福島市議会 2013-03-07
平成25年 3月定例会-03月07日-02号
平成25年 3月定例会-03月07日-02号平成25年 3月定例会
平成25年3月7日(木曜日)
─────────────────────────────────────────────
出 席 議 員(37名)
1番 梅津一匡 2番 村山国子
3番 丹治 誠 4番 大内雄太
5番 田畝誠司 6番 誉田憲孝
7番 二階堂武文 8番 羽田房男
9番 佐藤真知子 10番 後藤善次
11番 梅津政則 12番 阿部 亨
13番 菅野輝美 14番 大平洋人
15番 白川敏明 16番 萩原太郎
17番 小松良行 18番 半沢正典
19番 杉原二雄 20番 土田 聡
21番 小野京子 22番 高木克尚
24番 西方正雄 25番 佐久間行夫
26番 黒沢 仁 27番 尾形 武
28番 真田広志 29番 宍戸一照
30番 斎藤朝興 31番 須貝昌弘
32番 粕谷悦功 33番 山岸 清
34番 佐藤一好 35番 丹治仁志
36番 中野哲郎 37番 渡辺敏彦
38番 小島 衛
─────────────────────────────────────────────
欠 席 議 員(1名)
23番 粟野啓二
─────────────────────────────────────────────
地方自治法第121条による出席者
市長 瀬戸孝則 副市長 片平憲市
総務部長 斎藤信行 政策推進部長兼危機管理監
冨田 光
財務部長 鈴木智久 商工観光部長 山内芳夫
農政部長 若月 勉 市民部長 髙村一彦
環境部長 菊池 稔 健康福祉部長 小林克弘
建設部長 大槻和正 都市政策部長 佐藤祐一
下水道部長 高橋通夫 会計管理者兼
会計課長今福康一
総務部次長 永倉 正 参事兼総務課長 羽田昭夫
参事兼財政課長 遊佐吉典 参事兼秘書課長 高橋信夫
水道事業管理者 冨田哲夫 水道局長 小泉五男
教育委員会委員 村島勤子 教育長 佐藤俊市郎
教育部長 野地正栄 代表監査委員 金谷正人
消防長 高木信雄 農業委員会会長 守谷顯一
─────────────────────────────────────────────
議会事務局出席者
局長 半澤 隆 参事兼総務課長 阿部新一
参事兼議事調査課長 下田正樹
─────────────────────────────────────────────
議 事 日 程
1 代表質問
午前10時00分 開 議
○議長(粕谷悦功) 定足数に達しておりますので、これより本会議を開きます。
本日の議事日程は、さきに決定のとおりであります。
日程に従い、これより質問を行います。
本定例会の質問通告者は、代表質問者として、36番中野哲郎議員、14番大平洋人議員、22番高木克尚議員、3番丹治誠議員、20番土田聡議員、8番羽田房男議員、一般質問者として、17番小松良行議員、35番丹治仁志議員、4番大内雄太議員、19番杉原二雄議員、21番小野京子議員、30番斎藤朝興議員、18番半沢正典議員、25番佐久間行夫議員、7番二階堂武文議員、16番萩原太郎議員、34番佐藤一好議員、9番佐藤真知子議員、12番阿部亨議員、24番西方正雄議員、以上20名の議員であります。
順序に従いまして発言を許します。36番中野哲郎議員。
◆36番(中野哲郎) 議長、36番。
○議長(粕谷悦功) 36番。
【36番(中野哲郎)登壇】
◆36番(中野哲郎) 皆様、おはようございます。真政会の中野哲郎です。平成25年3月定例会にあたり、真政会を代表して、福島市の希望ある復興に向けての全般的諸課題を中心に質問をしてまいります。
2011年3月11日は、福島市制百有余年の歴史のみならず、日本の近現代史の中でも特別な意味を持つ日となってしまいました。3.11と口にするだけで、誰もがその日に起きたあの大きな衝撃を思い起こし、決して忘れることなく、後世にまで語り継がれていくに相違ありません。
我が福島市においても、14時46分にマグニチュード9.0という大地震の発生に続き、15時42分には
原子力災害対策特別措置法第10条の1項の特定事象の発生、そしてそれに続く一連の
原子力発電所事故により未曽有の大複合災害に見舞われ、福島市の姿が一瞬のうちに変わってしまったわけであります。今3月定例会会期中に発災後丸2カ年を迎え、鎮魂のための追悼式典が挙行されますが、ここに改めて失われたとうとい命の安らかんことをただただ祈るばかりであります。
今、福島市の現状を考えるとき、いまだ非常な状態が続いていると言わざるを得ません。通常の自然災害は、発災時を最大のピークとして、被害は緩やかにおさまり、復旧、復興が始まるわけでありますが、原子力災害は全く違うカーブを描くことを我々は今経験しています。すなわち、発災後も被害がおさまるどころか、むしろ時間の経過とともに問題が拡散していくのが原子力災害の大きな特性であることを我々は今実体験しているわけであります。
さて、自然災害よりの復旧の定義は、災害による被害を回復し、もとに戻すこと、すなわち原形復旧を原則としていると言われています。また、原子力災害に対しても
災害対策基本法の考えを踏襲しており、原形復旧主義をとるとするならば、除染作業は、3.11以前の福島の美しい自然や環境、安心安全、さらには活力などを取り戻すためのまさしく大変重要な復旧作業であり、平成24年1月1日全面施行の
放射性物質汚染対処特別措置法では、その実施責任を国として、福島市はその作業を法定受託したことになるものであります。
このように、復旧についての考え方や定義は法的にもある程度裏づけされていますが、一方、復興については恒常的な定義や理念が曖昧であり、復興基本法の制定を望む意見もあると言われています。このたびの東日本大震災及び原子力災害からの復興については、
東日本大震災復興基本法や
東日本大震災復興特別区域法、そして
福島復興再生特別措置法など個別に法制化されましたが、その中に復興に対する確かな定義や理念が明記されていないと指摘されています。
このようなことを踏まえ、まず最初に、福島市の復興にかける市長の決意に関連してお尋ねをしてまいります。
福島市の復旧、復興の現状を考えれば、原子力災害からの復旧としての除染作業を加速化し、復旧のスピードアップを図らなければなりませんし、同時に希望ある復興を目指して、復旧と復興の事務事業が混在する中で、
総合計画基本構想や前期基本計画、さらには復興計画を踏まえた中長期のビジョンをしっかりと示しながら、市民が実感できる復興を果たしていかなければならないと考えます。
そこで、市長にお伺いいたします。
市長が考える復興の定義、理念と、それらを踏まえた福島市の現状を市長はどのように認識されているのか、まずお尋ねをいたします。
次に、復興は、中長期ビジョンをしっかりと持ちながら、その歩みをとめず、間断なく行動していくことが肝要でありますが、あわせ原子力災害よりの復興は、災害の持つ特性により、市長の現任期を超えて相当程度の時間を要することを覚悟せざるを得ません。これらを踏まえ、市長の復興にかける思いと希望ある復興に向けての決意について伺います。
さて、3.11は、福島市制百有余年の歴史の中で誰もが経験したことのない大複合災害であり、緊急事態、異常事態の発生であったと言えます。大災害における緊急、異常事態への対処として、直ちに必要となるのは応急措置対応であります。この段階が過ぎますと、復旧、復興へと進むことになりますが、これらの段階は明確に区切られるものではなく、時間的にオーバーラップしながら進められていくのが通常であります。
さらに、復旧、復興段階の途中より次の災害への備えを始めなければなりません。これが減災、防災、訓練の段階であり、発生した危機より得た教訓を踏まえ、減災、防災戦略、
危機対応システムや地域防災力などの見直し、向上に向けての検討を行い、最終的に計画を定め、それに基づき組織改正や条例を制定し、そして訓練を行うなどして次の災害への準備を行うことになるわけであります。これら一連の流れが、通常、
災害対応サイクルとか
危機対応サイクルと呼ばれるものであります。
そこで、2つ目の質問に移りますが、今般の大複合災害において福島市がとった対応や行動、活動について、
災害対応サイクルの段階に沿って分析、検証し、そして課題、問題点を抽出し、改良、改善し、最終的に次の災害に備えることは極めて重要なことでありますので、
災害対応サイクルの各段階を追って幾つかの質問をしてまいります。
まず最初に、災害発生直後の応急措置対応についてでありますが、この段階においては、主に
災害対策基本法と災害救助法の法制度のもとで、また原子力災害においては、原子力基本法と
原子力災害対策特別措置法などのもとでその応急対策がとられることになっています。
災害対策基本法は、一般法として、国、都道府県、市町村などの立場と責任を明確にしており、災害の応急対応の第1次責任は市町村が負うこととされており、都道府県、国は後方支援、調整を行うこととしています。一方、災害救助法は特別法として、避難所、炊き出し、物資供給、仮設住宅など被災者の保護を目的に、誰がどのような救助を行い、費用負担は誰が行うかを規定しており、実施責任は都道府県にあると規定しています。
原子力災害については、
災害対策基本法を踏襲しつつ、
原子力災害対策特別措置法により、事業者の第一義的責任、緊急事態の宣言と
原子力対策本部の設置、
緊急事態応急対策の実施などを規定しており、内閣総理大臣が緊急事態宣言を発し、
緊急対策本部長として住民の避難指示を行うなどトップダウンの体制がとられることとなっています。
そこで、応急対応に関連し、数点お伺いをしてまいります。
第1点目は、
災害対策基本法と災害救助法の
第一義的責任主体のねじれにより、災害現場の市町村長は、救助、救援、避難や避難所の措置などについて、みずからの判断で弾力的運用が行いがたいと言われていますが、今般の災害を踏まえた緊急時初動応急対応のあり方と法整備の課題について見解を伺います。
第2点目は、今般の
原子力発電所事故により、初めて内閣総理大臣を本部長とする災害対策本部が設置され、トップダウンの指示命令系統がしかれたにもかかわらず、正確な情報の発信、提供や避難勧告、指示がおくれ、現場に大きな混乱をもたらしたとされていますが、今般の事故を踏まえた原子力災害時の初動応急対応のあり方と法整備の課題について伺います。
第3点目は、地域防災計画中の
災害応急対策計画、すなわち1、災害情報収集と伝達、2、災害広報、3、避難勧告、指示と避難所開設、運営、4、救助、救急、5、輸送、6、食糧と飲料水供給、7、応急医療、救護、8、
ライフライン施設の応急復旧活動と広報、9、清掃、衛生、10、文教、特に児童生徒の安全確保と応急教育対策、11、公共施設の応急対策、12、住宅対策と災害相談対策、13、消防活動、14、他自治体、公共的団体や民間団体、
ボランティア団体との協力などの各個別計画に対して、応急対応としてどのような措置がとられたのか、その概要と残された課題、問題点についてそれぞれ伺います。
次に、復旧の段階に関連して、地域防災計画中の災害復旧対策と原子力災害よりの復旧に分けてお尋ねをしてまいります。
まず、地域防災計画の災害復旧対策に関連して数点質問をいたします。
復旧段階において関係する主な法制度は
災害対策基本法であり、復旧の実施主体は地方自治体の首長にある旨規定をしています。また、復旧に関する財政的国庫補助を規定する
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法や
農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、そして
公立学校施設災害復旧費国庫負担法などのいわゆる基本3法があり、さらには特定の大災害に適用される激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律により補助のかさ上げなどを規定しています。
災害対策基本法は、国の補助などについて、災害復旧事業の決定は適正かつ速やかにしなければならないと規定していますが、財務省は、災害復旧を被害に遭った施設を原形に戻すことを基本としており、
災害査定立ち会いなど厳しく行っていると言われています。また、激甚法は、大災害において民生の安定、社会経済活動の早期回復に努めるため、数々の優遇措置や特例措置を認めています。
そこで、まず第1にお尋ねをいたしますが、
本市地域防災計画中の
災害復旧対策計画では、公共施設の災害復旧に関し、原形復旧にとどまらず、新設、改良も行うと述べていますが、基本3法や財務省の考えが原形復旧主義であり、立ち会い査定が大変厳しく、時間がかかると言われていますが、今般の大複合災害の公共施設の復旧に対する国の対応につき、当局の見解を伺います。
第2点目に、地域防災計画上の災害復旧対策に関連してお伺いいたしますが、今回の大複合災害においてどのような事業計画が策定され、その進捗状況はどうであるかお尋ねをいたします。
第3点目は、いわゆる激甚法は、民生の安定や社会経済活動の早期回復のため、被災者の生活保護、中小企業や農林業者への融資、保証、義援物資、義援金の受け入れ、配分などに対し緊急的優遇、特例措置を認めていますが、今回の大複合災害において本市計画中のどのような特例、特別措置がとられたのか、またその適用実績はどうであるのかお伺いをいたします。
続いて、放射能災害よりの復旧に関連した質問に移ります。
放射能災害に関連した法制度は、まず原子力基本法があり、原子力の研究、開発、利用の基本方針などを示しています。また、JCO臨界事故を契機として、
災害対策基本法の法的限界をカバーするため
原子力災害対策特別措置法が制定され、原子力事故における
初期対応システムの確立、オフサイトセンターの設置、防災の原子力事業者の役割などを明記しており、原子力事故に関する危機管理は、この2本の法律のもとで地域防災計画や
原子力事業者防災業務計画などを策定し、備えることとなっています。
また、原子力事故の損害賠償については、そのあり方を規定した
原子力損害賠償法があり、無過失責任、無限責任、責任の集中の3原則を採用していると言われています。さらには、今般の
原子力発電所事故により、関連法として
原子力損害賠償支援機構法や
放射性物質汚染対処特別措置法、そして
福島復興再生特別措置法などが個別に制定されました。
そこで、まず除染についてお伺いをしてまいります。
除染は、3.11以前の福島市の美しい自然や環境、安心安全、さらには活力を取り戻すための原形回復作業であり、まさしく
災害対応サイクルでいうところの復旧段階での最重要作業であると言えます。また、除染なくして福島の復興なし、福島の復興なくして日本の復興なしと言われるように、除染は福島の復興のための大前提としての国家的復旧作業であり、
原子力発電政策を推し進めてきた国の責任において国策として取り組まなければなりません。
このような意味において、平成24年1月1日に全面施行された
放射性物質汚染対処特別措置法は、
汚染状況重点調査地域内の汚染状況調査、測定、除染実施計画の策定、計画に基づく除染作業の実施など、市町村が対処する事務を法定受託事務として位置づけし、除染作業とその費用負担などに対し、おくればせながら法的根拠を付与したことは一定の評価ができるものと考えます。
そこで、除染に関する当面の課題について数点お伺いをしてまいります。
まず第1点目は、除染の加速化についてでありますが、平成24年10月21日に旧政権下で
除染推進パッケージが公表され、また平成25年2月1日より現政権により
福島復興再生総局が設立され、除染が加速することが期待されています。
そこでお尋ねをいたしますが、福島市の除染を加速化するための方策と具体的施策をお示し願うとともに、
福島復興再生総局に期待することについての見解を伺います。
第2点目は、除染作業の進行管理についてでありますが、
除染管理システムの導入が検討されているものと理解をいたしますが、その概要と期待される効果について伺います。
第3点目に、除染の状況や放射能に関する市民への情報提供のあり方やその手段、さらには
リスクコミュニケーションのあり方についての見解を伺います。
除染作業の加速化のためには、現場主義の徹底が必要であります。新技術の採用や除染作業の財源配分、裏づけなどが
福島復興再生総局にて即断即決されることが必要と考えます。
そこで、第4点目に、新技術の採用や補助金の活用など技術的事項や財務会計的疑義などについて、現在
福島復興再生総局と交渉している事項があれば、その概要と対応についてお示しを願います。
次に、原子力災害の賠償についてお尋ねをしてまいります。
JCO事故を契機として制定された
原子力損害賠償法は、第一義的に事業者が責任を負うこととし、無過失責任、無限責任、責任の集中の原則を採用していますが、一定限度を超える賠償義務が生じた場合には、国が事業者を支援し、被害者への賠償について責を負うこととしています。そのために、賠償責任の範囲について、
原子力賠償紛争審査会が設置され、自主的解決の指針の策定、和解の仲介、損害の調査、評価を行うとして、
裁判外紛争解決機関としての
原子力損害賠償紛争解決センターが設置されています。
また、
原子力損害賠償支援機構法が制定され、賠償責任履行のため、事業者に資金援助を行うこととされていますが、さらに同機構は付随業務として被害者に対する賠償支援があり、被害者への仮払いのための平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律が定められましたが、なかなか進まない状況にあると言われています。
そこで、
原子力損害賠償に関連して数点お伺いをいたします。
第1点目は、賠償の範囲と支払いの決定についてでありますが、決定までに時間がかかり過ぎる、支払いが遅いなどの批判があり、法律は被害者のためにあるといった言葉とはほど遠い現状にあると言わざるを得ません。
そこでお伺いいたしますが、当局は、今回の東電、国の賠償責任に対する対応をどのように評価しているのか、また賠償に対する法整備の課題、問題点をどのように捉えているのか、見解を伺います。
第2点目に、
災害対策基本法は、自然災害とともに放射性物質の大量放出や多数の遭難を伴う海上事故なども対象としています。また、
災害対策基本法と
原子力災害対策特別措置法が原子力災害の危機管理への対応をうたっていると言われています。福島市の防災計画上、
原子力災害対策編は規定されていませんが、原子力災害に対する法体系を考えますと、福島市防災計画中の
災害復旧対策計画にある被災者の生活の確保措置、社会経済活動の早期回復を図る措置などは、原子力災害においてもその緊急性より判断して準用することができるものと思料しますが、当局の見解を伺います。
第3点目に、行政経費等の賠償請求について伺います。
直近の
事業部門別賠償請求額と入金済み金額を伺うとともに、請求項目中、合意に達していない項目と金額についてもお伺いをいたします。
第4点目は、自主的除染、すなわち事業者等がみずからの判断により実施した除染に要した費用などについてでありますが、平成24年12月の環境省事務連絡では
除染対策事業交付金の対象外としておりますが、
原子力賠償審査会では必要かつ合理的な範囲での除染等を行うことに伴って必然的に生じる追加的費用は原子力災害として賠償の対象としておりますが、東電より明確な方針が示されておりません。
福島復興再生総局による総合的、横断的かつ迅速な対応が必要と考えますが、自主避難者への経費賠償に対する考え方を含め、当局の見解をお伺いするとともに、今後の東電、国に対する要望活動方針についてもお伺いをいたします。
続いて、応急対応、復旧の段階に関連した最後の質問になりますが、今般の大複合災害における福島市の応急、復旧の対応や活動を公式の記録として残すことは、この未曽有の大災害を風化させないことや教訓を後世に引き継いでいくことにとって大変意義深い施策の一つであると考えますが、アーカイブスの作成についての考えをお伺いいたします。
続いて、
災害対応サイクルの復興段階に関連した質問に移ります。
放射能災害の克服には相当程度の時間がかかることから、復旧と復興の事務事業が混在する中で、復興に向けて力強く歩み続けなければなりません。今般の大複合災害よりの復興に関して、
東日本大震災復興基本法や
東日本大震災復興特別区域法、そして
福島復興再生特別措置法が個別に制定されましたが、復興に対する定義、理念が明確に規定されていないとの意見もあります。
復興の基本理念として、人間の復興、すなわち一人一人が災害を乗り越え、豊かな人生を送ることができるようにすることと唱える意見もあれば、復興とは、新たな地域の歴史をつくる営みである、新しいまちづくりであるというような意見もあります。私は、福島市の復興とは、3.11以前の美しい自然、環境、安心安全、活力を原状回復し、それらに加えて新しい魅力や付加価値を創造し、市民の皆様が福島に誇りと自信を取り戻し、子供からお年寄りまで、この地に生まれ、育ち、そして暮らしてよかったと実感できる新たなまちづくりを進めることであると考えます。
そこで、まず復興法制に関連して伺ってまいります。
第1点目に、
福島復興再生総局の設置や復興予算枠の増大などにより復興が加速することが期待される半面、今般制定された特区法や特措法は福島市にとって使い勝手がよくない面があると指摘されていますが、今後、国との法定協議の場において、福島の復興に関連してどのような事項を要望、提案していくのか、見解をお伺いいたします。
第2点目に、今般制定の特区法や特措法における特区制度や特例措置をどのように活用していくのか、また復興交付金の活用についての見解も伺います。
次に、福島市の希望ある復興を進めるための4つの
復興プロジェクトについて、平成25年度の重点事業を含め質問をしてまいります。
まず、安全と
信頼プロジェクトの主な重点事業についてであります。
第1点目は、
放射能対策事業についてでありますが、正確かつ迅速な情報の提供や
リスクコミュニケーションの充実などは、放射線に対する過度な心配、不安を解消するために大変重要でありますが、平成25年度の事業内容についてお示し願うとともに、外部被曝や内部被曝の検査体制充実のための事業内容についてもお伺いいたします。
第2点目は、最先端医療研究機関や企業等の誘致促進についてでありますが、平成28年度中の開所を目指し、ふくしま国際医療科学センターの設置が予定されています。これは、医療の高度化のみならず、医療産業の集積や雇用機会の増大などにも資するものでありますが、これらに関連して福島医大との連携のあり方や支援のあり方について所見をお伺いいたします。
第3点目は、大原綜合病院の新築移転と福島赤十字病院新築移転構想への支援についてであります。
中心市街地活性化にも関係する事業でありますので、中心市街地活性化基本計画における位置づけをお聞きするとともに、関連して放射線医療の充実など先進医療体制の整備のあり方についてもお伺いいたします。
次に、子どもプロジェクトの主な重点事業について伺います。
第1点目は、学校給食に関連してでありますが、いまだ米を含め福島産食材を学校給食に使用することに不安を抱く方もいらっしゃるようでありますが、しっかりとした食材モニタリング検査により安心安全な地場食材を提供することは、地産地消の推進のみならず、放射性物質に対する正しい理解を含めた食育にも重要であると考えますので、当局の見解を伺います。
第2点目は、放射線教育と防災教育の推進についてお聞きいたします。
放射線を正しく理解し、
リスクコミュニケーション能力を高める放射線教育や複合災害について学び、教訓を未来につないでいく防災教育は、子供の生きる力を高め、強く思いやりのある心と確かな知識を育てる大変重要な教育と考えますが、当局の基本的な考えと次年度事業概要についてお伺いをいたします。
第3点目に、心のケアとリフレッシュ事業に関連して伺います。
乳幼児、児童生徒の心と体の健康を守り、安心して子育てできる環境づくりとして心のケアとリフレッシュ事業の推進は大変重要であると考えますが、次年度推進する事業概要をお示し願います。
また、それに関連して、現在十六沼公園に整備中のぴょんぴょんドームの概要と運営方針を伺うとともに、茂庭広瀬公園遊び場整備事業の概要についてもお伺いいたします。
さらには、平野地区を含む十六沼研究公園の工業専用地域からの土地利用の見直しに対する考え方と今後のスケジュールについてもあわせ伺います。
続いて、活力プロジェクトに関連して伺ってまいります。
第1点目は、風評被害払拭のための復興情報発信事業についてであります。
正確、迅速な情報の発信、提供や効果的な広報は風評被害払拭のための有効な手段であり、またようやく、これら費用を被災自治体だけに任せることなく、国の責任でその一部を負担することが決定されましたが、当局の情報発信、提供に対する基本戦略と次年度事業内容についてお伺いをしてまいります。
第2点目に、既存産業の振興と研究機関や企業等の誘致に関連して伺います。
これら事業は、地域経済の振興や雇用機会の増大、さらには交流人口、定住人口増にもつながる大変重要な事業であります。
まず、再生可能エネルギーや高度医療の分野における産学官共同研究に対する支援事業の考え方について伺います。
次に、企業等誘致に関する工場適地調査について伺います。
新たな企業の進出や仮設住宅の設置などにより、誘致可能工業団地面積は非常に手狭になっていると理解をいたしますが、今後の企業や研究機関誘致のための土地利用に関連して、工業団地新規造成に対する考え方や、加えて東北中央自動車道仮称大笹生インター周辺の大笹生、笹谷地区における特定保留地の土地利用についての考え方もあわせ伺います。
続いて、基幹産業である農業や中小企業の振興について伺います。
営農意欲の保持、増進や新規就農者への支援は、風評被害や営農環境の悪化に悩む農業生産者にとって大変重要な施策であります。さらに、遊休農地などを利活用した再生可能エネルギーの導入による植物工場などの新たな営農形態への支援や、農家宿泊や農家レストラン、さらには農産品の加工、販売などの6次化への支援も近い将来を見据えた重要な施策であると考えますが、これら支援策に対する当局の見解を伺います。
また、福島市の地域経済を支える中小企業の経営安定のための次年度支援事業概要についてもお示し願います。
第3点目に、高規格道路網の整備と周辺の交流基盤の整備について伺います。
東北中央自動車道仮称大笹生インターは、平成29年供用開始を目指し、工事が進行中であるとともに、同時期の完工を目指して、フルーツラインの整備がインターから大笹生座頭町交差点までを第1期工事区間として進められていると理解をいたしますが、まず現在の進捗状況について伺います。
また、仮称大笹生インターは、地域活性化インターとして交流基盤の整備が大いに期待されていますが、インター周辺の大笹生、笹谷地区特定保留地の土地利用の考え方を含め、交流基盤の整備検討状況と今後のスケジュールについてもあわせお伺いをいたします。
最後に、元気プロジェクトに関連して伺ってまいります。
第1点目は、自主避難をしている市民の戻りやすい環境整備についてであります。
まず、2011年3月11日以前と現在の比較における人口の推移を動態別、年齢別にお示し願うとともに、避難者情報システムによる避難者の人数と年代別構成もお伺いいたします。
さらには、自主避難している小中学生で区域外申請をしている人数もお示し願います。
また、これらの自主避難をされた方の帰還を促す公営住宅の整備について、比較的線量の低い地域を基本としながらも、子育てや雇用の環境も加味した分散型の整備に対する考え方について見解をお伺いいたします。
第2点目に、スポーツによるまちづくりについて伺います。
パークゴルフ場の整備、福島体育館の再整備、さらには新球技場建設の検討などスポーツ施設の整備事業やスポーツイベント開催など、ハード、ソフト両面での事業展開は、市民の健康増進や復興の姿を内外に発信することにとっても大変重要なことでありますが、これら施設等の整備やその検討に際しては、合宿や全国大会の誘致などスポーツコンベンションの促進と交流人口増や地域経済活性化などの視点も大変重要であると考えますが、見解を伺います。
第3点目に、観光の振興について伺います。
花見山を核とした花観光の推進やこでらんに博、六魂祭、JRデスティネーションキャンペーンなど一連の事業展開は、市の復興の姿を国内外に発信するとともに、地域経済の再生や風評被害の払拭などにも大変効果があるものであります。また、地域で行う復興イベントに対する支援も計画されています。これら一連の事業展開には、イベントやキャンペーンの連続性や連携、そしてテーマの設定などが重要であると言われていますが、当局のこれら事業展開の基本戦略や施策についてお伺いをいたします。
続いて、
災害対応サイクルの最後の段階になりますが、減災、防災、訓練に関連してお尋ねをしてまいります。
復興段階とオーバーラップしながら、
災害対応サイクルは最後の段階である減災、防災、訓練へと移ります。そして、最終的に防災計画の見直し、組織改組や条例、規則などの見直しを行い、またそれらに基づく訓練を実施しながら次の災害への準備をすることになるわけであります。
それでは、地域防災計画中の組織や災害予防計画の見直しを中心にして質問をしてまいります。
まず第1に、地域防災計画の見直しについてでありますが、今般の地震災害は、震度の想定、前提条件ともに計画をはるかに超えるものとなるとともに、原子力災害が加わり、過去に例を見ない大複合災害となってしまいました。
そこで、複合災害への対応や原子力災害編の策定、さらには地震災害における地震の想定、前提の見直しなどを含め、計画全般の見直しに対する考え方と見直しの進捗状況及び今後のスケジュールについてもお伺いをいたします。
第2点目に、防災に関連する組織について伺います。
今定例会に
災害対策基本法の一部改正に伴う福島市防災会議条例の一部を改正する条例制定の議案が提案されています。防災会議と災害対策本部の役割の充実と委員の充実に関する改定であり、各委員の人数規定を削除し、市長が特に必要があると認めた者で、市長が委嘱する者を委員とすることが可能となりますが、市長は、今回の複合災害対応を踏まえ、どのような委員を何名程度増員検討をするのか、見解をお伺いいたします。
第3点目に、地区防災拠点としてのコミュニティー拠点の整備状況と今般の複合災害で果たした役割についてお伺いするとともに、拠点間の情報連絡体制の整備についても伺います。
第4点目は、防災計画中の災害予防計画、すなわち安全避難、緊急輸送、救援救護体制、備蓄体制、防災行動力の向上と防災訓練、災害時要援護者の安全確保、消防力、応援体制、都市公共施設の災害対応力の強化などの各個別計画に対して、今般の災害での反省、教訓をどのように反映させ、見直しを行うのか、それぞれに見解を伺います。
最後に、3番目の平成25年度予算編成と行財政運営に関連してお尋ねをしてまいります。
今、約2年前の大複合災害の発災時を思い出すとき、いまだ経験したことのない未曽有の緊急事態、異常事態のもとで、市民の生命、身体、財産を守るため、昼夜を分かたず、人命救助、救援、避難所の設営、ライフラインの復旧、交通インフラの復旧、物資の輸送などの応急復旧対応に追われていた関係者の皆様の姿が思い出されます。
また、このような緊急、異常事態においては、人、資金、時間、物資、建物、空間などの資源が非常に逼迫することを再認識した次第であります。発災後約2年経過した現在は復旧、復興の段階に移行しておりますが、市民の皆様を取り巻く自然、社会、経済環境はいまだ正常な状態にあるとは言いがたく、今もって人材、財源、時間などの貴重な資源がいろいろな分野で不足、逼迫している現況にあります。
このような状況において平成25年度予算編成が行われたわけでありますが、その予算編成の基本方針と行財政運営を中心に質問をしてまいります。
まず、平成25年度予算編成の基本方針でありますが、第1点目に一般会計予算編成の基本方針について伺います。
平時における市民サービス、市民福祉向上のための事務事業に加え、復旧、復興の事務事業が加わり、行政需要が大幅に増加する中にあって、財政の面では、復興特需などにより法人市民税は増加するものの、固定資産税は引き続き原子力災害の影響により大幅減額になるなど、自主財源が震災前の歳入規模までの回復には至らず、また地方交付税も全体的に減額となっています。このような厳しい状況の中で、財源確保のため、事務事業の見直しや人件費の削減、さらには基金の取り崩しを行い、財源を確保したものと理解をいたします。
そこでお尋ねをいたしますが、歳入歳出面での重点事項や財政健全化計画を含めた財政規律への配慮など、一般会計当初予算編成の基本方針を伺います。
第2点目に、水道事業会計の予算編成について伺います。
平成25年度予算は、財政計画との比較において、収益的収支の純利益は減額となるものの、資本的収支においては改善し、次年度繰越利益も増額となる計画となっています。
そこでお伺いをいたしますが、平成25年度予算編成における重点事項、特に今般の災害を踏まえた防災、減災事業や安定供給体制の整備などを含め、その基本方針を伺います。
次に、行財政改革大綱2011の基本的取り組み中、簡素で効率的な行政運営と平成25年度予算に関連してお伺いをいたします。
まず第1点目は、行政評価の構築と活用について伺いますが、本年1月末に提出された行政改革推進委員会からの提言内容をお示し願うとともに、行政改革大綱中の課題検討の進捗状況についてお伺いをいたします。
あわせ、平成25年度予算において実施される行政評価事業の概要についても伺います。
第2点目に、定数管理、給与の適正化と平成25年度予算について伺います。
平成25年度の性質別歳出予算の人件費は平成24年度対比1.5%増となっていますが、これら要因は主に退職手当の増額によるものであります。
そこで伺いますが、平成25年度当初予定職員数を現定員適正化計画との比較でお示し願うとともに、重点部門への人員の傾斜配分を含めた定員増に対する考えをお伺いいたします。
続いて、平成25年度予算編成と真政会予算要望について伺います。
我々真政会は、昨年11月1日に平成25年度予算編成に対する要望書を市長宛て提出をいたしました。希望ある復興に向けての2年目の当初予算であり、復旧、復興、防災などの事務事業をオーバーラップさせながら進めていかざるを得ず、事務事業は多岐、多様かつ複合的になるので、職員の心と体の健康に十分留意し、その重点配置を行いながら各種施策を推進していかなければならない年であるとの認識のもと、基本政策14項目と各所管の重点事務事業について要望をしたところであります。
そこで、当会派要望が平成25年度当初予算にどのように反映されたかお伺いをいたします。
以上が会派を代表しての質問でありますが、最後に本年3月31日をもって退職される皆様に申し上げます。
皆様の福島市役所職員としての長い人生の中でも、3.11の大複合災害の発災、そしてそれに伴う昼夜を分かたぬ応急、復旧、復興事務事業への取り組みは、皆様にとってもいまだかつてない経験であり、生涯忘れることができないものと存じます。福島市の復興は道半ばでありますが、皆様のような貴重な人材とお別れすることは大変残念なことでありますが、希望ある復興が一日でも早く成就できますよう、引き続きご支援、ご助言を賜りたくお願いを申し上げる次第でございます。
皆様の長年にわたる市勢伸展へのご尽力に対し、真政会一同、心より敬意と感謝を申し上げながら、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。
◎市長(瀬戸孝則) 議長、市長。
○議長(粕谷悦功) 市長。
【市長(瀬戸孝則)登壇】
◎市長(瀬戸孝則) 皆さん、おはようございます。36番中野哲郎議員のご質問にお答えいたします。
初めに、復興に対する定義、理念とそれらを踏まえました福島市の現状についてでありますが、復興計画の基本方針に定めたように、子供からお年寄りまで安心して豊かに笑顔で暮らせるまち、暮らしてよかったと全市民が実感できるまちに戻すことが未曽有の震災、原子力災害からの真の復興であると考えております。現状は今だその道半ばでありますけれども、平成24年を復興元年として、除染による生活環境の改善、内部被曝検査による健康管理、遊び場整備による子供の健康維持、増進、風評被害対策による産業の振興など、希望ある復興の実現に向けて着実に前進しているものと考えております。
次に、復興にかける思いと希望ある復興に向けての決意についてでありますが、復興にあたっては、震災前の市民の安全で安心な生活、まちのにぎわい、産業の活力、人の輝き、美しい自然、そして市民全員の笑顔を一日も早く取り戻したいと考えております。そのため、希望ある復興の実現に向けて、原子力災害の原因者である国に対し、速やかな復興を強力に推進することを求め、また県や関係機関と連携して、市と市民が一丸となって、震災前の状態以上に飛躍できるよう全力を尽くしてまいる考えであります。
ご質問中、市長答弁以外の質問につきましては、担当部長等よりそれぞれお答えいたさせますので、ご了承願います。
◎総務部長(斎藤信行) 議長、総務部長。
○議長(粕谷悦功) 総務部長。
【総務部長(斎藤信行)登壇】
◎総務部長(斎藤信行) お答えいたします。
まず、震災以前と現在の比較における人口の推移についてでございますが、推計人口に基づく2月1日時点における人口動態の内訳は、転入転出の社会動態では、転入が1万7,552人、転出が2万4,014人で、差し引き6,462人の減、また出生、死亡の自然動態では、出生が3,952人、死亡が5,645人で、差し引き1,693人の減となり、合計で8,155人の減となっております。
また、年齢構成別では、特にゼロ歳から15歳までの年代で4,250人の減となっており、さらに子育て世代の25歳から45歳までの世代でも3,496人の減となり、これらの世代を合わせると7,746人の減となっております。
次に、定員適正化計画についてでございますが、平成25年度の当初予定職員数は2,087名であり、計画上の2,095名に対しまして8名の減員となります。
次に、重点部門への人員の配置についてでございますが、平成25年度におきましても、引き続き最優先課題であります除染や市民の皆様の健康管理のほか、風評被害払拭などの対策に意を用いまして、希望ある復興の実現に努めてまいる考えでございます。
今後におきましても、多様化する行政需要の動向を見きわめながら、職員の再任用制度などの活用を図り、より適正な定員管理に努めてまいる考えでございます。
◎政策推進部長(冨田光) 議長、政策推進部長。
○議長(粕谷悦功) 政策推進部長。
【政策推進部長(冨田 光)登壇】
◎政策推進部長(冨田光) お答えします。
初めに、初動対応のあり方と法整備の課題でありますが、今般の大震災の初動対応において、市として対応に苦慮した課題の一つは、浜通りからの大量の広域避難者への対応の混乱であります。この広域避難についての課題は法的ねじれによるものではなく、法律上、広域避難を所管する県の初動対応態勢のおくれによるものであると考えております。今般、県地域防災計画が修正され、県の役割が明確化されたことから、現在見直しを進めている市の地域防災計画においても修正を行い、市と県が連携した体制づくりを構築してまいりたいと考えております。
次に、原子力災害時の初動対応のあり方と法整備の課題につきましては、本年2月27日、原子力規制委員会におきまして、東日本大震災の教訓を踏まえ、緊急防護措置準備区域、UPZを原発からおおむね30キロメートルとするなどを内容とした原子力災害対策指針が策定されました。これに伴い、各都道府県及びUPZ内の市町村では地域防災計画
原子力災害対策編の修正、策定が行われております。
しかしながら、本市のようにUPZ外でプルーム通過により被害が予想される市町村については、指針及び修正マニュアルにも具体的な対応が示されていないことから、今後におきましては、国の指針及び県の地域防災計画
原子力災害対策編の修正内容を踏まえ、初動対応について検討してまいります。
次に、応急対応における課題についてでありますが、この答弁に関しましては、防災計画を所管する政策推進部で一括答弁とさせていただきます。
初めに、災害情報収集と伝達につきましては、災害時優先電話や防災無線により情報収集、伝達を行いましたが、一部の現地対策本部におきましては停電により一時通信が困難な状態となったところであります。
この課題に対しましては、各支所に発動発電機や衛星携帯電話を配備するとともに、双方向通信や多チャンネル化が可能となる防災行政無線のデジタル化を図り、迅速かつ円滑な通信連絡体制の確立に努めてまいります。
次に、災害広報につきましては、発災直後には、市のホームページをはじめFMポコでの24時間態勢のラジオ放送、市政だよりの速報版の発行、そして報道機関に対しては災害対策本部を公開するなど、市民へ正確な情報を広く速やかに伝えるよう努めてまいりました。
しかしながら、一部で市の情報が市民に届かなかったなどの課題もあり、今後におきましては、インターネットや市政だよりなど従来から行ってきた媒体に加え、情報連携システムの構築により、Jアラートによる自動起動機を整備して、特に緊急性の高い情報を瞬時に伝達できる体制とし、緊急速報メール、FMポコ、登録制メールなどを総合的に活用し、市民の方々へ何らかの形で災害関連情報が伝えられるよう、情報伝達手段の多重化、多様化を図ってまいります。
次に、避難勧告、指示と避難所開設、運営につきましては、本市におきましては、あさひ台団地の80世帯に対し避難指示を発令しました。また、避難所につきましては、最大で74カ所開設し、8,072人の避難者受け入れ、給水、給食、生活必需物資の供給や情報提供などの措置を行ったところです。
課題としては、避難所と本部の通信手段の途絶、断水による水の確保、食糧や物資の配給、子供や高齢者などへの対応、避難長期化に伴う問題など多数ございます。今後におきましては、避難所運営や特に災害時要援護者等への避難対策などについて、地域防災計画や避難所マニュアル等において検討してまいります。
次に、救急、救助についてでありますが、発災直後に消防指揮本部を設置するとともに、各署所へ全職員の参集を図りました。市の災害状況把握のため、消防車両などで巡回を行い、119番通報へは消防団と連携しながら全総力を挙げて対応いたしました。
課題といたしましては、通報の全てに迅速に対応することは不可能となりますので、119番の通報段階におけるけがや急病に対するコールトリアージの実施、災害規模などに応じた出動部隊数の統制を行うことにより、消防力の有効な運用に努めることが必要であるものと考えております。また、町内会単位の自主防災組織のさらなる育成、強化と消防団、企業などとの連携協力体制を推進することが必要と考えております。
次に、輸送についてでありますが、公用車、マイクロバス等の車両の確保ができたことから、災害対策要員の移送及び災害救助物資等の輸送活動等を実施したところであります。燃料確保が大きな課題となりましたので、今後は業者との協定締結を行い、円滑な燃料確保に努めてまいります。
救急、救助活動においては、69名の傷病者を搬送したところでありますが、医療機関へ搬送する際の受け入れ体制の確認、情報収集のあり方等に課題があることから、災害派遣医療チームや福島県医師会等と情報を共有し、連携することが必要であると考えております。
飲料水の輸送では、市内9カ所でタンク車に給水、各応急給水所及び医療機関等へ輸送を行いました。
課題といたしましては、全市内での断水となったため、給水車両や給水用具が不足したことであり、今後は効率的な給水用具の配置や広域的支援により給水体制の充実を図ってまいります。
次に、食糧と飲料水供給についてでありますが、発災当日の夕方より避難所に避難した被災者を対象に備蓄食糧の配布を始め、その後、毎日3食の主食となる食糧を市独自の調達及び支援物資により確保したところであります。具体的な調達物資といたしましては、学校給食センターでの炊き出しによるおにぎり、市内の業者調達による弁当及びパン等であり、職員が公用車により各避難所へ配送を行ったところであります。
課題といたしましては、市内全域が被災し、水道水が使用できなかったことや、流通システムが寸断されたことにより緊急調達の協力業者の確保が困難となったこと、また広域避難所を中心に各避難所における被災者数の状況が短期間で流動し、必要数量の把握が困難をきわめたことが挙げられます。また、大量の支援物資に対する受け入れ体制及び具体的な配送の体制の構築に時間を要し、保管場所の確保、在庫管理、燃料の確保等が重要な課題となりました。今後は、具体的な食糧供給に係るマニュアルの整備や事前の訓練など十分なシミュレーションを実施してまいります。
また、飲料水供給活動につきましては、災害協定に基づき、福島地区管工事組合、日本水道協会に協力を要請するとともに、給水タンク車を所有する事業所及び消防本部の協力を得て、一般市民をはじめ医療機関へ供給を実施いたしました。
課題としては、応急給水の待ち時間の短縮や高齢者等災害時要援護者への対応等が課題と認識しております。
次に、応急医療、救護につきましては、協定に基づき、福島市医師会や保健師などによる巡回を行ったほか、医療品や資機材の確保並びに医療機関への給水活動を行ったところでありますが、発災直後には各団体との連携を十分に図ることができませんでした。救急搬送については、医療機関との通信が寸断したことから、医療機関へ消防職員を派遣し、受け入れ体制などの確認を行い、消防無線を使用して情報収集を行いながら救急搬送態勢を確保したところであります。
課題といたしましては、早期に医療機関の応需態勢を確認する必要がありますので、通信手段の確保や災害派遣医療チームなどとの連携強化の体制整備をすることが必要であると考えております。
次に、水道施設の応急復旧では、福島地区管工事協同組合と水道局が連携して復旧活動に当たり、管路被害状況や主要となる配水管及び病院、指定避難所等の給水優先度を総合的に勘案し、復旧順序を決め、断水の解消に努めたところです。
震災直後の応急給水の実施については、公用車による巡回広報を行い、復旧状況等の広報は市政だより速報版やラジオなどにより行いましたが、市民の方々からは情報不足により多くの問い合わせが寄せられました。現在は、迅速で正確な情報提供のため、水道局ホームページに緊急情報を短時間で掲載できるように改善したところであります。
次に、下水道の応急対応についてでありますが、地震発生直後に維持管理保守点検業務の委託業者との協同により下水道施設の被害状況調査を実施いたしました。応急対策として、隆起したマンホールの撤去、陥没した道路の埋め戻しと仮復旧及び汚水のくみ取りや洗浄、消毒などの措置を行ってまいりましたが、情報収集が困難であり、作業車両等の燃料と応急復旧資機材の確保に苦慮いたしました。
課題として、地域住民への十分な広報活動ができなかったことが挙げられます。
次に、清掃、衛生につきましては、まず市内各所に散乱する震災瓦れきの撤去を行うため、瓦れき仮置き場を市内3カ所に設置し、現地での搬入誘導、搬入された瓦れきの整理を行いました。また、通常のごみ収集についても、収集委託業者との連絡を密にし、受け入れを行う焼却工場側の体制も整えながら継続した収集体制を確保したところであり、各家庭のし尿収集についてもほぼ通常どおりに実施できたところであります。
課題としては、現在も引き続き実施しておりますが、仮置き場に搬入された膨大な量の瓦れき処分について、リサイクルのための中間処理のルートの確保に時間を要したことなどであります。
次に、文教対策につきましては、東日本大震災発災直後から、幼児、児童、生徒の安全確保及び安否確認を最優先に、臨時休業及び修了式、卒業式の中止の措置をとったところであります。その後、福島第一
原子力発電所事故による放射線の影響から屋外活動が制限された状況ではございましたが、通常どおり4月6日に学校を再開いたしました。
課題といたしましては、原子力災害を含めたさまざまな危機への対応を想定して、さらに各園、学校に実効性のある防災マニュアルを整備し、有事に即応できる訓練を行うことが必要と考えております。
次に、公共施設の応急対策でありますが、本庁舎については移転新築後のため大きな被害はありませんでしたが、各支所等及び分庁舎、分室においてはガラスの破損、外壁損傷等の被害を受けたことから、緊急点検を実施の上、利用者及び職員の安全確保の観点から応急復旧工事などの対策を講じたところであります。
課題といたしましては、支所等の被害状況を速やかに把握するための通信手段の確保が挙げられますが、防災行政デジタル無線設備の活用等により解消に努めてまいります。
次に、土木施設の応急対策についてでありますが、地震発生後直ちにパトロールを実施し、被害の状況や土木施設の重要度に応じて障害物の除去や道路陥没箇所の補修を実施し、道路交通の確保に努めたところであります。
課題といたしましては、大震災後に慢性的な燃料不足となったことから、パトロールや補修など応急対策に要する燃料や資機材の確保であると認識しております。
次に、住宅対策と災害相談対策でありますが、大規模半壊または半壊の損壊住宅の応急修理に対する支援措置を行いました。
課題といたしましては、実施の際に家屋の被害調査部門との連携、市民へ制度の周知徹底を図ることと考えております。
次に、災害相談体制についてでありますが、まず震災発生後、市民の避難が始まり、窓口には生活する上での情報収集や各種の相談をするために多数の避難者が詰めかけました。それらに対応するため、本庁舎1階で総合相談窓口を設置し、3月31日までは24時間態勢で職員を配置し、対応したところであります。
課題といたしましては、市内外の避難者、ボランティアの関係者など多数の人が相談窓口に一度に押し寄せ、また相談内容も多岐かつ専門的な分野にまでわたり、限られた職員のみでの対応に限界があり、人員体制の確保や役割分担の明確化、情報伝達の一元化などが課題と考えております。
次に、消防活動につきましては、福島市消防本部非常招集計画に基づき、本市において震度5弱以上の地震が発生した場合、直ちに全職員招集と定めており、震災当日は参集した職員で予備車両等を活用して情報収集、消火、救急、救助等の災害対応を行いました。
課題として、各種緊急出動、情報収集出動において、地震により道路が渋滞し、消防本来の機動力が思うようにとれなかったことから、今後、関係機関と情報の共有が図れるよう検討してまいります。
次に、他自治体、公共的団体や民間団体、
ボランティア団体との協力でありますが、震災が発生し、多くの自治体、民間団体から救援物資や義援金の支援を受けたほか、他団体からは現在も職員の派遣をいただいているところです。また、自衛隊に対し派遣要請を行い、あさひ台団地などにおいて災害の迅速な対応をしていただきました。また、多くのボランティアの方々に災害復旧に携わっていただきました。今後におきましては、他自治体や民間団体等と適切かつ迅速な応援協力が得られるよう、体制整備を構築してまいります。
次に、公共施設の復旧に対する国の対応についてでありますが、
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づく災害復旧事業は原則として原形復旧とされておりますが、あさひ台や城山の道路被災箇所などでは、国庫負担法による災害復旧事業の復旧工法として認められております原形復旧不適当の場合を活用いたしました。市において、被災原因等を判断しながら、復旧工法を総合的、多角的に検討の上、現地に適合する最適な工法を選定し、国の査定官、立会官の理解を得て、原形復旧にとどまらない適切な災害復旧工事が可能となったものでございます。
次に、除染の加速化についてでありますが、早期の仮置き場設置による除去土壌等の宅地等の現地保管の解消、また新たな除染手法の開発、導入等を図ることが除染をスムーズに進めるために必要であると考えております。
福島復興再生総局につきましては、復興の現場である県内で政策決定のできる体制、また自治体が除染を進めるにあたり課題、支障となるさまざまな問題点を整理し、かつそれらを解決できるよう、除染環境の整備、支援に対する役割を期待しております。
次に、
除染管理システムにつきましては、現在構築中でありますが、除染作業の進捗を各種図面情報と電子化したデータで管理することにより、実績の把握と計画策定への反映、改善及び除去土壌の現場保管状況の適切な管理などを目的としたシステムであります。円滑な作業計画策定への支援、法定報告書の帳票等の保存管理と閲覧の支援、線量測定情報などの適切な管理と市民への迅速なお知らせなどに特に有効であると考えております。
次に、除染の情報につきましては、窓口での相談対応、市政だよりや市ホームページによる広報をはじめ放射線対策ニュースにより情報提供しておりますが、新たに除染に関する情報提供及び相談窓口として本庁1階に除染情報センターを開設し、市民の皆様との情報共有について取り組んでまいります。
また、地域における
リスクコミュニケーションとしては、新年度におきましても、各地区18カ所の除染等対策委員会の皆様とともに、除染の実施状況やホットスポット除染箇所の選定、仮置き場の設置などを通して十分に意見交換をしてまいりたいと考えております。
次に、
福島復興再生総局との連携につきましては、現在のところ、除染に関する具体的な交渉の直接の窓口は福島環境再生事務所のままでありますが、今後、体制の整備に伴い、再生事務所との打ち合わせを通してルール化される部分も出てくるものと考えております。
次に、東電、国の賠償責任につきましては、
原子力発電所事故から2年が経過した今も、多くの住民が放射能による健康への不安や風評被害に苦しめられながらも懸命に復旧、復興への努力を続けております。そういった中で、東京電力、そして国は、被害者である市民一人一人が一刻も早くもとの生活ができるよう、賠償を確実、迅速に行い、原子力災害の原因者としての責任を最後まで完全に果たすべきと認識しております。
次に、地域防災計画の原子力災害への準用でありますが、原子力安全委員会が示した改正前の原子力安全指針におきましては、原子力発電所施設からおおむね半径10キロの町について、原子力施設からの放射性物質流出による防災対策を重点的に実施すべき地域とし、地域防災計画原子力対策編の策定を義務づけていたものでありました。一方、本市の地域防災計画は風水害、火山災害、地震災害などについて対象にしており、原子力災害を想定した内容とは大きく異なるため、現計画の準用は難しいと考えております。
次に、行政経費の賠償請求につきましては、一般会計における平成23年度分の賠償請求額は15億7,598万8,162円で、現在のところ合意に至った項目はございません。
次に、自主避難等についての賠償への見解と要望でありますが、自主避難等に係る賠償や個人や企業で行った除染費用の賠償についても現在まで東京電力に対し要望してきたところでありますが、今後も引き続き、福島県原子力損害対策協議会等を通じ、要望活動を行ってまいります。
次に、応急、復旧対応の公式記録の策定についてでございますが、震災の対応記録を残すことは、教訓を後世に引き継ぎ、市民の生命、財産を災害から守り、災害による被害を軽減するために非常に重要であると認識しております。現在、各部から震災時の対応状況について情報、記録を収集しているところであります。今後、東日本大震災の記録としてまとめ、公表を検討してまいりたいと考えております。
次に、国との法定協議の場での要望、提案事項についてでありますが、これまでの法定協議会において、個人や企業が行った除染費用を東京電力が確実に負担するための体制の整備、産業復興を図る税制の特例措置を含めた特区の設定に関し、対象区域及び対象業種の被災地の意向に沿った認定などについて要望してきたところであり、引き続き要望してまいります。また、新たに設置される福島定住緊急支援交付金や長期避難者生活拠点形成交付金などの制度の被災地の実情に合わせた柔軟な運用について要望してまいる考えであります。
次に、
東日本大震災復興特別区域法、
福島復興再生特別措置法における特区制度や特例措置の活用、復興交付金の活用についてでありますが、既に認定を受け、主に製造業を対象に税制の特例措置を内容とするふくしま産業復興投資促進特区については、対象区域及び対象業種の拡大について関係機関と協議を進めているところであります。さらに、農林業、観光業における同様の特区の設置について、県及び県内市町村と連携し、準備を進めているところであります。また、復興交付金については、内陸部において活用できる事業が限定されていることから、制度の柔軟な運用について引き続き国に対し要望してまいります。
次に、放射線対策事業の情報提供に係る平成25年度の主な事業内容についてでありますが、広報としては、除染の進捗状況や健康管理の取り組みなどの情報を提供する放射線対策ニュースを、5月より2ページから4ページに増ページし、毎月発行し、市政だよりに折り込んで配布してまいります。また、放射線対策をはじめとする復興に向けた取り組みをわかりやすく紹介するテレビ5分番組の放送回数をふやして、正確な情報を迅速に提供してまいります。
次に、復興情報発信事業に係る基本戦略と事業内容についてでありますが、まず基本戦略につきましては、風評被害の払拭と本市のイメージアップのため、最新の情報をわかりやすい形で発表し、多様なメディアを活用しながら、震災から力強く復興する本市の姿を国内外に発信してまいります。
次に、事業内容といたしましては、まず利用者がふえているユーチューブやツイッター等を通して復興情報の拡散を図るとともに、ふくしま地域ポータルサイトももりんくの支援など、民間団体とも連携を図り、多面的な発信を図ってまいります。
次に、地域防災計画見直しに対する見解と進捗状況及び今後のスケジュールでありますが、まず想定する地震については、直下型で最大震度6強の地震を想定しており、災害対策本部の組織体制、情報連絡、避難対策などについて、今回の震災を教訓とし、修正を図っているところであります。一般対策編と地震災害対策編につきまして、現在庁内において検討作業を行っているところであり、今後、防災関係団体等から広く意見をいただくとともにパブリックコメントを実施し、本年6月ごろの完成を目指しております。また、
原子力災害対策編につきましては、平成25年度におきまして策定したいと考えております。
次に、防災会議委員の増員につきましては、防災会議の諮問機関としての機能強化と地域における生活者の多様な主体の参画という観点から防災会議条例の改正案を提出いたしましたが、新たな委員といたしましては、消防関係、高齢者介護、学識経験者などの分野から女性委員を含め3名程度の増員を検討しております。
次に、コミュニティー拠点の整備につきましては、中学校区ごとに設置するとしておりますが、未整備の状況であります。今般の複合災害におきましては、避難所を中心にボランティアの広がりが見られ、避難された方々の心のよりどころとなったところでありますので、今後は支所と連携しながらコミュニティー拠点の整備について進めてまいります。
また、拠点間の情報連絡体制につきましては、支所、学習センターの単独館に新たにデジタル無線機を配備し、情報連絡体制の確保に努めてまいります。
次に、災害予防計画の見直しについてでありますが、防災計画を所管する政策推進部で一括答弁とさせていただきます。
初めに、安全避難の環境整備の見直しについてでありますが、今般の震災では多くの市民が避難を余儀なくされました。今後は、地域防災計画の修正において、避難計画、避難所の指定、整備、避難誘導体制など安全避難の環境整備について検討を行うほか、各避難所におきましては、新年度から防災ラジオや携帯電話の充電コードなどをセットにした避難所パックを各避難所に順次配備してまいる予定です。
次に、緊急輸送の見直しですが、特に陸上輸送に関しましては、今般の災害では広域的な輸送に不可欠な主要幹線路として指定の国道4号が一時全面通行どめとなり、市民生活に多大な影響を与えましたことから、緊急輸送路指定においては、前回計画策定以降の道路整備状況を踏まえ、輸送ルートのネットワーク化が十分図られますよう見直してまいります。
次に、水道における救援、救護体制の見直しですが、このたびの全市一斉断水のような大規模災害時には公助だけの給水活動には限界があり、自助、共助が災害を最小限に食いとめるためには最も重要であると教訓を得たところであります。そのため、給水装置や用具を再検証するとともに、震災後、貨物乗用車、いわゆるライトバンに積載できる200リットルの給水タンクの寄贈を受け、水道局及び全支所、出張所に配置したところであります。これを利用し、災害弱者と言われる方々には、地域のボランティアの協力を得て応急給水の充実を図ってまいります。
次に、し尿処理体制についてでありますが、本市内のし尿を受け入れる一部事務組合を含めた3カ所の衛生処理場の被害はいずれも軽微であったため、し尿処理には影響がなく、また収集運搬業者においても、一部に収集車両の燃料不足があったものの、大きな混乱はありませんでした。
次に、救援、救護体制でありますが、東日本大震災における初動態勢での課題を教訓として、市医師会等との協定内容の見直しも含め、災害時におけるさらなる連携体制構築に向け、各団体との協議、検討を進めてまいりたいと考えております。
また、消防本部におきましては、近隣の消防本部との広域連携による災害対応能力を向上させるとともに、福島県立医大、福島赤十字病院の災害派遣医療チームとのトリアージ訓練等により、災害現場での人命救助と災害医療の連携協力体制の強化を図ってまいります。
次に、備蓄体制の見直しにつきましては、今般の震災では市内全域で断水し、飲料水や水を必要としない保存食が必要となりました。また、広域避難者の受け入れも重なり、毛布や紙おむつなどの生活必需品が不足したところであります。
今後においては、ライフラインが途絶した場合を考慮した食糧を備蓄するとともに、災害応援協定を締結している福島コンビニエンスストア協会などと連携強化を図るとともに、災害発災直後の生活に最低限必要な生活必需品の物資や災害時要援護者の避難生活に必要な物資の確保について早急に対応できるよう進めてまいります。さらに、家庭内備蓄の充実に向けた市民への協力を継続的に広報してまいります。
次に、防災行動力の向上と防災訓練の見直しにつきましては、震災等の大規模災害時に備えて、住民みずからが自分の命を守り、お互いに助け合い、さらに自主防災組織、消防団、事業所、諸団体等がそれぞれの役割を果たすことが重要であると再認識いたしました。そのための取り組みとして、初動時における地域住民等の安否確認などに重点を置いた訓練を実施し、地域内の自主防災組織、町内自治会、消防団、事業所などとの連携強化等を図り、災害に強いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、災害時要援護者の安全確保の見直しについてでありますが、震災発生時には地域の支援体制構築の途上であったため、自主防災組織、町内会などによる情報伝達が十分に整っておりませんでした。
今後、各地域ごとに設置が完了した災害時要援護者避難支援連絡協議会を中心に、ひとり暮らし高齢者や障害者など要援護者に対する情報の共有及び地域支援者の選定や、要援護者の情報と地域支援者の位置を住宅地図上に表示した個別避難支援プランの配布を進め、地域で支え合うネットワークづくりをさらに推進してまいります。
また、災害時に一般の避難所では避難生活が困難な要援護者を受け入れるため、福祉避難所の指定について明記してまいる考えであります。
さらに、震災時のガソリン等の燃料不足等を教訓に、震災時においても介護や支援を必要としている要援護者へのサービスが継続できるよう、平成24年1月に施行した災害時の社会福祉施設への給油支援制度についても計画に盛り込んでまいる考えであります。
次に、消防力の見直しにつきましては、今回の震災初期には一部の地域において通信網が麻痺し、情報収集が困難となりましたことから、各支所及び地元消防団との連携強化を推進し、情報収集に努めてまいります。
さらには、断水が発生しましたことから、消火栓以外の水源として耐震性貯水槽等の整備を行ってまいります。
また、市域全体における消防隊の活動等を考慮した消防署員等の適正配置を行うとともに、市民が安全で安心して生活できる消防防災体制の強化を図ってまいります。
次に、応援体制の見直しにつきましては、消防相互応援協定や市町村相互応援協定、またJA新ふくしまやコンビニエンスストア協会などの民間団体との応援協定などの締結をしてまいりましたが、今般のような大規模災害時の場合には被害が及ばない遠距離の自治体からの応援が有効であったことから、本年2月に長崎市及び山口市と相互応援協定を締結したところであります。両市からは現在も職員の派遣を受けており、今後とも交流を深めるとともに防災力の向上につながるものと期待しております。
次に、都市公共施設の対応力の強化の見直しについてでありますが、今般の災害を教訓とし、本庁及び支所等の市施設については、1つに利用者の安全確保、2つに防災施設の整備、3つに活動体制の整備を基本とし、各施設ごとに自衛防災組織の強化を図るなどさらなる防災体制の整備に努めてまいります。
次に、水道施設でありますが、このたびの震災では水道施設に甚大な被害を受け、市内全域が断水するという非常事態に至りました。このことを踏まえ、引き続き管路や施設の耐震化を進めるとともに、特に中心市街地へ供給する重要施設である弁天山配水池等への2系統化など災害対応力の強化を図ってまいります。
次に、下水道施設でありますが、災害復旧等のマニュアルを整備し、下水道施設の被災調査体制の確立や各関係機関との連携強化を図り、迅速な復旧活動ができる体制づくりを検討してまいります。
また、下水道施設の耐震化を推進し、災害時の被害の軽減化を図ってまいります。
次に、学校施設の地区防災拠点としての役割と整備状況につきましては、東日本大震災発災時には二十余の学校等施設が避難所として開設されたところであり、特に災害対策本部との情報連絡体制につきましては、本部から派遣された市職員が駐在員として常駐し、本部からの情報等の避難者への伝達に努めたところであります。学校等施設につきましては、早期の耐震化に努めるとともに、防災機能の強化のため、改築校舎等を中心に太陽光発電設備や蓄電池の導入を進めてまいります。
次に、道路等についてでありますが、災害輸送路に指定されております1級市道鎌田─笹谷線が鎌田大橋の被災により一時通行どめとなり、市民生活に多大な影響を与えましたことから、特に緊急輸送路線において優先的に耐震化などの所要の整備を推進することで防災機能が一層高まりますよう見直してまいります。
次に、行政改革推進委員会への提言内容についてでございますが、行政評価の仕組み構築に向け、予算への活用などの行政評価導入の意義、PDCAサイクルが機能するための行政評価の仕組み及び実効性のある推進体制の構築などが提言されました。
次に、行政改革大綱中の課題検討の進捗状況につきましては、本年度実施いたしました行政評価モデル事業の検証結果や行政改革推進委員会からの提言を踏まえ、行政評価の仕組み構築の基本方針を策定したところであります。
次に、行政評価モデル事業の概要につきましては、総合計画前期基本計画実施計画及び復興計画復興実施計画の一部の事業を対象にして実施し、評価結果を予算編成に活用したところであります。今後は、基本方針に基づき、平成25年度から本格実施してまいります。
◎財務部長(鈴木智久) 議長、財務部長。
○議長(粕谷悦功) 財務部長。
【財務部長(鈴木智久)登壇】
◎財務部長(鈴木智久) お答えします。
まず、平成25年度の一般会計当初予算編成の基本方針についてでありますが、希望ある復興に向け、子供からお年寄りまで暮らしてよかったと実感できるまちの実現を目指して、全ての市民が夢と希望の持てる力強い復興への大きな一歩を踏み出せるよう、安全と
信頼プロジェクトをはじめ4つの
復興プロジェクトを最優先課題と位置づけたところであります。事務事業の見直しや緊急度、優先度による事業の厳選により財源の重点的かつ効率的な配分を行うとともに、自主財源の確保及び市債の適正な運用など健全な財政運営を基調に予算編成を行ったところでございます。
次に、真政会からの予算要望についてでありますが、ご要望いただいた事項のうち、まずふるさと除染実施計画に基づく面的除染の確実な実施及び仮置き場の速やかな設置につきましては、面的除染をスピード感を持って進めるとともに、既に決定した5カ所の仮置き場について早急に設置工事を進めながら、地区内の通学路や側溝の除染についても順次着手してまいります。
また、市外への自主避難者帰還に向けた取り組みの強化としまして、安心して子育てができる環境を整備するため、市内の比較的放射線量の低い地区に公営住宅を整備するための調査を行い、事業の推進に取り組んでまいります。
計画的な検診による放射線健康影響調査の充実と健康対策では、移動式ホールボディーカウンターを増設して内部被曝検査の迅速化を図るとともに、保育所や学校における給食まるごと検査及び支所、学習センター等での食品等の放射能測定を引き続き実施してまいります。
また、市民が安心できる医療体制の整備では、高度な地域医療を確保するため、大原綜合病院及び福島赤十字病院の新築移転を引き続き支援するとともに、震災後の本市の医師不足の状況を受け、地域医療の確保と救急医療体制の強化のため、福島県立医科大学と連携し、輪番制病院へ医師を派遣するほか、医師への研究資金貸与及び看護師の再就職を支援してまいります。
農業、観光産業の復興支援、福島ブランドの信頼回復につきましては、本市の基幹産業である農業において、首都圏の大手量販店等の仕入れ担当者を本市へ招致し、本市農産物等の正確な情報をお知らせすることで消費者の確かな信頼を得られるよう努めるとともに、全国各地でのトップセールスなどにより本市の観光や農産物の風評被害の払拭につなげてまいる考えであります。
また、6月に開催が決定した東北六魂祭2013福島では、福島の元気な姿を国内外に発信し、復興の象徴としてのイベントとなるよう、関係機関と市民の皆様のご理解とご協力を得ながら準備に万全を期してまいります。
児童生徒の生きる力を育む教育の実践につきましては、子供と保護者の心のケアにきめ細かく対応するためスクールカウンセラーを派遣するほか、本市独自に作成した放射線教育指導資料を活用した授業を通じて放射線に対する正しい知識が得られる教育環境の充実に努めるとともに、あったか・湯ったりリフレッシュ事業や夏のリフレッシュ体験事業等を実施いたします。
行政評価システムの導入につきましては、市行政改革推進委員会からの提言を踏まえた行政評価の仕組み構築の基本方針に基づき評価を行うとともに、事務事業の改善や職員の意識改革を進めながら、市民にわかりやすい行政改革に取り組んでまいります。
◎商工観光部長(山内芳夫) 議長、商工観光部長。
○議長(粕谷悦功) 商工観光部長。
【商工観光部長(山内芳夫)登壇】
◎商工観光部長(山内芳夫) お答えいたします。
まず、中小企業者への激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の特例、特別措置と適用実績についてでありますが、中小企業信用保険法による災害関係保証において、融資額の100%全額保証となる東日本復興緊急保証制度が新設され、金融機関による円滑な資金提供が図られるものでございます。市内における国の制度資金の適用実績につきましては、把握が困難でございます。
次に、福島県立医大との連携のあり方や支援のあり方についてでありますが、ふくしま国際医療科学センターの設置を市内の製造業者の振興につなげていくには、これまで培ってきた製造や開発に関する技術を活用できる医産連携を具体化することが重要であると考えております。
医療、福祉機器の製造や開発にあたりましては、医療現場のニーズを踏まえた研究開発が必要となりますので、福島県立医大と連携し、製造業者に対して医師などから医療現場の情報を伝える勉強会や講演会、各種セミナーなどを開催するなど、新たな分野への進出に向けて十分な情報提供を行うことが企業の支援になると考えております。
次に、再生可能エネルギーや高度医療の分野における産学官共同研究に対する支援事業の考え方についてでありますが、産業振興基金などの活用により、再生可能エネルギーや高度医療分野において地域の企業が技術開発を進めるための柔軟な支援が可能となるよう、産学連携の一層の推進に努めてまいります。
次に、工業団地新規造成に対する考え方についてでありますが、震災以降、分譲できる工業団地が少なくなっていることから、新たな企業誘致に向け、多様な企業ニーズに対応可能な工場適地を検討するための調査を実施いたします。この調査で得られます結果のほか、企業のニーズや動向、その開発手法など諸課題を整理し、関係機関等と協議しながら検討してまいります。
次に、東北中央自動車道仮称大笹生インターチェンジ周辺の特定保留地の土地利用の考え方についてでありますが、分譲できる工業団地が少なくなっていることから、交通の利便性や各種インフラの整備等、本市の優位性が発揮できる調査対象地の一つとしてその適性を調査してまいります。
次に、中小企業の支援事業概要についてでありますが、平成24年度に引き続き、中小企業への新規融資に係る貸付利率の低減をはじめ信用保証料の金額補助などを継続して実施するほか、地域商店街等が行う復興イベントに対する補助などを講じてまいります。
また、ものづくり企業への新事業創出や技術革新への支援として、展示会への出展、新製品、新技術開発及び産学連携による共同研究への経費補助などを講じてまいります。
次に、イベント、キャンペーンの事業展開と基本戦略についてでありますが、平成24年から実施中の福島市こでらんに博、福島県が中心となって平成23年から実施しております観光復興キャンペーンのほか、現在放映中のNHK大河ドラマ八重の桜の効果、平成25年には東北六魂祭2013福島、平成26年には第98回日本陸上競技選手権大会と第68回全国レクリエーション大会の開催が決定しておりまして、JRのデスティネーションキャンペーンにつきましても平成27年春の開催に向けて申請中であり、大型のイベントやキャンペーンがめじろ押しになっております。
本市は、これらキャンペーンの開催にあたりまして、弾力的な観光資源を有機的に組み合わせながら、こでらんに博からデスティネーションキャンペーンまで連続性のある事業展開により、元気な福島を国内外に発信するとともに風評被害の払拭と復興のため、観光振興事業を積極的に進めてまいる考えでございます。
◎農政部長(若月勉) 議長、農政部長。
○議長(粕谷悦功) 農政部長。
【農政部長(若月勉)登壇】
◎農政部長(若月勉) お答えいたします。
激甚災害法に基づく農林業者への特例措置等につきましては、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法に基づく制度融資について、激甚災害制度により貸付限度額の上乗せと償還期間の延長などの措置が図られましたが、現時点では本市においても県内においても適用実績はないと聞き及んでおります。
次に、農業の振興につきましては、規模拡大を目指す農家や認定農業者など地域の担い手に対して、農地流動化支援金等、農地の利用集積に対する助成や農業経営安定化支援事業などを実施してまいります。
また、国の青年就農給付金事業の活用や農のマスターズ大学、農業学習カレッジ、新規就農者に対する利子補給事業などにより新規就農を促進してまいります。
再生可能エネルギーの導入による植物工場などの新たな営農形態への支援につきましては、ニーズや採算性、国、県の支援制度などを今後調査研究してまいりたいと考えております。
また、農業の6次産業化につきましては、製造、流通、観光など農業以外の分野との連携により、農家宿泊の受け入れ体制の整備支援、農産物加工に関する研修会や経営指導、製品の試作や出店に向けた情報提供等の支援を行ってまいります。
◎市民部長(髙村一彦) 議長、市民部長。
○議長(粕谷悦功) 市民部長。
【市民部長(髙村一彦)登壇】
◎市民部長(髙村一彦) お答えをいたします。
全国避難者情報システムによる避難者数と避難者の年代別構成についてでありますが、平成25年2月末日現在の避難者の年代別構成は、10歳未満が2,255人、10代が872人、20代が601人、30代が1,731人、40代が856人、50代が208人、60代が238人、70代が113人、80歳以上が45人で、避難者総数は6,919人でございます。
◎健康福祉部長(小林克弘) 議長、健康福祉部長。
○議長(粕谷悦功) 健康福祉部長。
【健康福祉部長(小林克弘)登壇】
◎健康福祉部長(小林克弘) お答えします。
初めに、外部被曝や内部被曝の検査体制充実のための事業内容についてでございますが、まず外部被曝に対しましては、昨年度に引き続き、中学生以下の子供たちを対象にガラスバッジによる検査を継続して行い、妊婦や一般の市民へは、測定数値を目で確認できる電子式積算線量計の貸し出し事業によって健康不安の解消に努めます。
また、内部被曝に対しましては、新たに日本赤十字社から寄贈される機器を活用して、移動式ホールボディーカウンター車を1台増設し、19歳以上の大人の検査の進捗を図ってまいりますとともに、妊婦や18歳以下の子供たちにつきましては2回目の検査を開始するなど、子供たちの健康管理につきましても引き続き積極的に対応してまいります。
次に、大原綜合病院と福島赤十字病院の新築移転に伴う放射線医療等の先進医療体制についてでございますが、福島県は、平成25年度から始まる第6次福島県医療計画において、福島県立医科大学に設立の放射線医学に関する最先端の研究診療拠点としてのふくしま国際医療科学センターの機能を十分に発揮し、県内全域にその効果が及ぶよう、地域の中核的医療機関との連携等の体制づくりについて検討していくと聞き及んでおりますので、本市といたしましても、市民の健康確保の観点から支援できる可能性があるかどうか検討してまいりたいと考えております。
次に、未就学児のリフレッシュ事業についてでございますが、未就学児とその家族を対象にあったか・湯ったりリフレッシュ事業を実施する予定でございます。その概要は、市内の3温泉地に宿泊し、心身のリフレッシュを図る機会を提供するもので、利用該当者に1人1泊5,000円を限度に宿泊費の一部を補助するものでございます。
次に、茂庭広瀬公園遊び場整備の概要についてでございますが、自然豊かな地域特性に配慮した遊具の充実など、子供に優しい遊び場の整備に努めてまいります。
◎建設部長(大槻和正) 議長、建設部長。
○議長(粕谷悦功) 建設部長。
【建設部長(大槻和正)登壇】
◎建設部長(大槻和正) お答えいたします。
まず、防災計画の災害復旧対策についてでありますが、復興計画に位置づけております公共災害復旧対策の事業としては、市道復旧で17事業、橋梁で4橋、市営住宅復旧で5団地、それぞれの事業において国庫負担の対象となる災害復旧事業は年度内で完了いたします。また、その後発生しました道路の災害復旧事業につきましては市単独事業費で取り組んでおり、平成20年度末での進捗率は86%となっております。
次に、フルーツラインの大笹生インターチェンジから大笹生座頭町交差点までの整備の進捗状況についてでありますが、現在、福島県におきましては、当区間の整備を優先し、インターチェンジと一体的に整備を進めております。その中でも北八反田川までの区間を最優先に進めており、その間のインターチェンジを含む用地取得状況につきましては、平成25年3月現在で予定買収面積に対し約64%が契約済みと聞いております。
次に、大笹生インター周辺の土地利用についてでありますが、県が進めているインターチェンジの進捗状況を見きわめながら、地域振興策について、社会経済の動向や周辺の土地利用の状況等を踏まえ、関係機関並びに地元関係者の皆様と十分協議してまいります。
次に、自主避難者向けの公営住宅の子育てや雇用環境も加味した分散型の整備についてでありますが、本事業は、放射能に不安を抱え、自主避難しました子育て世代を中心とした市民の帰還を促すことを目的としております。そのため、その建設場所は生活空間の放射線量が比較的低い地区から選定することになりますが、具体的な条件等につきましては、今後、子育てや雇用環境、さらには法規制や生活利便性などを総合的に勘案しながら検討してまいります。
◎都市政策部長(佐藤祐一) 議長、都市政策部長。
○議長(粕谷悦功) 都市政策部長。
【都市政策部長(佐藤祐一)登壇】
◎都市政策部長(佐藤祐一) お答えいたします。
まず、防災計画の災害復旧対策についてでございますが、復興計画に位置づけております災害復旧対策の事業といたしましては公園施設災害復旧事業で、進捗率は94.6%でございます。
次に、大原綜合病院の新築移転の支援についてでありますが、中心市街地の活性化や市民医療に重点を置いた震災復興のまちづくりからも重要な役割を果たすため、福島市中心市街地活性化基本計画に位置づけ、平成24年度より上町地区暮らし・にぎわい再生事業として、国と連携し、支援を行っているところでございます。
また、日本赤十字病院の新築移転の支援についてでありますが、昨年、本市に対し、現在地から国道4号東側の八島町地内へ移転するにあたり、周辺道路の環境整備等について要望があったところでございます。現病院及び移転予定地につきましては、中心市街地活性化基本計画の区域外でございますことから、当該基本計画への位置づけは困難でありますが、中央地区をはじめとする地域医療の拠点となることから、移転予定地周辺の交通の安全確保と円滑化並びに病院利用者の利便性の向上を図るため、周辺道路の環境整備について支援してまいりたいと考えております。
次に、ぴょんぴょんドームの概要と運営方針についてでありますが、初めに概要につきましては、遊具の面積が480.9平方メートル、最大高さが2.2メートルで、山の数が大小合わせて5個の跳びはねることができる大型遊具でございます。また、直径40メートルの屋根を設置するとともに周囲に人工芝やベンチを配置し、通年利用が可能な施設であります。
運営方針につきましては、幼児から小学6年生までの子供たちが自由に利用できるよう無料とし、混雑時等の安全利用対策も含め、外部委託により安全管理を徹底してまいります。
なお、利用時間につきましては、午前9時から午後5時までを基本といたしまして、日没時間を踏まえた設定を検討してまいりたいと考えております。
次に、平野地区を含む十六沼周辺の、福島研究公園の工業専用地域からの土地利用見直しに対する考え方についてでありますが、平野地区につきましては、地区の現況と現在までの経過を踏まえ、地元関係者と協議の上、総合的に検討してまいります。
また、十六沼周辺の土地利用につきましては、豊かな自然環境や景観に十分配慮し、スポーツ、レクリエーション施設として活用されている現況を踏まえ、見直しを検討してまいりたいと考えております。
今後のスケジュールにつきましては、福島研究公園全体の土地利用のあり方など、地元並びに関係機関と十分協議の上、来年度予定しております市街化区域等の見直しに合わせ、検討してまいりたいと考えております。
◎下水道部長(高橋通夫) 議長、下水道部長。
○議長(粕谷悦功) 下水道部長。
【下水道部長(高橋通夫)登壇】
◎下水道部長(高橋通夫) お答えいたします。
まず、下水道部での今回の複合災害における事業計画の策定についてでありますが、復興計画に位置づけております災害復旧対策の事業は公共下水道施設の災害復旧事業と農業集落排水施設災害復旧事業であります。
公共下水道施設の災害復旧事業は、公共災として処理分区単位で7ブロックに分け、市単独災として全域を対象に災害復旧計画を立てたところであり、進捗状況は、公共災では復旧延長約12.9キロメートル中約9.6キロメートルが完成し、74.4%の進捗率であります。市単独災は、復旧延長約2.6キロメートル中約1キロメートルの完成で、38.5%の進捗率であります。
また、農業集落排水施設災害復旧事業は、小田第1、小田第2、山口の3地区に分け計画を立てたところであり、3地区とも平成24年度内の完成となっております。
なお、災害査定後にたび重なる余震等による新たな下水道施設の被災箇所が発生しておりますことから、引き続き平成25年度においても下水道施設の災害復旧事業に取り組んでまいります。
次に、下水道部における激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の特例、特別措置と適用実績についてでありますが、農業集落排水施設災害復旧事業において、特定被災地方公共団体の指定を受け、国庫補助率50%から80%にかさ上げとなっております。
次に、下水道事業に係る賠償請求についてでありますが、これまで累計で1億8,267万円余を東京電力に請求しております。そのうち、平成25年2月末までに9,670万円余が入金済みとなっております。まだ合意に至っていない項目としましては、下水道使用料の減収分が8,487万円余、人件費が93万円余、説明会等に要した経費15万円余であります。合意に至っていない項目につきましては、引き続き求償してまいる考えであります。
◎教育長(佐藤俊市郎) 議長、教育長。
○議長(粕谷悦功) 教育長。
【教育長(佐藤俊市郎)登壇】
◎教育長(佐藤俊市郎) お答えをいたします。
まず、放射線教育と防災教育の推進についてでございますが、本市の子供たちに、自分の命を守るための正しい知識を持ち、みずから考え、適切に判断し、行動できる力を育む防災教育を充実することが肝要であると捉え、本市独自の防災マニュアルのモデルを作成し、各校に対しさまざまな状況に対応できる防災マニュアルの作成を指導してきたところでございます。
また、放射線教育につきましては、本市独自の指導資料を作成し、本年度の2学期から全小中学校で指導資料に基づく放射線教育の授業を実施しており、次年度につきましては、本年度の実践の成果と課題から指導資料の内容を見直し、改訂版を作成すること、教職員の指導力向上のための研修を継続することを柱として事業を推進する予定でございます。
次に、避難を理由に区域外就学申請をしている小中学生の数につきましては、平成25年2月末日現在で、小学校で584名、中学校で136名、特別支援学校小学部で1名、合計721名となってございます。
なお、住所を移転したいわゆる転学者は、小学校で129名、中学校で18名、合計147名となってございます。
残りのご質問につきましては、教育部長より答弁いたします。
◎教育部長(野地正栄) 議長、教育部長。
○議長(粕谷悦功) 教育部長。
【教育部長(野地正栄)登壇】
◎教育部長(野地正栄) お答えいたします。
学校施設の災害復旧対策の進捗状況についてでありますが、平成24年度末見込みで、野田小学校北校舎改築事業につきましては事業費ベースで50%、中学校南側法面復旧事業につきましては100%となっております。
また、学校等施設におけるその他の災害復旧事業をはじめ社会教育施設、体育施設、こむこむ館の各復旧事業につきましては、平成23年度末までにそれぞれ終了しているところであります。
次に、食材モニタリング検査の重要性についてでありますが、現在毎日全ての給食施設において給食提供前に実施をしております学校給食まるごと検査事業を今後も継続し、放射性物質の検査結果を情報提供し続けることにより地元農産物の安全性を発信してまいります。
また、これら新鮮で安全安心な地元農産物を使用することは、児童生徒に地域の産業や文化に関心を持たせたり、地域において農業などに従事をしている方々に対する感謝の気持ちを抱かせたりするなどの教育的効果があり、食育を推進する上でも重要であると考えております。
次に、子供のリフレッシュ事業の推進についてでありますが、自然体験や交流活動を通して子供たちの心身の健康やリフレッシュを図るとともに、子供たちの生きる力を育み、福島の復興を担う人材を育成することを目的として、小中学校の夏休み期間中に県内外において、小中学生3,000名を対象に次年度も子どもたち・夏のリフレッシュ体験事業を実施してまいります。
次に、スポーツによるまちづくりについてでありますが、スポーツ施設を整備することは、生涯スポーツの振興、交流人口の拡大、地域経済の活性化を図る観点から重要な施策であると考えております。施設整備の際には、競技団体と連携した全国大会の誘致なども視野に入れながら、施設利用者向けの宿泊料金設定などについて商工団体と連携をし取り組むとともに、利用者、観客、関係者が利用しやすい施設整備を目指して検討してまいります。
◎
水道事業管理者(冨田哲夫) 議長、
水道事業管理者。
○議長(粕谷悦功)
水道事業管理者。
【
水道事業管理者(冨田哲夫)登壇】
◎
水道事業管理者(冨田哲夫) お答えいたします。
水道事業会計における平成25年度当初予算編成の基本方針につきましては、災害対策の強化、維持管理の強化、未普及地域解消及び遊休、廃止施設の整理を重点項目とし、長期的かつ総合的な観点から事業の投資効果、緊急度、優先度等を十分勘案し、編成したものであります。
特に災害対策につきましては、引き続き老朽管更新事業や緊急時給水拠点確保等事業を積極的に推進するとともに、市内中心部への供給拠点である弁天山配水池の耐震化事業に着手するなど、より災害に強い水道施設構築に向け取り組むことといたしました。
残りのご質問につきましては、水道局長より答弁いたします。
◎水道局長(小泉五男) 議長、水道局長。
○議長(粕谷悦功) 水道局長。
【水道局長(小泉五男)登壇】
◎水道局長(小泉五男) お答えいたします。
まず、災害復旧対策事業とその進捗状況についてでありますが、復興計画に位置づけております災害復旧対策の事業として水道施設等の災害復旧事業を進めてきたところであり、現在の進捗率は97%となっております。
次に、水道事業に係る賠償請求についてでありますが、これまで累計で2億7,542万円余を東京電力に請求しております。そのうち、平成25年2月末までに87万円余が入金済みとなっております。まだ合意に至っていない項目としては、水道料金の減収分が1億8,371万円余、水道加入金及び検査手数料が8,449万円余、人件費が599万円余、放射線測定費用及び広報費用等が34万円余であります。合意に至っていない項目については、引き続き求償してまいる考えであります。
◎消防長(高木信雄) 議長、消防長。
○議長(粕谷悦功) 消防長。
【消防長(高木信雄)登壇】
◎消防長(高木信雄) お答えをいたします。
防災計画上の災害復旧対策についてでありますが、復旧計画に位置づけております災害復旧対策事業は、消防施設災害復旧事業、消防設備復旧事業、消防救急デジタル無線整備事業であり、消防施設災害復旧事業及び消防設備復旧事業の進捗率はいずれも100%となっております。
なお、消防救急デジタル無線整備事業は平成24年度末で完了する予定であります。
◆36番(中野哲郎) 議長、36番。
○議長(粕谷悦功) 36番。
◆36番(中野哲郎) 大変詳しいご答弁をいただきまして、大分時間がちょっと経過しておりますが、2点ほどお伺いしたいと思います。
まず、市長にお伺いを申し上げたいと思いますが、質問に際しまして、特に市長の決意に関してでございますが、放射能災害等においては、市長の現任期を超えて、相当期間、時間がかかることを覚悟しないといけないというような前ぶれをもって質問させていただいたわけでありますが、その心は、市長の次期市長選に対する思いやら意向をお聞きしたいという気持ちもあったわけですが、今回ご答弁の中には含まれておりませんでしたので、改めて再質問として、市長の次期市長選に対するご意向等に関して質問をさせていただきたいと思います。
もう一点は、行政評価に関してでありますが、その基本方針が提示されるやにご答弁いただきましたが、質問したいのは議会との関係であります。議会も、決算特別委員会等を踏まえて次の予算に反映させる、いわゆるPDCAサイクルの中に議会としての機能も組み入れられるということを期待し、あるいは前総務常任委員長時代に提案をさせていただいておるわけですが、その基本方針の中で議会のそういった機能に関してどのような位置づけをしているのかお伺いをしたいと思います。
以上2点に関してお伺いします。
◎市長(瀬戸孝則) 議長、市長。
○議長(粕谷悦功) 市長。
◎市長(瀬戸孝則) 36番中野議員の再質問にお答えいたします。
復興にかける思いと希望ある復興に向けての決意についてに関してのことでございますが、現在、私は、災害からの復旧、復興に向けて全力で取り組んで、震災前の市民生活を一日でも早く取り戻すこと、そして市政の重点施策の具体化に取り組むことに全力を傾注すること、これが私の責務であるというふうに考えております。
ご質問の件につきましては、しかるべき時期の市議会本会議において申し上げたいと考えておりますので、ご了承願います。
◎政策推進部長(冨田光) 議長、政策推進部長。
○議長(粕谷悦功) 政策推進部長。
◎政策推進部長(冨田光) 行政評価についてお答えいたします。
平成25年度実施の行政評価を本格導入いたしますが、この行政評価につきましては、事後評価、それから事前評価という2段構えで実施してまいります。なおかつ、行政評価委員の方など、外部評価も導入して、市民の目を入れていくというような形で進めてまいりますが、議会のほうに対しましては、これは決算特別委員会等に合わせまして、行政評価の結果についてご報告をしてまいりたいと考えております。
◆36番(中野哲郎) 議長、36番。
○議長(粕谷悦功) 36番。
◆36番(中野哲郎) 今政策推進部長からご答弁いただいたのですが、議会としても積極的にその評価に対して参画をしたいという思いを込めて前委員会において提案をされていると思いますので、ぜひPDCAサイクルの中に議会の機能を、特に今、決算特別委員会等での議論、そしてその次の予算に対する反映という格好で何らかのシステム、仕組みをご検討いただければと、このように思いますので、これは意見あるいは要望として受けとめていただければと思います。
以上です。
○議長(粕谷悦功) 以上で、中野哲郎議員の質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後0時22分 休 憩
─────────────────────────────────────────────
午後1時14分 再 開
○議長(粕谷悦功) 休憩前に引き続き会議を開きます。
14番大平洋人議員。
◆14番(大平洋人) 議長、14番。
○議長(粕谷悦功) 14番。
【14番(大平洋人)登壇】
◆14番(大平洋人) みらい福島の大平洋人であります。3月定例会にあたり、みらい福島を代表して質問いたします。よろしくお願いいたします。
2011年3月11日に発生いたしました東日本大震災及び東京電力福島第一
原子力発電所事故は、自然豊かな福島の地に対して深刻でかつ物質的、精神的な被害を与えました。そうした中で、被災3県のうち宮城、そして岩手では、復興のつち音が響き、緩やかに確かな歩みを感じさせながら、あの震災から間もなく2年が経過しようとしています。しかし、福島は、
原子力発電所事故の影響から、いまだ復興の歩みが遅々として進まない、そんな閉塞感に包まれているような気がいたします。
本市は、平成24年度予算案に希望ある
復興プロジェクトを最優先課題として取り組まれましたが、その進捗状況は順調とは言えません。この課題を安直に次年度へ繰り越すことは、市民の切実な思いを鑑みれば決して許されません。新年度は、市民にとり確かな復興の実感が伴う大胆な予算編成が強く求められます。
その一方で、
原子力発電所事故による本市への風評被害の影響は、経済の低迷にとどまらず、放射線の健康不安による子育て世代の人口流出、そしてそれに伴う労働人口の減少や人口減少社会への急速な進展、結果として長期的には税収減少などの極めて厳しい将来像が予想されます。本市がこれらの課題を解決していくには、まず行政改革を継続的に進めていくことが大切です。
先日提出されました平成25年度の一般会計予算は、前年比299億8,000万円、比率で23.1%多い総額1,599億円となり、過去最大の予算編成となりました。しかし、ふるさと除染事業費706億円強を除いた前年度予算との比較では、3月補正の前倒し分を含めて32億円で3.6%の伸びとなりました。その実態を冷静に判断すれば、今年度の予算はより堅実な歳出に努めなくてはならないことは明白であります。復興のため、除染対策以外の歳出については、財源を見通し、経費節減に努め、慎重な支出に努めなければなりません。
私たちは、具体的な行政改革の手法として、事務事業の見直し、職員定数の適正化及び人件費の削減、諸事業の民間委託等の行政の効率化を図るのがより有効であると考えております。みらい福島は、昨年、震災からの真の復興と将来の子供たちに過大な負担を残さない健全な市政の実現を目指すため、本市の緊急性、重要性の高い課題や政策の優先順位を示し、平成25年度の予算編成や施策に対し、会派として市長に要望させていただきました。我々としましては、それらを新年度予算により多く反映させていただくとともに、議会本来のチェック機能をこれからもしっかりと果たしていくため、市政の諸課題につきましてこれより以下お尋ねしてまいります。
まず、福島市復興計画に基づき、希望ある復興を進め、子供からお年寄りまで暮らしてよかったと実感できるまちの実現を目指して編成された平成25年度の一般会計でありますが、この予算にかける市長の意気込みと復興への決意についてお伺いをいたします。
次に、昨年の11月9日にみらい福島が瀬戸孝則市長に提出いたしました予算編成及び施策に関する要望について、それぞれご所見をお伺いいたします。
最初に、原子力事故による市民の精神的苦痛に対しての賠償を求め、また風評被害で大きな影響を受けた全ての事業者に対して全面賠償を求めることについて。
2点目は、市民が独自で行う除染に関する費用は市の責任で支払いを行うこと、さらには除染のための仮置き場を直ちに設置すること。
3点目は、放射線量の定期的測定と市民の健康管理を徹底する取り組みを行い、そのかかる費用は国、東京電力に支払いを求めること。
4点目は、事務事業の評価システムを導入し、PDCAサイクルに基づき事業の検証と改善、それらの内容を公表すること。
5点目は、公共事業のライフサイクルコストを把握し、公開するとともに、維持管理や新規施設の検討に反映すること。
6点目は、新庁舎西棟建設は当面の間は凍結すること。
7点目は、地域主権時代に向けた職員の意識高揚を行い、時代の変化に対応できる人材の育成と社会人経験者の中途採用をふやしていくこと。
8点目は、国の動向を見きわめながら、賃金レベルを地域事情に照らし合わせ、効率的、効果的な市政運営のために的確な職員給与の改定を行うこと。
9点目は、障害を持つ幼児、児童、生徒が健常な子供たちとともに学べる教育環境づくりを行うこと。
10点目は、関係者研修や人材の活用によって、発達障害の早期発見、早期治療を促進する施策を検討すること。
11点目は、知的、身体、精神障害者の自立支援施設の充実及び共生社会に向けた市民への啓発の充実を図ること。
12点目は、学童保育のニーズを捉え、必要な定員確保のための施策を講じ、また一時預かりなど、子育ての不安解消に向け、女性が妊娠期から安心して産み育てられる環境を整備すること。
13点目は、子どもリフレッシュ応援事業を通年事業として実施すること。
14点目は、小中学校の全学級へエアコンを設置すること。
15点目は、学校給食事業の民間委託を早期に実施すること。
16点目は、各地で通学路での事故が相次ぐ中、指定通学路の安全確保を調査し、早急に整備をすること。
17点目は、中央学習センター、市立図書館の本館、公会堂の更新計画を早期に示すこと。
18点目は、少子高齢化の中で、高齢者を地域で見守る仕組みづくりの支援、充実を図ること。
19点目は、全ての小中学校、特別支援学校教員に対して個別のパソコンを貸与することを実施すること。
20点目は、学生の就職活動、企業の採用活動のミスマッチを解消する取り組みと正社員の採用の検討を企業に求め、さらにそれを後押しするためにもふくしま産業復興補助金制度の拡充を求め、本市の創業支援や企業誘致を推進すること。
21点目は、福島市の農産物の安全性をPRし、風評被害の払拭に力を入れ、農作物の地産地消の推進と大都市圏の販路拡大を図り、地域農業の振興、育成、新規就農及び後継者育成を図ること。
22点目は、学校給食の市内農産物自給率の50%の早期達成を図ること。
23点目は、福島都心中央土地区画整理事業を推進し、中心市街地活性化の促進につながる施設整備を行うこと。
24点目は、復興の推進力と期待される東北中央自動車道整備におきまして、相馬福島米沢北区間の早期完成を国に求め、さらに一般国道13号福島西道路の南伸の早期実現と北伸区間の事業化に向けた取り組みを強化すること。
25点目は、多額の予算が計上される公共下水道の整備については、採算性、効率性を勘案し、下水道区域の見直しを行う時期が来ているのではないか。
以上について、それぞれ所見をお伺いするものであります。
次に、公契約についてお尋ねいたします。
みらい福島では先月、公契約条例を導入した先進都市の渋谷区を視察いたしました。早速、条例導入の経緯と経過をお伺いしたところ、渋谷区では、議会が公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に向けた意見書を国に提出し、平成20年度に実質的な公契約条例制定に動き出したところであります。当時は、長引くデフレの影響により建設投資が落ち込む中、受注競争が激化し、人件費を無視したダンピングの横行や最低賃金法違反や賃金の不払いといった事態が社会問題化しておりました。
こうした状況を改善するため、渋谷区では、労働者の適正な労働環境を確保し、事業の質を向上させるために、受注者に労働者への賃金の支払いを義務づけ、さらにその報告等を求めることも義務づけた条例の制定が望ましいと、当局及び議会が緊密に連携しながら導入に向けた議論が開始されたそうであります。
まず、区では、日本で最初に公契約条例を導入した千葉県野田市を参考に、過度な低価格入札を防ぎ、労務報酬の適正化をどのように担保するのかを慎重に検討し、並行して、議会、区民、企業、労働組合等の代表者を交えて、条例制定に向けた課題について話し合いが行われました。
そして、条例の目的は3つ、労働者等の適正な労働条件の確保、事業の質の向上、区民が安心して暮らすことができる地域社会の実現として、また条文の柱には、受注者及び下請業者は、労働者に労働報酬下限額以上の賃金を支払わなければならないとうたい、適用契約の範囲は、業務委託契約を除き、予定価格1億円以上の工事請負契約または首長が特に認めるとする工事請負契約に絞った施行をすることといたしました。
もちろん、これには異論もあり、業務委託契約の1,000万円以上を対象とした野田市はじめ公契約を導入した川崎市、多摩市、相模原市と同様に範囲をより広げて施行すべきとの意見も数多く寄せられましたが、実施状況をチェックする事務方の要員と膨大な事務量を勘案して、当面は予定価格1億円以上の工事請負契約等に限って実施することとなったそうであります。100点満点とは言えないスタートでありますがと語る渋谷区の担当者でありますが、公契約自体を導入することにより、対象にならない契約についても課題が整理されれば導入を視野に入れており、このことから、対象から外れた契約にも一定の抑止効果が図れると見込んでいるとのことであります。
本県の放射線警戒区域での除染関連の公共事業において、賃金の未払い、いわゆるピンはねの横行が報道され、今大きな社会問題としてクローズアップされております。本市にもこうした事案がないと言えないような気もいたします。震災関連の公共事業が増加する現在、福島市として労働者を、つまりは市民を守るために一刻も早い公契約条例の制定が望まれるのではないでしょうか。過去には、同僚議員の高木議員、土田議員も質問の中でその必要性について指摘したところでありますが、その後導入する先進自治体がふえる中で、本市と照らし合わせました当局の認識についてお伺いします。
また、導入の検討について当局の見解を伺います。
次に、仮称福島市民総幸福度、GFHの導入についてお尋ねをいたします。
東日本大震災が発生して、市内のライフラインが崩壊したあの日、私たちは、町内会や消防団等々の方をはじめ、隣近所同士との助け合いや励まし合いの自主的なボランティアネットワークにどれだけ身も心も救われたのでしょうか。こうしたつらい経験から、改めて地域や人々のつながり、きずなが見直されており、こうした動きが被災地だけではなく全国に広がっているようであります。
昨年、国民総幸福量、GNHを国家理念に掲げるブータン王国のワンチュク国王夫妻が来日され、福島県の被災地を訪れたことは皆さんもご存じのことと思います。直接接点もない他国の被災者である本県の住民に優しく寄り添う国王夫妻の姿に、経済指標を何よりも豊かさと幸せであると理解していた多くの日本人にとりまして、改めて我々にとって豊かさ、そして幸せとは何かを考えさせられるシーンでもありました。
そのブータンで実施されている国民総幸福量、GNHをベースに、東京都荒川区では、荒川区民総幸福度事業、GAHとして、区民の幸福度を、西川太一郎区長が就任以来、区政は区民を幸せにするシステムであるというドメインを掲げるテーマを具現化し、政策に結びつけるために導入されたこの事業を福島市にも導入できないのかを学ぶため、先月、会派で、その実現に取り組む荒川区自治総合研究所の所長、二神早稲田大学名誉教授のもとを訪ねました。
現在、区と研究所では、自治体職員が地域住民の幸福とは何かについて考え、職員の仕事への意識向上を目指した取り組みを進めており、具体的な効果として、地域住民の意識向上や市政への関与が促され、協働のまちづくりへの住民との深度化が図られ、幸福度を政策への反映、再評価等に分析して区政、事業に反映させているとのことであります。今後も、住民アンケートを通して、幸福度の変化を3年から5年置きに定点観察をし、経年で把握し、中長期計画の政策提案、評価にも活用できるものと期待しております。区民にもこの幸福度についての認知度が年々上がっていると、成果についてうれしそうに話していたのが印象に残りました。
この幸福度の事業に取り組むことによって、よりよい地域の実現に向けて行政職員と住民の意識が向上するように、双方が協働して指標プロセスに参加する仕組みをつくるとともに、政策に反映させるツールとして活用できるのではないかと視察を通して強く感じました。また、二神所長からは、福島市と荒川区は特別なつながりのある自治体同士であり、ぜひ導入をとお勧めもされました。
過去にも代表質問にて、みらい福島の佐久間会長より、この国民総幸福量について、市政の大きな柱に取り上げるべきと提案をさせていただいておるところでございますが、当時の答弁を見ますと、本市としては、地域固有の歴史や文化を生かし、地域コミュニティーを大切にしたまちづくりを市民との協働で進め、生活の質が高い、本当の豊かさのあるまちづくりを築くとのことでありました。
この震災後、これまでの経済的指標による豊かさが幸せの基準ではないとの認識をする福島市民はふえているのではないでしょうか。また、原発事故の放射線被害により、物質的な豊かさから、心や人のつながりを大切にする福島に、本来から持っている温かい人情やきずなを求める人たちも多いのではないでしょうか。こうした荒川区を参考とした仮称福島市民総幸福度、GFHを、過酷な震災を経験した福島市民のこれからの個人として、さらに行政に対して幸福度、満足度をはかる指標として、また荒川区と同じ住民との協働を標榜する本市にも導入できないでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、東北六魂祭についてお伺いいたします。
先般、東北の県庁所在地の6人の市長が記者会見を行い、本年6月1日、2日、福島市において東北六魂祭が開催されることが正式に発表されました。瀬戸市長は、東北の誇り高い魂を1つにして、東北の復興に向けて前進するイベントにしたいと力強く宣言をされました。
さらに、プレス発表によれば、祭りの目玉であるメインパレードは、国道4号線を市役所を中心に1キロにわたり封鎖、青森ねぶた、秋田竿燈、盛岡さんさ踊り、山形花笠踊り、仙台七夕、そして福島市からはあの大わらじの担ぎ手の後にわらじ踊りが沿道いっぱいに繰り広げられるわけであります。メインのイベント会場としましては、旧市庁舎跡地を東北6県の情報、協賛企業の紹介ブースや福島県内12自治体の祭りや伝統芸能も披露する計画となっており、福島県の元気を全国に発信するよい機会となるのではないでしょうか。
また、このイベントは、原発事故後の風評被害で痛めつけられた本県や本市の観光地が安全であることをアピールするまたとないチャンスであり、東北六魂祭開催により真の震災からの復興のスタートにしたいものであります。開催まで3カ月を切った現在、市民をはじめ全国への開催についての情報発信が重要と考えますが、東北六魂祭の確定した、その全貌についてお伺いをいたします。
次に、東北六魂祭の開催にあたり、周辺住民の皆さんに対する協力依頼や説明、20万人を超えると言われる観光客の安全な誘導、トイレ、道路迂回など課題もあると思われますが、当局の見解をお伺いいたします。
次に、これからの観光客の誘致についてお伺いいたします。
観光庁によると、2012年上半期の東北6県の宿泊者数は震災前の8割弱にとどまったことがわかりました。県別では、2010年4月から9月と比べて、秋田50.8%減、山形16.6%減、岩手4.9%減、宮城17.5%減、そして福島が27.8%減と、被災3県以外も深刻な影響を受けました。また、海外からの旅行者を見ると、隣国の韓国、中国を中心に、2012年上半期は3万9,000人で、2010年比で74.9%減とすさまじい影響があったことが裏づけられました。
東北六魂祭を契機に、観光客の誘客に向けて巻き返しを図るべきと考えますが、国内向け、海外向け、それぞれの本市の戦略をお伺いいたします。
次に、観光に特化した戦略的な部課の設置について伺います。
白河市では、新年度の機構改革の中で、観光業務に特化した課を設置するとのプレス発表がありました。白河市は、震災と原発事故の後の風評被害から打撃を受けた観光産業を、NHK大河ドラマ八重の桜の舞台にもなることから、攻めの姿勢に大きくかじを切ったものであります。
本市も、東北六魂祭で風評に打ち勝つため、観光復興の施策の推進力アップのため、観光に特化した部課の設立についてご意見をお聞かせください。
また、福島市観光コンベンション協会との連携を強化して、観光資源の活用と開拓も必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、復興のシンボルとしてのサッカーチーム、福島ユナイテッドFCの活用についてお伺いします。
地元のサッカーチーム、福島ユナイテッドFCは、2013年、ついにJFLへの昇格を達成しました。さらなる上位リーグを目指し、間もなくその戦いがスタートいたします。本チームの活躍は、まさに震災復興のシンボルとして、全国のサッカーファンにとどまらず、福島復興を願う全国の皆様に元気を伝える伝道者として、活躍に期待したいと考えております。
本市は、福島ユナイテッドFCを福島市のイメージアップの戦略として活用を検討していくのか、見解をお伺いいたします。
また、チームは今後1年間、全国各地、北は秋田から南は沖縄まで34試合を戦い抜かなければなりません。その運営費は何と1億5,000万円にも上ると試算されております。おそらく厳しいクラブ運営が予想される福島ユナイテッドFCについて、本市は福島復興の伝道師としてより多くの支援を行うべきではないでしょうか。県も補助金を検討しており、地元自治体として独自の支援体制についてお伺いをいたします。
次に、全国自治体との交流について伺います。
東日本大震災を契機に、福島市は全国多くの自治体との交流が活発化しております。今後は、これをご縁として末永い交流を続けることが重要ではないでしょうか。震災、原発被害を風化させないためにも、今回の関係を発展させなければならないと考えます。姉妹都市を含んだこれからの都市間交流の構想についてお伺いをいたします。
次に、伝統文化としての吾妻五葉松の振興についてお尋ねいたします。
伝統文化として五葉松の振興について、私は過去も訴えてまいりました。五葉松を使用した盆栽愛好家は、現在、年配者だけにとどまらず、都市部の若者には小品盆栽として根強い人気を誇っております。また、海外でも盆栽は欧米を中心にブームとなっており、今では盆栽という言語は日本語表記ではなく、英語でいわゆるアルファベットのBONSAIと表記されるほどであり、まさに世界中に盆栽文化が広がっていると言えるのではないでしょうか。福島市庭塚の盆栽作家の方の工房には、講習のために長期の滞在をするイタリアなどからの外国人も多数訪れておりまして、それを裏づける事例も実際に聞き及んでいるところでございます。
歴史をさかのぼりますと、本市に生息する五葉松は盆栽に向くすぐれたものが自生しており、明治の時代より産業として盛んではありました。昭和の後半より、中国産の安価な商品の登場などで衰退を続けているような状況が今の偽らざる現状と言えます。世界的なブームと逆行して、衰退する福島の伝統文化としての五葉松盆栽を市としてどのように活性化させ、振興を図られるのか、当局の見解をお伺いいたします。
次に、避難者住宅整備についてお尋ねいたします。
先月、瀬戸市長は根本復興大臣に対して、自主避難者ら向けの公営住宅整備の本市の取り組みの要望が認められたとの報道がなされました。市長は年初より、西部地区への複数箇所の公営住宅の設置を検討する施策を発言されており、これが国の後押しを受け、具体的に動き出すことは、市外に避難する自主避難者や子育て世代の若者に朗報となると考えられます。本事業の詳細を伺うとともに、課題があればお示しください。
次に、農地転用についてお伺いいたします。
これまでも、後継者問題や農業収入の減少などで将来に不安を持つ農業者が、今回の東日本大震災、東京電力福島第一
原子力発電所事故の風評被害により農業をやめる、もしくは検討する世帯がふえていると聞き及んでおります。このままでは農地は荒れるに任せるだけだと、吾妻地区の地元では諦めにも似た声も一部には聞こえてまいります。
そこで、農地を有効に活用するためにも、避難者住宅に限り、民間住宅も含めた転用を許す緩和措置をすることについて、当局の見解をお伺いいたします。
また、地域の活性化のため、低線量地の荒れ地に住宅建設となれば、現在の人口流出の歯どめにもなるのではないかと考えます。農地は減りますが、人口は戻り、農作物の消費量は一定ふえ、地域振興が図れるのではないでしょうかと考えますが、例えば特区の検討はできないのでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、県学力調査についてお尋ねいたします。
県教育委員会は先月、小学5年生と中学2年生を対象にした県学力調査の結果を公表いたしました。調査にあたり対象となった教科は、小学校では国語、算数、理科、中学では国語、数学、英語の各3教科で実施されました。それによりますと、中学の英語は全国平均を0.6ポイント上回り、国語は小中学校とも全国平均を超えましたが、算数、数学は下回ったとの結果で、文部科学省が昨年の4月に実施した全国学力テストと同様の傾向であったとのことであります。
この調査は県内全ての公立小中学校を対象に行われており、本市についても県内同様の傾向にあると推測はできますが、県学力調査の結果についてお伺いいたします。
次に、結果から学力向上に向けた対策が重要視されますが、今後の取り組みについてお聞かせください。
次に、理科授業の課題について伺います。
昨年、独立行政法人科学技術振興機構が調査したところ、学習指導要領で実験重視をうたう小学校の理科実験で、備品不足が解消されず、授業に影響しかねない学校が多いことがわかったとのことであります。さらに、予算も不足しており、調査対象学校の4割は購入予算もゼロだったことが明らかになりました。これでは、子供たちが科学に興味を持っても、学校がそれに十分応えられないという事態にもなりかねません。本市では果たしてどのような状況なのでしょうか、詳細をお伺いいたします。
次に、学校給食についてお尋ねいたします。
最初に、給食アレルギーについてお伺いをいたします。
東京都調布市の公立小学校で、乳製品にアレルギーがある女子児童が給食で出されたチーズ入りチヂミを食べ、アナフィラキシーショックを起こし、亡くなりました。本来、給食は子供たちが学校生活の中で最も楽しみにしている時間であり、このような事故が発生したというニュースをお聞きしまして、私も子供を持つ一人の親として、他人事とは思えない大きな衝撃を受けました。
この女子児童はもともとアレルギーを持っており、学校側もそれを理解して、栄養士から担任教諭に除去食一覧表が渡っていたそうであります。さらには、食べてはいけない食品類のチェック表もありましたが、児童からおかわりを求められたところ、そのチェック表にバツ印がなかったため、その求めに応じ、結果として最悪の事態に陥ったものであります。
日本スポーツ振興センターによりますと、学校給食による食物アレルギー事故は全国で2011年度は311件発生しており、これは2005年度の160件から2倍にふえているということであります。
そこでご質問ですが、本市においてそうした事故や対象となる児童生徒はどの程度存在し、把握しているのか、現状についてお伺いをいたします。
また、対策としてどのような体制をしいているのかお伺いをいたします。
次に、米穀類を活用した給食についてお伺いいたします。
震災以降自粛されていた米飯給食の実施が全県に広がっています。福島民報の報道によれば、同一市町村産のお米を使用した給食の実施状況は、平成23年度産の15市町村から、平成24年度産からは38市町村にふえているとのことです。
さきの議会答弁の中で、教育部長は、米飯給食再開にあたり、県の全袋検査、精米工場での抽出検査、県学校給食会での4回の検査、加えて市独自で2回検査をし、さらに料理ができ上がってからも、1食分の料理をまるごと検査して、幾重にも安全性をチェックしているということが明らかになっております。まだまだ保護者の一部には抵抗感を持つ方もおられますが、当局が言うところの日本一安全な給食を今回実施して、児童生徒、保護者、先生からどのような反響があったのかお尋ねします。
また、それを受けて、新年度はどのような方針で実施していくのかお示しください。
次に、米粉パン給食についてお伺いいたします。
一昨年実施された米粉パン給食は、そのアンケートによれば、7割近い児童生徒から支持を得たと私は記憶しております。地元の野田小学校で実施された米粉パン給食の際に、私も実際にお邪魔をいたしまして、その様子を視察させていただき、私も食べてみました。元気に米粉パンを食べる児童を見て、とてもうれしく思ったものであります。
現代の子供の多様な食生活事情を考えれば、必ずしも御飯にこだわらず、子供たちがより手が届きやすいパンに置きかえてみるのもよいのではないでしょうか。今後改めて米粉パン給食の復活を検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、学校保健統計調査についてお伺いいたします。
最初に、子供の肥満についてお尋ねいたします。
県より2012年度学校保健統計調査が公表されました。それによると、本県の子供、男女ともにでありますが、4つの年齢区分で全国一肥満傾向が高いことがわかりました。全国的にはスリム化している傾向が続いているにもかかわらず、本県が逆行した傾向となった背景には、東京電力福島第一
原子力発電所事故による野外活動の制限による運動不足が影響したのではないかと分析されています。特に幼稚園児と小学校の数値は、標準体重よりも20%も重い肥満傾向の割合もふえており、子供たちの運動不足の解消は大きな課題と言えるのではないでしょうか。
私も、地元を中心に一部の、子供を持つ親御さんからこの件について聞き取りをいたしましたところ、学校では休み時間や放課後に校庭などで遊ぶ子供は多分いないのではないかということでありました。また、PTAの雑談の中では、ふだんでも市内では基本的には外で遊ばせないという声もあり、逆にそうした声の影響で外では遊ばせにくい雰囲気があるとのことでありました。また、小学校低学年、幼稚園、幼児と、年齢が小さくなればなるほどこの傾向は強いように感じられました。おそらく本市の調査結果についても同様の傾向が予想されますが、子供の肥満についてどのような見解をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
次に、小中学生の視力についてお伺いいたします。
小学生、中学生の視力に関する調査項目では、視力0.3未満が1979年の調査開始以来最も多くなったことが明らかになりました。小学校では1979年度に比べ3倍に、中学生では2倍と大幅に増加しています。原因は、携帯ゲームで遊ぶ子供の低年齢化が大きく、それに震災の何らかの影響も考えられるのかもしれません。こうした視力低下のゆゆしき現状について、当局のご所見をお伺いいたします。
次に、本県の子供の歯の健康についてお伺いいたします。
本県の子供で虫歯になった割合が、今回の調査で全国平均を上回ったことが判明いたしました。虫歯のある子供の割合の中で、幼稚園児から高校生まで全ての区分で全国平均を上回り、特に小学生については最も高く、67.5%で、全国平均を11.7ポイント上回りました。こうした子供の虫歯のゆゆしき状況について、当局のご所見をお伺いいたします。
そして、最後にまとめとしてでありますが、学校保健統計調査の結果の中から、本市が新年度からどのような施策を打ち出すのか、詳細をお聞かせください。
次に、がん検診についてお伺いをいたします。
平成24年度、県内がん検診の受診率は、40歳以上は30.7%、平成22年度より2.43ポイント低下したという結果を県が公表いたしました。ただし、原発事故のため、双葉郡やその周辺の市町村については除外して数値をつくられたということであり、参考値となるのだそうであります。
そこで、私ども、平成23年度の健康増進法に基づく健診の肺がん検診、主な自治体、5市から受診率を調査することといたしました。その結果といたしまして、会津若松市、4万586人の市民が対象で、13.9%の受診率だったそうであります。それ以降につきましては、数字だけ述べさせていただきますと、郡山は9万3,818人対象で28.5%、いわき市、12万622人対象で16.2%、伊達市、2万3,426人対象で35.6%、南相馬市、2万3,507人対象で8.3%、これは先ほども言った特殊事情でありますが、以上のような受診率の結果となっております。
本市は、震災、原発事故以降、がんに対する不安から、健康に対して意識は高いと推測いたしますが、がん検診の現状についての見解をお伺いいたします。
また、今後の検診体制について、つまりどのように受診者をふやしていくのかについて見解をお伺いいたします。
次に、子宮頸がん検診クーポンについてお伺いいたします。
先ほども申し述べた平成23年度の健康増進法に基づく健診の子宮頸がん検診の県内の主な自治体、5市から受診率を調査してきました。会津若松市、2万9,810人対象で33.5%、郡山市、7万4,963人対象で26.7%、いわき市、8万4,730人対象で19.2%、伊達市、1万6,602人対象で26.5%、南相馬市、1万7,423人対象で5.5%の受診率となっておりましたが、国の予算で実施されるこの検診、本市のクーポンの利用状況についてお伺いをいたします。
また次に、現在の本県の利用状況から推測いたしますと、本市についても利用率は高くないと思います。クーポン利用率の向上のための本市の施策についてお聞かせください。
次に、中央卸売市場についてお伺いをいたします。
定例記者会見において、本市の中央卸売市場は平成26年度より地方卸売市場へ転換するとの発表がなされました。私どもみらい福島も、過年より中央卸売市場から地方卸売市場に転換した先進市場を調査して、課題などについて検討し、これまでもるる議会の中で質疑や提言をしてまいりました。今回、福島市の考え方としましては、中央卸売市場を地方卸売市場への転換をすべきであると結論づけたというところであります。厳しい市場環境を考えれば、市場転換は全国的な流れでもあり、やむを得ない結論とも言えるのかもしれません。
そこでお尋ねいたしますが、今後の市場転換の具体的なスケジュール等について、詳細についてお伺いをいたします。
また、中央卸売市場から地方卸売市場に転換した場合でも課題はあるのでしょうか。今後の市場の状況も含めて見解をお伺いいたします。
次に、新斎場整備事業についてお伺いいたします。
渡利にあります福島市斎場は、昭和55年に建設され、ことしで33年を迎えるとのことであります。新斎場建設の工程表はどのように進捗しているのでしょうか、お伺いをいたします。
次に、環境基本計画についてお伺いをいたします。
みらい福島では先月、舞鶴市を訪れ、環境基本計画について調査をいたしました。舞鶴市の環境基本計画の特色は、2050年をめどに目指すべき環境像を設定し、長期的な明確な目標を立てて、行政と市民がその計画の実現に向け協働していく。具体的な取り組みとしましては、市民、市民団体、事業者、大学で構成されるまいづる環境市民会議を設立、その組織から、地球温暖化防止プロジェクト、循環型社会プロジェクト、生物多様性プロジェクトの3つを組織化し、3R、つまりリデュース、リユース、リサイクルを並立して取り入れ、大量消費社会から低炭素、循環型社会へ緩やかに成果を上げているとのことであります。
また、舞鶴市では、市内に原子力発電所はありませんが、再稼働で有名な大飯原発から20キロ圏内に入っているため、東京電力福島第一
原子力発電所事故は他人事ではないという認識があり、市民の原子力以外の新エネルギーへの転換に対する関心も高まっていると伺いました。実際に、家庭や企業での省エネの推進、公共交通の利用促進、クリーンエネルギー車の普及等の身近な環境に対する配慮や生活改善の実践も、わずかながら増加傾向になっていることが市民アンケート調査でも明らかになっており、脱原発の流れにより、今後の広がりに期待がかかりますと担当者から説明を受けました。
さて、本市の環境基本計画は、東日本大震災及び東京電力福島第一
原子力発電所事故を経験してどのような変更や修正が図られるのか、当局の見解をお伺いいたします。
次に、水道水の安全性についてお伺いをいたします。
大震災、原発事故以降も、直後の地震による断水や漏水は発生しましたが、関係者の不眠不休の復旧活動により、予想より早く水道は供給が再開されました。そして、本市の水道は、安全で良質なおいしい水を現在も安定的に供給しております。
しかし、市民の一部の方におかれましては、放射線に対する不安や不信感から、水道水は利用せず、ペットボトルの水を購入し、飲用する状況が続いていると聞き及んでおります。私どもも、水道水に対して科学的な見地から資料を参照に安全性を訴えておりますが、全ての方に理解してもらうには至っておりません。
そこでお尋ねいたしますが、水道局として震災以降、水の安全性についてどのようにして市民に理解を求める取り組みを行っているのかお聞かせください。
次に、再生可能エネルギーの普及についてお伺いいたします。
今の日本のエネルギー事情を考えますと、再生可能エネルギー普及は私たちの将来を左右する大きな課題と言えます。現在、国は、太陽光、風力エネルギーのほかに地熱、温泉熱などで発電する代替エネルギーを推進しています。本市においては、土湯温泉で温泉熱を活用したバイナリー発電の実現に向け進んでおりますが、それ以外にも国は本市吾妻山周辺の山岳地帯に地熱資源の可能性が有望と公表しております。
しかしながら、開発にあたり課題も多いと聞き及んでおります。本市は、こうした豊かな地熱資源を次世代に向けた再生可能エネルギーとして活用して普及に努めるのでしょうか、見解をお伺いいたします。
以上で質問は終わりますが、震災3年目となる本年は、福島市にとって真の震災復興の正念場であります。しかし、最近は全国的にも東日本大震災について関心が薄れつつあるように感じられます。私たちは、宮城、岩手とともにやっとそのスタートラインに立っただけであり、復興はまだ始まったばかりであるということをしっかりと全国に発信していかなければなりません。そして、東北が復興しなければ日本が復興しないということもしっかりアピールしていかなければならないと考えます。
当局の皆様も、大震災発生以降、精力的に復旧、復興に向け、多忙で厳しい業務をこなしており、その後ろ姿に私たちは改めて敬意を表したいと存じます。私たち市議会もまた、震災後の確かな復興に向け、当局の皆様とともに手を携えて、この厳しい現実に立ち向かい、震災を乗り越え、夢ある未来福島の実現に向けて協力していくことをここでお誓いをいたします。
そして、最後に、この3月で退職されます職員の皆様方、長年にわたり、市勢伸展と市民福祉の向上等にご尽力されましたことに対しまして、心から感謝と御礼を申し上げます。退職後の第2の人生が健康で心豊かに過ごされますようご祈念を申し上げまして、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。
◎市長(瀬戸孝則) 議長、市長。
○議長(粕谷悦功) 市長。
【市長(瀬戸孝則)登壇】
◎市長(瀬戸孝則) 14番大平洋人議員のご質問にお答えいたします。
初めに、予算にかける意気込みと復興への決意についてでありますが、平成25年度一般会計当初予算につきましては、過去最高だった昨年度をさらに23.1%上回る積極型の予算を編成したところでございます。子供からお年寄りまで暮らしてよかったと実感できるまちの実現を目指して、安全と
信頼プロジェクトなど4つの
復興プロジェクトを最重点に、全ての市民が夢と希望を持てる力強い復興への大きな一歩を踏み出してまいります。
ご質問中、市長答弁以外の質問につきましては、担当部長等よりそれぞれお答えいたさせますので、ご了承願います。
◎総務部長(斎藤信行) 議長、総務部長。
○議長(粕谷悦功) 総務部長。
【総務部長(斎藤信行)登壇】
◎総務部長(斎藤信行) お答えいたします。
まず、地域主権時代に向けた職員の意識高揚と時代の変化に対応できる人材の育成についてでございますが、公務を担う使命感の醸成とともに行政サービスの質を向上させるためには、政策形成研修や接遇研修などが重要であると考えております。
今後におきましても、人材育成計画2011に基づき、みずからを律し、問題意識を持ち、市民とともに考え、行動する職員としまして、職員が堅持すべき意識、習得すべき能力、果たすべき役割を設定し、職員研修の充実を図りながら、市民の皆様の信頼と期待に応える人材育成に取り組んでまいる考えでございます。
次に、社会人経験者の中途採用等についてでございますが、本市では、技術職員の採用試験において昨年度から有資格者枠を設けるとともに、今年度は年齢制限も29歳から35歳に引き上げるなど、即戦力となる知識や実務経験を持った人材の確保に努めているところでございます。
今後におきましても、震災からの復興を迅速に進めるため、社会人経験者を含めた年度途中の採用も視野に人材の確保に努めてまいる考えでございます。
次に、職員の給与改定についてでございますが、税収等財源の確保が厳しい状況の中、市民サービスの維持向上を図っていくためには、これまで以上にコスト意識を念頭に行財政改革に取り組むことが重要であると考えております。
このことも踏まえまして、今後とも、国、県並びに他の地方公共団体の状況を見きわめながら、地域における経済情勢や市の財政状況等を総合的に勘案し、人件費の総額抑制に努めてまいる考えでございます。
◎政策推進部長(冨田光) 議長、政策推進部長。
○議長(粕谷悦功) 政策推進部長。
【政策推進部長(冨田 光)登壇】
◎政策推進部長(冨田光) お答えいたします。
初めに、東電の賠償責任についてでございますが、
原子力発電所事故から2年が経過した今も、多くの市民が放射能による健康への不安や風評被害に苦しめられながらも懸命に復旧、復興への努力を続けております。そういった中で、東京電力は、被害者である市民一人一人が一刻も早くもとの生活ができるよう、賠償を確実、迅速に行い、原子力災害の原因者としての責任を誠意を持って完全に果たすべきものと認識しております。
次に、市民が独自に行う除染に関する費用等についてでありますが、国の予算措置は市が実施する除染に限られていることから、除染に関する費用を市が支払うことは考えておりません。なお、個人や企業が独自に行った費用については東京電力が確実に賠償する体制を構築するよう、環境大臣宛て要望書を提出しているところであります。
また、除染のための仮置き場につきましては、地域除染等対策委員会などのご協力をいただきながら、市民の皆様との協働により、設置に向け全力で取り組んでまいります。
次に、環境放射線量の測定につきましては、昨年5月から支所や小中学校など163地点を継続的に測定しており、市民の健康管理のための取り組みとしては、ホールボディーカウンターによる内部被曝検査などを実施してまいりました。ホールボディーカウンターの購入費用につきましては国から財源措置されることとなりましたが、東京電力に対しては
原子力発電所事故により新たに負担することとなった費用について請求しているところであり、一般会計分についてはまだ合意に至っている部分がないことから、今後も引き続き早期の賠償を求めてまいります。
次に、事務事業評価システムの導入につきましては、福島市行政改革推進委員会からの提言を踏まえ策定いたしました行政評価のしくみ構築の基本方針に基づき、平成25年度から本格実施してまいります。事後評価を実施した内容につきましては、広く市民に公表してまいります。
次に、仮称福島市民総幸福度の導入についてでありますが、本市においては、平成22年に策定した基本構想において、ときめきとやすらぎ、希望にみちた人間尊重のまち福島市を将来都市像とし、市民の福祉向上を図ることとしたところですが、現在は原子力災害からの復興が喫緊の課題であり、市民が真の豊かさと幸福を感じられるためには、まずは震災前の状態に一日も早く近づけることが重要であると考えております。その実現のため、復興計画に基づき、除染や健康管理による健康不安の解消、産業の振興による雇用の創出など復興に向けた取り組みを全力で推進してまいります。
次に、福島ユナイテッドFCの本市イメージアップ戦略としての活用についてでありますが、今回、福島ユナイテッドFCが原発事故による被災地で活動するクラブとして全国を舞台とするJFLに参入したことにより、クラブの存在は地域資源として都市イメージの全国発信や交流人口の拡大に今後大きく寄与するものと期待しております。特に市内あるいは県内で行われるホームゲームには相手チームの応援サポーターの来訪が見込めることから、本市の観光や農産物の安全性などのアピールについて、これら機会を有効に活用していきたいと考えております。
次に、地元自治体としての独自の支援体制についてでありますが、これまでも本市は福島ユナイテッドFCに対し、練習会場となる市有施設の使用料について支援を実施してまいりましたが、平成25年度は新たに試合や練習会場となる市有施設の確保及び使用料の全額免除を行うとともに、本市PRのほか、子供の交流試合やサッカー教室の開催など、クラブの存在が地域に還元される事業としての業務委託を考えております。これらを通じて、ホームタウン自治体として福島ユナイテッドFCを引き続き応援してまいります。
次に、低線量地域の荒れ地への住宅建設に係る特区の検討についてでありますが、
東日本大震災復興特別区域法における土地利用の特例につきましては、これまでの国との協議の中でも津波など面的に甚大な被害を受けた地域に適用が限定されており、本市での適用は困難であると考えております。
◎財務部長(鈴木智久) 議長、財務部長。
○議長(粕谷悦功) 財務部長。
【財務部長(鈴木智久)登壇】
◎財務部長(鈴木智久) お答えします。
まず、公共施設のライフサイクルコストについてでありますが、厳しい財政状況下におきまして、財政投資の効率化を図るため、建築物の設計から建設、運用、管理及び解体までの総費用であるライフサイクルコストを把握することは重要であると考えております。
今後、施設整備にあたりましては、ライフサイクルコストの考え方を踏まえ、施設の長寿命化など計画的、効率的な修繕に努めてまいりたいと考えております。
次に、新庁舎西棟建設の凍結についてでありますが、新庁舎西棟は、東日本大震災で災害に強い防災拠点施設として実証された東棟同様、市民の皆さんの安全安心のよりどころとなる施設であり、備蓄倉庫や一時避難場所等を設けることから、両棟合わせて初めて市民のための災害に強い庁舎機能が完成するものであります。西棟建設につきましては、引き続き、今後の災害復旧、復興状況に一定の見通しを得た後に、市民の皆様のご理解をいただいた上で、その時期について判断してまいります。
次に、公契約条例についてでありますが、本来は国においてILO94号条約を批准した上で法律により規定すべきものと考えており、労働基準法や最低賃金法において公契約に限らず広く対応すべきである課題であると認識しております。公契約に限って自治体独自で取り組むには、対象となる契約の金額や種類、市が定める労働報酬の下限額と地域別最低賃金や工事等の労務設計単価との関係、是正命令や罰則の程度など検討すべきことが多岐にわたりますことから、本市としては引き続き、国、県及び他の地方自治体の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、公契約条例の導入についてでありますが、事業者側からいたしますと、公契約労働報酬の下限額を守りながらも、競争入札による価格競争を踏まえて事業材料費などの経費を捻出していくことになる面もあり、また円安や災害復興による事業増大を背景とする資材の高騰も懸念され、関連する事業団体との十分な意見調整も必要となるものと考えられますので、制度導入につきましてはなお慎重に検討してまいります。
◎商工観光部長(山内芳夫) 議長、商工観光部長。
○議長(粕谷悦功) 商工観光部長。
【商工観光部長(山内芳夫)登壇】
◎商工観光部長(山内芳夫) お答えいたします。
まず、学生の就職活動と企業の採用活動のミスマッチ解消策についてでありますが、高校3年生を対象に高校生就職塾などを開催するとともに、高校1、2年生を対象としても、キャリアコンサルタントなどを派遣し、職業に対する講話や適職診断などを引き続き実施してまいる考えでございます。
また、大学生などを対象に正社員採用を検討する地元企業との企業説明会を開催し、マッチングを図るほか、経済団体などに対し新規学卒者の正規雇用採用枠の拡大を要請し、人材の確保と定着を推進してまいります。
次に、ふくしま産業復興補助金制度の拡充を求め、本市の創業支援や企業誘致を推進することについてでありますが、本市では国に対し補助金の拡充を求めておりましたが、国では平成25年度に産業復興の新たな制度として津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を創設する見込みであることから、この補助金制度を効果的に活用し、企業の創業支援、誘致による雇用拡大に努めてまいります。
次に、東北六魂祭2013福島の確定内容についてでございますが、福島市役所西棟建設予定地をメイン会場に、国道4号をパレード会場として、6月1日、2日の2日間の開催としております。テーマにつきましても、祭りをきっかけに東北全体に幸福が訪れることを願い、福と決定いたしました。また、今回の東北六魂祭では、東北の県庁所在地6市に加えまして福島県及び県内12市にも参加を表明していただいており、これまで以上に東北と福島の魅力が一度に味わえる機会にできるよう進めてまいりたいと考えております。
次に、東北六魂祭開催にあたっての課題についてでございますが、1日10万人を超えるお客様をお迎えするにあたり、公共交通機関の輸送、駐車場、お客様の誘導、食事の提供、トイレの確保、宿泊、通過交通の迂回などさまざまな課題がございます。安全に会場まで誘導するための交通規制、街なかの飲食、トイレ協力店募集、早い時期からの迂回誘導広報など課題の一つ一つを関係機関と協議をしながら、まずはお客様が安全かつ快適に過ごしていただくために協議をしているところでございます。
次に、東北六魂祭を契機とした誘客戦略でございますが、東北六魂祭は本市の魅力を国内外に発信するまたとない機会となります。開催後は、現在本市で開催している福島市こでらんに博や福島県と協力しながら進めている観光復興キャンペーンとも連携し、旅行業者への情報提供やソーシャルネットワーキングサービス等も活用しながら、引き続き情報発信に努めてまいりたいと考えております。
次に、観光に特化した部課の設置についてでございますが、白河市では観光課を新設する方針であると伺ってございます。本市におきましては、現在の商工観光部観光課を中心に、東北六魂祭2013福島の開催にあたりましては、庁内に実施本部を設置するなど連携を図りながら進めておりますが、今後におきましても、風評被害の払拭と市内温泉地の復興に向け、関係部署との連携を強めながら観光施策を推進してまいります。
次に、福島市観光コンベンション協会との連携強化についてでありますが、市はこれまでも、協会と連携して、情報の発信、観光資源の開拓、観光客の案内やまち歩き等、商品の開発に努めております。福島市こでらんに博やふくしま観光圏の事業を通じて、今後もより一層連携を深め、協力して観光資源の発掘やその資源を活用した旅行商品の開発に努めてまいる考えでございます。
◎農政部長(若月勉) 議長、農政部長。
○議長(粕谷悦功) 農政部長。
【農政部長(若月勉)登壇】
◎農政部長(若月勉) お答えいたします。
農政関係の予算及び施策につきましては、放射性物質検査体制を市民に見ていただくこと、また首都圏等の大手小売業者等の仕入れ担当者を招致し、放射性物質検査体制や正確な情報をお知らせすること、さらに本市産果物の魅力を体感できるツアーを旅行会社とともに企画することやトップセールス、ミスピーチキャンペーンクルーによるPR等により、風評被害の払拭と大都市圏への販路拡大に積極的に取り組んでまいります。
また、農業・農村振興計画に基づき、農業の担い手の確保、育成、生産基盤の整備推進、融資制度や価格安定制度などにより地域農業の振興を図ってまいります。
また、国の青年就農給付金事業の活用や農のマスターズ大学、農業学習カレッジ、新規就農者に対する利子補給事業などにより新規就農を促進するとともに、農業後継者連絡協議会活動への助成により後継者の支援に努めてまいります。
次に、五葉松盆栽の振興につきましては、現在、福島市吾妻五葉松振興協議会が中心となり、吾妻五葉松の生産振興と盆栽技術の普及、伝承に努めており、会員の中には、全国の展示会に出展し、評価されている方や海外との交流を行っている方もおられると伺っております。
今後も、同協議会と連携しながら、盆栽展、盆栽教室の開催を支援し、吾妻五葉松への関心を高め、盆栽愛好家を育成するなど、引き続き吾妻五葉松の産地育成と振興に努めるとともに、福島の伝統文化としての吾妻五葉松のPRについても検討してまいりたいと考えております。
次に、中央卸売市場の地方卸売市場への転換の具体的なスケジュールにつきましては、近日中に本市から国に地方卸売市場に転換する方針を報告し、それを受けて国は今月中に第9次中央卸売市場整備計画を変更することになります。また、地方卸売市場の取引ルールを定める新しい条例を平成25年度早期に制定し、県に地方卸売市場開設許可の申請を行います。また、市場関係者等への周知、看板等の表示変更を行い、平成26年4月1日をもって地方卸売市場に転換するものであります。
次に、地方卸売市場へ転換した後の課題につきましては、指定管理者制度の導入等によるより効率的な運営ができる市場づくり、施設の老朽化やコールドチェーンシステムなどのニーズに対応した施設整備、市場内業者の経営基盤強化などが重要な課題でありますので、中期経営プランに基づき、各施策を着実に実行していく必要があると考えております。
◎市民部長(髙村一彦) 議長、市民部長。
○議長(粕谷悦功) 市民部長。
【市民部長(髙村一彦)登壇】
◎市民部長(髙村一彦) お答えいたします。
これからの都市間交流の構想についてでございますが、現在、本市におきましては、特定の地域や都市にとらわれることなく、音楽や詩などの文化、防災、自然、農業などのテーマに沿って、民間レベルも含めた幅広い交流事業を推進し、交流人口の拡大に努めているところでございます。
また、東日本大震災以降、既存の交流を有する自治体からの職員派遣をはじめ、全国の自治体や多くの皆様からさまざまな形でご支援をいただいております。これら支援を契機として、新たな交流の推進も検討をしてまいります。
◎環境部長(菊池稔) 議長、環境部長。
○議長(粕谷悦功) 環境部長。
【環境部長(菊池 稔)登壇】
◎環境部長(菊池稔) お答えをいたします。
初めに、新斎場の建設につきましては、地域住民により構成する新斎場整備事業協議会の意見も踏まえながら、新たな施設の規模や機能を取りまとめた新斎場基本構想を昨年10月に策定し、また10月29日開催の福島市公共事業評価委員会において新規着手の評価を得ております。並行して、本年度では新たな施設建設に伴う環境影響評価を実施いたしましたが、環境基準を超える内容がないことを確認したところでございます。
また、本施設は都市計画上の都市施設として位置づけが必要でございますが、本年2月にはこのための公聴会を開催し、関係する手続きを進めており、一方、整備用地についても、12月補正予算において先行取得用地の買い戻しのための予算措置を行い、年度末には買い戻しを行う予定としております。
なお、新年度において整備用地の地下部にある東根堰の地下隧道の健全度調査と全体の地質調査や用地測量を行う予定であり、平成30年度の供用開始を目標として進めてまいる考えでございます。
次に、環境基本計画の見直しについてでございますが、東日本大震災直前の平成23年3月上旬にこの計画を策定いたしましたが、その後に発生した震災に伴う
原子力発電所事故により、本市の環境保全に関しましても新たな課題が発生したことから、現在、年度内策定に向け、計画の一部見直し作業を進めておるところでございます。
見直しの内容については、まず計画の範囲に放射性物質による環境汚染を追加し、空間放射線量のモニタリングと農産物や地下水などの食品放射能の測定を引き続き実施することを施策として盛り込む予定でございます。さらに、市復興計画で掲げる原子力に依存しない社会づくりを推進するため、省エネルギーの取り組みや再生可能エネルギーの導入をより一層推進する内容へ変更する方向で現在作業を進めております。
次に、地熱資源の活用についてでございますが、吾妻山周辺山麓地帯を含む磐梯朝日国立公園内での地熱発電については、国と民間事業者が主体となり、計画の検討が進められているものでございます。地元高湯温泉などの温泉事業者からは、事業の実施による温泉の枯渇などのさまざまな不安が指摘されております。これを受け、福島県においては、開発事業者と地元温泉の代表者や関係者と情報連絡会を設置し、事業の進め方の説明や意見交換等が現在行われております。
地熱資源の活用は、再生可能エネルギー導入方策の一つとして有効な手段と考えますが、一方、温泉資源についても本市観光振興の大きな柱の一つであると考えておりますので、不安が指摘された項目については、十分な情報提供はもとより、時間をかけた丁寧な説明がなされ、温泉事業者の理解を得た上でその活用が進むことが重要であるというふうに考えております。
◎健康福祉部長(小林克弘) 議長、健康福祉部長。
○議長(粕谷悦功) 健康福祉部長。
【健康福祉部長(小林克弘)登壇】
◎健康福祉部長(小林克弘) お答えします。
初めに、発達障害の早期発見、早期治療の促進についてでありますが、本市では、乳幼児健康診査及び2次健康診査におきまして疾病や発達のおくれなどを早期に発見し、適切な治療や療育につながるよう子育て支援に努めてきたところでございます。
また、平成17年4月に発達障害者支援法が施行されたことに伴いまして、本市においては、発達障害児にかかわる庁内連絡会議を設置して、保健、福祉、教育の各分野が連携して当面する課題への対応などに当たってまいりました。
今後におきましても、子供の健康と成長、発達を守るため、関係機関と連携を図り、健康診査、発達が気になる子供の相談及び療育支援の充実に努めてまいります。
次に、障害者の生活介護、自立訓練及び就労支援などの施設整備についてでございますが、平成24年度におきましては、グループホーム4カ所、就労支援施設4カ所が新たに開所いたしますとともに、障害福祉サービスの利用及び情報提供を行うための相談支援事業所も新たに5カ所設置されることとなっております。
今後におきましても、国、県の動向、本市の障害者の施設利用状況などを踏まえまして、施設整備、そして障害福祉サービスの充実に努めてまいります。
また、共生社会に向けた取り組みにつきましては、引き続き障害者の自立と社会参加を一層推進してまいりますとともに、広く市民に障害福祉についての関心と理解を深めてもらえるよう、ふれあいのつどいや福祉作品展などの交流行事を通しまして、啓発、広報活動を推進してまいります。
次に、学童保育についてでございますが、本市では、福島市新エンゼルプランの中で放課後児童健全育成事業を重点施策と位置づけまして、保護者のニーズや地域の実情に応じて計画的に設置しているところでございます。
また、一時預かりなどによる子育ての不安解消についてでありますが、保護者の妊娠や出産、病気やけが、不定期な就労などによりまして保育の必要がある場合には保育所の一時預かり制度を利用することができます。
今後とも、これらのニーズを踏まえまして、安心して産み育てられる環境整備に努めてまいります。
次に、高齢者を地域で見守る仕組みづくりについてでございますが、市内19カ所に設置しております地域包括支援センターを中心に地域包括ケアシステムの構築を進める中で、医療、福祉、介護などの多くの職種の方々や事業者、そして地域住民との協働によりまして、地域の実情に応じた見守り体制の充実を図ってまいります。
また、災害時に支援が必要なひとり暮らし高齢者や障害者など要援護者への防災対策といたしましては、自主防災組織や町内会などのご協力のもと、支所単位に設置した災害時要援護者避難支援連絡協議会を中心としまして、要援護者の登録及び地域支援者の選定を進めますとともに、日頃から見守りのための情報の共有化を図りまして、引き続き地域で支え合う体制づくりを推進してまいります。
次に、本市のがん検診の現状についてでございますが、震災、原発事故前と事故以降のがん検診の受診率を比較してみますと大きな変化は見られず、市民の放射線に対する健康不安は大きいものの、それがすぐにがん検診の受診意識向上につながるまでには至っていない状況でございます。
また、今後の検診体制についてでありますが、多くの市民の皆さんに受診していただくため、受診券を個人宛てに郵送しまして検診の周知を行いますとともに、70歳以上の市民、後期高齢者医療制度加入者、生活保護世帯、市民税非課税世帯、無料クーポンによるがん検診推進事業該当の市民に対しましては引き続き自己負担の無料化により実施してまいります。
また、県外に自主避難している市民に対しましても、県外の医療機関で受診できるよう、検診代行機関と契約するなどによりまして受診率の向上を図ってまいります。
次に、子宮頸がん検診の無料クーポンでの利用状況についてでございますが、平成23年度の対象者7,989人に対しまして、受診者は1,215人で、利用率は15.2%となっております。なお、平成21年度は15.9%、平成22年度は18.6%となっております。
また、クーポン利用率向上のための施策につきましては、従来よりクーポン券の送付にあわせまして、検診の目的や受診方法、医療機関を記載したチラシを同封しております。さらに、学生や勤労者も受診しやすいように、平日だけでなく土曜日にも検診を実施し、受診機会をふやしているところでございます。
今後も、市政だよりや市のホームページによる広報のほか、健康セミナーや各種健康講座などあらゆる機会を通しまして啓発に努めてまいります。
◎建設部長(大槻和正) 議長、建設部長。
○議長(粕谷悦功) 建設部長。
【建設部長(大槻和正)登壇】
◎建設部長(大槻和正) お答えいたします。
東北中央自動車道についてでありますが、相馬福島間は復興支援道路として震災後10年以内で完成させる見通しとなっており、福島米沢間は平成29年度中に事業を完成させ、全線供用開始とすると国が公表したところであります。
本市といたしましては、今後も早期完成に向け、引き続き東北中央自動車道建設促進同盟会等と連携を図りながら関係機関へ要望してまいります。
さらに、一般国道13号福島西道路の南伸につきましては、昨年事業化され、予算配分がなされたことから、地元説明会を経ながら路線測量や地質調査等の業務を行っておりましたが、作業は順調に進み、今年度の作業がおおむね完了したとの報告を受けております。
今後におきましても、南伸区間の早期完成と、さらには北伸区間の事業化が進められますよう、福島西部環状道路建設促進期成同盟会と連携を図り、国や県に対して引き続き要望してまいります。
次に、自主避難者向けの公営住宅整備についてでありますが、これまで本市独自に国に対して制度の拡充や財政支援等を要望してまいりましたが、このたび新たな制度として福島定住緊急支援交付金が国の新年度予算案に盛り込まれたところであります。本交付金につきましては、今後詳細な内容が示されるものと思われますが、子育て世代を中心とした自主避難者向けの住宅を建設する際に3分の2の助成が受けられる制度であります。
本市といたしましては、自主避難中の市民の帰還を促すため、本交付金を活用し、比較的空間線量が低い地区に当面は50戸から100戸程度を目標に整備し、安心して子育てができる住環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
なお、事業の円滑な実施に向け、まずは建設に適した用地を選定していくことが当面の課題として考えられます。
◎都市政策部長(佐藤祐一) 議長、都市政策部長。
○議長(粕谷悦功) 都市政策部長。
【都市政策部長(佐藤祐一)登壇】
◎都市政策部長(佐藤祐一) お答えいたします。
福島都心中央土地区画整理事業の推進と中心市街地活性化の促進につながる施設整備についてでありますが、本事業は、防災上危険な空きビルを撤去するとともに土地を集約し、有効利用を図るために都市再生土地区画整理事業を導入し、整備しているところでございます。
施設整備につきましては、昨年、区域内地権者によるふくしま・もとまち地区整備協議会が発足し、建物共同化事業に向けた協議が進められており、これに合わせた街なか広場整備のあり方について検討している状況でございます。
今後につきましても、都心中央地区にふさわしく、中心市街地ににぎわいが創出されるような施設整備について、地権者と意見交換を重ねながら検討してまいります。
◎下水道部長(高橋通夫) 議長、下水道部長。
○議長(粕谷悦功) 下水道部長。
【下水道部長(高橋通夫)登壇】
◎下水道部長(高橋通夫) お答えいたします。
下水道区域の見直しについてでありますが、平成24年度において上位計画となる阿武隈川上流流域下水道県北処理区全体計画との整合を図るとともに、平成18年度に策定した福島市汚水処理施設整備基本構想を推進するため、目標年次を平成39年とした福島市公共下水道全体計画の見直しを行ったところであります。
見直しにあたりましては、人家の連檐する市街化調整区域、幹線管渠に接し、整備効率の高い区域などを公共下水道区域として位置づけするとともに、一団の農地につきましては合併処理浄化槽区域としたことから、平成13年に策定した既計画と比較し、公共下水道区域の面積を682ヘクタール削減したところであります。
今後におきましても、安定的な事業経営を目指す中で、財政状況や社会情勢の変化等に対応し、必要に応じ、採算性、効率性を勘案した下水道区域の適切な見直しを行ってまいります。
◎教育長(佐藤俊市郎) 議長、教育長。
○議長(粕谷悦功) 教育長。
【教育長(佐藤俊市郎)登壇】
◎教育長(佐藤俊市郎) お答えをいたします。
初めに、障害のある幼児、児童、生徒が健常な子供たちとともに学び合う教育環境づくりについてでございますが、本市学校教育指導の重点といたしまして、特別支援教育の充実の中で交流及び共同学習の推進を掲げており、従前より、障害のある子供と他の子供が互いに豊かに学び合う教育を展開するよう、各学校に対し継続的に指導するとともに、障害のある児童生徒への支援のあり方を助言する巡回相談や特別支援教育協力員の配置等を行い、障害児への理解啓発や人的な支援環境の充実を図っているところであります。
今後におきましても、ともに学び合うための環境づくりを一層推進してまいります。
次に、全ての小中学校、特別支援学校教員に対する個別のパソコン貸与の実施についてでございますが、教育委員会といたしましても喫緊の課題と捉え、1人1台のパソコン貸与の環境づくりに向け、平成25年4月から公立学校ICT化推進委員会を立ち上げ、よりよい校務支援システムのあり方や貸与するパソコン等ICT機器の選定も含めた準備、導入計画について検討を進めてまいる予定でございます。
次に、県学力調査の結果についてでございますが、本市の小学校、中学校とも3教科全てで県平均正答率を上回っておりました。全国推計平均正答率との比較を見ますと、小学校では国語と理科が全国をやや上回り、数学がやや下回っておりましたが、おおむね全国並みでありました。中学校におきましても、国語と英語がやや上回り、数学がやや下回っておりましたが、おおむね全国並みでございました。
次に、学力向上に向けた今後の取り組みでございますが、福島市学力グレードアッププランに基づき、本市教育振興基本計画に示しましたバランスドアチーバーとオーバーアチーバーの合計の割合が100%を目標に、具体的には、学校訪問による各学校への指導、校内研修への指導主事の派遣、学力分析委員による指導資料の作成、配布とその活用推進を図るとともに、引き続き少人数指導の充実を図ることで児童生徒の学力向上に努めてまいります。
次に、理科授業の課題についてでございますが、本市におきましては、新学習指導要領に対応できるよう、平成21年度に国の臨時交付金を受け、6,850万円余で理科教育設備並びに老朽化した設備の更新を緊急的、集中的に整備いたしましたところでございます。
また、各学校におきましては、現有の備品に加え、毎年理科教育振興法に基づく国の補助金を受けながらの理振法の備品、さらには自作の教材教具の活用により理科の授業の充実を図っているところでございます。
今後につきましても、各学校での現有状況を確認しながら、充実した観察実験の授業が進められるよう、理科教育設備の整備を進めてまいります。
残りのご質問につきましては、教育部長より答弁いたします。
◎教育部長(野地正栄) 議長、教育部長。
○議長(粕谷悦功) 教育部長。
【教育部長(野地正栄)登壇】
◎教育部長(野地正栄) お答えいたします。
最初に、子どもリフレッシュ応援事業を通年事業として実施することについてでありますが、本市では、小中学校の夏休み期間を利用して心身の健康とリフレッシュを図るとともに、子供たちの生きる力を育み、福島の復興を担う人材を育成することを目的として夏のリフレッシュ体験事業を実施しておりますが、冬休み期間の実施は短期間であることや年末年始を挟むことなどから、通年実施は難しいと考えております。
次に、学校等施設における教育環境につきましては、安全安心の確保を基本として、施設の耐震化など事業の重点化により整備の推進を図ってきたところであります。
空調設備の設置などの暑さ対策につきましても、児童生徒の生命や健康に配慮することを基本としながら、ソフト、ハードの両面で検討をしてまいります。
次に、学校給食の民間委託についてでありますが、学識経験者、保護者代表、関係団体代表等から成る策定委員会のメンバーにより平成17年に策定いたしました福島市学校給食長期計画及び平成24年2月に策定いたしました福島市学校給食長期計画実施計画に基づきまして、調理業務の民間委託、新しい給食センターの整備、単独給食実施校の給食センター化について目標年次を設定し、計画的に実施をしてまいる考えであります。
次に、指定通学路の安全確保と整備についてでありますが、平成24年5月30日付文部科学省通知の中の通学路における緊急合同点検等実施要領を受けまして、昨年10月に国、県、市及び警察署の関係機関で各小学校の通学路における危険箇所について合同点検を実施し、安全対策について検討、調整をしたところであり、今後、地域住民との合意形成を図りながら安全対策を講じてまいります。
次に、中央学習センター、市立図書館及び公会堂の整備計画についてでありますが、中央学習センター等整備市民懇談会から提出をされましたご意見の内容も踏まえ、庁内の関係各課から成る中央学習センター等整備計画策定庁内検討委員会で検討を行ってきたところでありますが、今後におきましても、中心市街地におけるさまざまな機能の整備状況を注視しながら慎重に検討をしてまいります。
次に、学校給食の本市農産物自給率向上への取り組みについてでありますが、学校給食食材の放射性物質の検査を継続し、検査結果を情報提供し続けることにより地元農産物の安全性を発信しながら、新鮮で安全安心な地元農産物の使用拡大に努めてまいります。
さらに、地産地消をより一層進めるためには、均質な農産物を安価で安定的に供給される体制づくりが必要となりますことから、農政部及びJA新ふくしまなど関係機関と安定供給に向けた協議を行ってまいります。
次に、本市児童生徒の食物アレルギーの現状についてでありますが、本市では、小学校及び中学校に入学する児童生徒に対し、入学1日目に食物アレルギー調査を実施し、その実態の把握に努めております。平成24年4月の調査結果では、特別支援学校に2名、小学校に624名、中学校で383名が食物アレルギーを持っていることを把握しております。なお、アレルギーに関する事故は発生をしておりません。
次に、本市の食物アレルギーの対策と体制でありますが、本市では、学校給食が原因となるアレルギー症状を発症させないことを大前提とし、食物アレルギーの児童生徒が他の児童生徒と同じように給食を楽しめるよう、各学校、調理場の能力や環境に応じ、アレルギー代替食や詳細な献立表等を提供しております。
なお、万が一発症した場合でも、その体制を整えておくことが重要ですので、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインをもとに、校内における指導体制の確認と該当児童生徒の保護者との連携強化を平成25年1月7日付通知で再度各学校に指導したところであります。
次に、学校給食用米飯における平成24年本市産米の提供についてでありますが、複数回にわたる厳重な放射性物質の検査体制を整え、安全を確認した上で平成25年1月から提供をしております。一部の保護者等からは、学校給食用米飯に本市産米の使用をしないでほしい旨の電話、メール等を受けておりますが、おおむね市内産米の使用及び安全性についてご理解いただけたものと判断をしております。
今後とも、複数回にわたる厳重な放射性物質の検査を継続し、検査結果を情報提供し続けることにより本市産米の安全性を発信してまいります。
次に、米粉パン給食についてでありますが、米粉を使用した食材を学校給食で提供することは、地産地消の推進、給食内容の多様化につながるものと考えておりますが、今後の県補助の動向や米粉の価格等の推移を見ながら、現行の給食費の中で実施が可能かどうか検討してまいります。
次に、子供の肥満についてでありますが、本市におきましては、平成22年度における肥満度20%以上の割合は、小学生が9.49%、中学生が10%で、全国と比較をすると小中学生ともに高い傾向にあり、その後の震災に伴う原発事故による屋外活動の制限等の影響を考えますと、さらに高まっていることが予想されます。
本市としては、喫緊の課題と認識をしていることから、本年度は、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校の教員に対し、スポーツドクターによる研修会を実施したところであります。今後におきましても、体力向上に向けた取り組みをはじめ保健指導の充実、食育の推進等に積極的に取り組んでまいります。
次に、小中学生の視力低下についてでありますが、本市の状況につきましては、平成19年度調査の裸眼視力1.0未満の児童生徒数は、小学校で30.5%、中学校で55.4%でしたが、平成22年度の調査では、小学校で35%、中学校で58.7%と増加傾向にありまして、また学年が進むにつれ、その数が多くなっております。
視力低下は生活習慣と大きくかかわっている点を踏まえまして、本市では児童生徒の各家庭にパンフレットの配布やポスターの掲示などによる啓発活動を行ってまいりましたが、今後ともより効果的な実践を検討してまいります。
次に、福島県の子供の歯の健康についてでありますが、福島県における児童生徒の虫歯有病率は年々減少傾向にはあるものの、全国平均と比較すると以前高い割合を示しており、その差はほとんど改善をされていない状況にあると認識をしております。
特に1歳6カ月児と3歳児の虫歯有病率が、全国平均と比較し、ともに高い割合を示しており、幼児期における食生活を中心とした日常の生活習慣のゆがみが虫歯として反映されていると考えております。市教育委員会としては、この現状を踏まえ、特に幼稚園において虫歯ハイリスク児のスクーリングと適切なフォローが必要であると考えております。
次に、学校保健統計調査結果を受けた施策についてでありますが、本市では独自に学校保健統計調査を実施しており、震災後に初めて行った平成24年度の学校保健統計調査を現在集計しているところであります。集計後、調査結果をもとに、震災後の生活がどう身体に影響を与えているかを的確に考察し、専門家や学校現場の意見を交えながら、児童生徒の健全な心身の発達に向けた取り組みについて検討をしてまいります。
◎
水道事業管理者(冨田哲夫) 議長、
水道事業管理者。
○議長(粕谷悦功)
水道事業管理者。
【
水道事業管理者(冨田哲夫)登壇】
◎
水道事業管理者(冨田哲夫) お答えいたします。
水の安全性を理解していただくための取り組みについてでありますが、市民の皆さんが水道水に対して抱いている不安や疑問を解消するため、市政だよりやホームページにより水道水の放射性物質モニタリング検査結果や水質検査結果をお知らせしております。
また、震災以前からの取り組みでありますが、小学生を対象とした水道出前教室、成人を対象とした出前講座や水道モニター会議などを実施し、水道水に対する安全性を理解していただいております。
さらに、FMポコなど地元メディアを通しての広報やペットボトルふくしまの水を使ったPRにより、福島市の水道水は安全安心であることを市内外へ発信しております。
今後におきましても、あらゆる機会を捉え、安全で安心な水道水の周知に努めてまいります。
◎農業委員会会長(守谷顯一) 議長、農業委員会会長。
○議長(粕谷悦功) 農業委員会会長。
【農業委員会会長(守谷顯一)登壇】
◎農業委員会会長(守谷顯一) お答えいたします。
農地転用についてでありますが、原発事故に伴う警戒区域等からの避難者が本市に居住するために建築する住宅については、第1種農地の中でも要件によっては許可が可能であること、また東日本大震災により被災市町村が国の防災集団移転促進事業により農地を取得する場合にも農地法上の緩和措置が講じられております。
◆14番(大平洋人) 議長、14番。
○議長(粕谷悦功) 14番。
◆14番(大平洋人) 1点だけ再質問させていただきます。
ただいまの米粉パン給食についてのご答弁をいただきましたけれども、実は4月1日から、今般のアベノミクスの影響でありますでしょうか、円高が円安に大きく振れているわけでありますけれども、これによって輸入の小麦粉の値上げが発表され、また燃料も高騰が見込まれているわけであります。そういった部分でいきますと、通常の給食での給食費の影響が懸念されます。という部分でいきますと、それを補完する上でも、一回でも米粉パン給食を実施することも検討できるのではないかと思うのですが、そういった認識もお持ちなのでしょうか、ご所見をお伺いしたいと思います。
◎教育部長(野地正栄) 議長、教育部長。
○議長(粕谷悦功) 教育部長。
◎教育部長(野地正栄) お答えいたします。
まず、給食での単価から申し上げますと、通常のパン給食の場合ですと、小麦粉のパンですと、これは通常給食に提供している、1人分60グラムですから、この単価が42円61銭なのです。米飯の場合の米に関しては、57円62銭です。これと比しまして、米粉パンの場合は、市産のコシヒカリ100%でつくった米粉パンの場合の単価が81円73銭と、極めてコストがかかるという状況になっております。
したがいまして、そうはいいながらも、今米粉の消費拡大等々の課題も福島市でも持っておりますから、今後議員ご提案の内容については検討させていただきたいというふうに思います。
○議長(粕谷悦功) 以上で、大平洋人議員の質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後3時11分 休 憩
─────────────────────────────────────────────
午後3時40分 再 開
○議長(粕谷悦功) 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、時間を延長いたします。
22番高木克尚議員。
◆22番(高木克尚) 議長、22番。
○議長(粕谷悦功) 22番。
【22番(高木克尚)登壇】
◆22番(高木克尚) 3月議会定例会にあたり、ふくしま市民21を代表して、今福島市が復興、再生に取り組むにあたり、早急な課題、そして中長期的な諸課題について質問をさせていただきます。
あと4日で、多くの人命を失い、東日本各地に未曽有の被害をもたらした巨大地震と大津波、さらに
原子力発電所事故により、過去に経験のない災害対策を余儀なくされた東日本大震災から間もなく2年が経過いたします。この東日本大震災からの復旧、復興対策は、都市の将来を左右する大事な課題であることは言うまでもありませんし、前例のない中、行政当局も我々議会も全力で対応してまいりました。
しかしながら、放射線に対する知識も人体に及ぼす医学的見地も持ち合わせていない一般市民にとって、不安や恐怖を打ち消すだけの十分な情報を提供し切れなかっただけでなく、一部の知識人や専門外の科学者が流した不確定な不安要素が一気に市民の間に蔓延するとともに、彼らの著作本が売れることで、全国的に間違った判断や偏見、差別が広がったものと考えられます。これらの間違った情報が口伝えにさらに変質し、福島県民を恐怖のどん底に陥れた彼らを許す寛容さを私は持ち合わせていません。
差別の最たるものは、権威を備えた公益法人代表が、福島県民とは結婚しないほうがよいなどと発言をし、不見識きわまりない暴言を吐いたことは記憶に新しいことと存じます。この件には、同僚議員たちの勇気ある告発、そして議長、副議長も同席してのマスコミ発表などの行動により、謝罪を取りつけるに至ったことに敬意と感謝を申し上げます。
しかし、偏見を覆すような事例はほんの一部にすぎず、福島の土地、物、人に対して多くの誤解を含んだ風評はいまだ解決するに至っておりません。さらに、不安の根源である除染が続く限り、生活環境の再生とは納得できない、あるいは放射線による健康への影響が医学的に安全を証明しない限り安心できないと考える市民が数多くおられることも現実であり、このことを解決できなければ、風評を打ち消すことはなかなか困難と考えます。ゆえに、除染の成果と健康不安の払拭は最も優先すべき課題であることは言うまでもありません。
そして、この解決すべき課題の進捗と並行するのが風評被害からの脱却であり、産業や観光の回復、雇用の安定、食の安全、何よりも自主避難者の帰還につながるものと思います。そのためには、この除染の成果と健康不安の払拭という重要な課題をさらに進展させるための施策並びに進展を阻害している要因等について分析をしなければなりません。
原子力発電所事故に伴う放射能拡散という事態が現実に起こるまで、さまざまな予見が過去に議論されてまいりました。原発は安全だ、いや、危険だ、交付金でまちが潤う、いや、担税力が脆弱になる、雇用がふえる、いや、依存し過ぎはまちが衰退をするなどなど、賛否を問う議論は長年続けられてきましたが、肝心の事故対策は今回のような広域避難、広域被害を想定したものはなく、ましてや原発から遠く離れた福島市が放射性物質に汚染されるとは誰も想像することはありませんでした。
当然、政府も自治体も放射線災害対策マニュアルなどあろうはずもなく、五里霧中で対策を余儀なくされたことはご承知のとおりであります。前例がないとはまさにこのことであり、市民全てが動揺する中、対応策を講じなければならなかった瀬戸市長をはじめ市当局の方々の行動は、過不足はあったとしても、その経験値は今後の危機管理や防災対策に生かされると信じております。政府でさえ、除染に関しては福島市の実践を参考にせざるを得なく、今後もその傾向は続くものと思われます。
一方で、国が示す除染マニュアルは当初から使い勝手が悪く、自治体現場の作業効率や効果を上げるための新技術導入や重複作業への費用は認めてきませんでした。我々福島市議会は、その是正を求め、国に対して昨年意見書を提出いたしましたが、いまだ改善策など実感するに至っておりません。さまざまな除染に関する新技術や装置、手法が公表され、期待が高まっているにもかかわらず、実証試験にこだわる関係省庁、さらには補助対象か否かを見きわめなければならない自治体の姿勢が導入にちゅうちょしてしまう、何とも歯がゆくてなりません。
そこで、まず新年度施策の基本姿勢について、復興推進に向けた市長の決意についてお伺いをいたします。
現在、福島市は県内トップの除染実績を上げていますが、市民にとって順番待ちというやや冷めた期待感は否めません。除染計画どおり進捗していることは評価しているものの、さらに除染に立ち向かう姿を見てみたい、そんな市民の期待に応えることも、自治体も議会にも必要ではないでしょうか。すなわち、独自の除染手法を実践しながら、除染の効果を市民の方々に理解を深めていただく、そうすることで仮置き場への関心や協力も高まるのではないでしょうか。
財政当局からすれば、効果があるのかないのか不透明なところにむやみに財政出動はしづらいとお考えでしょうが、先ほど申し述べたように、過去に前例がないからこそ、打てる手だてには挑戦をしてほしい、そして我々議会も、そういう当局の姿を見ることで、後々復興庁からお叱りを受けたとしても、ともに責任を担ってまいりたいと考えます。
近ごろ、テレビCMで流れるこんなフレーズがあります。いつやるか、今でしょう。こんな気概を強く発信していただければと考えますが、瀬戸市長の所見並びに決意をお聞かせください。
次に、政府新年度予算の影響についてお尋ねをいたします。
政府の平成25年度予算は、一般会計総額92兆6,115億円、歳入内訳は税収43兆960億円に新規国債42兆8,510億円、辛うじて税収が上回って見えますが、緊急経済対策の大型補正を一体的にした15カ月予算で編成しており、既に5兆2,000億円の新規国債が発行されているので、国家財政の異常事態は継続をしております。
また、国家公務員の給与減額支給措置を地方公務員にも求める形で、地方財政計画における給与関係経費を一方的に削減し、地方交付税減税に踏み切ったことは政府の暴挙と言わざるを得ません。全国市長会をはじめ地方六団体は、共同声明で、地方公務員の給与削減を強制することは地方自治の根幹にかかわる問題であり、一方的に削減する今回のような措置を二度と行わないよう強く求めると訴えました。その後、瀬戸市長はじめ被災地の首長、そして全国の地方自治体から一斉に批判が発せられたことは承知のとおりであります。
一括交付金制度の廃止とともに、政府のこのような対応は地方分権や地域主権の流れに反するものであり、危惧せざるを得ませんが、瀬戸市長の見解をお伺いいたします。
本市は、東日本大震災から2年間を復旧復興に、瀬戸市長を先頭に職員総力を挙げて取り組まれ、そのご労苦に敬意を表するところであります。
復興道半ばの平成25年度当初予算は、希望ある復興へ大きな一歩と位置づけた一般会計1,599億円が提案をされました。我が会派ふくしま市民21は、平成25年度予算編成にあたり、本市の希望ある復興を最優先とした政策実現のための要望書を市長に提出いたしました。特に希望ある復興を実感できる、放射線から市民を守る対策の推進及び将来に明るさを感じる雇用確保と人材流出を防ぐ産業の誘致の2項目を最重点に、19の重点政策と具体的な政策提言を行ったところであります。
当会派のさまざまな政策提案に対して、瀬戸市長は平成25年度当初予算にどのように反映し、具現化されたのか、特徴的な事業をお示しください。
また、政府は、震災復興予算枠をこれまでの19兆円から25兆円に拡大をし、被災地の不安を払拭できるとしておりますが、福島定住緊急支援交付金など2つの交付金が創設される一方で、福島県立医科大学の拠点整備の一部が見送られることも明らかになりました。新年度政府予算案の福島市への影響について所見をお聞かせください。
次に、
福島復興再生総局の影響についてお尋ねをいたします。
東日本大震災からの復興施策を統括する復興庁発足から1年が経過しました。各省を束ねる役割が期待どおりに執行されていないことから、復興への加速を担うべく、
福島復興再生総局が2月1日に設置をされました。
この体制は、自治体要望をワンストップで対応して、自治体が自由裁量で使える交付金の配分や企業誘致への税制優遇及び規制緩和など、これまでの縦割り行政を見直すとのことであります。屋上屋にならないよう、政権交代による効果を発揮していただくことを強く願うものですが、市当局の対応に影響はないのか、所見をお聞かせください。
次に、除染計画の推進について、まず除染新技術の活用についてお尋ねをいたします。
放射線によってふるさとの多くが汚染をされた福島市民が今一番に望んでいることは、原発事故前の状態に戻すことにあります。原因者である国と東京電力が汚染物質を取り除くべきところ、政府は放射性物質汚染対処特措法によって地方自治体に除染を委託してしまいました。これは、被災者みずからが除染を行うという、責任の転嫁であると言われても仕方ありません。
現在、多くの職員を除染関連に割かざるを得ない状況にあり、インフラの補修や再構築が求められる中、本来の住民サービスが低下する危惧を感じております。福島市民が苦渋の選択を重ねて、自宅の除染に同意することで除染が進捗していることを自治体に除染を委託した政府は理解しているのか、甚だ疑問に思えてなりません。引き続き、福島市の実践で得た知見を国に申し入れ、効果的な除染を図るべきと考えます。
そこで、除染を進める中で大きな課題はどこにあるのか、その課題を解消するためには誰がどのような役割と責任で対策を講ずるべきなのか、所見を伺います。
また、福島市は今後も福島市ふるさと除染実施計画及び除染マニュアルに沿って進めていくと思われますが、除染現場は状況や地形が多様な実態にあり、環境省の除染関係ガイドラインの手法が必ずしも適しているとは限りません。そのため、実態に即した独自の除染手法を導入しようとしても、線量低減の効果やコストの妥当性を実証しない限り環境省の補助を受けることはできません。既に国、県は一般公募による除染技術の実証試験を行っておりますが、自治体が柔軟に対応できるには至っておりません。
そこで、福島県は、補助対象にない新たな除染技術を導入するために、自治体が企業や研究機関に実証試験を委託する場合、その費用を県が負担し支援することになりました。福島市は、除染にかかわる新技術や手法の導入を積極的に活用する考えはあるかお聞かせください。
次に、除染体制の充実についてお伺いをいたします。
先ほど述べたように、市民にとって除染の順番待ちというやや冷めた期待にあることから、いつ除染が行われるのか、時期を知ることで少なからず放射線への不安解消につながり、逆に期待を意識できないことが不満に結びついているのではないでしょうか。ふるさと除染計画に定めた市内全ての住宅除染を終えるのはいつごろと見込んでおられるのか、現時点での見込みをお示しください。
除染計画の実行には、職員のみならず、庁内外のさまざまな方々の協力のもと進められておりますが、その事務作業や説明責任、現地確認や進行管理などなど、その量は増大をたどり、職員の適正事務量を超過していると見受けられます。職員の短期的な応援体制はやむを得ませんが、今後の人事配置について所見をお聞かせください。
次に、除染作業員の確保についてお尋ねをいたします。
除染廃棄物の敷地内仮置きによって住宅や公共施設の除染が先行している状況に比べ、道路や側溝、そして農地や森林はおくれが出ております。言うまでもなく、技術開発のおくれ、中間貯蔵施設整備のおくれ、仮置き場確保のおくれが起因をしております。
このほか、県内では作業員不足が深刻化しており、このままでは作業員のとり合いが懸念されます。除染事業の進捗に影響する作業員不足に対し、どのような考え及び対策をお持ちかお聞かせください。
また、放射性物質への不安から作業員の確保が困難との見方もあるようですが、作業実態からの所見もお聞かせください。
次に、不適切な除染作業の防止についてお尋ねをいたします。
昨年11月から12月にかけて、田村市、葉町、飯舘村の除染において、除染作業で取り除いた土や枝葉を周辺の河川に捨てるなど不適切な作業が発覚いたしましたが、その内容は受注事業者の監督次第でどこでも起き得る事例と考えられます。発覚以降、福島市が行った点検や今後の契約に留意された点をお示しください。
次に、入札不調の傾向と対策についてお尋ねをいたします。
除染作業員の確保がままならない一方、復旧工事での入札不調が相次いでいます。不調件数は、被災3県では福島県が多く、県発注土木工事では24%にも上っております。
その主な原因は、資材の不足に加え、作業員の不足にあると言われており、品薄による県外調達や職人確保のための宿泊費負担、人件費の引き上げと資材搬入までの作業員の待機費用など、受注工事の労務費が実勢価格に合わないため、赤字が見込まれる入札を避けてしまうことにあります。福島市も入札不調の事例も見られますが、傾向と対策について所見をお聞かせください。
次に、避難場所や避難所等の除染計画についてお尋ねをいたします。
福島市地域防災計画において避難場所や避難所として指定をされている施設は、小中学校を中心に多岐にわたっております。このほか、災害時要援護者のための福祉避難施設も2次指定されております。これらの屋内外施設には公共施設以外に法人や民間施設も指定されておりますが、除染計画の中にはどう位置づけをされておるのか、また今後の対応についてお示しください。
除染計画に基づき面的除染が終了した地区には、国、県所管の施設がいまだ除染されずに残されているとの事例もありますが、市民の安心と行政への信頼を損なうことになるのではないかと懸念をしております。国、県施設の除染に関して、進捗状況、未実施の理由並びに早急な申し入れについて見解を伺います。
製造業を中心に、製品のモニタリング結果を示しても、市場からは震災以前と同じ評価を受けられない風評被害の事例があります。この問題は、経済力の低下ばかりか、作業員の健康不安にも大きく影響することから、企業敷地も除染を進めるべきと考えます。
しかし、ふるさと除染実施計画では企業自身が行うとされており、除染費用や保管を考えるといささか困難であろうと推察いたします。市として企業敷地内の除染をどのように進めるべきなのか、見解をお聞かせください。
あわせて、財政的、技術的支援を可能とする新たな制度設計を求めるべきと考えますが、所見をお聞かせください。
次に、教育現場の環境対策についてお尋ねをいたします。
まず初めに、学校施設の耐震化と避難所機能の向上についてを伺います。
先月中旬、新聞報道に、避難所指定の公立小中学校などの防災機能について、県内での学校施設での整備状況が全国平均を大きく下回る報道がなされました。文部科学省の国立教育政策研究所、これが平成18年、平成23年、平成24年に行った学校施設の防災機能に関する実態調査の結果によるもので、調査内容は大きく3点、1点目は応急避難場所としての指定、2点目は防災機能の向上に対する連携、協力など、3点目に防災施設、設備の整備状況にあります。
この3点目の防災施設、設備の整備状況については、防災倉庫、備蓄倉庫の設置、トイレ、非常用通信装置、自家発電設備、水の確保等で、これらについての県内での整備状況が全国平均を大きく下回っているところであります。福島市の現状についてお示しをください。
また、平成23年6月には、文部科学省より東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備について緊急提言があり、その内容は、学校施設の安全性の確保、地域の拠点としての学校施設の機能確保、学校施設の省エネルギー対策の3点であります。
安全性の確保では、施設耐震化の一層の加速、非構造部材の耐震化の推進、機能保全については、防災機能の向上、防災担当部局との連携、地域拠点としての学校を活用する計画、設計、省エネルギー対策については、エコスクールや電力供給力減少への対策がそれぞれ求められております。
福島市小中学校等施設耐震化推進計画における学校施設耐震化の進捗については、平成25年度当初予算において幼稚園耐震化等、一部前倒しも見受けられますが、全体的には推進計画の進捗は厳しい状況にあります。また、避難所となる体育館などの耐震補強については、耐震診断が平成26年度からの計画となっております。
これらの背景を踏まえ、今後の学校等施設耐震化推進計画の早急な推進、文部科学省の緊急提言にある学校施設の安全性の確保、機能確保、省エネルギー対策など、東日本大震災で得た知見によるさまざまな具体策への対応について見解を伺います。
次に、熱中症予防情報の活用についてお尋ねをいたします。
昨年、震災特別委員会の文教福祉分科会のご尽力で、空間放射線の懸念を発端とした夏場の教育現場環境を調査していただきました。昨今の異常気象も相まって、その環境は楽観できる状況とは言えず、暑さ対策や熱中症予防には相当の注意が必要であり、現場教職員の方々にご苦労をおかけしていることと存じます。特に熱中症予防にはさまざまな対応を講じられていると思われますが、事前の備え、すなわち酷暑、高温を情報としてできるだけ早く把握することで安全な対応を選択できると考えます。
日本気象協会は熱中症予防情報を配信しており、全国867アメダスの地点で、48時間先までの1時間置きの短期予報、それと1週間先までの毎日の週間予報を提供しております。人体への暑熱ストレスを評価するWBGT指数とありますが、これは暑さ指数を意味しております。5段階で表示するので、簡単にご紹介申し上げます。
このWBGTの値が21未満はほぼ安全、これは通常、熱中症の危険は少ない、水分の補給は必要、市民マラソン等ではこの条件でも熱中症が発生するので注意をする。
21以上25未満は注意、これは熱中症による死亡事故、死亡災害が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意しながら、運動の合間に積極的に水分を補給する。
25以上28未満、これは警戒、これは熱中症の危険が増すために、積極的に休息をとり、水分を補給する。激しい運動では、30分置きぐらいに休息をとる。
28以上31未満は厳重警戒、これは熱中症の危険が高いので、激しい運動や持久走などの熱負荷の大きい運動は避ける。運動する場合は、積極的に休息をとり、水分補給を行う。体力の低い者、暑さになれていない者は運動を中止する。
そして、31以上は運動は原則中止、これは皮膚温度より気温のほうが高くなる、特別の場合以外は運動を中止するという値であります。
日本気象協会では風邪予防指数も一緒に配信をしておりますが、国内最高気温40.9度、これを記録した熊谷市では、既に市民の健康対策として情報発信事業を行っております。各小学校に解析表示計を設置するとともに、携帯あるいはパソコンへメール配信サービスも行っております。
熱中症は、運動や労働のみならず、日常生活において年々発生が増加をしております。今や、熱中症対策は待ったなしの状況です。教育現場での活用の視点及び市民の健康管理の視点から導入を図ってはいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、放射線対策先進地についてお尋ねをいたします。
政府は昨年12月15日、原子力安全に関する福島閣僚会議の際、郡山において、原子力発電所における事故へのその後の対応を推進するための協力に関する協定、これをベラルーシ共和国との間で締結をいたしました。この協定は、日本政府及びベラルーシ共和国政府が原発事故後の対応を協力するための努力分野と協力方法を定め、効果的な実施のための合同委員会を設置することなどを定めたものであります。協定の締結によって、両国間の協力を中長期的な観点から安定的に行うための基盤が形づくられるとともに、友好関係が一層進展することが期待をされます。
これら両国政府間の動きに先んじて、福島市は昨年7月にベラルーシ共和国ゴメリ州から事故対策及び健康管理などに携わる関係者を招聘して、低線量放射線とどう向き合うか、これをテーマに市民フォーラムを開催いたしました。
また、放射線対策先進地視察事業として、昨年11月21日から27日までベラルーシ共和国市民視察団を派遣することで、チェルノブイリ原発事故から26年経過したベラルーシ共和国の現状を見聞されてきました。まさしく全国に先駆けた取り組みであると評価するものであります。参加をした粕谷議長から議会に対し、視察内容や成果などの報告会が去る1月17日に開催されました。
今回の派遣事業は、団体推薦や一般公募の市民の方々を中心に、団長に瀬戸市長、副団長に清水福大教授と議会推薦の粕谷議長、報道機関を含め34名で構成をされ、チェルノブイリ原発事故によるさまざまな放射線対策を有するベラルーシ共和国に学び、地元住民との交流から経験を見聞することで健康不安の解消につなげること、またベラルーシ共和国との交流の契機とするとともに、現地の取り組みを福島市民の皆様に広く周知することで放射線に対する理解を提供することを目的に実施されました。
政治も経済も思想も違うベラルーシ共和国には、26年前に福島市とは比較できない災害となったチェルノブイリ原発事故と強制避難を余儀なくされた歴史があり、現地には26年間の取り組みや経験、情報や教育など、福島の復興に役立て、学ぶべき事案の多さに驚き、大変有意義な訪問であったことが報告をされました。
特に印象的だったのは、放射線が怖い、食べ物が食べられないといった異常に対する恐怖心を持つことがストレスを蓄積してしまい、放射線による発病でなく、精神的な健康不安を招いてしまうこと、ベラルーシでもそうであったように、福島でも同じことが考えられることから、放射能に対する内面的な恐怖を取り除く対策、そして風評被害を払拭する対策をしっかりと立てることが重要であるとお聞きをいたしました。
そこで、このたびの先進地視察の成果の有効活用についてお尋ねをいたします。
ベラルーシ共和国市民視察団の参加者が、それぞれの立場や視点から、みずから見聞し、経験してきたことを広く伝えていく活動をされると期待をしておりますが、本市はどのようにその活動を支援されるのか、所見をお聞かせください。
危険を伝え、パニックを引き起こすより、恐怖心を取り除く子供の教育が家族にも拡大することが重要との指摘もありました。
そこで、今回の視察から学ぶ成果などを放射線と市民の健康講座、放射線教育推進事業、子育てこころのケア事業並びに風評被害対策にどのように反映できるのか、所見をお聞かせください。
また、ホイニキ地区の中学校では、子供たちみずからが食べ物の放射線測定ができるよう測定器が設置をされており、みずから測定することで、その経験、知識は家族への安全啓発も担っていると言われており、さらには週1回の放射線に関する授業が行われ、保護者や地域住民にも開放されているとのこと、新年度の放射線教育推進事業に取り入れてはいかがでしょうか、所見をお聞かせください。
次に、視察交流事業への議会合流についてお尋ねをいたします。
新年度においてもベラルーシ視察交流事業が継続して実施される予定ですが、視察団の規模、構成、時期等についてお示しください。
あわせて、市議会から派遣する場合、合流することは可能かどうかお伺いをいたします。
次に、原発事故後に生まれた学生の招待についてお尋ねをいたします。
ベラルーシ共和国には親日家が非常に多く、日本語を学ぶ学生もたくさんおられるとのこと、視察、交流を機に、原発事故後に生まれた学生を招待し、みずからの体験やみずからの健康状態を多くの市民並びに自主避難者へ日本語で伝え、健康不安の払拭に寄与していただいてはいかがでしょうか、所見をお聞かせください。
また、次世代へ原発事故の真実を引き継ぐことを考えたとき、中長期的な観点から若者同士の交流も進めていくべきと思いますが、所見をお聞かせください。
次に、交流の継続についてお尋ねをいたします。
放射線被害や健康不安から抜け出すためには、継続して交流を深めることは特に大切なことと考えます。ベラルーシ共和国の市民の前向きな姿勢を福島市に反映させるためにも中長期の取り組みをお願いしたいと思いますが、考えをお聞かせください。
また、チェルノブイリ原発事故による影響の全体像を捉えるためには、ベラルーシ共和国に加え、ロシアやウクライナの対応についても参考にすることが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。
さらに、継続するためにはしっかりとした交流窓口が不可欠でもあります。その都度、交渉ルートや代理人が変化するようでは、安定した派遣交流事業には不安があります。懸念されることは、かの地が独立から日が浅く、大統領制の国家運営が国際的に不安視されている面にもあります。近隣国の日本大使館の協力や福島市の意を十分酌み入れたスタッフの確保を政府に申し入れてはいかがでしょうか、所見をお聞かせください。
また、社会経済が変化する中で、環境問題や放射能問題は世界的規模で取り組まなければならない課題でもあります。特に本市は、原子力災害の影響を受け、先ほども述べたように行政としての業務量も増大をし、大変苦慮されていることと思います。今求められている課題の一つとして、市民目線での原発事故、被災地における放射線対策の取り組みを先進地から学び、市民の皆様に正確な情報としてお知らせするとともに課題を共有することが重要であり、復興の一助となるのではないでしょうか。
そこで伺いますが、これらを含めた本市としての新たな取り組みについて所見をお聞かせください。
次に、農業への活用についてお尋ねをいたします。
ベラルーシの放射線学研究所では、放射性物質が農産物に与える影響について、研究の第一人者である所長と意見交換をされたとのこと、その中で、農作物には放射性物質を吸収しやすい作物があり、農地に含まれる放射性物質の割合によって作付種類を決定したり、また放射性物質を吸収しにくくするための肥料散布や化学的物質による除染の取り組みが行われているなど画期的な研究であり、福島の農業にも有効であるとお聞きをしました。そして、福島の農業は、空間線量ではなく、土壌に含まれる放射性物質比率を重視した土壌調査が重要とのアドバイスを受けたようですが、活用について所見をお聞かせください。
次に、正確な情報の発信についてお尋ねをいたします。
ベラルーシ情報センターは、非常事態省の下部組織として2007年に設立をされ、現在放射線や医学の専門家など75名の職員で運営をされているとのこと、原発事故後の情報や経験をデータベース化したものを地域、国、世界に公開しており、一元化された地域情報は、幅広い放射線教育に活用するだけでなく、国際社会に記憶として残し、訴える役目も果たしているそうです。
脚色や不確実な情報に惑わされないための正確な情報を提供する機関の設置が必要とのアドバイスを受けたそうですが、新年度からの災害に強い情報連携システム構築事業にどう生かされているのか、所見をお聞かせください。
また、新たに開設をする除染情報センターの機能と役割についてお示しください。
次に、情報発信の効果について伺います。
福島市の復興発信事業や風評被害対策など活力プロジェクトが組まれておりますが、情報の発信ツールを広げることには大賛成であり、インターネットを介した情報発信には大いに効果を期待したいと思っております。
そこで提案したいことは、より効果を上げるために、文字データのみの配信ではなく、映像や音声も取り入れた配信、すなわち著名人やタレントの方々を登用することで、視聴率やアクセス回数のアップ、ひいては風評被害の回復につながるのではと考えておりますが、所見をお聞かせください。
次に、福島ユナイテッドFCとの連携についてお尋ねをいたします。
まず、スポーツホームタウンにぎわい創出事業についてお尋ねをいたします。
自治体が多様なツールで直接情報発信を行う以外にも、間接的に情報やイメージを伝える方法もあります。仕事や観光で福島を訪れた方々の口コミ、逆に仕事や観光で県外に出かける方々の口コミ、さらにはスポーツという交流カテゴリーもその一つではないでしょうか。
中でも、福島市を本拠地として日本フットボールリーグJFLに昇格をしたサッカーチーム福島ユナイテッドFCは、ことしから全国各地を転戦するチームとなりました。チーム名に福島という冠をつけ、来年創設される新リーグ、J3加盟を目指す彼らの活躍もまた復興福島のシンボル的存在であることは言うまでもありません。
福島ユナイテッドFCというチームを、従来のふるさとPR隊にとどまらず、希望ある
復興プロジェクトの担い手として活躍していただきたいと考えますが、スポーツホームタウンにぎわい創出事業との関連性も含め、所見をお聞かせください。
次に、自主避難者へのメッセージ支援についてお尋ねをいたします。
JFLに参戦するにあたって、福島ユナイテッドFCは、対戦相手の本拠地ゲームに全国に自主避難をされている福島県民を招待して、子供たちに夢とメッセージを届け、思い出づくりを応援したいと語ってくれました。そんな彼らとの連携や支援について、方針があればお聞かせをください。
次に、サポーターへのアピール対策についてお尋ねをいたします。
福島ユナイテッドFCの活躍次第でJ3昇格も見えてくるわけですが、当然相手チームのサポーターが福島を訪れることになります。既にJリーグ加盟チームの実例として、サポーターによる経済効果や口コミによるイメージアップにつながったとする地域もあるそうです。これもまた絶好のアピール機会と捉えますが、所見をお聞かせください。
次に、温泉地利活用の推進についてお尋ねをいたします。
遠征で訪れる選手や関係者、さらにサポーターが宿泊地として福島の温泉地を利用するだけでなく、少年サッカーや提携チームの合宿も期待されます。全国区で活躍するチームであればこそ、呼び込む人数は比例して伸びていくものと思われますが、温泉を利用した地域づくりの視点からも行政として積極的にかかわるべきと考えますが、所見をお聞かせください。
以上で通告質問は終わりますが、最後に、今月末をもって退職をされる職員の皆様に対し、長年にわたる福島市勢発展のためにご尽力されたことに敬意と感謝を申し上げます。特にこの2年間は、震災復興に全力を傾けられ、心身ともに激務に耐えてこられた姿は、後輩の職員にしっかりと引き継がれたものと思います。
今後、新たな環境で活躍をされ、地域活動に精励されると思いますが、あえてお願いしたいことがございます。私たちの愛する福島市は、これからも低線量放射線と向き合っていくことになりますが、年代や地域によって考え方に温度差があり、正しい情報、知識を得ることはますます大切であること、食物に対する過度な恐怖心やストレスを避けるために広く食育に取り組むこと、そして放射性物質の政府基準値より世界一厳しい福島基準と全ての農産物への表示によって風評被害を払拭できることなどを、自治体経験者として安心情報の浸透にぜひご協力を賜りたいと存じます。
経験豊富な皆様と現役後輩が、福島市民憲章でうたわれている住みよく希望に満ちたまち福島を一日も早く取り戻すために力を合わせていただくことを切に願い、会派を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。
◎市長(瀬戸孝則) 議長、市長。
○議長(粕谷悦功) 市長。
【市長(瀬戸孝則)登壇】
◎市長(瀬戸孝則) 22番高木克尚議員のご質問にお答えいたします。
初めに、除染につきましては、福島市復興計画にも定めましたように、安心して暮らせるふるさとを早期に取り戻すための基盤となる最重要事業であり、全職員が一丸となって推進しているところでございます。本市が除染の実践の中で独自に取得した知見や効果が期待できる手法については、今後もご指摘のように国に積極的に情報を提供し、採用を働きかけてまいることといたします。
また、急がれる仮置き場等の設置につきましては、地域の皆様との協働による取り組みが必要不可欠でありますので、今後とも十分な説明、情報提供を図りながらご理解とご協力をお願いしたいと考えております。
次に、チェルノブイリ原発事故の先進地から学ぶ放射能対策についてでありますが、昨年のベラルーシ共和国への視察団の派遣に際しましては、大使館を通して受け入れを依頼したことにより大変有意義な視察ができたところであります。また、今後の交流の継続に際しましても、大使館など国の機関との連携が重要であると認識しております。
なお、今後の交流のための新たな取り組みについてでございますが、先進地から学ぶ放射能対策は、さまざまな分野で情報収集が必要でありますことから、長期的な取り組みの方法について視察後も検討を行ってきたところでございます。そのような中、連合の紹介を通して、外務省から地方自治体や他団体との間で実施している人事交流により、本市職員を本年4月1日付で外務省職員として任用したい旨の要請があったところであります。
本市といたしましては、職員を派遣することによりまして、赴任地として予定されております在ウクライナ日本国大使館における外務事務官としての本来の任務である我が国の文化広報業務を担う一方で、本市の現状をウクライナはもとより各国大使館を通じてそれぞれの母国に発信することが可能であること、またチェルノブイリ原発の所在地であり、事故の被災地であるウクライナ国の放射線対策を学ぶことは、将来の本市の放射線対策をより有効なものとして進めることが可能になると考えております。
今後は、派遣を前提といたしまして、外務省との詳細な部分を詰め、本市職員の派遣を決定してまいりたいと考えております。
また同時に、これらのことも含め、市民生活の安全と安心の一層の確保に邁進してまいる考えであります。
ご質問中、市長答弁以外の質問につきましては、担当部長等よりそれぞれお答えいたさせますので、ご了承願います。
◎総務部長(斎藤信行) 議長、総務部長。
○議長(粕谷悦功) 総務部長。
【総務部長(斎藤信行)登壇】
◎総務部長(斎藤信行) お答えいたします。
除染を進めるための人員配置についてでございますが、4月より現在の放射線総合対策課を除染企画課と除染推進課に改編いたしまして、除染実施計画に基づいた計画的かつ円滑な除染を進めてまいる考えでございます。また、そのための職員体制の充実を図ってまいる考えでございます。
今後も、部局間を超えた職員の連携や再任用職員制度の活用とともに、専門的知識を持った民間の方の協力もいただきながら、迅速な業務の進捗が図られるよう取り組んでまいります。
◎政策推進部長(冨田光) 議長、政策推進部長。
○議長(粕谷悦功) 政策推進部長。
【政策推進部長(冨田 光)登壇】
◎政策推進部長(冨田光) 初めに、
福島復興再生総局の影響についてでありますが、設置に伴いまして、本市の対応に関しましては今のところ影響はないものと考えております。
復興大臣をトップとする現地関係政務の体制を整備し、除染をはじめ体制を一元化することにより、復興大臣がみずから機動的に統括、指揮し、現地で即断即決できる体制を強化した今回の国の体制の抜本強化により、本県の復興がこれまで以上に加速、推進されることを期待するものであります。
次に、除染の課題と対策についてでありますが、面的除染を進める上での大きな課題の一つとして、仮置き場が不足していることにより、宅地内に除去土壌等の現場保管に要する時間と経費がかさむこと等が挙げられます。その解決のためには、国において中間貯蔵施設を工程表どおりの設置を推進することにより、市の設置する仮置き場等に対する市民の皆様の不安を和らげ、除染の推進につなげることが必要と考えます。
また、本市が除染の実践の中で独自に取得した知見や効果が期待できる手法については、今後とも国に積極的に情報を提供し、採用を働きかけてまいります。
なお、県において、除染関係ガイドラインに示されていない新たな除染手法の導入を検討するために、市町村が企業等に実証試験を委託する場合、その費用を県が負担するような仕組みを検討しているとのことでありますので、今後詳細の説明を受け、活用してまいります。
次に、住宅除染の終了見込みについてでありますが、現在のところ、福島市ふるさと除染実施計画の計画期間のとおり、平成28年9月までには終了する見込みであります。
次に、除染作業員の確保についてでありますが、除染作業の発注にあたっては、受託業者が現地調査及び作業員の確保など除染作業の準備に十分な時間が確保できるよう、早期の発注に努めております。
また、受託業者に対しては、作業員に対しての健康診断、被曝線量管理などの健康管理の徹底について、除染電離則やその他の法令の遵守も含めて指導することにより、除染従事者の被曝への不安の低減を図っております。
次に、不適切な除染作業の防止についてでありますが、本市では、不適切除染の問題が報道される以前より、施工管理の徹底を図るため、市の監督員に加えて除染監理員による監督業務を委託することにより除染作業の適正な執行に努めてまいりました。本年初めの不適切除染の報道の後につきましても、毎週実施する打ち合わせ会議において、施工業者、監理員、市担当職員を含め、各現場の実態について確認を行うとともに、改めて適切な作業について指導を徹底しているところであります。
次に、避難場所や避難所等の除染計画についてでありますが、現在避難場所として指定されている公共施設のうち、学校については最も優先度が高いものとして位置づけ、既にグラウンドを中心にほぼ除染作業は完了しております。また、その他の公共施設につきましても、多くの市民の利用が想定される施設については、学校の次に優先度が高い施設の一つとして位置づけ、面的除染とは別に優先的に除染作業を実施しているところであります。
さらに、民間施設として避難所に指定されているグラウンドなどにつきましても、公共広場として公共施設と同様の優先度の位置づけがされており、面的除染のスケジュールにかかわりなく、ホットスポット除染事業などにより優先的に除染を進めております。
次に、国、県の施設の除染につきましては、国の施設においては環境省が、また県の施設については県除染対策課が窓口となり、極力本市の除染スケジュールに連動して除染できるよう協議を進めているところであります。
次に、企業敷地内の除染につきましては、福島市ふるさと除染実施計画において市が実施主体として除染を実施することとしておりますが、大規模な工場などは、施設の構造や企業としての機密保持、品質管理の観点などから、部外者が当該工場などの敷地に立ち入り、除染作業をすることが好ましくない場合も想定されます。このため、
放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、企業と市が合意することにより、市にかわり企業みずからが実施主体としての除染をすることも可能となっておりますことから、面的除染にあたっては、住宅と同様に各企業とも具体的な相談をしながら進めております。
なお、この合意に基づき企業が負担した除染費用については国の財政措置の対象外でありますので、企業は費用を東京電力に直接損害賠償請求をする必要がありますので、円滑な賠償がされるよう、制度設置に向け引き続き国に要望してまいります。
次に、防災施設、設備の整備状況につきましては、避難所に指定している学校施設に防災倉庫や非常用通信装置等の防災施設、設備の整備が十分には進んでいないのが現状であります。地域防災拠点として学校施設は重要な役割を果たすものでありますので、国における制度面の充実を今後とも要望してまいります。
次に、正確な情報の発信についてでありますが、おただしの災害に強い情報連携システム構築事業は、Jアラートによる自動起動機を整備して、緊急性の高い情報を緊急速報メール、FMポコなどで瞬時に伝達する情報提供システムを構築することにより、住民が何らかの形で災害関連情報を得ることができるように情報伝達手段の多重化、多様化を図るものであり、放射線に関する情報提供を目的としたものではございません。
次に、除染情報センターは、除染業務にかかわる情報を正確にわかりやすく市民に発信するものであります。センターでは、除染作業の進捗状況や除染作業の手順など、福島市における除染作業の効果を発信するとともに相談員を配置し、除染作業に対する市民の疑問や不安の解消をしてまいりたいと考えております。除染情報センターの開設により、市民の皆様に除染の理解を深めていただくとともにさらなる除染業務の推進に努めてまいります。
次に、インターネットを利用した情報発信につきましては、昨年9月からツイッター及びユーチューブを、12月からはフェイスブックを開始しております。今後、多くの効果が得られるように、これらの特徴でもあります情報拡散性を生かして充実を図るとともに、民間団体とも連携し、著名人等の登用も含め、映像媒体の活用について検討してまいります。
次に、スポーツホームタウンにぎわい創出事業についてでありますが、これまでも本市は福島ユナイテッドFCに対し、練習会場となる市有施設の使用料について支援を実施しておりましたが、平成25年度は新たに試合や練習会場となる市有施設の確保及び使用料の全額減免を行うとともに、本市PRのほか、子供の交流試合やサッカー教室の開催など、クラブの存在が地域に還元される事業としての業務委託を考えております。これらを通じて、ホームタウン自治体として福島ユナイテッドFCを引き続き応援してまいります。
次に、自主避難者へのメッセージ支援についてでありますが、福島ユナイテッドFCが今シーズンから参入するJFLには全国18チームが所属し、対戦相手の地元でも17試合が行われる予定です。クラブとしては、県外での試合において本市あるいは県内から避難されている方々を招待するなど、復興に向け頑張っている福島から元気を届けられるような取り組みを検討していると聞いております。地域に必要とされるクラブを目指している福島ユナイテッドFCには大いに期待するとともに、本市としてその活動との連携について検討していきたいと考えております。
次に、相手サポーターへのアピール対策についてでありますが、今回、福島ユナイテッドFCが原発事故による被災地で活動するクラブとして全国を舞台とするJFLに参入したことにより、クラブの存在は地域資源として都市イメージの全国発信や交流人口の拡大に今後大きく寄与するものと期待しております。特に市内あるいは県内で行われるホームゲームには相手チームの応援サポーターの来訪が見込めることから、本市の観光や農産物の安全性などへのアピールについて、これら機会を有効に活用していきたいと考えております。
次に、福島ユナイテッドFCを通じた温泉地利用の推進についてでありますが、昨年12月に同クラブの事務所が飯坂町地内へ移転したことに伴い、既に地元温泉観光協会や旅館協同組合とともに、市内での試合開催時における宿泊商品の紹介などについて協議をしていると聞いております。これら新たな民間同士による連携の動きは、地域の活性化の観点からも大いに歓迎するものであり、さらなる新たな連携を期待するものです。
今後、市といたしましても、これらの動きを尊重しつつ、さらなる連携の可能性についても検討してまいります。
◎財務部長(鈴木智久) 議長、財務部長。
○議長(粕谷悦功) 財務部長。
【財務部長(鈴木智久)登壇】
◎財務部長(鈴木智久) お答えします。
まず、地方交付税における給与関係経費の減額についてでありますが、地方の固有の財源である地方交付税を地方公務員の給与削減のために用いることは、復興関連予算などの財源を捻出するとはいえ、地方の財政自主権を尊重すべきとの立場からは誠に遺憾でありますので、引き続き全国市長会等を通じて真の分権型社会の実現を国に強く求めてまいる考えであります。
次に、ふくしま市民21からの予算要望、政策提案についてでありますが、平成25年度予算編成におきましては、希望ある復興に向け、子供からお年寄りまで暮らしてよかったと実感できるまちの実現を目指して、全ての市民が夢と希望の持てる力強い復興へ大きな一歩を踏み出せるよう、安全と
信頼プロジェクトをはじめ4つの
復興プロジェクトを最優先課題として予算編成を行ったところでございます。
ご提案いただいた事項のうち、放射線から市民を守る対策といたしましては、面的除染をスピード感を持って進めるほか、新たに市役所本庁舎内に除染情報センターを開設し、除染の取り組み状況等をわかりやすく市民の皆様にお知らせしてまいります。
また、移動式ホールボディーカウンターを増設して内部被曝検査の迅速化を図るとともに、保育所や学校における給食まるごと検査及び支所、学習センター等での食品等の放射能測定を引き続き実施してまいります。
雇用確保と人材流出を防ぐ産業の誘致につきましては、ふくしま国際医療科学センターと地元企業との医産連携を目指し、市内事業者の医療福祉機器分野への進出を支援するほか、企業誘致を進めるため、工場適地等の調査を実施するとともに、本市独自のスタートダッシュ応援事業など雇用、就業機会の創出に努めてまいります。
そのほか、ベラルーシ共和国との人的交流を進め、経験や知見を活用した放射線不安の解消では、今年度のベラルーシ視察の成果を踏まえ、チェルノブイリ原発事故後に生まれたベラルーシ大学の学生を招待し、市民の放射能に対する理解を深める機会を提供してまいります。
また、避難者の早期帰還への対策の促進では、安心して子育てできる環境を整備するため、市内の比較的線量の低い地域に公営住宅を整備するための調査を行い、事業の推進に取り組んでまいります。
さらに、農業、観光、商工業にかかわる風評被害対策の継続推進では、本市の基幹産業である農業において、首都圏の大手量販店等の仕入れ担当者を本市へ招致し、本市農産物等の正確な情報をお知らせすることで消費者の確かな信頼を得られるよう努めるとともに、全国各地でのトップセールスなどにより本市の観光や農産物の風評被害の払拭につなげてまいる考えであります。
また、引き続き、中学生海外派遣事業の派遣先等を再検討して実施することとしたほか、コンビニ納付ができる税目を市県民税や固定資産税、国民健康保険税まで拡大すること、公立保育所の耐震強化策や通学路等危険箇所の緊急安全対策への取り組み、都市計画道路の見直しに着手することなどでございます。
次に、国の新年度予算案の本市への影響についてでありますが、復興予算におきましては、まちづくりなどの復興の加速化、また早期帰還支援など、福島の復興の加速などのため、除染に必要な予算が確保されたのをはじめ、国に対し継続して要望してまいりました子育て世帯の帰還を支援する公的な賃貸住宅整備等に対する福島定住緊急支援交付金が創設されたところであり、今後、その活用に向け、関係機関などと十分協議を行いながら、効果的かつ円滑な事業推進に努めてまいります。
次に、入札不調の傾向と対策についてでありますが、東日本大震災からの復旧に加えて除染の業務量も膨大であるため、技術職員や作業員の確保が困難となっており、特に下水道工事において不調、不成立となる入札がふえているところであります。
技術職員不足に対しては、現場代理人の常駐義務の緩和を行い、一定の要件を満たす場合には兼任を可能とするとともに、入札にあたっては、施工箇所の近隣の事業者を中心にお願いしているところではありますが、地域によって被災の程度には差が見られますので、施工能力に余裕があると思われる地域の事業者には、施工箇所の近隣であるかどうかにこだわらず、参加していただけるよう配慮しているところでございます。
◎農政部長(若月勉) 議長、農政部長。
○議長(粕谷悦功) 農政部長。
【農政部長(若月勉)登壇】
◎農政部長(若月勉) お答えいたします。
ベラルーシ共和国の視察から学ぶ風評被害対策につきましては、ベラルーシにおいては、子供のころから放射能についての正しい知識を提供する放射能教育を行うほか、放射性物質検査を市民に開かれた形で行うことが情報の信頼性を高めることにつながっているということでありますので、今後の取り組みの参考にしてまいります。
次に、放射線対策先進地視察の農業への活用につきましては、ベラルーシ共和国においては、放射性物質の吸収抑制対策のほか、適地適作の取り組み、市民に対する情報提供や啓発など、27年間にわたりさまざまな取り組みが行われ、経験が蓄積されておりますので、本市の農業においても、有効なものについては、関係機関、団体と協議しながら積極的に活用を図ってまいります。
◎市民部長(髙村一彦) 議長、市民部長。
○議長(粕谷悦功) 市民部長。
【市民部長(髙村一彦)登壇】
◎市民部長(髙村一彦) お答えをいたします。
まず、先進地視察の成果の有効活用につきましては、派遣団員の方々が所属する団体等において視察状況を報告する機会を市との協働で設けるとともに、各種広報を通じ、その成果の共有化を図ってまいりました。
今後とも、派遣団員の自主的な活動につきましても支援してまいります。
次に、視察交流事業への議会合流についてでございますが、平成25年度の視察団の構成は、一般公募者を中心に学生や団体推薦も含め20名程度、派遣時期は7月ごろを予定しており、詳細な計画につきましては今後調整をしてまいります。
また、市議会からの派遣が実施される場合につきましては、参加者数や時期等を踏まえ、今後協議をさせていただきたいと考えております。
次に、原発事故後に生まれました学生の招待についてでありますが、ベラルーシ共和国との来年度の交流事業の一つとして、日本語を学び、日本に対して興味、関心が深いベラルーシ共和国の大学生を本市に招待を予定しております。これら事業におきまして、市内各大学の学生と交流を進め、意見交換を通して本市学生や市民の健康不安の払拭に取り組んでまいりたいと考えております。
放射線対策には世代を超えた長い取り組みが必要でありますことから、若い世代がこれまでどのように健康管理に注意を払ってきたのか、我が国の学生にも大いに参考になるものと考えております。
次に、ベラルーシ共和国との交流事業の継続についてでありますが、昨年11月に視察団が訪問した際のテーマは放射能災害下における健康管理でありました。平成25年度は、食と農業を大きなテーマとしてベラルーシ共和国の視察を実施してまいりたいと考えております。
放射線災害は時期に応じた対策が必要でありますことから、次年度以降も、分野やテーマを変え、視察の目的を明確にしながら派遣を継続するとともに、交流を通じ、より密度の高い情報を取得し、市民に提供してまいります。
◎健康福祉部長(小林克弘) 議長、健康福祉部長。
○議長(粕谷悦功) 健康福祉部長。
【健康福祉部長(小林克弘)登壇】
◎健康福祉部長(小林克弘) お答えします。
まず、市民の熱中症予防につきましては、予防方法や前兆など熱中症にならないための行動や、熱中症となった場合の対処方法などにつきまして、市のホームページや市政だよりによる広報のほか、各種健康教室などにおいて周知を図りまして、市民の健康管理に努めているところでございます。
今後につきましても、効果的な広報や周知の方法について検討してまいります。
次に、先進地視察の成果の有効活用についてでありますが、訪問先の医療保健関係者からは、直接的な放射線による健康被害よりも、不安などのストレスや不安等からくる生活習慣の乱れによる健康被害への対策、健康増進のための対策が重要であるとの助言をいただいております。
これを踏まえまして、本市が独自に実施している放射線と市民の健康講座や子育てこころのケア事業では、全ての年齢層を対象にいたしまして、放射線に関する正しい情報提供はもとより、放射線の影響に負けない体づくりの重要性を理解していただく場として、支所単位の身近なところでの講演会などを開催し、さらにまた子育て中の親へは心理相談を継続して実施するなど、今後も事故前より健康な福島市を目指しまして、今まで以上に健康増進に向けた取り組みを展開してまいります。
◎教育長(佐藤俊市郎) 議長、教育長。
○議長(粕谷悦功) 教育長。
【教育長(佐藤俊市郎)登壇】
◎教育長(佐藤俊市郎) お答えをいたします。
初めに、熱中症予防情報の活用についてでありますが、本市におきましては、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校に対し、環境省熱中症予防情報サイトを活用することを指導しており、活動の場所、時間、内容につきましては、その日の気温、湿度等の状況に合わせて臨機応変に対応することを特に重視しているところでございます。各学校とも、この情報サイトを活用し、熱中症事故防止に努めているところでございます。
次に、放射線教育推進事業についてでございますが、ベラルーシ共和国市民視察団には放射線教育指導資料作成専門委員の教員が2名参加してございます。今回の視察を通して、今後の本市における放射線教育のあり方等についての新たな知見を得てきたとの報告を受けているところでございます。このことから、次年度に開催を予定しております教職員の指導力向上のための研修において、今回の視察の成果について報告する機会を設定するとともに、放射線教育指導資料の内容の見直し、改訂版を作成することに反映させていきたいと考えております。
次に、ホイニキ地区中学校の取り組みの放射線教育への取り入れについてでございますが、食の安全と内部被曝の問題は本市においても重要な課題でございまして、次年度における放射線教育指導資料改善の視点の一つと捉えております。
また、保護者や地域住民の皆様への放射線教育の授業公開等につきましては、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
残りのご質問につきましては、教育部長より答弁いたします。
◎教育部長(野地正栄) 議長、教育部長。
○議長(粕谷悦功) 教育部長。
【教育部長(野地正栄)登壇】
◎教育部長(野地正栄) お答えいたします。
学校等施設における教育環境の整備についてでありますが、安全安心の確保を基本として、施設の耐震化など事業の重点化により整備の推進を図ってきたところであります。
このうち、耐震化事業につきましては、平成25年度で校舎、園舎の耐震診断が完了できる見通しでありますことから、引き続き屋内運動場の耐震診断をはじめとする耐震化の早期実施に向けて取り組んでまいります。
また、防災機能の強化と環境教育への活用のため、改築校舎を中心に太陽光発電設備と蓄電池の導入を推進するなど、国の方針を受けて今後とも全学校施設の安全性の確保と防災機能の強化に努めてまいります。
◆22番(高木克尚) 議長、22番、再質問。
○議長(粕谷悦功) 22番。
◆22番(高木克尚) 先ほど市長から、ちょっとびっくりしたのですけれども、外務省に職員を派遣することが今回実現をしたと、こういう報告がありました。
私の経験上、職員があちこち研修に行くという実例はあるのですが、公的機関に派遣をされるというのはめったにないことだと思うのです。ましてや、るる私の質問の中でも述べさせていただきましたように、ベラルーシに関しては国際交流を非常に私は重要視しておる視点から今回の質問を重ねたつもりでございますので、そういう意味では交流の一助になるのかなということで非常に楽しみにしております。かといって、職員は大変だなと思うのですけれども。
私の知る限りで、よく学校の先生方が福島市の教育委員会なんかに来る際に、割愛退職みたいに、身分を移管して、お互いに協定を結んで、同じ公務員としての身分を確保しながら派遣をするという方法もあったり、まるっきり研修として派遣をされるケースとか、いろいろあると思うのですけれども、今回のそういう外務省に派遣されるというケースはそのうちのどういうものに該当するのか。もう身分は向こうにいってしまって、費用負担なんかも向こうの方になるのか、その辺はどうなのでしょうか。
◎市長(瀬戸孝則) 議長、市長。
○議長(粕谷悦功) 市長。
◎市長(瀬戸孝則) ご指摘のように、本市としても初めてのケースでございます。同時に、先ほども趣旨説明いたしましたように、放射能災害下にある福島市にとりましては、必ずしもそれが目的の全てではございませんけれども、ウクライナのキエフに派遣されるということになりますと、今後本市として大いに期待する面も多々あるというふうに市長としては考えます。
同時に、割愛という方法をとらせていただきますので、相当長期にわたっての期間で、費用、人件費は国のほうから、外務省からその間は負担するということになろうと思っております。十分健康に注意して、職員に頑張ってもらうことを期待して、また我々にフィードバックしてもらうことも多々期待しているところでございます。
○議長(粕谷悦功) 以上で、高木克尚議員の質問を終わります。
これをもって、本日の代表質問は終了いたしました。
明8日は、午前10時から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時01分 散 会...