市長も、物資の輸送などで、仙台市内の住民は騒音や振動で相当程度の被害を受忍していると話しています。また、市民にとっては、いつ沖縄のような凶悪な犯罪が引き起こされるかわからないといった不安がもたらされることになります。日本をアメリカの戦争行動に引き込む危険な部隊の
実弾砲撃演習の移転に反対することは、郷土の平和と住民の安全を守る上で、全市民共通の願いとなっているのではないでしょうか。
地方自治法では、地方自治体の使命を
地方公共団体の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持することと定めています。こうした立場に立って、藤井市長もみずから市民を守るために行動を起こすと同時に、道路、河川、港湾の管理や土地の使用、環境保全など県が持っている権限を活用して、県当局が積極的に対処するよう求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、安全な学校給食の実現について伺います。
学校給食で
病原性大腸菌O157の集団食中毒が発生したことから、安全な学校給食の実施を望む声が強まっています。学校給食は、発達・成長過程にある小中学生を対象に、
学校給食法に基づいて、日々行われるものです。それだけに安全で栄養豊かで、子供たちがおいしく食べられるものでなければなりません。そのためには、不幸にしてO157による大規模な集団感染を起こした大阪府堺市の痛苦の教訓を生かすことが重要です。
堺市では、既に
給食センター方式から
単独調理場方式に移行していましたが、全学校を三つのブロックに分けての統一献立、食材の
一括購入方式を行っていました。一校につき一栄養士を配置し、独自の献立をつくり、食材の購入も栄養士の厳しいチェックで行ういわゆる自校方式ではありませんでした。この
単独調理場方式は、紛れもなく三年前、仙台市で父母、教師、子供たちを初め、市民の大きな導入反対の運動の前に、導入凍結となっていた
方式そのものです。O157問題で浮き彫りになっていることは、食材の
品質管理チェック体制の重要さであり、
大量調理方式の危険性の高さです。
阪神大震災を契機にして大規模災害時における学校の役割が改めて見直されていることもあわせて考えるとき、仙台市として今迫られていることは、凍結状態になっている基本方針、統一献立、食材の一括購入を前提にしての
単独調理場の比率を今の四対六から六対四へ切りかえようとする計画を見直し、老朽化している
給食センターの建てかえに際しては、順次一校一
栄養士配置の自校方式へ切りかえていく方針を新たに打ち出すことです。市長の決断を求めるものですが、いかがでしょうか。
また、私どもが再三要求してきたように、この春から泉の七中学校でも、一校一
栄養士配置の自校方式が実現しましたが、まだ建設に着手していない
太白学校給食センターは、建設を一時凍結して計画を見直すべきではないでしょうか。
行革による人減らし、合理化を押しつけ、効率主義を優先してきた学校給食の問題点が各方面から指摘され、文部省としても今後の基本的な考え方を見直さざるを得ない状況である今、工事着手を延期するのが当然の措置ではないでしょうか。時代おくれの新施設とならないためにも、賢明な判断を求めるものですが、いかがでしょうか。
また、堺市では、五百人を超える学校では調理員などの不足により、食材の熱処理や野菜の水つけ、洗浄などを余裕を持ってできず、このため調理員、栄養士の増員を求める切実な声が現場から上がっていました。
給食調理員が他校より多く配置されていた学校では、
O157被害を免れています。このことからも必要な給食職員の人員配置は安全確保の上で不可欠ではないでしょうか。
仙台市では
給食パートの勤務時間が、昨年度六時間から今年度五時間に短縮されました。このため労働密度が高くなった上、
O157対応でさらに厳しい衛生管理が要求され、現場は心身ともに労働強化となっており、今の人数ではとても大変、時間内に仕事が終わらないという声が上がっています。子供たちの命を守ることを何よりも優先し、早急に調理員の増員を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、国の
給食調理員配置基準は三十六年前のままであり、早急な改善が求められています。配置基準の
抜本的見直しと専門的に現場での
食材チェック、衛生管理を行う栄養職員を全校に配置できるよう基準の見直しを国に要求すべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、
公営住宅制度改正に関して伺います。
さきの国会で
公営住宅法が改正され、来年度から施行されます。
改正の主要点は、第一に、一般世帯の場合、今まで年収五百万円ぐらいまでの世帯に入居資格があったものが四百五十万円ぐらいになり、対象が制限されました。
第二に、家賃決定のシステムが根本的に変わり、今までの原価に基づく家賃から、収入と住宅の立地条件、規模など便益に応じた家賃となり、大幅に値上げとなるケースが考えられます。また、大ざっぱにいえば、標準的な世帯で夫婦共働きだと民間家賃に限りなく近くなり、同居の子供が働き出すと
高額所得者となり、
最高民間家賃の二倍まで強要され、事実上追い出しの対象となるものです。
第三に、一種、二種の区分が廃止され、国の
建設費補助が一律二分の一に削減されました。
今回の法改正は、住宅に困窮する住民に住宅を直接供給することを目的としている公営住宅のあり方を根本的に変えてしまうものですが、市長はいかがお考えでしょうか。
法案は成立しましたが、家賃の大幅値上げは避けられないものでは決してありません。公営住宅は自治体が建設、整備し、管理することに変わりはなく、家賃算出のための
利便性係数や
近傍同種家賃という最高額も、条例に基づいて自治体が決めます。そのほかにも、収入の申告の方法、
入居者資格、選考方法など、自治体がある程度裁量を持って決めることはたくさんあります。こうした決定に当たっては、入居者や
入居希望者の立場に立って、できるだけ負担の少ない方法をとるべきと思いますが、いかがでしょうか。
さらに、公営住宅を行政の責任として確保していくということを、住宅政策の基本にしっかり据える必要があります。ところが仙台市では、この間、
市営住宅戸数をふやすのは建てかえ時のみという方針をとってきたため、
公営住宅戸数は圧倒的に不足しており、二種住宅の応募倍率が異常に高くなっています。応募してもなかなか入れないために、肩身の狭い思いで間借りしているお年寄りや、狭い
民間アパートに三世代同居を余儀なくされている市民の思いを理解しようとする気持ちが市長に少しでもおありなら、応募倍率の異常なふえ方に心を痛ませるのが当たり前の感覚ではないでしょうか。
市長は、しきりに
都市基盤整備を強調していますが、住宅に困っている市民の住まいをきちんと確保することこそ、基盤整備の基本ではないかと思います。市の昨年度の
公営住宅戸数調査でも、大阪市は十五万余戸、名古屋市は十一万余戸となっているのに、仙台市はわずか一万四千二百七十六戸と大きな差があります。こうしたことからも、住宅に困っている市民の
公営住宅大量建設という願いに、市は速やかにこたえる責任があります。
そのためにも、現在計画している市の
住宅マスタープランを、住民参加のもとで市の現状にかみ合ったものに急いで具体化すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、開発行為や
マンション建設に対する市の行政指導のあり方について伺います。
青葉区千代田町の
マンション建設地の近隣住民は、がけ崩れを防ぐ工事を義務づけずに、がけの上の
マンション建設を許可した仙台市を相手取って、宮城県
建築基準条例が定めた安全基準を満たしていないなどとして、建築確認の取り消しを求める行政訴訟を起こしていました。この裁判で、仙台高裁は去る七月十七日、
マンション建設ががけの安全性に影響を及ぼさないとは言えないとして、市の建築確認を取り消す判決を下しました。この判決は、市の
建築確認処分が近隣住民の安全性を軽視していると指摘されたものであり、市の
建築確認処分のあり方が根本から問われ、否定されたものと言っていいのではないでしょうか。
市はこの判決を真摯に受けとめ、まず何よりも市民の安全、健康、福祉を尊重する立場での
建築確認行政を行わなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
これに対し、市は当初反省の色も見せずに、上告し最高裁で争うとの意向を示しましたが、国からは、上告する理由は見当たらず、判決はやむを得ないとの意向が示され、市は七月三十一日に上告を断念したと八月一日付の毎日新聞に報道されています。国の
機関委任事務である建築確認の取り消しの判決に国が同意したということは、市の
建築確認行政のあり方の誤りを認めたということであり大きな問題です。市の行政のあり方の根本を反省し、見直すきっかけにしていかなければならないことであると思いますが、いかがでしょうか。
そもそも、この
マンション建設予定地は、袋地にあり道路に面する要件を満たしていなかったのを、予定地隣の民有地とそばの市有地とを市が交換してやることで、障害がなくなり建築できるようになったものであり、市の業者への便宜供与が議会でも大きく問題とされてきました。このような安全を守る立場に立たない市の行政指導のあり方が、司法によって裁かれ、国からも異議が出され、襟を正すことが求められているときに、市はまた反省もなく、同じ轍を踏もうとしているのではないでしょうか。
太白区八木山香澄町で計画されている
マンション建設に反対する住民が、五月三十一日に仙台で初めて
市開発審査会に対して
不服申し立てを行いました。この
不服申し立ては、亜炭廃坑が原因と見られる陥没災害が過去に約二十件発生している上、廃坑の正確な位置も把握されていない
八木山地域への
マンション建設に対し、建設地は地盤に不安がある地で、市が開発を許可したのは重大な疑問が残るとして、近隣住民が行ったものです。加えて、市の
都市景観大賞を受賞した松並木に隣接する緑を伐採することは、杜の都の風土を育む景観条例の趣旨にも反すること、公園用地の確保が十分ではないこと、
道路管理者との安全協議が不十分なものであること、擁壁構造の安全性の問題などを挙げ、
開発審査会に申し立てたものです。
開発審査会で浮き彫りになったことは、市が業者に便宜を図り、開発許可を与えようとしているという疑惑がぬぐえないことです。
開発審査要綱に基づけば、三千平方メートルを超えるこの用地内には三%以上の公園用地を確保しなければなりません。ところが業者は、将来
都市計画道路として使用される開発地域の一部の土地を、公園用地として市に届けました。そして市は、公園が将来道路としてなくなってしまう事実を正当化するために、
都市計画道路部分を控除すると、開発面積が三千平方メートルを下回るから公園用地は要らないなどと再弁明書で主張しています。市は審査継続中の八月二十三日に、
都市計画道路予定地を仙台市に帰属する
開発変更許可を業者に与え、同日審査会に提出した
再々弁明書でも、変更手続が済んでいることを根拠に住民の申し立てを退けています。しかしこれでは、開発用地内に住む住民にとって良好な環境を確保するために公園設置を義務づけている指導要綱本来の目的が達成されないのではないでしょうか。
その上、この
再々弁明書では、近隣住民を第三者扱いにし、
不服申し立て適格を欠くものと述べ、とんでもない住民無視、驚くべき住民不在の仙台市の姿をさらけ出しています。
市開発審査会でさえ、近隣住民の
不服申し立て適格がないと判断するのは困難と考え、審議を行っていることから見ても、また市の
開発指導要綱、
中高層建築物に関する指導要綱の精神にも著しく反するこのような主張は取り消し、市は住民に謝罪すべきものと考えます。
また、仙台
市開発審査会の事務局長として、当の相手である市の担当課長が従事しているというこの審査会の公平性にも、住民は大きな疑問を抱くと語っていますが、これも当然のことではないでしょうか。このような市の行政のあり方への疑惑、疑問について、市長はどのようにお考えなのか伺います。
そして、
開発審査会で開発許可が妥当であるかどうか審査継続中であるにもかかわらず、七月十六日付で
マンション建設の建築確認をおろしていることについても、市民の立場に立ち、慎重な行政指導を行っているとは到底言いがたい対応であると考えますが、この点どうお考えでしょうか。
建築基準法や
都市計画法など、法の不十分さで起きている近隣住民との紛争を解決していく基本は、あくまでも住民の利益、安全、健康、福祉を基本に考えるということであり、そうした立場こそ大切なのではないでしょうか。法に反していなければ適正であり、すべてを認めるという市の姿勢では、市民の暮らしは守れないのではないでしょうか。市長の見解を伺います。
次に、
マンション居住者にかかわる問題について伺います。
政府は深刻な
住宅問題解決の柱である公共住宅の大量建設という国民の要求に背を向ける一方で、大手住宅資本任せの
マンション供給を推進してきたため、
分譲マンションは今では大都市を中心に三百万戸の大台に迫ろうとしています。私は、仙台市におけるまちづくりのあり方として、
マンション建設に対してはもっと規制を強めるべきと思いますが、既に建設された
マンション居住者からは、さまざまな要望が寄せられており、これらに対しては、行政としても積極的に対応すべきと考えます。
その一つが、水道事業での
マンション住民の過重負担を解消する問題です。まず、受水槽の衛生管理についてですが、
分譲マンションでは、受水槽から各戸までの水道の管理は住民の責任とされ、漏水負担や受水槽の管理不良による水質悪化などが問題になっています。住宅として各戸の蛇口まで自治体が責任を持つのは当然です。
分譲マンションの受水槽を市が定期的に検査すべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、メーターの交換に関してですが、市では一九七五年に策定した要綱で、
メーター装置の寄附を受けた
マンションについては、メーター取りかえについても市の負担で行っています。しかし、要綱改正以前の古い
マンションについては、
全額居住者の負担で行わなければなりません。
厚生省環境衛生局水道課長通知では、共同住宅の水道についても、その個々の居住者を供給対象とみなして、
一般水道事業の受給者に対すると同様の取り扱いをすることとなっています。こうした見地から、要綱改正以前の
マンションについても、市の
水道料金徴収の基本となる水道メーター取りかえに対する助成を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
関連して、厚生省通知の趣旨に照らしても、親メーターと
各戸メーターの合計水量との差額料金の徴収をやめるよう、市の要綱を見直すべきと思いますが、いかがでしょうか。
このほかにも、急増する
マンションには大規模改修、
駐車場整備など、さまざまな問題が山積みしています。自治体が
マンション問題の専門知識を持つ職員を配置した相談窓口を設置し、管理組合・住民の相談、悩みに応じて、適切な指導、援助を行うことが強く求められています。地域の専門家等の協力を求めながら、市が対応できる体制の整備を求めるものですが、いかがでしょうか。
最後に、大型店の相次ぐ進出による
地元商店街の売り上げの減少、店じまいが相次いでいる問題について伺います。
この問題は、本会議でもたびたび取り上げられてきましたが、事態は一層深刻になりつつあります。市の構想の中で副都心と位置づけられ、これから一層の開発が促進されようとしている長町地区を中心とする太白区で見ても、長町一丁目のMスーパーの閉店に続き、五丁目のTスーパー、鹿野地区のKスーパーなどが相次いで閉店しました。地域の核的な中小のスーパーが相次いで閉店していることに、周辺商店は危機感を大変強めていますし、周辺住民からは歩いて買い物ができなくなって、お年寄りなどは本当に不便になったとの嘆きの言葉が聞かれます。
さらに中田地区を見ると、ビッグ、ヤマザワなどの進出が相次ぐ中で、Wスーパーの閉店に続いて、ついに
袋原公設小売市場が八月三十一日をもって閉店に追い込まれてしまいました。近くには四郎丸、東四郎丸、東袋原の市営住宅があり、高齢者の方たちは大変な不便を強いられることになりました。
これからさらに、東北最大の
売り場面積を持つ西友系の大型店の建設が
東北特殊鋼跡に進んでおり、ほかにもダイエー、ジャスコ等々の進出が計画されていると言われています。当初、共存共栄策として大型店内に出店を希望していた人たちも、余りの条件の厳しさにほとんどが断念せざるを得なくなっており、最終的に出店するのは数店ではないかとさえ言われ、地元業者からは共存共栄などとんでもないという怒りの声があふれているというのが実態です。同じような動きは市内各地域で起きており、このままではさらに深刻になることは目に見えています。もはやこれ以上放置しているわけには絶対にいきません。
また、私どもは最近、
卸商センターの役員の方々とも懇談の機会を持たせていただきました。その中でも、大型店の進出によって卸業者を通さない物流が急速にふえており、卸売業界が売り上げの減少による深刻な危機に直面している実態が出されました。これらの主要な原因が、一九九〇年から三度にわたった規制緩和の名による大店法の改悪によることは
各種統計資料を見るまでもなく明らかです。
そこで市長に伺いますが、大店法改悪以降の大型店の仙台ないし仙台圏への進出状況及び影響について、どのように調査をし、把握しておられるでしょうか。また、今日の事態の進行について、どのような所見をお持ちでしょうか。さらに、市長としてこれにどのように対処しようとしているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
各地域の
商店街振興組合の役員の方々との懇談などを通じて、それぞれ必死の工夫と努力をされている姿に接し、本当に頭の下がる思いです。しかし、個々の商店街の努力では限界が見えている、どうにもならない部分が余りにも大きいと言わなければなりません。大型店の出店を野放しにしようとするこの分野での規制緩和に対して、はっきりとした歯どめをかけることが急務になっていることを痛感します。
日本では、近年規制緩和の大合唱が起こっていますが、これは決して世界的な流れではありません。例えばフランスでは、県の許可対象となる大型店の
売り場面積を三百平米にまで引き下げる、六千平米以上の大型店については、
中小小売業への影響、雇用への影響等について、全国ベースの
商業施設委員会での公共調査を義務づけるなどを中心とする
ロワイエ法の改正案がこの七月に国会で可決されています。ドイツでは、都市計画の法律である
連邦建設法、連邦利用令などによって、床面積千二百平米以上の大型店の建設は厳しく規制されていますし、イタリアでも、
商業基本法に基づく
商業者登録制度、
出店許可制度があり、
売り場面積四百平米以上の店舗の営業には市町村及び州の許可が必要とされています。
今こそ日本でも、大型店の進出を野放しにするのではなく、地域の実情に合わせた必要な規制が可能となる法律の改正がぜひとも必要ではないでしょうか。そしてこのことについては、中小規模の
商店経営者はもちろん消費者の中でも、急速にそうした方向での合意が今つくられつつあると感じています。市長が国に対して、こうした立場からの強い働きかけを行うよう求めるものですが、いかがでしょうか。
関連して、全国にも知られた仙台の伝統行事の大事な一つである正月の初売りについて、一部の大型店が一月一日から開店する意向のようであり、既に
公正取引委員会も仙台の初売りの
景品特例措置を認めない方向で動いているとも伝えられています。労働者の立場、また地元中小の商工業者の立場を踏まえ、さらに長く続いてきた仙台初売りの伝統を守り、受け継いでいくためにも、市として積極的な行動を起こすべきと思いますが、いかがでしょうか。
以上で私の質問を終わります。(拍手)
6: ◯市長(藤井黎)洞口議員の御質問にお答えを申し上げます。
私からは、
米軍実弾射撃演習の移転についての御質問にお答え申し上げます。
王城寺原演習場への
米軍実弾射撃演習の移転問題につきましては、これは我が国の防衛力の総量とその適正な地域分担の問題でございまして、まさに高度な国家的な判断にかかわる問題と認識をいたしております。したがって、本来的には国政の場において議論されるべきものと、このように考えるものでございます。
しかし、市長という立場に限って申しますと、市民の生活環境を守る観点から、これを歓迎しがたい旨の私のコメントをさきに発表いたしたところでございまして、これはあくまでも市民生活の安寧が守られるような立場を堅持して、今後の推移に対処してまいりたい、こういう意思でございます。
また、県の関係でございますが、県知事が防衛庁長官に対しまして受け入れられない旨の意思表示をされたことから、県においてもしかるべき対応がなされるものと考えるものでございます。
その余の御質問に関しましては、関係の事業管理者並びに局長の方からお答えをさせたいと思います。
以上でございます。
7: ◯経済局長(伊藤忠男)大店法改正以降の大型店の仙台への進出状況とその影響についてでございますが、平成二年の四月の時点で百十六店舗ございましたが、本年の八月末現在で、四十九店舗増の百六十五店舗となっており、日常の商業指導や相談業務の状況から推察いたしますと、大型店の進出による影響は否めないものというふうに認識いたしておるところでございます。
また、大型店の進出は、車社会の浸透や消費者ニーズの多様化などの要因とも相まって、流通構造の変化を招く原因の一つにもなっていると考えております。
このような大型店の出店による地元
中小小売業者や既存商店街への影響を考慮いたしまして、地元商業の活性化につきましては、今後とも各種施策を積極的に講じてまいる予定でございます。
次に、大型店の規制に関して、外国の事例を挙げてのお尋ねでございますが、大型店の出店に際しましては、現行制度の枠組みの中で、地元商業者、消費者、学識経験者からの意見聴取の場を通じて、地域の実情を勘案した調整が十分行われているものと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
次に、仙台の初売りについてでございますが、御承知のように、初売りは市民に親しまれてきております仙台の伝統行事でもあり、大型店においても地元商業者と協調を図りながら一体となって取り組まれることが望ましいと存じますが、基本的には、商店街や商業者が、消費者や従業員など各種の条件を十分に考慮しながら、自主的に判断すべきものと考えておりますので、御理解を願いたいと存じます。
以上でございます。
8: ◯都市整備局長(村上茂)公営住宅制度の改正に関しまして、まず三点のお尋ねにお答えします。
法改正に対する考え方というお尋ねでございますが、御承知のように、
公営住宅法は、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備いたしまして、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としております。
今回の改正は、公営住宅の本来の対象者であるべき真に住宅に困窮する低額所得者に対してより重点的な供給をなし、また負担の公平を図るため、
高額所得者や収入超過者に対してはそれ相応の負担を求めるものであります。
さらに、高齢者や障害者などのように特に住宅に困窮している人に対しましては入居資格を緩和するなど、福祉施策との連携を強化した改正でございまして、従来からの
公営住宅法とその趣旨において変わるものではない、このように考えております。
次に、入居者等の負担の少ない家賃算出についてというお尋ねでございますが、御指摘のとおり、今回の家賃決定システムは、応能応益性を加味したものとなっておりまして、家賃設定につきましても、設備や住環境などの事項については、各自治体の判断にゆだねられまして、一定の範囲の裁量が与えられております。これにつきましては、条例で定めることになりますので、改正の趣旨に基づき、立地条件や規模など便益に応じた適正な負担を図るなど、総合的に判断してまいりたいと考えております。
次に、
住宅マスタープランの具体化についてという点でございますが、本市におきます市営住宅の応募倍率につきましては、他都市と比較してみますと、まだまだ低い状況にはございます。
そうは申しましても、真に住宅に困窮している人に対して、低廉で良質な住宅の供給を図っていかなければならないものと考えておりまして、現在、学識経験者等の意見をいただきながら実施いたしました調査結果をもとに、仙台市住宅基本計画として取りまとめているところでございまして、この中で、本市の住宅行政の基本的な方向性を示してまいりたいと考えております。
次に、開発行為等に対する行政指導のあり方に関して、何点かのお尋ねでございます。
まず、千代田町
マンションの訴訟についてのお尋ねですが、本市においても
建築基準法の趣旨でございます国民の生命、健康及び財産の保護並びに公共の福祉の向上を図るという立場に立ちまして、
建築確認行政を行っております。御指摘の訴訟につきましては、宮城県の条例を適用する際の基準が、一部不十分と判断されたものでございますので、現在宮城県と協議を重ねながら、早急に基準整備を行うこととしております。今後は、このようなことのないように取り組んでまいりたいと思います。
また、香澄町
マンション建設問題、あるいは近隣住民との紛争解決の基本的な考え方ということでございますが、太白区香澄町の
マンション建設に伴います開発許可に関しては、本年の五月三十一日付で
不服申し立てが
開発審査会になされまして、八月二十八日に処分の内容は適法なものとして、棄却の裁決がなされました。
開発許可に際しましては、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、公共の福祉に寄与することを目的といたしまして指導を行っておりますが、
都市計画法上の基準に適合している場合には、許可をしなければならないことになっております。また、建築確認に関しましても、
建築基準法の規定によりまして、建築計画が対象法令に適合していれば確認処分をなさなければならない、このようになっておるわけでございます。したがいまして、当該敷地の開発許可に関して、行政不服審査が継続中ではございましたが、適合条件を満たしておりますので、確認処分をいたしたわけでございます。
建築紛争の解決に関してでございますが、話し合いによる解決がなされるよう指導してまいっておりますが、今後とも、なお努力してまいる所存でございます。
最後に、
マンション居住者にかかわる問題についてのうち、相談窓口の設置の御要望でございます。
いわゆる
マンションなど住宅の共同化に伴いますさまざまな問題につきましては、住まい方あるいは資産の適切な維持、管理など、今後ますます重要性を増してくると認識しております。
そこで、本市におきましても、平成四年度より継続的に
マンション管理セミナーの開催を通しまして、入居者や管理組合に対する啓蒙活動を行ってきたところでありますが、先ほど申し上げましたような認識から、今後も工夫を凝らしながら対処してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
9: ◯教育長(堀籠克彦)学校給食につきましての数点の御質問にお答えいたします。
初めに、自校方式への切りかえについてのお尋ねでございますが、現在本市の学校給食は、単独調理校方式と共同調理場方式のそれぞれのメリットを生かしながら実施しておりまして、今後も、単独調理校方式と共同調理場方式の併用で実施してまいりたいと考えております。
次に、仮称
太白学校給食センターの建設についてでありますが、この施設につきましては、現在の若林学校
給食センターの老朽化が著しいことから、今後とも、学校給食を安定的に供給するため、建てかえをすることとし、事業を実施しているものでございます。この施設につきましては、安全かつ効率的な作業ができるよう、ドライシステムや食器洗浄の自動化を採用するなど、最新の設備を導入しながら、平成十年四月稼働を目指し、引き続き事業を進めてまいる考えであります。
最後に、調理員の配置基準の見直しと、現場で専門的に
食材チェックあるいは衛生管理を行う栄養職員を配置するための基準の見直しを国に対して要望すべきではとのお話でございますが、調理員の配置につきましては、各校の実情に応じて適正な配置をいたしているところでございます。また、栄養職員につきましては、一校に一栄養士を配置している現行の体制で、食材のチェックと衛生管理を十分に行っているものと考えておるところでございます。
以上でございます。
10: ◯水道事業管理者(清野辰夫)
分譲マンションの水道に関連をしまして、三点についてお答え申し上げます。
まず、
分譲マンションの受水槽の検査についてのお尋ねでございますが、
マンション、事務所等の受水槽につきましては、水道法、県条例によりまして、設置者が適正に管理し、年一回の指定検査機関による検査を受けることが義務づけられております。したがいまして、水道局自体が受水槽について検査を行うこととはされておりませんので、御理解を賜りたいと存じます。
しかし、水道局といたしましては、これまでも関係部局と連携をとりながら、設置者に適正な管理を行い、指定検査機関による検査を受けるよう積極的な指導をしてまいったところであります。申すまでもなく、受水槽の衛生管理は最重要な問題でもございます。今後も、一層その指導の強化については努力をしていかなければならない、そのように考えております。
次に、
マンション等共同住宅の各戸ごとにあるメーターの更新の際の助成についての御質問でございますが、一般に新設の
マンションにつきましては、水道局が定めた基準に従ってメーターを設置し、寄附を受けた場合は、各戸ごとのメーターによって計量することといたしております。したがって、御指摘の基準に適合していない
マンションのメーター更新に対する助成につきましては、新設あるいは既設の
マンション間の負担の均衡上、なかなか難しい問題を含んでいるものと考えております。
しかし、現在
マンション等共同住宅等における料金徴収事務の一層の効率化を図る方策等につきまして検討をしておるところでもございますので、その中で検討課題とさせていただきたいと存じます。
また、親メーターと
各戸メーターの合計水量との差額料金の取り扱いの問題でございますが、これらは主に漏水によるものと考えられますが、料金の徴収に当たりましては、これまでもどちらかといいますと、実態に即した措置を講じておりまして、今後とも弾力的に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
11: ◯二十六番(洞口邦子)市長から御答弁をいただきましたが、市民の安寧を守るためにコメントされたということですが、本当にただコメントだけでいいのかという思いが大変するわけです。何が必要なのかということを真剣に考えて、何らかの行動を起こすべきではないかと思いますが、その点再度伺いたいと思います。
それから、局長からいろいろ御答弁をいただきましたが、現行制度を維持するというのが全体としてのお答えだったと思います。国の制度があって、それに反することはやれないというのはわかりますけれども、国から指示されたものには従って、例えば学校給食の問題をとりましても、国にははっきり物を言わない、こういう姿勢では、市民の暮らしは守れないどころか、職員の方々も含めてますます大変になっていくと思います。この議会でも、地方分権ということがいろいろ言われているわけですが、真に市民の立場に立って、国に言うべきことははっきり言っていく、そういう姿勢こそ必要ではないかと思いますが、その辺の市長の考えをお聞きしたいと思います。
12: ◯市長(藤井黎)再度の御質問でございますが、第一点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、この問題は我が国の防衛力に関するまさに高度な国家的な判断が必要な問題でございまして、私からは市長としての市民の立場、こういうことで申し上げたわけでございまして、決してそれはコメントにとどまるものではなくて、申しましたとおり、立場を堅持して今後ともこれに対応する、そういうつもりでございます。
それから、第二点目でございますけれども、私どもも、国や県や、そういう上位の機関に対してのさまざまな対応でございますけれども、一つの自治体としての限界もございますので、例えば市長会だとか、あるいはまたそのほかのさまざまな団体と一つになりまして、これまでも国に対して、県に対して申すべきことは申し上げてまいったところでございます。今後ともそのようにいたしたいというふうに考えます。
以上でございます。
13: ◯議長(大内久雄)次に、佐藤正昭君に発言を許します。
〔五番 佐藤正昭登壇〕(拍手)
14: ◯五番(佐藤正昭)グローバルネット仙台の佐藤正昭でございます。
私は、仙台市のまちづくりを考えた場合、いかに一万人余の市職員が生き生きと仕事に打ち込める環境をつくり上げ、英知を結集することができるかが大切だと思います。それに、このような国の補助金制度があるからとか、国からの起債が認められるからというような既製品に合わせる発想、後ろ向きの発想からは、余りよいまちづくり、よい考えは浮かばないものと思います。補助金行政が市職員の考える能力を失わせているのではないかとも思えます。
見ばえのよい、でき上がりのよい既製品に合わせるのではなく、このような町にしたい、市民のためにこんな施策をしていきたい、そういうようなオーダーメードな仙台らしい仙台カラーを生かしたまちづくりこそが、今求められているものと考えます。
形にとらわれない自由な発想によってこそ、もっとすばらしい仙台市に変わっていくものと思いますが、市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。御所見をお伺いいたします。
次に、市長は、平成八年度施政方針演説の中で、市民生活や産業活動がボーダーレス時代を迎える中で、地球的交流に積極的な役割を果たし得る、世界に開かれた仙台の都市づくりを推進していくと所信を述べておられます。
しかしながら、我が仙台市は、世界から、とりわけ近隣のアジア諸国からどのような評価を得ているのかを考えると、当局の都市セールスやイベント参加等の努力にもかかわらず、国内の他の政令市に比較して、海外からの知名度は、各種調査データ等からも低いと言わざるを得ません。
その理由はいろいろ考えられますが、一つには、来月市長もOECDの会議に出席されますが、都市セールスやイベント参加が単発的で短期間なため、継続性に欠けていること、さらに地域が広がり過ぎ、結果として戦略性に欠けた国際交流を行っているからと言わざるを得ません。
まさに世界はボーダーレスの時代、シティーセールスの時代であり、これまで以上に積極的な施策の展開により、仙台を世界に売り込む必要性がますます大きくなっているはずであります。
私が、平成七年第二回定例会において、活発な海外との交流活動の拠点として海外事務所を設置するべきであると御提案をいたしましたところ、市長は、本市と地域的な結びつきが強いアジア地域を中心といたしまして、今後の空港や港湾の整備の進捗状況、あるいはまた産業界の意向等も踏まえながら、時期を見定めて設置を検討していきたいと考えているところでございますと答弁なさいました。その答えを受けて、私自身もその後、各界各層の方々と情報交換や独自の調査をしてまいりました。その結果、仙台市が海外事務所を持つことの必要性をより強く感じ、具体的にシンガポールが最適ではないかという結論に至りました。
御承知のとおり、シンガポールは世界屈指の空港、港湾を有し、世界の成長地帯といわれるASEAN地域の金融、流通、情報、交通の拠点であり、仙台とも定期航空便、コンテナ船も就航し、旅客、貨物とも着実な実績を上げております。市民レベルでの交流も、観光やNGO等を中心に活発になってきておりますし、都市のイメージも、グリーン・アンド・クリーンシティーと言われるくらい緑豊かな、世界でも一、二番を争うきれいな町並みを有しております。杜の都仙台と相通じるものがあると考えられます。さらに、多民族から成る複合民族社会を形成し、政治、経済的にも安定した都市国家、いわゆるコスモポリタンであり、国際化への戦略は仙台市にとっても大いに勉強になると思われます。
こういった都市に仙台市が事務所を設置することは、仙台市当局のみならず、市民や地元経済界にとっても大きなインパクトとなり、市民に夢と活力を与える重要な施策の一つと考えるものであります。他の政令市のまねをするわけではありませんが、十二政令指定都市中、七都市が十九カ所に海外事務所を設置し、そこを拠点として都市セールスを展開し、それぞれの都市のポテンシャルを上げていると聞き及んでおります。
海外事務所の業務ですが、第一には仙台に関する情報発信であり、各地に直接赴き、セミナーやフェアの開催による都市セールス、第二には経済、文化等の情報収集、第三には市民交流、特に市民NGOの活動に対する現地での情報提供やアシスト等であり、海外に出ていかなければとてもなし得ない仕事ばかりです。
事務所の規模といたしましては、試算をいたしますと、派遣職員二名、現地採用一、二名で、経費は年間約三千万円から四千万円程度と見込まれますが、対費用効果を考えると、むしろ安いと思われるくらいです。
海外との交流は、これまでの視察やお祭り的交流から、市民を巻き込んだ国際協調、協力の時代へとシフトしてきております。こういった流れの中で、世界に通用する都市仙台の構築を図るためには、海外事務所の設置は避けて通れない施策と考えるわけであります。
二十一世紀へ残された時間は、あとわずかであります。藤井市政の国際化推進の目玉事業として、現在策定中の新総合計画に位置づけ、さらに来年度予算に調査費を計上するなど、積極的な対応により、ぜひ実現を図ってほしいものであります。仙台マジック、藤井マジックによって、市民に夢と希望と活力を吹き込んでほしいものです。市長の御所見をお伺いいたします。
次に、先ごろ、仮称仙台ドーム設計競技審査委員会が行われ、基本設計に着手したところのようですが、仙台ドームは、平成四年三月、市民アンケート調査の結果、屋根つき多目的グラウンドが市民の最も望むスポーツ施設として選ばれ、仙台市実施計画に採択されたのであります。
当初、市民の皆様を初め、私も市役所の方々も、ビッグエッグ東京ドームや福岡のドーム球場規模のものをイメージしたものと思います。仙台市民が夢と希望を膨らませる仙台ドームだったはずであります。その後、幾多の変遷を経て、今日の形となってしまったのであります。私は、何か力が抜けたような、期待を裏切られたような感じでなりません。土地代四十億円、建設費五十億円プラスアルファ、それに設備費等、合わせて約百億円余をかけて建設するこの仙台ドームをただの市民利用施設だけに終わらせてほしくはありません。この仙台ドームを市民が誇れる、仙台市が日本じゅう、世界じゅうに向けて発信をする競技場にしてほしいのです。私は、この競技場を目指して、世界じゅうの子供たちが仙台に来る、そんな夢のある競技場にしたいのです。
今年度基本設計で、平成九年度実施設計、十から十一年度に建設工事で、十二年度完成、供用開始とスケジュールどおり進んでも、まだ約五年間の猶予期間があります。今から夢のある方向に検討を始めていただきたい。
この仙台ドームと併設して数百人規模の合宿のできる施設をぜひつくるべきだと考えます。スポーツ関係施設の中で今一番不足しているのは、スポーツ施設そのものにも増して、スポーツ施設に併設した研修や合宿のできる宿泊設備なのであります。近年とみにスポーツ熱が高まり、練習、トレーニングを集中して行うための合宿設備の需要が高まっております。杜の都仙台にこの施設ができ上がれば、日本国じゅうはもとより、世界じゅうから子供たちが仙台に集まってきます。そうすれば仙台市内の青少年との国際交流も生まれます。青少年の国際理解教育にも役立ちます。それに、一流のアマ、プロチームが合宿練習に訪れれば、その影響ははかり知れないものがあります。ジュニアの世界大会や少年少女の全国大会の誘致活動や広報活動によって、仙台市のシティーセールスもできます。
今こそ仙台ドームに大規模な合宿施設を併設して、日本一の、世界初のドーム型屋根つき多目的競技場と大規模な宿泊研修設備をあわせ持つ、総合スポーツ施設としての整備をすることを御提案を申し上げます。
また、仮称仙台ドームの名前、愛称でありますが、そういった意味からも、世界に通用する夢のある名前を公募していただきたいと思います。
市長、仙台ドームに対しての私の提案についてどのような御感想をお持ちでしょうか。さあ、一歩踏み出すか、踏み出さないか、このままの仙台ドームでよいのか、もっとすばらしい仙台ドームにしていくのか、市長の決断に期待をしています。
次に、仙台駅の周辺整備についてお伺いいたします。
遠来の客が仙台駅におり立って、まず目をみはるのが、他に例を見ない規模のペデストリアンデッキと青葉通の緑であるといわれております。これが杜の都仙台の第一印象を形づくっているのであります。
このすばらしい本市の表玄関には、残念ながら画竜点睛を欠くと申しましょうか、一点不満足な部分があります。成熟した西側の青葉通側と、急速な成長過程にある東側の宮城野通とを一体的に結びつける連絡手段のみすぼらしさであります。
幸いにして、現在市当局において、JRが駅東に建設予定のビル建設にあわせて、仙台駅二階部分の東西自由通路を検討されているとのことですが、その成果に大いに期待するものであります。
この自由通路につきましては、将来の駅東地区の区画整理の完了、企業集積や経済活動の活発化、さらには東西一体のペデストリアンデッキや長距離バスなどのバスプールの整備なども視野に入れた十分なスペースの確保とともに、国際都市仙台の表玄関としての余裕とゆとりを持った夢のある整備が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
また、現在仙石線の地下化工事にあわせ、地下自由通路の整備も進められているところですが、財政状況が厳しい折、めり張りのある事業選択が必要であり、少なくともどちらも中途半端になるということだけはあってはならないことであります。私は、この際、市民のニーズやまちづくりの観点から、より優先度の高い仙台駅二階の自由通路を先行し、地下につきましては、将来の地下街の整備をにらみながら、一定の整備にとどめておくことも検討すべきではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
次に、現在仙台市には、視聴覚障害をお持ちの方は、一級から六級までで二千七百二十八名、宮城県では七千百三十七名にも上ります。この方々の日々の生活は、ハンディを背負って大変御苦労をされている現状であります。
さて、東北地方には、視覚に障害をお持ちの方々のリハビリ施設が全くありません。全国には五十九カ所のリハビリ施設があります。今こそ、視覚障害者用リハビリ施設と盲導犬訓練施設の整備が望まれるところでございます。視覚障害者が自立した生活を営む上で、欠かせない存在が盲導犬なのです。視覚障害者と強い信頼関係で結ばれた、暮らしのよきパートナーでもあります。しかし、日本はまだまだ盲導犬使用者にとって暮らしやすい環境とは言えません。人と盲導犬に優しい環境づくりが、今望まれております。
盲導犬は、第一次世界大戦のころにドイツで誕生しました。後に、スイス、イタリア、フランスなど、ヨーロッパ各地に広まり、一九二九年には、アメリカにも本格的な盲導犬訓練学校が開設されました。日本で初めて組織的な盲導犬訓練が始まったのは一九六七年のこと、日本盲導犬協会が厚生省より財団法人の許可を受けて、盲導犬訓練施設を設立しました。その後、各地に地方自治体の許可を受けた盲導犬育成施設が発足し、現在では全国で約八百頭の盲導犬が働いています。一年間に育成、供給できる盲導犬の頭数は、全国の協会全体を合わせても、わずか百頭というのが現状です。この数の余りの少なさに驚くかもしれませんが、それだけ一頭の盲導犬を育て上げるのは大変なことなのです。一頭にかかる多額の育成費用につきましても、基本的には民間の寄附金やボランティアの奉仕によって支えられています。まだまだ発展途上と言える盲導犬事情です。
諸外国を例にとりますと、世界で最も盲導犬の普及が進んでいると思われるイギリスでは、現在約四千頭の盲導犬が働いています。しかし、不思議なことに盲導犬の普及促進、あるいは育成にかかわる法律は存在していません。犬を家族の一員として受け入れる伝統と盲導犬に対する社会の深い理解によって、盲導犬使用に優しい環境が自然につくられているのです。また、約一万頭の盲導犬が働いているアメリカでは、イギリスとは対照的に、公民権法や白杖法などの法律によって、盲導犬ユーザーの権利が守られています。例えば、盲導犬は、肢体障害者が用いる車いすと同様に補助具としての取り扱いを受け、その使用についての権利が守られているのです。その他、世界二十数カ国で盲導犬は活躍しています。盲導犬発祥の地であるドイツでは現在約千八百頭、フランスでは六百頭の盲導犬が、視覚障害者の目となって日々働いております。
さて、私ども仙台市を見てみますと、八百頭の盲導犬のうち、仙台市に盲導犬は、ことし三月十六日にやっと二頭目の盲導犬「ふじ子」が訓練を終えて仙台の町で活躍を始めたばかりです。宮城県内に盲導犬は五頭、東北六県で稼働している盲導犬は三十五頭という現状です。この原因は、東北地方をカバーする盲導犬施設がなく、盲導犬を普及する正規の団体が存在しなかったためと言えます。
それに、一人前の盲導犬を一頭育て上げるためには、まず優秀な盲導犬の子犬を協会で計画的に繁殖、生まれた子犬は生後二カ月ほどで里親ボランティア、パピーウォーカーに預けられます。一頭一頭愛情を込めて育てられ、情操を豊かにするのがねらいです。そしてこの間、人間社会に適応するための基本的なしつけもしていただきます。こうして約一年間飼育された後、初めて訓練所に入り、盲導犬としての適性判断も含めて約十カ月の訓練を受けることになるのです。第一段階は、座れ、待てなどの主人の命令に絶対に従う服従訓練。第二段階は、階段や交差点、障害物のある場所での誘導訓練。この中で、主人の命令に背いても安全を最優先させる賢い不服従も教えてもらいます。最終段階は、視覚障害者との共同訓練、四週間寝食をともにしての歩行訓練です。この間に、視覚障害者と盲導犬とがお互いのくせをのみ込み、信頼関係を築き上げるのです。その後、視覚障害者の実際の生活圏での現地指導も行います。訓練所を卒業しても、盲導犬とその主人とが一体となってスムーズに行動ができるまでは、さらに六カ月ぐらいかかります。
仙台市では、平成七年度から視覚障害者の自立と社会参加促進のため、財団法人日本盲導犬協会に委託して、本市視覚障害者に対する盲導犬の供給を優先的に確保する事業を行っております。平成七年度は盲導犬一頭、平成八年度には盲導犬二頭が仙台市民に供給され、稼働を始める予定です。一歩前進とは言えましょうが、しかし、これだけのことで事が足りるとは考えられません。すべての市民が平等に健康で快適な生活の実現に近づいていくために、重度視覚障害者の生活を支える盲導犬は欠くべからざる存在です。
日本は、海外の福祉先進国に比べて福祉は途上の段階にあり、東北地方は、視覚障害者福祉の面ではさらに立ちおくれてきたといえます。この現状を克服し、すばらしい福祉社会の実現を目指すために、東北全体の視点に立って、東北六県をカバーする施設が存在しなければいけません。現在は、盲導犬使用希望者がたくさんいるのに、十分に普及することのできる状態にはありません。
仙台市は、東北のリーダー都市として、今こそ盲導犬だけにとどまらず、盲導犬の養成、育成はもとより、歩行指導員の養成やシミュレーション道路を利用しての視覚障害者への白杖歩行訓練や歩行指導、更生相談などが行え、それとともに点字図書館、自立や生活向上のための展示や、広く一般市民との交流や広報のできるホール機能も兼ね備えた、東北で初めての視覚障害者福祉・総合リハビリテーションセンターを建設することが重要であると確信をいたします。総合的観点からの仙台市のこの事業に対する支援を望むものであります。
まずは、センターの建設候補地を見つけ出す作業が急がれます。特定公益増進法人日本盲導犬協会も、平成十年着工を目指して準備中でありますし、市民の声も日増しに高まってきております。早急に最適地を決定し、貸与することが必要であると考えます。一日も早い仙台総合リハビリテーションセンターの完成を待ち望んでいる目の不自由な市民の皆様の熱い要望にこたえるべきではないでしょうか。心優しい、人に優しいまちづくりを掲げる市長の御所見をお伺いいたします。
以上、質問をしてまいりましたが、市民の中には、藤井市長の話は遠回しでわかりにくいと感じている人も多いようです。市長はファジーでつかみどころがないという声もごく一部聞こえてもきます。市長、それぞれの質問について、市民にわかりやすい言葉で、自分自身の率直な考え方、お気持ちをお聞かせください。
さて、市長の任期も残り一年を切りました。ここ数カ月の市長の行動、決断、仙台市政の方向づけが、市民の市長に対する評価を決めるものと思います。市長のめり張りのある具体的な行動、英断に御期待をいたしまして、私の質問を終了させていただきます。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
15: ◯市長(藤井黎)佐藤正昭議員の御質問にお答えを申し上げます。
最初は、まちづくりについての御質問でございますが、時代の転換期にありまして、みずから進むべき道を確実に切り開いていくためにも、御指摘のように、これからは既成の枠組みにとらわれることのないような創造的な市政運営は不可欠である、このように認識をいたしております。本市のさまざまな知恵と資源とを最大限に生かしまして、仙台らしい都市づくりを進めてまいる所存でございます。
次に、海外事務所の設置についてでございます。
御指摘のとおり、自治体の海外事務所設置は、私もまたこの問題につきましては、極めて戦略性の高い施策であると大きな関心を寄せているところでございます。現在は、自治体国際化協会だとか、あるいはJETROの方を通じまして、シンガポールなど世界の都市に職員を派遣しておりますが、それらの経験だとか、あるいはまた他の自治体の設置効果の検証を中心といたしまして、国際化戦略の中心課題といたしまして、調査研究をしているところでございます。
次は、視覚障害者福祉・総合リハビリテーションセンター建設への支援についてでございます。
御指摘のとおり、東北地方の盲導犬につきましては、訓練施設がないために思うような普及が進んでいない状況となっておりまして、ぜひそのような施設の設置が必要であると感じておるところでございます。
財団法人日本盲導犬協会は、東北地域の拠点といたしまして、本市内に盲導犬の訓練だとか、盲導犬を利用する視覚障害者の宿泊訓練並びに白杖歩行訓練だとか、また更生相談等を行う施設の建設計画を持っておりまして、その準備のための盲導犬キャンペーン等を既に実施していると伺っております。本市といたしましては、この協会の準備状況に合わせまして適地を貸与し、平成十年度には着工できるよう支援してまいりたいと考えております。
なお、盲導犬訓練施設建設事業への支援とあわせまして視聴覚障害者情報提供施設の整備を図るなど、視覚障害者が暮らしやすいまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
その余の御質問に関しましては、関係の局長から御答弁を差し上げたいと思います。
以上でございます。
16: ◯都市整備局長(村上茂)仙台駅の自由通路の整備についてのうち、私からは、二階レベルの東西自由通路の整備についてお答えいたします。
仙台駅東西両地区の一体的なまちづくりにつきましては、これまでも市政の重要課題ととらえまして進めてまいったところでございます。駅の東西を結ぶ歩行者動線の整備については、この地区の複合交通空間を形成するために欠くことのできない事業といたしまして、地上レベルと地下レベル双方の機能分担を図り、検討あるいは整備を進めてまいっております。
仙台駅二階レベルの自由通路につきましては、これまでもJRとその整備についての協議を進めておりますが、仙台市の表玄関にふさわしい施設となるよう、東口駅前広場との調整も図りながら、推進してまいる考えでございます。
17: ◯建設局長(大黒俊幸)仙台駅地下自由通路の整備についてのお尋ねにお答えいたします。
東西地下自由通路の整備は、東北新幹線が入ってくる際の昭和四十七年に、運輸省、建設省、国鉄、宮城県、仙台市及び商工会議所の六者の合意に基づいて進められているものでございます。主に地下鉄南北線、仙石線等の鉄道利用者の利便と仙台駅北側の東西流動機能を持つものであります。
現在、仙石線地下化事業と一体で工事が行われているところから、既に通路部分の構造物は完成しております。平成十年の仙石線新線切りかえに合わせ、供用する計画で工事を進めているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。○教育長(堀籠克彦)仮称仙台ドームに関する数点の御質問にお答えを申し上げます。
仙台ドームは、天候や季節に左右されず利用でき、市民がより快適に、気軽に年間を通じてコミュニティースポーツに親しむことができる施設として整備をすることといたしましたので、御理解をちょうだいいたしたいと存じます。
しかし、御提案のような世界に向けて発信できるようなジュニアの大会、さらには青少年の全国大会などの誘致、開催につきましては、積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、宿泊研修施設を含む総合スポーツ施設の整備についての御提案でございますが、いわゆる合宿施設につきましては、平成六年二月に策定いたしました仙台市スポーツ施設整備基本計画の中でも、必要に応じて検討すべき施設として位置づけられておりますので、設置場所も含めまして検討してまいりたいと考えております。
また、仙台ドームの愛称の公募についてでございますが、御提案のように、広く市民から親しまれる、また世界に通じる夢のある名称を今後募集してまいる所存でございます。
以上でございます。
18: ◯議長(大内久雄)次に、鈴木勇治君に発言を許します。
〔三番 鈴木勇治登壇〕(拍手)
19: ◯三番(鈴木勇治)私は、グローバルネット仙台の鈴木勇治です。一般質問をさせていただきます。
まず初めに、仙台市の外郭団体についてですが、外郭団体は、市民利用施設の管理運営など多くの直接的な市民サービスの提供を行っております。さらに一部にあっては、地域のコミュニティまつりの助成事業など、元来行政が行っていた事業の一部も事業として行っております。ある意味で、市民にとって最も身近なところで活動する組織であると言えます。今後とも、外郭団体による市民へのサービス提供や指導啓発に至るまで、その行政における役割は増してくるものと考えられます。
外郭団体の業務において、施設の利用申し込みなど市民と直接接する窓口業務が多くありますが、団体業務の適切な運営と応対のよしあしは、市民にとって行政の評価に直接つながるものであり、この点におきまして、市としても、外郭団体については常に気を配しておくべきことと考えられます。
民間における場合と異なり、応対のまずさが収益に直接関係しないため、客観的に対応状況を評価することは難しいのですが、本来外郭団体等に窓口を任せている理由の一つに、民におけるのと同じように適切なサービスを市民に提供するといったことがあるのではないだろうかと考えます。このような直接市民と触れるような場所における応接は、市長が常におっしゃっているように、市民の目の高さに立った対応、すなわちそこを利用する市民が何を求めているのかを念頭に置いた対応を行うべきと考えます。さらに、外郭団体の重要性が増す中で、責任を持って適切に運営を行い得る管理者の派遣と管理者による適切な職員の指導、接遇研修、待遇の差別化等、トータルな人事管理が最重要と考えます。
そこでお伺いいたしますが、まず適切な管理者の派遣については、どのような基準で行われたのでしょうか。また、管理者による職員指導などどうなっているのか、さらに接遇面での研修はどのように行われているのか、そしてプロパー職員の人事昇任制度はどうなっているのかをお示しください。
続きまして、東北大学の片平、雨宮キャンパスの青葉山移転問題についてお伺いいたします。
この問題につきまして、宮城県の中での種々議論がなされておりますことは御承知のとおりでありますが、平成六年十月に、県知事の私的諮問機関であります青葉山県有地の土地利用に関する懇談会により、次のように報告されております。青葉山県有地の今後の利活用は、自然環境に恵まれた学術・文化ゾーンとして、杜の都・学都仙台の個性をさらに高める方向で利活用を図ることが望ましい。具体的には、県有地への移転を強く望んでいる東北大学のキャンパス用地として活用することが、大勢としては妥当であると考えるとあります。
その後、県議会内での議論などの後、ことし三月に、東北大学の青葉山移転を進める会から、青葉山県有地への東北大学キャンパスの早期移転を求める請願書が提出され、ことし五月に採択されており、このような状況から、県と仙台カントリークラブとの土地賃貸借契約については訴訟問題にまで発展するような状況です。
確かに本市では、総合計画の中にあるとおり、学術文化都市を目指しており、東北大学の役割と重要性は仙台市にとって最重要課題であり、また二十一世紀に向けた東北の新しい産業社会を築くためには、東北大学の学術研究力が必要であることは言うまでもありません。
しかし、一方、青葉山ゴルフ場を含む青葉山一帯は、杜の都の環境をつくる条例の保存緑地に指定されており、市街地に近いにもかかわらず多様な自然を残し、生態は安定しております。また、市長がさきに突如として工事縮小、変更した青葉の森も隣接し、極めて良好な自然が維持されており、多くの市民に親しまれているものです。仙台市民のかけがえのない財産として保全され、次世代に引き継がれるものであるとも考えられます。このような考え方以外にも多種多様な考え方がまだまだあるでしょう。しかし、市民レベルでの議論がまだまだ少ない中で方向づけがなされようとしております。
そこで市長に対しまして、これらに関し数点お伺いいたします。
第一に、大学の移転は必然的に開発を伴うわけで、この青葉山にさらに多数の職員、研究者、学生の通勤・通学のための大きな道路や駐車場などの建設を余儀なくされ、緑が豊富な森を伐採し消滅させて、逆に回復不可能な景観を自然環境の破壊につなげてしまうのではないかと危惧いたしますし、また仙台カントリー側では、最低でも代替地を求めて争うと主張していることから、市内のどこかに同クラブの移転のための開発が行われ、一層の環境破壊を招くのではと心配するのでありますが、これに対して市長はどのような所見をお持ちか、お伺いいたします。
第二に、この件に関しこれまで県に対し、どのような時期に、あるいはどのような場面で、どのような意見を申し述べられたきたのか、お示しいただきたいと思います。
第三に、片平、雨宮といった市街地から、格段に交通の便も悪く市民との交流を進めにくい地区に研究者や学生を追いやる結果となり、ひいては大学の学術研究機能をかえって低下させ、産学協同の理想も実現しにくくなってしまうのではないでしょうか。また、これまでの県の対応などを見ますと、大学、行政の思惑だけが先行し、肝心の市民、当然ゴルフ愛好者も含めるわけですが、学生、研究者の視点での論議が進められていないのではないかと感ずるわけですが、開かれた行政、透明な行政を目指す藤井市長は、この状況をいかにとらえられ、また今後どのように対応なさるのかをお示しください。
第四に、大学移転問題に関し、これまで東北大学当局との直接協議はなされたことがあったでしょうか。あったとすれば、その内容等についてお示しください。
第五に、東北大学の移転後の片平キャンパスの活用についてですが、種々取りざたされたこともありましたが、仙台市のセントラルパークにするとの構想も検討されたと耳にしました。雨宮キャンパスを含め、同用地の取得について検討されたことがあるのでしょうか。あるとすれば、その内容、経緯についてお示しください。
次に、港湾対策についてお伺いいたします。
市長は、これまで仙台港の整備につきましては、二十一世紀を展望し、今後の急速に進展する国際化と物流の一極集中に対応し、本市及び東北全体の一層の発展を図るためには、国際交流拠点としての仙台港を外貿コンテナ機能を導入した国際貿易港として早急に整備することが緊急の課題であるとのことから、特定重要港湾の指定を目指していたわけですが、今回この指定が見送られたものですが、見送られた理由は何であったのでしょうか。また、この指定を得るため、市としては今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
また、見送られた理由の条件整備にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。すなわち、仙台港と石巻港の共同指定がなされなかった理由は、早い話が仙台圏の経済的影響が石巻には及んでいないことによるものであり、今後は石巻との交流の緊密化が必要と考えますが、いかに取り組んでいかれるのかお示しください。
また、国の第九次港湾整備計画において、仙台港はどのように整備することになっているのか、またこの計画に仙台市の意見はどのように反映されているのかをお示しください。
仙台市が真に国際化を目指し、流通都市として東北をリードするためには、やはり港湾を主体的に整備しなければならないでしょうし、仙台市が港湾管理者となる必要があると考えます。市長はどのように考えておられるのでしょうか、お示しください。
最後になりますが、国民健康保険事業特別会計についてであります。国民健康保険料の収納率、不納欠損及び今後の収納対策についてお伺いいたします。
私は、国民健康保険制度は、自営業者や高齢者を加入対象とした医療保険制度であり、また現在健康保険に加入している人でも、退職後は必ず加入しなければならないものであることから、この保険制度は地域住民にとって非常に重要な制度であり、常に安定的な事業運営が行われなければならないと認識しております。
しかしながら、決算資料を見てみますと、平成七年度の国民健康保険料の不納欠損額は六億八千三百二十万円となっており、また収入未済額も三十一億七千七十六万円と高額で、特別会計の約九八%を占めております。こういったことから、以下の点についてお伺いいたします。
事前にいただいた資料を見てみますと、昨年度の保険料の収納率は、平成三年度の九二・四八%が最高で、平成四年度以降は年々下がり続けてきている状況にあります。平成七年度は前年度より若干上がったようでありますが、それでも九一・二二%と九〇%台の前半であり、他の政令市と比べてみても、十二市中、下から数えて四番目と低い位置にあり、収納率の高い北九州市や名古屋市は九五%近くに達し、本市とは三・五ポイント以上の開きがあります。
当局は、未収金を出さないためにどのような対策を行ってきたのか、まず伺います。
また、このように収納率が低く、不納欠損額が年々ふえていく状況について、当局はどのように考えているのか。こういった状況の中で、保険事業を安定的に運営していると言えるのか、当局の考えを伺います。
私は、未収金を少なくし、収納率を上げるためには、ただ単に文書で督促や催告を行うばかりではなかなか実績が上がらないと考えており、保険料を一円でも多く払ってもらうためには、保険料徴収の専門職員を多数採用するなど人員を厚くして、直接市民と接して徴収を行う方法が最も有効な手段であると考えておるわけですが、この点について当局の考えを伺います。
また、保険料を納める能力があるにもかかわらず保険料を払わない人たちもいるように聞いておりますが、保険証を使うということは、保険料を納めるという前提条件が満たされていなければならないわけですから、義務を履行せず権利だけを主張することは許されません。保険料を滞納することがやむを得ないとだれでもが認める事情がある場合は別ですが、そうでない滞納者には一時的に権利を抑制することは社会的に容認されるのではないかと考えますが、このような滞納者にはどのような措置を行ってきたのか、今後どのようにすべきと考えているのか、伺います。
私は、効率よい収納対策の一つとして、口座振替制度の活用があると考えておるわけですが、さらに積極的に口座振替制度の活用を図るべきではないかと考えております。
また、さきの税についての代表質疑のお答えの中で、郵便局における取り扱いについては、手数料の額等で改善を図るよう関係方面に要求しているとありましたが、国民健康保険料についても同様のことが言えると思いますし、年金を受給している人の多くは国保の加入者であろうと思うし、また年金は郵便局でも受け取れる仕組みになっております。このようなことから、郵便局の窓口での納付分は別にして、口座振替による納付分だけでも実現できないものなのでしょうか、伺います。
市長は、市民の目の高さに立って行政を進めると言っておられますが、郵便局の口座振替については、先日新聞の投書欄に市民の強い要望が寄せられておりました。事務的には困難な点もあろうかと思いますが、困難を乗り越えて市民のニーズにこたえていくことが、市民の目の高さに立った行政なのではなかろうかと思いますが、この点について市長のお考えをお伺いいたします。
最初にも申し上げましたように、国民健康保険は市民にとって非常に重要な事業でもありますので、ただいま御質問いたしました事柄につきましては、実行可能なものがほとんどではないかと考えておりますので、市民の立場から納得の得られる御答弁をお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
20: ◯市長(藤井黎)鈴木勇治議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、東北大学の青葉山移転問題についての御質問のうち、私からは、この問題に対する基本的な考え方についてお答え申し上げます。
この問題は、ある意味においては、国有地と県有地の交換ともいうべき問題の中にゴルフ場問題が介在している事案でございまして、現在、権利者間で問題の整理が行われている段階でございますので、現時点におきましては、本市が直接的にこれに介入する余地はないものと考えております。
しかし、学都としての東北大学の果たす役割や、また青葉山、片平キャンパス等の土地利用につきましては、本市のまちづくりを進める上で重要な問題であると認識をいたしておりますので、これに重大な関心を持って推移を見守りながら、適宜適切な時期に本市の考え方を申し述べていきたいと、こう考えておるところでございます。
次は、港湾対策についてでございます。