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  1. 茨城県議会 1996-09-19
    平成8年予算特別委員会  本文 開催日: 1996-09-19


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                 午前10時30分開議 ◯本澤委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。      ──────────────────────────────── 2 ◯本澤委員長 本日は,執行部を交えての初めての委員会でありますので,一言ごあいさつを申し上げます。  第1回定例会におきまして,当委員会の委員長を拝命いたしました本澤でございます。  本委員会は,昭和42年の第2回定例会におきまして,予算を総合的に検討し,予算審査の一体性を確保するということを目的として設置されて以来,この目的に沿って運営され,大きな成果を上げてまいりました。  県内の経済情勢を見てみますと,住宅投資の増加や個人消費,企業の生産活動とも幾分持ち直すなど,景気は,長引く不況から,緩やかながら回復に向けて動きを見せております。しかしながら,依然として雇用情勢が厳しいなど,不透明な状況にあり,本県税収も大きな伸びは期待できない状況であります。  こうした中で,財源の適正な配分,効率的な執行を目指す上からも,予算審査の重要性はますます高まってきております。当委員会の使命も大きなものになっております。  この時期に当委員会の委員長を拝命いたしましたので,身の引き締まる思いでありますが,予算議案の適正な審査,委員会の円滑な運営に全力を尽くしてまいる所存でございます。  委員並びに執行部各位におかれましても,適切な委員会運営ができますよう御協力をお願いいたしまして,あいさつといたします。  続いて,副委員長からあいさつをお願いいたします。 3 ◯海野副委員長 副委員長を仰せつかりました海野透でございます。  委員長を補佐しまして委員会の円滑なる運営に努めますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。      ──────────────────────────────── 4 ◯本澤委員長 次に,委員席についてお諮りいたします。  委員席につきましては,ただいま御着席のとおりとしたいと思います。これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 5 ◯本澤委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。      ──────────────────────────────── 6 ◯本澤委員長 本日の委員会記録署名委員を指名いたします。
     中田委員と磯崎委員にお願いをいたします。      ──────────────────────────────── 7 ◯本澤委員長 これより議事に入ります。  本委員会に付託されました案件の審査を行います。  本委員会に付託されました案件は,第128号議案ないし第135号議案の8件であります。  これらの案件を一括して議題といたします。  これより,通告に従って質疑を行います。  お手元に,昨日18日に開催いたしました理事会の決定事項を配付してあります。これに基づいて,1委員の持ち時間を,質疑,答弁を合わせておおむね40分といたしますので,この時間を厳守されますよう,御協力をお願いいたします。  なお,今回からは,委員発言席に残り時間が表示されておりますので,各委員におかれましては,質疑の時間を遵守され,予定された時間内に質疑を終了されるよう,質疑,答弁は要点を簡潔明瞭にお願いをいたします。  それでは,これより質疑に入ります。  最初に,今橋委員。 8 ◯今橋委員 社会民主党の今橋孝行であります。  非常に厳しい経済環境の中で,県の税収と密接な関係があります産業界の動向等につきまして,まず知事にお伺いいたします。  県北の中小企業,特に製造業は,下請的性格が強く,大企業がくしゃみをすれば,それだけで肺炎を起こすといわれてまいりました。今,その大企業が,風邪どころか肺炎を起こしかけている。そこで,知事は,大企業の生産の海外移転を初め,県北臨海部の企業の動向をどのように把握,認識し,いかなる問題意識を持っているか,お伺いいたします。 9 ◯本澤委員長 今橋委員の質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。 10 ◯橋本知事 今橋委員の御質問にお答えいたします。  日立市を中心とします県北臨海部は,大手電機メーカーとその関連の中小企業が集積する本県の重要な工業地域であります。しかしながら,国内景気の低迷,円高の進行や海外とのコスト格差などに対応するため,企業は海外生産の拡大など,事業の再構築を迫られているところでありますが,同時に,受注量の減少や製品単価の低迷などにより,難しい経営のかじ取りを迫られております。  こうした中で,仕事の大半を大手企業に依存している当地域の中小企業も,受注額の減少から厳しい経営を余儀なくされております。この結果,平成6年の製造品出荷額等を平成3年と比較しますと,県全体では7.4%の減少にとどまっておりますが,県北臨海部は,これを上回る10.4%の減少となっており,事業所数も県全体で7.0%の減少に対して,県北臨海部では11.5%,中でも日立市は14.8%と,大幅に減少しております。  さらに,こうした製造業の不振は,地元商店街の販売額の減少にもつながるなど,地域全体に大きな打撃を与えており,私といたしましても大変憂慮しているところでございます。  県としましては,中小企業の活性化を図りますため,各種の対策を講じているところでございますが,地方公共団体の施策にはおのずから限界もございますし,大企業を含めた産業全体の活性化ということになりますと,国全体として取り組んでいただくことが必要であります。  このため,先般開催されました全国知事会議におきまして,通産大臣等に対し,県北臨海部のような産業集積地域について,その活力の回復を図るため,総合的な対策を積極的に展開するよう要請したところでございます。  また,今後とも海外生産の拡大などが予想されるところでありますが,大企業の経済を初めとする地域社会への影響力は極めて大きいところでありますので,新産業の創出,新分野への展開などに当たりましては,これまでにも増して地元との関係に配慮していただけるよう,話し合いを行っていきたいと考えております。  今後,国,市町村,企業との連携を図りながら,地域ぐるみで県北臨海部の産業の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。 11 ◯今橋委員 ただいま知事の答弁を伺いまして,私たちと全く共通の認識をしているということを確認できまして,大変安心いたしました。ありがとうございました。  続きまして,今の知事の認識に対しまして,それでは具体的にどういう対策があるのか,商工労働部長にお伺いいたします。  私は常々,中小企業に対し次々と支援策を打ち出して対応している県の商工行政につきましては,大変敬意を表しておりますし,また,中小企業関係者からも感謝の意を伝えられております。しかし,大もとの大企業が衰退しては,中小企業ばかりか地域経済も雇用も成り立ちません。私は今,県北臨海部の地域社会全体が釜石の二の舞いを演じていると思うのであります。  このような激甚地の対策について,県として国に対しいかなる対策を求めているのか,また,具体的に国において有効な動きや対策が検討されておりましたらば,お聞かせいただきたいと思います。 12 ◯前野商工労働部長 先ほど知事が御答弁申し上げましたとおり,県北の臨海部におきましては,中小企業の大企業に対します依存度が高く,受注額の減少によりまして,中小企業は大変厳しい状況に置かれているわけでございます。  県といたしましては,こうした中小企業の依存傾向を改善いたしまして,自立化を促進するため,発注開拓や自社製品,自社技術の開発など,さまざまな支援を行ってきているところでございます。  さらに,昨年度,国の資金も活用いたしまして,県北臨海部の産業集積の実態調査を行いまして,その結果,大変厳しい状況だということを踏まえまして,今年度は,この地域を対象といたしまして,中小企業集積活性化法に基づいた活性化計画を策定,並びにこの計画にのっとった事業の展開の準備を進めているところでございます。  他方,国におきましては,通産省などを中心といたしまして,こうした中小企業対策を主力といたします地域産業の活性化事業に,大企業も含めた地域産業全体の活性化対策を加えることによりまして,新たに,仮称でございますが,地域産業集積活性化法といった法律を制定いたしまして,我が国経済を物づくりの面で支える地域の産業集積の維持発展を図る施策を講じようとしているわけでございます。  主たる内容といたしましては,地方公共団体が行う共同研究施設,人材育成施設,道路など産業インフラの整備や研究開発,人材育成事業に対する助成,また,補助金,低利融資,減税措置などによります企業の研究開発,設備投資への支援といったことが幅広く考えられているようでございます。  今後,この法律が最終的にどういう姿になるかといったことは,明らかではないわけでございますが,大企業,中小企業を含めた県北臨海部の産業集積全体の活性化のための有効な手段となるということも考えられますことから,これからの動きには注目をしてまいりたいと考えております。  いずれにしましても,今後とも国の動きも念頭に置きながら,また,地元市町村との一層の連携を図りながら,県北臨海部の産業の活性化に努めてまいりたいと考えております。 13 ◯今橋委員 何回かの質問で,中小企業に対しましては,幾つかの具体的な対策等もいただいておりましたけれども,今回初めて,この地域の対策には地域の大企業と中小企業の一体的な対応が必要だという考え方が述べられ,国の方でもそういうことに基づいて動きが見えるということでございますので,ぜひとも国策としての抜本的な対策を求めて,商工労働部長への質問は終わりたいと思います。  続きまして,日立港後背地,いわゆる南インター周辺になるんですけれども,その拠点開発について企画部長にお伺いしたいと思います。  私は,これからの地域は,日立市のように物づくりだけに特化した街では,常に第2,第3の釜石のような運命をたどるということを何度か指摘してまいりました。これからの中核都市は,地方においても,第一次,第二次,第三次,そして研究開発を第四次とするなら,一次から四次までのバランスのとれた社会構造の街をつくることが最も必要と思うのであります。今まで,県北の場合,雇用を中心に,県の役割を日立市や企業が肩がわりしてまいりましたが,もうそれをそれらのところに期待することはできません。  そこで,新たにそのかわりになり得る新しい県北の拠点をつくる必要があると思うのであります。そのポテンシャルの最も高いのが,日立市,常陸太田市にわたる日立港後背地における県北中核業務新都市の実現であり,拠点開発と思うのであります。  昭和30年に日立港の築港計画を立てるとき,日立港後背地に,常陸那珂港のように国際港湾公園都市のような後背地計画を含めた一体的な計画があったならば,県北は大きくさま変わりしたものと思うのであります。今からでも遅くありません。この地域にJRの新線をつくり,まず公共交通機関の整備を図り,日立港を最大限に生かして,日本有数の車や住宅関連機材の流通基地や加工団地をつくることであると思うのであります。現在でも,日立港の取り扱い貨物では,車と材木が1位,2位を占めており,ベンツばかりではなく,東日本で販売される外車や輸入する車のすべてが集積する一大モータープールやパーツ流通基地,そして,輸入原木についても,加工まで行う住宅関連機材のいわゆるオートメーション工業団地,それらを有効に生かした国内外のモデル住宅展示場,例えばモデルハウスワールドパークなど,ぜひとも検討いただきたいものであります。企画部長の御所見をお伺いいたします。 14 ◯根本企画部長 日立港後背地の拠点開発の必要性と開発整備の方向について,お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり,日立港後背地地域につきましては,常磐自動車道のほか国道6号,国道293号などの幹線道路が走る交通の要衝でありますこと,また,ベンツの新車整備センターや大手運送会社が立地するなど,日立港の機能を活用し得る地域であること,さらに,ひたちなか地区開発の波及効果が及ぶ可能性のある地域であることなどから,その開発ポテンシャルは高いものがございます。  また,当地域を取り巻く周辺におきましては,ひたちなか地区の各種事業や隣接する那珂町におきましては,国際熱核融合実験炉,ITERでございますが,この誘致計画がございまして,今後,この地域の発展エネルギーはさらに増大していくものと,このように考えられますことから,当地域は日立市における有望な開発適地である,このように考えております。  こうしたことから,当地域の核となる日立南太田インター周辺地区につきましては,日立市が水戸地方拠点都市の拠点地区として位置づけまして,市施行の土地区画整理事業によって基盤整備を進め,流通業務施設,生産施設,研究開発施設及び商業施設などの導入や住宅,公園緑地などを整備する計画が策定されております。  この計画の中心は,地理的条件,交通条件などから,流通業務系機能の導入でありまして,委員御提案の流通基地や加工団地などもその中で十分想定されるものではないかと考えております。  今後とも,この計画の実現に向けまして,日立市ともども県北臨海部の新たな拠点として発展するよう努めてまいりたい,このように考えております。 15 ◯今橋委員 私がこの問題を取り上げたのは,もう議員になって10年以来,数度にわたっておりますけれども,答弁の基本的な内容で,日立市のこの地域に対する対応ということを,いつも答弁の中心的な格好の中でいただいてまいりました。しかし,バブルがはじけた今,先ほどの知事の御答弁にもありましたように,私は日立市がこの計画をやり上げる力というものは,基本的にないと思っています。そういう面で,今こそ県北のために,県が中心的に,日立市とともにこの問題をやるという答えが出てこなければ,この問題は,私は5年後,10年後も同じような要望を議会の中でし続けることになりかねない。そういう面で,改めて県としてのかかわりについてのもう少し踏み込んだ答弁を企画部長に求めたいと思います。 16 ◯根本企画部長 ただいま御答弁申し上げましたように,この地域につきましては,水戸地方拠点都市の拠点地区,こういうことで,県といたしましてもその計画を進めていく,こういうことで考えておるわけでございます。  ただ,やはり現在のような状況でございますので,計画がなかなか進展しない,こういう状況もあろうかと思いますが,私どもといたしましては,この計画の進展を図るために,社会経済動向等も踏まえつつ,関係する地元の市等との研究調査をまず進めるなど,何らかの働きかけをしてこの計画の進展を図っていきたい,このように考えています。 17 ◯今橋委員 わかりました。ぜひとも,私たち県北の県民が何を言いたいかということについてはおわかりだと思いますので,ひとつ実現に向けての県としての指導をよろしくお願いします。  ありがとうございました。  続きまして,県北総合事務所を含めた合同庁舎の設置につきまして,総務部長にお伺いいたします。  新都市の業務機能の顔となる総合事務所までを含めた合同庁舎の設置でありますが,真の県北の地に,県北の地域を考え,県北県民を専門に考える集団が新都市のインテリジェントビルに集中することは,大変インパクトの大きいことだというように思っております。鹿島に4万人規模のスタジアムを検討している県の力からしても,真の県北総合事務所の県北設置は,検討の段階から実行の段階へと移すべき課題と思うのですが,実現に向けての決意をぜひとも総務部長よりお聞かせいただきたいと思います。 18 ◯御園総務部長 日立港後背地への県北地方総合事務所の設置についてでありますけれども,現在の県北地方総合事務所の管轄区域,他の地方総合事務所と比較いたしましても,人口が約117万人と,県全体の39.3%を占めておりますし,また,面積につきましても,県全体の46.9%と,大きいわけであります。また,県の総合計画におきましても,県央地域と県北地域を所管しておることになるわけでありまして,その見直しが課題となっていることは十分認識しております。  御質問は,県北地方総合事務所を分割して,県北地域を考える事務所は日立港後背地に設置してはという御趣旨だと理解をしておりますが,御承知のように,県北地域は地形的にも臨海部と山間部に分かれておりますことから,道路,鉄道などの交通体系が南北軸中心となっております。  したがいまして,具体的に私どもとしてどこに事務所を設置すればよいのかという点を初めとして,いろいろと難しい問題があるという認識でおるわけであります。今までも,毎年の組織機構の見直しの際を初めとして,例えば,肋骨道路などを初めとする横軸の交通体系の整備状況,これに加えまして,県北地域の方々の通勤,通学の動向,あるいは商圏調査といったデータも取りまして,通勤圏あるいは生活圏といったようなものから見た県民の利便性という点からの検討を行ってきたところであります。  いずれにいたしましても,地方総合事務所は地域の中核的出先機関でございますので,基本的には地域のすべての市町村の方々がいろいろな分野で往来,交流しやすいところに置きたいというのが私どもの考え方であります。  御指摘の日立港後背地を含めまして,今後の県北地域の開発の動向や交通通信体系の整備状況などを見きわめながら,引き続き検討してまいりたいというふうに考えているところであります。 19 ◯今橋委員 この件に関しましては,1つは,県北の今置かれている状況等を考えてみたときには,単に総合事務所とか,あるいは県民サービスという意味ではなくて,この総合事務所を核とした新しい地域をつくり上げておかないと,県北そのものについて全体的にこれから成り立たないという観点からの要望だということを御理解いただきたいということ,もう1つは,道路の話がありました。確かに,10年前に行ったときには,県北の県境までは,南インター周辺からでは1時間半から2時間かかったでしょう。しかし,今,道路体系が整備される中で,既に縦軸では県境まで30分という格好になってきた。そして,大宮までも多分30分はかからないでしょう。これからひたちなかを中心に,新たに県北に対してのいわゆる高規格道路等の検討などもある中におきまして,私は地域的に県北が大宮を中心とした部分,太田を中心とした部分,高萩を中心とした部分という,地域的なハンディによって分割されてサービスをしていたという県政の時代から,今持っている可能性あるいは将来方向を考えてみた場合には,まさにこれからの県北の拠点というものは,やっぱりあの地域になるという気持ちを持っておりますので,この件に関しましてひとつ十分に対応されながら,ぜひとも前向きな答弁をまた次の機会に伺いたいと思いますので,よろしく進めていただきたいと思います。  ありがとうございました。  続きまして,今度は土木部長に,日立港の機能充実とインフラ整備についてお尋ねいたします。  先ほど南インターを中心とした新しい県北の拠点という提案を申し上げました。その中で前提となることは,日立港の拠点開発については,その大前提が日立港をどんな格好の港にするのかという性格づけの問題だと思います。日立港,それから,原発港というのか,動燃港というのか,そして大洗港,これから北関東の大変大きな意味を持つ常陸那珂港と,非常に狭い範囲に4つの港がある中において,私は,その性格づけを失敗してしまいますと,日立港そのものが,昭和31年に第1船が入港以来,大変なお金と時間をかけているにもかかわらず,その存在そのものが意味のないものにしてしまってはいけないというように思います。  そこで,日立港を東日本をテリトリーとする外国車や住宅関連資材の一大基地に見合うインフラ整備が必要だと思うのであります。この4つの性格の港湾を,それぞれ性格をはっきりさせて,対外的には一体としてポートセールスを展開することが必要であると思いますが,日立港後背地拠点開発とあわせた日立港のインフラ整備について,土木部長にお伺いいたします。 20 ◯山名土木部長 日立港の機能充実とインフラ整備についてでございます。  日立港の取り扱い貨物量につきましては,平成7年には約525万トンに達しておりまして,これはおおむね平成7年を目標年次といたしました港湾計画で定めた目標値を上回る取り扱い量ということになっております。  このうち特に第四,第五埠頭におきましては,主要品目でございますチップ,自動車,コンテナ,生乳,製材・原木,こういった貨物を集中して扱っております。これらの貨物は,今後とも増加が見込まれるというふうに考えておりまして,これらの貨物を効率的に取り扱うことができるように,現在,第五埠頭地区に,平成9年度の一部供用開始を目指して,水深12メートルの新たな大型岸壁を整備中でございます。  しかしながら,委員御指摘のとおり,日立港後背地における開発ポテンシャルの高さを考えますと,これら背後地域の開発動向などを念頭に置いた新たな港湾計画の策定が必要な時期に差しかかっているというふうに考えております。  港湾計画の策定に当たりまして,今後いろいろ検討させていただきますが,例えば,現在まだ未整備になっております第三埠頭の今後の利用方法,第四埠頭の利用形態の再編,さらには石油製品,非鉄金属等を取り扱っております第一,第二埠頭の再開発,こういったものにつきまして検討する必要があるというふうに考えております。  また,高速道路と港湾とを結びますアクセスでございますが,現在293号がございますが,今後このアクセスの改善強化策についても検討してまいりたいというふうに考えております。  今後とも日立港が引き続き県北地域の発展の基幹的機能を果たすことができるよう,港湾の整備に取り組んでまいりたいと考えております。 21 ◯今橋委員 ある意味では大変前向きな御答弁をいただいたというふうに思っております。やっぱり大事なことは,日立港があそこまで整備されたにもかかわらず,それが結果的に地域全体に大きな影響を及ぼすことができなかったというのが,私はある意味で今までの大きな反省だと思います。そういうふうに考えますと,これからの日立港というものは,ぜひとも日立港をフルに生かせるような後背地の計画と一体的な格好で進むことが大事であり,また,そういう格好で開発された場合には,日立港がそれにたえるだけの力を持っていなければ,やはりそれがもちませんので,ぜひとも今土木部長のおっしゃられた内容で,総合的な対応をよろしくお願いしたい。  と同時に,道路網に関しましても,293に関しては今お話がございました。しかし,同時に,北関東自動車道のひたちなかまでの現在の245が今のような状態では,はっきり言って日立港と常陸那珂港というものは全く遊離したような状態になってしまいますので,その件に関しましても,同様な格好での御検討をお願いしたい,そのようにお願いいたしまして,土木部長への質問を終わります。  ありがとうございました。  続きまして,もう一度企画部長に御質問いたします。  先ほどの南インター周辺に関しましては,これは県北全体の対策の中において大きな意味を持つ開発を南インター周辺に,日立港後背地にぜひともやってもらいたいという御質問でございました。今度の質問につきましては,場合によっては日立市に関係ある質問かもしれませんし,場合によっては,これからのエネルギー政策全体にかかわる質問ということで,そういう立場でお答えいただきたいと思います。  続きまして,平成3年,山火事のあった助川山丘陵地域の有効利用について,企画部長にお伺いいたします。  150ヘクタールに及ぶこの地域は,既に日立市が平成5年に取得しておりますが,この活用につきましては,ぜひとも県北振興の観点から県がイニシアチブをとるべきだと思うのであります。その1つが,産・官・学による国際的視野でのエネルギーや環境などの人材養成と研究を行う工科大学の設置であり,研究機関の誘致であります。既に県北は,我が国でも有数の原子力を初めとしたエネルギー関連機関や企業の集積地であり,極東全体の人材養成を含めた世界的な施設をぜひ検討いただきたいのであります。  また,もう一つの利用が,県北を代表するレクリエーション基地としての利用であります。日立市には,現在,神峰公園に東日本有数の動物園があり,年間40万人の入園者を迎えておりますが,その7割が市外,県外の来園者であり,特に若い人や家族に喜ばれている施設であります。しかし,既に開園後39年を経過し,施設は老朽化し,大人350円,子供70円の入場料では,厩舎の維持管理も難しく,年間2億円を超える日立市の一般財源を必要としております。  県西岩井の自然科学博物館,県央の歴史館や近代美術館,大洗の水族館,鹿島のサッカースタジアムと,本県の文化的施設が着々と完備していく中で,ぜひとも助川山丘陵地帯に動物園などのノウハウを生かした一大レジャーパークをぜひとも検討いただきたいと思うのでありますが,企画部長の御所見をお伺いいたします。 22 ◯根本企画部長 助川山丘陵地域の有効利用についてお答えをいたします。  委員御指摘の助川山につきましては,平成3年3月の山林火災によりまして,民有林を含む約210ヘクタールの森林が被害を受けた地域であります。このうち,国有林を中心とした約150ヘクタール,これを平成5年3月に日立市が払い下げを受けまして,森林公園等の整備に着手しているところであります。  現在,都市防災を兼ね備えた森林空間としての保全的な観点から,森林保全ゾーン,スポーツ・レクリエーションゾーン,森林体験ゾーンに区分して事業を進めておりまして,平成9年度に事業完了の予定と,このように聞いております。  また,払い下げを受けた区域は,払い下げ時から10年間はその用途を変えられない,このようになっておりまして,平成15年まで森林公園施設の用に供しなければならないこととなっております。  委員から御提案がございました当地域への大学立地を核とした研究機関の誘致並びに大規模レクリエーション基地の建設でございますが,まず,大学の立地につきましては,委員御指摘のエネルギー問題や環境保全対策等に対応した人材育成のための大学等高等教育機関の役割は,今後ますます重要なものとなりますし,また,民間研究機関等を誘致するための中核施設として大学等の機能を整備していくことは,有効な手段であると考えられるところでございます。  しかしながら,現在,日立市には既に工科系大学として茨城大学工学部が立地しておりますし,近隣には茨城工業高等専門学校がございます。さらに,今後18歳人口の減少が急速に進んでまいりますことなどから,新たな大学立地につきましては厳しいものがあると,このように認識をいたしております。  また,レクリエーション基地の建設についてでございますが,日立市内には既に奥日立きららの里,神峰公園など,レクリエーション施設がございます。近隣の市町村にも,それぞれ特色のある拠点施設が整備されつつあります。  したがいまして,この地域の開発に当たりましては,これらの施設との競合がないこと,また,当地域の地形,交通アクセスなどの地理的条件に合致すること,整備されつつある森林公園との連続性が確保できること,将来のレジャー,レクリエーション需要を見据えることなど,多くの課題がございまして,これらのことを十分に考慮する必要があると思っております。  県といたしましては,今後とも日立市の新たな地域振興につきまして,人材の育成,研究開発拠点やレクリエーション拠点などを含めた総合的な観点から,日立市ともども知恵を出し合ってまいりたいと考えております。 23 ◯今橋委員 関係者の御努力で,今,鵜の岬の新館の工事が進んでおりますし,それから県北でも,あちこちで温泉が湧出しまして,今そういう面では,滞在型という格好の新しい観光地としての変化が具体化しております。そういう中において,今おっしゃられたような格好のそちらのものと競合するというよりも,そういうところに来た方が,じゃ,昼間一体どこに行くんだというような意味で,家族連れで楽しめるようなレジャー基地のようなものが今回整備されれば,さらにそういう機能が高まるというように思いますので,ひとつその件に関しまして十分に御配慮いただきたい。  あと,質問ではございませんが,今の皆さんの答弁をずっと聞いておりまして,知事に御要望を申し上げさせていただきたいと思います。  今,エネルギー大学に関しての質問をいたしました。確かに少子化時代,子供が少なくなる中で,大学経営も大変でしょう。しかし,淘汰される大学と,これからどうしてもつくらなければならない大学と,当然あることにつきましては,知事も十分におわかりのことだと思います。そしてまた,つくばに,前知事の竹内さんの時代に,東京家政大学の筑波短大が誘致されました。今度は大学になりました。その後,ソニーの創立50周年に合わせて,電子関係の大学の話がありましたけれども,具体的にそれはもうないのではないかと思っています。しかし,今,日本が抱えている環境問題あるいはエネルギー問題,そういう問題を考えてみたときには,今,企画部長の,あそこに茨大の工学部があるからというような格好で,各県並みの大学があるという理由で,私はこの問題をちゅうちょすることではないと思うんです。そういう面で,ソ連もひっくるめて極東全体のクリーンエネルギーあるいは環境問題,そういうところにまで意味を持つような,そういう大学を橋本知事の手でもって打ち上げて,具体化に向けてぜひとも取り組んでいただきたい,これを強く要望申し上げまして,私の質問を終わります。  ありがとうございました。      ──────────────────────────────── 24 ◯本澤委員長 次に,山口委員。 25 ◯山口委員 自由民主党の山口でございます。  まず,スポーツの振興について,第1番目に,中・高校における部活動の活性化について,教育長に御質問いたします。  本県において,御承知のとおり2002年に,高校生スポーツの祭典でありますインターハイが開催される予定になっているというふうに伺っております。全県下でのスポーツ大会と申しますと,昭和49年の国体以来の開催であり,県民としてはインターハイがぜひ成功し,そして本県の選手が優秀な成績をおさめていただきたい,そういうふうに願うものであろうと思います。  そして私は,このインターハイを契機に,本県の中・高生のスポーツの普及,振興,レベルアップ等を図ることが大変重要ではないかなと思っております。そのためには,小さいときからスポーツに親しみ,そして楽しめるような環境づくり,さらには中・高生のスポーツ活動の中心であります部活動の活性化というものが必要になってくるのではないかなというふうに思います。  しかし,現況を伺いますと,中・高の部活動というのは,近年の少子化傾向によりまして,生徒の減少や価値観の多様化ということで,やや沈滞ぎみになっているというような話を伺っております。生徒がなかなか少なく部員が集まらない,大会にも出られない,大会に出てもチーム数が少ないとか,いろいろそういう現象が起きているというふうに伺っております。  そこで,教育長に,現在の中・高の部活動状況はどうなっているのか,まずお尋ねをいたします。
    26 ◯本澤委員長 山口委員の質疑に対する答弁を求めます。  齋藤教育長。 27 ◯齋藤教育長 中学校,高等学校の部活動の現状についてでございますけれども,部活動は,学年やクラスを離れ,共通の趣味,関心を持つ生徒によって組織されて行います自発的,自主的な活動であり,生徒の心身の健全な育成と豊かな人間形成を図る上で重要な学校における教育活動の一環として行われております。  委員お尋ねの本県中学校,高等学校の運動部活動の現状につきましては,昨年5月1日現在の資料でございますけれども,中学校では23運動種目,加入率は約76%という状況でございます。高等学校におきましては,45の運動種目でございまして,加入率は約34%というわけであります。生徒の発育,発達を踏まえた指導を通しまして,スポーツ活動が展開されているところでございます。  しかし,中学校,高等学校におきます過去3年間の加入状況を見てみますと,加入率の高い種目は,バスケットボール,サッカー,バレーボールなどとなっておりますが,加入率の低い,あるいは加入率が減少している種目は,なぎなた,相撲,ホッケー,ハンドボール,柔道などでございます。この加入率の低い種目につきましては,チーム編成とか大会参加などについて課題がある現状にございます。 28 ◯山口委員 今の答弁を聞きまして,中学生で76%ということでございますが,高校生の場合は約3分の1程度部活に加入しているということでございます。それぞれの時代時代で,スポーツ種目においても,人気のあるスポーツとか人気のないスポーツが,今の教育長の答弁にも出ているのではないかなと私は思いました。オリンピックがあって,バスケットとかサッカーとか,そういうのが表面に出てきますと,中・高生もそれに向かうし,また,それ以外の汗を流したりいろいろするスポーツは,何となく敬遠されがちだというような傾向が現実に出ているのじゃないかなと思います。  私は,部活動の活性化を図っていく上で大きな決め手となるのは,一にも二にも魅力ある指導者の育成と確保だと,そのように思っております。現状を見ますと,教職員の方々が教鞭をとるかたわら,部活の指導に当たっておるわけでございまして,採用の面も含めまして,最近の教職員の皆さんでしっかりとした指導や優秀な選手を育てるような技術とかそういうものを持った先生が少なくなっているのではないかなというふうに私は思っております。  本県では,そういう状況の中,教職員以外でも,それぞれのスポーツに精通した外部の指導者を,外部指導者ということで一部取り入れているというような話を伺っておりますが,現状でその外部指導者という方がどのくらいいるのか,そして,どのくらいの学校で取り入れているのか,お聞かせをいただきたいと思います。  あわせて,今後,採用も含め,スポーツの魅力ある指導者の育成,確保というものをどういうふうに図っていくのか,お聞かせをいただきたいと思います。 29 ◯齋藤教育長 魅力ある指導者の育成,確保についてどのように進めていくかというお尋ねでございますが,まず,外部指導者の活用につきましては,運動部活動指導者派遣事業というものを実施しておりまして,県内の各中学校,高等学校から要請のありました学校に対しまして,専門的指導力を備えます地域の指導者20人を,年間20校に35回派遣するという事業を実施しております。平成元年度から延べ160校に派遣した実績がございますが,各学校からの要請が多く,今後その充実,拡充に努めてまいりたいと考えております。  また,平成14年度開催のインターハイを見越しまして,指導者の養成と活用ということを図りますため,インターハイ特別指導者養成活用事業を昨年度から実施しております。これは,各年度に中学校教員48名,高等学校教員48名を対象といたしまして,専門的指導法の研修を2泊3日,これを3回実施するわけでありまして,その96名の中からさらに24名を先進校視察に派遣しております。  さらに,なぎなたとか弓道,レスリングの指導をしております中学校,高等学校の教員,各種目2名ないし5名を文部省主催の実技指導者講習会に派遣しているところでございます。  教員の採用に当たりましても,部活動の指導者という面をも視野に入れながら,多様な人材を幅広く確保するよう努めているところでございます。  今後とも魅力ある指導者の育成,確保に努めますとともに,学校と家庭,地域と連絡を図りまして,運動部活動の内容の充実に努めてまいりたいと考えております。 30 ◯山口委員 外部指導者が20人いらっしゃいまして,20校に派遣しているということでございますが,これは毎年度──1年度ごとですね。 31 ◯齋藤教育長 そうです。 32 ◯山口委員 そうしますと,茨城県全体では,中・高合わせると,約370校あると伺っております。20人を毎年回しても,学校側からの要望だということもございますが,全体に回すのには相当時間,年数がかかってしまうのではないかなと思います。今,20人という枠を県でもっと広げて,私はそれぞれの地域にスポーツに精通した優秀な方がいらっしゃると思いますので,そういうものを積極的に外部指導者として,もっと枠を拡大して図っていっていただきたいなというふうに,教育長に御要望を申し上げる次第でございます。  以上で結構でございます。  それと,インターハイに向けて,教育長並びに関係部長に御要望申し上げておきます。  私は先般,県議会の野球部の一員として広島国体の協賛であります全国の議員の野球大会に行ってまいりました。部員一丸となって優勝もしてまいりました。  そこで一番感じましたことは,広島県は,昨年ですか,アジア大会がございました。そして,ことし国体がございます。そういうことで,スポーツ施設の充実というのが私は大変印象的に目に映ったわけでございます。広島県というのは,茨城県と人口も予算規模もほぼ同じだというふうに伺っております。ただ,広島市という,政令都市という特別な部分がございますが,茨城県と比べると,どうも見劣りするんじゃないかなというような印象を持ったわけでございます。  そういうことで,これから全県下の県立のスポーツ施設,いろいろあると思うんですけれども,市町村でも今,いろいろスポーツ施設を整備しております。そういう中で,県と市町村の役割分担なんかも含めて,全県的な県立のスポーツ施設の見直しを積極的に図っていただきたいなと思います。聞くところによると,内部では何かそういう検討も若干したような話も伺っておりますが,外部の方も含めて本格的な議論をしていただきたいと,御要望を申し上げておきます。  次に,競技スポーツ選手に対する報奨金について,もう一つ教育長にお伺いいたします。ことしはアトランタのオリンピックの開催された年でありました。日本人選手でも期待以上に活躍された方,そうでない方,楽しみに行ったと言われた方,いろいろいたようでございますが,本県の選手としても,自転車の十文字選手を初め多くの選手が活躍をし,県民に夢と希望を与えてくれたというふうに思っております。  このような選手に対しまして,国においては表彰制度を,さらにはJOCにおいてはメダル獲得者に対して報奨金を贈っているという話を伺っております。本県においても,競技スポーツにおいて優秀な成績をおさめた方には,県民栄誉賞などの表彰を行っておるわけでございますが,私は,本県出身者でオリンピックや国際大会などスポーツの分野で活躍された選手は,茨城の誇りであり,そして財産でもあり,将来その方々が指導者として茨城の後継者の育成にも当たっていただきたい,そう思っております。しかし,このような選手の皆さんが経済的にも,そしてさまざまな面で必ずしも恵まれた環境の中で選手活動に取り組んでいるとは限らない,そういう話を伺っております。  このようなことを考えますと,選手に対しての励みとして,また支援として,私は県独自で報奨金制度のようなものをつくって,選手の栄光をたたえてあげる必要があるのではないかなと,そういうふうに思います。  現在,教育委員会では,国際大会の海外へ遠征される方に,激励費として遠征費用の最高10万円を支給しているというような話を伺っておりますが,報奨金制度というものについて教育長はどうお考えか,お聞かせいただきたいと思います。 33 ◯齋藤教育長 報奨金制度の創設についてのお尋ねでございますけれども,オリンピックを初めとする各種国際大会や国内大会で優秀な成績をおさめ,県民に明るい話題と感動を提供した選手は,まさに茨城の財産であり,将来は指導者としても活躍していただきたいと考えているところでございます。  本県におきましては,委員御提案の報奨金制度は設けておりませんけれども,優秀選手を育成,強化していくためには,経済的な面で支援していくことも大切なことであると考えております。  このため,県を代表する優秀選手に対しまして,合宿費や遠征費の補助を行っておりますほか,成年層の選手を強化しますため,国体,全国大会等で活躍が期待されます特に優秀な団体や個人に対しまして,特別強化費を支給しております。  また,オリンピックや国際大会に出場する選手に対しましては,海外遠征激励費を支給しているところでございます。 34 ◯山口委員 さまざまな面から支援をされていることは,今の答弁でも十分わかりましたが,私は,遠征費に対してお金を出せるんなら,その遠征して優秀な成績をおさめた方にもお金を出せないことは,理屈上はないというふうに思っております。  こういう競技スポーツというのは,いわゆる勝負の世界ですから,遠征していってそれなりに優秀な成績をおさめた選手に対して,栄光をたたえるということで報奨金を出すことは,私は何ら問題はないんじゃないかというふうに思っております。先ほど教育長も大切なことだという答弁をされましたので,ぜひ今後検討をしていただきたいなと思います。もし教育長の管轄でだめならば,知事の方から直接そういうものを支給するような制度もぜひ御検討いただければというふうに思います。  以上で教育長に対する質問を終わります。  次に,上海事務所の開設についてお尋ねいたします。  委員会でもいろいろ質疑をされたようでございますが,再度御質問をいたしたいと思います。  11月の末に上海事務所が開設する予定であるというふうに伺っております。3,300万円の補正も本定例会に上程されているわけでございますが,私は,なぜ海外事務所を開設するのか,その設置の目的と,そして,なぜ場所を上海を選んだのか,そのことについて,まず生活環境部長にお伺いいたします。 35 ◯長谷部生活環境部長 まず第1点目の海外事務所の設置目的でございますが,人,物,金の流れの国際化はますます進んでおりまして,茨城県においても,これからのさらなる発展のために,経済面,生活面,教育面,文化面などで国際化を進めていくことが不可欠であるというふうに考えております。  このため,海外情報の的確な提供,あるいは海外における県民,事業者などの経済活動,あるいは文化,教育活動などのさまざまな国際活動を支援するために,海外拠点を設ける必要が高まってきているという認識のもとに,今回,初の海外事務所を設置するということにしたわけでございます。  次に,第2点目のなぜ上海に設置したのかという御質問でございますが,アジア地域が距離的に近く,また,1993年の経済成長率というものを見ますと,中国は13.2%,シンガポールは10.1%というふうに,著しくアジアの中で伸びておりまして,日本との歴史的,文化的関係も非常に深く,海外拠点が強く望まれているところでございましたので,まずアジア地域を対象に検討してきたところでございます。  こうした状況の中で,中国は,解放政策の結果,1993年のデータでございますけれども,国内総生産が5,457億ドル,経済成長率が,日本がこのとき0.6%であったのに比べまして,13.2%というように,目ざましい経済発展を遂げておりまして,日本との貿易高も約400億ドルに達しております。  また,県が平成7年9月に実施しましたアンケート調査がございますが,この中で,中国が海外展開希望先の筆頭になっておりまして,上海には既に県内の企業が進出している状況にもございます。  一方,中国におきましては,社会体制とかルールが日本と異なりますので,企業活動が必ずしも円滑に行かないということから,行政からの情報提供などによりまして,企業活動の活性化が図られる状況があるのではないかというのも事実でございます。  こういうことで,中国が有力な事務所の設置地域として検討されることになったわけでございますが,中国の中におきましても,上海市は発展しているアジア地域で最も注目される国際ビジネス都市の一つでございまして,多数の日本企業とか他県の事務所がもう既に進出している状況でございます。  こういうことで,県といたしましては,県内の意欲ある方々が中国でのビジネスチャンスをつかんでいただき,また交流を深めていただくということを支援するために,上海市に事務所を開設するということにした次第でございます。 36 ◯山口委員 本県の国際化,さらには,上海は歴史的に文化的に日本との歴史もあるということでございますが,今回の上海事務所の開設に当たっては,一方で,生活環境部の国際協力課が窓口,一方では商工労働部の管轄の中小企業への支援と,2つに分かれているわけでございます。私は,生活環境部としては,この上海事務所の開設を機に,今,部長の答弁にもありましたが,上海の地域との人的交流や,さらには文化的交流,本県のPRとか,そういうものを含めた国際交流に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが,そのことにつきましてはどう考えていますか。 37 ◯長谷部生活環境部長 先ほど申し上げましたように,経済交流の支援というのは,上海事務所の重要な機能であるというふうに考えておりますが,経済交流の基盤でございます人的,文化的交流も同じく大切ではないかというふうに考えております。  とりわけ,委員御指摘のとおり,アジア諸国との交流は今後ますます重要になってくるということでございますので,上海事務所を通しまして,アジア諸国,特に中国との交流を今後一層進めていく予定でございまして,中国からの技術研修員の受け入れ,あるいは日中友好協会などの民間団体,あるいは県内市町村の中国との交流に対する支援,こういうものを行っていきたい,そして,本県のPRを行いまして,この面からも本県と中国との結びつきというものを一層強めていきたいというふうに考えております。 38 ◯山口委員 わかりました。今,これからアジアの時代というふうにいわれております。本県は,エソンヌ県とかコスタリカとか,姉妹都市を結んでおりますが,将来は上海とも姉妹都市を結ぶような気持ちで取り組んでいただきたいと思います。  ありがとうございました。  次に,商工労働部長にお伺いいたします。  今,生活環境部長の中で,上海事務所の一つの役割として,経済交流の支援というような話がございました。そして,既に県内の企業が中国に進出しているというような御答弁もございましたが,本県と上海との経済的な交流について,どのくらいあるのか,まず第1点をお伺いいたしたいと思います。  そして,上海事務所を設置するに当たりましては,県内の中小企業の中国進出に対しての意向調査とか,そういうものもやられたと思うんですが,それらの企業の中国進出の希望と今後の見通しについて,商工労働部長にお伺いいたします。 39 ◯前野商工労働部長 まず,本県関係企業の上海への進出状況でございますけれども,現在,製造業を中心といたしまして,十数社進出しているところでございます。さらに,経済のボーダーレス化が進む中で,企業の中で国際活動というのが経営戦略上大変重要な地位を占めてきておりまして,県内の中小企業におきましても,今後成長が見込まれるアジア,特に中国を中心といたしまして,海外での生産活動の展開や販売拠点の確保を図る企業がふえる傾向でございます。  例えば,昨年度実施いたしました中小製造業国際化実態調査の結果によりましても,海外労働力の利用,日本への逆輸入,現地市場の開拓といったことを理由といたしまして,回答企業全体で657社のうち,既に海外展開を実施している企業が40社,計画中の企業が56社ということになっております。  また,その展開先ということでございますけれども,特に中国を初めといたしますアジア地域が顕著でございまして,海外展開を実施中または計画中,合わせて96社あるわけでございますが,そのうち半数を超える50社が中国への展開ということで中国を挙げておりまして,次いでタイ,マレーシア,シンガポールといったASEAN諸国の順ということでございます。 40 ◯山口委員 御答弁によりますと,中国進出の希望がかなり多いということでございます。そうしますとなおさら,上海事務所というのは企業から信頼される事務所でなければいけないわけでございます。  そこで,上海事務所の機能を十分全うするためには,私は,上海事務所で収集した情報をきちんと県内の企業に,そして,県内の企業のニーズをきちんと上海事務所が受けとめなければいけないのではないかなというふうに思っております。  そこで,上海事務所と県内の中小企業との連携をどういうふうに図っていくのか,お尋ねをいたします。 41 ◯前野商工労働部長 経営資源が限られております中小企業にとりまして,海外展開というのは大変大きなリスクを伴うものでございまして,過去も,法規制や商習慣の違いからあつれきを生じている例も大変多いことから,事前の情報収集が大変重要であると考えておるわけでございます。  こうした観点から,県内の中小企業の要望が特に強い中国におきます市場動向や投資環境といったものに関する情報を適時的確に収集,提供するため,上海事務所を設置したところでございまして,同事務所が収集いたしました各種ビジネス情報につきましては,中小企業振興公社を通じまして,広く県内の中小企業に提供してまいりたいと考えております。  なお,上海事務所は,県内の中小企業が真に求めるビジネス情報を提供する必要がございますので,県内中小企業の集まりでございます工業技術振興プラザなどを通じまして,企業のニーズを十分に把握し,これを上海事務所に伝えることにより,適切な対応をしてまいりたいと考えております。  また,情報収集のみならず,上海は,先ほど生活環境部長の答弁にもございましたように,上海は大変有望な地ではございますが,場合によって許認可が必要なことがある,また,適切なオフィスや電話が不足しているといった問題もあるわけでございまして,上海事務所におきましては,中国の関係機関への斡旋,紹介,企業ブースの提供や携帯電話の貸与といったきめ細かなサービスが行われることになります。 42 ◯山口委員 県内から上海も含めて中国へ進出する企業というのは,いろいろ情報を欲しがっている部分もございますし,不安を抱いている部分もいろいろあると思いますので,その辺が円滑に進んで,そして,上海事務所が中小企業者にとって頼りになる事務所になるよう頑張っていただきたいというふうに思います。現地に赴任される職員の方も,現在1人で,現地採用で2人だという話を伺っております。1人で行って大変不安な部分もあろうかと思いますが,茨城から派遣された開拓者でございますので,この中にいるかいないかわかりませんが,赴任される方にはぜひ頑張っていただきたいなというふうに思います。商工労働部長からもぜひ激励をしていただきたいと思います。  結構でございます。  次に,高速道路における交通事故対策につきまして,警察本部長にお伺いをいたします。  本県の交通事故件数は,毎年増加傾向にありまして,事故対策が県政の大きな課題になっておるわけでございます。これは,一般質問やら委員会やらでいろいろ出ております。私は今回,高速道路,本県の常磐自動車道における交通事故対策についてお伺いをいたしたいと思います。  常磐自動車道の交通量を見ますと,開業当初の昭和63年の同じ時期に比べると,現在65%増加しているというふうに伺っております。1日当たり17万8,000台という大変膨大な交通量があるわけでございます。交通量の増加に伴って当然交通事故も多発していると思いますが,その発生状況,そして,常磐自動車道のような高速道路における事故防止対策にどのように取り組んでいるのか,お伺いをいたします。 43 ◯西山警察本部長 まず,常磐道における交通事故の発生状況でありますけれども,昭和63年の全線開通の年を見てみますと,事故件数715件,死者6人,重軽傷者96人でありましたけれども,昨年,平成7年の事故件数は,1,372件,死者6人,重軽傷者315人という状況でありまして,昭和63年と比較して,7年間で事故総件数は約2倍になっております。  また,ことしは,8月末現在で,死者数は,既に昨年1年間と同数の6人に上っておりまして,厳しい情勢が続いております。  次に,事故防止対策でありますけれども,高速道路における交通事故の特徴といたしましては,1つは致死率が高い。一般道の約2.5倍であります。2つ目は,車外放出の割合が高い。3点目は,車両火災が発生しやすい。4点目は,多重事故などになりやすい。5点目が,荒天時──天気が悪い日でありますが──の事故が多いといった特徴があります。  警察といたしましては,これらの分析結果に基づきまして,1つは取り締まりであります。内容としては,最高速度違反,車間距離の違反,シートベルト装着義務違反等の取り締まり,もう1つは,トラック運送業など高速道路を利用する頻度の高い企業,業種に対する交通安全教育の推進ということを実施しております。  また,これに加えて,一般利用者に対しても,料金所付近で安全運転を啓発する活動をいろいろ行っておりまして,例えば9月10日には,関係団体の協力を得まして,ナシを2,000個ドライバーに配りまして,「事故なしキャンペーン」でありますとか,また,あすは,秋の全国安全運動に先駆けまして,茨城でとれた新米3合入りのものを2,000袋用意しまして「新米の気持ちで無事故でまいろうキャンペーン」,こういったいろいろな工夫をしておるわけでございます。  そのほか,道路公団と連携を密にして,交通情報板でありますとか,排水性の舗装でありますとか,強化型のガードレールの設置など,こういった安全施設の整備拡充にも努めてまいりたいと思っております。 44 ◯山口委員 63年から現在までで事故件数が2倍にふえているということは,大変将来に向かって憂慮することではないかなと私は思います。また,既に昨年と同じ6人の死亡者が出ているということも,大変重大なことではないかなというふうに思います。高速道路の交通事故というのは,ある程度スピードも出しておりますので,大事故や,さらには即,死に至るようなケースが多いんではないかなというふうに思います。そのために,私は,事故防止とあわせて,事故が起きたときの救助体制というんですか,そういうものも同時に進めていかなければいけないんではないかなというふうに思います。  話に聞くところによりますと,例えば高速道路で事故が起きて,警察は高速隊がありまして,そこからすぐ現場に到着して交通規制等を行うということでございますが,消防の救急隊の方は,管轄の消防署を出て,インターに乗って現場に着くということになりますと,大体平均15分ぐらいかかっているという話を伺っております。1分1秒を争う中でのことでございますので,そういうことを考えますと,警察と消防の救急の連携が大変重要になってくるわけでございまして,それをうまく体制づくりしていく必要があるのではないかなというふうに思います。  それと,警察の方につきましても,例えば車の中に取り残されてしまったとか,挟まれてしまったとか,そういう場合の救出活動,これについても,そういう救出活動ができるような車両の装備とか,そういうものも必要ではないかと思います。そういうことが死亡者の減少にもつながるのではないかなと思いますが,警察本部長の所見をお伺いいたします。 45 ◯西山警察本部長 まず,消防との連携についてでございますが,常磐道における救急業務の効率的な運用を図るという目的で,昭和56年の4月に,谷田部─柏間,これは一部開通したときでありますが,そのときに,警察,消防,道路公団の関係機関によりまして,常磐自動車道消防協議会というものを組織して,以来,定期的に会議を開催して対策を協議しているわけであります。  そのほか,年2回,今申し上げました関係機関合同によります多重事故やトンネル内車両火災事故を想定した実践的な防災訓練を実施するなど,連携を強化しているところでございます。  次に,警察の救助活動の体制の整備ということでありますが,ことし1月に,高速隊にレスキュー車が配備されまして,レスキュー隊員11名を指定して,車両内に閉じ込められた負傷者救助の訓練も実施しておりまして,いつでも出動できる体制を整備しております。  救急車等が到着するまでの高速隊員の初期的な負傷者の救助活動でありますが,どういうことをしているかと申し上げますと,車両内で負傷している者の車外救出措置,出血している場合の応急的な止血措置,それから,負傷者を路肩等安全な場所へ動かす搬送措置といったことなど,警察としてその現場でできる可能な範囲の救助活動を,その場の状況に応じて実施しております。  警察官は全員,救急法というものを習得しておりまして,それに基づいてやっておるわけでありますが,子細を見てみますと,やはり消防の救助の力に比べたら,やはり落ちるものがございます。今後,こういった救急の技術の錬度を高める努力をしていく必要があるなというふうに感じております。 46 ◯山口委員 わかりました。本県の場合,今,常磐自動車道の開通のみでございますが,東関東自動車水戸道路,さらには北関東,圏央道と,高速道路が整備されているわけでございまして,それに伴って,当然交通量も増加し,交通量の増加に伴って,交通事故の増加とか高速道路の事故ということで大事故の増加とか,そういうものが懸念されるわけでございます。本部長の答弁にありましたように,救助体制を整備していくことが私は大変重要ではないかなと思うとともに,警察の方も,救急法を受けて対応されているということでございますが,私は,高速道路が幾つも整備されていって,交通量がどんどん多くなってくる中においては,将来,警察の高速隊の中にも,救急救命士の方も配置するような時代が来るんではないかなというふうに思います。あさってから秋の交通安全週間でございます。いろいろ本部長も,新米のことやアイデアを持っておるようでございますので,これからもぜひ交通安全に万全の対策をとるよう,陣頭指揮をお願いいたしまして,私の質問を終わります。  ありがとうございました。 47 ◯本澤委員長 暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は午後1時を予定しております。                 午前11時51分休憩      ────────────────────────────────                  午後1時開議 48 ◯本澤委員長 休憩前に引き続き委員会を再開し,質疑を続行いたします。  市原委員。 49 ◯市原委員 それでは,情熱を持って質問いたしますので,情熱を持った答弁をよろしくお願いいたします。  まず,インターナショナルスクール設立に関する県の取り組みについて,企画部長にお伺いいたします。  近年,我が国において,経済,科学,文化など,多方面にわたり国際化が非常に進んでおります。物質面の交流だけではなく,人的交流も現在盛んになっておるわけですが,筑波研究学園都市におきましては,科学万博の後,科学技術を中心としました数多くの研究所がございます。その中で,外国人の研究者や留学生が非常にふえております。平成6年度の外国人研究者などの2週間以上滞在された方は約3,000人いる,そして,これらの中で家族を同伴していらっしゃる方が734世帯,1,427人いらっしゃるわけです。そして,これらの方は,平成2年からその後5年の間に386%と,非常な勢いでふえておるわけです。  このような状況の中,これらの方が安心して茨城,そして,つくば──主につくばですが,その中で研究等の仕事に従事,また,学問などをできるような状況をつくっていくには,その同伴される子女の教育問題というものが非常に重要になってくると私は思っております。  現在,我が国では,20数校に上るインターナショナルスクールがあるわけでございます。そして,それらの中で外国人の子女の教育を受け持っておるわけです。1992年9月には,民間のボランティアの方がつくばにおきましてインターナショナルスクールを設立されております。そして,その開校している場所は,民間の企業の一部を間借りしているような状態で活動している,そして,活動費等のことも含めまして,非常に厳しい運営状態にあるというふうに伺っております。  設立されて過去4年の間に,約40人の子女が教育を受け,そこから巣立たれたと聞いております。つくばと申しますれば,国際的な研究科学学園都市ということでありますし,今後ますますそういう外国人の方がふえて,そして,つくばを中心に研究等の活動をなさるわけですが,その方々が安心して研究等に没頭できるように,ぜひともインターナショナルスクールの設立というものを考える必要があるのではなかろうかと思いますが,その辺の考え方について企画部長にお伺いいたします。 50 ◯本澤委員長 市原委員の質疑に対する答弁を求めます。  根本企画部長。 51 ◯根本企画部長 インターナショナルスクールについての御質問でございますけれども,現在,筑波研究学園都市には約3,000人の外国人研究者を含めまして,約5,000人の外国人が在住をいたしております。これらの外国人の子弟のうち,250余名の外国人児童生徒がつくば市内の小中学校に通学しておる,こういう状況にございます。  これらの児童生徒に対応するために,学園都市の義務教育施設では,日本語教育等のために教員が増員配置されておりまして,外国人や海外経験のある日本人ボランティア260余名の協力も得まして,外国人子弟の教育に当たっておるところでございます。
     一方,日本語教育を望まない外国人や短期滞在の外国人児童の教育には,インターナショナルスクールへの根強い要望もあるのが実情でございます。このため,平成4年に,委員のお話のとおり,外国人牧師が中心となりまして,民間施設として収容能力としては少数でありますが,インターナショナルスクールが設置されているところであります。このつくばインターナショナルスクールには,毎年10人程度の児童が在籍している,こういう状況にあるわけでございます。 52 ◯市原委員 ただいまの御答弁の中で,私が受けた印象は,外国人の子女であっても,日本語教育を中心にやれば,在来の日本人の学校で十分教育はされるというようなお考えにとれましたが,いかがでしょうか。 53 ◯根本企画部長 ただいまも申し上げましたように,インターナショナルスクールに短期滞在の外国人の児童の方,あるいはまた,中には日本語教育を望まない,こういう方もおいでになるわけでありますので,そういった方を対象といたしておりますこのインターナショナルスクールにつきましては,やはりつくばは,委員御指摘のとおり,県内でも一番外国人の在住者が多い,また,その子弟であります児童生徒も一番多い,こういう特別な状況にございますので,学園都市内にインターナショナルスクールのようなものが整備される必要があるのではないか,このようには認識をいたしております。 54 ◯市原委員 整備される必要性を認めていただいたという考えをもとにお話しさせていただきますが,今,部長の答弁の中で,短期滞在者中心というようなお話がちょっとありましたが,実際は,1年以上の滞在者というのは,家族を同伴しているかどうかは別問題として,大体1,400人程度いるというふうに私は聞いているわけですが,必ずしも長期滞在者の中に,日本語学校,日本人の方の学校で一緒に教育を受けて,それだけでいいというふうに思っている方だけではないと思うんです。また,ここ数年の動向を見ていますと,帰国子女に関しては,増減はありますが,ほぼ横ばい,しかし,外国人の方に関しては,かなりの勢いでふえているわけですね。それで,始まって4年の間,大体10人程度ということでありますが,しかし,インターナショナルスクールがあれば,そこで教育を受けてみたいという潜在的な需要はあると伺っておりますが,いかがでしょうか。 55 ◯根本企画部長 つくばに在住しております外国人の子弟がインターナショナルスクールに入りたい,この辺がどのくらいあるか,そういう需要といいますか,そういった方々の具体的な要望については,私の方では,現在のところ十分に把握していない,こういうことでございます。 56 ◯市原委員 そういう要望は,私はあると聞いておるわけです。それに潜在的な需要もあるというふうに認識しているわけで,それに対して,残念ながらまだどのくらいの需要があるかは認識されてないということですので,私は,まずそういうところを出発点にしていただいて,そして,今後,これが本当に必要性が私はあると思いますので,その辺に関して,まずどういうことをやっていただけるのかなと伺っているんです。 57 ◯根本企画部長 全国には今のところ28ヵ所というふうに承知をしておりますが,こういうインターナショナルスクールがあるわけであります。このインターナショナルスクールは,現行の法制上は専門学校の位置づけ,こういうことになっておるわけでございます。したがいまして,その経営といったものについてはこの設立者が当たっておる,こういうことでございます。  ほかの県の例等を見ましても,じゃ,行政の支援というのはどういう形で行われているかということでございますが,私どもの把握している範囲内では,校舎の斡旋とかそういうものを整えてやる,あるいは校舎の用地等の斡旋あるいはその貸与をしてやる,そういった支援が大体中心というふうに承知いたしております。 58 ◯市原委員 専門学校という範疇に入るわけですね。そうしますと,今,全国で幾つかのインターナショナルスクールがあるわけですが,おおむね見てみますと,年間の授業料が安いところで30万円から40万円,高いところでは150~160万円という費用がかかってくるわけですね。そして,つくばで今行われていますインターナショナルスクールでも,年間最低1,000万円の運営維持費がかかる。そうしますと,ある程度企業の方の支援,そして,その父兄からということで,大体1人当たり100万円程度の授業料が必要だと聞いているわけです。  さっき部長から必要性は認めるというような御発言があったわけですが,その辺の支援策といいますか,そういうお考えがないと,前向きに検討していただくということであっても,実際専門学校ということで,1人当たり100万円もかかるわけですから,同じような考え方では,設立というのは最初から非常に難しいのではないかなと思うんですが,いかがでしょうか。 59 ◯根本企画部長 外国人の子弟の教育でございますが,やはりこの基本は,先ほど申しましたけれども,義務教育施設において勉強してもらう,こういうことではないかというふうに思っておるわけでございます。  今申しましたように,そうはいっても短期滞在あるいは日本語教育を望まない,こういう方がおいでになる,これをどうするか,それがインターナショナルスクール,こういうことでございます。先ほど私もつくばの特別の事情等を考慮しますと,そういう整備が必要ではないか,こういうことを申し上げたわけでありますが,基本的には,どこがそれをやるかということは,なかなか難しい面がございまして,全国の例を見ましても,それぞれスクールの事業主体が自主的に行っている,それを支援をする,こういう形で,支援の内容は先ほど申しましたとおりでございます。私どももそういう範囲内での支援ができればなと,こういう気持ちでおるわけでございます。 60 ◯市原委員 大変しつこくて申しわけありません。今,大多数の方は,一般の小学校,中学校で日本人の方と一緒に教育を受けていらっしゃる。その数も年々ふえているわけですが,それに対して,専任の教師の方の派遣などを見ますと,逆に,徐々に一人二人減っているように伺っておるんです。これは多分企画部長の範囲よりも教育長の範囲になるんではなかろうかと思いますが,もちろん企画部長の方でお答えできれば結構ですし,もしも,どうしてもちょっとあれの場合には,申しわけありませんが,教育長にお伺いできればと思うんですが,いかがでしょうか。 61 ◯根本企画部長 減っているという実態,その辺,私もよく承知はいたしておりませんが,1校に1名程度と,こういうふうに伺っておるところでございます。 62 ◯市原委員 1校に大体1名程度というふうに聞いておるんですが,数を見ますと,私も今,はっきりした資料を持っていないんですが,5~6年前に比べると,2~3人ぐらい数が減っているように私は記憶してたんです。少なくとも教育を受けている外国人の子女の方の増加に比べて,やはりふえていないような現状ではなかろうかと思いますけれども……。 63 ◯根本企画部長 詳細につきましては,私も十分把握いたしておりません。 64 ◯市原委員 そういうことで,できれば企画部長に,今後,インターナショナルスクールの必要性を十分認識していただいているようなので,認識していただいた上で,つくばの財産だけではなくて,茨城県の財産というふうに思われる研究機関が,つくばには100以上もあるわけですね。当然これから人的な交流というのは非常に盛んになってきて,これから臨まれる国際化社会において,非常に重要な分野ではなかろうかと思いますので,ひとつそういうことを踏まえて,インターナショナルスクールのことを要望させていただきます。  それと,教育長にも要望を一つ最後にさせていただきたいんですが,現在,そういうことで,10人程度ではありますが,実際,民間がかなりの運営費に苦慮しながら,子弟の教育をインターナショナルスクールに託してやっておるので,その中では,スペースの問題であるとか,人的な問題であるとか,そういう困ったところがたくさんある。それともう一つは,今お話ししましたように,各小中学校で教育を受けている外国人の子女の方が,教員の数なども含めて,まだ十分な教育を受けているとは思えないと認識しておりますので,その辺の問題の解決に当たっても,ぜひとも前向きに御検討願いたいと思います。  次に,県立中央病院の経営改善策について,衛生部長にお伺いいたします。  県立中央病院は,我々県民の健康,医療の中心的な役割を担っていただいているわけですが,2年前に私はやはりこの問題について,前衛生部長に同様な質問をさせていただいたわけですが,その際,やはり県立中央病院は,民間ではできないような非採算性部門を担っている,そういう性格上,なかなか経営改善も難しいというようなお話を承った記憶がございます。ことしの5月の新聞のときに県立中央病院の経営改善策を打ち出された石川衛生部長の御決断といいますか,そういう政策に非常に感銘はしておるわけでございますけれども,若干遅かったような気もします。現在の状況をかんがみて,大体40億円近い累積赤字があると聞いておりますが,なぜにこのように多くの累積赤字が出ているのか,まずその原因をお伺いしたいと思います。 65 ◯石川衛生部長 赤字の原因はどこにあるのかということかと思いますが,まず第1点といたしましては,公的病院として民間医療機関では対応できない政策医療,あるいは高度・特殊医療などの不採算部門を担う医療を提供しているということでございます。  2点目といたしましては,63年に新しい病院をつくったわけでございまして,平成7年度に御承知のがんセンターがオープンいたしたわけでございまして,それに伴いまして,医療機器の導入とか,あるいは施設整備の大幅な改善によります減価償却費や光熱水費などのランニングコストが大きくなったということでございます。  3つ目といたしましては,人件費比率が高い。これは,同規模の全国の県立総合病院と比較いたしましても,11.6ポイントほど高くなっている,こういうことが累積で40億円という赤字の原因ではないかと,このように思っております。 66 ◯市原委員 お話の中に政策医療というものが出てきましたが,具体的に政策医療というものはどういうものなのかお尋ねしたいんです。 67 ◯石川衛生部長 政策医療とは,先ほど申し上げましたように,一般病院では成り立ちにくい分野を担っている部門でございまして,具体的に申し上げますと,難治性がん,いわゆるがんの治療対策,2点目といたしまして,結核患者のための必要病床数,25ほど中央病院はございますけれども,そういった結核の病床,それから,3つ目といたしまして,僻地医療といたしまして,七会村の2地域に,週2回ほど巡回車を出しております。そのために,ドクター,看護婦,事務員,ドライバーという形で,4人がそちらに取られているということがございます。それから,4番目としまして,エイズの患者受け入れのための拠点病院という形で,これは平成6年4月でございますが,要するにエイズの拠点病院となった。もう一つ,中央病院の隣に友部東養護学校というのがございますが,そこと連携いたしまして,小児の慢性疾患児童,入院されている患者がいらっしゃるわけですが,その方のために保母さんを3人ほど雇っている,こういう部門がいわゆる政策医療の部分でございます。 68 ◯市原委員 当然赤字の中にはそういう政策医療も非常に入っているのではなかろうかと思いますが,やはり収入があって支出があるわけですから,収入が少なければ,当然赤字もふえてくるのではなかろうかと思います。病院の中で,収入というのは診療報酬になるわけですね。全国的に見て,県立中央病院の場合は,診療報酬自体も,入院,外来等も含めて,何か低いのかなという気がします。今,民間病院初め,国公立病院も,いわゆるQC活動といいますか,その中の一環でコスト漏れを削減しようとか,減らそうとか,そういうものを盛んに今やっているわけで,その辺のことについて,診療報酬,いわゆる1人当たりの単価,そういうものは全国的に見ていかがでしょうか。 69 ◯石川衛生部長 現在の診療単価についてでございますが,県立中央病院の平成7年度の1人1日当たりの入院単価は2万9,211円,外来単価が1万209円,これに対しまして,同規模の公立病院,県立病院でございますが,その入院単価が3万2,458円,外来で9,377円ということでございまして,入院で申し上げますと,約3,000円ほど低くなっているということでございます。  これは,何でこういう状態が起きているかと申しますと,我々の分析といたしましては,よその病院に比較しまして,入院における手術件数が少ない,手術件数が少ないと,それに伴いまして,薬,注射,検査,ベッドの利用料等々が低くなってまいります。そういう形で低くなっているのではないか。では,なぜ手術件数が少ないのかということでございますが,この中央病院は,先ほど申しましたような政策・高度医療を担うとともに,一般の地域医療も担当するという性格も持っておるわけでございまして,その結果,風邪とかそういった軽症の患者の方も来られるということから,自然的に手術件数が少なくなるのではないか,このように分析をいたしております。 70 ◯市原委員 地域医療を担っていただくというのは,県民にとっても非常にありがたいことだと思います。しかし,手術の件数が少ない,それから,一般的に見て事業量が少ないということは,もっと積極的に,例えば救急の患者をもっと積極的に受け入れるとか,そういうことに努めていっていただくことが,事業量がふえ,収入がふえることだと私は思うんです。やはり今,現行の中で,先ほども部長からお話がありましたが,人件費はむしろちょっと多いのじゃないかと思うんですが,そういうふうに人は結構いるんだけれども,もうちょっと事業を積極的にできる分野も,私はあるのではなかろうかなと思います。そういうことが手術の件数をふやしたり全体的な収入をふやすということになるんだと思いますが,ひとつ人件費について,部長の考え方と,県立中央病院の今の現況を……。 71 ◯石川衛生部長 先ほど人件費比率が高いというふうに申し上げましたが,これは要するに,医師あるいは看護婦さんの基準に,医療法あるいは診療報酬請求上何人ぐらい要るかという基準があるんでございますが,そういったもの,あるいは類似の公立病院に比較いたしまして,やはり人間が多くなっているというのは事実でございます。特に看護婦さんがよその病院に比較いたしまして多くなっております。  この原因は何かと申しますと,委員御承知のように,夜間看護体制というものを基本として人員配置を行わざるを得ないということから,夜勤の回数と,夜間何人の看護婦を配置するかという体制によって人員が決定されていく。中央病院の場合,人事院の裁定もございまして,いわゆる2・8体制をやりなさいというふうにいわれているわけでございますが,現在は2・5・8体制をしいている,それから,平成4年に週40時間制の導入も図られたということから,結果的に看護婦さんが多いということ,もう一つの原因といたしまして,先ほど申し上げましたように,平成7年にがんセンターがオープンしたわけでございますが,最初から100床全部オープンしたわけではございませんで,7年度には60床,ことしは80床,来年で100床と,段階的に整備していくわけでございますが,それに対しまして,医師とか看護婦さんが,いわゆる採用困難職種といいますか,すぐにパッと採用できない方々がおりますので,10%くらい前倒しで職員を採用した。それは,採用困難職種であると同時に,今,トレーニングもやらなければならないという意味で採ったわけでございますが,そういうことから,職員数が,特に看護婦さんが多くなっているということは認識いたしております。  しかし,これは,患者さんに対します適正な,あるいは良好なケアあるいは治療を行うために当然必要な人員であるというふうに認識をいたしまして,いろいろと職員組合とも協議をしながらこういう形で決まってきたというものでございまして,委員御指摘のような有効なということにつきましては,その部門間でのやりくりとか,そういった形での有効活用は今後とも図っていきたいというふうに考えております。 72 ◯市原委員 主な原因は,前倒しで人を先に少し入れてしまったということも職員の増加につながっているというお話でしたが,私が見ますところでは,1年間の医業収益が大体70億円程度,そして,人件費が50数億円と,純然たる医業収益の中で占める人件費が7割程度,これは通常の民間企業,病院では,幾ら非採算性部門,いわゆる政策医療をしているといっても,とうてい経営上成り立つわけがないわけですね。しかし,当然性格的に非採算性部門を担っているとか,いろいろな事情があるにしても,ちょっと人件費がかかり過ぎじゃないかと私は思っています。  それに,今ちょっとお話ししましたように,通常の周りの民間病院等,いろいろな病院に比べますと,救急医療体制なども若干落ちるかなということもありますし,これだけの人を使っていながらやるのであれば,県民の医療に対するサービスがもっとできるような気がするんです。  そこで,最後にお尋ねしたいんですが,今,行革ということで,県としては積極的に,県民に対する接遇であるとか,窓口業務の改善であるとか,ソフト面の見直しであるとか,職員の教育であるとか,そういうものを積極的にやられているわけですが,まさに病院というのは病気の方が来られるわけですから,普通の健常人が見えるところよりもより一層,接遇であるとかそういうものは当然必要になってくるわけですね。ですから,そういうものも含めて,今後,今言ったように経営改善と,それから,行政改革といいますか,そういう見地に立って,部長としてはどのように進めていかれるのかをお聞きしたいと思います。 73 ◯石川衛生部長 先ほど申し上げましたように,中央病院は,一般医療のほかに公的医療機関でなければ対応することができない部門をやらなければなりませんので,今後もその部門はやっていかなければならないというふうに考えております。  それと,そうは言いつつも,やはり行革的な経営改善というものに真剣に取り組む必要があるわけでございまして,昨年,平成7年度に経営改善委員会というものをつくりまして,目標を決めたわけでございます。平成8年から5年間で単年度赤字を消していくというような目標値をつくりまして,そのフォローアップのために,進行管理委員会というものを設けまして,現在具体的に,どうしたら赤字,あるいは県民から信頼される病院になるかというような検討を行っているわけでございます。  それは,1つは,まず委員がおっしゃるように,経営基盤というものをしっかりしろということでございますので,経営基盤の強化,それから,収入の確保,それは,いわゆる待ち時間の解消であるとか,親切あるいはわかりやすい患者さんへのサービス,あるいは医師,看護,検査部門などの処置内容とか使用薬品などのチェック体制を確立して,診療報酬請求漏れなどの防止などにも努める。それから,費用の抑制ということで,薬の一括購入とか一元的管理体制というものを整備しまして,薬品費や診療材料費の抑制に努めます。それから,職員の配置の適正化というようなことで,いずれにいたしましても,公的病院であるとともに,地域の中核病院あるいは地方の診療を担うという性格で,県民から信頼されるような病院として,今後とも頑張っていきたいと,このように考えております。 74 ◯市原委員 今,お話,いろいろあったわけですが,残念ながら,今の現況と,それから,部長がこのぐらいのところまで削って,そのかわりにこういう事業をしたいと,一例を言いますと,救急医療にもっと力を入れていきたいとか,それから,何年度までにはこういうものの目標値をこのぐらいまでにやっていきたいとか,現行,どのくらい改善策が進行しているのか,その状況をお聞きしたいと思います。 75 ◯石川衛生部長 行革関連で申し上げますと,既に院内の清掃とか医事のレセプトの入力とか作成,あるいはクリーニングなどにつきまして,現在まででも民間に委託をして省力化に努めているところでございます。  それから,先ほど申し上げましたが,新たな業務あるいは業務量の増加などがあった場合でも,各部門間での応援体制や機動的な配置,あるいは組織,人的資源の弾力的運用というようなことで,行革大綱の中にも盛り込まれております親切でわかりやすい行政,あるいは職員の能力の向上とか生産性の向上とか,いろいろいわれておりますが,そういう精神に基づいて有効的な運営に努めていきたいというふうに思っております。  具体的に目標数値のどれがどうなったかということでございますが,目標値は8年度から12年度までということでございまして,その目標値に対してどれだけ達成しているかという数字は,まだ把握いたしておりません。 76 ◯市原委員 なかなか目に見えないものなので,目標値を設定するということも非常に難しいし,始まったばかりのことなので,なかなかその進行状況というものは,またその成果というものは難しいと思います。ただ,部長が今回こういうものに取り組まれて,経営を考えるということは,患者さんに対するサービスが落ちるということではむしろない,やはりそれを認識することによって,改めて患者サービスというものを意識し,そして,これから収入を上げるということは,それだけ事業を伸ばすというように私はとらえているわけで,医療の中で事業というのは当然患者サービスでありますので,その辺を重点的に再度考えていただいて,一刻も早く,少なくとも全国に並ぶぐらいの経営改善ということを希望しまして,質問を終わります。      ──────────────────────────────── 77 ◯本澤委員長 次に,田中委員。 78 ◯田中委員 公明・新進クラブの田中秀昂でございます。日ごろお世話になります。  本日,2点ほど用意してまいりましたので,明快なる御答弁のほど,よろしくお願い申し上げます。  まず第1点でございますが,ひたちなか市の大規模な改革によりまして,いろいろ土木委員会でも視察したりしまして,道路あるいはいろいろなものが今,改善されているわけでございます。その中で,法務省におきます更生保護事業の一環とされています更生保護法人有光苑の改築の件でございます。  内容といたしましては,皆さんも御承知かと思うんですが,刑務所を無事に出まして,こちらで生活をしながら社会復帰をするというような施設でございまして,平成7年度で59人の方が入所しているわけでございます。この建物がひたちなかの開発のために今度建て直しということで,ただいま法務省から更生保護事業振興財団6,000万円,日本自転車振興会から4,000万円,市町村会から4,000万円,そして,更生保護協会300万円,もろもろ含めまして3億3,800万円の事業として,今,計上されているわけでございますが,どうしても6,000万円ほど足りないということで,県の御協力が必要であるということでございます。  この事業におきまして,御依頼を受けたのが県の保護司団体でございまして,何とかこの件を知事初め関係機関にお願いしていただきたいということで,本日持ってきたわけでございます。  この件に関しまして,福祉部長に答弁を求めます。よろしくお願い申し上げます。 79 ◯本澤委員長 田中委員の質疑に対する答弁を求めます。  横田福祉部長。 80 ◯横田福祉部長 更生保護法人有光苑につきましては,委員おっしゃるとおり,市の市道拡幅工事に伴い,その改築が余儀なくされているところでございます。  この有光苑がこの工事に伴いまして平成10年度に建てかえる必要があるということから,建設費の一部を県で助成してほしい,助成についてどうかという御質問でございますが,さきに関係者の方々,あるいは更生保護法人有光苑からも,その建設費の一部助成について要望があったところでございます。  県としましては,これらの要望も受けまして,更生保護法人が最近施設を建てかえました近県──栃木とか埼玉などございますが,その対応状況につきまして調査を進めることと,あわせまして,直接の監督官庁でございます水戸保護観察所などと連絡をとりながら,県としてどのように対応するのがよいのか,引き続き検討してまいりたいと,こう考えております。 81 ◯田中委員 今の御答弁ですと,県は助成に関しては可能であろうという表現でございますでしょうか。 82 ◯横田福祉部長 まだ可能かどうかというところまでの調査が十分でございませんので,近県のことや,あるいは必要性,規模等,さらに調査をして検討してまいりたいと,こういうふうに考えております。 83 ◯田中委員 この分野,社会復帰におきまして,やっぱり大切な分野でございますので,何とかこれが可能になりますように,御支援のほどよろしくお願いします。  続きまして,第2点の主要地方道下館三和線の鬼怒川大橋の老朽化についてのかけかえの件でございます。土木部長にお伺いするものでございます。  本県は,ほかの県と比べまして,非常に河川,湖沼が多いという地形的な特徴を有しております。このため,道路の一部であります橋梁の整備は,ウェートが非常に高いと感じられるわけでございます。特に現在,道路の整備が進んでいる中で,橋梁と一般道路のバランスが崩れているわけでございまして,歩道がない,あるいは幅が非常に狭いということで,早急に改善を迫られているわけでございます。そこで,県内にはこのような橋梁がどのくらいあるのかをまずお聞きしたいと思います。  また,老朽化した橋梁の整備をどのように進めていこうとしているのか,土木部長にお伺いするものであります。よろしくお願いします。 84 ◯山名土木部長 まず,県内の橋梁の現況でございますが,平成7年度末現在で供用しております橋梁は,県が管理しております国道,県道合わせまして2,366橋ございます。このうち,橋長100メートル以上のいわゆる長大橋といわれる橋梁が140橋ございます。  この橋梁整備の進め方でございますが,まず,既設の橋梁につきましては,非常に年月が過ぎまして,老朽化のため危険となっているものとか,あるいは幅員が狭いということで,交通混雑の原因になっている橋梁,さらには,河川改修に伴いましてかけかえが必要となるもの,こういったものについて順次かけかえを行ってまいるところでございます。  また,委員の御質問の中にもございましたが,歩道がなくて歩行者とか自転車にとって通行上危険である橋梁もございまして,こういったものにつきましては,歩道をつけたり,側道橋を別途かけたりということで改善を図っておるところでございます。  そのほか,既存の橋梁ではございませんが,新たな道路網の形成ということから必要となりますバイパス,こういった新しい路線の整備に合わせました橋梁の整備も推進する必要があるところでございます。  このようないろいろな橋梁の整備がございますが,いずれにいたしましても,非常に多額な費用がかかるということもございまして,今後とも有料道路事業とか補助事業,さらには県の単独事業,こういったものを効果的に組み合わせながら整備を進めてまいりたいというふうに考えております。 85 ◯田中委員 昨年度も1点ほど,一般質問の方でもお願いしたわけでございますが,たしか石下橋でございましたが,この前ちょっと渡ってみたんですが,やっぱり非常に危なくて,怖くて,これではいつ崩れ落ちてもしようがないというような状況でございまして,やっぱりこの茨城県にも本当に老朽化した橋がまだ多数あるなというふうに感じておるわけでございます。  どういう順番でやっていらっしゃるのか,あるいは,きちっと交通量とか創立年月日とか,そういうものを事前に調査なさっているんでしょうか,お答えをお願いします。 86 ◯山名土木部長 交通量等につきましては,センサスということで5年に1遍調査しておりますので,それでわかるんですが,橋梁によりましては,建設した当時は,その当時の基準に基づきまして整備をした,その後,基準が変わりまして,新しい基準に合わない橋梁というものもございます。そのほか,河川改修がございまして,それとあわせてどうしても拡幅しなければいけないというような橋梁もございます。それぞれの橋梁によりまして事情が異なりますので,そういったこと,それから,地元の交通状況,いろいろなことを総合的に勘案しながら順次整備を行っておるという状況でございます。 87 ◯田中委員 昔の道路の幅員がございますね。今,県道が16メートル以内というあれで進められておりますね。そういう中で,現在つくられている橋に関しては,20年後あるいは30年後も十分利用できるという盤石の体制で設計されているわけでございましょうか。 88 ◯山名土木部長 橋梁につきましては,道路法に基づきます道路構造令という政令がございまして,その基準に基づいてやっております。今までの改定の経緯から言いますと,20年とか30年ぐらいの間隔で改定されている。これは,自動車の大型化とか,特に外国の貿易摩擦の非関税障壁等の問題もございまして,そういう関連もあって,今回の構造令の改正はされたというふうに聞いております。  現在のところ,これから自動車がどの程度大型化するかとか,ちょっと見通しがつかないんですが,現在の構造令でやっていけば,相当の期間これで対応できるというふうに思っております。 89 ◯田中委員 私も車で普段動いているわけですから,橋なども利用しますが,新しい橋でもかなり狭いなと感じるところがたくさんあるんですね。ですから,その辺も十分に広めに──お金がかかることで,1センチでも10センチでも大きくすれば,金銭的な問題が出てきますが,やはり安全な橋梁づくりをお願いしたいと思うわけでございます。  そしてまた,昨年度,本当に震災の問題で1年間明け暮れたというか,今の古い橋,防災対策においても盤石の体制をつくらないと,もしも地震が来ますと,必ずや壊れるであろうと思われる橋梁がありますので,どうか古い橋の改修工事を全面的にお願いしたいと思うわけでございます。  本日の本題でございまして,実は,私どもの県西地区に県道下館三和線の鬼怒川にかかります鬼怒川大橋がございます。この橋は,下館から関城,結城,さらに猿島郡の三和町の国道125 号を結ぶ幹線道路の県道下館三和線にかけられているわけでございます。この鬼怒川大橋は,老朽化が進んでいると同時に,自転車・歩行者道がついておりません。そしてまた,日常の通学路あるいは農業の利用者等,いろいろな方が今利用しているわけでございまして,ぜひとも早急にかけかえの事業を進めていただきたいと考えております。  この件につきまして,土木部長にお伺いします。よろしくお願いします。 90 ◯山名土木部長 県道下館三和線にかかっております鬼怒川大橋でございます。この橋梁は昭和35年にかけられておりまして,老朽化が著しいということもございまして,これまで橋げたなどの補修を行ってまいったところでございます。さらに,先ほど申し上げましたが,近年の車両の大型化というのがございまして,それに対応できるよう,現在さらに補強を行っておるところでございます。  ただいま委員の御質問がございましたように,鬼怒川大橋につきましては歩道がないということで,歩行者の安全確保という点から一つの課題を抱えているということは,認識をしておるところでございます。  そこで,この鬼怒川大橋についてでございますが,今後,歩道のある新しい橋梁にかけかえるか,または現在の橋梁に側道橋を設置するか,かけかえる場合の位置,ルートをどうするか,さらには事業化の時期をどうするか,こういった点について今後早急に検討していきたいというふうに考えておるところでございます。  この検討に当たりまして,何点か留意する点がございまして,まず1点目は,現在,下館三和線関城バイパスが事業中でございますので,この進捗状況,2点目は,鬼怒川大橋の上流1キロメートルのところに,これも県道でございますが,明野間々田線というのがございまして,これが交通不能区間,橋がないという状況でございまして,この交通不能区間の解消方策,さらには,県の長期総合計画の県土のグランドデザインにおきまして,高規格道路の構想がかかれておりますが,この構想を念頭に置きました,この地域の将来の道路網のあり方,こういったものなどを総合的に考慮する必要があるというふうに考えております。 91 ◯田中委員 ただいまの御説明の中で,昭和35年に設立されたということでございますが,一般の話といたしまして,家屋で,木造住宅20年,コンクリートづくり,RCで30年だろうというんですが,橋梁の場合には,耐久年数は何年ぐらいなものでしょうか。専門じゃございませんので,お聞きしたいと思います。 92 ◯山名土木部長 一概に申せませんで,橋梁の建設した後の交通量の推移とか大型の交通量の割合,そういったものによりまして,それぞれの橋梁の寿命というのは違ってくるというふうに思っております。 93 ◯田中委員 今の御説明を聞きまして計算しますと,約35年ぐらい経過しているわけでございまして,一般の建物でも,コンクリートの場合,約30年から40年たちますと風化するような──当時のコンクリートの状況にもよりますでしょうけれども,もう本当に危機じゃないかと思うんですが,いかがでしょうか。 94 ◯山名土木部長 この鬼怒川大橋につきましては,先ほど申し上げましたように,今までメンテナンスをやっておりまして,補修もやっております。それから,大型化に対応した補強もやっておりまして,そういった点から考えますと,補強,補修をやっていけばまだまだ使える橋梁というふうに認識をしております。 95 ◯田中委員 実は,冒頭に申し上げました石下の旧石下橋,下からよく見てみたんですよね。補強というのはどんなものなのか,自分でもきちっと見てみたんですが,要するに真ん中の3分の1あるいは3分の2ぐらいを鉄骨でカバーして,あとは同じだということで,ああいう補強ではいつになっても同じじゃないかと思うんですね。ですから,いつか壊れるというふうに思うんですが,そういう補強をこれからずっとなされていくということでございましょうか。 96 ◯山名土木部長 石下橋につきましては,実はいろいろな基準に合っていない橋梁になっておりまして,そういった面では,この鬼怒川大橋よりもかけかえの必要性は高いのではないかというふうに思っております。ただ,石下橋につきましては,前後の道路の整備というのが大きな課題になっておりまして,橋梁だけかけかえるわけにいかないということで,なかなか事業化ができない状況であるというふうに認識をしております。 97 ◯田中委員 ですから,現在の建物でも何でもリフォームだと,東京の首都高も今,補強工事をしているわけでございますが,やっぱり主要な道路における大切な橋梁に関しては,建てかえの方が私はベターだと思うんですが,その辺はいかがでしょうか。 98 ◯山名土木部長 鬼怒川大橋で考えますと,先ほど申し上げましたように歩道がないというのが一つの大きなポイントになっております。この車道分の本体につきましては,現在補強しておりまして,今後若干ピアの補強等を行っていけば,まだまだ相当に使える道路というふうには思っております。  ただ,今後,先ほど申し上げましたグランドデザインにかかれている道路をどうするか,そういう中で,この道路を本当にかけかえるのか,または側道橋だけでとりあえず対応するのかという議論,整理はしていきたいというふうに思っております。 99 ◯田中委員 きょう,たくさんの地元の方のサインをいただいた陳情書を持ってきているわけなんですが,橋はともかくそういうふうにまだまだ使えるという状況でございますので,人が通るための側道橋を何とか検討していただきたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。  短時間ですが,これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。      ──────────────────────────────── 100 ◯本澤委員長 次に,磯崎委員。 101 ◯磯崎委員 常陸那珂港の準備状況のことでございますが,21世紀に向けて,常陸那珂港,新設の国際港湾ということでございます。立派な港湾として北関東,茨城県の発展のために,拠点港として整備されることが望まれているわけですし,当然その方向で鋭意努力をしなければならないということですけれども,そのためには,人と物と金と三拍子がそろっていかないと,いい港湾にはならないのではないか。具体的には,金の面について申しますれば,40フィートの1コンテナが日本では350ドルかかるけれども,例えば釜山だと170ドルで済むとか,香港は290ドルだそうですが,いずれにしても相当削減した料金体系というのが必要だと思っております。そして,物については,15メートルの水深バースということで,これも皆様の御努力でめどが立ってきているというふうに考えております。続きまして,人でございます。いわゆるサービスということになってくるわけです。これは,365日24時間体制,いわゆる通年フルタイムということがアジア諸国では常識になっておるわけでございます。日本では15メートルのものも,通年フルベースもまだこれからというところでございますけれども,土木部長にお伺いしたいと思います。続いて申しわけございませんが,この通年フルタイムについて,現在どのように取り組まれておるか,お伺いをいたします。 102 ◯本澤委員長 磯崎委員の質疑に対する答弁を求めます。  山名土木部長。 103 ◯山名土木部長 常陸那珂港の管理運営体制についての御質問でございます。  現在,委員も御承知のように,世界の主要なコンテナ港湾におきましては,24時間,365日利用可能な港湾運営というのが一般的になっております。私ども,いろいろ情報収集している中では,特に365日という方がまず第1だろうというお話も伺っておるところでございます。  常陸那珂港につきましては,こういった世界の趨勢に対応していくためにも、ぜひ24時間,365日利用可能,こういった港湾運営体制をとることによりまして,効率的な物流を支える港湾として,利用促進を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
     いずれにいたしましても,港湾の物流の中で果たす民間の企業というのが非常に大事なところでございますが,常陸那珂港で港湾にかかわる事業を行う各企業の皆さんが,24時間,365日業務といったものを行える仕組みを考えていただくことが必要であろうというふうに考えております。  県といたしましては,効率的な港湾物流の実現ということを目的としまして,こういった24時間,365日の港湾作業に取り組む意欲のある企業を積極的に支援する方策,この方策につきまして,第三セクターによる対応も含めて検討しているところでございます。  また,港湾の円滑な運営に当たりましては,輸出入貨物の通関,検疫など実施いたします国の機関での対応も必要となってまいります。そういったことがございますので,海事機関の設置及びその運営方法についての検討につきましても,国に働きかけてまいります。 104 ◯磯崎委員 ただいま利用すべき民間企業のお話がございましたけれども,貴重な土地でもございますので,この港湾関連用地ということで,現在計画がなされております。この港湾関連用地につきまして,従来の日本ですと,何々倉庫株式会社とか,何々商社とか,運輸業者等が個別的に土地を取得して,そして独占排他的に使うという例が間々あるといいますか,多いと思うんですけれども,常陸那珂港につきましては,むしろ貸し付けとかあるいは賃貸とか,個別企業にどんどん皆分譲してしまって,県のコントロールできる土地がない,こういうふうにならないように,関連用地,見方によってはたくさんあるし,見方によってはそんなにないかもしれませんけれども,これは考えていただければというのが一つの要望でございます。  地元なども,茨城県は36万トン以上水産物を加工で使っているわけですが,中心的に那珂湊水産加工組合も,水産物流通の基地がここにできないかということで,2ヵ年にわたって鋭意検討をしておるわけでございます。  今後,このスケジュールでございます。いつごろ募集的なもの,あるいは,ただいま申しました分譲なり,あるいは利用形態についてなされていくのか。現在,倉庫や運輸業が張りつくんだろうということで,皆考えている程度ですけれども,それがどんなふうになっていくか,その時期的なものを含めて,イメージを明らかにしていただきたいと思います。 105 ◯山名土木部長 港湾関連用地の利用についてでございます。  まず,原則的なところをお話し申し上げたいと思いますが,常陸那珂港の港湾関連用地の利用につきましては,何点かの条件を設定して今後取り組んでいきたいというふうに考えております。  まず,そのうちの1つは,港湾振興という面から,輸出入貨物を常陸那珂港で取り扱う計画があること,2つ目といたしましては,常陸那珂港におきまして外貿コンテナ定期航路の開設を促進できること,3点目には,365日,24時間,こういったサービス体制など,県の港湾運営の方針に協力できること,こういった条件を満たす荷主企業とか流通事業者の方々,こういった方々に港湾関連用地に立地していただきたいというふうに考えておるところでございます。  当面,第1段階といたしましては,北埠頭の供用開始に合わせまして,北埠頭に隣接いたします2ヵ所,合計約33ヘクタールの港湾関連用地が対象となります。これらの用地に関する募集や契約までのスケジュールでございますが,現在の北埠頭や港湾関連用地の整備状況を考えますと,平成9年度に募集を開始いたしまして,翌平成10年度から契約ができればというふうに考えておるところでございます。  なお,ただいま委員が御指摘されてましたように、土地の利用方法につきましては,種々工夫を凝らす必要があろうかというふうに考えております。現在,他の港湾の事例等も収集しながら,分譲にするか,また貸し付けにするか,その場合の条件,さらには対象者の選定条件,募集方法,こういったものにつきまして,現在検討を進めているところでございます。 106 ◯磯崎委員 ただいま立地企業について,港湾振興の観点から条件を設定したいというお話がございましたけれども,常陸那珂港を日本が昨年,輸出と輸入のバランスが戦後初めて変わったということで,荷物をこちらから持っていくものが何があるかというのが大事になってくると思うわけでございます。そういう点で,茨城県としても,既に地元のひたちなか市では,産業振興の協議会といったものをつくってあるわけですが,いわゆる輸出型の産業を育成する,そして,常陸那珂港を利用して外へ運ぶ,持ってくるものはあるわけですが,こちらから持っていくものが不足しているのが現状だし,今後もその予想がありますので,そういった点で,今の港湾振興というジャンルは結構なんですが,輸出に寄与するような産業に関連する,あるいはそれが見込める新規企業,そういったものに対しても,ここに張りつくような方策を一つ加えていただけるかどうか,御答弁をお願いしたいと思います。 107 ◯山名土木部長 ただいま委員御指摘のように,日本の全体の輸出,輸入貨物のシェアが逆転をしておりまして,輸入貨物の方が多くなる,そういった点で,特にコンテナの場合には,輸出,輸入がちょうどバランスをしていれば,船会社としては一番いいということで,私ども,ポートセールスをやっている中でも,輸出貨物の確保というのが一つのポイントというふうになっております。  日本全体といたしまして,産業の空洞化等もございまして,輸出貨物が減っている状況でございますが,何とか輸出貨物をできるだけ確保したいということもございまして,北関東3県,さらには埼玉県等でポートセールスをやっておりますが,その中で,輸入貨物はもちろんでございますが,輸出貨物につきましても,こういった地域にございます企業にぜひ常陸那珂港を使っていただくように,情報提供をしておるところでございます。  また,先般,埼玉で行いましたポートセールスに当たりましては,茨城県には常陸那珂港と,さらには相当の工業団地がございますので,御希望の企業については,ぜひ企業自体が茨城県に出ていただきまして港湾を使っていただくということも,お願いをしてきたところでございます。  今後,この港湾関連用地に立地する企業につきましても,私ども輸出貨物の確保というのが一つの大きな課題でございますので,そういった輸出貨物を扱う企業につきましては,やはり優先的に考えていきたいというふうに考えておるところでございます。 108 ◯磯崎委員 土木部長,ありがとうございました。  次に移らせていただきたいと思います。  企画部長に御所見をお伺いしたいんですが,ただいまの話にもありましたように,常陸那珂港,昭和56年に国有財産審議会で,土地利用その他についての答申がありまして,それで今日に至っておるわけでございます。港湾のことにつきましては,58年,2年おくれかと思いますけれども,新規の港湾開発計画というものが策定をされたと思います。その後,私の知っている限りでは,4回ぐらい,港湾の内容につきまして改定作業あるいはそれに準ずるものが行われたと思っております。  まず,平成3年に,社会経済情勢に応じて,第四埠頭の危険物取り扱い施設を,増大する輸入貨物に対応するように,多目的外貿ターミナル施設などを導入するというようなことで,計画の一部変更をしておるわけでございます。  そして,平成7年6月には,運輸省で新たな長期港湾政策ということで,大交流時代を支える港湾という計画が策定されて,その中で,常陸那珂港は中核国際港湾の一つということに位置づけられたわけでございます。  3つ目には,阪神大震災によって破壊された神戸港,その教訓にのっとって,港湾の耐震対策の強化というものがございます。  4つ目には,本年3月,外貿コンテナ輸送のさらなる進展,そして,今日の海上輸送の革新といったものに対処するために,埠頭を初めとして外貿物流機能の強化のための計画の改定がなされたということでございます。  ちなみに,埠頭の名称まで変えているわけでございます。第一埠頭が南埠頭といって,第二,第三埠頭を一体化して中央埠頭,第四埠頭を北埠頭,こういうふうに名称も変えました。そして,内貿ユニットロード輸送に対応するため,水深10メートル,4バースを新たに計画するということで,10メートル水深の4バースを新規計画,設定,建設ということにしたわけです。  こういったふうに,さらに地震対策で強化を図ったわけですが,南埠頭につきましても,常陸海浜公園や阿字ケ浦海岸というものとの対応で,リゾートとの関係で,調和のとれた,人々の憩いの場所として,人と港,人と埠頭と船と自然と海と空と,そういった調和のとれたものにつくり上げていこうというふうに,そういうにぎわいのある楽しめる港づくりというもので設定をする,旅客船も使用可能にしていこう,泊まれるようにしよう,こういうことで,あそこから世界一周の旅客船が発着するかもしれないというようなことでございます。  しかしながら,ここで,海の方はこういうふうに何回も,地震があれば地震に対応して,社会情勢の変化によってどんどん改定をしておるわけですけれども,内陸部の方は,昭和56年の国有財産審議会の答申からほとんど一歩も出てないのではないか,わずかな修正,去年の商業・業務地区に商業を入れたというくらいで,ほとんどそのまま,百年一日のごとくと言うと全くオーバーですけれども,不磨の大典といいますか,神聖にして侵すべからざるものというような,はれものにさわるような取り扱いなのかなというようなことで,社会経済は,私,いろいろなところで言っているんですが,歴史が音を立てて崩れている,そういう表現もできるような,そんな時代になっておるわけです。そういう中にありまして,那珂港の港そのものの長期的展望に立った,そういう変更がなされておるのに,その内陸部の方は一向に見直しがなされない,見直ししようとしているのかしないのかわからない,こういう感じがするわけでございます。この点につきまして,まず企画部長から御所見をお伺い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。 109 ◯根本企画部長 ひたちなか地区開発の土地利用計画の見直しについてお答えしたいと思います。  ひたちなか地区の土地利用計画につきましては,委員御指摘のとおり,昭和56年に国有財産中央審議会から答申されました水戸対地射爆撃場返還国有地の処理の大綱について,いわゆる処理大綱でございますが,この処理大綱によりまして,国営公園用地,流通港湾関連用地,公共公益施設等用地,及び当分の間,土地利用の用途の決定を留保する留保地などの場所,形状,面積について,基本的な土地利用計画が定められたところであります。  その後,昭和60年に,県及び地元の市町村におきまして,この処理大綱による土地利用計画を基本にしまして,ひたちなか地区における都市づくり構想として,国際港湾公園都市構想を策定をし,この中で,留保地につきましては,研究開発生産ゾーン,流通業務ゾーンなど4つのゾーンから成る土地利用構想を定めております。  この留保地の具体的な整備手法といたしまして,土地区画整理事業と工業団地造成事業の実施につきまして,昭和63年に国有財産関東地方審議会の了承を得まして,平成元年度からこれらの事業を進めているところであります。  このうち土地区画整理事業地については,複合的に都市機能を導入することによりまして,にぎわいのある市街地を形成するために,平成5年には昭和60年に定めた土地利用計画をさらに具体化し,センター地区,商業・文化地区,居住地区など,8つのゾーンから成る土地利用計画を策定し,さらに平成7年には,業務地区を商業・業務地区とする一部変更を行うなど,昭和56年の国有財産中央審議会で,土地利用の大枠が決められて以来,地元市村とも調整を図りながら,今日まで段階的に土地利用計画を定めてまいったところでございます。  このように,現在の土地利用計画の大枠が国有財産中央審議会の答申に基づいたものであること,また,留保地の土地利用につきましても,時代の要請を反映して策定され,現在各種の事業が進められていることなどから,ひたちなか地区全体にわたる抜本的な土地利用計画の見直しにつきましては,今の段階におきましては難しいものと,このように考えております。  しかしながら,都市づくりに当たっては,委員御指摘のとおり,社会経済状況や県民の価値観など,時代の要請にこたえますとともに,都市の熟度に応じて見直すべきものが生じてくることは当然でございます。したがいまして,今後このような観点から,必要があれば的確な見直しをしていくべきである,このように考えております。 110 ◯磯崎委員 見直しに関してなんですが,今,部長の方から,まちづくりに関する部分等るる御説明いただきましたけれども,常陸那珂港がありまして,その間に横たわっている常陸海浜公園,350ヘクタール,そしてまちづくりの地区というふうに3分割されておるわけです。したがいまして,一言で言いますと,総合的に,一体的に,連関をもって全体を開発するというような形になっていないというように思うわけですけれども,この点については後ほどということで,とりあえず350ヘクタールの海浜公園が,現在70数ヘクタールしか使われていない,これからどのくらい使う予定なのか,したがって,未利用地として残るのは,350ヘクタールから利用地を引けばいいわけですが,これからどのように海浜公園を考えていかれるか,部長の御所見を賜りたいと思います。 111 ◯根本企画部長 全体350ヘクタール,70ヘクタールがオープンしまして,その後も公園の整備が進められて,88ヘクタール程度開園されている,こういうふうに承知しております。それから先の公園整備につきましては,建設省の方で鋭意進める,こういうふうに伺っておりまして,何年度までにどの辺の面積をということにつきましては,私どもも詳細には,今のところ承知をしておりません。 112 ◯磯崎委員 今後鋭意進めるということで,何年度にどうするかは承知されていないということは,このままずっといくかもしれないし,あるいはそうでないかもしれない,未定という考え方でよろしいでしょうか。 113 ◯根本企画部長 処理大綱によりますと,ここのところは国営海浜公園用地として整備を図る,こういうことで位置づけられておるわけでありますので,この用地につきましては,具体的なスケジュールについては詳細に承知しておりませんが,公園が整備されていくものと,そのように承知をいたしております。 114 ◯磯崎委員 現在,勝田の駅から昭和通りというのが一本線が伸びております。これを真っすぐ行きますと,両ウイングがある海浜公園の入り口に差しかかるわけです。そして,港へ行こうと思った場合は,そこは入れなくて,右折して,大きく迂回を余儀なくされるといいますか,回らないと港へ行けないという形でございます。つまり,内陸部の既成市街地の人たちにとっては,港に行くのには,ほとんど1本の北関東横断道路しかないような状態になるわけでございます。大型貨物自動車と申しますか,大型トラックが,港湾ができた暁には出入りすると思うんですけれども,運輸省の港湾局が8月27日につくった資料,講演会で運輸省の高官が使われている資料によりますと,1万6,000台余りのトラックが来るだろうという予測が入っております。常磐道は,午前中,山口委員の方から,17万8,000台くらい通過交通があるという話がありましたけれども,そのうち大型貨物車というのが1万7,951台,そのうちで常陸那珂港を目指して来るのは430台ぐらい,2.4%ぐらいだろう,東北道では658台,関越道で536 台,1日合わせますと1,624台ぐらい来るということになっております。車間距離が合わせて何メートルぐらいになるかはわかりませんけれども,例えば港湾の中で火災が発生したとか,あるいは何か不測の事態が起きたとかいうことで,港湾に向けて入ってくるトラックが入れないように一時遮断される場合に,数珠つなぎになるおそれがあるわけですね。数珠つなぎの1台の車間距離を15メートルと計算して,1,624台とすると,24キロ以上渋滞が数珠つなぎになるという計算になりまして,友部のインターチェンジを越してしまうだろう,東京から常磐道で那珂港へ行こうと思ったら,大型貨物車が数珠つなぎになっていて入れない,何だと思ったら,港で一朝事があったということで,数珠つなぎになっちゃう,そういう不測の事態もあるわけです。その道路がわき道も側道もバイパスも何もないわけです。だから,都市計画上の導線計画はどうなっているのかなと思うわけですけれども,その1本だけに頼っていると,そういうときに,一般民生用といいますか,一般の我々の通行が不能になってしまうというようなおそれが出てくるわけです。  そんなことで,先ほどの一体的なまちづくりをしなければならない,そういったことも考えると,公園の用地をどのようにするか,何らかの工夫が必要じゃないかというふうに考えるわけなんですが,企画部長の御所見をお伺いいたします。 115 ◯根本企画部長 国営常陸海浜公園の見直しをしてはどうか,こういう御意見かと思いますが,これにつきましては,いわゆる処理大綱の答申以前から,跡地利用に対する地元の要望といたしまして,阿字ケ浦海水浴場からつながる良好な海岸線並びに東海村につながる丘陵地の良好な松林が存在する跡地の自然条件,これを十分に生かしまして公園とするとの基本的な考え方のもとで国に働きかけを行ってきた,こういう経緯がございます。その結果として,処理大綱の中で現在の形に位置づけられたものであります。  したがいまして,このような経過を踏まえますと,現在の国営常陸海浜公園にかかる土地利用計画を,委員御指摘のように,一部港湾関連用地なり,あるいは市街地として見直すということになりますと,その必要性につきまして明確な根拠が必要になってまいります。また,公園法におきましても,みだりに都市公園の区域の全部または一部について都市公園を廃止してはならないとされているほか,国有財産法による国会での議決が必要である,こういうことなど,手続上クリアしなければならない課題も大変多くありまして,現在の計画を見直すことにつきましては,現段階におきましては,先ほどもお答えいたしましたが,非常に困難ではないかと,このように考えております。 116 ◯磯崎委員 今度は非常に困難ではないかということになってきたわけですが,その根拠は,国有財産審議会というものがあり,国会での議決も必要だしということかと思います。それにつけても,海の方は伸縮自在に,社会経済の情勢に応じて見事に変革をして,計画の変更だけじゃなくトンカチの変更をきちっとやっておるわけですけれども,陸の方は,その審議会の答申というのがでんと座って,手も足も出ないというような感じがするわけですけれども,時あたかも,国の方の政治も,省庁を半減するとかいろいろな中央官庁の再編,それに準じて,国有財産審議会,そういった審議会のあり方やその他にも,これから影響は何かとかにかと出てくると思います。県庁組織などについても,国の省庁が大幅に変わった場合には,また何らかの影響があるかもしれない。  そういう中で,最後に要望ということになるんですが,初めのお答えをいただいた,見直しは絶えずしていかなくちゃならないという精神を堅持していただいて,ぜひ進めていただきたいと思うんです。港湾の場合は海ですから,海の上であれやこれや言ったら,失敗すれば死んじゃうわけですから,あれやこれや言っていられないけれども,陸にいれば,そんなに生きたり死んだりはないわけで,だから安心して一たん決めたやつはそっとしておこうと思っているのかなというふうに,皮肉に考えてしまうくらいなわけでございます。  どうか県当局におかれまして,国との連携の中で絶えずその機会をうかがっていただいて,これは茨城県のみならず北関東,あるいは人口的に全日本の人口の44%を対象にできる,そういう重要な拠点港でございますので,ぜひともその点の考え方を,今後ともよろしくお願いしたいということを再度要望させていただきまして,終わりにいたします。  ありがとうございました。 117 ◯本澤委員長 暫時休憩いたします。  なお,再開時刻は午後3時ちょうどを予定しております。                 午後2時36分休憩      ────────────────────────────────                 午後3時2分開議 118 ◯本澤委員長 休憩前に引き続き委員会を再開し,質疑を続行いたします。  中田委員。 119 ◯中田委員 中田でございます。  通告に従い,質問をさせていただきます。  まず,衛生部長に質問をいたします。  保健所再編後の対応についてお尋ねします。  保健所再編は,行財政改革の一環として推進していかなければならない大切な問題であると思いますが,私も総論的には賛成しておるんですが,笠間西茨城郡に住む者としては,笠間保健所が廃止になってしまうということは,大変残念な気持ちでございます。特に岩瀬町は,下館保健所福祉圏の方に編入され,ほかは水戸保健所福祉圏に分割されてしまう。私が住む西茨城郡というのは,どちらかというと県政の谷間にございまして,広域圏あるいは医療圏,私の選挙圏などが分断されてしまう,そういう地域にございまして,それがなぜなくなってしまうのかということで,住民感情としては大変割り切れない点がございます。  そこで,まず衛生部長にお尋ねしますが,許認可あるいは検査等のサービス業務について,今まで以上に充実を図っていくのか,説明を願いたいと思います。 120 ◯本澤委員長 中田委員の質疑に対する答弁を求めます。  石川衛生部長。 121 ◯石川衛生部長 保健所の再編後の住民サービスは確保できるのかという御質問でございますが,まず,統廃合によりまして,住民の利便性の確保をやはり第一番に考える必要があるかと存じます。そのために,住民にかかわりの深い業務,例えば,食品の営業許可の申請とか,精神とかエイズ,難病などの相談業務というものは,仮称でございますが,保健サービスセンターというようなものを設けまして,サービスの低下につながらないように努めてまいりたいと存じます。  では,ぜひ食品営業許可のみということでございますが,例えば,笠間保健所の昨年の例で申し上げますと,精神とかあるいは難病,食品等々の相談,申請受け付けは,件数といたしましては,トータルとしまして3,000件ぐらいあるわけでございますが,それに比べまして,理容,美容,クリーニングなどの許可,更新等の件数は20数件ということでございますので,この理美容に関しましては,統合される保健所内の方に持っていきまして,前に申し上げました食品などの事務手続は,保健サービスセンターというようなものに残して,利便性の確保を図っていきたいというように考えております。  では,保健サービスセンターはどういうものかということでございますが,これから地元市町村あるいは関係団体の方々と御相談をしながら,例えば,相談日を週1日にするのか2日にするのかとか,あるいは曜日,職員の数,精神,デイケアのようなものをやるかやらないか,常陸太田保健所についてはデイケアをやっておるものですから,そういったものを残すか残さないか,あるいは場所を従前の保健所に置くのか,あるいはもっと別なところに置くのかというようなもろもろのことにつきまして,今後,我々といたしましては,住民への周知を図る上からも,9年度中ぐらいには決める必要があるんじゃないか,このように考えております。 122 ◯中田委員 大体わかりました。しかし,衛生部長も考えておられると思うんですが,医師会とか各種団体が地域の衛生,医療の発展のために,行政と住民のパイプ役として活動してきた歴史があるわけでございますが,これらの団体はどのようにしていこうと行政として考えているのか,お聞かせを願いたいと思います。 123 ◯石川衛生部長 各種団体の方々に対しましては,今回の保健所再編に際しまして,いわゆる地域保健法が成立した段階で,この地域保健法なるものの概要について御説明をしてまいりました。それから,この再編整備計画書をつくるに当たりまして,地域保健活性化懇話会というのを設けたわけでございます。民間の方々でございますが,そのメンバーの方々の中に,医師会とか獣医師会あるいは社協,薬剤師会,看護協会,食生活改善協議会等々の方々にお入りいただきまして,御議論をしていただいたということがございました。その活性化懇話会の意見を参酌しながら,今回の整備計画をまとめたということがございます。そして,整備計画の原案ができた段階で,再びこれらの関係団体,医師会とか食品協会,病院協会,環境衛生指導センター,あるいは市町村長さん方等々に御理解を得るべく,御説明に上がったわけでございます。  その結果といたしましては,やはり現在あるものをなくすということに関しましては,基本的には賛成しかねるということですが,法律事項であればやむを得ない,ついては,保健所の統合によって住民サービスの確保をしっかりしてくれ,あるいは過疎地域の医療の確保もやってほしい,それから,統合される保健所の跡地あるいは建物,そういったものの有効活用を図ってほしい,それに,これは特に太田の保健所の方で出た問題でございますが,先ほど委員がおっしゃったように,医療圏と保健所の管内が違うというのもあるわけでございますが,その医療圏の見直しをしてほしい,御意見が出されておりますので,こういう御意見を,これから,先ほど申し上げましたような機関の中で決めていきたいというふうに考えております。 124 ◯中田委員 今,いみじくも衛生部長の方から,行政の方が決めたんだから仕方がないというような住民感情が強くあるということを,ひとつ頭の中に強くたたき込んで,サービス,そういうものが低下しないように,また,知事にお願いをしておきたいんですが,西茨城郡というのは,先ほども言ったように,いろいろなものが分断されてしまう地域でございまして,ひがみ根性もございますので,どうぞその辺を十分考慮して,行政圏の設定などをお願い申し上げて,衛生部長に対する質問を終わらせていただきます。  続きまして,農林水産部長に質問をさせていただきます。  現在,我が国は,経済大国の恩恵を受けて,食糧はお金を出せば幾らでも購入できる状況でありますが,世界の多くの国では,貧困と食糧不足に悩まされております。テレビ等でも,毎日毎日餓死者が出ているのが現況でございます。  その中で,昨年あたりから,アメリカ穀物市場が,気候,土壌流失等の環境の変化で不作になっております。そして,アジア圏,特に中国が穀物の輸出国から輸入国に転じてしまいまして,穀物生産はアメリカの天候次第で大きく変わるようになっているのが現況でございまして,穀物価格が高騰しております。  我が国においても多大なる影響が出ております。我が県は主要畜産県でございまして,その中で配合飼料の消費量はどのくらいあるのか,また,食糧価格の高騰が畜産農家に与える影響はどのようになっているのか,お聞かせ願いたいと思います。 125 ◯川俣農林水産部長 本県におきます配合飼料の消費量,それから,飼料価格の高騰が畜産農家に与える影響についてお答えいたします。  まず,本県におきます配合飼料の消費量でございますけれども,本県は全国第5位の畜産県でございまして,約1,000億円の粗生産額を上げております。そこで,配合飼料の年間消費量でございますけれども,おおむね110万トンでございまして,全国の消費量の4.6%を占めております。  また,内容的に,畜種別に御説明申し上げますと,養鶏が46万トン,養豚が44万トン,肉用牛が10万トン,乳用牛が9万トンでございます。  次に,飼料価格の高騰が畜産農家に与える影響についてでございますけれども,我が国の配合飼料の原料のほとんどが輸入に依存しておりますので,配合飼料価格は,世界の穀物相場や為替の変動,あるいは船賃などにより,大きく影響されるものでございます。  最近の配合飼料価格の動向を見ますと,平成7年,昨年の10月以降でございますけれども,配合飼料の主原料でありますトウモロコシ価格の高騰,あるいは円安の進行により,現在まで,トン当たり約1万1,000円,率にしまして34.8%の大幅な値上げとなっておりまして,特に養豚とか養鶏は生産費に占める配合飼料費の割合が高いということで,大きな影響を受けておる状況にございます。  しかし,急激な値上げに対しましては,配合飼料価格安定基金というのがございまして,そこから補てん金が交付される制度がございます。たび重なる値上げによりまして,制度上全額補てんの対象にならなくなってきた状況にございまして,農家の実質負担額は,本年1月から9月の間で,本県の中核的な畜産農家1戸当たりの飼料消費量から推定いたしますと,養鶏が250万円,養豚で120万円,肉用牛が103万円,乳用牛で17万円の負担増と想定されるところでございます。 126 ◯中田委員 これほど農家の負担額が多いという。ことし下館の方で自然災害が起こりまして,今定例会で補正を組みまして,そちらの方に手厚く補助金を交付している。そういうことを考えますと,こういう世界的な気候の変動というのも災害に当たるのじゃないかというふうに私は思うのでありますが,価格の値上げに対してどのような対策をとっているのか,また,県として,穀物市場がどのように推移し,価格動向はどのようになると予測しているのか,お聞かせをいただければありがたいんですが……。 127 ◯川俣農林水産部長 まず,配合飼料価格の高騰対策といたしましては,先ほど御説明申し上げましたとおり,配合飼料価格安定基金制度がございまして,価格の高騰時には補てん金が支払われております。  昨年10月から4期連続で,トン当たり合計約1万1,000円の値上げが行われておりますけれども,このうち約6,800円が補てんされておりまして,農家の実質負担はおおむね4,200円に軽減されております。本年6月までに,この制度により,本県では32億6,300万円,全国では1,100億円の補てんが行われております。  しかしながら,予想外の価格高騰が続いたため,全農系とか専門農協系あるいは商系の各価格安定基金の行う通常補てん,それから,国が助成します配合飼料供給安定機構が行っておる異常補てんというのがございますけれども,その両方とも財源が枯渇する状況が出てまいりました。  このため,県といたしましては,国に補てん財源に対する助成の拡大について要請を行ってまいりましたが,国も今回の事態を重視いたしまして,本年度1億円でありました助成額を,過日発表されました来年度の概算要求では,40億円が盛り込まれているところでございます。  次に,今後の価格動向がどうかということでございますけれども,御承知のとおり,シカゴのトウモロコシ穀物相場は,一時史上最高値の1ブッシェル,約25キログラムでございますけれども,それが5ドル以上でも取引があったわけでございますが,ことしのアメリカのトウモロコシの生産は,新農業法の施行により作付け制限が撤廃されたため,作付け面積が増大したわけでございますし,また,天候にも左右されるわけでございますけれども,産地の天候もおおむね順調に推移しておりますので,今後も天候が順調であれば,3ドル程度で推移していくのではないかというふうに見込まれておるところでございます。  したがいまして,価格相場の変動にもよりますけれども,国内における配合飼料価格は,昨年の9月段階のような安い価格は望めないとしても,落ちつきを取り戻すのではないかといわれているところでございます。 128 ◯中田委員 本当はもっと質問をしたいんですが,大変質問内容が多いものですから,最後に要望させていただきます。  穀物は,日本の場合に大半を輸入に頼っておるわけでございまして,これからどういう災害が発生するかわからない,そういう中で,茨城県としては,畜産日本一,農業日本一を目指すわけでございますので,そういう場合に,ある程度いろいろな動向を見ながら,予算の編成についてもひとつ弾力的に運用できるような方策を考えていっていただければ幸いかと思います。よろしくお願いします。  続きまして,松くい虫の被害について,お伺いをしたいと思います。  現在,日本の松の名所である宮城県の松島を初め多くの地域で,松林がなくなってしまうというような状態が続いております。日本では昭和50年代から急激に松くい虫が拡大をしておるわけでございますが,特に最近,また松枯れが目立つような感じがしてならないのでございます。その原因を農林水産部長にお尋ねいたします。 129 ◯川俣農林水産部長 松くい虫の現況でございますけれども,一時期,昭和53年には最高で3万8,000ヘクタールで,容積で,材積と言っておりますけれども,それにいたしますと,74万立米という被害があったわけでございますが,ここ最近は落ちついてきております。最近ですと,平成5年度に,冷夏でマツノマダラカミキリの活動が不活発だということで松くい虫の被害が減って,過去最低の被害量で4,200立米ということになったわけでございますけれども,それ以外の近年ですと,大体5,600から5,700立米ということで,横ばいの状況が続いております。  しかしながら,一部地域的に偏った現象が出てきておりまして,例えば海岸部とか山間部などに集中して発生している状況にあるわけでございます。 130 ◯中田委員 県の方では,松くい虫にどういう対策を立てているのか,特に裏筑波地域は甚だしいんですが,筑波,加波山一体というのは国定公園になっておるわけでございまして,そういうところは,住民がゆっくりのんびり公園の中を散策できる。それが真っ赤に赤茶けているような状態では大変困る。それに対してどういうふうに県の方では対策を立てているのか,お聞かせをいただきたいと思います。 131 ◯川俣農林水産部長 裏筑波地域の状況につきましては,写真等で私も承知しておりまして,かなりひどいなという感じがしております。  そこで,どういう対策をとっておるかということでございますけれども,裏筑波につきましては,その大部分が水郷筑波国定公園の第三種特別地域内に位置しているということで,景観保持の観点からも重要な地域と認識しておりまして,空中散布を中心とした防除を続けてまいりましたけれども,一部地域住民の空中散布に対する反対とか,あるいは町当局からの中止要望等もございまして,最近の空中散布の面積は年々減少してきております。平成8年度には460ヘクタール余にとどまっておるところでございます。  しかしながら,空中散布を補完するということで,しばらく中止しておりました抜倒駆除でございますが,それにつきまして,平成6年度から再開し,平成6,7年度と,それぞれ90立米を実施したところでございます。今年度も,今後の被害状況を見ながら実施してまいりたいと考えております。  また,今後,空中散布につきましては,先ほどお話ししたような反対や中止要望との絡みもあり,ふやすことは難しい状況にございますが,抜倒駆除につきましては,これからの被害状況,そういうものを見ながら,重点的に実施してまいりたいと考えております。 132 ◯中田委員 今,部長が言ったように,松くい虫の被害は大分甚大でございますので,どうぞ鋭意努力をしていただきたいと要望いたしまして,質問を終わります。  続きまして,土木部長にお伺いします。  私は現在,環境商工委員会の委員をしておりますが,環境全般が年々悪化し,特に水質の悪化は大分ひどい,これが私の実感でございます。本県の代表的湖沼であります霞ヶ浦及び涸沼については,近年,富栄養化の進行が顕著でございます。そういう中で,一番汚しているのが生活雑排水だというふうに私は思っております。その中で,霞ヶ浦及び涸沼の周辺の下水道整備はどういうふうな形で進めておるのか,お尋ねをいたします。 133 ◯山名土木部長 霞ヶ浦,涸沼周辺の下水道の整備でございますが,まず,霞ヶ浦の下水道整備につきましては,現況で申しますと,平成7年度末で下水道の普及率は42%となっておりまして,これは,第2期の湖沼水質保全計画に基づく目標値を達成したという形になっております。  現在,平成12年度を目標年度といたしました第3期の湖沼水質保全計画を策定中でございまして,引き続き計画的かつ効率的な下水道整備に努めてまいりたいと考えております。
     まず,その中で,公共下水道についてでございますが,霞ヶ浦流域のうち本県に位置する市町村が41市町村ございまして,そのうち29の市町村で公共下水道事業や特定環境保全公共下水道,こういったものに着手をしておるところでございます。  現在,未着手になっている町村につきましても,第8次下水道整備五箇年計画の最終年度でございます平成12年度までには,それぞれ事業に着手できるよう指導してまいりたいと考えております。  また,県が行います流域下水道事業につきましては,これまで霞ヶ浦湖北流域下水道を初めとする3事業につきまして,鋭意整備を進めてきたところでございます。  さらに,今年度から,岩瀬町など7市町村を計画区域とする小貝川東部流域下水道事業が国の事業の新規採択を受けております。今後は,霞ヶ浦の水質浄化に向けまして,これら4事業をより一層積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に,涸沼周辺の下水道整備でございますが,涸沼流域9市町村ございまして,このうち7市町で既に公共下水道事業に着手をしておるところでございます。しかしながら,残念ながら,平成7年度末の涸沼流域の下水道普及率は10%に満たない状況でございます。県全体の普及率が36%でございますので,大きく下回っておるところでございます。  現在,涸沼流域につきましては,涸沼水質保全対策調査検討委員会等によりまして,涸沼の水質保全計画の策定に向けて検討が行われておりますので,今後は,この結果を踏まえまして,具体的な対策を講じてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても,市町村が進めます公共下水道は,湖沼等の公共水域の水質保全対策といたしましても大きな役割を担っておりますので,県といたしましては,今年度からスタートいたしました市町村下水道整備支援事業によりまして,積極的に市町村の支援をしてまいりたいと考えております。  また,生活排水処理対策事業のマスタープランでございます生活排水ベストプランに基づきまして,農業集落排水事業など他の生活排水対策とも連携を図りながら,効率的に公共下水道の整備が図られるよう指導してまいりたいと考えております。 134 ◯中田委員 今,土木部長の方から,涸沼流域は10%というふうに大変ひどい,その中で,私が住む岩瀬町は,桜川を通じて霞ヶ浦へ,また,涸沼川を通じて友部,岩間の水は涸沼へ流れていくわけでございますが,現在,岩瀬町,岩間町,友部町の下水道の整備状況はどういうふうになっているのか,お聞かせをいただきたいと思います。 135 ◯山名土木部長 順番が逆になりますが,まず,涸沼流域に位置してございます友部町におきましては,昭和56年度から公共下水道事業に着手しておりまして,その後,笠間市と共同で事業を進めるということで,平成2年度に友部・笠間広域下水道組合を設立いたしまして,下水道の整備を進めているところでございます。平成3年度末にその一部が供用開始されておりまして,平成7年度末の普及率は約19%というふうになっております。  今後につきましては,処理施設を増強するとともに,管渠の整備を推進いたしまして,下水道の普及促進を図っていくこととなっております。  次に,同じく涸沼流域に位置します岩間町でございますが,昨年度から公共下水道事業に着手いたしまして,処理場の用地を確保した段階でございます。今年度から本格的に幹線管渠の整備に着手をいたします。  今後は,平成13年度末の一部供用開始に向けまして,管渠及び処理場の整備を鋭意進めていくこととなっております。  最後に,霞ヶ浦流域に位置します岩瀬町につきましては,先ほど御答弁申し上げましたように,県が事業を行います小貝川東部流域下水道事業の計画区域に含まれております。今年度,国の新規採択となっておりまして,現在,早期事業着手に向けまして,都市計画決定等の法手続にかかる関係機関との調整を進めているところでございます。  当面の進め方といたしましては,地元推進協議会がございますが,この協議会と一体となりまして,処理場用地の確保に全力を投入していく必要があると考えております。  また,この流域下水道と関連いたします岩瀬町のいわゆる関連公共下水道につきましては,平成9年度の新規採択に向けまして,国に対して要望をしておるところでございます。  今後,県といたしましては,早期供用に向けまして,流域下水道を積極的に整備推進するとともに,岩瀬町に対しましては,公共下水道の計画的な整備促進が図られるよう,指導,支援をしてまいりたいと考えております。 136 ◯中田委員 部長の方からお聞きしましたように,本県の普及率は36%,しかし,本県の場合には,霞ヶ浦あるいは涸沼,大切な湖沼がございます。ここに長谷部部長がおいでになりますが,幾ら長谷部部長が青筋を立ててきれいにせい,きれいにせいと言っても,生活雑排水がきれいにならなければ絵にかいた餅に終わってしまうわけでございます。また,市町村の財政負担というものは大変なものがあるのは重々承知でございますが,やはり我々の手で環境を守っていくということが大切でございますので,一日も早い下水道の整備をお願い申し上げまして,本当はもっと質問したいんですが,時間の関係上,土木部長への質問はこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。  続きまして,教育長にお尋ねをいたします。  近年,少子化の進展により,教育についても大きな影響が出ております。例えば,本県の場合に,小学校が594校ありますけれども,この中で100人未満の学校が51校ございます。これから少子化時代でございますので,年々子供の数が減っていくということは事実でございます。そういう中で,公立学校の場合には,市町村が管轄しておりますので,なかなか県の方でも難しい問題はあろうかと思いますが,これから少子化の中でどういう方向づけをしていったらいいのか,小学生については,歩いて通学するというようなことがございまして,通学距離あるいはスクールバスを出してというようなことになりますと,交通事故等の心配がかなりあるわけでございますが,人間というものは,やはりある程度適正な生徒数がおって,そこで切磋琢磨し合っていくことによって自分の能力を十二分に発揮できる,そういうものじゃないかと私は思っております。  本県でも,そういう中で複式学級もございます。学年が違う者が同じ教室で教育を受けている。平等というのは,やはり同じような環境で子供たちに教育を受けさせるという大人の義務,責任があるんじゃないかというふうに,私は思っておるわけでございます。  そういうことで,児童生徒が年々減って,100人を割る小学校が年々ふえていくというようなことがあるとすれば,県としては,これから各市町村にどういうふうな指導方針を打ち出して指導していくのか,あるいは,統廃合について積極的に議論をしていくのか,その辺のところを教育長にお尋ねをいたします。 137 ◯齋藤教育長 小学校の統廃合にかかる指導方針についてのお尋ねでございます。委員おっしゃるとおりに,設置者の市町村が,このことに関しましては計画,実施するというものでありますけれども,学校の置かれている実情を考慮しまして,地域住民の理解を得て行うことが必要である,こう考えます。  このことにつきましては,最近では昭和48年9月に文部省の初等中等教育局長通達が出ております。その通達の中では,学校規模を重視する余り無理な学校統合を行い,地域住民との間に紛争を生じたり,通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならないこと,それから,小規模学校には,教職員と児童との人間的触れ合いや個別指導の面で,小規模校としての教育上の利点も考えられるので,引き続き小規模校として存続させ,学校の充実を図る方が望ましい場合もあることに留意するよう述べております。  県教育委員会といたしましても,小学校の統廃合については,文部省のこれらの指導を踏まえまして,通学距離や通学時間が児童の心身に与える影響,それから,児童の安全,学校の教育活動への影響などを十分検討し,無理のないよう配慮すること,それから,複式学級を含む小規模学校には,委員御指摘のように,児童がお互いに切磋琢磨することにつきましては限られた面もございますけれども,教職員との人間的触れ合いや個別指導に加えて,学年の異なる児童との交流等,小規模校としての教育上の利点なども考慮する必要があること,さらには,学校というものが持つ地域的意義というようなものも考えて,十分に地域住民の理解と協力を得ることが必要と考えております。  これらのことを考慮し,教育上支障の生ずることのないように,今後とも統廃合については指導してまいりたい,こう考えております。 138 ◯中田委員 教育長にもう一度お尋ねしたいんですが,文部省の方で出ている小規模校という定義,小規模校というのは大体何人ぐらいをさすわけでございますか。 139 ◯齋藤教育長 小規模校というものがどのくらいかということは,今,資料ございませんけれども,学校統廃合の統合する場合の適正規模については,12学級から18学級を標準とするというようになっております。 140 ◯中田委員 12学級というと,小学校6年生までおりますと,大体2クラスぐらいですよね。私は,適正な競争があるのは,少なくても1クラス20人ぐらいは必要じゃないかというふうに思っておるわけで,この質問をさせていただいておるわけなんですが,いろいろ文部省の方の制約もあろうかと思いますが,これから現実に少子化時代,これはどこへ行ってもかしこへ行っても,子供の数が少なくなっているのが現実でございますので,そういうものをにらんだ形の中で,ひとつ教育行政の中で統廃合という問題を真剣に議論していただくことをお願い申し上げまして,私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。      ──────────────────────────────── 141 ◯本澤委員長 次に,白田委員。 142 ◯白田委員 専門高校の今後の強化策について,教育長にお尋ねをいたします。  専門高校は,農業,工業,商業に代表される職業学科と,理数科,国際科に代表される専門学科,2つに分けられております。このうち職業に関する学科は42校に配置され,39の小学科から成っているようでございます。これら職業学科について,生徒の興味や進路等の多様化に対応するとともに,産業構造の変化や地域に根ざした学校となるために,地元企業の連携についても視野に入れなければならないわけであります。これらの点を踏まえた上,これら職業を学ぶ生徒には,常に社会の進展に即応できる高度な教育を受けることが必要不可欠であると考えるわけであります。  そこで,専門高校の職業学科について,時代に適応できるよう,それぞれの専門課程において学ぶ専門科目の見直しや教科の指導の工夫改善についてどのようなお考えをお持ちなのか,教育長にお尋ねをいたします。 143 ◯本澤委員長 白田委員の質疑に対する答弁を求めます。  齋藤教育長。 144 ◯齋藤教育長 専門高校におきます職業教育につきましては,生徒の興味,関心や進路希望等の多様化,さらには産業社会の変化に適切に対応した教育を展開することが大切であります。そのためには,委員の御質問にございましたように,専門科目の見直しや教科の指導の工夫,改善などを図ることが重要であると考えております。  そこで,まず,専門科目につきましては,学習指導要領に示されている科目に加えまして,社会のニーズに即しまして,各学校が独自に専門科目を設け,例えば農業科においては,実験動物とかペット,緑地環境,石材一般といった選択科目を設けるなどしまして,生徒の選択の幅を広げ,より一層生徒の希望に基づいた学習が進められるようにしているところでございます。  また,自由にテーマを設定して個人またはグループで研究を行います課題研究という科目を設定しまして,問題解決能力や創造性を育成するよう努めているところでございます。  次に,指導方法の工夫,改善につきましては,実験,実習などの面で社会人講師を活用するなどいたしまして,生徒に産業界の各分野で必要とされる知識,技術を習得させますとともに,民間の最新技術や情報等に触れる機会を多く設けているところでございます。  さらに,県では,指導方法研究開発事業というものを実施いたしまして,広く教員から指導方法に関する研究論文を募集し,その入選者の公開授業をビデオに収録しまして,活用,普及に努めております。  また,さわやか農業教育推進事業を実施しまして,農業科に学ぶ生徒が県内の先進的農家等で体験学習する機会を設けましたり,商業教育活性化推進事業を実施し,商業学科の教員を企業研修や,英語実務という科目の設置を進めるための研修に派遣するなどしまして,魅力ある商業教育の推進に努めているところでございます。  今後とも社会の変化に適切に対応できますよう,専門科目の見直しとか教科の指導の工夫,改善などに努めてまいりたいと考えております。 145 ◯白田委員 大体わかりました。  私の地元の真壁高校があるわけでございますけれども,非常に歴史が古い学校でありまして,平成6年度に環境緑地科という科ができまして,現在,生徒が入っているわけでございますけれども,その中で,その科に入っていれば,例えば造園土木の3級を取る資格が得られるとか,あるいは測量士補とか,そういう形で,今,教育長から説明ありましたけれども,民間から講師に来ていただいて,石材関係についても週何時間か教えている,そういうところであります。これはすぐに答えを出すのはちょっと難しいと思いますので,要望に変えますけれども,そういう中で,造園土木とか測量士補はそういうものがございまして,石材関係に対しましては,学校に3年間行っていても何々の資格を取る学科の免状とかそういうのはないので,そこの学校にいれば,例えば石材の技能3級を受けられるとか,そういうものが欲しいわけでありまして,それを得ることによって,環境緑地科を卒業すればいい会社に,あるいは自分の希望した会社にスムーズに入れる,そう私は思っているわけであります。  そういう中で,今,技能士の方は労働省の方ですか,そちらから1級を認定され,2級の場合は知事の方から認定されているのが現状でありますけれども,これから,3級制度あるいは知事独自の,3級とは違った,知事が茨城県だけで通用する,そういう認定制度を設けていただければ,今の環境緑地科にいる生徒がこれから先希望を持って学べる,そして,有利な方向で就職活動ができるんではないかと思うわけでありまして,ぜひその辺を御配慮願えればありがたいと思います。これを要望いたします。  続いて,専門高校,特に職業学科の施設と設備の充実についてお尋ねをいたします。  施設設備は,職業を学ぶという実践型の教育をしなければならない職業学科については,校外実習による技術の習得は欠くことのできない経験となり,体で覚えることにより,実施でも使えるものとなるわけであります。理論の勉強と両輪をなす校外実習の重要性については,これで十分というものは実際になかなかないわけでありまして,私の地元で,先ほども言いましたが,環境緑地科が配置されているわけでありますが,そういう課程の中で,実際に木をいじったり,あるいは測量士補の勉強をして,いろいろな形でそういうものを利用していく,あるいは石材関係の灯籠やそのほかの工芸品に対しましても造りまして,実際のところ,3年間かけて築山をつくるとか,そういう形で校舎の片隅に模型的に置くのではなくて,実際に築山をつくったり,そういうことを体験できるような施設と設備をつくっていただければ,より一層生徒たちのためになるのではないかと考えるわけでありますけれども,職業学科の専門高校における施設や設備の整備の考え方について,教育長にお尋ねをいたします。 146 ◯齋藤教育長 施設設備の整備についてでございますけれども,専門高校に対しましては,産業社会の進展に対応した最新の知識,技術を身につけ,我が国の産業社会を支える人材を養成することに関し,各界から大きな期待が寄せられております。また,近年では,伝統工芸に関する分野の人材を養成する役割を果たすことや,企業,工場等の現場での学習機会を拡充することなどが求められており,このような時代のニーズや生徒の興味,関心等に適切に対応した教育を展開するため,高等学校の職業学科の実験実習のための施設設備について改善充実を図ることは重要であると考えております。  そこで,施設につきましては,学科の新設とか改編に伴う施設の整備を行いますとともに,毎年3~4校の既設実習棟の改築を行い,高度技術化に対応しましたコンピューターや,それを活用した各種先端技術機器のほか,大型システムを取り入れました施設づくりを進めているところでございます。  例えば,平成6年度に学科改編で真壁高校に環境緑地科が設置されましたけれども,その折には,緑地環境あるいは石材加工の実習を行う実習棟2棟の整備を行いました。  また,設備につきましては,従来の整備に加えまして,平成3年度から7年度の5ヵ年計画で工業高等学校の設備のリフレッシュを行い,さらに,全職業学科を対象に,本年度から12年度にかけ,35億円を投入いたしまして産業教育設備近代化推進事業を実施し,老朽設備の更新を行いますとともに,先端技術機器の積極的な導入を図ってまいります。  今後とも魅力ある職業教育を実施できますよう,実験,実習に必要な施設設備の整備を図ってまいりたいと考えております。 147 ◯白田委員 ありがとうございます。特に真壁高校あるいは明野高校のように,電車もない,そして,交通の利便性も決していいとは言えない学校がたくさんあるわけでございます。私の地元の真壁郡を見ますと,今の中学生が900数十人,そして,小学1年生を見ますと600数十人と,これから9年先には生徒数が3分の2になってしまうわけであります。そういう中で,古い歴史を持った学校をどうにかして守っていくには,学校の充実,あるいは設備の面がしっかりしているとか,そういう特徴ある立派な学校にしていかなければならないわけでありますので,ぜひ対策の方をよろしくお願いしたいと思います。  続きまして,中学校における体験型環境教育についてお尋ねをいたします。  中学校における体験型教育について,昨年の10月23日から26日の4日間,知事を初め長谷部部長が先頭となりまして,第6回世界湖沼会議が開かれました。この会議では,霞ヶ浦についての浄化対策を含めた総合的な湖沼のあり方として,人と湖沼の調和──持続可能な湖沼と貯水池の利用を目指してということをテーマに開かれたものでありまして,この会議においては,県内の学校においても,中学生あるいは高校生,教師までが積極的に参画をし,さらに独自の調査結果を発表する生徒もあったわけであります。これらの経験は大変貴重なものであり,今後の本県の教育に対する効果ははかり知れないものがありますし,このような貴重な経験を単なる一過性のものとすることは,余りにも残念なことであると考えるところであります。  最近の環境問題は,大量生産,大量消費,そして大量廃棄型の経済社会システムの定着とともに,人々の日常生活による環境負荷の増大などにより,深刻な状態にあるところであります。人類生存の基盤である環境が損なわれることは,将来の世代に豊かな生活を継承することが不可能となることと思うわけでありまして,環境を守り,後世に継承することは,現在生きている私たちの義務でありますが,そのためには,私たちの身近な環境について状況をよく知ることから始める必要があると思います。特に子供のときからの学習が必要だと感じているわけであります。  そこで,学校教育における環境教育の重要性についてどのように認識をしているのか,教育長にお尋ねをするわけであります。 148 ◯齋藤教育長 近年,環境問題につきましては,世界各国共通の課題となっております。このような状況の中で,学校教育における環境教育の重要性にかんがみ,現行の学習指導要領では,環境教育にかかわる内容が充実されました。  本県におきましては,平成4年に有識者によります環境教育推進会議を開催しまして,環境教育の基本的な考え方や進め方について検討していただき,学校における環境教育の指導指針を策定いたしました。その中で,児童生徒,教員に対する具体的な方策を示し,学校における環境教育の充実を図ってきたところであります。  これからの時代を担う児童生徒に環境問題に対する関心を高めさせ,環境保全のために必要な知識や実践する態度を身につけさせるということから,学校におきます環境教育は極めて重要であると認識しております。 149 ◯白田委員 今の御答弁で大体わかりますけれども,私は,社会性を自主的に一番身につける時期が中学生だと思っております。学校教育において積極的に体験型の学習を実践する環境教育を進める方策が,教室内では身につかない予想以上の効果を生むことが多々あると感じるわけであります。  そこで,私の地元では,今,霞用水の有効利用について,いろいろな形で22市町村が共同で行っております。そういう中で,ぜひ中学生にも,例えば出島の取水口を見せて,新治村からトンネルを掘って真壁の方に筑紫湖というダムができております。そういうところをぜひ見せてあげていただいて,そして,その水が我々のところに来まして,工業用水になり,物をつくり,そして農家にわたり,いろいろな形で米や園芸作物をつくっている,そして飲料水となっている,そういうところをぜひ見せていただければありがたいと思っているわけです。地元の人でも,霞の水はどういうふうになっているのか,非常にわからない人がたくさんいるわけでありまして,一番環境問題を言っていきますと,これを見せれば水の大切さ,そして,その水が自分たちのところに帰ってきまして有効に利用されている,そして,きれいにしていかなくてはならない,そういうものを子供たちに,中学生あたりだと教えられるのではないかと思っております。出島の方の取水口でも,霞の方の事務所でそういうパンフレットも用意しておりますし,ぜひそういうことをこれから中学生に対してお願いをしたいと思います。  また,きょう農地局長もおりますけれども,局長の方でも恐らく十二分な対応をしていただいて,水に対する理解をしていただけることと思っておりますので,そういうことを踏まえて,これから子供たちにそういうものを見せてあげられれば幸いに思うところであります。中学生の体験学習をしていただきたいということを強くお願い申し上げまして,教育長に対する質問を終わりにしますが,また,ちょっと時間をいただきまして,関連で要望をしたいと思います。  先ほど山口委員から上海事務所について質問がありましたけれども,私の地元の方でも,先ほど環境緑地科の方で石材加工の講師をしたり,いろいろな形で子供にも教えている,そういう中でありますけれども,生活環境部長並びに商工労働部長にお願いをするわけであります。先ほどの説明で,県内の企業のために尽力していくということで,大変ありがたいことだと思っておりますけれども,今,私どもの方の真壁地区あるいは大和地区,そのほかにもいろいろな企業がありますけれども,現に中国にたくさん行っております。そして,そういう中で困っていること,苦情問題が非常に多いように思うわけでありまして,先ほどの職員の配置は,県から1人,そして現地で2人採用,そういうことでございますけれども,実際に向こうに行くと,私はてんてこ舞いするのではないかと,そのように思っているわけであります。特に治安の面,あるいは詐欺に遭ったとか,そういう困った面の苦情が私のところにもいろいろな形で聞こえております。例えば,契約したけれども実際のものが来ない,来ないから文句を言ったらば,手足を縛られて承諾させられたとか,あるいは,先ほども石川委員ともお話しをしていたんですけれども,いろいろな形で,向こうに仕事に行きまして,ほかの国の子供が十数人いなくなってしまった,日本の駐在員は恐ろしくなって子供を返したとか,そういう問題が非常に多く聞こえておりますので,苦情処理の方の問題もぜひよろしくお願いしたいと思います。  そういう中で,人員が今のままでは非常に足りないような気がします。人員も含めて,これから先御検討願えればありがたいと思います。  以上で終わります。      ──────────────────────────────── 150 ◯本澤委員長 次に,海野委員。 151 ◯海野委員 自由民主党の海野でございます。  通告に従いまして質問をしたいと思います。  母子家庭等社会的弱者の県営住宅への優先入居について,土木部長にお尋ねするものでございます。  実は,この問題,私自身,ここ6~7年前から,母子寮の母子家庭について福祉関係の方々といろいろやってきたわけでございますけれども,現実問題として,どうしてもこれは土木部のお手をおかりしないと,なかなか物事が前進しない,解決しないというような認識に立つものでございますので,土木部長にお尋ねするものでございます。  今日,衣食住は,マクロ的にはきっちり満ち足りているわけでございますけれども,反面,社会的弱者,障害者の方々や母子家庭の方々,特に住居の面で大変困っていることが現実にあるわけでございます。そういった中で,知事が今般策定した県計画の中で,だれもが健やかに暮らせる満ち足りた社会づくり,あるいはまた,安心して生活できる福祉の充実というようなことを理念に掲げた福祉の県土づくりを目指しているわけでございますけれども,特にその中での弱者に対する住居の確保について,土木部長の御認識と,そしてまた改善策についていろいろとお尋ねをしたい。つまり,母子家庭でございますけれども,県内で平成7年度末,2万2,117世帯あるわけでございまして,昭和53年と比較しますと,ちょうど倍になっているわけでございます。母子家庭では,母親が生計の中心になっておりまして,幼い子供の養育をしなければならない,あるいはまた,精神的にも経済的にも極めて不利な条件下にあるわけでございます。また,生活,住宅,教育,就職など,いろいろな問題を抱えておりますし,その母親が見るべき子供の心身にも好ましくない影響を与えているわけでございます。  このようなことから,県内には現在2ヵ所の母子寮,あるいは市立では4ヵ所ぐらいあるわけでございますけれども,そういう母子家庭の方々はそういったところに入るわけでございます。しかし,反面,母子寮というのは,みずから自立できるような技能を身につければ出なければいけない,生活ができるようになれば出なくちゃいけない,あるいは,子供が16歳になれば,その子供は退所しなければいけない,そういうような決まりがあるわけでございます。ところが,実際問題として,16歳の子供以外にも,小学校2~3年生,7~8歳の子供を抱えているというようなことが多々あるわけでございます。そういった方々の住まいの問題が一番大きな政治の問題にもなっているのじゃないかと思っているわけでございますので,その母子家庭の方々の住居問題についてお尋ねをするわけでございます。特に県営住宅にその方々を入居させることができないだろうかというのが今回の質問の要旨でございます。  まず第1番目の質問でございますけれども,県の県営住宅条例では,母子家庭の優先入居がどのように位置づけられているのか,お尋ねするものでございます。 152 ◯本澤委員長 海野委員の質疑に対する答弁を求めます。  山名土木部長。 153 ◯山名土木部長 県営住宅における母子家庭の入居についてでございますが,御承知のように,県営住宅への入居につきましては,原則として公募を行い,申し込みが募集住宅の戸数を超える場合においては抽選により入居者を決定するということになっております。しかし,特に母子家庭,引揚者,高齢者または身体障害者など社会的に特殊な条件下にある世帯の県営住宅への入居につきましては,県営住宅条例第7条第2項によりまして,優先的に選考して入居させることができるというふうに規定されておるところでございます。 154 ◯海野委員 優先的に入居できるとは規定されているわけでございましょうけれども,では,現在,どれぐらい母子家庭が県営アパートに入っているのか,その数と,全体戸数に占める割合がどれぐらいになっているのか,お尋ねしたいと思います。 155 ◯山名土木部長 現在,県営住宅の全体の入居世帯数は,約1万150戸でございます。このうち母子家庭につきましては,730戸の方が入居しておりまして,割合で申しますと,約7.2%ということでございます。 156 ◯海野委員 母子家庭で県営住宅に入居している方が730世帯で7.2%という数字だということですけれども,母子家庭は,先ほど言いましたように,県内2万2,117世帯であるわけであります。それを考えると,非常に少ないわけでございます。公営住宅は,なかなか自力で最低居住水準を確保することが困難な人たちのために,公的機関によって良好な住環境を備えた住宅の提供であると認識するわけでございます。また,土木部長も,母子家庭は優先入居できるようになっているんだと答えているわけでございますが,今の数字が示すように,非常に少ないわけでございます。何かスムーズに入居できるような条件といいますか,また,逆にできない理由といいますか,そういったものが仮にあるとするんならば,私は連帯保証人がどうしても必要なんだという,そこに集約されるんじゃないのかなと思うんですけれども,その辺につきましては,入居の条件でございますが,どういうことになっているのかお尋ねするものでございます。 157 ◯山名土木部長 県内の母子家庭の割合に比較いたしまして,母子家庭の県営住宅の世帯数が少ないということのようでございます。この理由でございますが,私ども考えますと,一般に母子家庭の方は第二種住宅に入っていただくということが多いようでございますが,この母子家庭の対応につきましては,地域福祉的な性格もございまして,原則的には地域に密着した市町村で第二種住宅を建設して対応するということで,指導をしてきたところでございます。  しかしながら,二種住宅につきましては,県営,市町村営とも,現時点では非常に入居希望者が多い,したがいまして,空き家の発生が極めて少ないということもございまして,一般入居者も含めましてなかなかスムーズに入居ができないという状況でございます。  また,もう1点,連帯保証人の関係でございますが,現在,県営住宅につきましては,入居に際しまして,2名の連帯保証人を必要としておるところでございます。このことにつきましては,特に公営住宅法上の規定はないんでございますが,公営住宅を管理している者といたしましては,家賃の滞納が発生した場合に,入居者に対して納入を指導していただくというようなことも必要であるというふうに判断しておりまして,県条例で規定したものでございます。  なお,現に3ヵ月以上の家賃を滞納した場合につきましては,連帯保証人に対して納入の指導を依頼しておりますし,中には,入居者にかわりまして連帯保証人に家賃を支払っていただいたというケースもございます。 158 ◯海野委員 例えば,離婚して母子家庭になった方々,これは,非常に身内に負い目があったり,あるいは身内と連絡をとらなかったり,逆にとれないような状況に追い込まれて,そういった施設に,例えば母子寮なら母子寮に駆け込んでくるというようなこともあるわけでございます。あるいはまた,母子家庭ばかりではなくて,障害者の方々なんかにも,社会的偏見というものもあるんじゃないかのかなと,そういったさまざまな理由で保証人を立てられない人が多々あるんじゃないのか,必ずしも連帯保証人がいたって,100%取れるとか,あるいは納入するという方ばかりいないんじゃないか,逆に,連帯保証人がいなくても,善意の気持ちがあれば,また家賃は払うんじゃないのかな,そう思うわけでございますし,特に社会的弱者に対して連帯保証人の例外規定を設けるような時代にももうなっているんじゃないのかな,そういう対応もまた必要な時期に来ているんじゃないかなと思うわけでございます。例えば,全国47都道府県あるわけでございますけれども,よその県なんかでは,そういった連帯保証人の制度がどうなっているのか,また,例外規定なんかもきっとあるんじゃないかと思うわけでございますけれども,どうなっているのかお尋ねしたいと思います。先ほど部長,国の規定,特別そういったものはないということでございますので,国の規定がないとするんならば,よその状況はどうなっているのかをお尋ねします。御答弁のほどお願いしたいと思います。 159 ◯山名土木部長 保証人制度についてでございますが,全国的に見ますと,やはりほとんどのところが連帯保証人制度を導入しておるという状況でございまして,この中で,連帯保証人の人数が2人のところと1人のところが──茨城県は2人をお願いしているわけです──ございまして,約6割の都道府県が連帯保証人2人という規定を設けておるところでございます。例外規定につきましては,約半分以上の都道府県で例外規定を設けておるところでございます。  また,関東近県の状況で申しますと,いずれも条例で1人ないし2人の連帯保証人の規定をしております。また,例外的な免除規定を設けている都県もございますが,実際に例外規定を適用して連帯保証人を免除したケースというのは極めて少ないというふうに聞いておるところでございます。  なお,国の方では,必ずしも連帯保証人が必要というふうにはしておらないところでございますが,現実に国が示しております公営住宅の管理に関するモデル条例というのがございまして,この中では連帯保証人に関する規定が定められておるというのが現実でございます。 160 ◯海野委員 そういったことを考えあわせた中で,弱者の方々が本当に安心して暮らせるんだ,あるいはまた,子育てができるんだという環境づくりをぜひお願いしたい。  ところで,今,県の方で行政改革推進大綱に基づいて,事務手続の簡素化,効率化のため見直しを検討しているというようなことを伺っているわけでございます。また,国の方でも,何か公営住宅制度を改正して,単身でも入居できる男の年齢制限を下げている。全体的に緩和策がとられているわけでございますから,今般の公営住宅制度の改正の概要,どういう概要に持っていこうとしているのか,御説明をお願いしたいと思います。 161 ◯山名土木部長 今般の公営住宅制度の改正の概要でございます。まず,目的でございますが,高齢化が急速に進む社会の中で,高齢者や障害者など真に住宅に困窮する者に,公営住宅を的確に供給するということが主たる目的として改正が行われたところでございます。  具体的な改正の主な点につきましては,住宅の種別区分,これは一種,二種,こういった種別区分を廃止すること,それから,入居資格を的確化すること,それから,家賃制度の変更等でございます。  まず,住宅の種別の廃止でございますが,今申し上げましたように,現行の第一種住宅と第二種住宅の種別区分が撤廃されまして,これによりまして,現在の一種と二種の需給のアンバランス,一種では空き家があるけれども,二種がないとか,逆の場合,地域によっていろいろなアンバランスがあるわけでございますが,こういったアンバランスが解消されるのではないかというふうに見込んでおるところでございます。  また,入居資格のうち,入居収入基準につきましては,一般的には低所得者層を中心とした方向に改正をしておりますけれども,特に世帯主が50歳以上の場合とか,日常生活に著しい制限がある障害者が家族にいる場合につきましては,ある程度収入があっても居住の安定を図るということから,入居収入基準を緩和することとなっております。  次に,家賃制度につきましては,現行では公営住宅の建設の原価に基づきまして家賃を設定しておるところでございますが,今般の改正によりまして,入居者の収入と住宅の便益に応じた家賃,いわゆる応能応益家賃制度に改正されまして,入居者の毎年度の収入によりまして家賃も変動いたしまして,収入が減少すれば家賃も下がるというような制度になるところでございます。  そのほか,従来の直接公営住宅を建設する方式に加えまして,新たに借り上げとか買い取り方式も採用できるというふうになったところでございます。
     なお,先ほど委員からいろいろ御指摘ございました連帯保証人制度につきましては,この緩和策,1人にするとか,例外規定を設けるなどにつきましては,委員の御意見も十分踏まえまして,今後,法改正に基づきます条例改正の中で対処してまいりたいというふうに考えております。 162 ◯海野委員 ありがとうございました。母子家庭あるいは社会的弱者の方々が県営アパートに入る条件が,かなり今般の改正で緩和されるということでございますから,とても安心をしましたし,また期待をして,多分県民こぞって大きな喜びとするところじゃないかと思うわけでございます。反面,もう一回重ね重ね言うわけでございますけれども,知事の今般の策定の精神に基づきまして,とにかく住んでよかった,これからも茨城をより一層愛すべく,なお一層県民の一人として汗を流すんだという意識を植えつけるためにも,そういった弱者の方々が安心して暮らせるような住居環境づくりを,なお一層,この法改正に基づいて邁進してもらいたいなと,そう思うわけでございます。  全体の福祉あるいは医療の充実ともども,大変大切なことではございますけれども,やはり衣食住がきっちり,特に弱者,社会的な谷間に置かれている方々が満ち足りて初めて,すばらしい,誇り得る郷土だと思いますし,茨城県になると信じているものですから,くれぐれもよろしくお願いをいたしまして,私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。      ──────────────────────────────── 163 ◯本澤委員長 以上で委員の質疑を終了いたします。  委員外議員から質疑の通告がありましたので,これを許します。  なお,委員外議員の質疑は,質疑,答弁を合わせて10分以内でありますので,御協力をお願いいたします。  大内久美子議員。 164 ◯大内議員 日本共産党の大内久美子でございます。  最初に,私の委員外質問を許可していただきまして,委員長並びに関係者の皆さんにお礼を申し上げます。ありがとうございました。  それでは,水戸市に建設予定の産業廃棄物最終処分場に関連いたしまして,生活環境部長に伺います。  この処分場につきましては,一昨年6月に事前審査が始まって以来,2年4ヵ月近くが経過をいたしました。この間,水源地と上水道を汚染するおそれがあるとして,水戸市の自然と水を守る会を初め,各種の団体が結集をして,産業廃棄物最終処分場に反対する連絡会が結成をされ,建設反対の署名2万3,000余,水戸市在住の茨城大学名誉教授34名も建設反対の意思を表明いたしました。  県は既に審査会を開き,指摘事項を業者に通知し,現在,事前審査は最終段階を迎えております。  しかし,ここに来まして,審査内容の重大事項である地元関係者の同意が,29世帯にわたりまして撤回されるという事態が起こりました。同意,不同意の状況を審査するのは県ですから,県に対する不同意の提出は,十分有効性を持ったものと考えられるわけでございます。不同意がこれだけ多数に上り,その意思が確認されたとすれば,事前審査の適否に決定的な要件になると思いますが,いかがでしょうか。県に提出した地元住民の同意書と同意撤回の文書が同一人のものかどうか確認されたのか,まずこの点について伺いたいと思います。  さらに,生活環境部長は,6月の環境商工常任委員会におきまして,次のように答弁をしております。水源が心配だということで,水戸市の方では反対というんですか,意見として出されている,そういう結論を待って県の態度を決めていきたいと,公式の場で初めて,水戸市の回答と県の態度を明らかにいたしました。福祉衛生委員会でも,衛生部としては,住民並びに水道事業者,すなわち水戸市長の理解を得ていただくよう意見を提出したと述べております。  しかし,水戸市の意見は反対のままであり,昨日も反対する連絡会との話し合いでは,市当局は皆さんと同じ立場で回答したと,明快に答えたそうであります。  周辺住民も,水戸市民も,学識経験者も,水道事業者である水戸市も,これだけ明確に建設反対の意思を表明している以上,県は審査事項の適否について,きっぱりと否の判断を下すべきではないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。 165 ◯本澤委員長 大内議員の質疑に対する答弁を求めます。  長谷部生活環境部長。 166 ◯長谷部生活環境部長 住民同意につきましては,平成7年の3月13日に,事業者の方から,事業計画書とあわせまして,同意の写しが県に提出されまして,平成7年の11月24日には,水戸市の方からの意見書で,同意の取得については,全隈3区全42戸の同意取得について問題ないという旨の回答を得たわけでございます。  こういうことで,平成7年の12月25日には審査会を開催いたしまして,関係課等の御意見をいただきまして,今まで事務手続を進めてまいりました。  先ほど御指摘のありました水の問題,非常に重要でございますので,これについて長期間にわたりまして,業者にそういうことの心配のないようにということで指導してきたところでございます。  そういう中で,本年の8月29日でございますが,産業廃棄物最終処分場建設に反対する連絡会というところから,同意取得に疑問ありという御指摘がございました。水戸市と住民票や居住者の構成状況などを再調査をしたところでございます。その結果,同意取得者42戸につきましては,当初の同意取得について問題がないということを再確認をしたわけでございます。  また,議員御質問の県に提出されております同意の撤回書の確認,どうしたのかという御質問でございますが,これにつきましては,今回提出された撤回書と水戸市の方から送られてきました当初の同意書の写し,これを照合いたしましたが,同一者のものであるということを確認をしております。  また,不同意者の提出もございましたけれども,これにつきましては確認をしておりません。 167 ◯大内議員 今回,茨城県に出された同意撤回書,これについては,本人の署名,押印というのが規定されているわけですけれども,これについては,照合した結果,本人のものであるということが明らかになったという答弁だったと思います。  そうしますと,先ほど部長にもお伺いしたわけなんですが,今,事前審査の最終段階に来ている,周辺住民の同意というのは,この審査の非常に重要なものとなるということにつきまして,不同意がこれだけ多数に上り,その意思が確認されたとすれば,事前審査の適否に決定的な要件になると思いますが,この点につきまして答弁をいただきたいと思います。  私は,一般論といたしまして,産業廃棄物処分場そのものに反対しているものではありません。4年前の本議会の快適な環境づくり調査特別委員会でも,公的関与で確保することが提言されており,第5次茨城県産業廃棄物処理計画にも明記されております。既に全国で20の都府県が公共関与で設置しているにもかかわらず,本県ではいまだに1ヵ所も具体化されておりません。住民の反対が問題だからできないのではなく,処分の実態が余りにも住民無視であったことや,行政の怠慢が,昨年1ヵ所も建設されなかったことに見られるように,困難に拍車をかけているということを,私はこの際指摘したいと思います。  水戸市建設予定の処分場が水源地であり,水戸市も建設に反対を表明し,住民も同意を撤回していること,2万3,000人の市民が反対していることをもってしても,なお許可の要件を満たしているといえるのかどうか,私は許可すべきでないと思いますが,再度御答弁をいただき,私の質問を終わります。 168 ◯長谷部生活環境部長 同意撤回の取り扱いについてどうなんだという御質問でございますが,私の方の調べでは,18戸分の同意撤回書が知事あてに提出されております。これは,本来,同意を取った事業者に手渡すべきものではないかというふうに考えます。また,県の要綱においては,同意があったかないかは,地元首長さんの意見書によって確認をするという仕組みになっておるわけでございます。  しかし,御指摘のありました正式申請の前に,こういう当初の同意者から同意撤回書が提出されたという事実でございます。したがいまして,これらの方々の現在の意思というものも尊重しなければならないのではないかというふうに考えております。  したがいまして,現在,手続論を含めまして,この取り扱いについて検討をしているという状況でございます。  それから,先ほど,公共関与の推進につきましては進んでないんじゃないかというお話がございましたが,平成7年の第4定におきましても,山口伸樹議員の一般質問に対しまして,知事の方から,県もやっていくよという答弁をいたしました。現在引き続き,立地場所,事業主体,事業量などについて検討しているところでございまして,問題があるのは立地場所でございます。本年度から来年度にかけまして,市町村とあらかじめ相談いたしまして,市町村と県とが公共処分場設置推進懇話会というようなものを設けまして,今後積極的に候補地を詰めていきたいというふうに考えております。 169 ◯本澤委員長 以上で質疑を終了いたします。      ──────────────────────────────── 170 ◯本澤委員長 これより,付託案件の採決を行います。  第128号議案ないし第135号議案を一括して問題といたします。  本件については,原案のとおり決するに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 171 ◯本澤委員長 御異議なしと認め,原案のとおり決しました。      ──────────────────────────────── 172 ◯本澤委員長 以上で,本委員会に付託されました案件の審査は終了いたしました。  なお,本委員会の審査報告書等の案文につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 173 ◯本澤委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。      ──────────────────────────────── 174 ◯本澤委員長 次に,閉会中における事務調査の件を議題といたします。  1 予算特別委員会の運営について  2 予算状況の調査について 以上を閉会中の事務調査といたしたいと思いますが,これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 175 ◯本澤委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。      ──────────────────────────────── 176 ◯本澤委員長 本委員会の審査に当たり,委員並びに執行部の皆様には,長時間にわたり終始熱心に御審議をいただき,心から感謝申し上げます。  審査の過程において委員より提起されました御意見等については,今後の県政に十分配慮されるようお願い申し上げまして,予算特別委員会を閉会いたします。  本日は御苦労さまでございました。                 午後4時35分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...