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  1. 宮城県議会 2023-02-01
    02月28日-04号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    令和 5年  2月 定例会(第387回)          第三百八十七回宮城県議会(定例会)会議録                              (第四号)令和五年二月二十八日(火曜日)  午前十時開議  午後二時五十八分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    池田憲彦君出席議員(五十八名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  遠藤伸幸君      第二十九番                  横山のぼる君       第三十番                  高橋 啓君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  仁田和廣君      第四十六番                  吉川寛康君      第四十七番                  伊藤和博君      第四十八番                  佐々木幸士君      第四十九番                  高橋伸二君       第五十番                  菊地恵一君      第五十一番                  佐々木喜藏君      第五十二番                  石川光次郎君      第五十三番                  中島源陽君      第五十四番                  本木忠一君      第五十五番                  中山耕一君      第五十六番                  安藤俊威君      第五十七番                  畠山和純君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    遠藤信哉君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   志賀真幸君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   千葉 章君      環境生活部長                 佐藤靖彦君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             冨田政則君      総務部参事兼秘書課長             相澤一行君      総務部財政課長                大町久志君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   嘉藤俊雄君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   千葉幸太郎君    公安委員会      警察本部長                  原 幸太郎君      総務部長                   佐藤孝治君    労働委員会      事務局長                   小松直子君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   武内浩行君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      総務課総括課長補佐              堀 喜昭君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課副参事兼総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査(副班長)           狩野嘉孝君-----------------------------------    議事日程 第四号                令和五年二月二十八日(火)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号第三 一般質問   〔佐々木賢司君、境恒春君、八島利美君、福井崇正君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号三 日程第三 一般質問       〔佐々木賢司君、境恒春君、八島利美君、福井崇正君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。----------------------------------- △会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、二十三番天下みゆき君、二十四番三浦一敏君を指名いたします。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第十五号議案 △議第十七号議案ないし議第八十五号議案 △報告第一号ないし報告第十七号・一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第八十五号議案及び報告第一号ないし報告第十七号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 二月二十四日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十五番佐々木賢司君。    〔三十五番 佐々木賢司君登壇〕 ◆三十五番(佐々木賢司君) おはようございます。元号が平成から令和となり、早いもので五度目の春を迎えます。振り返れば、令和元年十月に発生した東日本台風による水害。吉田川の決壊により、大郷町や大崎市鹿島台で浸水被害が拡大し、そこに住まう皆様は眠れない夜を何度も過ごされたのではないかと思うと、今でも胸が痛みます。その年の十一月には、当時の内閣総理大臣安倍晋三氏が来県され、吉田川の堤防から現地を視察した際、「佐々木君、しっかり予算をつけるから心配するな」と声をかけられ、感謝と感動で涙したことを今でも忘れることはありません。その安倍晋三氏は、令和四年七月、奈良市内で街頭演説中に無職の男性に銃撃され、御逝去されました。御本人はどれだけ無念であったか。最愛の奥様も悲しみに暮れる日々だったと思うと、胸が締めつけられます。あの時「しっかり予算をつけるから心配するな」と言っていただいた吉田川は、上流で河川改修、遊水地整備が進み、中流では河道掘削と支障木伐採の工事が考えられないスピードで進み、令和四年七月の大雨でも決壊せず、地域を守り抜きました。日本国の総理大臣として、責任政党自由民主党の総裁として国民との約束を果たされた安倍晋三元総理の御冥福を、改めて祈念申し上げる次第です。 令和二年一月には、国内で初めてとなる陽性者が発表され、今もなお終息を見せない新型コロナウイルス感染症は、令和四年二月に国内の一日の感染者数が初めて十万人に達し、七月には感染者の累計が一千万人を超えました。そして、令和四年七月の大雨により、県内各地で河川の氾濫や堤防決壊。家屋や農作物などの被害が拡大。自然の猛威をまざまざと見せつけられ、災害に強く、安心して住み続けられる宮城県の創造に、一刻の猶予はありません。 一方では、仙台育英高校硬式野球部が夏の甲子園大会で初優勝し、深紅の優勝旗が白河の関を越えました。決勝戦で決勝打となるホームランを打った岩崎選手は、大崎市古川出身。アメリカ大リーグ・エンゼルスに所属する岩手県奥州市出身の大谷翔平選手は、野球の神様ベーブルース以来百四年ぶりとなる二桁勝利・二桁本塁打を達成。今年に入り、古川学園女子バレーボール部が春高バレーで二十三大会ぶり四度目の優勝を飾るなど、スポーツ界から閉塞感を打ち破るような元気を頂いたように感じます。今年は癸卯年。厳冬が去り、春の兆しが訪れ、成長や飛躍へと向かう年と言われるそうであります。停滞から成長発展へ向かう宮城県の創造を願い、一般質問いたします。 大綱一点目、精神医療センターの移転合築について。 県立精神医療センターは、昭和三十二年に県立名取病院として開院し、平成十五年に現在の名称に変更。平成二十六年に訪問看護ステーション、平成二十八年には児童・思春期精神科入院ユニットを開設するなど、県内の精神科における中核的病院の役割を果たしていると認識しています。開設から既に六十六年を経過し、施設の老朽化・建て替えは緊急を要する案件であり、これまでの間、精神疾患患者が増加傾向であることも含め、平成二十二年に外部有識者による宮城県立精神医療センター在り方検討懇話会が発足し、検討結果を報告書としてまとめました。その後、患者の増加や社会環境、精神医療センターに求められる役割も変化している状況に対応する病院建設は緊急の課題であり、再検討の上、令和元年に報告書をまとめたものと認識しています。この報告書では、精神科救急の受入れ体制強化、専門医療の補完、依存症医療、地域移行の推進という役割を果たす病院の整備が必要であり、早期の建て替えが求められるとされています。平成二十五年度に移転候補地を決定し、交渉を進めたものの、地権者の同意が得られず、平成二十八年九月に新たな候補地を検討することとなりました。今回は地元自治体の同意が得られているということ、救急の受入れ強化という点で、東北自動車道の泉インターチェンジの近隣であることを考えれば、県立精神医療センター機能を富谷市に早期に移転建設することが望ましいと私は考えます。とはいえ、移転合築に懸念と反対を表明している関係者の方々がいらっしゃることも事実でありますので、以下質問いたします。 一つ目、県が早期建て替えと一般病院との連携による身体合併症への対応を目指すとする一方で、精神保健医療関係者からは「名取の財産」の崩壊を懸念しているという声があります。専門家の意見を重視する必要はありますが、懸念の声に対して県はどのように対応しようと考えているのか、伺います。 二つ目、精神科関係者から様々な意見、要望があると聞いています。「名取の財産」に関して県診療所協会から公開質問状が提出され、県の回答に対して協会は見解を公表していますが、県としてどのように受け止め、対応していく考えなのか伺います。 三つ目、移転合築の効果とする部分について、運営主体が異なる病院同士の連携は難しいのではないかという指摘があるようですが、認識と実効性の確保に向けてどのように考えるのか、伺います。 四つ目、精神保健医療のこれからを考えるとき、国の施策は精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、通称「にも包括」を目指すとされていますが、そこを踏まえて、精神医療センターの役割をどのように考えているのか伺います。 五つ目、移転に反対を唱える方々の理由の一つに、富谷市内移転後の通院への不安があると聞いております。中には、これまで徒歩で通院されていた方もいらっしゃるかもしれませんが、交通インフラが脆弱な仙台圏以外の地域と比較すれば、鉄道や地下鉄、バス、タクシーなど、公共交通手段は幾通りもあります。しかしながら、通院される患者さんの不安を解消する努力を行政はすべきであり、例えば泉中央駅から新しい病院までの往復直行バスを設定するなど、工夫が必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。 大綱二点目、県立高校の学級編制と新設校について。 明日三月一日は、県内高等学校の卒業式であります。進学や就職など、自らが決めた進路で夢の実現に向かって生きていく卒業生に、エールを送ります。 さて、二月十七日に、令和五年度公立高等学校入学者選抜の第一次募集出願状況が公表されました。全日制の募集定員数一万三千七百六十人に対して、出願者数は一万四千九十五人、倍率は一・〇二倍と、この五年間では令和三年の〇・九六倍を除けば一倍を超えています。しかし、一倍を超えるとはいえ、地区別では大分差がついているのが現実です。仙台一高や二華、生徒たちからの人気が高いと言われる仙台南高校といった仙台南地区、仙台二高や仙台三高、泉館山高校が立地する仙台北地区はともに一・三一倍という高い倍率の反面、大崎地区〇・八一倍、遠田地区〇・五九倍、登米地区〇・八三倍、栗原地区〇・七〇倍と、北部地区二千七百六十人の定員に対して、出願者数は二千九十四人、倍率〇・七六倍と低迷しています。刈田柴田・伊具地区を含む南部地区〇・八五倍、石巻・本吉地区を含む東部地区〇・七九倍である一方で、塩釜地区一・一二倍、亘理名取地区一・〇五倍と、仙台市を中心とした隣接自治体の高校に生徒が集まる結果となっています。これは、それまでの通学区域設定から平成二十二年度に通学区域を撤廃し、全県一学区制とした結果であり、ここにも仙台一極集中現象が出ているものと感じざるを得ません。少子化が急速に進むことはあらかじめ分かっていたはずであり、その対応が後手後手に回っているのではないかと思うのであります。国の対応も遅いと言わざるを得ません。文部科学省は、令和三年度から令和七年度までに小学二年生から六年生までの学級編制を標準の四十人から三十五人に引き下げるとしており、令和五年度は小学四年生が当たります。仙台市及びその隣接市町村以外の基礎自治体では、既に一クラス三十人を切っている学校が存在しており、改めて申し上げれば、少子化は将来の地域力低下につながると危機感しかありません。宮城県立高校はどうあるべきかについて、以下質問いたします。 一つ目、第一次募集出願結果について、教育長は率直にどのように感じ、考察されているのか伺います。 二つ目、私は令和五年度の出願者数を基に、高校の学級編制の標準人数を四十人から三十五人、または三十人である場合のシミュレーションを行いました。仮に県立高校全てで定員三十五人に編制した場合、宮城広瀬高校が一倍を上回り、仙台北地区の定員割れの学校は解消されますが、ほかの地区では解消されません。更に、三十人の編制とした場合、当然ですが、仙台南地区と仙台北地区の競争率は上がります。しかし、例として大崎や遠田を挙げれば、高校の定員割れの減少は改善しません。毎年定員に達したか否かを報道等で発表され、定員割れが続く学校や地域では、地元の学校として今後存続できるのかと心配する声が多く寄せられています。教職員の多忙化解消という目線ではなく、生徒の人数を鑑みて標準人数を地域の実情に合わせ、学校単位で三十五人あるいは三十人に改正すべきとして、国に要望することが必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。 また、三十五人あるいは三十人定員を宮城県独自に行った場合の問題、課題点をお示しください。 三つ目、令和五年度に統合される大河原産業高校の出願状況は、農業科学科が〇・八倍ではあるものの、企画デザイン科一・〇八倍、総合ビジネス科では一・〇四倍で、希望調査時と比較すると出願者数も増加しており、大変努力されたのだろうと推測されますが、大崎東部地区の松山高校、鹿島台商業高校、南郷高校の統廃合によって、令和九年に供用開始される職業教育拠点校について、地域の方々からは「令和五年度の三校の出願者数を足しても、新設校の定員百六十人には程遠い。初年度から定員割れを起こすような事態にならないのか」という意見を頂いています。確かに三校の出願者数の合計は七十五人であり、このような心配の声が寄せられるのは当然とも考えますが、そのような事態を回避する努力と工夫が必要であります。また、産業教育の課題として言われるように、中学生や保護者等の専門学科、専門学校の認知度が低く、普通科を志望する生徒と比較して、志願者の確保が問題であるとされています。大崎東部三校による新設校を含め、職業教育拠点校の魅力をどのように発信していく考えなのか。あわせて、これまでの取組について伺います。 四つ目、大崎東部の新設校の課題として指摘されている、最寄り駅から学校までの距離と通学方法について、JR鹿島台駅から新設校予定地までは約二キロメートル。現在は徒歩で通学する生徒が多いようですが、雨の日などは乗り合いでタクシーを使い学校に通う生徒を目にすると、様々な通学手段を確保し、生徒自身が選択できるようにすることが求められ、そのような環境整備を進めることによって、出願者の確保・増加が見込まれるのではないかと考えます。しかし、単に路線バスを運行させようとしても、全校生徒数を送迎できる台数は一台、二台では収まりません。そこで提案ですが、通学手段の一つとして、鹿島台駅に駐輪場を設け、電車からダテバイクに乗り換え、通学する方法はいかがでしょうか。管理は地元の企業に委託し、整備は地元の自転車販売店と契約して、生徒が使用しない学校の休日には地元住民も使用できるようにして、CO2削減の取組にもつながるものと考えますが、これまでの検討内容、私の提案も含め、御所見を伺います。 大綱三点目、分煙施設の整備推進について。 我が会派の分煙議員連盟役員は、先般、宮城県たばこ販売協同組合の皆様と喫煙環境等に関する勉強会を開催し、現状の問題、課題点などについて意見交換を行いました。健康増進法の施行もあって、全国の紙巻きたばこの販売数量は年々減少傾向にあり、令和三年度の販売数量は九百三十七億本と、平成八年のピーク時の三千四百八十三億本と比較して、約七割減少しています。しかし、販売数量や成人喫煙率が減少している一方で、税収は大きく落ち込んでいません。度重なる増税が影響しているものと思われますが、喫煙者一人当たりの税負担額は年々増すばかりであります。令和三年度の宮城県たばこ税の調定額は二十八億三千六百万円、仙台市の市町村たばこ税額は七十六億八千五百万円を超えています。また、令和二年度と比較しても、県及び市町村全てで税額が上回っており、国内たばこの税収は年間約二兆円と言われ、国や地方自治体にとって安定的かつ貴重な財源となっていることは言うまでもない事実であります。本年一月に、総務省から「令和五年度地方税制改正・地方税務行政の運営に当たっての留意事項等について」が通知されましたが、その中で「健康増進法も踏まえ、望まない受動喫煙を防止するためには、駅前・商店街などの場所における公共又は民間の屋外又は屋内の分煙施設の整備が考えられるところであり、また、こうした取組は今後の地方のたばこ税の継続的かつ安定的な確保にも資すると見込まれることから、屋外分煙施設等のより一層の整備を図るために、積極的に地方のたばこ税の活用を検討していただきたいこと」、「一定の屋外分煙施設の整備に要する経費については、特別交付税措置を講じているところであること」とあり、令和四年度税制改正には記載がなかった、屋内での分煙施設の整備が記載されました。私は、たばこを吸わない県民に喫煙を推奨しているのではありません。喫煙者がマナーを遵守しながら、たばこを楽しめる環境を整備すべきと考えております。ある大手の企業に勤務されている従業員さんから、「午前・午後それぞれに設定されている十分間の休憩時間に遠く離れた喫煙スペースまで行かなければならず、吸えたとしても半分程度だ」と話され、更には「会社敷地内を全て禁煙にするようなので、そのときはたばこをやめるかもしれない」とも伺いました。たばこは人に強制するものではありませんが、マナーを守り、節度を持ってたしなむことをとがめられるものでもありません。その考えから、以下質問いたします。 一つ目、二〇二一年に民間会社が行った調査で、喫煙所整備の必要性について非喫煙者五百人に聞いたところ、六四・四%が必要だと回答し、その理由は、受動喫煙を避けることができる、また、歩きたばこやポイ捨てが減ると思うからというものであります。自治体向けの調査でも、大阪府では八七・九%、千葉県船橋市では七三・七%と、喫煙所の設置に賛成する割合が高いようであります。また、東京都千代田区では、喫煙者と非喫煙者の共生を図ることを目的として、コンテナ型の公衆喫煙所の設置に対する助成事業を行うなど、喫煙所設置を積極的に推進している自治体があります。更には、これからの喫煙所の在り方として、まちの景観に溶け込み、喫煙所に入ると人が見えなくなる仕掛けを施す光学迷彩型喫煙所や、東京都墨田区では防災啓発情報や避難場所情報を発信する喫煙所を設置するなど、防災機能を付加した喫煙所を設置しています。知事は日頃から喫煙者に対して寛容だとおっしゃっていますが、喫煙所整備の必要性についてどのようにお考えなのか伺います。 二つ目、令和二年一月に出された宮城県受動喫煙防止ガイドライン改定版において、行政の役割として地域内の公共の場所等における受動喫煙防止対策を推進するとしてありますが、これまでにどのような具体的対策を取ってきたのか伺います。 大綱四点目、県有地及び施設等の利活用について。 県内の高等技術専門校が統合され、令和十年度の開校に向け、令和五年度は基本・実施設計に入ると認識しています。当然ながら、我が大崎市に立地している大崎高等技術専門校も統合されることになります。卒業生の中には、地元に残って電気工事会社を営まれる経営者や即戦力として積極的に雇用していただいている工務店などもあり、今でも仙台高等技術専門校へ統合されることへの疑問がないわけではありませんが、卒業後の進路に偏りが発生しないよう、しっかり指導されることを望むところであります。大綱二点目にも関わることですが、少子化が要因となる学校の統廃合が進んでいます。我が大崎市でも古川西部地区の四つの小学校と古川西中学校が統合されることになり、市内初の義務教育学校が誕生します。しかし、地元の声や関心事は、残された校舎はどうなるのかであります。平成三十年三月に閉校した大崎市立真山小学校は、大崎市ジビエ食肉処理加工等施設として活用されることとなりましたが、残り十数件を超える廃校舎の利活用に奔走しているようであります。これを県の施設等に置き換えれば、統合後の松山高校や南郷高校、大崎高等技術専門校の跡地、校舎があたり、利活用していくのか明確にすべきではないかと考え、以下質問いたします。 一つ目、松山高校及び南郷高校の校舎と敷地について、統合後の利活用策をどのように考え、検討されているのか伺います。 二つ目、県内の高等技術専門校を統合された後、大崎校の校舎等はどのようにするのかという地域の声があります。大崎校は建物も古く、そのまま活用できるとは思えませんが、防犯や景観も含め、統合後は建物を解体し、整地するべきと考えます。その上で大崎市と協議をして、今後の活用策を進めるべきと思いますが、御所見を伺います。 三つ目、宮城県広域防災拠点整備候補地として、最後まで三本木県有地が選考に残ったと記憶しております。現在交渉相手との協議で苦労されていることは重々承知していますが、広域防災拠点という性質上、一日も早く整備し、災害に備えることが求められております。交渉する手間もなく交渉相手もいない三本木県有地に建設するよう変更する考えはないか、伺います。 また、広域災害発生時に災害本部設置など政府の危機管理機能を設置できる中核防災拠点整備について、国に要望を継続しているにもかかわらず、いまだ進展がありませんが、県からの提案要望と国の考え方に乖離があるのであれば、県として三本木県有地の利活用を真剣に議論すべきと考えますが、御所見を伺います。 大綱五点目、みやぎ米の振興策について。 議会閉会後に発行している私の県政報告を見ていただいた農家の方から電話をいただき、先日お話を聞いてきました。内容は、ビニールハウスでシソの葉を栽培して販売しているが、昨今の燃油や電気代高騰によってコストが上がっていて、その分を価格転嫁できず経営が苦しいという相談であり、高騰対策には継続した取組が必要であると痛感したところであります。「米をつくっていいのならもっとつくりたいというのが本音だ」ともおっしゃっておりましたが、農業の一丁目一番地は米づくりであり、米を安定して作りたいのは当然の思いであります。山形県の令和三年度県産農作物の輸出実績によれば、業務用米を中心に回復し、香港や中国向けを中心として増加したことにより、過去最多となる一千四百五十三トン、前年度比一四七%になったとのことであります。日本の米の消費量が毎年約十万トンずつ減少していると言われる中、海外へ積極的に進出し、輸出拡大していくことは、米農家の所得向上にもつながるものであります。宮城県内では、JAみやぎ登米をはじめ、努力されていらっしゃいますが、更なる輸出拡大と加工商品の販売戦略が重要と考え、以下質問いたします。 一つ目、小麦アレルギーが発症する原因の一つに、小麦に含まれるグルテンが挙げられます。グルテニンとグリアジンの二種類のたんぱく質が水でこねられ、絡み合ってできる物質ですが、米粉にはグルテンが含まれていないことから、アレルギーを持つ方でも、米粉一〇〇%のパンや麺、和洋菓子を食することができると言われます。みやぎ米を米粉として売り出すことは、みやぎ米のビジネスチャンスの可能性を大いに秘めていると思いますが、現在の県内の米粉生産能力はどれだけあるのか、また、販売拡大への取組状況について伺います。 二点目、昨年、IWC、インターナショナルワインチャレンジ日本酒部門において、出品四百六十二社の中から、大崎市三本木に本社を構える株式会社新澤醸造店の名酒愛宕の松が、総合評価一位を獲得いたしました。十二月には祝賀会も開催され、来賓として遠藤副知事にも御臨席いただきました。実行委員会の一人として、改めて感謝を申し上げます。喜んでいただけたでしょうか。横浜税関が令和四年の日本酒の輸出量が三万五千八百九十五キロリットルに上ったと発表し、過去最高を更新したと発表されました。海外での和食ブームが好調であり、レストラン等の営業再開で需要が戻ったことが要因であるということですが、政府は伝統的酒づくりについて、ユネスコ国連教育科学文化機関の無形文化遺産登録への申請を決定し、二〇二四年のユネスコ政府間委員会で審査される見通しであると報道されています。言うまでもなく酒の原料は米であり、需要と供給が高まっているものと考えます。みやぎ米を日本酒として磨き上げ、更なる輸出拡大をしていくときと考えますが、このチャンスに全国の酒蔵が動いていくわけですから、米どころ、酒どころの宮城県が遅れを取ってはなりません。県としての取組状況と意気込みについて伺い、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 佐々木賢司議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、精神医療センターの移転合築についての御質問にお答えいたします。 初めに、精神医療センターの移転に関する懸念の声への対応についてのお尋ねにお答えいたします。 県立精神医療センターの移転に関して懸念されている課題の一つとして、県南部における精神科医療体制が手薄になることが挙げられております。私は、名取市に整備を予定しております新病院に、精神科外来機能の整備を日本赤十字社に提案し、先週取り交わした確認書で協議を進めることとしたところであります。これまで名取市を中心とした県南部では、精神医療センターが核となって、精神病患者の方々の入院や地域生活が支えられてきたという事情は認識しておりますが、外来機能を含め、こうした方々をサポートする体制づくりについて、関係者の御意見を伺いながら対応してまいりたいと考えております。 次に、精神医療センター移転後の通院に対する不安への対応についての御質問にお答えいたします。 現在、県立精神医療センターに通院されている患者や家族の皆様から、富谷市に移転した場合の通院に対する不安の声があることは承知しております。このことは、労働者健康安全機構との協議の中でも対応すべき事項として挙げられていたことから、県としても富谷市に働きかけており、富谷市では、新病院開設を前提に、患者、家族、職員などのため、泉中央駅からのシャトルバスの運行を検討しております。なお、現在県南部にお住まいの患者の方々が、できる限り住み慣れた地域で生活できるよう、名取市の新病院に精神科外来機能を整備する方向性を、今月二十日の確認書に位置づけました。生活のサポートのためには、ほかにも種々の体制確保が必要と考えておりますので、関係者の御意見を伺いながら検討してまいります。 次に、大綱三点目、分煙施設の整備推進についての御質問のうち、喫煙所整備の必要性についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、県民の健康を第一に考え、みやぎ21健康プランにおいて「めざせ!受動喫煙ゼロ」を重点目標に掲げ、取組を進めております。一方で、喫煙をされる方もいらっしゃることから、受動喫煙の健康影響についての理解を深めていただくとともに、非喫煙者に配慮しながら喫煙できる環境をつくることは重要であると認識しております。県といたしましては、喫煙者と非喫煙者双方の健康のため、正しい知識の普及と環境づくりなどに引き続き取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、みやぎ米の振興策についての御質問にお答えいたします。 初めに、米粉についてのお尋ねにお答えいたします。 米粉は、小麦代替として需要の拡大が見込まれており、米の消費拡大にもつながるものと期待が高まっております。県内の米粉用米の生産につきましては、国の交付金の対象となる取組として、昨年産で百五十五ヘクタールが作付され、生産量は推計で約八百三十トンとなっております。一方で、米粉への加工につきましては、県内の加工能力の制約から、県外の製粉事業者で行われる割合が高いものと承知しております。米粉製品の販路拡大につきましては、県産米粉を原料とした食品を学校給食に提供し、児童生徒等の喫食機会の創出と理解醸成に取り組んでいるほか、県産ササニシキの米粉を活用したスナック菓子の販売に向けて、市場調査やパッケージデザイン開発等への補助など、米粉の利用を計画している事業者への支援を行っております。県としては、引き続き、関係団体や食品事業者等と連携し、需要の創出や販路の確保を図りながら、米粉用米の生産拡大に取り組んでまいります。 次に、みやぎ米を用いた日本酒の更なる輸出拡大についての御質問にお答えいたします。 日本酒の輸出量が増加する中、県内産の日本酒が国際品評会で高い評価を得るなど、国際市場における我が県日本酒のポテンシャルが高まってきているものと認識しております。県では、宮城県農林水産物・食品輸出促進戦略において、日本酒を輸出基幹品目に位置づけ、海外での発信力が高い欧州市場をはじめ北米や韓国などに対して、蔵元との連携による輸出促進プロモーションを展開しております。昨年十一月には、イタリアの輸入事業者やソムリエ協会と連携し、米・磨き・酵母の違いによる、香りや味の特徴などを細かく紹介しながら、商談会を行ったところ、みやぎ米を原料とする五つの銘柄の新規成約が実現いたしました。更に今月には、イタリアでの商談会に参加したバイヤーが来県し、蔵元の視察や商談を行い、新たな成約につながりました。近年、みやぎ米を積極的に活用する蔵元が増えてきており、今後も、県内産の米を用いた質の高い日本酒のブランド化を進めるとともに、一層の輸出拡大を支援してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、精神医療センターの移転合築についての御質問のうち、宮城県精神神経科診療所協会からの公開質問に関する県の受け止めと、今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 公開質問についての県からの回答に対し、昨年十二月に診療所協会からいただいた見解の内容としては、県南部において県立精神医療センターが担ってきた機能である精神科デイケアや訪問看護などの外来機能など七項目について、精神医療センター移転後にどのように確保していくのかを具体的に検討する協議の場が必要とのことでした。この御指摘は、移転した場合の県南部の体制づくりにおいて検討すべき項目であると受け止めております。今月八日の県精神保健福祉審議会の場でも、関係者の意見をよく聞いて検討すべきとの御指摘をいただいており、県としましては、関係する方々の御意見を伺いながら検討を進めてまいります。 次に、運営主体が異なる病院同士の連携についての御質問にお答えいたします。 県では、精神科病院と一般病院の合築により、懸案であった身体合併症患者への対応の課題を解決したいと考えておりますが、先月、具体的なモデルの一つであります岩手県立南光病院及び磐井病院を、私も含め保健福祉部職員が視察してまいりました。両病院では、医師の間でカルテが共有されており、精神病患者が身体症状を発症したときや、総合病院の患者に精神病の薬が必要となった場合などに、お互いの医師が往診することで対応できております。今後は、救急受入れの際の身体症状への対応を優先すべき場合の具体的な手順や、入院中の精神科患者の身体症状に関する往診などの病院間のルールづくりなどについて、県立精神医療センターや東北労災病院も交えて検討を進め、合築のメリットを具体的に発揮できるよう取り組んでまいります。 次に、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築における精神医療センターの役割についての御質問にお答えいたします。 精神障害を持つ方々が地域で安心して自分らしく暮らすためには、医療、保健、福祉などの各機能が連携した、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを県内全域で構築していく必要があるものと認識しております。これは、日常生活圏域を基本として、医療、障害福祉・介護、住まい、就労などが包括的に確保された体制を目指すものであります。県立病院である精神医療センターは、各地域の民間の病院と連携しながら、必要な医療を提供するほか、担い手となる人材を育成する研修の実施などの役割が求められるものと考えております。 次に、大綱三点目、分煙施設の整備推進についての御質問のうち、受動喫煙防止の推進に関する具体的な対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、平成二十六年に作成した受動喫煙防止ガイドラインで、多数の人が利用する公共の場所等において望まない受動喫煙が生じないよう、行政が対策を推進することとしております。具体的な対策としては、飲食店向けに受動喫煙対策リーフレットを配布するとともに、保健所において事業者向けに受動喫煙を防止するための方法について、相談・指導を行っているところです。また、県政だよりやラジオ広報などで、たばこが健康に及ぼす影響についての普及啓発を行っているほか、受動喫煙防止宣言施設登録制度により、商店や飲食店などの自主的な取組を推進しております。その結果、自ら対策を講じている施設数が毎年増加するなど、受動喫煙防止の取組は着実に広がっております。県としましては、今後も望まない受動喫煙を防止するための各種取組を進めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱四点目、県有地及び施設等の利活用についての御質問のうち、統合後の大崎高等技術専門校の活用策についてのお尋ねにお答えいたします。 各高等技術専門校の再編後の活用策については、地元自治体と協議を行いながら検討を進めていくことが非常に重要であると考えております。県では、他県の施設再編後の活用事例等について調査を行っているほか、各高等技術専門校が所在する自治体などと跡地の利活用も含め、再編について情報共有や意見交換を行っております。大崎高等技術専門校については、引き続き大崎市と積極的に意見交換を重ねながら、再編後の施設や敷地の活用策について検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱四点目、県有地及び施設等の利活用についての御質問のうち、広域防災拠点も含めた三本木県有地の利活用についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、東日本大震災の教訓を踏まえ、傷病者の域外搬送拠点の機能の充実強化、広域支援部隊の一時集結場所やベースキャンプ用地の確保、物資輸送中継拠点となる広域防災拠点を整備することとし、三本木県有地を含め、複数の候補地を比較した結果、県内唯一の基幹災害拠点病院に近接するなど、圧倒的に地理的優位性が高い宮城野原地区を選定したものです。三本木県有地の利活用については、東北地方における国土づくりの方向性を示した東北圏広域地方計画を踏まえ、当地区に中核的広域防災拠点を整備するよう、国に対して継続的に要望してきたところです。現在、国では、次期東北圏広域地方計画の策定に向けて作業を進めていることから、県といたしましては、中核的広域防災拠点の役割や必要性等について本計画に位置づけていただくよう国に働きかけていくとともに、引き続き三本木県有地への整備について強く求めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱二点目、県立高校の学級編制と新設校についての御質問のうち、公立高等学校入学者選抜に係る第一次募集の出願状況についてのお尋ねにお答えいたします。 公立高校入試の地区ごとの平均出願倍率は、仙台市を含む中部地区が一倍を超える一方、それ以外の地区では一倍を割っている状況となっております。地区を越えた出願者の割合については、ここ数年大きな変動は見られず、中学校卒業者数が急激に減少していることによるものと捉えており、少子化を強く実感しております。今後、更なる少子高齢化が進む中、地域の将来を支える人を育成していくことは、引き続き最重要課題であり、地域産業界や地元自治体の応援を受けながら、地域の課題解決や魅力発信に取り組むなど、今後も地域と連携した魅力ある高校づくりを一層推進していく必要があると考えております。 次に、県立高校の学級編制についての御質問にお答えいたします。 公立高等学校の一学級の生徒数は、法律により四十人が標準とされており、県教育委員会では、これに基づき一学級の生徒数を定めているところです。少子化により定員割れが起きている状況にあって、収容定員を減じていく必要があり、現在、第三期県立高校将来構想の考え方に基づき、主に学級減の手法を取っております。御指摘のありました県独自に学級編制を少人数として収容定員を減じた場合、人件費の負担や教職員の確保などの課題があり、国の支援は必要不可欠なものと認識しております。県教育委員会としましては、国における少人数学級に関する議論の動向も見据え、必要な要望を行うとともに、少子化が進む中での各県立高校の在り方については、地域における学校の役割や特性を考慮しながら、地域の実情を踏まえ、更に検討してまいりたいと考えております。 次に、職業教育拠点校の魅力発信についての御質問にお答えいたします。 職業教育拠点校では、各学科の専門性を基盤とした複合的な学びを通して、地域産業を支える人の育成に取り組んでおり、こうした学校の魅力について広く発信していくことが重要と認識しております。四月に開校予定の大河原産業高校においては、県内初となる企画デザイン科の設置のほか、学科間連携などにも取り組むこととしており、パンフレットの配布やオープンキャンパスなどの機会を活用し、周知を図ってきたところです。また、令和九年度に開校予定の大崎地区東部ブロック職業教育拠点校においては、世界農業遺産に認定された大崎地域の特性を生かし、食をテーマとした幅広い学びを提供することとしており、今後、企業や関係団体参加の地域パートナーシップ会議での協議も踏まえ、学校の特色や魅力を磨き上げ、広く中学生や保護者、地域に発信してまいります。 次に、大崎地区東部ブロック職業教育拠点校の通学手段の確保についての御質問にお答えいたします。 鹿島台駅から拠点校までの通学手段につきましては、徒歩約二十分の道のりであり、徒歩のほかに自転車や市民バスの利用が想定されております。地元から通学の利便性向上が必要との声をいただいており、そのためにどのような対応ができるのか、現在、大崎市の意見を伺いながら検討しているところです。御提案のありましたコミュニティーサイクルについては、通学・通勤の利便性向上や環境負荷の軽減などの効果があるものと認識しておりますが、地域住民も含めたニーズや導入手法などについて、大崎市とともに検討していく必要があるものと考えます。魅力ある学校づくりのためには、生徒にとって通いやすい環境を整備することも大変重要であり、御提案を含め、様々な手法について引き続き検討してまいります。 次に、大綱四点目、県有地及び施設等の利活用についての御質問のうち、統合後の松山高校及び南郷高校の校舎と敷地の利活用策についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、統合対象校の教員等で構成される準備委員会を設置し、拠点校における教育内容について検討を行っているところであり、統合対象校の施設や設備の一部を引き続き活用する可能性もあることから、まずは令和五年度内に教育課程の原案を作成したいと考えております。校舎・敷地の利活用については、地域にとっても関心の高い事項であると認識しており、拠点校の学びに必要な施設や設備が決定した段階で、地元市町の意向を十分にお聞きしながら、幅広く検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
    ○議長(菊地恵一君) 三十五番佐々木賢司君。 ◆三十五番(佐々木賢司君) 思いのほか残り時間が少なくなってしまいまして、本当は三分だったんですが……。実は、今回この精神医療センターの質問をするということで新聞に出たわけですけど、それを御覧になった協会の方々から、いろいろ御意見をいただいています。しっかりと協議の場に着いて、いい面、悪い面も含めてしっかりと協議されているのかなというのが正直な感想でした。送っていただいた資料なんかを見ると。ですから、まだまだ、簡単に言うと、説明が足りないのかなと。コミュニケーション不足も当然あるんだろうし、思いもあるでしょうし、この辺の取組をもっと、説明の機会を増やすというんでしょうか、密にしていきながら、やはり御理解をいただくということが何より大事だと思うんですが、その辺の状況、また、今後の取組、改めてちょっとお聞きしたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然ここに至るまで、庁内で、もっと地元の皆さんと話し合って、あるいは関係者の皆さんと十分話し合って積み上げていくという手法に対しても、いろいろ議論はさせていただいたんですけれども、やはりこれに、大きな仙台医療圏という問題であるということ、それから総合病院と一緒になってというような提言も、在り方検討会から出てきたというようなことがありまして、まずはその組合せをどうするんだと。そして、その組合せの中で出てきた病院といろいろ詰めていく中で、ある程度方針が出ない限りは、意見を聞いても賛成・反対をどう取り込んでいいのかということもなかなか出てこないので、まず大きな方針が決まってからということで、ここまで地元に入ってあまり細かいことはできなかったんですけれども、この間、確認書が出まして、一定の方向性が両病院からも示されたということで、これからはこれを一つのたたき台にして、いろいろ御意見を頂くことができるようになりました。それではどうするのかということで、ある程度の方たちに集まっていただいて、中心的に話し合っていただくというのも一つの方法なんですが、それでは患者の方たちの隅々の声というのはなかなか聞けないということもあり、できるだけ我々のほうから出ていって、いろいろなところに出ていってお話を聞いていこうじゃないかと、方針をこの間示しました。議会がありますので、今は身動きできませんけれども、議会が終わりまして年度が変わりましたら、なるべく早い段階から、いろいろなところに行って、お声を聞くような形にしていきたいなと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 三十五番佐々木賢司君。 ◆三十五番(佐々木賢司君) 時間がかかるだろうなと思うんですけれども、やはり一番は患者さんのためにすることでありますので、患者さんの目線に合わせた取組といいますか、進め方をぜひやっていただきたいと思います。 教育長に伺います。これまでも学級減で対応してきたということでありますが、学級減をすることによって学科が減るという、全て普通科になってしまうとか、そういうのも過去にはあったわけです。なので、法律で定められているとはいうものの、更に国のほうには要望していかなければいけないのではないかなと。結構近々の問題であって、そんなに余裕のあるものではないのではないかと思うんですが、国のほうではそういうことに対して、どういう反応を示しているか、お答えいただければと思います。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 専門高校あるいは専門学科を持つ学校につきましては、学級減をしていく中で、例えば複数学級があればそれを減らしていくということもありますが、そこでまた定員を減らしていこうとすると、いろいろ複合的に学べるようなそういうクラスをつくるとか、あるいはコース制にするとか、いろいろと工夫しながらできる限りその地域で子供たちが学びたいというものが少人数であっても学べるにはどうしたらいいかというのを検討しているところでございます。今後、人口というか、本当に少子化がどんどん進んでいく中で、地域で子供たちが、自分たちが学びたいというものを学べるような形というのを、これからもしっかり検討していかなければいけないと思います。国に対してということでございますが、学びの中身の話というのは随分示されているんですが、その学級をどうしていくか、特に高校については小学校・中学校とちょっと違って、やはり専門高校などもあるので、クラスというよりは学科としてどう学んでいくのかというところに焦点が当てられますので、国に対しても、言ってみれば、やはり一番大きい人件費のところについてしっかりとした支援をしていただきたいということについては、引き続き要望してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 三十五番佐々木賢司君。 ◆三十五番(佐々木賢司君) そういった意味では、教育長にはもう少し長く、教育長として頑張っていただきたいという思いがありました。大変残念であります。そういった思いを、これまで、そしてこれからの宮城の教育行政についての思いを一言いただければと思います。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) まずは、昨年再任について御同意をいただいたにもかかわらず、任期途中で退任を申し出ることになりまして、大変申し訳ないなと思っております。四年間で教育長として本当に何ができるのかなということで、最初は非常に不安もあったんですが、これまで私がやってきた経験が生かせればと思って、特に非常につらい思いをしている子供たちに何ができるのかというところを中心に、大川小学校の最高裁の判決などもありまして、子供たちの命を守っていくにはどうしたらいいのかというところ、それから、やはり必要な教育に対しての予算についてはしっかり確保したいなという思いを持ちながらやってまいりました。教育について区切りというのはなくて、ずっと子供たちのために取り組んでいくということが大事で、不易流行といいますけれども、変わらないところと、社会が変わっていく中で変えるところというのをしっかり見極めながらやっていくというのは大変必要なんだろうなと思っています。何がよかったかと言えば、子供たちがとても楽しく学校で生活したり、学んだりする姿を見ているというのが、すごく私にとってもいい時間だったなと思っております。まだしばらくありますので、今後の子供たちのために頑張ってまいりたいと思います。本当にありがとうございます。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。    〔二十六番 境 恒春君登壇〕 ◆二十六番(境恒春君) みやぎ県民の声の境恒春でございます。質問に先立ちまして、二月六日、トルコ南部を震源に発生したトルコ・シリア地震によりお亡くなりになられた皆様に、謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い、大綱三点について質問をさせていただきます。 大綱一点、本県経済について伺います。 日本経済が低迷しております。日本経済は過去三十年間、ほぼゼロ成長が続き、海外との格差は拡大し、賃金も上昇しない中、同期間、諸外国は経済規模を一・五倍から二倍に拡大させております。現状進んでいる円安は、日本とアメリカの金融政策の違いを反映した結果と取れますが、日本の国力が低下していることは否めません。先日の報道によると、アメリカ、中国に次ぎ世界第三位の日本のGDPが、経済の長期停滞などを受け、近い将来ドイツに抜かれ、四位に転落する可能性が出てきたとのことでした。IMFの経済見通しでは、二〇二二年の名目GDP予測値は、日本の四兆三千六億ドルに対し、四位のドイツは四兆三百十一億ドルで、ドイツとの差は僅か六・七%。IMFの予測では、二〇二三年から二〇二七年の五年間は辛うじて逆転を免れるものの、二〇二三年時点の予測値で、その差は約六%に縮小します。もしも、今年の平均のドル円レートが年間平均で六%以上の円安になれば、今年中に日本とドイツは逆転することになります。お互いの人口を比較すると、日本の約一億二千万人に対し、ドイツは八千万人です。十四億人を超える中国に抜かれたことは理解できるところはありますが、なぜドイツに追いつかれ、抜かれようとしているのか。専門家は、円安の進行や名目GDPを引き上げる物価上昇率の格差によるものと指摘しております。日本銀行が二〇一三年に導入した異次元の金融緩和による円安は、輸出企業の業績を押し上げましたが、ドルベースでは日本の経済規模を縮小させ、低成長、低所得、低物価、低金利を定着させました。一方でドイツは、物価上昇率が二〇二二年平均で八・七%とインフレ傾向が強い上、時間当たりの労働生産性は日本より六割も大きく、その力で急速に追いついてきたと考えられます。状況の打開には、今後、政府として、企業の労働生産性や国際競争力を高める政策の強化が必要です。昨年十一月、東京都内にて、宮城県出身の経済評論家、加谷珪一氏と対談する機会がありました。加谷氏は、東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事し、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務めております。加谷氏によれば、「戦後の高度成長は、日本人の努力の結果であり、必然だったというのが日本社会では常識となっている。日本人が必死に努力したのは事実であり、それを否定するつもりはないが、必死に努力しているのは、諸外国の人たちも同じであり、自国民だけが努力して成果を上げているという発想は、相手国の脅威を軽視する結果を招きやすい。各国がしのぎを削る国際競争の中で、日本だけが突出した成長を実現できたのは偶然によってもたらされたものであり、それは朝鮮特需による大量のドル獲得である。日本は太平洋戦争の敗北で全てを失い、外貨はほぼゼロの状態で戦後経済をスタートさせた。製品の製造に不可欠となる原材料はもちろん、日々の生活に必要な物資の輸入にも事欠く状態であり、本来であれば、高い金利で外国からドルを借り入れて、ものづくりをスタートしなければならない。ところが一九五〇年の朝鮮戦争の勃発によって、アメリカから莫大な注文が入り日本企業は特需に沸いた。一九五一年の名目GDPはプラス三八%という驚異的な数字であり、一連の取引によって、当時の経済水準としては破格の金額のドルを獲得できた経緯があり、朝鮮戦争がなければ、輸出で得たドルの多くは利払いに消え、国内消費の拡大は実現できなかった可能性が高い。一九九〇年代以降のゼロ成長は必然であって、日本経済は海外の需要が継続的に拡大する中、中国国内における内戦勃発による国内経済のもたつきと朝鮮特需などによる様々な偶然が重なり、日本は経済成長を成し遂げることができた。」とおっしゃっておりました。この間、世界情勢は大きく変化し、これまでの輸出主導型の日本経済は大きく遅れを取りました。主たる要因は、世界的なIT化の波に乗れず、パラダイムシフトを見誤ったことではないかと推察されます。日本は既に輸出ではなく、消費や投資で経済を回す消費主導型経済にシフトしているのに、経済構造は輸出主導型のまま変わっていないように感じます。日本企業の賃金は圧倒的に製造業が高く、経済の主役であるサービス業の賃金は低く抑えられたままです。賃金が上昇しなければ、消費は動きません。このような状況で円安が進んでおり、輸入価格上昇で更に購買力は低下するという悪循環に陥っているのが現状ではないかと捉えます。知事は、日本経済の現状と課題をどのように捉えているのか。また、日本が将来にわたって経済成長を維持するための構造改革の必要性と将来展望についてもお伺いいたします。 知事は、来年度の予算編成の基本的な考え方において、新・宮城の将来ビジョンがスタートして三年目を迎える令和五年度は、本格的な人口減少局面を迎える中、地域経済・社会の持続性の確保及び宮城の将来像の実現に向けて、富県躍進を志向する取組の推進、富県躍進を更に進め、若者の県内定着、そして子供・子育てを社会全体で支える環境整備等を重点的に予算化したとおっしゃっておりました。経済成長しているうちは広域に分散していても問題ありませんが、経済が縮小している現在において、広域展開は維持できないと考えます。本県や県内市町村の地域経済の持続性の確保、人口減少対策として、仙台都市圏と市町村をDXでつなぎ、自動運転や遠隔医療などを活用し、子供から高齢者まで安心して暮らしていけるための行政・市民サービスの維持と充実を図るとともに、日本全体が人口減少社会を迎えている中で、各自治体が移住・定住策に躍起になり、減少していく人口のパイの奪い合いに力や予算を注ぐのではなく、地域と関わる人を増やしていく、いわゆる関係人口の活用や交流人口の拡大に視点を置いた政策を推進することによって、将来的に都市部も郊外も持続可能な社会が構築されるのではないかと考えますが、知事の御所見を伺います。 先月開会した通常国会冒頭の施政方針演説の中で、岸田総理は新しい資本主義について、このように述べておられました。「世界のリーダーと対話を重ねる中で、多くの国が、新たな経済モデルを模索していることを強く感じた。それは、権威主義的国家からの挑戦に直面する中で、市場に任せるだけではなく、官と民が連携し、国家間の競争に勝ち抜くための経済モデルです。それは、労働コストや生産コストの安さのみを求めるのではなく、重要物資や重要技術を守り、強靱なサプライチェーンを維持する経済モデルです。そして、それは、気候変動問題や格差など、これまでの経済システムが生み出した負の側面である、様々な社会課題を乗り越えるための経済モデルです。私が進める新しい資本主義は、この世界共通の問題意識に基づくものであり、官民が連携し、社会課題を成長のエンジンへと転換し、社会課題の解決と経済成長を同時に実現する。持続可能で、包摂的な経済社会をつくり上げていく。」とのことでした。岸田総理は、官民連携による経済成長を強調しておりましたが、「経済成長は政府の経済政策によって決定されるという無意識的な前提条件が存在し、政府が経済の行く末を決定するという無意識的な感覚が客観的な分析を邪魔し、経済成長を妨げているのではないか」と加谷氏はおっしゃっておりました。政府の経済政策は、経済に対して側面支援する効果はありますが、国の経済水準が政府の経済政策によって決定されるということはあり得ません。経済水準を決めるのは、政府ではなく民間の経済活動であるというのは、自由主義経済の中では明白です。政府の支出は相対的に規模が大きく、政府は国家権力を使って市場に介入できる立場であるために影響力があるのは事実ですが、経済とは、あくまで民間の活動が主体であり、政府はそれを補う存在でなければ経済成長は見込めません。また、対談では、日本経済の長期的な不景気によって国民が過度に政府に期待し、経済成長できないのは政府の責任であることが定着しているとすれば、日本は抜け出せない負のスパイラルに陥っているのではないかとの議論にもなりましたが、岸田総理が進める新しい資本主義に対する知事の所感、及び政府の経済政策と民間の経済活動の在り方について、お伺いいたします。 知事は、就任以降、トヨタ関連の企業誘致などにより、製造業・ものづくり産業を柱に掲げ、富県戦略の数値目標である県内総生産十兆円を二〇一八年度に達成しました。しかし、令和二年度の県内総生産速報値は、名目で九兆四千七百六十八億円、対前年度比において三・六%の減、実質で九兆二千二百五十五億円、対前年度比で四・九%減と、ともに二年連続のマイナス成長となりました。また、令和二年度の県民所得は六兆二千八百二十五億円で、対前年度比七・七%減となり、三年連続の減少。県民所得を総人口で除した一人当たり県民所得は約二百七十二万円で、対前年度比で七・三%減となり、同じく三年連続の減少となっております。名目・実質ともに二年連続マイナス成長の経済成長率、三年連続となる県民所得の減少を、知事はどのように分析されているのか伺います。 また、今の日本及び我が県の経済政策に必要なのは、高付加価値製品の開発を促進する産業政策であり、高付加価値製品の輸出を促進する一方で、国内や県内の消費市場を有効活用できるよう産業構造の転換も同時に進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 大綱二点、DXの推進について伺います。 県が示した来年度の一般会計当初予算案一兆七百九十二億円のうち、知事が力を入れるDX関連では、デジタル技術を活用した生産性向上等に取り組む中小企業に対する支援として二億二千六百万円を計上するなど、総額三十四億六千万円を計上しました。あらゆる分野でのICT等デジタル技術のフル活用に向け、社会や生活のこれまでの在り方を変容するDXへの投資に予算を配置したことに、私も大きな期待を抱いております。二月七日の定例記者会見にて、知事は新年度の当初予算について「ポスト・コロナを見据えた、みやぎ交循環予算」とネーミングされました。その心は、新型コロナもだんだん終息に向かってきたので、活発に交流できる年にしていきたい、また、DXを更に進めたいという思いも込めて、こういうネーミングにしたとのことでありました。交わるという意味で「交」という漢字にしたとのことですが、DXの推進にこの「交」がどのように新年度予算に関わっているのか、具体的にお示しください。 知事は、昨年、石巻市内で開催された懇談会での講演において、人口減少によって今後自治体の税収が減る見通しを説明した後、「県民サービスを今以上によくするために必要なのがDXであり、効率化で浮いた予算は社会保障などに充てられる」、こうおっしゃっておりました。知事は、DXの推進によって本県をどのように変革させたいのか、目指す将来像とその行程について伺います。 また、効率化で浮いた予算について、どのような形で社会保障分野に充当していくのか、そのビジョンも併せてお示しください。 人口減少や少子高齢化社会において、地域が持続的に成長及び発展していくためには、デジタル技術を活用することで労働力不足を補い、生産性を確保していくことが重要と捉えております。そのためには、デジタル技術を利活用する情報サービス産業をはじめとした県内事業者等の振興や、各産業分野における知見の蓄積、利活用できる場面の提供に対する支援、デジタル人材や産業の育成を図っていかなければなりません。県として、県内産業やなりわいをどのように支援し、県内産業の生産性の向上やイノベーションの推進につなげていくのか伺います。 従業員の高齢化に伴う担い手不足、そして人口減少に伴う地域経済の縮小などの課題に対応するため、DXやデジタル化を推進し、生産性の向上や新たな価値の創造を目指す中小企業や小規模事業者を支援していかなければなりません。昨年八月に県が取りまとめたアンケート結果によると、デジタル化の取組は、約七割の事業者で進んでおらず、規模の小さい事業者ほど進んでいない状況にあります。その中でも、予算やコスト面を課題とした事業者が最も多いようです。県は、デジタル化やDXの意識醸成を図るため、中小企業等の経営者や担当者向けにデジタル技術活用に関するセミナーや、アドバイザーの派遣及びデジタル技術導入経費の補助を実施し、県内中小企業等に伴走型の支援を行っておりますが、経営資源が潤沢ではない中小企業や小規模事業者にとって、デジタル化は簡単に導入できる投資ではなく、そのような状況下でデジタル化を進めるには、経営者が自身の会社の業務の中で解決したい課題を的確に把握することが重要です。大部分の企業が中小企業である本県において、この現状をどのように捉え、デジタル化を推進していくのか伺います。 昨年十月、日本総合研究所が発表した都道府県別自治体DXの進展状況及び取組状況における偏差値によると、宮城県の全国順位は、残念ながら三十五位でした。一位は神奈川県、二位は東京都、三位は愛知県で、首都圏並びに東海の大都市圏の取組が進んでいるようです。一方で、都道府県で差が生じる要因としては、町村の占める割合が高い県ほど遅れている可能性が確認されました。町村は、人員や財源に制約があるため、通常の業務と並行してのDXの推進体制の整備や手続のオンライン化、そのほかの国の施策などを実施・推進することが困難と考えられます。本来であれば、こうした地域こそデジタル化を進め、行政職員の負担の軽減、そして住民の行政サービスへのアクセスの向上を図らなければなりません。また、インターネット利用者の割合が高い都道府県ほど、DXの取組が進んでいる可能性が推察されました。行政手続などのデジタル化を進めた場合にも、地域住民がインターネットやスマホを利用できない状況であれば、オンライン化の実施率は高くとも利用率が低いことになりかねません。加えて、総合的な偏差値を見ると、福井県、富山県、大分県、岐阜県など比較的小規模な自治体がトップテン入りしていることも大変興味深いところです。知事は、日本総研から示された全国三十五位という順位をどのように捉え、どう分析しているのか伺います。 最後に、本県におけるデジタル関連企業の誘致状況について伺います。 広島県では、二〇一六年からイノベーション立県を掲げ、デジタル系企業の誘致を積極的に進めております。デジタル関連企業の誘致に対する、これまでの県の取組と知事の所見を伺います。 大綱三点、気仙沼市と南三陸町の諸課題について伺います。 県は、気仙沼市魚市場南側に新たな岸壁を整備するため、詳細設計等を行う経費として新年度予算に約一億円を計上しました。水深は七・五メートルで、現在の魚市場岸壁よりも一・五メートル深くなり、水深が浅いために、これまで着岸できなかった大型のまき網船なども入港できるようになるため、慢性的な岸壁不足の緩和や水揚げ増につながるとして、地元関係者の期待が高まっております。新たな岸壁は、魚市場南側岸壁と商工岸壁をつなぐ形で整備し、延長は三百三十四メートル。魚市場寄りの七十五メートルは既存岸壁を更に掘り下げる形で再整備し、残りの箇所は人工地盤を構築して荷揚げ場などを設置するとのことですが、上屋の設置及び背後地の利用については、具体にどのような計画を立てて進めていくのか、お伺いいたします。 また、総事業費は四十二億円を見込み、通常事業として実施されるとのことですが、来年度以降の工事着手のスケジュール及び完成までの見通しについて伺います。 先日、地元住民や県漁協唐桑支所からの要望を受け、気仙沼市唐桑町にある鮪立漁港の現地調査をいたしました。鮪立漁港は、内湾の静かな岸壁で、メバル、アイナメ、カレイ等の魚種のほか、夜間にはアナゴやイカも釣れ、コロナ禍による釣りブームも後押しし、多くの釣り人が訪れる釣りスポットとして人気の漁港となっております。しかし、同漁港の釣りスポットには、転落防止の車止めや救命浮環もなく、照明灯も不十分であるため、釣り人などが海に転落する事故が多発しており、数年前には死亡事故も発生しております。また、釣り人などが海に転落したときに救助するためのはしごを確認したところ、びっしりと貝殻が付着し、使用できる状態ではありませんでした。多くの釣り人が訪れる鮪立漁港の安全と安心を守るために、早急な対策を求めますが、県としての御所見を伺います。 主要地方道気仙沼唐桑線化粧坂道路の暫定工事が完了し、今月十七日開通式が行われ、同日より一部供用開始となりました。当日、早朝より開催された開通式には、お忙しい中、遠藤副知事にもお越しいただき、感謝を申し上げます。当該区間は、市の中心市街地に位置し、非常に交通量が多いのですが、地形に沿った急勾配・急カーブ、幅員が狭く、道路沿いには家屋が連続し、大型車のすれ違いなども大変困難でありました。また、私の母校でもある気仙沼小学校や気仙沼中学校、気仙沼高校の通学路でもあり、安全面からも、地域住民からは、長年、早期の事業着手を求められていた箇所でもあります。加えて、当該区間は、気仙沼市松崎馬場の国道四十五号との交差点から、中心市街地を経由し、同市唐桑町崎浜に至る幹線道路であり、第一次緊急輸送道路として防災上重要な役割を果たす路線でもあります。このことから、県は国土強靱化予算等を活用し、平成二十六年度から整備を進め、本町橋北側から三日町・新町交差点までの四百六十メートルを直線で結ぶ工事のうち、本町橋からパークハイツサイチ付近までの延長三百二十メートルのバイパス区間の暫定整備完了により、一部供用開始となりました。今回の供用により、市街地間の円滑な移動などの利便性や、緊急輸送道路としての機能性の向上をはじめ、通学路としての安全性の確保などが期待されますが、今後、残る百四十メートル区間における発注及び工事着手のスケジュール、全体完了の見通しについて伺います。 昨年九月定例会の私の一般質問にて、福祉避難所の在り方における県と市町の連携についてただしました。県が昨年五月に公表した津波浸水想定を踏まえて、気仙沼市では地域防災計画や浸水ハザードマップの見直しが進められており、それに併せて、福祉避難所の在り方についても検討されております。市の福祉避難所の数は、現在、四か所の市施設のほか、高齢者施設など二十八か所の合計三十二か所ですが、県が示した新たな想定により、避難が必要となる要配慮者の数と併せて再度検討されるとの答弁でしたが、気仙沼市において、要支援者全てが避難できる分の福祉避難所の確保は可能なのか、その後の市との協議状況を伺います。 また、南三陸町には福祉避難所が二か所ありますが、現状の避難所の数や人員配置には課題があるため、緊急時を想定した体制整備が重要であることを併せて申し上げました。町では緊急時の体制などに懸念があるので、県としても医療機関との十分な連携について助言していくとともに、災害時には市町村からの要請による災害派遣福祉チームなどで、避難者の相談等の支援を行うとの答弁でした。東日本大震災では、高齢者や障害者、難病患者などの災害弱者に被害が集中した現状があります。その後、町との協議において進展はあったのか伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 境恒春議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、本県経済についての御質問にお答えいたします。 初めに、我が国の経済の現状や将来への展望についてのお尋ねにお答えいたします。 我が国の経済については、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しつつある一方で、エネルギーや食料価格が高騰し、欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退が懸念されるなど、依然として厳しい状況が続いております。国では、こうした景気の下振れリスクに先手を打ち、民需主導の持続的な成長を図るため、物価高・円安への対応、構造的な賃上げ、成長のための投資と改革を重点分野とする総合経済対策を進めており、今後、日本の経済構造の強靱化が図られるものと期待しているところであります。県といたしましても、国と連携しながら、足腰の強い経済基盤の構築に向けて様々な施策を動員し、将来にわたって安心して暮らせる宮城の実現を目指してしっかり取り組んでまいります。 次に、持続可能な社会の構築に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 今後、人口減少が本格化する中で、我が県が持続的に発展していくためには、イノベーションの創出が必要であり、移住・定住の促進はもとより、関係人口・交流人口の拡大による地域の活性化なども必要であると認識しております。このため、引き続き、DXによる変革みやぎに向けて、あらゆる分野でデジタル技術をフル活用しながら県民サービスの向上等を図るとともに、来年度は、関係人口・交流人口の拡大に向けて、農山漁村等における大学生との交流や、新たな観光ニーズを踏まえた地域資源の発掘・磨き上げ等にも力を入れることとしております。 次に、国が進める新しい資本主義への所感についての御質問にお答えいたします。 新しい資本主義につきましては、国において、令和三年十月から本格的な議論が始まり、昨年六月に示されたグランドデザインでは、人や科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX及びDXの四分野に投資を重点化することとされております。我が県においても、新・宮城の将来ビジョンにおける政策推進の横断的視点として、人づくりやイノベーションを掲げるとともに、DXの推進やスタートアップ支援の強化を図っているところであり、国との緊密な連携によって、より効果的な取組を進めていきたいと考えております。また、国の経済政策と民間の経済活動の在り方につきましては、私としては、民の力を最大限に生かし、衆知を集めながら、持続的な成長の基礎をつくるという視点が重要であると考えております。 次に、大綱二点目、DXの推進についての御質問にお答えいたします。 初めに、交わる「交」という字とDX推進との関連についてのお尋ねにお答えいたします。 DXのXには、交わる、あるいは掛け合わせるという意味が含まれており、各分野が抱える現場の課題とデジタル技術を融合させることにより、社会の変革を促し、様々な好循環を生み出していくことを目指しております。「ポスト・コロナを見据えた、みやぎ交循環予算」と銘打った令和五年度当初予算においても、DXの推進を通じて、県民サービスの向上や県内産業の活性化が図られることで、多くの皆様が交流を持ち、地域の活力を高め、県民が幸福を実感できる社会を築いてまいりたいとの思いを込めております。具体的には、原子力災害避難支援アプリの構築や中小企業等のデジタル化に向けた支援などに加え、デジタルプロモーションによる観光客の誘致促進や県民生活の利便性向上につながるサービスの在り方調査、地域ポイント等の導入可能性調査などの取組を予算化しております。 次に、DXにより目指す将来像とその行程についての御質問にお答えいたします。 県では、情報化施策の基本的方針であるみやぎ情報化推進ポリシーにおいて、県民サービスの向上などを重点目標に掲げ、全ての県民がデジタル技術の恩恵を享受できる社会を実現できるよう取組を進めております。今後、特にマイナンバーカードと連携したスマホアプリを活用し、必要な情報を県民の皆様に直接お届けするなど、DXの効果を実感していただける取組を進めていきたいと考えております。DXを推進していくためには、業務見直しやシステム導入のほか、様々な分野のデータ活用など、多くの取組が必要であり、時間も要しますが、民の力を活用しながら、アジャイル型で可能なものからサービスを提供してまいります。 次に、デジタル関連企業の誘致に係る取組と方針についての御質問にお答えいたします。 県では、雇用機会の創出とともにデジタル化やDXを推進する観点から、ソフトウェア開発企業を中心に誘致に注力しており、令和元年度以降、首都圏を中心に二十三社のIT企業が県内に立地しております。近年、特にテレワークやワーケーションなど多様な働き方の浸透や、BCPの観点から地方に拠点を分散する企業が増えており、立地企業からは、教育機関の集積、東京とのアクセス、住みやすい環境等が評価されております。DXによる変革みやぎの実現に向けては、デジタル人材の育成に加えて、その人材を雇用する魅力的な企業の集積等も図っていく必要があることから、首都圏等のIT企業の誘致に向け、私自身がトップセールスを行うなど、積極的に取組を進めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 総務部長志賀真幸君。    〔総務部長 志賀真幸君登壇〕 ◎総務部長(志賀真幸君) 大綱二点目、DXの推進についての御質問のうち、効率化により節減された財源の活用に向けた考え方についてのお尋ねにお答えいたします。 今後、中長期にわたり、人口減少による税収減が見込まれる中で、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加に加え、複雑・多様化する社会課題や、頻発化・激甚化する自然災害などに的確に対応するためには、財源の充実確保が一層求められるものと認識しております。県といたしましては、こうした状況も踏まえ、DXの推進により、これまで以上に効果的・効率的な行財政運営を図りながら、その時々の財政需要に適切に対応していくことが重要と考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱一点目、本県経済についての御質問のうち、我が県の県内総生産及び県民所得の減少についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の県内総生産及び県民所得は、東日本大震災後の復興需要や、製造業の企業誘致等の進展により、増加傾向が続き、平成三十年度の県内総生産は名目値で過去最高の十兆円台に到達いたしました。しかしながら、建設業を中心に復興需要が徐々に落ち着きを見せ、更に、宿泊・飲食サービス業や運輸業等が新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことにより、令和二年度まで県内総生産や県民所得が連続して減少したものと認識しております。 次に、大綱二点目、DXの推進についての御質問のうち、市町村のDX進展状況に関する調査結果についてのお尋ねにお答えいたします。 この調査は、市町村のデジタル化やDXの取組状況を把握するため、昨年十月に株式会社日本総合研究所が公表資料等を基に実施したもので、我が県は全国で三十五位とされております。調査では、町村の占める割合が高い県ほど遅れている可能性が指摘されており、県としても、市町村への支援が必要であると改めて認識しております。県では、市町村でのDX推進が図られるよう、DX全体方針の策定支援や、市町村と共同で利用するオープンデータポータルサイトの開設を行ったほか、県と市町村で構成する電子自治体推進協議会において、先進事例を紹介するなど、様々な市町村支援を展開しており、今後も市町村の意向を伺いながら、必要な支援を継続してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱三点目、気仙沼市と南三陸町の諸課題についての御質問のうち、福祉避難所に係る協議状況についてのお尋ねにお答えいたします。 気仙沼市では、現在三十二か所の福祉避難所がありますが、そのうち、市有施設の四か所については、収容数や受入れ体制などの具体的な検討を進めていると伺っております。また、南三陸町では、新たな津波浸水想定を踏まえ、福祉避難所に避難が必要となる要配慮者数について、今後、調査を行うとともに、福祉避難所の増設に向けては、関係者との協議を進める予定と伺っております。県では、現在、市町村に対し、福祉避難所の設置や物資・器材の整備状況、確保を進める上での課題などについて照会しているところであり、その結果を踏まえ、必要な助言を行ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、本県経済についての御質問のうち、高付加価値製品の開発や輸出の促進と産業構造の転換についてのお尋ねにお答えいたします。 DXやGXなどにより社会が大きく変化していく中で、県経済を持続的に発展させていくためには、ものづくり産業はもとより、幅広い産業分野で先進的技術の活用等を通じて高付加価値化を進めるなど、県内産業を時代のニーズに対応させていく必要があると認識しております。ものづくり産業では、産学連携による地域経済の核となる企業の育成や国内外からの企業の戦略的誘致、先端的技術を活用したスタートアップ支援などに取り組んでまいります。また、地域経済の活性化に向けては、デジタル技術を活用しながら、国内外の観光客のニーズに合わせた戦略的なプロモーションや地域経済の循環を進めるとともに、付加価値の高い農林水産品の安定的な生産や国内外での販路開拓の取組などを支援してまいります。こうした取組を通じ、新しい社会像に対応した産業構造への転換を進め、人口減少下においても経済の持続的な成長により、質の高い雇用を生み出し、若者の県内定着や県民所得の向上につなげてまいります。 次に、大綱二点目、DXの推進についての御質問のうち、県内産業の生産性向上やイノベーション推進に向けた支援の在り方についてのお尋ねにお答えいたします。 県が昨年八月に取りまとめたデジタル化・DXに関するアンケート結果によると、予算や人材等の制約から約七割の事業者でデジタル化の取組が進んでいない状況となっております。県では、中小企業のデジタル化の推進には、経営者の理解が鍵となることからデジタル化の必要性や事例紹介を主としたセミナーを開催するとともに、各企業の実情に応じてアドバイザー派遣と組み合わせたシステム導入経費補助や、企業内で中核を担うデジタル人材の育成等を伴走支援により実施しております。また、県内IT企業がコンサルティング機能を高め、県内中小企業のデジタル化を支援できるよう、関係団体と連携し、IT企業の研修の開催や実践機会の確保に努めているところです。今後も、県内IT産業の振興に取り組むとともに、中小企業の生産性向上とイノベーションを積極的に促進してまいります。 次に、中小企業等のデジタル化における現状認識と今後の方向性についての御質問にお答えいたします。 昨年八月に取りまとめたアンケート結果によると、デジタル化に向けて事業者からは、資金確保が困難、どのように進めたらよいのか分からないといった課題が挙げられており、また、事業者が求めるデジタル化の支援としては、補助金の拡充、人材育成のサポート、生産性向上等の事例紹介、アドバイザー派遣の順で多くなっております。こうした状況を踏まえ、県では、来年度は、補助金の上限額の引上げのほか、セミナー回数の増加やアドバイザー派遣の対象拡大など、小規模事業者、中小企業向けの施策の更なる充実を図ることとしております。今後も、中小企業のデジタル化が着実に図られるよう、課題やニーズをしっかり把握しながら、個々の企業に合わせたきめ細かな支援策を展開してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長吉田信幸君。    〔水産林政部長 吉田信幸君登壇〕 ◎水産林政部長(吉田信幸君) 大綱三点目、気仙沼市と南三陸町の諸課題についての御質問のうち、気仙沼市魚市場の岸壁整備についてのお尋ねにお答えいたします。 今年度に策定した宮城県圏域総合水産基盤整備基本計画では、特定第三種漁港を中心とした水産物の受入れ機能強化を図るため、気仙沼漁港において、漁船の大型化に対応した岸壁整備を行うこととしております。この岸壁整備に伴う上屋の設置については、気仙沼市が事業主体となることから、県では市や漁協など関係機関による必要性や規模・構造などについての調整状況を確認した上で、背後地の利用計画を検討することとしています。また、岸壁整備のスケジュールについては、来年度、詳細設計を行い、令和六年度から工事に着手することとしており、令和九年度の完成を見込んでおります。県といたしましては、引き続き、気仙沼市など関係機関と連携しながら、事業の着実な推進を図ってまいります。 次に、鮪立漁港における安全対策についての御質問にお答えいたします。 県管理漁港においては、漁業活動で利用する岸壁や物揚げ場等の係留施設に、車止めやはしご、照明灯などを設置し、漁港利用における安全の確保を図っております。また、護岸などの外郭施設においては、地域の利用実態に合わせた安全対策を実施しているところです。御指摘のありました鮪立漁港においては、近年、釣り人など一般の人々の漁港内への立入りが増加し、転落事故等が発生していることから、安全対策の必要性を認識しているところです。県といたしましては、鮪立漁港における転落時の対策として、早期に既存のはしごの改修に取り組むとともに、漁業関係者などの意見を伺いながら、護岸等の外郭施設の安全対策について検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱三点目、気仙沼市と南三陸町の諸課題についての御質問のうち、主要地方道気仙沼唐桑線化粧坂工区についてのお尋ねにお答えいたします。 主要地方道気仙沼唐桑線は、気仙沼市松崎馬場の国道四十五号から中心市街地を経由し、同市唐桑町に至る主要な幹線道路であり、緊急輸送道路に指定されているほか、救急医療をはじめ、産業・観光振興など、気仙沼地域の活性化を担う重要な路線であると認識しております。これまで県では、当該路線の安全で円滑な交通の確保に向けて、平成二十五年二月に完成した本町橋の架け替えを含む本町工区に続き、平成二十六年度から、隣接する化粧坂工区の整備に着手しております。平成三十年度からは事業の加速化を図るため、国の国土強靱化予算を積極的に活用しながら整備を進め、今月十七日に、バイパス部の三百二十メートル区間について、暫定断面で供用を開始したところです。残る完成断面までの整備や現道拡幅部である百四十メートル区間の整備については、来年度の第一・四半期までに工事を発注し、速やかに着手することとしております。県といたしましては、引き続き、気仙沼市や地元の方々の御協力をいただきながら、一日も早い完成供用に向けて鋭意取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 御答弁ありがとうございました。知事に伺います。日本はAIやIoT、ロボットなどを中心とした第四次産業革命の真っただ中におりますけど、世界は既に第五次産業革命に向けて動いているようです。第四次産業革命においては、IoTが人々の暮らしの利便性を上げて、そしてコンピューターでの複雑な作業もAIが作業データを学習して予測などをすることで、自動化に成功しました。また、インターネットに接続された機器から集めたデータをビックデータとして活用して、併せて、それによって精度が向上したマーケティングデータの活用によって、無人レジだとかオンライン診療、そして電子決済などで、社会生活における皆さんの人々の暮らしに利便性をもたらしたと。ただ、地球環境に配慮した持続性であるとか資源問題に対する循環型経済、こういった取組が不足していたのではないかと指摘されています。そのような中で、新型コロナが世界中で猛威を振るって、AIによるゲノム解析がワクチン開発に活用されるなど、バイオテクノロジーとIT、AI技術の融合によって、今まさに第五次産業革命が起こりつつあるということだと思っています。経済産業省は、第五次産業革命の到来を見据えて、「バイオテクノロジーが拓く第五次産業革命」と題する報告書を二〇二一年に公表しました。私も拝見しましたけれども、ゲノム解読だとかゲノム編集における技術革新など、バイオテクノロジーとAI、そしてITの融合によってバイオエコノミー社会が世界的に到来するとして、日本のバイオ産業の更なる競争力向上につながる施策、こういったことが取りまとめられておりました。今までの技術ありきの第四次産業革命に対して、第五次産業革命では、こういったことに加えて、人間中心、技術だけではなくて持続可能性等の実現を目指すことになっていって、その実現は単独の技術では不可能なため、ITとAIがロボット技術やバイオテクノロジー、そしてサイバー空間とフィジカルな空間を高度に融合させることで、新しいインフラを整備して、そして超スマート社会の実現を図っていく、こういった流れになると感じています。OECDの試算、見させていただいたんですが、二〇三〇年には、バイオテクノロジーを活用するこの市場規模というのが、加盟国のGDPの二・七%となり、二百兆円にまで拡大するというふうに見込まれています。この世界的に到来しつつあるバイオエコノミー社会に対する知事の所感、そして、次世代の経済社会を牽引する産業の柱となるバイオ戦略に、本県はどのように向き合っていくのか、知事の考えを伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私も文献で読んだぐらいしか知識がありませんので、深くお答えするのはなかなか難しいんですけれども、様々なものづくりにバイオテクノロジーが用いられておりまして、バイオエコノミー社会が世界的に到来するということは聞いております。バイオテクノロジーによる産業発展は、健康・医療分野をはじめ、バイオマス燃料であったり、機能性食品など幅広い分野において大きな可能性を秘めていると言われているそうであります。県内におきましても、実は医療分野などで活用が期待されております遺伝子の検査方法を開発した企業であったり、食品加工の過程で未利用となっておりましたバイオマス資源を製品化した企業など、そういった東北大学発のスタートアップ企業が少しずつ現れてきておりまして、まさに境議員がイメージするようなものを東北大学発でいろいろ取組も始まっているということでございます。バイオ産業の市場規模は、今後大きな成長が見込まれると私もそう感じておりまして、国の施策の動向も見据えながら、東北大学との連携を深め、スタートアップ企業や新商品開発に対する支援などを通じまして、こうした動きに適切に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 経済が豊かにならないと、社会保障だとかの財源確保もままなりませんので、これまで本県経済を立て直して、そして牽引してきた知事には、大変期待しております。現在の本県の経済力というものを、知事はどういうふうに捉えて、そして今後どういうかじ取りをしていくのかという、そういうビジョン、もしあればお示しください。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先ほどの御質問の中でも申しましたように、十兆円を一旦達成はいたしましたけれども、その後、二年間ほど下がっているし、一人当たりの県民所得も下がってきているということでありました。これはやはりコロナの影響が非常に大きいということでありますけれども、コロナが大分収まってまいりましたので、今後、ここからまた元に戻せるように、新たな産業もいろいろ興していきたいと思っています。基本的には、宮城県の特徴として、ものづくりに非常に恵まれた土地であるということは間違いないと思っていますので、軸足はそこに置きながらも、今おっしゃったようないろいろな産業であったり、DX関係、そういったようなもの、今御質問があったようなことを、次の産業の核にできるようにしていくことによって、早期に宮城県の経済をまた上昇気流に乗せられるようにしてまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) よろしくお願いします。 最後に、福祉避難所の設置状況について伺いますけど、県内の三十五市町村のうちで、未指定の市町村はありますか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 県では、各市町村の福祉避難所の確保状況を照会して把握をしておりますけれども、令和三年十二月一日時点の照会では、一つの自治体が確保されていないという状況でありました。栗原市でありますが、現在、県では各市町村に現時点の確保状況を紹介していますけれども、栗原市に対して事前に確認しましたところ、高齢者施設など二十一施設と協定を締結し、既に確保したと伺っております。引き続き、県内の実情を把握して助言・指導に努めてまいります。 ○議長(菊地恵一君) 二十六番境恒春君。 ◆二十六番(境恒春君) 栗原市、二〇〇八年にも大きな地震災害がありましたので、ぜひ指定をしっかりしていただければと思います。終わります。以上です。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○副議長(池田憲彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十八番八島利美君。    〔十八番 八島利美君登壇〕 ◆十八番(八島利美君) 自由民主党・県民会議の八島利美でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、大綱六点について一般質問させていただきます。 大綱一点目、防災・減災、国土強靱化の推進についてです。 令和元年東日本台風被害の復旧・復興事業や国土強靱化事業等に対し、過去の定例会において一般質問した、道路及び河川整備等のその後の状況と今後の対応について伺います。 一点目ですが、令和四年二月定例会で質問した角田市の国道三百四十九号の道路整備については、「角田市江尻地区においては、令和元年東日本台風により、阿武隈川本川の水位が上昇し、支川の尾袋川が越水したため国道三百四十九号が長時間通行止めとなったほか、道路ののり面の決壊や家屋の浸水など甚大な被害が発生したことから、現在、河川堤防と併せて道路をかさ上げする案や河川堤防のみをかさ上げする案などを提示しながら、国と協議を重ねているところです。また、江尻地区から小坂地区の阿武隈川との兼用堤である六百五十メートル区間の歩道整備については、国が実施する堤防整備事業と連携しながら進めてまいります。」という答弁でした。今なお早急に整備を進めるよう要望がありますが、一年間の国との協議を経て、道路かさ上げ及び歩道整備の今後の予定について伺います。 二点目ですが、令和四年二月定例会で質問した角田市の主要地方道丸森柴田線の道路整備については、「本路線のうち令和元年東日本台風において内水氾濫により道路が冠水した平貫地区については、現在、排水機場の復旧工事が行われており完成後の稼働状況を確認するとともに、沿道周辺の土地利用も考慮した上で道路のかさ上げ等について検討してまいります。島田地区については、これまで道路利用者の安全を確保するため交差点の改良などを実施してきたほか、今年度は視線誘導標や路面標示等の安全対策を実施したところです。県といたしましては、現在整備を進めている坂津田地区の道路改良事業を最優先で取り組むとともに、引き続き地域の方々や角田市と連携し安全で円滑な交通確保に努めてまいります。」という答弁でした。おかげさまで坂津田地区の道路改良事業は大幅に進み、残すところあと僅かになりました。感謝いたします。そこで坂津田地区の完成予定と、平貫地区や島田地区の今後の整備予定について伺います。 三点目ですが、令和四年二月定例会で質問した丸森町の主要地方道白石丸森線の道路整備については、「特に幅員の狭隘となっている丸森町内の約二・二キロメートル区間を重点的に整備しているところであり、昨年度までに約九百メートル区間が完成しております。今年度からは国土強靱化予算を活用し事業のさらなる推進を図っているところであり、引き続き一日も早い工事完成に向け鋭意取り組んでまいります。」という答弁でした。この路線も、おかげさまで急ピッチに工事が進み、ほぼ丸森町分が完成に近づいており感謝いたします。更なる整備促進を図り、次は角田市分ですが、今後の道路整備予定について伺います。 四点目ですが、令和四年二月定例会で質問した角田市小田川の河道拡幅や築堤整備については、「平成二十三年度に策定した阿武隈川圏域河川整備計画に基づき、阿武隈川合流点から地蔵堂橋までの約三・八キロメートル区間の整備を進めております。このうち阿武隈川合流点から阿武隈急行線までの約一・五キロメートル区間については河道拡幅及び築堤盛土を実施しており、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策予算を活用し早期の完成を目指してまいります。また、阿武隈急行線から地蔵堂橋までの約二・三キロメートル区間については、下流の整備完了後、築堤整備に取り組むこととしており、当面は支障木の伐採や河道掘削を実施し流下能力を確保してまいります。」という答弁でした。一年経過した現状と今後の整備予定について伺います。 五点目ですが、令和四年二月定例会で質問した角田市の尾袋川の河川整備については、「南田橋下流の約六・四キロメートル区間において河川改修が既に完了しております。また、馬場内橋から上流の約一・七キロメートル区間については地元からの要望を踏まえ、昨年度から国土強靱化予算を活用し河道掘削に着手したところであり、今年度完了する予定となっております。お尋ねのありました南田橋から馬場内橋までの約一・三キロメートル区間については、上流部に引き続き支障木の伐採や河道掘削を実施してまいります。」という答弁でした。現状と今後の整備予定について伺います。 六点目ですが、令和四年九月定例会で質問した丸森町の雉子尾川の河川整備については、「未改修になっております中流部につきましては、国の補助事業である大規模特定河川事業を活用いたしまして、令和二年度から整備に着手してございまして、現在、橋梁等の構造物工事を優先して進めており、来年度から築堤工事にも着手する予定としてございます。県といたしましては、まずはこの中流区間の早期完成を図るとともに、上流区間についても、事業化に向けて検討を進めるなど、引き続き雉子尾川沿川の住民の皆さんが、安全に、安心して暮らせることができるよう、河川整備にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。」という答弁でした。二月二日の丸森町議会令和元年台風第十九号災害対策調査特別委員会の復旧・復興工事現場視察に同行し、復旧・復興状況を確認させていただきましたが、工事は着々と進んでおり感謝をいたします。とはいえ、上流区間を含めて、早期完成が望まれます。現在の進捗状況と中流区間の完成予定並びに上流区間である三代河原橋から上流部の事業化の予定について伺います。 七点目ですが、防災・減災、国土強靱化を推進するためには、不足している土木技術者の育成が不可欠です。令和二年九月定例会でも質問しましたが、若手技術者の育成のためには、県立高校における土木技術の学びの場を、特に県南地区に早急に増やす必要があると思いますが、改めて教育長の所見を伺います。 八点目ですが、令和三年六月定例会で持続可能な建設産業振興について質問いたしましたが、土木技術者を確保し、その職に定着させるためには、きつい、汚い、危険のいわゆる三Kから、給料がいい、休暇が取れる、希望がある、の新三Kへ現場における働きやすい環境整備が必要だと思いますが、今後、県としてどのように現場の環境改善に取り組んでいくのか、伺います。 次に、大綱二点目、持続可能な農業振興についてです。 初めに、豚熱と高病原性鳥インフルエンザの発生状況と今後の対応について伺います。 一点目、今年の一月に角田市の農場で高病原性鳥インフルエンザが発生しました。農場で飼育する約一万二千羽の殺処分をはじめ、埋却や消毒といった一連の防疫措置を迅速に実施していただいた関係者の皆さんに感謝申し上げます。また、一昨年には豚熱も発生しました。宮城県における今年度の豚熱の発生状況と高病原性鳥インフルエンザの発生状況、防疫措置の概要、今後の対策、発生農家及び出荷制限等の影響を受けた農家に対する支援策について伺います。 二点目は、昨年七月の豚熱で過去最多の約五万六千頭を殺処分した栃木県が、発生農場での全頭処分見直しを求めています。養豚業者は、経済的影響は甚大で、感染していない豚は残すべきだと訴え、栃木県も国に処分範囲の縮小を要請しました。国は、蔓延防止のための全頭処分が必要との立場を堅持しますが、専門家は、一部だけの処分で問題ないと指摘しています。部分殺処分を提案する北海道大学大学院ウイルス学研究の迫田義博教授は、理論上は感染拡大は防げると明言しています。殺処分の範囲を感染した豚がいた豚舎に限定し、他の豚舎では、ワクチンの追加接種とワクチン検査を実施して、陰性が確認されれば出荷は再開できるとの見解です。迫田教授は、県は、現場対応を踏まえた実行可能な案を提示し、国と議論してほしいと言っています。宮城県としても、このような科学的検証を踏まえ、殺処分の対象を限定するように、国に要望する考えはないか、伺います。 三点目ですが、日本ではまだ発生事例がない、家畜伝染病、アフリカ豚熱をめぐり、政府が海外からの侵入に警戒感を強めています。新型コロナウイルスの入国規制緩和で、訪日客らの移動が活発化し、侵入リスクが高まっているためです。有効なワクチンがなく、国内に入り込めば、畜産業界に甚大な被害をもたらすおそれがあることから、空港などの水際対策の徹底で脅威を食い止める考えです。水際対策をすり抜けて国内に侵入すれば、ワクチンがないため封じ込めは難しく、国内の養豚場などで発生すると、周囲の農場の健康な豚も殺処分する予防的殺処分が行われる可能性があり、豚肉の安定供給にも影響しかねません。アフリカ豚熱に対し県としてどのように対応していくのか、伺います。 次に、ウクライナ情勢などの影響により、飼料、肥料、燃油等の高騰があり、農家の皆さんは大変な状況にあります。それに対する様々な施策を行っていただき感謝いたしますが、まだまだ価格は安定せず先が見通せない状況にあります。更なる支援や対策が必要だと思いますが、今後の施策について伺います。 次に、昨年十月二十七日に、同僚議員とともに北海道における担い手育成やスマート農業の取組について視察研修を行いました。北海道では、国や市町村、関係機関・団体などと連携を一層強化し、地域や個々の営農状況に応じたスマート農業を推進していく共通の指針として、北海道スマート農業推進方針を策定し取り組んでいます。また、JAグループ連合会では、農業総合研究所においてスマート農業推進課を設け、省力化や生産性の向上に期待のかかるスマート農業の普及に向け、システム運営や技術の実証、情報提供及び人材の育成を進めています。宮城県でも、農家の高齢化対策、後継者不足を補うため、JAなど関係機関と連携をして組織体制を強化し、担い手育成やスマート農業の積極的な推進が必要だと思いますが、所見を伺います。 大綱三点目、放置竹林対策と竹の利活用についてです。 竹の需要減少や竹林所有者の高齢化等により、日本全国において放置され管理できなくなった竹林が急速に増加し、地域の大きな社会問題となっております。竹は成長力が旺盛で、手入れをしないと山林や田畑を侵食し、他の植物の光合成を妨げ枯らしてしまい、里山の生態系に影響を及ぼすほか、根が浅いことから地盤が緩み、土砂崩れなどの災害を起こす危険性もあります。更に、イノシシなど野生鳥獣のすみかになり、近隣の農作物を荒らす獣害の原因にもなっています。 二点目は、ごみの減量化への活用についてです。 丸森町のNPO法人あぶくまの里山を守る会では、放置竹林の竹チップを活用した消滅型生ごみ処理容器、通称「ネグナッター」を市民参加型ワークショップにより試作し、参加者がモニターとして実証実験を行い、そのアンケート調査に基づき改良を重ね、今後多くの家庭に普及させ、生ごみの減量化を進めようとしています。竹チップに含まれる微生物が生ごみを分解し堆肥に変えてくれます。実証実験の成果を踏まえて、県としても、ごみの減量化に向けて、竹チップを活用した取組などを支援するべきだと思いますが、所見を伺います。 三点目は、観光振興への活用についてです。 丸森町では、丸山城址周辺の竹林を整備し、約五百基の竹灯籠が並ぶ第一回丸森竹灯り回廊が令和四年十二月十七日から二十五日までの九日間にわたり開催され、延べ約二千人の来場者でにぎわいました。同時開催イベントとして、丸森町観光交流センターでは、丸森竹物産フェア、不動尊公園キャンプ場では、竹はんごう祭りが行われ、タケノコバーガーや竹弁当、竹細工など竹やタケノコを活用した丸森の新名物もお披露目されました。このように、観光面でも民間業者やNPO法人などにおいて、放置竹林の竹を活用した取組が積極的に行われ、竹害の解決に尽力されていることを踏まえ、県は今後、市町村や各種団体とどのように連携し、どのように支援をしていくのか、伺います。 大綱四点目、高蔵寺阿弥陀堂等の国宝指定への取組についてです。写真を御覧ください。(パネルを示す)角田市から許可をいただいて、角田市の観光パンフレットの高蔵寺の部分をコピーさせていただきました。 一点目ですが、角田市の高蔵寺阿弥陀堂は、世界文化遺産に登録された平泉文化と非常に縁が深く、治承元年、西暦千百七十七年に、奥州藤原氏三代目秀衡の妻らによって建立されたと伝えられています。現存する宮城県最古の木造建築物で御本尊の阿弥陀如来坐像とともに、国の重要文化財に指定されています。平安時代の建造物は、全国でも二十六か所しか残っておらず、阿弥陀堂としては七か所だけです。岩手県の平泉中尊寺金色堂、福島県のいわき白水阿弥陀堂と並ぶ東北三大阿弥陀堂の一つとなっています。また、阿弥陀如来坐像は、平安時代末期につくられたと伝えられており、像高が約二・七メータルの寄木造りで、透かし彫りの飛雲光背を合わせると、全高五・一八メートルの高さになる大きな仏像です。二〇一六年から阿弥陀如来坐像と蓮華座の経年劣化に向けた修繕が京都の美術院で約五年にわたり行われました。東北三大阿弥陀堂のうち、平泉中尊寺金色堂といわき白水阿弥陀堂は、国宝に指定されていますが、高蔵寺阿弥陀堂だけが国指定の重要文化財であり、次期国宝指定に一番近いのではないかと期待をしております。県としても角田市や高蔵寺と連携をして、積極的に国宝指定への取組を行うべきだと思いますが、国宝の現状と指定へのプロセス及び今後の取組について所見を伺います。 二点目ですが、高蔵寺阿弥陀堂が国宝に指定されれば、宮城県としても更なる観光の目玉となります。新型コロナ禍前は、高蔵寺や隣接する農村公園の旧佐藤家住宅(国指定重要文化財)では、四月桜祭り、六月ホタルまつり、八月夏祭り、十月から十一月紅葉と特別拝観、一月どんと祭裸参り、二月から三月牟宇姫ひなまつりなど、年間を通じて各種イベントが開催されていました。新型コロナ禍でここ数年は開催を見合わせておりましたが、今年は復活できるイベントもありそうです。また、近隣には、昨年約三万人の見学者でにぎわった西根田んぼアートがあり、そのほかにも、高倉川沿いの桜並木や彼岸花ロード、樹齢百三十年を超えるせんだんの木、白鳥の飛来する手代木沼など観光名所があります。これらの観光資源を角田市と連携してもっと積極的にPRをし、アフターコロナの交流人口の増加に取り組むべきだと思いますが、所見を伺います。 大綱五点目、ナノテラスとJAXAの連携推進についてです。 一点目ですが、現在、東北大学青葉山キャンパスに建設中の次世代放射光施設ナノテラスの利活用に関する有識者会議の最終会合が二月十四日、文部科学省でありました。研究成果の最大化のため、学生や若手研究者への利用機会の適切な提供が必要だとする報告書がまとめられました。また、同報告書では、適切な役割分担と責任の所在を明確にした上で、安全管理やマーケティングについて一元的に対応する連携体制を確立する必要があると指摘しています。また、仙台市でも、来年度から経済局にイノベーション推進部を新設し、スタートアップ支援課を設置、企業立地課にリサーチコンプレックス推進係を新設し、稼働後の利活用を後押しするなど、二〇二四年度本格稼働に向けて、様々な動きがあるようですが、ナノテラスの整備進捗状況及び県内企業の利用促進や企業誘致など県の取組について伺います。 二点目ですが、科学技術の最先端と言えば、宮城県にはJAXA宇宙航空研究開発機構の角田宇宙センターがあります。二月十七日には、H3ロケット試験機一号機の打ち上げにチャレンジしましたが、発射寸前で何らかの異常を検知し安全な状態で止まりました。今後は、科学技術の粋を結集して、三月十日までの発射予備期間中に問題を解決し、打ち上げを成功させてくれるものと信じております。この打ち上げに先駆けて、昨年の十二月二十三日に当会派のSFC議員連盟で種子島の鹿児島宇宙センターを視察し、センターの概要やH3ロケットの概要について調査をいたしました。また、角田宇宙センターでは、H3ロケットの二段ロケットエンジンの開発試験、一段ロケットエンジン用ターボポンプの開発試験、液体ロケットエンジン、ターボポンプの要素技術研究試験に関わっております。この科学技術の最先端を行く、JAXAとナノテラスとの連携推進を図るべきだと思いますが所見を伺います。 大綱六点目、みやぎ型管理運営方式の効果と課題についてです。 一点目ですが、給水収益が減少する一方で送水管等の更新需要が増大するなど、厳しさを増す経営環境においても持続可能な水道経営を確立するため、官民連携により民の力を最大限活用した宮城県上工下水一体官民連携運営事業、みやぎ型管理運営方式を令和四年四月一日から開始して間もなく一年が経過しようとしています。実際に運営しての所感を伺います。 二点目ですが、運営権者の提案を踏まえた九事業二十年間の総事業費は、二千九百七十七億円で、約三百三十七億円の削減を予定していますが、現時点でのみやぎ型管理運営方式の効果について伺います。 三点目ですが、二十年間で三百三十七億円削減されるということで、水道料金が安くなるのではないかと考えがちですが、そうではなく、将来、水道料金の値上げは必要で、値上げ幅を抑える効果があると理解していますが、今後の料金改定について伺います。 四点目ですが、仙南・仙塩広域水道で昨年十二月九日に発生した、濁度上昇事故の概要と再発防止対策等の実施状況について伺います。 五点目ですが、事業開始以降、計画見込み以上の物価上昇による維持管理費、電力費、燃料費の増大があり、経営的に厳しい状況が推察されますが、運営権者である株式会社みずむすびマネジメントみやぎの事業運営状況について伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 八島利美議員の一般質問にお答えいたします。大綱六点ございました。 まず大綱一点目、防災・減災、国土強靱化の推進についての御質問のうち、土木技術者の職場定着に向けた現場環境改善の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 建設業における土木技術者をはじめとする建設工事従事者の高齢化等に伴う担い手不足は、老朽化が進む社会資本の維持、頻発化・激甚化する自然災害への対応など、強靱で安全・安心な県土づくりを推進する観点から、大変重要な課題であると認識をしております。このため県では、工事従事者の賃金等の処遇改善に向けた建設キャリアアップシステムの活用や、時間外労働の削減を目指す週休二日工事、作業の省力化・効率化を図るためのICT活用工事など、働き方改革の推進や生産性の向上に取り組んでおります。更には、女性専用トイレや更衣室を設置する女性活躍推進モデル工事など、快適で働きやすい工事環境の改善にも取り組んでいるところであります。県といたしましては、給料、休暇、希望の新三Kに、新たに「かっこいい」を加えた四Kの実現に向けて、工事従事者のPR動画の配信や、高校生と若手技術者との交流イベントの開催など、建設業の魅力発信にも努めながら、引き続き地域の守り手である建設業の担い手確保に向けて、官民連携して取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、持続可能な農業振興についての御質問にお答えいたします。 初めに、豚熱の殺処分対象の限定についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、豚熱の防疫措置につきましては、国の防疫指針に基づき、発生農場単位での全頭殺処分が原則となっておりますが、部分殺処分の提言があることは承知をしております。昨年度県内で発生した二つの事例でも、発症は最初に異常畜が出た豚房や豚舎にほぼ限られており、適切にワクチンが接種された豚においては、十分に予防効果が発揮されたものと考えております。こうした状況を踏まえ、我が県としても、他の発生県と連携をしながら、国に対して全頭殺処分の見直しを要望してまいります。 次に、飼料や肥料、燃油などの高騰に対する支援や対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では今年度、短期及び中長期の支援策を講じてまいりましたが、輸入配合飼料価格の高騰が経営に深刻な影響を与えている畜産については、来年度も掛かり増し経費への支援を継続することとしております。県としては、引き続き資材等の価格や需給の動向、個々の農業者の経営状況、国や県の支援の効果等をきめ細かく把握しながら、国に対して必要な財源措置を要望するほか、適時適切に対策を検討してまいります。 次に、担い手育成やスマート農業の推進についての御質問にお答えいたします。 県ではこれまで、JAや農業機械メーカーなどと連携し、スマート農業技術の実証に取り組んだほか、みやぎスマート農業推進ネットワークを活用した各種セミナーや実演会の開催、更には、みやぎアグリテックアドバイザーによる伴走型支援等により、スマート農業技術の導入促進や同技術を活用できる人材の育成を行ってまいりました。来年度は現在整備しているRTK基地局を活用し、スマート農業を更に普及拡大するため、関係機関により構成するコンソーシアムを組織し、対象となる作物の拡大や費用対効果の検証などに取り組んでまいります。県といたしましては、引き続き経営の規模や形態、地域条件等を考慮しながら、スマート農業の取組を加速化してまいります。 次に大綱六点目、みやぎ型管理運営方式の効果と課題についての御質問のうち、運営開始一年の所感についてのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式は、今後ますます厳しさを増す水道事業の経営環境に対応するため、県が水道事業者として最終責任を担いながら、民間の力を最大限活用することにより、経営基盤強化を図る我が県にとって最も効果的な取組であります。事業開始から間もなく一年が経過する中、幾つかの要求水準を満たさない事案も発生しておりますが、その都度改善策を講じ、おおむね順調に運営されており、安全・安心な水の供給と安定的な汚水の処理が継続できております。県としては、引き続き運営権者と綿密に連携をしながら、みやぎ型管理運営方式が全国の水道事業における経営基盤強化の新たなモデルとなるよう、鋭意取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 公営企業管理者佐藤達也君。    〔公営企業管理者 佐藤達也君登壇〕 ◎公営企業管理者(佐藤達也君) 大綱六点目、みやぎ型管理運営方式の効果と課題についての御質問のうち、みやぎ型管理運営方式の導入効果と料金改定についてのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式においては、従前の体制に比較して、三百三十七億円のコスト削減が実現できる見通しとなっており、将来の本格的な管路更新等に備えた経営基盤の強化や、水需要の減少等に伴い上昇する料金の抑制に活用することとしております。現在、関連市町村と次期料金の改定について協議を進めておりますが、みやぎ型管理運営方式導入の効果については、次期料金に反映した上で市町村と協議を進めているところであり、県としては、市町村がその効果を最大限享受できるよう引き続き協議してまいります。 次に、仙南・仙塩広域水道で発生した濁度上昇事案の概要と再発防止対策についての御質問にお答えいたします。 この事案は昨年十二月、仙台市太白区茂庭の高区調整池で実施していた電気通信設備の定期点検において、養生作業が適切でなかったため、予期せず緊急遮断弁が作動したことが直接的な原因となり、水道用水の濁度が上昇したものであります。水道法に定める水質基準は遵守しており、健康上の問題はないものの、県基準を超えた重大な事案であることから、県は運営権者に対して改善命令を通知し、運営権者からは、事故原因の究明や効果的な再発防止策の検討結果を踏まえた改善計画書が提出されております。運営権者は、事故対応力強化のための危機管理マニュアルの見直しなど、継続的な改善を行うこととしており、県としては、その改善状況を確認するとともに、引き続き厳格なモニタリングを継続し、安全・安心の確保に努めてまいります。 次に、運営権者の事業実施状況についての御質問にお答えいたします。 運営権者の事業実施状況については、昨年十一月に上半期の事業報告を受け、県においてモニタリングを実施したところ、施設の維持管理については、保全や修繕等の処置が適切に行われていること、収支については、物価上昇の影響を受けつつも、おおむね計画どおりであることを確認しております。このモニタリング結果については、今年一月に県のホームページで公表するとともに、運営権者の事業実施状況と併せて、外部有識者から成る経営審査委員会に報告しております。県としては、運営権者の事業運営が健全に継続されるよう経営状況を注視し、必要な指導や助言を行うことにより、水道事業者としての責任をしっかりと果たしてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱三点目、放置竹林対策と竹の利活用についての御質問のうち、竹チップを活用した生ごみ減量化の取組への支援についてのお尋ねにお答えいたします。 丸森町における竹チップを活用した取組は、放置された竹を有効利用するとともに、生ごみを減量化し、堆肥として活用しようとするものであり、廃棄物等の循環利用にも資する取組であると考えております。家庭から出る生ごみを含む一般廃棄物の減量化については、市町村において様々な取組が行われております。県では、市町村や一部事務組合が行う先駆的・モデル的なごみの減量化・再資源化の取組に対し、市町村振興総合補助金による支援を行っており、特に食品廃棄物に関する事業については、上限額を増額して支援しているところです。県といたしましては、今後とも、このような廃棄物の減量化など、地域の課題解決に資する取組に対し積極的に支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱三点目、放置竹林対策と竹の利活用についての御質問のうち、観光面での支援についてのお尋ねにお答えいたします。 丸森町の竹を活用したイベントは、竹害の緩和とともに地域の魅力を再発見し、新たな産業・観光振興にも寄与する取組となっており、県の第五期みやぎ観光戦略プランに掲げるSDGsの実践や、地域内外から選ばれる持続可能な観光地域づくりにつながるものと大いに期待しております。県といたしましては、丸森町や丸森町観光物産振興公社等と連携しながら、SDGsやサステナブルツーリズムを視点とした観光素材として、教育旅行のプログラムに活用することとしており、パンフレット等でのPRや旅行会社に対する商品化の働きかけを積極的に行うなど、国内外からの誘客に向け、しっかりと支援してまいります。 次に、大綱四点目、高蔵寺阿弥陀堂等の国宝指定への取組についての御質問のうち、高蔵寺周辺の観光資源と連携した取組についてのお尋ねにお答えいたします。 高蔵寺が立地している角田市や周辺市町には、桜や菜の花をはじめとする花の名所のほか、地ビール、ハム・ソーセージなどの多彩な食や、阿武隈ライン舟下り等のアウトドアアクティビティーなど様々な観光資源に恵まれております。このことから、県南地域への観光客誘致に当たっては、高蔵寺をはじめとした多様な観光資源を面的につないだ周遊観光の促進が効果的であると認識しており、県では、これまで東北DCをはじめとした観光キャンペーンにおいて、旅行会社に対する商品造成の働きかけやパンフレット等でのPRに努めてまいりました。県といたしましては、引き続き角田市や周辺市町のほか、みやぎ蔵王三十六景ブランド創造会議や仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会等とも連携し、観光客の嗜好を踏まえたテーマ性やストーリー性のある観光ルートの形成と積極的なプロモーションに努め、交流人口の拡大にしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、ナノテラスとJAXAの連携推進についての御質問のうち、ナノテラスの整備状況や利用促進等の取組についてのお尋ねにお答えいたします。 次世代放射光施設ナノテラスの整備につきましては、基本建屋がほぼ完成し、現在、加速器等の設置が進められており、令和六年度の本格稼働に向け順調に工事が進捗しているものと認識しております。県では、これまで県内企業を対象として、既存の国内放射光施設を利用した実地研修やセミナーを開催するなど、放射光施設の普及啓発と利用促進に努めてまいりました。更に、今月六日には、東北・新潟の産学官で構成されるナノテラス利用推進協議会を設立し、東北・新潟の企業による利用促進を一層強化していくこととしております。これまで企業立地セミナーや企業訪問などの機会を活用し、ナノテラスのPRを行ってきたところでありますが、今後も新たに企業の経営者層を対象とした施設見学や投資環境を説明するトップセミナーを開催するなど、利用促進と併せて、ナノテラスが企業誘致の契機につながるよう取り組んでまいります。 次に、ナノテラスとJAXAの連携についての御質問にお答えいたします。 県ではこれまで、高度電子機械産業の振興を図るため、航空機を重点分野の一つに定め、宇宙分野もターゲットに県内企業への情報提供やマッチングなどに積極的に取り組んできたところです。こうした中、JAXAの小惑星探査機はやぶさ2では、既存の放射光施設の活用により、高い技術力が証明された県内企業が、物質回収容器の超精密鏡面加工を担うなど、宇宙探査プロジェクトに貢献したところであります。そのほか航空・宇宙分野では、極限環境下で利用される宇宙構造物や航空機の設計や、耐久性の高い材料開発に放射光施設が広く利用されております。県といたしましては、今後とも、JAXAなどと連携を図りながら、ナノテラスの最先端の研究開発への活用促進とともに、県内企業の航空・宇宙分野進出に向けた技術力向上を目指して取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱二点目、持続可能な農業振興についての御質問のうち、豚熱などの発生状況等についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では今年度、農場での豚熱発生はございません。また、高病原性鳥インフルエンザについては、計三農場で約二万八千羽の殺処分などの防疫措置を実施いたしました。発生を予防するための対策としては、飼養衛生管理基準の遵守を徹底するほか、豚熱についてはワクチンの接種などを、高病原性鳥インフルエンザについては、消毒用の消石灰の配布などを実施しております。影響を受けた農家への支援策としては、殺処分した家畜の手当金や経営再開のための支援互助金の支給など、国等の制度も活用しながら経営安定に向けて支援してまいります。 次に、アフリカ豚熱に対する県の対応についての御質問にお答えいたします。 県としては、アフリカ豚熱を農場に入れない、他の農場に広げない対応が重要と考えており、県内の養豚場に対して、飼養衛生管理基準を遵守するよう指導を強化しております。また、県内の野生イノシシについて、令和元年十月からアフリカ豚熱の検査を実施しており、これまで全て陰性となっております。今後も、侵入防止対策を徹底するほか、早期に感染状況を把握し、迅速に対応できるよう取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、防災・減災、国土強靱化の推進についての御質問のうち、国道三百四十九号の今後の整備についてのお尋ねにお答えいたします。 令和元年東日本台風で甚大な浸水被害が発生した角田市江尻地区については、阿武隈川本川の水位上昇に伴う支川の尾袋川の越水が大きな要因であったことから、これまで、国、県、市の三者により、複数の対策案について意見交換を行ってきたところです。その結果、角田市街地の浸水被害の軽減に向け、国をはじめとする関係機関と連携して進めている、支川を含めた阿武隈川の流域治水対策の取組の中で、国道三百四十九号を河川堤防と併せて一体的に整備することで、現在具体的な検討を進めているところです。また、江尻地区から小坂地区の兼用堤区間については、国が行う堤防整備に併せて歩道を設置することとしており、国と実施時期等について協議を進めております。県といたしましては引き続き、国や角田市と緊密に連携しながら、早期に整備が図られるよう鋭意取り組んでまいります。 次に、主要地方道丸森柴田線の道路整備についての御質問にお答えいたします。 主要地方道丸森柴田線は、丸森町から角田市東部を経由し柴田町に至る幹線道路であり、県南地域の広域連携を担う重要な路線であることから、これまで計画的に道路整備を進めてきたところであります。このうち阿武隈川堤防との兼用堤区間において幅員が狭小となっている角田市坂津田地区については、現在、国の国土強靱化予算などを積極的に活用しながら、重点的にバイパス整備を推進しているところです。県といたしましては、引き続き、当地区の一日も早い完成に向けて鋭意取り組むとともに、平貫地区や島田地区については、道路利用者の安全性の確保に向けて、角田市や地域の方々の御意見を伺いながら、必要な対策について検討を進めてまいります。 次に、主要地方道白石丸森線の道路改良についての御質問にお答えいたします。 主要地方道白石丸森線は、白石市の国道四号と丸森町の国道三百四十九号を結び、県南地域を東西に連絡する幹線道路であり、白石市の大鷹沢工業団地や東北新幹線白石蔵王駅にアクセスする重要な路線であります。県では、現在、線形不良区間が連続し、道路幅員が狭隘となっている、丸森町内の約二・二キロメートル区間について重点的に整備しており、昨年度までに約一・二キロメートル区間の工事が完了しております。残る約一キロメートル区間については、来年度内の供用を予定しておりますが、県といたしましては、引き続き丸森町や地域の方々の御協力をいただきながら、一日も早い完成に向け、鋭意取り組んでまいります。 次に、小田川における整備状況と今後の予定についての御質問にお答えいたします。 小田川については、阿武隈川合流点から阿武隈急行線までの約一・五キロメートル区間において、国土強靱化予算を活用して河道拡幅や築堤盛土を行っており、角田市が管理する沼南橋の架け替え工事を含め、令和七年度の完成を目指して整備を進めております。また、阿武隈急行線から上流の地蔵堂橋までの約二・三キロメートル区間については、昨年七月の出水により堆積土砂が確認されたことから、今年度の補正予算も活用し河道掘削を実施することとしております。県といたしましては、引き続き、適正な維持管理に努めるとともに、国や角田市などの関係機関と連携しながら、河川改修を含めた流域治水対策について検討を進めてまいります。 次に、尾袋川の整備状況と今後の予定についての御質問にお答えいたします。 尾袋川では、令和元年東日本台風により浸水被害が発生したことから、特に土砂の堆積により河道が狭くなっている馬場内橋上流部の約一・七キロメートル区間について、優先的に河道掘削を実施し昨年度完了したところです。また、馬場内橋から下流の南田橋までの約一・三キロメートル区間についても、今年度から支障木伐採と河道掘削に着手したところであり、引き続き適正な維持管理を行いながら、流下断面の確保に努めてまいります。 次に、雉子尾川の河川整備の進捗状況等についての御質問にお答えいたします。 令和元年東日本台風により甚大な被害を受けた雉子尾川では、未改修となっていた中流区間の石神橋から三代河原橋までの約一・六キロメートル区間について、国の補助事業である大規模特定河川事業を活用し、令和二年度から事業に着手しております。現在、橋梁や樋管等の構造物工事を優先して進めており、来月下旬には、中平橋が完成する予定です。引き続き、必要な予算を確保しながら、令和九年度の完成を目指して鋭意整備を推進してまいります。また、三代河原橋から上流区間についても、中流区間の進捗状況を踏まえながら、事業化に向けた検討を進めており、県といたしましては、雉子尾川沿川の住民の皆様が安全に安心して暮らせるよう、今後も河川整備にしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点目、防災・減災、国土強靱化の推進についての御質問のうち、県南の県立高校に土木の学びの場を早急に増やすべきとのお尋ねにお答えいたします。 南部地区における土木の学びについては、白石工業高校の設備工業科において土木に関する科目を設けているほか、四月に開校する大河原産業高校においても、農業土木に関する科目を設け、学びの機会の確保に努めているところです。一方で、土木関連分野で活躍できる技術者を育成し、社会や地域のニーズに応えていくためには、南部地区において、土木に関する学びを更に充実させていく必要があると考えており、今後検討を進めてまいります。 次に、大綱四点目、高蔵寺阿弥陀堂等の国宝指定への取組についての御質問のうち、地元と連携した取組などのお尋ねにお答えいたします。 高蔵寺阿弥陀堂は、平安時代の浄土信仰を伝える木造建造物として、県内有数の国指定重要文化財となっております。国宝に指定されるためには、文化財保護法に基づき、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、類いない国民の宝であることが求められております。指定に当たっては、まず文化庁が事前調査を行い、その成果をもとに国の文化審議会において審議され、文部科学大臣へ答申されることとなります。現在、国宝指定の建造物は全国で二百三十件、うち、東北地方は六件、宮城県は、瑞巌寺本堂など三件が国宝指定となっております。近年、建造物の国宝指定は年一件程度で、容易ではない状況にありますが、県教育委員会といたしましては、角田市及び高蔵寺が行う価値を確立するための学術調査等に積極的に協力するとともに、本文化財を保存・活用する地域の取組を後押ししてまいります。 以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 十八番八島利美君。 ◆十八番(八島利美君) 答弁いただきまして大変ありがとうございました。数多い質問に丁寧に答えていただきました。大変ありがとうございます。 再質問させていただきますが、大綱一点目に関しまして、国道三百四十九号について、先ほどの答弁によりますと、流域治水と併せて進めていくというふうな答弁をいただきました。大変ありがとうございます。流域治水と併せるということは、河川の工事と、あと道路の工事と一緒に進めていくというふうに理解をしたんですが、具体的に例えば、かさ上げをしながら堤防も一緒に造っていくというような考え方でよろしいのか、まだそこまで決まっていないのか、その辺はいかがなんでしょうか。 ○副議長(池田憲彦君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 先ほど答弁させていただきましたように、流域治水対策の中で検討を進めていくということで、現在は河川堤防と併せて道路も一緒にかさ上げしていくということで検討を進めてございます。流域治水対策を進める上では、これから様々な取組が必要であって、その実効性を高めるためにも、特定都市河川の指定も視野に入れながら、今後、角田市と国土交通省を含めながら、検討を更に進めてまいりたいと思っております。 ○副議長(池田憲彦君) 十八番八島利美君。 ◆十八番(八島利美君) 先ほどの答弁にもありましたように、令和元年の東日本台風によりまして甚大な被害を受けている箇所でもありますので、流域治水と併せて整備をしていただくことによって、道路の利便性も高まりますし、安全性も高まるということになりますので、今後、角田市と連携をしながら、国の協力をいただいて進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 それから、次に、土木技術者の育成ということで、先ほど教育長から白石工業と、あと新しくできる大河原産業高校に土木を学ぶ機会があるというお話をいただいたんですが、なかなかそれだけでは足りないというふうな感じを持っておりまして、先ほどからお話ししている、災害に対応する技術職員がかなり不足しているというのは、官民一緒なんですね。ですから、若手の技術者を育てていくためにも、やはり高校の時代から育成していくことが大事だと思いますし、今の南部地区にはそういった機会が本当に少ないということもありますので、今後検討していきますというふうな、ちょっと前向きな答弁をいただいたんですけれども、もう少し具体的にお話しいただけるとありがたいんですが、お願いします。 ○副議長(池田憲彦君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 県内で土木の学びを取り入れている公立高校の状況を確認いたしますと、県北のほうでは測量から土木構造設計ですとか土木施工ですとかトータルで学べるようになっていますが、どうしても南部においては、全体の科目としては、不足している状況が明らかにあります。そして土木系の就職率も低いというところが見えていますので、こうしたことを改善していくというか、全体的なバランスを考えていくと。県の南部でこの学びを更に充実させていく必要があるというふうに考えておりまして、先ほど答弁をさせていただきました。具体的な検討についてはこれからということになりますが、検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 十八番八島利美君。 ◆十八番(八島利美君) ありがとうございます。積極的に進めていただくようにお願いをしたいと思います。土木技術者に限らないんですけれども、そういった専門職の技術職が少ないというのは本当に切実な問題でありますので、教育分野からも支援をしていただきますように、よろしくお願いをしたいと思います。 それから、鳥インフルエンザの関係で再質問したいんですが、先ほどのお話のようにいろんな補助金を使って支援をしていただくということは理解できたんですが、具体的にこれから、また産業をやり直しましょうというところまで、きちんとしたフォローをしていただけるのかどうかをちょっとお聞きしたいと思います。お願いいたします。 ○副議長(池田憲彦君) 農政部長宮川耕一君。 ◎農政部長(宮川耕一君) 鳥インフルエンザでございますけれども、先ほど申し上げましたように、まず殺処分した者に対する補償というのはございます。それから、全て消毒の期間が終わりまして、再開するという場合に、新しいひなをお買い求めいただく、その部分を先ほどの支援金の中で支援されることになってございます。それから、その間収入がないということになりますので、そこはつなぎ資金が低利で用意されておりまして、そういったものを活用していただきながら、再開まで支援してまいりたいということでございます。 ○副議長(池田憲彦君) 十八番八島利美君。 ◆十八番(八島利美君) ありがとうございます。しばらくの間、営業ができないというようなこともありますので、そういったところもフォローしていただくように、今のつなぎ資金等も有効活用していただくような形で支援をお願いしたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。 それから豚熱の関係で、栃木県の例をお話しさせていただいたんですが、先ほどの答弁でもやはり宮城県のほうでも、そういった形で国のほうに要望していきたいというようなお話をいただきました。なかなか国のほうからは厳しい回答が来ているのですが、具体的にどんな感じで宮城県としては要望していくように考えているか、教えてください。 ○副議長(池田憲彦君) 農政部長宮川耕一君。 ◎農政部長(宮川耕一君) 豚熱の部分殺処分の要望でございますけれども、実は、これまでにも一度、東北各県と合同で要望できないかという調整をしたことがございます。ただその時点では、鳥インフルエンザのほうは、各県まとまりまして、先般のそういった部分的な飼養衛生管理をきちんとして、部分的に殺処分するということで駄目かということは要望させていただいたんですけれども、豚熱のほうは、実は東北各県で考え方がちょっとばらばらのところがございましたので、それで、先ほど知事から御答弁申し上げましたように、同じような考え方を持っている全国の他の県と連携をいたしまして、豚の部分的な殺処分について、きちんと基準を決めて、認めるようにしてくれという要望をこれからしたいということで、検討している最中でございます。なるべく早く要望したいと考えてございます。 ○副議長(池田憲彦君) 十八番八島利美君。 ◆十八番(八島利美君) ありがとうございます。何とか国のほうにも呼びかけていただきまして、お願いしたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 それから、放置竹林対策に移らせていただきますが、先ほどもお話ししたように、放置竹林の問題というのが全国的に広まっておりまして、一番怖いのが土砂災害を招くのではないかというところでございます。どうしてもその放置されている一つの原因が、竹を使わなくなってしまったということで、やはりどんどん竹を資源化しまして使っていくことによって、需要が出てくれば、そういった放置竹林も少なくなっていくのではないのかなというふうに考えているのですが、いろんな農業分野で、先ほど申し上げた竹チップでありますとか竹炭、そういった形のものを、農業、土壌改良剤とかに活用して成功している事例もありますので、そういったことを強力的に進めていくという考えはないのか、お聞かせいただきたいと思います。お願いします。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 非常に重要な問題だと考えております。県だけではなくて民間団体などとも協力をしながら、土壌改良剤や堆肥、養鶏用の飼料など有効に活用するように、今いろいろ検討を進めているというところでございます。また、竹林整備の活動経費や竹を粉砕する機械の導入の機器購入費の助成などもさせていただいておりまして、いろいろネットワークを使いながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 十八番八島利美君。 ◆十八番(八島利美君) どうぞよろしくお願いします。 高蔵寺の国宝指定について、最後にちょっとお願いします。 先ほども申し上げましたとおり、東北三大阿弥陀堂で一つだけ抜けています。何とか強力に推していただきたいんですが、教育長の最後の力強い支援をお願いします。 ○副議長(池田憲彦君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 国宝指定ということになりますと、他の重要文化財に比して文化的意義が高いということをしっかり説明していくことが重要でございます。角田市、そして高蔵寺において、学術的な調査、これから更に進められて、その価値についてしっかりと証明できるようにしていくということだと思いますので、我々としても、しっかりと協力して一緒にやっていきたいと思っております。 ○副議長(池田憲彦君) 九番福井崇正君。    〔九番 福井崇正君登壇〕 ◆九番(福井崇正君) 自由民主党・県民会議の福井崇正です。議長のお許しをいただきましたので、大綱三点について質問させていただきます。 宮城県の人口は、二〇〇三年の推計人口の二百三十七万千六百八十三人をピークに減少に転じて以降、二〇一二年及び二〇一三年には、震災に伴う復興需要の影響もあり微増しましたが、二〇一四年に再び減少に転じ、今もなお減少傾向は続いております。二〇一五年の国勢調査による宮城県の人口は、二百三十三万三千八百九十九人で、六十五歳以上の老年人口は、一九九〇年代以降急速に増加し、二〇〇〇年の国勢調査時に十四歳以下の年少人口の割合を超え、二〇一五年国勢調査時には、県人口の二五%を超えました。仙台都市圏の人口は増加傾向にあるものの、それ以外の圏域の人口は一貫して減少傾向となっており、特に沿岸部の人口減少が進んでおります。人口減少がもたらす影響として、県内総生産の減少や人材の県外流出の加速、地域活力の低下及び経済のマイナス成長が進むことで、更に人口減少に拍車がかかることが懸念されます。生産年齢人口の減少に伴う労働力不足による人手不足倒産を増加させ、県内の事業者減少による大学生等の就職先も減少することで、人材の流出が加速することや、復興需要終息後の産業振興や社会変化への対応を困難にし、イノベーションの創出機会が減少することで県内産業の衰退にもつながることが考えられます。今後、想定される社会変化として、本県だけではなく、日本は本格的な人口減少時代に突入する一方で、世界的には、人口増加が進み、併せて高齢化も進むため、国際的な人材確保競争が激化していくと考えられます。生活面では、技術革新と産業構造の変化に伴い、働き方も変化し時間を有効活用できるようになることや、ダイバーシティーの高まりなどにより、一人一人が多様な仕事、役割を担うようになることが考えられます。そのような中で、新・宮城の将来ビジョン「富県躍進! PROGRESS Miyagi」を策定し、今年三年目を迎えるわけですが、国際社会への貢献や海外市場への展開等を通じて、震災を乗り越え躍進する宮城を世界に発信できているのか、現在の状況や県の認識についてお伺いいたします。 また、人口減少社会の状況では、政策を立案し実行する県職員について、資質向上や生産性向上、並びに、業務の効率化が、今後更に求められると考えますが、県職員の資質向上のための研修に関して、研修内容を拝見させていただきました。職場研修や職場外研修については、充実していると感じております。職場外研修については、階層別の新任職員研修から始まり、役職ごとの研修、人材育成管理や女性職員キャリアデザインセミナー等の四つの研修、選択制研修は、政策形成やビジネススキル、マネジメント、コミュニケーション、法務執務等の十九講座があります。その他では、派遣研修や通信講座受講の自主研修があります。いずれも二時間程度から最大二泊三日程度の研修内容であります。一方で、民間企業等への派遣について、平成二十三年度以降の資料を拝見いたしました。一般財団法人自治体国際化協会へ三年間で、うち一年は東京、二年はニューヨーク若しくはロンドン、トヨタ自動車株式会社へ二年、国立大学法人東北大学産学連携推進本部へ二年、東日本旅客鉄道株式会社仙台支社へ二年、独立行政法人国際観光振興機構へ二年、独立行政法人日本貿易振興機構、いわゆるジェトロへは三年間で、うち一年は仙台貿易情報センター、二年はドイツのデュッセルドルフへの派遣など、その時々に合わせて外部へ派遣している状況です。省庁への派遣については、総務省、経済産業省、文部科学省、農林水産省、内閣府、厚生労働省、復興庁、デジタル庁という状況になっており、このような省庁への派遣や海外留学、民間企業派遣などの様々な環境に身を置くことで学べることも多く、本県の重点政策を推進していくことを考えた場合、そこで得た知見や経験を県に持ち帰り県政に還元することで、よりよい政策立案と事業推進が可能になると考えます。したがって、宮城県は、このような外部への派遣を更に活発に進める必要があると考えますが、今後更に進めていく考えがあるのかお伺いいたします。 今までは、震災で応援職員に来ていただいておりました都合上、派遣は厳しい状況だったかと思いますが、震災後十二年を迎え、機運として派遣を意欲的に行っていくべきだと考えます。また、人口減少社会の中で、いかに優秀な人材を県庁が獲得できるかを考えた場合に、今の学生たちに魅力ある職場であることを訴求する上で、民間や省庁、仙台市などと比較した場合の有利な条件をいかに提示できるかが重要であると考えます。一つに働き方ですが、新型コロナウイルス感染拡大は、たった数年で働き方に大きな変革をもたらしました。コロナ禍でニューノーマルと言われる新たな働き方が定着してきており、テレワークやBYOD、ワーケーション等、民間に先駆けて宮城県から始めるべきだと考えます。BYODに関しては、リモートアクセスサービスの利用ライセンスを来年度から開始するというお話をいただきました。テレワークは、介護や子育てに範囲を拡大して行うという回答でした。ワーケーションへの壁は、制度的に出張扱いとなり公務災害があった場合の対処が未整備であると伺ったところです。しかし、県職員がやってみるからこそメリットやデメリットを示し、よりよい事業展開もできるのではないかと考えます。職場に出勤して仕事をするだけが仕事ではなく、様々な環境で仕事をすることで、異業種、同業他社とも比較して魅力的な職場環境をつくり、優秀な人材が集まることで組織が活発になり、宮城県の将来をつくっていくことで、最終的な享受者である県民目線の政策をつくることができるのではないかと考えます。以上の観点から、介護や子育てに限らず、どこでも仕事ができるという新しい働き方として、ワーケーションやテレワークを県職員へ今後どのように実施・展開していくのか、県としての考えを伺います。 そして、令和四年十一月には、宮城県職員DX人材育成プランが策定されました。当初予算では、新規で庁内DX人材育成費が計上されており、プランに基づき人材育成が進んでいくものと思いますが、大きな一歩を踏み出したと感じております。一方、DXとは、単なるデジタル化にとどまらず業務を改革していくことです。そのためには、さきに述べたテレワークだけではなく、今までの仕事のやり方を変えていくことが重要です。また、当初予算では、総務部より働き方改革推進費、オフィス改革推進費が計上されております。内容としては、ペーパーレス会議システムの運用やテレワーク推進などが挙げられております。オフィス改革推進費では、会議でモニターを利用しペーパーレスを実現、カフェ風打合せスペースや個別ブースを設置し作業の効率化を図るなど、今働いている若手職員も働きやすい環境整備に取り組んでおられ、おおむね好評であると伺いました。職員の執務環境の改革などで職員の資質を向上させることが、最終的に県民サービスの向上に寄与すると考えますが、今後どのように変革していくのか伺います。 これまでやっていたことを変えていくことは非常に困難を伴いますが、だからこそトップがビジョンを示し、自らロールモデルとなって主導することが大事だと考えます。これまで述べたとおり、重点政策の推進に当たっては、外部への派遣や留学の促進、働き方改革を実行することにより、県職員の資質向上にとどまらず、他業種よりも宮城県庁は魅力的な職場であることを学生に訴えることができれば、優秀な人材の発掘にもつながる好循環が生まれると考えますが、執行部の考え方を伺います。 大綱二点目、多様な人材の参入促進について伺います。 外国人の雇用に関して、技能実習制度は、我が国で開発され培われた技能、技術または知識の開発途上地域等への移転を図り、その開発途上地域の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度であり、これまでは、出入国管理及び難民認定法とその省令を根拠法令として実施されてきたものですが、平成二十八年の技能実習制度の見直しに伴い、新たに技能実習法とその関連法令が制定され、入管法令で規定されていた多くの部分が、この技能実習法令で規定されることになりました。令和四年六月末時点で、技能実習生は、ピーク時の令和元年には四十一万人が在留したものの、コロナ禍で一時減少し、令和四年六月末時点では、約三十三万人となっております。職種別では、令和三年の調査によると、建設関係二〇・八%、食品製造関係一九・五%、機械・金属関係一四・九%となっております。また、受入れ人数の多い国は、ベトナム五五・五%と最も多く、次いでインドネシア一二%、中国一一%、フィリピン九%という状況です。一方、特定技能は、日本国内の深刻な人手不足を補う即戦力のための在留資格として新設されました。技能実習生は、母国の送り出し機関で、日本語教育や日本の企業文化などを学び日本に来日しますが、特定技能は、相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能が必要なため、技能試験や日本語試験で能力を測定し合格しないと特定技能就労ビザの取得はできません。つまり、特定技能は人手不足の業界で即戦力として働けると認められた外国人のみが取得できる就労ビザです。技能実習生の在留期間は、更新をすることができれば最長五年です。技能実習制度では、入国して一年目の期間は、技能実習一号のビザを技能実習生に与え、その後、二年目から三年目までは技能実習二号を、四年目から五年目までは技能実習三号のビザで日本に滞在できます。特定技能は、特定技能一号と特定技能二号の二種類の就労ビザがあります。特定技能一号は、更新することができれば同様に最長五年間、特定技能二号は、在留期間を更新し続けることができれば無期限で日本に滞在することができます。特定技能外国人を受け入れる分野は、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、人材を確保することが困難な状況であるため、外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野--特定産業分野と言いますが、そのような内容です。具体的な特定産業分野については、建設、造船・舶用工業、自動車整備、宿泊、農業、漁業などとなっております。 人口減少の中で、県内産業界でも、人手不足は深刻な問題となっております。特に一次産業を中心に不足していることと、看護師や介護士の人材不足が叫ばれて久しいわけです。県における介護職員数は三万二千八百七十人で、令和五年度には三万八千九百四十二人が必要とされ、新たに六千七十二人の介護職員の確保が必要と見込んでおります。また、令和七年には四万千四百十三人が必要と推計され、その需要ギャップは四千百八十八人と見込まれることから、将来を見据えた介護人材の確保対策が重要となっております。このため県では、平成二十六年度に県内の介護関係十八団体で構成された宮城県介護人材確保協議会を設立し、多様な人材の参入促進、職場の資質向上、労働環境・処遇の改善の三本柱で、介護人材の確保・養成・定着に向けた取組を行っております。その中で本県は、ベトナムへ介護人材の創出を求め令和元年度から交渉を重ね、令和二年から海外からの介護人材確保に取り組んでおり、令和四年度の来日技能実習生は、コロナ禍であっても十七名が来県している状況であることを伺いました。人材不足の中で、長寿社会政策課でもベトナムだけではなく、インドネシアでも介護職の人材発掘のため調査を行っていると伺いました。自由民主党・県民会議会派内でも、インドネシア友好議員連盟が設置され、私も参画することになりました。役員六名にて二月一日から四日まで、インドネシアのジャカルタとブカシ県へ技能実習生・特定技能に関する調査視察を実施いたしました。主に送り出し機関協会であるインドネシアAP2LN、外国人材受入れと多文化共生支援の取組についてJICAインドネシア、在インドネシア日系企業、送り出し機関と日本語学校を運営しているフジビジャク、日本への送り出しと現状について労働省求人センター、実習生の送り出しの現状と協定に関することで在インドネシア日本大使館、実習生が日本でもインドネシアでも働ける環境を整備した気仙沼市からインドネシアで起業している菅原工業、日本語と英語教育をしているリア大学では日本語教育の取組について調査、インドネシア商工会議所にて現状や課題、今後技能実習生を送り出すことができるのかなどの可能性について調査いたしました。その中で日本語習得が一番大きな課題であること、監理団体との協定はあるが、不適切な経営や人材管理を行っている団体があること、制度の認知度が低いこと、業種によってはハラスメントにより人気のない業種があること、ハラルの食事やお祈りの場所がない、宗教上の行事への理解等が挙げられました。一方で日本に対するイメージは、約八割の国民がよいイメージを持っており、実習で日本に行きたいと思っている人も多く、インドネシア政府としても日本への人材を送り出す意欲があると、在インドネシア大使館の金杉大使からお話を伺ったところです。求人センターは、日本で言うハローワークのような組織ですが、そこでは、インターネットを活用した求人サイトのプラットフォームを製作中で、日本での仕事に関する情報も展開する予定というお話でした。ぜひ、宮城県でも、県内企業を紹介してほしいという趣旨の要望を頂戴したところです。また、JICAやインドネシア商工会議所ハリーさんから受入れ体制について、県として受入れ業種と人数の把握、目標が必要であることを伝えられました。そうすれば政府の労働省・商工会議所・送り出し機関協会が連携して、しっかり送り出せる人材を準備していきたいという内容でした。県としてどの業種ごとにどれぐらい人員が不足しているのかを把握しているのか伺います。もし把握していない場合には、どのような形で把握に努めるのか、お伺いいたします。 リア大学では、日本語勉強のため日本への語学留学を学生だけではなく教員も行く制度を行っており、高知大学や山梨大学、神田大学と連携しているということで、ぜひ宮城県内の大学とも連携し、学生同士の交換留学や交流事業を行いたいという期待感もいただいたところです。リア大学では、二〇二三年から情報・DX・ビジュアル等のIT人材育成のための学科も新設するということもありますので、ぜひ宮城大学と交換留学やインターンシップ連携協定等を結ぶことも検討いただきたいと思いますが、県の考えをお伺いいたします。 一方で、県が主体的に技能実習生の受入れ環境整備をする必要性も感じました。例えば適切な監理団体との連携や会議の場を設け、適切に人材が実習できる環境づくりへの協力。例えば監理団体協議会の設立や、県内での継続的な日本語を学ぶ機会の提供、在留支援や相談体制の整備等、特にインドネシア国民はイスラム教が八割を占めている国のため、お祈りの時間や場所の確保、宗教上の行事への理解、ハラル食への理解がなどがあります。上述した内容については、一義的に県で窓口になる担当課が必要と考えますが、ハンドリングはどこの課が所管することを考えていますでしょうか。例えば、介護人材であれば長寿社会政策課でありますし、農業人材であれば農業振興課、漁業であれば水産業振興課と担当が分かれますが、一元的に管理できる体制が必要と考えます。県としてどのように考えているのかお伺いいたします。 また、課題の中で日本語の習得が大きなポイントだと考えますが、気仙沼市のように、市で監理団体や企業の枠を超えた日本語を学ぶ機会の創出は大変意義深い取組ですが、今後新設予定の日本語学校との連携等を模索してみてはどうかと考えます。県の考えをお聞かせください。 日本語学校は、現時点では留学生を対象にしているということですが、実習生も一緒に学ぶことによる相乗効果も得られると思いますが、いかがでしょうか。 そして、東北大学には優秀なインドネシアの留学生が学びに来ております。そのような高度人材をしっかり県内で確保する企業の紹介や取組を県はどのように行っているのか、また、今後どのように考えているのかお聞かせください。 また、高度人材以外の専門学校の留学生は、比較的県内に就職する傾向が高いと伺っております。専門学校生向けの就職状況はどのようになっているのか、県として把握しているのか、お伺いいたします。 以前知事は、県内にいる海外の方々との意見交換の場を設けられていましたが、そのような在住外国人との意見交換から、外国人が宮城に求める課題点の抽出を行うとともに、人材確保の観点だけではなく、留学生を宮城県のファンにすることで定着につなげ、観光も含めた交流人口の拡大につなげていくことも大変重要だと思われますが、今後の海外人材等に関する知事の御所見をお伺いいたします。 大綱三点目、県の観光施策について伺います。 インバウンド需要が本格回復に向かってきております。日本総研の報告書によりますと、訪日外国客数は、二〇二三年末には年率換算で二千万人を超える水準まで回復すると予想しており、地域別に見ると特に韓国、台湾、香港。東アジア以外では、アメリカやシンガポールなどからの訪日客が大きく増加しており、既に仙台市内でも外国人観光客がちらほらと見受けられ、本格的なインバウンドの波が宮城県をはじめとする東北各地に訪れるのも時間の問題かと思われます。二〇二〇年まで日本政府は、滞在時の消費額拡大のため、体験型コンテンツの充実と市場拡大を図り、歴史や文化だけにとどまらない新たな観光資源の開拓、外国人向けコンテンツの充実、受入れ環境整備、対外発信の強化等につなげるための政策を多く実施しましたが、コロナの影響により、それまでインバウンド対応を行っていた人材の多くが、企業の経営状況の悪化に伴い離職。現在、多くの事業者が外国人受入れに対して経験がほとんどないスタッフによる運営を迫られており、宮城県も状況は同様であり、抜本的な受入れ体制の整備を行う必要があると考えます。高知県では、コロナ禍も含め五年間にわたり、地域事業者がインバウンド受入れに関して持つ課題を、一事業者当たり三回まで専門家を派遣しコンサルティングすることで解決する取組を行っております。このコンサルティングには、情報発信、接客、ビーガンや素食家向けメニューの作成、ガイド技術などのアドバイスに加え、翻訳を一回とカウントさせることで、幅広い事業者ニーズに対応することに成功しており、既に多くの成果を出しております。二〇二〇年には、世界的ガイドブックであるロンリープラネット、そして世界で最も読まれている雑誌であるナショナルジオグラフィックにおいて、世界で最も行くべき場所の一つに東北が選ばれました。そして多くの外国人が東北に求めるのは、自然、景観、そして自然を生かした体験です。しかし外国人観光客向けの体験コンテンツがどれだけ多く存在しても、自信を持って運営できる人材がいなければ顧客満足度を維持することは不可能です。すぐそこまで来ているインバウンド需要の完全復活を控え、事業者が抱える外国人観光客の受入れに対する不安を自信に変える、受入れ体制の再整備が、いま一度必要だと考えますが、いかがでしょうか。 また、具体的に高知県のような一事業者当たり三回まで専門家を派遣するようなコンサルティングをニーズに合わせて実施することなどの事業を検討してみてはどうかと考えますが、今後検討できるのかお伺いいたします。 宮城県では、県内にあるダムを活用した、みやぎ・ダムツーリズムを推進しており、洪水被害の防止や、水道、農業用水供給など、生活に欠かせない役割を担っているダムの新しい発見につながるよう各ダムの魅力を紹介しており、ウエルカムみやぎ観光ガイドブック二〇二二にも掲載されています。二十一か所あり、ダムを「見る」「知る」「楽しむ」機会を造成しております。主に管理事務所でダムカードを発行しており、インフラツーリズムを趣味とする旅行者に好評を博していると伺っております。その中で大倉ダムは、昭和三十七年に完成したダブルアーチ式コンクリートダムであり、広瀬川沿川の洪水被害防止、水道用水、工業用水、かんがい用水の確保、発電と幅広い役割を担っています。現在地元の皆様が管理事務所から助言をいただきながら、土木遺産の申請を進めていると伺っております。春には、地元小中学生が製作したこいのぼりをダムからつるし、「鯉のぼり×大倉ダム」のイベントを官民連携で開催しており、昨年は、千葉土木部長にも、ダム下公園での開会式に出席賜り、ゲート放流で悠々と泳ぐこいのぼりと桜を眺めていただき、地元の方々は大変感謝しておりました。参加者も年々増加しており、現在あるインフラを活用した観光造成は、大変意義深い取組であると実感したところです。昨年、鳴子ダムでは、ゴールデンウィークにすだれ放流とライトアップのイベントが開催されました。東北地方整備局発表によりますと、令和四年八月二十二日、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロー内、日本夜景遺産事務局にて、第十七回日本夜景遺産の新規認定地の決定・発表があり、鳴子ダムがライトアップ夜景遺産の部門で認定されました。ライトアップ夜景遺産認定を機に、永続的に観光資源として価値を維持するとともに、鳴子温泉郷における更なる活性化を目指し観光振興に寄与しておりますが、大倉ダムやその他の県管理のダムでも、同様のライトアップイベントを開催することは可能なのか、お伺いいたします。その他、ダムを活用した観光振興について県の御所見を伺います。 以上、壇上からの質問を終わります。ありがとうございます。 ○副議長(池田憲彦君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 福井崇正議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、県職員の資質向上についての御質問にお答えいたします。 初めに、我が県の姿の世界への発信についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、新・宮城の将来ビジョンの下、国際関連施策の方向性を示す基本的な指針として、みやぎ国際戦略プランを策定し、県内経済や社会のグローバル化の促進に向けた取組を進めてまいりました。今年度からスタートした第五期プランにおいては、国際的な人材の確保・育成などを政策推進に向けた基本姿勢としており、このためには、東日本大震災を乗り越え未来に向けて歩みを進める姿や生活環境、豊かな自然、文化などを積極的に発信し、宮城のすばらしさの海外での認知度を高めることが必要だと考えております。県といたしましては、おととい開催いたしました技能実習生サンクスパーティー等国際交流事業に加え、海外販路の開拓やインバウンドプロモーションなどの際に、我が県の情報発信に努めているところであり、今後も、今年五月に開催されるG7仙台科学技術大臣会合などのあらゆる機会を捉え、宮城の魅力の国際的なアピールに積極的に取り組んでまいります。 次に、省庁や民間企業等への職員派遣の方向性についての御質問にお答えいたします。 今後、加速化する人口減少や、様々な社会の変革に立ち向かっていくためには、次代を担う職員の育成を図っていくことが重要であると認識しております。職員の派遣については、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症への対応により、縮小せざるを得ない時期もありましたが、県組織では得難い経験を積むことができる貴重な機会と捉えているところであります。今後も、新・宮城の将来ビジョンに掲げました組織目標達成と職員のキャリア形成の両立を図るため、時代のニーズに沿った新たな派遣先の検討も行いながら、省庁や民間企業等への派遣や他自治体との人事交流を積極的に推進してまいります。 次に、派遣や留学、働き方改革等による優秀な人材発掘についての御質問にお答えいたします。 我が県の重点政策を推進していくためには、優秀かつ多様な人材を採用し、育成していくことが重要であると認識しております。このため今年度は、従来から実施している採用説明会やインターンシップなどに加え、職務内容を紹介する動画配信による広報の強化や、学生を会計年度任用職員として一定期間採用する取組などを新たに実施したところであります。また、入庁後に外部への派遣を含む多様なキャリアを形成できる環境があることや、テレワークをはじめとする働き方改革やオフィス改革などにより、働きやすい職場環境を整備していくことが、現在の職員のみならず、県職員を志望する人材の獲得にも資するものと考えております。今後も魅力的な職場環境の構築に努め、将来を担う人材の確保につながる好循環を創出できるように取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、多様な人材の参入促進についての御質問のうち、今後の外国人材等に対する所見についてのお尋ねにお答えいたします。 県内の人口減少が進む中、外国人の受入れを促進していくことは、今後ますます重要になると認識しております。県では公的関与の日本語学校の開設や留学生の県内企業への就職支援、在住外国人向けの生活環境整備など、様々な取組を進めているところであります。このうち日本語学校の開設に当たっては、単なる日本語学習にとどまることなく、歴史・文化の学習や地域との交流を通じて、宮城の魅力を世界に発信できる宮城ファンを広げることなどを基本的な考え方としております。また、在住外国人向けの生活環境整備については、昨年二月と九月に開催いたしました外国人県民との座談会において、私自らが在住外国人の方々と直接意見交換を行い、外国人向けの情報発信の在り方や就職支援等について、貴重な御意見を伺ったところであり、デジタル技術を活用した情報発信の検討などを進めていくこととしております。県といたしましては、在住外国人が暮らしやすい環境整備や宮城の魅力の発信に努め、諸外国からの多くの方々の来県や定住につながる人材の好循環の創出に取り組んでまいります。 次に大綱三点目、県の観光施策についての御質問のうち、大倉ダムなどの県管理ダムを活用した観光振興についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、ダムをはじめとする土木施設を観光する、インフラツーリズムが社会的に脚光を浴びており、新たな観光資源として期待されております。このため、県管理ダムにおいては、これまで実施してまいりました見学会やダムカードの配布に加え、昨年度からは、宮城ダムツーリズムとして、観光ガイドブックやホームページなどによりダムの役割や魅力について情報発信を行っているところであります。更に現在、観光資源としての魅力向上の試みとして、ライトアップ等についても検討を進めており、県内六つのダムで既に試験点灯を実施するなど、その導入の可能性を確認しております。大倉ダムにつきましては、今年春の試験点灯において視認性等を確認した上で、令和六年度からの本格導入を目指しており、今後、地域住民や地元自治体、観光事業者等と連携し、渋滞対策など受入れ体制の整備についても検討する予定としております。県といたしましては、引き続き様々な機会を通じてダムの役割を広く周知するとともに、県管理ダムが持つ観光ポテンシャルを有効に活用し、地域振興や交流人口の拡大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 総務部長志賀真幸君。    〔総務部長 志賀真幸君登壇〕 ◎総務部長(志賀真幸君) 大綱一点目、県職員の資質向上についての御質問のうち、テレワークやワーケーションなどの今後の展開についてのお尋ねにお答えいたします。 働く場所の選択肢の拡大は、働き方改革やワークライフバランスを推進し、多様な人材を確保していく上で大変重要であると認識しております。このため、我が県では、令和二年度に在宅勤務制度を導入したほか、昨年度からは、経済商工観光部においてワーケーションの試行を行っているところです。テレワーク・リモートワークについては、今後一層の実施拡大を図るため、育児や介護などの事由に限らず、全ての職員が実施できるよう制度の見直しを行うこととしております。また、令和五年度当初予算では、BYODや私用スマートフォンの公用化など、リモート時の生産性の向上に向けた実証事業の経費を計上しております。なお、ワーケーションも含めた自宅以外での柔軟な働き方については、現在、国において国家公務員の服務や勤務条件などに関して検討を進めているところであり、その結果を踏まえ更なる推進方策を検討してまいります。 次に、執務環境の改善についての御質問にお答えいたします。 我が県では、職員が従来の仕事のやり方を見直し、機能的かつ生産的に働くことができるような執務環境の整備に向け、今年度、県庁舎内の三所属を対象に、業務内容に適した動線設計や什器整備を行うモデル事業を実施しております。また、令和五年度からは、テレワーク・リモートワークの際にも、出勤時と同様のICT環境の下で業務を遂行できる民間サービスを導入し、その効果検証を行いたいと考えております。県といたしましては、これらの取組による改善効果を検証しながら、引き続き職員にとって働きやすく、かつ、生産性の向上に資する執務環境の整備を進めてまいります。 次に、大綱二点目、多様な人材の参入促進についての御質問のうち、宮城大学の交換留学生やインターンシップ等の連携事業についてのお尋ねにお答えいたします。 宮城大学では、現在、ベトナム、タイを含む七か国一地域、十三大学との間で交流協定を締結し、学生の交換留学や教職員の学術研究調査など、様々な分野で活発な交流活動を展開しております。これら交流協定校の選定に当たっては、宮城大学と同種の学部があることに加え、双方の大学、学生、教職員にとって有意な交流、連携となることを重視してまいりました。宮城大学としても、第三期中期計画の中で、国際交流に力を入れるとともに、大学間交流の更なる拡大を図ることとしていることから、県といたしましても、交換留学、共同研究、企業訪問、インターンシップでの連携など、様々な分野で一層の交流が進むよう、必要な支援に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱二点目、多様な人材の参入促進についての御質問のうち、県内における従業員の充足状況等についてのお尋ねにお答えいたします。 県内の雇用情勢については、県では、宮城労働局が毎月公表する宮城県の一般職業紹介状況や、求人・求職バランスシート等を基に、労働局と情報交換を行うなど、その把握に努めております。先月公表された一般職業紹介状況においては、毎月の産業別求人数が示されており、また、求人・求職バランスシートから見ると、介護サービスの職業や建設・採掘の職業等では、求職者が求人を大きく下回る状況となっております。このほか、庁内各課や地方振興事務所等で日常的に企業訪問活動を行い、個々の企業の人材確保状況の把握に努めており、具体的な課題については、労働局と連携しハローワークの具体的な対応を促すなど行っております。 次に、外国人材の一元的な管理体制についての御質問にお答えいたします。 技能実習制度の運用につきましては、国の外国人技能実習機構において、監理団体等への指導や講習、技能実習生に対する相談・支援、技能実習に関する調査・研究など一元的に対応しております。県では、県内で技能実習生を含めた在住外国人が増加している状況を踏まえ、国際政策課において、在住外国人と地域住民との交流事業や、地域における日本語教育体制整備、多文化共生の意識醸成を図るシンポジウムの開催など、地域の受入れ環境整備を進めております。国においては、昨年十一月に技能実習制度に関する有識者会議が設置され、技能実習制度の趣旨と実態の乖離の是正や、監理団体の在り方などに関する議論が進められているところであり、今年の秋頃までに最終報告がまとめられると伺っております。県といたしましては、国の動向を注視しながら、在住外国人と地域住民の相互理解と交流機会の創出など、地域の受入れ環境の整備に引き続き努めてまいります。 次に、新設予定の日本語学校の活用と、留学生と技能実習生が共に学ぶ相乗効果についての御質問にお答えいたします。 県内には、技能実習生をはじめとした在住外国人が地域で日本語を学ぶ場として、市町村やボランティアが開設・運営する日本語講座が三十六講座開設されており、多くの在住外国人が受講しております。県においても、地域における日本語教育体制の整備を図るため、講座の未開設地域の解消や日本語教育を支援する人材の育成に取り組んでいるところです。現在、公的関与の日本語学校の早期開設に向け、開設に意欲を示す市町村との協議を進めておりますが、新設される日本語学校において、既存の日本語講座との連携は、地域の日本語教育体制に大きな効果が期待できるとともに、在住外国人同士の交流がより深まり、多様な学びの場につながるものと考えております。県といたしましては、今後も、日本語学校開設自治体や日本語講座開設者と協調しながら、在住外国人向けの教育体制の充実を図ってまいります。 次に、留学生を県内就職につなげる取組と就職状況についての御質問にお答えいたします。 我が県では、東北大学をはじめとする大学、専修学校、日本語学校などで四千人を超える留学生が学んでおります。外国人材の県内企業への就職促進を目的とした外国人材マッチング支援事業を通じて把握した留学生の就職状況を見ると、専修学校の留学生については、卒業生の約七五%が福祉関連や自動車関連など、様々な業種に就職しております。県では、当該事業において、外国人材と県内企業の相互理解を深めるための交流会や企業訪問ツアー、合同企業説明会の開催など、外国人材と県内企業のマッチングを総合的に支援しており、来年度は、中長期のインターンシップの受入れ支援に新たに取り組むなど、企業や留学生のニーズに合わせ充実を図っているところです。今後も、教育機関や留学生、経済団体などの意見を伺いながら、留学生の県内就職の促進など、外国人材の確保に対する支援を強化してまいります。 次に、大綱三点目、県の観光施策についての御質問のうち、外国人観光客に対する受入れ体制の再整備についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年十月の国の水際措置の緩和によって、訪日外国人が急速に増加しており、県内の宿泊施設等でも問合せや予約が増えてきていると伺っております。インバウンドの回復に向けては、外国人観光客の旅行ニーズへの的確な対応とともに、言葉の壁や習慣の違いに対する従業員の不安解消など、ソフト面における受入れ体制を整えることも重要であると認識しております。このため県では、外国人観光客の受入れに意欲的な事業者を対象に、多言語対応の勉強会の開催や個別コンサルティングなどの支援を行ってまいりました。県といたしましては、更なる外国人観光客の誘致に向け、御紹介のありました高知県の事例も参考に、官民で構成する宮城県観光誘致協議会等とも連携し、観光関連事業者等に対する研修会の開催や相談、アドバイスなどの支援を行いながら、受入れ体制の整備にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(池田憲彦君) 九番福井崇正君。 ◆九番(福井崇正君) 御答弁ありがとうございます。それでは、何点か再質問をさせていただきます。 先ほど千葉部長から御答弁ありましたインバウンド関係なんですけれども、県の観光政策の中でインバウンド、今、再整備についてお話しいただきました、例えば総務省のほうで制作した多言語音声翻訳アプリVoiceTra(ボイストラ)は、無料で三十一言語を翻訳可能となっております。例えばそういうのを県内事業者に広報することで、注文や会話などは可能だと考えますが、県としては、そのようなアプリの広報についてどのように考えているのかお伺いいたします。 ○副議長(池田憲彦君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) やはり外国人観光客の方を受け入れる場合の受入れサイドの不安の一つが、言葉の違いによるコミュニケーションということになりますので、これを補う翻訳アプリといったものは非常に有効なツールではないかと思っております。現在、観光事業者のほうでは、受入れアプリやあるいは指差し会話シートなど、いろいろ工夫しながら対応しているところでありまして、県でもこれまで、飲食店等に対する多言語導入に関する研修会などを開催してきたところでございますが、今御紹介いただきましたVoiceTraについては、事業者にとって有効な選択肢の一つとなり得るのかなと思っておりますので、今後、観光誘致協議会等の会員に積極的に情報提供するとともに、県のホームページなどを使いながら広く周知してまいりたいと思っております。 ○副議長(池田憲彦君) 九番福井崇正君。 ◆九番(福井崇正君) ぜひ、そういった場で検討をお願いいたします。 あと、人材関係の部分で再質問させていただきます。 先ほど、国際政策課がそういった部分で担当されるということだったんですが、インドネシア政府とか送り出し機関協会、そういった部分で体制整備の観点で非常に担当課がないと、長寿社会政策課だったり、ほかのところは人数を把握していますし、ハローワークのほうでも把握しているということだったので、ぜひ国際政策課が中心となって、いろんな部分で、私たちも、インドネシアに行ったときの話なんかも、ぜひ協定なんかも結んでいただきたいと思いますので、そういったところでお願いしたいなと思うんですが、再度確認なんですが国際政策課でよろしいということでいいでしょうか。 ○副議長(池田憲彦君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) それぞれの人材問題をはじめ、県庁内のそれぞれの部署で様々な業界と意見交換なり、ニーズとか吸い上げておりますが、最終的に外国人人材の問題につきましては、国際政策課のほうで最終的に対応窓口となって対応してまいりたいということで考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 九番福井崇正君。
    ◆九番(福井崇正君) ぜひよろしくお願いいたします。 先ほど日本語学校のお話もあったかと思います。今回はPR費なんかも含まれておりまして、大分計画が進んでいるのかなと思いますが、学校設置に向けた計画の進捗状況を最後にお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(池田憲彦君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 現在、先ほど答弁で申し上げましたように、幾つかの県内の自治体と具体的な実現に向けていろいろ協議を行っているところでございまして、できるだけ早い段階で協議のほうがまとまりましたら、開設ということでもっていきたいと考えております。 ○副議長(池田憲彦君) 九番福井崇正君。 ◆九番(福井崇正君) ぜひ今後もよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございます。 ○副議長(池田憲彦君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(池田憲彦君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時五十八分散会...