令和 6年 2月 定例会(第391回) 第三百九十一回宮城県議会(定例会)会議録 (第三号)令和六年二月二十一日(水曜日) 午前十時開議 午後四時十八分散会 議長 高橋伸二君 副議長 本木忠一君出席議員(五十八名) 第一番 ふなやま由美君 第二番 かっち 恵君 第三番 平岡静香君 第四番 石森ゆうじ君 第六番 柚木貴光君 第七番 高橋克也君 第八番 さとう道昭君 第九番 熊谷一平君 第十番 藤原益栄君 第十一番 金田もとる君 第十二番 荒川洋平君 第十三番
佐々木奈津江君 第十四番 小野寺 健君 第十五番 大池康一君 第十六番 菊地忠久君 第十七番 杉原 崇君 第十八番 村岡たかこ君 第十九番 伏谷修一君 第二十番 松本由男君 第二十一番 渡辺重益君 第二十二番 わたなべ 拓君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 小畑仁子君 第二十五番 三浦ななみ君 第二十六番 枡 和也君 第二十七番 佐藤仁一君 第二十八番 遠藤伸幸君 第二十九番 横山のぼる君 第三十番 伊藤吉浩君 第三十一番 八島利美君 第三十二番 瀬戸健治郎君 第三十三番 村上久仁君 第三十四番 高橋宗也君 第三十五番 高橋 啓君 第三十六番 遠藤隼人君 第三十七番 渡辺勝幸君 第三十八番 横山隆光君 第三十九番 三浦一敏君 第四十番 渡辺忠悦君 第四十一番 熊谷義彦君 第四十二番 佐々木功悦君 第四十三番 坂下 賢君 第四十四番 ゆさみゆき君 第四十五番 吉川寛康君 第四十六番 伊藤和博君 第四十七番 佐々木賢司君 第四十八番 守屋守武君 第四十九番 外崎浩子君 第五十番 村上智行君 第五十一番 佐々木幸士君 第五十二番 高橋伸二君 第五十三番 菊地恵一君 第五十四番 佐々木喜藏君 第五十五番 石川光次郎君 第五十六番 中島源陽君 第五十七番 本木忠一君 第五十八番 中山耕一君 第五十九番 藤倉知格君欠席議員(一名) 第五番 阿部眞喜君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 伊藤哲也君 副知事 池田敬之君
公営企業管理者 佐藤達也君 総務部長 小野寺邦貢君 復興・
危機管理部長 千葉 章君 企画部長 武者光明君
環境生活部長 佐々木 均君
保健福祉部長 志賀慎治君
経済商工観光部長 梶村和秀君 農政部長 橋本和博君
水産林政部長 吉田信幸君 土木部長 千葉 衛君 会計管理者兼出納局長 大庭豪樹君 総務部参事兼秘書課長 村田俊顕君 総務部参事兼財政課長 高橋寿久君 教育委員会 教育長 佐藤靖彦君 副教育長 佐藤芳明君
選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 後藤和隆君 人事委員会 委員長 西條 力君 事務局長 北沢康一君 公安委員会 委員 庭野賀津子君 警察本部長 原 幸太郎君 総務部長 横山 裕君 労働委員会 事務局長 中村今日子君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 小林一裕君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 目黒 洋君 副事務局長兼総務課長 大場則昭君 参事兼議事課長 菅原敏彦君
政務調査課長 佐野浩章君 総務課副参事兼
総括課長補佐 堀 喜昭君
議事課総括課長補佐 大友幸二君 副参事兼
政務調査課総括課長補佐 千葉恵子君
議事課長補佐(班長) 我妻則之君
議事課主任主査(
議事運営担当) 二上秀幸君
----------------------------------- 議事日程 第三号 令和六年二月二十一日(水)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第九十一号議案及び報告第一号ないし報告第六号第三 一般質問 〔遠藤隼人君、荒川洋平君、村岡たかこ君、金田もとる君、高橋克也君〕
----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二 議第一号議案ないし議第九十一号議案及び報告第一号ないし報告第六号三 日程第三 一般質問 〔遠藤隼人君、荒川洋平君、村岡たかこ君、金田もとる君、高橋克也君〕
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△開議(午前十時)
○議長(高橋伸二君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(高橋伸二君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、二十番松本由男君、二十一番渡辺重益君を指名いたします。
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△議第一号議案ないし議第九十一号議案
△報告第一号ないし報告第六号・一般質問
○議長(高橋伸二君) 日程第二、議第一号議案ないし議第九十一号議案及び報告第一号ないし報告第六号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十六番遠藤隼人君。 〔三十六番 遠藤隼人君登壇〕
◆三十六番(遠藤隼人君) 自由民主党・県民会議の遠藤隼人です。
トップバッターということで緊張しておりますけれども、しっかりと務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。通告に従い、議長のお許しを頂きましたので、質問させていただきます。 まず初めに、元旦に発災いたしました
能登半島地震によりお亡くなりになった方、そして被害に遭われました皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
東日本大震災を経験した我々にできることが何なのか、具体的な例を挙げれば、震災ごみの処理に関しての東松島方式のように、我々だからできるということがあるのだと思います。そういったことを常に考え続けるのが我々の責務なのだろうというふうに思っております。 それでは、以下大綱三点伺ってまいります。 大綱一、病院再編の諸課題について。 県立病院の再編については、令和三年九月に再編の枠組みが示され、協議が開始されてから二年と三か月を経た昨年十二月二十二日に、
県立がんセンターと
仙台赤十字病院の統合に係る基本合意が取り交わされました。この間、再編に伴う不安や懸念が示され、その都度県の考えが示されてきましたが、いまだに不安や懸念の払拭には至っていないというふうに言えるのではないでしょうか。昨年十二月、今年一月に開催された住民説明会においても、再編の必要性や経緯に関する質問、説明不足など進め方への不満、救急医療など市内の医療体制への不安など、多くの質疑応答がなされたと報じられております。県のホームページにも質疑と県の考え方が紹介されておりますが、仙台市と市民が特に大きな不安を感じている救急医療の問題、今後も医療需要が増える見通しの仙台市内の医療体制の問題について、お伺いいたします。 まず、救急医療の現状認識と再編の効果についてでありますが、消防庁が公表した令和五年版救急救助の現状によると、全国的に救急搬送時間は長くなるという傾向が見られます。我が県は全国の順位四十三位で、前年度よりも低下しております。全国平均と比較して搬送時間が長い状況が続いていると言えると思います。そこでお伺いいたします。県では、救急医療の厳しい現状及び課題をどのように認識しておりますでしょうか、最初にお伺いいたします。 次に、
仙台医療圏における病院再編の効果として、二〇二一年の十一月議会において私の質問に答弁を頂きましたが、県は
救急医療体制の強化を挙げております。仙台市では市内の救急搬送への影響を懸念しており、市民からも同様の懸念が示されています。改めて、救急医療に関する病院再編の効果をどのように考えているのかを、次にお伺いいたします。 次に、新病院が目指す姿に掲げ、また、日赤との基本合意にもあります、断らない救急。この具体的な体制がどのようなものであるのか、また、どのように具体化していくのかを伺います。 また、救急医療の課題と解決策について伺ってまいります。病院再編の効果を十分に発揮するためには、県、市町村、医療関係者、消防など関係者や市民一人一人の役割を明らかにして協力を求めていくことが重要であり、協力を得るためには、理解を得ることが何よりもまず重要であります。県が示す解決策は大きな方向性としてどうであるのかということを含め、救急医療は人命にも関わる重要な医療政策であるため、仙台市や市民からは懸念や不安の声が強く聞かれる状況が続いております。以下、具体の懸念や不安の声に関して、三点お伺いします。 まず、一月二十七日の住民説明会で質問のあった、
ウオークインの受皿がなくなるという懸念について、県はどのように考えていますでしょうか、お伺いいたします。 次に、仙台市内の令和四年の救急出動は六万件を超える。その増加傾向の中、
搬送困難事案も多く発生している中、移転が不安であるという指摘があります。この点についての県の認識はいかがでしょうか。 また、仙台市では、仙台市
医療政策基本方針を策定するに当たり、中間案を昨年十二月から
パブリックコメントを実施しております。その中では、応需率が五二・七%と低下傾向にあるとのことであります。そこでお伺いしますが、応需率の低下傾向に対する受け止め、応需率の回復策をどのように考えているのかお伺いします。 次に、今月九日、仙台市から協議案が県に提出され、了承されたというふうに伺いました。協議案では、救急や周産期、精神医療への影響などを主な項目とするそうでありますが、県と仙台市の果たすべき役割、そして連携の在り方について、どのように考えるのかお答えください。 次に、医療需要の見通し、そして病床の不足の懸念対策であります。仙台市は、高齢化が進む中で市内の医療需要が増加し、市内の病院が市外に移転することに、大変大きな懸念、そして不安を示しております。県が住民説明会で示した資料によると、課題として、いわゆる急性期が過剰で回復期が不足しているということ、市内の病院の病床稼働率は七割前後と低い状況にあるということが示されております。医療現場の実情を踏まえながら、県が長期展望も含めて方向性を示していくことは、市民の不安解消のためにも当然必要であるというふうに考えますが、医療需要と病床の機能や規模の過不足について、県の認識はどうでしょうか、お伺いします。 次に、仙台市が実施した市内の病院へのアンケートでは、救急患者の転院先の病床に空きがないという回答が四割強。県の受け止めはどうでしょうか。また、不足感への対策も併せてお伺いいたします。 県では、今年度、第八次
地域医療計画を取りまとめたところであり、現状の
地域医療構想は二〇二五年に向けて策定され、今後、
仙台医療圏の医療需要のピークとされる二〇四〇年を見据えて、
次期地域医療構想の策定に取り組むことが見込まれます。このような中で、伺いますが、県内で
唯一医療需要のピークを今後迎えていく
仙台医療圏において、高齢化に伴う医療需要の変化や今後の需要に対応できる病床をどのように確保していくのか、お伺いいたします。 今後の持続可能な医療体制の確保のため必要であると県が主張しております、病院再編。真に実りあるものとするためには、言うまでもなく、県と仙台市との連携が重要であります。その取組は、市民の不安となっている様々な課題解決にも、当然不可欠と言えます。このような中で、仙台市長から二月九日、協議の申入れがなされたそうでありますので、この点についてお伺いいたしますが、仙台市からの協議要請を問題解決に生かすべきであると考えますが、どのようにお考えでしょうか。 次に、にも包括についてお伺いします。 今回の当初予算において、このにも
包括推進事業予算としては、今年度は百六十万円程度でしたが、今回四千九百二十万四千円の予算が上がっておりました。更に令和五年度二月補正においては、今後のにも
包括推進事業に充当するため、
社会福祉基金に積立てを十億円計上し、今後五年間で年間二億円程度の
精神保健福祉施策の充実に必要な事業に充てる予定であるともお伺いしました。そこで伺いますが、この大幅に増やす予算によって、具体的にどのような対策が見込まれるのかをお伺いいたします。 大綱二、県民を守る警察行政について。 前段で述べましたとおりでありますが、我が県としても、
能登半島地震に支援のための職員等の派遣を頂いており、敬意と感謝を申し上げます。宮城県警としても、一月四日の
警察広域緊急救助隊五十八名を皮切りに、
特別機動捜査隊、
緊急災害整備隊、
広域警察航空隊、
特別自動車警ら部隊、
特別生活安全部隊などを派遣しており、既に延べ二百五十名に派遣数が上ると伺っております。
東日本大震災の際には、多くの都道府県の警察車両が我が県民を守るためにいてくださった。この光景を、昨日のことのように思い出します。今こそ恩返しのときと御奮闘いただきますように、よろしくお願いいたします。 まずお伺いしたいのは、今月一日に、仙台市若林区沖野において、殺人未遂の疑いで全国に指名手配されていた暴力団幹部の男を逮捕した件についてです。このニュースを目にしたとき真っ先に思いましたが、逮捕の際に、一般の皆様に何の被害もなく身柄を確保できたということに安堵いたしました。そもそもこの男の容疑は、二〇二〇年九月二十八日、長野県宮田村において、当時四十八歳の男性が脇腹を拳銃で撃たれ、この事件の容疑者であったということであります。突入の際には、事件の凶器である拳銃を所持している可能性が当然あったと思いますし、立てこもり等に発展せずに逮捕できたこと、宮城県警、長野県警、愛知県警の働きに、感謝と敬意を申し上げます。そこで伺いますが、この一連の捜査や逮捕について、広域捜査や一般住民に被害を出さないための配慮や苦労など、話せる範囲で結構ですが、警察本部長の所感をお伺いいたします。 次に、現在我が県においてその件数や被害額が最も顕著に増加している犯罪は、特殊詐欺であります。実際に、私の携帯電話の
ショートメールやEメールのアドレスにも、
大手カード会社や銀行、大手放送局をかたり、毎日何かしらの詐欺メールが届きます。いつの頃から、このように日常に犯罪者からの危険な魔の手が入り込んでくる国、県になってしまったのか。ちょうど我々子育て世代の最近の話題は、子供たちにいつ携帯電話を持たせるかなどの会話の際も、電話を持てば常に犯罪者からの直接のあの手この手の詐欺の勧誘に子供もさらされるリスクを考えるとき、親がこの犯罪へのリテラシーを子供たちに教育していくとともに、教育現場や行政、警察が監視を強め、子供たち、高齢者の皆様を守る努力は不断であるべきと考えます。そもそも特殊詐欺といえば、現在、手口について十種類に分類がなされております。初期の間は、いわゆる
オレオレ詐欺。親族を装い、現金の引渡しや口座への振り込みを要求してくるという単純なものでした。また、ほかには、還付金詐欺と呼ばれる、自治体職員を
名のり還付金・給付金・過払い金の受け取りを指示してくる手口。
キャッシュカード詐欺等は、警察官や銀行協会の職員を名のり通帳や
キャッシュカードをだまし取り、不正に利用しようとするもの。
架空料金請求詐欺、これは事業者や裁判所を名のり手紙・メール・SNSで架空の料金を請求し、最近は電子マネーの要求をする手口が増えています。
融資保証詐欺、実際には融資はしないが、簡単に融資を受けられる、そう信じ込ませ保証金をだまし取る手口です。
金融商品詐欺、価値がない未公開株や高価な物品等について、購入すればもうかると信じ込ませ、購入代金をだまし取る手口。
ギャンブル詐欺は、パチンコの打ち子募集などとうたい、会員登録を申し込んできた人に対し、登録料や情報料として金銭をだまし取る手口です。
交際あっせん詐欺、女性紹介と雑誌に掲載したり、メールを送りつけ、申込みをした人に会員登録料や保証金として金銭をだまし取る手口。そのほかの特殊詐欺、これを含め以上十種類が、ごく簡単に言えば特殊詐欺であります。ここで我が県の過去十年間の被害状況に目を移すと、平成二十七年、県内被害額はピークの十億三千五百五十三万円でありました。その後、減少を続け、令和元年には二億八千百二十二万円、最小の被害額にとどまりました。しかし令和二年には、この被害額は前年比四十四万円増、令和三年には前年比一億五千八百十八万円増、令和四年には六千六百三万円の増、そして直近の令和五年においては、実に被害総額九億七千四百七十八万円、前年比四億六千八百九十二万円の増です。約二倍となっている現状があります。その中でも昨年の被害の詐欺手口の主な分類、宮城県内の主な分類に目を移すと、
オレオレ詐欺が三十二件、一億三千三十八万円、預貯金詐欺二十件、五千三百二十五万円、
架空料金詐欺百六十九件、三億千五百六万円、還付金詐欺五十一件、五千四百三十九万円。
金融商品詐欺三十五件、三億六千七百六十一万円などとなっております。俗に言うルフィ事件により、海外の
特殊詐欺グループの摘発後に、手口が変化してきています。
オレオレ詐欺や
預貯金詐欺等が減少傾向にある一方で、我が県においても被害が最も顕著であるのは
金融商品詐欺、そして
架空請求詐欺であります。令和四年には被害がなかったにもかかわらず、全体の被害額を大きく押し上げています。このことに私は強い危機感を持っています。それは一件一件の被害額が高いということもありますが、一番は、これまで特殊詐欺の被害者といえば圧倒的に六十五歳以上の高齢者の皆様が多かったですが、現在被害の多い手口では、例えば投資詐欺や、パソコンにウイルス感染しましたと虚偽の情報を送りつけて金銭を巻き上げる
パソコンサポート詐欺であったり、
ロマンス詐欺の被害者は、今までの被害者層の高齢者の皆様のみならず、だんだんと世代が若くなっているということがあります。これは、今まで
被害者イコール高齢者の皆様であるという形で対策をしてきた経緯を覆すおそれのある、大きな変化であります。そこで伺いますが、これまで私が何度も取り上げてまいりましたが、固定電話への撃退装置の補助事業に関しては、本年度も予算が増額されております。全国の
特殊詐欺被害が増えている中でも、第一次接触に使われるのが固定電話である手口においての被害件数が、令和四年には百四十六件あったものが、令和五年には七十七件となり、四七%の減。被害額は三億九十四万円から二億千二百四十五万円となり、二九%の減。このように、事実として固定電話からの被害は減っているという現状があります。全体が増えているのに。この現状を鑑みるに、極めて有効な対策であると思われます。昨年度においても、当初予算と九月補正予算で今年度と同等の予算額であり、かなり早い段階で予算が足らなくなったと私は認識しております。つまりは、まだまだ未設置の世帯が多いということを示しており、前段で述べたとおりでありますが、被害件数、被害額が増加し続ける中、県民の大切な財産が犯罪組織に直接奪われてしまう、これが特殊詐欺であります。この現状を変える必要があります。そこでお伺いしますが、予算が足らない現状を打破するために十分な予算を獲得し、より強力に特殊詐欺電話撃退装置の設置を推進していくべきと考えますが、本部長の所感をお伺いいたします。 次に、これまでは不審な動きをする高齢者の皆様へのコンビニ店員の皆さんや銀行員の皆様のお声がけで、未然に被害を防ぐこともできました。高齢者でなくとも、電話をしながらATMを操作しているような方に対する根本的な対策があれば、お伺いします。やはり被害に遭ってしまってから金銭を取り返すということは大変難しいというふうに伺っております。未然にどう防いでいくのか、そのことにどのような広報が必要であるのか、高齢者の方向けだけでないその方法が必要であると考えますし、現在のように多くの犯罪が起こると、限りある警察官の人員の中で捜査に手が回りづらくなることも想像に難くありません。 次に、サイバー関連について伺います。 つい先日、外務省のシステムに中国がサイバー攻撃を行い、公電を含む大規模な情報が漏えいしていたとの大々的な報道がありました。二〇二〇年にアメリカ政府から警告があり、公文書の中でも特に秘匿性が重要な公電のシステムが破られたことに、衝撃が広まっています。外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁内閣情報調査室の五機関は、システムを点検し、脆弱性のあるプログラムを改善するとしています。また、令和四年十月には、警察庁において、北朝鮮の下部組織とされるラザルスと呼称されるサイバー攻撃グループによる、暗号資産関連事業者等を標的としたサイバー攻撃についての注意喚起がなされております。ラザルスが暗号資産関連企業及び取引所を標的として、標的企業の幹部を装ったフィッシングメールを従業員に送ったり、虚偽のアカウントを用い、SNSで取引を装い標的企業の従業員に接近するなどしてマルウェアをダウンロードさせ、それを足がかりにネットワークにアクセスするソーシャルエンジニアリングを手口とすることが確認されているとしています。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に提出された年次報告書によれば、二〇一七年から二〇二三年に、計約四千四百億円相当の被害が出た暗号資産関連企業に対する五十八件のサイバー攻撃に、北朝鮮が関与した疑いがあるということ。更に、その資金が核開発に充てられているというふうに分析されております。このような社会情勢を鑑みるに、世界共通にこの対策が急がれております。この部分をよく考えたとき、内閣サイバーセキュリティセンターによれば、重要インフラが十四種類指定されております。情報通信、金融、航空、空港、鉄道、電気、ガス、政府・行政サービス、医療、水道、物流、化学、クレジット、石油が該当します。このことを我が県に当てはめたとき、もちろん直接にこのサイバー犯罪と対峙していくのは警察でありますが、さきに挙げた重要インフラの中で、水道は県の所管でもあります。どのように警察と連携をしながら、サイバー犯罪の恐怖から県民生活を守っていくのかをお伺いいたします。 次に、昨年条例改正を行いました、犯罪被害者支援条例についてお伺いします。 我が県では二〇〇三年に、全国初でこの犯罪被害者支援条例を制定していました。しかし、二十年がたち時代に合わなくなってきたこと、また、二次被害を防ぐために転居、転職、経済的支援を中長期的に目指すため、伴走型での支援を可能とするために、中山座長を中心に、私もメンバーとして、立ち上げからこの改正に取り組ませていただきました。この議場に戻ってくることができるか分かりませんでしたので、選挙の直前、十月議会で改正できたこと、安堵したことを今も覚えております。所管は、それにより知事部局に移ったわけです。今後も警察と力を合わせ対応に当たっていただきたいというふうに思います。警察庁によって昨年八月から開催してきた有識者会議において、今月の五日、犯罪被害者等給付金の支給額を大幅に引上げするという骨子案が示されました。支給額を最低一千万円まで引き上げるとのことです。犯罪をなくすということが私の議員としての目標でありますが、そのことと同じく大切な、被害者、そして被害遺族に優しい国・地域への第一歩であります。そこで伺います。我が県において昨年、犯罪被害者支援条例が改正され、見舞金を含め、どのように傷ついた被害者を守り、伴走型に支援を行っていくのかをお答えください。 大綱三、我が県の農業について。 二〇二五年二月に更新を迎える池袋のアンテナショップの不動産賃貸借契約を更新しないという方針を、県は打ち出しました。開店から十八年、私も当選直後に視察に行かせていただいたことを思い出しますが、延べ千二百六十万人の集客や延べ八十億円の売上げを上げた、まさに首都圏にいながらにして宮城県の物産を手に取っていただくための中核をこれまでなしてきたということは、疑いようもありません。その閉店理由は、消費行動の変化に対応した新しい県産品のPRに移行することや、入居ビルの賃料が高額であることとの説明でありました。この報道を受けて、仙台出身のお笑いコンビ、サンドウィッチマンの二人が存続を訴えるなど、大きな話題となりました。この閉店の反響の大きさに、これまでアンテナショップを運営してきた宮城県物産振興協会は、都内の別の場所で存続できないか検討しているということでありました。この結論を出す前に開催された首都圏アンテナショップ在り方検討懇話会の資料に目を通すと、今後想定される施策の事業費や効果見込みがありました。OMO方式の物産展、ショップインショップ型、スーパーやセレクトショップにおける首都圏テストマーケティング、ECモール内の特設ページ、公民連携型アンテナショップ等々。そこで伺いますが、この中核をなしてきたアンテナショップを閉店することに、さきに述べたように、生産者の皆様をはじめ芸能界などからも不安の声が上がっていることは事実であります。ネットで売れるから店舗は要らない、そういっても、知名度がある、例えば牛タンや萩の月のようなものしか売れなくなるんじゃないか、そういう不安の声が、生産者の皆様から私のもとにも届いております。そこでお伺いします。アンテナショップを閉じても、県産品の首都圏や全国における販路をどのように担保し拡大を図っていくのか、具体的にお答えください。 私自身、農家の皆様と意見交換をしたときに必ずお伺いするのは、担い手の問題です。現状自分が食っていけないのに、子供たちに農家を継いでほしいなんて言えるわけがない、そのような声を頂きます。コロナ禍により世界規模での流通が止まったとき、そしてロシアによるウクライナ侵攻により流通や物価高騰に大きな影響が及び、我々は本気で、日本の食料自給率の低さや、米以外の食品が輸入に依存する危険な現状への危機感を高めてまいりました。そこで、我が県においての担い手対策は、今後どのように推進していくのかをお伺いします。 最後に、我が県の農業を守る取組として、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画において、園芸産出額を令和十二年には六百二十億円という目標を立てて取り組んでおります。過日地元紙にも報道があったように、例えばポテトチップスの原料となるジャガイモの生産量は二〇〇二年の一ヘクタールから、二〇二三年には約九十倍の九十二・七ヘクタールになっているということであります。主には東松島市、登米市、美里町で栽培され、ポテトチップスに加工されています。その推進が進んだ背景は、産地の収穫時期を分散させたい企業の思惑と、稲作からの転作を推進したい県との方向性が一致したということもいい材料になったのだと思いますが、収穫時期は、北海道が八月下旬から十月の下旬、関東は六月上旬から八月上旬、九州が五月上旬から七月下旬となっており、それに対し、宮城県は七月中旬から八月の中旬ということで収穫のピークを迎えることから、ちょうど空白の期間を埋めることができます。実際に、十アール当たりの所得は水稲が一万千円に対し、ジャガイモは四万九千円で、その収益性は格段に高いと言えますので、すばらしい取組であると思いますが、この園芸への転換にせよ、担い手の確保にせよ、これから我が県の取り組むべき農業を守り発展させるための政策としては、販路の確保であると思います。これまでとは違い、この部分まで含め責任を持ち県として進めるべきでありますが、この部分について今後どのように取り組むのかをお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 遠藤隼人議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、病院再編の課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、仙台市からの協議要請を課題解決に生かすべきとのお尋ねにお答えいたします。 今月九日、仙台市長から病院再編に係る協議を要請されたところであり、救急医療や周産期医療など、
仙台医療圏における政策医療に関する影響や、現在の病院周辺地域への影響などについて、今後協議してまいります。協議の中では、新病院の規模や機能などの検討状況を踏まえ、病院再編の効果について改めて分析を行うとともに、増加する救急搬送への対応及び医療機関の役割分担や後方病院との連携強化など、病院再編だけでは解決できない救急医療の課題等も併せて協議を行うほか、これを契機として、将来を見据えた持続可能な医療提供体制の確保に向けて、仙台市と協力して取り組んでまいります。県といたしましては、これまでも病院再編に係る情報や仙台市からの懸念については随時お答えしてきたところでありますが、今回、協議項目を仙台市から提示いただいたことで、より一層理解を深めていただけるものと期待しております。市の担当部局としっかり協議するよう、部長に指示をしたところでございます。 次に、にも
包括推進事業の大幅増額についての御質問にお答えいたします。 精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、いわゆるにも包括は、日常生活圏域を基本に市町村を中心として取組を進めるとともに、個別支援の積み重ねに伴い明らかになる地域課題について、保健・医療・福祉関係者等による協議の場で議論し、解決する継続的な取組が必要であります。来年度当初予算で拡充する事業では、県レベルで課題となってきたにも包括への理解を広げるための普及啓発や、ピアサポート活動への支援、入院者訪問支援を新たに実施するとともに、仙台・仙南圏域の保健福祉事務所にコーディネーターを配置するなど、市町村を支援する体制を強化いたします。更に、五年程度の期間をかけて、人材育成や、精神障害にも対応するグループホーム、デイケア、訪問看護等の基盤整備など、地域課題解決に向けた取組を集中的に実施し、県内全域におけるにも包括の取組を進め、精神保健福祉の充実を図ってまいります。 次に、大綱二点目、県民を守る警察行政についての御質問のうち、犯罪被害者等への支援についてのお尋ねにお答えいたします。 精神的にも経済的にも苦しい立場に置かれている犯罪被害者及びその御家族が、平穏な生活を取り戻せるよう支援をしていくことは大変重要であり、昨年の九月県議会で議員提案により改正された犯罪被害者等支援条例を踏まえて、支援策を推進してまいります。県では、これまでも犯罪被害者等の相談窓口の設置や、性暴力被害相談支援センター宮城を通じてワンストップでの相談支援を行うなど、被害に遭われた方々へ寄り添った支援を行ってきたところでありますが、今年四月から、被害者一人当たり遺族見舞金三十万円、重傷病見舞金十万円を支給する犯罪被害者等見舞金制度を創設します。また、性暴力被害者等へのカウンセリング提供回数の上限を撤廃するとともに、医師、看護師、公認心理師等への研修会を新たに開催し、理解や情報共有を図るなど、犯罪被害者等に一層寄り添った支援を行ってまいります。 次に、大綱三点目、我が県の農業についての御質問のうち、アンテナショップ閉店後の首都圏等への販路拡大策についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年一月から十月にかけて開催した首都圏アンテナショップ在り方検討懇話会では、今後の物産振興施策について、食品を販売する際の対面でのコミュニケーションの重要性や、人口減少下における新規顧客開拓の必要性、急速な社会環境の変化に柔軟に対応できる施策展開の必要性などの御意見を頂きました。県では、このような御意見を踏まえ、今後、より多くの消費者の目に触れる機会を創出し、リアルとデジタル双方の手法を生かすことで、県産品の販路拡大、新規顧客獲得を支援することを考えております。具体的には、大都市圏における試食を通じてECサイトへ誘導する取組のほか、小売店の一部を借りた県産品の常設販売やテストマーケティング等の事業を想定しておりますが、今後、懇話会において御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君)
公営企業管理者佐藤達也君。 〔
公営企業管理者 佐藤達也君登壇〕
◎
公営企業管理者(佐藤達也君) 大綱二点目、県民を守る警察行政についての御質問のうち、水道へのサイバー攻撃についてのお尋ねにお答えいたします。 水道は、その機能が停止、低下または利用不可能な状態に陥った場合に、国民生活や社会経済活動に多大なる影響を及ぼす恐れが生じる重要インフラに特定されています。水道施設がサイバー攻撃を受けた事例としては、インターネット回線を介したリモートアクセスによって、令和元年に長野県内の市町村で水道関連データが改ざんされたものや、令和三年にアメリカフロリダ州で不正な遠隔操作が行われたもののほか、年間数件の事案が国に報告されております。企業局における水道用水供給のための
監視制御システムについては、インターネット回線から分離した単独のシステム構築、システムの認証機能の確保、安置ウイルスソフトの導入及び入退室が制限できる場所への制御装置の設置など、国から示されたサイバーセキュリティ対策に沿った、必要な措置を講じているところです。県では、警察や重要インフラ事業者等で構成する宮城県サイバーセキュリティ協議会において情報共有を図っておりますが、引き続き警察と連携しながら、対策を強化してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点目、病院再編の課題についての御質問のうち、救急医療の厳しい現状と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 令和四年の県内の救急搬送件数は、平成二十二年に比べ、高齢者を中心に約二万三千件、約三割増加し、約十万五千件となっており、また、搬送時間が全国的にも顕著に長い上に、仙台周辺地域で特に長いことが大きな課題であります。救急医療資源に限りがある中で、このように厳しい現状にあることに加え、今後は、高齢化の進展や医師の働き方改革を踏まえた対応も必要になるものと認識しております。県救急医療協議会等においては、救急科専門医などの人材の充実、かかりつけ医や救急電話相談の普及啓発による医療機関の負担軽減や、円滑な救急受入れ体制の構築などが、
救急医療体制充実に向けた課題として指摘されておりますが、これと併せて、病院再編により県全体のバランスの取れた救急受入れ機関の配置と能力の向上を実現することが、課題解決に必要と考えております。 次に、救急医療に関する病院再編の効果についての御質問にお答えいたします。 令和四年における
仙台医療圏の救急搬送約七万一千件のうち、おおむね二百件以上の救急搬送を受け入れる主要病院への搬送約六万七千件を分析すると、名取市消防本部では七割超の約二千五百件を、黒川地域消防本部では八割超の約二千件を仙台市内の医療機関に搬送しており、新たな拠点病院が富谷市、名取市に整備されることで、これらの搬送時間の短縮とともに、仙台市内での救急受入れ負担の緩和につながるものと考えております。なお、病院移転後においても仙台市内の医療機関に搬送されるとの懸念の声がありますが、救急搬送の約九割は中等症以下の患者であり、新病院において各診療科の常勤医確保や後方病院との連携などにより受入れ体制を強化し、断らない二次救急を実現することで、確実な重症患者の受入れのほか、相当数の中等症以下の患者の受入れも可能となり、結果として、仙台市内の救急医療機関の負担軽減につながるものと考えております。 次に、断らない救急の具体的体制や具体化についての御質問にお答えいたします。
県立がんセンターと
仙台赤十字病院の統合に向けた基本合意書に掲げた断らない二次救急とは、救急の受入れ要請に対して二十四時間三百六十五日対応するため、各診療科の常勤医確保や病院内での救急医療に対する意識醸成など、院内体制の整備を進めるとともに、地域において課題となっている各医療機関との役割分担や後方病院との連携強化により、円滑な救急受入れ体制の構築を目指すものであります。そのため、二病院の統合を行うことで、総合病院としての救急対応能力の向上を図るとともに、適切な立地による受入れや医療連携の円滑化、更には、救急医療を支える医療従事者に魅力のある病院の実現を目指すものであります。現在、新病院の診療科の規模や機能などの検討を行っているところであり、県といたしましても、断らない二次救急の実現に向けて、関係機関と連携し、具体的な体制や取組の検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、
ウオークインの受皿がなくなるとの懸念に対する考えについての御質問にお答えいたします。 再編の対象となっている東北労災病院と
仙台赤十字病院については、救急車を利用せずに自ら救急外来を直接受診する、いわゆる
ウオークイン患者の受診先がなくなるとの懸念の声を地域説明会で頂きました。
ウオークインについては、その対応に負担を感じる医療機関が多い一方で、仙台市で実施する病院群当番制事業では、
ウオークイン受診から入院に至る割合は約一割と、その多くが軽症患者であるという実態です。県といたしましては、救急医療資源の適正利用と軽症患者の不安解消につながるよう、住民に身近なかかりつけ医の普及啓発のほか、おとな救急電話相談及びこども夜間安心コールの普及啓発や充実について、仙台市と連携して推進しております。また、仙台市では、初期救急体制として、歯科一施設を含め市内四か所の急患センター等により、時間外や休日の診療ニーズにも対応しているところであります。 次に、救急出動件数の増加や多数の
搬送困難事案発生を受けた、移転への不安の声に対する認識についての御質問にお答えいたします。 令和四年における仙台消防局の救急搬送件数の約六割、約二万八千件が高齢者であり、他方で、約四割の一万八千件は軽症患者となっております。県といたしましては、増加する高齢の軽症患者の方々が必要以上に救急医療機関の負担となることのないよう、住民に身近なかかりつけ医の普及啓発のほか、おとな救急電話相談の普及啓発や充実、医療と介護福祉分野が連携した地域包括ケアシステムの体制構築が喫緊の課題であり、仙台市と協力して推進してまいります。また、
搬送困難事案については、九割以上を中等症及び軽症が占める状況にあり、その内訳は、症状等が不明確な事案や高齢者で複数の疾患を抱える事案の割合が高くなっております。これらについても、再編による新病院が受入れ体制を強化し、断らない二次救急を実現することで、
搬送困難事案にもより確実に対応できるものと考えております。なお、搬送時間や
搬送困難事案の増加への対応については、医療機関の役割分担や後方病院との連携強化が重要であると関係者や専門家からも指摘されており、病院再編と併せて、円滑な転院等の病院間の連携体制の構築を仙台市とともに目指してまいりたいと考えております。 次に、応需率低下への受け止めと対策についての御質問にお答えいたします。 応需率の低下については、新型コロナウイルス感染症の影響による医療現場の逼迫も背景にあったと認識しておりますが、医療機関で受入れを断る理由として、主訴・主傷病に対応できる専門医師の不在のほか、患者対応中の場合や空床がないことなどが多い状況です。仙台市医療施策基本方針中間案の中で整理されている現状及び課題については、これまで県救急医療協議会等における関係者の意見と共通する課題と受け止めております。県といたしましては、救急科専門医及び総合診療医の養成・配置により専門医師の不在を解消するほか、後方病院との連携強化や、地域包括ケアシステムとの連携による円滑な救急受入れ体制の構築により空床を確保し、今年六月からの診療報酬改定を踏まえ、高齢の救急患者に対応する機能を備えた病床の充実を図るなど、応需率の改善に努めてまいります。 次に、県と仙台市の果たすべき役割と連携の在り方についての御質問にお答えいたします。
救急医療体制の充実に当たり、県は、医療圏単位の広域調整をはじめ、医療機関の役割分担の明確化、機能転換を通じた回復期病院の質と量の充実や、救急科専門医及び総合診療医の養成・配置等に取り組み、仙台市は休日・夜間急患センター等の初期
救急医療体制の整備、病院群当番制事業の実施や地域包括ケアの推進等に取り組むものと認識しております。県と仙台市の連携に当たっては、それぞれが
救急医療体制に係る認識や課題を共有し、役割に応じて施策を実施していくことが重要と認識しており、今回の仙台市からの協議要請を受けて、市としっかり協議を行い、具体策を打ち出してまいります。 次に、医療需要等に対する県の認識についての御質問にお答えいたします。
仙台医療圏における病床の総数は、
地域医療構想において示されている二〇二五年の必要量約一万三千床をほぼ満たす状況となっております。一方、機能別の状況では、急性期から回復期へ、更には、地域の生活に移行する過程において、患者の流れについて目詰まり感の指摘が急性期の病院を中心に寄せられております。県といたしましては、地域完結型の医療を目指す観点から、急性期から在宅までの切れ目のない医療提供体制の実現に向けて、必要な機能別病床数の確保に引き続き取り組んでまいります。 次に、救急患者の転院先の病床に空きがないことへの受け止めと対策についての御質問にお答えいたします。 急性期の病院で治療を受けた救急患者の回復期病院への転院が滞る要因としては、回復期側の診療体制や、転院後に患者の容体が急変した際の急性期の病院側の支援が不足していることにあると認識しております。県といたしましては、既に大崎地域などで進められている転院の円滑化に向けた取組を参考にしながら、退院調整機能の強化や後方支援を担う病院への支援の見直しを検討するなど、二次救急医療機関の受入れ体制充実に向けた取組を仙台市と協力して進めてまいります。なお、国では、今年六月からの診療報酬改定において、新たに高齢の救急患者の受皿となる病棟の評価や、連携する病院への転院搬送に対する評価がなされる予定であり、県といたしましても、病院の機能転換を通じ、回復期病院の質と量の充実につながるよう、支援に取り組んでまいります。 次に、高齢化に伴う医療需要についての御質問にお答えいたします。
仙台医療圏における医療機能の分析結果では、高齢化に伴い、急性期病床の需要は先行して減少に転じる一方、回復期病床の需要は増加する見込みです。このため、医療体制の整備に当たっては、二〇二六年からの
次期地域医療構想における必要病床数の議論の推移を注視するとともに、今後、必要性を増す回復期機能を確保するため、稼働率の向上など、既存病床を効率的・効果的に活用する取組が重要であると考えております。加えて、公立・公的病院においては、公立病院経営強化プラン等を通じ、病院の今後の役割について、
地域医療構想調整会議で了解を得たところであり、今後、
仙台医療圏の病床の八割を占める民間医療機関の役割や機能の明確化が課題となっております。県といたしましては、将来の医療需要を踏まえ、その地域におけるバランスの取れた医療機能の分化と連携を推進してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 農政部長橋本和博君。 〔農政部長 橋本和博君登壇〕
◎農政部長(橋本和博君) 大綱三点目、我が県の農業についての御質問のうち、担い手対策についてのお尋ねにお答えいたします。 農業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、我が県の農業の持続的な発展を図っていくためには、新規就農者を確保・育成していくとともに、農業経営の安定化・高度化を進めていくことが重要であると認識しております。このため県では、新規就農者の確保・育成に向けて、農業大学校での次世代の人材育成に加え、関係機関と連携し、定期的な就農相談会の開催や就農に向けた研修資金等の交付、就農後の経営発展に必要な機械・施設の導入等の取組を支援しております。また、農業経営の安定化・高度化に向けては、アグリテックを活用した生産性の向上や省力化を進めるとともに、専門家も活用しながら経営の法人化や円滑な事業継承など、農業経営の基盤強化に取り組んでおります。更には、規模の大小にかかわらず、意欲ある経営体の生産体制の整備を図るなど、地域農業を支える多様な人材の活躍を支援しているところです。食料安全保障の観点からも、農業生産の増大と地域農業の維持・発展を図ることが重要であることから、県といたしましては、今後とも、市町村や関係機関と連携しながら、もうける農業への取組を進めるとともに、次世代を担う人材の確保・育成に努めてまいります。 次に、販路確保の取組についての御質問にお答えいたします。 我が県の農業を守り発展させていくためには、実需者ニーズを捉えた販路を確保した上で、園芸産地を拡大していくことが重要であると認識しております。そのため県では、実需者ニーズに応じて生産、加工、販売に関わる事業者が連携しながら、生産の効率化や付加価値の向上、収益の確保などのメリットを生み出すサプライチェーンの構築を支援してまいりました。その結果、ポテトチップスに利用するバレイショのほか、海外需要と結びついたサツマイモ、正月飾りに使われる枝もの用クロマツ、ずんだや総菜に用いる枝豆などのサプライチェーンが構築され、産地形成が図られているところです。県といたしましては、今後も様々な実需者と意見交換の場を設けながら、販路を確保することで、新しい品目の産地づくりを進めてまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 警察本部長原幸太郎君。 〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕
◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱二点目、県民を守る警察行政についての御質問のうち、広域捜査や一般住民に被害を出さないための配慮や苦労などについてのお尋ねにお答えします。 今月一日、長野県警察等と協力して逮捕した指定暴力団幹部の男につきましては、警察庁が指定する、拳銃を使用した殺人未遂事件の重要指名手配被疑者であり、全国警察が最重要事項の一つとして、その行方を追っていた者です。検挙活動の際、拳銃を使用し反撃してくる可能性の高い凶悪事件被疑者であり、県民の皆様に重大な危害を及ぼしかねない状況にありました。付近住民を安全な場所へ避難誘導させながら、多数の警察官を投入し、深夜に及ぶ、組織の総力を挙げた捜査活動により、被疑者を含め一人のけが人を出すこともなく、検挙に至ることができました。県警察といたしましては、今後とも我が県の治安維持を全うできるように向き合いたいと考えております。 次に、特殊詐欺電話撃退装置設置推進についての御質問にお答えいたします。 特殊詐欺電話撃退装置等購入費補助金交付事業は、悪質で卑劣な犯罪である特殊詐欺の被害防止対策に極めて有効であると認識しています。これまで同装置を設置して被害に遭ったケースはほとんどなく、設置した方々からは不審電話が減って安心したなどとの声を頂いていることから、創設当初から拡充を続け、来年度については、当初予算より年度内に確実に補助金を交付できる九百件に拡充することとしています。なお、本事業については、今後の申請状況、被害手口、被害対象の推移などを考慮の上、更なる拡充について検討してまいります。また、これまで県警察の働きかけにより、八自治体が補助金交付事業を実施していますが、同種事業の創設を前向きに検討している自治体があり、引き続き、働きかけを強化するなど、効果的な被害防止対策に取り組んでまいります。 次に、
特殊詐欺被害を未然に防ぐための、高齢者以外にも有効な根本的な対策についての御質問にお答えいたします。 特殊詐欺の被害防止を図る上で、犯人側への被害金の振込を防ぐ対策は重要であり、利用者にATMで電話させないようにすることが特に有効であると認識しています。県警察では来年度、ATMで電話している人に反応して電話をやめるよう注意を促す機能を持つ機材及び音波によりATM付近での通話を妨害する機能を持つ機材を金融機関に貸与し、これらを設置することにより、電話をさせない環境づくりを促進する取組を行うこととしています。また、対策の基本となる広報活動に関しては、関係機関等と連携し、幅広く県民の皆様に強く訴えかけるよう努めております。県警察といたしましては、機材の普及を図りつつ、より効果的な対策に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 三十六番遠藤隼人君。
◆三十六番(遠藤隼人君) ありがとうございました。では再質問させていただきます。 まず、病院再編についての諸課題についてでありますが、二年三か月という期間が過ぎました。県においてこの政策を打ち出してからであります。その中において、この基本合意がなされ、そして断らない救急という言葉もあります。これまで二年三か月の間の変遷があり、いろいろな御意見、知事に対して、強引ではないのかとか、そういった意見も知事のところに直接届いているというふうに思いますが、その辺りは重く受け止めていただきながら、今、基本合意がなされたわけですから、やるべきことというのは、基本的に、この断らない救急であったり、この施策によりどのような効果が見込まれる、そういった具体的な事例というか施策を発信していくことが、次の段階として必要なのだというふうに思います。そういった観点において、壇上でいろいろお伺いをさせていただきました。より具体的に、こういったこと、県民、市民の皆様に提示していく。そして仙台市との連携、このことに関しては、やはり仙台市選出の県議会議員としても、ここの部分はぜひお願いさせていただかないと、どうしようもないなというふうに思っております。その中で、今朝の地元紙の報道にもありましたけれど、事務レベルの協議があしたから始まるということでありました。二年三か月経て、まあ第一歩なのかなというふうに思います。そこの部分について、知事の御所見というか、思いですね、お伺いできればと思います。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 基本合意になりましたので、日赤さんとがんセンターについては、かなり具体的にこれから話を詰めていくことになります。今までは日赤のほうから許可が出ない限り一切情報は出せなかったのですけれども、今後は住民説明会なども積極的に日赤のほうから説明に行くというようなお話も頂いております。今後、病床数は四百床というのは大体大きく出したのですけれども、具体的な診療科目であったり、スタッフの人数とか、そういったようなものが今後出てまいりますので、より詳細に詰めていけるというふうに思います。その都度、今まで仙台市さんがいろいろ疑問があって、こちらも答えていたのですけれど、なかなか議論がかみ合わなかったのですが、同じテーブルに着いて協議しようということを仙台市さんのほうから申入れしていただきましたので、明日から担当者同士で具体的に詰めていって、そしてそのうち副知事・副市長、知事・市長といったような形でだんだん上げていって、話を詰めていければなというふうに思っております。私からも郡市長には、ありがとうございますということをこの間申し上げた次第でございます。
○議長(高橋伸二君) 三十六番遠藤隼人君。
◆三十六番(遠藤隼人君) ぜひよろしくお願いします。 すいません、時間がないので、警察関係ですが、犯罪被害者支援条例改正に伴って見舞金の創設ということで、本当にありがとうございます。三十万円、十万円ということで、これも大きな一歩であるなと。昨年条例改正させていただいて本当によかったなというふうに思います。超党派でさせていただきましたが、心から感謝申し上げます。また、特殊詐欺、これが大変増えている中、一時接触が固定電話である部分に関しては、半分ぐらいに減らせているということです。大きな実績が上がっている事業ですので、九百件と言わずもっと増やしていただきますように、県民の安全を守り財産を守るために、よろしくお願いいたします。 以上です。ありがとうございました。
○議長(高橋伸二君) 十二番荒川洋平君。 〔十二番 荒川洋平君登壇〕
◆十二番(荒川洋平君) みやぎ県民の声の荒川洋平でございます。ただいま議長からお許しを頂きましたので、以下、大綱三点につきまして一般質問をさせていただきます。 質問に先立ちまして、令和六年一月一日に発生いたしました
能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして、被害のあった現地へ応急対策職員として派遣されている本県職員、並びに被災地の復興支援のために尽力されている全ての方々に深く敬意を表します。 大綱一点目は、児童虐待の現状と諸課題についてです。 日本の令和四年の合計特殊出生率は一・二六と過去最低であり、一九四九年二百七十万人であった生まれた子供の数は、二〇二二年八十万人を割り込みました。二〇六〇年には五十万人を割り込むと予想されております。こうした急速な少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会システムを維持することは難しい現状から、国はこども・子育て政策に取り組むとしています。では、生まれてきた子供たちは健やかに成長していける環境が整っているかというと、様々なデータ・数字からは、今後生まれてくる子供たちへの心配は絶えません。全国の小中高生の自殺者数は、近年増加傾向が続き、令和四年では五百十四人と、令和二年の四百九十九人を超え、過去最多となっております。自殺の原因・動機は、健康問題、家庭問題が多く、学校問題を大きく上回っております。そして、今回私が取り上げます児童虐待の現状はというと、令和四年度中に全国二百三十二か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は二十一万九千百七十件で、過去最多でありました。初めて十万件を超えたのが平成二十七年度であることから、すさまじい勢いで児童虐待相談件数が増加していることが見てとれます。子供たちへの虐待は、私たちの身近な問題と考えなければなりません。虐待相談件数が増え続ける要因は様々ですが、貧困・孤立が大きいとされております。経済的な格差が拡大し、貧困が広がっていること、そして地域の希薄化が進んでいることは、子供たちへの虐待発生に大きな影響を及ぼしています。つまり、個人の問題だけでなく、社会的な問題も大きく関わっていると言えます。もう一つの要因は、関係機関の児童虐待防止に対する意識や感度が高まり、関係機関からの通告が増えているということです。特に、警察からの通告が増加傾向となっております。虐待相談の内容別件数では、心理的虐待が五九・一%、次いで身体的虐待が二三・六%、以下、ネグレクト、性的虐待と続きます。近年、心理的虐待が増加傾向で、ネグレクトが減少傾向となっております。令和三年四月一日から令和四年三月三十一日までの間に発生または表面化した児童虐待による死亡事例は六十八例、七十四人でありました。本県の現状はというと、中央・北部・東部児童相談所及び気仙沼支所が児童虐待相談として対応した件数は、令和二年度が千四百三十一件、令和三年度が千七百六十四件、令和四年度は二千六十五件で、全国と同じく、令和四年度は過去最多となりました。まずは、このような現状をどのように受け止めて分析しているか、知事の所見を伺います。 このように深刻化する問題に対して、国では、児童福祉法の改正、総合対策、強化プランなど、近年、目まぐるしく対応がされてきました。それに伴い、都道府県や市町村が現場で対応の強化や充実、職員の増員、よりきめ細やかな支援など、制度の変更に対応してきたところかと理解しております。そこで、近年の児童相談所をはじめとした体制の強化にどのように努めてきたのか、そして今後も増加していくと見られる児童虐待の対策に、県としてこれからどのように取り組まれるのか伺います。 児童虐待防止や早期発見は、市町村または児童相談所が主体となって、地域や学校、児童センターなど、各関係機関が一丸となって取り組まなければならないと考えます。市町村には現在、母子保健法に基づき、妊産婦や乳幼児の保護者の相談を受ける子育て世代包括支援センターと、児童福祉法に基づき、虐待や貧困などの問題を抱えた家庭に対する子ども家庭総合支援拠点が併存しています。国は、令和四年六月成立した児童福祉法等の一部を改正する法律で、二つに分かれている支援機関を一本化し、こども家庭センターとして市町村に設置する努力義務を課しました。所管はこども家庭庁です。子ども家庭総合支援拠点の設置が約五割の自治体にとどまっていたことを考えれば、児童虐待の対応が市町村にて強化されていくのではないかと期待していますし、児童相談所としても連携や支援がしやすくなると考えます。しかし、こども家庭センターの設置は努力義務であり、子ども家庭総合支援拠点のように設置が進まなければ、絵に描いた餅となるのは明白です。形にこだわるわけではありませんが、利用者である妊産婦、子供、保護者のことを考えれば、一本化して分かりやすくなる行政組織とすべきです。そこで、こども家庭センターを設置している県内市町村の数と、未設置の市町村へのこども家庭センターの設置を後押しする支援、設置を促す取組が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 次は、圏域と一時保護所についてです。 昭和二十三年、宮城県中央児童相談所が北一番丁に開設いたしました。同年、石巻児童相談所、塩釜児童相談所が開設。それぞれ担当地域を設けて、相談や保護の業務を行っていました。昭和三十年、石巻・塩釜児童相談所を廃止、中央児童相談所に統合。平成元年、古川児童相談所を開設。この年、政令指定都市に昇格した仙台市も、児童相談所を開設しております。平成十三年、児童相談所が地域子どもセンターと改称。石巻に中央地域子どもセンター石巻支所を設置。平成十五年には石巻地域子どもセンターとして独立しております。平成十八年、石巻地域子どもセンターに気仙沼支所を設置。古川地域子どもセンターは大崎地域子どもセンターに改称されております。平成二十年、今度は地域子どもセンターを児童相談所と改称、大崎を北部、石巻を東部と改称しました。ここで今の形である中央・北部・東部という形ができました。平成二十五年、現在の名取市へと中央児童相談所が移転しております。令和六年度からは黒川支所が設置される予定であり、三児相二支所体制となる予定でございます。この間、一時保護所は一か所。現在も定員三十人で、中央児童相談所管内に一か所でございます。本県で一時保護した人数が、令和二年度二百十二人、令和三年度三百二十三人、令和四年度三百五十八人。そのうち、一時保護所以外の児童施設などに委託した人数は、令和二年度七十八人、令和三年度百十人、令和四年度百六十四人でありました。相談とともに増加している一時保護件数と、それとともに増加の一途をたどっている委託人数について、当局の所見を伺うとともに、移送や面接で長距離・長時間の移動を強いられる職員の負担、何よりも委託先を探している際の長時間の引き止め、場合によっては施設間を移動することになる環境の変化、そして県北・東部から中央児童相談所管内の一時保護所へ移動しなければならない保護児童の心情を察しても、各圏域への一時保護所設置の検討が必要ではないかと感じています。知事の所見を伺います。 最後に、司法審査を盛り込んだ改正児童福祉法が二〇二二年に成立し、二〇二五年六月に始まります。司法審査は、保護者が一時保護に反対するなどした場合、児童相談所が裁判所に一時保護状を請求し、保護すべきかを裁判所が審査する仕組みです。請求は事前か保護開始から七日以内に行い、裁判所が認めるか却下するかを決めるということです。専門家ではないので、この司法審査が現場の負担軽減とトラブル回避にどの程度効果があるかは分かりませんが、今後導入されることは間違いありません。そこで、本県での一時保護をめぐってトラブルになったケースはあるのか、そして、県として運用開始までどのように準備を進めていくのか伺います。 質問通告をした翌日の二月十六日、青森県八戸市で、五歳の長女に浴槽で水を浴びせて放置し、低体温症で死亡させた事件が起きました。その二日後、二月十八日、東京都で四歳の次女に抗精神病薬などを摂取させて殺害した事件があり、幼い貴い命が実の親によって奪われました。怒りや憤り、様々な感情が湧いてきますが、このようなことが今後起きないということを願うとともに、私自身も政治に携わる者として、児童虐待件数が減少するような社会の実現を目指してまいります。児童相談所の現場の職員の皆様は、日夜大変な職務に当たられていることと思いますが、重大事案を未然に防ぐこと、そして早期発見に、引き続きの御尽力をお願いいたします。 大綱二、復興事業のフォローアップと伝承についてであります。 来月三月十一日で、
東日本大震災から十三年が経過いたします。改めまして、復興へ携わった本県職員の皆様に心より感謝を申し上げます。現在、本県は新・宮城の将来ビジョンの中の基本方針として「被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポート」を掲げ、被災した各地の課題に取り組んでいます。私が今回一般質問をさせていただくのは、その中の取組分野四「復興事業のフォローアップと成果・教訓の伝承」に当てはまるかと思います。現在私が住みます名取市閖上地区は、多重防御と地盤のかさ上げをして、現地に安全なまちを再建いたしました。土地区画整理事業と防災集団移転事業を併用して行われましたが、県の審議会では大変お世話になりました。その閖上地区で昨年十月、閖上港線と第二次防潮堤である南北線の交差点に、信号機が設置されました。そこは県道塩釜亘理線の迂回路として使用されることがあり、以前から交通事故が多く、町内会から複数回、信号設置の要望が提出されていました。設置されて以降は事故もなく、住民の皆様も安心されております。石巻市では昨年十一月、横断歩道を渡っていた七歳の女の子が軽トラックにはねられ、一時意識不明となりました。事故が起きた交差点は交通量が多く、石巻市が警察に信号機の設置を求めていました。この道路は、復興事業により昨年三月に全線開通した道路でありました。この交差点にも先日、信号機が設置されました。震災から復興を果たした沿岸部のまちやその近隣には、多くの新しい県道や市道が整備されております。そのことにより交通の流れが変化しているケース、見通しがよく、思わずスピードを出してしまうようなケースなどが見受けられます。市や町、そして警察も想定していたものと誤差が生じているところもあるように感じます。復興事業により新たに整備され、交通量が思いがけず多くなり、結果、危険な交差点となっているような事例があることから、その調査、場合によっては信号機設置などの対応が必要であると感じますが、県警本部の所見を伺います。 昨年、私のメールアドレスに、一通のメールが届きました。宮城県図書館震災文庫整備班からのもので、
東日本大震災に関する記憶を風化させず後世の防災・減災に生かすために、震災関連資料記録を収集したり公開したりする業務を行っており、その一環として、
東日本大震災アーカイブ宮城を運営している旨の説明がございました。そこで、私がブログに上げている、災害公営住宅や学校の解体・建設など、町なかの被災・復興過程が分かる写真を、アーカイブに掲載するために提供してほしいという内容でございました。震災から間もなく十三年がたとうという中、このように震災の伝承のために職務に当たっている方がいることに感激いたしました。本県の
東日本大震災の記憶・教訓の伝承については、基本方針に基づいて積極的に事業展開し、市民活動団体や町内会などと連携・協働で進めているものと大変評価いたします。一方で、こんな記事を読みました。東北三県の震災伝承施設の受入れ数が過去最高の百十五万人とコロナ禍後に大きく増加しましたが、震災学習プログラム受入れ数は十八万人と増加傾向ではあるものの発災二、三年後の規模には至らず、高校生以下の割合が減少するなどの傾向が確認されているそうです。現在の小学生は、震災後に生まれました。震災を経験していない多くの小学生やこれからの中学生にこそ、
東日本大震災の伝承活動の現状を知っていただき、災害から命を守る取組に関心を寄せてほしいものです。そこで、本県の、または本県を訪れる小中高生の震災学習プログラムの取組と効果、今後の課題を伺います。あわせて、提案ですが、教育旅行など被災地を訪れて防災や減災を学ぶ機会の創出に力を入れるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 本県では、
東日本大震災で亡くなられた方々に追悼の意を表し、震災の記憶を風化させることなく後世に伝えるとともに、震災からの復興を誓う日として、みやぎ鎮魂の日を定める条例を制定し、三月十一日をみやぎ鎮魂の日と定めております。三月十一日には、献花台の設置や、関係機関・団体と様々な取組を実施しております。被災した沿岸市町では、新型コロナ前の三月十一日、追悼式が行われていましたが、昨年は石巻市、東松島市、塩竈市、七ヶ浜町の四自治体で、今年は石巻市と東松島市のみだそうです。十五年、二十年の節目での開催を予定しているところもあるそうですが、詳細が決まっていない自治体もございました。この背景には、参列者の減少と開催費用の負担があります。石巻市では、市単独の追悼式を震災復興基金を財源に実施していますが、およそ五百万円の開催費用がかかるとのことです。今後は、基金残高の減少や負担の増も懸念されます。
東日本大震災で亡くなられた方々の御霊に思いを寄せ、当時を振り返り、これからの防災・減災に改めて意を決する、それが三月十一日ではないでしょうか。追悼式の開催に苦慮している市町の負担軽減と、伝承活動の一環として、年度ごとに各市町と県が共催で追悼式を開催するなど、沿岸市町と連携した、より発信力のあるみやぎ鎮魂の日としてはいかがか、知事の所見を伺います。 大綱三点目、
仙台医療圏四病院再編構想についてであります。 県と日本赤十字社、県立病院機構は、昨年十二月二十二日、仙台市太白区にある
仙台赤十字病院と名取市の
県立がんセンターを統合し、名取市に新病院を建設することで基本合意いたしました。初めての地域住民への説明会の直後で、基本合意の予定ありきと批判の声も少なくありませんでした。反対の声も根強くある中で、あまりに唐突に基本合意がなされたことは、行政の信頼を損ねかねないのではないでしょうか。そんな声が国にも聞こえたかのように重点支援区域に選定されましたが、仙台市をはじめとする自治体や住民に丁寧に説明を行って理解を得ることと条件が課されました。その後、仙台市からは協議の要請がありましたが、このことに誠意を持って対応することが、これまで強引、独断専行とも言われてきた印象を取り払い、意見の分かれている方々の分断を乗り越えることにつながるのではないでしょうか。丁寧な対応を求めますが、知事の所見を伺います。 不安を感じている住民は、仙台市民だけではありません。二〇二八年度内に病院ができる名取市植松周辺の住民、広く名取市民にも不安はございます。約四百床という病床や複数の診療科を抱える大きな病院ができれば、医療面ではもちろん安心できるところがありますが、公共交通の混雑、交通量の増加、地域との関係など、暮らしにどのような影響が出るのか不安な面もつきません。移転先である名取市では、新年度、病院受入れのための専門部署が設置されることになっております。連携を密にし説明会などの対応に当たること、更に受入れのために必要なハード整備などがあれば対応すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 東北労災病院と県立精神医療センターについては、富谷市に移転する計画で、県南地域の精神医療を担うため、センターの分院を名取市に開設するとしています。県は現在、精神医療センターと協議を複数回行っております。私は三つの点について注目しております。まずは病床の振り分けについて、二百五十八床ある病床数を百七十床に減らすが、県南の患者を十分に受け入れることのできる名取の分院の病床数となるかが一点。そして診療体制について、現在通院されている患者の約七割を占める仙台市太白区以南の県南の患者の受入れが十分にできる外来機能があるかが一点。そして、病院からも様々意見を頂いていることと思いますが、スタッフの配置と移行について、十分な人員配置と、勤務場所や処遇など、職員の意向を酌んだ配慮がなされるかが一点。詳細はお答えできないものと理解しますが、精神医療センター側は県南の患者やスタッフの意向を酌んだ要望をしていることと思います。このことにどのように意を用い、今後協議に当たっていくのか。あわせて、合意する時期は必ずしも年度内とせず、協議に十分な時間をかけていただきたいと考えますが、知事の見解をお聞きいたします。 この協議内容が折り合わない、または協議結果、つまり県の新たな精神医療の体制が患者や関係者の理解を得られないのであれば、それはそもそも計画自体に無理があると言わざるを得ません。そのときは速やかに計画の変更をすべきではないでしょうか。最後に知事に伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 荒川洋平議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、児童虐待の現状と諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、児童相談所の体制強化と今後の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 児童相談所の体制につきましては、令和元年度から今年度にかけて、児童福祉司を三十二人から六十三人に、児童心理司を二十一人から三十人に増員するなど、増加する児童虐待相談にしっかり対応できるよう、強化を図ってまいりました。また、組織マネジメントを強化し、よりきめ細かな相談対応を行うため、四月から中央児童相談所に富谷市及び黒川郡を所管する黒川支所を新たに設置することといたしました。県といたしましては、今後も児童相談所の体制強化を図るとともに、市町村や警察、学校などの関係機関と連携し、児童虐待の早期発見・早期支援に努めてまいります。 次に、市町村のこども家庭センター設置を後押しする支援や設置を促す取組についての御質問にお答えいたします。 県内では、既に設置済みの利府町のほか、今年四月に十九の市と町でこども家庭センターを設置する予定となっております。十九です。県では、これまでも安心こども基金を活用して、整備費用や改修費用の一部補助などの支援を行ってまいりました。また、来月には、市町村の母子保健・児童福祉担当職員向けの合同研修会を実施し、こども家庭センターの設置に向けた人材育成を図ることとしております。来年度も新たに、こども家庭センターの統括支援員を対象とした実務者研修を実施するなど、市町村が全ての妊産婦、子育て世帯、子供の包括的な相談支援等を行えるよう、継続して支援してまいります。 次に、大綱二点目、復興事業のフォローアップと伝承についての御質問のうち、震災学習プログラムと教育旅行などによる学ぶ機会の創出についてのお尋ねにお答えいたします。 震災の記憶や教訓を伝え継ぎ、防災・減災につなげるためには、将来を担う子供たちの震災学習は大変重要であります。県ではこれまで、学校側と受入れ団体とでニーズの共有が求められることから、みやぎ教育旅行等コーディネート支援センターを設置し、探求学習に基づく震災学習プログラムの構築、教育旅行の誘致活動を行うとともに、学校側のニーズに沿った地元団体とのコーディネートを行ってまいりました。来県した教員からは、「震災を我が事と捉え、防災について考えるよい機会になった」などの声が寄せられております。県といたしましては、JR東日本が設立した東北復興ツーリズム推進ネットワーク等と連携した県内外からの教育旅行誘致を進めるほか、来年度から実施する語り部の学校への派遣などにより、震災学習の機会の創出に積極的に取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、
仙台医療圏四病院再編構想についての御質問にお答えいたします。 初めに、県立精神医療センターの分院についてのお尋ねにお答えいたします。 県立精神医療センターのサテライトについては、県南部の精神科医療体制を確保するために必要な規模や機能、また、医療スタッフの確保など運営面での検討が重要であると認識しており、現在、精神医療センター職員と意見交換を行っているところであります。県から提示したサテライト案に対して、職員からは、サテライトの病床規模や人員体制などについて様々な意見や指摘を受けておりますが、県といたしましては、今後も継続的に意見交換を重ねながら精査してまいりたいと考えております。なお、東北労災病院と精神医療センターの移転・合築については、年度内の基本合意を目指して協議を進めておりますが、サテライト案の検討状況などを踏まえ、拙速にならないよう丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、患者や関係者の理解が得られない場合は、速やかに計画を変更すべきとの御質問にお答えいたします。 東北労災病院と県立精神医療センターの移転・合築につきましては、老朽化が進む精神医療センターの早期建て替えのみならず、身体合併症への対応能力の向上などが図られ、我が県の将来を見据え、政策医療の課題解決のために必要な取組と考えております。県といたしましては、患者や家族などの不安や懸念を踏まえ、県南部の精神科医療体制の確保に向けたサテライト案の検討を進めるなど、丁寧に対応してきたところであり、引き続き患者や関係者の理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 復興・
危機管理部長千葉章君。 〔復興・
危機管理部長 千葉 章君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(千葉章君) 大綱二点目、復興事業のフォローアップと伝承についての御質問のうち、より発信力のあるみやぎ鎮魂の日とすべきとのお尋ねにお答えいたします。 我が県に甚大な被害をもたらした
東日本大震災が発生した三月十一日は、亡くなられた方々を追悼し、震災の記憶を語り継ぎ、復興を誓う日として、条例により、みやぎ鎮魂の日と定められております。鎮魂の日には、被災市町による追悼式の開催や献花台の設置のほか、民間団体による鎮魂や追悼に関する様々な式典やイベントが開催されており、追悼の意を表する形は、年々多様化しております。また、県でも、これらの情報をホームページやSNSなどで広く情報発信するとともに、県庁などに献花台を設置し、追悼の意を表しているところであります。県としましては、引き続き、関係する市町や団体等と連携しながら、多くの方々に
東日本大震災を振り返り、鎮魂と伝承、復興への誓いを新たにしていただけるよう取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点目、児童虐待の現状と諸課題についての御質問のうち、児童虐待の現状の受け止めと分析についてのお尋ねにお答えいたします。 児童虐待については、全国的に子供の命が奪われる重大な事件が後を絶たない状況にあり、その防止を図り子供の安全を確保することは、重要かつ喫緊の課題であると認識しております。児童虐待相談対応件数が増加している要因については、警察や関係機関との連携強化のほか、児童相談所共通ダイヤル一八九(いちはやく)の周知などによる児童虐待に対する社会的関心の高まりが関連しているものと考えてございます。 次に、増加している一時保護件数と各圏域への一時保護所設置の検討についての御質問にお答えいたします。 近年、児童相談所における児童虐待相談対応件数が増加傾向にあることも影響し、一時保護件数も増加しております。また、一時保護委託件数の増加は、できる限り家庭的環境での一時保護が望ましいとの考えから、児童の状況を見極めた上で、児童の安全確保や最善の利益を考慮し、里親への委託を積極的に実施したことによるものでございます。一時保護所の在り方については、県北部・東部からの移動などの課題があることは認識しており、今後、国から示される一時保護所設置基準も踏まえ、検討してまいります。 次に、一時保護時のトラブルと司法審査運用開始までの準備についての御質問にお答えいたします。 一時保護に当たっては、保護者や親権者等の同意は要件ではありませんが、児童相談所においては、一時保護の必要性の観点から慎重に判断した上で、保護者や親権者の同意を得るよう調整を図っているところでございます。しかしながら、昨年度において同意を得られていないケースが、一時保護件数全体の約七六%になってございます。令和七年六月から導入される一次保護開始の判断に関する司法審査は、こうした同意を得られていないケースが対象となります。国においては、一時保護時の司法審査に関する児童相談所の対応マニュアル案に沿った試行運用を、全国十か所程度の自治体の協力を得て行い、この試行運用を踏まえ、今年の秋頃を目途にマニュアルを確定し、内閣府令を改正することとしております。県では、これらの改正内閣府令や対応マニュアルを踏まえて、顧問弁護士等の協力を得ながら対応を検討してまいります。 次に、大綱三点目、
仙台医療圏四病院再編構想についての御質問のうち、重点支援区域の選定に係る条件についてのお尋ねにお答えいたします。 先月十六日に国から重点支援区域に選定された際の条件については、支援策の履行に当たっての前提になるものではなく、新病院開設までの間、関係者などへの丁寧な説明に努めてほしい趣旨だということを国の担当課に確認しております。県といたしましても、日本赤十字社とも連携しながら、地域説明会の開催などを通じて地域住民や関係自治体に丁寧に説明を行い、理解を得られるように取り組んでまいりたいと考えております。また、今月九日に仙台市から要請がありました協議の中では、病院再編に伴う地域医療への影響や、病院が移転した際の現病院周辺地域への影響などを改めて検証し、県市間で対応を検討してまいりたいと考えております。
仙台医療圏の病院再編については、仙台市とこれまでも意見交換を行ってきたところでありますが、今回の協議を通じて、救急医療など個別課題の解決策や病院再編の効果を広くお示しできるよう、真摯に対応してまいります。 次に、名取市との連携についての御質問にお答えいたします。
仙台赤十字病院と
県立がんセンターの統合を進める上で、地元自治体である名取市との連携は必要不可欠であり、基本合意を踏まえ、これまで以上に連携を深め、新病院の整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。また、地域住民の理解醸成を図るため、名取市などで地域説明会の開催を検討しているほか、今後、新病院の具体的な機能が精査される中で、病院の移転に伴い必要となる対応も新たに生じてくることから、名取市とも密に協力し合いながら対応してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 警察本部長原幸太郎君。 〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕
◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱二点目、復興事業のフォローアップと伝承についての御質問のうち、信号機設置のお尋ねにお答えいたします。
東日本大震災では、沿岸部を中心に信号機等の交通安全施設も大きな被害を受け、これまでも、復旧・復興事業による道路の整備状況に応じ、交通安全施設について整備を行ってきたところです。このうち、信号機の設置に当たっては、事前に交通量、交通事故の発生状況等を調査分析し、真に必要性の高い場所を選定しております。今後も、復興事業によるものも含め、道路の新設等道路交通環境の変化に応じ、地域住民の意向を的確に把握しながら、道路管理者と十分に連携を図るなどして、信号機等交通安全施設の計画的な整備に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 十二番荒川洋平君。
◆十二番(荒川洋平君) 御答弁ありがとうございました。それでは再質問させていただきます。 まずは、大綱一、児童虐待のところを伺ってまいります。 児童虐待の対応が重要、そして喫緊の課題であるという認識を取れたことは非常にありがたいと思います。そして私、提案をさせていただきました一時保護所、この関係ですね。答弁では、積極的に里親への委託をお願いした、そのことによって委託人数が増えたというような答弁と理解いたしました。この一時保護の推移を見ますと、全体の数も増えておりますが、委託の割合が非常に増えている。それがこの里親だとするならば、前提の考え方をちょっと確認させてください。一時保護は、まずは県有施設である一時保護所で保護することが大前提とされているのか、それとも、この里親を含めた、施設も含めてですが、そういった委託というところも県の一時保護所と同等というか、そういった考えの下で保護をしているのか、まずその前提をお聞きしたいと思います。お願いします。
○議長(高橋伸二君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) もちろん、保護する児童の対応と申しますか、その状況に応じて柔軟に対応できる体制を取っていくというのが原則にありますけれども、まずは県の一時保護所施設のほうでのお預かり、そういったものができるかできないかといったことを検討することが最初になることはあると思います。その上で、申しましたように児童の対応、現状等を踏まえて、様々な要件を勘案しながら、適宜、委託の方法で対応を取ることもあるといったことでございます。
○議長(高橋伸二君) 十二番荒川洋平君。
◆十二番(荒川洋平君) 私も同様の考えで提案をさせていただきました。まずは県の施設である一時保護所、ここを充実させて、いつ保護するかも分かりませんので、保護をしたらしっかりと受け入れられる体制をつくってほしい、そのような思いで提案させていただきました。その上で、やはり人数を見ますと、もうこの先もこの人数、相談件数も虐待件数も保護件数も、これから数年は恐らく増えていくのではないかなというふうに見てとれます。そういった中で、やはり委託に頼らざるを得ない部分も出てくると私は思いますが、現在一番多い委託先は里親でございますが、里親の登録数、登録世帯数というのは十分にあるのかどうか伺います。
○議長(高橋伸二君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 詳細の登録数とか状況については手元にちょっと資料がないので、(「手元に資料がない」と呼ぶ者あり)後ほど別途お答えしたいと思いますけれども、里親への登録数なんかも増えていく傾向にあるとは認識しております。
○議長(高橋伸二君) 続けてください。終わりでいいですか。志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大変失礼しました。里親の登録件数等の細かい資料は今ちょっと手元にございませんので、後ほどお答えしたいと思いますけれども、登録件数自体そのものは増えていったりしている状況にあると認識してございます。
○議長(高橋伸二君) 十二番荒川洋平君。
◆十二番(荒川洋平君) 最初の答弁の中で、規定を見直すタイミングがあるので、そのところで検討したいという答弁がございました。規定の中では、十人以下の施設またはそれ以上の施設か、このところで大きく要件が変わってきます。恐らく十人以上の施設となると、相当数の費用、人員だったりが必要となるはずです。私は、特に東部、北部、こういったところの子供たちが、中央の、仙台より南の圏域にある一時保護所に移送される、このリスク、更に職員の対応を考えれば、各圏域に一つという考え方は、恐らく賛同してくれる方も多いのではないかなというふうに思います。これから先、恐らく上がっていって、少子化・人口減少とともに下がっていくタイミングも来ますので、施設を造って、施設が余剰になるということは費用的にも負担になります。そういったところをよく検討していただきまして、私としては、十人以下の施設を東部と北部に設置してほしいと、より具体的に、改めてお願いしたいと思いますが、御所見を伺います。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 重要性については我々も十分認識しております。先ほど部長答弁にありましたけれども、県北部・東部からの移動には課題があるというふうに思っておりますので、まず国から一時保護所の設置基準というものが示されることになってございますから、それを見て、設置基準に達しているということであれば考えていかなければならないのではないかなというふうに思っています。ただ、難しいのは、一時保護所等の職員はかなりスキルを持った職員でないとできません。誰でもできるものではなくて、非常にやはり難しい。預かっている子供さん方の対応というのは難しいものですから、そういったやはり職員の養成・育成というものも含めて考えていかなければなりませんので、お金の問題だけではないということも御理解いただきたいというふうに思います。
○議長(高橋伸二君) 十二番荒川洋平君。
◆十二番(荒川洋平君) スキルを持った職員、そして夜間にも働いていただかなければならない職員もいますし、非常にハードルの高い施設だということは認識しております。ですが、この先、この数字を見れば必要だということも御認識していただいていると思いますので、ぜひとも御検討いただきますようお願い申し上げます。 それでは、四病院再編について再質問させていただきます。 質問要旨を見ていただければ、私の立場というものは御理解いただけると思います。名取市に、まずはがんセンターがなくなるかもしれないという波紋が広がり、私も市議時代に何とかがんセンター、名取でということを決議し、県に要望させていただいた経緯もございます。そこから日赤がついて、総合病院ができるということになりました。名取では、救急搬送の平均時間が五十七・七分、それよりも南のあぶくま消防本部では五十九・四分と、非常に搬送時間が長い。更に、子供が増え続けている名取市でありながら、周産期医療というのが非常に手薄な状況でございました。そういったことを考えれば、非常に県南にとっては大きな安心できる材料というふうに喜んでおります。ですが、多くの批判もあり、この分断している状態、賛成する人、反対する人、そういった中でこの病院というのが誘致されるのは、名取としても恐らく望んではいないと思います。多くの方が納得していただけるような丁寧な説明をぜひともお願いしたいと思います。 時間がないので、幾つか確認させていただきます。まずは分院です。今協議を行っておりますが、この分院にて、身体合併症の対応というのはどのように考えているか伺います。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 基本的には、やはり身体合併症の対応が必要な患者さんは富谷、本院のほうに行っていただくことになるというふうに思います。そこは、どのような形で患者さんを分けていくのかということは我々素人では分かりませんので、精神医療センターのドクターと今、その辺を打合せさせていただいているということでございます。
○議長(高橋伸二君) 十二番荒川洋平君。
◆十二番(荒川洋平君) 身体合併症は本院ということで、現状、精神医療センター、名取の今の状態で、外部の病院と連携しながら十分対応できているというお話を聞いていますので、ぜひとも分院でも身体合併症の対応をできるような施設を造っていただきたいと思います。 では、私は総合病院は賛成ですが、精神医療センター、精神科……(「時間」と呼ぶ者あり)については、賛成の立場ではないということを申し上げます。様々な御意見がある中で苦慮されていると思いますが、ぜひとも多くの皆様が納得した形の病院編成をお願いしたいと思います。 それでは私の一般質問を終わります。
○議長(高橋伸二君) 暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩
----------------------------------- 午後一時再開
○副議長(本木忠一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 荒川洋平君からの再質問に対して、
保健福祉部長志賀慎治君から発言の申出がありましたので、発言を許します。
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 先ほど御質問のありました里親登録数についてお答えいたします。里親の登録については、世帯ごとに登録され、令和四年度末現在で二百二十二世帯となっており、登録数は年々増加しております。
○副議長(本木忠一君) 質疑、質問を継続いたします。十八番村岡たかこ君。 〔十八番 村岡たかこ君登壇〕
◆十八番(村岡たかこ君) 自由民主党・県民会議の村岡たかこです。冒頭、元旦に起きました
能登半島地震で犠牲になられた方々に、お悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。 議長のお許しを頂きましたので、大綱四点について、通告に従い、順次質問させていただきます。 まず初めに、私は、仙台市青葉区の皆様から思いを託され、今回、初当選を果たさせていただきました。これまでに昭和三十六年十二月に初当選した元県議の武藤洋一先生から、政治のいろはを習い、議員としての心構えと礼儀を教わりました。議員を目指すことを一番に相談したのも武藤先生でした。残念ながら当選した姿を見てもらうことはかないませんでしたが、生前頂いた書物に囲まれ、現在仕事をしておりますので、見守られている気持ちになっております。そして、その地盤を引き継ぎ、昭和五十八年に初当選し、令和五年に勇退されました中沢幸男先生には、更に加えて、人としての忍耐や義理人情、地域の方々への思いやりをたたき込まれました。子育てしながら、十二年間仕えさせていただき、人として成長できたと感謝しております。初心を忘れず、おごり高ぶらず、地盤を引き継いだ重みを常に念頭に置き、地域のために、県民皆様の代弁者として、そして宮城県の諸課題解決のため、惜しみなく働いてまいりますことをお誓い申し上げ、大綱一点目、仙台医療圏の課題についてお伺いいたします。 これまで様々質疑がされており、重なるところも多々ございますが、改めて確認をさせていただきます。 仙台医療圏の課題は、仙南、黒川地域の医師不足、救急搬送時間、医療機関の必要性、そして高齢化率の高まりで、回復期病床の必要性や介護ニーズの向上などが挙げられています。また、仙台医療圏の範囲も見直す時期に来ているのではないでしょうか。山形県や福島県境まで
仙台医療圏なのは広過ぎて違和感があります。ただ単に何かの基準で当てはめているだけに感じ、実情に合った医療圏にするべきと考えます。ひとしく県民の命を守るために、仙南、黒川地域の医療の充実は実現しなければならないことだと思います。しかしそれは一部の地域だけではなく、医療圏全体で再編成しなければならないことでもあります。四病院再編成で解決できることはあっても、更なる課題を生み出すことにもなっています。急性期病床が過剰であると編成の理由の一つとなっておりますけれども、地域事情に合わせ、回復期や慢性期病床、またはホスピスなど個々の病院を再編することのほうが重要と思います。また、救急医療機関の配置のバランスということを考えたときに、なぜ令和三年五月JCHO仙台病院、令和四年四月に仙台徳洲会病院が移転する構想のときに誘致しなかったのでしょうか。これらについて御所見をお伺いいたします。
仙台医療圏の医療充実など、政策医療の課題解決に向けての今回の再編成ということですが、そもそも令和二年八月に、三病院統合の話が出たときから懸念を抱いておりました。仙台市議のときには、青葉区の市議、県議の先生方に協力を頂き、東北労災病院、
仙台赤十字病院の移転等を行わないよう、宮城県知事に対し強く求める要望書を、令和二年十一月二十四日に知事に申入れいたしました。そこには、それぞれの病院が地域で果たしている役割を踏まえ、存続を重視し、統合・移転ありきの検討はしないこと、仙台市をはじめ、関係自治体の意見を聞きながら検討を進めることが重要であり、仙台市を検討の場に参加させること、この二点を要望いたしました。このときから三年の現在に至っても、仙台市との状況が変わっていないことに悲しみとむなしさが募ります。そもそも東北労災病院は、昭和二十九年、仙台市と宮城県が誘致をして開院しました。仙台市も宮城県もここに必要だと思ったから誘致をしたはずです。移転するときには仙台市も話に加わるのが筋だと思います。仙台市から二つも病院が移転するということは、仙台市の地域包括ケアシステムも再構築しなければならない事態になっている。にもかかわらず、地域住民、各方面の医療関係者の同意も理解も得られていない状況で、更に、自分たち抜きに話が進んでいることに、不安とおびえを抱えているのです。置き去りにしていくのか、切り捨てるのか、そんな声が聞かれます。しかも現状は机の上で数字だけを見て駒を動かすようなやり方で、現状の状況を見ていない、現場の声も聞いていない、聞こえていない状況に見えます。反対の声が大きくなるのも自然のことと感じます。東北労災病院と県立精神医療センターが富谷に移転するとなると、両地区の地域医療の再編とともに、患者のアクセス事情も加えて再構築しなければなりません。課題がたくさんあるのに、その話合いも進展せず三年がたっています。また、がん患者は特に病院ではなく、主治医の先生と病院のスタッフの方々と、自分の命を託して治療しています。簡単に変えられるものではありません。放射線治療も数分の照射を毎日毎日一か月以上も通わなくてはなりません。富谷へのアクセスも、仙台駅から送迎バスを運行するということですが、泉中央にはバス停を設ける予定なのでしょうか。予定なのであれば、現在バスプールがいっぱいで泉区役所の敷地を使っている状況です。しかし、泉区役所は今後建て替えなどの整備も控えています。仙台市とは協議、確認した上で検討しているのでしょうか、お伺いいたします。 本来であれば、移転した後のメリット、デメリットを確認し対策を立て、移転しても大丈夫かどうか確認をしてから進めていかなければならないことです。現状二病院が移転した後の地域のメリット、デメリットをお示しください。 そして、今回仙台市より協議の要請と項目案が示されました。重点支援区域に選定される条件に、厚生労働省から、仙台市をはじめとする関係自治体や地域住民に丁寧に説明を行い、理解を得ることとありました。この要請が来て、県は承諾をし、連携の方向性を示しました。今後、東北労災病院と県立精神医療センターの移転について基本合意をするとなった場合、理解を得ることが最も重要と考えますが、御所見を伺います。 理解を得てから進めるのか、理解を得ながら進めるのか、理解が得られない場合はどうするのか、併せてお伺いいたします。 また、仙台市は、人口推計によると二〇三〇年頃にピークを迎えると推察されていますが、六十五歳以上の高齢者は二〇五〇年頃まで増加を続け、また太白区では二〇五七年頃まで増加し、それから二〇七〇年まででもほぼ変わらない微減との推計です。ますます医療機関の充実が求められます。現在の人口も青葉区が五区の中で一番多いのは御承知のとおりですが、令和六年一月一日現在、東北の自治体で比べてみても、人口一位は仙台市ですが、区ごとに区切ると一位がいわき市三十二万六百人、二位の郡山市三十二万一千百八人に次いで三位が青葉区三十一万四千八百七十三人、太白区も二十三万七千三百五人となり、七位の山形市二十四万一千八百人に次いで八位となっています。人口比率からいって、仙台市に医療機関が集中するのは自然なことであります。しかし、特に仙台市に医療機関が多過ぎるかというと、日本医師会の地域医療情報システムで見ても、人口比率の近いいわき市や郡山市などと比べても、十万人当たりの二十床以上の病院の数は大きく違いません。太白区に至っては、人口規模の近い山形市よりも少ないくらいであります。これらのことから、データの比較をするときに、仙台市という大きなくくりではなく、区ごとなど、実際の地域事情に即した現状をデータ化し、検証するべきと考えます。今後シミュレーションを行う際には、現実に近いデータの活用を求めますが、御所見をお伺いいたします。 様々な説明の際に、仙台市に病院が集中していることを是正しなくてはならない、という調査結果を引用しておりますが、それは仙南、黒川地域に医療機関が少ないということであり、仙台から二つの病院をなくす必要があるのかどうかは言及されていません。更に、青葉区では、診療科がそろっている総合病院は、大学病院と東北労災病院の二つしかなく、ほかは、総合病院とはいえ専門性の高い病院が集まっています。人口から言えば、医療体制が万全ということではありません。郡山市では六院もあり、山形市も七院もあります。
仙台医療圏の中では多いかもしれませんが、県外の自治体と比べて病院が多いということではないと思います。更に、駒を動かすように病院を移転させようとしていますが、そこには根を張るように、網の目のように地域医療のネットワークが根づいていて、取り巻く方々には感情や事情があります。今は紹介状がないと特別料金がかかりますので、最初から大きい病院に行く人は多くありません。ふだんはかかりつけ医に行き、容体が変われば労災のような大きい病院に紹介されて行く、そして容体がよくなればまたかかりつけ医に行く、そのようにネットワークができているのです。特に東北労災病院は診療科が多く、かかりつけ医の先生方からは、移転することになれば、地域医療における影響について、大きな懸念があると言っておりました。東北労災看護専門学校も隣接し、看護学生の行方も気になるところです。また周辺も病院があって成り立っている店や、地域の理解やボランティアの方々もいて、初めて環境が整っている現状です。特に県立精神医療センターは、長年かけて地域の理解を得てきていますので、これまで構築されてきていた地域医療の今後を、どのように再構築するつもりなのか、具体的にお示しください。 次に、救急体制についてお伺いいたします。 仙台市消防局によると、救急搬送数は二〇六〇年の推計値でも、救急出動件数も七万件を超える推計で増加の一途であり、現状よりも逼迫することが予想されます。また、地域の道路事情や混雑事情など、その地域、その地域の事情で課題は違います。おのずと解決策も違ってきます。仙台市の医療機関のアンケートでは、救急患者の応需できない理由に、一、主訴・主傷病に対応できる専門医の不在、二、医師が手術以外の患者対応、三、空きベッドがないとありましたが、患者が多く対応に追われている病院が多いし、今後ますます働き方改革によって医師不足が加速するのではないかと懸念する中、解決するとなると専門医の確保が必要です。育成だけではなく資金も必要となってくる対策です。仙台市では輪番制を取っていても、搬送件数が多いため物理的に受入れができない状況が続き、搬送時間を短縮するために、救急紹介サポートシステムを二〇一〇年より導入を開始して、時間の短縮に努めてきたのです。これは今回の再編で解決できる問題ではありません。タクシーや家族に搬送されてくる
ウオークイン患者の入院は一割とありましたが、診察の結果、医療的処置をする必要はどうだったのか、医療的処置をせずに帰宅した患者はどの程度いたのか、入院だけが救急医療に必要なことではありません。こういうことから、現場の状況を考えていないことがうかがえます。仙台は、救急の患者が流入しなくなるから楽になる。余力が生じると説明がありますが、この
ウオークインの件数を入れていないデータでは信用できず、また、搬送件数の多さを加味しない平均搬送時間だけの比較でも疑問が残ります。仙台市の搬送時間が延伸すれば、
仙台医療圏全体としての平均搬送時間も大幅に延伸します。今回の病院再編により、
仙台医療圏全体の搬送時間の短縮が図られるとするその根拠を、今後期待するということではなく、具体的にお示しいただき、現状で二つの病院が移転した場合の影響についてはどのような点が上げられるのかお示しください。 更に、主要病院へ十五分以内でアクセスできる人口を比較して説明していますが、病院が移転する青葉区台原周辺や太白区八木山周辺は、どの程度よくなるのかお示しください。仙台市も仙台市民も、仙台市消防局の救急担当も皆不安を抱えております。ですので、明確な御答弁をお願いいたします。 この綱の最後に、
仙台赤十字病院と
県立がんセンターの移転統合によって病床数が減少すると基本合意されました。雇用体制にも影響が出ることが予想されます。今後、雇用に対してどのように進めていく予定なのか、お伺いいたします。 次に、大綱二点目、産後ケア事業の充実をお伺いいたします。 産後ケアの重要性は御承知のとおりで、宮城県内でも三十五市町村中、三十四市町村が産後ケア事業を実施しています。産婦の死亡原因一位が、産後うつが原因の自死という調査結果を受けて、政府でも必要性を感じて支援を始めました。これまでの空きベッドの活用という観点が見直され、事業として確立を目指すことが必須となってきました。現状は課題がまだまだ山積し、試行錯誤が続いていますが、少しでも子育てが安心してできるように、自分のケアもしっかりできるような環境づくりの取組が求められます。助産院も少子化や医療事情によって閉院したりするところもあり、存続に苦労してきました。支援をするほうも利用するほうも、両方が安心できる制度が必要で、持続可能となるように制度設計を構築していかなければなりません。今は自分たちの給料が安くても、以前担当した産婦が退院後に自死をしてしまったという、つらい経験を持った助産師さんたちが、二度と繰り返さないと強い使命感を持って支援してくれていますが、いつまでもこのままではいられません。これからも産後ケア事業をつないでいくために、育成にも力を注ぎたいと語っておられました。更に、現在は産後うつになる父親も多く、そのためのサポートも必要です。自治体によって制度設計が違い、事業内容もデイサービス、宿泊、訪問型とある中、宿泊がなかったり、デイサービスだけであったり、委託料も自治体により違い、利用者負担額も非課税世帯、生活保護世帯の減免があったりなかったり、デイサービスが一日や数時間であったり、請求の仕方、様式も自治体間でばらばらです。更に、現状は家族のライフスタイルに合わせ、自治体間を越えた利用体制が望まれています。サービスを提供する病院・助産院が事業を継続できるように支援し、利用する側が戸惑いや不便さを感じないように、ある程度は統一してほしいと要望が出ていました。現状の進捗状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 また、各自治体は、国の妊娠・出産包括支援事業を活用しているところですが、補助率が二分の一となっており、補助率を上げてもらえるよう要望もしていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、大綱三点目、大学進学率の向上についてお伺いいたします。 宮城県の子供の現状について心配が尽きません。いじめ、不登校、ヤングケアラー、虐待や自死の増加、合計特殊出生率がワースト二位となるなど、社会全体で子供たちを取り巻く環境を改善していかなくてはなりません。様々な子供施策がある中、十八歳になると成人を迎え、支援策が途切れてしまうのが現状です。児童福祉施設の子供たちも、十八歳になると施設を退所しなくてはならず、大学に進学するのはごく僅かです。健やかに宮城県で楽しく過ごしてほしいと願います。進学するのが全てではありません。その後人生に目標があり、あえて進学しないという選択も大いに応援していきたいと思います。文科省の学校基本調査の進学率は、二〇二二年、全国平均五九・五%に対し、宮城県は五四・〇%です。ちなみに広島県は六三・八%、福岡県は五十七・二%です。単純計算ですが、就職率一九・六%と、専門学校への進学一七・五%を引くと、八・九%が進学も就職もしていない可能性があります。進学したいのにできない、浪人して予備校に通いたいけど遠くて通えない、または、学費がかかるので通えないなど、様々な要因で進学を諦めなくてはならない生徒がいるとしたら、私も実はそれが原因で進学を諦める寸前でした。高校卒業してもなお、浪人時代を同じ高校に通うことができたら解決できるのではないでしょうか。島根県、岡山県、香川県などでは、補習科という学科を設け、卒業してから浪人するとき、一定の条件をクリアすれば、そのまま同じ学校に通い、これまでと同じ環境で勉強ができる制度があります。現在、香川県から東北大学に通っている学生は、この制度を利用し、見事合格して仙台に来てくれました。環境は変わらないし、同じ先生に教えてもらえたのでとてもよかったと言っていました。ぜひ可能性も含めて、進学したい子が家庭の状況に振り回されずに勉強ができるように、検討してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、大綱四点目、桜ヶ丘駐在所についてお伺いいたします。 平成二十六年、二十七年にも、中沢前県議より質疑がありました。駐在所から交番にしてほしいという地域の要望です。ここは文教地区であり、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学があり、学生も多く居住しています。また、南北に縦断する県道大衡仙台線の開通以来、交通量が大変多くなりました。事故も発生しています。団地の中を縦断していることもあり、地域の方は常日頃からパトロールをし、駐在所と連携しながら安全の確保に努めています。地域の会議にも駐在所の署員も御参加いただき、タイムリーな防犯上の情報共有や注意喚起をしてもらえ、顔の見える関係性を築き上げる努力をしているこのさなかに、突如として閉鎖をし、一山越えた先の荒巻交番と統合するとの一報が届きました。地域一同は騒然となり、一気に五千人を超える署名が集まりました。そして、私も含め、先輩県議、市議の方々とともに存続の申入れをしてまいりました。二月五日にも警察本部の方々が地域を訪れ、お話をされたと聞きました。その目的と内容をお伺いいたします。 桜ヶ丘の児童生徒は、令和五年十月現在で五千三百人余り通学しております。学生が登下校時に盗難に遭ったり、声がけ、付きまといなど不審者情報もあり、また、ほかの地域では、小学生が交番に来て虐待が判明したケースもあるなど、駐在所の役割は大きいと考えます。また、駐在所がそこにあることにより犯罪の抑止力ともなり、地域の方々もパトロールするにも、そこにあるから安心して活動ができるのです。令和五年警察白書では、社会における良好な治安確保のための取組に、犯罪防止に向けた取組として地域社会との協働を掲げ、「独り警察のみによって達せられるものではない。警察は、地域社会や関係機関・団体等との連携の下、社会全体で良好な治安が保たれるよう取り組んでいる。」とあります。今、この地域では、この取組が崩されようとしています。これまで地域と協働して安全対策をし、抑止力となっていたと思います。交番相談員を配置したり、警察官の安全も確保しつつ、今後も地域と力を合わせ存続の方向で進めることを望みます。団地の端から荒巻交番までは登って下る坂道を経て、歩くと四、五十分かかります。昭和六十一年に設置されてから、ずっと地域の方々とともに安全安心のために歩んできたこの駐在所を存続させるよう、ぜひ検討していただくよう要望し、壇上からの質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 村岡たかこ議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 大綱一点目、
仙台医療圏の課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、医療圏の見直しと急性期病床の再編、民間病院の誘致についてのお尋ねにお答えいたします。 現在の
仙台医療圏の範囲は、一体として医療を提供できる圏域として設定したものでありますが、急性期から回復期、更に慢性期や在宅までの切れ目のない医療提供体制の構築が重要なことから、県といたしましては、必要な機能別病床数の確保に引き続き取り組んでまいります。また、今回の病院再編については、令和元年度の県立病院のあり方検討会議を踏まえ、がんを総合的に診療できる機能を有する病院の実現に向けて、東北労災病院、
仙台赤十字病院及び
県立がんセンターの三病院による検討を経て、令和三年九月から協議を開始したものであり、JCHO仙台病院や仙台徳洲会病院については、令和元年度以前から移転計画が進んでいたことから、協議対象にはならなかったということでございます。時間的に間に合わなかったということです。 次に、基本合意に当たっては、関係自治体等の理解を得ることが重要との御質問にお答えいたします。 東北労災病院と県立精神医療センターの移転・合築については、昨年二月に労働者健康安全機構と協議確認書を取り交わし、病院間の連携などの協議を進めており、この間、関係自治体や地域住民に対しましては、市町村説明会や地域説明会などを通じて説明や意見交換を行ってまいりました。また、精神医療センターの富谷市への移転に対する患者や関係者からの不安や懸念の声を踏まえ、現在、サテライト案の検討を行っているところであります。県といたしましては、引き続き地域説明会を開催するとともに、仙台市との協議に真摯に対応し、基本合意の締結に向けて、地域住民や関係自治体への丁寧な説明と意見交換を重ねながら進めたいと考えており、サテライト案の検討状況などを踏まえ、拙速にならないように取り組んでまいります。 次に、地域医療を今後どのように再構築するのかとの御質問にお答えいたします。 東北労災病院の移転後の地域医療につきましては、かかりつけ医との連携などに影響が生じないよう、労働者健康安全機構と連携して対応するとともに、仙台市との協議におきましても、病院移転後の地域への影響を十分に検証し、県市間で対応を検討してまいります。また、県立精神医療センター移転後の県南部の精神科医療提供体制を確保するため、現在、サテライト案の検討を進めているところであり、地域医療に必要な機能を維持できるよう取り組んでまいります。 次に、統合による職員の雇用についての御質問にお答えいたします。 基本合意書においては、職員の処遇について、新病院の医療機能に関する今後の詳細な協議を踏まえ、職員の意向に配慮した上で、県立病院機構、日本赤十字社及び県で協議の上、決定することとしております。県といたしましては、県立病院機構職員の意向調査を丁寧に行った上で、県立循環器・呼吸器病センターの閉院時の対応などを参考にしながら、職員の雇用の確保など、必要な措置を講じるよう最大限努力してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点目、仙台医療圏の課題についての御質問のうち、富谷市の新病院へのアクセスについてのお尋ねにお答えいたします。 新病院への交通手段については、富谷市においてバス事業者と相談しながら、地下鉄泉中央駅と新病院間のシャトルバスの運行のほか、JR仙台駅と新病院間の直通バス路線の確保についても検討していると伺っております。現在、基本合意に向けた協議中の段階であり、バス停留所の設置などの具体的な内容については、基本合意後の協議によることとなりますが、新病院への交通アクセスの確保は、患者や病院職員の負担軽減のためにも重要であることから、県といたしましても、関係自治体と協力して検討してまいります。 次に、病院移転後の地域のメリット、デメリットについての御質問にお答えいたします。 今回の病院再編により、仙台医療圏全体でバランスの取れた拠点となる病院が配置されるとともに、仙台市外から市内への救急搬送の抑制が見込まれるなど、救急医療の質の向上のほか、県全体の周産期医療や災害医療などの政策医療の課題解決にもつながるものと考えております。また、仙台市内に急性期病院が集中し、経営的な課題を抱える中、病院機能の集約・拠点化により経営基盤の強化を図り、政策医療の課題解決に貢献する持続可能な病院の実現を目指してまいりたいと考えております。一方、病院の移転に伴い、近くにお住まいの患者の通院等の負担増加が懸念されるほか、クリニック等のかかりつけ医と新病院との連携強化などが、今後の検討課題となりますが、県といたしましては、移転により患者に支障が生じないよう、各病院の設置者と連携して対応するとともに、仙台市との協議においても、病院移転後の地域への影響について十分に検討してまいります。 次に、実際の地域事情に即した検証をすべきとの御質問にお答えいたします。 今回の病院再編の協議を進める中で、
仙台医療圏のデータ分析を行う際には、仙台市内の行政区別の状況を踏まえた検討も行っておりますが、救急搬送など行政区を越えた対応が多い実態を踏まえ、基本的には各自治体や消防本部ごとのデータを活用しております。なお、今後、病院移転後の地域への影響などについて、仙台市と協議を進めてまいりますので、検討項目に応じて、行政区別など現状分析に適したデータについても活用してまいりたいと考えております。 次に、病院移転による搬送時間への影響についての御質問にお答えいたします。 令和四年における
仙台医療圏の救急搬送約七万一千件のうち、おおむね二百件以上の救急搬送を受け入れる病院への搬送約六万七千件を分析すると、名取市消防本部から七割超の約二千五百件、黒川地域消防本部から八割超の約二千件が仙台市内の医療機関に搬送されております。新たな拠点病院が富谷市、名取市に整備されることで、両病院が同エリアの搬送を受け止め、仙台市内への搬送と比べて、搬送時間の短縮につながるものと考えております。また、青葉区台原周辺や太白区八木山周辺からの救急搬送の二割程度が二つの病院に搬送されておりますが、移転後の両病院が市外からの搬送を受け止めた上で、市内の他の病院へ搬送することとなり、全体として搬送時間への大きな影響はないものと認識しております。なお、主要病院へ十五分以内でアクセスできる人口について、エリア別に詳細な分析を行うとともに、救急搬送時間の短縮効果についても、新病院の機能や規模の検討状況を踏まえ、改めて精査してまいります。 次に、大綱二点目、産後ケア事業の充実に向けてについての御質問にお答えいたします。 市町村が行う産後ケア事業については、今年度から利用者の対象範囲が拡大されたことに伴い、利用の増加が見込まれております。令和四年十二月には、市長会から産後ケア事業に係る集合契約の実施について要望があったほか、産後ケア事業所からも、事務の共通化など、県による広域調整の要請を頂いておりました。これらを受け、県では、県医師会や県助産師会と連携し、今年四月から集合契約を開始できるよう調整を進めており、現段階では二十九市町村の参加が見込まれております。この中で、自治体を越えた利用や様式の統一などを行うほか、受入れ枠を拡大する事業所への補助を新たに導入することとしております。また、市町村への国庫補助金の補助率引上げにつきましては、今後、機会を捉えて国に対し要望してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。 〔教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕
◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱三点目、進学率向上の取組についての御質問にお答えいたします。 大学進学を目指す浪人生を支援する目的で実施されている補習科については、昭和二十年代から全国各地の高校に設置されたもので、多くの県においては、昭和四十年代半ば頃まで続けられていたものと承知しております。現在も設置されている県では、PTAが主体となって運営されており、費用負担の面や在学時と同じ高校に通うことによる精神的な安心を得られるなどのメリットがある一方で、教員がボランティアで対応しており、教員にかかる負担が大きいなどの課題もあると伺っております。我が県の各高校においては、浪人生に対し定期的に連絡を取りながら、受験に向けたモチベーションの維持や学習の支援など、個別のケアを行っているところです。県教育委員会といたしましては、県内のどの地域においても希望する進路を達成できるよう、地域の進学拠点校の進路指導を支援しているほか、放課後や長期休業期間を活用した個別添削指導に応じるなど、丁寧に対応しております。今後も、生徒一人一人が高校三年間の学びで、希望する進路を達成できるよう、学力向上の取組や進路指導の充実に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 警察本部長原幸太郎君。 〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕
◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱四点目、桜ヶ丘駐在所の存続についての御質問のうち、警察と地域住民の話合いの目的と内容についてのお尋ねにお答えいたします。 県警察では、桜ケ丘駐在所を荒巻交番に統合する再編方針を定め、昨年より地域住民への説明を行っています。去る二月五日、昨年十二月に連合町内会から提出された嘆願書の内容等を踏まえ、警察本部より改めて県警察の考え方などを説明したところです。桜ヶ丘駐在所管内については、御指摘のような地域事情はあるものの、事件事故の発生件数が少ない上、管轄面積が非常に狭く、その周囲には複数の交番が設置されています。更に、勤務員が少人数であるため、安全管理上のリスクが高いなどの事情を総合的に勘案し、二十四時間体制の交番として活動することが、桜ヶ丘地域を含めた周辺地域の治安維持上、最適と判断しています。先日は、その旨を改めて連合町内会に説明の上、理解に努めたところでございます。 次に、桜ヶ丘駐在所の存続の検討についての御質問にお答えいたします。 治安情勢の変化や少子化に伴う就職適齢人口の減少等に伴い、現状の体制や運用のままでは、将来、県警察全体の執行力を維持し、様々な治安課題に対処していくことが困難になることが予想されます。そのため、組織機構の不断の見直しが必要不可欠であり、交番・駐在所についても、様々な要素を勘案した上で、限りある警察力で最大限の効果を発揮するための整備に努めていく必要があり、桜ヶ丘駐在所についても統合が必要であると考えています。一方、交番・駐在所の統合に伴い、地域住民が不安を抱くことは理解しており、統合後における治安維持機能の強化や駐在所施設の活用の在り方などについて、引き続き、地域住民に対する丁寧な説明と意見交換を行い、不安の払拭はもとより、地域住民との協働による地域安全活動がより充実・強化されるような再編整備を進めてまいります。 以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) 御答弁ありがとうございました。まず、今、お答えいただきました桜ヶ丘駐在所の件です。今、統合する方向だというふうな話ですけれども、地域住民の方々の不安というのは、非常に今高くなってきております。そして、今あそこに駐在所があるから、パトロールも安心してできているという事情がやっぱりあります。継続的に安心してパトロールも含めて、地域住民と連携するにはやはり駐在所というのは必要なところだと思うんですね。ただ、今後の方針も考えてなんですが、どうか地域の住民の方と話合い、と言っても多分平行線になっているところだと思いますけれども、ぜひ存続という形、新しい形でも構わないと思います。警察官の方がいてもらうということが、非常に安心感がありますし抑止力になっていると。そこがなくなってしまったら、今、犯罪が少ないと言いましたけれども、犯罪が増えてしまうのではないかという懸念もあるということでしたので、ぜひ、統合するということではなく、存続も頭の中に入れて検討していただきたいなと思うんですけれども、すみません、再度お願いいたします。
○副議長(本木忠一君) 警察本部長原幸太郎君。
◎警察本部長(原幸太郎君) 従来設置しておりました警察の施設が統廃合されるということについての地域住民の皆さんの御心配は理解しておりますので、今後そのような形になったとしても、治安の水準が従来どおり、あるいはそれ以上に維持されるように、地域住民の皆様とも話合いをしつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) であれば、ちゃんと地域住民の安心安全を保つということで、地域住民との協議が終わった後に進めていただくということをまずは要望させていただきます。 あとは、産後ケア事業ですね、やっと統一に向けて進んだということなんですけれども、やはりこれで終わりではなく、まだまだこれから課題も出てくるかと思いますので、その辺は柔軟に対応していただきたいと思います。こちらも要望で。 続きまして、四病院の再編成についてですけれども、これ従来からずっと、余力が生じると、仙台市は楽になるというような話をされております。しかし、仙台市のほうでもいろいろデータを出していると思います。まず一つ、一番大きく違ってきているのは、流入する数と流入しなくなる数の中で、重症患者の数、一割程度にとどまっているということですけれども、この重症患者、誰が決めた重症患者なのか、これ御説明いただけますか。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 重症患者、現状分析で一割程度といったことを申し上げておりましたけども、新しくできる両病院のほうでも、しっかり重症患者のほうを受け止めて、相当程度受け入れられるように、また、残り九割の軽症・中等症患者のほうは、しっかりと、当然ながら両病院でやれるようにということで、その重症患者の中身については、現状の医療機関のほうでも当然見ることにもなっておりまして、将来的には、その重症患者のほうの受入れは、もちろん一部は専門的な病院に流入してきている分も含めて……受け止めますけど……思っています。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) どのデータをベースにということでの御質問でありましたけれども、各消防本部から上がってきたものを、国の総務省の消防庁のほうでまとめたデータであります。それをベースにお話ししております。総務省の消防庁のデータ、それは各消防本部から上に上がってきたということであります。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) これ、県の考えと仙台市の考えが大きく違っている、ここが多分一番大きなところだと思うんですけれども、県のほうが出しているこの重症患者の数というのは、運ばれた結果、その方が重症だったというのが、検査をした結果分かった数なんですね。だけど仙台市が出しているのは、運ぶときに重症だと思った方が運ばれている数なんです。ですので、ここで大きな開きがある。宮城県の場合は、三百七十三件、一割程度ですという話でした。しかし、仙台市から出ているのは、全部で三千二百四十九件重症患者として運ばれているということなんです。こういう数字の乖離があるということで、今仙台市と宮城県の話がかみ合ってないということなんですけれど、そのことに対してどのようにお考えでしょうか。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) そのデータの捉え方そのもの、あるいは先ほど申したような搬送・搬入の経路等も含め、中身も含めまして、議論がかみ合ってないといったことが現状ございました。まさに明日から第一回目の協議が始まりますけども、そういった中での重要なポイントの一つになろうかと思ってございますので、そういった数字の具体的な突き合わせ、様々な詳細なデータの突き合わせ等も含めて、まずは情報共有をしっかりして、話合いの土台をかみ合わせることから努力をして、最終的には両方が納得できるような議論に進めてまいりたいと考えてございます。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 県と仙台市の捉え方の違い、十倍ぐらい違うという話だったんですけれども、我々は、結果的に重症であったかどうか、救急車の中でこの人は重症だと思ったけど、実は中等症以下だったということの差ということであります。結局病床をどれだけ準備するかという問題は、一番どちらのほうが重要かというと、結果的に重症であったかどうかということのほうが、当然、データとして何をベースに物事を考えるかというと、そちらのほうを私はベースに考えるべきではないかなというふうに思っております。ただ、それによって救急搬送する、救急隊員の方の心理的負担というのは、間違いなく大きくなるというふうに思っておりまして、
仙台医療圏全体の救急搬送の仕方というものも、全部もう一回見直さないといけなくなることは間違いないと思っております。これは当然、救急を持っております自治体が、いろいろ考えていかなきゃいけない問題、市町村が考えるべき問題でありますけれども、我々としてもしっかりコミットいたしまして、よく調整をさせていただきたいというふうに思っております。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) 本当に、あまりにも数字が、十、二十ではなく、十倍ぐらい違うわけなので、そこはやはり理解してもらうことも大事かもしれませんけど、理解をしていただくのも大事なんですね。ですので、あしたから協議が始まるということですけれども、まず根本の土台を一緒にしていただかないと、協議を始めたといっても、いつまでも平行線で、結局平行線のまま協議が終わりましたということにならないようにしていただきたいと思います。今、救急隊はとにかく本当に大変だということで、本当にそのとおりでして、仙台市の救急隊の方々、この県が示した余力が出るというその言葉で、皆さん衝撃を受けているわけです。忙し過ぎて脱毛症になったりとか、あとは人格が変わったと家族に言われて、救急から消防に変わったという隊員がたくさんいらっしゃる中で、昨年の審議会の中でも、これ答弁、もしあったら御紹介したいと思うんですけれども、質疑の中で、市内の医療機関へ流入する救急搬送数に重篤事案のみを加味し、それらを全て新病院で受け入れるとしたもので、宮城県がですね。救急隊が搬送先を決定する際の重要な要素である診療科目や医療機関までの距離などは考慮されておらず、そうした救急搬送の実態を踏まえると、県の想定とは逆に、本市の負担は増加するものと捉えていると。また、もう一つ再質問の県が行った四病院再編成後の試算というのは、実に実態と乖離したものになる恐れがある、などですね。あとは、仮に二病院が移転した際には、その分を遠方の医療機関に収容する必要が出てくるため、これに伴って病院収容時間の延伸等が危惧されるということで、消防局自体も危惧されているわけです。そのようなことに関しては、どのようにお考えなんでしょうか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 今のは、消防局の方がおっしゃったということですね。当然、運ぶ先が少なくなるというような、不安を持たれるというのは、担当の方の不安というのは、私も十分理解ができるわけでありますが、まず大きく見た場合は、今までは黒川や名取からどんどん患者が運ばれてきたものが、まずその手前で受け止められるということ。それから、黒川、名取といいましても、仙台市からの患者を運ぶことも可能になってくるという、富谷は明石台ですから、泉と接していますので、そちらのほうから患者を運ぶということも十分可能になってくるということでありますので、大きな目で見ると、私は、全体の仙台市の負担は軽くなるというふうに考えても大きな間違いではないだろうというふうに、今でも自信を持って思っております。ただ、消防隊員の方の不安というのは当然のことだというふうに思いますので、それをこれから調整していかなければなりません。今までは、そうは言っても病床数も分からない、そして診療科もまだはっきり決まらないということで、それを外に出していけないということで、ずっと調整をしておりましたから、仙台市から幾ら質問されても、我々もその大局的な話しかできなかったわけであります。少なくともこれから、がんセンターと日赤については、まず病床数がほぼ固まりました。今後、診療科がだんだん具体的になってくると、それによってどういうふうなシミュレーションができるかということが分かってきますので、具体的な調整ができるようになってくると思います。まだ残念ながら労災と精神医療センターについてはそのような議論ができるところまで来ておりませんので、基本合意がある程度までいって、ある程度病床数が見えてきて、診療科が見えてくると、そういった調整も具体的に出てくるというふうに思います。ただ、大前提として先ほどから言っているように、大きな目で見ると、今まで出てきた、入ってきたという数を見ると、恐らく仙台市全体の負担は、仙台市全体ですよ、仙台市全体の負担は軽くなっていくというのが、ある程度の方向としては間違った方向ではないだろうというふうに私は思っております。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) やはりそこが、立場というか、考えがどうしてもかみ合わないところだと思うんです。将来的に再編をした後に、いろいろね、対策を立てて余力ができるというのであれば分かるんですけど、やはり現時点でどうなのかということを考えていただかないと、やはり皆さんの不安というのは払拭されないわけです。今、現時点で五百床以上もある労災病院がなくなってしまう。青葉区でなくなってしまうと、先ほど答弁で頂きましたけども、あそこの地域、小松島地域の出張が二〇%、搬送の内の二〇%が管内の病院、ほとんど労災病院さんが受け入れてくれているところが、そこがなくなってしまうということになるんです。そうなった場合の、じゃあどうするんですかという議論が、余力ができるから大丈夫ですというような返答であれば、またいつまでたっても平行線のままになってきますので、そこをどうにか、お願いなんですけど、議論を先に進めるために、そこを少し、大丈夫っていうふうなところを一旦ちょっと降りていただいて、いや大変かもしれないと、なので一緒に議論しましょうというスタンスを出していただきたいんです。どうでしょうか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 我々としては、そのような方向で臨みたいというふうに思っております。ただし、前提となる、特に労災病院さんは県の病院ではありませんので、具体的な患者さんのデータも何も持っておりませんので、労災さんがどうするかということをまずしっかり意思決定をしていただかないと、そういった議論がなかなかできないということも御理解いただきたいというふうに思います。その点はしっかり、労災病院さんのほうにも、議会で御意見があったということを伝えながら、早く方針を固めてほしいというようなお願いをしていきたいというふうに思っています。労災病院の言っていることは、うちの病院よりも、まず精神医療センターがある程度固まらないと、当然ですが、富谷にどれぐらいの病床数で造るのかということが分からないと、自分たちとしては意思をはっきり示すことはできないと言われておりますので、優先順位としては、まずは精神医療センターのほうをしっかりと、サテライトをどうするのか、本院をどうするのかということが固まってから、労災さんが具体的に病院をどうするかということを示して、その上でいろんなシミュレーションをしていくことになっていくというふうに思います。ただ、そうなるまで、まだしばらく時間がかかるでしょうから、まずあしたからですね、できるところからいろいろ議論していきたいというふうに思っております。村岡議員は仙台市議会議員から県議になられましたので、そういった一番事情に詳しいというふうに思います。そのお気持ちをしっかりとしんしゃくした上で協議していきたいというふうに思っております。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) ぜひお願いいたします。何も、仙台市民は自分たちだけがよければいいということを言っているわけではなく、自分たちのところから病院がなくなってしまうという不安を出した時に、いや仙台市さん大丈夫ですよっていう返答しか返ってこないというところに不安を大きく抱いているんですね。ですから今回、あしたから協議が始まるということですから、やはりつまびらかに何が課題なのかということをしっかり--令和三年のときから仙台市はもうずっと言っていますから、こういうことが不安だ、ああいうことが不安だと言っていることに対しての返事がこれまでなかった、あったのかもしれませんけど納得いく返事がなかったというところで、いつも平行線になっているというところでしたので、ここはしっかりと今後やっていただきたいというふうに思います。また、先日テレビ報道で広島とか山形の医師会の先生方が、今回のこの宮城県の四病院の統合についての意見をいろいろ言っていただきました。これは他地域から見ての感想ということですね。これは行政だけで進められることではないということで指摘されております。私もそうだと思います。やはり医療現場は、今も言ったとおり、消防局なんかもありますので、やはりいろんなところと協議することが大事だと思いますので、今後の協議の中身について、もう一度お伺いいたします。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) あの番組は、かなり曲解した編集をしたなというふうに受け止めをいたしました。御覧になっていない方もおられるのでちょっと説明すると、山形県の県立病院と市立病院をくっつけましたと。広島県は、三つか四つある病院を大きくして県立病院にしましたということでありました。県が主体となって、公的病院同士だとそんなに難しくないんです。あと、県が飲み込んで大きな病院をつくるというのも、そうすると県が主体的に動けますから、いろんな情報をどんどん開示できるんですけれども、私は、あの番組で、県のポリシーがないみたいなことを言われたんですけれども、私は、今後のことを考えてできるだけ、十八年間ずっと同じポリシーなんですけれども、民間の力をできるだけ最大限活用した、なるべく小さな行政体にするような、そして今後、高齢化に向けて少子化に向けて、少しでも余力ができたら、それをそちらのほうに回していくんだという、そういうポリシーの下にやっていまして、今回も非常に難しいのは、民間の病院にいろんな力を出していただこうと思って調整しておりますから、あくまでも主役は民間病院であるということです。ですから、いろんな情報がなかなか表にも出せないと思う。あちらが許可を出してくれないと出せないと、それがやっぱり私としてもじくじたる思いなんですけども、それが今どうしても、皆さんに対してストレスを与えてしまっている要因になっているということであります。しかし結果的には、民間でやれるものはどんどん民間でやってもらうということであれば、その分、県民の負担が軽くなって、そしてよい医療が提供できれば、それにこしたことはないと思っているわけであります。質問に対する答えとすると、村岡議員のおっしゃることはよく分かりますので、まずは、ある程度調整をしながら、そして出せるものはどんどん出していって、特に仙台市さんとは、一番関心を持っておられる自治体でありますので、その他の自治体は皆さん賛成だとおっしゃっていますから、仙台市さんだけがそうでないとおっしゃっているので、しっかりと仙台市さんと協議しながら話を進めていきたいと思っています。おっしゃるとおりだというふうに思っております。
○副議長(本木忠一君) 警察本部長原幸太郎君。
◎警察本部長(原幸太郎君) 先ほどの県警本部からの発言について訂正させていただきます。 桜ヶ丘駐在所の存続についての御質問のうち、地域住民の話合いの御質問に対する回答で、集会の説明会の開催日を去る五月五日と申し上げましたが、正しくは二月五日の誤りでしたので訂正いたします。すみませんでした。
○副議長(本木忠一君) 十八番村岡たかこ君。
◆十八番(村岡たかこ君) 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。 〔十一番 金田もとる君登壇〕
◆十一番(金田もとる君) 日本共産党宮城県会議員団の金田もとるでございます。 冒頭、元日に発生した
能登半島地震でお亡くなりになられた方々に心からの哀悼の意を表します。 発言通告に従って、大綱に沿って発言を行います。 大綱一点目、宮城県地域防災計画と原子力災害対策について。 宮城県地域防災計画の現行計画については、
東日本大震災後に減災を基本方針とした防災対策の推進がうたわれ、逐次修正が重ねられ、昨年十一月に第五次地震被害想定調査報告書を踏まえた修正が加えられたものが最新のものとなっています。
能登半島地震の発生とその被害状況、行政対応の教訓も踏まえた、県地域防災計画の更なる修正作業の予定と、みやぎ震災対策アクションプランの策定をどのように考えておられるのか、知事の所見を伺います。 石川県においては、能登半島沖の活断層による地震の被害想定が二十五年間更新されていなかったとか、二〇〇七年に起きた
能登半島地震の評価も十分になされていなかった等の報道も目にしています。もはや、災害対応において想定外という言葉は免罪符としては通用しません。その覚悟を持って地域防災計画の見直し、アクションプランの策定を行うことが求められています。宮城県の地域防災計画で最大の不安材料は、原子力災害対策です。
能登半島地震では、志賀原発の三十キロ圏内の通行止めは十六路線三十か所にも及び、原子力災害時の避難道路も寸断されました。女川原発で事故が発生した場合、地震・津波災害との複合災害であれば、退域時検査場所までたどり着くことすら困難です。また、屋内退避をと求められても、肝腎の建屋が倒壊・流出、あるいは火事によって焼失していた場合は退避できる屋内が確保されていないということになります。知事自身も
能登半島地震を受けて、半島部の原発事故避難計画について深掘りが必要だと発言していましたが、この間、地震想定のやり直し、避難計画の抜本的な改定、県独自の安全性検討会の再設置等を求める市民団体や、党県会議員団の要請行動に対して、県は、「第一義的には国の責務であり、バックフィットや指針等の改正により対応していただけるものと認識している」と国任せの姿勢です。そして、その国にして、二月十四日の原子力規制委員会では、「避難所や道路の耐震化などは、各自治体の地域防災計画で対応すべきだ」との考えを示した上で「そこがしっかり担保された上で、原子力防災の屋内退避について考えたい」と述べています。国と県がお互いに責任を押しつけ合っているとしか思えません。知事、今こそ二百二十五万人の県民の命と健康に責任を負う知事として、県自らが女川原発の安全性を検討し、避難計画の抜本的見直しを図る、安全が確認できるまでは再稼働の地元同意は一旦取り消すことを求めます。知事の決意としてお答えください。 この間、国は、放射線防護対策の基準を引き下げることに腐心してきました。放射線防護の実効性、実際の効果を下げてでも、避難計画を達成しやすくするという考えです。実際に、二〇一八年の原子力災害対策指針の改正では、防護についての考え方を被曝を前提とした努力目標に変えてしまいました。二〇二一年四月の「避難退域時検査等の資機材整備について」の通知では、検査に当たる要員の不織布防護服、タイベックス等の着用は不要とされ、車両用ゲート型モニターはごく軽微な汚染でも検知・発報する可能性が指摘されたので、新規購入は見合わせる、住民用ゲート型モニターは、検査等の効率化に資することは困難と考えられるので、購入申請しないこととされました。そこで伺います。二〇二一年度以降の要員用不織布防護服の購入枚数と、現在の確保枚数は何枚になっていますでしょうか。同じく、二〇二一年度以降の車両用ゲート型モニターの購入台数と現在の保有台数、住民用ゲート型モニターについても同じくお答えください。 大綱二点目、半導体企業の誘致と環境対策について伺います。 新年度予算では、知事のトップセールスが奏功して誘致に至ったと喧伝されているJSMCの半導体工場を中心に関連企業の更なる誘致や人材育成を進めるとして、みやぎシリコンバレー形成支援事業に三億二千万円余りが計上され、二月補正予算でも前倒しで二千五百万円が計上されました。世界で半導体工場の建設ラッシュが起き、各国が誘致を競い、日本政府も多額の税金を投入。国内を見ても、熊本の菊陽町、北海道千歳市、三重県四日市市、岩手県北上市のほか、佐賀県や茨城県などでも工場の新増設計画が進められています。こういった中で、高度技術者人材の争奪戦が厳しさを増すとともに、一般従業員の確保の点でも人手不足で苦労している県内企業に与える影響を危惧する声もあります。知事は、行け行けどんどんの状態にありますが、多額の県費を投入する半導体企業の誘致が県内企業に与えるリスクについて、知事の見解を伺います。 半導体工場の運転に際しては、大量の水を必要とします。微粒子などの不純物をできるだけ取り除いた超純水が使用されます。現時点では、県工業用水の使用が想定されていて、その使用量が一日当たり五千五百立米、排水量は四千四百立米とお聞きしました。現在の北部工業用水の一日平均利用量が一万九千八百八十、約二万立米ですから、二五%以上の増が見込まれます。排水基準や排水設備についても相応の対応が求められます。今、海外においても国内においても、半導体工場周辺の環境汚染、とりわけ水質汚染を懸念する声が上がっています。中でも、有機フッ素化合物、PFASの問題です。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約を受けてPFASの代表的な物質であるPFOSは、二〇一〇年に製造・使用・輸入制限の対象になり、PFOAも二〇二一年に原則禁止の対象になっていますが、昨年二〇二三年秋に、三重県のキオクシア四日市工場と河川をつなぐ排水口から、国の暫定指針値の二・六倍ものPFASが検出され、大きな問題になっています。熊本においては、豊富な地下水資源の汚染も含めて危惧する声、千歳市においても千歳川流域やウトナイ湖サンクチュアリの環境への影響が心配されています。予定されているJSMCの半導体工場の建設に際しては、半導体の製造工程に加え、半導体の材料や洗浄用水などサプライチェーンの全域でPFASは使用しないことを確認するとともに、半導体の製造過程で化学薬品などの反応で意図せずに物質が生成される副生への対応を行うこと。また、工場の建設・稼働前に周辺の河川・井戸水・農業用水について調査を行うとともに、稼働後の調査についても同様に行うことを求めます。お答えください。 大綱三点目、宮城県クライミングウォールの整備方針について伺います。 二〇二〇年度の包括外部監査で利用水準が低水準と指摘されていた宮城県クライミングウォールの整備方針について、県は先月公表した宮城県第二総合運動場等整備方針素案の中では「施設の利用率、大会実施会場の確保などを踏まえ、競技団体である宮城県山岳連盟との協議を継続し、今後ともその在り方の検討を続ける」としていました。かつて、武道館まつりのクライミング体験会では、二時間でおよそ百十人の参加者があった施設です。利用水準が低水準となったのは、設備が著しく老朽化したためであり、日常の設備管理に関わる県の対応の不十分さを指摘し、そのことが利用者の大幅減を招いたとする声もあります。県としての認識を伺います。 先月十九日の県議会総務企画委員会で私のほうからは、クライミングウォールについては、本県が東北総合体育大会の開催県となっている二〇二五年までの整備スケジュールも視野に入れた対応を求めておりましたが、その後、大会までの整備は間に合わず、隣県の施設を借用しての開催の方向で調整しているとお聞きしました。仮に、他県会場での開催となっても、準備・運営は宮城県が担うわけで、開催の相当前から泊まり込みで対応しなければなりません。人や物品の移動費、宿泊費などの経費がかさむ一方で、現地開催による競技の普及効果、経済波及効果も宮城県は得られません。県山岳連盟の皆さんからは、二〇二五年の開催に間に合うようにクライミングウォールの整備を二〇一八年から繰り返し求めてきた経過があるとお聞きしました。仮設の競技用リード壁を設置しての開催はできないのでしょうか。現状と今後の課題について、県としてその責任と役割をどのように考えておられるのか、お聞きします。お答えください。これまで著名な選手、世界チャンピオンを輩出してきた宮城県です。オリンピック種目にもなったことで、認知度も上がっています。知事は、宮城県におけるスポーツクライミングの位置づけと役割をどのように考えておられるのかお聞きします。お答えください。 大綱四点目、四病院の再編・移転問題について伺います。 二〇二一年九月に県の政策医療の課題解決の一方策として提示され、直後の知事選で村井知事が選挙公約として掲げた四病院再編・移転計画は、知事の五選後、その進め方において、それぞれの病院の患者、当事者・住民無視、議会軽視、横紙破りの姿勢が貫かれ、昨秋の県議選においては、県政与党会派に所属する議員・候補者の中にも、四病院再編、大反対と訴えられた方々がおられました。地元紙が立候補者に対して行ったアンケートの回答を当選者分について再集計した結果でも、再編・移転計画に「賛成、どちらかといえば賛成」が二十一人で率にして三六%、「反対、どちらかといえば反対」が二十七人、四六%でした。県議選を前に「私を止められるのは県議会だけだ」と宣言した知事に対し、県議会としても真価が問われる局面にあります。知事、執行部並びに同僚議員各位においても、真摯な議論と賢明な判断が求められています。 昨年十二月二十二日、突如、締結に至った
仙台赤十字病院と宮城
県立がんセンターの統合に向けた基本合意書。同日午後の基本合意締結式及び合同記者会見の場に私も同僚議員とともに駆けつけましたが、そこでの知事並びに日赤本社の医療事業推進本部長の発言に耳を疑いました。いわく「今日の基本合意の締結が先にあって、十七日の八木山での説明会の日程が決まった」、知事の発言です。「基本合意の発表の前に説明会をやる必要があって、こういうタイミングになった」、日赤の本部長の発言です。更に、日赤の本部長からは、先月末--この時点では十一月末のことですが、この十一月末に本社の社長・副社長のところで、今般の基本合意の内容について了解が得られていたとの発言もありました。知事、これでは、住民説明会は基本合意締結の前のアリバイ開催でしかなく、はなから住民説明会で出された意見を基本合意に反映させる考えなど毛頭なかったということにはなりませんでしょうか。お答えください。 また、基本合意締結式の三日前に閉会した十一月議会の場でも、締結が決まっていたにもかかわらず、県議会にも全く知らせていなかったということであり、議会軽視も甚だしいと言わざるを得ません。知事には猛省と基本合意の撤回を求めます。お答えください。 知事の暴走はその後も続きます。基本合意締結の翌日の旭ヶ丘での説明会での参加者からの真っ当な批判と圧倒的な非難の声をものともせず、翌週十二月二十六日には急遽、仙台区域
地域医療構想調整会議を開き、厚労省への重点支援区域申請を強引に押し通しました。まずもって看過できないのは、この仙台区域
地域医療構想調整会議は、県の情報公開条例・事務取扱要綱に反した形で招集・開催されていることです。四病院再編・移転構想に関わっては、昨年九月の県医療審議会病院部会の開催告知が、やはり事務取扱要綱に定めた「少なくとも開催の日の七日前までに」掲載告知しなければならないとの規定に反して行われ、医療関係団体から抗議を受けていましたが、再び同様の指摘・抗議を受けることになりました。九月の開催告知は三日前、この十二月の開催告知は僅か一日前です。なぜ、自らが定めた情報公開条例に違反する、同じ過ちが繰り返されるのか、原因と責任の所在について、知事の答弁を求めます。お答えください。 まさになりふり構わず、十二月二十六日に開催された仙台区域
地域医療構想調整会議では、基本合意に基づく病院統合によって急性期病床が削減されることに対する技術的支援・財政的支援を得るべく、国への重点支援区域申請の了解を取り付けようと躍起になる県の姿があからさまになりました。公開されている議事録では、新病院をつくるに際しての財政的な支援を重点支援区域になることで引き出す--その点を考えれば、進めるべきかと思うとの意見が示される一方で、基本合意の内容そのものについては懸念が強く示されていたことが分かります。より具体的には、がんセンターの研究部門がどうなるのか、どこにも文言が出てこない。東北大学と補完・連携がそもそもうまくいくのか。日赤本部ががん医療をどのくらい重視してくれるのか。今回の議論をもって、調整会議での合意が得られたことになるのか。病床規模四百床程度とされているが、その内訳が分からないままにゴーサインを出せない。そもそものあり方検討会議で、がんの医療を中心にということでスタートしているので、あくまでがんの医療を中心とした総合的な病院ということでなければならないし、その点では県からの財政的な支援も必要だと。議論や検証に必要な情報が示されないまま進められることには、医療関係者や患者の理解は得られず容認できない。こういった意見が出されていました。名取市の医師会会長、県医師会副会長、仙台市保健所所長、仙台市立病院院長といった要職にある方々の発言です。肯定的な意見を述べていたのは、アドバイザーとして参加していた東北大学の藤森先生ぐらいです。座長が最後に、「今回の基本合意に関しましては、様々な懸念の声、心配の声がございますので、今回の重点支援区域の申請とは切り分けて考えていただきたい」、このように述べて、「重点支援区域の申請ということに関しては了解の姿勢で取りまとめたい」、こういうふうにまとめた。本来、切り分けて考えることなどできないことを迫ったわけでございます。当日の
地域医療構想調整会議での結論は、重点支援区域の申請については了解するが、基本合意の内容そのものが了承されたわけではないということです。知事、この点、正しく理解されていますでしょうか。知事の認識を伺います。お答えください。 さて、年末ぎりぎりに重点支援区域の申請にこぎ着け、年明け十六日には、厚労省から重点支援区域に選定するとの通知があったわけですが、極めて異例なことに「下記のとおり、条件を付した上で重点支援区域に選定する」との一文が付されていました。これまで、二十一区域が選定されてきた中で初めてのことです。仙台市をはじめとする関係自治体に丁寧に説明を行い、理解を得ること。医療機能の再編等により影響を受ける地域住民に丁寧に説明を行い、理解を得ること。この二つの条件がつけられたことについて、なぜこのような条件がつけられるに至ったのか。知事としてどのように受け止められたか。また、その条件をクリアするための取組の具体化について伺います。お答えください。 また、保健福祉部の部長・副部長が、知事も言っておりますが、「厚労省の
地域医療計画課に確認したところ、これは制約条件ではないとの回答を得た」との発言を繰り返していますが、この発言の真意を伺います。お答えください。 知事に改めて、
県立がんセンターの機能の継承について伺います。 基本合意書の第三条の(3)では、がん医療について、「がん診療連携拠点病院として、宮城
県立がんセンターが担っている機能について東北大学と補完・連携を進め、他のがん診療連携病院とともに県内のがん政策において必要な機能を維持する」とされています。この間、東北大学との補完・連携についての協議はどのように進められてきたのか、協議の到達点と併せてお答えください。東北大学側が「現在の
県立がんセンターの機能の全てを引き受けるのは困難」との声も聞こえています。具体的には、研究所機能がどうなるのかをお答えください。また、現在、
県立がんセンターが果たしている県がん登録室、がんゲノム医療センター、患者サポートセンター、がん相談支援センター、こういった機能は日本赤十字社が運営する新病院には引き継がれるのか、お答えください。 二〇二三年二月に協議確認書を結んだ際に、知事は「今後はそれぞれの病院の当事者・管理者にも協議に参加頂き、より具体的な議論ができるようになる」と強調していました。二〇二三年二月以降、
県立がんセンターと
仙台赤十字病院の当事者・管理者を交えた協議実績をお答えください。
仙台赤十字病院の患者・利用者、地域住民、職員への説明会開催について伺います。主体的説明者は日赤本社及び
仙台赤十字病院の管理者となると思いますが、県の関与についてはどのように考えているのか伺います。 十二月二十二日の基本合意締結式にも同席されていた日赤本社の渡部洋一医療事業推進本部長が読売新聞の取材に応じた中で、新病院の職員数について「看護師は両病院を合算すると余剰人員が出るので、
仙台赤十字病院側は新規採用を抑制するなどの工夫をしながら、適正人数に近づけていく」旨の発言をしていました。
仙台赤十字病院における希望者の雇用確保について、県はどのように責任を果たされるのか伺います。お答えください。 次に、県立精神医療センターと東北労災病院の合築について伺います。 県は、二月十六日の県精神保健福祉審議会に、県立精神医療センター建て替えに伴うサテライト案三案を提示しました。一月末に精神医療センター側に、本院を富谷市に移転させ、分院を名取市に設置する案として提示していた三案と同じ内容だと説明されました。精神医療センターがサテライトを持つ構想については、昨年八月の時点で、経営的に成り立たないことを理由に否定され、民間病院の公募方針が打ち出されていました。知事に改めてお聞きします。何を目的とした民間病院公募方針だったのか。そして、その公募方針を断念したのはいかなる理由によるものだったのか、お答えください。更に今般、県自身が採算性の観点から否定していたサテライトの配置を決断したことについて説明を求めます。お答えください。 この間の住民説明会の場で、参加者から「ここまで問題がこじれているのは、やはり進める側にボタンの掛け違いがあったからだ。これを解決するには、一度掛け間違ったボタンを全部外さなければいけない」、こういう声が上がりました。知事、ボタンを一旦全部外すこと、計画を一旦白紙に戻す決意を求めます。いかがですか、お答えください。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 金田もとる議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、宮城県地域防災計画と原子力災害対策についての御質問のうち、県地域防災計画の修正と、みやぎ震災対策アクションプランの策定についてのお尋ねにお答えいたします。 地域防災計画は、防災対策に対して、総合的かつ基本的な性格を有するものであり、毎年度検討を加え、必要に応じて修正しており、これまでも
東日本大震災の教訓等をはじめ、その後の災害への対応から得られた知見を踏まえ、修正を行っております。また、震災対策アクションプランは、第五次地震被害想定調査を踏まえ、来年度、減災目標の達成に向けた県の取組について取りまとめることとしております。県といたしましては、今回の
能登半島地震から得られる新しい知見について確認していくとともに、必要に応じ、地域防災計画及び震災対策アクションプランを改定し、反映してまいります。 次に、大綱二点目、半導体企業の誘致と環境対策についての御質問のうち、半導体企業の誘致が県内企業に与えるリスクについてのお尋ねにお答えいたします。 半導体企業の誘致については、後工程などの関連産業の集積に加え、工場の操業に必要な装置や消耗品、水処理、ガス、電気、薬品、空調など、様々な分野で県内企業の取引拡大が期待されるなど、地域経済に大きな好影響をもたらすものと認識しております。一方、先行自治体においては、こうした経済波及効果を高めるためにも、地域における人材や住まいの確保、インフラ整備、外国人の受入れ、環境対策などに取り組んでいると伺っております。我が県では、昨年十月三十一日のJSMCホールディングス株式会社の工場立地決定を受け、十一月十七日に副知事をリーダーとするプロジェクトチームを立ち上げ、庁内横断でこれらの取組を進めているところであります。今後は、経済安全保障上、特に重要な物資である半導体について、我が県をはじめとする国内生産拠点における自治体の取組に対し、国の積極的な支援を求めてまいります。 次に、大綱四点目、四病院の再編・移転問題についての御質問にお答えいたします。 初めに、議会軽視であり、基本合意の撤回を求めるとのお尋ねにお答えいたします。
仙台赤十字病院と
県立がんセンターの統合に向けた基本合意については、それぞれの機関の最終的な意思決定が締結式の直前であり、また、各々の病院関係者、職員に対する説明を優先する必要もあったことから、議会に対して事前に報告ができなかったものであります。
仙台医療圏の病院再編につきましては、令和三年九月の協議開始以降、新病院の具体像など、協議の進捗に応じて議会に報告しておりますが、県といたしましては、引き続きできる限りの情報提供に努めてまいります。 次に、
地域医療構想調整会議での結論についての御質問にお答えいたします。 昨年十二月に開催した
地域医療構想調整会議では、
仙台赤十字病院と
県立がんセンターの統合に関する基本合意の内容に基づき、重点支援区域の申請について審議が行われた上で、了承が得られたものでありますので、両病院の統合の方向性についても、当然、了承が得られたものと認識しております。なお、がん医療をはじめ、新病院が担う機能に関する不安や懸念の声に対しましては、今後、診療科など具体的な機能の検討を進める中で、関係者と十分に協議してまいります。 次に、新病院の雇用確保についての御質問にお答えいたします。
仙台赤十字病院と
県立がんセンターの職員の処遇につきましては、新病院の医療機能に関する今後の詳細な協議を踏まえ、職員の意向に配慮した上で、日本赤十字社、県及び県立病院機構の三者で協議し決定することとなりますが、希望者の雇用が確保されるよう、県といたしましても最大限の調整に努めてまいります。また、新病院での採用が難しい場合は、県立循環器・呼吸器病センター閉院時の対応などを参考にしながら、病院機構内での異動のほか、公立病院等への就職あっせんなど、病院機構と連携し、職員の意向に配慮した対応を行ってまいりたいと考えております。 次に、サテライトの設置を決断した理由についての御質問にお答えいたします。 民間精神科病院の公募案につきまして、精神保健福祉審議会等での議論が進まず、公募手続の見通しが立たない中で、民間事業者による対応などへの不安や懸念の払拭のほか、病院再編協議を進める上でも必要と考え、県立のサテライト案を検討することとしたものであります。なお、サテライトの病床規模につきましては、現在の入院患者実績を踏まえ、富谷市に設置する本院と合わせて百七十床程度を想定しており、県立精神医療センターの職員の方々と意見交換を重ねながら、財政面や人員配置の観点も踏まえ、サテライトの具体的な規模や機能を検討しているところであります。 次に、四病院再編計画は白紙に戻すべきとの御質問にお答えいたします。 今回の病院再編については、
仙台医療圏を中心に県全体の地域医療の現状及び将来を見据え、病院機能の集約・拠点化により、政策医療の課題解決を図るとともに、県民に適切な医療を持続的に提供していくために取り組んでいるものであります。令和三年九月の協議開始以来、賛成・反対それぞれの立場から様々な御意見を頂いておりますが、県といたしましては、県民の理解を得られるよう、病院再編の意義を丁寧に説明するとともに、引き続き御意見を伺いながら、病院再編の協議を進めてまいりたいと考えております。 質問が多岐にわたっておりましたので、ちょっと早口で答弁いたしました。お許しください。
○副議長(本木忠一君) 復興・
危機管理部長千葉章君。 〔復興・
危機管理部長 千葉 章君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(千葉章君) 大綱一点目、宮城県地域防災計画と原子力災害対策についての御質問のうち、女川原子力発電所二号機の再稼働についてのお尋ねにお答えいたします。 再稼働については、令和二年十一月、県議会や市町村長の御意見等をお聞きした上で、政府の方針に対し、県として理解を表明したものであり、現在もその考えに変わりはありません。安全対策工事の実施内容や原子力発電所の検査制度の検討・検証については、国の責務と考えており、今後、国において、今回の
能登半島地震に関して新たな知見が確認された場合は、バックフィットや指針等の改正により対応するものと認識しております。また、発電所周辺七市町の避難計画については、女川地域の緊急時対応として取りまとめられ、国において具体的かつ合理的であるとして了承されております。県としましては、引き続き、国、市町と連携し、訓練の実施を通じて、継続的に避難計画の検証・改善を図るとともに、東北電力に対し、必要に応じ立入調査を行うなど、女川原子力発電所の安全管理の徹底を求めてまいります。 次に、避難退域時検査等の資機材整備についての御質問にお答えいたします。 令和三年四月の内閣府からの通知以降、避難退域時検査等場所で使用する不織布防護服、放射性物質の付着状況を検査するための車両用ゲートモニター及び住民用ゲートモニターについて、県において新規購入はありません。資機材の保有状況については、現在、避難退域時検査等場所で使用する不織布防護服は保有しておりませんが、従事するに当たって、警報装置つき線量計を身につけることとしております。また、車両用ゲート型モニターについては、現在、十二台を保有しておりますが、住民用ゲート型モニターについては保有しておらず、GM管式サーベイメータで測定することとしております。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 企画部長武者光明君。 〔企画部長 武者光明君登壇〕
◎企画部長(武者光明君) 大綱三点目、宮城県クライミングウォールの整備方針についての御質問のうち、設備管理に関する県の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 宮城県クライミングウォールは、毎年度、定期的に専門業者によるパネルやホールドなどの点検を実施しており、加えて、老朽化した設備や部品の補修・交換などを行っており、日常の設備管理については適切であったと認識しております。東北総合体育大会が開催された平成三十年度以降、利用者数は減少傾向にありますが、その要因としては屋外の施設であることや、利用に当たって有資格者の立会いが必要であるといった利便性の問題などがあると考えられております。引き続き、宮城県第二総合運動場等整備方針に関する懇話会での議論の結果を踏まえ、競技団体の御意見を伺いながら、整備方針について検討してまいります。 次に、東北総合体育大会における仮設の競技用リード壁設置についての御質問にお答えいたします。 仮設のリード壁については、国民体育大会などにおいて使用されたことがあり、その設置費用は、我が県のクライミングウォールの壁面張り替えよりも数倍以上高額になると見込まれており、仮設でのリード壁の設置は難しいと考えております。一方、国民体育大会や東北総合体育大会等の大規模大会の開催に当たっては、開催県の施設だけではなく、民間の施設や他県の施設を活用する例があり、今後人口減少が本格化する中においては、こうした他県との連携もこれまで以上に考えていかなければならない状況にあると認識しております。県としましては、競技団体の意向を踏まえ、他県における大規模大会の運営方法も参考に、スポーツクライミング競技が円滑に実施できるよう検討してまいります。 次に、我が県におけるスポーツクライミングの位置づけと役割についての御質問にお答えいたします。 スポーツクライミングは、東京二〇二〇オリンピック大会で日本人選手が活躍し、近年人気が高まっているものと承知しております。我が県においても、民間クライミングジムが十か所程度開設されており、子供からベテランの方まで、幅広い年代が参加できるスポーツであると認識しております。一方、競技としてのスポーツクライミングは、競技人口が多くはないことから、競技者数を増やす取組などについて競技団体とよく意見交換を行ってまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君)
環境生活部長佐々木均君。 〔
環境生活部長 佐々木 均君登壇〕
◎
環境生活部長(佐々木均君) 大綱二点目、半導体企業の誘致と環境対策についての御質問のうち、新たな半導体工場でのPFASの使用についてのお尋ねにお答えいたします。 半導体工場で使用する化学物質については、今後、事業者に確認していくことになりますが、サプライチェーンも含め、企業の機密情報が含まれている場合があるため、全てを確認することが難しい可能性があります。一方、PFASの代表的な物質であるPFOSやPFOAなどについては、副生する場合も含め、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律で、製造や輸入が原則として禁止されており、使用されることはないと考えております。加えて、水質汚濁防止法や化学物質排出把握管理促進法に基づき、対象となる化学物質の使用について把握可能であることから把握した場合、県として適切な管理を求めてまいります。周辺の河川や井戸水等の調査については、水質汚濁防止法に基づき、県内全域においてポイントを定め、定期的に環境基準項目の監視測定を実施しておりますが、今後、事業者から工場の稼働時期や排水先、排水処理施設の内容など計画の詳細を伺いながら、調査の項目や地点の追加などの必要性について検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱四点目、四病院再編・移転問題についての御質問のうち、住民説明会についてのお尋ねにお答えいたします。 地域住民を対象とした説明会については、議会から基本合意前の開催について要請を受けたことなどを踏まえ、昨年十二月十七日、八木山地区において開催したところでありますが、その後、日本赤十字社及び県立病院機構との協議が整ったことから、十二月二十二日に基本合意を締結したものであります。説明会では、病院移転後の医療提供についての不安・懸念の声が多く出されましたが、基本合意の締結により、今後は日本赤十字社と協力して、改めて地域説明会を改正することが可能となったことから、その中で丁寧な説明に努めるとともに、地域住民の皆様の御意見について、今後の関係者間の協議の中で十分に配慮してまいります。 次に、会議開催の告知時期についての御質問にお答えいたします。 昨年十二月二十六日に行われた
地域医療構想調整会議の開催については、開催八日前に県ホームページへ掲載しておりますが、同月二十二日の基本合意締結を受け、重点支援区域の申請に関することを議題に追加する旨、開催前日となる二十五日に再掲載したものであります。会議の内容告知が直前となったことについては、重点支援区域の申請手続や委員の皆様の負担軽減に配慮して、既定の会議に一括付議することとした結果ではありますが、御指摘については真摯に受け止め、情報公開条例の趣旨を改めて認識し、事務取扱要綱に沿った適切な事務執行に取り組んでまいります。 次に、重点支援区域選定の条件についての御質問にお答えいたします。 先月十六日に国から重点支援区域に選定された際の条件については、新病院の開設に向けて、引き続き関係者に対する丁寧な説明に努めてほしいとの趣旨で付されたものと、国の担当者から説明を受けております。県といたしましては、これまでも様々な機会を捉え、病院再編の必要性や効果を周知してきたところですが、住民説明会を引き続き開催するとともに、仙台市からの協議要請にも真摯に対応し、地域住民や関係自治体の理解を得られるよう取り組んでまいります。 次に、県執行部の発言の真意についての御質問にお答えいたします。 重点支援区域の選定に係る今回の条件については厚生労働省に確認したところ、財政支援等を行う上での制約となるものではなく、新病院の開設に向けて、引き続き関係者に対する丁寧な説明に努めてほしいとの趣旨で付したものであり、国としても地域理解に向けた技術的支援を行うとの話があったことから、「制約条件ではない」と発言したものであります。 次に、がん医療に係る東北大学との協議についての御質問にお答えいたします。 がん医療をはじめとする新病院の医療機能については、医療需要の推計などを踏まえ、東北大学の助言を得ながら、関係者と検討を行っているほか、
県立がんセンターの研究所機能については、今後の在り方に係る協議を東北大学に依頼しているところです。県といたしましては、今後、新病院の具体的な機能の検討を進める中で、他のがん診療連携拠点病院との役割分担・連携も踏まえながら、研究所機能も含め、がん医療に係る東北大学と補完・連携に係る協議を重ねてまいりたいと考えております。 次に、研究所機能についての御質問にお答えいたします。
県立がんセンターの研究所機能については、今後の在り方に係る協議を東北大学に依頼しているところであり、その協議の中で、東北大学などとの機能分担や連携により、必要な機能の確保について検討していきたいと考えております。県といたしましては、病院統合後も、県全体のがん医療水準の向上に向け、新病院の具体的な機能の検討と併せ、東北大学と研究所機能の協議を進めてまいります。 次に、
県立がんセンターの機能についての御質問にお答えいたします。
県立がんセンターが有する、がん相談支援センターなどの様々な機能の在り方については、今後、診療科など新病院の具体的な機能の検討を進める中で、新病院への引継ぎも含め、日本赤十字社や県立病院機構、東北大学などの関係者と協議してまいりたいと考えております。 次に、各病院の当事者・管理者を交えた協議実績についての御質問にお答えいたします。 昨年二月以降、
仙台赤十字病院と
県立がんセンターの統合については、基本合意の締結に向けて、主に新病院の経営的な観点から、日本赤十字社と県を中心に協議を行ってまいりました。各病院に対しては、これまでも打合せや情報提供を行ってまいりましたが、基本合意を踏まえ、今後、新病院の診療科や医療機能などの検討を行う中で、各病院の職員を交えて協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、患者や地域住民、職員への説明会についての御質問にお答えいたします。
仙台赤十字病院の移転に伴う患者や地域住民、職員への説明については、日本赤十字社と
仙台赤十字病院が主体的に対応すると伺っており、県としましても、説明会の開催などに協力してまいります。また、病院再編の必要性や効果を伝えるため、引き続き、各地域で地域説明会を開催する予定であり、日本赤十字社をはじめ、関係者と連携しながら丁寧に説明を重ね、県民の理解の醸成に努めてまいります。 次に、民間病院の公募についての御質問にお答えいたします。 民間精神科病院の公募案については、県南部の精神科医療提供体制の確保に向けて、県立精神医療センターの移転後の診療体制や、地域移行等の機能の維持などを目的として提案したものですが、民間事業者による対応等について、患者や関係者から不安や懸念の声があったことなどから、現在、県立のサテライト案の検討を進めているところであります。 以上でございます。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 答弁ありがとうございました。再質問を残された時間の中で行わせていただきます。 最初に、女川原発の再稼働に関わってですけれども、二月十九日、東北電力が再稼働についての記者会見を行ったわけですけれども、それを受けて知事からは「今度こそはしっかりと安全対策を講じた上で再稼働してもらいたい」と、このように述べておられました。改めてお聞きしますけれども、ここでいう安全対策に避難計画も含まれているということでよろしいですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 含まれておりません。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) そうですね、含まれていないという認識なのですよね。やはりそこが問題だというふうに思います。ただ、それは規制委員会もそういうふうに言っているわけですから、知事がそのように答弁されるのはそうだろうなと思いますけれども、原子力規制委員会は「発電所外の避難計画は規制委員会の審査の対象としていない」と、このような答弁を繰り返しています。県自らが女川原発の安全性を検討する避難計画も含めて、避難計画が実効性があるかどうかというのは、これは県民にとって本当に一番大事なことだと言ってもいいと思うのですよ。万が一事故があったときに避難計画--安全に避難できるのかどうか、このことについて、県として、先ほどの部長答弁では、これについても国のところで認められているというふうにありましたけれども、今回の
能登半島地震を受けて、本当にこの避難計画がそのまま実行に移せるのかということについて大きな疑義が生じたので、知事自らも深掘りが必要だと言ったのではないですか。この点について、やはり県として責任を果たすという、そういう立場に立っていただけませんか。知事、いかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど復興・
危機管理部長が答弁したとおりでございまして、まずは国の責務でしっかりと判断するべきものというふうに考えてございます。その上で、新たな知見が確認された場合には、新たな指針の改正等、そういったようなものを国のほうで方針を示し、それに合わせて我々、しっかり責任を持って対応していくということになります。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 繰り返しになりますけれども、避難計画の抜本的見直しを含めて、安全が確認できるまでは再稼働の地元同意、これは一旦取り消す。これが筋だというふうに思います。 続けて一言御紹介させていただきますけれども、先日、定禅寺通り一番町入り口のところでハンドマイクを使って私が宣伝しておりましたら、通りかかった女性が足を止めて、しばらく近くのベンチに腰かけて最後までお話を聞いてくれました。お声掛けさせていただいたら、
能登半島地震と原発のことを話されていたので、ちゃんとお聞きしようと思って、最後まで聞かせていただいたというお話で、実は私、福島の双葉から避難してきた者なのですと。能登半島にある原発のことも気が気でないのだけれども、もし女川原発に何かあったら、私たちはこの仙台からも避難しなければならないことになるのだと旦那さんと話していたと。知事、この言葉をどのように受け止められますか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) そういう言葉を受けて、よりしっかり丁寧に対応していかなければならないというふうに感じます。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 避難計画含め、安全性をしっかりと確認できるまではやはり再稼働させないという立場での知事の奮闘を期待いたします。 続けて申し訳ございません。四病院の再編・移転問題について移ります。 なぜ自らが定めた情報公開条例に違反するような過ちが繰り返されるのかと。このことについて、部長のほうからは、一旦八日前には出していたのだと。その後一日前に追加で出したと。そのときに、重点支援区域の申請期日の問題もあったのでとおっしゃられましたよね。しかし、重点支援区域について、これは随時受付ですから、締切りとかないわけですよね。この点いかがですか。何で年末にこんなに急いだのですか。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 改めて申し上げますけれども、やはり重点支援区域の申請にこぎ着けるためには、地域での基本合意をなしていなければならないといったことは当然手続上としてはあります。そういったことの流れの中で、時期的にそういったタイミングになってしまったということでございます。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) おかしいですよ。重点支援区域について申請を確認する
地域医療構想調整会議、八日前に案内を出したときには、重点支援区域のことは入ってなかったわけですよね。その一日前に告知して、委員の先生方はどれだけの準備ができるのですか。基本合意についてどれだけの理解を得た上で委員会に臨むことができたのですか。それでもあれだけの意見が出ているのですよ。基本合意について了解して、もろ手を挙げてこれで申請しましょうとなったわけではないというのは、部長が一番よく分かっているのではないですか。この点いかがですか。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 審議の中では御指摘のような意見もあったのも事実でございますが、一方では、基本合意の中身についてしっかりと説明し、中身についての審議等も経た上で、委員の皆様は最終的にこの基本合意を前提の中身になっている重点地域区域の申請をお認めいただいたといったことでございますので、あとは答弁したとおりでございました。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) いや、あの議事録を読めば、基本合意について納得して重点支援区域を申請しましょうとなったわけではないとよく分かるではないですか。だって、切り分けて考えてくださいとわざわざ座長が言っているのですよ。何でわざわざ切りわけないといけないのですか。財政的な支援を受けるのが大事なので申請させてくださいと、これ分かりますよ。でも、その前提となる基本合意について、あれだけ意見が出ていて、それを通すということは、やはり無理筋ですよ。知事いかがですか、これ。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど部長も答弁いたしましたけれども、まず、七日前までといったようなことだったのに、直前になってしまったではないかということでございます。それについてはおわびを申し上げなければいけないと思うのですが、ただこれは、審議会等の会議の公開に関する事務取扱要綱ですので、これを守らなければ絶対やってはいけないというものでは決してないのです。ただ、要綱を定めたその要綱どおりやらなかったということについては、私も反省をしなければならないと思っておりまして、今後そのようなことにならないというふうに思いますが、要綱を守らなかったので、七日よりもっと前に、直前に言ったのでこの審議会自体が成り立たないというものでは決してないということでございます。今後は、このようなことのないようにしてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 私はそういうことを言っているわけではないのです。これは一回目ではなくて二回目なのですよね。九月にも同じことをやっているということをまず一つ言っているのと、それと、無理筋の話を通すために--だって、八日前に告知したときには議題に入ってなかったものを一日前に出して、それで年末の忙しい時期に、十二月二十六日に通してですよ、二十七日に申請する。これはやっぱり、担当されている職員の方も本当に気の毒だと思いますよ。知事、いかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君
◎知事(村井嘉浩君) 繰り返しになりますけれども、今後はこのようなことないように注意してまいりたいというふうに思います。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君
◆十一番(金田もとる君) 時間もないので進めますけれども、こうやって苦労しながら申請して、十六日にめでたく厚労省からお墨つきを頂いたわけですけれども、これについては附帯条件があったと。この条件についても先ほど制約条件ではないというふうに答弁されていますけれども、実際この制約条件ではないと地域の住民の方々との説明会のときに担当の職員がお答えするのは、やっぱり違うと思いますよ。切り分ければ確かにそのとおりですけれども、でもこんなことを地域の方々は求めて聞いているわけではないわけですよ。改めて、私ども日本共産党国会議員団宮本徹議員の秘書を通じて厚労省の医療政策局
地域医療計画課に私どもも照会をかけました。どういう経過でこういう附帯条件がついたのか。条件を付したケースは過去にあるのかということについてはないと。条件付した理由と趣旨・背景についてはどうか。
地域医療構想調整会議で合意しているが、しかしその中で議論や検証がない、必要な情報が県から示されずに進められているなどの意見を厚労省は聞いていると。仙台市のホームページでは、宮城県からの根拠となるデータ開示が不十分だとも指摘されていると。住民説明会では参加者から説明が不十分と指摘があったことも認識しており、今回はもろもろを踏まえて条件付とさせていただいた。地元河北新報の報道記事などで様々な意見が上がっていることも承知している。このように答えられています。更に、今後厚労省は宮城県と仙台市の状況を確認するのかということについては、いつになるかは決まっていないが、宮城県と仙台市の双方に確認を行う。厚労省として通知を出したこともあって、通知を出してそのままにはせず、今後状況を見ながら確認していきたい。このような回答を得ています。ですから、助成金をもらうための制約条件でないというのは、そうなのかなというふうにそちらも思っているのだと思いますけれども、でも実際にこの出されたことの背景、こういう経過があったということを受け止められれば、これにしっかりと応えていかなければならないというふうに思います。いかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君
◎知事(村井嘉浩君) そう思います。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 知事は、二月六日の定例記者会見で記者から問われて、「当然、重点支援区域になるときの付けられた条件というのは、当然のことでして、少しでも御理解いただけるように努力をする。これはもう当然のことでして」と答えられている。当然のことだということを三回繰り返し強調されています。知事、改めてお聞きしますけれども、これは厚労省の指摘もごく当たり前のことで、当然のことなので、仙台市や地域住民の方々へも丁寧に説明し、理解を得るために更に力を尽くすと、こういう趣旨で発言されたのでしょうか。いかがでしょうか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) そうです。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君
◆十一番(金田もとる君) 知事、でも、これは、当然やってこなければならなかったことをやってこなかったからこういう条件がついたのではないですか。当然やるべきことをやらずに、ボタンを掛け違えたまま前に進める。だからこういう条件がつけられているわけですよ。掛け違えたボタンを一旦全部外す。改めていかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほども御説明いたしましたけれども、今回は、日赤さんにがんセンターをくっつけていただくという話でありますので、主体は日赤さんに結果的にはなったということです。その辺の調整をずっとしておりまして、日本赤十字社さんのほうから、ここまで話していいよと言われるまでは、我々はそれを外に出すことができなかったということでございます。したがって、なかなか住民の皆さんに我々の大きな狙いは説明できても、細かい内容については説明ができなかったと。それが、だから理解が得られなかった最大の理由であるということであります。これは、県立病院に逆に我々が日赤さんを飲み込んでというようなことであれば、それなら我々はどんどん情報を出すかと思うのですけれども、そうではなかったというようなことでありまして、そこの調整に至るまで、大変非常に微妙な調整をずっとさせていただいておりましたので、どうしても地域住民の皆さんが求められる情報を出し得なかったということでございます。その点は、事情がそういう事情でありますけれども、不信感を抱かれてしまった責任は我々のほうにあると思っておりますので、今後はそのようなことのないように、日赤さんとよく調整しながら、必要な情報を出せるようにしてまいりたいなというふうに思っております。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 時間がなくなってきましたので、改めて
県立がんセンターの機能の継承について伺います。 結局のところ、現在の
県立がんセンターが果たしている役割、政策医療としてのがん診療に果たしている役割、研究所機能だったり、これについては先ほど答弁もありましたけれども、県がん登録室、ゲノム医療センター、患者サポートセンター、がん相談支援センター、どれ一つ取っても県のがん診療に欠かすことのできない機能役割ですけれども、これらの機能が今後、日赤の運営による新病院、あるいは東北大学であったり、他のがん診療の連携病院なのかもしれませんけれども、そういったところにどう引き継がれるのか、引き継ぐべきなのかといった議論を、がんセンターの総長先生、院長先生、研究所の所長先生とも事前には相談してこなかったというふうに思われるのですけれども、いかがですか。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) もちろん相談はしてまいりましたし、今も相談しておりますが、今回の基本合意の段階ではまだそこまで結論に至らなかったということでございます。
○副議長(本木忠一君) 十一番金田もとる君。
◆十一番(金田もとる君) 私どもも先日、基本合意が結ばれた後にがんセンターに伺って、総長先生、院長先生とお話ししてきましたけれども、これらの機能は今後どうなるのですかと、このことについては、何も相談されていないという答弁だったのですよ。これはやっぱり大きな問題ですよ。本当に、引き続き協議中だと言われているけれども、こんな大事なことを事前に相談しないで、基本合意が結ばれること自体が信じられないです。この点、基本合意なるものが締結されること自体が眉唾に思えてくる。この点、いかがですか。知事、改めてお聞きします。
○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 部長に答弁させます。
○副議長(本木忠一君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 知事からも、基本合意の中にこういった細かいところは定めてございませんので、これからの協議で委ねていくことが大きいといったことは、その旨答弁したとおりでございます。また、診療科等も検討途上でございますので、そういった様々な診療科、そして地域のがん診療連携拠点病院、東北大学、様々な形で、県全体のがん診療の位置づけの中で、新病院の位置づけ、そして、がんセンターの機能をどのように継承していくかについても、しっかりと協議してまいりたいと思ってございます。
○副議長(本木忠一君) 暫時休憩いたします。 午後二時五十八分休憩
----------------------------------- 午後三時二十分再開
○議長(高橋伸二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。七番高橋克也君。 〔七番 高橋克也君登壇〕
◆七番(高橋克也君) 自由民主党・県民会議の高橋克也でございます。ラストバッター、皆様お疲れかと思いますが、目の覚めるような質問をさせていただければと思っております。 昨年、令和五年度十月に施行された宮城県議会議員選挙において、地元仙台市若林区より共産党候補に競り勝って当選いたしました。共産党に勝つことは、自由経済・民主主義を守る自民党にとっての党是であり、大義であります。県政の一翼を担う県議会で、仙台市内選出は私、高橋克也が最年少。責任世代代表として頑張ってまいります。発言の機会を頂きました会派皆様には感謝申し上げ、議長のお許しを頂きましたので、通告に従い、大綱三点について質問いたします。 大綱一点目、村井県政の運営についてお伺いいたします。 近年、社会課題が複雑化し、行政への期待役割も高まる中、客観的な証拠に基づく有効的な施策立案が求められています。課題が多様化し、世代間や経済格差から、まだまだ光が当たらない課題も散見されている中で、県民一人一人が、安全で恵み豊かな県土の中で幸福を実感し、いつまでも安心して暮らせる宮城、村井県政が掲げる新・宮城の将来ビジョンの実現には、もっと効果的かつ根拠に基づく政策の実現が推進されなければなりません。国は現在、地方自治体の現場でEBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、エビデンスに基づく政策形成を推進し、取組が少しずつ進められております。内閣府による説明では、EBPMとは、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化した上で、合理的根拠に基づくものとすることです。政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用したEBPMの推進は、政策の有効性を高め、適正な予算運営の下で、県民の行政への信頼確保に資するものです。なぜ、大綱一点目として質問しているのか。これは宮城県が推し進める政策全てにおいて対象となる重要なことであり、このEBPMを実践し、精度を高めていくことが、各部局の政策立案精度を高め、持続可能な宮城県をつくること、村井県政の政策を加速することにつながり、結果、県民皆様とともに新・宮城の将来ビジョンの達成につながるからであります。実際、広島県での取組が国でも評価されております。EBPMを進め、令和六年度の行政経営方針に盛り込み、戦略的な施策マネジメントを掲げ、戦略構築力の向上を目的とし、実践しています。令和五年度の取組には、戦略構築に必要な基礎的な知識の定着のため、全職員を対象とした事業計画策定研修や、事業課課長級職員を対象としたEBPM基礎研修など各種職員研修を実施し、令和六年度の取組として、仮説思考に基づく戦略構築に必要な基本的な知識・スキルの更なる定着を図り、また、戦略に基づき、成果獲得の確度を高める適切な戦術を構築するため、ビジネスプランやEBPMの考え方・手法を適切に実践できるスキルの養成を図るなど、職員皆様へスキルアップの機会を提供していくそうです。ちなみに、広島県は、病院再編もしております。持続可能な宮城県を確立するには、限りある予算を効率的に配分する必要があります。地方自治法第二条十四項、地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないわけであります。その政策効果、予算配分の適正管理から根拠に基づく評価制度を確立していく必要があります。私たち三十代責任世代の議員が次の三十年の宮城に向けて、そして百年時代の宮城づくりに向け、ただ行動するのではなく、明確な方針の下、根拠のある、効果のある、そして責任ある行動を取っていかなければなりません。まず、このEBPMについて、宮城県でも根拠に基づく政策立案の重要性をうたわれていますが、知事の所見をお伺いいたします。また、県民の満足度や幸福度の達成をどのようにはかり、その根拠に基づく政策をどのようなプロセスを経て立案しているのか。その政策に伴う予算原案はどのように作成しているのか、お伺いします。 続いて、持続可能な宮城に向け、政策立案についての学びの機会を職員皆様にも提供していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 次に、群馬県には知事直轄の知事戦略部が創設され、秘書課、戦略企画課--こちらでEBPMを担当されています。メディアプロモーション課、デジタルトランスフォーメーション戦略課、業務プロセス改革課、グリーンイノベーション推進課、交通イノベーション課が配置されています。民間企業でも、総務だけでなく、広報発信部門や組織改革部門は、代表直轄の部門が構成されることで、バックヤードの充実が意識されております。令和六年度に向け、新たな組織改編案も出てきておりますが、広報発信、また同時に広聴の機会、
パブリックコメントの重要性の高まりから、新・宮城の将来ビジョン達成に向け、知事直轄の組織をまとめた組織改編をすべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 更に、選挙戦の際には、多くの方から四病院再編問題は、突然の問題提起だ、初めて聞いたという県民皆様が多く、実際に県民皆様が宮城県の重要課題、政策を把握できてないことがあります。効果的な広聴の機会、
パブリックコメント実施システムを確立すれば、様々な課題問題に対し、多様な意見が集まってまいります。アリバイづくりのような
パブリックコメントの募集ではなく、根拠に基づく効果的な政策立案に向け、DXを生かした広聴の機会が必要と考えますが、所見をお伺いします。 次に、令和六年一月、県ホームページにおいて、「県民サービスの向上」のページが更新されました。そこにはこう記載されております。「地方分権時代において、各地方公共団体が提供するサービスの量・質は、ともに自らの判断に任される側面が拡大していきます。地方公共団体も職員自身も、国を向いて仕事をするのではなく、県民の皆様の方を向いてその声をきちんと聴き、その本質を理解し、県民ニーズを的確に把握した上で、政策の方向や必要なサービスのあり方を自ら考えて実践する必要があります。」「「サービス理念」と三つの「行動指針」を基本的考え方として、県民の皆様の満足度を高めるような仕事の仕方を実践することを目的に、「県民サービス向上運動」を実施する」と書いてあります。まず、サービス理念とは「情報公開と県民参加を基本とし、県民の満足の向上を第一と考えたサービスの提供」、三つの行動指針とは「ホスピタリティの向上、行政速度の向上、情報発信度の向上」と記載されております。この理念も大事ではありますが、新・宮城の将来ビジョンには、県政運営理念はあるが、行動理念となるものはなく、職員の使命、価値観、行動指針となるものは明示されておりません。職員一丸となって、新・宮城の将来ビジョン達成には明確な行動理念が必要ではないかと考えますが、知事の所見をお伺いします。 そして、情報公開と県民参加を基本とし、県民の満足の向上を第一と考えたサービスの提供、ホスピタリティの向上、行政速度の向上、情報発信度の向上、具体的にどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 次に、大綱二点目、子供子育て世代へ安全安心な環境構築についてお伺いいたします。 国の調査では、二〇三〇年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減することから、少子化はもはや歯止めの利かない状況になり、二〇三〇年代に入るまでのこれから六、七年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスと言われております。宮城県は、合計特殊出生率の低さが全国二位と出生率への課題が顕著に現れ、令和六年度予算も様々な面で取組を検討しております。出生率低下の対策には、県民皆様はもとより、県外の方にも宮城に来ていただき、住み暮らしていただかなければなりません。ハード・ソフト面ともに、安全安心な子育て教育サポート環境が整わないと、宮城県へ子育て世代の移住は進まないのではないかと考えます。子育て世代への安全安心で問題視されているのが、近年の小児性犯罪への対応であります。気仙沼市の児童センターの職員が幼い子供にわいせつな行為をしたとして逮捕される事案、仙台市の児童館で職員がスマートフォンで児童の着替えの様子を盗撮したとみられる事件、東北医科薬科大病院の医師までも逮捕される事案などが続いております。小児性犯罪が多発するような地域で安全安心な子育てができるとは思えません。不安視する子育て世代の声も出ている中で、まずはこのような全国でも頻発している小児性犯罪対策に対し、全国知事会会長でもある村井知事の所見をお伺いいたします。また、現時点で把握している近年の小児性犯罪数についてお尋ねいたします。 そして、昨年十月二十七日には、事態の緊急性を鑑み会議が開催されたということですが、会議自体が非公開でありました。どのような会議内容で、どこまで話を進めたのか、お伺いいたします。 次に、日本版DBS制度について、本国会で法案を提出予定でありますDBS、ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス、犯罪前歴開示・前歴者就業制限機構、それぞれの単語の頭文字を取ってDBSと呼ばれています。子供と接する仕事に就く人に、性犯罪歴がないことを確認する制度で、既にイギリスでは導入されています。どういった制度かといいますと、まず、子供に関わる職業や活動を行う事業者が就業を希望する人の承諾を得て、DBSに性犯罪歴などのチェックを依頼します。DBSは裁判所や警察の情報などを照会し、仕事に就きたい人本人に証明書を発行し、事業者にも通知します。これによって、性犯罪歴がある人の採用を未然に防ぐことができる制度です。日本でDBSへの関心が高まったのは、三年前に起きた強制わいせつ事件です。保育士のマッチングアプリを利用していたベビーシッターの男二人が保育中の子供の体を触り逮捕された事件。二人は、性犯罪を繰り返していました。何ともおぞましい事件であります。子供に対する性犯罪は、被害に気づくきっかけをつかみにくいことや、子供が被害の実態をうまく証明できない可能性が高く、また報告することができない心理的作用があると考えられ、未然に防ぐために仕組みが必要とされています。そこで、こども家庭庁では、昨年、日本版DBS制度の方向性を示す報告書をまとめました。報告書によりますと、子供に関わる仕事に就く際に雇用する側が、性犯罪歴があるかどうかを政府が管理する性犯罪歴システムで確認すべきこと、また、どの職業を対象にすべきか、そのようなことが報告されております。さきに述べた事件や児童虐待相談件数の増加に伴い、令和四年の児童福祉法の一部改正から児童をわいせつ行為から守る環境整備、性犯罪歴等の証明を求める仕組み、日本版DBSの導入に先駆けた取組強化が令和六年度からスタートいたします。中身は、児童にわいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化を行うとともに、ベビーシッター等に対する事業停止命令等の情報の公表や共有を可能とするほか、児童福祉施設等の運営について、国が定める基準に従い、条例で基準を定めるべき事項に児童の安全の確保を加えるなど所要の改正を行うとのことですが、まず、法案改正は保育士が対象となり、データベース上で犯罪歴を一元管理する仕組みで、都道府県がデータベースへの報告者となるとのことですが、どういったプロセスで報告するのか、事案発生からの流れ、管理体制をお伺いいたします。 続けて、報告書には、日本版DBS対象となる事業者について義務づけとするのは、学校や保育所、児童養護施設など、公的な機関も推奨すると報告され、その方向に法案も向かっています。親としては、子供と接する職業に就く人には全てを対象に義務づけてほしいという思いがあります。しかし、憲法で職業選択の自由が定められており、有識者会議でも「対象となる性犯罪歴のある人は、憲法で保障された職業選択の自由などを事実上制限されることになるとして、必要性や合理性が認められる範囲でなければならないとの意見もあります。一方で「できるだけ対象を広げるべきだ」という意見もあります。民間事業者は、学校などの公的機関のような監督や制裁の仕組みが必ずしも整っていない場合があり、提供を受ける性犯罪歴などを適切に管理することが果たしてできるのかという声から、今回は、学童クラブ・学習塾・スポーツクラブ・スイミングクラブ・民間の事業者については問題視されつつも、一部任意となったそうであります。ただ、全国規模の学習塾で塾講師が自身の小児性愛者グループに生徒の写真を投稿、住所まで公開している事案も発生している中で、未来ある子供たちを守るために、公的機関や自治体が監督や制裁の仕組みを条例で整備し、この対象職業拡大に向けた自治体独自でのDBS制度の確立も検討すべきではないかと考えますが、全国知事会会長でもある知事の所見をお伺いします。 また、性犯罪は、青少年健全育成条例など自治体ごとに定められた条例にのっとって検挙されることも多くあります。「各自治体の条例で、罪となる行為や構成要件が違う痴漢などの性犯罪が含まれないと子供たちの権利が守られるとはとても言えない」と日本大学の末冨教授の話にもあるとおりです。自民党内でも、条例の内容は自治体ごとにばらつきがあることなどから、国が把握することに課題があるとして、更なる検討が必要だとしていました。しかし、各自治体の条例で取り締まる犯罪もDBS対象に含める方針かつ裁判所による事実認定を経た性犯罪の前科を対象にすべきと動き出しています。守るべきは、加害者の大人ではなく、未来ある子供たちであります。まずは、全国知事会会長である村井知事が全国へ統一の性犯罪から子供たちを守る条例を全国へ波及するように動き出していくべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 そして、ベビーシッターのマッチングサイトについて、認証制度の対象事業者に含まれるように検討するとこども家庭庁は説明していますが、宮城県の居宅訪問型認可外保育事業者へDBS制度が確立した場合、どのような連携を取っていくのか見解をお伺いいたします。 次に、高等学校及び高等教育の無償化について、与党子供世代、子育て世代の責任代表としてお伺いいたします。決して共産党さんと同じ立ち位置での質問ではございません。 定期的に議題に上がる高等学校及び高等教育の無償化でありますが、政府のこども未来戦略において、こども家庭庁が令和六年度予算拡充案件として、高等教育の修学支援制度を実施いたします。大学等における修学の支援に関する法律に基づき、低所得世帯の学生に対し、高等教育の修学支援・授業料等の減免・給付型奨学金を実施するとともに、骨太の方針やこども未来戦略を踏まえ、令和六年度より多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ支援を拡大するとして、予算五千四百三十八億円を計上しております。大阪、東京と所得制限を廃した高等学校及び高等教育の無償化が始まる中で、政府与党自民党もこども未来戦略、高等教育の無償化を掲げ、県議会にも各団体より、私立高等学校に対する助成強化が請願されています。来年度から高校授業料の実質無償化に向けて調整を進めている東京都は、全国でも同様の取組を行うように国に対して要望したというニュースがあったそうですが、本来であれば、全国知事会会長である村井知事のお膝元宮城県でも所得制限を撤廃し、会長として国へ要望すべきだったのではないでしょうか。そこで、県内高等学校及び高等教育の完全無償化、所得制限の撤廃に向け、知事の所見をお伺いいたします。 大綱三点目、若年層への障害福祉についてお伺いいたします。 WHO、世界保健機構の世界聴覚報告書によると、二〇五〇年までに世界で約二十五億人、四人に一人が難聴を抱えて生活するとのことです。うち少なくとも七億人は、何らかの対策を取らなければ、耳と聴覚のケア及びそのリハビリサービスを利用しなければなりません。近いうちに、若年層の聴覚問題が社会課題となる中で話題になった若者の中途聴覚障害者の恋愛模様を描いたドラマ、サイレントでも中途聴覚障害者の実情が描かれており、様々な影響がありました。かく言う私自身も、三十歳を境に聴力が低下し、現在では補聴器を使用している難聴者であります。あと一つ、聴覚レベルが下がれば軽度聴覚障害者に認定されるぐらいの聴力であります。ここで一部の聴覚障害者問題について御理解いただきたいと思います。まず、難聴者と中途聴覚障害者の区別です。中途聴覚障害者の方は、成人してから失聴しているため、それまでの聞こえている生活の中で身についた発声ができます。また、話の流れを推測しながら、口話、読話によって、相手の言うことを読み取る訓練をしている人もいます。このため、聴覚障害がなく普通に会話ができるように思われる、話せるので聞こえると思われることが多くあります。しかし、実際は早口や複数人でのやり取り、暗いところでは困難であり、口話、読話は周囲が想像する以上に集中力を必要とします。また、中途失聴者、難聴者を含む聴覚障害者は、多くの人は見た目からでは特徴があるわけではなく、その障害が分かりません。例えば、職場や学校に向かう通勤・通学路で、一日に何人の聴覚障害者と擦れ違っているか把握できている人はいないはずです。例えば、見た目では聞こえる・聞こえない、障害がある・ないは判断できないからです。中途失聴者、難聴者は社会生活において何らかの障害に出会うことで初めて困難や障害が生まれ、その困り事が周囲には伝わらないことが多いわけです。この場で登壇し、私自身この難聴の事実をお伝えしなければ、私が難聴者だと分からなかった方もこの場に多くいると思います。この議場が難聴者には意外と聞き取りづらいことは理解し難いはずです。こういった現状、課題で、若年層への聴覚障害サポートの充実と心理的安全性の確保の重要性が高まっておりますが、知事の所見をお伺いいたします。また、実際に若年層の聴覚障害者数を県で把握しているのか、取っていればどのような対策を取っているのか、お尋ねいたします。 そして、耳と聴覚ケアへの政策投資は、費用対効果が高いことが示されております。認知症の予防にもつながります。認知症への対策が事前にできれば、社会福祉費の抑制にもつながると考えます。しかし、私が使用している補聴器でも、金額で五十万円。これはスタンダードなレベル。これより下は保険がなく、壊してもなくしてもまた買い直ししなければなりません。補聴器のレベルは金額によって、モノクロテレビから8Kテレビぐらいまでの差があります。使用しているこの金額で4Kでもないただのカラーテレビレベルの補聴器であります。所得のあるなしにかかわらず、障害者福祉へは、均一なサービスを提供すべきと考えます。この補聴器を含む実装具に関する補助を将来も見据えて検討していくべきではないか、県の見解をお伺いします。 また、小児医療では、風疹や髄膜炎の予防接種、妊産婦や新生児のケアの改善、中耳炎のスクリーニングと早期管理などの対策により、難聴の六〇%近くを予防することができるそうです。成人の場合は、騒音対策、安全な聞き取り、耳の衛生管理を行うことで、良好な聴力を維持し、難聴の可能性を減らすことができます。この対策、予防の普及啓発が必要と考えますが、県耳鼻咽喉科医との連携状況、県の対策、また普及活動の状況をお伺いいたします。 最後に、難聴者や中途失聴者の困り事は、主に個人の対人コミュニケーションや偏見、聞こえていないことで生じる誤解などが原因となるものでしたが、私たちは社会が聞こえることが前提となっているために、様々な制度や設備において難聴、中途失聴者が困ることがあります。障害を個人の側ではなく、社会が作り出しているという障害の社会モデルの観点で見てみると、例えば公的機関、店舗、企業・行政サービスにおいて、緊急時の案内やイレギュラーな対応などは、音声情報で行われることがあります。
東日本大震災では、津波警報が街中でのスピーカーから発せられ、聴覚障害者に届かなかったケースや、コロナ禍でマスク着用、フィルムを挟んでの受付対応は大変に聞き取りづらいという声もありました。社会全体で、そこには聞こえない人の意見も踏まえて、新・宮城の将来ビジョンの一つの柱、誰もが安心して生き生きと暮らせる地域社会づくりをしていただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いし、少し大きな声での答弁をお願いさせていただいて、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 高橋克也議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、村井県政の運営についての御質問にお答えいたします。 初めに、証拠に基づく政策立案等についてのお尋ねにお答えいたします。 統計的分析等のエビデンスを活用して政策立案を行うことは、政策効果を高めていく上で、大変重要であると認識しております。県では、このような考えの下、事業ごとに設定したKPIの達成状況等を把握するとともに、統計データの利活用の促進に向けた職員研修の実施や、地域経済分析システム等を用いた企業の実態把握・分析などにより、データに基づく政策立案の促進を図っております。また、予算編成に当たっては、政策・施策の目標指標の達成状況や、県民意識調査による県民の満足度等を基に、総合的な評価を実施し、その結果、更に進めるべきとされた子育て環境の整備や、産業人材の育成・確保などの取組に対して重点的に予算を配分するなど、様々なデータを有効に活用して予算編成を行っております。 次に、新・宮城の将来ビジョンの推進に向けて知事直轄の組織改編をすべきとの御質問にお答えいたします。 政策の推進を図るため、複数の県において知事直轄の組織を導入していることは承知しております。我が県においては、私と各部局長をはじめとした職員が、日頃から意見を交わしながら、県組織が一体となって、政策の推進に取り組んでいるところであります。県としては、引き続き、職員との活発な意見交換により、風通しのよい組織の維持に努めるほか、社会環境の変化や、効率的な行政運営を踏まえながら、新・宮城の将来ビジョンの実現に向けて、適時適切に組織改編を行ってまいります。 次に、DXを活用した効果的な広聴についての御質問にお答えいたします。 県では、政策形成過程における公正の確保と透明性の向上を図り、もって県民参画による開かれた県政を推進するため、県民の意見提出手続として、いわゆる、
パブリックコメントを平成十五年から行っております。県民の皆様がこれらの情報にアクセスしやすいよう、県ホームページのトップに目的別の検索項目を示し、計画等の案を閲覧できるようにしているほか、インターネットの利用が難しい方には、県政情報センターや各地方県政情報コーナーでも閲覧できる環境を整えております。これまでは、県民の皆様の認知度や関心に依存した受け身の広聴が中心でありましたが、現在、マイナンバーカードと連携したスマホアプリを活用するなど、県民の利便性向上につながる行政サービスを各分野で提供することとしており、アンケートを随時プッシュ型で行うことができるアプリ機能などの導入について検討を進めているところであります。今後も、全ての県民の皆様がDXの効果を感じることができるような広聴の取組を進めてまいります。 次に、県民サービスの向上に向けた具体的な取組についての御質問にお答えいたします。 県では、県民サービス向上の取組を総合的に推進するため、全ての所属に県民サービス向上担当責任者を置き、県民等からの県政に関する御意見や要望、苦情等に対して迅速かつ適切に対応する体制を整備しております。また、サービス理念及び行動指針の周知を図るため、毎年度、県民サービス向上運動の全庁目標を設定するなど、職員への浸透に努めているところであります。具体的には、庁舎内で困っている様子の方に声をかける、問合せがあった際には回答までのおおよその時間を説明する、県民に分かりやすい言葉で丁寧に説明するなどの取組を全庁で推進しております。県民の皆様からは、御意見カード等により、毎年度数百件もの御意見が寄せられており、優れた事例や反省すべき事例が蓄積されておりますので、これらの知見を全庁に広く展開し、県民満足度の向上に努めてまいります。 次に、大綱二点目、子供子育て世代への安全安心な環境構築についての御質問のうち、高等学校及び高等教育の無償化と所得制限撤廃についてのお尋ねにお答えいたします。 未来を担う若い世代の教育費負担の軽減は、重要な課題であると認識しております。これまで全国知事会では、高校生に対しては、就学支援制度における対象者の拡充や所得要件の緩和など、また、大学や専門学校等の学生に対しては、高等教育の修学支援新制度における支援の拡大などを国に要望してまいりました。東京都や大阪府など一部の自治体では、独自の授業料無償化を行う予定と伺っておりますが、巨額の財政負担を伴うことから、我が県を含め多くの自治体での実施は難しいのが実情であります。家庭の経済的な事情にかかわらず、希望する教育を等しく受けられるようにすることは全国共通の課題であり、こうした思いを共有する各都道府県の意向を踏まえながら、全国知事会会長として、更なる支援の拡充を国に強く求めてまいります。 次に、大綱三点目、若年層への障害福祉についての御質問のうち、耳が聞こえない人の意見も踏まえた地域社会づくりについてのお尋ねにお答えいたします。 誰もが暮らしやすい社会の構築に向けて取組を推進することは県の責務であり、障害のない人を前提につくられた社会の仕組みを改善することが、障害のある人の不利益や困難の解消につながるものと認識しております。そのため、県では、障害当事者の御意見を踏まえながら、障害を理由とする差別を解消し障害のある人もない人も共生する社会づくり条例や手話言語条例を制定し、差別解消に向けた交流イベントや災害発生時の聴覚障害者支援に関するパンフレットによる普及啓発等を行ってきたところであります。四月一日からは、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律により、事業者による障害のある人への合理的配慮が義務化されることから、更なる普及啓発に取り組み、情報保障の推進とともに、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 総務部長小野寺邦貢君。 〔総務部長 小野寺邦貢君登壇〕
◎総務部長(小野寺邦貢君) 大綱一点目、村井県政の運営についての御質問のうち、政策立案についての学びの機会を職員に提供すべきとのお尋ねにお答えいたします。 新・宮城の将来ビジョンの達成には、職員が客観的データや情報の有効性を理解し、的確なデータの収集・分析に基づいて、精度の高い政策を立案することや、その効果を測定し、更なる改善に生かしていくことが肝要であると認識しております。そのため、県では、公務研修所で実施する選択制研修において、データの分析・可視化・活用の考え方や手法等を学ぶ情報収集分析講座やデータ利活用研修を実施しております。また、東北自治研修所が実施する、根拠に基づく政策立案研修に職員を受講させているほか、あらゆる分野の講座が豊富にそろうeラーニングの受講を促進するなど、様々な学びの機会を提供しております。今後も引き続き研修内容等の充実を図りながら、職員の育成に取り組んでまいります。 次に、職員の明確な行動理念についての御質問にお答えいたします。 県民に最適な行政サービスを提供するためには、職員一人一人が、県民ニーズに的確に対応し、職務に当たることが重要であると認識しております。そのため、県では、みやぎ人財育成基本方針において、我が県の目指す職員像として「創造性豊かで自律的に行動する宮城県職員」を掲げております。職員には、宮城を愛する気持ちや、熱意にあふれ、心が籠もったあつい志のほか、ピンチをチャンスとして捉える前向きさ、失敗を糧とするしなやかな粘り強さを持ち、物事の本質を見極めながら、積極果敢に課題解決に挑戦する使命があると考えております。今後も、全ての職員が使命感を持って職務に当たるよう人材育成に努めながら、新・宮城の将来ビジョンの達成や県民サービスの向上を推進してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君)
環境生活部長佐々木均君。 〔
環境生活部長 佐々木 均君登壇〕
◎
環境生活部長(佐々木均君) 大綱二点目、子供子育て世代への安全安心な環境構築についての御質問のうち、性犯罪の統一化についてのお尋ねにお答えいたします。 青少年への性犯罪に対しては、刑法や児童福祉法等で規制されており、これらの法の対象から外れる年齢や対象行為については、地域の実情を勘案し、各自治体の条例で規制し、青少年を保護しているところです。我が県でも、青少年健全育成条例を制定し、青少年の健全育成に努めているところであり、条例の運用に当たっては、北海道・東北各県との意見交換や各都道府県と情報共有を行いながら、規定の妥当性等について随時検討し、見直しを行っているところです。昨今の性犯罪の情勢を受け、国においては昨年七月に刑法を改正し、性交同意年齢の引上げや性的行為を目的に大人が子供と親密な関係を結ぼうとする、いわゆるグルーミング罪の新設などにより、条例が規定していた年齢や対象行為について、法律として統一的に整備する動きが進んでおります。県といたしましては、まずは、こうした国の動向を注視しながら、今後必要に応じて知事会への働きかけなども含め、対応を検討してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君)
保健福祉部長志賀慎治君。 〔
保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱二点目、子供子育て世代への安全安心な環境構築についての御質問のうち、保育士資格の管理に関するデータベースについてのお尋ねにお答えいたします。 令和四年六月に公布された、児童福祉法等の一部を改正する法律には、児童へのわいせつ行為を理由に保育士資格を取り消された者に対する再登録の制限や、保育士を雇用する者がその情報を把握できるデータベースの整備などが盛り込まれております。データベースは国が整備を行い、都道府県知事は、保育現場からの報告などを基に、保育士がわいせつ行為を行ったと認められる場合には、保育士登録を取り消すとともに、その情報をデータベースに記録することになります。今年四月からの運用開始に向け、現在は各種情報の登録作業などを進めているところであり、円滑な運用に向けた準備に万全を期してまいります。 次に、自治体独自のDBS制度についての御質問にお答えいたします。 いわゆる日本版DBS制度の創設に関する法案は、昨年秋の臨時国会への提出が見送られ、現在開会中の通常国会に提案されるとの報道もありますが、いまだその詳細は明らかになっておりません。当該制度は、性犯罪や性暴力の未然防止などの効果が期待される一方、職業選択の自由や営業の自由、個人情報保護などとの関係において十分な留意が必要であることから、国においても慎重に検討がなされているものと承知しております。このため、法律で義務化の対象とならない事案について、自治体が独自に規制することは極めて難しいものと考えており、まずは国による法案提出に向けた検討状況をしっかりと注視してまいりたいと考えてございます。 次に、認可外の居宅訪問型保育事業者との連携についての御質問にお答えいたします。 認可外の居宅訪問型保育事業者、いわゆるベビーシッターは、事業開始時などに都道府県知事への届出が必要であり、県においては、関係法令の通知のほか、書面やオンラインによる指導監査等を行っております。また、子供の預かりサービスのマッチングサイトに関しては、運営者が遵守すべきガイドラインが定められており、その中では、保育者の義務として都道府県知事への届出を証明する書類や、保育士証を保護者に提示することを求めるなど、安全な利用環境の実現に向けた取組が図られております。県といたしましては、今後、日本版DBS制度が具体化された際には、保護者が安心してサービスを利用できるよう、必要な情報の周知等を行ってまいります。 次に、大綱三点目、若年層への障害福祉についての御質問のうち、若年層聴覚障害へのサポートの充実と、心理的安全性の確保についてのお尋ねにお答えいたします。 聴覚障害は、外見からは分かりにくい障害であり、聴覚障害のある方が抱えている生活のしづらさや困難は、周囲から気づかれにくいことから、年齢やライフステージにかかわらず、情報取得や意思疎通を円滑にできる環境整備が必要と認識しております。県として、若年層の聴覚障害者数は把握しておりませんが、昨年度末時点で、身体障害者手帳所持者数のうち、聴覚障害者は五千八百八十八人であり、このうち百九十一人が十八歳未満の聴覚障害児となっております。県では、相談・情報提供、交流などの中核的拠点として、みみサポみやぎを設置し、難聴者や中途失聴者を対象としたコミュニケーション教室など若年層も含めて、聴覚障害のある方が生涯を通じて安心して生活できるよう、障害及び障害がある人に対する県民の理解や関心を高めるとともに、地域で支える体制づくりや情報保障のための環境整備に取り組んでまいります。 次に、補聴器を含む補装具に関する補助についての御質問にお答えいたします。 補装具は、身体の欠損、または損なわれた身体機能を補完・代替するために日常生活で使用するものであり、身体障害者手帳を所持している方などに対して、障害者総合支援法に基づき、所得に応じた自己負担のもと、市町村が実施主体となって、購入や修理等の費用を支給しておりますが、来年度から、障害児については、その健やかな育ちを支える観点から、所得制限が撤廃されることとなっております。このほか、県では、身体障害者手帳の交付対象とならない十八歳未満の難聴児の補聴器装用を図るため、市町村振興総合補助金の対象事業として、難聴児補聴器購入助成事業を実施しております。今後も、必要な方が補聴器などの補装具を使用できるよう制度の周知を図るとともに、他県の取組状況の確認等を行ってまいります。 次に、難聴に関する予防の普及啓発についての御質問にお答えいたします。 先天性の難聴については、新生児聴覚検査により早期発見に努めているほか、市町村の乳幼児健診でも検査を実施し、早期の治療につなげております。また、小児の難聴の要因として、風疹等の感染症によるものが多いと言われており、妊娠を予定、または希望する女性や、乳幼児に対する予防接種が重要であることについて、市町村とともに周知を図っております。更に、成人期については、騒音性難聴や音響性難聴などが予防可能だと指摘されておりますが、国が健康情報を提供するウエブサイト、e-ヘルスネットの活用など、耳鼻咽喉科医の協力も得ながら周知啓発を図ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 警察本部長原幸太郎君。 〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕
◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱二点目、子供子育て世代への安全安心な環境構築についての御質問のうち、小児性犯罪への対策等についてのお尋ねにお答えいたします。 令和五年中の県内における十三歳未満の者を対象とした性犯罪の認知件数は十六件で、この種事案は児童の心身に有害な影響を及ぼす、許すことのできない犯罪であると認識しています。県警察では、児童が親しみやすい標語を活用した防犯教室や、児童への声かけ事案認知時は、みやぎセキュリティーメールによるタイムリーな注意喚起を行ってまいりました。昨年、児童福祉施設等で児童を対象とする犯罪が立て続けに発生したことを受け、同年十月、関係機関を招致して、児童の緊急安全対策会議を開催し、事案発生時の措置や、警察への早期通報等、施設管理者に対して児童の安全対策を求めたところです。今後も、同種会議や防犯教室の積極的な開催等、児童の安全確保に向けた施策を関係機関と連携して対応してまいります。 以上でございます。
○議長(高橋伸二君) 七番高橋克也君。
◆七番(高橋克也君) 御答弁ありがとうございました。まずは、大綱三点目に関するところから質問させていただきたいと思います。 様々な面で
保健福祉部長からも御回答いただきありがとうございました。ただ、ここで皆様にお伝えしたいことは、障害者雇用、国・地方自治体・公的機関でもお勤めになっている方は七万三千人近くおります。国の調査では、全国民のうち九・二%近い方が何らかの障害を抱えていると報告されています。これがWHOの中で、今後、聴覚障害者も含めて拡大していく。国会議員でも、全体の衆参合わせて四十七名が障害を持っている方で〇・一四%。この県議会で僕が若年性難聴者で、五十九人のうち一人しかいないわけです。ただ障害が、例えばこういう議会で、どういうことが課題にあるかどうかというのはまだまだ社会全体に意外と通じていないというのがこの国の現状でもあると思います。その上で、全然別のところですけれど、やっぱりこの難聴者とか、中途障害者、あと目に見えて分からない障害をお持ち方は、日頃の生活である程度心が強くないと生きていけないと自身でも感じておりまして、今、皆様の御答弁を聞いているときも、自分なりにすごく集中して聞き漏らしがないか、この回答の中で間違ったことを今この場で僕自身が言わないかどうか。この見た目で分からない障害をお持ちの方、例えばオストメイト、人工肛門の方だったりとか、失語・失声症の方だったりとか、例えば吃音症の方もそうだと思いますが、自分で何か恥ずかしいことをしてしまうというのは、すごく自尊心を削られていくような、そういった感覚になっていくのです。だからこそ、そういうところに理解していただく社会というのはものすごく必要であって、最終的には補聴器だったりとか実装具を含む、必ずその県の所得に関係ないサポートをしていただきたいと思っているのですが、部長、その点についてはいかがでしょうか。
○議長(高橋伸二君)
保健福祉部長志賀慎治君。
◎
保健福祉部長(志賀慎治君) 御指摘のありましたとおり、やはり見た目からは分かり得ない障害をお持ちの方、様々な対応があるといった障害を抱える方はいらっしゃるということでございます。そういった方に対するきめ細かなサポート、そして社会全体でそういった方々を支えていくための取組について、来年度から新しい障害者福祉計画も始まりますので、そういった観点からしっかり取組を進めてまいりたいと思います。
○議長(高橋伸二君) 七番高橋克也君。
◆七番(高橋克也君) ありがとうございます。所得制限を撤廃していくようなお話もありましたので、大人になってから耳が悪くなるという方もどんどん増えてきます。十八歳までとか、例えば六十歳以上とかではなくて、全年齢所得制限なしを将来に向けて御検討いただきたいと思っております。 続けて、大綱二点目に関して質問させていただきたいと思います。 先ほどDBSに関しては、まだ法案が通っていないというところもありますので、確定したところは具体的に申し上げにくいかと思っております。ただ、この点に関して、ぜひ、知事、こちらの全国知事会でもこのDBS制度というのは、注目・注視していただきたいと思っております。先ほど保育士の流れの中で、管理していくなら都道府県になるとか、自治体の関与というのも必ず明確になってくると思いますので、引き続きこちらに関しては、全国知事会のほうでも注視していただき、法案が通ったときに再度質疑させていただきたいと思っております。この上で、性犯罪に関して問題がありまして、実際に発生した犯罪被害者件数から認知件数を差し引いたもの、犯罪被害の暗数、把握できてない数字、この暗数の存在が犯罪被害の実態を把握することを困難にしているという報告があります。国の調査では、犯罪未申告の理由として、性犯罪に関してそこまで重大でなかった。次いで、どうしたらいいか分からなかったと被害者は回答しています。性犯罪は実数が捉えづらかったりとか、特に小児性犯罪というのは、子供がやはりその具体的に自分が何をされたかというのは、言葉にできないと思っています。ただ、次にどうしたらいいのか分からないというところに関しては、こちらは警察でも広報告知し学校内に広げること、また県でも教育委員会と連携して対応・対処ができるのではないかと思いますが、本部長、御回答お願いいたします。
○議長(高橋伸二君) 警察本部長原幸太郎君。
◎警察本部長(原幸太郎君) 議員御指摘のとおり、性犯罪は被害が潜在化・深刻化する傾向にあることから、被害の兆候を見逃さない取組が重要であると認識しております。このため、県警察では、教育委員会と犯罪被害に遭うことを防止し、健全な育成を図るということを目的として情報交換を行っているほか、警察への早期通報・相談など、学校と警察が共同して取り組む具体的な措置について、協議しております。また、防犯教室開催時には、児童生徒・保護者に対し、犯罪被害に遭った際の声の上げ方などについても指導しています。今後とも、児童の安全確保に向けた広報啓発、これを進めてまいりたいと考えております。
○議長(高橋伸二君) 七番高橋克也君。
◆七番(高橋克也君) ありがとうございます。ぜひ、この点に関しては、もっと県内全域に対して、小中高連携して再度取組のほうをお願い申し上げます。 県内高等学校及び高等教育の無償化、御回答ありがとうございます。予算の面に関しては、やはり東京、また大阪と規模が違うことは理解しております。ただ、私がお伝えしたかったのは、共産党さんみたく無責任に聞いているわけではなく、政府の方針に沿って、今、国自体がそういった動きになってきている。全国知事会会長として音頭を取る。ここがすごく大事であるとお伝えさせていただきたいと思いますし、経済やってきた、復興やってきた、村井知事、ぜひ今度は、子供・子育て世代にも目を向けて、こういうのを達成してきたということをメッセージとしても発信していただきたいと思っていましたので、引き続き、県としても、そういった取組に向けては、御検討のほどよろしくお願いいたします。 最後に、大綱一点目に関して質問させていただきたいと思います。 村井知事、初当選時、県内総生産名目八兆四千二百億円、前回当選時には九兆五千百億円、二〇二四年の先月一月記者発表では九兆六千四百九十六億円、初当選の際に公言した十兆円がもうほぼ近くまで来ておりますが、この任期中に十兆円を達成させる可能性、意気込みを教えていただけますでしょうか。
○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 最大瞬間風速ですけれども、平成三十一年だったですかね、令和元年だったですか、一回十兆円は超えたのですが、その後コロナもあってまた下がってしまって、また今上がっています。半導体の工場、JSMCさんが稼働を始めると、恐らく十兆円はずっとコンスタントに行けるのではないかなというふうに思っております。ただ、稼働するまでにまず数年かかるとは思いますので、今任期中というのはもう来年の十一月まででございますので、今任期中はなかなか難しいかもしれませんが、その土台、礎はしっかりつくったのではないかなというふうに思っております。
○議長(高橋伸二君) 七番高橋克也君。
◆七番(高橋克也君) ありがとうございます。ぜひ今年度任期中にしっかりと達成させていただきたいと思いますし、最後にお伝えしたいのは、村井知事が村井知事ではなくなっても、その政策をどんどん前に進めるように、この政策立案効果を進めるように、EBPMの推進をお願いして、私からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。 〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋伸二君) 二十三番天下みゆき君。
◆二十三番(天下みゆき君) ただいま、御質問の中で「共産党さんのような無責任に」というお言葉がありました。これは誹謗中傷ですので、議長、精査していただいて、取消しを求めたいと思います。以上です。
○議長(高橋伸二君) ただいまの二十三番天下みゆき君の議事進行は、発言内容に関することであります。後刻、会議録を精査の上処置したいと思いますので、御了承願います。 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。
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△散会
○議長(高橋伸二君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後四時十八分散会...