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12月06日-03号

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  1. 宮城県議会 2023-12-05
    12月06日-03号


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    最終取得日: 2024-09-18
    令和 5年 11月 定例会(第390回)    第三百九十回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)令和五年十二月六日(水曜日)  午前十時開議  午後二時五十七分散会      議長                     高橋伸二君      副議長                    本木忠一君出席議員(五十九名)        第一番                  ふなやま由美君        第二番                  かっち 恵君        第三番                  平岡静香君        第四番                  石森ゆうじ君        第五番                  阿部眞喜君        第六番                  柚木貴光君        第七番                  高橋克也君        第八番                  さとう道昭君        第九番                  熊谷一平君        第十番                  藤原益栄君       第十一番                  金田もとる君       第十二番                  荒川洋平君       第十三番                  佐々木奈津江君       第十四番                  小野寺 健君       第十五番                  大池康一君       第十六番                  菊地忠久君       第十七番                  杉原 崇君       第十八番                  村岡たかこ君       第十九番                  伏谷修一君       第二十番                  松本由男君      第二十一番                  渡辺重益君      第二十二番                  わたなべ 拓君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  小畑仁子君      第二十五番                  三浦ななみ君      第二十六番                  枡 和也君      第二十七番                  佐藤仁一君      第二十八番                  遠藤伸幸君      第二十九番                  横山のぼる君       第三十番                  伊藤吉浩君      第三十一番                  八島利美君      第三十二番                  瀬戸健治郎君      第三十三番                  村上久仁君      第三十四番                  高橋宗也君      第三十五番                  高橋 啓君      第三十六番                  遠藤隼人君      第三十七番                  渡辺勝幸君      第三十八番                  横山隆光君      第三十九番                  三浦一敏君       第四十番                  渡辺忠悦君      第四十一番                  熊谷義彦君      第四十二番                  佐々木功悦君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  吉川寛康君      第四十六番                  伊藤和博君      第四十七番                  佐々木賢司君      第四十八番                  守屋守武君      第四十九番                  外崎浩子君       第五十番                  村上智行君      第五十一番                  佐々木幸士君      第五十二番                  高橋伸二君      第五十三番                  菊地恵一君      第五十四番                  佐々木喜藏君      第五十五番                  石川光次郎君      第五十六番                  中島源陽君      第五十七番                  本木忠一君      第五十八番                  中山耕一君      第五十九番                  藤倉知格君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    伊藤哲也君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   小野寺邦貢君      復興・危機管理部長              千葉 章君      企画部長                   武者光明君      環境生活部長                 佐々木 均君      保健福祉部長                 志賀慎治君      経済商工観光部長               梶村和秀君      農政部長                   橋本和博君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             大庭豪樹君      総務部参事兼財政課長             高橋寿久君    教育委員会      教育長                    佐藤靖彦君      副教育長                   佐藤芳明君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   北沢康一君    公安委員会      警察本部長                  原 幸太郎君      総務部長                   横山 裕君    労働委員会      事務局長                   中村今日子君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   小林一裕君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   目黒 洋君      副事務局長兼総務課長             大場則昭君      参事兼議事課長                菅原敏彦君      政務調査課長                 佐野浩章君      総務課副参事兼総括課長補佐          堀 喜昭君      議事課総括課長補佐              大友幸二君      副参事兼政務調査課総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査(議事運営担当)        二上秀幸君-----------------------------------    議事日程 第三号                 令和五年十二月六日(水)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第百四十二号議案ないし議第百七十五号議案及び報告第三十四号ないし報告第三十九号第三 一般質問    〔菊地恵一君、中山耕一君、枡和也君、伏谷修一君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百四十二号議案ないし議第百七十五号議案及び報告第三十四号ないし報告第三十九号三 日程第三 一般質問    〔菊地恵一君、中山耕一君、枡和也君、伏谷修一君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(高橋伸二君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(高橋伸二君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、五番阿部眞喜君、六番柚木貴光君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(高橋伸二君) 御報告いたします。 総務部参事兼秘書課長村田俊顕君が本日欠席する旨の届け出がありました。----------------------------------- △議第百四十二号議案ないし議第百七十五号議案 △報告第三十四号ないし報告第三十九号・一般質問 ○議長(高橋伸二君) 日程第二、議第百四十二号議案ないし議第百七十五号議案及び報告第三十四号ないし報告第三十九号を議題といたします。 地方公務員法第五条第二項の規定により、関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布のとおり、意見が提出されました。……………………………………………………………………………………………                           宮人委第221号                          令和5年12月5日 宮城県議会議長 高橋伸二殿                         宮城県人事委員会                           委員長 西條 力           条例案に対する意見について 令和5年11月29日付け宮議第361号で意見を求められた条例案に対する意見については、下記のとおりです。                 記 「議第144号議案 一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例」 この条例案は、特定業務等従事任期付職員等に係る給与の決定方法について、任期の定めのない常勤職員と同様の取扱いとするものであり、適当と認めます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(高橋伸二君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 質疑、質問は、順序に従い許します。五十三番菊地恵一君。    〔五十三番 菊地恵一君登壇〕 ◆五十三番(菊地恵一君) おはようございます。自由民主党・県民会議の菊地恵一でございます。さきの県議会議員選挙で各選挙区で当選を果たされた五十九名の議員によって、このような新たな県議会がスタートいたしました。それぞれに立ち位置や思いの違いなどもありますけれども、宮城県、そして宮城県民のためにしっかりと力を合わせ、県政の一端を担うべく、共に取り組んでまいりたいと思います。また、個人的に一般質問への登壇は、令和二年九月の第三百七十五回議会での代表質問以来であり、一般質問の仕方を忘れてしまうような、十五回の議会を挟んだ三年ぶりの登壇、しかもトップバッターをお許しいただいた会派の皆様に感謝を申し上げます。 それでは、一九年の初当選以降は一度も選挙戦を経験されておらず、連続四回の無投票当選を重ねて、選挙の仕方も忘れてしまったかもしれませんが、去る十一月二十八日の議長選挙で十六年ぶりに自分の名前を書いていただいた第四十六代議長、高橋議長からお許しを頂きましたので、通告に従って一般質問を行わせていただきます。 大綱一点目、本県へのPSMC立地への期待と影響について、質問を行います。 十月末、ビッグニュースが報道されました。それは、台湾の半導体受託製造大手のPSMCとSBIホールディングスが共同で半導体工場を宮城県に建設する方針を固めたというものでした。そもそも、PSMCとSBIホールディングスは本年七月、日本国内に半導体ファウンドリーを設立する計画を発表し、八月に準備会社のJSMCを設立して工場建設用地の検討をスタートしたとのことであります。報道によれば、全国の三十を超える自治体からの誘致の申込みがあったそうで、その中で厳しい自治体間競争を勝ち抜いて誘致に成功したものと言えます。そして十月三十一日、宮城県とPSMC、SBIホールディングス、JSMCの四者が覚書を締結し、その建設予定地を大衡村の第二仙台北部中核工業団地に決定したと、正式に発表がありました。これは、富県宮城を掲げてトヨタ自動車などの誘致に手腕を発揮されてきた村井知事の、更に大きな実績になるものと改めて期待をするところであり、以下、何点か質問いたします。 まず、立地を表明いたしましたJSMCの概要と、七月からここに至るまでの経過はどのようなものだったのでしょうか。報道によれば、決定に至る様々な要件の中に、村井知事の熱意が大きかったとされております。知事の対応を含めて、その状況をお示しください。 また、先行して、半導体の受注生産では世界最大手と言われるTSMCを中心としたJASMの工場を建設している熊本県では、期待とともに、地域として様々な課題が発生していると伺いますが、それらの先進事例について、宮城としてはどのように認識し、対応を考えようとされているのでしょうか。 また、十二月一日から、半導体産業の振興に向けての県の体制の整備として、半導体産業振興室の設置が行われるとのことですが、この新しい半導体産業振興室が具体的にどのような業務を担うことになるのかをお示しください。 そして、JSMCの工場立地が今後、宮城県に産業界をはじめとして各方面にどのような効果をもたらすものと想定されておりますでしょうか。 更に、人材確保も大きな課題になるものと想定されます。既存企業からのヘッドハンティング等ではなく、しっかりとした人材育成についても必要不可欠と思われますが、県としてどのように対応を考えていこうとされているのかをお示しください。 また、これだけの規模の投資と新工場となると、関連企業の進出や地元企業の受注、従業員の居住、若者の就職など、周辺市町村としても、更に宮城県全域、そして東北一円にとっても朗報であると、県市長会の伊藤大崎市長も語られておりました。伊藤市長のお名前が出たところで、私、地元大崎につきまして、関連して質問いたしますけれども、新しい工場に係る周辺環境にという観点からして、例えば、新工場の産業医や災害拠点病院として、大崎市民病院を活用いただくというアイデアはいかがでしょうか。工場が設置される第二北部工業団地からですと、大崎市民病院までは高速道路を利用し三本木パーキングエリアと古川インターの間の救急搬送路を利用して約十七分の距離であり、僭越ながら富谷市内の新病院移転候補地より約五分短い時間で到着できるなど、緊急時などには非常に心強い病院だと申し上げてよいかと思います。また、大崎市が開設を準備している公立の日本語学校からも、台湾からの来訪者や御子弟の日本語教育についても、そのプログラムを準備したいとのことでした。新工場に向けての大崎市民病院と日本語学校の活用について、県の御所見をお伺いいたします。 大綱二点目、県産品の海外販路拡大の展開について質問いたします。 日本国内の人口減少と高齢化は更に加速していくものと見込まれ、国内市場の縮小が避けられない状況の中で、国は令和二年十一月に策定した農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略において輸出重点品目を定め、令和七年に輸出額二兆円、令和十二年に五兆円の達成を目標に、官民一体となって取組を進めております。そのような状況の下で、県は、宮城県農林水産物・食品輸出促進戦略において、水産物のほか、米、牛肉、イチゴ、日本酒の五品目を輸出基幹品目と定め、積極的に輸出促進施策を展開していますが、東日本大震災に伴う福島第一原発による輸入規制がいまだに継続している国や地域もある中、ALPS処理水の放出に伴う香港向け水産物の禁輸など、輸入規制撤廃や風評被害防止に向けた取組とともに、代替市場の開拓も必要と言えます。したがって、県としては、例えばイチゴのように海外での評判も高く、生産から海外現地販売までの事業者が連携した物流コスト低減等に向けた体制整備も必要であるでしょうし、輸入規制が一日も早く解除されるよう国に働きかけていくとともに、民間企業やジェトロなどの関連機関との連携を一層強化しながら、中国や韓国、香港に代わる代替市場の開拓を進めていくべきと考えます。例えば、六月に訪問いたしましたハワイ県人会のメンバーの方からの情報では、ハワイ・ホノルルのドン・キホーテでは、なんと石巻産のお米が販売されており、なかなか好評とのことでした。ハワイは日系人も多く、実は有望な消費地でもあると言えるのではないかと考えますが、県の方針をお尋ねいたします。 また、知事は、農林水産省が任命いたします日本食普及の親善大使を御存じでしょうか。これは、海外においてプロの視点に立って日本料理関係者などへ助言することにより、日本食・食文化等の普及を行う者を任命し、農林水産省が実施する事業等への協力のほか、自らの活動や各種メディアでの情報発信を通じて、日本食・食文化等の魅力発信に取り組むこととされております。海外で百三十一名、日本国内で五十五名が任命されておりますが、このうち、カナダのトロントで銀杏レストランオーナーシェフでもある木村重男さん、日本食海外普及功労表彰者の受賞者でもありますけれども、宮城県旧牡鹿町の出身です。木村さんは、カナダ日本食レストラン協会の会長でもあり、これまでもジェトロとの連携で、愛媛県からタイなどの鮮魚類、あるいは岩手県からは米などをカナダに輸入してその橋渡しをしており、過日帰国の際は、愛媛県知事ともお会いになったと伺っております。更に、来年の十一月には協会の二十周年記念レセプションも予定されており、そのような経緯の中で、宮城県産の農林水産物のカナダ輸入について協力したいとのお話を頂戴いたしました。県として、このような人材の活用をぜひ御検討いただきたいと思いますが、御所見をお尋ねいたします。 大綱三点、アフターコロナを踏まえた観光戦略について、質問を続けます。 まず最初に、宮城県のインバウンド誘客施策についてでございますけれども、コロナが収束し、仙台空港発着の国際線も復活し、台湾便が週十七便、ソウル便も週四便、更に来年一月からはデイリー運行となります。また、中国大連・北京便が週二便、十二月二十三日からは上海便も運航されます。そのような中で、秋の紅葉シーズンには特に台湾からは多くのお客様が仙台空港を利用されて来日されておりましたし、東京経由ではありますけれども、香港からのお客様も宮城・東北へとお越しいただいている状況です。また、十一月十一日には宮城オルレ五番目のコースとなる村田コースもオープンし、更に台湾淡蘭古道と宮城オルレが友情の道の協定を締結し、韓国や台湾からも多くのお客様が来県されました。更に引き続き、韓国から宮城オルレ五コースを踏破する五泊六日のツアーも販売され、韓国の皆様にも宮城オルレを存分にお楽しみいただきましたし、その際、五コースを踏破した皆様には、村井知事からの宮城オルレ踏破認定証も贈られました。 宮城県におけるインバウンド誘客施策については、旅行博や商談会などの様々な機会を捉えて、あるいはモニターツアーの実施などによって、海外のトラベル・エージェントに対し、景勝地の紹介や観光施設、観光プランの紹介などを行っているものと承知しておりますが、それらの施策が実際の旅行商品造成にしっかりつながっているのかということには疑問があります。例えば、海外のトラベル・エージェントにしてみれば、素材は案内をされるものの、その問合せの窓口や実際に宿泊、交通、飲食などの実際の手配を行う、いわゆるランドオペレーターとの連携がないと、素材を紹介した、案内をしたというだけで、実際の旅行商品の造成には至っていないように思われます。つまり、インバウンド誘致施策については、問合せや現地手配の流れをしっかり整理した上で実施することが望ましいのではないかということですが、その観点から以下質問し、県の見解をお尋ねいたします。 まず、宮城県におけるインバウンド誘客策において、これまで海外のトラベル・エージェントが実際に旅行商品を造成し、県に誘客するに至った実績はどの程度あるのでしょうか。 また、観光素材としての景勝地の紹介や観光施設の紹介に加え、総合的に問い合わせできる窓口や、実際に手配する会社を紹介したことはあるのでしょうか。また、もしそれがまだ十分できていないとすれば、その点に関する課題はどこにあると考えておられるのでしょうか。 例えば、先ほど申し上げました韓国からの宮城オルレへのツアー商品は、宮城オルレを知り尽くしたアドバイザーでもある李唯美さんが企画をし、県観光課や観光連盟との協力の下で飲食や宿泊先を選び、現地のガイドと通訳も本人が担い、その上で韓国のトラベル・エージェントに商品造成をお願いして販売をしていただくという流れだと伺っております。そのような仕組みがオルレ以外の様々な旅行商品造成にも必要であり、そのためには、繰り返しになりますが、問合せ窓口や手配する会社の整理を行った上で実施するということが望ましいと考えますし、そうしないと、政策に投入した予算、その予算がたとえ国からのものなのか、あるいは県独自のものなのかにかかわらず、その予算に見合う成果が得られにくいであろうと考えるところですが、県の見解をお尋ねいたします。 次に、県内各DMO並びに宮城観光連盟の担うべき方向性について質問いたします。 言うまでもなく、観光は裾野の広い産業であり、稼げるということが重要です。それを実現するためには、観光地の魅力を強力にブラッシュアップし、観光の質の向上、産業としての観光の収益力・生産性の向上、交流人口・関係人口の拡大を図っていく必要があり、そのためには本来、魅力ある観光地域づくりのかじ取り役を期待されるDMOの果たす役割が大変に重要と考えております。現在、本県では五つのDMOがそれぞれの管轄のエリアで個別の活動を行っておりますが、主な取組目標への具体的実績、地域のほかの関係団体との連携不足、そして地域への密着度などについても課題は指摘されていると伺っております。更に、県全域を対象とした観光地づくりを行う機関が存在していないということにも疑問が残ります。 一方、公益社団法人であります宮城県観光連盟は、県の観光キャンペーンと連携した取組、教育旅行等コーディネートセンターの運営、観光人材育成事業、観光情報の発信などを行っているものの、宮城県全体の観光地域づくりのかじ取り役としての調整機能を十分に果たせていたかというと、その点にも疑問を感じております。 そのような状況の中、国においては、アフターコロナにおける基本的方針を定めた観光立国推進基本計画において、DMOを核とした持続可能な観光地域づくりが全国で進められる姿を目指し、DMOによる持続可能な観光地づくりやインバウンド誘客の取組に対する各種支援が行われようとしております。宮城県でも、こうした国の手厚い支援メニューを活用しながら、観光地づくりに係る多様な関係者の合意形成の中心的役割を担うとともに、データの収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略の策定、地域の魅力向上に資する観光資源のブラッシュアップ、受入れ環境の整備、プロモーションなどを実施することにより、県内全域における観光振興を推進できる国のDMOとして登録できる機関の創設が急務であると考えます。このような状況を考え、県としてはこのことについてどのように取り組もうとしているのかお伺いいたします。 更に、観光担当部門の組織編成について、質問を続けます。 さて、実際に観光部門を担当する県の組織についてですが、現在は観光プロモーション推進室、観光政策課、国際政策課、国際ビジネス推進室の二課二室で業務を担当し、その分掌も規定されております。もちろん内部的にはそれぞれの業務内容はしっかりと把握されておられるでしょうが、特に観光という業務は対外的な関係も多岐にわたりますから、その相手方から見ると、どちらに連絡をすればよいのか少々分かりづらいという側面も否定はできません。これまでも、その時々に応じて組織編成が変更されてまいりましたが、アフターコロナを迎え、観光が地域経済にも地域づくりにも一層重要なファクターとなる中で、対外的な視点から、観光を担う組織編成に工夫をいただければと考えますが、御所見をお伺いいたします。 大綱四点目、台湾をターゲットとした相互の教育旅行推進について、質問を行います。 教育旅行は、その交流時の教育効果はもとより、交流後においても、進学先や就職先として、家族の旅行先の選択肢となることなどが期待され、教育旅行誘致は、将来の交流人口拡大につながる重要な取組です。県では平成二十六年に、現台南市台日文化友好交流基金会との間に、教育旅行に関する覚書を締結し、その後、令和元年度までの間に約六十校、二千人が教育旅行で来県いたしました。その後はコロナ禍ということで、しばらく教育旅行は実施できない状況でありましたけれども、コロナ禍が明けた現在、またその再開に向けて事業をスタートしたところであり、十月には私も議長として部長共々に台湾を訪問し、台湾の訪日教育旅行に係る中核機関である高級中等以下学校国際教育交流連盟の会長並びに、同連盟の台北市エリアの管轄担当である台北市立大安高級工業職業学校の校長を直接訪問し、交流の意義や受入れに際しての課題など、交流促進に向けた意見交換を行ってまいりました。そしてその後、御同席をいただいた台北市政府教育局総合企画課長より、本県と台北市との間で、教育旅行に関する協定締結についても御提案を頂きました。県はこれまでも、宮城県観光連盟内のみやぎ教育旅行等コーディネート支援センターを中心とし、学校訪問や台湾現地での情報交換、招請事業などを行ってきましたが、今後の訪日教育旅行誘致拡大に向け、全国の都道府県の誘致競争に勝ち抜くための更なるインセンティブの必要性を痛感しております。そこで、その対応に向けて、以下質問いたします。 まず、台北市政府教育局からの協定締結の提案について、県としてはどのように対応されようとしているのでしょうか。 また、いわゆるインセンティブとしての教育旅行への支援について、県はどのような施策を考えていらっしゃいますでしょうか。 更に、台湾の訪日教育旅行では各学校長が決定権者となっていることから、県の現地行程を経験いただく招請事業も有力な方法であると考えます。これまでJNTO主催による招請事業は行われてきましたが、ターゲットを本県の魅力に絞った本県独自の招請事業等の実施も有効なインセンティブになるものと考えます。その点についての県の取組について、お伺いいたします。 大綱五点目、アウトバウンド強化への取組について、質問を続けます。 台湾の関係者との面接の際に話題になったもう一つの件は、宮城県からの台湾へのアウトバウンドの少なさでした。実際に仙台空港における出入国状況を見ますと、外国人入国者は、コロナ禍前の令和元年九月の一万千二百九十三人に対して、今年九月は一万千八百二十五人と、コロナ前と同水準となっておりますが、日本人出国者は、令和元年九月が五千九百二十九人だったのに対し、今年九月は二千四百八十四人と、令和元年と比較して約四割にとどまっており、インバウンドに比べ相対的にアウトバウンドの回復が遅れていることは事実です。国土交通省の調査によれば、そもそも日本の若年層は国際的な視野・意識が諸外国と比べて相対的に低い傾向にあると言われております。 また、パスポートの取得率を見ても、令和四年末時点における宮城県のパスポート取得率は、全国平均一七・一四%を大きく下回る一一・一七%となっており、四十七都道府県中三十位と下位に位置しております。一方、台湾の校長先生のお話では、台湾のパスポート取得率はおよそ七〇%とのことで、その差は歴然としております。 宮城県を含め日本人、特に若年層の海外旅行離れが顕著化しており、アウトバウンドが増加しないことが、仙台空港における国際定期便の維持・拡大の障害となり、インバウンド拡大の足かせとなることが懸念されております。これまで県においては、仙台空港利用者に対するパスポート取得費用や海外旅行費用を助成するキャンペーン等により、パスポート取得とアウトバウンドの需要喚起を図ってきたことは承知しておりますが、それらの施策が大きな効果を発揮してきたとは言い難い状況であることも認識しております。 そこで提案いたしますが、そしてこの点はこれまでも何回か一般質問などでも発言した内容でありますけれども、アウトバウンドイコール空港イコール土木部、一方、インバウンドイコール観光イコール経済商工観光部という考え方ではなく、インバウンドとアウトバウンドを総合的に捉え、その対策を講じていくという観点から、経済商工観光部にその業務を移管し、インとアウトという、実は両輪として海外との双方向での交流を図れるような施策を一括して行うことが、まずはアウトバウンド強化への第一歩ではないかと考えますが、御所見をお尋ねいたします。 更に、私がこの件についてこのような提言を申し上げることのもう一つの理由が、前項で申し上げました台湾との教育旅行による相互交流を図ることが、県内在住の学生を対象とした海外旅行促進につながる有効な施策だと考えるからです。本県の観光施策に当たっては、インバウンド誘客に加えてアウトバウンドを促進し、双方向の人的交流を拡大させることが、ぜひとも必要であろうと考えます。また、観光施策に加え、本県のグローバル化の観点からも、今後を担う若年層の国際感覚を養い、国際相互理解力を高めていくことが求められているとも考えます。来年には、みやぎ教育旅行等コーディネート支援センターの御尽力により、台北の高級学校と、私の母校でもある宮城県古川高等学校の相互交流訪問が予定されていると伺います。距離的、予算的、そして国際情勢の中でも、台湾は宮城県にとって非常に訪問しやすい国と言えます。より具体的な施策を持って取り組んでいただきたいと思いますが、御見解をお尋ねし、壇上からの質問にいたしたいと思います。御清聴ありがとうございます。 ○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 菊地恵一議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、本県へのPSMC立地への期待と影響についての御質問にお答えいたします。 初めに、JSMCの概要とこれまでの経過についてのお尋ねにお答えいたします。 今年七月に、SBIホールディングス株式会社と台湾の半導体受託製造企業大手PSMC株式会社が、新たな国内法人としてJSMC株式会社を設立し、半導体工場を建設するとの報道がありました。我が県では八月上旬に用地の提案を行い、その後、数度にわたる詳細な書面及び現地調査が行われ、十月下旬に建設予定地を第二仙台北部中核工業団地に決定した旨の連絡がありました。これを受け、十月三十一日にSBIホールディングス、PSMC、JSMC、宮城県の四者で立地協定を締結したものであります。このたびの誘致は、計画投資額が非常に大きく、県内の産業経済に多大な好影響を与えるものと考え、私自ら用地提案の機会を確保し、提案資料を入念に確認し、PSMC本社でのプレゼンテーションを行うなど、スピード感を持って徹底したトップセールスを重ねました。三十を超える自治体から用地提案があった中で、我が県の立地環境と努力が評価されたことは、大変喜ばしく受け止めております。 次に、工場立地により想定される効果についての御質問にお答えいたします。 このたびの半導体工場は、計画投資額が約八千億円、年間売上額が二千億円弱と見込まれるなど、非常に大規模なものとなっております。また、先行する他県の例では、半導体製造工場の立地に併せ、後工程をはじめとする関連産業の急速な集積が図られております。このため、関連企業の設備投資や雇用創出はもとより、定住人口の増加によるにぎわいの創出や消費の拡大、台湾との交流拡大によるインバウンドの増加や国際航空便の増便、行政機関や教育機関における国際化の進展、産学官連携による研究開発の促進や高度人材の育成、スタートアップといった新たな企業の創出など、幅広い分野において多大な好影響をもたらすものと考えております。こうした半導体関連産業の集積と幅広い波及効果は、我が県が目標に掲げてまいりました県内総生産十兆円を安定的に維持し、富県躍進に大きく貢献するものと大変期待しております。 次に、半導体人材の育成についての御質問にお答えいたします。 国においては、近年の半導体関連産業の国内回帰の動きを受け、東北全体の半導体人材の確保に向けて、昨年度から東北経済産業局が主導し、産学官から成る東北半導体・エレクトロニクスデザイン研究会において、主に大学生を中心に、その育成が進められてきたところであります。県においても、半導体製造装置メーカーの立地等を契機として、地域における半導体人材の育成を産業振興の重要課題と位置づけ、みやぎ高度電子機械産業振興協議会において、東北大学の協力を頂きながら、半導体関連産業への参入を目指す企業等の社員を対象に、半導体基礎講座を開催しております。今回の大規模な半導体製造工場の立地に対応するため、県といたしましては、東北経済産業局、県内大学や高専、高校と連携を図りながら、実際に半導体デバイスの製造を体験する実習や、必要な知識を習得できる座学の開催等、様々な人材育成事業を通じ、JSMCが令和九年に計画どおり操業を開始できるよう努めてまいります。 次に、大綱二点目、県産品の海外販路拡大の展開についての御質問のうち、輸出促進のための代替市場の開拓についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、宮城県農林水産物・食品輸出促進戦略において、水産物など五品目を輸出基幹品目と定め、積極的な輸出促進施策を展開しており、特に、アジア向けのイチゴやサツマイモ、欧州向けの日本酒については、近年、継続的な輸出が実現しております。一方で、福島第一原子力発電所の処理水が放出された今年八月以降、香港において水産物の禁輸措置が講じられていることなどを踏まえれば、輸入規制撤廃等に向けた取組のほか、新しい市場の開拓に取り組んでいく必要があると認識しております。県としては、海外に広い販売網を持つ民間企業や、関係機関との連携を強化することが、一つの有効な手段であると考えており、具体的には、国内でドン・キホーテ、海外ではドン・ドン・ドンキなどの店舗を展開する株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと包括連携協定締結に向けて、現在、最終的な調整を進めております。協定締結後は、ハワイをはじめとする米国、シンガポール、タイ、台湾など海外に百を超える店舗を構える同社のネットワークと、我が県の豊かな農林水産物や食品の特長を相互に活用し、今後とも強力に、海外への販路拡大を推進したいと考えております。 次に、大綱三点目、アフターコロナを踏まえた県の観光戦略についての御質問のうち、DMOの創設に向けた今後の取組の方向性についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、県内では五つのDMOが活動していますが、関係団体やDMO間での連携不足等のほか、DMOが管轄しないエリアが存在するなどの課題があり、県内全域で魅力ある観光地域づくりを更に進めるためには、かじ取り役として調整機能を発揮するDMOの創設が必要であると考えております。県では、今年十月に国の先駆的DMOである一般社団法人下呂温泉観光協会を訪問し、着実なデータ収集と分析に基づいた誘客事業を実施し、地域の観光振興をしっかりと支えている実態を確認してまいりました。DMOに登録された場合には、観光庁から、各地域の取組事例や補助事業等の情報発信、人材育成のための研修受講、デジタル田園都市国家構想交付金等の交付といった、御指摘の「稼げる産業」につながる支援を受けることが可能となっております。このため県では、先駆的DMO等の活動を参考に、県内全域の観光振興の司令塔としての役割を担う公益社団法人宮城県観光連盟をDMOとするため、現在関係者と最終調整を行っており、今月中に理事会を開催して意思決定を行うとともに、今年度内に登録を受けられるよう、手続を進めてまいりたいと思います。 次に、大綱四点目、台湾をターゲットとした相互の教育旅行の推進についての御質問にお答えいたします。 初めに、協定締結の提案に対する今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 台北市政府教育局では、訪日教育旅行促進のため、都道府県との間で教育旅行をはじめとする相互交流に関する協定の締結を進めており、平成二十八年に東京都が、令和三年に青森県が、それぞれ協定を締結しているところであります。台北市内の学校が協定締結先の都道府県へ教育旅行を実施する場合には、台北市政府教育局から補助金が交付されることとなっており、協定を締結した都道府県においては、教育旅行を通じた交流の更なる拡大を期待することができます。このため県では、これまで台湾との交流に尽力されてきた県議会と一体となって、今年十月下旬に台北市政府教育局を訪問し、相互の教育旅行促進に向けた協定締結について内諾を得ることができたところであります。県といたしましては、台北市側の意向を踏まえ、教育委員会と連携しながら、今年度内に台北市との間で協定締結することを目指し、台湾からの更なる訪日教育旅行の誘致及び交流の拡大を図ってまいります。 次に、今後の誘致拡大に向けた訪日教育旅行へのインセンティブの必要性についての御質問にお答えいたします。 訪日教育旅行の誘致拡大を図るためには、観光資源やプログラムの磨き上げによる行程の魅力向上、学校訪問等によるプロモーション活動、交流受入れ先の確保などのほか、御指摘のとおり、来県する学校へのインセンティブとなるような支援が必要であると考えております。教育旅行については現在、国内の学校の誘致拡大に対するインセンティブとして、教育旅行で使用するバス借上げ経費の助成を行っており、昨年度には二百五十四校に対し約三千四百万円、今年度は十一月末現在で二百六十九校に対し約三千万円を交付し、我が県への教育旅行促進につなげております。訪日教育旅行の誘致拡大のために、県といたしましては今後、バス借上げ経費助成制度の対象を台湾の学校にも拡大し、台湾からの訪日教育旅行の誘致を強力に推進してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。    〔経済商工観光部長 梶村和秀君登壇〕 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 大綱一点目、本県へのPSMC立地への期待と影響についての御質問のうち、工場立地に伴う地域課題とその対応についてのお尋ねにお答えいたします。 大規模な半導体製造工場が立地する他県では、半導体関連企業の急激な集積により、地下水枯渇への懸念、地価や人件費の高騰、交通渋滞など、様々な課題が顕在化し、国に対して、インフラ整備への財源措置や工場立地に係る規制緩和を求める動きがあると承知しております。一方、我が県では、JSMC株式会社の工場が立地する場所は、工業用水や道路等のインフラが整った既存の工業団地であることから、周辺地域の生活環境に大きな悪影響を及ぼすものではないと認識しております。県といたしましては、他県の先行事例も参考としつつ、円滑な道路交通の確保や地元企業の雇用確保等に細心の注意を払い、対処すべき課題が見込まれる場合には、迅速に対応してまいります。 次に、半導体産業振興室の業務についての御質問にお答えいたします。 このたびの半導体工場の計画投資額は、約八千億円と過去に例のない大規模なものとなっており、県内の産業経済に与える影響も非常に大きいことから、迅速かつ的確な対応が不可欠と考え、産業立地推進課の一部の業務を移管し、今月一日、半導体産業振興室を新設いたしました。具体的な業務といたしましては、JSMC株式会社の工場の建設及び操業を支援するワンストップ窓口となることであり、副知事をトップとした庁内横断のプロジェクトチームの事務局として、インフラ整備や各種行政手続、人材確保、台湾からお越しになる社員と御家族の生活環境整備などをしっかりと進め、工場の建設及び操業を確実なものとすることとしております。また、このたびの工場立地を好機と捉え、我が県が国内の半導体産業に関する重要拠点となるよう、関連産業の更なる振興に向けた諸施策について調査・立案を行うこととしております。 次に、大崎市民病院と日本語学校の活用についての御質問にお答えいたします。 このたびの半導体工場では、フル稼働時の社員数は千二百人で、このうち、台湾からお越しになる方は二百人以上と伺っており、御家族を含めた社員の受入れ環境の整備は大変重要だと認識しております。大衡村における緊急時の搬送先としては、現状では仙台圏域の医療機関がその役割を果たしておりますが、工場に近く、医療提供体制が充実している大崎市民病院には、平時はもとより、緊急時にも大きな役割を果たしていただけるものと認識しております。また、令和七年に開学する日本語学校についても、特に台湾からお越しになる方々の言葉に対する不安軽減に資するものと考えており、従業員の皆様にしっかりと情報提供を行ってまいります。 次に、大綱二点目、県産品の海外販路拡大の展開についての御質問のうち、日本食・食文化等の普及に取り組む人材の活用についてのお尋ねにお答えいたします。 農林水産省が任命する日本食普及の親善大使は、我が国の食文化や農林水産物及び食品の魅力発信を通じて、輸出拡大につなげていくため、日本料理店のオーナーシェフを中心に、現在、国内外で百八十六名が任命されているものと承知しております。県産食品の輸出拡大に当たっては、海外市場のニーズを把握し、マーケットインの視点で取り組むことが必要であり、それぞれの国や地域の事情に精通したパートナーの存在をとても心強く感じております。特に、レストランなどの飲食店において県産品が提供される場合には、商品自体の訴求力に加え、その食べ方や楽しみ方を伝えることができるため、県としても、レストランでの試食商談会やメニューフェアなどを通じた販路開拓に取り組んでいるところであります。新しく販路開拓に取り組もうとする国については、市場の動向や輸入規制の把握などから始めることが必要ですが、今回紹介いただいた方も含め、日本食普及の親善大使をはじめとする、海外で活躍されている皆様の御協力を頂きながら、引き続き県産品の輸出拡大に取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、アフターコロナを踏まえた県の観光戦略についての御質問のうち、海外のトラベル・エージェントからの誘客実績についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県のインバウンド誘客施策のうち、海外のトラベル・エージェントとの商談会や招請事業、現地旅行博への出展等については、東北観光推進機構や東北各県等と連携しながら実施しているところです。その結果、昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で、香港やタイ等から我が県向けに十八本の旅行商品が造成され、約百七十人の送客実績となっております。また、我が県においても、宮城オルレ全コース踏破ツアーなどの旅行商品の造成により、昨年度から今年度にかけて、韓国から六百人を超える送客実績があったところです。 次に、海外のトラベル・エージェントからの問合せ対応状況と課題についての御質問にお答えいたします。 海外のトラベル・エージェントが旅行商品を造成するに当たり、観光・宿泊施設や交通機関の状況等、様々な問合せが我が県にも寄せられますが、そのうち、旅行日程に係る移動手段や宿泊施設等の手配のほか、手配が可能な会社の紹介を求められた場合には、地域の旅行会社や、いわゆるランドオペレーターを紹介しているところです。県内観光地の魅力を十分に引き出した旅行商品を造成するためには、県内の観光事情に精通した地域の旅行会社やランドオペレーター等の活用が効果的であると認識しており、今後、海外のトラベル・エージェントに対し、更なる周知が必要であると考えております。 次に、旅行商品の造成に関する問合せ窓口や手配する会社の整理についての御質問にお答えいたします。 今後の更なるインバウンド誘客の促進に向けては、御指摘のとおり、海外トラベル・エージェントからの問合せ窓口の明確化などにより、宿泊先の手配の要請や旅行行程の相談にも的確に対応できるものと考えております。このため、県といたしましては、まずは地域の旅行会社やランドオペレーターとの意見交換会の機会を設定し、現状や課題を共有化するとともに、我が県の魅力を十分に伝える満足度の高い旅行商品の造成につながるよう、今後、各種問合せにワンストップで対応できる総合的な窓口の設置などを検討してまいります。 次に、観光部門の組織編成についての御質問にお答えいたします。 観光部門の担当組織については、これまでも社会情勢の変化や課題等に柔軟かつ的確に対応できるよう、体制を整備したところであります。近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、ライフスタイルや旅行形態が変化するとともに、観光客のニーズも多様化していることから、持続可能な観光誘客を図っていくため、ニーズや課題に的確に対応していく必要があるものと認識しております。このため、アフターコロナにおける観光施策の企画立案や国内外に向けたプロモーション等の取組を効果的かつ効率的に実施でき、対外的にも分かりやすい組織体制の構築に向けて、御指摘も踏まえて検討してまいります。 次に、大綱四点目、台湾をターゲットとした相互の教育旅行の推進についての御質問のうち、我が県独自の招請事業の実施についてのお尋ねにお答えいたします。 台湾の訪日教育旅行では、学校長が決定権者となることから、学校長自らが現地行程を体験する招請事業は、旅行先決定の有力な決め手になるものと認識しております。また、今年十月の訪台の際には、訪日教育旅行において、自然災害に対する防災学習や、資源や環境保全について考えるSDGs学習、年間を通じて温暖な台湾では珍しい雪に関する自然体験等に関心があることを伺ってまいりました。このため、県といたしましては、南東北三県が連携して行うJNTO主催の招請事業に加え、東日本大震災の経験等に基づく震災・減災・防災学習や、南三陸町で実施されている「自然と生きる力」を学ぶSDGsプログラム、蔵王の雪壁、樹氷、スキーなどの自然観察体験、更には、大崎市や登米市での農業体験、各地の伝統工芸体験など、我が県ならではの魅力を感じるコンテンツを盛り込んだ、学校長を対象とした独自の招請事業に取り組むことにより、台湾訪日教育旅行の誘致を強力に進めてまいります。 次に、大綱五点目、アウトバウンド強化への県の取組についての御質問のうち、経済商工観光部にアウトバウンド業務を移管し、海外との双方向での交流を図る施策を一括して行うことについてのお尋ねにお答えいたします。 観光振興・交流人口の拡大に向けては、海外との双方向の国際交流を推進することが重要と認識しております。このため、今後、経済商工観光部において、インバウンド誘客に加え、アウトバウンドの取組として、若年者の国際感覚の向上、相互理解の促進を図ることを目的とした海外への教育旅行について、取組を強力化してまいります。インバウンド、アウトバウンドでの取組を一体的に行うツーウェイツーリズムを推進するため、教育旅行をはじめ、仙台空港を活用したアウトバウンド促進の取組等については、引き続き土木部と連携しながら、海外との双方向の交流拡大に努めてまいります。 次に、台湾へのアウトバウンド強化の取組についての御質問にお答えいたします。 我が県の観光振興に当たっては、御指摘のとおり、今後更なる需要拡大に期待されるインバウンド誘客に加え、アウトバウンドを促進し、双方向の人的交流を拡大させることが重要であると認識しております。台湾との相互交流については、これまでも教育旅行の分野で、台南市台日文化友好交流基金会との間で覚書を締結し、相互の教育旅行に関する派遣の働きかけや受入れ施設等との調整を行うなどの支援を実施しており、更には、先ほど知事が答弁しましたとおり、台北市との教育旅行に関する協定締結により、一層の交流促進を図っていくこととしております。県といたしましては、引き続き教育旅行を中心とした台湾との相互交流に取り組むとともに、若年者の海外旅行促進につなげる観点から、他の自治体の取組を参考にして、県内学校が実施する海外教育旅行への助成制度の創設などを検討し、台湾とのツーウェイツーリズムの拡大を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) 御答弁ありがとうございます。私的にもほぼ満足できるような回答だったというふうに思います。ありがとうございます。 まず、PSMC、JSMCでございますけれども、これは初めて情報が入ってきたのは、たまたま私が台北にいるときに、台北から情報が入ってきて、その次に経済新聞が取り上げて、その次の日に河北新報が取り上げたということで、本来ならもっとすごいビッグニュースだと思ったのですけれども、ようやく最近、新聞でも一面で取り上げられるようになってまいりましたけど、ようやく火がついたなという思いでございます。今答弁にございましたが、知事も大分本当に頑張ったなあと思いますけれども、知事御本人からは言われないでしょうから、そばにいただろう梶村部長のほうから、知事の頑張りについてちょっと一言コメントを頂ければと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 本当に、間近で見ておりまして、新聞報道にもありましたとおり、最初は十五行の小さい新聞記事を知事が見つけまして、これを何とか物にできないかということで、うちの産業立地推進課の本当に頑張ったチームに特命事項が伝わりまして、彼らが頑張って、それを知事が本当に一体となって、熱意を持ってプレゼンテーションをスピード感を持ってやったというところが、今回の最大の取組、実績につながったものと考えてございます。ですので、新聞報道にありましたとおり、JSMCの社長も言ったとおりですね、土地の形状もございますが、やはり知事の熱意とスピード感が今回の成果につながったものと私自身は認識してございます。
    ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) まさにそのとおりだというふうに報道でもありました。私どももぎりぎりまでは--こういう誘致企業という件に関しては、情報が漏れてしまうとなかなか大変なので、ぎりぎりまで私ども議会には教えてもらっていませんでしたけれども、大きな成果だということで、知事をはじめ関係の皆さん、県当局にも改めて敬意を表したいと思いますし、宮城県が重要拠点となるように、これからも互いに力を合わせて取り組んでいければなというふうに思っております。 それから、インバウンド施策についてでありますけれども、先ほどお話がありましたDMOの件、これは宮城観光連盟が、いわゆる県内全域をちゃんと網羅するDMOになる方向でということで理解してよろしいわけですね。 ○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) そもそも宮城県観光連盟、今も三十五市町村の参加を得てやっているものですから、圏域につきましても、県内全域を統括するDMOとして登録申請を行ってまいりたいと考えてございます。 ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) DMOなんですけどね、ディスティネーション・マネジメント・オーガナイゼーション、地域と協同して観光地づくり、二〇一八年か一七年あたりに国の施策の一環として出てきて外国の制度を取り入れてということで、あの頃はすごく期待したんですよね。このDMOができたらどんなにいいんだろう、何をやっているんだろうと思ったのですが、それぞれに特色ある活動はしているのですけれども、本来の目的である地域観光の組織の活性化だったり、あるいは観光客の行動をマーケティングする、更には来訪者に何を提供できるのかという、いわゆるプロダクトアウトではなくて、マーケットイン。ただそれが今のを見ていると、どうもプロダクトアウトの方向が強くて、しかもこれに観光庁の予算がかなり大きく入ってくるものですから、何か今の最近のDMOがやっている、宮城県に限らず表を見てみると、予算を消化するための事業と言ったら失礼ですけれど、何かこれ、地域の本当の観光の活性につながっているのかなと思う事業が多々あるんですね。これはやはり指摘しておきたいと思いますけれども、DMOのためのDMOではなくて、DMOは地域の活性化と観光に生かせる組織だということがあると思いますので、それを担うために観光連盟がDMO化するというのであれば、宮城全体をできるわけでありますから、しっかりとそこをDMO化して取り組んでいっていただいて、これまで以上にそのDMOの本来の姿を持って地域の経済、そして稼げる力を持つ観光にというふうに行っていただきたいと思いますが、御所見を伺います。 ○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 御指摘のとおりでございまして、私どもの期待しているのは、役所でできない部分、やはり民間の発想と工夫で、自由な活動で、役所ができない部分をカバーしてもらいたいという思いでやっております。今言ったように、予算を消化するために何かやっているということであれば、何か役所でやったほうがよかったのではないかということになってしまうと思いますので、その趣旨をしっかりと踏まえながら、今までいろいろばらばらでなかなか連携が取れていなかったものを、一つ司令塔をつくってまとめてやっていこうというのが狙いでございますので、しっかりと御期待に沿えるように育ててまいりたいというふうに思っております。 ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) 今の件であれば、私、これは宮城県の観光にとって大きな分岐点になる、新しい意味でのポイントになるかと思います。ぜひお取り組みいただきたいなというふうに思っております。 それから、台湾との関係であります。先ほどありました、これは教育旅行に関する協定締結はもう今年度内ということでかなりスムーズに進んでおりますけど、これは今年度に締結のめどは立っているところでございますか。 ○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) 台北市の担当のカウンターパートナーとは年度内の締結について今調整をしておりまして、今後、教育委員会とも調整を図りながら、何とか年度内の締結に向けて頑張っていきたいと考えてございます。 ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) 県は、先ほど申しました台南市とは長くやっております。もちろん台南もいいところですし、この間も台湾に訪問させていただいて、地元の皆さんとも台南市議会の皆さんとも交流を図ってきたところでありますけれども、やはり今、仙台空港とのエアラインが台北だけだということになると、台北から台南市までの距離を考えると、やはり効率的なのは台北との協定が大事だろうなと思いますし、反面、向こうの方がおっしゃっていましたけれど、宮城なら仙台空港で降りてそのまま活動できると。某東北、青森県とも台北市さん、協定を結んでいるんですけど、青森さんですと仙台空港に降りてからまた移動がかかるので、もう一日終わってしまうんですよねということで。ですから、そう考えるとやはり、差し当たって今度、台南に加えて台北と協定が結べるということは非常にすばらしいことだと思いますので、これもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 それから、先ほど取り組んでいくという話でしたが、いわゆる県の魅力に沿った招請の事業、向こうの校長先生方をですね。これは検討して実施する方向ということで考えてよろしいのでしょうか。 ○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) はい、今検討してございまして、来年度予算の編成過程において、いろいろ県議会の皆さんに御提案しながら、御審議いただきたいと思ってございます。 ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) 行ったときに、JNTOさんはもうやっているんだと。その来たときに私どものほうまですっかりこう、議会にも当局にもなかなか情報がなくてということだったものですから、やはり東北六県全体を担うということも必要でしょうけれども、まずは宮城県をしっかりと売り込むことが大事だと思いますので、それについてぜひ予算化をして取り組んでいただきたいなというふうに思います。また一方、私、たまたま昨日、台北の駐日経済文化代表処のほうにお伺いする機会がありまして、教育部の部長さんとお会いできました。県としては、やはり交流事業ということで相互交流ということで、非常に宮城県と台湾の皆さんとの交流は大事だろうなというふうに考えていると思いますとお話ししたら、台湾政府としても、そう言うのであれば、宮城県の皆さんは非常にこれまでもよくしていただいているので、台湾政府として、逆に宮城県の校長先生やら関係者の皆様を台湾のほうに招請して、その逆のパターンでいろいろ見てもらって、これをつなげていきたいような事業を、これも来年度、予算を計上したいというふうに--計上しているし、行ってみたいというふうに話がありましたので、そういう話がこれから具体的に入ってきたら、それはもう十分に県としても受け入れられると思うのですけれども、その見解をお伺いします。 ○議長(高橋伸二君) 経済商工観光部長梶村和秀君。 ◎経済商工観光部長(梶村和秀君) ただいまのお話ですね、台湾から本県への学校長の招請事業、来年やろうと思ってございますけれども、それと本当に非常に相乗効果のある事業になるかなと思ってございます。と申しますのは、私の実体験として、観光課長時代に当時の高橋教育長に台湾まで同行いただきまして、その際に、それまでは宮城県には台湾から数校しか来ていただけなかったのですけども、それを契機に、当時台南市の各校長さんを中心に四十校近くの校長さんに集まっていただいて懇親会をやった結果、なんと翌年度は十八校ぐらい、もう一挙に四倍ぐらい増えたんですね。それくらい教育者間でつながりというのは、あと連携というのはですね、非常に効果的だと思いますので、今後、教育委員会にもちょっと連携を働きかけながら調整を行っていきたいと思っております。 ○議長(高橋伸二君) 五十三番菊地恵一君。 ◆五十三番(菊地恵一君) たまたま伺ったところがそういう話になりまして、私も今は何のポジションでもないのですけれども、やはり経済部の、教育部の部長がそういうふうなお話をしていただけると非常に大きなことだと思いますし、これまでのやはり宮城県と台湾の友好な関係の延長線上にあるものだと--この間台湾サミットも開催することができましたけれども、ぜひ教育庁のほうも連携しながら、ぜひ県内の校長先生方にも対してですね、まあ日本の場合は校長先生が全権を持っているということではないと思いますけれども、やはりその理解を進めるということ、そして、今話しました相互交流ということに関しては、ぜひ一番、今できる事業の中で効果的で、なおかつ早急にできるのは台湾と宮城の間の教育旅行の相互交流だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それと、最後になりますけども、例のアウト・インの連携です。別に土木部がやっていることが悪いわけではなくて、もちろん土木部もこれまで十分にいろいろとパスポート取得率等々について努力していただいていると思うのですけども、やはり今ありましたようにインとアウトは別々のものではなくて、インとアウトはやはり表裏一体、あるいは車輪の両輪だと思いますので、そのことを考えながら、土木部が担う部分は土木部が担うことで大切だと思いますけれども、併せて連携を図っていただきたいということを、要望というか、お願いいたしまして、一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。 ○議長(高橋伸二君) 五十八番中山耕一君。    〔五十八番 中山耕一君登壇〕 ◆五十八番(中山耕一君) 自由民主党・県民会議の中山耕一です。さきの選挙で訴えてきたことを中心に、以下伺ってまいります。 まず初めに、仙台医療圏における四病院の再編についてであります。 仙台医療圏においては、高度医療を担い地域連携の核となる地域医療支援病院十病院のうち、東部に一病院があるものの、九病院が仙台市内に集中しております。また、災害拠点病院にあっては、九病院のうち七病院が仙台市内で、人口十万人を数える富谷・黒川地域にはどちらの病院もありません。このため、救急医療や災害医療、周産期医療などについては、北の富谷・黒川及び南の名亘地域の機能が手薄な状態にあります。 各消防本部の救急搬送時間に目を向けると、令和三年のデータでは、県平均が四十四・九分であるのに対し、救急搬送先の八割以上が地域外である黒川の平均時間は四十八・六分、このほか、あぶくまが五十二・六分、名取市が五十二・七分と、ほかよりも長くなっている状況であります。また、保健所別、支所別に見た医師数にあっては、令和二年現在の実数で、富谷・黒川地域は八十七人と県内で最低、人口十万人当たりの換算では桁違いで圧倒的に少ないのが現状であります。 地域医療支援病院の存在による救急搬送平均時間の短縮と、他の病院やかかりつけ医など、異なる機能の連携による地域内での切れ目のない医療の完結は、地域住民はもとより、医療関係者においても、かねてからの悲願であります。救急医療など、地域バランスの取れた病院の適正配置での再編により、拠点となる病院が整備され、診療内容の充実や医療従事者の確保が実現されるよう強く望むものであります。また、今般対象とされる各病院においては、施設の老朽化対策、経営基盤の強化、質の向上を図ることが急務であり、喫緊の課題となっております。今後、高齢者の人口増加が見込まれるなど、医療ニーズの拡大が予想される中で、再編が必要とされる背景や目的に鑑みれば、立ち止まっている余裕はないと思料するところであり、その解決を図るための四病院の再編は推し進めていくべきであると考えます。 県の方針では、精神医療センターについては、精神科救急など、県全体を視野に入れた基幹病院としての機能強化を図ること、合築を望む東北労災病院との連携による精神科と身体症状の合併症への対応を充実させること、仙台医療圏北部の拠点病院の実現による救急・災害・地域医療の充実を図ることなどがあり、基本的には理解できるものであり、また賛同するところでもあります。しかしながら、現在の議論は、精神医療センター移転の件で手詰まり感を否めず、全体として先に進んでいない状況が続いており、危惧の念を禁じ得ません。 精神医療センターの移転自体については、その後の名取市等の患者の皆さんが困るとの批判が強いという問題があり、特に県精神保健福祉審議会においては、県が初めて移転計画を報告した今年の二月八日から反対意見が続き、八月三十一日提案の民間精神科病院の誘致についても、反対多数で大きな支障となっております。更に、その後の審議会では、審議にすら進めない状況であると伺っております。一方、十月十二日の仙台市長からの文書においては、前半で精神医療センターの移転問題の再検討を求めているところがポイントになっているように見受けられますが、後半の再編構想については、慎重かつ丁寧な検討を求めるにとどまっております。これらのことを踏まえ、知事が掲げる県政の最重要課題を解決するためには、多くの理解が得られる方針に修正していくことも考慮すべきと考えます。今必要なことは一刻も早く前に進めることであります。以下伺ってまいります。 まず初めに、八月三十一日に知事が提案した民間精神科病院の誘致案については、強い批判がありますが、このことについてどのようにお考えか伺います。 民間精神科病院の誘致策にこだわらず、名取市で構築されている、いわゆるにも包括などに配慮することも含め、サテライトなど県立としての対応に方針転換すべきと考えますが、いかがでしょうか。 東北労災病院との合築による精神医療センターの移転が実現した場合、にも包括のための取組について、どのように進めていくお考えか伺います。 精神医療センターとは別に、がんセンターと仙台赤十字病院との統合については、進めていくことが可能だと思料します。基本合意に向けた協議の状況と地域への説明についてのお考えをお披瀝ください。 精神医療センターは、地域医療促進により在院患者数が減少し、入院収益が低下しているとのことでありますが、ここには政策医療を担う経費等に対し、県から運営費負担金として毎年八億円以上交付しております。一方がんセンターにあっては、経営は改善傾向にあるとはいえ、政策医療を担う経費等に対し、同じく運営費負担金として毎年二十億円以上交付しております。今般の四病院再編が実現した場合において、その負担金への影響はどのように想定しているのか、伺います。 精神医療センターにおいては、これまで老朽化に伴う大規模修繕を行ってきましたが、今般の議会においても雨漏り修繕の補正予算を計上しております。今後も更に修繕が見込まれるものがあるとのことでありますが、その期間と想定される費用についてお示しください。 東北労災病院、仙台赤十字病院及び県立がんセンターの連携等について、検討を開始する旨の公表があった令和二年八月四日から今日まで、四病院の再編にかじを切り、精神医療センター移転については、強い反対などの様々な意見を受けながら、複数の提案も行ってこられました。この間、県議会においても多くの議員から、四病院再編案に対し質疑・質問が行われたほか、九月二十九日には、我が自由民主党・県民会議、公明党県議団、21世紀クラブ合同で要望書を提出するなど、様々な動きがありました。現時点において、今後の展開については具体的にどのようにお考えか、可能な範囲でお答え願います。 次に、富谷・黒川地域の交通対策についてであります。 先般、SBIホールディングスと台湾の半導体大手のPSMCが、八千億円以上を投資して、大衡村の第二仙台北部中核工業団地に共同で半導体工場を建設するとの発表がありました。これまで、第一及び第二仙台北部中核工業団地及び大和流通・工業団地やその近隣の流通工業団地内には、知事が掲げる富県宮城実現に向け、トヨタ自動車東日本株式会社などの大手企業やその関連企業などの進出により、目覚ましい発展を遂げております。現在では、合計で百四社が立地し、雇用者も総数で約一万三千五百人を数えるほどになっております。今回のPSMC株式会社の半導体製造工場雇用者数は、フル稼働予定の二〇二九年に千二百人とも聞いており、熊本県の例によれば、その後、多くの関連企業の進出も期待できるということであり、人口も増えるなど、今後もうれしい状況が続くことが見込まれます。 このような状況により、将来に向かい急いで解決していかなければならない課題があります。この地域においては、年々交通量が増加してきており、時間帯によっては複数の箇所で著しい交通渋滞が発生しております。これまで県道大衡仙台線の建設や県道塩釜吉岡線の改良など、解決のために尽力していただいてまいりましたが、まだまだ交通渋滞は緩和されたとは言い難い状況が続いております。通勤者に加え、部品や製品などの輸送車両も増加しており、交通渋滞への対策は急務であります。これらのことから、以下伺ってまいります。 県道塩釜吉岡線と北部工業団地までのバイパス建設について、以前の定例会においても要望してまいりましたが、県道塩釜吉岡線と大和松島線が接続する、大和町鶴巣北目大崎地区の丁字路から、吉田川を越えて大和町落合地区の竹谷大和線を交差しながら、プライムアースEVエナジー入り口の仙台三本木線まで延長すれば、朝夕の大渋滞がある交差点二か所の交通渋滞緩和、特に仙台北部工業団地への通勤車両と、輸送車両の大幅な利便性向上が図られます。現在、仙台三本木線の複線化が進められておりますが、更に必要とされる道路であると考えます。このバイパスの建設については、先般、検討するとの答弁を頂いておりますが、その後の進捗状況について伺います。 県道大衡仙台線については、宮床工区が完成し、国道四号との役割分担が大幅に進みましたが、現在は、大和町もみじケ丘と泉パークタウンの間に交通渋滞が見られるようになり、今後ますます渋滞が著しくなることと広がることが懸念されます。吉岡・大衡工区について、現計画以上の早期完成と、片側二車線のための計画を検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 大衡村においては、現時点においても著しい交通渋滞が発生しており、交通渋滞への対策が求められている上、今般の企業進出により、特に県道大衡駒場線や村道奥田工業団地西線の更なる交通渋滞が予想されます。このためにも、県道大衡駒場線についての複線化と、未整備区間の早期事業化が急務であると考えますが、いかがお考えか伺います。 大和町の杜の丘団地内の中央に国道四号と県道大衡仙台線を結ぶ道路があり、一定の時間帯に渋滞が起きております。また、現在その団地の北部には、三百世帯規模の団地造成が進んでおり、近い将来完了する予定であります。そのため団地内の交通量の更なる増加が見込まれ、輸送車両なども含めた車両による渋滞のみならず、安全のための対策も必要となっております。以前も要望いたしましたが、輸送車両や通勤車両が団地内を通らなくて済むようにするため、造成完了間近の団地の北部に、国道四号の仙台北部道路出口と大衡仙台線をつなぐ道路を多くの人が望んでおります。このことについて、交通安全の面からも前向きに検討していただきたいと考えます。いかがお考えか伺います。 現在、大衡村において国道四号の複線化が進んでいる一方で、市町村においても道路の整備改良が進んでおります。国道、県道、市町村道の整備について、将来の交通量や動線などについて情報共有の上、特に市町村との緊密な連携により、将来の構想を検討する必要があると考えますが、現状について伺います。 次に、特定都市河川指定等による県の水害対策についてであります。 これまで幾度も水災害による被害を受けてきた大崎市や富谷・黒川地域においては、一日も早く水害に対する不安を解消し、安全な暮らしを実現することが、行政や地域住民の悲願であります。このような中、地域のあらゆる関係者が協働で行う流域治水への方向転換が図られ、また、吉田川においては、平成二十七年関東・東北豪雨以降、床上浸水対策特別緊急事業が着実に推進されております。本年七月には、吉田川と鶴田川及び高城川が、特定都市河川浸水被害対策法に基づき、東北地方では第一号となる特定都市河川及び流域に指定されました。また一方で、農林水産省からは令和五年度から吉田川流域の国営総合農地防災事業に調査・着手するとのことで、国や県が行う河川整備に加えて、農業関係者の長年の悲願であった農林水産省との緊密な連携により、農業を支えながら水害に強いまちづくりが総合的に推進されることについて、大いに期待を寄せるところであります。これらのことを踏まえ、以下伺ってまいります。 令和四年九月八日付け、東北地方整備局長の告示による鳴瀬川水系河川整備計画見直しに伴う吉田川の新たな洪水対策においては、吉田川の抜本的な対策として、向こう三十年間は、新規ダム建設には頼らず、計画的な河道掘削及び約七百万立方メートルの新規遊水地建設で対処することとされております。このことに関して、当然のことながら、県管理の一級河川をも含めた集水区域全ての雨水を処理するものであることから、県においては、土木部、農政部などの関係する部相互の連携や、国交省東北地方整備局との連携が図られ、情報等について共有できているのか伺います。 吉田川・高城川の特定都市河川及び流域の指定については、本年七月十八日付け、国土交通大臣告示から数か月が経過いたしました。その間、東北地方整備局、東北農政局及び宮城県並びに関係市町村などで構成する、吉田川・高城川流域水害対策協議会が、令和五年八月十日に発足し、流域水害対策計画を令和六年三月に向けて、原案策定が急ピッチで進められているようでありますが、県としてはそれら協議会構成員として、どのような方針で参加しているのか、また、そのことについて庁内で共有されているのか、伺います。 流域水害対策計画に基づく施策として、河川改修、排水機場等のハード整備が掲げられると考えますが、指定された川の水系のうち、本川のみならず支川については、河川管理者としてどのような方針で臨むのか伺います。 次に、教育現場の現状についてであります。 昭和末期頃の児童生徒の増加に伴い、教員が大量に採用され、その教員が退職の時期を迎え、そのため、ここ数年小中学校の教員の採用者が増えております。その一方で、近年の新規採用者が増えたことにより、産休・育休の取得者も増え、これに病休も加わることにより、欠員代替講師の確保に苦慮しているとのことであります。 これまで教員やOBから、直接的、間接的に様々な意見が寄せられてまいりました。講師の不足による弊害のほか、様々な問題についての指摘があり、不満や問題点など、現場に起きていることの中には、新たに知らされることも多くありました。ここでは具体的には述べませんが、労働時間や待遇などの勤務条件、役割に関する不満、教室などの施設に関することなど、様々な課題があるとのことであります。課題解決の一丁目一番地は現状把握であります。教育現場の状況を把握するためにどのような手だてを講じてきているか、また、どのように捉えているか伺って、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 中山耕一議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、仙台医療圏における四病院の再編についての御質問にお答えいたします。 初めに、民間精神科病院の誘致案への批判についてのお尋ねにお答えいたします。 県立精神医療センターの富谷市への移転については、患者や家族をはじめとした関係者の方々から、県南部の精神科医療提供体制の確保などに不安や懸念の声があることから、県として慎重に検討を重ねた上で、今年八月に開催した精神保健福祉審議会において、官民連携による精神科新病院の名取市内への開設等の施策を提案したものであります。県としては、この考え方に基づき、これまで審議会に募集要項案を提示してまいりましたが、その内容に関する具体的な審議に進んでいない現状であります。患者の方々の中には、県立病院として長年にわたり築き上げてきた医療体制が失われてしまうとの懸念の声もありましたが、これは県の責任の放棄と受け止められた点が大きいのではないかと考えております。 次に、民間精神科病院の誘致策からの方針転換についての御質問にお答えいたします。 県南部の精神科医療提供体制の確保に向けた対応策として、県立精神医療センターの一部機能を県立として設置するサテライト案は、民間事業者での対応等に対する患者や家族の不安や懸念の払拭につながるものであり、病院再編協議を進める上でも非常に重要な御提案だと受け止めております。県といたしましては、民間精神科病院の公募手続が十分に御理解いただけていない現状を踏まえ、年度内の基本合意に向けて進める必要があることから、サテライト案とする方向で具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。なお、サテライト案による対応の場合、施設の整備費用や医療スタッフの確保等の課題を整理しながら、サテライトの機能や規模、地域連携などの調整が必要になるものと認識しており、早急に検討してまいりたいと考えております。 次に、富谷移転後のにも包括の取組についての御質問にお答えいたします。 精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、いわゆるにも包括は、日常生活圏域を基本に、市町村を中心として取組を進めるとともに、個別支援の積み重ねから生じてくる地域課題について、保健・医療・福祉関係者等による協議の場で議論し、解決する継続的な取組が必要であります。移転が実現した場合には、県内の精神科医療の連携体制に組替えが生じることから、県といたしましては、移転により影響を受ける圏域を中心に、人材育成や精神障害にも対応するグループホーム、デイケア、訪問看護等の地域の基盤整備を進めるとともに、精神保健福祉センターや管轄の保健福祉事務所に新たにコーディネーターを配置するなど、市町村を支援する体制の強化を図ってまいります。また、精神科救急や身体合併症対応など、移転後の精神医療センターの強みを生かしながら、地域の精神科をはじめとする医療機関、障害福祉関係事業者、ピアサポーター等の重層的な支援体制を構築し、県内全域におけるにも包括の取組を進めてまいります。 次に、がんセンターと仙台赤十字病院の統合に係る協議の状況と地域への説明についての御質問にお答えいたします。 県立がんセンターと仙台赤十字病院の統合に関しましては、現在、新病院の運営主体をはじめ、機能や規模、開院時期等について、日本赤十字社及び県立病院機構と協議を進めており、県立精神医療センターの移転とは切り離した形で検討を行っているところであります。また、今月十七日に仙台市太白区八木山周辺、二十三日に仙台市青葉区台原周辺で説明会を開催し、病院再編の意義やこれまでの経緯、政策医療の課題に対する効果等について説明をし、地域との意見交換を行いたいと考えております。県といたしましては、今後も引き続き他地域での説明会開催を含め、丁寧な説明に努めてまいります。 次に、病院再編の今後の展開についての御質問にお答えいたします。 仙台医療圏の病院再編につきましては、今年二月に取り交わした協議確認書に基づき、年度内の基本合意を目指し、新病院の規模や機能等について、日本赤十字社、労働者健康安全機構及び県立病院機構と協議を進めているところであります。県としては今後、基本合意の締結に向けた関係者との協議を継続する中で、引き続き県立精神医療センターの移転に伴う対応策について、サテライト案の検討を行うとともに、県議会等からの御意見、御要望に対応し、地域住民への説明会の開催等を通じて、仙台医療圏の病院再編に対する県民理解の醸成に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(高橋伸二君) 保健福祉部長志賀慎治君。    〔保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点目、仙台医療圏における四病院の再編についての御質問のうち、病院再編が実現した場合の運営費負担金への影響についてのお尋ねにお答えいたします。 県立病院機構に対する運営費負担金については、地方独立行政法人法に基づき設立団体である県が負担するものであり、病床数など国の基準による算定のほか、医師配置に基づく加算等を県独自に実施しております。病院再編後の運営費負担金については、新病院の規模や機能等を踏まえて算定することになりますが、富谷市に移転する県立精神医療センターについては、ダウンサイジングを予定していることから、病床数を基準とした運営費負担金については減少するものと見込んでおります。また、県立がんセンターに関しては、統合後の新病院の運営主体や病院の機能、規模について日本赤十字社と協議を進めているところであり、協議の結果次第で運営費負担金がどのようになるか決まることになると考えております。 次に、精神医療センターの今後の修繕見込みについての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターの施設整備等については、中期計画に基づき、県立病院機構において計画的に実施しているところであり、県としては県立病院機構と協議の上、計画に沿った資金貸付けを行っております。一方、本館や病棟等の建物が築四十年以上経過し老朽化が著しく、雨漏り等の支障が生じていることから、今回、屋上の防水工事等の実施に関する補正予算を計上させていただいたところでございます。今後の修繕見込みについては、県立病院機構において現在、利用者や職員の安全確保の観点を踏まえ、緊急修繕が必要な箇所等の調査を行っているところでございます。富谷市へのセンター移転を見据え、必要となる修繕工事の内容や期間、費用等を精査し、対応を検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(高橋伸二君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱二点目、富谷・黒川地域の交通対策についての御質問のうち、大和流通・工業団地付近の県道までのバイパス建設についてのお尋ねにお答えいたします。 富谷・黒川地域の仙台北部中核工業団地群や大和リサーチパークには、我が県のものづくり産業を牽引する自動車関連産業や高度電子機械産業など多くの企業が集積している中、このたび台湾の半導体製造大手企業による工場立地が決定したことから、企業の円滑な生産・物流活動等を支える道路ネットワークの更なる充実強化は大変重要であると認識しております。これまで県では、工業団地への主要なアクセス道路である県道塩釜吉岡線や仙台三本木線において、交差点改良などの交通渋滞対策を実施したほか、現在、県道仙台三本木線落合工区の四車線化を進めているところです。御提案のありました県道塩釜吉岡線と大和松島線との丁字交差点から吉田川を渡り、工業団地へ接続するバイパス整備については、これまでの調査の結果、既存道路との接続、長大橋の設置や軟弱地盤対策が必要となるなど、様々な課題があると考えております。県といたしましては、まずは県道仙台三本木線落合工区の早期完成を図るとともに、新たな道路整備計画についても、企業進出による交通状況の変化を確認しながら、大和町と緊密に連携し、引き続き調査を進めてまいります。 次に、県道大衡仙台線の整備についての御質問にお答えいたします。 県道大衡仙台線は、大衡村大衡の国道四号を起点とし、仙台市青葉区木町通の国道四十八号に至る幹線道路であり、大和リサーチパークや泉パークタウン工業流通団地等を連絡するなど、我が県の産業経済活動を支えるとともに、並行する国道四号を補完し、渋滞緩和にも寄与する重要な路線であります。県ではこれまで、仙台市側の国道四十八号から大和町石倉地区の四車線化を実施したほか、大和町小野地区から宮床地区までの区間を、暫定二車線により順次整備を進めてきたところです。現在、大和町吉岡地区から大衡村側の国道四号までの吉岡・大衡工区約三・二キロメートルにおいて、大和町が進める土地区画整理事業と連携しながら、四車線による道路整備を実施しており、来年度から本格的な工事に着手することとしております。県といたしましては、吉岡・大衡工区の早期完成に向け、必要な予算を確保しながら鋭意取り組むとともに、二車線区間の四車線化につきましては、今後の企業進出などによる交通量の変化を見極めながら検討してまいります。 次に、県道大衡駒場線の整備についての御質問にお答えいたします。 仙台北部中核工業団地群では、現在、松の平三丁目地区の造成工事が進められているほか、半導体メーカーをはじめ、新たな企業進出などが計画されていることから、今後増加が見込まれる交通量に対して的確に対応する必要があると認識しております。これまで工業団地の周辺道路については、県道仙台三本木線や大衡仙台線の四車線化などを進めてきたところでありますが、国道四号から第二仙台北部中核工業団地へアクセスする県道大衡駒場線は、一部区間が未整備となっており、現道は車道幅員が狭い箇所もあることから、大型車両等の安全な交通確保が課題となっております。県といたしましては、立地する企業活動や地域住民の円滑な交通の確保に向け、大衡村や地域の方々の御意見を伺いながら、大衡駒場線を含む工業団地周辺道路の機能強化について検討してまいります。 次に、国道四号の仙台北部道路出入口と県道大衡仙台線をつなぐ新たな道路整備についての御質問にお答えいたします。 仙台北部道路の富谷インターチェンジ付近には、大型商業施設を含む高屋敷工業団地や高度電子関連産業の企業等が集積している大和リサーチパークがあるほか、新たな住宅団地の開発が進められているなど、今後交通量の増加が見込まれております。現在仙台北部道路では、NEXCO東日本において、東北縦貫自動車道と双方向でアクセスが可能となる富谷インターチェンジのフルジャンクション化や四車線化が進められているほか、県では、県道大衡仙台線吉岡・大衡工区を整備するなど、道路ネットワークの強化を図っているところです。県といたしましては、これらの機能強化対策の進捗状況とともに、工業団地への企業立地状況や周辺市街地の交通状況などの動向を注視しながら、仙台北部道路と県道大衡仙台線を結ぶ新たな道路の整備について検討してまいります。 次に、市町村との緊密な連携により、道路整備の将来構想を検討すべきとの御質問にお答えいたします。 県では、人口減少や少子高齢化、頻発化する自然災害、道路施設の老朽化など、社会資本を取り巻く環境の変化に対応するため、国や市町村の意見を十分に反映した上で、中長期的な道路施策の方向性や将来像を示した、宮城の道づくり基本計画を策定し、富県躍進を支える道づくりの実現に向けて計画的に取り組んでおります。このたび、第二仙台北部中核工業団地に半導体製造大手企業が工場立地を決定したことを受け、今後関連企業の進出も見込まれるなど、工業団地周辺の交通状況が大きく変わることが想定されることから、こうした動きに的確に対応しながら、企業の円滑な生産・物流等を支える道路ネットワークの充実強化を図っていくことが重要であると認識しております。県といたしましては、今後の企業進出の状況や周辺道路における交通状況を確認しながら、引き続き国や地元自治体と連携し、当該地域における道路ネットワークの在り方について、基本計画の見直し等も含め、しっかりと検討してまいります。 次に、大綱三点目、特定都市河川指定等による県の水害対策についての御質問のうち、鳴瀬川水系河川整備計画見直しに伴う、国や関係部局との連携や情報共有についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、近年、水災害が頻発化・激甚化していることから、あらゆる関係者が協働し、流域全体で浸水被害を軽減させる、流域治水を推進していくことが大変重要であると認識しております。吉田川を含む鳴瀬川流域では、国、市町村、庁内関係部局等で構成する、鳴瀬川流域治水協議会において、今回、鳴瀬川水系河川整備計画の変更に伴い位置づけられた、吉田川の新たな河道掘削や遊水地による洪水対策を流域治水プロジェクトに追加するなど、情報共有を図りながら計画的に取り組んでいるところです。県といたしましては、引き続き協議会の場を活用するなど、国や市町村をはじめ、庁内関係部局と緊密に連携し、浸水被害の軽減に向け、流域治水対策をより一層推進してまいります。 次に、流域水害対策計画の策定に向けて、県としてどのような方針で参加しているのかなどについての御質問にお答えいたします。 吉田川・高城川等については、流域治水対策を推進するため、今年七月に特定都市河川に指定し、現在、東北地方整備局、東北農政局、宮城県及び関係市町村などで構成する、吉田川・高城川流域水害対策協議会において、浸水被害対策を総合的に推進するための流域水害対策計画の策定を進めているところです。策定に当たっては、河川管理者としての立場のみならず、行政や民間などとの総合調整役としての県の果たす役割が大変重要であると認識しており、県といたしましては、引き続き流域水害対策協議会において、関係者間で情報共有を図りながら、一日も早い策定に向けて取り組んでまいります。 次に、流域水害対策計画に基づく施策としての、支川に係る整備方針についての御質問にお答えいたします。 吉田川・高城川流域では、これまで度重なる洪水により甚大な被害が発生することから、本川のみならず、支川を含め一体的に浸水被害の軽減を図ることが必要であると認識しております。このため県では、支川である洞堀川・小西川・田中川において、河道拡幅や堤防整備等のハード対策に加え、その他の支川も含めて、洪水浸水想定区域の指定や簡易型監視カメラの設置などを流域水害対策計画に位置づけ、ハード・ソフトが一体となった対策を推進するほか、引き続き、流下能力の確保を図るための堆積土砂撤去や支障木伐採など、適切な維持管理を行うこととしております。県といたしましては、地域の皆様が安全に安心して暮らせるよう、吉田川・高城川流域の浸水被害の軽減に向け、鋭意取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(高橋伸二君) 教育委員会教育長佐藤靖彦君。    〔教育委員会教育長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎教育委員会教育長(佐藤靖彦君) 大綱四点目、教育現場の現状についての御質問にお答えいたします。 県教育委員会においては、教育現場の現状を把握するため、学校現場を直接訪問するほか、校長や市町村教育委員会教育長との意見交換等を行っております。また、今年度は、第二期宮城県教育振興基本計画の中間見直しを行っており、その際、子供たちからも直接意見を聞いてまいりました。先日は、市町村の教育長等が集まる教育懇話会を開催し、教職員の働き方改革をテーマに意見交換を行ったところです。教員の未配置については、新規教員の大量採用により、講師経験者の多くが採用され、講師の登録者数が減少したことなどが要因として挙げられ、育児休業や病気休暇職員などの代替講師の配置ができなくなっているケースもあり、喫緊の課題と認識しております。そのため、講師の確保に向けては、新たに産育休代替講師の前倒し任用に取り組んでいるほか、いわゆるペーパーティーチャーを対象とした説明会を開催し、今年度は七十名を超える方に参加いただきました。引き続き、教育現場の現状把握に努めながら、市町村教育委員会と連携し、子供たちの豊かな学びの実現に向け、質の高い教員の確保に取り組むとともに、教職員の働き方改革を進めるなど、学校教育環境の整備にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(高橋伸二君) 五十八番中山耕一君。 ◆五十八番(中山耕一君) 答弁ありがとうございました。ずっと、いろいろ苦慮されている姿を見ながら思ってきたのは、やはり行政、深謀遠慮ですけれども、十年先、三十年先、五十年先を見据えて今を考えなければいけないということが、できる特徴もあり、また義務でもあるのだろうという上で、今回こういった医療政策を考えて進めているという理解であります。 政策形成、一番大事な意を用いなければならないことって幾つかあります。もちろん公共性、それから効率性だったり、ほかに大切なのが公平性であります。こういったことの観点から、ずっと、この医療再編、拝見してまいった次第です。 医師の数が極端に少ない富谷・黒川地域ですけれども、それはやはり、拠点となる病院がないので、診療所が、クリニックが進出してこないんじゃないかという医療機関の方々のお話も聞いています。それは、当たっているかどうか分かりませんが、そういったこともありますし、あそこの願いは、救急搬送時間の短縮、突き詰めるとですね、あと、地域内で急性期からずっと回復期、療養期、あと、かかりつけ医まで行くとか、そこら辺の回転ですね。連携が地域内で完結する、そういった状況が絶対必要なんです。仙台市内のクリニックに、診療所に通う方々が非常に多い、搬送先だけじゃないんです。そういった状態を回避したいというふうなところで望んでいるんです。それが、災害拠点病院だったり、地域医療支援病院だったりが来たことによって、大きな解決策につながっていくのではないかということなんです。そういったことで、ぜひとも進めていただきたい、本当に早く進めていただきたい。人口増えていきますからこれからも、約十万人って言っていましたけど、もう本当に十万人超えるようになると思うんです。そういった地域で災害拠点病院もない、地域医療支援病院もないんです。そこのところをもっと、やはり強く訴えたいというふうなことであります。 救急搬送時間の平均時間が長いというのも、これはこれで命に関わることなんですね。最近もちょこちょこ間に合わなかったという話を聞きます。最近も間に合わなくて、命が間に合わなかったというふうな例を身内からも聞かされております。その原因は、やはり遠いというところ、距離の問題があります。断られるというのも一つあるんです。この間聞かされたのは、三つの病院から断られた。間に合わなかった。搬送されたんだけど間に合わなかったというふうなことだったらしいです。その二つの原因を何とかして解消してもらいたい。切なる願い、希望なんです。そういったことで、身近なところに、さっき大崎市民病院の話もありましたけれども、やはりこの地域内にそういった、搬送先であり、そういったところが必要なのであります。この公平性、地域のね、仙台医療圏内の医療体制、状態の公平性ということに立ち返ると、今回の地域的な偏在、これを解消するのは絶対だと確認したいのですが、いかがですか。偏在を解消することは絶対だというふうなことで、確認の意味でお伺いします。 ○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今回の病院再編、一期生の方で今までの議論をあまり聞いていなかった議員の方もおられますので、改めてお話をいたしますと、狙いとしては三つあると考えております。まず一つは、がんセンターと精神医療センターの患者さんが、だんだん年も取ってきた。そして合併症の患者さんが出てきて、専門家の先生方の在り方検討の中で、そういった総合病院と一つになることを考えたらどうだということでありました。県立の病院で総合病院をというのもいろいろ考えたんですけど、簡単にはやはりできない、お医者さんも集まらないというようなことで、なかなか難しいということで、東北大学病院さんに相談したところ、日赤と労災さんを紹介されたということです。それからもう一つは、仙台市内に急性期の病床が非常に今でも多いと。これから、だんだん更に余ってくると、回復期の病床が足りないと。しかし、急性期から回復期に病床を変えてくれと言いましても、そんな簡単に変えられるものではない。医療スタッフの問題もあれば、設備の問題もあるということで簡単にいかない。このままいけば、必ず仙台市内で競争原理が働いて、病院がいずれ一つ二つと淘汰されるような時代が近い将来来るだろうということで、仙台医療圏の中で適正な配置をするべきではないかということ。それから三つ目は、今お話のあったように、黒川あるいは名取、名亘地域や黒川地域は、救急車の搬送時間が非常に長いという課題がありました。私が知事になったときに、全国で、四十七都道府県の中で四十六位とか四十五位だったのを、ドクターヘリなんかを入れながら、搬送時間をかなり短くいたしましたけれども、しかし残念ながら、それでも三十位の後半ぐらいで今とどまっているということであります。その要因は、やはり名取と岩沼、また、黒川、こういったところの搬送時間が非常に長いということでありました。そういったこともありまして、偏在是正という言葉一言で片づけるのは非常に難しいのですけれども、そういったようなことがあって、今回、このような構想を出したということであります。 最初から、どうすればいいでしょうかと、皆さんに投げかけて、いろいろ議論すべきだという意見もあるのですが、これだけ大きな仙台医療圏の大構想になりますと、当然、議論が百出してしまって、恐らく何もまとまらないだろうということで、大きな方針をまず示したということであります。その後、いろいろな御意見が出てまいりましたので、微修正をしながら、やっとここまで来たということであります。反対する方も、当然反対する理由がある。それもそのとおりだと思いますし、中山議員のように賛成する議員、これもまた、賛成する多くの県民がおられるのも理由があるということでありますので、私といたしましては、いつも言う言葉ですが、全体最適、全体が成り立つようにですね、全体の利益を考えながら最終的な答えを出していきたいというふうに思っております。そういう方向でこれからも検討してまいりたいと思っております。 ○議長(高橋伸二君) 五十八番中山耕一君。 ◆五十八番(中山耕一君) それで進めていっていただきたいというふうに思います。 先ほど、救急搬送時間の長さの要因の一つに、断られるというのがあります。断られる原因を黒川消防から聞いたのですが、ベッド満床、医師不在、手術中、処置困難、初診、かかりつけ--なんか分からないですけど、あと専門外、理由不明とかいろいろあるんです。こういった中には、やむを得ないのがいっぱいちりばめられていると思うんです。だから、この断らない二次救急というのを、説明にもうたってたじゃないですか、日赤のほうで。そういったことをもっと進めていくことが必要だと思うんです。命を救うためにですね。そのために、今、具体的にどういうふうなことを考えているか、どういうふうに進めていくか、お答えください。 ○議長(高橋伸二君) 保健福祉部長志賀慎治君。 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 御指摘を頂いたように、救急が断られる、応需できないといった原因とか要因は様々なことが指摘されているところでございますが、県の救急医療協議会におきましても、そういったような指摘を頂いておりまして、それへの対応策として、まず一つ大きいのは、救急科の専門医の養成を急ぎで適正配置を行うことといったこと。またもう一つは、ベッドが満床で救急を受け入れられないといったキャパオーバーの状況を回避するために、例えば後方病院への円滑な転院の体制を強化することによって、そういったものにつなげていくと、こういった御指摘なんか具体的に意見として頂戴しております。県といたしましては、そういった御意見を賜りまして、先ほどの救急科専門医の育成・養成でありますとか、急性期病院と回復期病院の連携強化に取り組みまして、断らない救急の体制を目指した、体制の構築を目指してまいりたいと考えてございます。そして、今回の再編が、断らない救急への好機であるといったような期待の声も、救急関連のお医者さんの方々などから頂いているところでもございます。新病院におきましては、現状よりも更に充実した受入れ体制を確保しまして、仙台医療圏全体での救急医療体制の底上げにぜひつなげてまいりたいと考えております。 ○議長(高橋伸二君) 五十八番中山耕一君。 ◆五十八番(中山耕一君) 実態なんですけど、黒川消防の現実ですけれども、搬送件数、令和四年一月から十二月まで三千九百十件、拒否件数、断られた件数三千二百七十件、コロナの影響もあって多分多いのだろうというのもあるのですが、これぐらいの実態があるので、令和五年だって三千八百六十三件中、三千百四十一件断られているという、こういう実態なのです。だからぜひとも、これ本腰入れて進めていただきたいというふうに思います。 次に、特定都市河川のほうでありますけれども、農水省と国交省が本当に、今は一緒に机を並べてといいますかね、向き合っていろいろ流域治水のため、あと農地を守るため、やっていらっしゃるということでありまして、七百万立方メートルの遊水地を造るというのは、もう、ほぼダムを造るのに匹敵するんですよね。それを令和八年に着手したいというか事業化したいというふうなことで、国では考えているようなんです。いろんなことを進めていくのに、急がなければいけないということもあります。そういったことで、排水機場の問題もあるし、川の問題もあると。そういったことを県のほうで、その部署でタイアップしながら進めていく。それを国ともやっていくという体制をぜひとも強化していただきたいというふうに考えておるのですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(高橋伸二君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 議員御指摘のとおりだと思っております。今、国と一緒にやっている協議会もございますが、それと併せて庁内の連携調整会議ということで、土木部のほかに農政部、水林部も入って、流域治水に取り組んでいくということで、連絡調整をしてございますので、引き続き、国の方もオブザーバーで来ていただいて、いろいろやり取りをしてございますので、引き続き庁内でしっかりと情報共有し連携しながら、流域水の推進に取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(高橋伸二君) 暫時休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○副議長(本木忠一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十六番枡和也君。    〔二十六番 枡 和也君登壇〕 ◆二十六番(枡和也君) みやぎ県民の声の枡和也です。議長から発言の許可が出ましたので、先ほどの中山議員とかぶるところもございますが、通告に従い一般質問いたします。さきの十月二十二日に執行されました宮城県議会議員一般選挙にて柴田選挙区で当選させていただき、今期で二期目がスタートし、初めての一般質問ですが、よろしくお願いいたします。 さて、ここ数年、私のルーティーンになっている地元、私の母校でもある金ケ瀬小学校、児童数二百名弱の小さな小学校に、見守り隊と称して、朝、交差点に立って通学する子供たちを見守る活動を行っております。雨の日、風の日、もちろん晴天の日も子供たちと交わす朝の挨拶には、いつも元気をもらっています。長い休みに入る前や、遠足などの行事の前の日はうれしさを隠し切れない様子がめんこくて仕方ありません。私も子供たちも含めて、ここで普通に生活している人々であっても、悩み事や心配事を抱えることもあるかと思いますが、いつもどおりの平穏な日々を毎日過ごしていきたいと願っていることと思います。これまで若いときにはあまり考えもしませんでしたが、年を重ね孫を持つ年代になると、今を生きるこの子供たちの未来はどんな世の中になっているのだろうと考えることが多くなり不安になります。 二〇二二年二月二十四日からロシアがウクライナへ本格的な軍事侵攻を開始し、今年十月には、パレスチナ暫定自治区では、イスラエル側とパレスチナ武装勢力間の衝突を受け、病院、学校、住宅など市民の建物が被害を受け、多くの民間人を巻き込み死傷者を出す惨事が続いて、ガザ地区では十一月十四日の報道で一万千二百四十人余りが死亡し、そのうち四千六百三十人余りが子供たちだったということでした。もし自分たちの子供や孫だったらと考えると、いたたまれない気持ちになります。十一月末に人質解放が始まりましたが、停戦もつかの間、また戦闘が始まりました。イデオロギーを超えて平和への解決に向けた人道主義といった概念はどこにいってしまったのでしょうか。早く戦争が終結し、戦争のない世界になるように、そして、地球の全ての人々が平和な生活ができるように切に願うばかりです。 私たちの身近にも様々な課題がありますが、その課題解決のため一つ一つに取り組み、子供たちの元気な姿、声がいつも地域にあふれるような、みんなが地域で助け合える共生社会を目指していくことが大切であることを再認識し、今回、大綱三点について一般質問いたします。 大綱一点目、四病院再編構想に伴う県立精神医療センター移転問題についてであります。 この構想に対して反対の声が各方面から寄せられていることを受けて、現在、この県立精神医療センターに通院している方から実際の声を聞かせていただき、このままこの構想を進めてはならないと強く思った次第です。まずは、県立精神医療センター移転に今の状況であれば、全く賛成できないと考えています。最大の理由は、当事者である障害を持った方々及びこの計画に関わる様々な立場の方々の意見がこの計画案に反映されていないことです。我が会派であるみやぎ県民の声として、九月二十八日に四病院の統合・合築に係る要請書を提出しましたが、県は、精神医療センターの移転計画に対して、必要十分な時間をかけプロセスを踏み、再検討すべきであると思っております。移転計画案に際し、今回の構想に関係する当事者の方々や様々な方面の方の意見を聴取し、それを統合して初めて計画されるべきなので、今回の構想が、県立精神医療センターを利用する方や多くの関係者に大きなマイナスの影響を及ぼすと公表されている様々な記事を読むほどに、そう考えざるを得ません。当事者である障害者の方々が積極的に関与し、その意見をまとめ、それを尊重すべきであることが、障害者に関する障害者基本法及び障害者権利条約により定められているので、そのような機会を設けることが必須だと考えています。当事者の意見を反映するためには、県と当事者が直接対話することが重要で、そのためには、今回の構想に対して当事者から強い抵抗反応を示されているので、一度白紙撤回を前提にして再スタートすることを表明しないと、当事者の方々が直接対話の場に出席して、きちんと意見交換することは難しいと考えますが、知事の見解を伺います。 「県民一人一人の意見を聞いてください」と切実な声がみやぎ県民の声の会派にも届いています。九月二十六日に県が行ったアンケート調査のような一方的なものではなく、県と当事者が可能な方法で双方向でのやりとりが対等に直接できる対話形式で行う機会をつくる必要があると考えます。 十一月四日に精神障害当事者らでつくる、市民団体みやぎユーザーズアクションが主催したシンポジウムでも発表があったように、障害者基本法第十条二項に「国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たっては、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない」とあります。更に、障害者固有の尊厳の尊重を促進することを目的とした障害者の権利に関する条約第十九条です。この条文は「締約国は、全ての障害者が他の者と平等の選択の機会をもって地域社会で生活する平等の権利を有することを認めるものとし、障害者が、この権利を完全に享受し、並びに地域社会に完全に包容され、及び参加することを容易にするための効果的かつ適当な措置をとる」とされていますので、この構想についてのこれまでの県での進め方は、十分な条件がそろっていないと感じています。これらの法文に抵触するのではないでしょうか。見解を伺います。 意見聴取には、それぞれ異なる立場を持つ三つの関係者を対象に実施すべきではないでしょうか。まずは、現在この病院を利用している当事者とその家族の方々の意見です。県南在住で現在、県立精神医療センターに通院している方へヒアリングしました。統合失調症で二十年間苦しんでいる方で、最初の五年間は東北大学病院、あとの十五年間は精神医療センターに現在も通院しています。もし、今回の構想によって移転することになれば、仙台より更に北に位置することになり、通院に二時間以上かかることにとても不安に駆られていました。全く利用者・当事者・その家族の意見を聞き入れてくれないと嘆いておりました。また、私たちが居住する柴田郡の四町、村田・柴田・大河原・川崎だけでも、現在の県立精神医療センターへ通院している方々が三百十人、入院されている方が十七人、県立病院機構資料の令和四年三月、外来患者・入院患者の市町村別分布からの資料があり、急性期の基幹的病院のない仙南医療圏にとっては、精神医療センターがその役割を担っている状況からすると、通院者だけではなく仙南医療圏の民間三病院も非常に困るため、一人一人の方に寄り添って計画を再立案していく必要があると思います。二つ目は、現在医療センターへお勤めの医療関係者の意見です。三つ目は代表団体及び審議会の意見です。主に次の三つ、みやぎユーザーズアクション、宮城県精神科病院協会、県精神保健福祉審議会です。このように、各方面から様々な反対の意見が出ておりますが、今後この意見を反映するお考えがあるのでしょうか。見解を伺います。 次に、精神障害にも対応した地域包括システム、にも包括についてです。これはかなり重要な事項で、様々な方々から懸念の声が上がっています。もちろん、先ほどの方々からも、長年にわたり地域で築き上げてきた地域包括ケアシステムを崩壊させるものだとして、富谷市移転に対して強い反対の意見が上がっています。センターを中心としたにも包括は、センターと患者、支援者が長い年月をかけ、地域の理解を得ながらつくり上げてきたコミュニティーと言えるものであり、それを崩壊させるようなことがあってはならないとコメントが発表されていて、そのとおりだと思っています。仮に富谷市移転となれば、にも包括については、構築していく時間の問題であって、一朝一夕で簡単に構築することが難しい計画だと、様々な意見を統合するとそのように考えさせられます。コストだけで解決するような問題ではなく、どのようにこの関係を築いて、かつ、どのぐらい時間をかけて構築する計画でしょうか。見解を伺います。 宮城県精神科病院協会から十一月十日の意見書として、名取市にある県の用地である応急仮設住宅箱塚桜団地跡地ではどうかとの逆提案がありました。県は、この土地がふさわしくないと主張されていますが、敷地進入路に関しての課題については、その乗り入れ可能な方法による検討がなされるべきであるかと思いますが、いかがでしょうか。また、計画については、時間がかかったとしても総合的な判断で地域にとってよい結果が出るならば、むしろ時間をかけたほうが良い判断ができると思います。ゆえに名取市での計画を検討すべきだと思いますが、どのような考えでしょうか。見解を伺います。 協議を重ね、徹底的な議論をしていく必要がまだ残されています。時間をかけて協議したほうが、令和二年五月から令和四年三月まで約五億五千万円を費やし、改修・修繕工事をして、今回の補正で二億千三百万円の屋根防水工事等の改修工事費を計上しているので、この改修が有効になるかと考えます。名取市に計画することであれば、今まで構築してきたにも包括もこのまま生かせます。今回の計画においては、繰り返しお伝えしているように時間をかけて関係者との対話をする必要があると考えています。期限設定により、検討にかける時間をあらかじめ区切るべきではないと考えています。先般、事前に担当課にヒアリングさせていただいたところ、基本合意については、以前から県が発表しているように「今年度中の締結を目指し協議を進めているところです」との回答を頂きました。早急な対応で、とても関係者との対話を積み重ねることは難しいと思いますが、期間の延長についての見解を伺います。 次に、東北労災病院と県立精神医療センターを富谷市に移転合築する場合の候補地となっている明石台地区の土地には、以前調整池があり盛士をし、調整池ののり面のコンクリートブロックなどの構造物が埋設されていると聞くが、県はこのことを承知しているのか。また、精神医療センターの用地は県が買い上げると審議会でお話がありますが、埋設物を撤去することになった場合、費用負担はまだそこまで協議していないと思いますが、例えばどちらになると考えられるのか、伺います。 最後に令和五年二月二十日に、日本赤十字社と労働者健康安全機構とそれぞれ交わした協議確認書の中で、法的拘束力の条文の内容が異なりますが、日本赤十字社の場合は「法的拘束力のある合意書が別途締結されない限り、いずれの当事者も新病院の整備に関する何らの法的義務を負うものではない」とありますが、ここでいう合意書とは、まさに今年度内に目指そうとしている基本合意がここでいう合意書に当たるのか伺います。また、これまでの知事の発言で「私を止めることができるのは県議会だけだ」との発言がありましたが、基本合意は議会にどのようにお示しされ、また、四病院再編に関する議決事項はどういった項目がどういった時期に上程されるのか、お示しください。 次は、大綱二点目、エネルギーを取り巻く社会的状況とエネルギー政策についてです。 今年の五月にWMO、世界気象機関が今後近年の世界的な気候状況を発表しました。二〇二七年までの五年間の間に、産業革命以前のレベルから六六%の確率で年平均気温が一・五度以上になる。更に、九八%の確率で年平均気温が記録上最も温度が上がるとのことがホームページで公表されています。今年の夏を経験された方々は、このことをとても身近に感じているに違いありません。また、国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代に入った」と発言し、科学者たちは人類の存続に関わる脅威が迫っていると警告しています。県民にこのような世界を巻き込んで起こっている状況が届いているのでしょうか。世界の気候状況は危機にさらされているということです。恒常的に平均気温が一・五度を超えるという予想ではないものの、平均気温が上がるということは、リスクが高まるということです。更に、野心的に急速に対策を立てていく必要に迫られています。県全体で向き合い、県民を守る政策を更に積極的に進めなければならないと思います。 さて、昨年の十一月定例会で次のように伺いました。パリ協定を発端に顕著になった世界の平均気温の上昇を一・五度に抑えるといった世界的に共通認識となっている具体的な目標設定を提示してこそ、そもそも何のために行うのかが子供たちや県民にも分かってもらえるよい機会を提示することになるのではないかと考えています。そのために、即時対応していただける回答も頂いておりますが、約一年たった今でも反映されていない状況です。まずは、この現在の人為的な要因によって引き起こされている温暖化に対する危機の状況を県民の皆様と共有することが目標達成の第一ではないでしょうか。この一・五度を超えることが世界にどのような影響があり、多角的な連鎖を伴いどのようなリスクが起こると予想されていることを、早急にみやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇に提示して周知する必要があるのではないでしょうか。今後どのような周知を予定しているのか、見解を伺います。 事前にCO2削減における年次計画とその目標に対して、所管課からヒアリングさせていただいたところ「国や他県と同様、年次別の目標は設定していない」との回答でした。回答として二つの問題があると感じました。一つは、他県や国がやらないからできないでは、地方公共団体としてミッションを実行に移すことはできません。二つ目は、目標に対して段階的に設定して小目標を立て、年次その結果をフィードバックして計画を練り直しながら結果を出すプロセスが目標達成には必要だということです。各地方公共団体が実行的推進の役割を担っているということです。パネルを御覧ください。(パネルを示す)福島県の省エネ実行計画におけるCO2の削減についてですが、実績と目標と割合が視覚的に一目瞭然に状況を理解することができています。このように分かりやすく伝えることが最も重要なことではないでしょうか。福島県がホームページで公表している、二〇二三年三月のふくしまエコオフィス実践計画の資料です。各年次の目標とその達成割合が掲載されていて分かりやすい資料となっております。このようにグラフを作成して公表してほしいと思いますが、見解を伺います。以前の県の答弁では、計画の進行管理に当たっては、毎年度目標に関する県内の状況を把握・公表していくことほか、三年ごとに中間点検を行い、計画の進捗状況や国の政策動向、社会情勢の変化などを勘案しながら、必要に応じて見直しをするとのことでした。 次に、事務事業における県の温室効果ガスの排出量は、頂いた資料により、近年では七万トンを境に前後している数値です。もっと野心的な対策を立てなければ、二〇三〇年へ向けた目標を達成できないかと推定されますが、その野心的な対策を考えているのでしょうか。見解を伺います。 次は、県有施設の省エネ化についてです。 まずは、公共の立場の方々が率先垂範としてその取組をもっと進めるべきではないでしょうか。事前に担当課にヒアリングさせていただいたところ、県有施設全体における電力使用量のうち、再エネ電力の割合は二〇二一年度で〇・三%との回答を頂きました。また、仮に二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標を全て再エネ電力の導入により達成しようとする場合は約五%となるとのこと。基本的姿勢としては、公共の立場である方々が全体の目標を上回る成果を出して初めて民意が追随していくのではないでしょうか。成果を上げて民意を誘導するべきです。県全体での再エネ率の目標は三六%と発表されています。また、二〇二〇年度電源構成における実績値の再エネ率は、一五・四%と発表されています。実績も目標も県全体としても、かなり低い数値だと思います。みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇にも明記されているように、率先垂範はどこにいったのでしょうか。県では、このような対策で二〇三〇年の目標達成を確実にできると考えているのでしょうか。見解を伺います。 昨今では、民間でも仙台市で地中熱を利用した省エネに取り組むオフィスがZEB認定されたことが公表されていました。様々な取組を通して目標を達成することに全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。再エネ割合についても同様に、実績と目標までの割合をパーセントにて表示をして、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇に掲載していただきたいと思います。この件でも、昨年十一月定例会で質問させていただき、「我が県の再生可能エネルギー導入の進捗状況等について、県民や事業者に分かりやすく示せるよう、工夫してまいりたいと考えております」と見やすくして公表する予定があると回答をもらっています。二〇三〇年まで期日が迫っています。早急な対応をお願いしたいのですが、見解を伺います。また、昨今の世界的状況を相対的に捉えて、三六%の再エネ率の割合の見直しもしなければならない状況だと思いますが、その計画はいかがでしょうか、伺います。 今年の春G7会議での共同声明では、二〇三五年の温暖化ガス排出減は二〇一九年度比で六〇%と目標が引き上げられているのに伴い、再生可能エネルギーの導入目標の引上げは必須とされています。参考までに東京都は、再エネ率を二〇三〇年度に五〇%程度との目標を掲げています。昨年十一月定例会での回答では、社会情勢の変化などを勘案しながら、必要に応じて見直しを行うとの回答をもらっています。また、関連した内容といたしまして、先日、WWF、世界自然保護基金より温室効果ガス排出削減目標が政府目標と同等の数値が事実上の上限になっていると指摘されています。COPにおける会議でもより意欲的な削減を検討することが要望されています。その予定があるのでしょうか、見解を伺います。 次は、大綱三点目、町道の県道昇格についてです。 広域農道仙南東部地区、蔵王さくらロードです。広域農道仙南東部地区は、平成元年の着工から完了まで二十四年間に及び、平成二十五年四月に全線供用開始になりました。本線は、角田市毛萱の隈西広域農道を起点とし、大河原町を経由して村田のインターチェンジ付近に至る総延長十四キロメートルの基幹広域農道、蔵王さくらロードです。計画当時は、農産物資の流通の合理化、走行経費の節減を図り、農村地域の社会生活の環境を改善に資することを目的として整備されました。整備区間には、軟弱地盤で完成に長期間を要した村田沼田工区や大河原福田工区の地盤改良、角田市と大河原境界の毛萱トンネル三百五十メートル、金ケ瀬さくら大橋二百四十八メートル及び大谷跨線橋二百七メートルがあります。計画・着工当時から見れば、三十五年という長い年月が経過し当時は農畜産物の輸送に重きを置いた計画と思いますが、これまでこの地域を取り巻く交通環境が大きく変わり、沿線に仙南運転免許センターの建設、仙南クリーンセンターの建設、大河原町川根工業団地には大規模な製造・物流倉庫等の拡張ほか、誘致企業が新たに進出するなど、また近くの土地区画整理事業の区域には、多くの商業施設が進出し、大型トレーラー車両をはじめ、町内外の通勤車両などで交通量が大変多くなってきております。大河原町の町なかを流れる白石川に架かる末広橋、尾形橋、大河原橋の三橋梁については、県道であるため県管理になっておりますが、農道の金ケ瀬さくら大橋、大谷跨線橋、更に毛萱トンネルは町道上大谷線で町管理となっております。現在の県道高倉大河原線の交通量は、先ほどの広域農道、町道上大谷線が平成二十五年四月に開通してから、通勤時間帯の交通量はもちろん、日中の交通量も大幅に減少し、その分が広域農道に流れている状況になっております。大河原町においては、過去には県道蔵王大河原線、小山田地区から新寺地区へと町道であった新寺幹線への付け替えを申請し、現在の新寺地区から国道四号までの路線になっている事例もあります。今後ますます交通量が増えることを考えると、単位自治体、今回は特に大河原町が二つの橋梁とトンネル、大河原町分約六七%があり、また、道路の舗装構成が農道使用のため、現在の交通量の多さに耐えられないと考えれば、維持管理に大きな経費が必要となり、財政を逼迫させる要因になると考えることから、例えば角田市と村田町も含めた協議になると思いますが、広域農道、町道上大谷線、蔵王さくらロードを県道に格上げすることは可能か、伺います。また、これまでもこの路線は、それぞれ角田市、大河原町、村田町で舗装打換え等の補修工事が行われているようでありますが、以前の事業主体の県として、今の交通量で当時の道路の舗装構成、規格が十分と考えているのか伺います。 以上、壇上からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 枡和也議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、四病院再編構想に伴う県立精神医療センター移転問題についての御質問にお答えいたします。 初めに、当事者との意見交換についてのお尋ねにお答えいたします。 県立精神医療センターの富谷市への移転につきましては、令和元年度のあり方検討会議の提言も踏まえ、老朽化した施設の早期建て替えや東北労災病院との合築による身体合併症と災害医療への対応能力の向上などを目指して取り組んでいるものであり、現時点で私から白紙撤回することは考えておりません。患者や家族などの当事者の方々からは、賛成・反対それぞれの御意見を頂いておりますが、引き続き様々な機会を通じて御意見を伺うとともに、反対の理由となっております様々な不安や懸念を払拭できるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、四病院再編構想に対する県の進め方についての御質問にお答えいたします。 今回の病院再編に伴う県立精神医療センターの富谷市への移転につきましては、これまでも賛成・反対のそれぞれの立場にある当事者や関係者の意見を幅広く伺うとともに、施策の検討段階において、その意見をできる限り尊重するよう努めてまいりました。県としては、県議会や精神保健福祉審議会からの御指摘も踏まえ、患者や家族をはじめ、医療・保健・福祉の関係者と意見交換を重ねるとともに、精神医療センターの患者へのアンケート調査を実施するなど、丁寧に御意見を伺いながら検討を進めているところであり、障害者基本法や障害者の権利に関する条約に基づき、その考えに沿った対応を行っているものと認識しております。 次に、精神医療センターを利用する当事者等の意見の反映についての御質問にお答えいたします。 県では、県立精神医療センターの移転について協議を進める中で、患者や家族をはじめ、医療・保健・福祉の関係者からの様々な御意見を踏まえ、県南部の精神科医療提供体制やにも包括体制の確保に向けた施策の検討を行うなど、当事者等の意見の反映に努めてまいりました。また、各団体等からの様々な提案に対しては、精神保健福祉審議会等において、県の考えを示してきたところであり、県としては、引き続き議論を重ねながら、精神医療センターの移転について、サテライトの設置に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、大綱二点目、エネルギーを取り巻く社会的状況とエネルギー政策についての御質問のうち、再生可能エネルギー導入量や温室効果ガス削減に係る目標の見直しについてのお尋ねにお答えいたします。 二〇五〇年脱炭素社会の実現に向け、県では、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略において、中間目標として国の目標と比較して四%高い、二〇一三年度比で五〇%削減を掲げております。まずは、この目標の下で、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入をはじめ、あらゆる分野で、でき得る限りの取組を進めてまいります。今後の再生可能エネルギーの導入及び温室効果ガス削減目標の見直しについては、国際的な動向や国の方針に基づき的確に対応してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 環境生活部長佐々木均君。    〔環境生活部長 佐々木 均君登壇〕 ◎環境生活部長(佐々木均君) 大綱二点目、エネルギーを取り巻く社会的状況とエネルギー政策についての御質問のうち、温暖化に関する県民への周知についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、豪雨災害の激甚化や記録的な気温上昇等の気候変動リスクが高まる中で、県民一人一人が地球温暖化問題を自分事と捉え、省エネ行動に取り組むきっかけとなるような広報をしていくことが大変重要と考えております。県では、ポータルサイトにおいて、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略の策定の趣旨や目標を分かりやすくお伝えするため、動画やグラフを掲載するなどの改善に取り組んでまいりましたが、今後は、子供や家庭、事業者等、属性に合わせた内容で情報発信できるよう検討を行っているところです。また、環境配慮行動促進アプリ、エコチャレンジみやぎにおいて、プッシュ型の情報発信も取り入れるなどして、広報の充実に取り組んでまいります。そのほか、先月設立したみやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇県民会議において、県民総ぐるみによる温暖化対策の機運醸成を図っていくこととしております。県としては、これらの取組を通じて、気候変動による影響やリスクも含め、地球温暖化対策の必要性について県民の皆様にしっかりとお伝えしてまいります。 次に、目標と達成状況の示し方についての御質問にお答えいたします。 温室効果ガスの排出削減目標については、今年三月に策定したみやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略の計画期間の最終年度である二〇三〇年度のみを設定しており、その確実な達成に向けて、毎年度、目標に対する進捗状況を確認し公表することとしております。計画初年度の実績については、来年三月の公表に向けて、現在取りまとめを行っておりますが、公表に当たっては、他の自治体の取組も参考にし、目標に対する進捗度合いをグラフなど視覚的にも分かりやすい形で県民の皆様にお伝えしてまいります。 次に、事務事業における目標達成についての御質問にお答えいたします。 県の事務事業における温室効果ガスの排出量については、二〇三〇年度までに、二〇一三年度比で五一%削減することを目標としております。県では、これまで、県有施設のエネルギーの使用状況を調査し、エネルギー種別ごとの削減量と削減に向けた取組及びスケジュールを検討してきたところです。今後は、この検討結果に基づき、太陽光発電設備の導入のほか、県有施設のLED化や新築・大規模改修に伴うZEB化、低燃費型の公用車への更新などの取組を計画的に進めていくことで目標を達成できるものと見込んでおります。 次に、県有施設の省エネ化と再エネ導入の取組についての御質問にお答えいたします。 県有施設の排出削減対策においては、電気や燃料などの使用量を削減する省エネルギー対策を徹底した上で、使用する電力を再生可能エネルギー由来に転換していくことが重要と認識しており、この考え方に基づき、二〇三〇年度までのエネルギー使用削減量と再エネ導入量を算定しております。このうち、省エネ対策については、二〇三〇年度までに新築または大規模改修を予定している施設のZEB化や、照明・空調設備などの高効率化に取り組むこととしております。また、再エネ導入については、これまで自己設置型の太陽光発電設備の導入を進めてきたところですが、今後の導入拡大に向け、PPA方式などの再エネ電力供給サービスの利用について検討しているところです。県としては、これらの取組を着実に進めていくことで、二〇三〇年度の目標を達成できるものと見込んでおりますが、併せて更なる排出削減を進めていくには、再生可能エネルギーの導入加速化が不可欠であることから、大規模かつ早期の導入手法についても調査・検討したいと考えております。 次に、再生可能エネルギー導入の進捗状況等に関する御質問にお答えいたします。 みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略に掲げる再エネ導入量等の目標指標については、議員からの御指摘も踏まえ、ポータルサイトに掲載したところであり、また、毎年度、目標指標の実績や達成率等についてもグラフや図表を用いて公表することとしております。このうち、再エネ導入量等については、今年十月に開催した宮城県再生可能エネルギー等・省エネルギー促進審議会で、現在の進捗状況を報告したところであり、今後、他の目標指標の実績についても取りまとめ次第、ポータルサイトに掲載してまいります。県としては、引き続き、県民の皆様への分かりやすさにも配慮しながら、再生可能エネルギー導入の進捗状況等をお示しするとともに、目標の達成に向けて、関係施策の推進に全力で取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 保健福祉部長志賀慎治君。    〔保健福祉部長 志賀慎治君登壇〕 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 大綱一点目、四病院再編構想に伴う県立精神医療センター移転問題についての御質問のうち、精神医療センター移転先でのにも包括構築についてのお尋ねにお答えいたします。 いわゆるにも包括の構築は、日常生活圏域を基本に市町村を中心として進めることが重要と認識しております。県立精神医療センターが移転した場合には、富谷市を中心とした、センターをはじめとする精神科医療機関、障害福祉関係事業者等との連携による支援体制の構築が必要であると考えておりまして、移転実現までのおおむね五年程度を目途に、関係機関のネットワーク構築や人材育成、精神障害にも対応するグループホーム等の退院後の受皿整備を進めてまいります。 次に、精神医療センターの名取市での移転についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターは老朽化が著しく、建て替えが喫緊の課題であることから、これまで十年以上にわたり名取市内での移転を目指して用地確保に取り組んでまいりましたが、条件に合う土地が見つからず、建て替えの実現に至っていない状況にあります。御指摘のありました現精神医療センターの道路向かい側の応急仮設住宅跡地につきましても、周辺が住宅密集地であり、現在の進入経路である市道も狭隘なため、隣接する高低差のある県道から乗り入れる必要があります。また、県道自体にも上下線で高低差があり、関連工事とそれに伴う用地買収や補償、公安委員会との交差点設置協議が必要となるなど、困難な対応が想定されることから、特に二十四時間救急を担い、身体合併症や災害医療への対応を行う精神医療センターの建設用地としては、適切でないと考えております。県としては、令和元年度のあり方検討会議の提言も踏まえ、早期の建て替えや一般病院との連携体制の構築が可能となる富谷市への移転を前提として、関係者との協議を進めるとともに、県南部の精神科医療提供体制やにも包括体制の確保に向けて、引き続き検討してまいります。 次に、基本合意の時期についての御質問にお答えいたします。 東北労災病院と県立精神医療センターの合築については、我が県の将来を見据え、政策医療の課題解決に向けて必要な取組と考えており、老朽化が進む精神医療センターの早期建て替えのためにも、年度内に基本合意を締結し、できる限り早く実現してまいりたいと考えております。県としては、引き続き、労働者健康安全機構及び県立病院機構と協議を進めるとともに、患者や家族をはじめ、医療・保健・福祉の関係者や地域住民の方々に対しましては、御意見を伺いながら、不安や懸念を払拭できるよう努めてまいります。 次に、富谷市の移転候補地についての御質問にお答えいたします。 移転候補地である富谷市明石台地区の土地については、土地区画整理事業として、宅地造成の基準に基づいた盛土計画により施工されていると伺っており、病院施設の整備に支障はないものと認識しております。また、当該用地には、旧調整池の一部のコンクリート擁壁と堤体が盛土の補強のために撤去されずに活用されておりますが、盛土部分の一部の底地部分に残存しているのみで位置も特定できており、くい打ちなど工事に支障はないことを富谷市から確認しており、埋設物の撤去については、現在のところ想定しておりません。なお、旧調整池が存在したのは、移転候補地の西側の一部であることから、病院施設の整備については、切土部分など旧調整池にかからない部分で可能だと考えております。 次に、基本合意並びに県議会への提示方法及び議決事項等についての御質問にお答えいたします。 今年二月に日本赤十字社と取り交わした協議確認書において、法的拘束力のある合意書の締結に関する事項を記載しておりますが、年度内の締結に向けて、現在協議を進めている基本合意が、当該合意書に当たるものと認識しております。なお、基本合意については、病院の統合や合築を行うために必要な基本的事項を定めるものであり、議決事項ではありませんが、県議会に適切に報告してまいりたいと考えております。また、議決事項といたしましては、新病院の整備に向けて活用を想定している地域医療介護総合確保基金の積立てや、県立病院の整備に係る基本設計などの関連予算のほか、病院所在地等に係る県立病院機構の定款変更などについて御審議を頂く予定であり、協議の進捗に応じて県議会に御提案をさせていただきたいと思います。 私からは、以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱三点目、町道の県道昇格についての御質問のうち、蔵王さくらロードの県道昇格についてのお尋ねにお答えいたします。 仙南東部広域農道、通称蔵王さくらロードは、角田市毛萱の広域農道を起点とし、大河原町金ケ瀬を経由して村田インターチェンジ付近に至る基幹農道であり、農畜産物の円滑な流通や、農村地域の社会生活環境の改善等を目的として、県が整備を進め、平成二十五年四月に全線供用しており、現在、沿線の角田市、大河原町、村田町が市道及び町道として管理を行っております。県道については、道路法に基づき、地域相互の広域的な連携強化等を考慮した上で路線認定を行っており、周辺地域の開発状況や利用形態が変化した場合は、同法に基づく認定基準を踏まえ、路線変更等を検討することになります。県としては、今後、周辺道路の交通量や利用形態の変化等を見極めるとともに、道路管理者である地元市町の意見を伺いながら、当地域の広域的な道路ネットワークの在り方を踏まえ、県道昇格も含めた路線変更等について慎重に検討してまいります。 次に、広域農道における舗装構成についての御質問にお答えいたします。 仙南東部広域農道は、主に農業関係車両や農畜産物を輸送する車両などを対象とした計画交通量により、舗装構成を決定しております。平成二十五年の全線開通以降、沿線周辺地域においては、商業施設や工場等が立地したほか、新たな住宅地が形成されるなど、整備当時と比較し、大型車を含めた一般交通車両の利用が増加していることから、管理する市町では、現況の交通量を踏まえた舗装構成の見直しを行い、舗装打換え等を行うなど、適正な維持管理に努めていると伺っております。県としては、市町村道の適正な管理に向けて、担当者会議等を通じて、予算制度を含めた効果的な事業手法や技術的な助言等を実施するなど、引き続き、市町村を支援してまいります。 以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 二十六番枡和也君。 ◆二十六番(枡和也君) 答弁ありがとうございました。質問が多岐にわたりますので、印象に残ったものから再質問させていただきます。 先ほど部長の答弁の中で、にも包括、富谷に移転したら五年ぐらいをめどにということで、大丈夫だというような話なのですが、やはりこれまでもにも包括については、名取でも長い年月ですか、四十年以上と言われていますが、つくり上げてきた実績があると思います。そして、名取の周辺地域に作業所やグループホームが設立され、今大体十五か所ぐらい市内にあると聞いており、こういった社会資源が充実させるのもやはり、長い年月をかけてきたあかしではないのかなというふうに思います。あとまた、例えば今施設を運営されている方々は全てではないと聞きますが、精神医療センターに以前勤務されていたことがある方たちであって、患者のことをよく熟知したり、もちろん精神医療センターとの連携も今の施設がすごく取れているという、こういった状況をこの五年で富谷市に移転した場合、つくれるのかということに対して甚だ疑問を持つのですが、その辺の見解をお聞かせください。 ○副議長(本木忠一君) 保健福祉部長志賀慎治君。 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 御指摘ございましたとおり、名取市近辺・県南地域での現在の県立精神医療センターを中心としたにも包括体制は、長年時間をかけて現在の状況につくり上げられたものということでございますけれども、当然ながら現状の富谷市近辺のところでそういった体制には届いておりませんが、まずもって移転が実現することを想定した場合の五年間程度をかけて、例えば関連予算でありますとか、福祉・保健面の施策的なところも含めて、しっかり県としても富谷市共々サポートしながら体制構築に動いていくことはもちろんでございますし、また、当然ながら県立精神医療センターが移転するということで、これまでのノウハウの一部を富谷市のほうでしっかり掲げながら新しいセンターを中心とした体制づくりといったものが移転後には生じてくるかと思います。それにはまた、長年の時間がかかる部分もあるかもしれませんけれども、当然ながら県立のセンターがある地域のみでにも包括というものを進めていくわけではなく、県立の病院がないところ、あるいは民間病院を中心としたところ、様々な地域の実情に応じた形で、そういったにも包括の体制を市町村圏域を中心に構築していく必要があろうかと思ってございますので、そういった点について県としてもしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。 ○副議長(本木忠一君) 二十六番枡和也君。 ◆二十六番(枡和也君) ありがとうございます。なかなか机上で言うように、そんな簡単にできるものではないというふうに思っております。富谷市に新しくつくるというのですけれども、やはりこれまで四十年以上もかけてつくってきたものをそんな簡単にできるものではないというふうに思います。逆に先ほどサテライトの設置という提案があったのですが、サテライトを富谷に設置して、もともとの精神医療センターを残すというような方法のほうが何となく具体性があるのではないのかなと思うのですが、その辺いかがでしょうか。 ○副議長(本木忠一君) 保健福祉部長志賀慎治君。 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 先ほど知事のほうからも答弁申し上げましたサテライト案についての検討をこれから鋭意進めていくといったことになろうかと思います。どういった機能を持って、規模がどういった程度で、設置場所も含めて、これから現在の県立精神医療センターの院長先生をはじめとするスタッフの皆さん共々、検討を進めていくということでございますけれども、当然ながら、これまで培ったノウハウの一部をそういったことでサテライトの形の中に落とし込んだもので、名取市は受皿のほうが非常に進んでいるというか、構築されたものは強固なものがございますので、そこにすんなりと乗っていけるような形でのサテライト案を模索していくことになると思いますし、富谷のほうにつきましては繰り返しになりますが、新しい形での体制を現在も富谷市のほうと話を進めながら、しっかりと進めてまいりたいというふうに思います。 ○副議長(本木忠一君) 二十六番枡和也君。 ◆二十六番(枡和也君) サテライトも検討していくということなのですが、民間病院の誘致もまだ諦めてはないということでよろしいでしょうか。 ○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) もともと私がずっと言っていたのは、民間病院で公募をやりたいと。それがうまくいくかどうか分かりませんと。サテライトを同時に考えておりますということを言っておりました。現在、精神保健福祉委員会でそういう議論も、もう入り口にも入らないということでございますので、サテライトということであれば、南の方も県立病院であることは変わりありませんので、御安心いただけるだろうということで踏み切ったということであります。したがって、民間病院ということについては、今日この場でお話しすると、今考えていないということで、サテライトでいくということになります。先ほどの質問で、北と南をひっくり返して、本院を南に、分院を北にというのはどうだということなのですけれども、これは先ほど午前中に答弁したように、もともと富谷のほうに精神医療センターを持っていくという大きな狙いは、身体合併症の対応をしていただくということでありますので、本院はやはり身体合併症との対応ができる病院のところに持っていくというのは、これは当然の形だというふうに思っております。その上で、南のほうで足りない部分についてはサテライトということでカバーしていく形で考えていきたいというふうに思っております。 ○副議長(本木忠一君) 二十六番枡和也君。 ◆二十六番(枡和也君) 今知事のほうから、身体合併症に対する対応が素早くできるのでいいというような話だったのですが、現場の意見を聞きますと、例えば身体合併症に対しては、近くの内科医院さんが一週間に一回来たり、あと、近くの内科医院と連携していれば、身体合併症に今でも対応できているのではないのかなというような意見もございました。その辺についてはどうお考えでしょうか。 ○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 枡議員もこの道は素人ですし、私も素人なので、あまり素人同士で議論しても詳しいことは分からないのですが、少なくともここに踏み込んだのは、あり方検討ということで専門家の先生方に集まっていただいて、いろいろ御議論いただいた中で、やはり身体合併症への対応を考えるべきだと。総合病院と一つになるというのも有力な方法なので、検討しなさいという結論が出たということで、検討してここまで来たということでございます。いろんなお医者さんの中には、そういった御意見の方もあろうかと思いますけれども、少なくとも我々は相当程度その専門と言われる本当にレベルの高い先生方に御議論いただいた結果だということでございますので、御理解いただきたいというふうに思います。 ○副議長(本木忠一君) 二十六番枡和也君。 ◆二十六番(枡和也君) ありがとうございます。あと先ほど、今回の基本合意は、合意書を別途締結するということで、それが今回の基本合意に当たるという返答でございました。それで、基本合意は議会承認案件ではないというものの、その都度議会に対して報告していくということなのですが、基本合意がある程度固まるというか、もしそこまで進んでいった場合に、やはりこれぐらい県内を騒がせて、反対の意見も出ている中で、この県議会の本会議の場で議案として上程して、この基本合意のままいくことがいいのか悪いのかというような知事の提案で議会承認ということで、議会に提案することも必要ではないのかと、自然の流れではないのかなというふうに思いますが、その辺お聞かせください。 ○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 思いはよく分かるのですが、我々も、法的な根拠に基づいて、議案を出していくと。何でもかんでも議案を出せばいいということはないということでありまして、当然、この後基本合意をやっていって、また皆さんからいろんな御意見を頂いて修正する部分も出てくると思うのですけれども、最終的には、基金に関する条例案を出したり、あるいは精神医療センターの整備に係る予算を出したり、あるいは行政手続関係の議案がどんどん出てくるということはありますので、基本合意が出れば、議会がどう考えていても全部前に進めるかというと決してそうではありませんで、必ずいろんな段階で条例を変えたり予算を出したり、その都度いろいろ議案が出てまいりますので、そこで議会の皆さんの御意思が反映されるということでございますから、残念ながら基本合意について議案を出すことはできないということで御理解いただきたいと思います。 ○副議長(本木忠一君) 二十六番枡和也君。 ◆二十六番(枡和也君) やはり県民の代表である議員、そして議会に、本当に法律上、もう議案提案はできないのか、その辺だけ最後に確認させてください。 ○副議長(本木忠一君) 保健福祉部長志賀慎治君。 ◎保健福祉部長(志賀慎治君) 先ほど知事から答弁申し上げたとおり、地方自治法の定めに基づきます議決事項といった中には当たらないのではないかというふうに考えておりますけれども、申しましたとおり様々な形の御報告、そして御意見を伺う場というのは設けることが当然必要かと思っておりますし、それにまつわる基本合意に伴う様々な具体的な個別の事案について、関連予算をはじめ、様々な議決を頂戴しなければいけない場面というのは都度出てまいりますので、それに応じてしっかりと説明責任を果たして、議決を頂戴できるように頑張ってまいりたいというふうに思います。 ◆二十六番(枡和也君) 終わります。ありがとうございました。 ○副議長(本木忠一君) 十九番伏谷修一君。    〔十九番 伏谷修一君登壇〕 ◆十九番(伏谷修一君) 自由民主党・県民会議の伏谷でございます。敬愛する本木副議長から光栄にも会派内初めての御指名を頂きましたので、早速質問させていただきます。 令和五年は統一地方選挙があり、十一自治体で首長選挙、二十一自治体で議会議員選挙、毎回投票率が下がり、コロナ禍後の初めての選挙、それぞれの選挙区には諸事情があるとしても、投票率の低迷は誰もが危惧するところです。私の地元、多賀城市議会議員選挙は、四年前無投票であったため、二期連続で無投票を回避するため、情報の収集とリクルート活動をした結果、応援していた新人五名全員当選することができました。地方選挙では、地縁・血縁をベースに支援者を募り、後援会組織の拡充が何よりも大切と言われてきました。しかし、今回の選挙では、地方議員選挙のパラダイムシフトが起こったと言っても過言ではありません。コロナ禍により、日常の関わり方が制限されたことにより、選ぶ側と選ばれる側の意識改革が生じ、選択の余地が広がり、新たな可能性を候補者へ求めたことが投票行動に表れました。選挙の結果、トップ当選者は、地盤・看板・カバンには無縁で、自ら戦略を考え友人と二人自転車で街頭活動を行った新人、上位当選者二名は三十代前半、前職が行政職員、爽やかなイメージ、投票数は二千七百三十九、二千四百九票と全体の約二五%を獲得。二千七百三十九票、誰もが予想しなかった数字、一番落ち込んでいたのは、市議会議員時代、破られることがないといわれるほどの得票数で当選した現職市長と言われています。今回の候補者へ求めたことは、子育て世代への候補者への期待であり、地域の関わりが希薄になり、地域内での活動、町内会・子供会をはじめとして、消防団・農協・商工会等の各種団体の活動が鈍化することと、構成が困難となる時代が迫っていることを回避できる人材を求めたことでもあります。自助・共助・公助、持続可能な自治体経営の原点は、支え合いの基本にある自助であることの認識を強く持ち、地域の関わりが崩壊しない政策が必要であることの表れかと思います。 自然災害と人類に及ぼすウイルスの恐怖は、これまでの経験値から対応・対処法を学び、繰り返し伝えていくことでしか解決はできません。こんな短期間に東日本大震災・コロナウイルス感染症を経験したことで免疫力がついた若い世代が新たな時代のオピニオンリーダーとして活躍していただきたいとの思いから、以下の点について、大綱四点質問させていただきます。 大綱一点目、みやぎの観光・諸課題についてです。 毎回同じフレーズで始まりますが、今回までといたしますので、お許しください。宮城の始まり、東北の始まりとも言える多賀城が来年二〇二四年に創建から千三百年という我が国にとっても記念すべき節目の年を迎えます。千三百年の幕開けを目前に控え、宮城県の名前の由来の一つともなる多賀城創建千三百年に向けた知事の意気込みを伺うものであります。これまで県政百五十周年記念として、宮城の魅力を県外に発信する観光キャンペーンにより、多賀城創建千三百年を特別企画に位置づけ、ガイドブック等情報発信したことや、SNSを活用した観光プロモーションを行う等、全国に広くプロモーションを行っております。多賀城跡調査研究所における特別史跡多賀城跡の政庁南面地区の政庁南大路や城前官衙の復元、東北歴史博物館における古代史研究第一人者、国立歴史民俗博物館名誉教授の平川南先生による講演会の実施など、県教育委員会による取組も行われております。多賀城市においても、創建からの歴史やその価値について、文化プログラムを通じて市民はもとより、県民に普及啓発すべく取組が進められており、各種プロモーションも行われておりますが、その取組にも限界があるようで、東京はもとより、関西以西での多賀城の認知度はとても低く、多賀城創建千三百年の機運醸成に大きな課題があると推察します。そこで、全国知事会会長に就任され、全国から多くの注目がその一挙手一投足に集まる村井知事として、歴史的な節目の年となる多賀城創建千三百年を、宮城のみならず東北のゲートウエーとなるよう、なお一層、全国・全世界に力強く発信していく必要があると考えますが、知事の認識をお聞かせください。そして、令和六年度、創建千三百年の本番を迎える年度に向けての県としてのヒト・カネ・モノ、それぞれを投入し、その機運醸成に取り組んでいく方針はあるか、知事の所見について伺います。 また、関連事業として、令和の万葉大茶会IN多賀城大会が二〇二四年十月に開催することが決まっております。大伴家持の功績をたたえ、新元号の令和の語源となった梅花の宴を茶席に代え再現していくことの表現の場が令和の万葉大茶会です。梅花の宴は、大伴旅人が開催したもので、大伴家持が赴任した地、富山県高岡市・鳥取県鳥取市・福岡県太宰府市・多賀城市をはじめ、八つの関連自治体が協力して、今年度は太宰府市、二〇二四年に多賀城市、令和七年は奈良県明日香村、そして同年、大阪万博において、令和の万葉大茶会を開催する運びとなります。先月の十六日に今年度開催地、太宰府市長、次年度開催地、多賀城市長・狛江市長・明日香村村長をはじめ十名で、伊藤信太郎環境大臣へ支援をお願いする要望書を手交してまいりました。大臣が全面的に支援する意向を確認できたので、全国知事会会長として、機会あるごとに言い続けていただければ幸いでございます。昨年開催された鳥取市の記念式典には、平井鳥取県知事・石破茂衆議院議員も来賓に招かれており、平井知事は祝辞の中で、大伴家持が収集して編さんした万葉集にある山上億良が詠んだ防人の歌を披露し、いつの世も国を思う気持ちに変わりはなく、脈々と国づくりにかけてきた先人たちの志に改めて畏敬の念を抱きました。前全国知事会会長平井知事から村井知事へバトンを渡したことは偶然ではなく必然であり、歴史の導きによるもので、このタイミングで全国知事会会長に就任したことは、多賀城創建千三百年を全世界に周知し、関東圏・関西圏・九州圏のにぎわいを、宮城を中心に東北一円に広がりをもたらす使命や天命を村井知事が授かった以外考えられません。今までの観光に対する概念をチェンジし、千載一遇のチャンスをゲットするために重要なこと、政治家に最も大切なこと、タイミングを逃さないことです。これからの日本の観光地は時代が遡り、奈良時代が観光の始まりです。ぜひ、令和の万葉大茶会IN多賀城大会へ出席していただき、一句歌詠みを披露して、二〇二四年を万葉元年と位置づけ、歴史を語れる子供たちへ希望の持てる宮城づくりを実現するための意気込みをお聞かせください。 次に、コロナ禍後の観光全般における財源についてお伺いします。 現在はコロナ禍以前を上回る訪日外国人観光客が首都圏・関西圏をはじめとした日本全国の観光地を訪れております。その一方で、コロナ禍により地方都市の飲食店・観光地の宿泊施設の関連業者は倒産や売上げ減少に伴い雇用者の解雇など、受入れ体制が整っていない施設も多くあるものの、新たな観光需要を掘り起こすために薄利多売ではなく、お客様ファーストの工夫の中で、宿泊施設を改装して満足いくサービスの提供ができる範囲内でのおもてなしに徹すること。あるいは、料理人の確保ができない温泉地では、夕食の提供をやめて朝食だけを提供することで円滑な営業を行うことができ、二次効果として周辺飲食店がにぎわい、相乗効果が生まれている事例も多く見受けられます。 宮城県の観光客の入り込み数は、令和四年速報値で五千七百二十四万人と前年比二七・三%の増加、コロナ禍前の令和元年の八四・二%まで回復しています。また、宿泊観光客数も同様に令和四年は、七百七十八万人と前年比三三・二%の増加、コロナ禍前の七八・七%まで回復しています。宮城県は震災からの復興を成し遂げ、地域経済の活性化と魅力あふれる地域づくりの実現のためには、交流人口を拡大し、経済や雇用への効果が期待できる観光産業が極めて重要なポイントと位置づけ、財源の在り方に関する重要事項を審議するため、宮城県観光振興財源検討会議を設置し議論を重ねて、その結果、令和二年一月の検討会議から、安定的に確保できる地方税の法定外目的税として、宿泊行為への課税の導入が適当であると答申を受け、令和二年定例会へ議案を提出、新型コロナウイルス感染症が全国的に蔓延したため、宿泊税はペンディング状態となっています。仙台市では観光業の活性化を考える、仙台市交流人口拡大推進検討会議を開催したことで、宿泊税の導入議論が約四年ぶりに実施されることになったと推測することができます。前述したように、観光地は外国人観光客であふれ返っております。東京都内の浅草・築地などの飲食店は来客数の九割が、京都の景勝地をはじめ、東福寺・金閣寺への観光ルートを結ぶアクセスは、地元住民の足の確保が困難を期しているなど、オーバーツーリズムの諸課題への対策費が必要です。今後観光地に関わる整備費など、財源確保としての宿泊税の導入タイミングをいつと捉えているのか伺います。 また、人口減少に歯止めがかからない地域の経済規模の縮小を交流人口の拡大により、旅行者に求めざるを得ない財源、特に県民一人当たりの消費額百二十七万円を外国人旅行者の観光消費に換算すれば八人分に相当するのであれば、持続可能な地域コミュニティーの形成のために旅行者を増加させていくというリピート率を高めるための整備費に必要と考えますが、宿泊税の活用範囲、税額等、従前の考え方から変更点があればお伺いします。 また、仙台市も宿泊税導入検討を進める中で、県との徴収について、徴収割合などの整合性をどのように行うのか、県の考え方について、現時点で想定される範囲内でお答えください。 大綱二点目、脱炭素社会への取組について、仙台港塩釜港は、脱炭素化に向けた取組を進めています。宮城県が主催する、仙台塩釜港港湾脱炭素化推進協議会が設置され、港湾機能の高度化などを通じてカーボンニュートラルポートを形成し、我が国全体の脱炭素社会の実現に向けて貢献していくことを目指しています。この協議会では、水素・燃料アンモニア等の次世代エネルギーの活用技術について、先進的に開発・実証を行っている企業の協議会への参画が必要とされており、公募を実施しています。また、宮城県では、水素が充填された水素吸蔵合金カセットをみやぎ生協の既存物流ネットワークを活用して配達品とともに利用者に配送し、設置された純水素燃料電池の燃料ユニットにカセットを取り付けることで、電気や熱を利用できる取組が行われています。また、燃料電池自動車等の導入促進事業補助金の実施、県が保有する燃料電池自動車FCV等の貸出しを行い、令和五年度も引き続き燃料電池自動車の購入や外部給電器の購入に対して、県が予算の範囲内で、導入費用の一部を補助しています。県がこれまで進めてきている水素事業の進捗状況と効果についてお伺いします。 現在、水素ステーションは幸町・臨空都市岩沼市に二か所です。県内では、水素エネルギーの活用を推進することで、燃料電池自動車の普及率アップにつながることを考慮し、公用車の導入を検討している自治体もあるやに聞いております。仙台市中心部、臨海・臨空都市にそれぞれ水素ステーションが三地点設置されることで、利用率も高まると考えます。新たに仙台新港背後地へ設置が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、仙台塩釜港港湾脱炭素化推進協議会で公募された水素事業者をはじめ、ENEOS仙台製油所などから、次世代エネルギーの活用について意見聴取を重ね、活用の在り方について検討していることから、手始めに協議会加盟企業のヒト・モノの移動手段を水素が動力となるモビリティーへ移行するなど、水素エネルギー活用を推進することが必要と考えますが、所見をお伺いします。あわせて、富谷市の実証実験から見えてくる一般家庭向けエネルギーとしての普及・課題、実験の継続の必要性について伺います。 大綱三点目、宮城の防災対策についてお伺いいたします。 東日本大震災発災地、広報・救助・避難所支援に即応した経験からとても気になる、現在、県が宮城野原地区に進めている広域防災拠点の進捗状況について伺います。 先月、宮城県防災会議地震対策等専門部会による、宮城県第五次地震被害想定調査結果の報告がありました。ここでは、東北地方太平洋沖地震、宮城県沖地震、スラブ内地震、長町利府線断層帯の四つの地震に対する被害想定が行われ、最も被害が大きい東北地方太平洋沖地震では、県内最大震度六強、最大津波高約二十二メートル、県内死者数約五千五百人と予想されております。また、東日本大震災発災後からこれまでの海岸防潮堤の整備などにより、宮城県沖地震など比較的頻度の高いレベル一に対する安全度は大きく向上しましたが、防潮堤を超えるような東北地方太平洋沖地震などの最大クラスの津波レベル二には引き続き、適切な避難行動をとることが必要不可欠であると報告されております。このような地震・津波災害に加え、昨今の令和元年東日本台風をはじめとする頻発化・激甚化する豪雨災害などを踏まえると、自然災害などに適切に対応するための防災・減災対策の更なる強化が必要であるとの思いを強くしたところです。そこで、今後起こり得る大規模災害への防災・減災対策における県の中核的役割を担う広域防災拠点整備について、幾つか質問させていただきたいと思います。 本県の防災拠点の計画は、広域防災拠点を中心とし、県内七圏域に八か所選定されている圏域防災拠点や、市町村の地域防災拠点がネットワークを構築し、機能補完・相互連携することで、より効果的な防災・減災対策となるものです。この中で、中核的な役割を担う広域防災拠点は、現在、宮城野原地区において約二ヘクタールが暫定運用されており、また、広域防災拠点が供用されるまでの間、圏域防災拠点である利府町にある県総合運動公園を代替施設として運用するよう、本県の地域防災計画に位置づけられております。東日本大震災の教訓を踏まえると、特に、傷病者の域外搬送拠点などの機能の面から、宮城野原地区における広域防災拠点整備が必要であり、私としましても、今後起こり得る大規模災害への備えとして、広域防災拠点を中心とした総合ネットワークによる本県の防災・減災対策の充実強化のためには、物価高騰という状況でもしっかりと整備を進めていく必要があると考えております。先般、広域防災拠点整備事業を含む六つの事業について、公共事業再評価を行うことが公表されました。このことについて、今議会の冒頭、知事は「これまで関係機関との綿密な調整や、詳細な現地調査を行いながら事業を進めているが、その進捗に応じて必要となった工事や物価高騰の影響で事業費が増加するとともに、事業着手から相当の時間が経過していることから、改めて事業規模や効果を整理することについて必要性があり、事業継続の妥当性を判断する公共事業再評価の手続を開始した」とお話をしていました。今回、パブリックコメントのために公表されている広域防災拠点についての公共事業再評価調書によりますと、「物価高騰等の影響により、全体事業費を約四百二十二億円に変更する」とあります。昨今の資材・人件費高騰などの物価高騰による影響については、致し方がない面もあると思いますが、それ以外の増額要因は具体的に何なのでしょうか。増額が判明した時期と増額に占める県の負担となる一般財源は幾らになるのでしょうか。併せてお伺いいたします。 次に、広域防災拠点は、創造的復興の象徴であり、本県の防災体制の構築に欠かすことのできない施設と考えております。整備の前提となるJR貨物・仙台貨物ターミナル駅移転完了時期が令和十一年度、広域防災拠点の整備完了時期が令和十四年度となる見込みであると、本年二月の県議会定例会において報告を受けております。JR貨物の仙台貨物ターミナル駅移転に関しては、これまで、JR貨物が行う移転工事に対し、地域住民の方々に対する説明会や、関係機関との協議などにおいても、県が同席し説明するなど、様々な支援を行ってきたと聞いております。また、移転先である岩切地区については、着実に移転工事が進捗していると見受けられるところですが、JR貨物・仙台貨物ターミナル駅の移転完了の時期と、広域防災拠点の整備完了時期の延伸及び今回の全体事業費の増額により、本県の防災・減災対策への影響はないのか。事業の重要性・妥当性と併せて知事の所見をお伺いします。 大綱四点目、地域からの諸課題についてです。 昨年の十一月定例会でも一般質問で取り上げた仙台新港背後地内の再生資源物の屋外保管について、その後の動向について質問させていただきます。前回の部長答弁の中にありましたように、東日本大震災以降、仙台港隣接地域を中心に、金属スクラップ等の再生資源物を取り扱うリサイクル事業者が進出している現状で、一部の事業者について、屋外保管や操業に伴う騒音、振動、粉じんに関する苦情が多賀城市・七ヶ浜町・宮城県にも多く寄せられているところです。担当課の認識では、有価物である金属スクラップは廃棄物処理法に規定する規制の対象外であるため、用途地域や種類によって、法令等に基づく直接的な規制はできない状況にありますが、住民の生活環境に影響を与える地域においては、周辺環境に最大限配慮していただく認識があるとの見解でした。他地域において、事業者と地域住民との間で、環境保全協定を締結している事例などを参考にして、関連自治体と連携し、周辺環境に配慮した操業が行われるよう、事業者に働きかけていくとありました。また、千葉市における再生資源物の屋外保管に関する条例は、地域住民から市議会に対し請願があり、その条例の内容は、鉄筋、鉄骨などの金属スクラップ等の屋外保管事業場の設置許可制を導入し、保管基準を定め、違反した場合の罰則のほか、周辺住民への説明会の義務化等を規定しております。保管状況の改善を図るという点で、効果が期待できると答弁されています。県内における屋外保管事業場の実態を把握した上で、先行自治体の状況も参考にしながら、対応について検討していくとありましたが、以下の点についてお伺いします。再生資源物の屋外保管について、事業者と地域住民との間での環境保全協定が締結された事例とその協定による効果について。騒音や振動の規制を所管する市町村との連携による事業者の働きかけを実施するとありましたが、その状況について。県内における屋外保管事業場の実態調査の結果について。再生資源物の屋外保管に関する条例の先行自治体の状況を参考にしながら、住民の生活環境保全上の課題に対する対応について検討するとありましたが、どのような検討がなされたのか。騒音規制法第三条第一項では、市の区域にあっては、市長が騒音を防止することにより、住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を指定しなければならないとされていますが、この再生資源物の屋外保管に係る問題は、騒音だけの問題と捉えるべきか、見解を伺います。 次に、歴代の県議会議員が地域課題として幾度となく質問してきた砂押川・勿来川水系の遊水地について伺います。 県、市町が連携し、五十年に一回程度の規模の降雨を安全に流し、流域における浸水被害の軽減を図るため、砂押川水系では、各河川の上下流・支川の流域における地域特性を踏まえ、流域治水を推進するとあります。今後も、河川と公共下水道との事業間の連携を強化し、早期の被害軽減促進を図ることで対応するとして、砂押川及び勿来川において、各遊水地上流における河道掘削などの河川改修を実施し、中期的には勿来川上流河道改修の状況を把握しながら、適切な時期に勿来川遊水地の掘削を実施すること。あわせて、安全なまちづくりや内水被害軽減対策、市街化の進展に伴う雨水流出量の増大を抑制する施設の推進などの流域における対策、ハザードマップや河川水位等の情報発信など、ソフト対策を実施することは共通理解で、一日も早い完成が待ち望まれるところです。ところが、仙台・名取・富谷・利府の三市一町が住宅を整備するため、計十三地区の田畑など約四百十ヘクタールを市街化区域に編入する手続を進めていることが表明され、市街化区域の編入を求めている対象のうち、宅地向けを含む状況は、利府町で百五十七ヘクタール、富谷市の二十ヘクタールを盛り込んでいることもあり、東日本大震災以後、砂押川・勿来川上流域の宅地開発が進んだことで、保水能力が低下している現状からも、宅地開発が許可される前に整備されるべきと考えますが、現状認識について伺います。また、台風十九号の浸水被害から四年が経過しましたが、勿来川遊水地はいまだ完成していない状況です。また、同遊水地には常に水が残っており、残存していることで、大雨時の貯水量が少なくなると思われ、管理は万全と言えるのか。更に、同遊水地には樹木の繁茂により、常態的に遊水地機能が損なわれていると思います。その認識について伺います。 また、砂押川と勿来川の合流地点である新田堰から、仙石線高架下の旧多賀城堰までの間の砂押川の河道は、この上流・下流に比べて著しく狭小であり、河道幅員の確保は急務であると思われますが、その対応について伺うものです。 以上、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 伏谷修一議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、みやぎの観光・諸課題についての御質問にお答えいたします。 初めに、多賀城創建千三百年の発信への認識と来年度に向けての機運醸成の取組方針についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、これまで、多賀城創建千三百年に向けて、SNSでの積極的な情報発信や旅行会社への商品造成の働きかけのほか、観光キャンペーンのガイドブック等への掲載により、広く周知を図ってまいりました。来年は、いよいよ創建千三百年を迎える節目の年となりますことから、県としては、多賀城を来年度の観光プロモーションの中心に位置づけ、更なる認知度向上と機運醸成に努める必要があると認識しております。このため、日本三大史跡である多賀城の特別史跡としての魅力を強力に発信することとしており、現在、日本初となるオリジナルの映像コンテンツの作成や、海外で注目度の高いゲームアプリとの連携などについて調整しているところであります。県としては、引き続き、多賀城創建千三百年記念事業実行委員会との連携を強化するとともに、県内自治体や経済団体等の協力を得ながら、一層の機運醸成が図られるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、令和の万葉大茶会へ出席し、歌詠みを披露してほしいが、意気込みはどうかとの御質問にお答えいたします。 大伴家持とゆかりの深い多賀城市において、来年に、令和の万葉大茶会が開催されることは大変意義深く、多くの方々が多賀城を訪れ、創建千三百年を迎える記念すべき年に彩りを添えるものと認識しております。令和の万葉大茶会を契機として、宮城の始まり、東北の始まりである多賀城の悠久の歴史を振り返り、市内に数多く残る先人たちの歌枕に思いをはせることは、多賀城市だけではなく、我が県への愛着を促す格好の機会になるものと大いに期待しております。私としても、我が県に対する思いを歌にして披露したいところではありますが、出席については、公務の状況を見ながら検討してまいりたいと考えております。 次に、宿泊税の導入時期及び活用範囲、税額等についての御質問にお答えいたします。 我が県の宿泊税の導入につきましては、平成三十年十月に新たな観光振興財源の検討を目的として設置した宮城県観光振興財源検討会議から、令和二年一月に宿泊行為への課税の導入が適当であるとの答申を受け、令和二年二月定例会において、宿泊税条例議案として提案いたしました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が拡大し、収束の見込みが立たないことから、県内経済の立て直しに全力を注ぐべく、宿泊税の導入を見送り、県内経済の回復状況を見守ってきたところであります。県としては、今後早期に、県ホテル旅館生活衛生同業組合のほか、東北観光推進機構や、みやぎ観光振興会議等の関係者の皆様から御意見を伺い、観光産業をはじめとする県内経済の回復状況を見極め、税導入の時期を判断してまいります。また、宿泊税の制度設計につきましては、観光振興の目的のみに活用する法定外目的税として、課税の目的や税額などは、前回提案した条例案と同様の内容を想定しておりますが、税の使途となる活用施策につきましては、関係者の皆様から御意見を伺いながら、より時代のニーズにマッチしたものとなるよう検討してまいります。 次に、県と仙台市の徴収割合等の調整方法についての御質問にお答えいたします。 仙台市の宿泊税導入検討につきましては、先月、仙台市交流人口拡大推進検討会議が再開され、今後強化すべき観光施策の方向性や、そのための財源確保の在り方について議論を重ねていくものと承知しております。県としては、県と仙台市の双方が同時期に宿泊税を導入することになった場合には、県民の皆様や宿泊事業者の皆様に混乱が生じないよう、仙台市と協議してまいります。 次に、大綱三点目、宮城の防災対策についての御質問のうち、本県の防災・減災対策への影響や、広域防災拠点整備事業の妥当性についてのお尋ねにお答えいたします。 広域防災拠点につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点の整備等が必要であると強く認識したことから、緊急輸送道路を含む幹線道路とのアクセスや、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接するなど、地理的優位性が高い宮城野原地区に整備することにしたものであります。全体事業費の増加や期間延伸につきましては、我が県が目指す防災体制の構築に影響があるものと考えておりますが、東日本大震災以降も地震や豪雨被害に度々見舞われるなど、自然災害が頻発化、激甚化しており、今後、発生が想定される大規模災害に的確に対応するためには、広域防災拠点の整備が必要不可欠であると認識しております。県としては、引き続き、県民の皆様の御理解を頂きながら、一日も早い供用に向け、鉄道事業者をはじめとする関係機関と緊密に連携し事業を推進していくとともに、今般の第五次地震被害想定調査結果も踏まえ、更なる防災・減災対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 環境生活部長佐々木均君。    〔環境生活部長 佐々木 均君登壇〕 ◎環境生活部長(佐々木均君) 大綱二点目、脱炭素社会への取組についての御質問のうち、県がこれまで進めてきた水素事業の進捗状況と効果についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、利用時に二酸化炭素を排出しない水素エネルギーの有用性に着目し、燃料電池自動車、いわゆるFCVの導入推進と水素ステーションの整備促進を両輪とし、東北において先駆けて取組を進めてまいりました。現在、県内では仙台市内と岩沼市内で二か所の水素ステーションが稼働し、FCVの普及台数も今年十月末現在で百二十四台となっております。また、近年は、燃料電池バスやタクシーの導入等も支援し、日常生活における県民の水素エネルギーの利用機会の創出が図られるなど、我が県では、これまでの取組の成果により、将来の水素社会実現に向けた素地が着実に整ってきているものと考えております。今年六月には、国の水素基本戦略の改定において、官民合わせて十五兆円を超える投資を行う計画などが示されましたが、県としても、FCVと水素ステーションを中心としたこれまでの成果を生かし、今後は、産業分野における水素など脱炭素燃料の利活用拡大に向けた検討を進めるなど、水素社会実現の加速化に、更に力を入れて取り組んでまいります。 次に、仙台港背後地への水素ステーション整備についての御質問にお答えいたします。 県内の商用水素ステーションは、仙台市の幸町、岩沼市の仙台空港付近の二か所に設置しておりますが、公用車を含めたFCVの更なる普及のためには、新たな水素ステーションの整備が必要と考えております。一方、今年六月に改定された国の水素基本戦略における水素ステーションの整備方針では、需要に応じた最適な整備を促進していくことが示されました。御指摘のありました仙台港背後地付近は、物流・運送事業者等が多く立地していることから、より多くの水素需要が見込めるトラックをはじめとした商用車等の導入を促進できれば、水素ステーション整備の有望な地域になり得るものと考えております。 次に、仙台塩釜港港湾脱炭素化推進協議会参画企業の、水素を動力とする移動手段への移行についての御質問にお答えいたします。 県では、仙台塩釜港におけるカーボンニュートラルポート形成に向けた具体的な検討を進めるため、昨年六月に、学識経験者、港湾立地企業や関係団体などで構成する仙台塩釜港港湾脱炭素化推進協議会を設置し、脱炭素化推進計画の策定に向けて、議論を重ねており、計画素案を先月取りまとめたところです。仙台塩釜港では、輸送用のトラックやフォークリフトなどの車両が多く使われておりますことから、御指摘のありました、FCVの導入によるモビリティー分野での水素の利活用の推進なども重要な取組の一つとなり得るものと考えており、計画素案においても、輸送用車両へ水素を供給する水素ステーションの設置等について、各企業の取組状況や今後の技術進展状況に応じて、検討することとしております。 次に、富谷市の実証実験を踏まえた一般家庭への普及についての御質問にお答えいたします。 富谷市において行われている地域連携・低炭素水素技術実証事業は、再生可能エネルギーから水素を製造し、既存物流網を活用して店舗や一般家庭等へ供給・利活用するモデルの構築を目指した先進的な取組と認識しております。この取組は、平成二十九年度から実施されており、水素製造から貯蔵、運搬、利用に至るまでの一貫した取組により、地域における水素エネルギーの社会実装に向けた可能性が示されたものと考えています。その一方で、水素の製造や運搬等について、費用や労力がかかることなどが、家庭等に普及する上での、一般的な課題であると認識しています。この実証事業により得られた成果の今後の生かし方などについては、富谷市において、関係事業者と議論していると伺っておりますが、県としても、その動向を注視し、具体的な連携の在り方などについて、検討してまいります。 次に、大綱四点目、地域からの諸課題についての御質問のうち、再生資源物の屋外保管事業者と地域住民との環境保全協定事例についてのお尋ねにお答えいたします。 再生資源物の屋外保管事業者と地域住民との間で締結する環境保全協定につきましては、現時点で県として県内で把握している事例はございませんが、一般的に環境保全協定は、公害紛争の解決手段の一つとして確立しており、県内外でその実績があると認識しております。また、協定については、その法的効力を認め、裁判の手続による強制が可能とされる判例もあり、事業者との合意を図ることができれば、効果があるものと考えております。 次に、事業者への働きかけの実施状況についての御質問にお答えします。 県では、廃棄物処理法で規制される有害使用済み機器が確認されたことから、地域を管轄する保健所において、頻繁に事業所に立入検査を行うとともに、住民からの苦情を伝え事業者に配慮を求めてまいりました。また、騒音や振動の規制を所管する市町に同行して騒音発生施設を確認するほか、騒音規制を実施するための技術的な助言を行うなどの支援を行ってまいりましたが、いまだ解決には至っていない現状となっております。県としては、引き続き関係法令に基づく立入検査を行うとともに、市町が新たな規制などの対策を講ずるにあたり、その実現や、より効果的な実施に向け、積極的に支援してまいります。 次に、再生資源物の実態調査結果についての御質問にお答えいたします。 県では、保健所や市町村等の関係機関に対し、住民から苦情が寄せられているなど、地域で問題となっている再生資源物等の屋外保管場所の有無を調査し、その結果、十六か所の金属スクラップを保管する施設で苦情が発生していることを把握しました。これらの施設について、現地の状況を確認したところ、いずれも最近設置された施設ではなく、長期にわたり廃棄物と混然一体となって放置されているものや、金属スクラップの切断や移動に伴う騒音が著しいものなど、事業者によって程度の差はありますが、金属スクラップの保管状況に一定の課題があることを確認したところです。 次に、住民生活環境保全の課題への対応についての御質問にお答えいたします。 先行自治体である千葉市の再生資源物の屋外保管に関する条例の施行状況について情報収集を行ったところ、市街化調整区域を中心に新たな施設が急増した状況があり条例制定に至ったものと伺っております。条例施行後は、新たな施設の進出が抑制された一方で、既存施設の騒音や振動については、条例施行後も指導に苦慮している状況がうかがえました。県内では、実態調査で課題のある施設が既存施設のみであり、現時点では千葉市のような状況にはありませんが、施設における騒音や保管状況などについては、一定の課題が確認されていることから、まずは、既存の法令によって積極的に対応する必要があるものと考えております。 次に、再生資源物の屋外保管に係る問題は、騒音だけの問題と捉えるべきかとの御質問にお答えいたします。 金属スクラップはリサイクル資源として有用ですが、県では、一部において様々な課題が生じている施設があることを確認しています。住民からの苦情のうち最も多いのが騒音ですが、そのほかにも、保管状況、粉じんや住民とのコミュニケーションの問題など、課題は多岐にわたるものと認識しております。これに伴い、関係する法令についても、廃棄物処理法、騒音規制法、振動規制法、大気汚染防止法等、多岐にわたり、所管が県と市町にまたがる状況となっています。県としては、今まで以上に地元市町と密に連携しながら、関係法令を駆使して事業者を指導してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱三点目、宮城の防災対策についての御質問のうち、広域防災拠点整備費の増額要因などについてのお尋ねにお答えいたします。 広域防災拠点整備の全体事業費につきましては、これまで鉄道事業者から提出された詳細設計の内容について、公共補償基準に基づき、その妥当性を確認するとともに、物価高騰の影響も考慮しながら、その内容を精査しており、先月、確認作業が完了したところです。その結果、全体事業費は約四百二十二億円となり、前回増額した平成三十年度の三百二十四億円に対し約九十八億円、当初事業費二百九十五億円に対し約百二十七億円増額となっております。増額の主な要因は、資材・人件費高騰等の影響のほか、雨水排水対策の変更や埋蔵文化財調査の追加などの関係機関との協議による変更、軟弱地盤対策などの着手後の現地調査結果による変更、夜間の鉄道工事の作業時間、作業手順を踏まえた仮設備や保安費の追加などの鉄道事業者の詳細設計等に基づく変更によるものです。また、当初事業費からの増額約百二十七億円に対する、国の交付金及び交付税措置を除いた県負担額は約六十七億円、このうち、一般財源は約八億円となっております。県としては、今回の増額については、事業着手時には想定し得なかったことから、やむを得ないものと考えておりますが、今年二月議会で御報告した事業期間の延伸と併せて、このような事態になりましたことについては、大変重く受け止めております。 次に、大綱四点目、地域からの諸課題についての御質問のうち、砂押川や勿来川の流域治水対策における整備の現状認識についてのお尋ねにお答えいたします。 砂押川・勿来川については、市街化の進展を踏まえ、昭和五十九年にダム・遊水地を配置した治水計画に見直し、計画的に整備を進めてきたところです。これまで、砂押川については、河口から勿来川合流点までの河道整備や、砂押川遊水地を整備したほか、勿来川については、惣の関ダムを整備するとともに、勿来川遊水地を暫定供用しており、今後、両河川上流部の河川改修や遊水地を完成形に整備し、更なる治水安全度の向上を図ることとしております。一方、一定規模以上の新たな宅地開発については、防災調整池などの流出抑制対策と併せて実施されるものでありますが、近年、水災害が頻発化・激甚化していることから、あらゆる関係者が協働して、流域全体で浸水被害を軽減させる流域治水を推進することが重要であると認識しております。県としては、引き続き、砂押川・勿来川の整備を計画的に進めるとともに、流域市町と連携しながら、流域治水対策を推進してまいります。 次に、勿来川遊水地の現状認識についての御質問にお答えいたします。 勿来川遊水地は、砂押川水系河川整備計画において、五十年に一回程度の洪水に対応するため、約五十三万立方メートルの洪水調節容量を確保する計画としております。これまで県では、下流部の河川改修状況を踏まえ、優先的に越流堤及び周囲堤を整備し、暫定供用しているところであり、令和元年東日本台風においても洪水調節が行われ、下流域である多賀城市内の浸水被害の軽減が図られたところです。また、遊水地内については、令和二年度に支障となる樹木を伐採したほか、現在、定期的に周囲堤の除草を実施しており、県としては、引き続き、適切な維持管理を行いながら、遊水地機能の確保に努めてまいります。 次に、砂押川の新田堰から旧多賀城堰までの間の河道拡幅についての御質問にお答えいたします。 砂押川においては、河口から勿来川合流部までの区間について、五十年に一回の洪水に対応できるよう、平成二十年度までに堤防や護岸等の整備が完了しており、計画上必要な河道幅員が確保されております。御指摘のありました新田堰から旧多賀城跡までの一部区間においては、昨年度実施した河川パトロールにより、堆積土砂等が確認されたため、今年度から国の国土強靱化予算を活用し、堆積土砂撤去や支障木伐採を実施しているところです。県としては、引き続き、河川維持管理計画に基づき、必要な予算を確保しながら、流下断面の確保に努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(本木忠一君) 十九番伏谷修一君。 ◆十九番(伏谷修一君) 御答弁ありがとうございます。何点か再質問させていただきます。 まず、二点目の脱炭素社会ということで、水素エネルギーの取組なのですけれども、これは村井知事が、この水素エネルギーについて進めていくという方針を随分前から決めていたというふうに思っておりました。一時、やはり電気自動車などのEVということで、業界的にもシフトはしてきたとは思うのですけれども、今後、トヨタの今の宣伝などを見ていますと、FUN TO DRIVEといいますか、エンジンをいつまでもいじっていたいというそういうふうな社長の言葉からは、やはりエンジンを今からもずっと作っていくのだという試みかなと思います。このことについては、我が県にも非常に重要な、プラスになるような思いかなというふうに思っているのですけれども、そういった意味で、水素を活用できる時代が到来するということは確信できるのではないかなという認識なのですけれども、その点についていかがでしょうか。 ○議長(高橋伸二君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私も同じ考えです。EVは非常に今注目されていますけれども、バッテリーがやはり大変な量がいるということです。ハイブリッドのバッテリーとEVのバッテリーは同じバッテリーですけど全然内容が違いまして、分かりやすく言うと、マラソンランナーがEVのバッテリーで、短距離の一時的にばっとエネルギーを出すのがハイブリッドのバッテリーということだそうであります。プライムアースEVエナジーの方にお聞きしたら、同じ一台の車を造るのに、全部をEVにしようとすると、投資額も工場の広さも十倍いるということでありますから、この狭い国土でそれだけのバッテリーを作り切るというのはちょっと難しいのではないかなと思っています。したがって、やはり日本の場合は、水素を活用して、水素のエネルギーで車や、あるいは、いろんなエネルギーを補っていくというふうに、やはり私は変えていくべきではないかなというふうに思っています。そういったことからも、先進地として宮城は頑張りたいという意思表示をしたということであります。 ○副議長(本木忠一君) 十九番伏谷修一君。 ◆十九番(伏谷修一君) 今ほどの知事の答弁にもありましたように、まさに世界がそういうふうに動いているのかなと。ヨーロッパ、EUなどでは、電気自動車EVでいくのだと決めてから、最近の報道ではかなりその辺のところを後年度にどんどんスライドしていっているのではないかと。現在、やはりバッテリーの問題が非常にこの処理の問題について、今、知事がおっしゃったとおり、どうすればいいんだというふうな考え方も世界的には共通認識だというふうなことで伺っていますので、まさに今知事がおっしゃったように、水素の活用というのは、そういうものが全く出ない無公害になるもので、これからこの取組というのは本当に宮城のために、再度繰り返しますが、宮城には相当プラスになるというふうに思いますので、今後とも継続していただければなというふうな思いでございます。先ほど万葉の大茶会ということで、これは、G20を軽井沢で何年か前にやったときに、その当時の原田環境大臣が福岡出身ということもあり、令和の坂本神社がお膝元ということもあったので、お茶会をするというふうなところで、環境大臣がおっしゃったのは、水素を活用した電源でお湯を沸かすというところから始まったのがこの令和の大茶会ということもありますので、何かとこの水素に関わっていくということもありますので、今後とも、取組に注視していただければなというふうな思いでございます。よろしくお願いいたします。 それから三点目の、宮城野原の防災拠点の点でございます。このことについては、やはり十年一昔といいますか、十年以上前にいろいろ計画してきたことが、いろんな物価スライドも含めて、こういった社会情勢の中で、物価高騰ということについては、なかなか想定はできなかったことかと思うのですけれども、やはり、多分JRさんとの交渉というのは、貨物ヤードの代替地を求めるというところで、なかなか長くなっているのかなと思うのですけれども、以前私は、市議会時代に新潟中越地震の後の長岡市のシビックコア地区という防災地域の拠点をつくったというふうなところを視察させていただいたのですが、ここは実は長岡の操車場だったのです。やっぱりJRさんの土地だということで、何が一番大変でしたといったら、用地のいろいろな交渉が大変だったということがあったので、やはり今後とも、このことについては、この先週末に地元の消防団の幹部の方々と危機管理課の職員の方々といろいろ話したのですけれども、やはり当時の東日本大震災を体験している人たちにとっては、何が一番大切なのかというところについては、そういうふうな供給も含めて、待機場所、保管場所、そういうところの重要性というのは何よりも高いというふうな認識であります。多少お金はかかってもというところは、今後より精査していくということもありますので、しっかりと精査していただき、この事業を完遂していただければという思いがあるのですが、いかがでしょうか。 ○副議長(本木忠一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 貴重な税金を使うわけでありますので、正直相当シビアな交渉をいたしました。やっとここに至ったということであります。恐らくこれからは、引っ越し代とか多少まだかかるようなことを言っていますけれども、大きく増えることはないということであります。目的は先ほど答弁したとおりでありますので、県民の皆さんにやってよかったと、必ず後世の皆さんに評価されるような形にしたいというふうに思っておりますので、ぜひとも御理解いただきたいと思います。 ◆十九番(伏谷修一君) 以上、終わります。 ○副議長(本木忠一君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(本木忠一君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時五十七分散会...