなどを積んだりしていると思いますけれども,やはり自衛隊の持つ機動力,あるいは装備の力,そういうものを考えますと,自衛隊なるがゆえに対応できる,そういう防災対策が当然あるべきだと思いますし,また,そういうものがあくまで市町村の対応の後にしかないんだという発想だけではなくて,やはり水害を食いとめるという意味から考えれば,自衛隊との常日ごろの関係の中において,例えば何トンというクラスの土のうあたりを,今言った重装備,重機械でもって搬入して積み上げるなどというようなことはやはり自衛隊じゃなければできないのではないかと思いますので,自衛隊が茨城県と極めて密接な関係にあるということを十分に大事にしながら,その対応についての前向きな取り組みを強くお願い申し上げまして,終わります。        ────────────────────────── 114 ◯潮田委員長 次に,井手委員。 115 ◯井手委員 公明の井手義弘でございます。  ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
     ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○  和歌山市のカレー毒物事件から端を発した毒物混入事件は,私ども県民の平穏な生活をおびやかしております。特に和歌山市の事件では,当初食中毒と思われ病院や警察の対応に混乱が見られました。亡くなられた方の死因も青酸中毒から砒素中毒へと変更され,今まで考えられなかったこの種の無差別殺人に行政や警察,医療機関の危機管理体制の不備が指摘をされております。  この予算特別委員会でも,他の委員が警察本部の対応について質問をされているところですので,私は,衛生部長に,毒物事件に対する危機管理体制について,また,教育長に,小中学校における予防策についてお伺いをいたします。  まず,衛生部長にお伺いをいたします。  7月25日午後7時ごろ発生をした和歌山の毒物混入事件では,事件直後は保健所を中心に集団食中毒として対応がなされたようでございました。青酸中毒との見方が出たのは,11時間以上経過した後でした。さらに,8日間以上経過して砒素が検出され,8月30日になって死因が青酸中毒から砒素中毒と変更されました。私は,毒物中毒に詳しい知識を持ち合わせておりませんが,当初から正確な中毒原因の特定ができていれば,犠牲者を出さずに済んでいたのではと考える1人であります。  そこで,万一県内でこの種の毒物事件が発生した場合は,医療機関,保健所,警察,消防,地元市町村など全庁,また市町村を挙げての危機管理体制の整備が必要だと思います。特に,救急医療の中核を担う衛生部の役割は重要であります。総合的な危機管理体制の整備と原因毒物の特定方法,青酸や砒素といった毒物の解毒剤の配置状況がどのようになっているか,まず衛生部長にお伺いをいたします。 116 ◯潮田委員長 井手委員の質疑に対する答弁を求めます。  牛尾衛生部長。 117 ◯牛尾衛生部長 まず,総合的な危機管理体制の整備についてでございますが,これまで衛生部としましては,例えば食中毒であるとか,感染症であるとか,健康被害の要因とその対応が明確になっている事案に対しては個別に対応してきたわけでございます。しかしながら,このたびの和歌山県の事案で見られますように,発生当初の段階では健康被害の要因が何であるか明確でないような事案に対しましては,議員御指摘のとおり初動調査の段階から全庁的な危機管理体制のもとに偏りのない調査や情報収集に努めることが大変重要になるというふうに認識しております。  したがいまして,このような事件に迅速かつ適切に対応していくため,本庁関係部局の連携や警察,消防,保健所,医療機関,さらには日本中毒情報センターなどの関係機関と密接な連携を図ることが必要となると考えております。  したがいまして,これらの関係機関で定期的に情報交換の場を持つとともに,それぞれの役割分担を明確化し,緊急時の連絡体制を整備することによって危機管理体制を構築してまいりたいというふうに考えております。  次に,原因物質の特定方法についてでございますが,飲食物に起因したと思われる健康被害が発生した場合は,保健所が中心になり,患者の食べた飲食物及び患者の便や吐物等を採取し,衛生検査所において原因物質の特定を行います。  その一方で,患者の摂取時の状況や症状などから,このたびの毒物混入事件のように犯罪性の疑われるものにつきましては,同時に警察におきまして原因物質の特定作業を行うことになるというふうに考えられます。  したがいまして,先ほど申し上げました総合的な危機管理体制の中で,衛生部と県警相互の密接な情報交換を行い,速やかな原因物質の特定を行っていきたいと思います。  また,同時に,その結果につきまして,速やかに医療機関に対して情報を提供していきたいというふうに考えております。  次に,解毒剤の配備状況でございますが,県内の救命救急センターを初め救急医療機関におきましては,シアン,砒素などの解毒剤が既に常備されております。さらに,医薬品卸売業界にもこれらの解毒剤が常備相当数在庫がありますので,緊急時には対応できるものと考えております。 118 ◯井手委員 こういった毒物事件に関しましては,今は県民,また全庁的な意識が高まっている時点でございますので,対応がすぐにできるというふうに思いますけれども,災害は忘れたころにやってくるという名言がございます。この体制をきちっと今後も維持し,茨城県の中で犠牲者の出ないような体制づくりを切にお願いをするものでございます。  衛生部長への質問を以上にいたしまして,教育長にお尋ねをいたします。  一連の毒物混入事件では,港区の中学校では,毒物入りのやせ薬を女子生徒が同級生に送りつけるというショッキングな事件が発生しております。また,家庭や学校への不満をアピールするために,自作自演による狂言犯罪も多発しております。毒物事件に巻き込まれないように,小中学校での教育の現場での啓蒙運動は大変重要であると考えます。教育長に,小中学校での予防策についてお伺いをいたします。 119 ◯川俣教育長 お答えいたします。  毒物混入事件に関連した小中学校における予防策についてどうかということでございますが,先ほどお話がありましたとおり,この種の事件は極めて模倣性が強く県内においても,類似の事件の多発が懸念されるという状況にございますことから,県教育委員会といたしましても,緊急の対策として,過日,9月8日でございますが,各市町村,教育委員会の教育長あてに,有害物質混入事件の発生に伴う児童生徒の事故防止についてということで通知を出したところでございます。  この通知の中で,児童生徒が店舗や自動販売機等に置いてある不審な飲食物を飲食しないよう注意を喚起すること,それから不審物を発見した際は,警察等に通報することということを管内の小中学校に指導するように依頼をしたところでございます。  また,それぞれの学校におきましては,児童生徒が実際に購入した飲食物の安全をどのように確認したらいいのかというようなことを地域の警察の御協力などもいただきまして,その具体的な対処法を学校の学級活動とか,あるいは全校集会で指導するようなこともしております。  また,家庭においての対策も必要でございますので,学校通信等で保護者にも広報するなど事故の未然防止に努めているところでございます。 120 ◯井手委員 昔は,私らもそうでしたけれども,学校から帰り道に物を買って食べる,買い食いなどと言っておりましたけれども,絶対親から買い食いなどしちゃいけないというふうに言われて育った世代ではございますけれども,今とはかなり状況が違っております。塾の帰りに子供たちがコンビニエンス等で集まってパンやドリンク剤を飲んでいる姿というものが日常茶飯事になっております。どうか学校でのこういった事件に対する対応に関して,きめ細やかな納得のいく御指導をお願いをしたいと思います。  教育長に関して,以上でございます。  次に,高度情報化社会への対応と情報公開について,土木部長と総務部長にお尋ねをいたします。  私は,当選以来,高度情報化時代にふさわしい行政サービスの充実を訴えてまいりました。知事を初め県幹部の皆様の御英断により,この4年間でさまざまな先駆的な試みが茨城県において実施され,多大な成果を上げております。例えば,県のインターネット情報提供サービスは,全国的にもいち早く整備され,各部署からの新聞発表情報,いわゆるプレスリリースも即日掲載されるなど,その内容充実も全国トップクラスとなっております。そのアクセスの状況も,昨日現在で32万 6,000件を突破しております。  家庭や事業所で福祉情報ネットワークや県営住宅のネットワークサービスに接続することで,いつでもどこでもだれでも最新の茨城県の行政情報を入手できるような体制がそろってまいりました。  こうしたインターネットを活用した情報サービス以外でも,来年度竣工の新県庁舎では,県民情報センターが充実をされ,県民への情報提供が一層進むことが期待をされております。こうした状況の中で,県は,主権者たる県民により広範でわかりやすい情報提供を進める必要があると思います。  本日は,具体的に土木部長と総務部長に,インターネットや県民情報センターを活用した情報公開についてお考えをお尋ねいたします。  まず,土木部では,10月1日より公共工事の入札をより透明化し,効率的な公共工事を行うために,低入札価格調査制度と予定価格の事後公表制度が導入されることになりました。竹内元知事のゼネコン汚職事件という,あの忌まわしい過去を教訓として公明正大な入札制度の確立に一歩前進したと歓迎をするものであります。  そこで,入札予定価格の事後公表制度が導入されたわけですから,入札結果の情報をデータベース化して,インターネットや県民情報センターで検索できるシステムの開発を提案をいたします。  公共工事の入札情報は,現在でも公共事業情報センター内で公開されておりますが,もっと間口を広げ,一般県民にも公開する責任が県にはあると思います。入札情報のデータベース化並びにインターネットでの情報提供に関して,土木部長に御所見をお伺いをいたします。 121 ◯不破土木部長 お答えいたします。  土木部におきましては,現在,県民のニーズが大きいと見られる情報につきまして,ホームページで公開をしております。具体的には,県営住宅の空き家情報及び港湾並びに道路に関する計画や整備の状況などを掲載いたしております。  入札情報をデータベース化し,インターネットで情報提供をとの御質問でございますが,入札情報は,業界の人々などニーズが一部の特定の方々に限られておりまして,また,業界紙が逐次情報提供している現状を考えますと,当面の必要性は小さいと考えております。  インターネットによる土木行政情報の提供のあり方につきましては,今後,全庁的な情報システム化の検討の中で検討してまいりたいと考えております。 122 ◯井手委員 ただいまの土木部長の御答弁には甚だ不満でございます。ニーズが特定の業者に限られているとお考えになっているのは私は土木部長だけだと思います。私は,その情報を欲しくて欲しくて仕方ありません。しかし,その情報を一般県民の立場で手に入れる方法はありません。こういった思いを持つ県民は決して少なくない。それを入手できる方法がないので潜在化してしまっている。これが現実ではないかと思います。どうか,もう一度入札情報のデータベース化に関しましては,その潜在化している県民のニーズに目を向けていただきたい。繰り返します。ニーズがないと思っていらっしゃるのは,土木部長お一人です。時間がありませんので,質問を進めます。  さらに,公共工事の入札の信頼性を高めるために,県の入札指名業者の経営事項審査結果等の公開を要望いたします。経営事項審査結果等には,公共事業を請け負った業者の役員,所在地,そのほかに経営状況やどのような工事を請け負ったのかを示す情報が記載されております。この資料は,県民が自由に閲覧できることになっておりますが,県民への一層の情報公開のため,電算化とデータベースの公開が不可欠だと考えております。経営事項審査結果等の公開については,どのようにお考えになっているのか,土木部長にお尋ねをいたします。 123 ◯不破土木部長 平成10年7月1日以降経営事項審査を受付した経営事項審査の結果についてでございますが,経営事項審査の結果につきましては,平成10年7月1日より施行されました新しい審査基準による審査結果を,平成10年8月27日から県庁舎内の公共事業情報センターで閲覧に供しております。  また,データベース化し,インターネットによる情報提供をすべきとの御提案でございますが,経営事項審査の結果につきましては,全国的に財団法人建設業情報センターが情報を収集し,平成10年12月1日からインターネットで情報提供を開始する予定であると聞いております。 124 ◯井手委員 この経営事項審査結果の公表につきましては,新しく12月1日から全国規模での財団法人による情報公開が開始されるという御答弁をちょうだいいたしました。いつぐらいまでに茨城の公共工事にかかわる全事業者の経営事項審査結果等の公開が完了するのか,お尋ねをいたします。 125 ◯不破土木部長 私どもの方の全事業者に対する経営事項審査の結果は,8月27日から既に公共事業情報センターの方で閲覧に供しております。 126 ◯井手委員 それは全事業者の情報が12月1日から公開されるというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。 127 ◯不破土木部長 全建設業者でございます。私どもの県の建設業登録してある業者さんについてでございます。 128 ◯井手委員 その内容の御答弁のとおり,実現することに非常に期待をしております。とにかく公明正大な入札制度を実現するためには,一つ一つの公共事業の入札,またそれを請け負った事業者,その情報をより多くの県民が知ることのできる体制づくり,今後とも御尽力をいただきたいと切に要望するものであります。  土木部長に対する質問は以上で結構でございます。  引き続き,総務部長にお伺いをいたします。  私は,議員当選初の一般質問で,情報公開について幾つかの具体的な提案をさせていただきました。その中で,県知事のプレスリリースの公開等は実現をいたしました。福祉情報ネットワーク等も具体化いたしました。しかし,具体化していないものに,県報のインターネット化の課題がございます。確かに県報は有料で一般県民に配布されている資料であり,インターネットによる無料配布になじまないとの指摘もあります。利用者が限られ,投資対効果のバランスが悪いとの御意見もあります。しかし,県の正式な公示物である県報の電子化こそ21世紀に羽ばたく茨城の象徴であると私は考えております。  改めて,県報のインターネット化についてお尋ねをいたします。 129 ◯務台総務部長 県報のインターネット化についての御質問にお答えします。  県報につきましては,県の行政情報センターや出先機関,それから市町村で閲覧できるほか,一般にも有償で配布しているところでございます。この県報発行の目的からすると,インターネットへの掲載というのは大変意義のあることだと考えております。  しかし一方で,県報には県民全般に直接関係のある内容ももちろんございますが,特定の地域住民や関係者にのみ関連する内容のものもあり,ともかく量的にも膨大でございます。そこで,ほかの県について,その状況を見てみますと,北海道がインターネットへの道報の掲載を行っておりますが,中身を見ますと,目録のみの掲載と,ただ概要について一緒に掲載しているということもあるようでございます。このようなことから,県報をインターネットに掲載するかどうかを判断するに当たりましては,住民の利便性を考慮し,どの程度までの情報をどの程度の頻度で掲載するかを含めて今後十分な検討を行ってまいりたいと思っております。 130 ◯井手委員 今も御答弁ございましたけれども,情報量が膨大になるからできない,先ほどの入札情報もそうです。この県報のインターネット化についても御同様の答弁がありますけれども,情報量が膨大になるからインターネットに掲載できないというのは,私は全く理由になってないというふうに考えております。県の幹部の方ですから,インターネットに関する御理解も深いと思います。もう一度アメリカ合衆国等が掲載しておりますインターネット,トーマスにしろ連邦政府のインターネット情報等をごらんいただきたい。それから比べるといかにこの茨城のインターネットによる情報提供が貧弱なものか。これは量が多いから掲載ができないというのは全く理由にならないというふうに私は思っております。  続きまして,補助金交付団体の情報公開を提案をいたします。現状では,県から補助金を受けている団体の具体的な数さえ明らかにされていないのが現状でございます。この補助金は,言うまでもなく県民の血税から支出されているわけですから,当然県民はどの団体にどのような目的で幾らの補助金が交付されているのか知る権利があります。県は,補助金に関する情報を広く一般に公開する義務があると考えますが,総務部長の御所見をお伺いしたいと思います。 131 ◯務台総務部長 団体に対する補助金の情報公開というか,情報提供というふうに受けとめさせていただきたいと思います。御指摘の団体補助金につきましては,これまでは行政情報公開制度に基づき,開示請求があれば個別に非公開とする理由の有無を判断した上で対応してきたところでございます。  他の都道府県を見ましても,本県と同様情報公開制度の枠組みの中で行っているというふうに承知しております。  委員御提案の団体補助金に係る一般的な情報提供についてでありますが,団体補助金と一概に申しましても,補助先が多岐にわたっているとか,補助件数も相当数に上っているとか,さらに国庫補助金とあわせて補助を行うものがあるなど,形態がさまざまでございます。したがいまして,団体補助金に係る情報提供を実施するとして,その場合の内容公開の仕方等について,関係する部局との調整が当然必要となってきます。  それから,場合によっては,国との協議というか,相談も必要になることが予想されるところでございます。こういうこともございますが,委員御指摘のとおり,ともかく税金を使って補助しているということもございますので,今申し上げたような課題について十分整理をしながら,全庁的な行政情報システム化の検討の中で検討してまいりたいというふうに考えております。 132 ◯井手委員 今の御答弁を要約しますと,将来的には,団体補助金についての情報提供をするということですか,しないということですか。 133 ◯務台総務部長 幾つか論点がございますので,そういう問題について個別につぶしていった上で判断をしたいということでございます。 134 ◯井手委員 もう一度繰り返します。今現在では,情報提供をするお考えはないということでございますか。 135 ◯務台総務部長 関係部局と協議して対応を考えていきたいということでございます。 136 ◯井手委員 それでは,資料提供を要求いたします。委員長で御判断いただければ結構なんですが,この当予算特別委員会に対して,県が補助金を交付している団体の一覧,名前,金額,その目的の一覧表をよろしければ,予算特別委員長あてに資料提供をお願いしたいと思いますが,委員長,御判断をお願いいたします。 137 ◯潮田委員長 ただいまの井手委員の資料提供の件でございますが,後ほど理事会を開いて検討して,答弁させていただきます。 138 ◯井手委員 よろしく御検討いただきたいと思います。  それでは,総務部長,ありがとうございました。  最後に,福祉部長に,介護保険への対応について,4点お伺いをいたします。  まず,第1点は,9月27日に実施が予定をされています介護専門員試験の状況についてお伺いをいたします。  受験者数は,どのようになっているのか。また,この受験者数から見て,介護保険開始時の専門員の数は充足されると見るか,不足すると見るか,まず,福祉部長にお伺いをしたいと思います。 139 ◯望月福祉部長 介護支援専門員実務研修受講試験の状況でございます。  去る8月3日から21日までの受付期間で,受験者数は 3,515人となっており,内訳は,女性が圧倒的に多く 2,820人,男性は 695人でございました。この試験につきましては,ただいま委員が申されました今月27日,茨城大学ほか県内7カ所で実施することにしておりまして,この合格者がさらに6日間の実務研修を受けて一人前になるというふうなわけでございます。  お尋ねの介護支援専門員の必要数でございますが,今のところ,私どもの概算では,およそ 1,000人程度が必要と考えております。今後,国から示されます合格基準にもよりますけれども,この受験者数の規模から勘案すれば,必要人員は確保できると考えております。 140 ◯井手委員 2点目に,要介護認定時の苦情処理の体制についてお伺いをいたします。  あと,わずか1年余りの来年の10月より要介護認定の作業が始まります。この介護保険の仕組みの中で,この要介護認定が一番複雑で,県民の皆様からさまざまな御批判を受ける作業になるのではないかと危惧をしております。  特に,要介護度に対する不服がある場合の苦情処理の体制には,大きな問題があると考えております。毎月 2,500円の保険料を払いながらも,訪問調査の結果,介護が必要との判断を受けられなかった被保険者は,介護保険のサービスを全く受けることができません。こうした被保険者の苦情は,どのような仕組みで処理をされ,また,満足の得られるサービスを受けることができるのか。国の制度案によると,県一本の不服申請窓口ができるとのことですが,多数の苦情に対して,迅速に対応ができるのか,また,その申込窓口が県一本では,果してこの広い県土を持つ我が茨城県では,多大な負担を被保険者であるお年寄りにかけることにはならないのか,私は心配をしております。  福祉部長より,苦情処理の体制についての御説明をいただきたいと思います。 141 ◯望月福祉部長 要介護認定時の苦情処理体制についてでございます。  委員御指摘のとおり,認定についての異議申し立ては,特にこの制度のスタート直後というのは,かなり発生するものではないかというふうに予想されております。このため,介護保険法におきましては,審査機関として県が介護保険審査会を設置することと法律上なっております。この審査会は,40歳以上の一般県民の皆様の代表から3名,市町村代表で3名,弁護士など公益代表,これは3名以上となって,数に制限はございません──の委員で構成することとなっております。  御質問のありました不服申請に係る審査につきましては,このうちの公益委員3名を1チームとして審理をすることになりますが,審理を迅速,かつ正確に進めるためには,複数のチームを設置する必要があるのではないか。さらには専門調査員をその下に配置すると,そういうような方向を今後検討いたしまして,速やかに対処できる体制を検討したいと考えております。 142 ◯井手委員 この苦情処理の窓口の件はいかがでございますか。県一本ということになっておりますけれども,不服申請がある,不服があると思われる方の窓口というのは,現に県庁一本ということに限られてしまうのでしょうか。 143 ◯望月福祉部長 まず,こうした救済制度があることにつきまして,まず認定通知に明記すると,あるいは各市町村の窓口においても高齢者や御家族の方々に十分事前に説明すると,そういうような形にしておきまして,必要によれば,窓口という窓口になるかどうかは別でございますが,ただいま申し上げました専門調査員などを福祉事務所に配置することも,あるいは考えられるかと思います。 144 ◯井手委員 迅速で,そしてきめ細やかな県民の立場,要するに被保険者の立場に立った苦情処理窓口の体制整備をお願いをしたいと思います。  3点目に移ります。介護者への援助体制についてお伺いをいたします。7月29日に開催されました国の全国介護保険担当課長会議では,その別添の資料として,要介護状態区分変更事例集という資料が公表されました。私は,この資料を一読いたしまして,この介護保険制度が福祉という人のぬくもりを感じられない冷たい保険制度になってしまったということを改めて驚きました。この資料によりますと,要介護認定時に,要介護認定審査会がコンピューターによる一次判定結果を二次判定によって変える場合に,どのような場合は一次判定結果を変えてよいのか,どのような場合は変更してはならないかという,その事例を具体的に示した資料だと理解しております。そして,この資料によりますと,介護をする人の状況を理由に,要介護度を変更してはならないという項目を設け,非常に具体的にその事例を示しております。例えば,変更が不適当,変更をしてはいけない事例の2として,介護を行っている妻に腰痛があるために,重度に変更する,これはだめだよと,事例4として,介護者,夫が高齢,88歳であり疲労しているから重度に変更する,これもだめだよと,こういうように,今までの措置制度であれば,当然介護をしている人,介護者が高齢の場合や病気がある場合には,ヘルパーの派遣やさまざまな追加措置が検討されてきたはずです。それが福祉の基本的な考え方でありました。しかし,こうした人間くさい福祉の原則は,この介護保険制度では,全く通じない,そのような制度になってしまっております。  こうした状況を看過することはできません。介護者の援助策についての福祉部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 145 ◯望月福祉部長 介護者への援助体制についてお答えいたします。  介護保険制度は,基本的には,福祉のこれまでの措置制度をなくしまして,利用者が必要とする保健,医療,福祉のサービスを自由に選ぶことができ,家族の状況も踏まえた介護サービス計画,いわゆるケアプランでございますが,これによりまして,利用者にとって最も適切なサービスが利用できる仕組みというふうになっております。  委員御指摘の介護者への支援でございますが,介護保険制度の運用面につきましては,各方面におきましていろいろ御意見,御議論がなされているということは承知しておりますが,国の説明におきましては,高齢者一人一人にただいま申し上げました必要なサービスが確保されると,こういうことになっているわけでございます。  したがいまして,現時点におきましては,特別な援助策は考えておりませんけれども,今後,サービスの低下が明らかになってきたような場合には,国に対し制度の充実拡大など要望してまいりたいと考えております。 146 ◯井手委員 この介護者への援助策に関連をいたしまして,現状の介護慰労金などの制度の存続は,絶対に必要な施策であると考えております。家庭内の介護者への具体的な支援サービスは,先ほども述べましたように,また御答弁をいただいたように,介護保険には盛り込まれておりません。介護保険の見直しが行われ,十分な介護者支援の体制ができるまで現状の制度,例えば,福祉慰労金等の制度は存続させるべきであると考えますが,この件に関しましては,福祉部長の御所見はいかがでございましょうか。 147 ◯望月福祉部長 介護慰労金についてでございます。寝たきりや痴呆性の高齢者を介護することは,御家族にとって精神的にも肉体的にも大きな負担でございます。かつては,その御労苦を軽減させたくとも,ホームヘルプとか,ショートステイなど,介護サービス基盤が十分に整備されておらず,御家族の御介護に頼らざるを得ない状況にありました。  介護慰労金制度は,このような状況にある御家族の御労苦に報いることなどを目的として,昭和53年度から実施しているところでございます。しかしながら,平成12年度からスタートする介護保険は,委員御案内のとおり,介護を社会全体で支える制度ということになるわけでございます。したがいまして,介護保険制度の趣旨を踏まえれば,介護慰労金のあり方につきましては,見直しが必要であるのではないかというふうに考えております。 148 ◯井手委員 この介護慰労金に関しましては,茨城のように親と子の同居率が非常に高くて,親の面倒は子供が見ようよというこの麗しい家庭環境がある茨城に関しましては,この介護保険制度だけでカバーできることというのには限界がある。特に,この介護慰労金なり介護者への援助策なり,これはできれば知事の御判断で,この茨城独自の,茨城型の高齢福祉の体制づくりということは今後御研究をいただけないか,御要望をさせていただきたいと思います。  最後に,介護保険の広報体制についてお伺いをいたします。  2000年4月の実施に向けてのその準備が進んでおるわけでございますけれども,先ほども申したように,来年10月からは,もう要介護判定が始まります。そうした中で,県民への広報体制が非常に不十分だと思っております。この広報体制について,福祉部長から御所見を伺います。 149 ◯望月福祉部長 これまで広報につきましては,県としましておよそ34万部のパンフレット配布を初めまして,あとは県広報紙「ひばり」,あるいは各種団体に積極的に行きまして,説明会をさせていただく,あるいはシンポジウムなどを開催すると,それなりに努力してきた──ただいま不十分とおっしゃられましたが,それなりに努力してきたつもりではございます。  しかしながら,大体この中身が主として関係機関とか,サービス関係業者,提供業者と,こういった方々には十分広まってきたと思っております。しかしながら,実際にサービスを利用することとなる県民の方々の理解というのは,必ずしも十分とは言えないと思っております。  したがいまして,大規模な広報体制になりますと,この辺につきましては,今後,国に徹底した広報の強化を要望するとともに,県といたしましても,今度は,利用者サイドの方に力を入れて広報を進めてまいりたいと思います。 150 ◯井手委員 時間になりましたので,以上で終了いたします。
     ありがとうございました。        ────────────────────────── 151 ◯潮田委員長 次に,関委員。 152 ◯関委員 若干の質問をさせていただきますが,この予算特別委員会をつくったのは,昭和42年でございまして,先ほど,委員長から話があったとおりでございますけれども,第1回の委員を私はしたんですけれども,そのときの委員会は4日間開きまして,1日でも12時間以上やって,深夜まで討議したこともございます。当時,後進県から脱却せんとする茨城県は,議会も執行部も一緒になって,どうやったら県勢が進展するだろうか,こういうことで,行政と県会が議論をし合って,いろいろな問題について解決をした,そういう意味では,この特別委員会は非常に大きな効果があったように思っております。その第1回の委員長報告を私がいたしましたので,そのときの報告書を読んでみますと,そういう意味のことが書いてありました。そういうことを思い出しながら,今,この質問台に立ったわけでありますけれども,私は,きょうは4つ質問事項を出してあります。  1つは,常陸那珂港の問題でございますが,これは,常陸那珂港の問題を取り上げたのは,茨城県が茨城県の最大重要施策と考えている問題に対してどういう取り組み方をすべきなのかということが私の考えていることでございまして,その1つの表題に常陸那珂港の例をとりました。  それから,河川の問題を取り上げましたけれども,河川は,国と茨城県の関係の中で,どういう形で県に対して我々はこれから要求すべきなのか,そういうことについての一つの目安を導きたい,こういうふうに考えてこの問題を取り上げました。  それから,300 万人の人口の問題でございますが,人口の問題は,茨城県の振興のバロメーターを示すものでありますから,人口というものを通して茨城県が,あるいはその県がどういうふうに発展してきたかの経過でございまして,それらを見ることによって,これからの茨城県を我々はどうもっていけばいいのか,そういうことについて,この際検討してみたい,こういうことを考えながら,この3つの案を出したわけであります。  第1の常陸那珂港でございますけれども,これは,茨城県ばかりではありませんで,北関東3県がどうやっても首都圏の中で茨城県がおくれては困る,何とか北関東を東京都と同じように発展させたい,そういうことからもくろんだのが北関東横断道の建設でありました。そして,その起点となる射爆場跡地に港をつくろう,これを北関東の玄関口にしようということで始めたわけでありますけれども,30年代の後半から始めて40年代に入って一生懸命しながら,これが実現するのは50年代に入ります。その間,十数年にわたって毎年のように茨城県が重点事項とし,北関東3県が重点事項としてこの問題を予算のたびに当時の総理大臣を初め幹事長に対してその陳情を続けたのがこの常陸那珂港の建設であります。そしてそれが実現したわけでありますけれども,それは茨城県にとっては大変いろいろな追い風がありました。当時,昭和30年代の後半は,東京港の荷揚げ荷物は2億トンを割っておりました。それが昭和40年代に入りますと,それがどんどんどんどんふえてまいりまして,昭和40年代,50年には4億トンになるであろうというふうに想定されて,東京港は4億トンまでは何とかいける,だけれども4億トンを超えるとパンクする可能性もある。そういうことから,50年代に入りますと,東京港は,その当時の試算では6億トンないし7億トンになるであろうというふうな形になってまいりまして,7億トンを超えれば東京港はパンクするわ。そうすると,どうしてもこの北関東の海岸に港をつくらなければならない。そういう追い風の中でこの港が整いました。そして,平成4年になりますと,運輸省で発表になりますように,東京港湾の荷物は,当時の情勢でありまして,9億トンになるかもしれない。したがって,常陸那珂港の予算は,我々の予想どおりの予算がついて今日になってまいりました。しかし,この4年以降のバブルがはじけて,重厚長大の荷物が軽薄短小になってくる。しかも,東南アジアからその他の港の整備がどんどん進むという中で,東京港の中でも近代化はどんどん進んでいくというような形になってまいりまして,今は,多分,東京湾と常陸那珂港は当時は東京港の海運業者は,常陸那珂港が来たら我先に常陸那珂港に殺到しようと思っていたはずでありますけれども,今はライバル意識になってきたのではないかと私は恐れております。  そこで,まず最初に,この港をつくったときの経過と,平成4年以降の状況についての見識を土木部長に伺います。 153 ◯潮田委員長 関委員の質疑に対する答弁を求めます。  不破土木部長。 154 ◯不破土木部長 常陸那珂港を取り巻く環境の変化,そしてどのように今認識しているかという御質問でございますが,当初は,委員御指摘のとおり,運輸省の昭和56年の推計によりますと,東京湾での取扱貨物量は,年率約3%の伸びを見ておりました。これによりますと,東京湾で取り扱うべき貨物量は,将来その処理能力をはるかに超えることになり,常陸那珂港などの東京湾外の港湾の開発が重要とされておったところでございます。  昭和58年に策定されました常陸那珂港港湾計画は,この考え方に基づいて策定されたものであります。しかし,その後の貨物量は,経済成長の鈍化等によりまして,推計値を下回る年率約 1.5%の増加となっております。この貨物量の伸びの鈍化と輸送の効率化によりまして,東京湾の将来貨物量は,東京湾の処理限界内と予想されております。しかし,処理限界内ではございますが,東京湾への貨物の過度の集中というものは,長距離の内陸輸送でございますとか,あるいはそれによる物流コスト増のみならず,混雑による輸送安定性の低下,そして交通渋滞等による社会的なコスト増から物流コストの増まで,また,大地震への脆弱性の問題などももたらしております。このような状況におきまして,常陸那珂港の役割は,東京湾の代替という考えから,東京湾との適切な役割分担のもとで,北関東の物流の合理化や安全性の向上,災害対策に変わってきたわけでございます。この際には,委員御指摘のとおりでございますが,北関東の貨物等につきましては,常陸那珂港は,東京湾と競合関係になったと私どもも認識いたしております。 155 ◯関委員 そこで,今,競合関係になったけれども,常陸那珂港の役割は十分あるよという土木部長の発言で,私は大変意を強くするわけでありますけれども,東京港は,今,パイロットさえも嫌がっております。大きな船はふくそうしたために,安全な航行はできないというふうなこともあります。さらにまた,時間が確定できない,いろいろな状況から,東京港に対する将来性は失われつつあるというふうに言われます。しかもまた,テクノスーパーライナー時代に入ってまいりますと,速い船は,もう東京港には入れない。そうなれば,もう常陸那珂港しかないではないかという意見もあります。そういう中で,今,海運にどんどん貨物がシフトされている状況下でありますから,港の将来は,私は大変明るいというふうに考えております。  そこで,こういうときに,先ほど港湾用地についてプロポーザル方式によって募集をいたしました。しかし,その結果はどういうふうに御判断になっているかわかりませんが,私にとっては不満足であります。そしてさらに,今やっている新しいコンテナヤードの募集もプロポーザル方式でやっておりますけれども,そこで,これが本当にいい業者が入ってきませんと港は発展いたしません。これは陸送業者とそれから貨物を預ける人と,それから船との関係があるわけでありますから,それらをきっちりつかめる業者が進んでこなければならない。したがって,今が一番常陸那珂港を宣伝するといいますか,ここに皆さんの目を向けさせる一番大事なときだと,私はそういうふうに思っております。  そこで,思い起こすのですが,昭和30年代の後半に,友末知事が日立港をつくりました。あのとき,私は運輸省へお供をしたんですけれども,運輸省の役人はこう言った。磯浜の港で失敗したものだから,茨城の港には手をつけるなという運輸省のジンクスがありましてという形でえんきょくに断ろうとした。そのときに,友末さんは,だから私が来たんだよと,声を荒らげて言われた。それが走りであれができた。鹿島港をつくったときには,岩上県政の中では最高の力を尽くしてあの港をつくって,あそこまで持ってきた。そういうことを考えると,この際,茨城県は常陸那珂港のいわゆるPRといいますか,利用促進といいますか,この地位を高めるために県を挙げて取り組むべきだというふうに私は思います。  そのことについて。 156 ◯不破土木部長 今後の利用促進という御質問だと思いますが,お答えさせていただきます。  委員御指摘のように,日本経済の景気低迷の中,港湾貨物の荷動きは,全国的には鈍くなってきております。また,横浜港,神戸港が入港料の割引を発表するなど,港間の競争も激しくなっております。このような中で,常陸那珂港は,東京湾諸港との競争関係にあるということでございますから,現在,東京湾を利用している企業に,既に確立されております商習慣や物流ルートを変えて,常陸那珂港を利用していただかなければいけないと思っております。このため,県といたしましては,常陸那珂港がコスト,サービスの両面におきまして魅力ある港湾となるように努力したいと考えております。  以上であります。 157 ◯関委員 そこで,大変恐縮だけれども,橋本知事に,その取り組む姿勢について伺いたいんですが,今のような状況下でありますので,私は,将来,常陸那珂港は必ず東日本の玄関口になるだろうと,こう思います。しかし,今は,当面するだけで全国には15ぐらいの競争相手の重要港湾があります。さらにまた,この近くだけでも5つ,6つの競争港がありますし,小名浜でも一生懸命やっております。そういう中で,この港を利用促進するためには,県を挙げて取り組むべきだと,今は港湾課が一生懸命,土木もやっていることを私はよく承知しておりますが,それは商工部もその他の農林部も,あるいは県を挙げてこれに取り組む姿勢がなければならない。そのことについて,知事の所見を伺います。 158 ◯橋本知事 ただいま関委員からこれまでの経緯等を踏まえまして,さまざまな御指摘があったところでございますけれども,私も,まさに関委員のおっしゃるとおりであると思っております。  港は,間違いなく立派にでき上がると思います。しかし,これをどうやって本当に活用できるかということが一番大切な問題だと思っておりまして,このために県といたしましても,先ほども土木部長の方から少し答えさせていただいたところでございますけれども,コスト,サービス両面において,ほかに負けないような,そういう充実した魅力ある港にしていく必要があるんだろうと思っております。そのためには,料金をどうするか,使用料をどうするか,あるいはまた,管理運営体制をどうするかといったさまざまな問題があるわけでございますし,さらに加えて,私どもがどうやって利用者に対して接触をしていくかということが大きな課題になってくると思っております。  そのために,これまでも,例えば東京で茨城の港説明会というものがあるときには,毎回私も出席して,大勢の方々といろいろなお話をしてまいったところでございます。そしてまた,先般も常陸那珂港への進出ということについて大変決めかねている企業があったものですから,そこの社長さんにお会いをいたしまして,本港への進出の要請を行ってまいったところでございます。  また,これまで毎年ポートセールスという形で海外へもいろいろな形での働きかけをやってきておりますけれども,これにつきましても,これまでは土木部長をキャップとしてやってまいりましたが,今年度は,特に副知事をキャップにいたしまして,トップセールスという形でいろいろな働きかけを行ってまいりたいと思っております。  いずれにいたしましても,お客が来てくれなければ港はどうにもならないわけでございますので,先ほど来お話がございましたような点も踏まえながら,何とかして東京湾の港に入っている企業をどうしてもこちらに魅力を感じて来ていただけるというような状況にもっていきたいと思っております。 159 ◯関委員 ありがとうございました。土木部長,かわってください。  知事の意欲のほどがわかりましたから。今,やはり外交でも何でも大統領が直接やる時代だから,知事を先頭にしてやらないとだめですよ。それで,知事でなけれは相手のトップが会いませんから。知事が行けば,やはり郵船でも商船でもみんな会いますから,そうしてやってください。私は,その下の連中に電話かけるんですけれども,彼らは全然判断能力がない。だから,これらに話してもだめだなと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。  そこで,土木部長に伺いたいんだけれども,今の港湾の体制では私は進まないと思っているんです。できれば港湾局をつくってもらいたいんだけれども,今,港湾をつくる方の能力はあるけれども,港湾管理運営の能力は残念ながら港湾課にはない。そしてそのために,常陸那珂港埠頭株式会社をつくった。これがこれからの運営管理に県にかわってやるみたいなことを発言では言っている。これ,大きな間違いだ。鹿島港をつくったときに,岩上知事は,鹿島埠頭株式会社にこれからの秩序ある鹿島港の運営管理に当たらせますと言った。実際はどうですか。タグボートと通船しかやってない。全くその能力はありません。そして,あそこの中には,大きな船会社が全部株主で入っているんですよ。それでもなおかつ鹿島の埠頭会社はあんなものだ。この新しくできた常陸那珂港の埠頭会社は,あの中は全部素人集団だ。私は,あそこに港湾管理の能力があるとは思わない。したがって,やはり知事を先頭にして県が責任を持って港の管理をしなければこれはだめなんです。管理は,土木部長御存じのように,やはり専門的なライセンスが要るわけですからできないんですね。そういうことで,取り組む姿勢と行政のあり方について,土木部長の考えをちょっと聞きたい。 160 ◯不破土木部長 お答えさせていただきます。  港湾の管理は,管理運営体制,非常に難しいというのは委員御指摘のとおりだと私どもも思っております。港湾におきましては,それをよく利用していただくためには,船会社,そして貨物の積みおろしを取り仕切る元請港湾業者,あるいはその実際の作業を行います下請の港湾運送業者,そして貨物の集荷を行います改荷業者,あるいはそういった取りまとめも行いますフォワーダー業者,そしてタグ等港湾の海上サービスを行いますその業者,そういったさまざまな民間業者の活動がよりマッチしてうまく進んでいかなければ港湾の実力というのも 100%機能しないと思っております。  常陸那珂港の振興のためには,できる限り多くの方々に利用していただくことが重要であると考えておりまして,このためには,事業者の自由な参入というものをまず保障したいと考えています。  しかし,その一方では,事業者任せとせずに,不必要な競争による効率性の低下でございますとか,あるいは特定の事業者によるターミナルの寡占化といった問題,そういったものが生じがちでございますので,それに対する対策も必要だと思っております。  このような観点から,常陸那珂港におきましては,参入の自由を保障しながら低コストで効率的かつ秩序ある民間活動が行われるように,我が国でも初めての港湾の管理運営体制というものを確立したいと考えておりまして,現在検討を進めておるところでございます。  具体的には,先ほど埠頭会社の話がありましたけれども,まず第1番に,ターミナルの管理は常陸那珂埠頭株式会社一切を取り仕切って効率的かつ機動的な運営を行うように考えております。  そういった埠頭会社に対して,先ほど委員御指摘のようにどのように実行性を持たせるかという問題がございますので,そのためには,県といたしまして,港湾施設の管理運営業務を常陸那珂埠頭に委託するということで,ある程度管理運営の権限を持たせたい。そして,常陸那珂埠頭自体も,みずからも施設を保有して港湾利用者に利用させるということで,港湾施設の利用調整から申請許可までの一元化した窓口として機能させ,そしてターミナルの運営を取り仕切れるようにしてまいりたいと考えております。  次に,県といたしましては,船会社,港湾運送元請は,また,参入自由と考えておりまして,荷役の現場作業につきましては,県外の他港では,普通の事業者がそれぞれに人員を抱えるという非効率な運営となっている場合が多々ございます。それらにつきましては,下請各社の現場作業を共同化いたしまして,効率的な作業が可能となるように県としても,その方向で誘導していくことと考えております。  実際上は,県といたしまして,元請,下請港湾運送業につきましては,県は誘導する権限を有していないということから,常陸那珂埠頭を活用しながら港湾運送事業者の方々の理解を得て進めたいと考えております。 161 ◯関委員 今,土木部長が港湾管理について,新しい全国でも全く違った24時間体制の低コストのやり方をしようということに対して,大変意欲的なことだと知っています。しかし,これはなかなか言うべくして実現の困難の仕事だ。だから,運輸省も県もそれから皆さんも我々業界も一緒になってやらなければできない仕事なので,私は今説明したことをよく知っておりますけれども,取り組まなければならない。それは重大な決意で,そういうことをやはり考えて進まなければならないので,今,部長が机上プランをやっているのは大変立派だけれども,これをやるためには相当骨が折れるということを考えてもらいたい。  それから,もう一つは,今,プロポーザル方式によって業者を呼び寄せていくことは大変いいことだ。外国の港はみんな利用者があって初めて埠頭をつくるんだ。日本の場合には,埠頭をつくってから業者を呼ぶんだけれども,全く逆なんですね。そこで,我々は,公平の原則ばかりでなくて,だれが一番常陸那珂港に対して関心を持ってやってくれるかということを十分考えて,その線で進まなければ成功しない。そういうふうに私は思うので,御努力をいただきたい。  時間がないものだから,特になければ答弁はよろしい。 162 ◯不破土木部長 現在進めております北公共埠頭におきましては,どなたでも大体入っていただくような形でやっておりますが,いわば公平性を主としております。  これから,中央公共埠頭などを進めてまいりますが,そういった場合には,それぞれの常陸那珂港を常連として御利用いただくような方が出てくれば,そういった方々にも合わせた形のターミナルの運営といったものを考えていきたいと考えております。 163 ◯関委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。  次に,河川に移りますが,河川につきましては,この議会では,総務も環境も福祉も農林も土木も,それから一般質問でも,この委員会でも加藤委員,今橋委員,それぞれ質問がありましたから,重複を避けます。  ただ,私は,河川の改修の問題について,重大な関心を持って今まできました。やはり政治の要点は,治山治水だから,これができないようでは後進県から先進県にはならない,こう思ってやってきたわけでありますが,この茨城県の河川行政は極めておくれていた。茨城県は,全国の 109河川のうち3大河川が3つもあって,霞ヶ浦はある。しかしながら,その予算たるやいつも少ない。そういうことで,河川課長が変わるたびにこの予算をふやせと,こう言ってきた。だけれども,国の予算の伸びよりも 0.01 %も茨城県の予算は伸びないんです。いかに河川課が頑迷固陋で前例を踏襲するかということを私は嫌というほど見てきた。そこで,今度の激甚があった水戸の場合には,激甚地区と緊急整備と両方で予算がついたわけでありますけれども,今度の水害はやはり過をもって福となすということで一番都合のいい時期だと私は考える。そこで,県を挙げて,この河川行政をやるために努力してもらいたいと思う。ちなみに,茨城県の河川の整備の大河川について中身を説明しながら取り組む姿勢について伺いたいんです。これは,私は内容はよく知っておりますから,簡単で結構ですから,やってください。 164 ◯不破土木部長 お答えいたします。  本県の河川の状況でございますが,まず,河川延長につきましては,直轄管理河川の延長は,利根川水系,それから那珂川,久慈川の3水系合わせまして18河川,434.8 キロメートルでございまして,これは北海道に次いで全国第2位の延長となっております。  また,知事管理河川の延長は,1級水系,2級水系合わせまして,209 河川,1,613 キロメートルでございまして,全国第33位の延長となっております。  河川の整備率になりますと,まず直轄管理の河川でございますが,平成8年度の河川リンダーによりますと,利根川で約90%,鬼怒川約91%,小貝川88%でございまして,実は那珂川が39%と非常に低い状況にございます。また,県北の久慈川につきましては82%になってございます。  また,県管理河川につきましては,5年から10年に1回程度の降雨に対応できるような河川としてそれぞれ評価いたしてみますと,全国平均が約40%の整備率に対しまして,本県は約28%と低い状態にあります。  また,整備のための予算でございますが,我が県におきます補助河川事業費につきましては,年度ごとにばらつきはありますが,国の河川事業費とほぼ同程度の伸び率となってございまして,全国的には河川延長の順位とほぼ同じ約30位の位置ぐらいに事業費もございます。  また,直轄事業の分担金につきましては,県内直轄河川の整備のために県が分担している額でございますが,これにつきましてはかなり増加しておりまして,ここ十数年は全国の上位に,大体3位から8位ぐらいの間に常にランクされておりまして,平成9年度の実績は全国第3位となっております。 165 ◯関委員 今話があったように,那珂川は河川整備率が39%,これは全国でも珍しいぐらい低い。しかし,その上全国で県庁のある県都所在地の河川が原始河川だなどというところは全国どこにもない。そういうことだったとすれば,これは早急にやらなければならない。私はここで申し上げる理由は,土木のところだけでこれはできないんですね。あそこにはJRの水郡線もある,これも直さなければならない。そういうことだと,県民を挙げてこれは取り組まなければできないんです。向こうの方が予算が多いかもしれない。そういうことを考えると,2002年までにとか云々ありますけれども,相当な覚悟でやらなければできない。そういうことできょうは申し上げているわけであります。  そして,私は,原資が少ないから河川費が少ないと,これは今部長がおっしゃるけれども,全国の予算の補助は 1.7%しか茨城県はもらってないんですよ。全国の補助金の中で茨城県はちっとも大きくない。100 河川のうち3河川あるんだから,30分の1あっていいはずだ。そういう意味でいけば,補助金は少ないんですよ。このことは,ちょうど警察本部長がいらっしゃるけれども,警察と同じだ。警察も茨城県は,昭和30年代,私が県会議員になったときは全国で38番目の貧乏県だった。だから,赤字団体のすれすれだったから,自治体警察にするとき警察はボンと減らした。それが原資になっているから今でも警察は少ない。そういうことは,政治の中でいかに慣習が抑えているかということで行政の混迷さなんですね。頑迷固陋のところなんですね。それをやはり地方から変えていかなければならない。これをやはりこの際,茨城県は河川行政を先頭にしてやってもらいたい。それでないと,先進県になれない。そういうふうなことを私考えて,この河川問題を出したんですが,もう一言聞いて終わりにします。どうぞ。 166 ◯不破土木部長 おっしゃるとおり,那珂川の整備率は全国でも非常に低レベルでございます。しかし,この那珂川につきましても,昭和61年度の水害を契機といたしまして,62年度以降,61年度事業費の大体2倍から6倍ぐらいにどんどんどんどんふえております。私どもも,また今回の災害,非常に不幸なことではございましたが,これを契機にいたしまして,さらに,おくれております那珂川,それからほかにも必要な治水等の課題がありましたら,そういったものに予算がつくように国にも要望し,また,地元市町村とも協力しながらいろいろな各方面に訴えていきたいと考えております。 167 ◯関委員 ありがとうございました。  次に移ります。  次の人口の 300万人の問題に移ります。人口が来年の夏には 300万人に到達するという,これは茨城県にとって大変慶賀すべきことであります。聞くところによると,11番目になる。12番目の広島県は,300 万人になる可能性がほとんどないから,今世紀というよりも来世紀を含めて茨城県が最後の 300万人かなというふうなことが言われておりますけれども,したがって,この 300万人到達ということは,やはり県の偉業だから,それなりの評価をし,それなりの記念事業を行うべきだということについては私は大賛成でありますし,そのために県がその意義ある事業を立派にするためにいろいろな委員会をつくってやっていることについては極めて賛成であります。どうぞこの記念事業が盛大にできるように,ひとつ考えていただきたいと思っております。  そこで,私は,もう一つの観点から,県の人口というものは,やはり県勢の進展を示すものだなというので,関東ブロックのデータをちょっと取ってみました。東京は,昭和20年と60年を比べてみますと,500 万人が 1,183万人になりましたから,2.4 倍,神奈川県が 221万人で 3.4倍の 743万人,埼玉県は,やはり昭和20年は 210万人でしたから,2.8 倍の 586万人,千葉県は,211 万人しかなかったのが60年には 2.4倍の 514万人,茨城県は,201 万人が60年は 272万で 1.35 倍,ほかは2倍,3倍になったけれども,茨城県と栃木県と群馬県は数%,いや,数割しか伸びてないわけであります。これは昭和60年までのデータであります。これは,何を示しているか,僕はよくわかりません。だけれども,その中の商業,県民所得,そういうものが首都圏のいわゆる外へ流れ出たのだと思います。少なくとも東京が 2.4倍であり,神奈川,千葉が約3倍近くある,埼玉は3倍近い,千葉も同じ 200万人が 500万人になったんですから。そこでこの次が問題なのです。昭和60年から平成10年の間に,どれだけ伸びたかというと,東京はゼロ%,神奈川県が 1.1%,埼玉県が 1.2%,千葉県が 1.1%,茨城県が 1.1%,栃木県が 1.07 %だから 1.1%,群馬県も 1.1%弱,この10年間は,首都圏の各県は東京を除いて同じなんです。このことは,我々がこれから人口想定をするときに重大な関心を持ってやらなければならない。すなわち,私が言いますのは,我々の計画では,昭和75年には,人口は 370万人になるわけだった。だけれども,それは,今の状態の行政と今の行政の県政の進み方ではなかなかならない。したがって,この際,我々は300 万人に到達したことを喜ぶだけでなくて,茨城県勢を今後どう発展させていくのか,そのことについて,このお祝い会を企画部に任せるだけでなくて,各部課が自分たちの行政の中では何をやっていくんだということをきちっと立てて,将来に対する県民に対する指標をこの際示してもらいたい。そういうことをこの記念事業に実はお願いするわけであります。  先ほど申し上げましたように,昭和61年のときの県民福祉の基本計画では,55年から65年まで,年平均 1.6%,65年から75年までは 2.1%に書いてありますが,実際にはこの5分の1も伸びてないんです。したがって,それだけの成長率がないとするならば,我々はどうしてもこれを解決していかなければいけない。こういうことについて,皆さんからもらった記念事業の中には,それに対する対応がなかなか出てこない。そして,我々はこれから県民とともに,そういうことなんだから,県政をやっていかなければならないよという姿勢を示すためには,具体的な行動目標がなければだめだ。スローガンではなかなか県民はついてこない。愛するいばらき運動ではだめなんだ。何をどうするか。具体的な目標があれば,そこに県民の行動のエネルギーがついてくる。そういうふうな具体的な目標を我々が常陸那珂港をつくるというときにはそれだけのエネルギーがあった。そういうふうな目標を皆さんで考えて,これに取り組んでもらうきっかけにしてもらいたい。それが,私が 300万人の人口到達に対する期待であります。このことについては,とりあえず企画部長,簡単に答えてください。 168 ◯高田企画部長 県人口 300万人到達の記念事業の考え方についてでございますが,県におきましては,県人口の 300万人の到達を県民としての一体感や本県のイメージアップを図る上での絶好の機会というふうにとらえてございまして,3つの考え方をもとに事業を展開してまいりたいというふうに考えているわけでございます。1つは,人口 300万人到達を一つの節目といたしまして,先人たちがはぐくんできました歴史文化などを再認識しまして,人口規模で11位となった,大きな県となった県勢の発展を祝うということでございます。2つ目には,多様な地域性を有する本県におきまして,県民としての一体感を醸成していくとともに,郷土意識を高め,これからの茨城づくりへの参加意識の向上を図ることでございます。3つ目には,21世紀に向けてますます発展する本県の姿を県内外に向けて広くアピールしまして県内外の交流を促進することによりまして,地域の活性化と本県のイメージアップを図るということでございます。  具体的にどういった事業をやるかということにつきましては,委員がお話されましたように,本年4月に民間有識者を委員とします委員会を組織しまして,現在,具体的な実施案等について検討しているところでございます。  この具体的な実施案につきましては,検討委員会から御提案をいただきまして,来年度の予算編成に間に合うよう検討してまいりたいというふうに考えてございますが,いずれにいたしましても,そういった記念事業の実施に当たりましては,県政総参加のもと,各種事業の展開が図れるよう準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。 169 ◯関委員 今のお話でいいんですけれども,人口が 300万人になるのは,今の 0.4%で積算すると,来年の7月になります。そうすると,もう時間がありません。そして,この事業展開の中では,基本的なコンセプトとして未来をつくる底力,300 万パワー,新たな茨城の創造に向けてという表題になっている。これは極めていい。だから,これは私の考えていることとほとんど同じだから,この中身を皆さんでつくってもらいたい。中身が具体的になければ県民のパワーは伸びませんから,そういうことで,この問題に取り組んで,本県の田舎であるというイメージアップを払拭するのにも最大の時期だ。茨城県が京都だとか広島よりも上だというふうに理解している人は少ない。だけど,今はそのとおりなんだから,実際にそこまでいったんだから,そのことをやはりアピールする必要がある。それを全面的に出して,そしてこれからはこうするんだということをくっつけてやってもらいたい。それをお願いしたい。何かあったら。 170 ◯高田企画部長 中身につきましては,今検討中でございますが,300 万人到達の機運を醸成する事業とか,記念式典などを実施いたすとともに,にぎわいのある記念イベントも実施したいというふうに考えてございますし,こういった記念事業が一過性の単なるイベントにならないような形でやっていきたいというふうに考えてございます。 171 ◯関委員 ありがとう。  次に,教育の基本についてという通告を出したんですが,文教治安委員会では,残念ながら,今度は教育の基本の審議がなかったみたいでした。一般質問の中で,塩田議員,新井議員,飯塚議員,そして武藤均議員とか,井手議員とか,それぞれが一般質問の中でこれに触れております。そういうことで,教育については大変重大なことでございますから,基本についてだけ伺っておきたいんですが,その前に,私は,先ほど,塩田委員が国旗の掲揚のことについて御提言しまして,それに対して教育長が答えられた。私は,この両者の意見に全く賛成であります。日本人が日本人である理由は,やはり国に誇りを持って生きていかなければならない。こういうふうに私は考えて,私のささやかな思い出を2つ申し上げたいんですが,1つは,私は昭和39年に梶山先生と一緒にアメリカに行きました。1カ月余アメリカにおりまして帰ってまいりまして,県政の報告をしました。そのときに,私は,国旗掲揚を少なくとも県の施設は全部するようにということで国旗掲揚運動を起こしました。茨城県の各事務所に全部国旗の掲揚地をつくりました。そして朝晩揚げてくれよと,それが日本の官庁のあり方だと,こういうふうに言いました。それは今でも伝統的にある意味では守られているはずであります。そして,その次に,昭和48年に射爆場が返りました。そのときに,私は岩上さんと2人で,あの射爆場の返還式に行きました。星条旗をおろして日章旗を上げたんです。星条旗をおろすときに,彼らは不動の姿勢で前に立って星条旗をおろしました。おろしたやつをきちっとぴったりと4つにたたんで捧げつつをして持っていった。日本の人は,こうやって日章旗を持ってきて上げた。私は,そのさまを見ておって,国に対する国家の観念に対して極めて違うところがある,これはやはりその国がよくなっていくか,悪くなっていくかの証左だなということを痛切に感じた。それが私の国旗に対するイメージであります。  それはさておきまして,本題に入りますが,私は,今の教育の中で,欠けているものは,やはり何かある,教育の基本で何かある。今まで教育長が数代にわたって,数代の教育長が教育について答弁をしておったけれども,方法論はあったけれども,教育理念がない。どういう人をつくるかということの抽象的な個とか個性をとか,いろいろな言い方はあるけれども,その基本がない。その辺が一番私は残念に思っているところであります。人が人であるという原点は何なのか。動物と人間の違いはどうなのか。野蛮人と文化人の違いはどこにあるのか。日本人としてはどういうふうな心構えが必要なのか。そういうことについて,明確な指針がない。この間,中国の教育目標を見ましたら,愛国主義,集団主義,社会主義が中国の中心だ。そして,これは日本の戦前のあり方と全く似ています。今,このことを強く打ち出しているその裏では,彼らは,それがなくなってきたために,いろいろ問題が出てきたということを中国でも言っている。日本人がみんなから,今まで世界からも信用されてきた理由というものは,日本人というものは,国際的にうそをつかない,ごまかさない,約束を守る,それが日本人の国際的な信用の原点だった。我々が若いときに外国を歩いているときはそうだった。今は,それがどうなっているかわからない。それと,日本人の誇りと正義感と勇気みたいなものが今欠如していまいか。この間,外務省の役人と話しておったら,こう言った。今の若い外交官は,日本人としての自覚がないものだから,外国の大使館へ行って,その他の国と話をするときに,話で負けてしまう。日本人としての誇りも自覚もないから,外交にならないよと,こういうようなことを言っておりました。それは,日本人として,日本のために,あるいは日本人のためにどうしたらいいかということがきっかりと心の中にないからだと思います。そしたら,今度,中教審がこの間答申を出してくれた。そのテーマは,新しい時代を開く心を育てるためにということで,そのサブテーマにこう書いてある。次の世代を育てる心を失う危機。今は,次の世代を育てる心を失う危機に直面している。したがって,社会全体が,家庭も地域も学校も見直して,子供たちのよりよい成長を目指すためにどのように取り組んだらいいかという具体的な提言をするという前提のもとに出されている。この中身は,何かといったら,道徳教育の復活である。生きる力の核となるなら,正義感,倫理観,思いやりの心,そしてしつけが必要だ,こういうふうに書いてある。そのことについて,きちっとやはり子供たちにも社会に対しても教育者が言えなければ僕はだめだと,こういうふうに思います。教育長の所見を伺います。 172 ◯川俣教育長 なかなか難しい問題でございますが,答えになるかどうかわかりませんが,私の考え方を述べさせていただきたいと思います。  まず,これまでの教育というものを私なりに振り返ってみますと,戦前の教育の反省に立って,学校教育の中で,全体からの個人の自由とか,あるいは民主主義の中での個人の尊重,重視といった個人に対する,それに重きを置くという余りに全体の中の個人とか,狭く言えば家庭の中の個人,広く言えば国の中の個人,そういう意味での視点をとらえたような教育を十分してなかったのではないかということで,どっちかといいますと,個人の自由,個人の権利,そういうものに重きを置いてきたのではないかというふうに考えております。これは,学校のみならず家庭でもそうだったと思いますし,地域社会におきましても同様であったのではないかというふうに考えております。そういう結果から,いろいろ問題になっておりますけれども,他人に対する思いやりとか,心のつながりとかいうものがなくなってきまして,自己中心的な考え,あるいは快楽に走るというような,そういう傾向が強くなってきておりまして,最近では,いじめとか不登校とか,さらには個人の主張のためには他人を傷つけたり,あるいは命まで奪うという事態さえ引き起こすような状態になっているのではないか,そういう現実になってきたのではないかというふうに考えておりまして,先ほどちょっと言いましたけれども,どうも個人に重きを置き過ぎたような感があるのではないかというふうに私は反省すべきというふうに考えております。  そういうことでございますので,そういう反省に立ちまして,ただいま教育の基本的な問題につきまして,委員からいろいろ示唆に富んだ御教示をいただいたところでございますけれども,私も同感でございまして,まず,他人に迷惑をかけないということとか,人のため,社会のために役立つと,そういった社会の中に生きる人間としてどうあるべきかということを道徳教育を通して徹底することが根本であろうと,根幹であろうと考えております。  その上に立って,個人の持つ能力を最大限に生かしたり,それから広くは,先ほどお話がありました国際的視野の中で,日本の国際的な方向づけとか,あるいは社会や文化,そういうもののよさを自己主張でき,また,諸外国の立場,あるいは多様な文化,そういうものを深く理解できると,そういうふうに国際的に通用する,国家的な意識を持った日本人というものを育成する,そういう方向に持っていかなければいけないというふうに考えております。 173 ◯関委員 そこで,2つだけお願いしておきたいんですが,中国の教育の目標をさっき言いましたけれども,最近の状況を見ましたら,それが若干崩れてきて,経済が進むにつれて道徳的規範が失われて,拝金主義──お金を拝むですが,享楽主義,個人主義が広がって,賭博,麻薬,悪がどんどんあらわれてきた,こういうふうな報告が出ております。これは日本の今までの傾向とやはり似ているので,考えさせられるところかなと思います。  そこで,私は,県の教育庁の組織の中で,教育の基本なり理念なりについて検討するセクションがないんですね。ばらばらにはあるけれども,まとまってやるところがないんです。それで,教育委員会自体がこれをやるのかなと思って,教育委員会の2年間の議題を拾ってみた。その中には全く出てこない。だから,本当の根本になる教育の理念なり,基本なりについて真剣に討議した足跡がないんです。文部省が持ってくる教育行政を組織的に流すだけの仕事みたいに見える。あるいは教科について教科の内容をやるだけに見える。したがって,教育委員会は,やはり教育の基本をどこに置くかということについて真剣に討議する,そのセクションを置いて,担当を置いて,それは教育長が中心にならなければいけないんだけれども,あるいは教育委員長かもしれないが,やってもらいたいというのが一つ。  それから,もう一つは,今の大人は,子供のしつけに自信がありません。今度の中教審のパンフレットの中に書いてありますように,親に文句を言ったり,先生をいろいろ批判をしたりするのは,日本人の父兄は子供に任せているという人が90%近くある。外国では,数%もない。それだけの違いがあります。やはり,日本の父兄が,先生が,しっかりした見識を持って教育理念を持って,教育に当たれるような大人の教育をどうするかということについてやってもらいたい。この2つをお願いしたいんですが,教育長の所見を伺います。 174 ◯川俣教育長 基本的な教育の考え方をまとめるセクションがないではないかというお話でございますが,教育庁全体で教育全体として取り組まなければならないという問題かと思いますが,教育委員会には企画室というところがございまして,全般的な県の施策の県教育関係の施策を立案したり,取りまとめたりするというセクションがございますので,そこが中心になって教育問題について取り組んでいきたいというふうに考えます。  それから,大人の教育でございますが,子供の教育をやるためのかぎを握っているのは大人でございますから,その大人と言いましても,家庭で言えば親,それから学校で言いますと教員でございますけれども,そういうものについて,今御指摘がありましたように,いろいろな資料を見てみますと,どうも教育問題について大きな課題意識は持っているという親の認識が出ておるんですが,実際に意見を聞いてみますと,これもアンケート調査であるんですけれども,教育に対して非常に不安であるということで,約半数の親御さんたちは,教育に不安感を持っているということは,とりもなおさず今の親御さんたちが戦後の教育でやはり一つのしっかりしたものを踏まえた教育をされてこなかったという面もあるのではないかというふうに私も考えていまして,そういうことでございますので,家庭における教育力といっていいんでしょうか,子供に対するしつけなり,いろいろなものを始まっての教育,それから学校におきます先生方の教育力の向上,そういうものに意を用いてやっていきたいというふうに思っております。 175 ◯関委員 終わりますが,今,企画室がやっているという話ですが,企画室の室長は,先生でもなくて一般の事務屋だ。私も伺ったけれども,そこからはやはり具体的には出てこない。したがって,やはり何らかの組織をつくる必要がある。私は,この教育で今申し上げたし,それから人口問題で申し上げましたけれども,茨城県政は,今本当の最大の危機なんですね。本当に最大の危機だ。財政的にもいろいろな問題で最大の危機だといってもいい。これを切り抜けるためには,やはり知事を先頭にして真剣に討議をして進むべき方向をつくってもらいたい。そのために,庁議があったり,主任者会議があったりするわけだけれども,そこでやっていかなければならない。今の毎年の中央陳情も出てみると,みんな行政ベースの事務ベースのものだけしか出てこない。政治的な判断するものなんか何もないから,国会議員を頼むようなものは何もない。そうではなくて,茨城県をもっていくためには,これとこれはやらなければならないんだということをきっちりと出てこなければ。そして,それが政治課題として,県民運動として解決することに努力していかなければ。そういうふうな形を整えてやってくださるように希望を申し上げて,私の質問を終わります。  ありがとうございました。        ────────────────────────── 176 ◯潮田委員長 暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は,午後4時25分を予定いたします。                 午後4時5分休憩        ──────────────────────────                 午後4時26分開議 177 ◯潮田委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたしますが,その前に,この際申し上げます。先ほど,井手委員の冒頭の発言について,通告にない事項であること,関連質疑として委員長の許可を得ていない理由で,委員長において,発言の取り消しをしましたので,御報告いたします。  また,同委員の資料要求についてでございますが,理事会で協議した結果,井手委員の必要な資料について,個別に請求するようお願いいたします。  それでは,質疑を続行いたします。  磯崎委員。 178 ◯磯崎委員 自由民主党の磯崎久喜雄でございます。  通告に従い,質問いたします。  初めに,ひたちなか地区開発に関する今後の方針ということで,知事並びに企画部長にお伺いいたします。  まず,ひたちなか地区の土地利用計画の見直しにつきまして,知事にお伺いいたします。  現在のひたちなか地区の土地利用計画は,昭和56年の国有財産中央審議会の答申に基づきまして,流通港湾国営公園安全運転センター,公共公益施設等工業団地を含めまして計画がなされて,さまざまな事業が行われておるわけでございます。  この地元としては,これらの推移を注意深く見守って,地元にどんな影響があるか,メリットがあるかを期待しているわけでございます。ただ,昭和56年以降の社会経済情勢の変化,まことに大きいものがあるわけでありまして,よく言われる明治維新や終戦,そして現在の第三の開国期とも言われる歴史的にも大きな転換点に差しかかっているということでございます。私も,当選直後からこのことにつきまして,いつまでも58年の審議会の策定にそのままにして我々はやっていかなければならないのかと,いわゆる不磨の大典といいますか,神聖にして侵すべからざるものというような,まさに金科玉条として後生大事に茨城県が審議会の答申を守らなければならないということについて,大きな大きな疑問を持っておりますし,場合によっては大変迷惑なことになりかねないというふうにも考えるわけでございます。  中央省庁の大再編も予定されておりますし,国有財産中央審議会というものも,その時点でどういうふうになるか,存続するかしないか,したとしても,その内容やその位置づけというものは恐らく変わっているであろうと,そういうことも考えられるわけであります。  加えまして,地元では,来年の2月に勝田農業協同組合,那珂湊農業協同組合,東海村農業協同組合,そして瓜連町の瓜連農業協同組合,そして何年かおくれまして,那珂町の那珂農業協同組合,大同団結といいますか,大型合併というものが策されております。こういった大型合併に際して,目玉事業といいますか,何か記念になる大きなものがないかということで,今関係者は模索しております。そういう中で,ひたちなか地区の一画にそういう地元のためになる大型合併の拠点施設をつくれないかということも関係者で今論議されて,模索されておるわけでございます。  私も,何度も訴えさせていただいた,このひたちなか地区の開発は,地元の長い犠牲の上に立っているので,当然地元にメリットがなければならないということを申しました。おおむね知事の御理解もいただいていると思っておるわけでございます。そこで,このような状況を踏まえ,少し大きく申せば,ソ連の崩壊やバブルの崩壊,ビッグバンの進展,北朝鮮のミサイル発射,いろいろな面で,何よりも国際政治経済情勢も歴史的に激変といいますか,大きな変化をしておるわけでございます。そういう中にありまして,いつまでもいつまでもこの答申にこだわらなくてはならないのか。地元のそういう大型合併に伴う模索もあります。そういう中で,地区全体の開発計画,つまり処理大綱において定められた土地利用計画というものを見直される考えがあるのか,知事の御所見をお伺いいたします。 179 ◯潮田委員長 磯崎委員の質疑に対する答弁を求めます。
     橋本知事。 180 ◯橋本知事 ひたちなか地区の開発につきましては,ただいまお話にもございましたように,昭和56年のいわゆる処理大綱に基づきまして,土地利用計画の大枠が定められ,現在,港の建設や公園の整備,さらには新たな市街地の建設などが進められているところでございます。  この処理大綱が答申される過程におきましては,県は,地元,市,村と一体となって望ましい土地利用の方向について検討を行い,国にその実現を強く働きかけてまいりましたし,県議会におきましても,特別委員会を設置していただき,詳細な御審議をいただいたところでございます。  また,処理大綱において,留保地とされました区域につきましては,昭和60年に策定いたしました国際港湾公園都市構想に基づき,留保地全体の土地利用構想を定め,これに基づきまして,工業団地造成事業と土地区画整理事業を行ってきたところでございます。  このうちの土地区画整理事業につきましては,平成5年に,昭和60年に定めた土地利用構想をさらに具体化してセンター地区や業務地区,居住地区などの8つのゾーンから成る土地利用計画を策定し,さらに平成7年には業務地区を商業業務地区とする一部変更を行いますなど,昭和56年の国有財産中央審議会の答申以来,地元,市,村とも調整を図りながら今日まで段階的に土地利用計画を定めてきたところでございます。  このようなことから,県としましては,現在の土地利用計画には地元の意向や要望が十分に反映されてきたと認識しているところでございます。  しかしながら,今後のひたちなか地区開発の推進に当たりましては,社会経済情勢の変化やひたちなか地区に新たに求められる機能などに対応していくことが重要でありますので,現在の土地利用計画につきましても,開発の進展に応じまして,必要があれば的確な見直しをしていくべきであると考えております。 181 ◯磯崎委員 どうもありがとうございます。  今の答弁でそのまま金科玉条ではないと,必要があれば見直していくというお考えをいただいたので,大変満足をしております。  自動車安全運転センターというのがありますが,先日,茨城4区の梶山代議士から,あれは,あそこの地区が立て込んできて,いわゆる邪魔になった場合は,不必要だと思われるようになった場合は移転するということが決まって,話にちゃんとなっているから,磯崎君,覚えておくようにというふうな話がありまして,大蔵省とのそういう約束であるという話もお伺いしました。将来の情勢の変化を見越してそういう話も,やはり先人の政治家がしてあったなと思って感銘をしたわけでございます。  いずれにしましても,今の答弁で満足をさせていただきました。ありがとうございます。  次に,企画部長に,ひたちなか国際展示場についてお伺いいたします。  ひたちなか地区の都市づくりを先導する中核施設として,ひたちなか国際展示場を平成8年度に基本構想を策定したところでありますが,残念ながら行財政改革に伴う大規模建設事業の見直しの中で集中改革期間内はその整備が先送りされたところであります。  私は,常陸那珂港が国際的な流通拠点として発展させ,そして後背地の整備を促進するためには,やはりこういったコンベンション機能を持つ施設が必要だというふうに考えております。  県においても,先ほど発表になりました輸入促進地域,FAZの整備にも大きく貢献する施設であろうと思っております。このようなことから,常陸那珂港が今年末に第一船入港するわけでありますが,本年,そして来年と,今後の国際展示場の整備を進める上で,チャンスといいますか,タイミングというのがあると思います。重要な時期に差しかかっておると思いますので,どうするのかということにつきましてお伺いをいたします。 182 ◯高田企画部長 ひたちなか国際展示場の整備見通しについてでございます。  委員御案内のとおり,ひたちなか国際展示場につきましては,行財政改革に伴う大規模事業の見直しによりまして整備を先送りするということになっているわけでございますが,平成8年度に策定いたしました基本構想におきまして,人,物,情報の交流の場として,都市形成を先導する中核的,中枢的機能や常陸那珂港の国際港湾機能を活用して,新たな産業立地を促進する産業振興拠点としての機能などを担っておりまして,ひたちなか地区の都市像の一つであります国際的な流通拠点都市の形成には欠かせない施設と位置づけたところでございます。  このため,今後は,より実態に即した需要調査をもとにいたしまて,展示場の規模や機能,施設構成,地域への波及効果などにつきまして,さらに十分な検討を行いまして,常陸那珂港の本格的な稼働にあわせまして具体的な計画に移行できますよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 183 ◯磯崎委員 ひたちなか地区の開発は,地元といたしましては,大いに期待をしております。今後とも,展示場を含めまして,積極的に取り組んでいただきたいと思います。  鹿島開発にまさるとも劣らない今後の中長期的な県の取り組みを期待をいたしまして,企画部長にはよろしくお願いしたいと思います。  次に,常陸那珂港につきまして,再び知事にお伺いをいたしたいと思います。  先ほど関委員の質問に対しまして,土木部長から極めて重要な答弁だと私には思いますお答えをいただきました。それは,常陸那珂港と東京湾諸港との関係についてであります。そもそも常陸那珂港がなぜ策定されたか,計画されたかということは,東京湾に満杯になってしまうので,補助港を補完する港をつくらなければならないというのが地元に伝わってきた話であります。そういった当初予定した補完関係から,今や競合関係になったということを明言をされたわけでございます。今後の常陸那珂港を考える上で,すべての基本になる答えだと思っております。はっきりと競合関係であるという認識に立って,基本的に大きな変化の結果の答弁だと思っております。土木部長に対しましては,はっきり言っていただいたことを評価させていただきたいと考えております。  そういった基本的な重大な変更の中で,常陸那珂港が今後どうあるべきか。それは24時間,365 日通年フルタイムで安い値段でサービスもよく,そういうことのお話が先ほど知事からありましたけれども,それに一つ加えて,やはり輸出産業の振興というのがないと常陸那珂港の振興には結びつかないのではないか。足りないものは,やはりその点であろうと。輸入物資はあっても,輸出物資がなければ港湾は大きく稼働しないだろうと,そういう点で,県を挙げてというのは,そういう産業の振興も必要だということを指していると思うわけであります。  そういう中で,今後,常陸那珂港は,コンテナ化,そして競争が激化する中でスタートするわけでありますけれども,外貨コンテナ貨物の今後の見通しを踏まえて,将来のイメージといいますか,理想像をどのように描いているか,知事にお伺いいたします。 184 ◯橋本知事 最近の世界的な経済の低迷によりまして,コンテナの荷動きも大変少なくなっており,将来の取り扱い見通しは必ずしも明確ではございませんが,長期的に見ると,コンテナの取扱量は着実に増加していくものと考えております。  平成8年に改定した港湾計画におきましては,おおねね平成22年には年間約80万個のコンテナの取り扱いを想定しており,先般募集した港湾関連用地へ進出予定の物流業者13社の顧客の貨物を集計しますと,これだけで平成17年には,年間約17万個の取り扱いが見込まれております。この中には,北米との貿易貨物が多数含まれ,複数の北米航路の開設が可能な量となっております。  しかしながら,計画上の貨物量を現実のものとするためには,貨物を東京湾から常陸那珂港にシフトさせることが必要となってまいります。開港後しばらくの間は開設航路数も少なく,荷主へのサービス水準が低いため,すぐには貨物量がシフトされないことが予想をされております。これらの貨物を確実に確保するため,地理的特性,アクセス,港湾利用コストなど常陸那珂港の優位性を最大限に生かしながら開設航路数の増大が取扱貨物量の増大に,それがまた航路数の増大,取扱貨物量の増大につながるといういい循環にいち早くのせていくことが肝要であると考えております。  常陸那珂港は,中央埠頭も整備されれば,ハード面では国内最大級のコンテナターミナルを複数を有する港湾になってまいります。加えて,ソフト面,すなわち荷役等港湾サービスにおいても,我が国で最も質の高いサービスを低コストで提供し,常陸那珂港を北関東はもちろん,広く東日本の中核的な国際港湾として,また国内輸送についても,RORO船などによる海陸一貫輸送の中継基地として発展させることを目指してまいりたいと考えております。  さらに,港湾内及び周辺におけるFAZ施設の整備や港湾関連産業などの進出,集積により,常陸那珂港を中心とした地区が東日本の一大物流基地になっていくものと考えております。 185 ◯磯崎委員 射爆場の返還が48年にあったときには,港ができて,あそこが横浜のようになるのか,あるいは神戸のようになるのか,遠い将来をイメージして胸踊らせたわけでございます。そういう中で,先般,私,警察本部長に人と車の共生する社会,いわゆる熟成した車社会のイメージはどのようなものでしょうかということをお伺いいたしましたところ,大変心温まる名答弁をいただきましたんですけれども,きょう今知事にお伺いしたいのは,そういった港湾そのものの振興だけではなくて,地域における,あるいは茨城県の玄関としての常陸那珂港というものが内陸部との人や物や情報の交流の,そういう理想的な国際港湾,あるいはレクリエーション,そういったひたち海浜公園もありますが,そういう中で単に貨物の取扱量を誇るだけの港ではなくて,波止場があって,そこに人が海に親しむ,そういったものも含めて,どういうイメージを持たれるかというふうなことについてお伺いしたわけでございますので,もう一度その辺よろしくお願いします。 186 ◯橋本知事 磯崎委員のただいまの御質問でございますけれども,先ほどの御質問でありましたように,その周りにすぐ産業云々ということになりますと,果してこの経済状況下でどうなるのかという面では不透明な部分が多いのではないかなと思っております。そしてまた港というものは,そう狭い範囲から荷物を集めることを考えるのではなくて,できるだけ大きい範囲から荷物を集めることが肝要だと思っておりますので,そういった点では,産業の集積をあの地域にすぐ進めるとかいうこととは少し異なってくるのではないかと思っております。  ただ,一方で,横浜や神戸というお話がございましたですけれども,あるいは港だけではなくて,やはりそれは明治といいますか,江戸の末期の開港以来の長い歴史があるわけでございまして,いきなり港ができたからすぐああいうまちができるということにはなってこないと思います。まず何よりもそこに人の集積というものがあって,その上でそういった人たちが集い,憩うためのいろいろな施設もできてきたというわけでございますので,やはり私としては,この常陸那珂港というものをどうやって開港して成功だったかという形にもっていけるか,それが一番の課題であろうと思っております。  そして,そのためには,まずこの港を通過する荷物というものを多くする。それによって仕事ができる。それによって人も集まってくる。そういったことの中で住宅地をどうするかとか,あるいはまた,いろいろな形で憩う場所をどうするかとかいう問題にもつながってくるのだろうと思っております。  ただ,それを成り行き任せにということではなくて,最初からある程度この地域はこういうふうな形にしていきたいとか,そういう発想というものはきちんと持ちながら事業を進めていくことは肝要であろうと思っておりますけれども,やや磯崎委員の今質問になっておられるようなことにつきましては,実現までには時間がかかるんだろうと思っております。  そして,それ以外の大まかな発想という点については,今の土地利用計画の中で織り込まれているんだろうと思っております。 187 ◯磯崎委員 今,常陸那珂港は,ハード面で北埠頭ができて,中央埠頭をどうするんだとか,南埠頭というようなことで,そちらの方ばかりに目を向けております。そのことも非常に大事なわけですが,内陸部との連関を含めたソフト面,人間のソフト面について,余り大きく立ちおくれないように,その辺もバランスを考えてよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。  次に,那珂川の河川改修につきまして,本日も各委員の皆さんや私も一般質問でもお尋ねいたしましたけれども,何点か土木部長に御質問いたします。  まず,今回の那珂川の増水で,無堤部,あるいは支川からの逆流ということで被害を受けた箇所,そしてまた,その被害状況につきまして,ごく簡単にお願いをしたいと思います。 188 ◯不破土木部長 那珂川におきます被害箇所についてお答えいたします。  浸水被害を受けた地区と被害状況について,上流部から申し上げますと,御前山村では,金井地区など6地区で浸水家屋延べ53戸,常北町では西田川地区で浸水家屋延べ28戸,那珂町では戸地区で浸水家屋延べ12戸,水戸市では,岩根,藤井,水府,田谷地区など14地区で浸水家屋延べ 662戸,大洗町では,磯浜,成田地区で浸水家屋延べ7戸,ひたちなか市では,枝川,勝倉,栄の3地区で浸水家屋延べ 283戸となっております。その結果,今回の那珂川沿岸全体では,被害箇所数は27地区,浸水家屋は,床上,床下合わせまして延べ 1,046戸でありまして,昭和61年災害時の 3,159戸と比べまして約3分の1となっております。 189 ◯磯崎委員 幸い,前回の昭和61年8月に比べると,被害規模は小さかったわけですが,もしこれらの無堤部の解消,または支川の逆流防止対策というものが水府橋の上流部ですべて施されていたと,すべて完備しておったというふうな場合は,水府橋の水位というものは,どのようになったであろうかということについて,当然推定になると思うんですが,参考までに教えていただきたい。 190 ◯不破土木部長 当然のことながら,それなりに溢水等がなくなるわけでございますから,水位は上昇する可能性があろうかと思います。ただ,このような解析は,はんらんした水をはんらんしなかったものとして扱うか否か,また,その程度の設定でございますとか,あるいは流入河川からの流入量の推定でございますね,どれが本当の河川からの流入か,それともはんらん水であるか,その比率をどの程度に見るべきかどうかとか,いろいろ複雑な条件設定とそしてシミュレーションを行わないとなかなか推測できないものと思われます。  建設省では,現状における水位予測はそれなりに実施しているようでございますが,このような解析作業につきましては,まだ行っていないと聞いております。 191 ◯磯崎委員 ただいまのは,基本的には,水位は上昇するであろうという点ではよろしいわけですね。 192 ◯不破土木部長 溢水がなくなる分,当然それなりに水位は上昇する可能性があると思っております。 193 ◯磯崎委員 私は,那珂川の堤防整備,そしてその逆流防止対策が先行された場合に,特に下流部では,現在の水害の危険度が高まるものと考えておるわけでございます。ただいま部長のお話にありましたように,対策が上流部で完備すれば,水位は上昇するということは,大きな水が勢いをつけて下流部に流れてくるということでございますので,その点を心配するわけであります。そして,現在下流部に湊大橋とか海門橋というのがありますが,これが数十年前に,やはり大雨洪水ということで台風時に落橋しております。そしてその落橋した橋台とか橋脚がそのままに沈んだままになっておるわけであります。海門橋も3メートルぐらいの高さで干潮時に上からのぞくと見えますけれども,そのままになっております。これ,2回くらい分がそのままになっております。そして,旧関戸橋のところもそのままになって,干潮時にはそれが浮き上がって船の通行に支障を来すというような形で残骸が残っているというような形でございますし,今回の寿橋もまだ落下したばかりですので,そのままになっていると思います。  そういう障害物,また湊大橋からすぐ右下に見ると見えますフローティングドックといいますか,うきドックというのがあります。非常に心配しまして,あれが流されると海門橋にぶつかると甚大な被害になるだろうと,相当な重いものでありますので,これも心配だと。さらに,河口処理としてつくられている導流堤,海の一番入り口のところにあるかぎ型をした構造物ですが,あれも流水の支障になっておるわけであります。そういうふうに,今回の洪水を踏まえて今後を考える場合には,4つ,5つの障害物,構造物を撤去することが必要だと思っております。きちんと撤去するところから那珂川下流部の改修というものをスタートする必要があると考えております。  そういう点で今後どうするか,土木部長のお考えをお伺いいたします。 194 ◯不破土木部長 お答えいたします。  旧橋の橋脚等4つの構造物の撤去が必要ではないかとの御質問でございますが,まず,現在の湊大橋及び海門橋付近に残っております旧橋の橋台や橋脚等につきましてでございますが,これにつきまして建設省も承知いたしておりまして,撤去していく考えであると聞いております。  また,うきドックにつきましては,洪水時に下流へ流されることがあれば,委員御指摘のように災害を起こすおそれもあるわけでございますので,そのことにつきまして,建設省へ伝えて,その対応を要請してまいりたいと考えております。  さらに,河口部のかぎ方の導流堤につきましては,今後さらに調査検討が必要であるとのことでございますので,今後適切な対応をお願いしてまいりたいと考えております。 195 ◯磯崎委員 上流部が今後整備されて,堤防,水門も完備されればされるほど下流部は水かさが一層増して勢いよくそれも流れてくるので,まちが水浸しになるというおそれを抱くわけであります。今回は,いわば川の水がいろいろなところへ散らばってくれたおがげで一気に下流部まで押し寄せてこなかったので,ある意味では助かったという状況なわけであります。最高の水位の8メートル40センチとか60センチの水府橋の水位のときには10センチ前後の余裕しかない,ピシャピシャピシャピシャ水が今か今かというくらいにはらはらはらはらしたところまで,あと少しでまちじゅうに溢れそうになったことを考えますと,先ほどの土木部長の水位の上昇が考えられるということになりますと,完全にまちが水に没するということになってくるおそれを抱くわけでありますので,よろしくお願いをしたいと思います。  河川整備というのは,本来は上流からするのか,下流からしていくべきなのか,土木部長にお伺いいたします。 196 ◯不破土木部長 基本的には下流からでございます。ただ,それぞれ地域の状況が違います。上流部の方々が河川のそばにお住まいの場合には,ずっと下流が終わるまで待てというわけにもいかない場合もございます。そういう面では,上流部,中流部,下流部,それぞれの地域の状況とそれから河川のあり様,河川も屈曲部が中流にあれば中流で溢水する可能性もありますし,また,下流部で堤防等がなければ下流部で出水する場合もあります。原則は,下流部から順次ということでございますが,私どもの茨城県も非常に広い地域に,それから随分長い河川を持っております。それぞれ地域の状況と河川の状況をあわせまして,いろいろ勘案しながらバランスよく整備を進めたいと考えております。 197 ◯磯崎委員 この那珂川の下流部において今後緊急改修区間として設定されるのではないかと推測されるわけですが,常磐線から下の方にかけては,どのくらいのところがどんなふうに改修の区間として設定されるであろうか。もし,想定されたら,わかりましたら教えていただきたいと思います。 198 ◯不破土木部長 どのような区間から改修区間を設定されるかという御質問でございますが,恐らく建設省の方では,今回の出水も踏まえまして,どういう部分を実施していくか,どのような事業からやっていくか,これから検討していくものと考えております。  今のところは,上流部を含め具体的な実施区間が示されておりませんが,そういった建設省における検討がなされ,今後その実施区間も具体的に明らかになっていくものと考えております。  県といたしましては,先ほど言いましたように,まずは大きな浸水被害があった地域などを主にいたしまして,バランスよく整備をしていただきたいということでお願いしてまいりたいと考えております。 199 ◯磯崎委員 今回の被害のところが重点であって,あとは国の方ではどのようなところが改修になるかはまだわからないというふうに今のお話をお伺いいたしましたけれども,私のきょうの質問は,そのために質問しているわけであります。つまり,今後の改修に当たっては,今回被害には余り遭わなかったけれども,下流部が大きく被害を受けるであろうという想定がなされるので,その点を含めて上流と下流のバランスを考えて区間の設定,はっきり申しましたら,下流部も含めていただきたいということでございます。もう一度,その点について答弁をいただきたいと思います。 200 ◯不破土木部長 恐らく建設省は,いろいろな検討をした上でどのような形でやっていくことがいいか,そういった案をつくると思いますし,また実際に実施区間を設定する際には,関係市町村等とも地元の要望といったものも含めていろいろ検討するものと考えております。 201 ◯磯崎委員 もう一度だけ,終わりに,県として,ただいま私のお話をいたしました点を国の方へ伝えるということについてお願いをしたいと思うわけです。今の質問ですと,市町村や地元というお話がありましたけれども,県として国にどうするという話をちょっと聞こえなかったように思いますので,その点をもう一度お願いします。 202 ◯不破土木部長 県といたしましては,流域の各市町村,それからさまざまな地区ごとの地元の皆さん方の御要望等も踏まえまして,バランスよく整備していただけるように国の方には強く申し入れていくつもりでございます。 203 ◯磯崎委員 以上で,土木部長,ありがとうございます。  以上で,私の質問を終わります。ありがとうございました。        ────────────────────────── 204 ◯潮田委員長 次に,細谷委員。 205 ◯細谷委員 自由民主党の細谷典幸でございます。  通告に従いまして,質問をさせていただきます。  まず初めに,ダイオキシン対策について,生活環境部長にお伺いをいたします。  非意図的に生成される化学物質ダイオキシンは,県民にとって身近で必要不可欠な廃棄物焼却施設から排出されることなどから,その環境汚染が大きな社会問題となっております。そのダイオキシンの主な発生源は,一般廃棄物焼却施設約80%,次に産業廃棄物焼却施設が約10%,金属精錬施設が約5%の主にこの3つであり,発生する経路は,燃焼過程と燃焼後の排ガス処理過程であると言われております。  国において,大気汚染防止法と廃棄物処理法の政令改正をするなど,昨年の12月から法の規制に基づいて国内のダイオキシン対策を実施することになったわけであります。  我が茨城県においても,ごみ焼却に係るダイオキシン類等ガイドライン,いわゆる新ガイドラインの基本値に基づき,緊急的,あるいは恒久的な対策を規模に応じて指導されていると思いますが,それぞれの焼却施設への改善指導状況をまず最初にお尋ねをいたします。 206 ◯潮田委員長 細谷委員の質疑に対する答弁を求めます。  長嶺生活環境部長。 207 ◯長嶺生活環境部長 ごみ処理の対策でございますが,その改善指導状況を申しますと,現在,市町村のごみ処理施設は,全部で35ございます。これらの施設につきましては,国が平成9年1月に定めましたごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン,いわゆる新ガイドラインに基づきまして,現在,市町村等に対しまして,燃焼管理の適正化,施設の改善等ダイオキシン削減のための措置を講じ,強化された構造基準,維持管理基準を確実に遵守するよう指導しているところでございます。  その結果,平成9年度におきましては,ごみ焼却施設のダイオキシン排出濃度は,34施設が緊急対策が必要とされる判断基準80ナノグラムと申しますが,その未満でありまして,1施設のみ超過いたしておりました。このため,当該施設に対しましては,ダイオキシンの削減について指導を行い,再燃バーナーや一酸化炭素測定器の設置,排ガス冷却方式の改善等の措置が講ぜられたところでございます。  今後とも,新ガイドラインに沿いまして,適切に指導してまいりたいと存じます。  今後の対策といたしましては,このような中で,市町村のごみ処理施設からのダイオキシン類の発生を抑制するには,国の新ガイドラインでは何よりも燃焼管理の安定を図ることが必要であり,ごみを 100トン以上の大規模な施設で24時間連続した燃焼運転をすることが望ましいとされているところでございます。  このため,県といたしましては,本年4月にごみ処理広域化計画を策定いたしまして,この計画に基づきまして,現在,35の施設で行っております市町村のごみ処理につきまして,今後10年以内に22に集約いたしまして,ごみを広域化処理するよう指導しているところであります。  さらに,本年度は,施設が老朽化しております1日当たり処理規模が 100トン未満のものを対象といたしまして,これらの施設の広域化の施設におきまして,市町村に具体的な働きかけを行っているところでございます。今後とも,ごみの処理の広域化に取り組むなどダイオキシンの排出抑制に努めてまいります。 208 ◯細谷委員 ただいまの答弁によりますと,市町村35カ所ということでありますが,私の質問がちょっと悪かったのだと思いますが,できますれば,今のは一般廃棄物という感覚でよろしいと思うんですが,産業廃棄物についてもお伺いしたいのと,特に公共性のあるもの,また民間との区分がどのぐらいであって,それに対してどういう指導をなされているのかをお伺いしたいと思います。 209 ◯長嶺生活環境部長 産業廃棄物につきましては,民間も相当数ございまして,全体的にクリーンアップ作戦とか野焼きの禁止とか,いろいろな施設の指導,処分場の指導,いろいろな面を含めましてやっておりまして,茨城県の場合には平たん地も多い面もありまして,いろいろ不法投棄等がなされておりまして,そういったものにつきまして,県警本部と連携いたしまして,いろいろな面で抑制をいたしておりまして,努力しておるところでございます。 210 ◯細谷委員 確かに比率的には一般廃棄物に比べますと産業廃棄物の与える影響が少ないというふうに言われているわけでありますが,私が聞くところによりますと,そういう事情がゆえに公的な機関,自治体や厚生省などではそういう公的な施設からのデータというのは出しやすいのであるが,民間の業者,特に産業廃棄物の関係が多いと思うのでありますが,そういうところのデータが取りにくいというふうに実は伺っておるわけでありますが,その点についてはいかがでしょうか。 211 ◯長嶺生活環境部長 確かに民間の施設の場合には公的機関と違いまして,それぞれ営業している方々もいろいろな方がおりまして,埼玉県の所沢などですと相当ございますが,茨城県の場合にはまだまだそういう状況ではございませんで,私どもしっかりいたしました状況のもとで適正に処理されるように,適宜施設,あるいは処分場,それぞれに対しまして監視しながら指導をいたしております。 212 ◯細谷委員 適切な指導をなされているということで安心をするわけでありますが,特にこの問題につきましては,今後もさらに横断的な連絡もとっていただきながら適切な対応をお願いしたいというふうに思います。  続きまして,竜ヶ崎地方塵芥処理組合城取清掃工場のごみ処理場についてのお話をしたいと思います。  茨城県等が先ほどこの地域においていろいろな土壌の調査などを行ったわけでありますが,または,同じく周辺住民も当然土壌の調査を行ったわけであります。しかしながら,双方の分析の方法とかいろいろな食い違いもあったのかもしれませんが,その調査結果に食い違いが生じているわけであります。さらに,その周辺住民からは血液中の濃度をはかるための検査も行い,その結果,高濃度のダイオキシンが検出されたという調査結果が報告をされるに至ったわけであります。  新利根町を中心とした周辺住民の不安は頂点に達している状態にあります。こうした地元住民の不安は一刻も早く払拭していく必要がありますが,県として,ダイオキシン対策を強力に進めていく必要があると考えます。特に,大気,水質,土壌,底質などの環境等調査を通して実態を把握していくことが重要と考えられるわけであります。  そこで,県が現在進めている調査に至った経緯,または目的,さらにその取り組み状況についてお伺いをいたします。 213 ◯長嶺生活環境部長 環境調査の状況についてでございますが,城取清掃工場周辺の第1回目に実施いたしました環境調査につきましては,平成8年8月に県に対しまして地元の住民団体から,ばい煙に含まれるダイオキシンによる健康への不安のため,清掃工場周辺の環境調査の実施について強い要請がありましたことなどから,県は,平成8年11月に清掃工場を管理する組合と連携いたしまして,影響が最も高いと考えられます風下方向を重点に5地点における大気,土壌,井戸水の環境調査を行いました。この調査の結果につきましては,環境庁等が実施した他地域の測定例とほぼ同様であったことから,県は,清掃工場周辺におけるダイオキシンの環境濃度は一般的な環境濃度の範囲にあると判断いたしまして,その旨,平成9年2月に公表いたしました。さらに,平成10年度版の環境白書にも記載したところでございます。  さらに,本年度緊急に行った環境調査でございますが,住民団体が摂南大学の宮田教授に依頼して行った土壌調査,血液調査から高い値が検出されたため,地元住民の不安が高まりましたことは,委員御指摘のとおりでございます。  こうしたことから,県といたしましては,住民団体が実施した土壌調査で高い値が検出された清掃工場の南方向を重点に再度その実態を確認するため,緊急に環境調査を実施することといたしました。この調査に当たりましては,関係市町村と連携し,地元の区長さんを初めといたしまして,住民団体の方々に対し,今回の調査の考え方を説明いたしまして,清掃工場の南方向を含む周辺11地点を選定いたしました。また,資料の採取に当たりましても,地元の区長さんや住民団体の携えを求めまして7月から8月にかけまして,土壌,河川水,河川底質を国の調査マニュアルに基づきまして実施したところでございます。  なお,調査を委託いたしました機関は,分析等の実績もありまして,さらにデータの確実性,信頼性を一層確保するために,1つの資料を2つの調査機関で分析,確認する二重チェックも2地点で行っているところであります。  また,国におきましても,本県の要望に基づきまして,清掃工場周辺を緊急全国一斉調査の重点モニタリング地域に位置づけまして,延べ21地点で大気,土壌,水質,底質等の調査を8月から進めているところでございます。 214 ◯細谷委員 この問題につきましては,地域住民は本当に深刻でありまして,それがゆえに調査においても,その地域住民の理解が一番大切であるというふうに思いますので,今後も調査の過程の中で,ぜひ住民の理解を十分得た中での調査を実施していただきたいというふうに要望いたします。  それと同時に,この調査を行うことになって,大事なことはやはりその結果であります。そういう問題が起きてから時間もかなり経過しておりますし,住民の不安は本当に募るばかりでありますので,この調査結果につきましては,地元の住民はもとより,県民のためにも,早い時期に,そしてわかりやすく,しかも広く公表を行うなどして地元住民の不安を解消していく必要があると考えておりますが,そこで,公表の時期がいつになるのか,また,その公表の方法をどのように考えていらっしゃるのか,お伺いしたいと思います。 215 ◯長嶺生活環境部長 公表の時期とか方法などについてでございますけれども,県の現在の調査につきましては,現在分析中でございます。  この調査の結果が10月中には判明する予定でございます。調査の結果につきましては,まとまり次第,地域住民への説明はもとより,広く県民に,県や市町村の広報紙,インターネネットの県のホームページなど広報媒体を利用いたしまして,公表してまいりたいと思っております。  さらには,今回の調査結果にもよりますが,土壌や底質につきましては,現在,我が国においては,評価基準がないことから,調査結果の検討に当たっては,国や専門家と十分協議を行いまして,ダイオキシンについての正確な情報の提供など適切な対応を行いまして,住民の不安解消に努めてまいりたいと存じます。
    216 ◯細谷委員 今行われている調査は10月に完了するというお話でありますが,本当に地元の人はあしたにでもそういう結果を聞きたいという心境であると思うんですが,改めて部長にお伺いしますが,その10月に出たものは,いつ発表する予定なのかをお伺いいたします。 217 ◯長嶺生活環境部長 この調査は,自前ではできないので,委託してやっているわけでございますが,全国的にも大体どこの県でも国でもそうなんですが,ほとんど委託してやっているのが現状であります。そんなことでございまして,今回の議会におきまして提案しております予算の中に,みずからできるような機器の購入を御審議してお願いしてございますが,現在のような委託の中では,できるだけ早く出すようにということで委託先にはお願いしてありますので,10月の中ごろには出るのではないかと思っております。 218 ◯細谷委員 10月の中ごろという予定であるという今のお話でありますから,ぜひこの時期にはそういったいろいろな報道網を通じて,広報活動をしっかりしていただいて,住民の不安を早く消し取っていただきたいというふうに要望いたしまして,生活環境部長の質問は終わらせていただきます。  続いて,ダイオキシンに同じ対策として,衛生部長にお伺いをいたします。  ダイオキシン類は,1兆分の1グラムといった極めて低い濃度で環境中に存在し,健康に深刻な影響を与えるおそれのある化学物質であります。また,その毒性はサリンの2倍,青酸カリの 1,000倍とも言われ,環境中に大気汚染として排出されたダイオキシンは,土壌,植物,水底の有機質などに蓄積をいたします。微生物からプランクトン,魚介類,鳥類などへつながる食物連鎖の過程でもほとんど分解されることがないため,どんどん濃縮されていくことが特徴でもあり,人体への影響は深刻であります。  先ほども申し上げましたが,城取清掃工場の周辺の住民が不安におびえる中,摂南大学宮田教授の調査結果が発表されたわけであります。この調査は,周辺住民の60名から血液を採取し,そのうち18名の分析結果を発表したものであります。その結果は,男性13名の平均が81ピコグラム,女性5名の平均が 140ピコグラムであり,最高値だった女性のデータは 463ピコグラムで,平均的な血液濃度の約20倍であり,極めて高い数値であります。私は,人体汚染や健康被害との関連について本格的な調査を行い,実態を把握することが急務であると考えます。  本定例会において,ダイオキシン類関連健康調査事業費として,6,751 万 1,000円が補正予算として上程されておりますが,透明性が高く,より公正な調査をするため,どのような調査地区,あるいは対象者にするのか,その選定基準を明確にし,どのような方法で調査されるのか,衛生部長にお尋ねをいたします。 219 ◯牛尾衛生部長 調査地区や調査対象者の選定基準及び調査の方法についてでございますが,まず,調査地区及び調査対象者の選定基準について,城取清掃工場周辺の調査地区としましては,煙突から大気に排出される物質に関しまして,最大着地濃度地点というものがございます。これは,排出される物質が最も高濃度で検出される地点を言うわけでございますけれども,それを考慮しまして,この工場から同心円でおおむね約半径2キロメートル以内の地区を考えております。  次に,対象者としましては,この工場周辺地区の住民ということで,10年以上住まわれている方で,その中で,日常この地区で生活している方を優先して選ぶという方法で,疫学的に評価できる結果が得られるような選定をしていきたいと考えております。  また,この工場から離れた地区の住民についても血液を調べ,工場周辺地区の住民との検査結果と比較するなど,調査の精度を高めてまいりたいと思います。  次に,調査の方法でございますけれども,このたびの健康調査では,血液中のダイオキシン類濃度検査,健康診断,聞き取りによる生活状況関連調査を考えておるわけでございますけれども,血液中のダイオキシン類の検査につきましては,その分析方法が確立しておりませんので,ダイオキシン類関連健康調査検討委員会のもとに設置しました専門部会での検討結果を踏まえて,分析方法や分析機関を選定していくこととしております。  また,健康診断の項目や居住歴などの生活状況関連調査の内容につきましても,やはり専門部会で検討することとしております。  なお,この専門部会の構成員につきましては,公衆衛生分野では,厚生省公衆衛生審議会委員,分析部門では,国立環境研究所統轄研究官,医学,疫学部門では,元国立がんセンター疫学部長,気象部門では,気象研究所研究室長などおのおのその領域における第一人者の方々にお願いしておりますので,精度,信頼性ともに高い調査を行うものができると思っております。  さらに,国におきましても,埼玉県や大阪府で同様の調査を行う予定でございますので,これらの調査との連携も図ってまいりたいと考えております。 220 ◯細谷委員 それぞれの分野で専門の方々が出席していただいた中で御検討いただいて,その調査に入るということでありますので,ぜひその質の高い調査をお願いしたいと思います。  また,先ほどの環境調査と同様でありますが,当然,そういう形で専門の方々が選定基準を設定した中で質の高い調査が行われると思うわけでありますが,やはり,環境調査と同様に,一日も早く,当然この調査結果も公表していただくことが望ましいと考えるわけでありますが,今の時点で,この公表の時期がいつごろになる予定なのか,また,その公表の方法をどのように考えているのかをお伺いいたします。 221 ◯牛尾衛生部長 健康調査の結果の公表についての御質問でございますけれども,このダイオキシン類の検出結果につきまして,それは血液検査の結果のみならず,居住歴や食生活などの調査結果を参考に専門家に解析・評価をしていただかなければなりません。我々としては,できるだけ早い時期に公表したいとは考えておりますが,例えば宮田教授の例を見ましても,その調査結果が出るまでに2年間という非常に長い年月を要しているわけでございます。それだけ,この血液中のダイオキシンの濃度検査というのは非常に難しいということが言えるわけでございます。また,同時に,血液の提供者に対しましては,できるだけ本人のプライバシーの保護に十分配慮して,本人にその結果を知らせなければならないというふうに思っております。いずれにしましても,委員御指摘のように,この調査につきましては地域住民からも高い関心をいただいておりますし,専門家や住民の代表の方から広く意見をいただいて,調査内容,対象,方法を決定し,精度の高い結果が得られる調査にするとともに,得られた結果につきましては,時期を逸することなく,適切に公表していきたいと考えております。 222 ◯細谷委員 本当に深刻な問題でありますので,先日の知事の定例議会の冒頭にもございましたように,できるだけ早い時期に公表していただいて,安心というものを一日も早くつくっていただきたいというふうに考えております。  地元では,農作物などにありましても,流通の段階,そして販売の段階で,新利根町と入っているだけで大変困っておる,大変支障を来しておる現状であります。直接的な,健康的な被害はなくても,そういうふうに間接的に被害を受けている方がたくさんいらっしゃるということも頭の中に入れていただいて,生活環境部,衛生部だけではないと思いますが,関係する部局が横断的に連携をとっていただいて,一日も早い結果,安心できるようなデータをできれば出していただきたいということを要望して,衛生部長への質問は終わらせていただきます。  次に,障害児教育について,教育長にお伺いをいたします。  本年におきましては,来月の17,18日にかけまして,知的障害者のスポーツの祭典「ゆうあいぴっく茨城大会」が開催され,障害者の方々に対するノーマライゼーションの目的が大きく前進し,障害を持った方々へ大きく光が当てられ,その理解が深まることは,大変意義のあることで,私自身も成功を期待しておる一人であります。  障害を持つ方々は,その障害の種類や程度は個々に異なり,多様でありますが,障害がある児童生徒が個人の持つ可能性を最大限に伸ばし,社会の一員として社会参加や自立できる能力の育成のために,一人一人の障害に応じたきめ細かな教育が求められております。  そこで,まず,本県の養護学校全体の児童数と,その中でも県南西地域の養護学校の生徒数について,どのような状況なのかをお尋ねをいたします。 223 ◯川俣教育長 お答えいたします。  本県の養護学校に在籍している児童生徒数の状況についてでございますけれども,その前に,まず,一般の状況はどうかといいますと,全体の小中学校の全体の児童生徒数につきましては,昭和59年度をピークとして,その後減少しておる状況にございます。ピーク時は41万人ぐらいが,現在では31万人ということで,約10万人減っておる状況にございます。  しかしながら,養護学校の児童生徒数について見てみますと,昭和54年度から養護学校の教育というものは義務制になったわけでございますけれども,その後,増加の傾向でずっと推移してきております。小中学校の生徒総数がピーク時であった昭和59年で見ますと 1,876人でございましたが,現在では 2,210人ということで,一般の児童と反比例しまして,ふえておるということで,この間で 334人増加している状況にございます。  また,県南西地域の状況でございますけれども,これも同様でございまして,小中学校のピーク時と比較しますと 134人ふえているということで,同じように増加傾向にございます。 224 ◯細谷委員 現在,少子化が進む中で,普通の学校が生徒数が減少している中で,今お伺いしますと,障害者の方々の数はふえ続けておるというような状況でありますが,そういう状況の中で,県南西地域の知的障害児及び肢体不自由児に係るそれぞれの養護学校の設置状況についてお伺いをいたします。 225 ◯川俣教育長 設置状況でございますけれども,県南西地域,2つに分けて,まず,知的障害児の通学する養護学校,次に,肢体不自由児の通学する養護学校について御説明したいと思います。  まず,知的障害児の通学する養護学校につきましては,5校ございます。その設置状況につきましては,義務制施行時,昭和54年でございましたけれども,そのときに2校,土浦養護と結城養護,その後,児童生徒数の増加によりまして,昭和57年度に伊奈養護,それから,昭和59年度に協和養護学校,それから,昭和62年度に美浦養護というふうに開校してきたところでございます。  また,肢体不自由児の通学します養護学校としましては,県南西地域を通学区域とします下妻養護学校が遠距離通学者の便を図るという観点から,寄宿舎を整備しまして,昭和49年度に開校しておる状況でございます。 226 ◯細谷委員 そういう中での整備であって,いろいろ御苦労もおありかと思うのですが,私の地元,県南の美浦村に知的障害児を対象にした養護学校がございます。しかし,私の地元では,知的障害者ばかりでなく,肢体不自由児や重複した障害のあるお子さんもいらっしゃいます。  そこで,その受け入れについて,どのような対応をなされておるのかをお伺いいたします。 227 ◯川俣教育長 今,委員からお話ありましたように,最近,肢体不自由児の養護学校におきましては,障害の程度が重くなったり,あるいは知的障害を持つ重複障害児というような児童生徒も増加しておるような状況にございます。そういう状況のために,寄宿舎生活が困難であって,やむなく遠くから通学しているという状況にございます。このような児童生徒の保護者の中には,できるだけ自宅近くの知的障害児の養護学校へ入学を希望するという方も出てきております。したがいまして,知的障害との重複障害もあります児童生徒につきましては,障害の状況によるわけでございますけれども,できるだけ近くの知的障害児の養護学校において教育ができるようにしようということで,そのような場合に,可能な場合には,保護者の要望に沿って対応しているところでございまして,現在,知的障害児の養護学校につきましては,在籍児童生徒が全体で 1,646人おりますけれども,そのうち81人の重複障害のある児童生徒が在籍しておる状況にございます。  また,委員の地元の方の美浦養護学校につきましては,在籍児童生徒数 141人でございますけれども,そのうち9人,重複の障害児が通っておる状況にございます。  なお,受け入れに当たりましては,スロープの設置とか車いす用のトイレなどの施設の改修を行っておりますし,今年度からは新たにエレベーターの整備というものも進めておる状況でございます。 228 ◯細谷委員 そういうお子さんたちが当然ながら交通の時間がかかり過ぎるというような問題から,できる限り近くの学校に通学させていただきたいという希望があるというお話も今伺ったわけでありますが,しかしながら,私が聞いておりますお話ですと,学習の内容が違うこと,それぞれ施設のいろいろな準備の問題であるとかがありまして,いろいろ肢体不自由児を受け入れることが難しいというお話も一方では伺っているわけであります。そして,特に県南西地域においては,肢体不自由児を受け入れてくれる養護学校が下妻養護だけであるというふうにも伺っている中で,大変通学には時間を要しているのが現状であります。本人や家族にとっては大変な負担になっているわけでありまして,このようなことから,県としては,県南西地域の養護学校のあり方について,今後どのように対応していくのかをお伺いをいたします。 229 ◯川俣教育長 ただいま委員から御指摘がありましたように,肢体不自由児の養護学校につきましては,県南西に1校,それから,水戸に1校ということで,全県下で2校でございますし,先ほど申し上げましたように,対象となる児童生徒の数もふえてきているというような問題もございます。それから,重複児童がふえてきているという問題もございます。いろいろそういう問題もございますので,県としましては,現在,県南西地域のみならず,全県下,県全体の養護学校のあり方について調査検討しなければならないということで,教育庁の内部に関係課室等によります検討会議を設けまして,例えば養護学校対象児の将来の推計とか,あるいは通学区域の見直し,あるいは既存の養護学校の施設の整備拡充,それから,新設校の必要性,それから,知的障害児の教育と肢体不自由児の教育の2つの部門を持つような養護学校のあり方などを鋭意調査検討を進めているところでございまして,県としましては,それらの調査結果を見ながら,対応を検討してまいりたいというふうに考えております。 230 ◯細谷委員 ぜひ,通学時間帯の問題につきましては,恐らく一般質問などでも出たことがあると思いますし,ぜひ,そういうものも踏まえて,なるべく近くでそういうお子さんたちが通学できるような環境を一日も早くつくっていただきたいというふうに要望いたします。  次に,養護学校の設備関係についてお尋ねをいたします。  最近,障害児における障害の程度は,先ほども申しましたとおり,重度化,重複化しておりまして,肢体不自由や知的障害はもとより,情緒障害や言語障害などの障害がある児童生徒がふえてきている現状であります。その生徒の中には,自分自身で体温の調整ができないお子さんがいらっしゃいます。保護者から,養護学校には一部しか冷房が整備されていないため,子供の体温調節ができないというお話を聞いたことがあります。特に夏場においては,高温の環境の中で非常に苦しい学校生活を送っているようにも伺っております。  そこで,どのような考え方のもとに養護学校の冷房化を進めているのか,その現状についてお尋ねをいたします。 231 ◯川俣教育長 養護学校の冷房化の現状についてでございますけれども,養護学校にはさまざまな障害のある児童生徒が在籍しておるということでございまして,まず,保健室というものが児童生徒の健康管理の非常に重要な役割を担っているということで,県では,すべての養護学校の保健室の冷房化を図ってきたところでございます。しかしながら,最近では,委員からお話がありましたように,肢体不自由養護学校に体幹機能の障害とか脳性麻痺などの障害によりまして自分では体温の調節ができない児童生徒が増加してきておりますので,保健室のみでは十分な対応ができないのではないかということで,県といたしましては,肢体不自由養護学校の冷房化を進めなければならないと考えております。  その考えの中で,ではどこをやるかということでございますけれども,普通教室と特別教室とをとった場合に,特別教室の方が使用頻度が高いということでございますので,特別教室から手をつけようというふうに考えております。特別教室のうちでも特に教育過程の中で大きなウエートを占め,最も利用頻度が高いという養護訓練室というのがございますが,それをやろうということでやってきておりますし,また,今年度でございますけれども,今年度は,音楽の授業のほかに,障害の程度とか能力に応じてグループ編成による日常生活とか遊びの指導にも使用しております音楽室を冷房化するなど,肢体不自由養護学校の特別教室を優先して,計画的に冷房化というものを進めているところでございます。 232 ◯細谷委員 現在の話ですと,本年度はさらに特別教室にも冷房の方を整備していく方針であるというお話でありますが,きょうのこの部屋の中も冷房がきいておりまして,大変快適な環境の中でこの委員会が進められているわけでありますが,やはり私が申し上げたいことは,当然,頻度の高い特別教室も必要であると思いますが,できる限り普通教室も整備していただきたいということであります。私が調べたところによりますと,関東近県では,肢体不自由養護学校の普通教室の冷房化に取り組み始めたようであります。肢体不自由児の養護学校の冷房化については,今申しましたとおり,特別教室だけでなくして,全普通教室を行っていく必要があるというふうに私は考えておるわけであります。  そこで,改めてお伺いをいたしますが,知的障害児や病弱児の養護学校についても,体温の調節ができない児童生徒が少なからず在学している状況にあると聞いておりますので,できる限り早い時期に冷房化を進める必要があるというふうにも考えております。  そこで,今後,養護学校の冷房化をどのように進めようと考えているのかを改めてお尋ねをいたします。 233 ◯川俣教育長 今後の養護学校の冷房化についてでございますけれども,肢体不自由養護学校につきましては,先ほどいろいろ整備してきているとお話しいたしました。それにつきましては,来年度,できれば広いスペースが多目的に使用可能となっております図書室につきまして冷房化を計画していけないかというふうに考えております。また,その後は,児童生徒の障害の程度が重度化,重複化する傾向にございますことから,普通教室の冷房化というものも含めた冷房化の一層の推進について検討していかなければならないというふうに考えております。  また,体温の調節のできない児童生徒につきましては,肢体不自由養護学校だけでなく,知的障害の養護学校などにも在籍してきているという状況になってきておりますので,その冷房化の拡充につきましても,あわせて検討していかなければならないというふうに考えております。 234 ◯細谷委員 ただいま,県においても,財政的にも厳しい状況下にあるのは私も理解をしておりますが,それ以外の部分でこれを整備することに問題はあるのでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。 235 ◯川俣教育長 基本的には,子供のためにいい教育環境をつくるということで,冷房化というものは,特に一般の児童生徒と違いますので,それを考慮すれば,できるだけ早くやらなければならないというふうに考えております。 236 ◯細谷委員 ありがとうございました。大変心強いお答えをいただきまして,私が常々思っていることは,何といっても,そういう小さいことから解決していくことが,やはり教育の充実にもつながりますし,子供たちの教育環境の整備にもつながっていくというふうに考えております。今後も,障害の重度,重複化が進む中で,一人一人の障害の状態を改善しつつ,よりよい環境で教育が受けられますよう,障害児教育のなお一層の充実を図るために,先ほども申し上げましたとおり,もし関係する部局があるのであれば,そういう部局とも連携を十分にとっていただきまして,養護学校の教育環境が計画的に整備されるように努めていただきたいというふうに要望をいたします。やはり何といっても,この問題を解決することは重要であって,障害を背負った方々と家族の方々すべてが生きる喜びを感じられるような障害児の教育の実践が,愛される茨城づくりの創造につながるものと確信をいたしております。  以上,申し上げましたが,そのようなことから,早い時期にそういうものを達成していただくことを御要望申し上げ,質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。        ────────────────────────── 237 ◯潮田委員長 次に,田山委員。 238 ◯田山委員 自由民主党の田山東湖であります。  長時間お疲れさまでございます。簡潔,スピーディーに質問をいたします。  まず,軽油引取税について,総務部長にお伺いをいたします。  本年度における税収の見通しについては,一般質問での知事の答弁にありましたが,大変厳しいものがある。さらに,国の景気対策としての減税が実施された場合には,本県の税収に大変な影響があるということであります。今後,財政状況が一段と厳しくなることが確実な情勢の中で,重要な財源である県税収入を確保することは最も重要な課題になっております。  本県の税収は,平成9年度の決算見込額で約 3,339億円となっておりますが,そこでまず,主な税目の決算見込額をお伺いいたします。 239 ◯潮田委員長 田山委員の質疑に対する答弁を求めます。  務台総務部長。 240 ◯務台総務部長 主な税目の決算見込額でございますが,法人事業税が約 959億円,個人県民税が 595億円,自動車税が 531億円,軽油引取税が 390億円,法人県民税が 188億円でございます。これがベスト5の税でございます。 241 ◯田山委員 ただいまの総務部長の答弁によりますと,軽油引取税は本県税収のうち第4番目の位置を占める主要な税目と考えられます。  そこで,軽油引取税の重要性について,総務部長はどのように考えているのか,お伺いをいたします。 242 ◯務台総務部長 御指摘のとおり,軽油引取税は本県税収のうちの4番目の税収目でございまして,12%を占める貴重な実質財源だと考えております。また,道路整備のために使われる目的税であることから,本県道路整備の財源として,本県の基盤整備に欠くことのできない重要なものだと考えております。 243 ◯田山委員 御案内のとおりであると思うのでありますけれども,軽油は主にトラックなどのいわゆるディーゼル燃料でありまして,ガソリンスタンドなどで販売されているわけでありますけれども,石油業界は規制緩和以来大変な値下げ競争が続いておりまして,各販売店とも大変苦しい経営を強いられております。その中で,事業者は,一生懸命に軽油引取税を徴収して県に納めているわけでありまして,その結果が約 400億円の県の貴重な財源となっております。  ところが,業界あるいは消費者の一部に,本来納めるべき軽油の税金を逃れたり,また,軽油に重油や灯油などのほかの油を混和するなど,脱税によりまして不当な利益を上げている業者等がいるとの情報があります。こうした現状では,苦しい経営の中で真面目に税を納めている善良な事業者はやりきれないものがありまして,また,県にとりましても,本来収入となるべき税を逃がしていることにもなるわけであります。これを防ぐためには,調査を徹底して行うことが重要であります。県税事務所の職員は大変限られておりまして,難しい問題でありますけれども,税の公平性,また,県税収入の確保の観点から,特別チームのようなものを編成して,調査体制の強化を図るべきであると考えますけれども,この点について,総務部長の見解を伺います。 244 ◯務台総務部長 軽油引取税につきましては,軽油の流通過程で一部に税が逃れる行為も見受けられるという御指摘もあることは事実でございます。これらにつきましては,今後とも不正経理の調査体制を強化し,適正な課税に努めてまいりたいと考えております。  具体的に申し上げますと,まず混和軽油につきましては,従来から実施しております軽油の路上採取,あるいは保有者等の軽油のサンプル採取,帳簿調査を強化し,税の逋脱行為の早期発見,適正課税に努めてまいりたいと考えております。  また,既に軽油引取税が課税したものとして県内に流通しております,いわゆる課税済み軽油の引取件数が最近増加傾向にございます。課税済み軽油につきましては,一たん課税が行われたということで,2度目の課税が行われないものですから,真の課税軽油であるかどうかの確認が重要でございます。  そこで,この5月に,課税済み軽油承認申請書様式の改正を行いまして,流通経路を過去にさかのぼり順を追って詳細に把握できるようにいたしたところでございます。  今後は,この申請書に基づき,実地の追跡調査を行い,流通経路の実態を把握し,課税の適正化に努めてまいりたいと考えます。  なお,流通経路の把握に当たりましては,委員御案内のとおり,軽油引取税が広域的かつ複雑なルートを経ることが少なくないことから,税務課本課及び各県税事務所の協力体制をより強化してまいりたいと考えております。 245 ◯田山委員 既に,過去2年以上にわたる一連のガソリン値下げ競争があるわけでありますけれども,この背景に,ただいま申し上げた脱税で得た利益を強みに,ガソリンの安値造反に走る業者の存在があると言われております。御案内のとおり,軽油税は,1リットル32円10銭,キロリットル3万 2,100円であります。現在,県内でいろいろな流通形態がございますけれども,ローリー価格あるいは末端価格,それぞれの認識で差はありますけれども,一般的な店頭価格が75円,あるいはまた,インタンクと言いますけれども,業界,運送屋さん,それぞれのタンクにローリーで配送する単価,相当格差がありますけれども,このローリー単価にしても,安値48円から50円と,びっくりするような価格で軽油が流通しております。軽油税を納めていると仮定した場合に,48円の軽油はマイナス32円10銭でありますから,中身16円弱,あるいはまた,50円にしても18円ということでありまして,天然水が,ペットボトル2リットルでありますけれども,1リットル換算で 140~ 150円だったと思いますけれども,その10分の1の価格で軽油が流通しておるということの異常さをぜひひとつ御認識をいただきたい。ちなみに,家庭用の一般灯油でありますけれども,大体40円,1斗缶18リットル 720円でありますか,この半値以下ということです。大体,軽油と灯油とは同じような品質のものでありますから,相当,いわゆる脱税のひどさがあらわれているような一端であります。  今,部長からお話がございましたけれども,本来,軽油税は地方税でございまして,消費地課税方式であります。この原則からいいますと,茨城県に納付されるべき税金が他県に納付されている,あるいはまた逆に,他県で課税済みと称して,本当に実態が明らかでないような,不明朗な軽油が我が県に流通しているという現状があるわけでありまして,消費地課税方式を例えば守れば,資産として正規に納入されるべき茨城の県税見込み,恐らく 100億円から 120億円ぐらい見込めるのではないかというふうな業界の試算もあるわけであります。十分に調査に値する,税収増に向けての価値ある体制づくりでありますので,ひとつ,十分な調査,課税,徴収,こういう強化に向けて,あわせて税収確保の意味もありますけれども,非常に苦しんでおる石油業界の環境整備に向けて協力する,こういう観点で,ぜひひとつ強力にこの調査体制を仕上げていただいて,機能をしていただくようにお願い申し上げまして,この質問を終わります。  続きまして,百里飛行場の民間共用化についてお伺いいたします。  百里飛行場の民間共用化につきましては,平成8年12月に空港整備七箇年計画に位置づけられたのを受けて,昨年の5月に,運輸省,防衛庁及び県で調整会議を設置して,民間共用化に係る諸課題について協議,調整を行っているところであります。  こうした中に,本年3月,新たな滑走路を現滑走路の西側 210メートルの位置に設置するとの検討方向を確認したとのことでありますけれども,このことは大変な前進でありまして,地元としても大変喜ばしい限りであると考えております。  しかしながら,空港整備七箇年計画に位置づけられてはや2年が経過しておるわけでありまして,進展がなかなか見えてこないという感じの中で,この空港の実現を不安視している人もいる状況であります。地元の住民は,空港整備七箇年計画の最終年度である平成14年度までには遅くも事業着手がなされるということを強く望んでいるわけであります。地元にとって,この事業がいつ着手されるのか,そして,いつごろ開港するかというのが最大の関心事となっているわけであります。さらには,空港事業にあわせて,関連道路等の関連公共事業がどのように整備されるか,大いなる期待が寄せられているところであります。  そこで,まず,企画部長に,民間共用化への事業着手及び開港の見通しについてお伺いをいたします。 246 ◯高田企画部長 百里飛行場の民間共用化に関しまして,その事業着手及び開港の見通しについてお答えいたします。  百里飛行場の民間共用化につきましては,委員御指摘のとおり,本年3月末に,運輸省,防衛庁と県で,主として民航が使用する新たな滑走路を現滑走路の西側 210メートルの位置に設置するとの基本的な検討の方向を確認したところでございます。現在,この基本的な検討の方向に基づきまして,民間機の出発・進入経路の設定,滑走路の規格,ターミナル地区の規模・配置,騒音への対応などの課題につきまして,協議調整を進めているところでございます。  今後の見通しにつきましては,できるだけ早い時期に調整を整え,運輸省におきまして,事業化に向けての調査費を措置していただくとともに,空港整備計画の期間内に事業に着手していただきたいというふうに考えてございます。  このため,中央要望などにおきまして,知事,副知事以下,来年度に空港整備事業調査費を措置していただけるよう,運輸省などに要望したところでございますし,今後とも,来年度にこの調査費が措置されるよう,全力を尽くしてまいりたいというふうに考えてございます。  なお,開港時期につきましては,他空港の例などから見まして,事業着手から5年程度で開港できるのではないかというふうに考えてございます。 247 ◯田山委員 ただいまの企画部長の答弁では,事業着手時期については,空港整備七箇年計画の計画期間内に事業着手をしていただくよう運輸省に働きかけていく,こういうことでありますけれども,例えば関係機関との調整が早期に整えば,平成12年度に事業着手が期待できるということにはならないのかどうか,可能性はどうなのか,お尋ねをいたします。 248 ◯高田企画部長 私ども,先ほど申し上げました運輸省などへの中央要望におきましては,何とか平成12年度に事業着手できないだろうかというように要望しているところでございます。先ほど申し上げましたように,調整課題が幾つかあるわけでございますが,できるだけ早期に事業着手できるよう,全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 249 ◯田山委員 ありがとうございます。早期着手に向けて精力的に調整を図るよう,知事以下,執行部の皆さん方の力強い運動展開を要望したいと思います。  次の質問に移ります。  百里空港関係で,空港周辺の道路整備について,土木部長にお伺いいたします。  百里飛行場の民間共用化につきましては,ただいまのように着実に実現化に向けて進んでいるようでありまして,引き続き,知事初め執行部においては御努力をいただきたいと思うところであります。民間共用化が実現し,利用者に使いやすく便利な空港とするためには,やはりアクセスとなる幹線道路,とりわけ常磐道など高速道路からのアクセス道路の整備が必要不可欠であります。ことしに入りまして,空港へアクセスする道路が地域高規格道路として指定されたようであります。  そこで,まず,高速道路から空港へアクセスする幹線道路の考え方と,今回指定された地域高規格道路の概要についてお伺いをいたします。 250 ◯不破土木部長 百里飛行場周辺の道路整備といたしまして,飛行場へのアクセスとなる幹線道路の考え方と地域高規格の概要についてお答えいたします。  高速道路から百里飛行場へアクセスする幹線道路でございますが,県内外からの飛行場利用者の利便性を向上させる観点から,常磐自動車道では,岩間及び千代田石岡インターチェンジから,また,平成8年に整備区間に格上げされました東関東自動車道水戸線では,仮称でございますが,茨城南インターチェンジから直接連絡する道路がアクセスとして最良と考えております。  常磐自動車道の岩間インターチェンジからのアクセス道路といたしましては,一般道路であります主要地方道茨城岩間線や,一般県道宮ヶ崎小幡線を予定しており,引き続き整備を進めてまいりたいと考えております。  また,常磐自動車道の千代田石岡インターチェンジ及び東関東自動車道水戸線の茨城南インターチェンジの双方からのアクセス道路といたしましては,本年6月に,委員御指摘のとおり,地域高規格道路の計画路線に指定されたところでございまして,名称といたしましては,百里飛行場連絡道路となっておるところでございます。  なお,地域高規格道路といいますのは,高速道路網と一体的に機能する規格の高い道路でありまして,構造的には交差点の立体化,沿道からのアクセス制限,そういったものがある,ある程度の高速道サービスを提供する道路でございます。 251 ◯田山委員 ただいまの百里飛行場連絡道路の実現化に向けて,今後どのように進めていくのか,お伺いをいたします。
    252 ◯不破土木部長 百里飛行場連絡道路の実現化に向けた今後の進め方でございますが,この道路は,路線的には一般国道6号の千代田石岡バイパス,そして,国道 355号玉里石岡バイパス,そして,国道 355号より百里飛行場を経まして,仮称茨城南インターチェンジに至る,将来県道となります,これも仮称でございますが百里飛行場線から構成されている道路でございます。  国道6号千代田石岡バイパスにつきましては,建設省の直轄事業として,今年度新規に事業化されまして,路線測量が進められておるところでございます。  また,国道 355号玉里石岡バイパス及び仮称の県道百里飛行場線につきましては,本年6月に地域高規格道路の指定を受けましたことから,今回の補正予算によりまして,調査に着手する予定でございます。  今後,百里飛行場の民間共用化の具体的計画や周辺地域の振興方策の検討と整合を図りながら,ルートや構造につきまして,地元市町村等の関係機関との調整を進め,これらの調整が整い次第,道路設計等を行い,早期に都市計画決定できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 253 ◯田山委員 百里空港へのアクセス道路については,開港に向けて着実に整備を進めていただきたいと,特にお願いを申し上げてございます。  このような幹線道路の整備を計画的に着実に進める一方で,生活に密着した道路の整備も急務となっております。百里のあります小川町のうちでも,とりわけ上吉影地区付近の道路は幅員が狭い上に屈曲しているため,交通の隘路となっております。このため,当地区周辺の道路の整備について,これまでも何度か要望してきたところでありますけれども,随分事業化がおくれているように思えるところであります。  そこで,特に県道紅葉石岡線の上吉影地区から茨城町生井沢地区にかかる区間における現在の取り組み状況と今後の整備の見通しについてお伺いをいたします。 254 ◯不破土木部長 県道紅葉石岡線の整備の取り組みについてお答えいたします。  この路線は,鉾田町紅葉から小川町を通過し,石岡に至る延長13.3キロメートルの幹線道路でございまして,小川町におきましては,南北軸を形成しておるものでございます。  このうち,石岡市から小川町上吉影までの区間につきましては整備が完了いたしております。しかしながら,上吉影から茨城町生井沢に至る 3.7キロメートルの区間につきましては,バス路線にもかかわらず,道路の幅員が狭く,屈曲しているため,早期に整備が必要となっております。  このため,これまで整備に向けたルートの検討に取り組んできたところであります。このたび,関連する仮称百里飛行場連絡道路が地域高規格道路に指定され,ルートも限定されてまいりましたので,今年度を目途に,ルートの決定ができるよう,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 255 ◯田山委員 百里空港の開港に向けて,幹線道路の整備促進と同様に,日常生活に密着した生活関連道路の整備についても,必要なところについては着実に進めていただくよう要望しまして,この件についての質問を終わります。  次に,先ほどの磯崎委員の質問と重複をするところでありますけれども,那珂川の洪水対策としての河口処理についてお伺いいたします。  先月末の那珂川の洪水により被害を受けた方々に対しまして,衷心よりお見舞いを申し上げる次第であります。  今回の那珂川の水害に関しましては,ただいま申し上げた磯崎委員,あるいはまた先般の本会議で石川議員を初め,きょうも加藤委員など,各議員の方々が一般質問や委員会等で既に取り上げておるわけであります。知事及び土木部長から,那珂川の改修促進に向けた県の対応について,明快な答弁をいただいております。  私は,その中で,先ほどの那珂川河口部の処理について,何点か再度お伺いをしたいと思います。  この通称かわぐちと我々は子供のころから呼んでおりますけれども,那珂川河口部付近に住んでいる地元の長老の方々の声を聞かされています。海門橋付近は以前から砂がたまりやすい,そして,洪水時にこれが流れの障害になっているのではないか。砂がたまりやすい,こうした状況を防ぐために,河口部を現在より広くしたり,先ほどの磯崎委員のお話にございましたけれども,河口部のかぎ型の導流堤を処理する必要があるのではないかといった話を聞かされているわけであります。以前に,建設省の土木研究所で河口処理に関して検討をしているということを聞いたことがありますけれども,この土木研究所の検討結果はどうなっているのか,お伺いをいたします。 256 ◯不破土木部長 那珂川の河口処理に関する土木研究所の検討結果でございますが,建設省では,平成3年から4年にかけまして,河口の洪水時における模型実験を実施いたしております。この実験結果を受けまして,河口処理について検討を進めているようでございますが,最終的な結論は出ていないと聞いております。今までの検討の中では,将来計画の流量を流下させるには,河口部の掘削や河道の拡幅が必要であること,そして,かぎ型の導流堤が障害になる可能性があること等が想定されております。  しかし,河口部の対策につきましては,治水の観点ばかりではなく,海からの波浪の進入,堆砂による河口閉塞及び漁船等船舶への影響などの検討も必要であると聞いております。 257 ◯田山委員 この堆砂による河口閉塞の影響があるということでありますけれども,今回の洪水では影響があったのかどうか,お伺いいたします。 258 ◯不破土木部長 今回の出水による影響でございますが,常陸工事事務所の調査結果によりますと,河口部に堆積した砂は洪水により吐き出されてしまったということで,上流部への影響はほとんどなかったと見られると,そのように聞いております。 259 ◯田山委員 今回は影響がなかったということでありますけれども,洪水の量がもっと多くなった場合に,この堆砂の影響と,先ほど申しました河口の幅が狭いことが水害を大きくすることも考えられるわけであります。  そこで,今後,この河口処理について,県としてどのように対応しようとしているのか,土木部長のお考えを改めてお聞きしたいと思います。 260 ◯不破土木部長 那珂川の河口といいますのは,河川あるいは海,その2つの接点ということでございまして,非常に複雑な自然条件を備えております。また,加えて,漁港がそばにありまして,船舶航行などの社会的条件もこれありでございまして,さまざまな課題が残されております。そういうことで,県といたしましても,河口の対処につきましては,さらなる調査研究と,これらの課題の解決につきまして,国に要請してまいりたいと考えております。 261 ◯田山委員 先ほどの長老も交えての話でありますけれども,海門橋,あるいは先般の水害の折に,両岸からいろいろ研究をしておった,そういう話を聞きますと,物すごい勢いであの川幅いっぱいに,海門橋の下を流水,太平洋に流れ込んでいくわけでありますけれども,この導流堤に当たる部分で完全に流れがとまってしまう。つまり,川幅半分しか流下できないということで,相当な上流に対する悪影響があるやに聞き及んでいるところでございます。極論すると,川幅いっぱいに流せば,当時の水府橋の地点での水位ももっと下がったろう,あるいはまたいろいろ,護岸の改修の計画もございますけれども,涸沼川に対する水位の影響も相当緩和するのではなかろうか,こういう話がございます。  先ほど来のお話で,河口処理は大変難しい問題であると思いますけれども,きょうの各委員の質疑にもあったとおり,上流部,あるいはまた那珂川のすべての河川改修促進とともに,河口処理対策,これも洪水対策の要であると考えておりますので,今後,国が河口処理対策に積極的に取り組まれますように,県としても強く働きかけていただくことを要望して,土木部長への質問を終わります。  最後に,金融対策についてお伺いをいたします。  我が国経済は,昨年度,第1次石油ショック以来23年ぶりのマイナス成長を記録したところでありますけれども,この原因としてはさまざまな要素があると思われますが,決定的な要因となったのは,昨年11月以降の大手金融機関の破綻に代表される金融システム不安であると言われております。特に,昨年秋以降顕著になっていると言われる金融収縮は,昨今の景気後退と相まって,資金調達にあえぐ中小企業の増加をもたらしているところであります。  こうした中で,県は,売り上げが減少している企業など金融機関の融資ベースに乗りにくい融資制度として,平成8年度に中小企業パワーアップ融資を創設し,さらに,今回新たに,連鎖倒産を防止するための融資制度を創設され,中小企業支援の金融対策としてはまことに時宜を得た制度と評価をするところであります。  知事のこの不況に対する認識といいますか,大変なリーダーシップを感じるわけでありまして,心から敬意を表したいと思います。  このような中,この時宜を得た金融施策が厳しい状況下にある中小企業に十分に周知されなければ,画竜点睛を欠くこととなりますので,周知の徹底を改めてお願いを申し上げる次第でございます。  そこで,県は,中小企業者に対する制度融資のPR活動をどのような方法で行っているのか,また,今回創設されました制度の浸透をどのように図っていくのか,商工労働部長にお伺いをいたします。 262 ◯畠山商工労働部長 中小企業に対する制度融資のPRについてでございます。  県制度融資の利用を促進するためには,本制度を利用される中小企業の皆様に対するきめ細かなPR活動が必要であることは,委員御指摘のとおりでございます。  このため,県といたしましては,年度当初に,「公的融資制度の御案内」と題したパンフレットを作成しまして,融資の窓口となっている商工会議所,商工会や市町村,金融機関など関係機関に配布することとしており,今年度は約5万 5,000部を配布したところでございます。この冊子の中では,県の融資制度の概要及び手続を初め,市町村の融資制度や政府系金融機関の融資制度などを紹介しており,関係機関の窓口などを通じ,中小企業の皆様方に広く御利用いただいているところでございます。  また,インターネットの県のホームページで用途に応じた制度融資の紹介をするとともに,茨城放送のラジオ県民室,信用保証協会の月刊広報誌や報道機関への資料提供など,各種の広報媒体を通じた制度融資のPRにも力を入れているところでございます。  今回創設しました連鎖倒産防止と緊急融資につきましても,ラジオなどの広報媒体を通じて,中小企業の皆様方にPRしますとともに,県内10カ所に設置してございます茨城県中小企業特別相談窓口におきましても,積極的にPRをし,県内中小企業に浸透するよう努めてまいりたいというふうに考えております。 263 ◯田山委員 こうした制度についてはPRをしているという御答弁でございますけれども,地域によってはでございますけれども,商工会長さんや,あるいはまた,かつて商工会の青年部で活躍した方々,部長,そういう立場の方でさえ,制度そのものに対する認識が薄かったり,知らないという事例がございます。十分にPRをお願いをしたいと思うところであります。  また,答弁の中にありました中小企業特別相談窓口についてでありますけれども,県の本庁と出先機関が中心となっておるわけでありますけれども,中小企業者が気軽に相談に行ける窓口にはなっていないような,そんな感じがするわけであります。非常に困って相談に行くわけでありますから,より飛び込みやすい,そういう受け入れ窓口であることが肝要だろうと思うのであります。もっと広げて,近く,身近なところで相談ができるように,窓口のせっかくの制度でございますから,拡充についてぜひ御検討いただきたいとお願いをするところであります。  次に,県の制度融資の窓口担当者への指導に関してお伺いをいたします。  中小企業者に対する制度のPRにつきましては,ただいまの部長答弁でお伺いをいたしたところでございますけれども,いざ融資申し込みの段になって,これらの県の制度を金融機関の窓口,あるいは商工会,市町村の窓口等に具体的に相談に行った場合に,窓口担当者が十分に理解をしておらない。結果,一蹴されてしまったり,あるいは,結果として使える制度も使えないという声を聞いておるわけであります。大変,この類の相談が実は私にも多いという事例がございます。こういう資金を希望している企業はまさに迅速な対応を必要としているわけでありますし,そうした方々に対する備えとして,窓口担当者の制度融資に関する十分な理解と機動的な対応が望まれるところであります。  そこで,県としては,こうした制度を有効に機能させるために,金融機関,保証協会,商工会等の関係機関に対し,どのような指導を行い,制度の利用促進を図っているのか,お伺いをいたしたいと思います。 264 ◯畠山商工労働部長 窓口担当者への指導についてでございます。  県の制度融資を中小企業の皆様に効果的に御利用いただくためには,融資窓口の担当者に制度の内容,手続等の周知徹底を図ることが重要であるというふうに思ってございます。  このため,県といたしましては,これまでも,商工会議所,商工会や市町村,金融機関及び信用保証協会などの関係機関の融資担当者などを対象に,県制度融資の詳細にわたる説明会を開催するなど,周知を図ってまいりました。あわせて,県制度融資の利用を促進するため,金融機関,信用保証協会の役員を交えた金融懇談会や市町村商工担当部課長会議において協力を要請してまいったところでございます。  特に,去る7月には,総合経済対策の一貫として,県主催によりまして,経営コンサルタントを初め,商工団体などの職員約 200名を対象に,県の融資制度や信用保証制度などの説明会を開催しまして,県内中小企業への制度のPRをお願いしたところでございます。  今般,連鎖倒産防止等緊急融資制度の創設に加え,中小企業パワーアップ融資制度などの融資枠の拡充も図ってまいりますので,本議会で議決をいただければ,議会終了後,速やかに商工会議所,商工会や市町村,金融機関及び信用保証協会などの融資担当者などを対象に説明会を開催し,制度内容の周知を図りますとともに,これらの関係機関に対して,制度の趣旨を窓口担当者に周知徹底するよう,文書にて要請してまいりたいというふうに考えております。 265 ◯田山委員 金融機関の融資担当者にも指導を行っているという部長の答弁でありますけれども,ぜひ,こうした指導の徹底をお願いをしたいと思います。  さらに,ただいまも部長のお話ございましたけれども,せっかくの融資制度,非常に条件のいい制度であります。こうした制度について,商工会や金融機関が,県の,あるいは知事の,部長の意図するところを十分に理解しておらないのではないか,一般的な融資と区別するような認識がないのではないか,そういう緊急的な意識がないような気がしております。多少のリスクといいますか,これから非常に状況が悪くなると理解をしておりますけれども,これから相当な需要があるだろう。その際に,多少のリスクがあっても,これを積極的に取り上げて対応しようという,そういう姿勢に変えていただきたい。ぜひお願いをするところであります。  いろいろな指標もございますし,景況感もありますけれども,完全失業率が 4.3%になってびっくりしておりましたら,まだまだだと,この倍ぐらいにならなければ日本の底打ちが期待できないという話もあります。あるいはまた,今回のバブルの崩壊,本格的に整理が進むために,今日までの過剰雇用に合わせて過剰投資といいますか,そういう反省に立って,これから厳しい整理が始まるということからいいますと,この制度が生かされるのはこれからではないかと,大いに期待をするところであります。  ますます不況がこれから厳しさを増す。中小企業を救済しながら育てていくという観点で,これからの融資が円滑になされますように,関係機関の窓口の指導徹底をお願いしまして,私の質問を終わります。  ありがとうございました。        ────────────────────────── 266 ◯潮田委員長 以上で,委員の質疑を終了いたします。  委員外議員から質疑の通告がありましたので,これを許します。  なお,委員外議員の質疑は,質疑,答弁を合わせて10分以内でありますので,御協力をお願いいたします。  大内久美子議員。 267 ◯大内議員 日本共産党の大内久美子でございます。  発言を許可していただきましてありがとうございます。答弁を含めて10分ということですので,早速質問に入らせていただきます。  那珂川の水害対策についてでございます。8月27日からの大雨による災害は,那珂川沿岸を中心に,家屋や農産物などの大きな被害を及ぼしました。当然のことながら,堤防未完成地区に被害が集中し,人災だとの声も挙がっております。  私は,8月28日,被災者を見舞い,切実な声を聞いてまいりました。その声をもとに,同日,知事あてに申し入れをしたところです。また,翌29日には,私どもの国会議員や水戸市会議員とともに現地の調査を行い,9月2日に,被災者と一緒に建設省を訪ねて,堤防建設促進等を陳情したところであります。建設省では,河川局次長と治水課長が対応し,堤防完成には全力を挙げていきたいとの回答を得てまいりました。  被災者は一様に,なぜ万代橋から水府までの左岸側の堤防建設がおくれたのか,水戸プラザホテルが障害になったのではないかと,怒りを表しておりました。これは,16年前に,建設省常陸工事事務所も認めているところです。このような大規模な建造物の建物は河川改修事業に大きな支障となると,県と水戸市に対して公文書で要請をしております。これは,当時,県議会,市議会でも取り上げられました。にもかかわらず,県の水戸土木事務所は,既存宅地確認証明書を交付してしまいました。すべてはここから始まったのであります。県のこの責任は重大でございます。  そこで,ホテル建設に当たりまして,常陸工事事務所とホテル側の伊勢甚との間で結んだ協定書ですが,この協定書,非常に重要なことが書いてあります。移転は15年後までに完了するとなっております。15年間にはどのようなことが起こるのか,建設省はさまざまな資料で危険を訴えております。大災害となった昭和61年のような豪雨は10年に1回以上,洪水は昭和に入って3年半に1回起こったと記されているわけです。建設省自身がこう言っているのに,協定を結んでしまった。15年間,堤防はつくらないと約束してしまったようなものでございます。これは極めて重大な協定書であると同時に,建設省でも異例のことだと認めております。  問題は,この協定に,県土木部長と水戸市長が立ち会っております。  そこで,土木部長にお尋ねをいたします。  先日,監理課に,この協定書の存在を私は尋ねました。そのようなものはない,見ていないという返事が返ってまいりました。本当に県は保管されていないのでしょうか。監理課の返事は虚偽だったのか,お答えをいただきたいと思います。 268 ◯潮田委員長 大内議員の質疑に対する答弁を求めます。  不破土木部長。 269 ◯不破土木部長 県の方に,その協定書というものがあるのかどうかというお尋ねでございますけれども,協定書につきましては,前任者も病で倒れてしまって,その後,私が引き継いだわけでございますが,前任者からの引き継ぎというのは,この協定書についてはございません。また,その後の存在につきましても,私自身,確認はしておりません。しかし,当時,協定が交わされたことにつきましては承知しているところであります。 270 ◯大内議員 今,部長の答弁ですと,協定書が交わされたことは承知していると,これは極めて重大な答弁だと思います。不破土木部長の経歴を見ますと,昭和63年から平成2年までの2年間,常陸工事事務所の所長として就任をしております。それも,水府橋の水位が過去最高となり,大災害が発生した1年半後でございます。つまり,協定書の締結者だったわけです。私も常陸工事事務所長に会って確かめてまいりました。所長は,協定書はある,所長の引き継ぎ事項だと答えております。現在の所長が引き継いであるということで,土木部長は,この常陸工事事務所長の時代に見たのか,県の土木部長になって承知したのか,このことは問われると思います。  いずれにいたしましても,協定書に書いてある中身でございます。移転を早める必要がある場合には,4者協議を経た後,ホテルは常陸工事事務所の決定に従うとなっているわけです。そうしますと,当時,土木部長が常陸工事事務所長になったときは, 100年に一度起こるかどうかの大災害の後でした。所長となったからには,まず,このような全国異例の協定書を見直して,第2に,激特事業として早急に取り組むべきだったと思いますが,部長は,この協定書に対してどのような見解を持って臨んでいたのでしょうか。 271 ◯不破土木部長 当時は土木部長でありませんので,こういう場でお答えするのは差し控えさせていただきます。 272 ◯大内議員 内容についてはお答えできないということでございます。これは,被災者に対して大変恥ずかしいことだと思います。なぜなら,15年間,営業を認めたことによりまして,右岸部分は5年の激特事業で既に完成をした。左岸部分は,おおむね10年ということですが,まだ完成をしていない。本来なら,右岸,左岸,両方同時に実現をしなければ,洪水のときに,つくっていないところに被害が生じる,これが被災者の切実な怒りの声でもあったわけです。  そこで,私は,土木部長がそういうことを承知していながら,県の土木部長としては何もできないと言っていることに対して,現在,10月までに移転完了を,本来,協定書の中身からすれば迫るべきです。ホテル側は来年の3月まで,結婚式や宴会の予約を取っております。協定は完全に業者に無視をされております。また,水戸市から,協定書はないというふうに議会でも水戸市は答えておりますが,本来,土木部長は,私は承知していると,このままでは被災者に申しわけないから,一緒に常陸工事事務所に行って責任を取ってもらおう,そういうふうなのが部長の立場ではないかと思います。  現在の常陸工事事務所長は部長の後任者です。問題も知っているし,指導もできる。その責任を放棄して被災者にどうおわびをするのでしょうか。  県議会は全会一致で堤防建設早期完了の意見書を提出しております。その促進のためならどんなことをしてもこたえるのが部長の立場ではないでしょうか。協定書については知っているけれども,土木部長の立場では明らかにできないなどというのは,議会の意思にも反する態度でございます。  一刻も早く堤防をつくってほしいという被災者の声に土木部長はどうこたえるのか,決意を最後にお聞かせいただきたいと思います。 273 ◯不破土木部長 おっしゃるとおり,被災者の方々には,何でも早くつくってあげたいと,常から思っております。ところが,実際に何ゆえに今までずっとかかってきたかといいますと,当然,行政がやるからには,ある一部の方々の犠牲を常に強いながら全体を救うということだけでは,行政的にはなかなか立ち行かない。  先ほど来,プラザホテルだけが非常に悪いように言われておりますが,いわば水害というのはいろいろな面で,いろいろな形で地域で起こってくるわけでございまして,地域全体が全部幸せになるようなことをやっていかなければいけないということでございます。そういう点から言いますと,現在,当事者同士では非常に努力しておられるようでございますし,また,ことしの2月には土地の契約もできたと聞いております。私どもといたしましては,プラザホテルもまた,県民の働く企業でございますから,それを無理強いして,プラザホテルがなくなったとしたら,それはまた雇用にも響くようなことでございます。当事者同士で努力して,そして,円満に,かつ水害もまた防げるような,そういったことを私どもも当事者に対して協力しながら努力していきたいと考えております。 274 ◯大内議員 私は,最後に意見でございます。  今,部長は,プラザホテルだけが問題にされているのはおかしいと言っておりましたが,16年前ですよ。本来,ここに堤防建設予定地だとはっきりしているにもかかわらず,既存宅地の申請が出され,そして,確認がおろされたという,ここから行政の責任が始まっているというふうに,住民の方は見抜いております。私も,そういう立場で,行政が住民の命,安全を守ることについて,すべての法律のいろいろなものを駆使して守るということから出発しなければ,結果はこういうことになるという大きな問題であるということを指摘いたしまして,質問を終わります。 275 ◯潮田委員長 以上で,質疑を終了いたします。        ────────────────────────── 276 ◯潮田委員長 これより,付託案件の採決を行います。  第110号議案ないし第121号議案及び第140号議案を一括して議題といたします。  本件については,原案のとおり決するに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 277 ◯潮田委員長 御異議なしと認め,原案のとおり決しました。        ────────────────────────── 278 ◯潮田委員長 以上で,本委員会に付託されました案件の審査は終了いたしました。  なお,本委員会の審査報告書等の案文につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 279 ◯潮田委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。      ────────────────────────── 280 ◯潮田委員長 次に,閉会中における事務調査の件を議題といたします。  予算特別委員会の運営について,予算状況の審査について,以上を閉会中の事務調査といたしたいと思いますが,これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 281 ◯潮田委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。      ────────────────────────── 282 ◯潮田委員長 本委員会の審査に当たり,委員並びに執行部の皆様には,長時間にわたり,終始熱心な御審議をいただき,心から感謝申し上げます。審査の過程において,委員より提起されました御意見等については,今後の県政に十分配慮されるようお願い申し上げまして,予算特別委員会を閉会いたします。
     本日はどうも御苦労さまでした。                 午後6時44分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...