八戸市議会 2022-09-12
令和 4年 9月 定例会-09月12日-02号
令和 4年 9月 定例会-09月12日-02号令和 4年 9月 定例会
令和4年9月
八戸市議会定例会会議録(第2号)
──────────────────────
議事日程第2号
令和4年9月12日(月曜日)午前10時開議
第1 一般質問
────────────────────
本日の会議に付した事件
議事日程に同じ
────────────────────
出席議員(32名)
1番 山之内 悠君
2番 間 盛仁 君
3番 高橋正人 君
4番 中村益則 君
5番 吉田洸龍 君
6番 髙橋貴之 君
7番 田名部裕美君
8番 久保しょう君
9番 久保百恵 君
10番 岡田 英 君
11番 日當正男 君
12番 高山元延 君
13番 三浦博司 君
14番 上条幸哉 君
15番 苫米地あつ子君
16番 田端文明 君
17番 夏坂 修 君
18番 工藤悠平 君
19番 藤川優里 君
20番 小屋敷 孝君
21番 森園秀一 君
22番 壬生八十博君
23番 豊田美好 君
24番 松橋 知 君
25番 寺地則行 君
26番 冷水 保 君
27番 伊藤圓子 君
28番 山名文世 君
29番 立花敬之 君
30番 坂本美洋 君
31番 五戸定博 君
32番 吉田淳一 君
--------------------
欠席議員(なし)
--------------------
地方自治法第121条による出席者
市長 熊谷雄一 君
副市長 佐々木郁夫君
副市長 石田慎一郎君
教育長 伊藤博章 君
病院事業管理者 三浦一章 君
まちづくり文化スポーツ部長
前田 晃 君
総務部長 岩瀧大介 君
商工労働観光部長 大志民 諭君
農林水産部長 上村智貞 君
健康部長 秋山直仁 君
市民防災部長 磯嶋美徳 君
建設部長 八木田満彦君
都市整備部長 佐々木勝弘君
教育部長 石亀純悦 君
市民病院事務局長 松田大平 君
選挙管理委員会委員長 早狩博規 君
総務部理事 金濵康光 君
総合政策部次長兼政策推進課長
安原清友 君
--------------------
出席事務局職員
事務局長 田中一美
次長兼議事調査課長 榊原正克
副参事(
議事調査グループリーダー)
山道隆央
主幹 槻ノ木沢昌敏
主幹 八木橋昌平
主査 安藤俊一
主事 石橋梨乃
────────────────────
午前10時00分 開議
○議長(寺地則行 君)これより本日の会議を開きます。
────────────────────
△日程第1 一般質問
○議長(寺地則行 君)日程第1一般質問を行います。
順次質問を許します。
--------------------
6番 髙橋貴之君質問
○議長(寺地則行 君)6番髙橋貴之議員の質問を許します。髙橋貴之議員
〔6番髙橋貴之君登壇〕(拍手)
◆6番(髙橋貴之 君)おはようございます。きずなクラブの髙橋貴之です。令和4年9月定例会に当たり、きずなクラブの一員として質問をさせていただきます。
質問に入ります前に、昨今の情勢に対し、数点所感を申し上げたいと思います。
去る7月8日、第26回参議院通常選挙のさなか、遊説中の安倍元総理大臣が銃撃され死亡するという驚愕の事件が発生いたしました。お亡くなりになられました安倍元総理大臣の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
私も政治に携わる者として、大変大きな衝撃と悲しみを覚えた一方で、連日、民主主義の根幹をなす選挙が暴力に屈することがあってはならないとの強いメッセージを各政党やメディアが発信していたにもかかわらず、選挙の結果は、有権者の半数以上の意思が投票行為に結びついておらず、改めて政治に対する無関心さや期待の低さが露呈したものと感じます。
しかし、私たちは政治に対して無関心でいることはできても、無関係でいることはできません。日々の生活においても、実は政治が関係しているものがたくさんあります。そして、これからの時代を担い、未来を生きる若い世代ほど、その影響を大きく受けることになります。八戸市においても、様々な課題を抱えておりますので、一議員として、引き続き市民の皆様に政治に対する関心や共感をいただけるような活動を積み重ねていく決意を新たにしたところであります。
8月には豪雨がありました。記録的な雨量により土砂災害警戒区域の住民や、馬淵川が氾濫危険水位を超え洪水の危険が想定されたことから、櫛引、八幡、上野地区の住民に対し避難指示が発令される事態となりました。幸いにして人命に関わる災害とはなりませんでしたが、建物被害や農地の水没などが発生しており、被害に遭われた方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。
人間のみならず、命ある者全てにとって水は欠かせません。しかし、時として水は私たち人間の生活や命を一瞬で奪い去っていくこともあります。ここ数年間に極端な水害が増えたという印象を強く感じるところでありますが、日本では稲作が始まった弥生時代の頃から、人々は常に水と戦ってきた歴史があるようであります。古事記に登場するスサノオノミコトが倒したヤマタノオロチも、川の氾濫と治水を表していたのではないかと言われているほどであります。また、甲斐の虎と呼ばれた戦国大名、武田信玄が今から約450年以上前に築いた信玄堤という堤防は、2019年10月12日に上陸した台風第19号による猛烈な豪雨から甲府盆地を守ったとネットで注目され、治水遺産としても有名になりました。
日本という国は、国土の約70%以上が山と丘陵地で成り立っており、河川の高低差も激しく、長さも短いため、大雨が降ると一気に水位が上昇し、河川の氾濫や洪水につながります。また、近年では、気候変動や海水温度の上昇などの影響もあり、線状降水帯の発生が水害を頻発させている要因であると感じております。当市におきましては、引き続き馬淵川水系の堤防整備事業を含めた流域治水を着実に推進していくことが重要であると改めて認識したところであります。
次に、
新型コロナウイルス感染症についてであります。
第7波は爆発的に感染者数が増加し、全国で過去最高を更新する状況となりましたが、幸いにして症状としては軽症や無症状の方が大半とのことであります。しかし、感染や濃厚接触等により勤務先等に出勤できないケースが多数発生するなど、緊急事態宣言時とはまた違った形で社会経済活動に大きな影響を与えました。現在、感染状況は少し落ち着いてきているものと受け止めておりますが、日本と季節が真逆である南半球のオーストラリアでは、
季節性インフルエンザの感染が大流行したことから、日本においても、今年の冬に
新型コロナウイルス感染症と
季節性インフルエンザが同時流行するのではないかとの見方も強まっており、予断を許さない状況であります。
一方で、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向け、療養期間の見直しや、外国人旅行者に対する規制の緩和など新たな方針が示されるなど、誰もが待ち望んだコロナ以前の日常に徐々に近づいていることには期待しながらも、全産業における経済活動がコロナ禍前の水準に回復するには、まだまだ時間がかかるのではないかと感じております。こうしたことから、今後も感染状況や経済の動向はもちろんのこと、雇用調整助成金の制度見直しの動向にも注視していかなければならないと考えます。
次に、国際情勢についてであります。
ロシアによるウクライナ侵攻から半年以上が経過いたしましたが、依然として停戦の兆しは見えず、さらなる長期化が懸念されております。中でも、
ザポリージャ原子力発電所が占拠され、軍事拠点とされていることや砲撃が平然と繰り返されていることについては、電気事業に携わる者として大変憂慮すべき事態であると感じております。
原子力発電については様々な御意見があることも承知をした上で私見を申し上げれば、2050年を目標としたカーボンニュートラルの観点や、我が国のような地下資源の少ない島国にとっては、
エネルギー自給率や
エネルギーセキュリティーの面から、再生可能エネルギー同様に、原子力発電は重要な役割を担うことになると考えております。こうしたことから、当面は世界でも原子力発電の稼働が見込まれるものと認識しておりますが、今回のような兵器による攻撃を想定した安全対策について、規制として追加することは現実的ではないと考えます。
現地調査を行っているIAEA――国際原子力機関が公表した報告書で、原発周辺に砲撃を行わない原子力安全・保護区域を設定する必要があると訴えております。このことについては先例として捉え、ウクライナだけではなく、全世界の原子力関連施設に対する攻撃や軍事的な利用を禁止する国際的な条約締結など踏み込んだ対応が必要であると考えますので、この問題については今後も注視してまいりたいと思います。
また、こうした世界の不安定な情勢は物価高騰や燃料費の高騰など、市民生活に大きな影響をもたらしており、メディアの報道によりますと、上昇率は首都圏よりも地方のほうが高いとのことであります。首都圏に比べ地方では自家用車での移動が多いことや、冬季間における光熱費の増加が見込まれることから、こうした状況についても注視をしていかなければなりません。
さらに、日本はロシアの隣国であると同時に、中国、北朝鮮、韓国、台湾の隣国でもあります。度重なる弾道ミサイルの発射や、我が国固有の領土である尖閣諸島や竹島に対する力による現状変更の取組に加え、台湾に対する中国の動向など様々な緊張が発生しており、これまで以上に外交、防衛、安全保障の重要性が高まっております。あるジャーナリストは、軍事力に着目した上で、当該両国の軍事力の差が均衡している状況では被害が大きくなることが想定され、侵攻が難しい。一方で、おおむねその差が10倍に開いた時点で侵攻が行われ、戦争に発展すると述べています。
このような中、台湾では2023年の防衛費を前年比13.9%増となる過去最高額とし、軍事圧力を強める中国に対抗するとしております。我が国においても、防衛予算に対して様々議論がなされておりますが、平和の尊さや国民の命と権利と財産を守るために必要な予算措置が求められている状況であると考えます。
これまで述べてきました
新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻などを契機に、潜在していた様々な諸課題が国際社会においても国内においても顕在化するとともに、地球環境問題やSDGsに掲げられた17の目標、地方においては、人口減少、人口流出、少子高齢化、地域経済、農林水産業、子育て、介護など課題が山積しております。こうした激動の時代を乗り越えていくためには、山積する課題の一端にばかり着目して対応するのではなく、様々な課題を結びつけながら、全体を俯瞰した中で総合的に判断していくことが重要になるのではないでしょうか。
以上を申し上げ、通告に従いまして質問に入らせていただきます。
初めに、水産行政について伺います。
八戸漁港は、1951年に利用範囲が全国的な漁港のうち、水産業の振興のためには特に重要であるとして、政令で定められた特定第三種漁港に指定され、当市の水産業の発展に大きく寄与してきたものと認識しております。2008年からは、
八戸漁港流通構造改革拠点漁港整備事業として、産地市場機能の集約と
漁船漁業構造改革の連携により、生産・流通の効率化、品質・衛生管理の高度化を図り、産地の国際競争力を強化することを目的に、分散する市場機能の集約により、漁業生産から陸揚げ、販売から流通の効率化及び市場運営、買受けコストの縮減を図ることや、高度な衛生管理ができる荷さばき所、陸揚げ施設を整備し、産地の国際競争力を強化するなどのソフト施策と連携した生産・流通の効率化、品質・衛生管理の高度化等に資する施設整備について、水産庁の承認の下、進められてきました。
その後、東日本大震災による甚大な被害を受けながらも、懸命な復旧作業により、2012年9月には
ハサップ対応型荷さばき所A棟修復工事が完了し、供用開始となりました。あわせて、震災からの復旧と、さらに将来に向けて水産業が一層の発展を果たすために、第5次八戸市
総合計画後期推進計画及び八戸市復興計画を踏まえ、復興の理念と将来像を示し、水産業界全体が共有して取り組むべき指針として
水産業復興ビジョンを策定して、2022年度まで取り組んできたものと認識しております。
しかしながら、魚市場整備の中核をなす施設で、産地の国際競争力を強化するはずの第三
魚市場荷さばき所A棟については、その目的も果たせず、稼働率が極めて低い状態で運用されてきました。さらに、2018年度から2020年度末までの3か年で取り組んだ改善計画でも結果を出すことができず、2020年7月28日に改めて第三
魚市場荷さばき所A棟の改善計画に対する事後評価を国に提出し、2021年度から2023年度末を期間とした二度目の改善計画に取り組んでいるところであります。
これまで議会で何度となく様々な点を指摘されてきた第三
魚市場荷さばき所A棟でありますが、震災からの修復工事が終わり、供用開始となって10年の節目を迎えます。魚市場整備の中核をなす施設であり、漁港整備と併せて行われた事業であることも考えれば、簡単に方針転換をすることの難しさについても察するところであります。一方で、この10年間、A棟の諸課題解決のため、当市が様々な行政資源を投入するとともに、漁船の誘致にも取り組んできたことも事実であり、結果には結びついていないものの、一連の取組について検証すべき時期であると考えます。
これまでの議会で市長は、自らの政策公約として掲げた水産アカデミーについては詳細にお示しをいただいておりますが、A棟についての考え方についてはまだはっきりと言及されていないものと受け止めております。また、市長が掲げる経営的な視点で見た場合に、A棟に関してどのような解釈になるのでしょうか。また、改善計画の結果が出た段階で国や県とも相談しながらの判断になるものと考えますが、そこで最も重要になるのがトップの決断であり、熊谷市長の決断だと思います。
これまでは何とかして継続することが根底にあり、そのための方策をひねり出してきたような感じがいたしますが、結果によっては、これまでの方針を変えるといった選択肢を熊谷市長が持っておられるのかが大変重要なポイントであると考えます。さらには、当市の市場運営を担っている卸売業者の赤字が続いている状況も大変気になるところであります。
以上のことから次の4点について伺います。
アとして、八戸市第三魚市場A棟のこれまでの経過に対する市長の所見について伺います。
イとして、八戸市第三魚市場A棟を経営的視点で捉えた場合の市長の所見について伺います。
ウとして、八戸市第三魚市場A棟の
改善計画期間満了後における選択肢について伺います。
エとして、市場開設者としての赤字対策について伺います。
次に、
市立小中学校普通教室等のエアコンについて伺います。
当市では、令和3年度から令和5年度までに市内の小中学校の普通教室、職員室、校長室にエアコンを設置することとしております。設置に当たっては、使用電力量が大幅に増加することから、受変電設備の改修が必要となりますが、
新型コロナウイルスの感染拡大による東南アジア諸国のロックダウンやロシアによるウクライナ侵攻の影響により、樹脂製品、半導体、電気電子部品が不足し、今年度設置予定であった学校の工事について工期が変更される事象も発生しておりますが、今年度分については年度内に完了する見込みであり、着実に事業が推進されておりますことに敬意と感謝を申し上げます。
そうした中で、令和3年度にエアコンが設置をされた小中学校では、いよいよ本年度からエアコンの利用が可能となったことと思います。個人的には今年の夏も大変厳しい暑さとなった印象を受けておりますが、設置をされたエアコンがどの程度活用され、有効性を発揮したのかどうか、大変関心があります。
私は昨年6月と9月の議会におきまして、一般質問でこの項目について伺ったわけでありますが、その中で再三御要望申し上げてきたのが、精神論ではなく、ガイドラインなどの指標を設けた上で、有効に利用できる環境をしっかりと整備していただきたいということでありました。
新型コロナウイルス感染症対策としての教室等の換気によって、適切な冷房効果が発揮されているのかといった懸念もあります。
そこで、3点について伺います。
アとして、利用状況について伺います。
イとして、使用による効果について伺います。
ウとして、今後の課題について伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔6番髙橋貴之君降壇〕(拍手)
○議長(寺地則行 君)市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)おはようございます。髙橋貴之議員にお答え申し上げます。
まず、八戸市第三魚市場A棟のこれまでの経過に対する所見についての御質問ですが、荷さばき所A棟は、平成24年の供用開始以降、様々な要因により稼働が低迷している状況は理解しており、市長就任時から解決しなければならない重要な課題の一つと認識しております。状況の改善に向け、
荷さばき所A棟稼働率向上検討会を組織し、業界関係者が一堂に会し、幾度となく協議を重ね、稼働率の向上に取り組んできたことは十分に承知しており、現在も継続しているところであります。
そのような状況の中、1隻でも多くの漁船を八戸漁港に呼び込むために、今年度、官民一体となった漁船誘致活動として、私自身も県外の船主を訪問し、PRしてまいりました。また、昨年度においては、乗組員の人手不足などの課題を抱える地元漁船が、作業労力の軽減が図られるA棟を積極的に利用するなどの事例も見られたところであります。現在は、国から認めていただいた令和3年度から令和5年度までの3年間の第2回目の改善計画に取り組んでいるところであり、今後も、業界関係者と一丸となって、引き続き稼働率向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、八戸市第三魚市場A棟を経営的視点で捉えた場合の所見についてお答え申し上げます。
荷さばき所A棟につきましては、産地市場としては、国内初の対
EU輸出水産食品取扱施設として平成27年3月に認定を受け、八戸漁港の衛生管理におけるシンボル的施設として位置づけられております。他の漁港においては、令和3年2月、塩竈市魚市場が国内2例目の対
EU輸出水産食品取扱施設となり、また、認定に向け準備を進める漁港もあるなど、認定市場は今後拡大していくものと考えております。
しかしながら、平成24年10月の荷さばき所A棟の供用開始以降、稼働状況の低迷が続いており、さらに経年劣化による設備の故障が発生するなど、運用に要する費用も増加傾向となっております。魚市場の運営に当たっては、一般会計からの繰入れにより全体の均衡を図っておりますことから、特にA棟につきましては、稼働状況のみならず、収支状況の改善も重要な課題であると認識しております。今後、A棟につきましては、持続可能な運営に向け、必要最小限の経費で最大限の効果が発揮できるように努めてまいりたいと考えております。
次に、八戸市第三魚市場A棟の
改善計画期間満了後における選択肢についてお答え申し上げます。
荷さばき所A棟につきましては、供用開始以降、稼働が低迷したことから、平成29年度から3年間を計画期間とした1回目の改善計画を策定、さらには昨年3月に、令和3年度からの3年間を計画期間とした2回目となる改善計画を策定したところであります。令和4年度は、第2回改善計画の2年目であり、国県と連携しながら新たな改善方策を検討するなど、稼働率の向上に努めているところであります。
しかしながら、
改善計画期間満了後の事後評価において、目標が達成されていないと判断された場合には、現在の水揚げ方法を継続するのか、抜本的に改革するのかなど、業界関係者の皆様から広く意見を頂戴しながら、様々な可能性についての検討が必要になるものと考えております。
市といたしましては、稼働が低迷してA棟の現状について重く受け止めておりますが、現在は改善計画期間中であり、施設の存続の可否を判断する時期ではないことから、業界関係者と一丸となって、引き続き目標達成に向け全力で取り組んでまいります。
次に、市場開設者としての赤字対策についてお答え申し上げます。
八戸市魚市場の卸売業務については、
株式会社八戸魚市場、
八戸みなと漁業協同組合の2社体制で運営しておりましたが、令和2年6月に取扱高の減少を理由に、
八戸みなと漁業協同組合が卸売業務を廃止し、
株式会社八戸魚市場の1社体制に移行したところであります。卸売業務の収入源といたしましては、水揚げ金額の3%となる販売委託手数料が主なものであります。
株式会社八戸魚市場によりますと、当初は1社体制への移行により取扱高の増加を見込んでおりましたが、近年の水揚げ量の減少や、巻き網漁船が使用する氷の販売低下が主な赤字の原因と伺っております。
このような状況ではありますが、本年5月、県外船の誘致による水揚げ数量、金額の回復を目的に、市と卸売業者、問屋組合が連携し、
八戸漁港漁船誘致推進委員会を立ち上げ、官民一体となった漁船誘致活動を展開しているところであります。
市といたしましては、近年の記録的な不漁により、水揚げ量が減少し、卸売業者の経営が厳しいことは把握しており、水揚げ量の増大が当市の水産業の振興と卸売業者の経営改善の一助となりますことから、今後とも漁船誘致活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、市場の運用方法や維持管理費等について、卸売業者と定期的な話合いの場を設けており、相互に連携を図りながら、今後も、より健全な市場運営に努めてまいります。
私からは以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)教育部長
◎教育部長(石亀純悦 君)私から教育行政の3点の御質問にお答え申し上げます。
まず、
市立小中学校普通教室等のエアコンの利用状況についてでございますが、市教育委員会では、市立小中学校の普通教室、職員室、校長室に、令和3年度から令和5年度までの3年間でエアコンを設置する事業を進めており、昨年度は23校にエアコンを設置いたしました。
エアコンの使用については、本年5月に策定した
八戸市立小中学校冷房設備運用指針に基づき、室温が28度を超える場合に使用することを原則としておりますが、気温だけではなく、湿度も加味した暑さ指数や、児童生徒の体調にも注意することとしております。これらの方針については、校長会等を通じ適宜説明を行い、学校現場の判断で必要に応じて使用するよう指導しております。今年度は7月からエアコンの使用を開始いたしましたが、8月までの2か月間で、少ない学校では数日、多い学校で約40日エアコンを使用しております。
次に、エアコンの使用による効果についてお答え申し上げます。
学校現場からは、快適に授業や校務ができるようになった、体調不良を訴える児童生徒が減った、マスクをつけたままでも過ごしやすくなり、感染症対策がしやすくなったなどの報告が上がっており、エアコン設置により、児童生徒の健康と快適な学習環境の整備に効果があったものと考えております。
次に、今後の課題についてお答え申し上げます。
エアコンの整備が進むことに伴い、電気料金の増大が課題となります。
八戸市立小中学校冷房設備運用指針では、最大需要電力を抑制するため、一斉に稼働させず、段階的に稼働させること、扇風機を併用し冷房効率を上げること、エアコンのフィルターを定期的に清掃することなどを方針として定め、快適な教育環境を確保しつつ、電気料金を節減する工夫をし、効率的な運用を図っているところであります。今年の夏の電気料金はまだ確定しておりませんが、今後、各校の利用状況と電気料金を精査しつつ、学校現場の意見を聴きながら、エアコンの適切な使用を指導してまいります。
以上でございます。
○議長(寺地則行 君)髙橋貴之議員
◆6番(髙橋貴之 君)詳細な御答弁ありがとうございました。
小中学校普通教室のエアコンにつきましては御意見を申し上げまして、水産行政については2点再質問させていただきます。
まず、小中学校普通教室のエアコンについての意見を申し上げます。
御答弁いただきましたとおり、今年度7月からの利用ということであり、夏休み期間もありますので、利用状況の検証としてはまだまだ期間が短いような感じもいたしますが、気温だけではなくて、熱中症指数ということで御答弁がありましたけれども、湿度でありますとか、輻射熱を踏まえて算出される基準で運用されているという点については、大変評価をするものであります。
また、効果としても快適に授業や校務ができており、体調不良を訴える児童生徒が減少している点や、マスクをつけたままでも過ごしやすくなり、感染症対策がしやすくなったという声があることから、設置による効果は十分に発揮されているということで、大変安心をしたとともに、本事業の優位性であったり、有効性が証明されたものと認識しております。
一方で、課題として最大需要電力を抑えるための方策などが挙げられておりましたが、そのことをあまり意識する余り、利用控えにつながらないかといった点も気になるところであります。ガイドラインや方針については、しっかりと示していただいておりますけれども、最終的には各学校の判断ということになりますし、年月が解決することなのかもしれませんが、特に今後、設置初年度となる学校については少なからず戸惑いがあるものと感じますので、今年度利用された学校の検証結果も踏まえた上で、今後、校長会等を通じて、エアコンを利活用することで教育環境を適切に維持していくことの責務などについても、適切に御指導いただくことを要望いたします。
次に、水産行政について再質問させていただきます。
熊谷市長から大変丁寧な御答弁をいただきました。まずは、荷さばき所A棟についての所感でありますけれども、解決しなければならない重要な課題と位置づけた上で、経営的な視点からは、運用に関するコスト、収支状況の改善も重要な課題とされました。これまでは、稼働率向上による経済効果に重きを置いた主張でありまして、ネガティブな部分については伏せられていた感じがありましたが、熊谷市長におかれましては、そうした部分にもしっかりと目を向けておられまして、これまで存在していたバイアスが解消されたような感じもして、より現実的な捉え方をされているものと受け止めさせていただきました。
また、改善計画の最中でありますので、慎重な答弁となることは当然なことでありますけれども、改善計画期間終了後の事後評価において、目標が達成されないと判断された場合には、抜本的に改革する選択肢というワードにも触れていただきながら、様々な可能性についての検討に前向きであったものと受け止めさせていただきました。
次に、赤字への対応についてでありますが、水揚げ量の増加のため、漁船誘致活動に取り組むとともに、卸売業者との対話を継続していくということでありました。私見になりますけれども、卸売業は特殊な業種でないかと考えます。私も何度か競りの現場を見学させていただく機会がありましたが、どの魚が幾らで誰が競り落としたのか全く分かりませんでした。当然入社してすぐ、あの流れるような仕事ができるとは考えられませんし、長年の知見や経験がなければできない、ある意味職人技であるという感じがしました。
これまでの歴史を考えれば、今後も現在の会社に継続して安定的に市場の運営を行っていただくことが最善であり、収支改善に資する支援はもとより、将来を見据えた人材育成や雇用環境の整備など、持続可能な経営体制への支援についても重要であると考えます。引き続き市長の掲げる対話と共感の姿勢を十分に発揮していただきながら、この課題についても御配慮いただくことを御要望申し上げます。
それでは、水産行政について2点再質問させていただきます。
市長の答弁にもありましたとおり、A棟については稼働率向上以外に収支改善といった課題もあります。そうした課題解決を目的として、水産アカデミーとは別に第三魚市場A棟に特化した検討委員会の設置についての所見をお伺いいたします。
また、水産業に関わる多岐にわたる課題を計画的に解決していくためには、現状を踏まえた上で新たなビジョンの共有が重要であると考えます。そこで、
水産業復興ビジョンに代わる新たな計画の策定の必要性についてのお考えをお伺いいたします。
○議長(寺地則行 君)市長
◎市長(熊谷雄一 君)髙橋貴之議員の再質問2点についてお答えをいたします。
1点目は、荷さばき所A棟の検討に向けて、新たな検討委員会を設置するべきではないかということでございました。
御存じのとおり、また答弁申し上げましたとおりに、今、稼働率向上検討会において、何かあれば、A棟については議論をしてきていると受け止めております。そして、水産アカデミーについても触れていただきましたけれども、水産アカデミーは、幅広く研究議論をしながら、今後の水産業の在り方について模索する場面であります。その中で、当然A棟の在り方についても検討するということも想定されます。
そういう中で、新たな検討委員会の設置ということでしたけれども、既に今、検討会のほうでいろんな議論をされておりますので、そこをベースにしながら、アカデミーの中でも、例えば収支改善に向けた提言等々も出されるということも想定されますので、アカデミーから出されたものを検討会の中に下ろして議論してもらうということも必要ではないかと思っております。
先ほど御指摘いただいたとおりに、最終的に事業評価の後に決断をするのは市長である私でありますけれども、もしその際に、新たに検討委員会を決断するに当たって必要だと判断した場合には、新たな検討委員会の設置ということも考えていきたいと思っております。
それから、2点目でありますけれども、
水産業復興ビジョンに代わる新たな計画の策定ということであります。
水産業復興ビジョンは、東日本大震災からの復興ということを目的につくられたものでありますけれども、青森県全体も、それから八戸全体も、この復興に当たっては創造的復興ということを掲げておりました。八戸は、より強く、より元気で、より美しい、それに基づいての水産業のビジョンですので、復興だけではなくて、今後の震災前よりも進んだ水産業という視点でのビジョンですので、まさに在り方が掲げられたわけであります。
その中で、漁港整備についてはゲートのところでもうほぼ終了しているわけですけれども、生産・流通、それから捕る漁業、この部分に関してはまだ課題がある。そういうことも水産アカデミーで今議論をしておりまして、水産アカデミーからこれから掲げられる課題への対応、あるいはいろんな提言が出てきたときには、その提言に向けた事業、そういうものを具体的に今これからは決めていく時期ではないかと考えておりまして、ただ、そういうことを進めながら、新たなビジョンの策定が必要だということが来れば、新たなビジョンについての策定についても検討していきたいと考えております。
私からは以上です。
○議長(寺地則行 君)髙橋貴之議員
◆6番(髙橋貴之 君)詳細な御答弁ありがとうございました。
水産アカデミーとは別に、第三魚市場A棟に特化した検討委員会の設置ということでありましたけれども、私も質問をしていながら認識しておりますが、現在、2回目の改善計画に取り組んでいる中でもありますし、当然
荷さばき所A棟稼働率向上検討会における議論というのが優先されることは十分理解をしておりますけれども、あくまでも稼働率の向上のための委員会ということでありますので、市長が経営的な視点で課題として挙げられました収支の改善でありますとか、そういった部分については、この委員会の中ではなかなか扱いづらいのではないのかと思っています。
一方で、稼働率向上をしながら、今後の方針をどうしていくかということを検討するのも、ある意味矛盾をする部分でもありますので、同時並行的に行うことが果たしていいのかどうかという部分も議論の対象になると思います。
まず、水産アカデミーというものが今設置をされておりますので、その中で客観的な視点も踏まえて、荷さばき所A棟の今後の在り方でありますとか、収支改善も含めて、そういった部分については、稼働率向上検討会と少し切り離した形で、横断的な形で議論をしていただくことを御要望申し上げたいと思います。
それから、
水産業復興ビジョンに代わる新たな計画の策定についてでありますけれども、こちらも今後、八戸水産アカデミーの中での検討状況において柔軟に御検討いただくということでありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思いますし、震災からの復興という段階は既に終わっておりますけれども、今の水産の状況を見た場合に、大変課題が多く山積しているという感じを持っています。
農業等であれば、ICTの活用であるとかスマート農業といった部分の分野が大変進んでいるわけでありますけれども、それが漁業となった場合には、農地のように、いつも同じ場所にあるものでもありませんし、魚も回遊をしたり、いろいろ漁場も変わってくると思いますし、また、今の地球環境問題というか、気候変動、そういった観点からも、これまで取れていた魚種とは違うものが水揚げをされる市場が増えているということで、先日テレビでも、宮城県でほとんど取れないはずのものが今大変に増えて、これまで取れていたものが取れなくなった。それによって水産加工業者も材料の仕入れができなくなってと、様々波及をするような課題でもありますので、ぜひ水産アカデミーの中で、そうした取る部分において、これまではつくり育てる水産業とか、いろいろ触れられておりましたけれども、ICTであるとか、科学技術に基づいた水産業でありますとか、そういった先進事例についても検討をしていただきながら、こういった部分は、実際漁業に当たっている方々が直接触れるというのはなかなか難しい課題であると思いますので、行政のほうが主導して、そういった知見をしっかりと民間の漁業者の皆さんにお返しをできるような取組をぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
最後になりますけれども、引き続き当市の水産業のさらなる充実と発展に資する実効的な取組につきまして、熊谷市長の手腕に御期待を申し上げ、私の質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で6番髙橋貴之議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前10時43分 休憩
--------------------
午前11時00分 再開
○議長(寺地則行 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
--------------------
8番 久保しょう君質問
○議長(寺地則行 君)8番久保しょう議員の質問を許します。久保しょう議員
〔8番久保しょう君登壇〕(拍手)
◆8番(久保しょう 君)日本共産党の久保しょうです。通告に従って、2022年9月八戸市議会定例会において、日本共産党の一員として、市長並びに理事者各位に質問いたします。
今、国会が閉会中ですが、長引く
新型コロナウイルス感染症対策や安倍元首相の国葬問題、旧統一教会の問題、さらには、円高、物価高騰対策など山積する問題解決のためには、早く国会を開催し、諸課題に取り組むべきだとの声が強く寄せられています。
さて、
新型コロナウイルス感染症は第7波に及んでおり、感染者数は高止まりが続き、他の自治体では、コロナ対策で時間外勤務が100時間を超える職員が3割に達したとの報道もあります。当市も、昨年、一昨年と
新型コロナウイルス感染症対策で時間外勤務の多い職場の一番は、2年続けて保健予防課となっており、
新型コロナウイルス感染症対策には人員増が欠かせないことが実証されているのではないでしょうか。また、長引く
新型コロナウイルス感染症対策で他の職場からの応援や、会計年度任用職員を採用するなど、
新型コロナウイルス対策として7つの課が職員の応援を受けています。住民の生命、健康を守るために、地方自治体の人員体制と労働条件を確保、拡充するための財政措置が求められている中で、政府も42年ぶりに
新型コロナウイルス対策で人員を増員することを決めています。
新型コロナウイルス感染症対策が長引く中で、多くの職場では職員の疲弊が蔓延しています。また、年次休暇の取得が平均11日と、20日間ある年休の半分を超えた程度であり、どの職場も休みたくても休めない職場が多くなっています。公共サービスの充実確保と、職員の健康を守り抜く体制を確立するためにはマンパワーが必要です。大変な状況にある職場環境を改善するためにも、職員を増員する考えはないか質問します。
次に、2として、時間外労働の改善について質問します。
コロナ感染症対策に追われる職場を中心に時間外勤務が増大しています。職場内での時間外の縮減対策について質問します。
時間外の多い職場上位は、コロナ感染症対策に関わる職場が多いのが現状であります。
そこで伺います。他都市では、毎週水曜日に実施しているノー残業デーの実施頻度を高めることや、残業の事前申請制度を実施している都市もあります。さらに、担当業務をローテーションで実施する職場内業務のローテーション化も進んでいます。また、パソコンが帰宅時間になったらシャットダウンされるシステムを導入するなど、時間外勤務の縮減を実施していますが、市としての取組をする考えはないか質問します。
次に、選挙の投票率の向上対策について質問いたします。
市議会選挙の投票率を見ますと、2011年は45%、2015年は44%、2019年は41%と、年々投票率の低下が懸念されています。そのため、当市でも投票率を上げるための対策として、期日前投票所を増やして投票率アップの改善が取り組まれています。市も他都市で取り組まれている様々な投票率の向上対策事例に取り組んでいく考えはないか質問いたします。
1として、高校生の立会人の活用について質問いたします。
近年、投票年齢が18歳以上に改正されたことから、高校生の投票率を高めるとともに、投票に関心を高める対策として、高校生が選挙立会人に参加する市町村が増えています。
そこで、期日前投票所での立会人に高校生を活用する考えはないか質問します。
次に、2として、投票所の土足での入場について質問します。
高齢者や障がい者などにとっての投票には、靴を脱いだりする不便さから投票に行かないという声があります。そのため、土足での投票ができないかとの要望が寄せられています。投票所の床にシートを張って土足での入場を促すことは、高齢者や障がい者などの投票率の向上を高めることが見込めます。
そこで、有権者をそのまま土足で投票所に入場させる対策を進める考えはないか質問します。
次に、3として、高校や大学に期日前投票所を開設することについて質問します。
若者の投票率を上げるために、高校や大学内に期日前投票所を開設し、投票の機会を増やすことが求められています。これには、投票の日にちが短いので、全校を回ることができないという意見もございますが、少しずつ経験できる大学や高校を増やして投票意欲を高めるためにも、高校や大学内に期日前投票所を開設する考えはないか質問いたします。
次に、フォーラム八戸の存続について質問します。
私は、6月の定例市議会で、チーノはちのへの閉館が報道され、市内で唯一の映画館であるフォーラム八戸の動向が注視されている中で、映画館を閉館させないよう、市として公共施設の活用など、映画館事業継続への支援をしていく考えはないか質問いたしました。そのときの市長の答弁では、映画館運営会社が経営上の判断をしていくものと捉えておりますが、出される方針を踏まえて、協力できることがないか検討してまいりますと答えていましたが、新たな報道では、フォーラム八戸が来年1月上旬には営業を終了するとの報道がありました。多くの市民からは、市内に映画館がなくなることに対して大変な危惧を抱いており、何としても存続をと願っています。何か手伝いができれば応援したいという方も増えています。
そこで、市内で唯一の映画館が閉館するという状況を踏まえて、映画館の存続のため、市が積極的に支援することができないか質問します。
1として、市が映画館設営の目的で土地と建物を提供して、新たな映画館を建設し、映画館を運営する会社に対して貸出しをしていく考えはないか質問します。
次に、2として、市の既存の施設、例えば、はっちなどを改修して映画館を運営させる考えはないか質問します。
3として、旧三春屋の施設を購入し、内部を改装して映画館にして貸し出す考えはないか質問いたします。
最後に、JR八戸線の存続について質問いたします。
各地の地域路線の経営が厳しいことから、地方鉄道の存続、廃止を国が主導して協議することになりました。JR各社は今年に入り、1日の平均乗客数が2000人以下の赤字路線を相次いで公表しました。
また、国土交通省の有識者検討会は7月25日に、輸送密度1000人未満の路線の廃止、代替輸送への置き換えに向けて、JRと地方自治体に協議を促す提言を発表しました。提言では、守るものは鉄道そのものでなく、地域の足、廃止ありき、存続ありきという前提を置かず協議と明記し、鉄道廃止やバス高速輸送システムやバスへの転換を促すような内容です。鉄道存続の場合でも、自治体が負担する経営の上下分離をうたっています。こうした動きに対し、地方からは懸念の声が出されています。検討会では、採算、収支、株主の視点を重視した市場原理主義のような発想に陥ることはあってはならないという発言がされています。
JR八戸線は八戸駅から久慈駅までの青森県と岩手県をつなぐ大事な、市民にとって欠かせない鉄道であります。これまでも多くの通学や通勤としての重要な要をなしており、経済的にも、また広域観光の面でも重要で、かつ、なくてはならない路線であります。県の担当者も、県民の通学や通勤、買物の足となっている地方鉄道を維持する方向で臨みたいと、維持を強調する報道がされています。
命、安全、市民の足を守る交通運輸政策として、交通移動の権利を保障し、安全を大前提に公共性を重視した交通政策に転換し、人と環境に優しいまちづくり、交通体系をつくることが求められています。地方の過疎化の進行や地域社会の高齢化、人口減、気候危機問題など、交通を取り巻く社会経済情勢によって、これまで住民の足となってきた鉄道などの路線廃止が相次ぎ、地域公共交通が衰退し、自家用車を利用できない高齢者と、移動が大きく制限される移動制約者が増大しています。
また、
新型コロナウイルス感染症が拡大したことが、住民の身近な足である地方鉄道でも、減便する鉄道事業者が相次いでいます。2021年5月28日に閣議決定された第2次交通政策基本計画は、人口減少等に加えて、
新型コロナウイルス感染症の影響により、旅客の輸送需要がさらに減少しています。交通事業が独立採算制を前提として存続することは、これまでにも増して困難となっており、このままでは、あらゆる地域において路線の廃止や撤退が雪崩を打って交通崩壊が起きかねません。
地域公共交通の利用者の減少により、路線を維持できない交通事業者の厳しい経営状況を見れば、民間事業者に委ねるだけでは、地域公共交通の衰退に歯止めをかけることが困難になっています。交通移動の権利は日本国憲法が保障した法第22条の居住移転の自由、第25条の生存権、第13条の幸福追求権など、関連する人権を集合した新しい人権です。国民が安心して豊かな生活と人生を享受するためには、交通移動の権利が保障され、行使できる環境が整えられることが必要です。
地域公共交通の衰退を止め、維持、確保、改善することは、もはや事業者任せにはできません。国と地方公共団体などが財源の確保を含めて責任を持つべきです。そのための財源の確保で、国民の足を守り、安全、公共性の確保を前提とした鉄道行政に転換をすることが求められています。全国の鉄道網を維持し、未来に引き継ぐための責任を果たさせることが必要です。JR八戸線は、岩手県との広域観光、経済交流の推進に欠かせないことから、存続について、JR東日本や国に対して積極的に働きかけをし、存続を求めていく考えはないか質問いたします。
次に、JR陸奥湊駅利用者の促進について質問します。
JR八戸線の存続には利用客を増やす対策が求められています。11月には、陸奥湊駅前の市魚菜小売市場のリノベーション工事が完成する予定であり、今後ますます市魚菜小売市場を核とした湊町の新たなにぎわいが予想されます。さらに12月には、新幹線八戸駅開通20周年を見据えたJR八戸線沿線での様々な取組が進められています。今後、新たな観光客などを市魚菜小売市場周辺に迎え入れることになりますが、駅前は駐車場が少ないことから、JR八戸線を利用する観光客などが増えるものと思われます。ですから、これを契機にJR陸奥湊駅で乗り入れをする方々を増大させるための対策が強く求められています。JR陸奥湊駅利用者の増加対策として、全国展開した取組やSNSでの発信などをする考えがないか質問し、壇上からの質問を終わります。
〔8番久保しょう君降壇〕(拍手)
○議長(寺地則行 君)市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)久保しょう議員にお答え申し上げます。
まず、職員の増員についての御質問ですが、市では、今般の
新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応により、保健所をはじめ多くの部署で業務量が増大する中、市民の皆様が日常生活に支障を来すことのないよう、必要な人員の確保に努めてまいりました。
具体的には、令和2年4月から本年8月末までに延べ8300名の応援職員を保健所などに動員するとともに、約90名の会計年度任用職員を新たに任用し、陽性者への対応やワクチン接種等の保健所業務のほか、商工事業者への緊急経済対策に関する業務や、市民生活を支援するための定額給付金に関する業務などに迅速に対応してきたところであります。
また、保健所への応援職員の配置が長期化する中、先月29日には、市民の皆様の問合せに24時間体制で対応する
新型コロナウイルス感染症コールセンターを新たに立ち上げるなど、外部委託を活用した取組を進め、保健所はもとより、職員の応援により人員が減少する部署の負担軽減を図っております。
議員御質問の職員の増員につきましては、これらの対応も考慮しながら、今後の各部署における業務の見通しを十分に踏まえた上で、さらなる感染拡大等により業務が増大し、過度の負担が継続して生じる部署においては、増員を含めた対応を検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)総務部長
◎総務部長(岩瀧大介 君)私からは時間外労働の改善についてお答え申し上げます。
当市では、職員の長時間労働を是正するとともに、公私にわたる生活の質の向上と心身の健康の維持を図るため、時間外勤務の縮減に関する指針を定め、当指針に基づき、その縮減に取り組んでおります。
具体的には、時間外勤務の事前命令、事後確認の徹底や、ノー残業デー及びパーフェクトノー残業デーの設定による定時退庁の推進を図っております。また、時間外勤務の多い職員につきましては、産業医による面談を実施するとともに、各部署の所属長に対しても、職員の健康状況に十分に配慮しながら業務を遂行し、時間外勤務の縮減に努めるよう指導しております。
さらに、働き方改革により、国や県において時間外勤務の上限規制が導入されたことを受け、当市におきましても、令和2年度に月45時間以内、年360時間以内を原則とした時間外勤務の上限を新たに設定し、一部の職員に過度の負担が集中することのないよう、各部署の所属長に指導するとともに、業務量の増大が見込まれる部署については、正職員を増員することにより、時間外勤務の縮減を図っております。
市といたしましても、時間外勤務の縮減は、職員の健康維持やワーク・ライフ・バランスを推進する観点から、非常に重要であると認識しており、引き続き、指針に基づく取組を徹底するとともに、他都市の取組を参考にしながら、新たな取組を検討してまいります。
○議長(寺地則行 君)久保しょう議員
◆8番(久保しょう 君)市職員の増員の要望、意見を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症対策が長引く中で、収束がまだまだ見えない、そういう現状にあります。奮闘する職員が疲労によって倒れてしまうことのないようにするためにも、どうしても人員増が欠かせないということがあります。今後も、感染症や気候変動による自然災害が頻発するリスクを抱えています。それらに対応するためには、やはりマンパワーが確立していることが求められてくると思います。ぜひとも職員の増員を強く求めるものでございます。
また、アウトソーシング、外部委託も進めるという動きがありますが、これらについては多くの問題を抱えていると思います。公的機関で扱う個人情報のセキュリティーの管理が最大の問題になっています。個人情報の漏えいに関するセキュリティーの強化についても財源確保の課題もあります。
新型コロナ感染症対策を進める職員の健康を守る、そういう保持をするためにも、産業医との面談、カウンセリングなどの労働安全衛生対策、これらを万全に期するとともに、人員増と時間外削減を積極的に進めることが最大の改善策です。これらを強く進めることを強く要望して、この項目を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。
選挙管理委員会委員長
◎
選挙管理委員会委員長(早狩博規 君)私からは、選挙における投票率の向上対策についてのうち、まず高校生の立会人の活用についてからお答えを申し上げます。
当市の期日前投票所は、八戸市庁、南郷事務所、ラピア、八戸ニュータウンショッピングセンター内のローズガーデンの市内4か所に設置しており、各投票所に2名ずつ選任する投票立会人は、選挙によって期間は異なりますが、およそ6日間から16日間従事していただいております。
議員御提案の高校生を期日前投票所の投票立会人に選任することについては、当市では実績はございませんが、岩手県二戸市や千葉県柏市などでは、若年層の選挙への関心を高めるため、本年7月10日に執行された参議院議員通常選挙において、地元の高校生を期日前投票所の投票立会人に選任しております。
市選挙管理委員会といたしましては、当市における本年7月の参議院議員通常選挙における18歳から19歳の投票率が26.34%、20代では28.24%と、他の年代に比べ、低い投票率となったことから、若年層に向けた選挙啓発のさらなる取組が必要であると認識しており、期日前投票所における投票立会人への高校生の選任について、他都市の事例を参考にしながら検討してまいります。
次に、投票所への土足での入場についてお答えを申し上げます。
現在、当市では、投票日当日において、小中学校や地域の集会所、公民館、消防の屯所など92か所に投票所を設置しております。このうち、直近の選挙となった本年7月の参議院議員通常選挙では、土足での入場が可能な投票所は、常時土足で入場できる投票所が根城公民館などの5か所、投票所に敷物を敷くことで選挙時に限り土足化している投票所が吹上小学校など12か所の合わせて17か所となっており、市選挙管理委員会といたしましては、土足での入場が可能となる投票所を増やすことは、投票者の利便性向上につながるものと考えております。
一方で、投票所の土足化に当たっては、各施設管理者の御理解の下、施設内に敷物を敷くこととなりますが、施設によって入り口から投票場所まで距離がある場合や、畳敷きの部屋を使用している場合があるほか、雨の日に土足で入場した際、投票者が滑って転倒することのないように、安全性を確保する必要があるなど、幾つかの課題があります。
市選挙管理委員会といたしましては、これらの課題を踏まえつつ、投票者の利便性向上につなげるため、引き続き土足入場が可能な投票所の増設に向けて検討してまいります。
次に、若者の投票率の向上についてお答えを申し上げます。
高校や大学における期日前投票所の設置については、県内では、平川市、十和田市などが実施しており、また、県外の状況につきましては、詳細な数は把握しておりませんが、複数箇所での設置例があると承知しております。
市選挙管理委員会においても、若年層の投票率向上につながることから、過去に高校や大学における期日前投票所の設置を検討いたしましたが、投票の基本原則である投票機会の公平かつ均等な確保を図る観点から、各高校や大学における開設の期日や時間を個別に指定した上で、市内の全ての高校や大学に投票所を設ける必要があると考えており、通常の期日前投票への対応がある中で、準備、運営を含め、相当規模の人員が必要となることなどから、期日前投票所の設置を見送った経過がございます。
このようなことから、市選挙管理委員会といたしましては、高校や大学における期日前投票所の設置は難しいものと考えておりますが、引き続き、県選挙管理委員会や市内の学校などと連携を図りながら、先ほど答弁申し上げました投票立会人への高校生の選任なども含め、若者の投票率の向上に向けた取組を検討してまいります。
私からは以上でございます。
○議長(寺地則行 君)久保しょう議員
◆8番(久保しょう 君)前向きに検討していただくようお願いしたいと思いますけれども、1つは、投票率の向上についての意見、要望をさせていただきます。
土足での投票所に変えていくことが、これは市民から求められていることでありますし、誰もが否定することはできません。実行に移すかどうかについては、管理者はもちろんですが、市が実行する判断を下すことができるかできないかにかかってくると思います。
有権者がそのまま土足で投票できることが当たり前になる、そういう環境をつくることが強く求められているのではないでしょうか。靴を履いたまま入場できること、車椅子が当たり前に整備されていることがどれだけ喜ばれることでしょうか。高齢者にも障がい者にも、バリアフリーが整った投票所をプレゼントすることが早急にかなうことを強く要望し、この項目を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。
まちづくり文化スポーツ部長
◎
まちづくり文化スポーツ部長(前田晃 君)私からは、フォーラム八戸への支援についての、市が土地と建物を提供することについてからお答えを申し上げます。
映画館フォーラム八戸につきましては、今般の再開発事業に伴い、現在の場所での営業を終了することで、開発事業者との間で合意に至ったと伺っております。
市といたしましては、映画館の存続を望む市民の声があることから、これまでも機会を捉えて運営会社との情報交換や相談対応を行ってまいりました。8月2日には株主説明会が行われ、再出店の検討を重ねているが、現時点では白紙であるとの報道があり、また、9月7日の定時株主総会において、来年1月5日にチーノでの営業を終える方針が示されたとのことであります。
映画館の今後につきましては、営業再開の意欲はある一方で、これまでの営業実績を踏まえながら、将来どの程度の集客や収益が見込めるかや、移転先や設備投資の資金調達先の確保など、様々な経営上の検討が必要と伺っております。したがいまして、議員の御提案については、市といたしましては、まずは運営会社によるこうした検討が先行して行われ、優先されるものと考えており、引き続き、情報交換や相談対応を行いながら、市として協力できることがないか検討してまいりたいと考えております。
次に、はっちなどの映画館改修についてお答えを申し上げます。
市の文化施設のうち、映画の上映可能な設備を有している施設といたしましては、八戸市公会堂、八戸市公民館、それと八戸ポータルミュージアム・はっちがございます。はっちでは、あおもり県民カレッジや市民団体等による映画上映が貸し館により不定期に行われております。また、南郷文化ホールでは、市の事業として平成21年度から平成30年度までの間、南郷名画座と題し、映写機を持ち込んで昭和の名作映画の上映会を実施してまいりました。
しかしながら、これらの文化施設の現状は、映画上映以外にも、多くの市民による多様な活動に利用されていることから、映画上映に特化した改修をし、映画館として運営する考えはございません。
次に、旧三春屋の映画館改修についてお答え申し上げます。
旧三春屋の建物につきましては、これまでも本会議で市長から答弁申し上げてきたとおり、所有者のやまき三春屋において今後の利活用を検討するとのことであり、市としましてはその動向を注視しているところでございます。また、映画館については、先ほど御答弁したとおり、今後、運営会社が出される方針を踏まえて対応を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(寺地則行 君)久保しょう議員
◆8番(久保しょう 君)映画館の存続の再質問をさせていただきたいと思います。
再開発事業に伴っての施設内での映画館を配置することは市民の多くの要望であると思います。市でも13億9000万円、国で13億9000万円、合わせて27億8000万円という莫大な財源を投入するわけですから、映画館を建物内に確保するように再度提案することを要望します。
様々な方法を駆使して、何としても八戸に映画館を残すという考えから一歩進めて、市が建設費の一部として補助金を増額しても映画館を残す、そういう考え方ができないか再質問いたします。
○議長(寺地則行 君)
まちづくり文化スポーツ部長
◎
まちづくり文化スポーツ部長(前田晃 君)久保しょう議員の再質問にお答えを申し上げます。
再開発事業者に対して、映画館の設置を要望する考えはないかという御質問でございますが、現状の再開発プランにつきましては4棟別棟の整備案ということでございまして、この計画を根本から見直さない限り、現在の規模での映画館の整備というのは難しいと考えてございます。また、仮に現在の再開発プランを基に入居を検討する場合であっても、商業床の取得や賃貸、さらには設備投資が必要となるということから、先ほど申し上げましたとおり、映画館の運営会社による経営面での判断が必要不可欠である、このように考えてございます。
以上でございます。
○議長(寺地則行 君)久保しょう議員
◆8番(久保しょう 君)映画館を運営する会社のほうのいろいろ考え方はあると思いますけれども、市民からすれば、映画館を残してほしいという声が本当に多いと思います。そういう点でも、これからも映画館存続の対応を強く要望するとともに、市長の映画館の存続に対する思いについて再々質問をして、この項目を終わります。
○議長(寺地則行 君)市長
◎市長(熊谷雄一 君)久保しょう議員から映画館に対する私の思いということでございます。再々質問にお答えしたいと思います。
フォーラム八戸は、市民の熱意と出資によって造られた映画館であるということは認識いたしております。関係者の中に私の知り合いもおりまして、話も直接伺ったことがございます。
それから、思いの一端を申し述べさせていただければ、私も子どもの頃、中心街にあった映画館で、特に夏休みなんか映画を見るのを非常に楽しみにしておりまして、それでフォーラム八戸のほうにも何度か足を運んだこともございますので、閉館ということは非常に残念でございます。ましてや出資された市民やふだん利用されている方々が、いかに残念な思いであるかということは推察をいたしております。
報道によりますと、フォーラム八戸、今のマイナスの状況が好転した場合に、市内での出店を目指したい意向ということでありますので、運営会社の今後の検討内容も伺いながら、市として協力できることがないかについては、繰り返しになりますけれども、検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)それでは、JR八戸線の存続についてお答え申し上げます。
全国のローカル鉄道は、人口減少や少子高齢化の進展、道路網の充実と高速バス路線の増加、さらにはライフスタイルの変化によるマイカーへの転移等により、利用者が大幅に減少し、加えてコロナ禍による行動様式の変容も相まって、厳しい経営状況となっております。
このような中、国においては、ローカル鉄道の在り方について、昨年度から本格的な検討を開始し、本年7月25日に、国土交通省の有識者検討会は、1キロメートル当たりの1日の平均利用者数が1000人未満の線区について、国、地方自治体、鉄道事業者がおのおのの役割分担を踏まえ、協力・協働しながら在り方の見直しに積極的に取り組むよう提言しております。この提言を受け、国土交通省では、現在、関係者の合意形成に向けた協議会の設置や、地域公共交通を持続可能で利便性の高いものへ再構築していくための総合的支援について検討を行っております。
また、7月28日には、JR東日本は、地域に現状を理解してもらうとともに、持続可能な交通体系について建設的な議論を行うため、令和元年度において、1キロメートル当たりの1日の平均利用者数が2000人未満の利用が少ない線区を対象に、経営情報を初めて開示し、県内では、JR八戸線の鮫・久慈間を含む5路線8線区が該当しております。JR八戸線の鮫・久慈間につきましては、令和元年度の収支が14億6000万円のマイナス、また、1キロメートル当たりの1日平均利用者数は454人で、路線運営において大変厳しい状況が示されております。
現時点でJR東日本から当市に対する説明はありませんが、JR八戸線は、県境を越えて経済・生活圏を共有する八戸・久慈圏域の住民にとって、通勤通学、通院といった生活の足であると同時に、広域観光や交流促進など、様々な施策の基盤でもあり、両圏域にとって、一部線区に限定した経営情報だけでは測り切れない大きな価値を持つ路線であると考えております。
このように、JR八戸線を含む県内のローカル線の重要性を訴えるため、今月5日に、県、県議会、県内全市町村のほか、関係団体等で構成する青森県鉄道整備促進期成会において、JR東日本に対し、路線の維持について要望したところであり、JR東日本からは、廃線ありきではなく、採算性だけで検討するものではないと説明があったと伺っております。
市といたしましては、引き続き、国の検討状況やJR東日本の動きを注視しながら、青森、岩手両県及び沿線自治体と連携し、様々な機会を捉え、JR八戸線の存続を働きかけるとともに、さらなる利用促進等の取組について検討してまいります。
私からは以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)
まちづくり文化スポーツ部長
◎
まちづくり文化スポーツ部長(前田晃 君)私からはJR陸奥湊駅利用者の促進についてお答えを申し上げます。
陸奥湊駅前北口エリアは、現在、八戸市魚菜小売市場を核とした市場街の再整備を官民が連携した形で進めており、その過程で令和元年6月には、駅通り沿道の地権者等で組織する陸奥湊駅通り地区まちづくり協議会が、令和3年8月には、民間市場の再整備を中心にビジネスの手法によりまちづくりを担う、みちのくみなと未来株式会社が組織され、駅の利用促進にもつながる様々な活動にそれぞれ取り組んできております。
具体的な内容といたしましては、みちのくみなと未来株式会社では、JR東日本と連携し、新幹線を活用した物流体制と陸奥湊ブランドの構築のため、市の支援により、6月から新鮮な八戸の水産物等を首都圏に輸送する取組を試験的に開始しております。配送先である東京都内の飲食店の評価も高いと伺っており、12月からの事業の本格実施により、さらなる販路拡大と陸奥湊ブランドの浸透が期待されるところでございます。
また、陸奥湊駅舎1階をJR東日本から借り受けて改修し、来月末には首都圏等のビジネス客を主なターゲットとした立ち飲み居酒屋をオープンさせると伺っており、これらの事業については、まちづくり会社のSNSを活用して情報発信も行っております。
さらに、まちづくり協議会とまちづくり会社が連携し、魚菜小売市場のリニューアルオープンがより効果的なものとなるよう、陸奥湊ゆかりの著名人にもお声がけをし、新幹線八戸開業20周年の記念行事を陸奥湊駅前でも行う予定と伺っております。
市といたしましては、魚菜小売市場のリニューアルオープンに加え、まちづくり協議会とまちづくり会社が行うこれらの取組を通して、陸奥湊エリアへの関心が高まり、集客やJR八戸線の利用促進にもつながるよう、引き続き支援に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(寺地則行 君)久保しょう議員
◆8番(久保しょう 君)JR八戸線の存続についての答弁をいただきましたけれども、意見、要望をさせていただきたいと思います。
先ほども言ったように、11月には魚菜小売市場がリノベーションで完成するという形もありますし、また、新幹線も20周年ということで、様々な取組がされるということで、本当にこれを起爆剤にして湊の活性化が進むのではないかと思っています。もちろんそういうイベントに関しても、例えば開館に当たってはマグロの解体ショーをやるとか、あとはいろいろな地元の団体のものを入れたりとかという形で進めていただければと思っています。
また、先ほども言ったように、新幹線などを利用してのPRが好評だという話も聞いています。食材についても、やはり新鮮で、そしてまた安いというのが売りになっています。こういうものも活用した形で、JR陸奥湊駅の利用を促進していく。そのことによって、八戸線が存続していくという形での連携を取っていく。このことが本当に必要ではないかと思っています。
JR八戸線は八戸駅から久慈駅、全線開業をしてから92周年を迎えるということもあります。JR八戸線が長きにわたって八戸市民はもちろん岩手県久慈市などを中心とした沿線の住民を乗せて、通勤通学などの利用が続いています。JR八戸線は利用者には欠かせないものであります。存続についても沿線住民の切なる願いも込められていると思います。
これからも子や孫たちの将来に向かって残しておかなければならない、そういうかけがえのないものだと思っています。存続については、今後も鉄道を利用する乗客の増加対策を図るとともに、先ほど言ったような魅力あるものを届けながら、そして観光客を呼び込む、そういうものを国やJR東日本などに要請を強めながら促進していただきたいと思っています。
鉄道は、市民にとって大切な公共交通であります。赤字であるから廃止ありきは成り立ちません。当然それはJRも、そして県のほうも市のほうも考えていると思います。そこを強く要望していきたいと思っています。乗客の増加を促進する対策はもちろん、市としての支援や国、そしてJRとの連携、そういうものが必要ですし、あらゆる機会を捉えて積極的にJR八戸線の存続を訴えていく、こういうことが求められていると思います。
存続のための対策、これは行政はもちろん、住民、岩手県側の沿線地域との連携、これらもさらに強めながら、市民の足である大事な鉄道を守り続け、存続させるための取組をしっかりと進めることを強く要望して、全ての質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で8番久保しょう議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時44分 休憩
--------------------
午後1時00分 再開
○副議長(松橋知 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
--------------------
11番 日當正男君質問
○副議長(松橋知 君)11番日當正男議員の質問を許します。日當議員
〔11番日當正男君登壇〕(拍手)
◆11番(日當正男 君)自由民主・市民クラブの日當正男でございます。ただいまは昼食後の一番睡魔に襲われる時間帯ではありますが、最後までお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、ロシアのウクライナ侵攻など、混沌たる世界情勢、異常気象、円安、そしてコロナ禍における原油価格、物価高騰など厳しい生活、このような状況下におきましても、市民の暮らし、福祉の向上のため、9月定例会に当たり、自由民主・市民クラブの一員として、通告に従いまして、市長並びに関係理事者の皆様に御質問させていただきます。
今回の私の質問は以下の3項目です。発言事項1、(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針について、発言事項2、蕪島ウミネコ繁殖地の保存と活用について、発言事項3、新井田公園テニスコートについてであります。
まず最初に、発言事項1、(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針についてお伺いいたします。
令和2年9月定例会、そして令和3年6月定例会において、(仮称)新潮観荘について御質問させていただきました。当時の市長は答弁の中で、観光課、社会教育課、建築指導課、市民課、新美術館建設推進室、合同で新潮観荘構想検討ワーキング会議を開催、令和3年3月には(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針を作成し、次の3項目について今後の方向性をお示しいただきました。
3項目とは、1つ目に、新潮観荘を整備する場合、潮観荘跡地での整備については様々な課題があることから、種差地区内において、今後予定されている周辺の公共施設の建て替え時期に合わせて、複合化、多機能による整備を検討する。2つ目に、最終的な立地場所や建て替え時期については、社会情勢、地域ニーズ、財政状況等に鑑みて判断する必要がある。3つ目として、上記方針による新潮観荘の整備着手までの当面の間は、各種ソフト事業を展開することを検討する。そのように認識しております。
そこで、1点目として、新潮観荘の建設は前市長の公約の1つでありましたが、新潮観荘整備事業基本方針の継続について、改めまして新市長としての熊谷市長の御所見をまず最初にお聞きしたいと思います。
2点目として、(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針の進捗状況について御質問いたします。
最初にアとして、建て替え時期に関してです。周辺の公共施設、具体的には、南浜市民サービスセンター、南浜公民館、種差海岸インフォメーションセンター、種差海岸休憩所だと思います。建て替え時期といいましても、種差インフォメーションセンターや種差海岸休憩所は、木造平家建てではありますが、平成26年6月の建設であり、まだ新しい建物です。また、南浜市民サービスセンターは木造平家建て、昭和45年9月の建設であり、52年たっております。法定耐用年数は24年ですので、かなり経過しております。そして、市内でも最も古い市民サービスセンターであります。一方、南浜公民館は鉄筋コンクリート造2階建てで、昭和55年3月に建設されており、43年たっております。法定耐用年数は50年ですので、もう少しあります。新耐震基準前の建物でありますが、耐震診断結果では問題なしと出ております。しかしながら、海辺の鉄筋コンクリート造の建物ですので、ほかの建物よりは劣化が早いため、法定耐用年数残は割り引いて考えたほうがよく、心配も残ります。また、市内でも古い地区公民館の1つでもあります。さらには、今回八戸市策定の津波ハザードマップにおいて、どちらの建物とも津波浸水想定区域内に入っております。
新潮観荘は公共施設の建て替えの時期に合わせて複合施設として整備するとのことでした。また、整備事業の基本方針作成から1年半も過ぎました。以上のことより検討は進んでいると思いますので、改めて建て替え時期として、南浜市民サービスセンターを基準にするのでしょうか、それとも南浜公民館を基準とするのでしょうか、また、津波ハザードマップの津波浸水区域のことも考慮の上、建設場所等も検討なされているのか、お伺いいたします。
そしてイです。整備事業の基本方針として、新潮観荘の整備着手までの当面の間は、各種ソフト事業を展開することを検討するとしておりました。その状況は現在見えておりませんが、検討は進んでいると思いますので、そのソフト事業のスケジュールと具体的内容をお示し願います。
発言事項1の最後に、この新潮観荘整備基本方針は多くの関係課が関与しておりますが、先導する中心となるまとめる担当課をお教え願います。
次に発言事項2として、蕪島ウミネコ繁殖地の保存と活用について御質問させていただきます。
本年3月8日に蕪島ウミネコ繁殖地は天然記念物指定100周年を迎えました。令和3年度においては、記念ロゴマーク作成、広報はちのヘ特集記事掲載、記念看板、JR八戸駅構内通路等にバナーフラッグの設置、また、市庁別館前の壁には大きな懸垂幕も設置されました。そして、3月8日には記念セレモニーが開催され、4月6日には市庁本館入り口の郵便ポストに100周年にちなんだラッピングがなされ、同じく蕪島物産販売施設・かぶーにゃ前にもラッピングポストが設置されました。また、6月18日には天然記念物蕪島ウミネコ繁殖地指定100周年記念シンポジウムも開催され、記念ロゴをデザインしたピンバッジや缶バッジも作成され、市内外に広まってまいりました。数々の事業実施に感謝申し上げます。そして、先人たちの並々ならぬ努力のたまものと思う次第であります。
そこで、1点目、蕪島の現状として、蕪島のウミネコ繁殖地天然記念物指定から100年経過しておりますが、改めて熊谷市長の蕪島に対する思いや認識についてお聞かせ願いたいと思います。
2点目、繁殖と保護の状況として、最近のウミネコの飛来、営巣、産卵、繁殖及び天敵被害状況についてお教え願います。また、報道でもありましたように、今年はウミネコの天敵被害が多く見られました。来年に向けての具体的対策についてお示しいただきたいと思います。
ここ蕪島はウミネコの繁殖地であり、また三陸復興国立公園でもあります。自然の保護地と観光地としての二面性を持っているところであります。
そこで3点目、今後の保存と活用として、当市におけるウミネコ繁殖地の保存と活用の取組についての対応をお伺いしたいと思います。
特に本年度から蕪島の保存活用計画の策定作業が本格的に始まり、4月から環境調査が実施されていると思いますので、その取組状況について、そして本年6月定例会において、天然記念物蕪島ウミネコ繁殖地緊急調査検討会議の設置も決まり、8月3日には検討会議が開催されていると思いますので、その会議の目的と内容、結果、そして今後の予定をお示し願いたいと思います。
最後に、発言事項3として、新井田公園テニスコートについて御質問させていただきます。
昨年度より工事が始まっております新井田公園テニスコートは、コート基盤工事、照明、そして周囲のフェンス、管理棟も完成し、残るはコート表層の人工クレー貼り工事、そして周辺の外構工事等のみとなりました。まさに工事は来年春の完成を目指し順調に進んでおります。
新井田公園テニスコートが完成すれば、東北では2番目、東北の自治体としては初めて、そして県内でも初めての人工クレーコート仕様8面のコートです。以前は土のコート6面であり、雨のときは使用できず、また毎年春などのコート整備には多額の費用がかかっておりました。このような維持費も節約でき、また6面から8面になり、また小雨でもプレーができ、大会の進行にも大いに役立ちます。さらに、多くの照明灯がつくため、大会の進行で遅くなっても照明を点灯して大会を進められます。つまり、コートの面数を照明でカバーすることができます。さらに、仕事帰りのテニスを愛する皆様のほかにも、公園周囲の防犯にも必ずやお役に立つものと思います。また、人工クレーコートは、従来の砂入り人工芝貼りコートより表層が柔らかく、選手のみならず、子どもたち、また御高齢の皆様の体にも優しく最適であります。子どもから高齢者まで、生涯スポーツとして多くの市民の方々に楽しんでいただき、健康で生き生きと過ごせる場となればと思うところであります。
また、近くには東運動公園のテニスコートもありますので、場合によっては合わせて大きな大会誘致も可能になります。大会を通じて八戸においでになった全国の選手の皆様、そして関係者が八戸に宿泊し、夜はみろく横丁等で楽しみ、また大会終了後は、根城のお城や是川縄文遺跡やはっちやマチニワ、八戸市美術館、八戸市博物館、そして蕪島、鮫角灯台、葦毛崎展望台、種差海岸へと観光し、帰りは八食センター、ユートリー等でお土産を買っていただく。そういう夢も見えてまいりました。市長が目指すスポーツを通じたまちづくりの実現を楽しみにしております。そして、改めましてこの事業に携わっている皆様に感謝申し上げます。
そこで、この新井田公園テニスコートに、誰にでも愛され誰にでも分かる愛称を公募しつけたらと考える次第です。愛称を募集し、市民に愛され、全国に発信できないか、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
以上をもちまして私の壇上からの質問とさせていただきます。
〔11番日當正男君降壇〕(拍手)
○副議長(松橋知 君)市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)日當議員にお答え申し上げます。
まず、(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針の継続についての御質問ですが、(仮称)新潮観荘構想は、昭和28年の火災により焼失した潮観荘の跡地において、吉田初三郎氏をはじめとする種差ゆかりの文人墨客の紹介及び観光案内機能等を有する施設を整備し、種差海岸のさらなる観光振興を図ろうとするもので、前市長の政策公約の1つとなっており、令和3年3月に(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針を策定いたしました。
本基本方針では、法規制や立地条件、展示内容及び整備費用の4つの観点から検討し、今後の方向性として、跡地にこだわらず、種差地区内の他の公共施設の建て替え時期に合わせて、複合化、多機能化による整備の検討を進めることとしております。また、新潮観荘の整備に着手するまでの当面の間は、種差ゆかりの文人墨客を紹介するソフト事業を展開し、将来の整備に向けたニーズの把握や機運の醸成に努めることとしております。
私といたしましても、八戸を代表する観光地である種差海岸の魅力をさらに高めることができる可能性を持つ事業であると認識しておりますことから、事業の継続を維持し、基本方針にありますとおり、周辺公共施設の建て替え時期に合わせて整備の検討を進めてまいります。
次に、2、蕪島ウミネコ繁殖地の保存と活用についての(1)蕪島の現状についてお答え申し上げます。
蕪島は、旧鮫村において、大正8年から地域の悲願であった鮫漁港の整備が進められる中、ウミネコの繁殖地として保護の必要性が早い段階から認識され、大正11年3月8日、国の天然記念物の指定を受けております。先人たちが地域の産業振興へ情熱を傾けながらも、同時に地域のシンボルであったウミネコ繁殖地の蕪島の保護、保全を図ったことに対しましては、その先見の明に敬服する思いであります。
その後、昭和4年に旧鮫村から八戸市となり、蕪島周辺においては、工場の建設や港湾施設の整備が進み、太平洋戦争中には、旧海軍による埋立工事のために現在のように陸続きとなり、最近では東日本大震災の復興を目指した整備事業が実施されるなど、この100年の間に島を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。
このような状況においても、蕪島は、ウミネコの繁殖が今日まで途絶えることなく続く、ウミネコと人間が共存する国内唯一の繁殖地であり、文化財としての価値を持つだけでなく、市民憩いの場、そして市を代表する観光地でもある極めて貴重な市の財産でありますことから、今後も適切に管理していかなければならないと認識しております。
次に、ウミネコの繁殖と保護の状況についてお答え申し上げます。
ウミネコの繁殖状況は、
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって十分な調査が行われなかったため、直近の正確なデータといたしましては令和元年度実績になりますが、飛来数約2万7000羽、営巣数約1万3500巣、産卵数約2万3700個であり、令和元年度までの過去5年間の平均値である飛来数約3万800羽、営巣数約1万5400巣、産卵数約3万600個と比べると、低い数値となっていることから、今後の推移を注意深く観察する必要があります。
次に、キツネ、猫などの天敵によるウミネコの被害状況については、本年は成鳥の被害数が合計500羽を超えており、例年にない被害が確認されました。そのため、保護監視員による夜間の見回り強化に加え、野生動物が嫌がる匂いを発する忌避剤の増設、さらにわなによる捕獲設置期間の延長をしたところ、その後の被害が抑えられております。今後の保護対策につきましては、ウミネコが蕪島に飛来する時期に合わせ、天敵侵入防止に一定の効果が期待できる捕獲わなを設置するほか、保護監視体制の強化を図ってまいります。
次に、今後の保存と活用についてお答え申し上げます。
国は、文化財保護法において、地方自治体等が文化財の適切な保存、活用を図るために必要な事項を明確化した保存活用計画を策定することができると定めており、現在、市では(仮称)蕪島ウミネコ繁殖地保存活用計画の策定に向けた作業を進めているところであります。既に本年4月から天然記念物蕪島ウミネコ繁殖地緊急調査事業を実施しており、蕪島の植生とウミネコの繁殖の関係性について明らかにし、保存活用計画の基礎資料としたいと考えております。また、有識者等で構成する緊急調査検討会議を本年8月3日に開催し、調査内容の検討を行い、調査項目を追加するなど、調査精度の向上を図っております。
今後は、今年度内に第2回目の会議を開催し、緊急調査の成果を反映した保存活用計画の策定作業を進めながら、ウミネコ繁殖地としての蕪島の適切な保存管理を実施してまいります。さらに、ウミネコの繁殖を間近に観察できる特色を生かし、観光や学習の場として積極的な活用について検討を進め、より多くの方の興味関心や保護意識の向上を図りながら、将来にわたるウミネコと人間の共存を目指してまいりたいと考えております。
次に、新井田公園テニスコートの愛称募集についてお答え申し上げます。
新井田公園テニスコートは、昭和63年の開場以来、多くの市民の皆様に御利用いただいてまいりましたが、クレーコートのため、降雨時の利用ができないことや、照明設備がなく、夜間利用ができないことなどから、その改善を望む利用者の声も多く、議員御発言のとおり、県内初となる全天候型の人工クレーコートに改修し、照明設備を整備するとともに、コート2面を増設し、8面にすることとしており、来年4月1日のオープンを目途に現在工事を進めております。
また、東運動公園テニスコートと合わせてコート数が18面となりますことから、全国大会などの大規模な大会の開催も可能となり、宿泊や飲食需要の増加などによる地域経済の活性化にも寄与するものと期待しているところであります。
御質問の愛称につきましては、当市ではこれまでも、八戸ポータルミュージアムにははっち、八戸市蕪島物産販売施設にはかぶーにゃなど、公募により一部の施設につけており、市民の皆様の施設に対する愛着や親しみやすさの醸成に役立っているものと理解しております。
議員御提案の新たに生まれ変わる新井田公園テニスコートの愛称募集については、実現すれば、市内スポーツ施設では初の試みとなりますが、施設に対する愛着の醸成や、数あるスポーツ施設の中から、明確にその施設を特定できることのメリット、さらには大規模な大会の誘致の際、対外的なアピール性を高められるかどうかなど、他都市の事例を参考に、その効果を検証しながら前向きに検討してまいります。
私からは以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○副議長(松橋知 君)商工労働観光部長
◎商工労働観光部長(大志民諭 君)私からは、発言事項1の(2)(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針の進捗状況についてのアとして建て替え時期と場所について、イとしてソフト事業のスケジュールと具体的内容について、そして(3)の中心担当課につきましてお答えさせていただきます。
まず、建て替え時期と場所についてお答え申し上げます。
基本方針では、種差地区内の他の公共施設の建て替え時期に合わせて、複合化、多機能化による整備の検討を進めることとしており、想定される周辺施設として、南浜公民館や南浜市民サービスセンターが現存しております。当市では、施設の長寿命化を推進していることから、いずれも建て替え時期については未定であり、社会情勢、地域ニーズ、財政状況等に鑑み、今後、建て替え等の具体的な動きが出た際に合わせて、複合化、多機能化及び場所等の検討を進めてまいります。
なお、建設場所の選定に当たっては、令和4年4月に改定された津波ハザードマップにおける津波浸水想定区域及び土砂災害警戒区域等を考慮し、安全面に対しても十分配慮してまいります。
次に、ソフト事業のスケジュールと具体的内容についてお答え申し上げます。
基本方針では、新潮観荘の整備に着手するまでの当面の間は、種差ゆかりの文人墨客を紹介するソフト事業を展開し、将来の整備に向けたニーズの把握や事業性を検討することとしております。現在、来年度以降の実施に向け、機運の醸成につながるよう、公共施設への展示コーナー設置や企画展の開催、講演会や種差ゆかりの文人墨客を巡るツアーなど、より効果的な内容について検討しているところであります。
次に、中心担当課についてお答え申し上げます。
基本方針の策定に当たっては、種差観光振興の観点から観光課、南浜公民館の所管及び種差ゆかりの文人墨客への学術的知識を有する社会教育課、南浜市民サービスセンターを所管する市民課、整備に向けた法的規制の観点から建築指導課、そして吉田初三郎氏の色紙を収蔵している美術館の4課1館で取りまとめてまいりました。このように、本事業は複数の部署が関わっておりますが、構想段階から観光課が担当し、基本方針についても主導し取りまとめてきた経緯から、今後も同課が中心となって事業を進めてまいります。
私からは以上でございます。
○副議長(松橋知 君)日當議員
◆11番(日當正男 君)発言事項1、(仮称)新潮観荘整備事業の基本方針につきまして御答弁いただきありがとうございました。
ただいま熊谷市長より、整備事業基本方針のとおり、継続のお考えをお聞きいたしまして安堵しております。新潮観荘の整備に関しましては長年地区の悲願であります。建て替え時期、場所に関しましては、いろいろと熟慮するところがあろうかと思いますが、速やかな推進をお願いするところであります。
整備事業基本方針では、吉田初三郎をはじめとして、種差海岸にゆかりの深い文人墨客に関する展示室を含む新しい新潮観荘機能と、南浜地区における市民センター機能、そして公民館機能を含んだ複合施設として、土地の選定、実施時期の検討をしていく。また、それに合わせて、建設するまでの間、基本方針に示されたとおり、地域固有の文化や種差海岸の自然等を活用し、吉田初三郎や種差海岸ゆかりの文人墨客の展示コーナーや企画展、現地講演会、先端技術等の活用などを駆使して、種差インフォメーションセンターや種差海岸休憩所などでソフト事業を展開する。そうすることによって、将来の整備に向けたニーズの把握や事業性の検証を進めていくと認識しております。
この整備基本方針作成から1年半たちました。先日、種差インフォメーションセンターにお邪魔いたしましたが、いまだその形が現れておりません。基本方針ではすばらしいソフト事業の企画をうたっておりますので、どうか少しでも結構です。まずは展示コーナーの充実から始めて、スケジュールをきちんと立てて、観光客も喜び、そして地区の方々が納得いく進め方をしていただきまして、切れ目のない事業展開をお願いするところであります。
新型コロナの感染拡大が収束すれば、観光客は国内外を問わず確実に増えてまいります。そして、来年5月には三陸復興国立公園になって10年目を迎えます。来年は記念すべき節目の年となりますので、その辺も御考慮くださり、よろしくお願いいたします。必ずや三陸復興国立公園、そして八戸の観光の発展、そして地域の発展にも寄与するものと思います。
第7次八戸市総合基本計画第5章、地域が一体となって推進する6つの政策があります。その政策6、「八戸らしさ」を活かす、シティプロモーション、観光・国際交流には、八戸ブランドの確立、史跡・名勝、文化財の保存・整備・活用、シティプロモーションの推進、観光地域づくりの推進、国際交流の促進を図ることで、八戸らしさを活かすとあります。まさにその一翼を担うものと考えますので、勇気を持って進めていただくことを改めて御要望させていただきます。
また、新潮観荘整備事業基本方針に1つ検討していただきたいことがございます。基本方針では、新潮観荘機能と南浜地区サービスセンター機能、そして公民館機能の複合施設の計画ですが、複合施設の方針であれば、思い切ってそれに郵便局機能とJR駅の機能をも入れたワンストップ機能を持った複合施設の建物にしたらどうかということです。
現在、近くにJRの種差海岸駅や種差郵便局があります。先日、八戸線の鮫駅から久慈駅間の赤字が発表されたところであります。もっとJRを利用していただくことにより、JRとの連携ができ、そして年金の受け取りや郵便、保険など、郵便局との連携ができます。1つの建物で観光、交通、生活、市民サービスが可能になります。さらに、市の建設費用、維持費等においても有利になるのではないかと思う次第であります。御所見をお伺いいたします。
それでは、発言事項2、蕪島ウミネコ繁殖地の保存と活用につきまして御答弁いただきありがとうございました。
天然記念物指定の経緯をお聞きいたしまして、改めて先人たちのすごさを感じました。そして、100年見守ってきた先人や皆様に感謝申し上げます。
御承知のように、蕪島は考えなければならない課題として保存と活用があります。保存と活用どちらも生かすことは非常に難しい問題だと思いますが、やはりウミネコがあっての蕪島であります。それがあるからこそ観光も引き立つと思います。
先々月、観光振興特別委員会で京都市に視察に行ってまいりました。御承知のように、京都は観光都市であります。京都は観光都市として何を大事に政策を進めていますかと京都市の担当職員にお聞きしてみました。そうしますと、私たちはただ京都の歴史を守るためにしておりますと思いがけない答えが返ってまいりました。どのように解釈するかは皆様にお任せいたします。
話を戻します。現在のウミネコの飛来、営巣、産卵、繁殖及び天敵の被害状況をお聞きいたしまして、今後作成される保存活用計画をしっかりつくっていただき、すばらしい実効性のあるものにしていただきたいと考えます。
素人ながら天敵被害と関係、影響があるかと思う監視所、監視員に関してですが、現在のウミネコ監視所は、以前、蕪島頂上の神社横にあったものを海水浴場管理棟に移したものであります。ウミネコのいる蕪島から離れていて大丈夫なのかと思いますので、監視所をもっと蕪島近くに移動すべきではと御意見、要望を申し上げます。
また、監視員も大分御高齢になってきましたし、人手不足だとも感じております。監視員の今後の養成及び増員につきましても御意見、要望を申し上げます。
ウミネコ監視所監視員養成や増員につきましては、ウミネコ繁殖地蕪島の自然を次世代に残し、若者、次世代の方も興味を持っていただく。今後に向けての対策もしっかりとしていただき、さらにウミネコを守り、蕪島ウミネコ繁殖地が今後100年、200年と続き、三陸復興国立公園、みちのく潮風トレイル等の観光のさらなる発展へとつながっていけばと思う次第であります。
そして、先ほども申しましたが、保存と活用の共存は非常に難しい課題だと思いますが、100年前にも先人たちが考えたように、みんなの知恵を出し合い、次の100年を見据えて、ウミネコ繁殖地蕪島を生かし、地元や八戸市の発展に期待するものであります。
発言事項3、新井田公園テニスコートの愛称募集につきまして、頼もしい御答弁をいただきありがとうございました。
この新井田公園テニスコートが完成すれば、むつ市、十和田市、三沢市、上北郡、三戸郡、そして八戸市の青森県南、久慈市、二戸市、洋野町、軽米町と九戸郡の岩手県北、さらには秋田県鹿角市を含む北奥羽地域の中心、そして代表するテニスコートになると確信しております。北奥羽地域のリーダー、そして飛躍する八戸、そのためにもすばらしい愛称が生まれることを期待し、楽しみにしております。
最後に1つ再質問したいと思います。新井田公園テニスコートの工事は来年の3月には全て完成とお聞きしておりますが、コートの開所式といいますか、オープニングセレモニーはいつ頃行う予定なのか、またその内容は、現在の予定の範囲内で結構ですのでお教えいただきたいと思います。
○副議長(松橋知 君)市長
◎市長(熊谷雄一 君)日當議員から再質問を2点いただきました。
1点目ですけれども、新潮観荘を考える場合に、南浜市民サービスセンターと南浜公民館の複合、多機能化に加えて、郵便局やJR駅の機能も取り入れたワンストップ機能を持った複合施設にしたらどうかということでございます。
確かに観光振興や地域住民の利便性ということから考えますと、非常に理想的、魅力的なものだと思いますが、それだけにまた関連している方々も増えてまいりますので、その辺の調整も必要になると思います。いろいろ研究しながら進めてまいりたいと考えております。
また、先日、南浜で公民館サロンをやったときに、このことが話題になりまして、跡地はこの辺がいいのではないかとか、それからソフト事業についてもいろんな提案がなされておりますので、そういう地域住民の声も受けながら、今後いろんな事業を進めてまいりたいと考えております。
それから、2点目の新井田公園テニスコートの件でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおりに、4月1日のオープンをめどに今工事を進めておりますので、ずばり4月1日を目標に思っておりますので、間に合えばといいますか、4月1日にセレモニーも行いたいと考えております。ただ、中身につきましては、テニスは、中学生、高校生だけではなくて、非常に幅広い年齢層に親しまれているスポーツですので、できるだけ多くのプレーヤーの方に知っていただくためにも、関係競技団体と今後協議をしながら、内容については決定していきたいと考えております。
私からは以上です。
○副議長(松橋知 君)日當議員
◆11番(日當正男 君)(仮称)新潮観荘整備事業に関しまして、先ほど言いそびれましたことがありましたので、最後に申し述べさせていただきます。
南浜公民館も南浜市民サービスセンターも、施設の長寿命化を推進しているという御答弁がありましたが、私にはどこをどう長寿命化しているのか一向に見えてまいりません。特に南浜市民サービスセンターは大変傷んでいるように私には見えてなりません。建築住宅課ともよく御相談の上、長寿命化をするのであればする、しないのであれば、2つの施設の現状を見て、すぐにでも建て替え時期の検討に入る。はっきりした動きをしていただきたいと思います。御意見、御要望として申し上げます。
それにしましても、建物を建てる前に土地がなくてはなりません。土地の選定は最初にすることであり、急務であります。特に津波浸水想定区域なども考慮に入れなければなりません。地元の意見をくみ上げるなり、地元とよく協議をして進めていっていただきたいと思います。
また、すぐに建物が建つわけではありませんので、そのために、建物が建つまでのつなぎとしてソフト事業を行う。そういうつながりを持った基本方針だと解釈しておりますので、大変だと思いますが、次年度はすぐにでもソフト事業に入っていただきたく、スピーディーな対応を御意見、要望として申し上げます。
そのほか、ソフト事業をするにしても、以前建っていた潮観荘建物について、私も仕事柄興味があり、調査し、図面を描いてみましたが、分からないところが大変多く、調査がもっと必要と感じた次第です。前の建物などがよく分からない状況での推進は困難を極めます。したがいまして、社会教育課、担当部署とよく連携を取り、以前の潮観荘の詳しい十分な調査をして、ソフト事業及び新潮観荘の整備に生かしていただきたく御意見、要望として申し上げます。
この新潮観荘整備事業は、前市長からの継続メニューではありますが、熊谷市長らしい調味料をかけていただき、地元、そして八戸市民、また全国の皆様に喜んでもらえる事業となるよう期待しております。よろしくお願いいたします。
また、新井田公園テニスコートのオープニングセレモニーは、来年4月1日を予定しているとお聞きいたしました。ありがとうございます。楽しみにしております。その日が晴天であることを祈り、これで私の9月定例会での質問を終わります。
○副議長(松橋知 君)以上で11番日當正男議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後1時42分 休憩
--------------------
午後2時00分 再開
○副議長(松橋知 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
--------------------
7番 田名部裕美君質問
○副議長(松橋知 君)7番田名部裕美議員の質問を許します。田名部議員
〔7番田名部裕美君登壇〕(拍手)
◆7番(田名部裕美 君)きずなクラブの田名部裕美です。
冒頭、今定例会に突如追加提案をされましたチーノ跡地再整備支援事業について意見を述べさせていただきます。
この事業については、6日の開会日終了直後に議員全員協議会が行われ説明がされましたが、これだけ多額の市税が数年にわたり投入されるような大きな事業であれば、順序として、開会日の提案理由でしっかりと市長から説明責任が果たされ、一般質問などでも慎重に議論されるべき事案であったと考えます。市の決めた補助金交付は、今年度から4年間でトータル13.9億円という膨大な補助額に、翌日、地元紙を見た市民からは、驚きと民間への過去最大の支援額に納得できないという意見が届きました。
これまで前小林市政時代から中心街への集中投資が続く中、にぎわいにはつながらず、結果として市民生活に影響を及ぼしていることについて、議会でも議論を重ねてまいりました。税収として将来的に市に還元されることや、新たなにぎわいや雇用の創出、空き店舗への波及効果など、期待される費用対効果が見込まれることは理解できますが、その一方で、他部署の予算が切られ、そのしわ寄せがまた市民に来ることが確実に予想されます。
人口減少が進み、少子化対策が喫緊の課題である中、対話と共感を公約に掲げている熊谷市長におかれましては、しっかりと整備効果の提示や、子どもたちや若い方々からのニーズの調査など、中心街のビジョンを示し、市民が納得する形で慎重に進めていただきますよう提言をいたします。
それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきます。
まず初めに、下長地区の防災対策について伺います。
昨年県が公表した日本海溝・千島海溝沿い地震を想定した津波は最大26メートル、浸水地域は約1.4倍広がり、現行よりさらに53.5平方メートルに拡大され、この津波浸水想定を踏まえ、津波ハザードマップが改訂されました。各地区の住民説明会を経て、現在はパブリックコメントを募集し、避難路や避難場所の見直しを行い、新たな津波避難計画の策定作業に入っていることと思います。
今まで安全とされていた地域であっても、この想定以上の浸水区域の広がりに多くの市民が不安を抱えることになりました。特に馬淵川から西の下長、石堂、河原木地区においては、浸水地域が青い森鉄道線まで広がり、民間の避難所として協定を結んでいる卸センターや地区公民館や学校施設なども、大津波時には指定避難所として機能しないということです。避難ビルに関しては、下長中学校が使用不可となり、下長小学校3階、城北小学校の4階の2か所のみと、地域の人口約2万5000人に対して、住民を収容できない状況にあると思います。
そこで、質問の1点目として、この地域の避難箇所数に対する市の認識について伺います。
次に、防災拠点の観点からの公民館の移転を含めた建て替えについて伺います。
公民館は、子どもから高齢者まで、文化、教養、地域課題を学んだり、健康づくり、仲間づくりの観点から地域活動の拠点場所となっております。一方で、災害時には避難所として使われ、突然の災害時には活動が活発な地域ほど、住民との日常的な関わりがあるため、避難所の運営が円滑になるとも言われております。
しかしながら、現在の下長公民館においては、大津波警報発表時や、昨今の大雨被害が不安とされる洪水警戒時においても、1階しかないため避難不可となっております。また、建築から40年以上が経過し、老朽化も課題で、地域規模に対しても手狭であるとの声も届いております。
そこで、避難所としての防災機能を兼ねる下長公民館の移転を含めた建て替えの考えについて伺います。
津波が来たら高台へ逃げろというように、この下長地域の住民は、高館地区を含め南部山や北インターを目指そうとします。それを踏まえ、避難路の整備状況として、都市計画道路3・2・3号沼館河原木線の整備計画について伺います。
都市計画道路3・2・3号沼館河原木線は沼館大橋から長寿温泉まで整備がされておりますが、その先を高館地区まで延伸することにより、今後の津波避難路として有効であり、地域住民の多くの命を守ることにつながるはずです。平成28年の同質問の際、市では、下長、石堂地区と高台をつなぐ道路であることから、津波避難路として役割を果たすものと期待され、復興計画の整備事業後には、この計画道路の着手に向けた検討を行うと御答弁をされております。
そこで、現在の状況と今後の整備の見通しについて伺います。
次に、車避難について伺います。
津波避難の際は徒歩が原則でありますが、高齢者や徒歩避難が困難な方は車で避難せざるを得ません。また、ふだん歩くという意識がなく、車移動をしている市民にとって、まず車に家族を乗せて逃げるということを現実的に想定すると思います。東日本大震災時には、下長、石堂地区の住民は高館地区に上がる小田坂を目指し、その際、片側1車線の道路が大変渋滞したと伺っております。洪水などで近くの小学校に避難する際は徒歩での移動も可能でありますが、高台までの距離があれば、健康な市民であっても誰もが車を使おうと考えるのではないでしょうか。先般の大津波時の住民説明会の際も、車避難の必要性やその際のハード整備の声が聞かれておりました。
そこで、車避難について、市の考えと高台などに避難した際の車避難場所の確保について伺います。
次に、医療行政について伺ってまいります。
新型コロナウイルス第7波の収束が見えない中、長引くコロナ禍で、発熱したらまずかかりつけ医に相談をという呼びかけに、改めて自分にとってかかりつけ医がどこか再確認した方も多いと思います。
日本医師会によると、かかりつけ医とは何でも相談ができ、必要時に専門医を紹介できると定義し、普及を図ってきました。昨年、全国の20代以上に実施した調査によると、かかりつけ医がいるとしたのは全体の56%、いないと答えた約44%のうち半数が、どういう医師がかかりつけ医になるか分からなかった、また、かかりつけ医になり得る情報が欲しいと答えたということです。
一方、患者はかかりつけ医だと思っていたのに、医師側はそう捉えていない、かかりつけ医の定義も病院ごとで違うなど、ミスマッチも起きていたり、相互の共通認識がないまま、ワクチン接種の予約を断られたり、自宅療養の往診を断られたという声も届いております。
そこで、質問のアとして、当市のかかりつけ医に関する現状と課題について伺います。
昨今のコロナ禍においては、自分の健康管理やワクチン接種などでかかりつけ医の重要性がより増してきております。収束が見通せないこの状況下においても、安心して医療を受け続けられるよう、また、自分の健康状態を知り、維持するためにかかりつけ医が必要になります。持病を持つ方や高齢者であれば、定期的に受診をし、処方箋をもらうなど、かかりつけ医は定着をしておりますが、健康な成人ではかかりつけ医がいない方が多いはずです。ワクチン接種をしても誰もがコロナウイルスにかかり、また、後遺症に悩まれる方も多い中、どの世代にとっても、健康をサポートする上でかかりつけ医を持つことが重要になっております。
そこで、質問のイとして、今後の市民への周知について伺います。
次に、市民病院におけるかかりつけ医について伺います。
厚生労働省は、コロナ前から一般的な外来はかかりつけ医を受診し、紹介を受け大病院を受診するよう勧めてきました。市民病院においても、当該病院への患者の集中を防ぎ、地域のかかりつけ医の受診を促すことを目的に、来月から紹介状を持たず来院した患者が治療費とは別に支払う非紹介患者初診料について、現行の税込み5500円から7700円に引き上げ、再診加算料に関しても2750円から3300円に引き上げとなります。一方で、患者側は診察券を持っていればかかりつけ医、一度受診したことがあるからかかりつけ医と自身の都合で捉えており、病院側と患者側とのミスマッチが起き、今後の初診料においても誤解が生じる状況が考えられます。
そこで、質問のアとして、県南の高度専門医療を担う市民病院としては、かかりつけ医の定義をどう捉えているか伺います。
また、国では、急速な高齢化に伴う医療費の増加や医師、看護師不足に対応し、医療機関の役割分担を推し進めております。市民病院においても、軽症者の受診を防ぎ、専門的な検査や手術、入院治療が必要な患者や救急医療と、それぞれの役割を果たし連携することとしております。
そこで、質問のイとして、地域医療支援病院としての地域のかかりつけ医との連携の推進状況について伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。
〔7番田名部裕美君降壇〕(拍手)
○副議長(松橋知 君)市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)田名部議員にお答え申し上げます。
まず、下長地区の避難箇所数に対する認識についての御質問ですが、昨年5月に県が公表した新たな津波浸水想定に基づき、市では本年4月に八戸市津波ハザードマップを改訂いたしました。新たな津波浸水想定では、従来の想定に比べ、浸水面積が市全域で約1.4倍に拡大し、津波の高さも高くなっているため、利用できなくなる指定避難所及び津波避難ビルが合わせて13施設、また、避難可能な階が上層階に変更となる津波避難ビルが14施設あります。
このうち、下長地区においては、下長中学校が津波避難ビルとして利用できなくなるほか、下長小学校、城北小学校の避難可能な階が変更になり、一時的に避難できる床面積が減少しておりますので、津波避難対策の検討が必要であると認識しております。
市といたしましては、下長地区を含め浸水区域全体において、官民を問わず、浸水しない階のある施設を調査し、津波避難ビルの指定に向けた協議を行うとともに、このような施設がない地域におきましては、避難施設等のハード整備を検討してまいります。
次に、防災拠点としての公民館の建て替えについてお答え申し上げます。
下長公民館をはじめ地区公民館24館は、社会教育施設として地域住民の生涯学習や地域コミュニティー活動の拠点であるとともに、全てが指定避難所となっており、地域の防災拠点としての役割も担っております。しかし、一部の公民館では、経年劣化に伴う老朽化が見受けられるため、今後も市民の皆様が安全に利用できるよう、平成28年8月策定の公共施設マネジメントの推進に係る基本方針に基づき、施設の修繕や設備更新等を計画的に実施し、長寿命化を図っております。
一方で、本年4月に改訂した八戸市津波ハザードマップにおいては、津波浸水想定区域内に位置する公民館が下長公民館を含め11館あり、大津波警報発表時には避難所として開設されない施設となっております。これらの公民館につきましては、防災拠点としての機能や安全性が求められるものの、移転や建て替えに当たっては、社会教育施設としての利便性をいかに確保するか等の課題も多いと認識しております。市といたしましては、下長公民館を含む地区公民館を引き続き各種活動の拠点として運営しながら、あわせて防災拠点としての在り方について研究してまいります。
次に、(4)車避難についてお答え申し上げます。
市の地域防災計画や津波避難計画においては、津波警報等が発表された場合の避難方法として、津波浸水想定区域の外や、高台などの最寄りの安全な場所へ徒歩で避難することを原則としております。その理由といたしましては、地震による道路等の損傷や電柱の倒壊、踏切の遮断機の停止などによる交通障害や、避難車両の集中による渋滞などにより、自動車での避難中に津波に巻き込まれるおそれがあるためであります。
しかしながら、津波避難対策に係る住民説明会などにおいて、避難に時間のかかる高齢者や障がい者が避難する際に、自動車避難が必要だという意見を伺っております。そのため、現在策定中の津波避難計画では、今後の課題として、自動車による避難方法の検討を盛り込んだところであります。市といたしましては、今後、自動車避難に関する条件整理やドライバーへの普及啓発について、他都市の事例や地域の実情等を踏まえながら検討してまいります。
次に、車中泊避難についてでありますが、車中泊避難は、共同生活への不安やプライバシーの保護といった観点から、通常の避難所へ避難せず、車中で避難生活を過ごすことであり、小さな子どもや介護が必要な家族、ペットがいる方などからのニーズが高まっております。また、コロナ禍における分散避難として、車中泊避難をする避難者が増加することも予想されるため、国においては、
新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドラインに車中泊避難者への対応を盛り込んでいるところであります。
このような状況から、市といたしましても、既に自動車避難場所として位置づけている東運動公園や北インター自然公園などに加え、本年5月には株式会社共同物流サービスと協定を締結し、新たに災害時の自動車避難場所を確保したところであり、引き続き、民間の協力も得ながら、さらなる確保に向けて取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
○副議長(松橋知 君)建設部長
◎建設部長(八木田満彦 君)私からは都市計画道路3・2・3号沼館河原木線の避難路としての整備についてお答え申し上げます。
都市計画道路3・2・3号沼館河原木線は、沼館2丁目交差点を起点とし、沼館大橋を経由して、終点の高館地区の主要地方道八戸野辺地線に接続する延長約3.2キロメートル、計画幅員16メートルから30メートルの道路で、起点から下長地区にある長寿温泉までの約2.2キロメートルは整備済みであり、残り約1キロメートルは未整備区間となっております。この未整備区間は、下長地区から高台へ向かう区間に当たることから、当該区間の整備により、津波避難路等としての機能を発揮するものと考えます。
昨年5月に県が公表した新たな津波浸水想定に基づき、市では八戸市津波避難計画の策定作業を行っておりますが、津波避難路等については現存している道路を指定する見通しであります。このことから、議員御質問の都市計画道路3・2・3号の未整備区間については、現時点では津波避難路等の指定には至らないものと認識しております。
しかしながら、令和4年5月に改正された日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進特別措置法に基づき、国から津波避難対策事業への補助の特例が示されましたので、未整備区間の道路が津波避難路等として特例の対象となるか、今後の国県の動向を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(松橋知 君)健康部長
◎健康部長(秋山直仁 君)私からは2、医療行政についての(1)かかりつけ医についてお答え申し上げます。
まず、現状と課題についてですが、かかりつけ医につきまして日本医師会は、何でも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要なときに専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師と定義しており、国もかかりつけ医を持つことを推奨し、厚生労働省の公式ウェブサイト等でその必要性を情報発信してきました。
しかしながら、日本医師会総合政策研究機構が本年3月に全国の成人を対象に実施した調査によりますと、約半数近くの回答者がかかりつけ医がいないと回答しており、さらに、かかりつけ医がいないと回答した者の半数以上が、どういう医師がかかりつけ医なのか分からなかったと回答していることから、現時点では、かかりつけ医に関する社会的な共通認識が形成されておらず、その必要性も十分に認識されていないものと推察しております。
今般のコロナ禍におきましても、かかりつけ医という言葉が必ずしも社会に定着しておらず、患者側と医療機関側で、かかりつけ医に関する認識のミスマッチが生じたことにより、患者側がかかりつけ医として希望する医療機関でワクチン接種や発熱外来の診察を受けられないといった事例が、全国的に少なからず発生したものと承知しております。
また、国の
新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議報告では、各地域で個々の医療機関が果たすべき役割が具体化されておらず、かかりつけの医療機関が組織的に関わる仕組みもないことから、発熱外来等の体制の構築に時間を要したとの検証がなされており、かかりつけ医機能の強化が今後の課題として挙げられております。
続きまして、市民への周知啓発についてお答え申し上げます。
今般のコロナ禍においてかかりつけ医機能の重要性が指摘される中、国は、本年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)に、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行うと明記しており、厚生労働省の第8次医療計画等に関する検討会において、かかりつけ医とはどうあるべきかの議論が7月から始まっております。また、日本医師会においても7月下旬、かかりつけ医の機能や制度化について議論するワーキング会議を設置し、ワーキンググループで議論した上で、一定の方向性を示すことが表明されております。
今後、かかりつけ医の制度化等について、国や医師会で検討していくとされておりますので、その動向を注視し、機会を捉えて市民への周知に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○副議長(松橋知 君)市民病院事務局長
◎
市民病院事務局長(松田大平 君)私からは市民病院におけるかかりつけ医の定義についてからお答えを申し上げます。
当院では、かかりつけ医についての定義は定めておらず、予防接種などでかかりつけを条件とする場合は、来院歴の有無のみで判断するのではなく、定期的に当院を受診している患者をかかりつけとして対応しております。また、当院に受診歴のある患者が再度受診する場合の初診料の算定につきましては、別の傷病で受診した場合や、以前と同じ傷病でも、患者が任意に診療を中止していた場合に、いずれも医師の判断等を基に、初診扱いにするか否かを決定しております。
なお、受診の際、他の保険医療機関からの紹介状を持たずに直接来院された患者には、初診料のほかに、国が定めた選定療養費として非紹介患者初診料も算定しております。
次に、地域医療連携の推進についてお答え申し上げます。
我が国では、医学の進歩に伴い、医療技術が高度化、専門化する中で、患者の多様化した医療ニーズに的確に応えるために、1つの医療機関が全てに対応するのではなく、地域の各医療機関が役割を分担し、互いに連携していく、いわゆる地域完結型医療を国が中心となって推進しております。このことから当院においても、青森県南の地域医療支援病院の立場から、地域の医療機関や保健、福祉の関係機関とよりよい連携の下に、急性期重症疾患、特殊疾患等を担当する入院機能に重点を置いた診療を推進するなど、この地域完結型医療を積極的に推進してまいりました。
また、当院では、地域の医療機関や保健、福祉の各関係機関との連携の推進を図るための窓口として、平成13年度より地域医療連携室を設置し、いわゆるかかりつけ医など、地域の医療機関から紹介された患者の診察予約の受付や、当院での治療が終了した患者を地域の医療機関等へ逆紹介するための相談支援、連絡調整等の業務を行っております。
当院といたしましては、患者が地域において効率的かつ効果的に医療が受けられるよう、今後も地域の医療機関をはじめとする各関係機関とこれまで以上に密接に連携を図るとともに、こうした取組を地道に継続していくことにより、青森県南の地域医療支援病院としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(松橋知 君)田名部議員
◆7番(田名部裕美 君)市長、そして各部長より御答弁をいただきましてありがとうございます。
防災対策、公民館の建て替えについて1点再質問をさせていただきます。
今回、地域を絞ってその整備や考え方について質問をさせていただきました。住民基本台帳によれば、人口22万人のうち約2万5000人以上の地区別人口規模は、根城地区、白銀地区、下長地区の順になっております。そのうち、根城地区や白銀地区の一部を除いては津波浸水想定区域に該当はしないものの、臨海部も近い上に、1級河川の馬淵川もある下長、石堂地区は大部分が浸水地域になってしまいます。加えて、ハザードマップを見れば、他地域よりも避難ビルや避難所ともに数が少ないのは明らかであります。
実際に津波避難説明会にも参加をさせていただきましたが、住民からは、避難タワーや避難路などハード面での整備の意見が多くありました。これも地域住民の命を守る責任ある立場の町内会長たちが、地域の意向をしっかりと伝え、市に支援策を示してもらうことが責務だからであります。
答弁で、避難箇所数に対する認識では、一時的に避難をできる場所について検討が必要であると認識していらっしゃいますが、公民館については研究をしていくとのお答えであります。公共施設マネジメントの推進に係る基本方針では、公民館については昭和50年代前半に建てられたものが多く、老朽化が進んでいるが、市民活動の拠点も踏まえつつ、修繕や長寿命化、そして建て替えなどを行うと記載してあります。下長公民館においては、市内24の公民館施設がほぼ2階建てなのに対し1階のみで、災害時の垂直避難もできません。
そこで、再質問として、どのような場合に建て替えに該当するのか、また、具体的にどのようなことを今後研究されていくのか、お示しください。よろしくお願いいたします。
○副議長(松橋知 君)教育部長
◎教育部長(石亀純悦 君)田名部議員の再質問にお答え申し上げます。
地区公民館の建て替えについてですが、長寿命化に取り組んでいる現時点において、具体的な建て替えスケジュールは未定でございますが、今後、公民館の建て替えに当たりましては、地域住民の意見等を参考にしながら、施設の状態、利用状況、立地条件等を踏まえ、施設の在り方を検討してまいりたいと考えております。
また、防災拠点としての公民館の在り方につきましても、下長地区をはじめ浸水区域内の避難施設等のハード整備の検討状況を見据えながら、公民館としてどのレベルの災害に対応する機能が求められるかなどを研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(松橋知 君)田名部議員
◆7番(田名部裕美 君)御答弁いただきましてありがとうございます。
公民館の移転、建て替えについては、下長全域が浸水地域となる中、地域コミュニティーの拠点と、そして防災機能としての両方の機能を維持することは難しいのかもしれませんが、ぜひ地域住民の要望に応え、避難タワーの併設を含めた安全な場所への建て替えを検討していただくようお願いを申し上げます。
また、ハード整備をするには、それなりの国や県の補助が必要なのは重々承知でありますので、国県の動向を見きわめつつ検討を進めていただくようお願い申し上げます。
今後、一時的に避難できる建物の検討がされていくと思いますが、新たな民間の指定避難所というところで1点要望がございます。
下長地域においてはお寺がないので不可能でありますが、ぜひ市内の安全な地域のお寺に協力を求め、和室もあり、そして炊き出しなども可能な寺院を民間の避難所として、住民を受入れ可能か協議していただきたいと思っております。
実は私の身内も陸前高田のほうで被災をしておりまして、その際にお寺に嫁いでいたということもあって、避難所として地域の住民の方を受け入れたということがございました。2020年の調査によれば、全国329の自治体が2000を超える寺院と災害協定を結んでいるということであります。ぜひそういったことも御検討いただくよう要望を申し上げます。
また、車避難に関しては、改めて津波時の車避難の危険性、まず徒歩でということを徹底していただき、災害の状況に合わせ車避難を検討するということに努めていただき、ホームページなどでも地域別や災害別に分かりやすく避難先を示していただくよう要望申し上げます。
次に、医療行政についてであります。
健康部長より大変丁寧な御答弁をいただいたと受け止めております。今後、国で制度化について検討していくという中においては、市民病院においては、特にかかりつけとして定義を設けていないということでありました。課題として申し上げましたように、医師側と患者側では捉え方が全く違っております。例えば、救急車で運ばれる際、かかりつけだと患者や家族側が伝え、2次医療に救急搬送しても、病院側ではそうではないという場合もあると伺っております。
医療について私は知識が全くないので、専門的なことは申し上げられませんが、医療を受ける側の立場としては、市民病院も市医師会とかかりつけの定義について議論する場を設け、患者側が混乱しないような定義を設ける必要があるかと思っております。かかりつけ医という言葉が独り歩きしないよう、国の動向を見きわめながら市民への周知をお願い申し上げまして、私の一般質問を終了させていただきます。
○副議長(松橋知 君)以上で7番田名部裕美議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後2時36分 休憩
--------------------
午後2時55分 再開
○議長(寺地則行 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
--------------------
16番 田端文明君質問
○議長(寺地則行 君)16番田端文明議員の質問を許します。田端議員
〔16番田端文明君登壇〕(拍手)
◆16番(田端文明 君)2022年9月八戸市議会定例会において、日本共産党議員団の一員として、市長並びに理事者各位に質問をいたします。
初めに、安倍元首相の国葬への対応について質問をいたします。
安倍晋三元首相が7月8日、参議院選挙のさなかに、奈良市内で街頭演説中、銃で撃たれて亡くなりました。このような蛮行に強い憤りを持って糾弾するものです。岸田首相は、7月22日に安倍氏の国葬は故安倍晋三国葬儀と称し、9月27日に日本武道館において行い、葬儀に必要な経費は国費で支弁することを閣議決定しました。岸田首相は国葬を行う理由として、在任期間が8年8か月と憲政史上最長となったこと、卓越したリーダーシップと実行力、東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開など、大きな実績を様々な分野で残されたと安倍氏を絶賛しました。しかし、これらは一面的な主張です。
一方で、安倍元首相は、9条改憲の旗を振り、歴代政府の憲法解釈を覆して、集団的自衛権の行使容認の閣議決定や安保法制を強行しました。アベノミクスは格差と貧困を拡大し、異次元の金融緩和の弊害は物価高などで一層顕著です。生活保護費の削減、年金の減額、消費税の増税で、市民生活でもマイナス面は大きいのです。森友、加計、桜を見る会など国政を私物化し、桜前夜祭では国会で118回の虚偽答弁をし、財務省の公文書改ざんで自殺者まで出した一連の疑惑はいまだに解明されていないのです。
安倍元首相の政治姿勢への評価が大きく分かれている中で、礼賛一色の形で国葬を実施するのであれば、安倍政治を全面的に公認することになります。このような形での実施は認められるものではありません。国葬が法的に規定されたのは、1926年――大正15年の国葬令で国民の服喪の義務が明文化されたのです。明治憲法下で、国葬は国葬令という命令に基づき行われました。皇族以外で国葬の対象となったのは天皇の側近や軍隊のトップです。身分制度と軍事主義が国葬の土台となっていたのです。
日本の国葬は大日本帝国でつくられた大日本帝国の遺物です。そもそも天皇の意思による形で行われていたものです。天皇が国家元首でなくなった以上は、そのまま現在に使い回すことができないのです。国葬令は新憲法で、国民主権、基本的人権に反するとして、昭和22年に失効しました。その後、大平正芳、岸信介、三木武夫、福田赳夫、小渕恵三、鈴木善幸、橋本龍太郎、宮沢喜一、中曽根康弘と、首相経験者の葬儀は内閣と自民党による合同葬で行われてきているのです。
今回の国葬の費用について16億6000万円と公表されました。国費の支出は国会の議決を必要とされています。国会にも諮らず、閣議決定で国費を支出することは認められていません。予備費から支出するとのことですが、予備費は、大災害時のような緊急を要する場合に機動的に対応するための規定となっているのです。元首相の葬儀は災害のような緊急を要するものではありません。国費でというのであれば、国会審議を受けるのは当然のことです。
岸田首相は国葬への批判が広がっていることに対して、真摯に受け止め、丁寧な説明に全力を尽くすとのことです。国葬を行う法律がないことに対しては、そのときの政府が総合的に判断し、決定するのがあるべき姿だと主張しております。閣議決定すれば、法的根拠がなくても時の内閣の一存で物事が決められ、市民生活も一方的に左右されることになります。安倍政治の手法と全く同じことです。
首相は、国葬当日に各府庁で弔旗の掲揚や、葬儀中の一定の時刻に黙祷による弔意表明を行うことを明らかにしました。政府は国民への弔意を強制しないと言っていますが、事実上国民への弔意の強制につながるものです。弔意というのは、誰に対するものであっても、弔意を示すかどうかも含めて、全て内心に関わることです。国家が弔意を求めたり、弔意を事実上強制したりすることは、個人の思考の核心をなす内心の自由を制約することになります。国葬は中止すべきです。安倍元首相の国葬で弔旗の掲揚や市民、職員に対して黙祷を求めるのか、市としての対応について質問をいたします。
次に、消防団について質問します。
日本の消防は江戸時代の火消し役が始まりで、完全な組織ができたのは1650年で、世界で最も古い消防組織の1つと言われております。1719年――享保4年に江戸南町奉行、大岡越前守の奉行令で公設の消防機関が創設されました。これが義勇消防の起源であり、現在の消防団と同じ性格のものとなりました。経費は全て町が負担をし、そのほとんどは機材設備に費やされ、人件費としては使われず、火消し組組員は全て無報酬でした。歴史の変遷を経て、戦後、消防組織法、消防法が整備され現在に至っています。
火災時だけでなく、地震、風水害などの大災害が発生したときに、いち早く消防団員が出動しております。消防団員は災害の防御、避難支援、被災者の救出救助で大きな役割を果たしており、地域住民からは身近な存在として高い期待が寄せられております。安全安心の確保のため消防団の果たす役割は大きくなっています。
総務省の資料からです。消防団員数は平成2年に100万人を割り込み、昨年度は80万4887人となり、減少が続いています。特に20代、30代の入団者数は大きく減少しております。温暖化で集中豪雨など経験したことのない災害が予想され、防災面での懸念があります。
1点目です。消防団員の充足率と加入促進の取組について質問します。
平成30年1月に消防庁長官の通知で、年額報酬等は本人に支給されるべきものであることを踏まえ、適切に支給することと出されております。消防庁では昨年、消防団員の処遇等に関する実態調査を行い、検討会で議論を重ね、中間報告書を公表しております。この中で、全ての団員に対して直接報酬を支給している団体は41.9%にとどまっています。支給方法については、団員個人に直接支給することが改めて示されました。消防団員には地方公務員法は適用されないものの、同法の直接払いの原則に基づくものです。
消防団の歴史は300年ほどになりますが、出発点は無報酬からでした。消防団員は報酬より使命ややりがいを重要視しています。しかし、原則に基づかない対応がされているのであれば、団員の士気に関わることにもなります。
2点目です。消防団員の報酬の現状と取扱いについて質問をいたします。
次に、子どもの医療費について質問をします。
政府は、少子化は国難だと言いながら、小学生以上の医療費無料化にペナルティーを課し、国民健康保険に対する国庫負担金の減額措置を続けています。助成制度がなければ、小学生以上は現役世代と同じ3割負担となります。今では、1741全市町村が何らかの医療費助成を行うに至っています。6月21日、東京都では23区で来年度から全ての高校生の医療費を無料にすると明らかにしました。山梨県中央市では、10月から医療費無料の対象を18歳まで拡大する予算が可決されております。山梨県内96%の市町村で18歳までの医療費無料化が広がりました。自治体の努力の一方で、国に助成制度はありません。そのために助成対象年齢の違いなど、自治体間で格差が生まれています。
全国保険医団体連合会が2020年に実施した学校健診後治療調査で、要受診と診断された生徒の未受診率が増加しています。特に対象外となっている高校生において顕著に表れ、受診抑制が生じているのです。コロナ禍で自己収入が激減している世帯ほど、自己負担があることで受診抑制が多くなっているとのことです。
1点目です。18歳末までの通院無料化の拡充について質問します。
経済的理由で受診を我慢する受診抑制は深刻です。社会保障制度の公平性のためにも、国の責任で子どもの医療助成制度をつくるべきことは当然のことです。全国知事会など地方六団体は、再三ペナルティーの全面廃止や、全国一律の助成制度の創設で少子化対策の抜本強化を国に要請しています。しかし、国はこの要請に一向に応えようとしません。全国の自治体が懸命の努力をしている中、国の子ども医療費助成制度は、はるかに遅れた制度になってしまっているのです。政府の財政難というのは言い訳にすぎないものです。現在のところ所得制限のある自治体は13.5%ほどにまでなりました。
2点目です。所得制限の撤廃について検討していることがあれば答弁を求めます。
最後に、八戸市民保養所洗心荘について質問いたします。
洗心荘は、市民の健康、活力の維持増進と福祉向上のため、保養所、レクリエーションの場として十和田市焼山に設置されております。市民保養所となったのは1986年10月です。今年で36年になります。町内会や家族での宿泊、忘年会の会場として市民の憩いの場所として利用されてきました。しかし、エレベーターはなく、バリアフリーにもなっておりません。秋山市長の時代に一度手を加えたとのことですが、建物本体、細部での修繕が必要となっております。リニューアルについて質問をいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔16番田端文明君降壇〕(拍手)
○議長(寺地則行 君)市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)田端議員にお答え申し上げます。
まず、安倍元首相の国葬に係る市の対応についての御質問ですが、過去に執り行われた首相経験者の葬儀に際しては、国から地方自治体に対し、各省庁が実施する弔旗掲揚や黙祷に準じた弔意表明に対する協力依頼があり、各自治体ではそれぞれの判断により対応してきたものと認識しております。
当市における過去の対応状況について申し上げますと、平成12年の小渕恵三元首相の葬儀では、本庁舎での半旗掲揚と庁舎内の職員及び来庁者を対象とした黙祷の放送を、平成16年の鈴木善幸元首相の葬儀以降は、本庁舎において半旗掲揚のみ実施しており、いずれの場合も、市から教育委員会等に対し、弔慰表明の要請などは行っておりません。
安倍晋三元首相の国葬の実施に当たりまして、国は各省庁において弔旗掲揚と黙祷を実施することとしておりますが、岸田首相は8月31日の記者会見で、地方自治体や教育委員会に対し、協力を求める予定はない旨発言しております。一方、青森県の対応として、三村知事は9月2日の記者会見で、本庁舎にて半旗を掲げて弔意を示すものの、職員などに黙祷は求めないほか、県教育委員会などに対して弔慰表明を求める考えはない旨発言しております。
市といたしましては、安倍元首相が憲政史上最長の8年8か月にわたり内閣総理大臣の重責を担われたこと、また、東日本大震災の復興にも御尽力いただいたことに敬意と謝意を示すため、これまで市が実施してきた弔慰表明に準じて、教育委員会等への要請は行わず、本庁舎においてのみ半旗を掲揚することで哀悼の意を表したいと考えております。
以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)田端議員
◆16番(田端文明 君)国葬に対しての意見を申し上げてまいります。
統一教会のことですが、社会的に大問題になっています。統一教会と政治家の関係が今回の銃撃事件の背景になっていると私は考えてまいりました。何度も報道されてきております。全国霊感商法対策弁護士連絡会がまとめた資料があります。この資料では、全国で過去30年間に相談件数は3万4537件、被害額は1237億円になると言われております。
しかし、霊感商法に関わった弁護士からでは、1237億円という被害額は、被害の氷山の一角でしかないと言われております。消費者相談の窓口が十分に機能していれば、統計には10分の1ぐらいとして表れますということですが、仮に10分の1だとすれば、今回の被害額の総額は1兆円を超える被害になることになります。霊感商法の被害は憲政史上最大の消費者被害と言えるものです。
今回の事件の動機については、銃撃犯の母親は統一教会の熱心な信者だったと言われております。財産の全てを教会に献金したとのことです。家庭は崩壊し、将来を見通せなくなり、自殺も考えた上で銃撃を決意したと言われております。
反社会的カルト集団、統一教会と政治家との関係で、安倍元首相は最も深刻な癒着関係にあった政治家の一人なのです。国葬の強行は、この癒着関係を免罪することにもなるのです。国葬は大日本帝国の儀式でした。天皇に仕えて、国家に尽くした功臣の死を悼んで、国内外に見せるため盛大な葬儀が行われてきたのです。
岸田首相は、国葬は故人に対する敬意と弔慰を国全体として表す儀式と記者会見で述べました。国葬の理由として、民主主義を守り抜くとも言いました。しかし、議会を経ず閣議決定したことは民主主義に反すること、憲法にも反することになります。
国葬について世論調査が行われておりますが、共同通信の世論調査は7月30日、31日に行われております。安倍晋三元首相の国葬に反対、どちらかといえば反対は53.3%になります。また、全国の地方紙もアンケートをやっておりますが、一番多かったのは80%を超える反対があったと見ておりました。国民の半数以上が国葬に対して、このようなやり方に対して反対をしているのです。また、岸田内閣の支持率ですが、国葬を表明した以降、支持率は急落をしております。昨年10月の内閣発足以来最低となっております。
憲法も慣例も無視した政治がこれからも続けられるのであれば、市民、国民の心は政治から離れてしまうことになります。安倍元首相の国葬に反対し、市として弔旗の掲揚はやらないこと、市民、職員に黙祷など弔慰を求めないよう意見を申し上げて、この質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。総務部理事
◎総務部理事(金濵康光 君)私からは消防団についての2点の御質問にお答え申し上げます。
まず、消防団員の充足率についてお答え申し上げます。
全国の消防団員数は、令和元年度から3年連続で1万人以上減少し、地域防災力の要として重要な役割を果たしている消防団員の減少は危機的状況となっております。当市においても消防団員数は、平成20年の充足率92.7%をピークに、令和4年4月現在では、条例定数1548名に対し実員1275名で、充足率82.4%と年々減少しており、消防団員の確保については重要な課題であると考えております。
次に、加入促進の取組でありますが、ホームページ、広報紙掲載のほか、総務省消防庁の補助金等を活用し、路線バスへの広告掲示及びラジオ放送により消防団員募集の広報を実施しております。また、機能別団員制度、学生消防団員活動認証制度等を導入し、若い世代や女性が入団しやすい環境づくりを進めております。さらに、令和2年には県内初となる八戸市消防団応援の店事業を開始しており、消防団員の士気向上と新入団員の確保に取り組んでおります。今後も、積極的な広報活動を展開するとともに、制度等の見直しを図り、男女を問わず入団しやすい受入れ体制を整備してまいります。
次に、消防団員の報酬等についてお答え申し上げます。
まず、消防団員の報酬等の現状でありますが、昨年度消防庁長官より、団員の処遇改善の一環として報酬額の引上げについて示され、当市においても見直しを図り、本年4月1日から年額報酬並びに出動報酬を引き上げております。また、支給方法については、平成20年度から各団員の口座に直接振り込んでおります。
次に、支給後の取扱いでありますが、団員個人に支給された報酬等であることから、分団で集めることのないよう注意喚起をしております。さらに、本年8月9日付で総務省消防庁より、団員個人に支給された報酬等の全部または一部を消防団や分団に支払うよう求めることは、その趣旨を逸脱するものであるため、このような行為の有無の確認と早急な是正について通知されております。この通知を踏まえ、分団長会議において、支給後の適正な取扱いについて確認するとともに、各団員に対しては文書により周知徹底を図り、適正な消防団運営に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
○議長(寺地則行 君)田端議員
◆16番(田端文明 君)消防団について意見を申し上げてまいります。
私は初めに、人権ということをいつも考えることがありますけれども、消防の職員、それから消防団員に団結権または争議権ということが言われますが、消防関係に団結権のない国というのは、日本以外に今では世界中で、ブラジル、韓国、タイの3か国だと言われております。消防団員は非常勤特別職の地方公務員とされておりますが、これは雇用なのか、任用なのか、また経常的なのか、とても不安定な制度に置かれているということになっております。団結権や争議権は、上司、部下と対抗関係をもたらして、信頼関係に支障を来すこと、指揮命令系統が乱れ、消防活動に支障を来すなどの理由から、今まで除外をされてきております。
しかし、9・11といいますが、ニューヨークの貿易センタービルの攻撃の際に、多くの犠牲者を出しながら、消防職員と消防団員は英雄的な行動を取っております。ニューヨークの消防には非常に強い消防組合組織があるとのことです。山火事で多くの犠牲者を出しているオーストラリアの消防職員、消防団員のことですが、こちらにも団結権が与えられております。このような事例で今まで消防活動に支障が生じた事例は全くないとのことです。
ILOの87号条約は、団結、結社を保障すべしとしておりますが、日本の政府は昭和40年にこの条約を批准しております。しかし、政府は消防に適用はしないとしてきております。ILOからも勧告を受けている問題ですが、世界で残っているのは日本とあと数か国だけと指摘をされています。私は、ここが様々な問題の根本にあるのかという思いを持ってまいりました。
また、あわせて消防は、戦前、戦中は、軍隊、警察の一組織となっていた時期があります。私は、今でも当時の古い慣習の尾を引いていることがあるのかという思いを持っておりますが、手当や報酬は人権に関わることだと考えております。答弁にありましたように扱いをしていただくよう求めて、この質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)それでは、子ども医療費助成対象年齢の18歳年度末までの通院無料化拡充についてお答え申し上げます。
当市の子ども医療費助成事業は、所得の少ない子育て世帯への経済的支援として実施しており、一定の所得制限を設けてはおりますが、通院は中学生まで、入院は18歳到達の年度末までを対象として、保険診療の自己負担分を全額助成しております。これまで市独自の施策として、入院医療費は平成22年10月から小中学生を、平成28年10月からは18歳到達の年度末までの子どもを助成の対象に拡大し、通院医療費は平成31年1月から小中学生までを助成の対象に拡大し、未就学児のみを対象とする県の乳幼児はつらつ育成事業に上乗せする形で拡充してまいりました。さらに、本年1月からは、医療機関を受診する機会が比較的多い未就学児の部分の所得制限を緩和し、制度の充実を図っております。
今後のさらなる拡充につきましては、次代を担う子どもたちのために、子育て世帯への支援をさらに充実したものにする必要があると考えていることから、医療費助成の対象範囲も含め、制度の在り方について研究してまいります。
次に、所得制限の撤廃についてお答え申し上げます。
子ども医療費助成制度の充実は、子育て世帯への経済的支援のほか、子どもの健康維持についても大きく寄与するものと考えております。一方で、子ども医療費助成事業は継続的に大きな費用を要し、制度のさらなる拡充については、未就学児の医療費が対象である青森県乳幼児はつらつ育成事業の補助対象外となるため、全額市の負担となります。また、所得制限を撤廃することで、所得の高い世帯まで対象になることや、財政負担がさらに増加することなど、制度面、財政面で解決すべき課題があると認識しております。今後、当該事業を持続的に実施していくためにも、所得制限の撤廃については慎重な検討が必要であると考えております。
以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)田端議員
◆16番(田端文明 君)子どもの医療費について意見を申し上げてまいります。
まず初めに、医療費の助成制度については全国的な広がりを見せていますが、しかし、一部のマスコミでは、助成制度の拡充は過剰な受診の要因になると攻撃をしています。しかし、この問題については、全国保険医団体連合会で調査をしていますが、19歳までのレセプトの件数ですが、2002年以降、横ばいまたは減少となっているのです。制度助成の拡充で子どもが早めに受診できるようになり、重症化が防止された結果だと考えられると言っております。所得階層の中で低所得層と言われておりますが、ここで虫歯の有病率が高いことが公的調査で分かっています。所得の問題で医療を受けられない人を生み出す制度こそが問題だと考えております。
私は、特に子どもの医療費の問題で深刻なのは、子どもの貧困の広がりだということだと思ってまいりました。昨年の12月ですが、内閣府では初めて子どもの貧困に関する全国調査の報告書を公表しております。貧困世帯といいますが、中間的な年収のおよそ半分、金額では159万円以下と言われておりますが、これを下回る世帯と言われております。ここで食料が買えませんでした、このような経験がありますというのが37.7%です。服が買えませんでしたという経験があるのは45.8%になっています。また重大なのは、水道料金や電気代を払えませんでした、滞納していましたというのが2割を超える世帯が経験をしているということです。特にコロナで影響を受けているのも貧困世帯が多いということが言われております。
岸田政権では、子ども政策を一元的に担うこども家庭庁を来年の4月に創設するとしました。この中での基本方針では、全ての子どもが生命、生存、発達を保障されることとしています。というのであれば、地方自治体が独自に行っている小学生以上の子どもに対する助成、ひとり親家庭に対する医療費の助成など、地方単独事業に対する国庫負担の減額が今でも行われておりますが、私は、これは政府は直ちにやめるべきだと考えております。こども家庭庁をつくることには、私は否定的なことではありませんが、政府が真っ先にやるべきことはこういうことだと考えてまいりましたので、市として子どもの人権としての医療費無料化の拡充の検討を進めていただきたいという意見を申し上げて、この質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。石田副市長
◎副市長(石田慎一郎 君)それでは、洗心荘のリニューアルについてお答えを申し上げます。
八戸市民保養所洗心荘は、昭和61年に市が旧十和田湖町焼山の十和田湖温泉郷、現在の奥入瀬渓流温泉内に開設した市民のための保養・レクリエーション施設であり、これまで利用料金制度や指定管理者制度を導入するなど、サービスの向上や効率的な運営に努めてきたところでございます。この間、個人の家族旅行や老人クラブ、町内会等の慰安旅行、学校部活動のスポーツ合宿、企業の職場研修など、様々な用途で多くの市民に御利用いただいております。
一方で、開設から35年が経過し、施設を運営する上で幾つかの課題が生じてきたことから、次期指定管理者の選定事務に着手する前に、洗心荘の運営を含む市の保養事業の在り方について検討することとしたものでございます。
具体的な課題といたしましては、老朽化により温泉管や給水湯管をはじめとした設備の故障が頻発するなど、施設の維持管理経費が増大しており、今後も同様の経費が見込まれること、施設利用者数が減少傾向で推移しており、令和2年度以降は、
新型コロナウイルス感染拡大の影響でさらに大幅な落ち込みが続いていること、洗心荘を利用する市民の割合が、コロナ禍前でおおむね5から6%、コロナ禍では3から4%と低いことなどが挙げられます。
今回の検討に当たり、先月23日に、市の附属機関であり、福祉、保健医療、地域支援の各分野の関係者や学識経験者等で構成する健康福祉審議会社会福祉専門分科会を開催し、洗心荘の概要や課題等について共通理解を図ったところでございます。また、施設利用者のみならず、利用したことのない市民も含めて、保養施設に対する考えやニーズを幅広く把握するため、今月1日から市民を対象としたアンケート調査を開始したところであり、10月以降、その集計結果等も踏まえて専門分科会で具体的な検討を進めていただくこととなります。
なお、専門分科会では、公共施設マネジメントの専門的知見や利用者の意見を取り入れ、より幅広い視点から検討いただくため、現在委嘱されている10名の委員に加え、2名の臨時委員を新たに委嘱する方向で調整を進めております。
今後、来年2月までにさらに3回程度会議を開催し、施設設置目的の達成度や将来見通し、施設の設置意義等の観点から、中長期的な視点に立って検討を重ね、来年4月を目途に専門分科会の意見を取りまとめていただく予定としております。
以上御説明申し上げたとおり、具体的な検討はこれからスタートすることになりますが、リニューアルの可能性も含め、専門分科会の意見を踏まえて、同年5月頃までに市の方針を決定してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(寺地則行 君)田端議員
◆16番(田端文明 君)洗心荘のリニューアルについて意見を申し上げます。
私は、温泉は風呂とは全く違って、古くから言われてきたのは、けがや病気に驚くべき効能があると言われてきております。ヨーロッパでは、温泉は医療施設となっています。以前から6大学と言われておりますが、ここでは医学的応用に関する学術研究が盛んに行われてきております。この中で、日本温泉気候物理学会というのがありますが、ここで温泉療法専門医、医師の認定を行っているとのことです。温泉は今では医療の一分野となっています。市民の健康や活力の維持増進を目的としている洗心荘は、私たち市民にとってとても貴重な施設だと考えております。
先ほど答弁にもありましたように、経営上の困難があると考えております。これは容易なことではないと思っておりますが、これからも市民の保養所としての維持発展に努めていただくことを求めるとともに、リニューアルに力を入れていただきたい。新しい洗心荘、市民の皆さんが期待を持てるようなリニューアルを行っていただきたいという意見を申し上げて、質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で16番田端文明議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後3時36分 休憩
--------------------
午後3時50分 再開
○議長(寺地則行 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
--------------------
13番 三浦博司君質問
○議長(寺地則行 君)13番三浦博司議員の質問を許します。三浦議員
〔13番三浦博司君登壇〕(拍手)
◆13番(三浦博司 君)令和4年9月定例会に当たり、きずなクラブの一員として一般質問を行います。発言の機会をいただきました市民有権者と同僚議員各位に感謝申し上げます。
3歳の園児が通園バスに取り残され、熱射病で命を落とすという痛ましい事件が起きました。車内に取り残され、持参していた水筒も空となり、服も脱いであおむけで倒れていたという報道に触れ、私も同じ幼児期の子を持つ1人の父親として、悔し涙が出ます。
静岡県牧之原市で起きた悲惨な事故ですが、牧之原市長は、日本一女性にやさしいまちを掲げ、市政運営に取り組んでいました。親子に焦点を当て、子育て支援の充実に取り組んでいました。そして、牧之原市は現在第3次総合計画を策定中であり、子育て支援の充実が盛り込まれています。そのさなかでの惨事に、政策とは何なのか、総合計画とは何のためにあるのか考えざるを得ません。しかし、私たちは無力なのかと諦めるのではなく、当市も対岸の火事とするのではなく、この惨事を我が事と考え、マネジメントの在り方を再確認し、事業実施の実効性を不断の努力で高めていかなければなりません。私も議会人として、改めて襟を正して緊張感を持って議会活動に取り組んでまいります。
それでは、通告に従いまして順次質問に入ります。
まず1、ICT人材の育成と確保について伺います。
当市は現在、八戸市デジタル推進計画の策定を進めています。官民データ活用推進基本法において、国が努力義務としている官民データ活用推進計画を策定することになります。市長の決断に敬意を表するとともに、市長自らが本部長として先頭に立って陣頭指揮を執る庁内体制とすることに市長の強い決意を感じ、この分野に関心を持ってきました私としましても期待を大きくしているところであります。
前回、6月定例会で質問した際に、オープンデータの公開項目と活用事例が、5年前にオープンデータ推進について議会で取り上げたときと比べても、あまり変わっていないことが分かりました。この現実は、ひとえに人材不足にあるということは、市長をはじめ関係理事者も同じ思いであろうと推察いたします。
国は、都道府県には官民データ活用推進計画の策定を義務づけており、青森県は既に計画を策定し取り組んでいますが、県の計画においても、データサイエンティストなど、先端ICT人財の育成・確保に取り組むとしており、ICT人材の育成と確保は、八戸地域のデジタル化において基盤となる大事な施策であることは言うまでもありません。
また、日本では、ビックデータ関連の雇用が大幅に増える一方で、実際に雇用条件を満たせる人材は少なく、データサイエンティスト人材が不足している現状もあります。データ分析のスキルを持つ人材の必要性がますます高まっています。小中学校でもプログラミング教育が導入されるなど、国を挙げて取り組んでいます。
ICT人材の育成と確保は、八戸地域の経済活性化と雇用の創出に資する取組ではないでしょうか。もちろん人材育成は時間のかかる中長期的な取組であり、人材確保も併せて新たに策定する八戸市デジタル推進計画においてしっかりと位置づけて取り組んでいただきたいと強く望んでいるところです。
そこで、当市のICT人材の育成と確保について、現状と今後の取組について伺います。
次に2、無園児についてですが、来年4月に政府はこども家庭庁を創設します。そして、無園児への支援に取り組むとしています。義務教育は昭和22年に6歳から15歳までとなり、これにより市町村は小学校と中学校を設置しなければならないとされ、学校教育に取り組んでいます。そして、現在は社会保障の1つに子ども・子育てが組み込まれ、幼児教育・保育の無償化が始まっています。また、小1プロブレムや小1の壁といった課題に対し、当市でも幼保小連携などの取組に力を入れています。
これまで子どもを取り巻く環境は改善し続けていますが、幼児教育・保育の無償化が始まった今でも、ゼロ歳児から5歳児の子どもで、園に通うことなく小学校に入学している子どもが一定数いるとのことです。その子どもたち、いわゆる無園児は、そのままにしていても大丈夫なのでしょうか。子は宝、全ての子どもたちが誰一人取り残されることなく、子どもの権利が守られ、自分らしい成長につながっていくよう支援していかなければなりません。今政府は、こども家庭庁を司令塔に、未就園児家庭、いわゆる無園児に特化した支援が行われようとしています。当市はどのように対応していくのでしょうか。
そこで伺います。(1)実態と支援について、無園児を取り巻く環境は複雑で様々な問題があると懸念されますが、当市における無園児の人数などの実態と、現在、無園児に対してどのような支援を行っているのか伺います。
次に、(2)課題について、無園児にとってどのような課題があるのか、どのような認識を持っているのか伺います。
次に、(3)今後の支援について、こども家庭庁の設立により、国は無園児対策においても力を入れていくことになります。市も同様に問題意識を持って取り組むべきと考えますが、国の動きを捉えながら、市として今後、無園児に対してどのような支援をしていく考えなのか伺います。
最後に3、公園行政についてですが、公園は、レクリエーションの場であり、コミュニケーションの場であり、自然を感じる空間でもあり、災害時には避難する場所でもあります。公園は、全ての世代の市民にとって生活の中でかけがえのない重要な場所であり、豊かなまちづくりにとって欠かせない場所であるということは、市長をはじめ理事者各位も深く御認識のことと思います。
当市にとって、まちづくりにおける公園行政はどのような位置づけになっているのでしょうか。特に子どもファーストを掲げる熊谷市政にとって、最適な公園行政とはどのようなものなのでしょうか。
そこでまず、(1)公園管理の現状について伺います。公園をどのように管理し、魅力の維持向上に取り組んでいるのでしょうか、伺います。
次に、(2)交通公園について伺います。親子で楽しく過ごせる公園の整備に力を入れている自治体は少なくありません。自治体によっては、市長の目玉政策の1つに掲げ取り組んでいるところもあります。若い世代にとって、子育て支援施設のニーズはとても高く、公園も重要な子育て支援の場です。地域の身近な公園を子育て支援施設と位置づけて取り組むことは、効果の高い政策ではないでしょうか。
市内にある公園で、特に住んでいる地域に身近な公園は、今子育てに優しい公園と言えるのか、改めて考えていかなければなりません。県外から当市に転入してきた親が感じる当市の公園の印象は、必ずしも子育てに優しい公園とは言えない現状があるようです。ぜひ市外や県外に誇れる八戸市の公園づくりを目指していただきたいと思っています。
その中で、子育て中の親が憩いの場として利用したいと思う公園像の1つに交通公園があります。意外にも、自転車はもちろん、住宅街を移動するにも、親が子に交通ルールについて教える場所や機会が多いとは言えません。小学生は下校中の交通事故が多いのは知られているところであり、中高生になると、自転車乗用中の事故が増えている現状にあって、親子が比較的時間を取ることのできる機会、つまりは子どもが未就学児や小学生のうちに、安全な場所で親が子に交通ルールを教える機会づくりが必要ではないでしょうか。
また、親子が公園で交通ルールを通して、親子で関わり、親しむ時間をつくることは、子育ての満足を相乗的に高めることができるアイデアであり、遊具で遊ぶ子どもを見守るだけでは得られない親の満足感の向上につながります。つまりは、八戸市が子どもファーストのまちであるという共感につながることにもなります。
そこで、公園内に小さくても交通広場を設置して、小学校低学年や未就学児が親子で交通ルールを学びながら、公園を楽しむことができる環境を市内に増やすべきと考えますが、交通公園における当市の考えについて伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔13番三浦博司君降壇〕(拍手)
○議長(寺地則行 君)市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)三浦議員にお答え申し上げます。
ICT人材の育成と確保に係る現状と今後の取組についての御質問ですが、市では、市職員のデジタルリテラシーの向上や、情報セキュリティー及び個人情報保護に関する知識の習得を図るため、令和元年度より全ての職員に対して、地方公共団体情報システム機構――J-LISが開催するリモートラーニングによるデジタル人材育成のための基礎研修への参加を促進しております。また、今年度八戸市デジタル推進計画を新たに策定することと合わせ、庁内全ての各課室において1名ずつデジタル推進員を選任し、計画策定に係る連絡調整やワーキンググループへの参加に加え、デジタル化推進のための職員研修の受講を通じて、多様なデジタル技術を学ぶ機会の確保に取り組んでおります。
本年7月には、行政事務の効率化を図るための最新のデジタルツールや、当該ツールを生かした具体的な取組事例等を学ぶことをテーマに、第1回目となる研修を開催したところであり、職員の業務の見直しや意識改革につなげております。さらに、国が進めるGIGAスクール構想の下、全国に先駆けて、市内小中学校に導入した1人1台端末を活用し、ICT教育の推進に取り組んでおります。
次に、今後の取組でありますが、未来のデジタル人材を育成するため、小中学生へのICT教育のさらなる推進を図るとともに、デジタル推進員を対象とした職員研修の一層の充実に取り組んでまいります。また、デジタル技術に知見を有する外部人材として、新たにデジタル推進専門員を採用し、その専門的知見を生かしながら、市のデジタル化を一層推進することとしております。さらに、今年度から3年間にわたり新たに取り組むはちのへAI(アイ)中心街・バス活性化プロジェクトでは、中心街における膨大な人流データを分析活用し、効果的な施策の立案につなげていく必要があり、データを活用できる人材を育成することが重要であると認識しております。
市といたしましては、データの活用をはじめ、令和元年度より庁内業務への導入を進めているRPAやAI・OCRを生かした取組など、多様なデジタル化の取組に対応できる人材を育成するとともに、外部人材などの活用を図り、地域全体のデジタル化を着実に進めてまいります。
以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)三浦議員
◆13番(三浦博司 君)誠実な御答弁に感謝いたします。
現状は、市職員のデジタルリテラシ一の向上とか情報セキュリティーなど、全ての職員に人材教育、また、そういう研修参加を促進しているというところと、あとはデジタル推進員というところを選任している。あとは、行政事務の効率化、最新のデジタルツールというところ、あとは市内小中学校で先行して取り組んでいる1人1台の端末を活用したICT教育の推進ということでございました。今後、その取組をさらに推進していくということと、外部人材というところで、デジタル推進専門員を新たに採用していくということでした。
まずは、庁内の人材育成と人材確保によって推進体制の充実を図っていくことだろうということで、ここの点は確認できてとてもよかったと思っております。まずは八戸地域全体のデジタル化に向けては必要不可欠なことであろうと理解をしております。
また、この膨大なデータの分析、これを効果的な施策展開につなげていく取組というのは、中心街から始まっていくのかという印象も持ちまして、中心街を切り口にICT人材が育っていくのか。そしてまた、人材確保を通じてオープンデータ推進も併せて公的な取組、民間主導の取組、八戸地域全体に広げて活性化につながっていくという方向性を感じることができましたので、ぜひ効果的な取組となりますよう、市長の手腕に期待しているところでございます。
ただ、壇上でも申し上げましたとおり、ICT人材の戦略的な人材の育成と確保というのは、成長分野である今の人材不足の現状というところ、あとビッグデータ関連の市場規模を考えれば、行政が積極的に投資すべき成長分野であると思っておりまして、高校や大学、そして民間で人材を育てていく仕組みづくりに行政も力を入れて取り組んでいく必要があると思っています。
前回の6月議会でも触れましたけれども、視察で訪れた横浜市も会津若松市も、5年前に既に人材育成の仕組みづくり、これに力を入れておりまして、そのときの対応してくれた担当者は、八戸市にはそのポテンシャルが十分にあると言っていたのを今でも覚えています。
そこで、市長に再質問として伺いたいんですが、当市として、ICTに関する専門大学というものの誘致、また、国や県と連携して市内の高等教育機関に新たな学部・学科を設置するということを支援する形で、ICT人材の育成と確保を進める考えはないかということを伺いたいと思います。ぜひ御検討いただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○議長(寺地則行 君)市長
◎市長(熊谷雄一 君)三浦議員の再質問にお答えをいたします。
専門大学の誘致や、あるいは新たな学部・学科の設置に向けた支援ということですけれども、まず市内にある高等教育機関が、そういうことを求めているのかどうかというニーズを把握していく必要があるのではないかと考えております。例えば、誘致にいたしましても、設置にいたしましても、いずれにしても時間がかかることでありますので、その辺は、今申し上げたように、ニーズを把握しながらということになります。
一方で、会津若松市に行ったときに、八戸市にはポテンシャルがあるということを、どういう視点でそういうふうにおっしゃられたかというのはちょっと分かりませんけれども、1つポテンシャルとしてあるのは、既にそういうことにたけている高等教育機関があるということだと私は受け止めますので、そうしますと、その高等教育機関との連携をより密に図りながら、デジタル人材の育成と確保、活用に今は努めていくべきではないかと考えております。
以上です。
○議長(寺地則行 君)三浦議員
◆13番(三浦博司 君)御答弁に感謝いたします。
市長が御認識の既存の今の高等教育機関で推進していくというところが、先進地といいますか、会津若松市の担当者が言っていたというところ、そこを最大限生かしていくんだというところは、私も今の時点でもそうだということを言っていたことは、現状のスペックとかというと失礼ですけれども、今ある力を最大限発揮して、そういう環境をつくっていくことができるという意味合いだろうと、私も市長の認識と通ずるところはあるところです。
ですので、まず高等教育機関との連携を密にしていただきまして、産業とか高等教育のそういうインテリジェンスなところ、また、これから行政がより一層取り組んでいく庁内での官の力というもの、そしてまた、民の力というところをぜひ最大限発揮していっていただきたいと思うわけでございます。
ただ、今後、地域社会のデジタル化の推進というところは、抜本的に行っていくというところが、私が先ほど市長に尋ねたような形が一番ドラスティックにといいますか、大きく前進していくことなんだろうと思うんですが、まずは市長の認識の下で、デジタル推進計画の目標というものをぜひ達成して進んでいってもらいたいと思います。
ただ、今後、目標達成に取り組んでいくというところで、専門大学とか専門学校の誘致とか、また、学部・学科の創設というところで、最適な機会というものが出てくるようでしたら、ぜひ機会を逃すことなくチャレンジしていってもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
新しい公共サービスの仕組みというのは何を指すのかと私は考えたときに、前回、市長が答弁で言っておりましたオープンデータの活用の件でも、なるほどと思って、共感したんですが、社会課題の解決や新たなビジネスの創出といった様々な効果がオープンデータの活用にありますという御認識に代表されているのではないかと思います。公共サービスが自立的に生まれる新しい仕組み、これが市長が目指す地域社会のデジタル化にほかならないのではないかと私は思っておりますので、この八戸市のデジタル推進計画、大いに期待しているところでございます。
最後に、市長の思い、ICT人材の育成と確保について改めてお伺いして、この質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(寺地則行 君)市長
◎市長(熊谷雄一 君)今、三浦議員の再質問でございますけれども、人材の育成と確保に対しての思いということでございます。
三浦議員、今熱く語っていただきまして、全く同じ考えでございます。当然人材の確保、育成は必要なことでありまして、また、これは全国的な課題でもあろうかと思います。2か月ぐらい前に総務省の方とちょっとデジタルのことで話をしたときに、地域によって結構温度差がありますということを言われまして、他の地域に勝つ、負けるというか、遅れを取らないように進めていかなければならないだろうと思います。6月議会から、今いろんな御意見、御提言をいただきましたけれども、その御提言も推進計画の中に反映をさせながら、全力で市内のデジタルの推進に取り組んでまいります。
以上です。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。市長
〔市長熊谷雄一君登壇〕
◎市長(熊谷雄一 君)それでは、無園児の実態と支援についてお答え申し上げます。
厚生労働省は、今年2月に保育所や幼稚園、認定こども園に通っていないゼロ歳児から5歳児までの未就園児、いわゆる無園児が全国で約182万人に上るとの推計を公表しました。しかし、その中には、認可外施設や企業主導型保育、外国人専用の施設などへ通っている子どもも含まれているため、全く施設に通っていない純粋な無園児の正確な実数は把握できないと言われております。
当市におきましてもこの状況は同様でありますが、令和3年6月1日時点で行った調査では、当市のゼロ歳から5歳までの人口約9000人に対し、市で把握している保育所や幼稚園、認定こども園に通っている児童数6637人を除きますと約2500人で、割合にすると約27%となっております。また、3歳から5歳までの未就園児は約500人で、割合で約10%となっております。
次に、現在行っている無園児に対する支援内容についてでありますが、市では、無園児に限らず、全ての乳児及び産婦を対象とした乳児家庭全戸訪問事業の実施や乳幼児健康診査、健康相談において子どもの発育・発達を把握し、育児への不安や子育てに困難感を抱える保護者に対しては、必要なサービスを紹介するなど、妊娠期から子育て期にわたり、切れ目のない支援を行っております。
また、当市では、八戸市総合保健センターを設立するに当たり、こども家庭相談室が所管する児童福祉の子ども家庭総合支援拠点とすくすく親子健康課が所管する母子保健の子育て世代包括支援センターに加え、教育委員会のこども支援センターの3部署を当センターに集約し、八戸版ネウボラとして、妊娠期から子どもの社会的自立に至るまで、保健、福祉、教育が連携し、母子とその家庭を一貫して支援しているところであります。
それ以外の庁内各部署においても、養育困難な世帯や育児放棄、児童虐待、生活困難等のあらゆる子どもに関する異変等に気づき、または発見し、何らかの支援が必要と思われた際には、こども家庭相談室に連絡し、当室を中心に関係課で連携しながら重層的に支援しているところであります。
次に、課題についてお答え申し上げます。
政府のこども家庭庁設立準備室は過日、幼稚園や保育所に通っていない小学校就学前のゼロ歳から5歳児までの子どもについて、育児に困難を抱える家庭などの支援策を議論する検討委員会の初会合を開き、その中で、施設に通わない子どもは無園児と呼ばれ、親子が孤立に陥るケースもあるという指摘内容の報告を受けたということであります。それを受け設立準備室は、来年4月に創設されるこども家庭庁において、家庭訪問や困り事把握といった本格的な施策づくりに乗り出す方針を打ち出しました。
当市におきましても、無園児やその保護者の中には、困難を抱える家庭や孤立が疑われる世帯があると認識しております。今後は、無園児やその保護者が置かれている家庭事情の把握に努め、個々の家庭に合わせた支援をしてまいります。
次に、今後の支援についてお答え申し上げます。
令和2年度に児童虐待の相談対応件数や不登校、ネットによるいじめの件数が過去最多となり、また、令和2年の19歳以下の子どもの自殺者数が約800人にも上るなど、子どもを取り巻く状況は深刻になっております。こうした中、国では、子ども政策を強力に推進するため、令和5年4月に厚生労働省や内閣府の子ども関連施策を移管したこども家庭庁を創設することとしております。また、一部報道にもありましたとおり、創設に当たり、子ども政策に関し、制度や組織による縦割りのはざまに陥っていた問題に横断的に取り組むとのことで、これまで行政の支援が届いていなかった無園児対策を目玉政策とし、無園児世帯への支援を強化していくことを明らかにしております。
市といたしましては、国の動向を注視しながら、無園児世帯に対し、各部署で行われている日々の子育て支援の中で、懸念される様々な問題をしっかりと認識しながら対応し、問題が疑われる場合は、こども家庭相談室を中心に、八戸版ネウボラや要保護児童対策地域協議会で協議の上、民間の福祉関係事業者の協力も得るなど、官民一体となって個々の問題を解決し、見守ってまいりたいと考えております。
また、無園児世帯に限らず、子育て世帯に対し、積極的に情報提供するとともに、悩みや不安、様々な問題を抱えた世帯を早期に発見し、個々の困り事に応じた支援を行うなど、孤立防止対策、虐待防止対策をより一層強化してまいります。具体策といたしましては、関係機関や庁内各課からの情報を基に、支援を要する可能性がある世帯に家庭訪問等を行い、困り事を分析、評価して支援につなげるアウトリーチを行う仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。今後も、無園児のいる世帯はもちろん、全ての子育て世帯が子どもを産み育てることに喜びを感じられるよう、きめ細かな支援を実施してまいります。
以上でございます。
〔市長熊谷雄一君降壇〕
○議長(寺地則行 君)三浦議員
◆13番(三浦博司 君)誠実な御答弁に感謝いたします。
まず、当市はゼロ歳から5歳まで約2500人で、割合は約27%ということで、3歳から5歳は約500人で、割合は10%ということで、ただ、純粋な無園児の把握は難しいということでございました。ただ、正確な把握が難しい分、妊娠期から子育て期にわたって切れ目のない支援に取り組んでいるということ、そしてまた、特色として、保健、福祉、教育が連携して八戸版ネウボラというところで、一貫した支援体制があるというところ、そしてまた、様々な懸念というものに、こども家庭相談室が中心的役割を担っていて、これは本当に重層的な支援とおっしゃっていましたけれども、まさにそのとおりだと思うんですが、それに取り組んでいる。これらを確認できて本当によかったと思っております。
そしてまた、課題認識、今後の支援というところで、国が無園児に着目して対策するということに合わせて、現在の支援体制に加えて、より無園児を取り巻く環境というものに着目していく、様々なリスクにも対応していくんだということも確認できてとてもよかったと思っております。
また、八戸市の取組というのはかなり国の動きに先行している、先進的に取り組んでいるという思いがありますので、ぜひ現在の体制を充実させていきながら、特に中心的役割を担っておりますこども家庭相談室の運営体制をより一層充実させて、国と連携していってもらいたいと思っております。
また、無園児イコール気をつけなければならない子どもたちという位置づけにして取り組むのではないんだという印象も受けました。無園児世帯に限らず、全ての子育て世帯を対象にして取り組んでいく中で、それでも無園児と無園児世帯が抱えるリスクというものをしっかりと把握していく。そして、気を配っていきつつも、子どもと子育て世帯全体を包んでいきながら支援していくという方向性はとても共感しておりますので、ぜひ取り組んでいっていただきたいと思っているところでございます。
私は、スクールソーシャルワーカーをしている社会福祉士の方ともよくお話をするんですけれども、例えば子ども食堂においても、来てほしいという人たちばかりを集めるのではなくて、たくさんのいろんな子どもたちと親子で楽しく食事をしていて、その中に来てほしい人も紛れていることが、結果的に運営も続くし、支援にもつながっていくということを聞いて、なるほどと思っておりました。そういう意味におきましても、無園児というところに対しましても、先ほど市長が申し上げられた形でぜひ取り組んでいっていただきたいと思っているところでございます。
国が対策に乗り出すという形になりましたので、財源等有効に活用していただきながら、国の示す形というのも積極的に取り入れて、現在の取組を維持向上させていってもらいたいと思っているところです。
そこで、ぜひ熊谷市長に伺いたいんですが、市長は政治家という立場で長く地方自治の現場におられて、そしてまた、中心的立場で長くおられた経験ということをお持ちなので、熊谷市長の捉え方といいますか、無園児、そして子育て支援というところで思いを伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(寺地則行 君)市長
◎市長(熊谷雄一 君)無園児に対する私の思いということだと思いますが、無園児という表現、私も最近知り得たわけでありますけれども、未就園児と同じだということで御発言させていただきます。その思いは、先ほど三浦議員がお話しされたこととほぼ同じでありまして、施設に通わないで家族、あるいは両親、祖父母と一緒に時間を長く過ごせるということは、それなりのメリットがあると捉えております。ただ、未就園児だと、孤立化、虐待のリスクが大きいということは壇上でも申し上げたとおりであります。
保育園、幼稚園等の保育施設は、子どもにとっても大きなセーフティーネットでもありますし、虐待などの兆候があれば、早く気づくことができる、必要な支援につなげるということもできるところだと思っております。また、児童の様々な障がいなどにつきましても、早期に適切な支援につなぐことが可能であろうとは思っております。
いずれにいたしましても、保育施設を利用する児童、そして家庭で保育される児童、その両方の全ての児童に健全で豊かな成長を確保していかなければならないと考えております。国もこども家庭庁を設置するということでございますけれども、全ての子どもたちに最善の未来を用意するという子どもファースト事業を今展開しておりますので、それを展開しながら、全ての子どもの健やかな成長を全力で支援してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(寺地則行 君)三浦議員
◆13番(三浦博司 君)誠実な御答弁に感謝します。
思いに触れられてよかったと思います。全ての子どもの環境を支援していくという意気込みを感じることができましたので、より一層この取組に力を入れて、八戸市に生まれ育ってよかったと実感してもらえる社会づくりにより一層取り組んでいただけますようお願いいたしまして、この質問を終わります。
○議長(寺地則行 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。都市整備部長
◎都市整備部長(佐々木勝弘 君)私からは公園管理の現状についてお答えを申し上げます。
現在、市内には大小約300の公園、緑地がありますが、主な管理手法としては、地域の街区公園の草刈りやトイレ清掃等の日常管理は、町内会など地域の団体にお願いをし、近隣公園など比較的規模の大きな公園は、人材派遣事業者からの管理人や事業者による包括管理委託により管理を行っております。さらには、八戸公園などの大規模な公園では、指定管理者制度を導入し、管理者独自の自主事業を実施するなど、魅力の向上や発信を行っております。また、遊具等の公園施設につきましては、毎年定期的に点検を実施しているほか、平成25年度に策定した八戸市公園施設長寿命化計画に基づき予防保全を行うことにより、公園利用者の安全安心の確保を図っております。
市といたしましては、今後とも、町内会や事業者等の管理主体と連携を深め、おのおのが持っている利点を生かして管理いただくことにより、より一層市民が憩い、安らぐことのできる公園となるよう適切な管理に努めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(寺地則行 君)市民防災部長
◎市民防災部長(磯嶋美徳 君)次に、交通公園について私からお答え申し上げます。
交通公園とは、一般的に疑似的な道路環境を再現し、遊びながら交通ルールを学ぶための施設の呼称であり、市では八戸公園内に交通安全ふれあい広場を開設しております。ふれあい広場には、自転車コースや交通標識等が整備されているほか、自転車や三輪車を無料で貸し出しており、実践を通して親子で交通ルールやマナーを学べる場となっております。また、研修室では、交通安全講話や交通安全教室を実施しており、令和3年度における利用者数は延べ約1万6000人となっております。
市といたしましては、交通事故防止のためには、幼児期からの交通安全についての意識づけが重要であると考えており、遊びながら楽しく学ぶことができるふれあい広場における交通安全教育の充実を図るとともに、より多くの方に利用していただけるよう情報発信に努めてまいります。
議員御提案の地域の公園に交通広場を設置することにつきましては、面積や維持管理等の観点から難しいものと考えておりますが、地域において身近な場所である公園を交通ルールの学びの場として活用することについて、地域の方々の御意見も踏まえながら検討してまいります。
私からは以上でございます。
○議長(寺地則行 君)三浦議員
◆13番(三浦博司 君)御答弁いただきましてありがとうございました。
地域の街区公園というものが、実際私が住む地域を見ても、頑張ってくれてはいるんですが、ぎりぎり最低限にならざるを得ない状況があるのではないかというところがありますので、ぜひ改めて検討していただきたいというところがございます。
あと、町内会の役員の高齢化とか様々難しいところがあるのか。ただ、それは当市だけの課題ではなくて、全国的にそうだというところでも、交通公園というものを整備している自治体が、小さな公園でもあるというところをぜひ調査研究していただきたいと思っております。
八戸公園の交通安全ふれあい広場を、もっともっと発信をして、県外、市外から訪れ、住む新しい若い世代の市民にも伝わって、より多くの方々が利用できるようなふれあい公園、交通公園という発信強化、そして機能強化をお願いしまして……。
○議長(寺地則行 君)以上で13番三浦博司議員の質問を終わります。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明日も午前10時に会議を開きます。
────────────────────
散 会
○議長(寺地則行 君)本日はこれにて散会いたします。
午後4時35分 散会...