平成 5年 3月 定例会(第248回) 第二百四十八回宮城県議会(定例会)会議録 (第二号)平成五年三月九日(火曜日) 午後一時一分 開議 午後三時五十六分 散会 議長 亀谷博昭君 副議長 根深善雄君出席議員(六十二名) 第一番 内海 太君 第二番 土井 亨君 第三番 遊佐雅宣君 第四番 庄子 守君 第五番 藤倉知格君 第六番 大学幹男君 第七番 仁田和廣君 第八番 伊東 憲君 第九番 高橋浩一君 第十番 坂下康子君 第十一番 岸田清実君 第十二番 石橋信勝君 第十三番 村上敏子君 第十四番 千葉 達君 第十五番 佐藤勝彦君 第十六番 菊地 浩君 第十七番 高橋長偉君 第十八番 相沢光哉君 第十九番 高橋俊也君 第二十番 大沼迪義君 第二十一番 萱場正美君 第二十二番 斎藤正美君 第二十三番 菅原 哲君 第二十四番 木村洸也君 第二十五番 佐々木ひろし君 第二十六番 菅野信男君 第二十七番 餅 道夫君 第二十八番 長島秀道君 第二十九番 黒須光男君 第三十番 百足健一君 第三十一番 鈴木 昇君 第三十二番 伊藤康志君 第三十三番 渡辺和喜君 第三十四番 今野隆吉君 第三十五番 遠藤宗一君 第三十六番 中野正志君 第三十七番 大沼謙一君 第三十八番 千葉正美君 第三十九番 佐藤 勇君 第四十番 佐藤 勲君 第四十一番 高橋善幸君 第四十二番 長谷川正君 第四十三番 金子哲郎君 第四十四番 三上良喜君 第四十五番 曽根冨二男君 第四十六番 坂下清賢君 第四十七番 錦戸弦一君 第四十八番 中沢幸男君 第四十九番 佐藤光輔君 第五十番 佐々木 久壽君 第五十一番 渥美鉄太郎君 第五十三番 高橋健輔君 第五十四番 中村健一君 第五十五番 文屋 公君 第五十六番 安住仁太郎君 第五十七番 須藤正夫君 第五十八番 野口考吉君 第五十九番 斎藤栄夫君 第六十番 森 康君 第六十一番 佐藤常之助君 第六十二番 根深善雄君 第六十三番 亀谷博昭君欠席議員(一名) 第五十二番 渡辺 浩君 ─────────────────────────────────説明のため出席した者 知事 本間俊太郎君 副知事 若生 修君 副知事 蒲谷亮一君 出納長 丹野諒二君 公営企業管理者 小野寺完夫君 総務部長 事務吏員 八木 功君 企画部長 事務吏員 山川敏彦君 生活福祉部長 事務吏員 須藤弘志君 保健環境部長 技術吏員 伊田八洲雄君 商工労働部長 事務吏員 松木伸一郎君 農政部長 事務吏員 高橋正勲君 水産林業部長 事務吏員 森 熊三郎君 土木部長 技術吏員 間所 貢君 出納局長 事務吏員 讃井貞人君 企業局長 事務吏員 西城光政君 総務部次長 事務吏員 黒田達夫君 総務部財政課長 事務吏員 山内健生君 教育委員会 委員長 葛西森夫君 教育長 大立目謙直君 教育次長 柿崎征英君 選挙管理委員会 委員長 郷古康郎君 事務局長 斎藤 進君 人事委員会 委員長 大沼直治君 事務局長 石崎泰司君 公安委員会 委員長 鈴木泰三君 警察本部長 田中節夫君 警務部長 安原伸正君 地方労働委員会 事務局長 市川 宏君 監査委員 委員 佐藤輝夫君 委員 阿部光郎君 事務局長 小林一丈君 ───────────────────────────────── 議会事務局 局長 今里寅男君 次長兼総務課長 阿部 勉君 議事課長 瀬川光雄君 調査課長 加藤幸男君 総務課副参事 二上政紀君 兼課長補佐 議事課長補佐 遠藤幸之君 調査課長補佐 菅原源一君 主幹兼記録係長 佐藤 昭君 議事係長 大沼仲一君 委員会係長 水戸敏男君 主事 布田恵子君 主事 小野一彦君 ─────────────────────────────────議事日程 第二号 平成五年三月九日(火)午後一時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第二十七号議案第三 議第二十八号議案 平成四年度宮城県一般会計補正予算第四 議第二十九号議案 平成四年度宮城県
公債費特別会計補正予算第五 議第三十号議案 平成四年度宮城県
母子福祉資金特別会計補正予算第六 議第三十一号議案 平成四年度宮城県
寡婦福祉資金特別会計補正予算第七 議第三十二号議案 平成四年度宮城県
中小企業近代化資金特別会計補正予算第八 議第三十三号議案 平成四年度宮城県
沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第九 議第三十四号議案 平成四年度宮城県
林業改善資金特別会計補正予算第十 議第三十五号議案 平成四年度宮城県
県有林特別会計補正予算第十一 議第三十六号議案 平成四年度宮城県
土地取得特別会計補正予算第十二 議第三十七号議案 平成四年度宮城県
土地区画整理事業特別会計補正予算第十三 議第三十八号議案 平成四年度宮城県
流域下水道事業特別会計補正予算第十四 議第三十九号議案 平成四年度宮城県
港湾整備事業特別会計補正予算第十五 議第四十号議案 平成四年度宮城県
病院事業会計補正予算第十六 議第四十一号議案 平成四年度宮城県
水道用水供給事業会計補正予算第十七 議第四十二号議案 平成四年度宮城県
工業用水道事業会計補正予算第十八 議第四十三号議案 平成四年度宮城県
工業用地等造成事業会計補正予算第十九 議第四十四号議案 平成四年度宮城県
有料道路管理事業会計補正予算第二十 議第四十五号議案 核燃料税条例第二十一 議第四十六号議案 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例第二十二 議第四十七号議案 各種使用料及び手数料の改定等に関する条例第二十三 議第四十八号議案 県税減免条例の一部を改正する条例第二十四 議第四十九号議案
看護学生修学資金貸付条例の一部を改正する条例第二十五 議第五十号議案 屋外広告物条例の一部を改正する条例第二十六 議第五十一号議案 警察署の名称、位置及び管轄区域に関する条例の一部を改正する条例第二十七 議第五十二号議案 町の境界変更について(大和町と大郷町)第二十八 議第五十三号議案 宮城県と仙台市との間の教職員の研修に関する事務の受託の廃止について第二十九 議第五十四号議案 一級河川の指定及び変更について(
北上川水系シツミクキ沢川、小野松沢川、時鳥沢川、二迫川及びヒアシクラ沢川並びに鳴瀬川水系奥田川)第三十 議第五十五号議案 財産の取得について(
古川合同庁舎建設用地)第三十一 議第五十六号議案 財産の取得について(警察庁舎建設用地)第三十二 議第五十七号議案 財産の取得について(蔵王野鳥の森用地)第三十三 議第五十八号議案 工事請負契約の締結について(野鳥自然博物館(仮称)新築工事)第三十四 議第五十九号議案 平成四年度市町村受益負担金について第三十五 議第六十号議案 平成四年度
流域下水道事業受益負担金の変更について第三十六 議第六十一号議案 専決処分の承認を求めることについて(和解及び損害賠償の額の決定)第三十七 報告第一号 専決処分の報告について(宮城県水産試験場新築工事(二工区)の請負契約の変更) 〔提案理由の説明〕第三十八 一般質問(代表) 〔佐々木久壽君、曽根冨二男君〕 ─────────────────────────────────会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第一号議案ないし議第二十七号議案三 日程第三ないし日程第三十六 議第二十八号議案ないし議第六十一号議案四 日程第三十七 報告第一号五 日程第三十八 一般質問(代表) 〔佐々木久壽君、曽根冨二男君〕 ─────────────────────────────────
△開議(午後一時一分)
○議長(亀谷博昭君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。 ─────────────────────────────────
△会議録署名議員の指名
○議長(亀谷博昭君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に四十九番佐藤光輔君、五十番佐々木久壽君を指名いたします。 ─────────────────────────────────
△諸報告
○議長(亀谷博昭君) 御報告いたします。 総務部参事兼秘書課長菅原清毅君から、三月二十三日まで所用のため欠席する旨の届け出がありました。 ─────────────────────────────────
△議第一号議案ないし議第二十七号議案
△議第二十八号議案ないし議第六十一号議案
△報告第一号
△一般質問(代表)
○議長(亀谷博昭君) 日程第二、議第一号議案ないし議第二十七号議案及び日程第三、議第二十八号議案ないし日程第三十六、議第六十一号議案並びに日程第三十七、報告第一号を一括して議題といたします。 知事から追加提出議案の提案理由の説明を求めます。知事本間俊太郎君。 〔知事 本間俊太郎君登壇〕
◎知事(本間俊太郎君) ただいま追加上程されました平成四年度補正予算案を初め提出議案の概要につきまして御説明申し上げます。 平成四年度も余すところあとわずかとなりました。この一年を振り返ってみますと、景気の低迷による県経済及び県財政への深刻な影響や農林水産業が内外とも厳しい環境のもとに置かれるなど、さまざまな問題があり、大変厳しい年でありましたが、一方では仙台空港の二千五百メートル滑走路の供用開始、本県初の海外事務所の設置、北海道・東北地方が一体となった北海道・東北二十一世紀構想の推進、更には全国みどりの愛護のつどい、海の祭典、
全国食文化交流プラザ、そして全国生涯学習フェスティバルなど、将来を見据えた多彩な試みも行われ、東北、そして宮城の新しい発展に向けて着実な歩みを示した年でもありました。 今回の補正予算案は、
国庫支出金等歳入予算の確定、及び歳出予算の執行額の確定に伴う年間の整理などを行いますほか、本県の財政状況が極めて憂慮すべき状態にあることにかんがみ、県税の若干の増収分及び事務的経費の節減等により基金の取り崩しの一部を取りやめるなど、平成五年度以降の財源を確保するための措置を講じようとするものであります。 補正予算案の内容につきましては、別表主要項目表のとおりでありますが、その主なものにつきまして、以下御説明を申し上げます。 まず、農業農村整備事業における市町村負担のガイドライン導入により、財政負担が増加する市町村を支援するため、市町村振興資金の中に無利子の緊急資金を創設するほか、地方拠点都市地域内での業務拠点地区(
オフィス・アルカディア)の整備に向けて、石巻市が実施する調査に助成するとともに、個性的で魅力あふれる地域づくりを行う市町村に対して助成する活力ある
地域づくり推進事業を増額いたしております。 次に、仙台空港につきましては、東北地方の国内・国際航空貨物輸送の拠点として、航空貨物を取り扱う施設の充実と運営体制の整備が強く望まれておりましたが、これら航空貨物取扱施設の整備と管理運営等を行うための第三セクターである
仙台エアカーゴターミナル株式会社がこの四月に設立されることとなりましたので、必要な出資を行うことといたしております。 農業関係でありますが、来年度から実施される水田営農活性化対策において、転作等目標面積が緩和されたことに伴い、水稲復元に必要な用排水路の整備などに要する経費に対し助成いたします。また、農業農村を取り巻く厳しい環境にかんがみ、農業協同組合について広域合併を推進し、組合の経営基盤を強化するため、
農業団体経営基盤強化基金 仮称でありますが、これを設置する宮城県
農業協同組合中央会に対し、県も支援することといたしております。 このほか古川市が建設する
出土文化財管理センターへの助成及び第四十九回
国民体育大会冬季大会スキー競技会に向けて鳴子町が行う
クロスカントリーコースなどの整備に対する助成の追加についても所要の措置を講じております。 また、地方財政の健全化に資するため、臨時財政特例債の未償還残高の一部が
臨時財政特例債償還基金費として地方交付税で措置されておりますので、相当額を県債管理基金に積み立てることといたしております。 更に、当初予算及び九月補正予算で予定しておりました財政調整基金、県債管理基金の取り崩しにつきましては、冒頭でも申し上げたように、県税収入について若干の追加の見通しが立ったほか、事務的経費の節減及び歳出予算の執行残の活用などにより、その一部であります財政調整基金三十八億円、県債管理基金五十億円の取り崩しを取りやめ、平成五年度以降に予想される厳しい財政状況への対応力の確保を図ってまいることといたしております。 以上、補正予算案の主な内容につきまして御説明を申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で八億九千六百余万円ですが、その他の会計で減額がありますので、総計では十六億八千四百余万円の減額補正となっております。財源といたしましては、県税四十八億円、地方交付税百三十億九千四百余万円などを追加したほか、国庫支出金、県債などを減額いたしております。 これによりまして、本年度の予算規模は、一般会計で七千九百六十九億七千二百余万円、総計で九千八百二十二億一千二百余万円と相なるのであります。 次に、予算外議案について申し上げます。 条例議案中、議第四十五号議案は、現行核燃料税条例の適用期間が平成五年六月二十日に終了することに伴い新たに条例を制定しようとするもの、議第四十六号議案は、都市計画法及び建築基準法の改正に伴い関係条例について所要の改正を行おうとするもの、議第四十七号議案は、各種使用料及び手数料の改定等を行おうとするもの、議第四十八号議案は、地縁による団体が取得した不動産に係る不動産取得税を免除しようとするもの、議第五十号議案は、屋外広告物について、地域の良好な景観形成を図るため
広告物景観モデル地区制度を新設するなど所要の改正を行おうとするもの、議第五十一号議案は、仙台中央警察署及び仙台東警察署の管轄区域の変更並びに仙台南警察署の移転に伴う位置の変更について所要の改正を行おうとするものでありまして、その他関係法令の一部改正等に伴い所要の改正を行おうとするものを含めまして計七カ件を提案申し上げております。 また、条例外議案でありますが、議第五十二号議案は、町道改良事業の実施に伴い町の境界を変更することについて、議第五十三号議案は、仙台市の県費負担教職員の研修に関する事務の受託を廃止することについて、議第五十四号議案は、一級河川の指定及び変更について、議第五十五号議案ないし議第五十七号議案は、
古川合同庁舎建設用地等を取得することについて、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第六十一号議案は、負傷事故に係る和解及び損害賠償の額の決定について専決処分いたしましたので、その承認を求めようとするものであり、このほか工事請負契約の締結及び市町村受益負担金に関するものを合わせまして十カ件を提案申し上げております。 以上をもちまして提出議案の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願いを申し上げます。 なお、この機会に一言おわびを申し上げたいと存じます。 昨日、県職員の中から汚職の容疑によりまして逮捕者を出すという不祥事が発生いたしましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。この席で、心からおわびを申し上げますとともに、今後一層職員の綱紀の粛正とモラルの高揚を図り、県政に対する県民の信頼を一日も早く回復するよう努力いたしてまいる決意でございます。何とぞ今後とも御指導のほどお願い申し上げます。 ───────────────────────────────── 平成四年度三月補正予算案の主なる項目 (単位千円)項目 金額 活力のある
地域づくり推進事業費 一九二、三〇〇
仙台エアカーゴターミナル(株)出資 一〇〇、〇〇〇
オフィス・アルカディア推進事業費 五、〇〇〇 信用保証協会出捐金 一二七、三二六
農業団体経営基盤強化基金出資金 五〇〇、〇〇〇
水田農業確立条件整備事業費 五〇、〇〇〇
市町村振興資金貸付金 六二八、七〇〇 森林病害虫防除費 一九、〇四七
高齢者住宅財団出捐金 一〇、〇〇〇
出土文化財管理センター建設費 一五、〇〇〇 第四十九回
国民体育大会スキー競技会開催準備費 十四、〇〇〇
県債管理基金積立金 一〇、八五二、七七二 土地基金積立金 八九九、〇五一 ─────────────────────────────────
○議長(亀谷博昭君) ただいま議題となっております各号議案についての質疑と、日程第三十八、一般質問とをあわせて行います。 質疑、質問は、順序に従いお許しいたします。五十番佐々木久壽君。 〔五十番 佐々木久壽君登壇〕
◆五十番(佐々木久壽君) 今回の知事選挙に当たり、県民多数の信任のもと当選を果たされました本間知事に対しまして、自由民主党議員会を代表し、心から敬意を表するともに、お祝いを申し上げ、これからの御活躍を御期待申し上げるものでございます。 さて知事は、このたびの選挙を通じ、今後県政運営を進めていく基本姿勢として、引き続き県民と対話する開かれた民主的県政、市町村を大切にする県政、情熱を持って果敢に挑戦する県政を推進していく。そして、更には美しい緑、温かい心、しなやかな知性というキーワードのもとで、県民一人一人が真の豊かさを実感できる地域社会の形成を目指していくということを強く主張されてまいりました。また、このため、自然環境に十分に配慮しながら、人と自然が調和する森と海の宮城、生涯にわたり心身ともに健康で、安心して暮らせる福祉の宮城、地域と産業が輝く活力のあふれる宮城の実現を図ることが大切であるとも主張されてまいりました。 こうした知事の基本姿勢については、私としても賛意をいたすものでありますが、本県が東北の中枢県として果たすべき役割への期待が一層高まっていることを踏まえると、県内各地域の歴史、伝統、風土等に根差した美しく、穏やかで豊かな県土づくりへの取り組みに加え、東北各県、更にはまた北海道等と連携した取り組みもより強く求められているものと認識をいたしております。 世界は、今、政治経済等の相互依存関係が一層緊密化する中で、民族問題を起因とする地域対立や南北格差問題、更には、国内はもとより国際社会の経済社会構造にまで踏み込んで、地球環境問題への取り組みが求められているなど、新たな文明のあり方を懸命に模索している状況にあると言えます。これらのことを見据えると、迎えようとしている西暦二〇〇〇年は、単に新たな世紀の門口にとどまらず、新たな一〇〇〇年の門口として、巨大な吸引力を世界の隅々にまで、また人間一人一人の心の奥底にまで及ぼしているのではないかとさえ思われるのであります。このような歴史的転換点を目前に控えたこの七年間が新たな一〇〇〇年に向けた揺るぎない県土づくりを進めていく上で最も重要な期間であることは、知事本人としても強く意識なさっておられることと存じております。 地域は、今、国という枠組みを維持しつつも、世界に直結するものとして地球市民社会の一員として、そのあり方が問われております。また、折しも北海道・東北地方は、環太平洋経済圏と環日本海経済圏を結節する地域として、人と自然が調和した新たな国土軸の形成を進め、我が国はもとより世界の中で二十一世紀の新たな文明を創造するフロンティアとして、大きな飛躍を遂げようとしております。そして、これは本間知事の高い識見と指導性の成果でもあるわけでありますが、その具現化に向けて、北海道・東北は一つという理念のもとに、北海道・東北二十一世紀構想の取り組みが行政、民間等の連携のもとに展開されているほか、
東北インテリジェント・コスモス構想等々、本地方の独自性を生かした主体的な取り組みが展開されてきております。 しかし、こうした取り組みを力強く進めていかなければならないその一方において、今後の本県の行財政運営につきましては、低迷を続ける経済環境を反映し、まだまだ厳しいものがあります。また、選挙公約に掲げられました重点的に取り組む分野に係る事業はその数も多く、保健・医療・福祉中核拠点、下水道や都市公園、県図書館や総合運動公園等の整備、農林水産業の振興と工業基盤の強化、国際空港、国際港湾としての整備と新たな拠点都市等の形成など、事業規模の大きなものが非常に多くあるとともに、目指す県土像の実現に向けては、市町村はもとより県民の理解と参加、民間諸活動の総合といった乗り越えなければならない課題も山積しているはずであります。 そこで、今後県政の運営を進めていくに当たっての知事の御所見をお伺いいたします。 まず第一点は、東北の宮城としての位置づけの一層の高まりや進展する国際化の中での県土づくりの二期目に向けて、どのように宮城の将来を位置づけ、東北のリーダー県としてどういう役割を果たさんとしているのか、そして、そのためいかなる施策展開をしていこうとしておられるのか、その抱負なるものをお示しいただきたいのであります。 また、第二点目でありますが、さきに行われました知事選挙は、投票率四五・三二%とこれまでの知事選挙で最低の投票率を記録いたしましたが、県並びに市区町村の選挙管理委員会はもとより、私ども県議会議員も機会あるごとに投票率向上を呼びかけてまいったにもかかわらず、このような結果に終わりましたことは、まことに残念であります。伺いますと、県選管では有権者への啓発のためにSL自動車の巡回や猫の形をした大型の人形の設置など、目新しい手法も取り入れて最大限の呼びかけを行ったということであり、その努力に対しましては、心から敬意を表するものであります。しかしながら、最近の投票率低下の傾向は社会的現象であり、選挙のたびごとの啓発活動では限界があるのではないかとも考えられるのであります。日常的な啓発活動を充実し、政治に対する有権者の関心を高めて、有権者の目をふだんから政治や選挙に向けていくようにすることが重要なのではないでしょうか。そのためにも県が広範囲に推進している社会教育、更には学校教育をも視野に入れた啓発、教育の手法を幅広く展開していくことが必要ではないかとも考えるのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、地域経済について、今後の景気見通しと財政運営関係についてお伺いをいたします。 我が国の経済は依然として低迷の状態にあります。国も地方もこの景気低迷の影響を受けて税収が大きく落ち込むため、財源の確保に頭を痛め、予算規模も極めて伸びの低い緊縮型にならざるを得ないものとなっております。そして、その一方では、景気の回復を図るため、どうにか財源を工面して、投資的経費の伸びを確保しているのであります。本県におきましても、今議会に提案されている当初予算案を見ますと、いわゆる骨格予算ながら、公共事業関係の予算を前年度当初並みとし、景気対策に重点を置いたものとなっており、平成四年度九月での大型補正に引き続いてのこのような配慮に対し、高く評価をするものでありますが、県税収や地方交付税が二年連続して前年度実績を下回る見込みであるばかりでなく、これまで年度間の財源調整の役割を果たしてきた基金の残高も急激に減少していると聞きますと、一日も早い景気の回復を希望する一方で、平成五年度のみならず平成六年度以降の県財政に少なからぬ不安も感じるのであります。そこで、以下四点についてお伺いをいたします。 まず第一点は、今後の景気の見通しについてであります。長引く景気低迷の影響を受けて、県内でも雇用調整に関する新聞報道が出るなど、景気低迷が徐々に深刻化しつつあるように思われます。また、国は平成五年度の経済見通しの中で、実質経済成長率を三・三%と見込んでおりますが、早くもこれの達成を疑問視する声も出ているようであります。知事は、今後の景気の見通しについてどのように認識されているのか、御所見をお伺いいたします。 第二点は、この景気低迷のもとでの現在の本県の財政状況をどのように受けとめておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 第三点は、今後の財政運営についてであります。骨格の当初予算に今後政策的な予算を肉づけしていくに当たって、知事はどのように財政運営を行っていくお考えなのか、お伺いをいたします。また、景気が回復したとしても、それが税収の増となって財政に反映されるまでには更に時間が必要であり、したがって、景気回復の時期によっては平成六年度以降の財政状況も厳しいものがあると考えますが、長期的な財政運営についても知事の御所見をお伺いいたします。 第四点は、工業振興についてであります。地域経済に大きな役割を果たし、県民所得の向上を図るものとして、このような経済環境の中にあってこそ工業の振興は大変重要なことと考えております。しかし、ここ数年順調に推移してきた企業誘致も、一昨年来からの不況から、平成元年をピークにマイナスに転じており、平成二年は百五件、平成三年は七十四件、平成四年上半期で四十三件と、このままの状況で推移すれば、三年連続で前年を下回ることは確実と見られます。特に、昨年は、本県工業開発に大きなインパクトを与えるものと期待されていたアスキー社、トヨタ自動車の立地延期が発表され、関係者に大きな衝撃を与えました。これら大手企業については、県や地元市町村が一体となり、全力を挙げてその誘致に取り組んできたところでありまして、これまでの努力に対して深く敬意を表するものであります。しかしながら、これらの企業の立地を起爆剤として地域の活性化を図ろうとしていた地元関係者にとりましては、それに寄せる期待が大きかっただけに、なおさらに立地延期の報に接し、落胆も大きなものがあったわけであります。しかも、延期がいつまでになるのか、本当に計画に即した形での立地が実現するのか、何の見通しも示されないままに、地元市町村を初め関係者の不安は募る一方という現状に、いら立ちを覚えるのは私一人ではないと思います。 そこで、知事にお伺いをいたします。まず、アスキー社及びトヨタ自動車の本県への立地の見通しはどうなっているのか、そして、早期立地を実現させるアプローチを今後どのようにとろうとしているのか、お伺いをいたします。 また、このような厳しい経済情勢のもとで、本県工業振興を今後どのように進めていくのか、現在策定中の新長期総合計画に企業誘致を含め、どのような工業振興施策を盛り込もうとしているのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、保健・医療・福祉の一体的推進に必要な施策についてお尋ねをいたします。 超高齢化社会が到来する中で、高齢者が健康で、かつ安心して老後をゆだねることのできる地域社会の形成が求められております。効率を優先に組み立てられた従来の人生五十年型の社会システムにかわり、県民一人一人の生活を重視する弾力的な包容力のある優しい社会システム、すなわち教育、文化、保健、医療、福祉、住居環境の整備など、住民一人一人の生活にかかわるすべての領域において、優しい目を持った施策の展開が求められております。このことは、県が昨年八月に実施いたしました宮城県民意識調査の調査結果を見ても、県民が日ごろ特に関心を寄せている問題の第一位は、高齢化社会への対応四五%、第二位が老人福祉問題四〇%となっており、上位二位までが高齢化に関することで占められたことからも明らかであります。知事も、このたびの選挙戦では、助け合う心をはぐくむ健康と愛情あふれる長寿社会の実現を主要施策の第一位に掲げ、保健、医療、福祉サービスの一体化を図り、総合的な支援体制を確立することを県民に訴え、御理解を得てまいったことは御案内のとおりでありますが、これに関して、次の二点についてお伺いをいたします。 第一点は、保健・医療・福祉が総合化された支援体制を構築するために必要な方策についてであります。保健・医療・福祉の一体的推進は、国、地方自治体のみならず、地域住民や民間企業など各界各層の参加、協力があって初めて実現されるものと思われますが、知事はこのような体制整備のためにどのような方策が必要であると思われるのか、御所見をお伺いいたします。 第二点は、総合的な支援体制の中で、県が果たすべき役割についてであります。先ほども申し上げましたとおり、総合化された支援体制は、国、地方自治体、民間企業、地域住民等がそれぞれの役割分担のもとに、各地域、各市町村において円滑に実施されて初めて機能するものとの認識をいたしております。その中で、県はどのような役割を担い、そのためにどのような施策を展開していく必要があるのか。また、高齢者の多くは、その生涯を住みなれた地域や家庭で過ごしたいという強い希望を持っており、介護に当たられる家族の方々への在宅福祉サービスの支援強化も必要であると思われますが、あわせて知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。 近年、国民生活水準の向上や余暇時間の増大などから、生活意識が変化し、すべての国民が健康で明るい生活を営むために必要な健康、体力づくりの重要性について認識が深まり、体育、スポーツに関する関心は著しく高まってきております。 こうした機運を大きく発展させ、日常的に活発なスポーツ活動として定着させることは、県民生活のあらゆる分野を活力に満ちたものにするとともに、二十一世紀に向かって羽ばたこうとする本県にとって、大きな財産ともなるものと考えます。このような観点に立って、県民の生涯にわたる健康の保持をも図るため、スポーツ活動の支援方策をどのように進めていこうとお考えなのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、国民体育大会の開催に向けた取り組みについてお伺いをいたします。 本県においては、平成十三年に第五十六回国民体育大会夏季・秋季大会が開催されることとなっておりますが、国民体育大会は、広く国民の間にスポーツを普及し、アマチュアリズムとスポーツ精神を高揚し、国民の健康増進と体力の向上を図り、あわせて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにすることを目的として開催されるものであります。こうした目的を持つ国体を成功に導くためには、行政だけの取り組みだけでは不十分であり、官民一体となって地域の盛り上がりを図ることが不可欠であると考えます。 昨年、隣の山形県で開催されたべにばな国体は、開催県選手団の活躍だけではなく、地域住民の積極的な協力があって成功をおさめることができたものと考えております。 そこで、県として地域の盛り上がりを図る方策について、今後どのように進めていく考えなのか、知事の御所見をお伺いをいたします。また、平成十三年の本県における国民体育大会開催に当たっては、天皇杯・皇后杯獲得を目指した指導体制の整備強化、指導者の養成確保、そして選手の育成強化の取り組み等を県として積極的かつ計画的に推進していくことが必要であると考えますが、知事のお考えをお伺いをいたします。 次に、農政問題についてお伺いいたします。 近年の農業・農村を取り巻く情勢は、農村人口の減少、新規就農者の不足、担い手の高齢化、産地間競争の激化、更にはガット・ウルグアイ・ラウンドにおける米輸入自由化圧力の高まり等、極めて厳しいものがあります。このような情勢を踏まえ、国は昨年発表した新政策具体化に向け、先般農業経営基盤強化促進法案等を国会へ提出し、先進的農業経営体の育成や農地の流動化、中山間地域の活性化等について取り組みを進めつつあります。 本県の農業・農村が食糧供給基地として、安定的に農産物を供給するとともに、県土、自然環境の保全等、県民の生活を支え、また、地域経済を維持発展させる意味からも、極めて重要な役割を果たしてきましたことは御案内のとおりでありますが、今後の本県農政の展開に当たりましては、単に国の施策を受けて推進を図るということだけではなく、知事の言う地域の特性に合った農業・農村の振興を図っていくことが必要であると考えるものでありますが、知事の言う個性豊かな宮城らしい農業とはどういう農業の姿なのか、知事のお考えをお伺いをいたします。 第二点は、集落農業についてであります。農業の諸課題を解決するためには、集落の話し合いに基づいて、集落ぐるみの農業生産体制を確立していくことが大切であると考えます。しかし、集落農業は単に集落の話し合いに基づき農業の諸課題を解決するばかりでなく、農業がこれまで築いてきた伝統、文化、風習を大切に保存しながら、多様化した農村集落に住むすべての方々が持っている能力、機能を各自が分担し合い、豊かな生活を理想としていくことではないかと考えるのであります。また、国が提唱しております新政策を理想的に推進するためにも、こうした考え方が大切ではないかと思うのでありますが、知事の集落農業に対する基本的な考え方と今後の進め方についてお伺いをいたします。 第三点は、圃場整備完了後における営農についてでありますが、県におきましては、稲作、転作を組み合わせた生産性の高い農業を実現するため、積極的に一ヘクタール区画を中心とした圃場整備を推進しておられますが、事業により大区画圃場に整備されましても、依然として水稲と麦、大豆などを組み合わせた旧来の作付体制となっております。ハード事業では二十一世紀型をうたいながら、生まれ変わった圃場に対しては、この営農体系には二十一世紀という感じが余りしないのでありますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 第四点は、園芸振興についてであります。これまで県では園芸振興のため種々の施策を講じてこられましたが、その成果としてホウレンソウ、イチゴ、バラ、菊等の施設園芸産地が育成されてきていることはよく理解をいたしております。しかしながら、昨年のように青果物の価格の低落がありますと、農家の園芸に対する取り組み意欲の低下やせっかく育った産地の消滅につながるのではないかと危惧しているところであります。今後は拠点となる新しい園芸産地の育成に努めるべきではないかと考えますが、いかがでありましょうか。 第五点は、畜産振興についてであります。肉用牛については、本県が従来から黒毛和種の主産地ということもあり、また、自由化にも対応できるということで、仙台牛等の高級牛肉生産に目が向けられてきております。しかし、最近のバブル経済の破綻により、高級牛肉の価格にも影響が出てきており、消費者の需要が低価格の大衆牛に移行していくのではないかと懸念されますが、今後本県としてどのように肉用牛の振興を進められていくのか、お伺いをいたします。 また、近年牛肉の輸入自由化対策のため、県の畜産に対する施策が肉用牛中心に進められてきておるように感じられますが、従来から養豚が本県畜産の中核をなしており、養豚の先進県として、更に複合部門の基幹作目として、養豚の振興にももっと力を入れるべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 農政問題の最後に、余暇時間の拡大や心の豊かさを求める価値観の変化に伴い、農山村の景観、文化等、ゆとりある生活へのニーズが急速に高まってきておりますが、農山村地域を快適な居住空間、余暇空間として位置づけることによって、農業・農村の多面的機能を発揮していくことが地域の活性化を図る上でも極めて重要であると考えます。こうしたことから、都市生活者が農山村地域の美しい自然や文化に触れ、地域特産品を食し、交流を楽しむ、そのことが地域に経済的効果をもたらすような受け入れ態勢の整備について取り組む必要があるのではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、水産業についてであります。 本県は年間約一千五百億円の漁業生産を上げ、現在全国有数の水産県として位置づけられておりますが、国際漁業規制は年々厳しさを増し、北洋漁業を初めとする本県遠洋漁業は次々と撤退を余儀なくされてまいりました。更には、海産哺乳動物の保護や公の海における資源管理の必要性に関する世界的な世論の高まりにより、昨年十二月限りで公海流し網漁業のモラトリアム及び本年から二年間のベーリング公海における底びき網漁業の操業禁止措置がとられるに至ったことは御案内のとおりであります。このほかにも、捕鯨問題、クロマグロの商業取引規制の動きなど、本県漁業を取り巻く環境はまことに厳しいものがあり、今まさに大きな転換の時期にあると考えるものであります。 私は、水産業をめぐる現在までの世界の流れが、資源の適正な管理という点に集約されつつある現在、世界に誇れる水産県として、まずみずからの周辺水域における資源管理型漁業の確立を急がなければならないと思うのであります。そこで、資源管理型漁業の確立に関連し、重要と思われる次の二つの点についてお伺いをいたします。 一つには、資源をふやすための方策として、今後の栽培漁業及び漁場づくりをどのように進めようとしておられるのか。二つ目には、資源管理型漁業の最も重要なポイントとも言うべき漁獲管理体制をどう整えていかれようとしているのか、知事のお考えを伺うものであります。 次に、林業についてであります。 本県の林業資源を見ますと、戦後積極的に取り組んだ植林事業によって、二十一世紀初頭には現生産量の二倍近くの木材が毎年供給可能となる、いわゆる県産材時代が到来するものと見られております。これを効果的に実現していくためには、木材の供給体制の整備と木材の需要拡大を強力に推進することはもちろんのこと、森林の整備と木材の生産を行う林業担い手の育成確保が極めて重要であると理解をいたしております。特に、林業労働力の育成確保が緊要と考えておりますので、どのような取り組みをされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 また、知事の所信表明によりますと、潤いのある緑の文化を創造するため、みどりの文化の創造計画を策定し、これに基づき、みどりの祭典などが計画されているとのことでありますが、今後ともより一層緑の大切さをアピールするため、この際、県民総参加のもとに国土緑化思想の高揚を図る全国植樹祭を早期に誘致すべきではないかと考えます。この件につきましては、これまでも何人かの同僚議員が質問をし、知事から検討する旨の御所見を得ているところでありますが、全国植樹祭の誘致について、どのように取り組まれ、その見通しがどうなっているのか、お伺いをいたします。 次に、県土基盤の整備についてお伺いをいたします。 県土の均衡ある発展を図り、ゆとりと潤いのある生活を実現するためには、県土の基盤となる道路交通ネットワークの整備促進は県政の重要な課題であります。 先ごろ国において生活大国を目指し、活力のある経済に支えられたゆとり社会を実現するため、国民の要請にこたえ、道路整備の立ちおくれに緊急に対応すべく、平成五年度を初年度とする第十一次道路整備五カ年計画の総投資額七十六兆円が閣議了解されたところであります。この計画によりますと、近年の高齢化の進展や一極集中の激化、地球温暖化などの環境問題が大きな社会問題となっている中で、今後の道路政策の目標を豊かな生活の実現、活力ある地域づくり、人、自然に優しい環境の形成の三つに置き、ゆとり社会を実現するため、道路整備に取り組むとしておりますが、具体的な道路整備方針についてお伺いをいたします。 また、本県では、アジア・太平洋の拠点を目指し、新・伊達なクニづくりの理念のもとに、新たな総合計画を策定しておりますが、国が策定中の道路整備五箇年計画を踏まえ、本県の道路ネットワークの整備について、今後どのように進めていくおつもりなのか、知事の御所見をお伺いをいたします。特に、県北地方においては、過疎化や高齢化が進むなど、地域間格差が拡大しており、これらの課題に対応するためには、産業経済や地域間交流の活発化や地域の活性化を図ることが最も重要であり、高速交通体系の整備やそれを有機的に連絡する、より規格の高い道路の整備は必要不可欠であると思います。 県では、これらの課題に対応すべく、今年度より県北高速幹線道路の本格的な事業に着手したほか、古川 登米間の域内幹線道路の調査を進められておられますが、これらの早期整備は地域住民の切なる願いでもあり、県北地方にとっても、県全域にとりましても、非常に期待されているものであります。つきましては、これらの具体的な整備計画についてお伺いをいたします。 最後に、来年度実施する意向とも伺っております県の機構改革についてお尋ねをいたします。 先ほど申し上げてまいりましたように、二十一世紀を見据えながら、本間県政二期目に向けて取り組まなければならない諸課題が山積をしているという状況にあります。更に、本間県政の将来ビジョンとなる長期総合計画の策定が現在進行中でありますが、この計画に盛り込まれた本間カラーあふれる政策をしっかりと実施に移していただく、このことが今後に向けての大きな課題となってまいります。 このような県政をめぐる諸情勢や、最近一層複雑多様化傾向を強めてきている行政需要に的確に対応していくためには、柔軟性に富んだ効果的な執行体制の整備こそが極めて重要であると考えます。現在の県の組織機構も、前回の機構改革のときから既に十年以上も経過しており、実態にそぐわなくなってきている面も見受けられますので、この際、英断をもって改革に取り組まれることを切に期待するものであります。 また、改革を実施することにより、ややもすれば縦割り意識にとらわれがちな職員の意識改革を促すという効果が期待できるとともに、組織全体に活性化という新風を吹き込むことにもなり、結果的には組織全体としての活力維持につながるのではないかと思うのであります。 そこで、お伺いをいたしますが、知事は今回の機構改革をどのようなところに視点を置いて、いつから実施されるお考えなのか、明らかにしていただきたいのであります。 以上で、私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(亀谷博昭君) 知事本間俊太郎君。 〔知事 本間俊太郎君登壇〕
◎知事(本間俊太郎君) お答えをいたします。 まず第一点の東北をリードする宮城県の役割は何かというお尋ねでございますが、御質問にもございましたように、世界は大きく変化しておりまして、それぞれの地域が相互に依存するという関係が深まっております。東北なり宮城県の役割を考えますときに、こうした世界の変化がどのような方向へ向かっているかということを考えながら、また、我が国が二十一世紀においても安定的に発展できるようにしていく。そういう中で、東北の宮城の発展、役割というのはどこにあるのかということを考えなければならないと思っております。 国際関係では、私は、二つ私なりに新しい問題が指摘できるんじゃないかと思いますけれども、その一つは世界的に自治の高まりということが起きてきております。第二次大戦後、ほとんどの欧米の植民地が解放されまして、アジア、アフリカではそれぞれの国々が独立して、これまで発展を模索してまいりました。我が国もその一つでございます。戦後の中から復興、成長を遂げてまいったわけでございます。しかし、ここにソ連邦、これが支配している東欧、こうした巨大帝国があったわけでございますが、ソ連共産党の崩壊によって、これらの地域が新しい国づくりを胎動いたしておるわけであります。こうして軍事対立をしている時代は、巨大な国が必要だったわけでございます、軍事力などの攻勢のためには。しかし、これからは経済とか平和、そういう中ですから、巨大国家の時代から、それぞれ民族とか言語、宗教とか、そういうものが一体となって、自分自身で地域を発展させていこう、こういう傾向が出てきておりまして、ソ連においてもロシア共和国を初め、幾つかの国々に分化しようとしておりますし、東欧においてもユーゴスラビアとか、あるいはチェコスロバキアと、分裂あるいは対立、こうした動きがまだまだ今後大きく影響が続いてまいりますし、これまでの国々においてもそうした新しい変化が中東その他で起きてまいります。また、アメリカやカナダ、そういう国々においても、ケベックが独立したいとか、あるいは国全体として画一的な政策を行っておると発展できない。太平洋岸は太平洋岸で独自にほかの国と結びついていこうじゃないか、こういう傾向が出てきております。 第二の変化は、やはりアメリカとヨーロッパ、中東などを含めた大西洋貿易が太平洋貿易よりも額的にも小さくなってきておって、いよいよ次の時代は太平洋の時代だ。つまりアメリカの西側と日本を含むロシア、中国、韓国、台湾、香港、フィリピン、シンガポール、そしてオーストラリアまでこういう圏域に入っている。これは一つには人口が極めて大きいんですね、この向こう側よりも。そして、成長率も非常に高い地域が多くなってきている。こういうことですから、こういう観点を考えると、我が国は国際対応しなければなりませんが、従来の東北・北海道は行きどまりでありましたけれども、今やこうしたロシア共和国、中国が開放されて、ともにみずから地域の活性化を行おうとしておるわけでありまして、そこに東京 仙台 札幌の新しい国土軸の国際的な役割というものが出てまいっておりますし、また、極めて積極的にアメリカのワシントン州とか、ブリティッシュ・コロンビア州とか、太平洋岸に面している地域が東北なり北海道と結びつこうとしておりますし、また、ロシアや中国も東北と交流を求めてきている。したがって、国際的にはそうしたアジア・太平洋経済圏の一つの拠点として役割を果たしていかなければいけない。 また、国内的には、これまで大量生産、大量消費の工業発展のみを続けてまいりました我が国が、地球環境の問題とか、もっと人間らしい生活をつくり出していくとか、新しい課題が起きておりますときに、関東から関西までの過密地域とは異なった新しい地域づくりを展開する必要があるわけで、そういう点から見ると、東北は豊かな自然や国土空間や、また、東北独自の文化、歴史を持っておるわけで、新しい実験的なフロンティアとなり得る。これは前から言われておりましたけれども、いよいよそういう時代に差しかかってきたということでありまして、そうした東北の特色を生かした地域づくりを行っていく、そのリーダーが我が宮城県というふうに考えておりまして、この長期総合計画におきましても、アジア・太平洋の国際拠点、そして森と海と人の宇宙論、そういう大きな考え方を持ってきておりまして、今後第二国土軸上の構想をどうするかということが非常に大事な問題でありますので、北海道・東北二十一世紀構想あるいは南東北中枢広域都市圏構想、あるいは
東北インテリジェント・コスモス構想などを重ね合わせながら、我が県がリードしてまいりたいと思っております。したがって、このための空港、港湾、道路網等々の社会資本の整備、また、その上に立つ産業のソフト化、技術、人材の育成、こういうことを大切にし、そして最終的にはここに住んでいる人々がいかに自然と調和しながら、すばらしい生活を送っていけるか、福祉とか文化活動とか、あるいは教育とか、こういうことも大切でございまして、自然、人間、新しい文明というものが調和するような、そういう宮城県にしてまいりたいと思いますし、宮城県が東北・北海道の中心となって、国に対してもさまざまな要望をいたしてまいりたいと思います。 次に、選挙の投票率の低下傾向にかかわる御質問でありますけれども、選挙の啓発にとりましては、有権者の政治意識の向上と投票総参加を目指して、広範な活動の展開を恒常的に反復継続していくことが大切ということは、同感でございます。教育分野における啓蒙など、御指摘の御意見も踏まえまして、特に若い人たちの投票率が低下しているということは、豊かな社会になり、自立していないという問題もございますので、こうした教育面からもよく検討していただいて、県民の政治、選挙に対する意識の高揚になお努めてまいりたい、このように思います。 次に、景気の問題でございますが、県内の経済は公共工事が順調に推移しておりますほか、住宅建設も緩やかに回復しておりますけれども、しかし、百貨店の売り上げあるいは新車が売れない等々など、個人消費が依然として低迷しておるわけです。また、生産の活動も弱含みで推移しておりまして、有効求人倍率も、一月は一・〇五倍に落ち込むなど、低下傾向にありまして、本県経済の先行きというものは今後とも引き続き厳しいものと、このように思うわけであります。 御承知のように、現在国においては公共事業あるいは財政投融資計画の規模拡大等に努めて、景気対策に積極的に取り組んでおるわけでありますけれども、県といたしましても、景気低迷に対する対策として、庁内に宮城県景気対策連絡会議を設置いたしまして、総合的な連絡調整なり情報収集を図って、今後県内企業等に対する相談の業務を初め、公共事業の上期前倒しの執行、中小企業金融対策、それに雇用対策、こういうことも含めまして、国の施策と連動しながら、効果的な景気浮揚対策を展開してまいりたい、このように思います。 以上のような国及び本県の景気低迷を反映いたしまして、財政はどうかということでございますが、一般財源の大宗を占めます県税、そして地方交付税、この二つが大幅に落ち込む見通しでございます。まず第一の県税についてでありますけれども、法人関係税、県民税利子割の落ち込みによりまして、平成三年度決算額およそ二千四百九十六億円に対しまして、今年度はおよそ百三十億円、五・四%の減の見込みとなっております。更に、来年度も同じような減少が避けられない状況にあります。また、地方交付税につきましても、その原資となる法人税、これが減収等によりまして、平成三年度決算額で約千七百七十六億円に対しまして、今年度はおよそ六十億円、約三・四%減の見込みとなっておりまして、来年度もやはり同じような程度の減少が見込まれるということであります。 このように、県税及び地方交付税の双方が二年連続して前年度を大幅に下回るという事態はいまだかつてないことでありまして、極めて深刻な状況にあると受けとめております。しかも、これまでの御指摘にもございましたが、年度間の財源調整機能を果たしてきた財政調整基金も、その残高が平成三年度末の約百六十三億円に比べてもおよそ四十億円減少しておりまして、このような状況が続けば、遠からず基金の額も底をついてしまうこととなるわけです。このように、本県の財政状況は極めて憂慮すべき状況にある、このように認識いたしております。 このような財政状況の中で、やはり東北新時代の中核県にふさわしい県土基盤の整備、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据えた着実な社会資本の整備、活力に満ちた魅力ある地域づくりなど、県政の諸課題に適切に対応し、計画的かつ着実にこの施策を推進してまいりますためには、必要な歳入の確保に努める一方で、施策の思い切った選択を行いますとともに、経費の徹底した節減の合理化に努め、この難しい局面を乗り越えなければならない、このように考えております。 今後の肉づけ予算の編成に当たりましては、財政の健全性の維持に配慮しながら、限られた財源でありますから、これを重点的、効率的に配分を行ってまいりたいと思います。また、現下の経済動向を見る限り、平成六年度以降の財政状況も全く楽観を許さぬ厳しいものになると見込まれます。したがいまして、中長期的な観点から本県財政の健全性を確保していくためには、財政全般についての見直しを行い、財政構造の改善を図っていく必要があると考えております。 具体的には、歳入面におきましては、賦課調査の徹底などにより県税収入の確保に努めるということはもちろんでありますけれども、後年度において交付税措置が講じられるような県債、こうしたものを積極的に活用するなど、できる限り有利な資金の導入に努めるということが大事であります。また、使用料、手数料や各種分担金、負担金についても、受益者負担の原則に立脚いたしまして、その適正化を図ってまいりたいと考えております。 他方、歳出面におきましては、当面公共投資の促進を図ることなどによりまして、景気の早期回復を期すとともに、各種の施策について、まず第一点では優先順位を選択を行う。それから、第二点として既定経費の縮減による財源の捻出、三つ目として一般行政経費の抑制、補助金などの徹底した整理合理化と総額の抑制、後年度負担や職員数の増加を伴う施策の抑制など、歳出構造の改善に取り組みながら、財源の重点的、効率的配分に徹してまいらなければならないと考えております。 次の御質問でありますが、アスキー社及びトヨタ自動車の立地の見通しと本県の工業振興についてでございますが、現在、御承知のように、産業界は長引く経済不況、これから新たな設備投資を手控えている現況にあります。アスキー社、トヨタ自動車につきましても、この不況化での判断をいたしておるわけでございまして、立地延期はまことに残念なことではありますけれども、それぞれの企業の事情ということもまた考えてやらなければならないというふうに思っております。しかし、両社の立地は御指摘のとおり、本県工業振興を図る上からも、また、地域の活性化を進める観点からも大変重要でありまして、県といたしましては、早期立地の実現に向けて、引き続き全力を傾注してまいります。 また、現在策定中の長期総合計画におきましても、工業振興を県政の再重要課題の一つとして位置づけ、工業集積の新たな中枢拠点となる仙台北部第二中核工業団地の開発を初め、県内各圏域での工業団地の整備や工業技術センターを拡充することによりまして、仮称でありますが、産業技術総合センターといったふうに発展させて整備するなど、生産基盤と研究開発基盤整備のためのプロジェクトを盛り込んだところでございます。県といたしましては、二十一世紀における我が国をリードする新たな産業技術開発拠点宮城の創造に向けまして、産学官が一体となって今後も工業の振興に努力していく必要があると考えております。 次に、保健・医療・福祉施策についてでありますが、御承知のように、高齢化が急速に進展しております。こうした点を踏まえて、本県ではきめ細かな保健・医療・福祉サービスの総合化、一体化を進める指針といたしまして、平成三年度に宮城県保健医療福祉基本構想を策定いたし、県民総参加による「豊かな長寿県宮城」の実現に向けまして、鋭意取り組んでおります。 お尋ねの保健・医療・福祉の一体的な推進方策でありますけれども、従来の行政組織の見直しを行うとともに、医療機関、医師会など、関係団体との密接な連携、子供のうちからの福祉マインド教育の充実、更には民間企業や地域住民の参加、協力を得たボランティア組織づくりなどの方策を推進する必要があると考えております。その中で県が果たすべき役割は、福祉サービスの第一義的担い手であります市町村に対しまして、必要な助言指導あるいは広域的調整を行うほか、各地域における保健・医療・福祉の一体的な推進のための支援体制を充実していくということにあると考えております。 このため、健康づくりや生きがいづくり、あるいは心身の機能低下や障害に対する適切な治療、機能回復のための総合的リハビリテーション、マンパワーの養成、研修、そして各種情報、相談、調査研究開発などの機能を有する中核施設を整備いたしまして、これを核として、市町村への総合的な支援体制の充実を図りまして、宮城らしい社会ケアシステムを構築してまいりたいと考えております。 また、介護に当たられる家族の方々への在宅福祉サービスの支援強化については、これまでホームヘルパー、ショートステイ、デイサービスの在宅三本柱の充実に加えまして、県単の在宅ケア支援事業、走る介護教室運営事業などを実施してまいりましたが、御質問にもあります介護手当を含めまして、総合的な在宅福祉対策のあり方について、在宅と福祉施設サービスを一元的に担うことになります市町村の意向を踏まえまして、現在具体策の検討を進めているところでありますので、御理解を賜りたい、このように思います。 次に、スポーツ振興でありますが、仰せのとおり高齢化の問題なり、健康を大事にしようということで、スポーツ人口は非常にふえてまいっておりますし、ニーズも多様化いたしております。したがって、県としましては、生涯学習のテーマと同じように、すべての県民がいつでも、どこでも、だれでもスポーツに親しめるように、市町村と連携をとって身近なスポーツ施設の整備、学校体育施設の開放などを進めますとともに、気軽に参加できるスポーツイベントとして、ヘルシーふるさとスポーツ祭や県民体育大会なども開催しております。今後更に指導者の養成、ニュースポーツの普及などを進めることが望まれますので、市町村等における取り組みの強化を促進してまいりますとともに、スポーツ振興基金を活用した支援やスポーツの振興を図るための財団の設立、こういうことについて今後検討していく必要があると思っております。 次に、平成十三年に本県で開催が予定されております国民体育大会につきましては、二〇〇一年という新しい世紀の幕あけにふさわしい夢と希望にあふれる魅力あるスポーツの祭典にいたしたい、こう希望しておりまして、県下全市町村が何らかの形でこの大会に参加できることを基本にいたして、競技施設の整備でありますとか、より一層のスポーツ振興を図りますとともに、伸びやかで潤いのある心豊かな地域づくりに努めたい、このように思います。 昨年四月には国体準備室、六月には県内各界各層から成る国体準備委員会を設置いたしております。今後は早急に会場地市町村を選定いたし、関連施設の整備を促進するとともに、会場地となるそれぞれの市町村はもとより、県民一人一人が国体開催の意義を理解し、それぞれの立場で積極的かつ自発的に国体に参加する機運を高めていくように努めてまいります。 次に、平成十三年国体に向けての競技力向上対策についてでありますが、本県選手のスポーツ界における活躍は、県民の活力の増進でありますとか、明るい地域社会をつくる上で大変大切な役割であります。県としましても、これまで県体育協会などの競技団体と連携を図りながら競技力向上を図ってまいりましたが、平成十三年の本県開催時におきましては、天皇杯、皇后杯をぜひ獲得できるように強化対策を講じていくことが必要であります。平成五年度には、このため先催県の例よりは先んじまして、競技力向上対策本部を設置いたしまして、競技力向上のための指導者の養成、確保対策、長期的な選手の育成強化対策を策定いたしまして、計画的な強化を進めることといたしております。強化対策費につきましても、前年度に対比しまして六五%増の大幅な増額を図ったところであります。 次に、農業問題についてお答えします。 宮城らしい農業についての御質問でありますが、農業をめぐる社会経済情勢の変化に対応して、時代に見合った形で本県の基幹産業である農業を発展させていくということが必要であります。これまでも本県農業の振興に当たりましては、ひとめぼれのデビューでは、全国に先駆けて栽培塾制度や斬新的なイメージ戦略、広報活動など、あるいは生産から流通まで一貫した取り組みを行い、肉用牛振興におきましても、早くから本県独自で種雄牛を育成し、肉質において全国的な評価を受けるなど、宮城らしい農業の展開を図ってまいりました。本県農業は、自然条件の関係もあって稲作を中心として発展してまいりましたが、今後産業としてより魅力あるものとするために、人材の育成や革新的な技術の導入を図りながら、稲作の規模の拡大等による生産性の向上、収益性の高い畜産、園芸等の振興を図り、均衡のとれた生産構造へと誘導してまいりたいと思います。 また、すぐれた景観を有する農村のよさを生かした生活基盤の整備や都市との交流なども推進しまして、更に関係機関との話し合いのもとに、単に国の施策の受け売りだけではない住民参加型の地域の独自性を生かした宮城らしい農業・農村というものの実現になお一層努力してまいる考えであります。 次に、集落農業についても御指摘いただきましたが、集落農業は集落住民の総参加のもとで、農業生産のみならず、生活や文化のあり方など、集落全体の機能と活動を幅広くとらえて、あるべき姿を見つけ、そしてそれぞれが役割分担をして、集落及び住民の全体としての発展を目指そうとするものでありまして、やはりいろんなやり方がありますけれども、それぞれ創意工夫して、みずから方向を見つけて主体的に活動するということが基本であります。 こうした観点に立って、県としましては、平成二年度から農業・農村活性化集落農業モデル事業を実施しておりますが、集落ぐるみの話し合いにより、十八ヘクタールの水田を受委託により三戸の農家に土地利用集積した事例や、ナスのロックウール栽培の導入、非農家との交流を深める朝市の開催や市民農園の開設などの幅広い積極的な取り組みと着実な成果が見られつつあるようであります。しかし、集落農業については、今後とも継続しなければなりませんので、新政策の方向をそれぞれの地域で具体的に進めていく上での推進手法の一つと位置づけまして、単に規模の拡大だけではなくて、園芸、畜産あるいは付加価値の高い特産物や農産加工など、集落の特性に応じたよりきめ細かな推進指導に私どもも努力してまいりますとともに、集落間の連携の強化なり、あるいは条件整備事業の導入などに鋭意努めまして、体質強化を図ってまいりたい、このように思います。 次に、圃場整備後の営農についてですが、御質問にありましたが、水稲、麦、大豆などの土地利用型作物だけではなくて、それぞれの地域に合った作物をやはり積極的に導入するということが、こうした新しい農業を展開する上で非常に大事であります。したがって、来年度から実施されます水田営農活性化対策の実施に当たりまして、水稲と収益性の高い露地野菜、それから施設野菜、花卉、果樹、こうしたものを組み合わせた地域農業というものをやはり展開するための指導指針というものを策定いたしたところであります。今後この指針をもとにしまして、やはり地域ぐるみで、圃場整備やったら今後はどういうふうに営農を展開していくのか、そういう構想をつくって、県独自の大規模水田農業確立推進事業などを推進しながら、二十一世紀を見据えた大区画圃場整備後の新たな先進的営農が各地で展開されるように、強力に指導推進してまいりたいと思います。 次に、園芸の問題でありますけれども、県といたしましては、これまでも園芸戦略拠点づくり推進事業あるいは花の郷づくり総合推進事業などを実施しまして、大消費地仙台都市圏を抱えた地元の有利性を生かした園芸産地の育成に努めてきたところであります。その結果、涌谷町の小ネギ、志津川町の菊など一億円以上の産地が三十八と各地に育っておりまして、ホウレンソウ、イチゴなどの施設野菜についても、年間を通じて県内市場において大体の需要量を満たす、ここまで成長してきている部門もございます。他の品目についても、安定供給できるように更に新しい産地形成というものをしていかなければなりません。特に、露地野菜については、新しい施設や機械の導入による省力生産体制の整備を進めまして、集団転作による振興を図ってまいりますし、また、中山間地域などにおいても、立地条件を生かした特産的な野菜、有機栽培等の振興に努めまして、より収益性の高い園芸産地の育成というものをなお一層推進するために努力いたしたいと思います。 なお、御質問にありましたが、青果物の価格低落対策でございますけれども、国、県の価格補償制度が確立されておりまして、ほとんどの野菜、果樹が対象となりますので、この制度の周知徹底というものを今後とも図ってまいります。 次に、肉用牛振興でありますが、最近、高級牛肉の価格にも若干影響が出ておりますけれども、牛肉全体の需要については引き続き堅調でありまして、高級牛肉のシェアも安定的に推移いたしております。したがって、全国有数の黒毛和種の生産県であります本県といたしましては、今後とも質の高いいわゆる高級牛肉・仙台牛の生産を大きな柱としてまいりたいと思います。 一方、大衆牛肉の生産については、本県の肉質のすぐれた種雄牛を活用いたしながら、質の高い素牛を確保いたしまして、低コストの乳肉複合経営や交雑種肉用牛の生産を促進することによりまして、輸入牛肉と競合しない質のよい大衆牛肉の生産に努めてまいる必要があります。 次に、養豚ですが、養豚は本県農業の複合部門の重要な作目の一つでありますことから一層振興に努める必要がある、このように私どもも考えております。幸い、本年秋には、本県開発の良質な系統豚ミヤギノの肉豚生産が開始されますので、計画的に生産の環境あるいは組織体制の整備というものを図りまして、養豚振興にも努力いたす考えであります。 次に、都市生活者と農山村の交流等の受け入れ態勢の整備についてでありますが、お話のように、国民の心の豊かさを重視する価値観の変化や週休二日制が進む中で、農山村と交流を深めようとするニーズが年々高まってまいっております。こうしたニーズを敏感にキャッチして、都市と農村というものがともに新しい共生関係を築くということは大変重要であります。このため、県としましては、緑の農村空間型の農業構造改善事業、山村振興農林漁業対策事業等々、たくさんあるわけでございますが、こうした事業を実施するほか、地域特産品の開発でありますとか、あるいは自然環境の保全、生活環境の整備と美しい農村の形成、市民農園、体験農園、伝統的な文化の継承、振興等に取り組んでまいっております。具体的に申し上げますと、柴田町の太陽の村でありますとか、あるいは宮崎町の陶芸の里などは非常に成功したケースであって、大変入り込み客も多くなってきております。今後ともこうした諸事業を生かしながら、それぞれの町村の特色を出すように指導してまいりたいと思います。 なお、下水道等の生活環境施設、農家民宿などの整備、こうしたことにも努めまして、そこに住む方自身も人間性豊かな生活を享受できるようにいたしたい、このように思っておりますし、また、都市の方々にとっても、自然とか農村の文化というものと交流を楽しむことによって、滞在型の余暇空間としても農村を活用できるようにいたしてまいりたいというふうに希望いたしております。 次に、水産業振興でありますが、資源管理型漁業の確立というのは極めて重要な課題であります。いわゆる種づくり、場づくり、人づくり、こういうものを基本として、重点的に推進しているところであります。資源をふやす方策といたしましては、これまで県内各地でのサケのふ化放流、栽培漁業センターを拠点といたしましたアワビ、ヒラメ、ガザミなど七種の種苗の生産と放流、また、クロソイの
音響馴致システムの導入、新栽培種目の量産化技術開発に取り組んでまいりましたほか、魚礁の設置、産卵育成場の造成等による海洋牧場化も図ってまいりました。これらの事業は、全体として着実に効果を上げておりますので、今後はこれまでの施策を一層強化いたしますとともに、漁業者みずからの参画によるつくり育てる漁業の推進のために、新たな体制整備を検討してまいりますほか、新技術の導入、大規模漁場造成による生産性の高いマリン・テクノファームの整備を図りながら、資源管理型漁業というものを一層進めてまいります。 次に、漁獲管理体制でありますが、これは極めて重要な課題であります。このため、漁業法を初め関係法令による漁獲調整を図っているものでありますが、やはり基本的には漁業者自身が漁獲管理をするということが最も大切であります。県といたしましては、磯根資源及び広域回遊資源としてのヒラメを対象とした漁獲管理指針を策定するために、漁業者の方々も入っていただいて、宮城県資源管理型漁業推進協議会をつくって調査検討を行っております。今後この結果を踏まえて、意識の啓発に努めながら、親魚や幼稚魚の保護のための禁止区域あるいは禁止期間の設定、網目の制限など、漁業者みずからによる管理計画の策定を指導いたしまして、自主的な管理体制の構築に努めてまいりたいと思いますし、こうした体制づくりを支援するために、必要に応じて漁業調整規則などの制度面の見直しについても検討いたして、こうした問題に対応してまいりたいと思います。 次に、林業労働力問題でありますが、お話のとおり、県産材時代の到来が予想されておるわけでございますけれども、これを支える林業労働者、近年御承知のように急速に減少、高齢化いたしておりまして、いろいろと問題があるわけでございます。県としましては、若年労働者の新規参入を促進するためには、労働条件や就労環境、これを他産業並みに整備することが必要である、こうした考えに立っているわけでございます。したがって、森林組合等の事業体の体質の強化、高性能林業機械化の促進あるいはグリーンマイスターなど、高度林業技能者の養成に努めますとともに、昨年九月にはいろいろな市町村や関係団体と連携をいたしまして、林業労働者の育成確保を大きな柱といたしましたみやぎ林業活性化基金を創設いたしまして、今後これまでの諸施策の充実に加えまして、川上から川下に至る林業関係者が一体となって取り組む流域管理システムの確立や国が新たに打ち出しました森林整備のための担い手対策、これとも呼応しながら、労働力対策の一層の推進に努めます。 なお、この労働力対策の問題は、やはり若者が夢を持って山村で活躍するということが望ましいわけですが、これはなかなか容易な課題ではございません。したがって、このための抜本的な対策を国に対しても強く働きかけてまいりたい、このように思います。 次に、全国植樹祭の誘致についてでありますが、我が県といたしましても、緑化思想の高揚を図ったり、緑を大切にしていこうという政策をさまざま進めておりますけれども、そうした意味でも大変大きな意義を持つものと考えております。このため、本県での早期開催に向けまして、国土緑化推進機構に打診してきたわけでありますけれども、既に平成八年までの開催地については決定又は内定の状況となっておるわけでありますが、平成九年については本県での開催可能性は極めて高い、こういう感触を得ております。したがいまして、関係機関とも協議の上、平成九年の第四十八回全国植樹祭をぜひ宮城県で開催できるように、近く正式に申し入れを行うことにしております。 次に、本県の県土基盤整備についてお答えをします。 まず、第十一次道路整備五箇年計画案の整備方針についてでありますが、この計画は、活力ある経済に支えられたゆとり社会を実現するため、緊急かつ計画的な道路整備を推進するものというふうになっております。その具体的な施策の一つは、生活者の豊かさを支える道路整備といたしまして、幹線道路網や沿道と連携した景観整備、こうしたものなど、地域の人々の暮らしの利便性やあるいは安全性、そして快適性というものを向上させるための道路整備であります。二つ目が活力ある地域づくりのための道路整備でありまして、三陸縦貫自動車道でありますとか、常磐自動車道などの高規格幹線道路の早期整備、交流ネットワークの充実を図りますなど、地域集積圏の形成を支援する地域高規格幹線道路の整備であります。それから、三つ目は良好な環境創造のための道路整備といたしまして、生活環境を保全し、自然環境と調和した道路の整備を進めるものであります。 こうした背景がありますけれども、本県の問題になりますと、新たな総合計画の中で、東北全体の経済、産業、文化の発展でありますとか、国際化あるいは情報化を先導していくための道路ネットワークを初めとする交通基盤の整備を重要な柱といたしております。このため、現在整備を促進している三陸縦貫自動車道や常磐自動車道、東北縦貫自動車道とを有機的に連絡する仙台南有料道路や仙台北部道路などの整備を促進し、東西の軸の強化を図ってまいります。更には、地方の中心都市相互、広域市町村圏など各圏域を構成する地域間との連携を強化し、地域の活性化に向けて開発振興拠点を支援する道路といたしまして、県北高速幹線道路などの整備を重点的に進めてまいりたい、このように考えております。 また、地域に住んでいる人たちの生活に密接に関連する道路の整備といたしまして、安全で快適な道路交通を確保し、自転車歩行者道等の整備を重点的に進めますほか、沿道の植樹帯やグリーンベルトの整備など、人や環境に優しい道づくり、こうした観点からも積極的に進めてまいりたいと思います。 次に、県北高速幹線道路の整備でありますが、現在、新幹線くりこま高原駅やサンクチュアリセンターへのアクセスの確保など、整備効果の高い区間といたしまして、築館町嘉倉地区から迫町北方地区間およそ八キロメートルにつきまして、関係町を初め関係住民に計画説明を行い、現地調査を進めているところであります。今後地元の皆様の御協力を得ながら、用地取得など事業の推進を図ってまいります。 また、古川 登米間の域内幹線道路につきましては、圏域内外の活発な交流を支える主要な幹線道路といたしまして、安全性あるいは円滑な道路交通を確保するよう整備を図ることといたしまして、関係町と協議を進めております。今後とも沿線関係町村と十分な調整を図りながら、早期の事業着手に向けて検討してまいりたい、このように思います。 最後に、機構改革についての御質問であります。現在、事務段階で鋭意検討作業を進めておりますけれども、見直しに当たっての主眼点といたしましては、一つには本格的な長寿社会の到来に備えて、保健・医療・福祉の一層の連携強化を基本としながら、マンパワーの養成確保やボランティア活動の促進、在宅サービスの拡充、各種施設の整備、生涯にわたる健康づくり対策などに重点的に取り組むための体制をどう整備するかということですね。二つ目としましては、関心が高まってきている廃棄物処理対策や、あるいは本県の美しい豊かな自然環境の保全対策などに加えて、地球環境問題への対応という視点も踏まえた総合的な環境対策を展開するための体制を強化すること、そして、三つ目でありますけれども、県土のバランスのとれた発展あるいは第二国土軸の中枢県としての機能強化を図る視点から、都市基盤の整備を初めとした県土基盤の整備に効果的に取り組むための体制を整備すること、四つ目でありますが、現在策定中の長期総合計画の戦略プロジェクト等を着実に実施に移すとともに、地域振興対策の一層の推進を図るため、総合的な企画立案機能や、あるいは庁内の総合調整機能の強化、事業推進体制の整備というものを図ることなどが目下考えておる点でございます。 したがって、現在の段階では、生活福祉部と保健環境部を再編し、新たに保健・医療・福祉行政を一元的に担当する組織を整備いたしますとともに、環境行政担当組織の充実強化を図ること、あるいは土木部に都市整備部門や建築住宅部門で構成する組織を整備すること、更に政策立案や総合調整、長期総合計画の進行管理などを担当する組織の充実強化を図ることや、政策的な重要事業の推進組織を整備することなどを中心に検討を進めております。今後更に関係者の意見なども参考といたしながら、できるだけ早い時期に成案を固めたい、このように思っておりますけれども、関係条例の改正も必要となるわけでありますので、実施の時期はこの八月ごろになるのではないか、このように思っております。以上でございます。
○議長(亀谷博昭君) 四十五番曽根冨二男君。 〔四十五番 曽根冨二男君登壇〕
◆四十五番(曽根冨二男君) 私は、日本社会党議員会を代表して、二期目の県政を担当される本間知事の県政に対する基本方針、並びに平成五年度予算案説明で述べられました九項目の主な政策課題について関連してお伺いをいたしたいと思います。 今回行われた知事選挙は、四年前において結集をされた、いわゆるクリーン宮城県民党の皆さんを含め、新たに支持結集された広範な県民各界各層の方々が組織をされた伊達なみやぎをつくる県民の会の推薦候補として、自社公民の各政党及び連合宮城がこれを支えるという、文字どおり本間知事が日ごろ信条とされる県民党の立場が名実ともに達成された中で、多くの県民から信任を得たものと総括をいたしております。選挙中、県民に訴えられた所信や政策実現のため、腰を据えて果敢に実現への努力をされ、県民の期待にこたえていただきたいと存じます。 言うまでもなく、政党政治を土台に、議院内閣制によって政権が成立をしている国政と、地方自治法によって構成される自治体及び議会と住民との関係は、全く異なる制度によるものでありまして、いわゆる地方自治の仕組みの中で、立法府である議会は、法令に基づき、その使命を達成する責任が直接県民とのかかわりにおいても果たされなければならない仕組みになっております。たまたま議会運営上会派構成をもって対応しているものの、それぞれは地域政策、あるいは地域住民の要望を踏まえて県政に反映させ、県政全般にわたツ髏ュ策をもって議会の機能を充実させる点において、知事以下行政当局の施策や日常行政について、是は是、非は非の立場、見識を持って議員並びに議会の責任を全うすることは当然のことであり、世上懸念されているような総与党化による議会のチェック機能喪失の批判が杞憂にすぎないことを、我々、生き生きとした議論によって実証するとともに、党利党略であるとか利害打算に傾斜しているとかの指弾を受けることのないように、お互いに自戒し、県民からの信頼にこたえなければならないと考えるものであります。知事は、二期目の記者会見においても、政党政治と地方政治の違いを指摘されているようでありますが、同感であります。私たちは、県政運営の基本として、開かれた民主的な県政、市町村を大事にする県政、情熱を持って果敢に挑戦する県政の三点の基本姿勢と、新しい伊達なクニづくりを基本理念として、宮城ならではの個性と活力と創造性にあふれる新しい地域づくりの理念を支持をして、選挙中の県民への公約が着実に具体化されるよう、議会の立場から県民の要求にこたえる努力を今後とも傾注していく所存であります。一方また、再選に当たって述べられました数々の知事の抱負や決意、これとともに、我々議会の一層の研さんによって、今回の投票に参加しなかった多くの県民の皆さんの県政への関心を呼び戻すことも重要であります。こういった点において、県民総実践の実を上げなければならないとも痛感をいたしております。 今回の選挙を終わっての若干の所見を申し上げましたが、知事の御所信があれば、お伺いをいたします。 次に、知事が所信表明の中で、二十一世紀に至るこれからの期間は、激しく移り変わる情勢の中で、これまで築いてきた社会資本を更に蓄積するとともに、長寿社会や地球規模での環境問題、エネルギー問題などに対応しながら、宮城の新しい発展への軌道に確固たる道筋をつけなければならない重要な時期であると確信をしているとの認識が表明されました。知事の説明の要旨の中では触れられておりませんが、二十一世紀への確固たる道筋をつける軌道こそが、本年八月をめどに策定を急いでいる県長期総合計画だと私は考えます。既に第二次の案が公表され、それぞれの場での論議の機会が予定されておりますので、意見はそちらの方に譲ることにいたしますが、私のこれからの質問の論点から、総合計画案の基本構想の冒頭に述べられております部分を引用させていただきます。すなわち、社会の新しい潮流の中で特に強調されている二〇〇〇年までの数年間は、産業文明や政治体制の枠組みを越えて、人類に新しい文明のあり方を問う最も重要な歴史的転換期になっていると強調されております。そして、本県の向かうべき方向を見据えるために、我が国を取り巻く大きな時代潮流を六つの視点から展望して、七つの主要課題を導き出されております。まさに知事が所信表明で述べられました、これから二十一世紀までの期間の重要さを展望した認識と軌を一つにするものと判断をいたしたものであります。 今まさにたび重ねて繰り返されて、やむことを知らざるがごとき国政の疑獄事件、時として地方政治を巻き込み、国会の調査権さえ形骸化し、同時にまた、検察、司法のあり方さえ国民から問われている憂慮すべき今時期にあると思います。政治改革の成否が国政、国会のあり方にかかる政界再編成に直結するかのような大きな転換期にあり、いわゆるバブル経済という金と物をどん欲に追求し続けたツケが景気停滞、低迷となって、再三にわたる政府、地方自治体挙げての数十兆円に及ぶ景気対策も容易に功を奏さない、そして加えて欧米各国からは一層の内需拡大の要求がされるという、こういう異常な経済状況に当面をいたしております。戦後五十年の日本の政治、経済のあり方が厳しく問い直されていると認識をしているのであります。 私は、永田町や霞ヶ関の中央集権政治の行き詰まりを改革するには、地方自治、地方政治に軸足を置いた政治に転換をしなければならない時代に入っているとの思いを新たにするものであります。国民の生活、文化への考え方も大きく変化しつつあります。地方自治、地方政治こそ、二十一世紀での出番となるべきときと思います。本間知事の所信を率直にお伺いしたいのであります 次に、二期目の県政執行のスタートに当たり、本間知事の思いを込めた新・伊達なクニづくり、いわゆる県総合計画が大成し、新たな県土づくりを軌道に乗せるに当たり、県の行政のあり方を見直し、時代の変化、県民の要求や期待にこたえるものにしなければならないと思います。行政としての対応の見直しは、まず何といっても県職員の理解と協力、意思の統一が何よりも重要なことでありますが、知事の理念とこれは指導があってのことと私は考えます。行政内部のことだから、できるだけ任せてほしいという考え方もあると思いますが、基本的構想とか問題意識はどうなのか、県議会を通して県民に積極的に語りかけていただきたいのであります。それは、機構のあり方のみではなく、県行政とのかかわり合いの深い市町村、また行政サービスを受ける県民それぞれの要望と直結する行政事務のあり方、権限のあり方にもかかわりがあることだからであります。知事の所見をお伺いいたします。 以上、県政運営の基本に係る三点について質問を申し上げました。 以下、県政の主要な施策について、できる限り具体的問題を提起しながら御質問を申し上げます。 その第一は、県政のもととも言うべき県財政が今危険信号が灯されております。これらの現状と見通し、その対策についてお伺いをいたしたいのでありますが、政府の平成五年度地方財政対策は、低迷する景気動向から、税収減による歳入不足を理由に、地方交付税四千億円の特例減額を地方に強い、これで三年連続の減額となったわけであります。その上、理念のない補助金の一般財源化による地方への負担転嫁であります。今回とられた数々の補助金の一般財源化は、赤字国債を回避するための地方への単なる負担転嫁と言わざるを得ないのであります。とりわけ本年五月策定される各自治体の老人保健福祉計画には、各自治体独自の施策が盛り込まれており、さきに政府が決めたいわゆるゴールドプランの水準を超えるものが多々あるのであります。こういうものをいかにして政府に認めさせていくかということが当面の課題であり、そして従来から言われておる超過負担の解消や国と地方の事務、税源の再配分という抜本的改革を迫っていく必要があると考えます。 また、一般財源化に加えて、公共事業の国の補助負担率が、本来は平成六年度にこれまでの暫定措置を見直すことになっていたものが、一年繰り上がって平成五年度に恒久化されたことであります。これまでの数十種類ありました補助負担率を五段階とした点は評価できるものの、公共事業のあり方についての見直し論議も十分ないまま恒久化され、補助率削減以前の水準と比較すると、約六千九百億円の負担増となっているのであります。一部の改善はあるものの、地方のツケ回しとなっていると思います。そして、何より地方単独事業に大幅に依存した景気対策のため、普通会計においての起債発行額は、前年対比で二一・一%の増となっていることであります。これも赤字国債発行回避を地方債に転嫁したもので、今後の財政硬直化の要因となるおそれが十分にあるのであります。 歳出の面では、我が党など、地方の要求が多少なりとも取り入れられたことは、それなりの評価をしているところであります。すなわち、森林・山村対策予算の創設、環境保全対策の拡充、地域福祉の充実、地方単独事業の内容の豊富化、国際化、地域文化振興対策、公営企業対策などで前向きの予算措置がとられたことであります。 以上、本年度の国の地方財政対策について指摘をいたしましたが、知事の所見があれば、お伺いをいたしたいのであります。 次に、県財政の現状と見通しについて触れたいと思います。 平成五年度の県税収入は、前年対比で、法人税及び県民税利子割で約百四十六億円の減、平成三年に比較すると、約二百八十億円の大幅落ち込みで、二年連続の減となっております。地方交付税も、平成三年度比で約百三十億円の減、これも二年連続の落ち込みであります。財源不足を補うため、結局は起債に依存せざるを得ないわけであります。 以上は、本県の産業構造の特徴によることも一部あるものの、さきに指摘をした政府の地方財政対策に源を発していることは論をまたないところであります。しかも年度間の財源調整の機能を果たしてきた各種基金は、二年連続の県税、交付税の減による取り崩しで急激に減少して、ここ一両年中には基金を全く当てにすることができないという状況になると懸念をいたしておりますが、実情はどうなっているのか、重ねてお伺いをいたします。 また、ここ数年間の県財政収支の見通し及び県の事業推進と財政との関係についても、その方針を改めてお伺いしたいのであります。もちろん企業会計、各特別会計と一般会計との関係についても見直しが必要と考えられますので、これらもあわせて所見をお伺いをいたします。 財政問題の最後に、景気対策についてお伺いをいたします。 平成四年度において国も県も公共事業による追加景気対策が大幅に組み込まれ、前倒し発注が行われてきましたが、年度末を控えて、工事の進捗状況はどうなっているのか、平成五年度への繰り越し分が多くなっていると聞いておりますが、現況はどうなっているのでしょうか。平成五年度県当初予算においても、建設事業については昨年当初並みに計上されており、今後更に追加計上されるであろうと思います。当然前年同様早期発注が行われると思いますが、前年度よりの繰り越しを抱えつつ受注をする業界側の消化能力をどのように判断されているのか伺いたいし、また、発注側の県の体制が十分間に合うのかどうかもあわせてお伺いをいたします。 さきに触れましたように、政府予算歳出面で評価できる予算措置が講ぜられたことでもあり、自治体としてこれを有効に活用し、県民福祉に役立てること、とりわけ地方単独事業の内容が豊富化され、例えば補助事業と単独事業を組み合わせた地方特定道路事業、ふるさと農道緊急整備事業、ふるさと林道緊急整備事業、し尿処理施設、ごみ処理施設整備充実、更には、臨時河川等、あるいは臨時地方道整備、臨時高等学校整備事業の充実が図られており、新しくふるさとづくり事業が取り入れられておりますので、これらの点を踏まえた県単独事業の具体化に取り組むことが、県民生活に直結する身近な景気対策の事業であるとも考えますので、知事の対応策をお伺いいたします。 一方、金融対策として、公定歩合引き下げに伴う中小企業への貸出金利の引き下げ、融資条件の緩和、勤労者の住宅資金への利子補給について具体的な対応があれば、所見をお伺いをいたします。また、現在懸案となっております所得税減税、あるいは政策減税についての所見、並びに円高による公共料金等の引き下げについての所見があれば、お伺いをいたします。 第二に、個性と活力に満ちた県土づくりの課題についてお伺いをいたします。 県土の均衡ある発展についてそれぞれ施策目標が述べられておりますが、私は、その中で、仙台一極集中の克服に焦点を合わせました施策に関連して所見をお伺いをいたしたいと思います。 宮城県の中の仙台市の占めてきた役割は歴史的にも古く、全国的にも京都府の京都と並んで、人口の集中集積が突出している背景や条件があるわけでありまして、最近の政令都市化によって、あらゆる分野での集中に弾みがついていると言っても過言ではないと考えます。しかし一方でまた、ミニ東京化してはならないという点でのコンセンサスも形成されつつあると思います。仙台市の東北地方、第二国土軸形成の拠点としての役割もさることながら、県土の均衡ある発展という県民の強い要望にこたえてどう対応していくかが、これからの県政の主要課題でありまして、当面の施策、長期的施策の展望はそれぞれ示されており、また一部具体化されつつあります。 私は、特に仙台市周辺の地域市町と仙台市の協調関係をつくり上げることについて提案をしたいのであります。この地域は、仙台市民の上下水道、工業用水、廃棄物の処理、公立高等学校教育、仙台空港あるいは仙台港、更にまた基幹道路、レジャー施設など、目に見えるものを取り上げましても、生活、文化、経済活動で密接な共存共栄の関係にあることは、御案内のとおりであります。広域仙台都市圏として、広域行政連絡機関なり関係があるものの、行財政面にわたる役割分担や支援協力の関係には及んでない面が多くあります。県は、仙台市とこれらの周辺地域との実質的な協調関係をつくり上げるための役割を担うべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 第三に、世界に開かれた交流拠点の形成の課題について二点お伺いをいたします。 まず、年々増大している海外からの留学生、研究生あるいは研修生を初め長期滞在者への日本語講座の本格的な開設を県として関係方面との協力を得てぜひ実現すべきではないでしょうか。外語学校等での専門研修の道がありますが、経済的負担に耐えかねている現状であります。一方また、中国語、ロシア語などを研修したいという県民の要望も逐次強くなっております。関係団体との協力によってでも本格的な講座の開設を急いでほしいのであります。 次に、外国人の技術研修生の受け入れにつきまして、本年度から政府においては従来の入管法の運用を改善緩和して、中央に受け入れの財団ができて本格的に活動を始めております。要約すると、従来の一般的技術研修生は、一定の条件において一年以内の期間制限があったのでありますが、これが一年間は文字どおり技術研修、語学の研修で、定められた各職種の一定の資格を取得した者は、更に一年間実務研修として働きながら学ぶというものであります。実務研修期間は、もちろん社会保険の適用、労働条件は日本人並みの支給をしてよいということになっているのであります。地域間の交流を通じて、技術交流の成果を更に経済交流へと発展させることが、相互理解と信頼の上に立った経済交流を成果あるものにすると私は確信をするものであります。この際、研修生受け入れの新しい方針が実現された機会をとらえまして、県、関係市町村及び賛同する企業、団体の参加によって、海外技術交流協会──これは仮称でありますが、こういったものの設立によって、秩序のある技術研修、交流が促進されますよう、強く要望するものであります。以上、二点について知事の所見をお伺いをいたします。 次に、第四に、新しい時代に対応した農林水産業の育成の課題についてであります。 まず、稲作、畜産、園芸など、均衡のとれた生産構造への転換、誘導を進める一方、高生産性、高付加価値型農業、低コスト農業、三つの実現を目指すとしております。そして幾つかの施策が示されております。安全性を中心とした最近の消費者ニーズの多様化と、内外の産地間競争や自由化圧力に対応して、農業経営の安定がどうしたら達成できるのか。宮城の農業改革の道筋、プランを策定して、国はもちろん、県、市町村、農協等農業団体、及び農家の役割分担を明らかにして計画農業を展開すべき時期に来ているのではないでしょうか。国民の基幹食糧を生産する農業の位置づけがあるからこそ、農業保護政策がとられ、育成の道がとられ、とりわけ第一次の他産業に比して多額の投資が公共の立場から行われているわけでありますから、農家それ自体、それでは本当に公共の役割、任務に対応する組織機構になっているのか、生産体制になっているのか、そういうと、農業協同組合やあるいは集団的生産法鼠の中に組み込まれてはいるものの、農業生産者個人を単位とした生産活動が主流をなしている現状では、果たして県が目指している三つの基本目標を達成することは本当にできるのでしょうかという、そういう疑問を私は常に持っているのであります。当面する農業の課題は、計画的農業を可能とする施策こそ、今日の農業に求められていると私は考えます。農協系統機関の役割の見直しが強く求められるゆえんもここにあると私は考えます。知事の所信をお伺いをいたします。 次に、林業について触れますが、世界的な規模での環境問題を背景として、ここ数カ月の間に外材の輸入価格の高騰が急激に表面化して、国内木材並びに製材関係者はその対策に苦慮をいたしております。それに引きずられて国産材も値上がりの傾向が著しくなっております。せっかくの低金利、地価高騰の鎮静化と住宅政策の新たな採用などによって、景気対策の一環ともなるべき住宅建築伸長にブレーキがかかろうとしております。このような木材の価格上昇について、県はいかなる認識と対策をお持ちなのかをお伺いをいたします。 また、緑と水の源泉である森林の造成と整備を図り、林業の活性化を目指して新たに取り入れられようとしております流域森林管理システムの構築について、その基本構想と当面の主要な施策についてお伺いをいたします。 水産業の分野では、述べられております施策に異論はありません。しかし、問題の資源管理型漁業の強力な推進のためには、沿岸小型漁業、小型底引き漁業、そして沖合底引き漁業間の漁業秩序の確立と漁業の共存体制の確立をすることが重要であると考えます。かりそめにも相互の力関係に左右されるような漁業ルールは結局は維持できないものとなることは、今日までの多くの苦い経験がそれを物語っております。小型底引き漁業の再編整備事業が、水産庁の指導のもと、県の施策として進められ、当該漁業者の血の出るような努力と協力によって沖合漁業に大部分が転換されたにもかかわらず、沖合漁業並みの漁業条件が与えられないというねじれ現象が今日まで解決されず、沿岸小型漁業の理解が得られないままになっているのであります。 いずれにしましても、宮城県の海面漁場における操業上のトラブルを解決するルール、機関の設置、こういうものによって相互の不信を解消し、漁業の共存体制を確立することが、資源管理型漁業推進の基本的な枠組みと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 また、この際、懸案となっておりました公海流し網漁業全面禁止に伴う県内の水産食品加工業など関連産業に与える影響を考慮しての金融対策、特に業種転換をねらいとした金融対策と利子の軽減策は、最終的に市町村との協議等含めてどう決着されたのか、御報告をいただきたいと思います。また、業種転換が容易にできないという、そういう企業もたくさんありますので、それらに対する技術指導を含めての経営対策、これらについてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。 第五に、地域産業の活性化の課題についてお伺いをいたします。 最近の環境保全の立場から、あらゆる分野でのリサイクルが試みられ、成功している事例の紹介が今相次いでおります。県内でも、回収業者あるいは回収施設、リサイクル企業がそれぞれのニーズに対応して苦労をしているようであります。県内の中小企業分野での新たな事業分野としてリサイクルを順調に成功させるための新分野として、技術、設備、システムなど、県工業技術センターを初め県内の大学の専門家等の研究課題また指導課題として、結論は、企業として成立できるような育成と支援を強めてはどうかと提案をしたいのであります。御見解をお伺いいたします。 次に、第六といたしまして、快適で住みよい地域環境の整備の課題についてお伺いをいたします。 具体的には、松島湾のリフレッシュ事業が軌道に乗っており、提言者の一人として期待もし、歓迎もしているところであります。 ここで取り上げたいのは、広域の松島湾沿岸及び松島の島々の松の緑の保全についてであります。松島から松の緑をとったら、何の価値も残らないことは当然でありまして、問題は、松くい虫からの保全を最優先として取り組んでほしいと思うのであります。石巻から鳴瀬海岸は既に多く侵食され、浦戸諸島の一部について侵食が及んでおります。予防とともに侵食への対応を急ぐべきと考えますが、その対策について所見をお伺いをいたします。 第七として、未来を担う人づくりの課題についてであります。 説明の中で知事は、高等学校の学科改編を取り上げ、また二期目の就任の記者会見において、中学、高等学校教育の見直しに触れ、国際化、情報化に対応できる人材の育成、スペシャリストだけではなく、個性を伸ばせるような教科の選択制などを検討したいと述べられております。基本的に私も同じような問題意識を持っておりますので、知事の基本的な所信と具体的な構想等があればお伺いをいたします。 また、仙台北学区の人口増、生徒増に対応して、富谷に新しく建設中であり、仙台宮城野区に本年度から公立県立高等学校の建設が始められようとしております。しかし、仙台市の人口は、最近報道された民間調査機関の調査によりますと、二〇一〇年には現在より更に十万人はふえるという、こういう推計になっております。このような人口増の推移に対応して、今後更に公立学校を増設する場合、県立として対応するのか、仙台市立として対応するのか、事前の協議によって一定の方向づけをする必要があると考えます。仙台市に対応してもらうとすれば、十分な時間をおいての結論を見出す必要があると思います。知事の所見をお伺いをいたします。 第八といたしまして、長寿社会への対応と県民福祉の向上の課題についてであります。 最近の報道によると、宮城県内で介護休業を実施している企業は四十七社、予定している企業が五十七社、全く予定していない、実施しないという否定的な企業が三百四十三社、検討中が二百二十四社であったという調査結果でした。知事説明においても、各種の施策を県として充実をさせて、介護家族の負担軽減を図りたい、こうしておりますが、家庭介護の役割はほとんど女性という実情であり、経済的負担はまた大変なものであります。企業のいわゆる介護休暇の実施の普及に努力するとともに、県、市町村が協力して介護手当のような支援制度の新設を実現すべきと考えます。知事の所見を改めてお伺いをいたします。 また、人口問題との関連で、育児休業の充実、それから子育てに対する行政の役割、施策についての要望もかなりあります。これらについての所見もあわせてお伺いをしたいとホvいます。 更に、知事説明では、二十一世紀型モデル特別養護老人ホームの建設が述べられておられます。私も期待を込めて読みました。具体的なその構想、あるいは従来の特養ホームとの施設機能の違いなど新しい施設機能があれば、ぜひこの際明らかにしていただきたいと思います。 第九として、働く環境の充実の問題について触れます。 労働時間の短縮の中で、働く人たちのリフレッシュ、高齢者の勤労に対応する健康づくりと、また学習、それから学校週休二日制下の子供たちのレクリエーション、体力づくり、そういう複合的な多目的な福祉施設の新設を提案をしたいのであります。これらは、厚生省、労働省あるいは文部省などの関連の施策との組み合わせによりまして、県内の労働福祉事業団体など、そして県、自治体の合作によって可能であると確信するのであります。とりわけ県有地などの公有地の提供があれば、有料制として維持管理が可能と考えます。 身近な例として、私は今期待を込めて提案をしているのでありますが、塩釜市内にあります旧県営貯木場跡地の約四ヘクタールの県有地の活用について、このような施設を構想してはどうかということを提言している一人でもあります。大事な県有地でありますから、百年の大計に合致した利用をという期待を込めながら今勉強をしております。ともあれ、このような時代の要請に合致した施設を少なくとも県内の広域圏単位に設置することをぜひ御検討いただきたいと思います。知事の意欲的な所見を期待をしてお伺いをいたします。 また、平成五年度の各企業からの就職内定の取り消しが相次いでおりますが、国の対応もさることながら、県として中学校、高校、大学の実情と対策はどうなっているのか、あわせてお伺いをいたします。 最後に、個性豊かな宮城文化とスポーツの振興についてであります。 ここで強調したいのは、次の平成十三年の国体本県開催に向けた競技力向上の特別対策や、各種のスポーツ全国大会あるいは世界大会の本県誘致に要する予算措置に何の異論はないのでありますが、本来スポーツ、体育の力をつけて、優秀な選手をつくり出す、育成するための基礎、源は、幼少のころから小中高、大学など経て、学校教育の場にあるのではないでしょうか。回り道ではありますが、私はそう信じております。楽しい学校生活とするためにもこそ力を入れてほしいのであります。もちろん社会人となってからも、企業の理解と協力によって、それが継続されることを期待するものであります。 以上述べまして、私の代表質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
○議長(亀谷博昭君) 知事本間俊太郎君。 〔知事 本間俊太郎君登壇〕
◎知事(本間俊太郎君) 私は、このたびの選挙におきまして、多くの県民の皆様の御支援をいただきまして、引き続き知事の重責を担うことになったわけでございますが、身の引き締まる思いをいたしております。選挙期間中には、県内の各地を回りまして、一人でも多くの県民の皆さんの声を聞くことに全力を挙げてまいりました。低迷する景気の中で頑張っておられる商工業の方々や、あるいは厳しい環境にある農林水産業の方々、幼い子供の手を引いたお母さん、あるいはお年寄り、若者たち、それぞれの握り締めた手の温もりや切実な訴えの一言一言が心の中に今残っておるわけでございます。 したがって、私は、今改めて初心に立ち返りまして、県民の皆さんのために、また県政の発展のために全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。今後一層多くの県民の皆様の声を大切にする県民本位の県政、そして山積する諸課題に的確かつ積極的に対応しながら、公正な県政運営というものを心がけてまいりまして、本来私どもが目指しております真の県民自治へ向けまして皆様方とともに前進してまいりたい、このように思っております。 また、過去四年間、地方自治の原点を踏まえまして、県政推進の努力をしてまいったわけでございますが、新・伊達なクニづくりというのはいろんな意味がございますけれども、やはり地方に住んでいる人々みんなが立ち上がって、みずから問題に挑戦し、また、自立できる独自の個性的な地域をみんなでつくっていくんだ、そういう精神を大切にしていこうと、こういうふうに呼びかけてまいりましたが、このところ比較的多くの県民の皆様にも御理解をいただき、その施策もあらゆる分野におきまして、徐々にではありますが、着実に開花しつつあるのではないかと、このように考えております。したがって、二期目の県政は、こうした成果の上に立って、新しい総合計画で定めるさまざまな事業を強力に推進してまいりまして、新・伊達なクニづくりをより豊かなものにいたしてまいるために、県民の皆様と力を合わせて県政を展開してまいりたい、このように思います。 二十一世紀に向かってのこれからの地域づくりは、申すまでもなく、御意見にもございましたが、それぞれの特性と創意を生かして、地域が充実していくということが大切でございますが、従来の我が国の戦後の行政もどちらかと言うと、こういう点がまだまだ弱いわけでございまして、やはりみずからの進むべき未来を見詰めて、みずから戦略を展開して、長期の視点に立って展開して、みずからこんな理想的な地域をつくるんだ、そういう意欲を持っていくことが大切でございます。したがって、現在の国の各省庁と地方の各団体、自治体の制度がある中では、それぞれ協調することが何よりも大切でございますが、やはり地方が国に陳情だけを行うとか、お願いだけをするとか、あるいは国の政策だけに寄りかかるとか、こういう依存的な精神から脱却して、できるだけみずから課題を立て、政策を生み出し、それを実現するのには、みずからどうするか、そしてそれは中央にどうやって働きかけるのか、こういうことをやって、やはり地方重視へと国の姿勢を変えさせる。あるいは地方主体へと政策転換をみずから図っていくということが大変重要であると考えておりまして、そういう意味で、先ほど佐々木議員からの御質問にもありましたが、やはり世界的に巨大な国をつくるというよりも、それぞれの地域の条件を生かして発展したいという世界的にも自治の、あるいはみずから活性化をさせようという時代に入ってきているわけではないかと、このように思っております。 巨大な国というのは、軍事投資も膨大な金がかかったために、大きな国をつくるとか、兵力を集めるために人口を巨大にするとか、あるいは資源を全部自給するとか、そうことであったんですが、世界的に貿易で共存していけますから、そういうことになってきたんで、中国でもそういうふうに沿海の地域は自分たちでやっていこうとか、こういう動きになってまいりましたので、世界的な傾向にもなっておりまして、より一層地方自治、地方行政の真価というものを我々も発揮していく必要があります。そういう観点から、やはり多くの県民の皆さんにも、本当に真剣にそれぞれの分野で取り組んでいただいておるわけですが、まだまだ我が国の民主主義も十分ではないというふうに思っております。みんなで意見を言い、あるいは投票に参加するということだけではなくて、民主主義というのはむしろプロセスが大事で、百人なり一万人集まれば、それぞれの意見がありますけれども、その中で何を重点的に、どうしたらその中からよい考えが、何が一番いいのかということを議会でも、また県民の皆さんとも常に議論して、よりすぐれた意見を採用し、そのすぐれた政策をいかに立案して実施していくかと、そういう過程が非常に重要ではないかと思っておるわけでございます。 そうした県政になるように、県自体がそういう役割を果たしていかなければなりませんが、一つは、やはり広域的な団体でありますので、市町村がそれぞれの主体的に地域活性化を考え、あるいは地域の人々の生活を考えていくことが基本でありますが、それを支えていくのも県でもありますので、広域的な観点に立って支援したり力を合わせていくということが必要であります。また、国に対しては、地方からの発言というものを積極的に述べていく、主張していく、そして現在の政治改革も述べられておりますけれども、これが政治、行政システムの将来の変化にもつなげていくように私どもが大いに実践し、かつまた意見を述べていくという活動もしていくということが大切であります。 また、県行政内部においては、こうしたさまざまな時代の変化、多様なニーズに対応できる柔軟な体制、効率的な体制というものが必要でありますし、民間との力を組んでいく、そして力を発揮するということも大切であります。そういうことも十分考えていく必要がございます。そういう意味で、部局の横の連携とか、問題ごとにつながっていく柔軟な機動性、こういうものも十分に考えていく必要がございます。いずれにしましても、現在策定中の長期総合計画を議会の皆さん方とともにいろいろと議論いたしまして、更に実施していくという体制を整えるということが大切でございますが、何よりもお互いに意識を改革しながら、常に新しい感覚で問題に立ち向かっていくという姿勢で臨んでまいりたい、このように思います。 次に、財政問題でありますが、地方交付税の特例減額についてでありますけれども、異例に厳しい国の財政事情というものがあるわけでございまして、公経済の車の両輪としての協力要請にこたえたものでありますが、もちろん、本来これは地方交付税は、全額地方の分は我々が使うということが前提でありますけれども、こうした状況の中で国に貸す形で、法律に基づいて特例措置を講じたということは、こうした現況の中ではやむを得ないことではなかったかとも理解しております。 次に、国庫補助負担金の一般財源化は、これまで地方公共団体が国に対し強く要請してきたものでございまして、また国庫補助負担率の恒久化は、行革審答申などを踏まえて行われたものでありまして、行財政運営の安定化、簡素化などに資するものであることから一定の評価ができるものと、このように考えております。また、これらの措置に伴う地方への影響額については、一定の財源措置が講じられることとなっておりますので、財政運営に支障を生ずるようなことはないのではないか、このように考えております。 最後に、公的資本形成の四分の三が地方公共団体によって実施されている、こういう現状から見ますと、景気に十分配慮しつつ、社会資本の整備を積極的に推進するためには、やはり住民に身近で生活関連型の公共投資というものを機能的、弾力的に執行できる地方単独事業の役割というものは非常に大きいものがございます。このため、平成五年度の地方財政計画におきまして、地方単独事業の大幅な増額が図られたということであります。そして、地方単独事業が円滑に実施されるように、地方債あるいは地方交付税など、財政措置の充実が図られておりますので、今回の措置が直ちに地方財政の硬直化につながるということはないものと見なしております。ただ、いずれにしましても、地方公共団体にとって一般財源の確保及び公債費負担の増高の抑制というものは重要な課題でありますので、本県といたしましては、今後ともこうしたことを念頭に置きながら、健全財政の維持に万全を期してまいりたいと思います。 次に、年度間の財政調整機能を果たしてきた財政調整基金でありますけれども、その残高が平成三年度末の百六十三億円に比べておよそ四十億円減少しております。また、平成五年度においても、相当程度の基金の取り崩しが避けられない見通しでありまして、このような状況が続けば、遠からず基金の額も底をついてしまうということとなりまして、極めて憂慮すべき状況にあると考えております。また、現下の経済動向を見る限り、ここ数年本県の財政状況は楽観を許さぬ厳しいものになるものとこれもまた見込まれます。こういう状況のもとで、東北の新しい時代を築く中核県にふさわしい県土の基盤整備、あるいは長寿社会の到来、こうしたことを見据えた魅力ある地域づくり、また県政の諸課題、こういったものに適切に対応していくためには、やはり必要な歳入の確保に努める一方で施策の選択を行いますとともに、経費の徹底した節減合理化に努めながら、こうした難しい事態を乗り越えてまいらなければならない、このように思っております。 特別会計及び企業会計についてのお尋ねでありますが、それぞれ特定の事業を行うに際しまして、特定の歳入をもって特定の歳出に割り当てる必要がある場合に設置されておりまして、独立採算の原則に基づいて運営されるべきものでございます。しかしながら、これらの特別会計、企業会計における業務運営の適否が本県の財政に少なからぬ影響を与えるケースも見られることから、これら特別会計、企業会計あるいは外郭団体等の財政状況を全体として的確に把握し、総合的な行財政運営に努めますとともに、財政構造の改善という観点からも、これらの運営のあり方や、一般会計との間の経費負担区分などを改めて見直しまして、健全財政の維持に努めてまいらなければならない、このように思っております。 次に、公共事業の進行状況についてでありますが、これまで努力してまいりましたけれども、その結果、平成五年一月末での契約率は、十二月現計予算額二千八百八億円に対して、八七・九%の執行を見ております。景気対策については、現在国についても引き続き検討するということになっておるわけでございますが、今後もこうした動向をよく見て対応してまいりたい、このように思います。 御質問の公共事業費の繰り越しでありますが、平成三年度の繰越額が百十二億余円に対し、本年度の繰り越し見込みは百五十八億余円程度と、大幅に増加いたしておりますが、その大きな要因の一つといたしましては、国の総合経済対策予算の成立時期の遅延がございまして、こうした状況の中で、県といたしましても、鋭意早期発注と事業の早期完了にこれまで努めてまいったわけであります。平成五年度における受注する業界側の消化能力についての御質問もありましたが、景気の低迷によります民間需要の落ち込みや雇用情勢面で有効求人倍率が低下しているなど、労働力需給が緩和傾向にあることなどから、現状でも十分対応できるのではないか、このように思っております。県としましても、この円滑な執行に向けまして、引き続き事業執行の平準化、前倒し執行等によりまして、最大限の努力をしてまいりたい!このように思います。そのほか、増加する事業量への対応策といたしまして、設計量の量的な集約化、それから積算業務の電算化、あるいは設計業務の外部委託などを図りながら執行に努力いたしますとともに、それぞれの地域の特殊性を考慮して、地元中小建設業者に対する受注機会の確保も図るなど、業務の執行に当たっては万全を期してまいりたいと思います。 次の平成五年度の地方財政計画におきましては、御指摘のとおり、単独事業費について景気にも十分配慮しつつ、国、地方を通じた公共投資の充実による内需の拡大を図る観点を踏まえて、その大幅な増額が図られたところであります。特に、第二次ふるさとづくり事業、地方特定道路整備事業、ふるさと農道緊急整備事業、ふるさと林道緊急整備事業などを推進することといたしまして、公共投資基本計画を踏まえた生活関連社会資本等の整備充実が図られております。本県におきましても、これらの事業の内容、財政措置について十分検討を加えまして、積極的に活用してまいりたい、このように思います。今後の補正予算の編成に際しまして、最大限のこうした配慮をいたしてまいりたいと思います。 次に、中小企業向け制度融資につきましては、融資枠の拡大を図りますとともに、公定歩合、各種市中金利の引き下げなど金融情勢の推移を考慮いたしまして、金利の引き下げについて目下検討中でございます。また、勤労者住宅建設資金につきましては、年利二%の利子補給を行いまして、勤労者の金利負担の軽減を図っております。今後増加する対象者につきましても十分な措置を講じてまいりたい、このように考えております。 次に、これまで公共事業や金融政策を中心とした景気対策が実施されてきておりますが、今ひとつ景気回復の兆しが見られない、こういう現況にございます。こういう観点から、追加の対策、これが求められているわけですが、今国会で効果、財源等についてさまざまな議論がなされておるわけであります。その中で、所得減税がよいとか、あるいは政策減税が適切ではないかと、こうした問題がその対応策の一つであろうかと思っておりますけれども、我々やはり財政を担当している者といたしましても、将来のこうした問題をよく踏まえて討論していただきまして、効果的な対策を打っていただくように考えておるわけでございます。 また、円高による公共料金の引き下げについてでありますが、電気料金等の公共料金につきましては、長期的に適正な価格で安定しているということが県民生活の上で必要であるという、こういう性格もございますが、しかし、最近一カ月間の為替相場、円高動向で動いております。こうした傾向がどれだけ続くかということにも問題はかかっていると思いますが、原油価格との差益還元の行える環境にあるかどうかは今後もう少し見守っていく必要があるんじゃないかと思っておりますけれども、そうした措置がとれるような環境になれば、そういう点についてもお願いをしていかなければいけないんじゃないかな、このように思っております。 次に、仙台市と周辺地域との協調関係は、御質問にありましたが、非常に重要でございます。今後生活圏というものは、都市と農村なり、都市と漁村というものが切れているわけじゃなくて、相互に依存関係、より密接な関係が[まってきておるわけでございまして、仙台圏というのは、仙台市を含めて非常に大きな広がりを今持ちつつあります。したがって、今後も各市町村間の連携、それに県がともに問題を考えていくということは非常に重要でございます。したがって、これからもどういう調整が必要かということはよく考えていかなければなりませんが、御提言にあります圏域の構成市町村間の協調体制を確立するというようなこと、あるいは広域的に関連している事業を一緒に実施するというようなこともあるわけでありますけれども、一応法定の協議会が設置されておるわけで、こうした連絡調整が行われておりますが、今後大仙台圏全体の広域行政問題につきまして、各市町村と一体的に発展していくことが必要ですので、よく協調していくように、私どももより一層指導、支援というものを強化してまいりたいと思います。 次に、日本語講座の開設の問題でありますが、本県では、自治体、民間を含めた本県の国際交流推進の中核である財団法人宮城県国際交流協会におきまして、平成元年度から在県の外国人の方々を対象に、初級、中級の日本語講座を開設いたしております。今後も本県に在住する外国人の数は増加していくということが見込まれますことから、宮城県国際交流協会が実施しております日本語講座、日本語教師養成講座──先生の方を養成するということですね、これらを充実いたしますとともに、日本語講座を開設している各種の国際交流団体との連携を深めまして、本県に在住する外国人の学習機会の拡大に努力してまいりたいと思います。なお、本県と北東アジアとの交流も活発化いたしておりまして、こうした面でも交流がなお一層進展するというふうに見ております。 現在、国際交流協会では、一般県民を対象に、ハングル語の講座を開設いたしておりますが、今後中国語、ロシア語等の講座についても、交流の進展と需要を見きわめながら開設の問題を検討してまいりたい、このように思います。 次に、技術研修交流のための団体の設立についてでありますが、本県においては、中国吉林省、東南アジア、中南米等の開発途上国からの技術研修生、研修員の受け入れというものはこれまでも積極的に進めてまいりました。国においては、昨年の十二月に、新たに雇用関係の中での実習を認める技能実習制度の導入方針を閣議決定いたすとともに、外国人研修生の受け入れを支援する財団法人国際研修協力機構、あるいは財団法人中小企業人材育成事業団がそれぞれ設立されるなど、研修生の受け入れに当たっての環境が整備されつつあります。県といたしましては、今後ともこうした国際交流の推進という全体の中の一つの問題である外国人の技術研修生の受け入れ事業、これは今後も力を入れていかなければなりませんし、努力していく必要があると思っておりますが、こうした支援団体の設立を含む研修生受け入れの拡充については、こうした国の動き、当然各県の受け皿の問題も要請も出てくるかと思いますので、こうした対応をよく見ながら我々としても十分考えてまいりたい、このように思います。 次に、新しい時代に対応した農林水産業の育成でありますが、消費者のニーズにこたえて、また競争力のある付加価値の高い高生産性、こうした面も十分配慮していかなければならないわけでございます。これは先ほどもお答えをいたした問題でございますが、他の産業に比べて、例えば一次産業でも水産業などの場合は非常に高度な経営ができているんですが、農業の場合、なかなか地域全体としての経営という面がしにくいんですね。通常の経済活動、団体もそうですけれども、やはりことしはこういうふうに原料を入れて、こうした商品を開発して、いかにしてそれを売って、そして資金を回収して、お互いに利益をふやすか、こういう計画性ですね、経営性というものを持たなきゃいけない、こういう点が弱点だと思うんですが、そういう点で、広域農業協同組合を中心にいたしまして、県と市町村とそして関係団体、これが一体となりまして、広域的に経営戦略の立案をする、あるいは営農指導、土地、労働力の利用調整、あるいは生産から流通販売まで、これを管理する地域農業の管理システム、こういうものがこれから必要じゃないかというふうに思っておりまして、こうした将来の戦略を考えて、全体を管理するシステムをどういうふうにつくっていくかということがやはり大きな問題になってまいっておりますので、こうした問題を農民を主軸にしながらぜひ模索していきたい、また研究させていきたい、話し合ってまいりたいというふうに思っております。 次に、木材価格の問題でございますが、いろんなプラス面、マイマス面もあるわけでございますけれども、国においては、現在木材関係団体などと、木材の需給及び価格の安定について、その対応策を検討しているところでありますが、県といたしましても、県及び木材業界等で組織する宮城県木材流通対策協議会などを通じて、国の施策とも対応しながら、適切な対応に努めてまいりたい、このように考えております。 次に、流域管理システムを構築する基本的な考え方は、流域を基本単位として、緑と水の源泉である多様な森林を整備するとともに、来るべき県産材時代を実現するための条件整備を促進し、地域林業の活性化を図っていくものでありますが、本県といたしましては、宮城北部及び宮城南部の流域ごとに、民有林と国有林、川上と川下の森林林業関係者の総意のもとに、それぞれの流域の特質に応じた生産基盤の整備でありますとか、機械化の促進でありますとか、あるいは林業事業体の育成でありますとか、労働力の確保、こういったものに取り組んでいくということは基本的な考え方でございます。当面の施策といたしまして、平成三年度の宮城北部・栗原地方流域林業活性化センターの設立に引き続きまして、平成五年度は宮城南部に活性化センターを設立することといたしております。なお、宮城北部・栗原地方流域林業活性化センターにおきましては、活性化の基本方針を定めて、素材生産事業体の育成や伐採の計画化、高性能機械の導入、林業労働力の確保などをその目標に掲げて、現在これらの実現に向けて森林組合等事業体の再編強化や素材の流通調査などに取り組んでいるところであります。 次に、漁業秩序の確立と共存体制でありますけれども、本県においても、いろんなトラブルがしばしば発生しております。特に刺し網漁業などの沿岸小型漁船漁業と底引き網漁業との間で、漁場や魚種が競合することから、その円満な操業体制の確保というものが緊急の課題となっております。こうした調整の問題は、制度的には海区漁業調整委員会がありまして、今後この運営の一層の充実を図るとともに、仙台湾での関係業界の自主的な操業ルールの取り決めの事例にも見られますように、操業ルールづくりの実質的な調整を図るためには、実際にその漁場で操業している漁業者同士が同じテーブルに着いて話し合うということが最も実態に即した、しかも現実的な方法ではないかと考えております。したがって、県といたしましては、操業の当事者等を主体とした話し合いの場づくりに今後も積極的に努めて、漁業秩序と共存体制の確立を推進してまいる考えであります。 次に、公海流し網漁業規制に伴う金融対策でありますが、平成四年四月に、中小企業経営安定資金の別枠といたしまして二十億円を融資枠とする国際漁業規制関連資金を創設いたし、本年一月に事業転換資金の規模等を考慮し、設備資金の貸付限度額を五千万円から一億円に改善したところでございます。また、利子の軽減については、他の融資制度とあわせまして、現在金利の引き下げを検討いたしております。 更に、水産加工研究所、工業技術センターなど試験研究機関による研究開発支援、技術指導を初め、中小企業経営診断指導の強化、更には昨年十月にスタートした特定中小企業集積活性化事業の活用など、関連産業振興策をきめ細かく実施してまいりたい、このように思います。 次に、リサイクルの推進でございますが、これはもちろん非常に重要な問題でございます。このため県においても、工業技術センターにおきまして、平成三年度より相談窓口を設置いたしまして、産業廃棄物の再資源化と適正処理技術に関する相談に応じますとともに、平成四年度からは、製造工程において排出される有用物質の再利用化などの技術研究に目下取り組んでおるわけでございます。今後ともリサイクルを推進するために、研究指導体制を充実してまいりたいと考えております。 また、御質問にもいろいろございましたが、どう取り組むべきかということでありますが、これに取り組んでいる方々のニーズなり意見もいろいろと調べてみる必要もあろうかと、このようにも思っております。 次に、松くい虫対策でありますが、松島における松の重要性にかんがみまして、これまでも対策を講じてまいりましたが、最近は地域の周辺部、浦戸諸島などにも被害が及んでいる状況にあります。このため関係市町村と一層連携を密にしながら、予防対策、被害の拡大防止対策を総合的に講じまして、防除の徹底を期してまいる考えであります。 まず、予防対策でありますが、地域住民等の意向、そして環境保全等に十分配慮しながら、薬剤の空中散布や地上散布を引き続き実施いたしますとともに、樹幹注入の拡充強化、これを図ってまいることといたしております。また、被害拡大防止対策を効果的にするために、ヘリコプターによる空中探査あるいは監視員等によりまして、被害木の早期発見にも努めてまいりたいと思います。本年度から導入している単価契約方式によります随時伐倒駆除を一層推進して、被害の蔓延防止に取り組んでまいります。 次に、人づくり問題でありますが、これまでの教育、とりわけ高等学校教育というものは、社会の変化によりまして大きくその内容が変わってきて、非常に多様なものが求められているのではないかというふうに考えております。何しろかつての高校は、やはり中卒の方のより高度な教育を担当するということが主眼でございましたが、高校進学率がふえまして、たくさんの人が学校に入っていくということでありますから、質的にも高める一方で、それぞれの個性に多様に対応できるような学校教育というものが望ましいわけでございます。そうした個性を尊重した教育を進めるということが重要であるわけでございますけれども、一方で、やはり日本人はたくさん小中高校と英語教育を受けてさっぱり話せないということも大変指摘されておるように、こうした国際化の対応の問題とか、あるいは新しい時代の情報化の問題とか、こうした問題も指摘されておるわけです。 したがって、県立高校についても、こうしたそれぞれの個性に合った、また子供たちの多様な興味、関心、あるいは今後一次産業から三次産業まで新しい職種なども出てきておりますので、そうした進路志向なども踏まえて、これからの本当の県立高校というものはどういうものが望ましいのか。学問やいろんなスペシャリストになる人はそういう道を行くべきだし、あるいはいろんな個性によって、選択性を持てるような学校教育ということも考えていく必要があります。こういうことですから、国においても、高等学校教育の改革の推進に関する会議を設置しまして、多様化、個性化を推進するための指針提言というものがなされておりますけれども、本県でも来年度有識者等によります魅力ある県立高校づくり推進会議──仮称でございますが、これを設置いたしまして、特色ある学科の設置あるいは普通科へのコース制、選択制の導入など、さまざまな課題について具体的に検討を行っていただき、魅力ある高校づくりに向かって、できるものから進めていったらどうかというふうに考えておるわけでございます。 次に、仙台地区の新設高校設置については、高等学校整備検討委員会における平成十年までの生徒数の推計、この結果による新設について提言をいただきまして、平成六年開校をめどに富谷町に一校、更に平成七年開校を目途に仙台市宮城野区に二校目を設置するということで、実施設計に着手いたしておるわけです。 今後の仙台地区の児童生徒数の推移について学校基本調査及び年齢別乳幼児数調べによりますと、平成四年を一〇〇といたしますと、平成十九年には七一・三まで減少する。ですから、三割方高校生の数が減るという中長期的な見通しなんですね。ですから、この数字には社会増がもちろん見込まれておりませんけれども、社会増は、これまでの趨勢から見て、そう極端なものにはならないということですから、こういう点をよく考えて高校問題に対応していかなければいけない。また、私学の問題もございますので、公私協調の原則のもとに、仙台市とも協議してこれまでも進めてまいりましたが、今後ともこうしたよく動向と新しい高校教育のあり方などとあわせて必要な協議を行っていく必要があるだろうと、このように思っております。 次に、長寿社会への対応についてでありますが、高齢化社会の到来、核家族化の進行などによりまして、家族の介護と職業生活の両立をいかに図るかということは、働く方々にとっての大きな課題となっておりますし、また企業にとっても、介護休業制度は、今後認識してもらわなきゃならない問題でございます。雇用を継続する上でも重要となってくるのではないかというふうに思っております。したがって、県としましては、こうした状況を踏まえまして、昨年七月に国で策定いたしました介護休業制度等に関するガイドラインに基づいてその普及と啓発に努めているところでございます。 なお、企業のボランティア活動については、近年県内においても取り組みが若干なされてきておりますが、県としても、本年度初めての試みといたしまして、県社会福祉協議会等と連携いたしまして、企業を対象とした懇談会あるいは介護実践研修会を実施しておりまして、これらの機会を通じて理解していただき、企業ボランティアの普及促進もぜひ図ってまいりたいというふうに思っております。 次に、介護手当の問題でございますが、県といたしましても、介護手当を含めて総合的な在宅福祉対策のあり方について、市町村の意向を踏まえて、現在具体策の検討を進めておるところでございます。 次に、育児休業についてでありますが、昨年四月一日に施行された育児休業法は、子を養育する労働者の職業生活と家庭生活の調和を図る上で大変大きな役割を果たすわけでございます。県といたしましても、この制度の定着のために積極的に普及啓発を行いますとともに、休業期間中の労働者への支援措置を検討してまいりたい、このように考えております。 また、育児休業制度のほか、県といたしましては、これまでも保育所や児童館などの整備、及び県単独助成も取り込んだ乳児保育や延長保育の促進、乳幼児医療助成制度の実施とともに、子供たちの明日を考えるシンポジウム開催などの啓発事業もやってまいりました。本年度は有識者の方々から成る子育てと児童の未来を考える検討会を設置いたしまして、種々御議論をいただき、先般報告書を提出いただきました。平成五年度は、これを踏まえて、乳児保育、延長保育に対する県単独助成の拡充や、あるいは児童健全育成事業の充実を進めますほか、県内各界の方々の御参加をいただきまして、児童環境づくり推進協議会を発足させる──これは仮称でありますけれども、発足させまして、県民総参加で取り組んでまいることにいたしております。 なお、本年十月に厚生省と共催で国際的な比較の中で、家庭と子育てのあり方についての国際シンポジウムというものを開催いたしたい、このように考えております。 次に、二十一世紀型モデル特別養護老人ホームでありますが、定員二百人の施設として平成六年四月のオープンを目指して、現在鹿島台町の県立特別養護老人ホーム敬風園跡地に建設を行っております。整備の基本方針といたしましては、二十一世紀に向けたモデルということですから、やっぱりプライバシーが守られる居室の個室化を一部導入する。あるいは家庭的な雰囲気づくりに意を用いまして、居室内で談話コーナー、あるいは私物をもっと持ち込みたいと、こういうニーズもありましたので、こういうスペースを確保するほか、居室の採光にも配慮いたしております。また、五十人単位で生活ができるようにブロック化も図りまして、それぞれにデイルームを配置する、大規模施設でありながら小規模施設のよさも取り入れる、こういうきめ細かな対応をいたしてまいりたいと思います。 更に、今後痴呆性老人にも対応するために、その対策といたしまして、定員の半分を痴呆性老人専用棟、百人でありますけれども、いたしております。 なお、介護研修や地域との触れ合いを図るために、地域交流センターを併設することといたしております。 次に、勤労者福祉施設の設置についてでありますが、現在勤労者及びその家族の教養、文化、研修、並びに体力づくりの場として、県内各市町村に勤労者福祉施設も設置いたしております。また、広域単位の施設として、仙台サンプラザ、野外活動施設などの総合的な福祉施設も整備してまいりましたが、お尋ねの意見は、そういう各省のやっているものを総合してやったらどうかという、こういう御提言だと思いますが、これは初めての御提言でもございますので、少し勉強させていただきたい、このように思います。 旧県営貯木場跡地の利用につきましては、地盤の問題もありますが、今後塩釜市とよく協議して検討してまいりたいと思います。 次に、就職内定取り消しについてでありますが、現在のところ、いろいろ調査した結果、中学校に関してはございません。高等学校については、五社五名、大学等は十三社十七名の取り消しの情報がありましたが、そのほとんどが他の事業所へ目下内定いたしております。 なお、今後、こうした取り消しのような事態が生じた場合には、事業主に対して、その撤回など適切な指導を行います。それから、取り消しを余儀なくされた場合については、学校と連携をとって就職のあっせんに努めてまいりたい、このように思います。 次に、スポーツの振興でありますが、御指摘のとおり、児童生徒の運動能力を向上させたり、将来の優秀選手の育成にもつなげていくということで、学校教育における取り組みというものは大変重要であります。学校においては、児童生徒の身体の発達段階に応じた教科指導や運動部活動の指導を適切に行うことが肝要でありまして、県教育委員会では、小中高等学校の体育担当者の研修会、一般教諭を含む運動部活動指導者や武道指導者の養成講習会などを開催いたしまして、指導者の養成及びその資質の向上を図るとともに、中学校なり高等学校の体育団体の育成強化にも力を注いでまいっております。しかし、もちろん十分ではありませんので、今後とも各市町村の教育委員会及び教職員との共通理解を図りながら、学校体育と運動部活動の充実に努めますとともに、少年期における過度なスポーツ活動による障害の防止にも配慮して、児童生徒の学校生活が楽しく充実したものとなりますよう、一層努力いたします。 なお、社会人となってからスポーツ指導者、競技者として活動を行うこと、みずからの健康増進や余暇活用としてスポーツ活動に積極的に取り組むということは、競技力向上はもとよりでありますが、生涯スポーツの進行を図る上でも、これまた重要であります。このため、昨年度からでありますが、企業スポーツ振興懇談会を開催しておりますけれども、今後ともこうした企業との連携を図りながら、選手養成にとどまらず、広くスポーツ活動を推進していくことができますよう理解と協力を求めてまいりたい、このように考えております。以上であります。
○議長(亀谷博昭君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。 ─────────────────────────────────
△散会
○議長(亀谷博昭君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後三時五十六分 散会...