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平成24年原子力・エネルギー対策特別委員会 本文 開催日: 2012-10-05
平成24年原子力・エネルギー対策特別委員会 名簿 開催日: 2012-10-05

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  1. 青森県議会 2012-10-05
    平成24年原子力・エネルギー対策特別委員会 本文 開催日: 2012-10-05


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前10時30分 ◯神山委員長  ただいまから原子力・エネルギー対策特別委員会を開きます。  慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。越前陽悦委員、奈良岡央委員、お願いします。  本日の委員会は、国及び事業者の方々に参考人として出席していただいております。  担当書記より参考人の方々を御紹介いたします。 2 ◯工藤議事課長  参考人の方々を御紹介いたします。  経済産業省資源エネルギー庁、高原一郎長官です。  次に、経済産業省資源エネルギー庁、糟谷敏秀電力・ガス事業部長です。  同じく、野田耕一原子力立地核燃料サイクル産業課長です。  次に、日本原燃株式会社川井吉彦代表取締役社長です。  同じく、桑原茂代表取締役副社長です。  同じく、村上秀明常務取締役・再処理事業部長代理です。  同じく、酒井和夫常務取締役・経営企画室長です。  同じく、中村裕行理事・再処理事業部再処理計画部長です。  以上でございます。
    3 ◯神山委員長  これより、9月25日に開催された革新的エネルギー・環境戦略等に関する議員説明会での説明及びこれらに関連する事項について質疑を行います。  なお、質疑はお手元に配付の質疑順序・質問時間により行います。  質疑の終了5分前に予告を、終了時に終了通告をそれぞれブザーで行います。  質疑は発言席において、答弁は答弁席でお願いします。  なお、答弁者は、挙手の上「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  それでは、質疑を行います。  清水悦郎委員の発言を許可いたします。──清水委員。 4 ◯清水委員  おはようございます。自由民主党の清水悦郎です。  3.11東日本大震災から早いもので1年7カ月を迎えようといたします。私どもは、三村知事を筆頭に県民一丸となって復旧・復興に一生懸命取り組んでいる状況であります。おかげさんで、県内はもちろんでありますけれども、日本全国から、そしてまた、あるいは世界の皆さん方から励ましの言葉、物心両面にわたっての御支援をいただき、心から感謝を申し上げる次第であります。  それでは、質問に入りますが、9月19日の閣議においては、戦略本体の閣議決定がなされなかったということであるが、閣議決定と戦略の位置づけについてまず1点お伺いしたいと思います。 5 ◯高原資源エネルギー庁長官  革新的エネルギー・環境戦略は、国家戦略担当大臣を議長といたしまして、経済産業大臣と、そして環境大臣を副議長とします関係閣僚から成るエネルギー・環境会議で、9月14日に総理も出席の上で決定をされたものでございます。これは金曜日でございましたけれども、その翌週の水曜日の9月19日の閣議におきまして、このエネルギー・環境会議で決定をされました革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて、関係自治体、あるいは国際社会などと責任のある議論を行い、国民の理解を得ながら、柔軟性を持った形で不断の検証と見直しを行いながらエネルギー・環境政策を遂行していくという、どのような形で遂行していくかというのを決定したのが御指摘の閣議決定でございます。 6 ◯清水委員  エネルギー基本計画を議論する総合資源エネルギー調査会基本問題委員会では、委員長から、戦略の意味するところがこのまま曖昧であれば、今後議論を続けていくのは難しい旨の発言があったと聞くが、エネルギー基本計画などについて今後どのように対応するのか、お考えをお伺いします。 7 ◯高原資源エネルギー庁長官  今御指摘のエネルギー基本計画でございますけれども、エネルギー政策基本法に基づきまして、エネルギー需給に係る基本的な方針、あるいは講ずべき施策等を内容とするものでございまして、総合資源エネルギー調査会の意見を聞いて、経済産業大臣が案を作成し、閣議で決定するということになっております。  御指摘のとおり、先月、9月の18日に開催をいたしました第32回の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会におきまして、革新的エネルギー・環境戦略に対する委員の皆様方からさまざまな御意見をいただきました。  その中で、委員御指摘のとおり、委員長である三村委員長から御指摘のような趣旨の御発言があったことを踏まえまして、今後、三村委員長とも相談をさせていただきながら検討を進めていきたいというふうに考えております。 8 ◯清水委員  次に、原発ゼロという、原子力そのものを忌避するような風潮は、人材や技術の維持にとって逆に障害となるのではないかと思いますが、御意見をお伺いします。 9 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  御質問いただきましたように、原子力の人材、技術は、原子力発電所の安全確保ですとか、廃炉、使用済み燃料処理の技術の向上、それから除染、原子力の平和利用といった活用においても非常に大事なものでございます。  脱原子力依存という方針のもとで、原子力の人材や技術を維持することが困難となるような状況が生じるということは、政府としても懸念しているところでございます。  今回定めました戦略におきましても、「原子力の安全確保は至上命題であり、高度な技術と高い安全意識を持った人材がそれを現実に支えていく使命を担う」ということを明記しております。このために、人材や技術の維持・強化策をことしの末までに策定することとしております。  アメリカでは、1979年3月のスリーマイルアイランドの事故の後、引き続き多数の原子力発電所が運転を継続いたしましたけれども、新たな原子力発電所の建設が長期にわたり行われなかったこと、これによって技術や人材が失われ、現在、非常に苦労しているというふうに承知しております。  これまで、日本の国としましても、八戸工業大学における、原子力施設立地地域の特色を生かした原子力施設の安全性確保、原子力防災に係る人材育成プログラムなど、さまざまな人材育成事業の支援に取り組みをさせていただいてきたところでございますが、技術や人材を維持していくためには、こうした取り組みを継続し、むしろさらに強化していくことが大事であるというふうに考えております。 10 ◯清水委員  原発ゼロにより電力安定供給が困難となり、電気料金高騰のリスクが高まることで、我が国の国力が低下し、安全保障上マイナスが大きいとの指摘もあるが、この辺はどうお考えでありますか。 11 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  御指摘のように、安定供給、それから電力料金、国力低下といった面で懸念が寄せられていること等は承知をいたしております。  今回の戦略におきましては、グリーンエネルギー拡大の状況、国民生活、経済活動に与える影響、国際的なエネルギー情勢、国際社会との関係などにつきまして、常に関連する情報を開示しながら検証を行い、不断に見直していくこととしております。こういうことを通じまして御懸念のような指摘、事態にならないように対処していくという考えでございます。 12 ◯清水委員  大臣からは、将来の電源確保を正確に見通すことは困難で、今後影響の度合いを見ながら戦略を見直すこととしているようであるが、現戦略では2030年の電源構成をどのように想定しているのかお伺いいたします。 13 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  今回の戦略におきまして、2030年の電源別の電源構成を網羅的にお示ししているわけではございませんが、この戦略では、グリーンエネルギー拡大等のためのあらゆる政策資源を投入するということを定めております。  その際、工程のイメージといたしまして、まず第1に、節電につきましては、2010年現在で1.1兆キロワットアワーでございますが、これに比べまして2030年までに1,100億キロワットアワー以上を削減するということ、それから第2に、再生可能エネルギーにつきましては、2010年に1,100億キロワットアワーでございますが、これを2030年までに3,000億キロワットアワー、3倍以上の開発を実現するということ、それから第3に、コジェネレーション、いわゆる熱電併給でございますけれども、2010年に300億キロワットアワーでございますのを2030年に1,500億キロワットアワー、5倍にするというようなことを想定しているところでございます。 14 ◯清水委員  少なくとも正確に電源構成が見通せているのでなければ、軽々に原発ゼロをうたい、新増設なしと原則に掲げることは大変無責任ではないかと考えますが、その辺をお伺いいたします。 15 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  今回の戦略におきましては、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、グリーンエネルギー拡大などのあらゆる政策資源を投入するということを目標としております。言いかえますと、2030年代に原発をゼロとするということを決めたものではございません。  これまでも我が国のエネルギー構成のあり方は、国際的なエネルギー情勢ですとか技術開発の動向などによって大きく左右されてまいりました。現時点において、こうした将来の状況を正確に見通すということは極めて困難でございます。こうした現実を踏まえて謙虚に策定したのが今回の戦略でございます。  野田総理も、この戦略を決定いたしました9月14日のエネルギー・環境会議において、「見通せない将来について、あまり確定的なことを決めてしまうのはむしろ無責任」と発言をされているところであります。  したがって、今回の戦略は、グリーンエネルギー拡大の状況、国民生活、経済活動に与える影響、国際的なエネルギー情勢、原子力や原子力行政に対する国民の信頼の度合い、使用済み核燃料の処理に関する自治体の理解と協力の状況、国際社会との関係などについて、常に関連する状況をお示しし、開示しながら検証を行い、不断に見直していくというものでございます。 16 ◯清水委員  核燃料サイクルの意義、必要性は変わらず、プルサーマルも推進するとの説明がなされているが、今後の使用済み燃料の蓄積量、再処理量、プルトニウム消費などの見通しをどう見ているのかお伺いいたします。 17 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  現在、国内に保管中の使用済み核燃料は約1万7,000トンでございます。今後、仮に各原子炉の運転期間が40年とした場合、そこになるまで稼働させた場合には、これまでの実績を踏まえて機械的に試算をすれば、さらに約1万8,000トン余りの使用済み燃料が発生するという見通しでございます。  しかしながら、使用済み燃料の発生量でございますとかそれに伴う再処理量、もしくはプルトニウムの消費量は各原子炉の運転に左右されるものでございまして、現実には、原子力規制委員会の安全確認に時間がかかり、再稼働がおくれることもあれば、40年運転制限制の具体的適用が行われていく中で運転期間が変更される可能性もございまして、現時点でなかなか正確に見通すことは困難であろうかと考えてございます。  いずれにしましても、核燃料サイクルにつきましては、従来の政策を変更したものではございませんで、政府としては、核不拡散や原子力の平和利用という国際的な責務を果たしながら、関係自治体との約束を重く受けとめて再処理事業に取り組むとともに、プルサーマルにつきましても引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 18 ◯清水委員  国民的議論でつくる戦略といいながら、核燃料サイクルが原子力発電とどのような相互の関係にあるのか、また、六ケ所再処理工場や各地の原子力発電所の実情はどうなっているのか、また、諸外国との関係はどうなっているのかなどについては、いわゆる国民的議論の場に対し、従来、政府としてきちっと情報提供をしてこなかったと思いますが、その辺をお伺いいたします。 19 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の戦略の決定に際しましては、国民的な議論というものを通じて国民の皆様方が望む大きな方向性、これを把握した上で閣僚間でより詳細な議論を行わせていただいた、こういう手順をとらせていただきました。  国民的議論に際しましては、ホームページを含めて情報提供の充実を図ったつもりでございますけれども、例えば清水委員御指摘の核燃料サイクルにつきましても、そのホームページにおきまして、2030年までにどのぐらいの使用済み核燃料が出るのかとか、あるいは核燃料サイクルの選択肢によって放射性廃棄物の量はどう変わるのかといったような資料を提示させていただいたところであります。  こういう中で、国民的議論に際しての選択肢の御提示をさせていただいたその仕方でございますとか、あるいは関連情報の提供が十分であったかという議論につきましては、もっとわかりやすくできたんではないかというようなさまざまな御意見をいただいていることは御指摘のとおりでございますけれども、ただ、その国民の皆様方がお望みになっておられるその大きな方向性を把握するということはできたんではないかと思います。  その結果として、大きな方向性として、国民の多くの方々が原発に依存しない社会の実現を望んでいるということが示されたわけでございますけれども、それを踏まえて、御指摘の核燃料サイクルの問題でございますとか、あるいは再エネや省エネの課題、克服策などにつきまして、より詳細な点を含めて閣僚間で議論を重ねて今般の革新的エネルギー・環境戦略を定めさせていただいたということでございます。 20 ◯清水委員  青森県を最終処分地にしないとの約束を厳守するためには、最終処分地を早期に選定する必要があります。報道等を見ても、国民的にこの問題の理解は余り進んでおらず、浅はかだと申しますか、浅薄な論調が目立つが、こうした事態を打開するために国は具体的に何を行っていくつもりなのかお伺いいたします。 21 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  委員御指摘のとおり、高レベル放射性廃棄物の最終処分の実施に関しましては、極めて困難な課題でございますが、廃棄物が既に発生している中で、将来世代に負担をかけないためにも、国としてもしっかりと取り組んでいくことが必要だと考えてございます。  このため、最終処分地の立地選定に向けまして、原子力発電環境整備機構、NUMOと呼んでございますけれども、NUMOが国や電力事業者などと互いに協力しながら、シンポジウムなども開催して、全国的な理解活動促進を推進するとともに、事業に関心を有する複数の地域からの問い合わせに応じたきめ細かい地元説明の実施などの活動をこれまでも展開してきたところでございます。  しかしながら、委員御指摘のとおり、いまだ文献調査の実施には至っていないというのが現状でございまして、これはやはり最終処分事業の必要性でございますとか安全性につきまして十分に国民的理解を得るには至らなかったということが大きな要因ではなかろうかというふうに認識してございます。  こうした結果を真摯に受けとめまして、国民全体でこの問題に向かい合うというところから検討を始めるということが必要でありまして、今後の取り組みの抜本的な見直しに向けて、国の一層の関与のあり方ということも含めましてしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 22 ◯清水委員  知事が求めたように、戦略には原子力施設の安全性向上、国民不安低減という面での取り組みについて掲げられているべきだったと考えるが、この点について今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 23 ◯高原資源エネルギー庁長官  委員御指摘のとおり、我が国の原子力施設の安全性を高めて、国民の皆様方の原子力に対する信頼を取り戻すことが急務だと考えております。  なお、革新的エネルギー・環境戦略におきましても、原子力の安全確保は至上命題であり、高度な技術と高い安全意識を持った人材がそれを現実に支えていく使命を担うということを明記させていただいているところでございます。  今般、いわゆる規制と推進を分ける形で、新たに極めて独立性の高い原子力規制委員会が発足いたしました。資源エネルギー庁といたしましても、こうした方針を受けて、原子力施設の安全性向上に向けた研究開発でございますとか、あるいは人材育成の取り組みをさらに強化していきたいというふうに考えているところでございます。 24 ◯清水委員  最後の質問になりますけれども、10月1日、第3次野田内閣が発足し、閣僚名簿が発表されました。田中真紀子文部科学大臣は官邸で記者団に対し次のように述べております。「2030年代に原発ゼロを目指しながら、使用済み核燃料の再処理事業を継続することとした政府のエネルギー戦略は大変矛盾している」と、新閣僚は政府方針を明確に批判しております。また、30年代に原発をゼロとする目標に関し、「なかなか厳しく、ハードルが高いのではないか。目指す目標であって、なかなかそうはいかないと思う」と述べ、実現は難しいとの見解を示したと報道されております。閣内不一致とも言える田中真紀子新大臣の発言をどう思われるのか、コメントがありましたら述べていただきたいと思います。 25 ◯高原資源エネルギー庁長官  文科大臣の御発言についてコメントという大変難しい御質問でございますけれども、確かに御指摘のような御発言を田中大臣は就任の初日、10月1日に御発言されたわけでございますけれども、翌日2日の会見では、軽々には発言できない、いろいろな意見を聞きながら考えて発信していこうと思うということも言われております。  いずれにいたしましても、政府全体として、今回の戦略を踏まえて、関係の自治体の皆様や国際社会などと責任ある議論を行って、国民の理解を得ながらこの政策を遂行していくということに尽きるのではないかと思っております。 26 ◯清水委員
     私ども人間は幾ら長生きいたしましてもせいぜい寿命は80年、あるいは100年であります。ですから、私どもの子供や孫の時代も後悔をしないようなものをつくっていかねばならない、青森県をつくっていかねばならない、そのように肝に銘じております。どうか、ここが正念場でありますので、何とぞ国におかれましてもよろしくお願いをしたいということをもちまして、横浜議員にバトンタッチしたいと思います。  以上で終わります。 27 ◯神山委員長  次に、横浜力委員の発言を許可いたします。──横浜委員。 28 ◯横浜委員  おはようございます。自民党の横浜力でございます。  本日は長官以下、原燃の社長、皆様方には遠いところ御苦労さまです。しかしながら、今回の特別委員会のこの答弁者の参集につきましては、いささか私は疑問を持っております。エネルギー政策は国家の存続をかける大変重要な政策でございます。政治判断が求められるこのエネルギー政策に関して、政策与党の民主党の関係者が、政権与党もここに出席していない。いささか遺憾であります。私どもは、今まで国家の発展と、そして安定したエネルギー政策に真摯に青森県として取り組んできております。そのことをもっと重く受けとめて来ていただきたいというのをまず冒頭申し上げておきます。  その中で、1つ非常に疑問に思っているのは、再稼働の判断で、前原国家戦略相は、政府の関与は否定すると。あくまでも規制委員会が判断する。全く無責任な、政治家として何を言っているのかというふうな遺憾な思いを持っているわけですが、ちょっとこれ、長官に聞くのは筋違いかもしれませんけれども、その辺のところの私感がございましたら一言お願いいたします。 29 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の戦略におきましては、安全性を確認された原発は、これを重要電源として活用するということを決定させていただいております。したがって、そのため、例えば私どもエネ庁でございますけれども、地元への説明はまず事業者の方がされるわけですけれども、この決定方針、今申し上げた決定方針に基づきまして、立地の自治体の皆様方に御説明を行っていくとか、あるいは、安全性につきましては、原子力の規制委員会が判断を、別な立場から確認を行っていることになっているわけでございますけれども、そういった確認内容についても委員会から説明があるということでございまして、政府としての重要電源というこの決定に基づいた行動はしっかりととっていくというべきだというふうに考えておりますし、そうさせていただきたいと思っております。 30 ◯横浜委員  安全性のチェック確認は規制委員会がもちろんするべきだと思うんですけれども、私は、やっぱり責任ある立場から、最後は政治判断で、総合的なエネルギー需要の中で政治家が稼働の判断をするべきというふうに思うんですけれども、判断は、今、長官がおっしゃるとおり、規制委員会の判断でよろしいんでしょうか。再度聞きます。 31 ◯高原資源エネルギー庁長官  大変申しわけありません。私の申し上げ方が不十分でございました。まさに今回のエネ・環戦略の中で、安全性が確認された原発、これは確かに規制委員会が確認するわけですけれども、そういったもの、原発につきましてはこれを重要電源として活用するという決定がなされておりますので、そこについては私はもう決定はなされている、政治的な決定も含めてなされているというふうにいうのが私の理解であり、申し上げたかったことでございます。 32 ◯横浜委員  安全性を確認した電源については活用するということが決定なされているということは、もう政治的な判断がされているという解釈でいいわけですね。要は、政治的な判断のもとに稼働を決定するという解釈でよろしいんでしょうか。 33 ◯高原資源エネルギー庁長官  そういう意味で、安全性が確認されたものにつきましてはもう既に重要電源として活用するということが既に決定をされているという考え方でございます。 34 ◯横浜委員  結論的に言うと、政府がもうきちっと判断されていますということでよろしいわけですね。 35 ◯高原資源エネルギー庁長官  おっしゃるとおりでございます。 36 ◯横浜委員  わかりました。  青森県は原子力立地県でありまして、そして私は大間町を有する下北選出の県会議員であります。大間原発、それから東通原発、それからむつの中間貯蔵施設につきまして質問を繰り返していきたいと思います。  まず大間原発でありますけれども、昨年の震災以来、1年7カ月にわたりまして工事が休止しておりました。先般10月1日に事業者である電源開発、J-POWERが、ようやく工事再開を表明いたしました。今後、安全対策や防災対策等さまざまな問題はあるものの、地元関係者は安堵、歓迎しております。私としても積極的に理解、評価しております。  今回の動きにつきましては、革新的エネルギー・環境戦略の決定後、枝野大臣がわざわざ当地まで見えまして、許可を与えた原発についての建設を容認する方針を明言したことなどを踏まえまして、J-POWERが総合的に判断したものと理解しております。私としても、既に許可を出した発電所については戦略に明記された新増設には当たらないとの解釈なのかと受けとめておりますが、まず、改めまして、大間原発及び東電東通1号機について、戦略に掲げる、原発の新設、増設は行わないとする原則との関係について伺います。 37 ◯高原資源エネルギー庁長官  御指摘のとおり、原子力発電所で原子炉の設置許可及び工事計画の認可を既に経済産業大臣として行っているものにつきましては、戦略の決定でこれらの許認可を取り消すことはないということを累次にわたって、先ほど委員の御指摘がございましたけれども、大臣が戦略の翌日、本県に寄らせていただいたときも明確に御説明をさせていただいているところでございます。その後、大臣は記者会見でも、新設、増設は行わないという原則を定めた中で、その建設途上にあるものについては、まさに工事開始の許認可の手続が終わっていて、それを途中で変えるという制度がない。これを法制上変えるということは今考えていないということでありますので、新設、増設は行わないという原則の外側にあるという位置づけをしているというふうに明確に、明言をしているところでございます。 38 ◯横浜委員  明確にそう位置づけていると。再度これを確認しておきます。  大間原発については、当時ATRでありましたけれども、計画変更によりまして、平成7年の8月に当時の原子力委員会委員長であります、現文科大臣であります田中真紀子さんが委員長でありましたけれども、そのときに、大間原発はプルサーマル計画の柔軟性を広げるという政策的な位置づけを持つと、政策上の必要性、重要性を明確に説明しております。政府関係者も当初、たびたびお寄りになったときは、我々立地地域にそういう説明をなされておりました。  大間原発の政策上の位置づけはこれまでと変わっていないと理解してよいのか、改めて、政策上の必要性、重要性についてどういう位置づけになるのかお伺いいたします。 39 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  大間原発につきましては、全炉心MOX燃料も燃料として使うことができる、いわゆるフルMOXの炉でございまして、年間1.1トンのプルトニウムを燃焼するということでございます。核燃料サイクル上、ほかのプルサーマルの軽水炉の3機から4機分に相当するという重みを持つものでございます。今回の戦略におきまして、核燃料サイクル政策は何ら変更をしてございません。その意味で、大間原発の政策上の位置づけについても従来と何ら変わるものではございません。 40 ◯横浜委員  今、大間原発については政策上何ら変わるものではない、こう力強い御答弁をいただきました。枝野大臣は、今の御発言のとおり、「大間についてはフルMOX上最も必要な原子力発電所であるが、核燃料サイクルと直接かかわらない原発である東通」という表現をしているようでございますけれども、私としては、東通原発についても電力の安定供給上非常に重要な役割を果たす電源になるというふうに思っておりますけれども、その東通の必要性、あるいはその重要性をどのように考えているのかお尋ねいたします。 41 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  9月15日に大臣が青森にお伺いしましたときに、核燃料サイクルと直接かかわらない原発というような表現を使われたということは御指摘のとおりであります。これは、先ほど申し上げましたように、大間原発がフルMOXという核燃料サイクル政策上の意義を持つ、その意義があるということをおっしゃりたいということで言われたものでありまして、個別の原発について、どちらがより重要であるとかどちらが大事であるとか、そういう個別の原発の重要性についての比較を申し上げた趣旨ではないというふうに考えております。  今回の戦略におきましては、安全性が確認されました原子力発電所は重要電源として活用することとしておりまして、その意味で、それぞれの原子力発電所のその重要性ということはきちっと位置づけているところでございます。 42 ◯横浜委員  今の御答弁を聞きますと、個別の原発がどうのこうのじゃなくて、原子力にかかわる電源というのは非常に重要で、原子力の位置づけは揺るぎないものであるという御答弁であったというふうに理解します。  それで、東通原発なんですけれども、今、東電の東通、非常に厳しい状況にあるわけでございます。資金調達等を含めて、東電の東通1号機については、現実的にちょっと困難なのかなというふうに私は思っているところであります。しかし、今現在は、原子力損害賠償支援機構の出資によりまして事実上国有化された現状になっているというふうに私は認識しておりますけれども、そうなんであれば、私はやっぱり国家として、東通の1号機を国家の責任において積極的に進めていくべきではないかというふうに思いますけれども、その辺はいかがでしょう。 43 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  東京電力につきましては、現在、まず福島の被災者の皆様に対する賠償でありますとか福島第一原発の廃炉に向けたプロセスを進めているところでございます。福島第一原発の事故によります損害につきましては、東京電力が負担できないことというのを、国が交付国債という形で資金を供与いたしまして、迅速かつ適切な賠償に遺漏がないように努めているところでございます。  ということで、まず東京電力につきましては、当面、福島の被災者の皆様に対する賠償ですとか福島第一原発の廃炉に向けた事後処理を進めていくことが大事であるというふうに考えているところでございます。 44 ◯横浜委員  想定どおりの答弁でありますから理解しますけれども、しかし、やっぱり今まで国の政策に対して真摯に向き合った地元の努力というのを、これは忘れてはならないことだというふうに思っております。その福島の原発を踏まえた中で、東電の2号機、それから東北電力の2号機、私は、安全を確保された原子力については積極的に活用するという方針があるんであれば、新しい原発ほど安全性のすぐれた原発はないと思います。そうした中で、国が着工をしないから、はい、切りますよという議論も私はちょっとおかしいなと思います。地元は、まず国益、国家国益のために何とかして日本国の存続をかけて協力しようと。そして、漁業補償、あるいは用地買収、難関を突破してここまで来ているわけです。そういう関係から、国としてその地元の方の思いといいますか、その辺をどのように考えているかお伺いをいたします。 45 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  枝野大臣は、建設中の原発は、既に原子炉設置許可、工事計画認可などの許認可手続が終わっており、これを途中で変える制度はなく、その制度を変えるつもりはないということを述べられたというものでございます。  原発に依存しない社会の実現に向けた3つの原則の「原発の新設、増設は行わない」という原則の具体的な適用につきましては、今後検討してまいりたいと思ってございます。  その際には、当然ながら、計画中の原発につきまして、さまざまな段階のものがございます。したがいまして、地域の実情等も踏まえまして、個別に地元の皆様と御相談をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  委員御指摘のとおり、原子力発電所の地元におきましては、これまで、国策に御協力いただくという、そういった意思のもとでさまざまな御苦労をおかけしてきたというふうに認識してございます。また、原発を受け入れつつ地域振興を図っていこうという、そういった期待もあるというふうに考えてございます。こうしたこれまでの信頼関係を損なうことは私どもはできないというふうに考えているものでございます。  我々のほうとしましても、東通原発誘致の際におきまして、現在の越善村長がまだ村役場の職員であったころに、立地に慎重な方の家の隣に泊まり込んで地域の方々と真剣に話し合い、漁業補償なども含めまして御理解を得られたというふうに聞いてございます。これまでこういった形で国策に御協力をいただいてきた立地地域の努力、これは大変重く受けとめているところでございまして、このことへの感謝は忘れてはならないというふうに考えてございます。  したがいまして、こういった地域のいろんな状況というのはさまざまでございますので、地元や電気事業者を含めまして、原子力政策を変更した場合に生じ得る影響等を個別具体的に把握するというようなところから議論を開始しまして、丁寧に御説明しながら御相談させていただきたいというふうに考えている次第でございます。 46 ◯横浜委員  本当に、我々立地地域は、地元の経済はもちろんですけれども、国家国策はどうあるべきかということを真剣に考えてここまでやってきています。原発の是非については、昨年非常に残念な事故があったわけですけれども、さまざまなリスクも踏まえて今まで政府との信頼の中でやってきているわけですから、今、御答弁がありましたけれども、地元対応というのはきちっとしていただきたいと思います。  それから、先ほどの質問、安全な原発、新しい原発は40年で廃炉にするんであればむしろ稼働すべきという質問にちょっと答弁がなかったんですけれども、新しい原子力発電所を稼働させたほうがより効率的で安全性も高まるし、ベストでないかというふうな質問に対して御答弁をお願いいたします。 47 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  委員御指摘のとおり、より安全性を高めた原子力発電所を稼働していくということが効率的でなかろうかということはそのとおりだというふうに考えてございます。今回のエネルギー・環境戦略におきましても、要は安全性を確認したものに関しましてはこれを重要な電源として活用するということを決めさせていただいてございます。当然、安全性の確認が行われたものというのは、規制委員会のほうにおきまして、福島事故の教訓を生かしてさまざまな安全策をとって、その基準を満たしたものになると考えてございまして、そういった安全性の体制が図られた、もしくは安全性の向上が増した原子力発電所に関しましては重要な電源として今後とも活用していくということで進めていきたいというふうに考えているものでございます。 48 ◯横浜委員  より安全性を増した原子力施設となれば、やはり新しい原発が非常に有効だと。そのためにも東通の原子力発電所が私は優位だというふうに考えておりますので、地元対応を含めてその辺のことをしっかりと受けとめていただきたいなと思います。  それから、これは今の戦略の中で皆さんが思う素朴な疑問であると思いますけれども、2030年代に運転期間が40年を経過していない発電所は、戦略に掲げる原則上いつまで運転できると解釈していいのか伺います。 49 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  改正後の原子炉等規制法におきましては、原子力発電所は40年間運転できるとされてございまして、原子力規制委員会の認可を受けまして、20年を超えない期間であって政令で定める期間を超えない期間の運転延長が可能とされているところでございます。戦略では、この制度を厳格に適用することとされているものでございます。  一方、戦略におきまして、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とする」ということは、グリーンエネルギー拡大等の政策資源投入についての目標でございます。まずこれを実現するために全力を挙げるということを決定したものということでございます。  したがいまして、個別の原子力発電所につきまして、いつまで運転が可能であるかということは、戦略に掲げる原則上、何らかの決定がなされているわけではないということを御理解いただければと思います。 50 ◯横浜委員  ベストミックスによって、再生可能エネルギー等含めて電力需要に対応できる供給量があればその原発依存は低くすると。それが満たない場合は原子力はとめないという理解でいいんですよね。ちょっと確認します。 51 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  先ほど御説明しましたとおり、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするというのはあくまでグリーンエネルギー拡大等の政策資源の投入についての目標でございます。その上で、このような取り組みにつきまして、グリーンエネルギーを拡大しつつ、低廉で安定的な電力供給が可能となったときに初めてそこから先のことについて具体的な議論ができるものというふうに考えてございます。 52 ◯横浜委員  グリーンエネルギーが万全になったときに、そのときからまたその先の方向を考えるという解釈でいいわけですね。となれば、大間原発、これから稼働まではかなりのハードルがありますけれども、仮に稼働したとすれば、スケジュール的なことを申しますと、2050年代まで稼働可能ということになるわけですけれども、ということは、2030年代には強制的にとめますよということじゃないわけですね。
    53 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  先ほど野田課長から答弁申し上げましたように、今回の戦略で、何年に原子力発電所をゼロにする、とめるということを決めたというものではございません。その意味で、先ほど御質問をいただいた大間原発について、強制的にとめるかどうか、これをこの戦略において決めたということではございません。 54 ◯横浜委員  やはり代替エネルギーが万全にならない限りとめないという、原子力はとめないという解釈でよろしいというふうに私は今の御答弁を解釈しました。それは間違っているんでしょうか。 55 ◯高原資源エネルギー庁長官  代替エネルギーが2030年代に万全になった場合はとめるということも申し上げていません。そこを申し上げているんです。大臣の発言を少し引用させていただくことをお許しいただくのであれば、「30年代には何とか解決するべく最大限の努力をする。それがもし達成できた時に、初めてその段階で稼働している原発をどうするのかということについて、具体的な検討に入れる」ということまででございますので、その場合にも御質問がまたいろいろございますと思いますので、そうなったら原発をとめるということを決定しているということではないことはつけ加えさせていただきたいと思います。 56 ◯横浜委員  ということは、2030年代、要は2039年の時点で代替エネルギーが万全になったときにでも、将来的に原発をどうしようかというのはそこの時点で決定するという解釈でいいですか。そこで考えるという。 57 ◯高原資源エネルギー庁長官  御指摘のとおりだと思います。 58 ◯横浜委員  わかりました。今回の政府発表は何なのかなというふうに非常に疑問に思いますけれども、答弁の理解はいたしました。  革新的戦略について、現時点でその方向性についてどうだというのは、大まかな方向性はありますけれども、具体的なものについては2030年代後半に方向性をきちっとするというふうなことで解釈をいたしました。  次に、むつ市の中間貯蔵施設について、再処理が前提であることは変わらないとしておりますが、2030年代に──今の話を聞くとこれもちょっと当たる質問なのかわかりませんけれども──原発ゼロにするならば何年まで貯蔵すると考えているのか、また、再処理されるという担保はあるのか伺います。 59 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  まず、繰り返しになるかもしれませんが、先ほど御質問にもありましたように、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするということは、グリーンエネルギー拡大などのあらゆる政策資源を投入するということについての目標でございます。今回決めましたのは、そういう目標に向けてあらゆる政策資源を投入して、その実現のために全力を挙げるということを目標として定めたということでございます。  また、これも繰り返しになりますが、今回の戦略が核燃料サイクル政策について、何らかの変更をしたものではございません。引き続き、プルトニウム、ウラン等を有効利用するという従来の方針に従い再処理事業に取り組むこととしております。  御質問のむつの中間貯蔵施設でございますけれども、再処理するまでの間、一時貯蔵する使用済み燃料に限って50年間貯蔵するものとして受け入れをお願いしてきております。今回、これについても変更するものではございません。 60 ◯横浜委員  むつ市の中間貯蔵施設の位置づけも本来の目的もスケジュール的なことに対しても全く今までと変わらないという御答弁はわかりました。何ら変わらないという。  次に、中間貯蔵施設の立地に際しては、六ケ所の再処理工場の再処理能力と全国の使用済み燃料発生量を踏まえ第2再処理工場で処理するとしていましたが、今回の戦略ではその辺はどういうふうになっているんでしょう。 61 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  まず、中間貯蔵されました使用済み燃料の処理の方策につきましては、平成17年、前回の原子力政策大綱においては、2010年ごろから検討を開始することとしておりました。  今回、核燃料サイクル政策について何らかの変更をしたものではございません。これは先ほど申し上げたとおりです。3月11日の事故の影響を受けて、前回の大綱で検討を開始するということにしておりましたけれども、具体的な検討が進んでおりませんでしたが、中間貯蔵された使用済み燃料の処理の方策について、今回の戦略を受けて、検討を進めていく考えでございます。  その際、使用済み燃料等の受け入れに当たってお約束させていただいた内容、例えば、核燃料サイクルは中長期的にぶれずに着実に推進するといったような、そういうことを含む青森県との約束があるわけでありますが、これは大臣が9月15日に当地にお伺いしたときも、青森県とのお約束、これは変えてはいけないものだと。動かしてはいけない前提であるということを繰り返し述べられたところでございます。 62 ◯横浜委員  今までの約束はそのまま全て守りますという大臣の発言を素直に受けとめたいというふうにも思っております。  次に、福島の事故を踏まえて、原子力施設の安全性は当然のことでありますけれども、それと別に、地域の防災対策の必要性が極めて重要であるというふうに思います。今、一連の流れの中で、どの党が政権をとっても今すぐ原子力との向き合いをやめるというわけにはいかない中で、地元の、立地地域の理解というのは非常に大きく影響するものだというふうに考えております。現状では、世論を含めて脱原発世論でいっぱいであります。私たち青森県は、原子力政策について今議論した話じゃありません。立地から含めて議論に議論を重ねて今ここまで来ているわけです。そういう中で、今この日本の原子力、これは世界の原子力ですね、推進するためにも、立地地域の住民の皆さんの理解が不可欠であります。そういう観点から、原子力施設の安全性はもちろんですけれども、防災対策の強化ということについて、県の認識はいかがなんでしょうか。 63 ◯林環境生活部長  防災対策の強化に関する県の認識についてでございます。  県では、福島第一原子力発電所事故を踏まえまして、県原子力防災対策検討委員会を設置いたしまして、広域避難や情報収集・情報伝達、災害時要援護者への対応、避難経路・手段の確保等について検討を行いまして、地域防災計画原子力編に反映すべき事項として取りまとめたところでございます。  また、下北地域における原子力災害時の避難のあり方について、県、関係市町村、自衛隊等の防災関係機関から成るプロジェクトチームを立ち上げまして、陸路のみだけではなく、空路、海路による避難、一時避難所や輸送能力の把握など具体的な避難のあり方について取りまとめたところでございます。  地域防災計画(原子力編)については、原子力規制委員会の発足に合わせて改正された原子力災害対策特別措置法の施行日から6月を超えない範囲で政令で定める日までに修正することが求められていますことから、原子力災害対策特別措置法、防災基本計画、原子力災害対策指針、そして県原子力防災対策検討委員会が取りまとめた提言を踏まえ修正することとしております。  また、避難につきましては、広域避難を前提として考え、原子力災害時に的確かつ迅速な対応ができるよう、市町村が避難計画を作成する際の手引となります避難計画作成要領を作成いたしまして、東通原子力発電所から半径30キロメートル圏内にございますむつ市、野辺地町、横浜町、六ケ所村、そして東通村に対して避難計画の作成をお願いしているところでございます。 64 ◯横浜委員  ハード、ソフト含めて防災対策の万全は原子力政策を推進するための鍵になるというふうに思っております。法律上その防災政策について、ソフト面については着々と進んでおられると思いますけれども、特にハード面で、非常に下北は、複合災害になったときに脆弱な道路事情であります。その辺におきましては、世界的なこの原子力との向き合いの中で、私は、下北地区の防災関係の整備というのは、非常に大きく左右するものと考えております。そういう観点から、県としても特段の御努力といいますか、ハード面の整備に取り組んでいただきたい。これは要望しておきます。  そこで、あくまでもこれは国家国策のために今下北は前向きに、真摯に取り組んでいるところです。そういう観点から、やっぱりその財源につきましては、私は国の責任においてきちっとやるべきと考えますけれども、その辺の御認識はいかがでしょう。 65 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  委員御指摘のとおり、原子力防災対策の重要性というのはますます高まっていると思います。福島の事故が起きまして、さまざまな安全対策の向上をさせましたけれども、一旦あのような事故が起きた以上、幾ら安全性を向上させたといっても、実際に起きたらどうするのかと。起きた後どうするのか、本当にそれで安心できるのか、そういうことも御説明が十分できないと御理解がいただけない、そのような状況であるというふうに非常に厳しく認識しております。  そういう認識のもとに、政府といたしましても、自治体の原子力防災対策の強化に向けて、そのための予算を確保しているところでございます。例えば、原子力安全・保安院等で確保しておりました予算を平成24年度に拡充をして原子力規制庁に移管いたしました。原子力施設等緊急時安全対策交付金ということで、自治体の非常用通信設備でございますとか放射線の測定器、個人線量計等の整備を支援するほか、避難シミュレーションなどの実施をすることで自治体の地域防災計画の策定を御支援申し上げるということで、平成24年度については約90億円を確保したところでございます。また、平成25年度予算におきましては約170億円を原子力規制庁で概算要求しております。これも含めまして、引き続き政府として自治体の原子力防災対策の強化を全力を挙げて支援申し上げたいというふうに考えております。 66 ◯横浜委員  ただいま力強い御答弁で。しかし、今交付金によって、24年度は90億、それから25年度の170億。この交付金が、ハード、例えば道路整備には使えないんです。そういう話も聞いております。これはやっぱり省庁横断的に捉えなければだめだと思います。本当に予算的なものは、ハード、例えば今、24年で90億の予算を投入するんです。でも、それはもちろん重要なことですけれども、やっぱり地元の安心の担保というのは、これは最も基本になると思います。そこはきちっと考えていただきたい。その辺いかがですか。 67 ◯高原資源エネルギー庁長官  これまで、この交付金事業では、都道府県道と市町村道が実施されてきておりまして、この旨は自治体の皆さんにも通知を申し上げているところでございます。ただ、御指摘のとおり、防災対策、特に道路など大変重要でございますので、国交省ともさまざまなレベルで意見交換を行っております。例えば、私が道路局長のところへ行って、これは重要だというようなことも含めまして国交省と、あるいは広く他の省庁と連絡をとりつつ、立地県を中心といたしました自治体の御意向を踏まえて一生懸命努力させていただくことをお誓い申し上げたいと思います。 68 ◯横浜委員  日本国民として生まれて下北に育って、私は本当に誇りを持っています。さまざまな御意見がありますけれども、悩みました、福島の事故で。でも、やっぱり日本国として、私たちの孫の代まで幸せな生活を送るために、やっぱり原子力と正面から向き合って取り組まなければならないという思いをしております。今の現政府も最終的にはそういう思いであるというふうに思っております。そういう中で、やはり今の立地地域の住民の皆さんの理解というのが最も大事なことでありますので、防災対策の予算もそこそこありますけれども、それを何とかハードに回して、より一層下北の避難路を含めた安全の担保というのに力を注いでいただきたいというふうに思います。  あと、いろいろありますけれども、立地地域は、これまで国のエネルギー政策に対して真摯に向き合い、血がにじむような努力を積み重ねながら、政府との信頼関係のもと、国民の責務として主体的にエネルギー政策の一端を担ってまいりました。今後、国においては、立地地域の意見を十分踏まえ、現実的かつ責任ある対応をしていただくよう要望して、私からは終わります。 69 ◯神山委員長  次に、工藤慎康委員の発言を許可いたします。──工藤委員。 70 ◯工藤委員  自由民主党の工藤慎康でございます。  私のほうからは、今回の戦略についてまず初めにお伺いしますけれども、今の御答弁を聞いていますと、非常に苦労されているなと思います。大臣の発言等もありまして、報道等、いろんな情報番組等でさまざまなコメンテーターから、青森県がサイクル継続を強く求めたことによってこのような矛盾をはらんだ戦略になったという表現をされています。そのことについて国としてはどのように考えているのか、まず初めにお伺いします。 71 ◯高原資源エネルギー庁長官  済みません、その報道がどういう形で報道されたのかということを私は存じませんけれども、先ほどから御指摘あるように、国策として進めさせていただいて、むしろ皆様方の血のにじむような形での御協力を賜ってきたということは私ども自身が受けとめている結果でございまして、報道の趣旨と、今おっしゃった趣旨とは、私はそういう制度の中で、そういう過程で議論が行われたということではないというふうに思っております。 72 ◯工藤委員  見ていないという表現だったんですけれども、我々はやっぱりそういった情報を、表現がされているのがわかるんです。やはり一般の目に入っているわけです。コメンテーターの方々というのは基本的にそういった責任がないですから、好き勝手なことを言いますけれども、ただ、そのもとになっているのがその大臣の表現だったと思うんです。それだと、まるで青森県がわがままを言っているようにしか聞こえないので、ちょっと私としては納得いかないところもあるんですが、それはさておきまして、本題へ行きたいと思います。  日本原燃さんのほうへ質問いたしますけれども、ただいまの御答弁の中で、再処理は継続するというお話でございました。3.11の震災発生後、各原子力発電所で燃料として使用され、十分冷やされた後に搬入された使用済み燃料を貯蔵しているのが六ケ所でございます。そこでの安全性というものに関しましては、基本的に原発で使用した燃料を十分冷やした後に六ケ所に搬入しているというふうに聞いております。安全性に対しては原子力発電所よりも安全だというふうに私は考えるんですが、事業者としての認識をまず初めにお伺いします。 73 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  ただいま工藤委員の御指摘、御質問のとおりでございまして、私ども再処理工場で受け入れております使用済み燃料は、発電所で少なくとも1年以上冷却されたものでありまして、実際、現在の当社再処理工場で貯蔵されております使用済み燃料は、発電所で使用してから平均13年冷却をしております。したがって、その発熱量も大体1,000分の1程度に今減衰しているということでございます。  このため、燃料貯蔵プールの冷却機能が仮に喪失したとしましても、沸騰するまでに約20日、さらに沸騰が続きまして使用済み燃料が露出するまでに約100日かかります。したがって、原子力発電所と比較しまして短時間で水が沸騰し、蒸発して使用済み燃料が露出するということはあり得ません。  加えて、仮に電源が全部喪失したとしまして、これは電源車を配備しておりますから、電源車からの給電、あるいは構内に1万トン、かなり巨大な貯水槽を持っております。さらには消火用水として900トン、あるいは工場全体の中に40トンの防火水槽を38カ所持っておりまして、そこら辺から消防車等で注水をするということで、そういう意味では十分に安全は確保されているものと思います。  同時に、あえてつけ加えさせていただきますと、仮にこの貯水槽がだめになった場合は、事業所に隣接しております尾駮沼などから水を揚げまして──実は再処理工場は約55メートルの台地にありますので、55メートルまで揚水をしましてプールに注水をすることができるかどうか、これも確認して、実際に訓練を積んでいると。訓練でその確認をしてございますので、ぜひ御安心いただきたいと思います。 74 ◯工藤委員  ただいまのお話にありました電源車でありますけれども、日本原燃株式会社では、東日本大震災直後の同年3月末に大型ジェネレーターが納入されております。これに関しまして、いつこのような発注作業を行ったのか。また、その発注に係る経緯についてお伺いします。 75 ◯中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長  この1台目の電源車でございますが、2007年7月16日に発生しました中越沖地震を受けまして、当社が自主的に予備電源を確保することが必要であろうと判断いたしまして、2010年2月に発注したものでございます。これを緊急安全対策として高レベル廃液の崩壊熱除去に使用することといたしました。  なお、3.11の大震災を受けまして、さらなる電源の裕度を確保していくことが適切だろうと考えまして、2台目、3台目の電源車を配備することとして、昨年4月に急遽発注いたしました。これらにつきましては、昨年の12月とことしの1月に配備を終了しているところでございます。 76 ◯工藤委員  中越沖地震の発生後、2010年2月に発注したということです。ということは、日本原燃さんは全電源喪失を想定されたということでよろしいんですか。 77 ◯中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長  中越沖地震の際には、柏崎発電所で、例えば事務建屋等の電気がなくなって、かなり事故対策に苦労をされたということを伺っていまして、そういう意味で、事務建屋、あるいは緊急時対策所等、そういったところに多目的に使えるということで電源車を発注いたしたものでございます。 78 ◯工藤委員  日本原燃さんはその地震で全電源喪失を想定したんです。東京電力さんは何でできなかったんでしょう。国のほうはこれに関してどういう見解をお持ちになりますか。 79 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長
     東京電力福島第一原子力発電所の事故の背景、原因については、国会、それから政府事故調査会、さまざまな報告書が出ているところでございます。この中で、一体どういう経緯でどうなったのか、それから、その責任関係はどうなのか、それらについては今後明らかになっていく、議論されるということもあろうかと思いますが、いずれにしても、事実として全電源喪失について対応ができていなかった、そのために福島第一原子力発電所の事故が起きたということは非常に重く受けとめて、真摯に反省をしなければいけない、国としても真摯に受けとめなければいけないことだというふうに考えております。 80 ◯工藤委員  日本原燃さんがそういう情報を得て、そういう検討をしているんです。先にそういった原発で、そういった形で事業をしている方々がそういう考えに至らなかったこと自体が私は問題あると思います。また、それも含めて今後また御指導をして、安全性をさらに高めるような対策をとっていただければと思います。  次に、日本原燃株式会社では、今回公表された革新的エネルギー・環境戦略をどのように評価しているのかお伺いします。 81 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  本日のこの場で国のほうから御説明がありましたけれども、革新的エネルギー・環境戦略の中で、核燃料サイクルは中長期的にぶれずに着実に推進する、それから、再処理事業につきましても、引き続き従来の方針に従い取り組むとされたこと、加えまして、9月15日だと思いますが、枝野大臣がわざわざ来県されまして、知事、議長、そして立地4市町村長の前でこのことをはっきりと明言され、しっかりと約束されたということは極めて重たいものと私は思います。  また、先ほどエネ庁長官、糟谷部長等々から御説明がありました。私自身は納得をいたしました、そういう意味では。  ただ、いずれにしましても、我が国には資源はほとんどありません。したがって、原子力発電は引き続き大切なエネルギー源であり、当然安全確保が大前提でございますが、今後も一定の役割を果たすべきであるというふうに考えます。  エネルギー政策というのは、5年、10年たって失敗だったということは許されないと私は思います。今回、閣議決定文を見ますと、その最後に、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行うとされています。これはぜひそういうことで見直しをしていただきたい。中長期的な視点に立って冷静で現実的な判断を強く期待したいと思います。 82 ◯工藤委員  この件につきましては最後にまた聞きたいと思います。  次に、再処理工場の竣工時期の変更について質問したいと思います。今回の延期幅である12カ月の根拠、それから、トラブル等を想定した裕度をどれぐらい持たれているのかお伺いします。 83 ◯村上日本原燃株式会社常務取締役・再処理事業部長代理  12カ月の根拠について御説明いたします。  まず、設備点検、それから法定点検、それから炉内確認で4カ月程度を考えております。次に、ガラス溶融炉のA系、B系、2系列ありますけれども、このガラス溶融炉の固化試験、それから国の使用前検査、この期間に約6カ月程度判断しております。ちなみに、この使用前検査につきましては、2013年8月までに受検としたいということで目途にしております。その使用前検査の後、国による評価として約2カ月程度を想定しています。そういう意味では、4カ月、6カ月、2カ月ということで12カ月の延長を想定いたしました。最終的には2013年10月の竣工ということといたしました。  あともう一つ、トラブル関係の話でございますけれども、今回の工程変更におきましては、過去の機器のふぐあい、トラブル、それから今回実施しました事前確認試験の実績を踏まえまして工程を精査いたしました。その中で、トラブルというのはやっぱり全くゼロというわけにいきませんけれども、軽微なトラブル等はあり得るだろうとのリスクを考えまして、工程全体としては多少の裕度を持たせております。一応、そういうトラブルはある程度想定はしているんですが、今後行います試験作業につきましては、安全第一に、慎重に、確実にやっていきたいと思います。よろしくお願いします。 84 ◯工藤委員  しっかりと検討をされて見通しした結果の今回の延長だというふうに理解しますが、本年1月に試験を再開してすぐ、れんが小片がノズルに詰まってしまうというトラブルがありました。最後のそこのガラスのところ、本当に克服できているのか確認したいと思いますが。 85 ◯村上日本原燃株式会社常務取締役・再処理事業部長代理  確かにことしの1月、溶融炉を立ち上げまして、れんが小片が詰まってしまうというトラブルがございました。この原因は、いろいろ分析を行いまして、最終的には、この溶融炉にガラスを保有したまま立ち上げする際の溶融炉内の温度変化がありまして、その溶融炉内の溶けたガラスと接触する部分のれんがが欠けて、それが炉底部に堆積しまして、さらにこのガラス溶融炉のB系、今回立ち上げたわけでございますけれども、これまでその溶融炉ガラス、試験をやっていまして中にそのガラスがたまっていたんですが、A系列と違いまして流下をしなかったと。ほとんど流下しなかったということで炉内に長期間ため込んでしまったということでございまして、これが原因でございました。  いろいろ分析を行いまして、れんが小片のこの発生を抑制するという対策につきましては、溶融炉の温度変化、れんがですけれども、この溶融炉内の温度変化を速やかに穏やかにする、ゆっくり温度を下げる、上げる、このことについて、緩やかにするという対策を講じました。  この結果、今回、事前確認試験前に流下状況をITV等で確認を行っていますけれども、ガラス溶融炉内に念のため直棒というのを設置いたしまして、それで流下を実施いたしました。その結果、温度変化も緩やかにしたことも含めまして、れんが小片による流下性低下の影響については問題ないということを確認いたしました。  最終的には、その結果を踏まえまして事前確認試験に臨んだわけですが、B系、A系の試験を実施いたしまして、8月31日までに、いずれの試験もこの流下という問題は、流下、小片詰まりによって流下不調になるということの問題なく実施、終了いたしました。  そういう意味で、最終的には、本当に克服できるかという話なんですけれども、実証も含めて有効に対策がきいているというふうに判断しております。 86 ◯工藤委員  何でもそうだと思うんですけれども、やることによって、結果、失敗して新たなことを考えていく、人間ってそういう生き物だと思うんです。過去においても、例えば労基法にしても建築基準法にしても、さまざまな経験を踏まえた上でその対策を講じてきたわけです。原子力に関しては、何かあるとすぐ反対、ゼロという話がちょっと出てくるんですけれども、2007年の中越沖地震で対策をとった日本原燃さんは、昨年の3.11以降、新たな緊急安全対策として取り組んでいるというお話を伺っているんですが、その内容と取り組みの進捗、どういうふうになっているのか教えていただけますか。 87 ◯桑原日本原燃株式会社代表取締役副社長  昨年12月に青森県へさまざまな緊急安全対策、これについて御報告したんですけれども、その進捗状況等について答えさせていただきます。  まず、外部電源喪失時の電源確保に関してでございますが、これは、従来1台であった電源車に加えまして、昨年12月、ことし1月に各1台を追加配備しまして、現状、既存のディーゼル発電機5台並びにその電源車3台ということになりまして、これにより、電源の面からは安全性は確保できているものというふうに考えております。  さらに、これに加えまして、電源の信頼性向上の観点からは、東北電力の新たな送電線からの受電設備の新設などについても計画を進めているというところでございます。  それから次に、放射性物質の崩壊熱除去ということへの対策でございますけれども、高レベル廃液貯槽等の冷却水コイル、そこヘの注水に必要な大容量消防ポンプ及びホース等の資機材もことし4月に配備済みでございます。その他、計画段階の安全対策がございますけれども、そういうものについては引き続き着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また、これらのハードの安全対策に加えまして、いざというときに確実に実行できるようにさまざまな訓練に取り組んできております。具体的に言いますと、電源車の電源の接続訓練、あるいは使用済み燃料貯蔵プールヘの注水訓練、そういうものを繰り返し実施してきておりまして、また、これも日勤時間帯だけではなくて、夜間であるとか、あるいは厳冬期、そういう厳しい環境下での訓練、そういうことにも取り組んできております。  さらに、今年度新たに追加配備した、消防ポンプを用いた高レベル廃液貯槽等の冷却水コイルヘの注水訓練も実施しております。  今後もこういう訓練を継続して実施してまいりたいというふうに考えています。 88 ◯工藤委員  日本原燃さんのほうへ最後の質問をしたいと思います。MOX燃料工場の竣工も含めて全ての工程で、今の変更した工程で竣工できるという自信のほどを聞かせていただきたいと思います。 89 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  まず、MOX燃料の工場でございますが、2016年3月竣工と。現在の工程はそういう工程でございます。しかしながら、昨年の震災の影響で工事が約1年中断をいたしました。したがいまして、今後の進捗状況を見ながら、この工程についてはいずれかのタイミングで見直さざるを得ないと、MOXについては。そう考えております。  また、再処理工場の工程でございますが、先ほども御説明したとおり、8月末までに終了いたしました事前確認試験の結果、安定運転に向けた大きな技術的な課題はクリアできたと。この技術的な課題というのは、白金族元素の沈降堆積をいかに抑えるか、そういう課題でございますが、この課題は克服できたと。そして、ガラス固化試験に向けてしっかりとした見通しを得ることができたというふうに考えております。  私どもといたしましては、2013年10月の竣工に向けまして慎重の上にも慎重に、安全第一で着実に取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続きぜひ御理解賜りますようよろしくお願いいたします。 90 ◯工藤委員  それでは最後に、清水委員、横浜委員、そして私、さまざまな質問等やりとりさせていただきました。世の中では再処理工場が稼働するとさらなる汚染が広まるというような噂まで出ているそうであります。そういうわけではないというのは今お話しいただいたと思うんですが、さらに六ケ所村議会やむつ市議会の意見書、決議などもありましたが、横浜委員からの質問にもありました、こうした地元の思いを踏まえ、知事は核燃料サイクル政策への協力について今後どのような姿勢で臨むのかお伺いいたします。 91 ◯三村知事  いわゆる革新的エネルギー・環境戦略においては、今国のほうからいろいろ話がございましたが、原発ゼロの場合の課題について、具体的な解決の道筋が明確でないと受けとめているところでございますけれども、現実的に進められております核燃料サイクル政策に変更はないとの国の方針については、明確に──大臣もそうでしたし、副大臣もそうでしたし、きょうの答弁もそうですが──明確に示されたものと認識するところでございます。  一方、去る9月7日に六ケ所村議会、21日にはむつ市議会においてそれぞれ採択されました意見書については、戦略の決定に際し、地元の自治体が抱いております強い懸念を国に対し訴えたものと自分としては理解するところです。  私としては、9月15日に枝野大臣にも申し上げたわけでございますが、今後、政府においては、立地地域との信頼関係を損なうことのないよう、立地地域の意見等を十分踏まえた責任ある対応をしていただきたい、そう考えているところでございます。県民の安全、安心を守る立場から、引き続き国の対応につきましては厳しく見きわめていきたいと考えているところでございます。 92 ◯工藤委員  原発ゼロ。原発ゼロということは、今現在の火力発電所がフル回転になります。火力発電所をフル回転することによって何が起きているのか。皆さん御存じだと思います。油の値段は上がります。一般市民の生活を直撃しています。さらには、電気代が上がるお話もあります。  私、以前にも一般質問等で話させていただいたんですけれども、今我々が使っている電力、今までは安定供給の基礎電力として原発があった。使用量に応じた変動を、電力、補充調整電力として火力発電所が位置づけされておりました。今は日本全国にある火力発電所がフル回転して、その基幹電力を賄っているということです。しかも、その火力発電所が耐用年数をとっくに過ぎている、そういう話も聞いております。いつ停電になるかわからない、そういう状況で、原発ゼロ。安全を確認して──先ほども申し上げましたが、人間は成長する生き物であります。さまざまなことを経験することによって新たな対策がとれるはずであります。そのことを前向きに取り組むことをお願い申し上げながら私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 93 ◯神山委員長  午さんのため、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時10分といたします。 ○休 憩  午後 0時09分 ○再 開  午後 1時10分 94 ◯丸井副委員長  休憩前に引き続き、委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  菊池憲太郎委員の発言を許可いたします。──菊池委員。 95 ◯菊池委員  民主党会派の菊池憲太郎であります。順次、配付されました説明に基づいて質問させていただきたいと思います。午前中の質問と多少類似する点があるかもしれませんが、御理解と御容赦をお願いしたいというふうに思います。  まず、革新的エネルギー・環境戦略の基本方針について伺いたいと思います。革新的エネルギー・環境戦略資料の1ページ目でございますが、下から3行目の基本方針は、初めに、省エネと再生可能エネルギーなどのグリーンエネルギーの拡大があって、その後に原発依存度を減らし、化石燃料依存度の抑制、地球温暖化防止の抑制を目指すとしております。このプロセスについては、一応この文言では説得力があるというふうに受けとめておりますが、しかし、2ページ目の方針を実現するための3本柱、これについては、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」と「グリーンエネルギー革命の実現」のためにも「エネルギーの安定供給」の確保が極めて重要な課題としております。「エネルギーの安定供給」が3番目となっておりますが、本来は一番上位の目的として掲げた上で、そのためにどのような方策があるかを議論すべきではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。 96 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の戦略は、大きな方向性として、少なくとも過半の国民の方々が原発に依存しない社会の実現を望んでいる、そういった国民的議論の検証結果を踏まえて、今御指摘ございました3つの柱を3本柱として上げているわけでございます。「原発に依存しない社会の一日も早い実現」、2番目に、「グリーンエネルギー革命の実現」、3番目が「エネルギーの安定供給」となっておりますけれども、いずれも極めて重要な課題であると思っておりまして、いずれかが順番の上位といった関係にはないというふうに考えています。  なお、付言させていただきますと、1つ目の柱の「原発に依存しない社会の一日も早い実現」の中には、先ほどから委員会のほうで議論になっております、「その過程において安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用する」といった記載もされているところでございます。 97 ◯菊池委員  わかりました。  次に移ります。8ページ目の(1)節電・省エネルギーの項目において、節電では、2030年までに1,100億キロワット以上の削減、それから省エネでは7,200万キロリットルの削減、また、10ページに示してあるとおり、再生可能エネルギーでは、水力以外で8倍の1,900億キロワットアワーを実現するとあります。総発電電力量を1.1兆キロワットとして、約30%を賄う原発での発電量を節電と再生可能エネルギーで代替するという計算であると思いますが、これは実際に可能なんでありましょうか。そもそも再生可能エネルギーは補完的なエネルギーとしては有効であると思いますけれども、主力電源としての位置づけには素人目からして非常に困難であるというふうに思われます。  そこで、エネルギー安定供給を確保しつつ、2030年代の原発ゼロを実現することについて、現時点ではどの程度確度を持って戦略を取りまとめたのか伺いたいと思います。 98 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の戦略におきましては、「2030年代に原発稼働をゼロとするようにあらゆる政策資源を投入」というふうにしておりまして、これは、グリーンエネルギーの拡大などにつきます政策資源の投入についての目標を定めたものでございます。したがって、今確度という御質問でございましたけれども、これは非常にある意味でチャレンジングなことでございまして、国際社会との関係、あるいは再生可能エネルギー、今御指摘のような問題、そして国際的なエネルギー情勢、安定供給の問題など課題はいろいろございまして、そういう意味では、これらの将来展望というのを正確に見通すということは難しいというふうに思っております。こうした事実をむしろ謙虚に踏まえて策定したのが今回の戦略でございまして、そういった意味で「検証を行い、不断に見直していく」という文言も盛り込まさせていただいたところでございます。 99 ◯菊池委員  実際にこの戦略の文面を読み進めていきますと、非常に曖昧で頼りない文章、文言が列記しております。例えば、使用済み核燃料の問題では、4ページの中段の行で、「今回こそ先送りせずに解決の道を見出していく」とあります。解決の道ではなくて、解決をしなければいけないということなんではないでしょうか。そして、7ページの原発に依存しない社会の道筋の検証では、「常に関連する情報を開示しながら検証を行い、不断に見直していく」とあります。  このように戦略の各項目の文章は、「着手する」、「見出していく」、「見直す」、「議論する」という言葉で締めくくられております。煮詰まっていない印象がある一方、「2030年代」だけが明確にされています。この時間軸を設定した根拠について伺いたいと思います。 100 ◯高原資源エネルギー庁長官  実は選択肢の策定過程においても、昨年10月から議論を重ねてまいりました当省に設置しております総合資源エネルギー調査会での議論などを踏まえまして、ことしの6月29日に選択肢が決定されたわけでございますけれども、そのときは2030年の姿を示しておりました。その後、先ほどちょっと御答弁申し上げましたけれども、その選択肢を基本といたしまして、広く多様な国民の皆様方の議論を展開していただくわけでございますけれども、その検証結果によりますと、大きな方向性として、少なくとも過半の国民の方々は原発に依存しない社会の実現を望んでいると、そういったことが示された一方で、同時に、その実現可能性でございますとか、あるいはそのスピード感ということにつきましてはむしろ意見が分かれているという結果でございました。  このような国民的議論の検証結果も踏まえまして、また、閣僚間での累次にわたる議論を重ねた結果、これは「2030年」ではなく、「2030年代に原発ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」と、そういったグリーンエネルギーの拡大などの政策資源の投入についての目標が「2030年」ではなく、「2030年代」ということで目標を定められたということだと認識をいたしております。
    101 ◯菊池委員  今の御答弁でありますと「2030年」ではなくて「2030年代」という御説明でございました。30年と30年代という中には10年間という期間しかございません。その中でどれだけの技術革新やら信頼を醸し出していくようなことが進めていかれるのか、逆にその辺をちょっと伺いたいと思います。 102 ◯高原資源エネルギー庁長官  2030年ということにつきましては、先ほど申し上げたように、審議会の中でもいろいろ議論がございました。それから、国民の皆様方のそのスピード感についても違いがある、意識の中にも違いがあるということでございました。そういったことから、2030年代でそういうふうなことが可能になるように政策資源を投入していこうという政策資源投入の目標という形でこの戦略に規定させていただいたという経緯でございます。 103 ◯菊池委員  次に進みます。原発ゼロとする上での課題について質問をいたします。  10ページ下段の再生可能エネルギーについて、2010年、1,100億キロワットから、2030年までに3,000億キロワット以上の開発を実現するというふうにあります。戦略では、電力システム改革、グリーン政策大綱の取りまとめなど、期限を区切った節電、省エネの目標、再生可能エネルギーの導入量など、その実現のための具体的な手段を盛り込むとしております。  2030年までのグリーンエネルギー導入イメージが示されて、太陽光で毎年約300万キロワット、風力で毎年約200万キロワットの導入が必要とされています。低廉で安定的な電力供給を確保しつつ、本当にこれが実現できるのか伺いたいと思います。 104 ◯高原資源エネルギー庁長官  いわゆるグリーンエネルギー、再生可能エネルギーといいますけれども、これは、国産エネルギーであったり、あるいは温暖化対策としても、非常にいいエネルギーだと思いますけれども、御指摘のとおり、例えばコストが高いとか、安定性が十分でないといったような、そういう問題点がございまして、その克服というのは決して簡単ではないと私も思います。したがいまして、低コスト化に資する技術開発支援も必要だと思います。また、例えば風力発電の導入を促進するためには送電網の整備に対して着手していくということも必要でございますし、また、送電網の広域的な運用、あるいは発電電力量が上下するということに関しましては、大型蓄電池の導入の促進であるといったような系統の安定化対策といったようなものも必要になると思います。こういった施策を総動員していくということによりましてこの実現に取り組んでいくことが必要だというふうに思っております。 105 ◯菊池委員  今回、この戦略においては、電力システム改革を断行して、分散型ネットワークシステムを確立するとあります。イメージばかりが先行しておりまして、その実現に向けた道筋や課題、実現したことによる利害得失の定量的な検討は行われているのか伺いたいと思います。 106 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  電力システム改革につきましては、本年の7月に電力システム改革の基本方針というのを取りまとめております。これには大きく3つの柱がございまして、需要サイド、小売分野については小売の全面自由化を初めとする対策を進める、それから、御質問いただいた分散型ネットワークシステム等の関係では、供給サイド、発電分野について、または3つ目の送配電部門についての柱でありますが、再生可能エネルギーを含む多様な電源を一層活用するために発電分野の規制を見直すということですとか、卸電力市場を活性化するということですとか、送配電部門の中立化や地域間を結ぶ連系線を整備するということを考えております。  これは、震災のときの反省にかんがみまして、もっと自分たちで電力を選べるようにしたいという消費者の声も非常に強うございます。電力を選べるようにするためには、発電事業者に多様な人が参画していただいていないといけない。そのためには、系統線、発送電、送電網に、中立的に、誰もが公平に接続できるようにしなければいけないと、そういう考え方のもとにこういう方針を既に打ち出しております。  今回の戦略では、この電力システム改革について、電力システム改革戦略というのを本年末を目途に定めるとされたところでございます。もちろんこの電力システム改革をやる上では、系統整備などコストが増加する要因もございます。その一方で、経済的な電源を使う、より安い電源を使うということが進みますと、または競争による効率化ができますとそれだけコストが下がるという効果も期待されます。その意味で、制度の設計次第で、マイナスのほうが大きく出る、もしくは制度をうまく設計するとそのプラスの部分がしっかりと享受できる、そういうことであろうと思います。  いずれにしても、こういういろんな問題点が起こり得るという指摘をいろいろとちょうだいしておりますし、このあたりをしっかりと受けとめて、利害得失のバランスをよく考えながら、分散型電源など多様な供給力を広域的に活用できる電力システムが構築できるように、その際には、改革を実施する順序とかタイミングも含めて慎重な制度設計が必要だと思っております。電気事業者、関係の事業者も含めて、とにかく機能する制度ができないことには国民のためになりませんので、慎重に制度設計を行ってまいりたいと考えております。 107 ◯菊池委員  今回の国民の意見をエネルギー・環境戦略の見直しに反映させるために行った国民的議論での原発比率の問題、いわゆる3つの選択肢でありますけれども、原発ゼロ以外のシナリオについても、再生可能エネルギーは30%程度まで大幅に引き上げるということを想定しているものでございます。原発ゼロとした分は化石燃料の依存度を高めることにつながり、安定供給上及び世界との約束である地球温暖化防止対策上、問題のあるシナリオではないかというふうに考えます。この点についての御見解を伺いたいと思います。 108 ◯高原資源エネルギー庁長官  先ほども菊池委員の御質問にお答えする形で申し上げましたけれども、グリーンエネルギーの大幅な拡大のために、低廉化ですとか、あるいは安定化、安定的な電力供給を確保するということは極めて大変な課題だと思っております。先ほど申し上げたような技術開発ですとか、幾つか大きな課題がございますので、この実現に向けて取り組んでいくということのほかに、今御指摘のいわゆる地球温暖化問題との関係がございます。  地球温暖化対策との関係では、ある一定の前提を置いて計算をいたしますと、国内における2020年時点の温室効果ガスの排出量は、1990年に比べてマイナス5%からマイナス9%という削減幅に現在とどまるわけでございますけれども、我が国としての気候変動条約の究極的な目標の達成に向けて取り組むという姿勢に変わることはない、また変わってはいけないというふうに思っております。  この点につきましては、具体的な取り組みを、革新的エネルギー・環境戦略の内容を踏まえつつ、今後、本年末までに2013年以降の地球温暖化対策の計画ということを策定することにいたしておりまして、その中で検討を進めていきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。 109 ◯菊池委員  続いて、原子力のバックエンドの問題について伺いたいと思います。  今回の戦略の重要な部分であります、原発稼働ゼロを目指しながら、核燃料サイクルは着実に推進するというところに非常に大きな矛盾を感じております。むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設の50年間の一時貯蔵の約束もあり、これも堅持しなければならないと思うところであります。  政府方針では引き続き従来の方針に従って再処理事業に取り組むとのことでありますが、2030年代以降も再処理事業は継続されるとの認識でよろしいか、再度お伺いさせていただきたいと思います。 110 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  2030年代に原発稼働ゼロを可能とするというのは、午前中からも申し上げておりますように、グリーンエネルギー拡大等の政策資源投入についての目標でございまして、まず、これを実現するために全力を挙げるということでございます。2030年代の原発稼働ゼロを決め打ちしたものではございません。  核燃料サイクルについては、これも午前中から申し上げておりますが、従来の政策を変更したものではありません。政府としては、核の不拡散ですとか原子力の平和利用という国際的な責務を果たしながら、関係自治体とのお約束を重く受けとめて再処理事業に取り組まなければならないというふうに考えております。 111 ◯菊池委員  続いて、枝野大臣が知事に対して、核燃料サイクルについて、何らかの変更をしたものではなく、国が責任を持ってプルサーマルを引き続き進めていくと発言したとのことでありますけれども、具体的な進め方及びプルサーマルを進めるに当たっての大間原発の位置づけについて伺いたいと思います。 112 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  プルサーマルも核燃料サイクル政策の一環でございまして、枝野大臣からございましたとおり、これも含めまして何らかの変更をしたものではないというふうに考えてございます。  これまでも、プルサーマルの推進に当たりましては、九州電力玄海原子力発電所3号機、これを皮切りに、既にプルサーマルによる営業運転が開始をされている炉もございますし、さらに複数の原子炉で準備が進められてきたところでございます。引き続き国が責任を持ってプルサーマルを進めてまいりたいというふうに考えてございます。  こうした中、全炉心でのMOX燃料利用で、フルMOXを目指す大間原子力発電所に関しましては、1年間に約1.1トンのプルトニウムを利用する計画でございます。これは通常の原子炉におけるプルサーマル計画の約3倍のプルトニウムの使用量でございまして、そういった意味で、軽水炉によるMOX燃料利用計画の柔軟性を広げるという政策的な位置づけを持つという評価も従来どおりであるというふうに考えているものでございます。 113 ◯菊池委員  2030年代原発ゼロを目指す中、国内の再処理によって分離されるプルトニウム、海外再処理により英仏に保管されているプルトニウムとプルサーマルによる消費のバランスをどのように設定しているのか。また、核不拡散の観点で問題とならないのか伺いたいと思います。 114 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするというのは、あくまでグリーンエネルギー拡大の政策資源投入に関する目標でございまして、まず、これを実現するために全力を挙げるということでございますので、2030年代の原発稼働ゼロを決めたものではないということでございます。  現在、国内に保管中の使用済み燃料、約1万7,000トンございます。今後、各原子炉が運転期間が40年ということで、機械的に計算をすれば、さらに約1万8,000トン余りの使用済み燃料が発生するということでございまして、委員御指摘の英仏に保管されているプルトニウム、約25トンございますけれども、これも含めてMOX燃料に加工されて利用されることとなります。  しかしながら、核燃料の使用量でございます、もしくはそれに伴う使用済み燃料の発生量に関しましては、各原子炉の運転に左右されるものでございまして、現実には原子力規制委員会の安全確認に時間がかかって再稼働がおくれることもあれば、40年運転制限制の具体的適用の検討の中で運転期間が変更される可能性もございまして、正確に見通すことは現時点では困難ではなかろうかというふうに考えてございます。  いずれにしましても、これも繰り返しになって大変恐縮でございますが、核燃料サイクルについては従来の政策を変更したものではございませんので、再処理事業については引き続き取り組むとともに、責任を持ってプルサーマルにも取り組んでまいりたいと思ってございます。  その際には、今後とも国際機関や諸外国と緊密に連携しまして、国が責任を持って核不拡散と原子力の平和利用という責任を果たしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 115 ◯菊池委員  この戦略においては、青森県を地層処分相当の放射性廃棄物の最終処分地にしないという約束は厳守するとし、5ページの下から2行目の部分、「最終処分場の確保に向けた取組など、結論を見出していく作業に直ちに着手する」とあります。既に10年間取り組んだにもかかわらず進まなかった現実がある中、その理由をどのように考えて、今後はどのように改善するのか伺いたいと思います。 116 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  最終処分場の確保に関しましては、平成12年に特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が制定されて以降、国、それから原子力発電環境整備機構などが広報活動や情報提供を進めてきてございます。これまで、平成19年に高知県東洋町における文献調査の応募など、その他複数地点において関心を有する地域の報道がなされてございますが、これは委員御質問のとおり、文献調査の実施にまでは残念ながら至っていないというのが現状でございます。  こうした経緯に関しましては、やはり最終処分場の必要性や安全性につきまして十分に国民的理解を得るには至らなかったということが大きな要因ではなかろうかというふうに認識してございます。  したがいまして、こうした結果を真摯に受けとめまして、国民全体でこの問題に向かい合うところから検討を始めるということが必要でございまして、今後の取り組みの抜本的な見直しに向けて、国の一層の関与のあり方も含めて、戦略に記載がございますように、しっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 117 ◯菊池委員  私から最後の質問になりますけれども、原子力損害賠償制度について伺いたいと思います。  原子力損害賠償制度について、今後、制度のあり方について必要な検討を進めるとしていますが、現行制度に対する認識及び必要な検討は何であるか、伺いたいと思います。 118 ◯高原資源エネルギー庁長官  現行の原子力賠償制度でございますけれども、これは原子力の損害の賠償に関する法律というのがございます。ただ、この損害賠償における国の責任のあり方、あるいは紛争を迅速に解決するための組織整備などがあります。こういったものについて、これだけではございませんけれども、さまざまな御指摘がございます。  昨年8月に施行されました原子力損害賠償支援機構法の附則におきましても、この法律の施行後できるだけ早くこの原賠法の改正などの抜本的な見直しを初めとする必要な措置を講ずることという規定が実はその附則の中にございます。  見直しに当たりましては、今般の事故に係る原因などの検証、あるいは損害賠償の実施の状況、それから経済金融情勢などを踏まえながら見直しを行っていくことが必要でございますけれども、その中で、東京電力における被害者救済の状況でございますとか、あるいは廃炉作業、電力の安定供給など、こういった問題を十分見ながら、支障の生じないようなことも重要だというふうに考えています。  現在でございますけれども、文部科学省を中心に関係各省におきまして、廃炉あるいは賠償などの進捗状況の継続的な把握に努めるとともに、今申し上げましたけれども、現行制度の問題点の把握ですとか課題整理などといった作業を現在行っているところでございます。 119 ◯菊池委員  まとめといたしますと、午前中からの質疑において、少なくともサイクル政策は堅持して、2030年に原発をゼロということについてはしっかりと否定をされたわけでございます。産業界、立地自治体にとっては、まずは胸をなでおろすような結果になったのではないかというふうに思っております。しかし、安全性の問題についてはまだまだ高いハードルが残されておりまして、国民の深い理解を得るまでには、高い技術の確立と十分な説明が必要と考えられます。事業者、そして政府一体となった不断の安全技術、安全対策の追求と十分な説明を求めまして終わりたいと思います。 120 ◯丸井副委員長  渋谷哲一委員の発言を許可いたします。──渋谷委員。 121 ◯渋谷委員  民主党会派の渋谷でございます。それでは、私のほうから、まず革新的エネルギー・環境戦略についての質問をさせていただきます。午前中の質疑で、政府としては再稼働は決定済みだという趣旨のお話でございました。それでは、今後、原発の再稼働について、どのような手順でその許可がされるのか。現在想定される手順をお知らせください。 122 ◯高原資源エネルギー庁長官  午前中の審議でも御答弁申し上げたとおり、また、今の御指摘のとおり、今回の戦略によりまして、安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用するということが決定をされているわけでございます。  政府といたしましては、これまでも、原子力の重要性にかんがみまして、電源立地地域対策交付金の拡充ですとか、地元の皆様方への公聴会、あるいは国民の方々ヘの広報活動の実施といった形で、原子力利用の推進というのを図ってきたわけでございます。  今回、こういう決定をされましたので、原子力規制委員会が成立しているところで、ここでの安全確認が行われることが大前提でございますけれども、経済産業省としては、先ほど申し上げた、今までのこうした取り組みを維持して、この重要電源としての原子力の再稼働についてまた推進していきたいというふうに考えている次第でございます。 123 ◯渋谷委員  それでは、聞き方を変えますけれども、原子力規制委員会が安全であるということを認めた場合、自動的に再稼働ということになるんですか。 124 ◯高原資源エネルギー庁長官  まず、原子力規制委員会に安全性の確認という作業がございます。例えば地元への御説明、これは今までどおりまず事業者の方々が行うことになっているわけでございますけれども、政府といたしましても、先般決定した戦略の方針に基づきまして、必要であれば立地自治体などの皆様方に御説明を行っていくということで、以前と同じように推進の立場から手続を進めていきたいというふうに考えております。 125 ◯渋谷委員  わかりました。原子力規制委員会が安全性を確認した場合、事業者が地元に同意を得て、その上で必要であれば政府が説明をして、同意を得て再稼働と、こういう手順になるということでよろしいですか。 126 ◯高原資源エネルギー庁長官
     地元への御説明につきましては事業者の方々がまず行うということだというふうに認識をいたしておりますけれども、政府としても、今までと同じようにさまざまな形でいろいろな支援と申しますか、対応をとっていきたい、積極的に対応をとっていきたいというふうに考えております。 127 ◯渋谷委員  それではもう一つ、先ほどの午前中の答弁で、設置許可や許認可を行っているものは取り消さない、これはイコール新設ではないんだという話でございました。では具体的に、本県には東北電力2号機、東京電力1号機、2号機があるわけですけれども、これらは全て新設には当たらないと、そういう認識でよろしいですか。 128 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  枝野大臣のほうから説明させていただきましたのは、いわゆる既に原子炉設置許可もしく工事計画認可の許認可手続が終わっているものに関しまして、これを途中で変える制度はなく、その制度を変えるつもりはないということでございます。これを現実に当てはめますと、東京電力の東通1号機に関しましては、原子炉設置許可が既におりてございまして、そういった意味で、この建設中の原発と同じような扱いになるということかと思ってございます。  一方で、それ以外の計画中の原子力発電所に関しましては、原発の新設、増設を行わないという原則の具体的な適用については、今後検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 129 ◯渋谷委員  それでは、次に、知事のほうにお伺いいたします。  知事は、枝野大臣の説明を受け、「原発ゼロの場合のさまざまな課題についての解決の道筋は明確に示されていないと受けとめた」との議会報告がありました。知事がさまざまな課題と考えた点について、具体的にお伺いします。 130 ◯三村知事  私は、今回のこの戦略におきまして、原発ゼロの場合、国民生活や産業経済への影響をどうするのか、次の世代にエネルギーの安定供給を約束できるのかということ等に対して、いわゆる電源確保の見通しが具体的に示されていないというふうに受けとめていたわけでございます。  また、原発ゼロを目指す中において、核燃料サイクルの見通しやプルトニウム利用の促進、さらには原発再稼働について立地地域の理解は得られるのかなどの点についても国は明確に方針を示すべきであるというふうに考えていたわけでございますが、午前中に、2030年代に原発ゼロとすると決めたものじゃないというお話もあり、また、総理が、見通せない将来について余り確定的なことを決めてしまうのはむしろ無責任だよと発言されているということで、そういうわけで、その、何と申しましょうか、混乱するなという思いはございます。 131 ◯神山委員長  渋谷委員に申し上げます。持ち時間が少なくなっておりますので、まとめて質問してください。──渋谷委員。 132 ◯渋谷委員  まず、よくこの原発ゼロと核燃再処理事業、これは矛盾と言われておりますが、しかし、きょうの説明会では、30年代にゼロにするわけではなくて、そこから検討というんでしょうか、考える、そういう意味では、全く矛盾はしていないと私も思います。我々もよりよい社会を目指すためにいろんな可能性を秘めてこれから目標に向かっていかなくてはならない、もちろん再生可能エネルギーで100%導入できるんであれば、これにこしたことはないわけです。しかし、現実問題はそういかない。やはり将来に向けてさまざまな余地を残していくということは非常に大事なことじゃないかと思っております。  それで、知事にもう一つ、14道県で今回のさまざま、核燃サイクルを含めた原子力政策、中央に、大臣等に要請活動をするとき、必ずしも14道県の知事の意見が一致しなかったという報道がありました。具体的にはどういった意見が出たんでしょうか。 133 ◯八戸エネルギー総合対策局長  原子力発電関係団体、14道県の協議会がございます。これは定例で春秋要望活動を行っております。先般、今回の戦略の決定に当たって14道県で意見をまとめて要請しようという活動を検討していたところ、必ずしも青森県が提案した内容に同意できないということがございまして──この協議会の要請活動というのはそもそも各都道府県の総意でこれまで要請してきております。その同意できなかった点があるということで今回の要請を断念したという経緯がございます。 134 ◯渋谷委員  具体的にはどういう意見があったんですか。 135 ◯八戸エネルギー総合対策局長  基本的には、原発再稼働ありきととられるような部分につきまして、ある県からは同意できないというふうな御意見がございました。 136 ◯渋谷委員  やはり福島原発事故以来環境は大きく変わっていると。それを踏まえて今後ともこのエネルギー政策を決めていかなくてはいけないと思います。  最後に、再処理工場の竣工についてでございます。現在800トンのウランを年間再処理した計画がなされておりますけれども、これが万が一今言われていますように直接処分になった場合、仮に200トンの処理、400トン、600トンを再処理した場合、それぞれの経費の経理上の収支はどのように想定しているのかお伺いします。 137 ◯神山委員長  酒井日本原燃株式会社常務取締役・経営企画室長。簡明に願います。 138 ◯酒井日本原燃株式会社常務取締役・経営企画室長  800トン再処理した場合、それから200トン、400トン、600トンを再処理した場合におきましても、電力会社と当社との再処理契約におきましては、使用済み燃料の再処理に必要な経費、すなわち減価償却費、設備維持費、人件費、消耗品等につきまして必要な費用に見合った料金を支払っていただくということになっておりますので、当社の収支に影響を与えるものとは考えておりません。 139 ◯丸井副委員長  川村悟委員の発言を許可いたします。──川村委員。 140 ◯川村委員  青和会の川村と申します。通告に従って質疑をさせていただきます。  先月青森県議会総合エネルギー研究会の一員としてスペイン、フランスの再生可能エネルギーの導入状況を主体とした視察に参加させていただきました。我が国のエネルギー政策とも関連してまいりますので、簡単に紹介をさせていただきます。  スペインのエネルギー事情は、我が国と非常によく似ています。石油と天然ガスの99%以上を輸入に頼っていること、外国からの電力輸入がほとんどできないことなどです。したがって、エネルギーの海外依存度を下げるために再生可能エネルギーの導入に踏み切ったということです。その結果、現在、火力が42%、原子力が21%、風力・太陽光が20%の電源構成になっており、風力・太陽光が著しく多くなったということです。  スペインでは2008年に太陽光発電で高額の買い取り制度を導入した結果、当初の目標だった371メガワットを大幅に上回り、2,700メガワット、7倍以上にふえ、その結果2兆円の赤字が生じたという失敗例も学んでまいりました。したがって、再生可能エネルギーの新設は今制限を加えているという状況にあります。当初は脱原発の意味合いもあった再生可能エネルギーの導入ですが、原発はベース電源として欠かすことのできない電源であると今位置づけられております。  一方、フランスですが、御承知のように75%が原子力という原発大国で、電気の輸入・輸出国でもあります。昨年、大統領の交代で原子力の比率が50%に縮小されるのではないかという報道がありました。そのようなことからフランスにおいても再生可能エネルギーの取り組みが進められておりますが、原発50%は緑の党との関係で出てきた数値であり、原発比率は今後も変わらないと断言しておられました。  驚いたのは、福島原発事故を詳細に分析しており、福島原発事故の教訓を新たな安全対策に取り込もうとしていること、また、フランスのみならずEU加盟の原発所有14カ国の安全対策にも生かされようとしている点、福島の事故の教訓が外国の原発の安全対策に即生かされようとしている点については複雑な思いがあります。私は、この教訓がまず我が国の原発の再稼働に生かされなければならないのではないかと率直に感じてまいりました。  今回の視察は再生可能エネルギーを中心とした視察で、再生可能エネルギーの可能性や限界も学んでまいりましたが、同時に、我が国のエネルギー政策のベース電源として原子力は必要不可欠なエネルギーであるという点も改めて痛感してまいりました。以上の観点から質疑をさせていただきます。  最初に、戦略という言葉は一般的に軍事用語から来ていると言われております。部隊が戦場へ到達するまでの計画のこと、戦場に部隊を送り込んだ後の段階を戦術と呼んでいるようであります。そうしますと、革新的エネルギー・環境戦略にはスタートとゴールはあるけれども、ゴールに至る計画が何も示されていないということになり、これは戦略とは言えないと思います。30年代、原発はゼロとするが、安全が確認された原子力発電所は活用していく、あるいは核燃料サイクルの政策は推進する、全く矛盾しています。  それでは、革新的エネルギー・環境戦略について伺います。革新的エネルギー・環境戦略という重要政策が閣議決定されなかった問題について、戦略の閣議決定を見送った理由についてお伺いいたします。 141 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の革新的エネルギー・環境戦略は、国家戦略担当大臣を議長として、経産大臣と環境大臣を副議長とする関係閣僚から成る──エネ・環会議と言っておりますけれども──エネルギー・環境会議で決定されたものでございますが、これは、昨年来、このいわゆるエネルギー・環境会議において策定することを目指してずっと検討を行ってきたものでございます。したがいまして、あえて申し上げますけれども、戦略自身の閣議決定がそもそも予定されていたものではございませんで、見送ったというような事実はございません。  今回のエネルギー・環境会議におきまして決定されたこの戦略でございますけれども、今後、グリーン政策大綱ですとか、あるいは地球温暖化対策の計画等々幾つかの計画でさらに実施していくことになっていくと思います。閣議決定のほうでは、この戦略を踏まえて今後のエネルギー・環境政策を遂行する、そういう旨を決定いたしまして、実際の政策の決定プロセスというのを見据えて行われたのが今回の閣議決定だというふうに御理解を賜ればと思っております。 142 ◯川村委員  私は素人でありますけれども、重要な政策というのは閣議決定が必要なんではないかというふうに理解をいたしております。そういう点では今の答弁はなかなか納得できないわけですけれども。閣議決定とは、政府の意思決定機関である閣議において全部の大臣の合意のもとに決定される政府全体の合意事項であるとされています。  先日内閣改造が行われまして、大臣が相当数交代いたしました。既に一部大臣から政府のエネルギー政策は矛盾しているという批判の声も出ています。これは内閣不一致で、国会が召集されればまたもや混乱の種になるのは目に見えております。このような重要な政策、戦略であれば当然全大臣の合意が必要でありますし、閣議決定により初めて国民に対し政府が協力を求めることができるのではないかと私は思っております。  内閣改造により大臣が相当数交代している。改めてこのことを閣議決定すべきではないかと。政治の問題ですけれども、お答えいただけますでしょうか。 143 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の閣議決定は、今後のエネルギーの環境政策については、今回の戦略を踏まえて関係自治体、国際社会との責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行するということで、これをこの、基づいて遂行していく、この踏まえて遂行していくということについて閣議決定をさせていただいたものだと理解をいたしております。 144 ◯川村委員  ちょっと理解はできませんけれども、先ほどの発言を意見として申し上げておきたいと思います。  次に、戦略決定に当たって立地地域の意見を聞く機会を設けなかったなど決定段階に問題があったのではないかと考えますが、見解を伺います。  また、国家戦略会議で報告としたのはなぜか、この点についてもお答えをいただきたいと思います。 145 ◯高原資源エネルギー庁長官  まず、第1の件でございますけれども、国民的な議論を──6月末だったと思いますけれども、選択肢を決定した後に全国各地で実施をさせていただきました。各ブロックごとに、あるいは広くパブコメの形で告知をさせていただきますとか、御意見を募集させていただきますとか、あるいは討論型の世論調査という新しい取り組みなども実施いたしまして広く御意見を賜ったつもりでございます。決して立地地域の方々の御意見を軽視したというようなことはございませんし、今回の戦略の中にも、立地地域の方々と──ちょっと正確な表現は私今手元に持っておりませんでしたけれども──勘案しつつ進めていくという文言が入っているところでございます。  それから、いわゆる国家戦略会議の場でもこの戦略については、古川戦略担当大臣のほうから御説明申し上げまして、その戦略会議の場での御意見というのを賜ったということでございます。 146 ◯川村委員  午前中の委員の質疑にもありましたけれども、立地地域の関係者、議員さんの発言にあったわけですけれども、やはり立地地域の声というものを十分これからも酌んでいただくということが大事ではないかと。計画にこの意見が反映されなかったということが今回のような事態を招いているのではないかと思いますので、この点については御意見として申し上げておきたいと思います。  次に、閣議では戦略を踏まえてというふうにありますけれども、具体的にどのような計画などにどのように反映させていくのか伺います。 147 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  今回の戦略におきましては、例えば新たな原子力政策をエネルギー・環境会議の場を中心として確立するという記述でございますとか、グリーンエネルギー革命の実現に向けた工程を具現化したグリーン政策大綱を本年末を目途に策定するということですとか、先ほどありました電力システム改革戦略を今年末を目途に策定することですとか、本年末までに2013年以降の地球温暖化対策の計画を策定するということが記述されているところであります。  今回の戦略はそういう意味ではいわば大きな方向性を示したものでございまして、具体的な戦術に当たるものにつきましては、今申し上げましたような具体的な計画等を定めることによって明らかにしてまいりたいと思っております。 148 ◯川村委員  既に総合資源エネルギー調査会基本問題委員会では、委員長が原発ゼロに反対を主張しております。これからエネルギー基本計画に戦略をどの程度反映できると考えているのかお伺いいたします。 149 ◯高原資源エネルギー庁長官  先般、戦略の決定後、たしか週が明けてすぐだったと思いますけれども、総合エネルギー調査会を開催いたしまして委員の皆様方の御意見を伺ったこと、そしてまたさらに新日鉄の会長でいらっしゃる三村会長──同委員会の委員長でございますけれども──から非常に厳しい御発言があったことは事実でございます。幾つかのいろんなことについて説明をせよということで、たしか40年運転制限制の解釈でございましたか、そういったことにも御質問が及びました。いずれにいたしましても、そういう意見がございましたので、お答え申し上げましたけれども、現在どういった形で基本計画を策定するかということについて今検討をしているところでございます。 150 ◯川村委員  基本問題委員会のいろいろな提言というものをひとつ重く受けとめていただいて、今後計画に生かしていただきたいと思います。  次に、枝野経済産業大臣の説明について伺います。9月15日、枝野経済産業大臣が本県においでになり、安全性の確認された原子力発電所は活用していくと説明されております。再稼働について判断するとされる原子力規制委員会が安全性以外のしんしゃくはしないとしております。そうしますとこのまま再稼働時期が延びていくことが予想されます。この点についての見解を伺います。 151 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  今回の戦略では、安全性が確認された原発はこれを重要電源として活用するということを決定し、政府としてそのように判断したところでございます。したがって、原子力規制委員会が独立した立場から安全性を確認した原発については再稼働して、重要な電源として活用することとなるというふうに考えております。  その際、電気事業者、まず事業者がこれまでどおり地元に説明を行うということになりますが、政府としても、重要な電源として活用するという政府の考え方など、このエネルギー・環境戦略で決定いたしました方針などについて、必要がありますれば、立地の御地元など関係者の皆様に説明をし、例えば需給の面、それから経済性の面、コストの面、そういうことでどういう意義があるのかということを十分に御説明するよう努力してまいりたいと思います。
    152 ◯川村委員  規制委員会が経済産業省から独立をいたしまして──きょうの質疑の対象外ということになりますので、新たな安全基準、あるいは再稼働に向かう手続などについては別な機会に伺うことにしたいと思います。  次に、青森県を最終処分地にしないとの約束は厳守するとしております。当然のことであります。しかし、県民は、最終処分地が決まらなければ結局青森県が最終処分地になるのではないかとの不信をぬぐえずにいます。青森県との約束を守るということは、言いかえれば国が最終処分地の選定に早急に取り組み、決定をするということにほかなりません。  そこで、最終処分地の問題に国が前面に立って取り組むとの説明がありましたが、現状を打開するような具体的な方策があるのかお伺いいたします。 153 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  委員御指摘のとおり、最終処分地の問題に関しまして、従来からもいろんな取り組みをしてきているところでございます。最終処分地に関しましては、既に廃棄物が発生していることもございまして、将来世代に負担をかけないためにもこれをすぐ取り組んでいくということが必要不可欠であるというふうに考えてございますけれども、同時に非常に難しい課題であるというふうにも考えてございます。諸外国のほうにおきましても、この処分地に関しましては、さまざまな困難に面しながら、何度も話し合い等を行って少しずつ進めてきているというのが実態かと思います。  現在、我々の課題としましては、その必要性、安全性について十分に国民的理解を得るには至っていないということが大きな要因だと考えてございますので、これを真摯に受けとめまして、まずこの問題に向かい合うというところから検討を始めることが必要だと思ってございまして、今後、抜本的な見直しに向けて、国の一層の関与のあり方も含めてしっかりと検討してまいりたいというふうに考えてございます。 154 ◯川村委員  最終処分をめぐるさまざまな報道があります。9月11日の報道には、日本学術会議が原子力委員会に対し、地層処分は危険性があるので暫定保存を導入すべきと提言しております。一方、9月15日の報道では、地質環境の長期安定性研究委員会の高橋日大教授が、北海道、東北にある3地域が地層処分の適地とし、日本学術会議が提言している暫定処分は問題の先送りであり、危険性が高いと疑問を呈しております。専門家の間でも見解が分かれているようでありますが、我々素人は何を信じればよいのでしょうか。  そこで、日本学術会議が提言した暫定保管に対する実現可能性について見解を伺います。また、戦略では、関連自治体や電力消費地域と協議する場を設置するとありますが、その構成や、できれば検討内容についての考え方についてもお伺いいたします。 155 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  御質問のありました日本学術会議の回答でございます。これは、2010年6月、つまり震災の前に、原子力委員会から学術会議宛てに、高レベル放射性廃棄物の処分に関する取り組みについてという審議依頼を行ったものに対する回答が震災の後に返ってきたというものでございます。その中では、先ほどもありましたように、いろいろとこの最終処分について、国内外にその反対の意見があるというようなことを述べられております。他方で、この完全に最終処分をできるということは、現在の日本の法制が2000年にできたわけでありますけれども、それをつくるに当たって、技術的に成立をすると。安全に最終処分をすることが技術的に可能であるということを確認して始めた経緯がございます。原子力委員会もそこを確認し、IAEAなどの国際機関もそこで──ピアレビューといいますが──確認をしていただいて、この評価は妥当であると。日本の中にも安全に最終処分できる場所はあり得るということで確認して、その上で2000年に国会で法律を通していただいて現在の最終処分地を探す作業を進めてきているわけでございます。  そういう意味で、この前提が揺らぐのかどうかというような、そういう指摘は非常に大きな御指摘だと思っておりまして、恐らくはこれを受けた原子力委員会がまず一義的にはこの学術会議の内容について議論をされるんだということであります、というふうに考えておりますけれども、いずれにしても、技術的成立性、安全に処分ができるのかどうかということは全ての今の日本の制度の根幹でございますので、そのあたりはしっかりと議論し、速やかに結論を出していかなければならないというふうに思います。  それから、さらに御質問いただきました暫定保管という考え方、これは、日本学術会議の提言、回答の中では、いわゆる中間貯蔵とは異なるというふうに定義がされております。中間貯蔵は、あらかじめ貯蔵が終わった後の処理処分の方法を定めた上で30年から50年間安全に貯蔵管理することをいうと。それに対して暫定保管というのは保管をした後どうするかということを定めないで置いておくというものでありまして、それが学術会議から提言をされているということであります。心は、そういう暫定保管をやることで、その間にいろいろと技術的な知見も高まるであろうし、国内のその理解も深まるであろうから、そういうモラトリアム、猶予期間をつくることができるのではないかという御提言と理解しております。  ただ、他方で、保管をした後一体どうするのか、貯蔵をした後の処理処分の方法を定めないでそれを置かせていただく、暫定保管を受け入れていただくということが本当に御理解いただけるのかどうか、そのあたりをよく国内で議論していかなければいけないということでありまして、これは日本学術会議という非常に権威のある団体から出された回答でありますので、これをしっかりと受けとめて、本当にこの考え方がいいのかどうか、そのあたりは政府の中でもこれからしっかりと議論していくことになろうかと思います。  それから、消費自治体も含めた協議の場ということでございますが、これについては、具体的な進め方、構成も含めて実はこれから関係の皆様のいろいろ御意見を伺い、御相談をしながら具体的に立ち上げていこうということでありまして、今の段階で具体的にまだ申し上げられるほど固まっているものではございません。 156 ◯川村委員  最終処分の問題はこれまでの国の方針というのが根本的に覆る可能性もあると思うんです。そういう意味では、専門家、科学者の議論ということになるんでしょうけれども、一貫性のある方向性、方向というのを示していただきたいと。そういうことでお願いしたいと思います。  次に、原発ゼロとした場合の課題について伺います。戦略における再生可能エネルギーの導入目標の達成に向けた具体的な施策と財政投資問題についてお伺いいたします。 157 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回の戦略に盛り込まれた、水力を除いた再生可能エネルギーの発電量を2030年までに現在の約8倍、数字で言いますと250億キロワットアワーから1,900億キロワットアワーに拡大するという目標の実現に向けまして、例えばこの7月から導入をされております固定価格の買い取り制度に加えまして、例えば風力等々の立地の規制の見直しですとか、さらには研究開発支援等々、政策を総動員していくというふうに考えておりますけれども、例えば25年度の概算要求を例にとって申し上げますと、例えば送電網だとか蓄電池といった再生可能エネルギー導入の拡大に向けた電力系統の強化のための予算が430億円の概算要求、それから、固定価格買取制度ではカバーされない例えば熱の利用でございますとか自家消費型の再生可能エネルギーの導入促進に335億円でございますとか等々、そういうもの全体を加えますと総額で1,700億円弱の要求を現在行っているところでございます。予算面からも再生可能エネルギーの普及に全力をかけていきたいというふうに思っております。  さらに、グリーンエネルギー革命の実現に向けた工程を具現化したグリーン政策大綱を本年末を目途に策定していくということでございます。 158 ◯川村委員  2030年代、原発にかわるエネルギーとして再生可能エネルギーで50兆円の財政投資をするという数値もこれまで出てきております。年々厳しさを増す我が国の財政状況では負担が実質的に無理なのではないかという見方も出てまいります。この点についての見解をお伺いいたします。 159 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  再生可能エネルギー導入に向けてあらゆる政策資源を投入するということを今回の戦略で決めたわけであります。他方で、この戦略については国民負担、国内の経済への影響等にかんがみて不断に見直しをしていくということを決めたわけでありまして、財政への影響等についても、もちろん再生可能エネルギーを普及させることで生まれる経済効果というのもございます。それによって生まれる増収というのもございましょう。そういうことを考えながら、適正な水準というのがどういうことなのかというあたりを不断に見直しながら、その中で最大限可能な限り再生可能エネルギーの普及に向けてアクセルをふかしていく、政策資源を投入していくというふうに考えてございます。 160 ◯川村委員  2030年における光熱費の試算と国民経済、国民生活に与える影響について見解を伺います。 161 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  光熱費につきましては、ことしの6月にエネルギー・環境会議で3つの選択肢をお示ししたときに試算をいたしております。具体的には、光熱費が2010年実績で月に1万6,900円でございますが、これが、2030年において幾らになるかという試算をしております。3つのシナリオそれぞれにつきまして、これは原子力の比率が20から25%のシナリオでは、1万6,900円の光熱費に対して増加分が2,100円から1万1,900円程度、15%のシナリオでは4,200円から1万2,400円程度、ゼロシナリオでは、5,100円から1万5,300円程度上昇すると。これは幅がございますが、それぞれどういう仮定を置くか、モデルによって試算が違ってまいります。ただ、一番高いケースでいきますと、1万6,900円の光熱費がさらに1万5,300円上がるという試算が出ておりまして、そういう試算をやったものでございます。  今回定めました革新的エネルギー・環境戦略では、これら3つの選択肢のどれか1つを特定してお示ししたものではありませんけれども、今後、政策を推進するに当たりまして、国民生活、経済活動に与える影響について、常に関連する情報を開示しながら検証を行い、国民の皆様にお示ししながら不断に検証し見直しをしていきたいというふうに考えております。 162 ◯川村委員  これは光熱費の部分で具体的な数値が示されているわけですけれども、例えば光熱費が上昇すると全ての物価を押し上げることにもなるわけです。そういった時点で果たして企業活動が成り立つのか、国民経済あるいは国民生活が大丈夫なのか、いろんな要素が絡んでおりますので、私は、光熱費のみにとどまらず、国民の生活を含めた全体の試算をする必要があるんではないかということを要望として申し上げておきたいと思います。  原発に依存しない社会の実現に向けて、人材や技術の維持・強化策を本年末までに策定するとありますが、現時点における維持・強化策についての考え方と策定のプロセスについてお伺いいたします。 163 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  原子力の安全確保は至上命題でございまして、高度な技術と高い安全意識を持った人材がそれを現実に支えていくということが極めて重要であると考えてございます。  特に、今後、原子力の平和的利用や廃炉、それから使用済み燃料の処理技術の向上、放射線影響に関する実証実験や新興国におきます原発の安全管理や廃炉に向けた技術支援といったようなもののためには、原子力に関する人材育成や技術の開発は欠かすことができないものだというふうに考えてございます。  米国におきましては、1979年のスリーマイルアイランドの事故以降、引き続き多数の原子力発電所が運転を継続したものの、新たな原子力発電所の建設が長期にわたり行われなかったことから技術や人材が失われ、現在、非常に苦労しているという、そういう事情、状況だということも承知しているところでございます。  したがいまして、我々としても、今後、こういった技術、人材の維持に関しましては非常に危機意識を持ってございます。これまでも、原子力の現場人材育成でございますとか原子力の高度人材育成の支援に取り組んできたところでございまして、八戸工業大学のほうにおかれましても、原子力立地地域の特色を生かした原子力施設の安全性確保や原子力防災に係る人材育成プログラムなどを取り組んできていただいているところでございますが、そういった取り組みを今後とも継続していくことが重要であろう、もしくは拡大していくことが重要であるというふうに認識してございます。  人材や技術の維持・強化策の考え方と策定プロセスにつきましては、現在、政府内で検討しているところでございまして、具体的な対応策が今固まっている状況ではございませんが、いずれにしましても、関係者の皆様の御意見も踏まえまして、今後とも原子力人材の技術の維持強化のための取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。 164 ◯神山委員長  川村委員に申し上げます。持ち時間が少なくなっておりますので、まとめてください。 165 ◯川村委員  私の友人に中学校の理科の教師がいます。昨年の暮れ、ある会合で一緒になりましたが、先生いわく、「福島の原発事故は大変な事故で、二度と起こしてはならない。しかし、事故があったからということで原発をやめてしまうのは困る。私たちは授業などで科学技術や原子力の平和利用について信念を持って子供たちに教えてきたからである」と言われました。私も全く同感であります。国民世論は、現在、総じて脱原発にありますが、私たちは、我が国の経済、国民の雇用、生活を守る義務と責務があります。福島原発事故を最大の教訓としてこれからの原発の安全運転に生かしていくべきであるということでご意見を申し上げておきたいと思います。  なお、日本原燃さんについては幾つか質問を準備しておりましたけれども、けさの新聞に使用済み燃料の貯蔵の問題、あるいは竣工後の再処理計画など全て掲載されておりましたので割愛させていただきます。また、天井れんがの剥離落下事故の再発防止対策についても、さきの委員の方の質疑の中で議論がありましたので、わかりました。日本原燃に対しては、不退転の決意が何度もあっては困るのでありますけれども、2013年10月竣工に向けて、最後の力を振り絞って、再度不退転の決意で頑張っていただきたいと申し上げておきます。 166 ◯丸井副委員長  畠山敬一委員の発言を許可いたします。──畠山委員。 167 ◯畠山委員  公明・健政会の畠山敬一です。よろしくお願いします。朝、清水委員が立っていたころはカメラもたくさん並んでいて、今は横を向いているのもありますし、記者の皆さんも前のめりで、お疲れのようでありますけれども、頑張ってやっていきたいと思います。  本日の質疑内容については、長官に伺いますけれども、政府のどなたにどのような形で報告されるのかされないのか、ちょっとその辺をまず。 168 ◯高原資源エネルギー庁長官  まず、先ほども、さっきの昼の休憩の時間に打ち合わせをしておりましたんですけれども、この委員会終了後直ちに当省の大臣ほか政務三役のほうにこの旨を報告するという準備をしろということを指示いたしておったところでございますし、私からも直接話をさせていただこうと思っております。 169 ◯畠山委員  じゃ、よろしくお願いします。それから、参考のためですけれども、高原長官は出身はどこの都道府県ですか。 170 ◯高原資源エネルギー庁長官  東京都でございます。 171 ◯畠山委員  川井社長はどちらでしょう。 172 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  私自身千葉県の出身で、現在は六ケ所の住民でございます。 173 ◯畠山委員  ありがとうございました。  それでは、初めに、革新的エネルギー・環境戦略の決定の過程について伺います。去る6月29日に3つのシナリオを提示後、9月14日の戦略決定までの間どのようなプロセスを経たのか伺います。 174 ◯高原資源エネルギー庁長官  3つのシナリオをもとにいたしまして国民の皆様方の御意見を伺うというプロセスが7月から8月にございました。情報提供のデータベースの整備もございましたけれども、先ほど申し上げた意見聴取会でございますとか、あるいはパブリックコメント、そしてあと討論型の世論調査というものを行わせていただきました。あわせて自治体や民間団体の主催の説明会にも御協力申し上げたと。そして、マスメディアなどによる世論調査の結果なども再度分析をさせていただきまして、総合的な形で国民の意向を把握しようと努力したわけでございます。  この国民的な議論の結果を踏まえた検証を行うという目的で、先ほどから議論になっていますエネ・環会議という閣僚会議のもとに国民的議論に関する検証会合というものを設けさせていただきました。そういった、いわゆる世論調査とか分析ですとか、そういうことに関する専門家の学識経験者の方に入っていただいて、その検証結果を踏まえまして、関係閣僚間あるいは閣僚全体での勉強会なども開催しながら議論を重ねまして9月14日の決定に至る、そういう経緯でございます。 175 ◯畠山委員  国民的議論ということで、国家の根幹にかかわる、そういうエネルギーの問題ですね、やったわけですけれども、それにしては期間が2カ月弱というか、短いんではないかと思いますけれども、どうですか。 176 ◯高原資源エネルギー庁長官  確かに拙速であるという御批判はおありになると思います。昨年3月の東日本大震災を経まして、エネルギー政策の見直しという観点で、先ほどの選択肢の原案をつくるということで、昨年10月に設置されました総合資源エネルギー調査会でございますけれども、ここでも、ネット中継もする形で1年近く、直近で多分たしか32回まででございますけれども、議論を進めさせていただきました。  これらを踏まえまして、先ほど報告だけで申し上げましたけれども、例えば意見聴取会は全国11カ所でさせていただきました。1,300人の方々が御参加をされております。それから、パブリックコメントは、8万9,000件のコメントをいただきました。それから、討論型世論調査も、約6,800人ぐらいの方々がこの調査に御協力された上で、286名の方が東京にお集まりいただいて、2日間にわたるような討議に参加していただきました。団体の説明会も──たしか、58ございますけれども──させていただきました。もちろんそういう御意見はあると思いますけれども、できる限り一生懸命国民と議論ということで広くさせていただいたつもりでございますので。 177 ◯畠山委員  一生懸命言っていただきましたけれども、短かったですね、非常に。拙速でした。  同じ質問が出てくるかもしれませんけれども、私も段取りがあるのでお許しください。今の意見聴取会──全国の11都市でしたか──開催されましたけれども、立地地域で開催しなかったのは立地地域を軽視する姿勢と考えますが、いかがですか。
    178 ◯高原資源エネルギー庁長官  意見聴取会は確かに、ブロックごとということで開催させていただいて、あと福島においては、あの大変な事故があったということで、開催させていただいたということでございます。  できる限り努力したということは繰り返しになりますのでもう申し上げませんけれども、いずれにいたしましても、立地地域の皆様方、対策の強化というようなこともこの文言の中に明確に盛り込まれておりますし、今後とも立地地域の皆様方、地域の皆様方との対話というか、意思疎通というか、さらに強化をさせていただきたいと思っております。 179 ◯畠山委員  立地地域の意見を聞くことは国民的議論の一本大きな柱であると考えます。手続として明らかに不適切だと言っておきます。  次は、国民的議論について、戦略決定に当たってどのように反映されたのか、また、当初提示された3つのシナリオと異なる2030年代に原発稼働ゼロという方針を定めた経緯について伺います。 180 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  先ほどの3つのシナリオ、提示したものと違うものをまとめたのはなぜかという御質問でございますが、その3つのシナリオは、国民の皆様に2030年のエネルギーミックスなどにつきましてわかりやすく御議論していただく観点からお示ししたものでございます。  その上で、国民的議論を経まして、その結果を第三者の委員の方々に入っていただきまして検証会議をやりました。そこで検証した結果としては、2つ大きく示されておりまして、1つは、大きな方向性として、国民の多くが原発に依存しない社会の実現を望んでいるということが示されております。もう一つは、他方で、その実現可能性や実現に向けたスピード感に関しては意見が分かれているということも示されております。  当初3つのシナリオを御提示したわけではありますけれども、こうした国民的議論の検証結果を踏まえまして、また、閣僚間でたび重なる議論を重ねました結果、2030年代に原発ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するという大きな方向性、グリーンエネルギー拡大等の政策資源投入についての大きな方向性、目標をお示しした上で、その実現については、まさに実現に向けたスピード感のところでありますけれども、いろんな要因に照らして不断に検証し見直していくということでまとめたものでありまして、まさにこの国民的議論の検証結果、大きな2つの柱、これを反映した形でまとめたものというふうに考えております。 181 ◯畠山委員  まずわからないわけですね。2030年が2030年代へ変わる瞬間はいつだったんだろうかと、こう思って、新聞報道から探してみました。9月4日、民主党エネ・環調査会が民主党政調会総会に諮った内容は、原発ゼロ社会を目指すとして、その具体策は三原則、1、原発運転40年ルール、2、原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する、3、原発の新設、増設は行わないとして、40年後の2050年代前半には原発稼働ゼロになるというものでした。この時点では時間的に矛盾はないですね、2050年代ですから。  9月6日、民主党が政府へ提言した内容は、2030年代に原発稼働ゼロとするようあらゆる政策資源を投入するとなっていて、国民的議論では2030年時点の原発依存率を議論していたのに、ここで突如として「代」というのがついたわけです。  仕上げは9月10日の首相会見で、2030年代原発ゼロを重く受けとめ、三原則も当然取り入れたいとして、2050年代ではなく2030年でもない、2030年代、整合しない2030年代に決めたと。ここで矛盾の構図ができ上がるわけです。なぜねじ曲がったのか。どんな力が働いたのかというのが疑問です。これを「続く」としましょう。  次は、核燃料サイクル政策に関連したことです。国民的議論では核燃料サイクルを議論の対象としていませんでした。3つのシナリオ、先ほどから言っていますけれども、2030年時点の依存率0、15%、20から25、この数値だけが提示されて議論させられたと。本来であれば、0なら使用済み核燃料は直接処分になる。つまり核燃料サイクル政策を廃止。それはイコール青森県が預かっている使用済み核燃料は排出もとへ返還します、こういう話がセットで、0ならこうだと、15ならこうだと、20から25なら核燃サイクルはどうなるという話をセットにして提示して議論してもらわなくちゃいけなかったわけです。それをしませんでした。それはなぜか。  また、選択肢が提示された時点ではエネルギーミックスの大枠に応じて政府が整理し決定するとのことだったが、どのように整理がされたのか、そのあたりから聞くわけですけれども、はい、お願いします。 182 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  エネルギー・環境会議では、エネルギー・環境に関する選択肢の中で、核燃料サイクルにつきまして、2030年の原子力依存度がゼロのシナリオであれば必ず直接処分となり、15シナリオ及び20から25シナリオでは再処理も直接処分もあり得るという形で概括的にお示ししたというものでございます。  その上で、国民的議論におきましては、この核燃料サイクル政策につきましても、さまざまな可能性につきまして、実際に意見聴取会の場なんかにおきましても御議論いただいたというものでございます。  こうした御議論を踏まえまして、今回の戦略では直接処分の研究に着手するということとしてございますが、これは、原子力委員会から6月に示された「核燃料サイクル政策の選択肢について」でも指摘されてございますように、将来の選択肢をふやすために実施するという位置づけのものでございます。ただし、今回使用済み燃料を直接処分することを決めたというものではございません。  今回策定した戦略におきましては、核燃料サイクルにつきましては、従来の政策を変更したものではございませんで、政府として、核不拡散や原子力の平和利用という国際的な責務を果たしながら、関係自治体との約束を深く受けとめて再処理事業に取り組まなければならないというふうに考えているものでございます。 183 ◯畠山委員  条件を提示しないで議論をさせるというのは、誘導する意図があったのかなとか。悪く言えばですよ。そうなるわけです。そこから出てきた結論は正当性がないでしょう、ということを言っているわけです。さっきは手続の話をしましたけれども、手続が不適切だと言いましたけれども、内容も不適切なんです。  核燃料サイクル政策についての政府与党の動き、新聞で調べたんですけれども、さきの9月4日の民主党エネ・環調査会が民主党政調会総会に諮った時点では、使用済み核燃料の再処理を全面的に見直す、国は再処理工場のある青森県に理解を得なければならないとして、この時点では民主党はサイクル政策からの転換、廃止に向いていた、こう読めます。それが14日の決定段階では、核燃料サイクルは、引き続き従来の方針に従い再処理事業に取り組むと、こういう大転換がされているわけです。無原則の原則。無原則の原則に従って手続を進めているという印象です。  2030年代へねじ曲がった力がありました、「続く」にしておいたやつ。今の無原則が原則になる力、この力は何だ。それは選挙に向かう力だと、こう言う人がいます。私はよくわかりませんけれども、ただ、そう考えれば一連の動き、これは合点がいくわけです。非常にこの戦略、納得がいかないというふうに改めて言っておきます。  それから次、使用済み核燃料の最終処分について。これも先ほど来出ていますけれども、革新的戦略には、バックエンドに関する事業について、「民間任せにせず、国も責任を持つ」とありますが、「国も」じゃなくて、「国が」責任を持つと、こういうことじゃないのか。また、「国が関連自治体や電力消費地と協議する場を設置」とありますが、協議の当事者とは誰と誰か、結論を見出す時期はいつかについて、具体的にどのように考えているのか伺います。 184 ◯高原資源エネルギー庁長官  まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分ですけれども、確かに委員御指摘のとおり「国も」という表現になっております。これは、本来発生者の方が責任を持たれるという原則に基づきまして、民間の事業として実施すべきであるという考え方によるものでございますけれども、御指摘のとおり、事業の長期安定性ですとか、国民の信頼性と事業の安全性の確保ですとか、あるいは大変巨額なお金がかかるといったようなことから、この事業の実施に当たっては、国が立法措置などの制度整備を行うとかさまざまな役割を果たさなくてはいけないということにつきましては、御指摘のとおりだと思っております。  それから、国が関連自治体、電力消費地と協議する場につきましては、先ほど部長からも御答弁申し上げましたけれども、これは現在まだ検討中でございますけれども、この戦略の中には、この問題については過去の長い経緯とその間の青森県の協力があったという事実に消費地も含め国民全体で真摯に向き合うところから始めた上で、先送りせずに解決の道を見出していくということを書かせていただいておりますけれども、そういった視点のもとに検討を進めていきたいというふうに思っております。 185 ◯畠山委員  なかなか苦しい答弁なんですけれども。最終処分地について、「消費地も含め国民全体で真摯に向き合うところから始め、解決の道を見出す」とあるが、福島第一原発事故以降、これまで以上に国民は不安と不信を募らせる環境にあり、最終処分地選定がますます困難となったと思われる中、本当に解決の道を見出すことは可能と考えているのか伺います。 186 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  高レベル放射性廃棄物の最終処分の実施は、極めて困難な課題でございますけれども、廃棄物が既に発生している中で、将来世代に負担をかけないためにも、しっかりと取り組んでいくことが必要であると考えてございます。  こうした中、最終処分地の立地選定は、日本に限らず、世界的に共通の非常に困難な課題でございます。諸外国におきましても、1980年代に公募などの立地選定活動を開始して以降、たび重なる困難に直面し、その都度社会的合意形成を図りながら、長期にわたって少しずつ検討を進めてきたというふうに認識してございます。  したがいまして、我が国におきましても、国が関連自治体などと協議する場を設置して、消費地も含めて国民全体で真摯にこの問題に向き合っていくことが必要でございまして、その旨を今回の戦略でも規定しているものでございます。その上で、最終処分場の選定に向けて、これまでの取り組みを抜本的に強化するとともに、国の一層の関与のあり方につきましても、その具体化に向けて、しっかりと検討してまいりたいと思ってございます。解決の道を見出すことに関しましては、もちろんそういったことが可能となるようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 187 ◯畠山委員  戦略に書いてはみたものの、聞かれれば答弁してみたものの、そうはならないなと思っているでしょう。聞いていても、何も進まないということがよくわかります。  先ほど川村委員からもありました、9月11日に、日本学術会議から原子力委員会に対して「高レベル放射性廃棄物の処分について」と題する回答書が提出されました。ポイントは、高レベル放射性廃棄物を回収可能な状態で一定期間保管する暫定保管の考え方を示しているところです。私は、最終処分地選定に至る道筋としてこの暫定保管の考え方を活用すべきだと考えています。受益地域と受苦地域──書き言葉なので。利益を受ける地域と苦悩を受ける地域ですね。受益地域と受苦地域との負担の公平性と、トイレなきマンション問題を、受益地域に住む人を含め国民一人一人の課題として認識を共有するために、この暫定保管を実施する地域について、全国47都道府県のうち、原発による電気を使用していない沖縄県を除き、さらに原発関連施設立地の13道県も除いた残りの33都府県の全てに配置すべきであると考えております。提案をしておきます。  次は、三村知事に伺います。青森県のサイクル政策への姿勢について。  政府与党の戦略策定の大詰めの段階で青森県が原発ゼロに反発しているかのような報道がされたと感じていますが、知事の核燃料サイクル政策に対する姿勢について改めて伺います。 188 ◯三村知事  いわゆる革新的エネルギー・環境戦略に係る報道等におきましては、核燃料サイクル施設等集中立地いたします私ども青森県が象徴的に取り扱われることが多かったものと受けとめておりますが、このエネルギー政策、また核燃料サイクル政策は、私ども青森県だけの問題ではなく、全国の原子力発電所に係る問題でもございます。そしてまた、委員からも先ほどお話にありましたとおり、国民全体として共有すべき課題、問題であるというふうに認識するところでございます。  私ども青森県が国策でありますこの核燃料サイクル政策に協力してきましたのは、この政策が資源に乏しい私ども日本の国を支える基本政策であり、中長期的にぶれない確固たる国家戦略である、その旨を歴代の関係閣僚等から確認し、国家としてのこの政府の方針が変わらないことを明確に示していただいたからでございます。  国家として決定した政策、取り交わした約束を確実に守っていただくということは、国が果たすべき責任でございます。引き続き、国の対応を厳しく見極めていきたいと考えるところでございます。 189 ◯畠山委員  ありがとうございました。  今の知事の発言は、私なりに要約すると、サイクル政策は国策ですから、続けるのもやめるのも国が決めることだと。本県としては、どちらにしてくれと言っているわけではない。やるならやるなりにきちんと、やめるならやめるなりに、覚書があるので、それに従って淡々と対応しますよと、こういうことですね。はい、ありがとうございました。  この革新的な話の最後に、もう一言、軽率な意欲の戒めについて。軽率な意欲です。アメリカ海兵隊の戦争における行動理念の一つです。もちろん聞いた話です。ちょっと難しいんですけれども、その内容は、リスクを許容するということは、ありそうもない一つの出来事に成功の全ての可能性をかけるという軽率な意欲と同等ではないというものです。言いかえれば、客観的に成功の見通しが立たないのに、主観的に意欲によって成功することに全可能性をかけることとなるでしょう。我が国政治におけるその具体例は、最低でも県外、できれば国外と言って、沖縄県民と米国の信頼を完全に失った普天間問題がそれに当たります。軽率な意欲。ほかにも、探せば出てくる、16.8兆円とか、たくさんあると思います。今回、軽率な意欲と打算で──打算というのは、さっき選挙の話をしましたね。軽率な意欲と打算で編み出された革新的エネルギー・環境戦略、国家国民のためにならないと指摘しておきたい。ちゃんとした政権でちゃんとした戦略をつくるべきだと、このように考えています。  では次に、お待たせしました。いつもは主役の日本原燃の皆さん、きょうは脇役で申しわけありません。ガラス溶融炉における事前確認試験結果と竣工時期について。竣工に向けた工程変更は19回目となるが、振り返れば多くの時間を費やしてきたことについて見解を伺います。 190 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  御指摘のとおり、何度も工程変更することによりまして、結果として県民の皆様に御心配をおかけすることになったことに対しては大変申しわけなく思っています。この点につきましては率直におわびを申し上げます。  この間、特に最後の試験でありますガラス固化試験につきまして、さまざまな課題に直面をいたしました。このため、基本に立ち返ってということで、約2年間かけまして、東海村にあります実規模のモックアップ施設、KMOCと言っておりますが、このKMOCを使って徹底した検証を実施してまいりました。この結果、温度計の追加設置であるとか、あるいは運転方法等々も改善をいたしました。  このKMOCの検証によって改善した運転方法が実機でもしっかり適用できるかどうかということで、それを確認するための事前確認試験、これが8月末に終わりましたけれども、順調に終了したということでございます。その結果、ガラス固化試験に向けて、しっかりとした見通しを得ることができたと考えております。時間はかかりましたけれども、KMOCでの検証、これは大きな意味があったと私どもは考えております。  私どもといたしましては、2013年10月の竣工に向けまして、安全を最優先に全力で取り組んでまいる所存でございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。 191 ◯畠山委員  先ほどの革新的戦略、直接処分の話とか出てきます。予定どおりちゃんとやっていればそんな選択肢なんか出てこなかったかもしれませんよね。私はニュートラルなんですけれども。  ガラス固化が技術的に困難となった場合は、日本原燃みずからがギブアップ宣言をすることも国の原子力政策の根幹を担う者の責任、矜持と思うが、どうですか。 192 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  先ほども御説明いたしましたとおり、事前確認試験の結果、今後行いますガラス固化試験に向けて、しっかりとした見通しを得ることができました。したがいまして、ギブアップということはあり得ません。  私といたしましては、安全を最優先に全力で取り組みまして、先ほど川村委員からもありました不退転の決意で2013年10月の竣工に向けましてしっかりと責任を果たしてまいりたいと考えますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 193 ◯畠山委員  しっかりやっていただきたいと思います。不退転にかわる言葉を探しておいたほうがいいと思います。  終わります。 194 ◯丸井副委員長  15分間休憩いたします。 ○休 憩  午後 2時58分 ○再 開  午後 3時14分 195 ◯神山委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  安藤晴美委員の発言を許可いたします。──安藤委員。 196 ◯安藤委員  日本共産党の安藤晴美です。よろしくお願いします。  今回、野田内閣の関係閣僚がまとめたエネルギー・環境戦略は、原発ゼロを口にしながら、その実現を先送りし、原発に固執するものとなりました。「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入する」という一方で、再処理を進めて新たな核燃料をつくり、中断している原発の建設を再開するという全く矛盾した姿勢です。しかも野田政権は、財界やアメリカからの圧力を受けて、この戦略を閣議決定することすら見送りました。  こうした中で日本共産党は、9月25日に、「「即時原発ゼロ」の実現を」という提言を出しました。この中には、全ての原発から直ちに撤退する政治決断を行い、即時原発ゼロの実現を図ること、青森県六ケ所村の再処理施設を閉鎖し、プルトニウム循環方式から即時撤退すること、原発、核燃に依存しなければ生きていけない地域に誘導してきた国と電力会社の責任は重いとして、原発立地自治体への支援などを盛り込んだ提言を発表してきました。こういう立場に立ち質問したいと思います。  最初に県に伺いたいと思います。戦略に、「今回の事故の深刻な現実を直視し、事故の教訓に深く学ぶことを通じて、政府は、これまで進めてきた国家のエネルギー戦略を白紙から見直すべきであると確信するに至った」とありますが、これに対する県の見解を伺います。 197 ◯三村知事  東京電力福島第一原子力発電所の事故につきましては、政府の事故調査・検証委員会や国会の事故調査委員会等からの報告書が公表されているわけでございますが、私としては、これまで指摘されております教訓や再発防止のための提言というものを今後の原子力安全対策、防災対策に反映させていくことが大変重要であると考えるところであります。  私としては、これは野田総理もおっしゃっていたわけですが、国民生活と産業経済を守るためにエネルギーの安定供給を果たしていくこと、そして、原子力施設の安全性をより一層高め、安全性に対する国民の不安を減らしていくことこそ国の責務であると考えるところでございます。
    198 ◯安藤委員  青森県は、これまで、核燃サイクル政策という国策に全面的に協力してきました。今後新たな国策がぶれずにきちんと示され、それが信頼できるということになれば、青森県としてはこれまで同様国策に協力するという立場に立つんでしょうか。 199 ◯三村知事  全て、ものによってということだと思いますけれども。 200 ◯安藤委員  ということは、ものによっては、核燃サイクル政策を見直すということが今後あったときに、それがきちんと信頼できる仮定であればそういうことも受けるという覚悟はあるのかなというふうに考えます。  次に、国に対し質問いたします。国は、今般の戦略を青森県民に説明する場を設けるべきと考えますが、説明会を開催する考えがあるのか伺います。  もう2点伺います。原発の新設、増設は行わないとしているにもかかわらず大間原発、東通原発の建設を認めることは原発に依存しない社会の実現と相反すると考えますが、このことに対する見解を伺います。 201 ◯高原資源エネルギー庁長官  まず、14日に戦略を決定いたしまして、御案内のとおり翌日に枝野大臣が本県、青森県を訪問させていただいて、知事、議長、立地市町村の皆様方、市町村の首長様の皆様方に御説明をし、また、意見交換させていただき、御疑問にもお答えしたところでございます。  先週25日に私どもの当時の副大臣、牧野副大臣が議会に、県議会にお伺いして御説明させていただき、またきょうこういうふうな機会をお設けいただきまして、こういった形で御説明をさせていただく中で県民の皆様方の御理解を賜ればというふうに考えている次第でございます。  もう一つ、大間、あるいは東通原発の建設につきましては、原子炉の設置許可及び工事の計画認可につきましては既に経産大臣としてこれを行わせていただいておりまして、戦略の決定でこれらの許認可を取り消すということなどは一切考えておりません。 202 ◯安藤委員  県民説明会については予定がないというようなお話でしたが、ぜひ検討していただきたいと思います。これだけ原発ゼロを願う県民が多い中、青森県はたくさんの矛盾に満ちた施設を抱えている県です。この戦略がどういう方向に行くかによっては青森県の将来にかかっているということもありますので、県民を代表する県議会への説明会などはありましたけれども、県民に向けても直接お話をいただく機会、そして県民の声を直接聞く機会を設けていただくようにぜひ要望したいと思います。  それから、大間・東通原発等についてですが、午前中の議論、質問の中で、この大間原発については、もし稼働したとして、2030年代になって即時とめることはないというようなお話でした。ということは、2030年代になっても原発ゼロにする予定はないんだというふうなことを言っているに等しい発言でした。これは本当にぶれまくっていると言わざるを得ません。  それで、大間原発について伺いたいんですが、大間原発が稼働すれば、フルMOXというさらに危険な使用済み核燃料が発生するわけですが、それをどうするのか。それをさらに再処理する計画はお持ちなのか伺いたいと思います。 203 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  午前中から御説明しておりますように、核燃料サイクル政策について、今回の戦略で変更を加えたものではございません。そういう意味で、MOX燃料のその使用済み燃料につきましても従来の方針に従って進めていくという考え方でございます。 204 ◯安藤委員  そうしますと、六ケ所の再処理工場以外にフルMOXの再処理工場を建設する計画をしっかり持っているということなわけですね。もう少し具体的な考え方、方針があれば伺いたいと思います。 205 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  現在の直近の原子力政策大綱において、2010年をめどに使用済み燃料の処理のあり方について検討を始めるというふうに書いております。この検討は、震災の後、実質上とまっておったということでございます。他方で、核燃料サイクル政策についてはこの戦略で変更を加えたものではございませんので、従来の方針にのっとって今後検討を進めていくということであります。先ほど御質問にありましたように、具体的な計画が何かあるということについては、この検討の中で定まっていくというふうに考えております。 206 ◯安藤委員  フルMOXでない再処理工場でさえガラス固化体をつくるのに非常に困難を来している、こういう状況下でさらにフルMOXの再処理工場をつくるということは日本にとっても大きな負担を課することになるわけで、こういう問題を引きずっていくことには問題があるということを申し上げたいというふうに思います。  そして大間原発につきましては、今回新たに国が示した重要な防災区域と示された30キロ圏内に函館市が加わるわけですが、函館市では、市長を初め函館市民の方々が建設再開反対、建設反対の大きな声を上げています。  また、大間では、多くは賛成しているというふうな報道のされ方もしますが、中には、大間の海と漁業を守るためにと原発建設に反対し、土地の提供を拒否し続けてきた地権者、故、熊谷あさ子さん、そして、その遺志を継いで、大間原発のすぐ隣でログハウスを建ててエネルギーの自給自足で頑張っている娘の小笠原厚子さんがいらっしゃいます。こうして体を張って反対している方々もある。函館市民、そして小笠原厚子さんなどのこういう皆さんの思いにどう応えていくのか伺いたいと思います。 207 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  大間原子力発電所につきましては、先日、事業者が工事の再開を発表いたしたところであります。これは、実際の稼働までに原子力規制委員会の安全基準に基づく厳格な規制審査、チェック等が必要となるわけであります。また、御地元の理解なしにはなかなか稼働するということは難しいということであろうと思います。そういう中で、関係の自治体、御地元の皆様に対して、大間の原子力発電所の意義、役割について、事業者を先頭にしながら、国もその核燃料サイクル上の意義、役割、位置づけについてしっかり説明して御理解をいただく必要があると思います。 208 ◯安藤委員  説明して御理解を得るとおっしゃいますけれども、それは非常に難しい状況にあるということを申し上げておきたいというふうに思います。  次の質問ですが、戦略においては、使用済み燃料の搬出に係る覚書等の約束について尊重する必要があるとしていますが、尊重するとはどういうことでしょうか。その具体的内容について伺います。 209 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  これまで、使用済み燃料等の受け入れに当たっては、核燃料サイクルは中長期的にぶれずに着実に推進すること、青森県を地層処分相当の放射性廃棄物の最終処分地にしないこと、さらには、再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、日本原燃は使用済み燃料の施設外への搬出も含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずることといった約束をしてきておりますが、こういった青森県との約束を守っていくということでございます。こうした約束が、動かしてはいけない前提であるということは、枝野大臣も繰り返し申し上げているとおりでございます。 210 ◯安藤委員  覚書を守るということだということですが、再処理事業の確実な実施が著しく困難となる事態ということについて、国としてはどういう事態を想定するか。そのときに、覚書を尊重して国は具体的にどういう働きをなさるおつもりか伺いたいと思います。 211 ◯野田資源エネルギー庁原子力立地核燃料サイクル産業課長  お約束を守る──再処理事業が著しく困難になる状態ということをどのように想定しているのかという御質問でございますが、我々としては、そういった事態にならないように最大限努力してまいりたいと思ってございます。今回のエネルギー・環境戦略におきましても、核燃料サイクル政策は何ら変更するものではないということが大前提でございまして、今後とも引き続き再処理事業についてはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えているものでございます。 212 ◯安藤委員  使用済み核燃料は今現在1万1,884体存在しています。そして、もとに戻すとなった場合、例えば東京電力の分が6,108体と最高数に至っているわけですが、福島第一原発は廃炉となっていますし、また、各原発の貯蔵の余力も限られているということ、このことが国の一番のネックになっていることから覚書を尊重するという立場を再三繰り返しているのだろうというふうに思います。使用済み核燃料をこれからさらにふやしていくという再処理に向かっていくのではなく、使用済み核燃料をこれからはふやさないという立場に立つべきだと改めて強調しておきたいというふうに思います。  次の質問ですが、この戦略については、関連する情報を開示しながら検証を行い、不断に見直していくとされていますが、核燃料サイクルも見直しの対象になるという理解でよいのか。  もう一点、戦略の3本柱実現のためにはエネルギーをめぐる仕組みを抜本的に改める必要があるとしていますが、電力システム改革の必要性、重要性について、どう考えているのか伺いたいと思います。 213 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  まず、最初の御質問について私から御説明申し上げます。  核燃料サイクルにつきましては、従来の政策を戦略で変更したものではありません。従来の方針に従い再処理事業に取り組むこととしております。したがって、戦略ではそういった前提のもとに核燃料サイクルのあり方について責任ある議論をすることを決めたものでありまして、御質問のような中止に向けて議論を行うものではありません。最終処分のあり方、そういうことも含めて、消費自治体も含めてきちっと議論していく、責任ある議論をしていくと、そういうことでございます。 214 ◯高原資源エネルギー庁長官  東日本大震災以降、以下のような課題が明らかになったと思っております。例えば、エネルギーミックスが変化をする、あるいはエネルギーコストが、これは長期的に見るとやはり高くなっていく、それから、需要に応じた電力供給、需要がある限りすぐ同じだけの供給をするということの限界というのも明らかになってきた。それから、消費者の方々の中に、電力を選択をされたいという、そういうお気持ちも出てきていると思います。それから、エリアを超えて電力をさらに融通していくといったような仕組みも必要性が高まっているというふうに考えております。  ことしの2月から7月にわたりまして、電力システム改革に関しまして検討委員会を設けてまいりました。やはりリスク分散と効率性を確保する分散型の次世代システム、電力システム改革というのが必要ではないかという結論に至りました。  ただ、これは非常に、言うはやすく、非常に難しい問題も含んでおりますので、さらに緻密な制度設計をしていく必要があると考えておりまして、これにつきましては、現在また作業をさせていただいているところでございます。 215 ◯安藤委員  後半のエネルギーをめぐる電力システム改革ということ。本当に国が本気になって原発ゼロの社会を目指そうというのであれば、ここに最大限の力を尽くして新たな電力システムを構築することが必要なわけで、しかし、今の答弁では、非常に難しい話なので、かなり長時間、時間をかけて検討していかなければ大変だというようなニュアンスを感じましたが、もう少しここに本気度を感じるような姿勢を示していただきたいというふうに思うんですが、この点について再度伺います。 216 ◯高原資源エネルギー庁長官  ただいま申し上げたようなエネルギーをめぐる、例えば国民の皆様方のエネルギーをみずからいろいろ選択したいという思いとか、新しい動きはいろいろあると思います。ただ、他方で忘れてはいけないのは、やはり低廉で十分な量の電力供給というものが我が国の産業社会を支えてきたということもこれまた重要な事実だと思います。したがって、電力システムの改革というのは、もちろんこれは絶対に行っていかなくてはいけないことだというふうに我々も思っておりますけれども、それをやるには、一方的にある考え方に基づいて簡単にできるというものではないということも私どもこの検討の先ほど申し上げた委員会の中でも相当いろいろな議論が出ました。したがいまして、何とかして進めていく思いはもちろん──御指摘、御意見がございましたけれども、それは持っているつもりでございますが、ただ、その上にも慎重に、詳細な制度設計をしていくに当たってはいろいろな要因をしっかりととらまえて考えていかなくちゃいけないということも私どもはまた事実だというふうに思っております。 217 ◯安藤委員  戦略の中に、国の新たな要請によって影響を受ける立地地域対策の強化において、立地自治体に十分配慮して措置を講ずる、また、グリーンエネルギーの導入支援を含めた各種施策を優先的、重点的に行うとありますが、具体的にどういう措置、施策を行うのか伺います。 218 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  再生可能エネルギーの導入の支援につきましては、ことしの7月に固定価格買取制度というのを施行させていただいたところでありますが、これに加えまして、中小企業向けの低利融資制度でございますとか、自家発電用途での利用に際しての補助金など、また、このほか実証事業への支援とか、そういうこともあろうかと思いますが、政策を総動員して取り組んでまいるところでございます。  年末までに取りまとめる予定のグリーン政策大綱を踏まえて具体的政策についてはこれをさらに詰めてまいりますが、革新的エネルギー・環境戦略にも記載しましたように、立地自治体に十分配慮して措置を講じると。特に立地自治体の構造転換が必要な場合、これを目指すため、グリーンエネルギーの導入支援を含めた各種施策を優先的、重点的に行うというふうに記述させていただいたところでありまして、再生可能エネルギーの導入支援策、これは、先ほど申し上げましたようにこれからさらに詰めてまいりますが、この施策の施行、実施につきましてそのように優先的、重点的に行うという方向性が示されたところでございます。 219 ◯安藤委員  構造転換がなされたときというようなお話でしたが、国の新たな要請とは、もう少し具体的に言うとどういうことを指しているのか、お話しいただければと思います。 220 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  例えば今回の戦略におきましては3つの原則というのを示させていただいたところであります。この原則に従って、原子力についてはこれからどうするかということを個別の立地の自治体と具体的な適用のあり方について検討していくわけでありますけれども、その過程において、影響を受けることになる立地自治体があります場合には、そこに十分に配慮して措置を講じるということになろうかと思っております。 221 ◯安藤委員  時期は別として、国は原子力をゼロにしようという姿勢を一応示しているわけですので、原発そのものを稼働させないという場合も今後出てくるわけで、そういうときに、立地自治体に対し、あるいは核燃サイクル政策もそうですけれども、そういうときに立地自治体に十分配慮ということになるかと思います。ぜひ立地自治体の意見、そして県民の意見も十分聞いていただきたいというふうに思います。  次に、日本原燃に伺いたいんですが、時間がありませんのでちょっとまとめて伺います。これまでもたび重なる工程延期を行ってきました。前回の工程変更では、先ほど来出ていますが、不退転の決意と発言されてきました。今回19回目の延期ということになるわけですが、どのような認識を持っておられるのか、最初に伺います。  その次は、2013年10月の竣工に向け、ガラス固化試験については年内を目途に開始するとしていますが、具体的なスケジュールについて。  そして、8月末までに終了した事前確認試験について、B系列では実廃液を用いて試験が行われているのに対し、なぜA系列は実廃液を用いた試験をしていないのか伺いたいと思います。  もう一点。国の使用前検査として、ガラス溶融炉の最大処理能力で実廃液を供給して運転できることを確認するとありますが、最大処理能力の意味するところは何なのか伺います。 222 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  まず私からは最初の御質問に対してお答えしたいと思います。確かにたび重なる工程変更、これは、先ほども申し上げましたように、県民の皆様に率直におわび申し上げたいというふうに思います。また、今回、震災の影響で10カ月間試験が中断したことが大きな要因ということで工程変更になりますが、結果として再び工程変更になるということで、これもまた県民の皆さんに大変申しわけなく思っております。  しかしながら、これまでもるる御説明しましたように、今後行うガラス固化試験につきましては、事前確認試験の結果しっかりとした見通しを得ることができました。2013年10月の竣工に向けまして、私といたしましては安全を最優先に全力で取り組んでまいりたい、そして責任を果たしてまいりたいと思います。先ほども不退転の決意と。これはまた畠山委員からも別の言葉をというようなお話がありましたが、不退転の決意が不退転の決意でありまして、不退転の決意で全力で取り組んでまいりたいと思いますので、ぜひ御理解を賜りたい。  後の質問に対しては中村のほうから回答させていただきます。よろしくお願いいたします。 223 ◯神山委員長  中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長。中村理事に申し上げます。時間が迫っております。時間内で答弁してください。
    224 ◯中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長  まず1点目の年内を目途に開始するという点ですが、現在、ガラス溶融炉の炉内確認、それから、はつり作業を行っていると。B系については既に終わって、A系を今準備中でございます。それから、この作業と並行しまして、9月の上旬より電気設備の点検等を行っているところであります。あわせて、この期間を活用してガラス溶融炉周りの設備点検を行っているというところで、これらの点検終了後、B系のガラス固化試験に向けた熱上げを開始し、年内を目途に試験を開始したいということで今作業を鋭意進めているところでございます。  2件目のA系列ではなぜ実廃液試験を行わなかったのかということでございますが、事前確認試験、まずB系列で模擬廃液と実廃液の試験を行いまして、所期の目的を十分確認できました。一方A系列につきましては、結合装置を新品に交換したということから流下ノズルの加熱性がこれまでと変化しているということで、これの確認を行うということでA系列の運転を行ったわけでございます。基本的にはA系列、B系列同じ構造をしていますので、今回の試験結果を比較すれば、A系列で十分に安定した運転ができるものと評価しているというところでございます。  3点目の最大処理能力の意味でございますが、これはガラス溶融炉に供給する廃液の1時間当たりの最大供給量ということで、具体的には溶融炉1基当たり約70リットル・パー・アワーという数値でございます。 225 ◯神山委員長  以上をもって安藤委員の質疑を終わります。  次に、古村一雄委員の発言を許可いたします。──古村委員。 226 ◯古村委員  古村一雄です。もう9番目、最後でありますので、ほとんど質問することはないんですが、見方を変えて質問させていただきたいと思います。  まず、東電福島の事故の認識なんですが、今の戦略では、第一原発事故、「深刻な現実を直視」するという書き方をしていますけれども、現在においてもさまざまな問題が次から次へと発生し続いていることからも、総理大臣が昨年の12月に、冷温停止状態に達して、発電所の事故そのものは収束に至ったと、こういう判断をしたというのは、余りにも原因究明のなされないのに時期が早かったのではないか。この辺の認識についてまずお尋ねしてまいりたいと思います。 227 ◯高原資源エネルギー庁長官  東電の福島第一原発につきましては、専門家による緻密な検証作業を経まして、原子炉の底の部分と格納容器内の温度が低く保たれており、万が一何らかのトラブルが生じましても敷地外の放射線量が十分低く保たれることを確認したことから、「事故の収束に向けた道筋」、これは昨年4月に東電が発表したものでございますけれども、その道筋におけるステップツーが完了した旨を、昨年12月16日に原子力災害対策本部で確認して、総理が宣言しました。  ただ、古村委員御指摘のとおり、発電所の中の事故そのものについての一つの区切りがついたということにすぎませんで、言うまでもなく、この原発事故との闘いは決して私どもも終わっておらないと思いますし、エネ庁の職員の中にも、この対応というものがエネ庁の幾つもある課題のうちの極めて重要なものの一つであるということはよく私も申し述べているところでございます。  昨年の12月以降に、同発電所の1号機から4号機につきましては、事態の安定を目指す段階から廃炉に向けた段階に移行し、現在、中長期ロードマップが定められておりますけれども、それに基づきまして、発電所の安全の維持に万全を期しながら、政府と東京電力が一体となった廃炉に向けた取り組みを全力で進めさせていただいておりますので、まだ非常にこの道のりにつきましては厳しいものがあるというふうに私自身は認識いたしております。  以上でございます。 228 ◯古村委員  問題は、国民がそのまま総理大臣の収束宣言、収束とかそういうのを真に受けているのかどうかというのがおらは問題だと思うんです。ですから──あんたたちと言えばわかるよね──あんたたちはその言葉遣いは恐らく正確に使っていると思うんだけれども、果たしてこの収束という言い方、正しい言葉の使い方なのかどうか、ちょっとお尋ねします。 229 ◯高原資源エネルギー庁長官  収束という言葉自身に当時議論があったということは私も承知をいたしております。ただ、繰り返しになりますけれども、総理が昨年の12月16日に会見で話をされておりますけれども、これら原子炉については事態の安定を目指す段階から廃炉に向けた段階へと移行しますと。政府としては、改めて今後のロードマップを明確にして、発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至る最後の段階まで、確かに長い道のりでございますけれども、全力を挙げて取り組んでまいりますという発言をされてございますので、私自身もまだこの問題についての闘いといいますか、まさにまだこれからの問題というふうに私自身は認識をいたしております。 230 ◯古村委員  この間も鉄骨が落下したとかそういうような事故が、出来事がありましたけれども、私の知り合いのおじいちゃん、おばあちゃんが、この間台風が来たときに、「福島を直撃しなければいい」という言い方をしましたけれども、それが国民の本当の気持ちではないのかと。そういう思いからしますと、収束とかそういう言葉を使っても国民は真に受けない、かえって不信を募らせるだけではないのかと、そういう思いをしているところであります。  このゼロ原発という戦略なんですが、私にしてみれば、金になる電気だけは何としても動かしたいと。そして、再処理とか廃棄物、これについては青森県に任せるということで、うちの、人のいい知事の顔を立てたようにしてこれから原発の再稼働に走っていくんではないか、そうも受けとめました。ですから、またしても廃棄物は後回しになるんではないのかという不信を持っているわけでありますけれども、このエネ戦略の一番最後の別表ですが、別表のこの数字を見ますと、もちろんおたくさんたちは知っていると思いますけれども、別表でいろいろ数字を、目標値を出していますけれども、例えば省エネの電力量とか自動車の台数とか家庭用の云々とかというのは、何か3つのシナリオのうちの15%の数字と同じだというんですね。ですから、脱原発の言い方を変えて原発ゼロという表現をしながら、実際はあんたたちは15%を目指していると。これは、15%というのは政府が落としどころとしてねらってあったとかそういうような記事がいっぱい出ていましたけれども、今回のこの戦略においても、この最後の別表での数字が言ってみれば15%と同じ数字を目標にしているということから言えば、やっぱり原発は、依存度は下げるけれども、15%というシナリオだと理解してよろしいんですか。 231 ◯高原資源エネルギー庁長官  今回、国民的議論を経てということを先ほど申し上げました。その中で、国民の過半の方々がその原発に依存しない社会を望んでおられる。ただ、他方でそのスピードなどについては、いろいろな意見が分かれてあるということでございました。したがいまして、それを反映してこの戦略というのができているということでございます。  なお、先ほども部長から御答弁申し上げましたけれども、その辺についてのエネルギーミックスという数字というのはここではお示しをいたしておりませんで、例えば省エネルギーとか、あるいは再生可能エネルギーの拡大のイメージについて、今御指摘のイメージを中心にお示しを申し上げたということでございます。 232 ◯古村委員  この戦略の中には、最初第1章の部分、4ページでしたっけ。4ページから5ページにかけて、青森県という言い方が5カ所にも出ていますし、それから、「私たちは」とか「国民は」とか「政府は」といういろんな言い方をしていますけれども、この「私たちは」というのは一体誰を指しているのかなという疑問を持ちましたので。特にこの4ページのところに、青森県の再処理の件でありました。「私たちは使用済核燃料の処理や処分の方法に目途が立っていないことに、目を背けてきた」、「青森県の協力があった」、「今度こそ先送りせずに解決の道を見出していく」という。この「私たち」というのは一体誰なんですか。 233 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  この「私たちは」というのは、この戦略を決定いたしましたエネルギー・環境会議、すなわち今の政府だというふうに考えております。正直に申し上げまして、この使用済み燃料の処理や処分の方法にまだめどが立てられていないこと、これをずっと担ってまいりました資源エネルギー庁、それからNUMOにおいては非常にじくじたる思いでございます。トイレのないマンションだというふうにやゆをされ、めどが立たないので、先ほど御質問があったように、よもや青森県を最終処分地にするんじゃないだろうかと、そういう御疑念をおかけしているということは非常に不本意でございます。私どもとしては、決して目を背けてきたわけではなく、しっかりと取り組んできたつもりでございますけれども、いかんせん力不足で、まだ結果が出せていないのも事実であります。  そういう中で、政府全体として、「目を背けてきた」というふうに書かれたということについては、正直言ってちょっと複雑な気持ちはございますが、担当部署としては、これは、これまでの取り組みがまだまだ不十分だったということを政府全体として認識し、それを厳しく指摘されたというふうに受けとめておりまして、この問題に一日でも早く、しっかりめどが立てられるように、これまで以上にも増してより科学的、しかも論理的にさらに一生懸命取り組んでまいらなければいけないというふうに考えているところでございます。 234 ◯古村委員  口ではいろいろ言うけれども、結局電気をつくるのが先で、核廃棄物、こういうものについては後回しになってきたと。今までの人たちが何回この最終処分場についてお聞きしても、納得できるという──納得はしていない、そういうのが実態でありますし、先行きも全く真っ暗と。問2ということで、最終処分場は一体めどはついているのかと。処分地の選定はとかという、聞かなくてもいいような問いを出していますけれども、じゃ、お聞きしますけれども、この、何と言うんだ、最終処分場のめどについて、全く立っていないというのはわかりますけれども、言葉で言えばお先真っ暗なのか、八方ふさがりなのか、手詰まり状態なのか、暗中模索、自信喪失、そして奇策があるのか、このうちのどれなのか。あんたたちにいい言葉あったら一言で表現していただきたい。 235 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  なかなか言葉遣い、うまく申し上げられませんので、無骨な御答弁になろうかと思いますが、ちょっとお許しいただきまして、これまでの取り組みでございますけれども、平成20年代の中ごろをめどに精密調査地区を選定し、平成40年前後をめどに最終処分施設の建設地を選定して、平成40年代後半をめどに最終処分を開始するというのが現在の最終処分計画でございます。この実現に向けて、国、それから原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMOでありますが、これが電力事業者等と互いに協力をいたしながらシンポジウムを行って、全国的に理解促進活動を推進しましたり、また、この事業に関心をお持ちのさまざまな地域のいろんな方からお問い合わせがございます。このお問い合わせに対してきめ細かく御地元のほうで御説明をしたり勉強会をしたりというような活動をこれまで展開してまいりました。ただ、それが具体的な文献調査という実施に至っていないのが残念ながら現状でございます。  我々としましては、この最終処分事業の必要性、安全性についてまだ十分に国民的理解を得られていないということだろうというふうに考えておりまして、この現状を真摯に受けとめて対応していかなければいけないと思っております。  他方で、現在世界で最終処分場、場所が見つかっておりますのはフィンランド、スウェーデンなんです。例えばフィンランドは1983年に文献調査を開始いたしまして、処分施設予定地が決まりましたのは2001年、18年かかっております。日本は2000年に法律ができまして、今12年、その間、この震災で中断しております。そういう意味で、これは世界的に見てもやっぱり15年、20年、25年かかるような非常に大きな、困難な仕事であるということを、これを決して逃げ道にはせず、ただ、そういうものだという問題の大きさを正面から受けとめて、逃げずにこれからも立ち向かっていきたいと思います。 236 ◯古村委員  おら「一言で」と聞いたのに。  日本学術会議で、原子力委員会に対して回答を出しました。暫定保管という考え方でありますけれども、原子力委員会の組織自体がどうなるのかというのも何か不透明になっていますけれども、この学術会議の回答、暫定保管というのを資源エネルギー庁ではこれからどのように扱うのかお伺いします。簡潔に。 237 ◯糟谷資源エネルギー庁電力・ガス事業部長  この学術会議の回答につきましては、まずは原子力委員会で議論されるものだというふうに考えております。この暫定保管という御提案につきましては、最終的に保管をした後、処理、処分の方法を定めないでその暫定保管をお願いするということでありまして、そういうふうにしたほうが今までの中間貯蔵などと比べて受け入れをしていただきやすくなるのかどうか、それから、むしろ逆に、先が、出口が決まらないことによってそれが難しくなるのか、このあたりをちょっと海外の議論なども踏まえて検討していかなければいけないと思っております。ただ、国際的にこれまでいろいろと議論されている中身でいきますと、エンドポイントといいますか、最終的にどうするかということを決めないでやるというのはなかなか例がないことだと承知しております。 238 ◯古村委員  長官にお聞きしますけれども、最終処分地の選定については、うちのほうの知事も、毎回大臣がかわるごとに行っているわけですよ、東京に。それはなぜかといえば、国に対する不信感があるからでしょう。ですから、この際、原発も再処理もみんなとめて、思い切ってこの最終処分地の選定にだけ精いっぱい取り組むと。そうすれば明るさが見えてくるんでないの。 239 ◯高原資源エネルギー庁長官  エネルギー行政はいろいろな形で国民の皆様方の生活、産業等に深くかかわっておりますので、そういったことを考えますと、今御指摘のように、1点だけに集中してやったらどうだという御提案は、私としてはちょっと受け入れがたいというふうに思っております。 240 ◯古村委員  本当はここで知事はどうなのと聞きたいところですけれども、それは後ほどにしまして、次に再処理工場についてでありますけれども、三、四年前、県会議員になって間もなくでありますけれども、こういう会合があって、新型溶融炉、国の補助を得て、2年間ですか、試作に入りたいと、こういうお話がありましたけれども、この導入見通し、実際にこの再処理工場の製造過程に据えつける導入見通しについてお尋ねをいたします。 241 ◯中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長  現行のガラス溶融炉は、御存じのとおり5年を目途に交換するということとしておりまして、交換に当たっては、現在開発中の新しい溶融炉に取りかえる計画でございます。  これまでの開発では、炉の底部を模擬した部分のモックアップ試験におきまして、多量の白金族が炉底部に堆積した状況でも非常に良好な流下性が得られるということを実証したところでございます。これを踏まえまして、現在新型溶融炉の試験炉の製作を行っているところでございます。  この試験炉を用いまして、現在建設中のガラス固化技術開発施設、これは六ケ所につくってございますが、ここで試験を行いまして、この結果を踏まえてガラス固化施設に新たに設置する新型ガラス溶融炉の製作を行うということとしてございます。この炉につきましては、現行のガラス溶融炉の運転期間が終了するまでに準備できるよう今鋭意取り組んでいるところでございます。 242 ◯古村委員  六ケ所の村議会にも報告をしたというのが、2日の新聞、デーリー東北に載っていましたけれども、この寿命は5年ということなんですが、2系統ある炉の稼働年数は中断期間を除いてA系が約2年、B系が約1年。じゃ、今実験をしている溶融炉の寿命というのはあと何年あるの。 243 ◯中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長  ただいまお話がございましたように、B系については約1年程度、A系については2年弱ということでこれまで運転をしてございます。この後、来年10月から本格操業に入りまして、段階的に再処理量を上げていくという計画としてございまして、この5年という目安に──この5年は実際に炉を加熱している期間で5年でございますが──達するのは大体2017年ぐらいかなというふうに見込んでいるところでございます。 244 ◯古村委員  実動5年、耐用年数が。しかし、実際は、いろいろテストをやって温めたり中断したり冷やしたりということで、炉がちょっと不安定な状態になってきているわけでしょう。溶鉱炉なんかは一定の間ずっと、火が入っていれば、炉が長持ちするというか、温度を上げたり下げたりすれば炉は非常に弱いという気がしているんだけれども、この溶融炉はそういう欠点はないんですか。れんがが落ちてきたり。 245 ◯中村日本原燃株式会社理事・再処理事業部再処理計画部長  炉の寿命につきましては大きく2つの点で決まってきていると評価してございます。1点は、電極に金属を使っていますが、この金属が高温のガラスに接してだんだん溶け出していくというところ、もう一つは、れんがもやはり高温のガラスに少しずつ溶け出していくということで、この2つが炉の寿命を決めることになってございます。設計上5年間──これまでいろいろ試験をしましてデータをとって、5年は十分にもつというような設計にしているということでございます。一方で、熱を上げたり下げたりということでれんがに影響があるということは十分認識してございまして、先ほども御説明しましたように、なるべくゆっくり炉を加熱するとか冷やすとか、そういったことで、れんがのひび割れとか小さな欠け、そういったものを回避しようという対策を講じているところであります。 246 ◯古村委員  いろいろ今技術開発に努めているということなんですが、広島大学で報告したんですか、原子力学会で。新型ガラス溶融炉の開発に向けて有益な成果が得られていると。オールジャパンでの成果、最終的な性能確認を実施するとなっていますけれども、有益な成果が得られているというんだったら、今現在のああいうA系、B系の不安定な炉というのはやめて、この新型炉がきちんと確認する2017年になってから再処理のホット試験と言うんですか。ホット試験をやってもいいんではないのかと。今まで19年も中断したんだから、あと5年ぐらいは何ということはないんではないかと思います。その間に今の再処理工場のいろんなパイプとか何とかそういうものの、何というのだろう、おしめを当てるような補修の仕方でなく、全部新品に取りかえていくと、そういうのに着工したほうがいいんではないかとおらは思うんだけれども、この2017年にやっぱりきちんとできるのかと。 247 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  まず、進め方としましては、これまでもるる御説明いたしましたように、事前確認試験の結果、竣工、ガラス固化試験に対する見通しが今回しっかり得られたと。したがって、まずはそれで、今のA系、B系の炉で竣工に持っていきたいということでございます。ただ、お話しさせていただきましたように、炉には寿命があって、実運転期間で約5年程度ということでございますから、次の取りかえの炉に対しては今研究開発を進めております改良炉で持っていきたいと。  今回のガラス固化試験、さんざん苦労しました。その最大の反省事項は、恐らく初期、国産の技術を導入するときに今回と同じように徹底的にKMOCならKMOCを使って検証すべきであったと思いますが、そういう大きい反省事項があります。したがって、今回改良炉を導入するに当たっては、それと同じように、来年の9月に研究開発棟に改良炉と同じモックアップ施設を入れまして、そこで徹底的に今回やったような同じような検証をした上で、それを改良炉に反映してつくっていく、製作していきたいということで、そういう意味では次の取りかえ時期については十分間に合うというふうに考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。 248 ◯古村委員  今たまたま2017年という年度が出てきて実は思い出したんですが、2017年、この六ケ所再処理工場の稼働開始が2012年から2017年におくれた場合の影響というのが、既に5月段階で国のほうの核燃料サイクル技術等検討小委員会で出ているんですね。5月に。この2017年というのは何かといえば、来年、2013年10月に1年間延期、再処理工場が延期して、段階的に運転をして、2017年度からは800トン再処理します。ですから、この間出ていたっけ。来年の10月に延期しますと。国のほうは既に10月にもう予定して、この再処理工場の本格稼働というものの1年延長を見込んで5月の段階で議論している。こういう点がどうも原燃の川井社長というのは不誠実なんではないかとおらは思うんだけれども、この辺の真実はどうなんですか。 249 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  今、古村委員の御説明の資料というのは私は存じ上げませんが、要は2017年、これは2017年度というか2017年ごろという意味でございまして、これは、炉の運転時間が大体5年程度だということで、2017年程度には取りかえる時期が来るだろうと。それを目指しましょうということで2017年というお話をさせていただいたということでございます。それは、9月に工程変更させていただいたそのスケジュールにのっとった形で一応考慮しているということでございますので、いいかげんではないと私は思いますので、そこら辺はぜひ御理解を賜りたいと思います。 250 ◯古村委員  何とか簡単に質問します。  時間がなくなっちゃいましたけれども、プルトニウムの件なんですが、大間の申請書では1.5トン使うというふうに。プルトニウムを。しかし、最近の国のこのいろんな資料を見れば1.1トン、ここに400キログラムのずれがある。この辺は一体どういうことでこういう──当初の申請では1.5トン、プルトニウムを使用するよと。今は1.1トンということになっていますし、それから、聞くところによりますと、原燃では4トンを持っているとか4.8トンあるとか、こういう800キログラムのプルトニウムの所在というのが何か幅があるということについてお聞きして終わります。 251 ◯神山委員長  川井社長。簡明に願います。
    252 ◯川井日本原燃株式会社代表取締役社長  古村委員のその1.5トンというのは私は承知しておりません。大間については私は1.1トンという数字は承知しておりますけれども、1.5トンというのは私は承知しておりません。  それから、恐らくその差は、核分裂性のプルトニウムかそうでないかの差によって数字が変わってくるということでございますので、そこら辺の違いがあるんじゃないかと思います。ぜひ御理解賜りたい。 253 ◯神山委員長  これをもって質疑を終わります。  参考人の皆様に対し、委員会を代表し、一言お礼を申し上げます。  本日はお忙しい中、当委員会に御出席いただき、感謝を申し上げます。  エネルギー政策は国家戦略のかなめであり、国のエネルギー安全保障はしっかりと担保される必要があります。このことからも、議論を単純化し、二者択一で検討することは避けなければならないものと考えております。  福島原発事故により今なお多くの周辺住民の方々が避難生活を余儀なくされております。また、この事故は我々に対し数多くの課題を提起いたしました。  「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。みずからの経験から学べると安易に考えることは愚かであり、まずは他人の経験から学ばなければなりません。原子力に対する信頼回復のため、人類の英知を結集し、放射性廃棄物の処分など、諸課題に向き合うとともに、世界最高水準の安全性、技術を示すことがこれまで原子力を進めてきた我が国の責務であると考えております。  国、事業者の皆様におかれましては、次の世代に問題を先送りすることなく、引き続き不断の努力を積み重ねていただくよう強く求めるものであります。  これをもって、原子力・エネルギー対策特別委員会を終わります。 ○閉 会  午後 4時18分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...