福島県議会 > 2023-12-19 >
12月19日-一般質問及び質疑(一般)-05号

  • "被災者生活再建支援法"(/)
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  1. 福島県議会 2023-12-19
    12月19日-一般質問及び質疑(一般)-05号


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    最終取得日: 2024-09-17
    令和 5年 12月 定例会令和5年12月19日(火曜日) 午後1時1分開議 午後4時35分散会議 事 日 程   午後1時開議 1、議長提出報告第9号 2、日程第1 県の一般事務に関する質問 3、日程第2 知事提出議案第1号から第105号まで        付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、議長提出報告第9号 2、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第105号  までに対する質疑出 席 議 員      1番 誉 田 憲 孝 君   2番 木 村 謙一郎 君      3番 石 井 信 夫 君   4番 西 山 尚 利 君      5番 佐 藤 徹 哉 君   6番 佐々木 恵 寿 君      7番 山 内   長 君   8番 半 沢 雄 助 君      9番 猪 俣 明 伸 君  10番 山 田 真太郎 君     11番 吉 田   誠 君  12番 鳥 居 作 弥 君     13番 山 口 洋 太 君  14番 渡 辺 康 平 君     15番 鈴 木 優 樹 君  16番 渡 邊 哲 也 君     17番 江 花 圭 司 君  18番 水 野   透 君     19番 山 口 信 雄 君  20番 佐 藤 郁 雄 君     11番 真 山 祐 一 君  22番 安 田 成 一 君     23番 渡 部 英 明 君  24番 三 村 博 隆 君     25番 水 野 さちこ 君  26番 大 橋 沙 織 君     27番 佐 藤 義 憲 君  28番 高 宮 光 敏 君     29番 宮 川 政 夫 君  30番 先 崎 温 容 君     31番 佐々木   彰 君  32番 鈴 木   智 君     33番 伊 藤 達 也 君  34番 荒   秀 一 君     35番 橋 本   徹 君  37番 三 瓶 正 栄 君     38番 宮 本 しづえ 君  39番 佐 藤 政 隆 君     40番 長 尾 トモ子 君  41番 渡 辺 義 信 君     42番 山 田 平四郎 君  43番 佐 藤 雅 裕 君     44番 矢 吹 貢 一 君  45番 安 部 泰 男 君     46番 椎 根 健 雄 君  47番 佐久間 俊 男 君     48番 髙 野 光 二 君  49番 古 市 三 久 君     50番 宮 川 えみ子 君  51番 満 山 喜 一 君     52番 太 田 光 秋 君  53番 佐 藤 憲 保 君     54番 今 井 久 敏 君  55番 宮 下 雅 志 君     56番 亀 岡 義 尚 君  57番 瓜 生 信一郎 君     58番 神 山 悦 子 君欠 席 議 員     36番 大 場 秀 樹 君説明のため出席した者 県       知     事  内 堀 雅 雄  君       副  知  事  鈴 木 正 晃  君       副  知  事  佐 藤 宏 隆  君       総 務 部 長  小 柴 宏 幸  君       危 機 管理部長  渡 辺   仁  君       企 画 調整部長  五月女 有 良  君       生 活 環境部長  鈴 木 竜 次  君       保 健 福祉部長  國 分   守  君       商 工 労働部長  松 本 雅 昭  君       農 林 水産部長  沖 野 浩 之  君       土 木 部 長  曳 地 利 光  君       会 計 管 理 者  中 島   博  君       出納局長(兼)  中 島   博  君       風評・風化戦略  岸   孝 志  君       担 当 理 事       原子力損害対策  岸   孝 志  君       担当理事(兼)       企 画 調 整 部  宍 戸 陽 介  君       避 難 地 域       復 興 局 長       企 画 調 整 部  永 田 嗣 昭  君       文 化 スポーツ       局     長       保 健 福 祉 部  吉 成 宣 子  君       こども未来局長       商 工 労 働 部  吾 妻 嘉 博  君       観 光 交流局長       総 務 部政策監  高 橋 憲 億  君       知 事 公 室 長  村 田 文 夫  君 総  務  部       秘 書 課 長  川 俣   基  君       総 務 課 長  吉 田 千津子  君       総 務 部 主 幹  髙 橋 保 明  君 企  業  局       企 業 局 長  市 村 尊 広  君 病  院  局       病院事業管理者  阿 部 正 文  君       病 院 局 長  三 浦   爾  君 教 育 委 員 会       教  育  長  大 沼 博 文  君 選挙管理委員会       委     員  瀬 田 弘 子  君       事 務 局 長  菅 野 寿 井  君 人 事 委 員 会       委     員  大 峰   仁  君       事 務 局 長  紺 野 香 里  君 公 安 委 員 会       委     員  江 尻 陽 子  君       警 察 本 部 長  若 田   英  君 労 働 委 員 会       事 務 局 長  岡 崎 拓 哉  君 監 査 委 員       監 査 委 員  佐 竹   浩  君       事 務 局 長  鈴 木   勉  君 議会事務局職員       事 務 局 長  山 寺 賢 一  君       事 務 局 次 長  長 塚 仁 一  君       総 務 課 長  花 積 喜代志  君       議 事 課 長  長谷川 利 嗣  君       政 務 調査課長  金 澤   泉  君       議事課課長補佐  富 塚   誠  君       議事課主任主査  秋 山 邦 之  君       議事課主任主査  武 藤 久美子  君       兼 委 員会係長    午後1時1分開議 ○議長(西山尚利君) 開議に先立ち、36番大場秀樹君より本日及び明日欠席の届出がありますから、御報告いたします。 ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。 △議長提出報告第9号 ○議長(西山尚利君) この際、議長より報告第9号を提出いたします。                  (参  照) △県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第105号までに対する質疑 ○議長(西山尚利君) これより日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第105号まで、以上の各案に対する質疑を併せて行います。 通告により発言を許します。5番佐藤徹哉君。(拍手)    (5番佐藤徹哉君登壇) ◆5番(佐藤徹哉君) 自民党議員会佐藤徹哉です。議長の許可をいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。 質問に入る前に一言。5月8日に新型コロナウイルス感染症は5類感染症に位置づけられ、これまで自粛傾向にあった運動会や文化祭、地域のお祭りなどが、コロナ禍以前の開催状況に戻りつつあることは大変喜ばしく思います。とはいえ、感染症を根絶できたわけではありません。 引き続き、健康に留意して、令和6年がよりよい1年になることを祈念して、以下質問に入ります。 初めに、DXの推進について伺います。 先月、福島県内の4社がウェブブラウザベースのメタバース、メタ旅ふくしまを2024年春にオープンすると発表しました。 今後は、大内宿エリア(仮)、エキスポ開催エリア(仮)などを開発しながら、出展企業の誘致を進めるとのことで大きな期待が寄せられております。 メタバースとは、3Dコンピューターグラフィックスや仮想現実(VR)、拡張現実(AR)などの技術を応用して構築される仮想空間のことであり、別の場所にいる人同士が自らの分身となるキャラクター、アバターを使い、実際に同じ場所にいるような感覚で交流することができます。 本県において、企業の創意工夫により、デジタル技術を活用した先進的な取組が生み出されることは大変意義のあることであり、県内においてDXを一層進めていくためには、企業と自治体が連携した取組が重要であると考えます。 そこで、県は企業と連携し、どのようにDXを推進していくのかお尋ねします。 進展するデジタル技術は、公共土木工事の分野でも活用が期待できます。 国土交通省では、インフラ分野DXアクションプランを策定し、インフラ分野におけるデジタル技術の利用について、インフラの作り方の変革、インフラの使い方の変革、データの活かし方の変革、以上3分野に分類し、活用の推進を図っております。 インフラの作り方の変革は、インフラ建設生産プロセスを変革する取組が対象となります。データの力により、インフラ計画をこれまでよりも高度化していくアイ・コンストラクションで取り組んできたインフラ建設現場生産性向上、安全性の向上を目指す等により、よりよいインフラをつくっていくことを目指します。 インフラの使い方の変革では、インフラの運用と保全の観点が対象となります。 運用では、インフラ利用申請オンライン化や書類の簡素化に加え、デジタル技術を駆使して、利用者目線インフラの潜在的な機能を最大限に引き出すことなどが挙げられます。 保全では、最先端の技術等を駆使した効率的、効果的な維持管理などが挙げられます。 これらの取組を通じて、賢くかつ安全で継続可能なインフラ管理の実現を目指します。 データの活かし方の変革は、サイバー空間を対象とした変革です。この変革では、国土交通データプラットフォームをハブに、国土のデジタルツイン化をはじめデータの標準化、ネットワーク、通信環境等の基盤整備、データの収集、蓄積、連携、利用者、国民への発信等、インフラ周りのデータを徹底的に生かすことにより仕事の進め方、民間投資、技術開発が促進される社会を実現することを目指します。 県においては、今後も激甚化、頻発化する豪雨災害や大規模な地震災害に備え、河川や道路の整備を進める必要があるため、国の取組を参考にデジタル技術を積極的に活用しながら、効率よくインフラ整備に取り組むことが重要と考えます。 そこで、県は公共土木工事におけるDXの推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、先端技術社会実装について伺います。 成長産業における先端技術社会実装は急速に進んでおり、私が子供の頃に夢物語であった空飛ぶクルマや自動車の自動運転について、現実のものになりつつあります。 経済産業省の空の移動革命に向けたロードマップでは、2030年以降には都市での人の移動における空飛ぶクルマの事業者による利活用目標が示されているほか、車の自動運転については、総務省において、早ければ2026年にも車両のレベル4、自動運転の専用電波を割り当てる動きがあるなど、もはや夢物語ではなく、いつ実装されてもおかしくない状況です。 それとともに、例えば空飛ぶクルマにせよ、自動運転にせよ、内在する危険性や技術面での不安を持たれる可能性もあり、それらを払拭していくことが重要です。 技術面や安全面などをどのように高めているのか、また社会にとってなぜ必要なのかなど、時間をかけてしっかりと周知し、機運を高めていくことが必要と考えます。 一方で、県内におけるロボットやドローンなどの成長産業については、これまで関連産業の育成・集積に取り組んできた結果、県内で開発、製造されたロボットやドローンが増えてきており、現場への導入も徐々に進みつつあります。 こうした先端技術社会実装をより一層進めていくに当たっては、県民が抵抗感なく製品を購入したり、使用したりできるようにするため、その安全性や利便性への理解を深め、先端技術になれ親しんでもらうことが重要であると考えます。 そこで、知事は成長産業における先端技術社会実装に向けた普及啓発にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、私立学校への支援について伺います。 去る11月22日、第48回福島県私学振興大会に同僚議員らと共に出席してまいりました。 大会では、私立小中高等学校に対する運営費補助金の充実及び保護者納付金公私間格差是正について満場一致で決議採択され、決議文は来賓でありました内堀知事に直接手渡されました。 また、本定例会に同内容の請願書が提出されております。 関係者の皆様には、東日本大震災以降も子供たちの学びの機会を守っていただいていることに改めて敬意と感謝を表します。 さて、インターネットを活用する広域通信制高校、N高校のキャンパスが来年4月、福島県内で初めて郡山市に開設されることが報じられました。 N高は、角川ドワンゴ学園が運営し、本校は沖縄県うるま市に構えます。 インターネット通信制高校の制度を活用したネットの高校として注目されており、授業の大半はオンライン教材で個別に学ぶことができるほか、科目によっては通学を選択することもでき、場所や時間を問わず、自分の理解度に合わせて学び直しや先取り学習も可能となっているそうです。 さらに、卒業時には高校卒業資格を得られます。通学しながら多様な学びが可能で、これまで不登校であった生徒の学び直しや画一的な授業が合わない生徒の受皿としても期待されています。 N高のほかにS高があり、両校合わせて約2万6,000人が在籍、生徒数は増加傾向にあるとのことです。 私は、学びの環境や内容の選択をはじめ学びの機会を担保することは重要と考えますが、子供の数が減少する中、県内の私立学校にとっては大きな衝撃をもたらしかねない存在のように思います。 そこで、県内にサテライト施設を設置する私立広域通信制高校に対する運営費補助の取扱いについてお尋ねします。 また、生徒数の減少に伴い、厳しい経営環境にある県内の私立学校への支援はさらに充実させる必要があると考えます。 そこで、県は私立学校への支援の充実にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、困難を抱える高校生の支援について伺います。 近年、児童生徒の抱える問題が多岐にわたっており、不登校、いじめ、特別な支援を要する児童生徒に加え貧困やDV、ヤングケアラーなど、自分の力だけでは解決できない困難を抱えた児童生徒増加傾向にあります。 先日文部科学省が公表した令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査によると、不登校児童生徒が10年連続で増加し、過去最多となっております。うち、過去3年間の県内の公立小中学校における不登校児童生徒数は、令和2年度で2,360人、令和3年度が2,875人、令和4年度が3,492人と年々増加し、令和4年度の不登校児童生徒数は過去最多となっております。 また、県立高等学校における令和4年度の不登校生徒数は363人、前年度と同程度となっております。 このような中、困難を抱えた児童生徒への対応が必要となっております。 特に高校生は、人間関係や進路選択など多くの悩みを抱える複雑、多感な時期でもあり、卒業後は社会の担い手となる存在であるため、高校生への支援は重要です。 県教育委員会は、個に応じた支援を推進していく学校を指定し、外部機関との連携強化やケース会議等を行っていると伺っておりますが、困難を抱える生徒への対応は容易ではなく、相談相手もいない孤立した生徒1人1人に寄り添った対応が必要であると考えます。 そこで、県教育委員会は様々な困難を抱える高校生の支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、市町村と連携した移住施策について伺います。 令和5年2月定例会において、私は初めて質問の機会をいただき、質問の1つが移住施策でありました。 移住に向け、すぐに行動に移せる方は少なく、まずは地域の様子を知り、いかに継続的な関係性、いわゆる関係人口の広がりをつくるかが重要な要素であることから、私は新たな関係人口の創出にどのように取り組んでいるのかとただしました。 これに対し、新たな関係人口の創出については、移住促進の前段階として重要な取組であるとの認識が示され、人に焦点を当てた新たなきっかけづくりに取り組んでおり、引き続き様々な切り口から本県とつながる機会を増やし、関係人口を創出していくとの答弁をいただきました。 移住、定住の促進については、企画調整部を中心に本県の魅力の発信や本県との関係性の構築等に向け、部局連携の上、全庁的な対応がなされていると承知しております。 そのような中、今年10月に県が都内で開催した全県規模の移住相談会には、過去最多となる県内55市町村がブースを出展し、来場者も過去最多となる285名を記録したと伺っております。 また、先月総務省が公表した令和4年度の本県への移住相談件数は1万7,267件と3年連続の全国第3位となり、市町村も含めた全県的な取組の成果が徐々に表れてきているものと認識しております。 私は、こういった成果を1つ1つ積み重ねながら、本県への移住、定住に結びつけていくため、市町村とのさらなる連携が欠かせないと考えます。 そこで、県は市町村と連携した移住施策にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、フレイル予防について伺います。 人生100年時代をいつまでも自分らしく歩んでいくために、健康寿命を延ばすことが重要です。 食べる力を維持すること、そして口の機能という全身から見て細かな部分の最初の変化を見逃さないこと、すなわちオーラルフレイル対策が全身の衰えを防ぐために重要であることが分かってきております。 オーラルフレイルとは、食事のときにむせる、食べこぼす、硬いものが食べづらい、滑舌が悪くなる、口が乾きやすいなど口の衰えの症状です。 1つ1つは日常生活に大きく影響しないので、年だから仕方がないと思ってしまいがちではありますが、口の周りのささいなトラブルを年のせいと諦めず、適切な対策を取ることが健康長寿の実現につながると考えます。 健康寿命を延伸していくためには、要介護期間を短縮する必要があり、特に要介護の原因の第1位となっているフレイルの予防が鍵となります。 しかし、加齢に伴う心身の衰えであるフレイルについて県民の認知度は、令和4年度健康ふくしま21調査報告書によると、男性が14.9%、女性が24.4%、全体で19.8%と低い状況にあります。 フレイルは、人とつながる社会参加、適度な運動、バランスの取れた食生活、口腔機能の衰えであるオーラルフレイル対策に早い時期から取り組むことで予防が可能です。 また、フレイルになっても早い時期に気づき、対策を取れば、健康な状態に戻ることも可能です。 そこで、県は加齢に伴う心身の衰え、いわゆるフレイルの予防にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、若年層の投票率の向上について伺います。 先日行われた福島県議会議員選挙確定投票率は40.73%、過去最低だった4年前の投票率をさらに0.95ポイント下げる残念な結果となりました。 年代別の投票率は、10代が25.94%、20代が19.78%と大変低いものでした。 私の事務所には、インターンシップでお預かりした大学生をはじめ私の長女、次女の同級生やその後輩など、若者が多数出入りしており、投票率向上に向けた若者の意見を直接耳にすることがありました。 マイナンバーを活用すれば、インターネット投票が可能なのではないかという先進的な意見や学校内に投票所を設置すれば学生の投票率が上がるのではないかといった学生らしい意見が出されるなど、父親世代として大変うれしく思いました。 調べてみると、過去に愛媛県松山市では、2013年参議院議員選挙の際、松山大学に投票所を設置し、結果20代若者の投票率が上昇したというデータがあります。 千葉県富里市では、富里高校に投票所が設置され、投票所が増えた結果、学生のみならず近所の方の投票率も向上したというデータもあります。 課題はあっても、彼らの言う身近な投票所の設置といった物理的な対応とともに、投票の重要性と1票の大切さを分かりやすく魅力的に発信していくことも必要と考えます。 そこで、県選挙管理委員会は、若年層の投票率の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、文化財等を活用した観光誘客について伺います。 平成8年から始まった文化財登録制度により、保存対象となる歴史的建造物は年々増加傾向にあり、本県には271件の登録有形文化財があるとのことです。 文化財保護法において、文化財の保存と活用は車の両輪であるとされており、文化庁では文化財を活用した地域観光拠点形成などの文化財活用についても、より重要視され始めていると聞き及んでおります。 登録有形文化財重要文化財とは異なり、財政的補助は小さいものの、現状変更に関するルールが比較的緩やかで活用しやすいものであると認識しております。 地域に根づく産業と登録有形文化財が結びついて、新たなにぎわいを産んでいる例があります。例えばワイン醸造が盛んな山梨県には、登録有形文化財に登録されたくらむぼんワインの旧主屋が現存しております。 この建物は、明治期に建てられた養蚕農家の趣を残すものですが、ワインの販売や試飲のスペースを持ち、ワインセミナーを開催する場ともなり、多くの観光客でにぎわうとのことです。 また、長野県松本市では、ノスタルジックな建築物を会場にアート作品を展示、その対比、融合、共鳴によりまちに新たな化学変化を起こし、活性化につなげようという趣旨で、令和4年からマツモト建築芸術祭が開催されております。 日本の近代化を象徴する松本市の様々な建築物を会場に、23日間で約8万1,500人が来場したとのことです。地域への経済波及効果も大きかったことと思います。 本県においても、登録有形文化財である建造物のほか地域の歴史や生活に根づいた文化財や伝統文化が数多くあることから、これら文化財等を観光資源として活用した誘客を図り、稼ぐ拠点として生かしていく必要があると考えます。 そこで、県は文化財等を活用した観光誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねして、1回目の質問を終わります。(拍手) ○議長(西山尚利君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 成長産業における先端技術社会実装に向けた普及啓発についてであります。 これまで、再生可能エネルギーロボット、航空宇宙、医療などの成長産業については、福島ロボットテストフィールドをはじめとする拠点施設の活用など、企業の技術開発支援に取り組んでおり、農薬散布用ドローンや自走式運搬ロボットなど、先端技術を用いたメードイン福島の製品が次々と生まれ、実際に使用され始めております。 私は、成長産業のさらなる活性化のためには、製品の販路拡大を見据え、先端技術を県民の皆さんに見て、触れて、体験していただきながら、自分も使ってみたいと感じてもらうことが重要であると考えております。 そのため、先月開催したロボット航空宇宙フェスタにおいては空飛ぶクルマの実機を展示し、来場した子供たちに実際に触れていただくとともに、プログラミング学習用ロボットを若い世代に操作していただくなど、先端技術を体験する機会を提供してまいりました。 今後とも、先端技術社会実装により地域課題が解決され、誰もが豊かな生活を送ることができる未来を県民の皆さんに実感していただくよう、先端技術を体験する機会を通じて普及啓発に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (総務部長小柴宏幸君登壇) ◎総務部長(小柴宏幸君) お答えいたします。 広域通信制高校につきましては、3以上の都道府県で生徒募集を行い、通信教育を実施している学校であり、県内にサテライト施設を設置する私立広域通信制高校に対する運営費補助は、本校の設置を認可した都道府県が行っております。 次に、私立学校につきましては、独自の建学の精神に基づき、特色ある教育活動を展開しており、本県の教育機関として大きな役割を果たしております。 このため、県といたしましては、私立学校の教育環境の維持向上や保護者負担の軽減を図るため、運営費の補助や授業料減免に対する助成など支援の充実に努めているところであり、今後とも私立学校の振興に向け、しっかりと取り組んでまいります。    (企画調整部長五月女有良君登壇) ◎企画調整部長(五月女有良君) お答えいたします。 企業と連携したDXの推進につきましては、デジタル変革推進基本方針の下、企業のニーズに応じ、ハイテクプラザにおける技術支援や専門家による伴走支援等により県内企業へのDXの浸透を図るほか、関係企業と連携して先端技術を紹介するイベントやセミナーを開催するなど、広く普及啓発に取り組んでいるところであります。 引き続き、企業をはじめ関係機関等と連携し、本県のDXの取組を進めてまいります。 次に、市町村と連携した移住施策につきましては、各地域の魅力や課題を共有し、協調して取組を進めることが重要となります。 これまで、市町村と直接意見交換を重ね、県の事業と連動した相談対応や情報発信などに取り組み、市町村における相談件数の大幅な増加につながっております。 また、直近では地方振興局と市町村が協同して移住セミナーを企画するなど、新たな取組も生まれております。 引き続き、市町村と密接に連携し、各施策の相乗効果が高まるよう取り組んでまいります。    (保健福祉部長國分 守君登壇) ◎保健福祉部長(國分守君) お答えいたします。 いわゆるフレイルの予防につきましては、認知度を高め、行動に移していただくことが重要であり、予防のポイントとなる栄養、運動、社会参加に加え、加齢に伴う口腔機能の低下、いわゆるオーラルフレイルへの対策を新たに加えた予防ハンドブックの作成や配布、各種メディアを活用した広報など、積極的な情報発信を行っております。 今後も関係団体等と連携しながら、フレイル予防にしっかり取り組んでまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 公共土木工事におけるDXの推進につきましては、生産性の向上や現場の安全確保を図る上で重要な取組であります。 このため、作業時間の縮減や労働災害防止に有効なICT活用のモデル工事について、来月から工事金額等の要件を緩和し、対象を拡大して実施するほか国等と関係機関と連携し、受発注者を対象にデジタル技術の習得に関する講習会等の機会を幅広く設けるなど、DXの推進に積極的に取り組んでまいります。    (観光交流局長吾妻嘉博君登壇) ◎観光交流局長(吾妻嘉博君) お答えいたします。 文化財等を活用した観光誘客につきましては、専門家の派遣により磨き上げを支援しており、地域の方々から観光資源としての強みや課題も明確となったなどの声をいただきました。 今後は、定期的な意見交換により観光資源としての磨き上げを引き続き支援するとともに、販路の確立へ向け、商談会や教育旅行キャラバン等においてその魅力を丁寧に伝えるなど、文化財等を活用した観光誘客に積極的に取り組んでまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 困難を抱える高校生の支援につきましては、家庭や学校に居場所を見いだせない生徒が外部人材に悩みを相談することなどで、孤立感を和らげ自己肯定感を育めるよう、安心して自由に学び、活動できる居場所を個別支援教育推進校9校に開設いたしました。 他の学校においても、個々の生徒の課題に応じて関係機関と情報を共有しながら、困難を抱える生徒1人1人の支援にしっかりと取り組んでまいります。    (選挙管理委員会委員瀬田弘子君登壇) ◎選挙管理委員会委員(瀬田弘子君) お答えいたします。 若年層の投票率の向上につきましては、高校、大学等への期日前投票所の設置を市町村選挙管理委員会に働きかけてきたほか、今年度から選挙啓発サポーター制度を創設し、若者や企業等との連携、協働により選挙啓発活動や投票に参加しやすい環境の整備を推進してきたところでございます。 今後は、サポーターの輪をさらに広げ、投票参加の呼びかけ等の取組を積極的に展開し、若年層の一層の投票率向上に努めてまいります。 ○議長(西山尚利君) これをもって、佐藤徹哉君の質問を終わります。 通告により発言を許します。24番三村博隆君。(拍手)    (24番三村博隆君登壇) ◆24番(三村博隆君) 県民連合議員会の三村博隆です。改選後、最初の定例会において登壇の機会をいただいたことに感謝いたします。 改めて県民の声を県政に届けるという初心を強く意識しております。 このふるさと福島に県民の皆さんが幸福を実感しながら住み続けられるよう、また後に続く世代に安心して引き継いでもらうため、福島の復興と創生にさらに力を尽くす考えです。 それでは、通告に従い質問いたします。 まず、福島イノベーション・コースト構想の推進についてです。 改選前、相双地方を訪れる機会が何度かありました。率直に申せば、復興の道のりはまだ長いと感じました。震災、原発事故から12年が経過し、県内各地域における復興への思いも地域差が生じているようにも感じています。 これまで復興の推進に大きな力となってきたのが、福島イノベーション・コースト構想です。 新たな産業基盤の構築を目指し、浜通り地域等への企業の呼び込みや廃炉、ロボット、ドローン等の実証研究の推進、また産業を支える人材確保のため、地元企業、教育機関の連携等による本構想の担い手育成や交流人口拡大など、幅広い取組が行われてきました。 今この構想に、中通りや会津地域を含めた全県においてより一層一体感を強めて参画し、その効果を波及させることが復興再生には重要と考えます。 そこで、福島イノベーション・コースト構想による効果をどのように県全体に波及させていくのか、県の考えをお尋ねいたします。 次に、あぶくま高原道路の利活用の促進についてです。 あぶくま高原道路は、東北道と常磐道を結ぶ高規格道路であり、福島空港へのアクセス強化や地域間連携、交流促進等を目指すものです。 私の自宅からこの道路の矢吹中央インターまで10秒とかからない距離にありますが、空港は実際の距離よりも遠く感じています。それは、玉川インターまでの有料区間の存在がそう感じさせているのかなというふうに思います。 有料区間は、県道路公社が国の許可を受け、建設資金を借入金や県の出資金で賄い、利用料金で償還する有料道路として建設されたことから、許可を受けた令和12年度まで料金徴収することが県の基本的な考えと聞いています。 しかし、経緯はともかく、福島空港の台湾定期チャーター便の就航を控え、栃木県まで見据えた広域的な空港の利活用のため、また県道吉間田滝根線の供用で相双地方へのアクセス向上が期待される中、復興を加速するため、利活用をさらに促進すべきです。 そこで、県はあぶくま高原道路の利活用の促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、県道白河羽鳥線の整備促進についてです。 県道白河羽鳥線は、中通りと会津地方を結ぶ重要な道路であり、地域間連携や交流促進、地域経済の活性化等に不可欠であるとともに、50万人の観光客が訪れる羽鳥湖高原やその先の会津地方へ関東方面などから人を呼び込む観光道路でもあります。 地方を結ぶ鉄道が十分とは言えず、自動車での移動に依存する本県では道路ネットワークの整備が課題ですが、この路線は幅員が狭い箇所やカーブで見通しが悪いところなどが多く、車両通行に支障があり、また冬季間の安全確保が不十分です。 現在西郷村真名子地内の改良整備が進められていますが、早急な整備促進が求められます。 そこで、県道白河羽鳥線真名子工区の整備状況と今後の取組をお尋ねいたします。 次に、「福、笑い」の販売促進についてです。 最近県産ブランド米「福、笑い」を目にする機会が増えました。甘みともちもち感が特徴的で、生産者や開発者のこだわりと情熱を感じるお米です。 従来から評価が高い県産米ですが、原発事故の後、スーパーなどの商品棚から姿を消し、価格が下落する中、業務用米として販売割合が増す一方で、家庭向けの販売が思うように伸びておりません。 その現状に突破口を開くのが、県産米のブランド力強化です。 「福、笑い」は、希少性を確保しながら生産されていますが、その認知度向上には家庭用、業務用双方での活用が効果的であり、徐々に拡大してきた生産量をさらに増やす必要があります。 一方で、プレミアムなイメージで販売を続け、トップブランド米としてのポジションを確立し、県産米全体のイメージアップと販売促進につなぐためには生産、販売を戦略的に拡大しなければなりません。 そこで、県は「福、笑い」の販売促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、農業担い手の確保についてです。 生活に不可欠な食料を安定的に確保するため、本県農業の持続的な発展が求められますが、それを支える農業担い手の確保は課題です。 多様な担い手が希望する形で農業に携わるため、農業法人への就職、すなわち雇用就農の推進が効果的です。 県が関係機関と連携して開所した福島県農業経営・就農支援センターの相談会でも多くの農業法人の参加を得て、就農機会を提供しております。 法人化された経営体では、安定的な人材の確保・育成が可能となり、経営管理が徹底、合理化されるため、信用力が向上するなどメリットがあります。 本県の農業法人は、他県と比べ必ずしも多くないことから、他県からの参入とともに団体や個人の経営体の法人化を推進すべきですが、法人化には手続や運営に経費がかかる上、経営体としての会計上の手間も増すため積極的な支援が必要と考えます。 そこで、県は農業経営の法人化をどのように支援していくのかお尋ねいたします。 次に、有害鳥獣対策の強化についてです。 福島の豊かな自然環境を守り育てるため、自然との共生の取組が求められますが、鳥獣被害という自然との摩擦にも対応が求められます。 本県の有害鳥獣対策では、今ニホンジカの被害防止対策の強化が必要と考えます。 県は、被害の大きい尾瀬などで様々な対策を講じ、また栃木、茨城県境に近い地域での鹿の個体数増加にも警戒していると承知しておりますが、目撃情報が増え、少なからず農作物の被害も聞かれ、その生息域の拡大が懸念されます。 県は、第2期福島県ニホンジカ管理計画で目標を定め、捕獲を強化してきましたが、被害が拡大する前に効果的な対策を進める必要があります。 そこで、県はニホンジカの生息域拡大を踏まえて、被害防止にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、転職なき移住の促進についてです。 コロナ禍での価値観、行動様式の変化やテレワークの普及などで、若年層を中心に地方への関心が高まり、移住件数や相談も増えていると聞いています。 一方で、コロナ後の社会経済活動の活発化によって東京一極集中の傾向が再び強まり、本県の転出超過も深刻です。 地方移住における大きな課題は就業の確保ですが、県は雇用の受皿となる工場誘致をはじめ企業の本社機能の移転やテレワーク導入企業への支援など、転職することなく移住できる環境整備や支援に力を入れていると承知しております。 テレワークを活用する場合、移住希望者を引きつける福島の魅力を効果的に発信するとともに、自身が望むライフスタイルを確保できるかを見極められるよう、段階を追って支援することも重要です。 ワーケーションなどを通して、地域住民と多様に関われるよう支援することも有効と考えます。 そこで、県は転職なき移住をどのように促進していくのかお尋ねいたします。 次に、広域バス路線の維持・確保についてです。 本県では、日常生活での移動の多くを自動車に頼っていますが、学生や障がい者、免許返納後の高齢者等の交通手段の確保は切実な課題です。 県内の各市町村では、路線バス等に加えコミュニティバスやデマンド交通を運行し、その充実を図っていますが、市町村域を越える移動手段としては鉄道や路線バスを利用することになります。 しかし、路線バスの運行がない地域は多く、運行が利用者のニーズに合わないケースも見受けられ、その運行の統合などによる利便性の低下も懸念されます。 広域的な交通手段を維持・確保するため、利用者の減少や深刻な運転手不足などの課題を踏まえ、利用者のニーズを的確に把握し、効果的にバスを運行できるよう対策を講じなければなりません。 そこで、県は広域バス路線の維持・確保に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、水素エネルギーの普及拡大についてです。 県は、持続可能な社会の実現のため福島県2050年カーボンニュートラルを宣言し、温室効果ガスの排出ゼロを目標に掲げましたが、その実現には再生可能エネルギーを活用することが重要です。 本県では、再エネ由来水素の利活用を促進するため、浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドで製造した太陽光発電由来の水素を活用していますが、まずは水素エネルギーそのものの普及を拡大することも重要です。 県内の2020年度のCO2排出量1,376万トンのうち、運輸部門が28%を占めていることから水素燃料電池自動車、FCVの導入が有効と考えます。 本県のFCV登録台数は、東北6県全体の7割以上を占めるところ、導入した企業からは水素ステーションの増設を求める声が聞かれますが、増設にはステーション自体の経営を安定する必要があることから、まずは利用者が増えるよう、FCVの導入拡大を一層進めなければならないと考えます。 そこで、燃料電池自動車の導入拡大にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。 次に、食品ロスの削減についてです。 本県のごみの排出量は、震災での急増後、減少傾向にはあったものの高止まりしています。 将来にわたって豊かな生活を送るためには、環境負荷の低減が求められますが、ごみの焼却で発生するCO2抑制等のためごみの減量化は重要であり、食べられるのに捨てられる食品ロスの削減も求められます。 国は、令和12年度までに平成12年度との比較で食品ロス半減を目指しており、食料資源の有効活用のためにも強力に推進すべきです。 県は、食べ残し削減に取り組み、必要な分だけ購入し使い切る等の環境に配慮したエシカル消費を推進していますが、今年6月発表の環境省の調査では、平成12年度以降家庭における食品ロス発生量全体は減少しているものの、食材が賞味期限等を超えたため使用されずに捨てられる、すなわち直接廃棄の割合が高いまま変化がありません。 食品ロスを削減するための取組として、家庭で余っている食品を持ち寄って福祉団体等に寄附するフードドライブ活動がありますが、その取組を拡大するなど、対策を強化すべきです。 そこで、県は食品ロスの削減にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、家庭学習の充実についてです。 令和5年度の全国学力・学習状況調査では、県内公立小中学校の正答率が小学6年生の算数は61%、中学3年生の数学は46%、英語は41%といずれも全国平均を下回りました。 県教育委員会は、学校や個々の児童生徒の課題を把握して学力向上に取り組み、その科目の楽しさを実感しながら、主体的に学ぶ授業を展開しています。 しかし、主体的に学ぶためには、学校、家庭を問わず自立的に学習する習慣が大切であるところ、家庭はゲームやスマホなど誘惑が多い環境にあることから、家庭での学習を生活習慣から改善するよう指導する必要があると考えます。 そこで、県教育委員会公立小中学校における家庭学習の充実に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、子供の視力低下対策についてです。 令和4年度の学校保健統計調査では、小中学生の裸眼視力1.0未満の割合が過去最多となりました。小学生は3割、中学生は6割を超えております。 調査が始まった昭和54年度との比較では、およそ小学生は20%、中学生は26%増加しております。 現在小中学生を取り巻く環境は、家庭でのゲームやスマホに加えて、タブレットなどのデジタル端末を学習でも使用する時間が増加し、目への負担が増しています。 視力低下の要因として、本やデジタル端末等を近くで見て作業する近業が大きく関係すると言われますが、視力低下の低年齢化が進む中、目の健康維持は子供の心身の成長に大きく影響すると考えるところ、視力の回復は容易ではなく、デジタル化を推進しながらも、学校はもとより家庭での生活習慣の改善まで含めた対策を強化しなければならないと考えます。 そこで、県教育委員会公立小中学校における児童生徒の視力低下の予防にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、阿武隈川上流遊水地群についてです。 阿武隈川では、阿武隈川緊急治水対策プロジェクトの一環として鏡石町、玉川村、矢吹町の3町村において大規模な遊水地群計画が国により進められています。 事業を進める上で、用地の提供等を求められる地元住民が不利益を被ることはあってはなりません。 完成後の土地の農地利用も視野に入れているようですが、解決すべき課題等を抱え、その方向性が定まらないまま遊水地群地内の利活用が話題に上がっている現在の状況は、用地等の契約における合意形成にも影響を及ぼしかねません。 完成後の利活用は、占用して使用する者が不利益を受けることなく、農地利用に限らず現実的で、増水時に水を引き入れても復旧しやすく、将来に責任が持てるよう国が計画を進めなければなりませんが、その検討に当たっては、住民に身近な立ち位置にある町村を支援する県の役割が重要と考えます。 そこで、県は国が進める阿武隈川上流遊水地群地内の利活用の検討にどのように関わっていくのかお尋ねいたします。 最後に、盛土の安全確保についてです。 今、県南地方などにおいて大量の土砂の搬入と盛土の造成が相次ぎ、近隣の住民から不安や危険性を訴える声が上がっています。 西郷村川谷地区の国道近くの土地には、今年夏頃から他県で発生した土砂の搬入が始まり、現在では盛土による小高い山となって、隣接家屋の住民は工事の騒音と崩落の危険を訴えています。 一刻も早い住民の安全確保が求められますが、対応には法令の根拠を必要とし、行政の立入りも制約されるため、対策が取られない状況が続いています。 この問題に関して、先月30日に開催された県町村会と知事との意見交換会で首長たちから規制条例の制定を求める声が上がったとも聞いており、今後同様の事案が発生しないよう、対策を急ぎ講じる必要があると考えます。 そこで、知事は今後の無秩序な土砂の搬入を一刻も早く規制するため、どのような対策を講じるのかお尋ねいたします。 また、西郷村などでは規制条例の制定に向けた動きがあると聞いていますが、遡っては適用されません。 現状で危険な盛土等を規制するものとしては、今年5月に盛土規制法が施行されています。 令和3年7月に静岡県熱海市で発生した盛土の崩落による災害等を受け、土地所有者等の管理責任や災害防止のための監督処分などが定められていますが、規制には区域指定が必要であり、本県ではいまだ指定がないことから早急な対応が求められます。 そこで、盛土規制法に基づく規制が早期に可能となるよう取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(西山尚利君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 三村議員の御質問にお答えいたします。 土砂の搬入を規制するための対策についてであります。 先日行われました県町村会役員との意見交換会において、西郷村長や小野町長から「土砂の搬入について大変苦労している」、「早期に県に規制条例を制定してほしい」との声が寄せられ、この規制の在り方について、私自身非常に重要な問題であると受け止めております。 何より大量の土砂搬入や無秩序な盛土によって近隣住民の皆さんに不安を与えたり、命や財産を危険に陥れることがあってはなりません。 今年5月に施行された盛土規制法に基づく規制区域の指定の前にできる限り早期に規制措置を講じ、さらなる無秩序な土砂の搬入を未然に防止していくことが喫緊の課題であります。 このため、本県がこうした問題の投棄地になってはならないとの強い認識の下、速やかに関係条例を制定し、一定の土砂の搬入について基準を設け規制をすることにより、県民の皆さんの安全・安心の確保に向けた対策を着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。    (企画調整部長五月女有良君登壇)
    企画調整部長(五月女有良君) お答えいたします。 福島イノベーション・コースト構想につきましては、浜通り地域等における産業集積や人材育成等を着実に進め、その効果を県全体に波及させていく必要があります。 そのため、県内他地域の企業等の参画を促すための企業訪問や参入事例の周知等を実施するほか、県内の高校と協力した人材育成等を進めており、引き続き関係機関と連携し、構想の実現にしっかりと取り組んでまいります。 次に、転職なき移住の促進につきましては、モデルとなる実例の情報発信や県内のテレワーク環境を体験いただくことなどが重要となります。 このため、転職せずに移住した方をポータルサイトや移住相談会で広く紹介するほか、これまで延べ470名を超える方のテレワーク体験を支援し、さらに今年度は地域交流の機会創出にも取り組んでおります。 今後も市町村と連携し、首都圏での発信等に取り組み、移住支援金の効果的な活用も図りながら、転職なき移住を促進してまいります。 次に、燃料電池自動車につきましては、当面の水素需要の中心となるものであり、その導入拡大が水素社会の実現に寄与することから、現在燃料電池の自動車、小型トラック、バスなどの導入費用等を支援しております。 加えて、今後安定した水素需要が見込まれる大型トラックの導入も見据え、大規模な水素ステーションの整備等を併せて促進しながら、引き続き燃料電池自動車の導入拡大に取り組んでまいります。    (生活環境部長鈴木竜次君登壇) ◎生活環境部長(鈴木竜次君) お答えいたします。 ニホンジカの被害防止につきましては、南会津から会津、中通り地域へ生息域が拡大し、農業被害等が確認されていることから、県では指定管理捕獲や生息拡大地域における捕獲技術研修会等を実施してまいりました。 今年度はさらに、指定管理捕獲の目標を600頭増やして1,700頭にしたほか、GPSによる行動調査を実施するなど対策を強化しているところであり、引き続き鹿の被害防止にしっかりと取り組んでまいります。 次に、広域バス路線の維持・確保につきましては、今年度策定する県内全域を対象とした地域公共交通計画において、県内全ての高校を対象とした通学実態調査や医療機関への通院実態調査等により、県民の移動ニーズの把握、分析を進め、持続可能な公共交通体系を構築することとしております。 今後、調査結果を踏まえ、運行ルートの見直しや利便性の改善を図り、国の補助制度を有効に活用しながら、市町村や事業者とより一層連携し、広域バス路線の維持・確保に取り組んでまいります。 次に、食品ロスの削減につきましては、これまで食べ残しゼロ協力店の認定や福島県環境アプリによる啓発を実施しており、昨年度からは県庁内で職員を対象としたフードドライブを行っているところであります。 今年度は、フードドライブの活動を広げ、10月に郡山市で開催した環境イベントにおいて来場者を対象に市と共催で行ったほか、今月には県の合同庁舎でも実施いたしました。 引き続き、ごみの減量化に向けフードドライブのさらなる拡大を図るなど、食品ロスの一層の削減に取り組んでまいります。    (農林水産部長沖野浩之君登壇) ◎農林水産部長(沖野浩之君) お答えいたします。 「福、笑い」の販売促進につきましては、今年9月に策定した生産・販売戦略に基づき、トップブランド米として生産を徐々に拡大しつつ、百貨店等に加え、量販店等における年間を通じた取扱いや各店舗で最も高い価格帯での販売を目指してまいります。 さらに、高い品質や縁起のよい名称を生かし、食にこだわりのある旅館等やギフトでの取扱いを拡大するとともに、試食会や各種のイベントを通じて新たなファンを獲得するなど、販売促進に積極的に取り組んでまいります。 次に、農業経営の法人化につきましては、農地の利用集積が促進されるとともに雇用による新規就農者の確保につながるなど、地域農業の発展を図る上で重要であります。 このため、法人化を希望する農業者等に対し、県農業経営・就農支援センターを通じ、中小企業診断士や税理士等の専門家を派遣して企業会計や労務管理等に関する具体的な助言を行うとともに、経営規模の拡大に向けた機械、施設の導入経費を補助するなど、もうかる農業を実践する農業法人の育成に取り組んでまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 あぶくま高原道路の利活用の促進につきましては、沿線市町村等と連携し、本道路のPRパンフレットや片道無料通行券を地域イベント等で配布するなどにより、広報活動に取り組んでいるところであります。 今後は、本道路に接続する県道吉間田滝根線等の整備による県南、相双地域間の時間短縮や福島空港へのアクセス向上等の利便性を各種イベント等で積極的にPRするなど、さらなる利活用の促進に取り組んでまいります。 次に、県道白河羽鳥線真名子工区につきましては、平成20年に工区中央部の約1.7キロメートルが完成し、現在は隣接する白河市側約1キロメートルの区間で大型車の通行に支障となる狭隘な箇所を解消する改良事業を進めており、これまでに用地取得がおおむね完了したところであります。 また、羽鳥湖側の約3.3キロメートルについては、早期の工事着手に向けて急峻な地形や脆弱な地質等の技術的な課題を踏まえた計画ルートの検討を行っており、引き続き必要な調査を進めてまいります。 次に、阿武隈川上流遊水地群地内の利活用の検討につきましては、庁内関係課等で構成するプロジェクトチームにおいて国や地元町村と連携し、全国の事例の情報収集や利活用上の課題の検討などを行っているところであります。 今後は、国が来年早々に設置予定の有識者等による検討会に参画し、地元が思い描く利活用が可能となるよう、課題解決に向けた提案を行うなど、国や地元町村と一体となって利活用の検討に取り組んでまいります。 次に、盛土規制法に基づく規制につきましては、規制区域の指定により許可基準に適合しない盛土等を規制できるほか、指定前に行われた盛土等に対しても法に基づき改善命令などを行うことが可能となることから、規制区域の指定時期を前倒しし、令和6年度中に指定を行うなど、可能な限り早期の規制ができるよう取り組んでまいります。 また、指定前においても関係市町村等と連携し、事業者等に基準への適合や安全対策を講じるよう求めてまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 家庭学習の充実につきましては、児童生徒が授業で学ぶことの楽しさを実感し、家庭で授業内容と関連づけた学習に自主的に取り組む習慣を身につけられるよう、各学校において県独自の家庭学習スタンダードを活用して、子供自らが学習、生活習慣を改善する自己マネジメント力の育成に努めております。 引き続き、家庭学習の充実に向け、保護者と連携した家庭での環境づくりなど、各学校を支援してまいります。 次に、児童生徒の視力低下の予防につきましては、学校でのICT機器の活用が期待される一方、視力低下への影響も懸念されることから、教職員に対し、目の疲労を防ぐ留意点を示した資料を配布するとともに、児童生徒にはチェックリストによる定期的な健康観察を促しているところであります。 今後も、屋外活動の推奨や映像視聴時間の適切な設定の啓発など、学校医の助言の下、家庭との連携を強化し、視力低下の予防に取り組んでまいります。 ○議長(西山尚利君) これをもって、三村博隆君の質問を終わります。 通告により発言を許します。6番佐々木恵寿君。(拍手)    (6番佐々木恵寿君登壇) ◆6番(佐々木恵寿君) 自由民主党議員会の佐々木恵寿であります。一般質問を行います。 まず初めに、避難地域の復興の実現についてであります。 東日本大震災と原発事故により、双葉地方の全町村避難から13年目を迎えようとしています。 このような時間軸の中で、双葉郡内の3町村で特定復興再生拠点区域の避難指示が相次いで解除となりました。 さらには、6月に改正福島復興再生特別措置法が成立し、新たに特定帰還居住区域が設定されましたことは、帰還区域の全面的な避難指示解除に向けての重要な第一歩であると思います。 私は、双葉郡選出の議員として、福島県全体の復興に向けては原子力災害によって最も苦しめられている避難地域、双葉郡の復興再生の実現が不可欠であると考えております。 このため、避難地域の復興に必要な財源の確保については、震災復興特別交付税措置及び普通交付税の人口特例といった復興を支える特別な措置がしっかりと継続されるとともに、避難地域の復興を進めていく上で極めて重要な事業に係る予算が長期的かつ十分に確保されることが不可欠です。 国に対し、引き続き第2期復興・創生期間以降も含め、十分な財源の確保を強く求めることが避難地域の復興再生を加速していく上でも重要であります。 そこで、県は今後の復興財源の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、今年6月に福島復興再生特別措置法の改正により特定帰還居住区域が創設されたことは、帰還困難区域全体の避難指示解除に向けた大きな一歩であります。 帰還意向のある住民が1日も早く帰還できるよう、関係市町村が作成する特定帰還居住区域復興再生計画に基づく取組を着実に進めていくことが重要であると考えています。 そこで、県は特定帰還居住区域の復興再生計画の推進に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。 また、帰還困難区域の復興再生には、特定復興再生拠点区域や特定帰還居住区域にとどまらず、帰還困難区域全ての避難指示解除に向けた取組をより一層加速化させることが極めて重要であると考えております。 そこで、帰還困難区域全ての避難指示解除に向けどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねします。 次に、本年4月に福島国際研究教育機構、F-REIが浪江町に設立されました。 世界に冠たる創造的復興の中核拠点としての期待が日に日に高まっております。 原子力災害により、極めて厳しい状況に置かれている双葉地方が30年、40年後も持続的に発展を成し遂げられるよう、これまでの政策でなし得なかった大胆な取組を行い、日本における究極の地方創生モデルを目指すべきであります。 そして、日本の科学技術、産業競争力を牽引し、世界レベルの国際研究教育機構にいち早くなれるよう、まずは国が可能な限り前倒ししながら、円滑かつ確実に施設の整備促進を図るべきであります。 その際、F-REIが創造的復興の中核拠点として機能を発揮し、福島・国際研究産業都市の形成が図られることはもとより、その活動を支える研究者やその家族などを受け入れるためのインフラ整備のみならず、広域的な視点を持ち、生活環境も考慮した研究タウンの形成が必要であると考えます。 そこで、県はF-REIの研究者やその家族等の生活環境の充実に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、2014年(平成26年)12月に復興大臣の指示により、有識者から成る検討会が立ち上がり、およそ7か月にわたる検討を重ね、国等に対する提言として福島12市町村の将来像に関する有識者検討会提言がまとまりました。 その後、2020年度(令和2年度)に復興の進捗や現在の取組状況、復興・創生期間後の基本方針、福島特措法の改正等を踏まえ、福島12市町村の現地視察等も行い、提言が見直されました。双葉地方が30年後、40年後も持続的に発展していけるように取りまとめられたものであります。 福島12市町村が抱える共通する課題は広域的であり、市町村単独で解決することは困難なため、広域自治体として県が果たすべき役割も大きいと指摘しております。 国が策定する福島復興再生基本方針に即して作成される福島復興再生計画の下、国、県、福島12市町村が連携して、各自治体の復興の状況を適切に踏まえた具体的な取組を進めることが重要であります。 この有識者検討会提言の末尾に、くしくもこう記載されております。 「この提言は、30~40年後という四半世紀以上先の将来を見据えたもので、国、県、福島12市町村が創意工夫することにより、決して「夢物語」では終わらせないことを期待している」としております。 そこで、福島12市町村の将来像の実現に向けどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねします。 次に、食料安全保障の強化についてであります。 食料自給率向上と農業政策について、食料安全保障の強化という観点から県に質問をいたします。 農林水産省の有識者会議は、農政の基本理念や施策の方向性を示した食料・農業・農村基本法の見直しに関する答申をまとめました。政府は答申を受け、来年の通常国会に改正案の提出を目指すとしています。 凶作や紛争などで食料が輸入できなくなってからではなく、平時から食料安全保障の課題を洗い出し、備える必要があります。 制定から約20年が経過した食料・農業・農村基本法について、我が国農業の取り巻く情勢の変化や食料安定供給・農林水産業基盤強化本部での総理からの指示も踏まえ、基本法の総合的な検証、見直しに向けた検討が進められております。 物価高騰が県民の暮らしを直撃している昨今でありますが、中でも食料品は値上げが激しく、買物をするたびに値上がりを実感する日々であります。 世界的な食料危機が叫ばれる中で、国民の命を守ることが国の第一の役割である以上、食料安全保障は最優先事項であります。 国は、カロリーベース38%の自給率を2030年に45%と目標を設定しております。 このような状況下で、本県は全国有数の耕地面積を有しており、食料供給拠点としての使命を果たすべきと考えます。 そこで、県は食料安全保障の強化に向け、農業の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、農業経営基盤強化促進法に基づく地域計画についてであります。 改正農業経営基盤強化促進法の施行により、将来の農地利用を検討する地域計画づくりが本格化しております。地域計画の核となる目標地図、10年後に目指す農地利用の姿の素案作成が求められます。 地域計画は、現行の人・農地プランをより具体化するのが基本と考えます。 プラン作成期間中にコロナ禍に見舞われたことも影響して、地域で議論なり話合いなりを尽くしたとは言い難い状況だろうと思います。 策定者である市町村は、地域の関係機関、農業委員会、農地中間管理機構、JA、土地改良区との間で議論を深めるのはもちろんのこと、農業者とも積極的に話し合う必要があります。計画の実行者である農業者が自分たちの計画と思えなければ、どんな立派な計画でも前には進まないと思います。 話合いの中では、将来の地域の農地利用だけでなく、生産しやすい環境とはどういうものなのか、将来的には何を作り、どう販売するのかといった経営問題も避けては通れません。生産と切り離した議論となっては、農業者の理解は得られないと思います。 国際情勢の変化などにより生産資材価格が高騰し、農業経営に大きな影響を及ぼしている中、持続が危うくなっている自然環境や集落崩壊に不安を抱きながらも、現場は将来の地域の姿を何としてでも見つけようとしております。 そこで、県は農業経営基盤強化促進法に基づく地域計画の策定をどのように支援していくのかお尋ねします。 次に、高病原性鳥インフルエンザ対策についてであります。 家畜に甚大な影響を与える家畜伝染病、特に鳥インフルエンザの対策についてお伺いします。 県で口蹄疫や鳥インフルエンザが発生した場合、県内の畜産農家が大打撃を受けることはもちろん、国民経済へも大きな影響を与えることが懸念されます。 今からちょうど1年前、高病原性鳥インフルエンザが県内の養鶏場で初めて発生し、全国では26道県で1,700万羽以上が殺処分となり、全国的に鶏卵不足になるなど、社会的影響を及ぼす事態となりました。 昨年の経験も踏まえて、県及び関係団体の指導の下、養鶏農家の皆さんにおいては、様々な衛生対策に懸命に取り組んできたところであります。 しかしながら、今シーズンも11月25日に佐賀県の養鶏場で発生して以降国内各地で発生が続いており、県内の養鶏場においてもいつ発生してもおかしくない状況になっており、今後もウイルスに感染した渡り鳥による日本への侵入リスクが高まることが危惧されております。 本県の昨年の経験を踏まえ、防疫作業の厳しさや迅速な防疫対応の必要性を身にしみて感じていることと御察しいたします。 一般的な飼養衛生管理の強化と徹底により、鶏舎内に野鳥、野生動物、人、物を介して高病原性鳥インフルエンザウイルスを持ち込まないことが最も重要であると聞いております。 そこで、県は高病原性鳥インフルエンザの防疫対策の強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、双葉地域の中核的病院の整備についてであります。 県はこれまで、避難指示解除後の住民の帰還が進まない中で、医療機関の再開または新規開業を後押しする支援制度の創設や医療人材、専門医療の確保など、双葉地方の医療提供体制の再構築に向けて取り組んでこられました。 今後の移住、定住の促進、さらには福島国際研究教育機構の関係者等への対応として、現在休止中の県立大野病院の後継医療機関の整備が不可欠であります。 先日、中核的病院のあり方検討会議で整備基本構想が公表されましたが、地域住民が真に求める医療機関となるよう、診療科目や病床数をはじめ機能等の充実に努めるのは当然のことでありますが、一方で多くの課題も指摘されております。 地域が求めることは、何より早期の病院開院でありますが、建築資材高騰の病院建設への影響など、開院に向けて大きなハードルになると危惧されております。 また、帰還困難区域が残るこの地域で、医師や看護師などの医療スタッフの確保とその方々の住居をどう確保するかという課題もあります。 そのほかにも、避難区域特有の課題が浮上する可能性が高いなどの意見が寄せられております。 そこで、県は双葉地域における中核的病院の整備に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、常磐線の利便性向上についてであります。 復興を加速化していくため、JR常磐線の利便性向上は必須であることから、JR東日本と連携し、特急列車について、せめて震災前の状況に戻すことはできないものかと多くの住民に問われております。 浜通り地方から首都圏への日帰り利用が可能となるよう、運行本数の増便や運行時刻の見直しを求める利用者の声が多く聞かれます。 福島イノベーション・コースト構想の進捗や福島国際研究教育機構の設置、産業団地への企業誘致の進展など、常磐線沿線の変化とともに浜通り地方と仙台を結ぶ快速列車の運行など、利便性の向上が求められております。 私は、復興に伴う人的交流の増大への対応をはじめ増便や通勤時間帯のダイヤの見直しなど、地域の実情や希望に応じた対応を行うべきと考えます。 そこで、県は常磐線の利便性向上に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、復興祈念公園の整備についてであります。 東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂をはじめ震災の記憶と教訓を後世へ伝承するとともに、国内外へ向けて復興に対する強い意思を発信するため、国営による追悼祈念施設と一体的に整備する復興祈念公園の早期整備が強く求められております。 そこで、県は復興祈念公園の整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、(仮称)あぶくま横断道路についてであります。 双葉地方と中通りを結ぶ交通体系が未整備のために、東日本大震災及び原発事故発生時には狭隘な道路が大渋滞し、速やかな避難に重大な支障を来しました。 この経験を踏まえ、福島県新広域道路交通計画の構想路線である(仮称)あぶくま横断道路の早期整備が求められております。 その必要性につきましては、被災地の復興に寄与するのは当然として、福島イノベーション・コースト構想やF-REIによる取組の進展、産業集積拠点間のネットワーク形成及び物流の安定確保をはじめ県内の地域間の広域連携の促進に大いに寄与するものであります。 このため、新たな高規格道路として早期に路線指定を行い、整備を進める必要があると考えます。 そこで、県は(仮称)あぶくま横断道路の構想の具体化に向け、どのように取り組んでいるのかお尋ねします。 最後に、観光産業の復興についてであります。 本県の観光産業は、東日本大震災及び原子力発電所事故、その後の度重なる災害、さらには新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けました。 ようやく新型感染症が終息し、県内にも国内外から観光客が戻ってきております。 福島県では、世界で類を見ない複合災害、地震、津波、原子力災害を経験した唯一の場所であるがゆえに、複合災害の教訓等から持続可能な社会・地域づくりを探究、創造する福島県独自のプログラム、ホープツーリズムが展開されております。 また、ALPS処理水の海洋放出により、海産物の買い控えなどの影響が懸念されましたが、海産物を買って、食べて応援しようとの動きやふるさと納税の急増など、全国の皆様からの支援の輪が広がっております。 このような動きがさらに加速し、福島に行って応援したいにつながることが期待されております。 国内外から多くの方に、被災地にとどまらず福島へ来ていただき、復興の姿を見ていただくことは、交流人口の拡大や地域の活性化、福島の真の復興にもつながるものであると考えます。 そこで、知事は観光復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 以上で通告しました全ての質問が終了いたしました。御清聴に感謝申し上げ、降壇いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(西山尚利君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 佐々木議員の御質問にお答えいたします。 観光復興についてであります。 福島の復興を成し遂げるためには、裾野の広い産業であり、地域に活力を与える観光の再生が大切な柱となります。 東日本大震災と原発事故、それに伴う風評被害により、本県を訪れる人は激減しました。 逆境からの転機となったのが、平成27年に開催したふくしまDC、デスティネーションキャンペーンであります。 当時、企画列車の出発式がありました。私の目の前で、ある若者が「福島大好き」と笑顔で訴えてくれました。その姿を見て、私は必ず福島の観光を復興させるとの決意を新たにしました。 これを機に、ホープツーリズムを観光資源の柱として育み、花、雪景色などの絶景やサムライ文化にも焦点を当てたインバウンド対策を加速させました。 その後、コロナ禍による落ち込みはあったものの、ホープツーリズムについては9月までの実績が過去最高を更新し、インバウンド対策についても、震災後初となる定期便を見据えた台湾へのチャーター便がいよいよ来月16日に就航いたします。 さらに、ゴッホ展の開催を契機としたアートツーリズムとの相乗効果により、観光再生に一層弾みをつけるとともに、今般震災から15年の節目となる令和8年の開催を目指し、デスティネーションキャンペーンに申請いたします。 引き続き、国内外の方々に福島だからこそ行ってみたいと思っていただけるよう、福島の観光復興に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (企画調整部長五月女有良君登壇) ◎企画調整部長(五月女有良君) お答えいたします。 今後の復興財源の確保につきましては、被災者の生活再建など、従来からの課題に加え、特定帰還居住区域の復興再生といった復興の進展に伴う新たな課題にも適切に対応していく必要があることから、先月の緊急要望をはじめあらゆる機会を捉えて、国の責務として中長期的な財源を確実に確保するよう訴えてきたところであります。 今後とも、全庁一丸となって、国に対し避難地域の復興再生等を進めるための財源を確実に確保するよう求めてまいります。 次に、F-REIにつきましては、国内外の研究者やその家族などが安心して生活し、研究等に取り組めるよう、国、県、市町村等が緊密に連携し、生活環境の充実を図ることが重要であります。 現在、国等と協力しながら、住まいや教育、商業、医療などの分野について、広域的な視点も含めて課題の把握に努めているところであり、引き続き生活環境の充実に向け、関係機関と連携して取り組んでまいります。    (生活環境部長鈴木竜次君登壇) ◎生活環境部長(鈴木竜次君) お答えいたします。 常磐線の利便性向上につきましては、住民の帰還促進や交流人口の拡大を図る上で極めて重要であることから、これまで福島県鉄道活性化対策協議会を通じてJR東日本に対し要望を行ってきた中で、来年3月のダイヤ改正では相双地域と首都圏間のアクセス向上のため、特急列車の運行時間等の改善が図られることとなりました。 引き続き、復興の進展を見据えながら、沿線市町村と連携し、さらなる利便性向上に向け、要望活動を継続してまいります。    (農林水産部長沖野浩之君登壇) ◎農林水産部長(沖野浩之君) お答えいたします。 農業の振興につきましては、農業者の経営安定を図りながら、自給率の低い農産物の生産拡大など、国際情勢の変化等を踏まえた取組を進めることが重要であります。 このため、圃場の大区画化やスマート農業の推進による麦、大豆等の生産性の向上、耕畜連携による堆肥の活用、関係団体と連携した担い手の確保などの取組を総合的に進め、生産力を強化しながら、食料の安定供給に向けしっかりと取り組んでまいります。 次に、地域計画の策定につきましては、将来の農地の利用集積や営農の在り方について、農業者の合意形成を十分に図る必要があります。 このため、県内各地で市町村等を対象とした研修会を開催するとともに、先行事例の紹介を含めた策定マニュアルを作成、配布するほか、市町村の課題に対し具体的な解決策を提案するなど、農業者等の意向を確実に捉え、地域農業の将来像がしっかりと描かれた計画となるよう支援してまいります。 次に、高病原性鳥インフルエンザの防疫対策の強化につきましては、養鶏場に対し野生動物の侵入を防止するため、防鳥ネットの補強や換気口の点検等、飼養衛生管理の強化を指導しているところであります。 また、昨年の発生事例を踏まえ、より機動的かつ効率的な初動対応ができるよう、動員者の増加や実践的な模擬演習の実施とともに、防疫作業への協力事業者等と一層の連携を図り防疫体制を強化したところであり、引き続き危機感を持って取り組んでまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 復興祈念公園の整備につきましては、国と共に策定した施設配置計画に基づき、地元の双葉、浪江両町や有識者の意見を伺いながら造成工事等を進めております。 今後は、追悼と鎮魂の場として国が整備する(仮称)国営追悼・祈念施設へ来園者を誘導する橋梁工事を本格化させるとともに、受付、案内機能を持つ管理棟工事に着手するなど、令和7年度の完成を目指し、復興の象徴として多くの方々に訪れていただけるよう、計画的な整備に取り組んでまいります。 次に、(仮称)あぶくま横断道路の構想の具体化につきましては、広域的な道路がもたらす効果や求められる道路の機能を検討するため、今年度双葉地域と県中地域間の道路交通の課題等を把握する上で必要な周辺地域の交通量や物流等に関する情報の収集、分析等を進めております。 引き続き、構想の具体化に向けて社会経済状況の把握など、必要となる基礎的な調査を計画的に進めてまいります。    (避難地域復興局長宍戸陽介君登壇) ◎避難地域復興局長(宍戸陽介君) お答えいたします。 特定帰還居住区域の復興再生計画につきましては、先般国から認定を受けた大熊町と双葉町に続き、現在浪江町の計画について、国への認定申請に向けた協議を行っているところであります。 引き続き、国や地元自治体等と連携しながら、希望される住民の皆さんが1日も早くふるさとに帰還できるよう、復興再生計画に基づきインフラや生活環境の整備を着実に進め、早期の避難指示解除につなげてまいります。 次に、帰還困難区域の避難指示解除につきましては、土地、家屋等の取扱いをはじめ、今もなお多くの課題が残されております。 このため、先月国に対し、地元自治体の意向を十分に踏まえながら、帰還困難区域全ての避難指示解除に最後まで責任を持って取り組むよう、改めて求めたところであります。 引き続き、国や市町村等と連携し、1人でも多くの方がふるさとに帰還できるよう、帰還環境の整備を着実に進め、帰還困難区域の復興再生にしっかりと取り組んでまいります。 次に、福島12市町村の将来像につきましては、避難地域の復興の道しるべとなるものであり、多くの方々が希望を持ちながらふるさとで暮らすことができるよう、将来像に描いた姿を着実に具現化していくことが重要であります。 今後も国や市町村等と連携し、生活環境の整備や産業、なりわいの再生、さらには移住の促進や新産業の創出など、世界に誇れる復興を成し遂げることができるよう、将来像の実現に向けた取組を進めてまいります。    (病院局長三浦 爾君登壇) ◎病院局長(三浦爾君) お答えいたします。 双葉地域における中核的病院につきましては、先月末に基本構想を決定し、開院時期を令和11年度以降としたところであります。 今後は、病院の具体的な機能等を盛り込んだ基本計画の策定をはじめ建物の設計や建築、医療スタッフの確保など、様々な工程を円滑に進めることができるよう、関係機関と十分に協議、調整を行い、双葉地域の新たな病院の速やかな整備にしっかり取り組んでまいります。 ○議長(西山尚利君) これをもって、佐々木恵寿君の質問を終わります。 暫時休憩いたします。 再開は、午後3時5分といたします。    午後2時48分休憩                  午後3時6分開議 ○副議長(山田平四郎君) この際、私が議長の職務を行います。 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに、質問を継続いたします。 通告により発言を許します。22番安田成一君。(拍手)    (22番安田成一君登壇) ◆22番(安田成一君) 県民連合議員会の安田成一です。 先月、11月12日に施行されました第20回福島県議会議員選挙におきまして、いわき選挙区より当選をさせていただきました。 負託されました4年間、初心を忘れることなく、住んでよかった、住み続けたい、来てよかった、また訪れたいと思える魅力ある福島県づくりに精いっぱい取り組んでまいる所存でありますので、皆様の御指導、御鞭撻を何とぞよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 それでは、通告に従いまして質問をいたします。 初めに、地域密着型プロスポーツと地方創生について質問いたします。 県内には、プロ野球独立リーグに所属する福島レッドホープス、バスケットボールBリーグに所属する福島ファイヤーボンズ、バレーボールVリーグに所属するデンソーエアリービーズ、サッカーJ3所属の福島ユナイテッドFC、J2所属のいわきFCと県内に拠点を置く5つのプロスポーツがあります。 県内のプロスポーツチームへの関心を尋ねた新聞報道を見ますと、「関心がありホームゲームを観戦したことがある」は8.4%にとどまり、「関心はあるがホームゲームを観戦したことがない」は32.4%、また「知ってはいるが関心はない」が約半数の51.6%に上り、プロスポーツがさらに地域密着となるためには、まだまだ認知度を上げるための取組が必要でありますし、同時にさらなる県民機運の醸成に向けた取組が必要であると考えます。 プロスポーツは、単にスポーツの振興だけでなく、教育、文化への貢献や地域のにぎわいの創出、スポーツビジネスが活性化することによる経済的効果など、地域経済の好循環を生み出すパートナーであることが求められますし、プロスポーツを軸として県内全体の活性化につなげていくための地方創生の取組が重要と考えます。 そこで、地域密着型プロスポーツを通した地域活性化にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 次に、若年層の雇用の維持・確保について質問いたします。 福島労働局は、今年10月の福島県内の有効求人倍率が前月より0.04ポイント上昇の1.54倍となり、2か月連続で改善となったと発表いたしました。 新規求人数を産業別に前年同月と比較しますと、宿泊・サービス業は増加しているものの、建設業は燃料や材料の値上げなどから求人を控える企業が多く見られ、11か月連続で下回っている状況にあります。 福島労働局は、「引き続き求人が求職を上回って推移はしているものの、新規求人の動向に異業種間の差があり、業種によっては厳しい状況にある」としています。 雇用環境の改善が見られる一方で、少子化による生産年齢人口の減少と若者の都市部への流出、労働力不足、人材不足という慢性的な課題を抱えているのも事実であり、解決に向けては若年層の雇用の維持・確保が必要でありますし、大学や専門学校、ベンチャー企業等と連携強化し、県内で働く場所の確保、魅力的な業種の構築や企業支援、最低賃金の大幅引上げなど雇用環境、雇用条件を改善し、若年層の人口流出に歯止めをかける取組をさらに強化すべきと考えます。 そこで、県は県内企業の人材確保のため、若者の定着・還流にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、障がい者の雇用について質問いたします。 障害者の雇用の促進等に関する法律、いわゆる障害者雇用促進法は、障がい者の義務等に基づく雇用の促進を図るための措置等を通して障がい者の雇用安定を図ることを目的としており、一定規模以上の民間企業をはじめ国、地方公共団体等に対し、法定雇用率と呼ばれる一定比率以上の割合で障がい者を雇用することが義務づけられています。 厚生労働省が公表した令和4年の障害者雇用状況によれば、全国の民間企業で働く障がい者数は、前年より1万6,172人増の61万3,958人で対前年度比2.7%の増となり、雇用者数は19年連続で過去最高を更新いたしました。 同省は、障がい者雇用は着実に進展している一方で、法律で義務づけられた法定雇用率を達成している企業の割合は全体の48.3%と、全国平均で見れば全体の半分の企業しか法定雇用率を満たしていない状況であり、本県の達成割合も約半数の54.3%となっております。 法の趣旨に照らせば、今後より一層障がい者雇用の推進と拡大に向けて雇用環境整備を図っていくことが重要と考えます。 そこで、県は民間企業における障がい者の雇用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、外国人労働者について質問をいたします。 厚生労働省が公表した令和4年10月末現在の全国の外国人労働者数は182万2,725人に達し、前年比で9万5,504人の増加となり、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新いたしました。 また、外国人を雇用する事業所数は29万8,790か所で前年度比1万3,710か所の増加となり、こちらも届出義務化以降、過去最高を更新いたしました。 国は、外国人労働者の増加の要因として、労働力不足という日本の雇用環境を背景に日本で働きたい外国人が増えていることや、グローバル化に伴い、外国人と協働しながらビジネスを行う会社が増加していることを挙げています。 今後ますます少子高齢化が進む日本では、日本人労働者だけでは労働力不足を補うことができない状況となり、日本経済を支えるためには外国人労働者の雇用が必須になる時代になりつつあるともしています。 このような中、福島労働局も令和4年10月末現在の福島県内の外国人雇用者数が前年より401人増加の9,928人と公表いたしました。 県内の雇用事業者数は2,127か所となり、福島労働局は人手不足から外国人労働者のニーズが年々高まっており、今後も増加傾向になっていくとしています。 そこで、県は外国人材の円滑な受入れに向け、事業者の支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、F-REIについて質問いたします。 浪江町に開設された福島国際研究教育機構、F-REIは研究開発、産業化、人材育成、司令塔の4本の柱を機能とし、廃炉などの遠隔操作用ロボットやカーボンニュートラルを実現するための技術検証、放射線科学などをテーマに研究開発を行うこととなり、本格稼働となれば、F-REIを核として浜通り地域全体の広域連携による波及効果も大きく期待されています。 理事長の山崎光悦氏は、「将来の科学技術を担う人材の育成に努め、地域に根差して活躍してくれる若い人たちを育てていきたい」と語っており、「F-REIを中心として市町村、大学、研究機関、企業、団体など多様な連携も進めていきたい」と話されております。 今後、F-REIを核とした人材育成は本県にとっても非常に重要であり、特に義務教育の段階から裾野の広い取組が必要であると考えます。 そこで、県教育委員会はF-REIと連携した人材育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 また、今後県内企業との連携も重要であると考えます。 そこで、県はF-REIと県内企業との連携促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、インバウンド政策について質問いたします。 新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、県内に来訪するインバウンドも増加しています。 特に近年は、団体旅行やパッケージツアーを利用することなく、自分の目的に合わせて旅行をする個人観光客が急増しております。 今後、このような海外からの個人観光客をさらに増加させていくためには、1日当たりの滞在日数を増やすことやリピーターの再訪を促す対策など、より質の高い、高付加価値なサービスを提供していくことが重要と考えます。 そこで、県は海外からの個人観光客の誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、ナショナルサイクルルートについて質問いたします。 県は、県内7地域に県広域サイクリングルートを認定し、全体の骨格となる総延長900キロを超えるメインルートを公表しています。 また、県は走行環境の整備に向けたガイドラインの策定や利用者の受入体制の構築について県自転車活用推進計画に盛り込むことも検討しており、県内7地域ごとの自然や観光資源など、各地域の特色を生かし、サイクルツーリズムを強力に推進していくとしております。 このような動きを踏まえれば、特に復興への取組を進める浜通りにおいて自転車による新たな観光価値を生み出し、インバウンドも見据えて広域自治体と連携を図り、自転車を活用した交流人口の拡大をさらに図っていくことが重要であると考えます。 そこで、県は浜通りにおけるナショナルサイクルルートの指定に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、小名浜道路について質問いたします。 東京電力福島第1原子力発電所事故の避難解除等区域復興再生計画の一環として、県が戦略的に整備をする福島復興再生道路の路線として位置づけられ、平成28年11月から整備を進めている小名浜道路は、震災後の復興のシンボルとして早期完成が待たれる状況にあります。 小名浜道路は、重要港湾小名浜港と常磐自動車道を直結する自動車専用道路であり、供用開始後は広域的な物流や観光ネットワークの強化などが期待されているところでもあります。 そこで、小名浜道路の整備状況と今後の見通しをお尋ねいたします。 次に、地域の暮らしを支える移動手段について質問いたします。 公共交通はまちづくりの前提となる生活インフラでありますし、その中でも生活路線バスは日々生活者の足を守る重要な交通インフラであることは言うまでもありません。同時に、人口減少を見据えた持続可能な公共交通の仕組みの構築を図っていくことも重要であります。 そのような中、いわき市で路線バスを展開する新常磐交通が来年4月に、距離にして全体の約1割に相当するバス路線を廃止する計画を示しました。 運転手の人手不足が主な要因とはしているものの、路線廃止により、1日当たり約3,000人の利用者に路線の変更や交通手段変更などの影響が見込まれるとしております。 特に通学で利用する児童生徒や運転免許証を返納した高齢者など、生活路線バスを利用する機会の多い住民への影響を抑えるためにも、バス事業者は具体的な運行計画を早期に示すことが大切でありますし、同時に行政も主体的に解決に向けて取り組んでいく必要があると考えます。 そこで、県は地域公共交通の利活用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 あわせて、現行の地方バス補助事業、生活交通路線維持国庫補助金は、複数の市町村にまたがり、キロ程が10キロ以上などの要件があり、広域で市町村をまたがないいわき市は補助事業の対象にはなっていないのが現状であります。 そこで、地域公共交通事業者への補助制度の拡充を国に求めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 次に、消費者教育について質問いたします。 民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げることを内容とする民法の一部を改正する法律が2022年4月1日から施行されております。 18歳、19歳の若者が自らの判断によって人生を選択する環境が整備され、積極的な社会参画を促すといった社会的意義がある一方、成人として、親の同意がなくてもローンやクレジットカード、消費者金融などの契約を基本的に結べるようになり、悪質な業者による若年層を狙った被害の拡大や自らが被害者、加害者になることも懸念されております。 現に闇バイトや振り込め詐欺などの報道も後を絶たず、社会問題化している現状にもあります。 そこで、県教育委員会県立高等学校における消費者教育にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 また、県は若年者の消費者被害の防止にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 次に、災害時の市町村との連携強化について質問いたします。 近年の激甚化、頻発化する自然災害への対応は、各自治体が取り組むべき大きな課題の1つとなっており、自然災害を未然に防ぐためのハード、ソフト両面の取組も急務であります。 そのような中、今年10月、県は大規模災害時における福島災害時相互応援チームによる相互応援等に関する協定を締結いたしました。 大規模災害時に県と県内59市町村が連携し、速やかに応援職員を派遣することで、より迅速に被災自治体の復旧を図ることを目的としております。 そこで、県は災害時における市町村との連携強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、県立中高一貫校の設置について質問をいたします。 福島県立安積高校に中学校を併設し、2025年に県内では3番目となる中高一貫校を開校する計画となっております。 中高一貫校は、一般的な高校受験がなく、中学生から高校生までの6年間を通した教育を受けられるのが最大の強みであり、全国的にも広がりつつある状況にあります。 そのような中、今年7月26日、いわき市は県教育委員会に対して県立中高一貫校設置等についての要望書を提出いたしました。 いわき市は、長年の課題として医療人材、とりわけ医師不足が深刻であり、その育成に向けて高い学力を身につけることができる教育環境の整備が急務であり、加えてF-REIに国内外の優れた研究者が集まることが期待されており、こうした研究者の子弟の教育環境についても特段の配慮が求められているところでもあります。 報道によりますと、先月県内各地域で開催された安積高校に併設する県立中学校の説明会には多くの小学生と保護者が参加したということであり、全県的に見ても併設型中高一貫校に対する県民の関心は高く、他地域においても今後の在り方について検討すべきであると考えます。 そこで、併設型中高一貫校の今後の在り方について、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。 最後に、男女共同参画社会の実現について質問いたします。 全ての人が生きがいを感じられる多様性のある社会の実現が求められております。 そのためには、男女共同参画や女性活躍、男女間の賃金格差の解消など、仕事と育児の両立支援、ジェンダー平等の実現など、取り組むべき課題の解決が必要であり、男女共生と誰もが暮らしやすい社会の構築に向けた取組がさらに重要であると考えます。 そこで、県は男女共同参画社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 以上で通告した全ての質問を終了いたします。御清聴に感謝いたしまして、降壇いたします。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山田平四郎君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 安田議員の御質問にお答えいたします。 地域密着型プロスポーツを通した地域活性化につきましては、今シーズンJ2初参戦となったいわきFCがホームゲーム最終戦でチーム過去最多となる5,044人の入場者数を記録したほか、県内のプロスポーツ全体の観客動員数も現時点で既に昨シーズンを上回るなど、着実な盛り上がりを見せております。 県では、今年度から新たにホームゲーム公式戦における観戦招待や東京ガールズコレクションと連携したイベントの開催、さらにアウエーのファン向けの宿泊観戦ツアーの実施など、プロスポーツファンの裾野を広げ、地域の活性化につなげる取組を進めてまいりました。 先日、あるチームの皆さんと懇談をした際、地域が盛り上がり、一緒に戦っているという気持ちで応援してもらうことが大きな力になるといったお話がありました。 チームの力を一層高めるためには、観客の皆さんの声援や地域の後押しが重要であることを改めて認識したところであります。 今後とも、チームやホームタウンとの連携を密にし、県内に応援文化が根づき、各チームの活躍が地域のさらなる活性化につながるよう取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。    (危機管理部長渡辺 仁君登壇) ◎危機管理部長(渡辺仁君) お答えいたします。 災害時における市町村との連携強化につきましては、災害が激甚化、頻発化する中、県と市町村がこれまで以上に緊密に連携して迅速に災害対応を行う必要があるため、災害時相互応援協定を締結したところであります。 今後、罹災証明書のより速やかな交付に向け、発災時に応援職員が直ちに住家被害認定調査に従事できるよう調査方法を共通化し、研修を通じて技能向上を図るなど、災害に備え市町村との連携を一層強化してまいります。    (企画調整部長五月女有良君登壇) ◎企画調整部長(五月女有良君) お答えいたします。 F-REIと県内企業との連携促進につきましては、県主催のビジネス交流会や産業展示会等を通じてF-REIの取組を幅広く周知するほか、福島イノベ推進機構のコーディネート機能を活用し、F-REIの委託研究への参画支援等に取り組んでおります。 引き続き、福島イノベーション・コースト構想のさらなる発展に向け、F-REIと県内企業との連携促進に努めてまいります。    (生活環境部長鈴木竜次君登壇) ◎生活環境部長(鈴木竜次君) お答えいたします。 地域公共交通の利活用促進につきましては、来年春以降、県内全域の主要バス路線においてバス位置情報システムが導入される予定であり、県の支援によるキャッシュレス決済システムの導入と併せ、利便性の向上を図ることとしております。 今後とも、市町村や事業者と連携しながら、バス・鉄道利用促進デーの周知や乗り方教室等を通じ、地域、企業、学校等に対し公共交通機関の利用に係る意識醸成を図るなど、より一層の利活用促進に取り組んでまいります。 次に、地域公共交通事業者への補助制度の拡充につきましては、これまで国に対し、十分な予算確保や柔軟な制度運用等を要望し、新型感染症の影響を考慮した要件緩和等が行われているところであります。 引き続き、地域公共交通事業者の厳しい経営状況等を踏まえ、輸送量等の補助要件の緩和をはじめ深刻な運転手不足や燃料価格高騰といった構造的な課題に対しても、国として総合的な対策を講じるよう求めてまいります。 次に、若年者の消費者被害の防止につきましては、成年になる前に被害防止への理解を深めてもらうことが重要であります。 このため、9月補正予算により若年者が狙われやすい悪質商法の手口や被害防止策をまとめたパンフレットを作成し、先月県内の高等学校等に配布したほか、消費生活相談員による出前講座を直接高校生に実施し、注意喚起を行うなど取組の強化を図っているところであります。 今後も分かりやすい情報発信に努め、若年者の被害防止に取り組んでまいります。 次に、男女共同参画社会の実現につきましては、性別に関わりなく全ての人が個性と能力を発揮し、活躍できる社会を築いていくことが重要であることから、ふくしま男女共同参画プランに基づき、固定的な男女の役割分担意識の解消や意思決定過程への女性の参画拡大及び人材育成のほか、働きやすい就業環境の整備などに取り組んでいるところであります。 今後も関係団体や市町村等との連携を深めながら、男女共同参画の一層の推進に積極的に取り組んでまいります。    (商工労働部長松本雅昭君登壇) ◎商工労働部長(松本雅昭君) お答えいたします。 若者の定着・還流につきましては、東京と県内に設置した就職相談窓口での企業紹介や学生と若手社員との交流会を通した地元企業を知る機会の創出などにより、若者の県内就職を促進しているところであります。 さらに、首都圏の就職支援協定校と連携した情報提供やSNS等を活用した戦略的な広報により、県内企業の魅力や福島で働くすばらしさを発信し、引き続き若者の県内定着・還流に取り組んでまいります。 次に、障がい者の雇用促進につきましては、雇用につなげるための職場適応訓練や就職面接会を実施するとともに、県内6か所の障害者就業・生活支援センターにおけるきめ細かな相談対応により、職場定着を支援しております。 さらに、雇用を後押しする国のトライアル雇用助成金やジョブコーチ派遣等の各種支援制度の周知を図るなど、企業における法定雇用率が遵守されるよう国と連携し、障がい者の雇用を促進してまいります。 次に、外国人材の円滑な受入れに向けた事業者への支援につきましては、県内事業者向けの相談窓口を設置し、専門知識を持つ相談員が受入れに必要な手続や環境整備などの相談に応じるとともに、外国人材雇用に関する知識やノウハウを学ぶためのセミナーを開催しております。 引き続き、国における技能実習制度見直しの動きも踏まえながら、事業者が適切に対応できるよう、セミナーなどを通してきめ細かに支援してまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 小名浜道路につきましては、常磐自動車道と小名浜港を直結する自動車専用道路としてふくしま復興再生道路に位置づけ、全長約8.3キロメートルの全ての区間で工事を進めているところであり、これまでに約8割の区間で改良工事が完了しております。 本道路の完成により、本県の復興はもとより物流の円滑化や観光振興が期待されることから、引き続き第2期復興・創生期間内の完成に向け、残る改良や舗装等の工事を重点的に進めてまいります。    (観光交流局長吾妻嘉博君登壇) ◎観光交流局長(吾妻嘉博君) お答えいたします。 海外からの個人観光客の誘客につきましては、外国人が好む本県ならではの観光資源を効果的に発信することが重要であります。 このため、四季折々の絶景を生かした長期滞在を促す体験型観光や本県が誇る日本酒をはじめとした発酵食文化等を地域と連携し、外国人向けコンテンツとして育むとともに、本県の観光資源に高い関心を寄せるインフルエンサーの協力を得て、心に響く画像や記事を継続的に発信するなど、個人観光客のさらなる誘客に取り組んでまいります。 次に、ナショナルサイクルルートにつきましては、美しい海岸線や里山に加え、震災からの復興を体感できる浜通りでのサイクリングは、交流人口拡大を強く後押しするものと認識しております。 このため、インバウンドはもとより、今般申請するデスティネーションキャンペーンにおいても柱の1つとして位置づけ、影響力のあるサイクリストによる情報発信や受入体制の充実を図るなど、ナショナルサイクルルートの指定に向け、しっかりと取り組んでまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 F-REIと連携した人材育成につきましては、復興を担う若者の才能を伸ばし、福島イノベーション・コースト構想のさらなる発展につなげることが重要であります。 このため、関係機関や市町村等と連携してF-REIの取組を支援することにより、子供たちが最先端の研究に触れる機会などを設け、科学技術への関心を高めることで研究者や技術者等を目指す高い志を持つ人材の育成に取り組んでまいります。 次に、県立高校における消費者教育につきましては、成年年齢の引下げにより在学中から生徒が自らの判断と責任に基づく適切な消費行動ができるよう、授業等で契約に伴う権利と義務や消費者保護の仕組み等について、悪質商法やインターネットを介した通信販売などのトラブルが起こりやすい身近な事例を通して指導しているところであります。 今後とも、消費者の権利と責任を自覚し、主体的に行動できる自立した消費者の育成に取り組んでまいります。 次に、併設型中高一貫校につきましては、6年間を見通した計画的、継続的な教育により主体的に学習に取り組む生徒を育成するため、令和7年4月に安積高校に併設する中学校を開校することとしております。 今後は、会津学鳳及びふたば未来学園両校のこれまでの成果も踏まえ、併設型中高一貫校の在り方を検討してまいります。 ○副議長(山田平四郎君) これをもって、安田成一君の質問を終わります。 通告により発言を許します。38番宮本しづえ君。(拍手)    (38番宮本しづえ君登壇) ◆38番(宮本しづえ君) 日本共産党の宮本しづえです。一般質問を行います。 11月投票で行われた県会議員選挙は、投票率が4割と政治に期待できない諦めがある一方で、若い新人の高位当選が示すように、今の政治を変えたい有権者の意思も明確になりました。 これは、異常な物価高騰にも無策で国民の声をまともに聞かずに敵基地攻撃能力保有で5年間に43兆円もの軍備拡大に突き進む岸田政権への強い批判の表れです。 自公政権による30年にわたるコストカット経済は、賃金と社会保障費カット、法人税カットを進め、日本を賃金の上がらない国、経済成長できない国にし、失われた30年をつくり出しました。 日本共産党は経済再生プランを発表、賃上げと消費税減税、インボイスの中止、税と財政改革で社会保障と教育を拡充し暮らしを支える、気候危機対策とエネルギー、食料自給率向上に取り組むことを提言しました。 原発事故から12年半、国の原発回帰、処理水海洋放出の強行にも県民の批判が広がりました。 また、イスラエルとハマスの軍事衝突でおびただしい犠牲が出ており、即時休戦を求める国民世論に対して日本政府がイスラエル寄りのアメリカの顔色をうかがい、ガザ地区への無差別攻撃を国際法違反と言えず、休戦を求める最初の決議案に棄権したことに対する批判が広がり、国民世論に押されて2回目は賛成に回りました。 今、しんぶん赤旗のスクープに始まった自民党派閥による政治資金パーティーをめぐる政治資金規正法違反やキックバックの裏金作り問題が政権を揺るがしています。企業、団体献金は禁止すべきであり、もはや自民党に政権を担う資格はありません。 日本共産党県議団は、暮らしとなりわい、平和を守るため、掲げた公約実現に全力を尽くす決意を述べて質問に入ります。 まず、物価高騰から県民生活を守る対策についてです。 世界的な物価高騰に歯止めがかからず、国民の暮らしとなりわいは我慢の限界を超えています。 選挙戦の中で、夜8時間際に私の訴えを聞いてくれた80歳代のある方は、「年金が上がらないのに物価がこんなに上がってはもう暮らせません。選挙で勝って何とかしてください」と必死の表情で、私の手を握って離しませんでした。 国の物価高騰対策は、1回きりの住民税非課税世帯への7万円給付と所得減税、その対象外世帯への支援もこれからの検討で、どちらも年越しには間に合いません。 県が今年6月補正で予算化した市町村と折半で6,000円上乗せする事業も、福島市など19市町村は上乗せが行われていません。 今回追加補正された臨時交付金の活用では、幅広い県民に対する生活を直接温める支援策はほとんどありません。 生活困窮世帯への給付金等について、事業期間の延長を認めるなど、未活用の市町村を支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。 国が国民生活擁護の具体策を示せない下で、県が県民生活を守る防波堤の役割を発揮し、直接支援策を打ち出す必要があります。 帝国データバンクは、県内でコロナ禍によりゼロゼロ融資を受けた中小事業者の17.5%が物価高騰で返済に不安を抱えているとのアンケート結果を公表しました。償還免除等の支援も必要ではないかと思います。 実質無利子型融資の返済に不安を抱える中小企業、小規模事業者に対し、県独自の支援に取り組むべきと思いますが、県の考えを伺います。 子育て世帯の支援として、学校給食費無償化を県の事業として実施すべきです。 県学校給食費の無償化を求める会が行った候補者アンケートでは、自民党候補者も含め、無償化は必要が多数となりました。既に県内51の市町村、86%が何らかの補助を行い、半数を超す30の市町村が無償化を実施しています。 また、同会が行った保護者アンケートでは、教育費の負担軽減を求める項目で最も多かったのが学校給食費と、公費で賄ってほしいもののトップが高校生のタブレット端末代でした。 そこで、学校給食費保護者負担の県内格差の是正のためにも、市町村立小中学校の給食費の無償化を県の制度として早期に実施すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 高校生のタブレット端末は、東北6県で保護者負担を求めているのは本県だけです。 物価高騰対策としても、県立高等学校における1人1台端末は保護者負担ではなく、無償貸与すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 物価高騰に見合う賃上げが求められていますが、国は企業、経済団体に要請するにとどまり、政治が役割を果たそうとしていません。 特に労働者の4割近くを占める非正規ワーカーの待遇改善は喫緊の課題であり、日本共産党は非正規ワーカー待遇改善法案を提案、政治が真っ先に取り組むべき課題として最低賃金引上げを指摘しました。 今年10月に引き上げられたとはいえ、時給1,700円超えが当たり前の世界の水準からは大きく立ち後れ、日本の全国平均では1,004円、福島県は900円と世界の半分に過ぎず、月額手取り20万円となる時給1,500円は当然必要です。 物価高騰に見合うよう、最低賃金のさらなる引上げを国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 若者の半数が非正規雇用で働く厳しい生活の中から奨学金を返済しなければならない事例も多く、若者が自らのライフサイクルを描く希望を奪っています。全国の奨学金は、1人平均300万円、貸付総額は10兆円に上ります。 高校卒業後、他県の大学に進学する若者が多いのはやむを得ないとしても、大学卒業後に福島に戻り、復興に関わりたいという希望も増えています。 若者の定着・還流を促進するため、奨学金返還支援を大幅に拡充すべきと思いますが、県の考えを伺います。 非正規ワーカーの待遇改善は、日本社会が早期に解決すべき課題の1つであり、最低賃金引上げとともに公務員の会計年度任用職員の処遇改善に行政が率先して取り組むべきです。 知事部局における会計年度任用職員の人数と、そのうち特定会計年度任用職員の人数を伺います。 会計年度任用職員への勤勉手当について、正規職員と同様に支給すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、原発廃炉、ALPS処理水についてです。 岸田政権の、事故も被害も終わったかのような原発回帰とALPS処理水海洋放出の強行に県民の怒りが広がっています。 「漁業者はみんな約束が破られたと思っている」と県漁連の幹部が発言しているとおり、福島の声を踏みにじるやり方は許されません。 この間、廃炉作業をめぐり下請作業員が被曝し、入院する事故が発生しました。浴びた廃液の量やその場にいた作業員の数も少なく発表して後に訂正、東電の事故対応のずさんさが改めて浮き彫りとなりましたが、その後も被曝事故が繰り返され、東電への信頼をまたも失墜させています。 増設ALPS配管洗浄作業において発生した身体汚染の原因と東京電力の再発防止策を伺います。 また、増設ALPS配管洗浄作業において発生した身体汚染について、再発防止に向けて県はどのように対応しているのか伺います。 ALPS処理水海洋放出についても、信頼できるのかとの疑念が起きています。既に3回の海洋放出が実施されたとはいえ、そもそも漁業者との約束違反です。 ALPS処理水の海洋放出について、東京電力は信頼回復を優先し、一旦中止すべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、感染症対策についてです。 新型コロナ感染症が下火になり、現在はインフルエンザが3週連続で警戒レベルとなり、季節に関係なく感染拡大が起きており、引き続き警戒が必要です。 いずれも感染拡大を防止するために有効なワクチン接種が気軽に受けられる環境整備が求められます。 今猛威を振るうインフルエンザワクチンは、高齢者には負担軽減措置が取られていますが、それ以外は1回4,000円から5,000円、子供は2回接種が推奨されるため1人8,000円を超す負担が生じ、子供が多い世帯ではワクチン接種をためらってしまうとの声が上がるのは当然です。 インフルエンザワクチンの接種費用を補助すべきと思いますが、県の考えを伺います。 解熱鎮痛薬やせき止め薬など、医療現場で必要となる医薬品が確実に確保されるよう、国に増産促進を求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 新型コロナワクチン接種は、来年度以降も公費負担で実施できるよう国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 また、新型コロナウイルス感染症治療薬の公費支援を継続するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、気候危機に伴うエネルギー政策についてです。 アラブ首長国連邦の首都ドバイで開催されたCOP28が閉幕、主催した国連のグテーレス事務総長は気候危機に対して、2030年までのCO2削減目標を達成するため、石炭火発からの脱却を重ねて強調しました。 日本政府は、今回も石炭火発からの撤退を明言せず、温暖化対策に後ろ向きと今年も化石賞を受けたことはあまりに恥ずかしく、無責任極まります。 本県は、石炭火発の最大規模の立地県として、この問題に正面から向き合うべきです。 県は、今月1日、ふくしまゼロカーボン宣言事業に参加した事業所数が本年度目標の4,000を上回ったと発表しました。民間事業者の努力は歓迎すべきですが、県は根本的な対策である石炭火発の廃止に正面から取り組むべきです。 COP28に参加した日本を含む118か国が再生可能エネルギー生産を3倍化することを決めました。 しかし、日本国内では再エネの出力制御量が2021年度には5億3,000万キロワットアワー、今年4月から10月では前年同期の7倍にも上りました。 原発、石炭火発の温存がこのような事態をつくり出しており、再エネの出力制御をやめるためにも県内の石炭火力発電所の全廃に向けて取り組むべきと思いますが、県の考えを伺います。 一方では、22か国が温暖化対策を口実に、原発の発電容量を2050年までに3倍化する宣言を発表、日本政府も名を連ねました。 国は、GX関連法の基本方針で、既に廃炉が決定した敷地を中心に新増設を進めるとしています。 原発事故の被災県として、全基廃炉が決定している福島第1及び第2原発敷地内への原発新設は認めない立場を堅持すべきと思いますが、知事の考えを伺います。 次に、台風第13号豪雨被害に伴う対応についてです。 今年9月の台風第13号により、県内で初めて線状降水帯が発生、いわき市を中心に大きな被害が発生しました。 コロナ禍に加えて物価高騰、そこに災害が追い打ちをかけ、被災者の生活と住まいの再建は特別の困難にさいなまれています。 県は、被災者生活再建支援法の対象から外れる被災者に独自の10万円の支援金の給付を決定しました。被災者を支援するためには、使える制度を最大限活用すべきです。 災害救助法及び被災者生活再建支援法の各種支援制度について、申請件数と決定件数を伺います。 県は、被災者に支援制度が活用されるよう、どのように取り組んでいるのか伺います。 いわき市内の県管理の中小河川において、台風第13号に伴う線状降水帯による豪雨を踏まえた改修を進めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、地域公共交通体系の構築についてです。 昨年7月、国の有識者検討会がローカル鉄道の在り方に関する提言を発表、廃止への危機感が高まっています。 加えて、今年11月、いわき市内の15バス路線の廃止発表に衝撃が走りました。一方では、タクシー補助の要望も高まっています。 県は、県民の移動手段の確保に向けた地域公共交通体系の構築にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、食料自給率向上対策についてです。 農水省は、国内産だけの食卓の具体例を紹介していますが、主食は芋、肉や卵、牛乳は週1回だけ、これではたんぱく質の摂取が制限され、命の維持自体が困難となります。 世界的な食料危機の下で、カロリーベースで38%しかない日本における自給率向上は、食料安全保障の観点からも重要です。 ところが、日本政府は食料自給率向上の目標は持たず、単なる指標の1つにしようとしています。 それは、財政制度審議会の財界代表が自給率目標を持つことはいかがなものかと述べており、財界の要請によるものです。 食料・農業・農村基本法の改定に当たり、食料自給率向上の目標を持って取り組むよう国に求めるとともに、県も目標を持って取り組むべきと思いますが、県の考えを伺います。 次に、ジェンダー平等の推進についてです。 今、世界史的女性の復権と呼ばれるようなジェンダー平等を求める流れが起こっています。 県内でも、全ての県民が自分らしく生きられる社会の実現を求める県民の意識が高まり、これに呼応して市町村でのジェンダー平等を保障するパートナーシップ制度を導入する自治体も増えています。 伊達市は来年1月から、福島市は6月から、富岡町も導入を表明しています。山形県も来年1月からパートナーシップ宣誓制度の導入を表明しました。 県としてパートナーシップ制度を導入すべきと思いますが、県の考えを伺います。 ジェンダー平等を推進するためには、人権保障の観点に立った幼児期からの包括的性教育が重要です。 かつて東京都立七生特別支援学校で行われていた性教育が偏向教育とされ、都議会から激しくバッシングされる事件が起き、性教育が一時期後退しました。 しかし、ジェンダー平等意識の新たな高まりによって、性教育の重要性も再認識されています。 2018年、ユネスコは包括的性教育の改定ガイドラインを出しています。 そこで、公立学校において子どもの権利条約の考えに基づく性教育を包括的に行うべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。 学校等への生理用品の無償配置が進み、福島市でも来年度から学校や公共施設への配置を表明しました。 県においても、公共施設へ生理用品の配置を行うべきと思いますが、県の考えを伺います。 最後に、ガザ地区における平和の早期実現に向けた取組についてです。 ロシアのウクライナ侵略から1年10か月、イスラエルとハマスの軍事衝突は既に2か月が経過しました。戦争の長期化は、軍事対軍事では何も解決できないことを証明しています。 イスラエルによるガザ地区への無差別攻撃で1万8,000人もの犠牲者が出ていますが、これは明らかな国際人道法違反です。 日本共産党は、国際人道法違反の民間人殺害中止を求める声明を発表し、直接当事国や関係諸国の大使館に届け、独自の外交努力を尽くしています。 イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの軍事衝突について、即時停戦の実現を双方に働きかけるよう国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(山田平四郎君) 執行部の答弁を求めます。    (知事内堀雅雄君登壇) ◎知事(内堀雅雄君) 宮本議員の御質問にお答えいたします。 原子力発電についてであります。 本県は、震災後、原子力に依存しない社会づくりを復興の基本理念に掲げており、県内への原発の新設はあり得ないものと考えております。 県といたしましては、引き続き、いまだ途上にある県内原発の全基廃炉に向けた取組を安全かつ着実に進めるよう国と東京電力に強く求めるとともに、二度と本県のような過酷な原発事故を起こしてはならないということを国内外にしっかりと発信してまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。    (総務部長小柴宏幸君登壇) ◎総務部長(小柴宏幸君) お答えいたします。 知事部局における会計年度任用職員の人数につきましては、令和5年4月1日現在で1,583人、そのうち特定会計年度任用職員の人数は1,034人となっております。 次に、会計年度任用職員への勤勉手当の支給につきましては、地方自治法の改正の趣旨を踏まえ、令和6年度から勤勉手当を支給できるよう、本定例会に条例の改正案を提出しております。 次に、イスラエルとハマスの軍事衝突につきましては、即時停戦を求める決議案が国連総会において日本を含む賛成多数で採択されております。 引き続き、速やかな停戦が実現されるよう、国において適切な対応がなされるべきと考えております。    (危機管理部長渡辺 仁君登壇) ◎危機管理部長(渡辺仁君) お答えいたします。 洗浄作業における身体汚染につきましては、東京電力は作業予定にない洗浄薬液の流量弁操作に加え、廃液ホース先端を固定しなかったことや現場の作業班長の不在、決められた防水服の未着用等が重なったことが原因であり、再発防止対策として弁操作を禁止する表示札の設置のほか、廃液ホースの固定器具や飛散防止用仮設ハウスの設置等の設備面の対策、現場管理者の再教育や現場確認の強化等の管理面での対策を講じることとしております。 次に、身体汚染の再発防止に向けた県の対応につきましては、身体汚染発生時に東京電力に対し、原因を究明し、再発防止策を講じるよう求めたところであり、先月17日に開催した廃炉安全監視協議会において原因や再発防止策について確認を行い、改めて再発防止策の確実な実施に加え、同様のトラブルが発生しないよう対策を強化し、安全管理体制を構築することなどを求めたところであります。 次に、ALPS処理水の海洋放出につきましては、これまでの3回の放出作業は計画どおり実施されており、海域モニタリングにおいても、トリチウム濃度が検出下限値未満か、十分に低い値であることを確認しております。 今後も国と東京電力に対し、浄化処理の確実な実施や希釈放出設備の安全性の向上など、万全の対策を講じるよう求めてまいります。 次に、台風第13号に係る各種支援制度につきましては、今月15日時点で災害救助法に基づく住宅の応急修理は421件の申請に対し、349件が決定され、賃貸型応急住宅の供与は103件の申請に対し、93件が決定されております。 また、被災者生活再建支援法に基づく基礎支援金は46件の申請に対し、39件が決定され、加算支援金は63件の申請に対し、35件が決定されております。 次に、支援制度の活用につきましては、いわき市と南相馬市に対し、住宅の応急修理や賃貸型応急住宅の供与などが円滑に実施できるよう制度運用等をきめ細かに助言しているほか、弁護士会との応援協定に基づき無料法律相談会を実施するなど、被災者支援に努めているところであります。 また、被災者への支援を漏れなく行うため、両市では郵便や個別訪問等を通じて制度活用を促しており、今後も両市と連携し、被災者の速やかな生活再建を支援してまいります。    (企画調整部長五月女有良君登壇) ◎企画調整部長(五月女有良君) お答えいたします。 石炭火力発電所につきましては、現時点では電力の需給逼迫や再生可能エネルギーの出力変動に対応する安定電源としての役割を果たしているものと認識しております。 国のエネルギー基本計画では、非効率な石炭火力のフェードアウトやアンモニア混焼等による高効率化の推進などが示されており、事業者において、これらを踏まえた検討が進められるものと考えております。    (生活環境部長鈴木竜次君登壇) ◎生活環境部長(鈴木竜次君) お答えいたします。 地域公共交通体系の構築につきましては、全県を対象とした地域公共交通計画の策定等において関係機関と連携し、運行ルートの見直しを図るとともに、広域バス路線を維持するための支援や市町村による地域公共交通計画策定の支援を行っているところであります。 今後とも、地域の実情を踏まえながら、市町村や事業者と連携し、地域公共交通の維持・確保に取り組んでまいります。 次に、パートナーシップ制度につきましては、住民に身近なサービスを提供する市町村等の意向を尊重する必要があると考えております。 県といたしましては、ふくしま男女共同参画プランに基づき、性的指向や性自認にかかわらず全ての方が等しく尊重され、受容される社会の実現に向け、多様な性に関する県民の理解が深まるよう取り組んでまいります。 次に、公共施設への生理用品の配置につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響等により生理用品の購入が困難な方への支援として、男女共生センターを通じて国公立大学や市町村等に配布し、必要とされる方に提供しているところであります。 今後も、生活上の困難を抱える女性が安心して暮らせる社会を目指し、必要な支援を関係機関、団体と連携して行ってまいります。    (保健福祉部長國分 守君登壇) ◎保健福祉部長(國分守君) お答えいたします。 生活困窮世帯への給付金等につきましては、原油価格や物価高騰による影響を緩和するため緊急に措置したものであり、6月補正予算成立後の本年7月から12月までを対象期間としており、引き続き適切に事業を実施してまいります。 次に、インフルエンザワクチンの接種費用につきましては、市町村の判断により、定期接種対象者や任意接種希望者への一部補助が実施されております。 県といたしましては、ワクチンの有効性等について周知を図り、接種を促進してまいります。 次に、医療現場で必要となる医薬品につきましては、これまで全国知事会を通して十分な量を確保するよう国に求めてきたところであり、国において製薬企業に対し、増産要請を行っております。 県といたしましては、引き続き需給状況を注視し、医療機関等と情報共有を図ってまいります。 次に、新型コロナワクチン接種の公費負担につきましては、現在実施している公費での特例臨時接種を今年度末で終了し、インフルエンザワクチンと同様に定期接種とする方向性が国から示されております。 県といたしましては、全国知事会を通して、接種希望者の負担軽減策を講じるよう国に求めているところであります。 次に、新型コロナウイルス感染症治療薬の公費支援につきましては、5類感染症への移行に当たり、全国知事会を通して支援の継続を国に求めてまいりました。 それらを踏まえた新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制等の段階的な見直しが行われる中で、治療薬の公費支援については令和6年3月末までの措置であることが国から示されたところであります。    (商工労働部長松本雅昭君登壇) ◎商工労働部長(松本雅昭君) お答えいたします。 中小企業、小規模事業者に対する支援につきましては、県制度資金による資金繰り支援や中小企業診断士等専門家による経営課題の解決へ向けた支援等を行っているところであります。 県といたしましては、引き続き事業者の経営環境に応じた支援に取り組んでまいる考えであります。 次に、最低賃金につきましては、国が法律に基づき労働者の生計費や賃金、さらには企業の生産活動などの経済指標等を考慮して決定するものと考えております。 次に、奨学金返還支援事業につきましては、本県の将来を担う産業人材の確保を目的とし、地域経済を牽引する成長産業分野や地域資源を生かした産業分野の企業に就職し、定住する学生等を対象に実施しているものであり、引き続き応募状況等も踏まえ、より効果的な事業の実施に取り組んでまいります。    (農林水産部長沖野浩之君登壇) ◎農林水産部長(沖野浩之君) お答えいたします。 食料自給率の向上につきましては、国に対し生産力強化に向けた支援を求めているところであり、県といたしましては、農地等の基盤整備をはじめ担い手の確保・育成や生産拡大のための機械、施設整備の支援などの施策を総合的に進めてまいります。    (土木部長曳地利光君登壇) ◎土木部長(曳地利光君) お答えいたします。 いわき市内における県管理の中小河川の改修につきましては、今年9月の台風第13号に伴う線状降水帯による局地的な豪雨で甚大な被害が発生したことを踏まえ、今般の災害の発生原因や河川の特性に応じ、いわき市が計画する雨水貯留施設等の内水対策の取組と連携するなど、流域治水の考え方を取り入れながら河川改修を進めてまいります。    (教育長大沼博文君登壇) ◎教育長(大沼博文君) お答えいたします。 市町村立小中学校における給食費の無償化につきましては、国が課題の整理に向け学校給食の実態調査等を行っているところであり、県教育委員会といたしましては、引き続き国の動向を注視してまいります。 次に、県立高校における1人1台端末につきましては、3年間の保証がついた推奨機を設定し、学校でも家庭でも文房具として学習活動に活用できるよう個人所有とした上で、世帯所得に応じた補助を行うことにより保護者の負担軽減を図っております。 次に、公立学校における性教育につきましては、発達段階に応じて命の大切さを学び、互いに人権を尊重する態度を養うことが重要であることから、性の多様性や性情報への適切な対処などについて、教育活動全体を通じて児童生徒の理解を深めているところであり、引き続き子供たちを取り巻く状況の変化も踏まえ、指導の充実に努めてまいります。 ◆38番(宮本しづえ君) 再質問いたします。 まず、知事に再度お伺いをいたしますが、原発の新増設を福島県に要請するということはあり得ないというふうに述べられました。私もそれはあり得ないし、あってはならないことだと思っています。 ただ、あり得ないというのは、これは私ども県民の願望であり、臆測の範囲です。10基の廃炉が全部決まっているのは、福島県だけなのです。 ですから、新増設しようとすれば、当然1つの候補地として考えられてくるという可能性は否定できません。では、要請されたときに福島県は認めないということなのですねということを改めて確認をしておきたいと思いますので、再度答弁を求めます。 次に、企画調整部長に気候危機の対策の柱である石炭火力発電の廃止の取組について伺いたいと思います。 県は、2050年のカーボンニュートラルを宣言しているわけですが、COP28でも強調された石炭火発の全廃というのは、国や事業者の問題だけではないと思います。県政の重要な課題として位置づけなければならない問題です。 いずれ取り組むことにならざるを得ない石炭火力発電の廃止には、県内の産業構造の転換が必要となります。地域経済への影響も大きく、国と地方が一体で取り組まなければならない問題でもある、こういう認識に立って、県が率先して取組を進めるべきと思います。再度答弁を求めます。 次に、危機管理部長に原発の廃炉、ALPS処理水の海洋放出の中止を求めることについて、再度伺いたいと思います。 今回、2人の下請作業員が廃液を浴びて、構内の退避基準を満たさずに病院に搬送された事故は、2011年3月24日以来の重大事故です。この12年半起きていなかったことが起きたということなのです。 東電は、この事故を相当重く受け止めていると述べていますが、管理体制や情報公開の問題が改めて浮き彫りとなったわけです。 この事故を受けて、北海道新聞は社説で「今度の事故は、処理水放出にも懸念が残る。一時中断して廃炉作業を総点検すべきだ」、このように述べています。 ALPS処理水海洋放出の理由が廃炉の障害になるというものですが、その理由が成り立たないことは、廃炉の現状を見れば明らかなことです。 ALPS処理水海洋放出による影響は県内ばかりでなく、県外の漁業者にも非常に重大な影響があります。 海洋放出の中止を決断し、廃炉作業の総点検を行うことこそ信頼回復を進める道であると考えます。再度部長の答弁を求めます。 教育長に、学校給食費の無償化について再度伺います。 県民生活の緊迫度の高まりに対して県がどういう支援をするのかということが、今県政に問われている。その1つとして、学校給食費の直接的な支援が非常に有効なのだということを私は強調したわけです。 8割を超す市町村がもう何らかの支援を行っている下で、東京都も補助をすることを表明をしておりまして、都道府県レベルでも学校給食費の補助の取組が進んできています。本県としても、直ちに取り組むことが県民と市町村を支援することになると考えますが、再度教育長の答弁を求めます。 ◎知事(内堀雅雄君) 宮本議員の再質問にお答えいたします。 県内原発の全基廃炉でありますが、いまだ途上にあります。燃料デブリの取り出しも含め、長い戦いが続きます。この取組を安全かつ着実に進めるよう、国と東京電力に強く求めてまいります。 そして、本県は震災後、原子力に依存しない社会づくりを復興の基本理念に明確に掲げております。県内への原発の新設はあり得ないものと考えております。 ◎危機管理部長(渡辺仁君) 再質問にお答えいたします。 ALPS処理水の海洋放出につきましては、県といたしましては、国と東京電力に対し、浄化処理の確実な実施や希釈放出設備の安全性の向上など、万全の対策を講じるよう求めてまいります。 また、増設ALPS配管洗浄作業における身体汚染につきましては、廃炉の取組において作業員の被曝対策の徹底や作業の安全の確保が重要であることから、東京電力に対し再発防止策の徹底と安全管理体制の構築を求めてまいります。 ◎企画調整部長(五月女有良君) 再質問にお答えいたします。 石炭火力発電所につきましては、現時点では電力の需給逼迫等に対応する安定電源としての役割を果たしているものと認識しており、事業者において、国のエネルギー基本計画を踏まえた検討が進められるものと考えております。 ◎教育長(大沼博文君) 再質問にお答えいたします。 給食費の無償化について、他県の動きについては承知をしておりますが、市町村立学校における給食費の在り方は学校の設置者である市町村が判断すべきものであると考えております。 なお、先ほど申し上げましたとおり、国が今実態調査を速やかに行って、1年以内にその結果を公表することとしていることから、県教育委員会といたしましては、引き続き国の動向を注視してまいります。 ◆38番(宮本しづえ君) 再々質問いたします。 知事に、あり得ないということについての解釈と明快な答弁を求めたわけですけれども、私はあり得ないということはあってはならないという、そういう意味合いはよく分かります。でも、分かりませんよ。あり得ないのだけれども、要請があったときに、ではどうするのか、認めるのですか認めないのですか、ということは当然問われることになるわけですよね。 ですから、福島県としては仮にそういうことが起きたとしても認めませんよ、ということを表明されたらいいと思うのです。何であり得ないということだけにとどまっているのかなと。あり得ないと思っているのだったら、認めませんっておっしゃったほうが明確だと思うのです。だから、そうおっしゃっていただけませんか。再度答弁を求めたいと思います。 それから、企画調整部長に、エネルギー基本計画に基づいて国が判断するものだということですけれども、この国際社会の中で日本が今のような石炭火力にしがみついているということがもう認められない、許されない状況に来ているのだという認識が、私は県にあるのだろうかといつも思っているのです。これはもう認められないですよ。 そして、今度のCOP28でも、石炭火発は廃止を目指すということが明記されましたよね。ですから、いずれやらなくてはいけないことなのです。いよいよになって石炭火発は廃止ですということになったときに、では福島の地域の経済はどうするのか、エネルギー政策、福島県はどうするのかということが、いや応なしに問われることになりますね。 ですから、もう今からやらなくてはいけないのだから、県が率先して、これはやるべき課題としてしっかり取り組む姿勢を明確に示すべきではありませんか。 改めてこういう立場で検討を求めますが、再度答弁をいただきたいと思います。 それから、教育長に学校給食費の無償化の取組ですが、確かに文科省は今課題の整理を行っているということで、市町村にアンケート調査をやっています。1年以内にはその結果を出すということなのですけれども、どうやら最近、また文科省は新たなアンケート項目を市町村に配布しているようなのです。 だから、文科省はこの結論をどうも先送りしようとしているのではないかなというふうに私は懸念しております。だから、国待ちでは進まないということは明確ではないでしょうか。 だったら、この物価高騰に苦しむ県民の子育て世帯を応援する観点でもう県が踏み出す、ここに決断をすべきだというふうに考えますが、国待ちではない県の決断を求めたいと思います。再度答弁を求めます。 それから、教育長にもう1つ、高校生のタブレット端末の保護者負担の問題です。 さっき答弁されたような理由をずっと繰り返されてきました。でも、東北6県の中で保護者負担を求めているのは福島県だけなのです。タブレット端末の活用の利点は全国共通ですよね。何で福島県だけ保護者負担を求めなければならないのか、特別な理由があるとは思えません。 ですから、この点でもやっぱり保護者の負担を軽減して、この物価高騰に苦しむ県民の暮らしをしっかり支える、子育て世帯を支える観点での決断が今求められているというふうに考えます。再度教育長の答弁を求めたいと思います。 ◎知事(内堀雅雄君) 宮本議員の再質問にお答えいたします。 先ほど来お話をいただいております前提、仮定が十分理解できておりません。本答弁、再答弁、二度にわたり明確に県のスタンスをお答えしております。 ◎企画調整部長(五月女有良君) 再質問にお答えいたします。 エネルギー政策につきましては、全国的な需給バランス等を考慮して、国において検討されるものと考えております。 その上で、石炭火力発電所につきましては、各事業者において国のエネルギー基本計画を踏まえた検討が進められるものと考えております。 ◎教育長(大沼博文君) 再質問にお答えいたします。 市町村立学校における給食費につきましては、物価高騰に伴う食材費の値上げ等について、国による電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を積極的に活用し、適切に対応していただくよう周知を行っているところであり、学校の設置者である市町村が判断すべきものであると考えております。 次に、タブレット端末につきましては文房具として使用できるように、さらには卒業後も続けて使用いただけるように、自分に合った専用端末を購入していただくこととしております。 なお、令和5年2月の国の調査によると、保護者負担を原則とする自治体は本県も含め22都道府県であり、その中でも購入に係る経費の補助は本県を含む数県に限られております。 ○副議長(山田平四郎君) これをもって、宮本しづえ君の質問を終わります。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明12月20日は、定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第105号までに対する質疑であります。 これをもって散会いたします。    午後4時35分散会...