宮城県議会 > 1993-09-29 >
09月29日-02号

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  1. 宮城県議会 1993-09-29
    09月29日-02号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    平成 5年  9月 定例会(第251回)     第二百五十一回宮城県議会(定例会)会議録                      (第二号)平成五年九月二十九日(水曜日)  午後一時二分 開議  午後五時二十四十分 散会      議長     斎藤栄夫君      副議長    渥美鉄太郎君出席議員(五十九名)      第一番    内海 太君      第二番    伊東 憲君      第三番    千葉 達君      第四番    土井 亨君      第五番    遊佐雅宣君      第六番    庄子 守君      第七番    藤倉知格君      第八番    大学幹男君      第九番    仁田和廣君      第十番    坂下康子君     第十一番    岸田清実君     第十二番    石橋信勝君     第十三番    村上敏子君     第十四番    百足健一君     第十五番    高橋浩一君     第十六番    佐藤勝彦君     第十七番    菊地 浩君     第十八番    高橋長偉君     第十九番    相沢光哉君     第二十番    高橋俊也君    第二十一番    大沼迪義君    第二十二番    萱場正美君    第二十三番    菅原 哲君    第二十四番    木村洸也君    第二十五番    佐々木ひろし君    第二十六番    菅野信男君    第二十七番    餅 道夫君    第二十八番    長島秀道君    第二十九番    大沼謙一君     第三十番    千葉正美君    第三十二番    伊藤康志君    第三十三番    渡辺和喜君    第三十四番    今野隆吉君    第三十五番    遠藤宗一君    第三十六番    中野正志君    第三十七番    佐藤 勲君    第三十八番    高橋善幸君    第三十九番    根深善雄君     第四十番    黒須光男君    第四十二番    長谷川正君    第四十三番    金子哲郎君    第四十四番    三上良喜君    第四十五番    曽根冨二男君    第四十六番    坂下清賢君    第四十七番    錦戸弦一君    第四十八番    佐藤 勇君    第四十九番    中沢幸男君     第五十番    佐藤光輔君    第五十一番    佐々木久壽君    第五十二番    渡辺 浩君    第五十三番    高橋健輔君    第五十五番    中村健一君    第五十六番    文屋 公君    第五十七番    安住仁太郎君    第五十八番    須藤正夫君     第六十番    森  康君    第六十一番    佐藤常之助君    第六十二番    渥美鉄太郎君    第六十三番    斎藤栄夫君欠席議員(三名)    第三十一番    斎藤正美君    第五十四番    亀谷博昭君    第五十九番    野口考吉君欠員(一名)    第四十一番   ─────────────────────────────────説明のため出席した者    知事職務代理者        蒲谷亮一君    副知事    副知事            八木 功君    出納長            大立目謙直君    公営企業管理者        森 熊三郎君    総務部長     事務吏員  山川敏彦君    企画部長     事務吏員  加藤周二君    環境生活部長   事務吏員  須藤弘志君    保健福祉部長   技術吏員  椎名正樹君    商工労働部長   事務吏員  松木伸一郎君    農政部長     事務吏員  西城光政君    水産林業部長   事務吏員  今里寅男君    土木部長     技術吏員  加賀田晋成君    出納局長     事務吏員  石崎泰司君    企業局長     事務吏員  吉田善兵衛君    総務部理事兼次長 事務吏員  黒田達夫君    総務部秘書課長  事務吏員  菅原敏光君    総務部財政課長  事務吏員  千田 淳君   教育委員会    委員長            葛西森夫君    教育長            鈴鴨清美君    教育次長           柿崎征英君   選挙管理委員会    委員長            郷古康郎君    事務局長           斎藤 進君   人事委員会    委員長            大沼直治君    事務局長           鶴沢正三郎君   公安委員会    委員長            鈴木泰三君    警察本部長          増田生成君    警務部長           安原伸正君   地方労働委員会    事務局長           山本碧子君   監査委員    委員             阿部光郎君    委員             鈴木新司君    事務局長           小林一丈君   ─────────────────────────────────   議会事務局    局長             松本俊司君    次長兼総務課長        阿部 勉君    議事課長           成澤建男君    調査課長           棕澤和義君    総務課副参事         鈴木和敏君    兼課長補佐    議事課副参事         遠藤幸之君    兼課長補佐    調査課長補佐         菅原源一君    主幹兼記録係長        佐藤 昭君    議事係長           佐藤 淳君    委員会係長          水戸敏男君    主事             布田恵子君    主事             小野一彦君   ─────────────────────────────────議事日程  第二号          平成五年九月二十九日(水)午後一時 開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第九十九号議案ないし議第百三十七号議案第三 一般質問    〔千葉正美君、餅道夫君、佐々木ひろし君、高橋浩一君〕   ─────────────────────────────────会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第九十九号議案ないし議第百三十七号議案三 日程第三 一般質問    〔千葉正美君、餅道夫君、佐々木ひろし君、高橋浩一君〕   ───────────────────────────────── △開議(午後一時二分) ○議長(斎藤栄夫君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。   ───────────────────────────────── △会議録署名議員の指名 ○議長(斎藤栄夫君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に二十一番大沼迪義君、二十二番萱場正美君を指名いたします。   ───────────────────────────────── △諸報告 ○議長(斎藤栄夫君) 御報告いたします。 お手元に配布の印刷物のとおり、議場出席者の変更がありました。   ─────────────────────────────────       議場出席者名簿              第251回県議会(平成5年9月29日)     知事職務代理者    蒲谷亮一     副知事   ───────────────────────────────── △議長発言 ○議長(斎藤栄夫君) この機会に、議長の私から一言申し上げたいと存じます。 一昨日、議会会期中にもかかわらず、本間知事逮捕という、あってはならない不測の事態が発生しました。県民に大きな不安と動揺を与えましたこと、まことに遺憾にたえないところでございます。 このような事態において、県議会としても県政に対する県民の信頼を一刻も早く取り戻すよう全力を傾注してまいるとともに、今後においてかかる不祥事が二度と繰り返さないように万全を期してまいる覚悟でございます。 また、現在の異常気象災害対策及び景気対策等、県民生活各般にわたる早急な対策が求められておるときでもあり、今後県政の混乱と停滞を招くことのないよう、県議会としてもその果たす役割を十分果たしてまいることを、この議場において県民各位に表明するものであります。   ───────────────────────────────── △副知事発言 ○議長(斎藤栄夫君) この際、宮城県知事職務代理者宮城県副知事蒲谷亮一君から発言を求められておりますので、お許しをいたします。知事職務代理者知事蒲谷亮一君。    〔知事職務代理者副知事 蒲谷亮一君登壇〕 ◎知事職務代理者副知事(蒲谷亮一君) 本日は、まことに残念な御報告を申し上げなければなりません。九月二十七日、本間知事が収賄容疑により、東京地検特捜部に逮捕されました。全く思いもかけない、私どもにとりましても信じがたいことでございますが、県民の皆様に大きな衝撃を与え、また、県政に対する県民の信頼を損なう結果となりましたことは、まことに残念でございます。県民及び県議会の皆様に対しまして、心からおわびを申し上げます。 事件の全容がいまだ明らかでございませんが、県といたしましては、今回の事態を深刻に受けとめまして、今後県政に対する県民の皆様の信頼回復に努めますとともに、冷害対策、景気対策等山積する課題へ的確に対応をいたしますためにも、県政が一日たりとも停滞することのないよう、職員一丸となって取り組んでまいりますので、県民の皆様及び議員各位の一層の御理解と御支援を節にお願いを申し上げる次第であります。以上であります。   ───────────────────────────────── △議第九十九号議案ないし議第百三十七号議案 △一般質問 ○議長(斎藤栄夫君) 日程第二、議第九十九号議案ないし議第百三十七号議案を議題といたします。 ただいま議題になっております各号議案についての質疑と日程第三、一般質問とをあわせて行います。 質疑、質問は、順序に従いお許しいたします。三十番千葉正美君。    〔三十番 千葉正美君登壇〕 ◆三十番(千葉正美君) 発言のお許しを得ましたので、私は、自由民主党議員会を代表し、質問いたします。 一昨日、本間知事が県発注の公共工事をめぐり、収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕されたとの不祥事に、県民ははかり知れない衝撃を受けております。本間知事に限って汚職事件とは無縁と思っておりましたので、思いがけない出来事にいまだに信じられない気もいたしますが、県政最高責任者の知事が逮捕され、知事室を初め県庁舎も捜査を受けるという事態が発生いたしましたことを大変遺憾に存じます。 とりわけ、本間知事は、リクルート事件を批判し、クリーンな県政を掲げて当選を果たし、以来、ユニークなアイデア知事として評価も高く、第二国土軸構想の推進役としての大きな期待も寄せられておりましたので、今回の事件は残念至極であります。 我が党は、四年前の知事選は自主投票でありましたが、本年二月の選挙には本間知事を推薦し、ともに戦いましただけに、今は県民の皆様に申しわけない気持ちでいっぱいであります。今後、このような不祥事が二度と起こらないよう全党挙げて県政の刷新と浄化を進め、県民の信頼の回復と負託にこたえるために最善の努力を傾注する決意を表明する次第であります。 今回の事件について、ただいま執行部より御報告がありましたが、九月定例会開会中に知事が逮捕されるという異常事態を県としてどのように把握しておられるのか、また、この事態を受けて、今まで県がとられた対応について御説明を願いたいと思います。 更には、今日行政課題が山積しているとき、県政の停滞は一ときも許されません。これからの県政運営について支障のない体制づくりが肝要と思いますが、その対応についてお伺いをいたします。 今回の事件は、県の公共事業の発注に関して発生したと伝えられております。工事の発注は、公平、公正を旨として行われなければなりません。入札制度の改善を含め、本格的な制度の見直し、不祥事防止策の確立が緊要な課題でありますが、その対策についてもお考えをお示し賜りたいと存じます。 本事件の真相は、いずれ捜査当局の手によって明らかにされることと思料いたしますが、全容が早期に解明されるよう願うとともに、本間知事には県政への多大なる影響に配意され、みずからの進退についても誤りなきよう望む次第であります。 質問の第二は、冷害等異常気象災害対策についてお伺いいたします。 質問に先立ちまして、異常気象災害に見舞われました被災者の方々に衷心よりお見舞い申し上げます。特に、農業従事者とりわけ稲作農家にとりましては、一年間の御苦労が水泡に帰し、泣くに泣けないお気持ちで出来秋を迎えられ、作業を続けておられます。その御心中察するに余りあります。被災者の方々が一日も早くこの大災害による深刻な打撃から立ち直ることができますよう、県当局初め関係機関の十分な救済策を切望するものであります。 自由民主党といたしましても、既に災害対策本部を設置し、調査活動を続けておりますが、今後更に救済対策に万全を期してまいりたいと考えておりますので、関係機関等の格別の御理解をお願いをいたします。 さて、ことしは、梅雨明けが特定できないほどの長梅雨、六月から八月にかけての戦後最悪の低温、日照不足も深刻と、記録づくめでございました。この異常気象により、本県稲作は、東北農政局発表の八月十五日現在の作況は九〇、明日発表が予定されております作況が八〇になるのではと伝えられているように、甚大な影響をこうむり、事態は日増しに深刻の度を加えております。 更に、減収の原因となります穂いもちの発生状況は、九月十五日調査で平年対比二・六倍となっており、これらの状況から判断いたしますに、ことしは最悪の冷害の様相を呈しております。 本県の基幹産業であります農業のこのような大災害は、本県政にとって重大事であります。そこで、まず初めに、災害対策の基礎となります本年の冷害の現状把握と、現時点における被害予想額について御見解をお伺いをいたします。 また、冷害の年は特に農家の現状認識と国の作況指数との間に違和感が生じております。現状を正確に反映できる作況の算定に向けての御努力をお願いし、ことしの作況に対する御認識をお伺いをいたします。 ことしの大冷害は、今日農業が抱えている多くの大きな問題を浮き彫りにし、他産業、地域経済にも影響が心配されております。それらも含め、以下、順次御所見を求めるものであります。 まず、当面する緊急対策でございます。 第一点は、天災融資法の発動と激甚災害法指定の問題でございます。 戦後最悪の凶作が予想されることしの大災害について、両法の早期発動が要請されております。十月初旬にとも言われている発動の時期、見通しについてお伺いをいたします。 第二点は、水稲共済の正確な評価と共済金の早期支払いの問題についてでございます。 先般、国に対し、農業共済金の早期支払いと品質の低下を減収量に換算する損害評価の特例措置を講ずるよう要望したところでありますが、この実現に向けた御対応と水稲共済の損害評価を適正かつ円滑に実施するための御尽力と対策をお伺いいたします。 第三点は、他用途利用米の割り当て数量削減についてであります。 天災融資法や激甚災害法が発動されるような大災害が発生した際には、過去に特別な減量措置が実施されておりますが、先ごろ、食糧庁長官から今次災害の大きさにかんがみ、他用途利用米の特例的な作況調整についての通達があったと聞いております。これを受けて、県内でどのように進める方針か、お伺いをいたします。 第四点は、規格外米についてであります。 今回の災害により、通常の年より多量の規格外米の発生が見込まれます。早期に仕分け品位基準を設定し、自主流通米としての道を開くとともに、それ以外の規格外米については、全量政府買い入れの措置を講ずるべきと思いますが、これに対する御所見をお伺いをいたします。 第五点は、制度資金の問題でございます。 被災農業者の経営安定を図るため、自作農維持資金の貸付枠の確保と貸付金利の引き下げ、貸付限度額の引き上げが求められております。また、農業近代化資金等の制度資金の償還期限の延長等融資条件の緩和、更には土地改良事業の負担金、償還金についての繰り延べ措置なども求められております。加えて、県単の農業災害対策資金については、今議会に三十億円の融資枠の設定が提案されておりますが、これは他の災害資金が融通されるまでの間の農業経営の再建、生活の維持回復を図るために用意されました、いわゆるつなぎ資金を含むものでございますが、利子補給を行い、末端金利を四%にするというものであります。利用しやすい条件の整備と十分な枠の確保が大事でありますが、御対応について、お伺いをいたします。 第六点は、全量集荷対策と不正規流通防止対策でございます。 全国的に作柄が悪く、米不足が言われるとき、これからいかに多く集荷するかが課題でございます。県としての対策をお伺いいたします。また、このようなときには不正規流通米、いわゆるやみ米の横行が懸念されます。 茨城県では、今月半ばに茨城食糧事務所とともに、茨城県警の協力を得て、早朝、不正規流通米現地指導取り締まりを実施したということであります。本県でも厳重な取り締まりが必要と思われますが、対策について、当局並びに警察本部長の御見解をお伺いいたします。 第七点は、米以外の農作物等の災害対策についてでございます。 大豆については、茎長、総節数はほぼ前年並み、有効莢数は前年の五〇%程度になっているそうであります。夏秋野菜のうち、キュウリ、トマト、ナス等の露地栽培の果菜類は、病害や湿害等により栽培を中止せざるを得ない圃場が見られ、バレイショはイモの腐敗が多く、収量が低下いたしております。桑の生育も七月下旬の低温、日照不足により伸長が鈍化し、減収が見込まれ、果樹、花卉、山林種苗の被害も心配されているところであります。これらを含め、水稲以外の農作物等について、被害把握状況と対策をお示し願いたいと思います。 ほかに、病害虫防除費への助成、越冬飼料確保のための助成などについては、今議会に具体の提案が出されておりますので、後の審議にゆだねさせていただきますが、今後の営農活動に支障のない万全の対策と格別のお取り組みを願うものであります。 また、当面の普及指導活動につきましても、適期刈り取りの徹底、乾燥調製の適正化による品質の向上等、大事な課題が多いのであります。現地での指導を行う等、的確な技術指導対策をとられるよう要望いたすものであります。 次に、農家生活の安定対策についてお伺いいたします。 九月十四日に取りまとめられました農作物冷害に係る農家経営の見込み調査の内容を御紹介申し上げます。 自作農九ヘクタール、受託七ヘクタールを耕作いたします岩出山町の農家の場合、本年の減収率を七六%に見込み、減収見込み額が一千三百万円になります。共済金が、試算でございますが四百万円として、九百万円以上の減収額分についての補てん方法が立てられない状況下にあるそうであります。 また、三ヘクタールを自作している宮崎町の農家は、九五%の減収率で、減収見込み額が約五百万円、同じく共済見込み支払い額三百万円があったとしても、農外就労しております息子さんの収入をあてにしなければならないということであります。 ほかにも、減収率七〇%から九〇%台の農家での減収見込み額が、五百万円から二千万円に上るという農家の実態が明らかになっております。今後の補てん方法として、共済金、借入金、生活費の切り詰め、他産業への従事を挙げておりますが、いずれも不確定で、具体の方策が立っていない状況下でございます。以上の厳しい実態を踏まえて、以下、御所信をお伺いいたします。 第一点は、農家の就労機会の拡大についてでございます。 被災農家の経済的逼迫を救済するため、早急に救農土木事業等を実施し、農家の現金収入を少しでもふやす努力をする必要がございます。県の資料によりますと、昭和五十五年災害時に約十二万人、昭和六十三年災害時に約八万人余の就労実績がございます。過去二回を上回る被害が予想されております今次災害に、緊急に対策をとることが肝要と思われますが、お答えを願います。 第二点は、被災農家の飯米確保対策でございます。 本年は、皆無作のところが見受けられており、生産者でございます農家も、飯米確保が困難になると予想されております。農家が飯米購入代を借り入れした場合の利子補給等の対策が必要と思われますが、対応についてお伺いいたします。 第三点は、米の予約概算金返済に支障を来す農家に予約概算金の延納、分割、金利の免除等の対策をとっていただきたいことであります。 第四点は、被災農家の負担軽減を図るための各種税の減免、保険料の減免、就学援助、国民健康保険税の減免、国民年金保険料の免除、学校給食費の補助、農業短期大学授業料の減免、私立高校授業料の軽減、県立高校授業料の減免、保育料の減免等、幅広い軽減策を講じていただきたいのであります。お考えをお聞かせをいただきたいと存じます。 第五点は、生活資金対策についてお伺いいたします。 天災融資法などの各種の災害資金は、当然ながら貸し出し条件が設定されており、目的の主眼は再生産確保にございます。農家が最も必要とする生活資金については対象外となっておりますので、県独自の対策が必要でございます。農業災害対策資金にその役割があると思いますが、農家の期待にこたえ得る対応をお願いをいたします。 次は、来年の農業生産に関連してお伺いいたします。 第一点は、種子の確保対策であります。 県指定の採種圃場の来年用種もみの確保が、ササニシキが契約数量千三百十三トンの約一五%、全量種子更新をしておりますひとめぼれは、契約数量一千八十トンの三六%にとどまっていると伺っております。県ではササニシキについてはできるだけ自家採種で対応し、確保できない分は主食用もみの種子転用を行い、なお不足分については県外産の種もみの確保も検討する。来年作付の増加が予想されるひとめぼれについては、カントリーエレベーター保管の自主流通米を転用種子として使うこととしておりますが、本当に支障を来すことがないのか、自家採種が認められないひとめぼれの種もみが足りなくなった場合の県の責任はどうなるのか、品種は何でもよいから確保してほしいなどの不安の声が出されております。他県への依頼を含め、しっかりとした対策をお願いしたいのであります。 また、種子代への助成、準種子生産に係る特別経費の助成の要望も出されておりますが、これらの問題に対するお答えをお願いをいたします。 第二点は、減反の緩和についてでございます。 今年度水稲の作柄不良により、今後の米の需給が逼迫すると言われ、国内自給体制を確保していくために、減反緩和が検討課題となっております。農水省では、来年度からの水田復元について、可能な地域に減反緩和面積を重点配分する方針を明らかにし、従来の割り当て制から事実上の緩和公募制に方針転換を図るため、農家の意向調査を始めたと承っております。今後、推進に当たっては、地域の意向を踏まえるとともに、担い手の確保や生産基盤の整備と一体的に進めることが肝要と思われますが、本県農家の復田に対する意向はどうなっているのか、また、減反緩和に対する県の方針について、御見解をお伺いいたします。 更には、来年の減反緩和の早期決定が強く望まれておりますが、見通しについてもあわせて現況をお示し賜りたいと存じます。 第三点は、米の適正在庫確保でございます。 今年産米の不作が確定的となり、早くも来年端境期の米需給操作が心配されております。平成四年度政府米在庫はわずかに二十六万トン、今期末についても自主流通米在庫はほとんどない状況と見られており、政府米在庫は二十五万トン程度と見込まれております。このため、本年の作況指数が九四を下回ると、来年の端境期には平成六年産米での対応が余儀なくなり、自転車操業的操作が避けられないと言われます。今期末についても、政府米供給について、東京都が知事名で、都民への米の安定供給を図るために、需要に見合う政府米を供給すること、平成五米穀年度末における米の供給に支障を来すことがないよう平成五年産米の早期集荷、搬入、供給に努めることを内容に、農林水産大臣に意見書を提出し、県内においては、急な米不足の心配がないと言われるにもかかわらず、米を求めて店頭に朝から行列ができ、米市場でも価格の上昇が伝えられるなど、不安が広がっております。 米不足は、最悪の場合、米の輸入につながりかねない問題だけに、十分な備蓄体制を要請することが大事であります。流通安定のための単年度備蓄体制を改め、国民の食糧の安定確保を図るための長期備蓄体制への転換を求めるなど、在庫積み増しを国に強く申し入れるべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。 第四点は、試験研究体制の充実強化についてでございます。 田中稔元青森農試藤坂支場長は、平均気温と米の収量との関係について、出穂後四十日間の最高最低平均気温が二十二度C以上であれば豊作となる、二十度Cないし二十二度Cで平年作、冷害発生限界気温は十八度Cで、十八度Cないし二十度Cでは不作である、実用的収穫皆無限界気温は十六度Cないし十七度Cで、十八度C以下は凶作である、収穫皆無限界気温は十五度C以下にあると研究成果を発表いたしております。 本県では、昭和五十五年の冷害を踏まえ、古川農業試験場に冷水による耐冷性の検査施設を整備し、耐冷性品種の試験開発を進めた結果、ひとめぼれを育成してきたのでありますが、今後更に他の試験研究成果も踏まえた耐冷性の強い品種の育成が必要と思われます。 よく冷害は数年続くと言われておりますときに、現在品種登録を出願いたしておりますIL系統の実用化とあわせて、他品種の研究状況をお聞かせ賜りたいと存じます。 第五点は、専業農家と生産集団の問題でございます。 今回の災害で最も大きな被害を受けておりますのはこれらの方々でございます。本県農政は、中核農家の育成を重要な柱に掲げ、農地の流動化やコストの低減を図り、労働生産性を高めるとしており、新政策でも他産業並みの農業所得を得るために、十ないし二十ヘクタール規模の農家を目標に、規模拡大と組織化を進めるとしておりますが、それを担う中核の専業農家や生産集団が苦境に立たされているのであります。 現在、専業農家や生産集団は、農作業の受託を進め、規模拡大を図っておりますが、今次冷害の場合には、いわゆるつくり分けの中身をこれから委託側と詰めなければならない作業が残されております。そればかりでなく、例えば収穫皆無の場合には、共済金は五百キロ当たり最高で十万円前後と思われますが、それをそっくり委託側が受け取り、生産費と労働費等が受託側に負担として残る状況もございます。 既に借り入れもある中での減収は、農家経営規模の大きな農家や生産集団ほど深刻でありますが、私は、今回のこの大災害により、それらの方々が就農意欲を失い、農業からの離脱が進むようでは、本県農政にとって大変な事態になると危惧するものであります。きめ細かい援助を切望するものであります。 専業農家、生産集団、農業の置かれている厳しい環境の立場に立って、今回の冷害対策は単に過去の冷害対策を繰り返すのではなく、抜本的な対策を講ずるべきであるとの貴重な提言がございますが、積極的な御対応をお願いし、所感をお聞きいたすものであります。 なお、農協経営にも今後悪化の懸念が示されております。万全の経営支援策を要請いたすものであります。 農業問題の最後に、米の市場開放問題についてお伺いいたします。 昭和四十年代に米の一〇〇%自給体制が確立されましてから一度だけ、昭和五十九年に四年連続の不作を受けて、韓国から十五万トンの米が緊急輸入されたことがございます。本年の冷害による米の不作がまた緊急輸入につながり、米の市場開放問題の引き金になるのではとの心配がございます。 国では、去る二十四日に冷害による非常事態宣言を行い、明三十日に開かれる関係閣僚懇談会で、農水相が輸入方針を説明し、早ければ年内にも米輸入が実施されるとの報道がありましたことから、農業関係者の不安に拍車がかかり、なおさらことしはウルグアイ・ラウンドの交渉期限が十二月と迫っていることもあり、深刻な状況にございます。そこで、改めて米の緊急輸入反対、市場開放阻止に対する強い御決意をお伺いいたしたいと存じます。 今回の災害は、他分野にも影響が及んでおります。ある民間研究所の調査は、ことしの冷夏、長雨による夏物商品の販売不振、公共事業のおくれ、農作物の不作がマイナス要因となり、不況に追い打ちがかかり、六千八百億円余の損失が出るといたしております。 県商工会連合会からは、災害関連特別融資の実施、中小企業者に効果のある官公需発注などの災害関連対策の要請が提出され、地域経済への影響も看過できない状況にあります。早急な調査と対策を望むものでありますが、御所見をお伺いいたします。 また、市町村財政にとりましては、特別交付税の交付、地方債の追加措置、市町村振興資金の増額などの対策も緊要であります。これらの問題について御努力をお願いし、御見解をお伺いいたします。 今次災害に際し、本県では農作物異常気象対策連絡会議、農作物冷害対策本部を設置し、去る二十四日には全庁を挙げる冷害等異常気象災害対策本部を設置されて、積極的にお取り組みを賜っております。また、今議会には、冷害対策費四億三千四百万円余を計上する補正予算を提出するなど、迅速に御対応いただいておりますこと、被災農家、関係者ともども謝意を表する次第であります。 今後の災害対策本部としての対応方針をお伺いいたしますとともに、今回の補正予算に救農土木事業等の農家就労対策費や草樹勢、桑園樹勢回復対策費などの予算が見受けられておりませんが、早急に予算措置を講じ、できれば今議会に追加提案するなり、どうしても難しいという場合には、十二月議会を待たずに、臨時に議会を招集するなどの対応が必要と思料されますが、そのお考えがあるかどうかについて、御所信をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(斎藤栄夫君) 知事職務代理者知事蒲谷亮一君。    〔知事職務代理者副知事 蒲谷亮一君登壇〕 ◎知事職務代理者副知事(蒲谷亮一君) まず初めに、今回の知事の逮捕につきましては、先ほど御報告いたしましたとおりでございますが、私どもの知る知事の真摯な県政に対する取り組み姿勢から、信じがたいところでございます。この事態を受けて、二十八日の朝に、局部長会議を招集をいたしました。また、課長会議や各管内地方公所長会議を開きまして、県政が停滞することなく職務を遂行するように、職員に周知徹底を図ったところでございます。 また、これからの県政運営につきましては、当面する緊急の課題であります冷害対策や景気対策などに万全を期して、県政の安定に努めますとともに、一刻も早く県民の信頼を回復できますよう、職員が一丸となって努力をしてまいります。 次に、入札制度の見直しについては、本年七月十三日に土木部の入札契約制度等検討委員会を設置をいたし、更には全庁的に検討するために、宮城県入札制度検討委員会を九月十三日に設置をいたしまして、新しい入札制度の導入に向け、鋭意検討しているところでございます。建設省で既に実施又は試行をしております技術情報募集型指名競争入札、施工方法等提案型指名競争入札及び意向確認型指名競争入札に加えまして、九月六日に試行を発表いたしました条件付き一般競争入札につきまして、県においても検討を重ねているところでございます。こうした入札制度の見直しの中で、今後このような不祥事が二度と起こらないよう制度の改善を図りまして、更には県庁全体の徹底したモラルの向上に努めてまいります。 次に、冷害問題でございますが、まず初めに、今回の冷害の現状と被害予想額についてお尋ねがございましたが、お話のとおり、水稲の作柄は極めて厳しく、生育遅延、不稔歩合及びいもち病の発生状況等から推測をいたしますと、天明・天保の大飢饉に匹敵をする未曾有の事態である、このように認識をしております。したがいまして、その被害額の予想についてでございますが、戦後最低の作況指数を記録をいたしました昭和六十三年の六百十七億円、これを大幅に上回るものと、このように予想をしております。しかしながら、冷害による被害額は、台風などの災害と異なり、現時点での正確な額の把握は困難でございますので、野菜、果樹等を含む農作物全般の被害額につきまして、今後の生育状況の推移を見ながら、十月の中旬から下旬をめどに取りまとめをいたしたい、このように思います。 次に、作況指数でございますが、お話のように、農家が実感をする作柄と国が発表する作況指数との間に差があるのではないかという声は、災害のたびに上がっておりまして、調査に用いる網目についてよく指摘がされます。御案内のように、国が作況調査に使用しております網目は一・七ミリでありますが、本県は一・八五ミリ以上の網目を用いておりますのが通常でございまして、災害年には作柄のとらえ方について意識の差が大きくなりまして、違和感が生じるということもあろうと思われます。 国が発表する作況指数は、精密な調査、統計的手法により算出をする精度の高いものであると理解はしておりますが、県といたしましては、生育状況を初め不稔調査の結果等を国によく説明をいたしまして、実情に合った作況指数の算定に十分反映していただくようお願いをしておるところでございます。また、本年の作況指数につきましては、私どもも数カ所の現地の被害の状況を見させていただきましたが、そのときの状況や不稔の状況、いもち病の発生状況の調査結果から考えますと、実態は極めて深刻でございまして、最終的な作柄は、過去最低であった六十三年の七五を、これを大幅に下回るのは確実と、このように憂慮をしております。 次に、被災農家の就労機会の拡大についてお尋ねがございましたが、これにつきましては、まず本会議に提案をしております大型補正予算による一般公共事業のほか、稲刈り後の工事の多い土地改良事業を積極的に活用をいたし、早期発注に努めますとともに、施工者に対しまして、被災農家の雇用を要請するなど、就労の場の確保に努めてまいりたいと思います。 更に、救農土木事業につきましてでございますが、国に対して公共事業の枠の拡大による事業の実施を強く要請しておりますほか、県単独事業の創設につきましても、現在具体的に検討を進めております。 次に、被災農家の負担の軽減策について、税の減免等いろいろな面から御提言をいただいたわけでございますが、このたびの災害は、かつて経験したことのない大変厳しいものでございまして、被災農家に深刻な影響を与えることが予想されますので、市町村等関係の機関とも連携を十分図りながら、御指摘の対応策も含めて、各般にわたるきめ細かい軽減策を検討、実施して、農家生活の安定確保に努めてまいりたい、このように思います。 次に、米の緊急輸入についてでございますが、これは市場開放とは別に、緊急措置として食管制度の枠の中で国として検討していると、このように聞いておるところでございますが、米の市場開放問題につきましては、食糧自給体制の堅持という従来からの基本姿勢を崩すことのないよう、引き続き国に対して強く要望をしてまいります。 次に、市町村が実施をする冷害対策事業に係る財源確保の問題でございますが、長引く景気の低迷と昨年からの総合経済対策事業の実施によりまして、市町村の財政運営は極めて厳しい状況下にあるところでございます。県といたしましては、特別交付税及び地方債等の適切な財源措置について、国に対して強力に要請をしてまいりますほかに、市町村振興資金の増額など、今後において各市町村が実施をする冷害対策事業が円滑に実施をされるよう、財源措置について積極的に対応してまいる所存でございます。 次に、冷害等異常気象災害対策本部として、今後取り組む対策についての御質問でございますが、稲作専業農家への支援措置等の農家経済対策、それから種もみの確保対策、米穀の流通安定対策、稲わら利用促進対策、それから耐冷性品種の開発普及などの中長期的視野に立った冷害対策、これらに取り組んでまいりたいと思います。また、冷夏により打撃を受けた関連の中小企業に向けた対策につきましても、所要の措置を検討、実施をしてまいりたいと考えております。 最後に、追加的な予算措置の必要性についてお尋ねが最後にございましたが、今回御審議をお願いをいたしております歳出補正の予算案は、水稲病害虫防除対策費でありますとか、農業共済の損害評価事務の促進費あるいは種もみ確保対策事業費等、緊急に対応しなければならない当面の冷害対策に係るものでございます。したがいまして、総合的な対策につきましては、今後実施をいたします被害の調査結果などを踏まえまして、次期県議会に御提案をさしていただいて、農家経営の安定に向けまして、必要な対策を適切に講じてまいる所存であります。 なお、次期の県議会までの間に緊急に措置すべき事態であると、こういう事態が生じた場合には、機動的かつ弾力的な対応方法について検討をしてまいりたいと思います。私からは以上であります。 ○議長(斎藤栄夫君) 商工労働部長松木伸一郎君。    〔商工労働部長 松木伸一郎君登壇〕 ◎商工労働部長(松木伸一郎君) 千葉正美議員にお答え申し上げます。 今回の異常気象に伴う地域経済への影響に係る調査と対策についてでありますが、かつてない長雨と冷夏のため、エアコンや衣類等の夏物商品の売り上げは大幅な減少を余儀なくされ、また、今後県内農家の購買力の低下が確実な情勢にありますことから、最近の急激な円高の進展と相まちまして、現在の景気低迷が一層長期化するのではないかと景気の先行きを大変憂慮しているところであります。 県といたしましては、このような異常気象がもたらす地域経済への影響について、現在県内の各商店街の夏季の売り上げの状況を調査中であり、また、十月、十一月にわたって、農閑期における温泉、観光地での農家の利用状況等を調査、その実態把握に努めているところでございます。これらの調査結果を踏まえまして、中小企業に対する災害関連融資制度の拡充について検討してまいる所存でございます。 また、今回の異常気象で、商品売り上げが減少する等の影響を受ける中小企業対策といたしまして、この十月一日から商工労働部並びに地方県事務所、県内の各商工会議所及び商工会に、冷夏関連中小企業相談所を開設し、経営相談や金融相談を行うとともに、農家の就労安定対策として、各公共職業安定所に冷夏関連職業相談所を開設し、きめ細かな職業相談を実施することといたしております。
    ○議長(斎藤栄夫君) 農政部長西城光政君。    〔農政部長 西城光政君登壇〕 ◎農政部長(西城光政君) 千葉正美議員の質問に対してお答え申し上げたいと思います。 まず、天災融資法の発動と激甚災害の指定の関係でございますけれども、これにつきましては、九月二十一日に県議会とともに国に早急に措置するよう強く陳情したところでございますけれども、今後被害状況の的確な把握に努め、被災農業者の資金需要の動向をも勘案して、できるだけ早い時期に発動していただくよう、引き続き要請してまいりたい。 見通しはどうかということでございますけれども、五十五年、六十三年の災害の時点におきましては、天災融資法の発動並びに激甚災の指定につきましては、十一月中に行われてございますので、今回の災害につきましても、十一月中には天災融資法が発動されて、激甚災の指定が受けられるものというように考えておるところでございます。 次に、水稲共済の適正な損害評価の関係でございますけれども、農業共済組合等の損害評価が適正かつ迅速に行われるようにということで、県農業共済組合連合会とともに、損害評価員研修の強化や抜き取り調査箇所数をふやすなど、適切な指導を行ってまいりました。また、損害評価の特例措置につきましては、組合等の損害評価後、速やかに申請を行う予定としております。 更に、共済金の早期支払いにつきましては、さきに国に対し要請を行いましたが、年内中に支払いができるよう組合等を指導してまいりたいと思っております。 次に、他用途利用米の割り当て数量削減についてでございますが、お話にありましたように、国は先般、九月二十日でございますけれども、本年産他用途利用米の特例的な作況調整を実施することを決定いたしました。その内容は、特に著しい被害を受けた地域を、市町村長からの申請に基づき、知事が指定の上、市町村長が当該地域内の三〇%以上減収の生産者を認定し、減収率に三〇%を加えた率で契約数量を特別に減量するものでございます。県といたしましては、米の出荷時期までに生産者に趣旨徹底が図られるよう、早急に市町村、農協等への説明会を開催するとともに、市町村及び個々の農家の被害状況が掌握できる十月下旬をめどに地域指定を行い、円滑かつ適正な事務手続が進められるよう指導してまいりたいと存じます。 次に、規格外米についてでありますが、本年はお話のように多量に発生することが予想されております。これを規格外米として販売するよりも、多くの収入を得ることが可能となります自主流通米として流通できるよう、仕分け品位基準の早期設定と、それ以外のものについては全量政府買い入れの措置を講じるよう、国に対して要望しているところでございます。 制度資金の貸付枠の確保及び融資条件の緩和措置でございますが、先般国に対して要望を行ったところであり、県単独の農業災害対策資金につきましては、今回、従来の県単独農業災害対策資金の中で、天災資金及び自作農維持資金のつなぎ資金としてもあわせて借り入れできるよう改正することとしております。今後事業主体となります市町村等と連携を密にしながら、早急に本資金の借り受けができるように万全を期してまいります。なお、今後の融資実績の推移を見ながら、融資枠三十億円で不足を生じる場合には、更に融資枠の拡大を図ってまいりたいと存じます。 次に、全量集荷と不正規流通防止についてでございますけれども、この問題につきましては、国、県、市町村、集荷団体が一体となりまして、生産者の方々に全量集荷、不正規流通防止に関する巡回広報やポスター掲示、チラシの全戸配布など、その理解を求めてまいるほか、農協など集荷団体による積極的な庭先集荷や食糧事務所の土曜、日曜日における検査の実施等、集荷体制の充実強化を図ることといたしております。 また、道路検問等による取り締まりにつきましては、食糧事務所と連携して警察本部に協力を依頼しているところでございます。 次に、水稲以外の農作物の被害でございますけれども、現在農業改良普及所を通じまして調査を進めているところでございますが、現段階の概況について御説明申し上げますと、まず大豆は、作況指数が一〇二であった前半と比較し、総節数と有効莢数から見て減収が見込まれてございます。野菜は、露地野菜のキュウリ、トマト、ナス等の果菜類やバレイショ、夏大根等が病害や湿害等の発生により、大幅に減収した圃場も多く見られました。果樹は、桃が果実肥大は平年並みであったものの、食味が低下し、ナシやリンゴは病害の発生も見られ、小玉傾向で、収穫期のおくれが見込まれております。花卉は、作付の大半を占める菊が八月の盆出し、九月の彼岸出しとも一部の地域を除き、ほぼ計画どおり出荷はできたんではございますが、やや草丈が短く、例年より病害の発生が多く見られております。桑もお話のように生育が悪く、収量は、二、三割の減収が見込まれていますが、養蚕農家戸数が昨年まで八百十五戸あったわけでございますが、今年度は六百戸ということで減少しておりまして、桑の不足する事態はそういう面ではないんじゃないのかなというように考えておるところでございます。 これら水稲以外の農作物の災害対策につきましては、病害虫の防除や樹勢の維持回復を図るための技術指導の徹底を図ってきたところでございますけれども、被害の大きかった夏秋野菜栽培農家の収入確保と秋冬野菜の安定供給を図るため、夏秋野菜代替作物導入事業を実施することとしております。 なお、園芸作物の施設栽培は、周年出荷を可能にするだけでなく、本年のような異常気象のもとにおきまして、安定した生産ができますので、園芸戦略拠点づくり推進事業や花の郷づくり総合推進事業等の一層の充実を図り、今後とも積極的に施設化を推進してまいりたいと考えております。 また、山林種苗につきましては、苗畑に被害が見られ、来春の苗木不足が憂慮されている現状から、苗木の確保を努めてまいりたいと考えております。 次に、被災農家の飯米確保対策についてでございますが、作柄の状況から見まして、確かに飯米の確保が困難な農家もあると思います。御提案の飯米購入のため借り入れた資金に対する利子補給、これは無利子ということになろうかと思いますけれども、現在農業団体等々と対策について検討を進めておるところでございます。 次に、予約概算金の返済に係る措置につきましては、現在国に対して強く要請しております。 生活資金対応についてでございますけれども、天災資金の使途につきましては、お話のとおり営農資金が対象となっており、生活資金を対象としたものではございません。しかしながら、県単独の農業災害対策資金につきましては、被害を受けたことによる収入の減少に伴う生活資金も借り入れることができることになっておりますので、今回融資枠を拡大するとともに、専業農家などを対象に、貸付限度額を引き上げることといたしております。 次に、種もみの確保についてでございますが、指定採種圃におきましても、冷害の影響が大きく、生産量は当初予定を大幅に下回る見込みとなっております。そのため、県といたしましても、農業団体と一体となり、ひとめぼれにつきましては、これまでに築いてきた名声を保つため、全量種子更新と登録農家制度を貫く方針で、作付面積の増加を一定量見込みながら、不足する種子の全量を一般準種子と転用種子で対応することとし、ササニシキとひとめぼれ以外の品種につきましては、作柄のよい水田からの自家採種を呼びかけると同時に、転用種子や県外産種子を含めて、確保に万全を期しているところでございます。 また、被災農家の種子購入費が大幅に増加し、主食用から転用する種子の確保に要する経費もかなりの額になることが見込まれますので、これらのかかり増し経費等についても需要調査の結果を踏まえ、十二月議会になりますか、今後の議会ということになりますか、助成措置を講じてまいりたいと思っております。 次に、減反緩和についてでございますが、平成四年、五年度の復田は目標を達成していない状況にございます。この要因としては、収益性の高い転作がかなり定着していることと、中山間地帯の保全管理面は、担い手等の問題を抱えていることなどのほか、農家への配分方式等にも起因していたんじゃないかと思われます。このため、県といたしましては、平成六年度の推進に向け、地域の戦略と農家の意向を十分反映した積み上げ方式を目指すこととして、宮城県水田営農活性化対策総点検運動を九月から実施し、国の意向調査に先立ち、市町村ヒヤリングを実施いたしたところでございます。 その結果は、現時点での平成六年度の復田は平地市町村を中心に、千数百ヘクタールが下からの積み上げ方式で見込まれてございます。ただし、平成五年度の減反緩和の積み残しもかなりございますので、国の減反緩和規模が大きくなりますと、更にまた県内の減反の復田の上積みが必要となるというところから、現在各市町村に再度農家意向の把握をお願いしておるところでございます。 この結果を踏まえまして、国に対し適切な配分を要請するとともに、配分に当たりましては、上からの押しつけということじゃなくて、農家の意向を十分尊重していきたいというように考えてございます。 来年度の減反緩和の決定時期でございますが、従来水稲作柄と米の持ち越し在庫数量の関係から、十一月中旬から十二月上旬の間に行われておりましたが、例年よりことしは早めに提示されるというように伺ってございます。 次に、米の適正在庫についての御意見でございますが、国が策定いたします需給に関する基本計画によりますと、ここ数年、持ち越し在庫量は減少傾向にあります。こうしたことから、国におきましては、水田営農活性化対策等により適正在庫を確保するために、生産集荷対策を強化しているところでございますが、これら対策の効果があらわれる間もなく、未曾有の災害をこうむったわけでございます。全国有数の生産県であります本県といたしましては、国に対し、今回の経験を契機として、国民にいささかの不安を与えることのないよう、適正在庫水準や備蓄体制のあり方等、総合的な食糧政策の見直しについて、強く要請してまいる所存でございます。 次に、試験研究体制の充実強化についてでございますが、冷害対策として技術開発が極めて重要でありますことから、今後とも試験研究技術の研鑽に努めますとともに、施設整備の充実にも努めてまいる所存でございます。また、いもち病耐病性を持つ同質遺伝子系統ササニシキ東北IL系統につきましては、平成五年三月に種苗法による品種登録申請を行ったところであり、国による審査を経て、新品種として誕生する見込みでございます。なお、ひとめぼれのIL系統につきましても、現在もう既に研究に取り組んでおります。 更に、六十三年の冷害の教訓をもとにいたしまして、更にひとめぼれよりも耐冷性の強い品種の開発に努力しておりまして、現在水温十八・五度に耐え得る品種の研究開発を行い、一応三系統につきまして既に選抜に成功してございますけれども、ことしは試験的にあれしましたところ、不稔率一〇%という数値が出ております。ただし、食味の点がひとめぼれとかササニシキよりも落ちるというところから、食味の点についての開発研究を現在進めておりますので、実用化されるまでにはあと四、五年ぐらいかかるのかなというようなことでございます。 次に、専業農家や生産集団に対し、きめ細かい手厚い援助を講じるべきとの御提言でございますけれども、お話のとおり、今回の冷害により最も被害をこうむる農家は、大規模稲作を中心とした専業農家及びこれら農家を構成員とする生産集団であると認識してございます。この観点に立ちまして、今回の災害に係る対策といたしまして、県独自の農業災害対策資金におきまして、専業農家を対象に貸付限度額を引き上げるとともに、償還期限につきましても、延長することといたしてございます。更に、稲作専業農家に対して、低利長期の経営安定資金の融資措置を講ずるよう、国に要望しているところでございます。 なお、専業農家や生産集団は、これからの地域農業の大宗を担う中核として、重要な役割を果たしますことから、今後の基本政策の柱として、農地利用集積の支援などの施策を総合的に実施することにより、経営基盤の強化を推進してまいりたいと考えております。 農協経営に対する冷害の影響の関係でございますが、確かに今後一段と厳しい経営が求められるものと思います。ただし、農協の問題につきましては、従来から実施してまいりました農協合併の推進とか、それから、農業経営基盤強化基金への支援、こういったものを従来から実施してまいったわけでございますが、こういった経営体質や事業機能の強化に向けた各種施策を今後とも推進してまいりたい、そのように考えておるということでございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 警察本部長増田生成君。    〔警察本部長 増田生成君登壇〕 ◎警察本部長(増田生成君) お答えをいたします。 米穀等の流通秩序の維持につきましては、事柄の性質上、第一次的に関係行政機関の適切な行政施策、措置によって維持されるべきもので、警察としては、その行政施策、措置の内容、効果等をよく見きわめた上で対応しなければならないと考えております。 既に本県におきましては、冷害等異常気象災害対策本部が設置され、米穀流通安定を目的として、農政部及び各農林事務所に不正規流通一一〇番を設置するなどの対策を講じると伺っております。こうした情勢から、従来にも増して関係行政機関との連携を緊密にして、検問を行う際の便宜供与や米穀の盗難予防の指導等を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(斎藤栄夫君) 二十七番餅道夫君。    〔二十七番 餅道夫君登壇〕 ◆二十七番(餅道夫君) 質問に先立ちまして、戦後最悪と言われる大冷害に苦しむ農家の皆様、そして複合不況と冷害のダブルパンチに先行きの見えない不安を抱く県民の皆様に心よりお見舞い申し上げます。 このようなさなか、今度は本間知事の逮捕という衝撃的な事件が発生し、知事を信頼し、推薦してきた立場として県民の皆様に申しわけなさでいっぱいでございます。 私は、四点に分けた質問のうち、まず初めに、県民の皆様に怒りと不信感を募らせた知事逮捕を期に、根底からの県政浄化を目指し、お伺いいたします。まだ捜査の段階で、推移を見なければ事実関係はわかりませんので、基本的な問題だけに絞らせていただきます。 我が党も、知事の四年間の業績と県民の声に耳を傾け、積極的に取り組む姿勢を評価し、二期目は推薦したのでありますが、全く裏切られた思いで残念でなりません。これを期に県民の前に透明度の高い見える県政、クリーンな県政を目指し、一層の努力をしてまいる所存でございます。その上に立って、一つは、県民に対して、その不信を払うための知事職務代理者としての姿勢、そして決意をお伺いしたいものであります。 二つ目は、一昨日の逮捕、昨日からの家宅捜索と、動揺するなと言っても隠せない動揺と不安の極に達している職員の皆様を最大限に激励し、目の前の緊急課題である冷害や不況対策など遅滞のない県政推進にどう対処されていくかお聞かせ願います。 三つ目は、トップのこの癒着体質を他山の石とせず、公共工事の談合疑惑を初めとする県民不信の問題を根本的に改革し、二度とこのような不祥事の起こらない綱紀粛正の姿勢を明確にしていただきたいのであります。 その一つに、公共工事の入札制度があります。県として、現在までどのような検討がなされ、いつから実施されるのか。また、大小の業者がともに公平にするために何が必要なのか。県民の疑惑の残らない入札制度にされることを期待し、答弁を求めるものであります。 次に、冷害と不況対策についてお伺いいたします。 百年に一度とも、天保、天明の飢饉に匹敵するとも言われる大凶作に見舞われたことしの大冷害は、八月十五日の作況指数で九〇の著しい不良、けさの新聞では、全国で八〇、昭和二十六年以下という報道がなされております。正確には明日の新聞に載ると思いますが、最終的には戦後最低だった六十三年の七五を大きく下回るのではないかと懸念されておるのであります。 公明党といたしましては、八月六日、千葉国男衆議院議員の角田の現地調査を初め、八月二十五日、県本部に冷害対策本部を設置し、前後五回にわたり各地の調査を行い、九月二十四日畑農林水産大臣に対策を強く要望したところであります。西部丘陵地帯や北部高冷地帯では、八月末になってもいまだ出穂していない田んぼ、いもちも発生しない低温での障害不稔、反当ゼロではないかと顔を曇らせる農民の方々に何と慰めていいのか言葉に詰まる思いでありました。また、県南部では、一枚の田んぼが全面にいもちにかかり、その持ち主が早々とあきらめ、防除もしないため、隣接の田んぼに次々と蔓延し、あきらめ顔の方々にも会い、事態の深刻さを痛感しております。県といたしましても、八木副知事を本部長とする農作物冷害対策本部を一歩前進させ、九月二十四日に、知事を本部長とする冷害等異常気象災害対策本部を設置、二十一日の政府への陳情を初め、九月補正予算にも四億三千万円の災害対策関係予算を計上するなど、積極的な姿勢に敬意を表するものであります。 そこで質問でありますが、第一は、冷害に対する農業災害の県の対応策であります。ただいまの千葉議員の質問に全部含まれていると思いますが、角度の違うところもございますので、そのまま質問をさせていただきます。 最初の農業災害対策資金利子補給についてでございますが、県の補助率一・三%に対し、仙台市は一・六%となっているのであります。仙台市の隣接市町村では、道路一本隔てて仙台はいいなと思うでありましょう。補助率がアップにならないか、お伺いいたします。 また、このような資金は、限度額とか資格基準がきつく、利用できない人が多く、用意した資金が余ることも過去にもございました。資格基準も緩やかに、限度額も市町村長の認定額まで引き上げて、また何にでも使えるよう、幅の広いものにしてはどうかお伺いいたします。激甚災害、天災融資法指定になった場合利率は下がりますが、もう一つ公定歩合が一・七五%になり、一般金利も下がった場合、現在決めた補助率を改正するようになるのかどうかお伺いいたします。 次に、共済損害評価事務促進費については一千万円の補助を出しておりますが、農家の生活費に充てられるのは、農業共済金しかありません。飯米購入その他、平年では支出しなかったものにまで支出がかさむことを考えれば、三割足切りに対し、県として何%かでも補助をする考えはないか、お伺いいたします。 三番目は、種もみの確保についてであります。ササニシキ、サトホナミ等については、自家栽培もあわせて確保するとお考えのようでありますが、県内だけで間に合うのかどうか、お伺いいたします。 ひとめぼれについては、自家採種は禁じられておりますが、冷害に強いひとめぼれを多く作付したいとの希望する農家も多いと思います。来年の目標作付面積をふやすことと、目標に対する種もみ確保が可能かどうか、また助成についてどうお考えになっているか、お伺いいたします。 四番目には、飯米もとれない農家に対し、政府米を買えるようにしていただきたいと思うのであります。以前にもあったことでありますが、不作の年には農家の飯米をねらってやみ米が横行し、値段の面でもダブルパンチを受ける農家を何とか救済したいと思いますが、いかがでありましょうか。 五番目には、消費者に対する供給は十分行えるかということであります。新聞報道によりますと、政府による緊急輸入の発言がきょうもございましたし、農協や生協に行列して米を確保しているなど、消費者が不安になるような記事が出ております。消費者に安心を与えるためにも、現状と予想をお示しいただきたいのであります。 また、収入減になる農家としては、安い政府米より幾らかでも高いやみ米を売ろうとする人が出てくることも予想されますが、適正流通に対する対策をいかにお考えになっているのか、お伺いいたします。 次に、予約概算金については、農家にとっては貴重な生活費となっておることを考え、県としても、返済期限の延長や分割払い、金利の免除等について政府への要望がぜひ実現するよう強力に働きかけていただきたいのであります。 次に、減反緩和につきましては、国の場当たり的な猫の目農政の犠牲になっているのが農家の方々であります。我が党といたしましては、良質米で生産をふやした方がいいという方と、担い手不足で減反したい人がそれぞれ選択できる選択制にすべきであると主張してまいりました。農水省は、九月上旬減反緩和の公募制を打ち出し、選択制に一歩近づいたものと喜んでいるのであります。復田には反当十五万もかかることも踏まえ、県としても強く選択制を要望すべきと思いますが、いかがでありましょうか。 次に、被災農家救済のための救農土木事業についてでございますが、県としても積極的に取り組みの姿勢を示しておられますが、例えばかなり前に土地改良をした地域において、用排水路が土水路のため年々狭くなり、道路の下を狭い樋管で通している水田などでは、ちょっとした雨でも冠水する地域がかなりあります。このような機会に用排水路や樋管の拡幅工事を行ってはどうか御提案を申し上げます。 最後に、農協経営の問題であります。報道によれば、例年であれば、県内農協の米販売代金が全県で約一千五百億になるとのことでありますが、ことしはどれぐらいにおさまるのか。更に共済掛金すら払えない農家がふえ、貯金が集まらない上、金融の自由化による信用事業の運用益の低下、不況による店舗事業の低下など、農協経営の悪化が心配されております。これに対し、どのような対策を考えておられるか、御所見をお伺いいたします。 第二に、不況対策についてお伺いいたします。 バブルの崩壊、円高不況、設備投資、個人消費の低下、複合不況に大凶作という歴史的な平成不況に見舞われ、衣料品、夏物、家電等、地域経済に及ぼす多大な影響が心配されるところであります。県内の米の粗生産額は一千五百億円に上り、五割減では七百五十億にもなるのであります。予定した家屋の建てかえや新車を購入するにも先送り、観光旅行も差し控えなど、あらゆる産業に多大な影響を及ぼすのであります。不況の影響により大企業は雇用を控え、NTT、東北アルプスなどでは、希望退職を募り、労働省の調査では、有効求人倍率〇・七二%、完全失業率二・五%と発表し、県内求人も昨年比六三・八%と、極度に低い雇用状態になっているのであります。 そこで、お伺いいたしますが、県内における各業種の経営状態が前年対比どのようになっているか。また倒産企業の実態、雇用の実態についてどう把握されているのか、まずお伺いいたします。 県といたしましては、九月補正予算で中小企業体質強化資金貸付金一億四千八百万円を計上し、総合経済対策の公共事業等ともあわせ、景気浮揚の力を入れているところでございますが、景気浮揚の見通しと雇用拡大の方策と米の大減収による地域経済の立て直し方策について御所見をお伺いいたします。 大きな第二点といたしまして、地方主権と地方レベルでの規制緩和推進についてお伺いいたします。 三十八年にわたる自民党一党支配による国政に終止符を打ち、今政治は国民主権の時代を迎えようとしております。その間前政権が果たした業績も評価するものであります。戦後の疲弊した国土を目覚ましい経済成長で世界最高の国民総生産を誇る国にのし上げたのも事実であります。その陰に世界最優秀と言われる官僚の頭脳や機構のあったことも否めません。しかし、経済成長を図る上からとはいえ、財界、生産者を優遇する余り、政官財とも政官業とも言われる癒着体質を生み、最近のゼネコン汚職に代表される国民不在の金権体質を生んだのも事実であります。その間、中央集権による政府主導の行政は次々と新しい事業を生み、新しい規制を加え、今や政府の許認可等の規制は一万一千件に上り、行政の権力化と国民を規制ずくめで縛り上げる結果となったのであります。私は、今急がれている政治改革、景気対策とあわせ、行政改革こそ焦眉の急であると思うのであります。 規制による不合理の一部を挙げれば、保健施設と児童施設、健康増進センターを併用合築すれば建設費も経費も格安になるのに、厚生、文部、農水省の各省が互いの権限を主張して実現ができないというような縦割り行政の弊害は巷に転がっているのであります。また、図書館長になるには司書資格がなければ補助金が受けられず、都道府県、政令都市の図書館長は館長歴三年以上又は司書歴一年以上の経験が求められるのであります。共働きの増加で、ますます需要が高まる保育所では、自治体が設置する三十人以上の保育所は国の認可は必要なく、三十人未満の場合は、厚生省の認可が必要なのであります。厚生省が補助金を出すので割高になることを心配し、承認を求めるというのであります。毎年二回、政府への予算陳情で、知事初め執行部や議員が各省庁や県選出国会議員のもとに参勤交代よろしく行く旅費も、全国自治体を合計すれば数億円になると推定されます。行かなければ、行かないで、どこの県が来なかったと、予算に影響がある。こんなむだなことは、江戸時代の遺物であると思うのであります。 経済的な面から見れば、内外価格差が国民の不満や経済摩擦の原因ともなっているのでありますが、国が経済成長を図るに当たって、生産者の参入規制や価格規制をし、生産者の価格安定を擁護した結果、欧米諸国と比べて、国内価格はすべての商品について約三〇%の割高となっており、ガソリンに至っては、アメリカの約四倍にもなっているのであります。また、大手スーパーのダイエーの試算では、大型スーパーを一店新設するために対象となる法律が十九、許認可数は四十二にも上り、この許認可を全廃すれば、諸経費が年間で六十七億円節約でき、全商品を一律〇・三%値下げすることができると言っているのであります。日本総研が八月末に出したリポートでは、政府規制を欧米並みに緩和し、市場開放が進めば、約十二兆円の新規需要と百二万人の雇用を増すことができると試算しているのであります。 今国会に政府は九十四項目の規制緩和策を提案しており、新規事業の創出、事業の拡大、競争の促進、価格の弾力化、輸入の促進等、景気浮揚にも期待されるところであります。しかし、一万一千件から見れば、まだ一%にも満たない状況にあり、行政改革、地方分権、生活者優先の上からは、更なる緩和が望まれるところであります。 一方、地方自治の現状から見れば、常に言われていることは、三割自治ということであります。租税総額に占める割合、地方独自の事務、歳入合計に占める地方税の割合が三割であり、補助金や許認可に縛られる地方自治体を侮辱した言葉として使われているのであります。そのような中で、地方自治体は、国で決めた事業、補助金をどう利用するかにきゅうきゅうとし、地方独自の知恵も枠の中でしか発揮できない状況になっているのであります。 臨時行革審や地方制度調査会としても、機関委任事務の地方移譲や許認可の移譲について答申をし、財界においても、日経連や経団連も独自の規制緩和策を政府に提案し、実現を迫っているのであります。 以上は、国による地方分権、規制緩和であり、政官財のうち、政財が動き出し、官の厚い壁をどう破るかこれから問われるところであります。その上で、地方主権の主体者である地方がどう動き出すかが大きな課題であり、これからは国民生活に関する分野や国の出先機関、機関委任事務は、予算やスタッフも含めて思い切って地方に任せてもらい、地方が知恵を出し、国にどう後押しをしてもらうかという姿勢で推進すべきであると思いますが、いかがでありましょうか。 しかし、地方でこのような不祥事が起きると、地方に権限を任せてはまずいのではないかというような声も出てまいります。しかし、それは中央でも同じことで、要は行政や議員の姿勢と県民監視の強化を更に進めていくことで解決するのではないか、このように思うわけでございます。 このような観点に立って数点お伺いいたします。 第一に、さきに述べたもののほか、縦割り行政で障害になり、あるいは国と市町村の板ばさみになって困っている事業はどういうものがあるかということであります。 第二に、機関委任事務にかかわる事務量は、県全体の事務量の何%ぐらいになるか、お伺いいたします。 第三に、県の行政執行の上で、国の規制を撤廃し、移譲すべきと思われるものは何か。例えば公営住宅入居者の所得基準などは、各県における所得格差もあり、地方自治体に移譲した方がよいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。 第四に、石田総務庁長官は、景気対策や内需拡大に向け、国の規制緩和を更に進めるため、公的規制緩和推進会議など三つの機関を設置すると言っておりますが、県としても、地方の視点から見た規制緩和の検討委員会を設置してはどうか、お伺いいたします。 第五に、いつも悔しく思うのは、福祉においても、私立学校の助成においても、東京は段違いに豊かであるということであります。それは、東京に本店を持つ企業の法人事業税収入で、地方で利益を上げた分まで東京に納めるためでございます。地方財政の観点から、地方優先の税制をいかに変えたらよいか、希望で結構でございますから、御答弁を願います。 第六に、東北知事会、全国知事会のあり方についてであります。細川首相になってからかなり活発な意見が出るようになったようでございますが、今までのように国に対する陳情型の知事会から、国はこうすべきだという政策提言型に切りかえていってはどうかということでございます。 大きな四番目といたしまして、民生の安定についてお伺いいたします。 その一つは、子供たちの非行や麻薬の侵食等についてであります。 最近のニュースを見ますと、ゼネコン汚職、麻薬、いじめ、殺人、万引き、ビデオなど、次は何が出てくるのか、社会の不安を誘うニュースが多くなってきております。 平成四年度の学校基本調査によると、登校拒否は全国的にふえ、過去最高、小学校で昨年より八・四%、中学校で七・七%も増加しており、宮城県においても、小学校二百十九人、中学校で九百八十八人と、過去最高を記録し、その内容を見ても、学校嫌いがふえているのであります。学校において、いじめっ子から、金や物を持ってこいと言われたり、親の職業を侮辱されたり、さまざまですが、親にも先生にも言えず、自殺にまで追い込まれた子供や、伸びやかな成長期に学校に行けなくなった子供について、親も学校も悩んではいても、適切な方法が見当たらない現状であります。万引きにしても、あるレコード店で、月二、三人の万引き少年を捕まえても、棚卸しで見ると、月三百枚もなくなっている。ということは、捕まらない万引きがその十倍もいるということであります。いじめっ子から万引きを強要されて、いじめられっ子がとってきたり、あるいはあそこはやりやすいから行ってみろというようなことで、生徒同士でファッション感覚で罪の意識もなくやっている子供たちなど、手をつけられない状態だというのであります。麻薬については、角川春樹や勝新太郎等の芸能界関係者が新聞をにぎわしておりますが、宮城県においても、見えないところで未成年の女子五名を含む社会人まで摘発されているのであります。これらは大きな社会問題であり、社会全体としても、また家庭でも学校でも協力して対処していかなくてはならない問題であります。 この解決策で大事なことは、いじめっ子にしてもいじめられっ子にしても、万引き少年にしても、親や教師の勇気あるかかわりで、温かい血の通った接触をしていくことが大事なのであります。先生方のいろいろな体験をお聞きしても、困ったものだと避けている間は解決しなかった。親や教師は、子供たちのためにあるんだと使命感に立ったときに、子供も心を開いてくれる。半年から二年もかかったが、子供が立ち上がったときの喜びは、心からの満足感が込み上げてくると言っております。虎穴に入らずんば虎児を得ずというたとえのとおりであります。また、相手の身になって悩んであげる共感が子供を立ち直らせるのではないかと思うのであります。 私が数年前に、五日に一度、寝たきりの母親を看病したことがあります。食事や洗濯や髪を洗ってやったり、寝返りを打たせたり、あとはすることがないので雑誌を読むだけで、あるとき、「ばあちゃん、ただいても疲れるな。」と言ったら、ばあちゃんが、「寝てても疲れる。」と、こういうふうに言っていました。疲れている自分のことしか考えず、二年も同じ姿勢で寝ている相手のことを考えなかったことを反省したことがあります。 子供がいじめられているとき、見て見ぬふりをして通り過ぎる先生、割って入ってとめてくれる先生、傍観している先生を子供の方で評価していると聞いたことがあります。ある校長先生は、国立大から優秀な成績で採用された先生は常識の面で欠ける人があると言うのであります。また、学卒後数年間会社で仕事をしてきた先生は人間関係が非常によいと言うのであります。 そこで、提案でありますが、一つは、教員の採用試験であります。競争試験での点数に幅を持たせ、面接を重視した人間性豊かな人を採用したらどうかということであります。また、中途採用的な社会的経験も考慮に入れたらどうか、お伺いいたします。 もう一つは、一年に一回ぐらい、全教師による仮称、人間教育体験談大会のようなものを開いてはどうかということであります。生徒指導担当の先生方はよく研究されていると伺いますが、非行を立ち上がらせた体験等を全員で語り合い、勉強し合い、参考にするなど、ブロック別にでも行ってはいかがでしょうか。 また、麻薬の蔓延については、未成年や女性にまで広がり、摘発されたのは一部であると思います。その何倍かの常習者がいるのではないかと思いますが、生命がむしばまれ、将来が心配されます。仙台空港や仙台港も国際化が進むにつれ、ますます増加が心配されるのであります。その現状と今後の対策について警察本部長の御所見をお伺いいたします。 次に、業者テストの会場テストについてでございます。 東京、大阪等でも、学校を使わず、別会場で希望者によるテストを行っており、先日岩沼でも親の主催で行ったのでありますが、これは、競争試験の弊害とも言われているのであります。このことについて、学力偏重をどう是正し、特定科目能力者についても評価できる入試方法についてどう考えておられるかお伺いいたします。 次に、県立図書館についてお伺いいたします。 泉区に環境を重視した図書館の設置について進められておりますが、県が決定してからも、さまざまな方々から、都心から離れていることについての不満の声が寄せられております。 全国の都道府県の設置状況を見ますと、埼玉など十三の都府県が複数の図書館を持っております。また、蔵書数においても、宮城県図書館は全国の平均蔵書数よりかなり下回っております。学都仙台を実のあるものにしていく上からも、もっと充実させ、現在の図書館はそのままにした上で、泉には新たに設置し、県立図書館を二カ所にしたらどうか、それぞれ内容を特色あるものにしてはどうか御所見をお伺いいたします。 最後に、MRSAの院内感染予防については、二月議会で取り上げましたが、予防の消毒薬等については費用がかかります。しかし、このたび、東北大学歯学部の奥田礼一教授、清水義信教授によって、水道水を電気分解し、強酸性水をつくり、エイズウイルスやヘルペス、メチシリン黄色ブドウ球菌とナットウ菌を除くほとんどのウイルスに対し殺菌能力があることが証明されました。既に、新潟大学や奈良県立医科大学病院では行われておりますが、宮城県においても採用されるよう提案するものであります。 以上、大綱四点、前向きの御答弁を期待し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(斎藤栄夫君) 知事職務代理者知事蒲谷亮一君。    〔知事職務代理者副知事 蒲谷亮一君登壇〕 ◎知事職務代理者副知事(蒲谷亮一君) まず初めに、本間知事の逮捕につきましては、大変驚き、かつ残念に思っているところであります。今後司直によって調べが進むことと思いますが、今回の事態に至った問題点を把握をいたし、再びこのような事態が生ずることのないよう対応策を講じ、県民の皆様の信頼を回復できるよう、職員一丸となって懸命に努力をしてまいりたい、このように存じます。 また、遅滞のない県政推進につきましては、先ほど千葉議員にお答えをいたしましたとおり、当面する緊急の課題であります冷害対策や景気対策など、県政運営に万全を期してまいりたい、このように思います。 次に、公共工事における談合疑惑の問題につきましては、現在入札制度がいろいろな面で談合が発生しやすいとの指摘がなされておりますことから、建設省や地方公共団体などで指名競争入札制度に対する改善を取り入れようと試みられております。県といたしましても、入札制度の改善を現在検討をしているところでありますが、今回のような不祥事の解消を図りますためには、県のトップを初めとした職員全体はもちろんのこと、建設業界も含めたモラルの向上が肝要であると思いますので、今後の県政執行の上で常時心がけてまいりたいと思います。 特に、入札制度の改善についてお尋ねがございましたが、指名競争入札制度の競争性、透明性、対等性を確保するために、建設省では新たな入札制度として、今年四月から種々の新しい入札制度を本格的に導入をし、七月からは意向確認型指名競争入札を試行開始をしたところでございまして、最近の公共事業をめぐる贈収賄事件を契機といたしまして、九月六日に条件つき一般競争入札の導入のための試行の実施を発表したところであります。 本県におきましても、このような状況を踏まえまして、平成五年七月、土木部入札・契約制度等検討委員会を設置をし、更に九月十三日には宮城県入札制度検討委員会を設置をして、既に建設省が導入した方式のほかに、九月に発表した条件つき一般競争入札方式についても検討を重ねております。この方式は、検討すべき種々の課題がございまして、直ちに導入するというのは困難でございますが、年度内に一部事業につきまして試行を実施をいたしまして、本格導入に向けて検討を重ねてまいりたい、このように考えます。 なお、お尋ねの大小の業者をともに公平にするために何が必要であるかということでございますが、一般競争入札にいたしますと、大手業者に仕事が集中する懸念がございまして、県といたしましても、地元企業振興という観点からやや問題があると思料されますので、県工事入札参加資格の格づけと発注標準の合理的な組み合わせ等について十分検討していかなければならない、このように考えます。 次に、今回の冷害に関連をいたしまして、消費者に対する米の供給について十分に行えるかという御質問がございましたが、現在のところ国においては、当面の需給に支障はないとしております。しかしながら、最終的に凶作が予想されておりまして、今後の需給操作がかなり厳しくなるというふうに思われますので、国に対し円滑な供給がなされるよう要請してまいりたいと存じます。 また、適正流通対策についてでございますが、先ほど千葉議員にお答えをいたしましたとおりでございますが、関係機関、団体が一体となりまして、全量集荷、不正規流通の防止に努力してまいりたい、このように思います。 次に、減反緩和の選択制についてでございますが、国は、転作等目標面積の配分に農業者の意向をより一層反映をさせ、復田を推進していくという観点から、現在水稲作付意向調査を実施をしているところでございます。これは米の需給調整上必要な転作規模との整合性がとれるかなどの問題もございまして、直ちに公募制あるいは選択制を考えているものではないようでございますが、農家意向把握に踏み出したという点を評価すべきだと存じます。 本県におきましても、今後地域農業戦略と農業者の希望を最大限尊重する積み上げ方式の水田営農活性化対策の推進を目指しまして、市町村のヒアリングを行っているところでございまして、国に対しまして農家意向を十分に反映した方向をより強めるよう要請してまいりたい、このように存じます。 次に、不況対策についてでございますが、まず本県経済の実態を申し上げますと、長引く景気の低迷に加えまして、急激な円高の進展と更に異常気象ということで、大変厳しい状況に置かれております。業種別に本年四月から六月までの対前年比の伸びを見ますと、住宅建設と公共投資は、おのおの三・一%、三二・一%の増加というふうに堅調に推移をしておりますが、民間設備投資の低迷等もございまして、官公需関係以外は厳しい環境にございます。 自動車関連産業につきましては、乗用車の新車登録台数が六・六%の減少と、販売不振が続いておりまして、小売業につきましても、仙台市内の百貨店の売上高が〇・二%減少と、一部のディスカウントショップを除きまして、低調な個人消費を背景に売り上げの減少が続いております。 また、鉱工業につきましても、生産指数は五・〇%の減少で、昨年度の製造品出荷額等が昭和三十四年以来初めて減少に転じたということもありまして、半導体関連などを除きまして、厳しいというのが実情でございます。 次に、企業倒産状況を見ますと、本年は、件数、負債金額ともに前年に比べ減少しているわけでありますが、依然として高水準であります。また、不況型倒産が増加しつつあるわけでございます。 雇用情勢につきましては、有効求人倍率がこの三月に初めて一を割って以来低下を続けておりまして、この七月には〇・八五に達しますとともに、雇用保険受給者も急増をするなど、悪化傾向であります。 このように、本県経済の現状は大変厳しいものがございますが、今回の景気低迷は各種の要因が複合化をしておりまして、その先行きは予断を許さないというふうにとらえております。 御案内のとおり、国におきましては、この十六日に緊急経済対策を取りまとめ、経済活性化に効果のある規制緩和や円高差益の還元などの措置を講ずることといたしましたほか、公共事業の拡大や中小企業対策、雇用対策の充実を図ることとしたところでございます。県といたしましては、これまで本県の経済動向に対応した総合的な景気対策を講じてきたところではございますが、今回の国の対策等を踏まえまして、引き続き公共事業の拡大と前倒しによる早期発注に取り組みますとともに、中小企業金融対策や雇用対策の充実等に一層努めてまいりたい、このように思います。 次に、地方分権と規制緩和に関する幾つかお尋ねがございましたが、まず、地方分権につきまして、最近の状況は、衆参両院で地方分権に関する決議が議決をされ、また、当県議会においても意見書を提出するなど、各界各層でその機運が一段と盛り上がっている状況にあると存じます。地方分権の実現を確実なものとしてまいりますためには、御指摘のとおり、地方が主体性を持って地方分権のあり方について議論を行っていく必要がございます。このため、現在全国知事会の府県政懇談会において議論がなされておりますし、また、秋の第三次行革審の最終答申において、地方分権の推進について提言がされる見込みであるということでございます。今後、これらの動きを踏まえまして、県といたしましても、全国知事会を通して国に対し地方分権の推進について強く働きかけてまいりたいと存じます。 次に、規制緩和についてでございますが、先ごろ国会において九十四項目について発表したところでございまして、また今後の積極的な推進を図るため、規制緩和に関する推進会議を設置をする意向が明らかにされたところでございます。したがいまして、その推移を見守りますとともに、必要な場合には、公的規制の緩和というのは全国的問題でもありますので、全国知事会として検討がなされるように働きかけを行ってまいりたいと存じます。 次に、北海道東北地方知事会それから全国知事会のあり方について御指摘がございました。御指摘のとおり、陳情、要望のみでなく、政策提言を行うべきものと私どもも考えます。その一例でございますが、現在北海道東北地方知事会におきまして策定中の北海道東北二十一世紀構想につきまして、今後国で予定をされております全国総合開発計画に反映をされるように提言をしてまいることにしております。また、全国知事会におきましては、内部の政策検討機関といたしまして、地方制度調査委員会などを設けて、各種の政策提言等を行っておるというふうに理解をしております。 私からは以上であります。 ○議長(斎藤栄夫君) 総務部長山川敏彦君。    〔総務部長 山川敏彦君登壇〕 ◎総務部長(山川敏彦君) お答えいたします。 縦割り行政の弊害についてでありますが、現在行革審において、この縦割り行政の弊害を打破し、国民の立場に立った総合的な施策を確保するための審議が続けられておりまして、この推移を見守ってまいりたいと思いますので、御理解を願いたいと思います。 次に、機関委任事務に係る職員の事務量についてでありますが、機関委任事務の件数につきましては八百二十二件でありますが、事務量につきましては、その詳細について把握しておりませんが、県全体の事務量に占める割合は相当高いものと考えております。機関委任事務につきましては、全国知事会において、原則として廃止し、地方の事務として所要の財源措置を要望しているところであります。 次に、移譲してもらいたい権限についてでありますが、住民生活に密接に関連するものについては、地方へ権限を移譲すべきであると考えております。当面は、第二十一次地方制度調査会が提言した保安林の指定・解除に関する事務、都市計画決定の認可に関する事務など十六項目について国に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。 御提言にありました公営住宅入居者の収入基準につきましては、法律で定められておるところでありますが、御指摘のとおり、地域によっては所得格差がある実情にかんがみまして、全国公営住宅等促進協議会、宮城県住宅建設促進協議会などを通じまして、国に対し、地域の実情に応じた収入基準の設定を要望しているところでございます。 それから次に、東京とかあるいは地方における企業の法人事業税についてでございますが、御承知のとおり法人事業税収入が東京都などに集中していることは事実であります。これは経済の国際化とか情報化、効率化などの事業活動の利便性によりまして企業が集中しているためと考えられます。このため、複数の県に事務所を有する法人の納税額を分ける、いわゆる分割基準の見直しについては従前から取り上げられておりまして、社会情勢に対応した改正がなされてきているところであります。こうした中で、更に自治省内におきまして、この事業税における分割基準のあり方などに関する研究会を設置しておりまして、積極的に検討しているところでありまして、その動向を見守ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 保健福祉部長椎名正樹君。    〔保健福祉部長 椎名正樹君登壇〕 ◎保健福祉部長(椎名正樹君) 餅議員にお答えいたします。 エイズウイルスやMRSAの院内感染予防につきましては、国が定めたHIV医療機関内感染予防対策指針等により指導の徹底を図っているところでありますが、御提案いただきました強酸性水の使用等につきましては、現行の方法との比較検討も含め今後勉強してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 農政部長西城光政君。    〔農政部長 西城光政君登壇〕 ◎農政部長(西城光政君) 餅議員にお答えいたしたいと思います。 県単独の農業災害対策資金についてでございますが、お話にありましたとおり、利子補給率は県の一・三%に対し、仙台市は一・六%ということになっておりますけれども、仙台市が今回出しました農業振興基金は、農協の貸し出し基準金利六・八%に対しまして、市が一・六%、それから農協が一%の利子補給を行うことによりまして、末端金利四・二%で融資しようということでございます。 県の農業災害対策資金は、系統の基準金利六・六%に対しまして、県が一・三%、それから市町村が〇・六五%、農業団体が〇・六五%で、末端金利四%で融資していこうという制度でございまして、市の農業災害資金につきましては、県の農業災害対策資金の基準に合致しない農家を対象にして貸し出していこうということでございます。県の農業災害対策資金は、平年の収穫量の二割以上の減収が見込まれる農家を対象にしておりますので、市の方は二割以下でも末端金利四・二%で対応していきたい、そういう内容になってございます。県の方で末端金利は四%で抑えました理由といたしましては、国の自作農維持資金、これが四%ということになっておりまして、あくまでも県で考えております農業災害対策資金は、国の自作農維持資金を補完する資金として位置づけておるというところから、自作農資金と同じ四%でセットしたということでございます。 先生の方から、公定歩合の引き下げによって貸し出し金利が下がるような場合に改正する考えがあるのかという御質問いただきましたが、我々といたしましても、国に対して自作農維持資金の四%の引き下げ方を要求してございます。したがいまして、国の方で自作農維持資金の四%の金利をもっと下げるというような方針を打ち出していただければ、当然それに連動した形で県単の農業災害対策資金に対しましても、それで対応してまいりたいというように考えておるところでございます。 それから、緩やかにして幅の広いものにして借りやすいようにしたらいいんじゃないかという御質問でございますけれども、これは専業農家等については限度額百五十万に対して三百五十万まで引き上げておりますし、それから償還期間五年に対しまして一応七年までの幅ということで、かなり緩やかな貸し出し条件をセットしてございます。 次に、共済金の三割足切りということでございますけれども、農業災害補償制度につきましては、七割、八割及び九割の補償方式がございます。本県の農業共済組合等では、組合員の選択により、全組合員でございますが、宮城県の場合は七割補償の一筆方式に加入しておるという現状でございます。したがいまして、農家が選択して七割方式に加入しておるわけでございますので、足切り分への補償を県が行うということについては難しいだろうというように考えておるということでございます。ただ、間接的に農家負担の軽減を図るというところから、損害評価に係る経費の増加分に対する補助につきましては、本議会へ提案しておるところでございます。 それから、種もみの確保についてでございますけれども、先ほど千葉議員にお答えしたとおりでございます。ただ、今非常にことしの冷害を契機にいたしまして、ひとめぼれの作付希望が増加してございます。県といたしましては、来年の作付面積三万ヘクタールという計画を立てておりまして、平成七年度では更に五千増加いたしまして、三万五千ヘクタールの作付を行うということにしてございます。希望がかなり出てこようかと思いますけれども、全量種子更新という原則を貫くということからすれば、いい種でもってひとめぼれを作付していただかなくちゃならないということもございますので、せいぜい平成七年度の五千ヘクタールを前倒しした三万五千ヘクタールについてひとめぼれは対応していかなくちゃいけないのじゃないか。三万五千ヘクタールの種もみの確保につきましては、転用種子等も含めましてとにかく全量確保体制を図ってまいりたいという考えでございます。 それから、飯米もとれない被災農家に対して政府米を払い下げてはどうかという御提案でございますけれども、確かに知事が国から直接政府米を買い受け、市町村長を通じて政府売り渡し価格に準じて被災農家に売却する措置が昭和五十五年の災害時にとられた経緯がございます。しかし、現在政府米の在庫状況及び本年産米の政府米の集荷見込みなどを勘案した場合、大変難しい問題じゃないかと思っております。したがいまして、県といたしましては、千葉議員にお答えいたしましたとおり、飯米購入資金の利子補給について検討してまいりたいということでございます。 予約概算金の関係につきましては、千葉議員にお答えしたとおりでございます。 次に、被災農家救済のための農業土木事業についてでありますが、経済的に逼迫している被災農家の就労機会の拡大を図るため、農家就労土地改良事業等の県単事業を創設することとして、現在具体的な検討を進めているところでございます。 御提案のありました用排水路や樋管の拡幅工事につきましては、過去に実施されたいわゆる救農土木事業におきましても事業実施の対象とされているところであり、今回もこのような整備は積極的に進めてまいりたいと考えてございます。 それから、農協経営の悪化についてどう考え、どのような対策を講じるのかということでございますが、これにつきましても、先ほど千葉議員にお答えしてございますので、答弁は省略させていただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 教育長鈴鴨清美君。    〔教育長 鈴鴨清美君登壇〕 ◎教育長(鈴鴨清美君) 餅議員の民生の安定についての御質問のうち、教育問題に関する四点についてお答えいたします 教育問題の第一点についてでありますが、御指摘のとおり、児童生徒の非行や学校嫌いへの対応といたしましては、児童生徒の成長を温かく見詰め、導いていくことが従前にも増してより強く望まれるところでございます。そのために、本県の教員採用におきましては、集団討議による面接と個人面接の結果やボランティア活動の実績等をより重視いたしまして、広い視野と豊かな心を持った人材の確保を図っているところであります。また、民間企業等からの応募者につきましては、豊かな社会経験や人間性に着目しながら、より一層その採用に努めてまいりたいと思います。 次に、第二点の、仮称、人間教育体験談大会を開いてはどうかということでございますが、県教育委員会といたしましては、教師と子供が一体となった教育活動の実現を目指すために、年一回、教職経験五年及び十年を経過した全教師を対象に生徒指導に関する研修を行っており、また中・高生徒指導連絡協議会をブロック別に開催しているほか、年二回のカウンセリング技術講習会や全教師参加による地区ごとの教育研究会を開催いたしております。これらの研修会等におきましては、実践事例の発表を織り込みながら事例研究を行うなど、教員の資質向上を図っているところでございます。今後とも御指摘の趣旨を踏まえまして、教師の使命感を養うための研修の充実に努めてまいる考えでございます。 次に、今後の高校入試についての御質問でございますが、現在各中学校におきましては、三年間の積み重ねをもとにした学習活動の成果を重視いたしまして、業者テストに依存しない適正な進路指導の推進に努めているところでございます。 また、高等学校入学者選抜につきましては、多様な個性、特定の教科にすぐれる生徒を積極的に評価するために、平成六年度入学者から、次のような改善を行うこととしたところであります。一つには、調査書の改訂、二つには、普通科への推薦入学制度の導入、三つには、傾斜配点の導入などでございます。これらの改善を通しまして、生徒一人一人に対する適切な進路指導の推進と個性を尊重する入学者選抜ができるものと考えております。 最後に、新しい県立図書館についての御質問でありますが、御提案のありました県図書館の複数館の設置につきましては、福井県、和歌山県、あるいは鹿児島県などに例がございますが、これらの県には離島や遠隔地など交通アクセス上の問題により、一館だけでは対応できないなどの固有の事情がございます。新しい県図書館は、県民に開かれた利用しやすい図書館といたしまして整備するとともに、図書館の図書館として新しい時代に対応した高度な機能を持った図書館として整備したいと考えております。県図書館は、市町村図書館への支援を通しまして、県民が必要とする資料を提供することが基本的な役割でございますので、当面新しい図書館を県内の中核図書館として整備することが急務であると考えております。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 警察本部長増田生成君。    〔警察本部長 増田生成君登壇〕 ◎警察本部長(増田生成君) お答えをいたします。 我が国における麻薬等の薬物乱用は、覚せい剤事犯が主流を占めており、また、第二の覚せい剤と言われるコカインは、薬理作用が覚せい剤と似ていることから、年々増加の傾向にあり、しかも大都市だけでなく地方都市にも拡散の兆しが見受けられます。 本県における情勢につきましても、本年これまでで覚せい剤事犯の検挙人員百九人、押収量約三十四グラムと、覚せい剤を中心に、その乱用が女性及び少年にまで広がりを見せており、依然として暴力団組員が資金源獲得のため関与するなど予断を許さない状況にあります。また、コカインの密輸入事犯が東北地方では本県で初めて検挙されており、この種事犯が東北地方にも拡散していることがうかがわれます。 このような現状から、今後仙台空港などの国際化の進展に伴い、覚せい剤など薬物の密輸入事犯の増加が懸念されるところから、他府県警察との広域捜査の推進を初め、水際検挙を目的とした税関など関係機関との情報交換や連携を一層密にしながら、暴力団などの密輸、密売組織の摘発、薬物の大量押収、末端乱用者の徹底検挙を重点として事件捜査を行うとともに、薬物乱用を拒絶する社会環境づくりを目的とした広報啓発活動も推進しているところであります。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 暫時休憩いたします。    午後三時十二分 休憩   ─────────────────────────────────    午後三時四十四分 再開 ○議長(斎藤栄夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十五番佐々木ひろし君。    〔二十五番 佐々木ひろし君登壇〕 ◆二十五番(佐々木ひろし君) 御指名をいただきましたので、事前に御通告申し上げておりました農政問題二点について御質問いたしますが、今日の不況による経済の低迷、そして農作物等の未曾有の大凶作が予想されるさなかに、更に追い打ちをかけるように、一昨日来からの本間知事の、県発注工事に絡んで大成建設よりの収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことは、まことに遺憾であります。事件の真相、事実関係は今後の捜査にまつ以外ございませんが、清潔、公正な知事として信頼し、当初より県議会において本間県政を支えてきた私ども議員会といたしまして、県民の皆さんに深くおわびを申し上げる次第であります。今後は、今回の不祥事の要因をただし、中央、地方をむしばんできた構造的腐敗の根を断ち切り、県民の信頼回復に全力を挙げる所存です。そのためにも、公共工事の指名入札をやめ、一般競争入札の移行を急ぎ、県民の行政監視システムの創設などの実現に一層の努力を図り、異常気象災害及び景気回復対策を初め県政に停滞を来さぬよう努力いたしたいと思います。詳しくは、後日、曽根議員会長が代表質問でお尋ねするところとなっておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 さて、本論に入らせていただきます。 東北農政局は、八月二十七日に、八月十五日現在の水稲作柄状況を発表いたしました。それによりますと、今期の異常低温、日照不足が影響し、県全体の作況指数は九〇、著しい不良であります。この時期としては、昭和二十八年の調査開始以来、史上最低となりました。今後も穂いもちの発生、不稔障害も広がることも予想されることから、これよりよくなることはないとしており、最終的な作況指数も七五という史上最悪だった昭和六十三年を大幅に下回ることが決定的となっています。特に、水稲については、減数分裂期の低温による障害不稔、出穂遅延、登熟不良等の混合型冷害の危険性が高まっております。また、七月下旬から急激に増加している葉いもち病は県下全域に及んでおり、穂いもち病への移行など、大凶作が心配され、農業者は苦悩の色を深めております。更に、長期にわたる減反政策と米市場開放圧力のもとで、農家の生産意欲が減退し、担い手不足が深刻な状況の中で、今回の異常気象災害は、農家にはかり知れない大打撃を与えております。 本年の稲作の生育状況を振り返ってみますと、田植え期は、四月下旬後半から五月上旬にかけて低温と強風が続いたことから、田植え作業がおくれ、最盛期が平年に比べ一日遅い五月八日になりました。 活着は、田植え期の天候が一時、低温寡照で推移したため、ややおくれぎみでありましたが、その後はおおむね高温多照で推移したことから、ほぼ平年並みとなりました。 穂数は、六月中旬から下旬にかけての一時期の高温多照などにより分けつが促進されたことや、必要な地力窒素の供給があって、平年を上回る茎数が確保されたことから、平年に比べても多い有効穂数が見込まれました。 七月十四日から二十五日まで、及び八月二日から十三日までは、最低気温が十七度を割り、幼穂形成期に枝梗、もみの障害を来し、減数分裂期に花粉が形成されず、不稔の大きな要因となりました。 生育の段階では、最高分けつ期は七月十日から二十日まで平年並みでしたが、圃場格差が大分ありました。幼穂形成期は七月十八日ごろで、平年より四日から五日おくれで、減数分裂最盛期は八月六日ごろで、平年よりも七日から九日おくれ、出穂期は八月二十日で、平年より十一日おくれ、出穂状況は、栄養成長期間が全般的に低温寡照であったことから、生育がおくれました。七月中旬以降も低温寡照で推移したことから、幼穂発育日数が長引き、出穂開始を八月十八日、穂ぞろい期は八月二十六日で、一部の地域で九月にずれ込みました。いもち病の発生は、七月二十一日県中南部に葉いもち注意報、八月十日県全域に穂いもち警報が出されました。 以上の経過をたどってみましても、今年の気象は今世紀最大の異常気象となり、天明、天保以来の大凶作と言っても過言ではありません。つきましては、農家の生活を守り、生産意欲を喚起するため、以下のことについて御質問を申し上げ、執行部の取り組みの積極的な姿勢と誠意ある御回答を願うものであります。 一つに、天災融資法の発動及び激甚災害の指定についてであります。 二つには、農業共済組合における適正な損害評価とあわせて共済金の早期支払いについてであります。 三つに、災害に係る制度資金の融資枠の確保、貸し付け限度額の引き上げ、利率引き下げなど条件緩和措置とともに、特別融資措置を講ずることであります。 四つといたしまして、各種制度資金の既貸付償還期限の延長、利子減免措置など条件緩和措置を講ずることであります。 五つといたしまして、農作物の種苗費並びに病害虫防除費に対する助成措置を講ずるほか、種もみの確保については万全を期すことであります。 六つに、被害農家の他用途利用米出荷には、特別な減免措置を講じ、主食用米の確保を図るとともに、規格外米の検査規格設定と政府の全量買い上げの特定措置を講ずることであります。 七つといたしまして、被害農家の負担軽減を図るため、農業所得税及び県市町村民税の減免措置とともに、農業者年金保険料の減免及び納付猶予措置を講ずることであります。 八つといたしまして、小作料及び農作業受委託における農作業料金の支払いについて、被害農家の適切な指導を講ずること。 九つ、冷害に強い営農体質への誘導のために、導入を検討すべき作目、作型の研究と、導入に対する助成措置を講ずるよう配慮していただきたいということであります。 十番目に、米需給の逼迫が予想されるため、平成六年産米の確保を図るため、復田に対する新たな助成措置を講ずること。 十一、公共土木事業の拡大と被害農家の経済的窮迫を救済するため、救農土木事業を実施すること。 十二、中山間地の救農対策として、林業振興政策の強化拡充をすること。また、平たん地の救農対策もあわせて検討のこと。 十三、米の減反政策を抜本的に改め、備蓄米の大幅拡大と回転備蓄制度の確立を図ること。 十四、食管制度を堅持し、冷害による緊急対策として米の市場開放の道を開かないこと。 十五、消費者対策として、冷害による米の不足に乗じた商社などの操作による相場の投機を監視し、混乱を防止すること。 十六、越冬粗飼料確保対策及び家畜の保留対策について、積極的な助成を講ずること。 最後になりますが、概算金返還不能農家に対する援助措置を講ずること。あわせて、大規模農家に対する特別措置を検討していただくこと。 以上、当面農家の皆さんにとっては喫緊の課題でありますので、お取り組みを急いで願うものであります。 次に、中長期的本県農政のビジョンについてお尋ねをいたします。 昨年六月に出されました新しい食料・農業・農村政策の方向についてでありますが、今農林水産省は、本年を新政策元年と位置づけをしまして、さまざまな部会を設置をしながら、その推進に全力を挙げ、取り組まれていると聞いておるわけでありますが、こうした取り組みの中で、新政策関連法案がさきの国会で成立したわけでありますが、中でも今年六月に公布され、八月に施行されました農業経営基盤強化促進法と、九月に施行されました特定農山村法に関連した今後の本県における具体的推進について、若干の考え方を述べながら、執行部の御所見をお伺いしたいのであります。 まず、農業経営基盤強化促進法に基づきまして、農林水産省の指示により策定しなければならない農業経営基盤の強化促進に関する基本方針について、本県においてどのような基本方針を策定されようとしているのかについてであります。 私は、この基本方針を策定するに当たって、前もって十分検討しなければならない課題というものは、新政策を受けて、各県段階で策定する基本方針というのは、どのような性格のもとに、どのような側面を兼ね備えるべきかということであります。つまり、全国版の新政策というのは、昨年の九月議会でも多くを申し上げさせていただきましたので、繰り返し申し上げませんが、その性格上からして、画一的で、平均的なものであり、加えて個々に設定されております。例えば、担い手問題をどうするかに至っては、十ないし二十ヘクタールの個別経営体を三十五ないし四十万戸をつくるというように極めて観念的であり、到底現実的指標とは言いがたく、そうした面を数多く持っていると言わざるを得ないのであります。 しかし、現実的に求められている基本方針というのは、新政策の方向に沿って農業生産の相当部分を担うような農業構造の確立のため、育成すべき効率的かつ安定的な農業経営の目標を定め、その目標に向けて農業経営の改善を計画的に推し進めようとする農業者に対して、どのような手だて、方法をもって農用地既利用集積を図るかなどについての基本的方針を定めることになっているわけであります。 もっと具体的に申し上げれば、職業として魅力ある農業を確立するため、他産業労働者と遜色のない労働時間で、しかも同程度の生涯所得を得、そのため土地利用型農業、とりわけ稲作に関していえば、大規模な個別経営体をどの程度本県でつくっていくのか、そのごく限られた認定農家にどのような手だて、方法をもって農地の集積を図っていくのかなどについての基本方針を策定することになるわけでありますが、こうした政策体系の整合性について、しっかりとれるのかどうかということを見ましたときに、私は非常に困難だと思うのであります。それは新政策そのものが政策体系としての整合性がとられていないからだと言わざるを得ないのであります。つまり、農業の持つ非経済的効果を更に高めながら、環境保全型農業を推進していくとしながらも、具体的政策展開となると、農業基本法路線の踏襲で一層の効率化、近代化路線を推し進めて、もって農産物の内外価格差の縮小を図るとしながらも、しからば十年後の価格体系をどのように展望しているのかとなれば、なお一層あいまいであり、相当努力して規模拡大して、一定の効率化をしたとしても、結局は価格の引き下げによって努力の汗が水泡と化してしまうような状況、更には環境保全型農業の推進を強調しながらも、具体的政策展開となると、一層の効率化を求めていることなど、多くの問題を内在しております。矛盾に満ちたものと言わざるを得ないのであります。 こうした国の新政策を受けて、いわば法の定めによって、やむなく新政策の縮図としての県の基本方針という図式が、いわゆる上からの農政のみでは、到底県民の理解は得られないと思うのであります。私は、本県が作成しようとしている基本方針というのは、こうした付き合い上のものであってはならないと思います。昨年の九月議会における知事の御所見、つまり新政策は国の農業政策であって、国の政策がこうだから県の農業政策もそれに一〇〇%右ならいしなければということではなく、本県においては、宮城の地域性を十分加味した諸施策を講じており、今後この国の新政策の進展状況を十分見きわめながら推進していくと述べておられましたことからしましても、本年十一月末ころをめどに策定される基本方針は、国の新政策のミニ版ではなく、地域に根差した、いわば下からの農政推進という観点で作成されると思いますし、そうなることを強く要望したいのであります。既に米どころ古川市においては、約五千戸の農家を対象にした農業経営、農地利用に関する意向調査を実施していると聞いておるところでありますが、こうした地域住民の意向を十分踏まえて、上からの農政に対して、本県のさまざまな地域事情を考慮いたしまして、国の新政策をいかに実態に合うよう修正していくかでありますし、こうした側面を兼ね備えるべきだと思うのであります。言いかえますならば、国の新政策という上からの農政に対して、地域の実情に合わせた下からの農政展開という図式の中で、上からの農政に対して、思い切った修正を実施してこそ真に現実味のある基本方針となると思うのであります。執行部の御所見をお伺いしたいのであります。 あわせて、本県の基本方針は、県一本でつくられるのか、あるいは幾つかの地域に分割してつくられるのか。更にまた基本方針を受けて、市町村段階で本年度末までに作成しなければならない基本構想においても、単なる作文に終わらせないためにも十分な指導対応が不可欠と思うものでありますが、具体的指導対応をどのようにされるのか、考え方をお聞かせいただきたいのであります。 さて、第二点目でありますが、本県の特殊性を十分踏まえて独自の構造政策や中山間地振興政策などをどのように展開されようとしているのか。とりわけ本県の約半分近い三十三の市町村が該当します、いわゆる中山間地域の振興事業についてであります。既に本県におきまして、県営の中山間地農村活性化総合事業として、東和町米川地区、小野田町鹿原地区、更には山村振興農村漁業対策事業として宮崎町での交流センターの建設、小野田町では、多目的研修施設の建設など着手されているところでありますが、今後の整備計画と、その取り組みの基本的考え方について意見を申し上げ、執行部の御所見をお伺いしたいのであります。 この事業の採択基準を見ますと、林野率五〇%以上であること、更に傾斜が百分の一以上の水田の占める割合が半分以上を占め、全体の受益面積が六十ヘクタール以上であることとされており、こうした基準にかかわる市町村が全市町村の四六%に及んでいるわけであります。こうした市町村の実態を見ますと、新政策で言う一層の効率的かつ近代的な農業生産をしようと思っても、圃場が狭い、傾斜がきついなどの極めて不利な地域事情により、定住人口が大幅に減少し、六十五歳以上の高齢者の方々が細々と食糧生産をしております。しかも、そうした地域には後継者がいません。したがって、このまま具体的手だてを施すことなく推移するとすれば、極めて近い将来にはこうした市町村の多くは、定住人口が激減し、自治体としての機能すら持ち得なくなることは、さまざまな統計資料から見ましても容易に判断できるのであります。 さて、こうした条件不利な地域に対する農林水産省や自治省の最近の動向を見ますと、農林水産省の新・美しい村づくり構想や、また自治省の昭和六十三年のいわゆるふるさと創生事業、別名一億円のばらまき事業の第二次のふるさと創生事業として計画されているわけであります。しかし、このいずれを見ましても、どちらかといえば都市部からの発想であります。つまり、都市に住む人々の保健、休養の場、あるいはレクリエーション空間としての発想、受けとめ方、性格がかなり強いと思うものであります。いずれの性格を持つにせよ、このように中山間地域と言われる村や町が大きくクローズアップされ、注目を集めたのは決して悪いことではありませんし、大いに歓迎されてよいと思うのであります。しかし、反面、裏を返してみれば、冒頭申し上げましたように、それほどまでに中山間地域というのは崩壊の危機にさらされていることの証左だと思うものであります。 なぜこうした中山間地域が崩壊の危機にさらされているのかとなれば、農業生産条件、生活条件などさまざまな不利な条件のもとで、そのところに定住する人々が大幅に減少し、今なお全く歯どめがかけられない状況が続いていることであると思うのであります。したがって、こうした中山間地域問題を考える場合、最も大事な課題となりますのが、都市部からの発想ではなくて、地域事情を最大考慮し、そこに住む人々の発想を何よりも大事にした村づくり振興事業の中で、地域住民の快適な生活環境の整備と、極めて不利な農業生産条件のもとで、さまざまな補償制度を検討することが何よりも肝要であろうと思うものであります。 本県におけるいきいきとした農山村づくりを目指した振興事業を見ましても、地域の総力を結集した農業の振興、就業、所得機会の創出と生活環境の整備、自然環境、地域資源を生かした多目的機能の発揮などとなっておりますが、こうした課題を達成するためにも、もっと直接的補償制度や助成制度についてもあわせ検討することが必要ではないかと思うものであります。 つまり、もともと条件不利な地域における振興事業であることからすれば、そうした条件不利地域の発展のために必要な人口をどのようにして定住させるのか、例えば島根、香川、大分、鹿児島県の若干の事例を申し上げますと、島根県では、若い農業者就農促進対策事業として、毎年十人の定員枠で二年間の研修期間中は、県と市町村の負担で毎月十万円の給料を貸し付けし、五年以内に就農した場合は返済免除する。研修終了後は利息が三%で五千万円の融資をする。そして、年間六百万円の所得を目標にした就農者を目指し、今日まで四十人の実績がありますし、香川県では、新規就農者に県と市町村が半額ずつ負担し、月十五万円の助成金を一年間支給する制度があり、現在、有機農業とシイタケ栽培に取り組んでいる若者がこの対象者になっているそうであります。更に、大分県では海外などに技術研修に行った場合、六カ月間月十二万円の所得を補償し、技術研修は花卉が中心になっております。鹿児島県のある農協では、契約内容によってさまざまございまして、定住の見込みのある者に対して、一年間の研修中、自治体が月十五万円、農協が十万円の助成をし、現在、畜産とピーマンとタバコを組み合わせた経営を研修中と聞いております。その他、さまざまな補償、助成制度を取り入れて定住策を図っている各県、各地域の事例も数多くあると思うのでありますが、本県においても、こうしたいわゆるEC型のデカップリング政策もあわせ検討し、若い農業後継者づくりが必要かと思うものでありますが、執行部の御所見をお伺いしたいと思うものであります。 最後に、新政策の展開ともかかわり、一点御要請申し上げておきたいのでありますが、それは農林水産省と厚生省は、ECやアメリカから非関税障壁として批判されております加工食品の製造年月日表示を、原則として段階的に賞味期限表示に切りかえる方向で検討していると聞いておるわけでありますが、新政策を提起した段階で、当時の農林水産大臣は、新政策で言う自給率低下傾向に歯どめをかけていく方法として、輸入食品や輸入農産物よりも、国内で生産、製造されたものが安心で安全なんだということを訴えておりました。そのことによって国内産の消費をふやし、自給率の低下傾向に歯どめをかけていくのだと強調されておりました。確かに一理ある主張だと受けとめておりましたが、しかし、今回の製造年月日から賞味期限への切りかえは、ECやアメリカの日本の小売業者や卸売業者が、製造年月日を基準に不当に短い販売期限や納入期限を設定し、輸送に時間のかかる外国食品を不利にしているとの批判に屈したものであり、より製造年月日の新しいものを買いたいとする消費者の要求に逆行するものであります。したがって、こうした改悪については、断じて容認できるものではなく、ぜひあらゆる機会をとらえて執行部からも農林水産省や厚生省に日本の食糧自給率を高め、消費者が求める、より安全なものとする当然の権利を保障する観点からも、現状の製造年月日の表示を維持するよう要望していただきたいのであります。 御要請を申し上げて、以上で私の質問を終わらさしていただきます。御清聴まことにありがとうございました。 ○議長(斎藤栄夫君) 知事職務代理者知事蒲谷亮一君。    〔知事職務代理者副知事 蒲谷亮一君登壇〕 ◎知事職務代理者副知事(蒲谷亮一君) 初めに、冷害対策関連の御質問のうち、被害農家の負担の軽減の問題でございますが、被災農家の市町村民税の負担軽減につきましては、それぞれの市町村におきます被害の実態に即して適切な運用が図られますように各市町村を指導してまいりたい、このように思います。 また、農業共済年金につきましては、制度上負担軽減は困難でございますが、市町村等関係機関とも連携をとりながら農家生活の安定確保に努めてまいりたい、このように存じます。 次に、公共事業の拡大及び救農土木事業の実施に関する御質問でございますが、公共事業の拡大につきましては、本議会におきまして景気対策として大型補正予算を提案をしているところでございまして、これらの事業の執行に当たりましては、早期発注に努めますとともに、施工者に対して被災農家を積極的に雇用するよう要請を行いますなど、就労機会の拡大に努めてまいりたいと存じます。更に救農土木事業につきましては、国に対して公共事業の枠の拡大による事業の実施を強く要請をしておりますほか、県単独事業の創設につきましても、現在具体的な検討を進めております。 次に、救農対策としての林業振興についてでございますが、過去の冷害の際にも県有林を活用した枝打ちや除間伐を実施したところでございまして、本年も同様の事業を実施をしてまいりたいと考えております。また、総合経済対策として行っております治山林道事業等におきましても、被災農家の方々が就労できますように鋭意努力をしてまいる所存でございます。 次に、減反政策の見直しと米の備蓄についてでございますが、国は、国民に対する米の安定供給の観点に立ちまして、適正在庫水準を保持しつつ、生産調整の規模、方法等を決定してきたと、このように認識をしております。現在、適正在庫水準は、古々米を発生させないこと、コスト負担増を回避すること等の点を勘案いたしまして、約百万トンとされているところでございます。したがいまして、今次災害による需給逼迫を早期に解消をする一方、お話の米の在庫の今後のあり方につきましては、中長期の観点に立った米の安定供給のあり方について検討して、国民のコンセンサスを得ていく必要がある、このように考えます。また、減反緩和の抜本的見直しにつきましては、その中で連動して見直すべきと思いますが、平成六年度に向けまして、農業者の意向調査に一歩踏み出しておりますので、より地域及び農業者の視点に立った方向での取り組みを要請してまいりたいと存じます。 次に、食糧管理制度につきましては、今後もこれまで同様、米の市場開放はしないという基本姿勢を崩すことのないよう引き続き国に対して強く要望してまいります。なお、国の緊急輸入につきましては、市場開放とは別に緊急措置として食管制度の枠の中で国として検討していると、このように聞いております。 次に、米不足に乗じた価格操作の防止についてでございますが、米の集荷販売につきましては、食糧管理法に基づき集荷業者、販売業者として許可が必要とされ、また、その地位と業務についての責任が明確にされておりますことから、投機の対象とはなりにくいものと理解をしておりますが、米穀流通に携わる業者に対しまして、混乱が生じないよう指導を強化してまいります。 次に、新農政に関するお尋ねでございますが、まず農業経営基盤の強化促進に関する基本方針についてでございますが、作成に当たっては、新農政プランの趣旨を踏まえまして、本県の実情に合った基本方針を作成いたしますために、県農業構造政策推進会議を初め、農業者が組織をする指導農業士会、稲作経営者会議、農業経営者会議などの意見を十分酌み取りながら、七広域市町村ごとに、本年十一月までに作成をすることにしております。 なお、市町村が作成する基本構想につきましては、既に八月末までに全市町村を対象に説明会等を開催し、農家の意向調査等を踏まえて、市町村の特性を生かした基本構想を作成するよう指導の徹底を図っているところでございます。本年度は二十一市町村で作成し、残りの市町村につきましては、平成七年度までに作成を完了することにしております。 次に、中山間地域の振興についてでございますが、中山間地域は、総体的に農業生産や定住環境としては不利な条件下にございます。しかし、中山間地域特有の資源、機能を活用して、高付加価値型農業の展開、あるいは特色のある地域づくりを行うなど、創意工夫をし、英知を結集することにより活性化が図られ得ると、可能性があると考えます。県としましては、そのような基本認識のもとに、中山間地域農村活性化総合整備事業や山村振興農林漁業対策事業など、これまで地域の総力を結集した農業生産、就業、所得機会の創出、生活環境の整備など、地域の主体的な取り組みを助長する各般の事業、施策を展開してきたところでございます。今後は、これらの対策に加えまして、今般施行されました特定農山村法を踏まえまして、農業後継者や担い手が定着できる新規作物の導入でございますとか、生産方式の改善など地域活性化を主体的に進める地域に対しまして、経営改善安定資金等の新たな措置を含めまして、なお一層の支援強化に努めてまいりたいと存じます。 最後に、なお、条件不利地域に対する所得補償制度につきましては、県民のコンセンサスが得られるかという点を初めといたしまして、多様な農業が展開されております中での対象地域や、農家のとらえ方をどうするかなどの問題もございまして、なかなか難しいものと考えている状況でございます。 以上であります。 ○議長(斎藤栄夫君) 農政部長西城光政君。    〔農政部長 西城光政君登壇〕 ◎農政部長(西城光政君) 佐々木議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。 天災融資法の発動と激甚災害の指定につきましては、さきに千葉正美議員の質問にお答えしたとおりでございますが、国に対しまして早急に措置していただくよう再度要請してまいりたいというように考えております。農業共済組合等における適正な損害評価と、共済金の早期支払いにつきましても、今後とも適正かつ迅速な損害評価に努め、年内中に共済金の支払いができますよう組合等を指導してまいります。 次に、融資枠の確保等についてでございますが、被害を受けた農業者の経営安定を図るため、天災資金及び自作農維持資金の融資枠の確保等を国に対してお願いしたところでございますが、今後資金需要の動向を見ながら十分な融資枠の確保と貸付限度額の引き上げ、及び貸付金利の引き下げを引き続き要請してまいります。 なお、被害を受けた稲作専業農家に対しましては、低利長期の経営安定資金の融資措置を講ずるよう要請してございます。 次に、既貸付制度資金の償還期限の延長と、融資条件の緩和措置につきましては、先般国に対して要望を行ったところでございますが、現時点におきましては、関係機関と連絡の上、現行制度上認められております条件緩和措置により対応することといたしております。 次に、農作物の種苗費、病害虫防除費に対する助成措置についてでございますが、野菜につきましては、被害の大きかったキュウリやトマト等の栽培農家の収入確保と、秋冬期野菜の安定供給を図るため、代替作物導入に要する種子代等の助成、また飼料作物につきましては、立ち枯れ等により裸地化した草地への追播や、更新に必要な種子代の助成、更に水稲につきましては、いもち病の蔓延を防ぐため、追加防除に要した経費に対する助成措置を本議会に御提案申し上げているところでございます。なお、水稲の種子購入費の助成措置も考えており、次の議会に御提案させていただきます。 また、種もみは、転用種子や県外産種子を含め確保に万全を期しているところでございます。 次に、他用途利用米の特別な減免措置についてでありますが、国は先般特例的な作況調整の実施を決定したところでございます。県といたしましても、十月下旬を目途に地域指定を行い、円滑かつ適正に事務手続が進められるよう指導してまいりたいと存じます。 規格外米につきましては、これまでもお答えしておりますとおり、国に対し要望しているところでございます。 次に、小作料及び農作業受委託の支払いに係る被害農家の指導についてでございますが、小作料については、農地法では耕作者保護の観点から、災害等の不可抗力により、田にあっては契約小作料が収穫された米の価格の二割五分を超えた場合、小作農はその超過分を農地所有者又は賃貸人に対し減額請求を行うことができると規定されておりますが、減額の程度については、当事者間の話し合いにゆだねられております。また、農作業委託料についてでございますが、農作業の賃金については、市町村や農業委員会、農業協同組合等の協議により、地域の標準的な作業労賃が定められておりますが、その減額については、特に定めはなされてございません。県といたしましては、今後の農家間の良好な賃貸借関係が維持され、農地流動化の推進に支障を来さないよう減額請求等に関する相談があった場合には、適切な対応がなされるよう農業委員会等を指導しておるところでございます。 次に、冷害に強い営農体質への誘導につきましては、本県の代表的営農類型である水稲単作経営は、異常気象に極めて弱いことから、立地条件を生かした作目を導入した複合経営への誘導や施設型農業を推進してまいったところでございます。作目、作型の研究につきましては、気象要因による影響を回避、軽減できる水稲の耐冷性品種の開発を進める一方、施設を利用した園芸作物の栽培等の試験研究を重ね、その成果を生かし、園芸戦略拠点づくり推進事業、花の郷づくり総合推進事業、果樹産地整備対策事業等の県独自の補助事業を実施してまいりましたが、本年度は更に施設栽培果樹産地育成事業により、サクランボの促成栽培にも取り組んでおります。今後とも一層の充実に努めてまいりたいと考えてございます。 復田に対する助成につきましては、これまでも国、県の助成を実施してきておりますが、今後農家の水稲作付意向や、全国的な転作等目標面積の緩和規模を見きわめ、引き続き所要の措置を講じてまいりたいと考えております。 越冬用粗飼料確保対策につきましては、牧乾燥やコーンサイレージ等の越冬用自給粗飼料の不足分を牧乾燥、ヘイキューブ等の購入粗飼料で補うため、その購入に要する運用資金に対しての貸付措置を本議会に提案しているところであります。 また、家畜の保留対策につきましては、県単災害資金等の活用により、今後とも安定的に経営が継続できますよう万全を期してまいりたいと考えております。 次に、被災農家に対する財政援助としましては、予約概算金の返納に係る加算金の減免等特例措置を講じるよう国に対し要望しているところであります。 また、概算金の返還が困難な農家の方々には、自作農維持資金や県単の農業災害対策資金等、低利な融資を行うことといたしてございます。 なお、大規模農家に対する援助策につきましては、さきに千葉議員にお答えいたしたとおり、県独自の農業災害対策資金について限度額の引き上げ等を図るとともに、国に対しましても、特別の融資措置を講じるよう要望いたしているところであります。以上であります。 ○議長(斎藤栄夫君) 環境生活部長須藤弘志君。    〔環境生活部長 須藤弘志君登壇〕 ◎環境生活部長(須藤弘志君) 佐々木議員の最後の加工食品の日付表示のあり方の件ですが、この問題は、製造年月日表示を今やっているわけですが、それでは食品の品質がいつまでもつのかわかりにくいという点、また国際的には賞味期限表示が一般基準になっておりますというようなこと等のことから、現在、厚生、農林両省において、それぞれ消費者あるいは事業者等も入ったメンバーで検討会あるいは懇談会を設置して鋭意検討を進めていると伺っております。 県といたしましては、こうした国の検討の動向を見きわめて、他県等とも歩調を合わせて対応してまいる所存であります。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 十五番高橋浩一君。    〔十五番 高橋浩一君登壇〕 ◆十五番(高橋浩一君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。 その前に、一遍の詩を朗読いたします。 雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル 一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ 野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ 東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ 南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイイトイヒ 北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ この詩は、本間知事が愛読した宮沢賢治詩集の最高傑作と評される作品であります。私は、知事の政治家としての理念あるいは彼の政治哲学の原点が集約されたような作品であると理解していた一人であります。その知事の逮捕という事態は、まさに驚天動地、茫然自失、声も出ない状態であります。しかしながら、この議場に知事が不在というこの現実に目をつぶったり、また、看過したりすることができるほど現状が甘いものでないことは、申し上げるまでもないことであります。今我が県が置かれている現状は、平成大不況、円高、そして有史以来とも言われる大冷害に加えての知事の逮捕という、いわば非常事態宣言の状況であり、今こそ県民の負託にしっかりとこたえるため、執行部と議会が一体となって、この難局を乗り切っていかねばならないと思いますが、改めて蒲谷副知事の職務代理者としての決意を議会並びに県民の前に披瀝していただきたいと思います。 更には、この作品の後段にある「サムサノナツハオロオロアルキ」の一節は、まさに絶望の出秋を迎えた農家の方々を象徴する一節であり、戦後最悪の被害を受けられた農家の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 さて、私は、自民党農対議員の一人として、また、去る二十四日議会に設置されました異常気象災害対策特別委員として、県議会の先生方そして執行部の方々と、私の地元加美郡を初め県内各地をつぶさに視察して回りましたが、まさしく未曾有の大災害であり、この最悪の状況を打開するには、ありとあらゆる手段をもって対応策を確立し、実行しなければならないと痛感した次第であります。この際、議会と執行部が一体となって力強く対処しなければならないと思いますが、これまた改めて災害克服の御決意をお伺いいたします。 ことしの大冷害は、農家、農民ばかりでなく、多くの県民に甚大な被害をもたらしております。本日の一般質問のトップバッターとして自民党議員会派を代表し、千葉正美政調会長が農業を中心として冷害対策を質問いたしましたので、私は、商工業者や林業に従事する方々の冷害対策を中心に、順次質問させていただきます。 我が国の経済は、個人消費が伸び悩み、また、企業の設備投資意欲も、数回の公定歩合の引き下げにもかかわらず、依然として冷えきったままであるなど、平成三年からのバブル崩壊に端を発した景気の低迷は、昭和四十九年前後のオイルショック不況を上回る期間となり、先行きが見えない長期化の様相を呈しております。 前宮沢内閣は、緊急経済対策として、新社会資本の整備を中心とした十三兆二千億という大規模な経済対策を打ち出し、住宅建設などに回復の兆候が見られ、一時は景気底入れ宣言を出したにもかかわらず、円高の進行、冷夏、長雨の直撃、災害の発生、公共工事疑惑による心理的沈滞によって、景気は二番底とも言えるかつてない深刻な状態にあります。政府は、先ごろ六月に出した景気底入れ宣言を撤回し、この十六日に総額六兆二千二百億円に及ぶ緊急経済対策を決定したところでありますが、総額、内容とも十分とは言えず、今後の回復の見通しは依然として大変厳しいものがあります。 そのような状況下にあって、我が県の地域経済も大変厳しい状態にあることは、今更申し上げるまでもございません。ちなみに、県がさきに発表した平成四年の工業統計調査結果では、平成四年の製造品出荷額は三兆八千八百億円と、前年比で六百三十六億円減少し、工業統計調査が実施されて以来初めて減少に転じたところであります。また、有効求人倍率もこの三月に初めて一を割って以来減少を続け、七月には〇・八五に達したところであり、雇用保険の受給者も平成四年度には二万四千三百三十五人と、前年比で一九%の増加で、この七月には前年同月比で四〇%を超える増加を示すなど、オイルショック後に匹敵する増加の勢いにあります。更に、企業の新規採用の手控えも広がっており、来春の高校卒業生への求人が、八月末現在で前年同期比で県内が六四%、県外が五八%に減少するなど、雇用情勢はこれまた大変厳しくなりつつあります。一方、この一年で一ドル百三十円から一時期百円すれすれまで上昇した急速な円高の進展も、景気回復をおくらせる大きな懸念材料になっております。既に、私の地元にある中新田の東洋紡では、従業員の自宅待機を実施し、また、古川を中心として県北地方に多くの関連企業、下請企業を持ち、地域経済にも大きな影響力を持つアルプス電気も、千五百人に及ぶ希望退職者を募り、桃生工場や河北工場の閉鎖も実施している状況であります。 県がこの八月に実施した円高影響調査でも、約八割の企業が円高でマイナス影響を受けていると回答するなど、県内企業への影響も深刻になっております。円高がこのままの状態で推移しますと、各企業が生き残りのため、必死になって取り組んでいるリストラにより、工場の閉鎖や下請企業の整理が進み、産業の空洞化現象は一層深刻になり、地域での雇用の場が確保されるかどうか、先行きが大いに懸念されるところであります。 このような大変厳しい経済環境に追い打ちをかけるような冷害の発生は、地域経済に危機的状況をもたらすものであり、まさに歴史的に初めて体験する未曾有の冷害、不況と言って過言ではないでありましょう。この大規模な冷害の影響で、千六百億を超えていた本県の米の粗生産額は大幅に減少し、農家収入が大幅に減少することは間違いなく、商店街の売り上げや観光地への客の入り込みなどへのマイナス影響ははかり知れないものがあります。地域経済は、今や景気低迷、円高そして今回の未曾有の冷害と、まさにトリプルパンチ、最悪の三重苦に見舞われつつありますが、なかんずく農村地域では、商店街の売り上げの大幅減少や農外収入が大きなウエートを占めている大半の兼業農家が雇用の場を失うなど、その影響は大変深刻なものがあります。 県としては、売り上げの大幅減少が懸念される商店街へのてこ入れと悪化が心配される雇用機会の確保について、緊急の対応策が何としても必要であると考えるものでありますが、執行部の考えをお伺いいたします。 さて、言うまでもなく、今般の大冷害は、農家、農民だけでなく、特に農村地域に住まいする者すべてに大打撃を与える結果をもたらすことでありましょう。私は、農家、農民を救済することはもちろんのこと、同じように災害をこうむる中小企業者に対しても手厚い救済措置がとられるよう、強く希望するものであります。具体的に申し上げますと、冷夏等異常気象による影響は、中小企業者にとって甚大であるため、県はこれを災害として認定し、災害関連特別融資の実施をして、次の五項目について実行を求めたいが、いかがでしょうか。 一、長期低利の特別枠の創設、二、担保保証の軽減又は免除、三、信用保証料の補給又は利子補給、四、既往貸し付けの返済猶予等の条件変更、五、手続の簡素化並びに貸し出しの迅速化の五項目であります。 次に、農家の方々と同様に、被災中小企業者に対しましても、県税などの軽減又は無利息での延納を認定してはいかがでしょうか。また、今議会に提案されております補正予算は、総合経済対策関係を含め国庫補助内示の確定に伴うものと冷害対策関係などの緊急を要するものなどを中心とした内容でありますが、十二月補正をにらみながら、景気浮揚のため公共事業の一層の拡大と前倒しを強化しながらの早期発注を強く望むものであります。その際、現在入札制度の見直しを検討中のようでありますが、特に、地元業者の救済のためにも、また、育成強化のためにも、中小企業者に効果のある発注方法をとられるよう切望いたしますが、お考えをお聞かせください。 また、仙台市のような大都市部以外の地域の商店街では零細商店街も多く、後継者不足、嫁不足が深刻であり、更には規制緩和に伴い、大規模店舗との競合が激化するなど、課題が山積みしており、各町の商工会も懸命の指導、対応をしているものの、先行きが全く見えない状況にありますが、商店街の活性化について、執行部はどのような対応策をお持ちか、お伺いいたします。 その対応策の一つとして、私は、先般八月に施行された小規模事業者支援促進法に基づく共同工場設置事業等の推進をぜひ具体化してほしいと希望するものであります。私の地元小野田町商工会では、先ごろ行われました東北六県ムラおこし物産展に出品した地物のヤマメ、イワナ、鮎を加工した薬莱肴撰が東北通産局長賞を受賞いたしました。地元の一人として喜びに思うと同時に、まだまだ試作を抜け出た段階であり、これが共同工場の設置ということで、製造、販売に活路が見出せれば、商店街の活性化に、町おこしに大きな弾みがつくものと強く期待しているところであります。この事業は全国で約二百カ所程度と伺っておりますが、県は他県に先んじて、商工会等と連携をとりながら積極的な取り組みをお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、県では商店街アメニティ整備事業にも平成三年度から積極的に取り組まれているようで、平成三年度で十一市町十九カ所、平成四年度で十一市町十五カ所、平成五年度要望で十市町十カ所の実績を数えており、それぞれの商店街で駐車場の設置や街路灯の整備、カラー舗装化や公園、公衆便所の設置など、着々と整備が進展しており、その努力を高く評価するものでありますが、県の補助割合は四分の一であり、財政力のない商工会は自己負担率が高く、二の足を踏んでいる状況もあるようであります。トリプルパンチに見舞われた商店街の方々は、心理的な落ち込みも大いに懸念されますので、中長期的な希望を抱かせる意味からも、補助のかさ上げや前倒しによるアメニティ整備事業の拡大に大いに努力されるよう希望いたしますが、お考えを聞かせてください。 さて、県では、ことし七月、二十一世紀を展望し、第二国土軸の中枢県としての位置づけを明確にした県総合計画を策定し、活力ある県土を形成していくことを大きなテーマとして掲げております。とりわけ産業基盤が脆弱な農村地域を再建し、その活性化を図るためには、農業分野の近代化を推し進めていくことはもちろんのことでありますが、中長期視点に立って地域の商工業の振興に積極的に取り組み、所得の向上と雇用の場を確保していくような産業基盤の整備が何よりも重要と考えるものであります。県の長期計画で、産業面ではとりわけ工業振興を最重要の施策と位置づけられ、ニューインダストリアルパーク構想として、仙台北部中核工業団地を核に、各圏域ごとに大規模な工業団地を整備することとしておりますが、地域の雇用の機会の確保という観点からも、その実現が大いに期待されるところであります。この具体化に県としてはどのように取り組んでいかれるのかお伺いすると同時に、財政基盤が弱い市町村の現状を踏まえたとき、一定規模以上の工業団地の造成については、県が直接事業を推進するなどの措置が何としても必要と考えられますが、いかがでしょうか。また、今回の円高で工場の海外移転が進展しつつあり、産業の空洞化が社会問題になる中、今後企業誘致や立地が大変困難になる懸念もありますが、今後の対応策をお聞かせください。 次に、林業問題について数点お伺いいたします。 まず、ことしの大冷害、凶作は県全体に被害が広がっていることは、既に述べたとおりでありますが、林業に従事する人々や苗木を生産する人々が住まいする山村地域ほど、その被害は甚大なものとなっております。このため、森林組合作業班員や苗木生産者の大宗をなしている兼業農家は、打ち続く不況にも追い打ちをかけられながら、農外収入の道も閉ざされ、非常に困窮いたしている現状にあります。このような農林家の生活安定と就業意欲向上のためにも、県として早急の対応を講じなければなりませんが、次の諸施策を強く望むものであります。 ○議長(斎藤栄夫君) あらかじめ会議時間を延長いたしておきます。 ◆十五番(高橋浩一君) (続)まず、森林組合作業班員や農林家の現金収入の道を開くためにも、先ほどもお答えがありましたが、県有林の除間伐などを中心とする保育事業の緊急実施を求めたいと思います。かつて県では同様な緊急事業を昭和五十七年に約五千万程度で実施しておりますが、今回の冷害被害は未曾有の結果が予想されておりますことから、大規模な緊急事業になるよう希望いたしますが、執行部の御所見をお聞かせください。 また、既に補助事業として実施している除間伐など、保育事業の自己負担額軽減のための県の更なるかさ上げ、助成措置もあわせて要望いたしますが、いかがでしょうか。 更には、造林用山行苗木を生産している県森連や組合員にも、今度の冷害は大きな影響を及ぼしております。長雨と冷夏、日照不足のため、二百五十万本ほど生産されている杉、ヒノキ、広葉樹の植林用山行苗木の五十から六十万本ほどに生育不良、根腐れなどの影響が発生し、現時点でも七千万円ほどの被害が見込まれております。また、一から二年生の幼苗の生育おくれも目立っており、来年の造林用の苗木確保対策だけでなく、二、三年後の山行苗木の確保対策に万全の措置をとられるよう要望いたすものであります。具体的には来年度の山行苗木には三十センチ以上のいわゆる五号苗の使用を認めること、不足する幼苗買い入れに補助金を出すこと、苗木価格を需要者負担に結びつけることなく、造林補助金でカバーしながら、二割程度のアップを図ることなどでありますが、お考えをお聞かせください。 さて、ことし一月二十日付で、自治省から森林・山村対策について、次のような通知が各都道府県に発せられました。いわく現下の森林、山村を取り巻く状況にかんがみ、山村地域の振興を図るとともに、国土の保全や水源の涵養、環境の保全など、森林の有する多様な公益的機能の維持増進を図る必要があるため、財政上の支援措置を講ずることとし、各地方公共団体においてはこの趣旨を踏まえた地域の実情に応じて、その積極的な活用を図られたいというものであります。この通知は、これまで林業の施策と言えば、農水省、林野庁の予算措置だけに頼っていた林業に従事する者にとっては、自治省もいよいよ林業に目を向けてくれたという点で大いに評価すべき内容でありました。県当局は、早速通達に基づいて、総額七億七千三百万円の予算で森林整備担い手基金を創設させ、六月議会で条例が可決成立したわけでありますが、県当局の迅速な対応に敬意を表し上げたいと思います。 この基金の果実の運用は、林業従事者の労働安全衛生の充実、技術、技能の向上、福利厚生の充実など、森林整備の担い手対策を積極的に推進していくために活用されるものであり、実効の上がる使途を強く要望いたしたいと思います。 そこで、私が昨年の十二月議会で提案した緑と水の森林づくりと県産材時代の実現を行う決め手としての森林の流域管理システムの施策については、執行部の指導もあって、その担い手になるべく林業活性化センターが栗原地区と仙南地区で設立を見ているわけですが、その支援にも基金の果実の応分の活用、運用を図られるよう切望するものであります。また、昨年、多年の懸案でありましたみやぎ林業活性化基金が創設されましたが、五億円の一日も早い積み上げを期待いたすとともに、担い手基金からの果実をこの基金の円滑な事業運営に活用されればと思いますが、いかがでしょうか。 更に、同趣旨の基金でありますから、将来的には両基金の一本化を図られ、より大きな果実が運用されるよう期待いたしたいと思いますが、執行部の御所見をお聞かせください。 また、この通知では、早急に行う必要がある林道の整備を推進することで、山村地域の振興と定住環境の改善に資するため、ふるさと林道緊急整備事業の創設が認められており、県の全体計画では県営、市町営合わせて十一路線、二十二億円を予定されておりますが、五年間の事業計画を大幅に前倒し発注することは、冷害で大きな被害をこうむる山間地域の人々の就労の場の提供にもなると思いますが、お考えをお聞かせください。 最後に、全国植樹祭についてお伺いいたします。 先月二十七日、全国植樹祭を主催する社団法人国土緑化推進機構の理事会で、平成九年の第四十八回全国植樹祭が本県で開催することが内定されたことは、まことに喜ばしいことであります。昭和二十五年に第一回が開催されて以来、毎年各都道府県持ち回りで実施され、本年開催された沖縄県で全国一巡したことになり、平成六年の兵庫県から二巡目に入ることで、新たな視点での開催が重要視されるところであります。 今月の上旬、産業経済委員会の県外調査で兵庫県を訪れ、来年五月開催される現場で詳しく調査を行ってまいりましたが、本県としても早々に具体化に向け、体制を整える必要があろうかと思いますが、準備状況並びに本県で開催する基本的な執行部の考え方をお聞かせください。 また、会場の候補地として、白石市の国立南蔵王青少年野営場を考えておられるようですが、私は、県が提唱しているみどりのクニづくり事業の一環としてこの植樹祭をとらえ、開催会場を県内林業地域へ分散することによって、県民すべてが参加し、森林・林業のソフト面を学ぶと同時に、ハード面においても積極的にかかわりを持てるような諸行事、事業を行うべきと考えますが、執行部の御所見をお伺いいたし、質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。 ○議長(斎藤栄夫君) 知事職務代理者知事蒲谷亮一君。    〔知事職務代理者副知事 蒲谷亮一君登壇〕 ◎知事職務代理者副知事(蒲谷亮一君) まず初めに、冷害対策についてでございますが、御指摘のとおり、今回の冷害はかつてない規模の災害になるものと見込まれております。このため、今議会に災害対策関連の予算措置を提案し、御審議をいただきますとともに、災害対策本部を設置して、抜本的かつきめの細かい対策を講ずることとしております。今後ともこの厳しい状況を克服するため、執行部と議会が一体となりまして、更に農家の皆様や農業関係団体及び市町村の協力を得ながら、この未曾有の冷害に立ち向かい、本県農業の将来展望を確保してまいりたい、このように考えております。 また、大変感動的な詩を引用なさいながら、このような冷害対策を含めて本間知事の不在の状況における今後の県政運営に当たる私どもの決意を述べよと、こういうお話がございましたが、私たち執行部として力を合わせまして、全力を尽くす覚悟でありますので、どうぞ県議会の皆様の格別の御支援よろしくお願いいたします。 次に、景気浮揚対策についてでございますが、公共事業の早期発注等につきまして、県におきましては、御案内のとおり、本年度当初に上半期における公共事業の契約率を八二・一%と高率に設定をして、契約の前倒しに努めてきたところでございます。六月県議会におきましても、公共事業関連を含めた総合経済対策予算といたしまして、八百五十二億円余の追加補正措置を講じたところでございます。また、今議会におきましても、長引いております不況に対応するため、公共事業の所要の積み増しについて御審議をいただくことにしております。今後国の緊急経済対策に対応した追加補正措置についても、十二月議会に向けて検討してまいりたい、このように考えております。 また、建設工事の入札制度の見直しについて現在検討中でございますが、地元建設業者の育成に配慮することも一つの大切な視点である、このように考えておりまして、新しい入札制度の導入に当たっても考慮してまいりたいと考えます。 なお、県の公共工事の発注に当たりましては、施工内容を勘案しながら、従来から可能な限り地元企業の発注機会の確保を図っているところでございまして、今後も同様に進めてまいります。 次に、ニューインダストリアルパーク構想の具体化についてでございますが、県ではサテライト型工業団地を整備するため、平成元年度より各圏域ごとに工業開発調査を実施をしておりまして、本年度は大崎圏域を対象としたところでございます。この調査で選定をされた箇所につきまして、開発主体、開発手法などを関係市町村と十分協議して、その実現に努めてまいりたいと存じます。 次に、一定規模以上の工業団地の造成についてでございますが、仙台港工業団地でありますとか、仙台北部中核工業団地のような大規模工業団地につきましては、県が主体となって進めてまいりましたが、中小規模の工業団地につきましては、市町村が主体となって行い、その事業費の一部について、県が助成をしてきております。今後工業団地の造成につきましては、関係市町村と一体となって積極的に進めてまいりたいと存じます。 次に、今後の企業誘致への対応についてでございますが、最近の急激な円高など、企業を取り巻く経済環境は依然として厳しい状況が続いておりまして、企業の立地件数も減少傾向にございます。しかしながら、企業誘致は県民所得の向上や就労機会の安定確保などの上で大きな役割を果たしますので、投資環境の優位性を積極的にPRをしつつ、付加価値、生産性の高い企業誘致の促進を図りますとともに、地域企業の技術力の向上を支援する拠点であります仮称産業技術総合センターの整備を進めるなど、導入と内発の両面から、工業の振興を積極的に推進してまいりたいと存じます。 次に、林業問題でありますが、初めに、林業分野における救農対策のうち、県有林事業につきましては、これまでの冷害対策と同様に、枝打ち、除間伐などの保育事業を実施をする方向で、就労の場の確保に努めて、農家収入の一助とするための対策を講じてまいる所存でございます。 次に、ふるさと林道緊急整備事業についてでございますが、御案内のとおり、自治省、国土庁、林野庁の合意のもとに、山村対策の一環として、ふるさと林業緊急整備事業が今年度創設をされたところでございます。本県といたしましても、山村対策の趣旨を踏まえまして、当事業を取り入れることとしたところでございます。今年度は県営事業としては一路線、市町営事業として三路線を実施をすることとしておりますが、今後とも本事業を積極的に推進して、林業生産基盤の整備と生活環境の整備を図るとともに、就労の場の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、全国植樹祭についてでございますが、お話のとおり、過日、平成九年の開催内定を受けました。県といたしましては、各界の有識者で構成をする全国植樹祭に関する懇談会の意見等を踏まえまして、白石市の国立南蔵王青少年野営場を会場の最適地としたところでございまして、本年度中に基本計画の策定を行いますとともに、平成六年度から担当組織を拡充強化をして、実施計画の策定など具体的な準備に入りたいと考えております。 開催に当たっての基本的な考え方でございますが、緑豊かな生活環境を創出するみどりのクニづくり事業の更なる発展の機会にしたいと考えておりますので、懇談会等の御意見をいただきながら、御提言にありました森林・林業の振興を図る上からも、各地域に応じた関連行事の検討を行うなど、多くの県民の方々の参加と理解が得られる内容にしてまいりたい、このように考えております。以上であります。 ○議長(斎藤栄夫君) 総務部長山川敏彦君。    〔総務部長 山川敏彦君登壇〕 ◎総務部長(山川敏彦君) お答えいたします。 商工業の諸問題に係る御質問の中での県税の減免措置についてでありますが、この件につきましては、異常気象災害又は風水害等で直接被災された方に対しましては適用されているところであります。したがいまして、直接被災されない方には適用はされないということでございまして、ただし収入が著しく減少する特別な事情がある場合には、申請によりまして、納税の猶予や分割納入等、それぞれの事情に応じて対応しているところであります。したがいまして、県税事務所等に御相談いただければ幸いだと思います。以上、御理解をいただきたいと思います。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 商工労働部長松木伸一郎君。    〔商工労働部長 松木伸一郎君登壇〕 ◎商工労働部長(松木伸一郎君) 高橋浩一議員からの商工関係に関します五点につきまして、私からお答え申し上げます。 まず、低迷する地域経済のもと、商店街へのてこ入れと雇用機会の確保についてでございますが、本県経済が景気の低迷、円高そして異常気象と、まさに三重苦の大変厳しい状況にありますこと、御指摘のとおりでございます。中でも、中小の商店や企業はとりわけ厳しい環境に置かれておりますことから、県といたしましては、これまで中小企業経営安定資金、体質強化資金あるいは無担保無保証の小規模事業資金貸付金等の融資枠の拡大や金利の引き下げを行ってまいりましたが、更に、今議会におきまして、十億一千万円の緊急経営支援資金の融資枠の拡大をお願いいたしているところでございます。 また、先ほど千葉議員に十一月とお答えしたようでございますが、十月に訂正さしていただきますが、十月一日から、四月に設置した景気相談所に加えまして、新たに冷夏関連中小企業相談所を開設するなど、中小企業に対する金融相談、経営相談を充実強化することといたしております。 次に、雇用機会の確保についてでありますが、有効求人倍率の低下や雇用保険受給者の増加など、雇用情勢は大変厳しくなりつつありますことから、求人確保に向け、業界団体や企業への要請を強化するとともに、離職者の早期再就職の促進を図るため、求人企業と離職者とが一堂に会した合同の選考会をこれまで古川、石巻等で開催してきましたが、県内各地で開催することといたしております。 また、企業における雇用調整助成金制度の積極的な活用を促進し、従業員の雇用の安定に努めるとともに、十月一日から公共職業安定所に新たに冷夏関連職業相談所を開設し、冷夏の影響を受ける農家等の就労相談と職業のあっせんを行うことといたしております。 次に、二点目でございますが、災害関連特別融資の実施についてでございます。冷夏等異常気象が本県中小企業に与えている影響、まことに大きいこと御指摘のとおりでございます。県といたしましては、現在地域経済の影響について、商工会議所、商工会等に調査中でございまして、これらの結果等を踏まえまして、県単独融資であります中小企業経営安定資金に災害関連緊急融資枠を新たに確保するなど、実施可能な中小企業に対する災害関連融資制度の充実や御要望の事項について、今後具体的に検討してまいりたいと考えております。 なお、今議会におきまして、中小企業体質強化資金中、緊急経営支援資金の融資枠の拡充をお願いいたしておりますが、これらの融資制度ともあわせて対応してまいりたいというふうに思っております。 三点目の商店街の活性化についてでございますが、商店街はその地域を代表する顔であり、地域文化をはぐくむとともに、コミュニティーの場として重要な役割を果たしてきております。今後とも町おこし、村おこしなどの地域活性化の中核的な役割を担っていくことが求められております。このような認識のもとに、県におきましては、小売業を営まれる方々の自助努力にこたえながら、地域商業の振興、魅力ある商店街の形成にできる限り支援をしてまいりたいと考えております。 具体的な振興策につきましては、商店街診断、経営指導、経営安定化資金、体質強化資金などの融資制度、商店街整備計画の策定に対する支援、商店街整備事業への助成及び融資、あるいは人材育成に対する補助、創業資金の融資などによる後継者育成など、それぞれの地域のニーズに対応できるような多種多様な事業、きめ細かな制度を整えております。今後とも商業者、地元市町村及び各商工団体と一体となりまして、ソフト、ハード両面にわたる施策を総合的に推進してまいる所存であります。 四点目の小規模事業者支援促進法に関しての御質問でございますが、御案内のとおり、この法律は商工会や商工会議所、あるいは第三セクターが事業主体となって事業を展開する際、財政、金融、税制の面から支援することを目的として、ことしの八月九日に施行されました。この法律に基づく事業の実施に当たりましては、地域を取り巻く経済状況の把握、施設の具体的内容、事業者の資金計画、収支計画等十分な準備と慎重な計画が必要であります。 御提言のございました小野田町の特産品薬莱肴撰を製造する共同工場につきましては、今後事業化に向けて新法を活用できるかどうか、地元商工会や県商工会連合会と研究を重ねてまいりたいというふうに思っております。 最後に、商店街アメニティ整備事業についての御質問でございますが、御案内のとおり、本事業は県単独事業で平成三年度から実施しておるもので、希望する市町村も多く、平成五年度の計画を含めまして、二十二市町四十四カ所の実績となっております。現在、平成六年度の事業の要望を照会しているところでありますが、今後商店会や地元市町村などの要望を伺いながら、魅力ある商店街づくりに資するため、対象事業枠の拡大や補助限度額の引き上げなど、制度の見直しを検討してまいりたいと思っております。以上であります。 ○議長(斎藤栄夫君) 水産林業部長今里寅男君。    〔水産林業部長 今里寅男君登壇〕 ◎水産林業部長(今里寅男君) 高橋浩一議員にお答えいたします。 保育事業の自己負担軽減のための助成措置という御要望でございますが、除間伐等保育事業につきましては、現在補助率四〇%を基本といたしまして、それに更に査定係数を乗じて、実質的には六六%の高い補助率で助成措置を講じているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、山行苗木の確保対策についてでありますが、山行苗木につきましては、従来四号苗が主に使用されてきたところでございますが、本年の長雨や冷夏により苗畑に被害が発生し、来春の苗木不足が憂慮されている現状から、山行苗木規格に適合する五号苗につきましても、造林者に使用してもらえるよう働きかけてまいりたいと存じております。 また、不足が予想されます一、二年生の幼苗対策といたしましては、無利子の異常気象被災苗畑経営資金の制度を継続するなどして、山行苗木の確保に努めてまいる所存でございます。 苗木価格のあり方につきましては、苗木生産者等関係者の話し合いで決められるものでございますが、県といたしましても、適正な苗木価格になるよう指導してまいる所存でございます。 次に、森林整備担い手対策基金についてでありますが、当基金が対象とする主な事業は、市町村等が行う担い手育成対策に関する事業への助成、そして林業事業体組織等への助成、担い手育成確保のためのモデル事業等の実施等でございまして、活性化センターが当基金の趣旨に沿う事業を実施する場合には助成の対象となり得るものと考えております。 また、財団法人みやぎ林業活性化基金の早期積み上げについてのお話でございますが、御案内のとおり、当該基金は五カ年計画で昨年創設されたところでございまして、その積み上げにつきましては、各出捐団体の協力が不可欠なので、今後の検討課題にさせていただきたいと存じます。 また、活性化基金事業の一層の充実を図るための森林整備担い手対策基金の活用につきましては、御提言の趣旨を踏まえまして、対応してまいる所存でございます。 なお、御提言のありました基金の一本化につきましては、みやぎ林業活性化基金の目標達成を待って検討してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。以上でございます。 ○議長(斎藤栄夫君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。   ───────────────────────────────── △散会 ○議長(斎藤栄夫君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後五時二十四分 散会...