令和 3年 6月 定例会(第379回) 第三百七十九回宮城県議会(定例会)会議録 (第六号)令和三年六月二十九日(火曜日) 午前十時開議 午後三時三十一分散会 議長 石川光次郎君 副議長 外崎浩子君出席議員(五十五名) 第一番 金田もとる君 第二番 小畑きみ子君 第三番 三浦ななみ君 第四番 石田一也君 第五番 柏 佑賢君 第六番 福井崇正君 第七番 渡邉重益君 第八番 わたなべ 拓君 第九番 伊藤吉浩君 第十番 大内真理君 第十一番 福島かずえ君 第十二番 枡 和也君 第十三番 佐藤仁一君 第十四番 遠藤伸幸君 第十五番 八島利美君 第十六番 瀬戸健治郎君 第十七番 櫻井正人君 第十八番 村上久仁君 第十九番 高橋宗也君 第二十番 庄田圭佑君 第二十二番 遠藤隼人君 第二十三番 天下みゆき君 第二十四番 三浦一敏君 第二十五番 渡辺忠悦君 第二十六番 佐々木功悦君 第二十七番 境 恒春君 第二十八番 太田稔郎君 第二十九番 高橋 啓君 第三十番 横山のぼる君 第三十一番 渡辺勝幸君 第三十二番 横山隆光君 第三十三番 佐々木賢司君 第三十四番 守屋守武君 第三十五番 外崎浩子君 第三十六番 佐々木幸士君 第三十七番 村上智行君 第三十八番 高橋伸二君 第三十九番 熊谷義彦君 第四十番 岸田清実君 第四十一番 菅間 進君 第四十二番 坂下 賢君 第四十三番 ゆさみゆき君 第四十五番 吉川寛康君 第四十六番 伊藤和博君 第四十八番 菊地恵一君 第四十九番 佐々木喜藏君 第五十番 石川光次郎君 第五十一番 中島源陽君 第五十二番 本木忠一君 第五十三番 中山耕一君 第五十五番 安藤俊威君 第五十六番 畠山和純君 第五十七番 仁田和廣君 第五十八番 藤倉知格君 第五十九番 中沢幸男君欠員(四名) 第二十一番 第四十四番 第四十七番 第五十四番
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 村井嘉浩君 副知事 佐野好昭君 副知事 遠藤信哉君
公営企業管理者 櫻井雅之君 総務部長 大森克之君 復興・
危機管理部長 佐藤達哉君 企画部長 志賀真幸君
環境生活部長 鈴木秀人君
保健福祉部長 伊藤哲也君
経済商工観光部長 千葉隆政君 農政部長 宮川耕一君
水産林政部長 佐藤 靖君 土木部長 佐藤達也君 会計管理者兼出納局長 佐藤靖彦君 総務部参事兼秘書課長 石川佳洋君
総務部財政課長 鈴木雄貴君 教育委員会 教育長 伊東昭代君 副教育長 布田秀一君
選挙管理委員会 委員長 皆川章太郎君 事務局長 諸星久美子君 人事委員会 委員長 千葉裕一君 事務局長 吉田信幸君 公安委員会 委員長 森山 博君 警察本部長 千野啓太郎君 総務部長 佐藤宏樹君 労働委員会 事務局長 高橋裕喜君 監査委員 委員 成田由加里君 事務局長 林 毅君
----------------------------------- 議会事務局 事務局長 阿部正直君 副事務局長兼総務課長 藤田信治君 議事課長 菅原敏彦君 参事兼
政務調査課長 川村 満君 副参事兼
総務課総括課長補佐 砂金義徳君 議事課副参事兼
総括課長補佐 二上秀幸君
政務調査課総括課長補佐 長谷川共子君
議事課長補佐(班長) 田村和江君
議事課主任主査(副班長) 狩野嘉孝君
----------------------------------- 議事日程 第六号 令和三年六月二十九日(火)午前十時開議第一
会議録署名議員の指名第二
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会の設置第三 議第百七十二号議案
人事委員会委員の選任につき同意を求めることについて第四 議第百七十三号議案
公安委員会委員の任命につき同意を求めることについて第五 議第百七十四号議案
収用委員会委員の任命につき同意を求めることについて第六 議第百四十三号議案ないし議第百六十二号議案、議第百七十号議案、議第百七十一号議案及び報告第四十二号ないし報告第五十三号第七 一般質問 〔石田一也君、高橋宗也君、三浦一敏君、藤倉知格君〕第八
請願----------------------------------- 会議に付した事件一 日程第一
会議録署名議員の指名二 日程第二
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会の設置三 日程第三ないし日程第五 議第百七十二号議案ないし議第百七十四号議案四 日程第六 議第百四十三号議案ないし議第百六十二号議案、議第百七十号議案、議第百七十一号議案及び報告第四十二号ないし報告第五十三号五 日程第七 一般質問 〔石田一也君、高橋宗也君、三浦一敏君、藤倉知格君〕六 日程第八
請願-----------------------------------
△開議(午前十時)
○議長(石川光次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。
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△
会議録署名議員の指名
○議長(石川光次郎君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、十八番村上久仁君、二十番庄田圭佑君を指名いたします。
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△諸報告
○議長(石川光次郎君) 御報告いたします。 お手元に配布のとおり、繰越計算書の一部に正誤がありました。 お手元に配布の諸報告一覧表のとおり、地方自治法第二百四十三条の三第二項の規定により、公益財団法人慶長遣
欧使節船協会等の令和二年度事業報告書及び決算書並びに令和三年度事業計画書及び予算書の提出がありました。
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△
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会の設置
○議長(石川光次郎君) 日程第二、
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会の設置を議題といたします。 お諮りいたします。 お手元に配布のとおり、
宮城県議会会議規則第百二十九条第二項本文の規定に基づき、
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会を設置することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。……………………………………………………………………………………………
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会の設置
宮城県議会会議規則(昭和五十年
宮城県議会規則)第百二十九条第二項本文の規定により、次の協議等の場を臨時的に設ける。一 名称
宮城県議会議員定数・選挙区
等検討委員会二 目的
宮城県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数についての協議三 構成員 各会派の推薦を受けて議長が指名する議員四 招集者 委員長五 期間 設置の日から令和五年十一月十二日までとする。
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△議第百七十二号議案ないし議第百七十四号議案
○議長(石川光次郎君) 日程第三ないし日程第五、議第百七十二号議案、
人事委員会委員の選任につき同意を求めることについて、議第百七十三号議案、
公安委員会委員の任命につき同意を求めることについて及び議第百七十四号議案、
収用委員会委員の任命につき同意を求めることについてを一括して議題といたします。 知事から
追加提出議案の提案理由の説明を求めます。
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) ただいま追加上程されました議第百七十二号議案は、七月十日で任期満了となります
人事委員会委員の佐藤裕一さんを再任することについて、議第百七十三号議案は、七月十日で任期満了となります
公安委員会委員の庭野賀津子さんを再任することについて、議第百七十四号議案は、
収用委員会委員の飯島淳子さんから辞任の届出がありましたことから、後任として大江裕幸さんを任命することについて、それぞれ御同意を得ようとするものであります。 何とぞ御同意を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(石川光次郎君) これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。--質疑なしと認めます。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案につきましては、委員会の審査を省略することにいたしたいと思います。 これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、委員会の審査を省略することに決定いたしました。 これより採決いたします。 初めに、
人事委員会委員の選任に関する議第百七十二号議案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。 次に、
公安委員会委員の任命に関する議第百七十三号議案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。 次に、
収用委員会委員の任命に関する議第百七十四号議案について同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、同意することに決定いたしました。
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△議第百四十三号議案ないし議第百六十二号議案
△議第百七十号議案
△議第百七十一号議案
△報告第四十二号ないし報告第五十三号
△一般質問
○議長(石川光次郎君) 日程第六、議第百四十三号議案ないし議第百六十二号議案、議第百七十号議案、議第百七十一号議案及び報告第四十二号ないし報告第五十三号を議題とし、これらについての質疑と、日程第七、一般質問とを併せて行います。 六月二十三日の中山耕一君に対する答弁について、
公営企業管理者から発言の申出がありますので許します。
公営企業管理者櫻井雅之君。 〔
公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 六月二十三日の
中山耕一議員の質問に対する私の回答で、メタウォーターグループ及び
ヴェオリア・ジェネッツ社が過半数の出資金を拠出するということを申し上げましたが、正しくは過半数の議決権株式の資金でございます。 大変失礼いたしました。訂正させていただきます。
○議長(石川光次郎君) 六月二十五日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。四番石田一也君。 〔四番 石田一也君登壇〕
◆四番(石田一也君) おはようございます。みやぎ県民の声の石田一也です。 通告に従って、以下、大綱四点について質問させていただきます。
新型コロナウイルスの感染が日本国内で最初に確認されたのが二〇二〇年一月十五日。以来、一年五か月余り経過した昨日、六月二十七日時点の
国内検査陽性者数は七十八万八千八十一名。死亡者数が一万四千六百六十四名。宮城県内に限ると、
検査陽性者数が九千百八名、八十九名の方がお亡くなりになられています。 改めまして、
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、罹患された皆様にお見舞い申し上げます。 あわせて、これまでの間、医療、福祉をはじめ感染リスクの高い職場で仕事をしてこられた全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝を申し上げます。 三月末から四月初めにかけて大変な状況はありましたが、三月十八日からの宮城県独自の緊急事態宣言、四月五日からの
まん延防止等重点措置を経て、六月十三日に仙台市青葉区の飲食店に対する時短要請が解除されるまで、多くの県民の皆様の御協力により現在は
新規感染者数を抑えることができています。
ワクチン接種についても個別接種、集団接種、大規模接種、そして、一部の企業や団体では職域での接種も始まり、順調に、確実に接種が進んでいると思います。 しかしながら、
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードメンバーの
西浦京都大学大学院教授が六月九日に公開したシミュレーションでは、夏休みやお盆など人の移動を伴う行事が続くことから、七月三十一日までに高齢者の
ワクチン接種がほぼ終了したとしても重症者病床が不足するような流行が起こり得るとのことでした。 六月二十七日時点の宮城県の実効再生産数も一・一二と一を超えております。村井知事も定例記者会見で、「今後また感染の波が来る。」と危機感を表明されています。
新規感染者数が抑えられている今だからこそ、これまでの対策を検証し改善すべきところは改善すべきとの認識で、大綱一点目、
高齢者施設等に係るコロナ対策の現状と課題についてお聞きいたします。 感染症患者の発生状況に関する資料を見ると、
感染者発生数が一番多いのは高齢者施設で飲食店での感染者数を大きく上回っています。やはり
医療提供体制の強化、医療従事者への支援拡充と併せて
高齢者施設等への支援の拡充は必要不可欠だと思っています。 先日、実際、直接応援派遣を経験された介護職員さんのレポートを拝見する機会がありました。お許しをいただけましたので、お一方のレポートについて一部抜粋して御紹介させていただきます。 介護職員のほぼ全員が濃厚接触者に該当し自宅待機となったため介護経験のない事務職員が不休で連日対応。感染対策(ゾーニング、換気、PPEの着脱手技など)が全くと言っていいほど徹底されていなく熱発者が続出。幸いどの方も抗原検査は陰性だったものの、予断を許さない状況が続いていた。士気が下がり疲労こんぱいの職員を励ましつつも、この状況に歯止めをかけなくてはならないため初日より感染対策の立て直しに着手。応援が入り、ようやく感染対策に目が向いてきた印象。現場の状況は想像していた以上に深刻。応援初期には十分な情報(
タイムテーブル、業務手順、入居者のADL、対応時の留意事項など)が得られず、現地職員と確認・相談しながら手探りで進めておりました。 ここまで御紹介でございます。現場の切迫した状況、応援に入った際の初動の大変さが伝わる内容です。 このレポートを拝見して感じた内容について、以下、お聞きいたします。 このレポートのケースでは、派遣先の
介護職員全員が濃厚接触者に該当したため、応援職員が入るまでの間、介護経験のない事務職員が不休で連日対応をされていたようです。 施設で感染者が発生した場合、おおよそ何日目くらいに応援職員が派遣されているのでしょうか。 派遣施設が危機的状況に追い込まれる前に初動のタイミングで応援職員を派遣すべきと考えますが、いかがでしょうか。 発生施設でのクラスターを防ぐためには初動が大切で、そのためには発生施設側と応援職員さんの共通認識が必要だと思います。 宮城県では、宮城県
新型コロナウイルス感染症対策介護ワーキンググループを開催し、水際対策、感染者が発生したときの参考指針をまとめていただいていますが、施設によって理解度の違いがあるように感じています。 愛媛県では、感染症対策に係る
eラーニング研修と称して複数のメニューを動画配信し、短期間で防止策を講じられるよう準備を促しているとのことでした。 映像を使ったほうが理解度が高まるように思いますが、御所見をお伺いいたします。 あわせて、感染制御・業務継続を支援する医療チームと
介護応援チームとの間でも、感染防護に対する共通認識があったほうが初動はよりスムーズになると考えますが、いかがでしょうか。 この方のほか何名かのレポートを拝見させていただきましたが、「最初は戸惑うことが多かったが応援期間の終盤の派遣元職員さんや利用者さんからの感謝の言葉で報われた。」、「応援に入ったことが貴重な経験になっている。」、「期間中に行われる
Zoom会議を通じて、医療関係者、行政、また、職種や法人の枠を超えたお互いに手を取り合って頑張ろうという皆さんの気持ちを知ることができた。」というような前向きなレポートが多かったことも御紹介させていただきます。 これまでの間、宮城県では、高齢者施設の
クラスター防止策、感染症で入院した高齢者の介護対策として
ケア付き宿泊療養施設確保事業や在宅要
介護障害者支援事業、また、病院に
介護スタッフを派遣する
高齢者医療支援事業、
クラスター発生施設への
応援職員派遣事業などを実施してきました。 特に、
応援職員派遣事業では、今年度だけでも直接派遣で四十八名、間接派遣で十九名、令和二年度からの累計で百名近くの派遣職員の御協力をいただいています。うち六十三名の方が直接
クラスター発生施設に入っていただいています。 応援派遣に御協力をいただいている事業者さん、職員の方々には、ただただ感謝しかありません。 五月臨時会の総括質疑でも触れましたが、四月七日、仙台市医療圏の介護施設に、各施設において
新型コロナウイルス感染症陽性患者が発生した場合には、まずは、それぞれの施設で
プライマリケアを行うことという対処方針に係る通達がありました。病床が逼迫していたことによる、やむを得ない措置だと理解しておりましたが、四月二十七日と五月十一日の通達を経て七月末まで延長されることとなっています。 この対処方針について、七月末以降も継続されるのでしょうか。 また、それぞれの施設で
プライマリケアを行うことを求めたこの仕組みは十分に機能していたとの御認識でしょうか、御見解をお聞かせください。 五月三十日に行われた共同通信社の調査によりますと、高齢者が入所する介護施設で
新型コロナウイルスに感染した入所者は全国で少なくとも九千四百九十名おり、このうち四百八十六名がお亡くなりになっていることが明らかになっています。非公表の自治体も多く実際の数は更に多いものという報道でございました。 宮城県では、
プライマリケアの通達後も含めて介護施設内でお亡くなりになった
コロナ感染者はいなかったと回答をいただいております。
ケア付き宿泊療養施設も含めて重症化された感染者は全て入院できていたということだと思います。
医療調整チームの皆さんの頑張りによって、病床が逼迫していたときでも何とか病床を確保いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。 この通達について、もう一点お聞きいたします。 この通達は、四月六日に開催された
新型コロナウイルス感染症対応病院長等会議を経て決定されたということですが、事前に介護関係者、
介護関係団体等の当事者との協議、相談は行われたのでしょうか。状況をお聞かせいただきたいと思います。 五月臨時会の総括質疑でも取り上げましたが、
介護応援職員に対する国の
支援メニューは
応援看護職員と比較すると見劣りしている現状があります。こういった国の姿勢が更なる
介護人材不足につながらないのか危惧していることを申し述べさせていただき、次に移らせていただきます。 大綱二点目、みやぎの障がい者就労支援について、主に今年度の新規事業、BPO活用工賃向上プロジェクトについてお聞きいたします。 この事業は、県内外の民間企業へ営業開拓、受注業務を担当する障害者特化型BPO企業であるヴァルトジャパンと受注した業務を県内の就労継続支援事業者に配分調整する共同受注窓口みやぎセルプ協働受注センター、そして、実際に業務を行う県内の就労継続支援事業所が三位一体で取り組むプロジェクトです。 昨年、二月定例会の予算特別委員会総括質疑でみやぎセルプ協働受注センターが特定随意契約を受けられるようお願いした経緯もありますし、当会派の境議員がこの事業を御支援いただく公益財団法人日本財団と宮城県とのつなぎ役でもありますので、このプロジェクトの成功を心から願っています。 初年度は受注額六千万円、想定する受注案件数を六十件と目標設定されていますが、参加事業者数、現在の進行状況など目標達成に向けた今後の予定について、御説明ください。 また、宮城県では、令和三年度宮城県における障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針の中で、調達の目標額は前年度の調達実績を一〇%上回る額とすることを明記されました。 前向きな目標を掲げていただいたことは評価させていただきますし、一歩一歩前進していると感じております。ほかの都道府県と比較すると、もう少し頑張れるのではないかという思いもありますので、以下、質問させていただきます。 今回のBPO活用工賃向上プロジェクトは、主に民間企業からの受注を想定しているようですが、営業先を県内市町村や外郭団体等の公共団体、公共施設にも広げることで優先調達実績を増やすことにつながると考えますが、いかがでしょうか。 令和三年度障害福祉サービス等報酬改定では、就労移行支援、就労定着支援、就労継続支援A型・B型の報酬等について、より実績を重視する方向が明確になりました。 就労定着支援では、定着率が三割に満たない事業所の基本報酬は減額されます。就労継続支援A型は、平均労働時間のみを評価対象としていたものから五つの評価指標によるスコア方式に大きく仕組みが変わっています。就労継続支援B型は、高工賃事業所への評価を高めるとともに地域共同加算やピアサポート加算が加わっています。 このような状況の中で、BPO活用プロジェクトや優先調達額一〇%アップは、まさにタイムリーな事業ですし事業者さんのモチベーションにもつながっていくと期待しております。 一方で、生活保護を受けている利用者が工賃の向上を望まないケースがあることをお聞きしました。 生活保護受給者には最低生活費が支給されていますが、勤労収入がある場合は、一定金額を控除した残金分である収入充当額と最低生活費の差額が生活保護支給額になります。現在の控除額が一万五千円ですから月に一万五千円以上働くと、当然、生活保護支給額が減額になります。減額されてもトータル収入は増えるのですが、一生懸命働いても生活保護費が減額されることで利用者がモチベーションを維持することが難しくなるようです。 国の課題になりますが、生活保護費と工賃との関係について、県の御所見をお聞かせください。 大綱三点目、ケアラー・ヤングケアラーの社会的支援の必要性についてお聞きいたします。 ケアラーとは、無償で介護や看護などをする人。ヤングケアラーは、ケアラーのうち十八歳未満の子供のこと。 介護者の七割が悩みを抱え介護離職は年間十万人、虐待の六割は孤立介護が原因とも言われています。介護疲れによる自殺は年間三百件、介護殺人は年間四十件。社会的・政策的な支援が必要なことは明らかです。 六月十八日の閣議決定で骨太の方針に、ヤングケアラーの早期発見・把握、相談支援など支援策の推進、社会的認知度の向上などに取り組むことが盛り込まれることになりました。ヤングケアラー限定のようですが、まずは国が支援に動き出したことは本当によかったと思っています。 今年五月に厚生労働省・文部科学省の共同プロジェクトチームがまとめたヤングケアラーに係る報告書には、地方自治体による現状把握の推進やピアサポート等の悩み相談を行う地方自治体の支援の必要性が記載されています。 福岡県でも、つい先日、全市町村でケアラー実態調査を実施し具体的な対策に乗り出すことを表明されています。 国からの支援も期待できることから、まずは宮城県としてヤングケアラーの実態調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 先日、一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子先生、日本初のケアラー条例制定の立て役者、吉良英敏埼玉県議会議員を講師に迎え、ケアラー・ヤングケアラーの現状についてZoom勉強会を開催いたしました。 掘越栄子先生からは、ケアラー・ヤングケアラーの現状や海外の事例を御紹介いただくとともに、ケアラー・ヤングケアラーの社会支援の必要について御教授いただきました。 その上で、現行制度の延長でも可能な施策として、一つ、学校等教育現場において本人の気づきと教職員等によるヤングケアラーの発見を可能にすること。二つ、地域及び福祉、介護、医療等の現場においてケアラー・ヤングケアラーを理解し発見を可能にすること。三つ、ケアラー・ヤングケアラーのいる介護家庭に対するヘルパー派遣等の生活支援サービス提供要件の緩和・拡充を行うことを挙げられています。 今すぐ検討を開始できると思いますが、御所見をお聞かせください。 吉良英敏埼玉県議会議員からは、日本初のケアラー条例を議員提案で制定した際のプロセスを御説明いただくとともに、実効性のある支援策をつくるには具体的な支援計画が大事だというアドバイスをいただきました。 埼玉県ケアラー支援計画の基本目標は、次の五項目です。一つ、ケアラーを支えるための啓発・広報の推進。具体的には、一七%しか知っている人がいなかったケアラーの認知度を令和五年度までに七〇%まで上げること。二つ、行政におけるケアラー支援体制の構築。具体的には、レスパイトケアの充実とアドバイザー派遣。三つ、地域におけるケアラー支援体制の構築。具体的には、相談サロンの立ち上げ支援、電話相談、情報提供。四つ、ケアラーを支える人材の育成。具体的には、研修等で支援人材三千人を目指しているとのことでした。五つ、ヤングケアラー支援体制の構築・強化。具体的には、研修千人、教育と福祉の連携強化を実施しているとのことでした。埼玉県では、この基本計画を基に令和三年度予算にケアラー・ヤングケアラー関連予算として一億八千八百万円の予算を計上されています。 来年度に向けて宮城県でもケアラー・ヤングケアラーに係る支援策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 今回、骨太の方針にヤングケアラー支援が盛り込まれたのは、吉良埼玉県議会議員をはじめとする埼玉県議会と一般社団法人日本ケアラー連盟をはじめとする支援団体の御尽力が大きかったと考えています。今回の勉強会を通じて地方議会が国を動かせることを学ばせていただきました。茨城県議会でもケアラー条例の制定を目指し動き出しているとのことです。宮城県議会においても、後ろで見守っていただいている石川議長のリーダーシップで対策を後押しいただけるようお願い申し上げて、次に移らせていただきます。 最後に、大綱四点目、人口減少局面の自治体運営についてお聞きいたします。 厚生労働省がまとめた二〇二〇年の合計特殊出生率は、全国平均で一・三四。五年連続で低下し都道府県で希望出生率一・八を超えたのは沖縄県のみでした。 宮城県の合計特殊出生率は一・二一で東京都に次いで全国二番目の低さです。総合計画に掲げた二〇二四年出生率一・四〇という目標の実現は難しくなってきています。 一方、日本全体の出生率が低下している中でも政府が目標とする希望出生率一・八を二〇一三年から二〇一七年の間に達成した自治体は、全千七百四十一市区町村のうち百四十四市区町村であると日本経済新聞の報道がありました。 出生率二・四七で全国トップの沖縄県金武町は、子供一人につき十万円の激励金を支給するほか、五歳から中学卒業までの給食費や高校卒業までの医療費を無料にしたそうです。上昇幅が全国トップの東京都日の出町では、中学卒業まで月一万円の支給、高校生にも支給金、月一万円を支給しています。上昇幅四位の東京都港区では、二〇一五年から第二子以降の保育料を無料にしているとのことでした。 宮城県としても相当思い切った支援策を実施しない限り出生率の低下は止められないと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、本定例会に関連条例の改正等が提案されているみやぎ型管理運営方式についてお聞きいたします。 この事業については、人口減少に伴う水需要の減少や施設の老朽化による更新への備えのために、民の力を最大限に活用しながら持続可能な水道サービスの提供を目指す取組との知事の説明がございました。 一般質問でも多くの方々が質問されていますので、私からは一点に絞ってお伺いいたします。 優先交渉権者の選定に当たって十一の提案項目が設定されました。三グループが公募に応じて、うち一グループは収支計画、資金調達方法が基準に達していないことで失格になりましたが、一グループに対する確認調査を経て二グループについては全て基準をクリアしたということだと思っています。 だとすれば、一番減額幅の多かったグループが選ばれるべきではないでしょうか。 運営権者提案額の配点についても期待コスト削減率の中間値である県基準額二百八十四億円が満点の四十点に設定されました。期待コスト削減率の最大値である調査基準額四百十三億円を満点の四十点にすべきだったのではないでしょうか、御見解を伺います。 次に、人口減少局面における国と県と基礎自治体の在り方についてお聞きいたします。 村井知事は、道州制推進知事・指定都市市長連合の共同代表をお務めですし、三月に配信された橋下徹元大阪府知事との対談でも、「人口減少局面では国の統治機構を見直し、国は外交、防衛、皇室、通貨、法律などの十六くらいの限られた項目だけをやり、内政は全て州に任せる、あるいは、基礎自治体、市町村に任せる形に改めるべき。」とのお話をされていました。 人口減少局面、そして、デジタルイノベーションや脱炭素を含む循環型社会への転換など前例主義が通じない時代を目前にして、これまでの統治機構が制度疲労を起こしているようにも感じています。 村井知事が目指す国と地方の関係、統治機構の在り方について、お考えを御教示ください。 最後に、コロナ感染症対応を含め連携が求められている郡仙台市長についてお伺いいたします。 仙台市長就任当初は厳しい選挙だったこともあり、少数与党体制での議会対応は難しいかじ取りだったと推察しております。まずは職員の方々との信頼関係を築き、議会の中にも少しずつ「郡市長でいいのでは。」との声が聞こえてくるようになってきました。令和三年度当初予算も全会一致で可決されています。 私は、郡市長が衆議院議員当時の最後の公設第一秘書を務めておりましたので、どうしてもひいき目に見てしまいます。 郡市政一期目の評価、印象について、村井知事の忌憚のない御意見をお聞かせください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ありがとうございました。
○議長(石川光次郎君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 石田一也議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、
高齢者施設等に係るコロナ対策の現状と課題についての御質問のうち、感染症が発生した場合における参考指針の周知についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、これまで感染予防及び発生後における感染拡大の防止についての研修を対面や現地指導、ウェブなど様々な形式で百十四回行っております。 また、研修動画を五本配信し延べ約三千回を超える視聴がされております。 御指摘のありました参考指針につきましては、これまでリーフレットを作成し各団体や県のホームページを通じて周知を図ってきたところでありますが、一層の理解促進に向け映像の活用を含め周知方法を工夫してまいります。 次に、大綱二点目、みやぎの障がい者就労支援についての御質問のうち、BPOを活用した工賃向上の取組の進行状況と目標達成に向けた今後のスケジュールについてのお尋ねにお答えいたします。 本プロジェクトには、現在、六十一事業所が参加意向を示しており、五月二十六日には参加事業所向けのキックオフミーティングを開催し本格的に取組をスタートさせました。 その後、みやぎセルプ協働受注センターが全ての参加事業所を訪問し、受注能力、設備等の調査を実施しております。 また、先行的案件として、建築資材のカタログ冊子をパソコンで読み取るなどして電子化する業務を県内約十事業所で受注しているほか、更に現在、複数案件の受注調整を行っております。 六千万円という受注目標達成に向けては、障害者特化型BPO企業であるヴァルトジャパンが既に首都圏及び県内企業に対し営業開拓に着手しております。受注する県内事業所の特性を踏まえ、人手不足で受注が期待される市場を重点分野として設定するなど高工賃につながる効果的な受注を目指してまいります。 あわせて、発注者の求める品質や納期等を満たし、共同受注に対する信用度を高めていくことができるよう関係者と連携して各事業所への助言・支援を行い、共同受注体制の整備・充実を図ってまいります。 次に、大綱四点目、人口減少局面の自治体運営についての御質問にお答えいたします。 初めに、思い切った施策を実施しない限り出生率の低下は止められないのではないかとのお尋ねにお答えいたします。 我が県の人口が本格的に減少局面を迎えることが想定される中、人口減少は地域社会の衰退につながるとともに自治体運営や行政サービスにも大きな影響を及ぼすことから、県では、少子化対策を強化し、結婚、妊娠・出産、子育ての切れ目ない支援の充実に取り組んでまいりました。 平成二十九年度からは、第三子以降を対象として上限三万円を支給する小学校入学準備支援金や金融機関が提示する融資利率から二%を引き下げるみやぎっこ応援ローンなどにより、子育て家庭の経済的負担の軽減にも取り組んできたところであります。 我が県の合計特殊出生率については、私としても極めて強い危機感を抱いており、今年度からスタートした新・宮城の将来ビジョンにおいて政策推進の新たな柱と位置づけた子ども・子育て分野については、結婚・妊娠・出産の希望をかなえるための支援、妊娠・出産・子育て期の切れ目ない支援、社会全体で取り組む子育て支援体制の充実と機運の醸成の三つの点で新規事業も含め積極的な施策展開を図ることとしております。 次に、国と地方の関係や統治機構の在り方についての御質問にお答えいたします。 人口減少、超高齢社会の到来などの時代の潮流の中で我が国が直面する困難な課題に立ち向かっていくためには、国、広域自治体、基礎自治体の役割分担を整理した上でそれぞれが長期的な視点に立ちながら、より柔軟で思い切った施策を展開していくことが必要と考えております。 このため私は、これまで一貫して地方分権型の道州制の導入を提唱してきたところであり、今後とも国の動向を注視しつつ道州制の実現に向けた取組を継続したいと思っております。 次に、郡仙台市長の一期目の評価や印象についての御質問にお答えいたします。 郡市長は、平成十七年の衆議院議員選挙での初当選以来、長きにわたり国政の場で御活躍され、特に東日本大震災発災直後は、政権与党のお立場に加え復興大臣政務官として我が県をはじめとする被災地の復興に御尽力いただきました。 その後、平成二十九年の仙台市長選挙で初当選され、いじめ対策や教育問題などの課題に対し積極的に取り組んでこられたと認識しております。 また、観光面での取組をはじめ
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策や
ワクチン接種の加速化など県・市に共通する施策の推進や課題の解決に向けては、お互いの考えや対応について率直に意見交換しながら取り組んでおり風通しのよい関係が築かれております。 郡市長に対しましては、市議会からも一期目の実績を評価する声が出ておりますが、東北地方で唯一となる政令指定都市のかじ取り役として、市政の更なる発展に向け非常によくやっておられると高く評価しているところであります。 また、すばらしい成果の一つとして、石田議員を立派な政治家に育て上げたということがあると思います。 以上でございます。
○議長(石川光次郎君)
公営企業管理者櫻井雅之君。 〔
公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱四点目、人口減少局面の自治体運営についての御質問のうち、みやぎ型管理運営方式の優先交渉権者選定における提案額の評価についてのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式における優先交渉権者の選定に当たっては、提案額をはじめ収支計画や水質管理、運転管理などの評価基準について外部の有識者で構成するPFI検討委員会において決定し、総合的な評価点が最高点となった提案者を優先交渉権者とすることで公募を実施したものであります。 このうち、提案額については、みやぎ型管理運営方式の実施を検討した導入可能性調査での期待削減率の下限値に相当する百九十七億円の削減を公募条件といたしました。 また、提案額の満点となる金額については、過度な価格競争により水道事業の絶対条件となる安心・安全がおろそかとならないよう応募者には公表せず、期待削減率の中間値に相当する二百八十四億円としたところであります。 今回、優先交渉権者に選定したメタウォーターグループよりも削減額の大きな提案はありましたが提案金額の評価は共に満点であり、メタウォーターグループにおいては、新たに水事業会社を県内に設立する提案など全ての項目において高い評価を得たことから総得点で上回り優先交渉権者となったものであります。 私からは、以上でございます。
○議長(石川光次郎君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、
高齢者施設等に係るコロナ対策の現状と課題についての御質問のうち、応援職員派遣までに要する期間と派遣の時期についてのお尋ねにお答えいたします。 発生施設に対する応援職員は、これまで要請からおおむね三日程度で派遣されており、これは派遣元の施設のシフト調整等のため必要だったものであります。 高齢者施設で陽性や濃厚接触者となった職員が多数生じた場合は、残った職員で応援職員が来るまでの間、対応せざるを得ないこととなるため、一人でも陽性者が発生した際には、医療調整本部に設けている感染制御・業務継続支援チームのミーティングの場でアセスメントを行うこととし、できるだけ早期に対応を行う体制としております。 次に、医療チームと
介護応援職員の間における共通認識についての御質問にお答えいたします。 県と仙台市では、感染制御及び業務支援継続のため医療関係者等による支援体制を整えるとともに、感染発生後、速やかに状況を把握し介護職員の応援のほか感染拡大防止の支援や看護師の応援派遣など状況に応じて重層的に支援を行っております。 支援を的確に行うため保健所や医療関係者、派遣元施設等の関係者による定例のミーティングを行い、情報共有と共通認識を図っているところです。 今後とも、より円滑な初動体制と早期の感染収束に向け関係機関での密接な連携を図ってまいります。 次に、高齢者施設で感染者が発生した場合の施設による医療的対応についての御質問にお答えいたします。
高齢者施設等に対しては、陽性者が発生した場合、まずは各施設で点滴や酸素投与等の
プライマリケアを行っていただきたい旨、病院長会議の総意を得て要請しているところです。 この要請は高齢者の
ワクチン接種が終了する七月末までとしておりますが、その後の扱いについては感染状況などを踏まえ改めて病院長会議で協議してまいります。 また、この要請に併せて県と仙台市では、陽性者発生施設に対し感染症の専門家や医師、看護師等の医療スタッフ、応援介護職員などのチームを派遣し、感染拡大防止の指導や医療ケア、施設職員のサポートなどを行ってきたところです。 これまでに十三施設にチームを派遣し県内医療機関の負荷軽減に寄与したほか、感染拡大を早期に抑止する観点から大きな効果があったものと評価しております。 次に、施設で医療的対応を行う方針に係る介護関係者との協議についての御質問にお答えいたします。 陽性患者が発生した場合に当該介護施設等で
プライマリケアを行っていただく要請については、医療機関の病床が逼迫したことから、四月六日、県、仙台市、医師会、東北大学病院をはじめ県内の主要病院で構成する病院長会議において決定したものであります。 要請文書は翌日付で発出しておりますが、この要請の趣旨及び内容については病院長会議に先立ち、県及び仙台市から関係団体に説明しているところであります。 次に、大綱二点目、みやぎの障がい者就労支援についての御質問のうち、調達実績を伸ばすため県内市町村や外郭団体等にも営業活動を拡大することについてのお尋ねにお答えいたします。 本プロジェクトにおいて営業活動を担うヴァルトジャパンは、大手企業をはじめとする民間企業からの受注実績を多く有していることから、これまでのノウハウを生かして県内外の民間企業への営業活動を中心として効果の高い受注案件の発掘に取り組んでもらう予定としております。 なお、市町村や外郭団体等に対しては、県から障害者就労施設等からの優先調達の働きかけや必要な情報提供を積極的に行うとともに、具体的な相談案件については、みやぎセルプ協働受注センターへのつなぎ役を果たすことで受注先のあっせんや調整を円滑に進め、共同受注の拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、生活保護費と工賃との関係の認識についての御質問にお答えいたします。 生活保護受給者にとって基礎控除額を超える就労収入を得られた場合には、生活保護支給額が一部減額されますため工賃向上が必ずしも障害のある方々の就労意欲につながらない懸念があります。 一方で、工賃向上を経験した障害のある方々からは、自分で稼いだお金で欲しいものを購入することやお世話になった方へプレゼントすることの喜び、更には、懸命に仕事に取り組むことで得られるやりがいや達成感が勤労意欲の維持につながっているとの声も聞いております。 また、工賃向上を目指し就労に励むことで一般企業等での就労の可能性も開けてくることから、工賃向上に向けた取組は働く障害者の社会参加と経済的自立の促進にとって大変意義のあるものと考えており、県としましても各事業所における利用者の勤労意欲の維持と工賃向上の取組の支援を行ってまいります。 次に、大綱三点目、ケアラー・ヤングケアラーの社会的支援の必要性についての御質問のうち、ヤングケアラーの実態調査についてのお尋ねにお答えいたします。 ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題であり本人や周囲が気づきにくいと指摘されていることから、問題意識を喚起し早期発見につなげることが大変重要であると認識しております。 このため県では、先月から今月にかけて市町村の要保護児童対策地域協議会の研修会において、ヤングケアラーの早期発見や関係機関の連携による支援の必要性等について周知したところであります。 今後、ヤングケアラーの認知度の向上や早期発見を図る観点から、各協議会に対して現状や課題を把握するための調査を検討しているところであります。 更なる実態の把握につきましては、国の施策の動向や他県の調査等も参考にしながら教育委員会と連携して対応してまいりたいと考えております。 次に、現行制度を活用したケアラー及びヤングケアラーへの支援についての御質問にお答えいたします。 ケアラーへの支援については、地域包括支援センターの相談体制の充実のほか、認知症の方の家族への支援や地域支え合い活動の推進などを通して負担軽減を支援してまいります。 また、ヘルパーが訪問して行う家事等の日常生活の援助については、家族と同居している場合であっても介護家庭の実態を踏まえた柔軟な対応が行われているものと認識しておりますが、必要に応じて市町村に対する周知に努めてまいります。 ヤングケアラーへの支援に関しては、困難を抱える子供からのSNSを活用した子ども・子育て相談窓口において、ヤングケアラーに関する相談も受けられることを積極的に広報してまいりたいと考えております。 更に、社会的認知度の向上が重要でありますのでホームページ等での普及啓発を進めてまいります。 次に、来年度に向けた支援策の検討についての御質問にお答えいたします。 ケアラーへの支援については、精神的・肉体的負担の解消が重要であり、引き続き地域包括ケアシステムの充実や地域支え合い体制づくりの推進に取り組んでまいります。 また、ヤングケアラーについては、社会全体での認知度向上が必要であり、国では来年度からの三年間を集中取組期間と位置づけることを検討しております。 県といたしましても、要保護児童対策地域協議会に加え福祉や教育の各現場において研修等を通じた普及啓発を検討してまいります。 更に、必要な福祉サービスに的確に接続できるよう市町村が分野や内容を問わず住民の複雑化、複合化した課題を包括的に受け止めて支援する重層的支援体制整備事業について、積極的な取組が進むよう、より一層、市町村を支援してまいります。 そのほか、市町村や教育委員会などと意見交換しながら課題解決につながる支援策を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(石川光次郎君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) 丁寧な御答弁ありがとうございました。 また、過分なお褒めの言葉もいただきまして恐縮しております。ありがとうございます。 最初の
介護応援職員について、少しお聞きいたしたいと思います。
プライマリケアの通達のところで、会議の前に介護施設等にもお話をされたということでございましたが、多分、こういうふうにしますと紙ではなく口頭で通達したということだと思っています。 当時、介護現場は大変な状況になっていた中で、これは相当重い通達なのではないかと私は捉えておりますが、時間がなかったということはあると思いますが、本来であればしっかり介護関係者の皆さんと協議した上で通達を出すべきだったと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(石川光次郎君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 介護関係者の団体の役員の方々に御説明したわけでありますが、議員おっしゃるとおり、今回は特にいわゆる第四波において介護施設等も非常に懸念されていたというところがあります。そのような不安のある中での説明でありましたので、こちらも急な逼迫ということで時間がなかったということもありますが、現時点では関係者の皆様は非常に意識を持って取り組んでおられますので、引き続き連携に努めてまいりたいと考えております。
○議長(石川光次郎君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) 本当におっしゃるとおりで、今、皆さん一生懸命やっていただいてますが、当時は
プライマリケアとは何かという事業者さんの声が多かったのも事実だと思いますので、これからまたこの制度を続けていくかどうかの判断は感染症の推移を見てということですが、その辺の意思の疎通がしっかり行われるようにしていただきたいと思います。これは要望でございます。 次に、障がい者就労支援について、お聞かせいただきたいと思います。 先行して紙媒体のデータ化と言うのでしょうか、そこはもう既におやりになっているということで、先日、ヒアリングを職員の方にさせていただいたときも、これはちょっとB型では難しいのではないかと思っていた作業が比較的早く、それも思っていた以上に早く仕事としてきっちりやっていただけたという御報告もいただきました。 今回、優先調達もそうですが、電子入力であったり情報処理のようなところが実は障害を持った方たちの力を発揮していただける場ではないかと感じています。 先日、ある就労支援施設にお邪魔したら県の支援学校の子供が研修に来ていました。なかなか団体行動ができないということでしたが、パソコンに触ったりするのが好きだということでCADの入力、図面を描かせたりする作業をさせたということでした。教えて三日ですぐできるようになったというお話です。私は、そこに可能性を感じていますが、いかがお考えでしょうか。
○議長(石川光次郎君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) おっしゃるとおり、障害者の方の障害のレベルにもよりますが、我々健常者がここまでしかできないとするのではなくて、やっぱりいろんなことをやっていただいて、できるだけ能力ぎりぎりまで発揮していただけるように努めていくということは非常に重要なことだと思います。それによって、先ほど質問の中にありましたように、やりがいを感じる、生きがいを感じるといったような形になっているのではないかと思います。
○議長(石川光次郎君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) ぜひ、よろしくお願いいたします。 次に、ヤングケアラーについてお聞きします。 先日、仙台在住の元ヤングケアラーの方とお話しする機会がありました。もうその人は二十八歳になられていて、高校時代におばあさんが認知症になったことでヤングケアラーになったというお話でした。物すごく淡々と話されているので本当に苦労したという感じには見えないのですが、やっぱりところどころの話の中にいろんな思いが含まれておりまして、自分は高校時代にケアすることは尊いことだという認識でおばあさんの介護をしていたと。だけど学校に行くとみんな楽しそうに学校生活を送っているし、家に帰るときのネガティブな気持ちに物すごく押し潰されそうになったというお話でした。おばあさんの介護を六年やった後に就職活動をしたということですが、そのときも面接で、「あなたの六年間の介護は社会に出たときにあまり役に立たない。」というお話をされたということでした。ちょっとひどいと、そんな会社に行かなくてよかったと思いますが、やはり見えにくいものですから、その辺りはしっかり調査した上で対応していくことがやっぱり必要だと感じた次第でございます。 改めまして、今、かなりのメニューをお考えであるということでしたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。これについては要望にさせていただきます。 水道のところに入ります。 私、今回、一つだけ質問させていただいたきましたが、いろいろこれまでの一般質問の中身を聞いていると、評価が高かった新OM会社を実は皆さんが気にしているというか、一番問題にされていると感じています。県では二十年たってもあまり影響力を発揮しないとおっしゃっていますが、その辺りが一番私も心配なので、もう少し、その辺の所見をお伺いしたいと思います。
○議長(石川光次郎君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) ただいま答弁もしましたとおり、OM会社の提案については、雇用の創出という観点から高い評価があったと認識しているところでございます。 今回の議会でOM会社が県内の事業を独占してしまうのではないかとか、富をそのまま独占してしまうのではないかという疑問もございました。我々としては、全国に浄水場を展開している企業は我々の規模のレベルでも十数社ございます。そういったことは、それぞれの企業が切磋琢磨していく中で、やはり適正な競争が生まれていく中で、このOM会社も位置づけられるのではないかという趣旨でございます。
○議長(石川光次郎君) 四番石田一也君。
◆四番(石田一也君) ぜひ、慎重な議論があったほうがいいと思っています。 最後に、郡市長の話ですが、遠藤副知事も学生時代から御縁があるとお話を聞いておりまして、本当に支えていただいていると思っています。応援するとはなかなか言いにくいと思いますが、知事に声援を送っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(石川光次郎君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 声援を送りますし、応援要請があれば応援したいと思います。
○議長(石川光次郎君) 暫時休憩いたします。 午前十時五十八分休憩
----------------------------------- 午前十一時十分再開
○副議長(外崎浩子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十九番高橋宗也君。 〔十九番 高橋宗也君登壇〕
◆十九番(高橋宗也君) おはようございます。高橋宗也であります。よろしくお願いいたします。 六月二十日の日曜日、東松島市の被災地域を聖火が巡りました。東松島市への聖火入りは、ギリシャで採火された聖火が昨年三月に航空自衛隊松島基地に到着してからちょうど一年三か月目になります。 聖火リレーは、集団移転地、野蒜ケ丘地区とあおい地区、また、復興したJR仙石線を特殊区間としてつなぎ、この日は東松島市にとって特別な一日になりました。ふるさとを愛する心、復興支援への感謝の気持ち、前を向いて生きる希望。聖火は被災地を巡り、県民の皆様の多くが大震災からの十年の歳月を思いつつ、将来への希望の聖火を掲げて走るランナーを応援したものと私は信じております。関係者の御尽力に心から感謝いたします。 改めて申し上げますが、今回のオリンピックは復興五輪であります。聖火ランナーが通過した東松島市あおい地区では沿道に青いこいのぼりが掲げられ、たくさんの方々が声援いたしました。 既に御存じの方もいらっしゃると思いますが、青い鯉のぼりプロジェクトは、東松島市の大曲地区で東日本大震災当時、五歳の弟と御家族を失った当時高校生の伊藤健人君の強い思いに応え、地域の皆様や趣旨に賛同するたくさんの方々が支え、そして続いている震災伝承のプロジェクトです。 写真のパネルを御覧いただきたいと思います。お手元に資料が届いているかと思います。 東松島市で亡くなった子供たちの共通のシンボルとして、東松島市ではたくさんの青いこいのぼりが天国から見えるように空を泳いでいます。継続的に開催されている青い鯉のぼりプロジェクトの様子がこの写真であります。また、全てのこいのぼりは家族を象徴していることから、家族間で災害時の避難連絡方法、集合場所など防災情報を共有していくことを目指しています。私は、一人の青年の強い思いからスタートし周囲に広がった青い鯉のぼりプロジェクトは震災伝承の原点だと感じています。また、風化の防止、更には、百年後、千年後につながっていく可能性も併せて示唆していると思います。 以上のことを踏まえて、大綱一点目、復興の課題と持続的なまちづくりについて伺います。 大震災から十年、これからが我が宮城県、最大被災地としての責任と義務を果たす本当の意味での正念場になります。加えて、沿岸部被災地域では、実にこの十年間で約八・三四%と加速的な人口減少が進み、まさに課題の先進地となっています。本当の意味での復興はまだその道の先にあります。 知事、そして執行部に今後の復興や伝承、防災強化について横断的に伺います。 前述した青い鯉のぼりプロジェクトは、単なる復興イベントではありません。鎮魂と感謝、そして震災伝承・防災強化、更に人と人とのつながりを深めていく将来に向けた取組です。 折しも、このたび石巻市南浜町に大震災から十年の歳月を経て、みやぎ東日本大震災津波伝承館がオープンいたしました。宮城県の震災遺構、伝承ロードのゲートウエーというコンセプトです。開館はゴールではなくスタートです。今後、継続的に進化し続ける伝承館であってほしいと考えています。伝承館の機能として、県の震災情報を共有し伝承関係者の研修の実施、企画行事等の開催が必要不可欠です。 今後の施設の運営方針について伺います。 また、館内には映像による震災伝承シアターがありますが、現在は一コンテンツだけが繰り返し放映されています。県内には多くの震災遺構があります。伝承館で各地の関係情報を紹介上映するなど今後のコンテンツの充実についての考え方を伺います。 次に、東日本大震災を踏まえた防災対策について伺います。 昨年、市町村における防災備蓄の強化策について県の財政支援を提言したところ、早速、今年度から県市町村振興総合補助金のメニューに追加していただき、知事及び当局の迅速な対応に感謝いたします。 改めて、今後必ず発生する大災害への備えについて連携と強化を図っていきたいと考えます。 そのような中、今年三月二十日には、最大震度五強の地震で宮城県沿岸部に津波注意報が発表されました。国のガイドラインでは、津波注意報以上は全て避難指示を発令することとされていましたが、一部の市町村では避難勧告や注意喚起等にとどまり結果的に避難指示は発令されませんでした。既に改善がなされ同様な事案は発生しないと信じていますが、今後の言わばヒューマンエラー的な事態に備え再発の防止対策が重要です。 まず、三月二十日の津波注意報発表の際、県の危機管理部門から沿岸各市町村に津波指示発令を徹底する連絡や指示等の行為はあったのかどうか、伺います。 次に、県地域防災計画では、災害時に市町村との円滑な情報連絡や支援のため初動派遣職員の制度を取ることとなっていますが、今回の津波注意報発令発表時、初動派遣は行われたのか、伺います。 なお、この県職員の初動派遣等に関する要領では、震度六弱以上の地震、または、それに相当する大規模災害の際に派遣するという、ある意味で曖昧な基準となっています。今回の事案のように震度五以下でも津波注意報は発表されます。津波は間違いなく大災害になり、文字どおり初動対応が重要です。曖昧になりかねない基準ではなく、特に津波に関しては津波注意報以上という明確な基準化が望ましいと考えます。三月の事案を踏まえ具体的な改善を提言いたします。当局の見解を伺います。 なお、この初動派遣制度について、私は災害時の緊急性を踏まえ可能な限り派遣の市町村か近隣に居住する職員の指定が望ましいと考えます。年々改善は図られているようですが、今年度の市町村派遣のスキームにおいては、県内三十五市町村の初動指定百四十人の赴任メンバーのうち、同一圏域居住の職員は平均五七・九%で同一圏域に居住する職員がゼロの市町村が複数あることは課題です。防災計画の評価と改善は必須です。あわせて、当局の見解を伺います。 次に、水産業の復興について伺います。 我が県は全国屈指の水産県です。東日本大震災でまさに壊滅的な打撃を受けましたが漁業関係者の皆様の筆舌に尽くし難い努力により、やっと復興の道半ばというところまでまいりました。 その中で、福島原発多核種除去設備等処理水の海洋放出方針についての対応が問題となっています。我々県議会としては、日々増加している処理水が完全廃炉に向けた課題になりかねないことは理解しておりますが、既に二回にわたって全会一致で海洋放出に反対する意見書を採択しています。 県漁協も同様の立場であり、加えて、「消費者にとって安全と安心は異なる。徹底的に説明してもらいたい。東日本大震災から十年になるが、まだ漁業は東日本大震災以前の水準には達していない。県と共に風評被害への対応などを国に求めたい。」としています。 そもそも風評被害とは、「根拠が不確かな情報をきっかけに生じ、物やサービスの売上げ不振や輸出停止等の被害が発生する。品質や安全性に全く問題のない場合でも起きる。」と定義されています。消費者の心配を減らし風評被害を軽減するための努力はあらゆる分野で必須であります。また、科学的に根拠のない情報や言葉を拡散することも問題で、漁業者や被災者を苦しめることにもつながりかねません。漁業者は、風評被害に係るこれまでの対応で東電の信頼感を失っている方が多く、政府の対応を特に注視しています。 県当局においては、いち早く処理水の取扱いに関する宮城県連携会議を設置し意見集約を図っていることは評価しつつ、知事から「国に対して継続して申入れを行っていく。」との表明があり注目しています。県として全力を挙げて水産業をはじめとする関係事業者の不安感を解消すべく、対応していくよう求めます。 また、国への申入れに関しては、スピードを重視した対応を併せて求めます。知事の今後の方針を伺います。 関連して、水産業の振興について伺います。 我が国は、領海と排他的経済水域を合わせた漁場面積で世界第六位の海洋大国です。 また、世界的な和食ブームもあり、漁業は世界的に見ればこの十年で約二〇%以上の生産増が続く成長産業です。しかし、我が国では逆に漁獲が減少し以前の世界一の漁業国から、今では輸入に頼り自国の需要を賄うことにすら四苦八苦している現実があります。例えば、シロサケの漁獲の急激な減少は沿岸地域においては死活問題です。昨年の漁獲は平成二十一年と比較して僅か五%にすぎません。県内の定置網漁業者の多くはサケ漁が主体であり、このままでは定置網漁業の継続すら難しくなってしまいます。 関連して、稚魚放流数も減少し、平成二十一年に約六千六百七十万尾を放流していたサケの稚魚は、昨年、約二千五百九万尾にとどまりました。放流数の減少が更なる漁獲の減少につながる負のスパイラルは避けなければなりません。 また、養殖ギンザケについても、ふ化が近い卵、発眼卵の調達を北海道産約八〇%、輸入が約一五%とほぼ全量、他県供給や輸入に頼っています。 つくり育てる漁業の優等生サケについて、採卵、ふ化、稚魚生産に係る抜本的な改革と設備投資が必要ではないでしょうか。県の生産体制の改革は必須です。 なお、今回はサケを例に提言いたしましたが、産地間競争はますます強まり閉鎖循環型の先進的な陸上養殖施設も増えています。今年、我が県でも実験規模での陸上養殖施設の設計に着手するとのことですが、本質的な経営改善につながるよう、また、本県の主力養殖業のノリ、カキ、ギンザケ、ワカメ、ホヤ、ホタテなど、県内の各漁業者に希望の明かりをともすよう積極的な改革を求めます。知事の方針を伺います。 次に、大綱二点目、人口減少社会と総合計画について伺います。 先週発表された国勢調査の速報によると、県の人口は五年前より三万四百十二人の減少、減少率は過去最大の一・五%、更に人口動態統計によると、昨年生まれた子供の数、婚姻件数、共にいずれも過去最少を更新しています。中でも重要な指標である合計特殊出生率の低下が加速していることは誠に深刻な状況です。特に宮城県の出生率は一・二一で東京都に次ぐ全国二番目の低さです。子供は未来そのものです。また、SDGsと県総合計画が目指す持続可能な成長社会の根本であります。 まず、少子化対策について伺います。 今回の合計特殊出生率一・二一という数字は非常に深刻です。このまま下振れが続くと二〇四〇年には計画想定よりも大幅に減少が加速し、現在、約二百三十万人の宮城県の人口は、二十年後、約三十万人が減少。県下第二の石巻市と第三の大崎市を合わせた以上の人口が丸ごとなくなることになります。人口減少社会を見越した地域システムの構築を進めるとともに人口減少を抑制していく政策が重要です。 一方で、今回の人口統計から政策が一定の成果を上げ、合計特殊出生率一・八を達成した自治体も全千七百四十一自治体のうち百四十四自治体と約一割が達成していることが分かりました。早期の対応は重要であり、特に、県は新総合計画で子育てと教育政策を中心に据えた点には注目しております。 従来型の政策踏襲では限界が見えています。今後のこの分野での具体的な事業構想、計画について伺います。 次に、結婚対策について伺います。 県内の婚姻数は、昨年、過去最少の八千九百二十一件で高度成長期一万七千件を超えていた時期と比較すると実に約半数にまで下がっています。諸外国では結婚という形にとらわれない形、いわゆる事実婚で出産する割合が高くなっていますが、我が国ではかなりの時間がかかりそうですので、その意味においても官民連携しての結婚対策が重要です。 県では、平成二十八年度からみやぎ青年婚活サポートセンターを開設し五年間で百三組の成婚実績を上げてきましたが、今年度から新たにAIを活用したマッチングシステムを導入し新たな結婚支援センターの開設を計画しているということです。具体的な改善内容と成果目標を伺います。 なお、県内では、民間の結婚相談事業のほか市町村で婚活事業や婚活イベントを実施しているところが多数あります。県のホームページには関連サイトのリンクは張ってあるようですが、今後はイベント告知等、更なる基礎自治体との連携拡大が県レベルでの成果達成につながると確信いたします。今後の自治体連携について当局の見解を伺います。 次に、県公共施設等総合管理方針について伺います。 県は、同計画に基づき中長期的な視点を持って更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うとしています。特に、老朽度が高いのは学校と公営住宅が多く、延べ床面積で老朽化全体の約六割を占めています。私は、現場を調査する中で、施設の老朽化に県財政が追いついていない箇所が増えていると痛感いたします。 特に、学校公営住宅の老朽化は深刻です。各現場の担当は個別具体に課題を把握しているものと推察いたしますが、事態の深刻さは広く県民に明らかになっていないのではないでしょうか。深刻な老朽化の実態を明らかにするとともに民間や地域の力を生かすなど従来の手法にとらわれない発想で、かつ、素案の段階から公表して住民の合意を得ていくことが、大変ではありますが最終的な近道であると考えます。知事の考え方を伺います。 大綱二点目の最後の項目、みやぎ型管理運営方式について伺います。 このパネルを御覧ください。ちょっと見えにくいかと思いますが、お手元に資料が届いているかと思います。 県の環境生活部が昨年公表した水需要の実績と今後の予測データ、そして同じく水道供給のデータ予測の資料であります。グラフ上の需要予測では、給水人口の減少等に伴い、今後、加速的に急減していくことが顕著に分かります。グラフ下の供給単価予測では、令和二十年に県平均で約一・四倍、令和四十年には一・七五倍になる誠に深刻な予測数値が明確になっています。なお、本予測値については、今議会提案のみやぎ型管理運営方式の導入成果は参入しておりませんので、現状スキームでこのまま進んだ場合の予測数値になります。更に、データから注目すべきは格差が県内でもますます拡大していく点です。人口規模がある程度維持できる仙塩圏域の供給単価は、今後、令和二十年度の中間年で約一六%程度の上昇にとどまりますが、人口減少が著しい県東部圏域は二倍以上の上昇が想定されています。更にその差は年を追うごとに年々拡大していきます。 水道法改正の趣旨は、人口減少に伴う水需要の減少、施設の老朽化、人材不足等の水道が直面する課題に対応し水道の基盤強化を図るためとされています。現時点でも我が県の水道料金は平均値で実に全国三位の高額水道料金県であります。また、仙台市の水道料金は人口百万人以上の都市の国内最高額となっています。加えて、市町村間の料金には実に三倍相当以上の格差が生じ、その格差は市町村の人口や財政力などの原因により、近年、拡大する傾向が顕著になっております。更に、県内事例を紹介いたしますと、県内のある市では水道料金を約二三・三二%値上げする案を市議会・市民に示し、今年秋からの値上げが計画されています。そのほかでも具体的な値上げの検討調整に入っている地域が増えています。なお、水道事業は、通常、公会計の原則から給水原価より供給価格が高くならないと採算割れになるわけでありますが、実際は多くの自治体が基準外繰り出しという一般会計からの支出を行い、言わば帳尻を合わせています。 このような状況は、下水道事業でも顕著です。既に人口減少と需要減少のダブルパンチで生産効率が低下し経営は悪化、県民生活と地方財政を圧迫しているのが残念ながら現実です。私は、県内の上水道・下水道事業の経営は既に現況で危機的な状況に入っていると感じております。このまま有効な手だてを講じず無策のままで現状を継続していけば、インフラの格差は加速し県民生活を圧迫することは確実だと思います。 以下、質問いたします。 このたびのみやぎ型管理運営方式に関する今後二十年間における事業費の削減見込みについては約三百三十七億円とされていますが、この給水関係の費用削減額は今後の各基礎自治体の水道事業にどのような形で貢献していくのか、見解を伺います。 また、説明では、民間が運営するに当たって運転管理・水質管理・保守点検等については、経営審査委員会、宮城県、SPCのセルフモニタリングの三層から成る監視体制を取るということですが、現行の行政単体の監視からの移行のメリットや三層監視の役割、それぞれの監視に係る人的体制について伺います。 次に、県民の皆様から事業の詳細説明や意見交換を求める声が寄せられています。新たな仕組みですので今後も県民の目線で詳細かつ継続的な説明が必要ですし、これまでに開催された説明方法からの改善も不可欠です。今後の当局の対応方針を伺います。 この項の最後に、このたび提案のみやぎ型管理運営方式では、石巻地域や気仙沼地域などは想定エリアではありません。県東部地域は、今後、県内で最も人口減少が加速する地域とされております。今後の考え方として県内エリア全体への波及や構想等についての方針を伺います。 大綱三点目、
新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 まず、長期間にわたって第一線で感染症の対応に当たっている関係者の皆様に感謝いたします。 今般、
ワクチン接種が本格化しておりますが、私の地元東松島市では全ての医師とたくさんの看護師、薬剤師等医療関係の皆様に
ワクチン接種に御協力いただき接種が加速しています。東松島市に限らず県内各地域の関係者の皆様は、週末は集団接種、平日の休憩時間まで個別接種を行い、まさに不休で対応しておられます。重ねて心からの敬意と感謝を申し上げます。 県内では、既に医療従事者への
ワクチン接種がほぼ完了し、六月二十一日から職域接種が開始、七月からは大規模接種センターの全県民対象接種を前倒しで始めることが計画されています。非常時ですので体制が整った自治体や企業・団体等ワクチンが打てるところが順次加速的に進めていく方針は、現実的であり私も支持いたします。 一方で、デルタ株等の変異型による感染拡大も懸念される中で、集団接種会場の受付や誘導など現場で対応する地方自治体の職員、教職員、緊急対応に当たる警察官など、現場の第一線で対応している関係者の優先が次なる拡大防止や危機管理上、必要ではないでしょうか。 国は、今後、七月中の高齢者接種の完了を条件に、自治体が独自に特定職種などの優先順を設定することについて自治体の裁量によって柔軟な対応が可能とし、容認する考えを示しています。 現実的に基礎自治体に配分されるファイザー社製のワクチンには総量的・時期的な限界がある中で、大規模接種に使用するモデルナ社製のワクチンには県で采配を振るう余地があります。広域自治体として危機管理上の観点からの優先順位を確保していくべきと思慮いたします。見解を伺います。 また、感染症対策においては医療政策がまず重要でありますが、同様に人権の保護と経済対策やスポーツ、芸術振興等の社会政策も大切です。これまで第四波と言われる感染拡大の波があり、そのたびごとに議会も含めた議論や意見の中で、社会活動の支援政策については命より経済が大切なのかという批判的な論調も一部にありました。しかし、感染症は社会全体の病気です。命と経済の問題ではなく、どちらも命と命の問題であります。不要不急と一部で言われた観光、飲食、交通、芸術、スポーツ等の業界で働いている方々にとっては必要火急であり、まさに死活問題です。 今後も医療政策と共に社会的な施策を進め社会の分断を防いでいくことは重要な政策だと考えます。知事の考え方を伺います。 また、現在でも新型コロナ感染症においては、不安と恐怖を増大させるような誹謗や中傷が続いていますし、ネット上では不正確な情報や科学的なエビデンスのない意見がまことしやかに氾濫し、若年層の
ワクチン接種への関心低下も顕在化しています。
ワクチン接種に関しての正確な情報は、メリットもリスクも合わせて行政機関が責任を持ってしっかりと発信していくことが必要です。 加えて、今後は病気など様々な理由によって
新型コロナウイルスワクチンを接種できない方々に対して、差別や不利益等を防止していく対応も欠かせません。正しい情報の公開について、当局の対応方針を伺います。 以上で、壇上からの質問を終了いたします。 御清聴ありがとうございました。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 高橋宗也議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、復興の課題と持続的なまちづくりについての御質問にお答えいたします。 初めに、みやぎ東日本大震災津波伝承館の今後の運営方針についてのお尋ねにお答えいたします。 本伝承館は、震災の記憶と教訓を長く後世に伝え継ぐことを目的として石巻市の南浜津波復興記念公園内に今月開館いたしました。 運営に当たりましては、震災の記憶・経験を蓄積し発信する施設として、伝承や防災・減災に関する人材の育成と防災教育を推進する施設として、多様な主体の連携による伝承を推進する施設として震災伝承の拠点を目指すとともに、来館された皆様を県内の伝承施設などへいざなう役割を果たしてまいりたいと考えております。 具体的には、伝承団体の皆様などと意見交換を行い、それぞれの取組や意向を共有しながら、人材育成やネットワーク構築のための研修会や伝承団体等による企画展、県内在住の子供たちや外国人を対象とした防災教育の場などとして活用してまいります。 また、県内外からの教育旅行や研修旅行、外国人観光客の誘致などに取り組み多くの皆様に利用されるよう努めてまいります。 次に、東京電力福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の取扱いに関する対応についての御質問にお答えいたします。 政府の海洋放出方針を受け、先月設置した処理水の取扱いに関する宮城県連携会議では、これまで復興に取り組んできた水産業をはじめとする事業者の皆様から、処理水の海洋放出により生じる風評への強い懸念や不安が多く寄せられました。 そのため県では、今月七日、第二回の連携会議を政府ワーキンググループと合同で開催し、構成団体等の皆様から処理水の海洋放出に反対の意向や政府の基本方針で示された風評抑制策の具体的な提示を求める要望などを関係省庁の副大臣や政務官に対して直接伝えたところであります。 あわせて、政府方針の発表以降、既に風評が発生しているとの声もあることから、生産から消費までの各段階における振興策を示すことも求めております。 県といたしましては、こうした意見や要望に対する国の対応を見極めながら、必要な申入れを早急に行うなど関係事業者の皆様の不安解消に向けしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、人口減少社会と総合計画についての御質問にお答えいたします。 初めに、合計特殊出生率の向上に向けた今後の構想や計画についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の合計特殊出生率は、近年、全国下位の水準にとどまっており大変厳しい状況が続いております。このため新・宮城の将来ビジョンの策定に当たっては、子ども・子育て分野を政策推進の新しい柱と位置づけたところであり、現在、結婚、妊娠・出産、子育ての切れ目のない支援の更なる充実に取り組んでおります。 御指摘のありましたように、今後は従来からの取組に加え、より一歩踏み込んだ対策が必要であると考えており、全庁を挙げて医療・福祉・教育・雇用など様々な分野において効果的な取組を検討し、先頭に立って少子化対策に取り組んでまいりたいと思います。 次に、みやぎ型管理運営方式の県内全域への波及展開についての御質問にお答えいたします。 人口減少社会においても、料金の上昇を抑制しながら上下水道事業を安定的に運営していくためには、県内全域の市町村等において最大限経営の効率化を図る必要があると考えております。そのためには広域連携を進めることが最も重要であり、例えば、複数の市町村が共同でみやぎ型管理運営方式の運営権者に業務委託を行うことなども有効な経費節減策の一つになり得るものと認識しております。優先交渉権者の提案では相談窓口を設置することとしており、市町村が希望した場合には、これを活用し上下水道事業の効率化を図ることも可能であると考えております。 県といたしましては、現在進めております上水道及び下水道の広域連携等に関する検討会などにおいて、事業体との意見交換を丁寧に行いながら上下水道の将来像を検討してまいります。 次に、大綱三点目、
新型コロナウイルス感染症の対策についての御質問のうち、医療政策とともに経済対策などの社会的な側面に着目した政策を進めるべきとのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症により、我が県においても外出自粛や休業要請等に伴う消費の低迷、観光客の減少、イベントの中止など飲食業や宿泊業、スポーツ、文化芸術といった多方面の分野に影響が生じております。 こうした状況を受け、県では
医療提供体制や感染拡大防止策の強化に一丸となって取り組むとともに、社会経済活動との両立を図るため生活困窮者への支援、コロナ差別根絶に向けた啓発、スポーツや文化芸術の活動支援、時短要請等により影響を受けた事業者への経営支援など県民生活や企業活動への支援に幅広く取り組んでまいりました。 今後ともリバウンド防止を徹底しつつ、様々な分野における県民の皆様の活動の回復に向けて全力で取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
公営企業管理者櫻井雅之君。 〔
公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱二点目、人口減少社会と総合計画についての御質問のうち、みやぎ型管理運営方式の導入による市町村への還元についてのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式においては、現行体制に比較して三百三十七億円のコスト削減が実現できる見通しとなっており、将来の本格的な管路更新に備えた財務基盤強化や水需要の減少に伴い上昇する料金抑制に大きな効果が得られるものと考えております。 この削減額の取扱いについては、大崎広域水道や仙南・仙塩広域水道など各事業の経営状況のほか受水市町村の現状も異なることから、県といたしましては、県民にとって最も効果的なものとなるよう受水市町村と共に十分に協議しながら検討を進めてまいります。 次に、三層監視体制についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式におけるモニタリング体制は、運営権者と県及び経営審査委員会による三段階モニタリングにより、安心・安全な水道事業の運営を確認する実効性の高い監視体制としております。運営権者は、自ら事業の運営状況が要求水準を遵守しているかを確認するとともに、社外の学識者等を含めた第三者のモニタリングの実施など複層的な監視体制を構築することとしております。 また、県では、運営権者の運転管理や水質管理の実施状況のみならず、経営状況についても報告を受け要求水準達成状況の確認・監視を行うとともに抜き打ちでの検査も実施することとしており、事業開始時においては現在と同程度の人員体制を予定しております。 また、第三者の専門家十名程度で構成する経営審査委員会は、運営権者と県のモニタリング結果等に対して中立的な立場で客観的な評価・分析を行い意見を述べるもので、県及び運営権者はこの意見を最大限尊重して事業運営に当たることとしております。こうした外部の専門家も含めた実効性のあるモニタリング体制により、県民に安心・安全な水道サービスが提供できるよう着実に取り組んでまいります。 次に、県民目線での継続的な説明が必要との御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式の導入に当たっては、県民の理解が最も重要であると認識しており、これまでシンポジウムや事業説明会の開催に加え、ホームページを活用した広報など幅広い周知活動により県民理解の醸成に取り組んでまいりました。 本事業は、県民の安心・安全に直結する極めて重要な事業であることから、県民の皆様に一層理解を深めていただくため、動画のほか様々な媒体を活用するなど工夫を重ねながら、今後も正確な情報提供と、より丁寧な説明に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 総務部長大森克之君。 〔総務部長 大森克之君登壇〕
◎総務部長(大森克之君) 大綱二点目、人口減少社会と総合計画についての御質問のうち、公共施設の老朽化対策についてのお尋ねにお答えいたします。 庁舎や学校等の公共施設については、平成二十八年七月に策定しました公共施設等総合管理方針に基づき、施設類型ごとに個別施設計画を策定し計画的な維持管理と長寿命化を図っているほか、毎年度その策定状況を公表しているところであります。 この個別施設計画を進めるに際し、老朽化が著しい施設については、更新や統廃合等の必要性を見極めるとともに民間の技術やノウハウ、資金等を活用することが有効な場合もあることから、PPP・PFI手法の導入なども併せて検討しております。 県といたしましては、施設の種類や規模等に応じ検討段階から県民の意見を反映するよう努めるなど、人口減少等を踏まえた公共施設の老朽化対策に適切に対応してまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 復興・
危機管理部長佐藤達哉君。 〔復興・
危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱一点目、復興の課題と持続的なまちづくりについての御質問のうち、伝承館内映像シアターのコンテンツの充実についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、映像シアターで上映している内容は、当時の映像や被災者の証言などを通して津波の恐ろしさや津波から命を守るために逃げることの重要性を訴えるものであり、初めてお越しいただいた来館者の皆様にぜひ御覧いただきたいことから終日放映しております。このため、当面は現在の映像を上映していきたいと考えておりますが、来館者が県内各地に赴くきっかけを提供することも本伝承館の使命でありますことから、現在、館内で視聴できる県内各地の震災遺構や復旧・復興に向けた活動、被災者の証言を紹介する映像などを編集しシアターで上映するなど、来館者に対する情報発信の方法を工夫してまいります。 また、伝承団体等から広く御意見を伺いながら、県や伝承団体が主催する企画行事と合わせた新たなコンテンツの上映など、映像シアターの活用について柔軟に対応してまいります。 次に、今年三月の津波注意報発表時に、県は避難指示の発令を徹底する連絡等を行ったのかとの御質問にお答えいたします。 宮城県津波対策ガイドラインでは、どのような津波であっても危険な地域からの一刻も早い避難が必要であることから、国のガイドラインと同様、津波注意報が発表された際には基本的に避難指示を発令することとしております。このことから、県では三月二十日の津波注意報発表の直後に県内沿岸十五市町に対し避難指示の発令等適切な対応を取るよう連絡したところです。 県といたしましては、市町村担当者会議等、様々な機会を捉えてガイドラインに沿った対応の徹底を図ってまいります。 次に、今回の津波注意報発表に伴う沿岸市町への初動派遣は行われたのかとの御質問にお答えいたします。 県の地域防災計画では、迅速かつ的確な災害情報の収集等を図るため、災害対策本部地方支部または地域部から職員を被災市町村に派遣できると定めております。 今回の津波注意報発表の際は、沿岸市町に対し災害対策本部の設置状況や職員派遣の要否、必要な人数を聞き取りし、気仙沼市に一名、東松島市に三名の職員を派遣したところでございます。 次に、初動派遣基準の明確化が必要との御質問にお答えいたします。 県では、震度六弱以上の地震、または、それに相当する大規模な災害が発生した場合等に被災市町村に職員を派遣できることとしております。大規模な災害の基準は、はっきりと明記されてはいないものの、県の災害対策本部の設置が求められる事態を想定しているほか、本部設置に至らない場合でも市町村の対策本部が設置された場合には派遣が可能と規定しており、今回の津波注意報発表時においても職員派遣がなされたところでございます。 今後は、こうした派遣基準の明確化も含め更なる制度の充実が図られるよう市町村と共に検討を重ねてまいります。 次に、初動派遣職員の割当てについて改善が必要との御質問にお答えいたします。 初動派遣職員については、派遣先市町村と同一の圏域に赴任・在住した経験を有するなど、地理的状況を把握していることや災害に伴う様々な調整業務の経験を有することなどの要件を考慮し、市町村ごとに四名の職員を指定するよう定めております。 こうした要件に加え派遣市町村やその近隣に居住する職員を優先的に指定することは、大規模災害時など交通手段が限定される場合でも迅速な初動派遣への寄与が見込まれることから、可能な限り配慮してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、人口減少社会と総合計画についての御質問のうち、新たな結婚支援センター開設に向けた改善内容と成果目標についてのお尋ねにお答えいたします。 平成二十八年度に開設したみやぎ青年婚活サポートセンターでは、対面での支援に重点を置き面接による助言や婚活イベント、親の交流会などを実施してまいりました。イベントには五年間で延べ約二千人以上が参加し、イベントを契機としたカップル数は三百組に上るとともに成婚件数は約百組に至っており一定の成果が見られたところです。 一方で、昨年度のセンターの登録者数は約二百人にとどまっており、結婚を希望する県民がより入会しやすい環境の整備が課題であると認識しております。 新設するセンターにおいては、新たにマッチングシステムを導入することとしており、相手の検索からお見合いの申込み、日程調整、交際の意思確認など一連の手続が自分のスマートフォンやパソコンからいつでも行えることから、利便性が向上し登録者数の増加が期待できるものと考えております。 また、AIで相性がよいと判断する相手を紹介することも可能となり交際発展数や成婚件数の増加も期待されます。 新・宮城の将来ビジョン実施計画において令和六年度の登録者数を一千人とする目標を掲げておりますが、前倒しで達成できるよう広報や市町村と連携した新規登録会の実施などに力を入れてまいります。 次に、市町村が行う婚活の取組との連携拡大についての御質問にお答えいたします。 県では、これまで市町村や民間団体が実施する婚活イベントなどの情報をホームページで発信するほか、市町村が更なる創意工夫を図れるよう県内の取組状況を共有するなど連携を図ってまいりました。 市町村単独の取組に加え、広域的な婚活の実施は交際発展数や成婚件数の増加といったマッチング効果が期待できることから、県としましても各市町村と担当者レベルで協議の場を持ってニーズや意見を伺いながら一層の連携拡大を図ってまいります。 また、結婚支援センターの開設に併せホームページを刷新し、市町村や広域での婚活イベント等をタイムリーに情報発信するなど、県全体で取組の効果が発揮されるよう結婚支援を推進してまいります。 次に、大綱三点目、
新型コロナウイルス感染症の対策についての御質問のうち、第一線で対応している関係者への優先接種についてのお尋ねにお答えいたします。 今月二日付の国の通知では、高齢者の次の接種順位について、高齢者の接種の見通しがついた自治体から広く一般にも接種を開始してよいとする取扱いが示されたところです。このことから、各市町村では地域の実情に応じて独自に優先順位を設定しており、県内においても保育関係者や教職員を優先している市町村があります。 一方、大規模接種センターでの接種については、今月になって空き枠が生じたことから、優先順位の高い医療従事者等のほか特別支援学校の教職員や交番で勤務する警察官などを対象として接種を進めたところです。 なお、大規模接種センターは、集団接種や個別接種など市町村の接種体制を補完し接種の加速化を図るために設置したものでありますので、今後は優先順位は設けずに接種券が配布された全ての県民の方を対象として接種を行うこととしております。 次に、ワクチンに関する正確な情報発信と接種ができない方々への差別等を防止する対応についての御質問にお答えいたします。
ワクチン接種の有効性や安全性、副反応のリスク等の情報は、接種を受ける・受けないを判断する上でも重要です。このため県では、ワクチンに関する正確な情報をホームページや県政だよりに掲載し広く周知しているところです。 また、接種ができない方々への差別防止の対応については、体質や持病などの理由で医学的に
ワクチン接種を避けるべき人がいることの周知に加え、接種の強制や関連した差別、いじめ、職場や学校等における不利益な取扱いを行うことがないよう、ホームページでの啓発や「ストップ!コロナ差別」共同宣言参画団体への啓発依頼を行っており、今後、県政だより等も活用し広く県民へ呼びかけることとしております。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 水産林政部長佐藤靖君。 〔
水産林政部長 佐藤 靖君登壇〕
◎
水産林政部長(佐藤靖君) 大綱一点目、復興の課題と持続的なまちづくりについての御質問のうち、サケふ化放流事業と養殖業の改革についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、我が県を含む太平洋沿岸の秋サケ来遊数が大きく減少し種卵や放流する種苗の確保が困難な状況にありますが、その要因として放流時期の海水温の上昇など海洋環境の変化が示唆されております。 県では、こうした状況を踏まえ河川ごとの適期・適サイズ放流計画の策定やふ化場間の連携強化を進めるとともに、国に対して原因の究明と対策の強化、ふ化放流体制の抜本的な再構築などを要望することとしております。 また、養殖業においても海洋環境の変化による影響が生じていることに加え、国内外の産地間競争の高まりなど様々な課題への速やかな対応が求められております。 このため県では、ワカメなどの高温耐性品種や新たな暖水系養殖種の試験に着手するとともに、整備を進めている閉鎖循環式陸上養殖施設を活用した競争力のある養殖種の開発などに取り組むこととしております。 更に、新技術・スマート水産業の推進など養殖業の収益性の向上や成長産業化に向けた取組を積極的に進めてまいります。 以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) まず、知事に所感を伺いたいのですが、今日パネルでも御紹介した青い鯉のぼりプロジェクトについて、知事は御存じだったでしょうか。 また、青い鯉のぼりプロジェクトに限らず、こういった震災伝承の取組についてはどのようにお考えか、率直な感想を伺いたいと思います。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 報道などから存じておりました。 このような震災伝承についてどう考えているかという御質問でありますが、行政任せでも国任せでもなく、いろんな方がそれぞれの思いで取り組んで、そういったものを具現化していくことは非常に重要なことだと思います。そうすることによって、どんどん裾野が広がって多くの方に震災の記憶を伝えていくことができるのではないかと思います。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) 私も同意見ですが、昨年の段階での伝承担当部門のお話ですと、伝承館での詳細な方針が定まっていないということもあり、研修や企画、行事などは白紙だということで大分伝承団体で不安がっていたことがありました。 今日の知事答弁と震災・復興
危機管理部長の答弁を聞いて少し安心したところはありますが、今後は研修や企画展だけではなくて感謝につながるようなイベントや御遺族等に対する鎮魂の催しなども可能であったらお考えいただきたいと思います。その件に関しては、知事、どのようにお考えでしょうか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) いろんな御意見があろうかと思いますので、そういった御意見に耳を傾けながら、感謝につながるようなイベントであったり鎮魂につながるようなイベント、こういったようなものを併せて検討してまいりたいと思います。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) ぜひ、そのように願いたいと思います。 千年後につながる取組ということでスタートしております。たった十年で風化ということはないと思うので、先ほどパネルで御紹介しましたが少なくとも青い鯉のぼりプロジェクトは、どんどん支援・協力の輪が広がっていっていると感じております。全て風化、あるいは記憶が薄れるということはないと思いますので工夫が大事だと思います。その辺の取組を願いたいと思います。 二点目、津波初動体制についてお伺いしました。ちょっと分からなかったのは、震災・復興
危機管理部長から十五市町には適切に連絡したが、結果として発令されなかったというのがよく分かりません。適切に連絡したならば発令があったはずですが、なぜ発令されなかったのか、復興・
危機管理部長、お答えいただきたいと思います。
○副議長(外崎浩子君) 復興・
危機管理部長佐藤達哉君。
◎復興・
危機管理部長(佐藤達哉君) 三月二十日、地震発生は午後六時九分でございました。その十七分後、午後六時二十六分に沿岸市町にファクシミリをもって避難指示を発令するよう呼びかけたところでございます。 その後、それぞれの市町は、それぞれの事情で対応することになりますが、結果として発令したところと、しなかったところが出てきたということでございます。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) まだ疑問は深まっていますが、そもそも市町村の責任で発令することはもちろん分かっていますが、ここは広域自治体として適切な補完が必要だと思います。最初、担当部門にお伺いしたところ、例えば、MIDORIなどの宮城県総合防災情報システムもあるとか、初動職員体制もあるという説明もありましたが、結果的にそれも機能しなかったわけですから、ここはしっかりと評価、改善をしていただきたいと思います。 ただいまの答弁では明確化に向けて検討というお話もありましたが、課題があったという認識はお持ちでしょうか、知事、その辺りはいかがですか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) これは、我々、広域行政を担っている者だけの責任ではなく市町村の問題もありますので、やはりお互い意思疎通をいたしまして機敏に対応できるようにしていくことが重要だと思います。早速、復興・危機管理部の下で市町村とよく調整をしてまいりたいと思います。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) ぜひ、そのように願いたいと思います。 いつ、また次が起こるか本当に分からないわけでありますし、誤解を招くことがあると何ですので申し上げますが、私は県の職員の方に危険なところに出向けと言っているわけではもちろんございません。私も津波に浸かった経験がありますので安全は確保した上で初動が必要だと思っておりますし、その意味で初動職員はできるだけ派遣先の市町村やその近隣に住んでいる方が望ましいと思っております。 また、現状の課題として思うのは、今のルールでは、一旦、地方振興事務所に出向いて無線機や衛星電話を持って市町村に出向くことになっていますが、これもちょっと二度手間かとも思うので、市町村の理解が得られれば、市町村に機材を配置しておいて職員が出向けば時間も短縮できると思いますので、総合的に御勘案いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 処理水の件です。 私は昨日、県漁協に出向き幹部の方々と意見の交換をしてまいりました。 福島県のことだけが現在、恐縮ですが政府の対応資料には掲載されておりまして、宮城県の水産業のことがほとんど出てこないという残念な思いもおありのようです。 もちろん福島県の対応は重要ですが、事風評被害となると水産県宮城の被害は計り知れない部分があります。ここは、ボタンの押しどころを御存じの知事に、ぜひ政府に前面に出ていただくように強く、早期に要請していただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) そういう狙いで政府には強く働きかけているつもりであります。 一番最初に私は短い言葉で言ったほうがいいと思いまして福島ファーストにならないようにという言い方をいたしました。漁協からは、もう既に宮城県の水産業はほぼ回復している、漁獲量は減っているが水揚げ金額は回復しているということでありますので、そういう意味ではダメージは宮城県のほうが大きいことをしっかりと伝えてほしいと言われていますので、何度も何度も繰り返し政府のほうには伝えているところであります。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) まさにそのとおりだと思いますが、繰り返しということがありました。政府が前面に出てくるまでには時間がかかるかもしれませんが、今の想定は二年間であります。二年という時間は非常に短いと思っています。 加えて、福島県と宮城県の海には線がありませんが大きな対応の格差があります。要するに、福島県は政府が前面に出ている。宮城県は東電が前面に出てきてしまう。そういった残念な課題もありますので、そこをぜひ知事に認識していただきたいと思いますが、その認識はもちろんお持ちですよね。いかがですか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 先ほど答弁いたしました処理水の取扱いに関する宮城県連携会議は、二回ともちゃんと国の担当の方が来ていますし、経済産業省副大臣、政務官などもお越しになっております。そういうことから、政府も当然前面に出てしっかりと調整する。そして東京電力に指導する。今のところ東京電力もその指導に従うという言い方はしているということであります。この姿勢を貫いていただくように、引き続きしっかり申入れをしていきたいと思います。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) 続いて、みやぎ型管理運営方式について伺います。 県政も厳しいが市町村事業会計の数字を見ましたら、改めて大変な状況だと拝察しております。現状でも実に三倍以上の格差があります。できることを精いっぱいやるということに尽きるのかもしれませんが、もう一つの現状改善策として、今、知事も答弁されたように広域的な連携の取組が必要ということがあろうかと思いますが、現状で地方自治法第二百五十二条の二に基づく法定協議会の設置すらまだ至っていないのが残念な現実です。 広域化について昨日の記者会見では二十年間という見通しも発表されたと思いますが、その辺りはどのような御見解だったのか、伺いたいと思います。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 昨日の記者会見で申し上げましたのは、二十年間かけてやるということではなくて、みやぎ型管理運営方式は二十年間ですので、その下にぶら下がって我々のみやぎ型管理運営方式の中に市町村の水道事業、下水道事業を一緒に入れて事業者にやりますか、やりませんかというような判断をしてもらうには、やはり二十年間の契約の後ではないとできないという意味で言いましたが、広域化については今すぐにでも私はやるべきだと思っているということであります。
○副議長(外崎浩子君) 十九番高橋宗也君。
◆十九番(高橋宗也君) 最後に、説明会ですが、よく民間なら駄目で行政なら大丈夫という意見もありましたが、行政でもかなりの事故が発生しております。そういった論点ではなくて、行政でも民間でもしっかりやっていくことに尽きると思いますので、継続的に御説明をお願いしたいと思います。 終わります。
○副議長(外崎浩子君) 暫時休憩いたします。 午後零時十二分休憩
----------------------------------- 午後一時十一分再開
○副議長(外崎浩子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十四番三浦一敏君。 〔二十四番 三浦一敏君登壇〕
◆二十四番(三浦一敏君) 日本共産党宮城県会議員団の三浦一敏です。ただいまから一般質問を行います。 第一は、コロナ対応と東京五輪問題です。 今年になって全国的には緊急事態宣言が百二十九日間、宮城県も三月十八日から県独自の宣言など六月十四日まで八十九日間も発令され、外出自粛、各種イベント中止、外では酒は飲めないなど、国民の自由が制限されストレスが長期にたまった状態です。それでも県民は国や県の要請に極力従ってきました。そして、度重なる時短要請で一番苦しんでいるのが飲食業者です。石巻市の飲み屋街「小柳町」のスナックの方から話を聞きました。「週半分はゼロ。とてもやっていけない。」。また、時短が解除となった仙台市青葉区の居酒屋さんからは、「二年前の五月と比べ十五分の一の売上げ。消費税も滞納している。徳政令が欲しいところだ。」と言います。こんなしんどい状態をいつまで続ければコロナが収まるのか。鬱積と不満が渦巻いています。国に二回目の持続化給付金を要請するとともに、県として給付金の思い切った手だてが必要ではないかと伺います。 東京都医師会の尾崎治夫会長は、検査体制の強化、病床確保と補償の拡充、ワクチンの加速の三点セットを強調しています。菅首相も村井知事も
ワクチン接種が全てだと言いますが、いわゆる野球でいう一本足打法に過大な期待を寄せることは危険です。十九日の全国知事会でも話題になった第五波を阻止するためにどういう対策が必要か、知事の認識をお聞きします。 私ども党県議団のコロナ対策として申し入れていたことですが、PCR検査体制を徹底的に拡大し、感染源を明らかにして封じ込めなければなりません。感染リスクが高い場所にどんどん検査を実施する前向きな感染拡大防止対策が求められています。県も感染再拡大に備えた検査体制の拡充を打ち出していますが、国事業のモニタリングの検査の大幅拡大、高齢者施設の職員などに対する頻回検査の継続と対象拡充、飲食店従業員に対する検査も、仙台市以外にも広げるなどの手だてをとるべきと思いますが、いかがでしょうか。 この六月から東北大学との連携による変異株の遺伝子解析を実施しているとのことですが、実施率はどのくらいか伺います。この際、県として実施率一〇〇%にする必要があると思いますが、いかがでしょうか。 さて、東京五輪の開催が七月二十三日と迫ってまいりました。コロナが収束しない中で国民の不安が募ります。無観客が望ましいと専門家から提言されても、観客上限は一万人まで緩和して完全に無視。法政大学名誉教授の五十嵐氏は「密を回避せよ。人流を抑制せよ。」と飲食店に制約しながら、特別扱いの五輪は収容人数を増やす。カネのための五輪、内閣
支持率アップのための五輪、総選挙勝利のための五輪強行であると指摘します。五輪によって、東京が変異株の国内外の発信地にならないのか。東京から新幹線で一時間半の百万都市仙台や県内は一体大丈夫なのか誠に心配であります。国民の不安が急拡大し、大きなリスクが伴う中で開催していいのかどうか、サッカーの試合が十試合開かれる宮城県の知事として、五輪・パラリンピックは中止し、コロナ対策に集中するよう国に進言すべきです。いかがでしょうか。 第二は、今議会の焦点、みやぎ型管理運営方式について伺います。 水道法には、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することとあり、だからこそ自治体の責任で事業が運営されてきました。ところが、この水道法が改悪され、宮城県では全国に先駆け上工下水道九事業を一体にコンセッション方式で民間企業に運営権を売り渡そうとしています。しかも二十年間の長期間です。コンセッションをスマホで調べると、特権・利権を意味すると訳されます。そうなんです。つまり、特定企業に特権を与え、その企業に特別の利権をもたらすことがコンセッションの正体です。今回上程されている議案が通れば、議会の審議もチェックも基本的にはなくなるということではありませんか。五年ごとの料金改定を除けば、ほとんど議会は関与できない。また、県の監査対象からも外れてしまう。そして、このSPC特別目的会社と実際に工事をする事業者との関係は民々契約でありますから、情報公開の保障もなければ議会の審議も及ばない。住民も分からない。これは本当に恐ろしい仕組みではありませんか。県はこれまで部分的に業務委託してきたから、その延長にすぎないと説明しますが、全く性格が違う別次元の話であると思いますが、知事、お答えください。 企業局が直接契約するのは、ヴェオリア社が加わったメタウォーターグループのSPC、特別目的会社であります。SPCとは、資産を取得し投資家に配当する業務のみを目的とする会社なのです。この二十年間で少なくとも九十二億円の利益を株主へ配当することが目的の会社です。二十年たてば解散する会社です。しかし、二十年間の既得権益を逃したくないので、施設の運転業務と維持管理を行う新OM会社をつくり、未来永劫宮城県内で利益を上げようとしています。OM会社の経営権は世界一の水メジャーのヴェオリアが握っています。ちなみに、SPCは社員四十四名、OM会社は二百二十五人でスタートするそうです。実働部隊がOM会社です。SPCは隠れみのであり、OM会社はブラックボックスになるのではないか、明確にお答えください。 先日、岸田議員はOM会社の株式持分という大事な情報が議会に提出されず、求めてようやく出てきた問題を取り上げました。ほかにもそういう事例があります。運営権設定議案が出されているにもかかわらず、県が二十年間集金した料金収入から何割をSPCに払うのか。県とSPCの持分割合とその収受額合計が六月八日の会派議案説明でも示されず、私どもから求められてようやく十一日に示されました。この九事業別の運営権者の収受額は、SPCとの実施契約書にも書き込まれるべき大事な大事な資料です。議案審査の根幹に関わる資料が求めてようやく出てくるという議会軽視、県民不在の進め方でいいと思っているのか伺います。 また、SPCが県から受け取る収受額とSPCの提案事業費総額が一致しませんがなぜでしょうか。分かりやすくお答えください。 実施契約書に記入される事項で県民や議会が知っておくべき事項が十四文書も空白のままです。SPCへ払う収受額合計千二百七十五億九千万円の構成項目ごとの内訳や、流域下水道四事業の改築費用の上限額や改築する対象範囲、それに要する費用を盛り込む実施基本協定、年度実施協定など、いずれも議案審査の大事な基本的文書が空白のままです。これでは肝腎なところが議会や県民も分からないまま、議会で審議せずに通過してしまうことになります。そんなことは県民の負託を受けた県議会として認めるわけにはいきません。直ちに検討資料を議会に示し説明することを求めます。それができないなら運営権設定議案は今議会から取り下げるべきです。伺います。 また、実施契約書にはSPCが提案した事業費削減額二百八十七億円の記述がどこにもありません。二〇二〇年七月に市民団体が出した公開質問状への回答にも、提案内容を盛り込んだ契約を締結することからコスト削減は間違いなく実現するとあります。経費削減額は契約書のどこに書いてあるのか伺います。 現在、九事業の現場で宮城県下水道公社をはじめ民間会社の二百六十六人が指定管理や委託で働き、三十年にわたって技術を磨き、これまでの安心安全な水質や事業のために本当に努力してくださいました。それが来年三月には、これらの二百六十六人全員が県との契約が切れ、いなくなります。高い技術力、蓄積された経験値は現場からなくなり、全く新しいOM会社が四月から運転や維持管理業務を行うこととなります。明らかな技術力の後退になるのではないか、伺います。 働く人たちからは失業の不安でモチベーションが保てないなど、職場の環境悪化を心配する声や雇用継続の要望が出されています。OM会社では七十五名をこれまでの指定管理業者や委託業者から採用する計画だと伺っていますが、僅か三割です。これまで県の施設で働いてきた人たちの雇用、生活の安定に県は社会的、道義的責任があると思いますがどのように考えていますか、伺います。 知事は、コンセッションにすれば水道の経費を減らせる。水道料金の上昇を抑えられると強調し、公共であればできないことを民間はできると言い、現行体制と比べて人件費を百六十七億円、三割以上削減しようとしています。事業開始時にはOM会社は二百二十五人体制だそうですが、七年後には約二割の削減計画です。これだけの人件費カット、人員削減で安全安心な水質、事業をいかなるときでも保つことができるのでしょうか、所見をお聞きします。 昨年十二月に実施契約書等が突然変更され、カビ臭発生などの突発的事象についても県が費用負担することや、ライセンス料を伴う知的財産権対象技術の使用にも、事業終了後も無期限で県が料金を支払うことなどが加わりました。結局、民間事業者側のリスクは軽減され、県の負担が大きくなりました。県職員も減らしSPCが開催する勉強会に県職員を参加させ、技術力を保つ計画になっていますが、これでは唯々諾々と民間企業の言いなりになるのではありませんか。違いますか、伺います。 水メジャーのヴェオリアがなぜ日本に、そしてこの宮城に目をつけたのか。宮城の将来の水道事業を心配してのことではありません。採用から漏れたJFEグループの担当者が地元新聞で、三分野の受託は魅力的と述べています。つまり、この三分野は大変企業にとっては絶好のチャンスと見ていた証左であります。一方、県民にとっては取り返しのつかない心配と不安だらけのコンセッションです。知事が日本で初めてと意気込み、復興の一丁目一番地に掲げた水産特区は今はどうでしょうか。事実上失敗に終わっていると思います。今度は宮城県民を巻き込み日本初の実験台にして、みやぎ型と銘打って、命の水、健康と環境を守るために欠かせない衛生施設である上下水道を企業が参入しやすいコンセッション方式に民営化するというのが、本当にこれが県民のためと言えるのか、伺います。 第三に、福島原発汚染処理水の海洋放出と女川原発再稼働についてです。 去る四月十三日、政府は汚染処理水の海洋放出を決定。知事は当初、風評被害が心配だが、私が発言しても何も変わらないと無責任な姿勢でした。しかし、農林水産関係者や県民からの批判が高まり、各界の意見をまとめる官民の処理水の取扱いに関する宮城県連携会議を立ち上げ、出された意見を近々国に伝えると言います。どういう立場で伝えるのでしょうか。県内の各自治体からも意見書が出され、石巻市議会でも海洋放出断固反対の意見書が採択されました。私は海洋放出以外の別の道を真剣に検討すべきと思います。知事として改めて汚染処理水の海洋放出について、政府や東電にはっきり反対と言うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 次に伺いたいのは女川原発避難計画の問題です。 五月二十八日、石巻の住民らが東北電力を相手取って、広域避難計画の実効性を問う再稼働差止め訴訟を起こしました。半径三十キロメートル圏内の石巻市など七市町、二十万人が県内三十一市町村へ速やかに避難することは到底無理です。また、大量のバスと運転手の確保、渋滞、トイレ対策、コロナや地震のような複合災害のときの移動など山ほどの困難があります。そもそも原発大事故の多くは地震・津波などの複合災害によって発生します。だから一刻も早く遠くへ逃げなければなりません。ところが、国と県が策定した避難計画は自宅待機を基本にしていますから、実態と合いません。これはつくり直さなければ駄目じゃないでしょうか、お答えください。 ところで、女川原発再稼働をめぐって国はその地ならしのために延べ二十七回宮城県に足を運んでいます。特に資源エネルギー庁などの担当者が、令和元年十一月から令和二年二月までに十一回も集中して来ています。その内容について担当課長から聞いたところ、「記録はとっていない。手帳のメモで確認した。」とのことでした。これは大変な驚きです。国とどういう打合せをしたのか一切分からないでは、今後検証もできないではないか。なぜ記録をとらなかったのか。このような公文書管理は行政として問題ではないか、伺います。 第四に、環境破壊、住民無視の再エネ事業の問題点についてであります。 再生可能エネルギー促進のための固定価格買取制度であるFIT制度が始まった二〇一二年以降、県内ではメガソーラーや巨大風力が急増し、楽天生命パーク宮城の約千個に匹敵する森林が宮城県で失われつつあります。二〇一八年度に見直した宮城県の地球温暖化対策実行計画には、CO2の削減は地産地消、地域主導に徹底的にこだわると、大変いいことを言っております。知事は県外資本や外資によって森林が壊されている現状に対し危機感はあるのでしょうか。知事の認識が非常に重要ですので、ぜひ知事自身の言葉で回答をください。 今、地球温暖化防止と森林が持つ多面的な公益機能を守る上で焦眉の問題について、以下三つの具体例を示しながら規制の方向性を伺います。 まずは、丸森耕野地区のメガソーラー計画の問題についてです。丸森町では二〇一九年十月の東日本台風で全国最多の犠牲者を出しました。今回この質問をするに当たり、改めて現地を調査し反対期成同盟会の方々からもリアルな話を聞くことができました。広葉樹など大変すばらしい耕野地区の二つの事業区域を合計すると、森林百十五ヘクタール、出力五万五千七百キロワット、何と太陽光パネル十一万八千枚という巨大なものです。土砂崩れが多発する耕野地区によくぞ進出する計画を立てたものだと驚きました。便宜的に仙南プロジェクトと丸森プロジェクトに事業を分け、アセス逃れをするという悪質な手法です。事業統括は株式会社ライズアップという千葉県の会社です。そして用地交渉や説明会を全て取り仕切ったのが株式会社HK-ONEというところですが、その人物が贈賄事件で逮捕されました。改正FIT法では法令遵守が事業認定の要件とされており、事業認定取消しも可能なケースです。知事、この一点だけでも一発アウトで、この丸森町耕野のメガソーラー計画は即認定が取り消されてしかるべきです。宮城県として経済産業省にFIT認定を取り消すように言うべきではありませんか、伺います。 現地の住民運動を背景に国会でもアセス逃れの問題や事業者の適格性等について問題視され、政府や丸森町の認識も大きく変わってまいりました。丸森町議会は、知事宛てにメガソーラーを規制してほしい旨の意見書を全会一致で採択しました。そこには、既に林地開発許可の答申が出されてしまった仙南プロジェクトに対する不服申立てが含まれています。住民からは、事業者が知事の印鑑がつかれた林地開発許可を錦の御旗に掲げ、町の規制条例や県民対話を蹴散らす傍若無人な姿勢であることが語られています。知事、基礎自治体の意向さえも踏みにじり、林地開発許可を粛々と出す宮城県の姿勢は現地にとっては迷惑千万なのです。法の趣旨を踏まえ、森林法四つの要件による厳格な審査を改めて行い、不許可にすることを強く求めるものですが、いかがでしょうか。 二点目は、最近特に各地に進出する風力発電についてであります。 大崎市鳴子、加美町、色麻町、山形県の最上や尾花沢までの奥羽山脈尾根筋、広大な敷地に一基の高さ約二百メートル、三千から四千キロワット級の風力発電機を七事業所合わせ百八十九基も設置するという国内最大級の巨大風力発電計画が進行中です。また、県内各地もそうですが、石巻・女川間の山林にもオリックスが十三基、日立系も京ヶ森から雄勝峠にかけて十五基が計画中です。野放しでは困ります。風力発電の環境問題についてどのように考えているかお答えください。 三点目は、私の地元石巻市須江の液体バイオ火力発電事業についてです。 関係者は大変な不安にさらされています。石巻市議会でも、この県議会でも、皆様方の御理解を得て全会派賛成で請願が採択されているところです。株式会社G-Bio側は環境アセスの準備書を提出し、四月二十七日、河南遊楽館で住民説明会を開きました。参加者が次々と問題点を指摘し、中には涙ながらになぜこの住宅地に建設しなければならないのかとただしました。会社側は「土地が確保できたから。」と平然と述べ、どうしたら計画を断念してくれるのかとの声に対して、会社代表は「国や知事から建設をやめろと言われればやめるけど、言われていない。」と開き直っているんです。知事自ら住民合意のない発電所建設は撤回、断念すべきだということを会社側に直接忠告すべきですが、いかがでしょうか。 森林の環境を守るのか、それとも乱開発を許すのか、根本的な政策の転換が強く求められています。県土の六割を占める森林の乱開発から県民の命と暮らし、環境を守るには、山梨県がこの六月議会で県内八割の地域を規制区域にして、そこでは十キロワット以上の太陽光発電施設の新設を原則禁止する日本一厳しい条例を決める予定ですが、このような環境保全への強い決意を宮城県も内外に示す必要があります。知事いかがでしょうか。 自然や地域と調和し、住民合意で進める再生可能エネルギーへの転換が必要です。知事においては自然破壊を許さない毅然とした対応を求め、とりあえず壇上からの質問とします。 御清聴ありがとうございました。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 三浦一敏議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず大綱一点目、コロナ対応と東京五輪問題についての御質問にお答えいたします。 初めに、第五波阻止に向けた必要な対策についてのお尋ねにお答えいたします。 さきの全国知事会では、感染再拡大による第五波の阻止に向け、国民への強いメッセージの発出や変異株に対応した検査体制等の充実、事業者支援、雇用対策、
ワクチン接種の円滑な実施などについて財政措置も含め国に対する緊急提言を行ったところであります。我が県においても引き続き県民に対し基本的感染対策の徹底等を要請するとともに、感染拡大の予兆を探知するため、高齢者施設や飲食店の従業者等を対象とした検査などに取り組んでおります。また、飲食店における第三者認証制度の運用や
ワクチン接種の加速化に向けた大規模接種センターの運営などの対策を鋭意進めるとともに、仮に感染拡大が確認された場合は、ちゅうちょなく時短要請なども含めた強い措置に移行することとしております。こうしたリバウンド防止に向けた対策を着実かつ複合的に講じていくことで、県内における第五波の発生を抑制してまいりたいと考えております。 次に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会は中止し、感染症対策に専念するよう国に進言すべきとの御質問にお答えいたします。 今回の東京大会については、今月二十一日に国、東京都、大会組織委員会、IOC及びIPCの五者協議において、課題となっていた観客数等の方針が示され、安全安心な大会の開催に向けた準備を進めることが確認されたところであります。今大会における
新型コロナウイルス感染症の対策として、海外から入国する選手、関係者については入国九十六時間前の二回の検査や、入国、検疫検査等の水際対策に加え、入国後はスクリーニング検査や国内での行動制限など、徹底した感染防止対策を実施する予定となっております。更に、観客に対しても行動ルールを示したガイドラインを策定し、感染防止対策の徹底や応援ルールの遵守、感染後の直帰などをお願いしているところであります。県といたしましては、今後の感染動向を注視しつつ、県民の安全安心の確保に向け、国や大会組織委員会に対し国内の感染状況を踏まえた有効な感染対策の実施について引き続き要請してまいります。 次に、大綱二点目、上工下水みやぎ型管理運営方式についての御質問のうち、水道事業の民営化は県民のためと言えるのかとのお尋ねにお答えいたします。 水道事業は急激な人口減少等により水需要の減少が予測される一方、老朽化する施設の更新費用の増大が見込まれるなど、今後ますます厳しくなることが予想されており、経営基盤の強化を図ることが全国の水道事業者の喫緊の課題となっております。みやぎ型管理運営方式は水道事業の民営化ではなく、改正水道法の成立により可能となった、県が水道事業者として最終責任を担いながら、民間の経営ノウハウや技術力を最大限活用して、コストの最適化等により経営基盤の強化を図る官民連携事業であります。県といたしましては、みやぎ型管理運営方式の導入により、県民に対し安心安全で安定的に水道サービスを提供するとともに、我が県のみならず厳しい経営環境にある全国の水道事業者における新しいモデルとなるよう令和四年四月の事業開始に向け鋭意取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、汚染処理水の海洋放出と女川原発避難計画についての御質問のうち、海洋放出反対の立場を表明すべきとのお尋ねにお答えいたします。 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策は、原子力政策を推進する国と、事故を起こした東京電力において責任を持って対応していくべきものであると認識しております。このたびの処理水の海洋放出方針についても、関係する国民の皆様の思いを国においてしっかりと酌み取り、判断すべきと考えております。一方で、現段階においては国民の理解が十分に得られているとは言えないことから、方針の発表を受け、私から国に対し海洋放出以外の処分方法も継続して検討するよう求めた上で、国民、国際社会の理解醸成などを緊急要望したところであります。今後とも連携会議を通じ県内の関係団体から御意見をいただき、国と東京電力に対し継続して必要な申入れをしてまいります。 次に、大綱四点目、環境破壊、住民無視の再エネ事業の問題点についての御質問のうち、メガソーラーなどの増加に伴う危機意識についてのお尋ねにお答えいたします。 森林は地球温暖化の原因となる二酸化炭素の吸収源であるほか、水源の涵養や県土の保全など県民の生活に欠かすことができない多面的機能を有しております。このため、これらの機能が発揮されるよう森林を適切に整備し、保全していくことが重要であると認識しております。その一方で、再生可能エネルギーは資源の乏しい我が国において貴重な国産エネルギーであることに加え、脱炭素社会の実現に向けた大きな柱の一つであるため、県といたしましては、環境や地域との調和を十分に図りながら導入していく必要があるものと考えております。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
公営企業管理者櫻井雅之君。 〔
公営企業管理者 櫻井雅之君登壇〕
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 大綱二点目、上工下水みやぎ型管理運営方式についての御質問のうち、今回の運営権設定は議会等の関与が及ばない従来とは異なる仕組みではないかとのお尋ねにお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式は、上工下水三事業一体化によるスケールメリットや民の力を最大限活用することにより、水道料金の抑制や経営基盤の強化を図る水道分野における全国初のコンセッション事業であります。このため運営権者の予算や決算については企業局の予算から切り離されますが、水道事業は県民生活を支える重要な社会資本であるため、本定例会において議会への報告を義務づける条例の改正を提案しているところであり、県としては県民の代表である議会に対する説明責任を果たしながら透明性のある事業運営に取り組んでまいります。 次に、OM会社設立の意図についての御質問にお答えいたします。 豊富な実績や高度な技術力を有する優先交渉権者により地域人材を活用した水事業会社が県内に設立されることは、将来に向けた人材育成など、県のみならず市町村にとっても有益であると考えております。また、OM会社はSPCの委託を受け水質管理や運転管理等を担う重要な会社であることから、業務の運営状況や結果のほか、財務諸表や財務指標といった経営状況についてもモニタリング計画に位置づけ、SPCを通じて県が確実かつ継続的に監視できる仕組みとしております。なお、現在国内には多くの水処理会社があり、今後互いに競争して実績を積み重ねていくことから、SPCの解散後もOM会社が利益を独占するとは考えておりません。 次に、県議会に対する情報提供とSPCの収受額についての御質問にお答えいたします。 県では今年三月の優先交渉権者の選定後、議会に対して、応募のあった全企業グループの提案概要や優先交渉権者の提案内容等について速やかに議会に報告するよう努めてきたところであります。運営権者収受額については、優先交渉権者が提案した事業費総額から県が資金調達する下水道事業の改築更新費と、運営権者が更新した設備の残存価値を控除したものとなることから、収受額と事業費総額は一致しないものであります。県といたしましては、引き続き県民の代表である議会に対して丁寧な説明を行い、一層の透明性確保を図ってまいります。 次に、実施契約書で不明な部分が説明できないのであれば、運営権設定の議案は取り下げるべきとの御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式の実施にあたっては透明性の確保が重要であるため、導入可能性調査の報告から積極的に情報公開を行ってきたところであります。厚生労働省の認可後に締結する実施契約書については、運営権者の収受額や費目別の内訳など県と優先交渉権者双方で確認が必要な項目について、現在明記されておりませんが、確認後速やかに議会に報告してまいります。県といたしましては、引き続き丁寧な説明に努めながら、来年四月の事業開始に向けて着実に手続を進めてまいります。 次に、事業費削減提案額の実施契約書への記載についての御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式における事業費削減額が記載されている優先交渉権者の提案書は、募集要項や要求水準書及び実施契約書とともに、契約の一部を構成するものであります。なお、実施契約書には事業費削減額を考慮した運営権者収受額が記載されることとなっております。 次に、現在の指定管理者等の社員が離職すれば技術力の後退につながるのではないかとの御質問にお答えいたします。 みやぎ型管理運営方式における事業者の公募にあたっては、現在、指定管理者等の公募と同様、浄水場と下水処理場における運転管理業務の実績を参加資格要件としており、SPCの構成員であるメタウォーター及びヴェオリア・ジェネッツは、全国的に豊富な実績を持ち、十分な技術力があることを確認しております。なお、現在の指定管理者等には運営権者に対する引継ぎ義務を課しており、浄水場等における固有のノウハウの継承も可能と考えております。 次に、指定管理者等の従事者の雇用等についての御質問にお答えいたします。 現在、浄水場や下水処理場において運転管理等に携わる従事者には、生活の基盤を県内に置いている方も多く、今後の会社との雇用契約やその条件について不安を感じている方もいることは承知しております。昨日も、現在の指定管理者等の労働団体から宮城県在住者の既存雇用維持と生活保全を求める要請をいただいたところであります。県としては、民間の雇用契約であることから県が直接関与できる立場にはありませんが、これら従事者の方々の意向について指定管理者等に伝えてまいります。 次に、人件費等を削減する計画で安全安心な水質や事業運営が確保できるのかとの御質問にお答えいたします。 優先交渉権者の提案における人件費の削減については、統合型の運転監視機器の導入や、上工下水道施設の一体的な保守管理による人員配置の最適化など、事業の効率化によって実現しようとするものであります。これらの提案は、PFI検討委員会における技術ワーキンググループにおいて、提案金額だけでなく、確実性や実現性の観点からもしっかりと議論され適正性を評価されたものであり、県としては運営権者の業務のモニタリングを確実に実施することにより、安心安全で安定的な水道サービスの提供に努めてまいります。 次に、県職員の技術力についての御質問にお答えいたします。 県では職員の専門的な技術や経験の維持・蓄積が重要であると認識しており、これまでも様々な研修の実施や技術マニュアルの整備など、職員の技術継承に努めてまいりました。優先交渉権者の提案では、統合型の運転監視システムなど新技術の導入を計画していることから、一昨年五月に連携協定を締結した東京都水道局が開催する高度技術研修等外部の専門研修へも参加するなど、引き続き職員の技術力の維持・向上を図ることとしております。県といたしましては、今後とも職員の技術力を高めることで運営権者の業務内容をしっかりと監視することにより、これまでどおり水道事業者としての責任を果たしてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 復興・
危機管理部長佐藤達哉君。 〔復興・
危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱三点目、汚染処理水の海洋放出と女川原発避難計画についての御質問のうち、屋内退避を基本とする現行の避難計画は見直すべきとのお尋ねにお答えいたします。 原子力災害時におけるUPZ内の住民の屋内退避は、国際的な基準を踏まえて策定された国の原子力災害対策指針等を受け、放射性プルーム通過時の被曝の影響を低減するための基本的な行動として避難計画において定められております。また、避難計画では自然災害等との複合災害時における住民避難において人命の安全確保を優先する観点から、家屋倒壊や大津波警報の発令等で自宅での退避が困難な場合には、一時的に指定避難所等に屋内退避することと定めております。こうしたことから、現行の避難計画を基本としながら市町と協議を進め、原子力防災対策の継続的な充実強化を図ってまいりたいと考えております。県といたしましては、毎年実施する原子力防災訓練を通じて住民の皆様に屋内退避や段階的避難を実践していただくとともに、普及啓発パンフレットの配布やホームページでの啓発用動画の公開などを行い、避難計画に基づいた行動につなげてまいります。 次に、再稼働に係る国との打合せ記録についての御質問にお答えいたします。 県庁には、国の機関から就任挨拶をはじめ各種報告や情報交換など様々な用件で訪問があります。エネルギー政策に関わる国の機関の職員もこれまで来庁しておりますが、相手からの訪問で軽易な用件の場合等については、記録を作成しないことはございます。県の行政文書管理規則においては、所掌事務の処理に当たって、軽易なものを除き、行政文書を作成しなければならないとされておりますことから、今後ともこうした方針に基づき適正な文書管理に努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
環境生活部長鈴木秀人君。 〔
環境生活部長 鈴木秀人君登壇〕
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 大綱四点目、環境破壊、住民無視の再エネ事業の問題点についての御質問のうち、事業認定の取消しについてのお尋ねにお答えいたします。 再生可能エネルギー特別措置法、いわゆるFIT法では、関係法令の遵守が事業認定の基準として定められており、認定事業者がこれに違反した場合は国が指導や改善命令を行うほか、必要に応じて認定の取消しを行うことができるとされております。丸森町耕野地区のメガソーラー事業については、国会においても議論されるなど国も承知していることから、国において適切に対応するものと認識しております。 次に、林地開発許可申請の厳格な審査と不許可についての御質問にお答えいたします。 林地開発許可申請が不許可となるのは、森林法に定める許可基準に適合しない場合であり、その際でも許可基準に適合した内容で再度申請が行われれば、県は許可することとなっております。御指摘のありました丸森町耕野地区の太陽光発電事業については、国からの通知による詳細な基準に照らして厳正に審査しているところです。 次に、風力発電による環境問題に係る認識についての御質問にお答えいたします。 風力発電を含む再生可能エネルギーについては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて更なる導入が求められておりますが、その導入に当たっては関係法令を遵守し、環境の保全や地域との共生に配慮しながら進めることが重要であると認識しております。なお、環境影響評価法に基づく手続の対象となっている風力発電事業については、環境保全の見地からよりよい事業計画になるよう経済産業省を通じて引き続き事業者に求めてまいります。 次に、石巻市須江地区における発電所建設についての御質問にお答えいたします。 環境影響評価制度は事業の可否を問うものではなく、環境により配慮した事業計画をつくり上げていく手続であり、石巻市須江地区のバイオマス発電所についても、県は関係自治体及び住民意見等を勘案し環境保全の見地から意見を発出しております。県といたしましては、更に住民からの意見を聞く場となる公聴会の開催を検討するなど、地域の意見を十分踏まえつつ、環境保全に配慮した事業計画となるよう引き続き事業者に求めてまいります。 次に、太陽光発電事業に関する環境保全への決意についての御質問にお答えいたします。 県では、一定規模以上の太陽光発電設備を設置する事業者に対して、環境影響評価条例に基づき、環境保全の見地からよりよい事業計画とするよう求めております。また、昨年四月に施行した宮城県太陽光発電施設の設置等に関するガイドラインにおいては、事業者に対し関係法令の遵守や事業計画書等の提出を求めるなど、地域との共生に配慮した取組の推進を図っているところです。再生可能エネルギーは脱炭素社会の実現に向けて最大限の導入が求められている一方、森林の適切な整備など環境の保全も重要であると考えております。県といたしましては、今後とも事業者に対し適切な事業の推進を求めるとともに、環境の保全に配慮した取組となるよう努めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
保健福祉部長伊藤哲也君。 〔
保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、コロナ対応と東京五輪問題についての御質問のうち、検査体制の拡大についてのお尋ねにお答えいたします。
高齢者施設等の重症化リスクの高い箇所や繁華街において重点的に
新型コロナウイルス感染症の検査を実施することは、感染拡大防止の観点から重要なものと認識しております。県では今年四月から国と連携し、仙台市中心部、大学・専門学校や企業、大型集客施設等においてモニタリング検査を実施しており、今後も実施団体を拡大することとしております。
高齢者施設等の職員を対象とした頻回検査については、今月から通所系事業所にも対象を拡大しており、七月以降の実施について国から実施方針等が示されたことから、高齢者や職員の
ワクチン接種状況等を確認しながら対応を検討してまいります。また、飲食店従業員を対象とした検査については、今年三月から四月にかけて県が仙台市の中心市街地において実施したところであり、その他地域への拡大に関しては、現在行われている仙台市の検査結果や地域の感染状況等を見極めながら、実施の可否や地域について判断してまいります。 次に、東北大学と連携した変異株のゲノム解析についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルスの変異株と確認されたものについては、これまで国立感染症研究所に送付しゲノム解析を行っておりましたが、今月一日から東北大学にもゲノム解析を委託しております。解析の状況ですが、先月から今月二十四日までにおける陽性検体四百六件のうち、ゲノム解析を行ったものは百二十四件であります。陽性検体の約三割となっている理由は、国立感染症研究所に提出できる検体に条件があることや、東北大学への委託が開始後間もないことから、件数が少ないためであります。今後、東北大学への委託件数を増やし、実施率をできる限り高めてまいります。 私からは、以上でございます。
○副議長(外崎浩子君)
経済商工観光部長千葉隆政君。 〔
経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕
◎
経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、コロナ対応と東京五輪問題についての御質問のうち、持続化給付金や県独自の給付金についてのお尋ねにお答えいたします。 国の持続化給付金については、再度の実施や要件緩和などを県単独及び全国知事会を通じて要望しているところです。また、県独自の支援としては、時短要請等関連事業者支援金などを事業化するとともに、県の事業者支援市町村事業補助金の活用により、全ての市町村で売上げが減少した事業者への支援が実施されております。今後も国に対し各種支援策の拡充や必要な財源の確保を働きかけていくとともに、感染等の影響や経済活動の状況を踏まえながら、事業者の皆様の経営継続や再起に向けた支援にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) それでは再質問させていただきます。 まず変異株ですね、約三割になっているということで、全国的には四割ぐらいっていうことを目指しているようなんだけれど、デルタ株やらその他いろいろ出てきているから、努力しているっていう答弁ではあるけれど、本当は一〇〇%と言いたいところなんだけど、もっともっと高めないと感染が広がる恐れがあるのではないかと。ですので、この割合をいつ頃までどうするという目安はあるんですか。
○副議長(外崎浩子君)
保健福祉部長伊藤哲也君。
◎
保健福祉部長(伊藤哲也君) 先ほど約三割と答弁いたしました。現在県では変異株のスクリーニングについてはほとんど全ての陽性検体について行っておりますけれども、更にそこから先に進んだゲノム解析については現在三割程度ということであります。東北大学への委託について今月から始めておりますので、現在調整中でありますけれども、なるべくその件数割合を高めていきたいと考えております。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 次に東京五輪の問題についてお聞きいたしますが、開会式、このまま強行するっていうのは大変な危険性があると心配されるわけです。それで知事にお聞きしたいんですが、不幸にしてこういう局面になっている。ですから、この国民の命が危険にさらされている下で東京五輪を開催していいのかどうかと。これはもう全国的に大きな問題になっていますから、知事はどういうふうに考えているんでしょうか、この問題について。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) もちろん最優先は国民の命、安全安心ではありますけれども、同時に国際的な大イベントでありますので、できる限り国民みんな気持ちを一つにして盛り上げていきたいというのも、それも私理解ができるというふうに思っております。一万人という上限にはしておりますけれども、今後、感染がまた急拡大してというようなことがあれば、別の見方、別の考え方をするということも意思表明されておりますので、そこは国が専門家の意見を聞きながら慎重に判断をしていくものというふうに思っております。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) こういうデリケートな問題ではありますが、知事としても必要なときにはやっぱり何かしらの発信をする必要があるのかなというふうに思っております。 それで、東京では五輪のための子供の観客動員、これを十四自治体では中止だと。それから未定やなんかも多数になってきているということなんですが、宮城の場合サッカーが開かれるんですが、この子供たちの動員要請というかそういうことについてはしないのではないかと思うんですが、どうでしょうか。
○副議長(外崎浩子君) 企画部長志賀真幸君。
◎企画部長(志賀真幸君) 本県でも七月二十一日からサッカー競技が開催されていきますけれども、現在のところは予定どおりの開催をしたいと思っておりますが、今後状況を見ながら、組織委員会とも連携しながら安全安心の大会に向けて対策を講じてまいりたいというふうに思っております。子供の動員については、本県の場合は現在のところそういったことは考えてございません。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 教育委員会、オリンピック担当にも聞きましたら、そういう動員方式は考えていないということでありましたので、念のため聞きました。 それで、汚染水問題なんだが、知事の今日の発言だとやや前進してる面もあるように見えるんだが、それにしましても一番とにかくはっきりしないのが知事の対応なんだね。とにかく漁民から水産関係者からJAから、いろいろ不安でいっぱいなんですよ。そのときに、どうしても放出反対だっていうのを言えないなら、放出は困ると、非常に迷惑だと、そのぐらいは語れるのではないですか、どうですか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 当然、歓迎すべきものではないというふうに思います。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 時間がなくなるので、肝腎要のみやぎ型管理運営方式についていくつかお聞きします。 まず一番肝腎な、ここにございます実施契約書。
公営企業管理者もこれは不十分だと、だから今から詰めて四月までには間に合わせるということだけど、議案を出していてこういうことが不十分なままではうまくないのではないですか。条例案の可決は別問題にしても、議案を出す前提そのものがいっぱい空白があるんですよ。時間がないからいろいろ説明しないけど。こういう不十分なままで議案を出すっていうのは、知事どうですか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 今回の運営権設定の議会の議決が通れば、すぐに四月から何もかもスタートできるかというとそうではありませんで、この後、この議会で可決されたらということですけれども、その後、厚生労働省のほうに参りまして、厚生労働省のほうで全国初めてということもあってかなり厳しいチェックが入ってまいります。その後、厚生労働省から許可っていうのですかね、許可が出た後にPFI法の第十六条に基づいて運営権を設定し公表、そしてPFI法の第二十二条に基づき実施契約書を締結するという形で順を追って進めていって、来年四月に間に合わせるということになっております。大きな枠組みを決めまして、皆さんにお諮りをして、その後順を追って更に細部を詰めていくということで、通常のいろんな議案と同じような形で皆さんに今回お諮りをしているということでありますので、この点に対して非常に疑義を共産党の皆さん感じているということは重々承知をしておりますけれども、決して誤った方向に持っていっているわけではございませんので、御理解を賜りたいというふうに思います。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 知事、これ誤ってんだよ。こういう局面で議案は出しちゃ駄目なの。だって新しい事業を起こすときにこの実施契約書ってのはとても大事でしょう。収支計画だってこちらから、どうですか、ないんですかって言われて出してくれた、そこの部分は。それ以外は全部空白でしょう。新しい事業を起こすときに契約書は後でやるからということを認めるというのは余りにも都合よ過ぎるんじゃない。
○副議長(外崎浩子君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) この一連の提案をするに当たって、我々といたしましては、いわゆる要求水準書を作り、そして運営権者予定者からは提案書を提出されました。その中で第三者からの審査を通って今の時点にいるということでございます。提案書の中身については約三十ページほどだと思いますけれども、ホームページにアップさせていただいて、その基本的なところはお示ししているというつもりでございます。ただ、御指摘のとおり、これから詰めるべき内容もあるというふうに認識をしているところでございます。我々としては、我々の要求水準書、そして彼らの提案書に沿った形で、そしてまた厚生労働省の審査を経て、具体的な中身についても練り上げていきたいというふうに思ってございます。ぜひ御理解いただければと思います。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) 国のほうは関係ないよ。ここまで国が言ってるわけじゃないんだから。管理者、十四文書これ空白なんだけど、主なものをちょっと説明してもらえる、空白になっているのはどういうものか。
○副議長(外崎浩子君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 実施契約書のほうでございますけれども、運営権者の収受額につきましては先ほどお示ししたとおりの内容でございました。それに対するまだ決めきってないのは費目ごとの、それから月別の項目、こういったことをこれから詰めていくという内容でございます。また、そのほかの十四文書の中には、運営権者のBCPの計画、こういったものもございます。これらにつきましての基本的な考え方については提案書そしてホームページのほうでお示ししたつもりでおりますし、その中で我々としてもしっかりと審査をしながら進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) その下水道施設を何年にどれぐらいの費用でやるのかっていうようなものだって全く空白なんですよ。だから議案をただ二つだけ出せば、それ通してもらえれば、後でこう埋めていくんだと。駄目ですよそういうの。この契約書をちゃんとしたものにしなくちゃ出す前提が崩れるんですよ。もちろんそれ以外にもいろいろあるよ、県民にも内容が知らされていない、説明不足だとかいろいろあるけれど、やっぱり最小限これはちゃんとした上で議案を提出してお願いすると。そういう前提が崩れているっていうことを言ってるんですよ。知事、おかしいと思わないですか。
○副議長(外崎浩子君)
公営企業管理者櫻井雅之君。
◎
公営企業管理者(櫻井雅之君) 運営権者からの提案書の中には、当然その施設の改築計画等々についての記述がございます。これからの詰めは、下水道事業は特に補助事業を使いながらやってまいりますので、我々の補助事業との中でのすり合わせをしながら、より具体的な改築計画を練り上げていくということになります。ただし、彼らが提案した事業削減額については、先ほども答弁いたしましたとおり契約書の一部になるわけでございます。それがある意味、彼らと我々の約束事になるわけでございます。それらは当然、こういう形で説明をしてきているつもりでございます。ただ御指摘のとおり、詳細な更新計画については確かにこれからでございますけれども、基本的に彼らと私どものいわゆる約束事、そして、県民そして議会のほうに御判断いただくその削減額等についてはお話ししてきたというつもりでございます。なお繰り返しになりますが、決まり次第これらについても議会そして県民のほうに説明してまいりたいというふうに思ってございます。
○副議長(外崎浩子君) 二十四番三浦一敏君。
◆二十四番(三浦一敏君) この議案提出は凄く齟齬がありますよ。あなたたちのほうのやつは説得力ないでしょう。具体的なこういう中身、これだって肝腎要の料金収入を企業局とSPCがどういう割合にするのかっていうのも出さないまま出そうとしてんだよ。ところが実際どうなんですかって聞かれてその部分だけは何とか出したと。こういう事で後から空白は埋めるから取りあえず議案だけ通してくれと。これは結局、秋に何があるか分かりませんけど知事がね、やっぱりもうこの六月にやらなきゃ駄目なんだということで。事務方は無理だって言ってるの、これ埋めるのには結構時間がかかるんだって。だから六月でやってもらえないと困るという事でやっぱり知事の号令がそうなってしまったのではないかと思うんですが、知事どうですか、反省点はないですか。
○副議長(外崎浩子君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 私まだ十月どうするということは何も決めておりませんで、そういったようなことで職員に指示をしたことはございません。先ほど言いましたように、四月からスタートするためには、今後厚生労働省の認可を受けなければいけないと。それを同時並行で進めながら、実施契約書のしっかりしたものを締結しなきゃいけないということで、そういったタイムスケジュールから考えますと、この六月議会で運営権の設定を議会で議決いただくというのが非常にスムーズにいくというふうに判断をしたということでございます。おっしゃっている意味はよく分かりますけれども、当然、逐次、今後この細かい部分につきまして報告をさせていきますので、どうか三浦議員におかれましても賛成のほうに回っていただきますようよろしくお願い申し上げます。
○副議長(外崎浩子君) 暫時休憩いたします。 午後二時十九分休憩
----------------------------------- 午後二時二十九分再開
○議長(石川光次郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。五十八番藤倉知格君。 〔五十八番 藤倉知格君登壇〕
◆五十八番(藤倉知格君) 消防団に関しては二〇一九年二月定例会で、消防団の現状と課題についてと題し質問した経過があります。 消防団の沿革は江戸時代の町火消しに端を発し、以来、それぞれの時代の要請に応える形で各自治体の安全安寧の維持、確保に不可欠な組織として地域住民の期待を担ってきました。特に平成二十五年、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が議員立法により成立、消防団を地域防災力の中核として位置づけました。その一方、近年の社会経済情勢の変化に伴い、全国の消防団員数は減り続けています。本県も減少傾向に歯止めがかからず、防災力の低下が危惧されています。このような状況を踏まえ、国においては都道府県知事や市町村長に対して消防団員の確保を促すため、総務大臣書簡を発出するなど対策を講じてきましたが、実効性に結びついていません。そのような中、ようやく消防庁が団員の処遇改善に向けた検討会を立ち上げ、今年四月、消防団員の報酬等の基準の策定等に関する中間報告を取りまとめました。費用弁償の性格が強い消防団員の出動手当を報酬に見直し、出動一日当たり八千円、年額報酬三万六千五百円とする基準を全国の自治体に通知。消防庁は報酬の基準を来年四月から適用するよう、市町村に条例の見直しを要請しました。近年、全国的に大災害の発生により消防団の出動回数はここ十年で約一割増え、特に風水害等自然災害では二・五倍に膨れ上がっています。検討会は今後更に課題を整理し、今年夏までに一定の結論を出すとしています。 さて、本県も団員確保対策として消防団員協力事業所に対する優遇措置、市町村振興総合補助金による助成、消防団充実強化事業の実施等を講じているものの、成果が上がっていないのが現状です。そこで、最近の国の動向を踏まえ、県の当面の取組として県内全市町村を対象に、消防団員の処遇改善に関する説明会を今月順次開催しましたが、その中で各市町村の実情や要望などをどう把握したのか、処遇改善を図る上でどのような問題点の指摘があったのか伺います。 消防団の組織は基本的には各市町村が担っていますが、国が動き出したこの機を捉え、市町村を後押しするため、県として一歩踏み込んだ対策が必要です。いかがでしょうか。 かねてより消防団関係者から熱い期待を寄せられていた、全国消防操法大会の本県誘致が既に決定しています。しかし、コロナ禍のため中止が続き、来年秋は千葉県を会場に開催されることになり、これにより本県では、令和六年に第三十回全国消防操法大会として開催されることが改めて決定しました。大震災からの創造的復興を成し遂げた宮城の姿を広く発信する機会であることはもちろん、全国大会開催を団員確保に向けた絶好の機会として捉え、機運の醸成につなげていかなければなりません。いかがでしょうか。 新型コロナ禍の中で、ウイルスと人間、自然環境等の生態系と人間との関わりについて様々思いを巡らす機会がありました。森林伐採による過度の開発や自然破壊、人間活動に伴う地球温暖化等と、未知のウイルス出現とのメカニズムに関する著作や報道に接することで、貴重な示唆を与えられる機会が少なからずありました。例えば、京都大学名誉教授佐伯啓思氏は大要次のように指摘しています。「自律的に自己増殖できないウイルスは人間や動物に寄生して宿主との共存関係を図るが、人間もまたウイルスと同じように自然環境を宿主として生を営んでいる。とするなら、人間の生命は自然環境及び生態系とのバランスにおいて成り立っていることになる。このバランスが崩れれば、人間も他の動物たちの生命も脅かされる。しかし、人間の宿主としての自然環境を人間自身が破壊することで、自らの生存を危うくしているのである。云々。」と述べています。 また世界的ベストセラー「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」の著者、ヘブライ大学歴史学教授ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、「我々人間は今や絶大な力を持つ神であり、それに見合った大きな責任を負っている。しかし、人類は同時に生態系の一部として生態系に完全に結びついている存在である。したがって、人間が生態系を破壊しながらその衝撃波から守られるはずはないのである。」と述べています。この二人に通底する指摘は傾聴すべき卓見です。 さて、森林は植物性プランクトンをはじめとする海洋性植物の存在とともに、陸上における生態系保全の中核を成しています。豊かな森林は水源涵養によるダム機能、急傾斜地等の山林崩壊抑止効果や、河川流量調節機能等、幅広い多面的機能を担いながら、とりわけ生態系保全に寄与してきましたが、森林・林業従事者の減少によって、近年、全国的に森林荒廃は進む一方です。こうした状況のもと、森林経営管理法が成立、森林所有者が自ら経営管理できない森林を市町村が代わってこれに当たる森林経営管理制度が創設、更には森林環境税及び森林環境譲与税が導入されています。一方、譲与税を交付される側の市町村には、森林、林業に関する専門性を有する職員は皆無に近く、譲与税を有効活用するための県の組織体制の強化と支援策が欠かせません。昨年九月定例会での答弁では、市町村森林経営管理サポートセンターの設置及び部内にプロジェクトチームを立ち上げ、技術的支援の強化を図っているとのことでしたが、譲与税の県及び市町村における主な活用事例と事業の現状及び課題について伺います。 譲与税を基金に積み立てたままの市町村が少なくないと聞きますが、実態はどうなっているでしょうか。 譲与税の譲与基準の問題です。全体財源の五割を私有林、人工林面積、二割を林業就業者数、三割を人口規模に合わせた案分となっていることから、森林がほとんどゼロに近い大都市部に譲与額が大きく偏在しているのが実態です。本県議会としても制度設計の見直しを求める意見書を提出していますが、譲与割合を見直し、林業需要の高い自治体への譲与額が増える仕組みに切り替えなければなりません。知事の認識と今後の対応策を伺います。 県では、宮城県CLT等普及推進協議会を設置し、新たな木材需要の創出に取り組んでいますが、本県で着工される建築物は、二階建て以下の住宅は九割近い木造率なのに対して、マンションなど中高層の住宅や商業施設などの非住宅分野での木造率は低位に甘んじています。このため、鉄骨やRCなどを視野に木材の有効活用を促進する施策に取り組むべきと考えますが、これまでのCLT普及推進の成果と課題、今後の対応について伺わせていただきます。 公共関与による新たな産業廃棄物最終処分場の候補地選定については、先に、知事の記者会見及び本定例会における知事説明で対外的に情報発信されました。産業廃棄物最終処分場に関しては、環境事業公社が運営するクリーンプラザみやぎの埋立て可能容量に限りがある中、最終処分場整備に向けた作業が進められ、何とまたしても、これまでと同じ大和町鶴巣地区内の採石場が新たな候補地として選定されました。 さて、クリーンプラザみやぎは昭和五十四年に供用を開始。以後、当該立地区域の小鶴沢地区をはじめとする周辺エリア住民の理解ではなく、長年の我慢と忍耐とに支えられ、営々実に四十三年の歴史をけみしてきました。この間、県内で排出される産廃を安定的に受け入れ、県内事業者の産業経済活動を下支えしてきた実績に加え、東日本大震災時には沿岸市町の災害廃棄物を大量に受け入れ、復興事業推進に貢献してきました。 さて、候補地の選定経過として、処分場建設に支障がある規制条件の確認が二十六項目、想定する施設規模の建設可能性の確認四項目のチェックを経て、県内三十一か所を適地として抽出し、第一次選定では処分場建設において避けるべき規制条件の確認が十四項目、配慮すべき状況の有無の現地確認等により検討候補地として七か所を選定しました。次に六項目の評価により第二次選定で三か所に絞り込み、選定委員会において自然環境、生活環境、事業効率性の観点から最も総合評価の高い最有力候補地を選定したとしています。 さて、問題点を指摘し、以下質問してまいります。 候補地周辺エリア及び想定されるアクセスが、最近の台風十九号被害をはじめこれまで過去、幾度も水害、洪水被害の常襲地帯であることの事実確認をどのように調査したのか伺います。 候補地の選定過程の確認項目に、洪水被害等の自然災害に伴うリスク要件が入っていないことについての認識も伺っておきます。 吉田川の河川堤防の越水及び決壊被害に象徴されるように、その支流である西川周辺における常襲的な内水氾濫の惨状、更にその支流、小西川等の度重なる越水、氾濫、河川破壊の現状に対する県の認識及び同河川の改修整備計画を可能な限り具体にお示しください。 このような水害に伴う道路網の寸断で、候補地周辺の県道、町道が長期間使用不能となるケースが増加していることの実態をどのように把握しているのかも伺います。 当該エリアの県道塩釜吉岡線及び大和松島線が、仙台北部中核工業団地方面への通勤時間帯における日常的交通渋滞についての現状認識と、バイパスを含む新たな取付道路等の検討を含め、道路機能の拡充強化策について伺います。 現在、クリーンプラザみやぎへの搬入車両台数は、令和元年度で一日平均百二十五台、年間搬入台数二万九千五百五十五台となっており、搬入経路は仙台北部道路利府しらかし台インターチェンジ経由を含む利府町側から全体の約七五%、大郷町側から約二〇%となっています。当該エリア住民が最も関心の強い候補地への搬出入車両台数と経路についてどのように想定しているのか伺います。 おつるさわネイチャーランド構想は、埋立て終了後、安定化した段階で本格的な跡地利用を行うと、環境事業公社が地域住民に説明してきました。しかし、供用開始から約半世紀近くを控え、更に安定化の期間を加えると約七十年、八十年という世代を越える長期プロジェクトです。これでは長年協力してきた地元住民の直接的メリット享受まで歳月がかかり過ぎることから、要望を聞きながら実現可能なプランから順次着手することを強く求めます。この構想の成否は、実は新たな処分場設置の成否に直結していると考えています。 県の情報管理の問題についてです。候補地選定に関する地元住民説明会がまさに始まったばかりの直後、某公共放送がヘリで候補地を上空からアップで映し出し、いかにも本決まりとなったように受け取れるコメントをしたことは、住民感情をひどく逆なでしました。私のところにも抗議の電話が鳴り響くありさまでした。極めてセンシティブな問題であるだけに、一義的には報道する側に問題があったにしても、県の情報管理及び情報徹底が欠落していた証左です。混乱を招かないための改善策をお示しください。 以上、指摘した課題をクリアすべく、当該地域住民の理解と納得を得られるまで最大限情理を尽くした対応ができなければ前に進めるべきではないというのが、処分場候補地の地元議員としての基本スタンスであることを申し添えておきます。 私は昨年の九月定例会において、女川原発の再稼働問題に関し、原発推進、再稼働容認、原発がもたらす恩恵には浴す。しかし、ALPS処理水の海洋放出は絶対反対。放射性廃棄物処分及び最終処分場は断固御免被るでは筋が通らない。いいとこ取りのダブルスタンダードは虫がよ過ぎる。負の側面、リスクも含め、その全てを引き受けることが原発及び再稼働の前提条件であると述べました。 今回の処理水問題は、確かに福島第一原発事故が直接的な原因であり、原発一般の問題ではないとして完全に切り分けて論じられるケースが多いのですが、日本列島は地理的、地質学的に古来、自然災害多発国家としての宿命にさらされてきました。つまり、どこでもいや応なく巨大地震が引き金となった福島県のように、原発事故は起こり得る可能性があるという認識が欠かせません。決して、福島第一原発固有の問題ではないのです。原発を導入した以上、原発事故などの不測の事態、最悪の事態を折り込み済みで想定し、今回の処理水をはじめ、各レベルの放射性廃棄物処理及び核のゴミ等の高レベル放射性廃棄物最終処分場の問題、あるいは女川原発一号機の廃炉作業が始まっていますが、廃炉に伴う高濃度の放射能を含んだ解体材の敷地内埋立ての問題等々、原発立地に起因する様々なリスクや負の側面から逃れることはできません。原発導入や原発再稼働の判断や処理水の問題も、言わば原発との共存を選択した結果責任と直結していると受け止めなければなりません。この際、このことについての知事の基本認識を伺っておきます。 以上、指摘した理由により、本来の筋論からすれば原発と処理水問題は表裏一体、コインの裏表の関係にありますが、しかし一方、現実に苦境に立たされている漁業関係者等の窮状を受け止め、改善策を提示するのもまた政治や議会の役割だと思っています。 政府のALPS処理水の海洋放出方針決定直後、県は知事名で処理水の海洋放出決定に対する緊急要望書を総理と東京電力社長あて提出しました。要望書の説明文に当たるくだりには、確かに海洋放出以外の処分方法の検討継続という前置きが記載されているものの、肝腎要の要望の四項目の中にその文言が明記されていませんでした。具体的に明記すべきだったと思いますが、なぜそうしなかったのか伺います。 処理水の取扱いに関する宮城県連携会議の設置目的は、懸念される影響について県内の関係団体等の意見を集約し、国及び東京電力に対し申入れ内容を取りまとめることを目的とするとしています。つまり、連携会議の設置目的からは国の海洋放出という前提の枠組みそのものの見直しや撤回等を求める直接的表現はなく、風評被害対策や損害賠償の枠組み等の懸念事項に対する注文と要求に特化しています。それは、国の海洋放出という方針の土俵の上で踊らされ、結果として海洋放出を是認しているに等しいのではないかというのが私の当初からの疑問でした。知事の認識を伺います。 全国漁業協同組合連合会は今月二十三日、通常総会で明確に海洋放出反対の特別決議を再度採択、連携会議メンバーの中でも特に漁業関係者は同じ主張を熱く披瀝しているではありませんか。連携会議はあたかも海洋放出という問題の核心部分に触れないで、あるいはそれに蓋をして、対症療法的に善後策を練っているように映ってしまいます。まさに隔靴掻痒の例えのとおり、かゆいところに手が届かないように歯のあるなしにかかわらず歯がゆく、もどかしい限りです。方針決定の前提を取り払い、自由濶達な本音のやりとりができるスキームの連携会議であってほしいと思っていますが、いかがでしょうか。 政府のいわゆるALPS小委員会の二〇二〇年の報告書によれば、海洋放出時期の延長が議論された経過があります。それによると、年間放出二十二兆ベクレルを前提とした場合、二〇二〇年から放出すると三十三年間、二〇二五年から開始すると二十九年間となり、二〇三五年まで延期して放出を開始した場合、二十一年間で終了できるという放出延期論です。これはトリチウムの濃度の半減期が十二・三年であることの逆算です。ALPS小委員会は処理水の継続的貯蔵、保管について検討した上で提示していました。更に国は平成二十六年度から二年間、経済産業省がトリチウム水タスクフォースを設置。三十億円を投じて七種類のトリチウム分離技術検証試験事業を実施。結果は直ちに実用化できる技術ではないとの評価を下していますが、ルミライトを使ったトリチウム除去効果を検証する実証実験など、研究者と東北大学との連携事例や、内外の複数の研究機関が取り組んでいます。第三者機関を活用したトリチウムの放射性物質の分離技術に関する公募も始まっています。 以上、指摘したとおり、半減期が十二、三年のトリチウムの濃度減衰を待つ放出延期が現時点では最善の選択肢であると確信をいたしております。その間、トリチウム等の放射性物質の分離技術の実用化に向けて官民一体で取り組むことが必要です。海洋放出延期による保管と新技術導入に向けた両面作戦で臨むことを強く主張するゆえんです。知事は、この両面作戦の意義をどう評価するでしょうか。 村井知事は、宮城県の知事として国や東電に対して、むしろこのような前向きの提案をする立場でなければなりません。いかがでしょうか。 本県議会として、これまで二度にわたり処理水海洋放出を含む自然界放出を行わないよう求める意見書を採択し、既に県議会としての意思は表明済みです。県議会の意見書に対する認識をお聞かせください。 以上をもちまして、壇上からの質問を終了させていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○議長(石川光次郎君)
知事村井嘉浩君。 〔知事 村井嘉浩君登壇〕
◎知事(村井嘉浩君) 藤倉知格議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず大綱一点目、原発事故による処理水海洋放出についての御質問にお答えいたします。 初めに、今回の処理水の問題は、原発との共存を選択した結果責任に直結するものと思うがどうかとのお尋ねにお答えいたします。 原子力発電の利用に当たっては、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の問題のほか、万が一の事故が起きた場合の汚染対策などの課題があることは承知しております。こうした課題の解決に向けては、これまで原子力政策を推進してきた国において、全面的に責任を持って進めていくものと認識しております。また、東京電力福島第一原子力発電所における処理水の海洋放出の方針につきましても、国民の御意見を伺いながら、国において判断すべきものと考えております。 次に、国への要望項目に、海洋放出以外の処分方法の検討継続を明記しなかった理由はどうかとの御質問にお答えいたします。 今年四月、政府に提出した緊急要望書では、海洋放出以外の処分方法も継続して検討するよう求めた上で、国民・国際社会の理解醸成などを申し入れたところであります。海洋放出以外の処分方法の検討につきましては、要望本文に明記したものであり、要望項目と同等の重みがあるものと認識しております。また、ぶら下がりの記者会見などでも、そこは強調させていただいております。 次に、連携会議は国の方針決定を前提とせず、自由闊達に意見交換できる場であるべきと思うがどうかとの御質問にお答えいたします。 これまでの連携会議では、海洋放出に反対の意向や、海洋放出以外の方法の再検討のほか、輸入規制撤廃の成果を示すことなど、構成団体それぞれの視点や考え方から、国の基本方針にかかわらず自由に御発言をいただいていると認識しております。また、水産業分野では、より機動的に申入れ内容を検討するため、水産部会を設け関係する団体が緊密な連携の上で意見交換ができる体制が構築されているものと考えております。 次に、県議会の処理水放出を行わないよう求める意見書に対する認識についての御質問にお答えいたします。 県議会において処理水の自然界への放出を行わないよう求める意見書が、これまで二度にわたり全会一致で採択されていることは、私としても重く受け止めております。意見書では、海洋放出は漁業者に大きな打撃を与えること、被災者に追い打ちをかけることがあってはならないこととされていることから、県内水産業関係団体の皆様の御意見をしっかりと政府に届けることが重要であると考え、四月の政府方針を受け、関係団体を構成員とする連携会議を設置したところであります。今後とも国の動きを注視しながら、連携会議を開催し県内関係団体等からの御意見や御要望について継続的に国や東京電力に申入れを行い、責任ある対応を求めてまいります。 次に、大綱二点目、新たな産業廃棄物最終処分場についての御質問のうち、候補地選定に関する県の情報管理等についてのお尋ねにお答えいたします。 新たな産業廃棄物最終処分場の整備は県政における重要課題であることから、まずは私から県の基本的な考え方や対応を発表した上で、速やかに住民説明会を開催いたしました。一部の報道により、県が最終処分場の整備地を既に決定したかのように受け止められ、地元の皆様や地権者に御心配や御迷惑をおかけしたことは誠に遺憾であり、大変申し訳なく思っております。県としては、引き続き地元の皆様への丁寧な説明や意見交換を重ねていくとともに、報道機関に対しましても正確な報道がなされるよう丁寧な説明に努めてまいります。 次に、大綱四点目、森林整備と生態系保全についての御質問のうち、森林環境譲与税の活用事例と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 県では専門職員が不足する市町村に対して、市町村森林経営管理サポートセンターと連携した研修事業や相談業務を実施するとともに、森林組合などを対象とした技術者の育成を進めております。また、市町村では森林整備の実施に必要不可欠となる森林所有者の意向調査に十三市町で着手しているほか、その他の活用事例では松くい虫抵抗性マツの植栽、獣害対策などの地域の実情に応じた取組が行われております。さらに、森林の災害防止、国土保全機能の強化を図る観点から、譲与税が前倒しで増額配分された趣旨を踏まえて、インフラ施設や集落の上流部などを対象に間伐や危険木・倒木処理なども実施されております。一方、森林経営管理制度の効果的な運用には、地域の森林事情に精通し専門的な知識を有する人材の確保が課題となっております。県といたしましては、技術的な支援に加え、当該制度を熟知し、市町村に対して適切に助言を行う地域林政アドバイザーを継続して養成することで、市町村の執行体制の整備を支援してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(石川光次郎君) 復興・
危機管理部長佐藤達哉君。 〔復興・
危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕
◎復興・
危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱一点目、原発事故による処理水海洋放出についての御質問のうち、処理水の取扱いに関する宮城県連携会議の設置目的は、国の方針を認めるものになっていると思うがどうかとのお尋ねにお答えいたします。 政府の基本方針の発表を受け、県では関係団体等の皆様から率直な御意見をいただき、国と東京電力への申入れ内容を取りまとめるため、連携会議を立ち上げました。第二回の会議では、水産業をはじめとした関係団体等から、処理水の海洋放出に反対の意向など、国の基本方針を前提としない様々な意見や要望を国や東京電力に直接申し入れたところであります。県といたしましては、今後も連携会議において関係者の皆様から多様な御意見、御要望をお聞きしながら、国や東京電力に対し責任ある対応を求めてまいります。 次に、海洋放出を延期し、放射性物質の分離技術の実用化を提案すべきとの御質問にお答えいたします。 海洋放出の時期については、国の基本方針において、タンクによる長期保管が今後の廃炉作業に支障となる可能性があることや、漏えい等のリスクが高まることなどから、早期にタンクに保管している水の処分方法を決定する必要があり、二年程度後に海洋放出を開始することとされております。また、放射性物質の分離技術の実用化については、直ちに実用化される段階にある技術は確認されておりませんが、引き続き新たな技術動向を注視し、現実的に実用可能な技術があれば積極的に取り入れていくとされております。こうした海洋放出の時期の延期やトリチウム分離技術の実用化については、連携会議においても御意見をいただいており、海洋放出以外の処分方法となり得るあらゆる可能性を排除せず検討を進めるよう引き続き国や東京電力に対し求めてまいります。 次に、大綱三点目、消防団員の確保等についての御質問のうち、処遇改善に関する説明会での市町村からの要望等や問題点の指摘についてのお尋ねにお答えいたします。 消防団員は消火、救助、避難誘導など多様な役割を果たしており、地域防災力の維持向上に向けて重要な存在と認識しております。県では今月、県内四か所で消防団員の処遇改善に関する説明会を開催いたしましたが、市町村からは消防団員の確保が最大の課題であることの認識、報酬の増額による財政負担や事務負担の増加に対する懸念、国の更なる財政支援を求める要望などが出されました。こうした市町村の御意見や御要望については国に伝えたところで、市町村と協力しながら消防団員の処遇改善につなげてまいります。 次に、国の動きを捉え、県の対応が必要と思うがどうかとの御質問にお答えいたします。 県では消防団の活動の趣旨に賛同する店舗等を登録し、消防団員やその家族に割引等を行う事業や消防団活動に特に協力的と市町村が認定した事業所に対し、建設工事入札参加登録資格審査において加点を行うなどの優遇措置を講じているほか、他県で優良事例に携わった方を招き市町村の担当職員を対象として研修会を行うなど、消防団員の確保に努めているところであります。県といたしましては国の処遇改善の動きを契機として、こうした取組の更なる拡充や処遇改善の促進を図るとともに、防火活動、水防活動、後方支援などに限定して活動する団員を増やす取組など、新たな動きも加速させてまいります。 次に、令和六年に我が県で開催される全国消防操法大会を団員確保に向けた絶好の機会と捉え、機運の醸成につなげるべきとの御質問にお答えいたします。 総務省消防庁及び公益財団法人日本消防協会が主催する全国消防操法大会は、全国の消防団員の消防技術の向上と士気の高揚を図り、消防団活動の充実発展に寄与することを目的として、昭和四十三年から二年ごとに開催されております。来年、我が県で初めて開催される予定でしたが、コロナ禍の影響で先催県の千葉県が二年連続で延期となり、宮城県大会は令和六年の開催となりました。県といたしましては開催を契機として、市町村と連携して様々な広報を展開するなど、消防団活動の重要性と魅力を広く県民にアピールし、更なる団員の確保につなげてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。
○議長(石川光次郎君)
環境生活部長鈴木秀人君。 〔
環境生活部長 鈴木秀人君登壇〕
◎
環境生活部長(鈴木秀人君) 大綱二点目、新たな産業廃棄物最終処分場についての御質問のうち、候補地周辺等における水害状況の確認調査と、候補地選定過程における自然災害リスクへの認識についてのお尋ねにお答えいたします。 新たな産業廃棄物最終処分場の整備に当たっては、自然災害のリスクを適切に評価し対処していくことが重要であると認識しております。このため、候補地の選定においては、県内全域を対象とした適地調査において災害危険区域などを除外するとともに、第一選定の段階で現地確認や過去の災害情報をもとに不適当な区域を除外しております。最有力候補地とした大和町鶴巣大平・幕柳地区における洪水被害については、県庁内で保有する災害情報だけでなく、過去十年間の自然災害の履歴を大和町から提供いただき確認しております。特に平成二十七年関東・東北豪雨及び令和元年東日本台風などで路面冠水による通行止めが生じたことは重く受け止めておりますが、候補地周辺の交通規制が早期に解除されたことも踏まえ、最終処分場の整備・運営において大きな支障はないものと判断いたしました。今後、最終処分場の整備基本計画を策定していく過程においても、自然災害への対応についてしっかりと検討してまいります。 次に、廃棄物排出入車両の台数及び経路の想定についての御質問にお答えいたします。 新たな最終処分場の整備に伴う生活環境への影響を最小限に抑えるためには、廃棄物搬出入車両の台数の把握や経路の検討を慎重に行う必要があるものと認識しております。車両台数については当該処分場における埋立量の見通しから、現在の処分場と同程度と想定しております。また、経路については県道塩釜吉岡線から町道を経由し、候補地にアクセスする車両が多いのではないかと想定しておりますが、今後、朝夕の混雑時間帯を含めた周辺道路の交通量調査や、現在、クリーンプラザみやぎを利用している事業者への道路利用に関する調査を実施し、地元の皆様の御意見をよく伺いながら地域に対し大きな影響を及ぼさない適切な搬出入経路を検討してまいります。 次に、現在の処分場の跡地利用についての御質問にお答えいたします。 ネイチャーランド構想は平成十年に宮城県環境事業公社が策定したもので、当時の小鶴沢処理場の跡地を活用した地域活性化に向けた構想であると承知しております。現在、環境事業公社では埋立地の安定化や周辺環境の変化等を踏まえながら、ネイチャーランド構想の理念に基づき、緑との楽しい触れ合いや交流の場など地域にとって有用な場所となるよう、跡地利用の検討が進められていると伺っております。県といたしましては、最終処分場がその役割を終えた後も地元の皆様に大いに活用され、地域振興の一端を担うものとなるよう、できる取組を着実に進めていくことが重要であると考えており、引き続き環境事業公社に対して必要な助言等を行ってまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(石川光次郎君) 水産林政部長佐藤靖君。 〔
水産林政部長 佐藤 靖君登壇〕
◎
水産林政部長(佐藤靖君) 大綱四点目、森林整備と生態系保全についての御質問のうち、市町村の基金積立てについてのお尋ねにお答えいたします。 森林経営管理制度が創設され譲与が開始された令和元年度は、使途の検討に時間を要したことなどから、配分された譲与額全体の約七割が基金に積み立てられたと承知しております。なお、昨年度の活用実績につきましては、現在市町村において取りまとめを行っているところです。県といたしましては、市町村の取組状況を踏まえて譲与税がより効果的に活用されるよう引き続き支援してまいります。 次に、森林環境譲与税の配分についての御質問にお答えいたします。 現在の譲与基準は、私有林人工林面積・林業就業者数・人口が用いられており、そのうち、人口基準については都市部での木材利用などを推進することを目的に設定されたものであります。しかしながら、現在の譲与基準では森林整備が必要な市町村よりも人口の多い市町村に森林環境譲与税がより多く配分される傾向にあることから、政府要望などにおいて基準の見直しを求めてまいりました。これに対し国は、各地方公共団体における取組や実施状況等を見極めた上で譲与基準の見直しを検討していくとの方針であると伺っております。県といたしましては、国の動向を注視するとともに引き続き適正な配分となるよう要望してまいります。 次に、CLTの普及推進についての御質問にお答えいたします。 CLTはコンクリートよりも軽く施工性が高いなどの優位性があることから、県では宮城県CLT等普及推進協議会と連携し、県産CLTの開発や普及を進めてまいりました。その結果、県内のCLT建築棟数は十六棟となり、このほか県林業技術総合センターなど五棟が建築中であります。また、建築技術者の養成も着実に進んでおります。一方、CLTは鉄骨やコンクリートに比べ製造コストが高いことから、中高層建築物等における利用が低位な状況にあります。県といたしましては、今後ともCLT製造コストの削減に向けた検討を進めるとともに、木造建築物のトータルコスト抑制を図るため、今年度からCLTと複合的に利用できる超厚物合板やツーバイフォー材のパネル製品の開発を支援し、中高層建築物を対象とした県産材の新たな需要を創出してまいります。 私からは、以上でございます。
○議長(石川光次郎君) 土木部長佐藤達也君。 〔土木部長 佐藤達也君登壇〕
◎土木部長(佐藤達也君) 大綱二点目、新たな産業廃棄物最終処分場についての御質問のうち、西川や小西川等の洪水被害と改修計画についてのお尋ねにお答えいたします。 平成二十七年関東・東北豪雨や令和元年東日本台風では吉田川が計画高水位を超え、その支川である西川や小西川等においても吉田川の背水、いわゆるバックウォーターなどの影響を受け、越水や内水氾濫などによる浸水被害が発生しております。これら支川についてはこれまで堤防を先行して整備してきており、河道の掘削は暫定整備となっていることから、今回の被災を踏まえた河川改修が必要であると認識しております。今後の整備に当たっては、国が管理する吉田川本川の改修事業の進捗を踏まえる必要があることから、国と調整を図るとともに、西川においては県道大和松島線西川橋から県道塩釜吉岡線車橋までの三千二百七十メートル区間、小西川においては西川との合流点から田中橋までの七百三十メートル区間の河道掘削等を行い、流下能力の向上を図ってまいります。県といたしましては、引き続き国や関係機関との連携のもと、水災害リスク情報の提供を拡充していくとともに、国土強靭化予算も活用しながら治水安全度の向上を目指してまいります 次に、候補地周辺の道路被害についての御質問にお答えいたします。 平成二十七年関東・東北豪雨や令和元年東日本台風では県内陸部を中心に路面冠水などによる通行止めが数多く発生したことから、住民生活や経済活動等に大きな影響があったものと重く受け止めております。特に大和町内では、令和元年東日本台風において河川からの越水や内水氾濫に伴う路面冠水により、塩釜吉岡線など県道三か所、町道七か所で通行止めとなりました。今後、冠水被害の軽減を図るためには、河川改修や内水対策などの抜本的な対策が必要となりますが、その対策には時間を要することから、路面排水の改善に向けた舗装補修や道路利用者に対して注意喚起を促す看板の設置等を行ってきたところです。県といたしましては、災害時における円滑な道路交通確保は極めて重要であると認識していることから、引き続き国や大和町などと連携を図りながら冠水被害の軽減に向けて取り組んでまいります。 次に、候補地付近の交通渋滞等についての御質問にお答えいたします。 仙台北部中核工業団地群への主要なアクセス道路となっている県道塩釜吉岡線などでは、朝夕の通勤時間帯を中心に交通渋滞が顕著であることから、周辺道路を含めた交通環境の早急な改善が必要であると認識しております。このため県では当該地区の渋滞の解消に向けて、昨年度、県道塩釜吉岡線の落合舞野交差点と県道仙台三本木線の落合相川交差点において右折レーンを増設したところであり、今年度は善川橋を含む県道仙台三本木線の四車線化の設計に着手することとしております。仙台北部中核工業団地群では今後も新たな企業立地や工場拡張が想定されることから、県といたしましては、団地周辺地域における交通状況の変化を把握するとともに、県道塩釜吉岡線のバイパスルートの検討も行うなど、引き続き道路機能の拡充強化に向けた取組を推進してまいります。 以上でございます。
○議長(石川光次郎君) 五十八番藤倉知格君の質問開始に当たり、発言残時間の時計操作について遅れて開始したため、ここで五十秒調整いたしますので御了承願います。 五十八番藤倉知格君。
◆五十八番(藤倉知格君) それぞれ答弁をいただいたわけでありますが、まず処理水の問題なんですが、海洋放出を延期してと質問の中で触れましたとおり、トリチウムの半減期が一二、三年ということで、逆算した放出延長論の検討が政府でも行われたと。これがやっぱり、今この置かれた現状の中では最善の方法だろうということで提案をさせていただき、その間、トリチウムの分離技術の研究開発、これに官民挙げて集中的に取り組むと、またそういう動きも現にあるわけですから、直ちに実用化の技術が開始されていないということだけで、この両面作戦に方向性を明確にしないということはあってはならないと思います。その両面作戦の意義について知事自身の見解、認識を問うたわけですが部長答弁になってしまいました。改めて村井知事の見解、認識をお聞かせください。
○議長(石川光次郎君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 一つの御提案というふうに受け止めましたけれども、半減期というのはトリチウムがなくなるわけでは決してないと、放射能濃度が半分になるという期間であります。その間にトリチウムを除くということですけれども、いろんな方にお伺いしたところ、トリチウムというのは一般に存在するものであって、ゼロにするということは当然できないということです。今回、問題になっております、私はこの間、仁田議員の答弁もいたしましたけれども、安全性については自分で確認して問題ないだろうと、今の段階で放出しても安全性は問題ないだろうと思っていまして、一番心配しておりますのは、やはり風評被害であります。これは恐らく十二年たっても、それから十二年たってトリチウム濃度がゼロになるような、放射能レベルがゼロになるような技術が開発されれば別ですけれども、仮にそうであったとしても、今の保管されているものを海洋放出するとなったら当然、風評被害というものが出てまいりますので、時間をただ後にずらすだけになってしまうのではないかというのが私の率直な考え方、意見であります。
○議長(石川光次郎君) 五十八番藤倉知格君。
◆五十八番(藤倉知格君) それから、県議会のこれまで二回にわたる意見書の採択の件。これは知事から答弁があったのですが、重く受け止めてはいるという文言が答弁に入りましたが、単に重く受け止めるだけじゃなくて、県議会で二回もこの海洋放出あるいは自然界放出反対だと、行わないようにということを国に対して求めた意見書でありまして、単にそれを重く受け止めるということじゃなくて、重く受け止めるのであれば、やはりそれをしっかりとしんしゃくして検討するということも知事としての役割ではないかというふうに思いますが、御答弁をお願いします。
○議長(石川光次郎君)
知事村井嘉浩君。
◎知事(村井嘉浩君) 重く受け止めしんしゃくした結果、今のような形での県のいろんな団体も入れて会議を行っているということでございます。ただこれは宮城県で私の意思で決定する施策に関して、県議会が意見書をこういう形で議会の意思をまとめたということになれば、それは当然、私としてはもう身動きがとれなくなるわけでありますけれども、これはあくまでも先ほど答弁したように国が最終的に決めることであります。ですから私は大臣に対しましても、議会で二度意見書を採択していますと、反対という意見書を採択していますということについては、強く強く何度も申し上げていまして、これは県民のまさに意思ですということは伝えておりますけれども、それによって私がやめろとかやめるなとか、やっていいとかを言うふうに今求められているわけではありませんので、国がそういう方針を出している以上は、その方針を県民がどう受け止めて、宮城県の事業者、特に水産業者が大きな損害を被らないようにするためにはどうすればいいのかということを今、懸命に模索をしているということでございます。
○議長(石川光次郎君) 五十八番藤倉知格君。
◆五十八番(藤倉知格君) 再三申し上げるわけでありますが、やはり半減期を見越した放射能の減衰ですね、放出延期、それから分離技術の開発に集中的に取り組むということの両面作戦で突き進むということはやはり大事だと思いますし、機会があればそのことを知事の口から直接、何度も国、東京電力に対して申し上げてほしいということを要望させていただきたいと思います。 それから、新しい産廃最終処分場の件なんですけれども、それぞれ地域の長年にわたる河川あるいは道路関連の改良だったり整備だったりということが、それぞれの部長から答弁があったわけでありますが、この際ですからちょっと申し上げておきたいんですが、今までのクリーンプラザみやぎ、大和町鶴巣小鶴沢ですね、四十三年目を迎えるわけで供用開始から、この処分場というのは冠にありますとおり公共関与というふうになっているんです。ただ私はやっぱり不安に思うのは、部の関係者の話なんかも聞きますと、造るまでは県だと、県の責任でやりますと、ただ完成後は環境事業公社の運営になると。截然と分かれているんです。経営上、運営上はそういう区割りになっているんだろうけれども、公共関与というのはつくるときから処理が終わった後、あるいはそれから安定期を迎える管理が入るわけですね、二十年、三十年、四十年というそれはもう一貫して公共管理でなければなりません。それが、そういう形に実態としてはまだなっていないということです。河川の話とかいろいろありましたけれども、例えば小鶴沢の源流ですね、小西川の源流、処分場のすぐそばですよ。これも台風被害なんかで河川が破壊される。そうすると、こういう場所だから早くしてくれと仙台土木事務所に言ってもなかなか通じない。だからここは公共管理の最終処分場の周辺であるという認識、そういう意味での公共管理、各部局の連携、情報共有、そういったことが今までの供用開始された四十三年間ではなかったということ。そういうことをしっかりと改めて、新たな認識で臨んでもらわないとなかなか理解は得られない。私も連日住民説明会に出ていますが、それを肝に銘じていただくように要望をさせていただきます。 終わります。
○議長(石川光次郎君) 以上をもって、質疑、質問を終結いたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております各号議案中、議第百四十三号議案及び議第百四十四号議案につきましては、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。 これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、さように決定いたしました。 残余の各号議案は、お手元に配布の議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 議案付託表 第三百七十九回宮城県議会(六月定例会)令和三年六月二十九日議案番号件名提出年月日委員会議第百四十三号議案令和三年度宮城県一般会計補正予算三・六・一五予算特別議第百四十四号議案令和三年度宮城県流域下水道事業会計補正予算同予算特別議第百四十五号議案附属機関の構成員等の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百四十六号議案宮城県県税条例等の一部を改正する条例同総務企画議第百四十七号議案県税減免条例の一部を改正する条例同総務企画議第百四十八号議案過疎地域における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百四十九号議案離島振興対策実施地域における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百五十号議案原子力発電施設等立地地域における県税の特例に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百五十一号議案産業廃棄物税条例の一部を改正する条例同総務企画議第百五十二号議案復興産業集積区域における県税の課税免除等に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百五十三号議案被災関連市町村から特定の交換により土地を取得した場合の県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百五十四号議案行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する条例同総務企画議第百五十五号議案児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例同環境福祉議第百五十六号議案県営住宅条例の一部を改正する条例同建設企業議第百五十七号議案公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例同建設企業議第百五十八号議案高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例三・六・一五文教警察議第百五十九号議案町の境界変更について(色麻町と加美町)同総務企画議第百六十号議案和解及び損害賠償の額の決定について同文教警察議第百六十一号議案財産の取得について(抗インフルエンザウイルス薬(タミフルカプセル七十五 百カプセル(PTP)備蓄用)五万四千四百人分(五千四百四十箱))同環境福祉議第百六十二号議案財産の取得について(エックス線光電子分光装置一式)同経済商工観光議第百七十号議案工事請負変更契約の締結について(宮城県石巻好文館高等学校校舎等改築工事)同文教警察議第百七十一号議案公共施設等運営権の設定について(大崎広域水道、仙南・仙塩広域水道、仙塩工業用水道、仙台圏工業用水道、仙台北部工業用水道、仙塩流域下水道、阿武隈川下流流域下水道、鳴瀬川流域下水道及び吉田川流域下水道)同建設企業
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△請願
○議長(石川光次郎君) 日程第八、請願を議題といたします。 お手元に配布の文書表のとおり、請願一か件が提出されております。建設企業委員会に付託いたします。…………………………………………………………………………………………… 請願文書表 第三百七十九回宮城県議会(六月定例会)令和三年六月二十九日請願番号要旨請願者名紹介議員受理年月日所管委員会三七九の一「みやぎ型管理運営方式」の導入に係る「公共施設等運営権の設定」議案(議第百七十一号議案)及び関係する条例改正案(議第百五十七号議案)は第三百七十九回県議会では採決せず、すべての関係市町村での説明会開催とパブリックコメントの取り直しを求めることについて命の水を守る市民ネットワーク・みやぎ 共同代表 外一名境 恒春・三浦一敏
岸田清実・菅間 進三・六・一八建設企業
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△休会の決定
○議長(石川光次郎君) お諮りいたします。 委員会審査のため、明日から七月四日まで五日間本会議を休会とし、七月五日再開することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(石川光次郎君) 御異議なしと認めます。 よって、明日から七月四日まで五日間本会議を休会とし、七月五日再開することに決定いたしました。 なお、ただいま御出席の諸君には改めて通知いたしませんから、御了承願います。
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△散会
○議長(石川光次郎君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 七月五日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後三時三十一分散会...